慶応義塾高:
最先端手法で独自の天気予報
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/tenki/news/20040501k0000e040066000c.htmlタソ 慶応義塾高(横浜市港北区)の理科教諭らが、コンピューターで大気の
動きを計算して気象を予測する「数値予報」に取り組み、校内向けに
1日2回、独自の天気予報を発表している。原理的には気象庁と同じ
最先端の手法で、高校では全国初の試みという。予報は授業でも活用
しており、教師たちは「生徒が科学に興味を持つきっかけになってほしい」
と期待している。
同高は昨年度、文部科学省から科学教育の重点校「スーパーサイエンス
ハイスクール」に指定された。これを機に、地学担当の坪田幸政教諭
(47)らが「科学に関心のない生徒でも抵抗なく入っていける」と、
生活に身近な天気予報を教材にすることを計画した。
日本気象協会の協力で、米国大気研究センターが開発・公開している
計算ソフトを基本にシステムを開発、昨年12月から運用を始めた。
毎日午前0時と正午の観測データを同協会から自動受信し、関東地方を
中心とした350キロ四方を、5キロ四方のエリアに区切って36時間先
までの気温や風速、降水域などの予測値を計算する。
気象庁の予報はアジア地域を対象とし、スーパーコンピューターで20キロ
四方ごとに計算しているが、慶応高はエリアを限定するなどの工夫をして、
パソコンでの計算を可能にした。神奈川県藤沢市や東京都港区など慶応の
他のキャンパスのスポット予報もでき、結果は校内ネットで伝えている。
3年の山崎孝さん(17)は「遊びに行く週末の天気を調べるなど、
校内の天気予報はよく利用する。好きなときに見られるし、テレビの
天気予報より細かい情報が載っているので便利です。最近、新聞の天気図を
よく見るようになりました」と話している。
坪田教諭は授業で、生徒に計算結果を見せ、翌日の天気予報の原稿を
書かせている。「予報が外れたら外れたで『なぜ』と考えてくれれば
いい」と語っている。【西川拓】
毎日新聞 2004年5月1日 15時00分