【コラム/IT】「コンサルタントにとって、プログラミング知識・経験は必要だ」…物事の原理原則の理解が必要[10/10]

このエントリーをはてなブックマークに追加
1 ◆t....aLdi. @ササニシキ先輩φ ★

http://jibun.atmarkit.co.jp/lcareer01/rensai/topi12/topi01.html(一部略)
▽第12回 原理・原則を見抜けるITエンジニアを目指せ

 「コンサルタントにとって、プログラミング知識・経験は必要なものだと思っています」。こう断言
 するのは、アビーム コンサルティング テクノロジーインテグレーション事業部 事業部長の
 間所徹氏だ。

 ITが経営改革を行う際に不可欠なものとなるに従い、コンサルタントに限らずITエンジニアに
 もコミュニケーション能力、経営的な視点を持つことの必要性が叫ばれている。その影響か、
 ITの基本ともいうべきプログラミングに対しては言及されることが少なくなった。

 しかし間所氏は、「コンサルタントとして論理的に物事をとらえる際、プログラミング経験という
 のは大きな力になるものだと思っています」という。コンサルタントの業務とは異なるものに
 見えるプログラミング能力だが、「思考」を行う際にプログラマとしての経験が役立っているのだという。

■技術を見極める際に役立つシステム保守や運用経験
 間所氏が管轄するテクノロジーインテグレーション事業部は、主にパッケージなどを利用せず、
 オリジナルプログラム、つまりスクラッチでシステムを構築するような企業を対象にコンサル
 ティングを行っている。大企業でもERPなどを中心にパッケージ利用が増えるに従い、プログラムを
 書いた経験がないITエンジニアも存在する時代となった。

 「パッケージソフトしか触ったことがないエンジニアは、そのシステムがどう出来上がっているのか、
 原理・原則がきちんと理解できなくなりがちです。まずプログラミングを、その後にパッケージ導入を
 経験しても決して遅くはありません。私自身も、最初はプログラムを書く業務からスタートし、その後、
 ERP活用のプロジェクトを担当するようになりました。ところが、その逆というのはなかなか難しいのです」

 確かにIT業界全体を見ても、プログラミング能力が俎上に上がることは以前より少なくなった。
 これは冒頭で紹介したように、システム構築の際には経営的な視点といったものが重視される
 ようになったことと、パッケージの活用が多くなるに従って、カスタムメイドプログラムの利用割合が
 以前よりも少なくなっていることが影響していると思われる。

 特にコンサルタントにとっては、プログラミング知識や経験は必要ないと思われているようだ。

 「しかし、実際はそうではないんです。残念ながら最近のコンサルタント志望者と話をしていると、
 プログラムを書くといった地道な仕事を軽視する傾向が強くなっているように思います。コンサル
 タント指向というのか、業務指向というのか、コンサルタントはプログラミング的なことはやらなくて
 いいと考える人も多いですね。でも、当社が行っているコンサルティングには、やはりプログラミン
 グ経験があった方がプラスになると思います」
 >>2
2続き@ササニシキ先輩φ ★:2007/10/14(日) 12:08:20 ID:???
■物事の原理・原則をとらえるから見えるもの
 ITエンジニアとしての経験は、ITコンサルタントにもう1つのプラス効果をもたらすと間所氏は考えている。

 「コンサルティングを行ううえで、お客さまのビジネス、経営者の考え方、その会社のカルチャー
 といったものをよく理解することは非常に重要ですが、お客さまが漠然と認識している経営
 課題をさまざまな事象の分析によって整理し、本質を特定して、その解決を実現させていくのが
 コンサルタントの本来の役割です。その際、ロジカルに問題をとらえ、解決していくという
 技術者としての経験は大きな力になると思います」

 「コミュニケーション能力はもちろん重要です。しかし、お客さまにはいろいろな方がいらっしゃ
 います。自分が考えていることを表現するのが苦手な方もいますし、外部からやってきた
 コンサルタントに対し、警戒心を持つお客さまだっていらっしゃいます。どんなお客さまとも
 適切なコミュニケーションを取っていくためには、現場で経験を積むことが必要だという意見が
 あります。それはそのとおりですが、漫然と経験を積むだけでは駄目だと私は思います。
 現場の状況を把握し、ベースとなる理論に基づいて分析するからこそ、経験を蓄積させて
 いくことができるのではないでしょうか」

 コンサルタントの仕事というと、技術者とは異なり、経験やひらめきといった感覚的な能力が
 必要な職種に思える。しかし、間所氏が指摘するように、相手に適切なアドバイスを行うため
 には、冷静に状況・物事を分析する力……一種の技術が必要となる。

 「物事を正確かつ網羅的に分析し、ロジカルに考えていくというのは、コンサルタントの仕事を
 していくうちに身に付いたことだと思います。自分がプレゼンテーションをするのが下手だと
 思ったら、関連する本を何冊も読みます。本を見比べていくと、プレゼンテーションを行うにも
 原理・原則があることが分かってくるんです。それを理解したうえで、自分に一番合うやり方を
 書いた本を参考にすればいいんだと思います」

 コンサルティングに活用する技術は、時とともに移り変わっていく。コンサルタントとして仕事を
 していくと、技術進化を追いかけてばかりはいられないが、プロジェクトに使われている技術が
 適切かどうか、見極めなければならない場面も出てくる。

 「その判断は容易ではありません。が、その際にも技術の本質を理解していく力というのが、
 1つの指針になると思います」

 表面に惑わされず、本質を見極めようとする視点を持つことこそ、どんな仕事をしていくうえでも
 大きな力となっていくのである。