1 :
吾輩は名無しである :
02/05/27 23:17 岩波文庫の詩集をふと買ってみたのですが、 なんですかこのヤバさは。 もっと詳しく知りたくなりました。
2 :
吾輩は名無しである :02/05/27 23:18
逆に教えてくれ。
3 :
吾輩は名無しである :02/05/27 23:18
2ゲトー
4 :
吾輩は名無しである :02/05/27 23:30
最晩年の詩とか怖すぎ。
5 :
吾輩は名無しである :02/05/27 23:40
どうやばかったのか説明してくれ。
6 :
吾輩は名無しである :02/05/27 23:42
やばいとかこわいとか、読んだことあるやつら!もっと説明してください。
7 :
吾輩は名無しである :02/05/27 23:55
おお、恐れを知らぬ若者よ! 来たれ、「ヘルダーリンの塔」に! 現在ではヘルダーリンは精神分裂病(おっと、統合失調症だね) に罹患した、というのがほぼ定説となっている。 分裂病の発病前後というのは知覚が異様に研ぎ澄まされ、 通常の何十倍にも知的・精神的能力が急上昇することがある。 これは長くは続かず、その後は狂気の薄明に閉ざされることになるが。 ヘルダーリンはドイツ人に愛され、それゆえドイツでは長いこと 病跡学(Pathographie)の最もポピュラーな対象のひとつであった。 西丸四方が訳した本が日本でも一冊みすずから出ている。 私は現役の精神科医。ヘルダーリンは昔から好きで、今も時折読み返す。 おすすめは"An die Parzen"。これを読むと彼は将来の自分の運命を 知っていたとしか思えない。 あるいは「自己実現性予言」だろうか。 精神病棟に佇む慢性分裂病の患者の多くは、このような 静かな諦念の中に生きているのではないか、と私は思っている。
8 :
吾輩は名無しである :02/05/27 23:57
なんだか楽しそうだな、7に看てもらうと。読んだだけで鬱病治った。
9 :
吾輩は名無しである :02/05/28 00:59
ハイデガーのヘルダーリン論を 誰か読んだ人います? 個人的にはなんとなく、神は死んだ!系なのかと…
10 :
吾輩は名無しである :02/05/28 01:00
いやだから説明してくれよ誰か!
手元にあるのしかないけど 手塚富雄監修『ヘルダーリン全集』河出書房新社 小磯仁『ヘルダーリン』人と思想171、清水書院、2000年 四日谷敬子『歴史における詩の機能――ヘーゲル美学とヘルダーリン』、理想社、1989年 矢羽々崇『詩作の個人性と社会性――ヘルダーリンの詩『追想』――』 ベーダ・アレマン『ヘルダーリンとハイデガー』 あと批評空間の第一期第五号がヘルダーリンとドイツ・ロマン主義特集組んでます。 アドルノ、ド・マン、フィリップ・ラクー・ラバルトあたりのヘルダーリン論があります ヒューベリオンは内容つまんないけど超美文だそうで、ドイツ語でそうぞ ハイデガーのヘルダーリン論は何といっても『追想』がお勧め。
12 :
吾輩は名無しである :02/05/28 02:24
無理矢理でも、足して2で割ってもいいので、誰みたいとか、 そんなのいませんか?いきなり11みたいの読めってか? ド・マンなんて、日本語訳あるの? とりあえずハイデッガーとのやつ読んでみるよ。……書店にあれば。
ヘルダーリンの詩はラルクアンシェルの歌詞の如きです といってみるテスト
14 :
吾輩は名無しである :02/05/28 02:51
フムフム
16 :
吾輩は名無しである :02/05/28 03:00
ヘルダーリン…もうほとんど覚えていないねえ…。 宥和だっけ?神様とひ、ひとつになりたい! て歌ってた覚えがある。 十代のころの詩かな。
17 :
吾輩は名無しである :02/05/28 03:49
ヘルダーリンってスタンド・バイ・ミーの歌詞の一節だったっけ? ヘル ダーリンダーリンへ?えっえっ♪
18 :
吾輩は名無しである :02/05/28 03:52
アンダーソン、ウェイクマン&ハウのメンバーじゃなかったか?
19 :
吾輩は名無しである :02/05/28 03:56
なんでドイツロマン派は気が狂って死んでしまうのが多いのん?
20 :
吾輩は名無しである :02/05/28 03:58
気が狂わないで死ぬのが苦痛なことだと知っていたから。
21 :
吾輩は名無しである :02/05/28 04:06
ノヴァーリスはどうよ?
22 :
吾輩は名無しである :02/05/28 04:11
エロスとファーベル。
23 :
吾輩は名無しである :02/05/28 06:52
同名のプログレユニットがいたな。 音はもう忘れたけど。
>>16 Versoehnender,der du nimmmergeglaubt..(宥和する者よ、かつて信じられたことなく)
けっこうカッチョイイ詩ですぞ!
厳密には狂ってから40年近く生きたんだっけ? しかもゆっくりゆっくり狂っていったんだよねぇ。。
26 :
吾輩は名無しである :02/05/28 10:46
アドルノもヘルダリーン論書いてたの?ベンヤミンじゃなくて?
27 :
吾輩は名無しである :02/05/28 18:21
結構、ランボーに似てるんじゃないか?
An die Parzen (To the Fates) 抄 but if once the sacred thing that lies closest to my heart - my poetry - succeeds, then I will welcome the silence of the world of shadows! I will be content, even if my lyre does not come with me; for once I lived like the gods - and I require no more.
29 :
吾輩は名無しである :02/05/28 18:32
>>30 ありがと。/h/からうしろとってブックマークしました。
じっくり読みます。
ただ24のVer何とかってのがない。
生協でなんと売り切れだった! 待たれていたってことか
なんつーか、こいつが狂っていってたのは勝手だとしても みんなでそれを奉るってのが、どーにも理解できない
35 :
吾輩は名無しである :02/05/28 23:26
ヘーゲルなんてこいつの頭の良さからすれば凡人らしいな。
いちじくの樹のそばで、わが アキレウスは死んだし、 アイアスは海にほど近く、 スカマンドロスのほど近い小川のかたわら、 洞窟のほとりに横たわっている。 かつて風のざわめきを額に受けて、 確固不動のサラミスの 変らぬ習慣にしたがって、異国にあって アイアスは偉大な死を遂げたのだ。 しかしパトロクロスは王の鎧に身をかためて死んだ。さらにほかの あまたの人も死んだのだ。キタイロンのほとりには エテウテライ市が、ムネモシュネーの都市があった。この都市もまた、 神がマントを脱いだときに、やがて夕べの使者によって 巻毛をほどかれたのだ。
37 :
吾輩は名無しである :02/05/29 10:58
日本人では木村敏のヘルダーリン論がある。要チェック!
38 :
吾輩は名無しである :02/05/29 15:21
エッセイがまた凄い。 「エンペドクレスの底にあるもの」とか 「オイディプス注解」とか。
39 :
吾輩は名無しである :02/05/29 15:22
40 :
吾輩は名無しである :02/05/29 16:36
41 :
びたみん ◆BWLMxAG. :02/05/30 02:57
ageー! 木村敏にヘルダーリン論ってあったけ? けっこう好きなんだけど…なんてやつかな。。。
43 :
吾輩は名無しである :02/05/31 13:10
>41 「意味の彼方へ ラカンの治療学」新宮一成編、金剛出版のなかの ジャック・アラン・ミレール(ラカンの娘婿)の前での講演、 「分裂病の詩と真実」
44 :
吾輩は名無しである :02/05/31 13:17
>>36 ら@さん
時々でいいから、うpしてくらはい<詩
注文して買うから、本届くまでの間でも、おながいします!
45 :
吾輩は名無しである :02/05/31 13:20
>>7 さん
現役の精神科医なら、
時間みつけて「ヒッキー板」とかも見回っておくれや。
メンヘル板は逝ってるだろうけども。
ヒッキー板、かなり要るようだ<助言
46 :
「故郷」より一部抜粋 :02/06/01 06:43
なぜなら 天上の火を我々に授ける神々は 聖なる悩みをを我々に贈るのだから。 それゆえ消えぬがよい、この悩みも。地上の子で 私はあるらしい、愛するように そして悩むように 造られている
原典で読みたいけど、オンライン上で買えるかな。。
小論「エンベドクレスの基底」と「滅びにおける生成」は凄いね マジぶっとんだ。
北東の風が吹く、 数々の風のなかでも最も最愛のものだ 私には、なぜならそれは熾烈の精神と 良き航海とを船乗りに約束するから。 だが今は行け、そして挨拶せよ 麗しのガロンヌに、 ボルドーの数々の園に そこでは切り立つ川岸に沿って 小径が伸び行き、河流を目指して 小川が深く注ぐ、だがその上方には 高くそばだつ、一対の高貴な 槲樹と白楊の姿がある。
いまなおよく私には想い出されるのだ、また 豊かな梢を水車の上に傾けている 楡の木が、 だがその中庭では一本の無花果の樹が伸びている。 祝祭の日々には かの地の褐色の女達が 絹の大地を行く、 季節は三月の頃、 夜と昼が等しくなるとき、 そしてゆるやかなるうねうねの径から径へと、 黄金の夢に重くされて、 眠りを誘う風渡る。
だが、どうか渡してくれまいか、 暗い光に溢れた 芳しき祝杯を、誰か私に、 私が憩うことができるように。さぞ甘美であろう 木陰でのまどろみは。 よくないことだ 死すべき想いに満たされ 魂を忘れて在ることは。だが良きことは 語らい、そして思いのたけを 言うこと、また多くを聞くこと 愛の日々と、 そして過ぎし日の数々の偉業について。
友人たちは、だが、どこにいるのか?ベラルミンと その仲間は?多くの者が 源泉に赴くことに物怖じをする。 つまり豊饒が始まるのは 海なのだ。彼らは、 画家のように、大地の美を集め合わせ 波風との闘いを軽んずることなく、そして 孤独に住むのだ、何年でも、 葉のもがれた帆柱の下で、そしてそこでは夜、都市の祝日も 輝き渡ることなく、 樂の音も響き渡らず、郷土の舞踊も見ることは無い。
だが今や、印度人達のもとへ 男達は赴き行った、 そこ、その葡萄の山に接する 風多い岬、そこから下へと ドルゴーニュは流れ下り そして麗しきガロンヌと合流し 海の如く、河流は流れ注ぐ。だが、記憶を奪う大洋は 同時にまた与えもする、 そして愛もまた、懸命な眼をひき留める。 留まるものを創設するのは、だが詩人たちなのだ。
有名な「追想」です。 美しいけど、あんまり面白みはないんだよね、これw
55 :
吾輩は名無しである :02/06/02 08:10
いや、ハイデッガーが好きな理由がわかった気がする(w
56 :
吾輩は名無しである :02/06/02 10:59
>>49-54 ら@さん、
ありがとよ!
いや、面白い。おれも
>>55 さんに胴衣する(w
しかし、良いなヘルダーリン。泣かせるから凄いや。
57 :
吾輩は名無しである :02/06/02 19:04
俺はヘルダーリン論の類は読んだことないのだが やっぱりハイデッガーがオススメ? とりあえず俺個人の感想としては 神さまあ!大好きです!でも神はもういねえよ!神話の時代は終わったよ! てな感じですがどうですか? あと全く関係無いけど詩・ポエム板てヘルダーリンスレとか立てても大丈夫な感じ? せめてボードレールくらいは…百歩譲って谷川俊太郎くらいは…
58 :
吾輩は名無しである :02/06/02 19:47
>>57 ヘルダーリン本人の評論読む方が、
ハイデガーなんかよりも震えるね。
名前に「日本は女子中学生が神の国」は つけないの?ら@氏。
60 :
吾輩は名無しである :02/06/03 21:21
運命の女神達に ただひとたびの夏を与えたまえ、強き存在よ! さらにひとたびの秋を、私に熟する詩のために 与えよ、ならば甘き調べに満ち足りて、 私の心よ、すすんで逝ってよい 生にて神の正義に従わぬ魂は 黄泉でも安らぎはしない だがひとたび聖なる詩が 私の心に成就するならば よろこんで迎えよう、死の世界の静寂を! 私は満足だ、たとえ詩の琴が私に 連れ添わなくても、ひとたびは 私は神のように生きた、だからもう何も望まない
日本は女子中学生が神の国?なんですかホワット? デリダのルソー論の元ネタはハイデガーのヘルダーリン論である といってみるテスト
人間の安住する生が遠くに去るとき、 葡萄の季節の輝きが遠ざかってゆくところ そこにはまた夏のむなしい野がある、 森はその黒い姿とともに現れる。 自然が4時の形象を補うということ、 自然があるときはとどまり、あるときは速かに過ぎ去るということ それは完全ということからきている、天空の高みはそのとき 人間に向かって輝く、花が樹々を飾るように。
上のヤツは最晩年の詩ですな。 すでに正気じゃありません かさに神がかり的というやつです。ポカーン
4時の形象とはおそらく春夏秋冬の循環を意味し、 その循環を「完全」と呼んでいるのでしょう。でもこの完全性は 時間が絶えず均等に割り振りされているという意味ではなく かなり錯綜してます。夏の終わりは、これから始まる長い「夜」を告げる そういう意味では、詩の描写を主宰する「時」は、過ぎ去るもとであると同時に 天空の高みの「とどまり」を告げる、二重かされたものです。 「明」の速やかな過ぎ去りと「暗」のゆっくるとした留まりの重なり、 その按配の分裂性が敢えて「完全」と形容されてますが、この 現前/不在の両義性は、自然と人為の調停不可能性というヘルダーリンの懸案的モチーフに由来するように思われます。
>>62 …最晩年か、到達したわけだ・・・。
>>53 詩に「解説」は無用、特にポカーンの場合は。
解説の方がはるかに錯綜している。
67 :
吾輩は名無しである :02/06/04 06:17
>>65 そうか?この解説めっちゃおもしろいよ? それほど錯綜してないし。
まあ詩だけで味わえない私には結構嬉しいんだけど。私は
むしろイメージの喚起と混乱が言葉で表せない感じを詩にもとめちゃってる。
68 :
吾輩は名無しである :02/06/04 07:18
正気じゃないときの詩のほうがいいような気がする。
69 :
吾輩は名無しである :02/06/04 13:45
夢 を み ま し た _,,,,_ −−−−、 _ /´  ̄`ヽ, ./ / / / ,、 | / `ヽ、. / 〃 _,ァ---‐一ヘヽ ヽヽヽヽヽ | / `ヽ、. i /´ リ} (二)ヽ ノ !_ `ヽ、 | 〉. -‐ '''ー {! | | (_ノ⌒ヽ、 \ | | ‐ー くー | | ! \ \ ヤヽリ ´゚ ,r(、_>、゚'} | | \ \ ヽ_」 ト‐=‐ァ' ! ノ ノ \ \ ゝ i、 ` `二´' 丿 ,, / / \ \r|、` '' ー--‐f´__,, -'' / \ / \ / \ / ヽ ● ● ,,,-''' | / ノ / / ノ / / / _____/ / `ヽ i \ | ) ペチ `ー------□■―-、 ,,ノ / ■□■□■□/ / / ペチ /□■□ / / _/ / / / / / ノ ー---―''⌒) / ノ (_,, ` 三ヲ / / `ー―-、_フ´ _,,ノ / f / ノ / (_ノ
71 :
吾輩は名無しである :02/06/04 23:39
>ら@ おすすめ援助交際サイト、おしえて。
72 :
吾輩は名無しである :02/06/05 01:57
日本では保田與重郎や伊東静雄がヘルダーリンの愛読者だった。これは有名すぎて ちょっとカキコしててはずかしい。 小磯仁氏のヘルダーリン論は、日本浪曼派のヘルダーリン受容を知悉している人の 文章だけに、実に興味深い。小磯さんには保田論や伊東論も書いてほしい。 高いかもしれないけど、創文社のハイデッガー全集のヘルダーリン関係の著作は、 今のところ、4巻出ているはず。ボーナス下がったけど、出たら買おうかなあ…。
73 :
吾輩は名無しである :02/06/05 04:32
タイトル忘れたんだけど、 P・ド・マンの弟子が英語で、 ヘーゲルなどと対照させるヘルダーリン論を書いていた。 ちょっと人工的だけど面白かったよ。 Readingなんとかってやつ。
74 :
吾輩は名無しである :02/06/05 10:18
>>ちょっとカキコしててはずかしい そんなことはありません。私は知りませんでした。 あの伊東静雄がねえ・・・。言われてみればなるほどなと思います。 結核と精神分裂病は実はいくつかの点で似ています。 日本の古い大規模精神病院にはその昔は結核療養所であったところが多い。 伊東静雄の結核とヘルダーリンの分裂病を対比させるのも興味深いかも。
75 :
吾輩は名無しである :02/06/05 12:48
伊東静雄とヘルダーリンとの類似については 橋川文三の『日本浪漫派批判序説』の中の いくつかのエッセーに記述があります。 この橋川という人は、大の伊東シンパで、 その分伊東の盟友だった保田與重郎に対して 厳しすぎるかもしれない。 (伊東がヘルダーリンなら保田はシュレーゲル かアダム・ミュラーなのだそうです) 保田も伊東も同様に戦争協力してたけど、 文学者としての資質は全く異なるという わけです。 「日本人にとってあの戦争が何であったか については、保田のエッセーよりも、伊東 の詩からのほうがはるかに明確に伝わる。」 「保田にとって、あの戦争は自己の情緒的興奮の よすがに過ぎず(いわゆるロマンティックアイロ ニーというやつです)、伊東のように、国民と ともにあの戦争を戦い傷ついた切実さは感じられ ない」 「伊東には厳しい古典的な完成があり、そこに 清冽なユーモアも漂う。保田にはそういうこと はほとんどみられない」 等々。
76 :
吾輩は名無しである :02/06/05 23:26
>>75 人文書院の伊東の全集に収録された日記を読めば、伊東がいかに大東亜戦争に真剣に
臨んでいたかが理解できる。敗戦から2週間ほど後にかかれた「太陽の光は少しもか
はらず、透明に強く田と畑の面と木々とを照し、白い雲は静かに浮び、家々からは炊
煙がのぼつてゐる。それなのに、戦は敗れたのだ。何の異變も自然におこらないのが
信ぜられない」という記述は、当時の国民の少なからぬ数の人々の心境をそのまま表
現していると思う。その伊東は敗戦後、激しく大東亜戦争を憎み、友人の蓮田善明が
日本の滅亡を口にした上官を撃ち殺した後、ピストル自殺したことについて「死ぬな
ら一人で死ねばいいのに」と嫌悪感を表明したという。
保田のように眼前の戦争に「もはや勝利は問わぬ」などとぬかしていた人間と、伊東
は全く異なっていた。橋川もまた、伊東と同じような心境で、あの死をすぐ近くに控
えた戦争の時間を生きていた人間だった。パーキンソン病を患った晩年、橋川が「あ
の戦争はあったと言えばあったが、なかったと言えばまたその通りになる」と書いた
のは、実に悲痛なイロニーで、「私があの戦争に対する態度は、西郷南洲や木戸孝允
が維新の死者に涙を注ぐのと同じ性質のものだ」という旨の言葉を連ねていたのを読
む時、この人が伊東静雄の戦争中の姿と詩業に賛辞を惜しまなかった人であったこと
を改めて、思い出させた。
77 :
吾輩は名無しである :02/06/06 00:40
78 :
吾輩は名無しである :02/06/06 00:44
76はヘルダーリンに興味ないだろ?
>78 その通り!!(w
80 :
吾輩は名無しである :02/06/06 01:10
>79 保田スレに(・∀・)カエレ!! なんか向こうに一筋縄でいかなさそうな左翼がいるから、 ここにいるだろ(w せめてハイデガーでネタ振れ 黒い森とナチスの内的偉大が、 ライン川とどう関係するかとかな。
レクラムで詩集をゲトーしてきた。 ところで Da steh ich auf dem..... Wie alles aufhebt,.. Und Hain und Flur... Jauchzet im Herrlichen... ↑ こういう詩の斜めに並置する形式ってなんていうの?
ななめにならねぇ。。。。 Da steh ich auf dem..... _Wie alles aufhebt,.. __Und Hain und Flur... ___Jauchzet im Herrlichen... こんな感じ
83 :
吾輩は名無しである :02/06/06 04:06
理想社の「ロロロ叢書」のヘルダーリン論は面白い。写真が白黒で、人物の横顔なんて 全部ベタ黒でわけわかんねーけど。
>理想社の「ロロロ叢書」のヘルダーリン論 そんなのあるのか。。。そういや 吉本隆明もヘルダーリン論あったな・・
85 :
吾輩は名無しである :02/06/07 10:42
炉炉炉ってローヴォルトのアレのことですか? 翻訳でてるなんてしらなんだ。
86 :
吾輩は名無しである :02/06/08 04:25
>85 83ですが、恐らくそうだと思います。ドイツ語読めないんですが、奥付にin rowohlt monographienとありました。ちなみに翻訳者は学習院大学の野村一郎氏。これって、名 著なんですか? それと、著者はウルリッヒ・ホイサーマン。変な名前ですね(w
87 :
吾輩は名無しである :02/06/11 02:58
晒しrage
88 :
吾輩は名無しである :02/06/11 21:20
ハイデガーの『ヘルダーリン詩(作)の解明』が二冊ともパクられてたよ! ちきしょー上げ
89 :
吾輩は名無しである :02/06/11 21:21
図書館でね
保田与重郎にヘルダーリン論ってあった? 全集にないんだけど?
91 :
吾輩は名無しである :02/06/12 00:36
卒論
卒 論 か よ !
93 :
吾輩は名無しである :02/06/12 00:46
94 :
吾輩は名無しである :02/06/12 00:48
「清らかな詩人」(保田與重郎文庫『英雄と詩人』に所収)がヘルダーリン論
95 :
吾輩は名無しである :02/06/19 13:53
ヒュペーリオン面白かったよ
ぅぉ!!あぶねぇ
97 :
エンペドクレスの底にあるもの :02/06/20 18:51
悲劇的な頌歌は、最高度の燃えあがりのなかからはじまる。 純粋な精神、すなわち自然への純粋な親密感、がその限度をふみこえたのだ。 うひょーカコイイ
98 :
吾輩は名無しである :02/06/20 18:53
>>88 えーーー、その本<ハイデガー著『ヘルダーリン詩の解明』
版元は? 教えてくれーー、 頼む!!
99 :
吾輩は名無しである :02/06/20 18:54
どうしよ〜かな〜
100 :
100ゲトー? :02/06/20 19:15
>>98 二つ版がある
理想社版と創文社版だ。
後者が全集版新訳だが、
前者は手塚富雄訳なので、誤訳も含めて興味深いと思う。
ハイデガー「ある日本人との対話」のモデルは手塚だし。
ずいぶん前に買った「ヘルダーリン全集」が出てきた。 読んでみるかな。
102 :
吾輩は名無しである :02/06/20 21:38
最近出た岩波文庫の川村訳はどうですか? 俺はこれが初ヘルダーリンですが、まあこんなもんかと・・・ つーか今日本人にあってるんですけどね
訳は難しいなぁ。角川の古い翻訳はすごい擬古文だけど、どうなんだろ ちなみに「パトモス」讃歌の訳の出だしは、角川と全集版とでは 神は近けれど 個人の力はそれを捉ええず さわれ 危急の存するところ 救済のなからめや 神は近きにあって しかも捉え難い だが、危険のあるところ、そこには 救いの力もまた育つ
かなり中途はんぱな擬古文だね。難い、ゃ、だが、っていわゆる口語でしょ?
>>103 う〜む。結局は好みの問題になるのかな?
聖書を旧約で読むか新約にするかとでもいうような…。
だが、「育つ」という語があるとすれば
その意が前者には薄いような…
救済は初めから用意されてあるように読める<擬古文
それがおっとり刀で駆けつけて来るぞ、来ないでか、というニュアンス。
後者は、
危険と共に相関して救いもあるだろうと…どこかアブナさが残るような、
確信というより希望というニュアンス。・・・ちがうだろうか?
106 :
吾輩は名無しである :02/06/21 01:12
ドイツ語を勉強して原詩にあたるべし! Und daher trinken himmelisches Feuer jetzt!
リーム作曲の「ヘルダーリン断片」聴いた。 発狂しますた。
>>100 をを、早速の御教示、ありがたう!!
感謝デス!(亀レスすまそ)
109 :
吾輩は名無しである :02/06/23 17:33
外国の詩を日本語訳で読むことにどれほどの意義があるのだろう。 ランボーなんか堀口訳と小林訳とで、まるっきり違った詩になってるし。
110 :
吾輩は名無しである :02/06/24 01:12
>>109 ベタだが、
ベンヤミンの「翻訳者の使命」を読むべし。
日本語を変形させるという効果を稀にもたらすんだよ。
>>109 原書と幾つかの異訳を、並べて読んでみれ、
たとえ卓越した感性の持主でなくても
言霊というものの尻尾の先が、チラッとでも見えるだらうから。
112 :
吾輩は名無しである :02/06/24 02:45
ブラームス作曲の「ヒュペーリオンが運命の歌」って、どうでしょう?
113 :
吾輩は名無しである :02/06/25 23:33
詩というのは意味が多少怪しくても とりあえず音のリズムを楽しみつつ、原詩は暗唱しておくもの。 それができるなら、頭に入っている詩を思い返しながら 翻訳を読むのは二重の楽しみである。まさに翻訳は無意味ではない。 >>日本語を変形させるという効果を稀にもたらすんだよ。 禿同。 例えば堀辰雄の「風立ちぬ」はヴァレリーの「海辺の墓地」の翻訳から生まれた。 詩の暗唱と詩の翻訳は、真に贅沢な娯楽である。
ふぉっ!!
115 :
吾輩は名無しである :02/06/27 03:59
煙草に言及したあとでヘルダーリンスレに書き込むらげハケーン
116 :
吾輩は名無しである :02/07/08 08:54
保全あげ
117 :
吾輩は名無しである :02/07/09 10:35
118 :
吾輩は名無しである :02/07/09 15:46
吉本隆明『ヘルダーリン論』版元おせーれ、おながいします。
119 :
吾輩は名無しである :02/07/10 02:08
age
らげ どうして来ないんだろ。 ニセモノ様もいいのにね。 名無しでいいのにね。
>>118 Google検索した?
なんで読みたいの?
吉本隆明ってだれなの?
中央公論社じゃないかな?
122 :
吾輩は名無しである :02/07/10 16:07
125 :
吾輩は名無しである :02/07/23 06:45
いいすれなね
126 :
吾輩は名無しである :02/07/30 18:18
127 :
吾輩は名無しである :02/07/31 04:20
103のはユング自伝の最後に引用されてたね
128 :
吾輩は名無しである :02/08/04 13:08
注文してたの届いた。 今日ゆっくり読みます。
運命の女神たちへ ひと夏のみを与えよ 力強い者たちよ! また熟した歌のために ただひと秋を。 わが心が 甘美な戯れに 飽き足りた末 死を迎えるように。 生きながらに神の正義を成就しなかった 魂は 地下の死の国でも休らわない。 しかし心にかかっていた神聖な技 詩がひとたび成るならば その時は来たれ おお影の国の静寂よ! よそわが絃をその国へ伴わずとも 私は満足する ひとたびは 神のように生きた その余は求めることもない。
130 :
吾輩は名無しである :02/08/11 23:57
岩波文庫読了! よかった! 角川とかも手に入れる!
131 :
吾輩は名無しである :02/08/12 00:14
角川版は絶版だと思うのだが。
132 :
吾輩は名無しである :02/08/12 00:53
>>73 遅レスだが、
Andrej Warminski 著
Readings in Interpretation: Holderlin, Hegel, Heidegger
(the University of Minnesota Press, 1987)
のことだと思われ。
裏表紙でデリダが推薦文書いててビックリ
咲けよ 我らの実が熟するまで 咲けよただ イオニアの庭よ アテナイの廃墟に 青むやさしい緑よ 白日のもとに哀しみを秘めよ! 月桂樹の森よ 常緑の冠もて 一面の死者の 墳丘を飾れ マラトンのほとり 少年兵が 勝利に殉じた所 カイロネイアの野の上 最後のアテナイびとが 物具取って血に染まり 汚辱の日から逃れた所 そこに日ごと山から 戦場の谷へ下り落ち 悼み嘆けよ 運命の歌をうたえよ 移ろう水よ オエタの頂から! しかし不死の海神よ ギリシャの歌がすでに あなたを昔のように讃えぬにせよ 波浪もて わが魂になおしばしひびき入れ。その水の上 大胆不敵な精神が 泳ぐ者をさながら 強者の さわやかな幸福に参入し 生々流転の神語を 会得するように。そして疾駆する時が わが頭をあまりに強く押しひしぎ 人間界の 苦難と迷妄が 死すべきわが命を揺り立てる時 私に思い出させよ あなたの深みにひそむ静けさを。
135 :
吾輩は名無しである :02/08/18 21:10
「多島海」って良いね。 風景描写が神話と結びつくときにいい感じなんだけど、 これってドイツ詩の歴史で先例とかあるのでしょうか?
136 :
吾輩は名無しである :02/08/29 09:43
保全age
137 :
吾輩は名無しである :02/09/03 02:48
岩波文庫を買ってきました。 何がおすすめですか?
138 :
吾輩は名無しである :02/09/03 11:35
エンペドクレスの死。
139 :
吾輩は名無しである :02/09/03 11:48
何かというとパトモスばっか引用する奴は死んどけ。
140 :
吾輩は名無しである :02/09/03 11:56
じゃあお前が別のを引用しる
141 :
吾輩は名無しである :02/09/03 11:59
誰もが引用したがるのはパトモスの頭と ラインのお尻。
142 :
吾輩は名無しである :02/09/03 12:10
143 :
ラインのまんなかへん :02/09/07 02:47
大地の子らは 母に同じく すべてを愛し いともたやすく この幸福な者たちは すべてを受け入れる。 だから死すべき人間は 愕然として恐れ戦くのだ 愛の手で 肩にかつぎ上げた 大いなる天球を 喜び故のその重みを 思いはかる時。 その時 最も好ましいのは 絶えてこの世に忘れられ 陽の光も強くはさしこまぬ 小暗い森蔭の ビエンヌ湖畔のさわやかな緑に憩い 声音の拙さにはこだわりもせず 初心者よろしく 鶯に歌を習うこと。
144 :
吾輩は名無しである :02/09/22 00:03
河出のヘルダーリン全集、古本屋での相場、いまいくらぐらいですか。 どんくらいで手を出すべきか……。新刊は高いし。
145 :
吾輩は名無しである :02/09/22 00:07
俺は丹念にバラで揃えた。 計六千円で済んだけど半年かかったよ。
146 :
吾輩は名無しである :02/10/01 19:59
このスレ、落としたくない。
147 :
吾輩は名無しである :02/10/06 17:44
148 :
吾輩は名無しである :02/10/07 10:21
このスレでヘルダーリンを知り、岩波文庫を買い、やられてしまい、 今は全集を探しています。 値段を気にせず見つけたら即買いしたいほど、やられました。1は罪なお人です。
149 :
吾輩は名無しである :02/10/08 00:51
自分も全集で読んでみたいな。
>>148 最近全集を入手したのですが、
狂気に陥ってからの手紙の狂いっぷりと、
風景を描いた詩の清明さのコントラストを、
夜中にうっかり味わってしまうと危険かもしれません…
151 :
吾輩は名無しである :02/10/08 01:18
>>151 禿胴衣しる。めったにないことだが、良いスレ
■個人的なROM用良スレ ヌーヴォー・ロマン アルトー フィツジェラルド 中原昌也 小島信夫 ■今後に期待しているスレ クライスト 庄野潤三 メタフィクション ゲーテ
本郷の赤門前の古本屋に全集4巻セットがあったな。 値段は二万五千円だったと思う。 近郊の人、ダメ元でもいいという人は行ってみるといいかも。
155 :
吾輩は名無しである :02/10/11 13:31
ヘルダーリンAGE
156 :
Prost ◆cheerzFXQc :02/10/12 00:31
148です。見つけました、全集。 20000円でしたが、次にいつ見つけることができるか分からなかったので即買い。 秋の夜長も今年は忙しくなりそうです。 のめり込みすぎないように気をつけながら。
157 :
吾輩は名無しである :02/10/12 01:50
>>156 マジアドバイス。夜中には読むな、危険。
だがそれがいい。
158 :
吾輩は名無しである :02/10/12 03:55
いいなあ。ほすぃ・・・。Part200逝ってもいいから全文うp汁!
159 :
吾輩は名無しである :02/10/12 04:48
20000円かあ・・。全集。 ちと厳しいな・・。でも欲しい。
160 :
吾輩は名無しである :02/10/13 02:06
詩のリズムについて書いている文章が、 なんか電波っぽいのですが、 専門の方であれにコメントできる人がいたらおながいします。
>>156 おめでd! いや、羨ますい、ちょっとずつでも
気の向いた時でいいから、うPしてもらえれば嬉しいぞ!
読み耽っています。読み耽ってしまいます。 日本の古本屋で試しに検索してみたら最安値が17000円でしたが、 そんなことも気にならないくらい読み耽っています。 哲学論考(っていうのかな)にやられてきました。
163 :
吾輩は名無しである :02/10/16 00:28
きをつけてね
>162 いいなあ・・
1か162に全集の感想キボウンニュ
166 :
吾輩は名無しである :02/10/16 20:56
感想キボウンニュAGE
禿ドゥーイッシュ
一篇くらいうPしれ! けち!>全集買って一人で読んでいるヤシ
発狂しちゃったんじゃないの?
170 :
吾輩は名無しである :02/10/18 03:13
ああ 早く うp
171 :
吾輩は名無しである :02/10/18 12:07
>>156 >のめり込みすぎないように気をつけながら。
のめり込みすぎちゃったのね。
早く帰還して うP!!
172 :
吾輩は名無しである :02/10/21 08:44
あの綴りだと、「へるだり−ん」じゃないのか? なあ、ツェランもけっこうなもんじゃないか?おにいさんたち。
173 :
吾輩は名無しである :02/10/21 14:37
ツェランは本名のアンチェルを逆にしたものさ〜。 そんなことよりちょっとでも うP!age〜
174 :
Friedrich :02/10/21 21:15
天才ヘルダリン!
175 :
吾輩は名無しである :02/10/21 21:19
W・カーロス・ウィリアムズの方が凄いのですがなにか?
176 :
吾輩は名無しである :02/10/21 21:37
177 :
吾輩は名無しである :02/10/21 21:38
アレックス
178 :
吾輩は名無しである :02/10/21 21:38
パターソンいいところをコピペよろしく。
ヘルダーリンが二十二、三歳の頃に書いた詩を 全集の一巻からUPしよう。
プラタナスの樹かげ 花々のあいだを縫ってケピソスの流れはさざめき 若人たちは栄誉を夢み ソクラテスは人の心をとりこにし アスパシアはミルテの繁みをさまよい 友愛の朗らかな叫びは かしましい広場のさなかからひびきわたり わがプラトンはかずかずの楽園を作りなし
祝祭の歌は春をにぎわせ 霊感の奔流は ミネルヴァの聖なる丘から 女神を讃えよとばかりにながれ落ち 百千の甘美な詩興の刻には さながら神々の夢のように 老いの影は消えうせた その国に おお愛する者よ! 君を見いだすことができたなら かつてこの心がした通りに その国に君を見いだすことができたなら
ああ! どれほど思いを異にして わたしは君を抱きしめたことだろう!―― マラトンの英雄たちの物語を 君はわたしに歌い聞かせてくれただろう こよなく美しい霊感が 陶然とした君の眼から微笑みかけたことだろう 勝利の喜びが君の胸を若やがせ 歓喜の息吹きをさえしたたかに冷やす 生の重苦しい欝気が 月桂樹の枝のそよぎにつつまれた 君の精神を押しひしぐこともなかっただろう
愛の星は君のためには沈んでしまったのか? 青春のやさしい薔薇色のかがやきは? ああ! ヘラスの黄金の刻のめぐるさなかには 君は歳月の移ろいも感じなかったことだろう ヴェスタ女神の焔のように かしこでは 人という人の胸に 勇気と愛がたえることなく燃えていたのだ ヘスペリデスの果実のように かしこでは 青春の誇らかな快楽が 永遠に花咲き栄えていたのだ
ああ! あのよりよい日々になら 愛にみちた君の心は 民のために どれほど大らかに親密を脈うったとしても 空しくはなかった あの日々ならば 君の心は歓喜の涙を思うさまながしただろうに!―― 待つがよい! いずれは刻がおとずれよう 神的な力を 牢から解きはなつ刻が―― 死ぬがよい! 貴い精神よ! この地上では お前の住まう場所をもとめても 所詮は甲斐がないのだ
雄々しいアッティカはすでに亡びた 蒼古の神々の子らがやすらうところ 美しい大理石の宮の廃墟には 今はさびしく哀しげに 鶴がたたずんでいるばかり 微笑みながらやさしい春はたち帰る だが イリソスの聖なる谷に 春がその兄弟たちと まためぐりあおうよすがもない―― 瓦礫と茨とに埋もれて 兄弟たちはまどろんでいる
わが心ははるかな国へあこがれる アルカイオスとアナクレオンを生んだ地へ マラトンの聖者のもとになら わたしはよろこんで 陋屋に宿りもしよう ああ! 愛するギリシアのためにながれた涙は わが最後の涙であればよい おお運命の女神よ 鋏を鳴らせ わが心はすでに死者たちのもとにある!
すばらしい!!!!!!!! 一週間はこれでメシが喰える!!!!!
人生の半ば 黄色い梨の実を実らせ また野茨をいっぱいに咲かせ 土地は湖の方に傾く。 優しい白鳥よ 接吻に酔いほうけ お前らは頭をくぐらせる 貴くも冷やかな水の中に。 悲しいかな 時は冬 どこに花を探そう 陽の光を 地に落ちる影を? 壁は無言のまま 寒々と立ち 風の中に 風見はからからと鳴る。
190 :
吾輩は名無しである :02/10/25 23:49
田口検証本、本日堂々発売! 馬鹿ども買え!! 我々の印税がかかっておるのだ協力しろ!
ここに貼られたきわめて無礼なカキコについてのお詫び。 田口スレの住人ですが、ランディ周辺の汚猿が、盗作監視スレの 評判を落とすためのなりきりカキコを、 あちこちのスレで乱発しています。 こちらのスレッドを無礼なカキコで汚して申しわけありません。 どうかお許し下さい。m(_ _)m
192 :
吾輩は名無しである :02/10/26 01:13
かつて、このスレの盛り上がりをひそかに楽しみにしていたのに、 今のこの閑散たる状況は、とても寂しいものがあります!
>>180-187 うp、乙かれー。真髄は
>待つがよい! いずれは刻がおとずれよう
>神的な力を 牢から解きはなつ刻が――
>死ぬがよい! 貴い精神よ! この地上では
>お前の住まう場所をもとめても 所詮は甲斐がないのだ
この4行だな。終生繰り返した歎き・・・
ヘルダーリンの本質だ・・・うぅぅぅ、泣けっ
お疲れさまです。 やっぱりすごい。つい声に出して読みました。 またうpしていただければ嬉しいっす。
195 :
吾輩は名無しである :02/10/28 19:12
かな〜り昔、なぜかレコード屋で詩の朗読が流れてたのよね。 誘われるままにそのCDを買いました。 ブルーノ・ガンツが読む「ヘルダーリン」。ECMから出ています。 これ嵌るわ。
ヒューペリオンに音をつけたブラームスも、 クライマックスがなかなかのもの。
らむだっちゃ!! 「だーりん!!」
198 :
あげなきゃ :02/11/06 02:20
おお、天空の光よ! わたしは人間たちから学ぶことはなかった。 遠い以前、欲望に焦がれるわたしの心が 未だ完全なる生命を知るすべも見いだせなかったころのこと、 わたしは、光よ、あなたに身を向け、 植物たちのように身をゆだね、敬虔な歓喜の中で、 ただ盲目的にあなたに帰依するほかなかったのだ。 なぜなら死すべきものが純粋なるものを認識することは難しいから。 だが、或る日、あなたが自らにおいて開花してあるように、 わたしの精神が開花したのだ、そのとき、わたしはあなたを理解し、 叫んだ、あなたは生きてそこにある、と。 そして、あなたが死すべきものの周りに 静謐に流れつづけ、天空と同じほどに 若々しく光り輝くあなたがあらゆる事物の上に、 それらすべてがあなたの精神の色彩を帯びるようにと、 閃光の恩寵を下しつづけているのを知った、 地上の生はわたしにとっても詩となったのだ。
199 :
吾輩は名無しである :02/11/06 04:17
例えば、ゲーテはヘルダーリンの詩に嫌悪感を示した、という話ですが、 ヘルダーリンの魅力はどこにあるんですか? 私はゲーテの詩は好きですが、ヘルダーリンの詩はよくつかめません。 ヘルダーリン好きな方、その魅力を教えてください。おながいします。
200 :
吾輩は名無しである :02/11/06 04:21
ゲーテは圧倒的な存在感で周囲をなぎ倒す重戦車。 ヘルダーリンは、近づいて初めて見えるが、確実に致命傷を与えることのできる極細の針。
201 :
吾輩は名無しである :02/11/06 06:55
うを!かっちょいいことゆいますね。
>200 なんとなく、言わんとしていることはわかります。うpされてる詩を 読んでもそんな感じです。しかし、ビジョンがどうも…私にはうまく 捉えられない感じです。合わないのかなぁ。
203 :
吾輩は名無しである :02/11/06 13:22
>>202 ゲーテの作品世界は彼の人格込みで迫ってくる所があるから、
あなたもゲーテ本人の判断を半ば受け入れているんじゃないですかね?
204 :
吾輩は名無しである :02/11/06 13:53
針の尖への永遠の旅。
>>202 ええ、そうだと思います。
ちなみ言ってしまえば、判断とはすなわち自己の主観によると思うので、ゲーテ
の判断を私が受け入れているのであれば、私はゲーテの主観を受け入れている
ということになりますでしょうね。
そうか!ヘルダーリンがつかめない感じがするのは、ヘルダーリンの詩に
彼の主観的なものが希薄だから、でしょうか?
…ん?ほんとにそうなんだろうか??ヘルダーリンの詩に彼の主観が希薄?
…うーん…。
ヘルダーリンの感想。 失われた神話の時代が恋しいようヽ(`Д´)ノウワァァン ・・・で合ってますか?
主観を捨てた人間のホームラン王はオウム信者やで。 オウム信者に主観が残ってないわけでもないがのう。 さ、話続けて。
主観を捨てようとした、のほうが正しいか。訂正。めんごめんご。
209 :
吾輩は名無しである :02/11/07 04:12
ヘルダーリン批評の白眉は何といっても、 アドルノの『パラタクシス』。
210 :
吾輩は名無しである :02/11/07 15:29
>>209 そうでもないよ。まさかそれしか読んだことないってわかじゃないよね?
211 :
吾輩は名無しである :02/11/07 15:34
ハイデガー ベンヤミン アレマン これで充分。
>208 主観、つまりヴィジョンを捨てようとしている詩に何を感じればよいでしょう? 独白を聞け、という感じでしょうか。うーん、それでつかむにはやはり感性の 波調がヘルダーリンと近くないときっと難しいんでしょうね。なんだかもやもや した感じです。
213 :
吾輩は名無しである :02/11/07 15:48
214 :
吾輩は名無しである :02/11/07 16:02
>>212 Ein Zeichen sind wir, deutungslos,
という認識に、俺なんかは
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
って感じだけどね
215 :
吾輩は名無しである :02/11/07 18:40
>>209-211 最近邦訳が出たものでは
ジャン=リュック・ナンシー『神的な様々の場』(松籟社)に入ってる
「詩人の計算」「ヒュペーリオンの悦び」のヘルダーリン論、
これ最強。
え! ナンシーってシドと別れてゴダールとケコーン!?
そういえば、去年か一昨年、神戸で ストローブ=ユイレ『エンペドクレスの死』上映してて見に行ったらよかったよ もちろんヘルダーリンの戯曲が原作
見たい...
ヘルダーリンは哲学論考や悲劇注釈が激面白すぎですね。 ほとんど人でなし的残酷さを漂わせています。
220 :
吾輩は名無しである :02/11/08 09:29
ら@さん。いまの本家らげさんは らΦという新ハンドルを使用 しております。 そろそろバァージョン替えの 時かと。
Rings um ruhet die Stadt; still wird die erleuchtete Gasse, Und, mit Fackeln geschmuckt rauschen die Wagen hinweg. Satt gehn heim von Freuden des Tags zu ruhen die Menschen, Und Gewinn und Verlust waget ein sinniges Haupt Wohlzufrieden zu Haus; leer steht von Trauben und Blumen, Und von Werken der Hand ruht der geschaftige Markt. Aber das Saitenspiel tont fern aus Garten; vielleicht, das Dort ein Liebendes spielt oder ein einsamer Mann Ferner Freunde gedenkt und der Jugendzeit; und die Brunnen Immerquillend und frisch rauschen an duftendem Beet. Still in dammriger Luft ertonen gelautete Glocken, Und der Stunden gedenk rufet ein Wachter die Zahl. Jetzt auch kommet ein Wehn und regt die Gipfel des Hains auf, Sieh! und das Schattenbild unserer Erde, der Mond Kommet geheim nun auch; die Schwarmerische, die Nacht kommt, Voll mit Sternen und wohl wenig bekummert um uns, Glanzt die Erstaunende dort, die Fremdlingin unter den Menschen Uber Gebirgeshohn traurig und prachtig herauf. 川がお好きな人のようで。塔なのに。
222 :
吾輩は名無しである :02/11/14 03:52
おい勘弁! 訳もおながいします。
223 :
吾輩は名無しである :02/11/20 05:11
あーげ
dat落ち死守
225 :
スカルダネリ。 :02/11/23 19:26
この世の快さを私は味わった 青春の時はあぁなんと早く過ぎ去ったことか 4月と5月と7月はすでに遠く わたしはもはや誰でもなく もう生きていたくない!
おまえにとっては 生きとし生けるものが血縁あるものではないのか パルツェたちみずからが奉仕して お前を養ったのではないのか? それだから あらがうすべもないままに いのちのなかをさすらいゆき なにものをも怖れるな! おこることはことごとく おまえにとっては祝福されたものとなれ 喜びに変えられよ! それとも なにか おまえを害すとものがあるとでもいうのか 心よ! おまえがなにと出会おうとも どこに行こうとも? なぜならば 歌が現身の唇から 喜びの息をついて現れ出て 悩みと幸いのなかでやくだちながら われらの歌の節が人間の心に 楽しみを与えるようになってからこのかた われらもまた同じように 民の歌人として 生きるものたちが 多く集うところにいることを好み 誰にもやさしくし 誰にも心を打ち開いていたのだ まことに われらの先祖なる日の神もそうだった
あの神は貧しい者にも富んだ者にも楽しい昼を恵み 迅速に過ぎ去る時のなかで われら無常の者たちを 幼児のように 黄金のあんよ紐に すがらせて 立たせておいてくれるのだ 彼を 彼をもまた 時いたれば 紫色なす潮が 待ち構えて 奪ってゆくのだ! 見よ そのときあの高貴な光は 転変を明察していて 平然として 下降の道をたどってゆくのだ それならば 消え行くがよい いつか時いたって 霊の権能がいかなる点でもおかされないようになるのならば いつかは 死ぬがよい いのちの厳粛さに包まれて われらの喜びよ 美しい死を!
228 :
吾輩は名無しである :02/11/26 23:18
229 :
テュービンゲン! :02/11/29 14:24
フランクフルト版の全集はおすすめ。 以前に本郷の郁文堂で見たけどな…。
230 :
吾輩は名無しである :02/11/30 16:48
もっとみんな語ろうぜ! ヘルダーリンの偉大さを!
231 :
吾輩は名無しである :02/11/30 17:21
>aber diß habt ihr all vergessen,
>daß immer die Erstlinge Sterblichen
>nicht, daß sie den Göttern gohören.
> Hölderlin
>けれどあなたたちは皆忘れてしまっている、初穂は決して
>死すべき者たちのものではなく、
>つねに神々のものなのだ、ということを 。
> ヘルダーリン
http://www.h5.dion.ne.jp/~pt_kloss/osorezan/osorezan.htm に引かれている。
たとえば人身御供の根っこにまで通じている思想じゃないかい。
Vereinigungsphilosophie!
233 :
吾輩は名無しである :02/12/01 01:23
>>232 Wahrlich, ich glaube nicht.
Warum und Weshalb?
235 :
Gedichte von Christine Lavant :02/12/02 09:36
Mein Augenlicht ist nichts mehr wert, auch das Gehoer geht langsam ein, bald werde ich so sinnlos sein wie ein verbrauchtes Gruben-Pferd, doch niemals so ergeben.
クリスティーヌラヴァンなんてフリッツの偉大さに関係ないじゃん! エトナ山がらみってこと?
237 :
吾輩は名無しである :02/12/02 12:00
Jetzt komme Feuer! 今こそ来たれ、火よ!
もしガイシュツならすまそだが… フレッド・ウルマン作『友情』(集英社刊)読んだか? ヘルダーリンの読者にすすめたい。短いが珠玉の小説、ヘルダーリンの詩が これほど相応しく使われている作品も珍しいだろう。ぜひ一読を。
239 :
吾輩は名無しである :02/12/05 02:00
あ、ageておこうか
240 :
吾輩は名無しである :02/12/14 12:34
ハイデガーがヘルダーリンの詩を朗読したレコード知ってる? ま、声としてはブルーノガンツの方が数段渋いけどね…。
241 :
吾輩は名無しである :02/12/14 13:36
Ich will vom Leiden endlich alles wissen! Zerschlag den Glassturz der Ergebenheit und nimm den Scatten meines Engels fort.
242 :
吾輩は名無しである :02/12/14 16:05
Was sagst Du?
243 :
吾輩は名無しである :02/12/14 16:09
Bruno Ganzは名優だね。 「永遠と一日」なんてまさにはまり役。 Thomas Bernhardの「英雄広場」も凄かったけど。
244 :
吾輩は名無しである :02/12/14 19:04
悲劇の誕生…
246 :
吾輩は名無しである :02/12/15 00:04
祝! 保田スレ倉庫行き! 保田信者のヴァカどもは少し近現代史を勉強しろ!
247 :
吾輩は名無しである :02/12/18 18:44
>>243 ヴェンダースの「ベルリン天空」といい、
確かにブルーノガンツの役どころは詩の朗読が多いよね。
あの渋い声で'Der Nordost weht…'(云うまでもなくヘルダーリンの「追想」)
と来られたら敵わないよな。
248 :
吾輩は名無しである :02/12/18 19:57
>>247 まったく同感。
ガンツがヘルダーリン(他ルネシャール等)を読んだ
レコードはすばらしいと思います。
249 :
吾輩は名無しである :02/12/20 14:24
>>238 遅ればせながら…。
フレッド・ウルマン「友情」、確かに味わい深いヘルダーリン詩の引用ですな。
舞台がシュヴァーベン地方だけになおさら効果的。
しかしあの清水徹が訳とは意外だ…。
>>249 確かに味わい深いヘルダーリン詩の引用ですな。>
同感です。佳品だと思いました。
願わくは、最後の余韻をもっと引き、あの傾向に連なる短編を
2編ほど加えてアンソロジーとしてほしかった。
「遍歴」が引かれたハイデッカー『芸術作品のはじまり』は
持っているけれど、『〜詩の解明』を同時期に入手しなかった
のはイタい。
251 :
吾輩は名無しである :02/12/20 16:49
諸君はTuebingenを訪なったことがあるか? Hoelderlinが座った椅子を見たら泣くぞ。
252 :
吾輩は名無しである :02/12/20 18:21
ヘルダーリン塔のこと?
253 :
吾輩は名無しである :02/12/20 18:27
然り。 老スカルダネリの幻影が見える。
254 :
吾輩は名無しである :02/12/20 18:30
>>254 意外に明るいイメージの塔、また驚くほどに美しい場所!
「塔」というと「幽閉」のイメージが重なるけれど、
彼は町やあたりを自由に散歩していたのですものね。
むろん現実の風景を夢幻と重ねていたのだろうけれど、
それにしても容易に空想世界に入れそうな環境です。
「ドイツロマン派の旅」みたいなテーマで、いつか訪ねら
れるといいなあ。あのおいしい白アスパラ(ゆでてわさび醤油で
食べるのが最高です)が、市場にあふれる季節にでも…。
256 :
我輩は名無しである :02/12/20 20:08
統合失調症
257 :
吾輩は名無しである :02/12/24 14:11
失語症
258 :
V-2 Schneider :02/12/24 14:21
岩波文庫で翻訳している川村二郎、 氏が10年くらい前に行なった講演 (「東京の夏」音楽祭「ドイツロマン派」の一環)は素晴らしかった! ジェシーノーマンの歌うシューマン「月夜op.39-5」を かけながら、Romantikerの望郷精神について語っていた(うろ覚え)。 シューマンの音楽とヘルダーリンの分裂詩に於ける親近性については、 ミシェルシュネデールが指摘している通り。 川村二郎氏は近年の「白山の水」も含めて、実に渋い仕事をされている。
>>258 川村先生になんか聞きたいことあります?
チャンスがあれば聞いてもいいけど・・・
と別に関係者である事を自慢したいわけではないが(←嘘)
なんて実は関係者と言えるような大したものではないが
260 :
吾輩は名無しである :03/01/11 18:09
定期保守age
261 :
吾輩は名無しである :03/01/11 19:56
>川村二郎氏は近年の「白山の水」も含めて、実に渋い仕事をされている。 禿胴! 「群像」に連載中の「イロニアの大和」も実に面白い。桶谷の保田論も 捨てがたいが、古典文献の律儀な読みでは川村に軍配を上げたい。
>>259 岩波文庫あとがきの『ヒューペリオン』が高校と下宿で二度
灰燼に帰したエピソードに泣けた、とお伝えください。
また、丁寧な解題をつけてくださったお蔭さまで勉強に
なります、とも。
あと5分の4も出版されるといいなと思います。
(
>>254 の写真感謝です)
ヘルダーリン塔と呼ばれる三階建ての右半分は普通の建物だが、
左半分が円塔状で、尖った三角帽子をかぶせたような屋根になっている。
屋根はじつは八角形で鉄錆色、それがまわりの朱色とは違う特徴だった。
下はいわゆるベイ・ウィンドウの張り出し窓。
が、これはほんらいの建物ではなく、復元したものだった。
狂える詩人は、塔の二階の部屋に住んだが、その室は狭く、
中にはベッドが一つ、本が数冊あるだけだった。
ヘルダーリンの疾患は三十代の初めに起こり、 しかもそれがいつ起こったのか周囲のだれも気がつかず、 ゆっくりと忍びやかに、脳神経を冒していった。 ・・・指物師のツィンマー家に移ってからのヘルダーリンは、 七十歳を越える老衰期まで上機嫌でその生活を過ごし、 訪問者があれば幸福に満ちた表情で自作の小説の一章や詩の一句を暗誦し、 独居のときでも訪客があるかのようにその多幸的な独語が室外まで聞こえたとある。 多幸感はこの病患の特徴のひとつである。
詩人ヘルダーリンがアテナイの神殿の女性祭司になぞらえて 「ディオティーマ」と呼んだズゼッテは、ヘルダーリンを裏切った・・・ 以上は松本清張の「ネッカー川の影」という短編から (1990、単行本「草の径」に納められている)なんですが、 私はこれでヘルダーリンを知りますた。 (ミーハーでスマソ)
(^^)
267 :
吾輩は名無しである :03/01/22 20:13
(^^)(^^)(^^)
268 :
吾輩は名無しである :03/01/22 20:15
岩波文庫の『ヒュペーリオン 希臘の世捨人』が復刊しないかなあ・・・。
十九世紀後半はヘルダーリンの名は徐々に高まってきた。 ルドルフ・ハイム(1821-1901)はヘルダーリンを、 ロマン派という幹から脇のほうへ出た枝であり、 現実から逃避したギリシャへの憧憬の産物と断じた。 しかしヘルダーリンは、まさしくそのギリシャ愛を媒介にして、 同時代の歴史現実こそ最も厳しく見据えつづけた詩人にほかならず、 この厳しい眼差しを向けてドイツへの憂慮も希望も歌ったのだから、 最重要の一点をハイムは完全に見落とし見誤っていたと言える。 「ギリシャ狂のロマン派の一分枝」との観点は、相当後まで残った。 小磯 仁「ヘルダーリン」清水書院より 最近読み始めた私としては、なるほどねっ(・ω・)・・て感じです。
270 :
吾輩は名無しである :03/02/19 01:15
ageルダリーン
271 :
名無しリーマン :03/02/19 01:18
パソコン通信時代に、「ヘルダーリン」などというハンドル名をつけて 喜んでいた恥ずかしい頃があった・・・(赤面) 今、本棚にインゼル版の「詩集」「ヒュペーリオン」があるが 埃をかぶっているだけだw
272 :
吾輩は名無しである :03/02/21 15:46
2ちゃん見てる時点でヘルダーリンは永遠に理解できねえんだよ
273 :
吾輩は名無しである :03/02/21 15:52
そんなことはない。
2ちゃんねるでヘル様を知り、読んでますが何か?
276 :
吾輩は名無しである :03/03/11 01:40
マダムBと勘弁の書き込み期待age
277 :
(・A・) :03/03/11 02:52
隔たりながら近づく谺 骨灰と化すその明かるみの中で 「気が狂った ああ 気が狂った」 と言われ続けて百年が過ぎた もしも 「一匹の猿は もう一匹の猿を映す水」 であるというのが真実ならば それはあたらぬ 私はむしろ 冷静に 「像の写像形式を 写像する像」を思考する ―― 気が狂った ああ 気が狂った!
278 :
吾輩は名無しである :03/03/15 02:17
こうして私は一巡する 生の孤線を そして戻る 私の由来する源へ (生の道) いやあ、いいねえ。
279 :
吾輩は名無しである :03/04/04 01:36
まだまだ!
>>278 それ小説の冒頭に引用しました。
その作品失敗しました。アマチュアでよかったと思う。
281 :
吾輩は名無しである :03/04/19 13:09
最近酔っ払ってくると、ヘルダーリンが読みたくなります。 とうわけでageます。
282 :
吾輩は名無しである :03/04/19 13:13
ひ孫じゃないつーの。 大おじだつーの。
∧_∧ ( ^^ )< ぬるぽ(^^)
284 :
吾輩は名無しである :03/05/10 19:59
貧しき時代に詩人であるとは・・・・・・ ヘルダーリンのいる時代ってそんなに貧しかったのですか? 今から見ると風格がある(マンより)と思うのですが、 彼の精神は時代をどう捉えていたんだろうな。それがなぞだ。
時代や一般庶民が貧しくても、 当人が貧しくなければ良いわけで。 芸術というのはやはり貴族的なものなんだね。
286 :
吾輩は名無しである :03/05/11 14:12
小説「ヒュペーリオン」の初めのほうにこういう文章がある。 「この世界は、この世界の外に別の創造者を求めなければならないほど、乏しい ものであるだろうか。」 乏しき(貧しき)時代の詩人ってのは、経済的というより、哲学的な意味で言われて いるんだと思う。
「ヘルダーリン ヒューペリオン」で検索したら、 そういうのいっぱい出てくるよね。
∧_∧ ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄〕 = ◎――◎ 山崎渉
289 :
吾輩は名無しである :03/06/08 23:43
岩波文庫の詩集を遅ればせながら購入 同時に清水書院『ヘルダリーン』を図書館から借りました この本の著者の評価はどのようなものでしょうか
当人むちゃむちゃ貧しかったやん。
>>285 いまでいうODみたいなもんでしょ。
めっちゃ遅レスでしかも
>>284 のいうのは経済的な意味ではないんだろうけど。
293 :
吾輩は名無しである :03/07/04 01:51
age
そういや学生時代に意気込んでマイヤースの2巻本買ったなぁ ひゅぺーリオンの出だし読んだだけで埃かぶったまんまだけど
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
296 :
吾輩は名無しである :03/07/23 23:31
うせええ
297 :
吾輩は名無しである :03/07/26 16:12
ゴダールの『軽蔑』の中でフィリッツ・ラングが詩を暗唱してるシーンがあるね。
298 :
吾輩は名無しである :03/07/26 16:22
299 :
吾輩は名無しである :03/08/03 03:29
ラクー=ラバルトが十月上旬に来日するみたいだ 『経験としての詩――ツェラン・ヘルダーリン・ハイデガー』あり
「この無限の同一性において、調和的に対置されたものは 一致したものとして対置されるのでもなく、 また、対置されたものとして合一されるのでもなく、 単一なるものにおける両者として、 一致して対置されたものとして分割不能と感じられ、 また感じられたものとして見いだされる。」 (StA4,251)
(⌒V⌒) │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。 ⊂| |つ (_)(_) 山崎パン
302 :
吾輩は名無しである :03/08/31 19:35
保守AGE
303 :
吾輩は名無しである :03/09/13 10:58
ラクー=ラバルトのヘルダーリン論 もうひとつ出るらしい
304 :
吾輩は名無しである :03/09/13 19:13
>>271 俺、あんたのこと知ってるかもしんない。
おう
306 :
吾輩は名無しである :03/10/14 18:53
ラクー=ラバルト発売あげ
308 :
吾輩は名無しである :03/10/21 23:12
日本賞 (音楽)作曲部門金賞『ヘルダーリンの2つの詩』… どの詩かわかる人、うPしれ!
同名のベンヤミンのヘルダーリン論考があるが、それとは関係ないのかな。
>>308 日本賞? ニュースサイトから↓
第72回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催)本選会シリーズ4日目の
21日は、東京・初台の東京オペラシティで作曲部門の審査が行われた。
今年の課題は室内楽曲。応募の52曲から予選の譜面審査を通過した7人の作品が
初演され、池辺晋一郎、石田一志ら11氏の審査の結果、
第1位に中村寛さん(38)=滋賀県出身・日大講師=の
「天の窓は開かれ(ヘルダーリンの2つの詩)」が選ばれた。
作曲かよ!
312 :
吾輩は名無しである :03/11/06 17:28
どうやらヘルダーリンは、 ヘーゲル以上の真理を掴んでいたとされているようだ。 たしかに後期賛歌を読むと、すごいと思う。 けれど、この二人の違いを、 単なる詩人と哲学者の違いという以上の、 まともな仕方で説明した文章を読んだことがない気がする。 詩人ゆえに持ち上げたり落としたりする手法は、 ハイデガーで読み飽きた。 ラクー=ラバルトはその辺どうなんでしょうか?
313 :
吾輩は名無しである :03/12/09 03:28
省察 ヘルダーリン著 武田竜弥(たけだ・たつや)訳 論創社 本体3200円 22cm 324p 4-8460-0406-6 / 2003.11 認識が言語を予感するように、言語は認識を想起する-。ハイデガー、ベンヤミン、 アドルノ、ドゥルーズらによって最大級の評価を受けた詩人の思考の軌跡。 【著者紹介】 〈ヘルダーリン〉1770〜1843年。ドイツ文学史上最高峰の一人に数えられる詩人。
ヘルダーリンってどの時期が最も評価されてんすか? 個人的には、岩波文庫のを読むと、やっぱ後期の方が詩人としてギリギリの所に来てて、すごいと思う。