三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、3月9日付で「ソーシャルゲームの正体を探る(X)」
と題するレポートを発行し、ソーシャルゲーム市場の市場規模予測を上方修正する一方、
ソーシャルゲームに対する見方を変更したことに伴い、ディー・エヌ・エー(DeNA)と
グリー、ミクシィの目標株価を引き下げた。
まず、同証券では、2011年の市場規模推定を2658億円とし、2012年を3832億円から
4643億円に、2013年を4320億円から5766億円に引き上げた。市場予想の前提として、
ARPPUの予想を引き上げたとのこと。ただし、ソーシャルゲーム業界における高ARPPU化
の傾向に対し、ユーザー離れのリスクがつきまとっており、中期的な成長という観点から
するとユーザー数を増やし、課金率を上げることに注力すべき、と指摘している。
一方、同証券では、ソーシャルゲーム関連企業の目標株価とレーティングを見直した。
従来より「ソーシャルゲーム=オンラインゲーム」とみていたが、「ソーシャルゲーム
≒パチンコ」として捉え直したという。RMTの期待から大金を叩くインセンティブが働く
点や、同一システムの皮替えであること、有料ガチャは大当たりが出る確率を楽しむ点で
パチンコと類似していることなどを理由としてあげている。
これにより、バリュエーション算定にあたっては、比較対象をTencent Holdings、
Netease.comなどではなく、セガサミーホールディングスやSANKYOに設定、修正PER
8.6倍とした。同証券では、低バリューとする理由について、海外展開の困難さもあげている。
各社の目標株価とレーティングは、グリーの今後12カ月の目標株価を3800円から2250円に
引き下げ、レーティングを「Outperform」から「Neutral」に引き下げた。また、DeNAに
ついても「Outperform」を継続する一方、目標株価を3200円から3000円とした。ミクシィ
については「Outperform」継続で、目標株価を34万7000円から31万3000円とした。
一方、サイバーエージェントのみレーティングを「Neutral」から「Outperform」、目標
株価を24万5000円から27万3000円としている。
◎三菱UFJモルガン・スタンレー証券
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