一億円プレーヤーバトルロワイヤル第7章

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1ウグイス嬢
日本プロ野球高額所得選手による一億円プレイヤーバトルロワイアル
−通称ビリオネア・バトルロワイアルを開催しております。

前スレ
一億円プレーヤーバトルロワイアル第六章
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/base/1164444259/l50

ビリオネア・バトルロワイヤル第一章
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/base/1125816172/
一億円プレーヤーバトルロワイヤル第二章
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/base/1128356484/
一億円プレーヤーバトルロワイヤル第三章
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/base/1133013773/
一億円プレーヤーバトルロワイヤル第四章
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/base/1147503472/
一億円プレーヤーバトルロワイヤル第5章
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/base/1153748230/

億バト保管庫
ttp://tokyo.cool.ne.jp/birioneabr/index.html
億バト保管庫用板
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/5254/
会場マップ
ttp://tokyo.cool.ne.jp/birioneabr/iup82970.jpg
ttp://tokyo.cool.ne.jp/birioneabr/up6837.jpg(50話現在地図・2氏作成)
ttp://tokyo.cool.ne.jp/birioneabr/up6708.jpg(50話現在地図・415氏作成)

※新規リレー参加をご希望の方は、保管庫BBSまでご一報下さい。
2代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 00:01:24 ID:972z0sM10
他バト保管庫

讀賣巨人軍バトルロワイアル
ttp://www.geocities.co.jp/Athlete-Crete/5499/
横浜ベイスターズバトルロワイアル
ttp://www003.upp.so-net.ne.jp/takonori/
ttp://doubleplay.hp.infoseek.co.jp/ybbr05/ (2005年版保管庫)
広島東洋カープバトルロワイアル
ttp://brm64.s12.xrea.com/
ttp://www6.atwiki.jp/moriizou/ (2005年版保管庫)
中日ドラゴンズバトルロワイアル
ttp://dra-btr.hoops.jp/ (2001年版保管サイト)
ttp://dragons-br.hoops.ne.jp/ (2001年版・2002年版保管サイト)
ttp://mypage.naver.co.jp/drabr2/ (2002年版保管サイト)
ttp://cdbr2.at.infoseek.co.jp/ (中日ドラゴンズバトルロワイアル2 第三保管庫)
ttp://qdr.mydns.jp/drbr2004/(中日ドラゴンズバトルロワイアル2004保管庫)
阪神タイガースバトルロワイアル
ttp://kobe.cool.ne.jp/htbr/
ttp://homepage2.nifty.com/sorasouyo/ (旧虎バト保管庫・若虎BR紅白戦進行中)
ヤクルトスワローズバトルロワイアル
ttp://f56.aaa.livedoor.jp/~swbr/
プロ野球12球団オールスターバトルロワイヤル
ttp://www.geocities.jp/allstar12br/

3代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 00:02:04 ID:972z0sM10
福岡ダイエーホークスバトルロワイアル
ttp://www3.to/fdh-br/ (s氏作)
ソフトバンクホークスバトルロワイアル
ttp://sbh.kill.jp/
アテネ五輪日本代表バトルロワイアル
ttp://athensbr.fc2web.com/
東北楽天ゴールデンイーグルスバトルロワイアル
ttp://www.geocities.jp/trgebr/
ビリオネア・バトルロワイヤル
ttp://tokyo.cool.ne.jp/birioneabr/index.html
西武ライオンズ バトルロワイアル
ttp://web-box.jp/lions_br/
オリックスバファローズバトルロワイアル
ttp://sbh.kill.jp/bs/
北海道日本ハムファイターズバトルロワイアル
ttp://fsbr.no.land.to/
2ch野球板 バトルロワイアル 参加者名簿
ttp://www4.atwiki.jp/basebr/
マーダー名鑑
ttp://www.geocities.jp/murder_file_3bbr/
見守るスレ バトロワまとめ
ttp://sports.geocities.jp/mimamoru_br/
4代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 00:02:54 ID:972z0sM10
バトロワSSリレーのガイドライン

第1条/キャラの死、扱いは皆平等
第2条/リアルタイムで書きながら投下しない
第3条/これまでの流れをしっかり頭に叩き込んでから続きを書く
第4条/日本語は正しく使う。文法や用法がひどすぎる場合NG。
第5条/前後と矛盾した話をかかない
第6条/他人の名を騙らない
第7条/レッテル貼り、決め付けはほどほどに(問題作の擁護=作者)など
第8条/総ツッコミには耳をかたむける。
第9条/上記を持ち出し大暴れしない。ネタスレではこれを参考にしない。
第10条/ガイドラインを悪用しないこと。
(第1条を盾に空気の読めない無意味な殺しをしたり、第7条を盾に自作自演をしないこと)

5代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 00:04:20 ID:iHxtofgu0
リアルタイム書き投下のデメリット

1.推敲ができない 
⇒表現・構成・演出を練れない(読み手への責任)
⇒誤字・誤用をする可能性がかなり上がる(読み手への責任)
⇒上記による矛盾した内容や低質な作品の発生(他書き手への責任)
2.複数レスの場合時間がかかる 
⇒その間に他の書き手が投下できない(他書き手への責任)
⇒投下に遭遇した場合待つ事によってだれたり盛り上がらない危険がある。(読み手への責任)
3.バックアップがない 
⇒鯖障害・ミスなどで書いた分が消えたとき全てご破算(読み手・他書き手への責任)
4.上記のデメリットに気づいていない
⇒思いついたままに書き込みするのは、考える力が弱いと取られる事も。
 文章を見直す(推敲)事は考える事につながる。過去の作品を読み込まず、自分が書ければ
 それでいいという人はリレー小説には向かないということを理解して欲しい。
6代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 00:05:17 ID:iHxtofgu0
他バト現行スレ

2323バトルロワイヤルルール 2本目
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/base/1177781220/l50
阪神タイガースバトルロワイアル第八章
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/base/1166020643/l50
オリックスバファローズバトルロワイアル第3章
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/base/1176382428/l50
広島東洋カープバトルロワイアル第四章
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/base/1179390043/l50

野球バトルロワイアル総合雑談所4
http://sports2.2ch.net/test/read.cgi/entrance2/1186281620/l50
7代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 00:09:07 ID:gl9UrAj50
おお、復活かぁ!
>>1さん激しく乙です
8代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 00:12:02 ID:iHxtofgu0
テンプレ以上です。
参加者名簿は保管庫をご参照下さい。
http://tokyo.cool.ne.jp/birioneabr/index.html

2日目0時現在
【残り47名 年俸総額103億980万円】
9代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 00:25:45 ID:vHvZ3aWW0
>>1乙です!
待ちに待ってました!
10代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 01:40:52 ID:DVJMDUIjO
>>1乙!
ずっと待ってたよ!
がんばってまた保守するよ。
11代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 01:58:11 ID:Tm2xSnr60
>>1激しく乙!
マメに保守しつつwktkしてるよ!
12代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 02:53:02 ID:3ImubK4U0
>>1乙!
13代打名無し@実況は実況板で:2007/08/22(水) 12:07:13 ID:kS5VCaqWO
>>1乙です!!
新作投下楽しみにしてます
14代打名無し@実況は実況板で:2007/08/23(木) 00:53:45 ID:HzmVSh/ZO
>>1さん乙
あまり出番の無い選手の話も見たいな
15代打名無し@実況は実況板で:2007/08/23(木) 08:59:20 ID:XaqFTripO
>>1
乙です。新作楽しみに待ってます!
16代打名無し@実況は実況板で:2007/08/23(木) 10:36:30 ID:2FUnBarwO
やったー
嬉しい続きが読める!
17205 ◆cZJuOTmaac :2007/08/23(木) 15:15:39 ID:NeqzZjK+0
【107】猫が行方不明

地図で言えばC−5、森の北東の端。
木々と蔦に包まれるようにして建つ小さな廃屋に、黒田と野村は潜んでいた。
0時の放送が終わって暫くした頃だった。「見回りをしてくる」と短く言い残して、野村は
部屋を出た。
黒田は背中で玄関の戸が閉まる音を聞き、さっきまでそこにあった野村の横顔を思い返して
いた。
今までにない程やつれて見えたのは、決して気のせいではないだろう。
無理も無い、と思う。
緒方と佐々岡を立て続けに亡くし、前田の行方も分からない。チームメイトを失う苦しみは
黒田も同じだが、緒方らと共に過ごした時間は野村の方がずっと長い。
そのつらさは一通りではない筈だと思えた。
加えて、死者19名という現実。当初思い描いていた「仲間になれる人間を見つけて脱出す
る」という希望を抱き続けるには、人が死にすぎている。
無理も無い、と自分に言い聞かせる一方、野村のそんな様子に少なからず動揺しているのだ
った。
―――あんな小さい背中やったろうか。
野村の萎れた後姿を思う。まるで久しぶりに実家に戻り、父親の老いた姿に気づいたような、
寂しさ、悲しみ、悔しさ。そんなものが入り混じる。
18205 ◆cZJuOTmaac :2007/08/23(木) 15:16:45 ID:NeqzZjK+0
入団した頃からずっと、黒田にとって野村謙二郎は赤ヘル軍団の頼れるリーダーだった。
いつも冷静で理知的で、心の強い人間だと――――そうだとばかり思い込んでいた。
こんな風に落ち込むことも、幾度となくあったのかもしれない。だがその度に、決して下の
者には悟らせないように押し隠して来たのだろう。
そして今この時、こんな切迫した状況であっても、野村はその習慣を変えようとしないのだ。
一目見て死体と分かる佐々岡の、ある筈も無い脈を確かめずにはいられなかった後も。
ベテランも歳若い者も見境なく増え続ける死亡者の名に、一つ一つ線を引く間も。
野村は、飽くまで気丈に振舞った。
膝頭を掴んだ指先がぎゅっと白くなる。
彼の頑なさがもどかしく、何よりそうさせている自分の頼りなさが情けなかった。今までど
れほど甘えてきてしまったのか。気づいた所で、取り戻しようもない。
―――その上、まだ怒らせるようなマネをしようと言うのだから、本当にどうしようもない
後輩だ。
天井の古いランタンの炎が、じり、と揺れた。
(ごめん野村さん。他にやり方が分からん)
聡い野村のことだから、もう察しはついているのかもしれない。
だとすれば尚更、一瞬の隙も見逃さずに行かなければならない。
どんな場面だろうと、少しの迷いもなく。
例えば、今。
19205 ◆cZJuOTmaac :2007/08/23(木) 15:18:08 ID:NeqzZjK+0

「誰だ!」
締め切った雨戸の向こうから鋭い声がし、びくりと肩が震えた。野村だ。
急いで裏口から飛び出す。     
家の裏手は案外片付いていて、どうも薪割り場らしい。木切れや斧が打ち捨てられている。
その先の森の奥へと伐り開かれた細道の入り口に、野村の後姿があった。灯りも点けず、凍
りついたようになっている。
「野村さんッ」              
駆け寄る黒田に気づいて僅かに振り向き、静かに奥の茂みを指した。
「向こう。何か動いた」
…気のせいかもしれんが、と、暗闇の一点から目が離せないまま続ける。
と、かさり、と野村の言う場所から確かに音がした。思わず身構える。が―――向かってく
る気配はない。
「…野村さん、ここにいて下さい。罠かもしれん」
「アホ、俺も行く」
拳銃を構えた野村に、きっと睨みつけられた。
ジャックナイフをしっかりと握り直し、黒田は林道へと一歩踏み出した。野村がその後に続
く。
森の中は暗く静かだった。微かな葉擦れの音と、遠くで梟の声がする。
先ほど音がした辺りまで来たが、やはり人影は見えなかった。
「……」
茂みの下で待ち構える敵の姿が脳裡に浮かぶ。
掌に汗が滲むのを感じた、その時―――

―――みゃぁお―――

小さな鳴き声だった。
「なんや、猫…」
ほっと緊張を解きかける。が、傍らの野村は固まったままだった。
「野村さん?」
「……」
もう一度、野村が見つめる方向に目を凝らし、耳を澄ませる。
20205 ◆cZJuOTmaac :2007/08/23(木) 15:18:56 ID:NeqzZjK+0
みゃあお。
みゃあーお…
気づいて、思わず背筋が粟立った。
人間の、男の声だ。
野村が無言でマグライトを燈し、茂みの中を照らす。目の高さよりも下、今また音がして揺
れた、膝くらいの辺り。
光に気づいて、「彼」が動くのをやめた。
乱れた髪、擦り切れ汚れたユニフォーム。
ゆるゆると顔を上げたその人物が誰なのか、黒田は咄嗟に見分けることができなかった。
これほど憔悴しきった人間の顔を、見たことがなかった。
「あんた…」
西口文也は動かない。
突然視界に現れた二人を誰何するでもなく、呆然としてこちらを見上げている。
やがて、「ねこが」と唇が動いた。
ねこがいないんです。
掠れ切った声で小さく呟くと、呆けた眼差しを黒田に向ける。
「猫?」
「……」
薄い唇が、何かその先を言いたげにゆがんでいる。泣き顔にも、笑おうとしているようにも
見えて、その見覚えのある表情でやっと、ああ西口文也だと納得する。
だから一層、ぽかりと空いた洞穴のような瞳が黒田を怯ませた。
助けを求めるような気持ちで隣を見遣る。
野村もやはり、西口の姿に魅入られたかのように動かなかった。
西口はゆらゆらと頭を振っていたが、やがて再び茂みの中へと呼びかけ始めた。
「みゃあーぉ。出といで…一緒に帰ろう」

21205 ◆cZJuOTmaac :2007/08/23(木) 15:21:24 ID:NeqzZjK+0
湯気の立つ湯呑を鼻先に差し出すが、西口は座らせた時のままの姿勢で、何ら反応を示さな
かった。
目は開いているのだが、覗き込んでもその焦点が合うことはないようだった。
二人で両脇から引きずるように連れて歩く間、微かに聞こえていた「みゃあお」という呟き
も、今は止んでいる。
黒田はしかたなく湯呑を脇へ置いて、野村が座る卓袱台へ向き直った。
「変な拾い物になっちゃいましたね」
「早く見つけられて良かった。あのままうろうろしてたら禁止エリアに迷い込んでたかもし
れん」
「…何があったんでしょうね」
野村は黙って西口を見た。
力なく壁に背を預けて、泣きはらした目が暗く落ち窪んでいる。糸の切れた繰り人形のよう
だ、と思う。
だらりと投げ出された両手には、今はびっしりと包帯が施されていた。
藪の中を長い時間探った所為なのか、西口の伸びやかな指は無数の傷を帯びて血を滲ませて
いた。
投手ならば人一倍管理に気を遣う筈の、その指が。
西口の様子が芝居ではないと判断したのはそれが決め手で、黒田が最もショックを受けてい
るのもそこらしい。西口をここに運び込むと、物も言わずに手当てを始めたのは黒田だった。
我を忘れて、声が枯れるまで叫び、涙が尽きるまで泣いて。
西口は何を失ってしまったのだろう。
ふと視線を感じて振り向くと、小さく背を丸めた黒田の不安げな目がこちらを伺っていた。
まるで叱られてしょぼくれている犬のようで、思わず笑ってしまう。
「何だよ」
そんな顔するな、と言いたいが、上手く言葉にならなかった。
「あ」
「ん?」
ごとん、と重たい音がして、見ると西口が床に伸びていた。
「…眠ったみたいです」
呼吸があるのを確かめて、ほっとしたように黒田が言う。
「俺達も交代で休もう。疲れたろ」
22205 ◆cZJuOTmaac :2007/08/23(木) 15:22:13 ID:NeqzZjK+0

黒田は気づいたのかもしれない。
いっそああまで壊れてしまえたら――――そんな願望がよぎったことを。
穏やかに眠る西口の顔を眺めながら、野村はぼんやりと考えていた。

【残り47名 年俸総額103億980万円】
23205 ◆cZJuOTmaac :2007/08/23(木) 15:23:57 ID:NeqzZjK+0
おかげさまで再開致しました。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
24代打名無し@実況は実況板で:2007/08/23(木) 19:01:05 ID:Igdb58TB0
新作乙です!
広島勢久々にキター!
西口が心配です……
25代打名無し@実況は実況板で:2007/08/23(木) 22:06:10 ID:gSjDPbiX0
乙です!
久ッ々の億バト、やっぱりいいなあ…

そして西口…(ノд`)
26代打名無し@実況は実況板で:2007/08/23(木) 22:22:18 ID:k09lDwIA0
投下乙です。
西口どうなったか気になってたけど
こんなになってたなんて・・・。
27代打名無し@実況は実況板で:2007/08/23(木) 23:45:38 ID:fUwSQoS20
西口そのうちUFOに回収されそうだな。
新作乙です!
28代打名無し@実況は実況板で:2007/08/24(金) 00:10:40 ID:5FpszRxa0
投下乙です!
西口(´;ω;`)
29代打名無し@実況は実況板で:2007/08/24(金) 14:22:58 ID:8Nz/2MRx0
午後の捕手
30代打名無し@実況は実況板で:2007/08/25(土) 03:24:07 ID:/z+8qZbj0
ほしゅ
31代打名無し@実況は実況板で:2007/08/26(日) 00:31:10 ID:sr38Iaim0
ほしゅ
32代打名無し@実況は実況板で:2007/08/26(日) 01:06:11 ID:61iRjLhz0
hosyuいちもつ
復活してた!!とりあえず例のお笑いコンビが楽しみだ
33代打名無し@実況は実況板で:2007/08/26(日) 11:10:14 ID:kMHTepjsO
34代打名無し@実況は実況板で:2007/08/26(日) 20:59:23 ID:cqDwsquR0
>>1乙。
職人さん乙。

そして乙……orz
35代打名無し@実況は実況板で:2007/08/27(月) 20:53:29 ID:2ouZnRYa0
hoshu
36代打名無し@実況は実況板で:2007/08/27(月) 23:17:29 ID:ce/4G2mg0
hosyu
37代打名無し@実況は実況板で:2007/08/28(火) 02:31:46 ID:gBjMEms+0
ほっしゅ
38代打名無し@実況は実況板で:2007/08/28(火) 13:03:50 ID:kK5hyf0o0
39代打名無し@実況は実況板で:2007/08/28(火) 18:17:10 ID:UPn8JB5G0
ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞヾヽ;;;;ゝヾ;;ヽ;;;;ゝヾ;ヽ;;;;ゝヾ;ゞ::::ゞ
ゞ( ・◎・)にしぐちはんどうしたんや〜 ;;;ソ
 ゞヾ ゞヾヽ ヽヾ;;ヽ;;;;ゝヾヾ; ゞヾ ゞヾヽ ヽヾ;;ヽ;;;
ゞヾ;;;ゝヽヾ ;;;;ゝヾ;;ゝヾ ヽゞヾ;;;ゝヽヾ ;;;;ゝヾ;;ゝヾ 
 ;ゝヽ;;|;il|ヽソ;;|il|; __ :ヾ;;;ゝ;;: ヽ;;|;il|ヽソ;;|il|; 
    |;il|   |il|   | L ,|_ ネコガイナイ… |;il|
    |;il|   |   < ´θ`>ノ,,,   |;il|   |il|  
    |;il| ,,( / ̄ ̄ ̄ ̄\ イッショニカエラナイト…
、,,;;;ゝ;;))ゝ;;;ゝ |) ○ ○ ○ (|;;ゝ;;))ゝ;;;ゝ))ゝ;;;ミ)ゝ 
ゞ((;;;ゝヾ;ヾ/″   ν   "\;;ゝヾ;ヾ⌒;;)ゞ((;;;ゝ
:;;;;;ゝヾ;ヽソ;;;)ヾミ;ソ(;;;ゝヾ;))ゝ;ミ;;(::;ゝ;;;ゝ));ヾ;:;
'"''"`"´"''"''"`"´"''"''"`"´"''"''"`"´"''"''"`"´"''"''"`"
40代打名無し@実況は実況板で:2007/08/28(火) 23:47:15 ID:P9LI/QLb0
作家さん乙!!!

猫の話。。。
バトロワいくつも読んでると分からなくなっちゃうな。
保管庫さんのところで確認してこよっと。
41代打名無し@実況は実況板で:2007/08/29(水) 00:18:56 ID:dCHV6G3w0
>>39
あんまり泣かせるなよ゜。・゜(ノД`)゜・。゜
42代打名無し@実況は実況板で:2007/08/29(水) 21:19:56 ID:PFmYEAyI0
モーさん、モーさん、西口を助けて・・・・。・゜(ノД`)゜・。゜
43代打名無し@実況は実況板で:2007/08/30(木) 14:04:25 ID:aGZrT6WO0
モー村さんのせいでしょー・・・西口が壊れちゃったの(;ω;)

ところで仁志の行方が気になる。
44代打名無し@実況は実況板で:2007/08/30(木) 14:03:03 ID:0Yw3AAFR0
sage
45代打名無し@実況は実況板で:2007/08/30(木) 22:02:25 ID:MIFTBlgn0
西口生きろ。
モーサンだってそう思ってるはずだ。
46代打名無し@実況は実況板で:2007/08/30(木) 22:06:35 ID:saVPazTb0
>>43
だからモーさんに助けて欲しいんだよー。
47http://softbank220018066054.bbtec.net.2ch.net/:2007/08/30(木) 23:54:46 ID:5n37KkOk0
guest guest
48http://softbank220018066054.bbtec.net.2ch.net/:2007/08/30(木) 23:56:59 ID:5n37KkOk0
5n37KkOk0 guest guest
49代打名無し@実況は実況板で:2007/08/31(金) 00:27:02 ID:56h4mutbO
ほす
50代打名無し@実況は実況板で:2007/08/31(金) 13:09:58 ID:3PcV5R1R0
シヴァ亡き後の鷲鷹連合はどうなるんだか。
ほしゅ。
51代打名無し@実況は実況板で:2007/08/31(金) 16:17:27 ID:STDHWloh0
二岡こわいお
52代打名無し@実況は実況板で:2007/09/01(土) 09:38:49 ID:Tm7Y1P06O
>>45
モーサンがサーモンに見えた。

雰囲気ブチ壊しスマソ
53代打名無し@実況は実況板で:2007/09/02(日) 17:28:34 ID:Db7TfCWi0
hoshu
54代打名無し@実況は実況板で:2007/09/03(月) 06:48:00 ID:Is+Ixc600
hoshu
55代打名無し@実況は実況板で:2007/09/04(火) 02:04:24 ID:7o4hxIbo0
ほっしゅ

職人様方、普段はどんな本を読んでるんですか?
差し支えなかったら教えてください
56代打名無し@実況は実況板で:2007/09/04(火) 07:24:09 ID:6ze3C7R5O
ほしゅ
57代打名無し@実況は実況板で:2007/09/05(水) 16:31:14 ID:SBtpG5J10
hoshu
58代打名無し@実況は実況板で:2007/09/06(木) 21:42:40 ID:E0lbuKuE0
ほーしゅー
59代打名無し@実況は実況板で:2007/09/07(金) 09:14:47 ID:nWnz5o8Y0
hoshu
60代打名無し@実況は実況板で:2007/09/07(金) 22:06:06 ID:U0Yt/xZm0
hoshu
61代打名無し@実況は実況板で:2007/09/08(土) 12:15:54 ID:fzeYj7c50
ほしゅ
62代打名無し@実況は実況板で:2007/09/09(日) 10:34:46 ID:PmIhR8UJ0
保守
63代打名無し@実況は実況板で:2007/09/10(月) 03:03:44 ID:w2nNzxl90
hosyu
64代打名無し@実況は実況板で:2007/09/10(月) 08:01:18 ID:15qhiDDi0
65代打名無し@実況は実況板で:2007/09/10(月) 18:30:58 ID:LvzzYPNd0
66代打名無し@実況は実況板で:2007/09/11(火) 11:47:42 ID:eLk+K5eT0
保守ですよ
67代打名無し@実況は実況板で:2007/09/11(火) 23:27:08 ID:GSHo0lDR0
hosu
68代打名無し@実況は実況板で:2007/09/12(水) 01:54:38 ID:0ApVbNYy0
 
69代打名無し@実況は実況板で:2007/09/12(水) 04:00:05 ID:nCKkYmyl0
hosyu
70代打名無し@実況は実況板で:2007/09/12(水) 22:18:07 ID:VN2K+4Lz0
くぱぁ
71代打名無し@実況は実況板で:2007/09/13(木) 03:43:35 ID:xxKGzEt80
保守
72代打名無し@実況は実況板で:2007/09/13(木) 10:24:25 ID:5svCZNDC0
hosyu
73代打名無し@実況は実況板で:2007/09/13(木) 22:47:43 ID:83kHr/5N0
hosu
74代打名無し@実況は実況板で:2007/09/14(金) 00:07:23 ID:5svCZNDC0
hos
75代打名無し@実況は実況板で:2007/09/14(金) 15:07:15 ID:ltytqcnk0
保守
76代打名無し@実況は実況板で:2007/09/14(金) 15:53:47 ID:5l95OAkVO
つか見守るスレ落ちて、どこ行ったらいいか分からんのだが・・・
77代打名無し@実況は実況板で:2007/09/15(土) 09:42:48 ID:Uo7sgXxi0
着底につき、いったんあげるよ〜
78代打名無し@実況は実況板で:2007/09/17(月) 01:29:44 ID://pHmI2M0
保守
現状の死亡者一覧とか誰か持ってない?
79代打名無し@実況は実況板で:2007/09/17(月) 22:01:02 ID:KuZPKmPD0
保守
80代打名無し@実況は実況板で:2007/09/18(火) 21:22:01 ID:ReK30Qw00
ho
81代打名無し@実況は実況板で:2007/09/19(水) 14:37:24 ID:604qUtIYO
現在の死亡者リスト

パリーグ
鷹…柴原・工藤・大村
猫…豊田・森
公…金村
セリーグ
兎…清水・江藤・岡島
☆…若田部
竜…山本昌・福留・井端・落合・谷繁
虎…片岡
燕…五十嵐
鯉…緒方・佐々岡

以上19人
残り47人…かな?

抜けとかあったらスマソ
82代打名無し@実況は実況板で:2007/09/19(水) 14:46:07 ID:604qUtIYO
あ、うっかりしてた
工藤は兎です。すんません。

というわけで修正。
パリーグ
鷹…柴原・大村
猫…豊田・森
公…金村
セリーグ
兎…清水・江藤・岡島・工藤
☆…若田部
竜…山本昌・福留・井端・落合・谷繁
虎…片岡
燕…五十嵐
鯉…緒方・佐々岡

☆とか虎とかがけっこう(参加人数の割に)生き残り多いですね…
パリーグは参加人数が少ないから…鴎・檻・鷲はまだ脱落無しです。
83代打名無し@実況は実況板で:2007/09/22(土) 00:56:48 ID:qJ/lxcJi0
hosyu
84代打名無し@実況は実況板で:2007/09/22(土) 16:43:32 ID:PcpsXOqY0
>>82
まとめ乙です。
しかし中日の脱落者多いな。
85代打名無し@実況は実況板で:2007/09/23(日) 01:08:44 ID:ObP4nx5t0
>>82
ちょw中日やられすぎwww
残ってんの岩瀬と川上だけかよ。
86代打名無し@実況は実況板で:2007/09/23(日) 02:07:24 ID:i3BGwo6v0
>>85
こらこら、立浪と野口もいるぞー!
87代打名無し@実況は実況板で:2007/09/24(月) 09:22:44 ID:CU2IrVQ30
保守
88代打名無し@実況は実況板で:2007/09/24(月) 14:30:10 ID:8dLFioo80
>>85-86
そのループが何度繰り返されたことかw
みんな岩瀬と川上の印象が強すぎて、他2人を忘れちゃうんだよな。
892 ◆ACsLXL4x9o :2007/09/24(月) 22:34:00 ID:XT+9oKda0
【103】十字架を背負う者

「ふぅ……」
 小さく息をつき、後頭部を壁に付けた。夜の闇が染み込んだ床の冷気が、膨ら脛
から臀部にかけて這い上がる。
 東の海岸が近いらしい。小さく、波の音が聞こえた。
 三浦大輔(YB18)は、すぐ隣で眠る鈴木尚典(YB7)に視線を向けた。
 規則正しい寝息が聞こえてくるところを見ると、今は大分様態は安定しているようだ。
原因不明の頭痛は、今もなお鈴木の心身を苛んでいる。
 深夜でもお構いなしに鳴り響いた定時放送から、そろそろ1時間が経過する。
 二岡はもう追ってこなかったのに、あれから鈴木は、ただひたすらあの場から――
正確にはあの男から離れようとするかのように、島を突っ切った。
 逃げて、逃げて、何とか夜を凌げそうな民家に潜り込んだ。途端、それまで自分を
引きずるようにリードしてきたのが嘘のように鈴木が倒れた。
 痛む身体で鈴木をベッドまで運んだ後、三浦はただ隣で親友の寝顔を見守るだけの
時を過ごしていた。
「っ……」
 隣を見ようと身を捻った際に、腹の筋肉を使ってしまったらしい。短い痛みが走り、
三浦は顔を歪めた。
 額の傷は、浅く切っただけで済んだ。もう血も止まっている。
 問題は腹部の方だ。ナイフで抉られた傷は大事には至ってないが、スパイクで
蹴り飛ばされた衝撃がまだ熱を持って燻っていた。
(いったい何なんだ? あいつは……)
 格闘技でもやってたというのか。尋常でないパワーとスピードだった。
 まるで訓練された軍人のような、躊躇や手加減というものを一切伴わない冷徹
な攻撃。
 一体、何が彼をそこまでさせるのか。
 最後に銃口を向けてきた時の二岡の瞳の無機質さを思い出し、三浦は軽く身震い
をした。
 満月に近い月の明かりが、直接窓から差し込んでくる。
 四角く切り取られた柔らかな光が、埃っぽい床に明るい色を付ける。
 その中心を、窓枠の影が黒い十字架を刻んでいた。
902 ◆ACsLXL4x9o :2007/09/24(月) 22:36:39 ID:XT+9oKda0
 窓下に座り込み、三浦はぼんやりと足下に伸びるそれを眺めていた。
 ふいに、その十字架が消えた。
 急に頭上が暗くなる。
 それが、月の光が遮られ、黒い十字はその向こうに立つ大きな影に飲み込まれた
のだと悟るのに、三浦は数瞬を要した。
「っ――!?」
 無防備にも背にしていた壁から、這うようにして飛び退く。
 振り返った窓の向こうに―― 
 誰か、いた。
 黒い人影。逆光で顔がよく見えない。野球帽を深くかぶっているらしく、目元には
より濃い影が落ちていた。
 窓に張り付き、こちらの様子を覗いている。
(誰……だ……?)
 微動だにしない『そいつ』が、唯一動かしたのが顔の中心だった。
 暗闇の中、やけに白い歯が弧を作る。
 ぱっくりと三日月型に割れた口。
 『そいつ』は、嗤っていた。
「あ――」
 声が出なかった。
「な、お……のりさん……」
 息詰まる気管から声を絞り出して、三浦は眠るパートナーに声をかけた。
 辛うじて手を伸ばして届いた布団の端を引くと、ずるりと布が床に落ちた。が、
鈴木が起きる気配はない。
 昏々と眠り続ける彼に飛びついて叩き起こしても良かったが、窓の向こうの男から
目が離せななかった。
 置物のように動かない相手は、ただ不気味な笑みを浮かべて、脅える三浦を見下ろ
している。
912 ◆ACsLXL4x9o :2007/09/24(月) 22:37:41 ID:XT+9oKda0
(どうしたらいい?)
 相手は窓の向こうだ。
 何も行動を起こしてこないのが余計に不気味だった。
(逃げるべきか?)
 背中を向けていいのだろうか。
(なぜ窓を破って襲いにこない? なぜ戸口に回って侵入してこない?)
 ぐるぐると脳内を駆け巡る疑問符に、応えられるだけの情報がない。
 とにかく何か行動に出られた時のため、三浦は窓の真向かいにあるドアに背をつけ、
相手と可能最大限の距離を取った。
 突然、ふっ……と身体が中に浮いた。
 何者かによって、ドアが外から開けられた。
(しまった――!)
 窓の外の人物に気を取られている間に、別の人間が侵入してきたことに気付か
なかった。
「うわっ!?」
 振り返り様、背から横腹にかけて過ぎった激痛に悲鳴を上げる。
 後ろに飛び退くと、ベッドサイドに足を引っかけ背中からマットにダイビングした。
「うげっ」
 当然、そこに寝ていた鈴木が潰れた蛙のような悲鳴を上げる。
 多少乱暴な目覚ましにはなったが、起きてもらって助かった。
「なんだ、プロレスごっこか?」
「そんな余裕ありませんよ!」
 悪戯だと思ったのか――そういえば何度か仮眠中に仕掛けたことがある――ずれた
感想を述べる鈴木に真顔で返す三浦。
 狭い部屋になだれ込んで来たのは二人組の男だった。宮本慎也(YS6)と岩村明憲(YS1)。
「また会うてもうたな」
 口端を上げて皮肉な笑みを作ったのは、宮本だった。右手に填め込まれた獣の様
な爪が血を滴らせる。
922 ◆ACsLXL4x9o :2007/09/24(月) 22:38:15 ID:XT+9oKda0
「夜中にえらい松明上げとったな、あれ、アンタらやろ?」
「…………」
『お前等が火炎瓶持ってなかったら、ウォーミングアップがてらに 攻撃してたかも
しれへんで?』
 ゲーム開始早々、危険な匂いのする二人組に言われた台詞が蘇る。
 鈴木のモロトフカクテルはもうない。三浦は武器を持っていない。
 自分達が丸腰なことを確信しての襲撃だ。
 狡猾で、容赦ない。
 追いつめられた、と言っていいだろう。三浦の頬から首筋を、大粒の汗が流れ落ちた。
「大輔!?」
 一拍遅れて状況を把握したのか、鈴木が声を上げる。
「血が……!」
 突然の訪問者よりも、そちらの方に意識がいったらしい。背中を爪で裂かれた跡は、
骨まで到達しているのではないかと思う程の激痛を訴えていた。
 脇腹を押さえる手が、みるみるうちに赤く染まっていく。
 これはヤバイ、かもしれない。
(もう少しもってくれよ、俺!)
 浮き出る脂汗が薄闇で見えないのは幸いだった。痛みに震えそうな声をなんとか
調整し、気丈な顔を作る。
「これくらい何ともないです。それよりも、俺がなんとか隙を作りますから、その
間に尚典さんは逃げて下さい……」
 当然、彼が反対してくるのは予想できた。それでも、この場で二人共倒れになる
わけにはいかない。
「……尚典さん?」
 だがおかしな事に、鈴木は何の反応も示さなかった。イエスもノーもない。
 応えるどころか、その言葉が耳に入っているかどうかも分からない程、三浦の背中
を凝視して顔を強ばらせている。
 カッと、鈴木が瞳を見開いた。
「えっ?」
 三浦が驚く間もなく、異様なまでの俊敏さでベッドから飛び退き、窓の前に立つ。
932 ◆ACsLXL4x9o :2007/09/24(月) 22:39:05 ID:XT+9oKda0
 鈴木が、う、とも、あ、ともつかない呻き声を上げた。
 何かを掴むように、無意味に虚空に掲げられた手が震えている。
 ビー玉のように澄み切った瞳は、異様な光沢を放っていた。
 そう――あの時の二岡のように。
「尚典さん!?」
 駆け寄る三浦を、鈴木が乱暴に手で制した。
「何だ? 仲間割れか?」
 様子を伺っていた岩村の声が飛ぶ。
「どうでもええわ。やるで、岩村」
 軽く流し、バグ・ナウを構えた宮本が床を蹴った。


【残り47名 年俸総額103億980万円】
942 ◆ACsLXL4x9o :2007/09/24(月) 23:14:00 ID:XT+9oKda0
大変申し訳ありません。鈴木の読み仮名を間違えてしまいました・・・orz

修正
2レス目20行目
「な、お……のりさん……」
→「た、か……のりさん……」

本当に申し訳ありませんでした。
952 ◆ACsLXL4x9o :2007/09/24(月) 23:31:07 ID:XT+9oKda0
何度も申し訳ありません。
もうひとつ修正がありました。

タイトルナンバー
【103】→【108】
96代打名無し@実況は実況板で:2007/09/24(月) 23:31:49 ID:PrzJyd+10
>>89-93
新作キター!

>>94
すいません、わざとかと思いました…
(ササキ様ネタかと)
97代打名無し@実況は実況板で:2007/09/25(火) 00:26:31 ID:Fgjlx2ve0
新作乙です!
あああ二岡やべえ・・・
なおのりさん・・・(笑)仕様かとおもた
98代打名無し@実況は実況板で:2007/09/25(火) 02:24:44 ID:7MeT7HfX0
仕様だと思った人3人目がやってきました。
うおおぉぉ、ばんてふがんばれちょうがんばれー!
99代打名無し@実況は実況板で:2007/09/25(火) 19:06:19 ID:VY91wfWv0
下がりすぎなのでageますね。職人さんいつもながら乙です。
100代打名無し@実況は実況板で:2007/09/25(火) 19:50:31 ID:pMt7Q9u+0
立ってるの今日まで知らんかった、オフにしか立たないと思ってたw 
保守協力します
>>50に関しては自分も気になる
101代打名無し@実況は実況板で:2007/09/26(水) 01:05:27 ID:E8C5O7JoO
新作乙です!ああ、そういやタコさんの背番号もアレか…
102代打名無し@実況は実況板で:2007/09/26(水) 21:29:13 ID:fNkAmOgK0
今岡の背番号もアレだよな
103代打名無し@実況は実況板で:2007/09/27(木) 23:35:24 ID:DNl+YguB0
保守
104代打名無し@実況は実況板で:2007/09/28(金) 21:16:06 ID:eym5GGTw0
捕手
105勝手に番外編 その1:2007/09/28(金) 21:30:09 ID:1hVSyVQm0
職人さんの邪魔にならない程度に書かせて頂きます

「彼」はいつの頃からか僕の前に現れた。
最初に出会ったのは7つぐらいの歳だったかなぁ。
やんちゃだった小さい頃の僕は、高い塀に囲まれたお城みたいな大きい家を
見つけて塀をよじ登って入ってみようと思った。
でも、「彼」は
『ダメだ。塀から落ちてゲガでもしたらプロに行けなくなるじゃないか。』
と言って僕を止めてくれたね。
その頃の僕はお父さんと一緒に野球の練習をしていた。
キャッチボールみたいな微笑ましいものではなく、まさに地獄の特訓とも言える
練習が毎日のように続いていた。
お父さんは自分が叶えられなかったプロ野球選手になるという夢を息子に
託したがっていたのだ。
僕はプロはともかく野球が好きで好きでしょうがなかった。
しかし、「彼」は少し違っていた。
「彼」にとって野球とは生きる為の手段であり、道具だった。

つづく
106勝手に番外編 その2:2007/09/29(土) 00:01:31 ID:EjW8SqBZ0
僕の家はお父さんがちゃんと働いていなくて、とても貧乏だった。
定職に付かず、お酒ばっかり飲んでよくお母さんと言い争っていた。
時にはちゃぶ台をひっくり返したり、茶碗を投げつけたりもしていたっけ。
そして何時両親が離婚して家族がバラバラになっても可笑しくない状態だったね。
「彼」は考えた。家族全員を養えるほどのお金を稼げるようになれば……。
そうすれば母も姉や弟、そして自分自身もここまで辛い思いをしなくてもいいのだと。
プロ野球選手になるということは「彼」にとっての唯一と言って切れるほどの
生き残る為の道だった。
だから「彼」はそのためだったら中学の同級生たちを裏切って違う高校に転校したり、
ドラフトで親友を蹴落とすような事も涼しい顔でやってのけたりしたね。
僕は止めることはしなかった。野球さえ出来ればと「彼」に頼り切ってしまったんだ。
しかし、プロになって2年目、ようやく実力がついて来た時に両親が離婚してしまった。
僕はお父さんに泣きついてやめるように頼んだ。でも答えはノーだった。
「彼」はそれ以来滅多に現れる事はなくなった。
今までの努力が水の泡と化したのがそうとうショックだったのだろうか?
いや、それはもしかしたら「彼」を恐ろしく感じた僕が何処か遠くに追いやってしまった
のかもしれない。
しかし完全に「彼」は消え去った訳ではなかった。消し去れる訳がない。
そして…「彼」は心の奥底で確実にじわりじわりとそして深く根付いていた。

まだつづく
107勝手に番外編 その3:2007/09/29(土) 01:59:20 ID:EjW8SqBZ0
「ついにきたか……。」
目の前のついさっきまで生きていたと思われる肉塊を見ながら桑田はそう呟いた。
ついに「彼」に肉体を明け渡す時が来たのだと。
土台は出来ていた。
しかし、もう一押しというのがなかったために今まで大丈夫なだけだったんだ。
そしてこの悪質極まりない殺人ゲームがその一押しになった。それだけの事。
『フ……フフフ…』
遠くから聞こえる銃声と爆音を聞きながら、桑田は歓喜に震える「彼」もしくは
自嘲的に笑う「僕」とも取れる笑みを漏らしていた。
「ぐっ・・・!時間が・・・・・・無いな・・・・・・」
生き残ろうと生き残れまいと僕の存在は結果的に無くなっているだろう。
すでに僕の意識は不安定になっている。
今になって・・・・・実はホンモノは僕ではなく「彼」の方だと考え始めた。
だってホンモノが消えニセモノが乗っ取るより、ニセモノが消えホンモノが取り返す方が
よっぽど辻褄があうじゃないか。
でもね・・・でもね・・・君は・・・・桑田真澄生き残れないよ。いや、生き残させないよ。
ホンモノだろうがニセモノだろうが君のような化け物を止められなかった。
そんな、僕のせめてもの償いは桑田の邪魔をする事・・・・邪魔どまりで残念だけどね。
最終的に人任せになってしまうのが本当に一番の心残りだ。
・・・・・・・・・・・・何故だろう?薄らぐ意識の中に川上哲治の言葉が響いた。
「桑田は人生を知りすぎている。早死にしはしないかと心配だ。」
巨人以外余り接点のない人の言葉が浮かぶなんて俺も相当参ってるなと思いつつ、こう呟いた。
「川上さん、僕は・・・あの時・・・・すで・・・・に・・・・・・」

これで終わりです。本番のくわわが出てる回の職人さんごめんなさい。
108代打名無し@実況は実況板で:2007/09/29(土) 02:10:47 ID:EjW8SqBZ0
間違いがありました。修正させて下さい。
その3 上から16行目の真ん中あたり

× 桑田真澄生き残れないよ。
○ 桑田真澄は生き残れないよ。

「は」入れ忘れました・・・・。ホントウニホントウニゴメンナサイデス orz
109代打名無し@実況は実況板で:2007/09/29(土) 18:03:49 ID:56axOs6M0
保守
110代打名無し@実況は実況板で:2007/09/29(土) 21:45:27 ID:bJ4zwo6m0
くわわ・・・。
「桑田真澄」の「遺志」を誰が受け継いでくれるんだろう・・・・。
願わくば、受け継いでくれる人が在ることを。
そしてその彼が生き残ることを、祈る。
111代打名無し@実況は実況板で:2007/09/29(土) 21:59:03 ID:56axOs6M0
>>108
>>110
バレバレの自演乙
112代打名無し@実況は実況板で:2007/09/30(日) 08:29:22 ID:L/dqsxip0
他球団のバトロワが落ちてきたので必死に保守
113代打名無し@実況は実況板で:2007/10/01(月) 00:13:41 ID:JJNu2uvh0
生きてる人も死んでる人もがんばれほしゅ
114代打名無し@実況は実況板で:2007/10/01(月) 04:41:43 ID:mncJyZgj0
hosyu
115代打名無し@実況は実況板で:2007/10/01(月) 21:43:36 ID:NPQi/GXV0
ほっしゃ
116代打名無し@実況は実況板で:2007/10/02(火) 03:23:32 ID:AIEORzVb0
hosyu
117代打名無し@実況は実況板で:2007/10/02(火) 21:47:37 ID:ZeFdlxxi0
緊急保守
118代打名無し@実況は実況板で:2007/10/03(水) 08:01:48 ID:rS/VKDG70
ホシュ
119代打名無し@実況は実況板で:2007/10/03(水) 15:45:19 ID:84Dtlw/F0
ほすほす
120代打名無し@実況は実況板で:2007/10/04(木) 15:15:48 ID:phx8/dOiO
保守
121代打名無し@実況は実況板で:2007/10/04(木) 16:28:21 ID:3sTEkZ/F0
さんざんゴネてチームから金巻き上げといて大事なシーズンを怪我で活躍せず、
優勝チーム決まってからノコノコ帰国して吐いた台詞が、
「迷惑かけてごめんねー。でもFAはしますんでww」
金の亡者福留氏ね
122代打名無し@実況は実況板で:2007/10/06(土) 00:54:57 ID:/4F44AvHO
ほっしゅ
123代打名無し@実況は実況板で:2007/10/06(土) 22:55:23 ID:61x2udou0
保守
1242 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/07(日) 19:41:09 ID:r4FKjG2U0
【109】月の断罪

 深手を負った三浦を見た瞬間、鈴木の頭の中で何かが弾けた。
(痛い)
 脳にもう一個心臓があり、身体中の血液がそこに流れ込んでくるような熱と痛み。
(アタマガイタイ)
 激痛と、強烈な動悸に意識が流されそうになる。恐ろしいモノが押し迫ってくる
ような恐怖。
(アレが来る!)
 アレはダメだ。二岡を退けた時に来たアレは、あまりに恍惚だった。
 全てが見えた。全てが聞けた。全てが知れた。それは錯覚なのだと思う。だが、
確かにその時はそう感じたのだ。
 あの瞬間、死の概念は恐ろしく軽くなる。他人の死も、自分の死さえも。
「――ろ……!」
 頭を抑える手が別の生き物のように震える。戦慄く唇から、鈴木は悲鳴にも似た
声を絞り出した。
「お……俺から離れろ……!」
 ――耳鳴りがした。
「尚典さん!」
「いいから離れろ!!!」
 ガシャン!!
 突然激高し、左腕で窓ガラスを割った鈴木に、三浦が驚いて足を止めた。
「尚典さん!?」
 素手で硝子窓を破った報いは当然のように訪れた。みるみるうちに、青い袖が赤紫色
に染まっていく。
 だが、痛みは感じなかった。
 否、痛みはあるのだが、どこか他人事のように精神が別離している。
 それは昂揚だった。清涼な朝の空気を胸一杯吸い込んだ時のように、脳が澄み渡る。
 薄暗いはずの部屋で、相手の位置、相手の動き、相手の表情さえもが手に取るように
目視出来た。
 床に落ちた破片の中の、一番鋭利なものを迷わず拾い上げ、鈴木は宮本を迎え撃った。
1252 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/07(日) 19:42:15 ID:r4FKjG2U0
 ――ロセ……
(やめろ……!)
 ――コロセ
 ――タイセツナモノヲキズツケルモノヲ
 囁く声はどこまでも甘く、今にも鈴木の理性を攫っていこうとしていた。
「くっ……!?」
 迷いもなく一閃したガラスの切っ先が宮本の胸元を掠める。
「宮本さん!!」
 なんとか避けた宮本の体勢が崩れたところで、隙のないコンビネーションで鈴木
の左膝が下腹を抉った。
 倒れ込んだ宮本の太腿をスパイクで踏みつける。
「ぐあぁっ」
(殺せる)
 禁断の果実が爆ぜる、甘い芳香が脳を支配した。
 人を殺すのは、首位打者になるより容易いことかもしれない。あの時感じた栄光
と恍惚と同じモノが、この先には待っている。何故かそう確信していた。
 苦悶する宮本を見下ろし、鈴木は心臓に向かってガラスの杭を打ち付け――
「尚典さん! 止めてください!」
 三浦の悲鳴に、一瞬、無自覚に動きが止まった。
(俺は……いったい何を――)
 考えるまでもない。殺人だ。
 他人事のように自らの行動を振り返る。全く無駄のない、容赦も躊躇いもない
人殺しの動き。
「ってんめぇ……!」
 岩村が怒号を上げた。半拍ほど遅かったのは、鈴木の常人離れした手際に呆気
に取られていたらしい。それでも、突如電池切れを起こしたように動きを止めた
男の隙を見逃さなかった。
 怒りに任せた岩村が、ろくに照準も合わせずに撃った拳銃は三度唸りを上げた。
 1発目が、左肩を破裂、2発目が、右腕を掠め、3発目が、頭部近くを通り過ぎ――
「やめや、岩村!! 無駄遣いすんな!」
 窓の外から声が飛んだ。
1262 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/07(日) 19:43:10 ID:r4FKjG2U0
 外に誰かいることはどうでも良かった。三度目の銃声が鳴り終わるよりも早く、
鈴木は迷わずに岩村に突撃した。
 およそ狂気の沙汰の行動に、岩村の表情が凍り付く。
「――っ!」
 動けない敵の喉元に、鈴木はガラス片を突き刺した。得も言われぬ快感が全身
を駆け巡る。
 今度こそ殺せる――そう確信した時、わずかに切っ先を逸らす声が脳に響いた。
『尚典さん!』
「――」
 岩村の息を飲む音が聞こえた。
 歪な三角形の形をした硝子の破片は、岩村の首筋、皮一枚を掠め、背後の壁に
突き刺さっていた。
 硝子の破片を素手で握る愚か者の血液が、縁を伝い、滴となって岩村の肩を染める。
「次は外さない」


「次は外さない」
 追いつめた岩村の耳元でそう囁いた後、鈴木は敵に背を向けて床に散らばる破片
を物色し出した。
 そんな鈴木の背中に、引きつった声が投げつけられる。
「な、なんだ、こいつ化け物か!?」
「岩村、ここは引くで」
 バタバタと退散する二人組を、鈴木が追う気配はなかった。実際、あの一撃は
わざと外したのだと知れた。
 静かになった部屋に、血にまみれたまま平然と佇む親愛なる先輩。
 三浦大輔は、それがまるで別世界の人間の様な気持ちで見つめていた。
「あ……」
 かける言葉が見つからない。彼は自分を助けてくれようとしたのだと思う。恐らく
そう思う。ただ、そのやり方は余りにも凄惨で、冷徹で、三浦のよく知る鈴木尚典の
姿ではなかった。
1272 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/07(日) 19:44:49 ID:r4FKjG2U0
(この人は、一体……)
 三浦の制止がなければ、鈴木尚典は間違いなく宮本を殺していた。
 人から良心や感情というものを取り上げ、ただ誰かを倒すことに持てる力を最大限
発揮させれば、こんな生き物も出来上がるのかもしれない。
 だが普通、人は誰かを殴る時、その人間の痛みを共感して手加減もするし、誰かの
命を奪うことに躊躇いも発生するはずだ。
 鈴木尚典であって鈴木尚典でない。人であって人でない。
 ゆらり……と身体が揺れ、『そいつ』の視線が三浦を向いた。
 手には彼が砕いた、ガラスの破片。ただの鋭利な破片は、彼の手にかかれば罪人を
打ち貫く杭となりうる。
「ひっ……」
 無機質な瞳が向けられ三浦は後ずさった。 
 恐怖に忘れかけていた激痛が蘇り、足がもつれて倒れ込む。背中が壁に打ち付けられ、
傷口に塩を塗り込められたような痛みが走った。
「うっ……ぐ……」
 何とか悲鳴を上げずにやり過ごす。口内に血の味が広がった。無理に噛み締め過ぎて、
唇が切れたらしい。
 これだけ大量の血を流して、今更そんな小さな傷を構う気にはなれなかった。
 悲鳴をあげなかったのは、そこにいる男を刺激したくなかったからだ。
 彼が自分を攻撃することはないと思いたかったが、そこまでの楽観は出来なかった。
それほど、男の瞳は正気を疑うものだった。
 ゆらり……、ともう一度鈴木尚典の身体が揺れた。左肩が壊れ、バランス感覚が
おかしくなったのだろうか。風に飛ばされそうな儚さで近づいてくる。
 遮るものがなくなった四角い枠から、月光が直接差し込んでくる。
 床に散らばった硝子の破片が、それらを反射してキラキラと輝く。それが、場違い
に綺麗だと思った。
 月明かりを浴びた男の身体もまた、生々しい血を反射して紅く輝いていた。
 いよいよ、手を伸ばせば届きそうなほどの至近距離。
 振り上げられた右腕から、雨漏りのような音を立てて赤い水滴が落ちる。
 人を殺せる鋭角を持った透明の板が、こちらを向いた。
(殺される)
 そう思った。
1282 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/07(日) 19:45:35 ID:r4FKjG2U0
「やめ……!」
 生暖かい血飛沫が顔に飛ぶ。
 肉を裂く音がすぐ近くで聞こえ、三浦は思わず自分が目を瞑っていたことに気付いた。
 痛みはない。瞼を開くと、鈴木尚典はやはりそこに立っていた。
「尚典……さん……?」
 目の前の光景に、信じられない思いで声を絞り出す。
 鈴木尚典は、自らの左肩を抉っていた。
 血が噴き出すそこに、容赦なく突き刺さる硝子の杭が月明かりに薄く輝く。
 震える右手が、自らを戒めるように絶えず血を流していた。
 その顔が、一瞬、酷く傷付いたように歪んだ。――気がした。
「……っ」
 次の瞬間、怪我人とは思えない動きで窓の外に飛び出した鈴木に、三浦は痛みも
忘れて立ち上がった。
「尚典さん……!」
 見慣れた背番号7は、月明かりの届かない暗闇へと溶け消えた。


【残り47名 年俸総額103億980万円】
129代打名無し@実況は実況板で:2007/10/08(月) 11:34:02 ID:jv7qH+VB0
新作きてた!
乙です!
ああ・・・タコさんがーー!!
もう一人の7番はどうなってるんだ?
130代打名無し@実況は実況板で:2007/10/08(月) 23:34:24 ID:K07w9QyU0
お、新作乙です!三浦の怪我は大丈夫なのか…?

>>129
今岡さんならきっと元気に平和ボケ中ですよ
131代打名無し@実況は実況板で:2007/10/09(火) 23:50:18 ID:IsmRQAFS0
捕手
132代打名無し@実況は実況板で:2007/10/10(水) 00:20:58 ID:AAdWCZ4j0
今岡はあの状態で実は・・・・なんだろうか
133代打名無し@実況は実況板で:2007/10/10(水) 22:09:29 ID:7aCcml660
タコさん大丈夫か?イ`。
134代打名無し@実況は実況板で:2007/10/10(水) 23:32:58 ID:2I5pe9dmO
そろそろ不浄
135代打名無し@実況は実況板で:2007/10/12(金) 00:51:04 ID:XbA4IJjdO
佐伯ックスの今後に期待
136代打名無し@実況は実況板で:2007/10/12(金) 01:14:59 ID:9T/DZWAA0
鉄人と宇宙人もどうしていることか・・・。
137代打名無し@実況は実況板で:2007/10/12(金) 02:02:57 ID:VOdehtDP0
あー金本野口も気になるなぁ。
個人的におもろいコンビだと思ってんで。
138代打名無し@実況は実況板で:2007/10/13(土) 02:09:58 ID:wXPYgwJF0
ほす
139代打名無し@実況は実況板で:2007/10/14(日) 03:06:54 ID:KQX/hwwS0
保守
140代打名無し@実況は実況板で:2007/10/15(月) 01:34:59 ID:WueHqgHs0
hoshu
141代打名無し@実況は実況板で:2007/10/15(月) 21:00:29 ID:cS3ZgVPE0
hosyu
142代打名無し@実況は実況板で:2007/10/17(水) 00:10:05 ID:Y3PXhwYKO
捕手
143代打名無し@実況は実況板で:2007/10/17(水) 21:08:00 ID:5veuwWYm0
今岡はいりまへんでー
144代打名無し@実況は実況板で:2007/10/18(木) 06:12:58 ID:zsTfJuYr0
↑清水(直)と交換?
145代打名無し@実況は実況板で:2007/10/18(木) 23:44:53 ID:3mM9EDxO0
地味に保守
146代打名無し@実況は実況板で:2007/10/20(土) 02:21:21 ID:r4RwjxQu0
これ始まったころの1億円プレーヤーもだいぶ居なくなったなあ
1472 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/20(土) 14:55:35 ID:LPmXjmki0
【110】家なき子

 デジタルカレンダーの日付が変わり、そろそろ怒濤のスポーツニュースラッシュ
も終わりを告げ、さてもういい加減寝るかと布団に潜り込む頃――
 とぼとぼと道なき道を行く人影が2つ。
 深夜零時に、身を潜めていた集落が禁止エリアに設定された。
「嫌がらせですね」
「そりゃそうやろ」
 当たり前のことを真顔で言ってくる今岡誠(T7)に憮然と突っ込みいれつつ、
佐伯貴弘(YB10)はさてこれからどうしようかとそれなりに悩んでいた。
 禁止エリアから深夜に追い出され、充てもなくふらつく様は、まるで未知の孤島
に突然放り出され、寝床も見付けられずに森を彷徨っている遭難者のようだ。
 勿論そのままである。
 ずるずる……
「ってかここどこやねん? 森? 森か?」
「林じゃないですか」
「違いがわからん」
「森という時が木を三つ書くのにたいして、林は二つしか書かない。ようするに木
の密集度の差を漢字で表しているわけです」
「へー、なるほどねぇ。ほんまか?」
「さあ?」
「適当かい!」
「ハイ」
 ずるずる……
「このままやとほんまに家なき子になってしまうで」
 ずるずるずる……
「禁止エリアに設定されたのはB5ですよね。今どのへんか分かります?」
「多分C5かC6あたり……いやいやもしかしたらB6かも?」
「ようするに分からないんですね」
 民家があるとはいえ、あんなことのあったB4には戻る気になれず、どこかに何か
あるだろうと高をくくって適当に進んできた結果、見事に迷子になった二人だった。
1482 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/20(土) 14:56:52 ID:LPmXjmki0
「…………」
 ずるずるずるずる……ぴたっ。
「どうしたんや? いきなり立ち止まって」
 前を歩いていた今岡が立ち止まり、それにならって立ち止まる佐伯……と布団。
 そんな二人(?)を見下ろし、今岡はポツリと呟いた。
「本気で持ってきたんですか」
「命の恩人を捨て置くわけにはいかんやろ!」
「布団は捨てていって欲しかったと思いますけど」
 布団に感情があるわけはないが、ずるずると引きずられ土や草汁塗れになっている
姿はどこか哀愁を誘う。
「しかも夜寝るときに便利!!」
「そうですね。冷えそうやし」
 そこには同意しておく今岡。
 ぐるるるきゅ〜
「腹減ったな〜」
「腹の虫も豪快ですね」
 主張の激しい腹の音には気の毒だが、手持ちの食料を食い切るわけにもいかず、
我慢を強いる以外に他はない。
「ああーーやっぱなんか奪ってくるべきだったかも……」
 メシとかメシとかメシとか。と、昼に撃退した二人組に思いを馳せる佐伯。
「後悔しても腹はふくれませんよ」
「自分、たまにどうでもええところでほんまのこと言うよな〜」
 愚痴りながらも納得し、佐伯は溜息を吐いてその場に座り込んだ。
 夜冷えに掌を擦り合わせ、布団を膝に広げる。
「というわけで」
 太い幹に背をつけ、布団を肩まで引き上げ佐伯は大あくびをした。
 今岡がその隣に座り、布団の半分を拝借する。
「今日は野宿やな」
「ハイ」
 家なき子になっても意外に違和感を感じていない二人だった。
1492 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/20(土) 14:57:46 ID:LPmXjmki0
「おー、綺麗な星空やなぁ」
 見上げた頭上の木々の隙間から、眩しい輝きを見せる星々が覗く。佐伯は感嘆の
声を上げた。
「こんなん、あいつ見たことないやろな」
 懐かしげに目を細める佐伯に、今岡が無言で顔を向ける。
「娘がおんねん」
 視線に問い返され、佐伯は破顔した。
「珠巴咲(たばさ)っちゅーんやけどな!」
「なかなか斬新な名前ですね」
「やろやろ、かわいいやろ♪ これがもーめちゃくちゃ可愛くてなぁ!」
 それから数分間、娘自慢が続き、気が済んだあたりで佐伯は締めの言葉を漏らした。
「人なんか殺して帰った日にゃあ、子供に合わせる顔がないわ」
「…………」
「野球選手は、子どもに夢を与える職業や。人を殺したやつが、子どもに夢を与える
なんて出来ひんやろ」
 満天の星が降り注ぐ。
 空は続いている。この空と同じ空が、家族や残った仲間達も見下ろしているのだ
と思うと、少しだけ、気持ちがほっとした。
「お前んとこは?」
 聞いているのか聞いていないのか、黙ったままの今岡に、佐伯は水を向けた。
「息子が一人います」
「へぇ」
「俺に似てないんですよ」
「似てないんかい」
「はい! めちゃめちゃ可愛いんです!」
「そ、そうか……」
 目を輝かせて語る今岡の勢いに押され、頷く佐伯。
 確かに彼にそっくりと言われて、可愛いと言われたら、お内裏様のような顔を
想像したかもしれない。
 この男でも、やはり我が子の話となるとこれだけ嬉しそうに話すのだ。
 そのことに、妙なおかしさと親近感を佐伯は覚えた。
1502 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/20(土) 14:58:26 ID:LPmXjmki0
「子供のためにも、元気に帰ってやらんとあかんなぁ」
 つい、しみじみと口にしてしまう。
 口にして、つい、不安になる。
 深夜0時の放送は、自分達の強制移動を告げると共に、新たに増えた死者の数を
伝えてきた。
 今こうやって穏やかに星空を眺めている間にも、どこからか銃声が聞こえてくる
気がした。
(ほんまに帰れるんやろか……)
 布団の中で、佐伯は小さく拳を握った。
 極力考えないようにしている未来への不安が、夜風に乗って染み込んでくる。
 どうにも眠れない。
「なあ、イマ……」
「すぴー……」
 話しかけようとして、微妙に鼻がつまった間抜けな寝息に肩をこかす。
「早っ! ってか人の話聞けや」
 どこまでもマイペースなこの男は、自分の子供の話が終了した時点でどうでも
よくなったらしい。
「……とりあえず寝よ」
 不安で眠れない、などと思っていた自分が馬鹿らしくなる。
 後寝の特権で布団を出来るだけ引き寄せ、佐伯は自分の鼻が詰まってないことを
確かめてから瞼を閉じた。


【残り47名 年俸総額103億980万円】
151代打名無し@実況は実況板で:2007/10/20(土) 21:42:57 ID:r4RwjxQu0
新作キタキタキターーーーー!!!
平和ボケコンビ久しぶりキターーーーー(゚∀゚)ーーーー!!!!
乙です!
152代打名無し@実況は実況板で:2007/10/20(土) 22:54:41 ID:bCya76Ee0
乙です!
危機感ねえな背番号7!w
153代打名無し@実況は実況板で:2007/10/20(土) 23:55:22 ID:0E3XgCxo0
久々にこのコンビ来たか!乙!
つーかこの状況の中屋外で布団ひいて寝るってどんだけだよwww
154代打名無し@実況は実況板で:2007/10/21(日) 02:48:09 ID:PuVS8Ul60
ってか二人とも同時に寝てどうするw
さすが平和ボケコンビw
155代打名無し@実況は実況板で:2007/10/21(日) 03:29:56 ID:S280e1q80
新作乙です!ちょwww同時に眠るなw宮本とかきたら\(^o^)/
156代打名無し@実況は実況板で:2007/10/21(日) 23:43:40 ID:lS7nal3j0
保守
157代打名無し@実況は実況板で:2007/10/23(火) 00:01:34 ID:cjGWT6mu0
hosyu
158代打名無し@実況は実況板で:2007/10/23(火) 00:17:09 ID:Jltur7yvO
新作乙です。 
今岡はまだまともなんすねー…ちょっと安心しました(´∀`)
159代打名無し@実況は実況板で:2007/10/23(火) 09:06:42 ID:nPST7DQX0
職人様乙です!まったくこの二人はww
160代打名無し@実況は実況板で:2007/10/23(火) 21:03:18 ID:MQnVn9/J0
まともと言っていいのかどうか少し迷うww
161代打名無し@実況は実況板で:2007/10/24(水) 21:07:21 ID:460qIlJ30
布団www
162代打名無し@実況は実況板で:2007/10/25(木) 00:18:03 ID:IdvcMx0w0
今岡はすでにおかしいのかも知れんw
163代打名無し@実況は実況板で:2007/10/26(金) 04:14:29 ID:Nma3r8MI0
www
布団役立ってるやんw
164代打名無し@実況は実況板で:2007/10/26(金) 05:19:41 ID:qBkYaknn0
今岡ぇぇぇ
165代打名無し@実況は実況板で:2007/10/27(土) 12:08:44 ID:NkWBUwsW0
保守
166代打名無し@実況は実況板で:2007/10/28(日) 00:45:07 ID:+lYU+Aiw0
>>1-3
こん中で完結してるバトロワは無いの?
面白そうだと思って読み出すんだけど中途半端な位置で終わってて肩すかし食らう・・・
167代打名無し@実況は実況板で:2007/10/28(日) 00:48:55 ID:aLSVbg1P0
>>166
読売、中日(2001、2002)、福岡(ダイエー、ソフトバンク)
168代打名無し@実況は実況板で:2007/10/28(日) 00:50:23 ID:+lYU+Aiw0
>>167
あざっすー
169代打名無し@実況は実況板で:2007/10/28(日) 09:45:50 ID:xn0fX36m0
 今思えば、読売はよく完結まで行ったもんだ。黎明期のものだから、
結構混沌としてたんだが。
1702 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/28(日) 11:47:38 ID:bTcQt/gN0
【111】ダイイングメッセージ

 谷繁元信(D27)を簡易に弔ったあと、金本知憲(T6)は野口茂樹(D47)を連れて
早足でその場を離れた。
(少しでも、遠くに……)
 思い出したくない。思い出させたくない。出来るだけ現場から離れた所に行って、
野口を落ち着かせたかった。
 事件が起こった当初、野口の精神状態がまともでないのは確かだった。
 当たり前だ。いくら野口が人外の神経をしているとはいえ、谷繁は彼にとっては
チームメイトだ。
 金本を助けるためとはいえ、同僚の頭をマシンガンで撃ち抜いた事実を簡単に
受け止められるわけがない。
 それでも、B−5にある民家に辿り着き、身体を休めることで少しは落ち着いた
のか、はたまた心配を続ける金本に気を遣ったのか(彼に気を遣うという思考が
あるのかどうかは知らないが)深夜を迎える頃には一見、平常を保っていた。
(ちょうどその頃に、来るんよな……)
 新たな試練が。
 深夜0時の放送は、二人に夜の安息を与えないと通告した。
 B−5。新たなる禁止エリア。
 頭を抱えたくなる金本の隣で、野口茂樹は虚空を見上げていた。新たに増えた
死亡者の名前が呼ばれるのを、ただじっと聞いていた。
「……ごめん……」
 誰にともなく呟かれた声を聞き咎めた瞬間、心臓に石が詰め込まれたように
重くなる。
 彼は今もまだ、自分を責めている。
(俺は、何もしてやれん……)
 自分の無力さに嫌気が差す。
 彼がこんなことになったのは、そもそもが谷繁に殺されかけた自分を助けるためだ。
(なんで、助けたんじゃ、俺なんかを……)
 逃げてしまえば良かったのだ。手元にあるマシンガンなんか放りだして。
 谷繁は野口は眼中になかった。あのまま逃げたとしても、彼は野口の後を追いは
しなかっただろう。
171代打名無し@実況は実況板で:2007/10/28(日) 11:48:59 ID:bTcQt/gN0
「金本さん!」
 暗澹とした思考の渦に飲まれかけていた時、野口の声が現実に引き戻した。
 野口が指し示す方向には、ログハウスがあった。そして、その向こうには真っ黒
い闇が広がっている。
 海べりのログハウス。
「一番端まで来たか……」
 放送が終わるや否や、一刻も早く禁止エリアから離れようと歩いてきたが、ようやく
落ち着けそうな場所を見付けた。
「さっさと入って寝ましょう。もう俺足疲れましたよ」
「こらこら」
 ゴールを見付け、何のためらいもなく揚々と向かおうとする野口の首根っこを
掴んで引き戻す。
 谷繁の件を引きずっていた時の影を微塵も見せないのは尊敬に値するが、元に
戻られ過ぎても若干やっかいなものだ。
(たまに常識が通じんからな、こいつは)
「ちょお待て、慎重に行くぞ。中に誰かいるやも……」
「あ、誰か出てきた」
「ちょ、おま……っ!」
 おぼつかない足取りで小屋から出てきた影に、無遠慮に無警戒に懐中電灯の光を
浴びせかける野口。
(ヤバイやつだったらどうするんじゃー!)
 金本の心の叫びはもちろん届かない。
「誰じゃ!?」
 こちらから居場所を知らせてしまったら仕方がない。
 相手に舐められないよう、金本は威勢良く声を上げた。
 夜目に慣れたところで強い光を浴びた相手は、追いつめられた盗賊よろしく片手
で目を覆い、緊張に身を強ばらせた。
「あ……ぅお、お、俺は……!」
 何事かを呻き、大柄な男が走り去る。
1722 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/28(日) 11:49:58 ID:bTcQt/gN0
「あれは……松中……?」
 逃げていく背番号を目で追いながら、金本と野口は完全に彼が視界から消えるまで
立ち尽くしていた。
「金本さんがびびらせるからですよ。さっきのなんてまるでヤクザ……」
「うるさい」
 悪気のない嫌味を、軽くゲンコツで黙らせる。
 いきなり金本のドスの聞いた声に怒鳴られたとはいえ、松中にしてはらしくない
脅えようだった。
 それに、気になったのは膝に付いた赤い――
(血……?)
 険しい表情で黙りこくった金本が気になったのか、野口が頭をさすりながら振り
返ってくる。
「金本さん……」
「とりあえず、入るぞ」
 嫌な予感がした。
「うっ……!?」
 奧の部屋のドアを開けた瞬間、立ち昇った臭いに金本は鼻と口を押さえた。
 紛れもない血臭。
 先にドアを開けたまま動かない金本に痺れを切らしたのか、野口が脇をすり抜けて
部屋に入る。
「うわ? 真っ暗で何がなんだか……」
「アホ! 電気つけんな!! ……っ!?」
 無防備にドア横のスイッチを押す野口を止める前に、数度部屋が瞬いて明度が増した。
 その瞬間、目の前に現れた光景に息を飲む。
「これは……豊田……?」
 床に伏せた顔は判別がつかない。が、背中に刻まれた『TOYODA20』が嫌と
言うほどそこにいる人物を指名している。
 俯せに転がる豊田清(L20)の身体を中心に、赤い血溜まりが板敷きの床に広がっていた。
1732 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/28(日) 11:51:38 ID:bTcQt/gN0
「くっ……」
 あまりの光景に一瞬、目眩がする。
 よろけた身体を背後のドアで支え、金本はもう一度豊田の死体を見た。
 極力気持ちを落ち着かせて見ると、彼の死体の不自然さに気付く。
 血の跡が大分彼の足元から伸びている。
 まるで這いずったような跡。
 そして、窓の方に向かって差し出された両腕。
 特に、完全に伸びきった右腕の先には、殺意の込められた短ドスが握られていた。
(何かを、追いかけて……?)
 金本は血溜まりを踏まないよう、恐る恐る死体に近づいた。
 そして、気付く。
 床に投げ出された左手が刻む文字を。
「『3』……?」
 それは、血で示されたダイイングメッセージだった。
 3。背番号3。
 闇の中、引きつった男の顔。
「松中……?」
「松中さんが、やったんですかね……」
 いつのまにか金本の背後に回っていた野口が、神妙に口を開く。
「この状況じゃ、そうとしか考えられんじゃろ」
「まさか、松中さんが」
 野口の言いたいことはよく分かる。
 とてもじゃないが人を殺すような男とは思えない。
 だが、豊田が死の間際に残したメッセージは、確かにそう告げている。
「それにしても……」
 ふと気になった。豊田のこのダイイングメッセージは、一体誰に対して向けられた
ものなのかと。
 自分を殺した人間が『3』であると、自らの血で文字を書いてまで、誰に知らせた
かったのか。
「仲間……西武ライオンズのみんなじゃろうか」
 いつか出会う機会があれば、伝えてやった方がいいだろうか。
 彼がそうまでした意味が、必ずあるはずだ。
1742 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/28(日) 11:52:36 ID:bTcQt/gN0
「俺たちも運が悪いの……こんな場所に来るとは」
「金本さん、ラッキーですよー。缶詰見付けました」
「……!!!」
 精一杯肩をこかすリアクションを見せる金本を気にした素振りもなく、野口が数個
の缶を抱えて戻ってくる。
「そういえばお腹がすいたなーと思って、引き出し開けてみたらありました」
 この状況で部屋を漁る神経は、尊敬を通り起こして呆れの境地に達してしまう。
 色々と突っ込みたい言葉を全て飲み込み、金本は大きく息を吐いた。
(これはこれで、コイツなりの気の遣い方なんじゃ……)
 豊田の死。松中の逃亡。直面した現実に目に見えて動揺している自分を気遣っている。
 自分より傷付いているはずの相手に余計な気を遣わせるのは人として失格だ。極力、
普段通りの自分を出せるよう、一旦意識を豊田から外し、金本は差し出された缶を手に
取った。表面にはツナの絵が描いてあった。
「どうやって開けるんじゃい」
 開封用のプルトップのない缶だ。缶切りなどという便利な物はもちろん持ち合わせて
いない。
 缶があるということは、家捜しすれば缶切りくらい出てくるかもしれないが……
「金本さんなら素手で……」
「できるか!」
 名案を思いついたとでもいうように、人差し指を立てて提案する野口にチョップする。
「素手で潰したって、中身もぐちゃぐちゃになって使い物にならんわ!」
「潰せることは潰せるんですね」
「ナイフやら、そういうもんでもありゃーええんじゃが」
 野口の指摘は無視し、顎を捻る。
 2人の支給品はマシンガンとヌンチャク。こういう時には全く役に立たない。
1752 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/28(日) 11:53:32 ID:bTcQt/gN0
「…………」
 ちらりと、豊田の握る短ドスが脳裏を過ぎった。
(あれを使えば……いや、しかし死者の遺物を取り上げるのは――)
「これ使えばいいじゃないですか」
「って、気にせんのかいっ!」
 ひょいと豊田から短ドスを取り上げた野口が提案してくる。
 手渡された短ドスを受け取りながら、自分の常識や価値感覚がおかしいのかと自信が
なくなってくる金本だった。
「わあ」
 ぽん、と野口が手を打つ。
「短ドス似合いますね」
「殴ってええか?」
 この男と付き合いだして何度目かの脱力感に、金本は力なく拳を握った。
 もしかして気を遣っているのではなく、本気でとぼけているのかもしれない。
 まだ真新しい輝きを見せる刃に、誰の血も付いてないことを祈りつつ、金本はツナ缶
を野口に突き返した。
「外に出るか」
 死体の側で物を食べたいとは思わない。
 夜に紛れて少し南下して、眠れる場所を見付けよう。
「すまんな豊田……借りてくぞ」
 またしばらく歩かなければいけないことに音を上げつつも、野口が部屋を出る。
 ドアノブに手をかけ、一度金本は部屋を振り返った。
 窓の向こうの何かに向かって、必死に手を伸ばすようにして事切れた豊田。
 彼の生き様を、死に様を、金本は知らない。
 何も出来ない。どこまでも無力だ。
(俺は一体、どうしたらいいじゃ……)
 こうやって誰かの死を黙って見過ごすしか出来ない。
 緒方も、佐々岡も、片岡も死んだ。
 誰かを守ることも出来ない。
 仲間を信じることも出来ない。
1762 ◆ACsLXL4x9o :2007/10/28(日) 11:54:06 ID:bTcQt/gN0
(矢野プー、シモ……)
 彼らはどうしているのだろうか。
 こんなに大勢の人間が死んでもなお、彼らは自分達は何かが出来ると信じることが
出来るのだろうか。
 最後に見た、彼らの後ろ姿を思い出す。手を伸ばせば届いたはずの背中を、追い
かけることが出来なかったのは己の弱さだ。
「せめて、西武の奴らに会ったら……お前の残した伝言を伝えるくらいはさせてくれ」
 無力な自分が出来る、せめてもの弔いを口にして、金本は静かに扉を閉めた。
 玄関から出てきた松中と、窓に殺意を向けて事切れた豊田。
 そのギャップに、金本は気付かないままログハウスを後にした。


【残り47名 年俸総額103億980万円】
177代打名無し@実況は実況板で:2007/10/29(月) 00:14:21 ID:o9pM2yBi0
投下乙です。
のぐちんマイペースすぎてワロタwww
178代打名無し@実況は実況板で:2007/10/29(月) 22:57:13 ID:paqHmFbh0
おお、新作来てた!乙です。
このコンビも気になってた。のぐちん意外と元気でなにより…。
179代打名無し@実況は実況板で:2007/10/30(火) 21:05:29 ID:e2td3FS30
ほす
180代打名無し@実況は実況板で:2007/10/31(水) 02:29:00 ID:c3Gl8ElSO
新作乙です!
イマオカもかねもっちゃんも無事で良かった!
のぐちんと佐伯超マイペースww

川上と岩瀬も気になるな。
かねもっちゃんとのぐちんは、豊田の無念に気付いて!
181げりぴっぴ ◇/ymqNiQQqI :2007/10/31(水) 14:24:20 ID:BU6zfiIx0
1億万円プレイヤーげりぴっぴ参上!イエ〜イ!
まつなかきゅん年収すごいね☆
超セレブ!ちょっとまつなかきゅんに嫉妬するBOKU☆
182代打名無し@実況は実況板で:2007/11/01(木) 00:52:11 ID:aeIjZ1K60
のぐちん相変らずすぎw
183代打名無し@実況は実況板で:2007/11/01(木) 21:01:39 ID:IY5HCBwc0
のぐちん、どうなってることかと心配してたら・・・・w
184代打名無し@実況は実況板で:2007/11/02(金) 12:47:44 ID:0eoZQaqB0
ホッシャ
礒部が心配です
185代打名無し@実況は実況板で:2007/11/02(金) 22:35:41 ID:HesUw0AM0
保守
186代打名無し@実況は実況板で:2007/11/03(土) 12:28:09 ID:NCpY31zh0
ほしゅ
1872 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/03(土) 20:20:42 ID:1QCfbPQi0
【112】キャッチボール

 少し先に東の海岸があるのだろう。
 波の音が聞こえる。
 金本知憲は浜辺にほど近い森の繁みに腰を降ろし、短ドスを取り出した。
「缶」
 無愛想に手を出すと、野口が反射的に掌に缶を載せてくる。
「…………」
 それを受け取り、金本は無言で刃先を缶に突き刺した。 
「あ、俺が……」
「ええ。お前は投手じゃろ。手は大事にしとけ」
 器用に短ドスで缶を開けていく金本に、手持ち無沙汰になってしまった野口が声
をかける。
 無下に断られ、所在なく黙り込む野口。
「よく見えんな。手もと照らせ」
 そんな野口を見て、彼にも出来そうな指示を出す。
 やることが出来てほっとしたのか、野口はいつになく機敏な動作でマグライトを
取り出し、金本の手元を照らした。
「…………」
「ありがとうございます」
 しばし、缶を切る音と潮騒だけが響く沈黙が続いた後、急に野口が感謝の言葉を
口にした。
「なんじゃ、別にこれくらい……」
「いえ、そうじゃなくて」
 てっきり缶を開けてやっていることの礼だと思った金本の言葉を否定する。
「俺みたいなヤツと一緒にいてくれて、ありがとうございます」
「…………」
「俺、役に立たなくて、普通にしゃべってても相手怒らしたりとかするし、打たれる
し、谷繁さんにも……言われたとおり投げられなくて、俺、怒られてビクビクして、
余計怒らせて……」
 並べ立てられる自虐の言葉に、返す言葉が見つからない。
 彼には悪いが、おそらくそれらは事実なのだろう。
1882 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/03(土) 20:21:56 ID:1QCfbPQi0
 だからといってそれを肯定して相手を追いつめるのも違う気がして、金本は黙って
野口茂樹の告白を聞いていた。
 それは、懺悔にも似た内容だった。――彼が殺した、谷繁に対しての。
「中村さんがずっと優しい人だったから、俺が逃げ出したくなった時に、あの人の
影追いかけてるの、きっとバレてたんです。俺、捕手やったことないけど、それって
きっとすごく悔しかったと思うんです」
 谷繁元信という男を思い返す。恐らく、彼の性格からすると頭から湯気が出るほど
の屈辱だっただろう。相手がチームのエース格の投手だったからには余計にだ。
「俺だって、谷繁さんが俺のこと諦めて、他の投手ばかり見てると、置いて行かれた
気がしてすごく寂しかったし……」
 首を垂れる。次第に下がっていく頭を見下ろし、金本は野口の独白を遮った。
「擦れ違っただけじゃろ」
 缶を切る手をいったん止める。
「お互いへの気持ちが、ちょっとだけ、上手く噛み合わなかっただけじゃ」
 その言葉に顔を上げた、懐中電灯を握る男の冴えない表情を見返してやる。
 ここまで彼の話を聞いて、分かったことがあった。
 彼らのバッテリーとしての関係は上手くいっていなかったようだが、野口は決して
谷繁を嫌っていたわけではない。
 こんなことを言うのは照れ臭い気もしたが、鼻の頭を掻きながら思ったことを口
にする。
「自分が相手の方を向いてる時に向こうが背中を向けてて、相手が自分の方を向いてる
時に自分が背中を向けてて……結局、お互い自分の方なんてちぃとも向いてくれてない
気になってるだけじゃ」
 それは、誰もが一度は感じたことのある、幼い孤立感に似ている。
 なぜ自分だけ見てくれないのか。なぜ自分だけ分かってくれないのか。なぜ自分では
ダメなのか。なぜ自分を嫌うのか。
 相手が振り向いてくれている時は気付かないくせに、いつも自分だけ相手の背中を追い
かけている気がして、勝手に焦燥感や憤りを感じてしまう。自分勝手で、幼い感情。
「……向き合ってないと、キャッチボール出来ませんもんね」
 金本の言葉に納得したのか、野口が小さく笑みを浮かべた。
「当たり前じゃろ。うら、食え」
 開いた缶を相手の鼻先に付きだし、金本は肩を回して短ドスを置いた。
1892 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/03(土) 20:27:46 ID:1QCfbPQi0
 手渡された缶を膝に置き、じっと中のツナに視線を落とす野口から視線を外す。
 金本は背中を木の幹にもたれさせ、微かに聞こえる波の音に耳を傾けた。
 ぽつりと、呟く。
「……俺の近くに、馬鹿みたいに投手のことばっか考えてる投手馬鹿の捕手がおるが」
「馬鹿が2回もつくほど馬鹿なんですね」
「あいつはいつも投手の方を向いてた」
 野口の突っ込みを無視する。視線が横顔に刺さった。
 門外漢の自分がバッテリーについて語るのはおこがましいが、今の彼にはそんな
金本の言葉でも必要なのだと思った。
「背中を向けられてても、擦れ違っても、いつでもキャッチボール出来るように、
ずっと投手の方を向いてた」
「ずっと……俺も、そうすれば谷繁さんと……」
「普通は、そっぽ向かれ続けるのが怖くて、つい背中を向けてしまうもんじゃ」 
 本音を乗せて、息を吐く。
 隣を見ると、野口が泣きそうな顔でこちらも見ていた。
 それが意外にも間抜けで、失礼だが笑ってしまいそうになる。
「お前は悪くない。ただ、そうできるヤツがすごいだけじゃ」
 それは、自分自身への慰めの言葉か?
(俺は、できなかった)
 金本は遠ざかる背中を反芻した。
 裏切られるのが怖くて、背を向けた。引き留めることができなかった。
 無条件に仲間を信じられる彼らが羨ましかった。
「……俺も、絶対に受け止めてくれる相手にボールを投げられんかった」
 自白する。吐き出すことで、少しだけ楽になれた気がした。
 ずっと喉の奥に引っかかっている魚の小骨のように、時折胸を刺す、決別の記憶。
 自分の道を何一つ決められないまま、ただ、逃げてしまった。
(それは今も同じか)
 たとえ今そのチャンスが訪れたとしても、自分は彼らの手を取ることは出来ない
だろう。
 ただ流されるまま、自分のやり方を見つけられずにいる。迷い続けている。
1902 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/03(土) 20:29:33 ID:1QCfbPQi0
(俺は、どうすればいい?)
 野口の涙目を笑っていたはずの顔が自然と歪む。代わりに浮かんだのは、自分
の弱さをあざ笑う自虐の笑みだった。
 そんな金本を見ていた野口の視線が、何か言いたげにさまよい、結局、手元に
落ちる。何かを反芻するように目をつぶった。
「……多分、中村さんもずっと俺の方を向いてくれてたんだと思います。俺が背を
向けてたときも、ずっと見ていてくれてたんだと思います」
 いつ振り返っても、受け入れられるように。
 野口が鼻をすする。震える声が吐き出される度に、釣られるように涙が落ちた。
「……俺、酷いヤツですね。中村さんも谷繁さんも、きっと傷付けてた。……分かって
たくせに、気付かないふりをしてた。受けてくれる人がいないとキャッチボールなんて
出来ないのに、たまに……自分独りで野球をやってる気になってた」
 誰も助けてくれない、マウンドの孤独。
 ナインの誰よりも高い位置から、たった一人、球を放る。
 その一球で彼らの努力全てを裏切ってしまうかもしれない重圧感。
 投手は孤独なのだと、誰かが言っていた。
 ぽん、と金本は号泣する投手の頭に手を置いた。
 こんなところで、敵方のピッチャーを慰めている奇妙な状況に、今更ながら不思議
な感じがした。
「俺は投手の背中を遠くから見守ることしか出来んが」
 惜しげもなく涙を流せる純粋さが、今は少し羨ましかった。
「俺の出来るやり方で、精一杯助けてやりたいと思っとる」
 ひとりじゃない。
 そう言うにはマウンドにいる彼らの責任は重すぎて、簡単に口には出せない。
 それでも、そんな彼らを少しでも助けたいと思っている気持ちは、伝えてもいい
はずだ。
 涙でぐちゃぐちゃになった顔を、野口はユニフォームの袖で拭った。
「……ありがとうございます……」
 穏やかな月明かりの下、投手が一人と外野手が一人。
 それぞれの方法で泣いていた。
1912 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/03(土) 20:30:57 ID:1QCfbPQi0
「へっくしょい!」
「寒いか? 矢野ちゃん」
「いや……ふ、へっくしょい! へくしっ、あ〜も〜……ハ、ハクション!」
 布団の中で豪快に多彩なクシャミをした矢野に、看ていた下柳が声をかける。
 ぐず、と鼻をすすりながら、矢野は別のことを考えていた。
(井川大丈夫やろか? まああいつのことやからこんな時でも落ち着いてそうやけど。
あんまり誰かと組んだりしたがらんやろうけど、せめて交代で睡眠が取れた方が……。
それにしてもあの大食漢がこれっぽっちの食料で足りるんやろか。どっかで缶詰でも
見付けて……待て待て、缶詰なんかナイフで開けようとしたら絶対怪我する。間違い
なく怪我する。自炊も出来ないのに……)
「……今、4回くらいどっかで誰かに馬鹿って言われたような気がする」
「そりゃ気のせいだろ」


【残り47名 年俸総額103億980万円】
192代打名無し@実況は実況板で:2007/11/03(土) 21:38:23 ID:SZ4tnoB2O
新作乙です。

最後の矢野と下柳のやりとりwww
193代打名無し@実況は実況板で:2007/11/03(土) 22:10:08 ID:f1XeIQaC0
投下乙です。
金本と野口のやり取りにジンとしてたのにわろてしもたwww
194代打名無し@実況は実況板で:2007/11/04(日) 02:48:57 ID:xknJYQJF0
乙です!

ものすごく感動してたんですがwwwwwww
195代打名無し@実況は実況板で:2007/11/05(月) 17:40:17 ID:xiy7C4lZO
ほしゅの
196代打名無し@実況は実況板で:2007/11/05(月) 23:08:54 ID:f3OEpQ2G0

矢野マジおかんwww

まさか金村阪神入りで矢野とバッテリーとは
億バト住人としては妙に感慨深い
197代打名無し@実況は実況板で:2007/11/05(月) 23:17:31 ID:YP03NHJu0
よう、俺
198代打名無し@実況は実況板で:2007/11/06(火) 22:29:28 ID:iPmnjRSb0
ほしゅ
199代打名無し@実況は実況板で:2007/11/07(水) 22:16:14 ID:3PbOMvSi0
ほしゅ
200代打名無し@実況は実況板で:2007/11/08(木) 02:05:42 ID:FcAeXSLa0
まじかよ
201代打名無し@実況は実況板で:2007/11/08(木) 23:27:57 ID:nu5jkfQr0
ほす
202代打名無し@実況は実況板で:2007/11/09(金) 01:45:19 ID:fBfKOcpv0
各球団のバトルロワイアルスレを見守るスレ11
http://ex20.2ch.net/test/read.cgi/base/1194538810/l50
2032 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/09(金) 23:52:23 ID:1ZtZXxdG0
【113】呼び声

 頬を打つ夜風は冷たく、男の罪を責め立てるように肌を刺した。
 闇雲に林を駆け抜け、鈴木尚典は走り続けていた。
 何かに追い立てられていた。
 一刻も早く、少しでも遠くに。
(あの場所から離れなければ)
 ガラス片が食い込んだ右手の指が、固い異物が、筋肉の繊維を食い破る不快な
感触を伝えてくる。
 だが、不思議と痛みは感じなかった
(俺は、人間じゃないのか――?)
『コロセ』
 脳の裏側から響いてくる音は、確かに自分の声だった。
 ならば、これは自らの心の叫びなのだろうか。
(やめろ!)
『コロセ――』
(やめてくれ!!)
 誰か――
(俺を、助けてくれ)
 誰か――
 あの時の三浦の顔が思い浮かぶ。
 強襲者を追い払い、部屋の隅に座り込む三浦を振り返った。
 左肩の機能が停止し、平行感覚が狂った身体を無心に運ぶ。
 三浦大輔は脅えていた。鈴木を見上げる顔に、今まで見たこともない表情が浮かぶ。
 恐怖、嫌悪――何か得体の知れないものへの。
 その時、確かな殺意が過ぎった。
 自分のものではない殺意。
 確かな怯えを、得体の知れないモノを見るような視線を受けた己への憐憫。
『ナンデ、俺は、……お前を助けたのに』
『違う。助けるだけなら殺そうとする必要などなかったはずだ』
 相反する感情がせめぎ合い、勝ったのは失望だった。
2042 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/09(金) 23:56:48 ID:1ZtZXxdG0
 コロセ――
 オレヲキズツケルモノヲコロセ――
 振り上げた刃を降ろすのは簡単だった。
 辛うじて自分の左肩を抉り、その衝動を抑えたのは、宮本、岩村を殺す寸前で
ギリギリの理性をすくい上げてくれた後輩の顔だった。
 だがそれすらも、霧の向こうに隠れて薄れようとしている。
 脳を支配する甘い香りが、今まで思ってもいなかったはずの暗い感情を連れてくる。
 屈辱は確かにあった。プライドもあった。
 衰えを示唆される中、打率は低迷を極め、かつての首位打者の面影は微塵もなかった。
 過去の栄光に縋りたくはなかったが、目を逸らすにはそれは余りにも甘美な記憶だった。
 ――モウイチド、アノトキノヨウニ
 ここにいる全ての一流選手を殺し尽くせば、もう一度輝くことが出来るだろうか。
『尚典さん! 止めてください!』
「……っ!」
 鈴木は立ち止まった。立ち止まらざるを得なかったと言った方が正しい。
 地面に膝をつくと、治まっていたはずの頭痛が蘇っていた。
 同時に、身体中に激痛が走る。痛みという単語を通り越した、圧倒的な熱と刺激だった。
 気が付けば視界が開けていた。
 空を覆う木の葉はそこにはなく、頭上には、不気味なほど大きな月がのしかかる。
 そこは砂浜だった。
 砂に足を取られたのだということにすら気付かなかった。
 さざ波の音を風が攫う。
 暗い海が無限に広がり、鈴木尚典を迎え入れていた。
 永久に繰り返される潮の満ち引き。
 潮は月の引力の影響を受けているのだという。
 水は、最も月の引力の影響を受けやすい物資だ。
 そして、その水で大部分を構成されているのが、人間。
 そう考えると、潮騒と共に、月の引力に引かれ、波打ち際に引きずり混まれる人間
がいても不思議ではない。
(俺も、飲み込まれるのか?)
 自分は、そんなに弱い人間だったのだろうか。
2052 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/09(金) 23:59:13 ID:1ZtZXxdG0
 月に飲み込まれ、欲に飲み込まれ、罪に飲み込まれ、ついには人であることすら
止めてしまう程に。
 無性に、自分が無力に思えた。どうしようもなく、無性に。
(情けねぇ――!)
「っ……ぅ……!」
 額を地面に擦りつけ、鈴木は嗚咽を噛み殺した。
 汗に濡れた額に砂利が張り付く。喉の奥が熱く震える。眼球の奧から押し出される
熱い液体が、自分がまだ泣けるのだと教えてくれた。
 いつか、血も涙も流せなくなる気がした。
「……ぅ……ううっ……」
 肩が戦慄く。どうしようもなく涙が流れた。
 泣きながら思い出すのは、ほんの数分前の『人殺し』の自分だ。
『尚典さん!』
 三浦が止めなければ、間違いなく、宮本も、岩村も殺していただろう。
 ――そして、三浦も。
 今もなお、己の中に湧き上がる悪魔の衝動を必死に抑え込んでいる。
「なあ、大輔、……っ大輔――!」
 そこにいない相手に呼びかける。
 仲間が仲間を殺し合う。このおぞましい島で唯一、信じてくれた存在。
 身を挺してでも自分を守ろうとしてくれた後輩を殺そうとした。
「俺は……っもう、ダメだ……っ」
(俺は人を傷付ける。お前を傷付ける。俺は人じゃなくなる――)
 人を殺して快楽を得ようとして、ついには友まで手にかけようとした。
 己を蝕む悪鬼は着実にその侵略範囲を広げていて、己が殺人兵器に変わるのは時間
の問題であると確信出来た。
(こんなのは嫌だ)
「誰か……っ」
(誰か、俺を――)
 ガサリと、背後の繁みが動いた。
 深夜に血まみれの男に鉢合わせた不幸な男は、何の警戒心もなく声をかけてくる。
2062 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/10(土) 00:00:34 ID:1ZtZXxdG0
「あのぉ……」
 わざわざ背を向けているこちらの視界に入ろうと、大回りに脇を回って男は姿を
見せた。
 野口茂樹だった。中日ドラゴンズの、元エース。
「大丈夫ですか? 怪我、してるみたいですけど」
 間延びした、控えめな口調が心配げに様子を窺ってくる。
 その腕には、オドオドとした挙動に似合わないマシンガンが抱えられていた。
 場違いに笑ってしまいそうになる。何でこの男はこんなところにいるのだろう。
 このタイミングで、この場所に、そんな武器を持って。
(これじゃあまるで、俺が呼んだみたいじゃないか)
 それとも、この男も月の引力に引き寄せられたのだろうか。
 震える肺で、鈴木は大きく夜気を吸い込んだ。
(ああ――)
「俺を、殺してくれ」
(出会ってしまった)
「殺してくれよ、そのマシンガンで」


「面白いな。データは取っているのか?」
「ハイ」
 当たり前だろう。その為の『彼ら』なのだから。
「波があるようだが」
「βL4型の被験者です。一定の波長で信号量を増加すると影響を受けるようです」
「だったらずっと流しておけばいいじゃないか」
 分かりもしないくせに口を挟む。
「強力な電気信号です。精神が崩壊します」
『子供騙しだ』聞き飽きたフレーズが沈黙の中に浮かんだ気がした。
「被験者の脳波に大幅な変化が見られています。LF/HF比が急激に上昇中――覚醒は
時間の問題かと」


【残り47名 年俸総額103億980万円】
207代打名無し@実況は実況板で:2007/11/10(土) 00:29:37 ID:4VeQxD3MO
新作乙です!

尚…
208代打名無し@実況は実況板で:2007/11/10(土) 01:24:30 ID:nlYUXM7+0
のぐちん・・・・・・・・・・・・・・・・・
209571 ◆Fly.B4DluA :2007/11/10(土) 02:12:14 ID:oF4VjOLW0
ご無沙汰しております。
現行の保管庫さんが消息不明(?)なので、再読がてら二代目保管庫を作ってみました。
よろしければお役立てください。
肝心の作品は来週中にはなんとか投下できそうです。

http://bbr2005.bufsiz.jp/
210代打名無し@実況は実況板で:2007/11/10(土) 10:30:06 ID:KEAmfbkq0
>>209
すごい!助かります!ありがとうございます!
211代打名無し@実況は実況板で:2007/11/10(土) 11:29:30 ID:WF34asx20
新作乙です のぐちん大丈夫かな?

>>209
ありがとうございます!!たすかります
212代打名無し@実況は実況板で:2007/11/11(日) 01:33:48 ID:zXJ6IbpP0
職人さん乙!
つまりは変なデムパ出して参加者の精神をぶっ壊し
凶悪な殺人者の人格を作り出しているという解釈でおk?
213代打名無し@実況は実況板で:2007/11/12(月) 16:49:43 ID:QQilOZNsO
精神乗っ取りみたいなかんじかもな。

保守
214代打名無し@実況は実況板で:2007/11/13(火) 19:54:54 ID:DQtLpOsyO
保守
215代打名無し@実況は実況板で:2007/11/14(水) 23:25:51 ID:ZHqmZ+HA0
保守
216代打名無し@実況は実況板で:2007/11/15(木) 21:32:56 ID:0sYNeW2l0
保守
217代打名無し@実況は実況板で:2007/11/16(金) 17:54:09 ID:vl1DWyAZO
保守
218代打名無し@実況は実況板で:2007/11/17(土) 01:24:12 ID:qFMV/MvpO
保守
219代打名無し@実況は実況板で:2007/11/17(土) 16:31:13 ID:NsDGsvSo0
hoshu
220代打名無し@実況は実況板で:2007/11/18(日) 00:12:35 ID:18nZZlwGO
ほしゅ
221代打名無し@実況は実況板で:2007/11/18(日) 21:46:55 ID:gfMt/eLr0
hosu
222代打名無し@実況は実況板で:2007/11/19(月) 20:07:05 ID:jAsF+F/M0
ほす
223代打名無し@実況は実況板で:2007/11/20(火) 00:47:42 ID:zr2K27dnO
ほす
224代打名無し@実況は実況板で:2007/11/20(火) 15:03:18 ID:QomsuDK7O
保守だ
225代打名無し@実況は実況板で:2007/11/21(水) 00:33:13 ID:Zm8bOEapO
ほす
226代打名無し@実況は実況板で:2007/11/21(水) 08:54:50 ID:sMVHJcRw0
ほ、しゅ
227代打名無し@実況は実況板で:2007/11/21(水) 19:15:44 ID:w4lQjCLkO
保守
228代打名無し@実況は実況板で:2007/11/22(木) 09:31:52 ID:TQ9auEjP0
山の中に消えた仁志は?
松坂は何してる?
ひょんな所でばったり出会ったG前田と小久保は大丈夫?
小笠原が金村の死を知ったらどうする?
鷲鷹連合は?
・・・ああ気になる事が多すぎる・・・
229代打名無し@実況は実況板で:2007/11/22(木) 15:31:37 ID:8hKrv9Tx0
俺の気になる

SB・楽天連合の今後は?
二岡に特攻食らった岩瀬・川上は?
カメラ小僧赤星は誰の写真を撮った?
福浦は正気を取り戻せるか?
230代打名無し@実況は実況板で:2007/11/23(金) 07:50:09 ID:z8Vk+qhk0
ほす
2312 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/23(金) 15:38:05 ID:Qvi2Qohk0
【114】覚醒  

「早く」
 石のように動かない男を急かすと、彼――野口茂樹はゆっくりと首を左右に振った。
「それは、無理です」
「だったら、そんなもの持って何ふらふらしてる。死にたいのか」
 苛立つ。彼と出会ってから、再び疼き出した熱が思考を攫っていく。
「死にたい――わけじゃないですけど」
 首を傾げ、自分の行動の訳を今更考えるように瞳を泳がす。
「俺が、側にいるのは違う気がして――」
 全ての動作が、口調が、常温の液体のように緩慢で、苛々する。
 彼が誰の顔を思い浮かべているのかは知らないが、鈴木の脳裏に三浦の最後の表情
が過ぎり、酷く痛みが増した。
 胸の奥がざわつく。頭痛が酷くなる。
 悪鬼が忍び寄る、どうしようもない予感。
(来る――)
「殺さなきゃお前が死ぬぞ」
「それは……困りますけど……」
 いくら脅しても、男のテンポは変わらない。
「うーん……」
 90度以上首を捻って十分に考え込んだ結果、男はあっさりと結論を出した。
「やっぱり、無理です」
 それは、鈴木にとっては絶望的な回答だったが。
「俺は、自分のために人を殺すなんてしたくないです」
(やめろ――)
「もう、人は殺したくないです」
(やめてくれ!)
 頭痛が治まらない。
 責め立てるように流れ込んでくる野口の声が痛みの元凶を刺激しているようで、
どうしようもない苛立ちと苦痛で理性的な判断が失われていく。
 殺せば、楽になる。
 殺すことを選べば、あの快楽を得られる。
2322 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/23(金) 15:38:55 ID:Qvi2Qohk0
 キン――
 耳鳴りがした。
 この瞬間、そこにある全てがクリアになる。
 引き替えのように流れ込んでくるのは、ある種の信号だった。
 自らの声を借りてその悪魔は囁いてくる。
 コロセ、と。
「俺だって……」
(俺だって殺したくない!)
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


「野口!?」
 大失態だった。目を離してはいけなかったのだ。
 立ち上がり、金本は前後左右を振り返った。
 あの後、緊張と疲労がピークに達し、座ったまま眠ってしまっていたらしい。
 目を覚ますと、そこにいたはずの男がいなかった。
 マシンガンもなくなっている。
 重いから金本に持てと言う程危機感のない男だ。
 彼がどういうつもりでアレを持ち出したかは分かりかねるが、自衛のため、という
ごく一般的な理由ではないのは間違いない。
 月の移動の加減から予想して、意識が落ちたのはほんの数分のはずだ。
 まだすぐ近くにいる。追いかければ追いつくはずだが、どちらに向かったのか皆目
検討がつかない。
 頭を抱えかけたところで、悲鳴が聞こえた。
「何があったんじゃ……」
 あれは野口の悲鳴ではない。だが――
 不安が胸を蹴り上げる。
 声を頼りに森を駆け抜けると、波の音が強くなった。すぐそこに海岸があるらしい。
「海に向かったのか――?」
 一体何のために――その疑問を口にするよりも前に、ふらり……と月明かりを背に
まろび出てきた人影に足を止める。
2332 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/23(金) 15:40:26 ID:Qvi2Qohk0
「野口……!?」
 駆け寄る。
 金本が抱きとめるよりも早く、野口の身体が崩れ落ちた。ガシャン、と腕に抱いた
マシンガンが音を立てる。
「金本さん、こっち、来ないほうがいいです……よ……」
 左胸――脇腹――夜目にも、野口の身体のあちこちから赤い血が流れているのが
分かった。
 金本は血でユニフォームが汚れるのもかまわず、男の身体を抱き起こした。
 強い血臭が鼻を突く。
「金本さん……早く、逃げ……」
 誰かに襲われた。誰に?
 それよりも先に、金本の口をある疑問がついて出た。
「何で、離れた」
「海に、捨てようかと……」
 誰にも渡すまいとするかのように、しっかりと抱き締めたマシンガン。
「人を殺す勇気が……俺にあることが分かりました。でも、俺はもうそんな……勇気
は欲しくない……」
 月明かりが、野口の目尻に浮かぶ涙を映す。
「そっぽ……向かれても……人と……向きあう、勇気、のほうが、ほしい……」
「分かった。もういい、しゃべるな」
 弱々しく息をはき出す野口の声が小さくなる。
 無理にしゃべり続けようとする野口の痛々しい努力に、金本はかぶりを振った。
「それに……かねも……さん……は……た、ぶん、待って……人が……から……」
 ゆっくりと瞳の色が落ちていく。
 人が死ぬ瞬間の表情を、こんなにも間近で、じっくりと見たことなどなかった。
「お、れ……なん、か……より……」
 吐き出された息が最後の言葉を紡ぎ、そのまま、終音する。
 ただ呆然と、金本は突然訪れたその男の死を看取っていた。
「なんで……お前まで死ぬんじゃ」
『ヘタレ同士出会うたんも何かの縁じゃろ』
 そういって彼と共に行動しようとした理由はなんだったか。
 ひどく下らない理由だったと思う。今思えば、あまりにも浅はかな。
2342 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/23(金) 15:42:11 ID:Qvi2Qohk0
「お前は、死ぬような人間じゃなかろうが」
 野口は動かない。
「おい」
 動かない。
「おきろや」
 起きない。
「おきろって言うとるんじゃ!!」」
 揺さぶる身体が、腕の中で急速に体温を失っていく。
 ガラガラと音を立てて崩れていくのは、彼と過ごした短い時間の思い出か。
 理性か。価値観か。心か。
 立ち上がり、金本はただ静かに野口の遺体を見下ろした。
(何で俺はこんなものを見ている?)
 何者かに殺された野口の姿。
 何者か、ではない。自分も知っている、同じプロ野球選手の誰かだ。
 歯の根が噛み合わない。それは恐怖というよりは、形容しがたい憤激だった。
 仲間を信じるのが怖かった。
 仲間に裏切られるのが怖かった。
 仲間を失うのが怖かった。
 だから、違う道を選んだ。
 自分を求めてくれる仲間の背中を見送って、彼らと交わらない道を選んだ。
 失うのが怖いものは、初めから、手にするべきではないと思った。
(ならば、今ここにいる俺は何じゃ?) 
 目の前に転がる血まみれの死体と、その前に呆然と立ちつくす自分。 
 どうでもいい人間と側にいれば、裏切られても失っても傷付かないと思っていた。
(それがどうじゃ、今は)
 目の前に広がる鮮血に血の気が引いていく。
 見えない刃が氷の零度を持って全身を突き刺していく。痛み。痛み。痛み。
「野口! 野口!! 野口……っ!」
 声が言葉にならない。溢れ出る激情に、名前を付けることが出来ない。
「う……おぉぉぉぉぉ!」
 迸る声。喉の奥で血の味がした。金本は泣いていた。
2352 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/23(金) 15:43:16 ID:Qvi2Qohk0


「おぉ……」
 最後まで息を吐きだし、金本は震える瞼を落とした。
『金本さん……早く、逃げ……』
 この男は最後まで他人の身を案じていた。誰にも興味のない、もしかしたら自分
自身にすら興味がないかもしれない男が。
 失うのは辛い。誰かに奪われるのはもっと辛い。
 それが今日昨日出会った人間でも、共に過ごす時間に比例して情を培っていく。
(馬鹿か、俺は)
 胸中吐き捨てる。
 これから、このままいくつもの死体を見ていくのだろうか。
 自分の道を決められないままふらふらとさまよい、そのたびに鉢合う同僚の抜け
殻に、心を引きちぎられ、己の無力さに打ちひしがれる。
 放っておけば、誰かが誰かに殺される
 誰か。それはチームメイトであったり、友人であったり、少なくとも共に野球を
通じて競い合ってきた相手であるのだ。
 裏切りの輪が広がっていく。
 今まで培ってきた、大切なものが壊れていく。
 知っているはずの、誰とも知らない殺人者に、大切な者たちが殺されていく。
 赤星か、桧山か――彼らもいずれ殺されるのだろうか。
 野口の死に顔に、金本は彼らの姿を重ねた。
 それは恐ろしいほどの失望感だった。
(何で……)
「何でこんなことになった……」
 下柳や、矢野……
 大切な仲間達から逃げてまで、傷付くことから逃げて、裏切られることを恐れた。
 自ら彼らから離れた。
 それなのに、いつの間にかかけがえのない戦友になってしまっていたこの男の死
を看取っている。
 結局、守れずに失い、傷付いている。
(結局、一緒じゃ……)
2362 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/23(金) 15:44:24 ID:Qvi2Qohk0
 大切なものに、裏切られるのも、失うのも怖いなら――
 だったら、ハジメから――
「――――」
 答が見えた気がした。
 なぜ、こんなことに気付かなかったのだろう。
 逃げることにばかり捕らわれていて、もっと簡単な、傷付かない方法が見えて
いなかった。
「失うのが怖いなら……」
 奪われる前に(裏切られる前に)
 奪ってしまえばいい(裏切ってしまえばいい)
 すっ――と、金本は息を吸った。
 潮の匂いと、血の臭い。
 砂浜をスパイクが踏みにじる音。
 月の光を道標に歩くと、すぐそこは海岸になっていた。
 月光を浴びて佇む男が視界に入り、足を止める。
 鈴木尚典が、無機質な瞳でこちらを見ていた。
 見ていた、というよりは向いていた、という方が正しいか。
 鈴木が、今、目の前の金本を金本であると判別しているとは思えなかった。
 だらりとぶら下がった左肩。特に何の反応も示さない鈴木の、唇だけが恍惚を湛え
薄く割れていた。
 明らかに尋常でない。
 右手には、指が切れ落ちるのも構わないかのように握りしめられた硝子の破片。
 滴り落ちる、真新しい血。
 その簡易作りのナイフが、野口の命を奪ったのは明らかだった。
「なんじゃ、誰かと思ったらお前か」
 マシンガンを持った男が、ナイフを持った男に殺される。
 彼が最後まで抵抗しなかった証だ。
2372 ◆ACsLXL4x9o :2007/11/23(金) 15:45:09 ID:Qvi2Qohk0
「鈴木」
 名を呼んでも、男が反応する様子はない。
「お前は抵抗もしない人間を殺ったんか」
 咎める言葉も、聞こえている様子がない。
 息を吐き出し、金本は砂をスパイクで掻いた。
「俺を殺すつもりか」
 答えの代わりに、鈴木尚典は砂浜を蹴った。


 野口茂樹(D47)死亡【残り46名 年俸総額102億900万円】
238代打名無し@実況は実況板で:2007/11/23(金) 20:16:18 ID:1iao097AO
ぎゃああああ
のぐちんがあぁああorz
239代打名無し@実況は実況板で:2007/11/23(金) 22:23:14 ID:Uzdb3osN0
新作キターと思ってスレ開いたら…
うわあああああああ…

( ・w・)が…
240代打名無し@実況は実況板で:2007/11/23(金) 22:44:20 ID:MpXfOItl0
新作、乙・・・のぐちん・・・。
そして金本は久万の予言どうりになるのか?
241代打名無し@実況は実況板で:2007/11/24(土) 00:05:54 ID:qchyS0eH0
職人様乙です!

金本がやる気になっちゃったら恐いよー。
242代打名無し@実況は実況板で:2007/11/24(土) 03:01:28 ID:dxf6QAyk0
>奪われる前に(裏切られる前に)
>奪ってしまえばいい(裏切ってしまえばいい)

悲しい結論だな。。。
243代打名無し@実況は実況板で:2007/11/25(日) 00:27:53 ID:5tu7rMBO0
投下乙です。
のぐちん悲しいよのぐちん。
最後まで抵抗しない優しさに泣いた。
244代打名無し@実況は実況板で:2007/11/25(日) 10:21:15 ID:CiwfGt350
投下乙です
三人とも責められないだけにやるせなさが募るね
245代打名無し@実況は実況板で:2007/11/25(日) 19:41:47 ID:/iMm2Ri4O
ドラゴンズやばいよドラゴンズ…
246代打名無し@実況は実況板で:2007/11/25(日) 19:51:03 ID:m+/BdmkC0
>>245
残りは
川上・岩瀬(マーダー二岡が来て大ピンチ)
立浪(足を怪我した状態で逃走中)
これだけだもんなw
247代打名無し@実況は実況板で:2007/11/26(月) 22:32:34 ID:6mHbcJrf0
捕手
248代打名無し@実況は実況板で:2007/11/27(火) 20:35:33 ID:FcMRq68WO
249代打名無し@実況は実況板で:2007/11/28(水) 02:22:50 ID:xnY7+obU0
書きながら保守
250代打名無し@実況は実況板で:2007/11/28(水) 04:23:51 ID:C3lA+x8yO
期待アゲ
251代打名無し@実況は実況板で:2007/11/29(木) 01:22:38 ID:/W2nu7vRO
wktk保守
252代打名無し@実況は実況板で:2007/11/29(木) 18:42:11 ID:u618DchB0
ほっしゅ
253代打名無し@実況は実況板で:2007/11/30(金) 19:32:02 ID:dGEFw2TgO
ほしゅ
254代打名無し@実況は実況板で:2007/11/30(金) 20:34:49 ID:JchTLViY0
ほっ
255代打名無し@実況は実況板で:2007/12/01(土) 13:22:26 ID:HCSxUrm8O
しゅー
256代打名無し@実況は実況板で:2007/12/02(日) 08:53:18 ID:UVkMFREj0
hoshu
257代打名無し@実況は実況板で:2007/12/03(月) 00:27:15 ID:5oZ46yC8O
保守
258代打名無し@実況は実況板で
ほっしゅー