県内で鉄道やバス、ホテル事業などを展開する茨城交通(本社水戸市、竹内順一社長)は27日、
金融機関の債権放棄などで再生を目指す私的整理で、再建に向けた手続きに入った。
同社はグループ全体で100億円を超える有利子負債を抱えており、
取引金融機関が同社に対し、債権の一部を放棄するなど金融支援を同日実施した。
金融支援の総額は明らかにしていない。
竹内社長は「再生に支援いただいた多くの皆さまの期待に応えるべく全力を尽くす」とのコメントを出した。
同社は昨年、所有不動産の売却や不採算バス路線の廃止、
タクシー事業からの撤退、人件費抑制などで財務体質の改善を図る再建計画を策定。
さらに整理回収機構の協力を得て、金融機関へ債権放棄要請などを軸とした私的整理による経営再建を目指していた。
同社は少子高齢化の影響で、鉄道やバス事業の収入が減少傾向にある上、
住宅団地など不動産部門の販売不振も響き、多額の債務が負担となっていた。
このため、減資や役員数の減少、役員報酬減に加え、社員の早期退職や給与引き下げなどに取り組んだ。
また、茨交大洗ホテルと袋田温泉ホテルの2社を経営統合したほか、
不採算部門のタクシーやホームセンター、テニス事業から撤退した。
金融支援を受けたことで今後は、高速バスなどのバス事業や鉄道事業、
ゴルフ関連事業に特化し、事業を展開していく。
私的整理は法的手続きによらず、企業と金融機関などとの合意で
債権放棄などを実施し、企業再建を手助けする手法。
同社は戦時中の1944年に水戸海浜電車や茨城鉄道、湊鉄道が合併して誕生。
勝田駅と阿字ケ浦駅を結ぶ湊線の鉄道事業のほか、
県央や県北地区などを中心に路線バスや不動産業を展開している。
竹内社長は「新経営体制の下、経営健全化に向けて計画した諸施策を着実に実行し成果を上げてきた。
今回、金融機関より債務免除にご理解をたまわり大変感謝している。
再生に支援いただいた多くの皆さまの期待に応えるべく全力を尽くす」とのコメントを出した。
http://www.ibaraki-np.co.jp/main/daily02.htm 茨城交通
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