1 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
私はプラント、大きな化学製造工場などの配管が専門です。
二○代の終わりごろに、日本に原発を造るというのでスカウト
されて、原発に行きました。一作業負だったら、何十年いても
分かりませんが、現場監督として長く働きましたから、原発の
中のことはほとんど知っています。
(一九九五年)の一月一七日に阪神大震災が起きて、国
民の中から「地震で原発が壊れたりしないか」という不安の
声が高くなりました。原発は地震で本当に大丈夫か、と。しか
し、決して大丈夫ではありません。国や電力会社は、耐震設計
を考え、固い岩盤の上に建設されているので安全だと強調して
いますが、これは机上の話です。
この地震の次の日、私は神戸に行ってみて、余りにも原発と
の共通点の多さに、改めて考えさせられました。まさか、新幹
線の線路が落下したり、高速道路が横倒しになるとは、それま
で国民のだれ1人考えてもみなかったと思います。
世間一般に、原発や新幹線、高速道路などは官庁検査によっ
て、きびしい検査が行われていると思われています。しかし、
新幹線の橋脚部のコンクリートの中には型枠の木片が入ってい
たし、高速道路の支柱の鉄骨の溶接は溶け込み不良でした。一
見、溶接がされているように見えていても、溶接そのものがな
されていなくて、溶接部が全部はずれてしまっていました。
なぜ、このような事が起きてしまったのでしょうか。その根
本は、余りにも机上の設計ばかりに重点を置いていて、現場の
施工、管理を怠ったためです。それが直接の原因ではなくて
も、このような事故が起きてしまうのです。
素人が造る原発
原発でも、原子炉の中に針金が入っていたり、配管の中に道
具や工具を入れたまま配管をつないでしまったり、いわゆる人
が間違える事故、ヒューマンエラーがあまりにも多すぎます。
それは現場にブロの職人が少なく、いくら設計が立派でも、設
計通りには造られていないからです。机上の設計の議論は、最
高の技量を持った職人が施工することが絶対条件です。しか
し、原発を造る人がどんな技量を持った人であるのか、現場が
どうなっているのかという議論は1度もされたことがありませ
ん。
原発にしろ、建設現場にしろ、作業者から検査官まで総素人
によって造られているのが現実ですから、原発や新幹線、高速
道路がいつ大事故を起こしても、不思議ではないのです。
日本の原発の設計も優秀で、二重、三重に多重防護されてい
て、どこかで故障が起きるとちゃんと止まるようになっていま
す。しかし、これは設計の段階までです。施工、造る段階でお
かしくなってしまっているのです。
仮に、自分の家を建てる時に、立派な一級建築士に設計をし
てもらっても、大工や左官屋の腕が悪かったら、雨漏りはす
る、建具は合わなくなったりしますが、残念ながら、これが日
本の原発なのです。
ひとむかし前までは、現場作業には、棒心(ぼうしん)と呼
ばれる職人、現場の若い監督以上の経験を積んだ職人が班長と
して必ずいました。職人は自分の仕事にプライドを持ってい
て、事故や手抜きは恥だと考えていましたし、事故の恐ろしさ
もよく知っていました。それが十年くらい前から、現場に職人
がいなくなりました。全くの素人を経験不問という形で募集し
ています。素人の人は事故の怖さを知らない、なにが不正工事
やら手抜きかも、全く知らないで作業しています。それが今の
原発の実情です。
例えば、東京電力の福島原発では、針金を原子炉の中に落と
したまま運転していて、1歩間違えば、世界中を巻き込むよう
な大事故になっていたところでした。本人は針金を落としたこ
とは知っていたのに、それがどれだけの大事故につながるかの
認識は全然なかったのです。そういう意味では老朽化した原発
も危ないのですが、新しい原発も素人が造るという意味で危な
いのは同じです。
現場に職人が少なくなってから、素人でも造れるように、工
事がマニュアル化されるようになりました。マニュアル化とい
うのは図面を見て作るのではなく、工場である程度組み立てた
物を持ってきて、現場で1番と1番、2番と2番というよう
に、ただ積木を積み重ねるようにして合わせていくんです。そ
うすると、今、自分が何をしているのか、どれほど重要なこと
をしているのか、全く分からないままに造っていくことになる
のです。こういうことも、事故や故障がひんぱんに起こるよう
になった原因のひとつです。
また、原発には放射能の被曝の問題があって後継者を育てる
ことが出来ない職場なのです。原発の作業現場は暗くて暑い
し、防護マスクも付けていて、互いに話をすることも出来ない
ような所ですから、身振り手振りなんです。これではちゃんと
した技術を教えることができません。それに、いわゆる腕のい
い人ほど、年問の許容線量を先に使ってしまって、中に入れな
くなります。だから、よけいに素人でもいいということになっ
てしまうんです。
また、例えば、溶接の職人ですと、目がやられます。30歳
すぎたらもうだめで、細かい仕事が出来なくなります。そうす
ると、細かい仕事が多い石油プラントなどでは使いものになり
ませんから、だったら、まあ、日当が安くても、原発の方にで
も行こうかなあということになります。
皆さんは何か勘違いしていて、原発というのはとても技術的
に高度なものだと思い込んでいるかも知れないけれど、そんな
高級なものではないのです。
ですから、素人が造る原発ということで、原発はこれから
先、本当にどうしようもなくなってきます。
名ばかりの検査・検査官
原発を造る職人がいなくなっても、検査をきっちりやればい
いという人がいます。しかし、その検査体制が問題なのです。
出来上がったものを見るのが日本の検査ですから、それではダ
メなのです。検査は施工の過程を見ることが重要なのです。
検査官が溶接なら溶接を、「そうではない。よく見ていなさ
い。このようにするんだ」と自分でやって見せる技量がないと
本当の検査にはなりません。そういう技量の無い検査官にまと
もな検査が出来るわけがないのです。メーカーや施主の説明を
聞き、書類さえ整っていれば合格とする、これが今の官庁検査
の実態です。
原発の事故があまりにもひんぱんに起き出したころに、運転
管理専門官を各原発に置くことが閣議で決まりました。原発の
新設や定検(定期検査)のあとの運転の許可を出す役人です。
私もその役人が素人だとは知っていましたが、ここまでひどい
とは知らなかったです。
というのは、水戸で講演をしていた時、会場から「実は恥ず
かしいんですが、まるっきり素人です」と、科技庁(科学技
術庁)の者だとはっきり名乗って発言した人がいました。その
人は「自分たちの職場の職員は、被曝するから絶対に現場に
出さなかった。折から行政改革で農水省の役人が余っている
というので、昨日まで養蚕の指導をしていた人やハマチ養殖
の指導をしていた人を、次の日には専門検査官として赴任さ
せた。そういう何にも知らない人が原発の専門検査官として
運転許可を出した。美浜原発にいた専門官は三か月前まで
は、お米の検査をしていた人だった」と、その人たちの実名
を挙げて話してくれました。このようにまったくの素人が出す
原発の運転許可を信用できますか。
東京電力の福島原発で、緊急炉心冷却装置(ECCS)が作
動した大事故が起きたとき、読売新聞が「現地専門官カヤの
外」と報道していましたが、その人は、自分の担当している原
発で大事故が起きたことを、次の日の新聞で知ったのです。な
ぜ、専門官が何も知らなかったのか。それは、電力会社の人は
専門官がまったくの素人であることを知っていますから、火事
場のような騒ぎの中で、子どもに教えるように、いちいち説明
する時間がなかったので、その人を現場にも入れないで放って
置いたのです。だから何も知らなかったのです。
そんないい加減な人の下に原子力検査協会の人がいます。こ
の人がどんな人かというと、この協会は通産省を定年退職した
人の天下り先ですから、全然畑違いの人です。この人が原発の
工事のあらゆる検査の権限を持っていて、この人の0Kが出な
いと仕事が進まないのですが、検査のことはなにも知りませ
ん。ですから、検査と言ってもただ見に行くだけです。けれど
も大変な権限を持っています。この協会の下に電力会社があ
り、その下に原子炉メーカーの日立・東芝・三菱の三社があり
ます。私は日立にいましたが、このメーカーの下に工事会社が
あるんです。つまり、メーカーから上も素人、その下の工事会
社もほとんど素人ということになります。だから、原発の事故
のことも電力会社ではなく、メー力−でないと、詳しいことは
分からないのです。
私は現役のころも、辞めてからも、ずっと言っていますが、
天下りや特殊法人ではなく、本当の第三者的な機関、通産省は
原発を推進しているところですから、そういう所と全く関係の
ない機関を作って、その機関が検査をする。そして、検査官は
配管のことなど経験を積んだ人、現場のたたき上げの職人が検
査と指導を行えば、溶接の不具合や手抜き工事も見抜けるから
と、一生懸命に言ってきましたが、いまだに何も変わっていま
せん。このように、日本の原発行政は、余りにも無責任でお粗
末なものなんです。
いいかげんな原発の耐震設計
阪神大震災後に、慌ただしく日本中の原発の耐震設計を見直
して、その結果を九月に発表しましたが、「どの原発も、どん
な地震が起きても大丈夫」というあきれたものでした。私が関
わった限り、初めのころの原発では、地震のことなど真面目に
考えていなかったのです。それを新しいのも古いのも一緒くた
にして、大丈夫だなんて、とんでもないことです。1993年に、
女川原発の一号機が震度4くらいの地震で出力が急上昇して、
自動停止したことがありましたが、この事故は大変な事故でし
た。なぜ大変だったかというと、この原発では、1984年に震度
5で止まるような工事をしているのですが、それが震度5では
ないのに止まったんです。わかりやすく言うと、高速道路を運
転中、ブレーキを踏まないのに、突然、急ブレーキがかかって
止まったと同じことなんです。これは、東北電力が言うよう
に、止まったからよかった、というような簡単なことではあり
ません。5で止まるように設計されているものが4で止まった
ということは、5では止まらない可能性もあるということなん
です。つまり、いろんなことが設計通りにいかないということ
の現れなんです。
こういう地震で異常な止まり方をした原発は、1987年に福島
原発でも起きていますが、同じ型の原発が全国で10もありま
す。これは地震と原発のことを考えるとき、非常に恐ろしいこ
とではないでしょうか。
定期点検工事も素人が
原発は1年くらい運転すると、必ず止めて検査をすることにな
っていて、定期検査、定検といっています。原子炉には70気圧
とか、150気圧とかいうものすごい圧力がかけられていて、配管
の中には水が、水といっても300℃もある熱湯ですが、水や水蒸
気がすごい勢いで通っていますから、配管の厚さが半分くらい
に薄くなってしまう所もあるのです。そういう配管とかバルブ
とかを、定検でどうしても取り替えなくてはならないのです
が、この作業に必ず被曝が伴うわけです。
原発は一回動かすと、中は放射能、放射線でいっぱいになり
ますから、その中で人間が放射線を浴びながら働いているので
す。そういう現場へ行くのには、自分の服を全部脱いで、防護
服に着替えて入ります。防護服というと、放射能から体を守る
服のように聞こえますが、そうではないんですよ。放射線の量
を計るアラームメーターは防護服の中のチョッキに付けている
んですから。つまり、防護服は放射能を外に持ち出さないため
の単なる作業着です。作業している人を放射能から守るもので
はないのです。だから、作業が終わって外に出る時には、パン
ツー枚になって、被曝していないかどうか検査をするんです。
体の表面に放射能がついている、いわゆる外部被曝ですと、シ
ャワーで洗うと大体流せますから、放射能がゼロになるまで徹
底的に洗ってから、やっと出られます。
また、安全靴といって、備付けの靴に履き替えますが、この
靴もサイズが自分の足にきちっと合うものはありませんから、
大事な働く足元がちゃんと定まりません。それに放射能を吸わ
ないように全面マスクを付けたりします。そういうかっこうで
現場に入り、放射能の心配をしながら働くわけですから、実
際、原発の中ではいい仕事は絶対に出来ません。普通の職場と
はまったく違うのです。
そういう仕事をする人が95%以上まるっきりの素人です。
お百姓や漁師の人が自分の仕事が暇な冬場などにやります。言
葉は悪いのですが、いわゆる出稼ぎの人です。そういう経験の
ない人が、怖さを全く知らないで作業をするわけです。
例えば、ボルトをネジで締める作業をするとき、「対角線に
締めなさい、締めないと漏れるよ」と教えますが、作業する
現場は放射線管理区域ですから、放射能がいっぱいあって最悪
な所です。作業現場に入る時はアラームメーターをつけて入り
ますが、現場は場所によって放射線の量が違いますから、作業
の出来る時間が違います。分刻みです。
現場に入る前にその日の作業と時間、時間というのは、その
日に浴びてよい放射能の量で時間が決まるわけですが、その現
場が20分間作業ができる所だとすると、20分経つとアラ−ムメ
ーターが鳴るようにしてある。だから、「アラームメーターが
鳴ったら現場から出なさいよ」と指示します。でも現場には時
計がありません。時計を持って入ると、時計が放射能で汚染さ
れますから腹時計です。そうやって、現場に行きます。
そこでは、ボルトをネジで締めながら、もう10分は過ぎたか
な、15分は過ぎたかなと、頭はそっちの方にばかり行きます。
アラームメーターが鳴るのが怖いですから。アラームメーター
というのはビーッととんでもない音がしますので、初めての人
はその音が鳴ると、顔から血の気が引くくらい怖いものです。
これは経験した者でないと分かりません。ビーッと鳴ると、レ
ントゲンなら何十枚もいっぺんに写したくらいの放射線の量に
当たります。ですからネジを対角線に締めなさいと言っても、
言われた通りには出来なくて、ただ締めればいいと、どうして
もいい加滅になってしまうのです。すると、どうなりますか。
放射能垂れ流しの海
冬に定検工事をすることが多いのですが、定検が終わると、
海に放射能を含んだ水が何十トンも流れてしまうのです。はっ
きり言って、今、日本列島で取れる魚で、安心して食べられる
魚はほとんどありません。日本の海が放射能で汚染されてしま
っているのです。
海に放射能で汚れた水をたれ流すのは、定検の時だけではあ
りません。原発はすごい熱を出すので、日本では海水で冷やし
て、その水を海に捨てていますが、これが放射能を含んだ温排
水で、一分間に何十トンにもなります。
原発の事故があっても、県などがあわてて安全宣言を出しま
すし、電力会社はそれ以上に隠そうとします。それに、国民も
ほとんど無関心ですから、日本の海は汚れっぱなしです。
防護服には放射性物質がいっぱいついていますから、それを
最初は水洗いして、全部海に流しています。排水口で放射線の
量を計ると、すごい量です。こういう所で魚の養殖をしていま
す。安全な食べ物を求めている人たちは、こういうことも知っ
て、原発にもっと関心をもって欲しいものです。このままで
は、放射能に汚染されていないものを選べなくなると思います
よ。
数年前の石川県の志賀原発の差止め裁判の報告会で、八十歳
近い行商をしているおばあさんが、こんな話をしました。「私
はいままで原発のことを知らなかった。今日、昆布とわかめ
をお得意さんに持っていったら、そこの若奥さんに「悪いけ
どもう買えないよ、今日で終わりね、志賀原発が運転に入っ
たから」って言われた。原発のことは何も分からないけど、
初めて実感として原発のことが分かった。どうしたらいいの
か」って途方にくれていました。みなさんの知らないところ
で、日本の海が放射能で汚染され続けています。
内部被爆が一番怖い
原発の建屋の中は、全部の物が放射性物質に変わってきま
す。物がすべて放射性物質になって、放射線を出すようになる
のです。どんなに厚い鉄でも放射線が突き抜けるからです。体
の外から浴びる外部被曝も怖いですが、一番怖いのは内部被曝
です。
ホコリ、どこにでもあるチリとかホコリ。原発の中ではこの
ホコリが放射能をあびて放射性物質となって飛んでいます。こ
の放射能をおびたホコリが口や鼻から入ると、それが内部被曝
になります。原発の作業では片付けや掃除で一番内部被曝をし
ますが、この体の中から放射線を浴びる内部被曝の方が外部被
曝よりもずっと危険なのです。体の中から直接放射線を浴びる
わけですから。
体の中に入った放射能は、通常は、三日くらいで汗や小便と
一緒に出てしまいますが、三日なら三日、放射能を体の中に置
いたままになります。また、体から出るといっても、人間が勝
手に決めた基準ですから、決してゼロにはなりません。これが
非常に怖いのです。どんなに微量でも、体の中に蓄積されてい
きますから。
原発を見学した人なら分かると思いますが、一般の人が見学
できるところは、とてもきれいにしてあって、職員も「きれい
でしょう」と自慢そうに言っていますが、それは当たり前なの
です。きれいにしておかないと放射能のホコリが飛んで危険で
すから。
私はその内部被曝を百回以上もして、癌になってしまいまし
た。癌の宣告を受けたとき、本当に死ぬのが怖くて怖くてどう
しようかと考えました。でも、私の母が何時も言っていたので
すが、「死ぬより大きいことはないよ」と。じゃ死ぬ前になに
かやろうと。原発のことで、私が知っていることをすべて明る
みに出そうと思ったのです。
普通の職場環境とは全く違う
放射能というのは蓄積します。いくら徴量でも十年なら十年
分が蓄積します。これが怖いのです。日本の放射線管理という
のは、年間50ミリシーベルトを守ればいい、それを越えなけれ
ばいいという姿勢です。
例えば、定検工事ですと三ケ月くらいかかりますから、それ
で割ると一日分が出ます。でも、放射線量が高いところです
と、一日に五分から七分間しか作業が出来ないところもありま
す。しかし、それでは全く仕事になりませんから、三日分と
か、一週間分をいっぺんに浴びせながら作業をさせるのです。
これは絶対にやってはいけない方法ですが、そうやって10分
間なり20分間なりの作業ができるのです。そんなことをする
と白血病とかガンになると知ってくれていると、まだいいので
すが……。電力会社はこういうことを一切教えません。
はいはい、お疲れさま>けいや
内部被爆が一番怖い
原発の建屋の中は、全部の物が放射性物質に変わってきま
す。物がすべて放射性物質になって、放射線を出すようになる
のです。どんなに厚い鉄でも放射線が突き抜けるからです。体
の外から浴びる外部被曝も怖いですが、一番怖いのは内部被曝
です。
ホコリ、どこにでもあるチリとかホコリ。原発の中ではこの
ホコリが放射能をあびて放射性物質となって飛んでいます。こ
の放射能をおびたホコリが口や鼻から入ると、それが内部被曝
になります。原発の作業では片付けや掃除で一番内部被曝をし
ますが、この体の中から放射線を浴びる内部被曝の方が外部被
曝よりもずっと危険なのです。体の中から直接放射線を浴びる
わけですから。
体の中に入った放射能は、通常は、三日くらいで汗や小便と
一緒に出てしまいますが、三日なら三日、放射能を体の中に置
いたままになります。また、体から出るといっても、人間が勝
手に決めた基準ですから、決してゼロにはなりません。これが
非常に怖いのです。どんなに微量でも、体の中に蓄積されてい
きますから。
原発を見学した人なら分かると思いますが、一般の人が見学
できるところは、とてもきれいにしてあって、職員も「きれい
でしょう」と自慢そうに言っていますが、それは当たり前なの
です。きれいにしておかないと放射能のホコリが飛んで危険で
すから。
13 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 19:05
以降恵也隔離スレとなります。
私はその内部被曝を百回以上もして、癌になってしまいまし
た。癌の宣告を受けたとき、本当に死ぬのが怖くて怖くてどう
しようかと考えました。でも、私の母が何時も言っていたので
すが、「死ぬより大きいことはないよ」と。じゃ死ぬ前になに
かやろうと。原発のことで、私が知っていることをすべて明る
みに出そうと思ったのです。
普通の職場環境とは全く違う
放射能というのは蓄積します。いくら徴量でも十年なら十年
分が蓄積します。これが怖いのです。日本の放射線管理という
のは、年間50ミリシーベルトを守ればいい、それを越えなけれ
ばいいという姿勢です。
例えば、定検工事ですと三ケ月くらいかかりますから、それ
で割ると一日分が出ます。でも、放射線量が高いところです
と、一日に五分から七分間しか作業が出来ないところもありま
す。しかし、それでは全く仕事になりませんから、三日分と
か、一週間分をいっぺんに浴びせながら作業をさせるのです。
これは絶対にやってはいけない方法ですが、そうやって10分
間なり20分間なりの作業ができるのです。そんなことをする
と白血病とかガンになると知ってくれていると、まだいいので
すが……。電力会社はこういうことを一切教えません。
稼動中の原発で、機械に付いている大きなネジが一本緩んだ
ことがありました。動いている原発は放射能の量が物凄いです
から、その一本のネジを締めるのに働く人三十人を用意しまし
た。一列に並んで、ヨーイドンで七メートルくらい先にあるネ
ジまで走って行きます。行って、一、二、三と数えるくらい
で、もうアラームメーターがビーッと鳴る。中には走って行っ
て、ネジを締めるスパナはどこにあるんだ?といったら、もう
終わりの人もいる。ネジをたった一山、二山、三山締めるだけ
で百六十人分、金額で四百万円くらいかかりました。
なぜ、原発を止めて修理しないのかと疑問に思われるかもし
れませんが、原発を一日止めると、何億円もの損になりますか
ら、電力会社は出来るだけ止めないのです。放射能というのは
非常に危険なものですが、企業というものは、人の命よりもお
金なのです。
絶対安全」だと五時間の洗脳教育
原発など、放射能のある職場で働く人を放射線従 事者といい
ます。日本の放射線従事者は今までに約 二七万人ですが、その
ほとんどが原発作業者です。 今も九万人くらいの人が原発で働
いています。その 人たちが年一回行われる原発の定検工事など
を、毎 日、毎日、被曝しながら支えているのです。
原発で初めて働く作業者に対し、放射線管理教育 を約五時間
かけて行います。この教育の最大の目的 は、不安の解消のため
です。原発が危険だとは一切 教えません。国の被曝線量で管理
しているので、絶 対大丈夫なので安心して働きなさい、世間で
原発反 対の人たちが、放射能でガンや白血病に冒されると 言
っているが、あれは“マッカナ、オオウソ”であ る、国が決め
たことを守っていれば絶対に大丈夫だ と、五時間かけて洗脳し
ます。
こういう「原発安全」の洗脳を、電力会社は地域 の人にも
行っています。有名人を呼んで講演会を開 いたり、文化サーク
ルで料理教室をしたり、カラー 印刷の立派なチラシを新聞折り
込みしたりして。だ から、事故があって、ちょっと不安に思っ
たとして も、そういう安全宣伝にすぐに洗脳されてしまって
、「原発がなくなったら、電気がなくなって困る」 と思い込
むようになるのです。
私自身が二〇年近く、現場の責任者として、働く 人にオウム
の麻原以上のマインド・コントロール、 「洗脳教育」をやっ
て来ました。何人殺したかわか りません。みなさんから現場で
働く人は不安に思っ ていないのかとよく聞かれますが、放射能
の危険や 被曝のことは一切知らされていませんから、不安だ
とは大半の人は思っていません。体の具合が悪くな っても、そ
れが原発のせいだとは全然考えもしない のです。作業者全員が
毎日被曝をする。それをいか に本人や外部に知られないように
処理するかが責任 者の仕事です。本人や外部に被曝の問題が漏
れるよ うでは、現場責任者は失格なのです。これが原発の 現
場です。
私はこのような仕事を長くやっていて、毎日がい たたまれな
い日も多く、夜は酒の力をかり、酒量が 日毎に増していきまし
た。そうした自分自身に、問 いかけることも多くなっていまし
た。一体なんのた めに、誰のために、このようなウソの毎日を
過ごさ ねばならないのかと。気がついたら、二〇年の原発 労
働で、私の体も被曝でぼろぼろになっていました。
だれが助けるのか
また、東京電力の福島原発で現場作業員がグライ ンダーで額
(ひたい)を切って、大怪我をしたこと がありました。血が吹
き出ていて、一刻を争う大怪 我でしたから、直ぐに救急車を呼
んで運び出しまし た。ところが、その怪我人は放射能まみれだ
ったの です。でも、電力会社もあわてていたので、防護服 を
脱がせたり、体を洗ったりする除洗をしなかった。 救急隊員に
も放射能汚染の知識が全くなかったので、 その怪我人は放射能
の除洗をしないままに、病院に 運ばれてしまったんです。だか
ら、その怪我人を触 った救急隊員が汚染される、救急車も汚染
される、 医者も看護婦さんも、その看護婦さんが触った他の
患者さんも汚染される、その患者さんが外へ出て、 また汚染が
広がるというふうに、町中がパニックに なるほどの大変な事態
になってしまいました。みん なが大怪我をして出血のひどい人
を何とか助けたい と思って必死だっただけで、放射能は全く見
えませ んから、その人が放射能で汚染されていることなん
か、だれも気が付かなかったんですよ。
一人でもこんなに大変なんです。それが仮に大事 故が起きて
大勢の住民が放射能で汚染された時、一 体どうなるのでしょう
か。想像できますか。人ごと ではないのです。この国の人、み
んなの問題です。
びっくりした美浜原発細管破断事故!
皆さんが知らないのか、無関心なのか、日本の原 発はびっく
りするような大事故を度々起こしていま す。スリーマイル島と
かチェルノブイリに匹敵する 大事故です。一九八九年に、東京
電力の福島第二原 発で再循環ポンプがバラバラになった大事故
も、世 界で初めての事故でした。
そして、一九九一年二月に、関西電力の美浜原発 で細管が破
断した事故は、放射能を直接に大気中や 海へ大量に放出した大
事故でした。
チェルノブイリの事故の時には、私はあまり驚か なかったん
ですよ。原発を造っていて、そういう事 故が必ず起こると分か
っていましたから。だから、 ああ、たまたまチェルノブイリで
起きたと、たまた ま日本ではなかったと思ったんです。しか
し、美浜 の事故の時はもうびっくりして、足がガクガクふる
えて椅子から立ち上がれない程でした。
この事故はECCS(緊急炉心冷却装置)を手動 で動かして
原発を止めたという意味で、重大な事故 だったんです。ECC
Sというのは、原発の安全を 守るための最後の砦に当たりま
す。これが効かなか ったらお終りです。だから、ECCSを動
かした美 浜の事故というのは、一億数千万人の人を乗せたバ
スが高速道路を一〇〇キロのスピードで走っているの に、ブレ
ーキもきかない、サイドブレーキもきかな い、崖にぶつけてや
っと止めたというような大事故 だったんです。
原子炉の中の放射能を含んだ水が海へ流れ出て、 炉が空焚き
になる寸前だったのです。日本が誇る多 重防護の安全弁が次々
と効かなくて、あと〇・七秒 でチェルノブイリになるところだ
った。それも、土 曜日だったのですが、たまたまベテランの職
員が来 ていて、自動停止するはずが停止しなくて、その人 が
とっさの判断で手動で止めて、世界を巻き込むよ うな大事故に
至らなかったのです。日本中の人が、 いや世界中の人が本当に
運がよかったのですよ。
この事故は、二ミリくらいの細い配管についている 触れ止め
金具、何千本もある細管が振動で触れ合わ ないようにしてある
金具が設計通りに入っていなか ったのが原因でした。施工ミス
です。そのことが二 十年近い何回もの定検でも見つからなかっ
たんです から、定検のいい加減さがばれた事故でもあった。
入らなければ切って捨てる、合わなければ引っ張る という、設
計者がまさかと思うようなことが、現場 では当たり前に行われ
ているということが分かった 事故でもあったんです。
もんじゅの大事故
去年(一九九五年)の十二月八日に、福井県の敦 賀にある動
燃(動力炉・核燃料開発事業団)のもん じゅでナトリウム漏れ
の大事故を起こしました。も んじゅの事故はこれが初めてでは
なく、それまでに も度々事故を起こしていて、私は建設中に六
回も呼 ばれて行きました。というのは、所長とか監督とか 職
人とか、元の部下だった人たちがもんじゅの担当 もしているの
で、何か困ったことがあると私を呼ぶ んですね。もう会社を辞
めていましたが、原発だけ は事故が起きたら取り返しがつきま
せんから、放っ ては置けないので行くのです。
ある時、電話がかかって、「配管がどうしても合 わないか
ら来てくれ」という。行って見ますと、特 別に作った配管も
既製品の配管もすべて図面どおり 、寸法通りになっている。で
も、合わない。どうし て合わないのか、いろいろ考えました
が、なかなか 分からなかった。一晩考えてようやく分かりまし
た 。もんじゅは、日立、東芝、三菱、富士電機などの 寄せ集
めのメーカーで造ったもので、それぞれの会 社の設計基準が違
っていたのです。
図面を引くときに、私が居た日立は〇・五mm切り 捨て、東芝
と三菱は〇・五mm切上げ、日本原研は〇 ・五mm切下げなんで
す。たった〇・五mmですが、百 カ所も集まると大変な違いにな
るのです。だから、 数字も線も合っているのに合わなかったの
ですね。
これではダメだということで、みんな作り直させ ました。何
しろ国の威信がかかっていますから、お 金は掛けるんです。
どうしてそういうことになるかというと、それぞ れのノウ・
ハウ、企業秘密ということがあって、全 体で話し合いをして、
この〇・五mmについて、切り 上げるか、切り下げるか、どちら
かに統一しようと いうような話し合いをしていなかったので
す。今回 のもんじゅの事故の原因となった温度センサーにし
ても、メーカー同士での話し合いもされていなかっ たんではな
いでしょうか。
どんなプラントの配管にも、あのような温度計が ついていま
すが、私はあんなに長いのは見たことが ありません。おそらく
施工した時に危ないと分かっ ていた人がいたはずなんですね。
でも、よその会社 のことだからほっとけばいい、自分の会社の
責任で はないと。
動燃自体が電力会社からの出向で出来た寄せ集め ですが、メ
ーカーも寄せ集めなんです。これでは事 故は起こるべくして起
こる、事故が起きないほうが 不思議なんで、起こって当たり前
なんです。
しかし、こんな重大事故でも、国は「事故」と言 いませ
ん。美浜原発の大事故の時と同じように「事 象があった」と
言っていました。私は事故の後、直 ぐに福井県の議会から呼ば
れて行きました。あそこ には十五基も原発がありますが、誘致
したのは自民 党の議員さんなんですね。だから、私はそういう
人 に何時も、「事故が起きたらあなた方のせいだよ、 反対
していた人には責任はないよ」と言ってきまし た。この度、
その議員さんたちに呼ばれたのです。 「今回は腹を据えて動
燃とケンカする、どうしたら よいか教えてほしい」と相談を
受けたのです。
それで、私がまず最初に言ったことは、「これは 事故なん
です、事故。事象というような言葉に誤魔 化されちゃあだめ
だよ」と言いました。県議会で動 燃が「今回の事象は……」
と説明を始めたら、「事 故だろ! 事故!」と議員が叫んで
いたのが、テレ ビで写っていましたが、あれも、黙っていた
ら、軽 い「事象」ということにされていたんです。地元の 人
たちだけではなく、私たちも、向こうの言う「事 象」という
ような軽い言葉に誤魔化されてはいけな いんです。
普通の人にとって、「事故」というのと「事象」 というの
とでは、とらえ方がまったく違います。こ の国が事故を事象な
どと言い換えるような姑息なこ とをしているので、日本人には
原発の事故の危機感 がほとんどないのです。
日本のプルトニウムがフランスの核兵器に?
もんじゅに使われているプルトニウムは、日本が フランスに
再処理を依頼して抽出したものです。再 処理というのは、原発
で燃やしてしまったウラン燃 料の中に出来たプルトニウムを取
り出すことですが、 プルトニウムはそういうふうに人工的にし
か作れな いものです。
そのプルトニウムがもんじゅには約一・四トンも使 われてい
ます。長崎の原爆は約八キロだったそうです が、一体、もんじ
ゅのプルトニウムでどのくらいの 原爆ができますか。それに、
どんなに微量でも肺ガ ンを起こす猛毒物質です。半減期が二万
四千年もあ るので、永久に放射能を出し続けます。だから、そ
の名前がプルートー、地獄の王という名前からつけ られたよう
に、プルトニウムはこの世で一番危険な ものといわれるわけで
すよ。
しかし、日本のプルトニウムが去年(一九九五年) 南太平洋
でフランスが行った核実験に使われた可能 性が大きいことを知
っている人は、余りいません。 フランスの再処理工場では、プ
ルトニウムを作るの に核兵器用も原発用も区別がないのです。
だから、 日本のプルトニウムが、この時の核実験に使われて
しまったことはほとんど間違いありません。
日本がこの核実験に反対をきっちり言えなかった のには、そ
ういう理由があるからです。もし、日本 政府が本気でフランス
の核実験を止めさせたかった ら、簡単だったのです。つまり、
再処理の契約を止 めればよかったんです。でも、それをしなか
った。
日本とフランスの貿易額で二番目に多いのは、こ の再処理の
お金なんですよ。国民はそんなことも知 らないで、いくら「核
実験に反対、反対」といって も仕方がないんじゃないでしょ
うか。それに、唯一 の被爆国といいながら、日本のプルトニウ
ムがタヒ チの人々を被爆させ、きれいな海を放射能で汚して
しまったに違いありません。
世界中が諦めたのに、日本だけはまだこんなもの で電気を作
ろうとしているんです。普通の原発で、 ウランとプルトニウム
を混ぜた燃料(MOX燃料) を燃やす、いわゆるプルサーマル
をやろうとしてい ます。しかし、これは非常に危険です。分か
りやす くいうと、石油ストーブでガソリンを燃やすような こ
となんです。原発の元々の設計がプルトニウムを 燃すようにな
っていません。プルトニウムは核分裂 の力がウランとはケタ違
いに大きいんです。だから 原爆の材料にしているわけですか
ら。
いくら資源がない国だからといっても、あまりに 酷すぎるん
じゃないでしょうか。早く原発を止めて、 プルトニウムを使う
なんてことも止めなければ、あ ちこちで被曝者が増えていくば
かりです。
日本には途中でやめる勇気がない
世界では原発の時代は終わりです。原発の先進国 のアメリカ
では、二月(一九九六年)に二〇一五年 までに原発を半分にす
ると発表しました。それに、 プルトニウムの研究も大統領命令
で止めています。 あんなに怖い物、研究さえ止めました。
もんじゅのようにプルトニウムを使う原発、高速 増殖炉も、
アメリカはもちろんイギリスもドイツも 止めました。ドイツは
出来上がったのを止めて、リ ゾートパークにしてしまいまし
た。世界の国がプル トニウムで発電するのは不可能だと分かっ
て止めた んです。日本政府も今度のもんじゅの事故で「失敗
した」と思っているでしょう。でも、まだ止めない 。これか
らもやると言っています。
どうして日本が止めないかというと、日本にはい ったん決め
たことを途中で止める勇気がないからで 、この国が途中で止め
る勇気がないというのは非常 に怖いです。みなさんもそんな例
は山ほどご存じで しょう。
とにかく日本の原子力政策はいい加減なのです。 日本は原発
を始める時から、後のことは何にも考え ていなかった。その内
に何とかなるだろうと。そん ないい加減なことでやってきたん
です。そうやって 何十年もたった。でも、廃棄物一つのことさ
え、ど うにもできないんです。
もう一つ、大変なことは、いままでは大学に原子 力工学科が
あって、それなりに学生がいましたが、 今は若い人たちが原子
力から離れてしまい、東大を はじめほとんどの大学からなくな
ってしまいました。 机の上で研究する大学生さえいなくなった
のです。
また、日立と東芝にある原子力部門の人も三分の 一に減っ
て、コ・ジェネレーション(電気とお湯を 同時に作る効率のよ
い発電設備)のガス・タービン の方へ行きました。メーカーで
さえ、原子力はもう 終わりだと思っているのです。
原子力局長をやっていた島村武久さんという人が 退官して、
『原子力談義』という本で、「日本政府 がやっているのは、
ただのつじつま合わせに過ぎな い、電気が足りないのでも何
でもない。あまりに無 計画にウランとかプルトニウムを持ち
すぎてしまっ たことが原因です。はっきりノーといわないか
ら持 たされてしまったのです。そして日本はそれらで核 兵
器を作るんじゃないかと世界の国々から見られる、 その疑惑
を否定するために核の平和利用、つまり、 原発をもっともっ
と造ろうということになるのです」 と書いていますが、これ
もこの国の姿なんです。
廃炉も解体も出来ない原発い
一九六六年に、日本で初めてイギリスから輸入し た十六万キ
ロワットの営業用原子炉が茨城県の東海村で稼 動しました。そ
の後はアメリカから輸入した原発で 、途中で自前で造るように
なりましたが、今では、 この狭い日本に一三五万キロワットと
いうような巨大な原 発を含めて五一の原発が運転されていま
す。
具体的な廃炉・解体や廃棄物のことなど考えない ままに動か
し始めた原発ですが、厚い鉄でできた原 子炉も大量の放射能を
あびるとボロボロになるんで す。だから、最初、耐用年数は十
年だと言っていて、 十年で廃炉、解体する予定でいました。し
かし、一 九八一年に十年たった東京電力の福島原発の一号機
で、当初考えていたような廃炉・解体が全然出来な いことが分
かりました。このことは国会でも原子炉 は核反応に耐えられな
いと、問題になりました。
この時、私も加わってこの原子炉の廃炉、解体に ついてどう
するか、毎日のように、ああでもない、 こうでもないと検討を
したのですが、放射能だらけ の原発を無理やりに廃炉、解体し
ようとしても、造 るときの何倍ものお金がかかることや、どう
しても 大量の被曝が避けられないことなど、どうしようも な
いことが分かったのです。原子炉のすぐ下の方で は、決められ
た線量を守ろうとすると、たった十数 秒くらいしかいられない
んですから。
机の上では、何でもできますが、実際には人の手 でやらなけ
ればならないのですから、とんでもない 被曝を伴うわけです。
ですから、放射能がゼロにな らないと、何にもできないので
す。放射能がある限 り廃炉、解体は不可能なのです。人間にで
きなけれ ばロボットでという人もいます。でも、研究はして
いますが、ロボットが放射能で狂ってしまって使え ないので
す。
結局、福島の原発では、廃炉にすることができな いというの
で、原発を売り込んだアメリカのメーカ ーが自分の国から作業
者を送り込み、日本では到底 考えられない程の大量の被曝をさ
せて、原子炉の修 理をしたのです。今でもその原発は動いてい
ます。
最初に耐用年数が十年といわれていた原発が、も う三〇年近
く動いています。そんな原発が十一もあ る。くたびれてヨタヨ
タになっても動かし続けてい て、私は心配でたまりません。
また、神奈川県の川崎にある武蔵工大の原子炉は たった一〇
〇キロワットの研究炉ですが、これも放射能漏 れを起こして止
まっています。机上の計算では、修 理に二〇億円、廃炉にする
には六〇億円もかかるそ うですが、大学の年間予算に相当する
お金をかけて も廃炉にはできないのです。まず停止して放射能
が なくなるまで管理するしかないのです。
それが一〇〇万キロワットというような大きな原発です と、
本当にどうしようもありません。
23 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 19:57
終わりですか?
なら、一言。
原発は危険だと言うことは常識です。
まあ、それでもコピペでしょうがこの話は原発について理解するのにいいですね。
24 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 20:21
原発の危険さは、テロ組織の資金源になるという事実につきるね。
今、こんなことをやられたら・・・・・・
http://www.yomiuri.co.jp/yomidas/konojune/aw/awr1020.htm 写真=成田空港滑走路の先端は、反対派最後の拠点「妨害鉄塔」のため、
着陸高度がすれすれ 1973年3月5日撮影 読売新聞社
http://www.jca.ax.apc.org/iken30/News2/N64/N64-18.htm >鉄塔のアイディア出る
>
>山口 これはまだ伏せておいた方がいいと思うんだけど、この話をしないとこの時代の流れがわかりにくいから話すけど。
> 七一年九月十六日に東峰十字路事件が起きたでしょ。あのときもの凄い弾圧で反対同盟は潰れそうになった、
> そのときどうやって三里塚闘争を続けるかということで、現地では激論になった。
> そこで高木さんが、防衛鉄塔を作ろう、って言ったんです。
>
>福富 あの岩山の鉄塔、アイディアは高木さんからでたんですね。
>
>山口 ものすごい反対があって、反対同盟の主流はノーだったけれど、
> 青年行動隊の幾人かが賛成し、ムリムリに実現させたのは
> 高木さんなんですよ。その相談を僕は受けた。
(注)
高木仁三郎 = 原子力資料情報室 前・最高指導者
山口幸夫 = 原子力資料情報室 現・最高指導者
25 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 20:23
>>24 なるほど、テロ対策として原発を廃止せよということですね。
しかしそれはどうでしょう。
26 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 20:27
27 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 20:40
何で反対する?
28 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 20:43
坊やだからさ。
29 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 20:43
>>27 自分たちがテロリスト、ないしは支援者であるという自覚があるから
30 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 20:47
26はテロリストだったのか。物騒な板だな。
どうせ、自衛隊=軍国主義だろ
32 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 20:49
【日の丸・君が代粉砕】原子力資料情報室 成田空港反対派の闘争の拡がり
「日の丸・君が代」の強制に反対する市民的不服従行動の「呼びかけ」発表
「日の丸・君が代」の強制に反対する不服従運動を呼びかけ、
その意思表示をしてゆこうという「呼びかけ文」が発表されました。
多くの方がたのご賛同をお願いいたします。
意思表示には、いろいろなやり方やレベルがあるでしょう。
起立しない、歌わない、以外にも、口は動かさない、あるいは憲法第一八条、
一九条、二〇条などを唱える、替え歌をうたう、などなど。
−呼びかけ人−
原子力資料情報室 前・最高指導者 高木仁三郎ほか
http://www.jca.apc.org/~yyoffice/shimin19fufukujuu-yobikake.htm
33 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 21:03
>30
テロリストだったら警鐘は鳴らさないよ・・・
警備強化されて襲撃が難しくなるだけでメリット無いぞ。
真面目?に原発襲撃を企てるテロリストならば
出来る限り目標物から注意を逸らそうとするだろう。
「原発は充分安全です」「警備の必要なんてありません」ってね。
34 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 21:54
35 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/01 22:45
>>1-22 前にけいやがリンク出してた現場労働者の文書のコピペですね。
間違いだらけですので、話1/10くらいに読む必要あり。
36 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/02 00:14
この話、現場のオッチャンのクダまきとしては
非常に興味深いんだよね
いい加減なことしてきましたって言いながら
自分の責任を他人へ転嫁するところなんか特に哀愁を誘う(w
まるでダメダメなリストラオヤジの逆恨みと似たようなもんか
37 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/02 01:24
原子核分裂と核分裂後の放射性物質が危険なのは分る。
そして、重火器耐性が低いのもね。
しかし、普通に運転してれば廃棄物以外問題ないだろ。
廃棄物は受け入れると子々孫々語り継がれるだろうからどの首長も議会も受け入れはいやだよね。
ま、福島県のような税金がまかり通るのなら別かもしれん、しかし数百年も国が補助するわけは無く
廃棄物は数百年保管せねばならない。廃棄物は炉よりも危険だね。
38 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/02 01:29
凄い屁理屈だなw
39 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/02 01:39
わかりやすい反論記事があったのだが,
そのサイトから最近削除されてしまった。
あのサイトが消えて,↑このネタ文章は残る,
日本の現状を心配するよ。
40 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/02 10:31
>>37 >廃棄物は数百年保管せねばならない。廃棄物は炉よりも危険だね。
原子力は放射性廃棄物がアキレス腱っていうのが普通なんだろうけど、私は
非常に大きな誤解だと思う。原子力で出てくる放射性廃棄物は極めて微量です。
なにしろ、日本では未だに処分場さえ決まらないのに、30年も運転できている
のですから。100万キロワットの原発1年の運転で、高レベル廃棄物のガラス
固化体はわずかに30本にしかならない。
実際にリスク評価しても、放射性廃棄物のリスクははるかに小さい。
消滅処理の予算を取りたいがために廃棄物の問題を過大に宣伝してたのでは
ないか?今度東海村に巨大な加速器できるけど、もともと消滅処理のために
ついた予算だったのではなかったか。宇宙戦鑑ヤマトが取りにいったコスモ
クリーナーの開発だ、って事務官に説明すると分かりやすいからね。
41 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/02 11:37
>>40 なにかとごちゃ混ぜになってるぞ。東海村のはもともとKEKのもの。
消滅処理は大洗。
42 :
恵也 ◆fvPupB4Q :02/08/02 13:56
「閉鎖」して、監視・管理
なぜ、原発は廃炉や解体ができないのでしょうか。 それは、
原発は水と蒸気で運転されているものなの で、運転を止めてそ
のままに放置しておくと、すぐ サビが来てボロボロになって、
穴が開いて放射能が 漏れてくるからです。原発は核燃料を入れ
て一回で も運転すると、放射能だらけになって、止めたまま
にしておくことも、廃炉、解体することもできない ものになっ
てしまうのです。
先進各国で、閉鎖した原発は数多くあります。廃 炉、解体が
できないので、みんな「閉鎖」なんです。 閉鎖とは発電を止
めて、核燃料を取り出しておくこ とですが、ここからが大変で
す。
放射能まみれになってしまった原発は、発電して いる時と同
じように、水を入れて動かし続けなけれ ばなりません。水の圧
力で配管が薄くなったり、部 品の具合が悪くなったりしますか
ら、定検もしてそ ういう所の補修をし、放射能が外に漏れださ
ないよ うにしなければなりません。放射能が無くなるまで 、
発電しているときと同じように監視し、管理をし 続けなければ
ならないのです。
今、運転中が五一、建設中が三、全部で五四の原 発が日本列
島を取り巻いています。これ以上運転を 続けると、余りにも危
険な原発もいくつかあります 。この他に大学や会社の研究用の
原子炉もあります から、日本には今、小さいのは一〇〇キロワ
ット、大きいの は一三五万キロワット、大小合わせて七六もの
原子炉があ ることになります。
しかし、日本の電力会社が、電気を作らない、金 儲けになら
ない閉鎖した原発を本気で監視し続ける か大変疑問です。それ
なのに、さらに、新規立地や 増設を行おうとしています。その
中には、東海地震 のことで心配な浜岡に五機目の増設をしよう
として いたり、福島ではサッカー場と引換えにした増設も あ
ります。新設では新潟の巻町や三重の芦浜、山口 の上関、石川
の珠洲、青森の大間や東通などいくつ もあります。それで、二
〇一〇年には七〇〜八〇基 にしようと。実際、言葉は悪いです
が、この国は狂 っているとしか思えません。
これから先、必ずやってくる原発の閉鎖、これは 本当に大変
深刻な問題です。近い将来、閉鎖された 原発が日本国中いたる
ところに出現する。これは不 安というより、不気味です。ゾー
とするのは、私だ けでしょうか。
どうしようもない放射性廃棄物
それから、原発を運転すると必ず出る核のゴミ、 毎日、出て
います。低レベル放射性廃棄物、名前は 低レベルですが、中に
はこのドラム缶の側に五時間 もいたら、致死量の被曝をするよ
うなものもありま す。そんなものが全国の原発で約八〇万本以
上溜ま っています。
日本が原発を始めてから一九六九年までは、どこ の原発でも
核のゴミはドラム缶に詰めて、近くの海 に捨てていました。そ
の頃はそれが当たり前だった のです。私が茨城県の東海原発に
いた時、業者はド ラム缶をトラックで運んでから、船に乗せ
て、千葉 の沖に捨てに行っていました。
しかし、私が原発はちょっとおかしいぞと思った のは、この
ことからでした。海に捨てたドラム缶は 一年も経つと腐ってし
まうのに、中の放射性のゴミ はどうなるのだろうか、魚はどう
なるのだろうかと 思ったのがはじめでした。
現在は原発のゴミは、青森の六ケ所村へ持って行 っていま
す。全部で三百万本のドラム缶をこれから 三百年間管理すると
言っていますが、一体、三百年 ももつドラム缶があるのか、廃
棄物業者が三百年間 も続くのかどうか。どうなりますか。
もう一つの高レベル廃棄物、これは使用済み核燃 料を再処理
してプルトニウムを取り出した後に残っ た放射性廃棄物です。
日本はイギリスとフランスの 会社に再処理を頼んでいます。去
年(一九九五年) フランスから、二八本の高レベル廃棄物とし
て返っ てきました。これはどろどろの高レベル廃棄物をガ ラ
スと一緒に固めて、金属容器に入れたものです。 この容器の側
に二分間いると死んでしまうほどの放 射線を出すそうですが、
これを一時的に青森県の六 ケ所村に置いて、三〇年から五〇年
間くらい冷やし 続け、その後、どこか他の場所に持って行っ
て、地 中深く埋める予定だといっていますが、予定地は全 く
決まっていません。余所の国でも計画だけはあっ ても、実際に
この高レベル廃棄物を処分した国はあ りません。みんな困って
います。
原発自体についても、国は止めてから五年か十年 間、密閉管
理してから、粉々にくだいてドラム缶に 入れて、原発の敷地内
に埋めるなどとのんきなこと を言っていますが、それでも一基
で数万トンくらいの 放射能まみれの廃材が出るんですよ。生活
のゴミで さえ、捨てる所がないのに、一体どうしようという
んでしょうか。とにかく日本中が核のゴミだらけに なる事は目
に見えています。早くなんとかしないと いけないんじゃないで
しょうか。それには一日も早 く、原発を止めるしかなんです
よ。
私が五年程前に、北海道で話をしていた時、「放 射能のゴ
ミを五〇年、三百年監視続ける」と言った ら、中学生の女の
子が、手を挙げて、「お聞きして いいですか。今、廃棄物を
五〇年、三百年監視する といいましたが、今の大人がするん
ですか? そう じゃないでしょう。次の私たちの世代、ま
た、その 次の世代がするんじゃないんですか。だけど、私た
ちはいやだ」と叫ぶように言いました。この子に返 事の出来
る大人はいますか。
それに、五〇年とか三百年とかいうと、それだけ 経てばいい
んだというふうに聞こえますが、そうじ ゃありません。原発が
動いている限り、終わりのな い永遠の五〇年であり、三百年だ
ということです。
住民の被曝と恐ろしい差別
日本の原発は今までは放射能を一切出していませ んと、何十
年もウソをついてきた。でもそういうウ ソがつけなくなったの
です。
原発にある高い排気塔からは、放射能が出ていま す。出てい
るんではなくて、出しているんですが、 二四時間放射能を出し
ていますから、その周辺に住 んでいる人たちは、一日中、放射
能をあびて被曝し ているのです。
ある女性から手紙が来ました。二三歳です。便箋 に涙の跡がに
じんでいました。「東京で就職して恋 愛し、結婚が決まっ
て、結納も交わしました。とこ ろが突然相手から婚約を解消
されてしまったのです。 相手の人は、君には何にも悪い所は
ない、自分も一 緒になりたいと思っている。でも、親たちか
ら、あ なたが福井県の敦賀で十数年間育っている。原発の
周辺では白血病の子どもが生まれる確率が高いとい う。白血
病の孫の顔はふびんで見たくない。だから 結婚するのはやめ
てくれ、といわれたからと。私が 何か悪いことしましたか」
と書いてありました。こ の娘さんに何の罪がありますか。こう
いう話が方々 で起きています。
この話は原発現地の話ではない、東京で起きた話 なんです
よ、東京で。皆さんは、原発で働いていた 男性と自分の娘と
か、この女性のように、原発の近 くで育った娘さんと自分の息
子とかの結婚を心から 喜べますか。若い人も、そういう人と恋
愛するかも 知れないですから、まったく人ごとではないんで
す。 こういう差別の話は、言えば差別になる。でも言 わな
ければ分からないことなんです。原発に反対し ている人も、原
発は事故や故障が怖いだけではない、 こういうことが起きるか
ら原発はいやなんだと言っ て欲しいと思います。原発は事故だ
けではなしに、 人の心まで壊しているのですから。
私、子ども生んでも大丈夫ですか。たとえ電気がなくなって
もいいから、私は原発はいやだ。
最後に、私自身が大変ショックを受けた話ですが、 北海道の
泊原発の隣の共和町で、教職員組合主催の 講演をしていた時の
お話をします。どこへ行っても、 必ずこのお話はしています。
あとの話は全部忘れて くださっても結構ですが、この話だけは
ぜひ覚えて おいてください。
その講演会は夜の集まりでしたが、父母と教職員 が半々くらい
で、およそ三百人くらいの人が来てい ました。その中には中学
生や高校生もいました。原 発は今の大人の問題ではない、私た
ち子どもの問題 だからと聞きに来ていたのです。
話が一通り終わったので、私が質問はありません かという
と、中学二年の女の子が泣きながら手を挙 げて、こういうこと
を言いました。
「今夜この会場に集まっている大人たちは、大ウ ソつきの
ええかっこしばっかりだ。私はその顔を見 に来たんだ。どん
な顔をして来ているのかと。今の 大人たち、特にここにいる
大人たちは農薬問題、ゴ ルフ場問題、原発問題、何かと言え
ば子どもたちの ためにと言って、運動するふりばかりしてい
る。私 は泊原発のすぐ近くの共和町に住んで、二四時間被
曝している。原子力発電所の周辺、イギリスのセラ フィール
ドで白血病の子どもが生まれる確率が高い というのは、本を
読んで知っている。私も女の子で す。年頃になったら結婚も
するでしょう。私、子ど も生んでも大丈夫なんですか?」
と、泣きながら三 百人の大人たちに聞いているのです。でも、
誰も答 えてあげられない。
「原発がそんなに大変なものなら、今頃でなくて、 なぜ最
初に造るときに一生懸命反対してくれなかっ たのか。まし
て、ここに来ている大人たちは、二号 機も造らせたじゃない
のか。たとえ電気がなくなっ てもいいから、私は原発はいや
だ」と。ちょうど、 泊原発の二号機が試運転に入った時だった
んです。
「何で、今になってこういう集会しているのか分 からな
い。私が大人で子どもがいたら、命懸けで体 を張ってでも原
発を止めている」と言う。
「二基目が出来て、今までの倍私は放射能を浴び ている。
でも私は北海道から逃げない」って、泣き ながら訴えまし
た。
私が「そういう悩みをお母さんや先生に話したこ とがある
の」と聞きましたら、「この会場には先生 やお母さんも来て
いる、でも、話したことはない」 と言います。「女の子同志
ではいつもその話をして いる。結婚もできない、子どもも産
めない」って。
担任の先生たちも、今の生徒たちがそういう悩み を抱えてい
ることを少しも知らなかったそうです。
48 :
名無しさん@お腹いっぱい。:02/08/02 15:49
これは決して、原子力防災の八キロとか十キロの問題 ではな
い、五十キロ、一〇〇キロ圏でそういうことがい っぱい起きて
いるのです。そういう悩みを今の中学 生、高校生が持っている
ことを絶えず知っていてほ しいのです。
原発がある限り、安心できない
みなさんには、ここまでのことから、原発がどん なものか分
かってもらえたと思います。
チェルノブイリで原発の大事故が起きて、原発は 怖いなーと
思った人も多かったと思います。でも、 「原発が止まった
ら、電気が無くなって困る」と、 特に都会の人は原発から遠
いですから、少々怖くて も仕方がないと、そう考えている人は
多いんじゃな いでしょうか。
でも、それは国や電力会社が「原発は核の平和利 用です」
「日本の原発は絶対に事故を起こしません。 安全だから安心
しなさい」「日本には資源がないか ら、原発は絶対に必要
なんですよ」と、大金をかけ て宣伝をしている結果なんで
す。もんじゅの事故の ように、本当のことはずーっと隠してい
ます。
原発は確かに電気を作っています。しかし、私が 二〇年間働
いて、この目で見たり、この体で経験し たことは、原発は働く
人を絶対に被曝させなければ 動かないものだということです。
それに、原発を造 るときから、地域の人達は賛成だ、反対だと
割れて、 心をズタズタにされる。出来たら出来たで、被曝さ
せられ、何の罪もないのに差別されて苦しんでいる んです。
みなさんは、原発が事故を起こしたら怖いのは知 っている。
だったら、事故さえ起こさなければいい のか。平和利用なのか
と。そうじゃないでしょう。 私のような話、働く人が被曝して
死んでいったり、 地域の人が苦しんでいる限り、原発は平和利
用なん かではないんです。それに、安全なことと安心だと い
うことは違うんです。原発がある限り安心できな いのですか
ら。
それから、今は電気を作っているように見えても、 何万年も
管理しなければならない核のゴミに、膨大 な電気や石油がいる
のです。それは、今作っている 以上のエネルギーになることは
間違いないんですよ。 それに、その核のゴミや閉鎖した原発を
管理するの は、私たちの子孫なのです。
そんな原発が、どうして平和利用だなんて言えま すか。だか
ら、私は何度も言いますが、原発は絶対 に核の平和利用ではあ
りません。
だから、私はお願いしたい。朝、必ず自分のお子 さんの顔や
お孫さんの顔をしっかりと見てほしいと。 果たしてこのまま日
本だけが原子力発電所をどんど ん造って大丈夫なのかどうか、
事故だけでなく、地 震で壊れる心配もあって、このままでは本
当に取り 返しのつかないことが起きてしまうと。これをどう
しても知って欲しいのです。
ですから、私はこれ以上原発を増やしてはいけな い、原発の
増設は絶対に反対だという信念でやって います。そして稼働し
ている原発も、着実に止めな ければならないと思っていあす。
原発がある限り、世界に本当の平和はこないので すから。
優しい地球 残そう子どもたちに
1級プラント配管技能士、原発事故調査国民会議顧問、原発被
曝労働者救済センター代表、北陸電力能登(現・志賀)原発差
し止め裁判原告特別補佐人、東北電力女川原発差し止め裁判原
告特別補佐人、福島第2原発3号機運転差し止め訴訟原告証
人。
私は二〇年間、原子力発電所を造ってまいりました。現
場の監督責任者として。もちろん、この浜岡原発も手掛け
ております。浜岡と同じ沸騰水型というのが専門なんです
が、この浜岡原発の一号機、二号機、いわゆるマークIと
いうタイプ。ましてや一号機については、世界でもまれに
見るような大事故を二回も続けて起こしているんですよ。
一九八七年、再循環ポンプが、これは沸騰水型の原発で
は心臓です。これが全部二台ずつあるんです。一台が止ま
っても一台が動いているからと。ジェット機と一緒でエン
ジン二台積んで、一つがトラブルを起こしても一つがある
からと。絶対二台止まるようなことはないと。それが浜岡
原発ではいっぺんに二台止まってしまったんです。飛行機
だったら墜落なんですが、それでも黙って動かしたんです
よ、中部電力は。
その翌年、また同じことをやってしまう。これはもう、
いわゆる世間には顔向けができないくらいの大事故です。
私どもが解析していくと、日本くらい大きな事故を度々起
こしているとこも、珍しいんですよね。
二、三日前ですか、やはり原子力発電所の寿命は三〇年、
四〇年といっていたと。そうではない、平均すると一七年
くらいになるんだと。というのはアメリカやヨーロッパで
は事故が起きる、そうすると国民が黙っていないんです。
そんな危ないもの動かしちゃだめだ、というので閉鎖して
しまうんです。閉鎖。いわゆる電気を起こさなくなって、
そのまんま放射能が出るのがゼロになるのを待って、それ
から廃炉に向けていくと。
これがいわゆる日本では、ない。なぜ、ないのかいうと
、やはり国民一人ずつが、危機管理がゼロなんですよね。
お上のいう通り、大企業のいう通りに信用してしまって
いると。取り返しがつかないことが起きてしまって、初め
て慌ててしまうというようなことが非常に多いんですよね。
いわゆる地震。いうのは去年、阪神大地震がありました。
地震があった次の日、私はすぐ神戸へ行きました。あの高
速道路が引っ繰り返っている。新幹線があんなんになって
いる。その現場を見てア然としたと同時に、「これは原発
と一緒だな」というのを一番最初に感じたんです。
なぜかというと、あの橋桁の中から、いわゆる型枠のベ
ニヤ板が出てくる。ジュースの空き缶は出てくる。設計し
た人はよもやそうゆうふうな物が中へ入っているとは思っ
ていないんですよ。設計する人は。でも私は、「あっ、こ
れが現実だな、原発とまったく同じだな」と。
というのは、どういうことかというと、今原子力発電所
で働いている人、工事をやっている人たちというのは九五
〜九八%は、全くの素人の人なんです。職人という人はも
うほとんどいない。
これはただ、原子力の現場だけではありません。いろん
な所で後継者不足、職人不足といわれている。だから実際
、そういう人は自分が今何をやっているのか、何の工事を
やっているのか分かっていないんですよ。ただ言われてい
るからやっているんだと。
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恵也 ◆fvPupB4Q :02/08/02 16:32