1 :
未熟な国文学徒:
割と、『ウルトラ』の評論とか好きだったんだけど、
最近出た『M78星雲より愛をこめて』ていう本はかなりおもしろかった。
今までの評論と違い、評論家の勝手な解釈をあまりしないで、
全て作者の心情と重ね合わせて評論しているのが良い。
あと、やたら注目されている金城哲夫ではなく、
あえて上原正三にスポットを当てているのも良いかも。
『ウルトラ』に構造主義的な二項対立とか当てはめると
「光/闇」「正義/悪」「コスモス/カオス」とかの正体が
見えてくるんだなと思いました。
被爆星人
前半より、後半の章が好きだな。
なぜ、『帰ってきたウルトラマン』以降で、「人間ウルトラマン」路線を
辿っていったのかとか、作者の無意識がどのように表現されているかとか
ど真ん中の文学論としての『ウルトラマン論』だと思う。切通理作以降では
一番良い、評論じゃないかな。切通とは切り口もかなり違うし。
4 :
未熟な国文学徒:03/10/11 18:57
被爆星人のこともなかなか詳しく書かれています。
なぜ、『セブン』12話「遊星より愛をこめて」が欠番になったのかとか、
そもそも、どんなエピソードだったのか、とかね。朝日新聞の引用から、
この作品のことを当時の脚本家や監督がどう思っているのかもわかりました。
スペル星人のことも最近はみんな知っているから、あまり刺激ないけど、
もう少し昔なら、この章があるだけでもかなり衝撃的かも。
しかし、『ウルトラQ』〜『ウルトラセブン』に詳しい人は、
『平成ウルトラ』に詳しくないし、その逆だったりするんだけど、この人は
『帰ってきたウルトラマン』『ウルトラマンA』辺り含めて、全体的に
『ウルトラ』を語っているから、まあ、読ませるなと。
『M78星雲より愛をこめて』文芸社刊 神谷和宏 1200円
写真があれば、もう少し見栄えするのに。
『ウルトラマン』の基礎的なトピックスである、「光」について、『源氏物語』と
比較して解釈いるのが驚き。
古典と比較しても、共通点があるのだなと。
>>7 古文板にウルトラマン・源氏物語比較スレ立てたらどうなるかな…
もっとも昔、民俗板にウルトラマンを民俗学的に解釈するスレがあったけど、想像
以上に住人の反発が激しかった。
俺は『ウルトラマン万葉集』というのを持ってるのだが……
ウルトラマンの内容で和歌を詠むといういかれた本だ。
神 谷 必 死 だ な w
11 :
無名草子さん:03/10/12 03:25
ウルトラマンの民俗学的研究はなかなかおもしろそう。
何で、住人の反発を食らったのだろう?
『ウルトラマン万葉集』は、確か昔、ちらっと見た記憶があるけど
あまりおもしろくなさそうだった。
12 :
無名草子さん:03/10/18 14:33
シュワッチ
13 :
無名草子さん:03/10/18 19:08
『ウルトラマン万葉集』、どうせなら『ウルトラ万葉集』にしてほしかった。
大江健三郎の「破壊者ウルトラマン」、初出以外で読む方法ある?
あと大江だったかのエッセイで、「奇怪な仮面を被ったヒーロー」が
主人公の番組があり、グロテスクな怪人が脈絡なく人を殺すだけの
内容なので、子供との合議の上でそれを見ないことに決めた…、っ
ていう記述があった。直感的に「超人バロム1」のことだとオモタ。
醜い怪人フランケルゲ・・・
初出以外で読むのは難しいかな。
破壊者ウルトラマンが掲載された『世界』昭和48年5月号は
図書館で取り寄せてはもらえる。小さな図書館でも、頼めばどこかから
取り寄せてはくれるはずだよ。
17 :
無名草子さん:03/10/24 16:37
切通の『怪獣使いと少年』…っていうか、映画宝島の『怪獣学入門』はなかなか
エポックだったけど、あれにハマった香具師が作ったっぽい平成ウルトラとか
ゴジラとかガメラは衒学的な臭みがあって嫌だ。
18 :
無名草子さん:03/10/24 17:40
SFソフトのウルトラマンで飛び蹴り連打をしてたのは
私だけではあるまい。
まあ、『怪獣使いと少年』はそれまでまとまった評論らしい評論が
なかっただけに、斬新だったとは思うよ。ただ、切通の読みが唯一の
読みってワケでもないだろう。あまり話題にならないけど、『ウルトラマン幻想譜』
とか『怪獣神話論』も個人的にはなかなかおもしろかった。あと、『テレビヒーローの創造』とかね。
『M78星雲より愛をこめて』も、いくつか自分が思いつかなかったような論があった。
『怪獣学入門』は、『平成ウルトラ』を踏まえた改訂新版なんかがそろそろ出ても良い。
名前: 神谷和宏
ニックネーム: かみ
Eメール:
[email protected] 自己紹介:
北海道のとある田舎町で教師をしています。あまり教師っぽく見られませんが…。
28歳(昭和48年生まれ)です。趣味は野球と占い、読書といったところでしょうか。
関心のあることを列挙すれば、ウルトラマン、占い、チョコレート、野球(ヤクルトファン)、源氏物語、文学論、ちょっと教育…かな。
文章を書くのが好きで、最近は多少ですが本(雑誌、地方の本など)にも載るようにもなりました。
ウルトラマンの文学的研究をしています。だからレビューも自然と、ウルトラマン、サブカルチャー、文学が多くなっていますね。
占いも好きです。タロット、西洋占星術、数秘術が得意です。
メールアドレスを公開するので、良かったらメールを下さい。 戻る
神谷和宏[カミヤカズヒロ]
1973年11月8日北海道苫小牧市に生まれる。駒沢大学文学部国文学科卒業。
公、私立の高校教師を経て、現在は公立中学校の教師
○(%) 。
30 :
無名草子さん:03/12/01 02:47
保守
32 :
無名草子さん:04/02/16 23:28
ほ
>>1 様々な思惑のからむTVシリーズを脚本家に向けた視点だけ
で語ろうとするだけで減点。
>>4 ひばく星人の話題、薄すぎ。
あちこちの資料をちょこちょこと書き写した印象。
>>5 初期ウルトラと平成ウルトラだけは見ているようだが、
帰マン〜ゼアスについては知識不足が過ぎる。
ちょっと気の利いたファンなら全シリーズの基礎知識ぐらいは
カバーしている。
37 :
無名草子さん:04/04/05 03:01
>>7 映像作品を検証すれば古典文学との共通項が
出てくるのはマニアの常識。
この本の「比較」はこじつけの域を出ていない。
大の大人が幼児向けの虚構の世界にすぎないウルトラマンの考察しているなん
てむなしすぎる。しかも、完全にヲタ扱いされるし。
これについてどんなに真剣に考察したところで得るものがあるのか。
得られるものは満足感と達成感のみだろう。
こんなことに労力と時間を費やしていないで有意義なことに費やした方がいいよ。
>>37 それはね、幼児向け番組の考察に夢中になっているキモヲタどもが高尚な古典
との共通項を半ば強引に見つけ出して、「自分のしていることも高尚だ」とい
う幻想にひたりたいんだよ。ある種の自慰行為だ。
この程度で「光の巨人を知り尽くした男」などと名乗るのは、
「ファンタスティックコレクション」以来の多くのウルトラ
本を書いてきた特撮ライター諸氏に対して無礼千万だと思う。
川上とONと近年の選手だけ知っているにわか巨人ファンが、
高田や新浦や江川や原のことをろくに調べないでスポーツライターを
気取り「栄光の巨人軍を知り尽くした男」と名乗っているような
ものだ。