【対談】自由参加できるエネルギー業界に 田中優×小林武史 「送電線は国が管理すべき」 [11/03/18]

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1@@@ハリケーン@@@φ ★
<前略>

小林 なるほどね。それにしても、そもそもなんで国は、送電線を国の管理物にしなかった
んですかね?

田中 戦前には、600以上の電力会社があって、各駅ごとにあちこちにあった。それが戦争
が始まるときに、政府が「日本発送電株式会社」といって、勝手に全てひとつの電力会社に
してしまったんだよ。それを戦後になってみんなに分けなくちゃいけなくなって、九つの
地域に分けたから9つの電力会社ができたわけ。実はそのときに、戦前にその中の多くの
発電をしていたのは各自治体だったんですよ。その県が「ふざけるな、返せ!」という運動
を起こして1965年まで戦っていたんだけれど最終的に負けてしまった。そのときにどうした
かというと、施設を取られてしまった自治体には、株券を返している。だから、東京電力の
第三位の株主は東京都、中国電力の第一位の株主は山口県、というふうになっているわけ。

小林 なるほどね。

田中 そういう仕組になっていたので、9つの電力会社が全ての送電線などを押さえると
いうかたちは戦時中以降の体制で、それまでは自由にやっていた。そのころの東京電力は
「東京電燈」といって、東京周辺でしかやっていないちっちゃなガス屋みたいなもんだった
んだよね。それが今、世界最大の会社になっちゃったわけだけれど。大きな仕組みを維持
するには大きな仕組みじゃなくちゃいけないでしょう? だから、巨大な原発を建てて、
そこから全部配りますよという巨大なヒエラルキーを作ってしまった。それを今度は地域
分散にしていかなくてはいけない。そのほうがコストも安いしね。今まで、青森県に作ろう
としてきた東京電力の東通原子力発電所は、東京までの送電線だけで3兆円くらいかかる
の。実は電力会社の最大コストは発電所じゃなくて、発送配電の送電線なんだよね。その
送電線を国に戻してもらうことができればと。

小林 そうした方がいいよね。

田中 既にヨーロッパはみんなそういう仕組みなんです。発電、送電、配電といって、発電
所は自由に誰かが作ればいい。送電線は道路みたいなものだから、国が持つ。それで、配電
線も民間企業が勝手にやればいい。

小林 配電線というのは、家とかに電力を配っていくものですね。

田中 そう。そうやって3つにわけて、真ん中の送電線だけを公が持って維持していくから
後は自由にやっていいですよ、と。

小林 その代わり、大事な部分に関してのジャッジは国ができますよ、という。国民の総意
が生かせますよね。これは、子どもにも分かるすっきりとした話だよね。今まではだから
なんだか変だった。
そうか。送電線を電力会社が全部押さえていたら、つまり風力発電や太陽光発電を作ると
いっても分配はみんな電力会社に決められてしまうわけだったんですね。

ソース:エコレゾ ウェブ
http://www.eco-reso.jp/feature/love_checkenergy/20110318_4983.php
2@@@ハリケーン@@@φ ★:2011/03/25(金) 23:01:08.81 ID:???
>>1のつづき

田中 今までは本当に不幸なことに、「規模は小さいけれど水力発電で作った電気を買って
ください」といっても、「買いません」と断られちゃうんですよ。買ってもらえなくて、
いくらでも二酸化炭素を出さずに発電しているのに使えないんですよ。

小林 ものすごいすっきりした。情報を整理すると問題点が明確に見えてきますよね。
今のこんな状況は誰も望んでいなかったけれど、今回の大打撃があって始めて、今まで分厚
い鉄壁に守られてきた構造に、改善をするためのスキができたわけですよね。僕と優さん
なんかは、今までもずっとこういう会話を繰り返してきたけれど、今だからこそできる話が
あるわけです。

-以上-