ベストセラー作家にあらず、ロングセラー作家。
小説の匠、吉村昭先生について語ろう。
戦記ものを書く作家ではいちばん好き。
>2
好きな本は何?
俺は、「殉国」「逃亡」(文春文庫)、短編集だけど「脱出」(新潮文庫)
もち、「戦艦武蔵」(新潮文庫)もいいけど。
「陸奥爆沈」「零式戦闘機」「帰還セズ」あたりかな。
吉村ファンって少ないみたいね。ヤフでもあんまりレスついてないよ。
私の中でのベスト・スリーは今のところ、
「破船」「熊撃ち」「高熱隧道」かな。
自然描写が素晴らしい。
変わった生き物をテーマにした短編集
「羆(ひぐま)」(新潮文庫)が好きだ。
今村監督の「うなぎ」もこの中の一編が原作。
「漂流」も良かった。映画化されてるけどこっちはあんまり良くなかった。
>6
>「羆(ひぐま)」(新潮文庫)が好きだ。
>今村監督の「うなぎ」もこの中の一編が原作。
違うよ、「うなぎ」の原作「闇にひらめく」は、
同じ新潮文庫の短編集「海馬(トド)」に収録されてるよ。
ただし、映画はオリジナルの部分ばかりで別物と考えた方がいい。
あれは、吉村昭の世界じゃないよ。
>8
ご指摘の通りですスマソ
10 :
無名草子さん:01/12/09 05:14
あげ
11 :
無名草子さん:01/12/09 05:47
小村寿太郎を描いたのって何でしたっけ?
12 :
無名草子さん:01/12/09 07:57
13 :
無名草子さん:01/12/09 08:20
それも面白いらしいですねえ
14 :
無名草子さん:01/12/09 09:24
文春新書の『史実を歩く』は、吉村作品の舞台裏を垣間見られる好著。
ヘタなノンフィクション作家が裸足で逃げ出す綿密な取材ぶりなんだよね。
15 :
無名草子さん:01/12/09 10:59
吉村ファンも多いとおもうがなぁ。
ただネットにいるような人間に吉村ファンが少ないだけじゃないか。
16 :
無名草子さん:01/12/09 11:09
>>15 同意。活字好きの年輩者(50代、60代)の支持が多いようだ。
この点で2ちゃんねるでは分が悪い。
今の日本で本当の意味で大人の鑑賞に耐えうる数少ない作家だよ。
17 :
無名草子さん:01/12/09 11:15
真面目だよな。
わからないことは書けない、ってんだろ?
ま、そこがファンにはたまらないんだろうけどな。
だけど、吉村昭が忠臣蔵を書くとどうなるか、なんて興味ないか。
落日燃ゆはいいよね
19 :
無名草子さん:01/12/09 12:28
>>17 前に吉村先生が書くか話すかしていたが、忠臣蔵執筆のオファーはあるそうだが、
書かないそうだ。
世評名高い事件のわりには、私怨による闘争に過ぎず歴史自体に与えた影響は無いので
興味を惹かれないとか話していたよ。
だから、桜田門外ノ変や生麦事件は書いてる。
20 :
無名草子さん:01/12/09 12:30
>>18 煽り?
それ城山三郎だよ。読者層は被ると思うけど。
21 :
無名草子さん:01/12/09 13:24
関東大震災(文春文庫)は秀逸です。
カタストロフの前後の描写もすごいが、
その後の鮮人&反政府主義者大量虐殺への過程は
他には見られない迫力がある。
ニュー速、極東、ハン板、自然災害、オカ板などに常駐する
2ちゃんねらーなら充分楽しめる内容だヽ(´ー`)ノ 。
>>19 なーるほどね。
「よってたかって年寄りいじめてなんになる」ってとこかいな。
史料を読み込んで、実地踏査までして書く人だから、想像をふくらまして
っていうのはやらないのかな。
古代ものなんかもやらないか。
23 :
無名草子さん:01/12/09 14:14
>>17 古代ものどころではないよ。
エッセイで戦記ものも、もう書かないと言ってる。
証言者がいなくなってきてるからだそうだ。
古代は黒岩重吾先生にお任せだろう。
24 :
無名草子さん:01/12/14 19:11
サルベージ
25 :
無名草子さん:01/12/14 19:27
私は『冷い夏、熱い夏』『仮釈放』あたりの長編と、
現代ものの短編集が好きです。丁寧かつ緻密な取材に
裏付けられた歴史もの、軍記ものもちろん好きですが。
高松凌雲とのからみで榎本武揚あたりを書いてくれる
と面白そうなんですが。
27 :
無名草子さん:01/12/17 01:44
短編が実はうまい、というのを知らなかった。
東京生まれの東京育ちだからか。
「高熱髄道」は会社員時代、何がなんでもやり抜けという
テキストとして読まされたので嫌いになった。ラストで
追い立てられてしまう小説的結末がどうも嫌だった。
「海の史劇」「戦艦武蔵」が好きだったけど、今は
それより時代遡った歴史小説の方が好き。
「破獄」「仮釈放」はどうも苦手。理由は学生の頃、
父が刑務官の人に「罪つくりなことをするな」と言われた
から。
28 :
無名草子さん:01/12/17 16:41
>>27 「高熱ずい道」をいやな使い方する会社ですね。
これだとせっかくの名作の印象点がガタ落ちになるのも理解できる。
ところで「羆嵐」「長英逃亡」「桜田門外ノ変」なんかは読みましたか?
短編集は、動物小説集なら「熊撃ち」(文春文庫)「鯨の絵巻」(新潮文庫)がお薦めです。
私小説中心なら、「水の葬列」「星への旅」「法師蝉」(すべて新潮文庫)は、
いかがでしょう。
中公文庫の短編集が好きですね。
『蛍』『遅れた時計』など。
あとは文春文庫の『帽子』表題作「帽子」は泣けました。
30 :
ごめんなさい:01/12/17 21:45
「亭主の家出」しか読んでません
31 :
無名草子さん:01/12/18 11:45
「帽子」はイイね。過剰に泣かせる筆致ではなく、
吉村昭らしい淡々とした透明感のある文体が逆に心を打つものがあるよ。
「亭主の家出」もイイ、吉村先生には珍しいユーモア小説だけど、
よく読むとテーマには重いものがある。
家出した亭主の隠れ家、東京郊外にありそう、なんかリアルだ。
32 :
無名草子さん:01/12/18 12:17
天狗争乱ってどーですか?
33 :
無名草子さん:01/12/18 14:29
>>32 水戸天狗党の逃亡記だね。
読み応え充分だけど、読みにくい感じもする。
吉村昭初心者には、あまりお薦めしない。
歴史ものなら、和製逃亡者と言っても過言でない「長英逃亡」
テロルをテーマにしたアクション「桜田門外ノ変」を推す。
34 :
無名草子さん:01/12/18 14:42
>>27 >「高熱髄道」は会社員時代、何がなんでもやり抜けという
>テキストとして読まされたので嫌いになった。
三百人以上の犠牲者を出してでもやり抜けって?怖い会社だね。
私は自然の驚異よりも、人間の方が恐ろしい…という話だと思ってたよ。
隧道だろ
いくら犠牲者が多いったって
36 :
無名草子さん:01/12/18 16:34
「高熱・・・」が好きな人は、時代がぐーっと下るが、
丹那トンネル工事を描いた一大クロニクル「闇を裂く道」(文春文庫)も
お薦めだ!
関東地方の人にはこの作品、中部地方の人には「高熱・・・」が臨場感がるあるかもしれない。
37 :
無名草子さん:01/12/20 14:05
「殉国」(文春文庫)
薄い文庫本だが、少年兵の戦場での彷徨を通して、
沖縄戦の実態を描いた凄い戦記小説だ。
まさに地獄巡りとはこれだよ。絶対読むべし。
終盤、「私」の息子と病床の弟との対面。
弟がスケッチブックに「ありがとう」と書く場面。
何度読んでも涙が出る。
『メロンと鳩』なんかはどうかな?
40 :
無名草子さん:01/12/23 13:02
ミステリー好きには「逃亡」(文春文庫)、短編集「密会」(講談社文庫)が
お薦めかも。
『冬の鷹』前野良沢と杉田玄白のキャラが明確に
書き分けられていて興味深い。一気に読んだ。
42 :
無名草子さん:01/12/29 15:36
「光る壁」、「白い航跡」はどうでしょう。
43 :
無名草子さん:01/12/29 16:30
「空白の戦記」の中の「敵前逃亡」。小学生の時に読んで軽いトラウマになり
ました。
44 :
無名草子さん:01/12/29 17:47
吉村さんが実際に治療を受けている(いた)のは宇治先生。
小説の中では醍醐先生、というのがちょっと面白い。
京都の地名を使ってうまい具合に作ったな、と思う。
45 :
無名草子さん:01/12/30 22:15
私はまだ一冊も読んだことがないのですが、小谷野敦が
半生記『私の文学漂流』を読みながらぼろぼろと涙を零したし、
などと書いているのを見て、読んでみたくなりました
46 :
無名草子さん:02/01/03 16:46
>>42 『光る壁画』じゃないの?
これに限らず、結果が分っている話を読ませるのがうまいと思った。
今まで読んだなかで、はずれだと思ったのは『雪の花』くらいかな。
47 :
無名草子さん:02/01/04 17:46
『蚤と爆弾』
いわゆる731部隊を扱った小説。
淡々とした描写が、凄惨な内容を引き立てる。
『悪魔の飽食』ほど有名でないが、作者の主張が露骨に出ている
『悪魔の飽食』よりも、静かに告発している感じが好き。
48 :
無名草子さん:02/01/04 17:55
『脱出』を160円で購入
49 :
無名草子さん:02/01/04 20:02
>>47 >作者の主張が露骨に出ている
この表現だと批判的・否定的なニュアンスに受け取ってしまうのですが・・・
>>48 イイ買い物をしたことは、保証します。
同書所収の「他人の城」は、凄まじい戦争冒険小説です。
50 :
無名草子さん:02/01/04 20:33
『生麦事件』が良かった。文庫化されたらまた買おう。
>>49 >作者の主張が露骨に出ている『悪魔の飽食』よりも、
でしょ?僕は47じゃないけれど。
『蚤と爆弾』
いわゆる731部隊を扱った小説。
淡々とした描写が、凄惨な内容を引き立てる。
『悪魔の飽食』ほど有名でないが、
作者の主張が露骨に出ている『悪魔の飽食』よりも、
静かに告発している感じが好き。
53 :
無名草子さん:02/01/05 17:04
54 :
無名草子さん:02/01/06 17:12
『海の祭礼』
読んでいるうちに、頭の中で
マクドナルド=スティーブン・セガール
という配役ができてしまったが、どうだろう。
55 :
無名草子さん:02/01/06 21:45
「羆嵐(くまあらし)」「高熱ずい道」の2作は、必ず読んで欲しい。
いずれも凄まじいの一言である。
軟弱なエンタメは、この2作を前にしては束になってぶっ飛ぶ。
56 :
無名草子さん:02/01/07 18:56
「洋船建造」(文春文庫『磔』に収録)
『ニコライ遭難』
『海の史劇』『ポーツマスの旗』
小説としての虚構があるにしても、
今日あまり知られていない形で
日露間に人間的な交流があったことを伝えてくれる。
57 :
無名草子さん:02/01/10 21:18
医療、戦争、技術、逃亡、動物、囚人、幕末、明治、外交など、
得意分野が幅広いのがいい。
それぞれの要素がうまくからみ合って、リアリティが増す。例えば、
『遠い日の戦争』=戦争+技術+逃亡+囚人
『漂流』=技術+動物+幕末
58 :
無名草子さん:02/01/11 13:43
文芸春秋80周年記念号の中吊りで
かなりいい場所に名前が出ていたのがうれしかった。
59 :
無名草子さん:02/01/11 15:40
時代小説は苦手という人にも、
吉村昭の近作「島抜け」「敵討」(共に新潮社刊)は、
ぜひ読んで欲しい。
TVの初期必殺シリーズの如き凄みのある作品ばかりだ。
60 :
無名草子さん:02/01/11 16:35
「光る壁画」「雪の花」「高熱隧道」「戦艦武蔵」「闇を裂く道」
「間宮林蔵」「零式戦闘機」・・・
小説版プロジェクトXって感じかな。
「破獄」「漂流」等映像化されたけど原作の方が百倍面白い。
実話だけど大変良質のエンターテイメントで、冒険小説の範疇に入れても良いのでは。
短編では「海の鼠」「総員起シ」が印象に残ってます。
読ミ出シタラ止マリマセンデシタ。
うちの本棚の数列は真っ黒けです(新潮文庫の背表紙でね)
>>60 『雪の花』
吹雪の中の峠越えとか、種痘が成功した瞬間とか、
吉村昭らしい見せ場は多いです。
ただ、主人公の努力と種痘の成功とがうまくかみ合っていない印象があります。
62 :
無名草子さん:02/01/11 20:34
>>60 うーん、素材の取り方は、プロジェクトXと共通するものはあると思うんだけど、
あの番組は、無理やり泣かせようとするような過剰な演出が嫌だな。
吉村氏の小説の方が、もっとクールな感じでいい。
自分的には、そこがまた感動を静かな誘うんだな。
あなたは、クボジュンのファンなのかな?そうなら仕方ないけど。
63 :
無名草子さん:02/01/12 17:05
>>44 宇治先生は、『光る壁画』に出てくる胃カメラの開発者(実在)で、
吉村昭とは、取材以外の関係はないはず。醍醐先生というのは、どの作品に出てくるの?
>>62 クボジュンのファンではあります。(w)
がプロジェクトXの無理矢理劇的な展開に持っていく手法は、僕も抵抗あります。
例えば上記の作品群を元に番組作っても、おそらく原作の臨場感と客観性には到底及ばないのでは。
ありえないとは思いますが、吉村昭を役者が演じる場合は佐藤慶にお願いしたいな。
65 :
無名草子さん:02/01/12 19:12
>>64 胃カメラの回、深夜の再放送を楽しみにしてたんですが、
途中で寝てしまいました。
私小説以外では、「帰艦セズ」に自身をモデルにした人物が出てきますが、
映像化などはなさそうですね。
66 :
無名草子さん:02/01/12 20:09
「羆嵐」の猟師(宗谷の銀)に夏八木勲、羆に食われる村の女房に高島礼子
というカキコをしたら、非常にウケタこともあった。
67 :
無名草子さん:02/01/12 20:38
『破獄』の主人公佐久間=ケインコスギはどうか?
68 :
無名草子さん:02/01/13 00:07
69 :
無名草子さん:02/01/13 00:33
>>68 NHK?のドラマのようだ
魚影の群の撮影では漁師と化してしまっていたらしいが
70 :
無名草子さん:02/01/13 13:29
『お医者さん、患者さん』(中公文庫)を買った。
『蚤と爆弾』に関連した随筆があったが、
『蚤と爆弾』は、いわゆる731部隊所属者への取材を
ほとんどしていないそうだ。
それでも、部隊関係者への直接取材を重ねたはずの、
森村誠一『悪魔の飽食』と読み比べても、遜色ないレベル。
>>69 NHKドラマの「破獄」観ました。
緒方拳の佐久間は良かったけど、ただ脱獄しましたってだけで具体的な脱獄方法が描かれておらず、その点小説の方がはるかにビジュアルな印象があります。
何処の監獄か忘れたけど、看守が見回りにくると天井をちらちらと盗み見している。
これは、てんで天井を強化すると地面から逃げたって話、手品でいうところのミスディレクション(誤誘導)で面白いと思ったんですが
映像化されてなかったなあ。
網走刑務所の見学コースには今まさに脱獄直後の佐久間人形がありますが中々リアルな造形でしたね(笑)
>>71 特撮を使わずに、脱獄できそうなのは、ケインぐらいではないでしょうか。
73 :
無名草子さん:02/01/14 19:38
長篇歴史小説で文句無く面白い3冊
「長英逃亡」「桜田門外ノ変」「間宮林蔵」
まさに、寝食忘れて読みふけってしまうぞ。
「間宮林蔵」はあまり話題にならないが、
巻き込まれ型や大義のためではない、冒険のための冒険という意味では、
真の冒険小説である。
地味な伝記ものだと思っていたりすると、迫力にぶっ飛ぶぞ。
後半は、スパイ小説風で、これもスリリリングに楽しめる。
吉村昭は、アリステア・マクリーン、ジョン・ル・カレも凌駕した作家である。
随筆もおもしろい。
文学に対するまじめさと、
日常生活での庶民感覚がいい。
75 :
無名草子さん:02/01/18 00:38
2チャンでこんな良スレあったんだ...
個人的に「冷たい夏、熱い夏」には本当に参った。自分の弟のガンの発病から
死までの1年間を徹底して「私」の視点で描き、途中から完全に感情移入して
ぼろぼろ涙を流しつつも小説家としての執念というか凄まじさを感じた。
短編から長編、歴史小説から現在までと幅広いけれど、どれも安心して読める。
変な表現だけど、日本で今生きている小説家の中で一番リライアブルな小説家
かも知れない。
初期作品もイイよ!
「星への旅」とか
骨フェチおやぢの「透明標本」とか。
77 :
無名草子さん:02/01/18 02:46
直接取材していないことは書けない、と言っていますよね。
「お医者さん、患者さん」の後ろのほうで、
私の知る限り、古今東西女性作家の自殺者はいない。
女性の作曲家、哲学者もいない…〜というような文があったと思うのですが
なんとなく調べないで書いちゃったような感じがしてみたり。
古い本なので当時はいなかったのかなぁ。
78 :
無名草子さん:02/01/18 02:54
「羆嵐」ってたしかドラマ化されましたよね?キャストとか覚えている人いますか?
>>77直接取材していないことは書けない
というのは、主に、史実に基づく小説の場合で、
随筆はそこまで厳しくないように思います。
小説で自制している分、好きなことを書いているような印象もあります
80 :
無名草子さん:02/01/18 23:22
初期短編の「星への旅」「透明標本」などの虚無感もたまらない。
感性も充分に現代的過ぎる作家だと思う。再読しても少しも古びた感じがしないよ。
しかし、ユーモア長篇小説「亭主の家出」(ちくま文庫)なども捨て難い魅力にあふれる。
ぜひ一読あれ。
>79
なるほど、反動…あるかもしれないな。
でも長編の感動がちょっとそがれた…。
「殴る白衣の天使」は、ほんとにその後殴るのやめててほしいよ。
82 :
無名草子さん:02/01/26 19:06
>>78 こういうのがあるようです。
1980.03.23 TBSラジオ ラジオドラマスペシャル 羆嵐
脚本:倉本總 音楽:山本直純
出演:高倉健、笠智衆、宮口精二(区長)、倍賞千恵子、寺田農、中谷一郎、草野大悟、金井大、北林谷栄、矢崎滋、浜村純、
山本麟一、なべおさみ、斉藤晴彦、村松克巳、樋浦勉、林泰文、ほか。
映画:
羆嵐(くまあらし)
[監督:降旗康男 主演:三國連太郎 公開年:1980年]
83 :
無名草子さん:02/01/30 18:49
>>36 「闇を裂く道」読んだよ。
「高熱隧道」に比べると読後感が爽やかだね。
84 :
無名草子さん :02/02/08 00:25
短編集『羆』(新潮文庫)を読んだ。
「蘭鋳」「軍鶏」「鳩」は
「透明標本」「墓地の賑い」「石の微笑」あたりと似た雰囲気でよかった。
たまには、まじめにかたりたいよね。
86 :
無名草子さん:02/02/09 01:04
蚤と爆弾って絶版?
見当たらないんだけど。
あと光る壁画ってかなり実話をアレンジしているって?
87 :
無名草子さん:02/02/09 21:31
>>86 ほとんどブックオフで買っているからよく分らないけど、
文庫は意外と商品サイクルが短いので、絶版になっているかも。
Googleで検索したら、講談社文庫版の初版には、結構な値がついてるらしい。
『光る壁画』は、主人公の私生活、心理描写は完全に虚構、
と作者が書いている。
88 :
無名草子さん:02/02/11 16:56
吉村昭好き!!
何が良いって、猛烈に引き込んどいて、後味の悪い結末。
読後感をひと言であらわすと、「たはあ〜」って感じ。
北天の星というロシアに拉致された江戸時代の庶民の帰還物語には感動したけど、
帰ったところで終わりにして欲しかった。がっかり。でも好き!
>>86 しらみと爆弾は文春文庫(緑の背表紙ね)であるよ。
>>73 天狗党騒乱 だったかな? 新潮文庫ででてるはず。
これも追加しといてよ。
すまぬ、今、全部読んだスレ。既出だったようだ。天狗。
あと、武蔵の取材ノートの文春文庫「取材ノート」だったか
記憶で書いてるので、もうタイトルもうろ覚えで・・・・。
これもいいよ。
破獄以外は、みんな好きだ。
何度もすまぬ。検索してみた「戦艦武蔵ノート」だった。
アメリカ彦蔵 新潮文庫で先月だったか出てたんで買ったがまだ読んでいない。
出しちょっと硬いような、母親の死のところで止まっている。
92 :
無名草子さん:02/02/11 22:26
「破船」好きです。
小学校の時に父親の本棚からそっと出して読んだ。
(すこーしエロシーンがあるので、娘の目に触れさせたく
なかった模様)
93 :
無名草子さん:02/02/12 04:22
いま吉村さんは毎日新聞夕刊(夕刊のない地区は朝刊)で、
「大黒屋光太夫」を連載中。
難破し極東ロシアに流れ着いた廻船問屋・光太夫と、
その一行の苦難の旅が続きます。興味のある方はどうぞ。
最近図書館で借りた回想エッセイ「東京の戦争」も、
終戦まで東京のど真ん中で過ごした貴重な記録ともいえ、
面白かったです。
94 :
無名草子さん:02/02/12 04:37
長英逃亡の上巻をブックオフにて100円で発見!!!
95 :
無名草子さん:02/02/12 04:39
>>93 これって井上靖が書いて映画化もされた人物だよね?
「漂流」も面白かったな。
96 :
無名草子さん:02/02/12 06:36
97 :
無名草子さん:02/02/12 10:10
破獄好き。あと軍用機を爆破して終戦まで逃げ延びる「逃亡」という話。
「長英逃亡」も長編嫌いの俺としては珍しく一気に読んだ。
逃げる話を書かせたら吉村昭の右に出るものない。
大黒屋光太夫と言えば、五木寛之も書いていて、
漫画化もされてた。「ソフィアの歌」だったかな。
実は漫画しか読んでないけど。
よほど創作意欲をそそる人物なんだね。
99 :
無名草子さん:02/02/13 13:15
破 船 吉村 昭 新潮文庫
前に持っていたんだが、なぜか読破せず処分してしまった一篇。スレッドでの
評判に刺激されレンタル。なんと言ってもキャラが立ってるのはは主人公の
少年伊作の母親、ほとんどハードボイルドしている。
難破船のクルーを村人が皆殺しにしたことについて
「情などかけてはならぬのだ。かれらを一人でも生かしておけば、災いが村に
ふりかかる。打ち殺すことは御先祖様がおきめになったことで、それが今でも
つづけられている。村のしきたりは、守らねばならぬ」母の眼に、険しい光が
浮かんだ。
難破船から奪った米で他の家々で米飯を炊いて食べたことを耳にして
「物というものは、いつかはなくなる。恵まれている時にこそ気持ちをひきし
めなければ、必ず泣かねばならぬようになる。」
伝染病にかかり山に追われるにあたり
「村おさ様と共に山に入るのだから、心強い。てるが死に、かねも死んだ。
このまま父ちゃんを迎えるのは辛かったが、山に入れば父ちゃんに申訳も立つ。
磯吉は、まだ若く哀れだが、毒をうけた身であるのだから諦めてもらわねばならぬ。」
母は、火に薪をを加えながらつぶやくように言った。
このハードボイルドな母ちゃんが出稼ぎ(身売り?)の父ちゃんに岡惚れなのがいい。
100 :
無名草子さん:02/02/13 14:55
>99
何かそれ、読んだことがある気がする。
前の吉村昭スレのカキコ?
101 :
無名草子さん:02/02/15 14:19
「ふぉん しいほるとの娘」
もう、切なくて切なくて………
102 :
無名草子さん:02/02/18 23:34
>>101 読みごたえあるね。現在のところ最長の吉村作品でしょう。
最近、復刊された講談社文庫「日本医家伝」に出てくる医者の生涯は全員
吉村先生に長篇小説化して欲しい気がする。
ただ、「ふぉん・しいほると・・・」でも少し触れられている
医師国家試験合格による第1号の女医荻野ぎんは、その生涯がドラマチック
なのにもかかわらず、吉村先生が書いてないのは、
既に渡辺淳一に「花埋み」というぎんを主人公にした小説があるからだと思われだ。
103 :
無名草子さん:02/02/23 00:39
先日日暮里図書館に行って、吉村昭コーナーを拝見しました。
自筆の手紙の律儀そうな文字を見て、エッセイにあるような律儀そうな人柄が伺えた。
次回作の一つに正岡子規があるとの事で非常に楽しみ。床に臥せながらも俳句短歌の革新や
多くの後継者を生む大仕事をやってのけた子規のと彼を支え続けた母親と妹の律。
介護とは何かを問うような話を個人的に期待します。
104 :
無名草子さん:02/02/27 03:41
「海も暮れきる」もいいよ。
天才俳人尾崎放哉の壮絶な生涯だ。
105 :
無名草子さん:02/02/28 00:29
>>104 情報ありがとうございます。早速読んでみます。
106 :
無名草子さん:02/02/28 04:10
つい先日「漂流」を読了したばかりです。
仕事の合間に、風呂場と便所で「漂流」を読み継いでいる時だけ、
自分もこの島に12年間暮らしました。来る日も来る日もアホウドリを打ち殺し、
その生肉を食らい、卵の殻から雨水を飲み、険しい海岸をさまよい、
島を脱出し、たどり着いた八丈島の浜で、小役人の「ご苦労であった」
という労いの言葉に涙しました。
風呂場でただただ泣きました。
107 :
無名草子さん:02/02/28 04:17
108 :
無名草子さん:02/02/28 17:04
>107
はるか昔にTV放映されたものを見たことあるのだが、もう一遍やってくれないかなぁ。
セルビデオやDVDでは発売されてないみたいやね。
109 :
無名草子さん:02/03/01 04:46
110 :
無名草子さん:02/03/01 16:26
111 :
無名草子さん:02/03/01 21:22
一般書籍とミステリー板の旧スレは同じ人物が立てたとか、
しかしミステリー板の方だけど吉村昭の話題であそこまでスレが荒れるかね。
不思議でならん。
112 :
無名草子さん:02/03/01 22:15
ミス板には映画板などでも暴れまわる有名なコテハンがいるらしいが。
深海の使者最高
114 :
無名草子さん:02/03/02 03:50
>102
「日本医家伝」にある、高木兼寛のことは「白い航跡」というタイトルで、産経新聞に連載後、講談社から単行本化されました。今は講談社文庫で上下巻で入手できるはずです。
115 :
無名草子さん:02/03/03 04:25
age
116 :
無名草子さん:02/03/12 01:41
新刊希望age
117 :
無名草子さん:02/03/20 02:58
落日の宴( 講談社文庫) age
118 :
「間宮林蔵」を読んで:02/03/21 12:04
林蔵が、山丹人(♂)の集団に輪姦されそうになる場面には
何とも表現しがたい異様な迫力があるのだが…書きたかったのか?
(「ふぉん・しいほるとの娘」の例のシーンにも通じるモノがある。)
119 :
無名草子さん:02/03/30 18:34
あげ
120 :
無名草子さん:02/04/03 22:46
>>118 あれは史実。間宮林蔵のカラフト探検手記には、
「山丹人の男たちに抱き付かれ、体をいじり回されたり
頬ずりされたり、挙句には口まで吸われそうになった」
という箇所が出てくる。
旅中の恥ずかしい体験まで堂々と幕府に報告するのも、豪胆なる偉業。
121 :
無名草子さん:02/04/05 21:31
今『長英逃亡』読んでます。結構面白いっすね
122 :
無名草子さん:02/04/07 19:51
ところで奥さんの津村節子は
最近新作をまったく出していませんが
生きているのかしらん。
「智恵子飛ぶ」ですべて出し尽くしてしまったのでしょうか。
津村節子のスレッドってありますか。
123 :
無名草子さん:02/04/09 20:00
尾崎放哉のことを書いた「海も暮れきる」はどうですか?
NHKでドラマにもなりましたね。
山頭火より放哉の方が人間臭くて好きです。
124 :
無名草子さん:02/04/10 02:18
>123
臥せた病人特有の『拗ねた』感覚や思考の描写が見事ですね。
死出の旅であるお遍路さんの鐘の音に対し、逆に自分の淡い”生”への希望を託す
ところも悲しいリアリティを感じさせました。
125 :
無名草子さん:02/04/10 02:23
>>122 俺も不幸にも(?)2ちゃん暮らしが長いけど、
津村節子のスレどころか、レスも見た記憶がないよ。
旦那さんが取れなかった芥川賞は受賞したけど、
やはり作家としての才能は旦那の方が遥かに上だった感じだね。
126 :
無名草子さん:02/04/12 14:02
>125
そっすね。
なんか私小説すぎて感情を揺さぶる要素が少ない
この場を借りて…
誰かまじで津村節子の最新情報を
教えてください!
大すきになったとたん新作なし…
再会が死亡記事なんてやだよ。
128 :
無名草子さん:02/04/23 02:58
津村節子、去年の秋、叙勲されてたような気がするが…
129 :
無名草子さん:02/04/29 13:09
「高熱隧道」読みました。よかったYo
なんか、「お話」として盛り上げようと思えばできるんだけど、あえてやってないって感じ。
作者自身が、勝手に「お話」にしないよう自制してるのかね。
130 :
無名草子さん:02/04/30 23:55
小説も良いけどエッセイが秀逸だね。
人や物事を見る目が優しいよね。
三浦綾子も共通するけど肺結核で長く病床に
就いていた事が影響しているのかね?
少しでも長生きして多く小説やエッセイ残してもらいたいね。
>>129 「高熱・・・」は、まだ小説らしい感じがあるよ。
同じトンネル工事の物語でも「闇を裂く道」は、
ノンフィクションと言い切っても良いほど「話」を作ってないようだ。
132 :
無名草子さん:02/05/05 01:15
保守
133 :
無名草子さん:02/05/16 08:25
良スレ保守あげ。
134 :
無名草子さん:02/05/19 00:04
幕府軍艦「回天」始末 何度も読みました。
>>78 亀レスでアレだが、「リメインズ」(千葉真一主演)という映画の元ネタも吉村のだと思う。
136 :
無名草子さん:02/05/30 17:38
保守あげ
137 :
無名草子さん:02/06/11 04:52
>>135 保守ageだけでは何なので、レスなど。
「リメインズ」(千葉真一監督作品)に関しては、「原作」の項目がないようです。
ttp://homepage3.nifty.com/mayatakeshi/remains.htm 吉村昭氏の「熊嵐」に関しては、三国連太郎主演で映画になっているようですが、
検索してもヒットしない……
個人的に記憶があるのは、高倉建主演で作られたラジオドラマ(TBS)の方。
倉本聰脚本で当時電車の中吊り広告も出されていた豪華なラジオドラマ。(1981年S56)
録音したカセットを今でも持っている。
元々実話なので、リメインズに関しては同じ事件を下敷きにした別の作品だと思います。
三毛別羆事件(1915年T4)というやつです。
「熊嵐」以外の吉村氏の羆小説としては、「熊撃ち」「羆」とありますね。
余談だけど、吉村昭氏の作品では、「漂流」もラジオドラマになっています。
おそらくNHK-FM。寺田農主演で、とてもよくできておりました。
後に森谷司郎監督、主演北大路欣也で映画化されるのですが、これは見ていない。
138 :
無名草子さん:02/06/13 00:35
お酒が好きだそうで、よくエッセイにも書かれますね。
以前に故吉行淳之介氏と対談で、「毎晩時間をかけて晩酌をするけど、悪酔いはしたことない」
というような話しをしてました。
ちなみに吉行氏、「へえ、イヤなやつだね...」(W
吉村さんには長生きして欲しい。
139 :
無名草子さん:02/06/13 17:43
『生麦事件』文庫化記念age
140 :
無名草子さん:02/06/24 03:43
「羆嵐」の表紙、3歳の息子に見せたら大泣き。(w
「高熱随道」の表紙、大人のオレも夜見たらちょっと怖い。
小ネタスマソ。良スレ保守あげ。
141 :
無名草子さん:02/06/24 18:58
津村節子は、今『世界』で「絹扇」という小説を連載中です。活躍していますよ。
142 :
無名草子さん:02/06/24 19:06
沢木耕太郎の『勉強はそれからだ』を読んで、
吉村昭を読んでみようかなという気になりました。
そこで紹介されていた『蜜蜂乱舞』を探しています。
どこの出版社から、どういう書名で出されているのか、教えてください。
143 :
無名草子さん:02/06/25 06:54
『蜜蜂乱舞』
たしか新潮文庫で出てたと思う。
ブックOFFマメに探せばすぐみつかるよ。
144 :
無名草子さん:02/06/29 10:05
三谷幸喜が朝日の連載コラムで、
妻に吉村昭の歴史小説を勧めてる、って書いてたよ。
たしか「アメリカ彦蔵」だったかなあ?
145 :
総員起キタヨ:02/07/06 01:50
『海も暮れきる』と『漂流』読みました。
生に対する執着のミニマムとマックスを見た思いです。
次はなに読もっかな?
吉村ワールドに2ー3歩足踏み入れた所です。
146 :
無名草子さん:02/07/06 02:12
この人が司馬遼太郎を大嫌いなのはおもしろい
147 :
無名草子さん:02/07/06 13:00
>>145 >次はなに読もっかな?
個人的には「戦艦武蔵」「零式艦上戦闘機」あたりを推薦しておきます。
148 :
無名草子さん:02/07/14 04:19
サルベージあげ
149 :
無名草子さん:02/07/28 22:34
age
150 :
無名草子さん:02/07/30 01:30
>146
でもそれ、何か分かる気がするよ。
151 :
無名草子さん:02/07/30 02:21
『破獄』
読む前はタイトルから脱獄王的な内容に思えたからか
脱獄劇の連続が面白くて読み進んだけど、
むしろ終盤の府中刑務所に移管されて以降が心に残った。
佐久間の心を閉ざす内面の“獄”がピリッと破れて
光が差しこんでいくような、そんな感覚に打ちのめされた。
152 :
無名草子さん:02/07/30 02:26
「冬の鷹」が好きだ。解体新書翻訳の話。前野良沢が渋くてカッコいい。
153 :
無名草子さん:02/07/30 02:33
「夜明けの雷鳴」が出た時に、八重洲でサイン会があった。
偶然通りかかって、狂喜して列に並んだ。(これが大勢いた)
あまり愛想はなかったけど、一冊ずつ丁寧にサインなさっていた。
なんか、作品の雰囲気にぴったりの人だと思って嬉しくなってしまった。
154 :
無名草子さん:02/07/30 20:06
>>146 漏れも司馬遼はキライだからなんかうれしい。
でも吉村はなんでキラってるのかな?
『アメリカ彦蔵』『生麦事件』どちらも新潮文庫
つづけて読んで、堪能しますた。
事件の大きさから、生麦のほうがどきどきします。
156 :
無名草子さん:02/08/03 23:05
見えない橋はどうでした?
157 :
無名草子さん:02/08/10 22:31
小説の匠、というよりも、シンキくさいじじい作家。
158 :
無名草子さん:02/08/11 16:19
夏だなぁ・・・
ところで、「冷い夏、熱い夏」を読んで衝撃を受けたよ。
インフォームドコンセントなんて言葉はまだ使われてない時代だから、仕方ないけど、
もし自分が癌の末期だったとして、家族にこんなことされたら、たまったもんじゃない。
癌の告知に対する考え方って、ここ最近で大きく変わったんだね。
159 :
無名草子さん:02/08/11 17:53
もっと歴史物書いて欲しいなあ
160 :
無名草子さん:02/08/19 22:54
新刊の作品集「見えない橋」を読んだ。
・ 見えない橋
含蓄のあるタイトルが印象深い。淡々とした幕切れも吉村作品らしい。
・ 都会
良い題材だと思うが、吉村作品にしては、いまひとつ踏み込み不足の感
を否めない。主人公の心理も不自然な感じである。
・ 漁火
吉村作品らしい作品だが、可も無く不可も無い作品。
・ 消えた町
小品だが、静かな筆使いの中に、
今は故人となった2人の男の苛烈な人生が覗われる佳作。
無常感漂うラストがいかにも吉村昭の世界で印象。
消えた町とは、作者の故郷、日暮里である。
・ 夜光虫
タイトルの意味を考えてみると面白い。
余韻を残すあっさりした幕切れがいい。
・ 時間
「大本営が震えた日」(新潮文庫)の取材秘話。
月並みだが、こういう声高に戦争の悲惨さをアピールしない作品、
(しかも短編)の方が、かえって胸を打つものがあるように思う。
・ 夜の道
作者25歳の時に書かれた私小説で、語り口にぎこちなさを感じさせ
なくもない。しかし、自己を徹底して客観視したクールなタッチは
現在と同様。今回が作品集への初収録とのこと。
161 :
無名草子さん:02/08/30 00:14
「破船」今日、読み終わった。
感情を抑えた淡々とした文体なのに凄く引き込まれる。
まさに匠(たくみ)の芸でしょうか?
あと、「漂流」「破獄」もお勧めです。
162 :
無名草子さん:02/09/19 17:16
この人の本を初めて読んでみようかという者ですが。
新潮から出ている『私の文学漂流』(?)は紙の本では手に入らないようで。
古本屋にあればいいけど。
163 :
無名草子さん:02/09/19 23:16
>162
図書館に行くという手もあります。
黒部と聞くと、真っ先に高熱随道が思い浮かんでしまう。
良いんだか悪いんだか…
165 :
無名草子さん:02/10/13 22:48
生麦事件すげー興奮した。
生麦事件資料館見に行ったよ。
映画化とかないかな。
166 :
無名草子さん:02/10/18 00:07
蚤と爆弾って絶版なのかなあんまり見かけない。
167 :
無名草子さん:02/10/30 22:21
あげ
168 :
無名草子さん:02/11/04 01:51
age
169 :
無名草子さん:02/11/04 18:55
『高熱隧道』は講義のレポートのネタでした。災害特論だったか。
【不幸のレス】
このレスを見た人間は七日以内に死にます。
※あなたに訪れる死を回避する方法が一つだけあります。
それはこのコピペを一時間以内に7つ、別のスレに貼り付ける事です。
171 :
無名草子さん:02/11/26 21:46
中島みゆきスレから来ました。今年の紅白は注目です。「高熱随道」のダムからです。
今年は年明け早々から中島サイドと交渉を続けてきた。大物の初出演に局としては超VIP待遇で迎える。
関係者によると、中島が登場するのは、富山の黒四ダムからの中継となる。
同所はダム工事越冬隊の活躍を描き、視聴者に大きな感動を呼んだ「厳冬 黒四ダムに挑む」(2000年6月放送)の舞台。
中島は死と向かい合わせになりながらも、工事に命をかけた名もなき男たちのために厳寒の地で「地上の星」を熱唱する。
中島は前回の交渉の際には「出たい気持ちもあるが、歌の間の出し物に参加するほど吹っ切れていない」と断っており、同局側は最大限に配慮した形だ。
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/nov/o20021125_30.htm
おまえらのせいで吉村さんの作品が読みたくなりました
早速本屋駆け巡って作品集めるよ
173 :
無名草子さん:02/12/04 20:12
「朱の丸御用船」で、
波切村沖に流れ着いた御用船って
定助船とは全然関係ない遭難記録の無い御用船だったってこと?
TBSラジオで「熊嵐」を再放送したのを聞いた人、録音した人いませんか。
実は短編の名手だったことが判明した。
176 :
無名草子さん:02/12/14 16:47
吉村スレがあるなんて!スレタイ、いいっすね。
読んだのは「破獄」「漂流」「高熱隧道」「闇を裂く道」「熊を討つ?」「蜜蜂乱舞?」
女だけど、リアルな描写にはまったよ。(戦争関係は苦手)
奥さんの吉村節子の「流星雨」も面白かったけどな。あと、死に化粧師の話。
久々に読んでみっか。
177 :
無名草子さん:02/12/26 22:44
虹の翼age
178 :
無名草子さん:02/12/28 03:51
「アメリカ彦蔵」
2回目読了。
やはりこの人の歴史小説はいい。
膨大な量の資料をベースに物語を紡ぎ出す。
書きとばしたであろうと思われるところなんて、見あたらない。
正月休みに「落日の宴」を再読しようかと思う。
179 :
無名草子さん:03/01/11 10:33
「文学界」エッセイage
180 :
無名草子さん:03/01/12 03:39
毎日新聞、早く「大黒屋光太夫」出せage
(^^)
182 :
無名草子さん:03/01/12 19:09
洞爺丸沈没を題材に書いてくれないかな〜。
吉村先生の好きそうなネタだと思うんだけど。
(難破船・異常台風・津軽海峡・死者1000人以上)
最近は歴史モノ書いてるからな〜。
183 :
無名草子さん:03/01/12 22:19
文春文庫から「夜明けの雷鳴 医師高松凌雲」が出ました。
184 :
無名草子さん:03/01/13 01:21
>>182 直接のものではないけど「飢餓海峡」があるからなぁ。
それに「難破船」ではなくて「沈没船」になってしまったし。
185 :
無名草子さん:03/01/18 12:11
文春文庫「夜明けの雷鳴 医師高松凌雲」読了。
最初は史実を淡々と書いているだけのように思えて、正直なところ退屈しかけた。
しかし函館戦争にさしかかるあたりから夢中で読んでしまった。
勝者と敗者の逆転のコントラストが鮮やか。
この人の小説は取材に裏付けられたがっしりとした骨組みがある。
決して華やかではないが几帳面な文章によって構成された小説は
まことに読み応えがある。
(^^)
保守
188 :
無名草子さん:03/02/01 00:18
本日大量に購入。
文章の下手な作家が多い中、私の中では合格ラインの上の方。
平明だし、何よりリズムがしっかりしているので、
文章に躓いて白けることが少ない。
それに比べりゃ、今時の、粘着文を削りもせず、説教癖で、てにをは、も不確か、
説明だけで描写力もない、ろくに読み手の体感速度も考えないリズム下手の、若手ときたら!
190 :
無名草子さん:03/02/08 03:08
191 :
無名草子さん:03/02/08 09:03
>>190 知らなかった。教えてくれてありがとう。
井上靖の「おろしや国酔夢譚」と、どう違うのか少々楽しみだ。
192 :
無名草子さん:03/02/16 04:10
「大黒屋光太夫」購入記念age
193 :
無名草子さん:03/02/19 23:04
194 :
無名草子さん:03/02/21 23:01
サイン会行ってきました。
思ってたよりずっと「おじいさん」でした…。
195 :
無名草子さん:03/03/08 00:17
『長英逃亡』おもしろいです。
とりあえず、あげときます。
196 :
無名草子さん:03/03/14 05:49
「大黒屋光太夫」を買おうかと思っているのですが
すでに読んだ人、感想はいかがですか?
197 :
無名草子さん:03/03/29 09:03
ポーツマスの旗もいいぞ。日露戦争の終戦の交渉のスリリングな話だ。
しかし、読むのに時間かかった・・
大黒屋、ようやく上巻読み終えた。
>78&皆様。
「羆嵐」のラジオドラマ、倉本&高倉コンビの最高傑作だとおもいます。
放送部に在籍していた当時、ラジオドラマの何たるかを教えてくれたかけがえの無い一作。
テープがワカメになってきれるまで繰り返し聞きました
TBSネタといえば
関■ヒロシの「知▲てるつもり」で吉村作品無断引用されて
激怒してましたね(おらんだおいね&高野長英の放送だったかな?)
>173
定助船の筈ですが?「天神丸定助」の銘のある碇も瀬取って沈めているし。
余談ですが、この話は結構いろんな人が作品の種にしているんですね。
沿岸の村人(鬼村と仏村だったか)がわざと岩礁の方に誘導して難破させる
という話(白石一郎氏だったと思う)とか、他にもいくつか読んだような記
憶があります。
#<さらに余談
最後の方で「藩領である…裁量権は鳥羽藩にあった」というのは、どうなん
でしょうね。船主や荷主として藩外の者が関わっている(特に荷主は幕府自
身)以上、鳥羽藩で自分仕置にはできないんじゃないかと思うけれど。
200 :
無名草子さん:03/04/07 07:15
この人のエッセイだったか?週間新潮の「黒の手帳」(無署名でライターが書いてる)
の記事を修行時代に依頼された話は感動したなあ。
理由は忘れたが吉村氏はどうしても書かなければいけなくて(お金が必要だった?)
編集部に持っていくんだけど、結果は不採用、理由は内容的に未熟とかそういう理由だった
んだけど、その時に担当から(担当は同人誌で素晴らしい文章を書いてた吉村氏に注目して
記事を依頼したが、黒の手帳の仕事をするという事はそれで稼げてしまい。無署名ライターのまま
に終ってしまうんじゃないか?という危惧があった)言われた言葉(「やはり、あなたはこのような仕事
をやるような人じゃありません」)に一念発起してデビュー作を書き上げたそうです。
そのエッセイの中で確か不採用になった原稿を橋から川へ投げ捨てるエピソードがあったような?
「修行の頃」とかそういうタイトルだったかな?
なにぶん読んだのが数年前で書籍名が思い出せませんので(出版社のPR誌だった?)
事実誤記があったら御容赦を
202 :
文庫しか買えませんが。:03/04/08 22:12
久しく読んでないけど、 吉村昭、大好き。一番最初に読んだのは北天の星。一気に読んでしまった。たんたんとしているけどものすごく迫力のある描写。とても引き込まれました。文庫は殆ど集めて読破したなあ。入手できていないものもあるけど。歴史物も短編もとても好き。
203 :
無名草子さん:03/04/09 05:26
新潮社新書(新創刊)で、何か出すらしいね。
文春のアレみたいな内容かなあ。
204 :
無名草子さん:03/04/09 22:09
>203
確か明日発売で、漂流に関する内容だったと思います。
あと、来週の「その時歴史が動いた」で大黒屋光太夫やるって。
205 :
無名草子さん:03/04/14 01:59
ttp://www.yurindo.co.jp/yurin/yurin5.html 『漂流記の魅力』で漂流ものは終わりだって。
書けることは書ききった!ってことなんだろうね。
『漂流』で無人島に流れ着いた主人公が、次々と仲間たちが死んでいくなか、
ただ一人生き残り、とうとう故郷への帰還をはたすその精神力に感動しました。
漂流ものといえば吉村昭というお名前がすぐに結びつきます。
それくらい、こだわりがありましたよね。先生、お疲れ様でした。
206 :
無名草子さん:03/04/15 00:26
正岡子規のことは書いてくれるんだろうか。司馬遼太郎のノモンハンみたいに
辛過ぎて書けないみたいな事も聞いたし。
207 :
無名草子さん:03/04/15 21:22
破獄 は泣けますか?未読なもんで。
208 :
無名草子さん:03/04/15 22:29
>>207 間違いなく感動する。
俺は読み終わった後、しばらく立ち上がれなかった。
実話なんだよね、これ。
(^^)
山崎渉のせいでdat落ちするとつまらないので保守カキコ。
211 :
無名草子さん:03/04/19 01:38
520より浮上age
「闇を裂く道」読中でつ。
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
213 :
無名草子さん:03/04/24 00:11
吉村昭を読んでるとその作品の土地に無性に行きたくなる。
実際「ふぉん・しーほるとの娘」を読んで長崎に行ったし。
「逃亡」を読めば軌跡をたどって見たくなるし。「間宮林蔵」を読んで樺太に行きたくなるし。
歴史物の舞台背景には行ってみたくなる。描写がすばらしいんだな。
一番行ってみたいところはロシアのオホーツク。おそらく行くことは出来ないとは思うけど。
会社をリタイアしたら吉村昭作品の土地を出来る限りたずねたいなあ、といってもリタイアまではまだまだ先だけど。
214 :
bloom:03/04/24 00:14
213
X「逃亡」
M〇「長英逃亡」
216 :
無名草子さん:03/04/25 05:42
「仮釈放」暗さがいい。
あと、難破した船から、死人の衣装を奪ったら、実はすんごい伝染病で
集落に大打撃が・・・ってなんていう題名だっけ。
ごめん、もうひとつ気になってることあるんだ。
短編とかに多いんだけど、なんか登場人物の名前に「鯉」がつく人多くない?
鯉沼・・とか。
217 :
無名草子さん:03/04/26 00:48
破船
218 :
無名草子さん:03/04/26 04:53
そのまんまでした。すみません。>217
219 :
無名草子さん:03/04/30 01:16
「天に遊ぶ」買いますた。
“超”短編集らすぃ。
220 :
無名草子さん:03/04/30 01:39
>>219 文庫出た?いや、読んでみたいんだけど
単行本しか見かけないので....
>>220 先週出たようです。
新潮文庫から¥400でつ。
>>221 ありがとうございます。
早速見に行ってきます。
223 :
無名草子さん:03/05/01 01:18
うますぎるのもなあ どうかと思うが
224 :
無名草子さん:03/05/01 02:33
高校の時、 「破獄」読んで衝撃受けたなあ。 佐久間の超人ぶりに、 当時ある種ヒーロー扱いされたというエピソードにも納得した。 看守に対して精神的揺さぶりをかけ、 さらには意表をつく手段で まんまと脱出を図る佐久間に興奮。 ラストは心の触れ合いに胸を打たれました。
225 :
無名草子さん:03/05/04 22:28
age
226 :
無名草子さん:03/05/10 16:59
保守
227 :
無名草子さん:03/05/14 09:28
天狗争乱 age
228 :
無名草子さん:03/05/19 21:56
なんだか中公文庫から色々出てるね。
あれって昔出たやつの復刻かなんかなの?
229 :
無名草子さん:03/05/20 23:52
「海の史劇」読み終えました。
日本海海戦や、その後の講和会議の様子など読み応えあります。
つぎは「ポーツマスの旗」を読みたいと思います。
230 :
無名草子さん:03/05/20 23:56
231 :
無名草子さん:03/05/21 00:59
>>229 ポーツマスの旗、名作です。感動しました
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
>>228 文庫で読んだことがあるのもあったが。
情報ありがとう。早速探してみようっと。
234 :
無名草子さん:03/05/22 17:17
保守age
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
236 :
無名草子さん:03/05/29 16:32
237 :
無名草子さん:03/05/29 18:30
「大黒屋光太夫」はもちろん、「おろしや国酔夢譚」も読んだけど、
確かに漂流前の光太夫のことはあまり書いてなかったなぁ。
もう一度読み直してみようっと。
関係ないけど史料の発見者、「和田勉さん(70)」に笑ってしまった。
238 :
無名草子さん:03/05/29 18:35
239 :
無名草子さん:03/05/29 22:20
>>236 へーえ
こういうこともあるんだね。
うちにも古い屏風があって、破れ目から下地の紙がみえる。
古い手紙のようだけど、まあ歴史的に重要なものではないだろうな
240 :
無名草子さん:03/05/29 22:22
>>239 「四畳半襖の下張り」を思い出した。
スレ違いすまん。
ついガマンできなくてね。
241 :
無名草子さん:03/05/29 22:27
242 :
無名草子さん:03/05/29 22:38
>>241 重ね重ねスレ違いなのだが、
野坂昭如が編集長をしていた「話の特集」に掲載された
「四畳半襖の下張り」が猥褻文書だとして裁判に取り上げられたのが
約30年前のこと。ちなみに有罪になった。
永井荷風作という説もあるんだけどね。
ふと見つけた襖の下張りに書いてあった文を読むと・・・という体裁の小説。
243 :
無名草子さん:03/05/29 22:39
245 :
無名草子さん:03/05/31 12:42
≫231
「ポーツマスの旗」読み終えました。よかったです。
246 :
無名草子さん:03/06/07 19:57
高校の模試の長文問題に「冷い夏、熱い夏」が出た。
とても興味を持って帰りに買って一気に読んだ。
長文問題っていっつも楽しみにしてたけど
特にこの作品に出会えたのは幸せだと思ったなあ。
でもこんなに書いてる人だとは思ってなかった
(田舎の本屋で他の作品が棚になかったため)。
次は「破獄」読んでみようかな。
247 :
無名草子さん:03/06/09 00:03
昔、病院前の古本屋で『冷たい夏、熱い夏』の単行本を発見。
患者の人が読んだら、マズイんじゃねーのと思い、文庫で呼んでたけど買っちった。
248 :
無名草子さん:03/06/09 22:27
高熱ズイ道読みました。
あまり興味がない分野だったものでなんとなく敬遠してきたんですが、
読み始めたら一気読みしてしまいました。名作です。
プロジェクトXなんて目じゃないですな。
終わり方も自分好みで大満足でした
249 :
無名草子さん:03/06/10 15:02
>>248 「高熱隧道」は吉村昭の代表作のひとつだと思う。
トンネル続きで、次は「闇を裂く道」はいかが?
これもいい作品だよ。
250 :
無名草子さん:03/06/10 15:13
251 :
無名草子さん:03/06/10 23:59
「高熱〜」は冬の夜中に読んでて、すげーハマッたなあ。
雪崩のシーンとかマジ怖かった…。
「闇を〜」は高熱よりかは少し明るいイメージだよね。
どっちも「人間って凄いよなあ」ってのが感想でつ。
こうゆうの読むと、文系の俺としては
「技術屋」って呼ばれる人たちにヒドく憧れてしまう…。
252 :
無名草子さん:03/06/12 00:33
よく身内のことを題材にしますよね。無免許運転で亡くなった甥の
話とか。究極はやはり、冷たい夏、熱い夏でしょうか。初めて読んだ
吉村作品です。遠い日の戦争が好きですが、あまり人気ないのかな?
253 :
無名草子さん:03/06/12 09:22
254 :
無名草子さん:03/06/13 22:49
生麦事件好きな人いないの?
255 :
無名草子さん:03/06/15 02:53
Hなシーンの描写は下手だよね。
256 :
無名草子さん:03/06/15 11:38
今度は彰義隊について書くらしい。今調査中だって。
257 :
無名草子さん:03/06/19 22:28
いや〜・・「漂流」読み終わりました〜。一気に行っちゃいましたね。
仕事してる時も、先が気になっちゃって。。昼休みも読んでました。
明日から「落日の宴」を読み始めます。
258 :
無名草子さん:03/06/19 23:23
>>257 奇遇だね。
「落日の宴」、今日2回目読了。
吉村昭の本は読み直すと、より味わいが出てくるのが凄い。
また明日から「高熱隧道」を読むことにした。
259 :
無名草子さん:03/06/20 01:29
>>258 おーー‥それは嬉しいですね。私、読むの遅いほうですが、「落日‥」
も一気に読み終わりそうです。
会社帰りの電車の中で、露使のプチャーチンが長崎を離れて行きました。。
明日はどんな展開を見せてくれるか。。
261 :
無名草子さん:03/06/20 22:11
川路聖謨の写真を見てみたら、俳優の佐藤慶にそっくりだね。
262 :
無名草子さん:03/06/26 00:08
保守age
いま「冬の鷹」を読んどりまつ。
263 :
無名草子さん:03/06/26 00:52
文学板文体模写スレ2過去ログより、カフカ「変身」の吉村昭ヴァージョン
その日、夜明けをいくらかすぎた頃、グレゴール・ザムザは悪夢から逃れようとして眼
をさました。すでに朝の陽光は窓のカーテンの隙間から流れこんでいた。
かれは夢の余韻に怯えを感じて、ベッドの上で仰向けのまま体をかたくし、部屋のなか
をうかがったが、いつもと変わったところには気づかず、目覚めはじめた街の音がきこえ
るだけであった。
かれはベッドから起きだそうとしたが、背中がどうにも重くはたせなかった。丸く硬質
の甲殻を背負ったようにシーツの上で揺れるばかりだった。体の不自由を疑問に思ったか
れは、頭をもたげて自身の体を見た。
かれはその巨大さに目をみはった。光沢を持つ茶色い板を多数弓なりに曲げ、瓦のよう
に並べたと見えたもの、膨れた虫の腹が見えたのだった。それは普段の生活のなかに出没
するすばやく身を隠す害虫たちよりはるかに大きく逞しいものだった。
もちろんそれを目にしたグレゴールははじめ、精神の疲れがもたらした些細な幻覚の一
つだと解釈した。白昼夢の類か、いまだ悪夢から目醒めておらず夢を見ているにちがいな
いと思った。しかし、その体の異常は、かれとその家族の規則正しい営為のリズムを根底
からかき乱すものであった。
そのうち、自身の息に合わせてその巨大な腹が呼吸することに気づいたかれは、その目
にする異常の内容が事実であることに気づき、狼狽した。無力感がかれを襲った。その現
実を逸脱した巨体に比して、自分がいままで抱いていた常識が余りにも貧弱であることを
強く意識した。
http://mentai.2ch.net/book/kako/965/965366018.html 文体模写スレ1過去ログ
http://mentai.2ch.net/book/kako/963/963421916.html
aage
265 :
無名草子さん:03/07/04 14:54
吉村さんは絶対グロ好きだと思う。
膨大な作品のほとんどを愛読しています。ことごとく素晴らしいと思いまつが、
「三陸海岸大津波」だけは、どうかと。なんか、内容が薄く感じます。
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268 :
無名草子さん:03/07/12 22:56
アメリカ彦蔵に続き、冬の鷹を読み終えました。冬の鷹、最高に面白いっす。
その前に、大本営が震えた日を読みましたが、これは読むのが苦痛でした。
269 :
無名草子さん:03/07/12 23:26
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
age
272 :
無名草子さん:03/07/26 00:44
アメリカ彦蔵、黒船続きで夜明けの雷鳴読みました。
夜明けの雷鳴つながりで、回天始末読んだ方おられますか?
273 :
無名草子さん:03/07/26 01:00
吉村先生はやっぱり「身じろぎもせず・・・」でしょう!
274 :
無名草子さん:03/07/26 17:16
「水の葬列」大好きです。読後、魂が浄化されたような気がして、しばらくの間
立つ事ができませんでした。
275 :
無名草子さん:03/07/30 02:16
「一家の主」ってノリがっぽくないな
276 :
無名草子さん:03/07/31 20:27
2ちゃんに吉村先生のスレがあるとは!
良スレだし、同士がたくさんいて嬉しいっす!
高熱隧道、破獄、アメリカ彦蔵読みました。
レス見てると、もっといろんな作品が読みたくなってきました。
本屋行ってきます!
∧_∧ ∧_∧
ピュ.ー ( ・3・) ( ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
= ◎――――――◎ 山崎渉&ぼるじょあ
278 :
無名草子さん:03/08/02 20:19
>>273 僕は、「回天始末」のあと「夜明けの雷鳴」読みました。
「回天始末」もおもしろかったですよ。
あと「長英逃亡」「桜田門外の変」「天狗争乱」の順に読んで
燃え尽きました。 僕の中ではベスト3です。
ノンフィクション、歴史物、どれ読んでもハズレないです。
落日の宴 読んでます!
対「おろしあ」緊迫の折衝。ペリー来航。そして、まさかの・・・!
この後どうなちゃうんでしょう!?
まだ200ページ。あと300ページ! 期待大です。
280 :
無名草子さん:03/08/03 11:37
281 :
無名草子さん:03/08/04 00:37
>>280 貴重な情報感謝します!
大黒屋光太夫。初めて聞きました。 あらすじでを見ても、正に吉村先生ですね。
23日は禁酒決定です。w
282 :
無名草子さん:03/08/06 17:18
落日の宴。読み終えました。とても感慨深い良い作品でした。
流れの途中で「桜田門外の変」が出てきたんです。読んでみたいな〜。
「夜明けの雷鳴」にも通じるところがあって、各作品の流れに繋がりがある
ところも楽しいですね。
>>282 「桜田門外〜」、はじめ書店で単行本を見たときは、
厚さに少々ビビッたんですが、読み出したらおもしろくて。
ぜひ、お試しくださいな。水戸藩について、漏れはあまり
知らなかったんですが、少しは勉強になったように思います。
284 :
無名草子さん:03/08/08 23:21
レスありがとうございます!
桜田門探しに本屋&古本屋行ってきました。
古本屋で下巻しか売ってなくて・・・悲。
明日、注文してこよっかな〜。
>>284 古書店に行って、上巻欠けとか第一巻欠けとか、あれはないよね〜。
ばら売りはして欲しくないな。1巻目だけをバラで売ってるのは、
まあ、わかるんだけど(新刊屋で1巻目だけ買う人が多いから)。
286 :
無名草子さん:03/08/10 13:23
「虹の翼」読了。(二回目)
一字一句をないがしろにせず刻み込むような吉村昭の文章と、
二宮忠八の篤実な性格がぴったりとマッチしていて、
あらためてこの小説の良さを感じた。
さて、今度はどの本を読み返そうかと思案中。
>>286 大阪の道修町がでてきたり、びっくりするようなストーリーでした。
航空神社におもわずお参りにいきましたよ w。
次は「深海の使者」あたり、いかがですか?
289 :
無名草子さん:03/08/12 01:17
今「空白の戦記」読書中
友鶴転覆事件は壮絶だった・・・
友鶴設計責任者の造船士官が職を追われ、
巷間で不遇の死を遂げた、とあるが、これって殺されたってこと?
それにしても第四艦隊事件にしろ、友鶴転覆事件にしろ、海軍の役人どもの
人命軽視は度し難いな。
290 :
無名草子さん:03/08/12 23:05
ヤフオクで「赤い人」みつけました。
北海道開拓史の裏側の物語に興味を持ちました。
本屋さんで聞いたら取り寄せ可能ということで、お願いしちゃいました。
(出品者様、ごめんなさい。)
読み終えましたら、報告いたします。
でも、読んだ方おられれば、チョットだけインプレ聞きたいな・・・。
>>290さん
長い作品ではありませんので、あなたが読了されるまで感想を言うのは
やめておいたほうがいいかな....。
292 :
無名草子さん:03/08/14 00:51
短編の「総員起シ」が印象的。
これ、怖いよ・・・潜水艦事故って嫌だな〜。
司馬遼太郎との違いについてですが、司馬の論調は一貫して、
明治の指導者は偉かったけど昭和初期の指導者はあかんかった
というものです。
それに対して、吉村昭は以前、城山三郎との対談で、太平洋戦争
は当時の日本国民総意によるものとしています。
大衆に着眼する点で司馬よりも優れた作品に仕上がっています。
294 :
無名草子さん:03/08/14 14:34
そうだよね。
「海の史劇」と「坂の上の雲」を読み比べて、それを如実に感じたよ。
ところで、俺は司馬嫌い。
みんなはどう?
295 :
無名草子さん:03/08/14 14:38
>>294 同じく。
吉村好きは司馬嫌いが多そう。
296 :
無名草子さん:03/08/14 18:45
いや実はね、昨日、司馬遼太郎買ってきて読んでたんです。
初めての司馬なんですが、どうも淡々としすぎて感情移入がイマイチ
かな・・・みたいな感じで。 でも最後まで読まねば。
その分、吉村先生の作品は何を読んでも楽しいですね。 なんか素直に
物語の中に入っていける感じで。 流石、小説の匠!w
>>296 淡々とですか...どの作品を手にされたかがわからないのですが、
たとえば「坂の上の雲」なんかだと、司馬氏の押さえ切れない怒りが
感じられるのですが。むしろ、吉村先生のほうが、僕には淡々として
いるように感じます。感情を排してまるでドキュメンタリーのように
描いていて、だから余計に引き込まれるし感動するような。事実を
して語らしめるってところでしょうか。いかがですか?
298 :
無名草子さん:03/08/14 20:15
「坂の上の雲」は、司馬さんの怒りが紙面から滲み出ていたな。
あれ、好きな人には堪らないんだろうけど、俺には雑音だった。
乃木将軍とか露西亜軍の上層部を、あそこまでこき下ろす必要が分からないし。
299 :
無名草子さん:03/08/14 20:16
300 :
無名草子さん:03/08/14 22:22
司馬のは淡々というか主観入りまくって感情的・作為的で好きになれない
>>298 よくわかります。小説なのか論説なのかわからなくなってる。
司馬氏、感情の抑制が効いていないため、ストーリーの流れ
が滞ってる。吉村さんならああいう風にはならないでしょうね。
302 :
無名草子さん:03/08/14 23:58
司馬遼太郎と吉村昭と言えば、正岡子規のことを書けたか書けなかったかという対照的な一面がある。
司馬遼太郎は『坂の上の雲』で書き、又講演等で脊椎カリエスに苛まれて寝たきりながらも、リアリズムを
失わず、俳句短歌の復興・革新をした子規のことを盛んに称揚している。
吉村昭は数年前から子規のことを書く準備をしていたが、その闘病の凄まじさを改めて知り、自らの肺結核
の辛さを思い起こし、書くことを断念(停止かも)している。
かくいう司馬遼太郎も、自ら戦車部隊に配属された経験故、ノモンハン事件の事を「軍部の実情を知れば
知るほど、頭が狂いそう」になった為、書くのを放棄している。(後、半藤一利がそれを受け継ぐかのように
『ノモンハンの夏』という力作を書いた)
303 :
無名草子さん:03/08/15 04:14
>>302 面白い視点だね。
なるほどと思った。
それはともかく、俺は司馬遼太郎も吉村昭も好きだ。
司馬遼太郎は史実から想像を膨らませて自分の思う人物像を作って歩かせる
(だから「史実と違う」と叩かれることが多い)
吉村昭はとことん史実にこだわり、可能な範囲で人物を描く。
司馬遼太郎の小説に出てくる人物が「元気」なのに対して、
吉村昭の小説が地味な主人公ばかりになるのは、そんなところもあるのでは。
>>302さま
そういうエピソードがあったんですか..。私自身も、大学時代に
肺結核で長期入院した経験が(といっても1年間です)わかる気持ちが
します。半藤さんの作品、熱いですね。この方、亡き司馬氏の代弁者に
なっておられますね。NHKの人間講座? でもそうだった。
>>302さま
貴兄の視点もお見事だと思います。司馬氏と吉村さんとの対比、まさに
おっしゃるとおりではないでしょうか。吉村先生の場合、埋もれた人物を
題材に事実をもって(勿論、小説ですから、膨らんではいましょうが)、
語らせる。司馬氏は、既知の人物像に新たな息吹を吹き込んで奔馬せし
めるような...。えらそうに、お許しください。
305 :
無名草子さん:03/08/15 10:29
司馬さんは、○○県人は××だだとか、安直な文化論やステロタイプ化された人物像を平気で描き切る。
それはそれで読み物として面白いのだが、「菜の花の沖」の中の女性描写には流石に辟易させられた。
吉村さんの小説はまだ少ししか読んでいないが、
人間というものを単純化して物語の駒とするような姿勢は、この人の最も嫌うところだろうと思う。
先日注文していた「桜田門外ノ変 上巻」入手しました。
まだ100ページをちょい越えたくらいですが、いよいよ井伊直弼が
実権を握る場面となりました。 これまでの徳川斉昭より、ちょっとだけ
深い思想表現が、分かったような気がします。 まだ先は長いけど楽しみです。
あ、今の空気読めてなかったかも・・・。 スマソです。
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
>>284さん
なにを言われますか、長編、がむばってくだされ!
310 :
無名草子さん:03/08/16 02:52
311 :
無名草子さん:03/08/18 17:05
今日から一週間ほど、日経の夕刊で吉村昭のエッセイ掲載。
312 :
無名草子さん:03/08/19 20:00
吉村昭全集って出ないのかな
>>312 もし出るとしたら、どの出版社になると思いますか?
314 :
無名草子さん:03/08/19 23:40
「桜田門外ノ変」先程、読み終えました。
まさに読破後、前レスの様に「しばらく動けなかった」と言うのは本当でしたね。
「〜の変」と言うよりは大事件で、かなり緊張ものでした。疲れた〜。(勿論いい意味でね。w)
考えさせられる場面も多々ありますが、流石大作ですね!
>>314 長編おつかれさまでした。僕なんか、ほんとに面白い長編を読了したら、
頭が冴えてしまって眠れなくなります。一風呂あびて、ビールでも飲ら
ないと...w。でも、そういう時って充実感あるんですよね〜。
316 :
無名草子さん:03/08/21 20:32
吉村==描写の細かい戦史モノ書いてた人ね、のイメージを抱いている友人に
「漂流」「破獄」「長英逃亡」を勧めたら程なく吉村派になった。
ノンフィクションの中の人物描写がうますぎると。
つぎは「ポーツマスの旗」か「白い航跡」を勧めるつもり。
>304
遅レスすみません。
'94『天狗争乱』で第二十一回の大仏次郎賞受賞の際、インタビューで「川路聖謨や高山彦九郎を発表予定
其の後で正岡子規にとりかかる」という記事がありました。正岡子規のファンの私は楽しみに待っていたので
すが確か去年の文芸雑誌『新潮』で正岡子規の特集をした回で、先の理由で書くのを断念した、とありました。
病に臥せた経験、つまり今はそれを克服した吉村氏にとって、日記等から推察できる子規の行状は観念で
はなく、物理的に思い出したくない恐怖と痛みを感じさせたのでしょう。私もそれ以来、子規を単純に偶像視
するのを辞めました。
吉村氏は長編モノが人気があるようですが、私は「少女架刑」等の短編にある、短い鋭いセンテンスを重ねた
純文学的作品も好きですね。短いセンテンスといえば小説じゃないけど、随筆『東京の戦争』の中の「歪んだ
生活」の最後2行には、ぞっとしました。
「大黒屋光太夫」のラジオドラマ、今夜9時からNHK-FMでありますね。
319 :
無名草子さん:03/08/23 20:04
録音準備完了!
320 :
無名草子さん:03/08/23 21:05
「大黒屋光太夫」始まりましたね。
なんかスゴクいい感じじゃないですか!
321 :
無名草子さん:03/08/24 16:50
え、全集出てるじゃん、と思ったら、あれは吉村昭自選作品集でしたね。
図書館で1巻以外借りて読みました(1巻は誰かに持ち逃げされたらしい)
322 :
無名草子さん:03/08/29 20:18
菊池寛賞受賞作「関東大震災」(文春文庫)
まさしく地獄絵図。震災直後の人々の異常行動も網羅的に描写されている。
あれから80年。日本は、あの頃とはまったく別の国になった・・・と信じたい。
最近ちくま文庫から出た「写真で見る関東大震災」を手元において読むとことをお薦めする。
323 :
無名草子さん:03/08/29 21:16
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324 :
無名草子さん:03/09/01 22:59
「北天の星」読みました。シチュエーションは全く違うながらも「アメリカ彦蔵」と
比べながら。 物語の結末は(そっちの方向に行っちゃうんだ)とは思いながらも
かなり楽しく読めました。ただ、主人公の最後の性格を考えると(物語上仕方がないけど)
ちょっとだけ後味が・・・。 でも、その結果うまい具合に「雪の花」に繋がる訳なんですね。
延び延びになっている「大黒屋光太夫」。物語に登場してしまったけど、早く聞かねば・・・。
325 :
無名草子さん:03/09/03 02:58
吉村昭が藤村新一を題材に小説を書いたら、どうなるんだろう?
ちょっと興味を持った。
326 :
無名草子さん:03/09/03 03:06
>>325 ふじむらしんいち→ちんじふむらしい→椿事(珍事)踏むらしい
洒落はともかく、吉村を探すついでに新潮文庫の「発掘捏造」も読んでみよう!
327 :
無名草子さん:03/09/06 22:44
漫画コーナーで「熊風」なるタイトルの本を発見。
矢口高雄と戸川幸夫の漫画だけど、吉村「熊嵐」とは関係あるのかな?
同じ題材らしいが。
しかし、紛らわしいタイトルだ。
328 :
無名草子さん:03/09/06 22:48
329 :
無名草子さん:03/09/07 04:21
今日の夜、NHKラジオ第一で、吉村昭原作「海猫」をやるそうです。
ラジオ文芸館
7日(日)後10:15〜10:55
「海猫」作:吉村昭 朗読:富本修志
アナウンサー働き続けて三十数年、男は定年を迎え開放感にひたる。しかし、その後に味わった孤独。
夫婦の心はすれ違うばかりで、家庭には安らぎなどなかった。妻のささいな言動に男は1人暮らしを決意。
家庭を捨て、旅に出るのだが…。
330 :
無名草子さん:03/09/07 04:31
>>327 細かいことで恐縮だが、「熊嵐」ではなく、「羆嵐」。
「羆」は、「ひぐま」と読む。
331 :
無名草子さん:03/09/07 09:05
「白い航跡」に20へぇ〜
332 :
無名草子さん:03/09/07 18:47
>>330
実を言うと変換できなくて困ってたのだ。
サンクス!
333 :
無名草子さん:03/09/08 15:51
「闇を裂く道」2回目読了。
ノンフィクションではなく、史実に基づいた小説、しかも史実に忠実たらんとしている
ということをあらためて実感した。
緻密な構成と細部まで行き届いた描写に、目眩を感じることすらある。
完成なった丹那トンネルを一番列車が通過する箇所では読みながら涙してしまった。
前回読んだときもそうだったのだが。
トンネルつながりで、また「高熱隧道」を読んでみようかと思う。
高圧・高温の水がほとばしり出る描写は恐怖を覚えたのだが。
>>332 どうも恐縮です。
マンガの方はどうだったか、戸川幸夫の本で読んだような気もします。
かなり面白かったと思うのですが。
なにぶん年を食っているので記憶力が怪しくなっております。
334 :
無名草子さん:03/09/08 19:08
あの、これから吉村さんの本を読みたいのですが、
どの本から読んだらいいでしょうか。
335 :
無名草子さん:03/09/09 12:13
>>334 吉村昭の著作を全部読んでいるわけではないので、自分が読んだ中でお薦めするなら
歴史物:「間宮林蔵」・「長英逃亡」
船・漂流:「漂流」
戦史物:「戦艦武蔵」
その他:「破獄」
あたりが読みやすいかもしれません。
しかし、ハズレがないからこれ以外でも大丈夫です。
336 :
無名草子さん:03/09/09 16:53
網走刑務所のお土産屋さんに、「破獄」が山積みになってた。
主人公の等身大人形もあったけど、かなり背が低いね。
160ないよ。
ふーん。
339 :
無名草子さん:03/09/15 02:09
極東板の人たちって・・・
>172 :日出づる処の名無し :03/09/14 23:00 ID:yfqVIRC/
>
>>167 >妄想馬鹿の脳内白日夢を読めだと?
>
>時間の無駄をひとさまに押しつけるなよ・・・オマエみたいな暇人ばかりじゃないんだから。
http://tmp.2ch.net/asia/172 吉村昭が妄想馬鹿・・・。 本を読まない人間は怖い。
>>339 論破できないからってここまで来て愚痴るなよw
342 :
無名草子さん:03/09/15 16:50
妄想を論破するのはむつかしい。
343 :
無名草子さん:03/09/16 18:18
吉村作品にリアリズムがないとは言わない。
つーか、むしろリアリズムに溢れてる作品だと思う。
でも、あくまでも小説なので、議論などのソースには不向きじゃないか?
344 :
無名草子さん:03/09/16 22:12
>>343 読んでもらえれば分かるけど、
「関東大震災」は小説的手法を用いた部分もあるが、
「高熱隧道」の様にはフィクション性を交えていない、
純然たるノンフィクションと言っても良いような作品です。
345 :
無名草子さん:03/09/17 19:34
>>344 秦郁彦くらいは読んだことはありますよね?
346 :
無名草子さん:03/09/18 07:25
秦郁彦は実証主義の歴史家、吉村昭は小説家兼史伝家。
両方読めばいいんじゃないの。
348 :
無名草子さん:03/09/18 09:49
小説とドキュメンタリーは、一線を画してると思う。
大体の概要を掴むには、小説も役に立つ。
けど、自分と異なる意見の人間に対して小説を根拠に議論を展開するのは、
ちょっと無理があるんじゃ?
>けど、自分と異なる意見の人間に対して小説を根拠に議論を展開するのは、
それはそうだ。
350 :
無名草子さん:03/09/18 11:30
このスレの秦郁彦率も高そう。
関東大震災はあまり読まれていないの
一昨日、「冷たい夏、熱い夏」読んだ。弟のガン死を軸にした自己史。
昨日は「神々の沈黙」。心臓移植黎明期の医師・患者をめぐるノンフィクション。
いま、「大本営が震えた日」半分まで。
吉村昭はいいね。
沢木耕太郎の新作、父親の死を見取った『無名』が出たけど、『冷たい夏、熱い夏』に似てるのかな。
誰か既に読んでたら書評キボン。
354 :
無名草子さん:03/09/25 14:35
「高熱隧道」再読。
隧道の中の高熱地獄と、豪雪に覆われる極寒の外界と、その対照が鮮やか。
泡雪崩のすさまじさ、人を寄せ付けない断崖と、黒部の自然の厳しさを描く一方で
ある意味ではそれ以上に過酷な人間達のドラマが浮かび上がってくる。
そして戦争にのめりこんで行く時代の中で、人夫の命が消耗品のように失われる。
この人の構成力・筆力には、まさに感心するばかり。
今日から15年前に読んだ「海の史劇」を再読開始。
355 :
無名草子さん:03/09/25 17:39
刑事に間違えられるというのが笑えるね。
356 :
無名草子さん:03/09/27 13:30
「海の史劇」2回目読了。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」と印象がダブってしまう。
ただし、「坂の上の雲」が秋山兄弟という主人公を軸にしているのに対して
「海の史劇」はロジェストヴェンスキーを初めとした複数の人間の動きを
全体的に眺めている(だからこそ「史劇」であるのだが)という視点の違いが
あるだけ、俯瞰的に見ているように感じられる。
吉村昭の小説には主人公にべったりと張り付いているのではなく、
第三者的な、突き放したような視点からのものが多いように思う。
私は小説を読み返すということをほとんどしないのだが、
この人の小説だけは別だ。
何度読んでも飽きない。むしろ、以前読んだときには気づかなかった味わいを感じ
それに喜びを見いだすことができる。
綿密な取材が精緻な文章によって、さりげなく提示されているのに気づかされる。
さて、次は何の再読にかかろうか。
357 :
無名草子さん:03/10/01 02:00
私も「海の史劇」朗読中ですが、ここ最近とても忙しくて。まだ100P過ぎ。
ガキの頃、ズル休みで見た朝ドラの「203高地。 〜だったかな?」。あの無残さが蘇りますね。
朗読って、ホントかよ。声出して疲れないか?
おれは、「大本営が震えた日」のあと、「虹の翼」読了。
359 :
無名草子さん:03/10/11 14:32
「坂の上の雲」だと、バ艦隊や露軍の指導部を、とにかく過小に評価しすぎてる。
小説なんだから、悪役を悪役として描いても、別に問題はない。
でも、ちょっとやりすぎな感も否めないよな。
だから、「海の史劇」は、かなり新鮮だった。
360 :
無名草子さん:03/10/11 16:30
「海の史劇」、まだ16章までですが読ました。
確かに新鮮ですね。つか、凄い!
日本側ロシア側をそれぞれの立場から描き、両者の戦闘シーンは
かなり緊張しながら楽しめました。 ロシア降伏兵や捕虜の日本側の
対応には、ウルウルしてしまいました。
まだ残り100P強ありますが、がんばりまつ。
361 :
無名草子さん:03/10/11 16:31
あ、そそ。 読破したら「坂の上の雲」探しに行ってみます。
読み終えました。 いや、よかった!
「新鮮」という意味は、読破後に改めて分かった気がします。
363 :
無名草子さん:03/10/14 13:32
「破獄」「仮釈放」が好きだな。
「見えない橋」などの短編集は滋味があるといえばそうだが、
やっぱり長編がいい。
364 :
無名草子さん:03/10/17 22:44
歴史ものを津本陽と比較してどう思う。
津本のスレがないので比較された方、感想などお願いします。
365 :
無名草子さん:03/10/23 12:36
366 :
無名草子さん:03/10/23 13:47
>>365 プロモーション入ってるせいかつまらんインタビューだな。
他の記事もつまらん話ばっかり。
367 :
無名草子さん:03/10/25 13:34
「軍鶏」と「船長泣く」は後味悪すぎ
368 :
無名草子さん:03/10/29 15:42
吉村さんは「異様に」をよく使うよね。切れたときの表現は「炭酸ガスのはじける音が云々〜」だったっけ?w
369 :
無名草子さん:03/10/30 00:49
「身じろぎもせず・・・」も結構出るね。 これが出ると改めて吉村先生の作品だな
って思ってしまう。 いや、良い意味で。w
370 :
無名草子さん:03/10/30 19:06
>368
>369
あと、「星」がやたらと出るんだよ。
登場人物がしょっちゅう「星を見上げる」。
星ふぇちだな。
うちの本棚にある吉村昭の著書を数えたら150册以上あった。
最初に読んだのが「戦艦武蔵」、その次が「海の史劇」。
どっちも小学校のときで、それ以来すでに30年に渡って愛読してきたわしもなかなかすごいかもと、ちょっと感心した誕生日だった。
372 :
無名草子さん:03/11/11 22:37
良スレ発見。今ざっと全部読んだけど、やはり吉村昭を好きな人のスレだけ
あって荒れてませんね。
俺が一番好きなのは、「長英逃亡」。人間の悲しさを思った。あんな優秀な
人が隠れて暮らさねばならぬのかと。そしてもっとも悲しかったのは、娘が
苦界へ身を投じなければならなかったこと。不条理なものを感じた。
373 :
無名草子さん:03/11/14 03:58
小学生でアキラを読むなんて早熟でつね
374 :
無名草子さん:03/11/14 20:29
吉村先生の作品を初めて読みました。
「ふぉん・しいほるとの娘」です。
本屋でちょっとみて、自分に合いそうなので読んだらとてもよかったです。
江戸後期の社会の雰囲気が伝わって来そうです。
375 :
無名草子さん:03/11/15 06:47
シーボルトの晩年少し残念でしたね。お稲さんの失望が伝わってくるような
作品でした。
学校では教えてもらえなかった社会の一面をいっぱい見せてくれますよね。
「プリズンの月」なんか、歴史の副読本にしたいくらいです。
377 :
無名草子さん:03/11/16 06:06
『長英逃亡』って品切れなのかな。
今日三軒本屋回ったけど見当たらない・・・
378 :
無名草子さん:03/11/16 07:13
「少女架刑」「透明標本」「星への旅」
この三作が自分にとって吉村作品のベスト。
冷たいリリシズムが胸に滲みる。
絶版になったことが惜しまれる。
歴史物は司馬遼太郎と比べると人間の捉え方が平板で見劣りする。
「戦艦武蔵」の中途半端に脚色された人物描写には辟易した。
彼に限らず小国民世代の書いた戦記物は何故講談本的色合いになってしまうのか。
379 :
無名草子さん:03/11/16 16:39
>>377 長英逃亡は図書館に行って借りてでも読むべし。
すごい人間ドラマが待っている。
ただ、読後少し切なさ、不条理さは感じるが。
幕末ものはけっこう古本屋にあったりするよね。
「長英逃亡」毎日の夕刊だったなあ。
牢獄描写が陰惨で、挿し絵までが暗くて重くて。
>>378 あの作品の場合、主役は武蔵をつくりあげた技術だから、平板な描写もありじゃないの?
382 :
無名草子さん:03/11/17 01:29
377
>>379・381
そういわれると読みたくなりますね。
探してみます。
383 :
無名草子さん:03/11/17 01:59
初期の純文学系はヘタだ、
と言ってみる。
ああ、へただよ。
でもその後の戦記・歴史物に比べたらまし。
などと踊ってあげる。
385 :
無名草子さん:03/11/17 05:51
吉村さんはエロシーンの描写がいまいち
じゃあ何が残ってるんだよ!
387 :
無名草子さん:03/11/17 12:40
どう考えたって長編の歴史ものとか、記録文学でしょ。
この人の文章に慣れると
他の作家の書いたもんが読みにくくなるね。
文体がパターン化されているからね。
390 :
無名草子さん:03/11/20 23:09
講談社文庫「私の好きな悪い癖」買いました。
391 :
無名草子さん:03/12/04 01:25
仇討文庫化あげ
392 :
無名草子さん:03/12/04 01:26
393 :
無名草子さん:03/12/04 02:03
「海も暮れきる」が一番好きかな。
ああいう破滅型の人生にあこがれますよ。できませんけど。
吉村さん自身も結核で死にかけたせいか、病状の描写がリアルだと思う。
そのうち小豆島も尋ねてみるつもり。
394 :
無名草子さん:03/12/07 00:23
本屋で「彦九郎山河」を見たけど評判はどうですか?
ここでは書かれていないので。。
395 :
無名草子さん:03/12/07 05:50
>>394 評判はどうだか知らないが、高山彦九郎に対する感覚が少々変わった。
「奇人」を「変人」と同類に思っていたせいかもしれないが。
あまり面白いとは思わなかったが、最後まで読むのを苦痛とも思わなかった。
396 :
無名草子さん:03/12/07 21:17
>>394 395
彦九郎山河おもしろかったよ。
でも、江戸時代というのは、変に才能があるのも身を滅ぼすもととおもったね。
『長英逃亡』の時も同じようなことを思ったが。
397 :
無名草子さん:03/12/12 12:52
戦国ものは書かないのだろうか。
資料が揃ってないと書かないだろうから辛いか
398 :
無名草子さん:03/12/12 12:55
だからっ、戦国ものなど私は書きませんよ。
絶対に書きません。書きたくないのです。(アキラ談)
>>398 本人が言ってたの?
まあ確かに向いてないかもしれんけど
400 :
◆xAG4.Wd6wQ :03/12/13 00:50
401 :
無名草子さん:03/12/13 08:26
吉村さん、筆名を「アキラ」に変えたらしい。
敵討、文庫版読みましたがよかった。
実話だというのに驚いた。
403 :
無名草子さん:03/12/22 00:51
あげとこう
404 :
無名草子さん:03/12/24 13:36
私も敵討を読んだ。
実話であるということを最初に読んでいたので、冗長になるのではと危惧したが
やはり吉村昭の巧さが発揮され、飽きることのない中編小説になっている。
過去に読んだものを再読しようと思ったが、引っ越しを繰り返して本が見つからない。
やむを得ず、「羆嵐」(くまあらし)、「戦艦武蔵」を買いなおしたが、
それほど惜しいとも思わない。
おそらく数年後にまた読み直すから。
405 :
無名草子さん:03/12/24 18:07
吉村昭のベスト1は、
やっぱり「漂流」で決まりですよね。
406 :
無名草子さん:03/12/25 22:17
『長英逃亡』がいいと思うけど。
407 :
無名草子さん:04/01/05 00:37
天狗争乱 あげ
408 :
無名草子さん:04/01/06 23:58
仮釈放読破しました。
いやーいままで体験したことが無いような客観的な文章だけど
なぜか引き込まれるって感じで、すごい良かったです。
409 :
無名草子さん:04/01/09 03:26
「北天の星」あげ
410 :
無名草子さん:04/01/10 23:13
敵討。いいですね。
特に火事が起きなかったら遠島にされて
敵討ちが不可能になるところだった、
というところが劇的です。
411 :
無名草子さん:04/01/15 21:00
熊さんシリーズが好きだ。ほかには、
私の好きな作品
「破獄」・・・これは絶対にお勧め。脱獄の天才人間を描いた作品。
「赤い人」・・・北海道開拓残酷史。
「ポーツマスの旗」・・・外交交渉の戦いを描く
ジョン・トーランド氏亡くなったけど、なんとなく吉村昭と
手法が似ていると感じる
413 :
無名草子さん:04/02/05 09:32
とりあえず、あげときます
この前、新撰組で桜田門外の変やってて思い出した
久しぶりにまた読もう
414 :
無名草子さん:04/02/06 00:56
「深海の使者」って面白いですか?
昔読み始めて、途中でなぜかくじけてそれっきりなんですが・・・
415 :
無名草子さん:04/02/06 14:12
>>414 第二次大戦中に日本とドイツを往復した潜水艦の話だね。
軍事モノに興味があるんなら、絶対おもしろいと思う。
映画「Uボート」とか見ると、さらに気分が出るw
416 :
無名草子さん:04/02/07 05:18
>>414-415 マジで面白かった。
巻末にある航海地図を何度も見ながら一気に読んだよ。
「旧フランス領ブレスト軍港」なんて記述も出て来て、
あ〜、当時フランスはドイツ領だったんだなぁ、なんて感慨に耽った。
現代史が好きでないと興味が出ないかも知れないけどね・・・・
大黒屋光太夫は毎日新聞社から出てるのか
文庫になるとしたら中公なのかな
エッセイ集はちょっとイタゲな所も発見してしまい、
読むんじゃなかったと後悔
419 :
無名草子さん:04/02/16 02:04
420 :
無名草子さん:04/02/23 13:39
「大黒屋光太夫」読みました。「おろしや国酔夢譚」もおもしろいんだけど、
荒筋だけ読まされたような印象でちと物足りなかったんで、満足しました。
吉村さんの文章は陰翳があっていいですね。「身じろぎ」も5回ほど出てきて
安心しましたw
光太夫が通ったルートをそのまま追った、椎名誠の「シベリア追跡」も
合わせて読むと、おもしろさ倍増です。
小学生の時に父親の書棚にあった「破船」を読んで、この人すごいな、
と思いました。社会人になってからもいろいろと本を読んだけど、
あの「破船」を読んだとき以上の衝撃を味わったことがないな。
先生の小説でおススメあったら教えてくださいー。
422 :
無名草子さん:04/02/24 02:16
「海の祭礼」が一番好きだけど、
どこの書店にも、もう売ってないようだ。
僕は図書館で借りて呼んだ。
>>419 禁煙の喫茶店の話とか寿司屋の掛け声の話とか、
変に邪知してて引いた。
邪知なんて小説家の職業病みたいなもんだからな
「少女架刑」を読みましたが
「ヒーメン」というのは処女膜のことでいいんですか?
427 :
無名草子さん:04/02/28 10:35
428 :
無名草子さん:04/02/28 21:55
渋いところで「冬の鷹」がいいっす。解体新書なんて教科書に昔載ってたけど、それが
作られていく過程と、それを純粋に研究のためと考えて歴史に残る偉業の主役を譲って
しまった前野良沢の潔さに感動しました。他に読んだ人いませんか?
429 :
無名草子さん:04/02/29 08:43
>>428 読んだよ。
「日本医家伝」で前野良沢を採り上げることになり、それから興味を持って「冬の鷹」を書くことになったとか。
430 :
無名草子さん:04/02/29 23:23
>>429 それはそれは。「日本医科伝」って何ですか?どこかの出版社から出るんですか?
431 :
無名草子さん:04/03/01 02:45
>>430 まだ絶版になってないはずだと思うが、講談社文庫で3年前に出た。
432 :
無名草子さん:04/03/02 09:06
NHK BS2
■03月06日(土) - 午後 10時30分 〜 翌 0時00分 - BS2
ポーツマスの旗(1)<4回シリーズ>
−BS思い出館−
「戦争と平和」
【原作】吉村 昭
【脚本】大野 靖子
石坂 浩二
原田 芳雄
大原 麗子
ほか
433 :
無名草子さん:04/03/02 13:09
仮釈放とそっくりな事件がおきたんだけど 触れられてないね
女子高生の尻触ってタイーホされた脱北北朝鮮兵士のことかい?
>>426 どうもありがとうございます。
今でもお医者さんはこう言うんですかね
436 :
無名草子さん:04/03/04 05:35
昨日はじめてこの作者の本買ったよ。
『桜田門外の変』だけど、偶然にも事件は3月3日に起きたんだよね。
なんか運命的なものを感じてしまった(旧暦の3月3日だけど)。
なんというか、ずいぶん素っ気ない文体ですね。
>>436さん
かなりの長編ですが、ゆっくりと楽しんでください。
たくさん作品があり、題材も多彩な作家ですから、
お気に入りが見つかることかと思いますよ。
>>436 その素っ気ない文体が、あとから利いてきます。
そのときは、もう手遅れですよ(笑)。
439 :
無名草子さん:04/03/05 12:12
「破船」読みました。
いいですねぇ、この後味の悪さ。
これぞ吉村文学の醍醐味。
440 :
無名草子さん:04/03/05 17:36
短編の「鰭紙」って
さりげなく、ノンフィクションだったりするわけですか
441 :
無名草子さん:04/03/06 02:37
>>439 そう。後味悪い作品も結構多いのがまた吉村作品の面白いところ。
高熱遂道とか。
>>441 仮釈放とか星への旅とか敵前逃亡とか鵜とか
特に初期の作品は、後味悪いのが多いね
443 :
無名草子さん:04/03/08 04:19
『桜田門外の変』読了。
淡々とした描写が、浪士たちの運命をつとめて客観的に見ているようで
ぞくぞくしました。突き放しているとも言えるような怜悧な筆致ですな。
この人の幕末歴史ものをしばらく読んで見ます。
時間軸に沿うと、次は『生麦事件』ですかね?
444 :
無名草子さん:04/03/08 10:53
昔の漁村や農村を描かれると、
話の趣旨に限らず、鬱になる。
445 :
無名草子さん:04/03/08 14:18
かつて自費出版で出してたとかいう短編集て いまは読めるんでしょか? 新潮あたりで出てるんでしょうかね
446 :
無名草子さん:04/03/09 08:23
やっぱ、一般的には知名度低いのか、検索してもほとんど引っかからん。
講演会の情報とか欲しいんだけど
>>445 短編集「青い骨」は角川から出ていたと思うが、多分絶版
古本屋で気合入れて探すしか
>>447 う〜ん、根気よく探すしかないようですね。 ありがd
449 :
無名草子さん:04/03/12 11:18
「破船」に出てくる"もがさ"って天然痘のこと?
「朱の丸御用船」はノンフィクションだけど、
この話は小説だよねえ
450 :
無名草子さん:04/03/12 14:27
451 :
無名草子さん:04/03/13 01:12
今度読売夕刊で連載あるらしいね。元気で何より。
453 :
無名草子さん:04/03/17 23:00
「破船」の舞台は恐らく佐渡島北岸だね。あの辺には、秋刀魚を手掴みで獲る漁がある。
「熱の花」は梅毒じゃないのか?
しかし梅毒より疱瘡が日本においては「歴史ある」病なのに、村民が知らないのはおかしい!
佐渡なら三日も歩けば、一周しちゃいそうだけど、
気候や話の中での記述から察するに、あの辺りだろうね。
455 :
無名草子さん:04/03/24 22:15
保守ageついでに
戊申戦争時の戦艦回天の話を書かれたと思うのですが
本屋にありません。絶版かなあ。
読まれた方、タイトルと主人公を教えてくだされ。
456 :
無名草子さん:04/03/24 22:48
北海道苫前町では大正時代、古丹別川の支流三毛別川の支流六線沢沿いの
開拓村が熊に襲われた「三毛別熊事件」が発生しております。言うまでもなく、「羆嵐」のモデルです。
詳細書くのは苦痛なのでこのリンクで許して下さい。
http://alecaoyama.hp.infoseek.co.jp/higuma.html 私はこの事件のドキュメントを中学生時代床屋の待合室で読み、被害者の一人の妊婦
斉藤タケの最期の絶叫
「腹やぶらんでくれ!喉喰って殺してくれ!」が耳に残り、十年以上経った今現在でも
町で妊婦を見かけると吐き気がしてしまうのです。
>>455さん
手元に単行本がありましたので:
「幕府軍艦『回天』始末」(文藝春秋社1990.12.15第1刷 195頁)
読んでからかなりの時間が経過しているので、ざっと読み返したんですが
特に一人の人物だけを追っているないようではないですね。あえて主たる
登場人物をあげますと、無論、榎本武揚、そして艦隊司令官荒井郁之助かと
思います。なお、この単行本には、牛を求めにきたイギリス船と薩摩藩との
遭遇を描いた「牛」という短編を収めています。
現在、どのような発行の具合かは私にはわかりませんが、入手されることを
お祈りしてますよ〜。
× いるない
○ いない スマソ。
重ねてすみません、飲みながら書いてたら日本語がおかしくなりました:
○「追っているようではないですね」 ・・逝ってきます。
>>457-459 律儀にして几帳面な人だなぁ。
行頭の1マス空白もあり、改行位置もきっちり揃えていて。
吉村昭ファンらしくて、なんだか嬉しくなった。
461 :
無名草子さん:04/03/27 02:58
初めて羆を読みました
21歳♂です
きっかけは古本屋の100円均一で見つけたのです
かなり面白い。何で今までこの人の作品を知らなかったんだろう
ほかのも探して読んでみます
>>457 ありがとうございます!
文春文庫のラインナップにはあるようですが
在庫切れのようで
本屋さんにはありませんでした。
こまめに古本屋を回ってみます。
咸臨丸じゃなくて回天の方に注目するあたり
吉村氏のこだわりを感じます。ああ読みたい。
462=455です。
亀レスですみません。
464 :
無名草子さん:04/03/27 22:39
「見えない橋」に収録されてる「時間」に出てくる太平洋戦争を扱った小説って、
実際に書いておられるの?
>>461 ああ、うらやましいな。「羆」って、既に絶版ですよ。
読みたくて古本屋さん廻っているんですが、いまだに
入手できておりませぬ。
次に読むのでしたら、羆繋がりで「羆嵐」。動物繋がり
で「海馬(トド)」あたりでしょうか?
トドの方は絶版なんですが、あるいは入手できるかも。
>>465 うおーまじっすか?羆絶版だったんだ・・・俺って運がよかったんですかね
そして次に買ったのは海馬
今読んでます。
なんか運がいいなあ。ふたつともブックオフの100円コーナーで買いました
明日古本屋めぐりしてきます
ターゲットは高熱ズイ道。あったらいいな、わくわく
古本屋要ったら大量でした
高熱ズイ道もあったし、戦艦武蔵とか熊嵐とかかってきました
それと
>>465 羆いきなりありましたよ
もしよければ送りましょうか?
>>461 お気持ちはありがたいのですが、仮にも2Chで、
住所なりメアドなりを晒すのはちょっと(苦w
趣味の古本屋通いを続けているうちに、いつかは
めぐり合えると信じております。>羆
とりあえず、表紙だけでなく中身も“恐ろしい”の
一言に尽きる、羆嵐など、ゆっくりお楽しまれたく。
470 :
無名草子さん:04/03/30 00:40
戦艦武蔵読み中
軍ってひでえ
471 :
無名草子さん:04/03/30 00:50
この人の本ってあまり売れてないの?
どれもハズレなく面白いと思うんだけどなー。
ふとした折に読み返したくなる。
472 :
無名草子さん:04/03/30 04:37
羆嵐のカバーの熊、なんか可愛い
473 :
無名草子さん:04/03/30 11:16
ブックオフの本はひもが切られているのが悲しい。
吉村本も切られていた
474 :
無名草子さん:04/03/30 14:18
475 :
無名草子さん:04/03/30 17:27
「仮釈放」は評判いいですね
476 :
無名草子さん:04/04/01 23:46
>>475 読みやすい本が多い吉村作品のなかでも、特に読みやすい本だしね、
ストーリーもわかりやすいわな。タレントの山田邦子も仮釈放をおすすめの
一冊みたいなのに挙げてたな。
477 :
無名草子さん:04/04/02 00:17
文春文庫の新刊「三陸海岸大津波」読んだ。
ちょっと物足りないが、さっと読めてお手ごろ。
山岸涼子の短編漫画に天にも昇るデカイ津波がくるシーンがあって、
ンなバカな、と思ったことがあるが、
世界最大級の津波が襲う日本でありえて、かつあったことだと知った。
478 :
無名草子さん:04/04/02 00:30
>>476 確かにそれもあるかもしれませんが、 あの独特の暗さ、地味さがたまりません。 貴重面にたたまれた布団やゴミ一つない 畳の殺風景な部屋が目に浮かぶ。
479 :
無名草子さん:04/04/02 00:34
今村昌平監督作品「うなぎ」=仮釈放?
うなぎをレンタルしてきて観ましたが闇にひらめくとだいぶ違いましたね
なんで床屋なんだ・・・
今日の読売新聞に載ってますね
吉村さんの嫁さんの小説って趣向は違う感じ?
483 :
無名草子さん:04/04/25 04:35
「歴史の影絵」読了。
「漂流」「彦九郎山河」「零式戦闘機」など、11の小説の取材ノート。
昨年文春文庫で出版されたのは知っていたが、あまり面白くないだろうと勝手に思いこみ
今まで読んでいなかった。
氏の興味の持ちどころや、取材のスタンスが理解できて、予想を裏切り(?)面白かった。
ノンフィクションと小説の境目をかいま見たようにも思う。
484 :
無名草子さん:04/04/30 06:28
このスレもうすぐ2年半か。長寿スレだな・・・
吉村先生も長寿であってもらいたい。
マジで。
884日間に484レス。
ってことは、平均すると1.8日に1レスか。
思ったより活発でちょっと安心。
・・・こんな計算して俺も朝からヒマだな。逝ってきます。(w
486 :
無名草子さん:04/05/06 01:20
「大黒屋光太夫」の後、なにか書いておられるのでしょうか?
このおっさん刑務所好きだよねー。
ファンになったばかりの私なら「おっさん」呼ばわりに
腹も立ったろうが、今ではそんなナイーブさは消えた。
489 :
無名草子さん:04/05/08 13:39
「遠い日の戦争」
これこそが一転した人間の逃避行を描いていて素晴らしかった。
この逃避行には、ビクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」の
ジャン・バルジャンを思いだし、ついつい泪してしまった。
490 :
無名草子さん:04/05/11 18:33
吉村昭の「生麦事件」には生麦事件はパークスとニールとサトウが日本人の手先を使って
行った英国の自作自演で、しかもそれは副島隆彦の『属国・日本論 歴史篇』からのパクリ
なんだってよ。
http://snsi-j.jp/boards/bbs.cgi?room=sample1 [3633]
投稿者:副島隆彦投稿日:2004/05/09(Sun) 07:48:01
それから、幕末の生麦事件のことを、調べようと思っている。ここから当時の生麦の宿場まで、
どれぐらいあるのだろうか。あの生麦事件が、イギリスのパークス全権公使と二ール公使と
戦略外交官のアーネスト・サトウによって、薩摩藩を利用して、幕府を窮地に追いいれるために、
日本側の手先どもを使って、行われたものであることは、ついに、最近、吉村昭(よしむらあきら)
の『生麦事件』によって、証明された。
私の、『属国・日本論 歴史篇』の記述そのものではないか。だから、横浜の租界(そかい、コロニー)
から、生麦事件の現地までは、どれぐらいの距離だろうか、を自分で踏査したいとも思うのだが、
それもやめよう。私は、もう「文学的」になど、なるべきではない。
文章の推敲の途中で送信ボタン押してしまった、御勘弁。
×
吉村昭の「生麦事件」には生麦事件はパークスとニールとサトウが日本人の手先を使って
行った英国の自作自演で、しかもそれは副島隆彦の『属国・日本論 歴史篇』からのパクリ
なんだってよ。
○
吉村昭の「生麦事件」には生麦事件はパークスとニールとサトウが日本人の手先を使って
行った英国の自作自演であると書かれていて、しかもそれは副島隆彦の『属国・日本論
歴史篇』からのパクリなんだってよ。
>>490 同じ掲示板の3634(490さんが引用した副島隆彦氏の発言は3633)以下にて、
「そんな事書いてないぜ?」…と、ツッコミが入っておりますな。
実際、「生麦事件」に、パークス&ニールの共謀によるうんぬんの記述は
存在していませんし(わざわざ読み返してしまいましたよ)。
あなたが、「吉村昭のパクリ」と信じていたのだとしたら、大いに反省すべきでしょう。
ソースをあたれとは言いませんが、同じ掲示板の次の書き込みくらいはちゃんと
読んでおくべきでした。
…あなたが、副島隆彦氏のおろかさを公表したかったのだとしたら、その行為は
成功しています(そもそも、「小説」で「証明された」ってなんじゃ?)
けれど、できれば他所でやってください。そういう事は。
今朝の朝日新聞に注目!
読書欄の「自作再訪」に吉村昭さんが登場、『戦艦武蔵』を語られています。
494 :
無名草子さん:04/06/13 05:34
今日(13日)のNHKアーカイブスで、Uボートに搭乗した
日本人将校の話が放送されるみたいです。
「深海の使者」を読み返しておこうかな・・・。
読み返してからNHKを観たら、あまりにも吉村さんの内容と一致
してるので驚きました。
あとがきを見たら・・・・NHKの担当者から取材したって書いてあった。
・・・なあんだ。
496 :
無名草子さん:04/06/21 00:59
a
497 :
無名草子さん:04/06/21 01:02
この人の文章って、文末が「〜た」「〜だ」で終わってるのが
99パーセントだね。あとの1パーセントは「〜という」w
このスレ見てなにか読んでみようと思い、図書館でパラパラめくってたんだけど、
なんだか文章が単調すぎて読めなさそう。
>>497 いろんな題材を扱った作品がありますから、
まずは一冊、試してみられてはどうでしょう・・・?
499 :
無名草子さん:04/06/21 11:32
>>498 うん、実はネットで「羆嵐」を注文してて、明日届くんですw
図書館では「破獄」を借りてきたしね。でもすでに「この人の文章は
自分に合わない」という固定観念が出来つつある…。
がんばって読んでみます。これだけ絶賛されてるのに自分だけ楽しめないのは
悲しい。とくに私は道産子(網走生まれ)なので「破獄」はぜひ読まなきゃw
>>499 何となくわかる気がする。
>なんだか文章が単調すぎて読めなさそう。
俺も一番最初に同じ感想を持った。
しかし、この淡々とした文章にだんだんはまっていく。
今は完全に中毒。
一度読んだ作品を読み返すことが多い日々だ。
「身じろぎもせず」がいつ出てくるか
待ちながら読み進むと楽しいよ。
502 :
無名草子さん:04/06/22 11:27
矢口高雄のマンガで「羆風」ってのがあるけど、
これ問題ないのかな?内容も「羆嵐」と同じ題材だし。
>>502 あっちの元ネタは、戸川幸夫の小説「羆風」です。
おなじ事件(三毛別ヒグマ事件)を題材にしていて、しかも、同じ研究家の
調査結果を使っていますので、似たような内容になりますやね。
漫画が一番最近の作品で、最新の調査結果を取り入れることも出来た
だけに、小説よりも細かく事件が描かれています。マンガ的誇張もありま
すが、ビジュアルとして、素直に事件の迫力が伝わってもきます。
「羆嵐」の方は、「大自然の猛威に翻弄される人間」がテーマっぽいの
で、読んでいて怖いのはこちらの方でしたが。
なんつーか、押しつぶされるような閉塞感とでも言いますか。
レスが珍しく多い。
「頭の中で炭酸水が」云々も多い。
数少ない濡れ場では胸の膨らみがどうのこうの。
甥っ子の話で『トムとジェリー』と思しきテレビ漫画の描写が何度も出てくるから、
案外吉村氏もファンだったのかな?
506 :
無名草子さん:04/06/24 01:10
羆嵐を読んだ。初吉村。
けっこう面白かった。熊打ち名人の銀四郎がかっこいいね。
そのあと「破獄」も読んだけど、
なんか物足りないなぁ。。。
これは小説なのかドキュメンタリーなのか??
>>507 一応、小説でしょう。
ドキュメンタリーのように感じるのは吉村さんの作品はある意味
司馬さんの作品以上に「余談」が多いところにある、かもしれま
せん。「破獄」でも近代以降の行刑史について詳しく触れていま
すし、あとがきで参考文献をあげながら取材の経緯を説明してく
れるのも、私にとっての吉村作品を読む楽しみのひとつです。
509 :
無名草子さん:04/06/26 16:20
『密会』をみつけたので読んだのですが、
記録文学に慣れてしまったのでなんだか違和感がありました
510 :
無名草子さん:04/06/26 16:40
人間の暗部が絡んだ吉村作品が好き
羆嵐を読んだよ!
怖かった
512 :
無名草子さん:04/07/23 23:15
agemasu
>>497 プロジェクトXの口調をイメージして読むとよいですよ。
そのうち引き込まれて気にならなくなります。
水の葬列
空白の戦記
零式戦闘機
背中の勲章
以上4冊買ってきました。どれから読もうか迷っています。
「暑い夏冷たい」ってハードカバー版は、対談冊子付き。
文庫版は後書き付きってことでよろしいか。
高熱隧道を読みましたが
ちょっと期待が大きすぎたのかいまいちな気がしました。ごめんなさい
でも黒部に行ってみたくなりました。黒部の景色を実際に目の当たりにしたら考えが大きく変わりそうな気がします。
今年の秋か、来年の春に黒部に行ってみようと思います。
ほんとは冬に行って泡雪崩を見てみたいところですが。
黒部、素敵ですよ〜。
信濃大町側からだと、長いトンネルを抜けて、眼前にいきなり山並と
ダムが「バーッ」と開ける瞬間が最高です。それと、慰霊碑の前に
立ってみると、なにか厳粛な気持ちになりました。また、ダムから
下を見下ろすと、「よく、こんなものを作ったなぁ」半ば呆れながら
感心します。
次は、「闇を裂く道」はいかがでしょう?
>517
ほう、素晴らしそうですな。楽しみにしときます。
闇を裂く道 も現在探索中なのでみつけ次第読みます。
それと 水の葬列 も読みましたが、あれも黒部ってことでよいのですよね。
なんというか、警察官がやってきたシーンであの縊死体がよく見つからなかったなーとか思っちゃいました。
しかしあんな部落がほんとにあったら怖いだろうな・・・
519 :
無名草子さん:04/08/10 01:07
文春文庫新刊で「関東大震災」の新装版が出てたね。
今さらながら、その悲惨さの実像を知って驚いた。
地震の恐るべき破壊力と、あとを覆う火災の凄まじさ。
ことに一箇所に四万人の焼死体とは想像もつかない。
災害は人が人でなく、モノになるときなのだ。
さらに在日朝鮮人への狂気の暴虐。
デマといえばそれまでだが、民主主義の現代でさえ、
あらゆる差別が拡大再生産されている、他ならぬこの2ちゃんねるを
想起して、平時でこれでは、と暗澹とした気分になる。
情報化社会とはウソで、いつも政治的デマゴーグたちに情報は遮断されているのだ。
地震学、当時の世情、当然頁を割かれる大杉栄虐殺事件、と正統的な目配り。
今回も勉強になりました。ありがとう、吉村昭。
みなさん「暁の旅人」は読んでますか?
僕は吉村作品を読み出すと止まらなくなるので連載終了を
待ってまとめて一気に読みたいと思い我慢しています。
あとどれくらい続くのか・・・
年齢を考えると歴史小説はこれが最後なんですかね。
>520
何言ってるんだ
吉村氏は100歳まで生きるぞ!!
>>521 いや別にそういうつもりで書いてるわけじゃないんだけど・・・
今年で吉村氏は77歳ですよね。
「暁の旅人」がどれくらい続くのかわからないけど、おそらく次の作品を発表するのは80歳ぐらいになるでしょう。
そして氏の歴史小説は長編が多く80歳の御老人(失礼!)が長編を書くということは
肉体的にも精神的にも非常に大変なことだと思います。
しかも吉村氏の歴史小説は言うまでもないことですが詳細な資料と綿密な取材に基づき書かれています。
だとすると資料収集や取材が不可欠なわけで果たして80歳近くなった氏にそのような活動が可能か
どうか心配することは不自然なことではないのでは、と思います。
それともうひとつ、氏が「大黒屋光太夫」を出版されたとき、この作品を書き上げるまでは死ねないと思っていたので
完成してホッとしているというような内容の記事を読んだ記憶があったので、ご本人も今後「大黒屋」のような
長編歴史小説は書けないかもしれないという心境なのかなと思ったこともあります。
もちろん僕も吉村ファンである以上、氏に長生きをしてもらいたいと思っています。
でも80歳を過ぎた氏に短いエッセイなどは別として長編の歴史小説を期待するのは酷かな
と思って、最後の歴史小説かも、と書いたのです。
523 :
無名草子さん:04/08/20 00:03
誰か話題ふってくださいage
524 :
無名草子さん:04/08/20 00:19
>>523 っていうか、私も519とか、新刊で平積みされてる文庫本でさえ、
話題を振っても誰も反応しないんだよねえw
実は、吉村昭、誰も読んでないんじゃないかw
代表作は「羆嵐」で、
作品にはノンフィクションと歴史が多くて、
夫婦作家ってな認知かな。
世間的には、やっぱ、マイナーだけど
当方吉村作品初めて。ブクオフで「破獄」を発見したのでこれから読みます。
あと漏れ、軍艦ヲタなんだけど「陸奥爆沈」は面白いですか?
527 :
無名草子さん:04/08/25 02:54
>>525 決してマイナーじゃないでしょ。
代表作は「羆嵐」ではないだろうと思うが、「それでは何だ?」と聞かれると返答に窮する。
「戦艦武蔵」や「破獄」あたりが世間には有名かな。
>>526 「陸奥爆沈」
かなり前に読んだので大半を忘れてしまったが、「面白かった」という記憶はある。
吉村ファンなら
武蔵>>>>大和
だろ?
零戦>>>>グラマン・スピットファイア
だろ?
>>527 サンクスです。今度は武蔵と陸奥を買って読んでみよう
530 :
無名草子さん:04/08/26 07:51
>>529 軍艦ならば、他にも
第二次大戦中に潜水艦でドイツに渡る「深海の使者」
日露戦争でロジェストヴィンスキーがフィンランド湾から日本海まで大航海をする「海の史劇」
第二次大戦中に瀬戸内海に沈没した伊33潜水艦について書いた「総員起シ」があるよ。
「戦史の証言者たち」には、昭和28年にそれを引き揚げた時のことが載っている。
それから「戦艦武蔵」を書く過程の取材日記と資料が「戦艦武蔵ノート」として出ているから
「戦艦武蔵」を読んだあとに読んでみるのも面白いかもしれない。
531 :
無名草子さん:04/08/28 00:31
本日の読売新聞朝刊28面(地域によって違うかも)に戦艦武蔵の記事があります。
もちろん吉村さんの戦艦武蔵の取材ですよ。
当時の三菱造船長崎の例のガントリークレーンの写真も出ています。
吉村ファンは必読でしょう。読売とってない人はたぶん近くの支社か本社に行けば記事を売ってもらえるはずです。
>>519 「関東大震災」読んだ。もうすぐ9月だし。
申し訳ないけど、パニック映画鑑賞の感覚でした。
吉村昭を読むのはいつもその感覚なんだけど・・・。
533 :
無名草子さん:04/08/29 01:04
「闇にひらめく」を読んで、自分の過去と照らし合わせて、結婚を決意する時に
心の支えとなりました。
うちは読売の大阪版を取っているのですが、載っていませんでした。
その代わり、今日の朝刊に吉村さんの話が載っていました。
戦時中輸送船が撃沈された時、優先的に救命艇に乗った将校が舟べりに
しがみつく兵の手を切断した・・・・という話を救出活動にあたった漁師さんに
取材した話です。
この話が入っている戦記小説ってなんですか?
>534
へぇー福岡版には載ってませんね、残念
私もその話読みたいので誰か教えてください
536 :
無名草子さん:04/08/29 01:21
537 :
無名草子さん:04/08/29 03:15
俺も大阪読売を読んでないからわからないが、
デタラメと即断できる
>>536は読んでるのかな?
少なくとも
>>534が書いているのは
>救出活動にあたった漁師さんに
>取材した話です。
であって、事実か否かとは書いてないのだが。
そんな話をした漁師がいても不思議ではないだろうとは思う。
実際に兵の手を切断した将校がいるかどうかは不明だが。
それともそういう戦記小説はないということか?
興味があるのでもう少々説明してほしい。
538 :
無名草子さん:04/08/29 03:22
内容:
丁度書き込もうとしたら・・・。朝刊の内容です。この話も面白かった。
『三十四年前、北海道の襟裳岬の近くの漁村におもむいた。当時、私は戦記小説を書いていて、
ある医療機関の要職にある方から、その漁村の沖合で、終戦の年の早春、将兵多数を乗せた輸送船が
アメリカ潜水艦の雷撃を受けて沈没したという話をきいた。
その折に沈没後、海に投げ出された兵たちが、おろされた上陸用舟艇にわれ先にしがみつき、
舟艇に乗っていた将校達が、舟艇が沈むおそれがあったのでそれらの腕を斬った。
その話をしたのは船に乗っていた将校の一人だという。
私は、事実かどうかたしかめるため、札幌に一泊後、その漁村にむかい、村役場に行った。
(中略)
漁師の家は海沿いにあって、その日、海は荒れていたので漁師は家にいた。
囲炉裡のかたわらに座っている老いた漁師に挨拶し、名刺を差し出した。
漁師は受け取ると、裏を返した。私の名前には肩書きがなく、裏に書いてあるのだと思ったらしい。
私は新聞に連載小説を一度書いたことがあるだけの、無名に近い小説家であった。
私は、輸送船の沈没のことを口にし、将校が兵の腕を斬ったのは事実なのですか、とたずねた。
漁師は、私に険しい眼をむけると
「その話なら、しない。憲兵に口とめされているから・・・・・・」
と、言った。
終戦後すでに二十五年もたっているのに、漁師は依然として戦時に身を置いている。
戦争は終わっています、死んだ兵隊さんのことを思ってお話ください、ご迷惑をおかけすることは
ありません、と私は説いた。
539 :
無名草子さん:04/08/29 03:23
漁師は、黙りつづけていたが、しばらくして炉の火を見つめながら口を開いた。
急に漁師の顔に憤りの色がうかび、言葉の流れ出るのをおさえかねるように話しはじめた。
村人が初めて輸送船の沈没を知ったのは、海岸に漂い流れてきたおびただしい水死体だった。
防寒帽に防寒服、それに救命胴着をつけた下士官、兵の遺体で、
「なぜか知らぬが、腕のないものが多く・・・・・・」
と、漁師は言った。
茶褐色の遺体が海面をおおっていたという漁師の言葉に、私はその情景が眼の前にうかぶのを感じた。
降雪中を、漁師たちは船を出して海面に漂う生きた兵たちを救出し、遺体の収容につとめた。
なぜ、腕のない遺体が多かったのか。それは救出された兵の口から知ったという。
それは軍の秘密事項とされ、憲兵が来て、口外することをかたく禁じた。
(中略)
そのことを医療機関の要職にある方に話したという元将校に、私は会った。
上質の背広を着た温和な眼をした初老の人であった。
その方の話によると、千島列島の占守島守備の守備隊員が、米軍の上陸作戦が開始された沖縄救援のため
三隻の輸送船に分乗して南下途中、襟裳岬沖で一隻が撃沈されたという。
上陸用舟艇がおろされて将校が優先して乗ったが、舟べりに多くの兵がしがみつき、沈没が必至となり、
それで将校が抜刀した。
「あなたも切りましたか」
かれは、一瞬黙り、
「私は暗号を抱いて舟艇の真ん中に座っていました。靴で蹴っただけです」
と、少し頬をゆるめながら言った。
私は、無言でうなずいていた。』
おつかれさま、なんだけど・・・
丸写しは著作権的にちょっと問題が
541 :
無名草子さん:04/08/29 05:53
>538,539
馬鹿だ、こいつw
542 :
無名草子さん:04/08/29 07:19
>>539 誇り高き日本軍の将校が、そんなことをするわけがないのは当たり前だろう。
そこまでして日本を侮蔑したいのか・・・・
543 :
無名草子さん:04/08/29 07:49
>>541-542 吉村昭氏の著書を読んできた人ならば、そのようなことを決して書かないはずだ。
自分の頭の中だけで勝手に物事を決めつけることをせずに、
もう少し書物を読み、人の話を聞いた方がいい。
うかつでした。
545 :
無名草子さん:04/08/29 12:54
546 :
無名草子さん:04/08/29 13:27
>538-539
軍刀(日本刀)は扱いが非常に難しい武器で、そんな簡単にスパスパ
人間の腕が切れるもんじゃないよ。すぐに脂が刃について切れなくなってしまう。
それに、揺れる小船の中で刀なんか振り回せるわけがないよ。
そんなことをすれば、自分もバランスを崩して海に落ちてしまうのが
目に見えている。
完全な作り話だ。
547 :
無名草子さん:04/08/29 13:35
南京虐殺スレにも行ってこい
スレの本筋とはズレるが、吉村氏の書いた文章だということだから
少々考えてみた。
>>546 脂云々について、胴体ではなくて腕だから、どうかね。
しかも複数の人間が行ったことのようだから、1人が5人斬ったとしても3人なら15人。
また上陸用舟艇だったらそれなりの大きさだろうから、中腰くらいにはなれそうだ。
船縁を片手で握って立てばある程度安定するだろうし。
重要なのは最後の部分で、その場にいた元将校に氏自身が会って話を聞いている。
作り話だとすれば、吉村氏自身が作ったということになるが、
吉村昭氏の一連の著作を読んだ俺にとっては、そう思えない。
549 :
無名草子さん:04/08/29 16:36
吉村は反日ブサヨ
550 :
無名草子さん:04/08/29 16:49
俺も読売読んだけど、まあ事実だろうね。
他の誰かが書いたのならばともかく吉村昭は
しつこいくらい史実に拘る人だし、そういうことが
あっても不思議じゃない。高級軍人に糞みたいな
連中が沢山いたというのも事実だしな。
551 :
無名草子さん:04/08/29 16:59
証言は、その漁師と自称元将校のものしかないのか?
そんな事件があったのなら、もっと多くの証言がありそうなものだが。
どうしても、旧日本軍の評判を落とそうと必死な人間がいるようだね(苦笑)
>550
いや、あんたの国の軍隊とは違うからw
早いとこ北へ帰れよ
>>551 吉村昭の本一冊も読んだことない奴なんだろうな・・・
よしりんの漫画ばっか読んでないで早く宿題済ませなさい
553 :
無名草子さん:04/08/29 17:12
船の上で日本刀など振るったら、あっという間に錆びてしまって
使い物にならんだろ。
>538-539
どうしてサヨは、こーゆーとんでも話や、バカ話が好きなんだ?
理解できない。
555 :
無名草子さん:04/08/29 17:31
緊急事態だからといって、部下を勝手に切り殺したら、
陸軍刑法違反で軍法会議ものだよ。
日本軍は、世界史的に見ても類稀なほど、規律と統制の取れた
美しい軍隊だったんだから。
556 :
無名草子さん:04/08/29 17:32
氏は土地の青年によってかつての激戦地に案内される。
ナガ族の青年は途々賞讃をこめて語りかけるのである。インドにおける対日世論調査
日本兵が勇敢であったこと。
彼らは英印軍の圧倒的に優勢な武器をものともせず、戦車に
銃剣一つで立ち向かっていった。
死を少しも恐れていなかった。
そして、なかんずく軍律が厳しかったという事実を。
戦後しばしば聞かされていた日本陸軍の、中国大陸やフィリピン、
マレーでの非人間的な戦争犯罪の話を思い出し、思わず「軍律が?」
と中根氏は尋ねた。青年は答える。
「日本の兵隊は私たちの婦女子にけっして悪いことをしませんでした。
・・・英印軍のなかには私たちの婦女子にずいぶんひどいことをしたのも
少なくありませんでした。私たちは、敗けたとはいえ、日本軍のあの
勇敢さと軍律の厳しさを、今でも尊敬しているのです」と。
「列伝 太平洋戦争」半藤一利
宮崎繁三郎中将--インパール作戦の鬼将軍
557 :
無名草子さん:04/08/29 17:41
愛国コピペ宣伝もいいけど半藤一利か・・・
昔半藤スレがあった時は反日サヨ扱いだったのになw
「ノモンハンの夏」「ソ連が満州に侵攻した夏」等
読んだらひっくり返るんだろうな。日本軍の醜さが
これでもかというばかりに強調されてますが。
558 :
無名草子さん:04/08/29 18:42
2ちゃんウヨ坊はどこでもかしこでもしゃしゃり出てくるな。
日本刀は切れない、とかさ、無知丸出しで。
>日本軍は、世界史的に見ても類稀なほど、規律と統制の取れた
>美しい軍隊だったんだから。
本気で書いてるのか、この馬鹿は。
軍上層部のみならず、天皇が激怒した、大陸での所業を知らないのか。
軍隊の実態なんて、どんな場合だってある。
こいつ、右翼宣伝だけで、まともに読書経験がない。
もうすぐ夏休みも終わるし,
それからゆっくり吉村昭の話をしようや。
もう,うんざり。
560 :
無名草子さん:04/08/29 19:40
>>555 カルネアデスの板って聞いたことないか?
陸軍刑法は知らんけどこの場合緊急避難として
罰せられることはないだろう。
法的な責任はないが、
戦争の一つの悲劇として記憶されておくべきもの
として吉村昭は書いたんだろう。人間だからしょうがない。
それをウヨ房は美しい日本軍がそんなことするはずないという幻想
で捏造だとか見当違いのことを語るからキモイんだよ
561 :
無名草子さん:04/08/29 20:39
>>548 片手で日本刀は振り回せないってw
日本刀ってのはかなり重いんだよ。
両手で持っても使いこなすのは至難の技なのに、
足場の不安定な船上で、片手に日本刀を持って腕を切りまくったって?w
日本軍の将校はシュワルツェネッガーやスーパーマンじゃないんだからww
562 :
無名草子さん:04/08/29 20:41
こうして右翼=馬鹿の公式が作られていくのだな
>>539 船にしがみ付いたからってワザワザ骨が有る腕を切断しなくても
指切るだけでもいいじゃねーか?
1箇所、サクッって軽めに切っても塩水が染込んで来るから激痛で
船になんてしがみ付けネーよ。
ナンでもカンでも日本人の残虐行為にするんじゃねーぞ。半島野郎!
564 :
無名草子さん:04/08/29 21:30
上陸用舟艇って結構大きいよ。
確かに船としては小型の部類に入るけど、立ってられないほどの大きさではない。
おやおやタテマエの五族協和も知らないレイシストなんですね、ウヨ厨って。
本読まない頭の弱い方々は、書籍板ではお呼びじゃないんですよ。
はい、おしまい。夏休みもね。
566 :
無名草子さん:04/08/30 06:31
>>565 本を読めば頭が良くなると思ってるバカ登場〜w
>>563 >1箇所、サクッって軽めに切っても塩水が染込んで来るから激痛で
>船になんてしがみ付けネーよ。
ちょっとでも怪我をした人は海に沈んでしまうということだろうか?
命がかかっている時に、軽傷くらいで縋ったものを手放すとは考えにくいが。
>>566 本を読めば頭が良くなるとは限らない。
だが本を読めば、ものを考えるヒントになることは多い。
また頭が良いというのと、知識が多いのも異なる。
えてして頭の良くない人は本を読まないものだ。
学ぶためには、まず書物を読むことを薦める。
そして自分の頭で考えることを始めよう。
子曰、学而不思則罔、思而不学則殆
568 :
無名草子さん:04/08/30 12:52
コヴァ信者に「本読め」ってレスするとヒスおこすから面白い
>568
あいつらにとっての本とは漫画です
まああの漫画って妙に密度が濃いけどな
571 :
無名草子さん:04/09/04 17:14
■中国人、謝永光著「日本軍は香港で何をしたか」より抜粋。
最初の数日間は平穏無事で、「皇軍」の姿は全くみられなかった。
ところがある日、突然五、六人の‘獣兵‘が現れ、麻雀をしていた四人の女優を輪姦したという。
前述の女優は日本軍の馬丁に暴行されたが、この馬丁とは恐らく朝鮮人に違いなかった。
(中略)
香港占領期間中、多くの朝鮮人が日本の軍服を着ていたが、一般の日本人よりも背が高く、日本の正規軍よりももっと凶暴だった。
このとき民家に乱入して婦女暴行を働いたのは、ほとんど日本人の手先となって悪事を働いていた朝鮮人であった。
当時香港住民は日本軍に対するよりももっと激しい憎悪の念を彼らに抱いた。
■元パリ・マッチ特派員アルフレッド・スムラー著「日本は誤解されている」より抜粋。
「別に日本人戦犯の責任を軽減するつもりはないが、占領地域で最も嫌われたのは、このころ日本国籍を持っていた朝鮮人だったことに注意しておかなければならない」
※パリ・マッチ・・・フランスの歴史ある雑誌
ttp://bookwebpro.kinokuniya.co.jp/files/magazine/Paris%20Match.jpg [ソースチェック]
■とある内科医の述懐「キヤンガン、山下将軍降伏の地―フィリピンの心象風景」より抜粋。
山では仲間どうしの信頼関係が全てだ。
韓比日の3人で風雨の中、ピークを踏む寸前のこと、小休止のときアンがコリアンと知らないフィリピン人の彼が言った。
「日本の占領下で最も残虐だったのはコリアンだった。赤ん坊を投げて銃剣でうけたのも彼らだった。皆がそう信じている。」
一気に遭難しそうになったパーティを何とか支えつつ、私はキアンガンの将軍の亡霊を見たような心持だった。
その後も各地でこの噂のような言説をきくたびに、愛国者たるアンの胸中が想われてならない。
ttp://www.net-ric.com/advocacy/datums/95_10irohira.html ■中国人が描いた絵「旭日旗を持った朝鮮人が中国人を殺す」
ttp://japanese.joins.com/transboard/upfile/up28088.jpg
572 :
無名草子さん:04/09/04 17:41
573 :
無名草子さん:04/09/04 22:02
およそ、他者を差別し敵をつくって安堵する、暗愚な小人は救いがたいですね。
彼は何も持たず、何も自信がなく、満足できない現実生活の憤懣をネットにぶつけるしかない。
もちろん読書もロクにしないので、吉村昭など読んだこともない。
2chだからというだけで迷いこんだ、奇妙な右翼プロパガンダマニアくんですから。
自意識過剰で、誰からも遇されない劣等感を勝手に持ち、精一杯観念の上昇を図って優位に立とうとするも、
出来るのが2chを真にうける差別の口真似。
一種の病気だし、民主主義の理念すら、学校で学習する能力がない子の蒙を啓くことは、困難です。
>>519の「関東大震災」の感想で書いたとおりですね。
>さらに在日朝鮮人への狂気の暴虐。
>デマといえばそれまでだが、民主主義の現代でさえ、
>あらゆる差別が拡大再生産されている、他ならぬこの2ちゃんねるを
>想起して、平時でこれでは、と暗澹とした気分になる。
>情報化社会とはウソで、いつも政治的デマゴーグたちに情報は遮断されているのだ。
574 :
無名草子さん:04/09/07 08:45
これだから捏造体質の左翼くんはバカにされるんだよね。
「市民」とか「民主主義」と口にしながら、その反面しか
理解していないのが大半だし、おそらく佐伯啓思なんて読んだ
ことないんだろうね。
捏造してまで自国を貶めたいという倒錯的な感情がある種
の病気であるということを早く自覚すべきだね。
佐伯啓思がどうかしたのか。
近年売り出した程度の諸君文化人の一人が、なぜか珍しいらしい。
語り口調は低くても、呉智英あたりの方が先見的で本質的だろうしな。
で、なんか吉村昭に関係あんのか、坊や。
まるきり、最初に触れたシロモンにインプリンティングされてやがる。
しょせん保守思想に、いちいち頷いてるだけの頭の悪い幼稚なウヨ坊は、
せめて福田恒存レベルの名前を出せよ。
ま、こいつの「読書」は「雑誌(それも言わずとお決まりの)」が数冊と、
クズ情報と街宣に占められた「ネット掲示板」、その手の板のガキだろう。
よしよし。
こんどしょせき板に来るときは、吉村昭(よしむらあきら)先生のごほんを、
ちゃんと、読んでからだね。
じょうずな、かんそう文をかいてみようね。
576 :
無名草子さん:04/09/07 23:02
>>573で相手にした私も馬鹿でした。申し訳ありません。
吉村昭は作家の中でも、文章が端正で、その点が好きです。さすが純文学から始まった人、でしょうか。
(そのわりに純文関係では、お連れ合いの津村節子さんの方が多いような気が、笑)
だから、読んでるような気もしますね。イッツ、クール。
「冷たい夏、熱い夏」では身内の病気がテーマですから、さすがに文章が乱れ、くどい(二、三ですけどね)。
思うにドキュメンタリー的「小説」が、吉村の真骨頂だと思いますし、
また、そういうレスも多い。でも作家の本質が初期に顕れるというように、想像だけで書く小説で、
吉村昭を見ることが出来るし、またそれが書けないと小説家になってないでしょう。
「星への旅」のリリシズムがあってこそ、数々のドキュメンタリー作品も書けたのだ、と思ってます。
ちなみに好きな作品は「仮釈放」。これは取材があっても、フィクション。救われない話でなんとも…。
577 :
無名草子さん:04/09/10 19:37:25
本日の読売新聞朝刊に『ポーツマスの旗』関連の特集記事有り
でもまた今回も地域差がありそうな予感
578 :
無名草子さん:04/09/22 00:14:01
いやー、いいですね吉村作品
2ヶ月前に「坂の上の雲」(司馬氏)を読んで補完のために「ニコライ遭難」
「海の史劇」「ポーツマスの旗」「白い航跡」を読みました。
今まで司馬遼太郎・津本陽しか読まなかった私にとっては吉村氏の淡々と流れる
展開、文章が非常に新鮮であり、逆にすんなり消化されると言った印象です。
他にも興味があるところで「桜田門外の変」「天狗騒乱」「生麦事件」を読みまし
たがどれも満足できる内容でした。
さらに吉村作品を読んでみたいと思います。
「遠い日の戦争」面白かったよ。逃亡ネタを扱ったものは皆良いね。
主人公があえて「メール欄」のがミソだな
気に食わない情報は捏造。
自論と異なる意見は妄言。
敵対勢力は売国奴。
なんだ、半島の連中と言ってることが同じじゃんw
582 :
無名草子さん:04/10/07 15:02:38
馬鹿は放置で
>>580 >逃亡ネタを扱ったものは皆良いね
ああ、そういえばそうだよねえ。
「長英逃亡」は文庫になった時が初読だったけど、
うかつだった、単行本発刊の時に読めば、色んな書評が読めたのに、
と後悔した記憶がある。
「冷たい夏、熱い夏」を読破。
インフォームドコンセントが確立されてない当時では、吉村昭氏が病状を
隠し通すのもしょうがないのかと思ったが、やはり弟さんの最期は可哀想だね。
漏れが弟さんの立場なら、あの世でも吉村昭氏を怨むと思う(w
ガンの告知って、
結局、当人の性格次第だから。
弟さんの場合は隠しておいて良かったと思うよ。
吉村昭先生の新聞小説がはじまります。
朝日新聞(夕刊)で10月16日から、題名は『彰義隊』です。
朝日は『天狗争乱』以来ですかね!?
>>587 『彰義隊』ですか。
また渋いところを小説にしますね。
名前は知られていても、あまり小説になっていなかったと思います。
私が読んだ覚えがあるのは司馬遼太郎の「花神」の中で、です。
江戸の地理を知っていなければ少々難しい気もします。
それでも興味深いところですね。
かく言う私は長州出身であります。
「漂流」で、ナンマダブ〜って言いながらあほう鳥をたたき殺す場面、
リアリィティありすぎ。
>>589 何年ぶりかの「にぎりめし」だったのに、身体が受付けないとこなんか
ウルウルきますし・・・。後から流れ着いた人々が、卵の殻にためた水を
飲むところは、ほんとうに上手そう。月代を剃ってもらい、別人のように
さっぱりする場面とか、もう画が目に浮かびます。
ただの白湯をあんなに美味そうに描いた人がいたでしょうかww。
ほんとに、描写がうまいなぁと思いますね〜。
591 :
sage:04/10/14 16:51:38
ある日、本屋で「漂流」を手にして、その面白さから「アメリカ彦蔵」「破獄」
「破船」と読みふけりました。一段落した今でも感動が残ってます!
で、この夏に黒部に行ってきまして、次は「高熱隧道」かな?未だ実現せず。
でもここ見て他にも面白そうなのが多いね!
>>591 夏の黒部に行かれたんですか、いいなぁ〜。
ぜひトンネルつながりで、「闇を裂く道」もお試しあれ!
(裕次郎さんの「黒部の太陽」が観たいな・・・古いかw)。
593 :
sage:04/10/15 11:16:34
>>592 黒部では残念ながら大雨に見舞われて、放水も無く、びしょ濡れで
ちょっと変わった思い出になりました。
昨日覗いた本屋には置いてなかったようで、他の作品を読みながら
探します!本を探すのも楽しいですよね!
>>593 あらあら、そうでしたか〜。
夏とはいえ、高地ですから、大雨だと寒いくらいだった
のではないですか?
あったか〜いお蕎麦なんかいいかも(お酒といっしょにw)。
そうですよね、本をさがすのは読むのと同じくらい楽しいですよね。
アマゾンなんかで「一本釣り」するのも便利ではありますが、
あてもなく本屋さんを見て回るのがいいなぁ。
都会にある大書店よりは、中規模ぐらいが私には丁度いいみたいです。
いろんな分野のコーナーを眺められるから・・・。
595 :
sage:04/10/18 15:39:58
>>594 そうですね!私も吉村氏の作品を最初に手に取ったのも
こぢんまりした本屋で偶然でした!
「高熱隧道」読み始めました!時間の合間を見つけて
じっくり読みます!そう言えば、トロッコ列車の案内放送で
ちらっと紹介してました!
596 :
無名草子さん:04/10/24 13:14:33
戦記もの(海の史劇他)、歴史小説(長英逃亡他)、ドキュメント小説?(闇を裂く道他)、を中心に
かなり読んできたつもりでいたのですが、未読のものも結構残っていることに気づき、
この秋まとめ読みをしようと思い立っています。予定している作品は、
アメリカ彦蔵 深海の使者 零式戦闘機
あたりで、まずは1年余り積ん読状態となっていたアメリカ彦蔵を読み始めました。
597 :
sage:04/10/26 19:06:51
「高熱隧道」読み終えました!どの物語もそうなんだろうけど
その先は?もうちょっと読みたい!と思える作品は良いね!
あれこれ想像しつつ、いつの日かの再読を楽しみにします!
>>596さんのおっしゃるように、私もなかなか全作品を読了できませんw。
ま、全小説を含めて九割方は読んでるので、少ない方ではないと
思うんですが・・・。気がつくとすぐに作品が出てたりして。
古書店で、すでに持ってる文庫本をまた買っちゃったこともありますw。
ほんとに、吉村さんの旺盛な執筆には驚きます。先生の作品ばかり
手にしているわけにもいきませんから、私の場合は、小説重視で、
エッセイや作品ノートは後回しにしていますww。
「高熱隧道」に続いては、「間宮林蔵」を読み始めました!
吉村氏以外の物も探してみたのですが、なかなかコレっと思う物が
見つかりませんでした!
皆さんは、他にどのような作家さんのを読まれますか?
良かったら、教えてください!
なんとなく似ている、ちうなら新田次郎の「八甲田山死の彷徨」かな。
今の朝日新聞の連載で、はじめて吉村昭さんの小説を読んでます。
一時期、みなもと太郎氏の傑作「風雲児たち」と、
吉村昭氏の一連の江戸中期〜幕末ものを合わせ読んではまっていました。
「風雲児たち」を読んでいると、高山彦九郎、高野長英・・・・といった人たちについて
大いに興味が沸きあがってくるのですが、
それらの人達について詳しく書かれた吉村作品がそこにあった、というわけです。
もし、吉村氏の歴史小説は読んだことがあるが「風雲児たち」は知らない、
という方がおられれば、「風雲児たち」の一読を強くお勧めします。
「風雲児たち」と関連のある吉村作品を以下に挙げておきます。
冬の鷹 長英逃亡 ふぉん・しいほるとの娘
アメリカ彦蔵 大黒屋光太夫 間宮林蔵
生麦事件 彦九郎山河
以上何かの参考までに・・・・・。
綱淵謙錠さんの作品などはいかがでしょうか。
榎本武揚を描いた「航」あたりを。
それから、北海道を舞台にしたエンタテイメントで
佐々木譲さんの「五稜郭残党伝」。
あまり好きな方をお見かけしませんが、野呂邦暢(くにのぶ)さんも。
夭折された作家で、決して作品は多くないのですが、
私には珠玉の作品群に思えます。「鳥たちの河口」という現代ものの
短編集から高校生時代に読み始めましたが、時代ものにも素敵な
作品がありますよ。「諫早菖蒲日記」なんかどうでしょうか。
また、入手できればエッセイ集も(割合、古書店でもみかけます)。
続けてすみません・・・紹介させてください:
(11月1日付 朝日新聞夕刊より抜粋)
「幻の短編創作集 『青い骨』を刊行
無名時代の57年に自費で出版し、その後入手困難となった
幻の創作集を新たに編集、内容を一部入れ替えた。
表題作などおおむね20代の短編6編。肺結核が治り、大学に
通いながら、卒業後は会社勤めをしながら同人雑誌に発表
した作品だ。
(中略)
吉村氏は、『当時月給2万円だったが、自費出版は12万円するという。
貯金をはたいても足りなかったが、印刷会社が残りはボーナス払いで
いいといってくれた。あのころはひたむきに、夢中で書いていた』
と回想している。五月書房刊、2310円」
みなさん、面白そうな作品の紹介、ありがとうございます!
合間、合間なので読むのが遅いのですが、何かの折りに手に取って
読んでみたいです!
読書の秋でも時間がなかなかとれなく「間宮林蔵」も途中なのです!
『青い骨』って「少女架刑」が入っていたっけ?
>>606さん
(ご紹介しておきながら、お返事が遅くなってすみません)
注文したばかりで現物が手元に無いため、確かではないのですが、
今回編集復刊の「青い骨」には入ってないようですね。
また、ご存知の通り、新潮文庫版「星への旅」に「少女架刑」は
収録されていますが、その奥書を見ますと、従前の「青い骨」にも
含まれて無かったようです。
608 :
無名草子さん:04/11/05 20:08:44
島抜け、買いました。
これから読むよ。
感想はあとで。
>>600 あっぱれw漏れもそれ大好きだ。
新田次郎は生前映画「八甲田山」を「小説以上のでき」と激賞してた。
しかし映画も良かったが小説はもっとおもしろい。
1冊目の文庫がぼろぼろになったので2冊目買ったくらいだな。
このスレ今日発見したんだけれど、面白いね。
吉村昭先生を語る友人って周りにいないからなぁ・・・。
>>596 戦記ものでは『深海の使者』お勧めですね。
『零式艦上戦闘機』は『戦艦武蔵』とともに戦記ものとゆーか
『高熱随道』系の工事ものに近いものですね。
>>591 破船で思い出したが、天然痘をテーマにしている作品が多いことに気づいた
612 :
606:04/11/09 00:19:31
>>607 丁寧なご返事ありがとうございます。
こちらこそ遅い返事で申し訳ありません。
「青い骨」「星への旅」ともに人に貸して早二十年、未だ帰って来ずで
後悔していたんですな。
とりあえず「青い骨」が再び手に入ると思うとうれしいですわ。
>>606さん
いえいえ、そちらこそご丁重にw。
だいぶん以前に、このスレで「青い骨」を熱心に捜している方が
おられたのを記憶していて、復刊の記事はお知らせしたほうが、と思い立ちました。
古くから吉村さんを読んでこられた方には、きっと大切な一冊なんですね。
貸した本、ほんとに返ってきませんねェww、不思議なくらいです。
CDやDVDだと、そんな風でもないんですけど・・・。
思いっきり蔵書印を押してあるのになぁw。
614 :
無名草子さん:04/11/14 21:55:49
『島抜け』の新潮文庫版、文字がでかすぎて読みにくくてイライラしたのを覚えている
いかん活字中毒
>>614 2002年に講談社文庫から出た「新装版 日本医家伝」てのも
スゴイですよぉ〜。手に持って、遠ざけて読もうかと思うくらいww。
一度、現物を手にしてみて下さい・・・あきれられるはずです。
何事でも程があるっちゅーにww。次に違う文庫本を読む時に、
めちゃくちゃ読みにくいじゃないですか〜!!
お久しぶりです!未だに「間宮林蔵」が読み終わりません!
で、先日ふらっとブックオフに入ったら、新潮文庫の「海馬」が
あったのですが、どんな物でしょう?前スレには出てなかった
みたいなので、あまり読み応えないのかな?
日頃から思っていた、吉村作品に対する疑問を聞いて下さい。
「ニコライ遭難」っておもしろいすか?
漂流+歴史で面白いのありますか?
618 :
無名草子さん:04/11/15 21:56:57
>>616 動物ものです。
どうぶちゅを通じて人間模様をえがく、って感じかなぁ
ちなみに私が吉村さんの作品をはじめて読んだのが「海馬」と「羆」でした。
それと、映画「うなぎ」の原作も収められてますよ。
619 :
無名草子さん:04/11/15 22:05:34
>617
「島抜け」
ただし字がでかすぎてめちゃくちゃ読みづらいから気をつけて
>>619 アメリカ彦蔵とかどうでした?丁度親父の本棚にあったんで。
>>617 こんばんわ〜。
吉村先生の作品は、他のかたが紹介されると思いますので、
この際、違う作家のものを3冊ばかりいいでしょうか(ごめんです):
1.春名徹「にっぽん音吉漂流記」(晶文社)
ご存知、あの名作「漂流」の音吉さん・・ではありませんw。
こちらの音吉さんも大変な経験をします。激動の時代に出会います。
2.春名徹「世界を見てしまった男たち」(ちくま文庫)
いろんな漂流、異文化との遭遇があるもんです。
3.松見正宣「キャプテン月川物語」(近代文藝社)
海軍軍人への夢破れ、海外で船長をめざし出国。
NZに漂着、定住し現地の尊敬を集めるキャプテンに
なった明治人のお話・・・こんな人もいたんですね。
出版社が変わってたり、入手がすぐにはむずかしいものも
入ってるかも知れませんが、ごめんなさい。
622 :
無名草子さん:04/11/16 01:32:11
>>617 >「ニコライ遭難」っておもしろいすか?
ニコライが襲われるまではかなりつらいのですが、事件が起こってからは
その処理問題で国内が揺れ、怒涛(ちょっとオーバー)の展開です。
政治家と児島これかたを中心とする司法の対決や明治天皇の誠実さぶりが印象に残る。
吉村作品が好きな方なら満足するはずです。
明治の熱い男がここにもいた!
>>617ですが、レスして下さった方、ありがとうございました。
また質問したいのですが、歴史系短編集でいいのありますか?歴史系以外でも面白いのあったら教えて下さい。
624 :
無名草子さん:04/11/16 23:10:53
>>623 短編集(というか中編集)では「敵討」がお薦め。江戸末期の敵討ちについての作品が2編入っています。
主人公が敵を探して全国を旅する、という物語が、吉村氏の無駄のない文体で描かれており、
短編ながら密度の濃い充実感が味わえます(文字も丁度いい大きさで読みやすい)。
森鴎外と戦って脚気を癒す話あったよね。
あれなんだっけ?
627 :
無名草子さん:04/11/20 00:06:31
「長英逃亡」面白かったのだが、「汚名を挽回する」という表現があるのには萎えた
藻前はジェリドか(w
>>627氏の的確な指摘は、
「呆れるほどの美味さだった」ww。
「堺事件」・・・切腹場面の描写がすさまじいね。
数日前に「間宮林蔵」読み終わりました!
次は?次は?という激しい展開では無かったけど、
じっくりと楽しく読めました!名前くらいしか知らない人物
だったので、意外な一面にびっくりでした!
なんだか熱い奴が現れたな。いや、けっこうけっこう。
ドンドン読め
633 :
無名草子さん:04/12/06 17:35:25
このスレ見て「彰義隊」のこと知った・・・
資料以外で読んだことがないので、小説の形態になったら、
また吉村氏が書いたらどのようなものになるのだろうとワクワクしますた
634 :
633:04/12/06 17:38:51
遠い日の戦争、か空白の戦記かどちらか忘れたのですが、
沖縄戦で、愛国心に燃えた少年が逃げる大人を罵倒して…というような内容の短編を
読んだとき、思わず残酷描写に吐き気を覚えました。
吐き気、と言っても、ただ単に気分の悪くなるというようなものではなく、
まるでその現場を目撃してしまったかのような錯覚を伴うものでした。
小説家の力量を感じたのも吉村氏が最初だったなぁ・・・
632さんに言われたからではないけど、次はちょっと前に
聞いた、海馬を読み始めたよ!
また、じっくり淡々と読んでるよ!
友人はミステリーファンばかり。あれは残酷だとか読み応えあるとか
東野やら京極やらそんなんばっかで吉村作品の話は全然挙らない。
吉村先生の作品のほうがよっぽど残酷で読み応えあり過ぎるくらいなのに…
自分にとって吉村作品はいつでも絶対だ。
637 :
無名草子さん:04/12/16 13:49:36
この人って本が売れるとかそういうことよりも、作品として書く価値が
あるかどうかの方が重要らしいね。
私情を挟まず、淡々と描写を積み重ねて行くというスタイルは駄作が
生まれにくいし、作家として、立派。
638 :
無名草子さん:04/12/16 14:20:04
鉱石のような文体。圧倒的なリーダビリティー。強固な歴史意識と矜持。
唯一欠けていると思われる要素、強いて挙げるとすれば「ユーモア」か。
似たタイプの作家はいませんかと尋ねられて迷う。このひとの歴史小説に
のめりこみ、標準になってしまうと、もうほかの作家のものは読めない。
ベスト5は「長英逃亡」「ふぉんしいほるとの娘」「破獄」「天狗争乱」「冷たい夏熱い夏」。
エロも欠けてるっしょ
>631
「間宮林蔵」は静かに面白いよね。
ロシア人に攻められて皆が逃げようとしているのに
「私だけは徹底抗戦を主張しましたって一筆書いてくれ!」って食い下がる林蔵、
結構微妙な人物像・・・。でも、これもまた信念の人だ。
鴎外に影響を受けている気がするのだが、
皆さんはどう思われるか?
642 :
無名草子さん:04/12/18 23:30:08
最近義経関係の本が書店で平積みになってますが、
平家物語の入門書として最適なのは何といっても
「吉村昭の平家物語」(講談社)だと思います。
もとの物語から修飾部分を極力省き、吉村流の無駄のない
文体で長大な物語をコンパクトにまとめており、一気に読ませます。
「祇園精舎の鐘の音には、諸行無常の響きがある。
栄えた者も、おごりたかぶればかならずほろびる。それは、
吹く風の前のちりのように吹きとんでしまう。まことにはかなく、
それが世の習いなのだ。
よい例が平清盛である。」
上記冒頭の部分を原書と読み比べてみると、いかに無駄なく正確に
まとめられているかがよくわかります。
高校時代に「戦艦武蔵」で挫折したけど、最近「ポーツマスの旗」を
読み終えることができた。日本の政府高官にもこんなに聡明な人が
いたのかと、驚きと感動を覚えた。なんというか、政府の体質が
現代と違いすぎ。かつてはしかるべき人が責任者の地位について、
ちゃんとイニシアチブを取ってたんだね。
三陸海岸大津波は読んだか。単行本は海の壁だぞ。
645 :
無名草子さん :05/01/16 18:53:31
吉村作品にのめり込み、手に入る物はすべて読了した。
今は津村節子さんを読んでます。ちなみに、今読んでいるのは「炎の舞い」です。
こんな良い奥さんがいるから、良い作品がかける。
まさしく、相乗効果化だと思うけど、皆さんはどう思われますか。
芸術院会員にもご夫婦そろってなっているし。
彰義隊いいね。
官軍と称する連中が如何にろくでもない奴らだったかきっちり書いてくれてるのが嬉しい。
647 :
無名草子さん:05/01/23 16:35:30
『漂流』読みました
今まで僕が読んだ読んだ吉村作品の中で間違いなく5本の指に入ります.
ちなみにほかの4本は『魚影の群れ』『高熱隧道』『羆嵐』『蚤と爆弾』かな。気分によって変わりますが.
これから書店に鳥島関連の本を探しに行きます.
吉村作品って、もっとそのテーマについて調べてみようって気にさせてくれるところがたまりませんよね。
ディテールがしっかりしてるからね。
他の作家にゃ真似できねぇ
>>647 『漂流』面白かったですよね!5作品のうち『羆嵐』『高熱隧道』
と私も楽しく読みました!他の2つは未読です!
このように並んでると読みたくなりますね!探してみます!
>>649 『羆嵐』楽しく読めましたか・・・私はあまりに怖くてビクビクしながら読みました
あれはこわすぎる。あまりにもこわい。
でも並の奴が漫画やドラマとかにするとたいして怖くないんでせうね。活字だからこそ、頭の中で巨熊が独り歩きしてどんどんこわくなっていった気がします.活字万歳
以下は余談ですが、銀牙って漫画の赤カブトっていう人喰い熊の目が光るシーンはこわかったっす.
651 :
無名草子さん:05/01/28 23:02:18
■01月30日(日) - 午後 10:15 〜 午後 10:55 - NHKラジオ第1
ラジオ文芸館「海 猫」
【作】吉村 昭
【語り】富本 修志
>>650 ずいぶん前、気軽にホラー小説のスレに紹介してやったことがあるよ。
これこそホラーだよ、てな感じで。
半年一年たってスレ読んだら、反響があって、定番になっていた…。
嬉しかったが、どうなんだ、それ…w
とりあえずすまんかったw
653 :
無名草子さん:05/01/30 16:36:55
新潮文庫『法師蝉』買ってきました。
今夜のラジオの予習します。
ラジオ、NHK福岡めが途中で臨時ニュース入れおって。録音してたのにー
>>650 楽しくって語弊があったかな?怖かったですね!でもその
怖さが、次は?どうなるの?ってワクワクしてたのを、楽しんで
ました!他の作品もそうですが、そのワクワク感が私の中で
一つの基準になっているようです!
>>648 しっかりというか、「ここまでやるのか」と思うよ。
尋常じゃない。
奄美大島でハブ狩りを職業にしている男の元へ、内地の男が
ふらっと訪れてくる、という筋の短編があった。あの作品は大好きだ。
螢の養殖にチャレンジする男の短編、あれも好きだ。
「星への旅」はおっそろしい作品だが気に入っている。
瀬戸内海の島で、鼠が大繁殖する話。あれもすばらしい。
上野動物園の話。あれは泣けた。
短編も、珠玉の作品が数多い。
吉村氏はもう高齢だが、がんばって最後まで書き続けて欲しい。
本が手元にないので、タイトルが分からない作品はネタバレしないように
書き込んだつもりなので、どうかご容赦願いたい。
闇を裂く道
虹の翼
仮釈放
雪の花
買ってきました。しばらく時間がないから読めないけど春になったら読みまくるぞー
ドゥリットル吉村
660 :
無名草子さん:05/02/26 17:32:43
保守
661 :
無名草子さん:05/03/05 15:05:26
新潮文庫『生麦事件』上下巻買いましたが
字がでかすぎませんか?もうすこし小さい字にすれば一冊にできるのに
読みづらい!!
うむ、たしかにデカい。
どうりでページ進むの早いわけだ。
べつに読みにくいとは思わんが
663 :
無名草子さん:05/03/06 13:17:01
よっしーなら『少女架刑』を読まなきゃまだまだシロウトでし。
664 :
無名草子さん:05/03/08 03:48:29
今週の日曜くらいにNHKアーカイブスで
「破獄」やるみたいです。見たこと無いので楽しみ。
既出だったらすんません。
665 :
無名草子さん:05/03/08 08:09:02
久々に「漂流」読んだ。
自分船乗りなので最後は泣けた。
666 :
無名草子さん:05/03/13 14:36:42
>>664 今晩の11時10分からですね。
私はビデオの予約をしました。
668 :
無名草子さん:05/03/13 21:57:18
>>666 キミも。なろうと思えば。きっとなれる。
さあ、彼方まで。
一緒に漂流しよう。
670 :
無名草子さん:05/03/13 22:55:28
国営放送のその時歴史が動いた、で吉村先生のインタブーVが流れた記憶があるが
手震えてたような・・・記憶違いかな・・・先生ガンガレ。
671 :
無名草子さん:05/03/14 09:47:43
NHKで破獄見ました!映像での良さも感じたのですが、
小説で読んだときは、もっと重く深かったように感じました!
で、「赤い人」(でしたっけ?)も読みたいのですが、面白いですかね?
昨日の観たけれど、連続ドラマのダイジェスト版みたいな編集だったなぁ
放送当時のオリジナルはもっと長かったんだろうか?
原作とは違う設定でもかまわないけど、妙に継ぎ接ぎっぽい印象だった。
けど緒形拳は格好良かったな!
というわけで長英逃亡読み始めることにします。
昨日の観たけれど、連続ドラマのダイジェスト版みたいな編集だったなぁ
放送当時のオリジナルはもっと長かったんだろうか?
原作とは違う設定でもかまわないけど、妙に継ぎ接ぎっぽい印象だった。
けど緒形拳は格好良かったな!
というわけで長英逃亡読み始めることにします。
674 :
無名草子さん:05/03/14 22:40:20
ツマラン
>671
僕も破獄の後に赤い人読んだよ。
赤い人のほうが個人的には好き。
吉村さんって囚人もの多いですよね。特に短編
「赤い人」を読んだら直後にぜひ松本清張の「不運な名前」を読もう。
>>676.677
今は氏以外の作品を読んでいるので、「赤い人」早く読みたいな!
いつも本屋で探してる内に、違う作品を手にしてしまうからなぁ・・・
「不運な名前」はやはり囚人物なのかな?
679 :
無名草子さん:2005/03/28(月) 19:29:43
仮釈放読んだ。
すごく好きこういうの
他に似たようなのないの?
680 :
無名草子さん:2005/03/29(火) 01:06:09
>>679 俺も読んだ、殺風景な描写と主人公の激しさのコントラストに癒された。
681 :
無名草子さん:2005/04/06(水) 14:43:13
「熊撃ち」53-
「幕府軍艦「回天」始末」105-
「落日の宴-勘定奉行川路聖謨-」105-
「天狗争乱」105-
ゲット!
熊と回天は読了。
道央出身者なので、「熊」はガクブルしながら読み、
「回天」では、海戦以外で次々と沈んでいく船達の悲哀を感じました。
現在、「落日」にとりかかったところ。しばらく楽しめそうです。
淡々とした文体ってこういうもんだよなー。
「赤い人」、あまりメジャーではないけれども、内容は、壮絶、の一言だった。
仮釈放に似た作品は、長編では記憶にない。
川路聖謨、これはいい。幕末好きには、必読の書。
684 :
無名草子さん:2005/04/20(水) 15:03:41
以前「漂流」を呼んだ。無人島の恐怖を実感させられたような気がする。
685 :
681:2005/04/20(水) 19:22:21
>681に引き続き
「夜明けの雷鳴 -医師 高松凌雲-」を100円ゲット!
2003年に文庫化されたばかりなのに百円で出す近所の古本屋に感謝だっ。
オレは図書館で借りた
>>684 無人島を脱出した男もすごいが、吉村氏の、それに関する資料集めもすごい。
「タイムマシンでも使ったんですか」と言いたくなるほど、綿密に取材している。
ある意味変人だと思うよw
688 :
無名草子さん:2005/04/23(土) 15:24:13
確かに。
興味が湧いたらどこまでも調べそうだよね。
編集者にこのテーマはどうか、と聞かれて、
興味ないから書きたくねー、って返したのは
ある意味痛快ですよね。
690 :
無名草子さん:2005/04/23(土) 20:09:21
「逃亡」なんか実際に本人と話ししてそれで書いてる。
男は、闇を信じていた。
からの始まりが良かった。
三陸海岸大津波!
「漂流記の魅力」 漂流記物を書いた際の余録とかそういうのかと思ったら 全然違って がっかり
>692
うーん、新書だからね。
そういうのはエッセイみたいな形で文春文庫あたりから発表するものじゃないかな。
>>692 その手の本は、少し中身を見てから買うのが吉。
696 :
無名草子さん:2005/05/14(土) 09:17:38
吉村氏は、奥さんの津村節子さんの作品を読んでいないと言っていますが、
「海鳴り」のラストと「星への旅」の集団自殺シーンの雰囲気が似ている気がします。
同じ屋根の下に住み、同じ飯を食っていると、死生観も似てくるのでしょうかね。
最新刊「暁の旅人」一気に読了。
また医者ものか、と思いつつも読み出したらやはり止められない。
それにしても先生の歴史物は、事実を、出来事を、感情抜きで
ひたすら積み上げていってるという展開が多いですが(誰が、いつ、
どこに行って、何した等)、その中から人間的な感動が昇り立ってくる
のが不思議です。まさに文章のマジックですね。
はじめて生で会えて嬉しい〜
サイン本大切にします。これからも
ずっと応援してますvvv
いいなぁー
サイン会の情報とかってどこで収集すればいいんだろ
701 :
無名草子さん:2005/05/22(日) 19:17:22
「間宮林蔵」読んでます。
「落日の宴」は既読なのですが、
その中で、川路が、「樺太北部にロシア人の姿はない!」と
強い態度で臨みながらも、ロシア側が暴発しないように
極めて慎重に交渉している場面が思い出されてゾクゾクしまスタ。
702 :
sage:2005/05/23(月) 10:45:57
「落日の宴」本日読み終わりました!淡々としたなかでもプチャーチン
との折衝は緊迫でした!私には予想出来なかった結末が、また強烈に
印章付きそうです!他にも面白かった物を教えてください!
703 :
無名草子さん:2005/05/23(月) 21:02:32
大黒屋コウダユウ文庫化あげー。
まもなく発売。
『虹の翼』読んでます。
私も死ぬ気で仕事やれば認めてもらえるかも
匠よ勇気をありがとう
705 :
無名草子さん:2005/05/30(月) 12:38:05
706 :
無名草子さん:2005/05/31(火) 23:41:03
NHKで『漂流』の主人公、長平のお話やってたよ。
>>706 うへ、マジ?
俺読んでる真っ最中。だけど海外…orz...
708 :
無名草子さん:2005/06/20(月) 09:36:42
吉田満著書 乗組員救助の記述 戦艦大和の最期 残虐さ独り歩き
救助艇指揮官「事実無根」
戦艦大和の沈没の様子を克明に記したとして新聞記事に引用されることの多い戦記文学『戦艦大和ノ最期』(吉田満著)の中で、
救助艇の船べりをつかんだ大和の乗組員らの手首を軍刀で斬(き)ったと書かれた当時の指揮官が産経新聞の取材に応じ、「事実無根だ」と証言した。
手首斬りの記述は朝日新聞一面コラム「天声人語」でも紹介され、軍隊の残虐性を示す事実として“独り歩き”しているが、
指揮官は「海軍全体の名誉のためにも誤解を解きたい」と訴えている。
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050620-00000000-san-soci
709 :
無名草子さん:2005/06/20(月) 10:19:13
>>708 まあデタラメだってのは最初からわかってたけど(苦笑)
吉村某もさっさと訂正しないと訴えられるんじゃねえの?
あ、吉村はフィクションの絵空事だから関係ないか(苦笑)
710 :
無名草子さん:2005/06/20(月) 13:07:39
台湾人 楊素秋( 昭和7年、日本統治下の台湾・台南市生まれ)さんの著書より
『日本人はとても素敵だった』
http://www.sakuranohana.jp/book_suteki_d21.html 靖國神社に参拝してなぜ悪い?
なぜ靖國神社に参拝してはいけないのでしょうか? 靖國神社に首相が参拝すると、
中国や韓国から非難され、日本国内ですら反対論が声高に叫ばれますが、自国の
先祖の霊を鎮めるために行くんだと、自国民の霊を弔うのがどうしていけないのかと、
それと君たちの国と何の関係があるかと、内政にまで口をはさむなと、なぜ言えない
のでしょうか? 不思議で仕方ありません。
今でも兄とよく話すのですが、もし、大東亜戦争がなかったらどうなっていただろうか、と。
恐らく今の東洋の発展はなかったのではないかと思います。西洋の文化に侵略されて
東洋の文化は失われていたでしょう。このように、大東亜戦争は白人の侵略を防ぐことが
出来たという素晴らしい功績を残したことも、また事実なのです。それなのに、日本は四十
年も五十年もお前だけが悪いと言われ続けています。
そして、負けた側(日本)がある程度経済的に豊かになると、今度は、「弁償」という言葉
のもとにゆすろうとする。これはやくざのやり方です。中国や朝鮮・韓国は、それをずっと
やり続けています。
テレビを見る度に日本の悪口を言ってる朝鮮の人などを見ると、私は憤りに似たものを
感じます。不公平だと。してもらった良いことに対して、なぜありがとうと言わないのか、と。
711 :
無名草子さん:2005/06/20(月) 14:38:37
>>539 >村人が初めて輸送船の沈没を知ったのは、海岸に漂い流れてきたおびただしい水死体だった。
防寒帽に防寒服、それに救命胴着をつけた下士官、兵の遺体で、
「なぜか知らぬが、腕のないものが多く・・・・・・」 と、漁師は言った。
ということは何人も救命胴衣をつけて切られるまでおとなしく待っていたのか。
百人斬りと同じパターンだな。
救助艇の士官が指揮刀を携行していくことなら有り得そう。
で指揮刀がなぜか「日本刀」になり、
指揮刀振って、手を振り払っているのが「斬っている」になり
ついでに「手首がバサバサ斬り飛ばされている」という尾ひれがついた。
こんなとこかな?
フィクションが史実化するってのは、お隣の国のようで嫌だ。
714 :
:2005/06/20(月) 21:21:44
>>711 >「あなたも切りましたか」
> かれは、一瞬黙り、
> 「私は暗号を抱いて舟艇の真ん中に座っていました。靴で蹴っただけです」
> と、少し頬をゆるめながら言った。
> 私は、無言でうなずいていた。』
が抜けているよ。
715 :
無名草子さん:2005/06/20(月) 21:27:52
おやおや、産経の記事と、一人の台湾人で勢いづいてきましたね。
まあ、どうやったら船縁に捕まっている人間の手首を切れるのかと。
指ならともかく手首は位置からして無理があるだろ。
717 :
無名草子さん:2005/06/20(月) 22:53:49
素朴な疑問。小説ってなんですか??
718 :
無名草子さん:2005/06/20(月) 23:13:08
>救助艇の船べりをつかんだ大和の乗組員らの手首を軍刀で斬(き)った
シナの古典が元ネタだろうね。
どの本かは忘れたけど撤退戦で船縁にしがみつく味方の指を斬っていて、
船底に掬えるほど指が溜まったっていうアチラ式の表現の文章があったはず。
720 :
無名草子さん:2005/06/22(水) 02:27:59
最近吉村昭にはまって、今「羆」読んでます。
「蘭鋳」まで読んで、あまりの読後感に続きが読めなくなっています。
なんかちょっと立ち直れないような気分です。青みどろ。
続きを読む前に覚悟だけはしておきたくお伺いしたいのですが、
この先更に鬱な話が出てくるのでしょうか。
本を読むということは、色んな意味で覚悟を引き受けることですよ。
ささいな暇つぶしであれ、真剣に思考するためであれ。
小さな決断の場面でも、人はみな初期実存主義者です。
読む選択、読まない選択。
あなたの場合、時間をおこうがどうしようが、結局読むんでしょうから、人には頼らない。
それも本を読む楽しみの一つですよ。
吉村昭は、日本軍が常に極悪でないと都合が悪いわけだな。
真実なんてどうでもいいわけだな。
たとえ真実が明らかになっても、認めたくないわけだな。
吉村センセーはジャーナリストじゃなくて作家なわけだが。
史実がどうであれ先生に非があるとは思わない、というか筋違いだ。
読者の受取り方は勝手でもいいけど、それを発言するときゃ
もうちっと慎重に考えたほうがいいんじゃねか?短絡過ぎ。
いろいろな推論が可能なわけだが、個人的には吉村昭氏が戦場のデマを
真に受けて、事実かどうか確認せずに書いてしまったのだと思う。
センセ自身が、20世紀ものは、史料が多すぎてその取捨選択が少々ウザイといってるよ。
対して19世紀ものは、程良い史料の間隙を小説家的に埋めていくのが楽しい、と。
一人そういう話にしたいやつがいるんだな。ずっと上のほうで言ってたやつか。しょうもな。
?
エッセー読んだら、探して遊びに来いって言わんばかりの勢いで
自宅の場所に関する情報流してるけど、大丈夫なんだろうか
『海の祭礼』読んだ。最後は切ないなあ。
730 :
無名草子さん:2005/07/08(金) 02:12:29
橋本忍脚本の映画が好きでよく観ました。吉村昭の本を読んでるとその人の映画を思い出します。
淡々と進んでラストがやりきれないあたりとか。
まだ吉村作品は読み始めたばかりです。何かおすすめがありましたら教えてくださると嬉しいです。
今まで読んだ中では好きな順から
高熱隧道>羆嵐≧漂流=破獄=破船 です。
戦記物は苦手なのでそれ以外、または苦手でもこれから入れば大丈夫!というのをぜひ。
ポーツマスの旗、ふぉん・しいほるとの娘、落日の宴が自分のベスト3
ポーツマスの旗で日露戦争に興味がわけば「海の史劇」を読めばいい
>>730です。
>>731 調べてみた所「ポーツマスの旗」が入りやすそうなので、この作品から読んでみます。
>>732 どうしようか悩んでいたやつです。ぜひ読もうと思います。
お二人ともありがとうございます。
>>730 「間宮林蔵」→「落日の宴」といけば戊申戦ものに入っていけるかも。
タイトルは失念したけど、胃カメラものとか良いかも。
>>734 胃カメラもの→『光る壁画』
私も好きです。日本の良き仕事人の物語…て感じで。
>>734,735
ありがとうございます。
「間宮林蔵」から入って「落日の宴」、それに「光る壁」ですね。
他の方の紹介してくださった作品と合わせて、早速探し始めたいと思います。
読む予定のものがたくさんできて嬉しいです。
737 :
無名草子さん:2005/07/10(日) 18:48:16
「桜田門外の変」読了
「冬の鷹」スタート
738 :
無名草子さん:2005/07/10(日) 19:19:11
この人たしか東大だったよね。なら今度よんでみよっと
739 :
:2005/07/10(日) 20:08:10
「大黒屋光太夫」新潮文庫になってるのをやっと気づいて買った。
>>703で書いてくれてる人もいたのに忘れてた。
まだ下巻を読み始めたところだけど、面白い。
20年以上前に読んだ「おろしや国酔夢譚」ではロシア国内を移動する途中の苦しさばかりが記憶に残っているのだが
吉村氏の光太夫はもっと複雑な人間関係や苦悩が描かれているような気がする。
新しい史料のおかげでもあるのだろうが。
741 :
無名草子さん:2005/07/14(木) 02:13:37
フォん・しいほるとの娘 読了。
読み応えは、十分すぎておなかいっぱいで腹痛気味です。
幕末から明治への日本の激動期を背景に不運な女たちの運命が大変よく浮き彫りにされてると感じました。
巻末の資料一覧も圧巻。よく調べてあるなー
742 :
無名草子さん:2005/07/14(木) 04:43:58
あれは調べているフリをしているだけです。ひっかかったな
不運な女たちというのも嘘です。不運というのはみせかけで
これもまたあなたをだまそうとする意地悪なわななのさ
とにかく腹痛はいけない、正露丸をのむべし
743 :
無名草子さん:2005/07/15(金) 12:57:09
先日「赤い人」を読み終えました!物語っていうより北海道開拓史って
感じました。私の中では既読のものほどわくわくしなかったかな?
前スレで紹介されていた「少女架刑」を読みたく「星への旅」を購入
してまいりました!
744 :
無名草子さん:2005/07/19(火) 23:54:27
「闇を裂く道」読了
同じトンネルでも、高熱隧道と比べたら明るいラストだったかな・・・
こんど丹那トンネルをくぐるときには違った気持ちでいられそうです。
機会があったら丹那盆地もドライブしてみたいです。
745 :
無名草子さん:2005/07/21(木) 06:23:37
「関東大震災」だけは読んでいて嫌になった。
戦前の日本人に対する偏見に満ちていて、
まるで左翼全盛期の政治宣伝のようだった。
他の作品を読んだ限りでは
左寄りの人ってわけでもなさそうなのに、
どうしてあんなものを書いたのか不思議だ。
746 :
無名草子さん:2005/07/21(木) 07:01:32
>>745 「関東大震災」はまったくのデタラメだね(苦笑)
吉村氏ともあろう人が、あんなデマに惑わされた文章を書くとは心外だよ。
747 :
無名草子さん:2005/07/21(木) 07:07:40
>>738 学習院だよ。
高熱隧道はもう少し読者にハラハラさせてほしいよ。
小説だというならそういう努力も必要だろ。他の作にもいえるが。
748 :
無名草子さん:2005/07/21(木) 07:39:19
今ぉすすめの小説ってなんだぁ??
749 :
無名草子さん:2005/07/23(土) 07:01:12
今は歴史の方に行っちゃってるのかな。
吉村氏が書いた下山事件や狭山事件を
読んでみたいものだなあ。
750 :
無名草子さん:2005/07/24(日) 02:02:09
下山事件と笠山事件とかって吉村氏のてイメージとは違う気がするなぁ。読んではみたいけど。
歴史物だったら西南戦争を真正面に据えたものを書いてほしいです。
751 :
無名草子さん:2005/07/24(日) 23:24:10
『仮釈放』読了
感想は・・・吉村作品を読んで30冊目くらいですが、今いちばん打ちひしがれてます。
精神的ダメージが大きすぎる。
背中を出刃包丁で刺されたような気分です。
752 :
無名草子さん:2005/07/24(日) 23:27:52
そういえば、映画「うなぎ」の原作は『闇に閃く』だけど、殺し方とかシチュエーションは完全に『仮釈放』でしたね。
まあ夜霧よ今夜も有難うは唄ってないけど。
>>745 おれはおまえの感想を読んで嫌になったよ。
まるで2ちゃんねるの政治宣伝のようだ。
>>745 "戦前の日本人に対する偏見"というよりは、
"人間という生き物に対する偏見"なんじゃないかなあ。
この人、人間性の負の側面を好んで書くような傾向があるし。
755 :
無名草子さん:2005/07/30(土) 01:00:35
754
>>753 こんな過疎版で同じレスに対して(しかも9日前のレスに)1分違いでレスを付けるなんて奇遇ですねえ。
ついでにageておきますか。
>>754 「人間性の負の側面を好んで書くような」
それが吉村作品の真骨頂だよな。小説たる所以はそこだよな。
どの作品も進行自体は淡々としてるので
なんか歴史書とかと同類のように捉えがちな人も多そうだが
史実に沿ってるかどうかってのは出汁でしかなくて
それがメインでは無いだろ。
まぁこの人はその再現手段が他の作家より優れているかもしれんが。
極端言うと吉村昭は読者に物語への介入を与えず
読者はただ文字を追い情景を思い浮かべるだけ。
その心地よさを楽しむべきだと個人的には思う。
>>757 同意。
削り出したような言葉と文章のなせる技。
759 :
:2005/08/01(月) 21:19:32
ああ、書かれてしまった。
俺もいつか書こうと思いつつ、なんとなく書けなかった言葉が並んでる。
誰も同じようなことを思うんだろうな。
>>757 >極端言うと吉村昭は読者に物語への介入を与えず
>読者はただ文字を追い情景を思い浮かべるだけ。
>その心地よさを楽しむべきだと個人的には思う。
>>758 >削り出したような言葉と文章のなせる技。
大量に集めた資料と史料を削りこみ、余人の入る隙間を与えさせない精緻な物語を作っている。
フィクションも多分に混ぜているはずなのに、その縫い目を悟らせない。
どのシーンを読んでも違和感がない。
人物像に変なゆらぎがないからこそ、そこまで描けるのだろう。
しかし「こういう人間だ」と思いこめば、下手をすると平板な人間しか出てこなくなるところだが
登場人物の陰影も映し出される。
あと何本の小説を書いてくれるのだろうか。
無理をして書かずに長生きしてほしいという思いと、もっと読みたいという欲求が入り交じってしまう。
>>759 >大量に集めた資料と史料を削りこみ、余人の入る隙間を与えさせない精緻な物語を作っている。
資料で調べきれない箇所に想像を入れた史実というべきか。だから物語を作ってはいない。
ほとんどドキュメントだが、ドキュメントと称すると創作箇所が嘘になるから小説としてるんじゃないかな。事実と創作の縫い目が分からないし。
761 :
ケイサキ:2005/08/15(月) 05:34:15
しいほるとの娘 の惰性(?)で『長英逃亡』読みはじめました。
ゆんべから読みはじめて、気づいたら朝でした。上巻を全部読んじゃいました。
今日一日が不安です。
763 :
ケイサキ:2005/08/17(水) 05:10:32
長英逃亡、読了
すばらしいの一言です。
二宮敬作とか出てきてちょっと嬉しかったです。
しかし、結末はだいたいわかってはいたけれど、やはり切ないですね。
足跡を辿ってみたい衝動に駆られます。
>763
>足跡を辿ってみたい衝動に駆られます
気持ち悪そうなんで「長英」は読んでないけど、
天狗争乱を読んだとき同じ感想持った
765 :
無名草子さん:2005/08/18(木) 10:23:21
>>764 なんで気持ち悪そうなの?
顔を焼くところとか?それとも牢屋の臭気が漂ってきそう?
ところで、『陸奥爆沈』を読了しました。
なんだか、古い文体が多くて肩がこりますね。
次はもうちょっとスカッとしたのを読みたいのですが、お勧めはありますか?
766 :
無名草子さん:2005/08/22(月) 13:20:09
スカッ・・・っていうのはあるのかなぁ?
ううぅ〜ん・・・。悩んだ末。
ドゾ (´・ω・)つ【透明標本】
>>765 この間文庫になった『東京の戦争』か。「歪んだ生活」を読めば、小説家はこの人の天職だと判る。
吉村先生は元々映画に進みたかったらしい。肺病をやってしまって体力が持たないだろうという事で小説に
専念したとのこと。「七人の侍」LDの解説文で書いてあった。
小学生の時分に読んだ本が「羆嵐」か「羆風」らしいとまで判ったんだけど、
どっちが該当作品か判らない。
覚えてる限りでは、読んだ本は熊の視点でも物語が語られてて、
冒頭で親熊(父親?)が人間を襲う場面があった気がする。
母熊と小熊の生活の様子が描かれてたり、小熊が罠に掛かる場面もあったと記憶。
これだけで、どちらの作品か判りますか?
>>769 「羆嵐」
羆風という作品は書いてないはず。「羆」ならあるが。
>>769 その内容なら、戸川幸夫の「羆風」で間違いなかろ。同作者の「人喰鉄道」を最近
読んだんだけれど、ライオンからの視点とかが語られていたし。
少なくとも、吉村昭の「羆嵐」には、上記描写は一切ないからの。
「羆風」の方は、矢口高雄が漫画化したものが、ちょっと前に文庫に落ちたから、
そっちならば入手しやすいと思われ。小説版は絶版みたい。
772 :
無名草子さん:2005/10/15(土) 16:33:38
保守
17のときから読み続け、たまに一度読んだ単行本を二度買って「あれ?」となることがあります。
藤沢とは違う江戸末期の庶民や漁村農村の貧しく閉鎖的な暮らしや習慣がナルホド良くわかり、大学の時は文化人類学のレポートでかなりお世話二なりました。
「磔」「破船」「熊撃」「ヒグマ嵐」「海馬」その他印象深い作品ばかりですね。
774 :
無名草子さん:2005/10/18(火) 23:26:14
>>773 印象深い作品ばかりだったら、同じ単行本を二度買うことはないんじゃねえのか?
775 :
無名草子さん:2005/10/27(木) 16:57:13
>>773 ヒグマ嵐じゃなくて
クマアラシじゃないの?
>>775 うむ、「ヒグマ」という字ではあるが「クマアラシ」と読むのが正解だな。
黒部に旅行いったらトンネルの中で「大変な難工事で・・・」とガンガン放送かかってて
「へ〜そうなんだ」と思って、この人の本も並んでいたので読んでみた
すごい迫力。おもしろかった
でこれに書いてある「出来事」の部分は事実なんでしょうか(マイト誤爆、
飯場ふっとび&樹木突き刺さり、若手技師失踪・・・)
軽くググった限りでは、知ってる人は「『高熱隧道』の現場で・・・」という文脈か
読んでないらしい人は全く触れてないかどっちかでよくわからんなあ
マイト誤爆は、ありそうなもんだけどね。
鉄筋五階建て(だったか?)の建物が吹き飛ぶってのは、
ちょっと信じがたいわな。
(・∀・)ほうですな
彰義隊さっき買ってきて読み始めました。
今日は徹夜になる。
無事定年退職して、息子も無事大学を卒業し就職が決まり、娘も堅実な家に嫁にやった。
そうするとどうして奥さんが出て行くのかね?
なんでそんな薄情な奥さんばっかりなの?
総員起シ
凄まじい・・・
784 :
無名草子さん:2005/12/18(日) 19:11:17
話題ふってくださいよ
785 :
無名草子さん:2005/12/19(月) 18:19:38
確かに匠なんだけど、あえて不満を言えば、時事を扱ったジャンルは、
ただの記録を読んでるようで、好きじゃない(天狗とか)。あと泣きすぎ、
あとなんか食ったり飲んだりして陶然としすぎ。
786 :
無名草子さん:2005/12/20(火) 17:30:57
俺も一応親族に入るので、遺族会ルートで手に入れた大誠丸撃沈38回忌のNHK
室蘭製作のドキュメントを見てるんだが、救助した漁師が見た、「手首切断や顔面
が切りつけられた多数の死体」証言、大誠丸に乗船していた人の「大発が艦上にあ
る時はそうでもなかったが、海上に下ろされてからは、軍刀で切りつけていた、許せ
なかった」証言が出てるんだよな。
マスコミの反日操作の構造を随分と見てきたから、だから諸手を上げて信じるって訳
ではないが・・・
787 :
無名草子さん:2005/12/20(火) 22:22:04
>786
『海の棺』ですか?
しかし軍刀ってそんなによく切れるんですね
骨までスパッと切断できるのでしょうか
素人なんでよく知りませんが
788 :
無名草子さん:2005/12/20(火) 22:23:13
>>787 >素人なんでよく知りませんが
じゃ黙っとけ
789 :
無名草子さん:2005/12/20(火) 22:29:22
よく知らないからきいてるのです。
どうしてそんなに煽るような書き込みするんですか。
よく知ってたらそもそもききませんよ。
>>788 もしかして将校の関係者ですか?
790 :
無名草子さん:2005/12/21(水) 09:50:46
>>787 海の柩です。
ビデオには、吉村氏のインタビューも出てました。
軍刀に関しては、そんなにスパスパ斬れるモノではないでしょうが、船に
つかまってるのが前提だから、ある意味まな板の上にあるようなモノで、
切断はしやすいのかな、とは思いました。
もっとも、吉田満の方の手首切りが捏造くさいので、何とも言い難いですが。
791 :
無名草子さん:2005/12/21(水) 11:05:16
また基地外ウヨが紛れ込んでいるな
792 :
無名草子さん:2005/12/21(水) 14:13:40
皆さん、吉村さんの相方、津村節子さんも読んだことありますか?
あの夫にして、この妻あり。旦那にも引けをとっていません。
徹底した客観的な視線、乾いた文章が夫婦だからかどことなく似通っています。
私は娼婦もの(海鳴りなど)が好きです。
ところでこの二人、作家としての実力は伯仲していると思うのですが(ジャンルの
多様さからいえば、吉村さんが圧倒的に上だが)、吉村さんはほとんど絶版がないのに、
津村さんは絶版しまくり、この違いはなぜなんだろう。
793 :
無名草子さん:2005/12/21(水) 14:46:15
旦那より、さらに作風が地味だから。
794 :
無名草子さん:2005/12/21(水) 15:12:45
作家としての力量が違うから。
>>790 >吉田満の方の手首切りが捏造くさい
ハァ?現場にいたわけでもないのに「帝国海軍軍人がそんなことをするはずがない」の
一点張りで捏造と決め付けた基地外元海軍軍人の受け売りか?
恥を知れよ糞ウヨ。
馬鹿は放置でおねがいします
>>795 ウヨサヨ言われても困ります・・・
そもそもつい先日まで帝国海軍とやらにも興味ありませんでしたし。
調べてた限りでは、吉田満に関しては、氏の証言と「現場にいた海軍軍人」の
証言が食い違っている上に、吉田氏の証言に誤謬が多く見受けられますので
そう感じただけです。関心の焦点である海の柩と、モチーフが似通っていたの
で参考まで上げただけなんですけどね。
先に述べたように、親族がこの事件で死んでいますので、興味を持っただけで
す。作者自身がインタビューでドキュメントと語っていたので、なら真偽を問うの
も一興かと考えただけです。
てか、ウヨサヨ論しか出来ませんか、N速じゃあるまいし・・・
だから放置でいいって
馬鹿は放っといて吉村先生の作品の話をしましょう。
吉村作品を読んで頻繁にすること・・・それは合掌。
船難破!・・・合掌
壮絶戦死!・・・合掌
トンネル崩落!・・・合掌
クマーに頭からバリボリ・・・・・・・・がっしょう・・・・
米国本土の捕虜収容所で合唱
あけましておめでとうございます。
今年も楽しませてもらいます。
あけましておめでとうございます。
今年も吉村先生の話題で盛り上がりましょう。
新潮文庫『脱出』を読了。
「鯛の島」の島は『陸奥爆沈』にでてきた島と同一と思われますが、具体的にはどの辺りでしょうか。地図をみててもなかなか見当がつきません。
803 :
802:2006/01/04(水) 10:05:14
と思ったけど、柱島っぽいですね。
ところで、警官が待ち伏せしてた港町のある大きな島には今では橋があって渡れるみたいですね。そこに陸奥記念館があるそうです。機会があったらぜひいってみたいものです。海をわたった呉市には大和ミュージアムもあるし軍艦好きにはたまりませんね。
804 :
:2006/01/04(水) 16:04:45
>>803 陸奥は柱島沖に沈没という表現をされることが多いようです。
柱島は行政区分上では岩国市になります。
陸奥記念館には、私の生まれ故郷が近いので一度行ったことがあるのですが
大島郡周防大島町の東の端です。
本土側から車で橋を渡って40分以上かかります。
残念ながら、展示物はたいしたことがありません。
しかし瀬戸内の風景を眺めながらのドライブと割り切れば悪くないと思います。
805 :
無名草子さん:2006/01/14(土) 18:53:53
「彰義隊」をbk1で発注した。
自分にとっては陵雲先生以来の幕末吉村本だろうか、楽しみだ。
ついでに保守。
凌雲だった...orz
「島の春」、なぜか最後のほうちらっと見てしまって、
「そうか、じゃあやったな」「もうやったな」のところで、
吉村センセ珍しくエロクルーーって思ったけど、全然違った
808 :
無名草子さん:2006/01/17(火) 08:25:44
エッセイに関してだが、内容が重複していることが多いと思いません?
あっこれと同じようなの前読んだ。と感じることがやたら多い。
例えば、宇和島の鯛めしだの関西のうどんだのその他もろもろ。
809 :
無名草子さん:2006/01/20(金) 00:20:26
長崎県人は人が良いってのも多いね。
>>809 今知ったんだけど、長崎県は人口あたりの犯罪件数が日本一少ない県らしい
あながち間違いじゃないかもよ
そういえば、僕の知り合いの長崎県人はいい奴が多い気もする
>>808 出版されてるエッセイは、いろいろな雑誌に独立に掲載されたものだからだと思いますよ
『磔』を読みました。
この本にある短編のうちのちに長編化したものって
三色旗 → シーボルトの娘(いちおうドウフかぴたんの話もあるから)
動く牙 → 天狗争乱
洋船建造 → 落日の宴
のほかに何かありますかね?
ところで、「コロリ」を読んでて、無学な百姓共に憤りをおぼえました。お前らのためにやってるのになんで殺すんだよばか!
まあそれ以前の行動考えると無理もないけど
813 :
無名草子さん:2006/02/06(月) 16:45:37
おーい、みんなー。帰ってこーい。
はいはい、何について語りませうか
法師蝉あたりいっときますか、渋めに
815 :
無名草子さん:2006/02/07(火) 23:39:58
816 :
無名草子さん:2006/02/21(火) 06:26:59
桜田門外ノ変
まだ直弼は死なないのかとハラハラしながら読んでます。
もういいからさっさと斬っちまえ
818 :
無名草子さん:2006/02/22(水) 17:13:14
「吉村昭全集」とか出てないよね?
新潮あたりでぜひ出してくれー
少なくとも俺は絶対買う
これほどの大作家の作品が文庫と少数のハードカバーだけ
(しかもちょこちょこ絶版)ってのはどうしても納得いかん
というわけで吉村昭全集刊行祈念age
うむ。私も全集ほしいですね。
松本清張全集みたいな感じでやってほしい
全50巻くらいは行けるかな
図書館行っても、ほとんど書庫に突っ込まれてるし、
やっぱ、マイナーな人でしょ。
ハンコ式の貸し出しカードの所では自分の前に借りた日付が昭和51年だった。
821 :
無名草子さん:2006/02/24(金) 09:34:54
○
┠〜〜〜┐
┃ ● ∫ 君が代は
┠〜〜〜┘ 千代に八千代に
┃ さざれ石の巌となりて
┃ こけのむすまで
┃
荒川静香は、君が代を堂々と歌ってた。
日の丸があがったときは、かみ締めてた。
俺も日本人でよかった。
長英逃亡、もっと陰惨な話しかと思って敬遠してたけど
逃亡中にある程度目的達してたんですね。
いつまで立っても顔を焼くシーンがないから、どうなってるのかと思った
追記
吉村さんくらいの作家でも、
「汚名を挽回」って間違いするんですね
スレが立ってから4年3ヶ月か・・・・
本当にすごい長寿スレだな。
サイン会や講演会の情報って
どこで調べられる?
826 :
無名草子さん:2006/02/28(火) 23:58:39
吉村先生に曳かれてここに辿り着きました。
最近(2月になってから)恐ろしくハマってます。
「高熱隧道」をきっかけに、「朱の丸御用船」「歴史の影絵」「わたしの普段着」「破船」
「殉国」「天狗争乱」その他もろもろ、一気に10冊以上衝動買い。
早く読み進めていきたいのですが、今じつは「海の奇蹟」を繰り返し2回読んでしまいました。
吉村先生のご活躍と、このスレの穏やかな発展を願っております。
それにしても「海の奇蹟」というタイトルは美しいんだけど、物語は皮肉でもあり、真にせつなくもありました。
>>826
久しぶりに来ました!なるほど、穏やかに進んでますね!w
「海の奇蹟」私はなぜか、いつか読もうとスルーしてました!
面白そうですね!今度読んでみよう!
829 :
無名草子さん:2006/03/04(土) 00:02:47
>828
826です、お返事嬉しく感謝です。
>「海の奇蹟」
他にお読みになりたい作品も、沢山あると思いますので
どうぞごゆっくり…お茶でも飲みつつ(お酒でも?)。
「その時歴史が動いた」のゲストに出ないかと毎回期待してしまうような
今までの著作物
831 :
無名草子さん:2006/03/17(金) 00:02:41
>>826 俺は今月に入ってからです。その作品群はまだ未読ですね。
自分は『破獄』から入りました。『破獄』は句読点の使い方なんかが独特で、
少し読み辛い部分もあったんですが、その後に読んだ『羆嵐』で感嘆しました。
文章も読みやすいし、読者を引き込ませるエピソードの絡ませ方が上手い。
あの臨場感は凄いと思いましたね。
『羆嵐』はすぐ読み終えてしまったので、その後『赤い人』を読みました。
自分は北海道出身で土地勘があるため、いつもの見慣れた風景が、
かつては原始林に覆われていたことを氏の文章で綴られると、
本当に100年以上前の故郷に紛れ込んだ思いがしました。
網走刑務所の方が一般には有名ですが、他の主要都市と違い、何故、
田舎町の月形に刑務所が置かれているのかという疑問がスッキリ解けました。
内容は凄まじいの一言ですね。この作品を読むと、
現代の刑務所が天国に思えてしまいます。当時の監獄がまるで戦場のようで。
昨日から『間宮林蔵』を読み始めました。
次は『熊撃ち』を読みたいんですが、どこにも置いてないので困ってます。
私は、郷土の有名人ジョセフヒコに興味を持ってヒコの本を探してたら
吉村さんの「アメリカ彦藏」を見つけて即ゲット。初吉村のこの作品は
とても読みやすく面白い。次に読んだ「長英逃亡」も非常に面白い良作
で、それ吉村ファンになりました。
地元の播磨町資料館には、吉村さんの「アメリカ彦藏」が展示してあります!
833 :
無名草子さん:2006/03/28(火) 01:50:40
吉村先生の第二次世界大戦関係の長編物って、どのくらいあるのでしょうか。
自分が確認できたもので
陸奥撃沈
戦艦武蔵
零式戦闘機
大本営が震えた日
遠い日の戦争
深海の使者
プリズンの満月
このあたりでした。
他に、時代背景等が大戦に引っ掛かっているものなど、あれば教えていただけるとありがたいです。
834 :
無名草子さん:2006/03/28(火) 01:52:42
>>833 背中の勲章
脱出
空白の戦記
殉国
総員起シ
蚤と爆弾
帰還セズ
836 :
無名草子さん:2006/03/30(木) 20:20:33
最近読みはじめたものですが、吉村氏はクリスチャン、またはキリスト教系の教育を受けられたかたでしょうか?
837 :
無名草子さん:2006/03/30(木) 21:45:55
受けてません。しかし結核の治療中に外国の神父さんから聖書をもらい、
読んだ感想は「とっても面白い小説を読んだのような気がしました」だったそうです。
838 :
無名草子さん:2006/03/30(木) 22:24:34
>833
826です
折角カキコ頂いたのに、長いこと来れずにすみません。
「羆嵐」「間宮林蔵」「赤い人」…
自分は逆に、そちらの小説群がまだ未読の状態です!
お勧めを聞いて、「赤い人」を是非とも読んでみたくなりました。
ありがとうございます。
(ちなみにここしばらくは
「関東大震災」「神々の沈黙」「空白の戦記」の順に読んでおりました)
839 :
無名草子さん:2006/03/31(金) 23:05:28
>>833 あと、 「海軍乙事件」「戦史の証言者たち」で全部か
背景に書かれたものを含めると、もっとあるけど
840 :
無名草子さん:2006/03/31(金) 23:08:28
>>839 > 背景に書かれたものを含めると、もっとあるけど
すみません、できたらそちらも御教示いただけるとうれしいです。
841 :
無名草子さん:2006/04/02(日) 21:32:57
>>838 それは
>>833ではなく
>>831(俺)へのレスでしょうか?
先日、少し時間がかかりましたが『間宮林蔵』を読み終えました。
長編ですが、これもまたなかなかよかったですよ。
北海道に近くて遠いサハリン(樺太)にとても興味が湧きましたね。
と同時に、間宮林蔵という人物の執念と能力に感服しました。
自分はいま戦史物の手始めとして『戦艦武蔵』を読んでいます。
これは戦史物というより、工事物といった方が適切かも知れませんね。
でもその方が興味があるので、読んでいて楽しいです。
次は『高熱随道』を読もうかと思っています。やはり工事物ですね。
842 :
無名草子さん:2006/04/14(金) 07:39:07
ねえみんな、吉村先生の作品は先生が亡くなっても読み継がれると思う?
俺は地味すぎて十年経ったら殆ど絶版の憂き目にあう気がしてしょうがない。
縁起でもない疑問ですまん。
843 :
無名草子さん:2006/04/14(金) 10:25:05
>>842 べつにみんなが読まなくなっても僕は一生吉村ファンだから。
全集が出てくれればそれでいい
845 :
無名草子さん:2006/04/15(土) 01:03:58
『桜田門外ノ変』読了
井伊直弼が斬られるシーンはまるで映画を見てるかのようにありありと情景が脳裏に浮かんできました。
もみくちゃになって斬りあう男たち、恐怖のあまり逃げ出す彦根藩士、降り積もる雪にほとばしる鮮血、切り落とされ有村の切っ先に掲げられた井伊大老の首級
関の網膜と私の網膜がひとつになりました。
襲撃後の潜伏中追っ手から逃れつづけるところは『長英逃亡』を彷彿とさせました。
次に読むのはもちろん『天狗争乱』でしょう。
846 :
無名草子さん:2006/04/15(土) 01:12:46
ところで,井伊を斬った有村は何と叫んでたんでしょうかね
「ちぇすとぉー」とかかなやっぱり
847 :
無名草子さん:2006/04/23(日) 01:17:21
『生麦事件(上)』読了
はじめ薩摩が毛唐を斬ったときは胸がスカッとしたが、長州が関門海峡で異国線に砲撃するあたりではなぜか毛唐の味方をしてる自分に気づいた。
いよいよ薩英戦争。日曜だから引きこもってずっと読んでそう。
848 :
無名草子さん:2006/04/29(土) 21:03:01
質問です
征韓論から西南戦争あたりに関する著書ってありますか?
自分も吉村昭ほぼ全作品よみました
いろんなジャンルがあり迷うけど仮釈放、羆嵐、が一番好き
動物と人間の関わりを主軸にした短編、著者自身の闘病体験を基にした初期の純文、もちろん実録モノ、歴史モノも好き
850 :
無名草子さん:2006/05/09(火) 15:02:48
友人に先生の著作を紹介したら、いつのまにか自分よりハマっていた。
851 :
無名草子さん:2006/05/09(火) 21:45:20
こうしてまた一人、ファンがふえていく。
852 :
無名草子さん:2006/05/19(金) 08:56:46
|
| \
|ω・`) ダレモイナイ・・・
|⊂ ショボーンスルナラ
| イマノウチ
♪ Å
♪ / \
ヽ(´・ω・)ノ
( へ)
く
ショボボン ショボボン
ショボショボ ショボーン
♪ Å
`♪/ \
ヽ(´・ω・)ノ
(へ )
>
ショボショボ ショボボン
ショボボン ショボーン
853 :
無名草子さん:2006/05/19(金) 12:09:02
最高!もっとショボーンやって!
854 :
無名草子さん:2006/05/19(金) 12:19:38
『天狗争乱』読了しました。
淡々とした筆なのに、最後のほうの天狗党に対する幕府の仕打には憤り、涙が出ました。
この本を読む間、手元に日本地図をずっと置いてたのは僕だけじゃないでしょう。
村の名前を一つづつ確認しながら読み進めるとかなり時間がかかりました。
惜しむらくは、合戦のシーンがいまいち迫力なかったことかな。
スレ違いになるけど、長くて敬遠してた『夜明け前』を読む決心がつきました。
855 :
無名草子さん:2006/05/19(金) 14:55:42
吉村昭はほんとに小説の匠だよね
(´・ω・)セツナス…
特に短編は職人芸だよ
>>856 | |
| |∧_∧
|_|・ω・`) そ〜〜
|鬱|o【◎】
| ̄|―u'
""""""""""
| |∧_∧ /
|_|・ω【◎】パシャッ
|鬱| っ 9 \
| ̄|―u'
""""""""""
| |
|_| ピャッ!
|鬱|ミ
| ̄|
""""""""""
孤独な男を描かせたら、日本で彼の右に出る者はいない
と勝手に思っている
859 :
無名草子さん:2006/05/20(土) 15:33:59
やっぱり「破船」が最高だよな?
860 :
無名草子さん:2006/05/20(土) 16:01:42
いや、「漂流」には及ばないね
861 :
無名草子さん:2006/05/21(日) 04:22:41
小説の匠ってスレタイにもあるけど、先生自身も「小説家は職人だと思っているが・・」
とあるエッセーに書いてましたね。
862 :
無名草子さん:2006/05/21(日) 17:00:22
どどどどど・・・ ) )
( ( ∧_,∧ ) ))
(( (´・ω・)っ□
(( (っ r
i_ノ┘
どどどどど・・・
( ( ∧_,∧ ) ))
(( ⊂(´・ω・`) ))
( ヽ日⊂ ) )) )
(( (⌒) |
三 `J
∧_,∧
⊂(´・ω・`)⊃旦
☆ ノ 丿 キキーッ
ヽ ノ (⌒) 彡
と_丿=⌒
みなさんお茶ドゾー
∧_,∧ ゼェゼェ
(´・ω・;)
( o旦o)))
`u-u´
863 :
無名草子さん:2006/06/05(月) 18:17:34
今年に入って初めて吉村先生の本を読みました。
「ポーツマスの旗」→「戦艦武蔵」→「冬の鷹」→「破獄」
→「白い航跡」です。
どれもすばらしいですね。吉村先生の作品には駄作は多分
ないでしょうね。膨大な著作の中から一部しか読んでない
ですがわかります。
これからも暇をみつけてゆっくり読み進んで生きます。
それにしてもこれほどの大作家があまり知られていない
ように思うのですが、みなさんはそうは思いませんか?
864 :
無名草子さん:2006/06/05(月) 20:45:14
地味なのは否めない
でも硬派だな
噛めば噛むほど味わいがあるスルメのような作家だから。
ところで「落日の宴」読了。
おれも睾丸塩揉みしようかな・・・
865 :
無名草子さん:2006/06/05(月) 21:04:40
吉村先生は海外でも評価が高いってのはガイシュツですか?
翻訳されている小説を纏めてみました。
「アメリカ彦蔵」英語
「破船」ヘブライ語、仏語、ポーランド語、独語、蘭語、英語、
ポルトガル語
「石の微笑」仏語
「仮釈放」西語、仏語、英語、独語
「ニコライ遭難」露語
「ポーツマスの旗」仏語
「さそり座」独語
「戦艦武蔵」英語
「少女架刑」仏語
「遠い日の戦争」西語、仏語、英語
「零式戦闘機」英語
866 :
無名草子さん:2006/06/05(月) 21:13:43
続き・・・
以前に「破船」はアメリカでベストセラーになったと新聞報道があり
ましたし、「遠い日の戦争」はIndependent Foreign Fiction Prize
の2004年度のロングリストとなっていました。この賞は全世界で発表
された小説(但し英訳された小説)が対象になっており、これまでに
もノーベル賞作家の作品が選ばれている等非常に注目されている賞です。
受賞は逸しましたが、こんな賞の候補になるなんてさすがですね。
867 :
無名草子さん:2006/06/07(水) 23:09:30
炎の中の休暇
まだ「アメリカ彦蔵」しか読んだことありませんが
今気になっているのは「ふぉん・しいほるとの娘」です。
チャーハン作るよ
`∧,,∧
(;`・ω・) 。・゚・⌒)
`/ o━ヽニニフ))
しー-J
アッ! 。・゚・
`∧,,∧て 。・゚・。・
(´゚ω゚)て //
`/ o━ヽニニフ
しー-J 彡
∧,,∧ ショボーン
(´・ω・)
c(_U_U ・゚・。・゚・。・
━ヽニニフ
よしバレてない
クルッ ∧,,∧
ミ(・ω・´)つ サッサ
c(U・゚U。彡・。・゚・
━ヽニニフ
できたよ〜
`∧,,∧ 。・。゚・。゚・
(´・ω・)つ\・゚・。・/
870 :
無名草子さん:2006/06/11(日) 00:33:27
最近、吉村さんの「街のはなし」を一話読んで寝る習慣がついてます
とても気持ち良く寝られます
この方は本当に嫌味のひとつもないデリカシーをお持ちですね
都会人の中の都会人という気がします
871 :
無名草子さん:2006/06/11(日) 00:57:37
この人今日本No1の実力作家じゃない
872 :
無名草子さん:2006/06/11(日) 07:29:11
みんな褒めすぎ。
よっぽど心酔してんのね。
俺も十年来読んでるけど吉村節もさすがにそろそろ飽きてきた。
最近のは(彰義隊とか)どうも面白くない。
初期の短編群と仮釈放、破船、漂流あたりが最高だったっす。
873 :
無名草子さん:2006/06/11(日) 07:56:54
この人って本当は、主に短編だけを書いていたかったんじゃないかと思う。
もちろん興味も執筆する意義も見出して書いたんだろうけど、
初期の戦記ものなんかは、専業作家として食ってく為に書いている部分も最初はあったんじゃないかな。
874 :
無名草子さん:2006/06/11(日) 18:56:24
>870
昔の都会の人って、そういう所が確かにあったのかも。
875 :
無名草子さん:2006/06/11(日) 22:16:03
登場人物がやたらと酒飲むのは本人が酒好きだからかな
876 :
無名草子さん:2006/06/12(月) 19:47:48
>>875 かもね
日本人の飲酒文化は古代からだよ
リハビリ病院に置いてあった「天に遊ぶ」に婆さん自身の写真を栞に挟んであった
内容に負けず泣かせるゼ
877 :
無名草子さん:2006/06/14(水) 11:48:25
自身の書く通りとすると
余程人相が悪いんだろうね
本人にあって警察のカタですか?と訊いてみたい
878 :
無名草子さん:2006/06/16(金) 12:53:42
吉村昭全集って無いのかorz
880 :
無名草子さん:2006/06/21(水) 01:05:59
>>866 気軽に(翻訳されていない)日本の良作読めないジンガイカワイソス・・
883 :
無名草子さん:2006/06/21(水) 12:30:32
884 :
無名草子さん:2006/06/21(水) 14:38:29
>>881 この動画、いつのものでしょうか
吉村先生、足腰なんかもとてもしっかりしてらっしゃって、とても僕のおばあちゃんと同い年とは思えない・・・
まだまだ長編をバンバン書いてほしいな
885 :
884:2006/06/21(水) 14:40:48
失礼・・平成10年って書いてました・・・
ということは72歳当時か
886 :
無名草子さん:2006/06/22(木) 13:08:58
いい家住んでるな・・・。
知名度低そうでも殆ど絶版してないし、地味に売れ続けてんだな。
887 :
無名草子さん:2006/06/23(金) 20:09:36
今、通勤に「海の史劇」を読んでいます。
吉村先生を知ってから通勤が苦痛ではなく楽しみになりました。
新聞よりもよほどいいです。
すばらしい!!
889 :
無名草子さん:2006/06/24(土) 01:06:43
>>886さん含めて、勘違いしてらっしゃるみたいだけど、
地味や隠れた作家ではないよ!派手や脚光浴びてはいない
けど。
もし、縁起もないが、亡くなったら大変だよ。
脚光を浴びないのは、保守反動でなく叙勲うけないから。
890 :
無名草子さん:2006/06/24(土) 14:53:54
本好き、それも渋い趣味の人以外には殆ど知られてないだろ。
891 :
無名草子さん:2006/06/24(土) 19:43:24
>>890 それはあなたたちが本好きとおもいたいから?
渋いと思いたいから?
少なくとも有名ですよ!w
歴史好きが調べ物をしているとたどり着く作家でもあるよね。
戦争物のイメージが強くて敬遠されてるかもね
894 :
無名草子さん:2006/06/25(日) 18:30:15
本好き、郷土史家、歴史研究者・・・・・。
出版等関係者。すごいかたですな。
新聞の連載も数知れず、月刊誌連載も。
知っている、知られているが、最初にぱっと
名前が浮かぶ人ではないのかも。
私は最初にあげるが。
895 :
無名草子さん:2006/06/26(月) 23:47:00
吉村さんの本95%くらいもっているかたいらっしゃいます。
あるいは、全部。
手に入りにくい本のこと知りたいんですが?
私以外にもいらっしゃいますよね?
896 :
無名草子さん:2006/06/27(火) 00:05:49
ここ三年でたくさん読んだ。
でもまだまだなんだろうなぁ
897 :
無名草子さん:2006/06/27(火) 01:12:04
898 :
無名草子さん:2006/06/27(火) 15:54:46
899 :
無名草子さん:2006/06/27(火) 20:35:25
今日吉村先生の本で帰りの電車一駅のり過ぎた
でも全く気にならなかった
900 :
無名草子さん:2006/06/27(火) 21:28:01
900
901 :
無名草子さん:2006/06/27(火) 21:43:57
気づいたときは頭の中で炭酸水が
吉村作品は読み返すと面白いというのは、歴史物はいろんなものがリンクしてるからでしょうかね。
他の作家で仕入れた知識なんかもリンクしてて、成長した自分に酔えるのかなんなのか
904 :
無名草子さん:2006/06/29(木) 20:15:48
思いつきで次は浮気して川端康成の「名人」というのを読むことにします。
その後また吉村先生に戻る予定です。
意味無し書き込み失礼です。
906 :
無名草子さん:2006/07/02(日) 11:57:29
海の史劇、面白くなってまいりました
907 :
無名草子さん:2006/07/08(土) 18:28:34
海の史劇は地図が欲しいですね。
坂の上の雲を連想しながら読んでいます。
アドミラル・ロジェストヴェンスキー
そうそう、東郷=三船敏郎 なんだよなーどうしても
910 :
無名草子さん:2006/07/25(火) 14:29:57
911 :
無名草子さん:2006/07/25(火) 21:28:49
『冬の鷹』を買ってきた。読むぞ!
大黒屋光太夫を下巻途中まで読んだが、
光太夫が男泣きに泣く場面で思わずつられて泣いてしまった。
どんな感動的な映画でも、ここまで胸を打つシーンは無いだろう。
913 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 02:00:00
寝る前にちょっとだけのつもりで積ん読状態だった『破線』を読みはじめたらこんな時間になってしまった・・・
あまりにも壮絶で引き込まれるように、それこそ身じろぎもせず読んでました。
やっぱ舞台は佐渡ですかね。
山を超えて隣村まで相当かかる島と行ったら佐渡しかないし西回り行路というのもやはりそうかなと。
でも金山のからみはなかったですね。身売りしても金山には行かないのでしょうか。
金山に行くのは江戸で召し捕られた無宿人かな?
914 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 20:19:08
915 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 20:32:26
916 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 20:59:01
ttp://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=home&NWID=2006080101003372 吉村昭氏が死去 「破獄」などの作家
「戦艦武蔵」などの記録文学や「破獄」などの歴史小説で知られる作家の吉村昭(よしむら・あきら)氏が
7月31日午前2時38分、膵臓(すいぞう)がんのため東京都三鷹市の自宅で死去した。79歳。東京都出身。
葬儀・告別式は親族のみで行う。お別れの会を後日開く予定。連絡先は東京都新宿区矢来町71、新潮社出版部。
喪主は長男司(つかさ)氏。妻は作家の津村節子さん。
学生のころ肺結核で死と向き合った経験から文学を志し、66年に「星への旅」で太宰治賞。
「戦艦武蔵」や「関東大震災」などで記録文学の新境地を開き、73年に菊池寛賞を受賞した。
一方で歴史小説を次々に手掛け、85年「破獄」で読売文学賞と芸術選奨文部大臣賞。
94年「天狗争乱」で大仏次郎賞を受賞した。97年に日本芸術院会員。
(-∧-;)
917 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 21:05:06
ご冥福お祈りします
918 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 21:10:14
一番大好きな作家だった・・・・・・・・・・・
信じられない
しばらく時間がかかりそうだ・・・・・・・・・・
信じられない
えええええええええええええええええええ
ショック
漂流と羆嵐がテラ大好きで、枕もとにおいていつも読んでたよ。
920 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 21:16:52
たくさんは読んでないけど、割と好きな作家でした
合掌
漂流はほんと何度も読んだのでべろべろになってしまった。
メロンと鳩、は中古で買ったけどおもしろくなかった・・
あちらのスレですすめられてる関東大震災、おもしろそうだな。買ってこよう。
>>915のニュー即、最初はふざけた書き込みだったのに
だんだん知ってる人だらけになってきた。ちょっとだけ嬉しい
923 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 21:29:44
もっと評価されていい人ですよね。
虹の翼が好きです。
どうぞ安らかに…
924 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 21:45:17
ご冥福をお祈りいたします・・・
925 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 21:50:52
読もう読もうと思っていた、「ふぉん・しーふるとの娘」を読もうかな。
合掌。
今宵は・・・「海の史劇」を読もう。
927 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 21:52:42
うぅうううぅううぅうぅうう・・・・・・・・・・・
やけに伸びてると思ったら・・・こんなことって・・・
天国では弟さんと仲良く暮らしてください
928 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 21:54:08
ええーっ
頭の中で炭酸水が・・
929 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 21:54:24
エッセイにもとても味がある先生だった。
930 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 21:55:46
今夜は「ニコライ遭難」で夜を明かそう。泣きながら。
931 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 22:01:58
学習院の後輩(吉村さんは中退だけど)ということで、児玉清が「週刊ブックレビュー」で取り上げてくれないかしら。
ご冥福をお祈りします。文壇は吉村昭賞を創るべき。
90歳まで生きるんじゃなかったのか
文庫本は読破していると思うのだが、未文庫化の単行本(ハードカバー)って何か有りますか?
単行本未収録まで手を出すととても集められないので、せめて単行本で読んでないのを読もうと思っているのですが・・・。
937 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 22:35:03
遺作は何になるのでしょうか
彰義隊?
938 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 23:08:36
小説ももちろんよかったけど
取材中の裏話とか関連の話題をまとめたエッセイも読み応えがあって
ダブルで楽しめた。
硬派な日本人紳士という人柄的にも自分の憧れだったけど、
残念ですねえ。
939 :
無名草子さん:2006/08/01(火) 23:41:03
弔意カキコ。・゚・(ノД`)・゚・。
吉村作品に出会って30年・・・
ありがとうございました。
宇和島の鯛めし・・・
仰るとおり、美味しかったです。
942 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 00:23:26
文春講演会 吉村氏・城山氏・井上ひさし氏 一番印象に残ったのが「総員起シ」だった。
翌日本屋に行った。30年前のお話。
943 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 00:36:08
ショックだ・・・・・。 大好きな作家でした。 吉村氏の記録文学は永遠に不滅です★
944 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 01:21:50
そう永遠に不滅だ。司馬は嫌い(゚д゚)、ペッ
945 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 01:22:48
追悼age
これを機に吉村昭全集刊行してくれ
必 ず 買 う か ら
946 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 01:24:08
俺は最近、この人の作品が面白くなってきて、進んで読んでいたところだった。
「破船」「高熱隧道」「長英逃亡」や、題名忘れたけど中学生の沖縄戦の話し
など読んで、今は「関東大震災」読んでいたところだ。
この人の作品って戦記ものが目に付いたから、読む前は軍国主義者なのかな
と誤解していたよorz
冥福を祈るとともに、これからも氏の作品を読み続けたいと思う。
まだまだ読んでない作品が山のようにあるしね。
947 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 01:47:58
>>946 おまえは幸せだ。いわば快楽を受容していない童貞みたいなものだな。
俺は全て吉村の作品は咀嚼し、読んでしまったので、
未読の楽しみはない。
会社のPCでこのニュースを知りました。
帰りの電車から夜空を見ていて、涙が出そうになりました。
身近な人を除いて言えば、逸見政孝さんが亡くなった時以来のショックです。
でも吉村作品は永遠に不滅です。これからも未読作を読んでいきます。
ご冥福をお祈りします・・・・
好きな作家でした。
経営者が好むような酔度の高い小説ではなく、普通のオモシロさを書く人でしたね。
題材がいつも慧眼でした。おつかれさま。
950 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 03:49:30
>>947気持ちわかるわ。亡くなってる好きな作家の本は次がないから積極的に読まないもん。まだ読んでない吉村作品があって幸せ。
951 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 04:46:08
>>950 ・・・_ト ̄|〇 とほほ
俺だけっすか?
952 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 05:37:57
とうとうこの日が来たなぁ。
今年は作曲家の伊福部昭先生に続き、個人的に敬愛していた二人目の昭先生が
亡くなられた。しかも祖母の命日に重なって。
あれだけ死を冷徹に描き続けた人だもの。病気の事は他言せず、最後まで元気
に振舞っていたというのが、いかにも吉村先生らしい。
ご冥福をお祈りします。
953 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 07:55:40
先ほど新聞を読んで初めて知った。
なんとも言い難い喪失感が襲ってきた。
俺も30年前に初めて氏の小説を読み、ずっと作品を追い続けてきたのだが
ついにこの日が来てしまった。
今日からもう一度、最初に読んだ「戦艦武蔵」から読みかえす。
ご冥福を祈ります。
954 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 09:53:34
ほとんどの作品を読ませて頂きました。
とても面白かった。
ご冥福をお祈りいたします。
956 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 14:58:56
追悼フェアやる良心的な書店あるだろうか?
ご冥福をお祈りします
吉村さん、こういう歳だったんですね
作家の年齢に無頓着だからなぁ、
壮年の頃の作品を読んでるとまだ元気なのかと思ってしまう
吉村作品を読んでると動かしがたい、確かなものを触っている感じがします
全集は新潮あたりから出る?出てる?のかな?
958 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 17:30:13
この人の小説が好きで、漂流、破獄、破船など読んできました。他にこれだけは読んでおけというのありますか?熊嵐は面白そうなんで読んでみます
959 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 17:40:21
エッセーか著書の後書きだったかは忘れましたが、映画「魚影の群れ」の
撮影現場に赴いた折り、対面した夏目雅子さんの印象などを綴った文章は、
その後の夏目さんの運命を、ある意味、逆の意味合いをもって予測したよ
うな、不思議な感受性を想わせるものでした。たしか…
「…透き通るように美しく…このような可憐な女性にも、いずれ老いが訪れ
ることを…信じることが出来ない…」左は私の全くのうろ覚えで出鱈目文
ですが、こういった内容だったと思います。
960 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 17:50:28
昨日も書いたけどもう一回
ど こ で も い い か ら 吉 村 昭 全 集 出 し て く れ 、 頼 む
必 ず 買 う か ら
961 :
インテリ自信家:2006/08/02(水) 18:07:53
>>960 どこかの誰かにまとめてもらおうって姿勢が
吉村先生に恥ずかしいだろう
962 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 18:16:15
とうとう亡くなってしまった。
現在生存している作家の中で、
大人の鑑賞に堪えうる作品を常時書く、本当に貴重な人だったのに。
963 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 18:19:39
嗚呼無常。
作家が亡くなってこんなに喪失感を感じるのは藤沢周平以来だ。
964 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 18:56:43
(ToT)
965 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 19:27:38
いのせなおきは、政府の中枢に入って、我こそは日本の要人だみたいな顔をして威張っているが、
吉村先生のように、小説家として亡くなったあとも哀惜される作家になりたいとは思わないのだろうか?
猪瀬のスレに書けよ
猪瀬と比較する意味が分からん
半藤あたりとなら分からんでもないが
968 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 20:31:35
という訳で平成二年放映の「死を見つめ生を書く小説家 吉村昭」のビデオを
見て酒呑みます。先生が好きだった秋田の新政が無かった。
先生なら、筑摩とかで文庫版での全集発行を望むんじゃないだろうか、とか勝手に思った。
蔵書はどこに行くのだろう……
(−人−)
吉村先生の御冥福をお祈りします(T_T)
972 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 22:02:25
こんな素晴らしい作家が逝ったのにスレがあまり伸びないのが寂しい。
973 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2006/08/02(水) 22:16:54
長年に渡って愛読して来た作家だけに本当に残念だ…
かってはミステリ板でも冒険小説やクライム・ノヴェルと位置づけて、
「羆嵐」「高熱ずい道」「漂流」「破獄」等々を紹介したことがある。
面白い作品は目白押しだが、一般にも甘口で極端に創り物めいた小説が好まれる昨今だし、
特に2ちゃんねらー好みの作家ではないようである。
あえて、必読作(長編)ということであれば、「羆嵐」「高熱ずい道」「破船」「長英逃亡」
「桜田門外ノ変」あたりを挙げておきたい。
相変わらず興味深く、面白く読み終えることは出来るのだが、後期の「大黒屋光太夫」
などには、構成にやや衰え(創り過ぎ)を感じないでもなかった。
974 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 22:36:41
このスレも吉村氏の他界と共に終焉を迎えるのか...
975 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 22:49:39
吉村スレはもうちっとだけ続くんじゃ
というわけで誰か次スレを
976 :
無名草子さん:2006/08/02(水) 22:58:11
少しずつ立ち直ってきた
吉村昭さん、ほんとにありがとう
次スレもどなたかよろしくお願いします
好きな作家だっただけに残念です。
幸いまだ読んでない作品が多数残っているので、それをじっくり噛みしめながら読ませていただきます。
ご冥福をお祈りします。
ひっそりと五年近く続いたこのスレの終わりにこんなことがあるとは皮肉なものですね……。
978 :
無名草子さん:2006/08/03(木) 00:09:30
次スレはいらんのじゃないかな。
それぞれが大事にこれからも読んでいけばいいと…
ところで、今日のボクシングを見ていて、
吉村昭氏が「ボクシングは何度か明らかに地元びいきの
判定が続いたのを目の当たりにしてもう見るのをやめた」
という趣旨のことを言っていたと思うが、なるほど
吉村氏が言ってたのはこういうことかと思った。
次スレいるよ
982 :
白鳥:2006/08/03(木) 00:57:56
今年に入ってから先生の作品を読み漁り始めたんですが、
まさか逝ってしまわれるとは。天国で弟さんと再会できてたらいいなぁ…。
先生に関して、小説を読む前はドラマの『破獄』を観ただけかと思ってましたが、
大好きな邦画作品である『うなぎ』の原作も書かれているんですよね。
たしか『闇にひらめく』だったと思いますが、収録作品名が…。
文学賞も凄いけど、パルムドール受賞作の原作なんて凄いですよね。
『戦艦武蔵』や『高熱隧道』は当然として、
既読では『北天の星』が面白かったなぁ。
『間宮林蔵』や『大黒屋光太夫』に繋がる北方漂流物ですが、壮大でしたね。
『破獄』から遡り、近代行刑史の過酷さを描いた『赤い人』も
個人的に外せない作品です。あー、本当に惜しい人を亡くしました。
985 :
無名草子さん:2006/08/03(木) 01:52:26
映画『うなぎ』って、半分以上は「仮釈放」だったよね。
上にもあるけど、戦記ものが有名だから軍国主義者とかおもうその感じ方が全くわからん
「海の史劇」にしろ「戦艦武蔵」にしろほかの潜着物にせよ
戦争の不条理さとか勝ち負けの微妙な機微なんかを史実のみから掘り起こして読者に伝えてくれる。
イデオロギーに毒されていない、読者に特定の観念を植え付けようとしない点では
歴史学者なんかよりよっぽど信頼できる。
むしろこの人の作品を読むと世間のウヨサヨ言って罵倒しあうだけの自称知識人どもの論壇が
いかに不毛でキチガイじみているかとおもわされる。
久しぶりにスレを覗いてみたら、訃報をしりました!合掌・・・・・
3年位前「漂流」をきっかけに、ハマりにハマりました。
まだ未読な作品が多いのが、もったいないので少しずつ読んでいきます!