【景況】中国経済、落ち着く兆し　物価なお上昇圧力　インフレ警戒［10/06/10］

中国の政策当局者は今週発表予定の経済指標から経済成長が２０１０年１〜３月期（第１四半期）に
ピークを付けた証拠を得る見込みで、インフレが加速しても利上げには反対する姿勢を強める可能性
がある。

ブルームバーグが集計した予想中央値では、６月１１日発表の５月の消費者物価指数（ＣＰＩ）は
前年同月比３％上昇と、４月の２．８％上昇から加速する見通し。
一方、今週発表予定の融資と投資、工業生産などの指標は伸び率の鈍化が見込まれている。

ＨＳＢＣホールディングスの中国担当チーフエコノミスト、屈宏賓氏（香港在勤）は
「景気が落ち着く初期の兆候が見られるが、依然として過熱リスクがあり、インフレは
なお大きなリスクだ」と述べ、成長鈍化こそ「中国がインフレ高進を防止するために必要なものだ」
と分析した。

中国経済は世界不況の影響から立ち直りを見せており、消費者物価に上昇圧力がかかっている。
最低賃金の引き上げに加え、今月は台湾の鴻海精密工業の中国子会社、富士康国際
（フォックスコン）やホンダなどが賃上げに動いており、圧力は高まる可能性がある。

また、欧州債務危機が世界経済の回復にリスク要因となるなか、温家宝首相は当面は景気刺激策を
維持する方針を示している。

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミスト、喬虹氏と宋宇氏は今週のリポートで
「政策当局者は様子見姿勢を取る公算が大きいだろう」と予測し、
「近い将来に全国的な追加引き締め措置を展開する可能性は低い」と述べた。

中国人民銀行（中央銀行）は８日、ウェブサイトに声明を掲載し、内需回復の基盤はまだ「強固」
ではなく、個人消費の拡大基調を維持する必要があるとの認識を示すとともに、ソブリン債危機や
貿易摩擦が成長に影響するとの見方を明らかにした。
（ブルームバーグ　Ｓｏｐｈｉｅ　Ｌｅｕｎｇ、Ｌｉ　Ｙａｎｐｉｎｇ）

ソースは
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100610/mcb1006100504005-n1.htm
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