【ケンカ乱闘】読書会スレ7【なんでもあり】

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952治美:2011/08/26(金) 19:26:18.83
異形の者に対する一考察

終わりの人間でも神でもないその物というのが、この小説の
核である。密海や金色の仏像が、その物である。これらは、
世界の深淵に潜む絶対の虚無を見つめるものである。この絶対の
虚無というのは、宇宙であると思う。つまりは、彼らは
宇宙の法則を知りえるものである。

社会主義、無政府主義、極楽を掲げる仏教、そのような思想は
人間が創りあげたものにすぎない。宇宙の法則の前では、
人間が生み出したものなど、無に帰する。

それを知りえた主人公があえて決闘を起こすというのは、、
人間として生きるという選択をした結果なのだろうか、、
虚無に耐えられないのが人間であるから、、

すこし出鱈目が過ぎたでしょうか?
953吾輩は名無しである:2011/08/26(金) 19:33:42.19
全然デタラメじゃないっしょ。
言葉になりきれない部分ギリッギリのところで勝負してるし。
若干酔ってるなあって印象は受けなくもないけど。
954治美:2011/08/26(金) 19:42:27.35
>>953
宇宙について考えるの初めてだったから少し酔った
かもw

なんとなく埴谷雄高が頭に浮かんできたんですよね
埴谷とか泰淳とかの宇宙観って何だったんですかね?
955v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo :2011/08/26(金) 19:54:24.57
俺も賛成ですね。アセンションの言うように先ず自分の論を定立してから全部読むのが理想なんだろうけど、
俺が出来るベストは「堕落論」の時のスタイルだなあ。でもそれなりに全レスはキツいっしょ。判ってくれ。
956v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo :2011/08/26(金) 19:55:33.06
>>954
埴谷雄高は武田泰淳と毎年靖国神社に参拝する仲だったんで、共通項はあるんでしょうねえ。
957v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo :2011/08/26(金) 19:56:40.78
でも俺は今までに一度も作品を否定した事はないんだよな。わからないことはあるけど、それは俺がいけないんであって。
958治美:2011/08/26(金) 20:24:12.01
>>956
靖国神社!
そうだったんですか。

どういう意図があったんでしょうかね。
959ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk :2011/08/26(金) 20:29:58.99
>>949
>内容はともかく、やりとりのスタイルは面白かったよ。
私も思いました。本文に即して適宜引用されていましたし。
960v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo :2011/08/26(金) 21:06:22.66
>>958
やっぱり戦争に行った者として英霊に敬礼せざるを得なかったんでしょうねえ。
961アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/26(金) 21:33:08.99
>>952>>954
いいね! 埴谷雄高なら「虚体」と言うところを
武田泰淳は少し違う角度から「滅亡」と呼んでいるのかもしれないな。
「滅亡について」というエッセイは「異形の者」につながるかも。
そんな表現を作品内で探すと、密海の口(手かw)を借りて
「もし仏教的真理なるものがありとすれば、この宇宙の胎内における、
これらの大破壊、大消滅、大動乱に堪えうるものでなければならぬ」
と語られてて、この言葉を後で主人公の柳は反芻してるね。
962治美:2011/08/26(金) 21:33:24.89
>>960
何も語りえぬ死者というのは、われわれの肩に
重くのしかかってきますねぇ。
うーん、何と言っていいやら
963アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/26(金) 21:39:34.76
>>955
あれはルール上はギリギリセーフってとこかなw
でも返レスの中に密度の濃い意見が含まれてたからかなり良かったよ。

ニッパに対するムーの返レスが遅いなあ。
あと書くといってたマグナも遅いぜよw
964吾輩は名無しである:2011/08/26(金) 21:40:02.61
埴谷は戦争に行ってないだろ。肺病で入隊・従軍できるわけがない。
北里病院だかに通っていたとか。
ま、それ以前に左翼活動でムショ入りした前科もあることだしな。
965吾輩は名無しである:2011/08/26(金) 21:43:13.95
まあわざわざ確認するまでもないことですが
靖国神社は日本神道ですから仏教関係ないですけどね。念のため。
966治美:2011/08/26(金) 22:00:21.88
>>961
アセンションさん、うまいこと展開してくださって
ありがとうございます。
滅亡と虚体に共通するものがあったとしたら面白い
ですよね。

手元にある教科書の泰淳コーナーでは、滅亡と絶対持続とかいうターム
が出てきておりますが

さきほど私は、宇宙の運動を虚無と解釈しましたが、
そのような解釈が、異形の者という作品において
成り立つのかがポイントかと思います。
967治美:2011/08/26(金) 22:34:07.36
その物、という表現がカントの物自体を想起
させるんですよね。
埴谷文学の着想はカントからきてますし

その辺を考えてみたいのですが、一朝一夕では
どうにもならなくて。
968アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/26(金) 22:47:30.21
>>966-967
埴谷のいう虚体を泰淳の「その物」と並べてみてもいいのだけど、
カントの「物自体」は認識レベルの概念だと思うのでおいておくと、
「異形の者」でも虚無としての宇宙(あるいは滅亡の巨大な運動)の手触りは感じられて、
それは密海が語り柳が反芻した「大破壊、大消滅、大動乱に堪えうるもの」でもあるし、
ニッパが指摘してた大仏(あるいは「その物」の空洞の目にも象徴されているともいえるし、
穴山が障子にペニスで開ける黒い穴も虚無の象徴だといえるのかもしれないなあと。
969v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo :2011/08/26(金) 22:54:45.80
>>964
そうなのか…適当な事を言ってすみませんでした。
970治美:2011/08/26(金) 23:17:30.91
>>968
カントの物自体は確かに認識レベルの話しですね
逸脱しました。

ご指摘通り、虚無の感じは作品から漂ってますね

それを仮定するとして、残りは虚体とつながるかって
とこを考えてみたいのですが

虚体って何だっけっていう、、
971治美:2011/08/27(土) 00:36:41.08
すいません横道に反れます
今、このスレを読み返してるんですが、、
745・760さんの意見はとても面白いですね。
作者の意図とか主題に拘るのは古いんですよね。
逆にその地点に留まってるようじゃ、確かに近代以降
特に現代の作家なんか分析できないんですよ。

以前、市民講座みたいなとこで評論家の方がいらっしゃって
桜庭一樹を読んだんですよね。
そのとき、その評論家の方に私が言われたことは、、
「現代の作家は明確な意図があって小説を書いているわけではない」
ということでした。つまりは、うんうん唸ったとこで面白いもんが
でてくる訳ではない、ということなんですよね。

私も745さんのような分析ができるようになりたい!

しかし、745さんの分析が全てかって言ったら勿論そんな
ことはないんですけど。

どうやったら、このような分析ができるのか知りたいです!
>>951>>955
何も読まずに感想を書くのは、混じりけのないものを書きたいから。
流れをぶったぎることにもなるのは、ご愛嬌。

いつも哲学の話になるとついていけないな…
勉強不足をひしひしと感じます。
973治美:2011/08/27(土) 01:49:06.15
連投申し訳ありません
なんだか745さんを私が持ち上げ過ぎて皆さん
がレスしづらいのではないかと思い、少し自分
の考えたことをまとめようと思います。
745さんの意見である、異形の者が変奏している、
という考えは非常に面白いです。しかし、それ以外の
考察は基本的に全て徒労に終わってます。それは、主題
なんか探ったって何にもでてきやしない、と始めに宣言
したにも関わらず、中途半端な形でまわりに歩み寄った
ため、失敗してしまっているんですよね。

ただ、最初の分析は素晴らしかった。あのような批評は
どの理論を習得すれば可能なのでしょうか?


974吾輩は名無しである:2011/08/27(土) 02:21:51.37
テスト
975吾輩は名無しである:2011/08/27(土) 02:38:29.64
呼ばれて飛び出てほら話者です
>>971 >>973
おほめにあずかり恐縮です。あざす。
意味をテクストから抽出・固定化するだけじゃなくて、
がんがん外に広げて解釈するのはやっぱ面白いよね。

文学理論に興味もっていただけたようでうれしいです。
テクストと読者との共鳴のようなものこそ文学の醍醐味。
ヴォルフガング・イーザーの受容理論、ジュリア・クリステヴァのテクスト理論
あたりを基盤として、ポスト構造主義以降の文学理論を学ぶと役に立つよ。
もしこれから学ぶのなら、直接哲学書にあたるとたいへんムズいので、
文学理論の歴史的変遷、進化がとてもわかりやすく書かれた
テリー・イーグルトン『文学とはなにか』を読むといいです。
そこからぐんと世界が広がると思います。
もっと砕けたのがいいなら、筒井康隆『文学部唯野教授』は
大笑いしながら文学理論が学べる類まれな小説です。
文学理論を実際に援用した面白い「読み」がお望みなら、
ピエール・バイヤール『アクロイドを殺したのはだれか』がおすすめ。
クリスティの名作推理小説『アクロイド殺し』を解体して、
なんと作中の名探偵ポアロが示した犯人とは別の犯人を、すごい説得力をもって
まるでクリスティがそこ(別の犯人)まで埋め込んでいたかのような説得力で、
バイヤールさんが示しちゃいます。おもろいすよ。
↑入手困難なら図書館で
976吾輩は名無しである:2011/08/27(土) 02:41:20.48
その異形が変奏するという感覚、自分にはいまいちよくわかりません。

1.異形というものは絶えず変奏しているものであって、普遍的な意味で異形は変奏している
2.異形そのものは全く変奏せず、作家が異形の扱い方・表現を変奏させている。
3.異形そのものは全く変奏せず、作家も異形の扱い方・表現を変奏させていないが、読み手が異形から受ける印象が変奏していく。
4.その他

どれ?
977吾輩は名無しである:2011/08/27(土) 03:16:16.88
ほら話者です
>>976
他の人のは分からんけど自分の場合は、
異形のイメージがテキストの各所で変奏しながら現れるように(読者が)読める
ってこと。
「作者−テクスト」の関係と「テクスト−読者」の関係とは次元が異なるので注意。
2の「作家が異形の扱い方・表現を変奏させている」
3の「作家も異形の扱い方・表現を変奏させていない」
なんて作者以外の人が断定できるわけがない。
ある読者が「ここで作者が書いた意味はこれだ」と説得力を持って論じたとしても、
その読者が「ここで作者が書いた意味はこれだ」と解釈したという以上の意味は無い。
978治美:2011/08/27(土) 03:20:06.63
>>975
懇切丁寧に紹介してくださったので感激しております。
早速、Amazonで注文させていただきました。

これで新境地を開拓できると良いのですが。
成功すればサイヤ人がスーパーサイヤ人になるぐらい
画期的な出来事となります。

理論武装、開始!
979吾輩は名無しである:2011/08/27(土) 03:36:08.82
>>977
ありがとう。論評のスタイルはよくわかりました。
980吾輩は名無しである:2011/08/27(土) 06:21:10.87
ほら話者です
主人公が虚無に対抗しているという図式がしっくりこなかったので、
自分なりに考えてみた。

密海の話のあたり、死、消滅、無常(=生の虚無化)への対抗として、
僧侶(異形の者)たちが「苦しまぎれに発明」したのが極楽や仏だと読める。
無常を排して、永遠性を獲得したいわけだ。
でも、主人公は「あの世の極楽なるものは絶対に嫌い」であり、
肉体的な生(悲しみ、歓喜、苦悩、快楽、女、決闘、まぐろ寿司、レストラン)へと向かう。

主人公はラストに仏像の前で「その物」に対峙する。
主人公が対抗するのは、虚無(死や消滅)ではなく、
虚無から逃れようと人が生み出してしまった観念的バケモノ「その物」だ。
「その物」とは、生と死の対立をも外から冷やかに眺める
永遠性(極楽)と超越性(仏)のバケモノだ。
主人公は死よりも、「その物」に取り込まれることを嫌う。
そして「自分が死ぬか、相手を殺すかするかもしれない」決闘へ行くと告げる。

「物」であって「者」でないあたり、
「その物」は「異形の者」よりさらに次元を超えて異質な感じだ。
主人公は「異形の者」は嫌いじゃないけど「その物」は嫌うって感じがする。
981アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/27(土) 10:46:54.27
もう残り少ないから新スレがいるか〜。
次スレ立ててくれる人は>>2にある簡単なルールと
お題選びの参考に下のリンクを1に入れてくれるとうれしい。
http://www.aozora.gr.jp/ 青空文庫
http://www.japanpen.or.jp/e-bungeikan/sakuin/author01.html 電子文藝館

あとNが>>669にまとめてくれたこれまでのお題リストを2あたりによろしく。
982 忍法帖【Lv=31,xxxPT】 マグナ ◆i.K3ZM.pZo :2011/08/27(土) 13:11:30.16
983ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2 :2011/08/27(土) 13:12:43.34
鯖落ちしてから普通に書き込めなくなってます。
べっかんことやらを経由するとこのとおり書き込めるんだが、
長文をアップすると「書き込みました」の表示は出るのに反映されない。
おかげでゆうべ、ニッパさんの質問に答えるためにノリノリで書き上げた長文を丸々ロストしやした(涙
なので返事ちょっと待ってくださいまし
984吾輩は名無しである:2011/08/27(土) 13:16:15.54
忍者レベルが低いんだろう
1レス1000文字を目安に分割するしかないね
985ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2 :2011/08/27(土) 13:20:58.93
助言ありがとうございます。
でもそうなると連投規制が厳しくなるなあ。
まあしばらくほとぼりを冷ますとしますよ。
労作が失われたダメージが結構でかいw
986アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/27(土) 14:05:44.59
>>970
そうなると泰淳じゃなく埴谷がテーマになるからw

>>972
その書き方はいいよね。

>>982
おーありがと。

>>983>>985
そんなに気合入れなくてもw 即興的でいいのでは。
987アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/27(土) 14:15:50.35
「異形の者」のチョイスは全体的には評判良いみたいだね。
俺も一読目はしっくりこなかったけど、再読したらなかなか良かったよ。
988v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo :2011/08/27(土) 14:18:05.16
ムーさんは修行すれば?俺もレベル40で水遁されてから頑張ってレベル10まで持ち直したよ。
989v(・x・)v鈴木雄介 ◆JSPf4VvHXo :2011/08/27(土) 14:20:16.47
>>987
感無量DEATH!!
990アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/27(土) 14:24:02.71
>>980
いいね。全体的にはかなり同意なんだけど、
1点、「その物」を柳は嫌ったのかどうか、
そこはちょっと違う意見なんだよね。
新スレのほうに書いたほうがいいかな。
991ほら話者:2011/08/27(土) 14:36:32.92
もうコテにしちゃおうw
>>990
>1点、「その物」を柳は嫌ったのかどうか、
うん。自分も迷ったとこ。論理展開の都合上単に「嫌った」にしちゃったけど、
なんか捨て切ってもいないんだよねぇ。
意見あるならぜひ聞きたいです。しっかり論じたいなら新スレで。
992アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/27(土) 14:44:37.20
>>991
「俺は日に何回あなたの名を称えるか、あなたに誓うことはできない。
しかしもし俺が生きて行けたなら、無意議のうちにでも、
その物であるあなたをかならず想い出すにちがいない」
こう柳はつぶやいてるよね。
「その物」に対して嫌いも好きもいえないことを
柳はわかってるんじゃないかと思うんだね。
993ほら話者:2011/08/27(土) 15:12:19.19
>>992
なるほど。「嫌いも好きもいえないとわかっている」か
どういう論理展開ができるだろう
好き嫌いも吸収してしまう、それに意味づけすること(解釈)さえ危険な、
意味づけがさらにそれを拡大増殖させてしまうようなシロモノなんだろうか
994アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/27(土) 15:30:12.42
「その物」は大仏と関係づけられているけど
大仏そのものでもないと読んだ。
人間でもなく神でもなく、仏とも呼びがたいものだろうと。
そういう名づけがたさが、あるんじゃないかと思うし、
大仏の空虚な目に象徴されてるように
意味づけが拡大増殖するというよりは
ブラックホールのように飲み込んでしまうのではないか、
そんな感じを受けるね。
995ほら話者:2011/08/27(土) 15:42:05.50
>>994
いいね。ブラックホール=穴ときたか
生も虚無もまるごと吸いこんでしまう異次元への穴って感じ
おもしろい
996(o`.´o)materialist ◆m0yPyqc5MQ :2011/08/27(土) 19:39:53.56
藁貸し増すねぇ〜(笑)
997ニッパ椰子 ◆qJa0bYv/qk :2011/08/27(土) 20:34:01.26
ムーさんかわいそう
998ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2 :2011/08/27(土) 21:48:48.35
ありがとうございます!!

いずれ書き直しますんでよろしく!
999アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/27(土) 22:09:48.90
>>996
藁ばっかレンタルしてないで、マテもまた感想書いてよw

>>998
来週はニッパのお題のイェイツだから早めにね〜。
1000アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 :2011/08/27(土) 22:32:16.14
つづきは新スレで。
10011001
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。