サントリーが関西照準に焼酎ビジネス
(日本工業新聞 2004/2/10)
http://www.jij.co.jp/news/bio/art-20040209222454-TJVKPOZEHI.nwcタソ 全国的に焼酎ブームが高まるなか、地元・関西に照準を当てたサントリーの
焼酎ビジネスが話題を集めている。年内にも関西でレストランなど取扱店を
倍増させるほか、3月には関西を中心に西日本限定の芋焼酎を発売する。
地域限定のCMも予定するなど、まさに“関西づくし”。酒造、ビールメー
カーによる焼酎バトルは激しさを増す一方だが、サントリーの“おひざ元作
戦”ははたして関西の焼酎愛飲家を酔わせることができるか…。
「当社の焼酎は全国でも圧倒的に関西で売れているんです」−。サントリー
の担当者は、本社のある大阪をはじめ、関西地区に軸足を置いた今回の販売
戦略についてこう説明する。
この言葉通り、人気ブランド「それから」の約55%は関西で売れ、焼酎部門
全体に占める関西地区の割合は高い。それだけに、まず“おひざ元を制す”、
そして全国制覇というのがサントリーのシナリオだ。
3月16日には「黒麹芋焼酎 それから」を近畿、中四国、九州で限定発売。
焼酎の中でも芋は人気が高く、同社にとっても自社ブランドでは本格的な芋
焼酎への参入となる。
また、居酒屋やレストランなど業務分野における「それから」の取り扱い店
舗数を現在の約1万店(関西地区)を今年中に2万店にまで増やす方針だ。
このほか、関西限定の広告宣伝も予定しており、「それから」の今年の販売
は前年比2.4倍の60万ケース(1ケースは720ミリリットルの標準瓶×12本
換算)を計画しているという。
同社は焼酎商品の品目数を昨年の9品目から17品目にほぼ倍増し、今年は
部門全体で前年比15%増の580億円を狙う。ただ、ビール、発泡酒、清酒と
酒類各種が伸び悩むなか、焼酎だけは急成長しており、それにともない参入
企業が相次ぎ、市場は乱戦模様だ。
サントリーの新戦略は功を奏すのか−。来月発売される西日本限定の芋焼酎
「それから」の売れ行きが、最初の試金石となりそうだ。