1 :
774RR:
カブ以外で
2 :
774RR:2006/01/22(日) 16:41:57 ID:1rHqqpOw
GL1800かハレFLHでFA
終了
3 :
774RR:2006/01/22(日) 16:44:05 ID:upKPQsZQ
4 :
774RR:2006/01/22(日) 16:46:47 ID:eix/SzXG
シャリー
5 :
774RR:2006/01/22(日) 16:47:01 ID:LlleYzMM
パニアケース付きの黒鳥
6 :
774RR:2006/01/22(日) 16:48:11 ID:j33DDdIm
ハーレーチョビットソン
7 :
774RR:2006/01/22(日) 17:51:51 ID:/Eb0K8VF
てぃーだぼ
8 :
774RR:2006/01/24(火) 00:22:21 ID:bOYlHRel
オマエらサブがリアルバイカーって知らなかった?
グースネックのリジッドにストローカーショベル、スーサイドシフトを華麗に
使いこなす奴のライドは見ものだぜ。
9 :
774RR:2006/01/24(火) 21:06:33 ID:TZYWE2mz
V魔に決まってんだろ。
10 :
774RR:2006/01/25(水) 19:25:47 ID:z0rist/7
RC211V
11 :
774RR:2006/01/26(木) 23:58:14 ID:cF7T734q
有機系。ジウレアやテトラウレア化合物を増ちょう剤とするグリースの総称。耐熱性、耐水性ともに優れている。
特に高温での安定性が良好なため、高温箇所に用いられることが多い。
12 :
774RR:2006/01/27(金) 17:19:02 ID:zaWRLN/L
やっぱりサブちゃんにはスズキセルペットでしょう。
13 :
774RR:2006/01/27(金) 17:46:36 ID:0oBrkc0Q
土曜AM3:00 男はガレージで野獣の唸り声に似た低く獰猛なアイドリングを
奏でる愛機ZX-11の前にいた。
漆黒のレーシングスーツを見に纏った彼はサザエの知る「三河屋のサブ」では無い。
「湾岸のSABU」 彼は走り屋仲間から畏怖の念を込めそう呼ばれている。
SABUは暖機を終えた愛機に跨りヘルメットの中で微笑んだ。
(サザエの奴・・・今日は激しかったな。まるでコイツの様に官能的だったぜ)
黒き猛獣はSABUを乗せ狂った雄たけびと共に闇の彼方へと吸い込まれていった・・・
14 :
774RR:2006/01/27(金) 17:49:23 ID:rO5+XaBz
15 :
774RR:2006/01/27(金) 18:03:40 ID:bDa9gKda
16 :
774RR:2006/01/27(金) 18:26:33 ID:O9e4vBCe
>13
続きをプリーズ
17 :
774RR:2006/01/27(金) 19:56:28 ID:m35KHndv
ワロタw
ハードボイルドサザエさん見てみたいw
18 :
774RR:2006/01/27(金) 21:17:38 ID:0oBrkc0Q
夜の首都高を走るサブ。
昼間は決して見せる事の無い過激なライディングに追随できる者はいない。
スピードと言う名の快楽を貪る彼の脳裏にサザエの淫らな痴態がよぎる。
(サザエは何故、あんなウダツの上がらない婿養子の妻になったのか?)
平凡を絵に描いたような男・・・オレとは住む世界の違う男・・・・
その時、愛機ZXの爆音とは異なるエグゾーストノートを耳にしてサブは我に返った。
「!!」サブはミラーを覗くが敵機の姿は無い。
(まさか・・・!!)
その刹那、スリップストリームから飛び出た真紅の機体が一気にサブの前に出る。
紅いハヤブサを駆るのは同じく真紅のライダースーツに身を纏う男。
背中に「魔 棲 雄」の縫い取りが見てとれた。
「魔棲雄・・・まさか、マスオだとっ!!?」
19 :
774RR:2006/01/27(金) 21:20:15 ID:4itnhvqX
350R1
20 :
774RR:2006/01/27(金) 21:27:53 ID:XaDnmUnJ
21 :
774RR:2006/01/27(金) 21:34:01 ID:FQp2EldD
22 :
774RR:2006/01/27(金) 22:40:55 ID:0oBrkc0Q
黒いカワサキが背後でもがいているのがミラー越しに見てとれる。
彼は気づいていた。
爽やかな勤労青年の仮面を被った彼が、我が妻と情事を重ねている事を。
だが怒りは無い。むしろ感謝の念すらマスオは感じている。
over300、そこは死が手招きする悪魔の領域。
「魔に棲む男」マスオはかつてそう呼ばれていた。
だが、気づけば彼は平凡で退屈な世界の住人と化していたのだ。
それがサブによって戦士のプライドと野獣の闘争本能を呼び覚まされた。
「ありがとよ、坊や」
最速の猛禽類の名を冠したマスオの愛機がフロントを持ち上げ更に加速する。
まるで大空に羽ばたくかのように・・・(END)
23 :
774RR:2006/01/27(金) 22:43:06 ID:VrI1x/QN
24 :
774RR:2006/01/28(土) 00:14:42 ID:daz3zUlR
バロスwwww
25 :
774RR:2006/01/28(土) 00:26:07 ID:ORz7mkOM
素晴らしいヽ(`∀´)ノ
26 :
774RR:2006/01/28(土) 00:28:53 ID:v1bwkoik
さぁーて、来週のサザエさんは
ノリへイ 双輪の契り
カツオ マスオの秘密を知る
波平 青春のマチレスG50
の3本です
それではまた来週♪じゃーんけーんぽん!うふふふ♪
27 :
774RR:2006/01/28(土) 02:12:46 ID:loYw2NuO
「やめろよ磯野〜」
中島の制止を無視してカツオはマイナスドライバーをキーシリンダーに差し込んだ。
キックペダルを踏み下ろすとRZは甲高い排気音をチャンバーからバラ巻いた。
「やった!!」「マ、マズイよ磯野〜」「うるせぇ!優等生は黙ってろ!」
RZに跨るとカツオは一つ深呼吸してクラッチを握った。
「どこに行くんだよ磯野〜!?」「どこまでも、だ!!」
言葉と白煙を中島に吐きかけてカツオは走り去った。
2サイクルの激しい加速に酔いしれるカツオは後方から迫り来る巨大な影に気づかない。
「他人様のバイクに手をつけおって・・・どうやらキツいお仕置きが必要じゃなフフフ・・・」
声の主はニヤリと笑った。
28 :
774RR:2006/01/28(土) 02:34:13 ID:loYw2NuO
「な、何だアレは!?」
カツオは背後から地響きの様な音を立て近づく巨大なバイクに目を疑った。
それがシボレーのV8エンジンを搭載した異形のマシン、BOSSHOSSである事をカツオは知らない。
ステップをアスファルトで削りながら逃げるカツオ。
だが謎のバイカーはカウンターを当てて後輪を激しくスライドさせながらコーナーをクリアする。
(あんなデカいバイクを手足のように扱うなんて・・・ダメだアイツからは逃げ切れない)
カツオが観念してバイクを停車すると、バイカーは悠然と歩み寄ってきた。
「うぐっ!!」
バイカーの見事なボディブローがカツオのわき腹に突き刺さる。
悶絶するカツオを見下ろし、男はヘルメットを脱いだ。風にそよぐ一本の頭髪。
「と、父さん!!?」
29 :
774RR:2006/01/28(土) 02:56:38 ID:Wt/Z2s+J
タラちゃんはリアルでこの血筋の片鱗を覗かせてるなw>三輪車
30 :
774RR:2006/01/28(土) 03:00:00 ID:yk0J+ttx
その頃海の向こうのとあるサーキットで一人の天才が更なる進化を遂げようとしていた。
【イクラ】である。
31 :
774RR:2006/01/28(土) 03:25:14 ID:KGa9VFaZ
シゲル系スレだな
32 :
774RR:2006/01/28(土) 03:31:54 ID:eEfkAjfH
「やべぇ!中島急ぐぞ!」
カツオは、自慢の愛車79年式ホンダCB400Tに跨り、集会に向かおうとしていた。
「磯野、あんま飛ばすな!」中島が叫ぶ様にに言ったが、カツオには聞こえていない。
カツオがスロットルを全開にした瞬間、近所に住む大学生、甚六の乗るスバル360と正面衝突、意識不明のまま病院へ…。
33 :
774RR:2006/01/28(土) 15:08:10 ID:qYSPPd9a
誰か続き頼む
34 :
774RR:2006/01/28(土) 16:17:48 ID:yk0J+ttx
カツオが衝突事故を起こそうとしていたその頃 ワカメは世界のセレブ達の集まるパーティーに出席していた。
テレビや雑誌で世間を騒がせている多くの著名人が集まる中で ワカメは得体の知れない不安に包まれていた
『なんだろう?この胸騒ぎ・・』
次の瞬間 カツオとの禁じられた関係を封印した誓いのリングが光を失い始めている事にワカメは気付いた。
『お兄ちゃんが危にゃ〜い!!』ワカメは急に走りだしSPの制止も振り切り会場を出た。
そんなワカメの目の前に一台の車が爆音とスキール音を奏でながら止まった。
『この車はAE86トレノ・・・』ボディーサイドには(有)花沢不動産の文字が・・車から降りた美少女は 顔からは想像できない程低い声で「乗りなっ!訳は後だよ」
『花沢さん!?ねえ!あの花沢さんなの?』ワカメが乗り込むや否や車は官能的なエグゾーストノートとスキール音を響かせ走り去って行った
35 :
774RR:2006/01/28(土) 18:25:42 ID:eEfkAjfH
ワカメが花沢と病院へ向かっている頃、マスオは海山商事の同僚アナゴとセクキャバでハメを外していた。
「アナゴ君!君の指名した娘オッパイ大きいな!」
マスオは、自分の妻であるサザエの貧乳を嘆いていた。
「フグ田君こそ、爆乳のメグミちゃんを指名してるくせに、よく言うよ!」
アナゴが下品なことを言うか言わないかその時、マスオのお気に入りの着うた「嘆きのボイン」が流れた。
「はいフグ田です…なんだって!カツオ君が事故!?」
36 :
774RR:2006/01/28(土) 18:28:47 ID:loYw2NuO
激藁。マスオの緊張感の無さが34と比較するとおもろい。
37 :
774RR:2006/01/28(土) 19:14:44 ID:ORz7mkOM
花沢さん超カッコイイ
38 :
774RR:2006/01/28(土) 21:23:45 ID:yk0J+ttx
老体に鞭を打つように高速を走り続けるAE86 しかし花沢不動産の私財全てを注ぎ込んだ至宝の一台。
ノーマルな外観とは裏腹に200マイルOVERで走り続ける
ふとミラーに眼をやる花沢「チッ!やはり現われたねキング」「しっかり掴まってな!!ワカメ」
『花沢さん!これ以上は車が!』 200マイルからでも恐ろしい程の加速を魅せる86 しかしパッシング受けた次の瞬間その車は姿を現わした。
漆黒のBNR32・・『これがキング!?嘘でしょ?この速度に追い付くなんて・・・』
「来てみなキング!今日のあたいは優しく無いよ!!」さらにブーストを上げる花沢 『これじゃ、エンジンがもたないよ!』叫ぶワカメ
39 :
774RR:2006/01/28(土) 22:29:49 ID:cLxQU/ft
その頃、フネはカツオの事を警察から聞かされ、慌てて病院へ向かう。
最強の250エンデューロマシン、WR250Fを惜しみなくモタードに改造し、ナンバーも取得している。
キックペダルを踏み卸すとシングルとは思えない排気音を奏でた。
ドリフトしながら交差点を曲がっていき、40馬力+αを絞り出す水冷5バルブDOHCエンジンに鞭を入れながらフネは病院へと疾走する。
40 :
774RR:2006/01/28(土) 22:50:45 ID:eEfkAjfH
「マジかよ!何でだよ!」
タラオは、愛車の81年式RZ250のアクセルを捻りながら呟いた。タラオに単車のイロハを教えたのはカツオだった。
「俺がたどり着くまで、死ぬな!」
RZのゼンシン製クロスチャンバーがカン高いエグゾーストノートを奏でながら夜のネオン街を疾走していった。
41 :
774RR:2006/01/28(土) 23:47:39 ID:XE/p1nDC
ここまでのまとめ
サブ=ZX-11
マスオ=隼
波平=BOSSHOSS
カツオ=CB400T RZ排気量不明(盗難)
甚六=スバル360
花沢さん=スプリンタートレノ(AE86)
フネ=WR250F(モタード仕様)
タラオ=RZ250
何この世界w
42 :
774RR:2006/01/29(日) 00:27:30 ID:PzGUELGr
やはりサザエはゼファーなのか?w
43 :
774RR:2006/01/29(日) 00:59:12 ID:qyqkCdid
「なんですって!カツオが事故!?」
ダイエーで買い物をしていたサザエは震えた。まさか、実の弟が死の渕をさまよっているとは…。
買い物カゴを投げ捨て店外へ飛び出したサザエは、カワサキZ1000J改ローソン仕様のエンジンに火を入れる。カーカー製4in1の図太いエグソーストノートが虚しく商店街に響いた…。
44 :
774RR:2006/01/29(日) 06:44:35 ID:LPxAnEvT
水溶液に満たされたカプセルの中でカツオは目覚めた。
「ガボッ!?ゴボガッ・・・!!?」
ハッチが開き液体と共にカプセルから吐き出された彼の傍らに一人の女性が立っていた。
「・・・ウキエさん!?」
「カツオ君・・・説明は後よ。あれに乗って」
カツオが振り向くとそこには漆黒のマシンが佇んでいた。
機械、と呼ぶにはあまりにも有機的な造詣。
現存するいかなるバイクとも異なるその異形のフォルムにカツオはしばし我を忘れ見入った。
「これを・・・オレにライドしろって言うのか?」
「ええ、暴走した彼を止められるのは君とこのマシンだけよ」
「彼・・・?」
カツオの問いにウキエは一呼吸置いて禍々しきその名を口にした。
「IKURA・・・!!」
45 :
774RR:2006/01/29(日) 06:57:33 ID:J4EfP95e
レーサーイクラキタ━━(゚∀゚)━━━!!
46 :
774RR:2006/01/29(日) 09:36:35 ID:GJGNtKP9
>>38 花沢さんのAE86で200マイルOVERって…4A-GEUじゃないだろ。
3S-GTE改2.5l仕様に換装、推定380馬力、車重800kgでエアロ無しって…オソロシス。
47 :
774RR:2006/01/29(日) 10:53:26 ID:a7sproA7
なにこの良スレwww
48 :
774RR:2006/01/29(日) 11:34:39 ID:qyqkCdid
中島は思った。
「磯野…どうしちまったんだよ!」
数時間前まで、屈託なく笑っていたカツオの姿は、そこにはなかった。今、目の前に居るのは、まるでアンドロイドのように無表情で冷酷な"機械"の様になってしまったカツオだった…。
49 :
774RR:2006/01/29(日) 13:10:40 ID:7sX15+up
バロスwwwwwwwwwwwwwww
50 :
774RR:2006/01/29(日) 15:41:00 ID:n+Wok309
一方その頃ノリスケは愛車チョイノリにまたがり、いささかの所に
原稿を取りにフガフフだ 「今日こそ奴から原稿を頂・・・・」
ブォォォォォォォォーーーーン
すれ違いざまに赤い閃光が・・・・ 「IKURA?」
IKURA「ちゃーん(奴が来た)」
51 :
774RR:2006/01/29(日) 16:12:58 ID:i63PkBLc
52 :
774RR:2006/01/29(日) 16:29:18 ID:OcPNDIjZ
良スレ認定。続きキボンw
53 :
774RR:2006/01/29(日) 17:20:41 ID:g9cPtGUO
クオリティー高すぎwwwwww
54 :
774RR:2006/01/29(日) 17:26:13 ID:w0341uzq
55 :
774RR:2006/01/29(日) 17:41:04 ID:UAB/1hp7
バイクのチョイスがマニアックすぎるw
56 :
774RR:2006/01/29(日) 18:32:27 ID:3IqLz7gS
やべぇ! サザエさん始まったら思い出したw
57 :
774RR:2006/01/29(日) 21:32:24 ID:4Oe9PB9u
裏のお爺ちゃんのバイクは魚売屋がイイなw
58 :
774RR:2006/01/29(日) 22:29:49 ID:nAztGiJS
59 :
774RR:2006/01/29(日) 22:48:37 ID:UqeaF2GF
ハチロクに6気筒は載らんだろ。
60 :
774RR:2006/01/29(日) 23:07:02 ID:e1UfAttc
61 :
774RR:2006/01/29(日) 23:24:21 ID:J4EfP95e
>>59 普通に載せてる86あるけどね、、ただじゃじゃ馬杉で危ない
62 :
774RR:2006/01/29(日) 23:40:05 ID:nAztGiJS
流石花沢さん
63 :
774RR:2006/01/30(月) 01:41:13 ID:DC7zD3pO
中島は意を決して、フライングで手に入れたGSR400に跨った。
「またこいつを野球以外で使うことになるとはね・・・。」
左手に持った金属バットを、背中のバンドにキッチリと固定する。
もう、迷いはない。友を救うために今一度鬼神に戻る。
メットを被ろうとした中島だが、途中でメガネが引っかかり、落下して割れてしまった。
「あぁっ 忘れてた!!」
コンタクトを探す中島だが、周りが見えずに見つからない、結局は諦めることにしたのだった。
64 :
774RR:2006/01/30(月) 01:51:07 ID:/Huoz/sT
深夜の首都高に現われた刀 その走りは見る者を魅了する・・・「イクラの奴何処に」海外に留学後 消息を断っていたイクラの足取りを掴んだのは二日前の事である
刀を操るノリスケに昼間見せる優しい笑顔は無い 刀に乗るのは何年ぶりだろうか・・・
しかし走り出してすぐに潜り抜けてきた修羅場の数がノリスケと刀をあの頃の妖刀に覚醒させる 「今、イクラを止めなければ人類に未来は無い!!」
「湾岸線を流すか・・。」湾岸線に入り少し流した後 刀のポテンシャルを試すかの様に速度を上げる アクセルを開けると妖刀はいとも簡単にフロントを持ち上げようとする
自然とノリスケに笑みがこぼれる・・次の瞬間自分の刀とは異なる排気音に気付く ノリスケの顔がこわばる ミラーにバイクの姿は無い
聞き慣れぬ排気音だけが近づく・・照明に照らされたレインボーブリッジに差し掛かった時 奴は姿を現わした。
刀と並走するように走るバイク【RC211V】「嘘だろっ!ライトも付いて無い生粋のレーサーだぞ!!」ノリスケは取り乱した 奴がシールドを開けた『バァブゥ〜!』
《まだ喋れねぇのかよ!》ガクガク((゚д゚))プルプル
65 :
774RR:2006/01/30(月) 01:55:07 ID:PzLOHcFz
(・∀・)イイヨイイヨー
66 :
774RR:2006/01/30(月) 02:07:03 ID:YZgt8GMm
(ストラトスフィア)それがカツオに与えられたマシンだった。
鈍く輝くその機体を見つめるカツオにウキエが背後から叫んだ。
「IKURAを湾岸線でキャッチしわ!急いで!!ノリスケさんが危ない!!」
「止められるのか?オレに奴を・・・」
ゴクリと息を呑むカツオの肩をウキエが掴む。
「君は最速の遺伝子を受け継ぐISONOの末裔よ!勇気を出して!!」
「・・・わかったよ、やってやるぜ!!」
直列6気筒のハーモニーを奏で、ストラトスフィアが猛然と加速を開始した。
67 :
774RR:2006/01/30(月) 02:09:14 ID:wcTj89lK
何だこの良スレw
68 :
774RR:2006/01/30(月) 02:17:37 ID:TE7Z5yAA
文才あるな
69 :
774RR:2006/01/30(月) 02:18:58 ID:Htr0tiie
「ゲンコウゥゥゥ、ゲンコゥウウゥウ。」
IKURAの障気に当てられたノリスケは、もはや正常な思考を失っていた。
あるのは自らの欲求を満たしたいという、原始的な本能だけである。
湾岸線を逆走し、いささか邸をめざすノリスケの顔は、もはや人間のそれではない。
「タイコ・・・。」
限界の急制動を見せた刀の前に立ちはだかるストラトスフィアのタンデムシートには
赤い革ツナギを来た淑女が跨っていた。
「ノリスケおじさんのことはまかせたよ!」
カツオはタイコを降ろすと、大きくアクセルをふかした。
「IKURA・・・おれは必ずお前を助けてやる。」
カツオに答えるように、ストラトスフィアは6発のバックファイヤーを吐き出し、再び猛然と加速していくのだった。
70 :
774RR:2006/01/30(月) 02:24:33 ID:drInVhbg
シゲルスレでアナザーストーリーが展開中の模様w
71 :
774RR:2006/01/30(月) 02:25:06 ID:i3tUivFG
文才あるなんてもんじゃないような・・・
プロの方ですか?
72 :
774RR:2006/01/30(月) 02:28:55 ID:YZgt8GMm
キューバ産の葉巻をくゆらせながら波平はBOSSHOSSの傍らで湾岸の夜景を眺めていた。
毎度お馴染みのメロディが流れ、波平はボマージャケットの懐から携帯を取り出す。
「ワシだ・・・そうかカツオの覚醒に成功したか。IKURAは?うむ、わかった」
携帯を切ると波平は再び夜景に目をやり、一人つぶやいた。
「願わくば平凡な家族を演じ続けていたかった。が・・・これが我ら磯野家の宿命(さだめ)よのぅ」
BOSSHOSSのV8ビッグブロックが轟音を吐き出す。
「IKURA!!我らISONOがいる限り貴様の好きにはさせん!!」
華麗なアクセルターンを決め長いブラックマークを残しながら波平は走り去った。
73 :
774RR:2006/01/30(月) 02:30:17 ID:wcTj89lK
波平スゴスwwww
74 :
774RR:2006/01/30(月) 02:30:54 ID:KOn1PxJn
なんとなく暗黒サザエさんを思い出した
75 :
774RR:2006/01/30(月) 02:35:40 ID:kDemS5xg
湾岸線を一筋の光が駆け抜けてゆく。
カツオの駆るストラトスフィアだ。レッドゾーンまで一瞬で吹け上がるエンジン性能とは裏腹に、乗り味が独特なこのマシンをカツオは操りかねていた。
それもそのはず。モーターショーで参考出品後、スズキの倉庫にて保管されていたのをウキエが圧力をかけて持ちだしチューニング途中だったのだ。
メーターは240km/hを振り切っているが、エンジンはまだまだ余裕がありそうだ。
「さすがウキエさんだ・・。こんなに吹け上がるエンジン見たことないや。」
気を抜いた一瞬、ストラトスフィアのリアがキャッツアイを踏みスリップする。カツオは今まで乗っていたCB400Tでは200km/hに達することは無かった。
「くっ!」
未体験の速度域に扱い慣れないマシン。カツオは死を覚悟した。
76 :
774RR:2006/01/30(月) 02:45:10 ID:kDemS5xg
「ギョパッ!ガッ!」
おかしい・・。自分はさっき確かにコントロールを失い事故ったはずだ。なんで生きている?
その答えは彼の目の前にあった。
『魔 棲 雄』
「義兄さん!」
マスオはウキエからカツオが湾岸へ向かったことを聞き追い掛けていた。そしてまさにマスオがカツオに追い付いた瞬間、カツオは転倒しかけたのだ。
その瞬間に隼のアクセルをフルスロットル、左に並んだ瞬間にハンドルをフルロック&フルブレーキしてわざとストラトスフィアに隼をぶつけ立て直させたのだ。
300kmhオーバーの世界に棲むマスオからすれば240km程度でそんなことをするくらいジムカーナ中に風で煽られたコーンを車体で押し戻す
程度の児戯にも等しい行為だ。
「さぁ行こうか・・。カツオ君!」
フロントアップしながら加速する隼と身をよじるように加速するストラトスフィア。この兄弟はイクラを止められるのだろうか・・。
77 :
774RR:2006/01/30(月) 02:55:47 ID:YZgt8GMm
愛機ハヤブサを湾岸へと走らせるマスオ。
「メグミちゃんのおっぱい・・・延長したかったが人類の危機だ、いたし方あるまい」
ふと後方を見やると背後から急接近する機体。
「カツオ!?それとも・・・IKURAか!?」
250で走るマスオの脇に並んだのは青いハヤブサだった。
「ア、アナゴ君!!」
驚くマスオに親指を立てサムズアップで応えるアナゴ。
その眼差しは海山商事の同僚のそれでは無く、かつてマスオとデッドヒートを演じたライバルのそれであった。
「馬鹿だな、君って奴ぁ・・・おっぱいより友情を取るなんて」
マスオの目にキラリと光るものがあった。
「行くぞ!!」
蒼と紅、二台のハヤブサはOVER300のランデブーを開始した。
78 :
77:2006/01/30(月) 02:57:32 ID:YZgt8GMm
おっと時間軸がズレた。
オレのレスは76の前と言う事にww
79 :
76:2006/01/30(月) 03:01:01 ID:kDemS5xg
>78
スマソ。あなごカコイイ!(・∀・)
80 :
774RR:2006/01/30(月) 03:03:04 ID:drInVhbg
「ぐっ。」
華麗にカツオを助けたマスオだが、実は自分も足に爆弾を抱えていた。
キャバクラの後ソープランドで限界ライディングをしていたマスオの下半身は
もうニーグリップできるほどの力が残っていなかった。
「こりゃぁサザエの祟りかな・・・」
泡姫との情事を思い出したマスオは、自嘲するようにつぶやいた。
そのマスオの隼に、青い機影が迫ってきた。
「まさか、僕とカツオくん、アナゴくん以外にこの速度域に棲んでいるやつなんて!?」
ついに隼に追いつく機体。ブルーのカウルに大きく輝くRの文字。
「GSX-R1000!!?」
「タラちゃん!!」
マスオとカツオは同時に叫んだ。
「サザエから受け継いだISONOの血か・・・。」
「カツオ君だけじゃない。君の息子だって立派に育っているんだ。」
もう、風俗には行かない。
マスオの目に新たな輝きが生まれた。
(書いてる途中にアナゴがでてきてあせった)
81 :
774RR:2006/01/30(月) 03:06:08 ID:YZgt8GMm
マスオ風俗行き過ぎ、そりゃサザエも浮気するだろww
82 :
69:2006/01/30(月) 03:08:21 ID:drInVhbg
おれ的にはバイクが自然と変体スズキに偏っていくのがワロスwwww
83 :
774RR:2006/01/30(月) 03:17:05 ID:/Huoz/sT
何年か前のGPみたいでイインデネェーノ!?
イクラ・ホンダの他メーカー包囲網
84 :
774RR:2006/01/30(月) 03:22:25 ID:Ev3JF5G5
ちょwwwwここ面白すぎwwwwwwwwwwww
85 :
774RR:2006/01/30(月) 03:24:26 ID:YZgt8GMm
「タイコ、教えてくれ!イクラは、あの子は一体・・・?」
イクラはノリスケの血を継いではいない。だが彼は実の子以上にイクラに惜しみない愛情を注いできたつもりだった。
タイコは沈黙の後、意を決した様に語り出した。
軍事機密、生体兵器、DNA操作、そして暴走・・・
そんな忌まわしい言葉が彼女の口から次々と発せられる。
猛烈な吐き気と眩暈がノリスケを襲う。
「そんな・・・あの子がそんな・・・非道すぎる!!」
タイコの頬を一筋の涙が伝う。彼女は夜空を見上げこうつぶやいた。
「頼みますカツオ君、磯野家のみなさん。あの子を助けてあげて・・・」
86 :
774RR:2006/01/30(月) 03:34:43 ID:drInVhbg
そろそろスレタイのサブを使おうかと思ったけどもう眠いw
残りの作家のみなさんガムバッテ ノシ
87 :
774RR:2006/01/30(月) 05:18:07 ID:dFmbNBQ4
そのイクラ誕生の話がもはやSFになってるがw
88 :
774RR:2006/01/30(月) 05:26:33 ID:TldQWWVn
フネは愛機WR250Fモタード仕様を走らせる。
途中、サザエのZ1000Jと遭遇。
「サザエ、風を抑え込む走りを見せてあげるわよ。」フネは250ccとは思えない加速を見せ、交差点をまさにカミソリの如くドリフトしながら曲がっていく。
ドゥパパパパッ、とシングルの音を奏でながらフネとWR250Fはすっかり見えなくなった。
89 :
774RR:2006/01/30(月) 05:29:48 ID:/Huoz/sT
実はキングとのバトルを続ける花沢が向かう先は病院では無かった・・「いいかい?ワカメ、、良く聞くんだよ・・」
花沢はイクラの出生の秘密・闇の組織・サブの正体その全てを話した。
話が終わる頃にはキングの姿はいつの間にか消えていた 高速を降り車は地図にも載っていない様な獣道を進み更に山奥へと突き進む・・・
走り続けてどれぐらいの時間がたったのだろうか・・険しい山道が開けると同時に異様な建物が姿を現わした。
「ここから先は一人で行きな!組織の奴等は全てイクラの抹殺に向かっている 暴走を始めたイクラの正体を世間に知れたら計画が全て失敗に終わるからね」
無言で頷くワカメ 車を降り建物に侵入したワカメの目の前に広がる光景に絶句した 数え切れぬ円柱の水槽・・その中にはイクラのクローンが・・
ワカメは涙を堪えながら中央制御室へ突き進む 制御室を発見し扉を蹴破り突入 花沢に言われた通りに制御盤を破壊した
『私に出来る事はこれだけ・・後はイクラちゃんを正気に戻し皆で力を合わせ【サブ】を倒して・・・』そう呟くとワカメはその場で両手を合わせ祈るのだった・・・
90 :
774RR:2006/01/30(月) 06:25:29 ID:MtWcTS8s
一方その頃、愛車RZ250改350で病院に向かっていたタラオの後方に、激しくパッシングしながら近付くバイクが1台…。
「なんだぁ?俺のこと舐めてんのか?」
心の中で呟くタラオ。
「やってやろうじゃねぇか!俺のRZを甘く見るな!」
スロットル全開、目の前のメーターは180キロを大きくオーバーしている。
「嘘だろ!振りきれねぇ!」
タラオは驚愕した…。ミラー越しに見たバイク、それは、裏のおじいちゃんの愛車"ホンダCB750K6改K0仕様だった…。
91 :
774RR:2006/01/30(月) 06:30:20 ID:MtWcTS8s
92 :
774RR:2006/01/30(月) 06:49:48 ID:/Huoz/sT
波平の携帯が鳴る 電話の相手は花沢だ「どうした?・・なにっ!そうか・・イクラの命を狙う組織の雑魚共はわしに任せておけ!」そう告げると電話を切った
「雑魚共はいいとして問題は【サブ】じゃな・・あいつがあれを手に入れたとあっては一筋縄じゃいかん」
波平も噂は聞いていた・・カワサキの新たなフラッグシップマシン【ZZR1400】このプロトタイプ1号車が盗難された事を・・・
市販に向けた量産型ではなく実験的に作られた1号車・・・徹底的な軽量化・耐久性を無視したかの様なハイチューンエンジン・・・そのスペックはモトGPマシンを上回るとも・・・
「・・・カツオ気を付けるんじゃぞ!!」
「さぁ〜て、年寄りはゴミ共の掃除でもしますか!」
そう呟くとアクセルを一捻りした モンスタートルクはアスファルトに黒々とブラックマークを残し走り出す
そしてバイクとは思えぬ巨体のBOSSHOSSをまるで自分の手足の様に右へ左へと華麗に操り雑魚一掃の為イクラ達の元へ急いだ。
93 :
774RR:2006/01/30(月) 07:15:44 ID:/Huoz/sT
>>91 ズレ杉w と一応突っ込んでみる(;´Д`)
94 :
774RR:2006/01/30(月) 07:18:42 ID:YZgt8GMm
夜の湾岸を疾走するRC211V。
それを追尾する二機の隼とストラトスフィア。
マスオがメーターを確認すると時速290k/mを刻んでいる。
(遅すぎる・・・ボク達を誘っているのか?)
堪りかねたかの様にアナゴが飛び出しRCの隣に並走する。シールドを開き彼は叫んだ。
「IKURA!!正気に戻れっ!!・・・うわっ!!??」
電光石火の速さでイクラの右手がアナゴの隼のクラッチレバーを握り、右足で一気にシフトペダルを連続で踏み下ろす。
凄まじいバックトルクに見舞われたアナゴの隼はコントロールを失い宙を舞った。
「アナゴ〜〜〜〜ッッ!!」
マスオの叫びも空しくアナゴは愛機と共に激しくアスファルトに叩きつけられながらミラーの中で遠ざかっていった・・・
95 :
774RR:2006/01/30(月) 08:06:29 ID:Lok2FiTJ
96 :
774RR:2006/01/30(月) 08:48:28 ID:/Huoz/sT
■今後あってはイケナイww最悪の事態■
瀕死のアナゴさんサイボーグ化で復活
97 :
774RR:2006/01/30(月) 10:10:24 ID:mh+7thUB
カタナ1100でポルシェとの決戦に挑む海兵
98 :
774RR:2006/01/30(月) 10:57:44 ID:TldQWWVn
「磯野さん、どこへいったやら…。」イササカ先生は愛機のカノンを駆って波平を探しに出ていた。
イササカ先生のカノンはフォードのV8エンジンを押し込んだボスホスのライバル的存在。
その地響きにも似たエクゾーストノートは近くにいた人全てに注目される。
すると対向車線からリカちゃんがTZR250SPRを駆って走ってきた。
99 :
774RR:2006/01/30(月) 12:50:05 ID:F2TRCCSL
>>94 イクラちゃんから見ればアナゴさんって赤の他人だし、面識もないわな…。
アナゴさんカワイソス。
100 :
774RR:2006/01/30(月) 13:08:54 ID:kDemS5xg
リカちゃんは信号を無視して通過した。
彼女が通り過ぎたあとに残るのはカストロールの甘い香りだけだ。その香りを嗅ぎながらイササカ先生は考える。
「私に出来ることはなさそうだな。」
先生はカノンを車庫に入れパチンコに行くけとにした。
「また波平さんと囲碁が出来る日が来るのを待ってますよ。」
平和だったころを思い出し、空を仰ぎ見ながらパチンコ店へと消えて行った・・。
101 :
774RR:2006/01/30(月) 13:58:15 ID:YZgt8GMm
イササカと言い、
>>63の中島と言い諦めるのテラハヤスwww
102 :
774RR:2006/01/30(月) 14:25:33 ID:beTn5n9H
103 :
774RR:2006/01/30(月) 14:35:16 ID:/Huoz/sT
湾岸で壮絶なバトルが繰り広げられている丁度その頃・・・
都内某所 信号を無視して走り去るTZR・・フルフェイスから艶やかに光り輝く髪が顔を出す その姿を電柱の影から覗き見る漢・・・
リカは漢の視線に気付く事無くランジェリーショップの前にバイクを止めた
「ハァハァ・・やっと見つけたよ、、僕のエンジェル リカたん・・ハァハァ」
リカは辺りを少し気にしながらもランジェリーショップの中に 漢もすかさずリカの良く見える街路樹の蔭に・・。
「僕のエンジェル ハァハァ・・淫らな下着はダメだよ ハァハァ・」しかし漢の想いは叶わず・・リカはそれは淫らで卑猥な下着を手に取りレジへ
「あぁぁぁーー!」漢は感情を押さえ切れず奇声を発しながら街路樹の蔭から飛び出した
一気に店内に駆け込む漢 店内にいた人々の顔が恐怖に引きつる・・その声と眼鏡こそしていないが特徴のある顔にリカは驚愕した
『中島さん!!』そう その漢とは中島であった・・カツオと深夜ツーリングをすっぽかされ中島は悶々としていた
その悶々とした欲求はやがて中島をストーカーに変貌させるのに時間は掛からなかった『イヤァァー!!』叫ぶリカ
一人の勇気ある男性店員が飛び掛かる! と同時に周りの客も加勢し中島を取り押さえた
偶然店の前を通り掛かったパトロール中の警官二人も店内の異常に気付き傾れ込む・・・
午前三時十五分
中島タイーホ
104 :
774RR:2006/01/30(月) 14:35:47 ID:+jdkJbJG
イササカはパチンコ店に来た。
「仕方がないですね、北斗の拳でもやるとしますか。」
イササカは手頃な台に座って打ち始めた・・・
『チッ・・・ 気が乗らねえ・・・ 何なんだこの感じは・・・ 俺には無理なんだよ』イササカはもうパチンコはどうでも良くなっていた。
『この感じ・・・ 原稿が上がらない時に似ていやがる・・・ クッ!!俺は俺だろうが・・・』
イササカには踏ん切りがつかなかった・・・
その時、地響きにも似たエキゾーストノートが聞こえてきた・・・ そのエキゾーストノートはパチンコ店の前で止まった・・・
「こんな所でなにしてるんだよ!!」
イササカはその声の主を見た・・・
「オカル!!」
そうその声の主とは、オカルである。水冷OHV V型8気筒 8200ccに乗る女だ。
「早くしな!!」
「しかし私には・・・」
イササカはあとずさった。
「馬鹿やロゥ!!」
イササカに重いボディブローが入った。
「クッ・・・」
「お前がいかなきゃいけねぇんだよ!!」
「チッ・・・ わかったよ」
イササカは心を決めた。半ば強制的に・・・
「ジンパチは先に行ったよ!!カノンの鍵だ、早くしな!!」
イササカは家に帰り、カノンに命を与えた。直ぐにエンジンが反応し地響きがたった。
「クソがぁ!!」
アクセルを全開にし、エンジンな無知をいれ、リアをスピンさせながらブラックマークを残してオカルの待つパチンコ屋へ向かった。
パチンコ屋で二人は無言で頷き、二つのエキゾーストノートの旋律を奏でながら首都高へ向かった・・・
105 :
774RR:2006/01/30(月) 14:51:47 ID:YZgt8GMm
「カツオ兄ちゃん、イクラちゃんはボクが止めるです!!」
GSX-R1000を駆りRC211Vの進路を塞ぐタラオ。
タラオにしてみればイクラは弟的存在。自分が説得すればイクラはきっと正気に戻ってくれるはず・・・
背後を振り返り叫ぶタラオ「イクラちゃん、ボクです!思い出すです〜!!」
タラオの悲痛な叫びが届いたのか、イクラが伏せていた上体をゆっくりと起こす。
「良かった!イクラちゃ・・・」
「HAaaaaaaiiI!!!(レプリカ風情が、このRC211Vの行く手を塞ぐとは無礼な!!)」
邪悪な笑みを浮かべたイクラはRC211Vのフロントを高々とリフトアップさせ、そのまま前を走るタラオの脳天に落下させる。
(ガシッ!!)
悪魔の鉄槌がタラオに振り下ろされるその直前、何者かが恐るべき腕力でタラオを掴みGSX-Rから間一髪引き離した。
「おじいちゃん!!」
葉巻を咥えた波平の笑顔がそこにあった。BOSSHOSSのタンデムシートにタラオを乗せ戦線を離脱する。
「タラちゃん、オマエにはまだちと早い。カツオ!マスオ君!後はまかせたぞい!!」
106 :
774RR:2006/01/30(月) 14:57:31 ID:/Huoz/sT
盛り上がって参りましたww
えぇ ここで一旦CMで〜す
107 :
774RR:2006/01/30(月) 15:05:26 ID:DR2Zqui0
バイク王〜バイク王〜
108 :
774RR:2006/01/30(月) 15:09:10 ID:xFG2ma4M
そろそろフルチューンの油冷Rの出番だな
109 :
774RR:2006/01/30(月) 15:11:00 ID:UMEsRxEd
あんたら超面白いねwwwこれからも頑張れ!!
110 :
774RR:2006/01/30(月) 15:11:43 ID:+jdkJbJG
♪バイバイバイバーイク〜
111 :
774RR:2006/01/30(月) 15:34:26 ID:2Wro+99H
イヤイヤ、マニアックな水冷1100も忘れんなよ
112 :
774RR:2006/01/30(月) 15:39:28 ID:xFG2ma4M
気合いのGS1200ss
8耐仕様
113 :
774RR:2006/01/30(月) 15:43:22 ID:YZgt8GMm
(何だ?この感覚・・・)
さっきまであれほど上昇していた心拍数が平静に戻っているのをカツオは感じた。
米粒ほどに縮まっていた視野も、今では流れる景色を追う余裕すら生まれている。
(これが、ウキエさんの言っていたボクの体に流れるISONOの血が成せる超感覚なのか・・・?)
ホンダがGPで勝利を得る為密かに進めていたプロジェクト、それは遺伝子操作による最強レーサーの創造であった。
だが本田宗一郎の死後、ある組織によってプロトタイプを奪われプロジェクトは頓挫した。
軍用兵器としての転用も可能なプロトタイプ・・・その消息を追ってウキエら特務機関員が活動していたのだ。
人為的に生み出された超戦士IKURAと、先祖から受け継がれた最速の遺伝子をその身に宿すISONO一族。
カツオは!マスオは!拘留中の中島は!?
人類の命運を賭けたハイスピードバトルはいよいよ最終局面を迎える。
そして続き誰か頼む・・・・
114 :
774RR:2006/01/30(月) 15:43:47 ID:8rmDN87R
このー機なんの機気になる機(ぃ〜ぃ体)
見たことも〜ない車種だから、
見たことも〜ないエンジンなんでしょお〜
115 :
774RR:2006/01/30(月) 15:51:28 ID:gwVxJMBD
またらいしゅう〜♪
(超助)
116 :
774RR:2006/01/30(月) 16:03:15 ID:kDemS5xg
アナゴが転倒した様子を上空のヘリの中から見つめる四つの目。まるで猛禽類を思わせる目付きだ。二人の背中には縫いとりが見てとれる。
『 叉 武 』 『 我 華 雌 』
二人はそれぞれの愛車ZZR1400とZX-RRに跨がり、降下するタイミングを伺っていた。
「ワカメちゃん、200km先に降りて待っていよう。」「把握した。」
ヘリを着地させることは出来ない。5m上空までヘリを降下させると、彼等はマシンとともに地上に舞降りた。
「ズン!!」「トン」
悪魔が舞降りたような衝撃音と天使が舞降りたような美しい着地が自然と周りの人間の目を引く。
「行くわよ。サブ!」
「ま、待ってよワカメちゃん。さっきの着地でリムが曲がっちゃったみたいなんだ。」
ZX-RRはZZRに一瞥もくれず甲高いエキゾーストノートを奏でながら消えていった。
117 :
774RR:2006/01/30(月) 17:12:27 ID:/VMXVReH
「アノ噂が本当なら、そろそろ..か、」
キンと引き締まった静寂の中、パラパラと乾いた排気音を奏でる愛機RZ350
一人ゴロワーズの煙を燻らせながら迎える明け方の大観山は、
暦の上では既に初夏と言うのに冷えた風が心地良い。
ふと目を瞑り、30を超えて尚オフェンスを求める心に
アスファルトに散っていったかつての仲間の顔が浮かぶ
「こんな事してなんになる?」
そう呟きかけたその時
「カ〜アァァァァァァン カン カァァァァァァ〜」
遙か彼方より静寂を切り裂き迫る排気音に気づき、
一瞬体内全ての血液が沸騰する錯覚に陥る...
「奴か?」
弾かれたようにメットを被り、もたつく指に苛立ちながら顎ヒモをきつく締め
迫り来る特有の排気音を目で追うカツオ。 続く。。。。。
ムツカシス
118 :
774RR:2006/01/30(月) 17:25:41 ID:/Huoz/sT
その頃留置所に着いた中島 彼には罪の意識が欠落していた。「ねぇねぇ!ホリエモンには会えるの?」「マーシーは居るの?」
『貴様っ!自分が何をしたかわかってるのか!!』
留置所内に怒号が響き渡る・・。
「うぅっ自分、不器用ですから・自分っ、不器用ですから・・。」そう呟くとその場に崩れ落ちた
しかし容赦なく尋問の準備に取り掛かる『全裸になり両足を開き両手を壁につけろ!』
あられも無い姿を晒す中島 体の隅々まで調べると肛門になにやら違和感を感じた・・『貴様っ!何を隠しているんだ!』
バチィーン!!尻に平手打ちを受けた中島の顔は苦痛に歪むのでは無く恍惚の笑みすら浮かべている・・。
二度目の平手打ちを受けた「あぁぁん!」肛門からバイブが姿を見せた・・『貴様ぁぁ!これで何をするつもりだぁ!!』
「自分、エムですから・・自分っ、エムですからぁぁ!!」
《オマイは〜アウト!!》 ガクガク((゚д゚))プルプル
119 :
774RR:2006/01/30(月) 17:35:13 ID:/Huoz/sT
スマソ・・・拘置所?
120 :
774RR:2006/01/30(月) 18:42:20 ID:dFmbNBQ4
>>119 中島は
>>103で逮捕されたらしい
てか、この中島の本戦から脱線しまくった伏線をどう繋げてくるのかなw
121 :
774RR:2006/01/30(月) 18:49:01 ID:noxQVUQJ
スマン、
面白いんだけどストーリーどれとどれが
繋がってるか分かりずらい
分かりやすくどこの話の続きなのか説明入れながら書いてくれ
122 :
774RR:2006/01/30(月) 18:51:09 ID:MtWcTS8s
どうも
>>32の"カツオがホークUで甚六と事故"ってのを書いたモノです。まさか、ここまで話が広がるとは…凄い楽しいです。作家の皆さんガンバって書き上げてください。
123 :
774RR:2006/01/30(月) 19:11:20 ID:2Wro+99H
最初のキリン的なハードボイルド路線?はよかったけど
イクラが軍事兵器とかっていう設定はヲタくさくて
正直ひく
124 :
774RR:2006/01/30(月) 19:22:36 ID:4Y2uNMNf
そろそろ
>>123みたいなアンチが出始める時期だけど
楽しみにしてる奴もいるから頑張って続き書いて!
125 :
774RR:2006/01/30(月) 19:37:23 ID:/VMXVReH
「今日もイケイケだぜッ」
エースナンバー01を付け、豪快なフロントアップでギャラリーコーナーから出て行く中島のRZ250
「冷静」と言う言葉さえ否定し、
自らを熱狂の中に置くことでようやく正気を取り戻す十代の魂(ソウル)は、
焦げたカーカスを撒き散らしながらアスファルトの上で覚醒する。
「なんか変だな?」
いつものように4コーナー程タイヤと膝にアタリを付け、
300m程前を走る中島を追うため加速体制に入ったその時、
カツオの脳裏に一抹の不安がよぎった。
「カァァァァァァァァン カァァァァァン」
その時遙か後方から雄叫びの如く迫る2st独特の排気音、
「は、速い....」
咄嗟にアクセルをワイドオープンさせ、暴れるリアタイヤ押さえながら短い直線を終える辺りで
後方だった筈の排気音はカツオのKRをパスし、
フロントをフルボトムさせハイサイドぎりぎりの状態でコーナーをクリアしていった。
続く?
126 :
774RR:2006/01/30(月) 20:46:53 ID:F2TRCCSL
>>38 その頃BNR32GT-Rの運転席でグチる男がいた
「チッ、ノリスケを安易に呼び出す口実でイササカを出しやがって、引っ越ししてから磯野家の奴等も知らん顔だよ…」
そう彼の名は画家のハマさん、イササカ先生が越して来る前の隣人だ。
「もはや日本国民の記憶に俺の存在は…」
プシュ〜ン……。
ブローオフバルブから抜ける残圧の開放音が悲しく闇夜に響いた。
余談だが当時の愛車旧ビートルにポルシェの空冷フラット6ターボE/gに換装したがあえなくブロー。
萌え系マンガを描いて稼いだ金で32Rを購入、歴代スカGの中で一番美しい32を選ぶあたりが流石芸術家だ。
127 :
774RR:2006/01/30(月) 21:15:13 ID:r+Zn9uIb
防衛庁長官殿
IKURA計画の報告
1968・ソビエト連邦にてパイロット育成計画が発動された。
遺伝的、科学的、外科的に戦闘機パイロットを育てる計画だった。
極限まで強化された動体視力、攻撃本能。
当時、ソビエトで研究されていたマインドコントロールおよび脳改造技術により、
コクピットに収まった瞬間に能力が開放されるものと思われる。
脳改造の影響で言語中枢を犯される被験者も少なくなかったという報告もあるが定かではない。
プロジェクトの名前はイクラ。ロシア語で「魚の卵」のことであり
戦闘機を魚のように操る者を育てる願いを込めたものと思われる。
一説によれば・・・・
KGBのカバー会社である本田技研工業で日本人を使い研究が行われていたという。
ホンダワークスのライダーにはIKURAの技術が応用されているらしい。
ASIMO軍事転用の件もあり、引き続きホンダに対する監視を継続されたし。
詳細は追って報告する。
特務機関・BELL−VIRUS
128 :
774RR:2006/01/30(月) 21:17:49 ID:qwT3znm8
ストーリーをまとめてくれる勇者はいないのかな
129 :
峠の風 T:2006/01/30(月) 21:27:36 ID:kGN3ek+a
「ハァハァハァ」
暗闇の獣道を駆け下りる男の姿があった。
決して若くは無いその体にムチを打ち必死に愛車の元へと走った。
「これを・・・IKURAの秘密をカツオに渡すまでは!」
背後からは複数の排気音が聞こえる。
彼の名はかもめ第三小学校五年三組担任。
IKURAを生み出した組織に潜入していたスパイだ。
彼は愛車にたどり着いた。
RC116、50ccDOHC並列2気筒20000回転overで20馬力をひねり出すマシン。
そのエンジン2RC115Eをさらにチューンし30000回転で40馬力に迫ろうかという出力と12段スーパークロスミッション、50キロ弱という超軽量なボディの組み合わせにより峠では彼にかなうものは居なかった。
そう、IKURAをのぞいては。
T「これが最後のライドだ、よろしく頼むぜ」
そう愛車につぶやく。その顔はとても穏やかだった。
甲高いエキゾーストノートをかなで彼と彼の愛車は走り出した。
すぐ背後には組織の連中が迫っていた。
しかし彼はひとつも慌てなかった。
長年共に過ごしてきたこのマシンとこの峠に特化したライディングスタイルに絶対の自信を持っていたからだ。
「ヤツが居たぞ!!」
リッターSSの二眼ヘッドライトの光が彼を照らす。
T「ショータイムだ、俺に追いつけるかな?」
スロットルを握る手に力が入る。
この高揚感は初めてこの峠を走ったあの時に似ている。
130 :
774RR:2006/01/30(月) 21:27:40 ID:4ocA332x
おまいら・・・才能はあるのに、その才能を発揮する場所を間違えてるぞwwwwww
131 :
続き:2006/01/30(月) 21:28:38 ID:kGN3ek+a
「原付に跨って逃げるなんて頭がおかしくなったか!すぐに追いついてやるぜ!!」
T「峠は奥が深いんだぜ」
そう言うと彼はスロットルを全開にした。
25000回転overエンジンから吐き出されるその音はまるでジェット機を思わせた。
「な、なに!追いつけない!」
T「ここは俺の庭みたいなもんだ。目をつぶっていても走れるぜ」
瞬く間に差が開いていく。
T「もう少し・・・あともう少しだ・・・」
すでに彼も彼のマシンも限界に近づいていた。
峠の勾配も緩くなり、差は詰まってきていた。
「重力の恩恵がなければ所詮は原付だ!ハッハッハー」
東名高速と交差する陸橋の上にたどり着いた。
彼は微笑み、カバンを放り投げた。
そのとき、交差する東名高速を駆け抜ける深紅の999Sがそのカバンを受け止めた。
T「頼むぞ・・・」
彼は心の中でつぶやいた。
振り向くとヤツらがすぐそこにいた。
「ハッハー所詮貴様は捨てゴマに過ぎなかったわけだ!貴様を始末してすぐに追いついてやるさ!貴様の役目はここで終わりだ!」
T「いいや、まだひとつ残っている。これがなんだかわかるか?」
彼はニヤリと笑うと体に巻きつけたそれのスイッチを押した。
「き、きさまーーーーーーーーー」
早川「先生のクラスで・・・五年三組で本当に良かった・・・今までありがとう・・・」
彼女の背後で一筋の閃光が走った。
それはまるで未来への希望の光のように。
132 :
774RR:2006/01/30(月) 21:42:05 ID:F2TRCCSL
うおおぉぉぁぁー!!!
レギュラーキャラなのにぃまだ登場してないYO〜。
ハマさんですら登場してるのにぃ!!
ho<にゃ〜ん、うにゃっ。
133 :
774RR:2006/01/30(月) 21:44:31 ID:9JOhynVH
名スレwwwwwwww
134 :
774RR:2006/01/30(月) 22:30:13 ID:/Huoz/sT
>>118の続き
留置所にて中島は拷問を受けていた・・・それは磯野家の秘密を説き明かそうとする組織の圧力によって・・・。
中島は 磯野家の家族すべてを愛していた・・「貴様等に秘密を明かすぐらいならば俺は死を選ぶ!」
そう叫び唾を吐き捨てた
自分一人だけ組織と戦えずに捕らえられている中島に出来る最後の意地だった・・・。
『そうかわかった 貴様の望み通りにしてやる、処刑は明日午前十時決行!!」中島は死を覚悟し瞳には迷いなど一切無かった。
独房の中で中島は磯野家の人々、大切な家族の事を想い涙を流した・・ 独房の鉄格子だけの小さな窓からは皮肉にも綺麗な満月が顔を覗かせた。
「やっぱり生きたいよ・・カツオ 力になれなくてゴメン・・・。」その時 小窓に何かの気配を感じた・・(ニャーゴ!)「タマ!!」
タマの体にはベルトでレーザーカッターとバイクの鍵そして小さな紙切れが付いていた、、
紙切れには(タマに付いて行って)とだけ記されていた・・中島は看守に気付かれぬ様にレーザーで格子を切りタマの後を追う様に独房から出たのだった・・。
135 :
774RR:2006/01/30(月) 22:39:14 ID:WKWCxQLv
131まで、まとめてみました。
基本的に、カキコされたままでまとめてますが
一部、半角カナを全角に直したり句読点を入れて
適度に改行しています。
苺の1、nm0036.zipでどうぞ。
解passは「IKURA」です。
ただ、90だけが時間軸が判らず、入れてませんので
指定していただければ、入れますので宜しくお願いします。
136 :
774RR:2006/01/30(月) 22:44:31 ID:kDemS5xg
>135
携帯厨の俺にも見れるようにまとめサイト作ってくれないか?
137 :
774RR:2006/01/30(月) 22:53:59 ID:WKWCxQLv
>>136 うう・・・おらに、そんなスキルねぇだよ・・・(;´Д`)ノ
138 :
774RR:2006/01/30(月) 22:54:16 ID:kGN3ek+a
>>135 苺の1ってのが判らんとです(´・ω・`)
>>134 118とえらい違いだなw
中島の活躍に期待
139 :
774RR:2006/01/30(月) 22:56:24 ID:Yuh5Skn4
140 :
774RR:2006/01/30(月) 23:11:23 ID:WKWCxQLv
141 :
774RR:2006/01/30(月) 23:16:31 ID:x+5E9u7i
東名を走る真紅の999S。
そして交差する陸橋から999の進路上にはかったように落下してくる一個のカバン。
人類を救う使命を秘めた希望のそれは、路上に激突する寸前にやはり真紅のライダースーツを
着た一見華奢な乗り手の左手が力強く受け止めた。
カバンの持ち手を左肩に掛けつつ、通過した陸橋をバックミラーで見やる。
その刹那、閃光と共に陸橋は激しい爆発に包まれ、崩壊した・・・。
「先生のお命、無駄にはしませんぞ!」
バイザーの中で、涙が光ったように見えたが、振り払うようにスロットルを全開にするライダー。
「リレーじゃ。命のリレーじゃ。人類を救う魂のリレーじゃ。この老いぼれの命なぞ、惜しいものか」
ビッグツインの鼓動は、路面を蹴飛ばすエネルギーに変換され、彼の体を再び戦場へと
突き進ませる・・・。
彼のライダースーツの背中にもまた、名が誇らしげに輝く・・・。
『裏爺』
・・・そう、「ISONO家」の光と影の歴史を、最も近くで、最も長く見守ってきた漢。
『裏のおじいちゃん』その人であった・・・。
142 :
774RR:2006/01/30(月) 23:20:24 ID:x+5E9u7i
悪ぃ。早川さんだったのね・・・orz
吊ってくるYO!
143 :
774RR:2006/01/30(月) 23:38:44 ID:YZgt8GMm
隼のスピードメーターは数字の刻まれていない領域まで振り切れたままである。
マスオは前を行く二人の若きライダーと自分の間に、超える事の出来ない壁がある事を感じていた。
over300k/m、そこは悪魔の棲む領域。
マスオはその魔の領域に棲む男、(魔棲雄)と呼ばれてきた。
だが、彼は気づいた。 魔の領域のその先に、「神の領域」があるのだと言う事を。
色彩すら薄れるこの速度域で前を行く二機のマシンはまるで、戯れるかのように絡み合っている。
二人はもはや敵では無いのだろう、神の領域を共有する選ばれし者同士の供宴。
「カツオ君、イクラちゃん・・・」
理由も無くマスオの両目から涙が溢れる。
二人の天使は神々しく輝きながらマスオの視界からゆっくりと遠ざかっていくのだった・・・
144 :
117:2006/01/30(月) 23:52:53 ID:TRnDDD5p
「くぅはッ」
抜かれた瞬間の衝撃にブレーキングが一瞬遅れ目の前に迫るガードレール
今まで経験した事の無い渾身のフルブレーキングだが、
無情にもタイヤはその限界をとうに超えていた。
「くそッせめてリアから....」
スリップダウンとはいえ辛うじて谷底への転落を免れたカツオが見たものは
転がるKRを一瞬振り返ったライダーの嘲笑うようなリフトアップだった。
「中島....」
焦げ臭いツナギの臭いと、血反吐(オイル)を吐く愛車KRを傍らに呟いた台詞が、
果たして彼とRZに届いただろうか?
「グワシャ〜〜〜ンッ ガガー」
嫌というほど聞きなれたアスファルトと金属の擦れる音に一瞬アクセルを躊躇った中嶋だが、
迫り来る気配に01のプライドが膝をタンクに押し付けさせる。
「カァァァァァァ〜ン」
迫る排気音が、この峠一のテクニカルコーナーに向かう中嶋のRZに迫る
「ヘッ上等じゃねーか」
一瞬の躊躇いさえあったものの
切り替えしからブラインドを狙う中島と愛車RZにはまだ余裕があり、
ラインもあとタイヤ一つ半はインに持って行けるはずだった。
145 :
774RR:2006/01/30(月) 23:53:53 ID:zUzPl08M
細かいかもしれんがk/mじゃなくてkm/hでそ?
146 :
774RR:2006/01/30(月) 23:56:24 ID:JvBgrbl2
黙って脳内変換汁!!
147 :
135:2006/01/30(月) 23:57:42 ID:WKWCxQLv
うーん・・・
どれがどれに繋がるのか、判らなくなってきた・・・orz
148 :
774RR:2006/01/31(火) 00:13:45 ID:uBn7KfbX
>>143オチカレサン ノシ
いつも面倒臭いまとめ乙弟子
149 :
774RR:2006/01/31(火) 00:24:39 ID:IMLD6JjI
300km/hオーバーで疾走するRC211Vとストラトスフィア…カツオは徐々にモチベーションを失いつつあった、
「いったいどーしたら止められるんだぁー!!」
と、その時ストラトスフィアが急に失速しだした。
「?!こんな時に……イヤ待てよ……!」
カツオは失速の原因を悟った、そしてコックを予備に切り換えた。
「これだ!IKURAを止める唯一の方法…。」
150 :
774RR:2006/01/31(火) 00:58:50 ID:DALuPI3j
漆黒の闇より生まれ出たY2K。
風切り音の如く鋭いエグゾーストノートを響かせる心臓にムチを入れると
スピード・メーターの針は一気に300km/hにまで躍り上がった。
「待っていろ・・・NAMIHEI・・
貴様に味わわされたあの屈辱は忘れていはいないぞッ・・!」
かつての屈辱を晴らすべく復讐の女神ティシフォネの化身となった海平。
彼の目にはもうあの日のNAMIHEIの姿しかうつらない。
151 :
774RR:2006/01/31(火) 02:27:54 ID:p12MEOtJ
路肩に大の字に横たわるアナゴ。
その先では鉄屑と化した愛機ハヤブサが紅蓮の炎をあげていた。
彼の鍛え抜かれた屈強な肉体は時速300km/hからの転倒にも音を上げる事は無かったのだ。
満天の星空を見上げアナゴは胸ポケットからピースを取り出し火を点けた。
大きく深呼吸して紫煙を吐き出すと、自嘲的な笑いが彼の口元に浮かんだ。
「やれやれ、せっかく慣らしを終えたばかりだってのに・・・ザマ無ぇな全く」
ゆっくりと立ち上がり路肩を歩き出すアナゴ。
「痛てて・・畜生、徒歩で帰るにゃちょいと遠くまで来すぎちまったぜ」
その時一台のマシンが減速してアナゴの傍らに止まった。
カワサキZ1000mkUに乗ったそのライダーがフルフェイスを脱ぐとシャネルの香りがアナゴの鼻孔をくすぐった。
「サザエさん・・・」
「乗って」
タンデムシートに座りサザエの腰に手を回すアナゴ。レザーを通してでも弾力のある肉体の温もりが伝わってくる。
「あの、マスオ君は・・・」
アナゴの言葉にサザエは小悪魔のような微笑を浮かべるとZ1000MKUのスロットルを開けた。
152 :
774RR:2006/01/31(火) 02:55:05 ID:p12MEOtJ
「カツオ・・・」
留置所から脱走しカツオの元へ向かう中島だったが、拷問を受けたその肉体は傷つき、疲労していた。
「うぐっ!」
足がもつれ転倒する中島、その脳裏にカツオとの思い出がよぎる。
(ピーキーすぎてオマエにゃ乗りこなせねーよ中島ぁ!)
屈託の無いカツオの笑顔が浮かぶ。
「馬鹿ヤロウ磯野・・オレだって、オレだってなぁ!」
重い足を引きずり中島はやっとの思いでガレージにたどりつく。
うっすらと埃を被ったバイクカバーを剥ぎ取ると一台のマシンが現れた。
RG400Γ。
カツオが500のエンジンを載せ変えスガヤのチャンバーを組み込んだじゃじゃ馬だ。
「待ってろよ、磯野!!」
バラッバラバラバラバラン!ギャアアアアァァーーーーーーンンン!!!!
4本のチャンバーからカストロの香りと共鳴音を吐き出すと、飛行機雲のような白煙をたなびかせΓは地平線へと消えていった。
153 :
774RR:2006/01/31(火) 05:24:35 ID:Ab8cWwZL
すごい面白い
みんな文才ありすぎ
154 :
774RR:2006/01/31(火) 11:44:24 ID:ZulgnvIi
キャラの名前がサザエさんってだけで内容全然関係ないよな
大好きだけどw
155 :
774RR:2006/01/31(火) 12:21:24 ID:PnnKLw6P
中島のキャラが一定していないww
156 :
774RR:2006/01/31(火) 12:29:31 ID:V5NcEZcG
そろそろ一夜明けて、各自平常の生活に戻る。
が、お互いの正体を知られてぎこちないサザエさん一家っていうのを読みたい気がする。
157 :
774RR:2006/01/31(火) 12:32:38 ID:/uBQSm5i
長寿番組だから、予告で総てリセットされるんじゃないかな?
158 :
774RR:2006/01/31(火) 14:10:53 ID:vOS4l2gs
みんなすげぇーwwネ申スレだww
159 :
774RR:2006/01/31(火) 14:50:55 ID:tTTy/Ix7
一夜明けて・・・・
いつものようにフネが朝食の準備をしている・・・
そこにサザエの姿はない・・・職場放棄だ
ちゃぶ台の上にご飯、味噌汁、焼き魚次々と並んでいく
フネ「朝ごはんできましたよー」
最初に現われたのは例のごとく波平だ「カアサンお茶」お決まりの一言だ
そして次々に面々が顔を揃えていく ただその交わす言葉一つ一つが
ぎこちなく 空気も重苦しい
最後に現われたのは職場放棄したサザエだ サザエは手に名刺を一つ持っていた
マスオは悟った あの名刺は昨日ソープランドでメグミからもらったものだと
そして裏には電話番号と「また来てねはぁと」の文字
マスオ「あの目はボクを殺そうとしている!!」
サザエ「アナゴさんみたいになりたいの?」
マスオ「!!!」
マスオは走った とにかくその場から離れたかった 愛車、隼にまたがり
メグミのもとへ
サザエ「・・・始動」ブォン
160 :
774RR:2006/01/31(火) 14:58:33 ID:dA4qVFLL
中島はどうなったんだ!?
イクラは!?
161 :
774RR:2006/01/31(火) 15:40:29 ID:fAOzRFzt
すでにサブちゃんのバイクを決めるスレではない件について
162 :
774RR:2006/01/31(火) 15:49:16 ID:OXXOdxWy
だ が そ れ が い い
163 :
117:2006/01/31(火) 16:07:23 ID:cFfa/QvO
切り返しで伸びたFフォークを右ブラインドコーナーに向かうブレーキで十分に縮ませ、
中島のRZが跳ねるようにコーナーに向かう、
このコーナーはかつて中島が、峠の怪鳥と謳われた深紅のGSXR400を駆る
その当時無敵を誇った「Rt:TOSHIBA」の01、そうマスオを叩き落とした場所だった。
「へっ着いてこれるかこれるかよ?」
ブレーキリリースからバンクに入り、足腰でしっかりとホールドしたRZは
僅かにリアタイヤがバタツクものの、ピッタリと路面に吸い付き離さない。
しかしコーナーのRはこの先更にきつくなり、
ココを抜けるにはcp後に更にバンクできる余裕を持って入るか、
諦めてcpまで減速しインベタで回るしかない。
ただ、今や峠一のアスファルトダンサーである中島の走りはそのどちらでもない。
「余ッ裕〜」
CPの手前で一瞬半クラにさせ、間髪入れずスロットルを煽る
丁度7000rpmで始まるパワーバンドに針を叩き込みクラッチを繋いだとたん
横方向に限界までグリップを使うリアタイヤは悲鳴を上げ焦げ臭い匂いを吐きつつ横にスライドを始める.
左方向に滑るマシンに対し、左ステップを蹴り強引に立て直す中島
そしてそのリアタイヤがスライドを止めた時、既にRZのフロントは出口を向いていた。
「決まった」
ここからは4速全開レッドまで回せる長い直線、
図ったようにタコメーターの針は7500rpmを指している
持ち上がるFフォークを押さえつけながらRZが全開加速を始めたその時
遙か後方に有ったはずの排気音が間近に迫る。。。。。
「馬鹿な?俺より早くあそこを抜けたって?」
重なる排気音で一瞬身震いしたその刹那、深紅のマシンが中島を抜き去って行く
続く?
164 :
774RR:2006/01/31(火) 16:13:12 ID:8sV/ZL7/
次回予告
「 中 島 死 す 」
じゃーんけぇーんぷぅおおおん!!!!!!!
ぐふぁああああぁぁぁああぁーーーーーー!!!!!!!!!
165 :
774RR:2006/01/31(火) 16:20:53 ID:gh749A7m
楽しいんだけどぶっ飛び杉なのは勘弁
話でかすすりゃいいってもんじゃない
>>13ぐらいなのがいい
166 :
774RR:2006/01/31(火) 16:38:30 ID:tTTy/Ix7
だって一夜明けて希望みたいなのがあったもん・・・・
167 :
774RR:2006/01/31(火) 17:15:24 ID:liyt/oOs
Z50Jのフルチューンきぼん(´・ω・`)
168 :
774RR:2006/01/31(火) 17:34:24 ID:fAOzRFzt
中島を抜き去った紅い影はすっと闇に吸い込まれていった
169 :
774RR:2006/01/31(火) 17:50:15 ID:TjFBH6we
組織とかクローンとか兵器とかイラネ
170 :
774RR:2006/01/31(火) 17:51:13 ID:DALuPI3j
カツオ「! やばい! 止まれ中島ぁーーっ!」
中島「転倒!? かわせる!」
キキィーーッ!ドン!
救急車の中で
中島「カツオ・・ はやくなろうな・・」
カツオ「ばかやろう・・こんなときに言う台詞かよ・・」
誰よりも風に近く駆け抜けた中島はもう帰ってこない
171 :
774RR:2006/01/31(火) 17:52:04 ID:ONUVGNup
172 :
774RR:2006/01/31(火) 18:34:52 ID:fAOzRFzt
ここまでの流れ
中島死す
終了
173 :
774RR:2006/01/31(火) 18:37:25 ID:ysJHdonW
中島、サウスパークのケニー的扱いだなw
174 :
774RR:2006/01/31(火) 19:41:56 ID:NGf0zFwM
もう飽きた
175 :
774RR:2006/01/31(火) 19:45:30 ID:oGMYDacR
この人でなしーっ!
176 :
774RR:2006/01/31(火) 20:26:05 ID:fAOzRFzt
新章・カツオ走り屋編
AM7:00彼はいつも通り仕事場へと愛車を走らせていた。
走りから離れて10年、当時新婚だったカツオはカオリに走り屋を卒業して欲しいと懇願され、それ以来仲間とも連絡を絶っていた。
(俺ももう34か、時間が経つってのは早いもんだ。若い頃は色々無茶をしてたなぁ…)
カツオはかつての仲間と共に峠を攻めていた頃を懐かしんだ。
当時カツオは神懸かりなドライビングテクニックから「神童」と呼ばれていた。だが彼にはどうしても超えられない壁があった。
義理の兄、マスオである。
今でこそ落ち着いた彼であったが、昔は80スープラを駆り「魔に棲む男」と呼ばれていた。
カツオは幾度となくマスオに勝負を挑んだが圧倒的なスキルの違いから全戦全敗という凄惨たるものだった。
いつしかマスオはかつてのギラギラした瞳を失い平凡で退屈な世界の住人となっていった。
それ以来マスオはカツオとの勝負を受けなくなった。未だにその理由は明らかになっていなかった。
(マスオ兄さんは何故走りをやめてしまったのだろうか?)
カツオはそんな事を考えながら交差点に差し掛かった。
その刹那、交差点に勢いよく一台の真紅の車が飛び込んで来た。
177 :
774RR:2006/01/31(火) 20:26:50 ID:fAOzRFzt
「!!」カツオは自分の目を疑った。
「あっあれは!マスオ兄さんの・・・!!?」
その車はかつてのマスオの愛車、JZA80スープラと瓜二つだったのだ。
官能的なエグゾーストノート。
垢抜けたデザインのエアロ。そして真紅にオールペンさたボディ。
すべてがあの頃のままだった。
(だが、何故・・・一体誰が・・・?)
カツオはふっとドライバーシートを見た。
そこにはマスオの愛息タラが乗っていた。
「なっ!!何故あの車にタラちゃんが!!!?」
カツオは真相を知るべくタラが乗る紅いスープラに勝負を仕掛けた。
シグナルスタート。
それはシフトのタイミングが明暗を分ける究極のスタート方式、熟練したドライバーでなければスープラに勝つ見込みなどほぼ無い。
ましてやカツオの乗るS2000はチューンしてあるとはいえとても3000ccクラスの車に勝てるほどのパワーはない。
信号が青に変わった!
軽さを生かし前に出るS2000。
「やるな…カツオ兄さん」
狂ったような排気音を撒き散らしながら猛烈な勢いでスープラが後を追って来る。
カツオはステアに取り付けたエマージェンシーブーストのスイッチへ親指をのばす。
178 :
774RR:2006/01/31(火) 20:35:03 ID:fAOzRFzt
ルームミラーを覗くカツオ
しかしそこにはスープラの姿は無い。
「どこへいった!!」
カツオは辺りを見渡す。
その時、6気筒エンジン独特の排気音と共にタラを乗せたスープラが一気にカツオの前に出る。
「兄さん、これで終わりだ!」
「くっ。。。流石にそう簡単には勝たせてくれないか…」
カツオの手がナイトロのスイッチへとのびる。
直後カツオのS2000のタイヤが悲鳴を上げながら急加速して来た。
「まだ加速するだと!!?」
カツオの走りはタラの理解を超えている。明らかに車の限界を超えた加速に恐怖すら覚えた。
一方カツオは久しぶりの本気のバトルに走り屋の血が騒ぎ出した事に気付いていた。
「長く味わって無かったな…この感じ…」
その時にはすでに勝負は付いていた。
スープラが心なしか落ち込んだような排気音とともに脇道へ入っていった。
カツオは我にかえって時計を見た。
「やっば!遅刻やん!!」
急いで仕事場に行くも間に合わず上司に怒鳴られてしまった。だが彼は妙に晴々した顔をしていた。
走り屋の血が騒ぎ出した事に喜びを感じずにはいられないのだ。
そして帰宅後、久しぶりに実家へ帰った。
「ただいま〜」
179 :
774RR:2006/01/31(火) 20:38:25 ID:fAOzRFzt
そこにタラオの姿があった。
カツオとタラオの目が合う。
だが二人とも何も言葉を発しなかった。
二人にとってもはや言葉はいらなかった、走り屋同士心の中で通じ合っていたのだ。
続き頼む。
180 :
774RR:2006/01/31(火) 20:48:48 ID:jEcw0VJg
風呂敷広げすぎwwwwww
でここはバイク板だよ
181 :
774RR:2006/01/31(火) 20:50:45 ID:OXXOdxWy
面白ければよし
182 :
774RR:2006/01/31(火) 21:05:04 ID:rqCCy2WC
>>178 S2000にターボ+NOS・・・・・
走り屋卒業して無いジャンw
183 :
774RR:2006/02/01(水) 03:06:30 ID:okNxwShs
Hayasabu
184 :
774RR:2006/02/01(水) 03:31:09 ID:B7LP/IXj
そうだよ、サブの話はどうなったんだ?
185 :
774RR:2006/02/01(水) 05:01:31 ID:fs5Iwqw5
夜の首都高を走るサブ。
全身をレザーで包みハーレィ・ディヴィッドソンに跨るその姿は昼間の三河屋ではない。
「サザエ・・・いい女だ。今に死んだ夫のことなんか忘れさせてやる」
ふとミラーに目をやると、なんと男が走って迫ってくる。
「馬鹿なッ!?200キロオーバーだぞ!!こんなことって・・・・!」
その瞬間T-1000はサブを掴み高架橋下へ放り投げた。
そして無人で疾走するハーレィに乗り込むとT-1000の顔はサブのものに変わった。
「未来の指導者タラオ・・・待っていろ」
186 :
774RR:2006/02/01(水) 09:28:47 ID:9rVjYAva
中島の人気に嫉妬
187 :
117:2006/02/01(水) 10:58:57 ID:bTFWpElj
「チクショー!!!!!」
抜かれた時の衝撃が大きい程、イコール脱出速度の違いを物語り、
コーナリング速度の違いも加わって中島のプライドに火を付け、
右手を捻り上げ前のマシンを追う、.........しかし、
なんと前を行くライダーは、マシンのハンドルポストから両手を離し、
追いすがる中島のRZをあっさりとパスさせるではないか。
「ヤロー!あくまでおちょくるつもりか?」
しかし抜きながら深紅のマシンとそのライダーを確認した中島に衝撃が走る...
深紅のRG250Γを駆るそのライダーこそ、
かつての「RT:TOSHIBA/02」サブだったのだ。
188 :
774RR:2006/02/01(水) 11:20:03 ID:ktt5lRHb
サブの一日(番外編)
この物語はフィクションです
一部バイク海苔として間違ってますがご了承ください
あとよい子はまねをしないように
サブの一日は一杯のビールから始る カチッ プシュウー
サブ「く〜仕事の前はこれを飲まなきゃやってらんねぇよ〜」
愛車スペイシー250に無理やり配達用のビールをくくりつけ発進する
サブは走り出す 途中中島を轢いたりするも サブは止まらない
いや止められないのだ 止まったらそこでゲームオーバーだ
例のごとく磯野家まで到着する そこで待ち受けるのは鬼嫁サザエだ
しかしサブは途中配達用のビールも何本かたいらげ絶好調だ
今のサブは無敵だった
サブ「サザエ表に出ろ!!」
一方のサザエも昼間から日本酒5合いったところだ
サザエ「望むところよ!!」
誰か続き・・・ 頼めないな〜これは
189 :
117:2006/02/01(水) 11:44:47 ID:bTFWpElj
「サブさん、サブさんなのか?まさか..」
ドクドクと速まる心臓の鼓動が中島を息苦しくさせ、
グハッっと堪らずに吐いた息がシールドを曇らせる。
..........今から3年前。
当時XJ400で暴走行為を繰り返し荒れ狂う中島に、
バイクの楽しさ・厳しさ・ライダーとしての喜び、
そして峠の全てを教えたのが250Γに乗るサブだった。
時は経ち、
当時のNo1:GSXR400/マスオを叩き落としたことで
最速の称号を手に入れた中島は有頂天だった。
ライダーとしてのモラルや峠のルールなどはただ敗者の論理でしかなく、
同時に自分より遅いサブの言う事など、
負け犬の遠吠えとしか聞こえなくなっていた。
そう、あの複合コーナーでスリップダウンする中島を庇い、
200m下の谷底に深紅のRG250Γが消えるまでは....続く?
190 :
774RR:2006/02/01(水) 11:58:03 ID:n2AX0uSX
_r-._,-,_
r‐' __ ~t_
j'/"il li ~\〈
rf/l |_l_l| |l_l_ i゙ト'、
/"ハl U U |l゙i l
/ / li.ゝ γニ ヽノ | l | 真紅真紅ってうるさいのだわ
. l / il f:`l .l i_| | j l |
|/ ξ ゞ_`,-ィイ ξ l|
彡 /:::::::::::〇, ミ
ソ i::::::::::::::l_l:l リ
191 :
774RR:2006/02/01(水) 12:34:19 ID:GbWDXpHN
↑
誰?お前
192 :
774RR:2006/02/01(水) 15:09:46 ID:67Ebvzix
うるさい下僕ね
紅茶を入れて頂戴
193 :
774RR:2006/02/01(水) 15:18:44 ID:Jr8Ma8U1
194 :
774RR:2006/02/01(水) 17:12:36 ID:ktt5lRHb
>>193 まじですか? では・・・
サブ「てめぇのそのパーマみたいなの前から気にくわなかったんだ」
「今日こそむしりとってやるから覚悟しろ!!」
サザエ「これは地毛よ もともとなのよ あなたこそいつもタイコさんにからんで」
「タイコさん言ってたわ あんたの頭ビール瓶で勝ち割りたいって」
サブ「お前!! プライベートはいいっこなしだぜ コノヤロー」
サブのブローがサザエのみぞおちに入る グフッ
サザエ「やったわね!! ナミヘイにもぶたれたことないのに!!」
サザエ近くに転がっていた中島を担ぎ上げサブに投げつける!!
サブは華麗にかわす 中島「グフッ」
サブ「いいだろうこうしよう いまから俺の愛車とお前の愛車アドレス120で勝負だ!!」
「内容は簡単。今仕事をしているであろうナミヘイの毛を先にむしりとったほうが勝ちだ」
サザエ「わかったわ 望むところよ!!!」
こうして第一回チキチキサブVSサザエどっちがむしる?
ナミヘイの毛争奪戦の戦いの火蓋がきって落とされた!!!
195 :
774RR:2006/02/01(水) 17:18:44 ID:sa5/dfRi
中島カワイソスwwwwwwwwwっうぇwwwww
196 :
774RR:2006/02/01(水) 17:36:14 ID:ktt5lRHb
サブ「バカな奴だぜ お前のアドレスの排気量じゃ圧倒的に俺の方が有利に決まってるじゃないか」
サザエ「一つだけ言っておくわ 私のアドレスをなめないことね・・・」
タラちゃんが腕を伸ばす 3・・・2・・・指の数が減っていく・・・1・・
タラちゃん「GO!!!」
次の瞬間サザエのアドレスが火を噴く ものすごい唸りを上げいささかのコーナーを
曲がっていった
サブ「あいつ違法改造じゃねぇか・・・」
「いかんあっけにとられてる場合じゃねぇ!!!」
サザエに遅れることその間5秒 サブ発進!!
中島「ぐぇっ」 もちろん出発時に中島を轢いたのは言うまでもない
197 :
774RR:2006/02/01(水) 19:01:06 ID:LOnvApQ+
こういうコメディ路線もいいな。
マジでおもしれぇw
198 :
774RR:2006/02/01(水) 20:59:46 ID:SVh+/bog
不覚にもワロタ
199 :
774RR:2006/02/01(水) 21:28:40 ID:2ziWWYCU
かつお「姉さんひどいや」
中島「おーい磯野。救急車呼んできてくれないか?」
200 :
774RR:2006/02/01(水) 23:14:11 ID:n9lNxyRr
中島まだ喋れるのかw
201 :
774RR:2006/02/01(水) 23:18:44 ID:Bv368uQu
次の回には完治してるから心配ないよな、なんせ中島だもん
202 :
774RR:2006/02/01(水) 23:18:53 ID:0EB3b0Ce
中島不死鳥伝説再び
203 :
774RR:2006/02/01(水) 23:24:19 ID:2y/W0J/m
もう普通にサザエさん見られねえww
204 :
774RR:2006/02/02(木) 00:55:48 ID:GcVDrb14
「今日からは俺がトップになるんだ!」中島は固く誓った。
落ち着くために暗くされたガレージ奥に慣れた目に、観客席の大歓声に溢れた鈴
鹿のコースは白く輝くスターティンググリッドは白く輝く金属の表面にも似た、
銀色一色の球体に見えた。
このレースでトップをとれば二点差のカツオを逆転し、日本人初のWGPチャンピオン
を母国で奪いとることができるのだ。
ホンダで125から順調にステップアップしWGPまで登りつめたカツオに比べれば
ドカティに乗る中島は日本では人気の面では格段に劣る。しかし、中島にも中島
なりの意地がある。カツオのバイク専用のテストライダーとして過ごした3年間
を叩き返す絶好のチャンスだ。
シーズンの開幕直前にセカンドドライバーの負傷により空いたドカティのシート
の話が舞い込んできたとき、中島は迷わず決心した。一応ホンダに対しての礼儀は
尽くしたが、カツオの引き止める言葉などほとんど耳に入ってはいなかった。
「成り上がりたい」という焦げるような焦燥感をハッキリと自覚した後は自分でも
驚くほどの勢いだった。スポンサーの資金を得るために、カツオのスポンサーを
していた不動産会社の娘を犯すようにして自分のものにさえした。
開幕戦で「来年は花沢の名前で走るかもしれないぜ。」と言った冗談も、二年後の
シーズンには現実のものとなっているだろう。
205 :
774RR:2006/02/02(木) 01:00:00 ID:GcVDrb14
思えば中島の人生は今までずっとカツオの二番手だった。親友というぬるま湯のような
関係のため堂々と争うこともできず、胸の奥のわだかまりをずっと吐き出せぬ
ままにここまで来てしまったのだった。
カツオとは小学校以来の友人だが、快活だったカツオに対して中島はあくまでも
「カツオの友人」だった。バイクは近所の酒屋のお兄さんのカブをカツオが無断
で乗り回していた時が最初だ。その後カツオに誘われて「女の子を後ろに乗せる
ために」中型免許を取得し、漫画の影響で奥多摩に連れていかれ、カツオに好意を
寄せていた花沢という不動産屋の娘を騙して金を搾り取って鈴鹿の8耐に出場。
本格的にレーサーの道に進んだのだった。
「そういや女もカツオの二番手だったな。」思い出すたびに浮かぶ苦い気分を
押し殺して、中島は忘れたい相手を目で追う。きっと彼女はカツオのピットに
居るのだろう。
8耐の時に知り合ったTV屋から「レーサー養成ドキュメント」に参加したおかげで
レーサーになれたわけだが、番組ではカツオの敵役、番組終了後ホンダに迎えられた
カツオに比べ、中島はカツオの口利きで開発のレーサーに滑り込んだだけだった。
206 :
774RR:2006/02/02(木) 01:06:16 ID:22X8+rD5
デコ助野郎の予感
207 :
774RR:2006/02/02(木) 01:26:35 ID:GcVDrb14
「今日からは俺がトップになるんだ!」繰り返し彼は誓う。
日本で人気絶頂のカツオをここ鈴鹿の最終戦で逆転しチャンピオンになったら
さぞかし痛快だろう。
開幕当初は今ひとつの戦闘力だったドカティをここまで押し上げたのは、
開発から乗り続けてきた中島の開発者としての、そしてライダーとしての
能力に他ならないのだ。
フロントローにたたずむ中島のバイクの後ろの列にTOSHIBAのスポンサー名が
大きく書かれたカツオのバイクが並んでいる。既にカツオはバイクにまたがり、
少々堅い笑顔ではあるが相変わらずの「なかじまぁ〜」という挨拶をしてきた。
中島は不自然にならぬように笑顔をかえし、カツオの横に立つカオリを無視して
自分のバイクに向かった。瞬間何かを言いたそうな瞳をしたカオリも、顔の向きを
変えぬままにカツオが飲むゲータレードを持ち続けていた。
スターティンググリッドの人並がサっと引きはじめた。
中島はいつもの癖で右手でドゥカティのタンクを軽く二度たたき、スロットルを
握りなおしてスタートの合図を待った。
赤のシグナルが灯った瞬間、1コーナーの奥でユラっと揺れた陽炎がなぜか自分を
呼んでいるような気がした。あとコンマ何秒かでレースが始まるまでがとても長い
時間に中島には感じられた。
エンジン音が遠くにそびえる山にまで響く爆音となり。シグナルが青に変わった。
バイクに乗る世界中の男達の中の一番を決める単純で複雑で興奮を誘う競争が始まった。
208 :
774RR:2006/02/02(木) 01:44:42 ID:1xjeY0Wl
中島スレになっている件w
209 :
774RR:2006/02/02(木) 01:57:27 ID:GcVDrb14
第一コーナーで転倒した中島はカツオにひかれるわけだが。
210 :
774RR:2006/02/02(木) 02:21:34 ID:PFxpBKVz
お約束の展開にだが・・・それがイイw
211 :
774RR:2006/02/02(木) 08:17:33 ID:iy+s3tNb
やっべぇ・・・カッコヨスギwww中島ワロスwwwwwwwwwww
212 :
774RR:2006/02/02(木) 10:12:44 ID:8MRNElPn
今後サザエさんのみかたが変わりそうだ…w
213 :
196の続き:2006/02/02(木) 10:22:23 ID:L0OPvhLd
一方ナミヘイは自分の仕事を淡々とこなしていた
ジリリーーー ジリリーーー そこへ一本の電話が・・・・
ナミヘイ「もしもし」・・・
「なんだカアサンかあれほど仕事中は電話をしてくるなといったろう」
「なにサザエとサブがわしの髪を狙ってるだと!!?」
「とうとうこの日が来たか・・・ まあいいどうせわしの居場所はつかめん」
「あいつらはわしの仕事が何なのかさえ・・・」 「誰だ!!」
ナミヘイ背後の気配に気づく・・・
ナミヘイ「・・・あんたはタエコさん?」
タエコ「油断したわね」
ナミヘイ「まさかあんたもわしのヘアーを狙って?」
タエコ「それもいいかもね フフッ」 ナミヘイ「なっ・・・なに!!?」
タエコ「だがそれではおもしろくないわ 私が来たのはあなたに頼みたいことがあって来たの」
ナミヘイ「頼みたいことだと?」
タエコ「そうよ これであなたのモトヘ来るサブの頭を勝ち割ってほしいの」
ナミヘイ「これは・・・ハハッ・・・・・・ わかった」
タエコ「物分りがいいのね 一つだけ言っておくわ 私を味方だなんて思わないことね」
「じゃあ私はこれで・・・・」
ナミヘイ「まあタエコさん あんたをただで返すわけにはいかん おい 花沢!!」
タエコ「フフッ いけないひと・・・・」 ボンッ あたり一面煙で覆われる・・・
ナミヘイ「逃がすな!!」
花沢「ははっ」
フネ「・・・何かが起こり始めている・・・・・・」
214 :
774RR:2006/02/02(木) 10:41:10 ID:L0OPvhLd
タエコじゃなかったタイコだった初歩的ミススマン
215 :
774RR:2006/02/02(木) 11:03:30 ID:aZXZpJ7B
216 :
774RR:2006/02/02(木) 11:05:00 ID:aZXZpJ7B
217 :
774RR:2006/02/02(木) 11:06:16 ID:aZXZpJ7B
218 :
774RR:2006/02/02(木) 11:13:33 ID:aZXZpJ7B
やっぱIKURAの最後が気になるな。
219 :
213の続き:2006/02/02(木) 11:54:09 ID:L0OPvhLd
ナミヘイ「タイコは花沢に任すとして・・・」
ナミヘイ「まあ この場所が割れることはないがな・・ハッハッハーーーー」
ナミヘイ家から持ってきたビンビールを一気に飲み干す
ビンビールの裏に何かが!!? 発信機??? ナミヘイ気づいていない!!!
一方のサブはというと・・・・
なんと勝負の最中だというのに仕事人魂なのか馬鹿なのか配達を怠らない
スペイシーに乗ったままビール瓶を次々配達先の家に投げ込んでいく
サブ「仕事人たるもの どんな状況においても自分の仕事はきっちりするものだ・・・」
「それに俺にはこんなこともあろうかと事前に準備しといてよかったぜ ニヤリ」
「今頃サザエのやつ自分の過ちに気づいてるだろうな・・・・」
サザエ「ナミヘイの仕事はなんだーーーーー!!! あの野郎 サラリーマンだよな?」
サブの予想していたとおりサザエは迷っていた!!
サザエ「しかたがない・・・」
そういうとサザエは目を閉じた・・・・
サザエ「わかる・・・わかるぞ・・・あの今にも死にそうな気は中島・・・・」
「あれは・・・いささかか 犬に遊ばれてやがる・・・・」
「あれは・・・マスオ・・・戦闘力たったの5・・・ゴミが・・・・」
「あの毛は・・・・・見つけた!!! 奴だ!! んっ 奴のもとに一直線で向かってる奴がいる」
「サブか!!!!」
「いまこそわがアドレスの力を発揮する時 いくわよ!!!」
ナミヘイ「・・・・なっ この感じ ここにいては危険な気がするぞ」
ナミヘイ「わしの愛車チョイノリ改を持って来い!!! 今すぐだ!!」
220 :
774RR:2006/02/02(木) 12:57:41 ID:L0OPvhLd
「なか・・・・なか・・じ・・さ・・ん・・・・なかじまさ・・ん・・・」
「中島さん 起きて 中島さん」
中島「んっ・・・ここは?」
中島が目を覚ますとそこには今まで見たこともな・・・・いやワカメだ
ワカメ「どうしたの中島さん こんなとこで血まみれになって 通行の邪魔よ」
中島「ごめんよワカメちゃん 今さらっとひどい事言わなかった?」
ワカメ「そんなことないわ とっとと病院に行きましょう 立てる?」
中島「何とか立てそうだよ・・・ちょっと肩貸してくれないかな」
ワカメ「こんなとこでセクハラ? いやよ〜 それに血が付くじゃない」
中島「そっそうだよね 僕つけあがっちゃってたよ ごめんね」
「僕のバカバカバカバカ!!!」
ワカメ「中島さんって 気持ち悪い きしょいわ いやっ 近寄らないで」
中島「ごめん 実は ワカメちゃんのこと昔から好き・・・ヒブッ」
ワカメの右ストレートが中島の顔面に直撃した
ワカメ「青二才が・・・・」
ワカメ「んっ・・・あれは・・・オネェちゃん?」
アドレスがうなりを上げて中島を轢いていく
ワカメ「イカス!!」
中島「イカスとか死語だか・・・・グフッ」
222 :
774RR:2006/02/03(金) 00:23:53 ID:f/f5D+wX
223 :
774RR:2006/02/03(金) 00:45:47 ID:aqd8SHcL
イカスゼ!婿養子!!
224 :
774RR:2006/02/03(金) 00:47:21 ID:dJ9dBcOK
225 :
774RR:2006/02/03(金) 00:56:50 ID:hd/X3IDf
226 :
536:2006/02/03(金) 01:16:19 ID:w6A8mbTf
故郷は嫌いだった・・・。
ガキ大将肌の兄貴が目の上のたんこぶのようで、全てのコンプレックスの根源のような存在だった。
大した家柄でもないのに、見栄っ張りの母親に無理やりバイオリンを習わされた。
興味が無かったので上手くなる事も無かった。それよりも何でも無意味に強制したがる母が憎かった。
東京に来れば何かが変わると思っていた。有名大学に通うという口実で2浪までして早稲田に入った。
本当はここから逃げ出したかっただけなのに、適当に思いついた安っぽい理想を熱っぽく語る振りを
して親から2年間も無駄飯を喰わせてもらった。
今思えば、大阪が嫌いだったのかそのころの自分が嫌いだったのか、解らなくなる事がある。
2つ下の連中にタメ口をきかれるのがイヤで、ほどなくしてあまり学校にも行かなくなった。
6畳一間の安アパートに篭っていると、自分がこの世界の中心に居るような、はたまたこの世界には
自分の居場所が無いような錯覚に襲われ心のバランスすら無くしかけていた。
10日も不精した垢を落としに銭湯へ行った帰り、タバコ屋の近くの路地でそのバイクを見た。
バイクなぞ興味は無かったが、この素人目にも特異なスタイルをもつこのバイクが「カタナ」と
いう名前である事ぐらいは知っていた。
・・・なぜ、目を奪われてしまったのだろう・・・。僕は「カタナ」の傍らに5分は佇んでいただろうか。
夕日を浴びて怪しく光るエンジン。日本刀のようにとがった鼻っつら。よく見ると前後のタイヤの
大きさが違う事が解る。ドキドキした。都会の片隅の掃き溜めの中に居るような目的も無く荒んだ
生活を送っていた僕の目には、その独特のオーラを放つマシンが異次元の乗り物に見えた。
この乗り物に乗れたなら、どこか違う世界に行けるような気がした・・・。
僕は背後に人が居る事すら気が付かなかった。いきなり声を掛けられてみっともなくも体がビクッと
動いた。
「バイク・・・興味があるのかい?」
ヘルメットを小脇に抱え、革ジャンを着た僕と同じくらいの年頃の男。明らかにこのマシンの持ち主
だった。特徴的な鼻の脇の大きなデキモノが目を引いた。
僕を変える出会いだった・・・。1983年のもうすぐ夏の頃の出来事だった。
227 :
774RR:2006/02/03(金) 01:17:34 ID:ttGhEnAu
wktk
228 :
774RR:2006/02/03(金) 01:22:17 ID:w6A8mbTf
536ってなんだよ・・・orz
そんでもってあとは誰かに任せたw
229 :
774RR:2006/02/03(金) 01:29:22 ID:7MVzpnt4
首都高IKURA篇がいつの間にか打ち切られている件について
230 :
774RR:2006/02/03(金) 02:12:14 ID:iuTFbEqw
>>226もそうだが、「人に歴史あり」ってことを感じさせるスレだな。
231 :
774RR:2006/02/03(金) 04:28:39 ID:H+J1OVa7
____)__
,. ´ ` ` 、
./ _ _ \
/ _  ̄ _ ヽ
/イィィ,,.,.,.,.,.,  ̄ ̄ !
f/ノノノノノノノ ヘ.__ j jノ__ノ
|/////// _ (__ ゚_>` __( ゚_イ
.!|.|i/_^ヽ|_'___r⌒ y' ヽ^)|
!|| fニ> :::::: `ー'゙ (_`___)ノ
ヽ.ニ` : /_ノ/川! / 煽ったね・・・・・・
__ノ 、 / ヾ---'´ ノ
__ノ \l ` ____,/
\ ノ リ.|`ー--
\ .//
232 :
774RR:2006/02/03(金) 04:33:15 ID:H+J1OVa7
/ , , , , , , __ ___` 、
,//////ィ ヽ.
ノノノノノノノl /\ , -、 !
///////l ",二ヽ.二_ヽ. l lノ_へノ!
//////ノ (_jリ ゙T`’ノ / (rリ`y゙
ソ´,-、\| -` ー--‐ " __{ ー-'{ フネにも
| ,f^ソ |____/ ゙̄ヾ"´ \^ヽ. |
| に( l j ,.. ヽ |.| 煽られたことないのにっ!!
\` ' j `ー-‐' イ_ ` ノ'" i
゙‐-' /,. ‐-、/TTT|| ノ
_} / |----二ニフ ノ
人\ ヽ. ! r'二ヽ / /
_「 \\ ` 、 ` ̄ ̄/
\\ Ti"
\\ ノ | |\
233 :
774RR:2006/02/03(金) 05:31:20 ID:ta9pEgsL
>> 2つ下の連中にタメ口をきかれるのがイヤで
俺なんて仕事先で17くらいの小僧に敬語使ってんだぞ。(俺20歳)
悪態はついてくる。けど帰り際にいかついカスタムバイクを運転しかえるところを見てやつは
黙った・・
234 :
774RR:2006/02/03(金) 10:19:46 ID:f6S96q/9
職人さんが渋く頑張ってくれてるのに、なんか水差してるのが居るな
235 :
774RR:2006/02/03(金) 13:59:14 ID:qoeHZchO
「伊佐坂先生ー?いないんですか?」
ノリスケは伊佐坂の家にいた。今月の原稿を受け取りに来たのである。
しかし書斎を見ても、作家の伊佐坂難物の姿は無い。
「あの人ってばまた逃げたのね。ごめんなさいねノリスケさん。後できつく叱っておきますから。」
難物の妻、お軽が呆れた口調でノリスケに謝罪する。
「先生はどちらに行かれたんでしょうか。」
このまま帰るわけにもいかず、かといって帰ってくるまで待つわけにもいかず、ノリスケはお軽にたずねる。
「おおかたバイクでぶらぶらしてるんでしょうけど、ちょっと待ってて下さいね。」
その頃、難物は若い頃から通い詰めた峠にいた。
空冷単気筒独特の排気音を響かせ、かなりの速度でコーナーを切り取っていく。
タイヤが悲鳴を上げ、グリップ限界を超えて走っていることが分かる。
難物が跨るのはSR500のカフェレーサーカスタムだ。
セパレートハンドルとバックステップは決して過激すぎず、難物の体格にあっている。
それ以外は比較的ノーマル然としたスタイルだが、
オイルクーラーとキャストホイールが伊達のカフェレーサーでないことを如実に物語っていた。
聞く者が聞けば、エンジンがかなりいじられていることも分かっただろう。
難物は時々、こうした無謀とも思える走りをしたくて堪らないときがある。
理由があるわけではない。ただ無性に疾走感に駆られることがあるのだ。
或いはそれは、作家でも父親でも夫でもなく、あえて言うならただの雄としての攻撃性の発露であるかもしれない。
236 :
774RR:2006/02/03(金) 14:00:08 ID:qoeHZchO
迫り来るコーナーを見据え、限界までブレーキを我慢する。
全力でブレーキをかけ、ギアを一つ落とす。
ハングオンでコーナーを曲がり、右手を大きく捻って加速する。
こうして走っていると、家族も仕事も全てなげうって、失踪してしまいたくなるときがある。
許されないことだ。難物も頭では分かっている。
一人きりで生きていくなんて事が出来るわけがないそれもわかっている。
どうしようもない衝動。この源は、あの疾走感と同じところにあるような気が難物にはしている。
このままどこかに行ってしまえとささやく獣と、馬鹿な真似はするなと諭す理性。
獣が理性に飛び掛ろうとしたとき、不意に上着のポケットが震えた。
驚いて挙動を一瞬乱しつつ、とりあえず路肩に止まりポケットを探る。
見たことの無い小さな携帯電話が入っていた。画面には家の電話番号が出ている。
ヘルメットを脱ぎ、エンジンを切ってからしばらく悩んで電話に出る。妻の声が聞こえてきた。
「もしもし?ノリスケさんがいらっしゃってますから、早く帰ってきてくださいね。
うふふ、そろそろ逃げ出す頃だと思ってジャンパーに入れて置いたんです。」
ああ、かなわないな。この愛する女性を捨てて生きることなどおれにはできない。
難物は自然に思った。
「ああ。わかった。すぐに帰る。」
エンジンをかけ、来た道を戻る。先ほどと同じくらいにスピードは出ている。
しかし、難物の心は晴れ渡っていた。疾走感のような暗い気持ちはない。
家に帰ろう。難物にあるのはその気持ちだけだった。
SRの排気音が、楽しげに響き渡る。
だめだ。職人みたいにゃできんorz
237 :
774RR:2006/02/03(金) 14:14:27 ID:zTZ8v640
いいぞ!自信をもて!
238 :
774RR:2006/02/03(金) 14:35:02 ID:iuTFbEqw
木曜日の午後と日曜日の朝がカツオは待ち遠しくてしょうがなかった。木曜日は三河屋が休みだし、
日曜日は店が開く10時まではちょっとの時間ができる。店の脇の細長いスペースにはいつもカブが
鍵つきで置きっぱなしになっているので店に人が居ない時間なら近所でカブを乗り回しても多分気
付かれないハズだ。日曜日に寝坊せずに起き出して外へ出て行くカツオを見て姉のサザエは「あら
あらどうしたのかしら」と驚いているが、そんなのは知ったことではない。
そして木曜日の今日、中島を初めて誘ってみた。
「磯野〜、やっぱりやめようよ。」と弱気な中島はしり込みしてるが、こんな面白い乗り物を一人
で乗るのはもったいない。中島だって一度乗ったら絶対にやみつきになる筈だ。
店の脇に入り込んでバックでカブを車道に押し出す。まだぶつぶつ文句を言っている中島に手伝わ
せて50mほど押す。このくらい離れれば店に人が居ても気付かれないだろうというところでエンジ
ンをかける。ブルブルブルと鳴るエンジンは大人から見れば騒々しいだけの非力なエンジンだが、
カツオ達から見れば強力な”モンスター”だ。なにしろ比較対称が自転車しかないのだから。
カツオは慣れたフリをしてカブにまたがり中島に「後ろに乗れよ」と言ったが、中島は「やっぱり
まずいよ〜」と渋っている。中島は怒られることよりカツオの運転に躊躇したのだが、カツオは気
付かずに先に空き地まで行ってしまった。
239 :
774RR:2006/02/03(金) 14:35:38 ID:iuTFbEqw
中島がちょと遅れて1ブロック離れた空き地にたどり着くとカツオはすでに何周か走り終わったあ
とで中島のほうにやってきた。「じゃぁ今度は中島が運転してみろよ。面白いぞ。」カツオが半ば
強制的に中島をカブに座らせると、中島は渋々といった感じでカブに座った。これはブレーキ、こ
れはアクセルで、と簡単に教わったあと、中島はカツオを置いてソロソロとバイクを進めてみる。
「なんかあったらすぐにブレーキだぞ〜」とカツオがさけぶ。
意外と簡単に動き出したカブは、とても素直に中島の指示に従って前へ進んでいく。「意外と簡単
に運転できるんだな」と思った中島がアクセルの開度をさらに増した瞬間、カブがグっと力を増し、
いきなり前輪が持ち上がった。
「中島、アクセルを戻せ!」とカツオが後ろで叫んだが、腕が伸びきってとてもアクセルを戻す余
裕なんかない。一瞬棒立ちになったカブはゆっくりと左後ろ、中島のほうへ倒れてきた。中島は必
死で体を避けると、左腕でバイクを引っ張って少しでもカブのダメージを減らそうとした。ガシャ
ンと倒れたバイクは左側が泥だらけになってしまったが、ミラーもカウルも破損だけは免れた。
慌てて走り寄ってきたカツオは「不器用だなぁ中島は。ま、壊れていないから黙って返しときゃバ
レないって。」真っ青にった中島に対してカツオはふてぶてしく言い放ったが、要するにカツオは
何度も一人で倒してなれているだけだ。はじめて乗ったときは驚いてブレーキの掛け方をド忘れし
草むらに突っ込むという中島以上に情けないことをしている。
カツオの言葉に安心した中島は、済まなそうな顔をしたままでカツオにも意外な一言を言った。
「なぁ磯野、もう一回乗ってみていいか?」
ニコっと笑ってカツオは答える。「当たり前さ、中島。そのためにお前を連れてきたんだから。」
240 :
774RR:2006/02/03(金) 15:19:08 ID:+wKkiWoG
物語の途中だがちょっと息抜きもかねてこんなストーリーを
最初に謝っておこう・・・・ごめんなさい
ある静かな夜の出来事だ・・・・
真夜中、三河屋のシャッターを叩く音が静かなこの町に鳴り響く・・・
ガンガンガンガン ガンガンガンガン
サザエ「起きて」 「大変なの!!!!」
ガラガラガラ
三河屋の主人「誰だよこんな夜なk・・・・サザエさん?」
「どっどうしたんだい?こんな夜遅くに?」
サザエの表情から主人は何かただならぬことが起きているのだろうと感じ取る・・・
サザエ「大変なの!! お母さんが フネがいないの・・・」
主人「それは大変だ!! でもなぜここへ?」
サザエ「それは・・・・」
サザエは一つの紙切れを主人に見せる・・・・
主人「これは? レシート? うちのじゃないか それが何か?」
サザエ「裏よ!裏!!」
主人「アイシテイマス」 「誰かのいたずらじゃ・・・」
サザエ「今はこれしか手がかりがないの サブちゃんいる?」
主人「ああ 上で寝てると思うが・・・・」
サザエ「ちょっとあがらしてもらうわ!!」
そういうとサザエは三河屋の二階へ駆け上っていく
そして・・・・・・・・
241 :
774RR:2006/02/03(金) 15:19:59 ID:+wKkiWoG
/ \ 一家そろって シュッ!シュッ!シュッ!
|/ ̄⌒ ̄\ \
/|/l/|/|./ ⌒ ⌒ | \
三 ̄ ̄ ̄\/ | | > < \ | ζ ____
/ __ / ____|| ⊂ 9) ⌒\  ̄ ̄ ̄ ̄\/∵∴∵∴ \
/ >⌒ / / || ___ \ | ) ヘ ∴∵∴∵∴\
/ / (・) / / / \| .\ \_/ /−|⌒ ⌒ /ヘ \\∴∵|
|_/---○|_ | ・ ・ | \____/ |(・) (・) ||||||| (・) ヽ∵|
| (6 |(6レ ∴ つ l.-‐''<_________/゙゙`'' ‐-. ⊂⌒◯-------9)⊂ 6)
| ___| __ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、|||||_ | __ /
\ \_\ \_ /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|_/ \ / ヽ_/ /
\___/\___/::::::::,,=ニニ三ニ三ニニ=、::::::::::::::::|____/ \____/
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| | |::::::ハ .、 ` " .') \l:::::::::::::| .| |
| \ | \ 〈::::/ ゙-`-'. >-..,_,..‐' \::::::〈 / | / |
\ \ \ \ |::/ /、,,ニ' `、ニ_,,-‐"\ \::l / / / /
242 :
226:2006/02/04(土) 00:30:06 ID:z9kSHh+H
>>233 その通りです。というか当然の事ですね。
そんな、「年下にタメ口を使われる」という小さな事を上手に自分の中で処理できない、
かと言って自分からそれに対して積極的に働きかけていくことも出来ず内に篭っていくしか
出来ないという当時のマスオの人間の小ささを表現してみたつもりです。
そしてこれらの「ダメ人間マスオ」的表現は最後の行の「僕を変える」に繋がって
いかせるつもりです。
続きを書いてみようかと思いますw
ゆくゆくは
>>22の「魔棲雄」に繋げて行きたいかと・・・(IKURA編はともかくとして)
243 :
774RR:2006/02/04(土) 01:03:27 ID:cqoepSNm
私の中では
>>226 -TV -
>>22 -IKURA編-WGP編と、問題なく(?)
つながっていることになっている。
>>242 続き楽しみにしています。
244 :
774RR:2006/02/04(土) 01:40:28 ID:kEQ/KUAB
>>226の続き・・・
「あ・・・その・・・」
この日、風呂に入ったのと同じく人と話すのも10日ぶりだったような気がする。言葉がすんなりと出て来なかったのは
自分でも驚いた。
「大きいバイクだなと思って・・・何ccなんですか?」
彼は、人懐こい屈託無い笑顔を浮かべながら愛嬌のある厚ぼったい唇でこう言った。
「ナナハンさ。本当は1100が欲しいんだけどね」
ナナハン・・・バイクに興味が無い僕でもそれが非常に厳しい試験をパスしたものにしか与えられないプラチナライセンスで
あることくらいは知っていた。
「ナナハンかぁ、凄いなぁ。何キロくらい出るんですか?」
排気量・・・最高速度・・・。今にして思えば、よくもまぁこれだけバイク素人の王道を行く質問を投げかけたものだ。その時の
彼はもしかしたら少し苦笑していたのかも知れない。
「200km/hくらいまでしか出した事ないなぁ。キミもバイクに乗るのかい?」
・・・その少なくとも僕の人生と生活にあまりにかけ離れた速度にやや驚きつつも、バイクには乗った事が無いと言った。
「そうか。良かったらどうだい?跨ってみるかい?」
突然の申し出に僕は驚いた。そして思わず辞退してしまった。
245 :
774RR:2006/02/04(土) 01:41:08 ID:kEQ/KUAB
「あ・・・あの・・・じゃぁ、僕はこれで・・・」
彼は無言でやはり笑顔を見せ、さっと左手を顔の付近に挙げ、別れの挨拶をしてきた。
ヨレヨレのTシャツに破れかけたスニーカー。入浴セットの入った洗面器を持ったうだつの上がらない格好をしていた
僕は、会釈もそこそこにいそいそとその場から離れる。珠玉のようなマシンと、実に男らしいライダーを前にして
いつも以上に気後れしていたのかも知れない。
電柱を5本ほど歩いたところでチラッと振り返ると、彼は既にヘルメットとグローブを装着し「機上の人」になっていた。
カタナの暖気が始まった。その野太い大型動物の唸りにも似た排気音は、僕が路地を曲がるまで聞こえていた。
GSX750Sカタナ・・・大型自動二輪・・・時速200km・・・。これまで全くといっていいほど僕に関係の無かった世界の
片隅を垣間見たような気がした。バイクなんて興味が無かったのに何故かしばらく意味不明の高揚感が止まらなかった。
「・・・バイクか・・・」
部屋に帰って思わず口をついて出た独り言に自分自身で驚いたのを覚えている。何かのスイッチが入った運命の日だった
のかも知れない・・・。
・・・余談だが、今でもあの日のことを彼は覚えているらしく
「あの時のフグ田くんは捨てられた子犬のような目をしていたなぁ。なんだか放って置けないような気がしてね」
と言って僕をからかう。
そう、あの日は僕の一生の親友。アナゴ君との出会いの日でもある。
246 :
774RR:2006/02/04(土) 02:56:24 ID:broPkJHC
ヤベーみんな面白いよ!俺はひたすらCするぜ
247 :
774RR:2006/02/04(土) 08:18:11 ID:LlsuQ6bD
248 :
774RR:2006/02/04(土) 12:13:52 ID:njs4Hr2I
249 :
774RR:2006/02/04(土) 14:39:28 ID:OsAH+/R/
250 :
774RR:2006/02/04(土) 15:49:57 ID:7XwCzuya
251 :
774RR:2006/02/04(土) 18:54:35 ID:WJG5dI0C
甘酸っぱい匂いがするね・・・
252 :
774RR:2006/02/04(土) 19:34:12 ID:gwlFC16Z
記念すべきマスオのバイク人生1台目は果たして何なのか
ワクテカ
253 :
774RR:2006/02/04(土) 19:40:15 ID:MDDsjxCX
「厚ぼったい唇」ってアナゴ君かよ!
254 :
774RR:2006/02/05(日) 00:34:05 ID:p77sPL8z
>>245の続き
なぜ、縁もゆかりも無いバイクの世界にここまで心酔してしまったのであろう。跨った経験すらないのであれば、それは
好き嫌い以前の問題のはずだ。
心当たりがあれば「血」であろうか・・・。父方の祖父が戦前から陸王を乗り回していたというのは親戚の中でも有名な
話であるし、バイクに跨っている死んだ父の若い頃の写真(CR110?)も見た事がある。
まぁ、そんな事はどうでもよい事だ。とにかく僕の生活は翌日から一変してしまった。
まず、僕は駅前の書店で「モーターサイクリスト」と「オートバイ」という雑誌を購入する。バイクについて知識が
欲しかったのである。この2冊はしばらくの間、僕のバイブルとなった。内容を暗唱できるのではないかというほど
読み返し、2年間の浪人時代に使った英和辞典の20倍くらいの速さでボロボロになった。雑誌の中のバイクの世界は
非常に魅力的で、ハタチの僕の好奇心を大いにくすぐり想像力をかき立てた。最新型RG250Γのレーサー然とした
スタイルに酔い、CBR400FのREVという最新テクノロジーに驚いた。ハンス・ムートという天才工業デザイナー
の名前を知り、フレディー・スペンサーという天才ライダーの名前を知った。
僕は6畳一間の安アパートの中で、世界が広く明るく開けて行く感覚を感じた。内に篭りがちであった僕の精神が、
このような感覚にとらわれるのは初めての体験だった。
この2冊からは、現在の市販ラインナップやオートバイ事情、・・・そして免許取得についての知識を吸い上げた。
こう言うと反感を買ってしまうかも知れないが、当時の僕はいわゆる「貧乏学生」ではなかった。心配性な母が多くは
ないが必要十分な仕送りをしてくれていたし、何よりも友人も少なく部屋に引き篭もりがちであった為、金を使う機会
が全くといっていいほど無かったのだ。そして2冊のバイク雑誌は、僕がちょうど「中型自動二輪免許」を取得するのに
必要なだけの蓄え(ただ口座に余らせていただけであるが)があることを教えてくれた。
「カタナ」に魅せられた1週間後、10万円ほどであったろうか・・・ほぼ全財産を懐にして僕は自動車教習所に向かった。
進路を思い悩んだ浪人中に取得した普通自動車免許取得に続き、2回目の自動車教習所への入校だった。
255 :
774RR:2006/02/05(日) 02:19:53 ID:DNN/FVH9
254
いいぞー
256 :
774RR:2006/02/05(日) 16:08:55 ID:RYXWXMAr
おい、藻前等 今日はサザエさんの放送日ですよ。
257 :
774RR:2006/02/05(日) 16:18:52 ID:0xgX47lc
「マスオ物語(仮題w)」を書かせて頂いているものです。
幾人かの方々に応援を頂いてしまっておりますが、こんな感じでよろしいんでしょうかw?
当人は楽しませてもらってますが、Upしたものを改めて読み返してみると、主語が抜けていたり
無駄に言葉が繰り返されている所があったりと結構メチャクチャで推敲したい気分です。
あまり長くなってしまっても飽きられてしまいそうですので、なるべく短く仕立てるつもりでは
おりますw
258 :
774RR:2006/02/05(日) 17:19:17 ID:JRkQUyIe
いいよいいよ〜
259 :
774RR:2006/02/05(日) 18:28:44 ID:uYfbnQBb
サザエさん放送age!!
>>257 激しく(・∀・)イイ!!
260 :
774RR:2006/02/05(日) 18:41:00 ID:F8dkxrTp
流れを読まずに一ついいかマスオはどういうわけか
大阪出身
261 :
774RR:2006/02/05(日) 18:52:45 ID:uYfbnQBb
サブちゃんは三郎って名前だったんだな・・・。
今日の放送では、お見合いを失敗したらしいな(w
しかし、凄い髪型してるよな・・・サブちゃん。
262 :
774RR:2006/02/05(日) 18:55:14 ID:ntYlRPpY
今見てたが、サブちゃんはJOYみたいな3輪に乗ってるな
263 :
774RR:2006/02/05(日) 18:57:14 ID:3IXUazaK
おいおい、サブちゃん素直にオパーイが背中に当たったって言えよ。
264 :
ももも:2006/02/05(日) 18:59:02 ID:fkSm8PxY
265 :
774RR:2006/02/05(日) 19:00:22 ID:VL90OJyj
ネタスレかと思ったら・・・・スゴス
266 :
774RR:2006/02/05(日) 19:01:23 ID:JpVcQZ+1
来週もサブちゃん出演期待age
267 :
774RR:2006/02/05(日) 19:09:38 ID:VL90OJyj
やはり、サブローだから上にイチロージローと兄が居るのか?
268 :
774RR:2006/02/05(日) 22:17:20 ID:mvSYv4Ie
>>254の続き
僕がペーパードライバーであるという事は、どういうわけかなかなかに広く知られた事実である。
4輪車の運転に全くといって良いほど楽しみを見出せなかったのは、浪人時の教習所時代から変わらない。僕にとって
普通自動車運転免許は、生活と就職活動に必要な単なる「資格」でしかなかったのだ。
だから、僕は少なからず不安を抱えていた。バイクもいざ乗ってみたら全く興味をそそられなかったら・・・と。
入校の2日後、僕は初の実技教習を受けた。初めてバイクに乗る日である。教習車は、ホンダ CB400ホークU。
引き起こしや取り回しで初めて触れたそのバイクは、GSX750Sに比べひとまわり以上小さく見えたがずっしりと
した確かな質量感で僕をやや緊張させた。
教習所から借りたヘルメットを着用し、煩瑣な乗車動作を教わった後、僕は初めてオートバイに跨る。
僕の心臓は、ますます高鳴った。目の前の機械然とした計器類。両手から、尻からダイレクトに伝わるエンジンの振動。
あぁ、早く・・・早く走らせて見たい・・・。
MT普通車免許を持っているため、クラッチについての説明は簡単に済まされた覚えがある。
「じゃあ、ゆっくり付いてきて」
教官の車両が動き出す。僕も続いてクラッチを繋ぐ。お約束のエンストはしなかった。周囲の景色がゆっくりと流れ出した。
教わったとおり、すぐに2速へ。ややギクシャクしたが順調に速度を乗せていく。そして奥の直線部で3速へ・・・。
30km/h強で走るホークU。風が顔に、胸に、腕にあたりまとわり付きながら後ろへ流れていく。
「あぁ・・・」
僕は笑顔だった。満面の笑顔だった。愛想笑い意外で心のそこから笑みがこぼれたのは、何年ぶりのことだったろうか・・・。
269 :
774RR:2006/02/05(日) 22:47:14 ID:mvSYv4Ie
その日の帰り道。僕の自転車をこぐ足は軽やかだった。
夕日を背にうけながら走る自転車の上で、さっきまでの夢のような時間を思い返していた。まだ、両手には振動が残って
いるような気がする。
幼少期に習っていたバイオリンレッスンの時間・・・、受験勉強の「ような」ことをしていた浪人時代の深夜・・・、大学での
ゼミの時間・・・。僕はこれまでの人生で、ほぼ全ての時間を適当に受け流しやり過ごしてきたような気がするが、そんな
どの時間よりも短く、そして濃密に感じた1時間だった・・・。
たかだか外周路を完熟走行しただけであるが、こんな楽しい事が世の中にあったのかと素直に感激していた。
右手でスロットルを捻るような真似事をして、自転車をさらに加速させる。初夏の夕暮れの風は、心地よく鼻歌すら出てくる。
ついこの前まで、世の中に背を向けたような生き方をしていた僕が・・・である。
交差点に差し掛かり、赤信号で自転車を止める。その刹那、バイクの野太い排気音が聞こえてきた。
以前であれば、まったく気にも留めなかったその音の方を反射的に見た。・・・音の主は、カタナだった。
『シュゴァァァァ!!』
目の前を一瞬で通り過ぎたそのライダーは、見まごうことなくあの日の彼だった。
夕日に向かって走るその姿は、あまりにも神々しかった。僕は笑顔と羨望の眼差しで信号が青になったのにも気づかず
彼の背中を見送った・・・。みぞおちの辺りが熱くなり、背中に震えが来た・・・。早く、早く彼のように自由にバイクで道を
走りたい・・・と心から思った。
「さて、僕はどんなバイクに乗ろうかな」
・・・僕は、変わり始めていた・・・。
270 :
774RR:2006/02/05(日) 22:50:14 ID:JRkQUyIe
やべぇ!
背中に震えがキタ━(゚∀゚)━!
271 :
774RR:2006/02/05(日) 23:58:04 ID:hvINrovz
>>268 GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
初めてバイク乗った時の事を思い出した!!!!
マジで文章梅ー
272 :
774RR:2006/02/05(日) 23:58:15 ID:VG477RqM
>>269 GJ!!!焦らなくて良いからその調子で俺たちをゾクゾクさせれ!
273 :
774RR:2006/02/06(月) 00:33:59 ID:S26LjBZY
>>269 野暮なつっこみすまんが,浪人時代に教習所言ったはずなのに大学の話が出てる.
274 :
774RR:2006/02/06(月) 02:09:00 ID:PUj4Jq4D
275 :
774RR:2006/02/06(月) 03:40:50 ID:kJsBcsqC
>>273 浪人時代は4輪の免許を取りに行っていたのでは?
そして大学時代を経て、今は2輪の免許を取りに、再度教習所に通っていると。
276 :
774RR:2006/02/06(月) 08:21:19 ID:UdzXZhR4
このスレでサザエさんを語りつくしたら次スレはドラえもん、ちびまる子ちゃん、こち亀、ドラゴンボール、ワンピース、クレヨンしんちゃんとか他のアニメにしたら夢が広がりますね。
まだ300前ですが。
277 :
22:2006/02/06(月) 11:03:23 ID:4eJPlL2F
ヒマ潰しに書いた魔棲雄ストーリーがここまで続いているとは・・・ちょっと嬉しい。
278 :
774RR:2006/02/06(月) 12:38:09 ID:btdyhG3S
>267
お父さんは光明寺博士?
279 :
774RR:2006/02/06(月) 20:45:04 ID:w59o8pTy
280 :
774RR:2006/02/06(月) 21:22:27 ID:Fe0Q5mtK
281 :
774RR:2006/02/06(月) 23:02:58 ID:q4/7zPfL
マスオさん EP1
バイク仲間の理不尽な事故をきっかけに暗黒面に堕ちると予想
282 :
774RR:2006/02/06(月) 23:28:09 ID:Euoy4VEt
>>281 書け!
このスレなら多分なんでもありだ。
283 :
774RR:2006/02/06(月) 23:45:34 ID:zKom5rD2
その後も順調に教習は進んでいった。来る日も来る日も新鮮な日々だった。
スロットルを捻ると体全体が置いていかれそうになるような痛快な加速感・・・。運動エネルギーと地球の重力をバランスさせ、
鳥のようにバンクさせて旋回していくコーナーの心地よさ・・・。自らの精神状態を試されているような一本橋のスリル・・・。
100kgを遥かに超える質量を自在に手中に収めているかの様なスラロームの快感・・・。
まだ、梅雨が明けきっておらず、天候に恵まれない教習時間もあったが、雨がバイクに乗る楽しさをスポイルする事は無かった。
・・・僕は新しい自分を発見していた・・・。スポーツも楽器も、そして勉学も何一つ人より秀でたもの、自信を持てるものが無かった
僕に、自分で言うのもなんなのだがどうやらライディングの才能があったようなのだ・・・。
僕は特に教官に注意や指摘をされることもほとんど無く、次々と新しい項目をクリアしていくのだ。当然、乗り越しなど無い。
「フグ田さん、無免でバイク乗り回して悪い事してたでしょう?」
と、教官達には何度尋ねられたろう。
不思議な感覚だった。僕の内に秘められていた何かが、解放されていくのを感じた。20年の間、屈折した精神の奥底に埋もれて
いた眠れる魂が、バイクという乗り物を通じて一気に噴出して来たかのようだった。
気が付けば、入校から2週間ほどで卒検ももう間近に迫っていた。
僕が少しだけ変わった事といえば、もう一つある。きちんと学校へ行くようになり、友人と会話をするようになったのだ。
教習所へ行き始めてから、同じゼミにバイクに乗っている奴が数人いる事を思い出した(大型二輪所持者はいなかったが)。
とにかくなんでも良いからバイクに関する話が聞きたくて彼らと話をしているうちに、2浪のコンプレックスなどはいつの
間にか消えていた。雑誌からの情報とはまた一味違う生の情報もまた、僕を刺激してやまなかった。
少しづつ、僕は口数も多くなっていた。そして反比例するかのように一人で部屋にいる時間が少なくなっていった・・・。
284 :
774RR:2006/02/06(月) 23:49:45 ID:zKom5rD2
↑
>>269の続きでした。
>>277 「魔棲雄」、使わせて頂きますですm(_ _)m
いいきっかけを与えてくださって感謝しておりますw
285 :
774RR:2006/02/06(月) 23:51:19 ID:q4/7zPfL
>>283 乙
折れには書けないがあんたの文章が優れてることは判る
286 :
774RR:2006/02/07(火) 14:29:43 ID:41iIRcZu
287 :
774RR:2006/02/07(火) 15:01:58 ID:qMwvCU9U
『魔棲雄』映画化
288 :
774RR:2006/02/08(水) 01:11:23 ID:42CUv3UO
>>283の続き
結論から言うと、僕は実にあっさりと中型自動二輪免許を手に入れた。
教習時から見せていた、教官をして初心者離れしていると言わしめたライディングテクニックを見事に卒業検定でも披露した僕は、
全く危なげなく検定コースを走りきり合格した。
だが、取得の過程が順調だったからといって、その感動が少しも損なわれる事は無く、検定を終えた直後は何か一つの事を
やり遂げた充実感と達成感で胸がいっぱいだったし、その結果が免許センターで形となって手渡された時は、おもちゃを
渡された子供のように心中ははしゃいでいた。・・・その日、財布から免許証を取り出して眺めた回数は実に11回である・・・。
僕は、自動二輪車に乗って公道を走行する事を、社会的に認められたのだ。
僕のバイクに対する願望がひとつ、その形を確かなものにした。
免許を手に入れたとなると、もう一つだけクリアしなければならない課題がある。・・・そう、マシンを手に入れる事だ。
教習所に入校した時点で、財産のほとんどを使い果たしていた僕には、それは免許取得以上に大きな障壁であった・・・はずだった。
しかし、少しだけポジティブに生き始めた僕に、これまで使っていなかった分の運が一気に向かってきたのだろうか・・・。
この問題も、実にあっさりと事が進む事になるのである・・・。
僕は、その些細な出来事で人と人との繋がりの大切さというものを初めて理解したのかもしれない。
安くても良いからバイクが欲しいという自らの意思を周囲に言葉にして伝えていたが為に、その話は転がり込んで来たのだ。
「フグタ君、俺の兄貴がバイクを手放したがってるんだけどどう?話しだけでも聞いてみる?安くしてくれるように頼んでみるよ。」
つい最近になってバイクの話がきっかけで会話をするようになったその彼が言うには、最近結婚した彼の兄が生活環境の
変化によって乗る事が無くなってしまったバイクを処分したがっているという話だった。僕はその話に飛びついた。
「CB400FOURの、確か398ccになってすぐのモデルだったと思うよ。6〜7年前のモデルだから期待はしないでくれよ」
そう言われたところで、僕の胸が期待に膨れ上がるのを抑えられるはずも無かった・・・。
289 :
774RR:2006/02/08(水) 06:27:23 ID:eqmdyDik
wktk
290 :
774RR:2006/02/08(水) 08:29:44 ID:CGTWAWMz
>>財布から免許証を取り出して眺めた回数は実に11回
わかるわぁ、それw
291 :
774RR:2006/02/08(水) 09:13:49 ID:EelkR/hy
マスオの初マシンはヨンフォア(゚∀゚)いいねぇ
292 :
774RR:2006/02/08(水) 17:20:22 ID:QOKy1qv+
ヨンフォアねえ..,
時代を感じるなあ...
293 :
774RR:2006/02/08(水) 17:40:49 ID:6cmq958p
そーいやぁ免許証ってちょと前までデカかったよね、更新した時にテレカサイズになってしまい何となく重みの無さを感じたなぁ。
294 :
774RR:2006/02/08(水) 19:21:38 ID:5t7Q22EE
6センチ↑
チンコか?w チンコなのか!?
295 :
774RR:2006/02/09(木) 00:22:43 ID:G2BQ4G0E
>>288の続き
ホンダCB400FOUR・・・通称『ヨンフォア』は、その当時すでに400ccクラスの先端を行くモデルでは無かった。
当時、雑誌を賑せていた最新機種は、ホンダで言うとCBX400FやREV搭載のCBR400F、V型4気筒のVF400F。
スズキではGSX400F、カワサキからはGPz400・・・などと言ったいずれもDOHC化された、目覚しいバイク性能の発展期に
ふさわしい高性能モデルが続々とデビューしている頃であり、400ccクラスに4気筒の新風を注ぎ込んだヨンフォアの功績も、
すでに過去のものとなっていた。
しかし、最新型であるかどうかという事は、僕は全く気にしていなかった。むしろ、予算的に安いバイクしか手に入れられない事は
最初から解っていた事であるし、そうすると必然的に少々古いバイクにならざるを得ない事も理解していた。そんな予算的に限られた
条件の中でも、教習車ホークUのような2気筒ではなく、出来ればカタナのような直列4気筒を欲していた僕にとって、ヨンフォアと
いう選択肢は願ったり適ったりのものであったのだ。
実車を確認させてもらう約束をしたその日。友人の兄の住むアパートの駐輪場で僕と友人、そして持ち主である友人の兄とヨンフォアの
4者が顔を揃えた。
ヨンフォアはセミアップハンドルのT型であった。・・・僕は内心、狼狽していた・・・。予想を遥かに超えて状態が良かったのだ。小傷こそ
散見されるものの、車体各部は製造されて7年を経ても輝きを失ってはいなかったし、路地裏を数分間だけ試乗させてもらった印象では
機関にも特に異常を感じなかった。初心者の僕は、モーターサイクリスト誌に掲載されていた『中古車の選び方』を熟読してこの日の実車
確認に望んだのだが、それに照らし合わせてもこの車両が極上車であることは直感的に理解できた・・・
『これは、・・・高いぞ・・・』
・・・彼の兄が幾らを提示してくるのかという事のみが、僕の心配の種だったのだ。
296 :
774RR:2006/02/09(木) 00:24:52 ID:G2BQ4G0E
親分肌っぽい友人の兄がタバコをふかしながらヨンフォアの金額を提示した時、僕は目を丸くして驚いた。
「5万でいい?弟の友人から大枚ふんだくるわけにも行かないしな。」
逆の意味で僕は一瞬躊躇した。僕は10万は下らないと勝手に予想していたのだ。それが・・・予想の半額である。5万円と言ったら、
教習所に教習費を支払った際に手元に残った僅かな残金、そして今月の食費さえ切り詰めれば数日前に実家から振り込まれた仕送りから
一部を補填すれば作れてしまう金額だった。
・・・僕は即答した。優柔不断を自負する僕がこれほど短時間に、そして自分の意思のみで何かを決定した事は無かった。
「是非!是非、譲って下さい!」
297 :
774RR:2006/02/09(木) 00:34:49 ID:Fxt4nxCV
イイヨイイヨー
298 :
295:2006/02/09(木) 01:02:58 ID:G2BQ4G0E
80年代初頭のヨンフォアの中古相場は解りませんが、5マソという価格がありえないのは重々承知ですw
「友人の兄」が相場に疎かった・・・などと脳内補完してお読み下さいm(_ _)m
しかし・・・ヨンフォアの中古価格相場って凄い事なってますね・・・。特に10年ちょっと前の第二次ヨンフォアブームの
頃って、80マソ台がざらにあったとか・・・。
299 :
774RR:2006/02/09(木) 01:41:50 ID:GjTQ/cU6
いいぞー
300 :
774RR:2006/02/09(木) 03:14:46 ID:m25Kj0nW
支援
301 :
774RR:2006/02/09(木) 11:59:01 ID:/FSwKHB3
ちょっと前の軍事兵器とかなんとかって流れよりよっぽどイイ!な
302 :
774RR:2006/02/09(木) 13:59:08 ID:pUhbPcZI
ちなみに75年当時のCB350f相場はタダ同然だったそうで
303 :
774RR:2006/02/09(木) 19:42:20 ID:xSyopgty
304 :
774RR:2006/02/09(木) 20:11:49 ID:lFDKrt4E
あれはあれで楽しかったのはオレだけでつか??
ジャンルは違えど笑いあり涙ありでいいと思うよ
305 :
774RR:2006/02/09(木) 20:27:14 ID:UYVuj5FV
俺はIKIURA編も完結させてほしい。
306 :
774RR:2006/02/09(木) 20:27:15 ID:HgiamYHM
続きが楽しみな俺がいる
307 :
774RR:2006/02/09(木) 21:01:20 ID:FrkHdM3T
サブのバイクにはGT50こそが相応しい
だがマスオ物語には素直に興奮しとる、続きが楽しみだ。
焦らず楽しませてくれぃ
308 :
774RR:2006/02/09(木) 21:06:20 ID:LF6MxH2J
IKURA編の流れも良かったよ。
誰かサザエとマスオの出会い編とか作れる文才を持った人いないかな。
309 :
774RR:2006/02/09(木) 21:53:31 ID:uwBFFRM7
復讐のため一度は魔道を選び魔棲雄となったマスオさん
サザエとの出会い、結婚、タラオの誕生。
平凡で退屈だが幸福な家庭生活が彼を変えたかのように見えた...
と展開予想
310 :
774RR:2006/02/09(木) 21:57:25 ID:UMmrUzCn
>>296の続き
その二日後の深夜、仕事を終えた『親分』がヨンフォアを僕のアパートまで乗ってきてくれた。その友人の兄の風体から、僕は
心の中で勝手に彼を『親分』と呼んでいたのだ。
「久しぶりに乗ったけど、やっぱり単車はいいなぁ!売るのが惜しくなっちまったよ」
と親分はヘルメットを脱ぎ、笑いながらそう言った。
夜の住宅街を気にして、彼は早々にアイドリングを止めた。幾つかこのバイクに関する注意点を僕に説明した親分は、ひとしきり
話し終えると、ヨンフォアのキーを僕に渡してくれた。そして・・・。
「メットもジャケットも持ってないんだってな?これもやるよ。ボロで悪いけどな。」
そう言って親分は、少々古びたヘルメットと安い合成皮革だという黒い革ジャケットも僕に手渡した。バイクが無いんじゃどうせ
使わないからな、と親分は言った。・・・そうだ、僕はバイクを手に入れる事に執心していて装備の事をすっかり忘れていたのだ。
僕はその夜、親分に対して「はい」と「すみません」と「ありがとうございます」のみで会話をしていたような気がする・・・。
僕はその価値に対して安すぎて釣り合わないと感じた約束の5万円を彼に支払った。親分は枚数を改める事も無く、Gパンの
後ろポケットに5枚の一万円札を無造作に突っ込んだ。そして最後にこう言った。
「すぐにでも乗りたいだろうけど、今晩は止めといた方がいい。初っ端から夜は危険だぞ。」
「俺は電車で帰るよ。事故だけは気をつけろよ。俺のヨンフォアで死んだらタダじゃおかねーぞ」
親分は笑いながらそう言うと、ヨンフォアのタンクをポンと叩き、徒歩で帰って行った。
・・・今まさにバイクを降りた彼の後姿に、少しだけ哀愁を感じた・・・。
・・・今まさに僕がオートバイ乗りになった、1983年7月上旬の夜の事である。
311 :
774RR:2006/02/10(金) 00:57:27 ID:OYFYwg60
312 :
774RR:2006/02/10(金) 01:46:23 ID:dCbMGFp5
面白い
313 :
774RR:2006/02/10(金) 02:41:17 ID:iTIsYBw5
314 :
774RR:2006/02/10(金) 02:43:27 ID:iZH7FMnR
二世帯同居してるだけ
315 :
774RR:2006/02/10(金) 02:46:21 ID:R2vGKjrg
イイヨイイヨー
316 :
774RR:2006/02/10(金) 02:56:29 ID:PtX2sMsb
マスオが単車の免許を取っているちょうどその頃、サザエは“カミナリマッパ”と言われる最初期型の500SSを操り、白煙を巻き散らしながら町内を爆走していた。
トマゼリのセパハン、バックステップは勿論、ルーニーの3連チャンバーが渋い真紅のカミナリマッパ。
もちろん「3速までウィリーする」初期のマッパ特有のクセを知っているサザエは、カミナリマッパを派手にウィリーさせながら、商店街をカワサキ空冷トリプル特有の乾いた音と共に疾走する。
マスオがヨンフォアならサザエはマッパじゃ ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \
317 :
774RR:2006/02/10(金) 06:08:07 ID:3TMy5FPL
チーン
318 :
774RR:2006/02/10(金) 10:59:44 ID:2dcuZEVQ
このスレのおかげで新聞の連載小説を楽しみにしている人の気分がわかった。
319 :
774RR:2006/02/10(金) 18:44:31 ID:OqaUHz2y
320 :
774RR:2006/02/10(金) 21:24:24 ID:DRvCFl4a
つーか、最初期型マッハが出回っていた頃に市販チャンバーなんて有ったのか?
いや、2stの事はホントしらんのだけど・・。 愚問だったらすんまへん。 m(_ _)m
321 :
774RR:2006/02/10(金) 22:19:04 ID:/OR9qLUI
>>310の続き
僕はアパートの駐輪場に停めたヨンフォアを、寝るまでの間に3回見に行った。そして、親分にもらった少し整髪料臭いヘルメット
を5回被ってその度に鏡でその姿を確認した。
僕は親分の言いつけを守ってその晩はなんとかヨンフォアに乗るのを我慢した。
翌朝は抜けるような青空が広がっていた。久しぶりに僕は学校をサボり、管轄の陸運支局までヨンフォアの名義変更に行く事に
した。胸の鼓動を抑えながらシリンダーにキーを差し込み、スタータースイッチを押す。ヨンフォアは一発で目を覚ました。
親分から受け継いだヘルメットとジャケットを装着した。グローブの代わりは春に部屋に引っ越してきたときに使った軍手だ。
親分に言われたとおり、タコメーターの針の動きが安定するまでの数分間、暖気を行う。
ヨンフォアのメーターの積算距離計には、これまで親分と共に過ごして来たであろう12580kmの数字が刻まれていた。
・・・この先の距離計は僕が動かしていくのだ・・・。ヨンフォアの準備は万端。僕とヨンフォアは表通りへと走り出した。
緊張と嬉しさで、陸運支局に着くまでの間、どこをどのように走ってきたのかは覚えていない。まだ、朝の通勤ラッシュの
影響が残るAM9:00過ぎで、渋滞に巻き込まれながらの走行だったので初走行の実感は薄かった。
親分に渡された必要書類の中に、彼直筆の名義変更の手続き方法を書き記したメモも入っていた。そのおかげでいとも簡単に
名義変更も滞りなく終了した。僕の住所と親分の住所とは管轄を同じくしている為、ナンバープレートの変更も無かった。
法的にも僕の所有物となったヨンフォアを前にすると改めて自分のものだという実感が湧いてきた。
全ての手続きを終え、陸運支局を後にしようとした時、道路上の雰囲気も朝の通勤ラッシュから一段落した平日の落ち着いた
ものになっていた。
空は相変わらずの澄んだ青空。午前10時。・・・もちろんこのまま部屋に帰る気は、僕には無かった。
322 :
774RR:2006/02/10(金) 22:55:54 ID:NbeclHeu
>>321 GJ!
なんか読んでてドキドキするww
323 :
774RR:2006/02/10(金) 22:58:06 ID:/OR9qLUI
僕は、目的も無く走り出した。国道246号線に出て、南西へと向かう。車が少なくなった道路は、早朝とは打って変わって
僕の心を揺さぶる感動の走りのステージとなっていた。教習所で出したことのある速度を超えてヨンフォアはなお加速する。
教習所では気がつくことの無かった『ゴーッ』というヘルメットが空気を切り裂いていく音を聞きながら、僕は『うぉぉー!』
と雄叫びをあげていた。もちろん雄叫びをあげるなど人生初の体験である。
これまで自転車を含めた自分の運転する乗り物では経験した事の無い速度で、前方の景色が手繰り寄せられ、通り過ぎ、後方へ
弾け飛んでいく。僅かなスロットルの操作にもヨンフォアは敏感に反応し、僕に刺激的な加速Gを与えながらさらに前へ前へと
突き進もうとする。至福のひと時だった・・・。熱い胸の高鳴りは、走っている間おさまることなど無かった・・・。
あてもなく西の方へ向かったのは、故郷が西にある者の性であろうか。僕は国道246号線を横浜を過ぎたあたりで467号線に
スイッチし、やがて海が見えるとそのまま海沿いを走る国道134号線を西にひた走った。数日前の試乗時に、チャポンチャポン
と音を立てていたタンクが、満タン状態だった事に気がつき、親分の心遣いに感謝した。
僕は国道1号線に進路を変えそびれ、そのまま134号線を走る。最初は赤信号では車列の後方に大人しく並んでいた僕だったが、
このあたりに来る頃には、他のライダーがそうするように、すり抜けも行うようになっていた。・・・そして・・・。
・・・そのまま西湘バイパスに突き進んですぐの事だった。これまで邪魔だと思っていた4輪車に右側を豪快に抜かれた。車は日産
フェアレディZ。・・・僕の魂に炎がともった・・・。僕はこれまでこんな事をする人間だと自分自身でも認識は無かった。ただの大人しい
優男だと自分自身を評価していた。しかし、おそらくバイクによって引き出されたであろう熱い魂の欠片は、無意識のうちに僕の
右手を動かしスロットルを捻りあげていた・・・。僕はZを敵機と認識していた・・・。
公道デビュー初日・・・。無謀な挑戦が始まった・・・。
324 :
774RR:2006/02/10(金) 23:01:30 ID:PY+0qs94
あるあるwww
マジでうまいな
これはまとめサイトが必要になるか?
325 :
774RR:2006/02/10(金) 23:03:30 ID:hkKUPXHC
あぁ、初めてバイクに乗ったときの事思い出した・・・
326 :
774RR:2006/02/10(金) 23:04:17 ID:uk2OLidE
初めてバイクに乗った日かぁ。
府中の試験場でアプリオに乗ったのが初めてだったな。
327 :
774RR:2006/02/10(金) 23:16:33 ID:9PLMy6yw
ワクテカ!
応援するよ!
公道初日Zに張り付くのか!?
魔に棲まう男. . .布石なのか?!
楽しみだ〜
328 :
774RR:2006/02/11(土) 10:13:09 ID:bL02/7kx
小6の時、団地で親父の前に座る形でカブ70を運転したのが
初めてのバイク体験だが、やっぱモンスターだった。
カツオRZ350編もよろ
329 :
774RR:2006/02/11(土) 22:14:49 ID:z+aUes61
>>323の続き
何故・・・何故、こんな事をしたのか・・・。理由は解らなかった・・・。強いて言えば、あの車より速く走ってやるという、極々単純な
競争意識だったとしか思えない。
120km/h・・・130km/h・・・。捻ったスロットルに呼応し、エンジン回転数と車速をあげるヨンフォア。
S130フェアレディZのテールが迫る。捕らえたと思った瞬間、Zのルームミラー越しにドライバーの左目がこちらを確認した
ように見えた。次の瞬間、Zもまたさらにスピードを上乗せしていく・・・。メータは150km/hを超えようとしていた・・・。
雑誌で見たテストライダーを真似たのか、それとも無意識か・・・、胸がタンクにくっつくほどに深く上体を伏せた僕もまた、
自分にとって未知の領域に踏み込んでいた・・・。もはや心地よいだとか刺激的だとかで表現できるような世界ではない。少なくとも
初心者の僕と70年代に生まれたヨンフォアにとって、前方から襲う硬質な空気の壁と、路面からサスペンションを介しても
伝わってくる硬く尖った不気味な感触は、暴力的ですらあった・・・。
アクセルをやや抜いたような自然減速でZが僅かに車速を落とした時、僕は一瞬ためらったが前に出た。相手の減速の意味が
解りかねたからだ。理由はすぐに解った。橘料金所だ。僕は先行してゲートに入り料金を支払うと、路肩にバイクを停車させ
財布をGパンに戻した。初めての有料道路での料金支払いで、ややもたついていたかも知れない。その僕の横をZが全開加速で
スタートしていく。『仕切りなおしだ』・・・心の中でそうつぶやくと、僕は再びZを追い始めた。
巡航速度と、この車速域での再加速では明らかにZに分があった。今思えば、もしかしたら相手は安全マージンを取りながら走って
いたのかも知れない。僕は一般車両の追い越し処理でのみ分がある二輪車で、なんとかZに喰らいついていた。抜ける気はしなかったが、
置いていかれる気もしなかった。ヨンフォアのスピードメーターがそれ以上動かなくなる領域まで速度は上がっていた。
常識的な思考を持つ人間にとっては、まったくハイリスク・ノーリターンなこの行為に際して、僕は湧き上がる心の高鳴りと喜びを
こらえ切れずにいた。時速170kmで移動するバイクの上で、僕の口元は怪しく微笑んでいた・・・。
330 :
774RR:2006/02/11(土) 23:13:00 ID:z+aUes61
今朝、公道に出たばかりの僕は、こんな死と隣り合わせの速度域で臆するどころか逆に興奮していた・・・。快感というよりは快楽と
でも言おうか・・・。理屈抜きの、原始的で性的な部分に端を発する類の快楽とでも言おうか・・・。
とにかく、僕が自分でも20年の間気がついていなかった野生の部分が、バイクによっていとも簡単に露呈された瞬間だった。
結局僕は、西湘バイパスでZに置き去りにされることは無かった・・・。
西湘バイパスは、このペースで走るにはあまりにも短い。バイパスも終わりに近づいた頃、Zは左ウィンカーを点滅させ減速
しながら本線から離脱する。またしてもドライバーとルームミラー越しに目が合い、僕も誘われるように後に着いて走る。
その先には、また料金所があった。さらにその先に続く道は、バイパスではなく一般道・・・峠道のようだ。
Zが先行しゲートをくぐる。まだまだ戦い足りないと感じていた僕も、その『箱根ターンパイク』という有料道路に入っていく。
料金を支払う手が震えた。ヨンフォアの振動の余韻か、自分自身のものかは解らなかった。
Zは既にゆっくりと走り始めていたが、僕の用意が済んだのを見計らったかのように強く加速していく。僕はZを追った。
勇んで再々仕切りなおしに臨んだ僕だったが、しかし箱根路に入ってからは全く勝手が違っていた。次々とコーナーが襲い来る
日本屈指のワインディングステージで初心者の僕が戦う事自体に無理があったし、その無理に気がつかなかったのはやはり
初心者のなせる業だったのだ。
その車名に似つかわしくない排気音とスキール音と挙動を繰り出しながらターンパイクを駆け上がるフェアレディ。対して僕は
迫り来るコーナーにおびえながらのライディング・・・。アウト側のガードレールが目に飛び込み、恐怖で体が固まるとますます
曲がらなくなるバイク。アウトに膨らんで行くバイクの車速を完全スロットルオフと非常に弱いブレーキングでごまかしながら
落としていく。すると完全にパワーバンドを外れたエンジン回転は、コーナー脱出時に必要なトルクを生む事が出来ず咽ぶだけ・・・。
さっきまでの威勢はどこかに消えていた・・・。僕はバイクの奥の深さを、屈辱をもって知る事になってしまった・・・。
331 :
774RR:2006/02/11(土) 23:59:48 ID:AFEbbwuX
MAJISugeeeeeeee!!!!!!!!!1111!!
おま、本職?
332 :
774RR:2006/02/12(日) 00:00:24 ID:0MCdWcWa
イイヨイイヨー(゚∀゚)
333 :
774RR:2006/02/12(日) 00:29:05 ID:NuipSWs/
こういうのを、文才があるっていうんだな。
読んでて、その情景が浮かんでくる
334 :
774RR:2006/02/12(日) 00:42:04 ID:CJTeLDg6
俺もこんな風に才能を無駄遣いしてみてえwww
335 :
774RR:2006/02/12(日) 01:30:33 ID:3nSgfwdA
いいねえ、ツッコミどころ満載なのにそんなのどうでも良くなっちゃう。
勢いがあるってのかね。
336 :
774RR:2006/02/12(日) 07:22:00 ID:HskF8Crb
イササカが泣いた
337 :
774RR:2006/02/12(日) 08:55:36 ID:VGmzbbDu
avexの社長のコメントを赤ペン先生がやったみたいに、
これもやってほしいなw いや、なんとなく。
338 :
774RR:2006/02/12(日) 09:56:59 ID:7M9+UevJ
興奮しすぎてちんこおっきしてきた
339 :
774RR:2006/02/12(日) 10:56:55 ID:lXIE4yWZ
シゲルスレが落ちちゃった・・
このスレ読んで、シゲル物語を再開しなきゃって思ってたのに・・
340 :
774RR:2006/02/12(日) 17:36:07 ID:b7Q9XlMj
>>330です。
楽しんで書かせて頂いております。が、自分の語彙の拙さも実感しております(ノД`)
>>335 ありがとうございます。いつも突っ込まずに見守ってくださる皆さんには感謝しておりますm(_ _)m
>>336 素人の遊びレベルですが、ノリスケから逃げる彼の気持ちがなんとなく解ったような・・・w
>>337 か・・・勘弁してください(;´Д`)
341 :
774RR:2006/02/12(日) 18:19:05 ID:/1CUW+pT
年齢はいくつぐらいなんでしょ?
文学部卒ですか??
いつも期待してます!!さいこー!!
342 :
774RR:2006/02/12(日) 18:25:59 ID:hM82INRw
ヨンフォアってのが熱いな。
343 :
774RR:2006/02/12(日) 19:14:39 ID:8aIE+Xgh
朝日新聞の朝刊のサザエさんを楽しみにしていた人達も
こんな気分で続きの掲載を待っていたのだろうか。
あ、サザエさん実損ねた。
344 :
774RR:2006/02/12(日) 23:45:33 ID:Gm889oau
>>330の続き
またたく間に広がるZとヨンフォアの車間。その理由はどちらかというとZの速さよりも、僕の遅さの方が支配的だった。
通過したコーナーの数に比例してZの背中が小さくなっていく。車間が開くと、先行車両の進入速度に頼ったコーナー半径の
見積もりが出来ず、さらに遅れに拍車がかかっていく。
僕は意地になって直線部分ではスロットルを開けていたが、もうすでに遅れを挽回する事が不可能である事も理解できていた。
・・・悔しかった。敵機Zへの憎さなど微塵も無く、山岳路に入った途端にメッキの剥がれた自分のライディングの拙さが情け
なかった・・・。
そろそろZの姿が見えなくなりかけた、その時である。コーナーとコーナーを繋ぐ短い直線部分で『ボシュッ!』という
一瞬の排気音を残して僕の右脇を一台のバイクが追い抜いていった。コーナーを処理する事で精一杯で、しばらくミラーを
確認していなかった僕は、いきなりのそのバイクの出現に驚いた。
・・・バイクは、カタナだった。・・・あの日の彼に似ているような気もしたが、排気量も含めて確認できる余裕など無かった。
カタナは『ジャァァァァァ』という音を立ててステップを路面に押し付けながら、コーナーをクリアしていく。
カタナは僕との距離を広げるのと同時に、先行するZとの距離を縮めていく。尻をイン側に落とし、確信を持ってコーナーに
進入し、路面に張り付くように旋回していくそのライディングは美しく、また感嘆すべきものだった。
345 :
774RR:2006/02/13(月) 00:18:48 ID:XEYUPZLk
ハァハァ ココデカタナ登場ですか イイヨイイヨー
346 :
774RR:2006/02/13(月) 00:28:53 ID:/Yfy31af
遥か後方で見る限り、カタナはZを射程におさめたようだった。突然の手練の乱入にZが慌てたかどうかは解らない。
代わりにZを追ってくれるバイクが出現したお陰で、僕の戦意はやや消失気味だったが、とある左コーナーを立ち上がった直後
の光景で、その僅かに残った戦意すら消失した。
僕は中速左コーナーを立ち上がって息を呑んだ・・・。僕の目に飛び込んできたのは、まるで天空へ駆け上がるように伸びる登りの
ストレートだった・・・。遥か先の空に浮かぶ純白の夏雲に架けられた梯子のようなその美しい道は、突然僕の目の前に現れた。
そしてその梯子の先では、2台のマシンが雲上を翔る二羽の自由な鳥のように右方向に翻り、僕の視界から消えていった・・・。
・・・そうだ・・・。僕は今まさにバイクという翼を手に入れて、そしてこの場所にいるのだ・・・という実感が押し寄せてきた。教習所で
初めてバイクに乗った帰り道、あの彼とカタナの背中を見送った時に心から思った「バイクで自由に道を走りたい」という望みの
中に今まさに身を置いているのだ・・・。
・・・自分もまた未熟ながらも、紛れも無くこの天空を翔る一羽の鳥であることを認識した時、それまで意固地になって開けていた
スロットルは戻されていた。車速を落とした。・・・僕は深呼吸を一回だけした。直前までの屈辱感はどこかに消え去り、充足感だけが
僕を包んでいた・・・。
『ドライブイン大観山』と看板を掲げた建物のある駐車場にヨンフォアを乗り入れた。思えば東京から走り詰めだった。
そして、先刻僕を追い抜いていったカタナもそこに停まっていた。ヘルメットを脱ぎ、カタナの脇に立っているライダーは・・・
やはり、あの日の彼だった・・・。
・・・お互いにとって運命の再会であった。
347 :
774RR:2006/02/13(月) 00:31:59 ID:7Pmy7gP0
MASUOカッコヨス!!!
348 :
774RR:2006/02/13(月) 00:43:21 ID:+tVFcXLt
ちょwおまいの所為で走りたくなったジャマイカwww
349 :
774RR:2006/02/13(月) 00:44:14 ID:Dj9dLZqI
むしろANAGOカッコヨス!!!
350 :
774RR:2006/02/13(月) 01:35:31 ID:ODo8+spU
あなごwwww
だっせえ名前がカコヨクおもえるぜwww名前以前に人じゃねえwww
351 :
774RR:2006/02/13(月) 05:15:04 ID:MDGNTFnV
あなごさんに対する見方が変わった。
352 :
774RR:2006/02/13(月) 05:31:59 ID:PDrJY0z3
>w名前以前に人じゃねえwww
そんな言い方ひどいよーw
サザエさん達ってあの足のサイズでよくシフトチェンジ出来るよなw
353 :
774RR:2006/02/13(月) 07:52:02 ID:NIcGzBYh
志村、足以前にメット、メット。。
354 :
774RR:2006/02/13(月) 08:57:41 ID:F06cCn7j
欲を言えば、1行の幅をもう少し縮めてほしい・・・
355 :
774RR:2006/02/13(月) 11:15:56 ID:jBH2Fn7+
峠に慣れたZの背中を何コーナーも見られる初めてバイク乗った奴。
間違いない!奴は天才(ニュータイプ)だ!!11!
もしかして木生えてないだけ?
現地しらねーから(w
356 :
774RR:2006/02/13(月) 12:20:23 ID:7Pmy7gP0
まとめサイトつくろうと思うんだけど、需要ある?
357 :
774RR:2006/02/13(月) 12:22:55 ID:+tVFcXLt
とりあえず俺は欲しい
358 :
774RR:2006/02/13(月) 12:39:44 ID:krOlXouQ
まとめキボンヌ!
359 :
774RR:2006/02/13(月) 12:40:41 ID:7Pmy7gP0
OK。
オススメの垢とかある?
360 :
774RR:2006/02/13(月) 19:32:57 ID:MrgMmEvl
>>355 町中しか走ったことない人かな。
峠だと、片側が山、もう片方が崖で、その崖を挟んで先の峠道の景色が見える場所とかも有るべ。そうで無くてもクネクネの
道だと、車道だと数100メートル離れているのに、すぐ頭の上をまた通過する登坂路とか有るよ。
・・・・箱根の峠がそんなだかは良く知りませんゴメン。
361 :
774RR:2006/02/13(月) 19:50:25 ID:PDNJYiQj
タンパは結構くねくねしてるから2,3コーナー離されたらもう姿見えない希ガス
作品にけちなんかつけてませんよもちろんw
362 :
774RR:2006/02/13(月) 23:17:28 ID:Ko95+WPb
>>361はデビルレイズのファンか?
渋いところを突くなぁ。
363 :
774RR:2006/02/14(火) 00:01:50 ID:Xo7/stkL
>>346の続き
僕は、ドライブインの駐車場でカタナに横付けした。カタナの主はまだヘルメットを被ったままの僕に気さくに話し
掛けて来た。
「こんにちは。Zはそのまま真っ直ぐ行っちゃったよ」
そのまま、言葉を続けようとした彼は、ヘルメットを脱いだ僕を見て言葉を止めた。
「・・・キミは・・・」
一度会った人間を忘れない。我が親友の人間的長所は当時も今も変わらない。僕はこんにちはと笑顔で挨拶を返した。
「キミは、・・・確か、え〜と、銭湯帰りの・・・そうだろ?」
僕は、クスッと笑ってうなづいた。
「でも、バイクには乗ったことも無いって言ってなかったっけ?あれ?あれ?」
混乱する彼の愛嬌ある姿を見て、僕は吹き出しそうになった。僕は僕をライダーにした張本人にその理由を話し始めた。
それから2時間以上にも及ぶ、大観山での僕らの会話が始まった。
バイク乗りという彼と同じフィールドに立った僕は、初対面の時のような気後れは無かった。僕はキミに憧れて免許を
とりバイクを手に入れたのだ、と僕は熱く語った。彼はそれを聞き、ひどく照れくさそうにしていたのを覚えている。
その他にもたくさんの事を話した。お互い、2浪の同級生である事を知った。彼は都内の某大学に通っていて、住所は
僕のアパートから駅を挟んだごく近い場所である事を知った。彼もまた、地方出身者で一人暮らしであることを知った。
彼は高校の頃からバイクに乗るベテランである事を知った・・・。小腹をすかせた僕らはドライブインのテーブルに場所を
移しても、話が尽きる事は無かった。
不思議だった・・・。他人にやや警戒心を持っていた僕が、たった2回目の出会いで、ここまで打ち解けて話をしたのは
初めてだった。バイクの話やライディングの話・・・さらにはお互いの身の上・・・。「そりが合った」としか言い様が無い。
・・・そして、彼の名前が「アナゴ」君である事を知った・・・。
364 :
774RR:2006/02/14(火) 00:56:50 ID:LUHRPn1N
良い話が続くなぁ。。。
まとめサイトだけど、今、少しずつ作業してます。
今週末くらいにはupするので、wktkして待っててください。
365 :
774RR:2006/02/14(火) 01:10:07 ID:MVTV43Uk
まとめサイト来たww
だれか原付で頼む!どうにかして住宅地か峠に持って行って!
366 :
774RR:2006/02/14(火) 01:24:12 ID:MHXqb/l3
あと残ってるキャラは浜さんくらいだがそれでもいいのか?
それでも良いなら、
お前が書け。いや、書いてください。
>>365
367 :
774RR:2006/02/14(火) 09:54:22 ID:F4MSAQzG
ところでアナゴって苗字ですか名前ですか?
368 :
774RR:2006/02/14(火) 10:55:42 ID:F4MXJRhT
はじめてバイクに乗った日のことを…君は憶えているだろうか?
僕は今でも忘れはしない。
まるで昨日のことのように、鮮明に思い出すことが出来る。
16歳になるその日をずっと待ち続けてた。
16歳になれば、すべてが変わると信じていた。
永遠に続くかのように思われた、
高校1年生、15歳の夏…
学校の宿題なんか見向きもせずに
毎日何時間も、原付免許取得の参考書を読んでいた。
数学の公式や、英単語を暗記することとは違い、
法令を暗記することは夢中になれた。
そして待ちに待った16歳の誕生日、
僕は高校をサボって試験場に向かったんだ。
369 :
774RR:2006/02/14(火) 11:03:13 ID:F4MXJRhT
筆記試験の会場には、
僕と同じように、原付免許取得のためにやってきた
多くの人たちが集まっていた。
退屈なはずの試験官の説明でさえも、
これから始まる希望に満ちたバイクライフにつながる
序章のように思えて、真剣に話しを聞くことが出来た。
「受験番号と名前はしっかり記入したかを確認してください。
せっかく満点をとっても、名前がなかったら免許あげられないからね。」
説明の最後に、試験官はそう言い
僕たちに笑顔を見せた。
思えば試験官の冗談なのだろうが、いよいよ始まる試験に向けて
緊張しきっていた僕は、笑うことすら出来ずにいた。
そして試験官の言葉どおり僕は、
名前をしっかりと記入した。
磯野カツオと…
370 :
774RR:2006/02/14(火) 11:04:15 ID:3z1P2r0y
371 :
774RR:2006/02/14(火) 11:09:53 ID:F4MXJRhT
無我夢中で筆記試験を行う僕。
静まり返った会場には、鉛筆が刻む
心地よい音が響いていた。
50問の筆記試験。
夏休みの1ヶ月、ぼろぼろになるまで何度も参考書を読んだ僕にとっては
あっという間に回答することができた。
何度も問題文を読み返し、
○×記入のミスが無いことも確認した。
学校のテストや高校の入試でさえも
ここまで真剣にテストと向き合ったことなどなかった。
試験の終わりを告げるチャイムの音が鳴り響く。
自分のすべてを出し切った…
あとは結果を待つだけだ。
試験前よりも緊張している僕がそこにいた。
372 :
774RR:2006/02/14(火) 11:18:46 ID:F4MXJRhT
電光掲示板を流れる受験番号。
その番号がひとつ、またひとつと僕の受験番号に近づいてくる。
会場ではガッツポーズをとる人や
喜びをかみしめる人々がいた。
339…340…
僕の番号まであと4つ…
気がつけば僕は息を止め、
祈るような気持ちで電光掲示板を見つめていた。
握り締めた両手にはじっとりと汗が滲んでいた。
342…343…
次がいよいよ僕の受験番号だ。
時間にすれば1秒程度なのだろうが、
僕には次の番号が出てくるまでの間が、
まるで永遠に続くかのように思えた。
バイクと共に過ごした青春時代を思い返すたびに、
はじめてライセンスを取得した瞬間のような、
永遠に続くかのような一瞬の時を僕は駆け抜けたんだと思える。
あるときは峠のブラインドコーナーで、
あるときは深夜の第3京浜の直線道路で…
まるで宝石のような、輝く一瞬は
すべてこの瞬間から始まっていたんだ。
344
僕の受験番号が電光掲示板に流れた一瞬だった。
373 :
774RR:2006/02/14(火) 11:29:41 ID:yvV+/oEJ
普通はそこで落ちているというオチになるところだがな。
374 :
774RR:2006/02/14(火) 11:41:28 ID:38XWUyNV
>>372 342‥343‥345‥orz
なら神だた
375 :
774RR:2006/02/14(火) 12:06:51 ID:F4MXJRhT
交付された免許証を手に、僕は家路を急いだ。
朝までの僕とは違う。
今の僕はバイクに乗ることが出来るんだ!!
そう思うと顔がほころびっぱなしだった。
家に帰ると姉さんのいつもの声に出迎えられる。
「カツオ〜宿題やりなさいよ〜!!」
一体僕はこの台詞を何万回聞いたのだろう。
いつもならうんざりしてしまう所だが、
今日の僕は姉さんのお決まりの台詞も
気になりはしない。
物置に向かって走る僕。
まだガキだった頃は、何度も父さんに閉じ込められたこの場所に
埃をかぶったまま放置されているコイツを、
憧れの象徴と認識し始めたのは一体いつの頃なのだろう?
トレードマークだった野球帽や坊主頭、
まるで何十年も続いたかのような少年時代…
それらが急に疎ましく思え、
学校帰り、やるせない想いを親友の中島と分かち合い、
こっそり吸った父親のハイライト。
思えばあの日から…
僕にとっては埃にまみれのコイツが、
憧れの象徴へと変わって行ったのだろう。
376 :
774RR:2006/02/14(火) 12:17:09 ID:F4MXJRhT
物置から引っ張り出したバイク。
車体にはHONDAスーパーカブ50の文字。
幸いキーも付きっ放しだった。
はやる気持ちを抑え、
キーを回す。
が、バイクは何の反応も示さない。
そっか!!
バッテリーが上がってるんだ!!
バイク雑誌の記事で何度も読んだ
バイクのトラブル解決法を思い返し、
おもむろにキックペダルに足をかけ、
エンジンの始動を試みる。
が…一向に反応しないエンジン。
夢中でキックを繰り返す僕。
気がつけば汗だくになっていた。
僕のバイクへの情熱をあざ笑うかのように、
沈黙を守り続けるエンジン。
夕闇が僕を包む。
免許さえあればバイクに乗れると思っていたのに…
僕はバイクに向かってつぶやいた
「どうして動いてくれないんだよ…」
377 :
774RR:2006/02/14(火) 12:48:05 ID:F4MXJRhT
その時だった。
僕の人生を大きく変えることとなった、
運命の瞬間が訪れたのは。
「カツオ君?こんなところで何やってるんだい?」
バイクのエンジンをかけることに夢中になっていた僕は、
背後の気配にまったく気づいてはいなかった。
おどろいて振り向くとそこには、
僕がもっとも軽蔑する、義兄の姿があった。
「別に…関係ねぇだろ。」
婿養子でもないのに、なぜか嫁の実家に住み、
義父の顔色を伺いながら生きる、
うだつの上がらないサラリーマン。
こんな大人にだけはなりたくないと、
僕に思わせずにはいられない平凡な男…
今日まではずっとそう思っていた。
義兄は、ぶっきらぼうに発した僕の言葉を気にするでもなく、
口元には穏やかな笑みさえたたえていた。
「もうそんな年頃か…」
誇りまみれのスーパーカブを見つめながら
そんな言葉を誰に言うでもなくつぶやいた義兄
378 :
774RR:2006/02/14(火) 12:59:52 ID:F4MXJRhT
意外だった。
慣れた手つきでカブのエンジン周りを探る義兄の姿は
見慣れていたはずのいつもの義兄とは全く違っていた。
「カツオ君…残念だけど、このままじゃコイツは動かないよ」
「どうしてさ?」
「ガソリンも腐ってるみたいだし…キャブも死んでる。
オーバーホールが必要だろうね。」
いつもとは違う、自信あふれる表情で
義兄は言い切ったのだった。
「じゃあどうしたらいいの?マスオ兄さん。」
「う〜ん…治すにしても、コイツはそうとうヘタってるよ」
僕の希望の象徴。
コイツさえあれば…バイクさえ手に入れればすべてが変わると信じていたのに。
目の前が真っ暗になってしまった。
379 :
774RR:2006/02/14(火) 13:10:16 ID:h5X0YsfC
>>375 まるで何十年も続いたかのような少年時代…
…タシカニナ
380 :
774RR:2006/02/14(火) 13:13:42 ID:F4MXJRhT
「そろそろ夕ご飯の時間だね。
ご飯の後…僕の部屋においでよ。」
義兄はそう言い残し、縁側に向かった。
家族そろってちゃぶ台をかこんでの夕飯。
義兄はいつもとまったく変わらずに、
父さんの面白くもない話に、相槌をうっていた。
さっき僕の前で見せた、あの自信に満ちた表情はどこにもありはしない。
「ごちそうさま。」
僕は小声でそうつぶやき、食卓から離れた。
一瞬、義兄と目があう。
男にしか分からないであろう、
形にならない何かを分かち合う瞬間。
親友の中島と一緒にタバコを吸ったあの時みたいだった。
381 :
774RR:2006/02/14(火) 15:01:17 ID:bQq3lmBw
なかなかイイと思います
382 :
774RR:2006/02/14(火) 16:16:00 ID:lMuJniek
>>1からずっと読んで来たよ、すっげー良スレだねここは。
383 :
774RR:2006/02/14(火) 18:44:18 ID:wOWJZMQ/
384 :
774RR:2006/02/14(火) 20:27:10 ID:JepXu7gY
F4MXJRhT先生の名作にケチをつけるつもりなど毛頭ございませんが、カツオではなく
カツヲだったような気がしますが?
あ、いえ、そのー、どうぞお気になさらず読者の戯言ですので。
385 :
774RR:2006/02/14(火) 20:40:37 ID:pkFjdfb2
>>384 気のせいだよ。
波平・フネの長男はカツオ
386 :
774RR:2006/02/14(火) 20:44:01 ID:dP2TurYu
フジテレビの説明を読むとカツオになってるぞ。
っていうか著作権を考えるとちょっと違ってるくらいが丁度良かったかも。
387 :
774RR:2006/02/14(火) 21:20:45 ID:+d5KS+aX
つーか「魔棲男」はぜひ実写映画化してもらいたい
388 :
774RR:2006/02/14(火) 21:29:03 ID:c0/xbvlO
389 :
774RR:2006/02/14(火) 21:32:52 ID:CxpUeq1r
OGKのFF4ってマスオさんに似てるよな
390 :
774RR:2006/02/14(火) 21:43:39 ID:BW7O0yCU
いいなぁ。 面白いなあここ。
391 :
774RR:2006/02/14(火) 23:01:40 ID:UTJtoRPU
>>388 まだ、魔凄雄の活躍見てないから早いよ。
392 :
774RR:2006/02/14(火) 23:19:05 ID:qRLn0+Bi
>>363です。
なにやら素晴らしい「カツオ物語」がスタートした模様ですねw
当方は区別しやすいように今日から名前欄にに『魔 棲 雄 〜マスオ物語〜』と題を入れさせていただきます。
特に打ち合わせをするでもなく、自然に二つの物語が融けあっていけたら良いですねw
393 :
774RR:2006/02/14(火) 23:38:03 ID:aEWVvRZs
392
続きが気になって眠れそうに無いのですが…続きはいつ頃になりますか?
394 :
774RR:2006/02/14(火) 23:59:29 ID:x7GOY9bX
395 :
774RR:2006/02/15(水) 00:07:53 ID:llCUY1i0
【SCENE13】
大観山から臨む雄大な富士の裾野を照らす陽光がやや黄色みを帯びてきた頃、どちらとは無しにそろそろ帰ろうかという
事になり、僕らはそれぞれの愛車に跨った。
僕はまだまだ話し足りないという気持ちだったが、あせる事は無い。僕達は友となったのだ。会いたいときはいつでも
会い、話したいことがあればいつでも話せば良いのだ。
しかもその帰り道、僕はライダーにとって言葉を交わす以上の「会話」があることを知った・・・。
アナゴ君の後ろについて走る僕は走りづらい下りであるにも関わらず、Zに離されまいと必死に走っていた登りより
速く、なにより心地よいペースで走行していた。全ては先行するアナゴ君のお陰だった。
彼は初心者の僕の為のペースを考慮していてくれた。彼の後姿を追うだけで不思議な安心感に包まれた。
ブレーキング、バンク、立ち上がり加速・・・。彼の走りをお手本とするうちに僕のペースは自然と上がってきた。
そのうちに奇妙で、それでいて心地よい感覚が僕を支配している事に気がついた。まるでお互いの気持ちが
通じ合っているかのようなのだ。ヒラリと身を翻すカタナ・・・数秒後同じく身を翻す僕。直線部分で豪快に
加速するカタナ・・・応えるようにその後を加速する僕・・・。今ここにいる僕達だけが分かち合う最高の瞬間・・・。
沈み行く夕陽で長くなった2台の影法師は、シンクロするように時に重なり合いながら、箱根の山を後にした・・・。
ターンパイクから降りた直後、ヨンフォアのエンジンは一瞬の咳き込みのあと空しく止まった。焦る僕を
尻目に、Uターンしてきたアナゴ君は迷うことなくヨンフォアの燃料コックを[RES]の位置に切り替えて
くれた。・・・不覚。初めてのガス欠だった。
小田原でバイクの腹を満たした僕らは、海に沈み行く夕陽を眺めながら湘南道路を東京に向かった。
↑題名入れ忘れ失礼しましたm(_ _)m
397 :
774RR:2006/02/15(水) 00:21:07 ID:9vA5AbFs
毎回楽しく読んでいます。
続きをたのしみにしています。
お体、大切に。
ターンパイクの下り、そして東京への帰り道・・・。僕はライダーにしか解らない「会話」があることを知った。
これほどまでに他人と心が通い合ったような気持ちになった事は初めてだった。
そしてこれは、その後色々な人と走って解った事であるが、僕にとって最も心地よい「会話」の出来る相手は
目の前を走るアナゴ君だった。
僕らの住む街へ戻ってきたのは、午後8時少し前。路肩にバイクを停めた僕らは、腹も減ったので晩飯を
一緒に喰う事にした。
駅の駐輪場にバイクを停め、僕は最近開拓した駅前商店街のさらに路地裏に入ったところにある小汚い
ちいさな定食屋にアナゴ君を招待した。「鮒田食堂」という学生向けの激安食堂だ。
300円のラーメンをすすりながらアナゴ君は400円のコロッケ定食を頬張る僕に言った。
「今日は最高に楽しかったよ。東京に出てきてから、こんな風に走れる仲間が居なかったんだ」
僕らの会話はまたしても止まる事は無かった。
アナゴ君と別れ、部屋に帰りついた僕は心地よい疲労から来る睡魔に襲われ、なんの準備もせずすぐに万年床
に横になった。ラジオから流れるサザンオールスターズを聴きながら、僕は今日一日を振り返っていた。
初めてバイクで公道に出た・・・。バイクのあまりの気持ちよさに初めて雄叫びをあげた・・・。車とバトルをした・・・。
峠道を走った・・・。ライディングの未熟さを思い知った・・・。心動かされる風景に出会った・・・。
・・・そして友が出来た。・・・そして、バイク乗りしか知りえない心の繋がりを知った・・・。
僕が生きてきたそれまでの20年の中で、最も濃厚で熱い一日だった・・・。
気象庁が今日、梅雨明けを宣言した事を伝えるラジオの声が遠くに聞こえ、僕の意識は深くまどろんでいった・・・。
・・・僕の熱い夏が始まろうとしていた。
399 :
774RR:2006/02/15(水) 01:12:22 ID:4tEf4wFq
海山商事にドキドキしてきた
400 :
774RR:2006/02/15(水) 04:19:01 ID:NplUDT19
糞スレだと思って開いたらなんだこの神スレは。
すげーおもしれぇ。やるじゃねーかバイク板。
401 :
774RR:2006/02/15(水) 05:44:34 ID:36/7ChGH
サザンオールスターズって言うのがまた何かいいね!!
そーいう時代だったんだろなーって思うわマジ。いやおれ21なんだけどさw
402 :
368:2006/02/15(水) 10:21:38 ID:Y5Si8Aau
>>363さん
それでは私も区別しやすいように今後は
『カツオ物語〜伝説を継ぐ者〜』というタイトルで書かせていただきます。
403 :
774RR:2006/02/15(水) 10:57:39 ID:p7zpGpCR
マスオとアナゴ君はこれから益々深い仲になりそうですね
篠原涼子のドラマは『anego』
アナゴ君主演で『anago』ってのはどう?
404 :
774RR:2006/02/15(水) 12:10:59 ID:TchF1CZP
あれはまだ7月のころだ。
今日は中嶋達とサッカーをする日か…暑さでボーっとしながらもカツオはCB400Tにまたがり市街地を公園へと走る。
途中1台のバイクとすれ違う。甘い香りを残しカン高い音を奏でるバイクにカツオは我にかえる。
カツオ『2stか。確か黒赤だったな…うわさに聞いたことがあるぞ。RS250!!フッ…CB400Tフルカスタムをなめんなよ!』
カツオはターンしRS250に勝負を挑む。RS250に追いついたカツオは気付いた。
カツオ「これは…違う!原付ナンバー!?RS50か!」
自分の間違いを相手のせいにするかのように排気量に任せ抜きにかかるカツオ。RS50のライダーも売られたケンカを買うの如く加速する。
カツオ『負けるとわかってて買ってくれるのか…敵ながらあっぱれだ!』
しかしここは市街地。RS50は軽さに任せて曲がって行く。
カツオ『クソッ!?なぜだ!俺はISONOの血を引いているんだぞ!?』
長い直線で追いついたカツオは次に待ちうけるT字コーナーですさまじいモノを見ることになった。
T字コーナーの中心に溜まった砂にRS50の後輪が乗る。
カツオ『危ない!』カツオは最高のブレーキングでT字の前に止まる。
しかしRS50はグリップの失った後輪を滑らせながらエンジンと後輪をさらに回していく。
カツオ「狂ったのか!?止まれ!」
しかしRS50はグリップを取り戻した瞬間凄まじい加速を見せてカツオの視界から消えた。
カツオ「なんだ、あの技術…」
カツオは呆然として追わずに公園に向かう。しかしサッカーに集中できるわけも無い。
中嶋「どうしたんだよ、磯野!?」
カツオ「悪い皆…今日は帰るよ」
中嶋「ォ、ォィ!磯野!?」
カツオは家に着く寸前、自分の家から走り去るRS50を見た。
カツオ「母さん!?さっきの人は!?」
フネ「あぁ。私の学生時代の同級生のウメちゃんですよー」
っという夢を見て今日もサザエに起こされる。
405 :
774RR:2006/02/15(水) 12:59:34 ID:HZQPmntj
老人のチョイススバラシスww
406 :
398:2006/02/15(水) 22:12:00 ID:wMeoqRfN
サザエワールドのしきたりに習い、彼らがこれから集う事になる食堂の名に魚の名前を入れてみましたw
さて、遅レスで申し訳ありませんが・・・
>>341 文学部とは残念ながら縁もゆかりも・・・^^; で、年齢ですが、作中の時代は小学校低学年でした。
ターンパイクの描写に関しては、少々のつじつまの合わない事に関しましてはご了承下さいm(_ _)m
特に「天空へ駆け上がるように伸びる登りのストレート」のくだりは、10年ほど前に走った時に感じた、非常に主観的で
あいまいな記憶をもとにしていますので、現場に行ってみて同じような景色が見られるかは保証致しかねます(・∀・;)
>>364 まとめサイトの件は、お任せいたします。当方、そっち方面に疎いので全て丸投げさせて頂きますw
何卒、よろしくお願いいたします。ご無理はなされないよう・・・。
>>402 どうぞよろしくお願いいたします。できればアナゴ君もカッコよく登場させてあげて下さいw
【SCENE14】
箱根での再会からおよそ一週間後、僕とアナゴ君はあの日と同じように鮒田食堂で共に夕食をとっていた。
アナゴ君はこの食堂をいたく気に入り、既に店主のオヤジとも談笑するような常連と化していた。夜の7時
くらいに店に訪れると、5割以上の確立で彼に会えた。
今日は、彼と奥多摩に走りに行った帰りだった。2回目のアナゴ君とのツーリングだった。
「フグ田君は、速くなってきたなぁ。キミには絶対、素質があるよ」
その日の出来事を中心とした、そんな感じの話で盛り上がっていた。とっくに食事を終えてオヤジに皿を
片付けられていたが、いつものように会話は続いていた。
珍しく奮発したビールと、売れ残りそうだからと店主が差し入れてくれたチャーシューをつまみに、ほろ酔い
気分で気持ちがよくなっていたとき、アナゴ君は煙草に火を点けながらちょっとだけ真面目な顔をして
こう言った。
「フグ田君、夏休みに何も予定が無いんだったら北海道へ行かないか?もちろんバイクで。」
西日本を故郷とする僕にとって、日本の北の果てである北海道という場所は、精神的に疎遠な場所であった。
ひどく遠く寒い場所という妄想にも似た認識しか無く、返答に躊躇したがアナゴ君はそんな僕にお構い無しで
北海道の魅力を語りだした。
高校3年の頃から夏の北海道ツーリングを欠かしておらず、浪人中でもそれは変わらなかったと言うこと・・・。
浪人中の身でも、北海道には抗えないほどの魅力があるということをアナゴ君は夢中で僕に話した。
・・・やがて僕は彼の話に心を奪われていた・・・。
数年ぶりに訪れた義兄たちの部屋。
食卓での父さんの様子だと、
義兄が解放されるにはまだ時間がかかるだろう。
僕は財布から今日手に入れたばかりの免許証を取り出し、
じっくりと眺めてみる。
昨日までの僕よりも
すこしだけ大人になったように見える僕の写真。
16歳の誕生日に、憧れの免許を手に入れる。
タバコの味をおぼえた頃から思い描いた、
僕が『大人』になるための計画では
今頃、あのスーパーカブで走り出していたハズなのに…
そんな事を考えていると
突然ふすまが開かれ、義兄がやってきた
『待たせちゃったみたいだね、ごねんねカツオ君。』
義兄と二人っきりになるのなんて
何年ぶりのことだろう?
ふとそんな事を考えてしまい思わず僕は義兄から目を逸らす。
『カツオ君もバイクに興味を持つ年頃なんだもんな〜
僕も歳を取ったってわけだ。』
少し照れたような表情を浮かべる義兄。
僕は思い切って、今日一番の疑問をぶつけてみることにした
『ねぇ兄さん…あのカブ治せないの?』
『う〜ん…治せないってことはないだろうけど…』
そういいながら表情を曇らせる義兄
『どうやったら治せるの!?』
思わず僕は大きな声を出してしまった。
そんな僕を無視するかのように、
義兄は遠い目をし、ポケットからタバコを取り出した。
ゆったりとした動作で、タバコに火をつけ深く息を吸い込む義兄。
『カツオ君は…バイクが好きなの?』
義兄はいつになく真剣な表情で、
煙とともにそんな言葉を吐いた。
地平線の果てに吸い込まれるような直線路。さいはての名もない港町。ビッグスケールの山岳ワインディング。
気のいいライダー達。旨い飯。無料で快適なキャンプ場。風雨をしのげるライダーハウスという簡易宿泊所・・・。
僕の意識はアナゴ君の言葉を介して、北の大陸を浮遊していた・・・。行った事が無いので想像の世界でしか無いの
だが、雑然とした大阪や東京の街しか知らない僕にはまるで外国の話を聞いているようだった。
アナゴ君がここまで言うのだから、きっと素晴らしい所に違いない・・・。僕は北海道ツーリングに俄然興味が湧いて
来た。
「いいね、いいね!行って見たいよ!」
と言ったところで、ふと僕は非常に現実的な問題を思い出した・・・。金だ・・・。バイクに乗り始めてからというもの
金が以前とは比較にならないペースで消えていた。・・・希望は閉ざされたように見えた・・・。
「・・・でも、金が無いんだ・・・」
僕がそう言うと、アナゴ君は不敵な笑みを浮かべ言った・・・。
「フグ田君、僕らは大学生なんだぜ?何日夏休みがあると思ってるんだ?バイトだよ。夏休みの半分をバイトに
当てて軍資金を稼ぐ。そして半分は北海道さ。任せとけ!バイト先なら僕に当てがある」
頼り甲斐のある男の言葉に、再び僕の目の前に希望が開けた。かくして聖地巡礼の準備が始まった。
意外な質問に戸惑う僕。
何て答えたらいいのか思いあぐねていると、
義兄は、何も言わずに立ち上がり、
机の引き出しから一枚の写真を取り出し、僕に手渡す。
『この写真は…?』
『10年以上前の僕だよ。まだ独身だった頃さ。』
『義兄さんもバイクに乗ってたの?』
『もちろん。』
『この隣に写っている人は?』
『誰だと思う?』
じっくりと写真を眺めてみる僕。
白黒写真には、どこまでも続く平原と
真っ直ぐな道、そして2台のバイクと、
それに跨がる若い男達が写っていた。
412 :
410:2006/02/15(水) 23:11:26 ID:wMeoqRfN
>>411 キ・・・キタ━━━━━(゚∀゚;)━━━━━ !!!!!
ほ・・・北海道でつか?北海道でつか?見事にリンクしちゃってますが、北海道でつか??
これは奇跡でつか?
『どうやらわからないみたいだね』
『ヨンフォアに乗ってるのが
マスオ義兄さんだってことはわかるんだけど…
こっちのカタナの人は…』
『アナゴ君だよ。知ってるだろう?』
『え…これが…?』
『これがってのは失礼だなぁ!!
ま、10年以上も前の写真だからしかたないけどさ』
意外だった。
義兄がバイクに乗っていたことが。
平凡極まりない大人だと思っていた義兄に
こんな青春時代があったということも。
そして…義兄が、こんなにも溌剌とした笑顔を持っていたということも。
そんなことを思いながら、改めて写真を眺める僕。
『ねぇカツオ君…男と男の約束をしないかい?』
414 :
774RR:2006/02/15(水) 23:19:29 ID:seOsL+Sm
神々の共演キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
ドキをムネムネしながら待ってます
唐突な義兄の言葉に、戸惑う僕。
『約束って…?』
そう問いかけた僕の瞳を
しっかりと見据える義兄。
『タラオが生まれたときに…サザエと約束したんだ。
バイクには乗らないって。』
『じゃあ義兄さんは今は…』
そこまで言いかけた僕は、
義兄のいつにない真剣な表情に思わず言葉を飲み込む。
『……これから僕がする話を、絶対に誰にも言わないと約束できるかい?』
義兄は重々しくそう呟いた。
417 :
774RR:2006/02/15(水) 23:28:27 ID:JOtFfGra
やべwモニター見ながらニヤついてるw
おれきめぇwww
418 :
774RR:2006/02/15(水) 23:33:51 ID:jan4Qkve
キタ(゜∀゜)コレ
もう運命はあらゆる方向に動き出している。
スレ住人でオフやりて
↑気が早い?!
419 :
774RR:2006/02/15(水) 23:44:39 ID:Jp0qP13z
よし、みんなで魔棲雄ジャケットつくるか
『バイクがなかったら…今の僕は存在しないと
そう心から思えるんだよ。
いろんな事を、バイクから教わったし…
かけがえのない思い出や…友達をバイクから貰った。』
ひとつひとつの言葉を、選ぶようにして、
義兄は僕に語りかける。
『いいかいカツオ君。
バイクってのは…雨が降ったら雨に向って
風がふいたら風にむかって…
一瞬たりとも止まることなく、走り続けなきゃならないんだ。
僕は…立ち止まることなんて出来なかった。』
『マスオ義兄さん…』
『だから…今もあの頃と何ひとつ変わることなく
走り続けているんだ…。』
義兄がバイクに乗っていた…。
今まで僕の知っていた義兄とは
あまりにもかけ離れている事実だった。
『カツオ君…もう一度だけ聞いてもいいかい?
カツオ君は…バイクが好きなのか?』
421 :
410:2006/02/16(木) 00:10:55 ID:Fz1oZC0J
ふと、思い立って彼らの年齢を整理して見ました。あくまで私の「マスオ物語」を基準としたものです。
その点はご了承下さい。
1983年 マスオ20歳(マスオ物語)
1991年 TV「サザエさん」の公式設定である、マスオ28歳・カツオ小学5年生(年度は↑から逆算)
1996年頃 マスオ33歳 カツオ16歳(カツオ物語)
※ちなみに
>>22で登場の魔棲雄が駆る隼はデビューしていない。
2006年現在 マスオ43歳 カツオ26歳
ま、あまり深いことは気にせず気楽に書いていきたいですが、ご参考になればと整理させていただきました。
422 :
774RR:2006/02/16(木) 00:11:18 ID:T1QeiM5X
このスレ見てるとゾクゾクする
血が騒ぐって奴か、これがw
423 :
774RR:2006/02/16(木) 00:11:30 ID:rYgpkCCE
これ、本にしたら100冊買ってみんなに配布するぜwww
424 :
774RR:2006/02/16(木) 00:14:08 ID:Ia+eQ0TI
本刷って売れよwwwww
>>410さん
一応、私としては
>>410さんのマスオ物語に触発されて
カツオ物語を開始させていただきましたので、
設定年代を1996年とさせていただきますね。
1996年か…
カツオの初めてのバイク(原付)は何にしようかな…
426 :
774RR:2006/02/16(木) 00:39:51 ID:LplCxmWp
Γ! 中古のΓ!!
427 :
774RR:2006/02/16(木) 00:42:37 ID:Hc7GXsd5
ブヒヒヒっ!!面白すぎてアドレナリンの分泌が止まりませぬw!
428 :
774RR:2006/02/16(木) 01:01:26 ID:x0GDV8nr
DTとかTSとかのオフ系はどう?
429 :
774RR:2006/02/16(木) 01:53:21 ID:e10MGV6g
チラ裏話だが、「サザエさん」って昭和70年代から進んでない気が…。
そーいやぁ「ちびまる子ちゃん」も昭和70年代か…。
古き良き日本の風景って昭和70年代までかぁ…。
それ以降はバブルに新興宗教、理由無き殺人、ドラッグ蔓延…。
カナシス…。
430 :
774RR:2006/02/16(木) 01:56:36 ID:Ia+eQ0TI
昭和70年って、パトレイバーかよw
431 :
774RR:2006/02/16(木) 02:30:21 ID:TU3l8yEN
昭和70年はジオブリーダーズじゃまいか?
432 :
774RR:2006/02/16(木) 03:04:35 ID:e10MGV6g
スマソ、1970年代の間違いです…テラハズカシス。
433 :
774RR:2006/02/16(木) 07:59:37 ID:05rt+g9P
アドリブ最高!
434 :
774RR:2006/02/16(木) 09:20:26 ID:SeQ959QJ
俺生まれてねぇWWWWW
435 :
774RR:2006/02/16(木) 09:31:09 ID:LHsLLWAJ
>>432 昭和70年代体験者か・・・・
君とは過ごした世界が違うようだな? 照和70年かな。
436 :
カツオ物語〜伝説を継ぐ者〜:2006/02/16(木) 12:37:53 ID:RiefMtPV
とても大切なことを訊かれているような気がした。
返答しだいで僕の人生が大きく変わってしまいそうな
そんな気がしていた。
けれど…迷いなんてなかった。
今の僕はバイクに乗ることだけを夢見ている。
どうしてバイクなのか?
明確な答えがあるわじゃない。
けでど僕の中にある、やるせない想いはバイクじゃなければ
解消できない…そんな気がしていた。
だから僕は、こう答えたんだ。
「マスオ義兄さん…僕はバイクが好きなんだ」
思えば…この一言からすべてが始まった。
437 :
774RR:2006/02/16(木) 12:43:47 ID:rYgpkCCE
原付じゃなくて二輪免許取りに行けってマスオさんいいそうだなw
「そう言うと思ってたよ」
義兄は満足そうにそう言うと、
腕時計に視線を這わせ颯爽と立ち上がった。
「まだ時間はあるな…カツオ君、明日は土曜だろ?
学校は休みだよね?」
「うん。」
「じゃあ、ちょっと出かけようか?」
突然の義兄の申し出に戸惑う僕。
しかし義兄は僕の戸惑いなどどこ吹く風で、
でかける仕度を始めていた。
「え…これから?どこに行くのさ?」
部屋を出て行こうとする義兄の背中にそう問いかける。
しかし義兄は僕の質問には応じずに、玄関へと向かう。
台所から姉の大声がする。
「マスオさ〜ん!!でかけるの〜?」
「ちょっとタバコを買いにカツオ君と出かけてくるよ〜!!」
いつもどおりの平凡な夫の声で答える義兄。
「じゃあ一緒にお醤油も買ってきて〜!!」
いつもと少しも変わらない日常が、たしかにそこにあった。
439 :
774RR:2006/02/16(木) 12:57:48 ID:NL3r7J4h
続きマダー?チンチン
家を出た義兄は思いつめたような表情で
夜の街を歩く。
いつもの義兄とはあまりにかけ離れた雰囲気に
僕は気おされていた。
訊きたいことはたくさんあった。
これからどこへ行くつもりなのか?
義兄は今、何のバイクに乗っているのか?
義兄にとってバイクとは何なのか…?
様々な疑問が僕の頭の中をめぐるが
何一つとして言葉にすることは出来なかった。
気がつくと駅前にやってきていた。
「カツオ君、ちょっと電話するからここで待っててくれる?」
家を出てからの初めての義兄の言葉だった。
そう僕に言い残し、公衆電話に向かう義兄。
電話…?
一体どこに?
あらたな疑問が僕の中にわきあがる。
「さてと…これで準備完了だよ。」
さっき見た、あの写真のままの溌剌とした笑顔で
義兄はそう言った。
「準備?」
「ははは。カツオ君、そんなに心配そうな顔しなくても大丈夫だって」
「これからどうするつもりなの?」
そんな僕の質問を、まるで聞こえなかったかのような表情で
義兄はポケットからタバコを取り出し火をつける。
「タバコ…吸えるんだろ?」
あまりにも意外な義兄の言葉に
反射的にうなずく僕。
「ほら。」
義兄は僕にハイライトを手渡す。
少し緊張しつつ、パッケージから一本抜き取り
咥える僕。
442 :
774RR:2006/02/16(木) 14:18:16 ID:lR2QFoOT
すげー続きがきになるw
443 :
774RR:2006/02/16(木) 15:37:32 ID:8l1CFFx1
今日会社休んでてよかったw
444 :
774RR:2006/02/16(木) 15:44:37 ID:LRvjZVxZ
>>435 ちょwwwwwそれなんて艦隊wwwwwww
446 :
774RR:2006/02/16(木) 16:07:59 ID:sL/mAxMB
業タン激しく乙です!!
447 :
774RR:2006/02/16(木) 16:18:19 ID:+NTU4d5y
業物タソGJ!
448 :
774RR:2006/02/16(木) 17:03:04 ID:FLc9qed+
携帯無理ポ(´・ω・`)ショボーン
449 :
774RR:2006/02/16(木) 17:52:04 ID:SeQ959QJ
携帯でみたひ
450 :
774RR:2006/02/16(木) 19:44:32 ID:E7Ix7q7W
やべー面白すぎw
今日このスレ見つけて一気に読んじゃったよ
ーーーーーーーーーーー こ こ ま で ま と め た ーーーーーーーーーーーー
| | ∧
|_|Д゚) まぁコピペしただけなんだけどね。
|文|⊂) おりに絵の才能でもあれば挿絵でも入れたんだけども・・・
| ̄|∧|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
452 :
774RR:2006/02/16(木) 21:25:52 ID:bhYAO3j9
続き、、、、、頼む、、、、、、、。
453 :
774RR:2006/02/16(木) 21:28:21 ID:g0ows8/W
何も手に付かない…続きをお願いしますm(__)m
454 :
774RR:2006/02/16(木) 21:35:23 ID:7KSX0GkG
業物タソ乙カレー
出来ればなんだが
>>18と
>>22を最初に入れてくれると俺は嬉しいw
ホラ、小説みたく最初の文に結末が入る手法な感じで
455 :
774RR:2006/02/16(木) 21:37:48 ID:gfi06P0U
えっ?えっ?
>>452タソ・
>>453タソ=もしか著者?魔棲雄とカツオの?
〆切なんか無いのだし気長に待ちますよ。みんなもきっと・・・
あせってもいいモノ書けませんよ
456 :
774RR:2006/02/16(木) 21:40:52 ID:g0ows8/W
453です。 いち読者として、続きを渇望してるだけですw
457 :
774RR:2006/02/16(木) 21:42:38 ID:bhYAO3j9
452も同じく、一読者です。
458 :
774RR:2006/02/16(木) 21:43:50 ID:E7Ix7q7W
| | ∧
|_|Д゚)
>>454 こんな感じでしょうか。
|文|⊂)
| ̄|∧|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
460 :
455:2006/02/16(木) 21:54:57 ID:gfi06P0U
あ〜もう、びっくりした。。読者タソね、だったら
ナカーマ!待ち遠しいよね
レス番増えてなくてもとりあえず開いてみちゃったりして
461 :
222:2006/02/16(木) 22:05:42 ID:BhYyn7UG
>>業物タソ
いつもお宅のウプロだでお世話になってるんで
>>222の絵持ってって挿絵に使ってちょうだい。
462 :
454:2006/02/16(木) 22:07:43 ID:7KSX0GkG
>>業物タソdクスです
読み手なのに注文してしまいスマネ
463 :
410:2006/02/16(木) 22:17:51 ID:DEgEVlrx
>>業物さん
初めまして。
まとめていただきありがとうございます。嬉しいやら恥かしいやら・・・
現在、今日の分を執筆中。みなさんが原稿が上がるまで居座るノリスケのようで、ちょっとプレッシャーw
乱文、駄文ですが勢いだけでなんとかやっていこうと思います^^;みなさんよろしくお付き合い下さい。
最近の私の楽しみですw
ちなみに・・・細かい部分では〜カツオ物語〜さんとリンクしない部分も出てくるかも知れません。その点、ご了承下さいm(_ _)m
| | ∧
|_|Д゚)
>>461 既にトップページにペタリと。
|文|⊂)
>>463 おりもワクテカしながら待ってるけど無理はしないでねん
| ̄|∧|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【SCENE15】
夏休みが始まった直後から、僕は都内各所の道路工事現場で旗を振っていた。
今で言う『ガテン系』の職場に幾つかの伝手があるアナゴ君の紹介で、僕は道路工事現場での交通誘導の
アルバイトをしていた。生まれて初めてのアルバイトだった。
簡単だと言われ舐めてかかっていたが、炎天下で立ちっ放しの仕事は予想以上に辛く、労働の厳しさと
これまでの20年は親の保護の元でのぬるま湯生活であった事を思い知った。反面、その対価として支払わ
れる日当を受け取るたび、お金の大事さを実感した。
自分の親ほどの年齢のおじさんや、迫力あるお兄さん達との関わりあいも初めての事であり、現場での
人間関係も僕の人間的幅を広げていった・・・。
そして日が沈んだ頃、棒の様になった足を引きずって、既に他の現場で肉体労働を終えたアナゴ君と、
店主の親父の馬鹿笑いが外に漏れる鮒田食堂の引き戸をガラガラと開ける・・・。そんな毎日も今日で
二週間が過ぎていた。
労働の後にアナゴ君と乾杯するビールは格別だった。僕はそんなアルバイトが嫌いではなかった。
高校まで、その体型と色白の肌で『モヤシ』と揶揄されていた僕。そんな僕の顔は、いまや
小麦色に焼けていた・・・。
466 :
774RR:2006/02/16(木) 22:56:44 ID:bhYAO3j9
キタキタ着た喜多ーーーーーーーーー!!!!
日曜日。体調を崩さぬよう、週に一回は入れた休日を使って、僕とアナゴ君は買出しに出掛けた。
向かうは上野バイク街。目的は北海道ツーリングに向けた装備の充実だ。
今でこそ、上野バイク街の惨状は目に余るものがあるが、当時はバイク用品といえば上野だった。
二人で闊歩するバイク街は、ただ歩いているだけでも楽しく飽きる事は無かった。アナゴ君は店の天井
からぶら下げられたヨシムラに口を開けて見とれ、未だ軍手を使用していた僕はグローブ選びに躍起に
なっていた。
結局、アナゴ君は何も買わず、僕は黒い革グローブとカッパとツーリングネットを買った。どれもが安物
だったが、初めてのバイク用品の買い物は嬉しかった。
その帰り、板橋まで足を伸ばし安いと評判の店で僕はクラックだらけだったタイヤを交換した。帰りに、
近所のリサイクル店で僕は最後にテントを買った。アナゴ君は店員相手に30分も粘り、それを半額にまけ
させてくれた。相変わらず鮒田食堂で飯を喰い、オヤジにはもっと高いものを注文しろと言われ笑いあった。
そして翌日からはまた、労働の日々・・・。
毎日が満ち足りていた・・・。今思えば、少し遅い僕の青春の幕開けだった。
気がつけば、アルバイトに費やそうと決めた4週間が終わろうとしていた・・・。北海道はもう目の前だった・・・。
468 :
774RR:2006/02/16(木) 23:33:56 ID:7D9OIShU
俺も書いてみたいけどクオリティが足りなさ杉だ(´・ω・`)
波平物語をデスクトップの新規テキスト ドキュメント.txtに書くことにするよ
469 :
774RR:2006/02/16(木) 23:38:20 ID:NLWuzrps
やっぱ波平だと陸王とかバタバタあたりか?
470 :
774RR:2006/02/16(木) 23:42:16 ID:KvrIkxnk
カブを100万キロ乗る波平
471 :
774RR:2006/02/16(木) 23:46:16 ID:zwWUCXql
コレ見てたら中島を主人公にして完全アナザーストーリがかきたくなったw
472 :
774RR:2006/02/16(木) 23:50:24 ID:E7Ix7q7W
うーん。初々しさがいいなぁ
473 :
774RR:2006/02/16(木) 23:52:19 ID:zwWUCXql
てか書いてみる。
とりあえず自分が納得しきるまでうpする気はないけどね。
高校生の駄文じゃスレ汚しになってしまう。。。
ゴツゴツした現場監督の手から、ご苦労さんという言葉を添えられ僕は夏のアルバイト最後の日給を手に
した。ありがとうございました!といつもより大きな声で僕はアルバイトを締めくくった。
これにて大層な額ではないが、北海道へ向かう軍資金が完成した。僕はまた一つ、最後まで何かをやり
遂げた。財布の中の全財産を確認し、僕は満ち足りた気分だった。
鮒田食堂には、ほぼ毎日バイク雑誌や地図を持参して北海道ツーリングの計画を練っていた僕らだった
が、この日は明日に迫った北海道へのアクセスを話し合った。最終調整だ。
僕らは高速道路などという贅沢な代物を利用できるような余分な金は持っていなかったし、東京や大洗
や仙台を出発する中・長距離フェリーもまた同じく、僕らには贅沢な選択だった。
当時のアナゴ君の弁を借りれば、僕らにたっぷりと与えられているモノは若さと時間だった・・・。
となれば残されている選択肢は、国道4号線を東京から青森まで全線走りきるというものだった。
若い僕らに怖いものなど無かった。過去にアナゴ君が行った時は、2〜3日掛けてこのルートを走った
ようだが、この際一気に青森まで走りきってしまおうと非常に軽率なノリで決定した。鮒田のオヤジは
横から止めとけ止めとけと笑いながら言っていたが、すでにオヤジに止められるような僕らでは無かった。
「せっかくだから、国4の起点の日本橋からスタートしよう。渋滞を避けて夜にしよう。明日の午後
10時に駅前に集合でいいかい?」
アナゴ君の言葉に僕はうなづいた。・・・いよいよ明日の夜、北の大陸への旅が始まる。
475 :
774RR:2006/02/16(木) 23:59:47 ID:+5aDRTFf
エンディング曲
【サザエさん一過】
OIL OIL OIL・
OIL OIL OIL・
大型二台でバトたら♪
白いバイクが追って来た♪
要は魂
要は魂
ライディング♪
(間奏15秒)
ほ〜らほらみんなが振り返る♪
サザエさんサザエさん♪
サザエさんは油改だな♪
476 :
774RR:2006/02/17(金) 00:14:41 ID:B1fQS0Xn
477 :
774RR:2006/02/17(金) 00:19:11 ID:IXGJKmQH
>>475 OILって何かと思ったらトリビアネタかw
家族の前でタバコを吸うなんて思っても見なかった。
自分が大人になったかのような…ちょっと照れくさい
不思議な気分だった。
2本のタバコを灰にした頃、
クラクションとともに、軽自動車が僕達の目の前に止まった。
「来た来た。ごめんな突然呼び出して!!」
そう言いながら、軽自動車に歩み寄る義兄。
ゆっくりとパワーウィンドーが開き、
車窓から顔を出したのは…
義兄の同僚、アナゴさんだった。
479 :
774RR:2006/02/17(金) 00:20:19 ID:Gcwrd/kH
>要は魂
ここが秀逸だと思うwwww
「さ、カツオ君、乗った乗った!!」
そんな義兄の言葉に促され、
軽自動車の後部座席に乗り込む僕。
「やぁカツオ君、久しぶりだね。」
運転席から振り返って、僕に笑顔を向けるアナゴさん。
予想外の展開に僕は「あ、どうも…」と、
小声で言うのが精一杯だった。
義兄が助手席に乗り込んだのを確認すると、
車を発進させるアナゴさん。
金曜の夜ということもあり
比較的混雑している駅前を抜け、
車は住宅街に入っていく。
「あの…マスオ義兄さん、どこに向ってるの?」
「それはついてからのお楽しみ。」
15分ほど住宅街を走っただろうか?
小奇麗な一戸建て住宅の駐車場に入った。
「ここは…?」
そんな僕の問いかけには答えずに、
助手席から降りてしまう義兄。
481 :
774RR:2006/02/17(金) 00:36:08 ID:IefXdM84
ちょwwまだ続いてるwwww
テラウレシス
ところで魔棲雄の方は、いずれ魔棲雄になるなら
サブタイはマスオ伝説のがよくね?
伝説を継ぐものにもつながるし
マスオさんのままなら牧歌的にマスオ物語のが合ってるけど
否、否、否、そんなのどうでもいいね
とにかくお二人とも無理しない程度にガンガレ
482 :
364:2006/02/17(金) 00:40:35 ID:lmRkTo3p
>>445 まとめ乙です。
自分もマトメサイト作るつもりでしたが、
重複するのもアレなんで、どうぞよろしくお願いします。
483 :
774RR:2006/02/17(金) 00:46:45 ID:IXGJKmQH
まさか、マスオが隼ならアナゴはGSX-Rか何かとか!?wktk
484 :
774RR:2006/02/17(金) 00:52:22 ID:Gcwrd/kH
そんなへんt(ry
「カツオ君、降りて待っててくれる?
僕は後から行くからさ…」
アナゴさんの言葉に頷き、
僕も車を降りた。
「マスオ義兄さん?どこ?」
「こっちこっち〜!!」
義兄の声はどうやら、この家の庭らしきところからだった。
小走りで声の方に向う僕。
ふと気になって、この家の表札を確認してみると、
「ANAGO」というプレートがかけられていた。
やっぱりアナゴさんの家だったんだ…
ひとつの疑問が氷解したことで、
少しだけ緊張がとけた僕は、庭へと向う…
芝生の敷き詰められた庭には義兄の姿はなかった。
もしかして義兄は家の中に入ってしまったのか?
そう思い、視線を家屋に向けると、
庭の隅にあるプレハブ小屋が目に付いた。
おそらく義兄はあの中に行ったのだろう。
僕はプレハブ小屋に行ってみる事にした。
486 :
774RR:2006/02/17(金) 01:06:31 ID:uJ/K6K4n
おそるおそるプレハブ小屋のドアを開ける僕。
蛍光灯の明かりと共に
僕の目に飛び込んできたのは、信じられない光景だった。
「これ…もしかして…」
そう言うのが精一杯だった。
それほど僕の目の前の光景は信じられないものだった。
「ああ…これが僕の愛車だよ。」
「本当に!!」
まるでエンジンにタイヤをつけたかのような車体。
見るものを圧倒せずにはいられない唯一無二のデザイン。
ピークパワー145馬力を発生するエンジンユニット…
YAMAHA V-max1200
これが義兄の愛車だった
488 :
774RR:2006/02/17(金) 01:15:02 ID:j3vFKv9G
489 :
774RR:2006/02/17(金) 01:19:05 ID:zc47hhAU
あれ?隼じゃないの?
って思ったけど、それは最初のサブの話で、別に関連はないのねw
490 :
474:2006/02/17(金) 01:21:59 ID:ROuV4/od
カツオ伝説さんの簡潔な文章ウラヤマシス・゚・(ノД`)・゚・
>>481 ちょっとだけネタバレですが、僕の描く魔棲雄は一度マスオに戻すつもりです。
彼は「伝説」になりますが、それは決して本人が望んだ形では無く哀し・・・おっとここまでに
しておきます(;゚∀゚)=3ハァハァ
僕個人の思い出・理想・妄想wも肩代わりさせた、等身大の一人間としてのマスオを
描いて行ければと思っておりサブタイを「マスオ物語」としたのもその表れです。
前述したように彼は「伝説」にはなりますが、僕の想う魔棲雄(マスオ)像としては
サブタイにまで「伝説」を入れる事はイメージ的に違うような気がして・・・。
491 :
774RR:2006/02/17(金) 01:57:31 ID:IefXdM84
>>490 いらんこと言って正直スマンかった
もうネタバレなしで書いてくれ、超書いてくれ
そんな俺は2輪免許とって15年
行動走ったの2qだけorz
この想いをマスオとカツオに託す
492 :
774RR:2006/02/17(金) 02:05:11 ID:qqtbNsnE
これ日曜の夕方には出来ないね。
法定速度無視して4つ足とおいかけっことか
未成年のかつおにタバコ吸わすとかwww
OPのロケ地が埠頭とか高速のPAとかおもしろいけどな
493 :
774RR:2006/02/17(金) 08:54:58 ID:5iwXRm9x
>>489 サブの話では一旦単車を降りていて復活したようなので、
その後V−MAXに乗り換えたんだろう。(笑
494 :
774RR:2006/02/17(金) 09:49:06 ID:xw/jLio9
おはよう上げ
495 :
774RR:2006/02/17(金) 10:40:53 ID:73f3mUVT
おやすみ下げ
496 :
774RR:2006/02/17(金) 10:44:44 ID:3ZuMZXzh
このスレ、ぱっと見絶対ネタスレだよなぁ・・・
カツオ物語でSABUはどんな登場の仕方をするんだろう。
「さてと…じゃあ出発するか?」
そんな言葉と共に、アナゴさんがプレハブ小屋にやってきた。
先ほどまでの休日のオヤジのような
ダサいポロシャツとチノパン姿ではなく
使い込まれた黒のシングルライダースに革パンという
完璧なライダースタイルだった。
そして彼の両手には、使い古したフルフェイスのヘルメットが二つ。
「出発って…?」
そう聞き返した僕に片方のフルフェイスを僕を
投げてよこすアナゴさん。
「僕のお古のメットだけど…よかったら使ってくれよ。」
うなずくのが精一杯だった。
498 :
774RR:2006/02/17(金) 12:42:28 ID:IXGJKmQH
あれ?アナゴさんは何乗ってんの?
499 :
774RR:2006/02/17(金) 12:44:31 ID:5iwXRm9x
500 :
774RR:2006/02/17(金) 12:47:30 ID:qqtbNsnE
ちょwww作風全然違うのに混ぜていいのかwww
81 名前:774RR[sage] 投稿日:2006/01/30(月) 03:06:08 ID:YZgt8GMm
マスオ風俗行き過ぎ、そりゃサザエも浮気するだろww
そう言いながら、プレハブ小屋の中央に鎮座する
カバーのかけられたバイクに近づくアナゴさん。
カバーの中から現れたバイクに僕は目を奪われた。
存在感のある空冷直4エンジン
ノーズからテールまでの流れるようなボディライン
「これは…」
「アナゴ君は本当にカタナが好きだなんだよ
何台乗り継いだっけ?」
「4台だな。でも俺はコイツが最後の相棒だと思ってる。」
502 :
774RR:2006/02/17(金) 13:24:46 ID:5iwXRm9x
>>500 俺は無理な設定をいかに上手につなげるかも楽しみにしているぞ。
>俺はコイツが最後の相棒
そうか、次が青のハヤブサか。
503 :
774RR:2006/02/17(金) 13:31:29 ID:5iwXRm9x
>>500 俺は無理な設定をいかに上手につなげるかも楽しみにしているぞ。
>俺はコイツが最後の相棒
そうか、次が青のハヤブサか。
504 :
774RR:2006/02/17(金) 13:39:38 ID:3Su+FD1/
>>503 青隼大破で慣らし終えたばっかって言ってたからいい感じにつながってるな。
505 :
774RR:2006/02/17(金) 19:53:06 ID:d3pmnUU/
アァ早く続きが見たくてたまらないよ…
506 :
774RR:2006/02/17(金) 20:55:07 ID:Gpffalsc
はやく、カタナに火を、、、、
507 :
774RR:2006/02/17(金) 21:53:10 ID:kptGedVM
ヤバいwJAマイカーローンのマスオさん見てニヤついちゃうwww
バイト続きの日が終わると、日中を持て余す事が多くなってきた。
昼間はバイク関連の雑誌を読み漁り、夕方になると鮒田食堂に行くというスケジュールだ。
大抵はそこでアナゴ君と夕飯を食べながらバイク談義に花を咲かせるというのがお決まりだ。
しかしその日はアナゴ君が姿を見せなかった。珍しいなと思いつつも、とりあえずビールと定食を注文する。
定食を肴にビールを飲む。テレビでは暴れハッチャクをやっている。
ふとブラウン管の中にバイクが写ると、脳裏に何か大切な事を思い出した様な気がした。
「しまった・・・」僕は絶句した。
今日はアナゴ君と北海道ツーリングに行く日だったのだ。集合予定は午後10時。
今から向かえば間に合う事は間違いない、しかしビールを飲んでしまった・・・
僕は早々と自宅に戻り寝た。
<⌒/ヽ-、___
/<_/____/
509 :
774RR:2006/02/17(金) 22:19:49 ID:IXGJKmQH
マスオ〜〜〜!!!
510 :
774RR:2006/02/17(金) 22:27:05 ID:NA0oF10N
あー、びっくりした
511 :
774RR:2006/02/17(金) 23:37:52 ID:YT5ZX7vy
マスオオッチョコチョイやん!
512 :
774RR:2006/02/17(金) 23:39:39 ID:mWHYJ9UF
513 :
774RR:2006/02/17(金) 23:42:04 ID:MsNP7YQj
いや、待て
これはマスラオだ
514 :
774RR:2006/02/17(金) 23:43:50 ID:IXGJKmQH
安心した
515 :
774RR:2006/02/17(金) 23:44:12 ID:39wfT758
GSX1100S…これがアナゴさんの愛車だった。
「最後の愛車〜?その台詞を僕は何度聞いたっけ?
こいつが4台目のカタナだから…4回?」
すかさず義兄がちゃかす。
「ったく…!!」
義兄をひと睨みしたアナゴさんは
なれた手つきでカタナをプレハブ小屋から押し出していった。
それにしても…このプレハブ小屋に入ってきてからの
義兄たちの表情はまるで少年のようだ。
さっき義兄の部屋で見たあの写真のままの。
僕にとってバイクは『大人』になるためのものだが
きっと彼等にとってバイクとは『少年』へ戻るためのかけがえのない存在なのだろう
だから…あんなにも眩しい笑顔をすることができるのだ。
517 :
774RR:2006/02/18(土) 00:01:06 ID:39wfT758
本物キター!(゜∀゜)
「僕等も行こうか。」
義兄はそういいながらバイクを押しはじめる。
庭ではすでにアナゴさんがカタナに跨っているところだった。
ショウエイの黒いフルフェイスを被ったアナゴさんが
シールド越しに義兄に問いかける。
「今日のコースは?
カツオ君がいるから下道だけだろ?」
「そうだな…246でも流すか?」
義兄がフルフェイスを被りながら答える。
「了解〜!!」
おどけたような調子でアナゴさんが言い、
そしいぇエンジンに火を入れた。
迫力のあるエンジン音が、夜の街に響き渡る。
そのエンジン音に呼応するようにV-maxも目覚める。
V4エンジン独特のドロドロとした低音。
改めて義兄のバイクを眺めると
所々手を加えているようだ。
ひときわ目をひくは、唯一無二のV4エンジンを強調するかのような
4本だしのマフラーだった。
颯爽とバイクに跨った義兄が僕に言った。
「さ、後ろに乗って!!」
519 :
774RR:2006/02/18(土) 00:06:42 ID:c7sy2C/h
イイヨイイヨ〜
恐る恐るV-maxの後部シートに跨る僕。
背中越しに義兄が言った。
「カツオ君、しっかり捉まっててくれよ!!」
なんて力強く、そして自信に満ち溢れた声なのだろう。
義兄がこんな声をだすなんて…
そんな僕の想いすらも置き去りにするかのように
一気にスタートするV-max
後方からはカタナが、
これから始まるであろう長い夜へ向けて
甲高い叫び声を上げていた。
息をするのも忘れるほどの加速。
Vブーストが作動したのだろう
エンジンが迫力のある低音から、
夜の闇を引き裂くような雄叫びに変わって行った…
出発当日の昼、僕は洗車をした。大切な一張羅は、大切な日に臨んでピカピカにしておきたかった。
特にお気に入りだったヨンフォアの美しく艶かしく曲がる四本のエキゾーストパイプを入念に磨き、少し離れて
眺めては、おそらく世界で最も格好よいと思われる我が愛車の佇まいに惚れ惚れした。
夕方、早めの飯を喰いに鮒田食堂へ行く。アナゴ君は居なかった。帰り際にオヤジは、おぅ気をつけて行って
こいやと言い、おばさんは大袈裟に店の外まで出てきて僕を見送ってくれた。
頭上の夏雲は黒く変色し、夕立が降りそうな気配だったが、遠くに見える北東の空は明るく、雲の切れ間から
紫色に染まりはじめた宵の空が見えており、今晩の出発時には雨の心配は無いように思えた。
まだ、3時間くらいは時間がある。振り出した夕立の音が少し気になったが、僕は今晩敢行しなければならない
青森までの大移動の為に、少し眠る事にした。
目覚まし時計で目が覚めたのは午後9時。おかしな時間に目が覚めてやや寝ぼけていた僕は、これから
何をするのか、という事を思い出し一気に目が覚めた。
既に用意してあったツーリング用品で膨れ上がったスポーツバッグ。現在のような容量可変式シートバッグ
などというツーリング専用の気の効いたものなど持っていなかったし、そんな貧乏臭さが許された時代でも
あった。
僕は、毎週の小さな楽しみだった今晩放送の中島みゆきのオールナイトニッポンにやや後ろ髪をひかれつつ
さてと、と呟き意を決してバッグを片手に、狭い部屋を後にした。
初めてヨンフォアのタンデムシートにツーリングネットで荷をくくりつける。前後に力を掛けた時のずれ動きが
気に喰わず3度もやりなおした挙句、納得のいくシッカリ感でくくりつけられた僕のバッグはシートに巻きつく
ように変形していた。
ヨンフォアのエンジンに火を入れると、これから少なくとも十数日間はお世話になる愛車に声に出して頼むよ、と
言った。
雨はすでにあがっていた。昼間の灼熱地獄がウソの様だった。しっとりと湿った路面のお陰か、気持ちのよい
夜の涼しさの中を駅に向かう。
駅前の小さなロータリーの片隅に、やはり荷物満載のカタナと煙草を吹かすアナゴ君の姿があった。
522 :
774RR:2006/02/18(土) 01:02:42 ID:yO158KTN
キタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタキタ――(゚∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)∀゚)――!!
「待たせたね。準備万端だよ。さぁ、行こうか!」
カタナの後ろにヨンフォアを停めた僕は、エンジンも切らず、ヘルメットも脱がずこう言った。出発が待ちきれ
無かったのだ。逸る気持ちを抑えきれない僕を見て、アナゴ君は呆れたように笑顔を浮かべると少しおどけて
「了解〜!」
と敬礼ポーズをしながら応えた。早速、僕達は日本橋の国道4号線起点へと向かった。
午後10時半の東京日本橋はまだ眠るには早い時間であり、多くのサラリーマンやお洒落な格好をしたカップル
達が歩いていた。
そんな場所に不釣合いな二人のライダーは、人目もはばからず国道4号起点となる標識の下で記念撮影をした。
僕が上京した時の荷物の中で、唯一「大切なもの」という認識を持っていた父の形見のニコン。アナゴ君が
道行くサラリーマンを捕まえシャッターを押させた。後に現像されたこの写真。二人の若者の目は輝いていた。
そう・・・僕達は、まだサラリーマンでは無かった・・・。輝ける生命力と未来と青臭さを兼ね備えた「若者」だった。
日本橋で目的を遂げると、遂に僕達は総行程700km以上にも及ぶ国道4号線走破の難業に立ち向かうのだった。
聖地巡礼の旅は、そこに赴くまでの道程に待ち受ける困苦を越えて行くことにこそ意味があり、だからこそ聖地は
聖地足り得るのである。古くは天竺に向かった玄奘三蔵、イスラム教徒のメッカ巡礼、日本でも四国八十八ヶ所巡り
の遍路等が有名であるが、この国に住むライダーにとってはそれが北海道へと向かう道程なのかも知れない・・・。
・・・聖地へと伸びる国道4号線の旅は、想像以上に僕にとって困難な道程であった・・・。
524 :
774RR:2006/02/18(土) 01:31:11 ID:Yl+BLLkb
一向に眠る気配の無い不夜城東京を、喘ぐようにすり抜けを繰り返し脱出する僕とアナゴ君。
暗くない夜空がバックミラーを介してまだ確認できる春日部を抜け出す頃には、すり抜けの回数も減っていた。
夜の国道4号線は一般車両の台数が大幅に減る分交通の流れは良いのだが、その流れの良さを利用して高速
料金を節約しようという、トラックが多くライディングはそれなりの緊張を強いられた。
宇都宮で最初の休憩を取った。東京からおよそ100km。日付が変わっていた。まだ疲れなど無かった。
そのまま郡山・・福島・・・と順調に距離を伸ばした。当時、それほど多くなかった夜間営業のガソリンスタンドを
見かけるたび、余裕を持った給油を心がけた。車も少なくなり、前後にもそして交差する道路にも一台も車の
いない深夜の赤信号ストップは、早朝の心地よさとも異なった不気味な静けさに包まれていた。遥か先に
明滅する歩行者のいない横断歩道信号の緑色が寂しげだった。赤信号の度に僕とアナゴ君は短い会話を交わした。
・・・若さにまかせた根拠の無い自らの体力への自信が揺らいだのは、仙台付近である。急激に両肩付近の筋肉が
重くなり、腰が痛くなってきた。腰に左腕をあてがったり、肩を回す仕草が多くなってきた僕を見かねた
のだろうか。アナゴ君は一関付近で長めの休憩を取ってくれた。
シャッターの下りた商店の自動販売機前で二人で缶コーヒーを飲みながら、静けさと地図上の距離と今まで
走ってきた時間と僕が知っている8月の空気より遥かに肌寒い気温で、既にもの凄く遠いところまでやって
きたのだという実感が湧いてきた・・・。
あと一時間もしないうちに夜が明けるだろう。まだまだ走らなければならない・・・。僕は少し体力に不安を
感じ始めていた・・・。そしてその予感どおり、辛いのはここからだった・・・。
それにしても・・・。地面に両足を投げ出して座り、疲労を隠せないでいる僕の隣で、ツラッとした顔をして
函館に着いたらイカを喰おう、などと言っているこの男・・・。バケモノか・・・?
526 :
774RR:2006/02/18(土) 02:43:12 ID:U1yaY3g/
ウワァァァァ!!今バイクないのに乗りたくなっちゃったじゃないか!!
この気持ちはなににぶつければいいんだ!!
>>1には謝罪と賠償を(ry
527 :
774RR:2006/02/18(土) 07:13:08 ID:9suHugDp
>>526 (・∀・)人(・∀・)!!
> バケモノか・・・?
何時の間にやら思う側から思われる側になってたりするよねw
528 :
774RR:2006/02/18(土) 12:25:44 ID:wtm7TPn8
529 :
774RR:2006/02/18(土) 12:35:46 ID:BOBS4cmJ
> 頭上の夏雲は黒く変色し、夕立が降りそうな気配だったが、遠くに見える北東の空は明るく、
>雲の切れ間から紫色に染まりはじめた宵の空が見えており
情景のビジュアルが良い (・∀・)
530 :
774RR:2006/02/18(土) 13:22:44 ID:vLbghyZG
>>526 俺なんか、実際に走りに行っちゃって凍死しかけた・・・。
書き手の方いつもありがとうございます。
ストーリーもさることながら、バイク乗りなら多くの人が共感できる&
バイク乗りでなければなかなかわからない描写がとても好きです。
お二人とも今後とも是非よろしく!!
531 :
774RR:2006/02/18(土) 13:33:36 ID:8dcmtjXd
この程度の文章に感動して
ノコノコとやってきてる2ちゃんねらーは
すでに社会人として失格の
レッテルを貼られたキモヲタたちばかりなんだろ。
さしずめ、今日も部屋にこもってヲナニー三昧ってか?
イカ臭いやつらだな。
こんなやつらの相手してらんねぇよ
うどん大好き
532 :
774RR:2006/02/18(土) 13:58:48 ID:DEP/wT5D
>>531 もうちょっと頑張ってくださいよぉ(;´д`)
最後無理ありすぎ
533 :
774RR:2006/02/18(土) 14:01:40 ID:bzrUKMfT
5行以上有るとまず立て読みから探します
534 :
774RR:2006/02/18(土) 14:05:04 ID:ALOU2Ct6
>>531 はあ?てめえふざけんな!喰ったうどんを今すぐ便所に行って
ゲロってこいや!俺なんかこの小説と似たような
シチュエーションでダチを亡くしてるんだよ!そういう
苦い経験が思い出されて涙なしには読めない。ちょうど
同じぐらいの年代が舞台だし(40前だとだけ言っておこう)何か
意見があるならかかってこいや!
535 :
774RR:2006/02/18(土) 14:06:44 ID:8dcmtjXd
>>532 正直スマソ orz
なんとなく『ねこ大好き』みたいに締めるのがオシャレかと思って…
やっぱり俺には文才ねぇや。半年ROMります。
536 :
774RR:2006/02/18(土) 14:07:03 ID:rdrGK+pN
537 :
774RR:2006/02/18(土) 14:29:06 ID:GkwMNDmX
↑こいつ最高にクマー!
538 :
774RR:2006/02/18(土) 14:38:51 ID:TFkhIDvy
539 :
774RR:2006/02/18(土) 14:53:00 ID:DEP/wT5D
540 :
774RR:2006/02/18(土) 17:21:56 ID:JzoI7RIl
541 :
774RR:2006/02/18(土) 18:52:22 ID:DEP/wT5D
>>540 小 ←これが ( ´_ゝ`)フーン っぽく見えた・・・疲れてるのかな・・・
542 :
774RR:2006/02/18(土) 19:00:31 ID:JzoI7RIl
>>535 >『ねこ大好き』みたいに
ねこって美味しいのか?
【SCENE17】
正直なところ、僕はこの国の広さを舐めきっていた。教科書で見る、比較対照が「世界」の地図の中では、日本という
国は塵のように小さな存在であり、そんな小さな国土の中で一喜一憂している他人を傍観しては、なんてせせこましい
などと悟ったような顔をしていたのかも知れない。それもこれも無経験と、それからくる想像力の欠落が原因だった。
だが、極東の島国は、想像していた以上に広かった・・・。しかも、なにも日本を縦断しようとしているわけではない。
たかだかこの国の四分の一弱程度の距離を移動しようとしていただけなのだ。そのうえ、その途上でこのありさま・・・。
それでも、今思えば実体験として自らの住まう国の広さを感じる事が出来たのは、良い経験だったのかも知れない。
僕は相当にくたびれていた。左右の尾てい骨も、腰も、背筋も、肩も、首も・・・凝り固まったり痛みが襲ってきたりで、
限界に達していた。姿勢をずらしたり、走りながら軽くストレッチをしたりもしたが、その場しのぎでしか無かった。
アナゴ君だけは、東京を元気にすり抜けしている時と違わぬフォームで走っていた・・・。
盛岡のあたりで、空が白けて来たことに気がついた。もうすぐ夜明けだ。実はここから先青森までは、国道282号線に
進路を切り替え、十和田湖の西を抜けるルートの方が近いのだが、当初の予定では4号線を青森まで走破する目的
を立てていた為、近いルートに変更するかい?と聞いてきたアナゴ君にも全然大丈夫だ、と大見得を切った。
もはやそんな意地だけが僕の走る原動力だった。これまでは少しでも辛いとすぐに諦めていた僕だったが、ことバイクの
事に関しては、諦めたり弱音を吐いたりする事だけは自分の中で許せなかった。
前を走るアナゴ君が、あれを見ろと指を指す。岩手山だ。完全に太陽は昇っておらず地上はまだ薄暗かったが、左手に
見える岩手山山頂には一足先に太陽の光が当たっていた。信仰の対象となる程の美しさを持つ岩手山。その山頂が
東から浅い角度であたる朝日を浴びてキラキラと輝き、さらにその美しさを増していた。
ほどなくしてゆらゆらとオレンジ色に燃える太陽が東から姿を現す。そうだ。僕は朝日を見るのは初めてだった・・・。
朝日は夕陽よりも色が濃いように思えた。バイクに乗っていなければ見ることが無かったであろう風景・・・。
そんな、風景の移り変わりが僕の疲れを一時忘れさせ、唯一の走る原動力となっていた。
太陽は完全に昇り、漆黒の闇をひたすら走ってきた夜が明けた。僕はすでにバイクの上で体を動かす事すら辛かった。
遂にアナゴ君も肩を回し始め、彼にも疲労が襲ってきたことが見て取れた。
計画の無謀さや、ショートカットルートを選択しなかった事に後悔の念を感じ始めていた頃、僕達は白字で『青森県』と
書かれた四角く青い標識を通過した・・・。もうすぐ・・・もうすぐだ・・・。
545 :
774RR:2006/02/18(土) 19:57:35 ID:BOBS4cmJ
かつての北海道上陸フェリーの二泊三日を飲んだくれて苫小牧に上陸した折れは
一体どうしてマスオさん顔向けできるのかorz
あっという間に住宅街を抜け、
246にへと合流する2台のバイク。
金曜の夜ということもあって、
かなりの数の車が走っていた。
鮮やかなライディングで車をパスして行く義兄とアナゴさん。
法定速度ははるか後方へと消え去って行くった。
さっきまであれほど大きく感じていた排気音すらも
いまは聞えない。
ただ僕の耳には風を切り裂く音だけが響いていた。
前方のシグナルが赤に変わる。
停止線に並んだ、カタナとV-max。
義兄とアナゴさんはシールド越しに一瞬、視線を交錯させ、
互いに頷きあう。
アクセルを吹かし始める二台のバイク。
爆音とともに僕は緊張感が高まって行くのを感じていた。
シグナルが青に変わった瞬間、
絶妙なクラッチミートで145馬力を搾り出すエンジンから
リアタイヤへ…そしてアスファルトへとパワーが伝わる。
目の前にあるすべてが、一瞬にして後方へと流れる。
3速までシフトアップしたところで、
シグナルが赤へと変わった。
数秒遅れてアナゴさんがやって来た。
そしてまた二人のライダーは前方のシグナルを睨み付けながら
アクセルを吹かしはじめる。
今度は、義兄よりも前にアナゴさんのカタナが出た。
タンクを抱くような姿勢で加速を続けるアナゴさん。
それにしても…二人とも物凄いテクニックだった。
速度こそ尋常ではないものの、
二人のライダーは他車の位置関係をすべて把握しているかのように
滑らかに走り続けている。
二人は、他車の進路を妨害することも、
急ブレーキを踏ませることもなく、
ひらりひらりと迫りくる車体をパスしながら、加速していくのだった
何度シグナルグランプリに興じていたのだろう?
気がつけば僕達は東京の街を抜け、
神奈川県に入っていった。
R246からR16へ。
2台のマシンはペースを落とすことなく
走り続ける。
ふとカタナに目をやると
アナゴさんが左手で前方を指差す。
視線を前方へ移すとそこには
横浜の海があった
549 :
774RR:2006/02/18(土) 20:28:52 ID:JzoI7RIl
>>239の続き
カツオと中島が何回かカブで遊んだ頃だった。
一回くらいならばれないだろうと考え、一回がばれなければ2回ばれないと思い、
2回ばれなければ永遠にばれないだろうと思っていた。
中学生の二人大人のつもりだったがまだまだ子供だった。
二人でカブを持ち出して5回目くらいの頃だったろうか。
燃料の残りが少なかったり、店の裏に店主の車が置いたままで店内に人影が
あったりと、休みの日もなかなか遊ぶ機会に恵まれず、学校が行事の準備
で午前中のみになったその日は久々にカブで遊ぶチャンスだった。
その頃は中島もバイクに慣れ、今だったらダートトライアルとでも言うのか、
空き地に置いてある土管や石ころを目印にしてタイムトライアルごっこをし
ていた。後になって考えるに貧弱なミッションやショックに随分無理をさせ
ていたものだが、彼らはこの新しい玩具の限界を探すのことに没頭していた。
二人がバイクの横に座り込んで世間話をしているときだった。道路から杭を
乗り越えて二人の方へ向かってくる人影が見えた。逃げなければと思いカツ
オがカブの前、中島は後ろに乗ろうとする。一方、人影は二人に向かって
「コラ、逃げても駄目だぞ」と叫びつつこちらへ向かってくる。
その声を聞いたカツオは逃げる動作を途中で止めてしまった。人影は早足と
いうほどでもなく、普段の歩き方よりちょっと急ぐくらいの速度で二人の方へ
向かってくる。こちらへ向かってくる人影から目をそらし下を向いたままカツ
オは動かない。
「どうしたんだよ磯野」と中島は急かす。しかしそのままの体勢でカツオは答えた。
「逃げても駄目だよ中島。三河屋のサブさんに見付かっちゃったから顔もバレ
てるんだ。」
550 :
774RR:2006/02/18(土) 21:06:34 ID:Yl+BLLkb
2人ともDQNだなw
551 :
774RR:2006/02/18(土) 21:08:10 ID:Yl+BLLkb
552 :
774RR:2006/02/18(土) 22:33:38 ID:43antlmL
空気の読めないDQN乙
553 :
774RR:2006/02/18(土) 22:38:20 ID:Yl+BLLkb
イっちゃうぅ!
554 :
774RR:2006/02/18(土) 22:59:44 ID:0M43i338
楽しいスレですね
ライターさん乙!
楽しみにしてる人一杯いるので
無理のないペースで書き進めてください。
やべぇ俺も感染道路キャノンボールしたくなって
キタ━(゜∀゜)━ッ!!
555 :
774RR:2006/02/18(土) 23:47:37 ID:JzoI7RIl
>>549の続き
彼らを見つけたのはまさにカブの持ち主の三河屋のサブだった。
二人は今更になって自分達のやっていたことが”窃盗”だったということに
気付く。(警察や親には連絡されちゃうんだろうか。学校はどうなるのだろう)と
さまざまなことが不安になってくる。親にはまだしも、カツオは偉そうに
説教を垂れる姉のことを想像して激しく苛ついた。
サブは二人の前に来ると言った。
「おい、君達のやっていることは窃盗なんだぞ。」
それだけ言ったあと、言葉を選ぶサブと二人の間に一瞬の間が空いた。
見上げるカツオの目に映るサブは日常家で母や姉に丁寧に接客する若者ではなく偉
そうに分別を垂れる大人の顔であり、普段着の服装はひざまでのズボンに迷彩柄のタ
ンクトップのシャツを着てサンダル履き。手には細長い紙袋を持っている。きっと
パチンコでとった景品のタバコだろう。タンクトップから伸びた腕は太く筋肉
の筋が盛り上がり、上半身はカツオの想像より遥かに逞しい肉体だった。外を歩い
てきた割りに何故かほのかに石鹸の香りが漂っている。
言い訳をしようとしたカツオと中島は言葉が見付からず、とりあえず次の
言葉をつ。どうせこれから長い説教をされて、補導され、親と学校の先生に
同じ事を繰り返し何時間も説教をされるんだろうと覚悟した。さっきまで
オートバイを乗り回して輝いていた世界が一気に色褪せて感じる。
サブはバイクと二人の顔を交互に見た後に言った。
「なぁ君達、開拓時代の西部じゃ”馬泥棒は縛り首”って言って、殺されちゃってたんだぜ。」と言い始めた。
「いいかい?オートバイを趣味で楽しんでる人間は、それだけ自分のバイクに愛着を持つんだ。
まぁ、目立ちたいだけでバイクを転がす馬鹿も居るけどな。」
妙な例え話から始まったサブの言葉に二人はなんとなく違和感を感じる。大人の説教な
んて大抵「やっちゃいけないことを並べて文句を言い続けるだけ」だ。
なんかこの人の説教は他の人と違って方向がヘンじゃないか?
【SCENE18】
不思議な感覚だった・・・。疲労がピークを越えた時、それまで感じていた体の各部の痛みや辛さが消えて
いくのを感じた。いや、消えて行ったのではない。感じてはいるのだがそれに支配されていないと言った
ほうが正確だろうか・・・。休憩も欲しない。いや、 止まりたくないと言ったほうが良いだろう。
視野は極端に狭くなり、進む先一点のみに集中している。疲労で拡散していた意識は、逆に非常に細く
集中し、周囲の何物とも隔絶された一本のピアノ線の上を走るような感覚だった。
ライダーズ・ハイとでも言おうか・・・。その時の僕自身は、格段にコンセントレーションが高まっているような
錯覚に支配されていたが、それはあらゆる意味で非常に危険な状況下に身を置いていることに違い無かった。
すでにどこをどう走っているのかも認識していないし覚えてもいなかった。我に返ったのは眼前に海が
広がった時だった。
危険な感覚に支配されたまま走り続けた僕は、気がつくと下北半島の付け根に居た。リスクの高いこの
状況下で、何事も無くここまで来れたのは幸運だった。
この野辺地という小さな寂れた漁師町は、青森市の東方約30km程に位置しており、僕らの国道4号走破
大作戦も最終段階に入っていた。
再びやってきた疲労をなだめながらも、内海の穏やかな水面や北国の旅情を感じさせる朽ち果てた漁番屋
を眺めながら進む、早朝のさいはての地は心地よかった。
海へと落ち込む断崖の岩肌をくり貫いたような迫力ある道を過ぎると、前方に青森の市街地が見えてきた。
それを確認したアナゴ君は振り返ると僕に向かって左手の親指を突き立てた。
既に、通勤ラッシュが始まりかけていた時間だった。
・・・走った・・・。とにかく走った・・・。そして、走り遂げた・・・。昨晩まで東京に居た僕らは、今、青森に居る。
僕らは青函連絡船ターミナルのベンチに転がり込むように倒れこんだ。二人とも引きつった笑顔だった。
カモメの声が聞こえた・・・。遠くで霧笛が鳴っていた・・・。
557 :
774RR:2006/02/19(日) 00:35:53 ID:Wxx4EZlM
「いや参った、参った。まさか、こんなにくたびれるとはね〜」
アナゴ君はそう言いながら、ハイライトに火を点けた。深い息で白い煙を吹き出すと、僕の方に煙草の箱を
向けてきた。
僕はアナゴ君からもらった生まれて初めての煙草を吸った。むせ返ったが、青森到達を成し遂げたのと
相まって、少しだけ大人になれたような気がして気分は爽快だった。
一服してふとあたりを見回すと、たくさんのバイクとライダー達が、北への渡航を今か今かと待ち構えて
いる光景が目に入ってきた。
まだ免許取立ての僕にとって、これだけのバイクとライダーが揃っているのは見た事が無かったし、
彼らは皆、歴戦のツワモノに思えた。その光景は出陣をまつ騎馬武者の軍団のようだった。
函館までのチケットを買った直後、ろくに体を休める間もなく、移動が始まった。自走による連絡船内への
バイクの格納である。
道路以外の場所にバイクを乗り入れるのは始めての体験だった。滑りやすそうな鉄のタラップや床に
ペイントの施された船内に、緊張しながらバイクを乗り入れる。
僕とアナゴ君は、甲板で出港を待った。
短く霧笛が鳴り、船は離岸を開始した。船が港を離れると、安堵感ともう誰も僕達を止められないという
思いが湧き上がり、北海道への期待はいやがうえにも最高潮に高まっていた。
夏の潮風が心地よかった。連絡船の白い航跡が、国道4号線をひた走ってきた僕らの道程のなごりの
ように海の上に真っ直ぐと伸び、消えていく。
ふと、耳に『津軽海峡冬景色』が聞こえてきた・・・。冬を題材にした曲であるが、8月の今でも最果ての地
から本州をあとにする僕の心情に少なからず染み入り、旅の気分をさらに盛り上げた。
・・・歌っているのがダミ声のアナゴ君でなければ、もっと感動できたのであろうが・・・。
僕達は今、海を越える。
559 :
774RR:2006/02/19(日) 01:11:26 ID:w7onQNNJ
560 :
774RR:2006/02/19(日) 06:17:38 ID:1AQmWmpl
フェリーの情景が目に浮かんだ。
まぁおれが乗ったことあるのは和歌山⇔徳島間くらいですが…
【SCENE19】
青函連絡船摩周丸の二等船室で、会話の随所に『イカ』という言葉をちりばめ食欲に燃えていたアナゴ君も、
僕が用を足しに立った3分あまりの間に豪快なイビキを立てて完全に熟睡していた。
750ccの巨躯を軽々と操りステップをアスファルトに擦り付けコーナーを抜け、僕なんかよりも遥かに平気な顔
をして青森まで走りきる男も、やはり疲れていたようだ。僕は、彼もまた人の子であることに妙な安心感と親近感
を覚えながら、やはり体を横たえた。4時間弱の船旅。ライディングで張り詰めた気持ちが緩んだのか襲ってきた
睡魔に、僕は身を委ねることにした。
「おい、キミ達。起きろ〜。もうすぐ着くぞ!」
見知らぬ男二人に、僕は起こされた。いでたちからして彼らもまた学生ライダーのようだ。僕が起きた事を
確認し、彼らは立ち去る。船はまだ動いているようだが、他の乗客も下船の準備をしていた。
未だ深い眠りにつくアナゴ君を起こすには少々手間取ったが、僕らも急いで身支度しバイクの元へ向かった。
貨物室は異様な雰囲気に包まれていた。ライダー達は皆、そわそわしているようだった。一様に言葉少なだったが
ゲートの開くのを待つ競走馬のように待ちきれない雰囲気が伝わってくる。僕もまた、期待に胸が震えた。
イカの事ばかり話していたアナゴ君も、既にヘルメットを被っている。バイザーの隙間から覗くその垂れ目は、
やはり僕と同じように少し真剣な眼差しになっている。
接岸したのだろうか。小さなショックを感じた少しのち、ハッチが開き始めると、誰かが回したセルモーターの音を
合図に、旅人達それぞれの愛馬が一斉に雄叫びを上げ始める。その光景は壮観だった。自分もその中の一人で
あることが嬉しかった。
薄暗い貨物室から意気揚々と地上に降り立つヨンフォア。僕の視界は一瞬ホワイトアウトした。快晴だった。
僕は遂に北海道の地に降り立った。
・・・正午を少し過ぎていた。北海道の空は、関東のそれよりも深い青を湛え、僕達を出迎えてくれた。
うるさいアナゴ君を黙らせる為、早速函館の市場近くの店でイカを食す。驚いた。イカは本当は透明であることを
知った。そしてその味は、これまで僕の食べていた白いイカはイカではなく、『元はイカだった何か』である
事を知った。アナゴ君がイカイカうるさいのも理解できた。
腹を膨らませた後、僕達は4号線を走りつめた体を休ませる為、今日は休息日とすることにした。疲れた体で
走っても楽しさが半減しそうだったからだ。
函館ですこしゆっくりした後、僕達は函館にほど近い大沼キャンプ場にテントを張った。
晩飯はカップラーメン。そして一本の缶ビール。本州で感じた夕暮れの蒸し暑さは北海道には無かった。優しい
風と本州よりも何倍も美しい夕焼けが、疲れた僕らを癒してくれた。
コッヘルの湯を沸かすストーブの炎を眺めながら、僕達は星の輝き始めた暮れ行く空のもとで語り合った。
思えばキャンプをするのは始めての体験だった。仰向けに転がると、満天の星空が広がっていた。
圧迫されそうなほどの星の数。こんなに星を見るのは初めてだった・・・。
夜も更け、お互いのテントに入り眠りに着く事にした。
僕はリサイクル店で購入した古びたテントの天井を見つめて物思いに耽っていた・・・。
・・・イヤというほどバイクで走ったり、青函連絡船に乗ったり、新鮮な本物のイカを知ったり、初めてキャンプを
したり、無限とも思える星空に身を委ねたり・・・。
バイクとアナゴ君に出会ってからというもの、たった2ヶ月ほどの間に『初めて』の事をたくさん経験した・・・。
明日はどんな『初めて』が僕を待ち受けているのだろうか・・・。これまで目的無く、ポジティブに生きてきた
20年の時間が、既に遠い昔の事の様に思えた・・・。そんな事を考えつつ、いつしか僕は眠りについていた。
いつだってバイクは僕にとって喜びと快感を与えてくれる存在だったが、思えばこの時期がもっとも
『初めて』の刺激に胸を高鳴らせていた時期だったかもしれない・・・。バイクに乗りたてのあの頃が、もっとも
色濃く思い出に残る宝石のような時間だったのかも知れない・・・。
あなたも、そうではなかったろうか?
orz
・・・『ネガティブ』ですた・・・。吊ってきまつ・・・。
564 :
774RR:2006/02/19(日) 18:31:19 ID:XC3x/EW3
ドンマイ
楽しみにしてるから、ガン( ゚д゚)ガレ
565 :
774RR:2006/02/19(日) 18:31:29 ID:g0XCSELU
サザエさん始まったよー
566 :
774RR:2006/02/19(日) 18:37:32 ID:Av87jcDY
もう普通にサザエさんを見れないオレガイル
567 :
774RR:2006/02/19(日) 18:58:52 ID:MtARjYKJ
サザエ「私が算数をみてあげるっていったの」
カツオ「僕は『いいです』ってことわったの」
フネ「じゃあ、ケンカになる訳ないじゃないの!」
568 :
774RR:2006/02/19(日) 19:12:26 ID:GEQR7rIQ
マスオさんは今、車が欲しいとうつむいていました。
569 :
774RR:2006/02/19(日) 19:58:41 ID:/idWsUuo
トランポだな
海の見渡せる公園のそばにバイクを停めた義兄とアナゴさん。
ヘルメットを脱いだ途端、アナゴさんが叫ぶ。
「ホラっ!!さっさとコーヒー買って来いよ!!」
「わかってるって!!」
アナゴさんに負けないくらいの大声で
義兄は応え、バイクを降りて自販機へ走る。
そんな二人のやりとりを不思議そうな目で眺める僕の視線に気づいたのか
アナゴさんは照れたような笑みをうかべてこう言った。
「僕達が街を流す時は…昔からシグナルグランプリをやってるんだ。
で…負けたほうがコーヒーを奢るってワケさ。」
バイクを降りたアナゴさんは公園の中へ。
僕も後に続く。
571 :
774RR:2006/02/20(月) 09:03:30 ID:rFUHJSSP
良スレ期待 age!!
572 :
774RR:2006/02/20(月) 09:19:34 ID:UaAR5QXY
じゃあカツオは?
573 :
774RR:2006/02/20(月) 10:32:51 ID:UaAR5QXY
あ
574 :
774RR:2006/02/20(月) 18:09:54 ID:eT4XMwkp
タタタタタ…
( ( ∧ _∧ ) ))
(( (´・ω・)っ
(( (っ r
i_ノ┘
о←石コロ
イタイッ!!
∩ヽヽ
売 ⊂ ̄∧,,∧
⊂(´>ω<)⊃
/ ドテッ!! \
576 :
774RR:2006/02/20(月) 21:33:58 ID:GeC/2ZSo
577 :
774RR:2006/02/20(月) 23:49:22 ID:6exJ6YXe
過疎ってるな・・・・・・
【SCENE20】
北海道上陸二日目。内浦湾岸を走る僕は、違和感にとらわれていた。
確かに、車は少ないし道路も走りやすい。景色だってそこそこ良い。しかし、快適なシーサイドラインであるが、進行
方向左側に海に侵食されたような山肌が迫り、決して開放的な景色ではない。これは僕の想像していた北海道とは
違っていた。
アナゴ君の話や、雑誌の記事から想像を膨らませた、僕の北海道像とはどこか噛み合わないのだ。僕はもっともっと
雄大な景色を想像していた。それは地平線の果てに吸い込まれて行くように伸びる道や、地平線を感じられるような
牧草地帯だったが、この『道南』という地域を走る限りそれらを感じる事が出来なかった。
やはり、雑誌に載っているような場所というのは限定された場所でしかないのか、と僕は思い始めていた。
確かに快適ではあるが、1ヶ月ほどのアルバイトの成果をつぎ込むにはどうも何かが足りない気がしていたのだ。
そんな違和感を感じる僕を尻目に比較的休憩をよく取るアナゴ君は、まるで誰かとの約束の場所へ向かうように
一心不乱に走っていた・・・。
しかし苫小牧付近から、内陸部へ入り込み少し行くと、風景は一変した・・・。
あたり一面に緑色に広がる牧草地帯や耕作地帯。そんな見晴らしの良い景色の中に点在する『防風林』と呼ばれる
一直線に植えられた数十本からなるカラマツ。本州の距離感とはスケールの異なるほど遥か遠くに霞む十勝連山。
・・・そして、なにより空が広い。目に飛び込んでくるスカイブルーの面積が・・・あまりにも広すぎる・・・。
「うはぁ・・・」
と僕は情けない声を漏らした。そして遂に現れたのはそんな風景の中をまっすぐにぶち抜く様な直線路。もはやその
先は霞んで見えない・・・。
先行するアナゴ君はそのどこまでも続く直線路を確認するとカタナのステップに立ち上がり、両の拳を天に振り上げ
ガッツポーズを取った。そして僕の方を振り返り、会心のVサイン。
ゴメンなさいアナゴ君、ゴメンなさい北海道・・・疑ってゴメンなさい。僕は無知でした・・・。まさか、この日本にこんな
ライダーにとって天国のような場所があったなんて知りませんでした・・・。
北海道は想像通り・・・。いや、僕の想像を遥かに超えた地上の天国だった。
579 :
774RR:2006/02/21(火) 00:13:33 ID:3PbjleMy
いやいや、続きを楽しみに待っているんだよ。
580 :
774RR:2006/02/21(火) 00:28:05 ID:nDikuhaI
/ ̄⌒⌒ヽ
| / ̄ ̄ ̄ヽ
| | / \|
.| | ´ ` |
(6 つ / ・・・
.| / /⌒⌒ヽ
| \  ̄ ノ
| / ̄
上陸から1週間。僕は、北海道の旅を心の底から満喫していた。
富良野周辺のパッチワークのような畑の広がる丘。空に吸い込まれそうなオロロンラインを走りぬいた末に辿り
着いた最果ての宗谷岬。北国の旅情を感じさせる小さな港町で食べる海の味覚。どこに行っても現れる気持ちの
良い直線路・・・。
しかし、僕にとって北海道の楽しみは旅そのものだけでは無かった。もう一つ密かにこの旅に臨んで目標にしていた
事を実行していたのだ。それはアナゴ君にも秘密の計画だった。
・・・それはアナゴ君の『速さ』を盗み取る事だった。
僕は彼との間に一つの取り決めを結んでいた。・・・峠道やワインディグロードでは、僕のことを気にせずに思う存分
走ってくれ、と・・・。
ひととき初心者の僕の面倒から解放されるアナゴ君には悪い話では無かっただろうし、僕としても全力で走る彼の
走りを間近で見るチャンスでもあった。
当初は、峠のたびに早々にアナゴ君に置いていかれ、しばらくすると見えてくるバイクの傍らで煙草を吹かし僕を
待つ彼の姿を見るたびに悔しい思いで居た。しかし、ここ2〜3日は彼に一服させない程度の遅れにおさめていた。
僕は日増しに自分の走りが速くなっていくのを感じていた。アナゴ君の後姿を見ていられる時間が増えるということは
すなわち僕にとっての授業時間が増えるという事であり、さらに僕の峠道を走るペースは加速していった。
・・・そして今、僕は名もない高低差の無いワィンディングでアナゴ君を追っていた・・・。
立ち上がり加速ではさすがにカタナには敵わないものの、ヨンフォアの軽量さを生かしたコーナーリングでカタナは
常に僕の射程内に納まっている。イイ・・・。今日は調子が凄くイイ。乗れている!
遠心力と重力とが絶妙にバランスしたコーナーリングとは、かくも気持ちいいものか・・・。コーナーをクリアするたび
僕と地面の距離は少しずつ近づいてきていた。そして、ついに僕は初めて路面にステップを摺る・・・。
どのくらいバイクが傾いているのかを具体的に報せてくれるステップの接地は安心感をもたらし、その安心感は
快感に変換される。
景色なんて見ていなかった。僕は走りに没頭していた。気持ちいい・・・。こんな気持ちのよいことが他にあるので
あろうか?その時の僕ならハッキリと無いと断言できた。
右に左に繰り返すコーナーリング。僕は意識的にほぼ確実にステップを摺れるところまでになっていた。
僕は舞い上がっていた。バイクを自在に操ることの快感は僕のドーパミンの分泌を加速的に促す。
アナゴ君もまた、この偶然見つけた素晴らしいワィンディグを駆け抜ける事に没頭し僕と同じようにある種の
躁状態になっていた。僕が引き離されず着いてきている事に気がついていないようだった。
僕はその時、アナゴ君と同じペースで走れる事にある意味自惚れていたのかも知れない・・・。もしくはあまりの
快感に、冷静な判断力を失っていたのだろうか・・・。
同じペースで走っていても、アナゴ君と僕の間に決定的に違う事があった事にその時は気がついていなかった。
それは、経験値をベースにした余裕とでも言おうか・・・。
アナゴ君と僕とでは、やはり技術的な懐が違っていた。僕の120%はアナゴ君の80%だとでも例えればよい
だろうか・・・。
それは突然の出来事だった。それまでとは違うややきついコーナーでそれは起きた。
フロントの一瞬のフワついた感じを覚えた直後、ヨンフォアのシートの上に居たはずの僕はアスファルトを滑走
していた・・・。
何が起きたのか・・・、解らなかった・・・。
583 :
774RR:2006/02/21(火) 00:48:51 ID:Y8rZqR1g
「アナゴ君・・。速く・・な・ろうな・・。」
ていう展開になりそうな予感。
584 :
774RR:2006/02/21(火) 00:51:14 ID:lSCds9L5
オイ、、コケたのか、どうなんだ!!!
OIL OIL OIL・
OIL OIL OIL・
大型二台でバトたら♪
白いバイクが追って来た♪
要は魂
要は魂
ライディング♪
(間奏15秒)
ほ〜らほらみんなが振り返る♪
サザエさんサザエさん♪
サザエさんは油改だな♪
さ〜て明日の魔棲雄さんは〜?
『アナゴ君、ありがとう』
の1本です。
それでは皆さんまた明日〜。ンガクック(・∀・;)
586 :
774RR:2006/02/21(火) 01:04:53 ID:/uIRlG57
めっちゃきになるぞおおおおおおおお
587 :
774RR:2006/02/21(火) 01:16:01 ID:F5UXEo/J
588 :
774RR:2006/02/21(火) 02:29:35 ID:fM/ZTdLX
先生方乙
楽しみにしてるからな
過疎ってっぽいけどキニスンナ
589 :
774RR:2006/02/21(火) 03:13:15 ID:Za3izEKX
まぁ、スレタイがスレタイだし飛ばしちゃう人が多いんだろな。
くぅ、続きが気になる
590 :
774RR:2006/02/21(火) 08:51:48 ID:XOV411/z
過疎ってるんじゃなくて
ROMってんですよ
591 :
774RR:2006/02/21(火) 09:18:28 ID:XDRC0uNY
このレスも含めて、余計な駄レスでこのスレを汚したくないんだよ。
言いつつ書き込みスマン。
職人さんの仕事に期待してます。
592 :
774RR:2006/02/21(火) 18:07:04 ID:6Cn1uE90
このスレを発見してから日曜のサザエさんの見方が確実に変わってしまった俺ガイル
593 :
774RR:2006/02/21(火) 18:37:22 ID:AG/Ypm4h
アナゴさんって、なぜかものすごくバイクが似合うと思うのは俺だけか?
594 :
774RR:2006/02/21(火) 18:50:06 ID:7W19UlFx
若本キャラなら誰でも似合う気がする。
メカ沢も走ってたしw
595 :
774RR:2006/02/21(火) 19:59:53 ID:baOrXLq5
でも音速丸は(ry
596 :
774RR:2006/02/21(火) 21:27:40 ID:zuTdUVIA
このスレの調子でいくと、海山商事の社長はY2Kにでも乗ってそうな感じだなw
597 :
475:2006/02/21(火) 22:51:37 ID:byoqd+qj
>>585 エンディングが正式採用されてる…Σ(・Д・ノ)ノ
598 :
774RR:2006/02/21(火) 23:17:55 ID:F5UXEo/J
オープニングはどんな曲だったっけ?
599 :
774RR:2006/02/21(火) 23:30:56 ID:/uIRlG57
まーどをあけーましょ
600 :
774RR:2006/02/21(火) 23:37:43 ID:I7dfLS9j
今宵は職人さんまだかなー?(´・ω・`)
601 :
774RR:2006/02/21(火) 23:38:45 ID:Y8rZqR1g
>598
お魚くわえたドラ猫♪追い掛けて〜♪はだしで、かけてく、愉快なさざぁーえさん♪
みんなが笑ってる〜♪子犬も笑ってる〜♪う〜ぅうぅっう〜、今日もいい天気〜♪
602 :
774RR:2006/02/22(水) 00:04:43 ID:ix5qjbSa
あっかるーい笑顔をふりまいてー、おっりょーり片手にお洗濯。そういえば、火曜日のサザエさんいつのまに終わった?
603 :
774RR:2006/02/22(水) 00:10:48 ID:uLv7kMF9
懐かしいなw
604 :
774RR:2006/02/22(水) 00:37:43 ID:ZAAkpJfc
俺のPCにファイルがあったw>火曜日サザエさんの曲
すごく懐かしかったよ
605 :
替え歌さん:2006/02/22(水) 00:46:22 ID:H3GaUSKK
お魚くわえたドラ猫♪追い掛けて〜♪はだしで、かけてく、愉快なさざぁーえさん♪
カタナに乗ったアナゴさん♪追いかけて〜♪ヨンフォアで、駆けてく、素敵な魔棲雄さん♪
*みんなが見惚れてる〜♪子犬も見惚れてる〜♪う〜ぅうぅっう〜、今日もいい天気〜♪
タバコを買おうと気楽に♪でかけたら〜♪峠に、来ていた、 素敵な魔棲雄さん♪
(*繰り返し)
【SCENE21】
どうして僕はアスファルトの上を転がっているのか?なぜさっきまで跨っていたバイクがあんなところを滑走している
のか?・・・あまりに一瞬で、また初めての出来事に僕は何が起きたのかすら把握出来ないまま、ただ慣性に
まかせてひたすら転がった。ただ転がっているだけでも、アスファルトとは硬いものなのだという事実が、肘や膝や
腰骨を襲う容赦ない衝撃で実感できた。
実際のところやや回り込んだコーナーでの出来事であり、70km/hも出ていなかったように思う。その程度の
速度の転倒では、人間の体は比較的すぐに止まるものだし、どこかにぶつかりさえしなければどうという事は無い。
しかし、装備を怠っていればひどい擦過傷は免れないスピードであるし、倒れたバイクは思いのほか良く滑走して
行くものだ。
ジャケットを着ていた僕は、色々なところを打ったような気がするが無傷だった。・・・が、精神的なショックは相当な
ものであった・・・。やってしまった、という焦りと愛車を転倒させてしまったという後悔と屈辱の混ざり合った気分・・・。
一言で言うと無様な気持ちで一杯だった。・・・すぐに立ち上がり当たりを見回した。
アナゴ君は、すでに見えなくなっていた。そして、もう一つ見えなくなっていたもの・・・愛車だ。ヨンフォアはどこに?
北海道の道路の多くは雪害対策のためであろうか、地面から盛り土によって一段高いところに造られている。北海道
特有の見晴らしの良い開放感はこのあたりからも来ていると思われるが、転倒現場の道路も大人の身長より
やや低い程度の土手を介して牧草地へと落ち込んでいる。
・・・その土手の中ほどでヨンフォアは左側を下にして、フロントを牧草地に向けて止まっていた。・・・僕は、一心不乱で
ヨンフォアに駆け寄った。ヨンフォアの元に辿りつくまでが異様に長く感じられた。無事であってくれ・・・と、祈った。
倒れたままのその状態でとりあえず各部をチェックする。左ミラーが折れていた。クラッチレバーもあらぬ方向に
捻じ曲がっている・・・が、フロントフォークが捻じ曲がったり折れたりはしておらず、他のどこにも何かと激突して
破壊したような場所は無いようだった。エンジンを掛けて確認したくてヨンフォアを起こそうとするが、傾斜の
ついた土手である為、なかなか思うようには行かなかった。
必死で土手の中腹でバイクを起こす。バイクを体に寄りかからせたままスターターを回す。掛からない・・・。焦りが
見えてきた5回目の始動で、ひどくカブりながらヨンフォアのエンジンは目を覚ました・・・。ホッとした・・・。
僕は一旦エンジンを停め、ヨンフォアをそのまま道路上に引き上げようとした。が、傾斜地である事や足元が不安定な
草地である事、そしてフロントが道路の方を向いていなかった事で、何度試みても上がる気配すらない。
「ダメだ〜」
汗だくの僕は、とりあえず自力での脱出を諦めた。そのうちアナゴ君が戻って来てくれる。そうしたら手を借りよう。
サイドスタンドは、土手の草地には役に立たず、仕方が無いので再びそっとヨンフォアを草の上に寝かす。思えば
一旦下までバイクを降ろしてから、バイクの自走で土手を駆け上がることも可能だったはずだ。しかし気が動転
している僕に、そんな冷静な選択肢は頭から完全に除外されていた。
そして、息が完全に上がり汗が滴り落ちていた僕もまた、その土手の上に大の字に仰向けに寝転んだ。
寝転んで見る空は美しかった・・・。怖いほどの吸い込まれそうなスカイブルー。呼吸が落ち着いてくると、この場所が
静寂に包まれた場所である事に気がついた。
風の音と時折聞こえる鳥のさえずり・・・。それしか聞こえない・・・。火照った顔を冷やす涼しい風が気持ちよかった。
大阪からも、東京からも遥か離れた北の大地。2ヶ月ほど前まで、昼間から部屋の中で寝転がる僕の目の前の
光景は、2.5mほど先の古びたアパートの汚い天井だった。それがどうだ。何の縁か、僕の眼前には北の大地を
覆う無限とも思える濃い青空が広がっている。
ふと思う。僕はバイクに出会っていなければ、今頃何をしているはずだったのだろう・・・。暇な夏休みの昼下がり。
もしかしたら実家に帰省していたかも知れないが、どちらにしろゴロゴロしているのが東京か大阪かの違いであろう。
することといえば、せいぜい発売されたばかりのファミコンに興じているくらいだろうか・・・。そして、ほとんど誰とも
話さず、何の思い出も作らないまま20歳の夏は終わるのだろう・・・。
・・・しかし、今は違う・・・。僕は最高の夏を過ごしている・・・。自ら操るバイクでヘトヘトになりながら北海道まで辿りつき
最高の景色に出会い、最高の道を走り、ライディングという最高の悦楽の中に身を置いている。そして毎晩のように
友と語らって過ごす・・・。・・・友?
・・・友。そうだ・・・今こうして、最高に幸せな青春に身を置けているのは、最高の友アナゴ君の存在のお陰だ・・・。
彼が僕を小さな6畳間の鬱屈した世界から救い出してくれた救世主でありヒーローなのかも知れない・・・。全ては
彼と出会った縁から始まったことだった・・・。
・・・カタナの音が聞こえてきた。僕のヒーローが僕を探しに戻ってきた・・・。来るのが遅いよ、待ちくたびれたぞ。
土手の中ほどに倒れたバイクと、その傍らに大の字になった僕に驚き、やや青ざめた顔をしたアナゴ君が、寝転ぶ
僕の視界に逆さまに飛び込んできた。
「フグタ君っ!大丈夫か!」
その彼の慌てぶりが可笑しくて、僕は上体を起こしながら少し笑った。動いた僕を見てアナゴ君は少し安心した顔を
した。僕は僕の救世主に向かって言った・・・。
「アナゴ君・・・。ありがとう。」
突然の僕の意味不明なセリフに、アナゴ君は戸惑いながら
「フグ田君、頭でも打ったのか?急に動いちゃダメだ。どこを打ったんだ?」
と再び心配しだす。
そんな彼を見て僕は声を上げて笑った。笑い声はどこまでも広い夏の青空に吸い込まれていった・・・。
609 :
774RR:2006/02/22(水) 01:08:15 ID:uLv7kMF9
キタ━(゚∀゚)━!
610 :
774RR:2006/02/22(水) 01:17:10 ID:7rTAecUf
すごいさわやか。イイ!
611 :
774RR:2006/02/22(水) 02:26:56 ID:aDCdVKU+
さすがに休日じゃないと作家さんも筆が進まないみたいですね。
612 :
774RR:2006/02/22(水) 02:31:33 ID:aDCdVKU+
↑画面更新ミスでした。m(__)m
613 :
774RR:2006/02/22(水) 06:39:25 ID:GBQDvbI1
おれも事故った事あるけど、星がキレイだったなぁって思い出したw
感想とかレス消費かな?逆に作家さんも全く反応無いと書いても
つまらんのじゃないかとも思うんだがどうなんでしょ…
614 :
774RR:2006/02/22(水) 08:38:17 ID:rO6me39/
タマラン!本にしてクレ!!
615 :
774RR:2006/02/22(水) 11:23:39 ID:vJJZScIB
ヨンフォアにセルがついていることを高橋ツトムの爆音列島ではじめて知った
616 :
774RR:2006/02/22(水) 11:39:28 ID:r3HMaf6S
コケたらあの細い首が簡単にモゲるんじゃないかと心配してました。
安心したよ。
617 :
774RR:2006/02/22(水) 15:18:44 ID:CwXFMlM0
サザエさんワールドではメットインスクーターは不可能
618 :
774RR:2006/02/22(水) 15:56:50 ID:hXhyxaoN
プロの作家の方ですか?
619 :
774RR:2006/02/22(水) 17:08:33 ID:Oo0FOrOs
いいな〜イイ!!
話もすこしずつ展開していくし、あきさせないね〜
620 :
774RR:2006/02/22(水) 18:55:23 ID:FxuJixJ3
タラちゃーん ちょっとそれ取ってー
母さーん この味どうかしらー
時にはしくじるときもあり
ちょっぴり悲しいこともある
だけどー ルルだけーどー
懐かしいのぅ
作家さんガンガレ
応援カキコ
621 :
774RR:2006/02/22(水) 21:19:24 ID:4NfdqEq6
どうでもいいことだけど
シューベルトとマスオさんって似てるな。
622 :
774RR:2006/02/22(水) 23:13:00 ID:cUeCDwOb
このスレ見て、Aちゃんの考えが少しカワタ。
初めて良スレってのを見た気がする。
作者さん、頑張って
(^0^)/
623 :
774RR:2006/02/23(木) 00:44:12 ID:eJD1Iczi
>>555の続き
「君達はなんでこんなトコで遊んでるんだい?」サブが問い掛けた。
サブは数日前、定休日に突然配達を頼んできた得意先に酒を届けるために店に来た
ところ配達用のバイクが無くなっているのに気付いた。配達を急いでいたので一旦得意先
に行ったあと店にもどり警察に連絡を取ろうとしたところバイクが元の位置に戻っていた
ので近所の子供がバイクをいじって近所を遊んでいるだろうと考えて空き地をのぞいた
ところ、まさにカツオと中島の姿を発見したのだ。
「最初は鍵が付いていたから試しに動かしただけだったんだ。」答えたのはカツオだった。
「でも、乗ってみたら面白くて、この空き地で練習をしてたんだ。」
戻してあったバイクはこの空き地で遊んだ割には汚れておらず、不整地を走った後に
軽く洗ったらしかった。純粋に、バイクという乗り方に興味を持っているようだ。
サブはカツオと中島が見付ける前からずっと、二人が交互に乗ってコース取りを相談してい
るのを遠くから見ていた。最初はぶん殴ってやるつもりだったのだが、バイクを必死に乗り
こなそうと考えながら走っている彼らを見ているうちになんとなく気が変わってきた。彼ら
の興奮して運転する顔に、サブが免許を取る前に感じていた、バイクに対するはち切れそう
な好奇心を思い出してきていた。
(単に玩具を取り上げるより、ちゃんと乗り方を教えてみるほうが面白いかもしれない。)
それはサブの単なる思いつきだった。
624 :
774RR:2006/02/23(木) 00:45:49 ID:eJD1Iczi
>>623の続き
「でも、他人のものを勝手に使って遊ぶのはよくないってのはわかるだろう。」サブはそう
言うと「ほれ頭を出せ」と言ってカツオと中島の頭にゴツンと拳骨を入れた。二人は頭蓋骨
がゆがんだのを感じるほどに拳の関節が食い込んだ。
「まぁ、オートバイを好きなのはわかった。でも、オートバイの練習をするならそんな格好
でバイクに乗るもんじゃぁないな。」サブは言いながら二人の格好を見た。二人ともジーパン
に半そでのシャツという格好で、当然乗る時はノーヘルだ。「バイクに乗るなら当然ヘルメッ
トをかぶらなきゃいけないし、せめて厚手のズボンと長袖のシャツくらいは着なきゃ駄目だ。
公道を走り回ったりしていなかったのはマシだけどな。」
更にサブは続ける。
「いいか、乗りたいなら、ちゃんと手順を踏んで借りに来い。そうすれば乗せてやる。ただし服装
はもうちょっとマシな格好をしてくること。家族には説明して了解を得ること。店との往復は
君達が自分で押して運ぶこと。それから、乗る時は、僕がヒマで見てあげらる時だけだ。」
サブは意外な条件をつけてきた。警察に連れていくどころか、条件付きでバイクに乗せてやる
と言ってくれているのだ。
こんな美味しい話は無い。「よろしくお願いします!」と力強くカツオが言った。中島も「僕も
乗せて下さい」と続けく。
「よし、じゃぁ今日は一旦終りにしよう。乗りたいなら来週の木曜日は夕方に店に居るようにす
るから、店のほうに来なさい。」言いながらサブはもと来た道のほうに向かいはじめた。
625 :
774RR:2006/02/23(木) 00:47:34 ID:eJD1Iczi
>>624の続き
「もし朴達が公道を走っていたらどうしていたの?」カツオがおそるおそるサブに聞いた。
サブは淡々と答えた。「君達だと気付かないフリして殴り倒したあと親のところに怒鳴り込んで警察
に連絡させただろうね。」
先ほどの拳骨の痛さとサブの筋肉質のカラダつきから決してその言葉は冗談ではないのだろう。カ
ツオは三河屋から空き地までの間に見付からなかった幸運にコッソリと感謝した。
「いいか、ちゃんとバイクを店まで押してこいよ!」
サブは大声で叫んで店のほうに戻っていった。
「空き地で見付かってよかったなぁ、中島」「びっくりしたなぁ磯野」
二人は心底ホっとした顔をして会話した。
「来週も乗せてもらいに行こうな。」というカツオの誘いに「そうだなぁ」と中島も満更でもない
顔をして答えた。
626 :
774RR:2006/02/23(木) 15:23:00 ID:hGJHPUeg
627 :
774RR:2006/02/23(木) 18:35:41 ID:z/1rcq8U
(;´∀`)=3ハァハァ モット!!モットヨ!!!モットチョウダイ!!!
628 :
774RR:2006/02/23(木) 21:03:10 ID:gkdAuBBE
,.-,ニユ、
{ ,.= r、
(6' r',ニ7 ヨンフォアのAAがNEEEEE
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| ミ‐ニ)
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629 :
774RR:2006/02/23(木) 21:03:42 ID:gkdAuBBE
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ヽ_ @ `ー──'''
【SCENE22】
その彼と出会ったのは、僕が初転倒を喫したその日だった。
転倒現場からほど近い、小さな町の自転車も一緒に売っているような小さなバイク屋。勝手に探せ、という店主の
言葉に甘えて店裏の倉庫でジャンク部品の中から曲がって操作困難なクラッチレバーと、折れた左ミラーの代用品を
見つけると、カネは良いからこれを持ってけ、と渡されたとうもろこしをネットに挟み僕らはだだっ広い牧草地を貫く
直線路を走っていた。
思いがけないトラブルで、今朝予定したキャンプ地まではもう少し距離があるのだが太陽は既に上を仰ぎ見なくても
視界に入る角度まで降りてきており、道路わきの牧草地にまで2台の影は届いていた。
周囲には何も無い。そんなどこまでも続く夕暮れの直線路で、バイクを押す男の姿が前方に見えた。
トラブルだろうか?アナゴ君はそんな人間を放っておける人間ではない。僕もまた彼のブレーキランプが点く前から
停止体勢に入っていた。
スズキDR250Sというオフロードバイクを押す男に、どうしたんですか?と声を掛けるアナゴ君。
すると、僕らより少しだけ年上のように見える、長身でガッチリした体格のその彼は真っ黒く日焼けした顔で
「ガス欠〜!」
と笑って言った。どこから押してきたのだろうか、汗だくだった。
「林道で道に迷っちゃって〜。やっと舗装路まで出てこれたと思ったら、今度はガス欠だよ」
彼は路肩に座り息を切らしながらそう言った。
大丈夫、大丈夫と彼は言ったが、ガソリンスタンドがこの先何キロ無いのかすら解らないし、何よりもう陽が沈む。
放って置けるはずは無かった。
しかし、僕らは自分達のバイクからガソリンを抜くような道具を持っていなかったし、タンクを外してコックから移そうか
とのアナゴ君の提案には、それは本当に悪いからやめてくれと彼は言う。
ここでの野宿をほのめかした彼の言葉を聞きアナゴ君はカタナに跨りエンジンを掛ける。
「ガソリン、買ってきますよ!待っててください!」
そういうが早いか、アナゴ君は猛加速で地平線の彼方に消えていった・・・。
残った僕に彼は言った。
「いい友達だな」
僕は笑顔で頼りになるヤツです、と答えた・・・。
632 :
774RR:2006/02/24(金) 00:40:58 ID:DFw9vRZ4
アナゴ君を待つ間、僕はガス欠さんと沈み行く夕陽を眺めながら言葉を交わした。
彼の名は鈴木さんと言って、東京の商社に勤める社会人2年目の24歳とのことだった。夏休みに有給休暇をつけて
学生時代から毎年恒例の北海道ツーリングに来たという。
名前とバイクのメーカーが同じですね、と僕が言うとそれは偶然で、もう一台所有するCB1100Rと一年おきに
オンロードツーリングとオフロードツーリングを楽しんでいるのだと言う。
そして社会人である鈴木さんは、明後日には東京に帰ってしまうとのことだった。
そんな会話をしていると、空も暗くなってきた。
アナゴ君の帰りが遅いことを心配しかけた時、カタナの鋭いヘッドライトの光が、地平線の彼方に現れた。
アナゴ君は、ガソリンスタンドでもらった4Lオイル缶にガソリンを入れて戻ってきた。
その後、北海道の足の速い夕暮れに急かされるように僕達3人は夜のテント設営を諦め、ライダーハウスに飛び込んだ。
荷物を置き、近くの小さな焼肉屋に飛び込むと、鈴木さんは大量の肉を注文し、僕らに笑って言った。
「今日は世話になったからな。俺のおごりだよ。どうせキミら、ろくなモン食べてないんだろ?」
「いいんですか?」
顔を見合わせる僕らに鈴木さんは煙草を吹かしながら言った。
「社会人だからね。金の心配はいらないよ。俺だって学生時代は金が無かったからな〜。それに、学生時代に
北海道を回った時に知り合ったオジサンにおごって貰ってね。その人言ったんだよ、俺にお礼なんていいからお前が
金に余裕の出来た時、貧乏な若者に良くしてやれってね。」
今日は僕もトラブルがあり疲れていた。だから3人で乾杯したビールは格別だった。あの時生まれて初めて食べた
ジンギスカンの旨さは今でも忘れない。
僕の転倒話を酒の肴に、楽しい夜は更けていった。僕らより年上である鈴木さんの、普段の同年代との会話では
決して聞けないような含蓄ある語りに僕達は引き込まれていった・・・。
バイクを中心軸にした運命の歯車が動き出していた・・・。その出会いが僕らの人生に大きな影響を与える事を
その時は知るすべも無かった・・・。出会いは、別離の始まりとも知らず・・・。
634 :
633:2006/02/24(金) 00:46:16 ID:8mdtiDEa
やはり新たな登場人物にも魚の名前を使いました。いちおーサザエさんワールドという事でw
>>613 ありがとうございます。駄文かと存じますが、おっしゃられるとおり感想をいただけると励みに
なります。
>>618 めっそうも御座いません^^;
635 :
774RR:2006/02/24(金) 00:57:12 ID:ZUTJ93ra
面白くて楽しみにさせてもらってるが
もはやサザエさんである必要性を感じない
636 :
633:2006/02/24(金) 01:01:43 ID:8mdtiDEa
637 :
774RR:2006/02/24(金) 01:38:21 ID:9sHB3ZmU
北海道いきてー
638 :
774RR:2006/02/24(金) 01:40:04 ID:53i+07rv
>>635 それを言っちゃぁ実も蓋もないが、人物描写を省略して読めるのがこの種の
スレの良いところだと思われる。
639 :
774RR:2006/02/24(金) 03:02:04 ID:w8HoQBBS
640 :
774RR:2006/02/24(金) 03:09:01 ID:Hlrw76E1
北海道行ったことないけど読んでたら行きたくなった
641 :
774RR:2006/02/24(金) 08:26:04 ID:4IoQcejK
ガイドラインから来ました
記念カキコ
642 :
774RR:2006/02/24(金) 08:48:33 ID:gEy9xtLl
643 :
774RR:2006/02/24(金) 14:14:17 ID:MJijbv2O
ガイドライン板から来ました!記念カキコ(^-^)
644 :
774RR:2006/02/24(金) 14:47:35 ID:TmP44l3L
去年、初めて北海道に行ったから情景が思い浮かぶよ
見晴らしのよいベンチに腰をかけたアナゴさん。
僕も彼の隣に座り、タバコに火をつけた。
潮風とともに吸い込んだハイライトの煙…
はじめて心からタバコを美味いと思った。
「お待たせ!!」
缶コーヒーを3つ抱えた義兄がやって来た。
缶コーヒーとタバコ…そして夜の海。
ライダーに何よりも似合うシチュエーションに
僕は何の言葉もなかった。
どれだけの時間、海を見つめ続けていただろうか?
誰に言うでもなく、アナゴさんがつぶやいた。
「やっぱ…バイクはいいよな。」
「ああ…そうだな。」
義兄は真っ直ぐ海を見つめたまま答える。
「カツオ君…さっきフグタに聞いたんだけど、
今日、原付の免許取ったんだって?」
「はい!!」
「そうか…じゃ、お祝いしなきゃな。」
「え…?」
お祝い…?
アナゴさんが…?
そんな僕の疑問を無視するかのように、
アナゴさんは立ち上がる。
「さ、そろそろ戻るか!!」
そして僕達はバイクの元へと戻った。
来た時と同じように、義兄の後ろに乗ろうとした僕を
アナゴさんが引きとめる。
「帰りは俺の後ろに乗りなよ!!
フグタにハンディをあげないと
タンデムのせいで負けたって言い訳するからな!!」
「しねぇよ!!」
「じゃ、もし帰りも俺に負けたらどうする?
例によってガス満タンで手を打つか?」
アナゴさんのおどけた調子に、
苦笑しながらも頷く義兄。
そして僕達は帰路についたのだった。
648 :
774RR:2006/02/24(金) 21:00:41 ID:nBBv45C9
キタコレ!
649 :
774RR:2006/02/24(金) 21:14:11 ID:A8bwt3Dl
サザエさんが「タバコどこまで買いにいってんのー?」と言いそうでドキドキ
650 :
774RR:2006/02/24(金) 22:02:28 ID:Y1hforbG
そうやって金曜の夜に留守にするからサブちゃんが
651 :
774RR:2006/02/24(金) 22:32:14 ID:Hlrw76E1
アッー!
652 :
774RR:2006/02/24(金) 22:49:41 ID:ttORQg1t
653 :
774RR:2006/02/24(金) 23:16:54 ID:ioZvkfNA
654 :
774RR:2006/02/25(土) 00:56:45 ID:KYdrisUT
せっかくの良スレがガ板に貼ったバカのせいで台無し
655 :
774RR:2006/02/25(土) 03:25:31 ID:b+ASq3n9
656 :
774RR:2006/02/25(土) 04:03:06 ID:zu85UHhd
657 :
774RR:2006/02/25(土) 06:08:51 ID:FjG1N8xk
でたな、ロングパス。
658 :
774RR:2006/02/25(土) 17:40:45 ID:P/srnb8p
サブの爽やかさがどうやってアツーになるのか期待age
659 :
774RR:2006/02/25(土) 17:44:10 ID:SAamzAok
波平とアッー!
660 :
774RR:2006/02/25(土) 17:49:26 ID:iF5h/8r8
ガ板から来ますた
【SCENE23】
3台のバイクは、北海道には珍しいタイトなコーナーの続く十勝岳山中のワインディングを駆け上がっていた。
明日、東京への帰路へつかなければいけない鈴木さんは、僕らと意気投合し最後の一日を共に行動する事にしたのだ。
目指すは十勝岳温泉。鈴木さんが言うには十勝岳温泉の近くにあまり知られていない無料露天風呂があると言うのだ。
それにしても・・・。僕はオフロードバイクのオンロードでの機動性を甘く見ていた・・・。アナゴ君のカタナと同じペースで
峠道を駆け上がる鈴木さんの2サイクルオフロード。ありえないほどのバンク角で、イン側に腰を落とすアナゴ君と
逆方向に体の重心を置き、足を前に出して軽々と旋回していく。
吐き出される紫煙を浴びながら、僕は文字通り後塵を拝していた・・・。
オンロードでの旋回速度や、特にその加速においてはオフロードバイクになど負けるわけが無いと思っていた僕に
とって、その予想外の鋭い速さはまたしてもバイクの奥深さを知る出来事だった。
しかし、僕だってそのまま置いていかれはしない。僕もまた、彼らと同じペースで痛快なコーナーリングの世界に
身を置いていた・・・。
昨日の転倒から何かが変わったような気がする・・・。自分の限界とバイクの限界を知る事で、逆に心のゆとりが出来た
ように落ち着いたコーナーリングが出来ている。
心が落ち着いていると、体に余分な力が入らず自然なライディングが可能になる。すると、バイクというものはバイク自ら
が持っているバランスを保ち曲がり、そして直進する能力を備えていることを理解する。
バイクからの語りかけが聞こえてくるようだ・・・。僕とバイクとで繰り広げるダンスのようなワインディングステージ。
昨日の血走ったような心持ちとはまた違った楽しさで僕はベテラン2台に着いて行く。
バイクのことが少しわかった様な気がした・・・。ヨンフォアがもう一人の『相棒』に感じた・・・。
僕は十勝岳山腹の心地よい冷たい風を受けながら、ヨンフォアのカタログのキャッチコピーを口に出して唱えた・・・。
「おお400。お前は風だ。」
山肌の僅かな平坦地に作られた野趣深い露天風呂につかりながら、僕達はそこに天国を感じていた。
熱いライディング、そしてその心地よい疲れを溶かすような至極の温泉・・・。北海道に来て本当に良かった・・・。
ちなみに、それから10年ほど後に有名TVドラマでこの温泉が使われたシーンを見て、ひどく懐かしかった覚えが
ある・・・。その後、この温泉は観光客でごった返すようになったそうだが、その時は僕らの貸切状態だった。
「フグ田君、本当に免許取立てなのか?すごいな。この分だとアナゴ君、キミすぐに抜かれちゃうぞ?」
「ちょっ・・・ちょっと勘弁してくださいよ〜。フグタ君!まだキミには前を走らせないからな!10年早いわ!」
温泉に浸かりながらそんなとりとめの無い会話を重ねていた。どうやら僕は初心者離れした速さらしいのだが
自覚は無かった。ただ、もっともっと速くなりたいという願望は、心の奥底で熱く燃え滾ってはいた・・・。
「キミ達、首都高とか第3京浜とか行ったりはするのか?」
そろそろ湯から出ようとかと思っていた時、鈴木さんがそんな質問をしてきた。
僕達は、首を横に振った。アナゴ君はどうか知らないが、少なくともその時の僕にはそれは単なる道路の名前で
しか無く、速さを求めるライダーにとって特別な意味を持った言葉であるという認識は無かった。
「・・・そうか、・・・いやいいんだ。」
鈴木さんは少し含みを持たせるように、何か言いたそうな雰囲気でそういうと、もう出ようかと言って立ち上がった。
その帰り道。峠の下りで軽量オフロードの実力が炸裂した。ジェットコースターのように速度を殺さずに旋回していく
鈴木さんのライディングに、アナゴ君ですら為すすべが無かった。
見る見る小さくなっていくDR。少し遅れて喰らいついていくカタナ。それを見送る僕・・・。やはり下りは難しい・・・。
僕は気が狂ったように下りの峠道を落下していく2台を微笑みながら見送る・・・。そして思った・・・。
「もっと、もっと速くなりたい・・・。」
663 :
774RR:2006/02/25(土) 23:03:36 ID:r+4Hjv9Q
ドッコーイ!
まいど乙です!
664 :
774RR:2006/02/25(土) 23:26:00 ID:K4zF/xag
イイヨイイヨ-
ところでDRは4‥‥まいっかw
>>664 ありゃ?やっちゃいました?
え〜と、手元の資料によると・・・。Σ(´Д` )・・・4stじゃん・・・。
。・゚・(ノД`)・゚・。疲れてるのかな?疲れてるのかな?
666 :
774RR:2006/02/25(土) 23:38:22 ID:r+4Hjv9Q
あ、そういえば
業物さんにまとめサイトの方で変えてもらう?
ちっちゃいとこだけど大事だし
>>666 ご提案頂きありがとうございます。
業物さん、もしご面倒でなければよろしくお願いいたしますm(_ _)m
車名を変えるか、文章を4stの表現にするかで迷いましたが、車名が2回しか
出ていない事と、カタナを凌駕する下りのペースや私の脳内走行シーンイメージ的に
2stモデルの他車に変えたほうが小変更で済むかなと・・・。
>>業物さん
ということで、まとめサイトの方では『TS250(スズキ)』と言う事でお願い
出来ますでしょうか?
皆様にも混乱招きました事、お詫び申し上げますm(_ _)m
668 :
774RR:2006/02/26(日) 10:55:23 ID:jYLpzol3
(σ・∀・)σ キニシナイキニシナイ!!
| | ∧
|_|Д゚) イメージ的にはRH250かなぁと思ってたけど。
|文|⊂) 調べたら86年発売だから時期的に合わないか
| ̄|∧|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
#まとめる時修正しときまつ
670 :
カツオ物語〜伝説を継ぐ者〜:2006/02/26(日) 14:21:39 ID:7gvTfznd
夜の街を疾走する2台のバイク
アナゴさんの駆るカタナは
暴力的なまでの加速をみせる義兄のV-maxとは違い
なめらかに非日常的スピードへといざなう。
交通量も少なくなった246で
僕たちは運命ともいうべき一台のバイクと遭遇したのだった…
671 :
774RR:2006/02/26(日) 14:26:34 ID:rILjqMcy
ぉ、リアルタイム?
672 :
カツオ物語〜伝説を継ぐ者〜:2006/02/26(日) 14:38:51 ID:7gvTfznd
信号待ちの度にシグナルグランプリを繰り返す
カタナとV-max
やはりタンデムのハンディは想像以上なのか
V-maxがその潜在能力を発揮し
アナゴさんは苦戦しているようだった。
いくつ目かの信号で停車したときだった。
前方には一台の車もないという
まさにおあつらえ向きのシチュエーションにぶつかった。
メット越しにアナゴさんが叫ぶ
「カツオ君…ちょっと本気をだすからしっかりつかまってて!!」
ただならぬアナゴさんの気迫を
義兄も感じたのだろう…
ひときわ激しくアクセルを吹かす。
シグナルが変わる直前の一瞬の静寂…
そして運命のシグナルが変わった…
今まで感じたこともないような
強烈な加速…
息をすることさえもできないほどの密度で
通り過ぎていく永遠のような一瞬の時…
カタナが先行し、それを追走するV-max。
そのときだった…
2台の排気音とは違う
もうひとつの咆哮が後方から迫ってきたのは…
674 :
774RR:2006/02/26(日) 18:00:44 ID:AKIXuYlv
シゲルさん?テポさん?
675 :
774RR:2006/02/26(日) 18:41:37 ID:TUH7SFYw
マスオさんいい人だ 感動した
実況でスマソ
676 :
Vmax海苔:2006/02/26(日) 19:32:58 ID:I2Jn1Wju
お願いだから「ブイマックス」の表記は「Vmax」で統一でヨロ
677 :
774RR:2006/02/26(日) 19:36:00 ID:0l0nqnoG
今日の放送でいきなり、
マスオさんとアナゴさんが出てきて、
ここ思い出してコーヒー吹いた
678 :
774RR:2006/02/26(日) 21:27:41 ID:pBBwnFRZ
実写ドラマ化キボンヌ
679 :
774RR:2006/02/26(日) 21:29:22 ID:pysTBTlW
ここでカタナ乗りの俺様が青年時代の穴子君に立候補
680 :
774RR:2006/02/26(日) 22:39:57 ID:XsEnPHqc
>>679 カタナを乗りこなせるとかそんなんじゃなくって
タラコ唇で色黒じゃないとアナゴ氏の役は務まらないと思われ。
681 :
774RR:2006/02/26(日) 22:45:27 ID:RwBXOQzD
ダックス浜松仕様
三河屋レーシングチームのステッカー付き。
682 :
774RR:2006/02/26(日) 23:02:43 ID:i+68+oqy
>>680 今は亡きいかりや長介さんが若い頃だったら適役だったかと。
683 :
774RR:2006/02/27(月) 00:59:30 ID:99qhH4xH
時任三郎…タラコ唇ではないが…。
684 :
774RR:2006/02/27(月) 10:27:40 ID:9vt8pK0y
納屋に有った、カブ。 あれは、若き日の波平がユーラシア大陸横断(アフリカでもいいかな)旅行に使ったマシンだったりすると面白くなりそう。
カツオは気が付かなかったけど、もちろん50ccではなく、150cc位のピストンが入っていたり、サイドカバーが片側だけブラジル製だったり、タイヤがチェコ製だったりして、
そんな旅行中の波平の苦労を伺わせるパーツが付いていたりして・・・・。 次は波平のストーりーかな
義兄の駆るVmaxの唸るような排気音
そしてアナゴさんのカタナの悲鳴のような音…
それとは明らかに違う、もうひとつのエキゾーストが迫る。
スピードに魅せられたライダー達に
言葉はいらないのだろう。
やる気を感じさせる咆哮を聞いた瞬間、
アナゴさんはカタナの小さなシールドに身を隠し、
さらにアクセルをひねる。
そして義兄のVmaxも耳をつんざくような高音で叫ぶ。
一体、時速何キロでているのだろうか?
遥か後方に消え去った法定速度
眼前の車がまるでパイロンのように迫る
それでも加速を続ける2台のバイク
そして追撃を続けるもう一台のバイク…
一瞬の出来事だった。
やはりアナゴさんや義兄には
僕と一緒にいるという遠慮があったのだろう
前方のシグナルが黄色に変わった瞬間に
アクセルを緩めるアナゴさん
しかし…追撃するバイクはそのスピードを緩めることなく
ひときわ激しいエキゾーストを残し
ぎりぎりのところでシグナルをパスしていったのだった。
カウリングされた漆黒のバイクだった。
あまりのスピードに僕は、そのバイクが一体なんだったのかを
判別することもできなかった。
信号で停車したアナゴさんと
それに並ぶようにして停車させる義兄
二人の視線がシールド越しに交錯する。
「奴か…?」
押し殺したようなアナゴさんの声。
その質問に黙って首をかしげる義兄。
奴…?
信号が変わり、発進させる2台のバイク
しかし先ほどまでのスピードを出すこともなく
まわりの車のペースに合わせた走行だった。
『奴』を追走しないのだろうか?
あの黒いバイクを義兄たちは知っているのだろうか?
そんなことを考えているとアナゴさんが
さっきとは打って変わったいつもどおりの
のんきな声で僕に言った
「カツオ君…もうあんまり飛ばさないから安心していいよ!!」
「え?どうして?」
思わずそう聞き返した。
その質問にアナゴさんは答えることなく
ゆったりとしたペースで帰路につく。
僕たちの住む街が近づいた所で
久々の信号につかまった。
背中越しにアナゴさんが言った。
「カツオ君…俺は、いや俺たちはバイクが好きなんだ。
だから絶対にバイクでは死にたくないんだよ。」
その言葉の重さと意味を僕が理解できたのは
何年も後のことだった。
【SCENE24】
僕達は、誰もいない河原でキャンプをしていた。明日には鈴木さんは東京への帰路に着く。
ほんの二日足らずの出会いだったが、彼とはもう何日も共に過ごした仲間のようだった。
僕にとって初めてする焚き火。
火とは不思議なもので、揺らめく炎を見ているだけで飽きる事は無く、また、気持ちが落ち着いてゆく・・・。
温かいインスタントコーヒーの入ったカップを片手に、僕達三人はバイク談義に花を咲かせていた。
「どうしたら、もっと速くなれますか?」
そんな僕の突然の抽象的でつかみ所の無い質問に、アナゴ君と鈴木さんはキョトンとした顔をした。
「・・・そうだなぁ。とにかく乗りまくる事じゃないか?僕も免許取立ての時は、走りまくったなぁ。高校にバイクに
乗ってることがバレて停学喰らった時なんて、それをイイことに毎日峠に通ってたなぁ」
そんなアナゴ君の答えは、一つの回答に違いなかった。
それは確かにそうだろう・・・。実際、毎日のようにバイクで距離を重ねているここ北海道の地で、僕はほんの
数週間前より、確実にバイクを自在に乗りこなしてきているのを感じる。・・・だが、僕の求めている答えとは少し
違うような気がした・・・。僕が欲しかったのは、何と言おうか・・・。言葉では表現しづらいのだが、もっと『魂』に
近い部分の答えだった。バイクにはそんな『魂』の部分が必ず存在するような気がした・・・。そしてそこに
『速くなる』秘密も隠されているような気がしたのだ。
「気負わないことさ」
あっけらかんと鈴木さんが言った。
「気負うと危険だよ。誰かと競争するわけでも、勝負するわけでもない。自分の心を満たす為にバイクに乗る、
そうだろ?乗り続けることが肝心だよ。バイクに対する情熱を切らすことなく楽しく乗り続ける・・・、そうしたら
いつの間にかキミも満足するようなライディングが出来るようになるはずさ。」
ポカンとする僕を尻目に、鈴木さんはこう付け加えた。
「・・・死んじゃったら、なんにもならないからね・・・。」
焚き火を見つめながら、そう語る彼の目はどこか寂しげに見えた・・・。
「な〜んてな」
と鈴木さんはお茶を濁した。
・・・僕は彼の言っていることのほとんどを、その時は理解できていなかっただろう。
アナゴさんの家のプレハブ小屋に到着した僕達。
ふと時計を見ると
まだ夕食を終えてから2時間ほどしか経っていないことに気づく。
何て濃密な時間だったのだろう。
原付の免許を手に入れ、
義兄達の知られざる一面を知り
夜の街を駆け抜けた…
昨日までは想像することもできなかった
現実がそこにあった。
しかし…今日という日はまだ終わってはいないのだった。
「さてと…カツオ君の免許取得祝い〜♪」
メットを脱いだとたん、バイクに乗っていた時とは正反対の
おどけた調子でそう言ったのだった。
690 :
774RR:2006/02/27(月) 22:41:19 ID:D0UrcrPH
>>625の続き
次の木曜日は尚更待ち遠しい日となった。なにしろ堂々とオートバイに乗ることが
できるのだから。
サブに見付かった翌日、カツオと中島は連れ立って三河屋にサブをたずねた。
面倒臭そうにするカツオを中島が半ば無理やりにつれていったようなものだったが、
改めて無断でバイクで遊んだことを謝罪し、バイクに乗せてもらうように頼んだのだ。
謝罪に訪れたとき、サブはビールのビンを軽トラに運んでいるところだった。カツオと
中島が手伝おうとすると笑いながら「余計な気を使うな」といって、店の奥の主人に
タバコを喫ってくると大声でことわったあと、カブの置いてある小道まで来て休憩の
体勢に入った。ハイライトを取り出して咥えるサブに向かって中島が話し出した。
「バイクを無断で乗り回してすいませんでした。」
サブはタバコを咥えたまま黙って中島を見つめる。ビクビクしながら中島は続けて頼んだ。
「それから、改めてお願いします。バイクに乗らせてください。」
サブは咥えたままのハイライトを、火をつけぬままに手に戻して言った。
「そうだよなぁ。やりたいことをやるためには順番を守らないと駄目なんだってことを
覚えただろ。改めて謝りに来たのは褒めてやろう。」サブは答えた。「好き勝手なこと
をやるには結構不自由を我慢しなきゃならないんだよ。」
遠まわしな言い方に、その時カツオと中島は意味がよくわからなかった。
ただ、自分達が何をやっても許してもらえる子供ではなくなっているのだと言うことが
おぼろげに伝わってきた。
「前に言った通りバイクは乗せてあげるが、君達だけで空き地でバイクを乗り回して警察を
呼ばれたら僕も面倒だから、乗るのは店が休みの木曜日だけだぞ。」
その他服装など細かい注意をされたものの、サブの言葉に途端に二人の顔が明るくなった。
翌週の木曜日の夕方は、空き地までサブがバイクを持ってきてくれる約束になった。
「・・・しかし・・・、バイクって何なんだろうねぇ・・・」
炎を見つめながら、独り言のように鈴木さんがつぶやいた。
「おかしいよな。どうしてこんなに僕達はこの乗り物に夢中になっちゃうんだろうか・・・。だって車だってある
じゃないか。・・・僕達ライダーはどうして・・・バイクじゃなきゃダメなんだろうね・・・。」
僕にもそれは解らなかった・・・。
ただ、僕もまたバイクに『魂』を揺さぶられた人間の一人だ。バイクの事を考えるだけで胸が高鳴り、乗って走り
出せばその心は雲上を翔る鳥のように心地よい自由に満たされる・・・。
理由こそ解らないが、僕にも鈴木さんの気持ちが解るような気がした。そう、『気がした』のだ・・・。
・・・しかし鈴木さんのつぶやきは、僕のそれとは重さが違ったのだ・・・。その時、僕らはそれを知るよしも無かった。
そして・・・そのつぶやきの重みに、その後僕たちも押し潰されそうになる事も・・・知るよしも無かったんだ・・・。
翌早朝、僕とアナゴ君の出発準備を待たず鈴木さんは青森に向け出発しようとしていた。
二言三言、別れの言葉を交わした後、鈴木さんは言ったヘルメット越しに言った。
「キミらはアホのように飛ばす、アホなライダー達だ!気をつけろよ。死ぬなよ、絶対に死んじゃダメだからな。」
笑ってそう言う鈴木さんは最後にこう言った。
「キミらも東京に住むスピードに魅せられたライダー達なら、近いうちにまた会う日が必ず来ると思う。
その時が来たら、また楽しく走ろうな!」
そう言って鈴木さんは餞別のように豪快なウィリーを決めると、オイルの香りと紫煙の一筋を残し走り去って
行った・・・。
・・・ここで、さよならで良かったのだ・・・。この先、鈴木さんと会ってはいけなかったのだ・・・。
しかし、僕とアナゴ君がバイクに乗る事の快感をスピードに求めていた以上、その再会はさだめられた運命
だった・・・。
692 :
774RR:2006/02/27(月) 22:42:30 ID:D0UrcrPH
>>690の続き
「そうそうカツオ君、お姉さんは君が最近休みの日も朝から出かけていったり、いきなり服を
泥だらけにして帰ってくるのを大層不安そうにしていたよ。あまり家族に心配させるような
ことをするなよ。」少し笑いながらサブが言った。
なんで姉は配達の人にまでそんな家庭のことをイチイチ相談したりするんだろうとカツオは
恥ずかしくて目を伏せた。
話し好きで慌てものの癖に小言を言うカツオには疎ましいだけの姉がサブとなぜそんなことま
で話しているのかを考えないカツオはまだまだ子供だった。
サブは子供だった中島とカツオをあたかも大人の一員として扱い育ててくれていた。カツオと中島
が最初に接した大人はサブだったのだということにカツオが気付いたのは随分と後のことだった。
693 :
774RR:2006/02/27(月) 22:44:24 ID:D0UrcrPH
あぁ、かぶりまくり・・・・
読みづらい?
694 :
774RR:2006/02/27(月) 22:48:43 ID:t0iVEATl
>>693、乙!
大丈夫だって!みんな楽しみにしてんだから。
自分のペースで書いてください。
695 :
774RR:2006/02/27(月) 22:49:39 ID:t5McPX1W
むしろセッション感覚で楽しいです
どうぞお気になさらず
696 :
691:2006/02/27(月) 22:54:14 ID:oFk1mQwt
私もすいませんです・゚・(つД`)・゚・
読み辛くないですか?読み辛くないですか?
しかも、バイクに乗ることの「生き死に」の話までやや「カツオ物語」さんと
かぶっちゃってるような気がして・・・
697 :
774RR:2006/02/27(月) 22:57:10 ID:T70fz2ii
698 :
774RR:2006/02/27(月) 22:58:13 ID:t5McPX1W
いや、ほんと大丈夫なんで
好きなように書いてください
それが良作につながると思うんで
699 :
774RR:2006/02/27(月) 22:59:22 ID:t5McPX1W
すんません、あげちゃった。
さっきまでVIPに居たから...
吊ってくる..
700 :
774RR:2006/02/27(月) 23:12:27 ID:gAQYkfj3
週末の夜を留守にしがちなマスオさん
弟の非行を相談しようにも母フネは旧友と出かけがち
悶々と悩むサザエさん
ついつい御用聞きのサブちゃんに愚痴を漏らしてしまう
はじめは上得意客のご機嫌伺いのつもりだったサブちゃんだったが
701 :
774RR:2006/02/27(月) 23:12:28 ID:AHs5iObe
おもろい
702 :
774RR:2006/02/27(月) 23:18:35 ID:WBFDq/IJ
ワッフルワッフル
703 :
774RR:2006/02/27(月) 23:30:37 ID:D0UrcrPH
>>692の続き
木曜日の夕方、カツオと中島は空き地で落ちつかなげに待っていた。果たしてサブは本当に
来てくれるのだろうか。店まで迎えに行きたい気持ちを抑え、二人は時々道路の見通しの
良いところへ出たりしながらカブが来るのを待っていた。
時間丁度になったとき、聞きなれたカブよりやや高く大きいエンジン音が聞こえた。
他のバイクだろうと思ったそのバイクは、空き地の二人の方に向かって来て目の前に
止まった。小さな車体の上にやや小太り気味の男が乗ったそのバイクに、カツオは
TVで見たボリショイサーカスの”オートバイに乗る熊”を思い出させた。
ジーンズにタンクトップのその男は、ジェットヘルのまま二人に言う。
「お待たせ。空き地で遊ぶならこっちのバイクの方が良いだろう。」
大きな顔を無理やりジェットヘルに詰め込んだようなサブが言った。
「うわぁ、凄いやサブさん、本物のオートバイみたいだぁ!」中島が興奮した声で叫ぶ。
サブが乗ってきたバイクは小さいながらも剥き出しのエンジンの周りを排気管が取り囲んだ
デザインで、ビジネス目的のカブとは明らかに異なった”スポーツ目的のオートバイだった”。
赤が基調のデザインはいかにも趣味性をアピールし、小さいくせに甲高い排気音が存在は必死に
存在を主張してはしゃぐ小型犬のようだ。
中島の賞賛の声を聞いて嬉しそうな顔をしてサブは説明をはじめる。
「同じ50ccだけどこっちの方が面白いぞ。今までのバイクは重い荷物を運ぶためのバイクだった
けど、こっちのバイクは空き地で遊ぶためのバイクだ。KSR-Tって言うんだ。」
704 :
774RR:2006/02/27(月) 23:50:08 ID:j1SIW86J
703サソも何か題名をつけてもらえると読みやすいな
705 :
774RR:2006/02/27(月) 23:59:41 ID:XfBlqCGw
鈴木さん、スズキさんにして欲しかったっス。
706 :
774RR:2006/02/28(火) 00:20:10 ID:AZyu2iUD
ココでこういうのを持ってくるか〜!w
それもあえてライムグリーンじゃないところがいいw
思い入れがあるのでは?作者氏?
707 :
691:2006/02/28(火) 00:48:43 ID:2/YbVISR
>>705 魚系の名前で行きたかったので色々調べたのですが、「ウナギさん」とかだと
ギャグなので、まぁフツーの名前に落ち着きました
(それを言ったらアナゴさんはどうなの?っていう話ですがねw)
で、カタカナor漢字で迷ったんですが、「スズキ」だとメーカー名とゴッチャに
なりそうなので漢字表記にした次第です^^;
あまり本編サザエさんに出てこないキャラを増やすのはいかがなものかとも思って
ますので、新キャラは食堂のオヤジと彼くらいにしておきたいものですw
708 :
774RR:2006/02/28(火) 00:56:46 ID:5jR85EdN
709 :
774RR:2006/02/28(火) 01:14:23 ID:9uMDNViS
>>703の続き
中島が今すぐにも乗り足そうな顔をしてソワソワとしている。一方のカツオは少々不満だった。
カブに比べて小さい車体はどこか玩具っぽかった。公園で子供が遊ぶ”ポケバイ”のようで、
走破性が高いとはとても思えなかった。そんなカツオの心中の不満には気付かぬように、サブは肩、
ひじ、スネ、ひざのパッドを中島に渡す。「無いよりマシってだけかもしれないけど、乗る時は
これを付けておけよ。手袋はとりあえず軍手を持ってきたから使ってくれ。メットは、最初は
ジェッペルでいいだろ。」と言って付け方を中島に説明する。中島はウキウキとして装着している。
カツオが(少女漫画なら目の中が星だらけだろうな)と思うほどに興奮したままの中島がバイクに
跨るとサブは操作方法を簡単に説明した。
「操作方法はそんな感じで、エンジンが止まらないように回転数を上げてゆっくりとクラッチを
つなぐんだ。止まりそうになったらクラッチを切らなくてもいいからブレーキで止まれ。
転びそうになったらバイクを放り出してもいいから逃げろよ。」かなり大雑把な説明のあと、
とりあえずギアは一速のままで一周してみるようにとサブは中島を送りだした。
何回もエンストをこきながら凹凸の多い空き地の不整地を一周してきた中島は興奮気味にサブに
報告した。
「凄いやサブさん。加速も、クッションも全然違う!」
それを聞いたサブは嬉しそうにシフトアップの方法を教えたあと、もう一周してくるよう中島に
言った。
中島の報告を聞いたカツオの「あれっ」という顔を横目で見たサブがニヤっと笑った。
心の中を見透かされたような気がしたカツオは無表情を取り繕って下を向く。
710 :
774RR:2006/02/28(火) 01:15:34 ID:9uMDNViS
>>709の続き
中島が二周目を戻ってきた。今度はエンストの回数も3回だけだ。ギアもなんとか2速まで使い、
一度は無理やり3速まで入れたようだ。(その後のコブを登ろうとしてエンストをしたが。)
嬉しそうにサブに報告をした中島はもう一周しそうな勢いだったが、サブがニヤニヤと笑いながら
カツオに言った。「カツオ君もそろそろ乗ってみるかい?」
「中島君にした説明を聞いていたろう?2速まで入れていいからとりあえず一周してケガせずに無事
に帰っておいで。」梅雨に跨ったカツオの保護具を軽く確認した後でサブは気楽に言った。
アクセルを軽くひねってエンジンの回転数を上げてクラッチレバーをゆっくりと離していく。
クラッチがつながり始めたところでエンジンが止まった。回転を充分に上げられずエンストしてしまっ
た。サブと中島が横で笑っている。
気付かないフリをしてエンジンを再スタートさせ、改めて発進をやり直す。二回目は失敗せず無事に
繋がった。一度走り出すと、今までのカブとは比べ物にならない力強さでKSRは走った。
空き地のコブやくぼみを避けながら走っているうちに次第にコツをつかみ始め、一周目で3回エンスト
した後、二周目はなんとか1速と2速を使い分けて走りまわれるようになってきた。
711 :
774RR:2006/02/28(火) 01:17:06 ID:9uMDNViS
>>710の続き
KSRのパワーを試したくなったカツオが少し深いコブに突っ込んだ時だった。ギアを一速に落とした
カツオが登り坂でアクセルを思い切りひねった途端、カブとは比べ物にならないパワーを搾り出した
KSRのエンジンは、車体を斜面の角度を越えて真上に押し出した。慌てたカツオは必死にKSRを放り
出すと、まだ倒れる前の車体の下敷きにならないように地面を這って逃げた。
遠くからサブと中島が慌てて走ってくる。カツオの隣では倒れたままのKSRのエンジンが必死に回って
いる。振り落とされて仰向けになったカツオの目に空が映った。カツオの視界一杯に雲一つない
青空が広がる。
「磯野大丈夫か!」慌てた中島の声が聞こえ、心配そうに覗き込むサブと中島の顔が並んで空の
手前に入り込む。
カツオは寝たままで体を確認してみるが痛いところは無いようだ。
二人の心配そうな顔を見ながら、カツオは何故か笑い出した。心配そうな顔のサブと中島を見ながら
も、カツオは笑いが止まらない。空の青と二人の顔を見ながら、寝転んだままのカツオは楽しくて
楽しくてしょうがなかった。オートバイとはなんて楽しいんだろう。
空き地でオートバイを乗り回してもまだ子供の遊びと周囲は笑って見ていてくれた。
まだまだそんな余裕のある時代だった。
712 :
774RR:2006/02/28(火) 01:19:24 ID:9uMDNViS
>>704 自分で題名を付けるのもおこがましいので誰か
テキトーにタイトルをつけてくれると助かります。
>>706を見て思ったですがAR50とイメージを混同し
ていただけかもしれず。>ライムグリーンじゃない
713 :
475:2006/02/28(火) 03:45:40 ID:lVRlYxm5
714 :
774RR:2006/02/28(火) 09:34:24 ID:d1Z/gBCb
カツオが主役の話なんで、カツオ物語でサブタイトルを変えるってのはどうでしょう?
カツオ物語〜サブとの出会い〜とか、何かそんな感じで。
715 :
774RR:2006/02/28(火) 09:56:24 ID:hS3whIkA
TS250ハスラーの頃ってオフ車は普通の道で速いイメージはあまりなかったような希ガス。
RARHの頃でさえそうだから、もしスズキのオフ車でそれをやるなら残念ながらRMXまで待たないと。
バイク板なんだからバイクにあまり詳しくない作者が書くならこれはまとめスレで修正するべきなんじゃないかな?
ストーリーや文体に他人が修正を加えるのはダメだがバイク板のスレである以上ディティールは
住人の鑑賞に耐える物であることが望ましいと、個人的には思ったりなんかしちゃう。
716 :
774RR:2006/02/28(火) 10:14:08 ID:hS3whIkA
もちろん峠の下りでオフ車の鈴木さんが速かったというくだりには違和感が無いけど、上りや平地では
古いオフ車は古いオン車にパワーの差で引き離されるのが自然じゃないかな?
特にニュータイプのカツオ君と一般人なのに彼より速いアナゴ君より速いのはどうかと思う。
717 :
774RR:2006/02/28(火) 11:45:13 ID:yV5vewx2
実際オフ車って速くないよ。
「オートバイ」2004年11月号「徹底テスト250cc編@もてぎ北ショートコース」結果より
1位 CB400 48秒08
2位 GSX250FX 48秒10
3位 VTR 48秒17
4位 SV400 48秒27
5位 ホーネット 49秒10
6位 Dトラッカー 49秒43
7位 ST250 49秒66
8位 ZRXU 49秒68
9位 ZZR250 49秒82
10位 ゼファーχ 50秒02
11位 XJR400 50秒56
12位 XR250モタ 51秒47
13位 モンスター400 51秒74
14位 SR400 51秒92
15位 エストレヤ 52秒02
16位 CB400SS 52秒07
17位 ビッグボーイ 52秒81
718 :
774RR:2006/02/28(火) 11:54:19 ID:H8OIP+d6
じゃあ、ハスラー400にしとけばいいよ。
あまり重箱やると、作者さんにプレッシャーになるんじゃない?
それよりももっと感じるべき部分が多いでしょ
719 :
774RR:2006/02/28(火) 12:12:15 ID:HYA/Y6a/
一々注文つけすぎじゃね?
作者には作者なりのストーリーがあり、それに伏線を張る為にそういう選択なんだろうから。
改めてプレハブ小屋の中を見渡してみる僕
10畳ほどの小屋の中には
義兄のVmaxとカタナが中央に寄り添うように置かれ
入り口のドア付近にテーブルと椅子が3脚。
そして壁際に設置された棚には工具や
バイクのパーツが無造作に置かれていた。
そして…
棚の脇にもう一台、バイクカバーの掛けられた
一台のバイクが忘れ去られたように置いてあった。
そのバイクのそばに近づいたアナゴさんは
僕のほうを振り返り満面の笑みでこう言った
「カツオ君、カバーを外してごらん?」
721 :
774RR:2006/02/28(火) 12:46:23 ID:N0yUcEul
>>716 まだ目覚めてないんだろう、きっと。
これからアナゴ君とマスオさんにとってララァみたいな人になるんじゃない?
「オフロード車の性能を見せてやる!」とか「排気量の差が絶対的な差ではない
ことを教えてやる!」とか言って。(そりゃシャアだ。)
はやる気持ちを抑え、
ゆっくりとカバーを外す僕…
中からあわられた鮮やかな白とブルーの
美しい車体に目を奪われた…
「コレ…」
そうつぶやいた僕の隣に
静かに歩み寄ってきた義兄とアナゴさん。
「コイツはね…俺とフグタの玩具なんだよ」
「どういう事?」
「アナゴ君と共同所有してるバイクなんだよ。」
運命の出会いだった。
僕と…ロスマンズカラーのNSR50との…。
723 :
774RR:2006/02/28(火) 12:58:05 ID:HYA/Y6a/
ロスマンズキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
「跨ってみるかい?」
アナゴさんの言葉に頷くことも忘れ
早速僕はNSR50に跨ってみた。
「結構似合うじゃないか!!」
義兄がそういいながら、棚に向かう。
しばらくゴソゴソと棚を探して後、
僕に何かを投げてよこす。
反射的に義兄の投げた物をキャッチした僕
ゆっくりと手を広げて見る僕。
HONDAと刻印されたキーだった…
自分の置かれている状況がまったく理解できなかった。
革ジャンのポケットからハイライトを取り出し
何も言わずに火をつけるアナゴさん。
そして義兄は穏やかな笑みをたたえ僕を見つめている…
深々とタバコを吸い
ゆったり煙を吐き出すアナゴさん。
そして…
「いいか?コイツは俺の…いや俺たちのバイクだからな。」
「え…ええ、わかってます…。」
「こかしたり傷つけたりしたら承知しねーぞ!!」
「え…それって…」
「アナゴ君は君に…コイツを貸してやるっていってるんだよ。な?」
義兄の言葉に照れたように頷くアナゴさん。
コイツを貸してくれる…
726 :
774RR:2006/02/28(火) 14:03:56 ID:YeIU2cfW
>>717 DRZはどうなんだろうか。
峠、下りで乗れてない400クラスならセローでも突っついて遊べるぞ
727 :
774RR:2006/02/28(火) 14:17:19 ID:H8OIP+d6
DR−Zじゃ、新しすぎと思われ・
728 :
774RR:2006/02/28(火) 14:32:21 ID:xW0X3mIX
NSR50だとサザエさんワールドではヘルメットと同じくらいの大きさだw
729 :
774RR:2006/02/28(火) 14:56:36 ID:CmUpSJuB
>>715 気にすんな。
86がランエボ追い抜いちゃう漫画があるくらいなんだからw
ロスマンズカラーのNチビ懐かしいなぁ。
前友達が乗ってたよ。
730 :
774RR:2006/02/28(火) 15:22:16 ID:AZyu2iUD
ロスマンズカラーは連れがぼったのバイク屋で買った
けど速攻こけてわけのわからないものになってた記憶が・・・・・
アナゴさんツンデレw
731 :
774RR:2006/02/28(火) 20:29:40 ID:ZMFtfgX4
出版してぇな、コレ
732 :
774RR:2006/02/28(火) 21:22:00 ID:W90Buill
733 :
774RR:2006/02/28(火) 22:08:27 ID:1vbHAxWi
同人誌になら出来そうだよな
734 :
774RR:2006/02/28(火) 23:33:48 ID:HFA+0jXa
735 :
774RR:2006/02/28(火) 23:40:35 ID:n7HZBxJj
つーかお前等には改造と言う概念がないのかと問いたい
736 :
774RR:2006/03/01(水) 01:09:43 ID:blqvpzB3
737 :
774RR:2006/03/01(水) 19:44:10 ID:/7y3WsWe
age
738 :
691:2006/03/01(水) 21:31:56 ID:OB5F6WLf
>>691です。
なにやら混乱させちゃってるみたいで申し訳ないです・・・。
今後の展開的に鈴木さんは既に文中にある違うバイクで登場予定で、それは今現在のストーリー内で
お披露目したくなかったので特に車種にこだわらず他のバイクを出してしまったのが事の発端です・・・。
あまりネタバレみたいな事もしたくないですが・・・
私としては単純にあまり深く考えず、楽しく書いていたつもりですが、それだけではいけない雰囲気に
なってしまったようで・・・ちょっと複雑です(´・ω・`)
739 :
774RR:2006/03/01(水) 21:54:57 ID:mcazwkw9
基本的には外野が想像膨らませてワイワイ言ってるだけなんで気にしないでok
ウルトラマンビル潰してね?とか言うのと似たようなもん
【SCENE25】
財布の中身と本州より明らかに早い北海道の秋の気配が、アナゴ君と僕の旅の終わりが近い事を知らせていた。
「そろそろ帰ろうか?」
まだ8月だと言うのに白い息が見える早朝。朝日に照らされながら二人で立ちションをするキャンプ場はずれの
藪の中。アナゴ君がそう切り出した。
そうか・・・もうそんなに経ってしまったのか、と僕は瞬間的にこの数週間の様々な事を思い出した。
喘ぐように青森までたどり着いた深夜のバイク行・・・。たくさんのライダーと交わしたピースサイン。想い出に残る
人との出会い・・・。毎日のように深くバイクと付き合うことで確実にレベルアップしたライディング・・・。そして朝日と
澄んだ星空とどこまでも広がる深いスカイブルーに、初めて僕の頭上には大きな空が広がっている事を実感した・・・。
北海道に来て本当に良かった・・・。
しかし、あまりの北海道の魅力に、このままでは帰るタイミングを失ってしまいそうで怖い僕が居た。
あくまで僕の故郷は大阪であり、生活の基盤は東京だった。それを捨てさせてしまいかねないほどの不思議な
魅力を持った北海道が怖かったのだ。
・・・僕は、一呼吸置いてアナゴ君に言った。
「そうだな。そろそろ帰ろう。」
東京での生活が遠い昔の事のように霞んで思えた。あのゴミゴミした猥雑な都会が初めて懐かしく思えた。
そんな自分の生きるべき場所が少しだけかけがえの無い場所であるように思えたのも、またバイクのお陰だった。
函館に向かう途中。やはり北海道名物の直線路が僕達の行く手に続いてゆく。
晩夏の太陽に照らされかげろうが立ち上る遥か彼方の路面は、地平線上で空に溶け込んでいた・・・。
僕は数週間前アナゴ君がそうしたように、ステップに立ち上がり大空を仰いで両腕を突き上げ吼えた。
バイクだ・・・。バイクが連れて来てくれた、バイクが見せてくれたこの風景・・・。
バイクがくれたこの快感・・・感激・・・感動・・・、バイクがくれた走る喜び・・・。
・・・僕はもうバイクから離れられない・・・。
741 :
774RR:2006/03/01(水) 23:10:57 ID:YfaJluBt
や、やばす、バイクで北海道行きたくなっちまったじゃねーかよ。どーしてくれんだよ?
俺は既婚者だぞ!クルマでなんて、しかも家族連れでなんて。
742 :
774RR:2006/03/01(水) 23:28:56 ID:KgLRlA+p
>>741 さあ、はやく何もかも捨てて、バイクで北の大地へ旅立つんだ
743 :
774RR:2006/03/02(木) 00:09:28 ID:weqlqaVh
744 :
774RR:2006/03/02(木) 01:11:50 ID:POzlfMRb
745 :
774RR:2006/03/02(木) 03:24:01 ID:asMpzJZ3
コレは・・・・モンキーで旅立つしかない!
【SCENE26】
その後、往路の反省から3日ほどかけて青森から東京へと戻った僕ら。
東京に帰るとそのまま鮒田食堂に寄り、オヤジに土産の鮭トバを渡し飯を喰った後、僕は数週間ぶりにアナゴ君
と別れた。・・・やはり疲れが溜まっていたのだろう。翌日、目が覚めたのは午後になってからだ。
酷使したヨンフォアもしばしの休息。メーターの積算距離は旅立つ前より5千キロを遥かに越えていた・・・。
・・・しかし、暑い・・・。北海道で感じた秋の気配もどこへやら。早々に北海道の涼やかな風が懐かしい僕が居た。
これだけバイクを乗り倒した夏休み。しかし、すぐに始まった学校に通って3日もすると既に体はバイクに乗る事を
欲していた。
鮒田食堂では、早速週末のツーリング計画を練る僕とアナゴ君の姿。
少し前まで行動力も生活力も無かった僕は、もう平気でキャンプの出来る男となっていた。その為、毎週末の
ツーリングの行動範囲は広がった。単独ツーリングや、大学の仲間と数台で行くツーリングも楽しかったが、
やはりアナゴ君とのツーリングが一番楽しかった。
秋も深まり、冬の気配が感じられる頃になるまで実に様々なところへ行った・・・。
房総、日光、伊豆、草津、信州、上越・・・手に入れてから半年も経たないヨンフォアと、すでに1万キロ以上を
共に過ごしていた。その頃には、峠道を走るペースはアナゴ君と遜色ないまでになっていた。
アナゴ君は、初心者だったはずの僕のライディングが自分に追いついてきた事に悔しさを吐露しながらも、
心地よいペースでランデブーできる実力の同じ仲間が出来た事にまんざらでも無いようだった。
夏休みほどのペースではないにしろ、僕はアルバイトも続けていた。バイクライフの充実の為、金はどうしても
必要だったからだ。
平日の夜は、夜間工事現場でアルバイト。アルバイトが休みの日にはなんと自主的に勉学にも励んだ。そして
週末はバイク三昧・・・。
僕の生活は充実していた。毎日が楽しかった。月日が光のように速く過ぎ去って行った。
しかし、たった一つだけ、僕が満足できていないものがあった・・・。それが何なのか、僕は気がついていた・・・。
その感覚を僕はフェアレディZのテールとともに覚えていた・・・。
僕が欲していたもの・・・。バイクで駆ける喜びとも、コーナーリングの快感とも違うもの・・・。
そう・・・脳髄をダイレクトに刺激されるような絶対的『速度』。あの狂った行為・・・。狂った世界・・・。
もはや気持ちだけでは如何ともし難い寒さが、ツーリングプランを拘束しだしたそろそろ12月にもなろうという頃。
僕達は満足にバイクに乗れない鬱憤をバイク談義だけでは晴らせなくなってきていた。
そしてこの頃、会話の端々に速度への欲求を表し始めていた僕の気持ちを汲み取ってくれたのだろうか、
アナゴ君がどこからか仕入れてきた情報を僕にくれたのは、毎度お決まりの鮒田食堂での事だ。
「第三京浜っていうところに、週末の夜になると車やバイクの走り屋が現れてもの凄いスピードで走ってるらしいぜ」
第三京浜・・・。以前、誰かの口からそんな名前を聞いたような気もしたが、その時の僕らの頭からは消えていた。
アナゴ君が入手した断片的な情報によると、『第三京浜道路』という東京世田谷から神奈川県横浜市の保土ヶ谷
というところまでを繋ぐ有料道路は、ほぼ直線で構成され、毎週末の深夜には腕に覚えのある2輪・4輪の走り屋
達の高速バトルステージと化しているとの事であった・・・。
・・・僕の胸は高鳴った・・・。こんな近くにそんな熱い走りのステージがあったなんて・・・。
しかし、その情報に胸を高鳴らせていたのは僕だけでは無かった。その情報を僕にもたらしたアナゴ君本人である。
「行ってみてぇなァ・・・。腕が鳴るゼ・・・。」
そう言ってほくそ笑む彼の顔が少しばかり怖かったのを覚えている・・・。
当時の僕らは20歳そこそこの若者である。ここまで盛り上がってしまった魂の炎が、もはや消せるはずも無い・・・。
早速、今週末に行って見ようという話になってしまった。
やってきた週末。午後9時。僕らは駅前に集合していた。
初冬の夜の風は身を切るように冷たかったが、僕らは初陣に臨み熱い心の高ぶりを隠せないでいた。
若さと無知だけで飛び込んだその世界・・・。スピードの悦楽と、背中合わせの死が支配する狂気の世界に、僕達は
運命のように吸い込まれていった・・・。そう、遅かれ早かれ僕らはここに辿りつく運命だったのだ・・・。
『伝説』が始まろうとしていた・・・。
しかし、その伝説への第一歩に、僕は明らかに何かが不足した状態で臨んでいたことにその時、気がついて
いなかった・・・。東京側から第三京浜のICをくぐる僕の股下で回るエンジンの排気量は・・・たったの398ccだった・・・。
749 :
774RR:2006/03/02(木) 14:37:50 ID:DKfhX33u
ついに物語が本編へ…って感じですね。
バイクとの出会い、バイクの楽しさに共感してきたこれまでの話とは違い
バトル系の方向へ進んでいくんでしょうか。
398ccと言う、どうしょうも出来ない絶対的な数字に泣かされるのか…!
楽しみにしてます。
750 :
774RR:2006/03/02(木) 15:08:11 ID:g9TycGV9
規制前の408ccに対するコンプレックスの発露だね(違う
751 :
774RR:2006/03/02(木) 15:51:47 ID:R7QTqkEj
盛り上がってきたぁ!
752 :
774RR:2006/03/02(木) 21:32:45 ID:8aVp8KQd
マスオ 地獄の限定解除
753 :
774RR:2006/03/03(金) 00:46:25 ID:1DcyBalh
イイヨイイヨー
754 :
774RR:2006/03/03(金) 02:54:36 ID:juH5Ckv5
マスオのリミッター解除
755 :
774RR:2006/03/03(金) 03:46:55 ID:toQGZBwP
サイコー!!1111!!!!11
756 :
774RR:2006/03/03(金) 06:09:05 ID:im2SH+OC
(;゚∀゚)=3 ハフンハフン
757 :
774RR:2006/03/03(金) 11:24:59 ID:wkNdoNGY
758 :
774RR:2006/03/03(金) 14:42:42 ID:ifxhOiGT
若き日の魔棲雄とアナゴ君も気になるけど、『カツオ公道』デビューも気になる(;´Д`)
ライターのお二方、ネ申認定!!!!!
759 :
774RR:2006/03/03(金) 14:48:55 ID:xcDSZigj
BGM「マイレボリューション」
760 :
774RR:2006/03/03(金) 15:33:08 ID:+Y5cqPET
いや、お馴染みサザエさんのテーマのデスメタルバージョンだ。
761 :
774RR:2006/03/03(金) 16:35:39 ID:yXdLDHl7
やっべ!!!オモスレーwwwww
762 :
774RR:2006/03/03(金) 17:40:41 ID:SQK90gfl
ありがとう、この夏は北海道に行くよ。
俺もガッツポーズしたいから。
【SCENE27】
僕達は、様子を伺いながら100km/h強で流していた。
同じペースで走る一般4輪車が前後に数台。漆黒の闇に吸い込まれていく片側3車線。等間隔で次々と迫っては
バックミラーの中で小さくなるオレンジ色の道路灯。どこまでも広がる無機質な夜景・・・。
22時の第三京浜は、僕達の予想を裏切り静寂の中にあった。
5kmほど走った頃であろうか・・・。併走するアナゴ君が僕のほうを向いておかしいな、というニュアンスで
頭をかしげた時だった。視界の右隅。バックミラーの中に小さな光点が現れたのが見えた。
一瞬のうちに大きくなる光点。光の正体を直接確認しようと右を振り向こうとした瞬間・・・。
僕が振り向く必要は無かった。真横まで首を捻ったところで、その正体は一瞬にして僕達の右前方に移動していた。
・・・漆黒の闇と静寂を切り裂く、悪魔の叫びのような排気音と、悲鳴のようなメカノイズ。
その轟音と血のように真っ赤なテールランプの光を引きずるように、僕らの目前から瞬く間に小さくなっていくのは
紛れも無くオートバイ・・・。車種など判別する余裕など・・・あろうはずも無い・・・。
100km/hの風を切る僕の耳に「ウヒョー!」というような親友の聞きなれた声が聞こえたような気がした。
続いて、シフトを落とすカシャッという音が3つも続けて聞こえてきたかと思うと、持てる力の全てを乗り手によって
開放されたGSX750Sカタナが闇に消えていこうとするそのバイクを追うため、飛び出す。
ヨンフォアのヘッドライトが照らすカタナのリアタイヤから僅かにスモークが見え、ゴムの香ばしい香りが
一瞬鼻をつく・・・。
・・・僕は、自分の心臓がもの凄い勢いで拍動しているのを感じた。
カタナのリアタイヤから発せられたゴムの香りの後、鼻の奥深いところから発生した、匂いとも味ともつかない
アドレナリンの仕業らしき感覚。
アナゴ君と同じように、僕もまたスロットルをストッパーまで捻っていた・・・。これだ、この感覚だ・・・。
764 :
774RR:2006/03/03(金) 22:35:41 ID:xco0kRCt
うぉ、またもリアルタイム?
765 :
774RR:2006/03/03(金) 22:38:25 ID:ue/cNhbO
一ヶ月以上見てなかったら凄い良スレにw
これからもおながいします!
フェアレディZを追ったあの日以来突入した事の無かった領域をスピードメーターの針は指し示す。
程なくして針は上昇を止めた。時速170キロ。
深くタンクに伏せる。そうするとヘルメットが風を切る音がやや和らぐと同時に、股下のエンジンが猛烈な勢いで
回転している音が聞こえてくる。
気を抜くと、直進方向以外に発散してしまいそうな凄まじく大きな慣性エネルギー。アスファルトのザラザラした
感触がタイヤからサスペンションを介して直接的に伝わり、時おり越える陸橋の継ぎ手は、ヨンフォアの体勢を
崩そうと仕掛ける悪魔のイタズラのようだった・・・。
これだ・・・。この感覚・・・。刹那的で、暴力的で、非常識で、非日常・・・。
バカな事をしているのは解っている。何か具体的なものが得られる行為ではないことも知っている・・・。
しかし、この湧き上がる感情はなんだ?死と紙一重の状況に身を置く事で感じられる生きている実感・・・。
・・・そんな事でしか生の実感を得られないという事が少しだけ寂しい事であるということに気がついたのは、
もっと大人になってからの事だ・・・。
その時の僕はほとんど何も考えず直感的に、そして野性的にこの最高の狂った悦楽に身を置いていた・・・。
しかし、すぐに僕はある違和感に囚われる事になる。
なぜなら僕は、先刻僕を追い抜いていった車種も解らないバイクとそれを追って猛加速をしていったアナゴ君の
カタナを追っていたはずなのである・・・。
あの日のフェアレディZは、この速度で常に僕の目前にいた。追えていた・・・。ところがどうだ、今の僕の目の前
には・・・誰もいなかった。
アナゴ君が猛追を見せてものの1分ほどの間に、2台は完全に僕の視界から消えていた。
闇の中の単独走行・・・。これは一体どういうことだ?
そんな違和感にやや心を奪われていた時、今度は四輪車に抜かれた・・・。
それなりの速度を出していた為、先刻ほどの速度差はなかったものの、やはり圧倒的な速度を見せつけて
僕から遠ざかっていくその後姿は4灯テールライトが特徴的な日産スカイライン。
追いつかない・・・。追いつけない・・・。この苛立ちにもにた不快感はなんだ!
170km/hという死と隣り合わせの狂気の速度が、まるで歩くように遅く感じた・・・。
プールの中を歩くように、思うように前に進んでいかないような感触・・・。先行する自分の気持ちとは裏腹に
これ以上速度を上乗せできないヨンフォアがもどかしかった。
乗り物としては十分以上に速いこの速度。だが・・・、だが・・・ヨンフォアがこんなに遅いと思った事はそれまで
無かった・・・。
バイクは車より速いと思っていた。青信号のスタートダッシュで、ヨンフォアに追いすがってきた四輪車は
それまで居なかった。東京の渋滞気味の道路上では、バイクに敵する四輪車など存在しなかった・・・。
いや、僕が知らなかっただけだ・・・。僕が思う以上に四輪車は速かった・・・。
バイクはクルマに敵わないのか?そんな疑念がふと頭をよぎったその時・・・。
次の瞬間、2台にまとめて抜かれた。セリカとそれを追うカワサキZU。
僕を抜いた次の瞬間、カワサキはセリカの横に並びゆっくりと前に出る・・・。そしてそのまま二台は僕の手の
届かない距離まで遠ざかる・・・。
・・・そうか・・・。バイクがクルマより遅いんじゃない・・・。僕が・・・僕が遅いんだ・・・。
僕は意地になってタンクに伏せ最高速度を保っていたが、その後バイク3台とクルマ2台に抜かれた。
完敗だ・・・。僕は深夜の第三京浜で誰にも相手にされていなかった・・・。
バイクに乗ってこんなにもどかしく不快な気分になったのは初めてだった・・・。
幼い頃から運動会でも勉強でも、人に負けて『悔しい』と思ったことが無い僕にとって、その不快感が『悔しい』
という感情である事に気がついてのはその後しばらく経ってからのことだ。
・・・しかし、たった一台。僕を相手にしてくれるクルマが現れた。それは僕にとって望まない相手だった・・・。
タンクに完全に伏せた上体でバックミラーをしばらくの間見ていなかった僕の背後にそいつは居た・・・。
突然、周囲の景色が真っ赤に点灯し始めて僕は我に帰った。バックミラーを覗くと、すぐ背後に居るクルマが
その赤い光を放っていた・・・。次の瞬間、駅の構内アナウンスのような無機質で一本調子の声が聞こえた。
「そこのバイク、停まりなさい。左に寄せて停まりなさい。」
・・・僕の頭は、真っ白になった・・・。
768 :
774RR:2006/03/04(土) 00:17:20 ID:M63Dgrzb
免停キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
769 :
774RR:2006/03/04(土) 00:19:40 ID:8A8tSFxl
いきなり、こんなところで免停になってしまうのか−−? どうなる? どうするマスオ!!?
770 :
774RR:2006/03/04(土) 00:39:07 ID:F1lUrioh
ますおおおおおおおおおおおおお!
771 :
774RR:2006/03/04(土) 00:40:58 ID:49hpCiV7
逃げる?
772 :
774RR:2006/03/04(土) 01:07:34 ID:l3IPC2Bm
ちょwww逃げ切れるの?
最高速で走ってて後ろつけられたからムリじゃね?
まさかこんな展開になるとは!!
773 :
774RR:2006/03/04(土) 03:09:25 ID:BPPiI45k
こんな感じで去年免停になったなぁ…
カブで
774 :
774RR:2006/03/04(土) 03:52:31 ID:fSnq15Wt
うおーい マスオォー!!
775 :
774RR:2006/03/04(土) 06:23:06 ID:OPm6V6Uv
TTでアナゴさんとマスオの写真撮ってみた。
ミスでTTフォルダ全消去してしまったのでうpは無い。
776 :
774RR:2006/03/04(土) 08:00:20 ID:wheaLuR0
高速で捕まるって事は噂のGTRパンダでつかね。
ヨンフォアじゃ逃げ切れないよ・・・。
777 :
774RR:2006/03/04(土) 09:34:23 ID:o/aOsEau
ケンメリのパトとかがあったの?
778 :
774RR:2006/03/04(土) 14:48:42 ID:bPzkMtm0
もう、やっちゃうしかないよね。
【SCENE28】
僕への停車を促すアナウンスが終わるか終わらないかのタイミングで、けたたましく響くサイレン。
本来の交通取締り規定では、サイレンと赤色灯を起動した後の追尾開始と、然るべき車間距離と然るべき
追尾時間が定めらられているはずだが、今も昔もそんな御丁寧に規定を尊守し犯罪者を追尾する警察官など
ほとんど居る訳も無い。
そんな次第で、計測され終わるまで僕はその神奈川県警高速機動隊の追尾に気がつかなかった訳であるが、
お前は犯罪者だ、と自覚させるようなサイレンの嫌らしい音はますます僕をパニック状態へ追いやった・・・。
200km/hをも越える速度で走り去る大型バイクやチューニングカーに比べ、中型バイクは取締る側にとって
都合の良いカモだったに違いない。
逃げ切ろうか、という考えが脳裏を掠めたが、既に速度がサチュレートしている状態で後ろに喰らいつかれて
いるのである。そんな事が出来るわけも無い・・・。
僕はその5秒ほどの間で、様々な事を心に思い浮かべた。・・・免許の事、罰金の事・・・もうバイクに乗れなく
なってしまうのだろうか・・・?
背後に迫る、赤く回る赤色灯とサイレンの音に圧倒され、僕は無意識のうちに観念し、スロットルを緩めた・・・、
・・・その時である。
ヨンフォアとパトカーの隣に、3台目の高速移動物体が現れた・・・。
左車線で減速しようとした僕の隣に、鼻っ面を並べる白と赤に塗り分けられた大きなフロントカウル。バイクだった・・・。
フロントカウルには『HONDA』の文字・・・。タンクには自由の翼・・・。
黒い革ツナギに身を固めた細身のライダーの尻の下。サイドカバーには『CB1100』の車名。その車名の下には
大きく燦然と輝く、赤い『R』の一文字・・・。ホンダが1980年代初頭に市場に送り込んだ『究極のCB』。
その名もホンダCB1100R・・・。
僕は思わず右隣のそのバイクに目をやる。視界の隅のバックミラーの中では、パトカーの中で助手席の交通機動隊員
がそのバイクのほうを指差して何か叫んでいる。
そして、CB1100Rのライダーはパトカーに向け左手で挑発めいた仕草を見せる。
次の瞬間、右に車線変更しCB1100Rを追う高速交通機動隊。
2台は僕のことなどまるで無かったかのように僕を引き離してゆく・・・。なんという加速だ・・・。そして大きな左コーナーに
美しいリーンで吸い込まれてゆくCB1100Rとそれを追うパトカー仕様のスカイライン・・・。
一度は見えなくなった彼らだが、前方の保土ヶ谷料金所をノンストップで突破するCB1100Rと、それをさらに追う赤色灯
が確認できた・・・。
・・・もしかして・・・僕は助かったのか?
幸運だった・・・。僕を助けようとするライダーの登場もそうだが、だからといってパトカーが僕の検挙を諦めるとは
限らなかったはずだ・・・。検挙しようとしていたバイクより速いバイクが通過した手前、追わずにはいられなくなったのか、
単純に機動隊員が挑発に乗ってしまったのかは解らない・・・。ただ、僕はどうやら助かったらしいという事だけは解った。
僕はこの寒空の下、冷や汗が脇や背中をつたっているのを感じた・・・。
料金所で料金を支払い、アナゴ君と落ち合う約束をしていた保土ヶ谷PAにバイクを入れる。
たくさんのバイクが集まっていた保土ヶ谷PA。すぐに街灯の下で他のライダー・・・あれは僕らを最初に追い抜いていった
バイク乗りだろうか?・・・と笑顔で会話をしているアナゴ君を発見した。
カタナの隣にヨンフォアを停める僕。すぐにアナゴ君が
「おいおい!ここからじゃよく見えなかったんだけど、パトカーに追われて料金所を突破していったバイクがいたぜっ!!」
とまるで他人事のように興奮しながら報告してきた。
・・・僕はバイクを降りるとヘルメットも脱がず、その場にへたり込んだ・・・。
「おい、フグ田君どうしたんだよ?それにしてもスゲーなぁここは!こんなに興奮したの初めてだよ!俺、毎週通うぜここに!」
と大声で語るアナゴ君の言葉は耳にあまり入ってこなかった・・・。
・・・そんないつも通りのアナゴ君を見て、改めて『助かった』という思いを噛みしめると、腰が砕けた・・・。
僕は、たった今あった事の次第をアナゴ君に報告した。アナゴ君の隣には、やはり僕達を最初に追い抜いていった
XJ750Eのライダーの姿。アナゴ君は結局この彼と保土ヶ谷までバトルを楽しんだらしい。
高速交通機動隊に背後をとられ停車を指示されたこと・・・そんな時、CB1100Rが現れ僕を救ってくれた事・・・。
それらを逐一アナゴ君に報告すると、名も知らぬXJ750のライダーが言った。
「・・・あの人だな・・・、きっと。」
どうやら第三京浜では少しは名の知れた人物だったようだ・・・。
「まぁ、初期型のCB1100Rだからね。今でも最速というわけでは無いけど、速い事は確かさ。それに面倒見が
良くってみんなから慕われているんだ。きっとパトに追われる中型バイクを見て放って置けなかったんじゃないかな?」
こうした会話をして頭が冷静になってくるうちに、僕の脳裏に一つの思い出が蘇ってきた・・・。
かつて、『CB1100R』というバイクの名前が会話に出てきたのを覚えている・・・。あれはどこでの事だったろう・・・。
そしてやはり、『第三京浜』という名前もほぼ同じ頃に聞いたような気がする・・・。
『キミ達、首都高とか第3京浜とか行ったりはするのか?』
・・・突然、そんなセリフがフラッシュバックのように僕の記憶からある男の顔と一緒に思い起こされた・・・。
細身で長身のその姿・・・。CB1100R・・・。第三京浜・・・。・・・4ヶ月ほど前の記憶だった。
「・・・もしかして、鈴木さんじゃ・・・」
僕は独り言のようにつぶやいた・・・。それを聞いてXJ750のライダーが驚いたように聞き返す。
「そうさ、鈴木さんって人さ。どうして知ってるんだい?キミら、ここに来るの初めてなんだろ?」
僕とアナゴ君は、顔を見合わせた・・・。
782 :
774RR:2006/03/04(土) 16:20:00 ID:ichusejY
>>781 キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
思いもかけない展開にドキドキしていまつ。
こんな夕方から遭遇出来るなんて、漏れは運が良いな・・・。
スズキさん、激しくカコイイ!!
そんなライダーに、一度お目にかかりたいもんだなぁ・・・。
783 :
774RR:2006/03/04(土) 16:35:30 ID:cJie7NgH
∧ _,_∧
キタ━━━( ゚∀゚)━━━!!!
.( / つ⌒ヽ
\レ' ./⌒ヽ
(_// /⌒ヽ
し/ /⌒ヽ
ヽし/ ./ i _______
し' ノ | /
.ヽ| /\ | キタ━━━(゚∀゚)━━━!!
ーく \ ∠
\ .\ \__________
) )
rっl). ∧_∧ / / \
レ/ ( ゚∀゚ ) / / \
/| / く "''-..,, \
. | .|/,.へ \ "''-..,,
.L_/ ゙ヽ、 \""'''--...,,, "''-..,,
. /" ̄ ̄ ヽ ""'''--...,,,
.| ヽ――-へ ___
| | \ \__  ̄ ̄
| / ヽ、_二⌒ヽ、
,. -/⌒ヽ .| | \_つ
(⌒ン(__ノー'^ \ | |
(__>-く \ |
゙'' ―='、 ヽi
ヽ,. i
l ./
.゙ー '
連載小説を楽しみにする気持ちが始めて理解できたwwww
784 :
774RR:2006/03/04(土) 16:48:28 ID:RHB5c9oD
∧_∧ +
(0゚・∀・)
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
785 :
774RR:2006/03/04(土) 18:29:45 ID:DgSJaMpm
頼む!誰か映像化してくれ!もちキャラそのままのアニメーションで。
786 :
774RR:2006/03/04(土) 18:48:48 ID:czRhmu0K
これ読んで昔を思い出した。TZRで180Kで走ってたとき、赤いフェラーリ
に100Kくらいのスピード差でぬかれたっけな。
車種は正直不明。フェラーリってのだけわかったけど。@第三京浜
787 :
774RR:2006/03/04(土) 19:02:35 ID:l3IPC2Bm
オン車とオフ車を交代でツーリングって言ってたもんな、鈴木さん。
作者の人が複線をちゃんと貼ってちゃんと消化してくれてるのがアツイwww
788 :
774RR:2006/03/04(土) 19:16:48 ID:JoL7oxAB
伏線
789 :
774RR:2006/03/04(土) 19:38:06 ID:+aVVz3gg
なんという神スレ!!!!!
790 :
774RR:2006/03/04(土) 19:40:19 ID:Q8jomg6Y
>>781 すげぇ…
気付いたら目が潤んでたよ (;ω;`)
791 :
◆QEUQfdPtTM :2006/03/04(土) 19:53:19 ID:Rve3IFoD
このまま俺たちは、明日の6時半を正常な気持ちで迎えられるのか@関東地方!
もはや神スレです。期待しています。本当にありがとうございます。
792 :
774RR:2006/03/04(土) 20:10:49 ID:8A8tSFxl
第3京浜に出かけたくなった。 北海道も・・・
793 :
774RR:2006/03/04(土) 20:21:02 ID:PIFC3V7l
カコイイ!!
794 :
774RR:2006/03/04(土) 21:18:18 ID:n3w7VLo3
鈴木はカタカナの方が...
795 :
774RR:2006/03/04(土) 22:07:29 ID:JaiE4JIB
796 :
774RR:2006/03/05(日) 01:06:45 ID:Fz4vN3RQ
このスレ最高だよ!誰か本にしてくれ!!
797 :
774RR:2006/03/05(日) 01:09:15 ID:ZLXvNhws
まったくだ。
本当に書籍化してもいいくらい面白い。
798 :
774RR:2006/03/05(日) 01:18:31 ID:xUoR9sDY
だから同人誌として今年(ry
799 :
774RR:2006/03/05(日) 11:45:38 ID:5liQSxF1
1100Rってあれか?
キリンに出てきたモヒのオサーンか?
800 :
774RR:2006/03/05(日) 12:15:28 ID:wNerHBFu
801 :
774RR:2006/03/05(日) 15:18:48 ID:YgvDZG1f
これだけスレタイとレスが違うスレは無いだろうな!
802 :
774RR:2006/03/05(日) 15:27:12 ID:xUoR9sDY
次スレはスレタイ変えようぜ。
803 :
774RR:2006/03/05(日) 16:12:40 ID:c5pOTBV4
むしろこのままが良い
804 :
774RR:2006/03/05(日) 16:18:32 ID:mrYoqxsZ
うむ、あえてこのままスレタイとレスのギャップを楽しみたい
805 :
774RR:2006/03/05(日) 17:01:35 ID:ZFawWrZt
つーか、マスオとかフグタじゃなくなったら意味ないし...
サザエさんパロディだから良い訳で...
806 :
774RR:2006/03/05(日) 17:43:33 ID:J5jGvIgM
まさか電気設備課の鈴木さんでは!?
807 :
774RR:2006/03/05(日) 18:24:47 ID:sMuu9dgz
657 名前:なまえをいれてください 投稿日:04/07/24 02:31 ID:9GAtQab4
新入社員の頃、課内で「伝説の鈴木さん」という名前がよく出ていた。
ある日、主任から「この書類、伝説の鈴木さんに渡してきて」と頼まれた。
「どこにいらっしゃるのですか?」と聞き返したら、
「伝説の鈴木さんなんだから伝説の部屋に決まってんだろ。
3階の奥だよ」と言われた。
伝説の部屋という言葉にわくわくしながら3階の奥へ行くと「電気設備課」があった。
808 :
774RR:2006/03/05(日) 18:35:00 ID:PHG63bl/
うちにもあるよ電子システム設計課
809 :
774RR:2006/03/05(日) 18:44:24 ID:xUoR9sDY
この全員がバイク乗ってると思うとハライタスw
810 :
774RR:2006/03/05(日) 18:51:05 ID:7hFiN+c9
JAバンクのマスオさんでも過剰反応してしまうw
811 :
774RR:2006/03/05(日) 19:08:57 ID:8Iim7Vak
正直に言え!
今日第3京浜行ったやついるだろ!
812 :
774RR:2006/03/05(日) 21:41:16 ID:vZ9GWVU0
813 :
774RR:2006/03/05(日) 21:45:33 ID:mrYoqxsZ
なんかホステスっぽいw
頭身低くなるとけっこう美人だなw
【SCENE29】
週明けの月曜日。僕らは鮒田食堂で晩飯を食っていた。
アナゴ君は週末のXJ750のライダーとのバトルの余韻がまだ抜けておらず、僕に身振り手振りを交えてその
話をしてきたのだが、僕は上の空で聞いていた・・・。僕の頭の中では、別のある考えが巡っていたからだ・・・。
ラーメンの残り汁をすすりながらアナゴ君が聞いてきた。
「俺は今週末も第三京浜に行くぜ。もう楽しくってしょうがないよ。鈴木さんにも会えるかもしれないしな。
フグ田君はどうする?」
そうだ・・・。もし鈴木さんに会えるものなら、週末に警察から逃がしてくれたお礼もせねばなるまい。
少し考えた後、僕は答えた。
「・・・そうだな。行くよ。」
アナゴ君は、そんな僕の語気にいまいち乗り気ではない何かを感じたらしい。
「おい。フグ田君・・・。あまり気が進まないみたいじゃないか?パトに追われて懲りちまったのか?」
・・・とんでもない・・・。僕はリベンジに燃えていた・・・。
週末の第三京浜で、やはりスピードの中に身を置く事が僕にとって快感をもたらすという事を再確認していた。
やはり同じように闇の中を疾走するバイクやクルマ達の姿にしびれた。
そして、僕を歯牙にもかけないそんな彼ら達にもう一度挑戦し、今度こそは負けたくないという気持ちで胸の
中は人知れず熱く燃えていたのだ。
・・・しかし、今の僕には何かが足りない事を感じていた・・・。いや、本当はもう解っていたのだ。どうすれば
その足りないものを手に入れられるのかという事を・・・。
アナゴ君と別れ、部屋に戻った。今晩もアルバイトが入っている。
部屋に入る前に、駐輪場のヨンフォアの元へふと足を運んだ。・・・僕の愛車ヨンフォア。最高の僕の相棒・・・。
僕の胸の内を知ってか知らずか、物言わず佇む400cc・・・。
そんな愛車の姿をしばし眺め、ますます複雑な気分になる僕がいた・・・。
815 :
774RR:2006/03/05(日) 22:02:07 ID:0TbpE+H3
ワクテカ(AA略)今後マスオさんはヨンフォアをどーするんだろう?
バイトで貯めた金でチューニング?それともいっそ(ry
816 :
774RR:2006/03/05(日) 22:18:01 ID:K3JesBxr
マスオさんの気持ちが痛いほどわかる・・・。
だって今の俺がまさにそうだもの。
乗り終わって鍵掛けて、部屋に戻るときなんとも言えない気分になる。
大切な愛車だけど、どうしても足りない物がある。
何が足りないのかはわかってるけど、それはこいつにはどうしても補えない。
他のバイクで補うなら簡単だけど、そうすると何かを無くしそうで出来ない。
バイクの声が聴きたいよ。お前は今何を思っているのかって。
817 :
774RR:2006/03/05(日) 22:19:19 ID:zHrtqgCs
750のエンジンを乗っけるとミタ!!(。∀゚)
その週末の夜。僕達は二度目になる第三京浜を走行していた。
アナゴ君は早々に四輪車を追って視界から消えていった・・・。僕はといえば、一般車両より少し速いくらいの
マイペース走行。
このような高速バトルステージで戦うには中型二輪はあまりにもデメリットが大きい事を前週に身を持って知って
しまったからだ。
捕まれば免許が一発で消えてしまうくらいの速度が出るにも関わらず、高速交通機動隊の追尾を振り払うほど
のスピードまでは出ない・・・。そんな状況で走っていては免許証が何枚あっても足りない。
それにいくらムキになってリスクを背負い飛ばしたところで、この狂ったスピードの世界に棲む住人達には、
僕は走るパイロン程度の存在でしかないのだ・・・。
そんな考え事をして走る僕を今晩3台目の大型バイクが追い抜いていった。あのライムグリーンはZ1000Rで
あろうか・・・。
傍で見ている僕にまでヒシヒシと伝わってくるあのパワー感・・・。あの迫力・・・。あの速度・・・。
一時頭をよぎったヨンフォアの改造という考えも、そんな大型バイクのオーラの前には消し飛んで行った・・・。
峠ならそれもありだろう。しかし、僕が戦いを求めているステージはここ第三京浜のような高速ステージなのだ・・・。
・・・そんな僕の心のモヤモヤを払拭するには、たった一つの選択肢しか無かった・・・。
ヨンフォアを心の底から愛する僕にとって、それはある意味辛い選択だった・・・。
保土ヶ谷料金所が見えてきた。ノンビリと走ってきた僕をアナゴ君は待ちくたびれているだろう。
もしかしたら鈴木さんもいるかも知れない。
保土ヶ谷PAには今夜もたくさんのライダーが居た。その中からアナゴ君を探し、ヨンフォアを停める。
数人のライダーの輪の中でアナゴ君は缶コーヒーを片手に震えていた。先週のXJ750Eのライダーも居る。
きっとその仲間なのだろう。
「フグ田君遅かったな。鈴木さんはまだ来てないようだぞ」
819 :
774RR:2006/03/05(日) 22:25:45 ID:/NgU43ux
近所のお姉さんが持っていたもんきーをケコーンするのでくれた
その辺乗ってみた
もんきー死ぬほど遅いのね。ぼあうPしょっと。
お姉さん幸せにね。
820 :
774RR:2006/03/05(日) 22:26:59 ID:0TbpE+H3
そういった欲望は何をやっても満たされる事は無いでしょう、俺も同じだが。
そん時は四輪オンリーだった頃を思い出す。
渋滞でイライラしてるドライバーを嘲笑うかの如くバイクのすり抜けを目の当たりにして
屈辱感を味わっていた頃の自分を思い出そう。
その頃に比べれば今は充分に恵まれているじゃないか…ってね。
821 :
774RR:2006/03/05(日) 22:29:25 ID:J5jGvIgM
もう、ブラックモーター使うしかないね。
822 :
774RR:2006/03/05(日) 22:42:40 ID:d08F6j+a
遅いからボアうp→足回りが・・・→改造地獄
「今日は来ないのかも知れないよ。先週パトカーとやりあってるし。」
輪の中の誰かが言った。彼らは鈴木さんと『チーム』を作っているという訳では無いが、ここではよく談笑しあう
仲間のようだった。
12月の深夜は寒かった。だが、僕とアナゴ君は少なくとも日が変わるまでは待ってみようと思っていた。
名も知らぬライダー達とのバイク談義。それは単なる僕のコンプレックスから来るものなのだろうが、
全員大型バイクに乗る彼らが僕と住む世界の違うつわもの達に見えた・・・。
目の前に並ぶたくさんの大型バイク・・・。僕の小さな愛車がますます小さく見えた・・・。
そうしているうちに、何人かは帰って行った。XJ750のライダーと数人が、僕達に付き合ってくれていた。
そろそろ日も変わろうとしていた頃、誰かが遠くのエキゾーストノートを聞きわけて言った。
「来たんじゃねーの?」
少しの間をおき、保土ヶ谷PAにそのバイクが入ってきた・・・。
鮮やかに白と赤が塗り分けられた大きなフロントカウルが美しいCB1100Rが僕達の目の前に停まる。
顔見知りを確認し、「よっ!」と挨拶をして右手であげたバイザーの中の目は・・・まさしく鈴木さんだった。
「・・・おっ?お〜!!キミ達は!!アナゴ君とフグ田君じゃないかっ!!」
・・・僕達は鈴木さんに再会した。お互いにとって・・・運命の再会・・・。
アナゴ君は駆け寄ってまだバイクの上の鈴木さんの手を取って再会を喜ぶ。僕も言わねばならない礼をした。
「あの、先週はパトカーから助けてもらってありがとうございました」
鈴木さんが跨るCB1100Rは、他の大型バイクの中でもひときわ美しく、そしてオーラを放っているように見えた。
鈴木さんは、バイクを降りヘルメットを脱ぐと、先週のはやっぱりキミだったのか、と笑って言った。両目の脇の
優しそうな笑い皺は北海道の時と同じだった・・・。
824 :
774RR:2006/03/05(日) 23:25:25 ID:/QFuTR2/
wtkt
「あ〜あ、やっぱりここに来ちまったんだな・・・キミらは。」
鈴木さんの言葉の真意が理解できず、僕はアナゴ君と顔を見合わせた。
「・・・もう走っているから解ってると思うけど、ここは一歩間違えれば死ぬ世界だ。俺はキミ達をこの場所に
誘いたくは無かった。でもキミ達は自分の意思でここに来た・・・。約束だ。絶対にここで死ぬんじゃないぞ」
少しだけ真剣な眼差しで、鈴木さんはそう言った。
常連組のライダー達は何も言わず、中にはうつむいている人も居た。
僕とアナゴ君の、ハイ!という返事は鈴木さんの言葉の真意をどれほどまで理解して発した返事であった
であろうか・・・。
僕達は語り合った・・・。先週のパトカー騒ぎ・・・。第三京浜での出来事・・・。北海道での思い出・・・。
身を切るような寒さだったが、僕らは暖かい缶コーヒーを何本も開け、時間を忘れて語り合った・・・。
・・・その話の最中、ふと僕は停まっているCB1100Rに目を奪われた・・・。
大きなフロントカウル・・・。(当時としては)太いタイヤ・・・。ひときわ大きく輝く「R」のレッド・・・。
いかにも大型バイク然としたその佇まいに、僕の抱えていた悩みが溶けていくような気がした・・・。
法による拘束が取り払われ、純粋に『速く』走る為のパッケージングで作られた大型バイク・・・。
中型バイクの楽しさは今でも否定するつもりは無いし、エンジン回転を使い切り、その軽快なフットワーク
で駆け抜けるスタイルはオートバイという乗り物の一つの理想形でもあると思っている・・・。
・・・だが、僕は行き着くところまで行って見たいと思った・・・。バイクという乗り物にそこまで心酔していた・・・。
僕はアナゴ君や鈴木さんを始めとした大型自動二輪の先輩達の前で宣言した・・・。宣言してしまった・・・。
「・・・僕、大型自動二輪免許取ります!大型バイクに乗ります!」
・・・同じ頃、まるでそんな僕の想いに応えるように、遠くはなれたアメリカはラグナ・セカサーキットで一台の
二輪史に残るバイクが世界に発表されていた・・・。そしてそのバイクは僕の故郷、関西の地で市販に向けた
最終準備段階に入っていた・・・。
1983年がそろそろ終わろうとしていた・・・。
826 :
774RR:2006/03/05(日) 23:35:42 ID:r55DRigB
車種wktk
827 :
774RR:2006/03/05(日) 23:38:24 ID:olZWw9hV
わかったけど言わないでおくw
言うと怒られそうw
828 :
<*`∀´*>okinotorishima ◆Y8BmtX/bho :2006/03/05(日) 23:39:40 ID:mWqBJJiM
神スレニダ
829 :
774RR:2006/03/05(日) 23:50:12 ID:qpYWnvFX
確かに当時の世界最強クラスかもしれないけど、いくら稼ぐつもりしてるんだろうw
830 :
774RR:2006/03/05(日) 23:55:59 ID:tFSRkMDt
とうとう雄の中に棲む魔物が目覚めるんだね
831 :
825:2006/03/05(日) 23:57:21 ID:+vLIWecr
>>829 お金の事も一応ツジツマはあわせるつもりですが、あまり細かい事は突っ込まないで下さ〜い(・∀・;)
それを言い出すと『CB1100R』なんて、マジでありえないですよねw
832 :
774RR:2006/03/06(月) 00:10:36 ID:++aJj4TA
あれか?あれなのか!!!!
833 :
774RR:2006/03/06(月) 00:16:46 ID:JkgboWH7
魔物。その名はJOYG・・・
834 :
774RR:2006/03/06(月) 00:27:16 ID:Hpb8tltY
JOGか
恐る恐るNSR50のエンジンをかける僕。
セル一発で、エンジンに灯がともる。
心地よいエンジンの振動を感じながら
アクセルを開く…
2st特有の割れるような排気音がプレハブ小屋に響き渡る。
「ちょっと走ってみるか?」
エンジンをかけただけで、
思わずニンマリとしてしまった僕をみて
アナゴさんは言った。
慎重にクラッチを操作し、ローギアに入れる。
そして…ゆっくりとクラッチレバーを離す。
NSR50は、ソロリソロリと前進を始めた。
何度か切り返し、プレハブ小屋から出る僕。
「カツオ君、忘れ物!!」
振り返ると、フルフェイスを持った義兄がいた。
836 :
774RR:2006/03/06(月) 00:33:20 ID:oAWpho/L
Nチビにセルなんか付いてただろうか・・・?
837 :
774RR:2006/03/06(月) 00:34:51 ID:eKDWYT/V
こう来たか・・・・
作者さん愛してるお
車種名はわかったからワクテカしてまってる!
838 :
774RR:2006/03/06(月) 01:04:36 ID:myFGFNJL
二輪初心者の漏れにゃマターク分からんお
誰か、、、ヒント、、、頼む、、、。
839 :
774RR:2006/03/06(月) 01:08:49 ID:oqpoLArp
| | ∧
|_|Д゚)
>>836 無い・・・。
|文|⊂) キックオンリー
| ̄|∧|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
841 :
774RR:2006/03/06(月) 01:18:20 ID:+klM3Y5h
>>838 別にわからなくてもすぐ明かされるだろうし無問題。
むしろわかんない方がwktkできていいかも。
842 :
774RR:2006/03/06(月) 01:28:26 ID:hkL0ZLdQ
843 :
774RR:2006/03/06(月) 01:39:49 ID:BKexHn1P
オートバイの2005年5月号の付録を見て、もう一度文章読み直したら分かった!
ホンダピープルだ!
844 :
774RR:2006/03/06(月) 01:46:38 ID:XsU0dYYs
鈴木の田中
845 :
774RR:2006/03/06(月) 05:55:23 ID:Hqe+cHOJ
わかた!
やってもうたっ…!!!
キックオンリーなのですね…
さっそく修正いたします…
バイクファン並びに、このスレの住人の皆様に陳謝いたします。
修正版
恐る恐るNSR50のエンジンをかける僕。
キック一発で、エンジンに灯がともる。
夕方、悪戦苦闘したカブのエンジンとは大違いだった。
心地よいエンジンの振動をしばらく感じた後、
慎重にアクセルを開く…
2st特有の割れるような排気音がプレハブ小屋に響き渡る。
「ちょっと走ってみるか?」
エンジンをかけただけで、
思わずニンマリとしてしまった僕をみて
アナゴさんは言った。
慎重にクラッチを操作し、ローギアに入れる。
そして…ゆっくりとクラッチレバーを離す。
NSR50は、ソロリソロリと前進を始めた。
何度か切り返し、プレハブ小屋から出る僕。
「カツオ君、忘れ物!!」
振り返ると、フルフェイスを持った義兄がいた。
ヘルメットを被り、NSR50をスタートさせる。
先ほどまでの、タンデム走行の速度の
おそらく5分の一の速度もだしていないのに、
僕にとってはコイツが何よりも速く感じられた。
何周かアナゴさんの家のまわりを走っていると、
だんだん、バイクを操作することにもなれてきた。
何て面白いのだろう。
憧れ続けたバイクに、僕は乗っている…
もうそれだけで満足だった。
848 :
774RR:2006/03/06(月) 08:34:44 ID:BKexHn1P
水の生き物にちなんだ名前を考えてみた。
イナダ ゲンゴロウ(バイク屋の親父っぽい)
カイヅ セイゴ(どっかの走り屋っぽい)
イトウ チヌ(ばーさんっぽい)
フタバ リュウコ(元ネタはフタバスズキリュウ。鈴木さんと結婚するっぽい)
849 :
774RR:2006/03/06(月) 11:42:26 ID:aft6H8pq
ジャイロかっ!
そうかぁ、あのバイクも当時は世界最速だったのね。
今となっちゃ中古も安いし盆栽ばっかりだけども
850 :
774RR:2006/03/06(月) 12:06:53 ID:GLaAj5MR
いやいや、ナナハンキラーRZ350ですよ。
これで、免許の問題も解決だな。
851 :
774RR:2006/03/06(月) 12:23:21 ID:L0LVm5V+
普通になにかのエンジンに積み替えてるんだと思ってたw
852 :
774RR:2006/03/06(月) 13:32:38 ID:cKq0C4gV
フグ田くん・・・
/ ̄⌒⌒ヽ
| / ̄ ̄ ̄ヽ
|| / \|
|| ´ `|
(6 つ /
| / /⌒⌒ヽ
| \  ̄ ノ
| / ̄
853 :
774RR:2006/03/06(月) 13:56:17 ID:Gn9/pyhP
マジレすすると、CBX750ホライゾン!!
854 :
774RR:2006/03/06(月) 14:19:08 ID:hyi/5RaG
CBX750HはVIPPERだから欲しい
855 :
774RR:2006/03/06(月) 14:40:49 ID:Li7zxSfK
チョイノリ1000RRだろ
お前等あんま初心者惑わすこと言うなし
856 :
774RR:2006/03/06(月) 19:45:30 ID:2LEC8WFN
パッソルでFA?
857 :
774RR:2006/03/06(月) 20:01:39 ID:gjfxROgA
ホンダピープルだろ
858 :
774RR:2006/03/06(月) 20:11:07 ID:u4K1usJb
マメタン?
859 :
774RR:2006/03/06(月) 20:24:05 ID:ccmvtc8Z
ZOOK1100Rじゃなかったんだ?
860 :
774RR:2006/03/06(月) 20:28:32 ID:KOu6D50k
Y2Kに決まってんじゃん
861 :
774RR:2006/03/06(月) 20:58:30 ID:FFgmZQl4
お前らw
やり過ぎるとスレが埋まるw
自重せよw
862 :
774RR:2006/03/06(月) 21:45:46 ID:m+zQupY3
だから答えを出す。その車種、それは1984年発表の衝撃的なスペックを持つ銘車、
ヤマハV-MAX1200。ここで、カツオ物語との見事なコラボレーションがはじまる。
863 :
774RR:2006/03/06(月) 21:59:17 ID:ST+Cf7dI
しーだよ!しーっ!
864 :
774RR:2006/03/06(月) 22:22:42 ID:dpHoAP+l
ニトログリセリンとかつむのかな?
865 :
774RR:2006/03/06(月) 22:29:30 ID:FFgmZQl4
パッソルΓ Walter wolf
866 :
マスオ:2006/03/06(月) 22:31:36 ID:BKexHn1P
懐かしいな
カツオ君が原付の免許をとったちょうど2年後、カツオ君と花沢さんは籍を入れたんだっけ…
【SCENE30】
鈴木さんと再会したあの日以来、僕は第三京浜には行かないと決めていた。
僕の計画を実行に移すためにまず必要なもの・・・。それは金だった。
大型自動二輪試験を受けるに当たっての練習所に支払う練習料もそうだが、なによりも免許取得後の
大型バイク購入資金を貯める事に専念した。
その、いつになるのか解らない未来の為に、僕は必死でアルバイトをこなした。
平日はもちろん、アナゴ君が第三京浜に通っている週末の夜も仕事をした。時には日曜日も働き、一週間
働きづめの週もあった・・・。
アルバイトを覚えたての頃は、道路工事現場の交通整理だけだった職種も、実際の現場作業から、アナゴ君
の伝手以外の引越しの手伝いなど、肉体を酷使する時給の良い仕事を毎日のようにこなすようになっていた。
毎日疲れ果てて部屋に戻る日々。体は疲労でクタクタだったが、半年程前の自分には考えられないほどの
筋肉が四肢に付いていた。
逞しくなってきた僕の肉体には、「モヤシ」と揶揄された昔の面影は無くなって来ていた。着痩せする体型らしく、
それが周囲の人間に露見する事はほとんど無かったが、この時期の異常なまでのバイト量とそれに伴う
肉体改造は、近い将来に現実となる大型バイクでの高速バトルで大いに役立つ事となる・・・。
アナゴ君とバイクに乗る時間が減ってしまったのは残念だったが、どうせ今は冬。我慢と辛抱を重ねれば
得られるであろう大型バイクとの夢のような日々を思い描き耐えた。
それにアナゴ君とは以前と変わらず鮒田食堂で飯を食い合う仲だったし、アナゴ君の第三京浜の土産話は
僕のアルバイト尽くめで疲れた日々の、大きな支えとなった。
相変わらずヨンフォアに対する後ろめたさというのは感じていたが、もう振り返らないと自分に言い聞かせ
残り少ないであろう愛車との日々を街乗り程度ではあるが楽しんでもいた。
未だ春の気配が見えない1984年2月上旬。僕はもうひとつ毎日のように釘付けになっているものがあった・・・。
バイク雑誌の数々だった・・・。最初は大型自動二輪取得に関する情報を得ようと購入したそれらの雑誌。
しかしその時期、どの雑誌を見ても紙面を賑わせている一台の大型バイクがあった・・・。
250km/h近い最高速度・・・。ゼロヨン10秒台の俊足とパワー・・・。世界中のバイク乗りがその時、この一台
に注目していた・・・。
・・・カワサキGPz900R・・・。北米でのペットネーム『ニンジャ』・・・。僕は完全にその虜になっていた・・・。
869 :
774RR:2006/03/06(月) 22:55:30 ID:8zXZruZ+
ニンジャキタ━(゚∀゚)━!!
870 :
774RR:2006/03/06(月) 23:05:38 ID:FFgmZQl4
初リアルタイム遭遇です
やはり忍者ですよねw
871 :
774RR:2006/03/06(月) 23:16:04 ID:QjMRalHJ
カワサキ信者として最高だよマスオさん!!
飽きることなく、アナゴさんの自宅周辺の道を走る僕。
自転車とは明らかに違う、バイク独特のスピード感に
僕は酔いしれていた。
思わずフルフェイスの中で、歓喜の雄叫びをあげてしまった。
アナゴさんの家の前の道に差し掛かった瞬間、
門の前に並んでいる義兄とアナゴさんが見えた。
僕は思い切りアクセルを開く。
どこまでも加速しようとする車体…
タンクを抱くように身を伏せる。
風の音と、エンジンの音しか聞えない。
想像以上だった。
自分の手で操縦するバイクの面白さは。
「カツオ君〜!!そろそろ帰ろう!!」
義兄の呼びかけで、ようやく我に返った僕。
アナゴさんの家の前にNSR50を停め、
フルフェイスを脱ぐ。
「どうだった?記念すべき初走行の完走は?」
「アナゴさん…最高ですよ!!」
「そうか…よかったな。」
「初めてにしては上手かったよ、カツオ君!!」
義兄が優しげな表情で、そう言った。
先ほどのVmaxでの走りを知っているだけに
きっとお世辞なんだろう。
でも素直に嬉しかった。
そして僕は、義兄達のようにもっと上手く、
速くなりたいと思った。
「プレハブには俺がいないときでも気にせずに、
いつ入っても構わないから
バイクに乗りたくなったら好きな時においでよ。」
「はいっ!!ありがとうございますっ!!」
「ちなみに小屋の鍵は入り口の脇にある植木鉢の下に隠してあるから。
合鍵はフグタも持ってるけどさ…。」
874 :
774RR:2006/03/06(月) 23:34:36 ID:mf4TrEYK
シエンヌ
875 :
774RR:2006/03/07(火) 01:00:38 ID:PPDuHtnt
俺も物語のような青春が欲しかったよ。
876 :
774RR:2006/03/07(火) 08:00:24 ID:AutnkBF/
俺は物語のような青春をこれからおくるよ。
over三十路だけど間に合うよね?ね?!
877 :
774RR:2006/03/07(火) 09:12:25 ID:iIlY0mw8
バイクに乗ってる限り青春は続くよ。
878 :
774RR:2006/03/07(火) 11:37:44 ID:SNhekrml
今青春真っ盛りの俺は勝ち組
879 :
774RR:2006/03/07(火) 12:08:07 ID:/J7r/uvG
>>876 大丈夫だ、俺なんか二輪免許取ったのが36歳でしかも既婚者なんだよ。
880 :
774RR:2006/03/07(火) 12:16:07 ID:6lsXE2AZ
俺は30歳を過ぎて初めてmyバイクを買ったよw
881 :
774RR:2006/03/07(火) 12:23:44 ID:JPHbb94K
オレはずっとバイク乗ってたけど32歳で離婚したよ
882 :
774RR:2006/03/07(火) 13:07:02 ID:8ekP0Khi
オレは38で免取りだよ
883 :
774RR:2006/03/07(火) 13:09:16 ID:uDf+zgLv
オレは26で童貞だよ
884 :
774RR:2006/03/07(火) 13:19:54 ID:LF/wmbHM
オレは23で童貞で無職だよ
でもバイク買ったよ
885 :
774RR:2006/03/07(火) 13:24:32 ID:l3+iZECz
17で非童貞でバイク3台持ちだよ
もう春休みだからヒマぽ
886 :
774RR:2006/03/07(火) 13:25:43 ID:HKsKS9aL
オレは17で童貞でニートだよ
そして原付しか無いよ
887 :
774RR:2006/03/07(火) 13:50:48 ID:7J9pGGeu
888 :
774RR:2006/03/07(火) 14:26:12 ID:b+2E4f81
889 :
774RR:2006/03/07(火) 14:36:15 ID:LF/wmbHM
890 :
774RR:2006/03/07(火) 15:33:16 ID:kGeUm6F8
アイフル
891 :
774RR:2006/03/07(火) 17:52:02 ID:JPHbb94K
892 :
774RR:2006/03/07(火) 18:31:18 ID:7J9pGGeu
>>889 まず車の免許取る...
バイクの故障を直す
働く
生きる
893 :
774RR:2006/03/07(火) 20:27:20 ID:lCkzT2he
894 :
774RR:2006/03/07(火) 20:32:28 ID:eRIh6gYQ
ちょwwwww
ガチでこんなCMあるのか?www
895 :
774RR:2006/03/07(火) 20:47:48 ID:lCkzT2he
調べたら、「STUDIO-蔵」って人が作ったムービーだそうだw
クオリティ高っ
896 :
774RR:2006/03/07(火) 21:39:38 ID:LF/wmbHM
897 :
892 :2006/03/08(水) 07:40:22 ID:QXR6hKNi
898 :
774RR:2006/03/08(水) 20:42:53 ID:N7rTy/2+
保守
899 :
774RR:2006/03/08(水) 21:37:07 ID:Io5mUigE
どうでもいいがレス無駄遣いやめようぜ。
作者さんのスペース残さないと。
900 :
774RR:2006/03/08(水) 21:55:41 ID:lDpM8CAL
残り100いぇーえ!
901 :
774RR:2006/03/08(水) 21:58:26 ID:hoifhwGd
こうなったら次スレたてるしかないな
902 :
774RR:2006/03/08(水) 22:57:44 ID:44vVqlNH
次スレマダー□\⊂(・∀・)チソチソ
【SCENE31】
鮒田食堂。300円の醤油ラーメンをすすりながらバイク雑誌のページをめくるアナゴ君。そのページにはGPz900R。
どうでもよいが、彼はほとんどいつも同じラーメンを食べている。よくもまぁ、飽きないものだ。
「・・・ホントに、このバイクにするのか?」
そのアナゴ君の問いかけに、信念を持って頷く僕がいた。
「しかし・・・高いぜこりゃ。逆輸入車だろ?一体、幾らくらいするんだろうな?」
・・・そう。それが僕のもっとも懸念していた事だった・・・。
規制緩和により、現在のように当たり前のように逆輸入車が購入できた時代ではない。例えば登録一つとっても
車両のフレームナンバーではなく、陸運局の職員による「職権打刻」と呼ばれる新たに打刻されるフレームナンバー
により登録される事になる。逆輸入車の購入とはそんな特別な事だった時代。
春の気配が見えてきた3月中旬。
昨年末から冬休みも学校が始まってからも続いていたアルバイト三昧の日々と、切り詰めた日常生活によって
当時の中型二輪車であれば現金一括で買えそうなほどの財力がその時の僕には既にあった。
しかしこんな程度でGPz900Rの逆輸入車が買えるわけなど無いし、もちろん登場したばかりのこのバイクに
中古車などあるわけが無い。そもそも所持金の一部はこれから何度通う事になるのかも解らない限定解除の
為に使わなければならない・・・。
「ま、なんだかんだ言っても金なんてどうにかなっちまうんだけどな」
とアナゴ君は笑った。
彼も限定解除に成功したその足で、中古のナナハンを覗こうと寄ったバイク屋で新車のカタナを見てしまったのが
運の尽きだったらしい。気がついたら所持金全額とローンの組み合わせで契約が済んでいたという・・・。
「あ〜あ!フグ田君が限定解除してGPzを買っちまったら俺が一番小さい排気量じゃないかよ!参っちまうな。
ま、俺はあのカタナにずっと乗り続けるけどな!」
この時が、これまで何度繰り返されては訂正されたか解らない「今のカタナに乗り続ける」というアナゴ君のお決まり
のセリフの、記念すべき第一回目である・・・。
904 :
774RR:2006/03/08(水) 23:37:02 ID:2ecvQOde
キタコレwwwwwww
職人さん乙です!
深夜の潰れたパチンコ屋の駐車場で、久しぶりに並んだヨンフォアとカタナ。
この日、僕は初めて大型自動二輪に跨った。4月から限定解除に向けて具体的にアクションを取ろうとしていた
僕に、アナゴ君がカタナを貸してくれたのだ。
凄い・・・。サイドスタンドを起こそうと車両を直立にしただけでも感じるその巨大な体躯・・・。ズッシリとした重さ・・・。
跨ってハンドルに手を添えると、目の前を圧迫するタンクや計器類・・・。
股下ではアイドリングにも関わらずゴロゴロと巨大なピストンとクランクシャフトが駆動しているのが感じられる・・・。
その重いクラッチレバーは、即ち大きなパワーを受け止める大きなクラッチ容量を現している・・・。
ニュートラルからローへ。その『ガツン』という音とショックは、明らかにヨンフォアと異なっていた。
重いクラッチレバーをそろそろと繋いでいく・・・と、ほとんどアイドリングにも関わらず、その巨体はドロドロと
前に向かって動き出す。
歩くほどの速度から、スロットルを少しだけスッと開けてみると、ドンッと後輪が強大なトルクでアスファルトを
蹴飛ばす。
30mほど直進してUターン。ズッシリと重く、それでいて安定したリーン。
車体が直立すると、心配そうな顔をするアナゴ君に向かってさっきよりももう少しだけ大きくスロットルを開ける。
ズゴォォォとバイクが先行し、頭が後ろに置いていかれそうになる。無意識にニーグリップがいつもより強くなる。
空き缶をパイロンに見立てたスラローム。ズン!ズン!とその大きさと重さを感じさせないかのように身を翻す
カタナ。ヨンフォアに慣れて忘れていたバイクという乗り物の質量を思い出す・・・。
「どうだい?やっぱりヨンフォアとは違うだろ?」
そのアナゴ君の言葉に、僕は笑顔で頷いた。
やはり大型バイクは凄い・・・。うむを言わせぬ迫力・・・。そのパワー感・・・。
僕はその晩、限定解除をしてやろうという決意を新たにしていた・・・。
その帰りのヨンフォアが自転車のように軽く感じた・・・。ヒューンと軽快に回る、手の内に収まるエンジンパワーが
それはそれで楽しかったのが何故か記憶に残っている。
来週から4月。僕は限定解除に挑む・・・。
>>711の続き
カツオと中島には最後までサブの真意が判らなかった。ガソリン代くらいは渡そうとカツオと中島
が昼飯代を浮かせが1000円札を渡そうとしたときには「そんなことしなくていいから、学校帰りに
時々店の自動販売機でジュースでも買ってくれ」と言ってサブ笑った。
最初こそオートバイの扱い方を教えてくれたものの、それ以降は放置された土管の上で
寝ていたり、ビールを飲みながらスポーツ新聞を読んで過ごすだけだった。一時程時間
を潰すと「そろそろ帰るか」と言い店に戻っていく。その後から名残惜しげにカツオと
中島がKSRを押して歩く。店に着くとサブは二人からバイクを受け取り、翌週か翌々週の
約束をした後で店の裏に去っていく。
そんな繰り返しが3度程過ぎた頃だった。空き地の周囲はカツオが一人でバイクを持ち出していた
頃から作り上げた細い外周コースが既に出来あがっていた。まずは肩慣らしでカツオが二周、続けて
中島が二周周り、再びカツオが跨ろうとしたときだった。お互いの走りをアレコレと批評しあって
いた二人にサブが不思議そうに問い掛けた。「なぁ、バイクってそんなに楽しいか?」
「勿論ですよ。」カツオが即座に答えた。横の中島も今更何を聞くんだろうという顔をしている。
「ふ〜ん・・・」
サブは二人の答えを聞いてもまだ不思議そうな顔をしたままだったが、しばし考えたのちに再び質問
した。
「同じところをグルグル回ってるのは飽きないか?」と聞いてきた。
「でも免許も持っていないのに道路を走る訳にもいかないですから。」今度は中島が答えた。
すると今度はちょっと悪戯っぽい顔になったサブが言い出した。
「折角のKSRなんだから平らなところばかり走っていたらつまらないだろう?」
KSRのどこが”折角”なのかわからない二人には宝の持ち腐れのような話ではある。
空き地の中の適当なコブ、草むらを指しながらサブがコースを指定する。
水の流れた跡、草むらのコブ、自然の段差などに沿ったり横切ったり、今までとは全く異なる
ルートが出来上がった。転倒を心配する中島をサブがけしかける。「そんなに大きな段差はない
ルートだから大丈夫だよ。”多分。”あ、でも転倒するときはバイクが壊れたりケガをしない程
度にしてくれよ。」励ましているのだか、不安にさせようとしているのかよくわからない。
最初は不安がった二人だが、オフロード車だから多少の転倒は大丈夫だよというサブの言葉で
まずはカツオがチャレンジすることになった。
最初は段差に進入する角度がわからずいきなり転びそうになる。体重移動も助走もなく段差に
突っ込んでいくのだから、ハンドルから手が離れそうになったり股間を打ちそうになる。
しかし、数周するとなんとか要領を覚えてきた。カツオが段差にも負けずにKSRを操りだすと
今度は中島も乗りたくなってくる。結局その日は二人とも新しいルートの攻略に夢中になって
過ごした。
次の回からは、初めにサブがその日のコースを指定するようになった。
コブや段差ばかりのコースの時もあれば、初めの頃の外周路が基本の高速コースの時もあった。
サブはコースを指定すると指定席の土管の上に登りボンヤリと時間を潰す。
しばらくすると降りてきて二人にタイムを競わせたり、特定のコースを走らせたりする。
サブにおだてられた二人が無謀な走りにチャレンジして何回か転倒したころに
「じゃぁ帰ろうか」とサブが言い出すのが終了の合図になった。
終了前のサブの指令は単純にタイムを競うだけの時もあれば、転倒ギリギリまでストレート直後
の急コーナーを走らせるだけの時もあった。
>>907の続き
「いつかサーキットを走ってみたいなぁ。レーサーを目指したりして。」
コーナーを後輪を滑らせながら戻ってきた中島が興奮しながらサブに言ったことがある。
それを聞いたサブが「あんなに後輪を滑らせてサーキットかい?オフロードのレースじゃなくて。」
と冷やかすと中島は「やっぱりサーキットの方が格好良いですもん。」と答えた。
「サーキットのレースでもオフロードを走る訓練は役に立つよ。ラルフ・アンダーソンとか、特に
アメリカ出身のGPライダーはダート出身が多いんだ。」
サブの言葉に、フツフツとカツオへの対抗心が湧き出る中島だった。
「お前”ラルフ・アンダーソン”と言いたかっただけとちゃうんか?」
というツッコミは置いといて次回予告
「 再 動 !」
来週もまた、読んで下さいね〜。ウッガッゴッゴ。
910 :
774RR:2006/03/09(木) 00:23:28 ID:taE4OYDp
先生方、お疲れ様です!
911 :
774RR:2006/03/09(木) 01:07:25 ID:yCC6ZbWA
激しく乙!
912 :
774RR:2006/03/09(木) 12:06:24 ID:obl9PPWU
懸念がひとつ。
このマスオさんの時代は教習所で大型二輪免許を取得できる制度はなかったので
非認可の「練習所」で練習をして試験場での限定解除に挑む、というのは分かるのですが、
この時代って中型二輪免許取得後、二年経過してないと限定解除試験を受けれないとかじゃなかったっけ?
都道府県によって違うかもしれないし、大型二輪免許取得はその2年が経過した後
って物語が進んでいくなら問題ないのかもしれないけど。
ニンジャ買う資金を作るのに2年かかるとか。
勘違いならスマソ。
913 :
774RR:2006/03/09(木) 12:29:20 ID:ajA84QTb
そんな制度はオレの時はなかったよ
914 :
774RR:2006/03/09(木) 13:10:07 ID:IyZRG8UI
フグ田サザエ 川村女子短大中退
フグ田マスオ 早稲田大商→海山商事
フグ田タラオ かもめ第三小学校→海城中→海城高→明治大経営→フリーター
磯野カツオ かもめ第三小学校→区立中→都立中→花沢不動産
磯野ワカメ かもめ第三小学校→区立中→都立高→北里大看護→北里大学病院
磯野波平 尋常小学校→丁稚奉公→リーマン
磯野フネ 日本女子大
波野ノリスケ 東京大法→講談社
波野タイコ 立教大経済
波野イクラ 慶應義塾幼稚舎→慶應義塾普通部→慶應義塾高→慶應義塾大経済→ヒモ
中島 かもめ第三小学校→区立中→國學院久我山高→法政大→広島→ドジャース→ロッキーズ
橋本 かもめ第三小学校→区立中→都立高→フリーター
花沢花子 かもめ第三小学校→区立中→都立高→明海大不動産→花沢不動産
カオリちゃん かもめ第三小学校→区立中→都立高→青山学院大法→丸の内OL
早川さん かもめ第三小学校→区立中→都立戸山高→慶應義塾大経済→JETRO職員→衆院議員
ミユキちゃん かもめ第三小学校→区立中→都立高→美容専門学校→美容師
サブちゃん 一橋大法→サントリー→三河屋
915 :
774RR:2006/03/09(木) 13:22:49 ID:8VzLYRY0
>914
リアルすぎwww
916 :
774RR:2006/03/09(木) 13:42:24 ID:JEzZbH1c
イササカ一家もたのむよ
917 :
774RR:2006/03/09(木) 14:19:25 ID:tPWInMm2
>>912 じゃぁ癌ボーイは無免でしび子ちゃんに乗っていたのか?
918 :
774RR:2006/03/09(木) 14:34:33 ID:YyhKx5+x
>磯野カツオ かもめ第三小学校→区立中→都立中→花沢不動産
区立中・・・都立中・・・
これが気になって仕事も手に付かない件について。
919 :
774RR:2006/03/09(木) 15:24:22 ID:J7mRxWjP
>>912 神奈川県ローカルかもしれないが昔そうだったと聞いた記憶あり。
920 :
774RR:2006/03/09(木) 15:48:59 ID:98PTgD/N
>>912 俺の時代は普通免許とったら、大型二輪も乗れたけどなぁ
921 :
774RR:2006/03/09(木) 15:49:51 ID:98PTgD/N
さげわすれた。スマン
922 :
774RR:2006/03/09(木) 17:29:07 ID:ySTaV3qJ
923 :
774RR:2006/03/09(木) 18:23:17 ID:9g5lcXnu
誤爆?
924 :
774RR:2006/03/09(木) 19:45:27 ID:H97kvQiw
どこから誤爆したのか気になる。
925 :
774RR:2006/03/09(木) 20:05:16 ID:tBwMEJpN
926 :
774RR:2006/03/09(木) 20:36:13 ID:F0XkYl+T
927 :
905:2006/03/09(木) 21:49:10 ID:9gEREgMn
>>912 自分も中型自動二輪免許取得後の限定解除受験までの制限期間があるのか?と思って
調べようとしましたが・・・やめました(・∀・)
あえて調べてもいませんw
そこまで気にするのは、意味が無いかなって感じがして・・・
開き直りかも知れませんが( ̄ー ̄;)
928 :
774RR:2006/03/09(木) 22:01:37 ID:tOMxkbyT
マスオのすむ世界と、我々の住む世界に微妙な違いがあったっていいじゃないか。
些細なリアリティにこだわって、物語を楽しめないのはもったいないと思うぞ。
929 :
774RR:2006/03/09(木) 22:42:19 ID:xGg61cy1
ここまでクオリティの高い作品だから、後からそれをネタに、些細なリアリティに
こだわるヤシにツッコミいれられたらもったいない、とも思う。
俺個人としてはそんな些細な部分でこの物語の魅力は損なわれないと思っているので
作者さんの意思を尊重する。
930 :
774RR:2006/03/09(木) 22:46:08 ID:scKypZSV
似て異なる世界の物語だもん。物語の設定にツッコムのは無粋。
931 :
774RR:2006/03/09(木) 22:57:03 ID:xGg61cy1
だからNSR50がセルスタートでもオッケー!
ゴメンw
932 :
774RR:2006/03/09(木) 23:48:11 ID:2yNDn5WR
マスオさんが初めて大型に乗る描写を見て
大型ちょっとあこがれた!
933 :
774RR:2006/03/10(金) 00:02:32 ID:/QG85thS
934 :
774RR:2006/03/10(金) 00:41:26 ID:vE8zgFRn
思ったんだが、この作者さんって実は本職の人だったりして。
登場人物こそ、既存の作品から引っ張ってきてるとは言え、描写とか表現の仕方がめちゃめちゃ上手いよな
文才がある人って羨ましいわ
935 :
774RR:2006/03/10(金) 09:26:27 ID:tTa4vEbj
エロを書かせたら、男は皆天才。
936 :
774RR:2006/03/10(金) 13:22:56 ID:ZFVIe4as
駆け出し君書いてた人、じゃないですよねぇ・・
937 :
774RR:2006/03/10(金) 21:36:13 ID:G+D48Yr4
週末は読みにこれないので、その間にDAT落ちしたら誰か保管場所の確保頼む。
938 :
905:2006/03/10(金) 22:02:58 ID:044JzTWH
そろそろ次スレのほうがよろしいでしょうか?
まだ早い?
939 :
774RR:2006/03/10(金) 22:03:58 ID:1wcxRs9V
950ぐらいでいんじゃね
【SCENE32】
4月に入り僕は練習所に通った。練習車両はヤマハGX750。
やはりヨンフォアに比べ大きく重い・・・が、決してどうにも手に負えないというほどのものでは無く、やはり同じ
オートバイ。コツさえ掴んでしまえば去年教習所でホークUに乗っていた時と同じ事だ。どんなに重くても
パワーがあっても、バイクは腕力で乗るものではなくキッカケで倒しこみエンジントルクで車体を起こすという基本は
同じだ。
数ヶ月の中型バイク生活で忘れていた基本を思い出し、また身に付けていたスキルを駆使し順調にこなす練習。
数時間の練習を早々に終わらせた僕は、早速免許センターに居た。
その日、僕は欲を張っていたのかも知れない・・・。
数々のライダーの前に大きな壁となって立ち塞がり、そしてふるい落としてきた悪名高き限定解除試験・・・。
『落とすための試験』と揶揄され、人によっては数十回の受験すらザラであるこの試験を僕は一発で通過して
やろうと目論んでいた・・・。
その根拠の無い自信はどこから来ていたのか・・・。今となってはもう忘れてしまった。
練習車両と同じ試験車両。
次々と受験生が試験コースに入く。中には途中で試験中止にされてしまう者も多い。
・・・緊張する・・・。足に力が入らない・・・。
「はい、フグ田さん。乗って。」
偉そうな警察官に呼ばれてハッと我に返る。ひっくり返った声で返事をする。
後方確認をしてバイクを引き起こす。バイクに跨る前にサイドスタンドを格納する・・・。着座してからのほうが
安定するだろうに・・・おっと、余計な事は考えまい。
一連の乗車手順を踏んでいく・・・。試験官がバインダーに何か書き込む姿が視界に入り、集中力を乱す。一体何を
記入しているのか・・・。減点など無いはずだ!
941 :
774RR:2006/03/10(金) 23:24:58 ID:dy68H01H
そう思っていたのは自分だけ。本当は後方確認を一回、シフトをローに入れる時の足の踏み変えの際に忘れていた。
テストコースに試験車両を走らせていく僕。コースは完全に暗記したはずだ・・・が、もうどこをどう走っているのか
極度の緊張で意識が無い。・・・しまった・・・右折時に交差点中央から1m以上距離が離れてしまっている。試験官の
目に入っているだろうか・・・。一体、今どれほど減点されているのか・・・。走らせてもらっているということはまだ
大丈夫ということだろうか?
緊張、そして余計な考えに頭を使ってしまったせいで・・・やってしまった・・・。
スラロームで最後の一本にパイロンタッチ・・・。一発で試験中止のミスだ・・・。すぐさまメガホンで呼ばれる。
当初の自信などどこへやら。いともあっさりと僕の初めての限定解除は終わった・・・。最後まで走らせてももらえ
無かった・・・。
僕がこれから乗ろうとするバイクには、あんなエンジンガードなんて付いていない。エンジンガードさえなければ
パイロンに接触する事なんて無かったのだ・・・などと女々しく免許センターと免許制度を呪ってみたところで後の祭り。
大型二輪を目指すほとんどのライダーが受ける洗礼を見事に僕も味わってしまった。
大型自動二輪までの道程が遥かに霞む遠い旅路に思えた・・・。
部屋に帰り、新しくする事の出来なかった免許証を眺めた。条件欄の『自動二輪は中型に限る』という10文字を
恨めしい思いで睨み付けた・・・。
しかし僕はもう一年前の僕ではない。絶対に諦めないと、自身とGPz900Rに誓った。
943 :
774RR:2006/03/10(金) 23:25:46 ID:VCIFDSjB
リアル投下遭遇!
wktk
944 :
942:2006/03/10(金) 23:29:37 ID:044JzTWH
ちなみに東京都下の免許センターで当時使用されていた試験車両がヤマハGXだったかは
調べてませんw
945 :
774RR:2006/03/11(土) 00:29:45 ID:w3q6Cqwn
作者さん付き合って
バイク描写に萌えまくり
946 :
774RR:2006/03/11(土) 14:34:38 ID:7rqO6AtP
なんか今日カタナの人と目が合ったんだけど・・・
もうカタナみたらアナゴさんとしか思えないwww
947 :
774RR:2006/03/11(土) 15:23:54 ID:YPX66x4w
ANA GO!!!
948 :
774RR:2006/03/11(土) 22:24:05 ID:yHIKWR8U
>>946 みたみた!アナゴさん、女の子とタンデムしてたw
949 :
774RR:2006/03/11(土) 22:51:29 ID:1ilH6Fh0
アナゴさん初台交差点でつかまってたwwwwwwww
西武警察再放送のタチヒロシ「黒カタナ」を見ていると、キャラの濃さ、唇の厚さが
アナゴさんに見えてしょうがない…
次スレ、立てようとしましたができませんでした。誰か頼みます。
951 :
774RR:2006/03/11(土) 22:59:55 ID:SqpH/JsB
漏れも立てられませんですたorz
第三京浜で漆黒のマッパを駆るSABUちゃんマダー?(AAry
952 :
774RR:2006/03/11(土) 23:18:16 ID:hRbXV36m
953 :
774RR:2006/03/11(土) 23:45:43 ID:Pl4jv5U6
954 :
774RR:2006/03/11(土) 23:48:26 ID:SqpH/JsB
乙!
955 :
774RR:2006/03/12(日) 00:12:05 ID:VYQk95OO
サザエさんの舞台って世田谷だっけ?
だったら第三京浜あるし、奥多摩に行くにも、そう遠くないし
まだまだネタが出せそうだね。
956 :
774RR:2006/03/12(日) 00:23:20 ID:bJnzzk2/
先生方は、昨日は走りに行ったのかな。取材お疲れさまです。
957 :
774RR:2006/03/12(日) 13:29:41 ID:l51ZhTkG
とりあえず埋め立て工事しておこう。
958 :
774RR:2006/03/12(日) 16:47:24 ID:8/xkYMzw
埋めてもいいのか?
959 :
774RR:2006/03/12(日) 17:07:06 ID:9X4jhtQA
作者さんたちの同意があれば、埋めた方がよろしいかと思われ…
960 :
774RR:2006/03/12(日) 17:37:29 ID:kZ9XaR3c
マスオさんはサザエさんに出会ったりするのかな〜
961 :
774RR:2006/03/12(日) 17:38:55 ID:baoRrVU5
職人さんが新スレに降臨してるから
特に問題ないかと
>>埋め
962 :
774RR:2006/03/12(日) 18:11:12 ID:OlAdbJVj
梅梅
963 :
774RR:2006/03/12(日) 18:17:32 ID:uKpYKFQ7
松
964 :
774RR:2006/03/12(日) 18:35:07 ID:sEiCz6xF
今の時代の最先端
ソレは、竹だ。コレしかないね
965 :
774RR:2006/03/12(日) 18:40:27 ID:8/xkYMzw
梅肉エキスがたまらんwwww
966 :
774RR:2006/03/12(日) 18:53:50 ID:Js7mNP9h
放送見てるんだがユミズさんて誰よ?
967 :
774RR:2006/03/12(日) 18:53:57 ID:qJPXPAg0
ユミズさんって誰?
将来のスポンサー!?
968 :
774RR:2006/03/12(日) 18:54:04 ID:qKxGc0+q
忍者は湯水さんに出資してもらうとか。
969 :
774RR:2006/03/12(日) 18:56:52 ID:dE2cIvUu
若本ボイス多すぎw
970 :
774RR:2006/03/12(日) 19:03:13 ID:pV86wnLs
アナゴさん随分ハゲて太ったな…
971 :
774RR:2006/03/12(日) 19:31:51 ID:wJSWD2Qp
湯水を温水と見間違えた…orz
972 :
774RR:2006/03/12(日) 21:07:14 ID:0GMjplMZ
48 名前:774RR[sage] 投稿日:2006/01/29(日) 11:34:39 ID:qyqkCdid
中島は思った。
「磯野…どうしちまったんだよ!」
数時間前まで、屈託なく笑っていたカツオの姿は、そこにはなかった。今、目の前に居るのは、まるでアンドロイドのように無表情で冷酷な"機械"の様になってしまったカツオだった…。
973 :
774RR:2006/03/12(日) 21:09:34 ID:0GMjplMZ
77 名前:774RR[sage] 投稿日:2006/01/30(月) 02:55:47 ID:YZgt8GMm
愛機ハヤブサを湾岸へと走らせるマスオ。
「メグミちゃんのおっぱい・・・延長したかったが人類の危機だ、いたし方あるまい」
ふと後方を見やると背後から急接近する機体。
「カツオ!?それとも・・・IKURAか!?」
250で走るマスオの脇に並んだのは青いハヤブサだった。
「ア、アナゴ君!!」
驚くマスオに親指を立てサムズアップで応えるアナゴ。
その眼差しは海山商事の同僚のそれでは無く、かつてマスオとデッドヒートを演じたライバルのそれであった。
「馬鹿だな、君って奴ぁ・・・おっぱいより友情を取るなんて」
マスオの目にキラリと光るものがあった。
「行くぞ!!」
蒼と紅、二台のハヤブサはOVER300のランデブーを開始した。
974 :
774RR:2006/03/12(日) 22:33:15 ID:8/xkYMzw
うめ
975 :
774RR:2006/03/12(日) 22:56:06 ID:ppP9U54e
さらに埋め
976 :
774RR:2006/03/12(日) 22:58:03 ID:yBld3Syl
松坂 梅
977 :
774RR:2006/03/12(日) 23:31:41 ID:/e8ATM7d
うめ
978 :
774RR:2006/03/13(月) 00:26:23 ID:h+cBFvWd
さっさと引越しウメ
979 :
774RR:2006/03/13(月) 00:43:58 ID:We1mt3fb
揚げ梅
980 :
774RR:2006/03/13(月) 01:42:46 ID:kaREd35o
すっぱいマン
981 :
774RR:2006/03/13(月) 01:51:52 ID:vHMroxV1
「悪に名を連ねる冴」で悪名冴
982 :
774RR:2006/03/13(月) 02:08:48 ID:uH2kUAIZ
ふなー
983 :
774RR:2006/03/13(月) 02:23:06 ID:8TVumvBo
俺は前半のリレーしていく形式も嫌いじゃない。
もちろん今の神職人さんには感謝してまつ!
984 :
774RR:2006/03/13(月) 03:18:16 ID:4zElBaiP
でつまつウゼー
チョン位ウゼー
985 :
774RR:2006/03/13(月) 03:19:11 ID:4zElBaiP
うめ
986 :
774RR:2006/03/13(月) 03:20:31 ID:4zElBaiP
うめ
987 :
774RR:2006/03/13(月) 03:21:27 ID:4zElBaiP
う
988 :
774RR:2006/03/13(月) 03:22:17 ID:4zElBaiP
め
989 :
774RR:2006/03/13(月) 03:23:04 ID:4zElBaiP
た
990 :
774RR:2006/03/13(月) 03:24:03 ID:4zElBaiP
て
991 :
774RR:2006/03/13(月) 03:32:58 ID:vHMroxV1
梅
992 :
774RR:2006/03/13(月) 03:38:01 ID:JXFz0sTo
うめ
993 :
774RR:2006/03/13(月) 04:05:48 ID:t9e0VjRR
マ
994 :
774RR:2006/03/13(月) 04:21:18 ID:bmOkG2R6
ン
995 :
774RR:2006/03/13(月) 05:04:09 ID:ewrJDumi
ション
996 :
774RR:2006/03/13(月) 05:04:36 ID:DcDm5xyI
OIL OIL OIL・
OIL OIL OIL・
大型二台でバトたら♪
白いバイクが追って来た♪
要は魂
要は魂
ライディング♪
(間奏15秒)
ほ〜らほらみんなが振り返る♪
サザエさんサザエさん♪
サザエさんは油改だな♪
さ〜て明日の魔棲雄さんは〜?
997 :
774RR:2006/03/13(月) 05:04:58 ID:ewrJDumi
耐震
998 :
774RR:2006/03/13(月) 05:23:28 ID:9LM0SnmM
999 :
774RR:2006/03/13(月) 05:23:54 ID:4zElBaiP
999
1000 :
774RR:2006/03/13(月) 05:24:37 ID:9LM0SnmM
1000
1001 :
1001:
1000kmの旅を愛車と終えた夜 ――
一杯の熱い珈琲が 次の旅へと 想いを走らせる。
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゚. o * 。 ゚。 ゚.。 ゚。 +゚ 。 ゚
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(*'∀`)ノ ∫ ○ ∠〆〜_-ワ
人_',ヘヘ へ.aノ人 《*)ゞ≦0《*)
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