大西巨人 第三楽章

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1まいぺーす
大西巨人についてのスレです。『精神の氷点』から最新作『深淵』まで、
大西の創作・批評活動をめぐる議論の、そして、情報交換の場となるように。

前スレッド「大西巨人 第二楽章」
http://book.2ch.net/book/kako/1051/10512/1051272716.html

前前スレッド「大西巨人」
http://ime.nu/book.2ch.net/test/read.cgi/book/1002904964/l50

大西巨人ホームページ「巨人館」
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/onishi/kyojin.htm
2吾輩は名無しである:03/05/12 21:49
>まいぺーすさん
週刊読書人の5/16号に目を通されましたか。
鎌田哲哉によるインタビューが載っています。
題して「『神聖喜劇』、それ以後」。
3吾輩は名無しである:03/05/12 23:08
阪神の方は今何やってるの?
4吾輩は名無しである:03/05/12 23:43
ありゃりゃ? もう前スレ落ちちゃったんすか?
なんか早すぎませんかね
5吾輩は名無しである:03/05/13 03:25
>>4
そのワケは、つい最近この板の鯖の圧縮数が変動したけど、
その工程で前スレが落ちたということなんでしょうね。
そう考えざるを得ない。注意深く見てみれば、他にも落ちた
スレがあることに気が付くはずです。例えば寺山スレがそうですね。
まあ運営上、仕方が無い事かもしれませんが…無慈悲かもね。
6まいぺーす:03/05/13 04:43
>>4
>>5
 前スレッドは、200番台あたりに位置していたところで、いきなり落ちてしまいましたね。
5さんのご説明のような事情があるのでしょうが、落ちるスレッドと落ちないものとの違い
がよく分からないですね。とりあえず、あまり下がらないように注意しておくしかないの
でしょうか。

>>2
 ご教示ありがとうございます。今日、本屋で買います。
7吾輩は名無しである:03/05/13 21:42
読書人かいますた

常にage
8吾輩は名無しである:03/05/14 00:54
同じく読書人買ってみた。
神聖喜劇のカバーの筆者近影しか見たことなかったので、
今現在のかなりのジジイぶりに正直驚いた。
まぁ、もちろん老いてますます盛んなのだろうけど。
9まいぺーす:03/05/15 10:30
 近くで唯一『週刊読書人』を扱っている本屋で売り切れていて、昨日ようやく図書館
で現物を見ることが出来ました。大西文芸における悪の形象の二つの型の話が参考に
なりました。次号も期待です。
10まいぺーす:03/05/16 23:37
 二週連続で『深淵』がアップされていますね。「わずかでも可能性が存在する限り、
それを徹底的《ラディカール》に追求することは、――たとえ、それが、抽象的可能性で
あって、その追求が、ひたすら徒労の様相を呈しようとも、――無上の大事である。」
という信念の下、主人公がアリバイ崩しのために、知人の日記の空白を埋めようとする
調査行動に迫力を感じます。いよいよ、大詰めでしょうか。
 「同日(一九九九年五月二十八日)宵の口、布満=信馬は、送受話器を上げて、
ダイヤルを「(〇九五×六)二三 ‐ 三五二八」と回した。」という描写は、大西巨人
ならではの厳密さです。
 大西赤人さんの新作『危篤の報』連載も始まっており、今は、二倍楽しめます。
11まいぺーす:03/05/17 22:52
 前スレッドに書きましたが、もう一度。6月1日より、本郷文化フォーラムワーカーズ
スクールにて、連続講座「大西巨人『神聖喜劇』を読む」が始まります。日程は、以下の
アドレスで見てください。

http://www.jca.apc.org/~nitta/

一回の受講料は、1,500円だそうです。初回6月1日(日)は、山口直孝(二松学舎
大学教員)が成立史を報告します。2回目6月29日(日)のゲストは武井昭夫氏。
以下は、未定だそうです。

12吾輩は名無しである:03/05/20 02:19
『老いてますますさかん』age。
13吾輩は名無しである:03/05/20 03:30
「日本の文学者たちは、書くことによって手疵を負うことが少な過ぎる。……
保身の術に汲汲としたり、時勢が変わるのにつれてあわてて昨日の作品や
言行やを否定または修正したり、することから、真の文学が生まれるはずはない。
諸雑誌の作品群がつまらぬ所以は、そこにあるのであろう。」age。
(『真人間のかぶる物でない帽子』46年)
14吾輩は名無しである:03/05/22 00:43
『血気』age。
15吾輩は名無しである:03/05/22 01:29
早稲田文学に「深淵」載ってた。去年の今ごろ?
16吾輩は名無しである:03/05/22 01:48
>>13
自分の主張をそんな理由で簡単に変えるのは、無責任でよくないって事ですかね。
17吾輩は名無しである:03/05/22 23:54
変わらないでいることを誇って、他者を軽蔑したり、罵倒したりするのも、どんな
ものだろう? 人間、年をとるとともに考え方も変わるし、さまざまな勉強や体験
で考え方が変わってくることもある。俺も大学時代、右翼だったのが、今じゃ反天
皇文学について、あれこれ考えるようになったし…。

大西が心底軽蔑しているであろう浅野晃の戦前戦中、戦後の著作を読んでいると、
戦前そして戦後の転向者を簡単にはバカにできないなと思えてくる。

次にボーナスをもらったら、佐多(窪川)稲子の、戦地慰問のルポなんかを収録し
た著作をまとめて買ってみようと思っている。それと、平凡社の「転向研究」増補
版の3冊組もね。
18吾輩は名無しである:03/05/23 00:00
 「未来風考察」では転向者の文学を擁護していましたね。
勝手にマルクスに入れ込んで勝手に後悔した分際で「転向派」などと称すな、
という批判に対して「それが通用するならば鴎外に「勝手にドイツ女を捨てた分際で〜」という
論法も通ってしまう」といった内容でした。
 >>13さんの引用とはかなり矛盾してますが
大西の軽蔑するものが一貫して「浮薄なもの」だという共通点はあると思います。
19吾輩は名無しである:03/05/23 15:21
>>13さんの引用した内容は、以前の自分の主張なり作品をあとから、
まるでなかったように扱い、あるいは今の都合のいいように偽造して、
その当時の自分に正面から向き合わないことを批判しているのでは。
「手疵を負うことが少な過ぎる」のは、そういう姿勢、過去の自己を「剔抉」せずに
いることを指すとおもいます。

大西さんは、主張の変更、そのこと自体を批判しているわけではないので、
>「未来風考察」では転向者の文学を擁護
していたとしても、そこに「自己剔抉」があったからで、なんら矛盾はないとおもいます。
20吾輩は名無しである:03/05/24 22:57
「神聖喜劇」光文社文庫版たった今読了
私的記念カキコですまないが
このスレに集う皆様には自明のことながら
予想以上(絶賛の評が圧倒的に多かった)の作品でした
時間が経ったら感想も整理できると思いますが
巨人先生の御健康と御活躍をお祈りいたします
21borobudur ◆V71rK62RAc :03/05/26 13:16
>>20
読了おめでとうございます
「神聖喜劇」は私も受験が終わったら腰をすえて読む予定です

>>19
過去の自分を直視しない学者は右左関係なく大西は嫌っていますよね。
それにしても「現代百鬼夜行の図」の徹底的な批判はよぼよぼの爺さんとは
全く思えないですね。まだまだ生きてがんばって欲しいです。
22吾輩は名無しである:03/05/26 21:00
よぼよぼ言うなや
23山崎渉:03/05/28 08:59
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
24まいぺーす:03/05/28 21:29
>>20
borobudurさんに続き、お祝い申し上げます。これからも何回か再読することになると
思いますが、その度に理解が深まり、楽しめるのではないでしょうか。

『週刊読書人』の鎌田哲哉のインタビューが続いていますね。2回目では、光文社の労働争議の
エピソードが、3回目には、座談会に(著作権に絡む責任の問題から)基本的に出席しない意志
が語られていました。来週は、どんな話がでるのでしょうか。
25吾輩は名無しである:03/05/29 14:40
>>11の「大西巨人『神聖喜劇』を読む」楽しみage
26三位一体の名無し:03/05/29 18:44
『神聖喜劇』、是非このキャスティングで映像化していただきたかった…
(不可能だったけど、このイメージで読んでますた)

東堂太郎=市川雷蔵(の若い頃。全章完結の10年以上前に亡くなられていたが(涙)
村崎古兵=曽根晴美
冬木照美=岸田森(の若い頃。もしくは天本英世の若い頃)
大前田軍曹=三國連太郎(の若い頃)

もしかして、『ふてえ間違い』でたか?
2720:03/05/29 19:54
レスを下さったみなさん,ありがとうございます
まいぺーすさんの仰るとおり何度も読み返すことになると思います

全編を通じて印象に残ったのは
「どこを切っても日本人」の神山上等兵でした
自分の父親を他人の前で「お父さん」と呼ぶ男,神山上等兵
26さんにならっていえば・・・例えば岡本信人?
冬木照美は・・・フランキー堺の若い頃?
村上少尉は・・・ちょっと浮かびません

誤差が太かったかなあ

28吾輩は名無しである:03/05/29 22:06
んむ、岸田森っていうのは
俺は冬樹は若干太り気味ってイメージでよんでたんだよなぁ
九州の人っぽい感じ
描写を読み落としてたかもしれないけど
29三位一体の名無し:03/05/29 22:38
>>27
神山上等兵と言えば、私には(※メール欄)の下りが印象的でした(笑ったw。

>>28
いえいえ、「描写を読み落としていたかもしれない」のは、むしろ私の方かもしれません。
ただ冬木の「『青く輝』く双眼」という「描写」だけで、乱暴にイメージしてしまいましたから…。
30吾輩は名無しである:03/05/29 22:42
最近の俳優でこの本原作にして
映画やれそうな人っていない
まぁみんなそうだけど
たとえば黒澤映画みたいな顔した日本人って
いなくなっちゃった
31吾輩は名無しである:03/05/30 01:39
『神聖喜劇』読了age。読み終わった直後だからなのか、何も言えない・・・。
でも、“自分にとって大切な本がまた一つ増えた”ということは確かです。

はあ〜、明日から何読もうかな。
このまま大西氏の本を読み続けるべきでしょうか?
32吾輩は名無しである:03/05/31 00:23
ぼくが『神聖喜劇』を読んだのは、22〜23歳頃。約20年前。
この、すごい小説の感動を伝えたかったけど、まわりには
興味を持ってくれる人が見つからなかった。インターネットも
無い時だし、しかたなく自分のなかに感動を閉じ込めてた。
大西巨人に、いつか感想文を送ろうと思ってた。しかし、
送れぬまま20年が過ぎた。しかし、とにかく、大西巨人は、
ぼくにとって、なんの違和感も、含羞も、気負いも、揶揄も、なく、
先生と呼べる(先生としか呼びようがない)存在であることは、確かで、
そんな人を20代前半で見つけることができたことは、ぼくとして、
その当時、嬉しかった。
33吾輩は名無しである:03/05/31 10:29
昔少年マガジンに大西巨人ってマンガあったんでつか?
34まいぺーす:03/06/01 10:41
>>33
 ありました。本人とは無関係で、当時人気のプロ野球チームを組み合わせて出来た
ヒーロー名です。冒険スパイ活劇ものという感じでしょうか。当時、街頭にあった
『少年マガジン』の広告を見て、野間宏は、ついにあの作品(『神聖喜劇』)が完成
したのかと勘違いしたそうです。

 前のスレッドでも、『神聖喜劇』のキャスティングの話題がありましたが、東堂太郎
の年齢を考えると、誰かを当てるのは絶望的なような感じが。個人的には、村上
少尉を演じられる人は、割といそうな気がします。
35吾輩は名無しである:03/06/01 11:07
>>34
大西巨人で検索したら出てきてビクーリしました。
なるほど、大毎、西鉄、巨人ですかね。

きょうは本郷文化初日ですね。
行かれる方に報告キボンヌ。
36borobudur ◆V71rK62RAc :03/06/01 20:59
 五里霧の表題作やエッセイなんかを読んでて思ったんですが
彼は頑固オヤジの面と、(元々の意味で)君子豹変的な面を共有しているんですね。
これは作家の中ではとても稀有なのではないでしょうか。
 だから僕は堅実な思考の中になにげなく漂う若さ、青臭さにも巨人の魅力を感じます。
「精神の氷点」からしてそういう味が感じられました。
37吾輩は名無しである:03/06/01 21:04
sine
38吾輩は名無しである:03/06/01 21:30
まいぺーすさんは今日の会は出席されたのですか?
39志井かすぞー:03/06/01 22:29
こんなプロレタリア文学誰が読むんだ
40まいぺーす:03/06/02 00:12
>>38
講座「大西巨人『神聖喜劇』を読む」の一回目、行って来ました。初回は、導入ということで、
『神聖喜劇』の成立史を雑誌初出や当時の広告、インタビューや新聞記事で見て行きました。
多くの資料が出されていて、時代の空気を感じることができ、興味深かったです。武井昭夫氏も
出席され、いろいろとエピソードを披露してくれました。連載が始まった当時は、3回ぐらいで
終わる見通しだったそうです(笑)。
 次回のゲストは、湯地朝雄氏になりそうです。すが秀実・立野正裕・鎌田哲哉氏らにはゲスト
の内諾をもらっているそうで、順次お話してもらえるとのこと。後期の人選は、希望があれば
受け付けるとも言っていました。武井昭夫氏は、毎回参加するそうです。他に、参加者に報告
してもらったり、基本的な文献の読解も行う予定で、参加者の意見に即してプログラムが組み
立てられていく感じです。次回からの、あるいは一回かぎりの参加も大丈夫です。

>>36
borobudurさんのご意見、何となくは分かるのですが、「君子豹変的な面」に関しては、
もう少し具体的に述べていただけると助かります。
41吾輩は名無しである:03/06/02 01:24
>君子豹変的な面
もわからないが
>若さ、青臭さ
というのもよくわからない。
42吾輩は名無しである:03/06/04 22:41
『老いてますますさかん』age。
43吾輩は名無しである:03/06/07 22:21
『独立喪失の屈辱』age。
44美香論 ◆YH4pIhUROU :03/06/07 22:22
くだらないボケ、屑、
屈折した文芸評論かよ!
死ね!
美香は美しい!
すばらしい!
いじめる奴はかたわの人間だ!
45吾輩は名無しである:03/06/09 09:39
>>44
大江すら満足に読解できないような人が何言ってんの?
雑談スレから出て来ないように。
46吾輩は名無しである:03/06/10 19:06
光文社文庫『三位一体の神話』(上・下)刊行記念age(七月)。
47吾輩は名無しである:03/06/10 23:53
おお!良いぞ光文社
48吾輩は名無しである:03/06/13 10:52
「真人間のかぶる物でない帽子」age。
49ゴメス ◆36A.Baj8ic :03/06/14 02:01
高校生私保守
50まいぺーす:03/06/14 23:35
 『深淵』の更新が一回お休みになっていますね。「名告り読み」という鍵によって、
兇器のナイフの署名の謎が解かれようという場面にさしかかっているだけに、じれったい
思いにさせられます。完結前の最後の難所というところでしょうか。『三位一体の神話』
の文庫化とどちらが先か。そう言えば、『週刊読書人』のインタビュー連載は、途中お休み
があったようですが、その後どうなったのでしょうか。ご存知の方、ご教示ください。
51吾輩は名無しである:03/06/15 13:02
次回「大西巨人『神聖喜劇』を読む」だけど誰か行く?
52大前田文七:03/06/17 17:42
死節時が多いな、このスレッドは!
53まいぺーす:03/06/19 09:55
>>52
仰せの通りですね。もう少し、賑わうといいのですが、今の所ネタが不足している
感じです。せめて、「誤差が太い」ということにならないようには、気を付けたい
です。

>>51
次回は、ゲストが湯地朝雄氏に本決まりだそうです。第一巻を中心に、お話をされる
ということです。
54吾輩は名無しである:03/06/22 00:02
ageるであります。終わり。
55吾輩は名無しである:03/06/22 03:41
タケイテルオをタケイアキオって読んでたヤシ
ハーイ
56吾輩は名無しである:03/06/22 15:42
すみません。つまらない質問をさせてください。
今日、「神聖喜劇」を読み始めたのですが、
80ページほど進んだところで本を置いてしまいました。

というのも、主人公東堂の心中告白に辟易させられてしまうのです。
彼が言う「虚無主義者」というのは、
「みんなバカばっかりだ」という優越感の裏返しではないのかと思ってしまいます。
これは想像の域を出ませんが、「忘れました−知りません」事件は
作者が実際に経験したことではないかと想像してしまいます。
「インテリ」東堂の独白(僕にはただの自己弁護としか思えないのですが)が、
物語の喜劇性を強調するものであれば良いのですが、
もしそうでなければこの先ずっと作者の自己正当につきあわされるのかと思え、
読み進めることがつらくなりそうです。

質問というのは、それでもこの先読み進めるべきなのか、
それともこの作品は僕には肌が合わないものなのかが
決心つけかねているのです。
この点について何かご教授いただければ、と思います。
よろしくお願いします。
5756:03/06/22 18:51
自己レスですw
その後また読み進めましたが、またストップしてしまいました。

最初は喜劇のようにとらえて読んでいました。
僕は喜劇は登場人物(特に主人公!)が不条理を可笑しく演じることにより
その不条理性が強調されるものと考えています。
(もちろん、そうでない喜劇もあると思います)
しかし、この小説は東堂が、
「軍隊は喜劇のようだ(もしくは、喜劇であってほしい)」と
冷ややかな目で見る、というものだと感じました。

共産主義云々のくだりはとても興味深く読みました。
しかし、東堂の人をバカにしているとしか思えない独白は
(たとえ相手が登場人物であっても)
実体験でなかったとしても、それを東堂に語らしめる作者の目は
「生理的に」受け付けることができません。
(それはきっと自分にも東堂的なところがあるからだと思いますが)

いまは少し置いておいて、またいつか読んでみたいと思います。
スレ汚し失礼しました。
58ゴメス ◆36A.Baj8ic :03/06/22 23:28
>>56
私も最初はとっつきがわるいというか
東堂に「なんだこいつは」と思わされましたが
話が進むにつれひきこまれました
なにぶん長い小説なので
どなたにもだれ場があってもおかしくないと思います
私は光文社版3巻は少しだれました
なんにしてももう少し辛抱してはいかがでしょうか
きっとすばらしい場面にであえると思いますが・・・
失礼しました
59吾輩は名無しである:03/06/23 18:57
要は東堂の態度が気に入らんという事だろう。
安心しろ、東堂含めて喜劇の全てはブラックユーモアだ。
60まいぺーす:03/06/26 09:34
>>56
 遅レスですが、東堂の語りが自己正当化の傾向を帯びているとは、あまり感じられません。
俗物に対する矜持ということなら分からないことはないのですが、東堂は、基本的に自己を
特別視しないために、あれだけの言説を駆使しているのではないでしょうか。また、常識的な
自己を堅持するために、東堂は、傍観者の立場に止まるのではなく、喜劇の世界に関わらざる
をえなくなっていきます。おそらく、もう少し読み進めれば、そのあたりの事情が見えてくると
思うのですが……。ゴメスさんと同じく、読書の再開・継続を願っています。
61ゴメス ◆36A.Baj8ic :03/06/26 21:29
>>60
まさにマイペースさんの仰る通りで
この小説は軍隊という強圧的装置により
大前田軍曹や神山上等兵その他の兵士、兵士見習たちが
本人達は気付かないままに人格の変化→矮小化,尊大化等々を強いられている
喜劇的様相を克明に描いているのだと私は感じました
その状況に「虚無主義者私」である東堂が否応なく巻き込まれていく姿は
スリリングで、非常に引き込まれる点でありました
こうした読解はおそらく一面的なものであり、それ故にそのうちゆっくりと
再読して東堂の膨大な引用の意味するところを味わってみたいと
考えているところであります終わり
長文悪くありました
62吾輩は名無しである:03/06/26 21:30
で、日曜日逝く人いるー?
63林彪 ◆0RbUzIT0To :03/06/27 23:17
精神の氷点はやはり名作ですね。
64吾輩は名無しである:03/06/28 02:02
ぼくにとっては、『神聖喜劇』は、とても“とっつき良い”作品でした。
小説作品のなかで、多大な引用によって、とことん批評を繰り広げる作法は、
この日本の文学界においては、唯一無二の行き方なのではないでしょうか?
そして、世間・世界・人間・自己を、批評する主人公(というか作者)には、
出来あがった作品に対する他者の批評を全身で受け止め、応える覚悟ももちろん
あるわけで、そこが(その姿勢が)また、すごいわけです。
「消極的」とか「逃げ腰」とか「逃げ道」とか「ワン・クッション置く」とかの
行き方とは、とことん無縁な行き方を貫くことは、そういう行き方が出来ない人を
「バカにする」こととは違うだろうと思う。東堂自身も時に「逃げる」のだから…。
とにかく、『神聖喜劇』には、主人公の「自己正当」という要素は、どこを探しても、
まともな読者には見つからないはず。
ぼくには見つからない。
65吾輩は名無しである:03/06/30 02:02
神聖喜劇を読了。
5ヶ月かかった。
げに恐るべき入魂の書とでも言うべきでしょうか。
これからは本編中に引用された詩歌やその他を追って
読んでみたくなった。
66吾輩は名無しである:03/07/01 21:45
『三位一体の神話』はいつ頃でるんでしょ?
67まいぺーす:03/07/03 11:00
連続講座「大西巨人『神聖喜劇』を読む」の二回目のことを少し。ゲストの湯地朝雄さんは、
東堂太郎の心情的ナショナリズムを取り上げました。彼が兵役を忌避しなかった理由の一つに
戦場で戦う同じ民族・人民への思いがあったわけですが、そこで忘れず付け加えられている
民族への意識とはどういうものであるのか、またそれは、東堂の思考をどう特徴づけ、限界
づけているのかということを、森鴎外『うた日記』への東堂の愛着などを材料に話されました。
『神聖喜劇』の最も難しい問題が早くも取り上げられたという感じです。議論もかなり盛り上がり、
次回以降に継続ということになりました。湯地さんは、次回以降もできるだけ参加いただける
とのことです。あと、9月21日(日)のゲストがすが秀実さんに決定したそうです。

>>66
 多分、今月のはずです。10日前後ではないでしょうか。
68ゴメス ◆NImfPFkLzM :03/07/03 22:26
>>67
なるほど。ご報告有り難うございます
神聖喜劇その深層といった感じで興味深い論点ですね
たしかに戦争で死ぬべき虚無主義者私たる東堂というだけでは
徴兵忌避の理由にはならず
彼の和歌や古典へのひとかたならぬ愛着に
それを解く鍵が隠されているということでしょうか

ところで講座の形式や参加者の数などよろしければ御教示下さい
当方地方在住なものでまず聴講は不可能なので
その雰囲気だけでもと・・・
69まいぺーす:03/07/06 16:21
>>68
参加者は、今のところ20名前後です。ただゲストの話を聞くというだけでなく、参加者が
積極的に発言することが期待されているのが、講演会などと違うところのように感じます
(もちろん、初心者歓迎でもありますから、会への関わり方は、各自に任せられているわけ
ですが)。講座の進め方についても、相談によっていますし、そのうち、参加者が報告する
回も出て来そうです。それから、ただ『神聖喜劇』を称賛するのではなく、問題点を具体的に
検討することが目指されているのも特徴のように感じられました。講座の資料やニュースは、
実費を払えば、送ってもらえると思いますので、よろしかったら事務局に申し出られたら
どうでしょうか。
70ゴメス ◆36A.Baj8ic :03/07/08 10:02
>>69
懇切丁寧なる御教示有り難うございます
建設的批判も含む合評会しかもガイドつき
というイメージですね
それに耐えうる作品だと思います
ありがとうございました
71吾輩は名無しである:03/07/11 00:54
文庫版『三位一体の神話』出ましたね。記念にageときます。
72吾輩は名無しである:03/07/11 01:56
『三位一体の神話』さっそく注文しました。
社会評論134号(03年夏号)掲載の、山口直孝氏の大西論は良かった。
勉強になった。タイトルは『単純な理念を持続すること』。
とても勉強になった。
特に、大西巨人における「作家」意識の分析が、説得力があり繰り返し読んだ。
あと幾度か読もうと思う。
いわく、大西における「作家」を特権視しない姿勢および抑制、
大西における「作家」批判の要素、大西における「作家」の職域厳守姿勢、
大西における俗情的「作家」イメージをめぐる闘争、つまり大西の態度及び表現意識
が、常に「作家」に対する批評的意味を帯びていることの指摘……。
若い山口直孝氏の、とても勉強になる、ありがたい論文です。
73吾輩は名無しである:03/07/11 10:26
若いのか?40ぐらいじゃね?
74吾輩は名無しである:03/07/11 16:48
迷宮も新装でまたでるね。
75吾輩は名無しである:03/07/11 16:49
いつ?
76吾輩は名無しである:03/07/11 16:52
『三位一体の神話』買ったら、中についてるチラシに
書いてある。もうでてるっぽい。
77吾輩は名無しである:03/07/11 16:53
ありがと
78吾輩は名無しである:03/07/11 17:50
近くのブクオフで「地獄変相奏鳴曲」をハケーン。買いでしょうか?
79まいぺーす:03/07/11 18:39
>>78
 急いで買ってください。大西作品で、今最も入手しにくい作品の一つです。
80吾輩は名無しである:03/07/11 20:15
>79
ガイシュツかとも思いますが、
神聖喜劇論で何がおすすめですか?
入手が難しいものでも探しますのでお願いします。
81まいぺーす:03/07/11 22:18
>>80
 すみません、ただいま家を離れていて、きちんとお答えすることができません。
戻りましたら、ぜひ。とりあえず、亀井秀雄「ことばの奪還−−『神聖喜劇』論−−」
(『群像』1980年8月号)は、必読だと思います。他の方も、お勧めがあれば、挙げて
いただきたいところです。
82吾輩は名無しである:03/07/12 20:38
まとまったものってあまり知らないな。
スガの底付評は面白かったが。
83吾輩は名無しである:03/07/12 23:49
「三位一体の神話」文庫版を早速読んでますが、面白いですね。
下巻の帯にある
「先入観なしに、『罪と罰』ないし『魔の山』を読むごとく『三位一体の神話』を読まれよ」
というコピーがカッチョイイです。
84吾輩は名無しである:03/07/13 23:05
>>79
「地獄変相奏鳴曲」買ってきました〜
でも今は「神聖喜劇」が途中なので読むのはまだ後になりそう・・・
85吾輩は名無しである:03/07/14 00:24
三位一体の神話ってミステリーなの?
86吾輩は名無しである:03/07/15 02:42
光文社はもうネタ切れかな。
講談社は文庫に落とす気ないのかね。
87吾輩は名無しである:03/07/15 08:41
講談社は高いからイヤ
88山崎 渉:03/07/15 08:45

 __∧_∧_
 |(  ^^ )| <寝るぽ(^^)
 |\⌒⌒⌒\
 \ |⌒⌒⌒~|         山崎渉
   ~ ̄ ̄ ̄ ̄
89 :03/07/15 16:13
>81
どうもありがとうございました。
探して読んでみます。
他にも何か思いあたりましたら是非お願いします。
90まいぺーす:03/07/16 00:42
>>89
とりあえず、追加で10篇ほど挙げておきます。内容に関するコメントは、今は省略します。

@、佐々木基一「戦後の決算――『神聖喜劇』をめぐつて――」(『文芸』第8巻第8号、
 1969年8月1日)
A、寺田透「『神聖喜劇』(第一部・第二部)をめぐって」(『新日本文学』第26巻第4号、
 1971年4月1日。大高知児編『『神聖喜劇』の読み方』〔晩聲社、1992年7月1日〕に収録)
B、篠田一士「『神聖喜劇』の主題」(『新日本文学』第35巻第9号、1980年9月1日)
C、山岸嵩「一説『神聖喜劇』論――部落問題文学の視点より」(『新日本文学』第35巻第9号、
 1980年9月1日)
D、井口時男「正名と自然――帝国軍隊における言語と「私」――」(『群像』第47巻第12号、
 1992年11月1日。のち、井口時男『悪文の初志』〔講談社、1993年11月29日〕に収録)
E、大高知児「大西巨人『神聖喜劇』――一九四二年の対馬をめぐって――」(安川定男編
 『昭和の長編小説』〔至文堂、1992年7月15日〕所収)
F、渡部直己「差別とエクリチュール(下)/戦後党員作家の「部落」」(『批評空間』第9号、
 1993年4月1日。のち、渡部直己『日本近代文学と〈差別〉』〔太田出版、一九九四年七月二日〕
 に「第四章 戦後党員作家の「部落」」として収録)
G、立野正裕「兵士の論理を超えて――『レイテ戦記』と『神聖喜劇』――」(『社会評論』
 第22巻第1号、1996年1月1日)
H、湯地朝雄「『迷宮』を論じて『神聖喜劇』に及ぶ――または、「人民のための文学」と
 「反俗の精神」との関係について」(『社会評論』第24巻第1号、1998年3月1日)
I、武田信明「野砲の水平・銃の垂直――『神聖喜劇』論――」(『早稲田文学』第27巻第3号、
 2002年5月1日)

『迷宮』の新装版というのは、もう世に出ているのでしょうか。ここしばらく注意して本屋を
見ているのですが、まだお目にかかれません。目撃された方は、ご一報をお願いします。
91まいぺーす:03/07/19 21:57
光文社文庫版『三位一体の神話』所収の鎌田哲哉氏の「解説」は、氏らしい硬質の
文章と的確な主題考察とが融合していて、読みごたえがありました。「言葉が強いる
反証可能性=社会性に不断に身を置く者と、それを平然と回避する者との闘争の記述」
という概括、「時間を停止させる「喪服」を強いられながら、その人物が自分の不幸を
研磨することで何かを新たに生みだす光景」というモチーフの指摘のいずれも、納得
させられました。やや遅い感想ですが、ageときます。
92ゴメス ◆36A.Baj8ic :03/07/21 13:23
まいぺーすさんいつも有益な書き込み有り難うございまず
「三位一体の神話」読了。
かわら図のペダントリイを楽しみました
完全倒叙型で「モデル」と作者の錯綜した入れ子構造
今までにない読後感です
尾瀬の「白いもの」というエッセイに感服しつつ
下世話な興味としては
なぜ尾瀬が葦阿の事を想起させるような事を書いたのか
またなぜ作者が容易に「モデル」を連想させるこの小説自体を書いたのか
真意奈辺にありやというところに向かってしまいます

93まいぺーす:03/07/21 22:50
>>92
 尾瀬が葦阿を意識していたということはなく、基本的にすべては葦阿の過剰反応
ということなのでしょうね。「年齢奇譚」に関しては、僕は、尾瀬が自身のことを
語っているのではないかという仮説を持っています(当人しか知り得ない情報が語られて
いる、などの理由から)。その当否はともかく、話のポイントは、出生の事情は、
本人の人生と何ら関係ないということでしょう。その談話が殺人事件を惹き起こすの
ですから、これほど皮肉なことはないのですが。
 「容易に「モデル」を連想させるこの小説」とのことですが、俗物の極みである葦阿
は、それほどたやすく井上光晴を想起させるのでしょうか。僕には、むしろ葦阿=井上
と見てしまう論者たちの意識に問題があるように思うのですが。

 近くの本屋で『迷宮』新装版を見つけました。増刷もかかったようで、まずはめでたいです。
9492:03/07/22 01:47
>>93
丁寧なレス有り難うございます
疑心暗鬼の罠に陥るのはオセロウだったはずが「三位一体・・・」においては反転しているわけですね
大西氏の真意、意図はわかりませんが、誰が「モデル」なのかについてはわたしにはわかりませんが
文筆業界では何らかの事情というか背景があってのことなのだろう
と軽く考えておりました
勿論大西氏がそれほど浅薄な意識で創作してるなどと考えているわけではないです
繰り返しになりますが「白いもの」のすばらしさ
不意に宿る作者の「気迫」は大西氏の美質の一つと改めて感じ入ります
長文失礼しました
95まいぺーす:03/07/25 21:55
 今週は、『深淵』はお休みですね。大西赤人さんの連載小説『危篤の報』は、12回目。
今回で終わりだと思っていたのですが、それは僕の早とちりで、これからまだまだ紆余
曲折がありそうです。今までのところありがちな臨終をめぐるドラマといった趣きですが、
それがどう壊されていくか楽しみです。
 ということで、ageときます。
96吾輩は名無しである:03/07/26 00:34
『三位一体の神話』(文庫版)を手にしました。
巻頭のエピグラム…
「真相は、かならず明るみに出る。殺人は、隠し通されることができない。」
をもじって言えば…
「名作・傑作・力作は、かならず明るみに出る。真の芸術は、埋もれ去らせられることができない」
ってなことになりましょうか?
わたしは、仕事の性質上、日ごろ、老人・高齢者と多く接しています。
それで、「人の死」「死に方」について、否応無く考えさせられるんです。
『三位一体の神話』の大きなテーマである「自殺」 「各自の自由意思による死」(パヴェーゼ)
のことは、一人ひとりの人間(現代人)にとって、今後ますます身につまされる問題
にならざるを得ないと思います。この5年ほど、高齢者と接して、その感を深くしております。

ところで、どなたかも言ってましたが、講談社の『天路の奈落』および『地獄変相奏鳴曲』の
文庫化を、日程に上らせねばなるまい状況となってきましたね。
97吾輩は名無しである:03/07/26 09:39
ヘルスにいって、チンポの裏筋を20分間以上舐めてもらおうや!
それから、オプションで、女の顔に精液をぶっ掛けろ!
3000円出して、学生証を見せてもらえば、○○大学の2年生だった。
今日はいい一日だったよ。
98あぼーん:あぼーん
あぼーん
99cotton candy:03/07/28 01:15
「俗情との結託」
もう使い古された言い古された言葉ではあるだろう

俗情との結託を排しなければならないが、完全に排するのはただのヴァカ
どこでバランスを取るか、ギリギリのせめぎ合いであるべき
なのにこの世の中は、何につけても言ったもん勝ちやったもん勝ち 仁義も遠慮もへったくれもない
譲れない一線も越えてはならない一線も、とうに消滅したかのよう
βακαが騒ぎ立てまくったあげく、自分たちの思い通りになったと狂喜してやがる
いきおい、私の中では色あせないどころかますます光り輝き重みを増している
毎晩目の前に立ち現れる大西先生に相対正座して
「俗情との結託俗情との結託俗情との結託俗情との結託俗情との結託 クソックソックソックソックソッ」
とはいえ、チキンな自分には何が出来るわけでもない
せいぜい、自分の半径5メートル以内だけはなんとかしよう、ただそれだけの毎日
100あぼーん:あぼーん
あぼーん
101まいぺーす:03/07/31 13:22
>>99
 遅レスですが、「自分の半径5メートル以内」を何とかしようというのも、それなりの
労力を必要とするわけで、cotton candyさんの意志には、敬意を払いたいですね。
そうした営為は、大西の言い方を真似れば、いつかは天に通ずるかもしれません。
ご自愛を祈ります。
102吾輩は名無しである:03/07/31 15:40
やっと神聖喜劇読み終わった。
面白かったけど、何がなんだかわからなかったり・・・
この人の人物描写スゴイよなぁ「あーこういう人いるいる」って思うもん
流石に東堂みたいなのはいないけど
103吾輩は名無しである:03/07/31 20:37
将来、伝記が書かれるときは、生活保護受給をめぐる噂の真偽について、ぜひ詳し
く言及してもらいたい。
104吾輩は名無しである:03/07/31 22:52
>>103
大西本人はそのことついて沈黙してるの?
105ゴメス ◆36A.Baj8ic :03/08/01 01:20
>>103,4
みすず書房大西巨人文選3に渡部昇一との論戦における
経緯説明的文章の中で言及しています
結論を言えば誤りのようです
106吾輩は名無しである:03/08/01 02:20
テンロの奈落ついにゲットしますた。
あとは地獄です。
107山崎 渉:03/08/01 23:56
(^^)
10889:03/08/02 05:39
>90 まいぺーすさん
本当にありがとうございました。
他にも何か見つかりましたら、その都度ご紹介していただけるとたいへん助かります。
このスレ引き続きROMらせていただきます。
109吾輩は名無しである:03/08/03 14:16
迷宮2刷age
110まいぺーす:03/08/05 01:03
7月27日に行なわれたHOWS連続講座「『神聖喜劇』を読む」第3回目のことを少し。
ゲストは、前回に引き続き、湯地朝雄さん。今回は、「責任阻却の論理」を中心に、
作品を貫く法意識を取り上げられました。東堂太郎の発想と丸山真男の論理との共通点
などの指摘もあり、興味深かったです。ただし、議論の中心になったのは、前回から
の話題の持ち越しで、東堂のナショナリスティックな心情についてでした。司会の武井
昭夫さんが、どのような観点からも積極的に評価できないという原則論的立場を堅持された
ため、そのことをめぐってスリリングな応答がありました。と言っても、座の雰囲気は、
和やかでしたけれども。あと、当時の軍関係の法規集の実物(例えば、『被服手入保存法』
や『砲兵操典』など)の披露がありました。
 次回8月30日(土)のゲストは、未定。ひょっとしたら、なしかも分かりません。
111吾輩は名無しである:03/08/05 01:05
>東堂のナショナリスティックな心情についてでした。司会の武井
>昭夫さんが、どのような観点からも積極的に評価できないという原則論的立場を堅持された
>ため

まいぺーすさんご自身はどのように評価されますか?
112まいぺーす:03/08/05 01:24
>>111
 電撃的なレス、ありがとうございます。実は、考えがまとまっていません。
東堂の「民族」意識には、排外主義的な徴候は見られず、問題を感じることは
できません。また、徴兵を忌避しない理由として、「おなじ民族おなじ人民」
への思いを挙げる東堂には、ある倫理性が認められるように思います。けれども、
それが「おなじ人民」だけでは駄目なのか、と言われると、答えに窮します。
 今のところ、東堂のナショナリズムは、必ずしも積極的に引き受けられている
のではなく、例えば戦争責任を考える際に、自らの位置を定めるために負の印と
して意識されているのではないかと思っているのですが、あまり根拠はありません。
 頼りない応答で、恐縮です。
113まいぺーす:03/08/09 04:41
 一週間遅れですが、『深淵』がいよいよ最終章に突入したようですね。二つ目の
裁判での証言を無事果たした麻田が、私生活でどのような選択をしていくのか、見据えたい
と思います。今週は休載ですが、秋までには完結するのでしょうか。
 期待を込めて、ageておきます。
114吾輩は名無しである:03/08/14 02:43
「三位一体の神話」に出てくる。
「聖茶番」「現代日本遁走曲」「複成火山」ってそれぞれ
「神聖喜劇」「地獄変相奏鳴曲」「二重式火山」のことなんですか?
115まいぺーす:03/08/15 07:20
>>114
 そうです、と言うと、差しさわりがあるような気がしますが、明らかに対応はしていますね。
あとは、個人で想像して楽しむということでいいのでは。いずれにしても、『二重式火山』は、
幻の作品ですね。ちなみに、『娃重島情死行』では、『崇高なる茶番』なる作品名が登場して
いましたっけ。
116山崎 渉:03/08/15 09:05
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン
117吾輩は名無しである:03/08/15 11:29
保守  
118吾輩は名無しである:03/08/15 13:29
「二重式火山」ってなんだ?俺聞いたことない
119吾輩は名無しである:03/08/16 16:03
『三位一体の神話』読み終わりました。
個人的にはやっぱ『神聖喜劇』のが良かったです(当然なのか?)。
読んでて大西巨人嫌いになりかける・・・
おもしろいからまぁいいんだけどさ・・・
120吾輩は名無しである:03/08/19 16:32
しょーもないことですが
読書人のインタビューで鎌田哲哉が、自分は物を書くより大切なことがあると思ってる
と言ってて、その後も鎌田の話が続いたために
それに対する大西巨人の意見とかがなかったのでちょっと気になります。
大西氏というと、どうしても政治的な面とかそっちが気になってしまうので
文学を特権化すべきではない、とも確か大西巨人は言ってたけど、本人にとってはどうなのか、とかは気になったり
121まいぺーす:03/08/20 07:57
>>118
 『地獄変相奏鳴曲』の「奥書き」に次回作として掲げられている作品です。
『地獄変相奏鳴曲』と同じく、連環体小説であることが断られています。今の
ところ幻の作品です。ひょっとしたら、『精神の氷点』がそこに入る可能性も
あったのでは、と思ったりもします。

>>120
 『週刊読書人』のインタビューは、大連載になりつつありますね。作家を特別視・
保護視しないということでは、大西は、鎌田と同じ、あるいはそれ以上だと考えられ
ますが、できればこれからの応答において、はっきりと語ってもらいたいですね。

>>119
 嫌いになりかけた理由に触れていただけるとありがたいです。
122120:03/08/20 18:24
>>121そうですね。
わたくし個人的には、優れた芸術家は、絶対に芸術至上主義的な面が強くあるはずだ、
という思い込みがあるので・・・
客観的な文学至上主義ってのはないと思っていても、大西巨人本人にとっては、どっかあるんじゃないか、と思って。
あ、でも大西氏のエッセイとか評論はあんまし読んでないので、
そういうことはどっかで言ってるのかもしれませんが。
123吾輩は名無しである:03/08/23 03:22
東堂は『トニオ・クレーゲル』を引用して、
生まれながらの芸術家について思いを巡らしてましたね。

その東堂の話は「(真の)芸術家」の特権化であったと同時に、
それは「作家」を特権化しないという話でもあった。たぶん。

だとすれば、「作家を特別視・ 保護視しないという」大西氏にも
「芸術至上主義的な面が強くあるはずだ」といっても全くおかしくないと思いますが、どうでしょう?
124まいぺーす:03/08/23 06:39
>>122
>>123
 同感です。戦後直後に発表された「創造の場における作家」などのエッセイでも、
創作という営為に関わる自恃が表明されると同時に、相対化が繰り返し語られて
いましたから、文学をめぐる大西の独自な意識は、一貫したものとしてあるのでしょう。
作家ではなく、作家になったとも書かれていない東堂太郎においても、そうした発想は、
堅持されているようです。おそらく、ニーチェに対する親愛も芸術至上主義の文脈に
関わっているのでしょうね。
125123:03/08/23 14:40
>それは「作家」を特権化しないという話でもあった
「作家の類」といった方が良かったかもしれません。

ところで武田信明という人が
「習俗的であることへの憧憬」と「習俗的であることへの軽蔑」とを
同時にもっていて、それゆえに周りになじめないひとは
世間に「ざらにいる」と言ってたのを思い出した。言い方はちと違ったけど。
妙にずごく納得した。
126123:03/08/23 15:04
訂正

>それゆえに周りになじめないひとは
それゆえに周りになじもうとしてもダメで、結果自分を特別視してしまう人は
127まいぺーす:03/08/27 22:05
 東京渋谷の古書店、光堂の目録に大西巨人の著作がまとまって出ています。『運命の賭け』・
『戦争と性と革命』がいずれも8,000円というのが驚きです。他の作家に比べて値付けが高価
に見えるのは、希少性のゆえでしょうか。それでも、『天路の奈落』・『地獄変相奏鳴曲』は
見当らず、品切れの小説作品の入手しにくさは、増す一方のように感じられます。講談社
文芸文庫の英断を、強く望みたいところです。

ttp://www.fides.dti.ne.jp/~kai/hikarido/list/jl0001.html
128吾輩は名無しである:03/08/28 01:22
ただeasyseek見てると意外とよく出てますよ。地獄とか。
でもすぐ売り切れちゃうんでいつも歯軋りなんですが。
だからまったく流通がないというわけではないですね。
129あぼーん:あぼーん
あぼーん
130吾輩は名無しである:03/08/28 08:33
>127
光堂は他の店と比べて明らかに高い。
しかもそれでいて値段にポリシーをもっているというわけでもない。
前ファウルズの『アリストス』が9000円だった。低下3800円。
しかし他の古本屋が3000円で売りに出すと光堂も3000円に。
最悪の古本屋だと思うよ、光堂。ぼったくり。
131まいぺーす:03/08/31 13:20
 昨日は、HOWS連続講座「『神聖喜劇』を読む」第4回目でした。コーディネーターの
山口直孝が「『神聖喜劇』における自然描写−−故郷からの隔たり、内面化への戒め」
と題する報告を行いました。すが秀実『革命的な、あまりに革命的な』における大西
評価や学会で大西がほとんど取り上げられない現状に触れながら、それらの評価がともに
『神聖喜劇』の特異なエクリチュールにあるのではないかと提起し、自然描写の在り方を
検討したもので、東堂が捕える風景は、郷愁といった共同体への回帰することを厳しく
拒むものであり、同時にそれを容易に内面化しないところに特徴があると指摘しました。
その後の議論でも、室生犀星の評価や、作品における方位感覚、さまざまなスタイルの採用
の理由をめぐって活発な議論があり、面白かったです。次回は、9月21日(日)、いよいよ
すが秀実さんの登場ですね。楽しみです。

>>130
なるほど、そうですか。古本屋には、店ごとに見識を持っていてもらいたいと思うのですが、
なかなか理想どおりではないのですね。余談ながら、『アリストス』は、もう品切れなので
すか。知りませんでした。
132まいぺーす:03/09/05 20:45
 『Gag Bank』第2号、2003年3月15日に作家の三浦しをんが連載「犬のお散歩新刊情報」
で『神聖喜劇』を取り上げています。かつて三浦は、古本屋に勤めており、多くの客が
『神聖喜劇』を探し求めているのに遭遇したそうです。けれども彼は当時、大西を大橋
巨泉と勘違いしており、客の行動をいぶかしく感じていたそうです。けれども、今回読んで
「読み終えてしまうのを残念に感じたほど、滅法おもしろくて刺激的な小説」であることを
知り、「大西巨人の名は間違えようもなく、私の脳裏に深く刻まれた。」そうです。まずは、
めでたいですね。ageておきます。
133吾輩は名無しである:03/09/08 01:27
>>132
>大橋巨泉と勘違い
なんだか、信じられないなぁ。文学に無関心な人ならともかく…。信じるとしたら、
確かに、「まずは、めでたい」ですが、大西巨人に限らず、この国においては、
“左翼”というイメージがマイナスに作用するのは、どうしたことなんでしょう?
巨大資本(独占資本)に奉仕するマスコミによる情報操作の勝利というわけでしょうか。
90年代にソ連をはじめとした社会主義諸国が崩壊したことを、社会主義の
イカサマ性が実証されたというように捉えて、“新”であれ“旧”であれ、左翼
イメージを持つ人とその思想とは時代遅れのような、時代錯誤のような扱いを受ける
というのがひとつあるんでしょうか?
それとも、社会主義諸国が瓦解する以前からの、筋金入りの左翼嫌いでしょうか?
このあいだ、BSで、オーストラリアの二人の若者が、ヨーロッパからシベリアを経て
北京まで自転車で横断するという「猿岩石」の旅を思い出させる番組を見ました。
猿岩石と違ったのは、社会主義についてのコメント(および思考)があったこと。
シベリアの鉄道労働者の、「以前(ソ連時代)は限られた自由しか無かったが、その
自由を謳歌する充分な金があった。しかし今は、多くの自由があるが、金がない。」
という言葉や、シベリアなどの地方では、今を肯定する大衆の方が少数派であると
いうことが分かって、オーストラリアの若者が、複雑な気持ちを持ったようなのが、
印象的でした。ともかく、「左翼」をマイナスイメージと思わない、私は少数派ですね。
134吾輩は名無しである:03/09/10 17:55
>>133
スレ違いのレスになるけど、左翼だけじゃなく右翼もマイナスイメージなんで
べつに気にすることないんじゃないですか?
135133:03/09/12 00:00
>>134
なるほど。

今日も、自分の気に入らない外務官僚へのテロを推奨・肯定して
大ハシャギしてた、極右の石原恥ン太郎さんが、すべての人にとって、
マイナスイメージの存在であることを願わざるを得ない今日この頃…。
あんなのが、わが首都1000万人の首長とはネ …トホホのホ。 
知性と無縁の、“右翼小児病” のあんなのが、人気があるんだよなぁ。
なんでだ、なんでだろぅ〜。
136134:03/09/13 11:29
>>135
「今」、左翼がマイナスイメージなのは、左よりの言論人がなぜかこぞって
北朝鮮を擁護して、事実上テロを容認してた過去が大きいのでしょう。

そういう意味では、今回たまたま右翼がテロ肯定ともとられかねない発言を
したことをとりあげて、テロ肯定と騒ぐのはいささかお門違いかなという気がします。

人気ってのはおかしなもので、知性とは無縁の田中真紀子や辻元清美や
土井たか子でも(全部女性なのはたまたまです)人気があった時期がある。
知性とは無縁の石原慎太郎の人気も長くは続かないでしょう。

スレ違いと思いつつ、ついレスしてしまいました。次からは控えます。
137吾輩は名無しである:03/09/13 20:36
今後一切控えることをキボンヌ
138まいぺーす:03/09/15 14:05
『週刊読書人』2501号、2003年8月29日の「大西巨人氏に聞く〈『神聖喜劇』、それ以後〉10」
を遅まきながら読んでいて、『精神の氷点』の「新版おくがき」で挙げられている『地獄編三部作』
に関する鎌田哲哉の「それは、『地獄変相奏鳴曲』の前半の三つではないんですか。」という問いに
大西が「違う。」と答えているのにぶつかり、びっくりしました。僕も鎌田氏と同じように考え、
このスレッドでもそれを前提に書き込みをしたことがあるのですが、勘違いだったようです。インタビュー
では、『笑熱』という未発表の小説があることにも触れられており、興味をそそられること大です。
2503号、2003年9月12日からは第二部「『神聖喜劇』それ以前」がスタートしました。まだまだ楽しみは、
続きます。

>>133
ご指摘のように、マスコミによる左翼叩きには凄まじいものがありますね。133さんは、自認されている
ように、少数派なのでしょうが、有志具眼の人がいることは心強いです
139吾輩は名無しである:03/09/16 11:33
初めて読む場合、三位一体の神話から読んでも問題ないですか?
140133:03/09/17 02:51
>>136
>北朝鮮を擁護して、事実上テロを容認してた過去が大きいのでしょう。
北朝鮮の立場を基本的に支持する事は、北朝鮮の犯したテロ・拉致(などの誤謬)
を批判する事と矛盾しないと思います。拉致については北自身が認め、謝罪した。

>今回たまたま右翼がテロ肯定ともとられかねない発言を
>したことをとりあげて、テロ肯定と騒ぐのは…
石原は右翼ではなく、極右ですが、マスコミも含めて極右という“正しい評価”を
下していない。彼の極右ぶりは「たまたま」ではない。

>人気ってのはおかしなもので、知性とは無縁の田中真紀子や辻元清美や
>土井たか子でも(全部女性なのはたまたまです)人気があった時期がある。
これは、あまりに大雑把な言い方と思われる。明らかに、石原と田中・辻元・土井
との間には、違いがある。知性と無縁というのは、田中・辻元・土井の各氏に失礼
と思われる。石原と同類扱いするとは、136さんは、思考がガサツ。
136さんは、石原のヒドサを過小評価している。136さんに限らず、味噌も糞も一緒
にする人は、多いような気もするが…。
141吾輩は名無しである:03/09/19 19:04
息がくさい人は、自分の発するニオイに気付いてないんだよな。
あなたはどうですか?
142まいぺーす:03/09/20 00:28
>>139
問題ないと思います。ただし、『神聖喜劇』と『三位一体の神話』とでは思想性で
連続するものがあるものの、題材や表現で違いがあることも(当然ですが)、了解
されておかれるといいでしょう。

>>140
基本的にお考えに賛同します。言論者の立場をきちんと位置づけるのは、意外と面倒
ですが、大切な作業でしょう。歴史を振り返る時も、そうありたいのですが、力不足も
あってなかなかです。
143吾輩は名無しである:03/09/21 23:34
大西巨人を読む会っていつやってるの?
上に貼ってあるサイト、10月以降の予定がのってないね
144まいぺーす:03/09/22 22:55
 昨日9月21日は、HOWS連続講座大西巨人『神聖喜劇』を読むの4回目でした。ゲストは、
すが秀実氏。まとまった話はできないと言いつつ、大西巨人が論じられない現状、なぜ論じ
にくいのかの分析、『革命的な、あまりに革命的な』を踏まえた新左翼が大西を見出せ
なかった理由、無意識の領域の見えにくい作者の参照点としての『底付き』・『走る男』
への注目、19世紀小説の型に沿いつつ、独特の非構築の実践となっている作品構造、大西の
三島評価への注目、などなど、多様な論点を提出されました。充分、魅力的な『神聖喜劇』論
を書く材料は揃っていると感じたのですが、本人はまだ納得されていないらしく、そのあたりに
プロ意識を感じました。司会の武井昭夫氏との応答も面白く、新左翼が上の世代や『新日本文学』
に冷淡であったことが分かって興味深かったです。

>>143
昨日、後期の日程が告知されたので、参考までに。
@、10月25日(土) ゲスト:立野正裕氏(明治大学教授)
A、11月29日(土) ゲスト:鎌田哲哉氏(文芸評論家)
B、1月24日(土) ゲスト:未定
C、2月21日(土) ゲスト:未定
D、3月20日(土) ゲスト:大西巨人氏
145吾輩は名無しである:03/09/23 01:02
ぜひスガにまとまった大西論を書いてほしいですね。
単行本一冊分くらいは書けそうな感じがする。
他の人だと鎌田の名前も上がるのかもしれませんが、
個人的には、鎌田の文章はマジメ過ぎるのでどうも・・・
ジャーナリスティックな感じもほしいし
146吾輩は名無しである:03/09/23 15:06
俺の友達が、「次のノーベル賞は大西巨人だ!!」と言ってたんですが・・・。
この人、そんなに国内外での評価が高いのですか?

147吾輩は名無しである:03/09/23 17:03
いや、そんなもの本人辞退するでしょう。
 雑誌『社債評論』に載った山口直孝氏の「単純な理念を持続すること―大西巨人素描」を読めば、大西巨人の大体の性格がわかります。
 それに、海外に翻訳されたっていう話は聞いたことないなあ。
148田中香具師お:03/09/23 19:00
>>146
国内での評価は高いでしょうけど、
国外では?っていうか翻訳されてるの?
149吾輩は名無しである:03/09/23 19:34
暇なんで大西巨人みたいだけど2chネラー向きの神聖喜劇の翻訳つーのを
書いてみるわ。もちろん英語、独語な。少しまちなー。
150あぼーん:あぼーん
あぼーん
151吾輩は名無しである:03/09/23 20:32
すみません。大西巨人暦0年の俺が、いきなり
神聖喜劇に突撃するのは無謀ですか?
152田中香具師お:03/09/23 21:14
いいえ。私は大西歴0秒で突撃したので問題ないと思います。
153吾輩は名無しである:03/09/23 21:16
だれが神聖喜劇を翻訳できるのか。膨大な引用もあるしさ。
154吾輩は名無しである:03/09/23 21:24
>>152
サンクス!!
明日本屋行ってきます!
155推定少女ファン:03/09/23 23:19
文学的価値ってなんでしょうか?
156吾輩は名無しである:03/09/24 13:28
149に期待sage
157吾輩は名無しである:03/09/24 16:11
>>147
> いや、そんなもの本人辞退するでしょう。

大西とは関係ないけど、大江健三郎には辞退してもらいたかった。
天皇陛下から勲章もらうときはカッコつけて拒否したくせに、
スウェーデン国王から嬉々としてもらう姿は、カッコ悪すぎる。
大西には拒否してもらいたい。まぁ、翻訳されない限りありえないわけだが。
158吾輩は名無しである:03/09/24 20:05
大西の文体は英語に訳しやすそうと思う俺はイッテヨシですか
159吾輩は名無しである:03/09/24 20:21
>>157
ノーベル文学賞を辞退したのってサルトルとソ連の誰かの
二人だけだよね。確か
160まいぺーす:03/09/29 02:22
 『文化展望』が復刻されるそうです。時期は未定ですが、実現は間違いなさそう。
大西が戦後福岡で編集していたこの雑誌は、途中でタブロイド版からA4版に変わった
こともあって、なかなか入手できず、公共図書館で揃いで所蔵しているところもない
のではないでしょうか。僕も、まだ全部は見られていないので、楽しみです。

ttp://kyushu.yomiuri.co.jp/news/news0306/news0607e1.htm
161吾輩は名無しである:03/09/30 22:16
>>157
大江はフランスの勲章も貰ったよな、確か。
>>159
パステルナークは辞退って言うよりも、政府の圧力で辞退したはず。
自発的に辞退したのはサルトルだけ・・・
162吾輩は名無しである:03/10/02 02:02
>>127
『運命の賭け』『戦争と性と革命』が8,000円ってボリ過ぎじゃないか?
オレ、前者は定価購入したけど、後者は500円くらいで買ったぞ。
確かにあんまり見ないけど。
地道に探せば大抵そこそこの値段で見つかる。
でも『精神の氷点』は申し込んでも売り切れだったり、抽選に外れた。
163吾輩は名無しである:03/10/02 23:49
>>157
大江にそんなこと期待するほうが無理でしょう。
164まいぺーす:03/10/03 22:20
 「巨人館」の『深淵』連載は、今週はお休み。その代わりということではないでしょうが、
『春秋の花』に未発表の2篇が追加されています。いずれも漢籍から引いたものですが、
思わぬ拾い物をしたような気になります。それにしても、これらは、いつ執筆されたのでしょうか。
165吾輩は名無しである:03/10/04 00:33
正直、トルストイを超えたね
166吾輩は名無しである:03/10/04 16:03
むしろ165さんがトルストイを越えてると思いますよ。
167吾輩は名無しである:03/10/04 16:53
うん、たしかに165はすげえよ
トルストイ超えてるわ
168吾輩は名無しである:03/10/04 19:36

>>165
追加の「杜甫」は、回避可能であったアメリカの(ブッシュの)アフガン攻撃後か
、同じく回避可能であった英米のイラク攻撃後かに、「人間のおぞましさ」を感じ
ての執筆でしょうね。
両攻撃は、まさに“予告せられた殺人”でした。
巨人先生の言葉を借りると、「おぞましい戦慄をおぼえる」攻撃でした。
今現在も、自国の(米英兵の)それなりの戦死数を見込んで、自国の政治的・
経済的・軍事的優位が確立されるまで占領を続ける気でしょう。
あるいは、自国の(経済戦略の)ためになるなら、ビンラディンでも、フセイン
でも、米英は“陰で”「再支持」ことするでしょう。まこと、おぞましい。
169まいぺーす:03/10/08 00:28
>>168
 ご推測に賛同します。漢籍を用いた現状批判というのは、大西らしい実践ですね。
他にもいらっしゃるのかもしれませんが、僕は知りません。『神聖喜劇』などにおける
漢詩・漢文の利用も、一般的な文脈から逸脱している部分に注意していく必要が
ありそうです。
170吾輩は名無しである:03/10/09 00:29
大西氏は、例の「せられた」を「された」に、
変更するのか、と思いきや、『深淵』では、
やはり、「せられた」を採用しているようですね。
わたしは、「せられた」が、シックリくる派です。
大袈裟に言えば、わたしは、個人生活(の日常会話)でも、
「せられた」を使いかねないほど、シックリ来てます。

「せられた」で、押し切って欲しい。押し切るべし。
171まいぺーす:03/10/13 01:02
>>170
 『精神の氷点』の新版は、「せられた」を「された」に改めてあるようですが、『深淵』
は仰るとおりですね。今や大西の専売特許のようになっていますから、これからも使い続けて
ほしいという意見にも基本的に賛成です。

 『深淵』の連載が80回目に。ネタばれを避けるために、あまり具体的に書くことは避けますが、
ここに来て、また新しい展開になっています。これまでの作品とは異なり、新作は引っ張りますね。
落としどころに注目したいと思います。
172吾輩は名無しである:03/10/18 09:17
神聖喜劇を読もうと思ってるんだけど、精神の氷点と似た感じの主人公なの?
173吾輩は名無しである:03/10/22 18:21
『神聖喜劇』読了sage。
いや長かった・・・2ヵ月半かかった・・・僕はアホなので古文漢文正直ちゃんと読めてないし・・・
でも生きる勇気が湧いてきた。
模擬死刑の午後で東堂以外にも次々と身代わりを申し出まくった所で泣いた。
他に印象的な場面は四巻212頁で室町、村田、白水、曾根田らが
「理屈はわかるが『感じ』がなんとなくわからない」と言ったところで
深い思索のもとに合法闘争を仕掛けるも、最後にそれを放棄して模擬死刑の身代わりになろうとするところが
そこに繋がってるのかも、あるいは作品全体も、その「感じ」を求めて書かれているのか、と思いました。
174吾輩は名無しである:03/10/23 22:18
>>173さん
ぼくも、かつて「生きる勇気」をもらいました。
そして、ぼくも「アホなの」ですが、『神聖喜劇』を
自力で発見したことだけは、自分を褒めたい心境。
175吾輩は名無しである:03/10/24 23:03
大西巨人ってまだ生きてたんだ…不勉強を恥じなければ。
みなさん大したもんだ。

以前、本多勝一の本に、大西氏が子供をもうけるべきかどうかに関して
渡部昇一と論争があったようなことが書いてあったんだけど、もし良かったら
そこらへんの経緯を教えてください。
176吾輩は名無しである:03/10/28 22:48
>>175
>渡部昇一と論争
大西文選3所収の『破廉恥漢渡部昇一の面皮を剥ぐ』を読んでください。

まるで、売れない歌手(ヒット曲のない歌手)が、歌以外のことで
話題になるように、大西氏の主な批評文や主な小説作品ではなく、渡部昇一
との関わりが、興味本位的に、ここの掲示板でも何度も話題になるのは、
なんだかだなぁ〜。渡部昇一みたいないいかげんな輩のいいかげんな発言
を黙殺しちゃ調子に乗るし、相手になれば、却って破廉恥漢の株が上がったり
する現実があって、大西氏のような、まともなインテリ・知識人は、歯がゆいだろうなぁ。

>>まいぺーすさん
10月の『神聖喜劇』研究会の報告を待ってます。
177吾輩は名無しである:03/10/28 23:58
大西巨人さんが生活保護を受けながら、創作活動を続け、谷崎賞を辞退された
のも、受賞で給付が打ちきられるのを避けたかったからだという噂は本当なの
でしょうか。

確かに「神聖喜劇」をはじめとする大西さんの作品はいずれも傑作、名作です
が、爆発的に売れたりするようなものでない上に、大西さんの遅筆を考えると、
どうやってごはんを食べていたのだろうかと思ってしまいます。ご存じの方が
いらっしゃれば、ぜひ教えてください。
178吾輩は名無しである:03/10/29 00:06
おれも知りたい。
小説がすごい小説なだけにさ。
ぼくは俗物だから気になるよ。
179まいぺーす:03/10/29 00:08
>>176
 遅くなり、すみません。
 連続講座「文学・大西巨人『神聖喜劇』を読む」の第6回目は、10月25日
(土)、立野正裕氏をゲストに行われました。立野氏は、「第三部 運命の
章/第二 十一月の夜の媾曳」で多数登場する第一次大戦に参戦した英米詩人
たち(オウェン、サスーン、シーガー、マックレーなど)の作品と履歴とを
具体的に詳しく説明し、彼らの作品に見られる戦争に肯定的な傾向と否定的な
意識とが東堂の二律背反的な心情に対応することを指摘しました。また詩人
たちの歩みの延長に冬木の非戦の思想が位置づけられるのではないかと述べ、
作品に可能性として示されている冬木の意見表明を測定することを試みました。
東堂と安芸の彼女とのやり取りに茫然とするだけの読者だった者にとって、専門を
生かした立野氏の話は、たいへん分かりやすく、ありがたかったです。
 湯地氏・武井氏が加わった議論では、東堂の思考が運動史の文脈をどれだけ
押さえたものになっているかが問われました。ここの場での、作者・主人公への
要求水準の高さを感じます。それが無理難題ではなく、緊張を孕んだ問いになって
いるところがいいですね。
180まいぺーす:03/10/29 00:21
>>172
遅いレスですが……。『精神の氷点』の水村宏紀と『神聖喜劇』の東堂太郎とは、
精神形成史において多く共通するものを持ちつつ、対極的な存在にも見えます。
ニヒリズムの体現者である水村とニヒリズムの超克者である東堂との違いと
言えるでしょうが、その隔たりが実は限りなく無に近いというややこしさが
あるようです。その辺の事情を、ぜひ実際に読んでみて確かめてください。

 『深遠』、ついに「次回完結予定」の予告が出ましたね。少し前の予測は見事に
はずれましたが、どのようなラストか、まだ分かりません。刮目して、待ちましょう。
単行本化の予定は、あるのでしょうか。
181吾輩は名無しである:03/10/29 13:05
哲版の柄谷スレロムってて思ったんですけど、
小説家としては大西氏だけが読者を騙す/幻想を与えるという所作/振る舞い
から離れえ続けてるのかなと思いまつた。やっぱ現実は殺伐としてまつ。
182吾輩は名無しである:03/10/29 23:49
>>177
>>どうやってごはんを食べていたのだろうかと思ってしまいます。

この、「過去形」の疑問は、オカシイ。
大西氏の貧乏は、過去もそうであったし、現在もそうであり、
ほぼ、たぶん今後も貧乏であり続けるであろうことは、想像に難くない。

「どうやって食ってるか」って聞くけど、「どうにか」食ってるに違いない、
としか、答えようがないだろ!! それ以上、何が知りたいの?

他人の財布の中身を知りたがるのは、恥ずかしいことです。止しましょうや。
183吾輩は名無しである:03/10/30 00:05
糸圭自身もそこを大西氏の『秘密』として指摘してる。
184吾輩は名無しである:03/10/30 00:16
>>183
人を「神秘化」するのは、良くない。
185吾輩は名無しである:03/10/30 00:27
じゃ教えれ
186吾輩は名無しである:03/10/30 01:15
だから糸圭も知らないんだって。
鎌田は経済的自立が精神的自立の必要条件だといってる。
この『秘密』の期間大西氏は自立してたかいなかと。
187吾輩は名無しである:03/10/30 01:39
>>182
レスに感謝します、しかし、それでも私の疑問というか、不満は解消しませ
ん。まず「過去形の疑問はおかしい」との指摘ですが、現在は「神聖喜劇」
もめでたく文庫になり、少なからぬ新しい読者を得ているようです。それに
よって印税が大西氏に入るのは当然のことですし、それが氏の作家活動に資
すれば、ファンとして、それに勝る喜びはありません。息子さんの赤人氏も
健康を保ちつつ、自立して生活しておられるようで、お父上たる巨人氏も幾
分、心にも経済的にも余裕を持たれているのではと拝察します。疑問が「過
去形」なのは、こちらに「大西氏は、今は昔ほど経済的に苦境にはあるまい」
という思いこみというか、認識がまずあったためです。

率直に言います。私が知りたいのは、大西氏が生活保護を受給していたか否か
の一点に尽きます。この疑問が生じてくるのは、当時の氏の執筆活動や作品の
売れ行きを考えれば、必然だと思います。真実を証明するのは、ご本人が当時
支払った税金の領収書(?)あるいは税務署等の公的機関から発行された書類、
さらには出版社が、将来刊行される作品の印税の前払いを認める念書や覚書な
どを公開しない限り、極めて困難なことでしょう。大西さんを無条件に支持さ
れるファンの皆さんは、「受給していなかった」ことを前提に氏の執筆活動や
政治的発言を支持されるのでしょうが、もし受給していたら、国民の血税を使
った生活保護を受給しながら、長い小説を書き続け、自分の食い扶持を与えて
くれる国家を批判する政治的発言をしていたのか、という批判が出てくると思
いますし、私自身、傑作を書いたからといって、生活保護受給の事実が帳消し
になる、あるいは受給したことが許されるとは、生活保護制度の本旨に照らし
ても、絶対に思いません。

「他人の財布の中身を知りたがるのは、恥ずかしいことです。」と言われます
が、確かにその通りなのかもしれません。しかし、作家の作品とは別に、生活
も厳然と存在します。特に大西氏の場合、このことに触れると一部のファンの
人がものすごく感情的になって挑みかかってくる傾向があり、私は絶対に看過
できないのです。以上、ご無礼ながら、こちらからのレスと致します。
188まいぺーす:03/10/30 02:19
 175さんも挙げられている「井蛙雑筆/破廉恥漢渡部昇一の面皮を剥ぐ」
(『社会評論』6巻6号、1980年11月1日。『巨人雑筆』ほか所収)に、
「「生活保護」は、次男野人の特殊な条件下における(自今年二月至今年四月の)
入院・手術期間(あらかじめ期限を切って短期)だけ便法的に適用せられたので
ある。」という記述があります。大西巨人が短期間生活保護を受給していたのは
事実であり、それは本人によって明かされてもいます。秘密にされていること
でもないので、せめてそういうことを知りたいということは、自分で本ぐらい
見てもらいたいと思います。 
189まいぺーす:03/10/30 02:32
 (続き)「生活保護」が「便法的に適用せられた」事情について、「1カ月の
医療費1500万円の「生活保護家庭」大西巨人家の「神聖悲劇」」(『週刊新潮』
25巻37号、1980年9月18日)は、次のように伝えています。「今年一月から、野人
君は入院して手術を受けることになった。しかし、もちろん、差額ベット代はかかる。
医師は、「入院は二ヵ月以上になる」といった。差額ベット代が一日約七千円として、
一ヵ月で四十二万円‥‥。しかし、その金をどうやって都合するか。大西さんの奥さんが、
一家の住む与野市(埼玉県)福祉事務所に相談にでかけた。そのころ、大西さんの月収は
ゼロだったという。福祉事務所では、「生活保護を受けたらどうか」と勧めた。四人世帯
で約十五万円。野人君の医療費は従来から公費負担だった。「生活保護」を受けても、その
中の医療扶助によって、医療費は税金でまかなってくれる‥‥。無論、借金などの工面も
しなければならないが、十五万円の生活保護費があれば、なんとか差額ベット代のヤリクリ
はつけられる。二月一日に申請した。」
190まいぺーす:03/10/30 02:57
 (続き)緊急避難的な受給以外に、恒常的な受給があったかどうかについては、
僕は、審らかにしません。が、基本的にはそういうことはなかったと推測しています。
大輪盛登「13年、この一作に燃えた執念の記録」(『宝石』5巻1号、1969年1月1日)
には、「ある病院の看護婦が、大西夫人に、こういったことがあった。「生活保護を
受けたらどうですか」。大西夫人は言下に、きびしく「うちの主人は作家です」。
シェークスピアなら「ああ、何と貧しいものが、何と誇り高いことか」というところで
ある。」というエピソードが記されています。また、インタビュー『俗情との結託≠許さず
茫々二十五年」(朝日ジャーナル編集部編『生きる・創る・話す』(朝日ソノラマ、
1981年5月30日)では、周囲のさまざまな援助があったことを挙げつつ、「しかし、おれは
何かを書いているんだからというような気持ちは全然自分ではないつもりです。またそう
なったら、それは堕落ですからねえ。」という大西の発言が見られます。そうした克己的な
姿勢から、継続的な受給は考えにくいのではないか。そうした事実は隠されているのでは
なく、存在せず、だから触れられない、それだけのことのような気がします。
191吾輩は名無しである:03/10/30 03:02
たしかに生活保護生活保護と細かいこと言うわりには
自分で調べないですよね、そういう人たち。著作に載ってるのにね。
神聖喜劇は出すたびにけっこー売れてるから、それでなんとか・・・なってないか・・・?
192まいぺーす:03/10/30 03:09
 なお、僕自身は、生活保護受給が恥じるべきことではなく、受給者が国を
批判することも権利の行使として当然と考えます。187さんは、「このことに
触れると一部のファンの人がものすごく感情的になって挑みかかってくる傾向が
あり、」と言っていますが、「感情的になって」いるのは、むしろ「絶対に看過
できない」と述べ、関係書類の提出までも要求しかねない187さんのように見えます。
 こういうことをめぐって書くのは、楽しくないですね。
193吾輩は名無しである:03/10/30 10:43
左翼が国家に面倒見てもらうってのもな。
194吾輩は名無しである:03/10/30 15:44
文学板なんだし、自分で本読むなりして、調べてからカキコ
しないとな。特に俺
195吾輩は名無しである:03/10/30 22:17
お前かよッ
196吾輩は名無しである:03/10/31 01:41
大西巨人を「それなりに」もしくは「ある程度」ないしは
「ちゃんと」読んでる人は、少ないということが、
ここ(ここの掲示板)でも、また、証明せられつつあるなあ。
187の書き込み人は、「ファンとして、云々」と書いてるが、
いったい、大西のなにが・どこが好きで、ファンなのかね?
理解に苦しむ。「大西さんを無条件に支持する皆さんは」などと、
どこの誰を指しているのかわからぬ書き方を、真の大西ファンは、
決してしない。187さんは、ポテチンなひとだ、まったく。
197吾輩は名無しである:03/10/31 02:31
生活保護がそんなに気になるのかねぇ。
生活保護を受けていたら国家批判ができないというのも変だ、奴隷じゃないんだから。
198まいぺーす:03/10/31 12:41
188のレスの訂正です。
175さん→176さん
そういうことを知りたいということは、→そういうことを知りたいという方は、

 『深淵』最終回、まだアップされていませんね。待ち遠しいです。
199吾輩は名無しである:03/11/02 00:16
>>198 マイペースさん
『深淵』、早く単行本にして欲しい。
しかし、今年中は、無理ですね?
『深淵』は、これまでの『精神の氷点』、『地獄変相奏鳴曲』の諸作、
『神聖喜劇』、『天路の奈落』、『三位一体の神話』、『迷宮』にも増して、
登場人物の思考の観念性が、際立つ気がします。
文学素人のなんとなくな感想です。
観念・カンネン・大西ワールド。形而上文学とでも呼びたくなる。
200吾輩は名無しである:03/11/04 02:14
200
201まいぺーす:03/11/06 21:49
>>199
 遅くなりましたが、ご意見に同意します。自立した個としての当為を突き詰めていくと、
こうなっていくのかと、いささか呆然ともさせられます。ただし、観念小説的でありながら、
現実と遊離しているかというとそうではなく、個性の強さでも際立つものがありますね。
その、大西ならではの特徴を、もう少しうまく表現できればいいのですが、なかなかうまく
いきません。
 『深淵』、縦組みの文章で読みたいのですが、単行本化の話とかは具体的に出ているので
しょうか。年内はともかく、できるだけ早く実現してもらいたいです。
202まいぺーす:03/11/06 23:29
 上の書き込みをして、巨人館を覗くと、『深淵』の最終回がアップされているでは
ありませんか。とりあえず、祝・完結です。
 結尾、急いで読みました。月並みですが、意外な決着の仕方です。異物を飲み込んだ
ような感触がいつまでも続く感じです。
 単行本化についての予告もされており、どうやら具体的な話があるようです。
203吾輩は名無しである:03/11/07 00:12
>>201
>ただし、観念小説的でありながら、
>現実と遊離しているかというとそうではなく、

僕などは、アホですので、最近の若者による(動物的・即物的もしくは精神の原基への退化的?)
殺人事件の報に接するたび、短絡的に(直感的に)『精神の氷点』における殺人に思いを馳せ、
大西巨人の描く世界は、深いなぁと、感じ入ったりしてます。
つまり、『精神の氷点』の世界も、一見、観念的に見えて、実は俄然、現実的=リアルだと、
感じるしだいです。終戦直後の物のない時代の人物を描いてても、それが、この21世紀の
「文明の物質的諸分野における高度の進化」時代の人間に通じている(見通している)という感じです。
《参考文献【『羊をめぐる冒険』読後】 82年 大西巨人》
204吾輩は名無しである:03/11/07 00:17
祝 『深淵』 完結。
205吾輩は名無しである:03/11/07 01:07
>>203
「見通している」というより、『精神の氷点』は、
「人間」の行動様式の一例(想像可能な)の
徹底的な記述と読むべきでは?
認識の共有のためのテクストとして。
時代を問わず、「人間」なるものは、こう考え、実践しうるという。
この手のニヒリズムは、ベタで、ありがちだ、という認識が常識化すれば、
国の空気は信じがたいほど、一気に健康的なものになるはずですが。





206吾輩は名無しである:03/11/08 00:40
>>205さん
>この手のニヒリズムは、ベタで、ありがちだ…

私の深みもコクもない、ぺらぺらな書き込みに、
レスをありがとうございます。
『精神の氷点』の主人公の“ニヒリズム”について、今後、
考えを少しでも深めることができたら、また書き込みたいと
思います。
ところで、『精神の氷点』に描かれた「ニヒリズム」についての、205さんの、
「ベタで、ありがち」という読みに、わたしは、疑問を感じるというか、
頷けないというか、腑に落ちないというか、納得できないことだけは、
いま感じていることなので、とりあえず、書きつけときます。
もう一度ちゃんと読まんといけんなぁ。

とにもかくにも 祝 『深淵』 脱稿!
207吾輩は名無しである:03/11/08 01:54
>>206さん
「ベタで、ありがち」という言い方は、言葉足らずで、
自分本位でした。
世間一般的には、たいへん特殊なものでしょう。
が、深々と考えこむ、あるいはきわめてナイーヴなタイプの人々は、
この水準の個人的暗黒期を、皆通過してきているのではないか、
と思いました。そうした人々は、読後、
かつて自分も通った道だ、と感じるのではないか、と。
アレコレ想像はしたけれど、多くの場合、実行はしなかったでしょうが。
やはり、そういう人は稀でしょうか。
より重度の精神状態と比べると、
『精神の氷点』の思考展開は、強度・方向性などの点で、
ニヒリズムとしては標準的・一般的なものではないか、
と考えた次第です。



208吾輩は名無しである:03/11/11 20:14
水村のニヒリズムは、鋭敏な精神の持ち主たちにとっては
「ベタで、ありがち」なんじゃないか。

それは近代以後の社会構造下での人間の存在条件に、
必然的に伴う虚無感だから、誰でも直面する可能性がある問題でしょう。

『精神の氷点』はそういう近代的主体の抱える虚無を
厳密に描いた作品だろうと思います。
その解決については書かれてないけど。
209まいぺーす:03/11/18 23:22
 この間、神保町の神泉ブックマートで文庫本の本棚を見ていて、『迷宮』の新装版
を見つけました。既に一冊持っているのですが、これは、帯つきでした。それだけなら
どうということもないのですが、そこに作者の言葉が。「『迷宮』は、『神聖喜劇』、
『三位一体の神話』の延長線上に位置する最新の積極的な里程標である。むろん作者は、
さらなる向上を目指して精進しなければならない。」。これは、多分、これが初出です
よね。思わず、二冊目を購入してしまいました。当然、『深淵』は、さらにその「延長
線上に位置する最新の積極的な里程標」になりますね。
210吾輩は名無しである:03/11/19 20:29
『五里霧』をついにゲット! これだけなかなか手に入らなかったからウレチイ!
211吾輩は名無しである:03/11/23 21:25
矢川澄子らとの座談は何かに収録されている?
元雑誌しかないかな?
>>211
徳永康元、矢川澄子との座談会のことでしょうか?
私は、トランスアートから発売されている
『別冊 本とコンピュータ 5 読書は変わったか?』で読みました。

で、その中の大西巨人氏の発言に触発(?)されたこともあって、
今、『戦争と平和』を読んでます。
213吾輩は名無しである:03/11/23 22:03
おおそれです。即レスありがとうございます。
やっぱりその別冊読まなきゃいけませんね。
買ってきます。
214吾輩は名無しである:03/11/24 14:19
>>212
大西さんが座談会に? 座談の内容を、おおまかにでも教えてください。
近頃かそかに大西氏の “露出” が増えている ?!
とても愉しく喜ばしい事態だ。

『二重式火山』など、今後の新作執筆の予定もあるのでしょうが、
“小説屋” 以外の “評論屋” や “談話屋” や“座談屋” “対談屋” を、
今までよりは、少し多く開業して欲しい。
大西氏の発言が、いま、求められていると思うから……
215211=213:03/11/24 15:07
俺が狙っていたのはこれだったが。
212さんのとは同じかな?

『季刊 本とコンピュータ』 13 2000年夏号 トランスアート
●座談会 本を読むにも気力と体力がいるぞ
徳永康元 大西巨人 矢川澄子
216吾輩は名無しである:03/11/24 16:03
>>212 おまえアホか。老人のボヤキなんか魔に受けてー。
217吾輩は名無しである:03/11/24 18:51
>>216
x魔に受けて
○真に受けて
216さんの言葉は、けっして “魔” に受けませんから。
218吾輩は名無しである:03/11/25 00:17
山崎……
>>214

座談会「本を読むにも気力と体力がいるぞ」
(徳永康元、大西巨人、矢川澄子)

●若い頃の読書経験・本をたくさん読むようになったいきさつ
・高校1年のときに聴いた菊池寛の講演「文学の話をするのなら、
まずきわめつきの古典千冊を一冊3回ずつ読め」に感銘した
・クラス担任の先生の言葉「いまゲーテとかカントとか言っている諸君も
大学を出て、サラリーマンになったら、娯楽雑誌なんかを読んで
寝てしまうようになるから、いまのうちに読書の習慣を身につけよ」
●若い人が本を読まなくなったと言われることについて
・昔は頭脳が優れていても金がなくて大学に通えないものもいたが、いまはかつてのボンクラがいっぱい大学生になっているから、
その中から出てくる百人中何人といった数字を鵜呑みにはできない
・が、物質文明は進んでいるけれども、精神の面は退化していると思う
・教養とは本をたくさん読んだから教養があるというものではない
(ドストエフスキーの『作家の日記』に出てくる本を一冊しか
読んだことのないおばあさん<その一冊は旧約聖書>のこと)
●長編を書く・読むことについて
・これからは千枚以上の小説は書くべからず
・だが、この前書いたのは1200枚だった(笑)
・書く方はつい長くなるが、読む方の身にもならにゃいけない。
●ワープロの使用について
・4年ほど前からワープロを使用。(他の2氏は不使用)
・手書きからワープロになって文体が変わるような書き手はだめ。
●映画を観ることについて
・谷川徹三は「映画はパッシブだが読書はアクティブ」と書いたが、
いまや映画館に行って映画を観ること自体が能動的なものに。
・最近観た映画は『雨あがる』
・とても好きで7回ほど観たのがジュリアン・デュヴィビエの『白き処女地』
●映画を観るにも体力がいるという話の流れの中で大西氏の
(そして収録されている座談の)最後の言葉(全文引用)

「『病は気から』というでしょう。大切なのはやっぱり気持ちだと
思いますね。よくお医者さんが病人を前に『本人に生きる気持ちが
なければ治らない』というようなことを言う。それと同じで『何が
あろうと生きていくぞ。負けはしないぞ』という気持ち。
たとえば、相撲で寄り切られそうになったとき、土俵際で『もうだめ。
これはあかんわ』と思うと負ける。しかし『どうしても勝つんだ』
と思うと勝つと思うんです。そうは気持ちで思っていても、最近
眠たくなったりすることを考えると、気持ちが少し衰えているのかなという気もしますが。(笑)


以上、座談の中から大西氏の発言に絞ってまとめてみました。
レスが遅れたことをおわびします。

座談会は、2000年5月18日に行われ、
『季刊・本とコンピュータ』2000年夏号に掲載されました。
>>215さん、そう、それと同じもののようです。)
221215:03/11/26 22:09
>>219>>220
ありがとうございます!
ワープロ使ってるとは知りませんでした。
222吾輩は名無しである@214:03/11/27 00:49
>>魚好きであるサン
座談の内容をくわしく書いていただいて愉しいです。
ありがとうございました。
大西氏の話されたことは、違う場所でも話された(書かれた?)
ことも含んでいるようで(朝日新聞日曜版とか)、ここでも氏らしく
“自己引用”の爆発!!
古典を3回読め! という教えは、理解できますね。わたしは最近
一度読んだことのあるチェーホフ作品を読んでますが、初読のように
読んでます。頭悪いので覚えていない。
私は、徳永康元氏のことも矢川澄子氏のことも知らなかったんですが、
矢川氏は自死されたようですね。
私も映画好きですが、『白き処女地』 は未見です。
大西氏がエッセイで触れたことのある伊丹万作監督の映画も観たこと
なかったんですが、ちょっと前、NHK・BSで、『新しき土地』37年日独
合作という、えらく前衛的な表現の映画を観て、伊丹万作に初めて触れました。
223吾輩は名無しである@214:03/11/30 12:23
>>まいぺーすサン
いつも済みませんが、暇なとき、「神聖喜劇 研究会」の
11月例会、鎌田哲哉氏報告分の概略UPをお願いします。
(他にも参加せられた方、よろしく)
224まいぺーす:03/12/01 00:39
>>223
 11月29日(土)の連続講座「大西巨人『神聖喜劇』を読む」第7回は、文芸評論家の
鎌田哲哉氏をゲストに行われました。鎌田氏は、現在も進行中の大西巨人へのインタビュー
(5部まで予定されているそうです)の苦労や裏話を披露しながら、構想しつつある『神聖
喜劇』論の概略を提示されました。鎌田氏は、『神聖喜劇』の非線条的な時間構造に着目
し、それがアリストテレスの言うカタルシスに対抗し、ベンヤミンの掲げる「中断」に連絡
するものであることを指摘し、引用の多用も「中断」を持ち込むための技法という見方を
示されました。『神聖喜劇』は、ある状況が絶えざる「中断」の浸蝕を受けることを扱う
がゆえに現実の縮図たりえているのであり、その結果持ち込まれてくる卑俗なものにこそ
美があることを、鎌田氏は、評価したいということでした。他にも、東堂と本当に対立して
いるのは大前田ではなく、村崎ではないかという見方や、敗戦後大西巨人が志賀直哉批判から
出発しなければならなかった理由は、志賀的な「自然」が何かを引き去った後の「自然」であり、
志賀的感性を共有する文壇の認識の限界を衝く点に求められるのではないかという意見など、
数多くの興味深い論点が出されました。風邪気味で少し話しづらそうだった鎌田氏でしたが、
ざっくばらんでかつ真剣な話は、刺激的であり、議論も活発で、一旦閉会した後の、ビールを
飲みながらの話し合いの場まで、終始盛り上がりを見せていたと思います。
 214さんもリクエストされていますが、うまく会の様子がまとめられてはいないので、
他に参加された方がフォローしていただけると助かります。
225吾輩は名無しである:03/12/01 00:48
>>224

東堂と本当に対立して
いるのは大前田ではなく、村崎ではないかという見方

この部分、解説プリーズ
226まいぺーす:03/12/01 01:42
>>225
 相互に与えた影響という観点から見ると、村崎は、東堂の観念的な思考の
限界を「育ちのええ東堂」と言いながら正すなど、少なからぬ示唆を東堂に
与えていますが、逆に東堂からは何も受けとっていないように見受けられ、
特異で孤立した存在に見えます。村上少尉への敬意が終始変わらないことに
表されるように、村崎は、『神聖喜劇』の中で一貫した態度を持ち続けている
ことでも注目されます。東堂が他者との関係を探る時に、厄介なのは、敵対心を
露わにする大前田よりも常に沈着な村崎であるかもしれないということですね。
それを対立と言うのは、適当ではないかもしれませんが。
 うまく説明できている自信はありませんが、以上とりあえず。
227吾輩は名無しである@214:03/12/02 21:17
>>まいぺーすサン

『神聖喜劇』研究会の報告をありがとうございます。
毎回、熱のこもった報告と議論が行われているようで、
その場に居て話しを聞けないのがもったいない気がします。

思えば、80年に『神聖喜劇』が完結してから、個々の研究者・学者、
有為具眼の士による解読と発表は試みられてきたのでしょうが、
今回の例会のような、多人数による報告と合評、その成果の共有の
仕事は、初めてなのではないでしょうか。

この例会も残すところ2、3回くらいのようですが、コーディネーターの
山口直孝氏を中心とした人々による 「成果のまとめ」 が、今から楽しみです。
《出来れば、大西氏出席(予定?)の最終回は参加したいものです。》
228吾輩は名無しである:03/12/03 02:23
愛読者の傾向。
@権利意識が異常に強い。義務を果たすよりも、まず権利の主張。
A揚げ足取りのプロ。論敵の弱点を針小棒大にして攻撃しまくる。そのくせ自分の
 欠点については見て見ぬふり。
B社会に適応できないのを、すべて社会や他人のせいにする。「自分は悪くない」
 の一点張り。会社でも嫌われ者で、反組織的な言動でリストラ候補の上位にいる。
C「日本人民共和国」の樹立を頭の中で真剣に考えている。そのためには、中国や
 北朝鮮の日本侵略も容認する。拉致問題では北朝鮮に同情的である。
D「思想の平和的共存はあり得ない」などということを平然と口にする。自分たち
 が天下をとった暁には、天皇制容認主義者や親米主義者などを査問にかけた上、
 思想矯正のために強制収容所にぶちこむことを本気で考えている。
E「生活保護」「血友病」という言葉に異常なほど先鋭的な反応を示し、それらの
 ことについて自分たちと考えを異にする人間を、時には威嚇や恫喝で黙らせよう
 とする。税金も満足に払わないくせに長い小説を書き続けるようなことを容認し、
 「傑作なら生活保護受給も許される(帳消しになる)」と、日本国憲法で定めら
 れている「勤労の義務」を無視する。
F働きもしないで本ばかり読んでいる大学院生や無職、フリーターに多く見られる。
 「言説の当否と職の有無は無関係である」などと、口だけはいっちょまえ。しか
 し、社会的常識が完全に欠落しているので、その言説に全く説得力がない。

自分たちは優れた長編小説を読み込んでいる優秀な人間だなんて、うぬぼれきって
いるのかもしれないけれど、周囲の人間はそうは思っていないことを、身にしみて
認識した方がいい。
229吾輩は名無しである:03/12/03 17:49
>228
そのうちの何点かについては事実誤認があるな。
230まいぺーす:03/12/03 18:19
>>227
 成果をまとめる、というような話は、具体的には出ていませんが、確かに各回の
ゲストの話と討論とをまとめれば、本になりそうな感じはありますね(一冊では
済まないかもしれない)。録音はしてあるので、一度検討してもらってもいいのかも
しれません。
 次回、1月24日(土)のゲストは未定、2月21日(土)のゲストは、高和政(コウ・
ファジョン。日本近代文学研究)だそうです。そして、3月20日(土)は、大西巨人
を囲んでの座談ですね・214さんもぜひ。会場でお会いできるといいですね。
231吾輩は名無しである:03/12/03 21:03
>>228
愛読者のなかから
いずれかの条件にピシッと該当する人物を探し出すほうが難しい。
該当者はかなりの悪人だが、おそらく不在。
不在の悪を叩いている感じ。

わざわざ『神聖喜劇』を買って読む人間には、
うぬぼれ屋より苦労人のほうが、はっきり多い。
 仮に、うぬぼれ屋が読了した場合、更生が始まっている。

「日本国憲法」や「社会」や「会社」や「組織」や
「社会的常識」への盲従こそが正しいことであるのか。
書き手はおそらく人間の自由に、つよい嫌悪や苛立ちを
おぼえている。

「税金を満足に払わない」という点での非難については、
市場経済や税金制度などのベースから考える必要がある。
「武富士」の武井保雄会長のような人物が度外れた額の税金を
納めていた、そのようなシステムの全体から。
232吾輩は名無しである:03/12/03 21:36
>231
自分で書いててあれだけど、上記、警察的でつまらん。
「人間の自由」がうさんくさい。自己批判。
233吾輩は名無しである:03/12/04 00:20

大西巨人は良いよ。とても良い。
文学に関しての抜群の見識。抜群のセンス。抜群の批評眼。
大西の、それに、多くの人に触れて欲しい。

>>228
一日16時間拘束、月18労働日のタクシードライバーですが、なにか?
言説の当否と職の有無もしくは収入の多寡は、なるほど無関係ですが、なにか?
優れた長編小説を読み込めていませんが、なにか?

大学院生や無職やフリーターや引きこもりやが、
実際、大西を読んでくれてれば良いのだが……
234吾輩は名無しである:03/12/04 22:07
ひきこもりの高校生です。大西さんが好きです。
もう、純粋に趣味としてね。
235吾輩は名無しである:03/12/04 22:20
新卒フリーターですが、なにか?
国家が教育補充兵を必要としたように、
現代日本資本主義が我々のような、時給1000円以下の労働力を
大量に必要としていると思うのですが。
236吾輩は名無しである:03/12/07 20:54
>>「言説の当否と職の有無は無関係である」
これは福田恆存の劣化コピー松原正ヲタが無職の弟子の擁護に使った発言。
237吾輩は名無しである:03/12/07 21:24
久々に妙な流れになってきたな
238吾輩は名無しである:03/12/08 14:30
撒き餌がおいしかったってコトだろか。
239ふえ:03/12/09 17:53
鎌田哲哉さんがゲスト講師の時の「神聖喜劇を読む」に参加しました。
いくつかの論点でお話された中で今思い出せるものを挙げると、まいぺーすさんもふ
れておられる、大西巨人が志賀直哉批判から出発したという文学史的な意義について鎌田さんが語っ
たことが印象に残っています。
たしか谷崎−芥川論争という論争において、文学観が全く違う両者がともに自らの考
えのリファレンスとして挙げたのが志賀直哉であり、そのことが象徴的なように志賀
直哉がある理想形として語られ続けてきた。
それに初めて批判をくわえたのが中野重治で、志賀的な洗練は「自然」から何かを引
きさったことではじめて可能にすぎないと批評した、と。
そしてその批評を最高の形で受け継ぎ、また実作において志賀の限界を超える地平を
示したのが大西巨人ではないか。たしかそのような話を鎌田さんはしてくれた記憶が
あります。
それを聞いて、その前に鎌田さんが話した「中断」の技法やいくつか細部の読解が、
何かを引きさらない「自然」=現実が『神聖喜劇』という小説内で具現化され、様々
に中断された細部はそれぞれがそのまま「現実」の手ざわりを持っているということ
を証明する実践例としていくつかの細部からとても大きな問題を取り出して話してく
れたんだな、と納得したような気がします。
不正確かもしれませんが…。その挙動不審なまでの謙虚な語り方もふくめてやっぱり
凄いなあと思いました。
240単純な不勉強野郎:03/12/10 01:38
>>239 ふえさん

ご報告を感謝します。
またの書き込みをお願いします。

2,3日前、「本は心のご飯です」の ほんだらけ で志賀直哉を買ってきて、
『赤西蠣太』 と 『小僧の神様』 を読みました。
前者は愉快な気持ちにさせられ、感心しましたが、後者は、なんだか気持ち悪い
作品という印象でした。

241吾輩は名無しである:03/12/11 23:21
小学生みたいな感想だな
242まいぺーす:03/12/12 16:15
 ネットで見つけた話題を二つ。
 すが秀実『JUNKの逆襲』の刊行がいよいよ間近なようです(あるいは、もう書店に
並んでいるかもしれません)。第一章には、大西巨人に触れた文章が多く収録されており、
楽しめそうです。

ttp://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/book/kinkan-info.htm

 脚本家・映画監督の荒井晴彦が次回の仕事として挙げている、大西巨人の仕事とは、
『神聖喜劇』のことですよね。ついに映画化されるということでしょうか。以下の
アドレスの「特別試写「ヴァイブレータ」と不快の原点」を参照してください。とりあえず、
詳報が欲しいところです。

ttp://www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/6684/syuma4.html


243吾輩は名無しである:03/12/12 16:30
自画自賛。ジサクジエン。オナニズム。プッ
244泣く:03/12/12 16:32
柄谷行人が仕方なく褒めたから、
   みんないいという。大西賛美にウソは泣けれど……。
245クサイねえ。:03/12/12 16:35
歯牙直哉もわからないアホが、大西酸鼻とは……。
246吾輩は名無しである:03/12/14 20:24
先週の金曜日、◎◎市役所に出かけたところ、福祉課の待合いスペースでまだ三十
前とおぼしき若い男が座っていたが、熱心に文庫本を読んでいた。よく見ると「神
聖喜劇」ではないか。

若者よ、その若さで何で福祉課などを訪れたのだ。額に汗して、しっかり働けよ。
247吾輩は名無しである:03/12/14 22:27
額に汗してない数字系マジシャンのほうがガッポリいってたりする
困ったカラクリではあるものの。
248吾輩は名無しである:03/12/14 22:35
>>246
妄想は止めれ
249吾輩は名無しである:03/12/15 11:18
神聖喜劇高いよ
全部買ったら5千円以上になる
それだけの価値ある?
250吾輩は名無しである:03/12/15 16:50
神聖喜劇が週末に届く!
はやくよみたい・・・。
251吾輩は名無しである:03/12/17 12:10
>>246
その若さで福祉課を訪れるような人だからこそ、神聖喜劇を読んでるんだと思われ。
252吾輩は名無しである:03/12/17 16:02
神聖喜劇全巻購入したぞ!!
これから読みます・・・。
253吾輩は名無しである:03/12/17 18:18
>>246
きっと口ばっかり達者で、権利の主張だけ叫ぶクズ野郎なんじゃないの? 生活保護
を受けながら天下国家を論じる左翼青年。地獄に堕ちるがいい!
254吾輩は名無しである:03/12/17 23:03
もう釣られないぞー。
255吾輩は名無しである:03/12/18 18:20
>>253
地獄に堕ちるのは貴様だ! 生活保護受給は当然の権利だ。勤労の義務よりも憲法
第25条に規定された生存権が優先することぐらい常識だろう。そんなに義務を果
たしたいなら、好きなだけ税金を払うがいい、この犬野郎が!

俺は断じて、日本国家の奴隷などではない。
256吾輩は名無しである:03/12/20 02:02
福祉なんて、砂漠に水を撒くようなもの、と言いたくなるときがある。制度として
必要なものだけれど、それを悪用する人間のクズも多くて、虚しさを覚える。

知人にさいたま市役所に勤務している男がいる。さいたま市は大宮、与野、浦和の
三市が合併してできた都市だが、友人は旧与野市役所の職員で、たしか福祉課に在
職していたことがあるはず。今度いろいろ聞いてみるつもりだ。
257吾輩は名無しである:03/12/23 17:56
>>255が大西読者かと思うとさすがに悲しい気がするな…。
258吾輩は名無しである:03/12/23 20:51
なんで?
259しかく今年も思い過ぎにき:03/12/25 00:09
社会評論136号(2004年1月号)に、
「(面談)新作長編『深淵』をめぐって」 が載る。
聞き手は、山口直孝氏。

「通俗的なドラマの要素を排する傾向」が「いよいよ加速している」大西作品に、
正直、追いていけていない大西ファンとしては、山口氏の“突っ込み”具合が
気になる(突っ込み方に期待する)ところ大である。

引用符の部分は『単純な理念を持続すること』山口直孝より。
260吾輩は名無しである:03/12/25 00:20
深淵(上)  大西巨人著
光文社・01月20日・1,500円・ISBN:4334924204
記憶を失った男がかかわる2つの殺人事件を通して、著者の厳格な思考と文体
が到達した人生観、社会観、世界観ないし現実認識を具現する。下巻同時刊。
261吾輩は名無しである:03/12/25 16:29
うひょー。正月に読みたかったわん。
262吾輩は名無しである:03/12/25 22:09
ついに出ますか。
ネットでは一切読んでないので(恐縮ッス)
楽しみです。
263吾輩は名無しである:03/12/30 20:31
教えてくんで申し訳ないのですが、
シリーズ「神聖喜劇を読む」に大西氏が
出席される回、つまり三月二十日のみ参加することは
できるのでしょうか?
264「小学校出の職工」:03/12/31 13:05
>>263さん
「のみ」の出席可能でしょう。
http://www3.ocn.ne.jp/~hows/top.html (本郷文化フォーラム・HOWS)に連絡し、
確認しましょう。

冬木の声
「これも、内は、そんころはわからんじゃったとで、あとから知ったとじゃったが、
漏斗なんかも、一般人用と橿原の部落民用と、二とおり別別にあったとじゃそうな。

……だいたい内は、なんやらかんやらがおかしなふうじゃ、と子供心にもかんじとった
ごたぁったとの、いよいよ兄貴が醤油代を払う段になって、その支払い方法のトウネエ
奇妙さにゃ、フルフル〔心から〕タマガッタ〔魂消た〕。」
(『神聖喜劇』第八章 永劫の章 より)

ところで、ハンセン病の元患者に対するホテル宿泊拒否問題(11月)についての、
大西赤人さんの、以下の考えが、「差別問題」について、わたしに、参考になる。

「表向き、差別・偏見を積極的に推進する人間は世間に数少ないだろう。
「差別・偏見はいけない」という建前の裏側で、自らが何事かに直面した時、
「でもね」という本音が隠微にうごめき出す。今回の出来事に際し、今更改めて
非人間的な目に遭ったことへの大いなる憤懣を心から理解した上で、それでも
なお僕は、患者側の人々に対し、ひたすらホテルを――とりわけ総支配人に
辞職を求めるなどという形で――糾弾するばかりではなく、“あなたたちを
そういう誤った判断に到らしめた世間のイメージを一緒に変えて行きましょう”
と共闘へ巻き込んで行くほどの包容力を発揮してほしいと願う。
(11月24日エッセイより)

265吾輩は名無しである:03/12/31 15:04
>>260
1月はジョイスも出るし、買うものが沢山だ。
266吾輩は名無しである:04/01/03 21:30
大西氏のサイトで大西氏の映像が見られます。

ビックリした。
267吾輩は名無しである:04/01/03 23:00
media playerをインストールしたのに、
大西氏の動画のみで、音声が出ない。
音声出ないのなぜか? 誰か、教えてください。
268吾輩は名無しである:04/01/05 02:13
俺は音声しか出ないw
mac(os8.6)だからだろうか?
269吾輩は名無しである:04/01/06 23:49
>>264
掲示板閉鎖しておいてよう言うわと思う。>赤人
270吾輩は名無しである:04/01/10 22:55
ジミー大西巨人阪神
271ベンガル:04/01/12 12:55
深淵おもしろいの? 誰か読んだ人いる?
272まいぺーす:04/01/14 04:42
 しばらく忙しかったのとネット環境が悪かったのとが重なり、久しぶりの書き込み
となります。遅ればせながら、今年もよろしくお願いします。
 「巨人館」の動画、幸い、音声と映像、両方享受できました。『深淵』の感想を寄せて
もらいたいこと、次の長編もホームページで連載することなどが告げられています。作者の
手元に置かれた、単行本も注目で、来週には実物を目にすることができますね。
 あと、地味に増補されている『春秋の花』も要チェックです。

>>271
 他では味わえない面白さがある、と言っておきましょう。ただし、ついていけない人も
相当いるようなので、最終的にはご自身で判断していただくしかないようですが。
273吾輩は名無しである:04/01/14 15:45
大西巨人が今生きてる事自体が奇跡的だと常々思う。
274吾輩は名無しである:04/01/16 21:07
すごいインパクトのあるじいさんだな。
275吾輩は名無しである:04/01/17 18:09
最近メディアに露出ないの?
276吾輩は名無しである:04/01/18 20:46
夏になれば水着で勝負します。
「神聖喜劇」は好きなんだけど、「三位一体の神話」はイマイチだった。
そんな俺は「深淵」買うべき?
278吾輩は名無しである:04/01/19 02:08
>>273
どういう意味だよ
279吾輩は名無しである:04/01/19 02:45
社会評論136号(2004年1月号)の「(面談)新作長編『深淵』をめぐって」で、
大西巨人が2ch(本スレ)に言及している。直接ではないが、プリントアウトしてもらった
ものは読んでいるらしい。
280吾輩は名無しである:04/01/19 03:01
>>279
まじで!?すごいな
281279:04/01/19 03:28
 -巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」というのがあって、
文学板には『大西巨人』というスレッドが立てられています。
ご覧になっていらっしゃいますか。
 大西 直接ではなく、人がプリントアウトしてくれたもの
を送ってもらう形だが、いちおう見ているよ。
 −その『大西巨人』スレッドでは、渡部昇一との論争が
周期的に話題になっています。話題になるのはいいのですが、
書き込む人のほとんどは、うろ覚えの断片的な情報だけを頼
りにしている。当事者の書いたものさえ読んでいるのか、疑
わしい。正確な情報に基づかない憶測が繰り返し登場するの
には、うんざりさせられませんか。
 大西 ああいうのは、無茶苦茶というほかないな。人間の
悪い面が露骨に出たという感じがするね。
(略)
 大西 取り組む人間が真面目であれば、インターネットは、
とても意義深いものになる。
282279:04/01/19 03:32
 −先ほど『深淵』が「おとぎ話」であると言われたのが
興味深かったのですが、それについてもう少しお話しいただ
けないでしょうか。
 大西 「おとぎ話」というのは、言い換えれば、リアリズ
ム小説ではないということだ。それは、リアリズムを無視し
ているということじゃない。先ほど言うのを忘れていたが、
「2ちゃんねる」の書き込みで、主人公が電話をかける場面
の記述が厳密だと好意的な感想を述べたものがあった。作者
は、それを読んで元気づけられたがね、部分部分は、リアリ
ズムの極致のようなものを目指して書いているところがある。
けれども、全体として見ると、「おとぎ話」になっていると
いうのが『深淵』の特徴だね。
283吾輩は名無しである:04/01/19 03:48
こんな糞スレプリントアウトして渡すヤシの気が知れない。
284吾輩は名無しである:04/01/19 13:58
「こんな糞スレ」からも何事か学べたり、
不真面目な人間の態様は、いつの時代も変わらぬ
ことの確認などもできるのだ。
285吾輩は名無しである:04/01/19 19:24
そんなの身近にいくらでもあると思うが
286吾輩は名無しである:04/01/19 19:53
>>285
減らず口たたかずに、『深淵』注文せろ。
287吾輩は名無しである:04/01/19 20:28
>>286
逝ってよし
288吾輩は名無しである:04/01/19 20:52
巨人さぁぁぁん 見てますかー(手を振り振り)
巨人さんの小説読んでる 女子中学生でええええええええええす
まだ五里霧と精神の氷点しか読了してませんけどおおおおおおおお
289吾輩は名無しである:04/01/19 21:54
大西の残り少ない貴重な時間をこんな糞(ry
290吾輩は名無しである:04/01/20 00:41
プリントアウトしたものを読むんじゃなくて、お気に入りに入れとけよ。
291吾輩は名無しである:04/01/20 00:51
大西さんはパソコン使ってないんじゃ?
292吾輩は名無しである:04/01/20 02:39
>>279

>>10 の記述だね。
293まいぺーす:04/01/20 05:20
 今日は、『深淵』の発売日ですね。朝一は無理ですが、確実にゲットするつもりです。
「巨人館」を覗くと、本日付で更新されていて、トップページに『深淵』の書影が掲げ
られています。それ以上に注目なのが、「『深淵』の刊行を機に、読者の方からの声を
募集します。」と告知がなされて、投稿が可能になっていることです。質問によっては、
作者が答えることもあるそうで、何とも楽しみです。ぜひ、意見を書き込みたいと思います。
294まいぺーす:04/01/20 05:27
 HOWS連続講座「大西巨人『神聖喜劇』を読む」の次回1月24日(土)の
ゲストは、脚本家の荒井晴彦さんです。荒井さんは、現在『神聖喜劇』のシナリオ
化に取り組まれていて、出版の予定もあるそうです。あの大長編をどう圧縮するのか、
時間処理はいかに行なうのかなど、素朴な疑問だけでも伺いたいことが数多く
出てきます。『深淵』を読むのに加えて、土曜日も楽しみです。
295吾輩は名無しである:04/01/20 20:49
あれ〜深淵見つからなかった〜
296吾輩は名無しである:04/01/21 15:29
『深淵』買ったよ。存在感のある本だね。

297まいぺーす:04/01/22 00:57
 20日、近所の本屋で見つけられず、21日神保町の三省堂で購入しました。発売が
一日遅れていたのかもしれません。三省堂では、新刊のコーナーでも、ミステリーの
エリアでも、歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』の隣に平積みになって
いました。売れ高も芳しくあってほしいもの。装丁は、296さんのおっしゃるように、
重厚で、いいデザインですね。これから、縦組みの『深淵』に挑戦です。
298吾輩は名無しである:04/01/22 01:19
セブンエレブンで受け取りOK! のオンライン「イーエスブックス」で
注文したら、取り扱い不可だって、意味わからん。
299295:04/01/22 20:17
カン違いして文庫だと思い込んでた・・・
そりゃないはずだわ・・・(鬱
きょうゲッツしますた!!
300吾輩は名無しである:04/01/22 20:30
何か本、臭くない?
301吾輩は名無しである:04/01/22 20:36
確かにカバーのインクの匂いは少し変わっている。
302吾輩は名無しである:04/01/22 20:58
ときどき臭い本ってあるよね?
いや、内容じゃなくて、本自体で。

それはともかく、神聖喜劇が映画化されたら
マジですごいよな。
チャレンジしようとするだけで、尊敬に値する。
変なの撮ったら、コアな原作ファンに叩かれるの目に見えてるからな。
303まいぺーす:04/01/23 22:09
 明日の『神聖喜劇』講座ですが、ゲストの荒井晴彦氏ほか、太田出版の高瀬幸途氏
や映画監督の澤井信一郎氏らも参加されるそうです。脚本化だけでなく、映画化についても、
いろいろ議論できそうですね。一回のみの参加も可能ですので、興味のある方はぜひ。

http://www3.ocn.ne.jp/~hows/top.html
304吾輩は名無しである:04/01/23 22:11
大橋巨泉のペンネーム?
305吾輩は名無しである:04/01/24 13:39
『深淵』の固有名詞に笑いっぱなしです。
こんな面白い小説だとは思わなかった。
306まいぺーす:04/01/25 02:25
 1月24日(土)の講座「大西巨人『神聖喜劇』を読む」の模様を少し。講座は、まず
荒井晴彦氏、高瀬幸途氏、澤井信一郎氏に司会が質問をすることから始まりました。
事実レベルで、応答で明らかになったことを記しておきます。
@、『神聖喜劇』の脚本化は、高瀬氏の依頼で、荒井氏が着手。それまで、荒井氏は、未読。
A、荒井氏は、一年掛けて作業を続け、現在四百字詰1,100枚にまとめるまでに至っている。
B、さらにそれを圧縮したものが、今夏太田出版より刊行の予定。
C、単行本からより鉋をかけたものを基に、澤井監督が映画化することも検討されている。
D、ただし、映画化については、具体的なことは、まだ何も決まっていない。
E、荒井氏は、脚本化にあたって、原作の膨大な引用を基本的に切り捨てる方針を採った。
F、また、荒井氏は、時間構造も単純化し、直線的な進行(召集から教育期間終了まで)を選んだ。
307まいぺーす:04/01/25 02:42
(続き)休み時間を挿んだあと、質疑応答、討論となり、脚本化・映画化を
めぐるさまざまな意見が出されました。『神聖喜劇』の特異な言説を用いずに
いかに東堂の個性を出すか、思想的なテーマをどのように扱うか、どの場面を
クライマックスに持っていくのかなど、内容に関わるものから、キャスティング
はどうか、資金調達や配給もとの確保はどうするのかといった映画化のプランに
関するものまで、質問は多岐に亙り、三氏の答えもそれぞれの立場に即した
興味深いものでした。荒井氏が、作業を進める過程で気づかれた作品の空白や
切れ目の指摘が、個人的には面白かったです。
 会の途中からは、映画評論家の松田政男氏が、また、会終了後の懇談会には
すが秀実氏も合流し、大変賑やかな顔ぶれとなりました。戦後の左翼運動の回顧・
検証から現代日本映画の批判まで、話題は途切れることなく、三次会まで続きました。
いつもの講座とはいささか趣きが違いましたが、刺激的な一日でした。
308吾輩は名無しである:04/01/25 03:10
>>まいぺーすさん
報告を読んだだけでも、刺激的。
「膨大な引用の切り捨て」は、仕方ないと思う。
ここでも、以前から話題になってるキャスティングの件が
映画の魅力を左右しそう。
309名無しさん@魚好き:04/01/25 08:51
>マイペースさん
いつも講座の報告をありがとうございます。
興味は持ちながらも地方在住ということもあって講座に参加できない
私のような者には、大変ありがたいことです。
ところで、24日の講座での応答について、もう少し詳しく伺いたいのですが、
特に現在のような日本の政治状況、端的に言ってしまえば、
日本がアメリカの侵略戦争に加担して国外の戦地に軍隊を送る
といったことが現実のこととなっている状況で、『神聖喜劇』を
映画化する(あるいは、映画化を検討する)ということの意義について、
関係する三氏は、どのような考えをお持ちなのでしょうか?
また、おそらく今後文書で公表されることはないだろうと思われる
二次会・三次会での意見交換の内容も関心をそそるところですが、
その内容について、いくらかでもここで公表する考えはお持ちでしょうか?

私は、>>212>>219-220を書き込んだ者で、
3日前から『深淵』を読み始めたところです。
(1日1時間程度のペースで読んでおり、まだ第二編に入ったばかりです。)
310吾輩は名無しである:04/01/25 19:34
映画化。
売れそうに無いな〜。
絶対見たいけど。

内容は荒井さんに任せていいとして、
俺ならキャスティング売れ線の人集めたいな。
多少薄くなってもいいから。
たくさん見てもらうほうに持っていきたい。

これは意見分かれると思うけどね。
311吾輩は名無しである:04/01/26 09:03
大きな新聞広告出ましたね。
312吾輩は名無しである:04/01/26 11:11
正直、荒井晴彦では不安だなぁ・・・
313吾輩は名無しである:04/01/26 13:10
『神聖喜劇』の監督(候補)は、市川昆先生も捨てがたい。
314吾輩は名無しである:04/01/26 13:18
313の訂正

×市川昆
○市川崑
315吾輩は名無しである:04/01/26 13:41
それよりも俺は「深淵」を映画化してもらいたい。
監督は吉田喜重あたりでどうだろう。
316まいぺーす:04/01/26 18:05
>>309
 高瀬氏、荒井氏、澤井氏の三氏いずれも、『神聖喜劇』に対する思い入れがあり、
大上段に構えた物言いはされませんでしたが、映画化によって何かをもたらそうと
する意識はうかがえました。荒井氏は、『神聖喜劇』をほとんど読んでおらず、知りも
しない今の若い映画人の水準を嘆き、また、戦争について何も知らず、意識もない
一般大衆にいかに作品を見せるかで腐心している様子を覗かせていました。また、『神聖
喜劇』を雑誌連載中から読んでいた澤井監督は、従来の日本映画が描いてきた軍隊像と
およそ異質なものを提示したいという意欲を表わしていました。来年は、敗戦60周年で
戦争ものの大作が企画されてもいるようで、なるべくそれにぶつけたいという計画も披露
されていましたが、そのことから分かるように、三氏は、今映画化することのアクチュアリティーに
たいへん自覚的であったようです。
 講座の様子あるいは懇談の席の話について、必要があればまた書き込みます。

>>311
 光文社も、それなりに力を入れているようですね。手書きの作者メッセージが貴重です。
317吾輩は名無しである:04/01/26 18:06
ところで大西は島尾敏雄を評価していた事は読んだのですが、
同じ戦線帰りの武田泰淳については何か発語なさったのでしょうか。
318名無しさん@魚好き:04/01/26 19:32
>>316 まいぺーすさん
どうもありがとうございます。
三氏とも、今映画化することのアクチュアリティに
たいへん自覚的であるとのことを知り、非常に勇気付けられるとともに、
ぜひ映画化して今の日本社会に問題提起してほしいという
思いを強くしました。

ところで、『深淵』の広告が載ったというのは、
どの新聞のいつの日付けのものなのでしょう?
手書きの作者メッセージを読みたいものだと思いました。
319吾輩は名無しである:04/01/26 19:34
大西巨人て、生活保護受けてたって本当ですか?
320吾輩は名無しである:04/01/26 20:33
>>319
息子さんの病気で短期的な生活保護を受給したのは事実だが、一般的な生保
を長期間受給したかどうかは分からない。おそらく受給していないだろうね。

実は俺も>>319さんのように、受給の事実の有無にこだわっていた時期があっ
たが、ここで「まいぺーす」さんが懇篤なカキコをされているのを読んで、
上記のような結論を持つに到った。生保を受ける人間を軽蔑する気持ちはほん
の少しだけ分かる。他人が汗水たらして働いて得た金から納めた血税で生きて
いる訳だから。しかし、生活保護制度それ自体は必要なのだし、憎むべきはそ
の制度の本旨にそぐわない、例えば市議や町議の力を利用して不正受給して、
昼間からパチンコ屋やテレクラに行き、夜は居酒屋でのんだくれ、パソコンの
出会い系サイトに熱中するような奴らだ。そういう連中は、いずれ役場の福祉
課が条件を満たさないとして給付を打ちきるか、もっとアコギな奴は警察に捕
まるだろう。

とにかく、大西の「文選」とこのスレを読み返すことをオススメする。本来な
ら、生活保護などを利用しない人間ばかりの世の中になればいいのだが、現実
はそうならない。それと、大西の読者の中で、「そんなに税金払うのが嫌な
ら、抗議の意味を込めて払わなければいい」などと抜かした恥知らずが前スレ
にいたが、そいつは人間の屑だと俺は今でも思っているからね。
321319:04/01/26 20:49
てゆうか、事実関係に野次馬的好奇心を抱いただけで、生活保護全般に関する
価値判断を表明したわけではないのだが・・・だって,赤貧の作家,素敵ジャン。(美
学的にも倫理的にも)
そういえば、息子さんが父親について書いてるのどっかで読んだな。
注射代が高かったとか何とか。同じ本のなかで秋元康が金を稼いで20代で運転手
付の車に乗った話を自慢してた。
生活保護に関しては、
322吾輩は名無しである:04/01/26 21:51
>>319
続きは??
323吾輩は名無しである:04/01/26 21:55
>>315
同意。
大西に吉田はいい組み合わせだと思う。
それが『神聖喜劇』でも全然構わないと思う。

しっかしなあ、荒井&澤井ってのは・・・
いや、この二人は決して駄目な映画人じゃない
んだよ。でも大西と組んでもなぁっ・・・て
正直思う罠。
そもそも荒井は初期中期脚本作品を観ても分かる
ように、社会制度や組織から外れたしょぼ臭い人間の
ちんたらした生き様を描かせるとうまい作家な訳でね。
澤井は東映の職人だから題材を選ばずして何でも
撮り上げるのはエライところなんだが、それでも
過去作品を観るとこの監督は一女性の変容を描く
ことに才覚を発揮するタイプではないのかと・・・。
324吾輩は名無しである:04/01/27 00:15
同じ九州人の青山真治あたりに
撮らせてみてはいかがでしょう?
あるいは阿部和重に映画をとらせるとか(w
とにかく全共闘型人間が映画化すると
ろくでもないことになりそうなんで、
思い切って若いのにやらせてみてはどうか。
青山・阿部は神聖喜劇もよく読んでるだろうし。
325吾輩は名無しである:04/01/27 00:35
阿部チンに1票!
326吾輩は名無しである:04/01/27 00:44
>318
26日付け朝日2面
東京版だが…
327まいぺーす:04/01/27 02:49
>>318
 『深淵』の広告のデータについては、326さんの仰るとおりです。
 作者の言葉を引いておきます。
 「おもしろくもあり値打ちもあるのが、小説の理想的な姿と信ぜられる。その至難事
達成は、現在ますます必要である。/『深淵』に、作者は、達成のたしかな手ごたえを
覚える。濡れ衣と言われる二つの殺人事件を通じ、人々は、社会・人間の有るべき様相を
興趣ゆたかに読み取るにちがいない。」
328吾輩は名無しである:04/01/27 03:30
深淵読み始めたんだけどこれおもしろい〜
まだ5章だけどこの先どうなるんだろ〜
329吾輩は名無しである:04/01/27 12:17
『KT』は、ぼくには判りにくかった。(おもしろくなかった)
『スパイ・ゾルゲ』は悲しいくらいの駄作だった。(値打ちがなかった)

「おもしろくもあり値打ちもある」映画を作るためには、
もっと大勢の才能を集めたほうがいいと思うがなぁ。
拙速は避けて欲しい。

330吾輩は名無しである:04/01/27 13:06
大西さんって結構字が汚いんですね。昔からなのかな。
なんだか親近感がわきます。不遜だと言われそうですけどね。
まあそれはともかく私は積読になってる『神聖喜劇』をまず読まなきゃ…。
331名無しさん@魚好き:04/01/27 14:41
>>327 まいぺーすさん
さっそくありがとうございます。
私は、今、『深淵』を第二篇の終りまで読み進んだところですが、
ここまででも間違いなく、作者の理想とする「おもしろくもあり
値打ちもある小説」だと確信を持てるように思います。

作中人物大庭宗昔が語る松川事件をめぐる「むかし話」は、
私に実に教訓的で、なおかつ大西巨人らしい論理的厳密さの真骨頂
(の一つ)と感じられました。
あのような内容は、大西巨人自身の作物の中にあるのでしょうか。
手元にみすず書房の文選はあるのですが、その全部を読んだわけではなく、
よくわからないのです。
332吾輩は名無しである:04/01/28 09:27
『マルホランド・ドライブ』(デヴィッド・リンチ)『過去のない男』(カウリスマキ)
『鏡の女たち』(吉田喜重)『スパイダー』(クローネンバーグ)……
記憶喪失をモチーフにした映画、最近多いけど、
もしも『深淵』が映画化されたら
そんなやこんなよりもはるかに独創的で、深く、
そして何よりも面白い映画になると思う。
もちろん監督、脚本次第ですが……
333吾輩は名無しである:04/01/28 16:05
333get

蹴りたい背中のあと、深淵を読むぞ。
334吾輩は名無しである:04/01/28 23:29
>>332に追加
前向性健忘映画『メメント』。
335吾輩は名無しである:04/01/29 06:53
>>334
小川洋子の『博士の愛した数式』も前向性健忘(っていうの?)だね。
記憶喪失を扱った映画といえば『かくも長き不在』(アンリ・コルピ)もいい。
しかし、映画に使われる記憶喪失って、
単にストーリーを進めるための道具でしかないものも多いように思う。
その点『深淵』の記憶喪失って言うのは深くテーマとかかわっているところが秀抜。
336吾輩は名無しである:04/01/29 18:15
産経と朝日に広告出てるのは確認しました。
337吾輩は名無しである:04/01/30 00:13
映画『神聖喜劇』。
大前田は勝新にやってもらいたかったなぁ。
あ、それじゃ『兵隊やくざ』か(w。
338吾輩は名無しである:04/01/30 15:58
深淵バカ売れしたら・・・
339吾輩は名無しである:04/01/30 17:05
>>337
それじゃ大前田かっこよすぎじゃないか。
340吾輩は名無しである:04/01/31 00:24
『神聖喜劇』第三部「運命の章」第二 
「十一月の夜の媾曳」にある
剃毛プレイに関する想念および実践の
記述は、たいへん詩情豊かでありながら、
あるいはだからこそ、
何べん読んでも笑える。
ユーモアや笑いの要素が、
びっしりと、埋め込まれている。

『深淵』では、「琴絵」の「思い切って」に、
同じものを感じた。
この台詞に、読者は、笑ってはいけないのだろうか。
きわめて特殊な、言葉遣いだと思う。
341吾輩は名無しである:04/01/31 00:32
神聖喜劇の映画化って実現したらマジすげーなーとは思うけど、
荒井と澤井ではやっぱ企画違い人選違いという感が否めないよ。
僕が思うに、そのシナリオは三人くらいの人に任せて欲しい。
まず阿部が初稿を執筆する。あの長編を最初に脚本にするには
ある程度、その作品について語るべきことがあった阿部にこそ
相応しい(今回まで未読だった荒井はその時点で候補外)。
そして次に戯曲家でもある作家の横田創が第二稿を受け継ぐ。
これは主に人物の会話に重きを置いて多少の改稿をする。
最後に映画屋の井土紀州が全体を、上映時間を考慮した上、
刈り込んで決定稿にまとめ上げる。但しあれだけの長編なんだ
から、無理して一本にまとめようとはせずに、吉川英治の映画
武蔵シリーズよろしく、バラしても構わないかと。こんな感じ。
で、なんでこの三人かといえば、皆まだ若いから。しかも同世代。
それだけに柔軟性と協調性があるのではないかと。
それから監督については存命中の方々の中では岡本喜八か
森崎東が望ましい。これは映画界で相応のキャリアと傑作を
ものにしているため(特に喜八は軍隊物のエキスパート)。
市川という声も上のレスであったけど、この方の近作はどれも
これも正直つまらん(昔ならともかく)。どら平太とか最悪だ。
まあともかく、若手が書いた脚本とヴェテラン監督の組み合わせ
に妙味があるっていうことです。

んじゃ今回の荒井と澤井は何撮るか。この二人に関して言えば、
女性の生き様を描かせたら(現在は)天下一の腕前なんやから、
蹴りたい背中か蛇にピアスを任せるのが丁度いい。これが最適。
342吾輩は名無しである:04/01/31 22:20
やっぱ大前田のイメージって勝なんだな
343吾輩は名無しである:04/01/31 22:22
>341馬鹿丸出し
344吾輩は名無しである:04/02/01 00:07
>>336
産経に広告が載ったんですか。大笑いですね。かつて「斜断機」欄で山崎乞太郎
に大西を叩かせたくせに、よくもまあ恥ずかしくもなく広告を載せたものです。
ビジネスだから大人の対応をとったのかもしれないが、大西も光文社も「産経の
ようなイエロー邪也ズムには広告は載せません」と拒否すればよかったのに。

ちなみに、山崎乞大郎のところには、光文社が「深淵」を贈呈する訳ないから、
乞太郎は図書館で借りて読むのかな。だって、職無しでビンボーだから、上下
巻で三千六百円もする本は買えないよねw

345吾輩は名無しである:04/02/05 10:36
みんな読み込み中?
346吾輩は名無しである:04/02/05 14:00
『深淵』どうでした?
347吾輩は名無しである:04/02/06 01:53
『標柱』(笠羽映子訳)で、ピエール・ブーレーズは、
作曲法について以下のように言う。
「要するに、多くのことを考える必要があるが、また
恐らく、すべてのことを同時に考えない方がよい。」
「状況に合わせ、そのときの要素をすべて、ただしそれらの
要素だけを考慮に入れて少しずつ見積もり、評価すること、
局限された状況を厳密な共通点によって作品の全体性と関係づけながら
考慮すること、最も効果的な方法は以上のようなものだと思う。
その方法によって、偶発事と瞬間的な逸脱と長期にわたる企てとが
同時に考慮できるからである。」(三四七貢)
 長篇小説の制作にも、類似の点があると思う。
 
『深淵』は実際、おもしろくてタメになる。
「本好き」「読書人」は、プロ・アマを問わず、
この長篇を読むことで、「精神の襟を正」すことができる。
日本語の可能性を見せつけられる感じ。
『世界の中心で、愛をさけぶ』が160万部を突破したらしいけど、
メディアや書評者たちは、今後『深淵』について
積極的に、取材したり書いたりすべき。
ある意味、あらゆる人文業界のビッグ・チャンス。
「このミステリー」がすごいに決まってるんだから!
348吾輩は名無しである:04/02/06 14:46
そういえば三位一体の神話って「このミステリーがすごい」にランクインしてたよな。

深淵はエンタメ界からはどう評価されるんだろう?
349吾輩は名無しである:04/02/07 05:35
川島雄三がいいな
小沢昭一で
350まいぺーす:04/02/07 09:06
 「巨人館」を覗くと、「映画よもやま話」という談話の連載が始まっていて、
びっくりしました。聞き手は、大西赤人氏、23分というヴォリュームのあるもの
です。今回は、『赤西蠣太』についてで、3回目まで予告が載っています。何か、
映画づいている最近ですね。

>>336
 『産経新聞』に『深淵』の広告が載ったのは、いつでしょうか。もしわかるよう
でしたら、教えてください。

351大西巨根:04/02/07 10:03
あのう、神聖喜劇って読みやすいですか?
読んだら面白くてあっというまですか?
352吾輩は名無しである:04/02/07 20:17
いやそんなことないんで
やめといたほうが身のためですよ。
353吾輩は名無しである:04/02/11 01:59
>>345
板全体が荒れ模様に陥ってる期間には、こういう良スレは
閑古鳥が鳴くんですよ。実に興味深い現象。
354吾輩は名無しである:04/02/16 03:30
遅ればせながら本日より深淵読み始めますage
355吾輩は名無しである:04/02/17 16:22
age
356吾輩は名無しである:04/02/17 21:43
深淵について質問があります。

麻田が病院で覚醒したときに記憶があるのは潮風呂旅館

まででした。記憶が抜けいてる部分も妻や兄とそれまで

通りに生活していたと麻田は最初にどうして考えて妻に

助けを求めなかったのでしょうか?
357吾輩は名無しである:04/02/17 21:55
くだらんカキコですが
批評空間の天皇と文学のインタビュー読み返してたら
江藤淳には怖いぐらい厳しいですね。よっぽど嫌いなのかと感じました。
あとインタビューの最後はNAM解散に至る柄谷を見事に予言してますね。
358吾輩は名無しである:04/02/17 22:31


羽田圭介君17歳の『黒冷水』も読んでね!

359吾輩は名無しである:04/02/17 23:52
>>356
なるほどw

俺もそこまでいかなくても、妻は自分を待っていてくれるはずだ、
待っていてほしいってなんで思わないのか、とは思った。
最初からいなくて当たり前、いてビックリってのはちょっとポカーン。

まだ途中だからよくわからんけど。
360吾輩は名無しである:04/02/18 00:47
>>359

やっぱりそうですよね。
私は記憶がなくなる直前まで妻といっしょに
生活していたと思うことが普通のはずだと感じました。

それなのに妻が住んでいるアパートの部屋の前で麻田の
ままの姓をみてビクーリするものでしょうか?

そもそも記憶がないのなら記憶があるとことまでの延長
で考えるはずですよね。
361吾輩は名無しである:04/02/18 12:48
第一篇「序曲<プレリュード>」第二章「覚醒」冒頭で、
麻田の感じる「不安」が説明され、
第四章「夜思」末尾で、「恐怖」が説明される。

記憶喪失者・麻田は一たび眠りに落ちるものの、
「明朝は、また別の記憶喪失が……」と思い、
「慄然(りつぜん)と目を覚ま」す。(四六貢)
「それは、人が生と存在との深淵に臨んだ際に抱くで
あろうような根源的畏怖であった。」とあります。

麻田は、むやみに行動することのない、
なにごとにもまず理詰めで応じるタイプの人物、として書かれています。

極度の不安や怖れに見舞われたそのような個人が、
なによりもまず状況の把握を、冷静に、しっかりやろうと努めること、
そこに見られる異様なまでの慎重さは、現実的で、
無理はない、と私は思いました。
362吾輩は名無しである:04/02/20 01:20
え?
363吾輩は名無しである:04/02/20 17:17
単行本にまだ「秋月」ってなってる箇所なかった?
あったはずなんだけど。
364まいぺーす:04/02/22 01:56
 2月21日(土)は、HOWS連続講座「大西巨人『神聖喜劇』を読む」の後期第四回目(通算九回目)でした。
ゲストの高和政(コウ・ファジョン)氏の報告のタイトルは、「東堂太郎における〈正しさ〉について」。
『神聖喜劇』を論じるのは初めてとのことですが、東堂太郎の精神を、不条理・不合理を直観的に探り当てる
感性と自己の行動の正当性を客観的に定めていく論理との運動に求め、その二つの側面がイェーリング
『権利としての闘争』の「法感情」と「法意識」とに対応するという指摘は、強い説得力を持っていました。
東堂が感触として掴んでいるものを簡単に名指さないことと無神論的宗教意識との関連づけも興味深く、
高氏の作品理解の緻密さを感じさせるものでした。『神聖喜劇』が優れた作品であることを前提としながら、
高氏は、東堂のジェンダー・バイアスや朝鮮に関する問題意識の稀薄さなどにもあえて言及されました。
これらの問題に関しては、質疑でもいろいろな意見が出され、「コンプレックス脱却の当為」なども含め、
大西文学全体の評価にも話は広がっていきました。現代の文学状況に危機感を持つ高氏の話は、アクチュアリティー
を持ち、ていねいな応答から、生産的な議論が生まれたような印象を持ちました。
 講座も残すところ、あと一回。いよいよ大西巨人の登場ですね。これまでの講座で提出された疑問点や意見を
作者にぶつけ、緊張感のあるやり取りが実現するといいですね。
365吾輩は名無しである:04/02/23 01:52
前戯を怠ってはならない
366吾輩は名無しである:04/02/25 02:35
なんか言えや
367吾輩は名無しである:04/02/25 19:15
河出の文藝別冊『総特集 吉本隆明』に大西巨人の
エッセイが載ってますよー。
その題名は「歳末断想」。かなり短い文章ですけどね。

それから産経新聞2月8日付けの読書欄に『深淵』の
紹介がありました。その執筆者は松本鶴雄という人。
見出しは『失われた「12年間」を探す旅へ』です。
粗筋紹介が主で、結末に「・・・それらを二十世紀で
始まった前衛的な小説技法を駆使して描いている。
人間と時代と文学の危機を鋭くえぐった力作
である。」と締め括られています。こちらも短め文章。
368自らレス:04/02/29 03:00
>>363
単行本に添付されている「今月の新刊」っていう栞は、
まだ「秋月」ってなってる。

>>365
ハゲ堂
369吾輩は名無しである:04/02/29 09:11
>>365
上巻、p.104 「初手の入念なウォーミング・アップ」?
370名無しさん@魚好き:04/02/29 14:15
「前戯」ではなく「前技」と書くべき、ということを
大西巨人がどこかで書いていなかったでしょうか。
(「戯れ」ではないという趣旨で。)
371吾輩は名無しである:04/02/29 14:53
長すぎる。短くする能力にかけているね。
372吾輩は名無しである:04/03/01 05:16
>>369
なるほど

>>370
二十一世紀前夜祭「年寄りの冷や水」の登場人物の言葉
373まいぺーす:04/03/01 15:24
>>367
 ご教示ありがとうございます。近くの本屋で立ち読みしました。吉本の「感性の自殺」
から「また、晩年まで老いずにじりじりとのぼりつめて、ばたりと倒れた大家もいる。たとえば
夏目漱石であり森鴎外である。」という一節を引き(『春秋の花』でも取り上げられていましたね)、
百年後の吉本隆明の手によって、自身がそこに付け加えられることを祈念する内容で、大西らしい
スケールの大きさを感じるものでした。相手を語りつつ、自己をそこに投げ込み、律していこうとする
姿勢にも、独自の味わいがあります。これからしばらくは、いくつかエッセイが楽しめるかもしれませんね。
『早稲田文学』に連載の約束もあるようですし。『産経新聞』の松本鶴雄氏の書評は、今度図書館でチェック
します。

 『週刊読書人』の鎌田哲哉氏のインタビューは、第四部に入っています。『深淵』について、鎌田氏の率直な
疑問や意見が作者にぶつけられていて、読み応えあり。次回以降にも期待です。
374吾輩は名無しである:04/03/03 12:18
>>364 連続講座の最終回

参加したいけど、鏡山県なもんで、ちと遠い。
しかし、参加するべく、検討中。
その節は、まいぺーすさんに声かけますんで。

ホームページの「映画よもやま話」おもしろいですね。
375吾輩は名無しである:04/03/05 02:39
>>373

「産経新聞」の松本鶴雄氏の書評全文です。

【書評】「深淵」(上・下)大西巨人著

失われた「12年間」を探す旅

 人は昔の出来事などを忘れる。記憶の痕跡すらも残らないことがある。
しかし、大枠の過去の流れや現時点との生活のつながりだけは覚えている。
ところが、それらすべてを忘却したとしたらどうなるか。

 この小説の主人公は十二年間も過去の自分を忘れていた。
主人公・麻田布満(あさだのぶみつ)は二十代の後半のある日、
北九州で不意に記憶を失い、十三年目に今度は北海道の釧路の病院で
十二年間を跳び越して昔の自分に目覚める。
しかし、十二年間の記憶はまったく存在しない(逆行性健忘)。
彼は大学院でドイツ文学を専攻し、東京の出版社に勤務していた。
結婚もしていた。

 その彼がなぜ釧路の病院にいるのか、また、十二年間どこをうろつき、
どんな生活をしていたかの記憶はすべて欠落した状態で十二年前の生活に戻る。
妻や友人たち、親族たちは何とか失われた記憶を
取り戻させようとさまざまな努力をする。
しかし、麻田は十二年間の記憶欠落があっても次第に十三年前の生活に落ち着く。
勤務も日常の人間関係も元のままだ。
彼の親しい友人の冤罪(えんざい)裁判にもかかわり、無罪を勝ちとる。
376吾輩は名無しである:04/03/05 02:39
(続き)
 そうこうする内に少しずつ失われた十二年間の生活の記憶の断片が
彼の意識によみがえってくる。
その十二年間のうちのある期間自分が住んでいたと思われる九州に
《自分探し》に出かける。
そこで彼はまた違う冤罪裁判(正しくは人民党のスターリン主義による
えせ冤罪事件)の参考人にさせられる。
それらを通して、この地では主人公は麻田布満でなく、
秋山信馬として、麻田個人の一切の過去や記憶を亡失した
別人格のままに生活していたことがわかる。
愛し合っていた女性もいた。
つまり主人公には二回、逆行性健忘が起こっていたことになる。
麻田は秋山の、秋山は麻田の人格記憶がまったくない。
一人で二つの別人生なのである。

 それらを二十世紀で始まった前衛的な小説技法を駆使して描いている。
人間と時代と文学の危機を鋭くえぐった力作である。

文芸評論家・松本鶴雄(02/08 05:00)
377吾輩は名無しである:04/03/05 07:26
著作権侵害
378吾輩は名無しである:04/03/06 14:33
20日のHOWS行きます。楽しみです。
379吾輩は名無しである:04/03/07 20:46
深淵で一番面白かったところ。

下巻p115

>もう少し、帰宅が、遅かったら、夕食に間に合わなかったのか。

ワロタ
380吾輩は名無しである:04/03/07 23:07
>379

大西さんには、点が多い小説とそうでない小説がありまつね。
381吾輩は名無しである:04/03/08 01:20
夕食に間に合ってよかった、とか思ったのかなと
考えるとワロタ
そこまで書く大西にもワロタ
382吾輩は名無しである:04/03/08 13:08
神戸新聞 3月7日の書評欄に「深淵」登場。
評者は上野昴志。
以上。
383まいぺーす:04/03/09 02:07
>>375、376
ご紹介、ご苦労様です。全文引用は、ちと(この言葉を大西巨人は、時々使いますね)
まずかったかもしれません。それにしても、松本氏の文章は、内容紹介に筆を費やしすぎ
ですね。

>>382
ご教示ありがたいです。次に図書館に行ったときに、チェックしたいと思います。上野昂志が
大西巨人のことを語るのは、初めてではないでしょうか。

少し前になりますが、2月29日の『朝日新聞』で、三浦しをんが「〈読書日記〉三四郎はそれから
門を出た」で、伏見憲明『ゲイという体験』と共に「読みでのある作品」として『深淵』を挙げて
いました。三浦は、麻田布満が琴絵との再会の夜に「酒気帯びでセックスすることを自分に禁じて
いたため、わざわざ数時間仮眠を取って、酔いを醒ましてからコトに及ぶ」律儀さなどに爆笑した
ことを記しつつ、「ページをめくる手が止められな」い魅力を持つと同時に、「「人間はどうあるべきか」を
小説という形で徹底的に追究した、まさに「深淵」まで到達した感のあるすごい作品」であると
推奨しています。『神聖喜劇』から始まった三浦の大西評価は、持続的なものとしてあるようです。
384まいぺーす:04/03/09 02:28
 石橋正孝「鏡の国の永劫回帰−−『深淵』再読のために−−」(『早稲田文学』29巻2号、2004年3月1日)は、
本格的な作品論。SFの諸作品との比較を行いながら、虚無に対峙するために、過去の「想起」と未来を意識した
「反復」との重ね合せを一つの重要な営為として追究した作品であるという見方を、石橋氏は提出しています。対称的な
人物配置や現実離れした偶然の連続などの特徴を積極的に読み取っているのが興味深かったです。そのような物語の
設定が主人公のためだけに施されているのではないことを説明してもらえると、なおよかったような気がします。
『深淵』の批評もぼつぼつ揃ってきましたね。

>>374
>>378
HOWSの講座でお会いするのを楽しみにしています。
385吾輩は名無しである:04/03/09 09:59
日本経済新聞、3月7日付の書評欄で『深淵』が紹介されてました。
筆者は川西正明氏。
386385:04/03/09 10:02
川西正明…×
川西政明…○
でした。
ちなみにタイトルは「世界全体に挑戦する『個』」です。
387吾輩は名無しである:04/03/09 22:22
『深淵』について。著者インタビュー。

http://www.yomiuri.co.jp/bookstand/news/20040309_01.htm
388吾輩は名無しである:04/03/10 23:30
すいません。
20日の囲む会、何時からか教えていただけませんか?
HOWSに電話した際に聞くのを失念していました。
389378:04/03/11 03:56
>>388
実は俺も。HOWSのHPにも書いてないようで。
390吾輩は名無しである:04/03/11 07:38
>>388>>389

20日(土)13時〜
『大西巨人さんを囲んで』

東京近郊のシトが羨ましい。
391吾輩は名無しである:04/03/11 12:58
ありがと〜
392吾輩は名無しである:04/03/15 00:35
『深淵』を、やっと読了。
ホームページに感想を書き込まねば、とは思うものの、
書き出しが、決まらない。
書き出しが決まれば、あとは気ままに書こうと思う。
たぶん、小学生の作文みたいにしかならぬだろうが……。
393吾輩は名無しである:04/03/15 14:13
大西赤人と手塚眞はどっちが才能ある2世か?
394吾輩は名無しである:04/03/16 17:22
黒澤久雄
395吾輩は名無しである:04/03/16 17:43
>>387
この記事、岡山では今日の朝刊に載ってた。
396吾輩は名無しである:04/03/20 07:40
深淵やっと読んだーー!
引用されてる文章が架空なのか本物?なのか
ようわからんのがある。これから調べる。
397吾輩は名無しである:04/03/21 08:05
マルケスの最高傑作が「予告(せw)された殺人の記録」だというのは
やはり大西さん自身の考えでもあるのでしょうか?
398まいぺーす:04/03/22 14:15
 3月20日は、HOWS連続講座「文学・大西巨人『神聖喜劇』を読む」の最終回で、
大西巨人さんを囲む会でした。参加者もいつもの倍ぐらいで、遠方からいらっしゃった
方も何人か見受けられました。大西さん以外に、大西赤人さん、「巨人館」の管理人
鈴木康之さん、鎌田哲哉さん、荒井晴彦さん、澤井信一郎さんらも出席され、大変
ぜいたくな顔ぶれとなりました。
 大西さんは、とてもお元気なご様子で、マイクを使う必要がない明瞭な声で、司会や
会場からの質問に答えていました。当日話題になったことは、@、東堂のナショナリスティックな
傾向について、A、『神聖喜劇』にしばしば指摘される男性性について、B、対馬が舞台に
選ばれていることについて、C、映画化について、D、方言の使用について、E、丸山真男
「超国家主義の論理と心理」の影響について、F、ユーモアの要素について、G、発表当時の
反響について、などがありました。
399まいぺーす:04/03/22 14:23
それらの質問に対して、大西さんは、@、東堂の当代の思想において、そういう
要素があることは確かであるが、それは、作品全編を通じて克服されるべきもの
として描かれていること、A、東堂が男性であることを意識することが即女性差別
であると読み取ることは誤りであり、そのような意識は克服されなければならないこと、
B、対馬を選んだのは、戦闘が行われておらず、しかも戦時体制でもある場所であり、
閉ざされた空間であることが小説の舞台として恰好であったこと、しかし、紙幅の都合で
日朝交流の拠点であったことには触れられなかったこと、C、『神聖喜劇』を映画化する
ことは、個人的には無謀の挙だと感じているが(笑)、よほどおかしな作りにならない
限りは、映画スタッフに任せるつもりでいること、(続く)
400まいぺーす:04/03/22 14:29
D、『神聖喜劇』以降、方言を使うことが少なくなっているのは、登場人物
たちが知識人層であることが多いためで、特に意識的に方言使用を止めている
のではないこと、E、「責任阻却の論理」における丸山諭との相似は、偶然で
あり、執筆後丸山の書に触れて、感じ入ったということ、F、『神聖喜劇』以降も
ユーモアの要素を作者は追究しており、その要素が乏しいとすれば、それは、作者の
力不足であること、G、光文社の大宣伝によって、相当話題にはなったが、きちんと
した評価がなされたわけでは必ずしもなく、見当違いな取材を受けることもしばしばで
あったこと、などを答えられました。
401吾輩は名無しである:04/03/22 14:50
大西巨人とフェミニズム理論の関係について

「五里務」のような作品に見られるように
いろいろとおもしろい事があるのではないか
402まいぺーす:04/03/22 18:50
 用事があって外出していたため、書き込みが途中になっていました。400の続きです。
大西さんは、遠慮がちな質問にも明確に答えられて、それが会場の笑いを誘うこともしばしば
でした。当日最も議論となったことは、@の質問から派生した斎藤史の評価をめぐるものでした。
史の右翼的な立場への共感と表現上の冒険とをどのように考えるかということでした。大西さんは、
史や三島由紀夫の表現に非凡なものがあることを認め、そのようなものを引き受けることが文学の
課題であること、しかし、内容と形式、思想と表現とは一致すべきものであるということを述べられ
ました(このあたりのまとめ方は、必ずしも適切ではないかもしれません。参加された方の助言や
修正をいただけるとありがたいです)。大西さんは、問題が簡単ではなく、今のところうまく説明
できないことを、表明されてもいました。そのあたりの率直さが、いかにも『神聖喜劇』の作者
らしかったです。言語芸術ならではの難問をめぐるやりとりは、会終了後の懇談の席でも続きました。
403まいぺーす:04/03/22 19:10
 全部で5時間ほどの会でしたが、あっという間の印象でした。鎌田・荒井・澤井
さんたちにも充分にかたっていただきたかったのですが、その時間がなく、残念でした。
なお、席上で告知されていましたが、鎌田さんは、季刊『d/sign』(太田出版)誌で
『神聖喜劇』論を連載中とのことです。大西さんは、『小説トリッパー』最新号で阿部和重
『シンセミア』の書評を発表、『早稲田文学』に短篇小説(仮題『奇妙な入試風景』)を書く
予定もあるそうです。HOWSの講座では、別科の戦後文学ゼミで、5月に『深淵』を
取り上げる予定で、企画を検討しているということでした。講座自体も終わってみるとあっと
言う間で、『神聖喜劇』については、さらに議論を続けていく必要があるでしょう。それでも、
講座がなかなかえがたい機会であり、いい勉強をさせてもらいました。個人的にはずいぶん
理解が深まり、視野が広がったような気がします。
404まいぺーす:04/03/24 00:04
 サーバー移転で、えらく下までスレが下がっていたので、ageときます。

>>401
 大西巨人の仕事がフェミニズムの文脈で評価されたのは、ほとんどないようですね。
60年代、既成作家の性に関わる俗見をこれほど厳しく批判した書き手はほかにいない
にもかかわらず、それがきちんと位置づけられていないのは、物足りません。
405べとん:04/03/25 01:26
>>まいぺーす様

毎回の「講座」の報告をありがとうございました。
とても有難かったですよ。
最終回も行けませんでしたが、いつかお会いできるでしょう。
406まいぺーす:04/04/02 09:08
 すが秀実「〈時評〉タイム・スリップの断崖で/さらに、踏み越えられたエロティシズム
の倫理−−大西巨人の場合」(『en-taxi』第5号、2004年3月27日)は、4ページすべてが
『深淵』に費やされたもの。すが氏は、『深淵』を「今年度随一の傑作」・「大西が性の
作家であることを、読む者に確信せしめる大作」と認定しつつ、「登場人物の階級構成が
基本的に現代のアッパーミドルのみであること」を「惜しむべき限界」と指摘しています。
さらに氏は、『犬を連れた奥さん』の引用が何回も作品に登場することを重視し、「犬または
その飼い主」の書き手麻田布満に対して、麻田琴絵・丹生双葉子ら二人の『犬を連れた奥さん』
の想起者が最後に描かれることに、「二人の女性はすでに鏡像的関係をこえて「群」を形成
しており、主人公にも「牡犬と牝犬の群のよう」な非ペット的獣の関係を求めている」構図を
読み取っています。氏特有の強引さを一方で感じつつ、「決定的に男を批判する女たちの小説」
という指摘には肯かされるものがありました。

>>405
 べとんさん、いつかぜひお会いしたいものです。
407吾輩は名無しである:04/04/03 01:32
「映画よもやま話」の小津安二郎編で、小津作品の(特に戦後の・後期の)
登場人物が女中を二人もかかえてたりする「プチブル」であることに、
やや顔をゆがめた大西氏が、自身の作品の登場人物が基本的に
「アッパーミドル」であることを否定的に指摘されるとは……。

なるほど、“おとぎばなし”とは言え、『深淵』が、大衆的な支持を
得るためには、例えば、橋本勇二(家電販売店員)が、もっとクロ
ーズ・アップせられれば、宮部みゆき『火車』や、高村薫『照柿』の
ような味わいが出せたり、したんだろうか?

もちろん、すが氏は、大西氏に、『火車』や『照柿』を書けとは、
言ってないんだろうが……。
408吾輩は名無しである:04/04/03 04:28
つうかアッパーミドルなんて言葉を使うこと自体が
プチぶる的だわなw
409吾輩は名無しである:04/04/03 20:51
>>407
すが氏のその読み方、著者大西氏の意図とは
全く違うんだろうな。
410409:04/04/03 23:11
スマソ、407ではなく、まいぺーすサンの
>407ですた。
アゲときます。
411410:04/04/03 23:22
またまた間違い。
406だす。
ホントにすみません。
412まいぺーす:04/04/12 22:42
>>382
>>385
 それぞれご教示いただいた、上野昂志・川西政明の『深淵』評を図書館でコピーして
きました。紙幅の制約もあってか、いずれも、内容紹介に重点が置かれていました。上野氏は、
「厳密に鏡像的な構造」を指摘し、麻田の空白の12年間が「第一の人生」以外の何ものでもない
のではないかという難問を前に読者も立ち尽くさざるをえないと述べています。川西氏は、
二つの裁判を通して、麻田が「個を抑圧するこの世界の全体に向って果敢に挑戦しつづけ
個の解放に成功する」物語として『深淵』を捉え、「これは最後の硬派の小説かもしれない。」
という感想を洩らしています。川西氏の評は、好意的なものなのでしょうが、微妙な勘違いが
あるようにも見えます。

>>409
 遅いレスで恐縮です。すが氏の論は、大西氏の意図を超えたものでしょうね。ただし、作者の
意図を裏切ったものでは、必ずしもないのではないでしょうか。
413吾輩は名無しである:04/04/13 20:06
現代思想の4月臨時増刊総特集「マルクス」にエッセイ掲載。
しかもその巻頭に。タイトルは「早春断想」。短い文です。
しかしこれって自衛隊イラク派遣に対する婉曲な反対声明か。

今発売中の週刊朝日4/23号のP103に原武史が『深淵』書評。
タイトルは「実在・架空の地名と結ぶ十二年の記憶喪失
主人公の実存と見事に響き合う東西の鉄道」とあります。

あと河出の吉本特集本にエッセイが載ったというのは既出
だけど同時期に出た現代詩手帳の吉本特集本にもエッセイが
載ってたと思う(尤もこちらは再録だったと記憶するが)。
414吾輩は名無しである:04/04/13 20:23
「群像」5月号に笠井潔の『深淵』評。

どなたか読んだら、感想をプリーズ。
こちとら、「群像」すら書店でお目にかかれぬ“地方”に住む輩。
図書館にはあるだろうが、滅多に行かぬもので……
415吾輩は名無しである:04/04/21 15:45
「大西巨人氏に聞く」29、30回で、鎌田哲哉氏は、作中人物麻田の
居酒屋「のまんか」の思い出し方に疑問を持った、と話す。
「麻田の異和を前提とすると、「のまんか」の思い出し方は、
彼方に薄ぼんやりと思い出される記憶ではなくて、本来は半年前、
半年プラス数日前の出来事を思い出す感覚ではないか、と思うんです。」
そのことに対して、大西氏は「君のような考え方をすると、
人間の自然に反する気がするんだ。」と答える。<29>

マルセル・プルーストの長篇内に、以下の文章がある。

 そしていま、私はあのように相ついだ多くの事件を忘れ、
 その忘却が、空虚ないくつかの空間によって、
 私をそれらの事件からひきはなしたのであった、事件は
 まだごく新しいにもかかわらず、私にはすでに古いもののように
 思われたのは、私が事件を忘れる「時間」なるものを
 もったからなのであった、つまりいま、私に相ついだ事件の
 忘却は、私の記憶のまんなかにーー洋上を被って物体の
 指標点を消しさる濃い霧のようにーーちぎれちぎれに、
 不規則に、立ちふさがっているのであって、そういう状態が、
 時間のなかにおける私の距離感を混乱させ、分裂させ、その距離は
 あちらでは短縮され、こちらではひきのばされているのであり、
 現実に自分がいるよりも、あるときは物体からはるか遠くに、
 あるときは物体からはるか近くにいる、と私に思わせるのであった。
 (井上究一郎訳『失われた時を求めて』9、ちくま文庫、三一八貢)
 
五里霧、霧の松原、カフカ作『城』冒頭、foooooooog!
416吾輩は名無しである:04/04/21 15:49
ジル・ドゥルーズとフェリックス・ガタリの共著
『哲学とは何か』に、以下の記述がある。

 体験された知覚の外に出るためには、たんに、古い諸知覚を
 呼び起こすような記憶にたよっても明らかに不十分であり、
 現在を保存するファクターとしてのレミニッセンスを付加するような
 非意志的な記憶にたよってもまた不十分である。記憶というものは、
 芸術にはほとんど介入してこない(プルーストにおいてさえ、そして
 プルーストにおいてはとくにそうである)。……
 〔モニュメントの制作に〕必要になるのは記憶ではない。
 記憶のなかにではなく、語のなかに、音のなかに
 見いだされる複合的なマテリアルが必要になるのだ。  (財津理訳)
 
これは「ひとは世界内に存在するのではない、ひとは世界とともに生成する、
ひとは世界を観照しながら生成する。いっさいは、視<ヴィジオン>であり、
生成である。」とか「芸術家は、見者であり、生成者である。」
とか断言する、著者たち独特の物言いであり、
大西氏が「人間の生というのは記憶であって、
記憶がないということはゼロなんだ。百年生きていたとしても、
もし百年目に記憶がなくなったら、百年生きていたことにならない。
すべてがなくなる。そういう気持ちだよね。」と語る作中人物麻田の認識
と並べて考えることは、不当かもしれない。
作中では見聞きしたものをまとめあげることにのみ尽力する
「ジャーナリスト」タイプの麻田が、いずれ一念発起し、
素材を職人的にシンセサイズする「芸術家」として
小説をcomposeしたら、『深淵』的な作品になる可能性は大いにある。

 ……思いつきで、すいません。
417まいぺーす:04/04/23 12:41
>>414
ご教示いただいた『群像』2004年5月号の笠井潔の『深淵』評「解離社会と倫理の
可能性」を図書館でコピーして来ました。笠井は、冒頭梅本克巳を引きながら、ファシズム
の横行する中、マルクス主義者が一方で非業の死を遂げ、他方で全くの無力を強いられると
いう分裂状態に置かれたと述べています。その分裂は、党や指導部を無前提に崇拝する
「倫理の蒙昧な神秘化」やスターリニズムに代表される「パワー・ポリティックス」の横行
のような戦後状況を生み出したものでもある。そのような現実に対する批判の書として、
笠井は、『深淵』を位置づけているようです。「抵抗の倫理は抵抗の技術と不可分である
という大西の確信は、戦後左翼思想が失効し風化した今日、あらためて注目されるべき
だろう。」という指摘は、その通りでしょう。「一九八〇年代のアメリカ、九〇年代の
日本で大流行した記憶喪失ミステリや多重人格ミステリに批判的な立場から、『深淵』
を構想したのかもしれない。」という見方も肯けますが、「ポストモダン社会の病理
ともいえる解離は、固有の倫理問題を提起している。」という笠井の判断は、必ずしも
『深淵』の作品世界と直結しないようにも感じました。2ページの短文だけに、説明が
省略されているところもあるのでしょうが。
418吾輩は名無しである:04/04/24 01:03
417
ありがとうございます。

『春秋の花・増補』が、更新せられております。

壇一雄は、ずいぶん以前に読んだ『花かたみ』が、良かったなあ。
晩年は、福岡・能古島《のこのしま》に住んでたな。

娘の壇ふみは、むかしNHKで放送された、ラフカディオ・ハーンを描いた
『日本の面影』(山田太一脚本)で、ジョージ・チャキリス演じる
小泉八雲の妻・節子役がとても良かった。ジョージ・チャキリスも
良かった。最近のドラマは面白いのないけど…あれは良かった。
419吾輩は名無しである:04/04/24 01:16
週間読書人の連載インタビュー「吉本隆明が語る戦後55年」を本で読み返していたら、
「進歩的な文学の亜流俗流に属していて、しかも「近代文学」の同人になった人で、大西巨人
という人がいます。」という言い方があり、そのまま続けて、『神聖喜劇』を肯定している。
もちろん、「」部分何度反芻しても、いまだに意味がわからないでいる。もしかすると、誤植を
疑ったりもしたが、そうでもなさそうだ。大西氏が、吉本氏は「腑に落ちない」ところがある、
といったのは、もしやこの一節のことか、とも思ったりもした。
吉本スレよりこちらのほうが参加者、参考意見を言えそうな人が多そうなので、書きました。
どうなんでしょう。どう思いますか?
420吾輩は名無しである:04/04/24 02:25
「亜流俗流」が、「異端すなわち正統」(大西)とかだと、
いけるかもしれない。
……「異端すなわち正統」でしたっけ?
421419:04/04/24 02:33
>>420
ああそういう、誤植とか、録音の書き間違えの可能性だよねぇ。とにかく語法として納得いく言葉づかいじゃないんだよなぁ。
「亜流俗流」なんて用例は他の著者を捜したってないわけでしょう、これは。
422419:04/04/24 03:00
念のために、いっておきます。420のかたが、誤植という意見ではないのは、わかっています。
語法的に「いったいぜんたいこれはなんなのか?」と思いましてね。
「亜流」を、本流ではない、(支流)という意味でいっているなら、多少わかる。
謎は「俗流」なのだが、もしかすると、吉本は大西巨人がカッパブックスでよく出版されていること

も考慮して、大衆娯楽を目途とした作品を書いている作家、そんなふうに書かれた作品である、とで
とでも考えて「俗流」としたのかねぇ?
そう思うとカッパブックス効果もあり、としていったい大西作品って実数どれだけ購入されたんでしょうね。
世田谷の経堂駅前の某中程度規模の書店には神聖喜劇の今時発行分は配刊されなかったんですよ。
光文社に問い合わせたら、発行数が少ないからだ、といっていたんだよねぇ。
それとも、カッパブックス刊行時は川崎長太郎とか夫馬基彦いったような典型的な純文学雑誌に載る人よりは
画然と対象が「娯楽を求める読者向け」という意味なのかなぁ?「俗流」というのは。
423吾輩は名無しである:04/04/24 10:43
>422

「カッパ・ブックス」じゃないよ〜〜〜〜〜
「カッパ・ノベルス」だよ〜〜〜〜〜〜〜〜

世の中には、「カッパ・ノベルス」マニヤだっているんだよ〜〜〜〜

しかし、なんで「カッパ」は大西贔屓なんだろう?????
うー、わからん。

大西巨人は松本清張か?
大西巨人は森村誠一か?
424419:04/04/24 15:05
 大西巨人自身も積極的に肯定しているように、典型的には勧善懲悪小説というのは、私小説や観念小説
とはちがって「他者にわかる」ことを指向している。大西氏の作品の基本スタンスがこれだから「俗流」
といったのかなぁ、とだんだんに思えてきた。(五里霧)のような例外はあるにしても。
(古井由吉なんかが対極的な作法)
ところで、大西氏は推理小説の結構で書こうと思い始めたきっかけはなんだったんだろうな。
光文社の編集者は神聖喜劇の「新日本文学」初出時に、あっ、これは推理小説の分野のものだ、と自分で
思ったのかなぁ?それでつきあいが始まった、てこと?
425吾輩は名無しである:04/04/24 15:14
新日文と関係の深い左翼の編集者がいたってのが単純な推測だが
426吾輩は名無しである:04/04/24 17:56
「俗情との結託」を拒絶する人に、「俗流」か。

微妙に面白いな。

「神聖喜劇」の中で、東堂は村崎に塩垂れるでしょ。
あの作品は、なんか所謂「下層庶民」みたいな人には、点が甘すぎるような気もする。

とりとめのない連想です。
427吾輩は名無しである:04/04/24 21:07
「俗情」というのは明らかに否定的な意味のことばなんだが、習俗、風俗小説、風俗画
ということばがあるように、「俗」流、必ずしも、否定的意味をこめているとはいえない。が、大い
に思い違いしやすいことばであり、聞き慣れない用例でもある。
428吾輩は名無しである:04/04/30 23:25
『神聖喜劇』(全5巻)80年光文社刊 7月第4刷を
430円×5で入手。
まったく綺麗な状態で、読まれた形跡なし。
この「ほんだらけ」という古本屋では、以前、
『兵士の物語』も430円で購入したのだった。

価値のわからぬ本は、430円らしい。
429吾輩は名無しである:04/04/30 23:54
オレ、戦争と性と革命は持ってるよ
430吾輩は名無しである:04/05/01 23:04
2004年3月に、巨人先生、鏡山県に里帰りされていたんだなぁ。
20数年ぶりに。「卓話会」なる催しもあったらしい。
知らなかったから、行けなかった。まことに遺憾である。
残念至極。
431まいぺーす:04/05/02 12:09
>>430

ttp://www.rc.kyushu-u.ac.jp/~hanada/tengudo6.html

九州大学の花田俊典氏は、その「卓話会」に参加されたようですね。天狗堂日誌の
2004年3月6日の記述を参照してください。僕も、大西巨人の参加するイベントを
何度も逃して、悔しい思いをしています。そのあたりの情報も、この場所を通じて
交換できるといいですね。
432べとん:04/05/03 09:27
>>431まいぺーすさん
杉山武子さんのHPの連載エッセイ『僕らはみんな生きている!』に、
「卓話会」のくわしい報告を見つけました。
とても良い雰囲気だったことが伝わってきます。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~takeko/index.html
433吾輩は名無しである:04/05/05 17:15
「五里霧」、ワゴンセールの山の中で50円で転がっていました。それも帯付きの
美本で。ホント、いい買い物をしました。

434まいぺーす:04/05/09 23:53
>>432
 遅いレスですみません。べとんさん、ご教示、ありがとうございました。杉山さんの
レポは、仰せのとおり、詳細で、参加できなかった者には、本当にありがたいものですね。
『文化展望』の話など、興味深く読ませていただきました。

 法政大学大学院私小説研究会の機関誌『私小説研究』第5号、2004年3月31日に、大西巨人の
インタビュー「私小説は小説か文学か」が掲載されています。仮構の独立小宇宙たりえていない
私小説を厳しく批判する姿勢は、いつも通りですが、「独立した小宇宙として成立している作品」
として、大岡昇平の『俘虜記』を挙げたり、自身の過去に書いた文章を作中に引用することに
ついて、「過去にご自身が発表されたものも、他の、小林秀雄や保田與重郎が発表したものと
同じに、過去に公表された言論の中の一つとして、並列として扱っている」のかという問いかけを
肯っているのが、目を惹きます。「この人は本当に批評家として書いていいのだろうか、という人」
を尋ねられて、「例えば、小田切秀雄のような人」と答えているのは、場所を考えると、ある意味で
すごいですね。「(一同・笑)」という反応も含めてですが。
435まいぺーす:04/05/17 10:30
 昨日、5月16日は、HOWS戦後文学ゼミで「『大西巨人』深淵のラディカリズム」と
題する討論会がありました。コーディネーターの山口直孝がまず、「歴史偽造の罪」
という主題とストーリー・表現とをいかに結び付けるべきかを問題提起として提出し、
例えば、容貌描写がないこと・「款談」の場面が執拗に取り上げられること・冤罪
被害者橋本勇二の声がまったく聞かれないことなどの処置が、常識的な小説の論理を
裏切り、異化するものであるという見方を示しました。討論では、すが秀実氏の指摘
で登場人物が「アッパーミドル」に限られ、なおかつ善良で高潔な人たちで占められる
ことの当否や、事例を挙げることなくスターリニズム批判がなされていることは、かえって
共産主義圏崩壊後のマルクス主義否定の潮流に勢いを与えることにならないかという懸念
などが話題となりました。運動論の視点を持った人の率直な意見には、聴くべきところも
多く、勉強になりました。
436吾輩は名無しである:04/05/17 12:46
スレ汚しすいません。
神聖喜劇以外で主要な作品を2〜3挙げてもらえると・・・
437吾輩は名無しである:04/05/17 19:09
トーハンの新刊ニュースの五月号に「大西巨人ロングインタビュー」が
掲載されています。また、「文学界」六月号の斎藤環「文学の徴候 外
傷性の倫理」が『深淵』を中心に大西巨人について論じています。
438地方在住:04/05/18 02:45
本日、行きつけのしょっちゅう万引きする本屋(レンタルビデオ、ファンシー
グッズとか売ってる国道沿いの本屋)の新作コーナーで大西先生の本を
発見しました。上下巻ものでした。そこは店員にやる気が無くて、万引き成功率
のかなーり高い(つーか、いまだ失敗経験ナシ)な店なんですが、
新刊コーナーの二冊組のものともなると、さすがにリスクを伴います。
リスクを犯す価値があるでしょうか?(自信は70%はあります)
439吾輩は名無しである:04/05/18 20:28
>>438
月並なレスで申し訳ないけれど、買って読む価値がありますよ。
440吾輩は名無しである:04/05/19 21:05
>439
煽りは無視したほうがいいよ。
441吾輩は名無しである:04/05/20 03:19
まいぺーすさん>
すすが秀実氏の指摘
「登場人物が「アッパーミドル」に限られ、なおかつ善良で高潔な人たちで占められる
ことの当否や、事例を挙げることなくスターリニズム批判がなされていること」
について聞きたいのですが、山口先生はどう結論づけておられてたのでしょうか。
詳細をお願いします。
442441:04/05/20 03:19
間違えました。
すが秀実さんですね。
443黄色のソナタ:04/05/21 01:47
>435
「事例を挙げることなくスターリニズム批判がなされていることは、かえって
共産主義圏崩壊後のマルクス主義否定の潮流に勢いを与えることにならないかという懸念
などが話題となりました。」

まだソ連も東欧も存在した84年の、7月号「群像」一挙掲載の 『天路の奈落』 に
ついても、「マルクス主義否定の潮流に勢いを」云々……の否定的批判があったんじゃ?

『天路の奈落』 のように、右には良いとこ取りされ、左には苦々しく黙殺されるのか?

荒っぽい感想で、すみません。ちなみにぼくは、『天路の奈落』も、好きです。
444吾輩は名無しである:04/05/21 01:57
70%か・・微妙だな。
俺なら決行するが・・
445吾輩は名無しである:04/05/21 12:04
大西さんは萌え姉妹を作り上げた天才
446まいぺーす:04/05/22 09:01
>>441
 報告とは独立する形で議論が展開した感じだったので、スターリニズム批判に関する
報告者の意見は、聞かれなかったように思います。少なくとも、『深淵』の中で、その
詳しい言及がないことについて別の見方を提出することは、ありませんでした。443さんも
おっしゃるように、大西巨人は、共産圏の崩壊に乗じて変節した知識人たちを時代順応者として
厳しく批判し続けてきました。討論の参加者は、おおよそ大西の熱心な読者で、そのことは
よく承知しつつ、『深淵』を独立させて見た場合に、記述が不充分ではないか、とあえて
問題にした、ということですね。登場人物たちがインテリでなおかつ高潔な人たちで
占められていることについては、基本的に当為を描いた観念小説であり、『神聖喜劇』
の世界からの前進が目指されているとすれば、問題にならないのでは、ということでした。
447まいぺーす:04/05/22 09:09
 ついでながら、当日出た話題を一つ。鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二『戦争が
遺したもの−−鶴見俊輔に戦後世代が聞く−−』(新曜社、2004年3月10日)には、
「さしあたってこれだけは」共同声明の件で、藤田省三が共産党の査問に呼び出され、
鶴見俊輔が同行したという回想が披露されています。武井昭夫さんは、この鶴見の
証言に、党員でない者が査問に立ち会えるはずがない、と疑問を呈していました。
それ以外にも、この本には、問題が多い、とのことです。「歴史偽造の罪」をめぐる
議論の中で、挙げられた例です。
448吾輩は名無しである:04/05/22 10:13
「神聖喜劇」という題名、
マヤコフスキーの作品から取られたというのは本当ですか?
449吾輩は名無しである:04/05/22 11:31
なんか古臭いよね
450吾輩は名無しである:04/05/22 12:56
>>409
遅いレスですが、別にすが氏が大西さんという作者の意図を超えた読みを展開しても、
それはそれでかまわないと思います。テクスト論という「作者の死」を宣言して、作家の意図に
還元されない小説の多様な読みを行っていますしね。
451吾輩は名無しである:04/05/22 18:45
大西巨人の小説を高く評価することはお洒落ですね。

今や、お洒落アイテム巨人(爆
452吾輩は名無しである:04/05/22 19:07
>>448
『神聖喜劇』っていうのは
ダンテの『神曲』の原題を直訳したものだよ。
453吾輩は名無しである:04/05/22 20:36
マヤコフスキーの「ミステリア・ブッフ」じゃないの?
454吾輩は名無しである:04/05/24 17:52
ちょっと質問です。
『大西巨人文藝論叢 上・下』中の論文は『大西巨人文選1〜4』と
どの程度重複するのでしょうか?
455まいぺーす:04/05/26 10:07
>>454
 大雑把に言って、『大西巨人文芸論叢』の8割ぐらいは、『大西巨人文選』に収め
られているような気がします。『大西巨人文選 4 遼遠』以降、エッセイ集が出版
されていないので、そろそろまとめてもらいたいですね。「コンプレックス脱却の当為」
などが、初出以外で読めないのは、もったいないかぎり。

 5月22日、近畿大学東京コミュニティカレッジの総合文化論講座で、すが秀実・大西巨人
の座談がありました。すがさんは、『真空地帯』論争の意義を改めて述べ、カルチュラル・
スタディーズの研究者が、『人民文学』周辺の大衆追随主義の現象を評価するような今日、
大西巨人的な、サブカルチャー的なものとメインカルチャー的なものとを言説として等価に
受容する姿勢が参照される必要があることを強調していました。
 すがさんは、また、『en-taxi』誌の自身の『深淵』評を作者にぶつけて感想を求めました。
大西さんは、「作者が思いもよらないことを指摘するのが批評家の仕事だ」という実例として
すがさんの批評を受け止めたようですが、その当否について、作者として明言することは避け
ました。
456まいぺーす:04/05/26 10:36
(続き)質疑応答で注目されたのは、大西さんの同性愛を差別しないが、異性愛が
あるべき姿であるという考え(『週刊読書人』の鎌田哲哉さんのインタビューでも
問題になっていました)について、両者を質的に分割することが、差別を生む懸念が
ないかという質問が出たことです。これについて、大西さんは、誤りではあるが、
そこから差別が生まれることはありえ、それに対しては、闘わなければならないと
答えました。このやりとりは、当日参加していた大西赤人さんに引き継がれ、同性愛は
矯正可能なのか、また、矯正すべきなのか、矯正できないとすれば異性愛を優位に据える
ことがなぜ必要かなどをめぐって意見が交わされました。大西巨人さんの立場は変わり
ませんでしたが、二人の応酬は、フェアであり、スリリングでした。
 なお、当日の様子は、「成城トランスカレッジ!」というサイトのchikiさんのレポート
で詳細を知ることができます。chikiさんの『深淵』読書ノートも、注目です。

ttp://d.hatena.ne.jp/seijotcp/


457吾輩は名無しである:04/05/26 13:26
chikiさんのレポートによると、斎藤環氏の批評(「文学界」)も
紹介されたようですが、どのような感じでしたか。
斎藤氏は「作者が思いもよらないことを指摘」しうる書き手だと思います。
「まとめ上手」の感じもあるけれど、博学かつ勤勉で、
有益な文章が多いです。
「精神分析」の枠が外れた時、批評が本物になるのかもしれませんが。
458454:04/05/27 12:16
>>455 
お答えいただきありがとうございました。
先日、古書店で『大西巨人文藝論叢』(上・下巻揃)を見つけたものですから、
質問をさせていただきました(そして、その質問をした翌日に購入しました)。
既に所有している『大西巨人文選1〜4』と比べると、やはり「8割ぐらい」
その内容が重複していましたが、それはそれとして、新鮮な気持ちで読んでいます。

> 『大西巨人文選 4 遼遠』以降、エッセイ集が出版されていないので、
> そろそろまとめてもらいたいですね。
そうですね。そしてできればやはり、みすず書房から『文選5』として
出してもらいたいところです。
また、講座等における座談も(なかなか足を運びにくいので)、
本として読みたいなと思うのですが。
459まいぺーす:04/06/01 04:23
>>457
 遅レスですいません。齊藤環「文学の徴候 第17回/外傷性の論理」(『文学界』58巻6号、
2004年6月1日)は、当日参考資料としてコピーが配られました。全面的に同意するわけでは
ないが、大西巨人の仕事の見取り図として、よくまとまっている、というのがすが秀実さんの
コメントでした。大西さんは、457さんのご意見のように、「作者が思いもよらないことを指摘」
した批評として受け止めていたように見受けました。僕も、斎藤論を興味深く読み、「否定神学
的な普遍性の体現者」という評価に肯かされました。『深淵』を「意味記憶」と「エピソード記憶」
とのずれの観点から分析していることにも教えられましたが、それをもたらす「外傷的契機」が
強調されている理由は、充分には分からなかったです。「「精神分析」の枠が外れた時、批評が
本物になるのかもしれません」というご意見に関わる部分かも知れませんね。
460まいぺーす:04/06/01 04:33
 松本鶴雄「〈文芸時評〉イェリコの城壁は破られたか−−大西巨人『深淵』
をめぐる感想−−」(『修羅』第48号、2004年3月30日)は、『産経新聞』の
時評で尽くせなかった意見を展開したもの。作品で多用される「箇条書き的
もしくは脚注的形式」が「多層的な小説空間」の生成に貢献していること、カフカ
文学を「逆行性健忘」の観点から読むモチーフの斬新さなどが述べられています。
「(麻田布満が)自ら選び取った深層世界や記憶の暗部への、自己投企による反転」
という結末部の解釈も、要注目です。
461黄色のソナタ:04/06/03 01:42
『映画よもやま話』の大西巨人の“言い澱み”を
わたしは、面白がらずにはいられない。

大西氏の「イイヨドミ」は、映画に限ったことではないんだと思うが…
好きな映画を人に紹介し推薦しようとするより、まるで、自分の思いを
人に伝える難しさを、映画を使って、HP訪問者に伝えているみたいだ。

「映画」という媒体は、そういう物(観て感じたことを人に伝えるのが難しいもの)という
という大西氏の言葉は、別に開き直りではないのだろうが、大西氏独特の巧まざる
ユーモアって感じで、可笑しい。
462まいぺーす:04/06/07 21:17
 437さんご教示のインタビュー「巨人、未だ前途は遼遠/大西巨人さん新作『深淵』
を語る」(『新刊ニュース』55巻5号、2004年5月1日)の内容を少し。「鏡山」など架空
の地名を使うのは、「作者の想像力を自由に展開できるような感じがするということ」から
です。ちなみに、「鏡山」は、佐賀県に、「宝満」は、福岡県に実在する地名で、意識的に
入れ替えを行ったとのこと。登場人物が「インテリ」で、なおかつ「善意の人たちばかり」
で占められていて「珍しい小説」だというインタビュアー鈴木健次氏の感想に対しては、
「私はインテリというのは階級だと思っていない」と述べ、庶民が出てこないことについても、
「今回は、それはいわばわざとのようにしているのです。」と答えています。「今度の作品は、
大学教授とか評論家とか、そんな人を出したことによって成立するんです。」という発言には、
『深淵』を「おとぎ話」と規定する理由の一端が顔をのぞかせているようです。

>>461
会などに出席された場合でも、しばしば大西さんは、考え込み、口を閉じられますね。ご指摘の
ように、ものを伝える難しさを実感させられる瞬間です。でも、その場にいても、間の悪い感じ
というのは、全然しないですね。
463まいぺーす:04/06/10 04:40
 このスレの160にも記しましたが、『文化展望』が『午前』などと一緒に、不二書房から
この6月、復刻されます。パンフレットには、1950年ごろの大西巨人の写真(本人提供)
も掲載されており、時代の空気が感じられます。
 「『午前』ならびに『文化展望』両者の復刻版は、敗戦直後における九州福岡の(ひいては
日本各地の)文学的・文化的な精神および行動の鬱勃たる様相を、敗戦後約六十年の人々へ
生動的に物語って甚だ有意義であるにちがいありません。私は、『文化展望』の発行・編集に
携わった一人として、また『午前』にも因縁の浅からぬ一人として、これらの復刻版が、今日の
多くの人々に読まれることを、庶幾します。」は、大西巨人の「推薦の辞」です。
 28,000円という価格に思案しつつ、まずは、手軽に図書館で『文化展望』が見られるように
なったことを喜びたいと思います。
464馬ちゃんの栗鳥 ◆xsnIkAi182 :04/06/10 05:46
コマンド?

いろいろ考えるとつきつめた小説はやばいようなきもするな。
                       ↑
              ここに"で"を挿入しますか?

YES NO
465馬ちゃんの栗鳥 ◆xsnIkAi182 :04/06/10 05:46
gobaku記念日
466吾輩は名無しである:04/06/10 10:58
迷宮くそつまらんかった。
思わせぶりな伏線引いておきながら
40年前でも哂われるような安手のトリック。
ミステリ馬鹿にしてナメとんのか。
467吾輩は名無しである:04/06/11 12:10
>>466
きみの支持し愛好し絶賛するところの
安手じゃなくて、芸術的に高得点な
“本格”ミステリとやらを読んでみても
いいので、その具体例をキボンヌ。
468吾輩は名無しである:04/06/12 01:42
いや正直迷宮好きな大西ファンの私ですが、
私もミステリとしてはつまらんと思いますよ。
それ以外のいろんな要素込みで好きだけど。
469吾輩は名無しである:04/06/12 15:31

470吾輩は名無しである:04/06/12 15:44
>>467
芸術的がどうか知らんが
「ローフィールド館の惨劇」(ルース・レンデル 角川文庫)
「罪なき血」(P・Kジェームス 新潮文庫)
「心ひき裂かれて」(リチャード・ニーリイ 角川文庫)
は当たりだったyo

せっかく紹介したんだから、感想きぼんぬ
471吾輩は名無しである:04/06/13 00:06
>>470
紹介ありがとう。
すぐには無理だけど
読んで感想書き込み
masu。(3作品のなかで一番短いのを)
472吾輩は名無しである:04/06/13 05:50
>>470
「罪なき血」は早川文庫ですよ
確かに文学的な傑作です
473吾輩は名無しである:04/06/17 07:44
そこのおふたりさん
メールでやりとりしろや
474吾輩は名無しである:04/06/17 19:04
柄谷の本で指摘されていたことなのだが、
丸山眞男は天皇制の構造を「無責任の体系」と呼んでいたらしい、
それを読んで思ったんだけど、神聖喜劇にでてくる「責任阻却の論理」と同じ論理だなと。
今度丸山でも読もうかな
475吾輩は名無しである:04/06/17 22:50
>>474
その話は大西巨人さんを囲む会でも出され、
大西さんは丸山の論を当時未読だったそうで
後に読んで「俺もなかなか捨てたものじゃない」と思ったと
言っていました。
うろ覚えなので、誰かフォロー願います。
476吾輩は名無しである:04/06/17 23:50
>>475
そうなんですか。エロイ人その話しおせーて。
477まいぺーす:04/06/20 11:49
 松浦寿輝は、「文学季評(上)/「偶然のおかしさ」の魅力」(『読売新聞』2004年
4月19日夕刊)で『深淵』に言及しています。松浦は、性描写については、「きわめて
「おかしく」て、「おかしさ」の極致に至ってそれがくるりと物哀しさに転じるあたり、
笑わせつつ粛然とさせてくれる技倆はさすがと言うほかない。」と評価するものの、全体に
関しては、「どの人物もどの人物もまったく同一の、くどい、堅苦しい語調で喋るこの
作品には、小説というジャンルの最大の取り柄のはずのポリフォニー(多声)性が皆無
なのである。」と否定的です。「神経症的なまでに几帳面なモノローグの中に書物全体が
自閉している。」というのは、これまで現れた『深淵』評で最も厳しい見方かもしれません。
個人的には、ポリフォニー小説の傑作『神聖喜劇』の作者が、このような一見貧しい作品
を書いたということを重視したいのですが。

>>476
 このスレッドの400で簡単に触れています。475さんの要約どおりだったと、記憶しています。
478吾輩は名無しである:04/06/20 21:16
ポリフォニーが何だってんだ、松浦は。
おまえも小説家なんだから自分でかけ
479吾輩は名無しである:04/06/20 22:01
松浦もこの程度の批評しかできなくなったのか、という印象です。
ポリフォニイーという意味では、ほぼ同一の階級に属する登場人物のあいだでは
それはありえないように見えるが、『深淵』においては、男女の非和解的な
ポリフォニーを読むべきだというのが、このスレでも紹介されていた
スガ氏などの提起だったのでは?
480吾輩は名無しである:04/06/21 01:49
複数の人物がそれぞれ異なる語調でガヤガヤ論議するからポリフォニックだ
というのではなく、ひとつの会話文あるいは独白のなかに複数の文脈が混在しているからポリフォニックなのだ、みたいなことをバフチンは
ドストエフスキーの小説について主張したのではなかったですか。
バフチンに倣う必要はありませんが。

『深淵』のこのありえない、アブない(尋常でない)、語の選択と排列とは、
文章が言葉の海ないし宇宙と無関係ではありえぬことを考えると、
いずれの文も「詩」を無視したものではないと思われます。
いずれにせよ「ポリフォニー性が皆無」というのは不適切だと思います。
一粒で二度おいしいどころか、
各文にどれだけうまみがあることか。
TVのザッピング的・ネットサーフィン的な大雑把な行為・作品には、
たいしたポリフォニー性はない。
『深淵』は、細部がなかなかにざわめいていると思います。
481吾輩は名無しである:04/06/22 17:47
東京新聞04年6月19日夕刊の土曜訪問という記事で
「神聖喜劇」から「深淵」へ 
現代社会で理想主義者はどう生きるか  
と題された、大西巨人インタビューが掲載されています。
聞き手は大日向公男さん。
五段組。写真入り。
「初手から、現代社会をとらえ所がないと決めつけるのは好きではありません
が、過去の失われた記憶を回復しようとする不安な男の物語を書くことで、
歴史的時間を裏切らずに懸命に生きる姿を描きたかった」
と大西氏は語っています。
図書館でお読みください。
482吾輩は名無しである:04/06/29 17:39
NHK-BS2『週刊ブックレビュー』
2004年7月4日放送予定 (再放送:2004年7月4日)
司会 藤沢周 ・中江有里
出演・書評 新井素子 ・ 新元良一 ・ 田中優子

特集 大西巨人 長編大作『深淵』を語る
テーマ
長編大作『深淵』を語る
内容
85歳の現在も精力的に執筆活動を続ける大西巨人さんをお迎えして、
長編大作「深淵」を中心にお話をうかがいます。

楽しみです。
483吾輩は名無しである:04/06/29 18:09
>>482
お、ひさしぶりにブックレビュー見てみよう。
484吾輩は名無しである:04/06/29 18:57
このひと、ユーモア小説書く人だと思ってたよ。
485吾輩は名無しである:04/06/29 21:43
>>482
マジかよ!
情報アリガトン
486吾輩は名無しである:04/06/30 00:21
>>482
久しぶりのTV出演か。3度目くらい?
大岡昇平特集のときに出たことあったよね?(記憶あいまい)
観た人は、HPにも感想を寄せましょ。

487吾輩は名無しである:04/06/30 00:46
>>486
大岡特集に確かに出てたよ、俺もたまたま見たんだけど。
初めて動く/話す大西巨人を見て、感動したのを覚えてる。
書く文章がそのまま顔になったような、厳しい、というか、
凛としているというか、非常に良いお顔していると思いました。
印象としてベケットに似ていると思った。
488吾輩は名無しである:04/07/01 03:38
>>487
もう10年以上前の番組でしたよね。
大岡昇平が、戦場でむごく死んでいった戦友のことを語りだした時、
ぽろぽろぽろぽろと止めどなく涙を流していたことが、印象に残ってます。
489吾輩は名無しである:04/07/02 18:38
関係ないが、大江をあんまり評価してないのが興味深い。
490吾輩は名無しである:04/07/02 19:52
『深淵』読みました。
あの終わり方は複雑なものを感じました。

うまく言えないのですが、凄く余韻が残る終わり方、
荘厳な作品の結末に相応しいだろう終わり方ではあるが、
残された人々のことを思うと、そんな余韻の残し方は悲し過ぎる、と……
「おセンチ」とからかわれても致し方ないとは思うのですが、
そう思ってしまいました。

でも、それを説得力ある意見として展開することはまだ出来ません。
とりあえずこのやり切れない気持ちを静めるために
中断していた『神聖喜劇』の読書を再開しました
(このあたりの行動も自分では良く分かりません)。
491吾輩は名無しである:04/07/04 08:19
BS出演age
492吾輩は名無しである:04/07/04 08:51
もう少しテロップだしてほしかったな
493まいぺーす:04/07/04 22:13
 482さんの情報のおかげで、『週刊ブックレビュー』を視聴し、録画することもできました。
感謝です。前回のETV特集「シリーズ『レイテ戦記』を読む」は、自宅での収録のようでしたが、
今回は、スタジオに出向いていましたね。20分ほどの短いインタビューで、『深淵』の紹介も
歯切れが悪いもの(未読の読者には、おそらく何がなんだかわからなかったのでは)だったため、
不満も残りましたが、テレビで大西巨人が見られるのは、やはり貴重ですね。個人的には、藤沢
周の作家らしい質問(作中の設定が、執筆前からの腹案か、あるいは執筆中の着想かということ)
が面白く、また、新作の予定で地下鉄サリン事件に触発された作品を考えているという作者の答え
に驚かされました。『黄昏を行く人々』の前に突如現われた新作に、興味津々です。
494まいぺーす:04/07/13 00:45
 413さんご教示の原武史「『深淵』上・下 大西巨人/実在・架空の地名と結ぶ十二年の
記憶喪失 主人公の実存と見事に響き合う東西の鉄道」(『週刊朝日』2004年4月23日)は、
作品内の交通手段に注目したもの。登場する列車ダイヤが「総じて当時の時刻表にほぼ忠実に
そって」いることや「新幹線で往復するのは、自分が秋山だったことを知ってからの麻田だけで、
あとはみな飛行機を使っている」ことなどがマニアックに指摘されています。広島での麻田の
途中下車に関して、「自動改札を出たまま失踪したというが、実際には広島に自動改札はない。」
と訂正には、うならされました。再版の時に修正されるといいですね。
 ついでながら、気のついたことを一つ。丹生双葉子は、登場人物表に「一九五五年松浦生、松浦
大大学院英米文学科博士課程修了」と記されています。「第二十五章 新局面/3」には、「一九八一年
二つの家族的不幸が、持節を見舞った。(略)一つは、一人っ子双葉子の配偶者の交通事故死。(略)
もっとも、双葉子は、従来の市立松浦女子大学人文学部英米文学科教授の勤務を、ひきつづき
行なった。」と説明されていますが、当時25歳か、26歳の彼女が教授職に就いているのはちょっと
考えにくい気がします。そもそも博士課程を修了できるのかという疑問も少し。
495まいぺーす:04/07/13 00:48
 494の訂正です
「と訂正」→「と誤りが訂正されていること」
496吾輩は名無しである:04/07/23 01:34
>>474
>>475
「無責任の体系」は丸山真男と全く同じ言い回しだったので
私もずっと気になっていました。非常に参考になりました。

「知りません」禁止「忘れました」強制から、
軍隊における上官上級者の責任阻却の論理を暴き出す、
あの一連の記述は見事ですね。
497吾輩は名無しである:04/07/23 19:11
>>494
日本だとなかなか考えにくいけど、(しかも文系だとなおさら)
アメリカでは、22歳で教授になったとか18歳で助教授とかならいます。

と言っても数学の話しですけどね・・・
498吾輩は名無しである:04/07/24 00:37
つうか松浦は明らかに日本ですが何か・・・
499まいぺーす:04/07/27 11:28
鷲田小彌太『学者の値打ち』(ちくま新書、2004年7月10日)「第十章 大学外の
学知」は、戦後の重要な論争の一つとして、大西−野間・宮本論争を取り上げています。
鷲田は、論争における大西の「目的は手段を聖化しない、正しい目的のためには、
正しい手段こそが選ばれるべきだ」という立場を支持し、「社会科学が、人間解放の
「人間」を、人間の「社会」にではなく、「諸個人」(エゴ)にまで追い詰めてゆく
論理を提出できるのか、という」主題を追究する大西の仕事を高く評価しています。
ひところ、鷲田は、大西を盛んに取り上げていましたが、最近はまったく言及して
いなかったので、まだ大西を忘れていなかったのか、という印象。もっとも、「あとがき」
でも述べられているように、この部分は、『現代知識人の作法』(青弓社、1995年6月14日)
の再録(鷲田は、「改稿」と言っていますが)です。「あとがき」には、「大西さんとは、
いまもってうまくコミュニケーションをとることができなくて、残念である」ともあります。
「三〇代のなかばから、私の後半生の先生となったのは、谷沢永一であり、司馬遼太郎であり、
開高健だ。渡部昇一であり、長谷川慶太郎だ。」という鷲田が、「うまくコミュニケーションを
とることができな」いのは、半ば当然でしょうね。
500まいぺーす:04/07/27 11:41
(続き)『学者の値打ち』の売りの一つは、著名人の学者度が、A〜Dの4段階
評価で、研究者・教育者・人格・業績・学者総合の5項目にわたって採点されて
いること。大西巨人は、A・B・A・A・Bとなっています。ちなみに、野間宏は、
C・C・C・C・D、宮本顕治は、C・D・D・D・D。マルクスは、A・C・D・
B・C、レーニンは、B・A・C・B・C、中野重治は、A・C・C・B・Bと
判定されています。大西の点数は、まずまず肯綮にあたっていますかね。
501吾輩は名無しである:04/07/27 12:47
>>499 横レス
>「三〇代のなかばから、私の後半生の先生となったのは、谷沢永一であり、
>司馬遼太郎であり、 開高健だ。渡部昇一であり、長谷川慶太郎だ。」という鷲田

そんな偏頗な人間に「学者の値打ち」などわかるはずもない、
いけ図々しいとしかいいようがない。
第一、他者を採点するなど、低俗極まる発想であって、
元凶福田和也はどれほど罵倒されてもしかたない。
唾棄すべき商業出版の悪弊を助長させ、堕落を加速させたのは明らか。
502吾輩は名無しである:04/07/27 13:34
まったく同感ですな
503吾輩は名無しである:04/07/27 14:01
>>501
>第一、他者を採点するなど、低俗極まる発想であって、

でも大西巨人も小説の採点式の批評やってたよ…
だとすれば大西は低俗きわまる人格の持ち主なのか…
504吾輩は名無しである:04/07/27 14:26
>>501
出版がどうのより、
偏差値教育下で圧迫されてきた人間が無意識に抑圧しているルサンチマンを
妙な形で煽り立てる結果になった罪の方が大きいと思われ。
本来自分を確立することで昇華または消化すべきなのに、他人に点数をつけて
こき下ろす本に便乗して安易に一時的発散し、せっかくのエネルギーを無駄に
雲散霧消させてしまう。
同じ傾向は、2CH全体にも言えると思われ。
505吾輩は名無しである:04/07/28 19:15
確認。「他者を採点」したり、「他人に点数をつけ」たりしたのではなく、
大西、福田とも、「小説作品」の点数評価を、試みた。
批評家たる自身の価値判断(何を如何に)の表明が目的のひとつであり、
作者を「こき下ろす」ことはそうではなかった。
福田においては、論争を起こすことの方がむしろ狙いだった。
506吾輩は名無しである:04/08/01 16:57
>505
福田は作者自体もこき下ろしてたよ。
507まいぺーす:04/08/04 00:45
 『図書新聞』2004年7月31日号は、「2004年上半期読書アンケート」を特集、樋口覚
が『深淵』を収穫として挙げています。「小説の面白さと醍醐味、旺盛な現代批判に
堪能した。現代神経科学でつい最近までタブーであった「記憶」の問題に果敢に挑戦した
二十一世紀小説として記録されるだろう。」が、そのコメント。樋口覚がETVで大西巨人の
インタヴュアーを務めた以外に、接点はないようですが、一度ぜひ本格的に論じてもらい
たいと感じます。

 文学作品を点数で評価することは、乱暴なふるまいではありますが、わかりやすさという
魅力がありますね。大西巨人の点数づけには、ある種の覚悟が伴っていて、爽快感がある
のではないでしょうか。
508吾輩は名無しである:04/08/04 01:52
鷲田って、理系天下の大阪大学で哲学かじって
札幌のバカ私立大で教員やってたDQNだから
東京文化に異常なほど憧れてたからな。w
息子さん、別冊モーターサイクリストに文章載せててって
話だったんだがw
510吾輩は名無しである:04/08/04 02:01
鷲田って広松渉の弟子だったよね?
それが何で↓こんなことになるだろ??
>「三〇代のなかばから、私の後半生の先生となったのは、谷沢永一であり、
>司馬遼太郎であり、 開高健だ。渡部昇一であり、長谷川慶太郎だ。」という鷲田
511吾輩は名無しである:04/08/05 16:17
インコ道理教


すげぇなw
512名無しで、あれ:04/08/06 11:44
『インコ道理教』
タイトル、かなりインパクトあるなぁ。
すげぇ楽しみ!

巨人先生の最盛期は、これからだ!


513吾輩は名無しである:04/08/07 01:15
ほんとたのしみ。名前からしてやっぱ大西はすごいね。
514吾輩は名無しである:04/08/07 05:45
タイトルからして笑わずには読めないんだろうな。期待。
515まいぺーす:04/08/14 12:44
狩野啓子氏が聞き手の大西巨人インタビュー「几帳面な無頼派作家」(『『文化展望』
解説・総目次・索引』〔不二出版、2004年6月10日〕所収)は、敗戦直後の極端に悪い
郵便事情の中(東京から九州へ届くのに一月以上かかる場合もあったということです)、
『ぐうたら戦記』を寄稿した坂口安吾が、判事で福岡に出張する用事のあった
叔父に原稿を預け、『文化展望』の発行元の三帆書房に届けさせたエピソードが
披露され、タイトルどおり、無頼派作家たちの市民道徳の実践が「几帳面さ」と、
肯定的に語られています。短篇『昨日は今日の物語り』と同質の体験談として、
興味深かったです。インタビューが収められたこの小冊子には、赤塚正幸・狩野啓子
両氏の行き届いた『文化展望』の紹介・解説があり、雑誌の全貌を知ることが
できます。

 不覚にも最初、『縮図・インコ道理教』が何のことかわからず、反応できませんでした。
『週刊ブックレビュー』で語っていた新作が早くも姿を現わすということで、楽しみです。
それにしても、このタイトルは、飛び抜けていますね。
516吾輩は名無しである:04/08/14 13:11
タイトル通りにぶっちぎってほしいです。
批判精神を妙にまとめようとせず、ただの説教おやじみたいに。
517名無しで、あれ?:04/08/14 14:13
516
>ただの説教おやじみたいに

巨人先生は、日本最後で最強の“説教おやじ”れすよねェ。
巨人=旧左翼ってんで、読みも知りもしない文学オタクがおお杉る。
と言ってみるテスト。。
518吾輩は名無しである:04/08/15 02:08
あのタイトルで、大西の論理展開を突き抜けさせてほしい。
519吾輩は名無しである:04/08/17 01:16
タイトルのどこがそんなに面白いのかが分からない
520吾輩は名無しである:04/08/17 21:08
アンダーグラウンドじゃないところが面白いんだよ
521吾輩は名無しである:04/08/18 20:54
「アンダーグラウンド」は読んでもいないし読む気もしないが
「インコ」は書かれるそばから読まねばならない。
駄じゃれたタイトルだからって筒井康隆並みの軽いノリを
想像するシトはいないだろう。
522吾輩は名無しである:04/08/19 05:31
俺は「インコ」で爆笑したい。
523吾輩は名無しである:04/08/24 10:53
その通りで、「アフターダーク」とか言い出さないところがいい。
524吾輩は名無しである:04/08/26 22:28
でも、例えばスガ秀実みたいな批評家だったらこのタイトルについても
「『縮図・インコ道理教』というタイトルは如何にもアナクロめいた洒落であり
 その現実とのズレ故に読者の哄笑を誘わずにはいられないが、
 しかしこうしたズレに伴う可笑しさこそが、
 律儀にオウムを描こうとする幾多もの作品に比して優位を物語っているのではないか。
 そもそも『神聖喜劇』に見られる(以下略)」
というようなことを書けてしまうんだよ。多分。
525吾輩は名無しである:04/08/29 10:12
>>524
うわ、すんげーそれっぽい。
526吾輩は名無しである:04/08/29 12:06
かまたてめーさっさとしねよくろぶた
527吾輩は名無しである:04/08/29 13:09
神聖喜劇全5巻函つき1800円で発見。
いまから購入致します。
528吾輩は名無しである:04/08/29 18:02
がんばってほしいけど、あまりに難解すぎ。まあ一部の人に向けて強烈なメッセージを
糸の切れた凧のように振りまいてください。
529吾輩は名無しである:04/08/30 23:47
>>光文社?ちくま?
530吾輩は名無しである:04/08/31 00:00
>>528
誰に言ってる?
531 まいぺーす:04/09/07 11:04
 『週刊読書人』のロングインタビュー「大西巨人氏に聞く」が第2552号、2004年
9月3日で完結しましたね。全46回、十六か月に及ぶ長期連載で、優に単行本になる
量があるようです。とりあえず、無事終了したことを喜びたいと思います。第2551号、
2004年8月27日では、映画化と共に、劇画化の話が進んでいることが作者から告知
されています。「今から五年ぐらい前に、劇画にするという話が来て、私は劇画に
対して差別を持っているわけではなく、劇画も読むから、承諾した。なかなか難しい
と思うが、だいぶん出来てはいます。十年ぐらいかけて描くと言っていたから、あと
五年ぐらいはかかるかもしれない。」。原作同様、劇画も相当の月日が完成までに
必要なようです。劇画家の名前は挙がっていませんが、これも実物に接するのが
楽しみです。
532吾輩は名無しである:04/09/07 14:48
なかなかの良スレ
533吾輩は名無しである:04/09/07 17:43
あれ読んでて

>私は劇画に対して差別を持っているわけではなく、

とワザワザ言うところにちょっと引っかかってしまいました。
世代的なものかな?
534吾輩は名無しである:04/09/08 13:28
インコ道理教、いよいよ連載スタートですね。
面白い! あっという間に読めてしまった…。早くも続きが楽しみです。
535吾輩は名無しである:04/09/09 02:24
インコ、どんな小説になるんだろね?
死刑制度、天皇制。いきなりどすんとヘビーな話題から来ますか。
楽しみっすね。
536吾輩は名無しである:04/09/09 15:56
読ませていただきました。

まだ一回目なのでなんともいえませんが、楽しみですね。
537吾輩は名無しである:04/09/10 20:14:50
「十年ぐらいかけて描く」、か。
個人的には山本直樹、平野耕太あたりがタイプは異なるが適任じゃ
ないかと思ったんだけど。作家の選定ももう終わっているということなんだね。

平野の描くでぶっちょの少佐…じゃなくて、大前田が見たかったなあ…。
538吾輩は名無しである:04/09/12 04:35:26
劇画と漫画って同じものなのかな?
539吾輩は名無しである:04/09/15 05:31:51
同じではないよ。
漫画>劇画ということだよ。
540吾輩は名無しである:04/09/20 05:08:58
中野駅に東口は無いわけだが。
あと仕事中の店長に自分の都合だけで
ゆっくり座って話してくださいとは
ちょっと常識が無いとオモタ
541吾輩は名無しである:04/09/20 13:04:12
>>540
仕事中の店長の話については、
たぶん「古きよき時代の、ゆっくり時間が流れるマターリ喫茶店」
みたいな感覚なんだろう。
ドトールやスタバでそれやったら確かに非常識かもしれないけど。
542まいぺーす:04/09/21 08:23:19
>>540
 そうですか。その辺の地理に疎いので、参考になります。仕事中のマスターとの
やりとりの、くどいともいえるていねいさは、大西巨人ならではですね。納得ずく
のことですから、特に問題はないでしょうか。

 『縮図・インコ道理教』の連載ペースは、快調ですね。着想から連載開始までの
期間の短さ、現実の事件を例外的に「借景」として利用するなど、異色作の印象が
あります。とはいえ、真田宗索(さなだ・むねもと。「まだ創作」?)という名の
人物が登場したり、学会での応答が戯曲風に再現されていることなどは、いつも
通りのスタイルであると感じさせられます。「成城トランスカレッジ!」のchikiさんは、
『縮図・インコ道理教』の熱心なウォッチャーで、そのコメントは、データとともに貴重
です。

ttp://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20040921

9月9日、8月17日の日記も見逃せません。

543吾輩は名無しである:04/09/21 09:12:15
難しすぎ。だから売れない。
544吾輩は名無しである:04/09/21 09:17:25
早く次が読みたい!!
545まいぺーす:04/10/02 23:41:33
 『前夜』創刊号、2004年10月1日は、特集「文化と抵抗」に合わせて、諸家に「〈文化と
抵抗〉をテーマとし、新刊・旧刊問わず、いま読むべき本を3冊推薦」してもらうアンケートを
集めています。大西巨人の名前を挙げているのは、全部で4名。武井昭夫が『戦争と性と革命』を、
彦坂諦・高和政・木下昌明の三氏が『神聖喜劇』を挙げています。木下氏の「『新日本文学』
時代に、毎月一〇枚前後の原稿を取りに伺ったことが思い出されるが、日本文学では第一等の
もの。」というコメントが、連載の関係者の証言として注目されます。HOWSの「『神聖喜劇』を
読む」の最終回に参加された木下氏は、毎月一〇枚前後しか原稿を取れなかったが、ただ一度だけ
六〇枚以上大西さんが執筆された時があったというエピソードを披露していました。抵抗文学
としてのみ読まれるのは不本意である、と作者はインタビューで述べていますが、このような
文脈で大西巨人の名前が挙がるのは、当然と言えるでしょう。
546吾輩は名無しである :04/10/05 19:40:10
>武井昭夫が『戦争と性と革命』を、
>彦坂諦・高和政・木下昌明の三氏が
>『神聖喜劇』を挙げています。

『戦争と性と革命』は入手困難だわなぁ。
大西本は、たいてい持ってるけど、これは持たない。
四半世紀前に、図書館で手にしただけだ。

ところで、賛否こもごもの例の 『華氏911』 ですが、
木下昌明さんは、一貫して賛辞を贈っているな。
その論も明快で好感。新著の 『映画がたたかうとき』 を、
購入するかな。
ともあれ、まいぺーすさん、いつも情報を感謝。

547ふえ:04/10/11 05:52:52
今更なのかもしれませんが、『深淵』について考えています。
あの作品について大西さんは『社会評論』のインタビューで「おとぎ話」と言っていました。
部分部分はリアリズムの極地として書きながら、全体としてはちょっとリアリズム小説ではありえないものになっているという程の意味だったと思います。
548ふえ:04/10/11 05:55:26
この『深淵』が「おとぎ話」であるという事が、作品の読みや評価をどう決めるのかが今でも見出せないでいます。
単純に考えれば「おとぎ話」として書くことで、二人の聡明で清廉な女性と深い関係となり記憶回復後にどうするかというアポリアを書け、
麻田が記憶喪失前/後にまた奇跡的に理想的なコミュニティに助けられ生の困難を相談する現在にはなかなか存在しない(がゆえに書く価値がある?)空間を書ける。
「おとぎ話」として部分部分はリアリズムの極地として書かれた世界に、思考実験的にある極限状況や理想的空間を書けるということはいえると思います。
しかしそれは松浦寿輝さんのポリフォニー性がまったくないという批判を呼ばずにもおかない。
そこでこれらが「作物」として構成されることでどう読めるか。それを自分は見出しかねてます。示唆あらばぜひ。
549吾輩は名無しである:04/10/13 11:22:42
松浦氏の批判はどこに掲載されたものですか?
550ふえ:04/10/13 19:14:05
>549

私もこのスレッドの477のまいぺーすさんの書き込みで知ったのですが、読売新聞4月19日夕刊です。
551吾輩は名無しである :04/10/18 16:56:14
今日、古本屋で『深淵』上下(計2000円)ゲット。
そのうち、光文社文庫にはいりそうだけど、
いい本はハードカバーで持っていたいから
安く買えてよかった。


552吾輩は名無しである:04/10/18 22:03:34
4ちゃん必見。
553吾輩は名無しである:04/10/19 13:32:30
大西赤人のスレはここですね。
554まいぺーす:04/10/25 00:30:37
 インタビュー「〈この人に聞く〉新作映画『ニワトリはハダシだ』を完成させた
森崎東監督/笑いの中に自由な批評性を−−涙で曇った眼には真実は映らない」(『社会
評論』第139号、2004年10月1日。聞き手=遠藤裕二。それにしても、タイトルが長い)を
読んでいると、「『神聖喜劇』に「ところは九州島原でもとより正気じゃなけれども」と
いう島原の民謡が出てくるのですけれど、ぼくも映画(引用者注−−『女咲かせます』)で
使っていまして。」という発言にぶつかりました。森崎は、『神聖喜劇』について、「一所
懸命読みましたね、あの作品は。」とも証言しています。大西ファンの映画監督が、ここにも
いたかという感じです。

>>548
 ふえさん、遅レスですみませんが、ご意見は興味深く拝見しました。「おとぎ話」でも、
おぞましい寓話にすれば、いくらでもポリフォニー性は確保できるにもかかわらず、そして、
作中であれほどカフカが参照されているにもかかわらず、『深淵』がきれいな話に仕立て上げ
られていることを、僕は完全には理解できてはいないと思いつつ、基本的には評価しています。
ここしばらく雑用に追われ、即レスができないかもしれませんが、意見のやりとりができれば
幸いです。
555吾輩は名無しである:04/10/27 11:18:43
大西巨人初心者なんですが、ひとまず何から読めば入り易いですか?
先ず読んどけってのを教えて下さい
556吾輩は名無しである:04/10/27 19:25:10
ttp://www.dknproject.jp/cgi-bin/dknbbsvb/bb.cgi?id=fu_chisou1&md=pic&code=124

ここの掲示版面白すぎる。
すがの話題で、小谷野氏と山口直考氏が書きこんでる。
557吾輩は名無しである:04/10/27 21:27:12
>>555
先ず読んでおくべきで、なおかつ必ず読んでおくべき作物が
『神聖喜劇』であろうと私は思っています。
558まいぺーす:04/10/31 22:22:15
 googlで検索をしていて、野崎六助氏のホームページに、『三位一体の神話』批判の
文章を見つけました。いつ、こんな文章を書いていたのかと思ったのですが、どうやら
2001年に書いて未発表のものであったものを、つい最近アップしたもののようです。
「屈辱的な駄作」という氏の評価は、一貫したもののようですが、その理由がよく
分からないのも相変わらずである印象を受けます。『三位一体の神話』に運動体の
問題を引き出そうとするのは氏の姿勢は不可解であり、大西の批判したのもその点で
あるはずなのに、氏は、批判したことの意趣返しだと思っているようです。そのような
見方をしていることからすれば、氏の『神聖喜劇』の称賛もいささか疑わしい気がしますね。

ttp://www002.upp.so-net.ne.jp/nozaki/zenya03.html
559まいぺーす:04/10/31 22:23:51
>>558
6行目 するのは→する
すみません。
560まいぺーす:04/11/01 11:12:07
>>558
5行目 『三位一体の神話』に→『三位一体の神話』から
おはずかしい。
561吾輩は名無しである:04/11/01 22:43:12
『大西巨人文選』全4巻揃が
1万で売ってたんだが安いよねえ?
ただ、安いのは分かってても、
いまそれだけのお金を捻出できない・・・ort
562吾輩は名無しである:04/11/01 22:49:43
安い。どこ?俺が買う
563吾輩は名無しである:04/11/06 17:29:23
大西巨人のベスト3となるとみなさんなんですか?
564まいぺーす:04/11/08 02:06:51
>>563
 とりあえず、長編小説に限って言うと、『神聖喜劇』・『地獄変相奏鳴曲』・『深淵』ですかね。
と言って、他の作品が駄目なわけでもなく、いきなり迷ってしまいますね。短編・評論は、もう少し
考えます。
565吾輩は名無しである:04/11/10 00:12:10
大西巨人、今まで知らなかったんだけど、私の尊敬してる人が好きだって言うので読んでみます。

>>まいぺーすさん

書き込みがとても深い知性に裏付けされたものに見えます!
とても参考になるので、『神聖喜劇』とか読んでみようと思います。
566吾輩は名無しである:04/11/10 06:06:06
>>565
ちなみに尊敬してる人って誰?何やってる人?
あと、相当な覚悟と強い意志がないと、最後までたどりつけないからがんばってね。
567563:04/11/10 18:29:56
>>564
レス感謝です。『深淵』がそこまでの評価とは!
お言葉に甘えて短編・評論も今度お願いします。
568吾輩は名無しである:04/11/10 22:48:01
>>566さん

565です。
尊敬してるのは学校の国語の先生です。
私自身文学はあまり読まないので読解出来るか不安ですが、頑張ってみます!
評論することが苦手なのですが、何かしら観想を持てたらいいな、と思います。
569吾輩は名無しである:04/11/13 17:31:50
『神聖喜劇』が『キャッチ22』と似ているというのを
どこかで読んだ気がするんだけれど。
570まいぺーす:04/11/13 22:37:25
 小谷野敦『評論家入門−−清貧でもいいから物書きになりたい人に』(平凡社新書、
2004年11月10日)「第6章 論争の愉しみと苦しみ/4 最近の論争」には、大西巨人と
山崎行太郎の「論争」を取り上げています。「論争」と括弧を付けているのは、小谷野氏。
理由は、「片方があまりにひどいから」とのこと。この「論争」の発端は、柄谷行人との
対談で、江藤淳が文学博士になった時、「自分は偉くなった」、「批評家はだめだ、まだ
ランクが下だ」と書いたのを読んでいたと、大西が発言したことに始まります。山崎が
証拠を提示を求めたのに対して、大西は『日記から』を挙げ、山崎はそのような文章は
そこに存在しないとさらに非難しました。小谷野氏は、大西の言った通りではないにしても、
江藤のエッセイにはそのような発想が明らかに読みとれるとし、「山崎の読解力不足、
あるいは身びいき」を指摘しています。山崎行太郎が根拠のない「下品な文章」を書く
「困った人」であるという判断を含めて、的確な紹介と言えるでしょう。

571まいぺーす:04/11/13 22:43:56
>>565
 お褒めいただき、恐縮です。大西巨人への興味を持っていただくきっかけになれば
幸です。学校の国語の先生は、素晴らしい方ですね。「あなたの選択は決定的に正しい」
(阿部和重)ので、ぜひがんばって読み進めてください。
572吾輩は名無しである:04/11/14 21:39:05
>>569
たしかゲンイチロウがそんなことを言ってなかったかな。
573吾輩は名無しである:04/11/15 09:23:51
>>572
高橋源一郎の書評があるんですか?
その出典を教えていただければ、嬉しいです。
574吾輩は名無しである:04/11/15 11:01:48
以下は高橋源一郎氏の話ではありません…。

編集者・書評家の津野海太郎氏が『本の雑誌』で連載している
「サブカルチャー創世記/編集入門」。
最新号「イカメシ筋トレ号 No.258」の同連載では、
(津野氏が)自身の編集者時代に接した大西巨人氏のこと(『神聖喜劇』連載時)を
書いておられますね。佐々木基一氏も登場して…。
非常に面白く、かつ興味深いエピソードが紹介されています。

※普段はあまり手にとらない雑誌だったのですが、手にとってみるものだなあ。
575小西小人:04/11/16 12:41:07
>>570-571
「あなたの選択は決定的に正しい」(阿部和重)ので、ぜひがんばって読み進めてください。( ´,_ゝ`)プッ


576吾輩は名無しである:04/11/17 02:43:09
>>575
Y先生、2ちゃんねるで荒らしばかりやってると日芸も追い出されてしまいますよ。

【自称文芸評論家】山崎行太郎の自費出版人生【2】
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/book/1080200277/l50
577タク ◆hUJpn0lEjk :04/11/17 11:43:16
>>404 まいぺーすさん
ものすごい亀レス恐縮です。
時々まとめ読みさせていただいております。
私は一年位前、大西巨人とジェンダーについて少し質問させていただきました。
HNは違っていたかもしれません(済みません)
『神聖喜劇』を読んで、東堂のスタンスはかなりラディカルに書かれているのに
登場する女性にたいする表現が、時代的なものを考えると仕方が無いということを
考慮しても、具体的に不満とか不足があるというのではなくて
「弱きもの」という認識が感じられ、漠然とした物足りなさを感じました。

> 大西巨人の仕事がフェミニズムの文脈で評価されたのは、ほとんどないようですね。
60年代、既成作家の性に関わる俗見をこれほど厳しく批判した書き手はほかにいない
にもかかわらず、それがきちんと位置づけられていないのは、物足りません。

という書き込みを見て
もう少し具体的に伺いたいのですが「性に関わる俗見の批判」とは
どのようなものがあったのでしょうか?
578吾輩は名無しである:04/11/17 13:52:37
『大西巨人文選』所収の「あさましい世の中」など読まれてはいかが?
あるいは「大江健三郎先生作『われらの時代』」とか。
ただ読む前にそれなりの覚悟は必要です。
579吾輩は名無しである:04/11/17 14:00:43
大西も大江も大好きなのですが
俗情と結託しまくり表現を叙述のレベルで壊している、というのは通用しないのね…
とか思いました。だけなんですが、そう思いました。
文選読まなきゃなあ。
580吾輩は名無しである:04/11/17 15:32:24
体力面の性差的強弱でいえば、『地獄変相奏鳴曲』第一楽章「白日の序曲」
では少女がデート・レイプされ、『天路の奈落』では逆に女性が
柔道技で強姦者を撃退する。
精神面では、大西作品に登場する女性のほとんどは、個人的には、
強靭という印象があります。
「週刊読書人」の鎌田哲哉氏によるインタビューの第15回に、
鎌田(……)一方で、『三位一体の神話』もそうですが、チェーホフの
   言う「人生の喪服」を着たような女性。深い治癒し難い打撃を
  受けて、不幸の中で時間が静止したような女性が書かれている。
  しかし他方で、明るい陽射しの中で、自分が輝いていることで
  他人をも温めていく、そういう女性も繰り返し描かれている。
  この二つは意識して対照的に配置されているんですか。
大西 君の言う通りで、二通りに行くんだが、結局、それはひとつの
  ものだろうね。
             ……というやりとりがあります。参考まで
581まいぺーす:04/11/18 01:24:49
 『縮図・インコ道理教』第四回目がアップされていますね。「近親憎悪」について、
勉強しました。

>>577
タクさん、書き込みありがとうございます。申し訳ありませんが、今日は時間がありません。
近いうちに意見を述べさせていただきますので、よろしくお願いします。
582吾輩は名無しである:04/11/18 03:16:19
巨人館の掲示板を閉鎖に追いやったアレクセイ、木村貴の両氏は
このスレッドをみておられるのかな・・・?
583タク ◆hUJpn0lEjk :04/11/19 06:27:11
>>581
急ぎませんのでよろしく御願いします。

>>580
登場する女性が弱いと云う事ではなくて、感じている事を言葉で正確に
表現できないのですが
作者としての視線が「弱きもの」へ対する(尊敬が含まれていないということでは
ないのです)ような感じを受けます。
これは大西巨人の小さいものや弱いものに対する「優しさ・あわれみ」の視線でもあるのかも
しれませんし、批判に値するものであるとも考えていないのですが
人物設定の物足りなさというか・・
かなりの分量が割かれているのに受けるインパクトがその他の登場人物より
弱い感じがします。
提示された2冊は未読なので探してみます。ありがとうございます。

>>578
>>577へのレスですね。これも未読なのですが、大江は文章が苦手なので
『あさましい世の中』を読んだあと考えます。


584吾輩は名無しである:04/11/19 08:41:01
このスレ、家族経営みたいだな。
585吾輩は名無しである:04/11/23 19:03:56
>>583タクさん
>大江は文章が苦手

『大江健三郎先生作<われらの時代>』は、大西氏の批評(のタイトル)ですよ。

>>584
>このスレ、家族経営

今さら“家族”なんたらもないでしょう。
大西巨人を一冊でも通読した人(の数)は、限られているのだから。

586タク ◆hUJpn0lEjk :04/11/24 12:15:48
>>585
なんと、カッコを見落としていました失礼いたしました。
ありがとうございます。
検索してみます。
587タク ◆hUJpn0lEjk :04/11/24 13:20:09
連投失礼。

http://216.239.63.104/search?q=cache:UvjJ-K_VZmoJ:tktotk.hp.infoseek.co.jp/O1.jtd+%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%89%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%80%80%E5%A4%A7%E8%A5%BF%E5%B7%A8%E4%BA%BA&hl=ja&lr=lang_ja
これですね。『大江健三郎先生作<われらの時代>』

性と暴力の象徴としての・・と読み取りました
私自身のスタンスが定まっていないというのが最大の問題点かもしれない
とは思いつつ・・
女性が対岸のものという表現の歯がゆさというか、距離感をやはり感じます。
男性性を批判しながらも、やはり男の問題じゃぁないかと言いたくなってしまう
距離感・・なんと言ったら良いのか・・
言葉足らずですみません。
588吾輩は名無しである:04/11/25 12:53:03
大西作品も絶版が多いなあ。
589吾輩は名無しである:04/11/25 16:47:53
>>588
『天路の奈落』、『地獄変相奏鳴曲』が手に入らないね。前者はたまに古本で
見るけど、高くて買えないし、後者はほとんど見ないよ。両方とも文庫化して欲しいな。
やっぱりファンwとしては本を手に持っておきたいから。復刊ドットコムもがんばって欲しいな。
みんなも復刊希望に投票しまくって。
590吾輩は名無しである:04/11/26 01:38:13
復刊の必要なし。早く消えなさい。
591吾輩は名無しである:04/11/26 10:33:06
老兵は消え去るのみ。
592吾輩は名無しである:04/11/26 10:46:24
>>589
自分は逆で、『地獄変相奏鳴曲』はたまに見かけるんだけれども、
『天路の奈落』が見つからない。
593吾輩は名無しである:04/11/26 15:22:54
>>592
楽天フリマで な、なんと 9500 にほんjなり。
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sv=5&sitem=%C5%B7%CF%A9%A4%CE%C6%E0%CD%EE

やらずぶったくり とは、このことなり。
594588:04/11/26 19:21:05
文庫で読めるのもわずかだしなあ。

で、『神聖喜劇』シナリオ版、というのが出るらしいね。

595吾輩は名無しである:04/11/27 08:35:30
出なくていいのにな。
596吾輩は名無しである:04/11/29 16:45:15
>>594
私は興味ある。詳細キボンヌ
荒井晴彦が書いてるとかいうやつ?
597吾輩は名無しである:04/11/29 18:39:27
どうでもいいよ。
598吾輩は名無しである:04/11/29 19:55:15
このスレもジサクジエン臭いな。プンプン
599まいぺーす:04/11/30 03:42:13
 荒井晴彦脚色『『神聖喜劇』シナリオ版』、12月に太田出版より発売だそうです。
年末年始のお楽しみになりそうですね。

http://books.yahoo.co.jp/bin/detail?id=r0040359

 あと、『五里霧』が講談社文芸文庫から近く刊行される予定もあるようです。
600吾輩は名無しである:04/11/30 04:27:32
シナリオ版、楽しみです。
この夏出版される、と以前書かれていたので
太田出版のサイトを注意して見ていたのですが
どうしたのかなと、思っていました。
まいぺーすさん、ありがとう。
601吾輩は名無しである:04/11/30 09:59:18
『『神聖喜劇』シナリオ版』楽しみです。
ブルーマウンテンあたりがやることになるのでしょうか。
個人的には、若手よりベテラン(森崎東!)の仕事を期待したいのですが。
※今となっては叶わないですが小林正樹版が観てみたかったです。
読む前に原典を再々読しようと思ってます。

>あと、『五里霧』が講談社文芸文庫から近く刊行される予定もあるようです。
嬉しい!講談社さん、続けて『天路の奈落』も出して!!
602吾輩は名無しである:04/11/30 12:38:44
この作家の作品は講談社文芸文庫からもっと出されてもいい。
603吾輩は名無しである:04/12/01 01:05:31
>あと、『五里霧』が講談社文芸文庫から近く刊行される予定もあるようです。
多分、解説は鎌田さんだろうね。
604吾輩は名無しである:04/12/01 09:31:08
おお、大西巨人が講談社文芸文庫とはめでたいですな。
五里霧が売れたら、次もあるかな。
605吾輩は名無しである:04/12/01 09:34:45
『地獄変相奏鳴曲』も講談社ですね。これも入れて欲しいところです。
606↑↑↑:04/12/01 09:49:26
自作自演、自画自賛、もしくはヤラセっていうんだよね。こういう書き込み・……。
607吾輩は名無しである:04/12/01 10:42:53
>>606
>>598
>>595
なんかの方がよほど同一人物に見えるんだが(w
608四谷ラウトンド:04/12/01 10:57:09
Yセンセ、せめて自分の著作を出してくれている出版社様の名前ぐらい
間違えないでくださいよ。
609四谷ラウトンド:04/12/01 10:58:08
↑失礼。誤爆しました。。か?
610吾輩は名無しである:04/12/01 12:48:33
>>603
>>多分、解説は鎌田さんだろうね。

大西巨人先生は、普段ほとんど繋がりのない人の解説を
好む傾向が窺えるから、鎌田氏は避けると思いますが……
611吾輩は名無しである:04/12/01 14:20:23
三位一体の神話の文庫版解説は
鎌田がやってるよ。
断固として知人は避ける、じゃなくて、
知人に書いてくれとは頼まない
でも結果として知人であることは問題ないんじゃない?
612吾輩は名無しである:04/12/01 16:07:40
>>611さん
問題があるとは、言っていません。
誤解無きよう。
大西氏は、知人の解説を「避ける傾向」があると、
わたしは感じていると、言いたいだけですよ。
613吾輩は名無しである:04/12/01 18:51:32
>>612
おまえ、文盲だろ?
614吾輩は名無しである:04/12/01 19:32:03
『天路の奈落』は
復刊ドットコムでも結構票が集まってきてるね。
615吾輩は名無しである:04/12/01 22:16:13
ワセブンに深淵論とか書いてる
石橋正孝って人は何者?
616吾輩は名無しである:04/12/02 22:34:09
公式HPに『深淵』に対する読者の感想が出てるよ。
617吾輩は名無しである:04/12/04 10:51:18
>>616
2月18日/田中 洌さんの『深淵』批判は、わかりにくいところ
もあるけど、さしずめ、大西(の小説)批判の“極北”かな。
誰か頭の良い人の、反論を乞う!
618吾輩は名無しである:04/12/04 11:17:39
>>601
監督は澤井信一郎。
619吾輩は名無しである:04/12/04 23:53:17
>>617「生存の、現に今あるがままの問題はどこに消えたのか。」
田中氏が日頃、作品内の「問題」を実感することがないから、見えない。
「まるで、事実の集積に微妙な嘘を事実のように紛れ込ませて
記述された犯罪調書を読まされているみたいだ。」
ドキュメンタリーとフィクションを混ぜて娯楽性を出すのは芸術の基礎技術。
よく親しんでるくせに。
「真実は最初から想定されているが、真実味はどこにもない。」
想定されてる? 普段から鈍いと、真実味など判定できない。 
「おおかた、作者は何か書かなくてはならなかったので
権力を向こうにまわして観念のゲームを組み立てることにしたのだ。」
推量の幼稚さに、泣ける。
「その結果が権力を忌み嫌うものたちの、牧歌と真摯、正しさの
もっともなコンミューンだ。
誠意と学識の披瀝、伸びきったゴム紐のごとき知的パズルだ。」
似非セリーヌ調で個人的に好きだけど、
やっぱ、読みはぜんぜんハズしてるんじゃないか。
620吾輩は名無しである:04/12/05 23:48:13
『深淵』評としてはそんなに外れてもいないと思うが。
621吾輩は名無しである:04/12/07 02:45:54
大西巨人にたいして
「ペダンティックだ」なんてのは昔からありがちな「批評」で
特に目新しいものではないんだろうけど。

もっとも「ペダンティック」とか「高踏的」の基準は人によって違うわけで、
「ペダンティックだ」なんてのはそれを口にする人間の知識程度を告白してるに過ぎず、
批評にはなりえないと思うけども。
622まいぺーす:04/12/08 22:31:26
 短く、情報だけを。

@、『五里霧』は、1月に刊行されるそうです。

http://www.jbook.co.jp/book/category2/month_date_bunko.asp

A、石橋正孝氏は、フランス文学の研究者。創元推理の評論部門の佳作を受賞するなど、
評論家としても活躍しています。

B、田中洌氏は、巨人館に投稿した文章を同じ日、LIBRAアレクセイの星座にも書き込み、
以後、アレクセイ氏と三回意見の交換を行っています。田中氏の文は、モノローグ的で、
応酬と言えるか微妙ではありますが。

http://homepage2.nifty.com/aleksey/LIBRA/log/04_02_ge_1.html
623吾輩は名無しである:04/12/08 22:41:35
五里霧うれしいねえ
たのしみだぜ
624まいぺーす:04/12/08 22:50:00
>>622
Bの補足です。田中氏の以後の書き込みは、4月17日・4月21日のところにあります。
625吾輩は名無しである:04/12/09 08:53:05
たぶん、田中洌氏は、こう言いたいんだろう。
大西は左翼の(マルクス主義の)作家として、もっと労働者・大衆に役立つものを書け。
他の凡百の作家には、そんな期待はしないが、大西には、そのことを期待する、と。

なるほど、『深淵』 は、労働者・大衆が、簡単には手に取りそうにない作品なんじゃないか?と、わたしも思いますね。
決して手にしないとは言わないけど。(現に運転手のわたしは手にしている、しかし同僚の誰も手にしない。)
大西の文学が、アレクセイ氏のような「火のようなご健筆」(田中洌氏の言)の持ち主たちの、愛玩物に留まるうちは、田中洌氏の批評も的を射ているところがあるかも……。
だからと言って、大西の文学の、日本における存在の独自性・重要性はいささかも疑いを容れないとも思う。

田中氏は、大西文学の重要性については、認識が足りないか、反発のあまり、言い忘れているようだ。
626吾輩は名無しである:04/12/13 08:09:25
質問です。
光文社文庫『神聖喜劇 第一巻』p32
に出てくる「フランスの反戦的な一作家」って誰のことででしょうか?
東堂は名前を失念しております。
「たしか彼は、第一次世界大戦のダダイストかシュールレアリストの
出であった」との記述もあります。
627吾輩は名無しである:04/12/13 08:10:57
>>626
第一次世界大戦「後」です。すみません。
628吾輩は名無しである:04/12/13 23:41:48
>>626
アラゴンじゃないかな。
629吾輩は名無しである:04/12/13 23:42:56
小島輝正のアラゴンシュルレアリスト、十年以上探してるのにみつかんない
630吾輩は名無しである:04/12/16 14:03:32
『五里霧』本当に出るんですか?
631吾輩は名無しである:04/12/16 18:56:01
こいつ偉そうに横光利一・石川淳・大江健三郎を批判してるけど、
いずれの足元にも及んでないのが笑えるw
632吾輩は名無しである:04/12/16 19:46:21
んなこたーない。
すくなくとも大江よりはだいぶ上。
633まいぺーす:04/12/16 19:55:54
>>630
出ますよ。1月10日発売、価格は、1,300円。解説は、鎌田哲哉氏とのことです。

http://www.taiyosha.co.jp/bunko/bunko0501_han1.html
634吾輩は名無しである:04/12/16 19:57:01
おー、解説はやっぱ鎌田か。
635吾輩は名無しである:04/12/17 10:39:25
『シナリオ』ゲトーー!!!
636吾輩は名無しである:04/12/17 21:06:07
私も『シナリオ』買ってきた。
巻末資料や、(注)がついてて、いいね。
「神聖喜劇」読んでだいぶたったから、シナリオを
読みながら思い出してるよ。

十五糎加農の実物写真とか、はじめてみたよ。
読んでるときはちょっとぴんと来なかったんだよね、
でも、写真見てこんなにでかいのかと思ったよ。
637吾輩は名無しである:04/12/17 22:27:43
シナリオって何ですか?
638吾輩は名無しである:04/12/17 23:38:00
>>637
『シナリオ神聖喜劇』のことだよ。

ちょい上に、詳しく書いてあるよ。
639民人:04/12/18 00:43:10
『五里霧』文庫化ですか・・。『五里霧』所収の『雪の日』が群像に掲載されたときの不思議な既視感(既読感?)のような印象を懐かしく思い出しました。最近の作品より五里霧のころ(10年以上前かな)の作品が好きですが、個人的には表題作がどうしても評価できなかった。
640吾輩は名無しである:04/12/20 11:50:10
新作の第5回が、なかなかウpされないねぇ。
巨人せんせい、大いなる期待をもって、待ち望んでますよ。
しかし、ご自愛を!
641吾輩は名無しである:04/12/31 07:12:20
第5回がupされた。お年玉をもらった気分。
リアルタイムの“今”のお話だ。
いまのいまが、時代背景。
これだから、大西巨人はやめられない。
642まいぺーす:04/12/31 19:02:04
 年末に入り、ようやく少し時間ができ、シナリオ『神聖喜劇』をゆっくりと
読み進めています。冒頭の安芸の彼女との最後の逢引に部落差別の話題を接続
させたのは、巧みな処理だと感心しました。荒井晴彦は、ずいぶんていねいに
目配りしているようで、小説への導入としても最適なもののような気がします。
図解や注釈も充実していて、念入りな本の作りになっているのも素晴らしい。
あまり部数を刷っていないようですが(小生が買った本屋では、一冊きり)、
ぜひ順調に売れ高を伸ばしていってもらいたいもの。むろん、映画化もです。
643まいぺーす:04/12/31 19:03:30
>>641
 ご指摘の通り、2004年の物語であり、憲法改正論議などが真正面から取り上げられて
いることが見逃せませんね。個人的には、真田宗索と亀島節義との意見の対立に
迫力を感じました。「インコ道理教」については、まだほとんど触れられておらず、
作品のスケールは相当大ききなものとなる予感がします。
 来年も、大西巨人をめぐって意見・情報を活発に交換していきたいと考えて
いますので、みなさん、よろしくお願いいたします。
644吾輩は名無しである:04/12/31 19:30:04
>643
大西巨人が“今”を描けば、飽きるほど“今”ばかり描いている他の作家との文学の質の違いが、文学者としての覚悟の違いが、人としての力量の差が、鮮やかに浮かび上がると思われる。
645民人:05/01/01 01:15:22
鷲田小彌太がちくま文庫の神聖喜劇の第4巻の解説で「大西は今をもって
マルクス主義者でいる理由の如何が問われるところまできてしまった・・」
というような内容を書いていたと思います(手元になく確認できませんが・・)。
インコ道理教の連載はこの答えになりそうで期待しております。鷲田の解説
中に「清算主義は大西には似合わない」という言葉もあり、インコ第5回を読ん
で思い出しました。ちくま文庫を読んだ1992年の状況として、鷲田の文章は決し
て的外れでないとその当時感じた。
646吾輩は名無しである:05/01/01 09:49:52
>>642
『シナリオ神聖喜劇』を注文しました。
(在庫が少なくなっております。)
>>645
そういう鷲田小彌太さんは、何主義者なのでしょうか?
鷲田小彌太さんは、自己の○○主義者でいる理由は、問われてないのでしょうか?
“自由主義者”か“新自由主義者”か“リベラリスト”か、何主義者にしろ、マルクス主義者同様にか、
それ以上にか、2005年の今、その「理由の如何が問われるところまできてしまっ」ているではないですか。
647吾輩は名無しである:05/01/01 11:00:21
むかし民学同?の指導者だった人だっけ?
648吾輩は名無しである:05/01/01 11:52:49
>>647
鷲田小彌太のこと聞いてるの?
なんか、HOWTO本ばかり書いてる人だろ。
民学同なんて関係ないっしょ。
なお、民学同とは、民主主義学生同盟の略らしいなり。
以下などを参照。
http://www.assert.jp/data/history/mg-title.jpg
649吾輩は名無しである:05/01/01 12:01:25
22  名無しさん   2002/07/20(Sat) 16:31

鷲田小彌太は、
ヘーゲル研究者でなくて、マルクスの研究者です。
 彼の研究業績は、初期マルクスのヘーゲル法哲学批判についての論文で、
これが彼の最初の著書になっています。確か新泉社だったかな。
 今は、多作のライターになっていますが、
最初のスタートは、大変地味なアカデミックな研究から始めています。
 大阪大学の哲学の人脈にぞくしていますが(森信成が指導教授)、
同じ大学出身で、同じ党派(日本の共産党志賀派=日本の声、民学同)に属していた長谷川慶太郎や、
大学は違いますが、やはり同じ党派に属していた谷沢永一なんかに、論壇や出版界では、面倒を見てもらっているのではないでしょうか。
650吾輩は名無しである:05/01/01 12:06:17
親ソ連派系 「民学同 結成40周年を考えるページ」 『アサート』による
「週刊MDS」 民学同民旗派(民主主義学生同盟民主主義の旗)の流れを汲む党派・
民主主義的社会主義運動(MDS、旧「現代政治研究会」(現政研))の機関紙。旧サイト「統一の旗」
「平和と民主主義をめざす全国交歓会」 MDS系の大衆団体・全交。旧「全交(働く青年の全国交歓会)」
「平和と生活をむすぶ会」 MDS系の平和運動団体
「PEACE-Desk」 全交と平和と生活をむすぶ会が共同で開設した反戦情報サイト
「子ども全交(子ども全国交歓会)」 MDS系の子育て交流団体。子全
「ピース・ニュース」 民学同デモクラート派系の大衆団体
「鷲田小彌太の仕事」 ★かつて民学同デモクラート派指導者だった哲学者・鷲田小弥太★。札幌大教授
「ASSERT」 情報誌『アサート』。民学同新時代派系の青年組織・労働青年同盟全国協議会の機関紙
『青年の旗』が1994年に改題したもの。旧サイト「Homepage of ASSERT」
651吾輩は名無しである:05/01/03 10:20:43
652吾輩は名無しである:05/01/03 14:06:55

なんか類型的な軍隊映画だね
653吾輩は名無しである:05/01/05 10:02:42

有馬頼義原作『兵隊やくざ』。
シリーズのどの作品かわかる人がいたら、マニアだね。
654吾輩は名無しである:05/01/06 15:27:28
結局、大前田軍曹は松ちゃんと伸介のどっちに決まったんだろ>映画『神聖喜劇』
たけしなんかもハマリ役じゃないかしら

鉢田二等兵はジミー大西でFA
東堂は誰だろう?
655吾輩は名無しである:05/01/06 21:48:55
長井秀和はどう?>東堂
656吾輩は名無しである:05/01/06 21:59:15
シナリオ神聖喜劇読んでるんだけど

独白部分がみんな長井秀和の口調に思えてきた。。
657吾輩は名無しである:05/01/07 22:32:49
冬木二等兵  ひろし

村崎古兵   ビートたけし

村上少尉   Gackt

生源寺二等兵  えなりかずき      
658まいぺーす:05/01/09 23:45:43
 講談社文芸文庫の『五里霧』が刊行されました。明日が祝日のせいか、店頭に一日
早く並んでいました。記念にageておきます。
 300ページで1,300円という値段は、もう少し何とかなってほしいのですが、それ以外は、
大満足の内容です。巻末の、「私は、「この道」の果てを目指す「心構え」で、さらに歩み続ける。」
と締めくくられる大西の「牛歩の弁」、「活動」(ハンナ・アーレント)領域の事象を精確に
名づけるために苦闘し、時としてまた沈黙せざるをえない精神を指摘する鎌田哲哉氏の見事な
解説「「連絡船」としての短編小説」、公刊されたものでは初めてで、28ページにも及ぶ詳細な
齋藤秀昭氏作成の「年譜」のいずれも、貴重なものと言えます。この年末年始は、大西巨人を
堪能できて、嬉しい悲鳴です。
659まいぺーす:05/01/09 23:55:24
 (続き)齋藤秀昭氏の「作品譜として委細を尽くすことを目的とし」た年譜は、画期的なもので、
大西のエッセイをおそらくすべて初出で確認し、原題を示した労作です。インタビューやイベント参加
のデータも収められているのも、ありがたい。簡単に眺めただけですが、未知・未読の文章やインタビュー
があるので、早速探してみようと思います。それにしても、『大西巨人文選4 遼遠』以後、エッセイ集が
ないのは、残念です。
 今、気づいたのですが、巻末に「また、本文中の表現で、今日では不適切と思われる表記がありますが、
作品の時代背景、作品価値を考え、そのままとしました。」という断わりがあります。よくある処置ですが、
大西の他の文庫にはこのようなことがなかったのを考えると、いささか紋切り型の対応で、飽き足らなく
感じられます。
660吾輩は名無しである:05/01/10 02:34:43
◆湯地朝雄(文芸評論家)

大西巨人「深淵」/柳美里「8月の果て」/楠見明彦「ラジオアクティブ・ラブ」(文學界六月号)



◆山口直孝(大学教員)

大西巨人「深淵」/笙野頼子「金毘羅」/原寮「愚か者死すべし」(早川書房)



◆武田浩(編集者)

大西巨人「深淵」/綿矢りさ「蹴りたい背中」(河出書房新社)/柳美里「8月の果て」



◆島田昭男(名誉教授)(以上四名、「思想運動」2005年特大号=NO.730より)

大西巨人「深淵」/柳美里「8月の果て」/多和田葉子「旅をする裸の眼」


661民人:05/01/10 11:16:12
>>658「この年末年始は、大西巨人を 堪能できて、嬉しい悲鳴です。 」

「縹富士」に「松の内には泉鏡花を読んで過ごすのが、習いだった」というよ
うな表現がありますが、私にとっては大西は年始に相応しい唯一の作家です。
このような媒体で年始早々こんな意見を書き込めるとは、10年前、 「五里霧」
を読んでいるときは想像もできませんでした。


662吾輩は名無しである:05/01/10 12:04:52
法政大学大学院「私小説研究会」刊行の年刊雑誌『私小説研究』第5号
(04年3月刊 800円、在庫あり) に大西巨人インタヴュー(私小説論)が
載っている模様。
この雑誌、なかなか真面目で良さげです。
663吾輩は名無しである:05/01/10 13:53:01

No.434にガイシュツでした。(トホホ)
664吾輩は名無しである:05/01/11 23:23:51
これはなんだ?
 やたら大袈裟な措辞によって、衒学趣味の同義反復によって、拾い集めたこけおどしの引用によって一見人目を引く装いを凝らし、麗々しい羊頭を掲げるだけは掲げたが、売るべき狗肉はさっぱり見当たらない。
 生存の根源的問題だって?
 虚空の彼方の城だって?
 生存の、現に今あるがままの問題はどこに消えたのか。
 まるで、事実の集積に微妙な嘘を事実のように紛れ込ませて記述された犯罪調書を読まされているみたいだ。真実は最初から想定されているが、真実味はどこにもない。ただし、ここでは嘘のかわりに使い古された観念が、真実のかわりに濡れ衣の謎解きが提起される。
なぜそんなことに?
 おおかた、作者は何か書かなくてはならなかったので権力を向こうにまわして観念のゲームを組み立てることにしたのだ。
 その結果が権力を忌み嫌うものたちの、牧歌と真摯、正しさのもっともなコンミューンだ。
 誠意と学識の披瀝、伸びきったゴム紐のごとき知的パズルだ。
 記憶喪失との熾烈な戦いが権力の暴虐を見事に駆逐した、というわけか。
 かててくわえて闇が薄らぐはるかな未来を予感させるとでも?
 それが「面白くもあり値打ちもある作品」というわけか。
 そこにはくりごとを語るしか行動様式をもたない僕たちの悲哀の表現すらない。
 思考停止を蒙った僕たちの絶滅の表現すらない。あるのは、回れ右をした人間の叱責と趣向、正しさをまとった鎧のごとき空白の、どこか嫌味が漂う床の間のアリバイ調書だ。

665吾輩は名無しである:05/01/11 23:57:43
たまにアタマのおかしい人も来るようですね、ここ
666吾輩は名無しである:05/01/13 18:51:37
『シナリオ 神聖喜劇』を読み始めています。
大西ファンと言いながら、『神聖喜劇』を通読したのは一度限り、
という人には、小説中の忘れているエピソードなども思い出させて
もらえる、好作品です。
読んだことない人にも、取り付きやすい“商品”となっております。

この『シナリオ版』で、大西巨人の存在が、少しでも多くの(普通の)人に
知られ、そして、近い将来の映画化(とその成功)によって、日本の映画界にも、
画期がもたらされれば、言うことなし。
667吾輩は名無しである:05/01/13 19:01:01
666さん
>取り付きやすい“商品”
の意味は?
668吾輩は名無しである:05/01/13 20:07:56
>667さん
値段的には取り付きにくいけど、
超長編の優れた原作のエッセンスに触れえる、
という意味で取り付きやすい、というほどの意味。

“商品”と書いたのは、原作が『神聖喜劇』だから、
普通の消耗品とは違うよ! というほどの意味あいです。
669吾輩は名無しである:05/01/13 23:19:17
先生、阿部さんが芥川賞をとりましたよ!
670吾輩は名無しである:05/01/14 01:09:47
664は完全無視なんだな
671吾輩は名無しである:05/01/14 02:00:08
神聖喜劇を読んで作家になった阿部和重は
大西門下みたいなもんだな。
672吾輩は名無しである:05/01/14 09:15:24
>>670
だって巨人館からのコピペですもん。
673吾輩は名無しである:05/01/15 00:00:34
『シナリオ』200ページ読。
おもしろい。原作を読んだ時の、愉快な気分を思い出しました。
『神聖喜劇』は、まさに面白くて、値打ちのある作品だ。
『シナリオ』化によって、描写対象が兵士たちの軍隊生活に焦点化
されて、舞台が軍隊であってもなくてもかまわない、庶民生活の実相というか
大多数の現実的・普遍的人間の振る舞い・思考が刻印されていることが、
わかりました。そして、そこに登場している人間は、インテリも非インテリもあらゆる
種類の笑いを読者にもたらしてくれる。60年以上前の軍隊の人間と、今わたしの周りで
生きて働いている会社の人間とは、寸分も違わない。
まさに、映画化を待ってた作品だ。いい映画になりそうだ。

最低5億円の製作費、どうやって集めましょうか。
674吾輩は名無しである:05/01/15 01:03:38
> 最低5億円の製作費
この数字はどこから?
675吾輩は名無しである:05/01/15 13:50:08

「あとがき」かどこかで、荒井さんが書いてたよ。
製作費用も心配だが、1時間50分の映画にする
ための、更なる脚本の「殺ぎ落とし」も心配。
原稿用紙750枚の現時点の『シナリオ』だと、
12時間の作品になるらしいよ。
676吾輩は名無しである:05/01/15 14:52:13
>675
情報ありがとうございます。『シナリオ〜』は立ち読みしただけだったので。
Gackt演じる村上も見てみたいけれど、予算的には厳しいのでしょうね。
あの情報量を処理するには役者が逐次喋ってられないんじゃないかと、
俺も思います。タイポグラフィにして画面に入れるのかな。

そういや、射撃可能な三八式野砲の実物って国内に現存するのかな…
まあいいや、公開を楽しみにしてますぜ! 制作者の皆様!
677吾輩は名無しである:05/01/16 00:40:08
鎌田哲哉さんの『五里霧』 推薦文。(名文)
http://shop.kodansha.jp/bc/bunko/pocket/200501/005.html
実際の文庫版の解説より、こっちの方を解説にしたらよかったのに。

大西に見合う読者の強度と硬度か、、、
678吾輩は名無しである:05/01/16 00:56:16
大西を過剰に買い被りすぎw
679吾輩は名無しである:05/01/19 02:09:42
神聖喜劇映画化するんだ?楽しみだな。でもあの膨大な量・・・
差別発言も多いけど、その辺りはシナリオ版を読めば解決する?
680吾輩は名無しである:05/01/20 17:57:13
今日、ブックオフで『五里霧』ゲット。
700円。ちょっと安く買えた。

誰だか知らんが早く売りすぎ。
献呈された本かなんかだろうか。
681吾輩は名無しである:05/01/28 01:29:59
只今発売中の週刊文春2/3号、坪内祐三の「文庫本を狙え!」に
『五里霧』評が載っていますよ。
682吾輩は名無しである:05/01/29 00:59:29
只今発売中の週刊読書人2/4号、一面目に糸圭秀実の
『シナリオ 神聖喜劇』評が載っていますよ。
683まいぺーす:05/01/29 01:09:23
>>681
>>682
 同じ方でしょうか。ご教示ありがとうございます。すが氏の文章は、入手して
読みました。東堂太郎を超自我と捉え、超自我の不在を肯定する村上との対決が
シナリオ版では前景化する指摘に、氏らしい見方だなと思いました。『めぞん一刻』
の澤井信一郎が適任ではないかという感想も、示唆的ですね。
 坪内氏のものは、これから入手するつもりです。
684吾輩は名無しである:05/01/29 02:37:54
「『めぞん一刻』の澤井信一郎」という言われ方はどうなんだろうw
685吾輩は名無しである:05/01/31 19:14:34
まいぺーす=山口直孝(大学教員)

大西巨人「深淵」/笙野頼子「金毘羅」/原寮「愚か者死すべし」(早川書房)



686吾輩は名無しである:05/01/31 19:45:29
だるまさんがころんだでもやってーろよ、大江w
687吾輩は名無しである:05/02/01 00:04:04
『五里霧』しみじみいいね

単行本で読んだけど文庫も買って通勤電車で再読中
博多弁罵倒語の話が何とも味わい深い
688吾輩は名無しである:05/02/01 18:30:22
読者から のコーナー面白いな
689吾輩は名無しである:05/02/05 17:02:52
ダカーポ 554号(2月2日発売)
「旬の本」吉田司が読む話題の本 にシナリオ神聖喜劇が取り上げられていま
す。
タイトルは「反戦『怪物』小説をいま呼びだしたことだけでも、
頭が下がります」

「そのときに(憲法改正、自衛隊の軍隊化の今)に大西巨人の『神聖喜劇』が
再登場の舞台をあたえられる意味はスゲェ大きい」と冒頭部分に記し
「高瀬や澤井、荒井そして大西たちの"戦闘的平和主義≠ェ映像戦線に現出し
てくることを切望するや、急だね。」と文章を終わっています。

全く、同意します。
690吾輩は名無しである:05/02/05 18:00:21
澤井ならそれなりのものは撮ってくれるだろう。
モーニング娘の映画なんか撮ってないでこういうちゃんとしたのも
たまには撮って貰わないとな。
691吾輩は名無しである:05/02/06 09:42:00
まいぺーすさんに意地悪い質問。
大西が「インコ真理教」「天路の奈落」でも麗しくモデルにしている盟友武井にしても
政治的にキナくさいところをもぐってきている。それは立花隆の戦後の共産党の研究を読めばわかる。
大西にもあきらかに政治的スタンスがある。
最近、鎌田哲哉とか、大西の政治性を無視して、絶対的公平的善として偶像化して、
他を裁断する論がはやっていますが、そういう偶像崇拝はよくないと思うんですが。

しかし一方、「反戦『怪物』小説をいま呼びだしたことだけでも、頭が下がります」というのも
同感です。しかし、これこそ大西的にいうと、政治的にいま大西をけなすのは
まずい、という「俗情との結託」なのではないでしょうか。
692吾輩は名無しである:05/02/06 14:29:08
立花隆がきなくさいと思わんのか?
693吾輩は名無しである:05/02/06 14:47:29
>>692
私は691さんではないけど、691さんの言うことはわかるな。
立花の「共産党の研究」は資料として読むだけなら、そんな悪く
ないと思う。

私もおととし以来の大西ファンだけど(笑)、「俗情との結託」の危険性は
常に頭に入れておく必要があるだろうな、と思います。
694まいぺーす:05/02/06 16:14:24
>>691
 特に意地悪い質問とは思いませんが……。681さんご教示の坪内祐三の書評は、
大西巨人の愛読者ほど、私小説的な読みを行う誘惑に駆られることを述べています。
以前、鷲田小弥太も同じ趣旨を書いていたと思います。『迷宮』や『縮図・インコ
道理教』を読んでいて、武井昭夫を髣髴させる人物が出てくるなと、感じることは
ありますね(『天路の奈落』については、該当人物を思いつきません)。しかし、
それらの作品の登場人物は、そんなに「麗しく」描かれているのでしょうか。
695まいぺーす:05/02/06 16:25:52
(続き〉
武井昭夫が「政治的にキナくさいところをもぐってきている。」というのは、
よく分かりません。具体的に(立花隆が?)何を言っているのか、教えていただけると
ありがたいです。大西に、「あきらかに政治的スタンスがある。」のは、その通り
でしょう。「偶然崇拝はよくない」というのも同感です。しかし、鎌田哲哉は、
「大西の政治性を無視して、絶対的公平的善として偶像化し」ているのでしょうか。
私が読んだかぎりでは、鎌田の主張は、運動の内部批判の観点をもちえていた点で、
大西が同時代の人間の中で優れていたことを述べたものと思われるのですが。
「政治的にいま大西をけなすのはまずい」という空気があるということですが、それで
得をする政治的勢力ってあるのでしょうか(笑)。批判は、とにかく大いにあるべきです。
691さんも、思うところを遠慮なくどうぞ。
696吾輩は名無しである:05/02/11 01:00:00
『五里霧』を読んだ感想を書くね。
といっても半分しか読んでませんよ。
これはあまり面白くなかったな。
エッセイ風小説ってのはいろいろあるだろうけど
どうも構成が中途半端だという印象をぬぐいきれない。
小説というジャンルに対するアグレッシヴさもあるわけじゃなし。

みなさんはどう読みました?
697吾輩は名無しである:05/02/11 09:40:22
>>696
>>『五里霧』これはあまり面白くなかったな。

そうでしたか。
わたしは、今回、
『漂富士』『雪の日』『老母草』『立冬紀』『五里霧』『連絡線』
を読み直しました。感心しました。
>>687さんの、「しみじみいいね」 という感想と近いです。
単行本の時、一読しただけだったので、内容を忘れていたものが
ほとんどでした。
とくに『老母草』が、心に来ました。未知未見の人間同士が、
人間らしく“知り合って”行く情景が、良い。
「人と人とはこのように知り合いたい」 と思いました。

「一見するとこの短編集には静謐な生活のスケッチしかない。
にもかかわらず、そこには読者を発奮させるダイナモの動力がある。
それだけは断言できる。」
という鎌田哲哉さんの評価は、的を射ているなぁ
という感じ。
698696:05/02/11 17:27:18
>>697
レスどうもです。当方の『五里霧』の読み方が悪いのかな。

しかし、鎌田哲哉が
「一見するとこの短編集には静謐な生活のスケッチしかない」
としながえらも、「にもかかわらず」という接続詞によって
「そこには読者を発奮させるダイナモの動力がある」
として、それを「断言」 するのは自由なんだけど、
論理的な文章じゃないと思う。

もし、「静謐な生活のスケッチ」が「ダイナモの動力」になるのであれば
「にもかかわらず」の飛躍ではなく、
「それゆえに」という転換の接続詞でなきゃなぁ、
と思うんだけど。
単なる「静謐な生活のスケッチ」的印象でとまっている読者としては。
699吾輩は名無しである:05/02/12 03:51:13
>「にもかかわらず」の飛躍ではなく、
>「それゆえに」という転換の接続詞でなきゃなぁ、
>と思うんだけど。

なんで?
700吾輩は名無しである:05/02/12 07:50:02
その人、あまりいじらない方がいいと思う

>>697さんのカキコはいいね
文体にもどこか大西巨人の読者、という佇まいを感じる
701吾輩は名無しである:05/02/12 08:05:00
>文体にもどこか大西巨人の読者、という佇まいを感じる

こういう表現が許される(?)最後の人だから、みんなすがっているだけにしか見えない。
後ろ向きで不健康の一言。
大西巨人のところを、他の名前に変えたら、爆笑ものの表現だよ。


702吾輩は名無しである:05/02/12 08:13:40
揚げ足取りはやめれ
703701:05/02/12 12:27:15
いや、揚げ足じゃない。本質的なところをついていると思う。
704吾輩は名無しである:05/02/12 15:37:09
ツマンネ
705吾輩は名無しである:05/02/12 16:46:04
「大西巨人の読者のイメージ」ってどういうタイプ?
706吾輩は名無しである:05/02/12 19:04:43
鎌田が好きな「老母草」ってちょっと屁理屈すぎるというか、
御年寄り向けのコントみたいな印象がある。
内容レベルで理詰めで行くなら、作品が長くないと大西でも悪い意味でヘンになるね。
「アタマの中で考えただけで、現実はこんなもんじゃないだろ」という印象がどうしても出てくる。
707吾輩は名無しである:05/02/12 21:01:18
>鎌田哲哉は、
「大西の政治性を無視して、絶対的公平的善として偶像化し」ているのでしょうか

まいぺーすさん、鎌田の下のこういう言い方は、まさにそうではないですか?
鎌田ははげしく文学批判をするが、結局「文学」に無前提にあるとされる価値に
に頼っている、と思う。
武井については、ご自分で簡単にお調べできると思います。

>大西巨人はいつも、現存の秩序や権力に徹底的に反逆し、
しかもその時に決してずるをしない人、自分のあり方をも
同時に変えようと志す人のために文章を書く。何かをやる
時に、「やったことにした」でお茶を濁さない人達のため
に書いている。自称すれっからしのリアリストどもはまだ
まだ青い。熟慮の末に選んだ激しい純潔な初心
708吾輩は名無しである:05/02/12 22:43:14
まいぺーす=山口直孝(大学教員)

709まいぺーす:05/02/12 23:25:38
>>707
 お引きになった鎌田の文章は、「今日の日本が「『ひとりで立つ』ということの
滅亡」と言うべき感覚麻痺にあること」、「もう何年も、ムラの掟を破った個人が、
権力ばかりか草の根からも制裁を受ける光景が止まない」現実を指摘して、戦後も
変わらない日本社会の心性に対する批判を、大西巨人に見出したものですね。「絶対的
公平的善として偶像化している」とは、思いませんが。鎌田(ひいて大西)が文学に
力があることを信じているとしても、「「文学」に無前提にあるとされる価値に頼っている」
ということはないのではないでしょうか。この指摘がなぜ出てきたのかという事情も、
よくわかりません。
 あと、武井昭夫の「政治的にキナくさいところをもぐってきている」ことについて、
「簡単に」調べられるのでしたら、教えてくださるのが、一番早いのではないでしょうか。
「キナくさい」とご指摘があり、それについてお尋ねしたところ、自分で調べろと言うのは
どうも……。
 695のレスでは、「偶像崇拝」と書くべきところを、「偶然崇拝」と間違えています。
お恥ずかしい。訂正しておきます。
710吾輩は名無しである:05/02/13 02:27:55
巨人さんの横光叩きは酷い。
711707:05/02/13 09:11:19
まいぺーすさん、まじめに受け答えしていただきありがとうございます。

>鎌田(ひいて大西)が文学に 力があることを信じている

なるほど、腑におちました。この言い方が適切ですね。私はもはや信じていない
ので、鎌田の大西への称揚が、最後に頼れる(?)ところにすがっているように見える
、ということでしょう。悪く言えば自己暗示をかけているんじゃないか、とか。
712696:05/02/13 10:01:52
朝日新聞にタカゲンの『シナリオ 神聖喜劇』書評あったよ。
まあ、たいしたもんじゃないけどね。
713吾輩は名無しである:05/02/13 12:23:19
「それゆえに」を「転換」の接続詞だと言ってるやつが、
プロの書評にケチつけて、接続詞が変だとかたいしたもんじゃないとか、
偉そうなこと言っちゃ駄目よ。
714696:05/02/13 16:16:30
>>699
「静謐な生活のスケッチ」が「ダイナモの動力」として感じられなかったら
鎌田哲哉の文章が「にもかかわらず」の飛躍に思えたのだし、
そこを説得的に語るには、「それゆえに」の転換として語って欲しい、
という意味だよ。

>>700にある
>文体にもどこか大西巨人の読者、という佇まいを感じる
というのには、「大西読者はこうあるべき」という暗黙の前提があるね。
うーん、愛読者の姿勢としてそういうのは理解はできるけど
なんか狭量な「佇まい」を感じてしまう、とイロニックに。
715696:05/02/13 16:21:58
>>713
>偉そうなこと言っちゃ駄目よ。
ははん。偉そうに聞こえた? 素直に書き込んだつもりなんだけどなぁ。
もう少し謙虚にして、言葉をオブラートに包まなきゃ駄目かな?
プロの書評だろうが素人の書評だろうが
ケチをつけたいものにはつけて構わないと思うけどなぁ。

高橋源一郎の書評は、前半が映画と小説の関係についてで、
後半になって『シナリオ神聖喜劇』について語ってるけど、
結局、「多くの人に読まれるいい機会になる本だ」ぐらいの
メッセージしか伝わってこなかったな。
716吾輩は名無しである:05/02/13 21:12:33
でもさっそく本屋の書評コーナーに収まってたよ
717吾輩は名無しである:05/02/14 05:29:42
スルーで。
718吾輩は名無しである:05/02/15 00:45:13
ゲンイチロウはいつもたいがいそんな感じですよ。
719吾輩は名無しである:05/02/15 01:05:07
さようならギャングたち、は今読んでも傑作だ思うけどな
岩波新書の小説入門もよく出来てる

荒川洋治と高橋源一郎は
大西巨人ファンのオイラもずっとフォローしてる書き手
そんなにコケにするもんじゃないと思量
720吾輩は名無しである:05/02/15 04:41:38
スルーで。
721吾輩は名無しである:05/02/19 10:20:21
化粧で誘惑した多数の匿名の徒党こそ、
ごろつきどもが「大人」で竹内達は「子供」だと称する腐敗の詭弁を、
彼らが安心して押し付け塗りたくる根拠になる。こういう連中を相手にするには
、こちらも腹を据えた覚悟がいる。
722吾輩は名無しである:05/02/19 19:37:17
『深淵』の性交場面は、なんか笑ってしまう。
すごいなあ。
723吾輩は名無しである:05/02/24 18:37:22
スルーで。
724本家スルーで。:05/02/25 07:35:27
これはいいだろ。
725吾輩は名無しである:05/02/25 10:12:31
なんかまたバカ厨入ってきてない?w

726吾輩は名無しである:05/02/25 11:52:09
スルーで
727吾輩は名無しである:05/02/25 13:29:05
新日本文学会六十年・解散記念公演・パーティー

日時:2005年3月6日(日)講演:午後1時〜 パーティー:午後5時〜
場所:日本出版クラブ(東京都新宿区袋街6)
講演者(予定):大西巨人 栗原幸夫 佐木隆三 中沢けい
会費: 講演会1000円 パーティー:5000円
728吾輩は名無しである:05/02/25 14:14:56
スルーで

729722:05/02/25 22:29:26
馬鹿にするつもりで書いたわけじゃありません。
不快になった方がいたらすみませんでした。
引用を用いて、緊張感を持って描かれる性交場面の描写に、ユーモアを感じたのです。

マターリいってください。
730吾輩は名無しである:05/02/25 23:40:37
>>727
出版クラブってのはちょいと尻ごみするなあ
731吾輩は名無しである:05/02/26 00:56:51
パーティーはそうだけど講演は大丈夫ちゃう?
732吾輩は名無しである:05/02/26 01:06:17
モブと中原昌也のトークイベントってまだこんなことやってるの?
中原昌也はこういうの専門の司会者か?
10年くらい何にも変わっていないね。スタジオボイスってのがまたイヤだね。
733吾輩は名無しである:05/02/26 01:08:40
>732
誤爆うざいぞ。
734吾輩は名無しである:05/02/26 01:19:01
オレ、マジで逝てこようかな
735吾輩は名無しである:05/02/26 02:08:45
>>729 性的なことを詳細・厳密に記述すると滑稽味が生じる。
広く知られた技術か。使うの難しいけど。
狙ってるのか狙っていないのか。時々お笑いファックになってる
736吾輩は名無しである:05/02/28 11:38:45
え?
737吾輩は名無しである:05/02/28 18:35:58
スルーで。
738吾輩は名無しである:05/02/28 19:46:26
スルーで。
739吾輩は名無しである:05/03/01 18:32:32
スルーで。
740吾輩は名無しである:05/03/02 08:25:16
『縮図・インコ道理教』
第6回(最終回)が掲載されましたね。
741吾輩は名無しである:05/03/02 16:03:54
スルーで。
742まいぺーす:05/03/03 16:15:44
 祝『縮図・インコ道理教』完結です。見事な肩すかしを読者に味あわせる作品ですね。
改憲論議をめぐる情勢悪化に対して、積極的に関わろうとする意志が、この不思議な
議論小説を生んだと言えるのでしょうか。単行本化も予定されているようですし、楽しみ
ですね。とりあえず、もう一度、最初から読んでみます。

 『未来』3月号に石橋正孝さんの『シナリオ神聖喜劇』評が掲載されているそうです。
ご覧にになった方は、コメントいただけるとありがたいです。
743吾輩は名無しである:05/03/03 17:14:15
ずばりこの作家の魅力は?

俺:緻密で正確な構築性。
744吾輩は名無しである:05/03/03 17:28:43
完結までに25年とか経ってくれないと、物足りなさを感じてしまうな。
745吾輩は名無しである:05/03/05 07:51:08
実は、綿密に計算されたコメディ作家。
746吾輩は名無しである:05/03/05 09:47:59
実は、って勿体ぶるようなことでもないよね
747吾輩は名無しである:05/03/05 12:14:33
『縮図・インコ道理教』、読んでる時は滅法面白い。
作品を構成するパーツはわくわくさせるものばかり。
しかし作品全体として、どうまとまっているのかさっぱり判らない。
「松阪牛」を使った「バレンタインチョコ」みたいな感じがした。
748吾輩は名無しである:05/03/06 12:46:29
>>727
そろそろ講演ですね
749吾輩は名無しである:05/03/06 14:44:12
大西巨人の講演を聞かれた方、どうかレポお願いします。
750吾輩は名無しである:05/03/09 17:57:37
病得て2ちゃん離れしつかの間に嵐のごとく『縮図』舞い去る
751吾輩は名無しである:05/03/15 18:30:28
26歳にして、『神聖喜劇』を読了。

組織論としての読解が、もっともしっくりきました。

ほんとにすばらしい傑作で、今後ずっと左右の書になりそうです。

ただ、語りの時点が戦後だと明示(数回だけだけど)してあり、
「東堂は戦争で死んじゃうんだろうか」っていう
切迫をそいでいるのは、マイナス点。

これからいろんな読解を読もうと思います。
だれの解釈が一番いいかしら?
752吾輩は名無しである:05/03/15 18:49:34
左右の書age
753吾輩は名無しである:05/03/15 19:47:15
左右の書か…(苦笑)
そういや、大西先生は、勘違い?右翼・国粋主義のファンも
いるみたいだから、あながち的外れな表現でもないのかね…
754吾輩は名無しである:05/03/16 09:23:07
きょうの「朝日」、「文芸の風」は大西を取り上げた。

齢85で、大長編をこれから書くらしい。

755吾輩は名無しである:05/03/16 20:01:12
大西巨人を初めて知ったのは吉本隆明との対談『素人の時代』

文章にしみじみ感じ入ったのは
朝日ジャーナルで連載していた『巨人の未来風考察』

『神聖喜劇』を読むきっかけになったのは
経済学者の日高普の紹介文(講演記録)
(これはいまでも最高の大西文学入門だと思います)
二十代最後の夏休みを『神聖喜劇』精読に費やしました

その後何遍読み返したかなぁ
現在四十代半ばですが生涯の書と言えるかも知れません
756吾輩は名無しである:05/03/17 01:20:43
>経済学者の日高普の紹介文(講演記録)
これって、いま手に入りますか?
757吾輩は名無しである:05/03/17 06:34:11
日高さんのエッセイ集
『出発点としての崩壊』(創樹社1983)
に入っているはず(記憶違いなら申し訳ない)

古書店で比較的簡単に入手できると思います

758吾輩は名無しである:05/03/17 18:48:33
>>757
ありがとうございます。

『素人の時代』 は最近講談社文芸文庫から出された「吉本隆明対談選」に収められてますね。
大西巨人は吉本の提唱する「素人の時代」が到来することは認めていますが、
そういう時代に対して否定的ですね。
馴れ合いではなく両者の違いがはっきりしていて良い対談だと思います。

759まいぺーす:2005/03/25(金) 00:23:36
 『映画芸術』2005年冬号に詩人の笠井嗣夫が「社会総体と対決する究極的
イメージ」と題する書評を寄せています。笠井は、「原作を読んでいないもの
にも物語の全体像がよく理解できるようにした」荒井の手腕を褒め、「読むだけでも
無類に面白いシナリオ」と高く評価しています。笠井は、戦中の軍隊と現在の
国家社会の総体との類似を指摘し、本書から「その不気味さと対決しうるに足る
意思と情念、そして反権力的な主体形成のイメージ(像)」を獲得すべきだと
とも述べています。映画化に向けてのさらなる圧縮作業の中で、しかし、逢瀬の
場面はなるべく残してもらいたいというリクエストには、共感するものを感じます。
 なお、同号の編集後記には、「本が出てからひと月、書評はない。シナリオは
映画本コーナーに区別されているだけじゃなくて、差別されているのだろうか。」という
(A)氏(荒井氏?)の嘆きが記されていますが、その後現れた書評は、いずれも好意的
なものばかりでしたね。
760まいぺーす:2005/03/25(金) 00:28:26
 ついでながら、情報を一つ。4月1日発売の『社会評論』141号に大西巨人・武井昭夫の
対談が掲載されるそうです。タイトルは、「21世紀の革命と非暴力――新作『縮図・インコ道理教』
をめぐって」。二人がどのような意見の交換をするか、楽しみですね。
761吾輩は名無しである:2005/03/25(金) 01:00:22
時々出てくる『社会評論』っつー雑誌は面白いのかね?
762吾輩は名無しである:2005/03/25(金) 01:28:28
まあ面白いかどうかは君の脳みそひとつだが。
763吾輩は名無しである:2005/03/25(金) 10:02:15
>>おッ、久しぶりのまいぺーずさんの書きこ。
忙しいのだろうと、お察しします。九州では、
震度6とか5とかの、九州では珍しい強い地震が
あり、その後の3程度の余震もなお続いています。
天神まっただなかの「福岡ビル」の嵌め殺しガラス
の散乱のシーンは恐ろしいものがありました。
玄界島が被害甚大、能古島《のこのしま》もかなり
の災害、福岡市内中央区などのマンションの亀裂もかなり
のモノ。大西氏も少し心配されたでしょうか。
764吾輩は名無しである:2005/03/29(火) 00:32:23
>>760

どこで買えるんでしょう。ついでながらバックナンバーとかも
765吾輩は名無しである:2005/03/29(火) 00:33:48
AGE
766吾輩は名無しである:2005/03/29(火) 02:13:13
>>764
大き目の書店なら普通に置いてますよ。
767我輩は名無しである:2005/03/29(火) 15:42:52
大西巨人朗読会情報が早稲田文学のHPにのってる
768まいぺーす:2005/03/29(火) 23:46:03
>>764
 766さんのおっしゃるように、大型書店では扱っていますね。もし、手に入らない
場合は、下記に問い合わせるのがいいでしょう。

ttp://www.shiso-undo.org/

次号の目次も、ここで読むことができます。

>>767
 情報ありがとうございます。古井由吉・角田光代という組み合わせが不思議
ですね。朗読会というイベントに興味津々です。
769吾輩は名無しである:2005/03/30(水) 07:01:42
>>760
社会評論、サイトでは10日発売と書いてますね。
770吾輩は名無しである:2005/03/30(水) 07:03:17
朗読、大西自身が出るんですね。びっくりした。
でも16日は海外旅行で見れない。悲しい。
771吾輩は名無しである:2005/03/30(水) 18:38:57
社会評論(第140号)の「『闘いの犠牲』論」
山口直孝筆について、なぜ、だれも触れないのだ!
アッ、おれが触れればいいのか。
とても良い論考でした。わたしも、20年ほど前に
新左翼(戦旗派…戦旗派って、いろいろあるから区別難しい)と
関わったとき、大西巨人を知らないきゃつ等に、がっかりさせられた
思いがありますので……
772吾輩は名無しである:2005/03/30(水) 19:06:38
今日だか昨日だかに発売された季刊「前夜」で
大西巨人文選の第一巻「新生」が紹介されてました。
773吾輩は名無しである:2005/03/30(水) 20:01:18
うーん、『闘いの犠牲』は、大西がマルクス・レーニン主義者で、初期レーニン
に忠実であることを示していますね。つまり、反戦デモから、革命的蜂起を
レーニンの1905年のロシア革命論を引いて期待しています。
ずばりいって、今論じる価値はないと思う。今でも大西は自分こそ宮本顕治
とかと違い純正のレーニン主義者で真の前衛論者だと思っているはず。
この視点から見て「21世紀の革命と非暴力」というのは興味を引かれます。
大西は原則非暴力論者じゃないはずなので。
774吾輩は名無しである:2005/03/30(水) 21:52:58
>大西は原則非暴力論者じゃないはずなので。

正しい目的のためには正しい手段こそ求められる、
というのが大西巨人の立場だよ。「週刊読書人」での鎌田との話でも明らか。
大西は暴力を「正しい手段」と考えていないことも明言している。
「21世紀において無産階級が暴力に訴えるのは有産階級の原水爆使用を招きかねない」という論理。

775吾輩は名無しである:2005/03/30(水) 22:22:53
大西がマルクス・レーニン主義者だというのをはずして述べるのはどうか
と思います。レーニンだって、非暴力のほうがいいというでしょう。

>正しい目的のためには正しい手段こそ求められる
だから、というのは一般論すぎると思う。
776吾輩は名無しである:2005/03/30(水) 22:48:04
たとえば、『神聖喜劇』のきっかけとなった、宮本・大西論争の一部の「先頭部隊の責任」(1952年11月)
にも、こうある。『神聖喜劇』を読む上でさけることはできないでしょう。
宮本(→後のなしくずし議会主義)は、むしろこの大西のラディカリズムを阻止しようとしていた形跡もある。
+++++++++++++++++++++++++++++++++
左派社会党の一部幹部は、彼らの笑止な「中立主義」と無抵抗主義との看板
を盾とし、「貴〈共産党〉の実情に即しない武力闘争方針」(『申し入れに対する
社会党の解答』ーアカハタ9月20日号外)を云々している。彼らが「実情に即し」た
「武力闘争方針」に就いてはどう云うか、彼らのいわゆる「労働組合の全国的組織である
総評350万」(同前)を含む日本労働階級を先頭とする全人民が、議会主義的幻想から
最後的に脱却し、「長期的な絶えざる努力」の果ての「(蜂起という)偉大な言葉
を偉大な行動にかえることの」「限りなくきびしい」「困難」(レーニン『「イスクラ」戦術の
最後の言葉」)・民族解放の決定的なたたかいに乗り出す日〈言葉の本来の意味での決着の近づいている
のが、もう疑う余地のなくなった時がこなければ、蜂起を直接の呼びかけとして発することはない〉
と云われるその呼びかけが行われる日、生じえるその運命の日にどうふるまうかを、
しかとこの耳で聞き、この目で見たいものである。
777吾輩は名無しである:皇紀2665/04/01(金) 02:28:20
年号確認sage
778吾輩は名無しである:皇紀2665/04/01(金) 18:17:56
こういうのを俗情と呼ぶのでしょうか?
779吾輩は名無しである:2005/04/02(土) 04:43:52
鎌田の神聖喜劇論ってのは良いですか?
必読ですか?バックナンバー探してでも読むべきですか?
780吾輩は名無しである:2005/04/02(土) 06:39:18
>>779
できれば読みたくないって言い方ですな。
781吾輩は名無しである:2005/04/02(土) 08:31:38
>>779
D/SIGN(太田出版)NO.6に『卑小なものと崇高なものー『神聖喜劇における
認識の問題』』というのがあります。一読した印象では、読書新聞の
大西巨人インタビューで全然間に合うと思いますね。本になるみたいだから
それ待ってもべつにいいんでは。
782吾輩は名無しである:2005/04/02(土) 08:34:48

大西インタビューが、です。
783吾輩は名無しである:2005/04/05(火) 19:11:40
存命中に全集が出たりは・・・しないだろうなぁ。
784吾輩は名無しである:2005/04/05(火) 20:16:58
4月7日発売早稲田文学最終号に小説『奇妙な入試情景』
が掲載されるそうです。
785まいぺーす:2005/04/07(木) 08:16:13
 今日、『早稲田文学』最終号発売ですね。近くの本屋で扱っているところがない
ため、手に入れるのは、明日以降になりそうです。お読みになった方、よろしければ
感想などを。
786吾輩は名無しである:2005/04/07(木) 16:18:26

「新潮」5月号で井土紀州が、

「文學界」5月号で山根貞夫が、

それぞれ『シナリオ神聖喜劇』を書評。
787吾輩は名無しである:2005/04/07(木) 19:04:11
『社会評論』春号(No.141)で、
齋藤秀昭(『五里霧』文庫版の年譜作成者)が、
『シナリオ 神聖喜劇』を書評。
788吾輩は名無しである:2005/04/07(木) 20:21:48
何かさ、シナリオ神聖喜劇の書評って多くないか?
この取り上げ方を荒井が、手前の仕事の手柄と勘違いすることないように願いたいな。
あくまでもこれは、大西巨人というネームに釣られて皆が評しているだけなんだからよ!
789吾輩は名無しである:2005/04/07(木) 20:30:07
齋藤秀昭氏とはどのような方なのでしょうか?
『五里霧』文庫版の年譜作成は驚きました
790吾輩は名無しである:2005/04/07(木) 20:57:45

>>789へのレス
法政大学大学院生。
年刊 『私小説研究』(法制大学大学大学院私小説研究会) の編集者。
去年3月発行の第5号で、大西巨人のインタヴューを掲載。
791吾輩は名無しである:2005/04/08(金) 20:53:14
西田勝の弟子
792まいぺーす:2005/04/08(金) 23:42:12
 HOWS(本郷文化フォーラム・ワーカーズスクール)の第6期の講座の一つとして、
「大西巨人――戦争・革命・非暴力」が5月から始まります。各回のゲストとテーマは、
以下の通りです。時間は、いずれも13時より。

@、5月21日(土) 『シナリオ神聖喜劇』を読む
講師=荒井晴彦(脚本家)・澤井信一郎(映画監督)

A、6月4日(土) 『深淵』のディスクール
講師=渡部直己(文芸評論家)

B、7月23日(土) 『縮図・インコ道理教』の問題
講師=?秀実(文芸評論家)

C、8月7日(日。夏期セミナー2日目)21世紀の革命と非暴力――『未完結の問い』をめぐって
対談 武井昭夫(評論家)×鎌田哲哉(評論家)

D、9月10日(土) 歴史の偽造といかに闘うか 
講師=大西巨人

 詳しくは、以下のサイトを参照してください。
793まいぺーす:2005/04/08(金) 23:44:17
 しまった。アドレスを貼り忘れました。

http://www3.ocn.ne.jp/~hows/top.html

 あと、7月の講師は、もちろんすが秀実さんです。すみません。
794吾輩は名無しである:2005/04/09(土) 01:25:22
あの、竹島の日・対馬の日のことについては
どうお思いになるでしょうかね、大西先生は・・・
いまいちばんあつい「歴史の偽造問題」?
795吾輩は名無しである:2005/04/09(土) 15:35:50
武井×鎌田、これは見たいな
796吾輩は名無しである:2005/04/14(木) 14:14:38
アレクセイのところの大西巨人関連コンテンツって
最近はずっと放置されてるのな。

奴さんは昔の大西掲示板にもいたAZのブログ(ttp://d.hatena.ne.jp/azamiko/)で
暴れているようだが、んなことやってる暇があるなら自分のトコロを
きちっとやった方が良いと思うんだが。
797まいぺーす:2005/04/17(日) 01:58:48
 新宿「風花」での朗読会に行ってきました。小さな会場は、客で埋まり、入れない
人のために、外にも椅子が置かれる賑わいぶり。全部で60名ぐらいだったでしょうか。
大西さんは、最後に登場。『神聖喜劇』の冒頭と第一巻の最後のくだりを朗読されました。
「朗読は小中学生以来で下手です。」との前置きをされて、朗読は始まりました。確かに
アナウンサーのように流暢なものではなかったですが、厳密であろうとする姿勢がうかがえ、
また、大前田軍曹の台詞には、生気が感じられました。30分を超える朗読は、初めてであり、
今後もあるかどうかわからない、貴重な催しでした。
798まいぺーす:2005/04/17(日) 02:09:29
 朗読終了後、質問の時間が設けられ、奥泉光さんが「料理は作られますか?」
と訊ねて、会場を湧かせていました(答えは、「何でも作る」!)。奥泉さんからは、
ほかにミステリーに取り組む理由や再読に耐えるためにどのような工夫が必要か
などの問いが出され、ほかに朗読を終えての感想や創作意欲の源泉について会場から
質問がありました。大西さんは、ていねいにしかし分からないことについては、
その旨を率直に述べられていました。
 島田雅彦・阿部和重・中原昌也・荒井晴彦・澤井信一郎・渡部直己・大杉重男・
鎌田哲哉・坪内祐三諸氏の姿もあり、贅沢な空間であったという印象です。
799吾輩は名無しである:2005/04/23(土) 07:30:11
「朗読会」に参加された、ほかの方の感想(レポ)乞う。
800吾輩は名無しである:2005/04/23(土) 07:47:10
おまえらどうなってんだこれ?
何故かラジオ実況板でスレ立て放題だぞ。
俺も3つ立てられた。
祭状態だ。今日ってなんかメンテあったっけ?みんなスレ立てまくり
無職でくすぶってるなら死ぬ前に一度ぐらい糞スレ立てておけ
おまえがこの世に生きた証を残していけ
http://live15.2ch.net/liveradio/
801吾輩は名無しである:2005/04/29(金) 14:20:17
早稲田文学の奇妙な入試情景を読んだが、どうしてこうなのかなぁ
という気になったのは、大西巨人は長年、随筆の中でも、小説の中
でも、この小説に見られるようなスーパー文芸教養人間を登場させ
たがるんだが、なぜなのかねぇ。否定も肯定もする気はないが、こ
れは何なのか、という気がするし、何がいいたいのですか?と聞き
たいのだが、自由に解釈せよ、ということだろうし。
802吾輩は名無しである:2005/04/29(金) 16:47:59
スーパーでも何でもない、というのが公式回答かなぁ

大西サンにとっては超人的知識人も食卓末席組の面々も
何のちがいもないんだと思う

敢えて言えば「似て非なる物」を照射するための装置として
理念型としての知識人や庶民を描き続けるのかもしれない

803吾輩は名無しである:2005/04/29(金) 22:33:00
知識人は階級じゃない。
知識人を描くことは悪くない。
知識人がその知識をより良い社会の建設のために
有効に利用しようとする姿を描くことは悪くない。
大西の描く知識人が女中を二人ほど雇っていて、
洗濯やら、掃除やら、子育てやらさせていたら、
その時は、そんな教養人を描く大西を責めるがよい。
または、庶民は善じゃない。
大西の描く庶民が、庶民であるそのことのみで、
人として先験的に優先権が保証されているというように
描かれていたら、その時は、そんな庶民を描く大西を責めるがよい。
804吾輩は名無しである:2005/04/29(金) 22:48:37
何か悪い物でも召し上がりましたか先生
805吾輩は名無しである:2005/04/30(土) 08:38:52
実は、ふぐに中った。
806吾輩は名無しである:2005/04/30(土) 14:53:56
『地獄変相奏鳴曲』を手に入れることができました。
うれしいので書いてしまいました。
807801:2005/04/30(土) 15:50:27
802、803となんでこう連続して誤読したのかねぇ。「推理力や洞察力や
ものの見方」ではなく、「古典教養のずばぬけた人物」をなぜ登場させたがるか
といってんの。しかも、この疑問にはちっとも、「責める」だのなんだのの余地
ない疑問なんだというのは最初から言ってるでしょ。
 だいいち、庶民は善じゃない、などあたりまえじゃないですか。
808吾輩は名無しである:2005/04/30(土) 16:17:31
>>807
801でも802でもないが、傍目からみて君の聞き方も悪いと思うよ。
809808:2005/04/30(土) 17:08:13
上は「802でも803でもないが」に訂正ね。
810吾輩は名無しである:2005/04/30(土) 17:28:03
803は結構まともなことを言ってると思うのだが…
811吾輩は名無しである:2005/04/30(土) 18:25:53
個人的には上にも書いたけど
老母草はコントみたいな印象がある
ここから教訓を汲み取れみたいな
これはクセみたいなもんだと思う。
812吾輩は名無しである:2005/04/30(土) 18:31:37
>>806
うらやましい

大西の小説にはアッパーミドルの登場人物が多すぎるっていう批判は
たしかにあったよね、「深淵」でのことだと思ったけど。
813吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 01:26:15
「深淵」はある意味ファンタジーだからなぁ。

「神聖喜劇」の、いろんな人物が入り乱れる感じの方が私は好きだな。
知識人でもない人物が、ふとした時に博覧強記の主人公に大きな影響を与えたりさ。
814吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 02:32:46
オイラも神聖喜劇が一番好き

あとは五里霧みたいな短編もいい

天路の奈落も地獄変相奏鳴曲も
単行本はほとんど蒐めたし読んだとちょっぴり自慢w

815吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 10:53:29
柄谷が大西との対談で、
もの書きは一冊残るものがあればいいんじゃないかっていってたな。
マルクスの資本論みたいに。
816吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 11:08:35
じゃあ『神聖喜劇』一作だな。
817吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 11:37:11
3馬鹿は大西巨人なんか担がなくてもいいよ

美味しそうだとすぐ目をつけて偉そうなことを言う
ほんとハイエナみたいな奴らだな
818吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 15:07:50
なんとかというマイナーな雑誌に載ってる
鎌田哲哉の神聖喜劇論はどこまで進んでるですか?
近々単行本化されますかね?
819吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 20:47:07
3+1バカ?
福田も浅田も大西や神聖喜劇についてだんまりなのは興味あるなー
蓮實は「変な作家だ」とは言うがあんまり語ってないし
みんな古井や大江には触れて日本文学のヘゲモニーがどうとか言うのにね。
820吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 20:50:59
だってこいつらみんな対馬重砲兵連隊にいそうじゃんw
821吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 21:14:44
>>820
受けた。
822吾輩は名無しである:2005/05/01(日) 21:26:43
>>820
ワロスwwwwwwww
823Corentin ◆bBm/UfuWG2 :2005/05/02(月) 04:36:41
スレ、読んでとかいわれそうだけど、
「神聖喜劇」ってどうなんですか?

http://green.ap.teacup.com/hase11/
824吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 10:11:17
>>823
30歳くらいの女に『神聖喜劇』と大西巨人の魅力を
伝えたら、以下のメールが、昨日届きました。

「こんにちは。先月からフランスに来ています。

今、もう遅いのであまり長々とは書けないのですが、
一言だけ。
『神聖喜劇』読み始めました。おもしろくて、第一巻を
凄い速さで読み終わり、今、二巻目ですが、
3巻目からは船便の中に入れてしまったので(5月下旬に到着)
もし今のが読み終わってしまったらどうしよう?と
無駄な心配してるところです。
ご紹介、ありがとうございました。」

ねっ、おもしろそうだという、一つの証拠になるでしょ。
825吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 10:30:45
一見男性的な硬派文学に見えるんだけど
意外にも?女の人にもウケるんだよね

日高普さんも奥さんに読ませたら熱中してた
ってどっかで言ってました
826吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 11:16:21
神聖喜劇って引用が多いんですけど
あれも全部、一文字も見落とさず読まなきゃ駄目?
827吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 15:13:55
>>826
田能村竹田つらいよなあw
828吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 16:47:25
大西巨人の作品は文学ではないな。単なる記憶力自慢というべきで、
別に珍しくない。
829吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 18:45:02

読んだことない事、告白してるみたいなもんだ。
あるいは、文学(芸術)無知をさらしている。
830吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 23:01:21
「神聖喜劇」を読んだだけだ。文学じゃないと思った。単なる記憶力自慢という
べきだな。他の作品も同じだろう。なにか?
831吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 23:07:56
828氏の文学の定義をお聞きしたい。
832横からレスだがこのスレ辛すぎ:2005/05/02(月) 23:10:36
おまえの馬鹿定義をまず先に述べろよw
833吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 23:17:00
828=830=832はただの荒しであることが判明。
以後スルーで。
834吾輩は名無しである:2005/05/02(月) 23:18:12
ってか知識の羅列には特に気にならんかったぞ俺は。
だってほとんど知らないから。でもマルクスうんぬんとか日本軍の南進どうこう
を具体的に語ってくれるとこととかは、めちゃ為になったけど。

よって純粋に本編の筋とかで唸ることのほうが多かったな。
あの白痴の空気の読めなさの面白いこと面白いことw
いちいち文学だなーと納得させられた作品だったな。
835吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 00:05:00
大西巨人なんか御輿に担ぐくらいだったら
世の中ほかにいくらでも読むべきテキストあるだろう
歪文壇似非といった系列のなれの果てのような村世界だな
836吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 01:25:04
情報量ゼロの書きこみはご遠慮ください
837吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 06:54:59
記憶力自慢というけど
東堂太郎は大西巨人ではないよ。
私小説じゃないんで。
838吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 07:24:48
ていうか記憶力「自慢」と読むこと自体読み手のさもしさを感じるなぁ

あれはユーモラスな装置として愉しむべきもんだよ
サヴァンちゃんとからかってた森毅の理解が正確だと思う

それはそれとして膨大な引用群は魅力的だよね
オイラ東堂が内務班に持ち込んだ本ちょっとずつ集めたりしてる
一冊本の田能村竹田全集はけっこうイイ値段だったなぁ
中にはさまってた小冊子(覚えてます?)も入手したよ

ここんとこずっと捜してるのは
東堂の父ちゃんが書いた(と作中で紹介されている)福岡県神社志
似た書名でモデルが実在するにちがいないと踏んでるんだけど
どんなものかしら
839吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 14:22:44
『神聖喜劇』引用文献一覧のようなものをお作りになった方は、いらっしゃいませんか?
840吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 16:44:11
ちょっとさがしてみたけどこんなのはどう?

ていうかリスト作ろうと「思ってる」愛読者はけっこう居そうだよね
(オイラのだけど忙しくて)
841吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 16:45:35
あとこれみたら『筑紫神社志』って名前で本編に出てきてたんだね

(モデルのある)架空書籍もリストも面白いかもしれない
842吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 16:46:56
843吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 16:48:27
>>840 も× の
>>841 の× も
844吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 16:54:51
ひえぇぇ!そんなことより>>840のリンク先忘れてるし!!
ずっと下のほうにスクロールしてみてね

ttp://mitsuhiroiwata.hp.infoseek.co.jp/sinseikigeki/page028.html
845吾輩は名無しである:2005/05/03(火) 20:38:28
839です。
844さん、これはいいですね。
どうもありがとうございます。

さて、このうちいったいどれだけ読破できることか・・・
846吾輩は名無しである:2005/05/09(月) 17:19:28
切込隊長虚言事件を知って
先生の『三位一体の神話』をちょっと連想した(w
出自を偽る件とか、有名人とのコネをほのめかすとか。
847民人:2005/05/10(火) 01:21:15
>>824
1992年ごろ『神聖喜劇』がちくま文庫から出たとき、
第一巻から第五巻まで、毎月、一巻ずつ発売されたのです
が、次の巻が販売されるまで、今読んでいる分が読み終わ
ってしまわないように読む頁数を調整していました。
824さんの女性の友人のメールをよみ、あのころを懐かしく
思い出し、深夜にひとり感慨に耽ってしまいました。
824さんの書き込みに感謝しつつ、眠ります。
848吾輩は名無しである:2005/05/10(火) 07:35:29
>>525さん、>>847さん
大西さんの『神聖喜劇』を誰かに推薦(紹介)
する時、やはり、誰でも彼でもというわけには
行きませんね。今回すこぶる付きの好反応を見せ
てくれた30代半ばの女(専業主婦)の場合は、
彼女が、映画監督ならバルタバスやイム・グォンテクや
ジョン・セイルズや成瀬巳喜男やラース・フォン・トリヤー
やパゾリーニやが好きで、映画作品なら『ロジャー&ミー』や
『ぼくの好きな先生』が好きで、03年にアテネ・フランセで
開催された「現代メキシコ映画祭」を観に行くような人で、
……だから推薦してみたら、まんまと彼女のツボに嵌ったようで、
推薦したわたしも、嬉しい。
849848:2005/05/10(火) 07:37:34
訂正
上記の525さんは、825さんの間違い。
850吾輩は名無しである:2005/05/10(火) 16:26:23
>>848
個人情報晒しイクナイ
851吾輩は名無しである:2005/05/11(水) 12:20:48
>>848
そんな専業主婦はいったいどこにいるんだ…
私の周りは上下ダボスウェットにモノグラムのセカンドバッグにシャコタンにパチンコ
とかの世界ですが…
しかし神聖喜劇のように、そういうところにこそアッパーミドルにはない
何がしかのものがあるはずだ、と自分を納得させてるけど
852吾輩は名無しである:2005/05/11(水) 14:02:14
アッパーミドルとは中途半端だねえ。ハイソやセレブはどうなんだ。「雅子様」は皇室内の東堂太郎か。
853吾輩は名無しである:2005/05/12(木) 00:42:26
>>851
そうですね。「そんな専業主婦は」なかなかいませんね。
しかし、「専業主婦」のような立場でないと、読書も出来
ない(読書をする時間もない)のが、現実なのかも。

中学の国語の女教員(40代後半・独身)に大西を薦めて、
だいぶん経つけど、彼女は、とんと読まない。(読む物理的
時間・精神的余裕がない)
854吾輩は名無しである:2005/05/12(木) 00:46:43
女性蔑視的なスレですね。
855吾輩は名無しである:2005/05/12(木) 01:28:36
スレじゃない

個人がいるだけだ

そう思うならその個人を粉砕し給え
856吾輩は名無しである:2005/05/15(日) 17:40:00
>>848
おいおい、特定できたじゃねーか
彼女に失礼だぞ
俺はわかっちまった
857吾輩は名無しである:2005/05/15(日) 17:48:00
いちいち報告するなヴォケが
858吾輩は名無しである:2005/05/17(火) 01:39:50
>855

個人じゃない

発言があるだけだ

そう思うならその発言を粉砕し給え

したがって、日本共産党も江藤淳も天皇も大日本帝国も麻原某も粉砕の対象じゃない。
これでいいな?

859吾輩は名無しである:2005/05/17(火) 01:49:30
批判するのなら

個人でもなく

言葉ですらなく

それらすべてが拠って立つところの

それらすべてが流出し帰還するところの

神もしくは存在それ自体を撃て





大西巨人スレの人ならそれくらい言って欲しいな
860吾輩は名無しである:2005/05/17(火) 01:55:22
話は変わるけど

鏡に映った自分の姿を撃って死ぬ映画の一シーンを

− なぜ死んだのでしょう?

− さぁ、鏡に当たって跳ね返った弾が自分に当たったのでしょうか?

と大真面目に話し合うテカテカ大学生と連れの会話

を糞リアリズムの典型と論じるエッセイは傑作だね

うろ覚えだけど
861吾輩は名無しである:2005/05/17(火) 02:21:09
>>859
諸悪の根源は、家族の幸福ってか?
862吾輩は名無しである:2005/05/17(火) 02:22:48
てか、じゃないでしょ

困るんだよね

アタマ悪い人かまってるとスレが荒れるし
863吾輩は名無しである:2005/05/17(火) 02:30:33
↑夜釣り禁止
864吾輩は名無しである:2005/05/20(金) 02:03:29
神聖喜劇、何度読み返したか分からないくらい好きな作品です
舞台が見たいだけの理由で対馬にも行きました

壱岐に泊まって「これから対馬に行く」と言うと
そんな何もないところ何しに行くんだと複数の人から止められたほど
なんだか地の果てというイメージだったけど
あぁ、ここがあれか、の連続で楽しい旅でした

忘れられないのは浅芽湾の美しさ
上島、下島には橋が架かっていて車で行けるんだけど
厳原の旅館に居合わせた郵便局長さんが入り江を結ぶ小舟があると教えてくれて
樽が浜から海を渡りました

ほんとに作品の描写そのまま
もう十五年も前の話だけど
865吾輩は名無しである:2005/05/20(金) 18:41:39
>>864
馬に乗ってる女の人はいましたか?
866吾輩は名無しである:2005/05/21(土) 21:10:48
対馬名物、烏に鳶、女の馬乗り、石の屋根、ですね
残念ながら(この中では)女の馬乗り(だけ)は見かけなかったなぁ

浅芽湾の地図を添付しました
ttp://map.yahoo.co.jp/pl?nl=34.17.26.247&el=129.15.42.121&la=1&fi=1&sc=5
867吾輩は名無しである:2005/05/24(火) 11:08:48
安芸の彼女の挿話は正直あまりしっくり来なかったんだけど
今回読み返してみて
「青白くひらめいて崩れる」が何度も(ほんとに何度も)くり返される
海峡のシーンに魅了されました

今まで何を読んでたんだろうって感じ

第三部 運命の章
第二 十一月の夜の媾曳 十、十一、十二辺りです
868吾輩は名無しである:2005/05/26(木) 08:58:24
05年5月20日号(557号)『週刊金曜日』に、
「P51.『神聖喜劇』映画化に挑む 
  きんようぶんかインタビュー・荒井晴彦 」
869吾輩は名無しである:2005/06/02(木) 22:52:11
『三位一体の神話』、文庫版はもってるんだけど、
ブクオフで、あの箱入りの本見つけて欲しくなってしまった。
あの、上下に分かれる箱入りの装丁はかっこいいよね。
半額になってたけど、上下で計3000円はきついなあ。
870吾輩は名無しである:2005/06/03(金) 13:14:36
『三位一体の神話』だけ読んだ。ミステリーとして。この中で殺される作家
のモデルは大西巨人本人のようだけれども、この小説の中で確か、「100年
に1度の天才作家」と評価されていたと思う。自らを「100年の一人の天才作
家」と称して憚らない大西巨人。『神聖喜劇』はそれほど凄いのだろうか。
871吾輩は名無しである:2005/06/03(金) 13:33:53
>>870
人に聞かないで、『神聖悲劇』をよんで
自分で判断しろよ、くず
872吾輩は名無しである:2005/06/03(金) 20:54:12
>>871
>、『神聖悲劇』をよんで
はぁ?
873吾輩は名無しである:2005/06/03(金) 21:36:43
>>872
はぁ?
874吾輩は名無しである:2005/06/03(金) 22:33:03
>>872
君は何を言いたいんだ?
875吾輩は名無しである:2005/06/03(金) 22:53:54
>>872
ぷぷ
876吾輩は名無しである:2005/06/04(土) 00:53:16
神聖喜劇って題名は
よくダンテの『神曲』の原題Divina Commediaの直訳だって紹介されるけど
この場合「神聖」はむしろ大西サンのアイロニーとみたほうがいいんじゃないかなぁ

だってDivina Commediaってのは
よく誤解されてるけど『神曲の』原題でも何でもないんだよね

ダンテとその作品がが神格化されたから
後の時代にDivina(神聖な)うぃ付け加えたというのが真相

『神曲』の原題はCommedia、つまり『喜劇』です
877訂正:2005/06/04(土) 00:54:51
神聖喜劇って題名の由来は
よくダンテの『神曲』の原題Divina Commediaの直訳と紹介されるけど
この場合「神聖」はむしろ大西サンのアイロニーとみたほうがいいんじゃないかなぁ

だってDivina Commediaってのは
よく誤解されてるけど『神曲の』原題でも何でもないんだよね

ダンテとその作品がが神格化されたから
後の時代にDivina(神聖な)と付け加えたというのが真相

『神曲』の原題はCommedia、つまり『喜劇』です

878吾輩は名無しである:2005/06/05(日) 02:01:28
ダンテが『神曲』(La Commedia)を書き上げたのは1321年
「神聖なDivina」が冠せられたのは16世紀以降のこと

大西サンの作品がダンテに通じるとすれば
俗語を生き生きと作品中に交響させたことであって
神聖な、などと権威ぶることではない

こんなことも知らないで
「最後に、あまり誰も指摘しないので」などと勿体ぶって
文庫版解説で神聖喜劇はダンテの神曲に由来する
などと講釈してる人がいるのは恥ずかしいなぁ
879吾輩は名無しである:2005/06/08(水) 22:40:05
『三位一体』はひどい駄作だと思う。倒叙ミステリの体裁を採りながら、犯人やその犯行動機について探偵役が延々と考え、
しかも最初の探偵役が殺された後で、その後釜に座った人物も、同じことで悩み続ける。
「読者にとって既知の事柄について、登場人物に長々と内省させてはならない」と、渡辺直巳が山田詠美の作品を非難していたが、まったく同じことが『三位一体』にも言えると思う。
880吾輩は名無しである:2005/06/08(水) 22:43:30
870=879=ぷぷい
881吾輩は名無しである:2005/06/13(月) 13:54:37
『神聖喜劇』って、小説ではなくて史料・学術書ではないの?
882吾輩は名無しである:2005/06/13(月) 16:07:21
違います。
883吾輩は名無しである:2005/06/14(火) 01:20:41
『神聖喜劇』= 田能村竹田 宣伝文書

ひょっとして、6月13日は田能村竹田の誕生日だったのかも。

http://www.city.taketa.oita.jp/data/soft/1086675433.html
884吾輩は名無しである:2005/06/14(火) 06:19:19
神聖喜劇を読んで竹田に興味もったのは確かだなぁ

田野村竹田全集はじめ関連する本を集めたし
九州旅行したとき竹田荘に行ったりもした

世間ではいわゆるお宝ブームで有名だよね>竹田
竹田荘は良かったけど町全体は浮き足立ってる感じがした

岡城なんて一日中宣伝カーみたいな音量で荒城の月を流していて
なんじゃこりゃ?でした
885吾輩は名無しである:2005/06/14(火) 06:21:05
田能村竹田
886吾輩は名無しである:2005/06/29(水) 19:13:55
大西巨人は「広辞苑」に載ってない。日本最大国語辞典の小学館の「日本国語
大辞典2001年改定版」にも、井上光晴は載っているが、大西巨人はない。
「大辞林」も同様、井上光晴は載っているが、大西巨人はない。
何故だろう?
887吾輩は名無しである:2005/06/29(水) 19:16:33
存命だから?
888吾輩は名無しである:2005/06/29(水) 21:41:11
東堂の愛読書は広辞林
889吾輩は名無しである:2005/06/30(木) 00:48:17
>>886
なぜ井上光晴と比べる?


ちなみにヤフオクのカテゴリでも同様・・・
890吾輩は名無しである:2005/06/30(木) 10:55:17
>>889
『三位一体の神話』の文庫解説参照
891吾輩は名無しである:2005/06/30(木) 10:58:44
残念ながら一般的な知名度は井上の方が上だからな。
892吾輩は名無しである:2005/06/30(木) 11:03:30
碁はどっちが強いのかしら
893吾輩は名無しである:2005/07/01(金) 02:21:33
大西さん碁も打つんですか?
一度お相手してほすい
894吾輩は名無しである:2005/07/12(火) 02:25:34
895吾輩は名無しである:2005/07/12(火) 11:18:45
ほほう
896吾輩は名無しである:2005/07/12(火) 14:08:07
マイナーな雑誌に掲載されてる
鎌田哲哉の神聖喜劇論はすすんでるの?
誰か読んでる人いますか?
897吾輩は名無しである:2005/07/12(火) 23:32:14
月刊マイナ

とか

マイナ春秋

とかいう雑誌ですか先生
898吾輩は名無しである:2005/07/13(水) 06:09:27
笑えばいいんですかね ここで?
899吾輩は名無しである:2005/07/13(水) 09:19:14
d/signとかいう雑誌でしょう。
鎌田のは一回目しか読んだことないが、
その後続いてるんだろうか?
900吾輩は名無しである:2005/07/13(水) 20:53:06
ミステリーマニアに読まれた『三位一体の神話』。漏れもこの本だけは読んだ
ことがあるが、この「モデル小説」は何とも凄い内容の小説だ。
生前、よく読まれていた井上光晴だが、この『三位一体の神話』が出てから、
急に読まれないなったような気がする、まぁそれは理解できる。
井上光晴って、小学校4年で中退して炭鉱で17歳まで働いていたというけれど、
それは真っ赤な嘘だったらしい。初版本の奥付けことに検定試験合格後の学歴
が違うし、中国旅順生まれというのも真っ赤な嘘らしい。
誰も知らない井上光晴の本当の学歴と職歴。
901吾輩は名無しである:2005/07/14(木) 00:36:28
>>900
有名じゃないか全身小説家、釣りか…
902吾輩は名無しである:2005/07/14(木) 00:45:12
ようするに
ゆきゆきて神軍の故バッテリー商と同じってことですね
903吾輩は名無しである:2005/07/14(木) 08:42:15
何が?
904吾輩は名無しである:2005/07/15(金) 23:58:07
>>899

進んでいない。
905吾輩は名無しである:2005/07/16(土) 05:33:27
大西楽天
906吾輩は名無しである:2005/07/17(日) 10:17:34
神聖喜劇読了記念age

天空に向かってレーザービームを発射する。
907吾輩は名無しである:2005/07/26(火) 04:47:08
HOWSの講座行ってる人いない?
908吾輩は名無しである:2005/07/30(土) 19:57:26
縮図出たみたいね
909吾輩は名無しである:2005/07/31(日) 19:01:16
あー、さすがに近くの本屋では売ってないや
910吾輩は名無しである:2005/08/01(月) 23:46:42
でも笑っちゃうよね
言うにことかいてインコ道理教ってw

いや巨人サンのこの手の言い換えって巧いと思うんだけどさ
うーんインコねぇ
そりゃオウムですけどねぇ
911吾輩は名無しである:2005/08/02(火) 02:49:37
「カナリア」っていう映画もあるぜよ
912吾輩は名無しである:2005/08/04(木) 15:57:17
宙返り
913吾輩は名無しである:2005/08/08(月) 15:39:43
インコ道理教読んだ。
アイデアというか、いつもながらの卓見だとは思ったけど、こんな回りくどい小説の形をとる必然性が良く分からない。
こういう内容をストレートにエッセイもしくは批評文として著すのには、危険を感じたのかな?
914吾輩は名無しである:2005/08/08(月) 21:11:19
森達也は直球勝負で火だるまになったけど
元気一杯っぽい

ところで大西さんはA、A2観たのかなぁ
915吾輩は名無しである:2005/08/23(火) 17:16:13
>>913
面白いかどうかでしょう。
916吾輩は名無しである:2005/08/29(月) 21:26:20
ついに読み始めました。
東堂の超人的な記憶力はどこぞからの知識で
知っていたのだけど、
作中では前置きなしにいきなりそれが発揮されるんですな
回想ではなんだか腕っ節の強さも披露してるし、
なんだかヒーローもののテイストです
頼まれもしない感想すいません
917吾輩は名無しである:2005/08/29(月) 22:09:39
おお、お仲間がまた一人!

百聞は一見に如かず
とにかく読みはじめたら勝ちなのが神聖喜劇

>なんだかヒーローもののテイストです

同意
知識人小説に見えて実は大衆文学の王道を行くのが
この特異な小説の魅力ですよね

火砲にたいするフェティッシュなこだわりも
この小説に深みを与えていると思います
実射演習の描写の素晴らしいこと
918吾輩は名無しである:2005/08/30(火) 18:16:42
Howsの会って事前に参加希望の電話必要でしたでしょうか?
去年参加したのですが、どうだったか忘れてしまって。
919吾輩は名無しである:2005/08/31(水) 21:58:59
ねぇねぇ、
最近出た『縮図』って、巨人のサイトにあるpdfと内容同じ???
同じだったら分量的にはすごく少ないから違うよね???
920吾輩は名無しである:2005/08/31(水) 22:09:37
吉原二等兵、貴様ドタマかちわられるぞ
921吾輩は名無しである:2005/08/31(水) 22:09:49
同じです(一部訂正・加筆などはしてますが)
922吾輩は名無しである:2005/08/31(水) 22:22:12
>>918
しなくても大丈夫だよ
923吾輩は名無しである:2005/08/31(水) 23:19:31
>>921

大体同じなの!?
結構すぐ読めちゃう感じですね。
924吾輩は名無しである:2005/08/31(水) 23:33:41
でも中身は濃いです。
二日で読みましたが、一読しただけでは
樋口一葉のあたり、よく理解できていません・・・
925吾輩は名無しである:2005/08/31(水) 23:49:44
古風なのか前衛なのか
よくわからん小説ですね。
インタビュー集も近々でるかな?
926吾輩は名無しである:2005/09/03(土) 15:13:07
最近まいぺーずさんは忙しいのかな。
9月10日は大西氏が来られるんですよね。
あげときます。
927まいぺーす:2005/09/13(火) 12:32:38
 ご無沙汰しています。「人大杉」とアクセス規制とで、閲覧および書きこみが長く
できない状態でした。ようやくどちらからも解放されたようなので、また情報があれば、
お知らせしたいと思います。
 9月10日のHOWS連続講座「大西巨人――戦争・革命・非暴力」の最終回に行ってきました。
大西巨人さんは、相変わらずお元気で、二次会も含めて、7時間ほどの会でした。『縮図・
インコ道理教』や『深淵』について、相当突っ込んだ話が行われ、勉強になりました。次回作では、
7〜8件の連続殺人事件を扱うそうです。また、『at』で『春秋の花』の続編にあたるものを
連載されるとのこと。楽しみですね。
928吾輩は名無しである:2005/09/15(木) 02:18:23
光文社から出た初めに出た単行本の「神聖喜劇」と
最近の光文社文庫から出た「神聖喜劇」って大幅に違うんですか?
加筆訂正があると聞いたんですけど、俺が持ってるのは単行本のほうなんで
文庫も買おうか悩んでる
929吾輩は名無しである:2005/09/15(木) 02:23:24
ふつうに読む分には大したことでもないけど
ちくま文庫版、光文社文庫版と版をあらためるたびに
あちこち手を入れてるのはたしかみたいだね

大西さん的には最新の光文社文庫版が
現時点での決定稿なのかもしれない

オイラは光文社文庫版も買って通読しました
930吾輩は名無しである:2005/09/15(木) 09:59:20
>>927
まいぺーすさん、レポお疲れさまです。
他にどういう方が来られ、どのような質問が出たんでしょうか?
931まいぺーす:2005/09/16(金) 01:27:32
>>927
 ほかには、武井昭夫さんや松田政男さんが参加されていました。前回までの講座の
ゲストの顔は、残念ながらなし。
 当日出た質問と答えを、うろ覚えの中で、いくつか記しておきます。
@、Q、「なぜ、この時期にオウム真理教を取り上げたのか」→A、「ブッシュのイラク
攻撃があったから」
A、Q、「新作に女性の登場人物がいないのは」→A、「たまたまそうなったということで、
深い意図はない」
B、Q、「すが秀実氏の指摘もあるが、インコ道理教=皇国の縮図ということを作中で断定
していないのは」→「最終判断を下すことは、常に慎重な態度が求められるため。関連するが、
再審可能性を奪う一点においても、死刑は廃止されるべきだ」
C、Q、「最近の歴史の偽造の例には何が挙げられるか」→A、「小泉の嘘をそのまま垂れ流す
マスコミが挙げられるだろう。」
D、Q、「明日(9月11日)の選挙には行くのか」→A、「それに答える必要はないが、憲法
第一章の天皇の問題を無視している点では右も左も同じであり、信頼することはできない」
932吾輩は名無しである:2005/09/26(月) 19:36:24
インタビュー本、いつ出るんですかね?
933吾輩は名無しである:2005/09/26(月) 21:18:38
932>
ホント…もう9月下旬だったりする…
934吾輩は名無しである:2005/09/27(火) 00:58:28
>>931
まいぺーすさん、丁寧なレスありがとうございました。
お礼が遅くなってすみません。
これからも情報よろしくお願いします。
935吾輩は名無しである:2005/09/27(火) 17:32:40
しかしそうなると
鎌田とは違う切り口のインタビュアーで読んでみたいなあ。
もっと美学的な面を重視した感じの。
936吾輩は名無しである:2005/09/28(水) 18:10:20
たしかに鎌田はもう飽きた。
937まいぺーす:2005/09/30(金) 09:11:49
 『クォータリー〔あっと〕at』1号、2005年9月30日から、「春秋の花」の連載が
始まりました。第一回に取り上げられたのは、フォークナーの『征服せられざる人々』
の「血なまぐさい月は、まっぴらだ。」というせりふ。日本国憲法9条と通底する
非暴力の思想が現れていると指摘されています。今度は、海外編となるかもしれませんね。
938吾輩は名無しである:2005/10/02(日) 02:10:37
『漫画 神聖喜劇』刊行告知キタ━━(゚∀゚)━━!!!
939吾輩は名無しである:2005/10/02(日) 09:14:24
2月か。待ち遠しい。
940吾輩は名無しである:2005/10/02(日) 10:10:12
巨人館からリンクしてた編集プロダクションにあった
漫画神聖喜劇のデータ

>全六巻 A5判 ソフトカバー
>原作 大西巨人/作画 野副信久/監修 岩田カズヒロ
>企画・編集 株式会社メタポゾン/発行 幻冬舎
>2006年2月末 第一巻発売予定

ttp://www.metaposon.com/works.html
941吾輩は名無しである:2005/10/08(土) 22:10:54
『三位一体の神話』について
ちょっと聞きたいのですが、
えみりあが発見した”『三位一体の神話』執筆の心覚え”は、
えみりあの伝聞の形で言及されるのみで、「心覚え」そのものは
本文中に直接に引用はされてないですよね?
それから、谷崎『金と銀』『鮫人』、芥川『枯野抄』などは
本文中に粗筋などがありますが、プーシキン『モーツァルトとサリエリ』は
あらすじなどに付いての言及はなかったですよね?

942まいぺーす:2005/10/09(日) 22:44:35
 『季刊 前夜』5号、2005年10月1日は「戦争と芸術」を特集、高和政氏が
「東堂太郎における〈正しさ〉とは何か――『神聖喜劇』を読みなおす」を寄せて
います。おそらく、以前のHOWS連続講座「『神聖喜劇』を読む」で話されたことに
基づくもの。「文字通りの意味でたぐいまれな文学作品である」『神聖喜劇』の
主人公東堂太郎の行動の基底に「「人間の魂」あるいは「人間の自由」を侵害する
不条理なものをそれおして認識し、その〈正しくない〉ことに対して憤ることが
できる健全な衝動・感情」があることを、ていねいに論じています。

>>941
 うろ覚えですが、「執筆の心覚え」が直接引用されてはいなかったと思います。
943941:2005/10/09(日) 23:00:49
>>まいぺーすさん

レスありがとうございます。
鎌田哲哉の解説にある、物在都に関する言及を見て
941のような個所が気になったのですが、
変な質問をしてしまいました。

ところで、感想ですが、『三位一体の神話』は
『神聖喜劇』よりは大きく後退した作品に思いました。
つぎは、『インコ道理教』を読んでみます。
944吾輩は名無しである:2005/10/10(月) 13:34:56
いちおう高橋源一郎の朝日書評をいれとくか・・・
ttp://book.asahi.com/review/TKY200510040257.html
945まいぺーす:2005/10/11(火) 01:30:54
 少し前になりますが、『東京新聞』2005年9月4日にすが秀実氏の『縮図・インコ
道理教』評が掲載されています。すが氏は、原題であった『「皇国」の縮図・インコ
道理教』という図式から「逃れていくところに本書の小説としての面白さがある」と
指摘し、「読解可能(リーダブル)でシンプルな作品のようでありながら(実際、
そう読める)、読者を何度も考えさせずにはおかない、奇妙に迷宮的な、ボルヘス的
とさえ言える小説」と結論しています。『底付き』の延長に位置づけようとする
読解姿勢がすが氏ならではと言えるでしょう。
946まいぺーす:2005/10/12(水) 05:04:06
 湯地朝雄「非暴力と現代の革命――大西巨人『縮図・インコ道理教』に学ぶ」
(『社会評論』143号、2005年10月10日)は、90枚の長編評論。非暴力革命の思想
に焦点を絞り、『神聖喜劇』からの思想の発展を指摘し、さらにそれがマルクス、
エンゲルス、レーニンの系譜に連なるマルクス主義の正統の思想であることを
具体的かつ詳細に論究しています。
947まいぺーす:2005/10/20(木) 00:35:00
 ネットで見つけた記事を2件。1つは、北海道新聞に掲載された談話記事。

http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/20050828/visit.html

『縮図・インコ道理教』のモチーフのほか、戦後文学で評価する作品や次回作の
予定などが語られています。『東京新聞』にも、同じ記事が載ったのでしょうか。
ご存じの方がいらっしゃれば、ご教示ください。

http://www5.hokkaido-np.co.jp/sapporokenbu/coverage-talk/files-bucyo/

『北海道新聞』のホームページには、「部長のこぼれ話」と題するコラムがあり、
そこでも『縮図・インコ道理教』が取り上げられています。こちらは、かなり辛い点数。

 もう1つは、『週刊金曜日』の「金曜アンテナ」。

http://www.kinyobi.co.jp/pages/vol573/antena

先日行われたHOWS連続講座「大西巨人――戦争・革命・非暴力」の最終回の
模様が紹介されています。
948まいぺーす:2005/10/26(水) 01:41:10
 三宅一郎「〈書評〉大西巨人著『縮図・インコ道理教』」(『技術と人間』第34巻第7号、
2005年10月10日)は、「フェアで粘り強い論証性」を持つ大西文芸が「世界文学として評価
されるべき特質」があることをまず述べた上で、本作を「長くはないが大きな作品」であり、
「ディスカッション・ノベル」と位置づけています。「近親憎悪」をめぐる謎解きを4人の
登場人物が試みるものの、それに到達する者はなく、役目は読者にバトン・タッチされると
いう理解は、妥当であり、「本書によって、読者は民主主義が正しいことの追求であることを
実感するであろう。」という締めくくりは、思想性を正面から捉えたこの書評に相応しいもの
と言えるでしょう。ちなみに、『技術と人間』は、今号を以て休刊になるそうです。
949吾輩は名無しである:2005/10/27(木) 22:58:27
950吾輩は名無しである:2005/10/28(金) 01:45:07
>>950
リンク踏んで愕然としました。
この小説、いろいろ面白かったけど、
やっぱなが〜い引用がちょっとツラかったっす。
翻訳モノの引用はいいけど、古典は苦手なんだよね…。
951我輩は能無しでもある:2005/10/28(金) 22:43:39
『深淵』は、読みこなすのに困難な部分があった。
少なくとも小生は、高橋鉄の『あるす・あまとりあ 性交態位六十二型の分析』が手元になければ、読めないくだりがあった。


952精神の沸点:2005/10/28(金) 22:46:15
『深淵』は、読みこなすのに困難な部分があった。
少なくとも小生は、高橋鉄の『あるす・あまとりあ 性交態位六十二型の分析』が手元になければ、読めないくだりがあった。


953吾輩は名無しである:2005/10/29(土) 19:33:18
すみません、おわかりの方いれば教えてください。
大西さんの記事もよく載っていた「社会評論」という雑誌の
バックナンバー含めた記事内容(目次)を知りたいと思い、
きょうネットで探したのですが、以前あった(確か思想運動の)ホームページ
がなくなっているみたいで、どこにも見当たりません。
今年の春号以降のが知りたいのですが、どこかに載っているといった
情報などあれば教えてください。
954953:2005/10/29(土) 21:30:37
見つかりました。まだありました。すみません。
955精神の沸点:2005/10/30(日) 07:48:42
『縮図・インコ道理教』は、大西さんが、果敢に取り組まれた実験的な小説で、それに失敗した作品に思える。


956吾輩は名無しである:2005/11/03(木) 05:18:35
それいっちゃダメ
957吾輩は名無しである:2005/11/04(金) 22:22:20
言っちゃった。
「自由とは、つねに別個な考え方をするものの自由である」(ローザ・ルクセンブルク)

958吾輩は名無しである:2005/11/04(金) 22:47:17
でも言うならちゃんと理由もつけるべきだろうね
959吾輩は名無しである:2005/11/07(月) 17:37:48
阪神の方は今何やってるの?
960吾輩は名無しである:2005/11/11(金) 10:39:14
優勝したじゃん
961吾輩は名無しである:2005/11/21(月) 22:39:12
今日、有隣堂で早稲田文学もらってきた。
大西巨人の短編の一部が載ってたよ。
962まいぺーす:2005/11/27(日) 11:00:22
 高橋源一郎氏のブログに大西巨人にインタビューした記事が載っています(11月14日の項)。
新作『世紀送迎篇』の雄大な構想に驚かされたそうですが、その題名が戦中にすでに
考えられていたという事実にも、唸らされます。どこに掲載される(あるいは掲載された?)
のでしょうか。楽しみです。

ttp://www.plays.jp/diary/gen1rou/
963吾輩は名無しである:2005/11/27(日) 14:07:55
高橋源一郎は大西を尊敬している。
だから作家として凡庸でも、許してやろうと思う。
競馬ファンでもあるし。
964吾輩は名無しである:2005/11/27(日) 19:45:43
このスレでは、大西巨人の生活保護長期受給疑惑について触れたら、
信者の恫喝や罵倒で黙らされて、結局ウヤムヤにされるのかな?

965吾輩は名無しである:2005/11/27(日) 22:58:59
ノンフィックス・ナックルズにでも晒してあげるよ
966吾輩は名無しである:2005/11/28(月) 19:52:20
大西巨人の生活保護長期受給疑惑ww

そんなことで、巨人先生の偉大さは、微塵も傷つかないよw
おまえらには無価値に見えるんかしらんがなw
967吾輩は名無しである:2005/11/29(火) 00:13:22
>>966は精神の卑しさにおいて>>964と同じですね
968吾輩は名無しである:2005/11/29(火) 01:16:03
>>967
精神の卑しさw 巨人先生も卑しいからいいんだよ。
君は読まないから分からんだろうけど
969吾輩は名無しである:2005/11/29(火) 09:15:46
出口はあちら
970吾輩は名無しである:2005/11/30(水) 19:23:23
我々は国家の奴隷ではない! 生活保護を受給しながらの国家批判は可能だ!

なんて、他人の税金でノウノウと暮らすことに何ら羞恥を覚えない大西読者が
言いそうなことだ。本当にこいつらほどタチの悪い連中はいないと思う。自治体の
福祉課は生活保護費削減に向けて、「神聖喜劇」を参考書に勉強会を開け。
971吾輩は名無しである:2005/11/30(水) 23:37:58
国家なんて批判してないけど?
972吾輩は名無しである:2005/12/01(木) 00:34:46
基地外はスルーで
973吾輩は名無しである:2005/12/12(月) 04:42:18
生活保護制度は必要である。不幸にして一家の働き手が病気等で働けなくなり、
収入が途絶える場合や、事件や事故による収監で残された家族が路頭に迷う場合に
生保はその本来の役割を果たすことになる。

しかし、筆一本で食えない作家や批評家が、作品を書く間に生保を受給するのは
いかがなものか。いわんや受給している作家や批評家が「識者」としてマスコミ
からコメントを求められた時、発言する資格はあるのだろうか。そんな連中の
発言に説得力など感じられない。筆を捨てて、ハローワークに行くがいい。

974まいぺーす:2005/12/16(金) 13:20:31
 渡部直己『メルトダウンする文学への九通の手紙』(早美出版社、2005年
11月10日)は、書き下ろしの「第六信 井上ひさし・丸谷才一へ/日本文壇に
冠たる両セクシストの「闘う女」たちは果然、大西巨人『深淵』に生ずるアポリアも
知らなげに……」を収めます。HOWS連続講座「大西巨人――戦争・革命・非暴力」
での話に基づくもので、男性中心社会と闘う女性を描く丸谷才一『輝く日の宮』・
井上ひさし『東京セブンローズ』が程度の差はあれ、女性の身体性を再度強調して
しまう欠陥を抱えていることに対して、『深淵』の二人の女性が記憶喪失によって
二通りの生を生きてしまった主人公に妥協した解決を許さず、徹底して理性的に
思考することを迫る役割を果たしていることを指摘し、卓越性を評価しています。
「第五信 斉藤環へ」にも大西への言及があり、要注目。もちろん、全体としても
読み応えがあります。
975吾輩は名無しである:2005/12/21(水) 19:37:14
まいぺーすさん。
<高橋源一郎氏のブログ>の件。
季刊『at』2号に掲載されたようです。

ttp://www.ohtabooks.com/general/index.shtml
「大西巨人さんと高橋源一郎さんが「文学の<本道>を行く」と題して、
興味津々の初顔合わせの対話を繰り広げています。」

明日、買おう。
976まいぺーす:2005/12/22(木) 06:08:53
>>975
 ご教示、ありがとうございます。たまたま、昨日入手できたので、早速読みました。
高橋は、『精神の氷点』を大変評価しており、最近作『縮図・インコ道理教』を読んだ
際にも、『精神の氷点』を想起したと言っています。「理解しがたい固い手触りをもった
物質のよう」なものが基底にあることが両作の共通点であるようです。『縮図・インコ道理教』
については、「はじめの「献題」から「前書き」、「序曲」、そして終わりの「題意」までを
含めて、一つの小説だということです。だが、多くの人が、小説全五篇と「献題」「題意」を
分けてしまって読んでいる。」という大西の発言があり、注目されます。「最近の作家で
いうと、誰を評価されていますか。」という問いには、「阿部和重とか、傾向は違いますけど
保坂和志もいいですね。それから町田康、目取真俊も、いいほうでしょうな。笙野頼子も
奮闘していますね。」という答え。12ページの対談は、読み応え充分です。
 「春秋の花 2」では、『神聖喜劇』に登場したアラン・シーガーが再び取り上げられています。
977吾輩は名無しである:2005/12/22(木) 19:25:28
何かの文学賞を受賞した時に「生活保護を受けようと思ったこともあった」と
コメントした女の作家、誰だっけ?

978吾輩は名無しである:2005/12/22(木) 22:30:37
>>975 
情報サンクス。きょう買って読みました。大西さんの話をもっと聞きたかったですが、楽しめました。
今度阿部和重読んでみようと思いました。

ついでに立ち読みしたダカーポで、各紙書評担当者が選ぶ今年本当に面白かった本ベスト5があり、
北海道新聞が第五位に「インコ道理教」選んでました。
979吾輩は名無しである:2005/12/22(木) 23:29:28
ホントだ! やりますね、北海道新聞。

http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/20050828/visit.html
980吾輩は名無しである:2005/12/24(土) 02:18:35
健康でその気になればきちんと働けるのに、「長い小説を書きたいから、働けない。
作品が傑作なら、生活保護の受給も許される」と思いこんで、働きもしないで家に
閉じ籠もっているような屑人間。こういう手合いどもに社会保険庁や警察庁は刑事罰
を含む制裁措置をとるべきだ。

981吾輩は名無しである:2005/12/24(土) 10:15:10
982吾輩は名無しである:2005/12/24(土) 13:58:48
社会の役に立たない欠有病患者は全員市警!!

983吾輩は名無しである
うっかりしてましたが、そろそろ次スレお願いします。