●空蝉の碁●

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1初心者
〜源氏物語の一場面〜

<かどなきにはあるまじ、碁打ちはてて結さすわたり、心とげに見えてきはぎはとさうどけば、奥の人はいと静かにのどめて、
空蝉「待ちたまへや。そこは持にこそあらめ、このわたりの劫をこそ」
軒端荻「いで、このたびは負けにけり。隅のところどころ、いでいで」
 と指をかがめて、十、二十、三十、四十…と数ふるさま、すこし品おくれたり>

初心者なので、空蝉が勝ったということしか判りません。
古文もわかる人、解説お願いします。
2村雨04:2001/08/08(水) 14:12 ID:iXmIeXwI
>>1
ご自分で調べることも肝要でごぢゃりまするよ〜。(^^;

「持」(ぢ)は、現代の囲碁で言う「セキ」のことです。黒・白どちらからも手を出せない状態を言います。

「軒端荻はセキがわからないほどの棋力」なのがわかる、とどこかの本で読んだことがあります。この箇所は囲碁界では有名で、あちらこちらに掲出されてます。

古文は、、、源氏物語で検索にかけてみてください。
3初心者:2001/08/08(水) 17:04 ID:KuWDRThc
>>2
ありがとうございます。もちっと勉強してきます。
ま、つまりは自分は軒端荻よりダメだってことですね。
4 :2001/08/08(水) 17:39 ID:???
古文板に書いたら?
5村雨04:2001/08/09(木) 11:13 ID:6Hh4/iqU
>>1>>3さん
やふーの検索で「源氏物語」「空蝉」「現代語訳」「碁」で搾りました。

ttp://www.sainet.or.jp/~eshibuya/version03.html
才覚がないわけではないらしい。碁を打ち終えて、結を押すあたりは、機敏に見えて、陽気に騷ぎ立てると、奥の人は、とても静かに落ち着いて、
 「お待ちなさいよ。そこは、持でありましょう。このあたりの、劫を先に数えましょう」
などと言うが、
 「いいえ、今度は負けてしまいました。隅の所は、どれどれ」と指を折って、「十、二十、三十、四十」
などと数える様子は、伊予の湯桁もすらすらと数えられそうに見える。少し下品な感じがする。


↑は整地の場面だと思います。「劫」は多分現代の「コウ」とは違うような気がします。無学にもちょっとわかりませんが。

この現代語訳もそうですが、田中芳樹訳「岳飛伝」の第1巻で「囲碁を指す」という表記がでてきてガッカリしてしまいました。
専門板で質問する意味もあるかなーと思う今日この頃です。

>ま、つまりは自分は軒端荻よりダメだってことですね。

ちょっと勉強すれば軒端荻さんよりもはるかに強くなりますよ♪
6名無し名人:2001/08/09(木) 11:44 ID:???
>>5
関係ないですけど「将棋を打つ」という表現の方が
世間では多く使われて将棋ファンとしては許せん!というところです。
囲碁を指す、というのは初耳ですね・・・。
7名無し名人:2001/08/09(木) 11:47 ID:???
與謝野晶子訳では http://attic.neophilia.co.jp/aozora/genjimonogatari/htmlfiles/utsusemi.html

碁が終って駄目石を入れるときなど、いかにも利口に見えて、
そして蓮葉(はすは)に騒ぐのである。奥の方の人は静かにそれをおさえるようにして、
「まあ、お待ちなさい。そこは両方ともいっしょの数でしょう。それから、ここにもあなたの方の目がありますよ」
などというが、
「いいえ、今度は負けましたよ。そうそう、この隅のところを勘定しなくては」
 指を折って、十、二十、三十、四十と数えるのを見ていると、無数だという伊予の温泉の湯桁(ゆげた)の数もこの人にはすぐわかるだろうと思われる。すこし下品である。
8名無し名人:2001/08/09(木) 11:48 ID:???
囲碁の専門用語を適当に訳してる感じがしますね。
9名無し@:2001/08/10(金) 02:03 ID:A44sY1lQ
結さす(けちさす)を終局する、ではなくヨセに入る、と解釈すると
劫は現代の劫と同じ意味で差し支え無いように思います。
当時の死活は現代とやや違うので、ひょっとしたら劫がらみの
複雑な死活だったのかも知れません。

>碁打ちはてて結さすわたり
は、個人的には大ヨセが終わって小ヨセに入った、と考えています。
わかんないですけどね。。。
10名無し名人:2001/08/10(金) 02:14 ID:???
では、今風に翻訳?すると

大ヨセが終わって小ヨセに入った時など、いかにも利口に見えて、
そして蓮葉(はすは)に騒ぐのである。奥の方の人は静かにそれをおさえるようにして、
「まあ、お待ちなさい。そこはセキでしょう?こちらのコウを先に打たねばいけませんよ」
などというが、
「いいえ、今回は負けですね。そうそう、この隅のところは何目でしょうか?」
と、指を折って、十、二十、三十、四十と数えるのを見ていると、無数だという伊予の温泉の
湯桁(ゆげた)の数もこの人にはすぐわかるだろうと思われる。すこし下品である。

という風でどうでしょう?
11名無し@:2001/08/10(金) 03:36 ID:A44sY1lQ
やっぱり変だったかな(汗)
結さす、というのは枕草子にも出てくる表現なんですけどね。。。

至分堂で「源氏物語の鑑賞と基礎知識」というシリーズが
あるのですが、まだ空蝉は刊行されてないので
ここをどのように現代語訳するのか楽しみです。
12名無し名人:2001/08/10(金) 03:51 ID:lSKNCjmI
やっぱり終局してるような感じもしますね。
これが日本に残る囲碁を打っている一番古い文献?なのでしょーか
13名無し@:2001/08/10(金) 04:10 ID:A44sY1lQ
吉備真備が唐で碁を打った、という伝説があります。
といっても、記載文献は1100年ぐらいのものですが。
古い文献では「続日本紀」に大伴小虫vs中臣宮処東人の対局が
あったことが書かれてます。
これが797年なので、最古はコレだと思います。
14名無し@:2001/08/10(金) 05:26 ID:???
至分堂→至文堂

失礼
15村雨04@夏休み。:2001/08/10(金) 10:10 ID:xjHlP9Uo
名無し@さん、all、おはーです。(^-^)/~

自宅の本棚ヒッカキ回しているのですが、結(けち)さす、は辞書的には「駄目をつめる」となってます。(岩波書店・古語辞典補訂版)

瀬戸内寂聴訳
どうやらそこそこの才気はあるらしく、碁を打ち終わって、だめを詰めるところなども機敏そうな感じで、陽気に騒々しくはしゃいでいます。奥の人はひっそりと静かに落ち着いて、
「ちょっとお待ちになって。そこは、持(じ)でしょう。こちらの劫を先に片付けましょう」
(以下略)

↑私の疑問に答えてはくれませんでした。こんなもんなのかなー(嘆息
16名無し@:2001/08/10(金) 22:20 ID:A44sY1lQ
古文板に逝ってきます。
17初心者:2001/08/11(土) 08:10 ID:HsR0Ar2U
>>5-15
皆様、ありがとうございます。
実は、源氏物語を訳している途中でダメヅマッちゃって、古文版に書こうかこっちに書こうかちょっと迷ったんですが、
まさかこんなにも答えて下さる方がいらっしゃるとは、感激です。
今は整地の場面なんですね。
それにしても、訳者で囲碁をやってる人って少ないのでしょうかねぇ。
18初心者:2001/08/11(土) 08:33 ID:HsR0Ar2U
碁を打ち終わり、ヨセに入っていくところになると、
若い娘はせわしなく手を動かし、きゃっきゃと騒ぎたてている。
一方奥に座っている人は静かに落ち着いて、
「待って。そこはセキでしょ?こっちのコウを先に見ないと…」
と話しかけるが、
「うーん、今回は負けだわ。そうだ、この隅のところを数えなきゃ。えーと…」
と言いながら、十、二十、三十、四十と数えている娘の姿は、(略)少し下品である。

こんな感じでしょうか?
あー、これじゃ板違いだ、逝ってきます…。
19村雨04@小庭の草刈り。:2001/08/11(土) 09:55 ID:???
>>17-18初心者さん
囲碁用語以外のトコロも目はツッカカルことなく読めます。
現代語訳としてよく出来ているのではないでしょうか?わかりやすいですよ。

きゃっきゃと楽しく碁を打つのは「下品」なんですね。身内で打ってる碁を出歯亀よろしくノゾキ見て女性を品定めですか。「無礼」な色男ですなー。
20名無し名人:2001/08/11(土) 12:45 ID:???
>>18さんの現代訳いいですねー。
この調子で源氏物語が翻訳されたら・・・さすがに不買運動か(^_^;)
21名無し@:2001/08/11(土) 17:10 ID:kB0sT9a.
古文漢文板
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=kobun&key=986963221
〜〜スレを立てるまでもない質問〜〜
ココで聞いてきました。
あっさりと終了してますが
2221:2001/08/11(土) 17:11 ID:???
18メモっとこ(^^
23名無し名人:2001/08/11(土) 18:35 ID:???
久々に古文を見て、懐かしかったなあ。
要するに、空蝉が、「大体終わったかしら、あとは半コウツギツギぐらいね」と
盤面をゆっくり見渡していたら、
軒端萩が「終わった♪」ってせわしなくダメづめして、
セキのところも石を取り上げようとするので、
「ちょっと待って、そこはセキでしょ、それにまだ半コウが残ってるでしょ」って言うと、
「いや、どうせ負けだし、何目違うか早く数えましょう〜」と言う軒端萩を、
何だか品の無い子だなあと思っている、って感じでしょうか。
(ものすごい意訳)
24名無し名人:2001/08/11(土) 19:55 ID:???
>>23
どんどん口語調に・・・。
25村雨04:2001/08/12(日) 00:49 ID:???
>>23さん
(・∀・)イイ!
個人的には口語訳の方がスキです。♪←が素敵っす。
2623:2001/08/12(日) 02:54 ID:???
>>25
やった、村雨さんに褒められた〜!
27名無し名人:2001/08/12(日) 02:55 ID:???
なんかの評論で、清少納言は碁のことを知ったかぶりして書いてる、紫式部は理解して書いてるというのを、見ましたが実際はどんなモンでしょうか?
意見ききたし

わしは清少納言のほうが、スカっとして好きなんだけど・・・
28初心者:2001/08/12(日) 19:09 ID:Rr84pTnU
>>19-21
ありがとうございます。恐縮です。が・・・
>>23さん
その訳いいです!
ちょっと専門用語はいってて個人的にわかんないとこありますけど、
二人の性格しっかり把握しているようで、サイコーです!
その調子で全帖訳そうって意気込みないですか?
つーか、その訳もらっていいですか?

あー、はげしく板違い・・・
2923:2001/08/12(日) 22:51 ID:???
>>28(初心者)さん
気に入っていただいたようで、ありがとうございます。(汗
ただ、囲碁版風に、しかも雰囲気で訳してるんで、
正確な訳にはならないんじゃ・・・(て言うか、訳してない単語もあるし・・・)

源氏物語は、学生の頃結構好きでしたけど、
主語が書いてないし、尊敬語がいっぱい出てきて分かりにくいんですよねー。
口語訳してある本も何種類か読んだけど、
田辺聖子さんの「新源氏物語」が一番読みやすかったです。

って、板違いになってきたのでsage。
30村雨04@重度の積読病患者。:2001/08/13(月) 12:08 ID:???
私も逝って参りました。

古文漢文板
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=kobun&key=986963221
〜〜スレを立てるまでもない質問〜〜

>126 名前:名無氏物語 投稿日:2001/08/11(土) 00:31
>明石の将棋倒し事件で、世間の評判は
>囲碁>>>>>>>>>>>>将棋

う〜む。一般的に見てもそんなモンなんでしょうか。将棋連盟の方が「不快」に思うのは何となくわかりますが、記号論を持ち出すまでもなく表面的な表現(変?)で中身もないし、将棋への悪意でもない。
この板で話題になるのもわかりますが。

>>23さん
私よりも遥かに勉強されていますよー。(^^;>>>29

>田辺聖子さんの「新源氏物語」が一番読みやすかったです。

私も田辺さんのがいいと思います。「空蝉」の碁のシーンは端折ってましたねー。
「須磨」にもたどり着けないのですが。。。




(※須磨返し=須磨はツマラナイ章で、読むのを挫折してしまい話がわからなくなるので、「戻って読む」ことから)
31名無し名人:2001/08/14(火) 22:35 ID:???
>>23
軒端萩はチチがはみ出しそうな格好で打ってたのではなかったでしょうか?
その点でもちと品無さげ
32名無し名人:01/08/29 23:20 ID:hL8Ob0yc
33名無し名人:01/08/31 23:38 ID:iZxeaKIU
そういえば「囲碁の知・入門編」集英社新書p.18-19に
この文の「持」はセキではなくダメと解釈するべきという説明があります.
「結」はヨセであるとも書いてあります.
一応筋はこっちの方が通っているようです.
34名無し名人:01/09/24 21:44 ID:wm1vbMZc
age
35名無し名人
 age