【コラム】「第5権力」としてのウェブ−池田信夫(経済学者)−ASCII.jp[08/10/07]
◆B-CASをつぶしたウェブの世論
総務省の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会(デジコン委員会)」は9月26日、
地上デジタル放送のB-CASを見直すことを決めた。6月にまとめられた第5次答申では「消費者や権利者
の立場からB-CASについてさまざまな指摘が行なわれた」ことを理由に廃止の方向を打ち出している。
放送局も反対していないので、B-CASの廃止が事実上決まった。
B-CASがなくなると、ダビング10の信号は受信機で無視できるようになるので、これをどうするかが焦点
だ。デジコン委員会の村井純主査(慶應義塾大学教授)は「技術と契約」で対応する方針を示した。しかし、
法律で強制しない限り、ダビング10に対応するかどうかは受信機メーカーの自由だ。国内メーカーが(放送
局の圧力を恐れて)ダビング10を採用しても、海外メーカーが「ダビング10なし」を売り物にして乗り込んでくる。
ダビング10も実質的に廃止(任意の規格)にするしかないだろう、というのが関係者の見方だ。
デジコン委員会では、これまで一貫して放送局・権利者団体の意向にそって審議が実施されてきたが、
ウェブではB-CASに反対の意見が圧倒的だった。これを受けて公正取引委員会が、独占禁止法違反の
容疑でB-CAS社などの事情聴取に乗り出したことが流れを決めた。結果的には、ウェブの世論が総務省
の「業者行政」を押し切ったわけだ。
◆著作権の期限延長も見送り
他方、9月18日に開かれた文化庁の「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(関連資料)」では、
著作権の保護期間を作者の死後50年から70年に延長することについて「十分な合意が得られた状況ではない」
と結論付け、見送る中間答申をまとめた。
2年前にこの話が出た時、延長問題を考える非営利組織が結成されるなど、反対運動が広がった。延長
すべきだという三田誠広氏や松本零士氏などの主張は説得力がなく、ブログなどで激しい批判を浴びた。
しかし大手メディアはこの問題をほとんど報道しなかった。彼らも著作権の強化を主張する権利者団体の
一員だからである。
文化庁は、当初「国際協調」を理由にして強行突破しようとしたが、こうした消費者の声に押され、さらに
小委員会の中心である中山信弘氏(東大名誉教授)が反対の方針を明確にしたため、延長案は葬られた
のである。
▽筆者
上武大学大学院経営管理研究科教授 池田信夫
▽参考資料
過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会・中間整理(案)(文化庁 PDF)
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/hogo/06/pdf/shiryo_01.pdf ▽ソース:ASCII.jp (2008/10/07 09:00)
http://ascii.jp/elem/000/000/177/177381/ (1/2)
http://ascii.jp/elem/000/000/177/177381/index-2.html (2/2)
記事は
>>2以降に続きます。
>>1の続きです。
◆メディアの報道管制を破るウェブの世論
こうした出来事は、これまであまり見られなかった。中山氏は、先月発足した「デジタル・コンテンツ利用
促進協議会」の会長就任あいさつで、「これまで著作権法を抜本改正するのは無理だと思っていたが、
2004年のレコード輸入権問題で消費者の声が輸入盤を守ったことで、業者の方ばかり向いていた著作権
行政が変わり始めた」と語った(関連記事)。
このときは法案が閣議決定されてからウェブで反対運動が盛り上がり、議員連盟もできた。著作権法の
改正は阻止できなかったものの「洋楽レコードについて消費者の利益が侵害された場合には本法を見直す」
という付帯決議がついた。
その後も文化庁は、ダウンロードの違法化や私的録音録画補償金の拡大など業者寄りの政策を出したが、
すべて消費者の反対で葬られた。中山氏もいうように、今やユーザーはクリエイターでもある。一部の業者
だけを「権利者」として保護する制度と文化庁の行政が、もはや時代遅れなのである。
◆すべての行政を「消費者の目線」で
メディアは「第4権力」と呼ばれ、国家権力を監視する役割を果たすことになっている。しかしメディアを監視
する機関はないので、彼らはその権力を使って業界の既得権を守ろうとする。特に日本ではテレビと新聞が
系列関係になり、しかも各系列が横並びで報道管制して、電波利権や新聞の再販制度などの談合構造を
守ってきた。
しかしウェブは、こうしたメディアの情報独占に風穴を開け始めている。インターネットは、その生い立ちから
ユーザーによるユーザーのためのネットワークである。それは誰にも批判されないというメディアの特権を奪い、
彼らの業界のタブーについても多くの消費者が追及する「第5権力」になろうとしているのかもしれない。
福田内閣の打ち出した「消費者中心の行政」は、首相が途中で政権を投げ出したため、先行きが不透明
になったが、消費者行政とは単に「消費者庁」を作ることではない。それは明治以来、「富国強兵」のために
供給の最大化をめざして業者の利益をはかってきた行政を転換し、すべての官庁の行政を「消費者の目線」
で行なうことなのである。
▽筆者
上武大学大学院経営管理研究科教授 池田信夫
▽参考資料
過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会・中間整理(案)(文化庁 PDF)
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/singikai/hogo/06/pdf/shiryo_01.pdf ▽ソース:ASCII.jp (2008/10/07 09:00)
http://ascii.jp/elem/000/000/177/177381/ (1/2)
http://ascii.jp/elem/000/000/177/177381/index-2.html (2/2)
3 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 02:45:10 ID:wtLODn7t
池田勝利
4 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 02:54:21 ID:Mnx66mAW
池田犬作先生大勝利!
5 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 02:59:26 ID:aZBCuyo5
中山信弘がえらい
10月7日(火) 池田 信夫 教授の記事に関して
ASCII.jp の【「第5権力」としてのウェブ】で B-CAS 廃止が確定したかのような記事が出ていますが、
問題の委員会を傍聴している立場としては、そんな流れはこれっぽっちも伺えませんでした。
私の理解力不足という可能性もあるのですが、
「B-CAS 見直し」を「B-CAS 廃止」と短絡したとしか思えない記事だなぁというのが正直な感想です。
河村委員の「B-CAS を見直すということか?」という質問に対しての、村井主査の「B-CAS に関する技術と契約の観点から、
対応策を考えていこうということ」という回答を見れば判ると思うのですが
「B-CAS 見直し」であって「B-CAS 廃止」ではありません。
聞いていた立場としてはむしろ、これまであった「制度エンフォースメント」という文言が
(一時的かもしれませんが) 消えて「技術と契約」(現在のスクランブル方式) の変更のみに
検討内容が絞られたという印象を受けました。
周辺状況のこれまでの報道を見る限りでは、B-CAS カードを (IC カード形式を止めて) 受信機へ組み込み、
取り外しができない形に変えて、(見かけ上) B-CAS カードが消えましたと、
椎名委員等が懸念していた遊離カードの問題も解消ですねという形で
お茶を濁そうとしている可能性が高いのではと考えています。
いずれにせよ、外野で騒いでいても仕方が無いので、私としては今月 14 日の委員会で
技術検討ワーキンググループでの検討結果が聞けるのだろうから、その日を待とうかというつもりでいます。
茂木和洋
ttp://www.marumo.ne.jp/tawagoto.htm
第5の力だよ
権限無いもんな
9 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 03:14:30 ID:pNaehnxW
>>6 >現在のスクランブル方式) の変更のみに検討内容が絞られた
いや、何百億・何兆円かけようと「破られないプロテクトは無い」って常識を忘れんなよ。
さらに、多額の税金を使うのか?
今までにB-CAS開発に使った何十億だか何百億の税金を、公務員の給料で返せよ。
>B-CAS カードを (IC カード形式を止めて) 受信機へ組み込み、
>取り外しができない形に変えて、(見かけ上) B-CAS カードが消えましたと、
B-CASの独占禁止法違反・NHKの放送法違反という犯罪行為は解消されませんね。
JASRACとACCSは猛烈に(ry
11 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 03:20:09 ID:BEEjp/6p
これに関しては、ちゃねらーは大勝利宣言してもいいかもしれん
池田信夫はリアル世界で相手にされなくなったから
こっちに阿るようになったか
「第五権力」。
池田は欲張りすぎ。
14 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 03:38:46 ID:hDXJ4R5A
15 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 03:45:37 ID:wEqTuXH1
保護されていた 日本の家電メーカーが更に終わるな
16 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 03:45:59 ID:1ixRdSi4
おまいらの支持にも拘らず、2chはゴミ扱いの池田氏
17 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 04:41:11 ID:ceI+z3Mz
こんなに工作し易い環境を、5番目の力と定義するのは無理有りすぎ
この人は、「自分も第五権力の一翼を担っている」と主張したいだけだと思う。
>>17 自民の情報戦略チームがよく頑張ってるからそう見えるだけだ
21 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 05:57:44 ID:zlgB+TOO
第5権力とか言い出してる時点でズレてるよ
カスラックも独占禁止法違反だろう。
池田って東大卒の人間はたいしたこといってなくても必ず褒める。
慶応早稲田になると露骨に見下す。
24 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 06:44:15 ID:FmUS1BwW
>>6 こういう別視点からの批評を紹介して貰えるのは、非常に助かる。
>>1を読んだ時、なんだかウェブ世論に迎合してる気がしたんだよね。
いずれにせよ結果を早く出してくれないと、買い控えを止められないじゃないかと。
新興宗教の教祖にでもなればいいんじゃないか
>池田
地デジの普及のためには安価な受信機は絶対条件なので
そのためにはB-CASの仕組みは邪魔なんだろう。
2011年アナ波停止のスケジュールを死守したい官僚、
普及率が低いままアナ波停止されCM料減になるのを恐れるテレビ局は
B-CAS廃止やむなしになっているのかな、とは思う。
そうでも無ければ、あいつらが消費者側の方を向いて
仕事をするなんてありえない。
地デジはどうなるの?
無期延期?
>>13 つか、いつも言葉の定義で厳密さを求め
本義を振りかざして周りを叩く池田さんが
「第四権力」の意味を間違えて使っているのが笑える
池田信夫 blog 「姿を現した抵抗勢力・民放連」のコメントより引用
B-CAS (池田信夫)
2008-10-08 02:28:35
ASCII.jpの記事(
http://ascii.jp/elem/000/000/177/177381)について、
あちこちのブログで関係者が驚いてコメントしているので、ここで補足しておきます。
私が「B-CASの廃止が事実上決まった」と書いたのは、一次情報にもとづく話で、推測ではありません。
「霞ヶ関文学」のリテラシーがない人が多いようだけど、「見直す」というのはこの場合、
やめることしかない。何もしない場合は「検討する」と書きます。
総務省も「2011年問題」対策としてつぶそうとしており、公取委も出てきたので、
B-CASを延命したら強制捜査が入るでしょう。
公取委が事情聴取をやっていることは絶対に間違いありません。私が聴取を受けたのだから。
30 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 09:13:00 ID:aRWwomIL
B−CASが独占禁止法に触れているのは周知の事実だろう
公共の電波を受信するために有料の暗号解読装置が必要なんてありえないし
安い海外製品もB−CASなんて当然対応してないから無駄な出費が増える
31 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 09:23:32 ID:j5VE+dJS
なんだ、この電波は。
第5権力ったって、中身は著作利権がらみの事例だけ。
その実態は、中山と著作利権者の癒着がばれて中山が葬り去られただけ。
消費者とウェブの権力が実際に強ければ、蒟蒻ゼリーが販売停止になることはない。
はげどう
Web世論なんて負けることの方が多い。
こんにゃくゼリー食いたい
34 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 09:47:33 ID:j5VE+dJS
>>33 そうなのか?
オレはけっこう好きだぞ。
みずぽの嘘を暴いてくれたこともあるし。
カードが無くなるだけで、その他は今までのままだもんな
別に開放でもなんでもない
マイナーなDVDプレイヤーがリージョンフリー可能みたいなもんで、国内企業へのいやがらせは
当面無くならないだろうね
37 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 12:47:33 ID:SM5iuiOG
>>35 記事の内容にムラがありすぎる
マジキチみたいな記事もあるし
38 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 12:50:20 ID:CAbhF7El
公取だけはガチ
39 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 13:10:25 ID:GQtMR3dt
40 :
名刺は切らしておりまして:2008/10/08(水) 13:16:53 ID:GQtMR3dt
>>29 >私が「B-CASの廃止が事実上決まった」と書いたのは、 一次情報にもとづく話で、
>推測ではありません。
本人が一時情報にもとづく話と言っているだけだから、いくら推測ではないと言われてもね。w
推測ではありませんと言われても、これに続く説明が、なんの補強にもなっていないし。
>「霞ヶ関文学」のリテラシーがない人が多いようだけど、「見直す」というのはこの場合、
>やめることしかない。何もしない場合は「検討する」と書きます。
”「見直す」というのはこの場合、 やめることしかない”の根拠が 「霞ヶ関文学」のリテラシーって
なんだこれ・・・
しかも、何もしない場合は「検討する」って、これ何の補強にもなっていない。
じゃあ、「霞ヶ関文学」のリテラシーでは、
何もしないのでもなく、やめるのでもない、「制度の問題を是正する」ってことをなんと言うんだろう。
普通、それを「見直す」と言うんじゃないか?
>B-CASを延命したら強制捜査が入るでしょう。公取委が事情聴取をやっていることは
>絶対に間違いありません。私が聴取を受けたのだから。
これは話がずれている。
「B-CASを延命したら強制捜査が入るでしょう」の根拠が不明。
まさか、公取委が事情聴取をやっているからと言う理由で、B-CASを延命したら強制捜査とでも言うのであろうか。
それ以前に、元の記事が論理的におかしい。
元記事はこれ。
>デジコン委員会では、これまで一貫して放送局・権利者団体の意向にそって審議が
>実施されてきたが、ウェブではB-CASに反対の意見が圧倒的だった。
>これを受けて公正取引委員会が、独占禁止法違反の容疑でB-CAS社などの事情
>聴取に乗り出したことが流れを決めた。
>結果的には、ウェブの世論が総務省の「業者行政」を押し切ったわけだ。
つまり、
@ウェブではB-CASに反対の意見が圧倒的だった。
→A『これを受けて』公正取引委員会が事情聴取に乗り出した
→B総務省の「業者行政」を押し切った
と言う構造。
しかし、@ABすべての関係で因果関係が立証されていない。
今回池田が示したのはAの「公正取引委員会が事情聴取に乗り出した」という部分だけ。
B-CAS廃止はけっこうなことだが
池田信夫が信用ならない人間だという認識がその第5権力wとやらではできあがってるので
B-CAS廃止も狼少年扱いされてる
>>40 今回池田が示したのは「公正取引委員会が池田を事情聴取した」ことだけだろう