1 :
代打名無し@実況は実況板で:
毎年ちょっと連勝して、終わると毎年5位へ
惨敗の珍涙目wwwwって言われそうなスレですね。
恥ずかしいからやめてくれ。
何で負けてからスレ立てるのwwwwwwwwwwwwww
4 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/14(水) 06:37:55 ID:QWR0cnKT0
: : : : : :/ // `ヽ、: : : : : : : : :ヾー< | トヽ{|
: : : : :/ | ! ` ー--、;_;ノノ >ニ└'ノ|
: : : :/. | ! ヾ/: : : : : : :|
::: : :| | ! __|: : : :i: : : : :|
:::: :| ヾ、 __,,-=ニ´_ |: : : :|: : : : :| 優しさの中に強さを秘めた白夜の魔法使いが華麗に
>>4ゲット
:ト::::| ─--_、__ヽ ´〃/:::::::/ヾヽ | :/7ヽ: : : : | 草太は私のものよ、誰にも邪魔させないわ!
::| ヾ:|,イ{:::::(ヾ` / {∧:::>-} ナ´ ̄ ̄ヽ: : : : | いばらも赤ずきんもイラネ、1・2・3じゅ〜すぃ〜
:::|. |∧ 弋、:::;リヽ-─| 弋三シ/ ........ }: : : : |
.ヾ ||-ヽ --┘| ヽ | .:::::::::::::: |: : : : :
|ヽハ ノヽ `ー---‐┤::::::::::::::::::. |: : : : :
|: : `T、¨ 、─、 >::::::::::::::::::: |'⌒ヽ、
|: : : ::::`ヽ、 ー ,/: .ヽ:::::::::::::::::.|,
.ノ: : : ::::::::::::::`:::ー- , -‐: . : . : / ヾ、 /
>>1ばら姫 寝起きが悪い?永眠してろwwww
赤
>>2きん 頭の中はお花畑ね、可哀相な子(^^;
>>3ドリヨン ババァが出る番組じゃねーんだよ!(プゲラ
りん
>>5 草太に相手にされないかわいそーな女(藁
ヴァ
>>6 狼族の末裔?犬の間違いでしょ(プゲラッチョ
>>7イトメアリアン 毎回毎回やられ役お疲れ様www
>>8ーメルン あたしを陰から守る?ストーカーとかやめてよね(プゲラ
>>9ュピ 喋れないの?メップルミップルの方がよかったなぁ(グリムプゲラー
グレー
>>10ル 裸エプロンでファンに媚び過ぎなんだよwwww
5 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/14(水) 06:52:01 ID:BWDICmAQO
この際、広島横浜オリックス連合で北京行けよ。
いつの時代の話しだよ
7 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/14(水) 08:23:37 ID:tAyxxROB0
ゎ ,__
__ l fi,/::::i__,rァ 新スレハケーン
n'(__,iゝタl `iwvt-'´ ワーワー
`〉:.:r'´ /.:.:.:.| ゙
/;_;_;i /;;;_;;_;|
《 ||, 《 ||,
ケ ロ イ ド ─ ,__
. _ ,__ n/::::i_,fj
't`(__,iフ;タ `iwvt'´
`i:.:.k'´ i:.:.:.└-iっ
`ー-',、ハ,、`ヽー'´,、ハ,、
マジレスすると毎年GW明けに長期遠征があるから。
阪神の死のロードとおなじ。
今年、現在も二十日の長期遠征中
鯉の季節って言っても内容は酷かったが…
巨人と横浜のおかげ
なんで長期遠征するんだ?
あのボロ球場いつでも使えるだろ
12 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/15(木) 20:08:12 ID:wvyztoSD0
広島の死のロードも取り上げてやってください
カニ!!カニ!!
カニがぁぁぁぁぁ(泣)
14 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/16(金) 20:21:26 ID:IIqTW++V0
10年連続Bクラス
15 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/16(金) 21:02:04 ID:o9XsIY+10
>>14 10年で終わると思ってんのか?ケロイドなめんな!
鯉が成長はしたら
竜になるらしい
カープが成長したらドラゴンズになるらしい
19 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/17(土) 20:41:42 ID:zvGeLDc70
今はタイガースになりつつあるが、それは成長中ってことなんだな
20 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/17(土) 20:42:14 ID:cZN8FPrC0
野球界のイカンガー
広島の5位力は異常
22 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/18(日) 12:16:07 ID:7rL0ABhf0
90%を超えるシーズン5位率
♪こいっもおなかっがへるのかなっ
♪ずっとおよいでいるんだモン
♪きっとおなかっがへるんだね〜
24 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/18(日) 20:02:21 ID:u/emLlcD0
2位の中日、5位の広島
>>11 高校や社会人など、アマチュア利用のため
市民球場を一定期間空ける必要もある訳で・・・
昨年オールスター出場のカープ選手は20日間関東方面滞在。
7/10-12神宮→7/13-15東京D→7/16-18横浜→
7/20東京D→7/21宮城→7/24-26神宮→7/27-29東京D
一昨年のコレも醜かったなァ。
8/22-24広島(まだ暑い)→8/26釧路8/27帯広(もう涼しい)→
8/29熊本(まだ暑い)→8/30-31ヤフーD(エアコンの効いたドーム球場)→
9/2-3広島(まだ暑いうえデーゲーム)→9/5長崎9/7下関
26 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/19(月) 17:19:10 ID:Y3SVnHqa0
そう考えるとつくづく広島ってかわいそうだな
5位のぼりが正しい
28 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/19(月) 17:47:40 ID:LnvojmI+0
野球を知らずに知力もないくせにシーズン序盤からエンジン全開で行くから
29 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/19(月) 22:35:56 ID:Y38KhUwp0
>>26 その程度で何がかわいそうだw 馬鹿ケロイドw
32 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/23(金) 10:58:03 ID:rOJX8+zV0
結局堕ちたなw
33 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/23(金) 19:35:15 ID:Ft8IRcCX0
わざと5位になっている
35 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/24(土) 20:50:04 ID:BXLPsxaM0
鯉
クゥウォノスレェェェェ
モラァィィィマァッッ
♪ スヨォォォォウォゥイェァ
ヽ ♪
∩∧,,,,,∧ / ( ´w`)
ゝ[ー。ー ] /
☆− ┌┴--っ ヽ
| [|≡(∪==◇
/ 丶-O ~丿 \
♭ ∪ ★ Slyly ☆ Hazard
前スレ終了時点での人物紹介
森野将彦
29歳、軍人
名古屋防衛軍陸軍大尉。
精鋭揃いの名古屋防衛軍にあって自分の存在意義を見出せず、
悩んだ末に戦闘用大型ロボ「ビッグ・ドメ」の修理代を稼ぎ出すことで軍に貢献しようと思い立ち、
相棒ドアラを連れてはるばる広島までスラィリーマスター討伐に、無断でやってきた男。
実のところ軍では将来を嘱望される身でありながら、その自覚がまったくない。
人間には聞き分け不可能とまで言われるドアラ語を完璧にあやつることができ、当代一のドアラマスターとの呼び声も高い。
本来は気の使い手ではなかったが、前田の手ほどきを受け、三叉の槍を発現できる能力を身につけた。
通称名古屋さん。
永川勝浩
27歳、猟師
三次・梵倉寺に伝わるスラィリー折伏術の第二継承者、かつ前田の一番弟子。武芸全般に加え家事全般そつなくこなす。
本来の役目であるスラィリー駆除の役割をこなす傍ら、その能力をフルに生かし、腕利きのハンターとして名を轟かせている。
ただ秘術を心得ているだけでなく、スラィリーハントの最中は冷静で頭も切れるが、普段はいまひとつ頼りない印象。
子供のうちに生家を出され、厳しい修業ばかり課せられて育ったためか、性格は少し屈折している。
気を込めた物体を自然発火または爆発炎上させる稀有な能力をもつ。
通称ナー。
前田智徳
40代半ば、武芸師範
かつては凄腕の傭兵だったが、十数年前の戦で右脚を失ったのを最後に戦闘には参加していない。
本気になれば凶悪な戦闘力をもつはずだが、もう人と戦うのはタイギィらしい。
半ば伝説となった現在は山あいの道場でだらだらしている。
山崎浩司
27歳、家事手伝い
前田が戦地から連れ帰った戦災孤児。性格は子供っぽく思慮に欠けるが、明るく快活で憎めない。
身のこなしに関しては天賦の才をもつが、気の素質がないことが前田にはわかっており、
現状を大きく超える成長は見込めないことから、さほど熱心に修業させられていない。
通称やまちゃん。
梵英心
27歳、無職
スラィリー折伏の総本山たる梵倉寺の嫡子にしてスラィリー折伏術の第一継承者。
現在永川が負っているスラィリー駆除の責務は、本来は彼のもの。
永川同様に前田の弟子でもあるが、数年前に失踪。
その後は本来世に存在するはずのないスラィリーマスターとして広島に君臨、複数のスラィリーを駆って破壊活動を繰り返している。
事態を重く見た政府や企業から莫大な額の懸賞金がかけられているが、まともに渡り合える者がおらず、現状では野放し。
青木勇人
30代半ば、スラィリーブローカー
永川が信頼を置く仲買業者。小柄で童顔、人あたりもよく一見すると温和そうだが、
所沢で独裁政権を転覆させたテロ組織「所沢解放戦線青の獅子(通称俺達)」に幹部として所属していた過去を持つ。
現在も指名手配の身で、現在はこれを不問とするかわりとして広島自衛隊から協力を強制されている。
博識で頭も切れる反面、長くアウトローの世界で暮らしてきたため、自己の利益に忠実、ドライで情の通じにくい性格。
雄弁で、かつ左翼思想に傾倒しており、そのあたり喋らせると少し厄介。
井端弘和
35歳、独身
名古屋防衛軍陸軍中佐。
異例の若さで中佐に昇進し、現在は名古屋東基地を任されるエリート将校。森野の上官にあたる。
無断で失踪した森野を庇い、事実を隠し通すことを決意。井端が持ちこたえている間に、森野は名古屋へ帰れるのか。
李炳圭
37歳、軍人
名古屋と友好関係にある海外の都市から派遣されてきた軍人。祖国では将軍と呼ばれる身分。
基地を任されて日の浅い井端のサポートを極秘に命ぜられており、その任務は確実に遂行しているようだが、基地の戦力としてはもう一つ。
しかし人には通常懐かないと言われるパオロンが懐いており、もしかするとただ者ではないのかもしれない、
たとえそれが軍では役に立たない分野においてだとしても。
荒木雅博
30歳、軍人
名古屋防衛軍陸軍大尉。森野とは同期入隊の仲、また井端とは下士官時代をほとんど共にしてきたため、互いに信頼は厚い。
気のいい奴で、非常にいい奴だが、それが仇になるほどいい奴であり、いい奴すぎるのが難点。
前線で敵部隊を撹乱する技術に長け、その分野で他の追随を許さないが、上記の性格のため、指揮官としての適性には疑問符がつく。
新井良太
森野の弟子で、見習いドアラマスター。いわゆる天然だが勘はするどい。
幼少時すでに両親がなく、唯一の肉親だった兄も災害で失い、天涯孤独となったところを名古屋防衛軍に保護された。
行方不明になったままの兄の生存を信じ、いつか広島に里帰りする日を夢見ている。
落合博満
50代半ば、お前らにはわからなくて結構
名古屋防衛軍長官。軍の最高指揮権を持つ。井端を試しているようだが、果たして森野の失踪には気づいているのか…、その真意は不明。
ビッグ・ドメ
十数年前に名古屋防衛軍の技術の粋を集めて作られた、製作当時は最新鋭兵器だったロボット。
パイロットがひとり搭乗できて比較的簡単に操縦ができビームが撃てるという、男のロマンがつまった逸品だが、現在は故障中。
前スレまでに登場した主な都市の紹介
【広島】
戦える軍隊を持たない中立平和都市。かつては専守防衛を目的とする自衛隊が存在していたが、
十数年前に西宮の外交圧力に屈して軍備を放棄させられており、現在の自衛隊は単なる災害救助隊に過ぎない。
同時にいくつかの不平等条約が締結され、実質的に西宮の属国に近い状態。権力は腐敗し政治も経済も停滞しており、
そのうえスラィリーハントを目的とした銃火器の販売・購入・所持が認められているため、平和都市とは名ばかりで治安は最悪。
しかしここ数年、自衛隊の中に広島の将来を憂いた一部将校からなる強硬派が生まれ、密かに軍備を取り戻すべく活動しているらしい。
【名古屋】
強い軍事力を背景に昔から安定した勢力を保ってきた都市。しかし西宮の成長により東西を強敵にはさまれる格好になり、近年はやや苦しい立場。
現在、文京から猛攻撃を受けている最中で、東戦線は陥落寸前。
【西宮】
かつては軍事力も弱く、いつでも潰せるから生き残っているとまで言われていたが、近年指導者が変わって急激に勢力を伸ばした新興軍事都市。
その急成長の背景に広島からの搾取があることは疑いようのない事実だが…、外交戦略とはそういうものだ。
文京の攻撃によって万が一名古屋が陥落すれば次は危ない立場なのにも関わらず、不気味に沈黙を守っている。
【所沢】
長く続いた独裁政権が倒され、現在はテロ組織「所沢開放戦線青の獅子」が実質的に政権を握っているが、
クーデターから10年以上が経った今でも国際社会からは正当な政府と認められておらず、未だに非難を浴びる立場。
しかし領内での解放戦線の勢力は強く、他都市からの軍事的干渉を受け付けないため、事実上の独立都市である。
【聖都神宮】
強大な軍事力を誇ったのも今は昔、おそらく現在の軍事力は広島と並んで全都市中で最弱だが、領土内は聖域であり不可侵、発言には権威があり、関東での影響力は依然として強い。
しかし今回、主力を担う一部部隊が文京軍に寝返り、その影響力が疑問視されかねない事態に。
元々権威でもっているようなものなので、このまま権威を取り戻せなければ、いずれ死活問題に発展すると予想される。
【文京】
豊富な資金力をもち、普通にやれば現時点でもっとも覇権に近い都市勢力と思われる。
長いこと覇業へのやる気が疑問視されていたが、最近急に名古屋へ猛攻を仕掛けてきた。
神宮から戦力を吸収するなど、従来にはない動きも見える。
華麗な乗っ取り乙www
新スレでいよいよ俺が〜(@梵@;:.)
乗っ取り乙です。
>落合博満
>50代半ば、お前らにはわからなくて結構
さすが落合、名古屋の軍人で二人目の謎肩書きktkr
華麗なる乗っ取り乙です。荒木の紹介文いい奴すぎてワラタwww
>たとえそれが軍では役に立たない分野においてだとしても。
昨日ついにスタメン落ちしたんだぜ…ビョン…。
井端弘和 35歳、独身 (笑)
華麗なる乗っ取り引っ越し乙ですww
こんだけ乗っ取り乗っ取り言われると悪いことしてる気になるなw
スレが発展性のない空き家だってことを数日かけて確認してから引っ越してるのに…
>>50 再生工場乙です。
前スレは埋めていいのかな?
>>54 誘導遅れの人がいるかもしれないし、2〜3日かけてゆっくり埋めてけばいいんじゃね?
エコロGなスライリーハザード
↑お約束だが。。
スラ「ィ」リーなんだぜ
上田さん………いやなんでもない
ホシュ
【横浜】
強大な軍事力を誇ったのも今は昔、おそらく現在の軍事力はダントツで最弱だが、領土内は非常に危険、金城がおり、関東での影響力は依然として強い。
しかし今回、主力を担う一部部隊が文京軍に寝返り、その影響力が疑問視されかねない事態に。
元々金城でもっているようなものなので、このままバナナを手に入れなければ、いずれ死活問題に発展すると予想される。
いっぽう、広島。
師匠の食事を急かしてどうにか食卓を脱出した永川は、後片付けを山崎に託し、
その山崎の愛車である自転車「走れヨシヒコ」号の荷台に森野を座らせ、一路、坂を下っていた。
「うわ、おいちょっと、永川、ちょっと、もうちょっと丁寧に運転しろよ」
「急いでるんだ、我慢してくれ。重いからどうしてもハンドルを取られる」
いわゆるママチャリと呼ばれる一般的なこの自転車がどのくらいの荷重に耐えるのか、などという知識を森野は持ち合わせないが、
自分と永川二人を足せば、おそらく制限値を超えるであろうことは容易に想像できる。
そのうえきちんとメンテナンスされていないタイヤはやや空気が抜けていて、圧倒的な重量を受けて潰れている。
「大体、どこへ向かっ、うわっち」
「黙ってろ。舌噛むぞ」
「……」
無言になった自転車はそのまま快調に夜の中をかっ飛ばし、十数分後に停車した。
「…ここは…、」
どこか、と尋ねるまでもない。森野は目の前の門と、そして奥の建物を見てすぐに、みずからそれを理解した。
「寺だな」
「そうだな」
門に掲げられた立派な看板には、『梵倉寺』の名が刻まれている。
「そうか、ここが…」
スラィリー折伏術の総本山。永川が幼少時に修業した場所。そして…、スラィリーマスターと呼ばれる男の生家。
ここに一体何があるのだろう。永川は何のために、自分をここへ連れてきたのか…、森野は腕組みをして、フームと唸った。
「感慨にふけってる暇はないぞ。話は後だ。とにかく、入ろう」
そう言って永川は正面玄関の戸を引いた。温かみのあるドアベルの音がカランカランと鳴り響く。
「御免くださいよ、っと…」
「この時間なのに、施錠をしていないんだな」
「そうだな」
「防犯上、問題あるのでは」
「そりゃ、あるさ。でもここは文字通りの駆け込み寺だからな。住職がそういう考えなんだ。ほれ、スリッパ」
「ああ、すまない」
住職、ということは…、スラィリーマスターの父親だろうか。
自分の身の安全よりも、夜中に助けを求めて来るかもしれない誰かのために門戸を開放しているとは、見上げたものだ。
ペシ、という音をたてて足元へ投げられたスリッパを履き、靴を隅へ寄せながら、森野はそんなことを考えた。
せっかく大島が(ついでに沼も)好投したのに録画予約ミスってて見れなかった
もうやだ
職人さん更新ありがとデス。
「走れヨシヒコ号」爆笑して珈琲ふきだしそうになった。
ちょw重量オーバーwww
ママチャリって山ちゃんにぴったりだな。梵倉寺ktkr
森野と永川足すと180キロくらいになるな…
>>63 作者様新スレおめ&乙です
…そしてドンマイw
また今度二人とも好投してくれますよ。
っていうかしてくれないと困るw
玄関を上がって左手へ、板張りの暗い廊下を少し進むと、その奥、右手の襖が開き、廊下へ急に光が差した。中から僧がひとり姿を現し、歩み寄ってきて永川に声をかける。
「勝浩。こんな時間に、どうした」
これが住職だろうか、と森野はまず考えたが、すぐに自らその考えを否定した。僧は、見たところまだ年若い。恐らくは三十歳そこそこだろう。
さして短くもなく刈られた硬そうな髪が天衝くように勢いよく伸びているのが僧にしては特徴的だが、
しかし今時、剃髪していない僧侶もさほど珍しくはなく…、そして他に特に変わったところはない。
「遅くに、悪い。客人を連れてきた。明日にしようかと思ったんだが、事情があって、急ぐんでね。
詳しいところは後で話すが、こちら森野といって、名古屋から来たんだ。
それで、こっちはこの寺の住職で…、あの英心の兄貴だよ。俺もここで育ったから、まあ、俺の兄貴みたいなもんでもある」
「どうも、お初にお目にかかります。倉義和と申します」
「は、ご住職でいらっしゃいましたか…、森野、将彦、です、どうも…」
急に話が見えなくなり、森野は細切れな返事をした。
兄とは一体どういうことだ。梵英心の後に寺に子供が産まれなかったから、永川が巻き込まれた、そういう話ではなかったのか…、
しかし、上の子がすでにいたのなら、それで頭数は足りるのではないのか、それとも、後から入った養子か何かか?
「マスターに、兄弟がいたのか」
「ああ、ご不審に思われましたか、無理もない」
森野が戸惑いつつ永川に尋ねると、それに倉が笑顔で答えた。
「梵とは…、この寺と秘術を継ぐべく厳しい修業に耐え、術を体得した者だけに許される姓でしてね。父と弟は梵姓ですが…、
私は幼少時には随分身体が弱かったものですから。継承者として不適、それ以前に修練に耐えられないと父が判断したため、術の修業をしていません。
従って私は梵を名乗ることができませんで、その場合、寺の名の二文字目を取って、倉と称するのが決まりです」
>>67 そ、そっすよね、でも大島に期待するなんてことをして大丈夫なのかっていうか無茶というか…
あと調べてみたのですが、自転車の耐荷重のJIS規格は85kgだそうです。
なので何の変哲もないママチャリを想定した場合、永川ひとりでも実は重量オーバーくさいです。
作者さん、乙です!
愛車が自転車www
ヽ`ー/ (● ヾー'ノ ,, - '"r' ~| |:i''レヽ、 坂
`l(● i" / / i ´ ` /, ' " l を
i d ,, ノ /-、 i | ヽ | /'i i ! 下
ヽ ∈∋ /' / ヽ |_ \ ヽ,,, __| / / // っ
ヽ__,/ : i/" !  ̄ ヽ\. \____/ / // た
_,.>-:、: ノ ̄ ̄ ''' l \__/-、 / / / 梵 ら
/: : :/ | "~ `´ / ' > 倉
{: :/ = 、 ! /_ -‐<-, 寺
/` { ニ\ /、 ヽ- // { で
/i : _ヽ_, -'" ̄ ` ´} _ _,-‐-=ゥ‐- イ > r '  ̄ ト し
/ : i / <_ _,, ィコ  ̄ 、 -ノ_, / \/\ l,-、,,-、_ た
/ : \ _ヽ_ ヶ、'~ \,_, -,‐_T`‐--イ/ 、 _,, - +‐ti;;;;,、 ヽ , `、
l : : : : ̄: :`''t‐t\ r ' ' i >;}~ )ニ-i─ t'", -─| |-'┴/_l_/ノ
\ : ヽ: : _ : ||/::::::::`{;;;i i i__i__/''ヽ |:: ̄:l ̄l~:::ヽ |_ ===--、__
\ : : : : :{|:、:::::::::::::::`イ‐i=-_‐, -ー!:::::::::| |:::::::::::ヽ `
/ :ヽ : : / i|::::::::::::::::::,,-'T~ :_ -|_:::::::::::::i==i:::::::::::::ヽ
i : : : / : : ||::::::::::::::::''::::::|'" _,... >-‐'"| |:::::::::::::::/
!: : : : : / ||::::::::::::::::::::::| "~_,, -フ'":::::| |:::::::::/
\:_: ,,ィ- ' ||::::::::::::::::::::| ノ::::::::::r ヽ/
>>69 でもたまに相撲取りがチャリ乗ってる映像とか見るからまぁアリじゃないですか?
>>74 うん、アリかといったらアリだと思います。別にダメとは思わないす。
ただ案外少ないんだなぁと思ったんですよ。
相撲取りでもないのに一人で重量オーバーとかちょっと面白いじゃないですかw
作者様乙ですよ!
チャリ(名古屋軍防衛地域ではケッタマシンと呼んでると聞いたことがある…)二人乗り重量オーバー話で、
立浪&ノリ二人乗り画像を思い出した。
後ろのタイヤがペッタンコになってた…www
倉の説明は森野の疑問とは微妙にポイントがずれていたが…、はからずもその答えはまさに、森野の求めていたものだった。
おそらくこの質問はこれまでに何度も何度も受けてきているのだろう。無駄のない説明だ。
「…成程」
「さ、こんな薄暗いところで立ち話もなんですから。お上がり下さい」
そう言って倉が振り向いたその向こうに…、いつの間にか、開かれた襖から半身を乗り出し、倉の背中ごしにこちらを窺っている影がある。
何かと思って森野は目を凝らしたが…、室内から漏れる光を背中に受けているため、その正確な姿は判然としない。
「起きていたのか」
倉が声をかけるが、影は返事をせず、微動だにしないまま、ジトリとこちらを見つめている。…嫌な緊張感を伴った空気が場を支配する。
「…まあ、気にしないでやって下さい。ささ、どうぞ中へ」
再び森野に顔を向け、倉は少し困ったような笑顔を見せてから、影の張り付いた襖を通り、奥の部屋へと歩き出した。永川がそれに続く。
そのさらに後ろ、やや遅れて森野が続いた。これを気にしないでおくのは無理だが、それでも、できるだけ見ないようにすることはできるだろう。
触らぬ神に祟りなし。見ないように、目を合わせないように努めつつ、やや引きつった面持ちで、森野がその開いた襖、影の真横を通り抜けようとしたそのとき…、
「おい、おまえさ」
突然、影が、声を発した。
いや〜、続きが気になる・・・。
「な、」
見るな見るなと心に唱えていたにも関わらず、不測の事態に際してその意識が途切れてしまい、森野は反射的に振り向いてしまった。驚きに喉が硬直し、まともに言葉が出てこない。
そして不本意にも視界に入ってしまった影の、その正体は…、男だった。ただでも薄暗い中、長い髪を垂らしていて表情はよく見えず、これまた長い着物を羽織っているため、体格さえもわからないが…、
しかし、明らかな猫背にも関わらず、身の丈は森野と同じくらいある。そして唯一これだけが、目の前の人間を男と判断し得る材料だ。
「何か…?」
それでも、どうにか喉を動かし、表情に露骨な警戒の色を見せながら、森野は応えた。しかし男は黙ったまま、片腕をスゥと上げると…、森野の張った警戒線をいとも簡単に侵犯し、あろうことか、その指で、いきなり森野の顎裏を撫でたのだ!
「…カワイイじゃん?」
「ぎょあっ、な、何するんだ!」
森野はどこから出たのかわからない声を出して、考えるよりも速く男の腕を打ち払い、後ろへ飛び退いた。しかし男はその森野を追うでもなく、突然、けたたましい声で哄笑した!
「ぎゃははははは!本気にしちゃってんの!!バカじゃん!!!」
「え…、」
何が起こったのかわからず呆然とする森野を、男は真正面から指差し、鬼の首でも取ったかのように罵倒する。
「お前自分がカワイイとでも思ってんのかよ!?キャハー、ありえねー!!」
「こらっ、失礼だろう!やめなさい!」
倉が強い語調で諌めるが、男はまるで聞いていない様子で、さらに悪辣な言葉を並べる。
森野とて、何も言われなければ、当然、自分が可愛いかどうかなどとは考えもしないが…、
ドアラに似ているだの、子供のころと全然変わらないだの、丸顔だのと日常的に言われているから、自分の顔が決していかつい部類には分類されないことは充分承知している。
よって、言われた瞬間に、そういった心当たりが脳裏に全く浮かばなかったと言えば嘘になる、もっと言えばこの迫力のない顔つきに、森野は少しばかりの劣等感を持ってさえいる、
それを…、
まるで見透かされたかのように突然からかわれ、怒りを覚えるより前に、森野は、まず、戸惑いを隠せなかった。
動けないでいる森野が余程可笑しいのか、笑いは一向に収まる気配がない。その笑い声もまた、さらに森野の身体を強張らせる…、
なぜなら、率直に言って、まともでないのだ。夜間にも関わらず、裸足でバタバタと畳を踏み鳴らし、タガが外れたような大声をあげる、真っ当な成人のすることではない。
加えて、骨と皮ばかりの腕、ぼさぼさに伸びた髪、傷んだ着物、男と思えないほどの甲高い声色も、何もかも、すべて、気色が悪い!
「ウキャキャキャキャ!ヒャヒャヒャ!!」
「ほら、気にしなくていい、見てのとおりだ、相手にするな」
いつの間にか背後に立っていた永川の声に、森野はハッとして我に返る。
永川は森野の腕を掴むとやや強引に横へ引いて退かすと、かわりにズイと割って入った。
「やめろと言われたんだ。わからないのか。それとも殴られたいのか!?」
威圧的にそう言い放つと、永川は右手で拳を作って男の視線の高さへ上げた。それを見るが早いか、男は着物を翻して逃げ、倉の背後へ身を隠す。
「うひゃあー、怖ぇー、ウヒャヒャヒャ」
「…申し訳ございません、決して悪気があるわけではないので…」
「いや、どこがだよ。悪気しかないだろ」
「余計なこと言うんじゃないの。…どうかお察し下さい、ご勘弁を」
倉が深々と頭を下げれば下げるほど、その背後のニヤケ顔がよく見える。挑戦的な視線で、森野を見ている。
「いえ、それは全然、構わないのですが…、」
「…マサユキ、あっちへ行ってなさい。お客さんと話をしないといけないから、ちょっと静かにしてくれないかな」
森野の表情を察し、いや仮にそうでなくとも、これではまともに話ができないので、倉は正面から諭すようにゆっくりとそう言った。
男は始め言うことを聞こうとしなかったが…、眼差しから倉の本気を感じ取ったのだろうか。気圧されるように部屋の隅へ寄ってうずくまり、やがて大人しくなった。
しかしその目は依然として、森野をジッと観察している。よそ者を訝しむ目ではない。その瞳はあくまで爛々として、好奇心に輝いている。
汚い浮浪者キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
いや失礼すぎだろwwwでも似合いすぎてwwwwwww
以前保管庫掲示板でリクエストを頂いていたキャラクターです。が…、
先に謝っておきます。色々とごめんwww
美しい浮浪者キタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━!!!!
最近見ないと思ったらwww
綺麗な浮浪者キタ━━━━ノ−ι−ノ━━━━!!!!
つか浮浪者コエーwwwww
いつ倉に向かって「バァーカ」って言うんですかワクワク
>>78 ミニ情報!
ケッタ=原動機なし自転車!
ケッタマシン=原付!!
ケッタ=変速機なし自転車!
ケッタマシン=切り替えつき自転車!!
一口にナゴヤと言っても様々なのですよ!
世代差なのか、地域差なのか、よくわからないのですよ!!
上手い!!!!
でもこええええええ
作者さんハセガー嫌いだろwww
いや逆に好きなんじゃないかwwww
93 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/31(土) 05:37:24 ID:PfxB7wZQ0
94 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/05/31(土) 07:49:36 ID:VKsxf03WO
前田が息切れするから
>>89
なんかものすごく怪しい術でも使いそうだwwww
保管庫の中の者です
現在遠征中(仙台滞在中)にて画像の保存ができません
保存できる環境に戻る前に画像が流れてしまったら
再うpをお願いすることになるかと思います
その際はどうかご協力お願い致します
済みません…orz
>>96 いつもお疲れさまです
ニアミス!こっちも仙台行ってました
再うpするほどでもない落書きですが
言ってもらえれば保管庫の掲示板にでも貼らせて頂きます!
>>96 どうもお疲れ様っす、風邪を召されませんように。
夏がめちゃくちゃ暑いからだろ
「大丈夫か」
「ああ、まあ、ちょっとばかり驚いたが…、なんでもない」
永川が畳の上にあぐらをかくのに倣って、森野もその場へ腰を下ろした。
視界の隅から無遠慮に突き刺さってくる視線はなんとも居心地が悪いが…、先程の件で森野も懲りた。今度こそ絶対に目を合わせてはいけない。
「なあ、ひとつ聞きたいんだが、彼は」
「だから、見ての通りだって言ってんだろ。まともじゃないんだ」
「そうじゃない。彼も住職の弟か何か…」
「ああ、そういうことか。あれは身内じゃないよ、兄貴がここに置いているだけでね、本来どこの誰なのかは誰も知らない。拾い物だ。
本人に聞こうにも、あの有様だしな、何もわからない」
「勝浩、何度も言っているだろう、物って言い方はやめておけ」
何か飲み物を、と言って引っ込んでいた倉が、コカコーラの瓶を三本提げ、菓子鉢を抱えて戻ってきた。
「なんでそんなに瓶コーラがあるんだ」
「頂き物だ。…森野さん、本当に申し訳ありません、いま勝浩も申しましたように、あいつが何者なのかは私も存じません。身元がわからず、親族があるのかもわかりませんので、やむなくここで引き取りまして」
「やむなく、なんて嘘だろ。別に奴をここへ置かなきゃならない理由は何もなかった。今もないはずだ」
瓶の栓を抜きながら、永川が吐き捨てるように言う。すると倉は聞き捨てならないといった様相で、キッと永川を睨んだ。
「マサユキがここにいるせいでお前に迷惑かけた覚えはないぞ」
「迷惑だなんて言ってねえよ。俺には関係ないし。ただでもこんな、いわくつきの寺の坊主なのに、あんなものを置いていると嫁さん来ないぞって言ってんだよ、それだけだ」
「だからって…、野放しにするわけにいくか」
「野放しにする必要なんてないだろ。あんたが手放さないだけで、引く手はあまたじゃないか。選び放題だろ、どこでも好きなところへやればいい」
「ふざけるな、軍と大学と病院と疫学研究所と製薬会社のどこが選び放題だよ。全部、丁重にお断りしてる。みんな目的が見え見えだ」
「そりゃそうだろ。なにせスラィリーに近づいて、攻撃されなかったのなんて、英心を除けばあいつだけなんだからな。
もし研究でその理由がわかれば余計な犠牲者も抑えられるかもしれない、願ったりだろ。あんなんでも世間様の役に立つぞ」
「…ちょっと待て永川、スラィリーに近づいても、攻撃されない…?」
「ああ」
早口で流されそうになったそのフレーズを森野が慌てて拾い上げると、永川は気だるそうに返事をした。
「驚くなよ。あいつはスラィリーの巣穴から生まれてきたんだ」
先刻食事をしたばかりというのに、菓子鉢から最中をひとつ取って紙を剥きながら、永川は眉をひそめ、勿体つけた様子で言う。
「は!?」
「こら、つまらないホラを吹くんじゃない。…山で怪我をして、少しの間、スラィリーに養われていたことがあるだけですよ」
「はあ、いえ、その、だけ、と仰られましても…?」
言われていることの意味がわからず、森野は焦って食い下がった。狼に育てられた少年だとか、そういう話なら、耳にしたことはあるが…。
「うーん、どこからお話ししましょうか…、」
「順を追って話してやればいいんじゃないか。話のネタとしちゃ、なかなかだよ、あれは」
「ネタって言うんじゃないよ、本当にお前は口が悪いんだからな。…再三になりますが、マサユキがどこから来たのかはわかりません。
しかし、どこかからスラィリー猟のために広島へ来たことだけは、わかっています…」
倉は最中を頬張る永川の顔を横目に見て額に皺を寄せ、瓶コーラを一口飲むと、おもむろに語りはじめた。
☆ ☆ ☆
…それはちょうど三年前の秋のことだった。
三年前か
あのころ僕は…
ちょww
またそんな所で切るのかよwww
瓶コーラに食いつく永川にワラタ
作者様乙です。
うっはーwまたいいところでおあずけかwwwww
狼に育てられた少年…じゃなくて、スラィリーに育てられた?ハセガーワロス
…わしには育てられてないわけだなw
スラィリーもすごい人選するなあw
噂をすれば今日先発だよ・・・。
まじかww
気になって鯉戦つけたけど攻撃長いなカープ
ママ・スラィリー。
なんかアメリカあたりの幼児番組にでも出てきそうだ。
四人組のハンターがスラィリーを狩りに山へ入った。やがて上等のスラィリーを一頭仕留めて戻ったが…、しかし、戻ったのはただ一人だった、その一人さえも、負傷していた。
病院に収容され、やがて体力を回復した彼はこう語った、
仲間はみなスラィリーにやられてしまった。自分だけが最後に残り、すんでのところで獲物に致命傷を与え、そして生還することができた、と。
スラィリー猟で死人が出ると、多くの場合、その遺体は回収できない。余程人里に近い場所か、あるいは別のハンターに偶然発見されて通報されるかしない限り、捜索が行われることはない。
その理由は単純で、スラィリーの跋扈する山中で捜索を行うことは、二次被害に繋がるからだ。
しかし、このとき犠牲になったうちの二人の遺体は、運良くというのも妥当でないが…、事故から数日の間に相次いで発見された。だが残る一人は見つからなかった。
そして一ヶ月ほどが経ち、生き残った男も退院を数日後に控えていたある日。
一人のハンターがスラィリーの巣穴の浅い洞窟を見つけ、中にいるはずの子供を獲物にしようと考え、親の不在を狙って中へと侵入した。
スラィリーは原則的に決まった巣を持たないが、子供をもつ雌だけは例外で、そしてこれだけが唯一、スラィリーの雌雄を判断できる材料である。
ほどなく狙いどおりに子供を仕留め、ハンターは早急に巣穴を去ろうとした、そのとき…、奥で声がした。
始め、彼は幻聴かと思った、しかし声は再び聞こえた。それが何の声なのかはすぐに判断できなかったが、しかし間違いなく、スラィリーのピロピロという声ではなかった。
少しの逡巡ののち、彼は意を決して奥へと進んだ、そして彼は信じられないものを見た。そこには人間の男がひとり、うつ伏せに転がって…、
身体を引きずるようにして両手を地面につき、首を持ち上げ、獣のようなうなり声をあげて、こちらを威嚇している!
そのハンターの驚くまいことか。彼はすぐに逃げ帰ってこれを通報し、男は無事に保護された。
ちなみにこの保護作戦には、当時の永川も参加している。
保護された男は重傷を負って衰弱していたが、その傷もいくらか治癒し始めており、命に別条はなかった。
ただ、精神状態が健常でなく、自分自身が何者なのか、いつ、どういった経緯があったのかを語ることができないため、これが一体、いつ行方不明になった誰なのか、確認作業は難航すると予想されていた…、
しかし、意外にも、この問題は一両日中に解決した。というのは、信頼性の高い目撃証言が出たのである。
スラィリーハンター協会には、ハンターが山へ入る際に記入が義務づけられている台帳が存在する。
つまり、なにか疚しい事情がない限り、ハンターはこの台帳のために一度は協会を訪れることになるわけだが、この台帳の窓口を担当していたアルバイトの女性が、彼の顔を覚えていたのだ。
彼女とて、毎日、多い日には十数人もやってくるハンターの顔をすべて記憶しているわけではないが…、この男はたまたま顔立ちが整っており、人目をひくレベルの美形だった。そのため、それとなしに目に留まったのだという。
そうなれば後はこの台帳との照合で、この男がひと月前に山へ入った四人組の、死んだと思われた三人のうちの一人であることが判明するのに時間はかからなかった。
つまり、傷を負いながら、1ヶ月もの間スラィリーに殺されなかったのみならず、その保護を受けて生きていたことは、火を見るよりも明らかだ。
さらに言えば、子育て中の母親は元々のスラィリーの性質に輪をかけて凶暴であるにも関わらず、である。
この奇跡のようなニュースは、当然、広島の街を大いに驚かせた、が…、この事件にはもうひとつ、看過することのできないポイントがあった。
保護された男の負っていた傷は、単なる外傷ではなかった。なんと、銃創だったのだ!
おお、作者さん新作乙です〜
何だ仲間割れか!? ミステリー展開ktkr
杜の都より帰還致しました
長谷川が浮浪者じゃなくなっててなんか物足りんかったw
今日の捕手が倉だったらこのスレ的には面白かったのに
>>97 お言葉に甘えさせて頂いて…再うpよろしくお願い致します
保管庫掲示板の方でお待ちしております
お手を煩わせて申し訳ないです
>>98 新作投下乙ですよ!!いつも楽しませて頂いてます
お気遣いありがとうございます
ともあれ雨野が完投しなくて良かったです
何かすごい展開・・・毎回良い所で切るのうw
そして6月なのに鯉が昇ってキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!
応援したいけど中日が落ち気味だから笑って見てられん・・・
鯉さんAクラスおめ!
永川が順調にセーブ増やしてるな
仲間の仇となったスラィリーをしかと仕留め、九死に一生を得て生還した英雄は、一転して殺人未遂の容疑者となった。
当然、残る二人も事故死ではなく殺害された可能性が浮上、余罪を追及すべく警察は男を病院から拘置所へ移した…、
しかし、ここまでだった。
本格的な取調べが始まった翌日。看守が目を離した隙に、男は首を吊って死んでしまったのである。
後にはスラィリーの巣穴から保護された男だけが残された。傷は順調に回復したものの、はじめ一時の錯乱かと思われた精神状態は一向に回復の兆しを見せず…、おまえは誰かと問われても、要領を得た答えができない。
ただひとつわかったのは、ハンター協会の台帳に残されていた名前だった。長谷川昌幸と記入があった、少なくとも協会を訪れた時点で、自分の名前を漢字で記入する能力を有していたことは確かだ。
しかし現住所欄には、ただ茨城とだけ書かれていた。正確な記入が面倒だったのか、あるいは元々、住所欄に書けるような定まった住所を持たないのか…、いずれにせよ、これでは探しようもない。
それでも、その地名をもつ地域の大半を支配下に置く幕張に対し一応の問い合わせが行われたが、返ってきたのはただ、同名の捜索願は出されていないという回答だけだった。あとは茫洋として手掛かりはなく、捜査は必然的に打ち切られた。
心身に傷を負い、異郷にただ一人、おぼろげな存在となって世の波間を漂う彼の噂が倉の耳に入ったのは、ちょうどこの頃のことだった。
☆ ☆ ☆
「できることなら、元いたところに返してやれないものかと私は思いましたが…、収容先の病院の院長が知人でしてね、彼に頼み込んで一度面会を果たし、すぐにそれは不可能だと悟りました。
何せ、病室のベッドと壁の隙間に潜り込んだきり、終日、ほとんど出てこないのです。極度の人間不信でした。
それを仮に外へ出したところで、社会復帰などできるわけがありません」
倉はあくまで事実を述べるにとどまり、憶測を語らなかったが…、つまり、スラィリーを仕留めたのち、その利益を寡占しようとした仲間に撃ち殺されかけたと、そのように聞こえる話だった。
そういえば…、スラィリー猟では他人とは組まない、と永川も言っていたことだ。
一攫千金の男の浪漫とも言われるスラィリーハント、その闇の部分を垣間見た気がして、森野は不意に寒気を感じた。
作者さんおつー
新作乙です 大量投下うれしす
>>122 何かすげえかっこいい
イケメンだから覚えられてたのかw
しかし、てっきりスラィリーに能味噌を吸われておかしくなったものと思っていたが
そういう事だったとは…続き気になるぜ
長髪ばっさり落として復活の兆し見えたみたいだね、ハセガー。
しかしここではエライコトになっとるwww
スラハザすげえおもしろいwww作者さん乙です!
こんなスレがあったとはww
「帰り際、院長に、今後どうなるのかと尋ねましたら、やはり長くは預かれないという回答でしてね。
確かに身体が回復している以上、次の患者が待っていますから、病院としては早く外へ出したいというのも理解できます。
それに、何分、さっき申しましたような有様です、食事をさせるのにも大変な手間がかかりますし、無理に言うことを聞かせようとすれば暴れますしね。病院のスタッフもだいぶ疲弊しているようでした。
院長の言うには、ちょうど民間の研究機関から、彼を引き取りたいという打診があったとのことで、
それは願ってもないが…、しかし彼の現状を考えれば、介護に慣れた人間のいない、また監視の目も届きにくい場所で、一体どんな扱いを受けるか、と」
倉は言葉を切って、目で森野に同意を求めた。
「…勿論、悪く考えたくはありませんでしたが」
「確かに、想像はつきます」
平常に暮らす市民でさえ、ややもすると満足な医療を受けられないこともあると言われる広島だ。研究対象として価値があるとはいえ、身寄りのない精神病者の人権がどれだけ尊重されるかは疑問符のつくところである。
「ということは、それで」
「ええ、帰って一日考え、翌日、私がお引取りしますと申しました。
当寺では…、スラィリーハントに関わった、無縁の仏様の御供養もしておりまして。亡くなったものはお引き受けしているのに、生きているものを捨て置くのではね、いけませんから」
「なるほど……」
その志に森野は感動を覚えたが、永川はいかにも興味がないといった様相で、おそらくここ数日を供え物として過ごしたのであろう、幾分みずみずしさの失われた小さなミカンを剥いている。
そして話題の人、マサユキはと言えば…、ただ話に相槌を打つばかりの森野を観察することに飽きたのか、専心に枝毛を探して毟っては、畳の上へ払い落としている。
永川〜!糖分とり過ぎ〜〜!!!
長谷川枝毛毟ってたからあんな髪型になったのかwww
被害者なんだけど…
なんて面倒見甲斐のないヤツ…w
留守番ドアラは何してんだろ・・・
さっさと寝てるかw
はじめタカユキだと思って読んでてなんか変だと思った
タカユキっていうと大島かw
いや倉と言えば長谷川だろと思ったけど
それももうだいぶ昔の話だもんな
今だから言うが、倉の部屋から覗く影って時点で
「あぁ石原か・・・」と本気で思ってたwww
>>134 倉といえば長谷川kwsk
上にあるバーカ発言も教えて欲しい
>>135-136 石原にこの役をあてたところを想像してしまった
シリアスに書ける気がしない
保管庫板でリクエストをくれた人も書いてた通り、長谷川は誰と仲がいいとかそういう話があんまり聞こえてこない人で、
同期入団はあの 鈴 衛 を最後に全滅、同級生も勇者ひとりしかいません。
まあフィクションなんでどこへ出してもいいと言えばそうなんですけども、
>>134さんと同じ発想で、ここは倉さんの厄介になることにしました。
〜他ファンのための3分でわかる倉と長谷川〜
昔々、鯉の二軍に、ひとりの投手とひとりの捕手がいました。
投手はハセガーといい、高卒入団で、素材はすばらしく、将来を嘱望されていましたが、二軍の帝王の地位に甘んじる日々が続いていました。
捕手はクララといって、大卒入団で、上で瀬戸西山がパッとしない争いを繰り広げている中、即戦力として期待されましたが、二軍でも通用しない打撃が課題となり、一軍への道は到底開けそうにありませんでした。
そこで彼らは考えました。一人一人の力では一軍昇格は難しいが、二人揃ったときに普段以上の力が出るよう、二人で練習を積んで呼吸を合わせたらどうだろうか、と。
そうは言ったものの、ハセガーは気分屋で、クララは大変苦労しましたが…、この作戦は当たりました。
しばらくのち、ハセガーは期待の新星として、クララはその専用捕手として、見事一軍切符を手にしたのです。
その後の二人はというと、クララがハセガーの気分によって賞賛されたり、年上なのに罵倒されたりしながらも、末永く一軍で幸せに暮らしましたかというとそうでもなく、
いろいろあって未だに正捕手にもローテーション投手にも定着できていませんが、とにかくそういうことがあったのでした。
終り
>>137 ちょっと脚色してますけど大体こんな感じだったと思います
梵=悪たれ小学三年生
長谷川=わがままお嬢
の印象がある
「自分の噂をしていることは…、分かっているのでしょうかね」
「おそらく分かっていないでしょう。近頃はもう、この寺へ来る前のことは思い出せないようです。
そのかわり今では、人を嫌うことも、暴れることもなくなりましたし、身の回りのことは大体自分でできるようになりました。そういった意味ではね、スラィリーの巣穴から生まれてきたという表現も、あながち間違いではないかもしれません。
時折悪戯をするのは困りますが…、普段は大人しいものです、あれで可愛いところもありますしね。
ただ、お参りにいらっしゃる檀家さんには、やはりご不便をおかけしているとは思いますけどね…」
倉は言葉を濁したが、ご不便というのはつまり、足が向きにくいということだろう。無理もない、と森野は思った。
改めて見れば、無精ヒゲを生やし、頬はこけ、目だけがギョロリと輝いていて、髪は荒れ放題、その長く伸びた髪を纏めるためなのか何なのか、頭には紐が巻かれている。
ほつれた浴衣のはだけた胸元には浮いた肋骨がはっきりと見え、腕も脚も、ちょっとしたことで折れてしまいそうに細い。
そして、先刻よく見えなかった長い羽織は…、振袖だ。わざわざ選んで着せているとも思えないから、本人が気に入っているのだろうか、これも、かなり傷んでいる。
総じて一言で表すならば、やはり、見た目からして気持ちが悪い。
しかし、それらの要素を廃して見れば…、先の話にもあった通り、おそらく、まともなら端正と思しき顔立ちである。
「差し出がましいようですが、もう少し装いを整えてやれば、少しは印象が違うのでは」
「いえ、あれでいいのです。髪を切ろうとすると嫌がりますし…、何も好きにしてやれませんからね、せめて着るものくらいは」
「まあ、あれだ、兄貴。あいつの話はそれくらいでいいだろ」
これまでほぼ沈黙を守っていた永川が、顔を上げず、太い指でミカンのスジを一本一本ちまちまとつまみながら、苛々した調子で割り込んだ。
その声色、そして表情からは…、倉とは違ってマサユキに対し一遍の愛情もないことが、部外者の目にもありありとわかる。森野は戸惑った。
自分で話を振ったうえ、俺には関係ないと言っておきながら、今になって何がそんなに気に入らないのか、このとき森野には理解できなかったのだ。
「そろそろ本題に入らせてもらう、土蔵の鍵を貸してくれ」
必要以上に綺麗になったミカンを丸ごと口へ放り込み、ガタンと音を立てて立ち上がると、永川は頭上から倉を見下ろし、左手を出してそう言った。
途端に、倉はさっと表情を険しくする。
「…何に使うんだ」
「とぼけんなよ。いつその時が来てもいいように、覚悟決めとけつったのはあんただろ。今がその時だ」
「……」
「ほら、早く」
「…そうか、その時か…、」
「そうだ」
倉はゆっくりと立ち上がり、脇にあった戸棚を開け、そこから小さな箱を取り出すと、それを永川に渡しながら言った。
「…やるのか、英心を」
…搾り出すような倉のその言葉に、森野はハッとした。世間を度々震撼させるスラィリーマスターは討つべきものに違いなく、また自分には賞金が是非とも必要だが…、しかし、この人にとっては…。
「そうなるかもしれない。ならないかもしれない。あっちの出方次第だな」
そう言われて何も言い返せず、倉は視線を落とした。その表情を見て、森野は慌てて口を挟む。
「おい、永川、」
「黙ってろ」
今ここできっと大丈夫などと口約束はできない、永川の言っていることは間違っていないが…、しかし言葉が冷徹すぎる。そう思ってはみたものの、一撃ぴしゃりと撥ねつけられ…、森野も結局黙ってしまった、そうするより他になかった。
この場において、森野はどうしようもなくよそ者なのだ。二十年をかけてここに蓄積されてきたものを森野は知らない。語るべき言葉がない。
しかし…、仮にそれがあったところで、一体何を語れるだろうか。精一杯に言葉を捜しながらじっと永川を見上げる倉の痛々しい横顔を見て、
なおかつ自分がその立場に立ったとき、この永川に正面から対峙できる自信など、森野には持ち得なかった。
保管庫先生へ
>>142 「無精ヒゲを生やし、」を削って下さい
絵師さんが描いて下さったのがすごく気に入ってるのでそれに沿いますw
>「そうなるかもしれない。ならないかもしれない。あっちの出方次第だな」
でつい連想してしまったこと
( ´倉`)「永川!永川!」
| ´」`|?「なんだい」
( ´倉`)?「永川は英心をやるのか?」
| ´」`|「そうなるかもしれないし、しないかもしれないよ」
( ´倉`)「えー」
|;´」`|「そんなにして欲しいのかい?」
(*´倉`)「…うん」
| ´」`|「じゃあもう少し頑張ってみようか」
昌のやつの改変か?
昌も別のコピペの改変だ
つかナガカー頑張っちゃいかんだろw
ナーはほんとに厄介な性格してるな
全員そこそこの幸せを手に入れられますように
トェェェェイ
ナガカーのいじけ虫!
広島ファンはなぜ8回にNG川投入を希望するのか?
「なんだよ、その顔。俺が悪いのかよ。悪いのは英心だろ。違うのか」
「それは違いない、何も異論はない、が…、なぜ今、このタイミングで。最近は、さほど暴れまわってる話も聞こえてこないのに」
「東南の風が吹いたんでね。急いで乗らなきゃならないんだ。
それに何だって、近頃はさほどでもないって言った?今年、あいつのせいとわかってるだけでも、すでに何人か犠牲になってるぞ、怪我人はもっといるだろうな、それが大したことないってのか。随分だな」
「それは…」
「前はもっと殺していたのが、これでも大人しくなったんだから皆さん我慢して下さいってか」
「……」
「そうなのか、何とか言えよ!」
突如、何かのスイッチが入ったかのように苛烈な言葉を次々に浴びせる永川に対し、倉はじっと黙ったまま、そして表情を動かさないままに、どうにか視線で対抗している。
確かに…、暴力的に降りかかる正義に対して彼のできることと言えば、ただその首を縦に振らないことくらいだろう。
その目を見据えて永川も黙る。視線に火花が散る…、が、勝負で言えば、すでに土俵際である。いつ押し切られるか。今か。それとも三秒後か…、その視線が突然、遮られた。
いつの間にか、音も立てずに脇から出てきたマサユキが、間にのっそりと立ち塞がったのだ。
「なんだ、お前」
「…アニぃをいじめんな」
「引っ込んでろ。お前には関係ない話だ」
「は?何それ、お前何サマ?」
「何でもいい。どうせ言っても何もわからないくせに、しゃしゃり出てくるな、どけ!」
「どかねー!てめーうぜぇんだよ、でけー声出しやがって!」
「マサユキ、止しなさい」
少しの間、呆気にとられていた倉がハッと我に返り、背後からマサユキの両肩を掴んで引いた。しかしマサユキは下がろうとしない。
「ほら、アニぃも言ってんだろう。言う事聞けよ」
「な、気にしなくていいんだ、お前には関わりのないことだからね…、」
(;´Д`)アニぃ・・・響きに萌えるハァハァ
浮浪者VSナガカーktkr!
つか東南の風ってナガカーテラ孔明wwwww
うっ…長谷川のくせに可愛げがある…
倉は必死の様相でマサユキを諭した。永川の性格、そして永川がマサユキを何とも思っていないことも、倉は百も承知である。
このままにさせておいたら、マサユキは元より、永川も何をするかわからない。とにかく力ずくで引き離すべく、倉はさらに腕を伸ばし、マサユキを抱え込もうとしたが…、
マサユキは身をよじり、その手からスルリと逃れると、突き出した両腕で、倉の胸板をドンと衝き飛ばした!
「あっち行ってろ!バァーカ!!」
「マサユキ!」
後ろへよろめきながら倉が見たその瞳、狂気に曇った瞳には…、しかし同時に強い意志も宿っていた。
事情のわからないマサユキの目に、高圧的に怒鳴り散らす永川、そして黙り込む倉の姿が果たしてどのように映ったか。想像するに難くない。
ただ気にしないでもいいなどと言われても、納得がいくはずはない。理不尽な思いが募るばかりだろう。
彼は彼なりに、突如降りかかった災難から、大事な人を守りたいのだ。少しばかりやり方が雑になったとしても、たとえわが身を挺しても!
…その庇いあう姿が余程カンに障ったらしかった。永川は鼻の頭に皺を寄せ、憎々しげに顔を歪めると…、チラと森野の顔を見て、不穏な声でこう言った。
「…そうだ森野、面白いもん見せてやるよ。こいつには真空管ってアダ名があってな…」
「…勝浩、」
その永川の言葉を聞くや、倉は大きく目を見開いた。これから来る危機を察知したのだ。
そして力任せに、引きずり倒してでも、マサユキをその場から退かそうとした…、しかし一瞬遅かった!
「やめろッ、」
その悲痛な叫びを切り裂いて、バチィン、と衝撃音が響いた。
やっ、やっちまったんか
バァーカ
キタ━━━━━━━━━!
こんなシリアスな場面でバァーカwww
しかしナーやべえくらいキレてんな。
火曜水曜の対戦中、ここがちらちらしちゃって笑いを堪えていた熊ファンです。
出来れば共用スレで、鯉ファンさんとお話がしたかった(´・ω・`)
鯉はいつもいっぱいいっぱいで戦っているので
共用スレで応援してると
いっぱいいっぱいのあまり自分が相手に配慮しないレスしてしまわないかなと思ってしまってw
163 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/06/05(木) 21:25:26 ID:9GOVVd8C0
あ
「うあっ」
丸太のような腕で横づらを思い切り張り飛ばされ、体重の軽いマサユキは、為すすべもなくその場に崩れる。
「勝浩!何をするんだ!!」
「聞き分けのないガキみたいのにちょっと一発ビンタ張ったくらいで、ギャーギャー騒ぐなよ。昔っから何でも過保護なんだよ兄貴は、だから英心も我侭になっちまって。
そのバカには随分優しいくせに、顔も知らない他人の命が奪われるのは気にならないのかって聞いてんだよ、それとも何か、加害者が自分の弟だからか!?」
「な、永川…、」
「まあ、見てな」
畳に座り込んだまま少しの間、マサユキは微動だにしなかったが…、やがてユラリと頭をもたげると、頭上から自分を覗き込む顔を順番に確かめた。
そして。
「…、あ、勝浩か…、久しぶり、だな…」
これに森野は驚いた。一言一言を探すように、ゆっくりとした喋りだが…、その口調は今までとは明らかに違っている。
しかも、久しぶりだなんて。今までここで繰り広げられていた何もかもを、忘れてしまったような口ぶりだ。
「あら、お客様もいるんじゃないか…、それなのに、俺、寝ちまってたんだな。寝すぎて頭がぼーっとする。アニぃも、もっと早く、起こしてくれたら良かったのにさ。…ああ、喉が渇いた」
それだけ言うとマサユキは、畳の上を這うようにして机の前まで移動し、そこに乗っていた飲みかけの瓶コーラのうち、一本を取って飲み干した。
「俺さあ、変な夢見たんだよね。言ったら勝浩は怒るかなあ、でも夢だからさ。アニぃが勝浩に殺される夢見ちまったんだよ。怖かった」
マサユキは眠っていなかったのだから、勿論、それは夢などではない。では何かと言えば、きっと、先程までのマサユキの頭の中にあった心理風景だろう。
彼の目から見た世界は、実にそこまで差し迫っていたのだ。先刻のマサユキの必死の姿を思い出し、森野は胸の絞めつけられる思いがした。
「…そんなこと、勝浩がするわけないだろう?」
「わかってるよ。だから夢だって言ってんじゃん。あー、でも、」
平静を装いつつ優しく否定する倉の言葉を撥ね退けて、マサユキは勝浩の顔を見た。
「なんか今日の勝浩は、ちょっと怖い顔してんな」
「馬鹿言うな。そんなこたねぇよ」
指摘を受けて永川は一瞬不意を突かれたような顔をしたが、すぐにあの人懐こい笑顔を作って見せた。しかしマサユキは笑わない。
「いま笑っても無駄だぜ。おまえさ、誰か…、うん、誰かを、殺すかもしれないと思ってんだろ」
「人聞きの悪いことは言わないでくれないか?」
「じゃあ殺すって言い方はやめようか。その誰か、そいつが死んでも仕方がないと思ってる」
睨むような目つきで、しかし口の端に僅かな笑みを浮かべ、マサユキは断言した。そんなことを言ったらまた永川が乱暴を働くのではないかと森野は内心冷や冷やしたが、しかし永川の対応は冷静だった。
「…バカバカしい。そんなの、スラィリーハントの世界じゃ当り前だ。まして、マスターを相手にするんだ、手加減してる余裕があるか。
じゃあ兄貴、鍵借りるぜ、森野はちょっとここで待っててくれ」
「あ、こら待ちやがれ、話がまだ終わってねぇんだよ…、」
立ち去ろうとする永川の背を追ってマサユキは立ち上がった、そして早足に2、3歩歩いたが…、そこで足を止めてしまった。
「頭が、痛い…、」
「…いかん」
倉が急いで駆け寄り、マサユキの痩せた身体を抱えようとしたが、それにも気づかないかのように、マサユキはまたバタバタと足を進めた。
たった今追いかけようとした永川すらも、もはやその視界には入っていないらしく、見開いた目はひたすら宙を見つめている。
「あ、ああっ、痛い、痛いよッ、脳味噌がぶっとんじまうよ…、」
ハセガーに何が起こったんだ??
作者さん乙っす!
ハセガーにはなんか深い事情がありそうで気になる。(´・ω・)
倉が再び駆け寄ろうとした瞬間、マサユキはがくりと膝をついた。そして…、
「…あっ………」
消え入るような声をその喉から漏らし、グルリと白目を剥くと…、テーブルから落ちるグラスのように、顔からその場に崩れ落ちてしまった。
「だ、大丈夫か、おいっ」
偶然、倉よりも傍にいた森野が、軍で鍛えた反射神経を発揮してその身体を抱きとめたが…、マサユキはぴくりとも動かない。
「どうも、申し訳ございません。…気を失っているだけです、ご心配なく」
「しかし、ど、どうしたら」
「そこへ降ろしてやって下さい」
「そこって…、畳の上に降ろしてしまっていいのですか」
「じきに目を覚ましますから。…勝浩の言っていた、真空管の意味はおわかりになりましたね」
「は、はあ…」
倉に問われ、森野は戸惑いながら返事をした。…殴ると、少しの間、まともらしい振る舞いをする。つまりは、それだけの意味だろう。
「でも、わざわざそれをお見せしたかったのではなくて、その後必ずこうやって倒れることまで考えて、勝浩は、こうしたのでしょう…」
森野の手から受け取ったその軽い身体を、倉はうつ伏せのままゆっくりと丁寧に畳へ降ろした。
そして森野がふと見ると、すでに永川の姿はない。騒ぎに乗じて、行ってしまったらしい。一度殴打したのちの永川が妙に落ち着いていたのは、こうなることを見越してのことだったのだ。
「布団に寝せてやったほうがいいのでは?軽いですから、どこでもお運びできますよ」
「有難うございます、しかし、いま間違って起こしてしまうと、暴れて大変なのでね。自然に目が覚めるまで、置いておくしかありません」
畳の上に安置されたマサユキの姿を、森野はふたたび眺めた。
長く伸びた黒髪を散らし、身を捻って畳に伏すその姿は、ちょっと見ると女のようでもあり…、よく見ると雑巾のようでもある。
>>169 乙です。つうかこのハセガー本気で呪術師に見える…
次々面白要素が出てきて飽きない・・・
というか物語を書けて絵も描けてってホントに器用ですよねw
雑巾のようでもあるってヒドスw
長谷川は、倉にはかなり懐いてるんだな。さすが選手会ちょ…いや梵倉寺住職
>>174 弟たち個性ありすぎワロタ
>>174 wwww嫁めとるまでのハードルが高そう
住職がんがれ超がんがれ
せめて全員妹なら微妙に幸せそうなのに…南無〜
作者さんも絵師さんもすごい想像力だな 尊敬するわ
どこまでこの世界が展開するのかwktk
保守
保守がわりに
保管庫195の
>著名なドアラマスターの数は世の中に決して多くなく
を見返して中日広報・石黒さんのことを思い出した
ある意味では森野以上にドアラのパートナーと言える石黒さんもドアラマスターの一人なんだろか
そう思って一人ニヤついた土曜の夜
俺キメエ
Λ_Λ
( ´w`) //ホーシュ
〜〜〜(二 つつI=くニニニ二二二二
/ /〉 〉 丶\ブシャーーーーーーッ
(__)_)
>>181 石黒さんにはマスターよりも親のようなふいんきがするw
石黒さんは飼育係とか調教師みたいな感じ
交流戦後半になってからいつもカープに戻ってきたな…
ホント毎年毎年同じコトの繰り返しだ
誤爆
保守かわりにピロスレでのやりとり
442 代打名無し@実況は実況板で sage New! 2008/06/07(土) 21:11:27 ID:WQVr7rPg0
スライリーの小さいイの出し方がわかんない
443 代打名無し@実況は実況板で sage New! 2008/06/07(土) 21:13:31 ID:+Ut8TUKv0
>>442 「xi」でOK
444 代打名無し@実況は実況板で sage New! 2008/06/07(土) 21:16:54 ID:WQVr7rPg0
スラィリー
ありがとう!出せました!
ドアラブリーダーってことは、ドアラを産ませ育て、また増やして優秀なドアラを生みだしていく人…ってことなのだろうけど、
めすスラィリーってのはなんかわりと想像しやすいのだが、めすドアラってのは想像できなさすぎるw
ライナ・・・
繁殖能力が低くて絶対数が少ない、
パンダみたいなのを想像した>ドアラw
そうなると、中国のパンダセンターみたいなので
子ドアラがわらわらと石黒さんに群がるとか
かなりキモイ・・・
その中でもひときわキモかわいくて動きが変な一匹のドアラが
ある日飼育舎を抜け出して、フリーダムに遊んでいたとき
出あったのが森野で、ドアラは瞬間的に兄弟とでも認識したんだろうか…
>>191 ♪ある〜日
森の中〜
森野さんに〜
出会っ〜た
ということですね。
その場合、師匠はどういう立ち位置なんだろ?
「ドアラのひみつ」にも「ドアラ☆チック」にも師匠への言及がなくて寂しいのだが…
作者さん抜きにして話が広がりすぎだろうw
また煽りスレかと思って開いたら、なんだこの良スレは・・・w
>>188 ドアラは単体で繁殖できる
仲間が欲しくなるとキモくもキレの良い動きでサンバを踊り始め
一曲踊り終わるとしっぽがパカリと開いてそこから子ドアラがフリーダムに生まれてくるらしい
うちのじっちゃんが言ってたから間違いないw
ゴールデンドアラが女王蜂的な存在じゃないのか
女かどうかはおいとくとして。
ドア〜ラさんはサンバを踊ってる〜♪
スラィリーマスターの調子が一向に上がってこないので
いっそこの身を生け贄としてスラィリーに捧げようか…
>>202 それ、マスターじゃなくてスラィリーの調子が上がるだけじゃね?
二日かかってやっと追いついた、すげーな
量もすげーしクオリティも
書いてる人のスペックが知りたい
保管庫に質問スレがある
でもまああんま詮索しないほうが楽しいんじゃないか
>>204 右投右打 北海道出身 27歳(河内世代)
興味持ってもらうのは多分有難いことなんだと思うんですけど、
>>205さんの仰るとおりで、
どんな奴が書いてるのかが見えてしまうと先入観につながると思うので、このくらいで勘弁を
保管庫の質問スレは一人で占有していて正直書き込みづらい空気出しててすいませんw
>>201 青〜いからだをくねくねさせている〜♪
あ、歌に食いついたせいで本題書くの忘れた
仕事がマジメにやんないとまずい風になってきたので
しばらく大幅ペースダウンします、お手数ですが保守願います
作者さんと同い年だったw
お仕事乙です保守
栗原世代と書かずあえて河内世代と書く作者さんの男気に感動した
210 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/06/11(水) 15:13:36 ID:LlRuJIPP0
age
保守
これやばいだろww<名古屋さん
嶋、久々に見たら2004年位には痩せてたけどな
>>212 顔のラインが・・・w
太りやすい体質なのか。
名古屋さん…まあ足痛めてたら動けんから嶋るわなwww
今ならチャリ一人余裕で重量オーb(ry
>>217 嶋は痩せさえすればまた3割打てる
そう思っていた時期が(ry
221 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/06/13(金) 16:02:01 ID:h64WN85GO
倉
222 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/06/13(金) 16:06:57 ID:TeoO13bNO
保守してほしゅい!( ´w`)
>>223 カエリマスヨー[ー。ー]つ<<< ´w`)
中佐、忙しいなw
あんまり中佐を酷使するなよ、足痛いんだから
名古屋軍は壊滅状態です.....
228 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/06/14(土) 16:50:33 ID:cilJyIjE0
中佐は療養中さ!( ´w`)
まさゆき&兄コンビ堪能して保守
マサユキ…実はできる子だったんだな
ヒーローインタビューで初めてちゃんとマサユキ見た
美形なのに髪切っちゃったんだな
>>228 カエリマショーヨー[ー。ー]つ<<< ´w`)
名古屋軍の試合中継後に広島の試合中継してたんで途中まで見てた。
ハセガー凄いな、男前だし。
いいだろ?
あげないよ
アニぃも大活躍だったな
アニぃ優しそう…
感動した!
永川100sおめでとう!
17 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2008/06/15(日) 16:00:55.93 ID:gYMLOJzK
(・梵・)勝ちゃんおめでとう
|´」`|当然だ。なんせ俺様だからな。
(@梵@)・・・・・・・・・
ナガカー、おめ!
,.へ
___ ______ ム i
「 ヒ_i〉 .. / \ ゝ 〈
ト ノ . | C | iニ(()
i { イ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ノ | ヽ
i i. | ′ ( ` | i }
| i | / 、 .| {、 λ
ト−┤ | ヽ_ノ .| . ,ノ  ̄ ,!
i ゝ、_. | トェェェェイ | ,. '´ハ ,!
. ヽ、 `` 、 \_____/ " \ ヽ/
\ノ ノ ハ ̄r/:::r―--―/::7 ノ /
ヽ. ヽ::〈; . '::. :' |::/ / ,. "
`ー 、 \ヽ::. ;:::|/ r'"
/ ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
| 答 | 1 0 0 セ ー ブ │|
\_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ
>>240 そのAA見ると、ら様しか思い浮かばないです_| ̄|○
なんで倉が兄役なのかと思ってたけど、
>>236の表情見たらなんか納得
この板における居場所がここしかない。
そんな横浜ファンがここにいるorz
そういえば横浜登場してないな……
海軍最強の幕張、とかはちらっと出てたけど
見られたよ
携帯からだけど
>>236 の写真はなぜか二枚目だけwwwのつぎに2が欠けてるんだよね。
これを足すとみれると思うよ。少なくとも私は見れた。
井端sageとな。ホントに中佐が療養中さになっちゃったんだな…
名古屋さんもまだ試合復帰はできないし、
ビョン吉将軍もケガでsageだし
リアル名古屋東基地もスラハザ世界と同様に大変だな…
いったいどんな会話をしてるんだろう…。
253 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/06/18(水) 10:27:23 ID:+KNxepLOO
保守ですぞ
お師匠さんと荒木大尉が
リアル世界では先輩後輩だということを、今さら思い出した
捕手がてら
某○専のアイドル、建さんの首は平気なのでしょうか?
・・・D専で建さんがアイドルなんですか?
>>258 D専では深夜になぜか広島選手に萌える人が数人登場する
建さん、広池、前田ネ申あたりが多い印象
>>259 おぉありがとうwww
真夜中のD専カオスwwwwwwwwww
>>259 D専の深夜メンバーの間では広い毛日報も読まれてるのかな
雨の日のこいせんでは広い毛日報名物連載「入団への道」で盛り上がるけど
D専はなぜか鯉さん好きが異様に多いよねw
もしかしたらスラハザ効果もあるかも?
こないだは、でもこれはD専からこいせんへの片思いだなあって会話してたよ
そうかな?
こいせんには昌さんとか岩瀬とか井端や荒木とか森野とか谷繁とか落合さんとかに好意持ってる人多いよ
さんざんやられてるけどw
スラハザ効果が一番大きく出てる選手はたぶん山崎じゃないか、ていうか俺がそうなんだけど
元々顔もよく知らなかったのが、今じゃ二軍の結果気にかけてるからな…
>>264 雁ノ巣に行くとよく出てる。
ちょっと嬉しいのだが、「ここにいていいのか?」と心配にもなる。
>>264 あー確かにスラハザ読むまでは隠し玉とミッキーなでなでの人ぐらいにしか思ってなかったが
最近試合に出てるとwktkしてしまうD専住人の俺www
両マスター調子悪いね(´・ω・`)
深夜D専で建さんの取り合いをしてるひとりは自分だ
こないだのD専から鯉さんへの片思い論はワロタww
268 :
代打名無し@実況は実況板で:2008/06/19(木) 17:03:05 ID:IpIKl6VWO
>>264 俺も山崎はここの影響だw
鯉は元々好きな選手多くて気になってたけどスラハザのおかげで幅が広がったと言うか・・・
竜ファンになる前に鯉のこと色々知ってたら鯉ファンになってたなと思うほどになった
>>267 ナカーマww
でも12球団のファンがいるか挙手をとってみたい気分なんだぜw
スレ立てられず困ってる猫専の人がくれば代わりに立ててやり
荒れる自スレに心を痛める巨専の人がくれば温かく迎え入れ
ときには好きなゲッツーコースの話題で100スレ以上も盛り上がり
ヨネにはお茶をいれさせる
D専ってそんなスレ トェェェイ
>>270 自分やくせん住人なんだけど
D専でも「ヨネ、お茶!」って言われてるの見てお茶吹いたww
コーヒー屋なのにお茶なんだヨネ
>>270 3行目 ×スレ→○レス さすがに100スレ以上はねーわ
>>271 勝手にこき使っててサーセン
>>273 野球chの皆様にお茶をお届けするのがヨネの本職です。
存分にこき使ってくださいw
そんな自分もやくせん住人ですが、荒木大尉とマサユキが
最近気に掛かって仕方がありませんw
本物のお茶屋の小池さんが来たから
ヨネはお役御免かも。・゚・(ノ∀`)・゚・。
>>269 ひとまず熊です挙手ノシ
札ドの対広島戦で無駄にニヤニヤしちゃったのは秘密だ
>>269 檻ファンが挙手ノシ
我等がごっつや川越さんが登場するかちよっとwktk
☆ファンですがノシ 横浜軍は話に出すまでもないですかそうですか…w
そういや今月広島に旅行に行って、市民球場でカープ−オリックス戦を見た。
残念ながらカープは大敗でしたが、カープうどんが食べられて満足。
食べそびれたけど、ビニール袋入りのかき氷もおいしそうだったな。暑い日だったので。
鯉ファンの自分にとっては、スラハザはすごく面白いけど
他ファンが読んでも面白いのか?
兎だが普通に面白いぞ
この板にいるような人は他の球団のこともそれなりには知ってるだろうし
後は肌にあうかあわないかだと思う
>>279 D専の俺は楽しみにしてますよwてか今年カープツヨスwww
熊ですが凄く面白く読ませてもらってますよ。
もともとセでは鯉好きってのもあるけどね。
多分このスレには鯉さんの次くらいに多いと思われる竜ファンだが、毎回楽しみにしてます
自球団の選手以外もどんどん好きな選手が増えていくw
鯉ファンでしたが、このスレの影響で竜ファン兼任にクラスチェンジしました
俺は元々鯉好きな竜ファンだったけど、ここのおかげで鯉ファン兼任にw
鴎だけど、いつも更新楽しみにしてるぞ。
ここまで
兎 ○ 熊 ○
竜 ○ 鴎 ○
虎 鷹
☆ ○ 鷲
鯉 ○ 猫
燕 檻 ○
人数は知らん
セファンなので、パの略称間違ってたらすまぬ
鷹ノシ
ドアラに癒される…。
贔屓チームの垣根を越えた憩いの場と化してるな
カープの負けが込むとここに来て現実逃避してる
燕ですノシ
初代スレからずっと愛読してますよ。
猫ですノシ
マサユキかわいいよマサユキ
虎ですノシ
良太の兄の登場を待ってます
マサユキスゲー
史上最も人気のある雑巾系かも
リーチ鷲待ち
鷲ファンですよノシ
今日は残念だ〜
ツモ、十二球団、役満!
マサユキとにーちゃんの話もっと読みたいなあ
ふだんの様子だけでも面白そう
作者さんのキャラづけ最高だわ
おお、全部揃った
願い事は「新作投下」ですな
作者様のご都合もあるし、マターリ待たせて頂きますが
おおっ!さすがにどこかは欠けると思ったが。。素晴らしい。
この結果を見て作者さんが2828してると嬉しいのぅ。
荒木大尉1000発達成か
1発目は建さんだったようだな
荒木大尉オメ!!
またD専で建さんの取り合いになってワロタw
D専で取り合いされても・・・あげられませんよw
観戦セット第四弾で建さんTシャツ出てるから、市民球場まで
お越しください。
あんまり似てないけどw
( ̄弟 ̄)ノ<保守しますよ
保守がてら好きなシーンでも語ろうぜ
先日D専にあがってた
鯉さんの誇るイケメンズ壁紙は宝物です。
竹槍で戦闘機を落とせるかという問いに対する名古屋さんの
答えには本気で吹いた。
荒木がトランプでごまかそうとしたシーン。
ちょwってリアルに声に出した。
上田さんが渋かっこいいところがたまらない…
あとは永川が微妙に黒いシーンは全部好きだ
D専のこいせんへの片思い&おっさん萌えは異常
391 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/23(月) 20:53:24.29 ID:Xe9juj7V
321 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/23(月) 20:49:00.15 ID:IXRTupWk
http://www2.imgup.org/iup632422.jpg こいせんであがってたけどかっこよすぎる
396 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/23(月) 20:54:04.68 ID:4jWjSzF3
>>391 ドラでいう、Qさんとイケメンか?
397 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2008/06/23(月) 20:54:10.13 ID:6ruSormA
>>391 光の速さで保存した
おっさんマニア向け壁紙に使わせていただく
402 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/23(月) 20:54:55.55 ID:PUnjFIM0
>>391 広島フォルダに追加。
建さんといいおっさん萌えにはたまらんわあああ
403 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/23(月) 20:54:57.90 ID:PI55Np2V
>>391 かっけええええええ
>>390 確かに何もなかったな・・・
406 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/23(月) 20:55:24.99 ID:Z0YwID8y
>>391 おじさま(*´Д`)ハァハァ
310 :
続き:2008/06/23(月) 21:04:42 ID:oESlLAdV0
411 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/23(月) 20:56:31.85 ID:TqaiO3K/
>>391 いいなあ
背中がかっこよすぎる
429 名前:どうですか解説の名無しさん[sage] 投稿日:2008/06/23(月) 20:59:33.52 ID:JYnxoTts
>>391 お前に言われんでも即保存
440 名前:どうですか解説の名無しさん[] 投稿日:2008/06/23(月) 21:01:55.52 ID:TrQxSBs3
>>391 待受にしました
一応他板なんだしD専D専言わなくても竜ファンで良いじゃないか
( `仝´ )わしらまだ若いのに、おっさん呼ばわりとは
他球団のファンはむごいのう、ねえ緒方さん
[δ _ δ]ほうよ、わしらまだおっさんじゃないもん、ナウなヤング
じゃもん。
(’。’)(いまどきナウなヤングって・・・)
・・・いや、僕はおっさんでいいです・・・。
お師匠さんの台詞で
「ナーも山ちゃんも英心も可愛いに決まっとる」というのが好きです
あと山ちゃんが初給料もらって喜ぶシーンw
福岡にも気の使い手がいましたねw
>>316 保守がわりか知らんが
さすがにそこまではうざったくないか
竜だからあえて言うのだが
投下もないんだし良いではないか。さげてるんだし。
しかし試合も無いとなるとこう…暇だなあ
なかなか、付き合いが悪いと。
東出「行ってるよ!毎日誘うんだもん!!」
梵「悪くはないけど、たまにね、『しんどいわぁ〜』みたいな時があって。かわいいなぁって。」
でも毎日誘うんですか?
梵「ほぼですね。毎日じゃあ無いですけどぉ〜」
そんなに好きなんですか?東出選手の事?
東出「居ないんだよな、今ほら」
梵「友達少ないんですよ」
東出「同級生とか、飯食いに行く相手な。永川か俺も梵ぐらいだもんな」
>>
山ちゃんも松坂世代だな
名古屋軍は森野失踪の穴をうめるべく秘密ルートで新戦力を確保して大活躍だったようだ。。。。。
>>321 二遊間対談、面白かったらしいね。聴きたかった。
スラハザでもチビの登場はほぼ確定なんだっけ?楽しみだなぁ。
まだ生きてるかはわからないけど東出個人スレから聞けるよラジオ
HA今月号にナーのインタビューが載ってた
言ってることはすごくマジメなんだけど、僕らなんて所詮駒だと思ってますだとか結果がすべてだとか
ここのナーが言いそうなことばっか言ってるからちょっと笑っちまった
>>328 wwwwwwちょwwwwwwwwアニィwwwwwwwwwwwww
マサユキ酷いよマサユキwww
マサユキ君は華道の心得があると見たw
「…それにしても…、」
薄く儚げなその身に宿る、極端に言えばただ着物が一枚広がっているのと大差のない、きわめて淡い存在感が、ただ一発平手打ちされたという事実以上に痛ましさを殊更に引き立て、森野の胸を鈍く抉った。
倉がこうして目をかけ、手をかけていることで、マサユキは危ういバランスを保ち、辛うじて現世の崖に引っかかっている。
しかるに…、そのバランスを永川が、一時的にとはいえ力で崩してしまったことに、森野は衝撃を受けたのだ。理知的で分別もあるように見えた、師に対してあれだけ礼儀正しかった永川が…。
「なぜ、ここまでする必要が」
「先程、この子が申しましたでしょう。お前は誰か殺すつもりだ、とね」
「…ああ、はい」
「あれを言わせないために、こうしたのだと思います。結局言ってしまったのですが」
「というと…、ただ、口を塞ぐためだけに?」
まさか、そんなことで…、森野は驚きを隠せなかった。
てっきり鬱陶しいからつい腹を立て、カッとなって殴ったものと…、いやそれも充分、どうかとは思うが、
そんなもの…、言わせておけばいいのではないのか。
マサユキの言うことに、いちいちそんな口止めをしなければならないほどの信憑性があるとはとても思えないし…、実際に森野自身、あのマサユキの言葉を真に受けたかと言えば、全くそんなことはない。
あれで永川が大人しくしていたのならばまだしも、倉に対して、犠牲を出しているだとか殺すだとか、マサユキの目の前で散々怒鳴り散らしていたわけだから、
改めてマサユキにそう言われたところで、別段、驚くこともなかったのだ。
「こう申しますのも何ですが、彼が何を言ったところで…」
言ったところで、誰が信じるものでしょうか、そう言いかけて森野は口を噤んだ。倉に対しては失言だと気づいたからだが、少しばかり、気づくのが遅い。
しかし折角森野が形だけ憚って見せたその続きの部分を、倉はいとも簡単に口にした。
「ええ、確かに、マサユキの言うことをそのまま鵜呑みにすることはできません。表現は稚拙ですし空想癖もあります、そのうえ、夢と現の区別も曖昧ですが」
倉は一度言葉を切り、呼吸に従って小さく上下するマサユキの肩の辺りを気遣うように見やってから、再び顔を上げ、森野へと視線を戻した。
「しかし、人の心を読みます」
「なんと…!」
リーグ戦再開にあわせて新作キタワ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*
待ってましたーーーーっ!!
マサユキにそんな能力があったとは…
あんな小さな街に異能者や人間以外大集合だw
作者さんキタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
マサユキにそんな秘密が・・・
森野は言葉を失った。ある一分野に超人的な能力を発揮するというのは知的障害者にはままある現象だが…、それにしても、人心を読むとはただごとでない。
「それも…、もしや、気の能力のなせる技」
「いえ、そんな大層なものではありません。正確に申しますと、本当に心を読んでいるのではなくてですね、まあそれは当然ですが…、
人の表情や声色、それに手先や身体の動きの機微なんかを、我々が認識できるよりも、少し高い精度で読み取っているのだと思います。
今は表現力が不自由ですから、感じ取ったことを的確に言い表すことがなかなかできませんが、仮に、この能力が以前からあったのだとしたら…、
これは私の推測ですが、あるいは、この能力のお陰で一命を取り留めたのかも知れません」
「成程、もしもそうでなければ、他の犠牲者のように…」
「そうです。そして…、勝浩がマサユキを異様に嫌うのも、きっとこのせいでしょう」
「…と、仰いますと…」
「あの子は昔から、自分自身の考えや気持ちを表現するのが苦手でしてね」
そう言って目を伏せる倉の表情を見ながら、森野はこれまでの永川の言動を思い起こした。
言われてみれば確かに、永川は、何を考えているのかが量りにくい男だ。思っていることの半分も口にしていないのではないかと思える節すらある。
先刻も、本意でないながら進学を諦めた話などするから、気を許してくれたかと思って持ち上げたところを、直後に手ひどい反撃を受けたばかりだ。
「普通なら、相手がそういう人間だとわかれば、以後はそれなりの対応をするものですが…、マサユキはそれができませんので、思ったことを口にしてしまいます。
勝浩にとっては、そのことが、何より許しがたいのでしょうね」
倉の言っていることは、森野にもわかった。つまり、内向的な永川にとって、自分の領域に土足でズケズケ入り込んで来るマサユキは排除すべき存在、つまり敵なのだろうという推測だ。
なるほど的を射ている、納得もいく。…しかし。
「それは…、例えば、正直な子供に図星を突かれて、本気で腹を立てるようなものではありませんか」
「ま、そのようなものです」
「はあ」
思い切って極端な例を示したつもりが、あまりにもあっさりと倉がうなずくので、森野は拍子抜けしてしまった。
さらに続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
ナーの過剰防衛がちょっと切ないね…
アニぃはよっぽど裏表がないんだな
新作キテタ――(゚∀゚)――!!作者さん乙です!
345 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/06/29(日) 23:08:41 ID:rmu9fPLe0
k
永川後ろ後ろー! って図ですなw
久し振りの大炎上に笑うしかなかったw
次に何事も無かったかのように抑えるナガカーが今年の新生ナガカー
まあ、岩瀬も5失点とかサヨナラ被弾とかするからな
だいたい10セーブ毎ぐらいに
マスターの復調を願ってスラ様を待ち受けにしました
>>348 今年だと横浜戦がな・・・
他はしっかり抑えてくれるから何も言えないけど
, イ / ̄ ̄`ヽ, ト、
i !-/ ヘ.-ノ i
ヾ_l 〉__ j j __〈 l_ジ ’、′・ ’、.・”; ” ’、
_ | `-",':: `-" | ’、′ ’、 (;;ノ;; (′‘ ・. ’、′”;
/´ ト 」 イ ’、′・ ( (´;^`⌒)∴⌒`.・ ” ; ’、′・
/' |ヽ トェェェイ /| 、 ’、 ’・ 、´⌒,;y'⌒((ミ゙,、∧,、ミ´;;;;;ノ、"'人 ヽ
,゙ / ) ノ `ー^ー" `ヽ、 、(⌒ ;;;:;´' ミ<(・ )(・ )ゝ:;;) ;⌒ ;; :) )、ヽ
|/_/ ヽ ( ´;`ヾ,;⌒) ミ/ ( ` ̄ ;;oo; :`.・ ヽ
// 二二二7 __ ヽ ′‘: ;゜+° ′、:::::/´ ̄`ヾ| ̄ ̄`゙`゙ ;;:::)::ノ
/'´r -―一ァ"i '"´ .-‐ \ `:::、 ノ ...;:;_) ...::ノ ソ ...::ノ
/ // 广¨´ /' /´ ̄`ヽ ⌒ヽ
ノ ' / ノ :::/ / ヽ } ス ラ ィ リ ー 駆 除 完 了
_/`丶 / ::i {:::... イ
>344
こう見えた
カープが市民球場をホームにしなくなっても、スラィリーはカープのマスコットだよね…
絶滅したりなんかしないよね…
ピロ
「…そんなところがあるとは、気づきませんでした。自分が見受けた永川は、もう少し、なんというか、その…、年相応よりも幾分、苦労をしているような印象があったものですから…」
老けている、という表現をどうにか避けて、森野はあたふたと喋った。今ここにいない永川に対して陰口をたたく行為は、真正直な森野にとって少しばかり憚られたのである。
「…ああ、するともしかして」
少し考えたのち、倉は合点がいったらしく、視線を森野に戻して言った。
「勝浩とは、智徳師匠の道場で?」
「ええ、そうです」
正確にはそうではないが、そこらへんの細かいところは今は重要でないので、森野は大雑把に肯定した。
「なら、納得がいきます。お師匠さんの前ではいつも、びっくりするほどいい子にしているので」
「びっくりしますか」
「しますね。人が変わったようです」
寺へ来てからの永川の横暴ぶりに森野は驚いたが、実のところ、今まで自分が見てきて、なんとなくその形を理解しはじめた永川の姿こそが…、虚像にすぎなかったということなのか。
「そんなにも…、いやはや、わからないものですね…」
「まあ、そんな顔をなさらないでやって下さい」
衝撃を受けて固まる森野を見て、倉は苦笑した。
「あの子はわかりやすいですよ。お師匠さんの前でしおらしくしているのは、お師匠さんが自分よりも強くて、尊敬しているからです。
その点、私なんかには敬意を払うべきところがひとつもありませんから、仕方ありません」
「何を仰る。そういう問題ではない。あなた、お兄さんでしょうが。それだけで、敬意を払う理由になります」
「本来的にはそうかもしれませんがね。どこかで教育が間違ったのでしょう」
「…少し無責任な仰りようでは」
森野は憤りを感じた。血の繋がりがないとはいえ、兄と呼ばれる立場なら、弟がそういう性格になってしまったことに、全く無関係ではないはずだ。
「まったくそう思います、しかし、かといって、今更どうすることもできません。それに、正しいのはあの子です」
「どういうことですか」
「英心は実際に人を殺めているわけですから…、たとえ手段がどうなろうと、いずれ、止めなければなりません。それができるのはあの子だけです。
英心も勝浩も、私にとっては同じ弟ですから、英心を殺すと言われて、私が首肯するわけにはいきませんが…」
ひと呼吸おいて、倉は言葉を続けた。
「世の中にはどうにもならないことがある。いいですか、繰り返しになりますが、正しいのは勝浩です。
英心が何を考えているかはわかりませんが、行いは許されるものではなく、…先程はみっともないところをお見せしましたが…、本来、庇うべきではありません。
勝浩は間違いなくあなたを認めています。だからこそ、お師匠さんに次ぐ敬意を払って、そして、ここまで連れてきたのでしょう。どうか、あの子を見捨てないでやって下さい」
ゆっくりとした静かな語調で、しかし一気にそこまで喋ると、倉は畳に手をつき、深々と頭を下げた。
「顔をお上げ下さい。自分にとっても…、永川は必要な相棒です」
適切な言葉をどうにか捜し…、森野はそれだけ口にした。自分は永川のことをよく知らないから、軽々しく信じますなどと言うことはできない。
よって、必要だ、というのが今ここでの正解に最も近いような気がしたのだ。
永川はもとより、倉もまた、スラィリーマスターによって人生を狂わされている。自分の弟どうしが命懸けで戦わなければならないなど、一体どんな気持がするのか、森野には想像もつかない。
スラィリーマスターに関わるというのは、どうも並大抵のことではないらしい。
…関わると不幸になるぞ。そんな陳腐なフレーズが、森野の頭の中に浮かんで消えた。
新作キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!
ここ偶然見つけたけど面白い
作者さん乙です。
だんだんとseriousな展開に…!
「…ところで、ご住職。お聞きしたいことがあります」
しばらく続いた沈黙を破り、森野が尋ねた。
「ええ、何なりと」
「ここには…、何があるのですか」
随分漠然とした問いではあるが、倉にはその意味するところがわかった。つまり、永川が森野をここへ連れてきたのはなぜか、という質問だ。
永川が自分を認めているからこそ、ここへ連れてきたのだろうと倉は言った。
しかし、それが何の目的なのか、永川は事前に何も教えてくれなかったので、森野はずっと気になっていたのだ。
「…ここが何の寺かは、ご存知ですか」
「承知しています。スラィリー折伏術の、総本山と」
「ああ、それなら話は早い。ここにはご本尊のお不動さまのほかに、その術の開祖をお祀りしていましてね」
倉は机に手をついて、よっこらしょ、と立ち上がると、歩を進めて襖を開け、振り返って手招きした。
「ついていらっしゃい」
畳の上にヨダレを垂らして眠っているマサユキを放置してこの場を離れることに森野は少し戸惑ったが…、倉がそうするのだから、多分、問題ないのだろう。
そう考え、マサユキを見ないふりをして、森野はその投げ打たれた足元を跨ぎ、倉のあとへ続いた。
「この寺がスラィリー折伏術を伝えるようになったのは、さほど古い話ではありませんでね。明治の中ごろのことです。
それまではごくありふれた、どこにでもある小さな寺…、いえ、寺と呼ぶのも適切でないくらいの、小さなお堂でした」
廊下に出て、本堂から離れ、寺の奥のほうへ…、歩きながら倉は淡々と語りだす。
マサユキwきたないw
>あの子を見捨てないでやって下さい
この前のラジオネタ早速キタコレwww
「昔から、このあたりの人里には、まれにスラィリーが出没することがありました。古来より、厳しい修業を積んだ、現在のお師匠さんのような並外れた力をもつ気の使い手が、その退治を受け持ったようですが、
明治期には文明開化の波が押し寄せ、そういった旧来の伝統は、急速に失われはじめていたのです。
ちょうどそのころ…、」
やがて突き当たりを左の襖を開け、倉はその部屋に電気をつけた。
「若い修業僧がひとり、西のほうからやってきて、その修業の旅の途中、ここを訪れました。その名を、緒方孝市と申しました」
蛍光灯が古いのか、部屋はさほど明るくならなかったが…、突き当たりに位置する床の間に、簡素な祭壇が設えられており、古びた掛軸がかけられているのがまず森野の目に留まった。
そこには…、錫杖を手にした精悍な修行僧の荒々しい姿が、実に生き生きと描かれている。
「そちらの掛軸が、その」
「そうですね」
「寄って見ても、よろしいですか」
「ええ、どうぞ」
倉の許しを得て、近づいて見ると…、驚くほどに、見事な絵だ。眼には精光を宿し、充実した肉体に全身余すところなく気を漲らせ、今にも、掛軸の中からこちらへ向かって駆け出して来そうに見える。
袈裟姿の緒方(*´Д`)
メグ様キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
364 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/02(水) 00:35:24 ID:txhB0w+A0
かなこキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!
絶対に外せないよね!スラィリーハントスレの常連wwww
メグ様キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
見た瞬間牛乳吹き出しそうになったwww
>>360 チビが梵の家族と一緒に食事したとき、佐智子さんに
「この人(梵)、自分の息子よりも子供みたいな人ですが
どうか見捨てないでやってくださいね」と言われたらしいw
しかも子供は一歳児w
修行僧緒方キタ━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
まとめサイトの掲示板に、今更ながら、出してほしい選手で
緒方を書きにいこうかなーと思ってたところだからうれしいなあ。
1歳児と本気でチャンネル争いをする梵w
┼ `ヽ、`ヽ、`ヽ、 ゚\,、/゚,, ──, ヽヽ
,-|--、ヽ `ヽ、` ヽ、 ミ゙,、∧,、ミ /
i_」 ノ `ヽ、`ヽ ミ<(×)(×)ゝ, ,,,, ヽ_
`ヽ、 ミ/ ( ` ̄ ;;oo;
`ヽ、/ 三つ | ̄ ̄`゙`゙
∧∧ /// `ヽ、 ヽ
[ δ _ δ]/`ヽ、 /ミ,,ヽ
,..‐''"ii " ./ | o`ヽ、`ヽ`ヽ、
_ | ┝ ||-┨ / |_`ヽ、`゙ミ∠,,,)`ヽ、
|_| | | ∧ ∧ / ∧ || | ;;゙``ヽ、 ヽ、`ヽ、`ヽ、`ヽ、 ─┼-
├i | | レ゚Д゚ J/ / |口=彡'i ゙`;;'゙丶、、,,`ヽ、 ミ `ヽ、`ヽ、 α
│| 」 / と三 ノ / || 'i `ヽ、 `ヽ、`ヽ、`ヽ、 ノ
| | | |ノ|| 'i ミ`ヽ、 `ヽ、 ミ
| | | | || `ヽ`ヽミ `ヽ `ヽ、ミ
ヽ ∪ 'i || `ヽ|, ( ̄ ゙̄ヽ( ̄ ゙̄ヽ
| | | 'i ̄|i``'''‐`ヽ、 ``~~~′ ``~~~′
| | | 'i | 'i`ヽ、`ヽ、`ヽ、`ヽ、`ヽ、 ┏┓┏┓
才,_ ヽ∪ |_._| 'i_ 'i_`ヽ、`ヽ、 `ヽ、`ヽ、 ┃┃┃┃
/|/ ) /__,.| | ̄\ `ヽ、`ヽ、`ヽ、 ┗┛┗┛
| | (_  ̄  ̄ ̄ ┏┓┏┓
┗┛┗┛
このAAのせいで僧より牧師のイメージが強いw
>>370 でもやっぱり五十嵐もお別れしてるんだなw
総帥ハッピバースデー
「当時の梵倉寺は、手入れする者もなく、随分荒れてしまっていましたから、偶然通りかかった村人が自宅に招こうとしましたが…、
雨露が凌げればそれでよいと、孝市法師は仰いまして、ここを一夜の宿に定めたわけです」
絵の迫力に圧倒されている森野の脇から腕を伸ばして、倉は横へ置いてあったチャッカマンを手に取り、祭壇の大きな蝋燭に点火した。
そして、ゆっくりと掛軸へ向き直り、線香を立て…、目を閉じてしばし合掌するので、森野もあわててそれに倣った。
やがて数秒ののち目を開いた倉は、ふたたび森野へ向き直り、昔話を続ける。
「ほどなく日が傾き、逢魔が時になり、にわかに雨が降りはじめました。荒れた畳に横になっていた孝市法師は、旅の疲れで早くもウトウトと、眠りに入ろうとしておられました…、
その時です。お堂の外から、突然、尋常でない気配の女の悲鳴と、それから…、ピロピロという奇怪な声が、激しい雨音を切り裂くように、耳に飛び込んできたのです。
すわ、何事か、と孝市法師は、強い雨の降っていることも忘れて外へと飛び出しました。すると、驚くまいことか…、青い毛皮の巨大な化け物が、その足元に座り込んだ若い娘に、今にも襲い掛かろうとしていたのです!」
「なんと!」
「娘は足を痛めてしまい動けない様子でした。『おのれ化生め!今すぐ立ち去れ!』孝市法師は大声を出しましたが…、化け物は去るどころか、振り返って、ギロリと孝市法師を睨みました。
そして、くるりと踵を返し、今度は、法師の立っておられるほうへ、ズシリ、ズシリと巨体を揺らして…、立ち向かってきたのです」
「ふむ…」
「娘は目を覆いました。当時、このあたりでさえ、スラィリーに対抗できる使い手は一人もいなかったのですから…、どこからやってきたのかもわからない旅の僧などに、何ができるとも思えません。
しかし孝市法師は動じませんでした。その余裕のある態度が余計に娘を不安にさせました、スラィリーの恐ろしさを知らないから、そんなことができるのだ、とね」
「なるほど確かに…」
知らないから、倒そうなどという考えが起こる。知っているものなら誰でも避けて通る…、森野の頭に永川の言葉が不意に蘇り、頭蓋の中を反響する。
なぜかチャッカマンに笑ってしまったw
俺はなぜか「なんと!」「ふむ…」に笑ってしまったw
「実際、孝市法師はスラィリーを目にするのは初めてでしたから、猛獣や下等の妖怪と同じく、少しばかり打撃をくれてやれば退散するとお考えになったのです。
間合いが人の背ほどに詰まったところで、スラィリーは立ち止まりました。そこで孝市法師は錫杖を地面に衝いてシャンと鳴らし、『かかってくるのかい』、と言いました、
その瞬間、スラィリーは挑発に応じるように、法師目掛けて、突撃したのです」
「…して、どうなりました」
「孝市法師は目にも留まらぬ速さでスラィリーの間合いに入り、錫杖でその鼻先を思いきり殴りつけましたが…、予想に反して、スラィリーは怯みませんでした。
そしてすかさず、法師の頭上目掛けて、スラィリーは鼻からアレを延ばしまして」
「ははあ、アレですね」
「そう、アレです。アレをするすると延ばしまして、孝市法師の脳をピロってしまおうとしたのですが…、しかし法師の頭に密生していた、常人を遥かに超える量の毛髪が、なんと、スラィリーのアレを弾いたのです。
驚いたスラィリーは、手近にあった法師の右腕を、やはりアレを使って絡め取ろうとしました…、しかしそれも、熊のような体毛に阻まれ、まったく手傷を負わせることができませんでした」
「なんと…」
「そうしてスラィリーの一撃をかわした孝市法師は、懐から護符を取り出し、それを握って印を結ぶと…、突然手中に青白い光を生じ、破、という気合とともに、スラィリーに向かって閃光を浴びせ…」
「…」
「その一撃で、巨大なスラィリーを、うち倒してしまったのです」
「おお…」
名古屋さんがただの観客になっとるwww
かかってくるのかいキタ━(゚∀゚)━!
「その後、孝市法師は歩けないでいる娘を抱きかかえ、そのまま娘の家まで送り届けました。
雨に濡れてしまった着物を替え、火にあたりながら事情を聞けば…、娘は名をかな子と云い、先月、絵師の父親を、恐らくは先程のスラィリーに襲われて亡くしたばかりで、今はその家にひとり暮らし、
そして、村はずれのお堂に旅の僧が来ていると耳にし、食料と、わずかな蓄えから施しをもって、父親の供養を頼もうと、訪ねてきたということでした。
丁重に仇討ちの礼を述べたのち…、『きっと父が、法師さまをここへお連れしてくれたのです』、かな子はそう言って気丈に笑いましたが…、
晩秋のつめたい雨に打たれてしまったためか、また別の理由からか…、その身体はかすかに震えていました。
あわれに思った孝市法師は、傍へ寄り、かな子をその腕に抱き寄せました」
「はあ」
「果たして、かな子は抵抗しませんでした。『ああ、法師さま…、』それだけ言うと、かな子は細い体を孝市法師の厚い胸へ預けるように寄りかかりました」
「…」
「元々かな子は村でも評判の別嬪でした、加えて囲炉裏の揺れる炎に照らされて蔭るその表情はことさら、くちびるは牡丹、頬は白桃、潤んだ瞳は宝石のようでした。
どのくらい、そうしていたでしょう、冷えていた身体がやがて熱を持ち、薄い着物越しに柔らかな体温が伝わります…、そして着物の袷をそっと撫ぜ、やがてその中へと指を滑り込ませると、かな子は」
「……いや…っ、あのですね、」
「ぴくん、とわずかに身体を強張らせながらも、微かに喉を鳴らし、ごく小さく息を吐いて…、瞳を閉じ、そして」
381 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/04(金) 01:23:20 ID:rgJ8ur6k0
緒方の体毛には何かがあると思ってた!w
(省略されました・・全てを読むには夜空に向かって大竹覚醒を祈ってください)
>>382 そんな殺生な。
いや、大竹が覚醒した暁にはこの続きが…
アニぃ…
見たんかい!!!!!w
野球選手が登場人物の小説で、まさか女性が出るとは思ってなかった…。
新作キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
おっとまさかのピンク小説化かと思いきやw
若い娘ってとこでもしやとは思ったがw鬼緒方TUEEEEEEEEE
新作キタ━(゚∀゚)━!!
バスの中で読んでたら笑い堪えるのに必死だったwww
剛毛www
毛髪力で言えば倉も相当なものなのになあw
>>382を保管庫に入れるべきなのかどうなのか…
朝っぱらから判断迷うじゃないか…!
つかアニぃはどんな顔してこれ語ってんのwww
新作乙です!
連敗で憂鬱な気分も吹き飛んだw
かな子登場の予想はしてたが、これはww
読ませるねぇ〜!GJですよw
祈願・大竹覚醒
つか、知ってる人のエロいシーンってなんか生々しいな・・・。
すき家でニヤニヤしちまった携帯厨の俺きめぇwww
大竹がんがれ、超がんがれwwwww
スラハザ隠しシナリオ出現のためのピンクしおりは君の手に握られているっ!
大竹覚醒→童貞卒業→濡れ場解禁 ですね。わかります
名古屋さんもどんな顔してこれ聞いてるんだろww
ツヅキマダ?
(‘ё')=3
広島方面唯一の良識人に見えたアニぃまで…w
うろたえる森野カワイソス
┃┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ /|_
┃┃ ゚\,、/゚,, !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ┃ / __/
┃┃ ミ゙,、∧,、ミ. ハ ッ ピ ー ス ラ ィ リ ー 専 用 し お り ┃ ( ( ̄
┃┃ ミ<(・)(・)ゝ , , ,,, q p ┃ /)
┃┃ ミ/ ( ` ̄ ;;oo; ↓ここからピンクいろ ,,NNN,, C<ニン
┃┃ /´ ̄`ヾ| ̄ ̄`゙`゙ ,,,,,___(:)(:) Z彡 ┃
┃┃ /η \ヽ ピロ ε- ‘‘-- ミ, ┃
┃┃ /μ /ミ,,ヽ !!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!. ┃
┃┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
こうですかわかりません
ピロ
403 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/06(日) 21:53:58 ID:W7DwbybX0
あー、いい日曜日だなあwww
失意のどん底から捕手
何かいろいろと遠いです……
405 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/06(日) 23:39:16 ID:W7DwbybX0
>>404 んー、逆に近付いてきたんじゃないかな? 終わりの時になwww
ああ、なんという、なんということだ
保守
407 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/07(月) 00:37:45 ID:zu+89WE70
>>406 何を恐れているんだ?終わりは新たな始まりの時。
カープの球団のシンボルを忘れたのか?それは不死鳥フェニックス。
自らの身を火に投げ込みその中から再び甦る、これがカープだよ。
あれ?カープのシンボルってコイだったっけ?
じゃあダメだねぇーw
今が雌伏のとき
>>404 海軍の人?陸軍の人?
お互いがんばろう
410 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/07(月) 01:05:37 ID:+0bjZab4O
贅沢は言わない
去年の栗原でいい
負けることには慣れているが、今日(昨日か)の敗戦には流石に凹んだ。
軍備を増強する金もない。援助物資こないかなー。
このまま荒れることなくスレが完結できますように
「ところで」も「ベテラン」も特に問題なく終わったし、今回も平気じゃないっすか?
荒らし煽りは野球板の華
なんかみんな悲観的だなあ。
去年の今頃なんて前田のヒット数えるくらいしかやることなかったのが、
今は3位4位争ってて、5割の壁が高いだとか何かうれしくないすか?
仮に負けてもまぁ明日は勝てるとか思えるから毎日メシもうまいし、
夢のプレーオフだって出れるかもしれないし、
カープのおかげで超ハッピーに暮らしてるんだけど
単に自分がバカなのだろうか
「その、ご住職、そのへんのお話はいいですから…」
「まあ、そう言わず。どうせ後世の創作ですよ。今ほどスラィリーが頻繁に現れず、スラィリーそのものが珍獣であった頃には、この寺もその神秘性から観光名所として有名だったのです。
その観光客向けに講談師が語って聴かせた物語ですから、むしろここからがメインで」
「いえいいです、なんでもいいですから」
「そうですか」
こうも頑なに固辞されては仕方がない。倉は少し残念そうな顔をして、話を元の軌道に戻した。
「…まあ、そういう訳で、孝市法師は娘と契りをかわし、この地を旅の終着点としたのです。
この掛軸の絵は、その法師の妻となった、絵師の娘のかな子が描いたものと伝えられております。当時の農村の女性の作と判明しているという点で大変めずらしく、文化財的な価値も認められています。
ただまあ、身内の描いた絵ということでね、法師が本当にここまで眉目秀麗だったのかどうかは、わかりませんが、」
「いえ、まあ、お話から推測するに…、きっと随分な男前でいらしたでしょう」
「そうですね、そう思ったほうが、浪漫がありますね。その血が自分に受け継がれていると思うと腑に落ちないところもあるのですけれども」
そう言って苦笑する倉は確かに、お世辞にも美形ではなかったが…、しかし森野はそのハリネズミのような頭髪を見て、きっとこの人は孝市法師の血を引いているに違いないと思った。
「その後、孝市法師はこの寺を修復させ、自身の用いた術を後世に伝えるべく、生まれた子供たちにその奥義を託しました。それが現在まで受け継がれ…、英心と勝浩と、ついでに私で5代目です。
ちなみに、孝市法師の出自については、はっきりしたことはわかっていないのですが、先代…、つまり私の父が調べたところによれば、
どうも今の佐賀県のあたりに、それらしい修験者の伝説が残っていまして、それが法師の若き日に残した伝説ではないかと。調査はまだ継続中のようですがね」
「すると、先代は、健在でいらっしゃるのですか」
「ええ、健康そのものですよ。ただ、この寺からスラィリーマスターを出してしまったのでね、一時マスコミの標的になりまして、それを避けて別居して以来、ここに暮らしてはいませんけれども。
ただ、今お話しましたような故事がありますので、この寺で住職をするにはね、頭髪が多くないとダメと決まっているのです。
そもそも秘術の継承者と寺の住職が分かれたのも私たちの代が初めてでして、代々、有事の際には、住職がスラィリーと戦えなければいけなかったわけですからね。
年齢が若くて健康でも、ハゲてしまうとね、そこで世代交代になります」
没になった設定 │l│
│l│ │l│
│l ∧,,,,,∧ l│
│c[δ _ δ#] l│
│l ヽ と.)│l│
│l│ ('~) ノ〜 l│
│l│ `J │l│
│l└───┘l│
∧,,∧―――― ∧,,,∧
( ´倉`) (,) (,) (‘ ё ’;)
( ∪ ∪ [] [] ∪ ∪)
と__)__)=========(__(_つ
__∧______________
父はC.ルイスと申しまして、
この近辺のみならず、広島では名の通った、
かなりの剛の者だったのですが
___∧_
るいす…?
リアルタイムで更新キタ━━(゚∀゚)━━!!!!
作者様お疲れさまです
自分の好きなチームは低迷してますが、こことカープと自チームの実況スレのおかげでハッピーに過ごしてますよw
>>417 毛が薄くなったから住職の座を息子に譲ったってことになるとこだったのかw
父親・・・気になるww
海軍のものですが、毎年のことだから順位はあんまり・・・。
新作乙です!
あの絵はかなこが描いたのか!ものすごくツボにきてしまった。
作者様設定作るの上手いわw
新作来ないなー
>>419 ルイスを没ったので父親が誰とかは考えてないです。黒田をとっといてたら使ったかもしれませんが。
あとルイスって全然若いんですよね。あのオールスター選ばれて喜んでる写真あるじゃないですか。
あれが左から建さん39歳東出27歳ルイス28歳とか言ってるじゃないですか。
参考
http://www.sponichi.co.jp/osaka/ser2/200807/08/images/ser201.jpg ありえないよね。
>>422 いま大沼が二軍落ちしてモチベーションが低いです。
>>386 前回レスしようと思って忘れてました。
野球選手をモデルに使うということで、女性が極端に少ないのが実は気になっています。
少ないというかここまでパオロンとかな子しかいませんけども。
別にそれで話に不都合があるわけじゃないのですが、なんとなくバランスが悪い感じがします。
かといって全然関係ない人を連れてくるのもイヤですからどうにもならないんですが。
>>423 落合信子総監督おススメ
展開上難しそうだとは思いますがw
>>423 作者様いつもありがとうです
>>424 同じこと考えてた
まぁプロ野球自体男ばっかりだし、無理しなくてもいいかなーと
あ、でもTVレポーターでるりさん出たらちょっと嬉しいかも
名古屋軍は壊滅状態です。・゚・(ノД`)・゚・。
何言ってるんだ、まだまだ持ちなおせるぜ!
多分
交流戦後のセリーグ順位表
1 阪神 09 8 1 0 .889 -
2 広島 10 5 3 2 .625 2.5
3 巨人 10 5 4 1 .556 0.5
4 ヤクルト 10 4 5 1 .444 1.0
5 横浜 09 3 6 0 .333 1.0
6 中日 10 2 8 0 .200 1.5
広島すげー名古屋やべー
某海軍の者です。
とりあえず…なんと言うか…順位を気にすることができるのが羨ましいです><
このスレは縁起スレだな
カープぶっちぎり最下位スレでも立ててくれ
カープ?今日からまた1勝3敗ペースに逆戻りだよ。
次勝つのは来週の火曜だろ。
90年代の阪神のことか
トランプ大尉ファンとして最近辛い試合続くので、このスレに来て癒されたりしてる
トランプ大尉&独身中佐、今日大活躍だったね。名古屋さんも復帰したし、延長戦でこの三人+良太VSナガカーも見れたし、鯉は負けたけど、このスレ的には満足感のある試合だったんじゃないかな…
あとはスラィリーマスターが調子を取り戻してくれたら…
このままじゃ、ナガカー&名古屋さんに簡単に討伐されちまうよ…?
( .:;;梵;)<今日猛打賞だったのに・・・・
名古屋も中佐や大尉が猛打賞だったからなー
大尉はまたエラーしてたけど…
「トランプ大尉」って何か響きがカッコいいなw
>>435 見ごたえのある試合だったね。でも作者さん的には微妙かもよ
保管庫板見ると長谷川が相当好きっぽいし。
愛情はすごく歪んでるけどw
竜ファンの人て…マイペースだよね
保守してほしゅい。
[ー。ー]つ<<< ´w`)
443 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/13(日) 00:27:16 ID:YevEEaSz0
゚\,、/゚,,
ミ゙,、∧,、ミ
ミ<(・)(・)ゝ , , ,,,
ミ/ ( ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ;;oo;
/´ ̄`ヾ| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`゙`゙
/η \ヽ
/μ /ミ,,ヽ |\
| o ゙゙ ミ ミ} /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|___゙ミ∠,,,) | ピロピロピロピロピロピロピロピロピロピロ
;;゙``゙` ` ノ \______________
゙`;;'゙丶、、,,,, ミ
ミ ミ ミ ミ
( ̄ ゙̄ヽ( ̄ ゙̄ヽ
``~~~′ ``~~~′
保守のつもりがあげてしまった
すまん
445 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/13(日) 00:29:56 ID:aEaVvleGO
「なるほど、そんな決まりが」
「まあ、そのへんはわりと、どうでもいいお話でね。この寺にまつわる縁起物語はこんなところです。これでようやく、ここには何があるのかというね、ご質問にお答えできるところまできました。
…戻りましょうか、ここは冷えますでしょう。それに、ちょっと、マサユキも気懸かりですので、ね」
手のひらで素早く扇ぎ蝋燭の火を消すと、倉はよっこらしょ、と言いながらスッと立ち上がり、また元来た廊下を歩き出した。
森野は足がやや痺れていたが…、倉がさっさと行ってしまうので、仕方なく、よろめきながら根性で立ち上がると、急ぎ、その後へと続いた。
戻ってみると、倉の心配をよそに、マサユキはよく眠っていた。寝返りの拍子に腕から右の袖が抜けかかってしまったらしく、骨と皮ばかりの肩、上腕、鎖骨、それに肋骨の浮いた胸部が剥き出しになっている。
「それにしても…、痩せていますね」
森野はまた無神経に、思うところを正直に述べた。その指摘は、少し間違えると…、ちゃんと食べさせているのかという非難に聞こえなくもない。永川ならそういう受け取り方をするだろう。
果たして倉にはどのように伝わったか…、その穏やかな表情を崩さないまま、倉は応えた。
「食が細いうえに偏食が激しくてね。かないませんよ。そもそも食べること自体がそんなに好きではないらしくて…、
食事のタイミングをちょっと逃してしまうと、飲物以外は一切なにも口にしてくれないので、もうそれだけで1食飛んでしまいますから。
仕方ないので、ほら、サプリメントって売ってるでしょ、あれを挽いて粉にしてですね」
そう言いながら倉は、器の中身を箸で混ぜる真似をして見せた。まるで動物に薬を飲ます時のようなそのやり方に、森野は思わず眉をひそめる。
>>424-6 いいっすね総督。井端と仲良しっていう設定を生かすのは難しそうですけども。
>>439 長谷川は好きというか、面白い
>>444 sage進行と決まっているわけじゃないので何も問題ないすよ
過去にそういう議論もなかったと思いますし。
おお!倉と殺伐な仲の人は出るのかなと書きに来たんだが新しいのきてた!
ハセガーいいですよね
保守
450 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/14(月) 07:21:12 ID:52BCmeez0
なんかスレ全体から活気というか覇気を全然感じないな
お前らもう心の中の鯉のぼりを降ろしちゃってるんじゃないのか?
俺の心の中じゃ大きな真鯉と小さな緋鯉が誇らしげにはためいてるぜw
霞を食って生きてるのかよハセガーは('A`)
まままっままさが勝ったよヽ(´ー`)ノ
保守
最近新作来ないけど職人さんネタに困ってんのかな?保守代わりに
__
 ̄ ̄ ̄二二ニ=-
'''''""" ̄ ̄
-=ニニニニ=-
∧,,∧
∧,,∧ (‘ё ’ )_,,-''"
_ |´」` |O,-''"; ;,
/,_O_,,-''"'; ', :' ;; ;,'
(.゙'''", ;,; ' ; ;; ': ,' 新作はしばらくお待ちください・・・
_,,-','", ;: ' ; :, ': ,: :'
_,,-','", ;: ' ; :, ': ,: :'
保守。
ナガカーきっちり4凡乙w
ストーリーが深まって行くのも楽しみだけど、
次誰が出てくるのかもかなり楽しみだ
450の真意がわからない。何かのネタ?それとも触っちゃいけない可哀想な人?
どうもです。最近投下間隔があいていることはわかっています。
>>453 プロットはありますが時間がとれない状態です。
言い訳になりますが、一応人間ですのでやる気の問題もありまして…、なかなかコンスタントに書けるものではないのです。
大抵、ながら作業で書くので、大体1回分あたりに3時間をかけています。
それをさらに3日程度寝かせて推敲したものを投下しています。
>>454 次はたぶん永川の弟あたり、ただし時間的にはまだ先になりそうです
配役はお楽しみに
>>455 当スレは表札と中の住人が全然違っている状態です。
間違って手紙が届いても笑顔でスルーしましょう
457 :
453:2008/07/16(水) 20:04:08 ID:fGKMwSb70
作者さんのペースでいいですよー
ぜひ内容の濃いのをお願いします
我が海軍が勝っただと…!?信じられん…!
自虐ネタはさておき、作者さん乙です。無理はなさらないように。
>>458 お仲間発見。ワタシも信じられません。
作者さんは丁寧に文章を練られてるんですね。
気長に待ちますよ〜。
「それで、健康状態というか…、問題はないのですか」
「まあ、見ていただければわかるとおり、問題ないということはないでしょうけど。外へ出て働いたりするわけでもないですから、もう、病気しないでくれればそれでいいです。
それに、マサユキを信じないわけではないですが、やはりいつ何をしでかすかわからないわけですし…、私一人の手に余るような体力があっても、逆に大変でしょうしね」
倉は少し困ったような笑顔を見せた。その表情の意味するところは森野にもわかる。
元の生活に戻せないのなら、せめて人間らしい暮らしをさせてやりたい…、倉がマサユキを引き取ってきたのは、先の話によればそういう理由であったはずだが、
事情に疎い森野の目から見ても、その理想が充分に実現されているとは言いがたい。
もちろん、少なからず愛情を傾けられていることはわかる。それは一見すれば明らかだ。しかし扱いは、同居人というよりもペットのそれに近い。
しかし…、倉がひとりで朝から晩まで世話をしていることを考えれば、確かにこのあたりが落とし所なのだろう。
理想と現実には、常に差がある。
話しながら、倉と森野が傍へ腰をおろすと、マサユキは小さく鼻声をあげてまた寝返りをうった。
「…そろそろ、目を覚ましそうですね。目が覚めると、殴られる少し前に記憶が戻っていますから、またご無礼を働くかもしれません、本当に申し訳ございませんが、何卒…」
「いえ、それは仕方のないことですので。承知しております。それに、こうして見ると、可愛いところもあると仰っておられたのが、少しわかる気がします」
マサユキの顔を見ながら、森野は言った。あの不気味に輝いていた瞳が閉じているためだろうか、その寝顔は子供のようにあどけなく…、
はじめ人目に姿をさらすこともなかったという彼が、今は不安なく幸せに暮らしているのだろうということが、見ただけでよくわかる。
たとえ満足に語る言葉を持たなくとも、ただ眠っているだけで…、これほどに彼は雄弁なのだ。
「そう言っていただけると、有難い。でもね、これで良かったのだろうか、と…、今でも時々思うのです」
「…と、仰いますと」
森野は倉の顔を見た。倉は目を伏せ、口元にかすかな笑みを浮かべている。
マサユキなら、この表情から何を伺い知るだろう。森野には何もわからない。
「いえ、正確に申しますとね、これでいいのだろうか、と」
今更何を言っているのだろう、と森野は思った。
そんな悩みは、彼と生活してきたそれなりに長い時間の中で、すでに清算されているはずではないのか、その上で、現在の形に落ち着いているのではないのだろうか。
当然、理想どおりにはいかない、しかし、悩んでも仕方のないことではないか…、
「本人が満足そうなら、それで…、」
「勿論、そういう考え方もできます。実際その点に関しては、そう考えていれば、充分なのでしょう。しかしね、こうも思うのですよ、
何を思って広島へ来たのか、それまでどんな暮らしをしていたのか、」
並べられた言葉は、森野が予想していたよりも、随分と感傷的だった。先に倉が自分で言っていたように、それらを知る術はない。
「帰りを待つ親兄弟は、愛した人はいないのか、とね」
仮にそれを知ったところで、この、記憶を失い、痩せ細り、女装をして、子供のような口をきき、
挙句、倉にしか懐かない状態の彼を、その人々に突き合わすのか…、否、その考えすらも感傷的すぎる。そんな事態は起こりようがない。想定してみる意味もない。
「…誰かいるのなら、行き先くらい告げて来ると思います。広島ということさえ分かっていれば、探しに来てもよいと思いますし、
そうなれば、遠からずここに訪ね当たることでしょう。しかるに、来ないということは、縁者はないのだと」
「お優しいかただ」
森野の熱弁はそれなりに救いとなったらしく、倉は柔和な笑顔を見せた。その顔を見ながら森野は、ふと、自分が行き先を誰にも告げずに名古屋を出てきたことを思い出し…、内心、バツの悪い気分になった。
もしも自分がこういう状態になったら…、やはり、名古屋には帰れないのだろうか。
肋骨が浮き蛇腹のようになった胸郭が呼吸に従って規則的に上下するのが、見るともなしに視界に入る。
その、ほとんど骸骨と言っていい造形は、生きていることのすぐ向こうに隣り合わせているものを、改めて森野に連想させた。
>>460の『しかし扱いは〜』ってとこで、なんかマサユキが不憫になってきたような……・゚・(ノД`)・゚・
落とし所っていうとこが引っかかります。
リアル山ちゃん…
一番いい所に行くんだろうけど…
うわ山崎トレードかよ。ショック。
今日山崎ユニ着て行こうと思ってたのに
>>463 出されるなら横浜かなと思ってましたけどねえ。
オリックスは今年は出番あるかもだけど、基本的には二遊間に大引、後藤、阿部マといるので
本人にとってはそんないいトレードではなさそうな気がします。
このままカープにいるよりはマシかもしれませんが…
作者様乙です。
倉の心中も色々複雑だなあ。
しかし創作では最近、登場人物の属性を単純化してしまう例が多いのに、
あえて背反する一面を描いたり、一人の人物を深く掘り下げているところはホントすごいと思うわ。
……リアル山ちゃんトレード古巣復帰か…これ以上内野増やしてどーすんだ檻…?
それはショックでしたね
確かにオリックスは内野の層が厚いから厳しい所はありますな
山ちゃん、渋く気のいい、味のある選手でワシも最後まで居てほしかった
467 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/18(金) 08:54:52 ID:1jhnUug7O
でも現実問題左の中継ぎは左打者抑えられないから二軍にいたわけで…
468 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/18(金) 10:21:20 ID:6AysxRBpO
定位置復帰おめw
山ちゃんトレードかよ(´・ω・`)
スレタイにそってものを言うと浮いちゃう〜
全力でいつもやってんだろうな
で、疲れちゃうのかもねえ…
青の獅子、総帥復活…!
今期の所沢の攻撃力は凄いね…俺達の炎がうまく打者の爆発力に変換されてるのかな……w
その分俺達が燃えにくい…
マサユキは間違いなく生きている。しかし、自分たちよりも少しだけ、向こう側にいる。その姿は、生死が連続的なものだということを、無言のうちに示しているかのようにも見える。
彼はすんでのところで踏みとどまり、以後、そこで暮らしているが…、しかしその境界は曖昧で、ふとしたことで踏み外してしまう可能性がある。
それはなにもマサユキに限らない。誰でも。いつでも。何なら、明日にでも。
自分は死ねない、と永川は言った。しかし明日行われるのは猟や折伏ではない。戦いだ。
戦いの常として、予想に反して死ぬこともあろう。殺す覚悟はあるようだったが、死ぬ覚悟は、あるのだろうか。
勿論、男である以上、あるのかと問えば、あると言うだろうが…。
そこまで考え、ふと森野は、自身が自分の中の世界に入り込んでしまっていたことに、はっと気づいた。
骨と皮、それと筋ばかりになった肉体を見ていると、また余計なことを考えてしまいそうで、森野は着物を直してやりたい気持ちになったが…、
起こすと厄介だから触るなと言われていたことをふと思い出し、出しかけた手を引っ込めた。
「…話を戻しますと、そんな訳で…、この寺には口伝の秘術のほかに、孝市法師ゆかりの品々や、書き記したものが数多く伝わっています。
中には、まあ世間で言うところの霊力と言いますか、念と言いますか…、そういった力をいまだに持っているものもあります」
「法師の、気が宿っていると」
「いえ、故人の気がそのまま残っているということではありません。常に携帯している品物に気が宿るということは日常的にありますが、
それは一時のものです。手から離れてしばらく経つか、本人が亡くなれば、気も散逸してしまいます。
ただ、一定の儀式といいますか、所定の手順を踏んで、器物に対し意図的に何かしらの力を持たせることのできる術というのが存在しています。
術者は世に多くありませんが、孝市法師本人か、あるいはここへ来る前に近しく関わりのあった人物が、この手の術の使い手だったのでしょう。
ただし今となっては、ほとんどの品が、何の力を持っているのか、あるいは何もないのか…、誰にも、わかりません」
「調べる手段はないのですか」
「さあ…、世の中は広いですから、きっと、手がないことはないのでしょうが…、私は存じ上げません。
ただ、込められた力の有無くらいなら、英心はある程度見分けていたようでしたし、特に強い力のある品なら私や勝浩にもわかります。あなたも、気の力をお使いになるので?」
「ええ、まあ…。日は浅いですが」
本来後ろめたいことは何もないはずだが、今日覚えましたとはさすがに打ち明けにくく、森野は曖昧な返事をした。
「それなら、あなたもきっとお手に取れば、私たちと同じくらいには力を感じ取れることでしょう。
その品々の中で、一番強い力を持っていたのが錫杖でして、おそらく、先程の絵に描かれていたものと同一と思いますが…、それは英心が持ち出してしまったので、今ここにはありません。
以前はいくつかの品があの絵の部屋へ安置してあって、どなたでも御覧いただけるようになっていたのですが、それが仇になりましてね。以来、土蔵へ保管するようになりました」
「強い力というのは、どのような」
「ですから、私にはわかりませんよ。お話したとおりです」
「ああ…、そうでした、失敬」
「いえ、まあ、わざわざ持って行ったということは、英心には、あるいはわかっていたのかもしれませんがね…、
とにかく、そういったものが土蔵にしまってあるので。勝浩はそのうちのいずれかを使いたいのではないかと思います」
「なるほど」
「…惜しいが、ハズレだな」
倉がひとしきり語り終え、森野が相槌を打ったところで…、背後から突然、声がした。
倉がひとしきり語り終え、森野が相槌を打ったところで…、背後から突然、声がした。
森野が驚いて振り向くと、そこには永川が立っていた。よく考えれば別に驚くほどのことではなく、当然、永川に決まっているのだが…、
何やら寺の秘密めいたことを聞かされていたところだったので、思わず尻が浮いてしまったのだ。
驚いて損をしたような気になり、森野はひとつ溜息をついた。
「勝浩」
「モノを持ち出したいだけなら、わざわざ森野を連れてくる必要ないだろ。それに、どれが何なのかも、俺にはわからんしな」
「じゃあ、何を?」
「コレだよ」
そう言って永川は、手にしたものを前へ出し、ばたばたと振って見せた。それは茶色く変色した紙束…、いや、何か書物のように見える。
「孝市法師の書き遺したもんだ。まあ、大量にあるが、そのうちの一冊」
「それこそ、お前、どれに何が書いてあるのかわかるのか…?」
それを見た倉が、訝しげな視線を永川へ向ける。
「わかるさ。昔、ひととおり目は通してたからな。ダテにガキの頃から部屋にこもって本ばっか読んでねえんだよ」
477 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/20(日) 04:18:47 ID:hW7L2HEBO
ここはどういったスレなんでしょうか?
Don't think.
feeeeeeeeeeeeeeel!
fi-ru tanisige
やっと規制解除されたよ〜保守
スラィリーマスター二軍落ち…保守
最近スラィリーハンターさん見かけないな……
ドアラマスターさんは調子いいみたいだけど
>>483 残念ながら負け試合ばかりで…
そろそろ調整登板かな…
「お前、ひととおり、って簡単に言うけどな。活字でもあるまいし、本当に全部読んだのか。信じられない」
「そりゃまあ、全部わかるとは言わんが、時代もあたらしいし、古文書にしちゃ読みやすい。全然親切なほうだぜ。兄貴は読んだことないのか?不勉強だねえ」
永川は眉をピクリと動かし、ニヤリと勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「暇なら読んどけよ、色々役に立つことが書いてるぞ。全治3ヶ月の怪我を、3週間で我慢できるようにする方法とか」
「それって…、痩せ我慢てことだろ。役に立つのか?」
「立つんじゃないか。もっとも今なら、その術をやるより病院に掛ったほうが早いかもしれんよ。ただ、当時のことだし、孝市法師は色々精力的に働いて、忙しかったようだから…、
仮に怪我をしても、長いこと臥せってるわけにもいかなかったんだろう」
森野の質問に、永川はサラリと答えた。実際に替わりのきかない立場にいる永川にとっては、その利点は考えるまでもないことだ。
「例えば…、いま、向こうの山の中腹まで農地が拓けているのも、法師が元々そこにいたスラィリーを追い出して、人の住める土地にしたからだ。
それ以来、このあたりの集落はだいぶ暮らし向きが良くなったって話だな。それより以前は、スラィリーが出るせいで開拓できる土地は限られていて、随分貧しかったらしいんだ。
まあそれはいい。森野、上着を脱いで、袖を捲れ」
「何をするんだ」
「今から順に説明していく。…違う、左じゃない、採血じゃないんだから。槍を持つほうの腕を出せ」
言われるまま森野は、右腕の袖を捲って差し出した。その手首を左手で掴むと、永川は、床へ置いた書をぺらぺらと右手でめくり始めた。その様子を森野の横から倉が覗き込んでいる。
「あった、これだな。えー、『先ず施術部にうすく気を通じ』。だそうだ。槍が出ない程度に、手のひらまで気を通してみな」
これも言われるままに、森野は右腕に意識のいくらかを集中した。腕の芯に近い部分が、ジィンと沁みるように熱く感じる。
「こう、かな」
「上手いぞ。さすが歌を歌ったくらいで地鶏が掴めるだけあるな。『続いて術者は施術部よりも脊髄側の気脈の一点を暫し確保』、成程、それじゃ、始めるぞ」
始めるぞ、と言うが早いか、永川はグイと森野の手首を引っ張り、書物から離した右手のひらを被せるようにして、肘のつけ根を親指と中指で強く掴んだ。
これでは森野はたまったものではない。慌てて抵抗し、その手を振りほどく。
「待て、何をするのか、ちゃんと説明してから始めろ!」
「怖がるな。誰も説明しないなんて言ってない、やりながら説明するって言ってるんじゃないか。大体、始めにまとめて説明するとだ、また説明くさい話が長くなって、飽きるだろ」
「ちょ、待て待て、じゃあせめて、何をするのか一言で言ってくれ」
「一言ね。そうだな、一言で言うと…、改造手術」
「はあ!?」
永川のその言葉を聞いて森野は焦った。
手術って…、一体何だ。具体的に何をするんだ、お前がやるのか、今ここで!?
面白いことになってきたwktk
>全治3ヶ月の怪我を、3週間
緒方換算w
緒方って骨折した年に
「今年一年大きな怪我をしなくてよかった」
と言った事無かったっけ?
さすが緒方www
wikiからコピペ
2004年オフにヘルニア手術をし、2005年の開幕戦出場が危ぶまれたが、オープン戦で復帰。開幕直前の試合でセンターへの
大飛球をフェンスに激突しながら好捕した際に肩を打撲し、開幕戦出場は絶望視されたが、結局スタメン出場を果たし、9回表
に巨人のミセリから決勝の2ランホームランを放った。 また、同年5月に楽天イーグルスの戸叶尚から顔面に死球を受け、左眼
窩を骨折したが、翌日から通常通りチームの練習に参加、その次の試合では代打で復帰するなど、衣笠祥雄ばりの鉄人ぶり
も見せている。ちなみにこのシーズンを振り返って緒方は、「大きな怪我もなくやれた」と振り返っている。
>>491 >大きな怪我もなくやれた
wwwwwww
すごい、すごすぎるよ緒方wwwwwww
多村「えぇぃ、連邦の緒方はバケモノか!?」
鬼緒方強すぎワロタ
「…待て、どういうことだ!」
「そーねえ、本来なら長い時間かけて体得すべき能力を、外科的な手法で後付けしようっていう発想だな」
「…そんなことができるのか?」
「できる。もっとも、まじめに修業するのに比べたら当然、リスクもある。
ま、そうは言っても、気の世界の話だから、血が出たりはしないはずだから安心しろ。ほら、腕出して」
確かに、気の世界の話なら、永川は…、前田に次ぐ、かなり信頼のおける専門家であると言えるのかもしれない。
しかし、安心しろと言われても…、それは無理な相談だ。リスクって何だ…、それ以前に、そもそも、古文書を読み返しながらだなんて。
いかにも、一度も試したことがありませんと言わんばかりではないか!
「まああれだ、言いたいことは色々あるだろうがな、今のままじゃいずれにしろパワー不足なんでね。時間もない。観念してくれ」
森野が文句を言うよりも先に、永川が決断を迫った。とはいえ、ここでYESと言う以外の選択肢がないことは森野もはじめから承知している。
そうなれば、後は永川の言うとおり、観念するかしないか、いや観念することは決まっている、ただひとつ利く自由と言えば、いまから何分後に腹を括るかだけだ。仕方がない。
「…わかった」
再び永川が森野の手首を握り、そして肘を掴む。
「それで、えーと何だっけ。『施術部へ流るる気を一時堰き止め』」
永川がそう言うと同時に、掴まれた肘の関節のあたりが急にジンと熱くなるのを、森野は感じた。
「いま、お前の腕の気の通り道の、肘のところに栓をした。ただ、強い流れに押されると破れるから、
ちょっと腕の気の流れを止めててくれ。まあ普通にリラックスしてくれればいい」
「リラックスとか、無茶言うな」
「じゃあリラックスしなくてもいいから、気を鎮めて」
同じことだろう、と森野は思ったが…、ここで言うことに従わなければ、どうなることかわからない。
2、3度深く息を吐き、森野は呼吸を整えた。
「『そこから気脈を探り凡そ半寸或は一寸間隔にて慎重に穿つべし』、か。よし」
「…始めるのか」
「おう」
軽く返事をすると、永川は、森野の肘にあてていた右手の中指を、皮膚の上から探るように少し手前へずらした。
「ああ、そうだ。ひとつ言っておくがな、」
「…な、何だ」
「痛いぞ」
「ぎゃあっ」
バチン、という衝撃が、突然、森野の腕に走った。いや、衝撃が走ったなどという暢気なものではない。
腕が内側から破裂したかと思うほどの、電気ショックとも火傷とも違う、強烈な痛みを伴った強い振動が森野を襲った。
…いや、正確には振動などしていない、なぜなら森野は、自分の腕から目を離さず見ていたのだ。
そこで起こった出来事は、永川が指先で少し強く、腕の皮膚を、少しへこむ程度に押しただけ。他には本当に何もなかった。
「な、何だ、今のは」
「人間の身体を巡る気には、血管と同じように、決まった道筋があってな。ルートに個人差はあるが、だいたい神経系に沿って体内を循環している」
永川は質問に答えず、何かを探るように指をずらすと、少し間を置いて、そこを押した。
森野はまた衝撃を感じたが、今度はぐっと耐えた。軍人たるもの何度も悲鳴を上げるわけにはいかない。
「せっかく力があっても、その気脈が細いと、一度に多くの気を流すことができない。今のお前は、そういう状態だ」
「……」
淡々と永川は喋り続けるが、森野にはとても相槌をうつ余裕がない。脂汗が額を伝う。次に来る衝撃に備え、歯を食いしばるだけで精一杯だ。
ところで、福岡や仙台は?
>>499 ネタばれになるんで詳しく書きませんが、
関東〜広島の範囲にないとこは基本的に話に絡んでこないと思います
この範囲にあれば必ず登場するとも言えないんですが
あと、この話題が出たついでに書いておくと、
セントラルの某海軍については忘れてるわけじゃないので安心して下さい
某海軍の者ですが…。
出てきたら、どういう扱い受けるんだろう…orz
>>501 この話は「昨年の」順位に準拠してますから泣かないで
>>502 ちょw
あんまフォローになってないww
_ -―- _
, ', -、ヽ'´ヽ ι`'´, -、ヽ
! { / ⌒''ヽ,,,)ii(,,,r'''''' ゙ } i
ヽ`ー,' ン(○ ,ン <、(○ < ゙ー'ノ
` ! ι `⌒,,ノd ヽ⌒´ιl"
`ヽ ヽ il´∈エ∋`li r ノ
/`==ァ'⌒ヽ=='ヽ
いっその事オリックスを病院に設定して
そこにいる伝説のプロリハビリスト清原和博を頼って
戦場で大怪我をした者達が各地から尋ねて来る
そして特殊なリハビリの為清原達が広島を訪れている途中・・・
だったら福岡や仙台の選手も出せそうだけど(多村とか)
話が大きくなってダメかな?そもそもオリックスは出てたっけ?
くだらないレスすみません
また横浜に3タテ食らったのかよww
>>506 オリックス病院・・・
そこを退院したものは良く働くと評判の・・・
C
ほ
>>506 檻ヲタだがスレ違いは承知だけど言わせて
清原をオリックスの代表扱いしないでorz
檻代表といえば後藤や川越や北川や昆布だろJK…
作者さんスレ汚しすいませんでした
そういや後藤は誕生日だな。
あとは倉、元広島なら小山田もか。
名古屋さん30歳おめでとう
〃∩ ∧,,∧
⊂⌒| ´」`|
`ヽ_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒
夕べはいっぱい誕生日だったのか。ええことよ。
516 :
506:2008/07/28(月) 20:13:34 ID:WjtBCyJU0
>>511 正直スマンかったorz
ただ話の絡ませ方考えると清原が一番使いやすいかなと・・・
気を悪くしたらゴメンなさい
517 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/28(月) 22:26:02 ID:LHtvWhu70
ok8
518 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/28(月) 22:31:09 ID:T7+wpEl60
今日なんかすんなり勝たなきゃいかんだろ。
永川出すハメになってしかも打たれるあたりまだまだだな。
とにかく根性だろうな。
「本来なら、修業で体内を循環する気の量を増えるにつれて、気脈なんて勝手に太くなるもんなんだがね。そうしてる暇がないから、いま、俺の気を指から無理やり貫通して、今ある気脈を切断している」
「まさかっ…、これを全身、やるのかっ」
「まさか」
永川は涼しい顔をして、喋りながら、淡々と施術を続けていく。また衝撃が走る。森野は思わず顔を歪めた。
「そんなことをしたら、あんた、しばらく立ち歩けなくなるぞ」
「え…、」
「それは、どういうことだ?」
恐ろしいことをサラリと口にする永川に対し、痛みと焦りで口をパクパクする森野に代わって倉が尋ねる。
「兄貴は素人じゃないんだからわかるだろ。俺が今やっているのは、ただ気脈を寸断するだけのことなんだから。
それがなんで気脈を広げることになるかって言うとだな」
「ああ…、なるほど、そうだな」
「わかったろ。そういうことだ」
倉は早くも納得顔をしたが、当然、これだけでは森野にはわからない。永川もそれを承知で、言葉を続ける。
「こうやって気脈が一部分で破壊されても、全体として気は循環しようとするから、またそこに通り道ができるだろ、それを利用するんだよ。
それを踏まえたうえで、全身の気脈を一度にブチブチ千切ったら、どうなると思う」
「どうって」
森野は少し考えた。頭の中に、畑の間を縫って流れる水路のイメージが浮かぶ。それを万遍なく破壊したら…、
流路が消え、そこらじゅうが水浸しになってしまった。
「気が回らなくなる…、とか」
「そう。まあ、それでも、人によって気の流れるルートは決まっているから、いずれは再生するのかも知れんが…、
少なくとも当分、まともな生活ができなくなるだろう。今回もな、本当は肩からやりたいんだが、欲張って失敗すると嫌だから、肘下だけ。
これだけなら、半日かからずに再生するはずだ」
永川は喋りながらまた森野の腕の一点を押した。痛みもさながら、振動が骨を伝わって全身へ伝播するような感覚が実に気持ち悪い。背筋がざわつく。森野は思わず身震いをした。
「まあなんだ、もう少しだから、頑張ってくれ」
「…もう少しだと、嘘つくな。まだ腕の半分も行ってないじゃないか」
「嘘とは心外だな。気休めと言ってもらいたいね」
点差があったから上野を出して、走者を出して、永川が急遽登板
この流れで去年の東京ドームを思い出した。
あの日は延長にもつれこんで、2イニング目のフェルたんがシミたんに打たれちったんだったか
たしかそんな感じだったと思う、とにかく立ち見には辛い試合だった。
でも今日は負けなかった。カープ強え。
>>511 激しく同意
>>516に他意がないのもわかるけど、
誰か話に絡ませるなら、今のオリから最初に清原は選ばないと思う
清原も好きですけどね、他にも面白そうな奴いっぱいいる
オリはけっこうキャラの宝庫ですよね
皆さんにお勧めしたいのは大久保勝信ブログ
時々画像つきでアップされる独身生活全開の逝けてる晩御飯が単身者にはたまりません
作者様が海軍のことをお忘れでないときいてwktk
どういう扱いをうけようと、海軍の者としてはうれしい限りです。
そういえばこの話では海軍って3つ(球団)?
こんがらがってきた
出てきたのは幕張だけだな。
青波軍は出とらん
幕張は『海軍最強』らしい。
横浜の『ベイ』スターズだし、職人さんの描いてくれた金城&ホッシーが海軍軍服姿だったことから、海軍なのかなぁと推測されてるだけ。
オリは、今のところ設定は何も出てきてない。
でも作者様がオリがマイブームみたいで好きだから、もしかすると登場するかもね。
ま、俺ら読者は作者様の邪魔はしないように、保守しながら期待でwktkするしかないなw
だいぶ物語の世界も広がってきたし、住民の妄想も爆発してるからだんだんわからなくなってきたな
作者さん余裕のある時でいいので今までにどこが出ててどんな設定か一度まとめてもらえるとありがたいんですが…
>>528 保管庫に置いてある説明じゃ足りないってこと?
保管庫で十分
名古屋さんすげー……テラモンテを灰燼にした
ほす
独身ブログ覗いてくる
捕手
さて、大竹がオールスター初出場となったわけですが、
>>382の省略箇所解禁が近付いたといえるのでしょうか
☆ ☆ ☆
そうやって永川が無表情に薀蓄を語り、森野が痛みのあまり思わず畳に爪をたて、倉がその様子に軽く引いている丁度そのころ…。
文京と、その南に位置する港湾都市・横浜との国境付近を流れる多摩川沿いの幹線道路、
その上にかかる高架橋の上に、ひとかたまりの人影があった。
「本当にここを通るんですかね。もう予定の時刻を過ぎてますが…」
「そんなん、俺が知るか。あいつがここで張ってろってんだから仕方ねぇよ」
ひとりの若い男が時計を見ながら不安げに口をひらくと、横で腕組みしていた男が応えた。そこへもう一人、別の男が口を挟む。
「でも…、なんで総帥は突然こんなこと言い出したんだろう、しかも、輸送車を襲撃するだけのことに、幹部を3人も使うなんて」
「おかしいって言いたいのかよ」
「おかしいだろ。大体なんで俺達が、こんなところまで来て、わざわざ他所んちの荷物にちょっかい出さないとならないの。あんた、おかしいと思わないのか」
「俺には元々沼者の考えることはわからん」
彼らが喋るのを聞きながら、若い男は首をのばして暫し遠くを見つめたが、それらしい車列が認められないので、また腕時計へと視線を戻した。
少し風変わりないでたちをした彼らは、現在よりも5分ほど前にこの地点を通過しているはずの、文京軍の輸送部隊を待ち伏せしている。
ここは文京の中央基地と、横浜方面の前線である川崎基地との間に位置する道路だから、輸送車両が通ること、それを狙う者が出ること自体は、べつにおかしくも珍しくもないが…、
彼らは単なる地元の窃盗団ではない。れっきとした事実上の独立都市所沢の支配者、俺達こと解放戦線の人間である。
「人数が多いのは、場所が場所だからだろ。目的がわからんにしろ、ここで盗みを働くからには、やり損じるとまずいからな。
もっとも、そんな大事な任務なら、数いるなかから力者をよこすのは、人選をミスってるとは思うがね」
「それは…、俺もそう思うよ。俺は実戦経験少ないし。岸者は見習いとしても、後は帆者がひとりいれば充分だろうさ」
「いや…、悪かったよ。ヘコむなよ」
「別にヘコんでやしないよ」
「岸者の前だからってミエ張んな」
「本当だって」
一見何気ないこの会話から、実は…、並んで喋っている3人が、解放戦線の幹部だということが伺える。
なぜなら、彼らは互いに本名で呼び合うことをせず、名前の1文字に「者」を付けて相互の呼び名とする習慣を持っているからだ。
まず、しきりに時計を気にしている若い男は岸者こと岸孝之。最近幹部になったばかりで、まだ手持ちの部隊がなく、従って、単独行動をしたこともない。
次の男は力者、小野寺力。主に広報を担当していて、幹部の中で一番、世間に知られた顔である。いつも頭巾を巻いており、そこに挿した大きな鳥の羽根がトレードマークだ。
最後、腕組みをしている男は帆者、帆足和幸。晩秋の夜というのに寒くないのか、半裸に袖なしの外套姿で、平然と突っ立っている。
彼はこの3人の中では一番年長で、組織としての俺達を概説するさいにはよく総帥に次ぐナンバー2と言われる存在だが、実のところ、ほかの幹部に比べ何か特別に権限を持っていたりはしない。
3人はつい3時間ほど前、突然総帥の招集を受け、そしてこの任を言い渡された。理由も目的も聞かされず、本当にただ、場所と時間と『輸送車両を襲撃しろ』という、たったそれだけ、言われたのだ。
その時点で既に時間が押しており…、その場で疑問を差し挟む暇はなかった。
それから現場に急行し、今こうしているわけだが…、と、欄干にヒジをついて小野寺は考えた。こう冷静になって、頭の中を整理してみると、色々腑に落ちない部分も多い。
既に話題になっている通り、ここは所沢から遠く離れた、文京の支配域の南端だ。かつては多摩川が横浜と文京の国境であったが、過去数回にわたる武力衝突のすえ、現在は多摩川の南岸地域も文京の支配下にある。
しかし横浜も諦めたわけではなく、隙あらばこの地域の奪回を狙っていることは明らかで、二都市間の関係は常に緊張している。
つまり、このあたりで何か問題が起こると、それをきっかけにまた紛争になるかもしれない。いや、かもしれないでは済まされない。その確率が高い。
そこに所沢解放戦線が関与しているとなれば、当然、タダでは済まないはずで…、
そんな場所までわざわざ出張してきて、たかが輸送車を襲撃しろとは…、いささか理解しにくい命令だ。
しかも、普段こんなことばかりやっている帆足だけならともかく、不慣れな自分や岸まで動かす理由がわからない。
総帥の考えた、驚くべき計画とは?!
確かに本名名乗るのはマズイのは判るんだが・・・
自分達で「○者」名乗るなよ俺達wwww腹いてえwwww
俺達面白すぎるwww
どうでもいいけど、この3人で歩いてたらビジュアル的には相当いいな
おお新作きてるー
新たな展開ktkr!
>普段こんなことばかりやっている帆足
なにやってんだ帆足w
俺達wwwたまらんw
「こういうのは帆者、いつも、あんたの仕事だろ。人数多けりゃ何でも上手くいくってもんじゃないわけだし、
俺と岸者ははっきり言って足手まといなんだから…、あんたが一人でやるのが、一番早くて確実なはずだ」
「そんなら、沼の野郎、俺が信用できなくなったって事じゃねーのか」
「まさか!そんなわけ…、」
岸と同様に地平のあたりを凝視しながら事もなげにそう言い捨てる帆足に、小野寺は目を丸くして反論した。
確かに小野寺から見た帆足は、粗暴で負けん気が強く、扱いにくい男ではあるが…、それでも、大沼に対してだけは、概ね従順である。
それに何より、帆足は大沼とのつきあいも一番長く、腹心中の腹心と言える存在だ。そもそも所沢解放戦線とは、大沼と帆足が出会ったところからスタートした組織である。
その彼が今更疑われるなど、あるはずがない。
「冗談だよ。いちいち本気にすんなよお前は、やりにくいな。沼者は単に心配性なんだよ、知ってんだろ、そのくらいのこと」
「そりゃ知ってるよ。でも、あんたが言うと冗談に聞こえないんだよ、それに…」
小野寺は帆足の横顔を睨みながら、その心配性を差し引いても…、と言おうとして、口を噤んだ。これ以上何を言っても無駄だ、相手が悪い。
幹部に与えられている権限は誰も等しく同じだが、それは序列が存在しないということではない。帆足は幹部の中で一目置かれる存在であり、小野寺の口から真面目に考えろなどと言うことはできない。
もっとも、言ったところで聞かないだろう。帆足が自主的に頭を使ってくれるのは、いかにして目的を達成するか、その手段を考える時だけだ。彼は自らに課された任務の意図についてあれこれ考えることはない。
ある種、気楽な性格だ…、と思いながら小野寺は、帆足の吊り目に視線をやった。
いつ見ても腫れぼったく、無愛想な目だ。何を考えているかわからない。
そして、その目のすぐ下、頬骨のあたりに、くっきりと裂傷の跡がついている。頬だけではない、腕や胸、至るところ傷だらけ。
この全身に残る傷跡は、これまでに彼の潜り抜けてきた幾千の戦いによって刻まれたものだ。
俺達きたわぁぁぁ!
俺達きたこれw
帆者かっこよすぎてフイタwww
イラストが出たということは彼は主要キャラなのかな?
帆者かっけぇw
551 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/07/31(木) 20:55:47 ID:CP4VJmXd0
c
イラストかっけえwwww
俺達最高wwww
作者さん乙ですよ!
帆足たんかっけぇ!!
のに今しがた打たれて(ry
だって大事な場所で爆発炎上、それが俺達のイズムだからw
帆者の名誉のためにいっとくとナカジのアシストも見逃してはいけないと思う
むしろ昨日の炎上で総帥の信頼を取り戻せたのでは・・・orz
そして岸も俺達に・・・ああ、もう!
・・・続きが楽しみでたまりません
西岡大松ナカジあたりがアシストしてたなw
それも含めても俺達すぎたけどw
捕手ついでに、
大尉おめでとうございます
しっかりスレ読んでレスしないと本当に浮くなw
だもんで
荒木大尉は大爆発と沈黙を繰り返す属性があるんだわ
だで連合軍海外派遣で、どっちの結果がでるか心配だわなぁ
大尉は打席に立つことがあるのだろうか?
こういうの否定するつもりはないが
実況で話題にするのはやめてもらいたい
>>565 あれ?その関係者、薄汚れてね?w
自分が交流戦で会ったときはもう少し肌にハリがあったような・・・。
安定した基盤を得て、日々戦闘に明け暮れることのなくなった現在の解放戦線では…、ただ局地的な戦闘が得意で、暴れるより他に能のない帆足が幹部の筆頭に位置しているのは、組織として効率的でない。
しかし、独裁政権を倒し、解放戦線が所沢の支配者としての足元を固めるまでの、血塗られた道を先鋒で切り拓いてきたのは、ほかの誰でもない、この男だ。その歴史が肉体に刻まれている。有無を言わさぬ迫力。
これがあるから、帆足が幹部として充分に機能していないことは周知であるにも関わらず、実際その雄弁な肉体を目の前にすると、誰も頭が上がらないのだ。
もっとも、胸板に残された一番目立つ火傷の跡は、戦闘による負傷ではなく、なんでも昔、大沼総帥と喧嘩をしたときについたものらしいが…。
「ね、見てください!…あれ、そうじゃないですか」
突然、岸が声をあげた。その指差す方向を、帆足はチラリと視線を向けて、小野寺は欄干から身を乗り出すようにして見た。
もっとも、二人には岸ほどの視力はなく、正確なことはわからないが…、確かに、ヘッドライトが近づいてくるのが見える。
「あれ、でも、2台…?ですね」
自分で言葉を続けながら、岸は少し戸惑いを見せた。それがどういう考えから来るものか、小野寺にも理解できる。
「少ないな」
先程から話題になっている、幹部を3人も投入しているというのに…、ということから考えると、たったの2台は少なすぎるように感じられる。
なにしろ、時刻、場所まで正確に指定されたのだから、当然、総帥は輸送部隊の編成くらい把握しているはず。
しかるに、この3人に加え小野寺直属の手勢を数名、この人数でアジトを出るところを、大沼総帥は自ら見送っているのだ。
それで何も言われなかったということは…、つまり、そういうことなのだろうか。
「ええ、もしかしたら別の…」
「…民間車両かもしれないな。文京軍の輸送車かどうか、見分けられないか」
小野寺に言われて岸は再び目を凝らしたが…、自慢の視力をもってしても、その判別は不可能だった。
「この暗さでは、ちょっと…」
「関係ねぇよ」
申し訳なさそうにその旨を告げる岸の言葉を、帆足が乱暴に横から遮る。
「色ガラなんてどうでもいい。この時間に現れたからには、あれがターゲットだ」
「でも…、定刻じゃないですよ」
「車なんて遅れるもんだ」
「でも」
「迷ってる暇はない」
帆足は鼻の頭に皺を寄せ、牙のようになった八重歯を剥いて、ギラリと岸を睨んだ。
「車が通ったのが10分遅れだったもんで、本当に目標かどうか迷っちまって取り逃がしましたなんて報告を、この俺にさせる気か!?」
「そ、そんな、」
「ちょっと、落ち着いて!」
岸は勿論のこと、小野寺にまで緊張が走る。なぜなら、帆足がどういう性格の持ち主だか、小野寺はよく知っているからだ…、
これ以上グズグズして機嫌を損ねると、岸は殴られるどころでは済まないかもしれない。そのうえで帆足は一人ででも任務を強行しようとするだろう。
帆足が相当の実力を持っているらしいことは小野寺も承知だが、事情はわからないにしろ、この人数で妥当と判断される仕事なのだろうから…、さすがに一人で行かせるのはまずい。
作者は実況にほとんど行かないので状況がよくわかりませんが、
>>564に心当たりのある人はどうぞご一考下さい
実況スレにここを貼った人がいました
みんなスルーでした
>>570どうもです。
ただ、これは推測なんですけど…、
単にURL貼ってスルーされていたのなら、「話題にするのはやめてもらいたい」っていう言い方にならないと思うんですよね。
試合実況中にここでのネタを持ち出してる人がいるんじゃないのかな、たとえば選手の呼称とかで。
見てないとわからないという点でこんなものは内輪ネタですから、ネタスレや雑談中ならともかく、
人の多い時間帯にあんまり話題にされると不快というのは理解できます。
別に該当部分を探してきてくれと言ってるのではないです。
それぞれが気をつけて、よそで内輪ネタをやらないで下さいね。
「わかった、わかったから。じゃあまず、目標が通る直前にマシンガンで足止めをさせて、」
「素人は黙ってろ」
苛立ちを隠そうともせず、帆足は小野寺をキッと睨みつける。…なんて目つきをするんだ。そう小野寺は思った。
陰では狂犬とも噂される、そのふたつ名の所以がよくわかる。苛烈な害意を真正面からそのままにぶつけてくる、とても仲間に向ける目と思えない。
「とりあえず俺が行って先頭を止める。そうすれば後ろは追突するから、そうしたら、お前らで包囲しろ。そのくらいできるだろ」
「行って止める、って」
「一応言っておくが、緊急時以外、銃は使うなよ」
早口で帆足が口走ったその内容が一瞬で理解できず、岸は聞き返したが…、それに対する説明は得られなかった。
もっとも、これは相手が仮に今の帆足でなかったとしても、同じことだったかもしれない。輸送車はもう、すぐそこまで迫ってきている。
同様に、銃を使うなと言われた理由も小野寺には理解できなかったが、それを尋ねている猶予はもうなかった。
「じゃ、いくぞ」
そう言って帆足はヒラリと高架橋の欄干の上に飛び乗ると、ガチャ、と音をたてて腰の湾刀を抜いた。
帆足愛用のこの剣は刃渡りせいぜい50センチ程度の短いもので、造りは分厚く頑丈そうだが、どういう使い方をしたらこうなるのかというほど、傷だらけで、刃こぼれさえしているように見える。
そして、小野寺が一瞬だけ、ほんとうに一瞬だけその剣の傷み具合に気を取られた、その次の瞬間には…、
帆足は両腕を真横へ広げ、欄干を勢いよく蹴って、輸送車の走ってくるほうへ、宙に向かって飛び込んだのだ!
「あっ、何をっ」
小野寺は思わず目を覆った、しかし。
「うわ、すげぇっっ!!!?」
岸の素っ頓狂な声につられて見ると、驚くまいことか、帆足はグライダーのように空中を滑空し…、
輸送車のフロントガラスへはりつくと、そのまま一撃、左手の剣を振り下ろした!
ガチィィィン、という衝撃音と同時に、激しいブレーキの摩擦音が夜空に響き渡り、輸送車は急ハンドルを切って停止した。そして帆足の予告した通り、二台目の車両が追突する。
その衝撃が来る寸前、帆足はヒビの入ったフロントガラスを蹴り、後ろへ宙返りをして、トン、と路面に着地した。
「力者、行きましょう。急がないと」
「あ、ああ、そうだな」
信じられないものを目の当たりにして、思わず口をあけていた小野寺は、岸の言葉でハッと我に返った。
「みんな行くぞっ、包囲しろ」
小野寺は今更な命令を出すと、岸、それに手勢を伴って高架橋を掛け降りた。
その間に帆足は運転席側の窓を打ち破り、ドライバーを無理やり車外へひきずり出そうとするが…、敵もさるもの、右手に拳銃を掴み、それを帆足に向けようとしているのが、岸の目にハッキリと見えた!
「帆者、危ない!」
その声が先か、否か、ほとんど同時に、帆足の剣が空気を裂いた。悲鳴とともに猛烈な血しぶきが上がる。そして拳銃を握った腕が跳ね飛ばされ、血塗れになった男が、やがて車から引きずり出された。
「抵抗は無用だ。貴様も出てこい」
入れ替わりに運転席へと身体をネジ込んだ帆足が、助手席に向かって発する声が聞こえる。まだ同乗者がいるのだ。小野寺は助手席側を取り囲むよう手勢に指示を出した。
「銃を捨てろ。俺も乱暴はしたくない。見てなかったわけじゃないだろう、貴様がその銃を撃つより、俺の剣のほうが速い」
その言葉にあっさりと従い、助手席から出てきたのは…、女だった。その背後から血刀を突きつけつつ、帆足は小野寺を一瞥すると、それから顎で女を指した。
「何を」
「はあ!?縛っとけって言ってんだよ」
「あ…、すまない」
「そんなことも口で言わなきゃわからねぇのかよ。じゃあ一応言っとくが、こいつもだぞ?」
尊大な口調でそう言い捨て、帆足は右腕の半分を失ってその場にうずくまる男の背中を蹴り飛ばした。男の口から漏れたうめき声に、思わず小野寺は顔をしかめる。
すでに重傷の相手に対してこの蛮行、こういうことを平気でやっているから、いつまで経っても俺達は国際社会で認められないんじゃないか…!
小野寺は覚えずのうちに歯軋りしそうになる自分をぐっと抑え…、帆足の後姿を暫し見つめながら、自分の首に巻いていた麻のスカーフを外し、女を後ろ手に縛った。
新作キテター!帆足怖いよ帆足
>>571 D専住人ですが、ここのネタを持ち出したりっていうのはなかったですよ
ご一考とご一報読み違えたんじゃね
帆者がすごく…危ないです…
新作大量投下乙です!
帆者も天然モノの気の使い手なのか!?
しかしこんだけ強くて武闘派丸出しの帆者に一番大きな傷をつけたのが総帥とは…
総帥は本気になったらめちゃくちゃ強いんだろな…
新作乙。
帆足こええええ
「後ろの車は、どうだ」
「動きがありません。動けないのかもしれない」
問われて岸は自分の考察を述べたが…、帆足は同じ質問を小野寺にはしなかった。
つまり今、この作戦上において帆足は小野寺を見限ったのだ、ということは、小野寺本人は勿論のこと、若輩の岸にもすぐにわかった。しかし…、
「なら、そっちも取り押さえるぞ。岸者、やれるか?」
「や…、やってみます」
「よし」
今この場、この状況、帆足がジッと見守っているのか睨んでいるのか、とにかくその目に凝視された状態で小野寺を気遣えるような余裕など、とても岸は持ち合わせなかった。
岸は緊張気味に腰の短剣を抜くと、ゆっくりと慎重に歩き出した。それから少し遅れて帆足が歩き出そうとした、その時…、
突然、エンジン音が鳴り響いた。
その音が耳に飛び込んだ瞬間、帆足はピンときた…、
「岸者退け!あれが本体だ、先頭ははじめからオトリなんだよッ」
「え、」
輸送車は数メートル後ろへ下がり、そして猛然とエンジンを唸らせ、急発進した!
「逃げろ!!轢かれる!!!」
叫びながら、帆足は必死の形相で、路上に立ちすくんだ岸に飛びかかろうとした。これは無謀でも自己犠牲でもなんでもなく、帆足は自分自身の持つ能力をよく理解していて、
先刻高架橋の上からやったように、低空を滑って岸を体当たりではね飛ばし、反動で自分は停止して、そこから垂直に跳び上がり、
すでにフロントガラスの大破している剥き出しの運転席へ斬り込もうと計算したものだが…、
「ぐあっ!」
突然、その帆足が叫び声をあげた。片腕になった男が、地面に這いつくばりながらもその左手にナイフを持ち…、渾身の力を振り絞って、帆足のふくらはぎを斬り付けたのだ!
「野郎ッ」
そのナイフを咄嗟に蹴り上げつつ、帆足は直感した。傷は浅くない。それでも、その脚で、どうにか前へと跳ぼうとした…、次の瞬間、失敗を悟り、彼は顔を歪めた。
だめだ、機を逸した、間に合わない……!!!
>>575 それ聞いて安心しますた。杞憂であってくれれば何よりです。
ままままにあわないのか。。。。。。帆足の運命は!?
岸がピンチなんじゃないのか?
hoshu
岸者逃げてー!
おいおい相変わらずいいところで終わるなあwwwwwww
しかし、そのときだった、パン、パン、と二度乾いた音がして、輸送車は急にガクンと動きを止めた。
一体何が起こったのか…、と誰も考えるまでもなかった。岸は拳銃を構え、敢然と大型車両のすぐ前に立っていた…、その岸の咄嗟に撃った拳銃弾が見事、
迫り来る輸送車の、割れたフロントガラスの向こう、ドライバーの頭に命中したのだ!
「岸者てめぇ…、撃ったな」
銃は使うな、と帆足はあらかじめ言っていた。その禁を破ったことは岸も勿論承知…、九死に一生を得たばかりの強張った腕と、構えた銃を降ろしながら、彼は弁明を試みた。
「すみません、でも…、今は、緊急と、思いましたので」
確かに帆足は『緊急時以外、銃は使うな』と言った。そして、あれは間違いなく緊急時だろう。しかし…、
でもと言うな、そこはただ謝っておけ……!小野寺は心の中で叫んだ。所詮、理屈の通じる相手ではないのだ。
そもそも、仲間が一瞬の機転で命の危機を回避したというのに、まず何よりも先にそれを喜ばないなど、頭がおかしいとしか思えない。
話して理解を得ようとせず、噛み付かれないようにだけしておけばいいんだ…、今にして思えばそれを先に伝えておくべきだった、と小野寺は後悔したが、先に立たず。
刺すような獣の目に気後れしつつ、たどたどしくも…、岸はハッキリと言い分を述べた。果たして。
「ふん、まあいい」
その岸に対する帆足の反応は、驚くほどあっさりとしていた。確かに、あの状況で拳銃を使って危機を回避したことを責められても困るが…、
それでも何らかの暴言を吐くかと思って、岸も小野寺も、誰もが身構えていた、その張り詰めた緊張の糸がプツリと切れ、誰からともなしに皆、息をついた。
しかしその安堵も長く続くものではなかった、帆足はおもむろに足元に視線をやると、突然その場へ膝を落とし、そこへうずくまる手負いの男の襟首を右手で乱暴に掴むや否や…、
いきなり左手の剣を振るい、気合一閃、その首を一刀のもとに斬り落とした!
「あっ、何を!?」
言動を咎めないのが正しいつきあい方と熟知している小野寺さえ、この時ばかりは声をあげた。
勢い余って飛んでいった首を目で追うこともせず小野寺を睨みつけ、右手に残った胴体をぞんざいにドサリと落とし、立ち上がりついでに剣に付着した血を振り払いながら帆足は捨てるように言葉を吐いた。いわく。
「てめぇがさっさと縛らねぇからだ」
リアル帆足ってどんなキャラ?やっぱちょっと怖かったりするの?
他球団ファンからすると、「3年やってなんぼは聞き飽きた」しか印象がない>帆足のキャラ
帆足、ヒロイン見る限り相当アホの子のイメージがw
もしかしてスラハザとリアルの世界におけるビョンさんのキャラの違いくらい違ってたりするのか?>帆足
いやあ、リアルでこんな人だったら困るでしょw
何度も言いますけどフィクションですので…
ただ
>>589は総帥の「期待されている感じが伝わってこない」に匹敵する名言だと思う
>>592 もちろんフィクションなのはわかるけど、こういうキャラになった元ネタとかあるのかなって思って。
何かのエピソードが誇張されたのかなと…
まあ雑談しすぎはまずいヨネ wikiでも見てみますわ
>>593 確かに、どこまでが元ネタがあってどこから創作なのかがわかりにくいよね。
保管庫板にちょっと書きました。
>>594 いつも乙です
ビョンさんや初期の森野のように、
モデルとかけはなれたキャラクターも面白いと思いますよ
それにしてもエブリデーフライデーってwww
確か帆足は建さんファンだったはず
握手してもらって凄く喜んでたって記事を読んだような
NACK5のサンデーライオンズでは建さんユニが一番の宝物って本人が語ってたよ
額装して部屋に飾ってるそうだ
菊地原のライバル登場か・・・
昨晩、バラエティで緒方ファミリーが出てて
緒方家にかなこの描いた緒方の肖像が飾ってあったので
このスレを思い出してちょっとにやけた
>>599 ナカーマ
最初、写真かと思ったらかなこ画かよwみたいな
…小野寺は言葉を失った。岸もただ呆然としている。
他の数名はと言えば、今は小野寺配下とはいえ、いずれも解放戦線の兵士であるから…、戦闘に参加したこともあれば、人を殺めたこともあるだろう。そもそも小野寺本人でさえ、戦闘経験は、少ないにしろ皆無ではない。
そういった人間が集まっているにも関わらず…、今、この場の誰もが戦慄した。それが何よりの証拠だ、帆足のやり方は常軌を逸している。
しかし岸は今日が実質的に初仕事である、これが俺達・解放戦線のやり方と誤解されやしないか、そのことが小野寺は気懸かりだった。
「ボサっとしてんな。積荷を確かめるぞ」
「あ、は、はい」
「力者、女を尋問しろ」
帆足に呼ばれ、岸は駆け足で輸送車の後ろへ回る。さらに帆足は小野寺に向かって命令し、三歩ほど岸の向かったほうへ歩き出したのち、思い出したように足を止めた。
「なにを聞くかはわかってんだろうな?」
「……」
小馬鹿にしたようなその言葉に、小野寺は微かに歯軋りする。
「聞こえねぇのか」
「…積荷は、何なのか」
「わかってんならいい。多少のことはしてもいいから、口を割らせろ」
それだけ言うと、帆足は岸の後を追い、輸送車の背後へと回った。小野寺は知らずのうち顔を歪め、その背中を睨みつけた…、
…なぜ、総帥は、あの男を傍に置くんだ!!
そもそも、帆足は解放戦線の内部においても、昔から賛否のはっきり分かれる人物だ。理由は今更挙げるまでもない、この小一時間の行いだけを見ても、誰しも理解するだろう。
総帥同様に人智を超えた能力をもち、戦闘能力は圧倒的だが…、反面、粗暴で気が短く、人使いも荒く、さらには、人命を紙とも思わない。
元をただせば、まだ少年の頃、刑務所の雑居房の中で偶然出会ったという大沼と帆足、その二人の絆が相当に固いのであろうことは、想像に難くない。
さらに、ありふれた賊の類にすぎなかった解放戦線を軌道に乗せ、革命成功まで牽引してきた、その功績が大きいことは、その時代を解放戦線のメンバーとして過ごしていない小野寺にもわかる。しかし…、
いくらなんでも、これは度が過ぎる。有害だ。
現在の都市政府として認められることを目指し、表の世界の道を歩むべき解放戦線にとって、帆足のこの性状はかならず足枷になるだろう。その存在をいつまで、なにゆえ、許しておくのか。
そもそも解放戦線云々以前に、これでは友人としてだって長くつきあえるとは思えない、すでに疎まれていたとしても何ら不思議ではない。
あるいは…、特定の人間の前で態度が変わるというのはよくある話だから、もしや総帥はこの鬼畜ぶりを知らないのか、
そうでなければ、単につきあいが長いというだけでは到底説明できる気がしない。
いずれにせよ、こんな男を幹部の頭に置いていては、都市政府など夢のまた夢ではないか、その夢は、あと少しで手の届くところまできているはずなのに…!
そんな小野寺の悲壮な思いを知る由もなく、帆足は外套の裾を裂き、その切れ端を使って、斬られた脚を縛っていた。
「だめです、鍵がかかってる」
先行した岸がまずコンテナを調べ、帆足にそれを報告する。
「壊せないか」
「…頑丈です。特殊な鍵だと思います」
「なら、ちょっと目先を変えればいい」
新作乙です。
力者は広報担当だから特にこういうことを気にするんだろうなあ。
604 :
代打名無し@実況は野球ch板で:2008/08/09(土) 19:50:13 ID:GdcrnMh70
お
仮にさっきまでの調子なら、鍵がかかっているのは当り前だ、などと言い捨てるところだろう。しかし今、応急処置をしながら帆足が岸にかけた言葉は、それまでの語調とは一線を画している。
岸は聡くそれに気づいたが…、しかし、その訳をわざわざ尋ねることはしなかった。理由はわからないにしろ、まともに接してくれるのなら、それで、とりあえず文句はない。
「…、どうするんですか」
「待ってろ」
やがて処置を終え、立ち上がり、帆足は岸の背後へと歩み寄った。
「怪我はどうです、結構、ざっくりやられたように見えましたが…」
「ああ、まあ、やられたな」
事もなげに帆足はそう言うが、それが決して軽傷でないことは岸の目にも明白だった。膝下に巻いた麻布が、片脚だけ集中的に血に染まっている。全身に浴びた返り血とは見た目に異なる。かなりの出血だ。
「ちょっと降りてこい」
「あ、はい」
足場に乗ってコンテナに張り付いていた岸が降りるのと入れ替わりに、帆足が足場に足をかけた。そのとき帆足の表情がわずかに歪んだように見えて、思わず、岸は声をかけた。
「大丈夫ですか、その脚では」
「うぜぇ黙れ。貴様も斬られたいのか」
「すみませんっ」
せっかくまともに会話ができるようになってきていた鬼神の逆鱗に触れ、軽率だったと岸は内省した。小野寺という要素がそこに加わっていたにしろ、不注意から負った怪我だ、つまりは不名誉。
本人が別状ないというアピールをしているのだから、わざわざそこを蒸し返すのは、配慮が少し足りなかった。
「…確かに、鍵は無理だな。仕方がない、箱に穴をあける」
「え?」
「破片が飛ぶかもしれないから、離れてろ」
何を言っているのか、岸には理解できなかったが…、とにかく離れていろと言われたので、急ぎ、後ろへ数歩下がった。
帆足は剣を鞘へ収め、左手をみつめて数回握ったり開いたりして、やがて一人うなずくと…、
突如、キィィィィンという耳鳴りに似た音が辺りに鳴り響いた。実際、岸はそれが自分の耳鳴りかと思ったほどだ、しかし、徐々に大きくなるその音は、帆足の手のひらから発せられているということがすぐにわかった。
そして音が大きくなるにつれ、帆足を中心にして強い風が巻き始めた…、すぐにその風は暴風となり、岸は飛ばされそうになって、さらに後ろへと下がった。
帆足の手のひらから青白い光が稲妻のように空気中へと走り、そのたびにバチバチという放電の音がする、その手のひらをおもむろにぐっと握ると、帆足はいきなり輸送車のコンテナを殴りつけた…!
竜巻が家屋に直撃したかのような強烈な破壊音と共に、突風が巻き起こる。目も開けていられない。
5メートルほど後ろへ離れていた岸はなんとか耐えたが…、じきに風がおさまり、見ると、帆足本人が吹き飛んで、路上へ投げ出されている。
「だ、大丈夫ですか」
「痛ててて…」
脚を斬られても痛いと言わなかった帆足が腰をさすりながら起き上がる様子に、岸は手を貸しながら思わず笑ってしまいそうになった。
しかし、実際そんなことをしては何をされるかわからないので、どうにか、努力して表情を保った。
「ちょっと、見てこい」
言われて見ると…、そこには信じられない光景があった。コンテナの背面の左半分が、X字型に裂けている。
「す、凄いですね」
「別にたいしたことじゃない。あれは実戦じゃほとんど使えねぇんだ。一発撃てば疲れるし、見てただろ、チャージに時間がかかるからな…」
「でも、空を飛んだり、あんなことができるなんて、自分らからしたらそれだけで。帆者、あなたは、総帥と同じ…能力者なんですか?」
「同じと言やあ同じだし、違うと言えば違う。奴が炎なら…、そうだな、俺は風か何かだ。
俺と同じようなのは能力者の中に時々いるが、奴はレアだぞ、少なくとも俺の知る範囲には二人といねぇ。…まあそんなことはいい、中身は何だ」
「あ…、そうですね」
岸は走って行き、コンテナに開いた穴から中へと身体を滑りこませた。中は当然真っ暗だったが…、岸は肩から掛けていた鞄からランプを取り出し、それを点灯した。
「何だった」
遅れて帆足が中を覗く。
「何でしょう…、わかりません」
コンテナの内部にしっかりと固定された大きな箱を開けると、中には緩衝材が詰まっていた。それをさらに取り除き、中から現れたのは…、
「黒い…、プラスチックの塊に見えます」
「出してみるぞ」
「…いいですか」
「よし」
「せぇの」
中へ入ってきた帆足が手伝い、掛け声にあわせて二人掛かりで持ち上げ、床へ降ろしたその塊からは、配線がいくらか出ており、端子のようなものもくっついている。一見しては何だかわからない。
「テレビの背中みてぇだな?岸者、何だと思う」
「何かの集積回路…、かもしれませんが、何に使うのかまでは…」
「まあ、それはわからねぇだろう。俺もそこまで無茶言わねぇよ」
「…そうだ、力者に尋問をお願いしてありましたね。聞いてみましょう」
「ああん」
岸の提案に、帆足は口元に感じの悪い笑みを浮かべて首を振る。
「どうせ何も聞き出せやしねぇよ」
「でも、一応」
「…そうだな。お前行って、女をここへ連れてこい」
「わかりました」
それはあくまで、小野寺の尋問の結果は眼中にないと言わんばかりの指示だった。それがわかっていて尋問を言いつけたのかと思えば、岸は少し不快な気持ちがしたが…、しかし実際、帆足の言うことは当たっているだろう。
「力者、どうですか、何かわかりましたか」
小野寺の元へ走ると、岸は帆足に言われた通りにはせず、まず小野寺に成果を尋ねた。
「いや…、どうにも口が堅い」
そう言う小野寺は女の喉もとに剣を突きつけてはいたが…、他には特に、手荒な真似をしたような形跡は見られなかった。
その小野寺が間違っているとは岸も思いたくなかったが、相手も訓練を受けた兵士なのだろうから、これでは何も聞き出せないのも道理だ。
「連れて来い、と帆者が言うので。申し訳ありませんが…」
「…何をする気だ」
「わかりませんけど…、尋問でしょう」
小野寺が聞きたいのはそういうことではない、それは岸にもわかっていた。尋問と称して何をする気かと小野寺は言いたいのだ。しかしそれを言われても、岸には答えようがない。
勿論、それは質問をした小野寺にもわかっていることだ。
作者様、乙です!
最近ハイペースですね(・∀・)嬉しいですwww
作者様乙です。
やまちゃんの高く跳ぶとかっていう能力も、
帆者と似たような属性の気を使っているのだろうか…
総帥と帆者の出会いは刑務所なのか
何をしでかしたんだろう…
>>611 権威への反抗…すなわち
炎 上
…orz
「…すまない。愚問だな。お前たちは待機していてくれ」
小野寺は自嘲気味に笑ってかぶりを振ると、手勢に指示を出し、そして女の腕を掴み、立ち上がるように促した。
その掴み方を見て、これは不意を突かれたら逃げられると直感した岸は、縛ってある手首を強く掴んだ。女が溜息をつくのが微かに耳に入る。…やはりか。危ないところだった。
「帆者、連れてきました」
「…余計なのがついてきてるようだが、まあいい。出口を塞いでおけよ」
帆足は小野寺に一切問うことをせず、岸に渡された女の襟を乱暴に掴むと…、いきなり、その身体を箱へと打ちつけた。
「うッ」
今まで固く沈黙を守っていた女の口から声が漏れる。
「わかってんな?俺はそこのボンクラとは違うぞ?」
腕を縛られているためうまくバランスが取れず、女は倒れそうになった。その胸倉を掴み直し、帆足は女に顔を近づける。
「この箱の中身は何だ」
女は答えない。顔を歪め、そっぽを向いて視線を横へ逸らす。
「早いとこ答えたほうが身のためだぞ」
…答えない。このままでは本当に何をしでかすかわからない、早く口を割ってくれ…、と、小野寺も岸も、祈るような気持ちで見つめている。果たして次には何を言い出すか…、
「…犯されてぇのか?」
帆足はそう言うと、左手を女のベルトのバックルへ掛けた。女の表情が一層強張る。
「帆者、やめろ!それは駄目だ」
小野寺が思わず声を上げたそのとき…、女は突然、脚を振り上げた。帆足の急所に膝を当てようと狙ったのだ。
しかし…、
「おっと」
軽くヒラリとそれをかわすと帆足は胸倉を掴んでいた右手を急に離した…、その途端、手から爆風が巻き起こる。女は後ろへ吹き飛ばされ、背中を壁へ打ち付けた。
帆足は獣のように獲物を壁へ追い詰めると、今度は小野寺が口を挟む間もなく、女の太腿を踏みつけた。
そして再びバックルに手をかけ、腰からベルトを一気に抜き取ると…、そのベルトを使い、女の両脚を縛り付けた。女も抵抗を試みるが、やがて力ずくで捻じ伏せられた。相手が悪い。
「早いとこ答えたほうがいいって言っただろ。こいつは何なんだ」
床に転がった女を見下ろすように側へしゃがみ、帆足は顎で黒いプラスチック塊を指しつつ、再び問いかけた。
「…知らない」
「はあ、知らんだと。それで済むと思ってんのか」
「本当に知らない!」
女は観念したのか、あるいはそうでないのかわからないが…、突然、大声を出して喚いた。
「帆者、これ以上は」
見かねた岸が声をかけた。帆足はその声に振り向くと、少しの間考え、そしてうなずく。
「そうだな。これ以上は無駄だろう。仕方ねぇ。おい、女、…時間切れだ」
「あのっ、くれぐれも乱暴な真似はっ!」
「んな声出さなくても、文京の女に興味ねぇよ」
「それだけじゃなくて」
帆足はそれに答えなかった。そして脚の傷を庇うように立ち上がると、再び腰の剣を抜いた。生乾きの血がこびりついている。
力者は優しすぎるんだねえ…
「帆者!」
岸の制止も聞かず、帆足は剣を振り上げた。
またやりやがった!小野寺も岸もそう覚悟した…、次には女の首が飛んで、赤い血しぶきが上がるだろう、
…その予測を裏切って突然、バーンという音が鳴り響き、黒いプラスチック塊が真二つに割れた。
「よ、良かったんですか」
「何だかわからん以上は、壊すしかない。総帥は俺らに何つった?」
「…輸送部隊を襲撃しろ、と」
「そうだ。積荷を回収して来いとは言ってない。だからこれでいい。行くぞ。撤収だ」
そう言うと、帆足は女に目もくれることなく、コンテナの外へ出た。岸、それに小野寺が安堵の息をつきながら顔を見合わせ、それに続く。
「迎えは?どこで合流だっけか」
「…ここの道を少し上り方面行って、左へ曲がってしばらく行ったあたりだ。…もう来ているだろう」
「そうか」
小野寺の答えに軽く返事をし、帆足は歩き出した。しかし、数歩歩くと、何かを思い出したように足を止めた。
「どうか、したのか」
「力者。お前、手榴弾持ってるか。持ってるよな。俺達幹部ともあろうもんが」
「…そりゃ、持ってるが」
「へぇ、案外しっかりしてんじゃねぇか」
解放戦線は総帥以下、炎の神アワハラを信仰する集団であるから…、生身の身体から爆発を起こせる総帥に倣い、どこでも爆発が起こせるよう、幹部はみな手榴弾を常に携帯している。
「あんた持ってないのか。俺達幹部ともあろうもんが」
「持ってねーよ。俺は別にナントカの神の世話になっちゃねぇからな」
「不信心だな」
「んなこと言って、お前本当はどうなんだ。普段実戦に出ねぇからって、忘れて来てたり」
「まさか、そんな事」
「なら、見せてみろよ」
c
とてつもなく嫌な予感がする。しかし、断るとまた面倒なことになるだろうか…、そう思い、小野寺は仕方なく手榴弾を取り出した。すると目にも留まらぬ速さで帆足はそれを奪い取り、クルリと後ろを向いた。
「あっ、ちょっと」
「借りるぞ」
誰も、制止する暇もなかった。帆足は手榴弾のピンを抜くと…、それを二台の輸送車へ向かって投げつけた!
耳をつんざくような音をたて、爆発が起こる。さらに漏れたガソリンが引火し、車両はまたたく間に激しい炎に包まれた。
「おい、帆者…、」
小野寺は青ざめた顔で帆足を咎めたが…、すでに小野寺の横に帆足はいなかった、それどころか、岸もいなかった。車両の残骸をまたたく間に飲み込んだ業火を見届けることもなく再び踵を返した帆足を追って、岸も行ってしまっていた。
「はあ、疲れたな」
そう言って息をつく帆足に追いつき、岸は並んで問いかける。
「なぜ、殺すんですか!」
それはある種の核心のようなものだった。小野寺ならおそらく尋ねないだろう。だが岸は尋ねておきたかった。
「…お前、くだらねぇこと聞くんだな」
「くだらないと思わないから、聞いているんです。なぜ殺すんですか。殺してもいいと思うからですか、それとも、殺したいから、ですか」
殴られるくらいのことは覚悟で、岸は立て続けに問うた。どうしても答えが欲しい。この男を少しでも理解したいと思った。
なぜなら、少なくとも岸にとって…、帆足は噂に聞いていたほどに理不尽な男ではなかったからだ。
帆足とは賛否の分かれる男だ…、その理由は今の岸にはとてもよくわかる。しかし岸はどうしても、彼を真っ向から否定する気になれない。
やり方は確かに人道的でない、しかし、人の謗りには耳も貸さぬ生き様、目的に向かって最短距離をゆく胆力、そして何より、圧倒的な強さ…、それらがすべて焼け付くように眩しく、強烈に胸を揺さぶる。
だからこそここは重要なのだ。鬼神の類には違いない、だが果たして本当に、そこらで言われているような、単なる殺人鬼にすぎないのか。
「ここは文京の基地から近い。一人でも生かしといて、何かの手段で助けを呼ばれたら、撤収が間に合わないかもしれんと思った。
それに、こんな場所で、これが所沢の俺達の仕業だってバレたら…、わかるだろう」
「…文京の、報復を」
「そうだ。だから殺した。ついでに言うと…、銃を使うなっつったのも同じ理由だな。残された銃弾から足がつくこともある」
「申し訳ありません」
「もう使っちまったもんは仕方ねぇ。俺に謝られてもどうにもならん。謝りたきゃ、総帥にでも謝れ」
「……」
果たして、得られた回答は明確で、かつ、岸が予想していたよりもはるかに冷静で合理的だった。つまりは、所沢解放戦線の利益を考えたとき、殺したほうがいいと思ったから――。
それを聞いて、岸は歩きながら考え込んだ。だから殺していいとはやはり思わない。自分はそこまでは割り切れない、が…、
帆足がそういう人間ならば、ここにひとつ、別の切り口がある。
というのはつまり、この場所でこのメンバーで文京軍に対しテロ行為を働くという、そのことを決めた時点ですでに、こうなることは大沼には初めから予想がついていたのではないかということだ。
仮にそうなら、彼ら文京軍の兵士を殺したのは帆足ではない。命令を下した大沼だ。
そう考えたとき、岸の頭の中に、不意にひとつのストーリーが浮かびあがった。
帆足はもしかすると、その大沼に代わって革命の暗部を一身に背負い、長い間、汚名を着続けているのかもしれない…、
しかも、一切の不平を口にすることもなく。
あなたにとって、総帥とは一体何ですか。そんな質問が喉まで出掛かったが、それを岸は飲み込んだ。
その質問はまだ早い、それをこの傷だらけの先人にぶつけられるほど、まだ、自分自身に器がない…、そう直感したからだ。
岸はさらなる答えを求めるがごとく、帆足の横顔を見た。いつものように、不機嫌そうな腫れぼったい目が…、
ただまっすぐに、前だけを見ていた。
いつもどうもです。
誠に勝手ながら私スラハザはしばらく夏休みをいただきます。
その間ネット環境を離れますので、お手数ですがみなさま保守をお願いします。
勝利こそがわが命
総帥こそ全て
保守
作者さん、乙です!
帆者…実はいいヤツなのか…。