【利権搾取】「iPod課金」を音楽関係7団体が強く要望

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241日本経済新聞 2005年8月22日 法務面
【法務インサイド】iPodに印税 上乗せ? −もめる私的録音補償金−
文化庁など誤算  〜著作権法の古さ背後に〜

 「iPod(アイポッド)」に印税をかけろ−−。米アップルコンピュータの携帯音楽機器などに音楽の権利者
への補償金を課すよう、日本音楽著作権協会(JASRAC)などが文化庁に働きかけているが、関係者の
反発で難航している。補償金制度の根拠である著作権法の「古さ」も目立ち始めている。

 「アップルさん、iPodで絶好調じゃないですか。補償金、覚悟して下さい」。今年春、文化庁の政策担当者
がアップル日本法人の企画担当者にささやいた。アップル担当者は、文化庁と権利者団体による“包囲網”
を感じた。

−二重取りの恐れ−

 現在、MD(ミニディスク)などデジタル方式の記録媒体、録音機器の販売価格に上乗せされている私的
録音録画補償金。対象は文化庁が政令で決めている。iPodなど最新の携帯音楽機器も加えて欲しいとい
うのが、JASRACや日本レコード協会など権利者団体の主張だ。
 MDが数十曲程度しか記録できないのに対し、iPodは数千曲。消費者はCDや音楽配信サービスから
パソコン経由で曲を複製、野外で音楽を楽しむ。
 「いまや主流はiPod。MDの販売は急速に減っている」(JASRACの泉川昇樹常務理事)。実際、補償金
徴収額は2000年度の38億円強をピークに04年度はその六割に減った。“iPod課税”に成功すれば、
「10億円以上の収入になる」(関係者)とそろばんをはじく。
242名無しさん@お腹いっぱい。:2005/08/23(火) 03:25:43 ID:8l3W0qeK
>>241
 一方、メーカー側は「iPodはコピーをばらまくMDとは違う」と反論する。アップルによると、iPodを介して
他人のパソコンやiPodに曲を複製することは技術的に不可能。同社は8月、日本で音楽配信サービス
「iチューンズ・ミュージックストア」を始めた。著作権料込みで曲を販売しており、「iPodに補償金をかけると
消費者は著作権料を二重払いすることになる」と主張する。
 4月、「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会」で本格論議が始まった。夏頃にはiPod課金への
筋道が整うだろうと文化庁や権利者団体は読んでいたが、甘かった。予想以上に委員の反発が激しかっ
たのだ。
 問題はいくつかある。小泉直樹・慶大教授は「二重徴収となる恐れがある。現在はコピー制御が技術的
に可能で、(複製を防げないから必要という)制度導入当時の論拠もない」と指摘。「消費者は補償金制度
を知らずに払っている。対象が増えれば不信感も増す」(漫画家の里中満智子氏)との主張もある。
 委員会は7月末の意見集約もままならず、年内の決着は絶望的。反対派委員たちは、既得権にこだわる
ように見える権利者団体に手厳しい。

−ビジネスの壁に−

 権利者側も一枚岩ではない。JASRAC評議員で、キャンディーズの「春一番」などのヒット曲を作曲した
穂口雄右氏はこう言い切る。
 「権利者団体はCD売上げ減少の原因がiPodであるかのように言うが、むしろ音楽業界の救い主だ。iPod
や『iチューンズ』で音楽を楽しむ人はCDもたくさん買う。年間30億円程度の補償金が減ると業界がダメに
なるというが、情けない。アップルを見習って、もっと大きなビジネスを作って欲しい」