"川崎病専門医A"が答える子供の病気スレ

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986川崎病専門医A ◆N3i.Qu1SoY
>>985
薮でしょうね。
歴史的にはまず最初ににスクラッチテストやプリックテスト、
パッチテストといった皮膚テストが開発されました。
そのうち血液検査でそれぞれのアレルゲンについて特異的IgEを
測定する方法が開発されて、血液検査が流行ってきました。
しかし、血液検査の結果と実際のアレルギーとは一致しないことが多い
ことがその後の研究でわかってきて、少なくともまっとうな
アレルギー専門医なら、血液検査よりも皮膚テストをやっています。

アレルギーは遺伝するか、という点に関しては、
YESとも言えますしNOとも言えます。
遺伝という意味を「メンデル遺伝」という意味でいうならNO、
遺伝という意味を「非メンデル遺伝」という意味ならYESです。
一般的には「遺伝」と言った場合には「メンデル遺伝」を指すことが
多いのでは、その耳鼻科医のいうことはまぁ正しいでしょう。

前にも書いたことがあるような気がしますが、
全ての病気は遺伝因子と環境因子が合わさって起こるものです。
風邪でさえ、同じウイルスが原因でも人によって症状が異なるのように
ウイルス(=環境因子)だけでは病気は決定されないのです。
そこで遺伝因子と環境因子がその病気を起こすのに貢献する比率を
考えるひともいます。
例えば風邪なら
遺伝因子寄与率:環境因子寄与率=3%:97%くらいでしょうか。
色盲なら
遺伝因子寄与率:環境因子寄与率=99%:1%くらいでしょうね。
アレルギー疾患は、おそらく
遺伝因子寄与率:環境因子寄与率=60%:40%くらいでしょうね。