【書評】『日本型モノづくりの敗北』(著:湯之上隆) [13/12/14]
462 :
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――その轍を踏まずに成功している企業もありますね。
淺羽:成功例の代表は米ゼネラル・エレクトリック(GE)でしょう。うまくいっている理由の1つは、リバースイノベーションです。中国の
実情に合わせて開発した小型のポータブル超音波診断装置を同国だけでなく米国などの先進国にも展開して販売を伸ばした例などが
有名です。
ここで注目すべきは、リバースイノベーションが成功したカギが発想の転換にあったということです。
先進国である自国で成功したものを海外に展開するという従来のやり方がまだ有効かもしれないが、一方でそうでないケースもある。
先進国の市場は最先端だが、新興国の市場も見方を変えれば最先端だと言える。そこにイノベーションの種がある。だから新興国から
学ぼうとなったわけです。
――GEという米国企業にとってガラパゴスである米国から脱却したというのが重要なポイントというわけですね。
淺羽:そうです。リバースイノベーションの「リバース」という言葉は、製品や技術開発の流れを逆転させるという意味ですが、その裏に
あるより大事なことは、やはり見方、発想を変えるということなのです。
【コラム】大学のガラパゴス化--茂木健一郎(脳科学者) [02/25]
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1330154171/ 一つの価値基準、一つの文脈から見れば優秀であるが、一方で柔軟性を欠くことになる。
結果として、日本の国内市場の中では通用するけれども、グローバル化した世界では
意味を持たない制度やシステムが温存されることになってしまう。これが、今の日本の
危機の象徴である。
それを象徴するのが、「ガラパゴス化」という言葉。ある視点から見てすぐれた「部分最適」
にはなっても、全体から見た「全体最適」にはならない。つまりは、グローバルな地球社会
に貢献するような価値に結実しない。そのことが、急速に「ソフト化」し、「ネットワーク化」
する世界の中で、日本の変調、凋落をもたらしている。
時代は流れ、その日本の大学が、「ガラパゴス化」の危機に瀕している。日本語で学問が
できるようになったのは、一つの偉大な成果だった。しかし、それゆえに、日本の学問、
とりわけいわゆる「文系」の学問は、世界と切り離される結果となってしまった。
自然科学の研究者たちは、英語で論文を書くということを基本としている分、まだしも良い。
それでも、日本人研究者には多くの人が指摘する弱点がある。体系的な「レビュー論文」を
書いたり、まとまった思想、世界観を一冊の本として提示するような仕事は、きわめて
少ないのである。
文系の研究者は、残念なことに多くが「内弁慶」になってしまっている。もちろん、諸外国
の最先端の学術情報を日本語で伝えるという営みは尊いし、時にクリエイティヴである。
翻訳は、現在のところコンピュータ上のプログラムではなし得ない高度な作業であり、
日本の文系の研究者たちが、原著の翻訳、紹介を業績の一部と見なしてきたことには正当性
がある。
463 :
462:2013/12/17(火) 20:46:50.81 ID:78UNzCQ3
問題は、学問の表現が日本語に大きく依拠していることである。もちろん、文系の教授たち
だって、国際会議に行って英語で発表したり、議論することはある。ところが、理系の研究者
と同様、レビュー論文や著作を通しての体系的、総合的な世界観の提示という分野においては、
なかなかインパクトのある論者が出ない。何しろ、学問の成果を公刊し、流通させるための
手段としての「日本語」の吸引力があまりにも強いのだ。
【調査】米調査会社調べ…サムスン携帯、ノキアを抜いて初めての世界首位に
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1335608332/655 655 名前:名無しさん@12周年[] 投稿日:2012/04/28(土) 21:49:44.55 ID:u9lkB02f0
>>640 日本人の最大の悪いクセの一つが、日本と言うガラパゴス島の自分の視界領域に
入ることを定規にして、グローバルレベルのものの判断に使うことなんじゃなかろか。
そういうのをして「ガラパゴス」って揶揄されバカにされてるわけだろ
「日本じゃみないんだけど」なんて聞けば聞くほど、アメリカおよび諸外国の
連中から見て認識が低い、ガラパゴスだなと表現されるわけだろ
日本人のまずいところは、日本列島の閉鎖空間の中だけで全てを判断しやすいことで、
しかも英語が苦手で海外のニュースや動向が読めないことが、それにさらに
拍車をかけてる。
英語だろうな、最大の問題点の一つは。
英語圏とつながって、つねにアメリカやイギリス、カナダといった欧米の動向
も含めて全体判断できてれば、もう少しガラパゴスじゃない思考様式になって
いくんだろうけど。
かくいう俺も英語が苦手だ。日本人の最大のボトルネックだなこれ。
675 名前:名無しさん@12周年[] 投稿日:2012/04/28(土) 21:57:41.04 ID:u9lkB02f0
Samusungは社内公用語がほぼ英語らしいから。HTCもそう。
ようするに、彼らは常に欧米からリアルタイムで学んでるわけだよね。
英語圏の、いわばアメリカの発信する英語のナマの情報をすぐにキャッチする。
OSやCPUといった基幹テクノロジーや数理科学が、いってみればアングロ=サクソン文明
の産物であることを考えれば(コンピュータ関連の発明史をたどればほぼ全てイギリスとアメリカ
の人物史に帰着する、ブール代数であり、シャノンの情報理論であり、チューリング完全であり、
ノイマン型コンピューターであり)当然のことで、今でも情報理論の先端はほぼすべてイギリスとアメリカ
の独壇場である。オックスブリッジとIVリーグやキャルテクに集約されるといってもいい。
そしてARMはイギリスのCPU企業であり、オペレーティングシステムはアメリカの産物だ。
いまだに人類文明ってのは大英帝国とその末裔、要はアングロサクソン文明の申し子
たちを中心に推進されてるのである。
SamusungやHTCといった企業が社内公用語をとっくに英語に切り替えてるということは
いってみれば、そういう英米の技術情報にいち早く台湾や韓国のほうが適応しやすい
ということでもあるだろう。
ここで、いまさらながらようやく英語を社内で使おうとかチラホラいい始めてる
日本が出遅れまくってるのは、しょうがないんでなかろか。
464 :
463:2013/12/17(火) 20:52:18.47 ID:78UNzCQ3
2013/8/19付
(グローバルオピニオン)事業本部 海外移転の勧め スイスIMD教授 スチュワート・ブラック氏
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO58618640X10C13A8TCR000/ 日本経済はアベノミクスで元気を取り戻したようだが、日本企業の抱える構造問題は解決していない。
事業のグローバル展開がうまくいかず、世界のライバルに比べて成長力で見劣りすることだ。
証拠を数字で示してみよう。売上高順に世界の企業を並べた米フォーチュン誌の500社ランキングをみると、
1995年には141社の日本企業が名を連ねたが、12年には半分以下の62社になった。
一方、米国企業と欧州企業はいずれも140社前後でほぼ横ばい。この間急速に台頭した中国企業などに
押し出されたのが、もっぱら日本企業だったことが分かる。
長期にわたって売上高が足踏みする企業は、何かしら問題を抱えているものだが、日本企業の場合、
グローバル化への不適合が最大の問題だ。
国内で生産し、それ輸出している時代はよかった。だが、現地に拠点を展開し、現地の人材を登用して競争
する段階に入ると、勢いが陰った。今の時代、多くの企業にとって競争優位の源泉はコストでも設備でも技術
でもなく、人の力だ。その企業がどれだけ優秀な人材をひき付けられるかで成長力は左右される。
欧州の大企業350社を調べた最近の調査によると、幹部に占める外国人の比率はスイス企業の場合が39%、
オランダ企業は27%、英国企業も16%を占めた。一方数年前に私が日本の上位10社を調べたところ、外国人比率
は5.5%にとどまり、そこから日産自動車とソニーを除くと、なんと0%だった。
世界中の優秀な人が集まる企業とそうでない企業の間で勢いに差がつくのは当然だ。日本企業もグローバル
人材の採用や育成に本気で取り組まないといけない。そこで、お勧めしたいのが、事業本部単位の海外移転だ。
日本は島国であり、外国人を国内で大量に採用するのは難しそうだ。ならば発想を変えて自ら出て行く。
…
日本の大企業には海外ビジネスを束ねる組織があり、「国際本部」とか「海外統括部」とか呼ばれる。
まずはこの組織から外に出してはどうか。海外に出ることで日本にいれば聞こえてこない情報も入ってくる。
世界の見方も変わる。英語もうまくなる。…
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多様性が豊かさ生む
「人材の多様性で最も先を行くのは」と尋ねると、即座にスイス企業という答えが返ってきた。IMDはスイスの
ローザンヌに本拠を置くビジネススクールだが、身びいきではない。現実にネスレのようなスイスの優良企業は
「パスポートの色を問わない人事政策」を実行し、様々な国で採用した人材を世界各地に配属、転勤させて
グローバル人材を育てる。スイスの一人あたり国内生産は8万ドルで日本の2倍弱。組織の多様性、人の多様性
が経済を活性化し、それが豊かさを支えている。(編集委員 西條都夫)
2013/09/30
世界のネスレなぜ強い 「国捨てる覚悟」競争力磨く
http://www.nikkei.com/article/DGKDZO60377300Q3A930C1TJC000/ http://ameblo.jp/oomasatsuritai/entry-11624653977.html 60歳で退職した社員に、現役時代の基本給の半分 を生涯にわたって企業年金として払い続ける会社がある。
元社員が亡くなり、配偶者が残った場合も、金額 は減るが支給は継続する。「社員1人あたり約1億円 の原資
を見込んでいる」とこの会社の社長はいう。 「日本企業は社員を大切にする」という常識が崩 れ、世知辛い話の多い
昨今、こんな会社があるのかと耳を疑う人も多いだろう。タネを明かせば、この会社 は日本企業ではなく外資系の
ネスレ日本である。同社の高岡浩三社長は「もともとスイスのネスレ本社で始めた年金制度を日本にも導入した。
この話をすると皆さん驚く」という。 ネスレがこんな手厚い制度を維持できる秘密は何か。当たり前のことだが、
高い収益力こそ、充実した福利厚生の基盤である。 世界最大の食品企業であるネスレは連結売上高およそ10兆円
に対し、営業利益は1兆5千億円で、営業 利益率は15%に達する。キリンホールディングス7%、味の素6%、
ヱスビー食品3%--。国内大手の利益率と比べても、ネスレの突出ぶりが分かるだろう。 この差はどこから生じるのか。
ような強力ブランドを多数擁して、それを世界中で 広く売る。地域限定的なローカル企業にはマネのできない物量
のすごみが、ネスレの力の源泉だ。 例えば「ネスカフェ」は日本市場だけでも年間12 0億杯相当を販売し、
日本人が飲むコーヒーの4分の 1を占める。今もっとも重視しているアフリカ市場で は、調味料の「マギー」が売れ筋
中には強壮剤として食べる人もいて、ナイジェリアでは1日1億個が売れるという。 世界展開については、
こんな話もある。全社員35万人のなかで、全体の0・2%にも満たない「イン ターナショナルスタッフ(IS)」と
呼ばれる少数のエリートがいる。複数の外国語を操り、世界各拠点を 渡り歩くが、絶対に赴任しない(できない)国
が一つ だけある。自分の母国だ。 「何かの事情で母国で働くことになれば、格を失う。国を捨てるぐらいの覚悟が
なければ、本当のグローバル人材は育たない。スイス本社はそう考えている」と高岡社長はいう。
(略
「ネスレに限らず、スイス企業に共通した強みはブ ランド力とグローバル化。それを支えるのが、世界中から集まった
人材のダイバーシティー(多様性)だ」 とローザンヌ(スイス)に本拠を置くビジネススクー ル、IMDのスチュワート・
ブラック教授はいう。スイスは人口800万人の小国ながら、金融や製薬、重電まで幅広い業種で強い国際競争力
を発揮し、 フォーチュン500社番付に名を連ねる世界企業が1 4社もある。1人あたりの国内総生産(GDP)は8
万ドルで、日本の2倍近い。私たちが学ぶべきことは 多い。(編集委員 西條都夫)