流通大手のサミットは,ユビキタス分野の技術を使った,食品のトレーサ
ビリティ実証実験を開始した。
実証実験のポイントは,小売店で切り分けた肉や魚のパックに,固有の
識別ラベルを割り振ること。サミット店舗のバックヤード(作業場)に,機能を
追加した計量・包装機を設置。この機械と実証実験のシステムを連動させて,
固有のラベルを発行・管理する。
個々のパックを識別ラベルで区別することで,原材料の不備など食品事故が
発生した場合にも,どのパックが該当するかを判別しやすくなる。小売店で
切り分けた肉や魚のパックを個別に追跡できる仕組みは,これが初めて。
実験では坂村健東京大学教授が提唱している「uID(ユビキタスID)」を採用した。
uIDは,モノや場所を区別するための二つとない番号「ucode」を発行することが特徴である。
バックヤードの計量・包装機は,ネットワークを介してuIDのシステムにアクセス。
パックを包装するたびにucodeを取得し,ucodeを書き込んだラベルを印刷。
パックに貼り付ける。パックの原材料情報や加工情報などは,ucodeにひも
付けた上で,別途サーバーに登録する。
ucodeは,ラベルに印刷された2次元バーコード「QRコード」に書き込まれている。
サミット店頭の情報端末にパックのQRコードをかざすと,情報端末はucodeを
キーにしてサーバー側の情報を検索。原材料情報や加工情報,流通経路を
表示していく。サミットの八ヶ代(やかしろ)透 常務取締役営業本部長は,
「消費者に食品情報を開示する必要性がますます高まっている。今回の実験で,
情報開示や安全性向上の方策をさらに追及したい」と話す。
続きは
>>2 http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060216/229601/