川崎重工業は29日、風力発電や電池駆動鉄道の蓄電といった産業用途向けのニッケル水素電池「ギガセル」の
事業を強化する方針を明らかにした。
同社の車両カンパニー直轄で専門組織を発足、分散していた技術開発陣と一体の組織とするのが柱。
2014年内をめどに、100億円規模の事業に育てる。電機メーカーや三菱重工業などが参入済みの
リチウムイオン電池に対抗、大容量化によりコストメリットを生かせるといわれるニッケル水素電池市場で、
シェア獲得を狙う。
具体的には、このプロジェクトを進める「ギガセル電池センター」を11月1日付で同社車両カンパニーの
直轄組織とする。車両カンパニーと本社技術開発部門に分かれていたギガセル開発関連の人材を集め、
人員も55人から約70人に増やす。
現在、ギガセルの価格は1キロワット時当たり40万円程度と高めだが、開発部隊の“統合効果”で
コストダウンを加速。高出力の大型電池開発など、競争力強化を図りたい方針だ。
いわゆる使い捨ての「一次電池」と異なり、繰り返し充放電が可能な「二次電池」のギガセルは、
小型サイズでも容量が大きく、寿命の長さも特長のひとつという。
すでに風力や太陽光発電の出力を安定させる蓄電池として使われている二次電池だが、今のところ、
受注案件は少ないのが実情だ。
川重としては、現在開発中の低床路面電車「SWIMO(スイモ)」用の蓄電池のほか、最適な電力供給体制を
構築する次世代送電システム「スマートグリッド」用の蓄電池といった使い方を検討している。
社内のさまざまな部署と連携、提案型営業を進めることにしている。
市場調査会社の富士経済の調べによると、二次電池市場は、13年に5400億円の規模が見込まれている。
このうち半分の2700億円はニッケル水素電池が占めるといわれ、川重は高いシェアを確保したい方針だ。
ただ、二次電池市場では、電力を保つ点で優れたリチウムイオン電池への参入が相次いでおり、
電機メーカーや三菱重工、IHIなど多くの企業が開発に余念がない。
川重の描く戦略は、ニッケル水素電池の進化によって、あえて他社との差別化を図ろうというもので、
メーカーとしての技術力と営業力の真価が問われることになりそうだ。
ソースは
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200910300012a.nwc 川崎重工業
http://www.khi.co.jp/ 会社情報・株価
http://company.nikkei.co.jp/index.cfm?nik_code=0001326 関連スレは
【機械】IHI、車載向けリチウムイオン電池事業に参入[09/10/28]
http://anchorage.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1256714282/l50 【電気機器】東芝、リチウムイオン電池の新工場建設を発表 250億円投資[09/10/28]
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