格安の料金で人気が高まっている「ツアーバス」の業界が、安全性向上のための
協議会を9月に立ち上げることを決めた。
バス会社だけでなく、旅行会社や販売会社も加わり、業種横断的に連携する
初めての試み。国土交通省も「行政との連携もしやすくなる」と期待している。
発足時には全国の約50社が加盟するとみられ、立ち上げ後は安全の調査や研究、
研修、情報交換などを行う。「低価格競争に躍起で安全がおろそかにされている」
との批判を一掃したい考えだ。
ツアーバスは旅行会社が企画し、契約したバス会社が運行する。
00年に貸し切りバス事業の規制が緩和され、事業者数は00年から約1.7倍に
増えて3900社を超える。仙台?東京を3千円台で結ぶ低料金プランや豪華シートなど、
新サービスが次々登場して人気を集める一方、昨年2月に大阪府吹田市でスキー客ら
27人が死傷するバス事故が起きるなど、トラブルも各地でおきている。
吹田市の事故を機に国交省が業界の実態を調べた結果、安全性よりも安さを重視
▽旅行会社が無理な日程の運行をバス会社に要請▽統一的な安全基準の不備--などの
疑いが一部で浮上。小規模な会社が大半を占めているため、行政の指導が
行き渡りにくい点も問題とされた。
これを受け、各地で高速ツアーバスを展開している「ウィラー・トラベル」(大阪市)や
「オリオンツアー」(東京都目黒区)、インターネットでチケットを販売している
「楽天バスサービス」(同品川区)などが協議会の設立を推進。
担当者は「事故時の対応や接客のノウハウも共有し、業界全体の信頼性向上に
つなげたい」と話す。26日に東京都内で初の準備会を開き、設立に向けた詳細を
議論する。
ソースは
http://www.asahi.com/national/update/0623/TKY200806230011.html