英バークレイズは26日、2008年通年の業績について、政府や民間に新たな資本を求める考えはないと表明。
80億ポンドの評価損を吸収して利益を計上できるとした。朝方のロンドン株式市場で、バークレイズは
急伸している。
バークレイズは、2008年の税引き前利益はコンセンサス予想の53億ポンド(約73億米ドル)を大幅に
上回る、との見通しを示したほか、グロスベースで80億ポンドの評価損が出る見込みと発表した。そのうえで、
2009年は好調なスタートを切った、との認識を明らかにした。バークレイズは今年1月16日にも同様の
予想を示していた。
0924GMT(日本時間午後6時24分)現在、バークレイズ株は43.8%上昇している。ただ、前週22日の
始値付近の水準に戻ったにすぎず依然、2007年2月の10分の1の株価にどとまっている。
エクサンBNPパリバのアナリスト、イアン・ゴードン氏は「市場には懐疑的な見方も残るだろうが、非常に
力強い発表だった」と述べた。
バークレイズのアギウス会長は声明で「極めて難しい環境の中、相当な評価減を行った。ただ、事業の全域に
わたって収入が過去最高水準となったため、依然として利益を計上でき、資本も十分な水準だ。新たな資本は
求めていない」との姿勢を示した。ロイターが声明を入手した。
また、同会長とバーリー最最高経営責任者(CEO)は、顧客と株主に充てた書簡のなかで、2008年の利益
予想には、すべてのコスト、評価損、市場のバリュエーションが含まれていることを明らかにした。
同書簡は、08年の黒字にはリーマン・ブラザーズの北米事業の取得と、生命保険部門売却に伴う利益が
含まれているが、08年の業績見通しは全体として「堅調な営業利益」を反映したものだと指摘している。
バークレイズは、評価損はネットでは約50億ポンド、としている。
バークレイズをめぐってはこれまで、資本調達や部分的な国有化の観測が浮上、株価下落の原因になって
いたが、バークレイズは今回、すでに確約されている資本や準備金が360億ポンドあるため、どこからも新規
資本を求めるつもりはないと強調。09年については「好調なスタートを切り、顧客の活動レベルは高水準だ」と
指摘。さらに「特にバークレイズ・キャピタルの営業パフォーマンスは、リーマンの事業との統合が完了したこと
から、非常に好調に推移している」としている。
バークレイズは08年決算発表を2月9日に前倒しするとしている。
▽ソース:ロイター (2009/01/26 21:37)
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-36087720090126 ▽関連スレ
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