半導体ファウンドリー(受託生産)で中国最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は、
2002年に最初の工場を開設して以降、これまでに16億6000万ドル(約1380億円)の
損失を出している。
ファウンドリー業界の業績が上向き、競合他社が顧客の注文を断らざるを得なかった昨年でさえ、
SMICは低迷したとブルームバーグ・ビジネスウィーク誌(1月24日号)が報じている。
ブルームバーグがまとめたアナリスト調査では、SMICの10年の損失は4800万ドルと
予想されている。
しかし、状況は変わりつつあるとデービッド・ワン最高経営責任者(CEO)は語る。
SMICの10年7〜9月期(第3四半期)の最終利益は3040万ドルで、2四半期連続の
黒字となった。ワンCEOは「ほぼ沸騰している状態。あと少し熱が必要だ」と話す。
現在、世界の半導体業界は米インテルや韓国のサムスン電子、台湾勢が優勢だが、
SMICの業績が好転すれば、中国がついに主要プレーヤーに加わる可能性も出てくる。
半導体工場の稼働には莫大(ばくだい)な費用がかかり、工場建設には数十億ドルを要する。
SMICの技術力は、同業最大手の台湾積体電路製造(TSMC)などのライバルにはかなわず、
半導体を安く生産できない。
ワンCEOが09年11月に就任した当時、会社の状況はどん底だった。
その直後、SMICはTSMCとの企業機密をめぐる訴訟で、和解金として現金と株式による
3億3800万ドル相当の支払いに追い込まれた。SMICはこの件で不正を認めていない。
ワンCEOは過去1年間、競合他社よりも数世代遅れている半導体生産技術の向上に重点を
置いてきた。現在ではより高く売れる回路線幅の狭い半導体に移行しつつある。
こうした半導体が売上高全体に占める割合は10年10〜12月期(第4四半期)には
8%だったが、1年後には「少なくとも40%」を目指すと意気込む。
デロイトのマネジングパートナー、ウィリアム・チョウ氏(北京在勤)は、中国当局が
内需拡大に動き出したことを受けて、エレクトロニクス製品の売り上げが伸びるはずだと予想。
「SMICは最先端の技術は持っていないが、市場により近い位置にいる」と指摘した。
しかし、半導体業界では既に大手がひしめいていることもあり、SMICが成長の恩恵を
受けることに懐疑的な見方もある。
香港に上場する同社の株価は、04年の新規株式公開(IPO)以後、75%余り下落している。
(ブルームバーグ Bruce Einhorn)
ソースは
http://www.sankeibiz.jp/business/news/110126/bsk1101260505004-n1.htm http://www.sankeibiz.jp/business/news/110126/bsk1101260505004-n2.htm 関連スレは
【頑張れ国産】エルピーダ、ルネサス、東芝等半導体メーカースレッドPart46[11/01/01]
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1293811021/l50 等々。