堪へがたければ、われ空に投げうつ水中花。
金魚の影もそこにひらめきつ。
すべてのものは吾にむかひて死ねといふ、
わが水無月のなどかくはうつくしき。
伊東静雄について語ろう!
2 :
吾輩は名無しである:03/04/06 01:24
「わが人に与うる哀歌」だっけか?
その一編しか知らないが、美しい詩だと思う。
昔それだけを何回か読み返した。
3 :
吾輩は名無しである:03/04/06 01:25
わがひとに与ふる哀歌
太陽は美しく輝き
あるひは 太陽の美しく輝くことを希ひ
手をかたくくみあはせ
しづかに私たちは歩いて行つた
かく誘ふものの何であらうとも
私たちの内の
誘はるる清らかさを私は信ずる
無縁のひとはたとへ
鳥々は恒に変らず鳴き
草木の囁きは時をわかたずとするとも
いま私たちは聴く
私たちの意志の姿勢で
それらの無辺な広大の讃歌を
あゝ わがひと
輝くこの日光の中に忍びこんでゐる
音なき空虚を
歴然と見わくる目の発明の
何にならう
如かない 人気ない山に上り
切に希はれた太陽をして
殆んど死した湖の一面に遍照さするのに
5 :
吾輩は名無しである:03/04/06 03:51
保田與重郎に比べたら、伊東の倫理性は普遍的な輝きを失わない。
6 :
吾輩は名無しである :03/04/06 07:33
高校時代、「わがひとに与ふる哀歌」が現代国語の教科書に
載っていて暗記されられた。
教師の好みだったんだろうけど、この詩は好き嫌いが分かれる
詩だと思う。
7 :
吾輩は名無しである:03/04/06 07:41
>>4 うpさんくす。
久しぶりに読んだ。いい詩だと思ふ。
8 :
吾輩は名無しである:03/04/06 10:57
9 :
吾輩は名無しである:03/04/06 20:49
木田元曰く
日本の6月を詠った最も美しい詩
>>1に貼った「水中花」、折角ですから全文うpします。
水中花
水中花と言つて夏の夜店に子供達のために売る品がある。木の
うすいうすい削片を細く圧搾してつくつたものだ。そのまゝでは
何の変哲もないのだが、一度水中に投ずればそれは赤青紫、色
うつくしいさまざまの花の姿にひらいて、哀れに華やいでコツ
プの水のなかなどに凝つとしづまつてゐる。都会そだちの人のな
かには瓦斯燈に照しだされたあの人工の花の印象をわすれずに
ゐるひともあるだらう。
今歳水無月のなどかくは美しき。
軒端を見れば息吹のごとく
萌えいでにける釣しのぶ。
忍ぶべき昔はなくて
何をか吾の嘆きてあらむ。
六月の夜と昼のあはひに
万象のこれは自ら光る明るさのとき。
遂ひ逢はざりし人の面影
一茎の葵の花の前に立て。
堪へがたければわれ空に投げうつ水中花。
金魚の影もそこに閃きつ。
すべてのものは吾にむかひて
死ねといふ、
わが水無月のなどかくはうつくしき.
(*二行目「うすいうすい」は原文オドリ)
12 :
吾輩は名無しである:03/04/06 21:40
水中花さん、ありがd。
「四季の詩人たち」とせずに、伊東静雄単独でスレを立ててしまうとは…。
思い入れ深いですね。
好きな詩は何かと尋ねられたら、真っ先に浮かべる作品が『哀歌』だ。
私は、これを塾というかS予備校の講習会か何かで、国語の講師の方に
教えてもらった。受験勉強のハウツーではなくて、文学の魅力への興味を
育んでくれるような良い先生だった。
むかし文学青年だった国語の教師たちが伊東静雄の詩を愛唱するのは、
この詩人が46歳で肺結核により没すまでずっと、学校の教師をつづけて
いたことと関係があるのかもしれない。
教職にありながら詩人でいられたことへの憧憬。
諫早時代、佐賀高校在学時にはヘルダーリンに傾倒していたらしい。
14 :
吾輩は名無しである:03/04/06 22:13
マダムBがスレを潰しにきました。
もうだめぽ
15 :
吾輩は名無しである:03/04/06 22:19
みんなでまたーりいきましょw
>>13 教員時代あまりに汚い格好だったから、「コジキ」って渾名で呼ばれてたんですよね。
大阪の高校には行ってみたことがあります。安部の清明神社のすぐそばです。
17 :
吾輩は名無しである:03/04/06 22:25
しかしPTAのババアの如きマダムがどうして2ちゃんにいるのかよくわからん。
なんでまた2ちゃんなんてやってるんだろうね。
18 :
吾輩は名無しである:03/04/06 22:33
またマダムBか・・・
19 :
吾輩は名無しである:03/04/07 00:06
大江健三郎がよく引用していたので気になってた。
美しいな。日本語が読める民族ででよかったと思う。
2ちゃんで詩が読めるなんて、今日はいい日ですた。
>16
確かに、府立住吉中は、恵まれた家の子弟が
多かったと手持ちの本の年譜にはありますね。
作業疲れの気分転換に寄ったというのに
「流れ」を眺めると悲しい夜なのでw、「静かな
クセニエ」を詠んで凛然として眠りにつきます。
長いので写しません。
一部引用で伊東先生、ごめんなさい。
――しかし、私は私なりのものを尊ぶので、
決して粗野な彼らの言葉を、その儘には
受領しない。いかにも私の丈に合うように、
却つて、それで瀟洒に見える様、それを裁ち
直すのだ――
先生、あなたは俗界で解脱した聖人の如き。
葛藤のゴツゴツした渦中にこそ
磨き上げられる言葉の清らかさ、すべらかさよ。
21 :
吾輩は名無しである:03/04/09 01:59
22 :
吾輩は名無しである:03/04/09 04:56
マダムBが見事にスレの流れを止めたな。
さすがスレ殺し。
23 :
吾輩は名無しである:03/04/09 14:01
たが宿の春のいそぎかすみ売りの重荷に添へし梅の一枝
伴林光平
伊東静雄の第三詩集「春のいそぎ」の巻頭にあるこの短歌を
春になるといつも思い出す。
ところでこの「伴林光平」なる人物について誰か知ってる?
今日本屋にいったので解決しますた。
幕末の国学者とのこと。野口武彦氏の最新刊に名前が出ていた。
この本はおすすめ。
25 :
吾輩は名無しである:03/04/09 21:51
マダムマダムマダムβ
26 :
吾輩は名無しである:03/04/10 23:01
曠野の歌
わが死せむ美しき日のために
連嶺の夢想よ! 汝が白雪を
消さずあれ
息ぐるしい稀薄のこれの曠野に
ひと知れぬ泉をすぎ
非時の木の實熟るる
隱れたる場しよを過ぎ
われの播種く花のしるし
近づく日わが屍骸を曳かむ馬を
この道標はいざなひ還さむ
あゝかくてわが永久の歸郷を
高貴なる汝が白き光見送り
木の實照り 泉笑ひ・・・・・・
わが痛き夢よこの時ぞ遂に
休らはむもの!
27 :
吾輩は名無しである:03/04/10 23:36
>>26 うわ、漏れもそれ打ち込もうと思ったけど「曠野」出すのが
面倒で挫折したよ…。
2週間メール出し続けてたけど、まるで無反応だったあの子からついに返事が来たぜ。
>すいませんが、もうメール送ってこないでもらえますか。
>きもちわるいです。いい加減にしてください。
だとよ。まいったなー、一瞬びっくりしたぜ。
まさか縦読みだとは思わなかったからな。ウフフ・・・
あとで電話してみるぜ。ウフフ・・・
┌─‐‐─┐
>>1さんは2ちゃんねるの初心者ですか?書き込む際に
|_____________| SG(セキュリティー・ガード)に登録しないと自作自演がバレますよ。
='========='== SGに登録せずに書き込んだ場合、あなたのパソコン内の
/ \ /│ 情報は他人に見られていると考えてほぼ間違いないでしょう。
┌|-(・)-(・)-|┐ 自作自演がばれる方の多くはこの登録を怠っています。
└| 〇 .|┘ 初期の頃から2ちゃんねるにいる方達は、ほとんどの方が
| ___ |||||__ | このBBSのコマンドの仕組みを知っています。ですから簡単に
| \__/ | あなたのIPアドレス等を抜き取り自作自演を見破ってしまいます。
| ||||| | このコマンドの方法は決して教えないというのが初期の頃から
2ちゃんねるにいる方達の間で暗黙の了解となっていましたが、
あまりの被害の多さに心を痛めた私はあえて公開することにしました。
SGしておけばまず抜かれるコマンド自体が無効になってしまうのでどんなにスキルが
ある人でもIPアドレスを抜くことが不可能になります。SGに登録する方法は、
名前欄に「 fusianasan 」と入れて書き込みする。これだけでSGの登録は完了します。
一度登録すれば、Cookieの設定をOFFにしない限り継続されます。
fusianasanは、正式にはフュージャネイザン、又はフュジャネイザンと読みます。
元々はアメリカの学生達の間で、チャットの時にセキュリティを強化する為に
開発されたシステムです。これを行うことにより同一人物が書き込んでいるか
どうか判別する手段が遮断されるので安心です。ぜひ書き込む前には
名前蘭にfusianasanと入力してください。自分の身は自分で守りましょう
30 :
吾輩は名無しである:03/04/11 16:18
荒らされて(´・ω・`) ショボーン
31 :
吾輩は名無しである:03/04/11 16:26
32 :
吾輩は名無しである:03/04/11 16:38
33 :
吾輩は名無しである:03/04/11 16:52
/) /)
/ ⌒ ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ●_ ● | < >28電話してみたかピカ〜??
(〇 〜 〇 | \_________
/ |
| |_/
34 :
吾輩は名無しである:03/04/12 17:09
35 :
出会いNO1:03/04/12 17:12
36 :
吾輩は名無しである:03/04/12 17:39
わがひとに与ふる哀歌
太陽は美しく輝き
あるひは 太陽の美しく輝くことを希ひ
手をかたくくみあはせ
しづかに私たちは歩いて行つた
かく誘ふものの何であらうとも
私たちの内の
誘はるる清らかさを私は信ずる
無縁のひとはたとへ
鳥々は恒に変らず鳴き
草木の囁きは時をわかたずとするとも
いま私たちは聴く
私たちの意志の姿勢で
それらの無辺な広大の讃歌を
あゝ わがひと
輝くこの日光の中に忍びこんでゐる
音なき空虚を
歴然と見わくる目の発明の
何にならう
如かない 人気ない山に上り
切に希はれた太陽をして
殆んど死した湖の一面に遍照さするのに
37 :
吾輩は名無しである:03/04/12 18:48
行って お前の憂愁の深さのほどに
大いなる鶴夜のみ空を翔り
あるひはわが微睡む家の暗き屋根を
月光のなかに踏みとどろかすなり
わが去らしめしひとはさり……
四月のまつき麥は
はや後悔の糧にと収穫れられぬ
魔王死に絶えし森の邊
遥かなる合歡花を咲かす庭に
群るる童子らはうち囃して
わがひとのかなしき聲をまねぶ……
(行つて お前のその憂愁の深さのほどに
明るくかし處を彩れ)と
38 :
吾輩は名無しである:03/04/13 13:27
★38 名前:美香 ◆FE5qBZxQnw sage 投稿日:03/04/11 01:34
ぶっちやけ文学板のコテは素人臭くてやりきれない。
だからおまえは(文学的に)ダメなんだと怒鳴ってやりたい(w
39 :
吾輩は名無しである:03/04/14 07:35
┌─┬─┬─┐
│ 7│ 7│ 7│/
└─┴─┴─┘
ダラララララララ……
┌─┬─┬─┐
│||||│||||│||||│ )) ガチャン
└─┴─┴─┘\
\シャキーン/
┌─┬─┬─┐
│糞│||||│||||│
└─┴─┴─┘\
\シャキーン/
┌─┬─┬─┐
│糞│.ス.│||||│
└─┴─┴─┘\
\シャキーン/
┌─┬─┬─┐
│糞│.ス.│.レ.│
└─┴─┴─┘\
40 :
吾輩は名無しである:03/04/14 10:54
何でこのスレ荒れてるの?
そういえば『なんでも鑑定団』に脚本家の市川森一が
『わがひとに与ふる哀歌』の初版を持ち込んだら、査
定額は25万。
市川氏所蔵のは帯のみが復刻版からの拝借だったの
でこの値段だけど、完本だったら60万以上ということだ
った。
でも、古本屋での実売価格は100万円を裕に越える。
41 :
吾輩は名無しである:03/04/14 11:01
でも、古本屋での実売価格は100万円を裕に越える。
でも、古本屋での実売価格は100万円を裕に越える。
でも、古本屋での実売価格は100万円を裕に越える。
でも、古本屋での実売価格は100万円を裕に越える。
でも、古本屋での実売価格は100万円を裕に越える。
42 :
吾輩は名無しである:03/04/14 13:30
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43 :
吾輩は名無しである:03/04/14 13:44
杉本秀太郎の伊東静雄論は絶版か 名著なり
44 :
吾輩は名無しである:03/04/14 19:45
鶯(一老人の詩)
(私の魂)といふことは言えない
その證據を君に語ろう
―幼かった遠い昔 私の友が
或る深い山の縁に住んでゐた
私は稀にその家を訪うた
すると 彼は山懐に向つて
奇妙に鋭い口笛を吹き鳴らし
きつと一羽の鶯を誘つた
そして忘れ難いその美しい鳴き聲で
私をもてなすのが常であつた
然し まもなく彼は醫學校に入るために
市へ行き
山の家は見捨てられた
45 :
吾輩は名無しである:03/04/14 19:45
それからずつと―半世紀もの後に
私共は半白の人になつて
今は町醫者の彼の診療所で
再會した
私はなほも覺えてゐた
あの鶯のことを彼に問うた
彼は微笑しながら
特別にはそれを思ひ出せないと答へた
それは多分
遠く消えさった彼の幼時が
もつと多くの七面鳥や 蛇や 雀や
地蟲や いろんな種類の家畜や
數え切れない植物・氣侯のなかに
過ぎたからであつた
そしてあの鶯もまた
他のすべてと同じ程度に
多分 彼の日日であつたろう
しかも(私の魂)は記憶する
そして私さへ信じない一篇の詩が
私の唇にのぼつて来る
私はそれを君の老年のために
書きとめた
(讀人不知)
水の上の影を食べ
花の匂ひにうつりながら
コンサートにきりがない
46 :
吾輩は名無しである:03/04/14 22:21
47 :
吾輩は名無しである:03/04/15 01:47
咏唱
この蒼空のための日は
靜かな平野へ私を迎える
寛やなか日は
またと来ないだろう
そして蒼空は
明日も明けるだろう
48 :
吾輩は名無しである:03/04/15 02:28
著作権を無視している人間がいるのはここですか?
49 :
吾輩は名無しである:03/04/15 02:34
伊東静雄は1953年3月12日に死去。著作権の保護期間は切れてます。
50 :
吾輩は名無しである:03/04/15 02:41
自然に、充分自然に
草むらに子供はもがく小鳥を見つけた。
子供はのがしはしなかつた。
けれど何か瀕死に傷ついた小鳥の方でも
はげしくその手の指に噛みついた。
子供はハツトその愛撫を裏切られて
小鳥を力まかせに投げつけた。
小鳥は奇妙につよく空を蹴り
翻り 自然にかたへの枝をえらんだ。
自然に? 左様 充分自然に!
──やがて子供は見たのであつた。
礫(こいし)のやうにそれが地上に落ちるのを。
そこに小鳥ははらはらと仰けにね転んだ。
新潮文庫、なくなってる
古本さがさなきゃ
野の夜
五月の闇のくらい野を
わか歩みは
迷ふこともなくしづかに辿る
踏みなれた野の径(みち)を
小さい石橋の下で
横ぎつてざわめく小川
なかばは草におほはれて
――その茂みもいまはただの闇だが
水は仄かにひかり
真直ぐに夜(よ)のなかを流れる
歩みをとめて石を投げる
いつもするわが挨拶
だが今夜はためらふ
ながれの底に幾つもの星の数
なにを考えてあるいてゐたのか
野の空の星をわが目は見てゐなかつた
ああ今夜の水の面はにぎやかだ
蛍までがもう幼くあそんでゐて
星の影にまじつて
揺れる光も
うごく星のやう
こんな景色を見入る自分を
どう解いていいかもわからずに
しばらくそこに
五月の夜のくらい水べに踞(しゃが)んでいた
冷たい場所で
私が愛し
そのため私につらいひとに
太陽が幸福にする
未地の野の彼方を信ぜしめよ
そして
真白い花を私の憩いに咲かしめよ
昔のひとの堪へ難く
望郷の歌であゆみすぎた
荒々しい冷たいこの岩石の
場所にこそ
たまらんね
大好きだ!
「さようなら さようなら」って雲にささやく奴をアップしてくれ。
56 :
吾輩は名無しである:03/04/18 04:56
夏の終り
夜來の颱風にひとりはぐれた白い雲が
氣のとほくなるほどに澄みに澄んだ
かぐわしい大氣の空をながれていく
太陽の燃えかがやく野の景觀に
それがおほきく落す靜かな翳は
……さよなら……さやうなら……
……さよなら……さやうなら……
いちいちさう頷く眼差のやうに
一筋ひかる街道をよこぎり
あざやかなる暗高フ水田の面を移り
ちひさく動く行人をおひ越して
しづかに村落の屋根屋根や
樹上にかげり
……さよなら……さやうなら……
……さよなら……さやうなら……
ずつとこの會釋をつづけながら
やがて優しくわが視野から遠ざかる
57 :
(´д`;)ハァハァ :03/04/18 05:49
>>56 夏の終り、よく暗唱しますたよ、リズムいいし
59 :
吾輩は名無しである:03/04/18 19:07
岩波さん復刊してください、ぜひ
>>19 >大江健三郎がよく引用していたので気になってた。
どの詩を引用されていたのですか?
またその大江の文章のタイトルをできれば教えてください。
伊東→三島
三島→大江
というラインはあるけれど、伊東と大江を結びてけて考えたことはありませんでした。
八月の石にすがりて
八月の石にすがりて
さち多き蝶ぞ、いま、息たゆる。
わが運命(さだめ)を知りしのち、
たれかよくこの烈しき
夏の陽光のなかに生きむ。
運命? さなり、
あゝわれら自ら孤寂なる発光体なり!
白き外部世界なり。
見よや、太陽はかしこに
わづかにおのれがためにこそ
深く、美しき木蔭をつくれ。
われも亦、
雪原に倒れふし、飢ゑにかげりて
青みし狼の目を、
しばし夢みむ。
62 :
吾輩は名無しである:03/04/19 13:56
冷たい場所で
私が愛し
そのために私につらいひとに
太陽が幸福にする
未知の野の彼方を信ぜしめよ
そして
眞白い花を私の憩ひに咲かしめよ
昔の人の堪え難く
望郷の歌であゆみすぎた
荒々しい冷たいこの岩の
場所にこそ
63 :
吾輩は名無しである:03/04/19 14:10
靜かなクセニエ (わが友の獨白)
私の切り話された行動に、書こうと思へば誰
でもクセニエを書くことが出来る。
又その慾望を持つものだ。
私が眞白目であればある程に。
と言つて、たれかれの私に寄するクセニエに、一向私は恐れない。
私も同様、その氣なら(一層辛辣に)それを彼らに寄することが
出来るから。
64 :
吾輩は名無しである:03/04/19 14:15
しかし安穩を私は愛するので、その片よつた力で
衆愚を唆すクセニエから、自分を衞らねばならぬ。
そこでたつた一つ方法が私に残る。
それは自分で自分にクセニエを寄することである。
私はそのクセニエの中で、いかにも悠々と振舞ふ。
たれかれの私に寄するクセニエに、寛大にうなづき、
愛嬌のいい挨拶をかはし、そうすることで、
彼らの風上に立つのである。
65 :
吾輩は名無しである:03/04/19 14:30
惡口を言つた人間に慇懃にすることは、
一の美コで、その美コに會つてくづほれぬ人間は少ない。
私は彼らの思いついた語句を、いかにも勿體らしく受領し、
苦笑をかくして冠の様にかぶり、彼らの目の前で、
彼らの慧眼を讚めたたへるのである。
私は、幼時から投げられる父親を、力弱いと
思ひこむものは一人居らぬことを、
完全にのみこんでゐてかうする。
しかし私は私なりのものを尊ぶので、
決して粗野な彼らの言葉を、その儘には受領しない。
いかにも私の丈に合ふように、却って、
それで瀟洒に見える様に、それを栽ち直すのだ。
あゝ! かうして私は靜かなクセニエを書かねならぬ!
67 :
吾輩は名無しである:03/04/19 15:13
静雄詩の再録は勿論素晴らしいんだが、それはそれとして
伊東静雄の人と作品を語る人にも現れて欲しい。
68 :
吾輩は名無しである:03/04/19 15:30
67さん、是非やってください。
お願いします。
69 :
吾輩は名無しである:03/04/19 15:37
庄野潤三の本を読め
70 :
吾輩は名無しである:03/04/19 15:43
>>68 漏れは語れないから誰かに語って欲しいんだよー
つい最近、日本図書センターから『痛き夢の行方・伊東静雄
論』(田中俊廣)というのが出たね。4800円+税じゃ漏れには
到底買えないが、読んだ人いる?
72 :
吾輩は名無しである:03/04/19 19:54
伊東静雄の詩集なら、新潮文庫版よりも、探す手間がかかるが旺文社文庫版がよいと
思われ。なぜなら、新潮文庫版ではオミットされてる戦争詩も収録されているから。
編者の林富士馬は伊東とも交流のあった人で、彼の伊東論もなかなか面白い。
73 :
吾輩は名無しである:03/04/19 20:44
林富士馬って三島とか太宰とも交流があった人だよね。
75 :
吾輩は名無しである:03/04/19 21:06
杉本秀太郎の読解おもろいね
『日本詩人全集28』の庄野潤三氏による「人と作品」解説より――
「もともと物事をじっと見て、深く深く入って行こうとする性質がある.
人の気持をよく汲む、こまやかで、律儀で、やさしい性質がある。
若くして、チェーホフの作品に見られるような、人生に対する老成した
眼をもっている。
しかも、南国育ちの人らしい、高揚したものに対する根強い憧れがある」
「とにかく、最初に浮んだ詩行があって、それにすがりつくようにして、
何度も何度も大事に口吟(くちずさ)んでいるうちに、新しい別の1行が
出来、それからまた別の1行が出来、しまいにこのような、全部の詩行が
埋められた――という風に想像することができる。
そうして、この場合、単なる望郷の思いが、作品を生み出すわけのもの
ではないということも分かる。(中略)異常な、切迫した、息苦しいものが
あって、逃れる場所がない、といった精神生活から生まれたのであろう」
日常生活で傷ついたり,垢まみれに穢された人間が,至高の清らかさを
「愛」や「自然」のなかに求めるというのは,多くの芸術家の創作動機
になるかと思います.
しかし,伊東静雄の場合,「もっと高みへ」と対象を押し上げていく
推進力が,芸術家に見受けられがちな破滅的性向ではなく,芯の通った
力強いものとして感じ取られるところに,私は惹かれます.
78 :
ひろひと ◆jWdMLR29dI :03/04/19 22:20
あ、そう。
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
80 :
吾輩は名無しである:03/04/19 23:05
浪曼派は小説や評論ではなく、詩歌で見るべきものを残した。
大木惇夫の「戦友別盃の歌」、浅野晃の「天と海」そして伊東静雄の『春のいそぎ』
に収録された詩篇の数々。
81 :
吾輩は名無しである:03/04/20 14:12
岩波文庫のしか持ってない。
82 :
吾輩は名無しである:03/04/20 14:15
「ちごー」
なかぞらのいづこより――『春のいそぎ』より
なかぞらのいづこより吹きくる風ならむ
わが家の屋根もひかりをらむ
ひそやかに音変ふるひもねすの風の潮(うしほ)や
春寒むのひゆる書斎に 書よむにあらず
物かくとにもあらず
新しき恋や得たるとふる妻の独り異(あや)しむ
思ひみよ 岩そそぐ垂氷(たるひ)をはなれたる
去年(こぞ)の朽葉(くちば)は春の水ふくるる川に浮かびて
いまかろき黄金(きん)のごとからむ
* * *
文学板には、こういう方が多いのでは(笑)?
――期待も込めて。
庭の蝉――『春のいそぎ』より
旅からかへつてみると
この庭にはこの庭の蝉が鳴いてゐる
おれはなにか詩のようなものを
書きたく思ひ
紙をのべると
水のやうに平明な幾行もが出て来た
そして
おれは書かれたものをまへにして
不意にそれとはまるで異様な
一種前生(ぜんしょう)のおもひと
かすかな暈(めま)ひをともなふ吐気とで
蝉をきいていた
* * *
「私」や「われ」が伊東静雄のイメージですが,
意外にもこのように「おれ」という表現を
他の作品でも使っている.
どういうコンディションのときに書かれたもの
なのか,察してみる楽しみがあります.
感動あげ
再び age
晴れた日に
とき偶に晴れ渡つた日に
老いた私の母が
強ひられて故郷に帰つて行つたと
私の放浪する半身 愛される人
私はお前に告げやらねばならぬ
誰もがその願ふところに
住むことが許されるのでない
遠いお前の書簡は
しばらくお前は千曲川の上流に
行きついて
四月の終るとき
取り巻いた山々やその村里にさえ
一米の雪が
なお日光の中に残り
五月を待つて
桜は咲き 裏には正しい林檎畑を見た!
と言つて寄越した
愛されるためには
お前はしかし命ぜられてある
われわれは共に幼くて居た故郷で
四月にははや縁広(つばひろ)の帽を被つた
又キラキラとする太陽と
跣足では歩きにくい土で
到底まつ青な果実しかのぞまれぬ
変種の林檎樹を植ゑたこと!
私は言ひあてることができる
命ぜられてある人 私の放浪する半身
いつたい其処で
お前の懸命に信じまいとしてゐることの
何であるかを
いかなれば
いかなれば今歳の盛夏のかがやきのうちにありて、
なおきみが魂にこぞの夏のひかりのみあざやかなる。
夏をうたはんとては殊更に晩夏の朝かげとゆふべの木末(こぬれ)をえらぶかの蜩の哀音を、
いかなればかくもきみが歌はひびかする。
いかなれば葉広き夏の蔓草のはなを愛して曾てそをきみの蒔かざる。
曾て飾らざる水中花と養はざる金魚をきみの愛するはいかに。
ここでちょっと整理してみます。
『わがひとに与ふる哀歌』1935年10月、コギト発行所刊、装丁保田与重郎。
『夏花』1940年3月、子文書房刊、文芸文化叢書4、装丁伊東。
『春のいそぎ』1943年9月、弘文堂書房刊、装丁須田国太郎。
『反響』1947年11月、創元社刊、装丁庫田綴。
『わがひとに与ふる哀歌』
>>87-88「晴れた日に」
>>26「曠野の歌」
>>54>>62「冷たい場所で」
>>4>>36「わがひとに与ふる哀歌」
>>63-65「靜かなクセニエ」
>>47「咏唱」
>>37「行つて お前の憂愁の深さのほどに」
>>44-45「鶯」
こんなにスレが伸びるなんて、ちょっとびっくりしています。
すぐに落ちるのを覚悟で立てたものですから。
ここまで見てきてわかるのは、やはり『哀歌』が一番人気があるということですね。
私も『哀歌』が最もいいと思います。次に『夏花』。
伊東にみられるイロニーの質についても、詩集によって非常に違っています。
例えば、
>>87-88(『哀歌』)と
>>89(『夏花』)
を見比べるだけでも、相当違うような気がします。
時代との関連性もありますし、作品個々をみるだけでなく、
詩集単位である程度みていくことも必要ではないかと思います。
ご苦労 age
鼻汁ぢゅるぢゅる辻朋季ごっくんごっくん
>水中花さん
52-53の「野の夜」は『反響』に所収されています.
私は手元の『日本詩人全集28』(新潮社)より写しました.
時間があるときに,また何かそこからアップしますね.
このところどったんばったんしており長い本が読めないので,
「詩があった」と思い出させてもらって,救われた感じがしています.
プーシキンとかアメリカ現代詩、イギリス詩など,
今の文学板には詩関係のスレッドに,あなたのように心ある人がいらして,
じっくり育てている様子を見ると,そりゃあ意気に感じますw.
80さんの意見にも関係して,詩集単位で見ていくことの面白さと
いうのには私も同意.そのイロニーの質のことなど,少し語っていただき
とっかかりにさせてもらえると嬉しいです.よろしく!
リクエストage
「我が通行をささやきあった 」を頼む!
すいません。「クセニエ」とはどういう意味か教えてください。
98 :
吾輩は名無しである:03/04/27 09:40
歸路
わが歩みにつれてゆれながら
懐中電燈の黄色いちひさな光の輪が
荒れた街道の石ころのうへをにぶくてらす
よるの家路のしんみりした伴侶よと私は思ふ
夜ぢゆう風が目覺めて動いてゐる野を
かうしてお前にみちびかれるとき
いつかあはれなわが視力は
やさしくお前の輪の内に囚はれて
もどかしい周圍の闇につぶやくのだ
――この手の中のともしびは
あゝ僕らの「詩」にそつくりだ
自問にたいして自答して……それつきりの……
光の輪のなかにうかぶ轍は
晝まより一層かげ深くきざまれてあり
妖精めくあざやかな緑いろして
草むらの色はわが通行をささやきあつた
100 おめでとう!
101 :
吾輩は名無しである:03/04/29 02:00
三島は静雄に若いころ傾倒していて学生時代に東京から大阪まで静雄を訪ねた
ことがあった。確か静雄の日記に出ていたはず。
102 :
吾輩は名無しである:03/04/29 02:26
>>101 「俗人」と思いっきり書かれてしまったがなw
三島のことなんか書くなよ
>>101 三島は当時、いろ〜〜んな作家を訪ねた、静雄だけじゃない。
昭和38年12月号の「文芸」に「三島由紀夫氏への質問」というのが
載りました。全体におちゃらけの回答で、あまり真面目に受け取るのも
気が引ける内容ですが、「好きな詩人」に対して伊藤静雄と答えています。
因みに「好きな動物」→猫、「好きな食物」→ビーフステーキ、「好きな
小説家」→トオマス・マン、…etc
三島好きには興味深いアンケートかも。
103氏の意に反するようなので、遠慮sage
三島の亡霊お払いage
他のこと書いてよ
107 :
吾輩は名無しである:03/04/30 19:17
伊東静雄を、三島や保田與重郎、蓮田善明とからめて書くことに拒否反応を示す
人、今でもやっぱり多いのかな?
108 :
吾輩は名無しである:03/04/30 21:09
日本浪漫派は今こそ語られなければならない。
左翼思想寄りの幼稚な倦厭ムードで放置されすぎてきた。
戦後、何の惰弱な弁解もしなかった保田與重郎等の潔い生き方を国士は見習うべし。
109 :
吾輩は名無しである:03/04/30 21:39
>保田與重郎等の潔い生き方
本当に、モノは言いようだな(嘲
その傾向もあり得るだろうが、だとしても
保田などに残念ながら「それ程の価値」があるとは思われない。
文学として稚拙だ。
また思想としても幼稚だ。
111 :
吾輩は名無しである:03/05/01 00:27
この国を戦争に導いた力量のすごい評論家なんでしょ?
112 :
吾輩は名無しである:03/05/01 00:30
>>111 そこまでの力量はないっしょ。
国民の士気を鼓舞したかもしれないけど。>保田
113 :
吾輩は名無しである:03/05/01 00:33
庄野潤三は住吉中学で伊東静雄の教え子だったよね。
1年ほどの期間だったはずだけど、かなりの影響を受けているんだろうね。
114 :
吾輩は名無しである:03/05/01 04:22
伊東静雄の好きな人は思ったより多いみたいですね。
文庫の復刊をしてほしいな。
115 :
吾輩は名無しである:03/05/01 18:43
伊東の芸術は、3つに分かれて後継者に受け継がれた。
古典的完成は三島由紀夫に、超現実主義的傾向は島尾敏雄に、生活者としての凝
視は庄野潤三に。
116 :
吾輩は名無しである:03/05/01 18:51
伊東スレを保田信者から守った109、110、112に拍手を送りたい。113
の方向転換的カキコにもほっとさせられた。
保田信者は便所で「君が代」や「海ゆかば」でも歌っててください(嘲
確かに.
どうせ名前を挙げるなら,萩原朔太郎,
中原中也,三好達治などにしてほしい.
118 :
吾輩は名無しである:03/05/01 19:31
三好達治は、伊東を激賞した朔太郎に食ってかかったそうですね。
戦争詩を書いた点で伊東と三好は共通しているが、特に三好は昭和天皇に退位を勧
める文章を敗戦後発表するなど、高潔な一面があった。「捷報いたる」などの戦争
詩も含めた、三好の全文業を収録した全集を、志のある出版社は出してほしい。
119 :
ころにゃん ◆t9gqygGXOY :03/05/01 19:41
ここまで荒れていないスレは珍しい。
日本浪漫派への言及を避けるスタンスは、「国家」という概念に厳しく己を
対峙出来ない稚拙な精神であろう。
伊藤の戦争詩、保田與重郎との関係・・・・・強き精神で対峙せよ。
「国を守るために死ね」と詠った詩人たち。
またそっちへ持っていくのかよ
その考えは認めるが
ここへ持ってきても埒あかないでしょうって
122 :
吾輩は名無しである:03/05/02 01:24
日本浪曼派を「日本浪漫派」、そして伊東を「伊藤」なんて書くウヨ厨は保
田スレにでも行きなさいよ。稚拙なのは、アンタだよ。
123 :
吾輩は名無しである:03/05/02 01:33
伊東が敗戦後も、浅野晃や大木惇夫のように戦中と同じ思想や立場を貫いたならまだ
しも、伊東は大東亜戦争を激しく憎んで、桑原武夫たちに戦争詩を省いてくれと自分
で頼んだんだからな。保田スレが、保田バンザイを叫べる雰囲気じゃなくなって、こ
こに来て誰かに相手してもらいたがってるのかもしれんが、よそに行け、よそに。
124 :
吾輩は名無しである:03/05/02 01:34
大荒れの予感…。
125 :
吾輩は名無しである:03/05/02 01:38
僕の持っている伊東静雄詩集は新潮社(昭和32年刊)のもので、巻末に
拾遺として「宿木」、「柳」の2編が掲載されているけど、他の出版社の
ものにもはいっているのかな?
126 :
吾輩は名無しである:03/05/02 04:02
伊東は本物の詩人。保田はその寄生虫。
127 :
吾輩は名無しである:03/05/02 22:44
書簡とか他の人の回想とか読むと、伊東静雄ってひとはほんとに
具体的なことを語らない人だったみたい。
「静かなクセニエ」なんて、たぶん、ふだんの伊東の口調そのままに
かなり近いんじゃないかと思う。シニカルで韜晦的。
だから生きてる当時も、今も、その詩も人物も賛否両論
いろいろ評価が割れる。
どこかによくわかんないところが残るから。
同じ傾倒したといっても、庄野潤三と島尾敏雄の文章を比べてみると
ぜんぜん違う人物について語っているみたいだ。
でも、あるいは人格的欠点だったかもしんないそういうとこが
詩では、誰にも真似できない長所になってるんだよね。
抽象的なのに凛としていて、キラキラ光ってる、あの言葉!
それに、おそろしくリズムに対する意識が高い詩人だと思う。
日本浪曼派は、個人的にはどうでもいいな。
>>127 最後の一行だけがはみ出しちゃったね。
一々開くのがめんどいから皆クリックしないみたいだ。
長そうだなって思ったら、一度切ってみよう。
結構、気にしてる人多いみたいだ、
ここでコピペしてある詩の文章も切ってあるから
余計なお世話でゴメン!
129 :
吾輩は名無しである:03/05/02 23:07
>>128 あ、スマンかった。jane使ってるんで気づかなかった。
忠告ありがとう。これから気をつけるよ。
130 :
吾輩は名無しである:03/05/08 23:29
大好きな詩人なので保守。
伊東静雄の詩の個人的ベストスリーを挙げてみようと思って
考えたけど、苦しかった。
寡作だけど、いい詩はたくさんあるなあ。
1.曠野の歌
2.夏の終り
3.行って、お前のその憂愁の深さのほどに
存続、お祝いage
132 :
吾輩は名無しである:03/05/10 07:33
5月の連休に伊東静雄の詩集を携えて八ヶ岳に行ってきました。
芝生に寝転がって雪のまだ残る山々の頂きを眺めながら、「わが死せむ美しき日のために
連嶺の夢想よ!汝が白雪を消せずあれ」とか「とき偶に晴れ渡つた日に・・」とか
「八月の石にすがりて さち多き蝶ぞ、いま息たゆる」とか朗読しました。
何とも清々しく、記憶に残るひとときを過ごせました。
彼には朗読に耐える詩が多いですね。
133 :
吾輩は名無しである:03/05/10 07:36
>>132 いいですねえー。
自分も行ってみたくなります。
オレも始めて信州に行った時に「伊藤静雄詩集」を持っていったよ。
列車の中でそらんじていると、近くの女たちから
「気持ち悪い人」呼ばわりされた。
でも平気さ!
今でも、その時に好きになった「さようなら・・・」が大好きだ。
リクエストageしてもらったよ 改めてサンキュー!
136 :
吾輩は名無しである:03/05/14 22:56
そうですね。伊東静雄と信州ってなぜか似合う気がします。
諫早や大阪とは雰囲気が違うのに。
きっと空気感が似てるんだと思う。
オレも九州の人間だけど、諫早も佐賀も空がきれいだ。
空が近く感じられる、と言うのが本当だ。
都会では感じられない感覚がある。
「空気感」としか言えない・・・。
138 :
吾輩は名無しである:03/05/16 20:55
ヤバイ。伊東静雄ヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。
「わがひとに与うる哀歌」ヤバイ。
まず太陽が美しく輝いてる。もう美しいなんてもんじゃない。超美しい。
美しいとかっても
「米倉涼子20人ぶんくらい?」
とか、もう、そういうレベルじゃない。
何しろストレート。スゲェ!なんか修飾語とか無いの。国宝級とか神秘的とかを超越してる。太陽だし超美しい。
しかも「あるいは、太陽が美しく輝くことを願い」らしい。ヤバイよ、どっちなんだよ。
だって普通は太陽とか輝くか輝かないかじゃん。だって天気予報士とかが太陽はあるいは輝きます、って言ったら困るじゃん。傘持っていっていいのかどうか困るっしょ。
太陽が輝いていいのかどうか混乱して、いい天気だから花見に行ったのに、やっぱ輝くのやめた、とか泣くっしょ。
だから太陽とか輝くときは輝いてる。話のわかるヤツだ。
けど伊東静雄はヤバイ。そんなの気にしない。太陽の状態隠しまくり。2行目まで百万べん読んでももよくわかんないくらい隠す。ヤバすぎ。
続き)
太陽は美しく輝き、っていったけど、もしかしたら輝いてないかもしんない。でも輝いてないって事にすると
「じゃあ、1行目の勢いはナニよ?」
って事になるし、それは誰もわからない。ヤバイ。誰にも分からないなんて凄すぎる。
あと超わがひと正体不明。捜査本部でいうと百人体制。ヤバイ。わかんなさすぎ。男か女かもわかんないまま終わる。怖い。
それに超抽象的。超硬質的。それに超言葉ボキボキ。「遍照さするのに」とか平気で出てくる。さするのに、て。あんた以外使わねぇよ、そんな言い回し。
なんつっても伊東静雄は言葉の力が凄い。わが痛き夢とか平気だし。
うちらなんて夢とかたかだか浜崎あゆみの歌で出てきただけで上手く扱えないから身体がむずがゆくなったり、耳ふさぎたくなったり、踊ってごまかしたりするのに、
伊東静雄は全然平気。言葉を言葉のまま扱って感動させる。凄い。ヤバイ。
とにかく貴様ら、伊東静雄のヤバさをもっと知るべきだと思います。
そんなヤバイ伊東静雄のスレを保守する俺とか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。
140 :
吾輩は名無しである:03/05/16 21:05
げっ、保守といいながらsageちまった。スマソ。
>>138-140様
そうですね。
いままでのレスを読んでいて、伊東の詩の美しさを特に重要視しているものが多いという印象を受けました。
確かにに伊東の詩は音韻が美しく、それが読者を惹きつける重要な要素だと私も思います。
でもよく読むと言葉と言葉の繋がりがおかしいんでよね。
138-140様は「哀歌」を援用しましたけれど、
特に第一歌集『哀歌』でこの傾向が強い気がいたします。
これが伊東静雄特有のイロニーということにつながるのだと思います。
全く異なった価値と価値をぶつけるという方法でもなく、
非常に独特なずらし方をしています。
引き続き作品の具体的な分析について教えていただければと思います。
142 :
吾輩は名無しである:03/05/17 01:39
「晴れた日に」のタイトルのあとに、いきなり「とき偶に晴れわたった日に」とかいう
展開もあるよね。言葉の絶妙な、危ういバランスが伊東静雄の詩の魅力だと思う。
「遍照さするのに」は漢詩訓読の世界ではよくありうる表現じゃないかな?
143 :
吾輩は名無しである:03/05/17 01:45
観念的な詩のあとに日常描写的な詩、たとえば「新世界のキイノー」とか
トマトの盛りの詩や停車場の詩なんかが出てくるところもたまらん。
144 :
吾輩は名無しである:03/05/19 00:20
「忍ぶべき昔もなくて 何をか吾の嘆きてあらむ」
この2行は、伊東静雄のユニークさを示す象徴的な詩句。
美しい調べにだまされそうになるけど、この2行はなにげに凄い。
懐かしむべき過去は「ない」と、あっさり言い切っている。
それなのに「嘆き」は止まらない。
現実には存在するはずの過去も、未来も、厳しく否定して
伊東静雄の詩は、いつも「存在しない(しなかった)時間」に
向かって歌われる。
「忍ぶべき昔」は、現実の彼の過去じゃなくて
彼の心にその影だけがある、幻想の時間。
それは存在しないのに、たしかに彼に「嘆き」をもたらすのだ。
「遂ひ逢はざりし人の面影 一茎の葵の花の前に立て。」
145 :
吾輩は名無しである:03/05/19 00:30
「いかなれば今歳の盛夏のかがやきのうちにありて、
なおきみが魂にこぞの夏のひかりのみあざやかなる。」
伊東静雄のイロニーは、もちろん
語法としての反語法や、皮肉や、諧謔とは無縁のもの。
非在の時空間に取りつかれた男の命綱なのだ。
それは万能の方法論でもなんでもなく
むしろ、伊東静雄にとっては「業」に近い。
「四月の風」や「晴れた日に」の、言葉のつながりの奇妙さは
普通の詩を書こうとする意図と、存在しない時空に向けてしか歌えない
彼の生理との軋轢が生んだもの。
こんな詩人は、日本近代詩史上、他にまったくいない。
146 :
吾輩は名無しである:03/05/19 00:42
優れた詩人なのに、言葉のつながりがおかしい詩人は他にもいる。
たとえば、立原道造。あるいは、萩原朔太郎や室生犀星。
しかし、立原の場合は、ニュアンスと音調を追いかけるあまり文脈が乱れ
室生犀星は、直感第一主義が文脈を無視させる。
伊東静雄は、時空を追いかける詩人。
どんな詩だろうと、空気がガラスに変じたような
距離感を欠いた、独特の張りつめた言葉の時空を作り出す。
「夏花」収録の「燕」。たかが燕の詩でも、あの緊張感。
その非在の時空は、理念にも倫理にも支えられることなく
感覚だけで捉えられ、伊東の言葉によって定着されたもの。
「主義」が大好きな日本の詩評家からすれば、始末に悪い代物だが
これぞ詩だろ?すごい詩人だろ?なあ。
148 :
吾輩は名無しである:03/05/21 03:19
伊東静雄の詩って一度読むとそのリズムが頭に入ってなかなか抜けないよね。
相当に個性的な詩だね。
>144-146
何か久しぶりに背筋がゾッとする書き込み、見ちゃったな。
>149
キモかった?
好きなので、ついインテリみたいに語ってしまった。すまん。
いや、ほめたんですよ。
物事を抽象化して論理的に考えることができる人はインテリだと思います。
高学歴でも有識者でもインテリでない人はいると思います。
>151
あ、そうだったのか。ありがとう。
昨夜もう一度、新潮文庫の伊東静雄詩集を読み返してみたんだけど
このひとの詩に、ずっと共通して流れているのは
「自分の中には何もない」という感覚だね。
これは文学としては、珍しい感じ方でもなんでもないけれど
伊東が特異なのは、そこから「外部によって歌われる自分」という
不思議なモチーフが展開されてるところ。
自分の核が、自分の内部にあるんじゃなく、外界そのものにあり
外界から歌われることで、自分が成立する。
自分は、嘆きとか痛い夢とか清らかさとか、そういう漠然とした情動の器で
そこに外界から歌が流れ込む、という構造。
その外界は、同時期の詩人たちの「自然」、つまり観賞用の箱庭とは
まるで別種の、非常に不安定で脆い、一種のイデアの世界なわけで。
とは書いてみたものの、こないだ書いたことを、言い換えただけのような‥‥。
でも、本当に不思議な詩人だ。つくづく。
154 :
吾輩は名無しである:03/05/24 21:22
二重に自己がいるというような感覚...
あるときは冷めた目で第三者が見ている自分があり、またあるときは激しい
自己表出がありというような波が感じられる詩が多いですね。
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
156 :
吾輩は名無しである:03/05/28 23:16
このスレを見て、久しぶりに伊東の詩集を読み返してみた。
日頃から蓄積したわだかまりや不満やそういった感情の諸々が
一気に洗い清められるような感じがした。
確かに「浄化」作用がある。
また「浄火」のイメージもある。
誤字訂正上げ
週末、なにげなくテレビをつけたら、「なんでも鑑定団」に
伊東静雄の詩集初版本が出てた!
「わがひとに与うる哀歌」の初版
自費出版された300部のうちの一冊。
出してたのは脚本家のひと(市川森一?)。
司会の島田紳助と石坂浩二のふたりとも
「伊東静雄?誰それ?」だって。
いいんだ、おまえらが無学なのは別に。
でもな、こら紳助!アゴ!
自分が知らないからって伊東静雄を馬鹿にすんな!
初版本を無造作に手で叩くな、振り回すな、このアホ!
ちなみに、鑑定価格は30万円でした。
スタジオのやつらは驚いてたが、俺はもっと高くてもいいと思った。
>>215 実際、古書店での売値はもっと高い。
100万超えてた気がする。
ただ買値はあんなものなのかも知れない…。
>>160へのレスでした…
ちなみに215っつーのは、スレの現在の順位だったのさ。
>160
石坂浩二、伊東静雄を知らないとはショック!
まあ、人間の知識って偏りがあるし仕方ないか。
私も前にたまたま見た鑑定団で中也の初版詩集が出ていたような…。
100万円は超えていたように記憶。
「中也は特別なんですよ」という古書店主の言。一般に人気が高いと
いうことみたい。
にしても30万円はあんまりじゃないか、と同意。
出した脚本家も、伊東静雄のことをよく知らないらしく
自分の予想価格は10万円だったと思う。
この詩集の価値を理解していたなら
さすがに10マンはない。
忘れられた詩人、なのかなあ。
昭和期には、日本浪漫派の文脈だけから語られ
浪漫派の記憶が遠のくと、言及する人も減った。
「影響を受けた」という藤井貞和(詩人、国文学者)ですら
「現代詩手帖」のムックで
「戦争期の怒りのエネルギーを体現した、時代の詩人。
これから後は、国文学者の研究の中でだけ生きるだろう」
てな意味のことを言いやがってる。
ちゃんと詩そのものを読んでるのかと小一時間(略)
無心に読めば凄い詩人だと、俺は思うのだが。
市川森一といえば、山田太一ほどではないにせよ、割に
文芸味のあるテレビドラマなど書いていて評価の高い脚本家
だと認識していたが…。
当然のこと、伊東静雄のファンかと思っていた。昔は文学青年で
愛読していた云々のエピソードがあったとかじゃないのかー。
番組で詩のさわりを朗読してくれるだけでも、美しさの片鱗が
伝わるだろうにね。
藤井貞和の説明とともに烈しく萎えた。
時代の詩人じゃないよ。ああいう「浪漫」を普遍的なものと
感じられなければ、文化の、そして人間感情の終焉だよ!
困ったなー。
文庫本復活希望上げ
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
168 :
吾輩は名無しである:03/07/16 20:08
人気ない山にage
も一度
文庫本復活あげ
夏休み旅行上げ
板を開くと目に入ってきた
運命感じる蒸し暑い夏
>146
>たとえば、立原道造。あるいは、萩原朔太郎や室生犀星。
いかにも詩の評論しそうなレトリックだ。
夏が良く似合う作家だから・・・
も一度「夏休み旅行」上げ
文庫本もって旅に出よう! 文庫本復活キボー
こんなとこで復活希望なんてほざいてても復活しねーよ
復刊コムに登録して票集めろ矢
>>174 早速 登録してきた。
「伊東静雄 詩集 岩波文庫本」
投票してくれ!
「伊東静雄」と「鬱陶しいぞ」はどこか似ている…
岩波文庫はほっといても復刊(というか重版)するだろ。
10年くらい待てば重版かかるよ。
10年待つんじゃぁ事実上の絶版だなぁ…
ってことでリクエストに参加してもよいが
>>176よ!
応募受付先のアドレスをリンク(最初のh外して)した方が
得票が集まるんじゃない?少しは。
あかん、h入れてもた・・。
182 :
吾輩は名無しである:03/08/07 10:04
180はH好き
このスケベ
文庫本復活に御協力下さい! あげ
もっといろんな所で宣伝しなきゃ
岩波の文庫はちょっと伊東静雄好きなら持ってるし、
入手しようと思えばできそうな感じがするから、得票
は集まりにくいかもね…
むしろ『わがひとに与ふる哀歌』の復刻(昔、近代文
学館がしてたけど)とかの方がいいかも…。
>>187 復刊希望した本人の票以外、まだ1票も入ってない…
これが現在の伊東静雄の人気を示していると考えたくないな
三島由紀夫がもっとも好きな詩人と評価した伊東。
おれも伊東が日本一だとおもっている。
しかし、まあ、
多数決がのさばっているバカな時代には流行りません。
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
文庫本復活上げ
あぼーん
↑
最低最悪糞コテのジエン自己宣伝コピペ。スレ汚すな、アホが
>>194 逆だよ、「美香」=伝説のアホだとわかるコピペだろがw
196 :
吾輩は名無しである:03/08/30 15:14
全然票集まらないねw
自分の持ってるのは神保町で買った日本詩人全集の端本
これでも、寡作の伊東だから作品はほぼ収まってますね
雑文、解説も結構載っててお徳
毎日ひとつずつ筆写してます。
198 :
吾輩は名無しである:03/10/15 19:50
>>152 自分の中には何もないというより、自分の中にあるものは、
口にしても理解されないという情動を感じたが…
むかしそれで泣いたんだが…
また読んでみる…
199 :
吾輩は名無しである:03/10/18 05:16
復刊する気あるのか?
200 :
吾輩は名無しである:03/10/24 10:59
200
いいスレだねえ。やっときたか伊東静雄。一人で盛り上げて言っちゃうよ。
まず私的伊東詩絶唱。
・わが人に与ふる哀歌
・晴れた日に
・そんなに凝視めるな
この三つは図抜けてる。特にわが人に与ふる哀歌、この作品の衝撃的展開。
図書館でよんだときの衝撃は忘れられない。
「ああわが人・・・歴然とみわくる眼の発明のなににならう」
この急転直下の展開。まさに悲愴の極致への転落。
でも最初読んだときは別の意味で取ってたんだけど。その詩集、如かない以下が
削られてたから。でもその解釈も或いは可能な、懐深い二元的意義を有している
ように感じる。
あと伊東静雄の詩(特に上記3作品)が好きな人は
立原道造と前田鉄之助の詩にも驚嘆すると思いますよ。
立原は知ってると思うので、こんど前田鉄之助の「花のやうに」をUPしますね。
これも絶唱、わがひと哀歌くらいすごい。
202 :
吾輩は名無しである:03/11/07 00:42
あげ
203 :
吾輩は名無しである:03/11/07 10:03
ここを美香隔離スレにするか
やめてください。
205 :
吾輩は名無しである:03/11/09 02:36
復刊
「晴れた日に」どう解釈してる?
もう暗唱できるくらい読んだけど
「お前」っていうのが誰だかいまいちつかめない。
これは伊東本人か、或いは遠い恋人(さわこ)なのか
皆さんどう解釈しています?
たまにこのスレを見てるんだけど、もっと楽しいこと書いてくれるかな。
208 :
吾輩は名無しである:03/11/12 15:37
>207
おまえが一番つまらん・・・sageるなカス。
______
,;i|||||||||||||||||||||||||||||||ii;、 _/
/||||||||||||||||||||||||||||||||||||||ii;、 \
/ ̄ ̄\||||||||||||||||||||||||||||||||||||ii;゙ヽ, /
'" ̄ヽ ヽ!!|||||||||||||||| ||||||||||!!"ヘ < ロマンティックageるよ
ヽ ゙!!!|||||||||||| |||||||!! iヽ── /
|||l ゙゙ヽ、ll,,‐''''"" | ヽ|||||||||ロマンティックageるよ
|||l ____ ゙l __ \|||||||||
||!' /ヽ、 o゙>┴<"o /\ |'" ̄| ホントの勇気 見せてくれたら
\ / |ミミヽ──‐'"ノ≡- ゙'──''彡| |、 | |
 ̄| |ミミミ/" ̄ 、,,/|l ̄"'''ヽ彡|| |、/ / ロマンティックageるよ
ヽ、l| |ミミミ| |、────フヽ |彡l| |/ /_
\/|l |ミミミ| \_/ ̄ ̄フ_/ |彡|l/  ̄/ ロマンティックageるよ
\ ノ l|ミミミ| \二二、_/ |彡| フ
 ̄\ l|ミミミ|  ̄ ̄ ̄ |メ/ \トキメク胸に キラキラ光った
| \ ヽ\ミヽ  ̄ ̄"' |/ /
/ \ヽ、ヾ''''ヽ、_____// /_夢をageるよ
/ ヽ ゙ヽ─、──────'/|  ̄/
. / ゙\ \ / / \__
───'''" ̄ ̄ ゙゙̄ヽ、__,,/,-'''" ̄ ゙''─
フリーザと伊東静雄って何か関係あるの?
210 :
吾輩は名無しである:03/11/16 15:17
>>209 だまれひきこもり。NHKでも出てろ・・・age
211 :
吾輩は名無しである:03/11/16 16:40
>>210 何でそんなこと言われなくちゃならないの?
伊東静雄読んでる人には珍しく性格悪いね
212 :
吾輩は名無しである:03/11/17 08:14
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>>209 糞レスニダ
`/( i.,_,/ ...:::::/ 賠償しる
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./=ー'"~"`ー-.,_~"\-.,_ ,...,_ "";.-、::/ノ::: 'i,
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i.,_,.人 ..::::::/ :::::::::::::/;;;;;;;'i,'i;;;;|\;:::::::::::: i
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`i"`-.,_,.ノ ::::::::::::::::;;;;;;;;;;;\|;;;;::::::::::::|
>206に、あえてマジレスすると。
いちばん面白く的を得ているのは、杉本秀太郎による解釈だと
個人的には思っている。
詩集「哀歌」は、小市民である伊東と、ロマンチッカーである伊東
二人の伊東内人格が、お互いにかわるがわるメッセージを送る
恐怖の一人相聞歌集なのだ!という。
で、「晴れた日に」は、シチズン伊東からロマンチッカー伊東にあてた
「(わが分身よ)たいがいにして帰ってきなよ」という手紙である、と。
トンデモ解釈のように聞こえるかもしんないけど、
あのナゾだらけの詩集を、かなりうまく説明している。
215 :
吾輩は名無しである:03/11/29 21:21
>>187の復刊リクエスト、5票しか入ってない…なんか哀しいage・゚・(ノД`)・゚・。
そんなもんです
>215
遅くなってごめんね。入れておいたよ。
少人数でも大切に思って読む人がいればいいかという気もする。
>>217さん
ありがとうございますヽ(・∀・)ノ!!
220 :
吾輩は名無しである:03/12/14 21:53
6票・・・
この哀しみにたえるのが、詩人のたましいに近づく道かな
「水中花」、ひさしぶりに読んだ。
絶唱。全ての言葉が美しい。釣り書きも美しい。
「六月の夜と昼のあはひに
万象のこれは自ら光る明るさのとき。 」
ここが特にたまらん。やっぱり凄いよ。
223 :
吾輩は名無しである:03/12/26 07:59
あげ
224 :
吾輩は名無しである:04/01/31 01:04
未だ6票
225 :
吾輩は名無しである:04/02/09 02:18
静雄の「拒絶」は(イデーが前に出過ぎている気もするが)
いい作品だと思う。
結局「夏花」には収録されず、詩集のタイトルにもならなかったけど。
『コギト』派のイロニー概念についての最高の解説でもあると、オレは思う。
226 :
吾輩は名無しである:04/02/28 18:53
まだ6票
227 :
吾輩は名無しである:04/03/01 16:39
されど6票。
とうひょう したよ!
229 :
吾輩は名無しである:04/04/02 06:59
フッ館内ね
230 :
吾輩は名無しである:04/04/02 22:33
7票!
先は長いな
232 :
吾輩は名無しである:04/05/22 01:01
すいちゅうか
233 :
吾輩は名無しである:04/07/13 00:58
絶対に逆に読むな!!
↓↓↓↓↓↓↓↓
ぽるぬ
!ッガ
235 :
吾輩は名無しである:04/09/10 18:58:52
11月に岩波文庫復刊決定!
237 :
sage:04/09/13 12:06:56
>236
おお、現代詩文庫のやつ持ってるけど、やっぱ手ごろな大きさの文庫版欲しいと思ってた。
でもこれ11月に復刊ってのは書いてないけど・・・岩波文庫ってのは11月に重版することになってんのかな
うおお、名前欄にsageと入れるなんていう凡ミスを・・・
239 :
吾輩は名無しである:04/09/13 14:08:00
伊東静雄賞、なんてのがあるの知ってる?
240 :
吾輩は名無しである:04/11/14 23:14:21
岩波文庫のamazonで注文できるぞ
重版されたみたいね
241 :
吾輩は名無しである:04/11/15 15:52:30
ヘルダーリンも好きな人いますか?
復刊comで岩波文庫の復刊願いに一票投じたことがあったよ…
先の伊東静雄スレに復刊に熱心な人がいたので、情にほだされて。
あの時は可哀想なくらい得票数が伸びなかったんだけど、そうか復刊か…。
投票の話題が出てるのはこのスレの
>>187ぢゃないか…
しかも1年以上前だ
そうか、あれからこのスレは深い眠りについていたのか…orz
245 :
吾輩は名無しである:04/11/16 00:42:52
>>244 けど、スカルダネリ名義の詩は、
あんまり伊東とは似てませんよね。
246 :
吾輩は名無しである:04/12/24 14:03:48
保守age
247 :
吾輩は名無しである:04/12/24 14:16:46
248 :
吾輩は名無しである:05/01/10 02:49:58
捕手age
249 :
吾輩は名無しである:05/01/23 14:49:51
私の高校で先生をしてたそうです。
「夏の終り」が好き。
さよなら…さようなら…ってやつね。
奇跡のような詩、夢の中で出てくるような詩だと思う。
伊東静雄って、あんなに詩の数は少ないのに
そういうミラクルな詩がいくつもあるのは凄い。
251 :
吾輩は名無しである: