1 :
無名草子さん:
【 公式レース規則 】
書き込みは名前の欄にハンドルと総読破ページ数を記入して下さい。
例) 名前:マラソン次朗(5963)[sage] 投稿日:92/13/32 24:28
本文に読んだ本と読んだページ総数を書きましょう。
★漫画はカウントしないでください。
★一冊読み終えた後の書き込みが基本ですが、
読破に時間がかかる本であれば、途中で書き込んで構いません。
★読んだページ数は、大体で構いません。
とりあえずゴールは10000nということでスタート。
10000nのゴールテープを切ったら、総読破ページ数欄に☆を一つ加えて、
ぜひ、もう一度、1nからゴールの10000nをめざして参加して下さい。
☆の使用例) 名前:パンダパン(☆864)[sage] 投稿日:02/10/20 00:27
<推奨>
200前後に下がったら、レース参戦を歓迎する意味を込めて、
マラソンの書き込み時に(『空あげ』はしないで)アゲ書き込みでお願いします。
>>2 読んだ本の『寸評用・評価基準 ABCDEF 』の例。
>>3 過去スレなど。
前スレ
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/books/1202991389/
2 :
無名草子さん:2009/07/21(火) 11:54:25
ページ数を加算するだけでは味気ないので、
ちょっとした感想と、その本に対しての評価を書き添えてみて下さい。
☆読んだ本の『寸評用・評価基準 ABCDEF 』の例。
第一回戦『★こうなったら読書マラソンしません? スレッド』より。
A > A「明けの明星の如き作品」(特別な感情を覚える様な傑作)
B > B「抜群。当該分類類書では必読」
C > C「幸せな気分。まあ、読んで良かった」
D > D「どうして、面白そうだと考えて読んだのか?」
E > E「えらいモノをつかまされた。時間を返せ!」
F > F「古本屋でも持て余す産業廃棄物」
↑という様な感じで、実質的な五段階評価と思ってください。
AとかEに該当する作品はそれほど多くないと思うので、特別な作品用にキープ。
実質的にCが中央で、そこからBとDに振り分ける。
Fは、心底頭に来たとか、許し難い構成の小説など、何年に一度のすごい奴、
傾いた家具の下に入れて、高さ合わせに使用するのが相当であるモノ用。
他人に対する読書の目安としての寸評ですので、
多少厳しめぐらいが良いのではないでしょうか。
・・・という事で、楽しんで読書をしましょう。
☆の使用例は、最初の10000p完走者の『パンダパン さん』に敬意を表して、
使用いたしました。
3 :
無名草子さん:2009/07/21(火) 11:55:50
4 :
ラグ(3005):2009/07/21(火) 11:57:16
スレ立て、初めてなので、
ミスってたら申し訳ないです。
『キッチン』 吉本ばなな 角川文庫 p200 【C】
正直、何が面白かったのか良くわかりませんが、
心があたたかくなるような作品でした。
『センセイの鞄』 川上弘美 文春文庫 p270 【D】
何度か読むのが苦痛になったので点数は低いです。
感動する小説らしいですが、自分は全く感動せず。
『きらきらひかる』 江國香織 新潮文庫 【E】
読了せず。ホモ男と情緒不安定女の結婚後の話。
彼女の作品は以前も読みましたが、その時も途中で挫折しました。
どうも合わないようです。
100pほどで挫折したためページに入れないでおきます。
5 :
テタ(10☆7249):2009/07/24(金) 22:09:22
新スレ立てありがとうございます。
『スケープゴート』後藤明生 日本文芸社 201p
短編集。【B】
『非線形な世界』大野克嗣 東京大学出版会 285p
世界の認識のしかたについて。妖しい魅力に満ちている。【B】
新スレ立て感謝です。
ラグさん、これからよろしくです。
『この世界大戦がすごい!!』 徳岡正肇 ソフトバンククリエィティブ 191p
PCゲームハーツオブアイアンUのプレイリポート。
各国の戦略の指針が示してあり参考になる。
このゲームがあまり上手くなく、伍長の国で英本土上陸出来なかったり、日本で中国統一後どう進めればいいのかわからない自分のようなゲーマーには非常に参考になった。
あとアメリカは反則【C】
『九十九怪談 第二夜』 木原浩勝 角川書店 252p
実話怪談集。
狸や狐に騙されたり、原因不明の現象が起ったり、他の実話怪談集と比べると牧歌的ともいうような雰囲気がする。
怖いかと聞かれると首を傾げるような。実話怪談読み慣れすぎたのかなあ。【C】
『超・格差社会アメリカの真実』 小林由美 文春文庫 349p
現代アメリカが実は階級制度であった。
中国やアメリカを見ていると日本で格差社会格差社会と叫んでいる輩は何なのかと思う。
中国は問題外として、アメリカの場合IT革命で成金は増えたけどその後が続いていないからなぁ。今回の金融危機でどう変るんだろう。【C】
『わが懐旧的探偵小説作家論』 山村正夫 幻影城 299p
著者と付き合いのあった探偵作家を論じたもの。
論じている部分より付き合いの回想のほうが面白い。
この手の物を読むと、推理小説ではなく探偵小説が読みたくなる。【C】
『隣人悪夢 怖い人2』 平山夢明 ハルキ・ホラー文庫 202p
実話怪談集。心霊系ではなくサイコさん物。
心霊系とは違い無い。と言い切れない事がこういった系統の強みだと思う。
まさに人間とは奇怪至極。【C】
『ドイツ第三帝国』 H・グラーザー 中公文庫 285p
ナチス・ドイツを世界観、宣伝機構や文学といった多方面から解説した一冊。
冒頭の歴史は端折りすぎて役に立たなかったものの、他の分析は興味深く読めた。
芸術と文学方面を解説したのはあまりお目に掛からないので、特に興味深い。【B】
8 :
ラグ(4171):2009/07/25(土) 13:29:28
テタさん、HANAさん、よろしくお願いします。
『蝉しぐれ』 藤沢周平 文春文庫 464p 【C】
少年藩士が成長していく物語。
友情や淡い恋について書かれていますが、
どちらも中途半端に感じました。
『七瀬ふたたび』 筒井康隆 新潮文庫 236p 【B】
七瀬三部作の二作目。
人のこころを読めるテレパスである主人公の話。
前作『家族八景』では短編で主人公以外の超能力者は登場しなかったのですが、
『七瀬ふたたび』では、長編で様々な能力を持った超能力者が次々と登場し、
謎の組織に命を狙われることになります。
この終わり方で三作目はどのように始まるのか、非常に気になります。
個人的には一作目よりこちらのほうが好きです。
『流星ワゴン』 重松清 講談社文庫 466p【C】
死んでもいいやと思っていた主人公が、
事故死した父子の乗るワゴン車に乗って、
過去の人生の分岐点に遡る話。
こういう設定も嫌いではないですが、
どうせなら現在も二転三転するような話のほうが好きです。
『獄中記』 佐藤優 p599 【C】
なかなか面白いところもあるが、哲学、神学の話はついていけない。
獄中が居心地いいというのも。変わり者かな。
『怪笑小説』 東野圭吾 p237 【C】
東野らしい味のある短編集。
『江戸のお白州』 山本博文 p219 【C】
江戸時代の犯罪と量刑。今より簡単に死罪になる。命の価値が軽かった。
『刑事公判の実際』 井上薫 p274 【C】
刑事公判の流れがよくわかる。
『八甲田山死の彷徨』 新田次郎 p331 【C】
明治時代の雪中行軍の様子。寝ると死ぬぞなどの名セリフが残される。
また映画を見たくなった。ちゃんと地図が用意されているのがよい。
『ゲーム理論』 松井彰彦 p251 【C】
ある選択肢のどちらを選ぶと得をするかをあらかじめ考えるという考え方。
世の中は書いてあるように単純化できないことが多いんじゃないかと思った。
『13階段』 高野和明 p350 【B】
強盗殺人の犯人を冤罪とし、再審請求するため当時の事件を再調査する
看守と元服役囚。回想シーンってあまり好きじゃないけど、この本の死刑執行の
回想シーンは具体的でかなりよかった。話の流れもスムーズ、受け入れやすい。
11 :
ラグ(5162):2009/07/26(日) 12:21:01
『ZOO1』『ZOO2』 乙一 集英社文庫 242p+224p 【C】
短編集。
筒井康隆の短編集に似た感じで、設定が突飛なものが多い。
グロいシーンが多いので、苦手な人は注意。
いちご同盟 三田誠広 集英社文庫 247p 【A】
よくある恋愛と友情の物語ですが、
生と死についてうまく表現していると思いました。
タイトルもまさにこれと言う感じですね。
エディプスの恋人 筒井康隆 新潮文庫 278p 【C】
七瀬三部作の三作目。二作目で終わっておけばよかったのに・・・
超能力者なんて比じゃない、あまりにも強大な存在が出現します。
いくらなんでも、これはやりすぎです。
主人公の心を読む能力もうまく使いこなせてない感じがしました。
それでも、最後の方は楽しめました。
『死神の精度』 伊坂幸太郎 文春文庫 337p 【B】
主人公は死神。短編集です。
死神なのに「人間っぽさ」があふれていて、
好感が持てました。
『スキップ』 北村薫 新潮文庫 553p 【C】
主人公は17歳の女子高生。
ところがある日目を覚ますと、
夫と17歳の娘がいる42歳の国語教師に。
ある意味、死ぬよりも残酷な話です。
『童話物語 上』『童話物語 下』 向山貴彦 幻冬舎文庫 337p+528p 【A】
貧乏な少女ペチカと妖精フィツのお話。
人間不信に陥ってるペチカが親切な人々とのふれあいを通して、
成長していきます。
まさしく童話のようなお話。
『ブラッドミュージック』 グレッグ・ベア 早川書房 P419 【C】
極小サイズの思考する細胞を開発し人体に注入したせいで…という破滅系SFの有名作品。
アイデンティティやらそういうテーマの本として面白いよ、と言われて読んだものの、
そういう部分が少なく感銘を受けるほどでもなかったので不完全燃焼な気分になりました。
『トレーディングエッジ入門』 ボー・ヨーダー パンローリング P225 【D】
人それぞれの取引手法には、それが有効に働くサイクルと有効に働かないサイクルがあるので、
それを考えて取引しましょうと著者は言うものの、そのサイクルとやらをどのように認識し、
また取引に活かすのか具体的に書いていないので全く役に立たない本でした。それに中身に比べて高額。
『魔術師に学ぶFXトレード』 中原駿 パンローリング P321 【C】
いくつかの有名な取引手法をシステムにより検証し現時点での有効性を確かめる、という本なのですが、
現時点に近づくほどに数々の有名な手法の成績が悪くなっていくというのは興味深い結果で、
今後の取引に活かせそうなので中々に得るものがあった本でした。しかし中身に比べて高額。
『ドイツ病に学べ』 熊谷徹 新潮選書 P230 【C】
ドイツの経済的で構造的な問題に言及した本。
社会保障が充実しているおかげで幸福な生活をだれもが送れるというような夢の国なんかではない、
むしろ充実しているせいで国民が社会保障を手放そうとせずそれが破滅への原因となりつつある、
ということなど、社会保障が充実しているヨーロッパならではの問題がよくわかって面白かったです。
『自分を知るための哲学入門』 竹田青嗣 筑摩書房 P252 【C】
ただ哲学史として終わらせるのではなく、自分がなぜ哲学を学び、
そしてこれから哲学を学ぶ人に哲学を学ぶことはどういうことか、
著者なりに書いているあたりが他の哲学本と違ってて楽しかったです。
14 :
電波時計(☆8611):2009/07/28(火) 19:38:25
新スレ立てありがとうございます。
ラグさん、はじめまして。よろしくお願いします。
川上弘美/『センセイの鞄』/平凡社/277ページ/【C】
60代後半の先生と30歳年下の私(大町ツキ子)との恋愛小説。一杯飲み屋で偶然出会ってから、二人の付き合いが
始まる。単純な言葉でつづられ、読みやすい。登場人物二人の距離感が絶妙で、好感が持てる。前半は、ほのぼのと
しているが、後半に行くほど切なくなっている。最後のシーンは感動的。読後感はとてもさわやか。
森見登美彦/『四畳半神話大系』/太田出版/290ページ/【C】
『太陽の塔』に続く、京大生の妄想が繰り広げる物語。全4話からなる。個人的には最終話の「八十日間四畳半
一周」がおもしろかった。人生には様々なターニングポイントがあり、それを誤らずに選択し、行動することは
なかなか難しいものであり、同時にとても大切なことだと感じた。
佐藤優/『甦る怪物(リヴィアタン)』/文芸春秋/356ページ/【B】
『私のマルクス』に続く、著者の思想的自叙伝の後編。今回は、モスクワ大学哲学部で教鞭をとる話と、民族問題
という切り口から、ソ連の崩壊を考察している。そのため、旧ソ連の複雑な民族問題について、詳しく解説されていて、
勉強になった。『自壊する帝国』その2ともいえる。それにしても著者の記憶力とロシア知識人への食い込みは、
すごいものがある。また、経済苦の中で懸命に勉強するモスクワ大学の学生には、頭が下がる。
15 :
テタ(10☆7836):2009/07/29(水) 21:04:28
『分ける・詰め込む・塗り分ける』イアン・スチュアート 早川書房 330p
数学エッセイ集。【C】
『安土往還記』辻邦生 新潮文庫 257p
ジェノヴァ出身の航海士から見た信長像。【B】
>>14 電波時計さん、よろしくお願いします。
『イン・ザ・プール』 奥田英朗 文春文庫 279p 【B】
変な病気に対応する精神科医の話。
登場人物は医者も含めて、変人ばかりです。
実際にこんな医者がいたら即訴えられて、
医師免許剥奪されると思いますw
『クライマーズ・ハイ』 横山秀夫 文春文庫 463p 【C】
1985年の御巣鷹山の航空機事故の時に、
地元紙の全権デスクを任された男の話。
タイトルだけ見ると、山を登る話のような気がしますが、
山登りの話はほんの一部です。
「報道」というものについて、考えさせられました。
『天国までの百マイル』 浅田次郎 朝日文庫 286p 【B】
貧乏で一文無しの主人公が、
心臓病の母親を百マイル離れた病院へ送り届ける話。
元妻や二年間をともに過ごした女の話も感動的でした。
17 :
マイクロチップ(5☆8770):2009/07/31(金) 10:12:42
スレ立て乙です。
ラグさん、はじめまして。よろしくお願いします。
『小説「聖書」旧約篇』 ウォルター・ワンゲリン(仲村明子訳) 徳間書店 454p 【B】
単なる小説として読んでも充分面白い。海外小説やキリスト教圏のニュースについて知るために読むにも取っ付き易くて良いです。
やたら人間味のある神かわいいよ神。
『小説「聖書」新約篇』 ウォルター・ワンゲリン(仲村明子訳) 徳間書店 278p 【C】
イエスの母マリアの結婚からイエスが十字架に磔にされ死に、弟子たちが跡を継いで布教を始めるまで。
イエスに超惚れた。ときどき意味分かんないし、ツンデレ入ってるイエス素敵すぎる。
『小説「聖書」使徒行伝』 ウォルター・ワンゲリン(仲村明子訳) 徳間書店 485p 【D】
旧約新約に比べてすごくわかりにくい。ユダヤ教とキリスト教に分裂する内ゲバの群像劇で、
味方が敵になったり和解したり相関図書かないとついていけないよ……
『これでいいのだー赤塚不二夫自叙伝』 赤塚不二夫 文春文庫 223p 【B】
赤塚不二夫が生まれてから両親の死去までの自伝。
戦中・終戦や戦後の貧乏生活についてもユーモア交じりで書かれていて、
どんな出来事も苦労を感じさせない、ギャグの一コマになっている。
両親の死については、笑いながら話しているのに泣かされた感じ。
『灰色猫のフィルム』 天野裕文 集英社 125p 【C】
個人的には好きだけど、好み分かれそうだなあ。なんていうかゆとり世代版伊坂幸太郎という感じ。
『徘徊老人の夏』 種村季弘 ちくま文庫 238p 【C】
種村さんが会った変人や珍しい出来事、過去の思い出話などを書いたエッセイ集。
『ツチヤ学部長の弁明』 土屋賢二 講談社文庫 287p 【C】
忘れた頃に読みたくなる。ツチヤ先生のエッセイ集(文庫)は電車で読むのに最も適している本であります。
『陰獣 江戸川乱歩ベストセレクション4』 江戸川乱歩 角川ホラー文庫 204p 【C】
ストーカー殺人事件を被害者側から書いた探偵小説『陰獣』と加害者側から書いたホラーっぽい小説『蟲』を収録。
柾木愛造@蟲って2ちゃんにいる元いじめられっことかビッチスイーツ女死ねみたいなタイプの
見本みたいな人物だと思った。面白かった。
『足穂拾遺物語』 稲垣足穂 青土社 264+176p
全集未収録作品集。
年代別に並んでいるので、足穂の思考の軌跡を容易に辿ることが出来る。
しかし解説の量が半端じゃない。半ページの作品に対してに2〜3ページ使うとか。【C】
『新編 灯火頬杖』 浅見淵 ウェッジ文庫 282p
文人についての随筆集。
こう見ていくと、今は忘れ去られた文人の多いことに驚かされる。
今に名が残っているのは百間とか梶井基次郎、川端康成とか極限られている。
イナガキタルホについての考察は笑えた。【C】
『昭和の探偵小説』 伊藤秀雄 三一書房 354p
昭和期に書かれた探偵小説及び小説家についての評論。
あらすじを紹介するのはいいのだが、犯人とトリックまでばらすのは止めて欲しい。
読んだことのあるのはいいが、マイナーな作品や未読の作品などはこれから読む意欲が失せる。
探偵小説の評論ならもう少し考えるべき。【D】
『コメカミ草紙 串刺し』 平山夢明 メディアファクトリー 320p
コメカミの漢字がどうしても出てこない。
怪談実話集。霊でもサイコさんでもない、奇妙な話を集めているのだが、その二つに慣れきった目からは妙に新しく見える。
「ガスパン」「傷口」などとても嫌な話が混じっているのが心地よい。【C】
『時間衝突』バリントン・J・ベイリー 大森望訳 創元SF文庫 326p【B】
逆同士に流れる時間が衝突する、という奇想に満ちた前半は素晴しい。
後半はわりと安直なスペースオペラになってちょっと残念ですが、傑作。
『密室に向かって撃て!』東川篤哉 光文社文庫 354p【C】ユーモア本格ミステリ。ミステリとしてはちょっと地味な話ですが、
トリックや謎解きの過程はなかなか練られていると思います。
『おばあさんの飛行機 佐藤さとるファンタジー童話集III』佐藤さとる さしえ/村上勉 講談社文庫 183p【C】
面白いですね…。子供の頃にもっと読んでいれば良かったとちょっと後悔。
『殺人小説家』デイヴィッド・ハンドラー 北沢あかね訳 講談社文庫 482p【B】
連続殺人犯からの小説とモノローグで交互に進む構成が上手い。
ミステリとしての難易度はさほど高くありませんが、
ウィットに富んだ文章と会話は相変わらず素晴らしい。
『壁抜け男』マルセル・エイメ 中村真一郎訳 早川書房 268p【C】
奇妙な味の短編集。SF的な設定も多く、「カード」「サビーヌたち」など良し。
『ウロボロスの純正音律』竹本健治 講談社 540p【C】
荘厳な洋館、大量の暗号、錯綜する推理、という黒死館をモチーフにした竹本版黒死館。
ですが、うーん何だこれ……。平然とネタバレとかやめて下さい。うーん……。
『バーンスタインのデイトレード入門』 ジェイクバーンスタイン p319 【C】
チャートの見方とか守るルールとか書いてある。まあ参考になる。
『都市伝説の正体』 宇佐和通 p252 【C】
海外在住のせいか海外ネタが多く、知らない話が多い。ウィキの都市伝説の
方がよっぽど共感もてる。
『白の処刑』 太田蘭造 p467 【C】
山間の飯場近くの別荘で起こる強姦殺人事件、冤罪としてその犯人に
仕立てられる男は裁判でついに死刑になる・・・ストーリー、技法平凡で
感じるものはないがなぜか引き込まれ一気に読める。死刑に関する造詣の深さは
13階段より劣る。
『日本死刑白書』 前坂俊之 p256 【C】
前半は死刑の執行に関する解説と死刑に値する罪の話、後半は死刑廃止論。
『取調室の心理学』 浜田寿美男 p210 【C】
やってないのに自白してしまう心理を解説する。野田事件など。秘密の暴露が
なくて後で否認に転じると冤罪と決め付けるのはどうかと思った。
『暴走する検察』 別冊宝島 p239 【D】
いわゆる低俗マスゴミのゴシップ本。噂レベルを証拠もなしに断定口調で
書くところに吐き気がする、が、読めるところも部分的にあったのでこの評価。
『先物地獄のワナを解き明かす』 宮崎耕一 p330 【C】
先物電話営業で取り引きして損するパターンを説明。しかし、自己責任
なんじゃないかと思う。フロントランニングという言葉があったけど、
しくみの掘り下げが浅い。
>>17 マイクロチップさん、よろしくお願いします。
『七回死んだ男』 西澤保彦 講談社文庫 341p 【C】
同じ日を何度繰り返しても、殺人を防げない。
毎回犯人は違うが、殺され方が同じという特異な事件。
ヒントが多いので、トリック自体はそれほど難しくないです。
『旅のラゴス』 筒井康隆 新潮文庫 226p 【B】
超能力が普通に存在する世界の旅人ラゴスの話。
ただのSFかと思いきや、恋愛要素も多い。
ラノベ感覚で読めました。
『スイッチ』 さとうさくら 宝島社文庫 330p 【B】
他人と上手く付き合えない女が、
無理に人と付き合ったりするうちに、恋に落ちる。
仲良くなって初めて「変だ」ってわかるような人が多く出てきます。
『西の魔女が死んだ』 梨木香歩 新潮文庫 226p 【D】
良くも悪くも、児童書みたいな本。
『13階段』 高野和明 講談社文庫 376p 【A】
刑務官と傷害致死の前科を負った少年が
死刑囚の冤罪を晴らすべく、奔走する話。
終盤の展開には圧倒されるものがある。
「死刑制度」の善悪について、改めて考えさせられた。
『GOTH 夜の章』『GOTH 僕の章』 乙一 角川文庫 184p+242p 【B】
人の残虐な面にしか興味をもてない高校生が、
様々な殺人事件の犯人を暴く。
「犬」には物の見事に騙されました。
25 :
休符(☆6592):2009/08/04(火) 17:49:59
長らくご無沙汰してます。またよろしくお願いします。
『羅生門・鼻・芋粥・偸盗』 芥川龍之介 岩波文庫 182p【C】
朝廷時代のものにはあまり触れたことがないので興味深く読みました。
『美徳のよろめき』 三島由紀夫 新潮文庫 357p【A】
言葉運びが美しく、一気にファンになりました。文章でここまで官能的だとは。
『暗黒童話』 乙一 集英社 190p【C】
いつもどおりの乙一節。
『夏と花火と私の死体』 乙一 集英社文庫 223p【C】
10代でのデビュー作でこれって、乙一恐ろしい子。
『"文学少女"と恋する挿話集』 野村美月 ファミ通文庫 347p【C】
それぞれの登場人物に焦点をあてた挿話集です。
『“文学少女”見習いの、初戀。』 野村美月 ファミ通文庫 318p【C】
近松門左衛門の曽根崎心中をテーマにした、シリーズ外伝です。
イサベラ・バード /『日本奥地紀行』/平凡社ライブラリー/529ページ/【C】
1878(明治11)年6月から9月にかけて、東京から北海道までの旅行記。西洋の影響を受けていない日本を垣間見る
ことができる。浅草寺と日光東照宮についての記述は詳しい。美しい自然と貧しい農村・アイヌ人の生活についてとて
も詳しくかかれている。特にアイヌ人についての記録はとても貴重だと思う。プライバシーのない宿と日本人の野次馬
根性に著者が閉口しているのが感じられる。明治初頭の農村の生活がこれほどひどいとは思わなかった。
川上弘美 /『古道具中野商店』/新潮社/277ページ/【C】
小さな古道具店に集まる怪しい人々の恋や友情の話。私(ヒトミ)の目を通して話は進む。話の雰囲気としては、
完全に昭和の時代のように感じ、とても懐かしかった。ヒトミとタケオの恋の行方はどうなるのか、気になった。
著者がおばさんのせいか、ヒトミの発言がとても20代の女性とは思えないおばさんくさい発言の箇所があった。
勝間和代 /『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』/ディスカヴァー/335ページ/【C】
本のタイトルにある通り、7つのフレームワーク力について、著者の経験をふんだんに織り込み、わかりやすく書
かれている。個人的には、1章の「ビジネス思考力」の定義、4章の「水平思考力」、9章の「偶然力」の章が参考に
なった。ただ同じ説明が多く、ややくどく感じた。毎日、ぼーっと生きていてはいけないと気づかされる。
『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』 桜庭 一樹 角川文庫 201p【C】
転校生「海野藻屑」に関するラノベのような話。
『そうだったのか!日本現代史』 池上彰 集英社文庫 426p【B】
現代史について分かりやすく纏めてあり、初心者には分かりやすい一冊。
著者は週間こどもニュースのお父さん。
『闇の子供たち』 梁 石日 幻冬舎文庫 478p【C】
幼児人身売買についての小説。何故ノンフィクションという形を取らなかったのかが気になる。
『時をかける少女』 筒井康隆 角川文庫 238p【C】
表題作は良い意味で筒井らしくない爽やかさがある。映像作品よりはあっさりめ。
『クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い』 西尾維新 講談社文庫 553p【C】
『クビシメロマンチスト―人間失格・零崎人識』 西尾維新 講談社文庫 559p【C】
『クビツリハイスクール―戯言遣いの弟子』 西尾維新 講談社文庫 279p【C】
『サイコロジカル 上―兎吊木ガイ輔の戯言殺し』 西尾維新 講談社文庫 331p【C】
『サイコロジカル 下―曳かれ者の小唄』 西尾維新 講談社文庫 399p【C】
28 :
ラグ(☆618):2009/08/07(金) 17:26:05
>>25 休符さんよろしくお願いします。
砂糖菓子〜は最初ラノベで出てますよ。
『放課後の音符 』 山田詠美 新潮文庫 193p 【C】
短編集。女子高生が主人公の恋愛小説。
1編が短いのでさらっと読めるのは良い。
『さみしさの周波数』 乙一 角川スニーカー文庫 201p 【A】
今まで読んだ乙一の短編集の中では1番面白かった。
相変わらず設定が上手いです。
自殺できないというのも辛いものですね。
『閉鎖病棟』 帚木蓬生 新潮文庫 354p 【C】
精神科病棟の患者の日常に事件が起こる。
人に言えないような過去を持った人ばかり。
事件は終盤になってやっと起こります。
前回三を造と間違えてました
『看守の心情』 倉本幹子 p39 【C】
看守と囚人の関係を書く。アルファドラシリーズって何なんですかね。
『殺られてたまるか』 浅田次郎 p213 【C】
借金取立てなどのヤクザ生活短編集。
『マニラ悪党伝』 森隆 p223 【C】
自分を死んだことにする系保険金詐欺で捕まった獄中小説。マニラを根城に
するヤクザの話。フィリピンってこういう所なんだなーって思う。
『家族場面』 筒井康隆 p189 【D】
SF?短編集。筒井は合わないなぁ。何が面白いのかさっぱり分からん。
読書通?には面白い作品なのかもしれないけど。一般に降りて来た方が。
『ツキの法則』 谷岡一郎 p95 【B】
期待値が1以下のギャンブルは多数繰り返すと大数の法則で負ける。
勝ちたいなら多額小数回賭けで分散を増やせ。なるほどなぁと思う。
ただ漫然とギャンブルをするというのはよろしくない、とよくわかる、が理系向きか?
『警視庁心理捜査官』 黒崎視音 p453 【C】
猟奇殺人とそれを追う心理捜査官。造詣深い警察ネタと主人公のキャラの
明確さに感心したが、中盤から後半ダレが惜しい。
『リバース』 太田哲也 p285 【C】
レースでの事故でやけどを負ったその後の生活。レーサーらしいキザったらしい
文章ながらも前作クラッシュは 事故と治療、リハビリに焦点があてられて
読めるものとなっていたが、今回は主張がわからず前作より落ちる。提訴に
焦点をあててもよかったのでは。
『走るお婆さん』 池田香代子他 p206 【C】
都市伝説を扱ったもの。なかなか面白い。
>>29 自分も筒井氏の作品はほとんど合わないけど、
七瀬三部作は面白いと思ったよ。
彼の作品は傑作と駄作が両極端のようで、
『家族場面』ってのはどうやら後者みたい。
『きよしこ』 重松清 新潮文庫 284p 【C】
どもる少年の葛藤を描いた作品。
『きみにしか聞こえない CALLING YOU』乙一 角川スニーカー文庫 193p【B】
短編集。3編しかないので割りと長め。
思い込みが激しいので見事に騙されました。
『スカイ・クロラ』 森博嗣 中公文庫 328p 【D】
年をとらない戦闘機のパイロットの話。
主人公が同じ考えをループしているだけの作品に思えた。
登場人物も一様に無機質な感じで、退屈。
『くっすん大黒』 町田康 文春文庫 171p 【D】
訳の分からない小説。合わなかった。
『沈黙』 遠藤周作 新潮文庫 304p 【C】
拷問下でどれだけ神に祈ろうとも、救いをもたらさない。
「神の沈黙」に疑問や葛藤を感じるキリシタンの話。
宗教というものの存在意義について考えさせられた。
『さまよう刃』 東野圭吾 角川文庫 499p 【C】
未成年の少年グループにより殺された娘の父親が、復讐する話。
終盤までは息もつけない展開で楽しめたが、
最後の展開が雑な印象。結末もやっぱりという感じで意外性がなかった。
完走されたみなさま、おめでとうございます。
『経済学のことば』根井雅弘(著)(講談社現代新書)216p【C】
古典から現代までの、経済学者の言葉。
『人形作家』四谷シモン(著)(講談社現代新書)200p【C】
四谷シモンの波乱万丈な半生。
『何もかも憂鬱な夜に』中村文則(著)(集英社)140p【C】
刑務官と死刑囚の何もかもが憂鬱な物語。
『世界の果て』中村文則(著)(文藝春秋)221p【C】
暗い内容の不条理な短編集で、狂人ばかり出てくる。
『DEATH NOTEロサンゼルスBB連続殺人事件』西尾維新(著)(集英社)170p【C】
赤ずきんチャチャネタとか、ノベライズにしてはふざけすぎ。
34 :
テタ(10☆8351):2009/08/13(木) 07:26:44
休符さん、ラグさん、りゅうさん、完走おめでとうございます。
『哲学ディベート』高橋昌一郎 NHKブックス 302p
身近な倫理的問題について、討論方式で話を進めている。ページ数の関係で、突っ込み不足。
【C】
『森林と人間』石城謙吉 岩波新書 213p
苫小牧研究林を都市林へと変えた記録。【C】
休符さん、ラグさん、りゅうさん、完走おめでとうございます。
少し間が空いてしまいましたが、またよろしくお願いします。
【B】「蒲生邸事件」宮部みゆき 文春文庫 686P
浪人生の主人公と時間旅行者の男の話。
二・二六事件を背景に、蒲生邸という小さな舞台で起きる事件を通して
時間旅行者の苦悩や、激動の時代を懸命に生きる人たちの姿が描かれる。
どう足掻いても歴史は変えられないと苦悩する時間旅行者の姿がよかった。
台詞もいいものが多い。
【C】「陰陽師」夢枕獏 文春文庫 333P
暗くて静かで妖しい平安の世の空気がとてもいい。
。
安部晴明と源博雅の掛け合いも楽しい。
なんだか全体的に淡々としているけれど、それがいい。
【B】「漱石文学全集一」夏目漱石 集英社 771P
収録作は「吾輩は猫である」一作。
こんなに長い話だったとは知らなかった。
厭世的な漱石の思想がコミカルな調子で綴られていて、面白いけれど悲しくなる。特に終章。
壱さん、よろしくお願いします。
りーすさん、テタさん、壱さん、ありがとうございます。
『ターン』 北村薫 新潮文庫 412p 【C】
事故をきっかけに、同じ日を繰り返すことになってしまう。そこには誰もいない。
一人しかいないのに、二人で会話するような書き方が新鮮。
少し矛盾が生じてるんですが、その辺はあとがきに説明があります。
『夏の庭』 湯本香樹実 新潮文庫 209p 【C】
子供たちが老人の「死」を観察しようとするが、いつのまにかその老人と仲良くなる話。
雰囲気的には「西の魔女が死んだ」に似てる。
『ネガティブハッピー・チェンソーエッジ』 滝本竜彦 角川文庫 288p 【A】
チェンソーを振り回す不死の男と戦う美少女、その援護をする少年。
設定が突飛なのに、段々シリアスになります。
ちょっと読むうちに次の展開が気になって、手が止まらなくなり、気づいたら読了してました。
>>31 確かに一冊だけで決め付けてはいかんです。今度読んでみます。
りーすさん、テタさん、壱さんありがとうございます。
『刑事尋問技術』 山室惠 p243 【C】
刑事事件での証人尋問のやり方。専門家向き。322条1項書面で、とか
そういうのがたくさん出てくる。まあでも面白い。
『津山三十人殺し』 筑波昭 p286 【C】
事件だけでなく、犯人の生い立ち、暮らしぶりもわかる。ちょっと古い。
『心にナイフをしのばせて』 奥野修司 p271 【C】
昭和44年に起きた級友殺しの遺族の暮らし。なんかだるい本、だったが
最後にどんでん返しがあるとは予想せず。
『レイクサイド』 東野圭吾 p244 【C】
受験合宿で避暑地に来ていて、そこで起こる愛人が殺される事件。
赤い指同様死体見て警察には届けず処理しようね的ありえない展開がいや。
『御直披』 板谷利加子 p223 【C】
レイプ被害者と婦人警官との手紙のやり取り。
『闇に消えた怪人』 p469 一橋文哉 【C】
グリコ森永事件とそれを追う記者。結局解決してないので読後感が悪い。
『暗いところで待ち合わせ』 p262 乙一 【C】
ホームから嫌いな先輩を突き落とした容疑者が盲人女性宅に逃げ込み
ばれないように生活する。乙一独特の書き味があまり好きじゃない。
あと締めもちょっとあれだった。
『少女売春供述調書』 大治朋子 p319 【C】
前半は供述調書と解説、後半は保健室とか相談室とか。前半はよかったが
後半はいらんな。
『空中ブランコ』 奥田英朗 p265 【C】
精神科医伊良部と患者の話短編集。ハゲのカツラを取りたくなる・・・とか
思わずある、あると言いたくなる話。話題的には笑えなさそうと思わせ、
思わず笑ってしまう。
『バーンスタインのデイトレード実践』 ジェイクバーンスタイン p296 【C】
チャートの見方、ブレイクアウト、よいルール、悪いルールなどについて解説。
入門と重なるところが多いようなフインキ
『月蝕姫のキス』芦辺拓(著)(理論社)322p【C】
子供向けミステリーなので、かなりご都合主義。月蝕姫の正体も謎のまま。
『桃の向こう』平山瑞穂(著)(角川書店)253p【C】
頭でっかち男子、自己中男子、誇大妄想女子。三角関係物かと思ったら、女子は途中から脇役以下。
『あねのねちゃん』梶尾真治(著)(新潮社)281p【C】
幼少の頃に架空の友達だったあねのねちゃんが再び現れる。しかし、自分の妄想とは思えない力を
秘めたあねのねちゃんが、馬鹿上司や裏切り者の元彼氏に復讐をしてしまう。
『穂足のチカラ』梶尾真治(著)(新潮社)548p【C】
穂足という幼児が事故に遭った事で、家族に不思議な力が宿る。
『さりぎわの歩き方』中山智幸(著)(文藝春秋)181p【C】
まっとうな青春に対して斜に構えるというよりは、今一歩で大人になりきれてないだけの面々な気が……。
『ありったけの話』中山智幸(著)(光文社)240p【B】
病気絡みが原因で別れた彼女の事を6年も引きずるヘタレ男の話だが憎めない。
『退屈姫君 これでおしまい』米村圭伍(著)(新潮文庫)420p【C】
退屈姫君シリーズ完結。結局、田沼との決着は着かないまま終わるのか。
『空と月の王』霜島ケイ(著)(MF文庫)261p【C】
『空と月の王2』霜島ケイ(著)(MF文庫)293p【C】
異世界で未来世界物。妙な能力を持った人がたくさん出てくる。
死者を鎮める少年に、過去から物を取り出せる少女。しかし伏線張ったままで打ち切り。
ラグさん、はじめまして。スレ立てありがとうございます。
HANAさん、休符さん、ラグさん、りゅうさん、りーすさん、完走おめでとうございます。
『「アメリカ」社会入門』 コリン・ジョイス 生活人新書 238p 【C】
イギリス人ジャーナリストがニューヨークでアメリカとイギリスの違いを観察したエッセイです。
イギリスもアメリカも似たようなものだと思っていたのですが、当事者にとっては違うということがわかって
興味深かったです。
『地球最後のオイルショック』 デイヴィッド・ストローン 新潮選書 325p 【B】
採掘技術が進歩すれば新たな供給源を確保できるので、原油の供給は将来にわたり、心配ないとする石油会社の
主張に対して、もう原油埋蔵量の半分以上を採掘し、これからは減る一方で、しかも、代替エネルギーの開発は
技術、費用の面で見合わないということを取材により裏付けたもので、なかなか説得力があるように感じました。
今の経済状況が改善されれば、エネルギー価格は再び上がってくるような気がしました。
『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか』 町山智浩 太田出版 378p 【C】
アメリカの芸能やヘンな事件を扱ったコラム集。アメリカの変人は突き抜けていると思いました。
面白いネタを集めてくる町山氏の情報収集能力にも感心しました。
『アニメ文化外交』 櫻井孝昌 ちくま新書 245p 【C】
海外での日本アニメの受容と動画サイトでタダで見られることによる著作権の問題と普及のジレンマについて
海外での経験を基にして述べたものです。
「日本のアニメは海外で大人気!」という主張をネット上で散見しますが、そもそも、ビジネスとして
成り立たないものが大人気なのかなと疑問に思っているので、批判的に読みました。
日本産のコンテンツで現在人気があるものは個人的にはゲームだと思います。
『ヤバい社会学』 スディール・ヴァンカティッシュ 東洋経済新報社 402p 【C】
警察も救急車も来たがらない黒人スラム街に社会学者が潜入したレポートです。
現実の貧困や暴力の前では、理想や善意を唱えるだけでは解決できない事実の重みを感じました。
『ブラック・スワン(上)(下)』 ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社 298p+336p 【C】
大地震や911テロのような稀にしか起きないが、起きると非常に大きな影響を与えるもの、起きた後では
実はわかっていたと後付けで理屈をつけて、防ぐことができたはずと考える人間の心理的傾向について
考察したものです。
人間の認識の癖について鋭い指摘があり、感銘を受けました。
『グリーン革命(上)(下)』 トーマス・フリードマン 日本経済新聞出版社 331p+327p 【C】
石油や石炭を使い続ける弊害により、温暖化は避けられないので、イノベーションを活かした環境産業を
生み出した国や企業が次世代の経済を制するといった内容です。
世界各国を丹念に取材して歩いた力作で温暖化した場合の危険性がわかるところは良いと思うのですが、
しかし、温暖化に都合の良いデータや状況証拠だけを並べ立てても、ある事象の一面的な部分だけを
切り取っただけであり、その事象すべてを説明することにはならないと考えます。
むしろ本当に地球温暖化のような複雑な事象は計測可能なのか、地球が温暖化しているというデータと
そうでないというデータを比較検討してから決論を出すべきであり、議論の進め方が不公正だと感じました。
『10万年の世界経済史(上)(下)』 グレゴリー・クラーク 日経BP社 315p+334p 【C】
産業革命が起きるまで人類はなぜ貧しかったのか、産業革命は1800年ごろ、なぜイギリスで起こったのか、
また、世界にはなぜ豊かな国と貧しい国があるのかという3つの点について、歴史学ではなく、統計資料を
利用した経済学的なアプローチで解明しようとしたものです。
扱っているテーマが非常に大きいので、自分には真偽のほどはわかりませんが、面白い取り組みだと思いました。
産業革命は偶然起きたなど、安易に物語性を求めない実証主義的な姿勢にも共感しました。
『転落の歴史に何を見るか』 斉藤健 ちくま新書 174p 【C】
日露戦争で栄光につつまれた日本軍が三十数年で硬直した官僚組織になってしまったのかを、
現役キャリア官僚が現在の官僚組織と照らし合わせて、組織、人事の面から検討したものです。
身内に甘い情実人事、失敗をしても責任を取らない体質など、当時も現在も共通点があると内部の
人が言うのは、不幸なことですが、説得力がありました。
『福田和也と《魔の思想》』 中川八洋 清流出版 303p 【D】
中川氏がポストモダン思想に毒されたとみなす福田和也氏や浅田彰氏を批判したものなのですが、その批判が
共産主義者、アナーキスト、悪魔などレッテル貼りになっていて、思想も人格も自分の気に入らない人を罵倒
しているだけのように感じられ、読んでいてアホらしくなりました。
『国の競争力』 マイケル・E・ポーター著世界経済フォーラム編 ファーストプレス 165p 【C】
様々な経済指標から世界各国の競争力を測ったものです。日本に関して言えば、日本の総合順位は8位で、
評価が高かった点は技術開発力、インフラ、教育などで、評価の低かった点は政府債務の多さ、経済活動を
阻害する規制の多さなどで、結論として民間は優秀だけど、政府が足を引っ張っているといった感じでした。
『ゼロ年代の想像力』 宇野常寛 早川書房 350p 【C】
マンガ、アニメ、ドラマ、映画といったフィクションから社会、世相を読み解くといった感じでしょうか・・
なるほどと感心する点もあるのですが、一概にフィクションと社会を結び付けて今の世の中はこうなっていると
断言できるものではないと思います。ナルシズムにまみれたキザな文章には胸焼けがしました。
『ダメな議論』 飯田泰之 ちくま新書 205p 【C】
『思想地図vol3』 日本放送出版協会 291p 【D】
『平壌ハイ』 石丸元章 p354 【C】
30万円北朝鮮ツアー記録。この人の書き味は気に入らないけど、北朝鮮
ツアー、北朝鮮のことがよくわかる。行こうと思ってる人は読んだ方が
いいと思う。
『ギャンブルフィーヴァー』 谷岡一郎 p196 【C】
ギャンブル論と解禁論。
『家族八景』 筒井康隆 p209 【C】
18歳の人の心を読める家政婦七瀬短編集。家政婦は見た、みたいな感じ。
『異邦人』 カミュ p143 【D】
母の死の翌日海水浴に行き、女と関係を結び映画を見て笑い転げ友人の関係で
人を殺害し、動機に「太陽のせい」と答え、死刑であったが処刑の日に見物人が
憎悪の叫びをあげて迎えてくれることだけを望む。とト書きに書いてあったが、
それで・・・?と思ってたら小説は終わってしまった。名作を味わえるほど
精神的に成長してないのかもしれない。
『あなたが猟奇殺人犯を裁く日』 p269 霞っ子クラブ 【C】
10件の殺人事件と傍聴手記、裁判員制度関連で霞っ子が独自に判決予想をする。
10件は最近のごく有名な事件で、猟奇か?というと歯医者の殺人ぐらいかと。
判決予想も何の根拠もなく、いらないんじゃ、と。手記を充実した方がよかったのかも。
『メディアの興亡』 杉山隆男 p676 【C】
昭和中期新聞の印刷が活字からコンピュータ処理化された経緯。
こういう開発物語って偉い人の話ばっかりで現場の話が出てこなくて
実態を表せてるのか?と疑問に思う。
『犯罪の民俗学』 礫川全次 p254 【C】
犯罪と民俗学の関わりについて。明治から昭和初期にかけての話。
『破滅』 毎日新聞社会部 p207 【C】
三菱銀行強盗梅川事件の話。事件自体の内容がもうちょっと欲しかったような気がする。
46 :
テタ(10☆8993):2009/08/24(月) 19:39:08
『旅路の果て』ジョン・バース 白水uブックス 317p
相対化によって何も決められない主人公を最後まで生かしきってないように思う。
【C】
『迷宮の将軍』G・ガルシア=マルケス 新潮社 325p
ラテンアメリカの「解放者」ボリーバルのラテンアメリカ統合の夢破れた、晩年の
数ヶ月の話。ラテンアメリカの歴史を知らないので、最初は読んでいて理解できなかった。
【C】
ニート1号さん、ありがとうございます。
休符さん、ラグさん、りゅうさん、りーすさん、ニート1号さん、完走おめでとうございます。
『大阪の宿』 水上滝太郎 岩波文庫 263p
大正の純文学は基本的に退屈なのだが、これは割とキャラが立ってるので楽しんで読めた。
客に酒をかける芸者やどこかテンポのずれた女中等、変なキャラが多い。
されにしても東京人から見た関西ってこういう風に見えるのか。【C】
『黒い百物語 叫び』 福澤徹三 メディアファクトリー 356p
幽霊系実話怪談集。
これだけ読んでいるとどれがどれやらわからなくなってしまう。それでも読み続けるのは単なる習慣になっているのか。
自分好みのイヤな話は案外と少なかった。【C】
『オルレアンのうわさ』 エドガール・モラン みすず書房 393p
1969年フランスオルレアンで試着室に入った女性がいつの間にか居なくなる。
あまりに有名なこの話を社会学者が分析した本。
現在だとこういう都市伝説にかんする調査はノウハウが確立されているのだろうけど、
当時はそんなものなくておっかなびっくり手探りで調査する様子が伝わってくる。
それから50年、都市伝説は様々に変化を遂げている。【C】
『新耳袋 勝手にしやがれ』 ギンティ小林 洋泉社 381p
怪異の場所に突撃するシリーズ第三弾。
目玉は愛犬家殺人事件の現場をマニアと回った所。
著者らも大概アレな行為を繰り返しているのだが、そこで一緒に行くことになったマニアが凄すぎる。
他にもホテルとかヤバ目の物件目白押し。【C】
『岡本綺堂怪談選集』 岡本綺堂 小学館文庫 349p
名作揃いはいいんだけど、一度読んだ話が並んでいて困る。再読に耐える出来ばかりなのがいいが。
あくまで初心者向けの一冊。
しかしストーリーがわかっていても引き込まれるのは凄いな。【B】
『隣の怪 病の間』 木原浩勝 メディアファィトリー 237p
人でも幽霊でもない不思議な話が集められている。あまり怖くはないが、しんみりした話が多い。
「呪詛」とか「鬼術」とかは得体の知れなさが出てていいんだけどねえ。
しみじみした怪談は肌に合わない。【C】
ニート1号さん、完走おめでとうございます。
ニート1号さん、HANAさん、ありがとうございます。
『わくらば追慕抄』朱川湊人(著)(角川書店)358p【C】
わくらば日記の続編。物から過去を読み取る姉と同じ能力を持つ氷の女、薔薇姫が現れる。
『仕事道楽』鈴木敏夫(著)(岩波新書)211p【C】
ジブリのプロデューサーが語る創作現場。
『不正な処理』吉原清隆(著)(集英社)122p【C】
第140回芥川賞候補。起伏に欠け、あまり楽しい話ではなかった。
『架空の球を追う』森絵都(著)(文藝春秋)191p【C】
短編が11編。それぞれの分量が少なくて物足りない。
『へんないきもの三千里』早川いくを(著)(バジリコ)361p【C】
シリーズ第三弾かと思ったら、小説になっていて微妙な内容だった。
『僕僕先生 胡蝶の失くし物』仁木英之(著)(新潮社)290p【C】
僕僕先生の第三弾。胡蝶という暗殺集団からの刺客に狙われる。
『男と点と線』山崎ナオコーラ(著)(新潮社)187p【C】
相変わらず題名にセンスが無いけど、中身は読めるレベルになって来た。
『モサ』山崎ナオコーラ(著)(メディアファクトリー)125p【C】
人間と変な生物が共存した日本に住む、カルガリ家のニート少年モサの物語。
『草祭』恒川光太郎(著)(新潮社)260p【B】
短編集だが少しずつ繋がっている。
『マーブル・アーチの風』コニー・ウィリス(著)(早川書房)364p【C】
コニー・ウィリスの最新短編集。
『格差はつくられた』ポール・クルーグマン(著)(早川書房)255p【C】
アメリカの事例だが、日本もアメリカも病気の根は同じという事か。
『死の病原体プリオン』リチャード・ローズ(著)(草思社)286p【B】
英国政府の対応が杜撰すぎる。もう英国でハンバーガーは食べられない。
日本ではニュースにもならないけど、猫が死んでいるし、人間の子供も死んでいる。
『イリーガル・エイリアン』ロバート・J・ソウヤー(著)(ハヤカワ文庫)519p【B】
αケンタウリから来たエイリアンとのファーストコンタクト。しかし、殺人事件が発生し、
融通の利かない警察が宇宙人を容疑者として逮捕したから、前代未聞の裁判が始まってしまう。
『ターミナル・エクスペリメント』ロバート・J・ソウヤー(著)(ハヤカワ文庫)471p【B】
死の瞬間に体内から出て行く魂波が発見されて大騒ぎに。
臨死体験や人工知能も絡めたミステリー風のSF。
『スタープレックス』ロバート・J・ソウヤー(著)(ハヤカワ文庫)469p【B】
銀河間に張り巡らされたネットワークを利用して出会った四種族が、
スタープレックス号で探査の旅へと出かける。
『フレームシフト』ロバート・J・ソウヤー(著)(ハヤカワ文庫)535p【B】
他の著書と比べてSFっぽさが無いけれども、上手く出来たミステリーになっている。
ニート1号さん、よろしくお願いします。
ニート1号さん、りーすさん、完走おめでとうございます。
『火車』 宮部みゆき 新潮文庫 582p 【C】
行方不明の女を探す話。
知人に聞き込み→新しい情報get→他の知人に聞き込みの繰り返しで、
ちょっとうんざり。
『リセット』 北村薫 新潮文庫 424p 【D】
ご都合主義に感じた。
時と人三部作では一番の駄作。
『ホワイトアウト』 真保裕一 新潮文庫 628p 【B】
日本最大のダムが武装グループに占拠され、一人の男がそれに抵抗する。
描写が上手いです。アクションが好きな人はぜひ。
『超人計画』 滝本竜彦 角川文庫 254p 【B】
小説と思いきや、作者の実体験を書いたエッセイ。
完全にイっちゃってます。
この作者は立ち直れるんでしょうか・・・
『陽気なギャングが世界を回す』 伊坂幸太郎 祥伝社文庫 376p 【B】
特殊能力を持った銀行強盗4人が
逃走中に輸送車襲撃犯に現金を横取りされ、奪還に動く話。
演説男がいい役してます。
『壬生義士伝 上下』 浅田次郎 文春文庫 463p+435p 【B】
新撰組に入隊した吉村貫一郎の生涯。
色々な人から過去の話を聞かされる形で進行していくという特徴を
上手く生かせていると思いました。
『博士の愛した数式』 小川洋子 新潮文庫 282p 【C】
記憶が80分しかもたない数学博士と家政婦とその息子の話。
数学に関する話が頻繁に出てきます。
『バッテリー 1〜6』 あさのあつこ 角川文庫 計1646p 【C】
中学生天才ピッチャーの話。
スポーツそのものの話はあまりなく、人間関係のゴタゴタした話が多いです。
試合についてほとんどページが割かれていないのが残念。
『サウスバウンド 上下』 奥田英朗 角川文庫 356p+274p 【B】
元過激派の父が家族や周囲を振り回す話。
こんな親父がいたら格好いいかも。
完走したみなさん、おめどうございます。
ドストエフスキイ /『カラマゾフの兄弟』(全5冊)/中公文庫/合計1582ページ/【B】
池田健太郎訳。異常な恋、情欲、憎悪、少年虐待など重苦しいテーマが続く。後半は、父殺しをテーマにした謎解
き小説のようだ。第12篇『誤審』を読むと、当時(1870年代)の日本より裁判制度が進んでいるように感じた。最後
の少年イリューシャの葬儀は感動的だった。父親がとてもかわいそうだった。登場人物は個性的で、人間の醜い部分
が存分に発揮されている。登場人物に感情移入をしてしまった。読後感はとても濃い。人間の根底の部分は昔も今も
変わらない。どこまで理解できたかわからないが、良い小説だと感じた。
黒木亮/『冬の喝采』/講談社/622ページ/【B】
箱根駅伝に二度出場した著者の自伝的小説。主に中学から早大卒業までの陸上についての話が中心。指導者のいな
い田舎の少年がどのように箱根駅伝の選手になっていったのか、丁寧に描かれている。実際に選手に選出されてから、
箱根駅伝に出場し終えるまでの緊張感がとてもよく伝わってくる。大学競走部がどういった所なのか、よくわかった。
中村清のような人物は、現在ではとても監督が務まらないだろう。
三浦しをん/『風が強く吹いている』/新潮文庫/670ページ/【B】
同じアパートに住む住人がひょんなことから箱根駅伝を目指す、青春物語。現実には全くありえない設定だが、
最後はとても感動的だ。人物描写がとても丁寧に描かれている。また、選手が本当に陸上を楽しんでいるのが伝
わってくる。元気がない時に、この本を読むと、とても元気になり、前向きな気持ちになれる。
55 :
テタ(10☆9442):2009/08/28(金) 21:32:48
電波時計さん、完走おめでとうございます。
『複雑な彼女と単純な場所』矢作俊彦 新潮文庫 322p
エッセイ。【C】
『フェルマーの最終定理・佐藤-テイト予想解決への道』加藤和也 岩波書店 127p
整数論の最近の大きな発展を伝えている。【B】
『伊藤真の民法入門』 伊藤真 p175 【B】
民法の骨組みを説明したもの。素人に適度にわかりやすい。一冊備えたい本。
『マーケットの魔術師』 アートコリンズ p290 【C】
システムトレーダー14人へのインタビュー。いろいろ参考になる。
『スピード』 石丸元章 p262 【C】
各種麻薬の体験レポート。キメ方、末路などがよくわかる。
『トキオ』 東野圭吾 p414 【C】
拓実と麗子の間の子、トキオは難病にかかり20歳で死ぬ、一方20年前の
拓実にトキオが出会って運命を導く。東野の過去話的ストーリーは
好きだけど話の流れにひっかかるところがいろいろあるのでこの評価です。
『とんでも本の逆襲』 と学会 p302 【C】
世に出回るとんでも理論の本を批評。しかし、そもそも批判対象となってるような
矢追さんの超常現象の本とか自体に興味ないし。また、続編ということで
ネタ切れ感もあった。
完走されたみなさま、おめでとうございます。
『小説「イエス」』 ウォルター・ワンゲリン(仲村明子訳) 徳間書店 348p 【C】
『聖書新約篇』とかぶってるところが多すぎて2冊読む必要なかった気がする。
『リアルワールド』 桐野夏生 集英社 260p 【B】
面白かった。痛くて重くてそれでも素晴らしい青春小説。
読者にもホリニンナやワタルと同様の負い目(のようなもの)がのしかかって息苦しくなるけれどそれがいい。
『海の都の物語〈1〉』 塩野七生 新潮文庫 235p 【C】
エンリコ・ダンドロ元首が男前過ぎて惚れる。
『海の都の物語〈2〉』 塩野七生 新潮文庫 169p 【C】
4世紀までのヴェネツィアの経済と政治改革、二度の反乱など。
中小企業や下っ端の権利が保障されてるヴェネツィアって生きやすそうで羨ましいぞ。
『海の都の物語〈3〉』 塩野七生 新潮文庫 219p 【B】
読んでるうちにヴェネツィアに対する愛着みたいなものが高まっていく上に
(歴史小説では大概一番盛り上がる)ライバルとの戦争についてがメインの巻なのでやたら面白いです。
ヴェネツィアは歌舞伎町よりもホストが多かったかも知れない。
『海の都の物語〈4〉』 塩野七生 新潮文庫 236p 【B】
ヴェネツィアに感情移入してしまってトルコが大嫌いになってしまうという。しかし聖地巡礼パック旅行とはヴェネツィア人は商売上手だなあ。ハードだろうけど飛行機でびゅーんより船でだらだらの方が楽しそうでいいなあ。
『海の都の物語〈5〉』 塩野七生 新潮文庫 251p 【C】
前半のガラスや出版などの技術の発展は面白かったが後半はスペインが嫌な奴過ぎて壁に投げたくなった。
今まで「ヴェネツィア人」が主人公だったが、この巻はヒーローの活躍で進んでる気がする。
『海の都の物語〈6〉』 塩野七生 新潮文庫 254p 【B】
ラストには目から汗が。ヴェネツィア人かっこよすぎる……
日本が滅ぶときはせめてヴェネツィア人のように振る舞いたい。
マイクロチップさん、完走おめでとうございます。
『ネクロフィリア』 ガブリエル・ヴィットコップ 国書刊行会 153p
屍姦にしか興味を抱けない男を描いた一冊。
内容はグロテスクなものの直接的な描写はなく、文体のせいか詩情まで湛えている。
後書きによるとこの作者、他の本はほとんど訳されていないらしいが、是非とも読みたい主題も多いのでこの本に続いて出して欲しいものである。【C】
『ウパディーシャ・サーハスリー』 シャンカラ 岩波文庫 301p
久々に印度哲学の本を読む。
アートマンとブラフマンの一体性を認識することにより解脱をするという内容だが、読んだ限りではアートマンがどういったものかわかりにくい。
ウパニシャッドだともっとわかりやすく説かれていたのになあ。【C】
『鏡花百物語集』 東雅夫・編 ちくま文庫 378p
鏡花が関連した怪談会を収録した一冊。
柳田国男とか芥川龍之介とか顔ぶれが異様に豪華。大正期の文壇は随分と余裕があったのであるな。
内容も実話怪談のハシリみたいな話が多く面白く読めた。【C】
60 :
HANA(39☆4431):2009/08/31(月) 21:16:08
『ユリイカ 2005年4月号』 青土社 237p
特集はブログ作法。
特集に興味を持って買ったのだが、まるで当てが外れた。
ブログにまるで関係のない批評家や学者が、見当外れの分析を繰り返しているだけ。
一番まともに分析しているのが竹熊健太郎というのは何ともはや。【E】
『恐怖箱 赤蜻蛉』 鳥飼誠・怪聞亭・つきしろ眠 竹書房文庫 217p
実話怪談集。
なんだかお腹いっぱいなのにそれでも読んでしまう不思議。
やはり実話怪談は因縁系でない方が面白いなあ。【C】
『2011年新聞・テレビ消滅』 佐々木俊尚 文春新書 237p
昨今のマスコミについて論じた一冊。
マスコミのビジネススタイルの崩潰を例を挙げて丁寧に紹介している。
読みながら2ちゃんで言われているようなマスコミの信頼性云々より、遙かにやばい立ち位置に彼らは居るのだなと思った。
僕はTVが壊れてから番組見てないけど、どうするのかな、これから。【C】
『「若者論」を疑え!』 後藤和智 宝島社新書 220p
「最近の若い者は」はピラミッドにも記された由緒ある言葉であるが、最近特に使われるようになって来ているように思われる。
そんな言葉がいかに出鱈目であるかを論じた一冊。
それにしてもデーターって本当に大事ですね。感情にまかせたコメンテーター(あえて論者とは言わない)を黙らすには数字を上げるのが一番でありますな。【C】
61 :
テタ(10☆9659):2009/08/31(月) 22:19:20
マイクロチップさん、完走おめでとうございます。
『親子丼の丸かじり』東海林さだお 朝日新聞社 217p
「あれも食いたい、これも食いたい」シリーズ。【C】
『悪人』 吉田修一 p420 【C】
生命保険会社のOLが何者かに殺され、2人の男が逃亡。誰が悪人?という感想。
『ぼくと1ルピーの神様』 ヴィカススワラップ p382 【B】
インドで孤児として生まれたラムがクイズビリオネアで10億ルピーを得るが
イカサマをしたとして逮捕され、弁護士がラムがなぜ13問に答えられたかを聞く。
13問の質問になぜ答えられたかを解明する形でストーリーが進む。
インドのことがよくわかりかなり面白い。読み終わってまた読みたくなったのは久しぶり。
『毒笑小説』 東野圭吾 p359 【C】
お笑い系短編集。オチが弱い。
『知的D級生活のすすめ』 石丸元章ほか p253 【D】
エッセイ集。どうでもいい話で中身はよく覚えていない。
『漂流』 吉村昭 p249 【C】
江戸中期、儀七は長平に米の運搬を依頼し、その帰り船が嵐に襲われ
船が壊れて漂流し、無人島に漂着する。無人島での暮らしというものがよくわかる。
『裂けた岬』 合田一道 p227 【C】
戦中、根室から小樽に帰還命令を出され、羅臼沖で嵐にあいペキン鼻に
なんとか漂着して猟師小屋で冬をすごす。死んだ仲間を食べて生き延びる。
海岸線を歩いていけば助かるんじゃないの?と思ったがそうはいかないようだ。
当時の写真が多いところがとてもよい。食われた仲間の骨の写真が生々しい。
【B】『柔らかな頬』桐野夏生 講談社 365P
ミステリーではあるものの、謎解きではなく事件を取り巻く人々の心理描写がメイン。
人間のエグい面の描写がすごくいいけれど、それだけに気が滅入る。
【C】『水車館の殺人』綾辻行人 講談社NOVELS 273P
犯人もトリックも、わりと早い段階で見当がついてしまう。
雰囲気は悪くない。
【C】『陰陽師 飛天ノ巻』夢枕獏 文春文庫 292P
【C】『陰陽師 付喪神ノ巻』夢枕獏 文藝春秋 317P
64 :
テタ(11☆70):2009/09/08(火) 20:46:12
『レクイエム』アントニオ・タブッキ 白水uブックス 182p
「インド夜想曲」とよく似た設定。【C】
『100年の難問はなぜ解けたか』春日真人 NHK出版 229p
ポアンカレ予想解決の騒動?末。内容が薄い。【C】
電波時計さん、マイクロチップさん、テタさん、完走おめでとうございます。
HANAさん、りーすさん、ラグさん、ありがとうございます。
『貧乏はお金持ち』 橘玲 講談社 311p 【C】
個人で会社を設立し、法人を赤字にして合法的に節税をする方法を指南したものです。
中小企業の経営者の金回りがいい理由がなんとなくわかったような気がしました。
『世界は感情で動く』 マッテオ・モッテルリーニ 紀伊国屋書店 357p 【B】
直感により判断をすると、冷静に考えるとおかしな意思決定をしてしまう、そのような実験と結果が
たくさん紹介されていておもしろかったです。
『野口悠紀雄の「超」経済脳で考える』 野口悠紀雄 東洋経済新報社 290p 【C】
年金や財政赤字などの現在の社会問題を経済学ではどう考えるかを解説したものです。
マスコミで流布されている通説と異なる視点がロジカルに説明されていて興味深く読みました。
『広開土王の素顔』 武光誠 文春文庫 226p 【C】
高句麗の広開土王の事跡と高句麗、新羅、百済、三国の古代の朝鮮半島の歴史の流れを説明したものです。
このあたりの歴史については、ほとんど知らなかったので参考になりました。
『正倉院』 東野治之 岩波新書 198p 【C】
正倉院に収められている物のデザインや製法から、古代日本の対外的な交流を推測したものです。
中国や西域製と思われていたものが、実は日本製だったと考証により明らかにしていくところは、
最近の新書にはない学術的な香りがして、なかなか良かったです。
『ツチヤ教授の哲学講義』 土屋賢二 岩波書店 230p 【C】
マイクロチップさん、テタさん、完走おめどうございます。
テタさん、マイクロチップさん、ニート1号さん、ありがとうございます。
吉村昭/『漂流』/新潮文庫/516ページ/【C】
江戸時代に土佐の船乗り長平らが、無人の火山島である鳥島に漂着し、12年超の格闘の末に、生還する物語。
島に生息するアホウドリが漂流民に重要な役割を果たす。仲間が次々に亡くなり、独りぼっちになった長平が、
大阪の儀三郎一行が漂着するまでひとりで必死に生きる姿に胸を打たれた。また、最後まであきらめない漂流民
の生きざまに感動した。著者の余計な推測がないのが良かった。一気に読める。
ドストエフスキー /『罪と罰』(上・下)/新潮文庫/計990ページ/【A】
工藤精一郎訳。心に傷を抱えた登場人物の繰り広げる人間ドラマとして読むと、とても面白い。1860年前後の
ロシア・ペテルブルクの雰囲気が濃厚に伝わってくる。主人公ラスコーリニコフとソーニャとのエピローグは
とても感動的だった。友人ラズミーヒンの献身的な支えに感動した。人間が更生するには、周囲の親しい人間が
その人を最後まで見捨てないことが大事である、と感じた。人生の岐路に立った時、この本を読むと、何かしらの
ヒントになるような気がした。
佐藤優、竹村健一/『国家と人生』/角川文庫/332ページ/【C】
佐藤優と竹村健一との対談集。内容的には、佐藤の他の著書と重なる部分も多い。沖縄についての議論は
面白かった。竹村のルーツを知ることができて良かった。佐藤が竹村に対し、本気でリスペクトしているのが
よくわかった。
『たった一人の反乱』 丸谷才一 p633 【D】
若いモデルと再婚した男の家に妻の祖母が同居し始めるが、彼女は
殺人犯だった。内容がくどくどしくて長すぎる。
『伊藤真の憲法入門』 伊藤真 p227 【C】
憲法解説本。義務教育でこれぐらい突っ込んで教えるべきでは?と思わせる。
『マーケットの魔術師』 ジャックDシュワガー p449 【C】
トップトレーダーインタビュー本。ちょっと事例が古いが参考になる。
『逮捕されるかもしれない症候群』 糸屋憲一 p233 【C】
刑事裁判の手続きなどを解説。警察出身のためか文章に知性がない。
『中島らもの明るい悩み相談室』 中島らも p233 【C】
中島らもがくだらない相談に答えになってないアドバイスをする。
半分ほど読んで、80年代に朝日新聞の日曜版で見てたやつじゃないかと
思い出した。昔はこれでも面白く読んでたんだなあと思った。
68 :
テタ(11☆491):2009/09/14(月) 19:11:53
りゅうさん、完走おめでとうございます。
『ダーウィンの『種の起源』』ジャネット・ブラウン ポプラ社 203p
『種の起源』の成り立ちや、出版後の経緯についてのまとめ。【C】
『象は世界最大の昆虫である』池内紀 編 白水uブックス 218p
ギムナージウム教師ガレッティ先生の失言録。愛すべき先生だったのだろう。
【C】
テタさん、りゅうさん、完走おめでとうございます。
『阿波の狸の話』 笠井新也 中公文庫 281p
徳島県に伝わる狸の伝説を網羅した一冊。
ただ地名が明治時代そのままのため、どこであったのかがわかりにくい。流石に金長の場所だけはわかったけど。
人が狸に化かされる事の出来た時代というのは幸せな時代であったのだなあ。【B】
『ユリ・ゲラーがやってきた』 鴨下信一 文春新書 227p
昭和四十年代の社相を描いている本。
映画や犯罪などは面白く読めたが、テレビとか流行歌について論じた部分はさっぱり。
生まれる前だから仕方ないけど、流行というのは廃れるとあっけないものであるな。【C】
『明治の東京』 鏑木清方 岩波文庫 223p
明治期の東京の変遷を描いている。
地名等の変化は地理に疎いためよくわからないが、足袋や前垂などの文物の変遷は面白く読めた。
しかし鏑木清方と三遊亭円朝が知り合いだったとは。世の中って意外と狭いのであるな。【C】
『中原中也全集 第一巻』 中原中也 角川書店 426+473p
「山羊の歌」「在りし日の歌」と生前に発表した詩を収録。
矢張り代表作はこの二つの歌集に大体収められているなあ。
「また来ん春…」「春日狂騒」「汚れちまった悲しみに…」等傑作が多いが、個人的に一番気に入っているのは「帰郷」
それにしても解題の精緻さはただ事ではないなあ。【B】
『太宰治集 哀蚊』 太宰治 ちくま文庫 382p
太宰は「津軽」くらいしか読んだことがなかったので、これを機会に色々読んでみたいと思った。
ただ怪談と分類するには苦しい作品も多いのでは無いだろうか。
曲がりなりにも怪談っぽいのは「メリイクリスマス」だけで、「トカトントン」等は怪談に分類出来ない気がするのだけど。
読んで好きになった作品ではありますが。【C】
『"超"格差社会・韓国』 九鬼太郎 扶桑社新書 191p
最近格差とマスコミが良く騒いでいるが、これを読むと日本などまだまだという気になる。中国はもっと酷そうだけど。
ネット関連はここで良く目にしたものが多いが、教育と職業関連はあまり目にしたことの無いものが丁寧に書かれていて面白かった。
しかし子供にそれほど勉強を強いてメンタルな面大丈夫なのかなあ。【C】
『ゾティーク幻妖怪異譚』 クラーク・アシュトン・スミス 453p
太陽が既に膨張期になった地球最後の大陸。そこで展開される地獄絵図を描いた作品集。
「最後の象形文字」や「アドムファの庭園」等のイメージにはひたすら脱帽するしかない。
救いのない作品が多いのもいいな。
この世のものとは思えないイメージを味わいたい方は是非一読を。【B】
『神樹と巫女と天皇』 山下紘一朗 梟社 330p
初期柳田国男の天皇観や国家体制観について論じた一冊。
確かに戦前でこの天皇制発生論を述べたらやばいと思う。そういう意味では別方向にシフトしたのは賢明な判断ではなかったろうか。
その分、面白さは消えたと思うが。
初期の論文をわかりやすく解説してあり、その点も助かる。【C】
『「中国問題」の核心』 清水美和 ちくま新書 222p
ここ一年くらいの中国の政治を分析したもの。
著者の言に従うなら、胡錦涛とか相当やばい綱渡りをしているように思われる。
そろそろバブルも弾けそうだし、民工の失業者増えてるみたいだし、これからどうするんでしょ。
台湾についての心配も述べられていたが、こないだのゴタゴタで馬政権がつぶれたしそっちの心配はなくなりそうである。【C】
『続・東北』 河西英通 中公新書 244p
東北についての本、歴史や地理かと思って買ったら中央から見た東北観が中心であった。
やはり東北は常に中央の目を意識しなければならなかったし、後進、貧困というイメージがつきまとっていたのであるな。
個人的にはそこに残された土俗性に興味を惹かれるのであるが。【C】
『幽 vol.11』 メディアファクトリー 344p
特集は遠野物語と怪談の書き方、厠の怪談。
第一特集が格別興味を持っている分野なのでもっと掘り下げて欲しい。ってかこれ何時も読む度思ってるな。
佐々木鏡石の小説が復刻されているのは、実に良い仕事してると思うけど。
遠野市立博物館は一刻も早く佐々木喜善全集二巻を復刻するように。【C】
テタさんHANAさんありがとうございます。
『警察の本』 三才ブックス p182 【C】
警察のことがいろいろ書いてある。まあまあ。
『伊藤真の刑法入門』 伊藤真 p222 【C】
ちょっとわかりにくかった。
『生き残りのディーリング』 矢口新 p361 【C】
けっこう分厚い本だったけど最後まで飽きずに読めた。ちょっと
難しくてわかりにくいところもあった。
『絞首刑』 門松正一 p298 【C】
戦中、セレベス島で2人の米人捕虜を殺害したかどで絞首刑を言い渡される。
しかし、仲間が作者を死んだものを誤解して罪をなすりつけた結果だった。
死刑になるかどうかとなると仲間とか上官下官関係なしに罪をなすりつけ
助かろうとする、死刑囚の心情とかが表されていて興味深かった。
『流星ワゴン』 重松清 p477 【C】
妻は浮気、子供は登校拒否、家庭内暴力、もう死んでしまってもいいと
思っているところに赤いオデッセイが表れ、人生の岐路に連れて行かれる。
タイムマシンものだが、過去を変えられる、変えられない基準が作者都合に
なってて萎える。
『裁判官はなぜ誤るのか』 秋山賢三 p204 【C】
裁判官から弁護士になった作者が冤罪の構造、裁判員などについて書く。
『今夜すべてのバーで』 中島らも p269 【C】
アル中で入院する男の話。リアルでフィクションかノンフィクションかよくわからない。
『パチンコ依存症からの脱却』 伊藤耕源 p246 【C】
パチンコでは勝てないことを解説する。パチプロはパチンコ産業が作った
虚像というのは言いすぎと思った。データとかもあってまあまあ面白い。
山崎豊子/『不毛地帯 』(全4冊)/新潮文庫/計2533ページ/【C】
11年間のシベリア抑留経験を持つ元軍人、壹岐正を中心に商社マンの熱き戦いをリアルに描いた作品。壹岐は、
副社長まで出世する。前半のシベリア抑留の話は、読むのがつらく、ソ連の非人間的扱いに怒りを覚える。後半の、
商社時代の話は、FX合戦、日米の自動車の提携問題、中東の油田開発の3つ山がある。中東の油田開発が面白かった。
政財界の内幕がとてもリアルに描かれている。最後に、壹岐が社長の大門に退陣を迫るところは、格好良かった。
75 :
テタ(11☆1183):2009/09/24(木) 20:48:55
『モース警部、最大の事件』コリン・デクスター ハヤカワ文庫 364p
短編集。【C】
『分類思考の世界』三中信宏 講談社現代新書 328p
分類とは何か。分類をする側の生得の能力の限界をも視野に入れる。【B】
今回は三津田信三でまとめてみました。
『蛇棺葬』 三津田信三 講談社ノベルズ 337p
ホラーミステリ。
というかミステリの部分はほとんど感じられず、ひたすら旧家の陰々滅々とした雰囲気を味わう作品となっている。
旧家の雰囲気や儀式などは良い味出しているけど、いかんせんこの時期のこの作者の文体は・・・。【C】
『赫眼』 三津田信三 光文社文庫 298p
異形コレクションに発表した作品をまとめたもの。
全体的にメタな作りが多いのは、やはりこの作者と思わされる。
「よなかのでんわ」「見下ろす家」が何とも言えない雰囲気を漂わせていて怖かった。
怖い話が粒ぞろいってのはなかなか無いものだ。【B】
『百蛇堂』 三津田信三 講談社ノベルズ 428p
「蛇棺葬」の続編。
話を聞いた者の見に怪異が降りかかる、という設定は良い物の、最後の部分が尻切れ蜻蛉。無理矢理終わらせた印象が残る。
途中までは圧倒的にいい雰囲気を漂わせているため、とにかくその点が惜しまれる。
作家シリーズもこれで終わりか。後に続かない終わらせ方であったなあ。【C】
りゅうさん、完走おめでとうございます。
『世界経済危機 日本の罪と罰』 野口悠紀雄 ダイヤモンド社 260p 【C】
日本に貿易黒字が多いのは、国内に投資機会がないからで、低成長に陥っている現状から抜け出すには
規制緩和が必要とマクロ経済上の資金の流れから、日本経済の問題点を指摘したもので、経済学者に
ありがちな結論だなといった印象です。
『金融危機の本質は何か』 野口悠紀雄 東洋経済新報社 329p 【C】
ランダムウォーク理論、ポートフォリオ理論などを扱った現代ファイナンス論の入門書で、
金融危機についてはさほど言及されていません。
株価や為替は予測することができないし、金融工学を学んでも金儲けをすることはできないといった
ガチガチの経済学で理論武装をしていて、相場師、涙目wwwといった印象を受けました。
『自由論』 ミル 光文社古典新訳文庫 271p 【B】
個人にとって自由がなぜ大切なのか、また、社会を発展させるためになぜ自由が必要なのかを説いた古典です。
意見や立場の違う人と対話をする際でも、相手に敬意を持って公平に振舞うことが大事といっているように
感じました。理想主義的で格調の高い文章には感銘を受けました。
『木を見る西洋人 森を見る東洋人』 リチャード・E・ニスベット ダイヤモンド社 296p 【C】
東アジア人と欧米人の考え方の違いとそれぞれの考え方の特徴的な傾向を心理学的な実験から
突き止めようとしたものです。
東洋人は包括的、西洋人は個別、具体的にものを見る傾向があるという実験結果が繰り返し示されます。
意識はしてなかったのですが、自分は典型的な東洋的なものの見方をしているということを気づかされました。
『日本を貶めた10人の売国政治家』 小林よしのり 幻冬舎新書 248p 【C】
誰が売国政治家かとアンケートを取り、その結果をランク付けしたものです。
右寄りの人が選んでいるので、ああ、やっぱりねといった人たちの名前が並んでいて、
予定調和的なものを感じました。
ニート1号さんありがとうございます。
『ニッポン大家族』 伊藤耕源 p232 【E】
市民フォーラムを作りましょうというようなことが書いてある。
何を言いたいのかくどくどしくさっぱりわからんし脱線するし何この本?
『不思議現象なぜ信じるのか』 菊池聡他 p275 【C】
人間が超常現象をなぜ信じるのかを解明する。各章筆者が違い、面白いところは
面白いし、関係ないやろというところもある。
『事件記者』 島田一男 p408 【C】
刑務所に出入りしていた和歌の歌人が殺され、最近出所した服役囚が
疑われる。新聞記者がその謎を解明する。他一編。電話するのに交換台が
出たりちょっと内容古いがなかなか面白い。しかしスクープ合戦というのは
自己満足オナニー行為以上のものがあるのか?と思わされる。
『絞首刑』 青木理 p253 【C】
栃木4人殺傷、半田保険金、熊谷4人殺傷、飯塚女児殺害、木曽川河川敷
殺人に関する話、あまり目新しい話はないように見える。
『死刑執行の現場から』 戸谷喜一 p186 【C】
大阪、仙台拘置所の処遇の違いについて書く。
『片想い』 東野圭吾 p379 【C】
スナックのホステスにストーカーしていた男が殺された。そこで
働いていたオナベ女が訳を知っているらしく、かつてのアメフト部員
仲間がかくまうことにした。人間関係がややこしくて覚えるのがうっとうしい。
締めがこれもいまいち。
『2011年新聞テレビ消滅』 佐々木俊尚 p237 【C】
インターネットの発達により、2011年に新聞とテレビが消滅することを
予言。説得力はあるとは思うけど消滅は極端だなと思う。読んで、自分が
生きている間ぐらいはなくならんだろうなと確信した。
80 :
テタ(11☆1364):2009/09/29(火) 21:56:54
『縛り首の丘』エッサ・デ・ケイロース 白水uブックス 181p
19世紀ポルトガルの作家の作品。【C】
81 :
マイクロチップ(6☆3358):2009/09/30(水) 11:17:36
HANAさん、テタさん、ニート1号さん、電波時計さんありがとうございます。
テタさん、ニート1号さん、りゅうさんかんそうおめでとうございます。
『東大の先生が実践する「ロジカル」暗記術』 西内啓 ぱる出版 191p 【B】
効率よく知識を身につけるための勉強のコツがわかりやすく具体的に書かれている良本。
どんな種類の勉強にも応用できるのがいい。
『シュルレアリスムとは何か』 巌谷國士 ちくま学芸文庫 297p 【A】
「シュルレアリスムとは何か」「メルヘンとは何か」「ユートピアとは何か」の三本立て。
頭ん中に手ぇ突っ込まれて脳みそグッチャグッチャにこねまわされてる感覚、気持ちいい難解さ。
『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』 アンドレ・ブルトン(巌谷國士訳) 岩波文庫 286p 【A】
↑で引用されまくってたので一応読んだほうがいいかと思って。Aにしておいたけど、AでもありFでもある本だった。
ニコ動なら「生まれるのが早すぎた」「時代を先取りしすぎた」タグをつけたい。
『白夜行』 東野圭吾 集英社文庫 860p 【B】
すげーおもしろかった、良くも悪くも他に言うべきことが見当たらない。
『サロメ』 オスカー・ワイルド(福田恒存訳) 岩波文庫 104p 【B】
美しい、ひたすら美しい。ピアズレーの挿絵も最初は気持ち悪い絵だなぁと感じたけれど
読み終わる頃にはこれ以上の挿絵は存在し得ないような気がした。
『猫と庄造と二人のおんな』 谷崎潤一郎 新潮文庫 149p 【C】
猫という悪女とその奴隷の庄造、その前妻と後妻(と母)のお話。滑稽でもあり、悲しくもあり。
「庄造のかわいがり方って普通じゃね?」と思う自分はもうだめかもしれない……。
『名画で読み解く ハプスブルク家12の物語』 中野京子 光文社新書 206p 【C】
おもしろい。この人の文体が好きじゃないというか読みにくいけど。
ハプスブルクもの初心者としては歴史物としての面白さと美術本の面白さが丁度いい比率になっていると思う。
少し物足りない気もしなくはないけれど、読みやすさの点ではこれくらいが一番売れそう。
『怖い絵』 中野京子 朝日出版社 245p 【B】
読みやすく面白い。ただ、横長の絵はのどの部分をまたいでると見にくいのでどうにか改善してほしい
『怖い絵2』 中野京子 朝日出版社 249p 【D】
相変わらず面白い。
ただ、前作より知っている絵が多かったせいか、その見方は強引すぎないかなぁと思うところも多かった。
沢木耕太郎/『深夜特急 』(全6冊)/新潮文庫/計1381ページ/【B】
職場の先輩のお勧め本です。インド・デリーからロンドンまで、約1年をかけて当時26歳の著者が、乗合バスで
旅した長編紀行文。30年以上も前の旅行記だが、内容は今でも色あせていない。各国の国民性や文化の違いが、
さりげなく書かれている。お茶について、「CHA」と「TEA」の話は、なかなか興味深い。旅を通して、著者が成長
しているのがよくわかる。残りページ数も少なくなると、なんとなく名残惜しい気持ちになってくる。読後感は、
とても爽やか。
『多読術』 松岡正剛 ちくまプリマー新書 205p 【D】
書評サイトが有名な松岡正剛氏がどのように本を読んでいるかを明かした読書論なのですが、
たくさんの本を読んできた教養自慢のように感じられてあまり感心しませんでした。
『功利主義者の読書術』 佐藤優 新潮社 333p 【C】
マル経から石原真理子の著作までさまざまなジャンルの本を取り上げた書評です。
以前の著作と重複しているところも多いのですが、ところどころに鋭い指摘があり、
なるほどと思うところがありました。
『お金を知る技術 殖やす技術』 小宮一慶 朝日新書 236p 【B】
投資や経済の知識を身につけ、自分のライフスタイルに合った運用を心がけましょうといった感じでしょうか
投機で一攫千金を狙うのではなく、本業で稼ぐことをすすめているまっとうな本だと思いました。
ソフトな語り口で投資の基礎知識を教えてくれる良書だと思います。
『幕末史』 半藤一利 新潮社 477p 【C】
ペリーの来航から西南戦争が終結し、明治政府が安定するまでの期間について幕府寄りの視点から座談調で
語られる明治維新史です。勝海舟の先見性と徳川慶喜のヘタレっぷりが印象に残りました
『未曾有の金融危機 克服の処方箋』 野口悠紀雄 ダイヤモンド社 348p 【C】
外需依存型の日本経済は破綻したという認識から、介護や医療の内需拡大に舵を切るべきと提言しています。
豊富な数値データを使った解説は説得力がありました。
『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』 小宮一慶 ディスカヴァー携書 191p 【C】
自社の売り上げや自部門の売り上げといった身近にある数字に関心を持つことにより、問題点を洗い出し、
具体案を立て、課題を解決するまでの一連のプロセスについて意識すべきポイントが丁寧に説明されています。
自らを省みて、数字で目標を立てる意識が不足していたことを痛感させられました。
『世論という悪夢』 小林よしのり 小学館101新書 221p 【C】
『歌舞伎町・ヤバさの真相』 溝口敦 文春新書 249p
歌舞伎町の歴史から現代の風俗まで、様々な切り口から解説している。
戦後は暴力団が危ない存在だったのだが、だんだんと外国人がその中心になってきている様が実におっかない。
歌舞伎町に未来がない、といったラストが妙に印象に残る本であった。【C】
『遠野奇談』 佐々木喜善 河出書房新社 222p
遠野物語の語り部が集めた話をまとめている。
全体的にですます調で子供向けのようだが、書いている内容は実に濃い。
猟師の自慢話と郵便局の話は直接聞いた人でないと書けないような内容。一つ一つが生々しい。
特に郵便局員が発狂する話は戦慄した。【B】
『津山三十人殺し』 筑波昭 新潮文庫 364p
太平洋戦争末期、岡山で起った大量殺人のルポ。
二部構成で前半で事件の概要、後半で犯人の素顔を語っているが、事件の概要から生々しくてお腹いっぱい。
犯人の素顔も内面を書かず素行だけを書いているが、その分迫力が増しているように思える。
よく考えたらこれほど有名な事件なのに、犯行の順番とか知るのこれが初めてだ。【C】
毎度ご無沙汰しております。
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』 入間人間 電撃文庫 275p【C】
『 〃 2』 〃 285p
『 〃 3』 〃 315p
『 〃 4』 〃 237p
『 〃 5』 〃 259p
『 〃 6』 〃 250p
『 〃 7』 〃 246p
病んでる女の子大好きな人にはお勧め。
因みに男の子も病んでます。
西尾西尾って言われているが、そこまで西尾ぽいか?
然程西尾に思い入れがないせいか。
『華鬼』 梨沙 イーストプレス 285p【D】
『華鬼2』 〃 295p
『華鬼3』 〃 320p
『華鬼4』 〃 429p
少女漫画的展開(寧ろ乙女ゲーム)と好きな絵師の挿絵に、まんまと全巻読んでしまった。
くやしい……でも後悔はしていない。
文章の巧みさや凝った伏線などには期待しないほうが吉。
『終末のフール』 伊坂幸太郎 集英社文庫 384p【D】
無理やりすぎな箇所が鼻について、楽しく読めなかった。
伊坂の世界には個人的についてゆけなくなった。所謂人気作家なのに。
評価はごく個人的なものです。
『知っておきたい日本の神話』 瓜生中 角川ソフィア文庫 223p【C】
神話について興味はあるけど詳しくは知らない。そんな人にお勧めの一冊。
記紀と書紀は壮大なプロパガンダなのだなあ。
これを記に更に詳しい一冊に進みたいところ。
『燃えよ剣 上』 司馬遼太郎 新潮文庫 576p【B】
今更ながらやっと上巻に着手。
正直時代小説は初めて読んだが、軽妙な語り口に一気に引き込まれた。
それにしてもこの土方氏、女好きである。
『若草色のポシェット』 赤川次郎 光文社文庫 275p【C】
主人公が読者とともに毎年歳を重ねて行くシリーズ、第1作目。
タイトルを裏切らない爽やかさに、軽いながらもしっかりとしたミステリ。
ある程度までは読み進めたい(現在36歳くらいらしい……)
88 :
休符(2☆5886):2009/10/01(木) 20:20:53
『クレヨン王国の十二か月』 福永令三 講談社 269p【C】
クレヨン王国シリーズ第1作目。勧善懲悪を易しく説いている。
『クレヨン王国の花ウサギ』 福永令三 講談社青い鳥文庫 229p【C】
『クレヨン王国いちご村』 〃 219p【B】
道徳や人間としての責任、自然の在り方について考えさせらる。
児童書で泣いたのは久し振りだ。
『新クレヨン王国 千年桜五人姉妹』 〃 237p【D】
「新」だけあって、良い方向にも悪い方向にも「新」だった。
クレヨン王国のファンタジー性が損なわれているような……。
『ADHD・アスペルガー症候群のある子と親のためのポジティブライフガイド』 石川真理子 明石書店 222p【B】
軽度発達障害を持つ人、その親や先生には是非読んでもらいたい良書。
ただ障害そのものについては他書などでの理解が必要。
アスペルガーについてはタイトルほど触れられていない。
『黒い家』 貴志祐介 p392 【B】
主人公は生命保険会社に勤めているが、顧客の子供が自殺して保険金
請求される。顧客の態度が不審なことから他殺を確信し、警察が
動き始める。迫力の展開でなかなか面白い。保険の造詣の深さもよい。
はも切り包丁?調べたけどそんなに迫力あるとは、しかし値段高い。
『イギリス人は何にでも賭ける』 小林章夫 p254 【D】
17、18世紀のイギリス史。賭け自体へのつっこみが浅い気がした。
『人を殺すとはどういうことか』 美達大和 p255 【C】
殺人罪で長期服役していた筆者が、同囚を書く。おれたちゃ貧乏だから
金持ちの家から金を盗んで何が悪い、帰ってきて大声を出されたから
殺した、仕方ないだろう。中で反省もせず暮らす囚人が多いのが意外だと
いうことだが、反省するぐらいなら事件も起こらないんじゃないかと思った。
『フルタイムトレーダー完全マニュアル』 ジョンFカーター p647 【C】
基礎、トレード手法、実践の3本立て、筆者の書き味が面白い。手法自体は
そのまま使えるものではなさそうだけど、もう一回読んでみようと思っている。
『私の頭の中の消しゴム』 木村元子他 p174 【C】
高校時代につきあっていた男女、男は就職後職場で新しい彼女をみつけ
自然消滅、女はコーヒーの配達中ぶつかった証券会社の男とつきあうように
なる、がアルツハイマーが進行していた。偶然ぶつかった男とつきあわないと
ずいぶんさぶいお話になるなぁと思ってしまった。
『仮面の家』 横川和夫 p238 【D】
先生夫婦が家庭内暴力の息子を殺してしまう、それに関して夫婦の身上とか
家庭内暴力の例が書かれる。しかし、肝心の事件の様子がわからん。なんじゃこれという内容。
『クライマーズハイ』 横山秀夫 p421 【C】
主人公は新聞記者で、山に登ろう会に所属、同僚の山好きの男から難所衝立岩を
登る話を持ちかけられる。しかし、当日に日航機墜落事故が起きて行けなくなってしまう。
事故と山登りのつながりがわからなかった。
『逃亡者』 清水一行 p395 【C】
倉庫で女性ホステスの絞殺体が発見された。主人がベトナム人で、
在留許可にトラブルが発生するのを恐れ、逃げる。題名の割にあまり逃げてない印象。
ボートピープルとかいう言葉は死語になったな。
『リスクテイカー』 川端裕人 p357 【C】
ビジネススクールを卒業したケンジは仲間2人とヘッジファンドを設立、
出資金をつのる。そこにかつての巨大ファンドの総帥がビッグマネーを
投資、しかしオプション戦略の失敗で半分近く資産を失う。
内容がだらけているように感じる。投資物の小説は難しいのか。
『私は株で200万ドル儲けた』 ニコラスダーバス p257 【C】
株で儲けた経緯が書かれている。ブレイクアウトについてだけかと
思ったらそうでもない。手法についてそんなに詳しく書かれている
訳ではない。最後に変なQandAがついている。
92 :
テタ(11☆2218):2009/10/11(日) 21:26:15
『出版業界最底辺日記』塩山芳明 ちくま文庫 344p
エロ漫画下請け編集者の16年間の日記。【C】
『「標準模型」の宇宙』ブルース・シューム 日経BP社 510p
素粒子物理の標準模型の解説。分かったような気にさせてくれる。【B】
HANAさん、完走おめでとうございます。
勝間和代/『効率が10倍アップする新・知的生産術 』/ダイヤモンド社/287ページ/【B】
ヤフオクで購入し、積読状態になっていた本。勝間本の中で出来が良い方だと思う。『1%の本質を見極める技術』、
『アウトプットの技術』、『人脈作りの技術』が参考になった。G-mail、すきま時間をもっと有効に活用しなければ
いけないと思った。また、常にメモ帳を持つことを始めたい。オーディオブックとマインドマップに興味を持ったので
取り組んでみたいと思う。勝間和代になるのは大変だ。
吉村昭/『高熱隧道』/新潮文庫/230ページ/【C】
昭和11年〜15年の黒部の隧道建設における、人間の姿と自然の脅威が描かれている。多くの犠牲を払った大変な
難工事だった、ことがとてもよく描写されている。軍事目的のための国家プロジェクトだったとは知らなかった。
このような国家プロジェクトでは、法律違反も咎められないようだ。人夫や亡くなった人夫の遺族が、技師や会社
に対してとても従順だったのは意外だった。建設現場の雰囲気がよくわかる。黒部で越冬するとは、すごいことだ。
吉村昭/『ポーツマスの旗』/新潮文庫/372ページ/【C】
日露戦争後のポーツマス講和会議に臨んだ、小村寿太郎が主人公の外交交渉の物語。小村とともに金子堅太郎が
アメリカ大統領ルーズべルトの橋渡しとして活躍する。実際の会議について、とても臨場感のある描写がされていて、
外交交渉の裏側がよくわかる。小村の陽と陰が良く描かれている。晩年はあまりに哀れだ。交渉前の日本国民の熱狂
ぶりと、交渉妥結後の怒りはすごいものがある。
佐藤優/『交渉術』/文芸春秋/399ページ/【C】
著者が外交官時代に知りえた交渉術やインテリジェンスの裏側、北方領土交渉や政治家・外務官僚の裏話。
他の著書と重複している話もあるが、知らないこともあり楽しく読めた。橋本、小渕、森の3代の歴代首相の
人柄や領土問題解決に対する意気込みがよく伝わる。森が著者のことを現在も気にかけているというのは意外
だった。鈴木宗男や米原万里とどうして親しくなったのかよく分かった。外交官時代に色々汚れ仕事していた
のだなと感じた。
電波時計さん、ありがとうございます。
『マスゴミ崩潰』 三橋貴明 扶桑社 243p
既存マスコミの現在のシステム上の問題点を暴いている。
発表された数字を元にしているので非常に説得力がある。しかしこれを読む限り、今のところ問題を解決する手段がないと言うところが痛いなあ。
ちなみにワタシ一年くらい前にTVが壊れてからほとんど見てないですが、何の痛痒も感じませんな。【C】
『恐怖箱 女郎花』 加藤一・編 竹書房文庫 217p
いつもの実話怪談集。相変わらず玉石混淆であるな。
個人的に身にしみたのが「禍漁り」。本に関する怪談は何とも言えない。
やっぱり霊がダイレクトに出るのより、奇妙な味を持った物の方が面白いと思う。【C】
『文学における超自然の恐怖』 H・P・ラヴクラフト 学研 303p
最初の一文があまりにも名高い評論を収めた一冊。
定本全集の方にはほとんど載っているが、何度読み返しても素晴らしい作品集である。
とくに表題作、論じられているものを全て読みたくなる。マッケン、ブラックウッドはほとんど訳されてるが、他の作者の訳はないんだろうなあ。
「ユゴスの黴」は今回読み直して初めてその素晴らしさがわかった。【B】
ご無沙汰していました。
完走された方々、おめでとうございます。
『ブラック・スワン[上下]―不確実性とリスクの本質』 ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社 P298 + P336 【B】
ポパー的な哲学に立ち、主に金融に関わって将来を楽観視する人たちに警報をならしている本です。
過去から未来を予測することがいかに困難かということや、たまにしかでないが影響度が高いデータに対して
無防備すぎる人間の浅ましさを批判しています。
著者が文学などの芸術に造詣が深く、また語り口がシニカルで読んでいて痛快で面白く、
また言っていることも共感できる良書でした。
ただ、ひたすら批判でどういう人なら認めるに値するか、ということに関してあまり言及されていないので
人が勝手に信頼している土台を壊してそれで終わり、という感もありました。
『複雑な脳 単純な私』 池谷祐二 朝日出版社 P421 【B】
進化しすぎた脳を読んで、この著者なら読みやすいと思い読みました。
いつもの通り、最新の脳科学を使って脳の解説をするというものでした。
『脳はなにかと言い訳をする』 池谷祐二 祥伝社 P353 【C】
雑誌へ載せたコラムと書き下ろしの解説をつけた本です。
上記の本よりも更に読みやすいと思います。
『新世界より[上下]』 貴志祐介 講談社 P573 + P498 【C】
2008年の国内SFで最も優れた出来と言われたので読んでみたのですが、
あまり国内のSFは好きになれないな、と感じただけでした。
『アーサー王宮廷のヤンキー』 マーク・トウェイン 早川書房 P358 【D】
タイムスリップものの古典です。当時の科学観を反映しているのか、
科学万能主義の主人公によって10年やそこらで1850年レベルの科学力を持つ
というのは無理があると思っただけでした。
『アフリカ 苦悩する大陸』 ロバート・ゲスト 東洋経済新報社 P340 【B】
アフリカの深刻な現状を語った本です。
下地が整っていない土地にヨーロッパから民主主義を輸入しても、ただ民主主義的な独裁しか起こらないということなどから、
アフリカが東南アジアのように発展するのは難しいというのが痛感した書でした。
『ソクラテスのカフェ』 マルク・ソーテ 紀伊國屋書店 P190 【C】
現代のカフェで毎週日曜に哲学討論をしている著者が、
学問の哲学のみが哲学なのではなく、こういうスノビズムに染まっている哲学もまた哲学である、と言う書です。
『超格差社会アメリカの真実』 小林由美 文藝春愁 P349 【C】
現代のアメリカは一部の特権階級、エリート、貧困層、超貧困層と4つの層に分かれてしまった現状を解説した本です。
ドキュメントの部分よりも、経済学的な解説部分が多いという印象を受けましたが、
豊富なデータからアメリカを良く描いていると思います。
『イギリス型豊かさの真実』 林信吾 講談社 P198 【C】
イギリスの税金は非常に高いものの、医療費が歯科など以外無料になっているなど、
セーフティネットが優秀であるために、もしもの事態に対して不安を持っておらず、
人生に対して悲観的になるような人がいないと語っている本でした。
しかし、そこから日本はダメだ、税金をもっと上げてイギリスみたいにしろとは言うものの、
日本の医療を数字の面からは一切論じず、税金をイギリス並に上げればなんとかなるだろ、
というような安直な意見には閉口せざるを得ません。
『移民と現代フランス』 ミュリエル・ジョリヴェ 集英社 P286 【C】
移民がフランスで権利を認められることがいかに困難か、
またそのことによって負う不具合はどれほどのものかドキュメント形式で語られている本です。
ひたすらドキュメント形式で進むために移民の生活がどれほどつらいかよくわかるのが良かったのですが、
どうしてフランスの公務員が移民を毛嫌いするのか、公務員側の意見を全く載せていないので
移民問題を十分にわかるわけではないというのは残念でした。
『「超」怖い話クラシック ベストセレクション 殯』 加藤一 竹書房文庫 399p
「超」怖い話から選りすぐった一冊。
時代を感じるものもありなかなか楽しい。特に奇妙な味のものに佳作が多い。
ただ矢張り平山夢明と比べると迫力に劣る。もう少し凄惨な話が読みたい。【C】
『墓地を見おろす家』 小池真理子 角川ホラー文庫 330p
キング始めモダンホラーを怖いと思った事はないが、これもそのうちの一冊。
昨今の怪談に慣れ親しんだ身からすると、あんまりダイレクトに怪異が起きすぎるのは返って引く。
ラストはなかなか圧巻だが、訪問者がアレになるのは正直どうかと思う。
やっぱ怖いのこそホラーでありますな。【C】
『怪談』 小池壮彦 INFASパブリケーションズ 255p
実話怪談集。
題材とかはありふれているが、淡々とした文体が恐怖を煽る。やっぱ文章の力って大事だな。
ところでこの著者、もう怪談史研究の本は書かないのだろうか。「心霊写真」名著だったのになあ。【C】
『ドキュメント 底辺のアメリカ人』 林壮一 光文社 P248 【C】
アメリカに住んでいる人種で十分な収入を得ておらず貧困と闘っている層に対して
どういう生活をしているのか、またオバマ就任前の選挙で誰を応援しているのかを質問し、
貧困層が求める政策とその背景としての現状が描かれて面白かったです。
『アメリカ下層教育現場』 林壮一 光文社 P259 【C】:
著者がアメリカの貧困地域の高校で日本に関する授業を担当したときのエピソードを紹介している本です。
貧困層の多くの生徒が片親親無しであったり、麻薬をやったりして退学するため高校卒業する生徒がいかに少ないか語られており、
日本の底辺高校とは格が違うと感じました。
『漱石 母に愛されなかった子』 岩波書店 P248 【C】
漱石の文学作品には、漱石が幼少の頃に母に捨てられた経験と、捨てられたと漱石が感じた経験から、
その経験に対する漱石のスタンスが影響しているという文学評論です。
多少無理があるのでは、と感じるものが一部あるものの、
漱石が「そっちが俺を捨てるなら俺もお前らを捨ててやる」というスタンスを持ち続けたという説明は納得できるものでした。
『性と暴力のアメリカ』 鈴木透 中央公論新社 P264 【B】
アメリカの歴史を見て、アメリカ文化の中心にはピューリタン的な宗教的影響と、
開拓によって培われた緊急時における暴力的解決の精神があると論じられている本です。
特に、アメリカは暴力で全てを解決するようなイメージがありますが、
それがあの広大な大陸で十分に裁判所、公的治安武装組織がない時代に
地方独自の即興の武装組織が必要であったこととその文化が根本にあるというのは面白く、また納得できました。
『戦場の現在』 加藤健二郎 集英社 P205 【C】
戦争地域だからって年がら年中戦争しているわけじゃないし、その住民が日々恐怖を感じているわけではなく慣れるものだ、
戦争が日々暴虐の嵐をもたらすなどというのは遠くの国が本や番組を売らせるためのフィクションである、
などというような現代の戦争地域を歩き回った著者の経験と戦争の真実が語られていて面白かったです。
ただタイトルから、現代の戦争を俯瞰的に論じるというのを期待してしまったのですが、そういうものはなかったのが残念でした。
『いじめの構造』 内藤朝雄 講談社 P265 【B】
いじめの問題がマスコミで語られるとき、子供は〜と一面的でしかない考察が語られていますが、
それは表層的でしかなく、実体はどうなのか、論じられている本です。
いじめの構造が、国家の法律などというような普遍秩序が通じない学校などの空間で、
その空間で独自に作られる群生秩序が発生するのが関係しているのは感銘を受ける指摘でした。
子供は罰せられないから限界までその幼い欲望を解消しようとするのであり、
警察などの組織が踏み込みやすい教育体制を作ればよい、ということを著者が主張し、またその具体的なモデルの提示wしているので説得力のある本だと思います。
『あなたの人生の物語』 デッド・チャン 早川書房 P521 【C】
ここ最近ではトップレベルのSF作家という触れ込みを聞いて読みました。
著者が宗教に関心があるようで、宗教的モチーフと科学を組み合わせたような作風です。
またイーガンと同じような「現実にある変化をもたらせば対象はどのように変化するか」という
書き方もしており、興味深い話が多いです。しかし、イーガンのように人間味がない登場人物、
難解なストーリーではなく、エンターテイメント寄りで読みやすいのがまた良かったです。
最後に付け足すと、私としては、表題作よりも地獄とは神の不在なりという短編が面白かったです。
『アイの物語』 山本弘 角川文庫 P584 【D】
AIをモチーフにした様々なSF短編とその短編を読むキャラクターがいるという構造のSFものなのですが、
全般的にキャラクターの性格が柔らかすぎる印象を受け、残念ですが面白くなかったです。
『遺伝子の川』 リチャード・ドーキンス 草思社 P238 【C】
利己的な遺伝子ほど重厚ではないものの、一般人がおかす進化論に対する誤りが語られている本です。
著者は相変わらず一般人向け科学書を描くのは上手いです。
『自分のなかに歴史を読む』 阿部謹也 筑摩書房 P222 【C】
歴史学者である阿部謹也がどのようにして歴史学を志すようになったか
幼少時から若い研究者時代について語られています。
研究するという行為はどのようなものか真摯に語られていて面白いので、
これから大学に入学するという高校生に読んで貰いたいです。
『強権と不安の超大陸ロシア』 廣瀬陽子 光文社 P278 【C】
旧ソ連国がソ連時代の方が良かったと感じていることや、
ソ連時代の影響か旧ソ連国でも盗聴などのような隠れた行動が見られるということが面白く感じました。
『大衆教育社会のゆくえ』 苅谷剛彦 中央公論新社 P226 【C】
日本では大衆教育をどのようなものとして見ていたのか、
また日本での教育は誰にでもチャンスがあるという幻想がデータを用いて語られています。
東大レベルでは親の財産が影響するだろうとは思っていましたが、
財産よりもむしろ親の教育観というような文化的影響の方が強い、という説はためになる話でした。
『遺伝子・脳・言語』 堀田凱樹, 酒井邦嘉 中央公論新社 P243 【C】
書名を題材にして科学者と一般人が討論するイベントを文字にして本にしたものです。
一般人が思っている素朴な疑問や、最新の科学に対して解説がされ、
また様々な分野の専門家である一般人から指摘された事実に対して科学者が考察するなど雑学的で面白い本でした。
『残像に口紅を』 筒井康隆 中央公論社 P337 【D】
世界から文字を抜いたら何が残るか、何が語られるか、という実験的な小説でした。
題材に興味を持ったのですが、メタ的な話であり主人公が著者の視点に立って話が進むということが
面白いと感じず、私には合いませんでした。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』 フィリップ・K・ディック 早川書房 P319 【D】
読む前は、イーガン的に人間と機械の境界について哲学的思索をするというものを期待していたのですが、
本書はそういった面はあまりなく、また間接的であり、それほど面白いとは思いませんでした。
『人を動かす情報術』 春木良且 筑摩書房 P245 【C】
題名は何かビジネス書のようですが、実際は情報学概論の教科書のようで質もよいです。
情報を使えるメカニズムと、その扱いを間違った事件の関係者の対応の解説などというような構成です。
『ことばと国家』 田中克彦 岩波書店 P218 【C】
標準語がまずあって、その改変版として方言がある、というのは間違いで
まず各地の言語があってそこから共通部分を切り取って標準語ができるだけだという話が興味深かった
かれんさん、ありがとうございます&完走おめでとうございます。
『わが闘争(上・下)』 アドルフ・ヒトラー 角川文庫 506+418p
言わずとしれたナチスの聖典。
上巻はヒトラーの自叙伝。生い立ちからビヤホールプッチまでがドイツの歴史に重ね合わせて述べられている。
後半はヒトラー自身の世界観や国家観。重要なのは後者だけど、面白いのは上巻かなあ。
ダンケルクの後イギリスに攻め込むのを躊躇した理由や、ソ連に攻め込んだ理由もこれを読めば何となくわかる。
大衆に対する宣伝の役割などは一読の価値有り。【B】
『怪談異譚』 谷口基 水声社 256p
明治から現代までの怪談の流れを論じた一冊。
前読んだ本もそうだけど、怪談やホラーを論じる人間は何故すぐにイデオロギーを持ち出すんだろう。
その視点からの論文はホラーをイデオロギーの道具としか思ってないようで酷く不快。【C】
遅くなりましたがHANAさん、かれんさん完走おめでとうございます。
『燃えよ剣 下』 司馬遼太郎 新潮文庫 553p【B】
新撰組副長、土方歳三の激動を描いた下巻です。
美に殉じた男の生き様にこみ上げるものがありました。
『車輪の下』 ヘルマン・ヘッセ 新潮文庫 246p【C】
周囲の大人に勉強を強いられ、神学校に進む少年を描いた自伝的小説です。
少年の心の機微や自然の豊かさを丁寧に描写している為に、少年が最期に車輪の下から解放されたように感じました。
『限りなく透明に近いブルー』 村上龍 講談社文庫 165p【C】
麻薬やセックスが蔓延る若者達の群像劇です。
徹底的に没主体な筆致が面白かったです。しかし俗性に富んでいるせいか、同著者の「コインロッカー・ベイビーズ」を読んだ時のような衝撃には足りませんでした。
HANAさん、かれんさん完走おめでとうございます。
『逃亡者』 城山三郎 p291 【C】
名作?短編集。かなり古い話で、新幹線のまだ通ってない頃。
しかし平成の時代まで再版されている。
『完全犯罪と闘う』 芹沢常行 p251 【C】
検死官として働いた時のさまざまな事件例を示す。有名事件も多く
興味深い。R大助教授不倫殺人など。
『大江戸死体考』 p227 氏家幹人 【C】
江戸時代の死体の話。首切り人山田浅衛門の話が主。
『事件の取材と報道』 朝日新聞社 p152 【C】
朝日新聞の事件報道の指針を書く。しかし、きれいごと書きながら
本音は売れないとしょうがない、他人を犠牲にしても面白い記事と
いうのが見え隠れしてどうも。
『警察官の掟』 古賀一馬 p236 【C】
警察官時代のエピソードを書いた本。既視感があった。きっと昔読んだ。
ページ数のカウントを忘れてました。すみません。
またサボってしまいました(汗)。
遅くなりましたが、電波時計さん、マイクロチップさん、テタさん、
HANAさん、かれんさん、りゅうさん、完走おめでとうございます。
ラグさん、有難うございます。
『一瞬の風になれ1 イチニツイテ』佐藤多佳子(著)(講談社文庫)254p【C】
『一瞬の風になれ2 ヨウイ』佐藤多佳子(著)(講談社文庫)301p【C】
『一瞬の風になれ3 ドン』佐藤多佳子(著)(講談社文庫)456p【C】
走る事に魅せられた高校生の陸上競技生活、三年間。
『TAKE FIVE』在原竹広(著)(電撃文庫)295p【D】
『TAKE FIVE2』在原竹広(著)(電撃文庫)275p【D】
異次元から来た犯罪者の悪事に巻き込まれる5人組。
『恋の休日』藤野千夜(著)(講談社文庫)196p【C】
教師を怪我させて高校を中退させられた金持ち娘の休日。
『夏の約束』藤野千夜(著)(講談社文庫)195p【C】
夏に嫌な思い出があるホモ達の約束。
『空に唄う』白岩玄(著)(河出書房新社)245p【C】
野ぶたな人の新作。一発屋だと思っていたので、二作目が出て驚いた。
怖くない幽霊物。ラストがいまいち。
『エンドレス・ワーカーズ』小倉一哉(著)(日本経済新聞社)261p【C】
長時間労働他、労働問題の現状分析。
黒企業はカウントされていないので実態を示すにはまだまだ不十分。
『夜明けの音が聞こえる』大泉芽衣子(著)(集英社)131p【C】
エリート予備軍だったのに、声を出さない遊びをするうち、本当に声を失い、
頭がおかしくなっていく馬鹿なお子様のお話。
『ここに消えない会話がある』山崎ナオコーラ(著)(集英社)139p【C】
ただの純文学よりは面白いけど、お仕事小説として読むと微妙。
『月魚』三浦しをん(著)(角川書店)235p【C】
老舗古書店の若い店主とせどり屋の息子の淡々とした物語。
『秘密の花園』三浦しをん(著)(新潮文庫)278p【C】
三人の女子高生による、視点変更を使った連作。
『海を超える想像力』加賀見俊夫(著)(講談社)288p【B】
オリエンタルランド誕生からディズニー・シーの成功に至るまで。
『卒業式はマリファナの花束を抱いて』伊藤たかみ(著)(河出書房新社)119p【C】
血の繋がらない姉妹の薬漬けな話。薬物ネタだけに、結末は容易く予想される。
『指輪をはめたい』伊藤たかみ(著)(文春文庫)216p【C】
頭を打ってプロポーズするべき相手が誰か分らなくなった男。
3つまた状態なのだが、三人のうち誰なのか思い出せない。
最後が微妙な終わり方すぎる。
『海峡の南』伊藤たかみ(著)(文藝春秋)196p【C】
北海道を捨てて関西へ来たものの、定住出来ず根無し草となり失踪した父を持つ息子の話。
『カンランシャ』伊藤たかみ(著)(光文社)236p【C】
不倫がテーマだが、最後にはそれぞれが立ち位置を変えて収まるので、まだ救いがある。
『おねがいティーチャー』雑破業(著)(電撃文庫)275p【C】
先生が宇宙人だという秘密を知ってしまい、結婚させられる男子高校生。
『おねがいツインズ 1』雑破業(著)(電撃文庫)319p【C】
『おねがいツインズ 2』雑破業(著)(電撃文庫)289p【C】
「おねがいティーチャー」と繋がっていて、二年後の話。
主人公の家に二人の女の子が押しかけてくるが、妹はどちらか1人でもう1人は他人。
しかし、どっちが血縁なのか、誰にも分らないまま同居生活開始。
『いもうと観察日記』沢野翔(著)(イーグルパブリシング)255p【D】
『いもうと観察日記2』青江ぷり子(著)(イーグルパブリシング)255p【D】
それぞれ独立した物語で、関連は無い。こんな妹がいるわけがない。
『聖ルシフェル学院』北都凛(著)(美少女文庫)281p【C】
絵師がひよひよだったから釣られたけど内容が痛すぎる。
『六畳一間メイド付き!』橘真児(著)(美少女文庫)280p【C】
題名そのまま。同級生と担任教師、2人も押しかけて来る。最後でもう1人増える。
『TO THE CASTLE』桑島由一(著)(集英社スーパーダッシュ文庫)231p【C】
『銀盤の妖精達』稲葉深緑(著)(イーグルパブリシング)243p【C】
『夕緋ノ向コウ側』毬江奈津子(著)(イーグルパブリシング)255p【D】
『もみじ』雑賀匡(著)(パラダイム)224p【C】
『クラスメイト』J・サイロー(著)(コアマガジン)197p【C】
『山内一豊と千代』田端泰子(著) (岩波新書)254p【C】
参加します。
『暗号解読 上』サイモン・シン 新潮文庫 p340【C】
歴史とともに進化する暗号について。
『十角館の殺人』綾辻行人 講談社文庫 p453【C】
久しぶりに読み返した。良いとは思うが一気に読めない感じ。
クロマさん、はじめまして。よろしくおねがいします。
『オーストリア皇太子の日本日記』 フランツ・フェルディナント(安藤勉訳) 講談社学芸文庫 237p 【C】
この本の面白さは「昔の日本ってこうなんだ」「外国人から見た日本ってこうなんだ」「外国の要人の公式訪問ってこうなんだ」の三本立て。
フェルディナントはけっこうイケメンでひょうきんでいい奴。
『美徳のよろめき』 三島由紀夫 新潮文庫 190p 【B】
美徳と背徳の間でよろめき続ける夫人の物語。美しい。
ラストの手紙の文面、それを書いてるときの節子の気持ち、出そうか迷う気持ちを思うと胸が苦しくなる。三島…おそろしい子!
『毎月新聞』 佐藤雅彦 中公文庫 316p 【C】
毎日新聞連載コラムの文庫化。著者は団子3兄弟の作詞をしたりピタゴラスイッチを作った人。
目の前にあるのに見えていないものを見せてくれたり、見えているものの別の見方を教えてくれたりと脳が刺激される面白い本。
マラソンにはカウントしませんが、この頃は解説の充実した画集を見てます。
オーストリアと国交何周年とかで美術館にクリムトが来たりハプスブルク家が来たり
切手シートが発売されたりでつい本もオーストリア物が多く。
『クリムトとウィーン』 木島俊介 六耀社 127p
『エゴン・シーレ ドローイング水彩画作品集』 ジェーン・カリアー他 新潮社 495p
『きつねのはなし』 森見登美彦 p323 【C】
闇に蟠る「ケモノ」が出てくる短編小説。
前半はBと個人的に評価してもいいくらいだが後半は全く良く分からなかった。
真夜中に読むことを薦める本。
111 :
テタ(11☆2626):2009/10/20(火) 22:20:00
かれんさん、りゅうさん、りーすさん、完走おめでとうございます。
『もしもし』ニコルソン・ベイカー 白水uブックス 186p
電話小説。【C】
『トルコのもう一つの顔』小島剛一 中公新書 222p
言語学者によるフィールドワーク。スパイ小説のよう。【B】
112 :
無名草子さん:2009/10/23(金) 17:28:57
みんなすげえ!
罪と罰、カラマーゾフでとても苦労したのに・・。
『伊藤真の商法入門』 伊藤真 p204 【C】
商法に関してわかりやすく書かれているとは言うものの難しい。
『黙秘』 深谷忠記 p662 【C】
北海道のホテルで精神科医が殺され、ホテルの部屋から救急車を
呼ぶよう電話した女は警察で黙秘を続ける。警察、検察、事件記者が
事件の謎を探る。余分なサイドストーリーも少なく一気に読ませる
内容だが、締めがいただけない。
『無知の涙』 永山則夫 p540 【D】
死刑囚永山の獄中記。内容は哲学的で、詩もあるがわけわからん。
面白い表現とかもあったりするけど、読むのがしんどい本だった。
『株価操作』 清水一行 p318 【C】
恋人が旅行に行くと言って失踪した陰に、勤め先の株価操作とそれに
関する二件の事故があった。あまり面白くなかった。
『博奕の人間学』 森巣博 p221 【C】
カジノでのいろいろなばくちとそれに勝ったストーリーが集められる。
「奕」の字を出すのが大変だった。
114 :
テタ(11☆2912):2009/10/28(水) 22:43:20
『笑いの遊歩道』澤村灌・高儀進 編 白水uブックス 286p
イギリスユーモア短編集。【D】
休符さん、りゅうさん、りーすさん、ありがとうございます。
りーすさん、りゅうさん、完走おめでとうございます。
クロマさん、これからよろしくです。
『表徴の帝国』 ロラン・バルト ちくま学芸文庫 232p
日本の様々な風俗について。
ロラン・バルト読むのはこれが初めてなため、エクリチュールの零度という観念がいまいちよくわからない。
素人なりに理解してみたものの、果たして合っているのかどうか。
内容自体は東寺の時代性を感じさせられ、興味深い。【C】
『幕末明治 百物語』 一柳廣孝・近藤瑞木・編 国書刊行会 299p
明治時代に行われた百物語の復刊。
時代性か幕末の話が多く、ほとんどの話が因果物。当時と現代の違いをしみじみと考えさせられる。
鍋の中を首が舞っていた話や、円朝の話など因果関係とは関係ない話が面白い。【B】
『野村胡堂伝奇幻想小説集成』 野村胡堂 作品社 507p
「奇談クラブ」と時代小説を収録。
奇談クラブの僅かな例を覗いてはやたら明朗な作品が目に付く。
その為「奇談クラブ」中の僅かな例外(現代物が多い)を待ち望む形になった。
あんまり理想的な終わりばかりだと、少々辛い。【C】
『アンドロギュノスの裔』 渡辺温 薔薇十字社 377p
事実上の全集。名高い「兵隊の死」「可哀想な姉」「父を失う話」等は何度読み返しても素晴らしい。
一時期の横溝正史と並んで洒落た作品が多いな。
今なら青空文庫で読めるようなので、上の三作品は読んでおいた方がいいと思われる。
もう少し長生きしたら、どんな作品が書かれたものか。【B】
『テロとユートピア』 長山靖生 新潮選書 238p
橘孝三郎と五・一五の関連を論じた本。
といっても橘孝三郎を知ったのはこの本で初めてなため、彼の一代記として読むこととなった。
途中から方向性を間違えた様な気もするし、テロと農村復活がどう繋がるかわからないのは僕が現代に住んでいる為か。
それにしても丸山眞男は腹が立つな。【C】
『現代幽霊論』 大島清昭 岩田書院 207p
柳田国男以来の幽霊と妖怪の分類について論じた一冊。
微に入りすぎて分析のための分析みたいになっている。当時から今までの幽霊の分類について知るには適した一冊。
それらを読んだ事のある身には、あんま意味がない。【D】
『毒菜襲来』 滝井宏臣 文春文庫 236p
中国野菜の実態について書かれた本。こういうのを読むと外食する気が失せるな。
よくもまあこれほど農薬を使おうと考えたものであるな。日本だと農薬は身体に悪いとわかっているが、向こうではそれほど一般的な考え方ではないのかなあ。
とりあえず金で健康は買えないということを再認識させられた一冊であった。【C】
完走されたみなさん、おめでとうございます。
クロマさん、初めまして。よろしくお願いします。
【C】小説「聖書」旧約篇/ウォルター・ワンゲリン/徳間書店/454P
聖書が一つの壮大な大河小説に仕上げられている。
以前、聖書を一から通読してみようとして初めの方でいきなり挫折してしまった経験があるが、
これはちゃんと読み終えることができた。
聖書入門には悪くないと思う。
ただ、翻訳があまりよくなかった。
【C】村上春樹全作品1979〜1989@/村上春樹/講談社/254P
『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』収録
正直なところ、よくわからなかった……。
【C】愛蔵版 絵のない絵本/H・C・アンデルセン/福音館書店/165P
月が語る三十三夜の短いお話。なんだかとても癒される。
しかし、福音館書店版はタイトルに反して挿絵がいくつも挿入されているため、
読後に別の出版社から発行されたものを読んだ方がよかったなと少し後悔した。
この本に挿絵をつけるのは少々不粋だと思う。絵自体は悪くないんだけれども。
【C】陰陽師 生成り姫/夢枕獏/朝日新聞社/381P
【C】陰陽師 鳳凰ノ巻/夢枕獏/文藝春秋/251P
【C】不思議の国のアリス/ルイス・キャロル/新書館/189P
【C】新訳 星の王子さま/サンテグジュペリ/中央公論新社/112P
『スキップ』北村 薫 p553 【C】
途中からダラダラしだすがそこがまたリアル。記憶喪失といってしまったらそうなのだが果たしてどうなのか。
昔読んだ物を読み返しています。皆さん宜しくお願いします。
ヒマだったので集計してみましたよ
総合順位(※10/1-31に書き込みのあった選手のみ)
りーす選手 535347
HANA選手 405148
テタ選手 112912
マイクロチップ選手 64101
りゅう選手 42375
電波時計選手 29666
休符選手 26850
かれん選手 11787
クロマ選手 1116
月間順位(※集計期間バラバラ)
かれん選手 9120
りーす選手 7674
休符選手 6794
りゅう選手 6492
HANA選手 5023
テタ選手 1548
電波時計選手 1293
クロマ選手 1116
マイクロチップ選手 743
120 :
テタ(11☆3577):2009/11/05(木) 20:31:23
偽('A`)さん、集計ありがとうございます。
『戦争における「人殺し」の心理学』デーヴ・グロスマン ちくま学芸文庫 509p
戦場で発砲のできる兵士は驚くほど少ない。人を殺すことの抵抗感のすさまじさを
兵士たちの証言で明らかにしている。【A】
『踏みはずし』ミシェル・リオ 白水uブックス 156p
【C】
『忌憶』小林泰三 角川ホラー文庫 237p【C】
中編集。前向性健忘症患者が死体を処理するホラーミステリ「土危憶」は素晴しい。
小林泰三は1冊に1作くらいは当たりがあります。
『単独捜査』ピーター・ラヴゼイ 山本やよい訳 ハヤカワミステリ文庫 511p【C】
身元不明の少女を探るうちに巨大企業の陰謀に関わっていくという、スリラー、ハードボイルド的ミステリ。
このシリーズでは人間を描くことに力点が置かれてる気が。悪くはない。
『女囮捜査官 [2]触覚』山田正紀 幻冬舎文庫 340p【C】
通り魔殺人。意図してか三文ミステリ的パルプな読み味ですが、内容は濃いです。
法月綸太郎がシリーズを評して「とびきり上等のネタの回転寿司チェーン店」は言い得て妙。
『DOG & DOLL』森博嗣 TOKYO FM出版 171p【C】
音楽エッセイ。真空管アンプ製作、ラジカセピンポン録音とかの話も面白いけど、
もうちょっと具体的なアーティストやアルバムの話もあった方が良かったです。
『騙しの天才 世界贋作物語』桐生操 NTT出版 231p【C】
世界の詐欺師や壮大ないたずらエピソード集。
アンビリーボバーや世界まる見えの脳内ナレーションで読むが吉。
『日本人はなぜ無宗教なのか』阿満利麿 ちくま新書 206p【B】
多くの日本人は、教祖や教義が明確な「創唱宗教」ではなく、不明確な「自然宗教」への信仰は篤く、
無宗教どころか豊かな宗教心を持っていると説く。一読の価値ありではないでしょうか。
『女彫刻家』 ミネット・ウォルターズ 成川裕子訳 創元推理文庫 489p【C】
女の起こした悽惨なサイコ殺人の真相を女性ライターが追うミステリ。
丹念に証言を探る前半は謎めいた展開で魅力的ですけど、それに比べると後半は尻つぼみの感が。
意外な犯人であっても意外な結末というわけではないという。もう一捻り欲しかったです。
『閉じた本』ギルバート・アデア 青木純子訳 東京創元社 190p【B】
全盲の作家が若者の助けを借りて伝記を書こうとする所から始まるサスペンス。
この不安感と緊迫感は異常。オチなんて飾りです。
『LOVE理論』水野愛也 大和書房 207p【C】
なるほどなあ。打倒トム・クルーズ。
『花夜叉殺し 赤江瀑短編傑作選<幻想編>』赤江瀑 光文社文庫 565p【B】
怪異的な美に囚われた者たちの幻想的な物語。文章がすさまじい。
「花夜叉殺し」、「罪喰い」など多々傑作。
『復原透し図 世界の遺産』ステファニア・ペニング、ドミニク・ペニング 桐島真次郎訳 三省堂 143p【C】
遺跡の現在の写真の上に、最盛期の復原図を描いた透明シートを乗せて比較を見ます。
コロッセウム、クノッサス宮殿、ポンペイ、ティオティワカン、マチュピクチュなど。
世界ふしぎ発見の脳内ナレーションで読むが吉。
『日本の危機』櫻井よしこ 新潮文庫 371p【B】
日本の抱える問題を抉り、糾弾。年金、官僚、税金、メディア、中国、教育など。
11年前の本ですが、取り上げられたほとんどの問題は大きく前進せず、
後に悪化したまま破綻したものも多いです。この国はどうなってしまうのか。
遅くなりましたが
クロマさん、はじめまして。よろしくおねがいします。
りーすさん、ありがとうございます。
かれんさん、りゅうさん、りーすさん、完走おめでとうございます。
偽('A`)さん、集計ありがとうございます。
P・F.ドラッカー/『マネジメント (エッセンシャル版) 』/ダイヤモンド社/302ページ/【B】
『マネジメント――課題・責任・実践』から最重要なものを抜粋したもの。マネジメントの使命・方法・戦略の
3つについて解説している。基本と原則に反するものは、例外なく破たんするという指摘は忘れてはいけない。また、
マネジメントをして成果を上げさせることの大切さを繰り返し述べている。ドラッカーの指摘には、ドキリとさせら
れることが多い。何度も読み返したい本だ。
レフ・トルストイ/『復活』(上・下)/新潮文庫/計980ページ/【C】
貧しい農婦の娘であるカチューシャと、彼女を堕落させた若き公爵ネフリュードの物語。カチューシャが冤罪のた
めに投獄され、ネフリュードフは彼女を献身的に支える。カチューシャの境遇に深く同情した。1800年代のロシアの
裁判や監獄についての描写が細かい。刑事犯の記述は細かいが、政治犯の記述は素っ気ない。土地問題も重視し、土
地の私有制度を否定しているようだ。政府や役人、上流階級の人々を厳しい目で見ている。第3篇では、最後に聖書
を引用して終わってしまい、拍子抜けした。
佐野眞一/『旅する巨人―宮本常一と渋沢敬三 』/文芸春秋/390ページ/【B】
異色の民俗学者である宮本常一と彼のパトロン的存在の渋沢敬三の交流を描いたノンフィクション。二人の生涯を
膨大な資料を利用し、様々なエピソードを引用して、詳しく記述している。渋沢敬三については、ほとんど知らなか
ったので勉強になった。敬三の内面の葛藤が面白かった。著者は、柳田国男については手厳しいなと感じた。第14章
「土佐源氏の謎」は、『忘れられた日本人』を読んだ人にとっては、かなり衝撃的な内容だと思う。かつては、彼ら
のようなパトロン文化があったのだな、と感じた。二人は、もっと評価されてもいい。
佐野眞一/『阿片王 満州の夜と霧 』/新潮社/443ページ/【C】
満州で阿片の密売王として君臨した里見甫の生涯と、彼の周辺の人々を克明に記録したノンフィクション。里見甫
は、本書で初めて知った。阿片密売が、満州政府の経済を裏で支えていたことが良く分かった。電通が、戦前は通信
社の機能を兼ねていたというのは知らなかった。里見の生涯を初め、彼の周辺にいた梅村うた、梅村淳の生涯につい
ては完全に掌握できなかったようだ。本書にかぎらず満州関係の書物は、完全に謎は解明されないようだ。
加藤周一/『ある晴れた日に 』/岩波現代文庫/252ページ/【C】
著者が戦時中の体験を基にして書かれた小説。『羊の歌』も一緒に読むと面白いと思う。終戦後すぐに書かれたも
のなので、戦時中の人々のさまざまな思いが良く伝わってくる。終戦を境に、画家と憲兵水原の立場が変わるのが面
白い。ただ、小説の登場人物は、比較的恵まれ、知識もあったようなので、一般大衆の暮らしや考えがどういったも
のなのかはよく伝わらない。これは、著者のせいではないが。
アクセス規制でしばらく書き込みができませんでした・・・
電波時計さん、完走おめでとうございます。
【C】十五少年漂流記/J・ベルヌ/講談社/309P
十五人の少年が無人島に漂流し、そこで切磋琢磨しながら二年間を過ごす物語。
少年たちが知恵と勇気でガンガン様々な問題を乗り越えていく様が、なんだか爽やかで楽しかった。
読後はなぜか無性にRPGがやりたくなった。
【C】鏡の国のアリス/ルイス・キャロル 芹生一訳/偕成社/302P
『不思議の〜』を読んだとき、
なぜハンプティ・ダンプティやチェスが出てこないのか疑問に思ったんだけど、
あれらはこの『鏡の〜』に出てくる話だったんだな。
二作ともカオスで奇妙な魅力があって面白い。
【D】児童文学の魅力 いま読む100冊 海外編/日本児童文学者協会編/文溪堂/253P
海外の100冊の児童文学について、
約60名の執筆者が大体一人1〜3冊ずつ担当して紹介文や評論を執筆している。
方向性がバラバラすぎて趣旨がいまいちわからなかった。
ネタバレに気をつけながら作品を紹介しようとしている方もいれば、
ネタバレにはほとんど配慮せずに評論している方もいる。
あえて自由に書いてもらったんだろうけど、少しは統一してほしかった。
特に川島誠氏は、作品を「くだらない」と罵った挙げ句、
なぜか評論家批判まで始めていて何がしたいのかわからなかった。
最後の一文は、もはやただの暴言にしか見えない。
【C】ロミオとジュリエット/シェイクスピア 中野好夫訳/新潮社/267P
悲劇というより、どちらかというと喜劇的な印象を受ける話で、ちょっと意外に感じた。
【C】瘤取り晴明/夢枕獏・文 村上豊・絵/文藝春秋/154P
話はもちろんだけど、村上氏の絵もとてもよかった。
保守
みんな規制されてんのか?
ご無沙汰しておりました。
クロマさん、はじめまして。よろしくお願いします。
完走された皆様、おめでとうございます。
『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』 小宮一慶 ディスカヴァー携書 236p 【C】
ビジネス書を読む際のポイントと経済、経営、会計、ごとに読んでおくべきビジネス書を紹介したものです。
『ロジカル・シンキング』 照屋華子・岡田恵子 東洋経済新報社 227p 【C】
論理的にしっかりしたビジネス文書、プレゼンテーションの作り方についてケーススタディを交えて
解説したものです。具体性があり、納得のできる内容でした。
『「1秒!」で財務諸表を読む方法』 小宮一慶 東洋経済新報社 215p 【B】
貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書について簡単な説明があり、そのあとで財務諸表から
日本の財政や花王、トヨタといった個別企業の企業戦略を読み解いていくといった構成になっています。
対象の切り取り方が鮮やかで、会計から企業戦略を読むという試みは面白かったです。
『選挙の経済学』 ブライアン・カプラン 日経BP社 472p 【D】
経済学の効用分析を使い、有権者の投票行動を論じたものです。
有権者の心理的な満足感と有効な政策はトレードオフの関係にあるという主張はそのとおりかもしれないと
思いました。
非常に読みづらかったのと経済学を知らず、合理的な選択をしない一般人はバカだと言っているような
エリート臭は読んでいて、気分のいいものではありませんでした。
『バカにならない読書術』 養老孟司/池田清彦/吉岡忍 朝日新書 245p 【C】
養老氏の読書論と三氏がジャンルごとにお勧めの本を紹介したものです。
『暗黙知の次元』 マイケル・ポラニー 紀伊国屋書店 146p 【C】
壱さん、ありがとうございます&完走おめでとうございます。
ニート1号さん、ありがとうございます。
太田尚樹/『満州裏史 甘粕正彦と岸信介が背負ったもの』/講談社/467ページ/【C】
戦前、満州の地で活躍した表の岸信介と裏の甘粕正彦の軌跡を記したノンフィクション。多くが甘粕についての
記述。著者が、岸と甘粕の虜になっているのが記述からよくわかる。日本に居場所のない甘粕は、満州で自害する
しかなかった。岸は、満州での経験を戦後の高度成長に大きく生かしている。後に首相になる岸と満州で自害する
甘粕の人生は、明治維新後の長州人と東北人の人生のようだ(岸は長州出身、甘粕は東北出身)。
帚木蓬生/『国銅』(上・下)/新潮社/計637ページ/【C】
長門で5年、奈良の都で5年の計10年を人足として過ごした、心優しい人足・国人の物語。毎日厳しい課役に精を出
す人足達の息遣いが良く伝わる。都に行く時は、まるで出征兵士のようだった。都の表と裏がよく描かれていると思
う。これからは、奈良の大仏を見る目が変わってくると思う。大仏を作った人足達のことを考えると思う。大きな事
件はないが、要所要所で感動する。ただ、主人公が少し出来すぎているような気がした。
垣根涼介/『ワイルド・ソウル』/幻冬舎/525ページ/【B】
戦後のブラジル移民政策に翻弄された4人の男たちが、日本政府と当時の関係者を復讐するミステリー。1章では、
ブラジル移民が、我々の想像を絶する生活を強いられていたことがわかる。2章からは、流れるような展開で一気に
読み進めることができる。テレビ局の女性記者も重要な役割を果たす。犯人の一人・ケイとの関係も気にかかる。ブ
ラジル人と比較することで日本人の欠点が顕著になる。著者は、日本と日本人を冷静に見ている。
HAMAさん、休符さん、りゅうさん、りーすさん、テタさん、ありがとうございます。
りーすさん、りゅうさん、電波時計さん、壱さん、完走おめでとうございます。
クロマさん、初めまして。よろしくお願いします。
『化物語(上下)』 西尾維新 講談社 P456 + P408 【D】
アニメ化されて人気があるという小説ですが、その中身はというとラノベの中でも特別ライトな小説でした。
少女に化物が憑いてそれを解くというのが筋ですが、ほとんどの部分はその少女たちとのコメディな会話で占められる一方、
シリアスな部分は微少で肩すかしをくらった気分です。
『日本のニート・世界のフリーター』 白川一郎 中央公論新社 P235 【C】
題名から、日本のニートと世界のフリーターにはなんらかの共通要素があるとかそういったことを想像してしまったんですが、
実際の内容は、世界・日本においての正規就業者と非正規就業者、若年無業者の状況の比較と、
各国の雇用政策の内容についての概論でした。
日本の失業率やパートの比率、ニートの比率はOECD諸国の中でも特別なものではないものの、
正社員と比較した非正社員の賃金はダントツで低く、雇用政策もまた稚拙すぎる&対策費が少ない
というのが興味深かったです。
『プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか』 (著)メアリアン・ウルフ (訳)小松淳子 インターシフト P384 【C】
内容は3部構成で書記言語の歴史、読字と脳の発達、ディスレクシア(読字障害)と分かれています。
三部のディスレクシアは専門的な考察になっており難しいことと読字障害自体に興味がわかずに終わりました。
しかし、一部は書記言語をいかに生み出したかという人類の物語として楽しめ、
二部は人間が生まれてから読字をいかに修得するかの脳の発達過程が学べ、もっとも脳科学本らしい部となっているので、脳科学の知識を求めていた私は本書の中で一番この部が読んでいて楽しかったです。
『まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』(著)ナシーム・ニコラス・タレブ (訳)望月衛 ダイヤモンド社 P387 【B】
本書のテーマを一言で言えば、主に金融関係者(エコノミストであったりファンドマネージャーであったり)の成功・結果は本当に実力なのか運なのか、それを分けて考えるのは非常に慎重な思考が重要であるというものではないでしょうか。
サブタイトルで投資家という文字が入っているので投資に興味のある人間にはもちろん勧められる本書ですが、
この運と実力、ノイズと意味を分ける思考というのは投資に関係のない人にとっても重要であると感じます。
著者もそういった一般人に対する教訓・忠告の書として意識されているようですので
是非幅広い人に読んでもらいたいと思いました。
『坊ちゃん』 夏目漱石 新潮文庫 P216 【C】
主人公の周りに対する視線の厳しさが鼻について読んでいて気分の良いものではありませんでした。
しかし、その他人に対する非難は主人公の純真さと社会になじむための他人の狡賢さの溝を表しているのだとすれば
そう感じることこそ良いことなのかもしれません。
『世界は感情で動く』 (著)マッテオ・モッテルリーニ (翻訳)泉典子 紀伊國屋書店 P320 【C】
行動ファイナンスや認知心理学の理論や研究をそれぞれ10頁に満たない程度の分量でわかりやすく書かれていて、
ビヘイビアをあっさり掻い摘んで楽しみたいという人には向いている本だと思いました。
しかし少々深く知りたいと思った人にはその浅さが仇となるのであくまで初心者向けです。
『ネガティブ・マインド』 坂本真士 中央公論新社 P221 【C】
うつ病の仕組みを心理学的にわかりやすく解説してあって、ためになりました。
うつ病の治し方よりも、うつ病のメカニズムに重心を置いているので治療法というよりも予防法として良いと思います。
『死体の本』 別冊宝島 p285 【D】
死体に関するコラム集。あまり面白くない。どっかで読んだような話とか。
『架空通貨』 池井戸潤 p464 【B】
田神町の中心企業、田神亜鉛は自社発行の通貨を流通させる。5年後に
利子をつけて日本円に戻す社債のようなもの。百貨店とかが商品券を
出すのはわかるが、亜鉛会社が「私鋳貨」を発行するなんてのは思いつかなかった
けど、歴史的にはあるらしい。内容自体も引き込まれるものがあって
一気に読める。最後ちょっとだれる。
『敗れざる者たち』 沢木耕太郎 p286 【C】
スポーツ選手のなかでも実力はあるが目立たない存在であったり、
転落していったりした人に注目して書いた短編集。
『ゾーン』 マークダグラス p334 【C】
相場に向かう時必要な勝者の心構えを書く。ちょっと回りくどい。
『賭博と国家と男と女』 竹内久美子 p222 【C】
国家繁栄のために必要な要素について書かれる。
『幽霊刑事』 有栖川有栖 p376 【C】
同僚に殺された刑事が幽霊となって自身の殺害事件の捜査に加わる。
登場人物一人一人に疑いの目がかけられ、最終的に犯人に到達するというストーリー。
『ラリーウィリアムズの短期売買法』 ラリーウィリアムズ p257 【C】
売買法とか収支とかが載っている。あまり面白くなかった。本がやたらでかい。
『仮釈放』 吉村昭 p292 【C】
無期懲役で16年服役し、仮釈放になった男の生活。そう締めるかと。
『愛と死のかたみ』 山口清人 p245 【C】
確定死刑囚と獄中結婚した妻の手紙のやり取り。他人の手紙を読むというのはなんとも言えん
罪悪感みたいなものがある。結婚に至る経緯が書かれていないのが残念。
『株価暴落』 池井戸潤 p272 【C】
経営不振におちいる大規模スーパーに融資の審査をしているところにスーパーでの爆破事件が
おきて死傷者がでる。その容疑者としてかつてスーパー進出に反対していた地元商店街の
反対運動リーダーの息子が上がる。なかなか面白くて一気に読ませるけど、ちょっと
ストーリーが荒いかな。
『死刑囚の手記』 免田栄 p221 【C】
免田事件の内容と再審後のことなど。同じような本を読んだことあるけど、免田事件は内容が
よくわからない。
『死神の精度』 伊坂幸太郎 p275 【C】
アクシデントで死ぬ人のところへ死ぬ一週間前に面接に行き、そのまま死なせるかやめるかを決める。
短編集。伊坂は今のところ今一か。
『犯罪心理学入門』 福島章 p216 【C】
犯罪の心理というよりは精神医学について書いている。内容が難しい。
『デタラメの世界』 増山元三郎 p209 【C】
確率論を簡単な読み物として書いた、と書いてるが難解。紙とペンがないととても理解できない。
といって面倒なのでそんなものは用意しなかった。
『屍鬼』 小野不由美 p545 【C】
山あいの村にある一家が引っ越して以来、原因不明の難病で村民が次々に死ぬ。
展開が遅くてだるい。読むのが苦痛になる。
『31年ぶりにムショを出た』 金原龍一 p253 【C】
強盗殺人の罪で無期懲役となって、入所31年にして仮釈放された男のその後の生活や獄中の
有名人の話など。見沢の囚人狂時代のような感じ。入所20-25年目が一番つらいらしい。
『一両目の真実』 吉田恭一 p175 【C】
JR福知山線脱線事故の一両目に乗っていた作者の体験談など。
前は見てなかったようだが、前を見ていて運転士の様子とかも見てた
人がいてたとしても生きてはいないだろうなとは思った。
『未確認家族』 戸梶圭太 p416 【D】
夫婦の夫の方にストーカーがいて、妻の方は昔裏切った男に恨まれ
乗り込まれる。妻の方の昔の裏切ったエピソードが書かれていないせいか
ストーリーの流れに入り込めない。内容も今一だった。
『熊嵐』 吉村昭 p216 【C】
熊の字は目を横にしたやつが上につきますが、面倒なので熊で代用してます。
大正時代、北海道開拓民の村に400貫の羆、あ、出た、が襲う。周辺の村から
援助がくるが、みんなびびってどうしようもない。そこに評判の悪い羆撃ちが
来て羆と対決する。羆、恐ー、みたいな小説。
『究極のトレーディングガイド』 ジョンRヒル p400 【C】
巷のトレーディングシステムの評価と評価法。1万円のトレーディングシステム
でも継続してもうかるんだなと思った。だからといってまだ行動は起こしていない。
135 :
テタ(11☆4719):2009/11/22(日) 20:28:19
壱さん、完走おめでとうございます。
『数学で犯罪を解決する』キース・デブリン ゲーリー・ローデン ダイヤモンド社 381p
米テレビドラマの関連本。校正が甘い。【D】
『夜のフロスト』R・D・ウィングフィールド 創元推理文庫 761p
ミステリー。【B】
かれんさん、ありがとうございます。
柳父学/『翻訳語成立事情』/岩波新書/212ページ/【B】
社会・権利など10の翻訳語について、明治期にどのように生まれ、それらが日本人の思考にどのような影響を
及ぼしたのか、コンパクトに説明している。「翻訳語」についての考察がメインだが、文明批評や文学論ともいえる。
幕末から明治にかけての辞書や評論が随所に引用され、翻訳語の意味が時代とともに変わっているのが面白い。
福沢諭吉が翻訳に苦労している様子が手に取るようにわかる。著者の「カセット効果」という考え方は、目から鱗
だった。1982年刊行と古いが、絶版になっていないので、良書だと思う。
著者の名前を間違えました。正しくは、「柳父章」です。
『狂骨の夢』京極夏彦 講談社文庫 p969 【C】
前作に比べると退屈で、キャラも余り良くない感じでした。でもまあ良かったと思います。後半はちょっと苦痛です。
『火車』 宮部みゆき p590 【C】
失踪した婚約相手を探して欲しいと休職中の知人刑事に依頼、
捜索が開始される。婚約相手にカード審査が通らなかったことを
伝えたことで失踪、職場など周辺から調べてゆく。なかなか面白かった
けど、こう締めるかという。クレジット問題とかが詳しく書かれていて
半端な知識じゃ小説は書けないなと感心する。しかし宮部はいまひとつ好きになれんな。
『こまった人たち』 カルチャベック p276 【D】
チェコ人?のジョーク短編集。こういうのが好きな人にはいいかもしれないが。
『ホワイトアウト』 真保裕一 p637 【B】
テロリスト集団が山奥雪深い発電所を乗っ取り、50億を要求する。
唯一の脱出路の取り付け道路を爆破して通行不能にして、犯人グループはどのように
脱出するつもりなのか。現金の受け渡しはどうするつもりか。
それに発電所勤務の男が単独逃げ出し、犯人グループと対決する。
目次を見たときなんじゃこりゃ?と思いましたが、寝食を忘れて没頭する一冊。
睡眠時間が短くなりました。Aにしてもいいかなという気はしたが何となくBにした。
『本当に困った人のための生活保護申請マニュアル』 湯浅 誠 p211 【C】
生活保護を認められる生活困窮者とは、だいたい4人家族で貯金ゼロ、手取り20万以下
ぐらいであればなれる資格があるとのこと。それで申請すれば99%通るらしい。
しかし、福祉事務所は申請をなかなか受け付けないので
それをいかにするかを書く本。まあ確かに言えばすんなりお金もらえるなら
みんなやってるわな。そのような事情がよくわかる。
りゅうさん、完走おめでとうございます。
電波時計さん、かれんさん、テタさん、ありがとうございます。
【B】蠅の王/ウィリアム・ゴールディング 平井正穂訳/新潮社/361P
無人島に漂流した少年たちが、選挙(多数決)により決められたリーダーのもとに
集団生活を営もうとする点は十五少年漂流記と同じ。
しかし蠅の王の場合は最初からグダグダ。
初めはほら貝を中心になんとか秩序が保たれているものの、
それも徐々に崩壊してゆき、秩序を保ち続けようとする少年と
獣性に目覚めた少年の血生臭い対立へと発展していく。
精神的な救いがまったく無い恐ろしい寓話。
現実の社会に当てはめて考えてみると最悪の気分になる。
【B】モモ/ミヒャエル・エンデ 大島かおり訳/岩波書店/360P
「時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語」
という長い副題通りの話。
時間の国の描写や、その国の主であるマイスター・ホラの台詞など、
深く印象に残るシーンが多かった。
【C】シェイクスピア物語/ラム 矢川澄子訳/岩波書店/251P
シェイクスピアの戯曲11編を、短編小説として書き下したもの。
なんか味気なかった。
【B】白夜行/東野圭吾/集英社/860P
文庫本にしてはやけに分厚いので少し敬遠していたが、あっという間に読めた。
中心人物二人の心理が最後までまったく描写されないのが、とてもいい。
ドラマを知らずに読んでいれば、もっと楽しめただろうなと思うと残念。
【C】名画に教わる 名画の見かた/早坂優子/視覚デザイン研究所/208P
中世から現代の西洋絵画についての解説本。
特に画中画の解説が多かった。
絵画に込められた作者の意図や、時代背景などがわかりやすく説明されている。
ところどころ、レイアウトが悪く読みづらいページがあったのが難点。
142 :
テタ(11☆5067):2009/11/29(日) 08:30:06
りゅうさん、完走おめでとうございます。
『センセイの書斎』内澤旬子 幻戯書房 163p
作家などのイラスト付き書斎紹介。【C】
『ちぐはぐな身体』鷲田清一 ちくま文庫 185p
ファッションを哲学する。【C】
りゅうさん、完走おめでとうございます。
『清張さんと司馬さん』 半藤一利 日本放送出版協会 251p 【C】
文藝春秋社の編集者として松本、司馬の両氏に接した半藤氏が当時の思い出と作品の解説をしたものです。
半藤氏は司馬氏の歴史観には異論があるようで、フィクションとしてよくできた小説だが、史実に忠実では
ないためか評価が辛くなっています。
司馬遼太郎が書かなかった部分について言及されているところは、なるほどと思いました。
『9つの性格』 鈴木秀子 PHP研究所 333p 【C】
人間の性格を9つに分類し、それぞれの性格の長所と短所、他人とつきあう上で、考慮すべきポイントを
述べた性格診断のような本です。自分には結構当てはまっていたので、違和感なく読めました。
『山崎豊子全集(22)(23)(24) 沈まぬ太陽』 新潮社 645p+373p+699p 【C】
最近ニュースになることの多い日本航空の組合問題や御巣鷹山墜落事故を題材にした小説です。
日本航空を政治家と御用組合の幹部は自分たちの金づる、官僚は天下り先としてしか考えておらず、本書を
読んで感じた日本航空の問題点は誰も責任を取ろうとしない無責任体質につきるのではないかと思いました。
フィクションとして割り引いて読んでもひどい話が多く、日本航空が現状のようになるのも当然のように
感じました。
『予想どおりに不合理』 ダン・アリエリー 早川書房 345p 【B】
MITをはじめとするアメリカの名門大学の学生を被験者にして、人をおちょくったような実験をし、アメリカの名門
大学の学生でも、まぬけな行動をとってしまう結果から、人間の判断の誤りには規則性があるといことを導き
出します。笑いとともに人間性に対する鋭い洞察があり、面白く読めました。
『父が子に教える昭和史』 半藤一利/藤原正彦ほか 文春新書 266p 【C】
月刊文藝春秋の昭和史に関する記事をまとめたものです。
若干右に偏っているような気もしますが、内容は概ね妥当なのではないかと思いました。
『昭和史 1926〜1945』 半藤一利 平凡社 509p 【C】
りゅうさん、ニート1号さん、完走おめでとうございます。
『怪談倶楽部 廃墟』 平谷美樹 竹書房文庫 263p
実話怪談集。話自体は割と他の怪談集と似通った物が多かったが、高楼館を題材とした一連の物はなかなか面白かった。
マンネリに陥りかけている実話怪談、一つのものを主題にするというのはなかなか斬新かもしれない。
この作者には一度東北を題材とした実話怪談集でも作ってもらいたいものである。【C】
『高い城の男』 フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫 399p
第二次世界大戦が枢軸国側の勝利に終わった世界を描くあまりに名高い一冊。
日本人全体が易を信じていたり、なかなか妙なところはあるが傑作で一気に読み切ってしまった。
ラストが少々唐突な気がするが、これ以外の終わり方はなかなか難しかったのかな。【B】
『「超」怖い物語 黒陰』 飯野文彦 竹書房文庫 287p
シリーズ三作目。
前作よりましだけど何となく微妙な話が多かった。バラバラの話を連作にしたような感じがする。
人を怖がらせるというのは難しいものだと再認識した。【C】
『妖術使いの物語』 佐藤至子 国書刊行会 337p
主に江戸時代の読本や芝居に登場する妖術使いを紹介した一冊。
陰行や飛行、動物の使役などバリエーションの豊富さが何とも楽しい。
使う人物も石川五右衛門や児雷也等有名所から、今まで知らなかった無名の妖術使いまで様々。
読みながら原典も読みたくなる一冊であった。【C】
『誰も知らなかった京都聖地案内』 小松和彦 光文社智恵の森文庫 239p
京都に行ったお土産に買ってきた。
比叡山や貴船、鞍馬といった有名所の紹介が中心だが、ネタが尽きたのか後半はほとんど京都と関係ない場所の紹介であった。
この手のを読んでいると、一週間くらい滞在してあちこち回ってみたくなる。【C】
『恐怖箱 十三』 加藤一・編著 竹書房文庫 219p
実話怪談集。
相変わらず玉石混淆。中にはなかなか凄みのある話もあって概ね満足できた。
「火守り人」や「顛末」等、やはり因果関係を表に出さないのが面白いなあ。【C】
『山神を見た人びと』 高橋貞子 岩田書院 236p
岩手県岩泉に伝わる伝承や民俗を集めた一冊。最近はこういう伝承などをダイレクトに集めたものを読んでいなかった気がする。
山神に会った話や天狗の話、小正月の行事などどこか懐かしい話が沢山詰まっていた。
昔は伝承が面白く民俗行事は退屈なだけだったが、最近はむしろそっちの方が面白く感じるようになった。【B】
『ゲームホニャララ』 ブルボン小林 エンターブレイン 222p
ゲームに関するエッセイ集。
昔のゲームに関する蘊蓄や思い出みたいなのを期待していたので、少々当てが外れた感じ。
純粋にゲーム自体に関するエッセイでありました。
とはいえ個人的に大いに同意する部分も多々あり。ウィザードリィのパッケージの魅力とか。【C】
壱さんテタさんニート1号さんHANAさんありがとうございます。
『賭博と掏摸の研究』 尾佐竹猛 p331 【D】
古い本なので文体が古く読みにくい。犯罪の民俗学を読んでおけばいい。
『恐怖の報酬』 赤川次郎 p284 【D】
会社に来訪する人用に駐車場の予約をするのを忘れていたが、たまたま
空きが出た分は出張から戻ってこれず死んでしまった人のものだった。
その死の報いを後でうけることになる。そんなことはないだろうと。
『投資銀行青春白書』 保田隆明 p248 【C】
投資銀行で活躍する女の子の話。投資銀行とはヘッジファンドみたいなもの
かと思ったら、企業コンサルタントのようなものらしい。中身がわかる。
『ネガティブマインド』 坂本真士 p221 【C】
メンタルヘルスについて、原因、対処法などを書く。専門的でややわかりにくい。
『「ごめん」で済むなら警察はいらない』 柳原浩 p230 【C】
富山冤罪事件について犯人とされた著者が体験を記す。また弁護団が
国賠訴訟の内容について書く。著者は文章が下手。なぜ嘘の自白を
するに至ったかがわかりにくかった。
『FXで稼ぐ人はなぜ「1勝9敗」でも勝つのか?』 松田哲 p247 【C】
FXで勝つための考え方について書く。戦略についてもうちょっと
つっこんで書いてくれるとよかったかと思った。
『法医学教室の午後』 西丸與一 p292 【C】
法医学関連の自身の体験を書く短編集。事件ものが多いと思ったが
そんなことはない。
『プロレスの裏知りたい』 野末陳平 p236 【C】
プロレス界の内情が生々しく書かれる。
『刑務所の中』 花輪和一 p239 【C】
自身の刑務所体験をマンガで書く。絵でみるとわかりやすくよい。
『基礎から学ぶ外国為替相場』 林康史 p229 【C】
外国為替市場のしくみを書く。広く浅くかな。
りゅうさん、ニート1号さん、完走おめでとうございます。
茂木健一郎/『脳を活かす勉強法』/PHP研究所/192ページ/【C】
「勉強法」とタイトルにあるが、受験勉強にすぐに役立つような小手先のテクニックは書かれていない。「いかに
して自分の脳を喜ばせるか」について書いている。そしてそれによって、「学びの習慣」を身につけることが大事だ
と言っている。とても読みやすく、具体例が多いので内容も理解しやすい。脳の中に、強化学習による回路を作るこ
とがとても大事だ、と感じた。
伊藤真/『夢をかなえる勉強法』/サンマーク出版/223ページ/【C】
本のタイトルは、「勉強法」だが、具体的な勉強法は、全体の3分の1ほどで、後は、挫折しそうになった時の対処
法や、ポジティブ思考の方法など、人間の本質的なことが中心。著者の体験も多く、わかりやすい。今すぐにできる
ことばかり書かれている。「元気ノート」「夢ノート」はすぐに実行できる。何度も読み返したい。
150 :
テタ(11☆5520):2009/12/09(水) 20:30:55
ニート1号さん、完走おめでとうございます。
『数学が経済を動かす』G.-M.グロイエル R.レンメルト G.ルップレヒト編 シュプリンガー・ジャパン 222p
レポートの寄せ集めみたい。【E】
『闇の奥』コンラッド 光文社古典新訳文庫 231p
【C】
りゅうさん、ニート1号さん、完走おめでとうございます。
『最新行動ファイナンス入門』ジョン・R・ノフシンガー ピアソンエデュケーション P113【C】
『行動ファイナンス』ヨアヒム・ゴールドベルグ ダイヤモンド社 P227【C】
『行動ファイナンス』角田 康夫 金融財政事情研究会 P171【C】
『「投資リスク」の真実』吉本佳生 PHP研究所 P302 【C】
『証券投資の思想革命』ピーター・L. バーンスタイン 東洋経済新報社 P493【C】
現代ポートフォリオ理論から効率的市場仮説、MM理論、ブラック=ショールズなどの
ファイナンス理論を考案した有名人について語った読み物なんですが、
語り口が堅くなく読みやすいものでした。
『資本主義は嫌いですか?』竹森俊平 日本経済新聞出版社 P283【B】
バブルとはどのようなものか、現代的な金融市場の問題、流動性
の3つの問題について扱った経済本でした。
資本主義自体についてひたすら述べる本だと思ったので期待が外れた失望がありましたが、
話としては納得でき、知らないことばかりで面白かったです。
『個人投資家がマーケットに勝てない本当の理由』渡辺信一 ダイヤモンド社 P237【D】
効率的市場仮説があるから短期的取引が主流の個人投資家(機関も)は儲けられない
という話を軸においてとMM理論やコーポレートファイナンス、デリバティブについて説明されてました。
標準ファイナンスは完全に正しいとまでは言わないまでも少し行き過ぎな感じがしたので少しがっかりしました。
『いじわるな遺伝子』テリー・バーナム 日本放送出版協会 P301【B】
生存上有利な(遺伝子が命ずる)戦略と最近の人間の価値観に基づく戦略は一致しない
という話でした。ユーモアに溢れており読んでいて愉しかったです。
『人間この信じやすきもの』トーマス ギロビッチ 新曜社 P356【B】
人間の情報処理能力に根付いているバイアスやヒューリスティクスについての
豊富な事例が載っており、人間のミスのしやすさを知るのが好きな自分には合っている本でした。
『共感覚者の驚くべき日常』リチャード・E. シトーウィック 草思社 P334【C】
『詭弁論理学』野崎昭弘 中央公論新社 P208【C】
『雪国』川端康成 新潮社 P208【C】
『斜陽』太宰治 新潮社 P244【C】
『デミアン』ヘルマンヘッセ 新潮社 P223【C】
『悪童日記』アゴタ・クリストフ 早川書房 P244【C】
『逆転世界』クリストファー・プリースト 東京創元社 P425【C】
『カーネギー自伝』アンドリュー・カーネギー 中央公論新社 P372【C】
大掃除にも飽きたので集計しましたよ
総合順位(※10/1-11/31に書き込みのあった選手のみ)
りーす選手 535347
HANA選手 407350
ニート1号選手 190008
テタ選手 115067
真空選手 79801
マイクロチップ選手 64101
りゅう選手 50048
電波時計選手 33874
休符選手 26850
かれん選手 14414
壱選手 12434
クロマ選手 2632
月間順位
りゅう選手 7673
壱選手 5131
ニート1号選手 4964
電波時計選手 4208
真空選手 3661
かれん選手 2627
HANA選手 2202
テタ選手 2155
クロマ選手 1516
電波時計さん、かれんさんありがとうございます。
『新世界より』 貴志祐介 p953 【C】
1000年後の日本は人類が呪術をつかえる世界となっていた。
しかし、子供がなぜか時々消え去ることがあった。
べつにSFが嫌いなわけじゃないけど、はっきり言ってあまり面白く
なかった。読むのが苦痛。
『私が見た21の死刑判決』 青沼陽一郎 p286 【C】
死刑裁判の傍聴記録。21とは言うもののオウム物が多い。
後半だれてくる。まあまあ。
『どちらかが彼女を殺した』 東野圭吾 p355 【C】
刑事の妹が死んだ方がいいかもしれない、と電話し、心配した刑事が
妹宅に行くと死んでいた。一見自殺に見えるが刑事は他殺を確信、
個人捜査で容疑者に迫る。そこに加賀刑事がからむ。シリーズ物って
どうなんかと思うけど、かなり面白く300ページ程度と思えない中身の
濃さもよいが、最後まで読んで犯人がわからんってどういうこと?と思う。
『ルポ精神病棟』 大熊一夫 p241 【C】
昭和40年代、新聞記者が患者の扱いがひどいと言われる精神病院に潜入した
ルポタージュ物。潜入記録はなかなか面白いが、その後の是非論とかは
知識もない新聞記者が勝手なことを言ってるな感があり読んで不快。
ニート1号さん、完走おめでとうございます。
偽('A`)さん、集計ありがとうございます。
【C】ソフィーの世界/ヨースタイン・ゴルデル 池田香代子訳/NHK出版/667P
西洋哲学入門の入門という感じ。
物語を通して西洋の哲学史が学べる。
個人的には、ストーリーも哲学史も中盤以降が面白かった。
【C】高校生のための論理思考トレーニング/横山雅彦/筑摩書房/215P
英語と日本語の対比から、論理についてわかりやすく解説されている。
トレーニングパートがちょっと物足りない。
【C】陰陽師 龍笛ノ巻/夢枕獏/文藝春秋/247P
【C】くらしの科学がわかる本/現代用語の基礎知識サイエンス班/自由国民社/158P
【C】経済ってそういうことだったのか会議/佐藤雅彦/日本経済新聞社/357P
【C】アマゾン 生態と開発/西沢利栄 小池洋一/岩波新書/221P
『死体を語ろう』 上野正彦 p243 【C】
死体は語るのつもりだったけどなかったせいかこうなってしまった。
対談集。読まなくていいかな。
『マンガ日本人と天皇』 雁屋哲 p381 【B】
日本人の国民性、下の者が上の者に服従を強要される、組織の論理で
筋の通らないことを押し通す、これは天皇制が元凶だという。
それは言いすぎだろうと思いつつ、こんな考え方もあるんだなあと
興味深く読めた。こういう本を読みたかった訳じゃなかったんだけど
それはそれで面白かった。
『ガール』 奥田英朗 p253 【C】
OLモノ短編集。面白いものありいまいちのものあり。まあでも読んでよかった。
『反転』 田中森一 p410 【B】
自叙伝。少年時代は自給自足の貧乏生活、親には勉強するなとせっかく
手に入れた参考書をくみとり便所に捨てられる。そんな中大学進学、
司法試験合格、特捜検事となったものの、事件がもみ消されることが
何度かあったせいでやりがいをなくして弁護士に転進、バブル期に
大儲けして湯水のように金をつかい、最後にはバブル崩壊、犯罪に巻き込まれる。
最後、「まぎれもない地獄」に落とされる。すごい人生だなと面白く読んだ。
しかし、表紙の半顔の写真は何?
『百器徒然袋-風』 京極夏彦 講談社文庫 p825 【B】
榎木津が好きだったので読んでみた。シリーズよりは陽気な感じで全く暗くなく、割と好みだった。
最後の終わり方が好きだったのでB。かなり個人的な評価で申し訳ない。
『「1日30分」を続けなさい!』 古市幸雄 マガジンハウス p219 【C】
最近、改めて英語等の勉強をやりたいと思い一読してみた。
数ある勉強法を書いた本を纏めた感じがした。これらが一番の王道なのだから失敗することはないだろうが期待していたほどではなかった。
「第5章 本気の人のための英語勉強法」は普通すぎて拍子抜けした。
159 :
たかし:2009/12/19(土) 23:41:26
松原朗著『教養のための中国古典文学史』研文出版より
読みやすく勉強になりました。
160 :
たかし:2009/12/19(土) 23:44:34
ページ書き忘れ。217p
161 :
テタ(11☆6440):2009/12/20(日) 19:32:48
偽('A`)さん、集計ありがとうございます。
『少年になり、本を買うのだ』桜庭一樹 創元ライブラリ 361p
読書日記。読書量がすごい。【B】
『死はわが隣人』コリン・デクスター ハヤカワ文庫 559p
ミステリー。【C】
『お金と正義 上』 神田昌典 p317 【C】
姉が自殺して、その秘密を書いたファイルを盗み出そうとする。
ストーリーの流れが現実離れしていてついていけない。
『オウム法廷連続傍聴記』 佐木隆三 p213 【C】
オウム裁判の前半を書いていて、肝心なところに入ってない感じがする。
『私が彼を殺した』 東野圭吾 p471 【C】
主人公の妹は詩人でその関係で脚本家と結婚しようとするが、脚本家は
妹の前に付き合っていた女をはらませて捨てる。その女は遺書を残し
服毒自殺。主人公、脚本家の助手、編集者に殺人の動機があり、女の
用意した毒を手に入れる機会がある。一方結婚式のバージンロードで
脚本家は倒れそのまま死ぬ。加賀の犯人探しが始まる。これも前に書いた
どちらかが、と同じく最後まで読んでも犯人がわからない。ストーリー
的にはちょっと無理があるように思える。誰かが主人公に「お前の秘密を
ばらされたくなければ薬ケースに毒薬を混入させろ」と手紙を出すところなど。
偽('A`)さん、集計ありがとうございます。
『アナザー』 綾辻行人 角川書店 677p
綾辻久々の新刊はホラーミステリ。
前半の謎めいた少女の正体から、ラストの謎までプロットの作りは流石に見事。
恐怖の設定がご都合主義みたいな気もするが、そんなことお構いなしに最後まで読ませる力を持っている。
「暗黒館」で枯れた。などと思ってすいませんでした。【B】
『怪集 蠱毒』 加藤一・編 竹書房文庫 243p
創作怪談集。
創作怪談コンテストだと甘く見ていたら「クロスローダーの轍」等という傑作も含まれていて油断ができない。
「蝗の村」とかゲームを主題にしたのに面白いのが多かった。【C】
『世紀末と楽園幻想』 池内紀 白水社 254p
ウィーン世紀末の画家達を扱った評論集。
この前クリムト展を見てきたため、見てきたのと会わせると一人一人の画家の背景とかがわかる。
実に良いタイミングで読んだものである。【C】
『大和万葉旅行』 堀内民一 講談社学術文庫 365p
奈良を万葉の歌に沿って、地域別に紹介した一冊。
何度か行った春日や飛鳥、二上も歌によって紹介されるとまた違った趣が感じられる。
一度も行ったことのない吉野、葛城にも行きたくなる。
この手の本を読むと、一度暇を取ってゆっくり旅行がしたくなるので困る。【C】
『雨の降る夜、死霊メールが』 椙本孝思 アルファポリス文庫 154p
ホラーミステリ。
冒頭のメールの謎は一瞬で解けたし(むしろアレは謎なのか?)、犯人の正体も掴むヒントはなし、チャット相手もあまりにご都合主義と読んでいて粗が目立つ一冊だった。
いっそ本当のホラーにして、全部祟りでした。の方が良かったかも知れない。
無理にミステリ色を付けようとして失敗しているように思える。【D】
『疲労凍死/天幕の話』 平山三男 山と渓谷社 415p
五月末、那須連山で遭難した高校生パーティーを描いた作品と、天幕で起きた不思議な話を描いた作品。
五月末という初夏に凍死するものかな。と不思議に思ったが、よく考えるとこないだ八月に北海道で凍死していた。
山では一瞬の判断の迷いが命取りになるという事がよくわからされた。
充実感もあるだろうが、後に残された家族は堪らないな、これ。【B】
『水魑の如き沈むもの』 三津田信三 原書房 569p
今までのシリーズ作品と違い、飛び抜けた暗さがないのは舞台が屋外だからか。そう思って読み進めると神事の隠された陰惨さに不意打ちを喰らわされる。
こういった不意打ちを喰らうとミステリを読んでいるという充実感が感じられるなあ。
首無には矢張り及ばないものの、ミステリを十二分に楽しめる一冊でありました。最後に探偵の推理が二転三転するのは何時も通り。【B】
『神隠しと日本人』 小松和彦 角川文庫 238p
日本に昔から伝わる神隠しを事例を挙げながら詳しく解説している。
古典から最近のものまで色々あるが、矢張り遠野物語や早川孝太郎など民俗社会に直結した話が一番興味深い。
最後に神隠しというものが社会を機能させる為のシステムということが書かれており、それまでの幻想を吹き飛ばすのも一興。
我々が異界を失ったのは幸か不幸か。【C】
『蓮如文集』 蓮如 岩波文庫 253p
蓮如が門徒に書いた手紙を集めた一冊。
信心の勧めが中心となっているものの、身の回りのこととか他の宗派にあまり楯突くな、とかも書かれていて手紙としても面白かった。
短い手紙の方が内容が圧縮されていて、読み応えがあるなあ。【C】
『ザ・ニッポンレビュー』 えいち・編著 洋泉社 255p
ブログ「誤訳御免」の書籍化。アニメとかゲームの話題は少なめに押さえられている。
個人的にはむしろそっちの方が濃い話題が多くて好きなんだけど。一般向けには仕方ないのかなあ。
日本の本屋が天国だったり、しゃぶしゃぶにピーナッツソースを付けたり、矢張り海外の反応は面白い。
ブログの方だとyoutubeとかに直結しているけど、こちらは写真だけなのでそこが少し物足りない。【C】
『折口信夫集 神の嫁』 折口信夫 ちくま文庫 382p
小説、怪異に関する論考、作家に関するエッセイと一冊にしては盛りだくさんな内容。
今回初めて読んだ「生き口を問う女」、大阪弁をねっとりとした文体に混ぜ合わせると実に効果的ということを思い知らされた。
文体としては「死者の書」よりこちらが気に入ったかも。
後半の論考は大半が以前読んだものであるが、読み直すとやはり新たな発見があって面白かった。【B】
『インド仏教の歴史』 竹村牧夫 講談社学術文庫 301p
ブッダが悟りを開いてからインドから仏教が消え去るまでを、大まかに紹介したもの。
やはり原始仏教、部派、大乗という風に紹介されているが、部派の紹介があっさりしすぎているような気もする。
これを読んでおけば仏教の大体の流れはわかるのではないだろうか。【C】
今年はこれで読み納め。
それでは皆様、良いお年を。
HANAさん、完走おめでとうございます。
HANAさん、電波時計さん、テタさん、かれんさん、壱さん、ありがとうございます。
偽('A`)さん、集計ありがとうございます。
『三国志談義』 安野光雅/半藤一利 平凡社 231p 【D】
子供のころから三国志に親しんできた両氏が三国志について語り合ったものなのですが、自作の俳句の披露とか、
武将に点数を付けるとか、やっている両氏は楽しいのかもしれませんが、読んでいるこちらは、ヘンな自意識を
見せられたような気がして、厨二病のような痛さを感じました。
『儒教三千年』 陳舜臣 中公文庫 277p 【C】
儒教の歴史と中国でどのように受容されたかをエッセイ風に紹介したものです。
現代の中国人が儒教についてどう考えているのかを、もう少し詳しく書いてほしかったです。
『「東京裁判」を読む』 半藤一利/保阪正康/井上亮 日本経済新聞出版社 437p 【C】
以前に類書を読んだときにも感じたことですが、連合国側による勝者の価値観の押し付け、日本側被告の死刑を
免れるための責任感に欠ける詭弁と、東京裁判は人間の醜さを見ることができる茶番劇だと思いました。
裁判の陳述なので、読んでいて、あまり面白いものではなかったです。
『帝国以降』 エマニュエル・トッド 藤原書店 299p 【B】
識字率の上昇と出生率の低下は政治の近代化をもたらすという人口学の見解から、イスラム圏やほかの
発展途上国も穏健な民主主義体制に向かうだろうと予想し、むしろ世界各地で戦争をふっかけるアメリカの
ほうが問題だというスタンスを取っています。
世界を説明するツールとして人口学は刺激的でおもしろいと思いました
『ウォーラーステイン』 川北稔編 講談社選書メチエ 237p 【C】
ウォーラーステインの思想を研究者の方々が解説したものです。
中核と周辺などの切り口はおもしろいと思うのですが、資本主義は近いうちに崩壊するだろうという決定論的な
見通しには疑問を感じました。
『外務省ハレンチ物語』 佐藤優 徳間書店 271P 【C】
自らの経験から外務省の実態をノベライズしたものです。
佐藤氏は外務省に恨みを持っているのはまちがいないと思うのですが、セクハラ、公金横領まがいのことが
まかり通り、それにして外務省の実態はひどいと思いました。
『論理哲学論考』 ウィトゲンシュタイン 岩波文庫 240P 【D】
最近読んだ複数の本でやたら本書がすすめられていて、「本文は150ページぐらいだし、いけるかな?」と
思って挑戦してみたのですが、案の定、自分の読解力ではさっぱりわかりませんでした。
『ウィトゲンシュタインはこう考えた』 鬼界彰夫 講談社現代新書 417P 【C】
あるところでウィトゲンシュタインの入門書としては本書が一番だと聞いたので、どうせ「論理哲学論考」を
読んでも、理解できないだろうから解説書も用意しておくかとおもい手に取りました。
残された日記や草稿から丹念にウィトゲンシュタインの思想をたどった労作だと思うのですが、
やはり本書も難しかったです。
『文明の接近』 エマニュエル・トッド/ユセフ・クルバージュ 藤原書店 298P 【C】
識字率の上昇と出生率の低下が同時に起きると、政治は穏健化するという自らの仮説に
イスラム諸国の現状はあっているかどうかを一国ずつ検証したもので、先進国がたどった道と
同様のことが起きており、イスラム諸国は穏健化すると予測しています。
『新自由主義のたそがれ』 根井雅弘 中公新書 193p 【C】
いわゆる新自由主義経済を主導したフリードマンと彼と対立したサミュエルソン、ガルブレイスとの
論争を追ったものです。
『歴史が教えるマネーの理論』 飯田泰之 ダイヤモンド社 206p 【C】
幕末や昭和恐慌を例にとり、貨幣とは、物価とは、為替レートとはなにかを考察したものです。
『日本銀行は信用できるか』 岩田規久男 講談社現代新書 209p 【C】
金融の専門知識がないし、事なかれ主義、前例踏襲の官僚組織と日銀を徹底的に批判しています。
金融緩和をしない日銀に対する岩田先生の怒りが伝わってきました。
『寝ながら学べる構造主義』 内田樹 文春新書 207p 【B】
『確率的発想法』 小島寛之 NHKブックス 237p 【C】
『ネット評判社会』 山岸俊男/吉開範章 NTT出版 215p 【C】
『考える技術としての統計学』 飯田泰之 NHKブックス 222p 【C】
『オタク論!2』 唐沢俊一/岡田斗司夫 創出版 211P 【C】
『日本サッカー偏差値52』 杉山茂樹 じっぴコンパクト 247p 【C】
それでは皆様よいお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いします。
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
ニート1号さん、ありがとうございます。
『アルラウネ(上・下)』 H.H.エーヴェルス 国書刊行会 277+313p
愛した男を次々に破滅に導く、所謂「宿命の女」物。
読みながらなんとなく「パンの大神」と「フランケンシュタイン」を連想した。
前者はストーリーから、後者は創造物によって愛するものを奪われるという所から。
人工授精、今でこそ普通の物だが当時は魔法の技術であったのだなあ。【B】
みなさまあけましておめでとうございます。
『深夜特急1』 沢木耕太郎 p238 【C】
深夜特急シリーズの最初の本。出発からバンコク着まで。
マカオの博打の様子が面白い。深夜特急シリーズの中では一番面白いんじゃ
ないのかな。
『インザプール』 奥田英朗 p279 【C】
精神科医伊良部シリーズ。まあまあ。
『兜町物語』 清水一行 p424 【C】
株式恐慌で経営危機に陥った証券会社を立て直した男と作家への道を
進む男のストーリー。相場物と思ったら違ったな。
172 :
テタ(11☆7349):2010/01/08(金) 22:31:43
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
『麗しのオルタンス』ジャック・ルーボー 創元推理文庫 299p
おふざけミステリー。【C】
『ウィンザーの陽気な女房たち』ウィリアム・シェイクスピア 白水uブックス 181p
【C】
『リーマン予想の150年』黒川信重 岩波書店 148p
リーマン予想とその周辺の紹介。【B】
『〈声〉の国民国家』兵藤裕己 講談社学術文庫 281p
浪花節が近代の国民国家形成に大きな役割を果たした、という興味深い考察であるが、少し根拠が薄いように思う。同じような言い回しの使い回しも気になる。
【B】
偽('A`)さん、集計ありがとうございます。
HANAさん、完走おめでとうございます。
辰濃和男/『 四国遍路』/岩波新書/248ページ/【C】
元朝日新聞記者の記者が、四国お遍路の旅を綴ったエッセイ。著者は順打ち(徳島→高知→愛媛→香川)で旅を
続けていくが、高知まではよくありがちな楽しい紀行文だった。しかし、愛媛に入ってからは哲学的な内容に変わっ
ていく。著者の心に変化があったのか。お遍路さんにお接待をする四国の人々の優しさが伝わってくる。
石川文洋/『 四国八十八カ所』/岩波新書/198ページ/【C】
元戦場カメラマンが、写真付きで自らの四国お遍路の旅を丁寧に記録したもの。宿泊したホテル名や食堂名が掲載
されているので、お遍路のガイドブックとしても使えそうだ。辰濃本と比べるとやや読みごたえがない。
吉村昭/『 大黒屋光太夫』(上・下)/毎日新聞社/計502ページ/【C】
江戸時代に漂流し、ロシアに流れ着いた、大黒屋光太夫とその一行の漂流物語。光太夫一行に対して、ロシア人が
とても親切に接しているのが印象に残った。以前に読んだ本では、日本に帰還後は、ほとんど自由がないと書かれて
いたが、本書では割合自由に暮らしているという印象を受けた。
今年もよろしくお願いします。
『悪霊 上』 ドストエフスキー p601 【E】
訳文が悪いせいか頭悪いせいかさっぱりワケワカラン。たぶん下巻は読まない。
はじめまして、参加させてください。
よろしくお願いします。
『幻夜』/東野圭吾 779p 【C】
途中まで面白かったけど、最後がなあ…という。
『クローズド・ノート』/雫井 脩介 441p 【C】
さらっと読めましたが、そのためかヒロインの印象があまり残らなかったです。
息吹先生と生徒のお母さんの手紙が良かったと思います。
こんな先生現実にいたら、体がいくつあっても足りないのでは。
『QED 出雲神伝説』/高田 崇史 【C】
もはやミステリーがメインではなくて、神話や歴史メインになってしまっている気が。
殺人事件がおまけのようになっているような。
176 :
テタ(11☆7349):2010/01/19(火) 20:40:11
『グアテマラ伝説集』M.A.アストゥリアス 岩波文庫 281p
前半の妖気に満ちた分からなさがよい。【C】
177 :
テタ(11☆7630):2010/01/19(火) 20:41:46
ページ数をたし忘れてました。
『追伸』 真保裕一 p271 【C】
結婚を約束した男の方がギリシャに転勤になり、女の方が後から追って
いくはずが、交通事故にあったのをきっかけに離婚方向に動く。親類は
その女の祖母が犯罪にかかわっていて、その血をひいているからと言う。
『狭山事件』 佐木隆三 p234 【C】
狭山事件の経緯と裁判について書かれる。筆者は狭山事件で犯人とされた
男の肩を持っていて冤罪と考えているところが別府三億円とは違うところ。
読んで捜査がずさんなのはわかったけど、犯人かどうかはまた別かとも思った。
『小説兜町』 清水一行 p461 【C】
興業証券では戦前に勤めていた男で株の才能がありながら辞めていった男を
再雇用した。その男が株で勝ったり負けたりしながら名前を売っていく。
相場師の行く末を書く。証券会社の内情のようなものがわかってなかなか面白い。
『殺人病棟』 志賀貢 p306 【C】
弁護士と医者の肩書きを持つ主人公が医療コンサルタントになって、初めての
仕事が在学した大学内での殺人だった。教授の椅子をめぐる争いと殺人の関係を書く。
2時間ドラマみたいな感じかな。
『雪の八甲田で何が起こったのか』 川口泰英 p296 【C】
八甲田雪中行軍の悲劇を当時の資料を読みつつ分析する。新田次郎の
八甲田山死の彷徨を読んでから読むと面白い。過去の資料を読みつつ
少佐の自殺は作者の創作じゃないかなど解析している。
『驕りの失敗』 村上薫 p292 【D】
日中戦争、太平洋戦争の敗戦原因を探る。前半はよいが後半だれて読んで疲れる。
『砂の女』 安部公房 p218 【C】
虫取り好きの教師が浜辺に新種の虫を探しに行くが、そこの部落は砂丘に
埋もれたような形で存在していた。熱中して帰れなくなった主人公は穴の底の
住居に招待されるが、降りた時に使った縄ハシゴは消えていた。そこにいた
女との生活、脱出を試みて失敗を繰り返すがついに砂丘に登ることに成功する。
『関ケ原(上)』 司馬遼太郎 新潮社文庫 p539 【A】
まだ上なので関ケ原に入るかなり前の石田三成と徳川家康について書かれている。
恥ずかしながら司馬遼太郎を始めて呼んだのだが中々楽しめた。
『14歳の世渡り術 受験国語が君を救う!』 石原千秋 河出書房新社 p190 【C】
高校入試の国語の長文読解の解き方と国語を得意にする方法が書かれている。
問題の解説があっさりしていたのと、勉強法があまり具体的ではなかったのがマイナス。
『暗号解読(下)』 サイモン・シン 新潮文庫 p366 【C】
ここまで読んでも付録の問題が全く理解できず。
でも中々良かった。
『百器徒然袋ー雨』 京極夏彦 講談社文庫 p732 【A】
『〃ー風』を先に読んでしまったので。
普段の百鬼夜行もこれくらい明るかったら、と思わせる本。
『相場のこころ』 ロイWロングストリート p234 【C】
相場格言集。
『ちょっといい話』 佐藤光浩 p207 【C】
ちょっと泣けるいい話集。例えば、優勝して賞金取ったゴルファーが
帰り駐車場で女に、子供が入院してるが金がなくて困ってる、と言われ
賞金の小切手をそのまま渡す。後にあれは詐欺師と言われ、ゴルファーが
じゃあ子供もいないのか、と聞くと、そうだ、と言われ、それは今週一番の
ニュースだ、と答えた、などの話。逆にちょっと悪い話もあれば読んでみたいものだ。
『沈黙のルール』 ディヴィッドリンジー p330 【B】
IT業界の大立者タイタスはアルヴァーロという男から、6400万ドルを払わないと
知り合いを一人一人殺すと脅された。警察への通報を禁じられるが、盗聴器を
取り除いた翌日知り合いが二人謎の死を遂げる。
タイタスは知り合いの元CIA情報部員を雇い入れテロリストに対抗する。
徹夜注意と書いてあったがその通り嵌れる。後半がややしょぼいような気はした。
『ルパンの消息』 横山秀夫 p331 【B】
匿名のたれこみで15年前の英語教師の自殺は実は殺人事件と判明。匿名者は
ルパン作戦を実行した高校生3人組が犯人と言ったが、時効までは1日しかない。
3人組から事情聴取していく過程でさらに7年前の3億円事件との関わりなど謎がとけてゆく。
なかなか面白いけど、いろいろ粗があると思う。特に、殺人の動機がいまいち
しっかりしてないなと思った。
『死体は語る』 p209 上野正彦 【C】
昔のベストセラー本、監察医としての体験を語る。後半あまり死体と関係
なくなってきてるみたいで違和感があった。
『復讐するは我にあり』 佐木隆三 p414 【C】
西口事件を収録している。最後の最後まで書いているところに好感がもてる。
詐欺の手口とかなかなか面白い。
電波時計さん、ありがとうございます。
りゅうさん、完走おめでとうございます。
よつばさん、これからよろしくです。
『閉じた本』 ギルバート・アデア 創元推理文庫 322p
ほぼ全編、会話で構成されたミステリ。
イギリスの読者なら一瞬でおかしいとわかるようなネタも、日本で居る者にとってはわかりずらい。
トラファルガー広場の銅像などほぼ確認する手段がないし、ギャラリーのパズルも同様。
初めておかしいと思ったのがブレアの件と新しい首相の件。
ネタがわかりやすかったらもっと楽しめたと思った。【B】
『おひとり京都の愉しみ』 柏井壽 光文社新書 286p
京都を一人で愉しむためのガイドブック。
観光はいいとして食事。一人で楽しむためにはなかなかハードルの高い店が揃っている。
8000〜20000円くらいの店はどうしても人と一緒に楽しみたいものですな。
ホテルの紹介は値段もそこそこで役に立ちそう。【C】
『現代は百物語 怖イ話』 西浦和也 竹書房文庫 223p
実話怪談集。
幽霊系狂気系ではなく不思議な話が多い。その手の話の常としてイヤ感はあまりない。
実話怪談読む度思うが、やっぱり新機軸打ち出すというのは生易しいことではないのであるな。【C】
『次に来るメディアは何か』 河内孝 ちくま新書 232p
新聞・TVの問題点を挙げ、生き残るにはアメリカのような集約された大型メディアにならなければならない。
と提言しているのだが問題はそこではないような気がする。
ネットとかで問題にされているのはTVのつまらなさと新聞の信頼性というもっと地味な問題で、そこをそのままに規模だけ大きくしても無駄なような気がする。
著者と私の見ている方向の違いかなあ、こういう事思うのは。【C】
184 :
無名草子さん:2010/01/31(日) 16:25:32
ていうか、読書メーターやればいいのに。
『恐怖箱 しおづけ手帳』 村松進吉・深澤夜 竹書房文庫 223p
実話怪談集。
全体的に長い話が多い。「チキンレース」とかは結構笑える箇所があった。
怪談で笑うのもどうかと思うけど。【C】
『蘆江怪談集』 平山蘆江 ウェッジ文庫 293p
創作怪談集であるが、実話怪談のはしりみたいな話も含まれていて楽しめた。
「悪業地蔵」から「縛られ塚」が作られたと言っているが、あまり共通項は無いように思われた。
むしろ題材をこういう風に膨らませるのかと参考になること多々。【C】
『浄土三部経(上・下)』 岩波文庫 379+264p
浄土系列の根本聖典。
上巻には無量寿経、下巻には観無量寿経、阿弥陀経を収録。
畏れ多くて評価は差し控えさせていただきます。
『上司小劍コラム集』 上司小劍 龜鳴屋 487p
上司小劍が新聞に発表したコラムを収録した物。単行本未収録まで網羅されている。
明治特有の西洋崇拝が鼻につくが、現代の新聞にあるような大上段からお前等愚民を啓蒙してやる、という高慢さが無く楽しめる。
社説のような物から四季風俗を描いた物まで多岐に渡るが、後者の方が読んでいて楽しい。【C】
『ネトゲ廃人』 芦崎治 リーダーズノート 223p
廃人のインタビュー集。無事生還した者もいればそのままの人間もいて、まさに麻薬であるな。
一時やっていた身からすれば、実に生々しいインタビューもある。
しかしある程度やったら飽きるとおもうんだけどなあ、あの手の物。【C】
『映画大臣』 フェーリクス・メラー 白水社 456+97p
ゲッベルスが当時の映画界に与えた影響を考察している。
一読した印象からいうと、検閲はいいけど組織作りがボロボロな感じがする。
ヒトラーの意見にも左右されるし、何となく中間管理職の悲哀を感じさせるような場面も。
週刊ニュースとか目の付け所は悪くないのもあるんだけど。【C】
『心霊写真部』 福谷修 竹書房文庫 375p
心霊写真を主題にした連作短篇集。
主人公が最初は普通の女子高生だったのが、終わりの方になると何か特殊能力を身につけてる。
ていうか終わり、第一部完って何だよ。ジャンプの打ち切りじゃないんだから。
売れて後半が出るのお待ちしております。【C】
『神社霊場ルーツをめぐる』 武澤秀一 光文社新書 318p
日本全国の神社や霊場を紹介。
行ったことある場所も多く、その場所その場所が懐かしく思い出された。特に恐山、もう一度行ってみたいなあ。
紹介されているのが妙に関西近辺に集中しているため、暇を見つけて言ってみたく思った。【C】
『アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか』 佐藤唯行 新潮文庫 263p
ユダヤ人ロビーがアメリカの政策にいかに影響を与えているか、を考察した一冊。
こういった圧力団体の行動をみるに付け、民主主義の限界とかが見える気がして嫌な気分になる。
結局の所利権の奪い合いですな、どこの国もこのシステムは。【C】
『黄昏のベルリン』連城三紀彦 文春文庫 441p【B】
出生の秘密を知らされた日本人がベルリンで陰謀に巻き込まれる国際謀略小説。
真相に辿り着いてからの怒涛の展開は円熟の成せる技。さすが連城と言わざるを得ない。
88年刊ですが、翌年にベルリンの壁が崩壊したことを考えると感慨深いです。
『リベルタスの寓話』島田荘司 講談社 378p【D】
今日的な話題や技術を取り入れる21世紀本格の姿勢はあんまり評価しません。
表題作よりも密室殺人を扱った「クロアチア人の右手」の方が良いです。
『パースの城』ブラウリオ・アレナス 平田渡訳 国書刊行会 232p【C】
チリの詩人によるゴシック小説風シュールレアリスム小説。
1934年の青年が夢の中で1134年の城にタイムスリップ。
とりとめのない展開に振り回されますが、個々のシーンや描写は悪くない。
『密室』マイ・シューヴァル/ペール・ヴァールー 高見浩訳 角川文庫 445p【D】
スウェーデンの社会情勢を色濃く交えた警察小説。1971年。
社会批判も強く、全体的に地味でちょっと読み辛いです。
意表を突いた結末は良し。
『夢野久作全集9 ドグラ・マグラ』夢野久作 ちくま文庫 669p【A】
再読。つまりアンポンタン・ポカン君の解釈で良いのか……否、
矛盾が生じるのではないのか……等と堂々巡り……。チャカポコチャカポコ……
西原和海の解題はコンパクトながら必読。
毎度ご無沙汰しております。
『パンドラの匣』 太宰治 新潮文庫 351p【B】
太宰には珍しい、未来に向かう青少年の青春小説です。
収録の二編は日記形式と書簡形式で書かれてあり、若者の"あるある"が沢山詰まっていました。
誰にでも薦められる一冊。
『図書室の海』 恩田陸 新潮文庫 304p【D】
恩田作品の番外編などを集めた一冊です。
短編として味わうには物足りなく、番外編として読むには予備知識が無さ過ぎました。
読者の受け入れ間口は広い方が好きだ、と自分勝手なことを言ってみる。
『六番目の小夜子』 恩田陸 新潮文庫 339p【C】
サヨコ伝説なるものがある進学校。そこに小夜子という美少女が転校して来ます。
途中の疾走感溢れる描写から、無意識のうちにカタルシスを求めていました。
でも小夜子の存在意義が不明瞭で、納得しかねるラスト。
『少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記』 桜庭一樹 創元ライブラリ 361p【C】
作家桜庭一樹のweb連載読書日記を纏めた一冊です。
兎に角量を読んでいて、さも面白げに書いているので、読みたい本がどんと増えました。
女性作家ですが、一人称が俺なのはなんとも。
『キノの旅X-The Beautiful World- +同Y』 時雨沢恵一 電撃文庫 231p+227p【C】
人間キノと人の言葉を話す二輪車エルメスの旅を描いた連作短編集。
現代社会への痛烈な風刺が冴える作品。
何物にも染まらないキノのスタンスも面白い。
HANAさんありがとうございます。
『バカの壁』 養老孟司 p204 【C】
ベストセラー本。人それぞれ理解の限度があるということだが、何を
言いたいのかよくわからん。何で400万部も売れたのか?宣伝の力?
『正義の剣』 佐木隆三 p368 【C】
新米裁判官の公判と、その恋人が裁判官の担当する事件に迫る様子。
実際の事件のことも書いているようで興味深い。
『極点飛行』 笹本稜平 p587 【D】
極点の飛行機会社に勤めていた主人公が南米の金持ちに雇われ南極の
私設基地で働くが、ナチ財宝探索に巻き込まれ、ナチス末裔との戦いとなる。
読んでてくどくて疲れる。
『告白』 湊かなえ p268 【C】
夜回り先生との間に子供を持つ理科教師は子供をつれて通勤していたが、
ある日子供が学校のプールで溺れ死ぬ。最初は事故と見られていたが、
理科教師は生徒二人の犯行と知り、警察に届けず復讐をする。
人気で手に入れるのに苦労したが、それほどのものがあるのか。
にしても読後感がめちゃ悪い。
191 :
テタ(11☆8555):2010/02/10(水) 21:06:13
『さよなら、愛しい人』レイモンド・チャンドラー 早川書房 375p
村上春樹訳のチャンドラー。【C】
『細胞発見物語』山科正平 講談社ブルーバックス 222p
細胞そのものの解説もしながら、発見のエピソードも盛り込まれている。
【C】
『鳥羽伏見の戦い』野口武彦 中公新書 328p
ドキュメント鳥羽伏見の戦い。【B】
今更な質問ですが、同じ本を読んでもページ数には加算しない方が良いんですよね?
四年前に参加していて、久し振りにまとまった時間が取れたので、暫定的に復活させて頂きたいんですが、
古い本の読み直しがしたいだけなら、ハンドルネームも変えて一からスタートし直した方が良いんでしょうか?
『告白』 井口俊英 p323 【C】
銀行で米国債取引で損失を重ね12年間隠したが告白、その後の
ストーリーを語る。それにしてもものすごい金額で想像もつかない。
それにしても平然としているように見える。
『海辺のカフカ上』 村上春樹 p397 【C】
家出して松山の図書館に通う15才の少年と、戦時原因不明の記憶喪失
となり、四国に向かう老人。
『こまった人』 養老孟司 p213 【D】
コラム集。何を言いたいのかよくわからない。
『レベル7』 宮部みゆき p665 【C】
レベル7まで行ったら戻れない、と日記に書き残し失踪する女子高生と
記憶喪失で目覚める男女、ある4人殺害事件で交わる。人間関係がややこしく
逆引きしていくのでついて行きづらい。締めがいまいち。でも面白い。
『ベトナム戦記』 開高健 p300 【D】
ベトナム戦争取材記。あまり面白くなかった。
『たちの悪い話』 バリーユアグロー p159 【D】
バッドエンドのファンタジーという本。ファンタジーにバッドエンドは似合わなかった。
>192
再読もページ数に加えていいと思いますよ。以前からそうでしたし。
復活を歓迎します。
『天使の耳』 東野圭吾 p284 【C】
交通もの短編集。
『天皇家の生活99の謎』 福知怜 p260 【C】
いろいろな面から天皇家の生活を分析している。
『無人地帯』 永瀬隼介 p426 【C】
ある田舎の山岳地帯には狼伝説があり、過疎化が進む中頑固に
そこに住み続ける一人の男がいた。そこに新たな開発計画が
持ち上がる。
『平気でうそをつく人たち』 Mスコットペック p334 【D】
筆者は精神科医で、来院するノイローゼなどになる患者は家族関係が
悪いことがあることを見つけ、その家族の心理状態を解析した。
『飢餓海峡上』 水上勉 p332 【C】
戦後間もないころ、青函連絡船が嵐で沈む事故があり、数百人が
行方不明となったが、同じ日に北海道で強盗殺人、放火事件があった。
その犯人とされる3人のうち2人は船の事故で岸にうちあげられた
身元不明者2人と一致した。先が読めない展開が面白い。
>>192 私は再読もページに上乗せしてます。その辺明確なルールないんで加えていいんじゃないすかね?
復活お待ちしてます。
『11枚のとらんぷ』 泡坂妻夫 創元推理文庫 396p
ミステリ。作者の手品師らしい趣向があちこちに凝らされていて楽しめた。
小道具を散らかしておく意味が弱かった気もしたが、欠点はそこだけで後は文句なし。
特に作中作、マジックのトリックがこれほど魅力的とは思わなかった。【B】
『「超」怖い話Π』 加藤一・編著 竹書房文庫 223p
実話怪談集。
この手の話には食傷気味なのに、ついつい買ってしまう。
単なる祟りとかそういうのより、よくわからない話の方が楽しめる。【C】
『方丈記』 鴨長明 岩波文庫 151p
冒頭があまりにも有名な古典。
内容も冒頭同様に世の無常と出家の穏やかさを説いているが、少々あざといような機がしないでもない。
後半の影印はいらないなあ、読みにくいし。【C】
『本願寺』 井上鋭夫 講談社学術文庫 289p
本願寺の歴史を記した一冊。
親鸞死後から蓮如までの間はあまり知らなかったので、詳しく記されていて助かる。
他の本同様石山合戦後は本当にさらりと触れられているだけ。
ま、その期間は面白くないのではあるが。【C】
『数えずの井戸』 京極夏彦 中央公論新社 771p
四谷怪談、小平次の次は皿屋敷。
出てくる人間のほとんどが強迫神経症を患っているとしか思えない。
僕個人も多少その気があるので、何となく他人事の様な気がしない。
悲劇に転がり込むラストを見て何となくやるせない気分になった。【B】
『恐怖之場所 死にます』 倉阪鬼一郎 竹書房文庫 260p
いくら竹書房文庫から出しても、いくら実話テイストを気取ってもクラニーはクラニーであった。
ここまで作風がはっきり刻印されるのも凄いと思う。
登場人物ほぼ全員、果ては作者までが壮絶な最期を遂げるのも何時も通り。
何となく安心した。【C】
『ジャック・ロンドン幻想短篇集』 ジャック・ロンドン 237p
五つの短編が収められているが個人的にお勧めなのは「赤い球体」と「古代のアルゴスのように」。
特に後者は主人公の苦難は別として何とも楽しい小説に仕上がっている。
「コックリ占い板」は長い割に大したこと無いように思えたが、「水の子」「夜の精」はそれなりに面白かった。【C】
『拝金社会主義中国』 遠藤誉 ちくま新書 248p
公園での婿捜し、大学生の就職難など既存マスコミだとまず報道されない、作者の実体験からくる記事が面白い。
格差格差と騒がれていたけど、まだ日本の格差など甘いということをつくづく思い知らされるなあ、中国関連の本を読んでいると。
それでももう中国の拝金主義は止まらないと思う、それが良いことか悪いことか別として。
オチの中国は社会主義と名乗らなければ良いところまで行っている、というのは何とも皮肉が効いて笑えたけど。【C】
『四季 春・夏』 森博嗣 講談社文庫 p286+282 【A】
天才科学者・真賀田四季の過去について。
「春」では人間味の無い5歳だったが、「夏」は叔父への恋心など覚えたばかりの感情を何度も確認したりするギャップが良かった。
『不可能を可能にする 最強の勉強法』 吉田たかよし php文庫 p272 【C】
吉田たかよし式勉強法をざっと纏めた感じ。
吉田たかよしは何時でも情報の吸収だけを考えているんだと思った。
読書法は使えそうなので機会があればやってみたい。
『絡新婦の理』 京極夏彦 講談社文庫 p1374 【A】
百鬼夜行シリーズ第五弾。
今回は関口が余り登場しなかったのですいすい進んで気持ちよかった。
最後は思わず最初の数ページを読み返してしまった。
『介護入門』 モブ・ノリオ 文春文庫 p155 【B】
最初はこれが芥川賞?という感じだったが中々引き込まれてしまい、後半は涙が出そうだった。
好き嫌いはかなりあると思うが自分は楽しめた。
『斎藤孝のガツンと一発シリーズ第1巻 勉強なんてカンタンだ!』 斎藤孝 php p93
小学生向きの本だが保護者が読んでも良い本だと思った。
シンプルだけど一番効果のある勉強法だと思う。
『関ケ原(中)』 司馬遼太郎 新潮社文庫 p538
評価忘れてました。すみません。
『斎藤孝のガツンと一発シリーズ第一弾 勉強なんてカンタンだ!』 【C】
『関ケ原(中)』【A】
200 :
ページワン(319):2010/02/27(土) 15:35:26
ベートーベンの生涯 青木 やよい 平凡社新書 P.319【C】
ベートーベンって実はけっこういい奴で、インド哲学の勉強もする
インテリだったんですね。
皆さん、はじめまして、よろしくお願いいたします。
ページワンさんよろしくお願いいたします
『刑務所の王』 井口俊英 p461 【C】
大和銀行巨額損失事件の筆者がUSの拘置所で出会った男の自叙伝を
本にした。17歳で刑務所に入ってからの殺さなければ殺される的
渡世術を書く。ただし、自叙伝なので多分に美化されてるんだろうなと思う。
『マリア様がみてる』 今野緒雪 p252 【C】
女子高に通う主人公の生活を書く。女子高ってこんな感じ?というのが出てる。
『探偵倶楽部』 東野圭吾 p330 【C】
探偵倶楽部とは、政財界のVIPのみを会員とする調査機関、探偵倶楽部が
事件の謎を解く短編集。適度な入り組み具合のトリックがよい。
『トレーダーの精神分析』 ブレットスティーンバーガー p472 【C】
成功するトレーダーになるための心構えを書く。
『青の炎』 貴志祐介 p398 【B】
進学校に通う頭の切れる高校生が、家に住みつく母の再婚相手を殺すための
完全犯罪を考える。しかし、そもそも頭がいいんだから、殺す以外の解決策を思いつくんじゃないか
とかあるけど、読んで面白いし嵌れた。結末が悲しいのがちょっとと思った。
『黒龍江省から来た女』 永瀬隼介 p215 【C】
夫にインシュリンを打ってつかまった女のノンフィクション。あまり目新しい
ものはないように感じた。
ページワンさん、これからよろしくです。
『中国経済がダメになる理由』 三橋貴明・石平 PHP研究所 237p
中国問題だけではなくむしろ日本国内の問題、マスコミ等に軸足を置いた発言が目立った。
一年前の本なのでいくつか古い情報があるものの、それから状況が改善されているとはとても思えない。
個人的には中国が分裂して力のある小国がいくつか出来る方が、日本にとっては不味いような感じがするなあ。【C】
『幽談』 京極夏彦 メディアファクトリー 269p
幽連載の諸作に書き下ろしを追加した物。
「手首を拾う」等はストーリーはあまり大した事はないものの、ここまで書ききる筆力に感心させられる。
書き下ろしもストーリー的には五十歩百歩のような気がするが「十万年」は面白く読めた。
全編中一番気に入ったのは「成人」。流石「怪談実話系」で一二を争う傑作だけある。【C】
『バウッダ』 中村元・三枝充悳 講談社学術文庫 509p
バウッダは仏教を信奉する人の意。
入門編として書かれたというが教典の内容より文献学的な記述が多く、あまり入門には向かないような気がする。
阿含経についてはある程度理解した上で読むのがいいと思う。大乗教典は基本から押さえているんだけど。【C】
『ドイツ幻想小説傑作集』 今泉文子・訳 ちくま文庫 319p
「金髪のエックベルト」は以前から読んでみたかったので、ここで読めて満足。
ホフマンの「ファールンの鉱山」はこの手のアンソロジーには絶対に収められているなあ。
紛う方なき傑作なので、未読の人は一読をお勧めします。
この手のアンソロジー、最近は出ることが少ないので大いに満足できた。【B】
『木曜日だった男』 チェスタトン 光文社古典新訳文庫 345p
秘密結社、アナーキズム、スパイ。これらの言葉からは想像も出来ないほど楽しい話であった。
前半の謎めいた雰囲気から、スパイをめぐるドタバタ、後半の楽しい追跡劇まで一気に読み切ることが出来た。
ラストの解釈が色々考えてみたけど謎のまま。結局日曜日が何だったのかは各個人で考えるしかないのかなあ。【B】
『京都カフェ散歩』 川口葉子 祥伝社黄金文庫 255p
京都行ったついでに買ってきた。
行ったことあるのはイノダコーヒと小川珈琲くらいであるが、これを読むと様々なところを巡りたくなってくる。
有名な六曜社、何度か表を通ったけど一人で入る勇気がなかったが、今度こそ入ってみようと思う。
しかし異様に喫茶店率高いな。【C】
『化物語(上・下)』 西尾維新 講談社BOX 445+401p
アニメ化されたのを機に買ってみた。
何より会話が面白い。漫才の台本を読んでいるかのよう。
しかしキャラによって会話が変るため、面白い部分とそうでない部分がはっきり分かれているけど。
メフィスト連載ということでミステリ系を期待したのだが、その部分は全くなかった。【C】
HANAさん完走おめでとうございます。
ページワンさんこれからよろしくお願いいたします。
『変身・断食芸人』 カフカ 岩波文庫 144p【C】
ある朝起きたら巨大な毒虫になっていた。
思わぬ病気などで、主人公と同じ境遇になりうるかもしれない。
『不道徳教育講座』 三島由紀夫 角川文庫 341p【B】
これは面白い。一見不道徳なことを説いているが、言っていることは至極真っ当。
『幕末新選組』 池波正太郎 文春文庫 432p【C】
新選組一番組組長、永倉新八を主人公とした時代小説。
『少女地獄』 夢野久作 角川文庫 274p【B】
女の罪と罰が描かれているのかな。再読したい。
『15×24 link one〜six』 新城カズマ 集英社スーパーダッシュ文庫 318p+355p+240p+330p+269p+303p【C】
15人の少年少女たちの24時間を描いた群像劇。
読みが甘いのかよく分からなかった。様々な書評家が絶賛している。
東野で抽出したらほとんど全部が「C」ですね
ほとんどB以上の作家ってだぁれだ?
いれば教えてください
『四季 秋・冬』 森博嗣 講談社文庫 p291+258 【C】
真賀田四季に接触を試みる人達の話。
春・夏に比べるとちょっとだらけてしまう。
『だれかのことを強く思ってみたかった』 角田光代 左内正史 集英社文庫 p244 【C】
写真と超短編小説で東京という町について描く。
「まわる季節」が好き。
『関ケ原(下)』 司馬遼太郎 新潮社文庫 p492 【A】
完結篇。終わり方が良かった。
『少女には向かない職業』 桜庭一樹 創元推理文庫 270p【C】
中学生が殺人を犯す。
女子中学生らしい含羞と、罪は罪であるという点が良かった。
『"文学少女"と恋する挿話集』 野村美月 ファミ通文庫 383p【C】
ハイネや中也などといった詩集をモチーフにした短編集。
『"文学少女"見習いの傷心。』 野村美月 ファミ通文庫 414p【C】
『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん8+9』 電撃文庫 543p+216p【C】
だんだん読みづらくなってきた。でも次で最終巻だそう。
208 :
ページワン(764):2010/03/06(土) 09:55:31
「仮想儀礼(下)」篠田 節子著 新潮社 P.445 【B】
信仰とは仲間同士が同じ場所に集まって楽しく過ごすことから始まるということを痛感させる一冊。
神様とは常に弱きものの傍らにあるのではなく、弱きものが神様を必要とするのだ
HANAさん完走おめでとうございます。
『波のうえの魔術師』 石田衣良 p301 【C】
謎の老人とフリーターが組んで都市銀行と対決する。大量の信用売りを
仕込んで取り付け騒ぎを演出させるというものだが、そううまくいくのかと。
『超低位株投資法』 村中順一 p191 【C】
東証一部の100円以下の株への投資がもうかりやすいと解説。まあまあかな。
『誘拐逃避行』 河合香織 p205 【C】
47歳×2のフリーターの男と父母に逃げられ、親戚に育てられるが
家庭内暴力を受ける10歳の少女が出会い、沖縄へ行く。男は何度か
警察で注意されていたので結局逮捕されることになる。どっちもどっちかなと
思える話だった。
『でっちあげ』 福田ますみ p253 【C】
殺人教師としてマスコミに叩かれた教師は実はモンスターペアレントの
犠牲者だったという話。体罰のようなものは多少なりあったのかなとは
思うが、学校の対応とかどうなんだろうか。マスコミはこういう時も
書きっぱなし、あとは知らんという対応なのか。困ったものだと思う。
『公訴取消し』 小杉健治 p333 【C】
とある闇金の社長が殺され、目撃証言のあった非行歴のある少年が
逮捕されるが否認、のちに認め、起訴されるがその後アリバイを証明
する無関係の男が現れる。誤字脱字が多くて読んでて萎えた。
これで1800円は高いよ。双葉社。
『飢餓海峡下』 水上勉 p379 【C】
上巻では北海道で強盗殺人、放火をした男が青森で娼婦に大金を渡し、
その後10年の娼婦の暮らしが書かれていたが、10年後新聞記事に
善行で記事になっている男の写真をみて、金をくれた男と思い、会いに
行く展開となる。最初は週刊誌の連載記事だったが、完結前に打ち切りに
なって、出版ということになり16章以下を新たに書いたらしい。
その書き足した部分の筋書きは納得行かん。
『消えてしまいたい』 川上涼子 p303 【C】
うつ病になった女子大生の手記など。
211 :
無名草子さん:2010/03/06(土) 17:12:19
600,000,000円
212 :
6億円当選♯9790:2010/03/06(土) 22:16:49
アイデアを10倍生む 考える力 P210
考える力を身につけるには、自己チェック能力が大事だということ。
比較は思考の王道である、比較する対象を設定してその違いを列挙するという
訓練を徹底すると考える力が身につく。
213 :
6億円当選♯9702:2010/03/07(日) 12:45:46
自信をつける心理学 P88ページ
りゅうさん完走おめでとうございます。
『69』 村上龍 集英社文庫 244p【C】
1969年の高校生の過激な生活を描く、自伝のような物語。
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上・下』 村上春樹 新潮文庫 397p+347p【C】
異次元同位風の世界で青年は事件に巻き込まれる。
春樹作品は初めて読んだが、思ったよりもその世界に入り込むことができた。
『四つの署名』 コナン・ドイル 新潮文庫 196p【C】
ベーカー街のホームズのところへ、とある夫人が依頼にやってくる。
事件は思わぬ方向へ収束を見せる。
相変わらずの観察眼と推理力、深い知識で事件を解決する様は、いっそ清々しく面白い。
それが論理的に穴がないかどうかは二の次となる魅力がある。
215 :
6億円当選♯9702:2010/03/08(月) 18:25:35
自信をつける心理学 p100 完読
216 :
テタ(11☆9724):2010/03/08(月) 21:36:48
『世界名探偵倶楽部』パブロ・デ・サンティス ハヤカワ文庫 397p
パリ万国博覧会を舞台に、古き良き探偵小説を模倣しつつその批評も行っている。
【C】
『文学全集を立ちあげる』丸谷才一・鹿島茂・三浦雅士 文春文庫 325p
架空の文学全集の編集会議。世界文学全集篇がおもしろい。【C】
『ルポ 貧困大国アメリカ』堤未果 岩波新書 207p
アメリカの貧困層の実態。【B】
『アウラ・純な魂』フェンテス 岩波文庫 240p
短編集。【C】
御無沙汰してました。
よつばさん、ページワンさん、はじめまして。よろしくおねがいします。
りゅうさん、HANAさん、休符さん、完走おめでとうございます
司馬遼太郎/『峠(上・下)』/新潮文庫/計1145ページ/【C】
維新後、官軍との戦いに散った長岡藩士 河井継之助の物語。前半は、退屈なエピソードが続くが、諸国漫遊を
終えて、長岡に戻ってから、物語は急展開する。継之助のとった行動は、武士道としては素晴らしいのだろうが、
正直掴みどころのない人物に感じて、あまり魅力は感じなかった。また、長岡のような小藩に生まれたこと、藩士
の中に有力なブレーンがいなかったことが、継之助の不幸に感じた。幼少時のエピソードがあれば良かった。
『あなたの隣のモンスター』 齋藤孝 p188 【C】
キレる大人の増加とその原因を書く。何か押し付けがましくて共感できない。
『セックスボランティア』 河合香織 p272 【C】
障害者と性風俗のかかわりを書く。テーマが重くて読後感が悪い。
『クリムゾンの迷宮』 貴志祐介 p393 【B】
主人公は眠りから目覚めると火星の表面のようなところにいた。手には
携帯用ゲーム機、指示に従って歩くと同じ境遇と思われる数人の男女がいた。
ストーリー展開が作者都合っぽいところが気になるが、テーマが気に入った。
続編とかあったら読みたいし、サイドストーリーを交えて800pぐらいにしても
楽しめたのではと思う。
『告白』 町田康 p850 【C】
河内10人斬りの犯人は少年時代から頭の働きはいいがその心情を理解されず
周囲となじめなかった。そんな主人公が舎弟を持ち、やがて結婚し周囲の
人間関係からついに殺しにいたる過程を書く。だらだら長すぎ。
『シュワッガーのテクニカル分析』 ジャックDシュワッガー p377 【C】
チャートの見方を基本から書く。ダマシに対応する方法などは参考になる。
「ナニワ金融道 ゼニの美学」青木 雄二著 講談社 P.247 【D】
気合の入った青木先生の実体験に基づく金銭哲学。
質素倹約が庶民の生活を守るための大原則だ。そういいながら
ベンツに乗っていた青木先生は、違う世界の人になってしまって
いたのだ。
a
『毒笑小説』 東野圭吾 集英社文庫 p340 【C】
「ホームアローンじいさん」だけ笑えた。
気軽に読める小説。
『すべてがFになる』 森博嗣 講談社文庫 p508 【B】
真賀田四季の台詞の一つ一つに脱帽。
『アイソパラメトリック』 森博嗣 講談社文庫 p96 【C】
著者が撮影した写真と孤独感が漂う超短編。
『議論の余地しかない』 森博嗣 講談社文庫 p105 【C】
S&Mシリーズ、スカイ・クロラ等の名台詞を写真と一緒に楽しめる。
ページワンさん、完走おめでとうございます。
『FXの教科書』 松田哲 p241 【C】
3部構成で、為替ディーラー物語、チャートの見方、2008年の展望と
なっている。80円台の円高とか予言が当たりまくってるのに驚いた。
『メタボラ』 桐野夏生 p594 【B】
気づいたら沖縄のジャングルを歩いていて記憶喪失、昭光という男と
出会い、行動をともにすることになる。沖縄を舞台にした話だが、沖縄に
行きたくなるなーと思わせる書きぶりはさすがと思う。ホストとか派遣の
話も面白い。
『福田君を殺して何になる』 増田美智子 p238 【C】
光市事件のドキュメンタリー本、他に書かれてないことも書いてあり
面白いけど、買うほどのものではない。F弁護団や父はマスコミの取材に
応じないとは何様だ、そんなことだから腹いせにバッシングにあっても
当然みたいな考え方でいるようで、考え方がおかしいというか、読んで
気分悪くなるというか。
『株式投資これだけはやってはいけない』 東保裕之 p260 【C】
株式投資に関してテクニックや最低限のルールなどを書く。参考に
なるのではないかと思う。雨の日は日経平均は下がるとかおもろいなあと
思う話もある。
『偽装通貨』 相場英雄 p437 【C】
銀行をクビになり、サラ金会社に勤めるがリストラにあった男が
ポイント制度を利用して儲けをたくらむ。何でそれでもうかるかってのが
よくわからんかった。
『あの頃ぼくらはアホでした』 東野圭吾 集英社文庫 p289 【C】
東野圭吾の学生時代等の馬鹿な行動を綴ったエッセイ。
ガメラとかウルトラマンとかの話は正直要らないと思った。
『黒猫の三角』 森博嗣 講談社文庫 p450 【B】
Vシリーズ第一弾。
犯人が直ぐに分かってしまったのは四季シリーズを先に読んでしまったからなのかトリックが簡単なのか…
殺人の動機が何時も同じような気がする。
『パンドラの箱』 太宰治 新潮社文庫 p403 【C】
太宰にしては珍しい明るい「希望」に満ちた小説。
「正義と微笑」みたいな信念がある太宰の作品がもっとあれば良いのに。
224 :
テタ(12☆520):2010/03/22(月) 16:21:50
クロマさん、完走おめでとうございます。
『統計学とは何か』C.R.ラオ ちくま学芸文庫 321p
統計の考え方を例を通して解説した啓蒙書。【B】
『フリアとシナリオライター』マリオ・バルガス=リョサ 国書刊行会 475p
ちょっと退屈。【D】
クロマさん、完走おめでとうございます
「本の雑誌」は、カウント不可でしょうか?
クロマさん、テタさん、完走おめでとうございます
NHK取材班/『『空海の風景』を旅する』/中公文庫/374ページ/【C】
司馬遼太郎『空海の風景』のガイド本として読み始めたが、番組製作の苦労がよく伝わり面白かった。
歴史紀行としても良かったと思う。空海や密教について知らないことばかりだった。
本編の『空海の風景』を読むのが楽しみ。それにしてもNHKは司馬遼太郎がお気に入りのようだ。
内田百閨^『第一阿房列車』/福武文庫/275ページ/【C】
内田百閨^『第二阿房列車』/福武文庫/197ページ/【C】
内田百閨^『第三阿房列車』/福武文庫/261ページ/【C】
著者とヒマラヤ山系との列車による奇妙な珍道中。旅は昭和25年から30年にかけて行われ、
阿房列車は全部で15本運行されたが、九州へ向かう阿房列車が一番面白かった。
寝台列車の旅もいいものだと感じた。
クロマさん、テタさん完走おめでとうございます
『硝子のハンマー』 貴志祐介 p493 【C】
介護会社の社長が密室で殺され、その容疑者となった専務に雇われた
弁護士と鍵屋が謎を探る。介護サル、介護ロボットと可能性を探っていく
展開はなかなか面白い。で、結局貴志祐介の小説では殺意というか
殺人へのハードルというものを簡単に乗り越え過ぎてるんじゃないかと思う。
『勇気ってなんだろう』 江川紹子 p216 【C】
信念を持って行動し勇気を出して発言した人の話。山本譲司ってみちのくひとり旅の
人だと3ページ目ぐらいまで思ってた。政治?ああ、獄窓記の人でした。
『狂気の沙汰も金次第』 筒井康隆 p371 【C】
昭和の香りのするギャグエッセイ集。面白いことは面白いけどくどくて
読み疲れる。
『疾走』 重松清 p492 【C】
とある田舎町に生まれ、兄の犯罪をきっかけに不幸になる少年の話。
何というか、読みがいがないというか、面白くないというか。
228 :
無名草子さん:2010/03/28(日) 01:50:21
http://chat.mimora.com/common/chat.mpl?roomnum=794442 第三次チャット大戦開催決定!!!!!!!!!!!!!!!!!
ここで2010年3月28日日曜日午後9時開催!!!!!!!
当日になったらチャットが入れるようになりますw
そしてチャットのURLを張っているのでそこへいってください
2ちゃんねら〜VS荒らし軍です
入室者が0人になったとこで終了です!!!
口論し
この長い歴史に終止符を打とうじゃないか!
参加まっとる
参加者を増やすためにこの文バラまいてね
ま、2ちゃんねるの糞ザコ共は
おしっこチビって逃げるかな???
2ちゃんねるはカスの集まりだからな
文句あるならこの大戦に参加して勝てば?
糞2ちゃんねら〜共w
「51番目の州」プレストン著 東京創元社 P.393 【D】
イギリスがアメリカ合衆国の51番目の州になる話。通商や軍事の
分野で国同士の結びつきが強くなってきている現在、全くありえない
話ではない。
230 :
テタ(12☆843):2010/03/31(水) 15:50:31
『マーティン・ドレスラーの夢』スティーヴン・ミルハウザー 白水uブックス 323p
夢を実現し、夢に飲み込まれていく男。【B】
休符さん、りゅうさん、電波時計さん、ありがとうございます。
休符さん、りゅうさん、クロマさん、完走おめでとうございます。
『ネットの炎上力』 蜷川真夫 文春新書 227p
J-cast社長によるネットとマスコミの関係の分析。
ネット広告料とかの話題はあまり書いているところが無いため興味深く読めた。
作者がマスコミ出身のためにこれからのマスコミについて甘く見ているような気もする。【C】
『ムツイリ・悪魔』 レールモントフ 岩波文庫 185p
長編詩。「悪魔」よりは「ムツイリ」の方が面白かった。
望郷の念が上手く出ていて読んでいて物悲しい。
解説はいかにも1950年代という風で、未だ共産主義の薔薇色の未来を信じておりその無知に微笑ましくなる。
文学をイデオロギーの尖兵にしようなどというのは、この程度の人間である。【C】
『世界の王』 ルネ・ゲノン 平河出版社 252p
オカルトに関する奇書。
内容はヒンドゥーとユダヤ神秘主義とアガルタを鍋に入れてごった煮にした感じ。
このオカルトの疑似宗教的な世界観はいかにも19世紀末という風で非常に興味深かった。【C】
『恐怖箱 怪痾』 雨宮淳司 竹書房文庫 237p
実話怪談集。
始めは凡百の実話怪談かと思いきや、後半になかなか粒ぞろいのが揃っていた。
特に「すわす」の薄気味悪さは特筆物。「集団肖像画」は読んだ後で嫌な気分になること請け合いだが、ダイレクトにアレが出現するのが多少興醒め。
久々にいい実話怪談を読んだ。【B】
『実録殺人事件がわかる本20101spring』 柳下毅一郎・監修 洋泉社MOOK 255p
某県にて有害図書指定おめでとうございます。
特集は当然その県の殺人事件一覧。無意味な偽善に対する嫌がらせ具合が良い感じ。
あとはフロム・ヘルと切り裂きジャック特集。これを読んだらフロム・ヘルが欲しくなってくる。【C】
『喜劇悲喜劇』 泡坂妻夫 創元推理文庫 408p
先に読んだ「11枚のとらんぷ」よりはストーリー的に重い。
せっかく奇術師が登場するのに奇術をトリックに生かして欲しかったな。他の著者の作品のように。
それでもひたすら事件に絡んでくる回文といい、各章題といい流石に水準以上の実力を示している。【B】
『傷物語』 西尾維新 講談社BOX 357p
「化物語」前日譚。
登場人物の性質によるものか、「化物語」のような軽妙な掛け合いは影を潜めている。
その為、ごく普通のありきたりのラノベになっているのは残念。【D】
『アホの壁』 筒井康隆 新潮新書 184p
筒井康隆が「バカの壁」のパロディを。
と喜んで手に取ったのはいいが、パロディなのは題名だけであった。
往年のエッセイのように笑える部分は無いし、毒もまるでない。
かつてのファンとしては実に寂しい限りである。【D】
『老子』 老子 岩波文庫 453p
言わずと知れた中国の古典。
自然や知足ということを中心に説いている。国の指針というよりは人生訓的な意味合いが強い。
和光同塵や千里の道も一歩から、大器晩成など全部これが出典となっていたんですね。【C】
『現代霊性論』 内田樹・釈徹宗 講談社 300p
大学の講義の書籍化。
ということで概ね一般論ばかりで、内容的には少々食い足りない。専門書を読む前に読んでおけば、用語などはよくわかるようになるかも。
儀礼についての考え方は概ね同意。【C】
『河童駒引考』 石田英一郎 岩波文庫 317p
水辺の馬を河童が引き込もうとする伝説について、世界の伝説と比較を試みた物。
「水神と牛」「水神と馬」「水神と猿」の三つの章から成るが、ほとんどの部分を世界の伝説に当てられており、その博覧強記にはひたすら脱帽。
各国の伝説とその関連にひたすら圧倒されるだけであった。【B】
『〈盗作〉の文学史』 栗原裕一郎 新曜社 492p
明治の小説黎明期からごく最近の事件まで盗作事件を網羅した一冊。
この盗作史を読んでみると各事件大半がぐだぐだなまま終わっており、建設的な議論になっているのは少ないと感じられた。
発展的なのは寺山修司の例くらい。
最近の例だと田口ランディとか「誰のための綾織」が取り上げられている。
「誰のための綾織」買っておけばよかったな・・・。【C】
『白魔』 アーサー・マッケン 光文社新訳古典文庫 292p
新訳が出たのを機会に読み直すもやはり傑作。
収録されているどの作品もこの世ならぬ世界への憧憬を謳っており、久々に怪奇小説というものを読んだ気になった。
最近の日常に即した恐怖も良いけど、やはりこのようなスタイルの方が肌に合う。
久々に「パンの大神」「三人の詐欺師」を読みたくなった。【B】
『冥談』 京極夏彦 メディアファクトリー 268p
怪談集。
収録作品はストーリー自体は凡庸なものが多い。しかしそこに文体の力が加わることによって一気に異界が出現している。
白眉はなんと言っても「?の橋」。文体と作者らしい民俗学的蘊蓄が結合した傑作。
個人的な思い入れもあって「遠野物語より」は涙無しに読めない・・・。【B】
『婆のいざない』 赤坂憲雄 柏書房 269p
題名から聞き書きみたいなものかと思いきや、エッセイ集であった。
東北やエコロジー、排除や異人といった著者のこれまでの思想の流れや現在の考えがよくわかり、愛読者にとっては興味深く読めるのではないだろうか。
エコロジーについては概ね賛同。【C】
『魔術的リアリズム』 種村季弘 ちくま学芸文庫 356p
ドイツに短期間出現したノイエ・ザカリヒカイト、その画家について記した一冊。
第一次世界大戦後、ワイマールの夜に咲いた徒花のような美術群を紹介している。
ナチズムの登場によって徒花に終わったとはいえ、人物の人形のような硬さが好みに合う。
その為再評価の機運があることは嬉しい限り。
『あの時バスは止まっていた』 山下洋平 p255 【C】8244
高知バス白バイ衝突事故の話、TV局の人間が書いていて、そのせいか感情が先走っていてお涙頂戴的で
見苦しい。大して根拠もなく冤罪とかスリップ痕は捏造とか断定調で書くのはどうかなと
思う。まさにペンという名の剣を無差別に振り回す行為かと。
『名探偵の呪縛』 東野圭吾 p288 【D】
資料探しに図書館に行った作家が迷い込んだ世界には本格推理小説という概念が
なかった。東野圭吾作品の中でも駄作に入ると思う。読む必要はない。
『タイヤキのしっぽはマーケットにくれてやる』 藤巻健史 p293 【C】
伝説のディーラーと呼ばれた著者の勤めた銀行でのエピソードなど。
手法とかそういうのを期待してたけどはっきり言ってほとんどなし、となると読む価値があるのか?
『黒いマナー』 酒井順子 p260 【C】
いろいろな場面で意識すべきマナーを書く。なるほどと膝を打つ場面が多い。なかなか面白い。
『果てしなき流れの果に』 小松左京 p400 【D】
いつまでも落ち続ける砂時計を発掘した古墳探索に向かった一行がそれぞれ失踪する。
話の流れが飛び飛びでわかりにくい。映像化されたら見れたかもわからないけど
読むのがしんどい。それと、SFで作者が生きているうちの未来予言はタブーじゃないかと
思った。20世紀末に核戦争勃発でと言われても萎えるなあと。
『投資詐欺』 山崎和邦 p283 【C】
投資系の詐欺師について書く、が具体的手法については書かれてないので読んであまり面白くなかった。
『フィッシュストーリー』 伊坂幸太郎 新潮社文庫 p326 【C】
繋がりの無い短編集。黒澤が登場するのは2つ。
「ポテチ」以外は似たり寄ったりな気がした。
『蹴りたい背中』 綿谷りさ 河出書房新社 p140 【C】
今読み返すと意外と中2病みたいな感じがした。
さらっと読める。
『クリスマス・キャロル』 ディケンズ 集英社文庫 219p【C】
けちな老人の前に死別した仕事仲間の精霊が現れる。
分かりやすい慈善の心に触れられる、心が温まる作品。
だけどクリスマス前に読めばよかった!
『お好みの本、入荷しました 桜庭一樹読書日記』 桜庭一樹 東京創元社 301p【C】
作家桜庭一樹のweb連載読書日記を纏めた第3弾。
読書は基本一人でするものなので、他人の読書の様子が覗けるのは面白い。
今回も読みたい本が沢山になった。
『寺山修司少女詩集』 寺山修司 角川文庫 364p【C】
不勉強にして難しすぎて分からないものも多々あった。
『未来いそっぷ』 星新一 新潮文庫 272p【C】
気負いなく読めるのに、よく考えたら深い。そんなところが魅力だと思う。
『証拠死体』 パトリシア・コーンウェル 講談社文庫 512p【C】
検屍官シリーズ二作目。
前作以上に推理劇が魅力的。
『姑獲鳥の夏』 京極夏彦 講談社文庫 630p【C】
京極堂シリーズ一作目。
蘊蓄話から全ての点が線に繋がった時のカタルシスは格別。
「紙の本が亡びるとき?」前田 塁著 青土社 P.286 【D】
インターネットは情報の送り手と受け手が直接結びついて
しまうシステムである。
紙の本に限らず、それを製作する出版社や新聞社も消えてしまい、
一緒に日本語も消えるのか?
とにかく、難しい内容で、現在の出版業界に未来はないようだ。
休符さん、りゅうさん、クロマさん、完走おめでとうございます
『柔らかな頬』 桐野夏生 p358+p291 【C】
北海道でカスミの娘が謎の失踪をとげる。4年後、病気で退職した警官が
TVの行方不明捜索番組を見て捜査を申し出る。カスミと警官の妄想で
事件解決に向かうと見せかけ、何だ夢かよ、みたいな展開がまあおもろいが
終わり方がすっきりせん。
『最悪』 奥田英朗 p656 【C】
最悪な生活の3人、借金に苦しむ町工場の社長、セクハラにあい妹が
家出した銀行OL、卒業後パチンコ、ニート生活をしているがヤクザと
かかわって借金を負わされる若い男が一つの事件をきっかけに交わって
さらに最悪な方向に向かう。なんか最悪で気分が落ち込みます。
『FXの教科書』 松田哲 p199 【C】
初心者向け解説と2009年の予言など。2009年の予言はあまり当たって
いない。ユーロドル1ドルとか。
『警視庁捜査一課特殊班』 毛利文彦 p382 【C】
誘拐や企業脅迫などに対応する特殊班について書かれる。よいことも
悪いことも書かれているのでなるほどなあと読める。ちょっと読んでて
飽きがくるところはあった。
241 :
テタ(12☆1221):2010/04/11(日) 21:20:20
『パタゴニア・エキスプレス』ルイス セプルベダ 国書刊行会 219p
自伝的小説。【C】
『組合せ論プロムナード』山田裕史 日本評論社 159p
完璧に理解しようとはせずに、気楽にお話として読むと楽しい。【C】
『スミヤキストQの冒険』 倉橋由美子 p476 【C】
スミヤキ党員のQは工作のためにH感化院に潜り込むが、その実態は
常軌を逸していた。不条理系は合わないかなと思ってたけどなかなか
面白く笑わせてくれたが、下ネタに走りがちなのは卑怯かなとも思う。
『看守眼』 横山秀夫 p235 【C】
刑事を夢見て看視台に座り続け退職した男がある行方不明事件を調べる。
他短編集。特に面白いということもなかった。
『知って得するプロのコツ』 p237 名塚俊介取材班 【D】
89の裏技を書いているが、読むほどのものはなかった。べつにプロでも
何でもない話が多いし。
『時速十四ノット、東へ』 安倍譲二 p347 【D】
八坂丸の遭難事件について書くノンフィクション。この人ノンフィクション物
書くの下手。
『騙す人ダマされる人』 取違孝昭 p304 【C】
各種詐欺の実例などを書く。なんか騙されるのもわかるなと思う。
『ラストレース』 柴田よしき p408 【C】
OLの主人公はある宝石店で客の忘れた宝石をもらって帰った夜
見知らぬ二人組みに襲われ、強姦される。その後、ほぼ同名の
マンションの同じ部屋番号の女が殺される。自分の事件と関連が
あると考えて一人調査する。レースは競馬のこと、競馬はあまり
思い入れがないので・・・
『人質カノン』 宮部みゆき p317 【C】
いつも行くコンビニで強盗と出くわすが、その犯人はおもちゃのガラガラを
落として行った。他短編集。いじめを題材としたものが多い。
『犯意』 乃南アサ p370 【C】
いろいろな犯罪で判断が微妙な12の短編に弁護士が解説する。
DV殺人とか書きぶりがリアルなせいか読後感が悪い。読みがいがあると
いうことでもある。
『天才数学者株にハマる』 ジョンアレンパウロス p264 【B】
自身がWCOM株で大損した経験を通して、株式市場を数学者の目で
分析する。難しい内容を平易に解説しており、興味深く読むことが
できる。ただし、株でもうけるのには役立たないような気はする。
ベンフォードの法則など興味深い話が満載。数学的読み物として
かなり面白い。
『追憶列車』多島斗志之 角川文庫 331p【C】短編集。本来重厚な作風の作家だけに、短編では尻切れトンボの感はありますがなかなか良い。
「お蝶殺し」は長さもあり読み応えあります。
『イニシエーションラブ』乾くるみ 文春文庫 271p【C】
恋愛小説に見せかけて捻り恋愛小説。丸くなったなあ、乾くるみ。
大矢博子の「最後の一撃」に感心したり。確かに・・・。
『モンスターズ』山口雅也 講談社 339p【C】
ミステリ的短編集。後半になるにつれてパワーダウンかも。
「もう一人の私がもう一人」は面白い。
『玉嶺よふたたび』陳舜臣 双葉文庫 260p【B】
推理作家協会賞受賞ですが、ミステリというより、ロマン。
小説としてはとても上手いです。
『ミステリーの毒を科学する』山崎昶 講談社ブルーバックス 225p【C】
ミステリに登場する青酸カリ、ストリキニーネなどの毒物を解説。
もっと情報量が多くても良かった。
『象の物語』ロベール・ドロール 長谷川明・池田啓監修 創元社「知の再発見」双書 199p【C】
古来からの象と人間の関わりなど。前半の象の生態の解説が面白かったり。
『中空』鳥飼否宇 角川文庫 350p【C】
横溝正史賞優秀賞だけあってか、横溝的ムラ社会での連続殺人。
そこに荘子というチェスタトン的逆説論理が絡むというのが面白い。
軽妙な書き味が心地良いです。
『雨の日も、晴れ男』水野敬也 文春文庫 234p【E】
自己啓発本を小説にしたみたいな。
『宇宙からきたかんづめ 佐藤さとるファンタジー童話X』佐藤さとる 講談社文庫 177p【C】
幼心に、金平糖の話はインパクトありました。
『99%の誘拐』岡嶋二人 講談社文庫 444p【B】
ハイテク技術を駆使した誘拐事件。サスペンスフルな傑作。
『妖精のアイルランド 「取り替え子」の文学史』下楠昌哉 平凡社新書 227p【C】
アイルランドとケルト文化を、文学、民話の中の妖精の「取り替え子」から読み解く。
妖精とは京極夏彦の言う「システムとしての妖怪」と同様という下りなど面白い。
りゅうさん、完走おめでとうございます。
『高城高全集3 暗い海深い霧』 高城高 創元推理文庫 455p
北海道を舞台としたミステリ集。
北海道というと函館などの青空とかのイメージしかなかったため、道東はこれほど暗いのかと驚かされた。
硬質な文体と相まって、その暗さが余計に引き立てられている。【C】
『セカイ系とは何か』 前島賢 ソフトバンク新書 262p
1995年のエヴァ以降を追ったオタク史といった感じ。
中で紹介されているアニメをほとんど見たことのない自分にとっては、意味不明な部分も多くきつかった。
著者なりの見解は示されているものの、結局セカイ系の定義は未だ混乱したまま。【C】
『怪談倶楽部 怨恨』 平谷美樹 竹書房文庫 237p
実話怪談集。
実話怪談としては可もなく不可も無し、といった所。
全体的に割とあっさりめな話が多かった。【C】
『「極」怖い話 甦怪』 加藤一 竹書房文庫 221p
オーソドックスな実話怪談。読んで嫌な気になる話は特になし。
この手の話に必要なのは凄みではないだろうか。
ほとんどの出版社がもはや実話怪談から手を引いた現在、このシリーズには頑張ってもらいたいものである。【C】
『ラフカディオ・ハーンの日本』 池田雅之 角川選書 230p
来日以来のハーンの心の動きを追った一冊。
ハーンの教育者としての一面は、これまであまり触れているものはなかったので興味深く読めた。
もう一度諸作品を読み直したくなるな。【B】
『アメリカから<自由>が消える』 堤未果 扶桑社新書 199p
9・11後のアメリカの社会の現状を書いている。書き方に何となく恣意的な匂いを感じる部分も多い。
しかしこういう自由がないというのはアメリカだから言えることで、例えば中国に自由がない。とか言っても「当たり前だ」の一言で片付けられそう。
そういう意味ではやはりアメリカとかアメリカ人は凄いと思う。【C】
『六蠱の躯』 三津田信三 角川ホラー文庫 301p
死相学探偵第三弾。
帯とあらすじで某殺人事件をモチーフにしていると言うことは一発でわかった。ただし某殺人事件とは違い、遺体をトリックにではなく単純に儀式として利用している。
もっともオカルティックなのはここまで、後半は普通の謎解きで終わった。
このシリーズに期待しているのはそういうのではないんだけどなあ。【C】
『万葉集(上・下)』 岩波文庫 447+354p
言わずと知れた最古の和歌集。
最後の方が奈良時代まで掛かっているのに驚いた。イメージ的に飛鳥、白鳳時代の歌が中心と思っていたので。
ただやはり有名な歌は前半に載っている事が多い。個人的に好きな歌も前半に集中しているし。【B】
『朝日新聞がなくなる日』 宮崎正弘 WAC BUNKO 253p
最近マスメディアが斜陽という論調をよく見かけるが、これはイデオロギーという面から分析した物。そのためビジネスから分析した物と比べると情緒的。
著者の主観が多く含まれているため、イデオロギーを同じくする人が読めば納得するだろうが、それ以外に対しての説得力は無いように感じられる。
あと話題が朝日新聞以外に分散しすぎ。【D】
『超麺通団』 田尾和俊 西日本出版社 215p
香川に知人が住んでいるので、たまにご馳走になる。
やはり地元の人間に間違いはなくどこも美味い。が、香川はそう簡単に行ける距離ではないので、欲しくなったときはこの手の本を読んで自分を誤魔化すのである。
初心者向けということで有名店の紹介が多い。ま、あんまりディープな所を紹介するのもどうかと思うが。【B】
『東北の地獄絵』 錦仁 三弥井民俗選書 301p
東北の地獄絵について研究した本。主に秋田の地獄絵を調査している。
民俗学的な物かと思っていたが、実際は図像学や文献学的な内容であった。
作家と地獄絵の関わり合いの部分が興味深く読めた。【C】
『恐るべきさぬきうどん(1〜5)』 タウン情報かがわ編集部 株式会社ホットカプセル 237+221+251+285+339p
以前映画UDON公開時に買った物を再読。
載っているのは言わずと知れた有名店ばかりであるが、連載当時はどこも無名であったのだな。そう考えるとブームの仕掛人としてのこの本の重要性が認識できる。
香川の結婚式に出席したとき、花嫁に麺棒が送られたのは未だに衝撃と共に覚えている。【B】
『超麺通団2 団長の事件簿』 田尾和俊 西日本出版社 324p
全体的に三部に分けられる。
最初のオーストラリア旅行記、まあこれはあってもなくてもどうでもいいレベル。
次のタウン情報誌時代の思い出は当時文化人講座読んでいた身としては裏話多くて面白かったが、人を選ぶと思う。やっぱ最後の恐るべきさぬきうどんこぼれ話が一番面白かったな。
それにしても東京のうどん屋って…【C】
『マスコミは、もはや政治を語れない』 佐々木俊尚 現代プレミアブック 268p
ネットといっても問題にしているのはほぼブログに限定されている。
そのため問題がコップの中の論争に終始しているような印象を受けた。
ツイッターに非常に期待しているが、個人的にはあれはあまり広まらないと思う。あれの特長は社会的権威をそのままネットの中に持ち込めるだけなような…【C】
『中国人の本音』 安田峰俊 講談社 164p
人気ブログの書籍化だが、ブログをそのまま本にしていないところは好感が持てる。
正直中国は嫌いだが、そこで止まっていては単なる思考放棄だな、と感じさせられる一冊である。
それにしても中国のウイグルやチベットに文句付けてる奴は、何故日本の侵攻をとやかく言うのであろうか。【C】
『歪み真珠』 山尾悠子 国書刊行会 237p
まずは装丁が素晴らしい。シンプルな箱といい銀に統一された表紙といい。
内容もそれにふさわしい粒ぞろいでありました。著者の文体で独特の世界観が紡ぎ出される様子にはただただ圧巻されるだけ。
久しぶりに読み終わるのが勿体ないと思う本に出会えた。【A】
『作家の値段』 出久根達郎 講談社文庫 442p
主に戦前の作家中心の文学論、古本の値段付き。
有名作家の初版本ともなるとほとんど骨董品である。
一冊百万、二百万がゴロゴロしているのでたまに十万とか出てくると何か安く感じる不思議。買っても破れるのが怖くて読めないような…。
それにしても四畳半襖の下張、まだ発禁のままなのね。【C】
『「超」怖い話 怪福』 久田樹生 竹書房文庫 221p
怪異に関わるちょっといい話を集めたらしい。
そのせいか陰惨な読後は少なく感じられる。のは真ん中部分だけ。
最初の章は一人の男の転落を、最後は一人の女の薄幸な一生を描いており、怪異よりそちらの方が陰惨。【C】
『「超」怖い話ベストセレクション 腐肉』 平山夢明 竹書房文庫 414p
イヤ感漂う実話怪談集。
やはりこの作者は凡百の実話怪談と違う筆力があるなあ。ナマナマしさがとても嫌で素敵。
とりあえず既読の作品ばかりだけど、堪能させていただきました。【C】
HANAさんありがとうございます。
『冤罪者』 折原一 p414 【C】
連続強姦放火事件の犯人として婦女暴行窃盗前科五犯の河原がつかまったが
逮捕後10年の獄中から雑誌編集者に冤罪を申し出る。その編集者は恋人を
一連の連続強姦の最後に襲われ殺されていたが拘置所に会いに行くことを
決意する。結局意外な結論になるわけだけど話の流れがスムーズではないところが
あまりよくないが読める内容ではある。
『箱男』 安部公房 p246 【D】
ダンボールを頭からすっぽりかぶった男の話。わけわからん。
『ブレイブストーリー上』 宮部みゆき p630 【C】
ワタルは廃墟ビルから幻界へわたるドアを発見する。その幻界のなかで
長老に使命を言い渡される。ロールプレイングっぽいファンタジーもの。
まあまあかな。何となく展開は見える気がするけど。
『貨幣なぜなぜ質問箱』 大蔵省印刷局 p127 【C】
貨幣の歴史、製造などについて書かれる。子供向けっぽいけど興味深く読める。
『マンゴーレイン』 馳星周 p647 【C】
十河は再会した幼馴染から中国人女をシンガポールに連れ出すように
依頼されるが、仕事にかかわってからマフィアに襲われるようになった。
どうも女が持つ仏像を追っているらしい。つまらない理由で何人も
人を殺すような話でちょっとと思う。バンコクを舞台にした話で
タイ通なら面白いかもしれない。
『同級生』 東野圭吾 p378 【C】
高校三年の女子が交通事故死した。その原因をめぐって教師が死ぬ。
女子は妊娠していて産婦人科に行く途中でトラックにはねられたが、
その原因に不審があるとして妊娠させた同級生が事件を探る。殺しの
理由とかすっきりしない。
『奪取上』 真保裕一 p495 【C】
ヤクザのヤミ金から金を借りた男が機械に詳しい男に泣きつき借金を
返すためにニセ札製造をたくらむ。しかし、そのニセ札製造は
ある老人に見破られていた。下を読まないと何ともいえない。
『目撃』 深谷忠記 p557 【C】
八歳の時に母が父を刺し殺す現場を見た作家が、夫を毒殺したとして
つかまっている妻の弁護士から事件の真相解明に協力を依頼される。
妻は毒が勤務先の病院から盗まれたこと、二人の近所の住人に殺害現場に
いたことを目撃されていたことからつかまったが控訴審の段階で否認に
転じた。目撃証言があてにならないことをテーマとしている。あまり
すっきりしない結論。
『凍える牙』 乃南アサ p380 【C】
ファミリーレストランで男が突然焼けて死んだ。その男には犬にかまれた
らしい跡があったが、その後犬に襲われて死ぬ事件が発生する。
警察の捜査の様子が詳しく書かれているがこういうのは取材とかで
聞いているのかと思うとなかなかすごいなと思う。
『数学オンチの諸君』 ジョンアレンパウロス p190 【D】
普段もつ確率に対するイメージと実際のものがかけはなれていることも
多いことを語るが、前に読んだ天才数学者・・・とかぶるところが
多くてあえて読む必要はないように思った。
254 :
テタ(12☆2508):2010/05/10(月) 21:00:24
『蔵書まるごと消失事件』イアン・サンソム 創元推理文庫 461p
ミステリー。想像していたものとちがった。【C】
『訴訟』カフカ 光文社古典新訳文庫 423p
審判と訳されていた作品の新訳。その他にも斬新なところがある。【B】
『シカゴ育ち』スチュアート・ダイベック 白水uブックス 223p
シカゴの下町を舞台にした短編集。【C】
『駅前旅館』井伏鱒二 新潮文庫 180p
【C】
『なぜ株式投資はもうからないのか』 保田隆明 p223 【C】
機関投資家や大口投資家に先に情報が行くからハンデがあるという
ことだけど、それだけかよと思った。何か物足りないというか掘下げが足らんというか。
『鳥人計画』 東野圭吾 p388 【C】
日本スキージャンプ界のホープが殺された。犯人はコーチと判明したが
きっかけは警察への密告だった。犯人はすぐわかったが動機が判明しない。
動機をさぐる中である計画が浮上する。結局殺しの動機はよくわからんかった。
『捌き屋』 浜田文人 p286 【D】
企業間の争いを仲介する話。読んでて入りこめないというか文章が下手な
せいか読んでてあまり面白くなかった。
集計が間違ってました。訂正します。すみません。
『銀行50億強奪犯の掘った奪った逃げた』 アルベールスパジアリ p272 【D】
銀行の地下金庫にトンネルを掘り50億を奪った男の自伝。話があっちこっちに
飛んで読みにくいのでこの評価。
『市場と感情の心理学』 リチャードHセイラー p343 【C】
経済行動は自己利益の最大化のための合理的な選択と思われているが、
そうではないものもあるという話。ちょっと難しくてさらっと読めない。
株式市場の話も期待したものとはちょっとずれがあった。
『海辺のカフカ下』 村上春樹 p429 【C】
家出した少年と記憶喪失で字が読めない老人のその後の話。
なんかスカッとした終わり方でないというか、村上は二度と読まないかも?
『ニセモノの科学』 小林侑 p240 【C】
ニセモノの歴史など。
『さまよう刃』 東野圭吾 p361 【C】
娘をレイプ、殺された被害者の父があるきっかけで加害者の少年二人組を
知って復讐、殺す話。最初の一人を殺してから次の一人が逃げて狙われる
までが長いというかバランスが変に感じた。
『投資の行動心理学』 ジェイクバーンスタイン p341 【C】
投資に対する心構えを書く。あんまりこれといったことは書いてない。
『屍鬼下』 小野不由美 p726 【C】
村で続く死に至る伝染病と最近村に引っ越してきた桐敷家に何か関係
あるのではないかと探っていた町医者と寺の住職がその原因と対決する。
しかしこんな展開になるとは思わんかった、が、無駄にだらだら長い
気はした。
『インサイダー』 渡辺房男 p339 【C】
大正時代の株取り引きの話、インサイダー取引なんてのは昔から
あったんだなと思った。
『奪取下』 真保裕一 p479 【C】
ヤクザの借金返済がきっかけでニセ札作りを決意した男の話。
下は何というか展開に意外性がなくて単調なつくりになっている
ところがよくない。工程の説明がマニアックなところは面白い。
『天空の蜂』 東野圭吾 p632 【C】
超大型ヘリを錦重工から奪い、自動操縦を利用して原発の上にホバリング
させて国を脅迫する。こういう脅迫ものとしては話の展開が単調で
あまり面白くなかった。
『ウォール街のランダムウォーク』 バートンマルキール p377 【C】
株価はランダムウォークのごとく先を予測することはできないという話だけど
人間のやることの結果だからそう言ってしまうのもどうなのかなと思う。
投資のプロでも平均的リターンを上回ることはできない、そんなものか
と思うが確かに投信の基準価格とかようわからんしそうなのかもしれない。
260 :
テタ(12☆3481):2010/06/07(月) 21:58:36
『忍法関ヶ原』山田風太郎 文春文庫 300p
短編集。【C】
『宇宙をかき乱すべきか 上下』F・ダイソン ちくま学芸文庫 270+254p
フリーマン・ダイソンの自伝的エッセイ。【C】
『かくし味は旅を少々』枝元なほみ スイッチ・パブリッシング 149p
旅と料理のエッセイ。【D】
261 :
無名草子さん:2010/06/12(土) 16:55:08
御無沙汰していました。
完走したみなさん、おめでとうございます。
西村京太郎/『D機関情報』/講談社文庫/338ページ/【C】
第2次大戦末期のヨーロッパを舞台にしたスパイ小説。主人公の海軍中佐は、他国のスパイに翻弄されながら、
和平交渉につきすすむ。トラベルミステリーの他にこのような作品もあるとは知らなかった。
浅田次郎/『日輪の遺産』/講談社文庫/536ページ/【B】
時代は、ポツダム宣言受託直前の日本。最初は、ミステリーのつもりで読み始めたが、むしろ日本人の人間ドラマ
だと感じた。初めて浅田作品を読んだが、とても感動した。最後の『終章』はあまりに切ない。物語の登場人物が
現在の日本人と違って、とても清らかに感じた。
浅田次郎/『シェエラザード』(上・下)/講談社文庫/計776ページ/【B】
第2次大戦末期に実際にあった「阿波丸」事件を題材にした物語。過去と現在を行ったり来たりしながら話は
進んでいく。最初は昭和史ミステリーのように感じたが、根底には、深い人間ドラマがあるようだ。長編だが、
一気に読んでしまった。
浅田次郎/『王妃の館』(上・下)/集英社/計676ページ/【B】
17世紀のルイ14世下のフランスと現代を舞台にした感動の話。17世紀の「王妃の館」の話は良かった。
登場人物の過去のエピソードは、胸に迫るものがあるが、特に集団就職の下田夫妻の記述には胸が
詰まった。現代の最後はちょっと出来すぎているような気がした。
『欲望と幻想の市場』 エドウィンルフェーブル p341 【C】
相場市リバモアの話、具体的な手法がでてくるわけではないが
心構えとかが参考になる?
『悪魔のささやき』 加賀乙彦 p220 【C】
犯罪を犯す時の心理を語ってるけど何でも一くくりにしすぎかな?
『アラスカ物語』 新田次郎 p467 【B】
アラスカで生涯をすごすフランク安田の話、北極海沿岸警備艇に乗り
バロー沖で氷に閉ざされてしまい単身助けを求めに行く冒険物語、
バローに着きエスキモーと狩猟生活する話、海獣絶滅の危機で内陸に
移動する話、そして内陸でのアメリカンドリーム追求話など
バリエーションに富んで飽きない。
『相場を科学する』 倉都康行 p213 【C】
計量的アプローチで相場で儲ける手法を探っているけど目新しいものはない。
『百万ドルを取り返せ』 ジェフリーアーチャー p345 【C】
とあるオイルカンパニーが油田を発見したとのうわさに乗せられて全財産を
つっこんでオーナーが売り抜けた後計画倒産暴落に会った4人が組んで
オーナーを陥れて損した分を取り戻す話。海外ジョークが好きなら面白い?
しかし落ちがいただけない。
『紳士同盟』 小林信彦 p501 【C】
借金で首が回らなくなった4人組が詐欺を働く話。文章にまとまりがなく
読みにくい。自分としても内容はそんなに面白くなかった。
『ダイスをころがせ上』 真保裕一 p441 【C】
新聞社を退職して衆議院議員をめざす男と商社を首になって秘書として
手伝う男の話。選挙モノは目新しくなかなか面白い
『いよいよインフレがやってくる』 浅井隆 p214 【D】
デフレ時代が終わってインフレになると海外資産を持ってないと困ると
いう話だが、最後に手前味噌の海外ファンド投資話や入会金がバカ高い
らしい自分年金クラブへの入会を勧めてる時点でお前の魂胆はこれかよと
最悪の読後感になってしまった。この人入会金でずいぶん儲けてるんだろうなとは思う。
『アメリカ最強のFX理論』 ロブブッカー p215 【C】
3つの戦略を紹介している。具体的に戦略を紹介する本はあまりないので貴重か。
『理由』 宮部みゆき p573 【C】
裁判の競売物件に居座った一家が殺される話。それを事件後にインタビューする
記者の形で書かれる。この話もだが宮部の小説は時系列がばらばらになってる
ことがあって読みにくいなあと思うんだけど。
『カジノの法則』 アーサーファウスト p222 【C】
カジノのゲームに関する話、イカサマの話が多い。ルーレットで望む場所に
玉を入れられるディーラーを雇うとどうなるか、という話は興味深く読めた。
イカサマ話もこういう題材はあまりなく面白く読める。
『マーケットはなぜ間違えるのか』 田中泰輔 p299 【C】
株などの値動きの理由を説明するが特に目新しいものはないように感じた。
『逃亡者』 折原一 p518 【B】
知人の夫を殺した女が一旦は警察に捕まるが隙を見て逃げ出す。その
逃亡生活、結果を書く。逃亡モノとしては見所がありかなり面白かったので
この評価、しかし締めが何かごちゃごちゃして納得いかんものがある。
松山ホステス殺人みたいな感じかと思ったら最後なんじゃこれみたいな。
『心臓に毛が生えている理由』 米原万里 p294 【C】
海外生活エッセイ集みたいな感じ。
266 :
テタ(12☆4080):2010/07/04(日) 09:34:11
『玄奘三蔵、シルクロードを行く』前田耕作 岩波新書 222p
玄奘が実際に歩いた道をたどる。玄奘のすごさを実感。【B】
『カオスを紡ぐ夢の中で』金子邦彦 ハヤカワ文庫 250p
エッセイ集。【C】
『量子力学の考え方』根本香絵 サイエンス社 127p
【C】
佐々木譲/『昭南島に蘭ありや』/中央公論社/477ページ/【C】
舞台は第二次世界大戦下のシンガポール。日本人でも華僑でもない台湾人の青年が、祖国や民族について
苦悩する。祖国や民族とは何だ、と考えてしまう。結末も良かったと思う。被支配民族の目を通して書かれ
ているので、イギリスや日本のことを必ずしも好意的に書いているわけではない。
三浦しをん/『星間商事株式会社社史編纂室』/筑摩書房/293ページ/【C】
中堅商社の社史編纂室が舞台。所属しているのは左遷された人ばかりだが、愛すべき人物。途中で挿入される
同人小説には少々辟易した。さくさく読み進めることができる。
三浦しをん/『神去なあなあ日常』/徳間書店/290ページ/【C】
林業に従事するため、横浜から三重県神去村にやってきた少年の村での1年間の物語。林業とはどういうもの
かなんとなくわかった。大きな事件も特になく、季節は淡々と進む。やや期待外れ。
冲方丁/『天地明察』/角川書店/475ページ/【B】
江戸時代、一介の碁打ちであった渋川春美が、20年の歳月をかけて日本初の国産暦を完成させるまでの物語。
何度も失敗を重ねるが、周りの人に恵まれているなと感じた。このような生き方ができれば幸せだなと感じた。
全ての情景が目に浮かんでくる。
『獄門島』 横溝正史 p353 【C】
戦後復員船のなかで戦友に託された遺言とともに金田一耕介は獄門島に
わたるが、三人の妹は殺される。その謎を解く。昔の名作を読んでみた
けど、ちょっと強引かと思った。
『十三番目の人格ISOLA』 貴志祐介 p401 【C】
主人公は人の心を読み取る能力を生かして阪神大震災後のカウンセラーに
なっていた。そこで話をした少女は十三の人格を持つ多重人格者だった。
そのうちの一つは危険なもので、周りに不審死が発生する。人の心を
読める時と読めない時が作者都合的でちょっと、というのを上回る面白さはない。
『OUT』 桐野夏生 p446 【C】
深夜の弁当工場で働く4人組の主婦は家庭に問題を抱えているが、そのうちの
一人が衝動的に夫を殺し、残りの三人が金や他の理由で死体隠しに協力する。
まだ上巻だけど続きが気になる面白さではある。
『懲戒解雇』 高杉良 p391 【C】
旧財閥系大手繊維会社に勤める主人公は常務の不正を訴えたことから
恨みを買い、無理やり懲戒解雇にされようとする。悪役のヒールぶりが
すごいが、どうも実話をもとにしてると見て驚いた。
『バタス』 藤野眞功 p252 【C】
フィリピンの刑務所内の話、鈴木氏の本と似たような感じ?
269 :
テタ(12☆4914):2010/07/14(水) 22:12:06
電波時計さん、完走おめでとうございます。
『カインの娘たち』コリン・デクスター ハヤカワ文庫 501p
ミステリー。【C】
『旅のなかの旅』山田稔 白水uブックス 333p
旅のなかの日常。【B】
電波時計さん完走おめでごうとざいます。
『利家とまつ上』 竹山洋 p422 【C】
織田信長につかえる前田利家とその妻まつの話。たまには時代物もよいと思った。
『幻の女』 ウイリアムアイリッシュ p452 【C】
妻殺しの罪で死刑判決を受けて電気椅子を待つ男に冤罪をはらすべく
親友がアリバイを証明する行きずりの女を捜す。しかし、途中女を知る
手がかりに出会うごと証人が不審死をとげる。昔の名作だけど話の
展開が強引かな。でも引き込まれるものはあった。一気読みできた。
『十三番目の陪審員』 芦辺拓 p429 【C】
架空の殺人事件をでっちあげ、その犯人となることで冤罪ドキュメントを
作ろうとする売れない作家だったが、実際の逮捕容疑は実在の殺人事件で、
裁判員法廷に持ち込まれるが、有罪でも無罪でも結果よくない展開になる
というジレンマをいかに解決するかという話。これもちょっと強引かな。
『あなたにもできる悪いこと』 平安寿子 p328 【C】
セクハラ疑惑とか人の弱みを種に小金を解決金として脅し取るような
短編。痛快と書いてあるけど、けして痛快ではないとは思う。
『マネーゲームの終焉』 水沢渓 p295 【C】
巨大電機メーカー橋本電気の生みの親橋本幸太郎の孫にあたる政高が
資金運用の事業部の長となり当時日経平均55000円、年末には7万8万に
なろうと言われる中ワラントに巨額を投資する。証券会社の担当の女は
反対しないが、それには訳があった。もうちょっと値動きとかに具体性が欲しい。
『藤巻健史の「個人資産倍増」法』 藤巻健史 p220 【C】
日本経済の話とか為替と株と債券と土地の話とか。これを読んでも
資産は倍にならないだろう。
『メタル・トレーダー』 徳本栄一郎 p531 【B】
銅先物を扱う商社トレーダーは簿外損失に苦しんでいたがそこに
仲介業者が現れ、彼の情報収集力により損失を巻き返すことができたが
その後嵌る。嵌め込みの手口とかえぐいなと思ったらどうも実話らしい。
もっと取り引き内容が具体的だったらいいかなと思ったけど
それにしても読み応えがあった。
『デッドウォーター』 永瀬隼介 p445 【C】
18歳で5人の女を強姦した上で殺した死刑囚は死刑を恐れない最強の
死刑囚だった。事件記者はその死刑囚の身辺をさぐり、その最強の
理由を知る。ちょっと締めの展開が急だな。
『OUT』 桐野夏生 p340 【C】
4人の主婦が仲間の夫を殺してバラバラにしたことをヤクザの仲間が
知り、バラバラ、捨てビジネスに加担させる。しかし、それをさぐっている
集団がいた。これは締めがいまいちというか納得いかんというか、下巻
全体がいまいちだった。
『生協の白石さん』 白石昌則 p148 【C】
前に話題になってた本だけど、大学の生協でご意見板に出された
意見に対する回答を集めた本。爆笑でないけど心温まる笑いと
書いてあったけど、まあそんなもんかな。本にするほどのものでもない。
『トレーディングエッジ入門』 ボーヨーダー p225 【C】
トレードのコツを書く。「多数派は必ず間違っている」など名言もある。
ペイバックサイクルとペイアウトサイクルの話など参考になるものも多い。
パン本の中でも良書に入ると思う。
テタさん、りゅうさん、ありがとうございます。
りゅうさん、完走おめでとうございます
井上ひさし/『東京セブンローズ』/文芸春秋/780ページ/【C】
昭和20年から21年にかけての、東京下町の一市民の日記をモチーフにした物語。長編だがなかなか面白かった。
時代設定から暗い内容になりがちだが、随所に作者のユーモアが出てくるのでそれほど暗い内容にはならない。
作者は、一般の日本人にも戦争責任があると考えているようだ。『東京セブンローズ』という題名は後半に明らか
になる。
井上ひさし/『一週間』/新潮社/524ページ/【B】
第二次大戦後のソ連を舞台に、レーニンの手紙をめぐって、赤軍将校と日本人捕虜との間の一週間のせめぎ合い
を描いたもの。収容所内での日本人兵士に対する日本軍将校の振る舞い、ソ連邦内の少数民族問題、ソ連社会主義
の問題などが描かれている。ハラハラする場面と作者のユーモアが入り混じり、面白かった。
『処刑前夜』 メアリーWウォーカー p608 【C】
金持ちチャーリーマクファーランドは11年前に妻を殺され、犯人として
前に5人強姦殺人した男がつかまり、処刑を3日後に控える。そして同じ
手口で後妻が殺され、使用人が殺され、処刑前の男は11年前の事件の
犯人ではないと告白する。ちょっと長ったらしかった。結末も後味悪い。
『ダイスをころがせ下』 真保裕一 P390 【C】
選挙妨害などありながら選挙戦を戦い、事前調査ではいいところを
いっていると聞くがどうなるか?と思ったらスカっとしない結末が
待っていたという感じで納得いかない。
『ジョン万次郎漂流記』 井伏鱒二 p219 【C】
土佐の漁師であった万次郎は漂流して鳥島に漂着し、外国船に助けられる。
児童書だけどふりがなふってあるだけで中身は大人と思った。
『お金の味』 金森重樹 p279 【C】
筆者は大学時代のバイト関係の交流で先物取引を行って結局5000万の
借金を背負うこととなった。その返済までのいきさつを書く。
しかし、最初100万損したところで損切りしようと思ったわけだから
5000万までなんでなるのかがわからんというか、こういう人生を
送っているからか話が節々でうさんくさい。
『絶対に訴えてやる』 矢野輝雄 p184 【C】
民事訴訟を起こす時の疑問に答える。わかりやすくてなかなかよかった。
275 :
テタ(12☆5406):2010/07/31(土) 21:17:07
りゅうさん、完走おめでとうございます。
『百年の孤独』G・ガルシア=マルケス 新潮社 492p
一族の創世と消滅の神話。【B】
『利家とまつ下』 p446 竹山洋 【C】
戦国時代の武将前田利家と妻まつ、周囲の武将の話、まつの影がいまいち
薄いので期待はずれだった。織田信長が死んでからはあまり面白くない。
『クロスファイア上』 p315 宮部みゆき 【C】
パイロキネシスという念力放火能力を持った女が犯罪少年を殺す話。
ガキっぽい設定だけど読めば面白く嵌る。
『住商事件』 p302 青柳孝直 江守哲 【C】
巨額損失事件を調査する。しかし、ポジションの意図が不明と書いてる
だけでそこにつっこんでないのはいまいちだった。どういう誘い文句で
どういう心理状態かが見たいところだった
『報道されない警察とマスコミの腐敗』 p224 寺澤有 【D】
単なる映画の宣伝でものの見方も一面的だし金ドブ本。
『ひょっこりひょうたん島3 ブルドキアの巻(上)』井上ひさし/山元護久 ちくま文庫 487p【C】
犬の国訪問。大昔に人間に虐げられた犬たちが、人間を抹殺しようとする。
『ひょっこりひょうたん島4 ブルドキアの巻(中)』 498p【C】
大人のキャラが立ち過ぎで、子どもたちがいまいち霞んでますね。子供番組なのに。
『ひょっこりひょうたん島5 ブルドキアの巻(下)』 548p【C】
犬たちと全面戦争。犬とは言え殺人が起こるので、このエピソードはリメイク版ではカットされたらしいとか。
『ひょっこりひょうたん島6 海賊キッドの宝の巻(上)』 540p【C】
ひょうたん島に眠るという宝を狙って海賊たち襲来。
おお、東京オリンピックの年か・・・。
『ひょっこりひょうたん島7 海賊キッドの宝の巻(下)』 484p【C】
この番組は含蓄深いですねえ。大晦日まできっちり放送してたのか。
『ひょっこりひょうたん島8 魔女リカの巻(上)』 478p【B】
ひょうたん島住民vs海賊+魔女リカ。
徹夜で充血した子どもたちの絵が怖い。
『ひょっこりひょうたん島9 魔女リカの巻(下)』 476p【B】
登場人物多いので、数人のグループで別々に動いてる方が面白いです。
子どものキャラが結構立ってきたような。やだ、オウム博士かわいい……。
『ノックの音が』星新一 新潮文庫 182p【C】
何度目かの再読。この形式のオマージュアンソロジーを誰か編まないかしら。
『ひょっこりひょうたん島10 マジョリタンの巻(1)』 454p【C】
海賊船に乗せられたひょうたん島一向の運命やいかに。
博士ははぐれて動くことが多い。
『ひょっこりひょうたん島11 マジョリタンの巻(2)』 444p【B】
3魔女登場。ペラが黒柳徹子なので、脳内であの声で再生されてすごくうるさいです…
『ひょっこりひょうたん島12 マジョリタンの巻(3)』 430p【B】
結局最終的にひょうたん島対の全面戦争という展開になるのがジャンプっぽい。
『ひょっこりひょうたん島13 マジョリタンの巻(4)』 458p【C】
ワニ王子編。プリンはあんまり目立たないから、花持たせて左遷させた形なのかなあ。
そして早く2期を出せ!
『月の扉』石持浅海 光文社文庫 350p【B】
滑走路でハイジャックされた飛行機内で起こる密室事件。
機内と機外を描いた緊張感漲る展開は面白い。終盤は狂人の論理をやや濫用した感があります。
『白魔』アーサー・マッケン 南條竹則訳 光文社古典新訳文庫 292p【C】
幻想怪奇短編集。表題作、森の中を延々と彷徨う少女の禍々しくも美しい呪術的筆致は圧巻。
『ノックの音が』星新一 新潮文庫 182p【C】
何度目かの再読。この形式のオマージュアンソロジーを誰か編まないかしら。
『ひょっこりひょうたん島10 マジョリタンの巻(1)』 454p【C】
海賊船に乗せられたひょうたん島一向の運命やいかに。
博士ははぐれて動くことが多い。
『ひょっこりひょうたん島11 マジョリタンの巻(2)』 444p【B】
3魔女登場。ペラが黒柳徹子なので、脳内であの声で再生されてすごくうるさいです…
『ひょっこりひょうたん島12 マジョリタンの巻(3)』 430p【B】
結局最終的にひょうたん島対の全面戦争という展開になるのがジャンプっぽい。
『ひょっこりひょうたん島13 マジョリタンの巻(4)』 458p【C】
ワニ王子編。プリンはあんまり目立たないから、花持たせて左遷させた形なのかなあ。
そして早く2期を出せ!
『月の扉』石持浅海 光文社文庫 350p【B】
滑走路でハイジャックされた飛行機内で起こる密室事件。
機内と機外を描いた緊張感漲る展開は面白い。終盤は狂人の論理をやや濫用した感があります。
『白魔』アーサー・マッケン 南條竹則訳 光文社古典新訳文庫 292p【C】
幻想怪奇短編集。表題作、森の中を延々と彷徨う少女の禍々しくも美しい呪術的筆致は圧巻。
うあ、連稿……すみませぬ
『消えた装身具』コリン・デクスター 大庭忠男訳 ハヤカワミステリ文庫 397p【C】わりと普通か
『舞え舞え断崖』赤江瀑 講談社文庫 275p【B】
幻想短編集。「柩の都」がベストでしょうか。
『写本室(スクリプトリウム)の迷宮』後藤均 創元推理文庫 305p【C】
二重入れ子構造のミステリ。黄金時代的なミステリの雰囲気はよく再現されていますが、
作中作の完成度など、物足りなさが残ります。
『中国迷宮殺人事件』 講談社文庫 ヴァン・グーリック(ファン・フーリック) 魚返善雄訳 370p【C】
唐(670年頃)の世紀末的な町で判官が事件を推理し裁く。作者はオランダ人。
事件はなかなか複雑ですが、密室殺人あり拷問裁判、残虐処刑シーンありと面白い。
ミステリというよりも、時代風俗小説としての価値があるかもしれません。
『町でいちばんの美女』チャールズ・ブコウスキー 青野聰訳 新潮文庫 434p【B】
ナイスクレイジー。
真空さん、完走おめでとうございます。
浅田次郎/『終わらざる夏』/集英社/計925ページ/【C】
様々な立場の目を通して、戦争について描かれている。ロシア兵士側からの記述もあるが、特に北方四島
について本書のようにロシア兵士が考えていたのかは疑問だ。特に後半は、ロシア側からの記述が多い。
戦争終結後に、北方四島にロシアが侵攻してきたのは知らなかった。いい話だったが、最後はやや拍子抜けした。
真空さん、完走おめでとうございます。
『黒笑小説』 東野圭吾 p285 【B】
ブラックユーモア短編集。ほかの○笑小説と違って一つ一つが
面白かった。
『クロスファイア下』 宮部みゆき p282 【C】
念力放火能力で犯罪少年を殺す女の話、下は本来の犯罪少年を殺す
ストーリーからずれてきてるのが期待はずれ。
『サギ師バスターズ』 宗田理 p309 【C】
サギ罪で出所した老人が家族と組んで、サギ行為をこらしめる話。
あまりたいしたことない。
『ゲームの名は誘拐』 東野圭吾 p301 【C】
あることから日星自動車副社長の娘を誘拐することになり、誘拐を
進めながら計画を立てる。気に入らないのは最後のありえない展開と
副社長自身がベンツ、奥さんがBMWに乗ってるところ。それはちょっと
なぁと思う。
『足音が近づく』 市川悦子 p291 【C】
死刑囚小島の獄中記、途中で獄中結婚して、愛と死のかたみと同じ乗りに
なる。死刑囚の苦しみみたいなのがあまり伝わらなかったのが残念か?
最終手紙と執行日にずれがあるのもよくわからん。
ゲームの名は誘拐は日産の社長がポルシェに乗ってることをあてこすってた
とすると納得なのかな。
『巨大証券の犯罪』 水沢渓 p272 【C】
山三証券に勤める主人公と客との関係から証券会社がすすめる銘柄が
どういういきさつかを書いている。しかし、浮気話とか関係ないし、
太丸ハムの加工品にネズミ肉が使われるという設定もどうかと思う。
『孤島』 津村秀介 p289 【E】
母が入院した島の病院をめざす男と出会った人物。話はわけわからんし
GFDというグループの謎も放置だしなんで完走してしまったんだろうとしか。
『投資の心理学』 ローレンスEリフソン p301 【C】
訳がいまいちのせいかあまり頭に入らなかったが良書なのかもしれない。
でも前に読んだ相場のこころと同じような感じであまり面白くなかった
『誰も書かなかったアムウェイ』 山岡俊介 p188 【C】
アムウェイビジネスについて書く。週刊誌記者?だからか噂レベルの
断言とか、情報小出しで続編出しとか微妙に読んでうっとうしい。
『重力ピエロ』 伊坂幸太郎 p337 【C】
DNA調査会社に勤める主人公と壁落書き消し業の弟、壁落書きに関連する放火
事件を調査する流れの、流れのある短編集のような感じ。ストーリー自体に
文句があるってことでもないけど、伊坂は合わないと再確認してしまった。
『相場で負けたときに読む本』 山口祐介 p215 【C】
相場格言集、パン本の割りには安い分中身もそれなりか。
『残虐記』 桐野夏生 p255 【C】
少女が男にさらわれ監禁される話。男は工場住み込みで、1年後に
たまたま工場の主の奥さんが部屋に入って発見するが、それまでに
気づかれないかってのも疑問だし、いろいろ、みたいな感想。
『狂気と犯罪』 芹沢一也 p222 【D】
精神病の歴史とかを書く、けど歴史が見たかったわけじゃなかったんだけど。
中身が期待外れだった。
『放課後』 東野圭吾 p353 【C】
体育倉庫で生徒指導の先生が殺され、警察の調べで容疑者が絞られる。
その中、三度殺されかけた先生が独自に推理する。読んで面白く
1冊をさらっと読めるけど、不満は落ちがありえない方向にということか。
『銅マフィアの影』 p221 日本経済新聞社 【C】
住商事件の歴史を書く。どっちかって言うと、銅マフィアの方に焦点を
当ててほしかったんだけど。
『リスク』 ピーターバーンスタイン p498 【C】
投資の歴史、リスクについて書かれる。訳文がまずくて読みにくいというか
読んでしんどい。中身もそんな目新しくないかな。読むほどのものではないか。
286 :
電波時計(4☆4778):2010/08/22(日) 16:43:45
りゅうさん、完走おめでとうございます
奥野宣之/『読書は1冊のノートにまとめなさい』/Nanaブックス/211ページ/【C】
すでに実行しているものもあったが、ねぎま式読書ノート(抜き書き●+自分の感想☆)、W付箋でマーキング等
使えそうなものもあった。情報収集に出版社のPR雑誌やハブ本を活用するべきという。ブログや情報を組み合わせ
てアイデアにする等アウトプットが大事だ。著者は、読書ノートは継続するのが一番の目的だと言っている。ノート
でなくてもパソコンで代用できそうだ。情報の一元化が大事だといえる。
司馬遼太郎/『国盗り物語 前編 斎藤道三』/新潮社/446ページ/【C】
名もなき坊主から京最大の油商人、そして美濃一国を手に入れるまでの下克上を描いたもの。目標達成のためには
あらゆるものを利用する反面、人心掌握術は素晴らしい。多くの人が多少なりとも心の中に秘めていることを見事に
実行している。斎藤道三自身は、結構あくの強い人のように感じた。
司馬遼太郎/『国盗り物語 後編 織田信長』/新潮社/542ページ/【B】
斎藤道三の娘婿である織田信長が主人公だが、明智光秀についての記述も多い。信長と光秀の人間関係がよく
分かる。光秀については主人に対して謀反を起こした悪人だと思っていたが、むしろ主人に忠実な優秀な官僚に
感じた。個人的には光秀に肩入れしたくなる。信長はやはり恐ろしい人物だ。
電波時計さんありがとうございます
『富士山』 田口ランディ p277 【C】
富士山が出てくる短編集。富士山に必要な要素が含まれていてよい。
『グリーンマイル』 フランクダラポン p320 【C】
映画の脚本みたいな感じで変な感じだった。死刑囚が超能力?を使って治療する話?
『悪について』 チューリッヒフロム p209 【D】
悪いことをする人間性などについての話だけど、難しく頭に入らない。
『えんじ色心中』 真梨幸子 p300 【D】
有名中学を受験するため予備校に通う少年と女の子の話など、だが
人間関係がわかりにくい。宮部みゆきを劣化させたような感じ。いまいち。
『バンコク楽宮ホテル』 谷恒生 p248 【C】
バンコクの安宿に泊まる男の生活。
『懲役を知っていますか』 本間龍 p244 【C】
詐欺で実刑になった作者が裁判員裁判で刑務所が何か知らないと
まずいだろうと実体験を書いた、が読んで特に目新しいものは
なかったような気がする。ちょっと期待した分外し感があった。
『自爆』 田代まさし p189 【C】
のぞき、覚せい剤でつかまった作者が当時の話、留置場体験などを書く。
しかし、のぞきは覚せい剤の影響でやりたくはなかったというような
ことを書いてるけど、まあわかるけど、何でやったかは覚えてないと
いうのはそんなことないんじゃないかと思った。
司馬遼太郎/『関ヶ原』(全3巻)/新潮文庫/計1341ページ/【B】
関ヶ原の戦いとそこに至るまでの過程を描いたもの。実際の戦い(半日で終わる)よりも、そこに至るまでの各武将
の心理的葛藤の方が面白かった。その過程はまるで政治家の多数派工作や派閥闘争のように感じた。現在、民主党の
代表選間近なので、余計にそのように感じてしまった。
荻原魚雷/『活字と自活』/本の雑誌社/253ページ/【C】
脱力系のエッセー集第2弾。中身は雑誌のように盛り沢山で、文章からは著者の誠実な人柄が窺える。途中で挿入
されている本棚の写真から著者が相当な読書家であることが分かる。著者のような生活は憧れるが、そのためには
ある程度のリスクを背負わないといけないなと感じた。
佐野眞一/『甘粕正彦 乱心の曠野』/新潮社/475ページ/【B】
甘粕正彦の生涯を追い求めたノンフィクション。なぜか人を惹きつける人物に感じた。甘粕の考えが大川周明の
影響を受けているのは初耳だった。著者は多数の人に取材しているが、著者と一緒に取材しているように感じた。
満洲には何となく惹かれる。著者の文章はいつもながら粘っこい。甘粕のように何かを背負った人生もつらいものだ。
甘粕は本当に大杉栄、伊藤野枝を殺害したのか。
荻原魚雷/『古本暮らし』/晶文社/219ページ/【C】
脱力系のエッセー集第1弾。この本の方が、『活字と自活』に比べて内容も固く、現状に対する悩みが大きい
ように感じた。淡々と綴られているが、色々と考えさせらる部分も多い。
『黒い報告書』 重松清ほか p335 【C】
殺人とエロスのノンフィクション短編集。最近のもあればホテル日本閣とかも
ある。まあまあ。
『相場の常識』 新井邦宏 p248 【C】
何か簡単なときに稼げとか、投資目標ラインを作れとかはどうかと
思うけど、まあそうかなと思うこともあるけど、ト書きを見たら
投資の王道の著者か、時間の無駄だったかなという思いも。
『マニラ保険金殺人事件』 井上安正 p186 【C】
ノンフィクション、7回も挑戦していたというのは知らなかったような気がする。
『クラインの壺』 岡嶋二人 p341 【C】
ある新人ゲームブック作家はとある体験型ゲームにそのシナリオが採用され、
テストするために呼ばれる。結局このゲーム機はどう使われるのだろうと思った。
『モルガン家上』 ロンチャーナウ p457 【D】
モルガン財閥の成り立ちなどを書く。面白いんだろうけど、訳文が
読みにくくて読みつかれてしんどい。