4月の商標法改正で、地域名と商品名を組み合わせる「地域団体商標」が導入されたのを受け、
諏訪地域のみそ業者23社でつくる信州諏訪味噌(みそ)工業協同組合(林善八郎理事長)は、
「信州諏訪みそ」と「諏訪味噌」を出願した。全国に浸透した「信州味噌」の中でも、全国出荷量
の1割を占める諏訪地域。知名度を生かして差別化を図る考えだ。
従来の制度では全国的な知名度が必要とされていたが、法改正により「隣接県での周知」などに
要件が緩和され、商標登録が容易になった。「信州味噌」は、1960年に商標登録されているが、
同組合は「歴史は諏訪の方が古い。日本一の味噌どころとしてアピールしたい」と出願を決めた。
商標登録すると、第三者の無断使用を禁止でき、使用差し止めや損害賠償を請求も可能だ。
「諏訪」の地名は、諏訪大社の影響で全国各地にあるため、同組合では「ほかの地域が同じ名前で
商品を出す恐れがあった」としている。
諏訪地域は、1912年(明治45年)、みそ製造単独では県内初の組合が設立された。戦後、
製糸産業の衰退でみそ製造に転換する業者が増え、国内有数の産地に成長。同組合によると、全国
出荷量は長野県が4割を占め1位。うち諏訪地域だけで、2位の愛知県と肩を並べるほどだという。
林理事長は「長い歴史と高い出荷量を守ってきた実績がある。みその消費低迷に対抗し、地場
産業として活性化させたい」と話している。
特許庁によると、10日までに全国から324件の出願があり、県内からはJAみなみ信州
(飯田市)などの「市田柿」も出願されている。特許庁は、知名度や販売地域、売上高などを
考慮し、半年かけて審査を行う。
▽News Source YOMIURI ONLINE(2006年4月16日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news001.htm ▽特許庁「地域団体商標制度のお知らせ」
http://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/t_panfu_tiiki.htm