スワッシュバックラーにMK-54のパワーユニット…

このエントリーをはてなブックマークに追加
1水瑠
 を付けるとスワッシュバックラー改になるでしょうか?
個人的に直線番長になりそうな気が…。

 P.S ドンガメ上等。
2774RR:01/12/10 23:35 ID:axVJxvK1

そ れ で ?
3水瑠:01/12/10 23:46 ID:SaI1S5KR
 自分にしか扱えなくなる…と。
4774RR:01/12/10 23:47 ID:UOcWxsuT
デムパ受信中か?
5肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/11 02:36 ID:pjyUavNb
ということで、このスレは俺が乗っ取ってもいいですね?

明日から有意義に使わせてもらうよ。
6肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/11 03:21 ID:pjyUavNb


名スレの予感・・・
7あのさ@ ◆raGArAss :01/12/11 03:26 ID:1sisSdql
・・・
8いつも遭遇:01/12/11 03:29 ID:xm/DHO8B
あややage
9肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/11 03:33 ID:pjyUavNb

http://ton.2ch.net/test/read.cgi/bike/1008003392/
>>1は何がやりたいんだろう・・・?
10いつも遭遇:01/12/11 03:37 ID:xm/DHO8B
彼のことを理解しようとするのが間違いかも
11物取り:01/12/12 02:02 ID:z7RpZIOz
引っ越し祝いage
12第1話:01/12/12 02:07 ID:z7RpZIOz
281 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/10/22 01:05 ID:YSBsRtnT
では、短期集中連載。

新☆感覚 ニコイチバイク恋愛白書
「ヅャヅャ」


「ミヤギ・・・あのね、卒業する前に、あなたにどうしても伝えたいことがあるの」
「・・・なんだい、レナたん?」
「私ね、いつもバイクのことばっかり考えていたせいで、今日まで気付かなかったことがあったの」
「へぇ、どんなこと?」
「今日で高校生活も終わりじゃない?明日からは、ミヤギと離れ離れになっちゃうんだよ」
「・・・うん。進路も違うし、これからは今までみたいには会えなくなっちゃうね」
「ねぇ、ミヤギはさ、・・・淋しくない?」
「う・・・そりゃぁ・・・」

3択  1 淋しい 2 淋しくない 3 卒業記念に一発きぼーん!

「3 卒業記念に一発きぼーん!」

「ええっ!?」
「卒業記念に一発キボンヌ」
「そんな・・・いきなり・・・私、男の人のこと、良く知らないし・・・」
「オッケーオッケー。漏れが手取り足取り教えてあげるよ・・・」
「お願い、優しくしてね・・・ミヤギ・・・」
「オーケーベイベ!優しく、優しくね・・・」
「ああ、ミヤギ!いきなりそんなトコロを・・・」
「レナたんのオパーイ・・・(;´д`)ハァハァ・・・」
「いけないわ、こんなところで!友達に見られて、噂されると恥ずかしいし・・・」
「大丈夫大丈夫。どーせ今日で卒業さ」
「ああっ!だ、だめ!」
「レナたん、制服征服(;´д`)ハァハァ・・・ありゃ?レナたん、なんか太ももに熱いブツが当たるんですけど・・・」
「それは・・・ティムポよ!」
「ティムポ?そっかー。なーんだティムポかー、ハハハ・・・って、ティムポーーー!!!???」
「・・・ふふふ。私の身体ってニコイチなの。上半身は女だけど、下半身はオ・ト・コ?」
「うあああああーーーーーっ!!!」
「ミヤギ、卒業記念一発きぼーん!」

うああああーーーーーっ!!!
13第2話:01/12/12 02:08 ID:z7RpZIOz
282 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/10/22 01:06 ID:YSBsRtnT

「・・・ふう、なんだ・・・夢だったか・・・」
おかしいに決まってるよな。レナたんも俺も何故か高校生だったし。でもレナたんのセーラー服はよかったな。
こんな夢をみたのは、昨夜プレス手の「時目藻」をやったからだろうか。どーしても「メガネっ娘」から
告白されたくて、朝の6時までねばったのが良くなかったらしい。
(こいつは絶対にメガネっ娘告白コース確定だろ!)そう思っても告白してくるのは「よしおの妹」ばっかでやんの。
俺もいい歳して意地になっちまったが、朝を迎える頃にようやく「メガネっ娘クリアー」したんだよな。
ヤパーリメガネっ娘は良いよな。
佐野厄除け大師で絵馬に「眼鏡っ娘の彼女ができますように」と書いていた奴(実話)の気持ちもわかるよ、うん。
だけど水子供養の絵馬のところに置いてあったのは、チョットワロタな(実話)。
ああ、水子なんて縁起でもない。でも俺は大丈夫だ。なにしろ童貞だからな。そんな心配は皆無だ。
ところで今何時だ?ああ?11時?今日は仕事も休みだからな・・・もう少し寝るかな?
「おやすみなさーい・・・ZZZ」

きゅきゅきゅ、ドドンッ!ドドンッ!ドドドドドドドドーン!

「・・・うるせー!寝れやしねーじゃねーか!」
一階のレナさんだな。今日の音は何だ?セル付のシングルのエンジン音だぞ。

ドドドドドドドドーン!ドドドドドドド・・・
本当にうるせえな。またドキュン相手に販売するニコイチバイクでも作ってんのか。
レナさんの整備の腕は認めるけど、ニコイチ・サンコイチのインチキ中古車売ってて、良心痛まねえのかな。

ドドドドドドドドーン!ドドドドドドド・・・
ああ、うるせえ。少し文句でも言ってくるかな。
「上の口で言ってわからないようなら、下の口でわからしてやる」
とっとと着替えて下へ降りよう。
おっと。その前にこの朝立ちを何とかしないと。



PCの電源を入れ、「デスクトップ」→「マイドキュメント」→「MyMusic」。
一昨日WinMxで仕入れたエロ画像で「魂」を落ち着けるミヤギ。
14第3話:01/12/12 02:09 ID:z7RpZIOz
288 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/10/22 14:19 ID:6CvdjfL9
「えーと、フレームはこっちのを使ってー、エンジンはこの事故車から載せかえるとしてー」
今日も朝からいい天気。雲ひとつ無い空は、薄い水色が遥か彼方まで高く高く続いている。
この前まで入道雲がモクモク上がっていたのがウソのようね。
「こんな日は仕事もはかどるわぁ。よーし、今日も1日がんばるぞー!」
親にわがままを言ってマンションの1階にバイクショップ「五部厘」を開かせてもらってから早1年半。
まだまだ「大繁盛!」とまではいかないけど、怪しい中古車ブローカーの常連さんも出来たし、生活には
困らない程度の売上は確保している。
高校時代からのあこがれだった「自分のバイクショップを持つこと」。夢にまで見たバイクに囲まれた生活。
おせっかい焼きだけど、信頼できる親友もいる。私はとっても幸せ者だと思う。
えっ?
彼氏はどーしたって?
そりゃぁ、カナコとテツヤのラブラブ結婚生活をみてるとちょっぴり「うらやましい」なーんて思うけどさ。
別にいいじゃない、そんなの。私はまだ若いんだし、恋愛より仕事に燃える女性なんてイマドキゴマンと
いるんだから。
そんなことより仕事仕事!昨日組み上がったニコイチSRX4の調子でも見ようっと。
このSRXには苦労させられたわ。
ベースマシンはボロボロの不動車だったんだからね。それでもこのコは私の頭に「また走りたい!」って
電波を送ってきていたの。私くらいバイクを愛している人間になると、バイクから電波を受信できるようになるの。
向かいのお蕎麦屋さんのカブは
「たまにはオイル交換しろやゴルァ!」
ちょっと怒ってるわね。
あ、今大通りを走っていった珍走ゼファーは
「俺、盗難車なんだよ・・・元のオーナーのところへ帰してよ〜」
あらあら泣いてるわ。ゴッドファーザーの音も悲しく感じるわね。
SRXを走れるようにするには、ニコイチしか手段は無かったの。フレームや足回りはなんとかそのまま
再生させたけどエンジンとタンクはどうしようもなくて。エアクリーナーは手に入らなかったから
直キャブにしちゃった。
「さてと・・・うまくエンジン掛かってくれればいいけど・・・」

きゅきゅきゅ、ドドンッ!ドドンッ!ドドドドドドドドーン!
「わーい、かかった〜♪」

ドドドドドドドドーン!ドドドドドドド・・・
まだミヤギは寝てるのかしら。
まーったく、ネボスケなんだから・・・

ドドドドドドドドーン!ドドドドドドド・・・
「ほれほれ起きろー、ミヤギ起きろー!」

SRXの調子も今のところいい感じ。
納車した後もこの調子を維持できるかは保証しないけどね?
いーのよ、いーのよ。文句言ってくる客がいたって。
「自分でバイクのメンテが出来ない人は、このバイクに乗る資格なんて無いわ」
そう言えば「いかにもガンコなバイク職人」に見られるしね。ナメられなくてすむもの。
女手一つでバイク屋やってるんだもん。それくらいハッタリかまさないとね。


レナたんはSRXからの「ううっ、焼き付く・・・」という悲鳴の電波は、受信拒否しているようだ。
15第4話:01/12/12 02:09 ID:z7RpZIOz
297 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/10/24 01:25 ID:nsOQkb6g
「おはようございまーす・・・」
一階の五部厘へ行くとレナさんは、組みあがったばかりのSRXのエンジンの調子を見ている。
相も変らぬツナギ姿。普段の女らしい格好とのギャップのデカさに思わず萌え。
仕事中のレナさんは色気も素っ気もないけど、お出かけモードのときの女らしさときたら・・・ムフ。
本当のレナさんのキレイさに気づいているヤローは、そうざらにはいないだろう。
「やっと起きてきたな、ミヤギ」
いつもの明るい笑顔で応えるレナさん。
「ミヤギ、今日はお休みなのか?」
「うん、レナさんは今日も仕事に燃えてるね・・・」
店内のカウンターにあるコーヒーサーバーから少し煮詰まり気味のコーヒーを拝借させてもらう。
「あっ、また勝手にコーヒー飲んでる!いっつも言ってるじゃない、それはお客さん用だって」
聞き飽きた台詞だ。
「へっへー、俺だって部屋を借りてる『お客さん』だよ」
言い飽きた台詞でお返しさ。俺たちいつもこんなやり取りばっかだな。もっと進んだ「大人の関係」に発展したいよなー。
「今日の騒音の元はSRXですか・・・」
スパトラに直キャブ・・・うるさいわけだ。
「またドキュン相手にインチキ商売しようってわけですね」
「ちょっとミヤギ、インチキ商売とはどういう意味よぉ?」
怒ったレナさんもかわいいな。
「インチキじゃないっすか。どうせいつもお得意のニコイチなんでしょ」
もっと怒った顔を見たくて、ついつい意地悪になってしまう俺。
「そーよ、ニコイチよ。ニコイチのどこが悪いのよ。旧車に部品取り車の概念がある以上、ニコイチなんて
当たり前じゃない!」
「でもこの前、CB-SFのV-TECでニコイチやってたじゃん。あれも旧車なのかよ?」
「うっ・・・」
「あれは事故車のオコシでしたよねー。でもお客さんには『立ちゴケもしてないですよ』とか言わなかったっけ?」
「ううっ・・・」
「レナさん、良心痛まないの?同じバイク乗りとして」
「ううう〜っ・・・」
レナさんは、肩をひくひくいわせながら何かをこらえているみたいだ。よし、ここでトドメだ。
「それってサギじゃないのぉ?」
「ううううううう〜〜〜っ・・・」
おっと、泣いちゃうかな?
「このぉ〜イ・ワ・セ・テ・オ・ケ・バ〜・・・」
「ひぃっ!?」
泣くなんて、とんでもなかった。
ましてやスパナやジャッキなどの工具が飛んでくるわけでもなかった。
店の奥に引き篭っておもむろにPCの電源を立ち上げ、かの悪名高き「2ちゃんねる」とかいう巨大掲示板に
アクセスし、片っ端から新スレを立てて>>1にブラクラURLを貼り始める暴挙に出た。なんて根暗なイヤガラセなんだ!
いけない!このままではレナさんは、ひろゆきからアクセス制限を喰らってしまう!
ここは俺が大人になって、折れておくべきだよな。
「ごめん、レナさん。俺が言い過ぎたよ」
愛想笑を浮かべながら俺が謝ると、レナさんは
「そんなことより聞いてくれよ、ミヤギ。スレと全然関係ないんだけどさ・・・」。
うわぁ、すっかり2ちゃんねらーになっちゃってるよ。


ミヤギは、その後レナさんに小一時間ほど問い詰められることとなった。
16第5話:01/12/12 02:09 ID:z7RpZIOz
298 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/10/24 01:26 ID:nsOQkb6g
ミヤギは必死に話をそらそうとしていた。
「そ、それよりさっ、こんなにいい天気なんだからさっ、ツーリングでも行かない?」
ツーリング・・・その言葉を聞いたとたん、レナさんの目つきが元に戻った。
「・・・ツーリング?」
「そ、そう、ツーリング、ツーリング!こんな気持ちの良い位の天気の日なんて、1年に、いや、5年に
1度有るか無いかですよ!」
「よし、かかった!」ミヤギは心の中で叫んだ。次々とツーリングの楽しさについて語り始める。
「今ならなんといっても山ですね。紅葉で赤や黄色に彩られた山!平日の今日なら道も空いてます!
人も少なく、静かな山々を沿って走る。車じゃ味わえない、自然と一体化できる単車乗りだけの特権だね。
頂上に着いて一休み。ヘルメットを脱いだ瞬間に感じる、新鮮で冷たい空気、これがまたイイ!
ね、ね?レナさんもわかるでしょ!」
レナさんも真剣な眼差しでミヤギの顔を見つめながら、ウンウン、と大きくうなずく。
「でもさ、この時期でも長いこと走ってると、やっぱり身体も少し冷えちゃうんですよね。それはそれで
構わないんですよ。何故かって?それはですねー、山といえば温泉でしょ、温泉!」
温泉!、の一言でレナさんの表情も完全に崩れた。ミヤギの術中にまんまとはまってしまったのだ。
「・・・レナさん、僕は今まで黙っていましたが・・・僕の母方の従兄弟の嫁さんの父親のまた従兄弟の
隠し子の友人に、第一次世界大戦時活躍した『赤男爵』という、とても偉大なお方がいらしてですね、
その偉大なお方が発見した『伝説の隠し湯』の在り処を知っているんですよ・・・。
あ、これはここだけのハナシですよ!他言は無用ですよ!なにしろ『秘湯』ですから。
『秘湯』ですよ、『秘湯』!
その秘湯に一度入れば、火傷で苦しむ人もあっという間にに火傷が治り、痕さえ無くなる!
足を骨折している人が入ればたちどころに骨がくっついて、そのまま42,195km完走しきれちゃう!
その他、リューマチ、肩こり、便秘に水虫、血行障害、更年期障害、勃起障害、知能障害、言語障害、脚気
貧血、てんかん、色盲、色弱、鳥目、肉体疲労、眼精疲労、虚弱体質、どうき、息切れ、めまい
ガン、心筋梗塞、脳内出血、鼻血、イボ痔、切れ痔、早漏、遅漏、包茎、短小、淋病、毛ジラミ、梅毒
クラミジア、エイズ、B型肝炎、C型肝炎、夜鳴き、疳の虫、夜尿症、素行不良、アルコール中毒
薬物中毒、家庭内暴力、引き篭もり、浮気、不倫、片思い、ストーキング、バスジャック、ブラクラ、ウィルス
大型自動二輪免許一発試験合格、ギヤ抜け、焼き付き防止、何にでも効きます!
・・・でもね、奥さん、もっと効果のあることがあるんですよ。それはね、今話題の『美白効果』!
実は・・・あのアメリカが誇るスーパースター、マイケル・ジャクソンもこの温泉に入って色白美人に
なったんですって!」
「うわぁ、ホントォー?ジョージ?」
東京12チャンネルで夜中にやってるアメリカのテレビショッピングのアシスタントよろしく、オドロキの
声を上げるレナさん。
「他にも1979年、フランス政府の各機関及び産業界の代表の立ち会いのもとにテストされ、マルセイユから
パリまでの815kmをこの温泉を燃料にルノー・R-5をオイル無しで走らせたのさ。そしたらノントラブルで
パリまでなんと到着してしまったのです!しかもだよ、テスト車はフランス陸軍研究所の手で分解されたんだ。
陸軍だよ!国が行ったテストだからねぇ。インチキなんて一切してないよ!その結果、部品には確認でき得る
摩耗がまったく発見されず、この温泉の効果を完っ璧に証明したんだ。
こんなスバラシイ温泉が、都内から高速でわずか2時間でのご奉仕!今なら洩れなく紅葉もオマケしちゃうよ!」
「うわぁ、やっすーい!」
ミヤギも調子に乗って、すっかり司会者気取りだ。
「さあ、お問い合わせは、今スグ!」
「深夜ですので、お掛け間違いの無い様ご注意ください!」

こうして二人は、「赤男爵の『伝説の隠し湯』に向かってツーリングに出かけたのだった。
17第6話:01/12/12 02:11 ID:z7RpZIOz
邪邪スレが倉庫逝きになったので、ここでうぷさせてもらう。
いいだろ?スレのリサイクルってやつだ。限られた資源は大切に使わんとな。

http://ton.2ch.net/bike/kako/998/998126941.html
>>298からの続きだ。

新☆感覚 ニコイチバイク恋愛白書
「ヅャヅャ」

晴天の秋の空の下、レナさんとミヤギの二人はツーリングに出かけた。
カナさんも電話で誘ったが「仕事があるから」との理由で断られてしまった。
「いい天気ねー。カナコもついてくれば良かったのに」
もちろんカナさんは二人に気を使って「断った」に決まっている。レナさんはカナさんが無職であることを
どうやら忘れているらしい。
先導はミヤギの6R。関越道の右車線をマターリと流す。そのやや後ろにレナさんのゼルビス。レナさんの最近
一番のお気に入りバイクだ。大柄な車体にねばり強いエンジン。R2本サスのおかげでシート下の小物入れも広々。
レナさんは「これ、最強」と絶賛しきりだ。
はるか正面にそびえる赤城の山々から吹き下ろす風は、かすかながらも、近づいた冬の訪れを伝え始めている。
左に流れていく景色も徐々に赤や黄色の混じったものに変わっていった。
バイクジャケットを通して伝わる風とシールド越しに流れる風景は、仕事に追われた2人の疲れを癒していく。
やがて道路は3車線から2車線へ。目前に迫るコーナーもほんの少しRがきつくなっていく。
2人は程なくして高速を降りた。

そして峠へ。
18第7話:01/12/12 02:11 ID:z7RpZIOz
そこそこのペースで登っていく2人。今日のレナさんは250。さすがにミヤギの6Rに着いていくのは
ちょっと辛そう。しかし今日は速く走るのが目的ではない。マターリ流して風景を楽しむ。
「やっぱ来てよかった。レナさんも喜んでくれているだろうな・・・」
ヘルメットの中で、ミヤギはちょっとニヤケ顔。
「よーし、これで俺の株も急上昇?ヘヘヘ・・・」
悦に入っていると、突然ヘアピンカーブが迫った。
「うああああっ!」
ミヤギは曲がりきれずにオーバーラン。6Rはもうもうと土埃をあげながらダートを一直線。左右に振られる
バイクを必死に立て直そうとするが、止まらない、曲がらない。最後はFタイヤがロックしてスリップダウン
してしまった。
「あいててて・・・」
転んだときにしこたま打った腰をさすりながら起き上がるミヤギ。
「ミヤギ!」
バイクを止めてレナさんはミヤギに駆け寄った。
「ははは・・・こけちゃいましたー」
「どうした、ミヤギ?全然ブレーキもかける様子も無く、ヘアピンに突っ込むなんて・・・」
「いや、ちょっと考え事を・・・」
「考え事?」
「あ、べ、別になんでもない、なんでもない!あはははは」
「ふーん、どうせろくでもないこと考えてたんでしょ。これでアタシの中のミヤギ株は急落したわよ」
「ええっ?そ、そんな〜・・・」
ミヤギは涙目でがっくりと肩を落とした。
「・・・で、ケガは?」
「へ?」
「ケガしてないのか?」
レナさんは少し怒った様な目付きでミヤギに問い掛ける。
「(ヤバイ、レナさん怒ってるのかな・・・)ケ、ケガは多分、大丈夫だと思うんですけど」
「大丈夫なのか?」
キビシイ目付きでミヤギに迫る。
「は、はい!大丈夫であります!」
レナさんの迫力に負けて、背筋を伸ばして敬礼のポーズをとりながらミヤギは答えた。
「そうか・・・ならば・・・」
レナさんは表情をくしゃっと崩したとたん
「はははは〜っ!ばっかでー、ミヤギコケてやんの〜!ははははは〜」
ミヤギを指差しながら笑い転げたのだった。

お約束である。
19第8話:01/12/12 02:12 ID:z7RpZIOz
「あんまり笑わないでよ〜、レナさーん。俺は平気だけど、バイクが・・・」
ミヤギは情け無い顔と声で6Rを指差す。
「・・・クラッチレバー、ステップ、カウル、ミラー、ウインカー、タンクヘコミ、フォークも曲がって・・・」
よいしょっ、とバイクを起こしながらレナさんは6Rの破損箇所をチェックしていく。
「ちょっとぉ!これじゃまともに走んないじゃないの」
「なんとかなりますって。大丈夫大丈夫。エンジンさえかかればこっちのもの・・・」
きゅきゅきゅきゅ・・・とミヤギはセルを回した。長いクランキングの後、6Rのアクラポヴィッチから
グオオオンと快音が響く。
「ほら、レナさん!エンジンかかりましたよ!さ、ツーリング、ツーリング。頂上も近いですよ!」
ミヤギは6Rに跨り、レナさんを急かすようにアクセルを煽った。
「・・・エンジンかかっても、どうやって1速入れるの?」
「あっ」
ニュートラルから1速へ入れようと左手でクラッチレバーを握るが、そこにはレバーの感触が無い。
しかし条件反射で左つま先は下へ。ガクン、という衝撃の後、エンスト。再び6Rは地面と仲良しになった。
ゴテッ。
「イテテテ!足挟まった!レナさん、助けて〜!」
「・・・知らん」
呆れるレナさん。背を向けて腕組みしてミヤギの起き上がるのを待つ。
「ああ、痛かった」
「これじゃツーリングは中止ね」
「ええっ!?」
ミヤギは大声をあげた。せっかく2人きりのツーリング。これからもっとグヘヘな展開があるかもしれないのに
こんなところで終了してしまっては・・・ミヤギの中の清らかな下心が妙案を生み出した。
「そうだ!タンデム!」
「へ?」
「6Rはここに置いておきましょう。そのかわり、ゼルビスでタンデムしていきましょう!」
「ハァ?もう今日は止めておけって」
レナさんはダメダメ、と手を振りながら断ろうとしたが、ミヤギの唱えた呪文を聞いてピタリと手を止めた。
「温泉、赤男爵の隠し湯・・・美白の秘湯!」
20第9話:01/12/12 02:12 ID:z7RpZIOz
19 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/12 02:14 ID:+6txWsEg
タンデムシートにレナさんを乗せる事に成功したミヤギは、山の頂上を目指す。
登っていくにつれ、空の表情が曇り始めた。周囲もうっすらと霧に包まれだしている。
気温も一段と下がり、レナさんは小刻みに震え出した。
「さむいぞ!ミヤギ!」
「さむいですねぇ、もっとくっついたらどうですかぁ?レナさん!」
「・・・何か変なこと考えてない?ミヤギ」
「全然。さむいときは体温で温まるしかないでしょ」
それは確信犯の発言だった。
温まろうとしたレナさんは、ミヤギの背中に身体を押し付ける。
「?」
ミヤギはタンデムに乗ったレナさんのオパーイの感触を堪能した。
「(;´д`)ハァハァ・・・大きくは無いけど、柔らかい感触(;´д`)ハァハァ・・・」
押し付けられっぱなしでは楽しくないので、ミヤギは無意味な加速・減速を繰り返す。
そのたびにミヤギの背中では「ふにゃ」と他の何物にも比較しがたい、この世で最良の感触が伝わった。
「ちょっと!もっと大人しく走れないの?ヘタクソ!」
レナさんは前後に揺さぶられて、堪らず声をあげた。しかしミヤギの耳には届かない。
「オパーイ、オパーイ、(;´д`)ハァハァ・・・」
ミヤギはヘルメットの中で念仏のように唱えていた。
「なんか、天気すごく悪くなってきてるよ」
ヘルメットを左右に振って辺りを見渡すレナさんだったが、それはミヤギを悦ばせるだけであった。
ヘルメットとともに、レナさんの上半身も左右に揺れる。背中にレナさんの「ふにゃ」が片方ずつ
押し付けられ、稲妻のような鋭い感覚がミヤギの脊髄を走っていく。
「(・∀・)イイッ!!」
ミヤギの股間ははちきれんばかりに膨張していた。このままタンクに股間を押し付けて射精をしてしまおうか?
そう思った頃、2人を乗せたゼルビスは、頂上に到着してしまった。
「ここが頂上ね。展望台はあっちかしら」
タンデムシートからレナさんは降りて、展望台のほうへ小走りしていく。
「ちっ、もうすこしでイケたのに」
ミヤギは舌打ちする。やや離れたところからレナさんはミヤギを呼んだ。
「おーいミヤギ!いつまでバイクに乗ってるんだ。早く降りて展望台にいくぞ!」
「あ・・・もうちょっとまって・・・」
股間様のお怒りが静まらず、ゼルビスから降りることができないミヤギであった。
21第10話:01/12/12 02:13 ID:z7RpZIOz
53 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/18 21:43 ID:EwVCBsHu
さて、そろそろ寝るか・・・


だったら怒りますか?( ̄∀ ̄)ニヤリ


>>19からの続きです。

山の頂上の展望台。
ミヤギは一人はしゃいで展望台の柵から身を乗り出す。
「ほら、レナさん。あっちの方が東京だよ。で、こっちが富士山。こっちの方は日光だよ!紅葉がキレイ
なんだろうな〜。すごいよね、すごいよね!」
「・・・何にも見えないわよ・・・ミヤギ」
辺りは先ほどまでの晴天とはうってかわって、真っ白な霧に覆われていた。
「あれ〜、おかしいなぁ?ここってこの季節、晴れの日が多いんだけどなぁ。あ、ほらほらレナさん!
あっちの方なんて滝があるんだよ、音が聞こえるでしょう」
「だから見えないって!」
「うーん、残念だなぁ・・・そうだ、紅葉!すぐそこ!もみじが咲いてる!」
「はぁ〜・・・アンタって、本当に単車以外のこと何にも知らないのね。あれは葉っぱが色付いてんの!」
レナさんは、肩を落として大げさに、はぁ、とため息をついてみせた。
「すげぇ、レナさん博学〜」
ミヤギは、お蝶夫人に憧れる岡ひろみのような眼差しでレナさんを見つめる。
「あーあ、こんな単車バカにはなりたくないわね」
レナさんは人差し指を頭の上でクルクルと回して、最後にパッと手を開いてみせた。
「・・・なんですか。トゲがありますね、今日のレナさん。もしかして、あの日ですか?」
ゴン!
「バカッ!違うわよ!」
電光石火の勢いでレナさんのゲンコツがミヤギの頭を襲う。
「『数年に一度のツーリング日和』とか言うから、店を休んでまで来たっていうのに、なんなのよ、この天気は!
天気予報くらい見てきなさいよ!霧で何にも見えないじゃないの!」
「そ・・・そんなこといったって、東京はあんなに晴れてたじゃないですか。あれだけ晴れてりゃ、たかだか
二時間程度の距離、こっちも晴れてると思うでしょうが!・・・それにレナさんも『この様子なら絶対に景色も
よく見えるわね』とか言ってたでしょ!」
「あー!?責任を人になすり付ける気?アンタが『紅葉』とか言うから着いてきただけよ。ここからどこに
紅葉が見えるって言うのよ?」
「晴れてりゃ見えるんだよ。山の天気は変わりやすいんだ。バイク乗りならそんなこと知ってて当然だろ。
なんだい、天気が悪いくらいでいちいち怒るなんて、男らしくねーぞ!」
「あたしゃ女だゴルァ!それに『バイク乗り』なんてたいそうな事言うけど、さっきコケたのはどこの誰でしたかしら?」
「あ、あれは油断して・・・弘法も筆の誤り、猿も木から落ちるんだよ。俺の6Rで本気で走りゃ、レナさんの
ゼルビスなんて、バックミラーの点ですよ、点!」
「なんですって〜?言わせておけば〜・・・」
レナさんの顔がみるみるうちに真っ赤になっていく。ミヤギはこれまでに無い程の「殺気」を感じた。
と、そのとき、空からポツ、ポツと大粒の水玉が落下してきたのだった。
『あ、雨???』
手のひらを空にかざして2人は口を揃えてそう言った。
雨は、あっという間に地面を黒々と染め、ザーッと音をあげ激しさを増していく。
「ちょっと、ミヤギ!これはそう簡単には止まないわよ!」
「ひ〜っ!冷てぇ〜!レナさん、早く温泉宿へ避難しましょう!」
ミヤギはレナさんの手を引っ張り、バイクへ向かって走り出した。
「ミヤギ、バイクで温泉まであとどれくらいで着くの?」
「小一時間!」
「げっ!?そんなに時間かかるの・・・?」
「急ぎましょう!」
2人を乗せたゼルビスは、水しぶきをあげながら走り出した。
目指すは伝説の『赤男爵の隠し湯』。
22第11話:01/12/12 02:14 ID:z7RpZIOz
55 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/18 22:26 ID:EwVCBsHu
>>53続き

「ミヤギ、アタシこれ以上は・・・」
「まだだ!まだガマンして!」
「ああっそんな・・・アタシ、アタシ、このままじゃ・・・」
「あと少し、あと少しで・・・」
「イジワルしないで・・・」
「俺だって・・・ガマンできないけど頑張ってるから・・・」
「ああっ!もうダメ、ガマンできないっ!」

2人は寒さに震えながら、ゼルビスで『隠し湯』に向かっていた。
ヘルメットの中で歯をガチガチと鳴らしながら峠道を駆け抜けていくミヤギ。
タンデムシートのレナさんも、寒さに震えながらミヤギの身体にしがみついていた。
「ミヤギ〜・・・寒いよぅ〜・・・」
か細い声でレナさんはミヤギに語りかける。
「あと10分で着くから、頑張ってレナさん!」
生憎、2人はレインウェアを持ち合わせていなかった。
普通の3シーズンジャケットにジーンズの組み合わせは、2人とも共通していた。
防水効果があるジャケットとはいえ、どしゃぶりの雨は、じわじわと内部に浸水していく。
加えて周囲の冷気は、2人の体温を無情にも奪っていく。
ミヤギはさっきまでの「オパーイ」を味わう余裕すらない。それどころか元気だったムスコは、小学生の頃の
サイズに戻ってしまったかのように縮み上がっていることだろう。
「・・・あと5分・・・!」
自分自身に言い聞かせるように、ヘルメットの中でミヤギはつぶやくが、レナさんには聞こえていない。
レナさんはもはや、黙って寒さに耐えているだけだ。
「さぁっ!この角を曲がれば、ひなびた温泉宿が・・・あれっ?」
ミヤギはゼルビスを急停止させた。タンデムのレナさんは予想していない急制動に耐えられず、ミヤギの
背中に強くヘルメットをぶつけた。
「痛いっ!・・・ミヤギ、なんで突然止まるのよ・・・びっくりするじゃ・・・」
2人は目の前にそびえる建物を見上げた。
「な、なんだこりゃ・・・?」
その建物は看板に「ファッショナブルホテル・カイザーベルク」と書かれていた。
23第12話:01/12/12 02:14 ID:z7RpZIOz
58 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/18 23:06 ID:EwVCBsHu

「1年前に来たときは民宿だったのに・・・」
「何?何?ミヤギ、どういうことなの?」
なんてこった。ほんの1年前に来たときは「温泉宿・赤男爵 入浴のみのお客様大歓迎!」って看板で
落ち着いた雰囲気の旅館だったのに。
「・・・ミヤギ。これってもしかして・・・」
「あ、あは、あはは・・・。なんなんでしょうか一体・・・」
目の前の「カイザーベルク」はどう見ても「ラブ?ラブ?ホテル」だよな。だからって「ラブホテルですね」
とは答えられる筈も無い。俺に今できることといえば、藁ってごまかす他無い。
「・・・どこが隠し湯?」
ヤバイ。レナさんの眉毛が釣り上がってるよ。
「ほーんと、どこが隠し湯なんですかねぇ・・・はは」
なるべくレナさんと目を合わせないようにしよう。
「もしかして騙した?」
レナさんの口調がさっきよりも強い。どうやって言い訳すればいいんだ?
「いやぁ〜、去年までイイ感じの温泉宿だったんですけどね〜、ははは。まぁ、こんな不況下じゃ、やっていけない
んでしょうね〜。どうしよっか、レナさん?せっかくだから入っとく?あは、あはは・・・」
なーんてね・・・そう付け加えようとしたとき
「・・・そうね、入ろうか」
レナさんから思いがけない返事が返ってきた!
「(゚Д゚)ハァ? じょ、冗談ですよね、レナさん・・・」
「・・・もうこれ以上、寒さには耐えらんないよ。お願い、ここでいいから中に入ろう・・・それともミヤギは
ここじゃイヤ?」
白い息をまじえながら潤んだ瞳で懇願するレナさんを見た。俺は条件反射で
「い、イヤじゃないです!最高です、レナさん!」
と大声で返事をしてしまった。
「・・・最高・・・?アンタ、変なこと考えないでよ。緊急避難なんだからね」
・・・澄み切った俺の下心は、まんまと見透かされてしまったようだ。
「ほら、ボサッとしてないで。さっさと中に入りなさい!」
レナさんは、俺のヘルメットをコンコンと叩いて発進をうながした。
「いいんですね?じゃあ入りますよ!」
俺はゼルビスの90度Vツインに鞭をくれて勢い良く発進させ、すぐそこにある、山奥に似つかわしくない
下品なイルミネーションに包まれた「カイザーベルク」の門をくぐったのだった。
良く見ると「ライダー大歓迎」なんて書いてあったが、そんなことは気にしなかった。
よし、隠し湯は無かったがこいつはウレシイ誤算だ。
俺は、このチャンスを与えてくれた「赤男爵」様に心から感謝していた。
24第13話:01/12/12 02:15 ID:z7RpZIOz
2人を乗せたゼルビスは、色とりどりの電飾に包まれた門をくぐりぬけて「2輪専用駐車場」
と書かれたガレージへ入った。時間は午後3時を回ったくらいだろうか、平日の昼間とあって
他の2輪の客はいないようだ。4輪駐車場には地元ナンバーのマークUやクラウンなどが
ちらほらと並び、視線を変えると今まさに事を済ませて出てきた中年カップルが、慌てて車に
乗り込んでいるのが見えた。慌てていたのは、雨に濡れないようにする為なのかも知れないが、
「不倫」現場を自分達に見られた「後ろめたさ」もあるのでは?と余計な詮索をしてミヤギは
意地悪く中年カップルが出て行くまでその車を半笑いでずっと眺めている。その様子に気付いた
レナさんは、無言のまま「何やってんの」と咎めるようにミヤギの太ももの辺りを、ぎゅっと
つねるのだった。痛みで我に返ったミヤギは、バツの悪そうな、それでいてごまかし笑いを
浮かべた表情でレナさんを見るが、レナさんは笑ってはくれない。
消沈しながらもミヤギはゼルビスのエンジンを止め、控えめに「五部厘」と名前の入った
キーホルダーの付いたカギを抜く。ミヤギはそのままポケットにしまおうかとしたが、ひどく
濡れていたのでそれを躊躇した。
そして中までぐっしょりと濡れているヘルメットを脱ぎ、続いてグローブを脱ぐ。濡れてしまった
グローブはひどく脱ぎ辛い。無理やり引っ張って脱ごうとすると、手の皮膚まで引っ張られて
痺れる様な痛みが伴った。
小一時間ぶりに直接外気に触れた開放感と、雨宿りができる安堵感で、2人は示し合わせた様に
ため息のような深呼吸をする。
ミヤギは鼻腔腔の奥で、濡れた土の匂いとすぐ隣にいるレナさんから発せられるかすかな甘い香りを
感じとった。東京にいるときとは全く違う、新鮮な組み合わせの空気。日常とは違う、自分にと
レナさんを取り巻く状況を再認識すると、これから起こるかもしれない「何か」を期待せずには
いられなかった。
一方のレナさんといえば、いつもと違う態度を取るわけでもなく、淡々とジャケットについた
水滴を白いタオルで拭いている。
(レナさんは緊張とかしないのかな。俺なんてさっきからドキドキしっぱなしなのにな)
ミヤギが自分の方をぼーっと眺めているのに気付くと、レナさんは
「ほらっ!使い古しで悪いけど、使いなよ」
ミヤギに向かってタオルを投げた。突然の出来事で反応できず、タオルはミヤギの頭へと
かぶさった。一瞬にしてミヤギの視界は白の世界へと変わり、何が起こったのかわからず呆然と
立ち尽くしていると
「そんなびしょ濡れのまんま中に入る気?ホテルの人に迷惑だよ。表面の水だけでも拭きなさいよ」
と、レナさんの声が聞こえた。
「あ・・・ああ、うん・・・」
頭にかぶさったタオルに手をあて、軽く顔に押し付けてみる。ヘルメットを脱いだときの深呼吸よりも
強い、レナさんの甘い香りがミヤギの鼻腔内に充満する。
(・・・女の人の甘い香りだ)
ミヤギは、隣にいるレナさんが女の人であること、そして、これから一緒にラブ?ラブ?ホテルへと
入るのだということを実感したのだった。
高まる鼓動をレナさんに気付かれまいと、手早く身体に付着した水滴を拭き去り、ミヤギはタオルを
軽く丸めてからレナさんへと手渡す。
「ありがとうござ・・・」
「あっ・・・」
手渡そうとしたタオルを掴み損ねて、レナさんは手を伸ばした。ミヤギも地面に落とすまいと、
一度手放したタオルに手を伸ばした。その瞬間、2人の手が軽く触れ合ってしまう。
『ああっ!』
2人は声をあげて、慌てて離れあう。タオルはコンクリート上に出来た水溜りへと、音も無く落ちた。
「ご、ごめん、レナさん!」
ミヤギは深々と頭を下げて謝るが
「い、いや、大丈夫。どうせ濡れてたし・・・」
レナさんもうわずり気味の声で、大げさに両手を振りながら大丈夫!大丈夫!と繰り返した。
このときミヤギは初めて「レナさんも、本当は緊張しているんだ」と気付くと、安堵のような
気持ちを感じながらも、ますます鼓動を速めていった。
(ミヤギの手に触れたくらいで、何故アタシはドキドキするの?)
レナさんも、自分でも気付いていなかった、いや、むしろ否定し続けていた気持ちと正反対の
感情が湧き上がってくるのを感じ取った。同時に雨水が染みて冷たくなっていたパンティへ、
雨とは違う、自らの体内より分泌された暖かな液体がにじんでいく感覚に驚いた。
地に落ちたタオルは、水溜りの水を吸収して下のコンクリート地を透かしていく。
2人はしばらくの間、透けていくタオルの様子を見つめつつ、立ち尽くしていた。
25第14話:01/12/12 02:16 ID:z7RpZIOz
121 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/24 01:38 ID:RUvAhSMA

>>108続き

どうしようどうしようどうしよう、とうとうレナさんとラブ?ラブ?ホテルに入っちゃうよ、
ホテルに一緒に入るってことは・・・やっぱアレだな、うん、レナさんもオッケーってことだよな、
おっ?、レナさん積極的〜!、入り口に向かってどんどん先に歩いてるよ、よーし俺も駆け足で
追いかけちゃうぞ、ほら追いついた、おっと、あせった様子は見せちゃイケナイヨな、なんか
飢えたエロガキに見られちゃうよ、普通に普通に・・・ダメダァ、顔がニヤケちゃうぜ、落ち着け俺!、
あ、レナさんとうとう建物の中に入っちゃった、よし俺も記念すべき一歩、・・・入りました!
とうとうミヤギ君やりました!20年近く守り通した童貞を捨て去るべく、今ここに記念すべき
第一歩を刻んだのです!ドンドンパフパフ!、初体験は年上の「女」と書いて「ひと」と読むか、
悪くねーな、やっぱ最初は経験豊富な年上がいいよな、「坊や、いらっしゃい」なんて誘われてさ、
待てよ、レナさんて経験あるのかな?、普段から男っ気ゼロじゃねーか、もしかしたら俺が初めての
「男」と書いて「ひと」と読む、だったりして、「お願い、ミヤギ、私初めてだから優しくして」
うん、それはそれで悪くないな、でもなーさすがに処女じゃねーよな、カナさんの話だとレナさんに
アタックして散っていった者は数知れず、とか、意外にモテるんだよなレナさん、俺より年上だし
そりゃ経験済みだよな、経験は少なさそうだけど、俺なんかゼロだもんなー、工房の頃は彼女いた
けどさ、結局一発もやらせてもらえなかったし、風俗も金無いから逝った事ないし、でもそれも
今日までのこと、今日から大人へ仲間入りだぜ、やべ、ティムポ起ってきた、ていうかさっきから
起ちっぱなしだし、そういやさ、工房の頃ってしょっちゅうボッキしてたよな、授業中とか、電車の中
とか、周りにオカズがあるわけでも無いのにさ、無意味にボッキしてたな、ありゃ一体なんだったんだ?、
迷惑だったよな、授業中にボッキしちゃってるときに限って「はい、ミヤギ君、22ページの3行目から
読んで」なんて先生に指されてさ、ボッキしてるときに指名すんじゃねーよヴォケが、立ったら起ってる
のがバレちまうじゃねーか、座ったまま読ませろよってな、立つのをためらってると「ほら早く立って」
なんて急かしやがって、こちとら10分前からエネルギー充填120%波動砲発射準備完了だっつーの、
すぐには立てないんだよ、女の先生なら思春期男子のユウウツなんてわかんねーだろーけどさ、男の先生、
お前らも同じ道を歩んだはずだろが、授業中に指すのは結構だが、起立させるんじゃねーよ、カチカチ
なんだよ四六時中、コイてもコイてもヌキたりねーんだ、脊髄痛くなるまでコイても翌朝朝立ちしてる
んだよ、今でも朝立ちはするけどさ、硬さが、硬さがちがうね昔とは、ああ、あの硬い硬いティムポの
頃にセクースしてみたかったよ、俺は、多分あの頃の硬さなら、バナナに釘が打てたな、いや、そこまでは
さすがに硬くはねーな、でもな、それくらいは硬かったかもしれないってことだ、今もまだ硬いけどさ、
ボッキおさまんねーな、きつめのジーパンで良かったよ、ボッキしててもあんまりわかんねーし、女は
いいよな、こういう悩みが無くて。

続く
26第15話:01/12/12 02:17 ID:z7RpZIOz
122 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/24 01:50 ID:RUvAhSMA
ホテルのロビーだけどさ、意外と暗いもんだな、やっぱあれか?、ムードを高めるってやつ?、
やばいな、俺、ムードとか、そういうの弱いんだよね、流されやすいタチっていうの、それにしても
レナさん落ち着いてるよな、お、部屋の写真が一杯ならんだパネルの前で止まったよレナさん、
これが部屋を選ぶ装置か、当然だけど俺初めて見るよ、テレビドラマとかで見たのと一緒だな、
パネルの照明が消えてるのが現在使用中、ってことは、こんな真昼間なのに5組のカップルが
セクースしてるってことか、嘉門達夫が「世界のどこかでセックスしてる奴がいる」とか唄ってたけど
ホントだな、俺が汗水たらして働いて働いて働いて働きまくってるときにもセクースしてる奴がいた
んだな、なんか腹が立ってきたよ、マジムカツク、まあいいや、俺もこれからセクースするしな、
あ、レナさんがこっち見てる、どの部屋にする?ってか、別にどこでも構わんが俺は、どれどれ、
こっちは休憩5000円、こっちは休憩6000円、こっちは・・・げっ、8000円もするのかよ、
高いなぁ、外の看板に「平日昼間18時までフリータイム」とかあったな、今15時過ぎだろ、
16、17、18時、3時間近くはあるな、どうせならもっと早く入りたかったな、同じ値段だろ?、
もったいないよ、たった3時間かよ、なんか損した気分だぜ、おっといけない、部屋選ばないと、
5000円はまぁリーズナブルなんだろうけど、コレ選んだらレナさんに「ケチだな」って思われたら
ヤダしな、8000円のやつ逝っとくか?、いや、そこまでは・・・3000円余計に払っても
することは同じだしな、すると6000円、うん、これだ、これがいい、写真で見るとなかなか
良さげな感じじゃないか、5000円の部屋には無い、それでいて8000円の部屋にも劣らない
高級感が漂ってるよ、これで5000円より1000円だけ高くて8000円より2000円安い、
お得だな、迷ったときは中間を選ぶのがいいもんだ、俺って典型的日本人だな、日本に生まれて
良かったよ、アメリカとかはドライで逝けないよ、YESorNOだもんな、別に俺はNOと言え
なくてもいいよ、日本人だし。
27第16話:01/12/12 02:17 ID:z7RpZIOz
130 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/24 03:10 ID:RUvAhSMA

>>122続き

何ミヤギの奴、部屋選ぶの迷ってんのかしら、さっきからニタニタニタニタニタ笑ってるし、キモイよ
今日のミヤギは、全くミヤギのせいでこんなとこまで来て、温泉なんて言葉に騙されたアタシがバカ
だったわ、仕事も途中で放り出してきちゃったし、明後日納車のTW、まだ組みあがってないよ、
どうしよう、明日一日で間に合うかな?、終わらなかったらミヤギとカナコにも手伝わせようっと、
あ、ミヤギってば部屋選んだみたいね、べ、べつにアタシタチヘンナコトスルワケジャナイシ、どの部屋
選んでも一緒なんだから!・・・う〜・・・なんだろう、胸がドキドキしちゃってるよ・・・、
雨が降ってて「仕方なく」入ったけど、ここってラブホテルなんだよね・・・ミヤギの奴、超期待
してるんだろうなぁ、アタシハ、ソンナツモリハナインダカラ、ああっ!なんかアタシ超緊張してる?、
大丈夫、アタシサエシッカリシテレバ・・・もう、なんなの、相手はたかがミヤギじゃない!、シャワー
浴びて温まったらすぐに帰るのよ、そう、ミヤギノコトナンテゼンゼン・・・ああああああーーーーー
!!!!!!、なんか今日のアタシおかしいよ、ホント、・・・なーんでこんなトコ入っちゃったんだ
ろうなぁ・・・寒さのあまりに思考力が低下していたんだわ、でなくちゃパンツが濡れるようなことも
・・・アタシ、濡れちゃったんだよね・・・相手はミヤギなのに・・・、どうしよう、ミヤギは
すっかりその気だろうし、それを拒むことをできるかしら、よし、もし襲ってくるようなことがあれば
ヘルメットで頭をカチ割って・・・、ベッドの傍には必ずヘルメットを置いておくことにしよう、
ていうかなんてベッドなのよ!?、ベッドなんて入る必要ないわ、ソファーに座ってればいいんじゃ
ないの、まてよ、爆風スランプの歌で「ソファーに押し倒して唇奪っちゃえ」とかあったわね、ソファー
は危険じゃない!ダメだ!、じゃあどこに?、バスルームに篭城しとく?、それじゃミヤギがシャワー
浴びられないわね、ちょっとかわいそう、トイレもダメか、どうすればいいのよ〜?、ああ、心臓が
ますますドキドキしてきた、顔が火照ってきちゃったし、ミヤギにバレてないかな、うわぁ、ミヤギ
の奴、こっち見てるよ、え?なに?この部屋で良いかって?、もう、部屋なんてどこでもいいわよ、
えい、ボタン押しちゃえ、あっ、8000円の部屋、一番高い部屋だ、ま、ま、まあ部屋なんてどこ
でも構わないし、そうよ、ワリカン、ワリカンね、旅館に泊まると思えば一人4000円なんて安い
・・・って、泊まらないわよ今日は!、雨宿りなんだから!、ええいままよ!、さっさと部屋へ
逝くわよ!

まだ続く。
28第17話:01/12/12 02:18 ID:z7RpZIOz
137 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/24 03:51 ID:RUvAhSMA

>>130続き

8000円の部屋を選ばれてしまった・・・レナさんて意外と高級志向なのね・・・、おや、レナさん
さっさと歩いていってしまった、俺もついていかねば、部屋はえーと413号、なんか縁起悪いな、
それとも「よいさ」と読むべきか、そうだ、「良いさ」だ、そうに違いない、ココまで来てオアズケは
無いよな、ココに来てからレナさんにリードされっぱなしだし、よしせめてエレベーターのボタンは
俺が押すとしよう、ポチっと、お、レナさんこっち見た、ふふーん、どうよ?、ここからは俺がリード
させてもらうよ、部屋に入ったらばAV見て覚えた俺様の超絶テクで昇天させちゃうよ、自慢じゃないが
脳内で俺は「テクニシャン」ということになっているんだ、セクースしたことは無いけどね、知識はあるんだ、
女のマムコに指突っ込んでぐりぐりいじってるとGスポットってのに当たって「潮」吹くんだよな、
ところで「潮」ってなんなんだ?しょっぱいのか?、今日レナさんが潮吹いたらなめてみよう、・・・
なめてみる・・・うーん、「マングリ返し」とか「クンニ」とかやるつもりだけどさ、どのへんなめたら
気持ち(・∀・)イイ!!のかな?、AVはモザイクかかってるしなぁ、そこがわかんないんだよな、実際、
モザイクって邪魔だよな、裏ビデオって不幸にも見たこと無いんだよ俺、肝心なところが見えないんだ、
一度でいいから見てみたい生マムコ、今日は見れるだろうけど、事前に見ておきたかったな、うーん
なんか自信なくなってきたぞ、「ヘタクソ!」とか言われちゃうと俺ちぢんじゃうかもしんないよ、
あっでも「ここ気持ちイイ?」とか聞きながらなめれば良いんだ、手当たり次第なめてれば性感帯に
当たるだろ、ヘタな鉄砲数うちゃ当たる、昔の人は良いことを言ったもんだ、あ、エレベーター来たぞ、
ここはレディファーストでレナさんを先に乗せてと・・・、うわっ!、人が乗ってた!、すみません、
なんか気まずいなこういうの、向こうも気まずいんだろうな、おや、制服?、女子高生!?、男は背広
着てるぞ、なんだそりゃ、女子高生とおっさんかよ!、今日は学校どうしたんだよ女子高生!、平日
じゃねぇかオイ、それになんだ、そのおっさんは!、禿あがったいかにもエロ親父じゃねぇか、
歳だって親子程離れてるだろ、くそ、腕なんて組んで仲良さそうじゃねぇかウラヤマシイ、これが
援交って奴なのか?、いくら出せばそんなこと出来るんだよちくしょう、お前みたいな親父がいたから
俺らは高校時代ヤレなかったんだよ、女も女だ、簡単にマムコ開きやがって、金の力ってやっぱスゲーぜ、
俺も貯金して援交してやる、あ、そうだ、レナさん!、そうだよ、今はレナさんと一緒なんだよ、どうだ
親父、コレがレナさんだ、かわいいだろ?、今から俺もセクースするんだ、いいだろ、へへ、ささ、レナさん
エレベーターへどうぞ、よーし親父に見せ付けてやる、どうだ手なんか握っちゃったよ。
29第18話:01/12/12 02:18 ID:z7RpZIOz
143 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/24 18:02 ID:GPhN1Isx

>>137続き

「きゃあっ!」
レナさんは何の前触れもなく自分の手を握られたことに驚きの声をあげた。同時にミヤギの頬へ
2往復半ビンタをお見舞いもした。
「なにすんのよ!」
エレベーター入り口前での出来事である。鉢合わせた女子高生と親父も目を丸くして驚いている。
「ええっ?なんで?」
ミヤギはレナさんの手を自然に握れたものだと思っていたようだ。赤く腫れた頬を両手でさすりながら
「レナさーん、照れなくてもいいじゃないスか。ここまで来て何を今更・・・」
レナさんの方へと近づくミヤギ。
「もうっ!なに期待してんのよ!一緒にホテル入ったって、別に何もしないんだからね!」
つい大声をあげてしまい、我に返るレナさん。禿親父はクスクスと笑いながら
「若いっていいねぇ」
とつぶやいた。禿親父にぶらさがっていた女子高生も
「ふふふ・・・そうよねぇ、お姉さんはあんな事言ってるけど、ココまで来れば断るなんて
しないわよ。照れてるだけだから安心してね、お兄さん。じゃあ頑張ってね〜」
と品定めをするような目つきでミヤギたちを見た。
「ばっ・・・バカな事言わないでよ!全然オッケーじゃないわよ!だいいち、アタシはまだ処女・・・」
レナさんは慌てて自分の口をふさいだ。今にも破裂しそうな程、顔が赤面していくのが自分でもわかる。
「ほほう、そちらのお嬢さんは初物かい。よかったな、兄さん。優しくしてやるんだぞ」
「は、はぁ」
レナさんが処女であることを知ったミヤギは「やりぃ!俺がレナさんにとって初めての『男』
かよ!」という喜びと「初めてなのか。どうしよう、俺うまくヤれるかなぁ?」という不安の
狭間で葛藤した。
「あら、パパは処女が好きなの?ふーん、悪かったわね、処女じゃなくて」
「おおっと、そんなことはないぞー。パパは処女じゃなくてもショウコたんのことが大好きだよ」
「ほんとぉ?じゃあショウコのことが好きなら、グッチの財布買ってくれる?」
「ああ、お安い御用だ。よーし、パパ、ショウコたんのために指輪も買っちゃうぞー!」
「わぁっ、パパ大好きぃ!」
親父たちは、ミヤギ達が目の前にいるのも気にせず、禿げしく唇を吸い合い出した。
「うわぁ・・・すげぇ」
男女の生チューを初めて見るミヤギは、ただ呆気に取られていた。レナさんはますます顔を真っ赤に
染めて生チューを見た。レナさんが生チューを見るのはカナさんのケコーン式のとき以来の事だ。
「もうっ、逝くぞ、ミヤギ!」
見るに耐えられなくなったレナさんは、ミヤギの手をぐいっと引っ張ってエレベーターの中に
連れ込んだ。
「わっ、わっ、レナさん!?」
一本足でバランスを崩しそうになりながらミヤギはエレベーターへ乗り込んだ。レナさんは
エレベーターの扉を閉めるボタンを「早く閉まれ!」と勢いよく連打した。
エレベーターに乗り込むのに気付いた親父たちはチューを止めてミヤギたちを見送った。
「お兄さん達、頑張ってねぇ〜」
「姉さん、優しくしてもらいなよ!」
閉まる扉の向こう側、親父たちは大声で「バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ!」と
ミヤギたち2人にエールを送り続けていた。

続きはまた今夜。
30第19話:01/12/12 02:19 ID:z7RpZIOz
161 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/25 02:07 ID:ItqOfzkj

>>143続き

エレベーターは4階へと到着した。
扉が開き、赤いじゅうたんが敷かれ左右に伸びる廊下は耳が痛くなりそうなほど、しん、と
静まり返っている。そこで初めてレナさんは、自分の手がしっかりとミヤギの手を握り締めている
のに気がつき、慌てて振りほどいてミヤギの傍から離れた。手のひらにはミヤギの温かな体温と
うっすらと汗ばんだ感触が残っていた。
「レナさん・・・」
ミヤギはここへ来て怖気づいてしまったかのように、不安げな声を出す。目つきが生まれたての
子犬のようでもある。
レナさんは口の中にたまった唾をゴクリと飲み込んだ後、無言で413号室へと歩き出す。
レナさんに余裕などは無い。ただ後には引けない「意地」のようなものが彼女の足を動かしている
だけだ。エレベーター付近で小さくなっていたミヤギも主人に付いて行く飼い犬のように小走りで
追いかける。
「・・・カギ」
「は?」
「カギよ。アンタが持ってるでしょ」
「あ、ああ、はい、どうぞ」
ミヤギはポケットの中を探ってから五部厘のキーホルダーの付いたカギを取り出す。
「そっちじゃなくて、この部屋のカギのほう」
ミヤギが取り出したのはゼルビスのカギだった。
「部屋、部屋ね、・・・あれ?・・・無い?」
「無い?」
「おっかしいなぁ」
ミヤギは、ジーンズのポケットからジャケットのポケットまで、自分の着衣のポケット全てを
ゴソゴソとまさぐった後、軽くその場でジャンプしてチャリチャリという金属音がしないかまで
確かめてみる。
「・・・無い!レナさんどうしよう?俺、カギ落としたかも・・・」
「落としたぁ?なにそれー!アンタってば、本当に・・・」
レナさんが手を振りかざし、ミヤギのほうへと向けられた時、
「あっ、カギハケーン!」
「え?」
ミヤギはレナさんの手を指差し、そこに413号と書かれたカギを見つけるが、レナさんの手は
止まることなく、ゴツン、と鈍い音をたててずぶ濡れの「飼い犬」のコメカミにクリーンヒットした。

続くよゼルビス
31第20話:01/12/12 02:19 ID:z7RpZIOz
163 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/25 02:44 ID:ItqOfzkj
>>161続き

「ああっ、スマソ、ミヤギ!」
床へ倒れこんだミヤギの上半身を揺り起こしながら、レナさんは謝った。
イテテ、と、ミヤギはコメカミを部分をさすってみると、そこは大きなコブとなっていた。
「ううっ、レナさーん・・・今のはキレイに入ったよ」
ミヤギはゆっくりと起き上がる。目じりには100μlほどの液体が光っていた。
「ゴメン、ゴメン。そうだったわ。カギはアタシが持ってたのね」
413号室のドアの前に立ち、レナさんはあせりながらカギを開ける。なかなか鍵穴に挿入
できなかったが、ほどなくして「ガチャリ」という音を立ててカギは解除された。
レナさんの手によって開けられたドアの向こうは、思いのほか広々とした洋室だった。壁を
浮かび上がらせるような間接照明とベッド横の大きな電気スタンドの明かりが、とても淫靡な
ムードを醸し出している。
(・・・なんかHな雰囲気ね。このままじゃ逝けないわ)
レナさんは、入り口横の壁を反射的にさぐって部屋の照明スイッチを探してみるが、そこに
スイッチらしきものは無い。スイッチはどこ?と、自然に部屋の奥へと歩き出す。
ミヤギはその様子を見て、レナさんを追うように部屋へと入る。
すると二人の後ろでドアが「ガチャリ」と自然に閉まった。カギがかかった音に反応して
「何、何?」
レナさんが振り向く。そこにはずぶ濡れのミヤギがたたずんでいるだけだ。
「どうかした?レナさん」
レナさんのほうへと足を進めると
「いや!来ないでぇーーー!!!」
レナさんは自分の胸を両手で隠すようなしぐさで防御の姿勢をとった。
「何?どうしたのレナさん」
ワケがわからずますますレナさんのほうへと近づくミヤギ。
「きゃあ!近づかないでよー!変態!ミヤギのエッチスケッチワンタッチ!」
ミヤギに襲われると誤解しているようだ。だがまだミヤギにそのつもりはない。
「だめ!それ以上近づくと、舌かんで死ぬわよ!」
「わかったよ。これ以上近づかないから、どうしたのかワケを言ってよ、レナさん」
「アンタ・・・カギなんかかけて、このカワイイアタシを監禁しようとしたでしょ?」
「カギ・・・?ああ、ここオートロックみたいよ・・・」
ミヤギの一言に誤解を解いてレナさんは、へなへなと床にしゃがみこんでしまった。
「レナさん、大丈夫?俺別に何にもしてないし・・・」
「そ、そうよね!誤解してたかも・・・ははは・・・」
しかしミヤギの心の奥底で、「監禁」という言葉から「縛っちゃえば抵抗できないよな」
などという危険な思想がムラムラと沸いてきているのを、レナさんは気付いていなかった。

続くゼルビス
32第21話:01/12/12 02:20 ID:z7RpZIOz
166 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/25 03:33 ID:ItqOfzkj

>>163続き

部屋に入ったはいいが、ただ立っている2人。お互いに初心者同士、どうしていいのか
わからない。
とりあえずこの暗い部屋を明るくしないと、とレナさんは明かりのスイッチを探す。ベッドの
頭の部分にスイッチ類が並んでいるのを発見し、恐る恐る押してみる。するとどうだろう。
レナさんの意に反して29インチのTVの電源が入る。
「ああん、ああん、(;´д`)ハァハァ・・・」
「ええか?ええんか?最高かぁ?(;´д`)ハァハァ・・・」
TVからは男女和合の映像が流れだした。その映像のエゲツなさに、ミヤギは、すげぇ・・・
と驚嘆の声を漏らす。
ますます慌てたレナさんは、TVのチャンネルを変えるべく、ベッド上のスイッチをまさぐる。
だが、TVは消えずに、その横にあった「大人のおもちゃ自動販売機」の照明が入ってしまう。
ミヤギも明かりに反応して、自動販売機を見る。生まれて初めてみる大人のおもちゃだったので
それらの利用方法が良くわからず、どうなってんだコレ?と、しゃがみこんで中身を凝視する。
「わぁっ、電気電気!」
レナさんは暗闇の中、さらにスイッチをさぐる。片っ端からスイッチを押していくが、有線が
流れたり、ベッドのボディソニックが震え出したりするだけで、一向に部屋は明るくならない。
ミヤギはむしろ、スイッチが押される度に起こる、初めての出来事にすげーすげーと感動
しまくっていた。
そうしているうちに、ぱっ!、と部屋が明るくなる。ようやく明かりのスイッチにたどり着けた
ようだ。
「ふう・・・」
安堵感からレナさんは大きな息をついた。額ににじんだ冷や汗を拭うと、ようやく落ち着くことが
でき、余計なスイッチ類を一つ一つ消していった。

まだまだゼルビス
33第22話:01/12/12 02:20 ID:z7RpZIOz
167 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/25 03:58 ID:ItqOfzkj

>>166続き

明るくなった部屋を見渡すと、TVとベッドの間にソファーがある。レナさんはやれやれ、と
ソファーに腰をおろした。
部屋は12畳以上はありそうな、広々としたものだ。壁にはポップなイラスト、明るいグリーンの
壁紙、サイドボードには小さなステンレスの電気ポット、その下には控えめに冷蔵庫がぶーんと
音を立てている。
(ドラマで見たのと同じね・・・)
想像通りの部屋の作りに、レナさんは妙な安心感をいだいた。安心したところで、自分達がずぶ濡れ
であることに気付く。ここに入るまでのドタバタで忘れていたが、身体はかなり冷え切っている。
「レナさん」
「ん・・・」
「シャワー浴びてきちゃえば?」
ミヤギの一言にまたあせりを取り戻す。
「な・・・何?」
「いやあ、こんなときって、とりあえず『シャワー浴びてくれば?』って言うもんでしょ」
「そ・・・そうだけど・・・変な事期待してない?ミヤギ」
「し・・・してないといえば、ウソになるけど」
「やっぱり!」
「で、でも!身体冷えてるしさ、このままじゃ、風邪ひいちゃうよ。ね、先にシャワー浴びてきなよ」
しばし熟慮の上
「そ、そうね・・・寒いし。ミヤギ、先浴びていいよ」
レナさんは遠慮がちにミヤギにシャワーを勧める。
「いいって。俺は後でも。レディファーストでしょ、こういうときは」
寒そうに小さく震えるレナさんを見て、ミヤギは譲った。
「こんなときにレディファーストもないわ。いいから先にミヤギが入って」
どちらも譲り合いをしているのに困ったミヤギは、反射的に
「わかった!じゃあ一緒に入ればいいんだ!」
と言ってしまった。
「そうね、一緒に・・・って、バカか、お前!なんで一緒に入るのよ!」
「ははは・・・そうでした、すみません」
「もういいわ、アタシが先に入るから」
レナさんはソファーから立ち上がって、バスルームへと向かいだした。
「ごゆっくり」
ミヤギがそう言うと、レナさんは足をとめ振り返り鬼の形相で
「のぞくんじゃないわよ」
と釘をさした。
「はいはい、のぞきません」
ミヤギはおどけて両手で目をふさいで見せた。

今夜はあともう1回だけゼルビス
34第23話:01/12/12 02:21 ID:z7RpZIOz
169 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/25 05:04 ID:ItqOfzkj

>>167続き

ばたん
レナさんは脱衣所のドアを閉めた。
ミヤギはソファーへもたれかかった。
しゅる、しゅる・・・
TVも有線も消え、静まり返った部屋に、脱衣所から聞こえる衣ずれの音が響く。
(レナさんが服脱いでる・・・)
意識しなくともミヤギの視線は脱衣所のドアへ向けられる。
(あのむこうにはレナさんが・・・今ごろ下着姿で・・・)
ミヤギは妄想を膨らませて、レナさんのあらわになった肢体を想像する。
しゅる、しゅる・・・カチッ
レナさんはバスルームの電気をつけたようだ。
「!!!???」
ミヤギの目の前が不意に明るくなった。そこは、なんとバスルームが丸見えではないか。
てっきり大きな鏡だとばかり思っていたものは、マジックミラーだったのだ。
35第24話:01/12/12 02:21 ID:z7RpZIOz
170 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/25 05:04 ID:ItqOfzkj
ドキドキしながらバスルームを見つめるミヤギ。
きーっ、
レナさんは脱衣所から生まれたままの姿で現れる。
ばたん
そっとドアを閉めて、レナさんはシャワーへと向かいだす。
「うっ・・・わっ、わっ、わっ・・・」
ミヤギは思わず声をあげそうになるのを必死にこらえる。
(レナさん・・・裸だよ、裸!)
きゅっ、しゃあ〜・・・
シャワーのコックをひねり、勢い良く温水が流れ出すのが見える。とたんに温かそうな湯気が立ちのぼる。
とても気持ち良さそうに、レナさんはシャワーを全身に浴び出す。
((・∀・)イイ!! シャイコー!!!)
ココにきてからボッキしっぱなしのミヤギのゼルビスが、一段と硬くなった。
(レナさんのオパーイ・・・・・・)
ミヤギにとってそれは、初めて見る、身内以外の大人の女性の裸体である。肩にかかった栗毛色の
髪から流れたお湯が、大きすぎず、それでいて小さすぎもしない、とても形の良いお椀型の
バストへと落ちる。柔らかそうなふくらみの先端には、キレイなピンク色をしたやや小さめな
乳首が鎮座している。ミヤギが毎夜想像していた通り、いや、それ以上にキレイなバストである。
レナさんは全身にお湯が当たるように、すこし身体をミヤギのほうへと傾ける。
(毛!毛!毛!)
ふくよかなバストの下、究極のエアロダイナミクスを彷彿とさせるウェストラインのくびれを
通ったお湯は、整った逆三角形地帯からキラキラと滴り落ちる。
(俺の剛毛とはエライ違いだ)
ミヤギは顔に似合わず「ギャランドゥ」なのである。自分の身体の作りと、成熟した女性の身体の
作りの違いに、あらためて感動を抱いた。
((;´д`)ハァハァ・・・もうだめ。このゼルビスの怒りを静めるには・・・)
濡れたジーンズは脱ぎ辛い。ミヤギは、もつれながらドタバタとジーンズをパンツごと足元へ
引き摺り下ろす。続いてベッドの枕もとにあるティッシュボックスを手繰り寄せる。準備完了。
(うおーーーーーっ!レナさーーーーん!!!!!)
びくん、びくん・・・
それまでの気分の高まりから、ミヤギはわずか数秒で達した。ゼルビスの先端からは、これまでには
経験したことが無い程、大量の「ゼルビス汁」が発せられたのだった。
しばらくレナさんの方をみながら呆けるミヤギだったが、レナさんがシャワーを止めるのを見て
すぐさま後始末にとりかかる。パンツとズボンを履き、使用済みティッシュはゴミ箱へ。
レナさんが脱衣所へ消え去るのを確認すると、マジックミラーの上にあるブラインドを見つけて
音を立てないように、そっと下ろす。これで証拠隠滅完璧である。
がちゃ
備え付けのガウンをまとい、バスタオルで髪を拭きながらレナさんは脱衣所から現れた。
「ふう、温まった〜。シャワー気持ちいいよ。ミヤギも浴びちゃいなよ」
笑顔でレナさんはそう言うが、ミヤギは後ろめたさから顔を向けられない。そっぽを向きながら
「ああ、とっても気持ち良さそうだったね・・・」
つとめてさりげなくこたえた。
「ん?なんで『気持ち良さそう』とか知ってんの?まさか、のぞいて・・・」
「いやっ、全然!のぞいてなんかいません!なんとなく、なんとなくですよ・・・はは」
「本当にのぞいてないのね?」
「はいっ!のぞいてません!・・・あっ、俺もシャワー浴びてきまーす!」
レナさんの横を押しのけるように、ミヤギは脱衣所へと駆け込んだ。
36第25話:01/12/12 02:22 ID:z7RpZIOz
181 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/25 22:56 ID:vEbocOpZ

>>170続き

一人、部屋に残ったレナさん。すっかり身体も温まり、ソファーへ腰掛けて、しばしマターリ。
ふとバスルームのほうへ目を向けると、さっきまで無かったブラインドが掛かっているのに気付く。
「なんだろう・・・」
ヒタヒタとブラインドの方へと近づくと、後ろから明かりが洩れている。ブラインドの隙間に指を
指し込み、石原裕次郎のように向こう側をのぞいて見た。
「!」
ブラインドの向こう側では、全裸の男がさも気持ち良さそうにシャワーを浴びているではないか。
「み、ミヤギ?」
びっくりしたレナさんは、しりもちをついて後退りする。あまりのあわてぶりに、近くにあった
ゴミ箱を転がしてしまった。
「あ・・・ゴミ」
散らかしてしまったティッシュを拾い集め、ゴミ箱へと戻す。しかし、拾ったティッシュに得も
いわれない不思議な感触を覚えた。
生温かい。
ただの水分とは違った重さ。
ティッシュごしに、ドロドロしたやや黄色掛かった液体ということがわかる。
レナさんは両手にとって、その丸まったティッシュを広げてみた。
ttp://www.waynet.ne.jp/usr/62013989/Sperm/20011017a.JPG
「これは何・・・?」
レナさんは手に付着したその液体をそっと鼻に近づける。


続くが、上のリンク先はなるべく踏まないほうが良いと思われ・・・
37第26話:01/12/12 02:22 ID:z7RpZIOz
187 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/25 23:58 ID:vEbocOpZ

>>181続き

いままでに経験したことの無い、不思議な匂い。
生臭いような、鉄分を含んでいるような・・・。
「ま・・・さか・・・」
処女であっても、直感的にその液体が何なのかすぐさま理解した。
レナさんは、急いでそのティッシュを丸めて、ゴミ箱へ放り込む。
「きゃぁぁぁぁぁぁ〜〜〜っ!!!」
その声はバスルームでシャワーを浴びていたミヤギの耳にも届いた。タオルを腰に巻いて一目散に
部屋のほうへと戻る。
「どうしたの!?レナさん!」
部屋ではレナさんがベッドの片隅でカタカタと震えていた。
「く、来るな、変態野郎!」
手元のゴミ箱をミヤギへと投げつける。続いて自分とミヤギのヘルメットを両手で持ち、大きく
振りかぶる。
「い、痛ててっ。わぁっ!ヘルメット?さすがにそれは勘弁してください!」
振りかざしていたヘルメットを床にゴロンと落とし、レナさんはベッドに顔をうずめてシクシクと
泣き出した。
「レナさん、どうしたの・・・?」
ミヤギはレナさんの隣へしゃがみこみ、小さな肩へと手を乗せようとするが
「さわらないで!」
その一言で、手を引っ込めた。
「理由を聞かせてよ、レナさん。泣いてちゃわかんないよ」
「・・・それ」
えっ?、とミヤギはレナさんの指差す方に目を向ける。そこには丸まったティッシュが落ちている。
「あ・・・そ、それは」
「ミヤギ、やっぱりのぞいてたのね・・・」
伏せたままレナさんはつぶやいた。ミヤギはうなだれて
「・・・ごめん、レナさん」
素直にのぞき行為を認めた。
「それで・・・そのティッシュ・・・自分で、したの?」
すこしだけ頭を持ち上げて、ミヤギを見つめた。
レナさんは怒っている・・・しかしミヤギは、涙で濡れたまつ毛を見たら何故か弁解することもなく
「うん。レナさんを見て、自分でしちゃったよ・・・」
正直に告白した。

今日はあと1回続く
38第27話:01/12/12 02:23 ID:z7RpZIOz
192 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/11/26 00:31 ID:Jy9WOFMD

>>187続き


「アタシね・・・わかんないんだ」
「なにが?」
「ミヤギにさ、その・・・裸を見られただけじゃなくて・・・」
レナさんは、ベッドに肘をつきながらミヤギの方へ身体を向ける。
「自分じゃ、怒らなくちゃって、思うんだけど」
ガウンの胸元からこぼれる、白いふくらみの谷間がミヤギの視線を釘付けにする。ミヤギは
レナさんに聞こえないよう、こっそりと生唾を飲み込む。
「不思議ね・・・なんか変な気持ち・・・」
「ごめん、レナさん。でも、俺、ガマンできなくて・・・レナさん、すごくキレイだったから・・・」
「ううん・・・ありがとう。キレイって言ってくれて。こっちこそゴメンね、さっきは取り乱して」
「いや・・・怒って当然だよ。悪いのは俺だから」
レナさんは、自分の中で沸き起こる淫靡な感覚に溺れつつあった。
すぐ傍に裸の男がいる、お互いの体温を感じ取れるほどの距離に、その男は自分で欲情をした、
自分もその男に好意を抱いていること、そして下腹部では熱い液が流れ出していること。
今、自分を取り巻くもの全てが淫猥である。正常でいられる筈も無かった。
謝り続ける年下の男が「可愛く」見える。頼りないと思っていた胸板は想像以上に厚い。首、腕、腹部、
脚は男らしい体毛に覆われ、筋肉質である。「可愛らしさ」とのギャップに思わず鼓動が高まる。
レナさんは視線をミヤギの下腹部に注ぎ、タオル越しにそびえるゼルビスを確認した。
自分のゼルビスを見られているのに気付いたミヤギは、少し照れくさそうに手で隠す。
「ああっ・・・ははは・・・これはその・・・レナさんが・・・いや・・・」
「アタシが・・・何?」
悪戯っぽい表情でミヤギの顔を覗き込む。
「いやーっ、レナさんがキレイだなーって思ってさ、あは、あは・・・」
ミヤギは顔を赤くしながら藁ってごまかした。くす、と鼻を鳴らしてからレナさんは
「ねぇ、ミヤギ、本気で言ってくれてるの・・・?」
ミヤギの胸にもたれかかった。ミヤギのゼルビスがびくん、と反応する。
「う・・・うん。キレイだなっていうのにウソは無いよ・・・」
「アタシ・・・」
レナさんの腕がミヤギの肩にまわされる。
「そういうこと言われるの、慣れてないから」
「俺だって!・・・俺だってそんなこと言うの初めてだよ!」
ミヤギは自分を抑制することができず、レナさんの背中に手を回して力いっぱい抱きしめた。
39第28話:01/12/12 02:24 ID:z7RpZIOz
243 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/12/01 02:45 ID:+jbESdDh

>>192続き

2人はセクースしました。

40第29話:01/12/12 02:25 ID:z7RpZIOz
248 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/12/01 03:14 ID:+jbESdDh

ちょっと変えてみました。

>>192

2人はセクースしませんでした。

41第30話:01/12/12 02:25 ID:z7RpZIOz
250 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/12/01 03:37 ID:+jbESdDh

>>192の続きだゴルァ!

どれほどの時間が経ったことだろう。
2人はベッドの横で座ったまま強く抱き合っていた。
(レナさんの髪・・・濡れてて冷たいけど・・・)
ミヤギの頬から首筋にかけて、レナさんの濡れた髪が触れている。ホテル備え付けの
シャンプーとリンスを使っているはずだが、それらに含まれている以外の甘い香りが
ほのかに匂い立つ。「女性の香り」とでもいうのであろうか。
油にまみれたツナギの下に隠されつづけていた肉体は、今、薄さ1ミリに満たない
ガウンを隔てただけで、ミヤギの濡れた素肌へと吸い付くように重なっている。
それは柔らかな感触であるが、ミヤギの刺激中枢へは幾千ものトゲとなって突き刺さった。
ミヤギは感動の渦に溺れていた。
(女の人の身体って、こんなに柔らかくて気持ちいいものだったんだ)と。
レナさんが息を吸い込む度に、柔らかなバストがミヤギの胸のあたりに強く押し付けられる。
先程脳裏に焼き付けられたばかりのである、形の良いバストの圧力に反応するように
ミヤギの腰に巻いたタオルが操り人形のようにぴくぴくと動くと、レナさんの太ももには
猛り狂ったゼルビスの硬い感触が伝わった。
全ての神経がそこに集中しているかのように、ゼルビスが触れる部分だけがとても熱い。
(これが・・・男の人の・・・まるで生きているみたい・・・)
タオル越しに黒く透けたゼルビスから、レナさんは視線をそらせずにいた。
レナさんは自分自身が「発情」しているのに気付いていた。パンティの中にある、未だ
誰の侵入も許さずにある純潔な淫裂から、とめどなく溢れ続ける淫蜜が温かく猥褻な香りと
なってレナさんの鼻腔に伝わっている。
(い、いや!・・・こんな・・・こんなアタシのいやらしい匂い・・・)
この香りはミヤギにも伝わっているのではないか?そう思い、溢れ続ける淫蜜に「早く
止まって欲しい」とレナさんは願うが、意志と反してさらに多くの淫蜜が体内から分泌
され続けた。
未だ2人は抱き合ったままである。いや動けずにいた。
『さて、この後、どうしたらいいんだろう?』
童貞と処女。セックスを求める意志は明確にあるが、期待以上に「お互いを気遣うが故
の不安」が強く束縛しているから行動に移れないのだ、2人はそう考えていた。
だがそれは本当は、お互いを気遣うものではなく、「失敗してしまわないか?」という
「自己責任からの逃避」でしかなかったといえる。
失敗を恐れることなく、自己責任を覚悟の上で行動できる「勇気」や「素直さ」は、
大人の人間として持ち合わせていなければならないというのに。
何も出来ない2人の間に、時は無情にも過ぎていく。
虚しく身体だけは「素直」に反応したままであった。
42第31話:01/12/12 02:26 ID:z7RpZIOz
264 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/12/02 04:28 ID:YHxo7TTE

>>250続き

(ええい、このままじゃ!)
意を決したミヤギは首に回されたレナさんの腕を乱暴に振り解いた。大きく目を見開いて、
レナさんの顔を見つめる。
レナさんは今までに見たことの無い、ミヤギの真剣な表情から視線をそらした。ミヤギの
唇はそんなことを構わずレナさんへ近づいていく。
あと3センチ近づけば、唇を重ねることが出来る。だが
(ミヤギ・・・怖いっ!)
レナさんは緊迫した空気に耐えられず、顔をそむけた。目を閉じていたミヤギの顔へ、
ぴしゃっ、とレナさんの濡れた髪が当たる。異変に気付いたミヤギは、近づくのをやめて
ゆっくりと目を開くと、そこには涙を浮かべて小さく震えるレナさんの姿があった。
「・・・ごめん」
明確な拒絶反応。レナさんはミヤギの真っ直ぐすぎる気持ちに応えられなかったことで
「ごめん」を繰り返しつぶやいた。
「いや・・・別に謝ることなんて・・・」
早まっていた脈が急激に下がり始め、徐々に鼓動が落ち着き始めると、ミヤギは猛烈な
後悔の念に襲われる。「焦り過ぎた・・・」ミヤギは心の中でそうつぶやくと、無言の
まま立ち上がり、バスルームへ消えていった。
ばたん。
うつむいたままのレナさん一人が残る部屋にドアの閉まる音が響き渡った。
43第32話:01/12/12 02:26 ID:z7RpZIOz
285 名前:肉屋 ◆FOsxTZRM 投稿日:01/12/03 01:52 ID:jTf5qKLu

>>264続き

しゃーっ
うなだれた頭からシャワーを浴びるミヤギ。もう10分以上そのままの姿勢でいただろうか。
下腹部のゼルビスの高まりも収まっている。
「はぁ・・・うまくいかないもんだな」
レナさんも自分の身体を抱きしめていてくれていた。邪魔をする人間もいない。レナさんは
ガウン1枚、自分はタオル1枚しか身に付けていなかった。求めれば、応えてくれる、確信は
なかったが、状況的にセックスできる雰囲気にあったのは間違いないはず。
しかし、レナさんは明確に拒否。ミヤギは「なぜ拒否されたのか」理解できずにいた。
「なんだかもう萎えた・・・」
ミヤギは投げやりな気分でシャワーを止めた。

その頃、部屋のレナさんは濡れた服を丁寧にハンガーへ吊るしていた。
ジャケット、ジーンズを吊るし終えると、膝を抱えてソファーへ座り込む。
頬にはミヤギの顔の髭の感触が残っている。
「ミヤギも男なんだよね」
自分が女であることをあらためて実感する。自分の女である所以のシンボル部分を包むパンティー
は冷たく湿っているが、もはや淫蜜の流れは止まっていた。
こんなにも「濡れる」ものだとは知らなかった。
オナニーをしないわけではない。もちろんそのときは「濡れる」。
しかしこんなにも濡れたことは今までになかった。
欲情をすることを「善」とは思っていないレナさんは、激しい罪悪感を抱いていた。
もしあのままキスしてしまっていたら・・・自分は、自分を抑制することが出来ただろうか。
多分、なし崩し的にセックスをしてしまっただろう。
キスを拒んだのには、ミヤギから猛烈な「オス」を感じたからだ。
自分は人間である。「メス」ではなく「女性」なのだ。そんなつまらないプライドがセックスを
今まで回避し続けていた、それは理解している。
(いっそ「メス」になってしまえればいいのに)
今までに何度も思ったことがある。男と付き合ったことだって、キスだってしたこともある。
なのにそれ以上進めない。いつかは乗り越えなくてはいけないハードル。
(そういえば・・・)とレナさんはバイクに乗り始めたばかりのことを思い出した。
44物取り:01/12/12 02:28 ID:z7RpZIOz
以上
http://ton.2ch.net/test/read.cgi/bike/1005096457/
から拾ってきました

あとは肉屋氏よろしく!
45茶文字 ◆d38VidMY :01/12/12 03:05 ID:d8PIYNLA
>>44
ええ仕事しまんなぁ。感謝sage。
46774RR:01/12/12 10:59 ID:EOwkS/Z3
逃亡先発見! 記念でa○eたい けど、我慢
はよ続きをお願いします先生

所でタンデムスレの執筆者はどうなったかしらんすか?
47肉屋@仕事中 ◆FOsxTZRM :01/12/12 11:55 ID:e93KIbcy
>>46
>逃亡先発見! 記念でa○eたい けど、我慢

記念ageしてるじゃねーか

と突っ込んでみた。

>所でタンデムスレの執筆者はどうなったかしらんすか?

しらん

と答えてみた。

逃亡ではない。
あくまでも「引越し」。
48774RR:01/12/12 11:56 ID:eSLI6iuz
やっと見つけたよ
49あのさ@ ◆raGArAss :01/12/12 18:26 ID:3n9lkBCz
>>47
さて、馴れ合いも控えてあなたの連載を待つことにしますわね(はぁと
50書斎派 ◆MoNKEyvM :01/12/12 18:40 ID:3Qb3gSzp
肉屋ハケーン...

#ところでスワッシュ〜って何?
51いつ遭:01/12/12 21:29 ID:NQb2tEzV
かちゅ〜しゃ壊れたゥトゥ
52あのさ@ ◆raGArAss :01/12/12 21:39 ID:DITyS+op
>>51
どうつぶれたの?
53茶文字 ◆d38VidMY :01/12/12 21:50 ID:d8PIYNLA
>>51
DLLが古いんでない?
新しいの入れれ
54あのさ@ ◆raGArAss :01/12/12 21:56 ID:DITyS+op
『みんなこれでOK!?GO−GO−かちゅ〜しゃ導入編』

1)『http://www.monazilla.org/』の右上『Support Sites』にある『かちゅ〜しゃ』を
  クリックして下さい

2)現在一番新しいのは『かちゅ〜しゃ Version2.102』です。
  これをダウンロードして下さい

3)ダウンロードしたファイルを解凍して下さい

4)次に『http://kage.monazilla.org/』に行って『wsock32.dll』と『ksock078src.lzh』を
  ダウンロードして下さい(真中のやつはダウンロードしなくていいです)

5)ダウンロードした内の一つ『ksock078src.lzh』を解凍後、中にある6つのファイルと
  『wsock32.dll』の計7つを切り取りして『katjusha2102』の中に貼り付けして下さい
  (ここでよく『ライトプロテクトがかかってます』と出てキチンと貼り付け出来ない
   場合がありますから、その時はコンピューターを再起動して再チャレンジして下さい)

6)次は『http://www.onputan.com/board/』から『1118c.zip』をダウンロードして解凍して
  下さい

7)メモ帳かワードパッドを起動して6)で解凍して出て来た『2channel.brd』というファイルを
  ドラッグ&ドロップして下さい。そうするといろんなスレとそのアドレスが表示されます

8)このままだとあまりに多すぎてうざく感じたり、行かない掲示板まで表示されたまま
  なのでいらない掲示板を左クリックでおしたままカーソルを下げて『青い線』で被って
  下さい。その後右クリックで削除ボタンを押せばなくなります。
  (その時『ツール・2ch www.onputan.com/cgi-bin/onpuch katjusha かちゅ〜しゃ♪』
   は是非残しといて下さい)

9)『8)』での作業終了後左上の『ファイルボタン』をクリック、『上書き保存』して下さい。

10)かちゅーしゃ(katjusha2102)の中にある『2channel.def』を削除して
   『9)』で作った『2channel.brd』を変りに貼り付けて下さい

11)いよいよ起動です。可愛いアイコン『Katjusha』をクリックして下さい。
 
んで基本は終了です。

追加
左上の『▽2ちゃんねる』をクリックして『ツール・2ch』の『かちゅ〜しゃ♪』を
クリックして下さい。ここがかちゅ〜しゃの掲示板です。
ここでチェックしてホシイのが
『書込みエラー回避&読込み速度UP wsock32.dllスレ』と
『2channel.brd その2』です。
この二つをちょくちょくチェックして常時新しい『2channel.brd』や『wsock32.dll』を
入れておく様にすると便利です。
後サーバーの移動などでスレが見れない場合もこの掲示板をチェックしておけば
大丈夫です。
なれてきたら色々カスタマイズにチャレンジして下さいね。

*かちゅ〜しゃを再インストールするなら、現在のかちゅの中のログフォルダを
切り取って新しいかちゅのフォルダのログフォルダに上書きしたら、これまでの
ログは残るはず。
55あのさ@ ◆raGArAss :01/12/12 21:57 ID:DITyS+op
補足。ファイル名が若干違っていたりするだろうけれど、それは新たに
更新されたものなんで気にせずGo!
56いつ遭:01/12/12 22:58 ID:j+v8fd6W
あのさ天才!!

+0.50から+0.87になった。ありがとう。
57肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/12 23:32 ID:dKU/qELx
>>49
おもいっきり馴れ合ってるじゃねーかYO

だが俺もかちゅ〜しゃからカキコミできなくて
「アクセス制限か?」
などとビビっていたのは内緒だ。


祭りはほどほどに。
58いつ遭:01/12/12 23:33 ID:cRz9C2xX
スワッシュバックラー?
ゲームの名前じゃないんですか?
チャンバラ(得意な人?)って意味らしいです。

MK‐54は爆弾ですかね?
最初、ミクニのキャブの形式かと思いましたケド。

完全にデムパってますね。
59いつ遭 ◆9vC5KCUo :01/12/12 23:40 ID:cRz9C2xX
ぜルビスとEX-4はどちらが良いと思う?
60肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/13 00:00 ID:5EiKULOn
>>59
音ならEX-4。
ウケ狙いならゼルビス。



物取り氏サンキュウ!
茶文字氏こっちにも来たか(w
書斎派氏オヒサシブリ。
あのさ@逝ってよし。

全員引越し官僚化?
61肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/13 00:03 ID:5EiKULOn

>>1さんの反撃がチョット怖い

ドキドキ。

いつも遭遇氏、HNはクンニ君にしなさい(w
62いつ遭 ◆9vC5KCUo :01/12/13 00:11 ID:NXZ7Zj5J
クンニ君はやだな―
カッコ悪いもん
63茶文字 ◆d38VidMY :01/12/13 00:53 ID:ukwq1sfd
ウケ狙いぢゃないやい(|ま゛そ)






灰 < 正直、EX-4にもちょっと乗ってみたい。
64いつ遭 ◆9vC5KCUo :01/12/13 01:06 ID:wIQe8Jd/
どっちか買おうと思ってるけど。
そんで、大型取るまで乗ると。
65いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/13 04:35 ID:muPV3UoH
寝ます
66774RR:01/12/13 10:36 ID:NTGkc0Zi
期待age
67肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/13 22:56 ID:5t159YPT
age名井出管再
68いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/13 23:04 ID:oC76wnaC
あげます。
69肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/14 01:08 ID:JOjB9sjy

>>43続き

高1の夏休み。学校に内緒で原付免許を取った。
近所のお兄さんからもらったRZ50はボロボロだったけど、アタシをいろいろな所へ連れて行って
くれた。
使い古したタイヤはヒビだらけ、すぐに止まってしまうエンジンに泣かされ、50km/h以上出すと
壊れてしまいそうな振動に怯えながら、それでもアタシはRZに乗り続けた。雨の日も風の日も。
乗っているだけで楽しかった。行き先なんてどこでもいい。バイクに乗ることが目的でバイクに
乗っていた。
でもアタシはRZを好きにはなれなかった。
タダで貰ったのだから贅沢はいえないかもしれないけど、もっとカッコよくて速いバイクに乗り
たかったのだ。
タンクのヘコミや傷はいくら磨いても消えることはない。マフラーやハンドルもサビだらけ
である。楽しく走っていても、一度サビや傷が目に付いてしまうと「あーあ・・・」と、楽しい
気分が台無しになってしまう。
同級生の乗っていたピカピカの新車のNSR50がすごくうらやましかった。買い換えたかったけど、
そんなお金も無かったから、RZでガマンする他無かった。
RZは遅かった。いや、世の中全てのRZが遅いわけではない。「アタシのRZ」だけは遅かったのだ。
峠に行っても白い煙をもうもうと吐き上げるだけで、ちっとも前に進まない。こんなRZでは、他の
バイク仲間にもついていける訳もなく、いつも置いてけぼりをくらっていた。
頂上に着くと、一足先に到着していた仲間たちは、もうすっかり休憩していた。
仲間達は別にアタシが遅れて着いたことに対して責めたりはしない。ただ「じゃあ出発しようか」
と一斉にバイクに跨りだすだけ。
実際、遅いんだから、素直に「遅いよ」って言ってもらったほうがよかった。無言がなによりも
辛い。「新しいバイクはいつ買うの?」なんて言われることがあったけど、本当は「バイクがボロ
だから遅いんだよ」と言って貰った方が、どんなに気が楽だったろうか。
みんなは気を使ってくれていたつもりだったのだろう。その同情が「他人から見てもボロなんだ」
と再認識させられていたのに。
あのRZに乗っていることが、アタシにとってコンプレックスだった。
「もっと速いバイクさえ乗れれば」「RZがボロじゃなかったら」
絶対に他のバイク乗りよりも、アタシのほうが速い。
でもアタシにはあのRZしかない。
アタシはRZがますます大嫌いになった。
そうしているうちに、最初は楽しかったはずの「バイクに乗る」行為まで嫌いになってしまい、
ほとんど乗ることもなくなっていった。
そんなアタシが再びバイクに乗り出すきっかけになったのは、ある日の昼休みのこと。
アタシは2年生男子の先輩に、学食で話し掛けられたのだ。
「ねぇ、君。RZ50乗ってるんだってね」
70肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/14 01:10 ID:JOjB9sjy

久しぶりに書いたら筆がすすまねーんでやんのスワッシュ

今日はここまでバックラー
71いつ遭 ◆kun2kmyA :01/12/14 01:16 ID:QLQqfOXM
また3時頃くるわ
72いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/14 01:17 ID:QLQqfOXM
間違えた。
73書斎派 ◆MoNKEyvM :01/12/14 01:30 ID:5ZXUC8d0
連載再開sage
74いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/14 03:38 ID:HsQhLbnP
SVスレには肉屋いないの?
75通行人A:01/12/14 11:09 ID:4VhH4NNq
がんばれ肉屋sage
76774RR:01/12/14 15:35 ID:nCL8fOvU
連載再会してから初めての花金だ
今後の行方に期待あげ
77あのさ@ ◆raGArAss :01/12/14 15:40 ID:gA5drsAN
俺はいいけどさぁ・・・
ここまで続いてきた暗黙の了解としてsage進行なのにぃ・・・
いーけどさー( ・_・)
78いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/15 01:52 ID:VGQAjpR8
俺の中では、LOVE涙色が有線新人賞
79肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/15 03:16 ID:LcmAQWlV
80いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/15 05:09 ID:We1+0u6f
SVスレでは肉屋じゃないのか。。。
81肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 01:26 ID:oK6c9bc8

>>69続き

先輩は学食のテーブルに両手をついて、アタシの顔を覗き込んでそう語り掛けた。
先輩の横には、隣のクラスの女の子・・・カナコがぶら下がるようにくっ付いていたっけ。
「ねー、テツヤ。何の話?」
カナコが自分の胸のあたりに先輩のヒジをくっつけて甘えるように聞くと、先輩は顔を
赤らめつつ
「ばっ・・・おいっ、そんなにくっつくなって」
腕を振り解いた。「テツヤ先輩」はコホン、とわざとらしい咳払いをした後
「で、どうなんだい?RZ乗ってるんだろ?」
再び問い掛けた。
バイクのことを忘れていたわけじゃなかったけど、RZのことは極力考えないようにしていた
アタシはすぐに「はい」とは答えられるはずも無く、うつむいて黙り込んでしまった。
「ん?RZ乗ってるって、こいつに聞いたんだけどな。おいカナコ、お前ガセネタを俺に
吹き込んだのか?」
「そんなはずないわよ。だってこのコが峠でボロボロのRZに乗ってるところ、アタシ見たもん」
「ボロで悪かったわね・・・」
つい「ボロ」という言葉に反応してカナコを睨みつけてしまった。カナコは少々驚いた表情を
したが、すぐに舌を出して作り笑いをした。
「ごめんねー、口が滑っちゃって。でもすごいわよねー。あんなRZで峠に行ってるんだもんね。
峠の途中で止まっちゃったりしないか心配だったわよ・・・」
「もうやめて!」
気付くとアタシは席を立ち上がり、大声をあげてしまっていた。周りのざわついた声は一瞬で
消えて、学食全体が静まり返った空気に包まれた。周囲の視線の全てが自分に注がれているのに
きづいたアタシは、テーブルに有ったきつねうどんのドンブリもそのままに、その場からダッシュ
で逃げ出した。遥か後で「おいっ、君!」とテツヤ先輩の呼び止める声が聞こえたが、振り向く
ことはなかった。
82肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 01:29 ID:oK6c9bc8

今夜はまだ続く。

引越しして気兼ねすることもなくなったので
完結はもう少し先延ばしにすることにした。

今年いっぱいは続くか?スワッシュバックラー
83あのさ@ ◆raGArAss :01/12/16 01:32 ID:aUv2ZXyi
俺は、レナタンを妄想してもう3回オナーニしたよ。
84あのさ@ ◆raGArAss :01/12/16 01:33 ID:aUv2ZXyi
今回のみやぎのチンポコは、スワッシュバックラー。
いや、レナたんのマムコかな?
85肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 01:35 ID:oK6c9bc8
>>84
基地外はすっこんでろMK-54
86あのさ@キティちゃん ◆raGArAss :01/12/16 01:45 ID:aUv2ZXyi
フンッ。。。
87肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 01:48 ID:oK6c9bc8
当分エロは無いぜパワーユニット
88あのさ@キティちゃん ◆raGArAss :01/12/16 01:52 ID:DgfmOYlo
引っ張るねぇ(w
89肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 01:58 ID:oK6c9bc8
あそこに来てる奴らって、幹事とショーコタンと無職だぞ。
とても「忙しい」とは思えん。
ならば木白復活してもらったほうが盛り上がるんじゃねーか?
とか思ったよ。
90肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 01:59 ID:oK6c9bc8

>>81続き

放課後、部活に入部もしていないアタシは、さっさと自転車で帰宅するのが日課。自転車置き場
から校門へ出て、いつもの通学経路を辿って自宅へ向かった。
パン屋の角を曲がり、大通りに沿って走っていると、後から「ピッピーッ」と情け無いクラクション
が響いたので、意識せずとも振り向いてみたら、RZ50がゆっくりと歩道ギリギリを走っていた。
RZの人はアタシの隣へ並ぶと、ヘルメットのシールドを開けて「よう!」と片手を挙げた。
それはテツヤ先輩だった。
自転車を止めて呆けていると、テツヤ先輩はエンジンを切って惰性で歩道に乗り上げた。
「今帰りかい?」
無言でこくんとうなずくと
「なあ、この後の予定ある?」
ヘルメットの中で目を細めつつ聞いてきた。突然先輩が現れたことで、どうしてよいのかわからず
黙っていると先輩は矢継ぎ早に話しだした。
「予定ないのか。もし無いんだったら、そこのマックでも行ってちょっとお茶でもしないか?
今日の昼休みのお詫びもかねてさ、おごるよ。ドリンクでも、ポテトでも、ハンバーガーでもさ」
「・・・予定はないですけど。彼女はどうしたんですか?アタシなんかと2人でマックに行った
こと彼女にバレたら、怒られるんじゃないですか?先輩」
「彼女?・・・ああ、カナコか。あいつは彼女じゃないよ。ただの後輩。あいつは今日はバイト
だってさ。あっそうだ、今日の昼休みはゴメンな」
先輩はヘルメットを垂れて「このとおり!」と詫びた。深く頭を下げたせいでヘルメットがゴツンと
RZのハンドルに当たってしまっていた。
「先輩、別にアタシは何も・・・先輩は何も悪いことしてないし」
「いや、後輩の教育が行き届いていなかった俺の責任だ。カナコのこと、悪く思わないでくれよ。
あいつは悪気が有った訳じゃないんだ。ただちょっと口が悪いだけで・・・」
なんだか先輩の必死に謝る姿を見て、クスッ、と鼻を鳴らして笑ってしまった。
なぜアタシが笑ってしまったのか気付くことなく
「あれっ・・・?俺なんか笑えるような話した?」
先輩は真面目に聞きかえす。
「いえ、何にも。そうだ。いいですよ、マック行っても」
「本当?」
またもやヘルメットの中で先輩の目が細くなった。
91肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 02:21 ID:oK6c9bc8

窓際に陣取り、先輩と向き合って座った。外の歩道には先輩のRZが止まっていた。
ずいぶんキレイなRZだ。サビどころかキズ一つ無い、アタシのRZとはエライ違いである。良く見ると
ハンドルやチャンバーなど、かなりの部品が交換されていた。
「キレイなバイクですね・・・」
自分のRZと比較してしまい、ため息混じりにつぶやいた。先輩はパクついていたビッグマックを
ムシャムシャゴクンと飲み込んでから
「そう?サンキュー。でも君もRZ乗ってるんだろ?同じじゃないか」
合間にそう話すと、ズズーッとコークをすすった。
「同じじゃないです、全然・・・」
窓越しにRZを見つめて、またため息を漏らしてしまう。
「それって、カナコが言ってた・・・」
「はい、アタシのRZ、ボロボロなんです」
RZに視線を向けたままの振りをしていたが、窓に映った先輩の顔を眺めていた。優しそうな顔を
している人だ。
「ボロボロって、直せばいいじゃん、そんなの」
さも当たり前のように先輩は言ってのけた。
「直すって言っても、お金ないし。本当にボロボロなんです、アタシのRZ。あんまりボロ過ぎて
最近はなんだか乗るのも嫌になっちゃって」
「・・・」
「アタシもバイトしようかなって思ってるんです。バイトして・・・」
「RZ直す?」
ぶんぶんとかぶりを振ってから
「もうRZはいいです。あんなボロ、廃車です。それよりNSRでも買おうかと・・・」
そう言い掛けた時、先輩の声が割り込んだ。
「ちょっと待てよ。RZがかわいそうだと思わないのか?」
カワイソウ???そんなことは一度も思ったことは無かった。むしろあんなボロにしか乗れない
自分のほうがカワイソウだと思っていたくらいだ。
「初めて乗ったバイクだろ、RZは。大事にしてやりなよ」
「だってあんなボロ・・・」
「そうだ、イイモノ見せてやるよ」
先輩はゴソゴソとカバンの中をあさりだしてから、テーブルの上に1枚の写真を置いて、アタシの
方へと差し出した。
「なんですか、この写真・・・?」
写真にはサビやキズだらけのバイクが写っていた。良く見るとそれはRZ50であることがわかったが
ボロさにおいては、あたしのRZ以上のひどい有様だ。
「これ、俺のRZ。あの状態の前の写真さ」
先輩は窓越しにあるRZへと顎をしゃくった。
92肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 02:22 ID:oK6c9bc8
まだまだ今日は逝けるぞスワッシュ
93書斎派 ◆MoNKEyvM :01/12/16 02:34 ID:0uVFuRRL
俺も逝けるぞ期待sage
94肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 03:00 ID:oK6c9bc8

>>91続き

「これが・・・あのRZですか?」
写真と外に止まっているRZを交互に見たが、全く別のバイクにしか見えなかった。
「そうさ。ここまで自分の手で仕上げたのさ。大変だったけどな」
「自分の手で?」
「ああ。俺だってフツーの高校生だよ。店に頼むほどの金は生憎持ってないよ。あ、マックおごる
くらいは持ってるけどな」
先輩は手についたソースを口で吸いながら笑った。
「すごい・・・でも、パーツ代は掛かるじゃないですか。新品でこれだけ交換したら一体・・・」
「新品なんかほとんど使っていないよ。解体屋には良く通ったけどね」
「解体屋?」
「そう、解体屋。中古パーツがいっぱいあってさ。物によるけど値段もかなり安い。そこでパーツ
を仕入れて、後は全部自分で組み付ける。時間はかかるけど工賃はタダで済む。まぁ、それでも
思ったよりずいぶんお金は掛かったよ。エンジンも載せ換えちゃったし。ある意味ニコイチかな」
「・・・ニコイチ?」
「2台の中古バイクを使って、1台のバイクを仕上げるってこと。1台ごとは走行不可能でも、使え
るパーツをいいとこ取りで組み合わせれば、また走れるバイクが完成するんだよ」
ニコイチ・・・その言葉は激しい衝撃を伴ってアタシの心へと深々と突き刺さり、全ての思考を
停止させるに至った。
「その顔は信じていないね、きっと」
よし、と先輩は思い立った様子の後、残りのコークを一気に飲み干してから
「明日、学校をサボろう!」
とんでもない提案を出した。
「えっ!?」
「一日くらいどうってことないだろう。授業よりも楽しいところ連れて行ってやるよ。明日朝ここの
前に集合だ。RZに乗ってくるんだよ」
そろそろバイトの時間だから、と腕時計に目をやりいそいそと先輩は立ち上がり、自分のトレーを
もって席を立った。
出口の辺りでもう一度アタシのほうへ振り返って
「いいかい?約束だよ!明日ここの前で会おうな!」
目を細めて言い放ち、駆け足で外へと飛び出した。先輩はRZに跨ってヘルメットをかぶり、キック
一発でエンジンを目覚めさせると、アタシの方へ顔を向けてぺこりと会釈をし、わずかな白い煙を
撒き散らして走り去った。先輩のキレイなRZは見る見るうちに遠ざかり、夕暮れの景色に溶け込んで
いった。
「どうしよう・・・?」
一人取り残されたアタシは、窓の外に残された白い煙を見ながらつぶやいた。
一方的過ぎる約束だったが、破ってはいけないような気がした。
(明日は何かいいことがあるような気がする・・・)
先輩から聞いた「ニコイチ」という言葉がそんなことを予感させていた。
95肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 03:03 ID:oK6c9bc8
>>93
よし、遅れるなよ!ついて来な!

と言いたいところだが、ここで一旦休憩入りまーす。

次回は4時ごろ登場予定。
96いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/16 03:07 ID:iSsyFLp3
おっ、書いてるね
97肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 03:15 ID:oK6c9bc8
>>96
おい、ageてるぞゴルァ!
98肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 03:55 ID:oK6c9bc8

>>94続き

「よう、お待たせ!」
ヘルメットのシールドを上げて、先輩は笑顔で片手をあげた。
「おはようございます、先輩」
アタシは一足先にここに到着していたが、待った気がしなかった。初めてのサボリだ。一度制服で
家を出てから、近くのコンビニのトイレで私服に着替えて、家へRZを取りに戻った。
RZは家の母屋から離れたところに停めてあったが、それでも母親に私服でいるところを見つかっては
しまわないかとドキドキした。運良く母親や近所の人には見つからずに済んだが、ここに着いても
脈拍はいっこうに落ち着かずにいたのだ。
「はは・・・学校サボっちゃいましたね」
力なく笑いながら話すと先輩は
「俺はしょっちゅうだけどね」
とヘルメット越しに口の辺りで人差し指を立てて「内緒だぜ」とのサインを送った。
それにしても、と先輩は
「一人なの?もう一人来るはずだけど」
そう言ってから辺りをぐるりと見渡した。
通勤ラッシュの時間も過ぎ、車道の渋滞もおさまり、歩道を駅へと歩く人もすっかりいなくなって
あたりは落ち着いた時が流れていた。たまに収集所へゴミ袋を持った主婦が近所から出てくるのと
あとはそのゴミを狙ったカラスが電線の上でカァカァ鳴いているくらいである。
「もう一人って?」
「おかしいな、昨日電話で『オッケーですよ!』とか言ってたんだけどなぁ。まさか寝てるんじゃ
ないだろうな?」
その時、遠くからスクーターがピーピーとクラクションを鳴らしながら近づいてくるのがわかると
「お、来た来た」
先輩は、おーい!と両手を大きく振りながらスクーターに向かって
「ここだ、ここだ!」
と合図した。
スクーターは車道と歩道の段差を勢い良く乗り越え、アタシたちの目の前で大きくテールを振って
タイヤのスキール音を鳴らしながら止まっると、歩道には細いながらもブラックマークが残り、
ワンテンポ遅れてゴムの溶けるにおいが辺りに漂った。
「ごめんなさーい!寝坊しちゃったぁ」
「オイオイ、今日は平日だぞ。学校だったら大遅刻だぞ」
「ははは・・・でも今日はサボリの日だし」
スクーターで乗り付けたのは「カナコ」だった。
99肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 03:56 ID:oK6c9bc8
オラオラ〜ッ!
まだ起きてるぞゴルァ!
今日はあと一回まだ逝くぜバックラー!
100いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/16 03:57 ID:rvm+A2Xq
あと2回
101茶文字 ◆d38VidMY :01/12/16 03:58 ID:WnovEYHc
肉屋ガムバレage。
102肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 04:26 ID:oK6c9bc8

>>98続き

「ああっ!昨日はゴメンね、滝沢さん」
「俺からこいつにはよーく言って聞かせたから。滝沢さん、悪いけどこいつのこと許してやってよ」
「ううん、しょうがないよ。見ての通りアタシのRZ、ボロボロだしね」
RZに乗るのは本当に久しぶりだった。放置していたおかげでエンジンはなかなか掛からなかったし
だいいちホコリまみれだった。ボロRZはアタシの知らないうちに、ますますボロさに磨きをかけて
いた。
「それにしても・・・ホントボロボロねー、RZ。よくここまで動いてきたわねぇ・・・」
「こらっ、カナコ!」
先輩がヘルメットをゲンコツで軽くこづくと
「あはっ、いっけなーい、そうでした!ゴメンね、言ってるそばから」
カナコは肩をすくめて軽く頭を下げた。
「仲良いんですね」
そんな2人がほほえましくて、アタシはRZをボロ呼ばわりされても怒る気にはならなかった。
「そっかー?ただの先輩後輩だぜ」
「あーっ、先輩ってばヒドイ事言うのね。昨日はあんなに激しくアタシのこと求めてきたくせに〜」
「な、何言ってるんだよっ!昨日は電話しただけじゃねーか!」
「ふふふ、アタシに会いたいんなら電話なんて野暮なことしなくてもいいのに〜。いつでも
先輩のために夜の予定は空けてあるんだからぁ」
カナコが腕にぶら下がるようにくっ付くと
「俺は夜バイトで忙しいの!一生忙しいから、会いにいく暇なんて無いよっ」
先輩はぶんぶんと腕を振ってカナコを振り解いた。
「そんなことよりも、ほら、そろそろ出発するぞ。今日は時間がいくらあっても足りないんだから」
そんな2人のやり取りを見ていたアタシは、申し訳なさそうに質問してみた。
「あの〜、今日は一体どこへ行くんですか?」
アタシはまだ今日の目的を聞かされてはいない。どこに連れて行ってくれるのか、知らないうちから
学校をサボってしまっているアタシも悪い子だったけど。
「あら、先輩。教えてないの?」
「いけねっ、そうだった」
先輩はへへっと照れくさそうに笑ってから今日の行き先を教えてくれた。
「今日は解体屋めぐりさ。そのRZを直すためにね」
103肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 04:27 ID:oK6c9bc8
>>100
ナヌ?まだ書けというのか?
くそ・・・あと一回だけだぞMK-54
104肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 04:28 ID:oK6c9bc8
>>101
ゼルビススレは放置か?(w
105いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/16 04:41 ID:y/2+AluG
解体屋で3P
106肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 04:52 ID:oK6c9bc8
>>105
期待に添えそうも無い
107いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/16 04:54 ID:AXcfalv7
解体屋のオヤヂも交えて4P
108肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 05:03 ID:oK6c9bc8
>>107
解体屋で働いている不法就労の東南アジア人を交えて5Pなら









カカネーヨ。
109いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/16 05:12 ID:zauRb3he
あのさ@来ないね
110肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 05:26 ID:oK6c9bc8

>>102続き


「滝沢さん、悪いけどそのRZに乗らせてくれないか?」
「えっ?」
「大丈夫、コケたりしないから。解体屋に行くまでそのRZに乗らせてくれよ。そのRZの
コンディションを確かめておきたいんだ。俺が乗ってみて、どこを修理しなくちゃいけないか
調べてみてあげるよ」
「でもそうしたら・・・」
「滝沢さんは俺のRZに乗ればいい。なあに、同じバイクだろ。問題なく乗れるよな」
先輩はアタシの手を取ると、自分のRZのキーを握らせた。キーには良くわからないがマスコットが
くっ付いていた。
「ああ、先輩。ちゃんとそれ付けてくれてたんですね。アタシの分身・・・」
「なに?お前だったのかよ、これ!?」
どこをどうみてもそのマスコットはカナコには似ていなかった。アタシはどっちかっていうと
タヌキに似ていると思った。
「可愛い魚だなー、って思って付けてたよ、俺」
いたって真面目な顔つきでそう言うと、カナコから強烈な右フックが先輩のヘルメットへと
飛んでいった。
「そんなことよりもさっさと解体屋へ行こうぜ」
先輩は曲がった首をイテテと直した後、アタシのRZへ跨った。なれた様子でキックペダルを
引き出して、一発でエンジンを掛ける・・・はずが掛からない。
「うーむ、思ったより重症かも」
えい、えい、と何度かキックを繰り返すと、大量の黒い煙を上げて不機嫌そうにRZは目を覚ました。
じゃあ・・・、とアタシも遠慮がちに先輩のRZに跨ってみた。申し訳なさそうにキックペダルを
引き出して軽く踏み下ろすと、こっちは元気な2ストらしい音とともに一発で目覚めた。
チャンバーからは大きめな排気音がするが、すこしもグズる事なく安定してアイドリングしていた。
「調子良いですね!先輩のRZ!」
「ああっ!?」
大きな声で言ったつもりだが、2台のRZから奏でられるエキゾーストノートにかき消されて先輩の
耳には届かなかった。先輩はアタシへ顔を近づけて
「なんだって?」
と聞き返した。お互いのヘルメットが接触してかるくコツンと音を立てた。
すぐ傍に男の人の顔がある・・・もしもヘルメットを被っていなかったら・・・そう思うと
頬が高潮していくのをアタシは感じた。
「いえっ、調子いいですね、このRZって!」
アタシは赤面しているのをごまかすように、わざと元気に言い直してみた。
111肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 05:29 ID:oK6c9bc8
>>109
どうせオナーニでもしてるんだろ(w

明日からあのさ@を見かけたら「このオナニー基地外が!」と
煽ってやるとしよう。

つーことで今日はここまでパワーユニット
112肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 05:35 ID:oK6c9bc8
http://ton.2ch.net/test/read.cgi/bike/1007994848/472
472 名前:あのさ@ ◆raGArAss 投稿日:01/12/16 04:54 ID:halcuh/x
最後にマジレス。
>>461
あんたにだけは、言われとうないわっ!(ワラ




あのさ@は寝た模様。
つーか、そこでも騙り合いやってやがったぞ。
クンニ君スレで味占めやがったな、このオナニー基地外が!(w
113肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 05:39 ID:oK6c9bc8
>>112
http://ton.2ch.net/test/read.cgi/bike/1008160036/472
の間違いだった。
オナーニして寝ます(鬱
114774RR:01/12/16 08:54 ID:xbtSriAv
お、知らない間に話がすすんだ 頑張れ肉屋
でも、話の展開がエロから青春ホロ苦系になってる気が...
まぁ、俺もバイク、車とも製造から10年以上経ってる旧車オーナー
としては悪くはないけど

バイク、車とも両方とも買ったときはボロボロだった...
整備の知識がなくってそれでも洗車だけは毎日のようにしてたけど
今ではAM誌毎月目を通すもんなぁ...
115774RR:01/12/16 10:39 ID:0uXkna23
ううむ、なんか面白いので機体age。
116あのさ@キティちゃん ◆raGArAss :01/12/16 12:07 ID:y9Avcyia
おいーこらーてーめーブッチャー 早く書いてくださいませ。
117774RR:01/12/16 17:57 ID:9eAju/uu
5P期待age
118いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/16 18:22 ID:0bCgxEjl
解体屋で品物との交換を条件に、
レナさんはまだ男を知らない肉体を・・・
119肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 18:45 ID:pAB+nyFt
>>114
どんどん話の流れが変わっていきますので
頑張ってついて来てください。

>>115
FFって何?
エヴァは見たがちっともはまらんかった。
俺ファーストガンダム世代だしぃ〜。

>>117
>>118
そんなに5P期待するなら自分で書け。
当分エロは無いからな。

>>116
うるせー!このオナーニ基地外!
120いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/16 20:33 ID:phtrh2Cy
肉屋っておっさんだな
121あのさ@オナーニ基地外 ◆raGArAss :01/12/16 21:29 ID:E4PESYTO
おっさんっていうか、あれだな。
短小真性包茎早漏異母痔前科者脳障害手足痺不細工デブヲタ変態油ギッシュ2ちゃんねら。
122肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/16 23:07 ID:NuVAl0mm
おっさんは明日朝早いので寝ます。
明日また遭おうスワッシュ
123あのさ@オナーニ基地外 ◆raGArAss :01/12/16 23:40 ID:Ii6609Al
おやすみパパスワッシュ
124774RR:01/12/17 11:23 ID:3kwtX9bB
肉屋はおっさんでもいいけど、ここは厨房多すぎだな
125物取り:01/12/17 11:54 ID:P5MgqgUX
>>124
厨房ハケーン!
126あのさ@真性厨房 ◆raGArAss :01/12/17 13:56 ID:qFaimRHk
>>124
カエレ(・∀・)
127774RR:01/12/17 19:33 ID:ypoaqdLX
目糞鼻糞を笑う
128物取り:01/12/17 19:37 ID:P5MgqgUX
>>126
君には愛をあげよう

>>127
君には愛を注げないよ・・・
129774RR:01/12/17 19:39 ID:isd6MHK2
ってかタイトルと内容が別物だって事にワロタ。
130fury:01/12/17 19:54 ID:lG1siK77
流し読みしたら、ぼくの噂してた
131物取り:01/12/17 20:05 ID:P5MgqgUX
>>130
オパーイはどうなったんだよ?
132fury:01/12/17 20:11 ID:lG1siK77
ぼくの大胸筋?
133物取り:01/12/17 20:20 ID:P5MgqgUX
オパーイオフ何人集まった?
134fury:01/12/17 20:23 ID:lG1siK77
やってない。
ぼくの年内の金土日わ、それどころじゃない。
忘年会が有るのよ、忘年会が。
普通、12月は何件か有るでしょ。
1月もか・・・
135あのさ@真性厨房 ◆raGArAss :01/12/17 20:28 ID:/C8QyN/p
>>134
のんびりやったってくらはい。

ところで、ブッチャー。おいブッチャー。どこまでいってもブッチャー
早く来い。俺は、もうすぐ寝るけど、お前書きだめしとけよな!(うそ
136fury:01/12/17 20:35 ID:lG1siK77
来ないのか?
冷たいコーヒーで良ければ奢るぞ。
同郷の仲魔に会うとかじゃなかったっけかな
137物取り:01/12/17 21:04 ID:P5MgqgUX
fury氏
>やってない。

まだか。何人集まる予定だ?
138あのさ@真性厨房 ◆raGArAss :01/12/17 22:17 ID:D3ncwVlW
>>136
もし逝けたらいきますんで、コーヒーよろしこ。・・・できればココアが(・∀・)イイ!
冷たいココア。
139肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/17 23:06 ID:B6LB/SNk
furyも来てたのか・・・
オフ会よろしくね。

あのさ@、這ってでも来い!
140肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/17 23:56 ID:B6LB/SNk
>>138
>冷たいココア。

俺も冷たいビールをおごってやるよ。
141いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/18 03:12 ID:Mip2FuBw
>>138
冷たいおしるこなら
142肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/18 03:30 ID:u+MwC2k9

>>110続き

先輩のRZを先頭に、アタシ、カナコの順で一列に走った。
アタシは先輩のRZに乗っているが、すこぶる調子が良いのに驚愕していた。赤信号でもエンスト
しない、クラッチの切れもつながりも良い、ミッションも抜けたりもせず、足回りも前後の
サスがしっかり働いているのが素人のアタシでもはっきりとわかった。
「RZがこんなにイイバイクだったなんて!」
アタシは、ヘルメットの中でひとり感激していた。
これが人車一体!意のままに!自由に!羽が生えたようだ!
「アタシと同じバイクとは思えない・・・」
アタシのRZといえば、前方で白い煙をあげ、ときおり咳き込むようにギクシャクして・・・
いや、ギクシャクしていなかった。
極めてスムーズに、何事も無いかの如く淡々と走っていた。
さすがに信号待ちでは時々エンストしてしまっていたが、それ以外は煙が多いくらいで、普通に
走っているように見えた。
「何故?何故なの?」
アタシの視線は、先輩のおこなう一つ一つの動作に集中していた。
無駄にアクセルを開けることなく、ブレーキング時も安定してる・・・
「あれがアタシのRZ?」
今乗っている先輩のRZと変わりなく、普通に動いているではないか。見た目のボロさは
隠しようが無いけど。
交差点で先輩の隣に並んでみた。先輩はエンストしないように、わずかではあるがアクセルを
開けて一定回転を保っていた。
「もう少しで到着だよ。この先の峠をちょっと登ったところ」
自分のバイクが隣に並んでいる。乗っているときは、車体上方からしか見たことが無かった。
だが今は、真横からの視点で自分のRZを見ている。なんだか不思議な気分だった。
「峠ですか。そのRZで登れますか!?」
RZのエキゾーストノートに負けないよう、声を上げた。
「多分大丈夫。アクセル開けてるうちは止まらないみたいだから。それよりそのRZの調子は
どうだい?」
「はい、とっても調子いいです!乗っていて、すっごく楽しいです!」
自然と声が上ずってしまったが、それが余計に「楽しそう」に見えたのだろう。
「そうか!きっと君のRZも、同じくらい調子よくなるから、期待しなよ!」
お互いの顔を見合わせ、アタシタチは微笑んだ。すると後からピッピーと聞き覚えのある
クラクションが力なく響いた。
「ちょっとぉ!信号青になったわよ!早く早く!」
後方のカナコに急かされ、2台のRZは慌てて発進した。
143肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/18 03:33 ID:u+MwC2k9

「ただいま・・・」
夕方、いつも帰宅する時間に合わせて玄関のドアを開けた。幸い母は外出中のようで、
家の中には誰もいなかった。
「ふうっ」
着替えの入ったカバンを床に置いて、ベッドへと身を投げる。身体をよじって薄目で天井の
蛍光灯を眺めながら、今日一日の出来事を反芻してみた。
あれから結局3件の解体屋さんを巡った。
行く先々で見た、うず高く積み上げられた解体自動車やバイクたち。
粗大ゴミにしか見えないそれらも、すべての役目を終えていたわけではなかった。
あるものは再生部品として甦り、またあるものは発展途上国へ輸出され、どちらにも
あてはまらないものも最終的には解体されて、資源へと戻っていく。
「あんな世界もあったんだ・・・」
先輩は粗大ゴミの山を「宝の山」と教えてくれた。解体屋さんのおじさんたちの愛想は
よくなかったけど、汗を流して車の部品を取り外している様子には、小さな感動を覚えた。
「なーに。なんども来て顔を覚えてもらえれば、たまには愛想笑いくらいしてくれるように
なるって」
先輩の笑顔が、閉じかけた瞼に映った。
アタシの知らなかった世界。自分には縁の無いものだと思っていた世界。
機械もいつか壊れる。壊れたら新しいモノを買えばいい。
アタシはそうやって教えられ育ってきた。
あそこには新しいものは無い。だが、あそこにはアタシのRZを甦らせる「宝」があった。
「なあ、いっそのことエンジンは載せ換えちゃおうか。こっちにあるRZは、足回りは逝かれ
てるけど、エンジンはまだ使えるみたいだぞ。足回りは別のRZを探して・・・」
顔まで油で真っ黒にして、解体車を漁っていた先輩の声が、耳の奥で心地よく残っていた。
「ニコイチ・サンコイチ・・・」
口に出してみると、その言葉はいつまでも部屋の天井あたりでふわふわと漂っているようだった。
決して誉められた言葉ではない。でも動かなくなったバイク達がニコイチで甦り、その2つの
魂が1つのバイクに宿る。動かなくなったバイクだって、半分づつでも甦るのならば、それは
本望ではないだろうか。バイクだって喜ぶに決まっている・・・。
そんなことを考えると、無性にくすぐったい気分になった。今までは「バイクが喜ぶ」なんて、
思ったことなんてないのに。
もうアタシの中では「RZをニコイチ・サンコイチで復活させるぞ!」と決めにかかっていた。
「よしっ。まずは明日は洗車でもしてあげようかな・・・」
今日、ちょっとだけRZが好きになれたような気がした。
「まずはエンジンを載せ換えて、タンクのサビを落として・・・」
教わったRZ再生のメニューを一つ一つ呪文のように唱え、途中で飽きてしまったカナコを先輩が
小さい子をあやすようにしていた滑稽な様子を思い出していると、アタシはウトウトと眠りに
誘い込まれていった。
144肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/18 03:34 ID:u+MwC2k9
俺もショーコタンのオパーイを想像しながら、ウトウトと眠りに誘い込まれて
いくのであった。。。
145いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/18 03:47 ID:+VdEmc90
俺はまだ寝ない
146肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/18 03:54 ID:u+MwC2k9
そういや話は違うが
ヤンマガのGTとかいう増刊号だかに
邪蛇@車版みたいなのが載ってた。
作者は違うけど雰囲気は似ているとオモタ。
バックラー
147いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/18 04:02 ID:5wpEE2do
きっとパクリだな
148肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/18 04:11 ID:u+MwC2k9
>>147
いや、そんなことを言ったら・・・俺も・・・

元々、邪邪が巻中カラーにも関わらず「読者サービス(エロ)」を
載せなかったところで不満爆発。
「邪邪はこうあるべきじゃねーか(プンスカ」
という発送のもとに書き出したんだよね。

しかし既に元ネタを無視して、暴走してるから由としてくれ。
149いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/18 04:22 ID:nOHgGEpe
ジャジャって何?
ヤングマシンしか読んでない
150774RR:01/12/18 08:55 ID:YCXI6Hvn
バイクでなくてスマンが、昔オーバーレブが始まった頃ほのぼの車を愛する
漫画だと思ったらエロ漫画になってしまった 所詮はヤンサンか(; ;)
今は、251が心のよりどころ
151書斎派 ◆MoNKEyvM :01/12/18 12:46 ID:VzGXMYCa
肉屋ワショーイsage
152774RR:01/12/18 13:37 ID:6eLOrKDA
ほろ苦いage
153いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/19 06:16 ID:Mv+kRGP9
火曜は肉屋休み?
154774RR:01/12/19 08:58 ID:UQle1kcm
昔はうちの近所のダイクマとかは火曜日は定休日だったけどな
年末だし休まないで頑張ってくれ>>肉屋
じゃないと乗っ取れないかと
155肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/19 16:58 ID:8+P/7ETC
>>154=>>1さん?
156肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/20 01:08 ID:qtJyi1Bf

>>143続き

学校が終わると一目散に家に戻り、毎日遅くまでRZの修理を続けた。
最初はどこをどう手を付ければ良いのかわからなかったが、先輩の指導を受けながら、バイクの
仕組みを徐々に覚えていった。
そして解体屋さんに通いだしてから3ヶ月。ついにアタシのRZが完成した。
サビも落とした。ペイントもしなおした。ヘコミのあったタンクも取り替えた。エンジンも
載せ換えた。
「これがアタシのRZ・・・」
正直、ここまでキレイになるとは思っていなかった。もはや先輩のRZ以上にピッカピカである。
「レナちゃん、頑張ったね」
ポン、と先輩の温かい手がアタシの頭の上に乗った。
「先輩・・・ありがとうございます。これもみんな先輩のおかげです」
「何言ってるんだ。俺は手伝っただけさ。ほとんどレナちゃんが仕上げたんじゃないか」
頭の上の手がくしゃくしゃと髪をなでられる。季節はもう秋。目の前を山から下りてきた
赤とんぼが横切った。
「ううんっ、そんなこと。先輩に声をかけてもらえなかったらアタシ、あのままバイクを降りて
いたかもしれないです。先輩に、どれほどお礼をしていいか・・・」
不意に頭の上の手が下がり、アタシの肩を抱いた。
「・・・先輩?」
横を見ると先輩の顔がすぐ近くにあった。先輩の息が首筋にかかると、アタシの頬はとたんに
紅潮していった。秋の冷たい風が、熱くなった頬をなでるように通り過ぎていくのが気持ちいい。
私はこの日、生まれて初めて男の人とのキスを体験した。
157肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/20 01:10 ID:qtJyi1Bf
今日はあと一発MK-54
158肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/20 01:19 ID:qtJyi1Bf
昨日は来れなくてスマソ。
つーか、毎日はやっぱ辛い。
書きたい気持ちはあるけど、時間が無い・・・。
仕事中にもよくここをのぞくけど、期待のレスをいただくたびに
「申し訳ないな〜」って思ってるよ。

こんなクソな雑文しか書けませんが・・・
みんなのレスがとても励みになりますパワーユニット
159肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/20 01:26 ID:qtJyi1Bf
くそっ!今日は誰も見てないのか?
ええい、ageちゃうぞ!
age!
160書斎派 ◆MoNKEyvM :01/12/20 01:31 ID:CT+i2iCO
>>肉屋氏
見てるけど、さっきまでこのスレが面白かったもので。。。
ttp://ton.2ch.net/test/read.cgi/bike/1008715282/
161肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/20 02:15 ID:qtJyi1Bf

>>156続き

朝のゲタ箱前、元気の良さそうな声で、いつものようにカナコは背中を叩いて挨拶していった。
「おはようっ!ねぇねぇ、先輩から聞いたわよ昨日の事!ついに・・・」
ドキッ。「昨日の事」というと・・・
「RZ直ったんだってね?」
ああ、なんだそのことか、とアタシは胸をなでおろした。
昨日の事・・・アタシは先輩とキスをしてしまったのだ。まだ唇には先輩の残していった感触が
離れずにいた。あっけなく一瞬で済んだ筈のファーストキスだが、家に帰ってから思い出した
それは、何時間も長かったように思えた。
「・・・ちょっとぉ!レナったら!」
カナコの声によって現実世界へと引き戻された。
「あ・・・うん。おはよう」
「なによぉ。せっかくRZ直ったっていうのに元気ないわねぇ。いつもみたく『何すんのよっ!』
って反撃してこないなんて」
「うん。ちょっと・・・ね」
「もしもし・・・?おーい、どうしたの?あっ、わかった!さっそくコケちゃったとか?機械の
ことは頭で覚えられるけど、ライディングテクニックはねぇ〜。まっ、素人さんは練習するしか
ないわよ」
周りの目も気にせず大声で話すカナコは、どうやら昨日の先輩との「出来事」を知らないようだ。
「別に転んではいないわよ・・・」
「もうっ、じゃあ何なのよ!?このアタシに隠し事する気ィ?アタシ達親友でしょう?」
親友・・・そうだ、この3ヶ月、先輩同様カナコにもすごく世話になった。最初はうるさい奴と
しか思えなかったけど、結構細かいことにも気付くし、だいいちカナコのあっけらかんとした
性格は、落ち込んだ時にはありがたい、何でも話しやすい良き相談相手となっていた。
でも、今のアタシは・・・カナコにだけは相談できない。カナコの先輩への気持ちは普段から
聞かされていて、よく理解していたからだ。
「まあいいわ。でもね、RZが直ったのは先輩のお陰だってわかってるわよね。先輩にお礼は
ちゃんとしたの?先輩、バイトを休んでまで手伝いに来たこともあったのよ。ほーんと、後輩
思いのイイ先輩よねぇ〜」
「う、うん・・・」
『お礼』という言葉に心臓が反応した。「あれ」がお礼となっただろうか?
「ああ、あんなに優しい男の人って他にいないわよねぇ・・・。あの優しさ、アタシだけに
向けてくれないかなぁ」
カナコは目を輝かせ、身体をくねくねとよじらせてそう言った。
先輩は誰にでも優しい。アタシにも、カナコにも。
でも「昨日の事」は一体、どう受け止めればいいんだろうか。
キスのあと、先輩は余韻に浸ることも無く、すぐ「じゃあ、俺、バイトあるから」と消えて
しまったのだった。
「・・・ねぇ、レナ。先輩って、アタシのことどう思ってるのかな?」
「えっ?」
162肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/20 02:17 ID:qtJyi1Bf
カナコの目は、いつになく真剣だ。
「どうっ・・・て?」
「うん、アタシっていつも先輩と一緒にいるけど・・・ちゃんと女の子として・・・その
恋愛の対象として見てくれてるのかなって。最近どうも妹くらいにしか見てもらえてない
のかなって思えちゃうんだ。先輩だってヤリタイ盛りの男子高校生の筈なのに、手も
握ってくれないんだよ?2人っきりでいる時間もたくさん有るのに・・・」
「カナコっ!そんな大声で『ヤリタイ盛り』だなんて・・・」
教室に向かう周りの生徒たちの目がアタシ達に集中していた。カナコはそれに気付くと、
ホラホラ、見世物じゃないわよっ、あっちいって、シッシッ!、と周りの生徒を追い払った。
カナコは大きな息をついてから腕組みをして
「とにかく!そういうことなの。ねぇ、レナ。先輩って、他に好きなコいるとか知らない?
たとえば先輩と他の女のラブシーンを目撃したとか・・・」
アタシの心を見抜くような発言をした。
「しっ、知らないわよっ!」
アタシはオーバーなくらい両手をぶんぶん振って答えた。
本当は昨日のことを、カナコは知っているんじゃないか?と疑いたくなった。
「そーお?んじゃ、いいんだけど。でももし先輩に好きなコがいたとしたら・・・」
「・・・いたとしたら?」
息を飲んでカナコを凝視する。
「うーん、悲しいけど、応援するかな?」
「えっ?」
「あの先輩が選んだ人だよ。変な女の訳ないじゃない。アタシは先輩のこと大好きだけど・・・
もしアタシを選んでくれなくても、それは仕方ないよ・・・」
カナコは視線を下に落として力なくそう言った。先輩を思う気持ちが痛いほど伝わると、アタシは
昨日の「出来事」をカナコに申し訳なく思った。
「あはっ。朝からなんて話してるんだろうね、アタシ達。今日も元気出していかなくっちゃ!」
そうして強がるカナコだが、目じりには光るものがあった。アタシは胸が痛むような感覚を覚えた。
「さあ、そろそろ予鈴が鳴るよ!早く教室へ行こう!」
カナコはアタシの背中をドンっと叩いてから廊下を走り出した。あまりに強く叩かれたものだから
前によろけそうになると
「こらっ、カナコっ!強く叩き過ぎだぞっ!」
アタシもカナコの背中を追うように走り出す。
「そうそう、元気出さなくっちゃね!」
廊下の先の方でカナコは「アッカンベー」をしていた。
「待て〜っ!カナコ〜っ!」
アタシはますます加速してカナコを追いかけた。
走りながら「今日、先輩に会っても、『昨日の事』は無かったようにしなくっちゃ」、アタシは
そう決めたのだった。
アタシは、先輩のことが好きなんだと思う。
でもカナコを泣かせるようなことも、したくは無かった。
163肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/20 02:19 ID:qtJyi1Bf
>>160
祭りか?
くそっ、乗り遅れるもんか!俺も逝くぞ!
164肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/20 02:37 ID:qtJyi1Bf
>>163
どうやら乗り遅れたらしい・・・
165いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/20 02:44 ID:gqKKEYuz
見てるし
166774RR:01/12/20 08:54 ID:+r3P2SiJ
年末進行頑張れ
167774RR:01/12/20 13:59 ID:U8MJ0JmV
>>166
ageんなタコ。
168いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/20 23:51 ID:1nZGEjc4
169肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/22 08:14 ID:qkoTZUmm
>>168
別にいいよ。目立たないほうが好き勝手できる。

>>166
でたな!8時50分台にageる奴!(w
君は「8時50分の男」というHNにしなさい。
それからな、メール欄にはな、必ず半角文字でsageって入力するんだ。
地味〜に深く沈んだところでマターリ逝こうぜ。


仕事が年末進行のため本日徹夜明け。
とりあえず寝る。
170いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/22 10:35 ID:Sy7TlmWZ
                ,,,....,,,,
          ,,...-:':::":~~ ,,..  .~~""''':::..,,,
          :::::,     ー' :..::::::::  ,"
           ~"''-::..,,,. ;;;;;,,,...:::--''''"~
                 ||
                 ||
               /⌒⌒ヽ
           ((  /   ^  \
              |  ヽ   ヽ∧_∧    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
               |   |\  ( ´Д`) <  肉屋って、プロレス好きだろ?
              |  ノ 人  )     )   \_________
              /  | ||  | ̄T |
              i   |  || | ||
              :i  |  | .| .|  | |
              (  |  | | |  | |
              ヽ |ヽ | U丿  u ノ
               ゚゚゚ ゚゚゚
171sage:01/12/22 19:58 ID:A1P+ShGY
俺もプロレス好きだよ 三連休なので進展を期待してたんだけどな
172肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/23 04:18 ID:bKh0Wi85
>>170
プロレスは好きだが・・・
そのAAとどんな関係が有るんだ?

>>171
仕事から逃れられない・・・
明日は多分かけると思うけど。
それと「sage」はメール欄に入れろよ。
名前欄に全角で「sage」じゃ駄目だぞ。
173774RR:01/12/23 07:09 ID:m0E23jqN
悪い間違えた
174いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/24 02:22 ID:C8gHaVWC
スワッシュ+MK-54age
175日本橋葬儀社:01/12/24 04:02 ID:V7qAWJjs
>>174
こっちの糞文もageておこう
176日本橋葬儀社:01/12/24 04:07 ID:V7qAWJjs
糞文撲滅
177日本橋葬儀社:01/12/24 04:23 ID:V7qAWJjs
樫村 満ガン級の糞文
肉屋 役満級の糞文
178774RR:01/12/24 05:44 ID:0pt+ccqD
日本橋葬儀社は放置してください。
179774RR:01/12/24 05:48 ID:0pt+ccqD
俺は面白いと思うけどな>肉屋
180774RR:01/12/24 06:46 ID:MVqb0ZMa
かつての風紀委員の再来じゃねぇの?<日本橋葬儀社
こりないねぇ。あんなに叩かれたのに…
181774RR:01/12/24 08:24 ID:X7WtG2Pd
二番煎じのクソスレがあるなぁ…なんて思いながら覗いてみたら、えらく面白いじゃないかよ。>肉屋氏
楽しみにしてるから、続けてな。
182774RR:01/12/24 14:56 ID:uZPbFrho
>>181
>二番煎じのクソスレがあるなぁ…
肉屋もずいぶん前からこんなことやってるんだけど。二番煎じじゃないぞ。
さんだるとは作風も違うし。
>えらく面白いじゃないかよ。>肉屋氏
激しく胴囲。
183774RR:01/12/24 17:08 ID:uYSVSel4
スレと関係ないAAとか嵐、コピぺ、宣伝等考えれば
肉屋凄く良いけどね 嫌なら読まなきゃ良いし
184774RR:01/12/24 18:50 ID:jNC0cf2T
>>183
メール欄見てる?
185774RR:01/12/25 11:02 ID:qFu32nGU
なんだ休み明けどんだけ進展してたと思って期待してたのに
全然すすんでないじゃん 読者を舐めるな
186774RR:01/12/26 00:56 ID:y4ek4qIZ
>>183
文章はダメで、その他はイイってこと?逆?どっち?
187いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/26 04:02 ID:GTiasDk0
きっと肉屋は、おせちの材料の関係で
忙しいのだろう
188肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/27 00:38 ID:CpwuTUWa
肉屋です。。。
えーと・・・
続き書けずにすまんこ。

28日まで仕事です。
只今追い込み真っ最中でして・・・

明日。
明日は少し書けると思います!

ゴメンナサイ。
今日は寝ます。。。
189いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/27 04:42 ID:q0cHBjLx
期待してるよ
190肉屋@仕事中 ◆FOsxTZRM :01/12/27 09:34 ID:WTbRqyEV
それはどうも。
191いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/27 15:37 ID:EJSs0ArD
正月で完結?
192774RR:01/12/27 21:00 ID:3fMlzHiu
とりあえずsage
193774RR:01/12/27 21:09 ID:u1SLwyxM
>>192
ageんなYo!
194774RR:01/12/27 22:40 ID:tJvEmdBG
192ってsageじゃないの?
195774RR:01/12/27 22:42 ID:tJvEmdBG
IDがBGだった。なんかイヤ。
196774RR:01/12/27 23:30 ID:9qAih9EA
さげ
197肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/28 02:47 ID:kx5hQZGQ
ああ、他所で長文レスしてたらこんな時間だよ。
正月までには完結させたいなぁ・・・。

ああ、そうそう。

これが完結したら、もう「肉屋」としてカキコするのやめるから。
HNも変えるし、しばらく長文も書かないと思う。
思えば8月に「新キリン」スレ>>298(←単純だが、HNの由来はここにある)
から始まった長文(駄文)も、ずいぶん長いこと続けてるよなぁ。

ということで、一時引退するつもりです。
皆さん、残りわずかの時間ですが、お付き合いのほどよろしくスワッシュバックラー

ごめん。今日は寝る。
明日は仕事納め。
仕事さえ終われば、思う存分続きも書けるぞ。
198肉屋 ◆FOsxTZRM :01/12/28 02:51 ID:kx5hQZGQ
>>194
>>196
sageと見せかけて「sだけ全角でage」か。
一瞬わかんなかった。
199774RR:01/12/28 03:24 ID:ekXzJ3EZ
よくぞ見破った!
200いつ遭 ◆NinjA5HQ :01/12/28 05:41 ID:J6TDxpsi
職業=てっきり肉屋かと
201774RR:01/12/28 21:36 ID:q0hKoroD
引退記念sage
202774RR:01/12/30 00:01 ID:5etKw2Hk
保全sage
203774RR:01/12/30 05:53 ID:SBiw8HmT
夢の中で俺は旅をした。
204774RR
にっくっや♪
それ♪
にっくっや♪