【コラム】米銀のストレステスト(健全性審査)は安心とストレスの何れをもたらすか?−山崎 元氏(DIAMOND online)[09/04/22]

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1台風0号φ ★
 最近、日米の株価がずいぶん戻ってきた。率直に言って、これほど早いペースで戻ってくるとは筆者も
思っていなかった。株価が回復してくると、ムードは変わる。つい最近まで「今年は全く駄目」と悲観的だった
エコノミストたちの間からも「年後半には多少回復してくるのではないか」「来年前半には良くなるだろう」
といった予測が多く聞かれるようになってきた。

 しかし、このまま日米で株価が上向き、両国の景気が急速に回復に向かうと考えるのは早計だろう。
もともとの原因であるアメリカの金融問題の着地点がいまだはっきりと見えていないからだ。

 現在のアメリカの金融・経済は、日本の過去との比較では、1999年の後の何れかの段階に近い状況に
あるのではないか。1999年の日本は“収益資産”を買う上では底値買いの良い買い場だったし、株価も
実際に上がっていた。しかしその後日本経済に何が起きたかと言えば、ネットバブルの崩壊や金融・
経済政策の拙さもあって、2000年、2001年、2002年とスランプに陥り、不良債権問題が再び深刻化した。
この当時の不良債権は、金融危機後の不況から発生したものが多かった。最近の米銀の決算にも、
そういう傾向が見られる。証券部門の損失が縮小し、第1四半期については、トレーディング益を稼いで、
好決算を出した金融機関もあるが、一方で消費者信用関連の貸し倒れ費用が相当大きくなってきており、
かなりの引当金を計上している。パターンとしてはあの頃の日本に似ている。

 一般に、金融問題を解決する上で重要なことを二つにまとめるならば、それはリクイディティ(流動性)と
ソルベンシー(支払い能力)だ。リクイディティは主に中央銀行が対処する金融システム全体の問題だが、
ソルベンシー対策は、ロスを確定させて、必要な資本を手当てして信頼を得ることなので、個々の金融
機関単位で解決しなければならない。中でも、ロスの部分に関する情報がどれくらい納得的に提供される
かが決定的に重要な要因だ。今、アメリカの当局が行っているストレステスト(健全性審査)に求められて
いるのは、まさにこの役割だ。だが、後述するように、肝心な情報公開の度合い、損失の見積もり具合が
未だ見えてこないのである。

 「ストレステスト」という単語でネットの記事を追いかけてみると、アメリカ政府は当初、審査結果の発表に
ついて積極的ではなかったようだ。恐らく、個々の銀行の利害に深く関わる情報を公表して、取り付け騒ぎが
起きたり、株価が下がったりした際に責任を取りたくないという意識が働くからだろう。ただ、この件に関する
秘密主義に対しては批判もあり、アメリカ政府もある程度詳細な情報を発表しなければならないことが
分かってきたようだ。ロイター通信の記事によると、4月24日にはストレステストの概要を発表して、5月4日に
なんらかの形で審査結果を公表する予定らしい。

▽執筆者
山崎 元 : 81年東京大学経済学部卒。経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員。
▽ソース:DIAMOND online (2009/04/22)
http://diamond.jp/series/yamazaki/10077/
記事は>>2以降に続きます。
2台風0号φ ★:2009/04/22(水) 18:38:23 ID:???
>>1の続きです。

 中身について、何か手掛かりはないものかと情報を探していたら、4月19日(日)の朝日新聞に、当事者
であるガイトナー米財務長官への独占インタビューが掲載されていた(ちなみに、インタビューは16日に
行われ、聞き手は船橋洋一・朝日新聞主筆。実際の記事は、ガイトナー氏の発言よりも、国際的な枠組みの
中で中国のウェートが高まり、日本が置き去りになっている、といった船橋氏の持論に紙幅の多くが割かれていた)。

 朝日新聞の電子版(アサヒコム)には英語でインタビュー全文が掲載されていた。その主なやり取りを見ると、
船橋氏の側からの、「ゴールドマン・サックスが公的資金返済方針を示している。しかし、返済できない弱い
銀行が浮き上がって、事態は逆に不安定化しないか」「金融危機の第2波が来ることはないのか」といった
質問に対して、ガイトナー氏が次のように答えを返していた。

 「日本と同様に米国の金融機関の状況もさまざまだ。資本が潤沢な銀行もあれば、資本がもう少し必要な
銀行もあるかもしれない。銀行システムが経済の力強い回復を支援できるよう、米国の金融システムに
十分な資本があることを確かにするのが我々の主要な目的だ」「米政府は必要なら、(銀行に追加の)資本を
注入する用意がある。(銀行に必要な)資本の多くは最終的には市場から調達されることになるだろう。しかし、
そうならない場合は、我々が供給する」。

 このうち後者については、英語の原文では、「So in some ways what we're saying is we're going to backstop
the amount of capital-raising that's necessary」という表現が入っていた。「backstop」とは、野球のバックネット
や捕手、ボール止めの柵などを意味する単語だから、資本調達がままならない落ちこぼれが出たら、もれなく
これを救うということだろう。彼の言葉から推察するに、資本不足に陥っている銀行は、現実にあるのだろう。
これをどういう形で投資家及び国民一般に知らせるべきなのかが次の一番大きな問題だ。

 「べき」論を先に言うと、個々の銀行の財務状態、つまり資本不足なのか否かは投資家にとっては決定的に
重要な情報であり、これは知らせるべきだ。個々の銀行の内部情報だからこれを秘匿すべきという意見も
あろうが、別にこれは営業上の秘密ではない。今、知らせて然るべき情報だというのが、マーケットの在り方の
上で正しい判断だと思う。

 ただ、「べき」論は別として、実際にどうなるかを問われれば、ストレステストの、株価や景気への影響は、
その公表内容いかんによって、プラスマイナスの何れかの方向に大きく振れる可能性があると思う。

 最も楽観的なシナリオは、ストレステストの情報が個々に(金融機関別にどれくらい損失が拡大する可能性が
あるかないかについて)具体的に公表されて、それに対する資本調達計画が発表されるか、あるいは資本
調達ができなかったときに、政府が保証するかといったことが表明されるケースだ。損失をマーケットが納得
するぐらい、あるいは、場合によってはマーケットが考えているよりも多めに公開して、それに対しても資本が
用意されているということを情報として発信すると、そこである種の打ち止め感が出てくるはずだ。この場合、
情報に関する不透明度が消えて、金融機関の資本に関する安心感が広がる。

記事は>>3以降に続きます。
3台風0号φ ★:2009/04/22(水) 18:39:33 ID:???
>>2の続きです。

 こうなると、日本の、2003年のりそな救済後の状況に似て来る。救済の方法が良かったのかどうかは議論が
あったが、政府がりそなを救済したことで、「大手銀行はつぶさない、つぶれない」との安心感が広がり、株価は
回復し、それが景気浮上のきっかけともなった。もし仮に同じことが米国で起きれば、気は早いが、金融機関が
計上した引当金が利益として戻り、銀行株の株価が何倍にもなるといったことがあり得るかもしれない。繰り
返すが、これはあくまで一番楽観的な状況だ。

◆懸念されるアメリカ版の貸し渋り

 一方、マイナスの状況は、ストレステストに関する情報が部分的にしか公にされず、先述したソルベンシー
対策としては不十分で、金融問題がずるずると長引くことだ。たとえば、財政資金をたくさん必要とするからとか、
大きな損失を発表すると、不安感が生まれるからといった理由で、情報を出し渋ると、結局まだ隠している
ものがあるのだろう(あるいは現状の資本の手当では恐らく不足なのだろう)ということから、弱そうな順に株が
売り込まれて、株価が下落することの負の情報効果で、金融機関に対する不信がまた強まるシナリオが考え
られる。実はこれも日本に先例がある。2000年代の前半には、金融庁の検査のたびに金融機関は引き当ての
不足を指摘され、損失計上を繰り返した。むろん、このおかげで年月をかけて、安心感が広がったとはいえる。

 ただ、その過程の中で日本の銀行が取った行動が、「貸し渋り」だった。彼らは、リスクウェートを下げる
ために、リスクにつながるような融資をできるだけ減らしていったのだった。

 加えて、米銀の場合には、公的資金を受けたままでは、彼らにとっては命の次に大切であるボーナスを
自由に貰えないという問題がある。そのため見栄を張って公的資金を返して、薄い資本でごまかしごまかし
次のストレステストにひっかからないようにするという状況があり得る。ストレステストが制度化することによって、
アメリカ版の貸し渋りが今年後半に起きて、今後何年間にも渡って景気を圧迫する可能性もあるのではないか。

記事は>>4以降に続きます。
4台風0号φ ★:2009/04/22(水) 18:39:47 ID:???
>>3の続きです。

 現実は、このプラスとマイナスのシナリオの中間のどこかにあるだろうが、何がポイントで、いいシナリオに
近づくのか、あるいは悪いシナリオに近づくのかというと、それは情報公開の度合い、損失の見積もり具合に
かかっているといえそうだ。

 この点について、筆者は、今回は、過度の期待は禁物だと思っている。ノーベル賞経済学者のポール・
クルーグマン氏が最近言っているように、どうもかつて日本の当局がやっていたこととアメリカの当局が
最近やっていることは悪い意味で似てきている。そう考えると、アメリカの当局がストレステストの結果を
大胆かつ詳細に公開するような「正解」を一発で出してくることは望み薄だ。情報公開の不足感が残って、
まだしばらくグズグズするのではないか。その中で、場合によってはアメリカ版の貸し渋りのような状況が
起こり、再び抜本的な対策をマーケットから要求されるような状況が生まれる可能性がある。

 しかし、仮に中途半端な情報公開になった場合でも、いずれそれに対する対応を政府は取らなければ
ならないわけで、大局的に相場を見る際には、景気は遠からず底を打ち、回復に向かうといった見方を
持っておくほうが良さそうだ。(加えて5月の材料としては、非伝統的な金融政策に踏み出すと言っている
ECBが、国債を買う単なる「量的緩和」だけでなく、社債などのリスク資産の購入による「信用の緩和」
にまで踏み出すのかどうかも見極めたい)。

 いずれにせよ、今年前半の一番重要な材料が、このストレステストの審査内容の発表だと思う。それは、
我々に、安心をもたらすものだろうか、それとも、追加のストレスをもたらすのだろうか。

−以上です−
5名刺は切らしておりまして:2009/04/22(水) 18:42:24 ID:nSoCgtYb
山崎さんは勝ち組経済評論家
6名刺は切らしておりまして:2009/04/22(水) 18:49:12 ID:sbGwHKnb
山崎拓だと思って読んで、やけに現場知ってるなと思っていたところ、途中「これはゴーストライターだろ。しかも優秀」と思ったところで山崎元だということに気がついた。
7名刺は切らしておりまして:2009/04/22(水) 18:52:18 ID:sbGwHKnb
IMFシナリオが現実に近い。
ガイトナーの大本営発表は誰も信じていない。
8名刺は切らしておりまして:2009/04/22(水) 18:53:21 ID:gzjalkga
自分でルール変えて、いいように結果を粉飾する。
めちゃくちゃだな。
9名刺は切らしておりまして:2009/04/22(水) 18:57:48 ID:F/Sg94WB
【捏造】NHKの動揺【偏向】

■NHK 「JAPANデビュー」でチャンネル桜が台湾へ突撃取材■

http://www.nicovideo.jp/watch/sm6819445


NHKは、かつてないほどうろたえているそうです。
右、左関係なく見てもらいたい

台湾人が怒っている理由は……。
その答えは、動画で


 / l   |   l ヽ:.:</:.:.:.:.:.:|          |:.:.:.:.:.ヽヽ\
    {  j   {   {  ヾ;':.:.|:.:.:l:.|         |:.i:.:.:.:l:.:.∨:.:ヽ
    |  !   ヽ _ ヽ   V゙ |:.:\|           | l!:.:.:.ト、:.:l´∠ヽ
    ヽ   \  } ┘ノ´  } │:! _\         ,l ィ:.:.| ;.:|:.:.:.:.:.゙, 偏向をするNHKはいりません
    、__`丶ノー'`r " 、_,.イl  l:/rゎ、`'   - ';ニ;' 、 l:.| j:.ハ:.:.:.:. |
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10名刺は切らしておりまして:2009/04/22(水) 19:00:45 ID:8+XQo7Y4
誤魔化し通せば勝ちと
11名刺は切らしておりまして:2009/04/22(水) 19:15:45 ID:k4kVUrSG
審査がある

ストレスで会社辞める奴が増える

犯罪も増える

ますます審査強化される

ループ
12名刺は切らしておりまして