>>333-337,559-560
【民主主義は】呉スレ10【親の敵でござる】
ttp://book3.2ch.net/test/read.cgi/books/1078156763/72-84 72 名前:3月9日の朝日新聞[sage] 投稿日:04/03/15 23:23
この二月は日露戦争勃発(ぼっぱつ)から百年だった。
それで思い出したことがある。
私は原則的に平和主義者だが、日露開戦が必ずしも間
違った選択だったとは思わない。アジアの新興小国が大
国ロシヤの南下政策を命がけではねのけたという一面が
あるからだ。ロシヤの圧迫に苦しんでいたトルコなどの
国々では、日露戦争の日本の勝利に大きく力づけられた。
こういう日露戦争観を私は三十数年前の学生時代に既
に持っていた。小田実の『日本の知識人』(筑摩書房)
を読んでいたからだ。小田はこう書く。
「日露戦争は〔帝国主義同士の戦争であるが〕そうで
ない側面ももっていた」
それだけではない。こうも言う。
「太平洋戦争は……最後は徹底的な敗戦に終ったが、
西洋に対して戦をいどみ、曲りなりにも緒戦において
は勝利を収めたことである。この事実は、今日、人々
はまったく無視して語らないが、日本人(あるいは、西
洋以外の他の国々、ことにアジア・アフリカ諸国の人々
)に大きな自信をあたえ……」
私がこれを読んだのは、元版(一九六四年)から五年
後の筑摩叢書版であったが、その時点でも「この事実は、今
日、人々はまったく無視して語らない」に等しかった。実に
現在でさえ、“良識家”の間ではそうだ。
その後、北朝鮮問題などで小田批判が続出する。私も批判
者なのだが、日露戦争や太平洋戦争(大東亜戦争)の二面性
を教わった学恩だけは忘れまいと思う。