1 :
やなタイトルだな…:
>>1乙カレーです
前スレすごく中途半端になってすいませんでした
乙カレ
>>1 こいつは乙のひとことで言えるもんじゃねぇ!
なんてゆーか……
すっげー…すっげー乙!
ガンダムWとあずまんが大王は名作
即死回避
とりあえずsageよう
「何か解決の糸口はないんでしょうか……?」
悩みが言葉となって出る。
何となく煮詰まってしまった感がある。
「この袋小路から脱出するには、袋小路自体を壊しちゃうような思い切ったやり方が必要
かもしれませんね」
「ふむ、それなら」
よみがとも生物をやさしくカーペットに置き、立ち上がった。
「原点に立ち返ってみよう」
「え、何を…」
>よみは服を脱ぎ出した
「うぁあああああッッ?! よ、よみさんんッッ?! 待って、待ってください! スト
ップ・ストリップ! 付けるものはちゃんと付けて! っていうか、何を?! はッ?!
原点? 原点に返るって、つまり生まれたままの姿に?! いや、ワケわかりません!!」
激しく狼狽しながらも、うら若き乙女がスポーンスポーンとクロスアウト(脱衣)する
のを止める。よみはそんなちよちゃんに対し、幼い子供を教え諭すように人差し指を
おもむろに振った。下着姿で。
「そのへん子供だね、ちよちゃん。この問題の解決はとも生物を深く理解することから
始めないと」
「それがこの地球大奇行と何の因果関係が?!」
「とも生物の身も心も知るためにはこれが一番だろう?」
「あ、そうですね、深く繋がるのが互いを知るには一番……なワケないでしょうっ!!」
思わずノリツッコミをかましてしまうちよちゃん。普段のツッコミ役がこんなんなので、
代役として獅子奮迅の働きをせねばならず、自然高等技術も身に付いてしまうのだった。
「む、ツッコミのパターンがレベルアップしてきたね。だが、とものパートナーの座は
そう易々とは譲れないぞ」
強力なライバルの出現に、よみはニッとムダに爽やかな笑みで宣戦布告をする。下着姿で。
「いいから服を着てくださいっ。自宅内で犯罪者は出したくありませんから! よみさん、
ともちゃんを元に戻すことにもっと真剣になってください!」
「じゃあやっぱり脱ぐしか…」
「脱ぐことから離れて――っ!!」
青く澄み切った冬の空に、少女の声が高らかに響き渡った。窓を通して、この声量。
激情のほどがうかがい知れるというものだ。ああ、無情。
よみはHAHAHAと笑いながら服を着直した。
「いやぁ、すまない。半分は冗談だから」
「……あとの半分は何ですか」
「やさしさかな」
「何その薬事法違反な風邪薬の成分」
第一どんなやさしさが人をストリッパーに変えるというのだろうか。ああ、『幸福の王
子』という寓話があったか。ならばさしずめよみは裸の女王様? なるほど、確かにその
手の人には心とどこかに潤いを与えるだろうが。
うわあ、いらねえ。
その手の人でない少女は肩をがっくりと落とした。まだ午前も早いというのに、布団に
潜り込みたい気分だった。
だが、こうしてたゆたってばかりもいられまい。
いくら天才と呼ばれた頭脳でも、おびただしく発せられるアレな電波にさらされ続ければ、
その影響は免れまい。ともすれば鳥頭になってしまう。変異した鳥インフルエンザ並の
危険性を持っているかもしれないのだ、このふくよか気味なノロケ眼鏡から発せられる毒電波は。
可及的速やかに解決しなければならない。ちよの目が静かに据わった。
同時に動き出す生命の精密コンピュータ。ニューロンを駆けめぐる生体電気。小さな
お下げ頭の中では、様々な案が無数に立ち現れ、消えていく。
膨大な情報量とは裏腹な、時間ともいえないわずかな時間が流れると、再び小さな
ため息が小さな口から漏れた。
今現在、一番有効と思われる手段は、
(やっぱりあそこを使うしかありませんね)
できれば存在することも隠しておきたかったけれど、仕方ないだろう。
意を決したちよは立ち上がり、よみの元に歩いていく。その緩んだ笑みの膝元には頭を
撫でられご機嫌をとられているとも生物がいた。眉根を寄せてむっつりとしている。小動物は
先ほどの脱衣騒ぎにより快眠を妨げられてつむじを曲げてしまっているようだ。
「よみさん」
「ん?」
今その存在に気づいたように顔を上げる眼鏡に、幼きツインテールは述べる。
「実は調べ物をしようと思うんです」
「うん」
「だから、借りますね」
と、とも生物を取り上げた。
「なぁっ?!」
バッ!と、瞬間的とも言える勢いで立ち上がり、よみは少女にガバッ!と覆い被さる
ように迫った。
両手をワナワナとかぎ爪状にかざしながら唇を震わす。
「な、何でだ! 何でっっ!」
半ば予想していたとはいえ、空気すら揺らぐその迫力に、ちよは狼狽えながらも言葉を紡いだ。
「し、調べ物があるんです」
「もう聞いたっ!」
「あの、それは別室のプライベートなとこでしかやれないんです」
「それでっ!?」
「そこは、親も入れたことがありませんから、よみさんにも入ってほしくないんです、
わかってください」
「じゃ、じゃあ、その間、ハーマイオニーは私が預かってるから!」
「マイハニーです、英国魔法少女ですか、というか何言わせるんですか、というかそんな
ことはどうでもよくて、今でさえ冷静さがどっか彼岸あたりにいっちゃった状態なのに、
二人きりにしたら何するかわからないじゃないですか。危険です」
これまでの経緯から考えて、至極当然の論理展開だ。
「だ、だけど、その間ちよちゃんはとも生物と……ダメだっ! それは私のだ!
トモセイブツ・イズ・マイン! とも生物に関しては独占禁止法を禁止する!」
「治外法権を適用っ?! いくら存在が人間界を突破したからといって!」
迫るよみに、とも生物を抱きかかえるように死守する。絶対渡してなるものか、という
気迫が幼い身体からも伝わってくる。しかし、この構図、大きなお姉さんがペットを抱えた
小さな女の子を襲っている風なのはどうなんだろう。まぁどうでもいい。
よみはこのままでは埒があかないと思ったのか、ふっと肩の力を抜くとなぜか服の裾を
持ち上げて腹部に手を突っ込んだ。すわ、脱衣再び?とちよの身体が強ばるが、どうも違うらしい。
「では取引といこうじゃないか」
と、取り出されたるは一本のペットボトル。
「は?」
ちよの頭に疑問符がネズミ算式に増殖する。とりあえずどれからツッコんだら良いのだろう。
取引? それでペットボトル? 一体どんな価値が? それよりあれはどこから?
よみが右手に持っている半透明の容器は500ミリの大きさがある。中には同じく透明
な液体が満たされており、たぷたぷと部屋の向こう側を揺らしていた。大きさからして
ポシェットにも入りきらないし、入れる人もいないだろう。突然出てきた光景は手品を思わせた。
「ふふ、まさかこんなときに腹の収納部分が役に立つとはね。忌むべき皮下脂肪も使いようだな」
「えええぇええぇえっ?!」
まさか、よみはカンガルーとかの有袋類に属していた? 人外の挙動もそれなら納得
できる。だって人間じゃないんだし。
「って、それで納得できるわけないでしょう! どうやったらお腹の贅肉に物が挟み込め
るんですか。そんなだったら全国の中年諸氏は大喜びです! 万一できたって、そんな
大きなペットボトルじゃ無理でしょう。入り切りません!」
「段になった腹の隙間が四次元に通じてるんだ」
絶句。ちよの脳内が真っ白になる。
何なんですか、このヨミえもん。想定の範囲外です。
「で、取引なんだが、とも生物とこれを交換したいんだ。この水はすごいぞー、これが
あれば健康になるし、お肌はツルツルになるし、背は伸びるし、胸は大きくなるし、
宝くじは当たるわ、世界は平和になるわで、もうこれまでの生活は考えられなくなるぞ」
「風説の流布までっ?!」
誰か逮捕してください。無理ですか。そうですね。
「身を切るような思いで譲るよ」
ほら、と手渡す。
「ともの入った風呂の残り湯だ」
手渡されたちよはしばし沈黙、後、慌てて放り返した。
「ち、力の限りいりませんっ! よみさん、何を保存しているんですか!」
「……?」
「不思議そうな顔をしないでくださいっ!」
「私は毎日服用してるんだが……」
「ふ、服よっ……? きょうびブルセラ常連客さえしないことを!」
「飲まないととも分が不足するんだ」
「とも分?!!」
「そうだ、とも分だ。とも分が足りなくなると精力減退などの症状が現れる。常に摂取
しておかないとハッスルできないんだ。最高にハイってやつになれない。ご近所で、私が
いかにともが好きかを叫びながら跳びまわれない」
「それ摂らない方がいいです! 飲むのダメ! 絶対!」
とも分摂りますか、それとも人間やめますか、の勢いで制止するちよ。いや、どっちも
ダメだから。
……そうか、ダメなんだよ、もう。
ちよが若くして諦観の域に達していると、
「――隙ありっっ!」
気合いと共に頭上から黒い影が大きく落ちてきた。視界が覆われ、
「あべばっ?!」
圧倒的な質量にちよの口から頓狂な声が押し出される。
よみのボディ・プレスだった。
全体重を余すとこなく乗せたアタックは、ありとあらゆる物を圧砕する。今回は本来
小学生である幼い子供の色んなものをうち砕いた。その内一つは友情と名付けられたかも
しれない。
「YA−HAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
とも生物を奪還したよみの勝利の雄叫びを、ちよはボロボロのうつ伏せで聞きながら、
滲む涙を耐えた。
(お家に帰りたい……)
落ち着け、ちよちゃん、実家はここだ。
少女は気力を振り絞り、けなげに小さな身体を起こす。
眼前のよみはもう誰にも渡さないというように、輝く笑顔を上に向けて、その先に
とも生物を位置づけていた。
とも生物を右手に高く掲げる姿は、ユナイテッド・ステイツのシンボルを彷彿とさせた。
すなわちそれは自由の女神。まあこの場合の自由ってのは、理性とか人間の尊厳とかからですが。
――ただいまそれなりの日米友好関係に無配慮な発言がありました。それなりにお詫びします。
「あれ、ちよちゃん?」
ちよの背中によみの声がかかる。ちよの右手はドアノブに触れていた。
「どこへいくんだい?」
「例の部屋です」
背中越しに言葉を投げつける。棘をふんだんに盛り込んだ口調だった。
「好きにすればいいです。よみさんはそこでずっといちゃついててください。でも、絶対
に法に触れるようなことはしないでくださいね!」
捨てぜりふっぽい皮肉に対し、よみはとも生物を抱きかかえのほほんとしている。
「大丈夫だ。一分程度なら完璧に我慢できる」
「それは我慢できてません!」
M78星雲の某超男以下の辛抱のなさだ。制限時間が来たらどこまでも飛んでいくというのか。
「とにかく、とも生物を使って○○○や×××、あまつさえ△△△しようなんて、
思いつくことさえできないよ」
『私はうそしか言わない』並の誤謬をここに見た。作者が自主規制かけるほどのことが、
よみの脳内で荒れ狂っていた。今更だが。
「……もう、いいです、本当に」
だが、ちよはそれでも部屋を出ていくことにした。もはやよみに何をしようとしても
徒労に終わるだろうと考えたからだ。
「待ってくれ、ちよちゃん」
意外なほど真摯な声が、ちよの耳に響いた。思わずちよは振り向いてしまう。
「とも生物、連れていくってさっきまで言っていたよね。本当に連れていかなくていいのか?」
声と同じく表情も真剣そのものだ。普段のよみの真面目な部分をちよは感じた。
「私のせいも少しはあるけど、ちよちゃんがそんな風になるのは、ちょっと……うん、
いや、かなり悲しいかな」
温かな真摯さの不意打ちに、思わずちよの目頭が熱くなる。先ほど滲んだ涙とは別の
意味――感動――によって。
そうだ。よみさんはいつでも私たちのまとめ役だった。ときどきテンパっちゃうことも
あるけれど、大人びた態度はみんなに安心感を与えてくれたし、個人的に憧れを抱く事も
少なくなかった。いつものよみさんが帰ってきたのだ。
よみは言う。
「こんなカワイイとも生物をあっさり放っておけるなんて、そいつは許せんな! もっと
私を羨ましがってくれ!」
そっちかよ!
一度持ち上げて落とす。いじめの基本ですね! 最悪です!
「誰もそんなナマモノほしくありません! よみさんだけで好きなだけ独占してください!」
「ふふん、そんなこと言って本当はどうなんだ? これでも自分の本心を隠せるかい?」
よみは後ろから腋を抱えたとも生物をちよの方に向けると、両手と共に押し出した。
「はむフっ?!」
謎生物と少女との距離が、一気にゼロになった。主に互いの顔の辺りで。
「ほら、かわいいだろ、素直になっちゃえよ」
ハァハァと息も荒く、とも生物をグリグリと少女の顔面に押しつける。
「ん? どうだい? どうかな? ん? ん?」
ぐりぐりぐりぐり。
より熱くなっていく眼鏡の鼻息とは反比例して、急速に冷えていく頭の中、ちよは思った。
何ですか、これは。新手の児童虐待ですか。
今現在、大人びた女性が幼女に愛玩動物を無理矢理堪能させようとしているわけだが…
…まあ、倒錯的な興奮を喚起する絵柄に見えなくもないこともないはずがない。つまり、
見えない。ちよちゃん的にかなりガッデムな状態だ。
少女は確信していた。今、訴えれば勝てる!と。
だが、翌日の朝刊に自邸が載るのは避けたい。とりあえず、目の前の不快感を両手で
押しやった。
「ともぉっ?」
とも生物の圧迫されたほっぺたがぐにぃと歪む。タコみたいに唇が押し出されて、
それはそれは変な顔になってしまっていた。
いや、これはこれで萌える、などという永久ダイエッターの戯言は放っておいて、
「いいですから、それはよみさんが占有しててください! いや、本当に、本当に
いいですから、何度も顔で顔に接近戦を挑まないでください!」
何とか●●新聞勧誘員並のしつこさを振り払う。個人的な話で申し訳ないんですが、
本当にしつこいですよね、あれ。
「いやぁ、すまない。四分の一は冗談だから」
「って、割合減ってるじゃないですか! もうよみさんのことが信じられなくなって
きます! いい加減!」
「まあまあ私もバターになるのは勘弁だからさ、自粛するよ」
「ホントですか……?」
差し向ける疑いの瞳。というか、信じる心が残っている自分を誉めてあげたいちよだった。
「まあ見ててくれ」
とも生物を自分と向き合うように持ち替えて、見つめる。そして、
「あー、かわいーよー、ともー、かわいー」
頬ずりしまくる。
「一瞬で公約違反をっ?!」
ウノ政権もここまではしなかった。初めから公約なんて守る気がないのはその他大勢と
一緒だが、よみが首相になれば間違いなく日本を変えることが出来るだろう。180度。
要するに転覆。
「むふー、すりすりすりすり」
そのまま融解してしまいそうなにやけ顔で、頭部を振りつづけるよみ。そこには
聞く耳など持たん、持ったら負けだと思っている、というような人間的に駄目オーラが
いかんなく発揮されていた。
「……くっ」
もうバターにでもなんでもなってしまえ!
やぶれかぶれでちよは部屋の外に出ていった。今度は捨てぜりふも無しだった。少女の
目の端には、キラリと光るものがあったかもしれない。
そして、主のいなくなった部屋には、すりすりし続ける阿呆が残された。すりすり。
(続k
おおっ! 随分前のSSが復活?
近年にしてはめずらしいなGJ
もう全編笑いっぱなしでした。
てか全然話が進んでないじゃねえかw
22 :
玉置浩二:2006/03/15(水) 00:56:37 ID:???O
(*´Д`)ハァハァ
さかよみキボン
さかぐらキボン
ともかぐキボン
さかちよキボン
ごときむキボン
24 :
メロン名無しさん:2006/03/16(木) 01:21:01 ID:SAjGsts/O
GJ!!!
(^J^)
『2000年問題』
智 「はい、ここでみなさんに問題。解けなかったら新年迎える資格なし」
神楽「なんだそれ」
ちよ「受けてたちましょう」
榊 「………………………………………」
智 「固くて長くて、モノによって太くて、にぎにぎしたり振ったりするとサキッポから白くて臭い液体のでるモノはなんでしょう」
神楽「ボッ!!(激しく赤面)」 榊「ボンッ!!(顔面爆発)」 ちよ「え………?榊さん?神楽さん?」 智「さぁ答えは!!?」
神楽「……………おまえさぁ…………ばかぁ!」
智 「ん?はっきりイイナサイ!!答えは!?」
神楽「…………ち………ち……榊パス!」
榊 「え!?…………あ………それは…」
智 「答えは!?答えは!?」 「修正ペンだろ」
よみがトイレから返ってきた。顔色は先程よりは良い。榊の隣に座り、こたつに入った。
神楽「知ってんだよ!!そんな事!!やらしくない!!私はやらしくないぞ!!」
智 「もーっ!よみーっ ゆうなよー!」
よみ「んじゃ逆に問題。フルーツポンチの逆さは?」 神楽&榊「ボボンっ!!」
ちよ「え………?どうゆう…………?」
智 「簡単だぁーっ!!答えは チンp………」
27 :
続き:2006/03/16(木) 20:50:17 ID:???O
『みんなで』
神楽「馬鹿ゆうな!!」
智 「もご…………!!もごーっ!!」 答えを大声で言おうとする智を神楽が必死に押さえ込む。よみは楽しそうに二人を眺めていた
よみ「ブーッ。時間ぎれ〜 答えは『こぼれる』でした〜」
智 「ぷはぁ!!よみのスケベー!!ばーか!」
よみ「なぁにぃ!?」
ちよ「あぁ!!ケンカはやめてくださーい!」 よみは完全に酒は抜けたようだった。榊もジョジョに顔色も良くなっている。そして………21世紀まで残り五分をきった
『さぁ 新世紀だ 』
ちよちゃんは目を輝かせながらテレビを見ている。芸能人が和服姿で写っているテレビの画面の左端には時間が表示されていた。
神楽と榊は先程、買った『どん兵衛』にお湯を入れていた。よみは目覚める気配が全く感じられない大阪を起こそうとしていた
ちよ「いよいよですね!!眠いのを我慢した甲斐がありました!」
神楽「私も〜。 あ〜終わっちまうのか……ミレニアム」
よみ「さよなら2000年。ようこそ新世紀だな」
智 「あ〜……あと三分… お湯入れよ。」
よみ「やっぱ年越しそばだな。どん兵衛ってのがなんだが」
ちよ「まぁまぁ、みんないっしょだから いいじゃないですか」
榊 「うん………………それが一番…」
大阪「榊ちゃん左にいるけど、右に同じや」
神楽「お 大阪おきたな!よし!!みんなで年越すぞ!」
越すぞ!」
>>26 >>27 大作で長期連載のわりにはスゴくおもしろい。
このままでも神SSだがもう少し更新速ければ鬼SSに昇格可能。
文句言ってごめんなさいこれからも頑張って!! 自慰J!!
29 :
続き:2006/03/16(木) 21:10:01 ID:???O
『あ』
あけましておめでとう!! ございます!!
智 「明けたー!!明けたー!!おめでとうー!!おめでとう!!!!」
よみ「うっるせええええぇ!!!!!」
ちよ「おめでとうございます大阪さん!!榊さん!!神楽さん!!よみさん!智ちゃん!!」
神楽「おめでとう!!ありがとう!!」
榊 「今年も………よろしく………」
大阪「おめでとう〜。あぁ…明けてもうた…」 年が明けた。年号が変わった。その瞬間を六人は一緒に迎える事ができた。2001年が今はじまった
智 「今年も残すところ後、365日です!!」
よみ「あ〜っ!!もうつっこむのメンドクサイ!! あ おめでとう」
神楽「そば食おうソバ!!今年の最初の食事はソバだ!!いただきまーす!!」
大阪「いただきま〜す」
榊 「……いただきます」
『プレゼント』
智 「あけおめー!!ことよろー!!つーわけで皆さんにはプレゼントがあります!!」
神楽「おっ!?なに?なに?」
大阪「おとしだま〜?」ちよ「お断ります」
智はこたつに紙を五枚出した。そして一枚一枚。一人づつ渡した
よみ「これは…………………」
大阪「あ〜 み〜 や 」
ちよ「年賀状じゃないですか!!」
神楽「これ手書き??なぁこれ手書き!!???」
榊 「………………………………………」
智 「はっはっはっ!!!おめでとうー!!」
智は手書きの年賀状をみんなの為に作って渡した。年賀状にはヘビが2001の形を型どっている。一人一人への直筆のメッセージも書いてあった
30 :
続き:2006/03/16(木) 21:34:48 ID:???O
『照』
智 「みんなの住所いちいち聞くのメンドクサイ!!だからダイレクトなのだ!!」
ちよ「………わぁ… なんか…すごく嬉しいです… 」
神楽「ありがとな!!智!!嬉しいぜ!!」
智 「な……いいよ別に…(照) あ… あと宝くじ付いてるから当たったら返してね!!」
よみ「それゆわなきゃカッコイイのに…」
智 「う……うるさいなーっ」
大阪「ゆわなきゃ恥ずかしいんよね。照れ隠しなんやね智ちゃん」
智 「お………おおきなお世話だい!!」
『終わりです』
大阪「あれ…………ちよちゃんまだ寝むらへんの?」
ちよ「あ……はい… もう少しだけ…」
大阪「夜更かしはいかんで〜 ほんなら〜 お先に〜 」
ちよ「はい。おやすみなさい」 ちよちゃん以外はもう全員寝てしまった。酒の力もあるのか、五人は二時前には眠りに入ってしまった
ちよちゃんは一人で窓の外の雪を眺めていた。初めての子供だけの旅行。明日はまた関東に帰るが、夢のような大自然の土地。東北。学校では滅多に見れない雪を見つめていた
あっとゆう間の二泊三日。そして年越し。そしてこの、一年間。もう、ちよが高校に進学してから二年が経つ。あと一年で、この生活も終わりとなってしまう
時間は平等だ。誰に対しても。決して止まる事はない。だけど… みんなと楽しい時間を過ごした事は夢じゃない。幻じゃない
思い出として、生きる。絶対に忘れない。
ちよちゃんは、いつの間にか出た涙をぬぐって 布団へ向かった。もし、別れの時が来たら必ず笑顔で別れたい…
でも… できることなら 別れたくない できることなら ずっと ずっと…一緒にいたいと願った
おしまい
31 :
後日談1:2006/03/16(木) 22:01:09 ID:???O
■水原 暦■
私は北海道旅行中である。今、熊のおみやげを探している。もちろん榊の為だ。榊がどう思っているかわからないが、私は今回の旅行で榊と仲良くなれた気がする
呼び捨てしても違和感がない気がする。それだけ大阪救出での協力は印象に残っている。しかし……なかなか熊っぽいおみやげないなぁ…
北海道は東北よりもやはり寒い。あの旅行のおかげで北海道でのスキーも気持ちよく楽しめた。温泉も食事も充分楽しんだ でも…家族には悪いが 私は東北の旅行の方が心に残っている
あの旅行ほどドキドキしてワクワクした旅はなかった。子供だけの初めての旅…。北国の大自然…。今年は修学旅行があるが 私はまた東北でも良いくらいだった
え……?お酒??何のことだ?? え?ちよちゃんの耳にフーフー??甘噛み?? ……… いや…覚えてないな…
その時の記憶はトビトビだな…。修正ペンは覚えてるんだが… え??なんで即答かって??あぁ、私の中学の時に男子が言ってたの聞いた事があるだけだよ
飛行機に乗るのは初めてだったな。後で たくさん智に自慢してやる そういえば… 智の年賀状だが…『新年明けましておめでとう』と、デカデカと書かれているのだが…
『新年おめでとう』か『明けましておめでとう』なんだよ。普通は、この智の文章じゃ『腹を切って切腹します』みたいな文章になってしまうんだ。みんなも気をつけてくれ
今回の旅行は本当に楽しかった。また行きたいな。福島
私が一番気に入ったのは『レモ』だな。『ままどおる』も捨てがたいけど…
甘いのは太る?? まぁ…見逃してくれ… 私だって たまには甘えさせてくれ たまには…ね
最後に一言
『カニはむいてあるのが嬉しい。栗と同じで、むきにくい』
32 :
後日談2:2006/03/16(木) 22:11:04 ID:???O
■大阪■
こないだな〜… 変な夢みたんよ 今年ヘビやからかな? 私がヘビやねん。私がヘビの夢やねん
んでな〜 隣には智ちゃんがいるんよ そして、やっぱりヘビなんやね〜 二人でウネウネ動いてな? なんで私ら足ないのに進めるん?って聞いたんよ
そしたら智ちゃんは『私達毒ヘビだからだよ!!』って答えたんよ なるほどな〜 毒ヘビやからやんな〜
智ちゃん?私達毒ヘビなん??
あぁ!毒ヘビだ!
ほんまに!?
あぁ本当だ!
じゃあフグ食べても大丈夫?
それはダメだな
ふ〜ん
私達毒ヘビなん??
あぁ毒ヘビだ!!
ほんまに??
どうした??
うん。舌かんでもーた
そこで目が覚めたんよ〜
最後に一言
『みかんって目にしみる』
33 :
後日談3:2006/03/16(木) 22:26:17 ID:???O
■神楽智ちよ■
神楽「今回はいきなり呼んで悪かった。でも聞いてもらいたかった。なんで二人しか呼ばなかったのか??それはあの時は三人だったからだ」
あの時私達は大阪の無事を祈って、ホテルで帰りを待っていた。三人で待っていた。 んで これ今日の新聞だ。 コレは不安にさせるだけだから、あの三人は教えないほうが良いと思ってる
『スキー場から行方不明の女性死体発見』
『○○スキー場で●●日、女性の遺体が発見された。死体は死後、数年経過しており、遺体の状態から警察は事故として調査を進めている』
『女性の遺体は深さ三メートル程の穴で発見された。女性は数年前に行方不明者として捜索されていた。家族にとっては最悪の結末となった』
『スキー場関係者によると、数日前にスキー客の中に、遭難しかけた客がおり、雪山に穴は危険と判断し、客の証言現場の穴の埋め立てに向かった所、発見したと証言している』
神楽「……………………私は大阪が舞木さんに『穴は危ない。死にかけた』と話していたのを聞いている」
智 「待って………待って!待って! じゃあ…」
神楽「あぁ………… 」
ちよ「はい… そうなりますね 」
智 「じゃあ……大阪の下に……あの時大阪の下に!!!!!」
最後に一言
ちよ「たぶん見つけてほしかったんだと思います」
神楽「榊は霊感が強いからな」
智 「私………もう…やだよぉ」
34 :
後日談4:2006/03/16(木) 22:37:35 ID:???O
■榊■
新聞を今日読んだ。やはり思った通りだった
私を導いたのは、あの女性だったのだ
よかった… これで眠れるね… もう、寒くないね… 本当によかったね
今までつらかっただろうね… 寒かっただろうね… 今まで見付けられなくてごめんね… そして…元気でね…
かおりんから年賀状が届いた。写真がプリントされていた。例の二人三脚の写真だった。少し沈んでいた私の心が救われた気がした
『今年もよろしくお願いします!またお家に遊びきてください』 かわいい文字と猫とヘビのイラストも描いてあった
そうだ…返さなくては… 榊は年賀状の前にペンを持って座った。下書でかわいい動物ん描いてみる
やはり下手だった。絵は簡単そうで難しい。榊は消そうと消ゴムを持った。 しかし、消すのはやめた
ありのままの心を彼女に見せたかった。下手でもいいじゃないか。彼女は『作った私』より『そのままの私』を望んでいるはずだから 榊は犬がネコかわからないモノに色ペンで色をつけた
最後に一言
『なんで十二支にネコはいないんだろう……』
■かおりん■
彼女は玄関で誰かを待っている。新年は寒いが我慢だ。そして 待ち人がやってきた。周りに音がする。郵便のバイクがやってきた。ポストに入れる前にダイレクトで郵便物を彼女は受け取った
「やったぁ!!きゃあーっ!!!」 彼女は喜び跳ねる。好きな人から手紙で返事がきたのだ
まるでラブレターの返事をもらったように彼女は喜んでいた。優しい文字に独特の絵。あぁ。榊さん………☆☆今年はいいことありそうだ!!!!!
■ゆかりとにやも■
ゆかり「これ!!ちよ達のおみやげ!!どーん!!!!」
にゃも「わぁ!!すごいわねぇ〜 本当に買ってきてくれたのね〜」
ゆかり「私達ふたりぶんだって」
にゃも「え!!本当!?ありがたいわねぇ…」
ゆかりとにゃもは新年の挨拶ついでに、にゃもの家で遊んでいた。ゆかりは宅配で届けられたおみやげを、開け始めた。
ゆかり「『レモ』だーっ!!福島の和菓子!!『喜多方ラーメン』だーっ!!福島のラーメン!!」
にゃも「なんで食べ物ばかりとんの?? あ これ、いいわね『福島のガラスの世界館』の造形品 キレイねー 」
ゆかり「なにそれ?食べれんの?? あら かわいい 『ねここねこ』野口英世バージョン ひげ付いてる」
にゃも「あらかわいいわね。あとは… ガサゴソ… ガサゴソ… 」
にゃも「……………………………………」
ゆかり「……………………………………」
最後に出てきたのは『白虎隊の木刀だった』…………
おしまい
36 :
予告編:2006/03/16(木) 23:06:32 ID:???O
ゆかり「そういや、にゃもプリント見た?」
にゃも「ん?来年のクラス分けのヤツ?」
ゆかり「あと…これ……」
にゃも「なにこれ??」
ゆかり「来年、新しい先生くるの。実習生みたいなの」
にゃも「……………で………なに?」
ゆかり「あんた面倒みてね」
にゃも「なんでだよ」
ゆかり「後藤先生が言うには、そろそろ先輩として自覚もてって」
にゃも「だからなんであたしなのよ?」
ゆかり「あんた年下はお手のもんですょ?」
にゃも「なんだそれ」
ゆかり「まぁ!よろしくね!!」
にゃも「私 部活あるし〜…」
ゆかり「わ!!出たな!!」
にゃも「………で、どんな人なのその人」
ゆかり「若いわよ〜。今年23だって」
にゃも「若っ!!エリートじゃないの!?」
ゆかり「今時、エリートって… まぁ頭はいいコね。担当は社会全般だって」
にゃも「………………ふ〜ん」
ゆかり「あんたより頭いいかもね」
にゃも「うるさい!!」
ゆかり「コラ!!木刀で叩くな!!」
二人はレモとコーヒーでおしゃべりして時間を過ごした。 ところで名前は?? 『山田進一』
ふつ〜… まぁ…ね…
最後に一言
ゆかり『よいお年を〜』
にゃも『神楽おみやげありがと〜』
長くなってしまいすいませんでした。
また、多くの作品の投下を止めてしまった事を深くお詫び申し上げます
私
初めての作品だったのですが、たくさんの応援ありがとうございました。また機会がありましたら『山田進一』の話を書きたいと思います
今回は私の故郷の福島を舞台にして頂きました。やはり あずまんがメンバーにはリアルが合いますね。
まだ私
アニメ見たことないんです。これから借りる度胸ができたら借りて見たいと思ってます
4月から新生活にも『あずまんが大王』は持っていきます。私の心の財産ですね
また
この板で会いましょう
今回はとりあえず、さよなら
とも生物楽しみにしてます
我輩は猫じゃない
本当に乙彼さまでした!
ずっと楽しく読ませてもらいました!
続編、期待してもいいですか?
>>38 アニメ見たら書きたいと思います
このアニサロ板がある限り、書き続けたいと思います
感動した!
今までステキなSS供給有難うございます。
楽しかった!
面白かった!
時々泣けた!
ひたすらに興奮しまくった!
期待は期待のまま神SSがこうして幕を閉じ、読者として最後まで付き合えた私はひたすらに幸せ者だった…
次作もすっげーすっげー期待して待ち構えていたい
と、そんな気持ちにさせてくれる力がアナタの作られたSSには在りました!
著者の新生活にご多幸と次回のSSへの期待を込めましてとりあえず、
GJ!!!
また、会えるよね!
作者様お疲れ様です。
ここ何ヶ月このSS楽しみにしていました。
また書いて頂ければありがたいとおもいます。体には気をつけて。(^J^)
ほしゅ
43 :
メロン名無しさん:2006/03/19(日) 21:19:40 ID:KzZ4oTURO
あ!!
44 :
メロン名無しさん:2006/03/19(日) 22:56:07 ID:KzZ4oTURO
あ!!
45 :
メロン名無しさん:2006/03/21(火) 06:23:46 ID:3SkymFogO
ず!!
46 :
メロン名無しさん:2006/03/21(火) 10:19:56 ID:pzyRh90VO
ま!!
47 :
メロン名無しさん:2006/03/21(火) 17:55:56 ID:zSK5m17g0
ん!!
ぺ!!
49 :
メロン名無しさん:2006/03/22(水) 00:09:32 ID:JbV5+uYjO
よ!!
50 :
メロン名無しさん:2006/03/23(木) 03:07:01 ID:9mN9lq7AO
み!!
51 :
メロン名無しさん:2006/03/23(木) 15:54:33 ID:0ElG7tJg0
の!!
■!!
53 :
メロン名無しさん:2006/03/24(金) 19:52:28 ID:Mf8Celw/0
は!!
54 :
メロン名無しさん:2006/03/25(土) 23:35:36 ID:XMJkGn48O
暗!!
闘!!
56 :
メロン名無しさん:2006/03/27(月) 05:01:14 ID:1q05z85VO
矢!!
保管庫更新キボン
_,. -‐''"´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``''''''''─--- 、
_, -''" 、_ _,.. -‐''
(二二二二二二'';:-''" \______
, ‐'" , ‐'"
,∠, , ‐'"
/'i,.r‐>、 :、‐┐ , ‐'"
/ `'く.,,_l . ヽi , ‐'"
/ r‐-、 , ‐'"
. / ヽr'",>、 , ‐'"
. / _,,.._ ヾ、__i , ‐'"
 ̄ ̄ ̄ ,> _,. -''"
/ _/ /゙
. / _,,.. -‐''''"/ /
∠__,,,,,. -─''''''"" / / 美技!
/ / イナバu
/ /
/ /
`''"
59 :
メロン名無しさん:2006/03/30(木) 04:27:00 ID:woiM9uSpO
神楽は猫。
「すりすりすりすり……と、おや?」
ふと違和感を覚え、私は甘美な頭部の振り子運動を中断した。
とも生物のとろけそうな頬の柔らかさが変化していた。たとえるなら、つきたての餅
だったものが膨らしたての蒸しパンに変わったかのような。
身体の抱き心地にも同様の違いが感じ取れた。たとえるなら、濃厚なカスタードクリーム
がふわふわのホイップクリームになったような。
どちらも美味いことには変わりない。味わってよし、食べてよし、体内に取り入れてよし。
しかし、何を食べるかを認識せずに食べるのはよろしくない。あんまんのつもりで
ピザまんを口に入れてしまった時の、あの驚愕と狼狽の入り交じった気持ち。誰もが
それに近いものを経験したことがあるだろう。そして二度と同じような羞恥にまみれた
行いはすまいと、あの一番星に堅く誓ったはずである。私も同じだ。
よって、両腕を伸ばし、とも生物を眼前にて観察する。
「んー?」
とも生物は「んもぉー」とくぐもった鳴き声を上げる。頬を膨らし、口を閉じたまま
なので、妙な音声変換がなされているらしい。ははあ、なるほど、ほっぺたの感触の変化
はドングリを詰め込んだリスのように空気でパンパンにしていたからか。
でも、なぜ? このパフォーマンス、理解できません。
さらに観察する。とも生物はかわいらしい手足を引力に任せて、ぷらーんとしている。
だが、つぶらな瞳はこちらへ真っ直ぐに向けられ、眉根はかわいらしく中央に寄せられていた。
……もしかして怒っている?
怒らせるようなことがあっただろうか。サービス満点でやってきたつもりだったが。
むぅう、とも生物に対する奉仕の精神が足りなかったというのか。やはり頬ずりのみでは
いかんのだろうか。
頬ではあいまいなのかもしれない。確かにほっぺたすりすりは頭部における最大接地面積を
生み出す技術体系だ。だが広さは深さに必ずしも繋がらない。それが愛の不思議なところだ。
私の愛。親愛とか情愛とか情欲とか示すためにも、ここはキス、それもディープ・
インパクトなやつをかますしかあるまい。深さ。深さなのだ。大事なものは。
とも生物のためなら、瞬時に想像妊娠して自ら産地直送の母乳を与えてやるくらい
覚悟完了している私にとって、そんなことは朝飯前のどんぶり飯だ。すなわち超簡単。
よし、今すぐやってやろう。望むところだ。
――いや、待てよ。舌を出しかけながら考え直す。その程度のことでとも生物がヘソを
曲げるだろうか。いずれ近々してやろうとしていたことだ。その気持ちは全てではないにせよ、
ある程度は伝わっていたはずだ。ならばここまで態度が豹変する理由にはならないのでは?
ハッ?! まさか!
私はとんでもない勘違いをしていたかもしれない。まさか、こいつは、
ごくり、と喉を鳴らす。
それ以上のことを求めているのでは?! ○○○や×××や△△△を!? 私に、私に
そこまでさせるというのか、この天使の形を取った小悪魔は!
えぇと、突然すみません。よみさんは、あれだけ大暴れをしてとも生物さんの安眠を
妨害した上に、ほっぺたを散々ぎゅいぎゅうに擦りつけた事実を完全に失念していますね。
それ以前に人間として大切なものを失っているので、いまさらアレ的にアレなんですが。
(美浜ちよ・談)
熟慮断行。ということで突撃体勢に移行しようと思った私だったが、まだ自分をとどめる
何かがあった。わずかな疑念。
とも生物の身体……何か、大きくなってないか?
そうだ。まだ抱き心地の変化についてはっきりさせてなかった。
早急に原因を探るべく、より観察を確かなものにするため、とも生物をカーペットに
下ろし立たせてみる。
ころりん。
「おお?」
立たせ方がまずかったのか、後ろ向きに転倒、仰向けになってしまう。
後頭部を打たなかったか心配したが、不幸中の幸い、それはなかった。とも生物が倒れ
ながらもこちらに顔を向けていたため、首が起きていたからだ。
再度、立たせてみる。今度は慎重に。慎重に。……よし。
とも生物の立ち姿が完成。フィギュアとして売り出せばミリオンセラー間違い無しだろう。
無論フィギュアが店頭に並ぶことはないが。独占禁止法禁止法により、保有者が似姿すらも
外部流出を許さないからだ。世界を席巻するのは私をうらやむ歯ぎしりの音だけでいい。
さて、改めて舐めるように観察してみよう。
ふむ。
とも生物は相変わらずぷくーと頬を膨らませて、全然恐くない顔で睨みつけている。
しかし、何だ。相変わらず安定性が悪い。生まれたばかりのペンギンのように、ふらふわ
している。油断しているとすぐにも背を地につけてしまいそうだ。
首を後ろに下げ、全体像を注視。
やはりいつもと違って身体のバランスが変?だな。バランスというのはこの場合、
平衡性のことではなく、比率のことだ。とも生物の黄金比にも匹敵するスタイルの比率。
神の創りたもうた造形美が、わずかに、大きく、崩れているのだ。
普段の私であれば、このとんでもない事態に取り乱し、世界を二、三度破壊しつくすだろう。
しかし人は成長するものだ。「だが、それがいい」と言えるだけの価値観を今の私は
持ち合わせていた。そう、とも生物との愛のパワーにより私はさらなる高みに登ったのだ。
レベルの上昇は価値観の多様化だけでなく、さらに冷静さと明晰さの増大をも達成して
いた。それが私の暴走を押しとどめ、現況で最良の行為、思い当たる節を確認すべく一本
の人差し指を立たせるのだった。
「…………」
ちょい。
柔らかなお腹を指でつつくと、とも生物はころんと倒れた。倒れてから反動で少し起き
あがり、また倒れ、揺れた。
ゆあんゆよんと小さい身体を揺らしながら、それでもせいいっぱい頬を張り、こちらを
上目遣いで睨みつけている。全体的にまんまるくなった姿で。
うん、そうか。
理解した。
おかんむりなのを表現しようとするあまり、頬を膨らませるだけでいいのを、身体の方
にまで空気を送り込んでしまったということか。抱き心地とバランスの理由もこれで解明
した。ぽこんと張ったお腹がその証拠。懸命なる憤りの表現だ。地上に降り立ったふぐの
天使、いや小悪魔か。とも生物はなおもぷっくり膨らんだ頬とお腹のまま、仰向け状態で
こちらを睨んでいる。
んー……
リ ミ ッ ト ・ ブ レ イ ク ! !
感情の瀑布のままに、とも生物へヘッドスライディングする! そして両手と胸で
がっちりキャッチング! アンド、ホールディング!
とも生物の身体に張りつめさせていた空気が一挙に押し出され、頓狂な鳴き声を立てる
が私はもうやめられない、止まらない。
飛びついた勢いをそのままに、四角い部屋の中を丸く高速回転する。運動エネルギーの
供給源は、もちろんとも生物に対する愛しさと切なさと心強さだ。すなわち無限大。8万
パワーを横にしてもこうはなるまい。
かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい
かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい
かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい
億千万のかわいいが脳内に満ちあふれエキゾチック。
とも生物の両の眼がナルトになっていたが、初っぱなからトップギアでレッドゾーンに
達してしまった私の回転数は、もはやとどまるところを知らなかった。二人が部屋に描く
愛の同心円の中心には、つむじ風が生じてすらいた。
ああ、このまま二人だけでどこかに行ってしまいたい。
幸せのあまりよぎってしまった望み、それが神か悪魔かに届いたのか、その刹那、
ふっと何かがぶれた気がした。
DOGOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!!!
美浜邸から轟き渡る大音響は、遠く隣町まで聞こえたという。ついでにその音により、
一人の和歌山出身の少女がしゃっくりを止められてほっとしたのだが、その話はまたいつか。
「何ですか、今の音っ!」
ちよが飛び込んできた時には、惨憺たる有様の部屋の中、壁に一人と一匹の形をくり抜いた
穴のみが残されていた。
(つd
美浜邸に穴を開けるほどのよみの愛回転ワロスwwwwwww
文が軽快でいつもおもすれー>はじめて物語
もはやよみの方が何か他の生物になってそうな勢いだなw
よみw
「じゃあ、明日よみん家行くから!」
ともがそう言ったのは昨日のことだった。つまり、ともの言った明日は今日にあたる。
昨日の日付は、三月三十一日。今日はその次の日だ。エイプリルフール。ともの好きそうな
日である。
今日、私の家に来ること自体が嘘、ということはないだろう。昨日の発言はあくまで
三月三十一日になされたものだ。四月一日に予定している行動について嘘をついて良いという
ルールはない。ともは四月一日に嘘をつこうとしたからには、その前後の日に嘘をつこうとは
しない。ボケ担当だと自覚しているが故の律儀さだろう。
なぜわざわざこんな日に私の家に来ようというのか。考えるまでもなく、嘘をつくためだ。
嘘をつく相手がいないから、私の家に来るのだ。今更ながら、四月一日が春休みで本当に
よかったと思う。学校がある日だったら、あいつの被害者は普段の数倍に膨れ上がっていたに
違いない。
ともはどんな嘘をついてくるだろうか。私も何か嘘をつき返してやろうか。我ながら下らない
ことを考えながらともを待っていると、母さんの声が呼びかけてきた。
「こよみー、滝野さんが来たわよ」
窓からやって来るだろうと思っていただけに、少しだけ意表をつかれた。
「お前、今日のいつ来るか言ってなかっただろ」
部屋に招きいれたともに、とりあえず言っておく。昨日のうちに聞いておかなかった私も
悪いのだが。
「まあ怒るなって。たいやき買ってきてやったから」
「ぐ……」
たいやきは好きだ。もちろん好きだ。だが、こいつは私がダイエット中だということを
知っているはずだ。むしろ知っててやったのだろう。
「そっかぁ、減量中だったんだよね、涙の」
「それは言うな!」
二度とこいつの前でラジオを流すまい。
「いらないんなら、私がもらっちゃうよ?」
……やっぱりこう来たか。
「勝手にしろ」
私は素っ気無く返した。ダイエットすると決めたからには余計なものを食べるべきではない。
「その割には返事するまで十秒以上かかってたじゃん」
「う、うるさい! 私はいらないからさっさと食べろ!」
「わざわざ嘘をつかなくてもいいのになー」
「嘘じゃねー! いいから食え! 自分で食えよ!」
「そんなに怒らなくてもいいのに」
「おまえなぁ〜」
私は脱力した。ともなんかにこうもいいようにやられるなんて。
「うめーっ!!」
焼きたてのたいやきの香りが部屋中に広がる。ともが一口齧り付いた。サクッとした
皮の感触を堪能したすぐ後に、あんこの甘味が口の中に広がる。ここに来るまでにほどよく
冷めた餡は、何の抵抗もなく口内に受け入れられ、味蕾を刺激する。その絶妙なバランスの
うえに成り立つ味の協奏曲は、彼女に至福のひとときをもたらす――
「……そんなに見つめるなよ」
「ああ、悪い悪い」
何をやっているんだ、私は。未練があるのがバレバレじゃないか。
「この人間国宝的美少女ともちゃんに見とれちゃうのも無理はないんだけどさー」
「んなわけねーだろ!」
私はあわててともから目をそらした。
目の前でたいやきを食われるという最大の試練を乗り越えた私は、嘘を警戒することを
思い出した。さっきのタイミングでやられていたら、簡単に騙されていたかもしれない。
しかし、そんな私をよそに、ともは漫画を読んでいるだけだ。『私はあなたが嘘をつく
のではないかと疑っています』などとは言えないから、適当に私も本を読んでいる。
私から話かけるという手もあるが、それではまるで嘘をついてもらいたいみたいではないか。
そんなこんなしているうちに、ともの方から声がかかってきた。
「そういえばさー」
「なんだ?」
来た。私の声に警戒心が混じっていなかったかどうか、少し不安になる。
「ちよちゃんの誕生日で榊ちゃんと神楽が何かプレゼントしてたじゃん」
「ああ、なんか二人一緒にやってたな」
二人で自作したという謎の物体を受け取ったちよちゃんの心中はいかばかりだっただろう。
「神楽に聞いたんだけどさ、あれ、ねここねこなんだって」
「…………」
えーっと……。本当か嘘か、あまりにも微妙なラインだったので、思わず絶句する。
確かに、なんとなく動物を思わせる形状と、大きさの違う二種類があることを考えれば、
あれはねここねこと言えるかもしれない。しかし、ともがそういうふうにこじつけた
可能性もあるのだ。どっちが正解なのだろう? 黙っていれば答えは得られるかもしれないが、
騙されるのが嫌だから黙り込むというのは、何か負けたみたいで気に食わない。
「あははは、そりゃ黙りこむよなぁ。笑うわけにはいかないし」
「お前は笑ったんだろ?」
「まあね」
ともが勘違いしてくれたようで助かった。危うく自滅するところだった。
ともが部屋に来てから二時間たったが、ともが嘘をつく気配は一向にない。ともは嘘を
つかないのだろうか? そう思っていたところ、読んでいる本にこんな記述を見つけた。
『確実に人を騙す方法』というものだ。その方法とは、『私は四月一日にあなたを騙します』
と予告することだ。予告どおり騙せればそれはそれでOK。騙せなかったら、予告そのものが
嘘であり、相手を騙したことになる。
私は、ともが嘘をつくと思い込んでいた。ともだってそれはわかっているはずだ。私たちは
毎年、同じようなことをやってきたのだから。ともはそれを利用したのではないか?
『ともは私を騙そうとしている』と私に思い込ませたことが、ともの用意した罠ではないか?
だとしたら、私は見事にはめられたことになる。全てが私の空回りだったのだ。
「――ねえ」
「今度はなんだ」
この期に及んで嘘をつくつもりなのだろうか。まだ警戒は緩められないようだ。
「本当は、ずっと言わないでおこうと思ったんだけど……」
ともはさっきまで読んでいた漫画を手放し、こちらをまっすぐ見ている。わずかに
顔が赤いのはなぜだろう。それでリアリティを演出しているつもりか。
「私……、よみのことが好き!」
嘘。絶対、嘘。あまりにもストレートで、脈絡がない。いくらなんでも突飛すぎた。
そう、これは嘘だ。騙されない。
たとえ私が、ともの瞳に吸い込まれるように魅入られ、同じように顔を赤らめていたとしても。
たとえ私が、『そんなの嘘に決まってるだろ』と言い返せなかったとしても。
たとえ私が、期待に胸を高鳴らせていたとしても。
「嘘だと思うのなら……わからせてあげる!」
そう言ってともは、私の肩に手をかけて、押し倒した。
「逃げたいなら逃げられるでしょ」
ともの顔が私の目の前にある。互いの息もかかるくらいの近さ。それは、ともの唇が
すぐ目の前にあることを意味していた。唇は少しずつ近づいてくる。あと数秒すれば、
いや、それを待たなくても、私が少しだけ顔を上げれば、二人は触れ合う。そんな危うい距離。
「……目をつぶって」
言われたままに、目を閉じる。直後に唇に触れるのは――人肌より冷たいしんなりとした感触。
わけがわからず目を開けると、私の口にたいやきが突っ込まれようとしていた。
「な、なにすんだー!!」
思わずともをはねのけて、怒りの叫びをあげる。
「いやーまいったよ。素直に目をつぶっちゃってさー。え、なになに? 何か期待してたー?」
「そんなわけねえだろ!」
ともがニヤニヤとこの上なく楽しそうな笑みを浮かべて、こちらを伺う。あー何やってんだ
私は。火照った顔を冷ますように、私は首を横に振った。
「だいたいさー、よみはやることが下らないんだよ。何だよ、三月三十二日って」
「あ」
ともが指さした先には、カレンダーがあった。私が、三月三十一日のあとに三月三十二日を
付け加えておいたのだ。ちょっとした悪戯のつもりだった。ともが嘘をついてきたら、
『今日は四月一日じゃないぞ』とか言ってカレンダーを見せるつもりだったのだ。
どうせカレンダーなんか見ないだろうと思っていたが、あっさり気づかれたわけだ。
三十二日の部分だけ隠しておけばよかった。
「だからさ、私も本当のことしか言いたくなくなったわけよ」
「……え?」
「それじゃ、今日は帰るわ」
「ちょ、ちょっと」
私のほうを振り返りもせず、さっさと出ていってしまった。
私はともが残していったたいやきを食べていた。結局あいつは私の分を残していたわけだ。
冷めて皮がふやけたたいやきは、焼き立てほど美味しくない。タイミングを逃してしまった。
ダイエットの誓いをあっさり破った甘味を味わいながら、ともの言葉を何度もかみしめる。
やっぱりそれってそういう意味……いや、でも、それ自体が嘘かもしれないじゃないか。
嘘だったとしてもあのとき私の方から……。
「あー、もう!」
腹立たしい。なんで私がともなんかに悩まされなければいけないんだ。……でも、あいつが
同じことを他の奴にやったとしたら、それはそれで腹立たしい。
「こよみ、ご飯ができたわよ」
「もうちょっと後にして」
ドア越しに聞こえてきた母さんの声に、返事をする。まだ顔が赤い。しばらくは、誰とも
顔をあわせられない。ともには絶対に見られたくない。
今日が春休みで、本当によかった。
(終)
タイムリーな作品キター
あと近日また長編投下する予定です
アニメを全巻DVDで一気に鑑賞したばかりなんで創作意欲が………
漫画よりアニメの方が最終話で泣いた…
また一話から見直します…
期待してますよー。
漏れも一話から見直そうかな?
>>70-75 乙です。よみの勘ぐり深さが今日の自分に似ていておもしろかった。
智がふり返らず出ていったのは恥ずかしかったからだよな(*´д`*)
これは素敵なともよみですね。
ひねくれながらもストレートな智と、それに振り回される暦。
原作の二人もこんな関係だったと妄想しながら見ると面白い。
も、も、も、萌え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
ともに手玉に取られちゃうよみは皮ええ脳
やっぱこの二人は良いね
GJ!!
このアニメ全部一気に観たらすげぇ鬱になった
83 :
メロン名無しさん:2006/04/03(月) 12:20:26 ID:UTeowJre0
なぜに。
84 :
メロン名無しさん:2006/04/03(月) 14:53:04 ID:vJpZp/f/0
自分自身の過ぎ去りし楽しい日々でも思い出したか。
俺もこいつらと同じ帰宅部なのになんでこんなに違うんだろう………
86 :
メロン名無しさん:2006/04/04(火) 11:43:31 ID:yCuIZGZ10
なんだ友達いない方か。
同じじゃないよ彼女等はかわいい、だが君はそうじゃあないってだけの事だ。
気にするな。漫画だ。
大丈夫だ、大阪はいつものメンツ以外友達いないから
一番友達多そうなキャラは神楽さん
付き合いあ
90 :
卯月 1:2006/04/04(火) 21:55:42 ID:???O
桜の花びらが舞い散る。今年は去年に比べ桜が散る時期が早い気がする。私は 何度も 何度も 同じ道を通って学校へ向かう。しかし、春の風を感じる4月だけは、同じ通学路も違う景色に見える
黒沢 みなも は車を運転しながら そんな事を考えていた。助手席には 悪友であり同僚の 谷崎 ゆかり が気持ちよさそうに眠っている。信号待ちの時には嫌でも豪快ないびきが車内に響く
今さら彼女を怒っても 何も変わらない事をみなもはよく理解していた。それに、こんな気持ちのいい4月の日にイライラするのはよくない。それに今日は始業式 始まりの日だ
私の担任するクラスはもう3年生。受験生だ。いよいよ生徒を送り出す時期が来たのだ。今まで以上に担任の責任は重くなる。気合いを入れ直さなくてはならない。正直、ゆかりに構うヒマなどあるわけがないのだ
にゃも「がんばらなきゃ…………ね!!」
みなもはサイドミラーに写る自分の顔を真っ直ぐに見つめて 自分で自分の両方のほっぺをたたいた。
プー ブブー! ブブー
にゃも「あ………。すいませ〜ん」
気合いを入れたのはいいが、信号が青になった事に気付けなかった 彼女の車は 後方車からクラクションを鳴らされた。バツが悪そうな顔しながら、みなもは急いで 車を発進させた。
学校に近付くにつれ、本校の生徒がちらほら見えてくる。桜並木の間を歩く 生徒の顔は みな期待と不安が入り混じった顔をしていた。この時期は出会いと別れの季節。クラス替えと進級。そして 新たに入学する生徒達
そして、この出会いと別れは先生方にも言える事だった。クラスが変われば生徒も変わる。寂しいのは生徒だけではないのだ(一年から二年に進級した時は神楽と別れたが。計画的に巧妙な手口で)
そして、本日から先生が一人増える。一応、同僚になるのだろうか?社会担当の教育実習生。若干22歳の男。名は『山田 進一』 彼は副担任として ゆかりのクラスに着く事になっている
ゆかり「うぃ〜??」
にゃも「着いたわよ、学校。起きな」
ゆかり「あ〜??う〜?」
にゃも「まったく……」
桜の花びらが舞い散る入学式。また新たなる物語が始まろうとしていた
91 :
メロン名無しさん:2006/04/04(火) 23:09:36 ID:PHfDz54OO
我が猫SSキタコレ記念アゲ
92 :
卯月 2:2006/04/04(火) 23:59:31 ID:???O
職員室
入学式も始業式も終わり、職員室では短めの会議が行われていた。新クラスの確認や掃除場所の取り決めなど内容は簡単なものだった。そして、校長の挨拶で解散された
にゃも「ほら……終わったわよ。起きなさい」
ゆかり「う〜ん。あと五分」
にゃも「あんた今年から3年の担任なんだからしっかりしなさいよ」
ゆかり「う〜 う〜 ぐ〜 」
にゃも「寝るなって!!」
後藤先生「黒沢先生。谷崎先生」
にゃも 「は……はい!!!!」
みなもは背後から高校時代の先生。そして今は学年主任の後藤先生に声をかけられた。やはり、大人になっても 人生の先輩に声をかけられるのは みなもにとって、びっくりする事だった
みなもは机に突っ伏して居眠りしている ゆかりを後藤先生から隠すような立ち位置で振り向いた。後藤先生はメガネの奥の目を細めて、穏やかな顔で笑いながら言った
後藤先生「君達もいよいよ教師としての先輩だ。話は聞いているだろうが、今日から山田君が君たちの後輩になる」
にゃも 「は…はい!!」
後藤先生「相手がエリートだからって気負いしないで、しっかり鍛えてやってくれ。煮るなり焼くなり。好きにしていいぞ」
後藤先生は悪戯っぽく笑うと 振り向いて職員室の奥の自席に向かって歩き始めた。にゃもはしばらく固まっていた後、ゆっくり 深く息を吐いた。学年時代はさんざん怒られたのが 今でもトラウマになっているようだった
ゆかり「にゃも〜教室行くの〜。待って〜私も行くから〜」
睡眠が終了したゆかりが、眠たそうに目をこすりながら みなもに近付く。にゃもは不機嫌そうな顔をしながらゆかりを待った。そして二人は一緒に職員室を出た。
二人は三階に向けて ゆっくりと歩き始めた。今日からは3年生の担任。しっかりしなくては
93 :
卯月 3:2006/04/05(水) 00:30:11 ID:???O
ゆかり「え?新任教師?」
にゃも「正月にも言ったじゃない!!山田くんよ!!山田進一君!!」
ゆかり「………あんたのお見合い相手?」
にゃも「違うー!!あんたのクラスの副担任よ!!教育実習生よ!!」
全く覚えてない様子のゆかり。必死で思い出させようとする にゃも。職員室の昼休みである。二人は弁当を広げながらケンカ腰で会話をしていた。後藤先生が不機嫌そうに咳払いをする。
にゃも「だから〜 午後から山田君が来るって後藤先生が言ってたから、午後のホームルームでクラスのみんなに紹介するのよ」
ゆかり「え〜 転校生みたいじゃん」
にゃも「転校生だよ!!先生の!!」
ゆかり「はいはい。わかったわかった。あ 予鈴よ」
ゆかりが弁当を片付けると同時にチャイムが鳴った。五校時の授業開始、五分前である。『本当にわかってんのか?』と思いながら みなもも 準備をする。二人は再び一緒に職員室を出た
ゆかり「なんとかなるって。年下だし〜 あんた頭悪いからエリートって響きにビビってんじゃないの〜?」
にゃも「頭は関係ないでしょ!!別にビビってなんかいないわよ!!!だいたいねぇ………………………………………………………………」
ゆかり「ん??どしたの??急に立ち止まって」
にゃもは三階の階段を上がりきって 立ち止まった。にゃもの視線は完全に固まっていた。ゆかりは不審に思い、にゃもの視線の先を見た。 そこには男がいた
木村ではない。まずシルエットが違う。そして雰囲気も。この場所からではよく見えないので、ゆかりはにゃもの肩を軽く叩いてから 男に向かって真っ直ぐ歩き始めた
にゃも も慌てて ゆかりの後を追うように 男に向かって歩き出した。男は3年3組の前に ただ、立っていた。動かなかった。ゆかりはズンズン進み、距離をつめていった
男が 二人の存在に気付いた。ゆっくりと二人の方を見た。ゆかりとにゃもは真っ直ぐ 進み、男の真っ正面で止まった。両者は見つめあった
ゆかり「あなたが……………」
にゃも「山田進一君……かしら?」
二人は同時に男に声をかけた
94 :
卯月 4:2006/04/05(水) 00:55:33 ID:???O
男は口を開いた
「はい、はじめまして。ご存知 山田です」
ゆかり「いや全然ご存知じゃないけど」
にゃも「ゆかり!!!あぁ山田君はじめまして!!!黒沢みなもです。よろしく」
ゆかり「谷崎ゆかり!!よろしくね」
山田 「はい。お願いします」
ゆかり「…………………………」
山田 「??」
ゆかり「あんた眠いの??」
山田 「いえ………大丈夫です」
ゆかり「もっと………こう…キリッとできないの!!??」
山田 「はぁ………?」
ゆかり「なんかどことなくやる気ないってゆーか………。なんつーか」
山田 「よく言われます…………」
にゃも「まぁ…まぁ…ゆかり…。あ 山田君。彼女が三組の担任だから、あとは分からない事は彼女に聞いてね」
山田 「はい………。ではお願いします ゆかりせんせ……」
ゆかり「あぁダメ!!!スリーサイズは秘密よ!!」
にゃも「こら!!ゆかり!!!」
山田 「…………………………………」
山田とゆかりはその後、二人で三組に入っていった。にゃもはその後ろ姿を見ながら考えた。
何から何まで普通ではない男。山田だった。体の姿勢が猫背気味で前かがみな為、だらしなく見える。体のラインは細く、長く、ピシッ と胸を張れば 好青年に見えそうなのだが
また、髪が長い。前髪が長く、眉毛が見えない。目はクリッ として大きく 可愛い目をしているが ガチャピ○ のように眠そうな瞳なのだ。瞳は真っ黒だった
彼はアゴも鼻筋も 肌もほぼ完璧に近い美青年だった。ただ……ゆかりの言う通り 体全体からやる気を感じない 脱力のオーラが出ていた。それが彼の個性なのかもしれないが
そして長い髪。襟足は二年の後半の時の智くらいの長さまであった。もみあげ部分のサイドも にゃも のように長く 前に流していた。そこの髪型はほとんど にゃもと同じだった
頭のトップは髪が逆立ち、後ろに流れ狼のようになっている。あれはくせ毛だろうか??目をパッチリさせてシャッキとすれば カッコイイのに…
そう思いながら にゃもは自分のクラスへ向かった。
楽しみ(^J^)
出だしがAKB-48って感じだな
97 :
卯月 5:2006/04/05(水) 22:54:41 ID:???O
山 田 進 一
黒板に大きく文字が書かれる。ゆかりはチョークを置いて 手をパンパンと叩いた。生徒は珍しそうに山田を見つめたり、友達と騒ぎあったりしていた。人によって対応は様々だった
ゆかり「ハイハイ!!静かに静かにー!!みんなに新しい先生を紹介しまーす!!山田進一先生でーす」
山田「山田です。よろしくお願いします」
山田は長髪の頭を軽く かきながら チョコンと頭を下げた。生徒はとりあえず拍手をした。
ゆかり「山田先生は大学出たばかりですけど優秀なんで、教育実習生として三組の副担任となりました〜」
ゆかり「若いくせに先生ぶっているから、いじめないで下さいね〜。」
生徒達からため息が漏れる。ちよちゃんが来た時と全く同じだった。『先生にいじめられなきゃいいけど…』誰もが同じ事を思った。山田は終始無表情だった。
ゆかり「とりあえず…………山田君。空いてる席すわってて〜。まずは生徒の視点から始めましょ〜」
ゆかりは満面の笑顔で言った。山田はチョコンと頷くと ペタペタと歩き出した。ゆっくり ゆっくりと空いてる席へ進んだ。その間、ちよちゃん。智。大阪。神楽の隣を通った
そして、空席に辿り着くとカバンを横にかけて ゆっくり席に座り、両隣の生徒に軽く頭を下げた。窓際から2つ目の席は榊の隣の席だった
ゆかり「ほんじゃ〜二年の時の委員長さん副委員長さん。前に出て〜 係決めやっちゃって〜」
ゆかりは それだけ言い残すと 教室のはしっこへ進み イスに座った。腕を組んで 足を組んで 目を閉じた。彼女の座り位置は 春の陽射しが さしこんで とても気持ち良さそうだった。
教室の前に 滝野 智 と美浜ちよが出る前に彼女の意識は遠い所に飛んでいた。
98 :
卯月 6:2006/04/05(水) 23:14:58 ID:???O
■水原 暦■
今日、新しい先生がやってきた。名前は山田進一。あまりにも普通すぎる名前とは対照的な人だった。長い髪に大きな綺麗な瞳。つか 前髪ながすぎるって あの人。切れよ。眉毛見えないぞ
智も 言っていたが 髪が黒ではなかった。光にあたると良く分かるが 銀・灰 系統の色が混ざっていた。髪そめてんのか?あの人。とても先生とは思えない
今まで たくさんの先生に会ってきたが あーゆー先生は初めてだ。若い とゆーのもあるが 何か雰囲気が違う。木村以上に先生とは思えない人だった。正直、私は苦手なタイプだ
明日も今日みたいに榊の隣で授業を受けるのだろうか?
■滝野 智■
山田先生は なんか変わってる。なんか言葉では言えないけど変わってる。特に あの瞳。真っ黒だ。闇だ。ブラックだ。目に力がある人に初めて出会ったかも。芸能人?
眉毛が見えないからかな?目がスゴく大きく見える。クリクリしてかわいい目だった。リスの目みたいだった。あの目が気になって 今日はチラチラ山田先生を見てた
すると 1つの事に気付いた。あの人 まばたき 少ない。目はいつも眠そうだった。明日は話しかけてみようかな?よみは苦手だって言ってたけど
■大阪■
今日、新しい先生きた〜。山田先生。なんかボーッ としてる先生だった〜。目がな〜 特徴あんねん。ゆかり先生に何言われても 山田先生 表情変わらへんねん。だから何 考えてるか全然わからへん
山田先生 たぶん悪い人やないと思うやけど よみちゃんは 初日から文句言ってたなぁ。見た目で決めたらあかん……。人は中身や。 なんかわかんないけど あの人 私に似てる気がする…
99 :
卯月 7:2006/04/05(水) 23:30:34 ID:???O
■美浜 ちよ■
今日は新しい先生が来ました。男の先生です。頭が良いらしく 若くても先生です。私とは10歳。智ちゃん達とは5歳しか 変わりません。少し お話 したかったけど 男子に囲まれてて 入れませんでした
今日 隣を歩いていた時 気付いたんですが 靴の下は 裸足でした。だらしないです……。服は清潔なんですけど……。全体的にだらしないです…………。
それと山田先生 は少し見ただけじゃ笑ってるのがわかりませんね。口は笑ってるんですが 目が終始変化しません。眉毛も見えないので 口元でしか表情が判断できません…
■神楽■
今日は駄目だったけど明日は絶対話しかける!!間違いない!!○○大学。私の憧れの選手、朝菜選手がいる大学だ!!あの大学の卒業生なら 何か話が聞けるかもしれない!!
それに○○大学は 一応 私の志望大学だ。明日は絶対話しかける!!
■榊■
今日……信じられない事が起こった。正夢だ。今日 やってきた新しい 先生。『山田進一先生』あの人は………とても似ていた
以前、ちよちゃんの家へ遊びに行く夢を見たが、あの時に見た ペンギンにそっくりだった。特に目が。
男子と話しをしていても目はずっと同じ位置だった。焦点が全く 合っていない。例えるなら 死んだ魚の目……………。でも… 少しかわいい目だと思った。
明日も隣に座るのだろうか………?相手は男なのに 話しかけたいと思うのは初めてだった
100 :
卯月 8:2006/04/06(木) 22:58:31 ID:???O
3年3組。美浜ちよをはじめ、六人が所属しているクラスだ。今日も朝のホームルーム前のクラス内はにぎやかである。いつもの六人も 他愛の無い会話を楽しんでいた
智 「朝はやっぱ職員室に登校すんのかね〜。山田先生」
よみ「一応先生だからな。そうだろうな」
智 「でもさ〜…。どう思う?山田先生。いくら若いからっていっても生徒として生活するってさぁ〜」
ちよ「ゆかり先生なりの教育方針らしいですよ。見て学べ、盗め。って」
神楽「まずは生徒からの視点って事かな?」 智は榊の隣の山田の机に腰かけて足をブラブラしながら話を続けた
智 「榊ちゃん気まずく無い?隣に先生がいて」
榊 「少し………」
暦 「それにあの人。変だしな」
大阪「そうかなー?」
暦 「そうだよ」
ちよ「そうですかー?」
暦 「そうだって」
神楽「そうなの?」
暦 「そうじゃない?」
智 「みんな、今 よみに何も言うな。こいつ山田先生に対して辛口なんだよ」
よみはフンと鼻を鳴らして そっぽを向いた。ほとんど山田を否定しているようだった。逆に 他の五人は友好的にとらえているようだった。
ちよ「で……でも、きっと悪い人じゃないですよ!! 目が死んでるけど」
神楽「そうだぜー。よみー まだ話したこともないんだし わかんないぜー 目が死んでるけど」
大阪「そやでー。目が死んでるけど」
智 「あぁ山田先生はいい人だよきっと。死んでるけど」
暦 「まだ先生じゃねーよ。あの人は。私、先生ってよばないからな。いいか??あの人と私達は5歳しか変わんないだぞ?いくら頭よくても22だぞ?先生として私は認めないぞ」
智 「なにムキになってんだよ〜。そもそも私達とちよちゃんだって五歳しか変わんないじゃん。」
智の抗議に対して 暦は黙殺した。かたくなに暦は彼を否定した。 黙殺した。かたく
>作者さん
不屈の向上心で頑張るんだ
待ってるよ
103 :
卯月 9:2006/04/09(日) 05:13:55 ID:???O
ゆかり「は〜い、みなさん。おっはよ〜♪」
3年3組 の朝のHRが始まった。担任のゆかり先生と 山田が揃って 教室へ入る。委員長 ちよちゃんの 声が教室に響く。同時に心地よく 懐かしいチャイムの音が鳴った
起立、礼。おはようございます。 はい。おはよ〜 着席。 教室全体にイスの音がガタガタとなる
ゆかり「はい、みなさん今日は身体測定があります。毎年やってるからわかってると思うけど保健委員の人に従って男 女に分かれて行動して下さいね〜。」
今日は身体測定。1年の始まりに必ずあるイベントである。男子は身長を 女子は体重に対して やたら神経質になる日である。そして3年生にとっては 高校生活 最後の身体測定であり、少し 感慨深いものであった
朝のHR後、男子と女子は別々に分かれ、それぞれ保健委員の人に記録用紙をもらう。そして校内の指定の教室に向かい、測定を受ける。この学校では、測定の際に簡単な健康診断も行なわれている
智 「今日は大阪が一年で最も恐れる日だな。私も怖いがな」
大阪「そ〜やねん。私、怖いねん」
ちよ「私も怖いですよ〜。期待と不安で胸がドキドキしてます」
智 「だよな〜。増えてたら嬉しいけど、あんまり成長してなかったらヘコムしな〜」
大阪「榊ちゃんはええな〜」
榊 「……………小さい方がいいよ…」
智 「それはないでしょ〜」
大阪「大きい方がええで〜」
ちよ「そうですよ〜」
神楽「おいおい、何の話してんだお前ら。早く教室移動すんぞ」
大阪「胸の事について話してたんや」
智 「うん」
ちよ&榊「え………違う!!」
そして五人とは離れた所で一人の眼鏡女子が両手を合わせて 神か仏かわからないけど祈っていた。『どうか増えてませんように…!!!』
104 :
メロン名無しさん:2006/04/09(日) 12:21:47 ID:X1de26thO
この前初めて見たが・・・
糞
つ
ま
ら
ん
カ
ス
ア
ニ
メ
で
し
た
w
w
w
こんな屑アニメ好きな奴は知障wwwww
あんた、ひどい人だ
放送中はこんな書き込みがいっぱいあったけどね
107 :
卯月 10:2006/04/10(月) 23:05:41 ID:???O
■身長■
ちよ「やった!!身長140行きました!!!」
大阪「ちよちゃん伸びるな〜。育ち盛りや〜」
ちよ「大阪さんはどうでした?」
大阪「ほとんど変わっとらん。身長止まったわ。ちよちゃんはお年頃やからまだまだ伸びるで きっと」
智 「なんだよ〜。別にいいだろ〜!!」
よみ「あごをひけ!背伸びすんな!!あと靴下脱げ!!!」
神楽「榊!!身長―(マイナス)座高で足の長さで勝負だ!!!」
榊 「座高は……。その……おしりも含まれるから………足の長さは……正確には…」
■体重■
智 「早く乗れよ!!!後ろがつかえてるだろ!!」
よみ「うるさい!!黙れ!!!」
智 「今さら体重変わんないだろ!!覚悟決めろーっ!!」
よみ「力むと増えるんだよ!!!たぶん!!脱力だ!!リラックス!!! スーハー スーハー… スーハー………」
智 「おお!!!乗った!!」
よみ「……………………………………」
智 「乗った!!乗った!!こよみが乗った!」
ちよ「アルプスですか!!?」
よみ「……………………………………」
智 「……………………………よみ?」
よみ「き……キエーッ!!!!!!!!!」
ちよ「よ…よみさん!!これ以上服を脱がないで下さい!!!!!」
神楽「大阪体重どうだった??」
大阪「特に問題ないで〜。変化なしや〜 神楽ちゃんわ??」
神楽「減ったよ。まぁウエイトのMAXは上がってるから筋力は落ちてないからいいんだけど」
よみ「そうか!そうか!!じゃあ腕立て1000回やってもらおうか!!!」
神楽「何、怒ってんだよ」
大阪「やつあたりや〜」
108 :
卯月 11:2006/04/12(水) 00:41:58 ID:???O
■聴力測定■
先生「音が聞こえたらボタンを押して下さ〜い」
ちよ「……………………………………」
よみ「……………………………………」
榊 「……………………………………」
神楽「……………………………………」
大阪「……………………………………」
智 「………………………………カチッ」
先生「まだ音を流してませんけど……」
よみ「フライングだ。」
神楽「フライングだな。」 智。無言で顔を赤くする。ヘッドホンをしっかりと付け直す。
■サイズ測定と健康診断■
智 「結局………。高校三年間で榊ちゃんに追い付けなかった………」
榊 「……………………………(赤面)」
よみ「スタートが違うからな……。成長ではどうだ??」
智 「わかりやすいようにグラフにしてみた」
よみ「いらん工夫するな(笑)」
榊 「私も……………………………」
大阪「私もやってみよ〜」
((グラフ製作中………………………))
智 「ちよちゃん。この3つのグラフどう思う??」
ちよ「はい??え あぁ… えっと…」
ちよ「一枚目(榊さん)は…………バブル時期の土地価格ですか??」
榊 「………………………………(赤面)」
ちよ「二枚目(智ちゃん)は………毎年同じく増加してますね……比例のグラフですか??水槽に水が溜る時間とか」
智 「……………………………………」
ちよ「三枚目(大阪さん)は……ずっと平じゃないですか?むしろ最後減ってるような…」
大阪「!!」
109 :
卯月 12:2006/04/12(水) 01:02:47 ID:???O
■放課後の掃除■
ぼーっ としている男が一人。校庭付近をブラブラ歩いている。名前は山田 進一。今月の掃除の担当区域は校庭付近だった。回りをぼーっ と眺めていたらクラスの女子が目に止まった
山田「………何をしてるんですか?」
ちよ「あ……山田先生!!」
山田「まだ先生ではないので……。」 山田は照れるように頭をかきながら笑った。相変わらず 大きく 眠たそうなペンギンみたいな目は変わらなかった。
山田「でも悪い気はしないです」
ちよ「は………はぁ…。」
山田「好きなように呼んで下さい。ところで何をしていたんですか?こんな所で」
大阪「榊ちゃんが猫とってるんですよ〜」
山田「……………………………猫…」
大阪「ほら、先生。車の下におるんやけど〜。榊ちゃんが身動きできへんのや。助けてやって〜」
山田「猫は苦手です。」
ちよ「え??」
山田「とゆうか動物全般苦手です。」
ちよ「は……はぁ……」
大阪「先生大丈夫や〜。榊ちゃんが猫を捕まえたから、榊ちゃんを引っ張ってほしいんよ〜。ゆっくり頼むで〜」
山田は乗り気ではないようだったが、渋々手伝う事になった。大阪の言う通り、車の下に榊がいた。片手を突っ込んだまま 身動きしないでいる。山田も榊と同じ様にしゃがみこんだ
山田「大丈夫ですか?」
榊 「………………かかってます…」
山田「…なるほど。じゃあ引っ張っれば猫は出てきそうですか?」
榊 「はい…………………。でも引っ張っるのは痛いです…」
山田「…猫は離してくれそうですか?」
榊 「……………………いえ…」
山田「じゃあ少し我慢しましょう。痛いでしょうが、猫が車に引かれるのはもっと痛いです。後で保険室に同行いたしますので」
榊 「…………………………はい…」
山田「では、いきますよ…」
山田は榊の腕を掴み、ゆっくり引っ張った。榊は苦痛の表情を浮かべたが 引く事をやめなかった。山田は榊の表情と猫を交互に見ながら 引っ張った。ちよと大阪も後方で見守った。
110 :
卯月 12:2006/04/12(水) 01:24:04 ID:???O
猫がゆっくり出てきた。榊の手にガッチリ食い付いていた。山田は猫の姿を確認すると 飛びながら後退りをして 大阪の後ろに隠れた。しゃがみこんで大阪の肩越しに恐る恐る猫を再確認した。
大阪「どこが恐いん?猫の〜」
山田「ダメなものはダメです」
ちよ「榊さん大丈夫ですか〜?」
榊 「うん…………。猫も……… あっ! 」
榊は助けだした猫を撫でようとしたが、猫はぴゅう!っと駆け出して 校庭の隅に消えた。榊さんは猫の姿が見えなくなるまで寂しそうに走る先を見つめていた。山田は猫がいなくなったのを確認すると、大阪の後ろから、ぬぅっと出た
山田「この学校はいいとこです。猫が来るなんて」
ちよ「猫。苦手じゃないんですか?」
山田「苦手ですよ?でも学校はいいところです」
ちよ「は……はぁ…」
山田「小学校を思い出します。授業中に校庭に野良犬が現れただけで…… 授業つぶれましたね。みんな興奮して、犬だーっ!犬だーっ!って」
「わかります」ちよちゃんは笑いながら答えた。山田はちよちゃんに笑顔を向けながら続けた。山田は笑う時も目が細くならない。目だけでは表情が全くわからないのだ
山田「先生が授業を続けてもみんな校庭をチラチラ見てるんですよね。全く先生の話聞いてませんでしたね」
ちよ「この学校は猫はけっこう見かけますよ。以前ゆかり先生も猫ひろってきましたし」
大阪「先生〜。榊ちゃんを保健室連れてかんと」
山田「そうでした。行きましょう。榊さん、手 貸しますよ」
山田は榊の元へ手を伸ばした。榊は一瞬ためらった後、顔を赤らめながら山田の手を掴んだ。そしてゆっくり立ち上がった。やはり、大きい。だが 身長は山田の方が高かった。
山田は榊と繋いだ手を見ていた。動きが止まった。榊の手は猫の歯形がついており、血が出ていた。そして 、血が山田の手に流れてきた瞬間。山田はその場に気絶した
山田どうしたーーー!!
続きがすごぶる気になりますね。
112 :
卯月 13:2006/04/12(水) 22:46:06 ID:???O
山田「……………………………………」
ちよ「あ……………気がつきました?」
山田が目を覚ますと まず天井が見えた。ゆっくり起き上がり周りを見渡すと 保健室だとゆう事が理解できた。ちよちゃんがイスに座りながら 心配そうに山田を覗いていた
山田「……いったい何があったんです?」
ちよ「私が聞きたいですよ。山田せ………。…山田さんどうしたんですか?急に倒れてしまって。私達びっくりしたんですよ〜」
山田「あぁ… 私、気を失ってたんですか………… ご迷惑をおかけしました。」
ちよ「いえいえ大丈夫です。お礼なら榊さんに言って下さい 山田さんをおんぶしてここまで運んだんですよ。山田さん軽いんですね〜」
山田はベットからゆっくり下りて 下にあったスリッパを履いた。保健室には担当の先生も 榊も大阪もいなかった。部屋には山田とちよの二人だけだった ちよは不思議そうな顔しながら山田に話しかけた
ちよ「先生もしかして貧血とかですか?いきなり倒れるなんて」
山田「血液恐怖症です。赤いモノが恐いんです」
ちよ「赤いモノ?トマトもですか?」
山田「血が恐いんです。あまりにもいきなり赤いモノが出ても気を失う可能性があります」
山田は淡々と述べた。別段、自分ではこの体質を気にしていない様だった ちよちゃんは 大変ですね とゆう感じの表情をしていた。山田は、その場で屈伸、伸脚。と準備体操を始めた
山田「では、そろそろ職員室に戻ります 掃除の時間も終りましたし…」
ちよ「あぁ… はい。そうですね…」 ちよちゃんは 少し表情を曇らせて モジモジしながら 答えた。
山田「……ちよさん」
ちよ「はいっ!!!??」
山田「榊さん達はどうしたんですか?手のケガは大丈夫でしたか?」
ちよ「あ……!あぁ!!はい!!大丈夫です!!今、保健の先生の元に行ってます」
山田はそれを聞くと満足そうに頷いて部屋を出た。保健室に一人になったちよちゃんは顔を赤らめながら溜め息をついた。
113 :
卯月 14:2006/04/12(水) 23:12:27 ID:???O
朝。通勤の朝。山田進一は徒歩で学校へ通っていた。春の陽射しが暖かい通学路はとても気持ちがいい。小鳥はさえずり 桜の花びらは風を舞う 春のそよ風が体を通り抜ける あと五分程で学校に着きそうだった
「先生おっは〜」 「はよ〜っす」 「おはようございます」
学校付近で三年三組の生徒に何人かに会った。殆んどが自転車通学なので追い越しながら 挨拶をしていく。大山や後藤などの男子生徒も 山田を抜きさって 行ってしまった
山田 「おはようございます。ゆかり先生 みなも先生。」
ゆかり「うっす」
にゃも「おはよう」
職員室で 先輩二人に朝の挨拶。そして簡単な雑談 いつから定着したかわからないが ゆかりにお茶を入れる役目は山田になっていた。その度に にゃもが『やる必要ない』と言ったが、山田は『先輩ですから』と お茶入れを続けた
ゆかり「どう?もう慣れたかしらん?この学校に」
山田 「はい。本当に素晴らしい学校ですね この高校に来れた私は幸せです」
にゃも「ベタ誉めね。でもやっぱり凄いでしょ?この学校」
山田「自由な校風なのに生徒全てが誠実かつ優秀。生徒指導も皆無。しかも、飛び級も認める教育制度。私のような若者も受け入れてくれますし そして、自由な校風に似合う自由すぎる先生」
ゆかり「………最後だけ気になるけど…。まぁ あんたの熱意は伝わるわね」
にゃも「ずいぶん勢い良く話すのね。そんなに口達者に見えないのに」 にゃもは山田の入れてくれたお茶を飲みながら 微笑んだ
朝のチャイムが鳴る。予鈴だ。ゆかりは一気にお茶を飲み干し、さぁ 行くか!! と立ち上がった。山田もにゃもも続いて立ち上がった。三人は仲良く教室を出た
三人は並んで歩きながら三階の教室に向かった 雑談をかわしながら移動は楽しかった。
三人とも度々笑顔がこぼれた。山田の笑顔はやっぱり目が死んでいた。
SSGJ!
山田いつになったら生き返るんだろな
天孫降臨乙
今第4話なんだが速く神楽さんが出ないか待ち遠しすぎて困る
神楽が出るのは確か10話からだからまだまだだ
焦らず見なさいよ
118 :
卯月 15:2006/04/15(土) 21:46:01 ID:???O
■ちよちゃん■
職員室を出て、教室に戻るちよちゃん。今日は日直なので 3年生最初の進路希望調査書の回収、職員室へ提出。が今日のちよちゃんの仕事だった。今、仕事を終え 昼ご飯を食べに行く所だった
今日は学食で みんなと楽しく昼ご飯。今日のおかずは ウインナーとブロッコリーと小さいオムレツ。朝早く起きるのは大変だけど ご飯を作るのは好きだから この習慣は三年間続けられました。
ちよ「ご飯〜♪ご飯〜♪ あれ?」
ちよちゃんが学食に向かう途中、右左をフラフラしている男を発見した。100%じゃないけど たぶん あの人。山田進一先生。 一体なにしてるんだろう??道に迷ったのかな??ちよちゃんは山田に近付いて話しかけた
ちよ「や〜まださん♪どうしましたか〜?」
山田「あぁ ちよさん…。ちょうどよかったです 私 困ってました」
全然困っているように見えませんけど…。山田先生 常に表情がワンパターンだから 感情とか気持ちがわかりません。忠吉さんだって目で会話できるんですけど…。山田先生は目が死んでますし…
「学食に向かう所だったんですが、道に迷ってしまいまして……。人に聞こうかと思ってました」 ……学校内で道に迷う??もしかして山田先生 大阪さん以上に…
ちよ「私、学食行く途中だったんですよ〜 一緒に行きませんか??」
山田「お言葉に甘えさせて頂きます」 山田先生は軽く会釈してくれました。私は山田先生をリードして学食に案内しました。少し先輩らしい事ができて 嬉しかったです。
山田「ちよさんは誰かと昼ご飯を食べるんですか??」
ちよ「はい!!智ちゃんとよみさんと大阪さんと食べます。あ 先生は誰かと一緒ですか?」
山田「残念ながら一人です」
ちよ「それじゃあ一緒に食べませんか??」 ご飯はみんなで食べるからおいしいし楽しいと私は思います。これを期に山田先生と仲良くなれるかもしれないし…
119 :
卯月 16:2006/04/15(土) 22:26:59 ID:???O
山田先生と一緒に学食に辿り着きました。やっぱり今日も混んでますね〜 こんな大人数の中から三人を見つけるのは大変ですぅ… それに席も取れてないかもしれないし…
山田「ちよさん いましたよ。あそこです」
ちよ「え……?あ… いましたー!」 山田先生の長身のおかげで三人を見つける事ができました。三人はすでに席を取っておいてくれました。私達は三人の元へ向かいました
智 「ここだよーっ!!!ちよちゃーんって!!うわっ!!教師同伴だ!!」
よみ「……………………………………」
山田「ご一緒しても?」
大阪「えーよ えーよ。ここ座って〜」
よみ「おい!!大阪!!」
智 「まぁいーじゃん!!いーじゃん!!ご飯とってきなよー!!」
ちよ「じゃあ取ってきますね〜」
智 「あ ついでに水もって来て〜」
ちよ「は〜い」 よかった。みんな山田先生を受け入れてくれてるみたいです …でも よみさんだけが複雑な表情してました… 何かあるんでしょうか??
山田先生は天ぷらそば定食。私は杏仁豆腐を取って席に戻りました。山田先生は全員の分の氷水を机に置いて大阪さんの隣、よみさんの真っ正面に座りました 私は山田先生の隣に座りました
智 「先生ーっ!!あのさー」
山田「まだ先生じゃないですよ」
智 「じゃあ山田ーっ!!」
ちよ「………………!!!!智ちゃん!!!」
山田「結構ですよ 遠慮しないで」 山田先生は笑顔??(目は笑ってませんが口元で判断)で智ちゃんに答えました でも 智ちゃんは失礼すぎです!
山田「五歳しか変わらないんですから いいんですよちよさん」
ちよ「……はい…。でも…」
智 「さっすがー!!山田は話がわかるねーっ!!あははははは!!まま!!一杯どうぞ!!」 智ちゃん笑いながら 先生に水のコップを出しました。お酒じゃないんですから…
120 :
卯月 17:2006/04/15(土) 23:27:57 ID:???O
よみ「水で酔っぱらうなよ……」 よみさんはきつねうどんを食べながら 智ちゃんに突っ込みを入れました。メガネが光って よみさんの表情は分かりにくいですけど不機嫌みたいです
智 「ささ!!!どうぞ!!」
山田「いただきます」 と、言うなり先生は氷水を一気飲みしました。 グラスには氷だけが残り、先生は飲み終ったグラスを机に置きました
智 「いや〜!!いい飲みっぷり!!やるねぇ〜 ちみぃ〜」
山田「お誉めに預かり光栄です」 もうどっちが年上かわかりません。でも やっぱり先生には余裕が感じられます 智ちゃんの愚行も許せる程 先生の心は広いんですね きっと
山田「やっぱりみんなで食べるとおいしいですね」
大阪「あれ〜?先生いつも一人なん??」
山田「いえ… いつもはゆかり先生達と食べますよ??でも…朝と夜は…」
ちよ「先生… 一人暮らしなんですか??」
山田「はい だから一人のご飯は淋しいです」
智 「結構あこがれるけどなー 一人暮らし」
山田「楽しいのは最初だけでしたね…」
大阪「ふ〜ん…………重いなぁ」
よみ「……………………………………」 先生の初めて 悲しそうな表情を見た気がしました。少し 目が下がったので今回は分かりやすかったです よみさんは興味なさそうに食事を続けてました
少し雰囲気が重くなった気がしました。 私も思わず はしが止まってしまいました よみさんも流石に止まりました。雰囲気を作り出した山田先生だけがはしを動かしていました
智 「よし!!わかった!!山田進一!!私達が仲間に入れてやろう!!これから一緒に飯を食おう!!私達が淋しくさせないでやる!!」
智ちゃんの大胆な発言が響きました。山田先生は目だけが大きく見開かれました きっと 驚いたんでしょう 私も驚きましたが。よみさんが一番驚いた様で うどんを口から吹き出しました
よみ「お前!!何を!?」
智 「だから私の内申点あまくしてね」
智ちゃんは本当に正直者です…
121 :
卯月 18:2006/04/16(日) 00:08:20 ID:???O
■昼飯終わって五時限目■
榊さんの隣で授業を受ける山田 榊は窓の外を見るか 黒板を見ている。本当はもの凄く山田が気になるが 目があったらどうしよう といった思いの方が強く 山田の方を向く事はできない。山田は山田で一生懸命ノートに何かを書き込んでいる
榊は すごく慎重に山田の机を見てみた。山田の机には『教育学』や『人前で話すコツ』などの参考書があった それらの本は全て開いてあり 山田は木村の古文の授業を一生懸命聞いているように見えた。ノート上で山田の手は忙しく動いている
榊 『勉強………大変なんだな……山田さん』 榊は山田がどんな風にノートをとっているか気になり 山田に気付かれないようにノートを覗きこんだ
山田のノートには もの凄くかわいい キャラクターのイラストが描いてあった。古文の授業の内容は一切ノートに書かれていなかった 榊は完全に動きが止まってしまった。
『かわいい』
榊 「…………………あの……………」
山田「はい?何でしょう」
榊 「絵…………上手ですね…………」
山田「あ 見えました?結構好きなんですよ」 休み時間に勇気を出して話しかけた榊さん。一度見たら忘れられないインパクトがあったかわいいイラストが目的だった
榊 「あの…………見せてもらっていいですか??」
山田「はい。私のような者が描いたものでよければ」 古文のノートを手渡す 山田。嬉しそうに受け取り パラパラと開き始める榊
智 「ヤマシンー!!ヤマシンー!!」
山田「???」
智 「ヤマシンー!!あのさ〜」
山田「え??私ですか??」
122 :
卯月 19:2006/04/16(日) 00:28:26 ID:???O
『命名』
いきなり乱入してきた智 携帯電話を振り回している様子を見ると どうやら目的はメアドの交換らしかった 智は山田の机の前の席に腰を降ろして 山田の真っ正面に向き直った
智 「ヤマシン携帯ドコモー??」
山田「ヤマシンって私の事ですか?」
智 「そ!!先生はヤマシンね!!山田進一だから」
山田「あだ名ですね……。でもそのあだn」
智 「いいー!?みんなー!!今日から山田先生はヤマシンよー!!!」 「おっけー」 「わかったー」「了解ー!!」 山田にこの流れを止める事は不可能だった
『ナカーマ』
智 「あだ名は仲間の証拠!!よかったじゃ〜ん!!これで私達は犬猿の仲よ」
ヤマシン「仲悪いですよ。犬猿では まぁ…別に構いませんが… 山田先生よりはこっちの方が楽でいいです」
大阪「私も智ちゃんに命名されたんやで〜 今じゃみんなに本名忘れられてもーた」 智に続き メアドを交換しにきた大阪。智に付けられたあだ名の恐ろしさを語る
智 「大阪は転校生だったから私がクラスに馴染められる様に配慮した結果だー。ヤマシンも同様!!」
ヤマシン「そういや中学では必ず男子で『社長』ってあだ名のヤツいませんでした??いや、別に社長の息子じゃないのにですよ?」
大阪「ああ おったな〜。生徒会長は『会長』とか ヒネリなしやで」
智 「ヤマシンはあだ名、他にもあったの?」
ヤマシン「私……。中学の時、親がPTA会長だったので」
智 「『会長』か!!?」
ヤマシン「『今夜が山だ』でした」
智 「親 関係ね〜じゃん」
大阪「あだ名なのに本名より長くなっとる〜」
123 :
メロン名無しさん:2006/04/16(日) 01:57:10 ID:BqiwzFoqO
今夜がやま〜だwww
うどん噴いたwwwww
カギカッコ前の発言者名が、切り替えハヤスwwwww
山田「あだ名ですね……。
↓
ヤマシン「仲悪いですよ。犬猿では
アニメ版で、あだ名がついたとたん「春日歩」が
「大阪」に書き替わったネタに準拠、だな。
125 :
卯月 20:2006/04/19(水) 20:39:42 ID:???O
智 「なんだそのセンスの無いあだ名は」
ヤマシン「語呂会わせですね きっと なんか言いやすくないですか?」
大阪「こんやがやまだ」
智 「こんやがやまだ」
ヤマシン「良くないですか?」 「こんやがやまだ」 「こんやがやまだ」
智 「まぁでも先生はヤマシンね これ決定」
大阪「ヤマシンせんせー あははは」
ヤマシン「悪い気はしません」 山田進一→ヤマシンが決定したところで休み時間は終わった
■六時間目 英語■ 授業が始まった事にも気付かないくらい『山田イラスト』に夢中になっている榊さん
先程借りたノートにあるイラストひとつにひとつに萌える榊さん ゆかりの声は全く耳に入っていない 教科書も出さずに山田ノートをめくる榊さん 今は12ページ目の熊さんのイラストを見つめている
ゆかり「じゃあここを榊〜」
榊 「…………………………………」
ゆかり「榊〜?お〜い いないのか〜」
榊 「あ…………はい………………」
ゆかり「このItは何を指しているでしょう」
榊 「…………………………………」 当然 質問に答えられるはずがない榊さん。下にうつむきながら顔がだんだん赤くなる。わかりません と答える事も困難になってきた
その時、隣からノートが にゅっ と出てきた。ノートには「コマーシャルで使われる技法」と走書きで書かれている これが ゆかりの質問の答えだとゆう事に榊はすぐに理解した。榊はそのノートを見ながら答えた
榊 「こ……コマーシャルで使われる技法………」
ゆかり「そうよ〜 Itは前の文を読めばわかるからね〜」
榊は ほっ と溜め息をついて ノートの差し出し人に小声で礼を言った ノートの差し出し人はヤマシンだった ヤマシンも榊さんにおじぎをして答えた
126 :
卯月 21:2006/04/19(水) 23:05:28 ID:???O
■一人暮らし■
大阪「ヤマシンせんせーは一人暮らしなんやろ?」
ヤマシン「先程も言った通り一人暮らしです」
大阪「いってきます って言うん?」
ヤマシン「言いますよ ただいまも言います」
大阪「一人でやって悲しくない?」
ヤマシン「たまに変なテンションの時があるんですよ。その時は『ただいま!』って大声で言って『……って誰もいないっつーの!』って一人ボケツッコミしたりします」
大阪「………………………………………」
ヤマシン「………………………………………」
大阪「一人で言って悲しくないん?」
ヤマシン「………少し」
■理想■
ヤマシン「やっぱり『おかえり』と『いってらっしゃい』は欲しいですね」
大阪「おかえりと言えば……………あのイソジンのカバ親子はひどいなぁ」
大阪「家に帰ったら既に家にいるって……………………それ泥棒やで!!」
大阪「おかえりだけではごまかせないで!!?不法侵入や!!」
ヤマシン「いただけませんね」
■シミュレーション■
大阪「じゃあ私が家で待ってたる。ヤマシンせんせ帰ってきて〜」
ヤマシン「はい わかりました」
ヤマシン「ガラガラ(口で言ってる) ただいま」
大阪「おかえり〜 あなたご飯にする〜?お風呂にする〜?そ…れ…と…も」
ヤマシン「……では、ご飯にします」
大阪「人の話は最後まで聞きなさい!!」
ヤマシン「ごめんなさい」
大阪「やり直しや おかえり〜 あなたご飯にする〜?お風呂にする〜?そ…れ…と…も 私?」
ヤマシン「ご飯にします」
127 :
卯月 22:2006/04/20(木) 00:21:40 ID:???O
■新人■
神楽「ヤマシンって部活やってたの?」
ヤマシン「はい 運動部は全般的にやりました。野球とバレー以外なら」
智 「以外〜 ヤマシン運動できなさそうなのに」
ヤマシン「よく言われます お二人はなにか?」
智 「神楽は水泳 私も水泳」
神楽「だからお前いらねぇって」
■楽しい学校■
ちよ「どうしたんですか?ヤマシンさん」
ヤマシン「………………ちょっと鬱です」
ちよ「大丈夫ですか?目がいつもより生気が感じられませんよ?」 ヤマシンは机にアゴを乗せて つっぷしていた 両手は だらんと 下に垂れている
ヤマシン「今年度の学校行事表を先程見たんですが……………今年文化祭がないじゃないですか……………それが残念で…」 ヤマシンは深い溜め息をついてうなだれた
ちよ「でも先生、三年生の担任ですよね?」
ヤマシン「………………はい」
ちよ「修学旅行いっしょに行けますね」
ヤマシン「……………………………………」
ヤマシン「…………………………沖縄?」
ちよ「沖縄です」
ヤマシン「ちよさん私、がんばります」
ちよ「はい頑張って下さい」
128 :
卯月 23:2006/04/20(木) 22:41:56 ID:???O
■ホントのところ■
今日はよみといっしょに夜のお花見 お酒は買えなかったけど 夜の公園でよみと二人でお花見 桜はもうたくさん散ってるけど それでも楽しみなのはきっと よみがいるから
「おそいぞ」 「めんご!!」 「その謝り方はどうかと思うな」 「まぁいいじゃん」
会話はいつも同じ 高校三年生になってもあまり変わらない それは二人がいつまでも二人だから 二人が変わらないからそれが変わらないんだなぁ きっと。 夜桜は綺麗にライトアップされていたよ
二人でいい感じのベンチに腰をかける 木のすぐ近くなので 花びらが上から降ってくる 綺麗だね よみ でも よみの方が… なんて言えるわけないけど
二人でお菓子をつまみながら 炭酸ジュースを飲む 流石のよみも今日は夜食にお菓子を口に 最後の身体測定も終わったし 食べたいだけ食べようよ 今夜だけは だって桜は綺麗だし だって よみと二人だし
二人でおしゃべり 話したい事はたくさんある 会話は途切れない たまに会話の節目に沈黙になるけど 全然気まずい沈黙じゃないね 『まったり』とした休憩の沈黙。改めて 桜を見るとやっぱり綺麗。
改めて よみを見るとやっぱり綺麗 よみは食べ終わったお菓子袋をビニール袋に片付けている。えらいなぁ なんかなんにもできない自分がふがいないよ だからやれよ
ゴミも片付けて 缶ジュースを片手に上を見る二人 桜の木が大きく見える 花びらが散る 舞う よみを横目で見たら よみも上を見ている。ずっと見ていたら 目があった
なんだよ? なんでも… 変なやつ… ふーんだ
二人の花見はやっぱり楽しい
129 :
卯月 24:2006/04/20(木) 23:07:59 ID:???O
私はよみに一つだけ気になる事があるんだ。どうしても聞きたいの ちゃんと答えてくれる? よみは黙って頷いてくれた 私は思いきって聞いてみた ヤマシンのこと…
なんで よみはヤマシンを否定するの?あの人 すごく良い人だよ? 髪が長いけど 目が死んでるけど だらしないけど でも、 だからよみはヤマシンが苦手って事に結び付かないと思うの
どうしても嫌なら 無理には言わないけど… せめて理由だけでも教えてほしいんだ ただ納得がしたいんだ 私も みんなも 正直に 教えてほしい…
「………別にな…山田が嫌なんじゃないんだよ ただ……男が…な… 私、少し男性恐怖症なのかもしれないんだよ 前にも言っただろ?覚えてない?」
「ほら………うち、小学校の時に家庭教師やってて… その………ほら……わかんだろ!? 嫌な事されたんだよ……ベタベタ触ったり………」
「木村は平気なんだよ………でも山田はなんだか…………若いからかな? 少し抵抗があるんだよ………… 」
じゃあ大丈夫だよ。山田先生はヤマシンは 色気ないから あ 変な意味じゃないよ? なんかね〜 ヤマシンは男じゃない ってか 男として見れない う〜ん 言葉じゃ 言い表せないんだけど… 意識しない異性?
先生だからとか 年近いとか 関係なくて 山田進一って男性が 私を女としての考えと行動させない………ってか あぁ わかんない!! とにかくヤマシンはいいやつだと言いたい!だから話しろと 仲良くしろと 言いたい!私がここまで推す事フツーないよ?
よみは 少し困ったように笑いながら頷いていた 桜を見ながらジュースをひと口 甘い炭酸が口で溶ける よみの心も 優しく溶けていけばいいのに そんな事を思いながらずっと桜を私達は見ていた
きっと わかってくれたよね よみ よみだってきっと仲良くなれるよ
>128
ちょっぴり萌えたぢゃないか
そうか、よみは男性にトラウマがあるんだ…
ヤマシンきっといいヤツだよ、目が死んでるけど。
132 :
卯月 25:2006/04/22(土) 19:47:04 ID:???O
「ボランティア活動?」
「はい そうです。」 体育系の部活のかけ声が轟き 学校内からは吹奏楽部や合唱部のメロディが響く放課後 その放課後の図書室では 美浜ちよとヤマシンこと山田進一が 会話をしていた
ヤマシン「29の緑の日は祝日で学校は休みです …が 緑の日にちなんで この学校ではボランティア活動をするらしいです」
ちよ「具体的には何をするんですか?」
ヤマシン「川の周辺のごみ拾いだそうです あと生徒だけではなく先生方も参加します 三年三組は私が担当です」 ヤマシンは手持のプリントを見ながら 答えた
ちよ「ヤマシンさんが担当ですか?ゆかり先生じゃないんですか?」 ちよは分厚い哲学の本を開きながら答えた ニーチェかルソーかは定かではないないが 高校生が読む本にはとても見えない
ヤマシン「ゆかりさんは諸都合により欠席しますので私が代わりに」 ヤマシンは昨日の職員室での事を思い出していた この『グリーン』活動の要項のプリントを渡された時を…
ゆかり「ちょっと山田 あんたこれやりなさい」
ヤマシン 「え……?」
ゆかり「え? じゃないわよ!! 立派な慈善事業じゃない 先生なら当然でしょ!?」 プリントを渡されたヤマシンはプリントとゆかりを交互に見ながら答えた
ヤマシン 「ゆかりさんがやるんじゃないんですか?」
ゆかり「何を馬鹿な」 ヤマシンは彼女の下について わかった事が2つあった まず彼女は自分の行動に絶対の自信をもっている事
ゆかり「ほら… ボランティア活動は児童教育観念として間違ってないのよ……… だから私は先生の先輩として……」 そして もう1つは必ず誰かが その行動に巻き込まれる事
ゆかり「いいから山田やれよ!!」
亀レスだが、「ご飯にします」には笑った。
ところで作者さんは通常の形態のSSは書かないのだろうか?
是非見てみたい。
134 :
卯月 26:2006/04/23(日) 22:57:26 ID:???O
広辞苑のように厚い洋本をパラパラとめくりながらヤマシンと話すちよ 夕焼けは赤く沈みかけている。 グラウンドをランニングしている陸上部の影が長く 校庭に伸びる 図書室で二人の会話はまだ続いていた
ヤマシン「三組の生徒としてちよさんに参加してほしいです」
ちよ「え!?私ですか?」 無償の愛の象徴 ボランティア活動 今時の若者なら面倒くさいとゆう理由で断るのが定石だ しかし、ちよちゃんは違った
ちよ「私でよければ喜んで!!」
ヤマシン「本当ですか??」
ちよ「はい!!私 掃除も好きですし。綺麗になることは気持ちいいですから!!」 輝かしい笑顔で話すちよちゃん。本当に人ができている12歳である 作者も見習いたい いや本当に
ヤマシンは要項のプリントをちよに渡して簡単な説明をした ちよちゃんは静かに話を聞いていた 集合場所。開始時間。持ち物 など そして5分ほどの説明が終った後、ヤマシンが 何か質問はないですかとちよちゃんに聞いた ちよちゃんは1つだけ尋ねた
ちよ「他の人は呼んでるんですか?」
ヤマシン「いえ まだちよさんだけです これから何人かあたるつもりですが」
ちよ「じゃあ私が連絡しますよ。多い方がいいですよね」 ちよちゃんはぶ厚い本を閉じながら笑顔で話した どうやらおめ当ての本ではなかったらしい
ヤマシン「はい…いつもすみませんね 何かと迷惑かけてしまって」
ヤマシンは髪をかきながら申し訳なさそうに言った 山田進一も 一応 男。 女性に、 しかも12歳の少女に頼りきるのは 何かとしのびない気持ちにもなった ちよちゃんはそんなヤマシンの気持ちを悟ったかのように 悪戯っぽく笑いながら 言った
ちよ「そうですね……じゃあひとつだけヤマシンさんにお願いがあります」
無言で真っ直ぐにちよちゃんを見つめるヤマシン 椅子に座ると ちよちゃんとヤマシンの身長差はあまり感じられない 少し前に体を乗り出しているヤマシンはちよちゃんからは上目使いに見えた
言葉が急に出なくなったちよ ちよの言葉を待つヤマシン 無言のまま見つめあう二人 赤すぎる夕焼けの光 ちよは自分の胸が高鳴るのを感じた
は自分の胸が高鳴るのを感じた
光 ちよは自分の胸が高鳴るのを感
135 :
卯月 27:2006/04/23(日) 23:39:45 ID:???O
二人は黙ったまま見つめあう ちよちゃんはヤマシンを ヤマシンはちよちゃんを ヤマシンはちよちゃんの言葉を待っている その事をちよちゃんは理解しているが 言葉が口から出てこない
私 ヤマシンさんに何を言おうとしてたんでしたっけ? 何か ひとつ ヤマシンさんにお願いを 何か 何か 何か ひとつ 私は何をお願いするつもりだったん………
私は 少し冗談で言うつもりだったんですが…… ヤマシンさんの真っ直ぐな目を 真っ直ぐで綺麗な目を 死んでいる目を 見つめていたら 言葉が出てきません 言葉を忘れてしまいました
何でこの人はそんなに真っ直ぐ人を見れるんでしょうか 何で私は こんなに緊張するんでしょうか 何で私は冗談でさえこの人に言えないんでしょうか 何で私は 何で私は 私は この人の…
ヤマシン「……ちよさん?」
ちよ「…っは ふぁい?」
ヤマシン「黙ったまま動かなくなってましたよ?具合が悪いんじゃないんですか?」
ちよ「い……いえ!!!あ!! お願いがあります!!えーと!!えーと……」 ちよちゃんはその場で慌てふためいた 図書委員の人が 鋭い視線を送る
ちよ「あ!! この本を本棚に戻して下さい!!私にはこの本重すぎて大変なんですよ!!あは!あははははは!!」 笑って ごまかそうとするちよ 先程読んでいた本をヤマシンに渡す
ヤマシンは本を受取り 少し驚いた様な表情をしていたが ふっ と笑って 『かしこまりました』と 本を持って 本棚の本へゆっくり歩いて行った ちよちゃんは終始 大量の汗をかきながら微笑んでいた
ちよ「あ〜 もう……なんででしょう…。うう… 」 その夜、言いたい事が言えなかった事ちよちゃんは自宅で私のバカ と言わんばかりに落ち込んだ 忠吉さんが心配そうに鳴いていた
なにはともあれ明日は緑の日 明日もヤマシンと会える事がせめてもの救いだった
>┴< ⊂⊃
-( ゚∀゚.)- ⊂⊃
>┬<
,. -- 、
,:',ィ;ノ、!;::':,
i::l'O Oi:i 今のニホンにはゆとりが必要やねん
トコトコ _l::ト、.ヮ,.ノ::i _ どんな時でも心にゆとりを持ってまう大阪党に清き一票を
/ i"lゝ'Y .iV ./\ よろしくやで〜 へーちょ
/| ̄U' ̄ ̄ ̄|\/ {
| 大阪党 |/
((( ,,, ̄∪ ̄∪ ̄
;;⌒::.;;.⌒⌒/ /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ /::. :; ;⌒⌒:.:⌒:;⌒;;⌒
.. ,::.; / /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ /.., ,; .: ,,。,.(◯) ::
: :::., / /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ /,,; (◯) ::: ヽ|〃 ;;:
. ,:.; / /| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ /.., ,; :ヽ|〃 ,,。, ::;;,
137 :
卯月 28:2006/04/24(月) 22:48:17 ID:???O
4月29日 緑の日 晴天 集合場所の川沿いの空き地には生徒や先生がちらほら見える いずれの人も軍手やビニール袋を手に持っている 足元もぬかりなく、ゴム製の長靴を履いている強者もいる
にゃも「え!!?ゆかり休みなの!!?」
ヤマシン 「諸都合により欠席です」 頭には帽子 長袖のTシャツ 下はジーンズ と いかにも体育教師といえる格好の黒沢みなもの声が響く
ヤマシン 「きっと大切なようじ……」
にゃも「まったくあいつは〜!!」 ヤマシンからのフォローに全く耳を貸さず、みなもは携帯を取り出して ゆかりの家の番号をPUSHした。ヤマシンは左手の小指を噛みながら、そ様子を見守っていた
「もしもし!!おはようございます!!黒沢です!! ゆかりいますか!? はい!! ありがとうございます!! 」 「あ ちよさんおはようございます 絶好のゴミ拾い日和ですね」
「(たら〜ら〜ら〜 たら〜ら〜ら〜らら〜ら〜ら〜♪♪ ゆかりの家の保留音 アラジンのテーマ)」 「今日はがんばってゴミ拾いましょうね 最後まで残れば差し入れのジュースでるらしいです」
「たら〜ら〜ら〜ら〜ら〜♪ たらら〜♪(引き続きアラジン)」 「え?指ですか? あぁ噛むのがクセなんです どうしても抜けないクセですね ほら、すごい爪が短いんですよ」
「ガチャ…………ちょっと!!!ゆかり!?何してんのよ!!!早く来なさい!!!山田くんに押し付けて何してんのよ!!」 「あ そういえば他の人呼んでくれました?? 一人だけ? あぁ 大丈夫ですよ 二人でも充分です」
「え!?休む!!!?何でよ!!いいから早く来なさい!!え!!?体調不良!!?? は!!?生理通!?嘘だ!!それは絶対嘘だ!!」
「ちよさん ちょっとあっちでお話し しましょうか みなもさんはほっといて大丈夫です」
「プツ……ちょ!!切るなーっ!!ajgpふじこtwmJカアG○☆¥GA!!!!!!」
(壊れるみなも)
139 :
卯月 29:2006/04/24(月) 23:16:33 ID:???O
結局。ゆかりが来ないまま ゴミ拾いはスタートした 生徒 先生は川に沿って歩き始めて 目につくゴミを拾いはじめた 先輩や後輩やクラスに関係なく この活動は行われるので 結構にぎやかで楽しい
そんな中 一人の少女が溜め息を着きながら つまらなそうに土手を歩いていた 右にふらふら 左にふらふら とてもやる気があるようには見えない
カオリン「はぁ〜… 何でこんなこと…」
少女はかおりん。とても憂鬱そうである 左手にゴミ袋を持ちながら のたのたと歩いている かおりんは自分の意志でこの場にいるのではなかった 当然やる気もない
あの時 そう 数日前のHRを思い出す 無理矢理委員長になった私がボランティア活動の参加を呼び掛けた時 予想した通りに立候補者は誰もいなかった しばらく教室が沈黙に包まれた後 『ソレ』はおこった
『じゃあかおりんが行こうね!!』『じゃあ!?』 いきなり挙手して 木村が立ち上がった しかも、クラスのみんなもふりかかる火の粉を恐れ あっさりと容認してしまったのだ そして私は今ここにいる
木村「かおりーん!!!はい♪あきかん☆」
かお「かおりんって呼ばないで下さい!!」
木村「あーっははは!!!燃えないゴミはか・お・り・ん〜」 木村は拾ったゴミをかおりんに渡して 楽しそうにしげみへ入っていった どうやら彼は燃えるゴミ担当らしい 私は燃えないゴミ担当
かお「じゃあ…なんで空き缶拾うのよ…はぁ」
かおりんは溜め息をつきながら空き缶をビニール袋に入れた カランと袋の中から乾いた音がする 木村のクラスからは私、一人だけだ その寂しさも彼女の気持ちをさらに重くさせた 彼女は再び溜め息をついて下を向いた 無理矢理千尋を連れてくればよかった
「また暗い顔してますね。かおりさん」
頭をポン と 叩かれる感覚がした 声が左側からした 顔をあげてみる。そこには知り合いの顔があった 下ばかり向いていたので、その人の存在に全く気が付かなかった かおりんは頭に手を置かれたまま左に向き直った
その人 の名は山田 進一 後方にはちよちゃんの姿も見える
かおりんとヤマシンは既に知り合いだった
140 :
卯月 30:2006/04/24(月) 23:40:46 ID:???O
かおりんとヤマシン 二人の出会いの話はまた別の機会に… 今はこの物語を進める事にする ヤマシンに遭遇したかおりん そしてかおりんの存在に気付き、ヤマシンの後方から近付いてくるちよちゃん
ちよ「かおりんさん!こんにちは!!久しぶりです〜」
かお「うん!おはよう!!久しぶりだね」 駆け寄ってきて笑顔で頭を下げるちよちゃんに かおりんは体を屈めながら 挨拶を返した ヤマシンもつられて頭を下げる
ヤマシン「相変わらず泣き顔が板についていますね」
かお「いくら先生でも怒りますよ」
ちよ「あれ!?二人とも知り合いなんですか??」 ヤマシンのからかいに少しムッとしたような表情を浮かべるかおりん そして二人の関係に驚くちよちゃん
ヤマシン「面識がありましてね 『木村先生とかおりさんの花壇』で会いまして」
ちよ「え!!??花壇!!!??」
かお「ちょっと!!!先生!!!な…なんでもないのよちよちゃん」 死んだ目で笑うヤマシン かおりんは怒りながらも寂しさは紛れたような気持ちになり 少し嬉しかった
かお「ちよちゃんたくさん取ったね〜」
ちよ「へへへ〜 頑張りました〜」
ヤマシン「かおりさんは不漁ですね」
かお「先生も全然じゃないですか!!」
ヤマシン「私は大物(粗大ゴミ)専用です それとちよちゃんより凄い人いますよ」 ちよちゃんのパンパンのゴミ袋をつっつきながらヤマシンは言った 彼の持ってるゴミ袋はスカスカだが
かお「私のクラス一人だけなんだ〜 だから少し寂しかった…。ちよちゃんとこは?」
ちよ「私を入れて二人だけですよ〜」
かお「ふ〜ん…だれ?智?」
ちよ「榊さんですよ」
ちよちゃんが話し終ったと同時にかおりんの動きが止まる そして 急激に輝かしい笑顔になる ヤマシンが何かを見付けたように手を降る その先にはかなり大きめの ちよちゃんの三倍はある大きさのパンパンのゴミ袋を持った榊さんが立っていた。
ヤマシン「榊さん 大漁ですね」
かおりん、至福のひとときの到来だね。
しかし木村、無駄に嬉しそうだなw
いや、根は真面目な善人だし、清掃作業もきっと
本気で楽しんでるような気もするけど。
143 :
卯月 31:2006/04/26(水) 05:02:12 ID:???O
榊 「……………たくさん………」 榊はゴミ袋を持ち上げながら ぼそりと言った 彼女はちよちゃんに昨日、電話で誘われたのであった 彼女は常人とは思えない早さで川原のゴミをかき集めたのだった
ちよちゃんの勧誘に即答した事も これだけの量のゴミを一人で集められた事も 彼女が自然を愛するが故だった 花などの自然と供に動物もこよなく愛する 彼女は清掃作業に努力を惜しまなかった
自然の浄化が動物の安心した生活に結び付くと考えるだけで 彼女は汗水を流しながら労働をした これも動物の為 と思えば彼女は全くつらいとも、苦しいとも 思わなかった 彼女の働きっぷりには先生方や他の生徒も尊敬の眼差しをしていた
「榊さんすごいですねぇ…」
「朝からずっとこんな感じですよ」 ちよとヤマシンも 驚きを隠せない様子だった ちよちゃんがこれほど真剣な彼女を見たのは一年の文化祭以来だった
何かに真面目に取り組む人を見て、笑う人と笑わない人がいる 大体、笑う人はその事をしない人だが ちよとヤマシンは後者。ひたすら働き続ける榊を見て 自分も何かやらなければ と ゴミを探しに走りだした
「わ…私も…百個は拾います!!」
「ちよさん……私は二百個拾います」
「じゃ…じゃあ私は三百個!!!」
「!!! じゃ…じゃあ私は!!」
「先生。ちよちゃんと張り合わないで下さい」 かおりんが優しくつっこむ ちよと山田は お互いに 今日の拾うゴミの数の目標を言いあっていた 二人とも桁が5段目に入った時 みなもにうるさいと注意されていた
「榊さん…どこだろ?」 かおりんはヤマシンとちよのゴミの数よりも榊さんの方に興味が向いていた 先程、ちらりと見え隠れした榊がいたが、さっきいたはずの草むらには影も形もなかった
榊さんほどの長身ならばすぐ見つかるはず、そう 考えたかおりんは 周りをよく見渡してみた 以外と簡単にかおりんは榊を見つかる事ができた ここから50bほど先だ その草むらに榊さんはいた
訂正 榊さんと木村がいた
なんで二人がいっしょに!?
>>140 かおりんとヤマシン仲よさ気だな
泣き顔kwsK
145 :
卯月 32:2006/04/26(水) 22:41:45 ID:???O
大好きな人と大嫌いな人が同一の場にいる時 どうするべきか。近付くべきか 離れるべきか しかし、どちらの行動を選択したかによって その人に対する気持ちの強さがわかる。木村からの逃避か榊への愛情かだ かおりんは迷わなかった
「榊さ〜ん 何してるんですか〜?」 クラスの担任でもある木村から逃げても解決にならない むしろ克服する事が私の目標だ それより 今は榊さんだ。クラスが違う今 挨拶さえできない日もあるのだ
榊 「………先生にゴミの分別について聞いてた」
かお「あぁ!!そうなんですか〜?………木村…先生にです…か」
木村「リサイクルできるゴミとペットボトルの処理の仕方。よく見落としやすいゴミ。危険ゴミ。不燃ゴミ。とか…教えてたんだよかおりん」 二人が一緒にいる理由が思い浮かばなかったが かおりんは納得できた。
木村は結構 花や自然が好きだ 『例の花壇』の件には目をつぶるとして 以前 一人でゴミ拾いをしている姿を見た事もある。 私が木村先生の事を先生として尊敬できる点はそれだった 木村先生の奥さんが結婚した理由もその系統だろう。
かおりんは焦っていた 早くこの場から榊さんと離れたい 恐らく長くこの場にいれば面倒な事になる 二人で 二人きりで 遠く離れた場所に移動したかった かおりんは思いきって強行策に出た
「先生!!私達あちらの方でゴミ拾ってますね!!」
「…………………………???」
「榊さん!!行きましょう!!!」
「………え………………あ…うん」
「いや、私も行こう。ね かおりん♪」
「いや大丈夫です」
「かおりん遠慮しな━━━━━━━━い!」
「遠慮してません!!大丈夫です!!!」 やっぱり……面倒な事になった。このままじゃ榊さんと二人っきりのゴミ拾いも不可能だ。 さらに榊さんは黙々とゴミ拾いをしてる間、絶えず私にかまってくる木村の相手をしなければならない
「せんせー 木村せんせー こっち来てくださ〜い。ゴミについてちょっと〜」
助かった!!かおりんは確信した 男子生徒の一人が木村を呼んでいる。 先生が生徒の元に行ってる間に 私達は二人で遠くへ ずっと遠くへ行けばいい。
146 :
卯月 33:2006/04/26(水) 23:05:21 ID:???O
木村はゆっくりと生徒の方へ振り向いた 木村を呼んでいた生徒が手を振っている 木村は口をあんぐり開けたまま 自分の名を呼んでいた男子をメガネ越しに確認した。 重要なのは性別。 male? or female?
ザット イズ メール 。男だと確認すると 木村は 何事もなかったかのように 向き直り 『さぁ…行こうか』と言って歩きだした。かおりんと榊が生徒と木村を交互に見ながら 困惑する
かお「先生!!呼んでますって」
木村「……………聞こえない」
かお「先生!!ほら!!呼んでますって!!」
木村「………………見えない」 基本 木村は男子生徒に冷たい。だが、男子生徒は木村を慕う。一方通行な教師と生徒。あまり例にない信頼関係である
「こぉらぁ!!木村先生!!何してるんですか!!生徒が呼んでいるじゃありませんか!!」 神はかおりんを見捨てなかった 黒沢みなもが 木村に文句を言ってきた ゆかりの件もあり、少々彼女はイライラしていた
木村 「にゃも………………」
にゃも「にゃもって呼ぶなー!!先生!生徒が呼んでますよ!!木村先生は今回のボランティア活動の実行委員長なんですからしっかりして下さい!!」
なるほど 道理でゴミ関係に詳しいはずだ 主催者なんだから。木村先生は体育祭にも一役かってるし やっぱり仕事ができる大人なのかもしれない。木村はにゃもには頭が上がらない様だった
木村 「私は………生徒一人一人のめんd……うぎゃ!!!」
にゃも「いいから!くるの!!ほら!!」
木村 「待って!!ちょ…待って!!か…かおりん!!かおりーん!!!あぁーっ!!!!」
木村はにゃもに襟首を捕まれ 生徒の元に引きずられていった 私達に向けられた腕は空を掴んでいる かおりんは爽やかな笑顔で木村にお別れの手を振った これでかおりんを止めるものはなくなった。 完全に何ひとつ
かお「あははは…黒沢先生すごいですね…」榊 「……………うん」
かお「………………」
榊 「………………」
榊 「………行こうか…」
かお「はっ…はい!!!」
丁寧な描写に感心します。
頑張ってくださいね。
148 :
メロン名無しさん:2006/04/27(木) 17:04:47 ID:tNYJcmWEO
SSGJage
「そこ……気をつけて。ぬかるみがあるから……」
「は……はい!!ありがとうございます!!」
木村が言っていたゴミの溜り場を見つけた二人はさっそくゴミ拾いを始めた。川沿いとは違って 背の高い草や やぶ が多く茂っており足下がほとんど見えなかった 二人は気をつけながらゆっくり進んだ
昨日の雨のせいもあって 地面が泥化している場所もあり、道を選びながら二人は進んだ 榊の本日のファッションは勝負服。だがかおりんは普段着に近い 汚れてもいい服を適当に着合わせたような感じである
長靴を装備している榊なら ともかく、かおりんには この草道は荷が重かった。榊はその事を充分理解していた。 そして榊はかおりんは道が悪かろうがなんだろうが私の後に付いて来ることも理解していた
榊は草をかきわけながら前へ進んだ そして 頻繁に後ろを振り返り かおりんの無事を確認した その度にかおりんは『私は大丈夫ですよ』と言いたげな 可愛い笑顔で榊に答えた 榊は笑顔を確認をすると再び前進した。二人はこの動作を繰り返して進んだ
二人は目的地に辿り着くと 目に見えるゴミから拾い始めた 目に着くのは空き缶やペットボトルだが、まれに雑誌などのゴミも見つかった 榊は黙々とゴミを拾い集めた 表情は真剣そのものだった 素早い動きでゴミを集める彼女の額は軽く汗ばみ始めていた
かおりんはそんな 榊を見つめていた ゴミを拾う手は動いているのだが 視線は榊を見つめ続けていた かおりんは榊がかおりん自信を見ていなくとも、何かに夢中になっている榊が大好きだった。特に横顔が
榊の視線はゴミの方ばかり見ているので かおりんは汗が輝く榊の凛々しい横顔を好きなだけ見つめる事ができた 幸せだった 会話ができなくても 抱き締める事ができなくても かおりんは幸せだった
クラスが別になった時は本当に絶望した。悲しかった 何度も泣いた。あなたにあえて 笑って楽しく時間を過ごす夢を幾度となく見て 目が覚めて 夢だったと気付いて泣いた朝も何度もあった あまりにも幸せな夢だった時ほど鬱になり学校を休んだ日もあった
二年生の頃に戻れるなら死んでもいいと本気で願った事もあった だけど だけど 今、は幸せだ こんなに近くに、手が届く距離に榊さんがいるのだから
150 :
卯月 35:2006/05/01(月) 04:05:33 ID:???O
そして 事件は起きた。かおりんはゴミをろくに見ずもせず 榊ばかり見つめながらゴミあさりをしていた為 何のゴミを掴んでいるのかを理解していなかった 分かった時には手に激痛が走っていた
「っっ痛っ!!」
勢いよく中指と人指し指の間から血が吹き出す かおりんが素手でクリーンが活動に参加したのは やはり考えが甘かったと言わざるを得ない。彼女は割れたガラスのビンを素手で掴んだのだ 草むらの中でキラリと血のついたガラスの突起部分が怪しく光った
「どうした……の?」
「あ…あははは。やっちゃいました」
かおりんの小さなうめき声に反応した榊が振り向く かおりんは切傷を榊に見せたが 全力の笑顔で 大丈夫だとゆうことをアピールした。しかし 榊の目には おびただしく血が流れる切傷は大丈夫に見えなかった 榊はゴミ拾いをやめて かおりんに向き直った
「よく………見せて……ゴミには汚れがついてる」
「えぇ!?大丈夫ですよ!」 榊はかおりんの方に向かって歩きだし かおりんの掌に向けて腕を伸ばした かおりんは 両手をばっと後ろに下げた あまりに榊さんに気を遣わせたくなかったのだ
「ほんと!大丈夫です!!見かけより全然痛くないですって!!!」
「バイキンが入るとよくない…………切傷は特にそうだ…」
「あっ!!榊さん…」
「大丈夫…」
榊はかおりんの腕をやさしく握って前に出させた 榊の目の前でかおりんの手から血がとくとくと流れる かさぶた化するのは時間がかかりそうだ かおりんは何故か恥ずかしく手て顔を赤らめた 榊はかおりんの傷付いた左手を右手でそっと触れた
ちゅっ 「……あぁぁぁぁあぁああぁ榊さんんんん???」
ちゅうう…
「あっ!あっ!!あの!!榊さん!!」
榊はかおりんの左手に唇を付け やさしく吸い始めた 舌で傷口も舐めている まるで西洋の御姫様キッスのようだった かおりんは顔を真っ赤にしている。ノドはカラカラ 声もろくに出ない ただブルブル震えているかおりん 榊はただ傷口を吸い続けた
たっぷり20秒 唇が離れた箇所から軽く糸がひいていた 榊はやっと かおりんの手の甲から口を離した
151 :
卯月 36:2006/05/01(月) 04:28:31 ID:???O
「破傷風の……予防」
榊は唇を拭いながら 答えた 軽く口元にまだ赤い血が残っていた かおりんはなんとか呼吸を整えようと必死になっていた 目の前の現実に頭が追い付いていないのだ。好きな人に 榊さんに 手の甲にkissを!!私が!!!
かおりんは自分の手の甲を見た 痛そうな切傷がある 榊さんがキッスした場所だ かおりんはボーッと しばらく見ていたが 血がまたじわじわとにじみ始めたので 見るのは止めた かおりんもあまりスプラッタのはダメだった
かお「あっ!!あの!!すいません……こんな」
榊 「大丈夫だよ……それより早く手当てした方がいい……ちゃんとした消毒を…」
かお「はっ…はい!!あ…と榊さん……。口に血がついてます……」
榊 「…………え…………どこ…」
かお「右下です……あ……逆」
榊 「ここ………??」
かお「あ……私が拭きます」
かおりんは榊の口元に傷付いてない右手を伸ばした 血のついた箇所を軽くなでると血は簡単に落ちた その時 かおりんはひとつの事に気付いた。榊が真っ直ぐにかおりんを見つめているのだ 綺麗な瞳で真っ直ぐに 暖かく優しい視線で見つめていた
かおりんもその視線に気付くと真っ直ぐに見つめ返した。血は落ちている だがかおりんは榊の口元から手を離さなかった 優しく榊の口元 さらには唇を指先でなで始めた 榊は拒否しなかった。全く榊は動かなかった かおりんと榊は見つめ合いながら動かなかった
ただかおりんの指が動く 人指し指で上唇を中指で下唇を 榊の唇は濡れていた かおりんは榊の瞳を見つめながら指で榊の唇をなで回した 榊の瞳が段々熱っぽくなる そして怪しく光る 榊の唇 周りには背の高い草のしげみ いるのは二人だけ
かおりんの中指の先が榊の口に少し入る 軽い感触がかおりんの指先に感じられた これは 榊さんの舌だ 暖かく…濡れている… 動いている…私の指先を…舐めている? その瞬間 かおりんの理性はとんだ
かおりんはあと三歩近付けば榊との距離は ゼロになる 一歩進む 榊は動かない。かおりんは指を榊の唇から離して榊の頬に触れた とても熱かった。 さらに 一歩進む 榊はまだ動かない 榊の顔が赤く染まる かおりんは背伸びをした
あと一歩で二人の距離はゼロになる。肉体的にも精神的にも。かおりんと榊は目を閉じた
かおりんは最後の一歩を震える足で踏み出した 神様 ありがとう もし明日死んでも 私 幸せです かおりんは榊の唇に向かって前進した かおりんか背伸びをすれば ちょうど高さ的にも榊とあっていた そして━━今、かおりんは━━━━━
榊の前で大胆に転んだ。榊が はっ 目を開く かおりんが自分の下で倒れていた。原因は靴。 かおりんの靴がどろ地面にはまっており 足が抜けてしまったのだ。靴下姿で好きな人の前で倒れているかおりん 今日ほど恥ずかしい日はない
同時に 今日ほど長靴をはいておけばよかったと思った日は無い 軽くほっぺで榊を見上げてみたら 榊は口を抑えて震えていた それを見てかおりんは笑った 榊も笑った 二人は笑った 榊は震えながら かおりんは泥だらけの姿で
榊に起こされた後でもかおりんはゴミ拾いを榊と続けた 先程の二人の桃色の雰囲気については二人とも口には出さなかった 二人は時間一杯までゴミを拾い続け、学校内で一番ゴミ拾いをしたクラスとして校長に誉められるのは3日後の話だった。
クリーン活動はその後、平和に、何事もなく終了した
ちなみに ちよちゃんは3袋。ヤマシン9袋だった。
クリーン活動の日 みどりの日の夜にかおりんは自室のベットの上で 自分の傷口を見つめていた そして 榊が舐めた傷口にキスをした 一分後。かおりんは顔を真っ赤にして布団に潜りこんだ
『きゃーっ!!!これって!!!間接キス!?榊さーん!!!!』
後日談
ヤマシン『ん〜 それは…たぶん神様が明日もかおりさんに生きて欲しかったからじゃないんでしょうか??もっときっと楽しい事があるから……ってな感じで。あとかおりさん。どんなに幸せでも死んでもいいと思っちゃダメですよ。』
『貴方が死んだらみんな悲しいんですから。いいですね?じゃあもう遅いんで電話切りますね?以上 山田進一でした。おやすみなさい 良い夢を』
卯月 終わり
来月に続く
ヤマシンと連絡を取り合うほどの仲なのか・・・。
154 :
メロン名無しさん:2006/05/01(月) 23:37:57 ID:ijAtwPfwO
皐月もキタしていますよ!
155 :
メロン名無しさん:2006/05/04(木) 03:35:08 ID:uvLGkVqMO
作者様、神楽まだぁ〜(^J^)
かおりん至福の時。
私の友達がくれた初めての屈辱、
それは英語で、私は35点でした。
その味は苦くくそ苦く、こんな素晴らしい敗北感をくださるあの10歳は、
きっと特別な存在なのだと感じました。
今では私があげる立場。彼女にあげるのはもちろん私のお手製の清原のサイン。
なぜなら私もまた特別な存在だからです。
良いSS連載中に割りこみ済みませんが、マンガ読んでて久しぶりにふと書きたくなったので投下します。
まだ誰も書いていないタイプのハズです、短いんでどうか読んでやってつかあさい。
【願い】(あずまんが大王4巻131ページ参照)
部落差別は今の時代も続いている。地方のローカルな地域で、一人だけ東京生まれがいるとみんながその一人を何気なく都会生まれでかっこいいと思うことと理論は同じだ。
私の育った地は昔から忌み嫌われていた。貧困と差別と暴力だけが隠れて村を支配していた。私の家も町からは嫌われていた。
父ははやくして亡くなり貧しい生活の中、母は死にもの狂いで仕事をして私を育ててくれた。朝から畑で農作業をして、疲れきった体にムチを打って夜遅くまで内職をしていた。それでも貧しい生活だった。
私の十何回目かの誕生日の朝、母が私に僅かなお金を与えてくれた。
『ごめんね、お母ちゃん本当に忙しくて、あんたの誕生日のお祝いもしてやれないけど……これ、少しばかりだけど、なにかあんたのためになるものを買いなさい。』
そういった母に私は『お母ちゃん、ありがとう。』と一言だけ言った。
母がくれた硬貨ばかりの僅かなお金は、母の手垢がついて、錆びていた。毎日の農作業のため土もついて汚れていた。だが私にとってそれはどんなにかけがえのないお金だったか計り知れない。
私は隣町まで歩いていって、色んなお店を長く見ていた。このお金で買えるものはそう多くなかったが、それでも今日は特別な感じがして本当に楽しかった。
花屋さんの前を通りかかった私の目に映ったのは、色鮮やかな花の苗だった。
『そうだ、これを買って帰ろう。お母ちゃんもどんなにか喜んでくれるだろう。』そう思った。
苗をひとつだけ買って私は帰途を急いだ。もう空は暗くなっていた。
私の家まであと何十メートルかまで来た時に、私の家が騒がしいことに気付いた。妙な不安を感じて私が急いで家に駆け込むと、そこには布団に横たわった母がいた。
『お母ちゃん!!』
そういって私は母に駆け寄ると、近所で私達と同じように部落差別をうけている仲間のおじさんが私にいった。
『母ちゃんな、あいつらの子供に石投げられたんや! 見てみい、血いでとる……バイキン入って母ちゃん倒れてしもたんや!』
今でいう破傷風だった。体に元々疲労が溜まっていた母にとって致命的だった。
私は朝晩つきっきりで看病をした。どうしていいのかわからずに言葉もでないくらいに高熱に病む母の額に冷たく濡らした手拭いを当てることと、有り合わせで栄養のない食事を作ることしかできなかった。
虐げられている身分で医者も診に来てなどくれないし、その医者に払う金もないまま、私の疲労も限界が来ていた。私は母が倒れて三日目の夜中に最後の母の額に手拭いを乗せるとそのまま力尽きて眠ってしまった。
朝になって目覚めてみると、母は穏やかに息を断っていた。私は疲労と悲哀の中、母に、母のため、母のくれたお金で買った花の苗を瞑った瞳の前に、だしてみせた。
『……母ちゃん喜ぶと思うて、母ちゃんから貰ったお金でこの花買ってきたんよ……なあ、母ちゃん、キレイな花やな……なあ……母ちゃん、何とかゆうてや……母ちゃん!!!!』
私は貧困が、差別……差別がこんなにも憎たらしいものかと思った。それからは自給自足で生活をしながら時間があるとそれだけおじさんがくれた本や町に捨てられた本を拾って勉強した。
母の今わの際に一輪の花も見せてやれなかったことが、どんなときも私の背中を押して勉強させた。差別への憎しみが私の背中を押した。
私が大学にでも入っていたなら、私の家は頭のいい子がいると思われてこんなにも酷い差別は受けなかったろう。私が稼げるほど優秀なら母にこんなにも負担をかけることはなかったろう。
そんな思いだけが私を押した。押されてここまで来たのだ。
「どうしたの、あなた?」
「……ん……? あ、いや……長い夢を見ていたようだ…………。」
「大丈夫かしら? 今日はあそこの神社にお詣りに行くって言ってらっしゃったけど、行けるかしら?」
「ああ、大丈夫だ……。」
「頼むぞー五百円――」
――チャリン パサ
(一万――!?)
「うわぁ! 一万円でなにを……」
――パン パン
「――世界人類が平和でありますように」
「何ィ!? 一万円でそんな願いでいいのか――!?」
「これ以上何を望むというのです?」
(――これ以上……何を、何を望むと……)
終わり
うむ、ナイス解釈。
破傷風になるのが瞬間的すぎるとかいろいろあるが、
久しぶりに真摯な木村を見た気がする。
162 :
皐月 1:2006/05/10(水) 14:58:07 ID:???O
桃色の花びらは散り 今 は若々しい緑の葉が桜の木をまとっている。木漏れ日はキラキラと輝き 初夏が近付いている事を道行く人々が感じる季節
太陽は暖かい光を放ち 風は気持よく吹き抜ける 新しい生活を始めた人達も一段落つき 来るべき大型連休に備え 旅行の計画を立てる そんな季節。そんな時期。 5月。 暦での皐月が始まる
澄みきった青空。暖かい陽気。昼休みの屋上。美浜ちよと大阪こと春日 歩 は別段 目的は無かったが 学校の屋上をやってきた。3年生である彼女達からすれば、屋上は身近な存在になったといえる。 教室から階段を一度 上がるだけでいいのだ
大阪も その点については 嬉しかった。三階の教室の利点の1つと言えるだろう。 それに 今は最高学年 去年までは先輩達がいて何となく いづらい時もあったが 今はそんな心配もない。 私は美浜ちよ 3年生です 最高学年ですよ
牛乳とオレンジジュースで乾杯 二人は屋上で のんびり雲を眺めながら 有意義な時間を過ごした。 風は少し強い 雲もちぎれながら青空を泳いでいる。屋上はとても静かだ ちよちゃんのストローのちゅうちゅうと吸う音しか聞こえない
「……………………あ」
「どうしたんですか大阪さん?」
「………くじら〜」
「…はい?」
「あの雲くじらに見える〜」
「え?どれですか?」
「あ……あれ〜……あ…あ…」
「どれですか?どれですか?」
「ちゃうねん…。形かわってもーた くじらが大根に…」
「………………………………」
「…………………………あ」
「どうしたんですか?大阪さん」
「ヤマシン先生や〜」
「え??雲がですか?」
「ちゃうちゃう。あれ」
大阪が指さす方向にはヤマシンこと山田進一がいた 三学年進級の際に 教育実習生としてこの高校にやってきた 若手のエリート。ただ 頭脳明晰とは思えない外見と行動する 若干22歳の 異端児である
彼はちよ達より高場にある給水ポンプの場に寝転んでいた 彼の耳にはヘッドフォンがつけてあり 音楽を聞いているようだった。彼は全くちよ達に気付いていない様子だった。ちよちゃんは なんとなく彼の様子が気になり ヤマシンの場所に上っていった
163 :
皐月 2:2006/05/10(水) 15:16:27 ID:???O
大阪を高台に連れていくのは危険と判断したちよちゃんは 大阪を待機させて 一人で給水のはしごを登った 大阪は下から見上げながら笑った。 ちよちゃん 丸見えやで〜 ちよちゃんは顔を真っ赤にしながら上った
上へたどり着いたちよちゃんは改めて ヤマシンを見た 彼はねころんではいたが 寝ていた訳ではなかったようだった。 ヤマシンは死んだ目でちよちゃんを見上げると軽く右手を上げて 挨拶をした。ちよちゃんも照れ笑いを浮かべながら 挨拶をした
「先生なにしてるんですか?こんなとこで」
「休憩がてら音楽鑑賞です」
「……先生はどんな音楽聞くんですか?」
「古今東西なんでも聞きますよ」
ヤマシンは起き上がり ちよちゃんを真っ直ぐ見ながらあぐらをかいている。ちよちゃんは おすわりしている。普通に会話ができる所を見ると ヤマシンはそんなに大きい音量で聞いている訳では無さそうだった
「聞きます??」 ヤマシンはヘッドフォンを外し ちよに差し出しながら言った。ちよちゃんは 頷いて 大事そうに受け取った。ちよちゃんはおさげをずらしながら装着した 心地よいメロディがちよの両耳に流れてきた
今日がとても楽しいと 明日もきっと楽しくて そんな日々が続いていく そう思っていたあのころ 繰り返していく毎日に少し 物足りなさを感じながら 不自然な時代のせいだよと 先回りしてあきらめていた
今日がとても悲しくて 明日もしも泣いていても そんな日々があったねと笑える日がくるだろう 幾度 巡り巡りゆく 限りある季節の中に 僕らは今生きて そして何を見つけるだろう
「これは…………浜崎あゆみですね?」
「はい。浜崎あゆみさんのseasonsです」
ちよちゃんはヤマシンにヘッドフォンを返した。ヤマシンはヘッドフォンを首にかけて ゆっくりと寝転んだ。ちよちゃんも同じように寝転んだ。二人は 仰向けで空と雲を眺めた ゆっくりと優しい風が吹き抜ける。その時 大阪も上に登ってきた
大阪は二人を見ると はっ として 自分も寝転んだ。三人は川の字になって寝転んだ 空を見た
164 :
皐月 3:2006/05/10(水) 15:37:00 ID:???O
三人はボーッとしながら 青空を眺めた。ヤマシンはまばたきをほとんどせずにひたすら一点を見つめていた 死んだ目で。ちよちゃんは時々ヤマシンの横顔を見た後 また空を見た そしてまたヤマシンの横顔を見るの繰り返しだった
大阪はどんどん目が細くなり 幸せそうな顔になっていく。 もうレム睡眠に到達するくらいだろうか。 そのまま まったりと時間が流れた後 ヤマシンが口を開いた
「私……もう、この学校に来て一ヶ月になります。」 ちよちゃんが ヤマシンの方に寝転んだまま向き直った ヤマシンは話を続けた
「大分、生徒や先生とも仲良くなれました。すごく毎日が充実しています。すごく楽しいです。学校が」
「私も楽しいですよ。ヤマシン先生…ヤマシンさんもおもしろいし」
「でも……いつか終わりがくると思うとすごく寂しい気持ちになるんです。時間は平等です。4月から5月になったように…。いつか終わりもくるんです」
「………………………………………」
「始まりがあるものには必ず終わりがあります。私、最近、終わりを考えると今を楽しむ事ができなくなってしまうんです。考えすぎでしょうか……ね」
「……ヤマシンさんの言いたい事はすごく分かります。私達も今年で卒業だから…。 でも、終わりがあるから。終わりがあると分かっているからこそ毎日を大切に、楽しく過ごしたいと私は思います」
ちよちゃんは話を続けた
「いつか、あの時は楽しかったね。おもしろかったねと振り替える日々を送りたいです。だって高校生活が終わっても思い出は終わりません。残り続けます。いつか大人になっても!ずっと!ずっと!!忘れないでいられる思い出を私は作りたいです!!」
ちよちゃんはヤマシンを見つめながら一気に言い切った。ヤマシンは強い意志を持ったちよの瞳を見て ふっ と笑った
「今日の。今の事も思い出になればいいですね」
「その通りですね!!」
ちよちゃんとヤマシンは起き上がって 互いに微笑んだ。大阪も寝顔で微笑んでいた。そんな昼休み 。そんな季節。皐月が始まる
165 :
メロン名無しさん:2006/05/10(水) 22:58:06 ID:83/v/vdsO
皐月good!
続きが楽しみです。
皐月good!
続きが楽しみです。
167 :
皐月 4:2006/05/15(月) 20:54:12 ID:???O
「うちってイメージありますけどね。大阪の人は」
「そうなんか〜?あんまり意識したことはないねんけどな〜」
5月の暖かい陽気の中。大阪 ヤマシン 智 よみ ちよちゃんの五人は学食で昼ごはんを食べていた。ヤマシンは六人とは以外と早く打ち解け、先生と生徒というよりは友達に近い感じで付き合っていた。
本日は弁当持参のヤマシン&ちよ よみと智は麺類 大阪は唐揚げ定食を食べていた。ヤマシンが 形の悪い茶色の玉子焼きを箸で刺しながら 話を続けた 話題は大阪の一人称についてだった。大阪は話をしながら手を動かすことができず、箸が止まっている
「私は自分の事は私やで〜。みんなも私やと思うけど〜」
「そういえばそうですね。あ でもゆかりさんは『あたし』だったような気がします」
「でも、みなさん結構、男言葉で喋りますよね。神楽さんとか 暦さんとか」 ヤマシンは玉子焼きを口に運びながら続けた。本人には悪気はなかったらしいが、一人。 今の言葉に反応した者がいた
「……私はそう思われているのか…?心外だな…」 よみだった。よみのメガネは光に反射し 表情が見えにくかったが、どうやら怒っているようだった
ヤマシン「…………失礼しました。気に触ったのなら謝ります」
よみ「大体あんたも話し方おかしいじゃん。若いのに『私』だし。髪も長いし…。男らしくなくて細いし…。もしかして…あんたコッチ系か?」
よみは手の甲を反らせ、左頬の所に上げた。オカマのポーズである よみの表情は意地悪っぽく笑っている。 勝利の笑みである。 ヤマシンの箸は完全に止まり 死んだ目でよみを見つめている。
場の空気が明らかに悪くなった ちよはよみのヤマシンに対する態度にただならぬ気配を感じ焦っていた。智はそんなよみを面白そうに笑って見ていた あえて止めに入らない所を見ると ひとまず高見の見物とするようだった
よみとヤマシンは 四月の間 ほとんど喋らなかった。ヤマシンからして見れば 拒否してるのはよみの方であり、ヤマシンは六人の中で唯一 彼女の連絡先のみ知らなかった
168 :
皐月 5:2006/05/15(月) 21:18:22 ID:???O
「……水原 暦さんは少々 おてんばが過ぎますね。女性教育が必要です」 ヤマシンは 呆れたような表情をしながら また弁当に箸を戻した。智が忍び笑いをしている。大阪はポーッとしている
「はしも満足に使えない大人に言われてもなぁ(笑)」 よみは含み笑いをしながら言った。ヤマシンがおかずのとうもろこしの粒をつまもうとしていた瞬間であり、ヤマシンはポロリと箸からこぼしてしまった
あからさまにヤマシンは怒りの表情を見せる それは 智にからかわれているちよちゃんの表情によく似ていた。何度も箸先でとうもろこしをつまもうとするがことごとく失敗。ちよや大阪、それに智が注目する中、ヤマシンは 摘む事ができなかった
ヤマシンはついに最後の一粒を摘むのを諦め、弁当箱を閉じた。その瞬間、智が吹き出した。少し赤面するヤマシンをよみがにやにやしている その至福の表情はどうみてもどSです。本当にありがとうございました
ちよがヤマシンをなんとかしてフォローしようと 頑張っている間に よみは きつねそばを一気に食べ終わった。よみはおいしい食事をした事よりも ヤマシンを言い負かした事に満足しているようだった。よみが器を置いた瞬間 ヤマシンが口を開いた
「よみさんメガネ曇ってますよ。」
智が 吹き出す。いや もう腹をかかえて大爆笑だ。 よみは勝利の余韻に浸り、少しかっこつけていた時だったので 余計恥ずかしかった。顔を真っ赤にして急いでメガネを外す 近くにあったナプキンで拭く。あぁ ものすごく恥ずかしい。
「そんなに慌てて食べなくてもそばは逃げませんよ」 ヤマシンから追い討ちの一言。よみは 紅潮した顔でヤマシンを睨みながらメガネをかけなおした。あまりにも恥ずかしい為 オホンと咳払いをひとつ
なんとか誤魔化したいよみは まだ笑い続けている 智に キレた。それでも 智の笑いは止まらない。よみは 置いてあったお冷やを一気飲みして そっぽを向いてしまった。ちよちゃんや大阪も涙目で笑っていた。ヤマシンも清々しい顔で笑っていた
「よみさんも一緒に笑った方がいいですよ」
ヤマシンは死んだ目で よみに言ったが ひっこみがつかなくなったよみは そっぽを向いたままだった
169 :
皐月 6:2006/05/15(月) 21:39:32 ID:???O
智が 『あ〜あっ 笑った 笑った』と言いながら 目をこするまで 四人の笑いは続いた 笑われているよみだけが ずっとそっぽを向いていた。ちよからはよみは笑いをこらえているようにも見えた。とにかく彼女はヤマシンには気を許したくないらしかった
「いや、すいません。よみさん 私が大人気なかったです」
「…………………………………………」
ヤマシンは笑いながら頭を下げ、 和解を求めた よみは そっぽを向くのは止めたが バツの悪そうな顔していた。ヤマシンは 友好の握手だろうか 右手をよみに出していたが よみは手を出さなかった。よみは完全に意固持になっていた 中々素直になれない よみ
よみの手に 何か乾いた感触を感じた 見てみると 綺麗な割箸でよみの右親指をつままれていた。 ヤマシンだった ヤマシンは左手でよみの手を箸でつまんだ。きれいに割れていない所を見ると 割ったのは大阪らしい よみはいきなりの出来事に とまどった
ヤマシンはそんなよみの様子を気にせず よみのの右手を優しく引っ張り 前に出した。そしてヤマシンの右手を出して よみの掌を包んで握手した。腕を上下に振る間。よみは先程より顔を赤くした。
「はい、あーくーしゅ。なーかーなーおーりー」 ヤマシンは指切りげんまんのように何回か 動かした後 掌を離した。よみはゆっくり掌を引いた。そしてヤマシンをじっと見つめた。
「あんた…左利きだったのか…」
「はい。でも利き手の逆を使うと脳のトレーニングになるらしいんで」 ヤマシンは笑いながら 箸を素早く 開閉した。よみはすまなそうに言った
「……さっきはすみませんでした」
「急にかしこまってどうしたんですか?別に気にしてませんよ」
「それより暦さんコンタクトにしないんですか?」
「え??え…どうしてですか?」 いきなりの言葉に戸惑うよみ。男性にそんな事を言われるのは初めてだった。顔を赤くして もじもじする
「いや……だってコンタクトなら曇らないじゃないですか。よみさんの大好きなご飯が心おきなく…」
「智!!やっぱり私、こいつ嫌いだ!!」 二人は仲良くなれるのか?
眼鏡→コンタクトにしたら?の提案は王道ですが原作には無かったか。
それにしてもヤマシンモテモテですな。
続き楽しみにしてます。
171 :
皐月 7:2006/05/18(木) 18:47:58 ID:???O
「あれ!?先輩携帯買ったんすか!!?」
「うらやまし〜。最新じゃないですか〜」
「メアド交換しましょ〜!!」
本日は3連休。ゴールデンウィークの初日 神楽が所属する水泳部の合宿の初日でもあった。室内プールがついている総合体育館へ移動中での事である。神楽はなんの気無しに買ったばかり携帯を出したのだが 後輩やタメの部員の注目の的になってしまった
別に自慢するつもりで出した訳でも無い ただ ある人からのメール返信が気になって取り出したのであった。部員は我先に神楽のメアドをと 携帯に群がり 神楽は予想外の事態にあわてふためいていた。わらわらと健康的な腕が神楽の携帯へ伸びる。
「わかった!わかった!教えるから!!でも私買ったばかりでよくわかんないから体育館ついてからでいいだろ!!?ほら!!後ろ向いてっと車酔いするぞ〜!!」
神楽は困ったように笑いながら 部員をうながした 大半の部員は は〜い と元気よく返事をして また各自のおしゃべりに戻った。 神楽は ふぅ と溜め息をついて腰を下ろした。携帯を出しただけでこんなに注目されるなんて…。携帯ってすげーな…
神楽は改めて 自分の携帯を見つめ直した。 そして 慣れない手つきでボタンを押す。画面の中では封筒を口にくわえた猫がいったりきたりしている。数秒の間の後、「新着メールはありません」の文字が 開かれた封筒と猫のアニメ画像と一緒に映った。
まだ返事は来てない。早く 返って来ないかなぁ。 神楽は憂鬱そうな表情をして携帯を閉じた。 待つつらさってのはこんな感じなのかぁ…。 う〜ん。神楽が一人言のように呟いた時、不意に神楽の隣の席から声がした
「誰からのメール待ってんの?」 神楽がびっくりして振り向くと 女子水泳部部長がにたにたと笑っていた。神楽が唯一 榊以外に尊敬を抱いた人物。
泳ぎの早さなら神楽が上だが、フォームの美しさは彼女の方が数段上手だった。それよりも彼女には神楽が超えられない壁。分かりやすく後輩に教える指導力とカリスマ性 そして 神楽が超えられない壁。女性らしい美しさがあった
神楽は自分自身が副部長の立場にあることに不満を感じないくらい 彼女には 言葉ではあらわせない気品と統率力があった。
172 :
皐月 8:2006/05/18(木) 23:01:42 ID:???O
彼女は微笑みながら神楽に話しかける 新しく携帯を買った神楽に対して勘ぐっているようだった
「もしかして……神楽…彼氏できたのかな〜?」
「ばっ!!ばか!!何い…いってんだ!!」
「あはははは顔に書いてあるよ〜。そっか〜 ついに神楽に彼氏がね〜」
「ち…ちがうって言ってんだろ!!!」 携帯を握りながら神楽は必死になって答えた。部長は顔を赤くして慌てる神楽の様子を楽しんでいた 神楽は携帯をブンブンと縦に振りながら 大声で弁明した
「彼氏じゃねーって!!!そ…そんなんじゃねーよ」
「ふ〜ん…。じゃあ誰のメールを待ってるのかにゃ〜??」
「と…と…友達だよ!!!」
「ふ〜ん……。あやし〜 まぁ進展があったら教えてね〜」
「だ…だからそんなんじゃねーって!!!」
部長は はいはい と言いながら耳にイヤホンをつけ直し、アイマスクをつけた。睡眠に入ったらしい そういえばもうすぐ高速乗り場だ。 まだ合宿場まで二時間も時間がある。神楽が周りを見ると 眠り始めている部員もちらほら見られた
私も寝ようかな…。 神楽も座席に座り直し窓のカーテンを閉めた。 もう一度新品の携帯を見る やっぱりメールは来ていない。 なんか… 忙しいのかなぁ…。 もう起きててもいい時間なんだけどなぁ…。 神楽は携帯をバックの奥におしこんだ
ふーっ と溜め息をついて座席によりかかる 隣の部長のイヤホンから少しだけ音が漏れていたがあまり気にならなかった。 バスのエアコンから少しほこり臭い匂いがする 神楽はゆっくりと目を閉じた やがて 水泳部を乗せたバスは静寂に包まれた
ふあぁ… そんな中、あまりにも見事なあくびをした体育教師も 心地よい眠りに沈んでいった。あまりにも立派なあくびだった為 黒沢みなもの寝顔を見ていたバス運転手さんも つられてあくびをしてしまった。
神楽編キテル――――――。
174 :
皐月 9:2006/05/18(木) 23:32:38 ID:???O
「はい、お疲れ〜!!ストレッチは二人組でやってね〜。しっかりやらないと明日に響くわよ〜」 水着を着た 水泳部顧問の体育教師 黒沢みなもの声が室内プールに響く 同時に は〜い と元気な返事も聞こえる
「一年生は晩御飯の準備!!他の人はしっかり後片付けしてね〜。あと今日プール使うの私達が最後だから忘れ物は無いよーにね!!」
また黄色い声で返事が響く。 水泳部の午後の部の練習の終わりである。 時間は午後六時を回っている。 室内プールの為 5月でも満足のいく練習ができた事に神楽は達成感でいっぱいだった。 部長に背中を押されながらストレッチをしている
「なぁなぁ今日、夜練あんの??」
「まぁ、合宿だしあるでしょ。それより神楽、今日いっしょにお風呂入ろーよ」
「あ??あぁ別にいいよ。あ 私、シャンプー忘れた。あははわりい、貸して」
「しょ〜がないわね〜神楽は〜。」
二人は水泳部の中でも 仲が良い。1年の時から先輩達に混じり、団体戦に参加していたのは二人だけだった。共に 才能にあふれ 共に水泳を愛していた二人。 だが 神楽にとって部長はライバルではなく 仲間だった。そして仲間であり 羨望の対象だった
何故 部長をライバルとはせず 榊をライバルとしたのかは神楽自身よくわからない。だが、部長に無い物を榊に感じた事は はっきりしていた。 それに 運動能力だけなら部長より榊の方が高い。 つまり神楽にとっては榊が女性No.1であり続ける存在だった
強さがかっこよさのバロメーターの神楽が 榊に好意を持つのは不思議な事ではなかった。常に一緒にいたい こっちを見て欲しい 相手にしてほしい。榊に対する自己掲示欲は神楽は人一倍強かった。自分だけを構ってくれと言わんばかりに榊につきまとわった
「ごちそうさまでした〜!!!!」
水泳部の晩御飯が終わる 部員全員で姿勢を正して ごちそうさま。今日のノルマは三杯。 神楽は誰よりも早く食べ終った。 食器も自分で片付ける。 食後には夜練のウェイト 。背筋と腹筋を100回 五セットに スクワット 汗をかきかき部員は頑張りぬいた
そして、就寝。風呂上がりの神楽は布団に寝転んだ。明日の朝練は六時から 今夜は早く寝ないと……
その前に…
神楽はバックから携帯を取り出した
175 :
皐月 10:2006/05/18(木) 23:59:12 ID:???O
お!!メール来てる!!やったー!!!
神楽は子供みたいな笑顔になり 携帯をのぞき込んだ 新着メールは8件 その内7件はタメと後輩の登録お願いしますメールだった。そして 残りの一件はクラスメイトからのメールだった。期待に胸が踊る。 三年三組のフォルダを開けてみる
『このメールは本当に恐ろしいです(T_T)3日以内に五人に回さないと大変な事が起きます(>_<)彼氏と別れたり……。テストで悪い点とったり………。たいっへーん☆☆( ̄○ ̄;)私の知り合いのY・Mさんはダイエットに失敗しました。早く回してね〜(∋_∈)』
From:滝野 智
「まぎらわしいんじゃーっ!!お前のメールはいらーん!!!」 いきなりキレた神楽に 周りの後輩がビクっと驚く。神楽が期待した相手からのメールであった為 ショックも大きかった
しかもなんだよこのメール………。本当に人が嫌がる事しやがって…。 誰がこんなメール信じるかよ…。全く…… 不幸?? 嘘っでー 本当か!? 神楽はメールに向かって独り言をつぶやいていた
その時、神楽の携帯がブルブルと震えた。バイブ設定にしているので着メロは鳴らないが着信音は 浅川 悠 の「心は少女でパラシュート」 メールが届いた。 フォルダは三年三組。 神楽は再びドキドキしながら ボタンを押した 慣れない手つきで
部活 お疲れ様。 今日 メール返せなくて悪かった。 疲れているならこのメールに返さなくても大丈夫だから…。
何か…。メールのように言葉を文章にするのは難しいな…。 それと 少し恥ずかしいな… 相手の反応が見えないし…。 うん……。私はあんまり… いや ほとんどメールをしないんだ… だから 少し、今は 相手ができて 嬉しい…
私は機会が苦手だし… 打つのがまだ上手くできないから 返信が遅いのは許してほしい……。 それと…どんなに短い文章でもいいから返信してほしい… 返事が無いのは寂しいから…
From: 榊
神楽は 思わず布団の中でガッツポーズをした。 機械を機会と変換ミスしている所が榊らしくて神楽は笑った
ちょwww榊ww三点リーダー使い過ぎwww
177 :
皐月 11:2006/05/19(金) 23:10:51 ID:???O
神楽は早速返事を返すにした。慣れない手つきでメールを打ちはじめた
『部活終ったよ〜。今 布団でごろごろしてるんだ〜 今日は一日中部活で疲れちゃった』
これ以上 長い文章だと榊への返信が遅くなっちまう メールだと改めて自分の文章力の無さを実感してしまう でも まぁ大丈夫だろう 大事なのは気持ち。 マインド。 神楽は『送信』のボタンを押すと 猫が封筒をくわえて動きだした
五分後にメールが返ってきた 神楽は先程より早く携帯を開いた。榊からだった
『返事ありがとう。部活、大変なんだな 私は今日は図書室で勉強をしていたんだ マナーモードにしていたから 神楽のメールに気付けなかった…。ごめん…。』
『ごめん…。』 だって 榊らしくないなぁ 『すまない…』とかが似合いそうなのに でも結構 榊、返信早いなぁ 私もがんばらないと 神楽は携帯を両手でしっかりもって打ち始めた
『気にすんなよ!お互い忙しかったんだしさ! やっぱり榊は図書室で勉強か!?がんばるのはいいけど無理すんなよ!』 メールはまた返ってきた。返信が早いのは嬉しかった
『もう三年性だし…。来週には進研マーク模試があるからがんばらないと。神楽も、部活をがんばるのはとてもいい事だと思うけど無茶はしないように…。無理と無茶は違うから…。』
榊また 変換ミスしてるし 神楽は忍び笑いをしながら またメールを打った。 そうだ ちょっと アレンジしてみようかな 榊、喜ぶかな? 神楽は鼻唄を口ずさみながら 「顔文字」のボタンを押した
『あれ?私の事気づかってくれてるの?ありがと!嬉しいぜ!(^з^)-☆Chu!!』 どうだろうな〜 こーゆーのひいたりしないよな?みんな普通にやってるよな? まぁ 大丈夫だろ 送信っと
その頃、 自宅の部屋のソファに座っていた榊は 神楽からの新着メールを見て 顔を爆発させた。CHU… ちゅう… キス… 接吻…。
178 :
皐月 12:2006/05/19(金) 23:33:00 ID:???O
か…考えすぎだ。 別に裏は無いはずだ このメールに深い意味はない。 ただの顔文字だ 顔文字…。 榊は気を落ち着かせてから再びメールを打ち始めた。段々 打つ早さが上がっていることが自分でもわかった
『気を使うのはあたり前だ。私は神楽が心配なんだ ケガだけはしないようにしてくれ。 それと……。神楽は連休中はずっと部活の合宿なんだろう?』 榊は送信ボタンを押した。ねここねこが『送信中』と言い続けた
神楽からの返信が来た。榊 はすぐに携帯を バッ と取って開いた。そして再び顔を真っ赤にした
『あ〜なんか心配ばっかかけて悪いなぁ 榊も私の心配ばっかりして気疲れすんなよ!って 私が榊の心配してみる!!(笑) 合宿は連休中ずっとだよ。がんばるぜ!(^з^)-☆Chu!!(^з^)-☆Chu!!』
どう考えても 『合宿がんばるぜ』から『キス』は結びつかない。 投げキッスとかは関係ない しかも さっきより数が増えている。神楽は何か 私に言いたいのか?いいや そんなはずない 私の思い込みだ… 思い込み…。榊のメールを打つ手まで熱かった。
『そうだな。お互いに心配しあってたらな…。そうか連休中も部活か…。残念だな…。でも、また部活休みの日には…な』 『一緒に帰りたい』がどうしても打てなかった。私はメールでも 殼を閉じてしまうんだな…。
神楽からのメールが来た。今まで一番 返信が早かった メールを見て 榊は少し がっかりした
『わりい。消灯の時間だ また明日な』 榊は ハァ と溜め息をついた。 まぁ神楽はバリバリ運動部。しかたがない事だ でも 神楽のそうゆうしっかりしてる所も 好きなんだが
榊は おやすみを言いたくて 一応メールを返す事にした。 新規メール作成の途中 新着メールが一件 来た。 まさかと思って開いてみると やはり神楽だった。 神楽からの2連続のメールだった。
『部活休みの日は一緒に帰ろうな!!じゃおやすみ』
榊は 頬を紅潮させて微笑んだ。神楽への最後のメールを送信して 榊は部屋の電気を消して ベットに潜った。
179 :
皐月 13:2006/05/19(金) 23:38:56 ID:???O
『うん、必ず一緒に帰ろう。明日も部活がんばってくれ おやすみ (*^з^*)(*>_<*)☆Chu!!』
from:榊
このメールを神楽が見るのは明日になるのだろうが 恐らく 彼女は朝から もの凄く顔を赤くしながら、 それでも元気に 部活を頑張るだろう。
あぁ 素晴らしき愛の力。
いや〜、良いさかぐらを読ませてもらった。
初々しくて微笑ましいね、これがほのラブというものか。
181 :
メロン名無しさん:2006/05/20(土) 00:19:51 ID:eMbtnV8KO
ぜんべいがないたさかぐらだな!!
182 :
メロン名無しさん:2006/05/20(土) 02:19:45 ID:Yet25Pq+O
gjjjjjj過ぎる〜
ドイツでも泣いた。
184 :
皐月 15:2006/05/21(日) 03:19:37 ID:???O
ゆかり「今日は私、給料日よ!!」
にゃも「そうよ私もね」
ヤマシン 「そうですね私もです」 本日は 先生方の給料日 いつものように飲みに誘うゆかり。にゃもはその事を見通しており 今朝は徒歩で出勤していた。
ゆかり「飲み行こう!いや、焼き肉。焼き肉がいいわね!!焼き肉行こー!!」
にゃも「そうね…。今日くらいはいいかもね」
ヤマシン 「私は遠慮しておきます。」 やんわりと断る教育実習生の山田進一。彼がゆかりに飲みに誘われるのは初めてではなかった。今までは素直に同行したが、今回ばかりは 遠慮がちだった。
ゆかり「は!!?なんでよ!!あんたきなさいよ!!」
にゃも「まぁまぁ…。山田クン なにか理由でもあるの?」 頭ごなしに怒るゆかりとは違い 大人の対応をするみなも。ヤマシンはゆかりに髪を引っ張られながら いつもと同じ 淡々とした口調で語った
「はい…。お二人も知っての通り私は一人暮らしです。大学を卒業した今、親のすねかじりをするつもりは毛頭も無いんです。むしろ、逆に毎月、少しだけでもいいから今までの恩返しをしたいんです」
「こんな私を大学まで進学させてくれた両親への感謝は気持ちは言葉ではあらわせないくらい深いです。 私の収入では一生かかっても返しきれない恩があります。ですが、少しでも自分のできるこ……」
ヤマシンがそこまで言いかけた時、頭に軽い 衝撃が走った。 何かで頭を叩かれたようだった。 ゆかりを見ると ゆかりの手には丸められたクーポン雑誌が握られていた。 どうやら 側頭部を パカン といかれたらしい
ゆかり「はーい行くわよー。さよーならー」
にゃも「お疲れ様で〜す。先上がります。」
ヤマシン 「……………………………………」
ヤマシンはゆかりとにゃもと供に 職員室を出た。ヤマシンはゆかりにがっちりと肩を捕まれていたので 荒がう事ができなかった。 そのまま彼は引きずられるように 彼女らの後について歩いた。 職員室から校門、そして 駅前の居酒屋街近辺まで
ゆかり「あったー!!ここよ!!ここ!」
ゆかりが指差す先には焼き肉屋。完全にゆかりのペース。もう 止める事は不可能だった
185 :
皐月 16:2006/05/21(日) 03:56:10 ID:???O
「これ以上私が何を言ってもゆかりさんの意志が変わる事は無いと思っていますが…。あ え て 言います。 私 帰ってもいいですか?」
「ダメ」
「なぜですか?」
「なんでも」 もうダメだ。こうなってしまっては彼女はガンとして動かないだろう。テコでも動かんだろうが 松坂牛かフグか カニがあれば もしくは………
ヤマシンがそんな事を考えている時、既に にゃもが 受付をすませて 席をとっていた。 ヤマシンゆかりに促されるままに席に座る。四人掛けの四角いテーブルだ。真ん中には網がある 典型的な焼き肉テーブルだ。ヤマシンが物を言う前に ゆかりが口を開いた
「あぁーっ!もう!男のくせにぐだぐだ言ってんじゃないわよ!ガキね!!いい!?山田??親はね!!お父さんとお母さんはね!!あんたにそんな事してもらう為に今まで育ててきたんじゃないのよ!?」
「あんたが人生が楽しむ事ができないのが一番両親がつらい事なのよ!!?あんたが今、生きていて楽しい。人生が幸せだって事が両親が一番嬉しい事なのよ!!大体一人前になってないくせに変なプライド保とうとしてんじゃないわよ。カッコ悪い」
何故 彼女はシラフでここまで言えるのか、 彼女が放つ一言 一言が 深く そして暖かく ヤマシンの胸に突き刺さった。 ゆかりの言葉は一切の迷いを吹き飛ばすような曇りなき努声。 その怒りは侮辱や嫌悪が含まれていない ただの「怒り」だった。
「半人前のあんたがする事は早く一人前になって、親を安心させる事だっつーの!!その為にも先輩のお誘いには付き合いなさい!!。それに 夜にか弱い女性二人は危ないでしょ??そんぐらい察しなさいな ボ・ウ・ヤ」
ゆかりは後半 いたずらっぽく笑いながらヤマシンの鼻を人指し指で ツン とつついた。 にゃもは 『こらこら最後おかしいぞ』と笑っていた。 ゆかりは その後 トイレと 言って 席を立って 消えた。 席にはにゃもと呆然としているヤマシンだけが残された
ヤマシン「……ゆかりさんに教師は天職ですね」
にゃも「そうかもね…しゃくだけど。とりあえず涙拭きなさいな 」
にゃもはおしぼりをヤマシンに渡しながら言った。熱くなった目がしらに 暖かいおしぼりが心地よかった。
このスレもおかしくなったなw
187 :
皐月 17:2006/05/24(水) 16:11:48 ID:???O
ゆかりがトイレから戻って来た後、三人は注文をお願いする事にした。ここの焼き肉屋は中々充実しており、焼き鳥なども自分で焼く事ができ、ドリンクバーにアルコールがあるような ほぼセルフな良店だった。ゆかりがメニューを開きながら言った
「山田はあんまりこの店のメニュー知らないと思うから私が決めるわよー。あんたなんか食えないもんとかある!?」
「…ナスとレバー以外ならいけます」
「わかった!!んじゃねー。とりあえず生3つとカルビとタン塩、あとハラミと砂肝と鳥盛りね!!あ あとレバ刺し。あんたらあとなんか頼む??」
「ちょっとゆかり。なんで肉しか頼まないのよ。 すいません あとネギサラダと野菜焼き 下さい。山田くんは??」
「そうですね……。じゃあ杏仁豆腐と白玉パフェを」
「……………………………………」
「……………………………………」 「かしこまりましたー。」店員の元気のいい返事が 店内に響いた。
「なんで焼き肉の席でそんなもん…。つーかそんなメニューあるこの店にも問題が…。」 ゆかりがあきれた顔しながら おしぼりで手を拭く。ヤマシンはおしぼりを折り紙のように折って遊びながら 答えた。
「口直しです。」
「2つ頼んだだろあんた。」
「ギムレットやマティーニなどカクテルには食前酒。食中酒。食後酒。があります。デザートも同じです 食前食後に…」
「あんた焼き肉よ!!?焼いた肉をこれから食べるのよ!!?その前に甘ったるいモン食べたら肉の一口目がおいしくないじゃない!!」
「この世の全てはデザートに始まってデザートに終わります」
「うるせー!!バカ!!!!」
二人のケンカは 中生が3つ来た所で終了した。三人で乾杯 飛び散る泡 したたる水滴 一口から ぐいぐいいくゆかり 早いって ペースが。 ちびりとしか飲まず 人指し指で泡をはじくヤマシン。ぷはー と一番おいしそうに飲む にゃも。
お疲れ様。よく一ヶ月お仕事がんばりました
188 :
皐月 18:2006/05/24(水) 23:07:56 ID:???O
肉が焼き始まると酒はどんどん進む。つけだれはレモンやぽん酢 オプションには大根おろしやわさびにからし にんにく しょうが。よりどりみどりである ゆかりは性懲りもなく三杯目に突入していた
ゆかりはひたすら生ビールをあおる。本人曰く 泡まで楽しまなければ上級者では無いらしい。 ゆかりが飛ばしすぎているので 思いきり飲めないにゃも 最初のジョッキの後は チューハイなど 軽い物を飲んでいた
ヤマダは最初の一杯の後はおかわりをするまでもなく肉を焼いていた。もちろんゆかりの命令である サイコロステーキをひっくり返し、カルビにネギ塩をのせ、ゆかりのおかわりをさせられた。 しかもヤマダが愛情込めて育てた肉は全てゆかりの腹に収まった
「あ……」
「なに?なんか用!?」
「私の肉…です…それ…」 ヤマシンはゆかりが摘んだ肉を見つめながら悲しそうに言った。ヤマシンは一番自分の近くにあった肉を ゆかりにかすめとられた。 今、 肉はゆかりの箸にはさまれている
「私がファーストタッチしたのよ!?」
「いや、私のです。私の肉です」
「くやしかったら名前書いときな〜。いただきまっ〜す」 パクッ ヤマシンの主張虚しく 肉はゆかりの体内に投入された。
ヤマシンは肉に関しては ウェルダンぐらいが食べ頃だと思っている。だが、ゆかりはレアぐらいでかっさっらってしまう。まだうっすら赤いのに 。焼き肉を楽しむには素早さが必要だ。ヤマシンは柔らかくなったキャベツを食べながら思った
ゆかりは肉より酒の量の方が多くなってきた。今は 夏のちよの別荘で飲んだ 日本酒『久保田』のロック。にゃもが止めるもゆかりは 聞かない 顔はどんどん赤くなる。表情がゆるみっぱなしだ にこにこ。 にこにこ。 このままだと一人で一升いってしまう。
もう べろん べろんなゆかり先生。 酔ってにゃい 酔ってにゃいですにょ? あはははは。 もう駄目だ 飲んべえの出来上がり。 明日は休みだからまだいいけど。やえばが少し見える 笑うゆかり先生はかわいい。黙ってればいい線だけど 笑ってるだけでも結構…
う〜 。だから私は鳥なのよね〜
鳥?風の子の親、風じゃないんですか?
189 :
皐月 19:2006/05/25(木) 21:44:14 ID:???O
『炭水化物+たんぱく質』
にゃも「あれ?山田クンはご飯欲しい派なの??」
ヤマシン 「はい。ご飯は焼き肉には欠かせません。みなもさんは…」
にゃも「あぁ、私はなんかご飯でお腹膨らんじゃうから焼き肉がメインね。」
ヤマシン 「私はご飯欲しい派です。こう…。タレがついた肉をワンクッションさせてから食べるのが……………。王道です。そしてタレが染み込んだ白米がこれまた…。」
にゃも「そんなに熱弁されてもなぁ…」
『お米主義』
にゃも「山田くんて農家出身?」
ヤマシン 「…いえ、違います」
にゃも「…ふ〜ん」
ヤマシン 「なんでですか?」
にゃも「いや別に………。」
『教育論U』
ゆかり「教育とは!!つまりこの焼き鳥のようなものよ。この肉が私肉でネギがにゃも」
にゃも「…………………………………」
ヤマシン 「…………………………………」
ゆかり「わかるかー?」
にゃも「全然わかんねーよ。前も聞いたけど」
ヤマシン 「あの…私は…」
ゆかり「あんたはコゲ目」
『教育新理論』
トイレへと向かった ゆかり。にゃも ねぎまを食べながら 南高梅サワーを飲む。 ヤマシンはデザートを食べ終わり お冷やの氷をガジガジとかじっていた
にゃも「な〜にが教育よ〜。焼き鳥が例えって意味わかんないやんねぇ?山田くん?」
ヤマシン 「私、少しわかりますけど」
にゃも「え?」
190 :
皐月 20:2006/05/25(木) 22:15:48 ID:???O
『ゆかり教育論』
にゃも「え?え?どうゆう事?」
ヤマシン 「ですから……。焼き鳥のねぎまを教育とするとですね…。メインの鶏肉は必修科目です つまり ゆかりさん担当の英語です。 私立 国公立 関係なく入試には必ず出題されます」
ヤマシン 「そしてみなもさんは『ネギ』。ネギは焼く事により甘くなります。また薬味の役割を果たす事により鶏肉の油っぽさが消えます。学校とゆう生活の中で勉強だけでは無い新鮮さを得る事ができます。教育の上、無くてはならない大切な授業です」
にゃも「……つまり、私とゆうかネギが体育、美術、家庭科みたいなものね…。」
ヤマシン 「はい。そして私はコゲ目。焼き鳥がおいしく食べれるのは加熱が命です。つまり情熱。熱血。生徒に尽す心。でも互いに依存しあう甘ったれた関係ではいけない。もっとあっさりとしたフランクな関係。癒着しすぎず離れすぎず。先生と生徒の関係です」
にゃも「…………………………………」
ヤマシン 「私はまだ見習い。半人前です コゲ目ができないような 火加減。 熱すぎない先生になれって事ではないんでしょうか……。 熱さを悪いとは言いませんが、熱さは時に自惚れになりますから…。」
ヤマシンは ナプキンで鶴を折りながら 感情を込めない 口調で淡々と述べた。 にゃもは ずっと黙ってヤマシンの話を聞いていた。 にゃもは 一年前のゆかりとの飲みを思い出していた。
わかるかー? 全然わかんねーよ あんた体育教師だからバカなんだよなぁ〜 なんだとこのヤロウ
トイレから帰ってきた ゆかりを迎えると三人は 店を出た。 人通りは多かったが夜風が気持よかった。 タクシーを捕まえる為、三人は大通りを目指して のんびり歩き出した。 ゆかりはにこにこしながらゴミ箱をあさる猫にハイテンションで話しかけていた
ゆかりは千鳥足で歩くので 山田は彼女に肩を貸す事にした。ゆかりの腕はとても細く、白く 手はとても熱かった。 女性の手にあまり免疫がないヤマシンは 顔が赤いのは酒のせいだと自分にいい聞かせたいい聞かせた
191 :
皐月 21:2006/05/25(木) 22:38:25 ID:???O
にゃも「あ。私はいいわ 歩いて行くから」
ヤマシン 「え…。」
タクシーは案外早く捕まった。ゆかりは乗り込むと同時に寝息をたて始めた。 ヤマシンはタクシーに乗り込み にゃもを待ったが にゃもは ゆかりの家の住所が書かれた紙を運転手に渡した後、私は乗らないと言い出した。
にゃも「じゃあ運転手さんお願いします。じゃあ山田くんあとよろしくね!また来週!」
ヤマシン 「……え。あ」 ヤマシンが右往左往している間に にゃもは手を振って 夜の街へ消えていった。ヤマシンはぽつんとタクシーに残された。ゆかりの寝息だけがやたら大きく響いた
多少だけど私も酔いがまわっている。 今日は 歩いて帰りたい気分。なんか珍しいなこんなキモチ 黒沢 みなもは 軽い足取りで家へ歩いていた。 今日は満月 明るい灯りがさらに にゃもを愉快な気分にさせた。ハロー お月様。 今夜も綺麗だね
「あたし馬鹿だなぁ…」 月明かりを見上げながら 自嘲の笑みを浮かべる ゆかりの話を思い出していた。 案外、ゆかりはしっかりとした自分を持っているのかもしれないな その時、背後から声がした
「まったく馬鹿ですね。あなたは」 ぎょっ として振り向くと 先程別れた 山田が立っていた。 目はいつも通り 黒く活力が無い。だが 酒のせいかうっすら頬が紅潮している
「あれ??なんで?あれ!?ゆかりは?」
「運転手にお金渡してお願いしました。ゆかりさんの家に電話をしたので大丈夫です。お母さんも出ましたし」 山田はにゃもと並んで歩きだしながら 語った
「ふ〜ん…。でもなんで来たの?山田クン」
「………女性。………夜道。………お酒」
「…え??」
「にゃも、危ない。ワタシ、送る」
「なんで留学生みたいな話し方なのよ」
「とにかく送ります」
「じゃあお願いしますね。や ま だ く ん。」
「おおせのままに」
二人は 月明かりがぼやける夜。二人は肩を並べて歩き出した。 何故か二人は無言だったが 気まずい沈黙ではなかった。 そしてあっという間に にゃもの部屋の前まで着いた
192 :
皐月 22:2006/05/25(木) 22:57:24 ID:???O
「わざわざ親切にどうも。本当にありがとね」
「紳士的に振る舞って見ました。イギリス人もビックリ・ベンです」
「…なんでそーゆー下らない事を…」 ハァ… と溜め息をつきながら 頭をかいた。最後の最後に オチを作ろうとしたヤマシンの渾身のギャグは見事に玉砕した
「あれ!?わかりませんか?ビックリとビック・ベンをかけて…」
「うるさい黙れ」
「まーまー。次は必ず笑わせますから」
「無理だ!!それは絶対無理だ!!」 往生際の悪いヤマシンに思わずキツイ言葉がでてしまう。 少し酔っているので 言葉にも無意識にトゲがでてしまう。
「それじゃ…。そろそろ行きますね 終電なくなっちゃいますし」
「そうね……。いや…お茶でもどう?」
「え??だから終電………。」
「うん……。だから…お茶……。」
「……………………………………」
「……………………………………」
「いや…。すいません帰ります」
「そう…。分かったわ、おやすみなさい」
「はい。みなもさんも」
「山田くん」
「はい?」
「…帰ったら、電話ちょうだいね。」
「……………はい。」
二人はそれだけ言って別れた。 にゃもの部屋から遠く離れた所まで歩いた後、振り返ると にゃもの部屋には灯りがついていた。そしてよく目をこらして見てみると にゃもらしき人影が大きく手を振っていた。 ヤマシンもそれに答えて 大きく手を振った
『……月の影がどうしても兎に見えないんですよ私。え?みなもさんは見えるんですか?同じ月を見てるのに不思議ですね……。はい?はい。はいわかりました。おやすみなさい。よい夢を』
皐月 完
凄い、ゆかり先生の焼き鳥教育論を見事に解説してる!!
イイモノ読ませて貰いました。
ヤマダああぁアア!!貴様ッ!にゃもの誘いをことわるとは何事かーーー!!
ウラヤマシス(´・ω・`)
皐月氏のを読ませてもらって、一番ほっとしたのは
神楽がちゃんと榊とくっついてること。かおりんには可哀想だが
かおりんとは清掃活動のときキス寸前まで行ったし、
神楽ともいい感じのメールのやり取りしてる。
ヤマシンがみんなの関係をいい意味で微妙に乱してくれてる。
乱す、と言うかビブラートかけてくれてる?
こうすると音にツヤが出るのじゃよ。
199 :
水無月 1:2006/06/01(木) 01:25:27 ID:???O
暖かい日差しと澄み渡る青空。 徐徐に高くなる最高温度、むし暑い気候は夏の訪れを感じさせる。ちらほら薄着を身に纏った人々も見られる。 学生は夏服に衣替えをし、学ランなどをクリーニングに出す。女性はスタイル保持の計画を立て始める
夏はそこまで来ている。 だが、夏の前に梅雨が来る。 暖かな雨は大地を潤し、花や植物を育てる。 太陽の有り難さがわかる期間。 長い雨に苛立つ人 長い雨を楽しむ人。こね期間は人それぞれである。 人々の休息さえ感じさせる長い雨。水無月。そんな季節
放課後。 ヤマシンこと山田進一と榊は教室で本を読んでいた。 神楽は部活。ちよ達は既に帰ってしまった。 なぜ榊はいまだ教室にいるのか? それには理由がちゃんとあった。 彼女は本日 傘を持ってきていなかったのだ。
彼女は今朝の天気予報を見なかった事を後悔していた。 放課後、どうしても調べたかった榊の希望進学先の大学の入試情報を図書室で探していたら 雨が降りだしてしまったのだ。 お目当ての資料を手に入れる代わりに榊は雨宿りを強要されることになった
教室に戻ると ヤマシンが音楽を聞きながら本を読んでいた 教室には彼、一人だけだった。 なんと声をかけていいかわからなく 教室の入り口で立ち往生している榊にヤマシンは優しく声をかけた
「雨ですか?」
「…………………………」
「私もです。」
「………………私もです」
「まぁ上がるまで待ちましょう。通り雨ですし、すぐ止むでしょう」
「……………………………………」
二人はそれだけ会話すると、互いに完全に自分の世界に突入した。榊はいつもの窓際の席に座り 資料を広げ、推薦 センター利用など入試方法について調べ始めた。ヤマシンはヘッドフォンをしながら シュークリームを片手に本を読んでいた
二人きりの教室は沈黙。いや しとしととした雨音しか響かなかった。 二人は何も喋らない 榊が一度 ヤマシンをちらりと見ると ヤマシンはシュークリームを食べ終った手の指先をペロペロと舐めていた。
その時、ヤマシンと榊は目が合った。なんとなく 視線を外すのも気まずいので 二人は読書を中断して 会話をすることにした。 二人はあまりにも読書に没頭していた為、二時間あまりの時間が過ぎていた事にも気付いていなかった
200 :
水無月 2:2006/06/01(木) 22:22:53 ID:???O
雨は止む気配がなく降り続いている。黒い雲は長くつながっており七時を回った外をより一層 暗く感じさせる。遠くからは雷鳴のような音を聞こえており、榊の気持ちをさらに暗くさせた
「嫌いですか??」
「……………………?」
「かみなりです」
「……………………少し」
「私はすごく嫌いです。怖いです」
「…………………………私も怖いです」
「梅雨は好きなんですよ。雨も好きです。雨によく映える紫陽花も好きです。でもかみなりは嫌いです」
外の雨雲をうっとおしそうに睨みつけながらヤマシンは一気に喋った。 榊は紫陽花が綺麗な所と 雷が怖いところに同意の頷きをした。 この雨が止む事を期待していたが どうやらそれは難しい様子だ。先程 母に迎えの電話をしておいて正解だったようだ
「紫陽花と言えば」 いきなり振り向くヤマシンに びくっ と反応する榊。 あのいつかの夢のようなペンギンみたいな瞳は今日も全く光を発していなかった。
たぶんヤマシン先生なら死体のエキストラ役が似合うんだろうな。目を開けたまま倒れてる感じの。光をあてても瞳孔反応なさそうだし……。と思いながら榊はヤマシンの言葉に耳を傾けた。
「最近、動物園できたの知ってますか?」
「…………知ってます」 動物好きの榊は当然、チェックしていた。10日前にできた新設の動物園。その名も『あじさい自然動物公園』たしか、一番の人気はインドゾウだったはずだ。
「榊さんもう行きました?」
「…………………………まだ」
「私もです」
なんとなく繋がっているような繋がってないような会話を二人は取り交した。 榊は、一人で動物園に行くのはなんとなく抵抗があった。一人で行くのが恥ずかしいのではなく、一人で行くより多人数で行く方が楽しいだろうと考えていたからであった
だが、常に受け身だった榊にとって自分から遊びに誘うとゆう事はとても抵抗があった。ただ、『一緒にに行こう』と言うだけでいいのだが、それだけでも 大きな勇気が彼女には必要だった。結局誰に打ち明けるでもなく、開園から10日もたってしまったのであった
201 :
水無月 3:2006/06/01(木) 22:48:49 ID:???O
だが、榊は妙な引っ掛かりを感じていた。 何故 こんな猫も触る事もできない。見る事もできない。血を見ただけで気絶するような死んだ目の教師が 新設の動物園を知っているのだろうか。
『猫だけが嫌いなんです』とヤマシンの口から聞くのは また後の話。 ヤマシンは動物自体や花や植物は決して嫌いではなかった。ノートにかわいい動物っぽいキャラの絵を描くのもその証拠。
ただ いきなり雨降る放課後の教室でいきなり動物園の話題をふるにはそれなりの理由があった。それは彼が今聞いている音楽と読書中の三毛猫ホームズの文庫本のせいだった。『猫が活躍する小説は好きなんです』とヤマシンの口から聞くのは、また後の話。
「………まぁ、この歌聞いて下さい。」 ヤマシンはヘッドフォンを榊に差し出しながら言った。榊はヤマシンの体温が残るヘッドフォンを慣れない手つきで装着した。
僕たちはこの町じゃ夜更かし好きなフクロウ 本当の気持ち隠している そうカメレオン 朝寝坊のにわとり 徹夜明けの赤目のウサギ 誰とでも上手くやれるコウモリばかりさ 見てごらん
よく似ているだろう 誰かさんと ほらごらん 吠えてばかりの素直な君を 白鳥になりたいペンギン なりたくないナマケモノ 失恋しても片足で踏ん張るフラミンゴ 遠慮しすぎのメガネザル
蛇ににらまれたアマガエル ライオンやヒョウに頭下げてばかりいるハイエナ よく似ているだろう 誰かさんと ほらごらん 吠えてばかりの素直な君を ほらね、ゆっくりなサルが僕を指差している きっと隅の方で僕も生きているんだ
愛を下さい 愛を下さい 愛を下さい
「ZOOって歌です。」
「……優しくて…。儚い歌………」
「いいセンスですね榊さん」 榊は最初の歌い出しから最後まで集中して聞きいっていた。人間を動物にみたてた歌。ヤマシンが動物園について言い出したくなる気持ちも分かる気がした
202 :
水無月 4:2006/06/01(木) 23:11:37 ID:???O
ヘッドフォンをヤマシンに返した後、今度は榊からヤマシンに声をかけた。
「…動物……」 「はい??」 「動物の例え…」 「あぁ。動物例えですか?」
「ちよさんは……小鳥ですかね」
「猫」
「……え?」「猫」
「いやでも…やっぱり小さいし」
「猫」 ちよちゃんは榊のゴリ押しでネコに決定した。ヤマシンはかごの中の小鳥と言い張ったが 榊の目が笑ってなかったのでこれ以上言うのは辞めた
「大阪さんは…………ラッコ」 「(同意の頷き)」 「で、割る前に貝を落としちゃうです」 「(あぁ…なんかかわいい)」
「よみさんは…。パンダで」 「パンダ…?」 「はいパンダです。そして智さんもパンダ。んで仲良くじゃれあってるんです。二人で転がったり。以前テレビで兄弟パンダ見たんですがそっくりでした」
「(あぁ……なんか…かわいい)」 「あんまり笹の葉食い過ぎるなよー太るぞ〜。なんて」 「(あぁ……かわいい)」 「神楽さんは犬で」
榊は一番深く頷いた。いつも尻尾を降ってかまってほしいと言わんばかりに足元にすりよってくる。 あぁ… かわいい…。 榊がそんな妄想してる間にヤマシンは立ち上がっていた
「大分小降りになってきましたね。そろそろ行きますか?」 ヤマシンは外の様子を眺めながら榊に帰宅を促したが 榊は親が迎えに来る事を告げた。
ヤマシンは 五分ほどした後、軽く挨拶して教室を出ていった。 榊は一人、教室で雨を見ながら もの思いにふけっていた。 そんな空想ゆらす 雨の季節。6月。水無月が始まる
あぁ ヤマシン先生 梟にも似てるなぁ…
ある雨の日の事でした
一番大切なことに気付いていない
かわいいかわいい言ってる榊さんが一番かわいい
神楽は猫だろうとオモタ。 犬もイイナ。
少なくとも「むこうからコンタクトしてくる」以上は、
榊さんにとっては猫じゃないんだよ。
世間には、遊んでくれる野良猫や外飼い猫はいっぱいいるのにな。
つくづく猫運の悪い人だよ、榊さん。
榊自身は動物に例えると何だろ?
彪とか?
インパラ
アリクイか
マイマイカブリ
>207-208
とりあえず、顔がキュッと細いのは了解したw
鹿系統はいいな、俊足な感じで
オリキャラも構わないし、むしろこういう展開方法は歓迎しているのだが
唯一、スペースを入れるなら改行してほしいです(><)
専ブラからだと見づらいんで。
榊さんかわいいよ榊さん
214 :
水無月 5:2006/06/05(月) 22:37:59 ID:???O
6月。水無月。 ちよ 智 榊 よみ 神楽 大阪 達が通う高校では衣替えが始まった。 そして 6月、各部活動が燃える時期。無論 神楽・にゃもが属する水泳部も同様である。 ある 週末。AM:0900。晴天。数名の生徒・先生達がプールに集合していた
6月から体育でプールの授業も始まる為、秋から使用していなかったプールの清掃。既に水も抜かれており、後はタワシとゴミ取りを終え、新たな水を溜めるだけであった。だが、この作業が一番面倒で大変なのである。水を抜く事は誰だってできるのだ
「よーし!!やるかー!!!」
「おー!!!」
「お〜!!やるで〜!!」
「今日はいい天気だし掃除日和ですね〜」
「…………………………ちょい待ち」
「………………………………………」
「………………………………………」
「頑張ってプール綺麗にしようぜ〜!!」
「お〜!!」
「お〜!!!!!」
「今日はいい天気だし掃除び……」
「ちょっと待てって!!なんで私達がここにいるんだ!!!!!」
よみの怒声がプールに響く。今、水が抜けたプールサイドには いつもの六人が立っていた。水泳部は神楽一人だけである 一人一人が体操服にデッキブラシを持っている。本日は晴天の為、30℃まで気温が上がるそうだ。そんな中、彼女等は集まった
「聞いてないぞ!!智!!プールにただで一番乗りで入れるって聞いたのに!!」
「まぁまぁよみ!!どーどー!!落ち着け!」
「なんだよ智??お前、私が言った事ちゃんとみんなに伝えたのか??」
「少し私のオリジナル加えた。だけど嘘はついていないよ??プールに今年、初泳ぎができるってのは本当じゃん」
2日前、神楽は智と榊に電話をした。内容は『今年初めてプール貸し切りさせてやるから掃除手伝え』とゆうものだった。 神楽は他の部員の負担を少しでも和らげたいが為に、バイト感覚でプール掃除の協力を友人に尋ねたのだった。榊・智はすぐにOKした
智は他の三人にすぐ電話をした。ちよ・大阪は 榊と同じようにすぐに承諾した。 ちよ・大阪・榊は初プールよりも神楽の協力をしたいが為の 返事なんだろうけどが、 恐らくよみは違うだろうな。 これが 幼い時から暦を知っている智の判断だった。
智は悪徳商法業者のように暦においしい所だけを伝えた。その結果、よみは喜んでOKしたのだった。
215 :
水無月 6:2006/06/05(月) 23:03:55 ID:???O
「よみ。まぁあれだ!掃除終わったらすげー綺麗な水で泳げるんだぜ!?一番風呂だぜ!?しかも今日暑いじゃん!!ちょうどいいだろ!?それともなんか今日予定あんの??ないだろ!?じゃあいいじゃん!!なぁよみぃ!なぁなぁ!!」
「ぐっ……………。予定ないって言われんのが嫌だが…。その通りだ…。」
智は一気によみをまくしたてた。今日も絶好調。 智キャスターの舌はよく回ります。よみは府に落ちない表情をしていたが、渋々納得した様子だった。 智はそれん確認すると神楽に向かって親指を立て、満面の笑顔をプレゼントした。神楽も同じ様に返した
大阪・ちよは智の口の上手さに驚いていた。よみさんをあそこまで言いくるめる事ができるのは恐らく智ちゃんだけだろう。しかも、よみちゃんの機嫌を損ねない為に、『ダイエット』には一切触れないで会話を展開させ、納得させる話術には尊敬の念さえ抱いた
「さて!!これから掃除をするわけですが!!」
神楽が五人の前に立ち、向き直った。半袖体操服にデッキブラシ。体育委員の神楽にはこのように指示をするのは得意な様だった。何故か、首にはホイッスルを下げていおり、体育教師のようだった。ブラシを逆にしてどこかのお城の門番のように構えている
「これから全校生徒が使うプールだ!綺麗に、心をこめてやりましょう!あと、早く掃除を終らせれば私達が今日、遊ぶ時間が増えるのでパッパッとやっちまおー!!」
「はーい!!!」
「まぁ…パッパッとやるのは良いとして…」
ちよと大阪の元気の良い返事の後に よみが口を挟んだ。 神楽と四人が不思議そうな顔してよみを見た。 よみはデッキブラシをある方向に向け、淡々と語り始めた。
「黒沢先生がいるのは顧問だからだよな?神楽。」
「あぁ。そりゃあたり前だろ」
「それは別に問題じゃない!問題はあいつだ!」
よみがバッとブラシを降った。その先にはにゃも先生と その後方でハーゲンダッツを食べていた山田 進一だった。全身 黒ジャージに包んでおり、暑苦しさを感じる服装だった。よみの問掛けに神楽は頭をかきながら答えた
「一応電話したら行くって……」
「じゃあアレは!?」
さらに ブラシを振り回してよみが指す先にはモナカを頬張る木村の姿があった。神楽は溜め息混じりに言った
「私が知りてーよ」
216 :
水無月 7:2006/06/05(月) 23:48:46 ID:???O
『一眼レフ』
ヤマシン「まぁまぁみなさんが掃除やれば木村先生が差し入れでアイスくれるそうですし」
智 「む〜。それはありがたい」
木村「そうです。みなさんお掃除を始めましょうか。ピカピカにしましょう」
大阪「先生。」
大阪「ピカピカなんはともかく何でカメラ持ってきてるんですかー?」
木村「気にしなーい!!」
大阪「でもむっちゃ気になるんです…」
『斬り込み隊長』
水を抜いたプールを覗く六人。 なにやら葉っぱやら 海草みたいなものや 水棲昆虫の死骸やら。 女の子が素肌で飛込むには何かしらの抵抗があるのは確かだ。例え、水泳部のにゃもや神楽でも例外ではない。六人はプールサイドで立ち尽くした
神楽「よし行け榊!!」
榊 「!!……神楽。いくらなんでもそのフリには無理がある…」
よみ「待て!神楽お前水泳部だろ!!どうぞお先に!!」
神楽「いや!!私は!!ほ…ほら智行けよ!!2001年でお前が一番だぞ!!」
智 「誰が行くか!!こーゆー仕事は大阪だろ!?」
大阪「えー私ー?えー? どないしよー なぁ?ちよちゃん?」
ちよ「え!?私!!?え〜!!私…は はっ!」
ちよちゃんが気付くとみんながこっちを見ていた。誰も喋らないでちよちゃんを見ている ちよは無意識にブラシを胸本に引き寄せて防御の姿勢を取った。体から変な汗が溢れでる。 この異様な発汗現象は体育祭の騎馬戦以来の冷や汗だ
ちよ「その……なんといったらいいのか…」
目が泳ぐ。 ちらりとプールが視界に入る。 虫の死体が浮いている 髪の毛が風呂場の排水口みたいに絡まっている。入りたくない 今日、サイズアップした新しい水着(スクール)下ろしたてなのに…。 最近髪型変えたのに…。今朝の占い一位だったのに…
入りたくない。ゲンゴロウやタガメがいる水風呂なんかに。 なんとかこの状況を打開しなければ 天才 美浜ちよはその人外の頭脳をフル回転させた。何か言い訳はないか。 私以外の人にプール突入をさせ、なおかつこの場の全員を納得させる言い訳は━━━━
「ちゃうねん」
「そう!!それ!!!!」
「ちゃうねん」
ちよちゃんも人間。溺れる者はわらも掴む 最近習ったばかり大阪さん弁。 プールに気まずい空気が流れた
217 :
水無月 8:2006/06/06(火) 00:08:58 ID:???O
『大人』
ちよ 「私は泳げないですし!!ね!!黒沢先生!!」
にゃも「…………………………………」
にゃも「私、冷え症で敏感肌だし…」
智 「わっ出たな!!!」
よみ「つーかヤマシン!!あんた男だろ!!やれ!!」
ヤマシン「アイスがまだ食べ終ってません」
よみ「早く食え!!」
智 「じゃあ私やるよ!!!」
神楽「じ…じゃあ私も!!」
榊 「…私も」
大阪「………はっ!私も〜」
ちよ「私が!!私がやります!!」
よみ「…わ…私も…」
一同「どーぞどーぞどーぞどーぞ」
よみ「キェ━━━━━━━━━━━ッ!!」
ヤマシン「ベタですね」
『泣き真似』
にゃも「らちがあかないはじゃんけんにしましょう。死ぬのは少ない方がいいでしょう?」
ちよ「死!?」
智 「よっしゃー!みんな!!私グーね!?グーだすから!!」
よみ「はいはい。わかったわかった。最初はグー ジャンケン・ポン!」
ちよ グー。榊 グー。 神楽 グー。 大阪 グー。 よみ グー。 智 チョキ。 結果 智の一人負け。 斬り込み隊長決定。カミカゼ特攻隊のように 綺麗に誇らしく散ってくれ
智 「あれれー!?私の心理戦が!!」
神楽「うっしゃー!!」
大阪「やったー!!」
ちよ「いいぃやったぁ!!!」
榊 「(小さくガッツポーズ)」
智 「一回目は練習!!練習だって!!」
よみ「ふざけんな!!お前やれ!!」
智 「やだー!!やりたくなーい!!うわーんヤマシーン!!!みんながいじめるよー!!」
よみ「おいコラ!!智!!」
ヤマシン「おーよしよし。アイス食べます?」
よみ「こら!!ヤマシン!!!」
智 「ぐすっ。あのねヤマシン。」
ヤマシン「はいなんですか智さん」
智 「私、プールやなの!!だからヤマシンやって」
ヤマシン「……………………………………」
智 「目をそむけるなよ」
よみ「いいからお前早くやれ」 よみはヤマシンの顔を思いきりわしづかみしている智にデッキブラシを握らせた
この後の展開は・・・・・
ポロリもあるかしらw
219 :
水無月 9:2006/06/06(火) 22:32:02 ID:???O
『』
智 「わかったよ!!いけばいいんだろ!」
神楽「よしいけ!!私達も続く!!」
智はプールサイドぎりぎりに立って下を覗きこんだ。 まるで下水道。家族全員が入った後の風呂よりも汚いだろうなぁ…。 たぶん 智はブラシを持ち、立ち尽くしたまま動かなくなった。後方では五人が心配そうに見守っている
智 「あぁ…。私これ無理だって」
神楽「行け!!飛込め!!」
智 「…あのね、私 飛び下り自殺する人の気持ちわかるような……。踏み込みがなぁ 踏み込みがなぁ…… 最後の一歩がなぁ…」
神楽「ピ━━━━━━ッ(ホイッスルを鳴らす)早く!!行け!!智!!」
智 「うぅ…やだよぉ。 勇気が欲しい…勇気が…」
よみ「なに少女漫画の告白するのを戸惑ってるヒロインみたいな事言ってんだ」
神楽「ほーゆーほひはほぅするんは!!ゆうひひゅうひゅう!!(そーゆー時はこうするんだ!!勇気注入!!)」
神楽はホイッスルを加えながら 高らかに叫んだ。同時にさっきから動かない智へ向けて走りだし 背中をトーンと押した。 満面の笑みの神楽。 その表情からは悪意は全く感じられない よかれと思ってやった彼女の行為は この後、悲劇を引き起こすことになる
バッチャ━━ン ああああぁあぁぁぁ!!
智の体が浮く。そしてプールの真上に飛ぶ デッキブラシも飛ぶ。 智の視線は下に向く 智の体はどこへ向かうか 無論、重力に引かれ 地球へ 地面へ プールに落ちる。足から落ちたのが幸いだった が バランスを取るために両手をついたのがよくなかった。
智 「うがあああああ!!ヘルプ!!ヘルプミー!!」
よみ「うわぁああ!!智━━━!!!」
ちよ「落ち着いて下さい!!足が着きますから!!」
智 「そっそうか!!いや!違う!!!そうゆう問題じゃねー!!誰か上げてくれー!!なんかぬるぬるするよー!!!」
智は両手を振り回し助けを求めた プールサイドに集まった五人は対応に困っていた
この後の展開は……
1.智がふざけて、ちよちゃんをプールに放り投げるふりをするが、誤って本当に投げてケガをさせる。
それを見た榊さんが智を撲殺する。
2.みんなでふざけてよみをプールに押し込もうとするが、必死で落ちまいとするよみに次第にみんな熱くなってきて、よみを蹴り込む。
よみは不運にも頭から落ちてしまい延髄を損傷し、何故かヤマシンは自由に空を飛び始める。
3.ハーゲンダッツを食べ終えたヤマシンが、今度はみんなを犯(た)べ始める。最初は立派なボディの榊さん。
嫌がる榊さんの服を無理矢理脱がせ始めるが、なんと木村がヤマシンを止めた。
が、木村ではヤマシンの力に敵わず、手始めに ヤマシン×木村 の鬼畜モノが始まる。
のどれかだ。
ちよ「はっはやく引き上げないと!!」
大阪「右、左、右、左………………」
よみ「先生!!先生!!智が!!智がぁ!!」
智 「早くしてー!!足が気持ち悪いよー!!!」
ゴキブリを平気に潰せる彼女が助けを求めているのだ 下はかなりの大自然。または生々しい生物の巣窟。 智は右足と左足を交互に上げ下げをしている。 バシャ バシャ バシャ…。 智の顔は冗談じゃない恐怖があり 瞳にはうっすら涙さえ浮かんでいた
ヤマシン「…よし 私が行きます」
ちよ「先生!!先生早く!!」
大阪「右、左、右、左…。あはは智ちゃん暑い風呂に入っている人みたいや〜。それかあつい砂浜」
智 「いいから助けろ!!!足元気持ち悪くて動けねーよー!!ロープくれ!!ロープ!!」
ヤマシン「智さん捕まって下さい!!」
智 「おぉ!!!?」
ヤマシンはプールサイドぎりぎりに立ち、プール側にあるモノ掴んだまま智に腕を伸ばした。 それはロープでも 丈夫な棒でもなく メントスだった しかも長さが届いてなかった
ヤマシン「捕まって下さい!!引き上げます!!」
智 「先生!!悪ふざけですか!!!???」
ヤマシン「あとちょっと!!あとちょっとです」
よみ「智!!こいつは無視しろ!!今、榊が助ける!!」
ヤマシンがCMの真似して救助を試みるが、失敗。それは増量したメントスでも不可能だった。 その間、榊はプールサイドから智の腕を掴む事に成功していた。榊の体は神楽が後ろからがっちりと支え、榊のバランスを保った状態からの救助だった
結果。 智の引き上げに成功。 智の両足には藻が まとわりついており、半泣きの智をなだめながらちよちゃんは 藻の除去作業に集中した。 その間、悪ふざけとしか思えない救助作業を実行した教育実習生は友達思いの眼鏡少女にバシバシと頭を叩かれていた
ちよ「智ちゃん大丈夫?」
智 「うわーん。もう入りたくないよー」
大阪「智ちゃん暴れたから服びちゃびちゃやで〜」
智 「うわーん着替える〜」
よみ「んじゃ私がついてくよ。ほら立て智」
智・よみ 戦線離脱。プールには四人が集まる中、気まずい雰囲気が流れた
今度はこの四人の誰かが入らなければならない。 するべき作業は簡単なのだ 汚いゴミを網に取って上にあげる。ある程度綺麗になったら水とブラシを使って磨く。 最後にすすいで 水を溜める。 その汚いゴミが予想以上に汚い事が神楽とにゃもの誤算だった
「よ……よし行け!!榊!!」
「……………………………いやだ」
「どーしよーなー ちよちゃん」
「……みんなで入るとか…」
「………………………………」
「………………………………」
「………………………………」
「…ダメですか?」
先程の智をみて入りたいと立候補する者がいるだろうか? いいや いない…。智の突入は明らかに 全員の恐怖心を引き立てる結果となった。 誰もが伏し目がちになって 誰も人と目を合わせようとしなくなった
ヤマシン「うらみっこなしです。いいですね?」
よみに叩かれた後が顔に残っているヤマシンは即席でくじ を作った。くじの数は7本。 当たりを引いた人が 有無を言わさずに次の特攻隊だ。にゃもなどの先生も含めた平等のくじ引き。 私じゃありませんように… 全員が同じ事を思っていた
ちよ にゃも 大阪 榊 神楽 が引く。 まだ誰も自分のくじを見ていない。 手で隠して 全員で一緒に見る事にしたらしい。残るはクジを引かせているヤマシンと木村だけだった。ヤマシンは木村に引かせる為に 周りを見渡したが 彼の姿は見付からなかった
ヤマシン 「あれ…。木村先生は……」
にゃも「あら?さっきまでそこに座ってたのに…。」
にゃもはベンチを指差しながら不思議そうに呟いた。木村が差し入れとして持ってきたアイスは置いてあるのだが、さっきまでいたはずの木村の姿は影も形もなかった…
神楽「まさか………あいつ」
大阪「まさか…」
榊 「……………」
ちよ「……………」
神楽「智の着替えを覗きに!!?」
ヤマシン「神楽さん、ひどいですよ〜」
ちよ「あの…」
神楽「許せねぇ!!ひっとらえてやる!!」
大阪「ヤマシンせんせ。神楽ちゃんには聞こえてないで」
ちよ「あの…あれ…」
ちよちゃんはプールを指差しながらぼんやりと言った。皆がちよの方向へ振り替える。そしてちよちゃんの指差す方向を見てみると信じられない光景が広がっていた。
プールの端、いやプールサイドにゴミがこんもると積もっている。様々な種類の葉っぱ。木の枝。藻。虫。 そしてプールは完全に水が無くなっており 干上がっている部分もあった。 クジ引きに夢中になっている間にゴミ処理が終わっていたのだ…。
神楽「なっなっなっ!」
大阪「うわ〜すごいなぁ…」
ちよ「もう…終わってます……よね」
ヤマシン「……どう思います榊さん」
榊 「………………………………驚愕」
全員が驚いている中、 プールから皆がよく知っている人物が上がってきた。 木村だった。軽く汗をかいており 両手には何かを大事そうに持っていた。六人はこちらに向かって歩いてくる木村を目を見開いて見ていた
にゃも「き…木村先生!!」
木村 「あぁ。もう終らせましたよ。あとはあのゴミをまとめて捨てれば終わりですよ」
ちよ 「せ…先生!!先生が全部やったんですか!?」
木村 「はい?そうですよ?」
神楽 「一人で!?」
木村 「当然でしょう?」
大阪 「先生すごいな〜。流石体育祭実行委員長や〜」
木村 「今、別の仕事ができたので一旦引かせて頂きます。あのゴミ捨ては私が後でやるのでプール内のみがきとすすぎをお願いします」
木村は そのまま大事そうに両手を抱えながらまた歩き始めた。六人は口をポカンと開けたまま、木村の後ろ姿を見送っていた。 そんな 中 ヤマシンだけが木村を追い掛けて かけよった
「木村先生。お疲れ様です。私感動しました」
「大した事はしてないよ。教師ならば当然でしょう」
「流石です。本当に木村先生の所業には驚くばかりです。 ところで、それは…?」
ヤマシンは先程から気になっていた事を口にした。木村が両手に大事そうにもっていたモノ。まぁ それを 本人の口から聞くためにこうやって ここまで木村先生に追ってきたのだが
『あぁこれ??』と 言いながら木村が両手を閉じたまま上にあげる。 ヤマシンは嫌な予感がした。そして予感は確信に変わる。 何故なら 彼の両手から水が溢れているのだ しかも水じゃない。液体だ。粘りけがある。糸を引いているとゆう表現がぴったりだ
木村は両手を開いた。ヤマシンにはその動きがスローに見えた。そして手の中にあるモノを見てヤマシンはその場に気絶した。
さて、どうなる?
やめて━━━ やめて━━━。 おじさん痛いよ やめてよ。 何するの? 僕に 僕の体に━━。 好きだからこんなことするの?かわいいからこんなことするの? 僕が 僕が今まで 何もしなかったのは ソレがよかったから、 好きだったからじゃない。
いつも やめようって言うと すごい顔で殴るくせに 顔ではなく体を殴るくせに 。おじさん おじさん。おじさんがソレをする限り お父さんにはなれないよ いくらお父さんって呼べとおじさんが言ったって おじさんを いいや… あんたをお父さんとは呼べないよ
「あ……起きました…?」
「……………………………………」
「びっくりしたんですよ?いきなりヤマシンさん倒れるんですから…」
視点の先には 美浜 ちよの姿があった。うっすら記憶が戻ってくる。 周りを軽く見渡すと…。やはりプールだった。どうやらまた私は気絶していたらしい。ジョジョに頭が冴えわたる そうか━━。夢だったか…。おじさん いや あいつ の夢。
ちよ「今は無理しない方がいいですよ?ヤマシンさん頭から落ちたんですから…」
ヤマシン「………平気です。又 迷惑かけてすいませんでした」
その時、ヤマシンは初めて自分がちよに膝枕されている事に気付いた。 ヤマシンは仰向けの状態でちよと向き合っている事になる。 ちよの優しそうな笑顔の後方からは太陽光がさしこみ、ヤマシンが目を細めた時、ちよと一緒に彼を見ていたにゃもが喋った
「ずーっとちよちゃんあんたにつきっきりだったのよ?幸せ者ね〜」
「……そうなんですかちよさん?ありがとうございます」
「いえ…いえ…大丈夫ですよ」
「あとこのままうつ伏せになっていいですか?」
「いけません」
ヤマシンは軽く冗談を言った後起き上がり、プールのほうを見た。すると五人が楽しそうにホースで水をかけあっていた。どうやら既に水溜めが始まっているらしい そうすると 一時間程 気絶していた事になる。 我ながら情けない。
「あのヤマシンさん…」
「はい??なんですか?」
「あの…なんで気絶したんですか…?」
「あぁ…それは…」
その時、プールから少し離れた所の小さな川で木村が蛙の卵をそっと水辺に置いていた。 これで…大丈夫…。と優しい笑顔で
「あっ!!先生!!目ぇ覚めたんだ!!見ろよー!!すっげー綺麗だろ〜!!」
元気よく神楽がちよと共にプールサイドに来たヤマシンに話しかける。彼女の言う通り、プールはピカピカに磨かれており、大きなパイプから水が流れ出ており ジョジョに水かさを増やしている。今は神楽のくるぶしより少し上のところまで溜ってきている
「よく綺麗にしましたね。驚きました」
「あっはっはー!!当然!!!!」
「なんでそこで出てくんだよ!!」
いきなり乱入してきた智と神楽がじゃれあっているのを見ながらヤマシンは優しく微笑んだ。向こう側のプールサイドでは榊とよみが座りながら何かを喋っていた 大阪はその近くで体育座りをしており、こちらに向かって手をふっていた。
ちよちゃんは大阪のそんな様子を 見ると向こう側の大阪の本へパタパタと歩いていった。 ヤマシンはとりあえずプールに入ってみる事にした。 先程の気絶で まだ頭がはっきりしていないこともあり、何か冷たい物に触れ リフレッシュしたかった
「う…冷た……」
「ええ?嘘〜?そうかぁ?」
「そんな寒くないだろ?」
「お二人は若いからですから…。おじさんはもう駄目です」
「五歳しか変わんねーじゃん」
「ほーらヤマシン心臓ショック!!」
「!智さん!!」
「ほーらほーら」
「なんか楽しそうだな!私も私も!」
二人はヤマシンに向かって水をかけ始めた。Tシャツに向けて バシャ バシャ みるみる内にぐっしょりになるヤマシンの服。途中から参加した 神楽の攻撃もあって 防御も逃げる事も不可能だった。二人が攻撃を止めた時には彼は髪の毛一本残さず濡れていた
智 「あはははははヤマシンびしょ濡れ!」
神楽「ちょっと…やりすぎた…かな?」
ヤマシン「……………………………………」
智 「あははははは………はは…は は」
神楽「…せ…先生?ごめん…ちょっとふざけてて…」
ヤマシン「………………………………………」
髪の束から水滴がしたたり落ちる。ポタ ポタ 。ヤマシンの前髪で表情が見えない。 よく見ると ヤマシンは下まで完全に濡らしており 着替える必要がある事は誰が見ても分かる状態だった。沈黙してる彼を 榊 よみ 大阪 ちよも遠くから不安げに見守る
智 「あは…は や…ヤマシン?」
神楽「先生?」
二人がそう言いかけた時、ヤマシンは上着とズボンをもの凄い早さで脱ぎ捨てた
さぁ…なつがはじまる!
Tシャツとジャージの下が宙を舞う。さらば ぐっしょり感。 黒く長い髪からまわりに水滴が舞い散る。 神楽・智が大きく口を開けたまま立ち尽くしている。 彼女等のすぐ眼前に なかなかたくましい男の胸板があらわれる。
とっさに自分の顔を覆う榊さん。 顔赤らめながら おーっ と歓声をあげる 大阪。 同じく 身を乗りだすちよちゃん だがよみの両手によって視界を遮られた。子供の教育にはいけないモノを隠した よみ本人はしっかりとヤマシン の裸をみすえていたのだが。
今脱いだ衣類がプールにパチャリと落ちた
「私、少し怒りました」
ヤマシンはそう言って髪を書き上げた。ライオンのようにふりみだしている。 そして 水滴がつく裸の上半身 細身のその体は美しく 長い髪から女性に見間違えそうな色気がある。次に下半身 彼はしっかりとジャージの下に海パンをはいていた。
おかげで彼は高校生相手にわいせつ物を晒す事は避けられた。榊が指の隙間からちらりと見る。よみはちよちゃんから手を離す。ちよちゃんは 『あれ何があったんですかよみさん』と尋ねる。大阪はそのままだった。ヤマダの目の前のボンクラ二人は固まっていた
「い……い…いきなり脱ぐんじゃねーよバカ!!」
「原因はあなた達です」
顔を真っ赤にさせながら怒る神楽にヤマシンは手首をプラプラさせながら答える。プールに投げた衣類を拾って、ヤマシンはプールサイドに上げた。水はもう 太股まできている。 彼は誰よりも早く臨戦体制に入った
「そ…そんななぁ…。女の前でお…男がい…いきなりは…ははは裸になるなんてなぁ…」
「神楽さん水泳部でしょう?」
「せ…せ…先生と…男子水泳部は…ち…ちがう…だろ! バカ!」
「つかさ〜ヤマシンさ〜」
顔がどんどん赤くなり 目が泳ぐ神楽。裸のヤマシンに対して目のやり場に困るらしく そっぽを向いてヤマシンと話している。そんな中、 ぼけっ としてた智が二人の間に割って入った
「下に海パンって事はめちゃくちゃ遊ぶ気で来てたっしょ?」
「………………………」
「………………………」
「そんな事はどうでもいいんです」
「あれ!?」
「重要な事は あなた達が 私を濡らした事です。神楽さん智さん」
「あれ…ヤマシンくん様子おかしいな〜?どうしたの?」
ヤマシンは二人にぐいっと近付き 言った
「私好みの女性になってもらいます」ぐいっと近付き 言った
「私好みの
Tシャツとジャージの下が宙を舞う。さらば ぐっしょり感。 黒く長い髪からまわりに水滴が舞い散る。 神楽・智が大きく口を開けたまま立ち尽くしている。 彼女等のすぐ眼前に なかなかたくましい男の胸板があらわれる。
とっさに自分の顔を覆う榊さん。 顔赤らめながら おーっ と歓声をあげる 大阪。 同じく 身を乗りだすちよちゃん だがよみの両手によって視界を遮られた。子供の教育にはいけないモノを隠した よみ本人はしっかりとヤマシン の裸をみすえていたのだが。
今脱いだ衣類がプールにパチャリと落ちた
「私、少し怒りました」
ヤマシンはそう言って髪を書き上げた。ライオンのようにふりみだしている。 そして 水滴がつく裸の上半身 細身のその体は美しく 長い髪から女性に見間違えそうな色気がある。次に下半身 彼はしっかりとジャージの下に海パンをはいていた。
おかげで彼は高校生相手にわいせつ物を晒す事は避けられた。榊が指の隙間からちらりと見る。よみはちよちゃんから手を離す。ちよちゃんは 『あれ何があったんですかよみさん』と尋ねる。大阪はそのままだった。ヤマダの目の前のボンクラ二人は固まっていた
「い……い…いきなり脱ぐんじゃねーよバカ!!」
「原因はあなた達です」
顔を真っ赤にさせながら怒る神楽にヤマシンは手首をプラプラさせながら答える。プールに投げた衣類を拾って、ヤマシンはプールサイドに上げた。水はもう 太股まできている。 彼は誰よりも早く臨戦体制に入った
「そ…そんななぁ…。女の前でお…男がい…いきなりは…ははは裸になるなんてなぁ…」
「神楽さん水泳部でしょう?」
「せ…せ…先生と…男子水泳部は…ち…ちがう…だろ! バカ!」
「つかさ〜ヤマシンさ〜」
顔がどんどん赤くなり 目が泳ぐ神楽。裸のヤマシンに対して目のやり場に困るらしく そっぽを向いてヤマシンと話している。そんな中、 ぼけっ としてた智が二人の間に割って入った
「下に海パンって事はめちゃくちゃ遊ぶ気で来てたっしょ?」
「………………………」
「………………………」
「そんな事はどうでもいいんです」
「あれ!?」
「重要な事は あなた達が 私を濡らした事です。神楽さん智さん」
「あれ…ヤマシンくん様子おかしいな〜?どうしたの?」
ヤマシンは二人にぐいっと近付き 言った
「私好みの女性になってもらいます」
空青っ!! 海っ!! はっ、はやくっ!!
ヤマシンは そう言うなり二人の前に腕をつきだした そして 軽く額に衝撃を つまりデコピンをかました。二人同時にあっという間の早さで。 二人は目を閉じる暇もなく デコピンをくらって バランスを崩した。そのまま二人はプールに倒れこんだ
ちよ「わぁ!!智ちゃん!!神楽さん!!!」
大阪「うわーびしょびしょや」
榊 「…………………………因果応報?」
よみ「間違ってはない…かな…」
水しぶきが舞い 二人が立ち上がる。びしょびしょに濡れたTシャツと まくったジャージズボン。濡れた髪の毛 したたる水滴。そんな二人をヤマシンは腕を組みながら 満足そうに頷いていた。そんなヤマダに神楽は怒りをあらわにしながらくってかかった
神楽「何すんだー!!」
智 「うわーびちょびちょ」
ヤマシン「あぁ…。いいですね…。いいですよ」
神楽「あぁ!?」
ヤマシン「私、濡れている髪の女性ほど色っぽいものは無いとゆうのが自説でしてね…。たまりません」
神楽「あ…あ…あ…ええ?」
ヤマシン「綺麗ですよ神楽さん」
ヤマシンはいつもより興奮した様子、 ただ目は死んでいたが 彼が甘いモノを食べる時と同じように うっとりした表情で神楽をみつめていた。 ヤマシンは相手の目をじっ と見て話す人間だった。 今、完全に神楽はヤマシンの瞳に捕えられた
「綺麗です」
「うそ…」
「綺麗です」
「うそ…うそ…」
「綺麗です神楽さん」
「う…うるさい!!うるさい!!先生!!うそつきはよくねー!!」
「美しいものを賛美できない事は嘘つきと呼ばれる事よりも苦しい。とゆうのが私の自説です」
「……………………………先生」
ヤマシンは プールのど真ん中で 神楽と至近距離になった。 互いに目が離せずにいられない。 ヤマシンは優しく濡れた 神楽の髪を触る。 水滴がヤマシンの手に伝う 濡れた神楽の髪は 光輝いている 若さとは美しさだ。ヤマシンは心からそう思った
榊がそんな二人を見て 再び顔を覆う。でも隙間からちゃっかり見てる。 大阪は先程よりも ぐっと 体を前進に押し出している そして ツインおさげの12歳はメガネの女性に視界をかくされた。メガネ女性はしっかりと見ていたが
「うぇーん」
突然の声に振り向く二人。すると 濡れた姿のままでいる智がいた。なんだか様子がおかしい とゆうか 泣いている。あまりの突然の出来事に二人は困惑した
「うぇーん。もうお嫁に行けなーい」
智は泣きながら 言った。完全に動きがフリーズするヤマシン。 あれ? 何故だ? 私は 彼女達がしたように水をかけただけ? 何故だ? 辱め…?私になく 彼女にある 恥… 。 そうか…!! うっかり とゆうか無神経だった。私は男であり 彼女らは女。つまり━
透け━━━。 私はなんてことを。 今、智を見ればよくわかる。濡れた上着が彼女の体にぴっちりと密着し、下着が透けてしまっている。 迂濶だった 私はとんでもない事をしてしまった。涙を流す 目の前の女性を見て ヤマシンの罪の意識はどんどん濃くなった
「す…すみません智さん…わ…私」
「うぇーんうぇーん辱められた〜」
「ご…ごめんなさい。ゆ…許されないかもしれませんが…その……」
「うぇーん私、清純なのに〜。ヤマシンに汚された〜」
「…す…すみません。その…何か…許し…」
「うぇーうぇーん。お願いきいてくれないと許さなーい!!許せな〜い」
「な…なんでも聞きます!!聞きますから!」
「じゃあ…どっか連れてって」
「はい!!わかりました!!必ず!!必ず!!」
「じゃあ許す」
「……………………は?」
ピタリと泣きやむ智。そして すぐにヤマシンの手をとり指切りげんまんをする。『はい約束ね!!わーい』 さっきの泣き顔は か弱い少女はどこにいったのか。ヤマシンが再びフリーズしている間、遠くから 奇声と足音が聞こえてきた
「濡れ高生━━━!!!!!」
木村だった。どこからか舞い戻ってきており、カメラ片手にずぶぬれの神楽と智を写真に撮りまくった。 二人は恥ずかしがるかと思いきや 以外と素だった。智なんか親指を噛むなどのポージングなどもしている。ヤマシンは頭が痛くなってきた
「あの……智さん」
「あぁヤマシン!!よろしくね!!期待してるから!!」
「いや……涙は??」
「あれ嘘泣き」
そんなあっさり………。ヤマシンは足元がふらふらするのを感じた。そしてとんでもないものを見た。いきなり二人は濡れた上着を脱ぎたしたのだ。 もちろん下も。 危うく18禁━━ かと思われたが。二人はもちろん下に水着を着ていた
「………………智S…」
「泳ぐぞ━━━━っ!!」
いつのまにか腰の辺りまで溜ったプールで 智は水に飛込んだ。神楽も続く。 まんまと智の計画通りに動かされたヤマシンは その場でプールに倒れこんだ。猫よりも 血よりも彼は女の涙が苦手だった
233 :
メロン名無しさん:2006/06/09(金) 23:59:16 ID:xqXCTnBoO
いい男だ、ヤマシン!
わらたw
やっぱり神楽はカワイイな
過疎ってるのであげ
(´・ω・`)最近はじめて物語の人見ないね
密かに楽しみにしてるのに・・・・・
.r-‐i'''''''''''i''''‐-、
o| o! .o i o !o
.|\__|`‐´`‐/|__/|
|_, ─''''''''''''─ ,、 / _
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| ● (__人_) ● |
! ノ
丶_ ノ
237 :
メロン名無しさん:2006/06/17(土) 20:27:07 ID:1XbkntCIO
あげ
■ちよ■
今日はとてもいい天気です。晴れの日はやっぱり気持ちがいいです。 最近は関東も梅雨入りしたらく、パッ としない天気が続いていたんですが 今日は雲ひとつない 晴れ晴れとした晴天です。思わず深呼吸したくなるようないい陽気です
さて 今日は、先週のプール掃除から一週間たった日曜日です。あの後、ヤマシンさんは智ちゃん達に おどされ せびられ 私達をどこか遊びに連れて行くとゆう事を ほぼ強制的に約束をとりつけられました。
本日はそのひとつして 「あじさい自然動物公園」に来ています。 最近オープンしたばかりだそうで 榊さんも前々からチェックしてたみたいです。 あ、そういえば今回のメンバーは三人です。榊さんと私とヤマシンさんです。智ちゃん達は今回いません
ヤマシンさんによると他の四人は 違う所へ行きたいと言ってるらしいです。個人の意見を尊重して 好きなようにさせるとヤマシンさんは苦笑いをしながら言ってました。そんなこんなで今日は三人で思いきり楽しみ事にしました。
バス停で待ち合わせして 私達はこの公園までやってきました。榊さん情報によるとインドゾウがいるらしいです。 もう 今からワクワクです。でも私よりも 榊さんがワクワクしているようでした。いつもより落ち着きがないような榊さんも素敵でした
受付では ヤマシンさんが財布を出します。大人 二枚の小学生一枚と窓口のお姉さんに言っていたので すかさず私が止めました。失礼しちゃいます。それよりもヤマシンさんと榊さんと私を見比べて『ご夫婦ですか?』と質問した窓口のお姉さんも失礼でした。
「そうです。可愛いでしょう。自慢の娘と妻です」
と、即座に嘘をつくヤマシンさんの真顔が一番 頭に来ました。 私、高校生です。子供じゃありません。 入ってすぐにヤマシンさんがアイス買ってくれましたが、それだけじゃ私の機嫌は直りませんでした。私、そんなに単純じゃないです。
こうなったら今日は とことんヤマシンさんにご馳走になる事決めました。一人暮らしだからって遠慮しようと思ったのが間違いでした!!予定変更です!!私はわざとヤマシンさんと距離を空けて歩きました。榊さんが困った様に笑ってました。
榊さんと手をつないで歩いて行くと ヤギが見えてきました。同時に動物独特の臭いが鼻孔を刺激しました
ヤギです。 柵の向こう側から私達を覗いています。大人ヤギから子供ヤギまでたくさんいます。 かわいいですね。 こっちまで一生懸命首を伸ばしているので 優しくなでてあげました。榊さんも震えながら 首もとをさすっていました
あっ。 これエサあげていいんですね。 ヤマシンさんお願いします。 2つです。 え?ヤマシンさんもあげたいんですか? じゃあ3つ。 これですか? あぁ 食パンの耳ですね 。 はい あげますよー。 よく噛んで食べて下さいねー
榊さん。榊さん。 いつまでもヤギなでてちゃダメですよ。 ほら 先に進まないと。榊さんは 一度撫ではじめると抜け出すのに時間がかかるので大変です。 ヤギの次は ウサギさんです。様々な模様のウサギさんがたくさんいます。自由に触っていいらしいです
ウサギさん最初は怖がって逃げていたんですが ニンジンのエサを片手に持って追い掛けたら 鼻をヒクヒクさせながら ウサギさんから こっちに来てくれました。 だっこしたらすごく柔らかく、暖かくて気持ちよかったです。
榊さんは土管の下に潜りこんでいるウサギを必死に抱き寄せようと頑張っていました。 榊さんはエサで動物をつる やり方が気に入らないようでした。しかし、いくら手を伸ばしても ウサギさんは榊さんから離れていきました。
「ウサギとカメにあるようにウサギは足が早いですね」
今だにウサギを触れない榊さんを見ながら、膝の上に抱いているウサギを撫でているヤマシンさんがぼやいてました。流石の榊さんもウサギより早く走って捕まえる事は不可能な様でした。だんだんそんな榊さんが可哀想になり 私が抱いてる兎を差し出しました
榊さんは 照れているような喜んでいるような表情でウサギさんを受け取りました。ウサギさんは おとなしく榊さんの胸の中で丸くなっていました。幸せそうな顔で抱き締める榊さんをみていたら無性にウサギさんがうらやましくなりました
ウサギのうんちはチョコレートみたいでおいしそうだと 誰にともなく言ってるヤマシンさんをスルーしながら 私達はウサギさんコーナーを後にしました。榊さんは何度も振り返りながらウサギさんに手を降っていました。
榊かわいいよ榊
なんか、話が進むにつれて、榊さんが段々かわいく見えてくるよね。
ウサギさんに続いて 「ふれ愛モルモット広場」にやってきたヤマシン ちよ 榊。 今度は飼育員らしき人がいた。首にタオルを垂らしていてやたら元気な中年のおっちゃん。石原先生とどことなく雰囲気が似ていると ちよは思った
ふれ愛広場とゆうわりにはスペースは驚くほど狭かった。だが、小さな箱庭にモルモットが数匹丸くなっている様子は そんな事どうでもよくなるぐらいかわいかった。もこもこしている小さな体はどことなく愛らしく、榊の鼻息が荒くなるのもしょうがなかった
「こ…これ触っていいんですか?」
小動物相手にやたらかしこまるヤマシン。飼育員に許可をもらうと 一番大きなモルモットを抱き上げた。ちよと榊もヤマシンに続く。ウサギのようにモルモットは逃げなかったので 榊は労せずモルモットを抱き上げる事ができた
ヤマシン「かわいいですねぇ」
ちよ「ねー」
ヤマシン「かわいいですねぇ」
榊 「…………かわいい…」
げっし類を抱きかかえて悦に入る三人。特に長髪の女性は明らかに二人とは違う 幸せの世界に飛んでいるようだ。体長30センチくらいのモルモットはちょうど子猫ぐらいの大きさであり、彼女は頭の中では噛みネコを思い浮かべながらなでなでし続けた
ヤマシン「モルモットって………」
ちよ「……………………??」
ヤマシン「ハムスターと何が違うんですか?」
ちよ「どうなんでしょうかね〜?チーターとかヒョウとかトラみたいな感じなんですかね?」
榊 「違う」
ちよ「え?」
榊 「…全然違う。」
榊はその後、いつものもの静かな彼女とは思えないほど熱烈に二人にハムスターとモルモットの違いを説明を始めた。大きさと体重はモルモットの方が大きい事。モルモットは昼行性だとゆう事。ハムスターはものを握れるとゆう事。冬眠をするとゆう事。
ヤマシンとちよは驚きながらも感心しながら話を聞いていた 問題だったのは動物のエキスパートのはずの飼育員も思いっきり頷いていた事だった。榊は一通り話終えた後、またを熱心に撫で始めた。ヤマシンはモルモットと榊との間に静電気が起きないか心配しながら見守った
特に気になったわけではないが、なにげなくヤマシンが飼育員のおっちゃんに話しかける。
「ここのモルモットは大人なんですか?」
「ああ大人だよ。ちなみに全部メスだよ」
「……?なんでですか?」
「オスといるとそれこそネズミ算式に増えちゃいますから。オスは大体よそにあげちゃうんですよ」
「え……?それって??」
「あぁちよさん気にしないで下さい」
オスとメス。男と女関係の話題を軽く ヤマシンは避けるようにした。 まぁ 動物の交尾については多くも語る必要もない。いずれ 自然に学ぶものだ。 それこそ初恋もまだした事の無いような少女だ。なんとなく後ろめたいのは誰だって一緒だろう
「それでやっぱり他の動物園にあげちゃうんですか?」
「いえいえ。幼稚園とか小学校とか 病院とか」
「病院?」
「モルモットですから」
「……………………………」
おっちゃんは爽やかに笑う。残酷な動物園の闇を吹き飛ばすような輝きがある笑い声だ。 悪い事を聞いてしまったと ちらりとヤマシンは思ったが おっちゃんは知ってか知らずか 豪快に笑い続けた。気まずい空気を一変してくれたおっちゃんには正直。感謝した
そんな中、一人だけ 明らかに取り乱している者がいた。僅かに体が震えている。そして その震えは少しづつ 少しづつ プルプルからブルブルと 大きくなっていった。ヤマシンとちよが異変に気付いた時には 榊は既に 正気を失っていた
次の瞬間。いきなり立ち上がった榊。あまりの早さと迫力でモルモット達も 隅っこに逃げた。 榊が抱いていたモルモットも既に榊の腕から離れている 榊はそのまま 何処かへ走り去ってしまった。あまりにも突然の出来事に二人は全く対処できなかった
ヤマシン「榊さん!?榊さーん!!」
ちよ「…榊さん」
二人がいくら呼んでも彼女は止まらなかった。全速力で動物園に走り去る榊。榊は長身だからすぐに分かるのだが あまりにも早く、遠くまでに行ってしまっている。これでは追跡は限りなく困難だ。ちよがオタオタしてる間、ヤマシンは爪を噛みながら舌打ちをした
「ヤマシンさん!榊さんが!榊さんが!」
「……追いましょう…。きっとすぐ見つかります」
「はい!!そうですね!すぐ行きましょう!」
「榊さんが何処へ行くのか…。何故走りだしのかなんてどうでもいいんです
「重要なのは彼女が泣いていたとゆう事です」
いいんです
「重要なのは彼女が泣いていた
よつばととのコラボキタ━━(゚∀゚)━━ッ!!!
榊は走っていた。別に何処へ向かうなどの目的は無い。理由もない。では何故 榊は走っているのか? それは本人しか分からないとしかいいようがないが、今回はその榊本人も分かっていない。要するに榊はただ走っているだけだ。それ以上でも以下でもない
ただ走る。全力で 。早く 早く。何故? なんで私は走っているんだ? 何故 早く? 違う 走っているんじゃない。私は 逃げている。誰から?山田さんから?ちよちゃんから?飼育員から?違う。 何か違う だが 分かる私は知っている。私は誰から逃げているのか
榊はひたすら走っていた。もう、ふれ愛広場からかなり遠く離れた所まで来ている。人の視線なんて気にせず、とにかく走った。汗が額を伝う 呼吸も早く、浅い。 そして━━━ 涙の粒も溢れでてくる。止まらない足と涙。感情の爆発。止められない 止まらない
いつも そうだ。私は逃げる。怖いから 恐ろしいから。 いつも、いつも、戦ってきた。そう、現実と。そして いつも私は逃げる。精神的に我慢できなくなると そう あまりにも私の心で受けとめられなくなると私は逃げる。文字どおり その場から
前にもこんな事があった。一年の時の文化祭。 愛すべき 完璧な等身大の猫さんに中があった時。 あまりのギャップに私は大きなショックを受け、その場から走って逃げた。その日は眠れない夜を過ごし、翌日、体調が冴えず 欠席しようかと本気で考えた
あの時以来。私はまた同じ状況にはまってしまったようだ。 全く同じ。涙が止まらない 胸が苦しい。とても痛い 心が 心が痛い。 転んだとか切ったとかの痛いよりも 鋭く 重い 痛み。
噂のように うっすらとだけ知っていた事。でも知りたくもなく、知らないふりをしていた事。 現実。 そう、今 私は現実逃避をしている。以前は着ぐるみの中身。今回は 幸せになれない動物。私はまた逃げる。知ってしまった事を後悔する。ただそれだけ
オスは小学校。または病院へ。メスは動物園へ。幸せになれない動物は何を思い 病院へ連れてかれたのか?病院で何を思って死んでいったのか? 考えただけで吐きそうになるくらい悲しくなる。幸せになれるのは人間だけ?動物は幸せになれないの?
何もできない自分は動物を愛する資格は?所詮は偽善?自己満足?最初から見て見てみぬふりするなら初めから━━。
そんなこと思いながら走った榊は見知らぬ場所にたどり着いた場所にたどり着いた
体力の限界か それとも平常心を取り戻したのか 榊は走るのを止めた。 息があがる 涙と汗と そして軽く鼻水が混じったものが地面に水滴の跡を作る。顔をがしがしと擦る。 でも止まらない。鳴咽と共に再び涙が溢れでてくる
「うっ………うぇっ………うぅ……っ」
何でこんなに悲しいんだろう。涙が止まらない 口の震えも。榊は自然と上を見上げた。歌にもあるように涙がこぼれないようにする為ではないが 榊自身、上を見た方が 涙が止まると思っていたことからの行動だった。するとぼやけた背景から何かが見えてきた
改めて目の涙を拭う。 そしてもう一度確認する。それは 榊が初めて目にするものだった。 小さい砂場にたくさん並ぶ長方形の石碑。そして花束。動物園とはかけ離れた雰囲気の場所。一つの悲しさをこのスペースから榊は感じとった
「お供えかい??」
「えっ??」
「お供えものをしに来たんじゃないかい?」
「あ……いえ…」
「そうかい。まぁゆっくりしていってやってくれぃ。その方が動物も喜ぶ」
不意に声をかけられ まともな返答ができなかった。どうやら声の主はさっきからいた(らしい)清掃員のおじさんらしかった。私との会話が終わった後、さっきから忙しくほうきを動かしている。そしてこの場所がどこなのか榊は理解できた。
霊園。つまり動物さんたちの墓場。 ひとつひとつの石碑に名前と誕生日。そして臨終の日が刻まれている。 石碑の下にはたくさんの花束と写真。お菓子や玩具もあってまるで本当の身内、少なくとも人間に対する追悼のように思いやりが榊には感じられた
「すごいだろう?毎日くる人だっているんですよ」
清掃員が人なつこそうに榊に声をかける 汗をタオルでぬぐいながら白髪まじりの髭が歪む。爽やかな笑顔だ。若い頃には美少年だったような印象を感じる初老の男だった。清掃員は黙って話を聞く態度を見せた榊に続けた
「ここいらの動物はみんないいこでねぇ。子供達の人気者だったよ。いつも最前列には目を輝かせた子供達がいてね。こいつはとても幸せそうだった。けどいつまでも人気がある動物なんていないよなぁ。そりゃ」
「ウサギは寂しいと死ぬってゆうけど人間も動物もいっしょでね?子供が来なくなってから急に逝っちゃうんだよ。ほとんどの子がね。それとも死期が近いから子供が見にこなくなるのか………。とにかく動物はほったかされるのがつらいのさ」
榊は静かに相槌をうったいのさ」
榊は静かに相槌を?
「で………死んだ動物はこんな風に立派な墓を作られて終わりだ。……………と思ってたよ最近までは。だってそうだろ?新しい動物が流行ったらみんなそっちに行っちまう。墓の下のヤツは過去のモンになる。子供達はそんなやついたなぁ程度に考えるぐらいだ」
「でも…違うんだよ。さっきも言った通り毎日来てくれる人もいるように墓場の下のヤツを永遠に思ってくれてるヤツもいる。たぶんあの人らには心ん中にはアイツらがまだ生き続けてるんだよな。きっと これからもずっと 墓参りに来てる間は必ずな」
「…これは漫画とかの作品にも言えるかもしんねぇけど…。死ぬって事は生きてる限りしょうがねぇし終わりのないもんなんてないから誰にも止められないもんかもしれない…が。それを覚えている事はでくるだろう?」
「そいつが生きてた事。死んだ事。それを覚えていてくれる人がいる限りそいつは死んだ事にならないんじゃないか?もう話す事はできないけどそいつの心の中にいる限り生きている事になるんじゃないか?そいつと心の中で会話できるなら。生きていると同じ事だ」
「だから俺は『死ぬ』って事は『忘れられる』事だと思っている。だからこいつらは死んでない。あの墓参りに来てくれる人がいる限りあいつらはあの人達の中で生きているからな。だからあんたも覚えておいてくれ。こいつらが確かに『生きていた』ってことを」
清掃員は何も言わず立ち尽している榊を見て 自分酔い気味に話していた自分を戒める気持ちで謝った。自分だけが気持ちよく話していた為 相手の反応を全く見ていなかったのかもしれない 年寄りの説教話に付き合わせてしまったと思い、頭を下げた
「いえ……」
「ありがとうございました」
清掃員が頭を上げると そこには合掌をして涙を流す 女の姿があった。長く美しい繊細な髪は風に流れており 目を閉じながら涙を流す彼女は 女神のようにも見えた。彼女は深く頭を下げて その場を早足に立ち去った。清掃員はボーッ と立ち尽くしたままだった
榊は霊園を後にしながら 笑っていた。先程までの 悲しみや苦しみから嘘のように解放されたのだった。 暖かい話 一つだけで彼女の心境は台風から降水確率0%の快晴にまで変化した。爽やかな風が彼女の胸の中を吹き抜けた
早く探さなくちゃ。ちよちゃんと山田さん。きっと私の事 心配してる。 彼女は軽い足取りで二人を探しに戻っていった。その後ろ姿はとても楽しそうだった。その後ろ姿はとても楽し
あの人の言う通りだ。人は忘れられない限り 人の胸に生き続ける。大事な事を忘れていた気がする。『捨てねこ物語』が終わっても私は頭の中で続編を考えた用に。 続いていくんだ それが 命だ。それが生きていたって事だ
そしてモルモットに限らず 保健所やペットの売れ残り。 世の中には命の闇がたくさんある。だからといって 正義感のみで多くを語るのはよくない。言葉のみで行動しないんじゃ 何もしてないと同じだ。
極端に行動に移すならベジタリアンになればいいだけだ。 そんな動物愛護は間違っている 。それは私が目指すべきものとは違う。それはわかっている。何が正しいか わからない。だけど 気持ちに応えてやる事はできる 私でも できる
神楽が勝負したい時に全力で戦うように。ちよちゃんが助けを求める時には本気で取り組むように 水原の遺志を理解して滝野を押さえ込むように。 気持ちに応える。期待では無い。気持ちに応えるんだ
大事なのは気持ちだ
愛とか 偽善とか そうゆうじゃないと思う。もっと 単純な気持ち。人間も動物も変わらないはずだ。 私だって 豚や牛の家畜を出荷する人だって モルモットを実験に使う人だって。同じだ。 慈しみ 感謝する お互い 同じ生き物だと考える気持ちだ
それが 愛だ
榊は そう考えた。足が軽い。軽くまた汗をかいてきた この清々しい気持ち。誰かに伝えたい。ちよちゃんなら分かってくれるかな?山田さんも きっと理解してくれる。楽しみだ
この気持ち 伝えたい。神楽━━━
君は分かってくれるかな?この気持ち。動物だけじゃない 君にも。気持ちは大事だ。でも気持ちは 言葉にしないと伝わらない。そこが難しい。そこが面白い。 神楽?君は今何を思って 何を考えている?
私は━━私はね━━━
「あ……。ちよさんほら…榊さん」
「あ!!榊さーん!!榊さーん!!」
ヤマシンとちゆが並んで座ってアイスを食べている元に榊が小走りでやってきた。二人の間に座って 榊はちよのアイスを二人で分けて食べた。ヤマシンもちよも榊には何も聞かなかった。それが榊にはとてもありがたかった。その後しばらくして三人は立ち上がった
今日はとても楽しかったと言って ヤマシンに二人は動物園の出口でお礼を言って別れた。もう夕方だった。そんな中、榊の頭の中はこれからのちよとの忠吉との散歩で頭が一杯になっていた。
動物好きの彼女にとって今日は本当に幸せだった
頼む。30〜40文字くらいで改行してくれんか?
それ以外はGJで続きワクテカです
さりげなく「すでに終了した漫画の二次創作」論になってる
あたりが憎いねぇ。
てか、この作者さん、以前に比べても話の作り方が上手になったなあ。
筆者が本来持ち合わせていた想像力・二次創造力、暖かみのある文章を構成する言葉の選択眼は幾重の経験を得て着実に向上してるし
筆力が伸びて、説得力のある文章が描けるようになった。
つまり、文章としても面白くなったってこと♪
読み手としてもなかなか嬉しいもんだな。
今回の動物園の話も大変満足満喫ですた〜♪
いつものことながら次回の話も楽しみに待ってるから。
たまに話の先を想像したりしてはwktkしたりもしてるよ。
このSSはこれからも筆者さんの負担にならないように、気負わない程度に続けて欲しいってもんだ。
願わくばこのまま、まっすぐ良い物書きさんとして育っていって欲しいもんだ。な〜!頑張りや〜♪
長文スマソ
都内のある場所に位置するアパート。築10年のピカピカの物産である
トイレ・バス別の1LDK。ロフト クローゼット 天窓 バルコニー付き。
一人暮らしには広すぎる10畳のフローリング部屋。使いやすいキッチン
この集合住居では最上階に位置する六階。しかも両隣と下の部屋は空き部屋なのも確
認ずみ。どれだけ大声を出しても(出した事はないが)苦情がくる事は無いに等しい
周りはあまり交通量が多くない静かな道路。コンビニまで5分 最寄り駅まで20分
しかも一階は酒屋が営業しており、度々お世話になっている。空き瓶をいつでも回収
してくれるのだ。リサイクルのゴミの日を
確認しなくてすむ。
まだまだペットがOKとかお湯がすぐ出るとかかわいいお姉さんが同じ階にいるとか管理
人が優しいとか自慢したい点がたくさんあるが ひとまず説明は終わりにする。今まで
話した まさに理想的な一人部屋は607号室となっている。その部屋の主も大層気に入っ
ているのは言うまでもないだろう。○塚のように『我が城です』みたいな自宅自慢をし
たいとゆう心は少なからずあったと言える。もちろんインテリアや部屋のイメージなど
その系統の雑誌も読みあさり 学習もした。そして、自分好みの部屋作りもほぼ完成
したといえる段階まで来た。
暖色で統一したその部屋は 暖かみのあるスィートルームを目標にしたものだった。わ
さわざ蛍光灯まで変えて 部屋をオレンジっぽくした。さらに間接照明や珍しい掛け時
計。渋谷の古着屋と同じお香。無駄に多い部屋中に張りめぐらせた白い布。生活感を感
じさせない収納技。クローゼット内にある薄型テレビにホームシアター。まさに完璧だ
そして、あと1つ。たった1つ足りない。この部屋には何かが足りない。そう恋人だ
。この部屋の主は 今は一人だが 必ず再び恋人を作る事を一人暮らしの目標としていた
誰でも考えるように一人暮らしのメリットは自由だ。つまりは 連れこみだ。この部屋
に決定的に足りないものは恋人。パートナーだったのだ。部屋の主は部屋の掃除をする
度に考える。 ベランダから見える夜空に誓っていた時もある。この部屋の、玄関を初
めてくぐる異性は 恋人であってほしいと。願わくば 心から愛した人であることを。
部屋の主。山田 進一は そんな夢物語を願うロマンチストでもあった。だがそんな少年
のような夢は初冬の朝、水溜まりに張った氷のように簡単に砕け散る事になる。
「おじゃましまーす!!うわ!!ヤマシンの臭いする!!四方八方ヤマシンの臭いだ!!」
「おじゃましまーす。あははいきなり洗濯機や〜。一人暮らしって感じやな〜」
「おおっ!!ソファーだ!!おおっ!!テレビだ!!ヤマシン!!テレビ見ていい!?」
「チャンネルどこやろな〜??これかな〜??あ。これコンポのやった〜」
「あった!!大阪!!これこれ!!見よ見よ〜。ほら!!笑点やってんじゃん!! あははは。ヤ
マシン〜!!なんかない??お菓子とか飲み物とか〜??」
二人で座るとピッタリと体が触れ合うラブソファは女子高生二人に占領され、ラブス
トーリーの映画を流す予定のテレビはお笑いを映している。こんなはずではなかった…
。ヤマシンはため息を付きながら 滝野 智と大阪の分のグラスと麦茶を出した
「なんだよー!!麦茶かよー!!お酒だせー!!またはジュースだせー!!」
「あ。私は炭酸あかんねん。それ以外なら…」
「出しません。私にできるもてなしは麦茶出すくらいです。お代わり自由ですよ」
ヤマシンはあからさまに嫌な顔して二人に麦茶を注いだ。まるで我が家のようにヤマ
シンの部屋をエンジョイする二人は 遠慮とゆうものをまるで知らないといった感じで
あった。何故 こんなことになったのか?そ
れは先週のプール掃除の件がらみであった
どこにでも連れていくと豪語したヤマシンに榊とちよは動物園をリクエストし、結果
ヤマシンは約束通り二人と供に あじさい自然動物公園に行き、満喫して帰った。それ
に対して大阪と智がリクエストしたのはヤマシンの自宅だったのである。流石のヤマシ
ンもこの時ばかりは異常に取り乱した。先程も述べた様に彼にとって自宅は『愛の巣』
であり、玄関をくぐるのは愛した女性でなければ認めない とゆうルールを決めていたの
だった。だが 実際に二人はもう上がり込んでいる。さらにヤマシンが二人に対して恋
愛感情が微塵もないとなれば不満が出てくるのも当然と言えば 当然かもしれない。
つまり、今日の出来事はヤマシンにとって人生の恥であり失態。故にヤマシンは二人に
できるだけ早く帰ってほしかった。にゃもさんならまだしも教え子の女子高生なんて…
はたからみれば決してよく見えない事でもある
笑点が終わり、麦茶の三杯目のおかわりが終わった頃を見計らってヤマシンは二人に
声をかけた。
「さぁそろそろ帰ったらどうですか?テレビは終わりましたよ?」
「え〜やだ〜!!もう少しゴロゴロさせてよ〜。せっかく電車使って来たのに〜」
「今日は雨がこれから降るそうですよ?濡れるのはいやでしょう?降らないうちにはや…」
「やだやだやだ!!まだいる〜!!なぁ大阪!」
「ヤマシンせんせ。私まだいたいねん…。ご飯作るから…。もう少しいさせて…」
正直。上目使いにお願いする大阪に ヤマシンはグッと来た。そしてもう1つ。ご飯━━
料理はもちろん、米研ぎも満足にできないヤマシンにとって 女の手料理は(誰が作る
にしろ)魅力的なものだった。ケーキやアイスや和菓子など甘い物ばかり食べているヤ
マシンが栄養が偏っているのは言うまでも無いが、恐らく手料理ならまんべんなくビタ
ミンやカロチンを摂取できる……。と彼は考えた。返答に悩む必要などあるはずもない
「わかりました。おいしいのをお願いします。私すごく期待してます」
「(うわっ!!手料理だけで意見変えたよこの人!!)」
「ええで〜。じゃあ麦茶もう一杯。」
大阪の機転によって ヤマシンの部屋にしばらくとどまる事に成功したボンクラ二人。
もう ヤマシンの頭の中には愛する人の為の部屋とか 今日の天気予報などはなかった
ただ おいしそうな料理とエプロン姿の笑顔の大阪しか浮かばなかった。もう時計の短
針は7を指している。二人が台所に向かってから30分は経過している。ヤマシンはナイ
とフォークを持ってワクワクしながら料理を待った。口の中はよだれで一杯である
「冷蔵庫には肉と緑黄色野菜がたくさんあった……。素材には全く妥協は無い…。大阪
と智の家庭科の成績は把握していないが 女である事に変わりは無い…。ならば最低限
の料理はできるはず…。少なくとも私よりは…。十分だ。それだけでも私が得る物は大
きい…。」
ぶつぶつと一人言をつぶやくヤマシン。死んだ目はただ虚ろに宙を見つめている。どう
やら空腹の限界が近いらしい。ひたすら料理を待つのは苦痛であった。だが、期待も比
例して大きくなる。大阪と智の手料理。木村先生に言ったら羨ましがれるかもしれない
そんな事思っている時、遂に二人が料理を運んで持ってきた。おいしそうな湯気が上がる
その 料理とは━━━━
ハラハラドキドキ
どー考えてもおおさかの料理がマトモとは思えんのだが・・・。
とりあえず、からくはないだろう。作った本人が味見できないんじゃな。
問題は、智との共同製作という点だ。
ドキドキ
ドキドキ
大阪の満面の笑みと湯気が上がるお皿。そしてソースの臭い。食欲をそそる香りだ。ぶっ
ちゃけ期待以上の出来だった大阪の手料理はヤマシンのテンションを最高値までつりあげ
た。そして、その料理とは!! お好み焼きだった。 皆さんご存知のとおり大阪は関西
出身であり、お好み焼きの本場である。かつおぶしや青海苔は無いものの、見た目はかな
りのクオリティの高さがあった。完璧な丸さは保っていなかったが、手作り感があって、
ヤマシンは好きだった。
「お好み焼き・・・・ですか・・」
「先生お好み焼き嫌い?」
「むしろ好きです。とゆうかよく作れましたね」
「キャベツと肉は冷蔵庫にあったで。生地はホットケーキミックスで代用しました。センセはホットケーキとかつくるん?」
「クレープとか・・・・たまに・・・では暖かいうちにいただきます。」
「あ ちょっと待って。智ちゃんのもくるから」
ヤマシンはフォークを口に加えたまま、ほかほかのお好み焼きを眼前にしながら素直に智
の料理を待った。 五分ほど経った後、ともがにやにやしながらお皿を持ってきた。これ
また食欲をそそる香ばしい香りがただよってきた。ゆっくりとヤマシンの前にお皿が置か
れる。 なんと、汁物。 智はコンソメスープらしきものを作ってくれたのだ。なんとな
く、ヤマシンは感動で胸が震えた。 いや、冷静になって考えると自分すごい幸せだなと
再認識せずにはいられなかった。 あらためていただきます。 ヤマシンはふたりが見守
る中、スープから口の運んだ。 具はにんじんとキャベツとウインナー。 これならおい
しく野菜が食べれるなと思いながら、智のスープをヤマシンはいただいた。
「・・・・・・・・・・・・どう?」
「・・・・・・ボーノ」
「・・・・・・二言でゆうと?」
「・・・・・・・・・・・・・・セ・ボーン」
おいしかった。 いや、別に智が作ったからおいしいとかの理由は抜きにして美味だった
できれば、毎朝の味噌汁の代わりに飲みたいくらいである。 にんじんも味が染みており
キャベツも底なしに柔らかく、舌上で解けるとゆう表現がぴったりだった。 スープを音
をたてて飲むのはマナーが悪いとされているらしいが、ヤマシンにはそんなこと全然重要
じゃなかった。 おいしい、おいしい。 具体的にゆうと皿を舐めたいくらいにおいしか
った。 まさに、コンソメスープのIT革命や〜
「大変おいちくいただきました」
「おいちく」
「・・野菜が柔らかくて・・」
「おいちく」
「・・・・・・・・・・」
「おいちいようでよかったよ。センセ」
智にお礼をいった後、ヤマシンは大阪のお好み焼きをいただくことにした。コンソメス
ープとお好み焼きの組み合わせはなんとも アレだが。いただきます。文字通りがぶり
つくヤマシン。 これは・・・・・ これは・・・・・・・ 道頓堀でした。
ヤマシンは大阪に何度か足を運んだこともあるが、特に印象に残ったのは抹茶プリンだっ
たが、 あの時、あの場所、あの大阪での雰囲気を思い出せるような・・・。そんな気が
するような味だった。思わずフォークが止まり、絶句するくらいヤマシンは大阪のお好み
焼きの味に酔いしれた。
「せんせ??」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「せーんせ?おいしい?」
「・・・・・このお好み焼き。好きです」
「好き?」
「抱けます」
「あははははは。おおきに〜」
自分でもよくわからないことを言いながら、ヤマシンはお好み焼きをたいらげた。生焼け
な部分が無く、最後の一切れまでおいしくいただいた。2人の料理の腕前は正直、予想以上
の出来であり、ヤマシンを気を使って調味料に一切手を付けずにいただいた。 智も大阪
も自分の分の料理を食べ、三人は有意義な時間をすごした。三人での食器洗いは大阪が一枚
お皿を割るというハプニングはあったが、無事終了した。
時間が過ぎるのは早く、もう時計は23:00をすぎていた。三人でトランプを終了させ、ヤマシ
ンは帰宅をうながした。 明日が休みとはいえ、高校生がこんな時間までほっつき歩くのは不
謹慎きわまりない。 終電も近い。 2人は今度は素直に腰をあげ、帰宅の準備をだらだとしは
じめた。
「送りましょう」
「大丈夫だって!!私ら2人だし!!」
「気持ちだけもらとくわ」
「今日はほんとに楽しかったよ!これマジね。そんじゃあねヤマシン」
「ほんなら〜 また」
「・・・・はい・・。気をつけて。」
バタン
閉じた扉をしばらく見つめたまま、ヤマシンは立ち尽くした。 ひとり また一人か・・。
なんだかやたら自宅が広く感じた瞬間、ヤマシンは形が無い悲しみにつつまれた。そして
玄関の扉を 勢いよく開けた。 だが、彼が望むべき人影は既にいなかった。 長く暗い
廊下にヤマシンは一人で立った。死んだ目で。 大阪はいった「ほんなら〜 また」
次があるのだ。そしてそれは彼にとって全く迷惑ではない。むしろ・・・・・・・・
「また・・。きてください」
ヤマシンは一人、誰もいないアパートの6階でつぶやいた。 しばらく誰もいない廊下
に立っていたヤマシンはトボトボと自分の家へ戻った。鍵を閉めることもめんどくさく、
彼はソファーに倒れこんだ。 うつぶせのまま窓を見ると雨音が聞こえてきた。
2人は終電に間に合ったのだろうか?傘をかしていれば良かった。 そんなことを思いな
がら、コンポのスイッチをいれビートルズの歌を流しながらヤマシンは動かなくなった
そのとき
バタン!!!!!!!
大きな音が響いた。とっさに顔をあげるヤマシン。 今の音は・・そう玄関の音だ
そして・・・・
「あははははは。ここ初めてだからさー。駅までの道迷っちゃた。」
「それにな〜雨が急にふってきてな〜最悪や」
先ほどの2人が玄関に立っていた。雨に激しく打たれたのだろう。所々が変色して
いる。湿っている証拠だ。 水滴をはじきながら2人は太陽のような笑顔をむけて
きた。本当に前向きですね この2人。
「つーわけで山田真一くん」
急に真面目そうな顔で話す智。その顔はどこか嬉しそうだった
「終電はもうすぎてしまいました。あとはわかるでしょ?」
ニコニコしながら続ける。本当に本当に前向きだ この2人
「私にどうしろと?」
このとき私がどんな顔をしていたかはわからないが、たぶん笑っていたんだろう
と思う。
「それを女に言わせる〜?」
うっすら顔を好調させながら2人は同じように女子高校生らしい顔でにやける
いや、わかってますよ。 ただ確認です。最終確認です。タクシーよろしくかもし
れませんですし。
「今夜、私ら2人・・・泊めて!!」
思わずファイナルアンサー?と 聞き返したくなった瞬間でした
お泊りktkr!
ここってSSスレなの?
>265
ハローエブリニャン、アイウィッシュアイワーアバード。
SSスレでなければ一体何だというのだ。
「私がうえです!!」
「いや私だ!!」
なんだかんだ言ってヤマシンの家にとまることになった2人。まず濡れたからだをどうに
かするため2人は風呂にはいることになった。男物ではあるが着替えやタオルを用意した
り、夜食を準備したりとヤマシンの気疲れは少なくなかった。一番大変だったのは智や
大阪が入浴中にはベランダで待機しなければならなかったことだった。別に貧相な2人
の裸が見たいわけじゃないが、一応男と女とゆうことでそこらへんの面子は守ることに
した。
さらに大変だったのは、自分のTシャツを着ながら濡れた髪を拭く大阪は独特の色気を
目の当たりにして我慢することだった。濡れてもすぐ乾く智のショートとは違い、大阪
の髪はじっくりと湿気を取り去らなくてはならない。 風呂上りにタオル。そしてシャ
ンプーの香り。 いつも自分が使っているシャンプーなのに、使用人によってこんなに
違うのだろうかと、ヤマシンはしみじみと思った。彼はロリコンでもシスコンでも
はたまたホモでもなかったが、髪の濡れた女性コンプレックスだった。以前、神楽にも
欲情しそうになるくらいヤマシンはその手の色気に弱かった。濡れ髪の大阪を見て初めて
三大欲求の内の性欲を感じてしまった。 不覚。 相手は発育不全(失礼)に近い女なのに
まともに見ることもできないなんて・・・。
大阪の髪が乾くとにつれて、ヤマシンは冷静さを取り戻すことができた。だが、一難さっ
てまた一難。今度は国民的暴走少女が寝る場所についてクーデターを蜂起しはじめたのだ
った。簡単に言えば、ソファーで寝るか、上のロフトのベットで寝るか。 もちろん大多
数の人がそうであるように上で寝たいのが当然だろう。ソファーは寝るには少し狭く、と
てもじゃないが気持ちよくねれそうにない
智は一歩も引かない。大阪は争いには交わらず成り行きのまかせます体制に入っている
「だから!私が上で寝るのー!!私が寝るのにー!私が寝るのにー!」
一方、ヤマシンもひかない。
「いや、あのベットは実は呪われていまして私以外の人が眠ると・・・ほら・・あれです。死です。死にます」
「そんなヒットしなさそうなホラー話があるかー!!」
「あれです。智さん。上のロフト、実はすごく寝づらいんです」
「じゃ、ヤマシンはソファーね。私寝づらくても上がいい。」
「ああだめです。ほら智さん・・・えーと・・。あれです。私のベットは私の香りが染み付いてますよ?臭いですよ?」
「別にいいよ私アンタのにおい嫌いじゃないし。それに私今日はなつまってるし」
ああいえば、こうゆう。2人の総力戦は続いた。だが、終戦は以外にも早く、そして簡単にやってきた
智 「大阪!!」
大阪「え?なに〜???」
智 「お前も上がいいだろ!?」
大阪「え〜?どっちでもいいよ〜??」
智 「そふぁーかベットって言われたらベットだろ!?」
大阪「う〜ん・・・。まぁ・・・・ベットかなぁ?」
智 「決定!!!ヤマシンはソファーね!」
ヤマシン「なんでですか!?」
智 「大阪と私は2人でねます!!ヤマシンはひとりです!」
ヤマシン「・・・・卑怯です」
智 「わははははははは!それともあんた大阪と2人で寝る??生徒と同じベットで〜??きゃー!!H!!」
大阪「せんせ〜私はええよ〜」
智 「馬鹿!余計なこと言うな!!」
大阪「え〜だって〜〜」
ヤマシン「私は男であり、あなたたちが女であるかぎり可能性はなくありません。よって私が一人になりましょう。
あなたたちが2人でいれば私に寝込みを襲われることもないでしょう。」
智 「・・:・・・・・・・(赤面)」
大阪「・・・・・・・・・・(赤面)」
ヤマシン「・・・・・・・・・・(死んだ目)」
大阪「わ・私ら女やって〜。あははははは・・は」
智 「い・いや〜可愛い女ってのは罪だな〜・・ははは」
ヤマシン「ネズミだって空腹になれば共食いしますしね・・・」
智 「な・なんだと!!どうゆうことだ〜!!」
ヤマシン「おなかがへればなんでもいいってことです。たべれれば」
消灯。仲良く2人よりそって寝る二人
「なぁなぁ智ちゃん。」
「ん?なんだよ?」
「男の人んち泊まるの私、初めてやねん。どきどきする〜」
「ん?私も初めてだよ??それがどうしたんだ?」
「あんな〜。こうゆう時眠れないってゆうやん。男意識しちゃって だからな〜私眠れなかったらお話付き合ってほしいねん」
「あぁ。別にいいよ。つかヤマシンから男感じるかぁ?(笑)たぶん私大、爆睡だな。」
「私、あかん・・・。徹夜かもしれん・・・・」
「はははは。しゃべっているうちに眠くなるって」
1時間後・・・
「あれ?おおさか?・・・・・・・」
「スー スー・・ スー・・」
「寝てる・・・・・・・・・・。」
さらに一時間後・・・
「・・・・・・寝れない・。」
「・・・意識してる?ばかな!?(笑)あ!!そうだヤマシンも眠れてないのかも!」
こっそりベットを降り、ヤマシンの寝顔をうかがう智。そこには完璧な寝顔。絶望。え?眠れないの私だけ?
「・・・・・・・・・み」
「ん?なに?」
「・・・・・・・・・・・みさん」
「寝言・・・・?」
なにやらつぶやくヤマシン。耳を近づける智。寝言らしいが良く聞き取れない。
「・・・・・・よ・みさん」
「・・・・!!!!」
つぶやいていてのはよーく知っているあの人の名前。ヤマシンとは仲が良いといえないのになぜ??
なんとなく聞いちゃいけないものを聞いてしまった気がした智は全力でベットに舞い戻った。
「ん〜?」
大阪をおこしそうになってしまったが、なんとか仰向けに寝転がることはできた。しかし、なんでヤマシンがよみを?
2人は全然接点がないし・・・むしろ・・。甘いもん好きなところは一緒だけど・・。
でも・・・・・いや・・。ヤマシンなら・・・よみの心を・・。だけどよみは・・・・・。
家庭教師 ロリコン 変態 写真 猜疑心 男性不信 ボディタッチ
同性愛 先生 男 本来の愛 傷 成長 目覚め・・。
もんもんと考えているうちに、彼女は安らかな眠りの世界に旅立っていった。こうして人生初の男の家へのお泊り
は新たな謎をのこしたまま幕をとじた
水無月 完
271 :
文月 1:2006/07/01(土) 02:53:47 ID:???0
本名 山田真一 あだ名 ヤマシンの人生は人間の優しさと憎悪に包まれていた。
どちらも根底にあるものは「愛」と言えるだろう。そして、 愛は彼の心をズタズタに
切り裂きもしたし、暖かく彼の心の傷を癒したりもした。彼は自分のことを「白になりたいグレー」
と表現している。 黒と白が1:1の比率であるように 牛乳とコーヒーでカフェオレが
できるように。かれは「灰色」であり、現在もそれは続いている。いつか、真っ白にな
りたくて、彼は今日も学校へ向かう
ヤマシンは実は自分の本名を知らない。ましてや誕生日や年齢さえもあやふやである。
いわゆる彼は捨て子であった。 彼は雨が降る暖かい冬の日に孤児院の前で拾われた
生んだ者も捨てた者も全く見つからず、彼は孤児院ですごすことになった。ただ、名札
らしきものがつけられており「山田」とだけ書かれていた。 よって名字だけははっきり
と名乗ることが幼いヤマシンにはできた
彼が拾われて7歳になった時の春。孤児院のお得意様の寄付者の西野氏がヤマシンの受け入れ
を孤児院に申し出た。西野氏は町でも有名な資産家でもあり、結婚もしていない中年のおじさん
だった。こんな裕福な方が引き取ってくれるなら と孤児院の院長も安心してヤマシンを差し出した
ヤマシンも断る理由もなく、小学校にもいかせてくれるといった条件に歓喜しながら快諾した
西野のことを父さんと呼ぶのには時間がかかったが、ヤマシンは快適な生活を送っていた。実際、
なに不自由なく衣・食・住があるのだ。これを幸せと言わずなんとゆうのか。このとき山田真一 8歳
美しく白い肌に 輝くつぶらな瞳 お嬢さんと声をかけられることも少なくなかった。
そして、彼は芸術面に大きな関心があった。本を読んだり、絵を描いたり、音楽鑑賞を心から愛した。
彼の天才と呼ばれる能力が開花するのは、まだ後になるが当時、彼はそれなりに優秀だった
西野氏は非常に優しくヤマシンに接してくれた。それは愛情からくるものであり、ヤマシンも西野が
大好きだった。西野を父さんと呼び始めてから三ヶ月。西野が同じベットで寝ようと言い出してきた。
今までは同じ部屋で、別々の布団だったのだが 西野とヤマシンの就寝スタイルは変化した
一緒に風呂に入り、一緒に飯を食べる西野と一緒に寝ることにヤマシンは何の抵抗も感じなかった。当た
り前である。まだ10にも満たない子供だ。
西野はヤマシンを愛していた。もう一度言う。西野はヤマシンを愛していた。文字どおり心から、体まで
272 :
文月 2:2006/07/01(土) 03:16:15 ID:???0
西野はよくヤマシンに対して 食べたいほど可愛い。と言って自分の愛の言葉をヤ
マシンに言って聞かせた。風呂でやたら肌をくっつける時、そして布団の中で性器を
擦り付けるとき。西野はお稚児趣味だった。肛門愛好家であった。孤児院への寄付も
自分好みの子供を見つけるためだけだった。 彼は真正の変態だった。
おかげで当時SEXのSの字も知らないヤマシンは童貞の前に処女を失ってしまった。
ただ痛いのを我慢するぐらいしか感じていなかった。だが、西野の執拗な体の愛は彼を
心からうんざりさせた。 そして、西野から拾われてちょうど2年。ヤマシンは家から
逃げ出した。もう蜂蜜やゴマ油を体に塗られる習慣をやめにしたかった
いくあてもなかったヤマシンは孤児院に舞い戻った。 院長に訳を話したら泣きながら
謝られた。ヤマシンの手を取って何度も頭を下げた。なんだかヤマシンも悲しくなって
ヤマシンもわんわん泣いた。二人とも悪くないのにわんわん泣き続けた
孤児院の維持はジョジョに厳しいものになっていった。西野が寄付をやめたのも要因の
一つだった。ヤマシンはそこで少々、荒い手を使うことにした。彼の才能が開花した瞬
間だった。西野の家への不法侵入。さらに金庫と通帳などのかっぱらいだった。
そのとき、まだ西野とヤマシンは戸籍上の家族だったのでぎりぎり合法だった・・・
のかもしれない。だが、やましん自身には罪の意識は微塵もなく、むしろ当然
だと思っていた。「私のア@ルは高いですよ」と援助交際のようなこと言っていた
そして、彼の才能は一度見たものを一瞬で記憶してしまうことだった。
玄関のロック ATMの暗証番号 金庫の番号 全て記憶していた。そして彼はその大金
を全額 孤児院に寄付した。 もちろんただではなく、中学・高校・大学の進学と院長が
精神的な母親。というよりはおばさんだが なってほしいという条件のもとだった。院長
は瞳に涙を浮かばせながらうなづいてくれた
273 :
文月 3:2006/07/01(土) 03:31:14 ID:???0
その後、ヤマシンは大学まで容易に進学する。勉強は苦手だが、教科書を丸暗記するだ
けで大体の試験はクリアできた。成人式の日。ヤマシンは一人でパフェとあんみつを食べ
ながら将来の進路について考えていた。
ヤマシンは考える。 初めての家族から真っ黒な愛情をうけ、拾ってくれた人から真っ白
な愛をもらった。 そして今、自分は灰色と言える。これからの人生。黒いひともいるだ
ろう。けど、白い人はもっとたくさんいるはずだ。もっと白い人の交わりたい。それがヤマ
シンをが動く最大の理由だった。これからの人生、もっと多くの人を知りたい。交わりたい
その明確な目標から浮かんだのが教師だった。
朱に交われば赤くなるように白に交われば白くなる。その考えは今もヤマシンの中に残って
いる。どちらかといえあばヤマシンは「教えるために学校に行く」のではなく「学ぶために
学校に行く」のほうが近かった。 もうヤマシンの思いをとめることはできない。
「毎日、甘いものを風呂上りに食べたいように毎日、学校に行きたい。」
こうして、ヤマシンは孤児院の母に別れを告げ一人暮らし始め・・・・・
ちよ・榊・智・大阪・神楽の学校に登場したのであった
うわ、何んやハードな展開に…
ヤマシンの死んだ目に、そんな由来が?
でもこれは、よみさんの心を解かす鍵にもなれる予感。
二人に、善き「ひと波乱」が怒りますように。
間違えた、起こりますように。
しかし作者の方はいつこれを書いているんだ……ペースが速い
次はよみかぐペアなのか?
おぉ、そういえば。どこに連れてってもらうんかな?
原作ではつながりの薄い二人だけにどうなるのか楽しみだ。
まっ、ペアとは限らないのだが。
,.. -――- ..
, ´ ゙ 丶
/ i \
/ /| ii .i 丶
i .! ,! | | i | i ヽ
i ! /| i !, |. i .iヽ | i
| .! .!|! i | ヽ___|,.ヽ、| | .i
| .!||.!.!__ !! -´ ヽi | | |
| !| !! ,-、 ,.-.,-.、 | i_ |
| i /.r::イi .i;;;;ゝiヽ| !.`i .|
| !.! ヾ_丿 ヽ ノ .| !.丿 .!
| ! , | | |
| ヽ. .| ! |
| | iヽ. _ /.! .! !
| i .| i 、` ー-┬ i ´ ! .! ヽ i
! i.i | ヽ ヽ/ i.i:i .! .! /:>、ヽ
i .| i .! .∨ .|.|::!. ! /ヽ! /://>、゙、
-..,, !.| ヽ! ./ |.|:::!__ .!/ .i::i// i i
/ ゙゙ - ..,, __`. / i. ゝ- 二゙ --- , // !. i
/ ゙゙゙ --..,, /i __  ̄ ̄ i | .,i
/ -/- ,,..,, 、 ゙゙゙ -- ..,,,r::::::ヽ , - !、 iノ
/ (乂ヽ(ノ ) -ヒ´ ゙゙゙ ┘i., ヽ .!
/ _ ´ ´ /丿 丶__/´-- ..,!
/ 口 フ- -/- i
/ ソ/三/ (/ )`_∠ ヽ , i
/  ̄ ハ / 丿 | , i
/ ヽ_ノ | i i
/ 丶 i
なぜその紙を俺に向ける。
誰かヤマシnのAAイメージで作れよw
282 :
文月 4:2006/07/03(月) 20:25:24 ID:???0
七月。文句なしに夏。黒点まみれの太陽は容赦ない日差しを地球人めがけて浴びせま
くり、人々は去年より暑いと毎年毎年同じことを知人に言うそんな季節。地球温暖化を気
にする人も、気にしない人も、エアコンはやはりこの季節には必要不可欠といえる。
だが、この高等学校はエアコンが教室に設置されていない。よって、窓を全開に開け放
つなどをして少しでも教室内を涼しくしようという生徒たちの努力むなしく、三階は外
気との循環が悪い為、蒸し暑さがのこる教室となっている。だが、今の生徒達、特に三
年生にはこんな不快指数の以上な高さも全く気にならないといってもいいほどの出来事
があった。とゆうよりは・・・これからある。つまり・・・・・
明日は修学旅行だった。
飛行機にはじめて乗る人も、乗らない人も。スキューバーダイビングをしたことが
ある人も、無い人も。西表島に行く人も、宮古島に行くひとも。シーサーも、ねこ
こねこも。ごーやちゃんぷるーもさーたーあんだぎーも。ウコン茶もちんすこうも
ここにくれば皆、笑顔。南の楽園。常夏パラダイス。気候は亜熱帯。ここはある意
味外国です。 okinawa。
様々なドラマが期待される修学旅行。誰もがそうであったように、ここでなんとか
彼氏彼女を手に入れたい。誰かと親密になりたい。一生の思い出を作りたい。とこ
の旅行をきっかけにして何かを変えたいと思っている人は多い。 それはあの六人
のもいえたことでもある。
夏休みまであと一歩。期末テストまであと何日?。様々な想いを乗せた飛行機は、
今、飛び立った。 今年もまた夏がくる。 文月が始まった。
283 :
文月 5:2006/07/03(月) 23:09:06 ID:???0
『機内にて』
ヤマシン「かーぐらさん」
神楽「ん?ん?なに??」
ヤマシン「飛行機乗るの私、初めてです。」
神楽「あぁ 私も初めてだよ?どしたの?」
ヤマシン「いや、あれです。行きたいとことか今あります?」
神楽「ん〜 ・・・ごめん今はあんまそうゆうこととか考えられない。大会さ・・・近いんだ・・」
ヤマシン「・・・そうですか。残念ですね 」
神楽「ほら!私最後だしさ・・。インターハイ行きたいじゃん」
ヤマシン「みなもさんから聞いてます。応援してますよ」
神楽「ありがと!・・あとみなも先生から聞いたんだけ・・・。先生、副顧問なんだろ?」
ヤマシン「さすが。早いですね。まぁ・・。色々大人の事情がありまして、みなもさんと共に水泳部の指導をさせて頂くことになりました」
「夏季限定ですがね」
神楽「先生泳げの?」
ヤマシン「バタフライ以外なら」
神楽「んじゃあっちついたら勝負しようよ。」
ヤマシン「こんなときくらい部活を忘れたらどうですか?」
神楽「・・・・・ごめん。わたしってそうゆうふうに割り切れないから・・。」
ヤマシン「・・・あなたは強くなります・・。」
神楽「え?」
ヤマシン「いやいや。一番めざしてがんばってください。」
神楽「ありがと!!」
神楽の部活は水泳部であり、夏の県大会が最後の大会である。全国行きが決まれば、秋近
くまで部活を続けることができる。さらに、調査書に記載できるアピールポイントのもな
る為、進学の可能性も高い。などが建前であるが、神楽は違かった。彼女はただ自分の力
を知りたいだけだった。では、一番になれなくてもいいのかと問われるとそれはそれ。と
神楽は答えるだろう。スポーツをたしなむ者が一番を目指さないことがあるのか?答えは
否である。
284 :
文月 6:2006/07/03(月) 23:39:24 ID:???0
正直、神楽は高校で榊に出会うまでは心からの挫折を味わったことが無かった。努力では
超えられない壁。才能。身体。榊に出会ってから、神楽はより一層水泳にうちこんだ。榊の
気にしないといった態度はさらに、彼女を本気にさせた。家での筋トレ。早朝ランニング。
どれもこれも榊に勝ちたいといった思いからくるものだった。結果。神楽は一年間で驚くべき
成長を遂げる。先輩の水泳部員をごぼう抜きにする実力は鬼気迫るものがあった。努力の申し子
それが神楽だった。 だが、それでも及ばないのが全国レベルだった。神楽は認めたくも無い
現実だが、神楽より早いタイムをたたき出す選手は日本中に存在した。悔しかった。
自分の弱さを実感すると同時に、友さえもが侮辱をうけたような気分だった 榊。彼女は神楽
にとって特別な存在である。 ライバルであり心の親友。 よき競争相手でありクラスメイト。
神楽は考える!!私の水泳での敗北は榊の敗北でもある。私は榊には水泳と長距離走なら間違
いなく勝てる。神楽は榊と榊に勝った自分に誇りを持っている!!それは小さいけれど彼女にと
っては輝かしい希望の光!!絶対に守り抜きたい黄金の光!!
榊にか勝っていいのは、私だけ。私に勝っていいのは榊だけ。神楽のい瞳に迷いはない。絶対の
負けられない戦いがもうそこまできている。
神楽は信じている!!高校生活のほんのささいな、はたから見れば小さいこと。敗北や勝利!!
それは人生を変える機会であると。チャンスである。たった一つの敗北が水泳好きの私を一人
の戦士にしてくれた。これが私の生き方だ!勝負とは 神聖だ。勝ち負けじゃない。真剣さだ
私は勝負に 生きる。相手が榊でも!!全国でも!!男でも!!私はまだまだ強くなれる!!
変われる!!勝負馬鹿と言われてもこれが私の生きる道だ!!
『やりたくないことやってる暇はない!!!』
こうして神楽は榊との出会いで『道』を見つけ・・・・・
誇りをもって全国に臨むのであった!!!!
キタ━━(゚∀゚)━━ッ!!!
神楽はいつでも一所懸命だなー。
ガンバレ。
ごく微量のさかぐらテイストが、また心地よくて。
ついつい読み進めてしまいます。
287 :
文月 7:2006/07/05(水) 01:13:58 ID:???0
智「はい。榊ちゃん!あげる!!」
榊「あ・・・あ・・あ・ありがとう。」
空港土産を開けてしまった智。一人で食べるのもあれなので、みんなにあげて回ることにした様子。
智「あれ、ちよちゃんは??」
榊「・・・春日と一緒に飛行機内を冒険してくるらしい・・さっきいった・・」
智「ふーん・・。まだまだ子供だねぇ・・・。んじゃここ座っていい?」
榊「・・え・・いいよ。」
智「ほんじゃ。失礼しまーす」
「・・・・・・。」
「榊ちゃんって飛行機のったことあるー?」
「・・一度。」
「とぁーーーっつ!!」
いきなりチョップをお見舞いする智。脳天空竹割り。バシィ と榊の頭から音が響く。
一瞬なにがおきたかわからなるくらいのチョップの威力は榊を困惑させた
「ちくしょーボンクラーズだけかよ、飛行機のってないの。人生経験の差っつーか」
「・・・・・・・・・・・・。」
「あ おみやげおいしい?」
「あ・・・うん」
智が空港で買ったのは、チョコレートだった。1900年創業のハーシー社。今も昔も人気のチョコ。
世界中で愛され続ける人気ブランド。何故日本の空港で外国のお土産を買ったのかは智しか知りえ
ないことだが、味はおいしかった。2人とも仲良く並んでチョコに舌鼓をうった。
288 :
文月 8:2006/07/05(水) 01:15:13 ID:???0
「榊ちゃんさー。今、彼氏とかいる?」
「・・・!!い・・いや・・いない。」
「ふーん・・。もてそうなのにねぇ。告られたりは?」
「・・・手紙なら何回か・・・・」
「え!?んでどうしたの?」
「差出人が手紙だしたきりあらわれなくて・・・・・・。ただ・・もらっただけ」
「・・・・・・かー。やっぱちがうなぁ・・。」
「・・・・・でも・・知らない人から言われるのほ困る・・・・。」
「・・・まぁねぇ・・。でもたしかにそうだよね。相手にしてみればよーく知ってる人なんだろうけどさ」
「・・・・・・・・・・」
「・・んじゃキスも?」
「(顔を赤くさせながら首を全力で左右に大きく強く振る)」
「ふーん・・。ってかキスttwレモン味ってゆうじゃん。あれどう思う??」
「・・・・知らない。か・・考えたこともない・・・。」
「このチョコレートねぇ・・。キス・チョコレートって名前なんだけど・。どう?」
「・・??どうってきかれても・・・・・」
「たとえばよ?たとえばね・・・」
「・・・・・・・!!!」
智はいきなり持っているチョコレートにむかって目を閉じ、唇を近づけていった。つまり、キスそっくりの行為をチョコにしようとした
榊の驚きと興奮のまなざしに気づいたともは、キスを中断した
289 :
文月 9:2006/07/05(水) 01:16:47 ID:???0
「やーんもう!!あんまりじっと見ないでよ」
「あ・・ぁ・ごめん・・。」
「ま・・まぁあれだよ。これを相手の唇だとしてね!!キスをしたとするじゃん」
「・・・・・・・・・・」
「唇と唇をあわせてもチョコの味がしないわけ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「人間は舌ってもんがあるから味を感じれるわけで・・・・」
「(赤面しながらも興味津々)」
「つまり!レモン味っていうやつは!!実は!!」
「・・・・・・・すっぱいものを食べていた・・?」
「甘ーいね榊ちゃん。半分正解ってとこかな。つまり!キスに味覚を感じたってことは!!舌を少なからず使っていたのよ!!」
「・・・・・・・・・・!!!!!」
「つまりディープキスね。」
「(トマトとか赤ピーマンとかに近い赤さ)」
「だからこんな感じだったんだろうね」
そうゆうと智はチョコを口に投げ込み、ちゅぱ。ちゅぱとわざと大きな音をだして舐め始めた
その後方にふらふらとにゃもがあらわれる
「あら、滝野さんおいしそうね。ひとつもらえるかしら?」
「あ、にゃもちゃん!あ!質問!!にゃもちゃん初kissいつだった?」
チョコをとりながら、にゃもかすかに顔を紅潮。榊・とも かなり顔をちかずけてにゃもの答えを待つ
「・・・高校三年の修学旅行ね・・。あんたたちも今回はチャンスなんじゃないの?」
年上の余裕さを感じさせながら照れ顔で言った後、にゃもは軽足でその場を立ちさった
しばし、赤い顔でかたまったままの二人。先に会話をきりだしたのは智だった
「だって、榊ちゃん。」
「!!・・そんな・・。第一、相手がいない・・・」
「いるじゃん(笑)木村とか大山とかヤマシンとか・・・」
「・・・・・・・・・・・・・(伏せ顔)」
「あっはははは。冗談だって」
「・・滝野は・・・どうなんだ?」
「え!?私はね〜・・・別に〜あせってないし〜」
「え・・まさか・・・すでに・・・」
「ん〜 秘密ぅ・・・」
いたずらっぽく微笑む智と なにかと気になる榊。そして無言で2人の会話を聞いていたのは
智・榊の前の席のよみさんでした。
290 :
メロン名無しさん:2006/07/05(水) 01:34:01 ID:gpuMp9Ig0
ヽ、 ヽ:.、、,
、、 ヾ、:、.ヾ::::ミー:.、、,,
、::::`=:..、_ヾミ::`:::::::ヽ、:::::`:ー.、.ヽ、 、
.`ヽ、:::::::::三"ニー-::...ニ=-:、::、::ヽヽ .i:!
-ー '''''ーニ三ニ‐:::-ニ三ニ::::::::ヽ::::iノ::i
::::::::::: ̄::::::::::::::ン:三=ー-:::::::::::::::::::リ
::::::::::::::::::::ン:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ソ、
ッ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,:::,::::::ンノソ
::::::::::::::::::::/::::ン::::::::::::::ェ= "::://::::ハ
:::::/::::::::::::::ン:::::::::::::/::::::///:::::::::::::i
::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::'::::::::::::::,:':/::::i
::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::ン:::::,::':::::::,':::::i!
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=ィ::::〃:::::::::::::::,:::'ン-'''//::::/ ヤ::::/ i:!
./ハ:::::::〃:::::::/ '" /" .. ,ソiリ !
ヾ. l::::/' ',::il::/ヽ _... ン i '
.ヾ、リi リ ソ :::ヽ、  ̄‐'/ i
','ソ ヾ、_,... ッィ'ノ´. ` ../ / k
i ヽ、__ ,ノ / , / / i
i '' ‐-‐ ' //, ' , ' ⌒ i
291 :
文月 10:2006/07/06(木) 23:40:29 ID:???0
機内を探検していたちよちゃんと大阪。
「結構機内広いなぁ。はじっこのクラスまでみえそうや〜」
「そうですね〜。この飛行機、貸切ではないらしいですからね〜」
「あ〜 そうなんか〜。ほんなら私たちは指定席〜??」
「たぶんそうですね〜」
「すいーと??」
「・・・? 飛行機は違いますね〜」
「あっと・・・ えころじ〜?」
「それをゆうならエコノミーですね。クラスをつければなお良いです」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「なにか見えますか大阪さん?そんなに窓の外ばかり見て」
「・・・少し不安やねん・・。墜落するかも・・・。」
「大丈夫ですよ〜 隕石が地球に落ちるくらいの確率ですよ〜」
「ちよちゃんは落ち着いてるなぁ〜」
「飛行機より・・・私は車のほうが・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「私な〜 少し、スチュワーデス憧れてん」
「あ そうなんですか?キャリアアテンダントでしたっけ?」
「だからちょっとやってみたい〜」
「あてんしょんぷり〜ず あてんしょんぷり〜ず。当機は沖縄行きで〜す」
「は〜い」
「しーとべるとをおしめくださ〜い」
「は〜い」
「お飲み物はなんになさいますか〜」
「じゃあ牛乳くださ〜い」
「なんかマクドのバイトとあんま変わらんような・・・」
「私もそんな気がします・・。」
292 :
文月 11:2006/07/06(木) 23:42:59 ID:???0
「あれ?なにしてるんですかちよさん。大阪さん。」
「あ せんせ〜」
「あ ヤマシンさん。 ちょっと遊びを・・。」
「大阪さんが・・スッチワデスごっこですか」
「なんですかスッチワデスって」
「私は親しみをこめてそう呼びます」
「あんな〜 せんせも協力して〜 なんかシュチュエーションない〜?」
「じゃあ私が急に病気になる人やります。んでちよさんが私の付き添いで大阪さんがなんとかしてください」
「わかった〜 人命第一に行動するで〜」
「うっ!!! 心筋梗塞みたいだ!!!」 バタッ
「きゃあ!!ヤマシンさん!!」
「大丈夫ですか〜 大丈夫ですか〜 しっかりしてください〜!!」
「・・・・うぅ(必死で笑いこらえる)」
「スチュワーデス大阪さん!助けてください!!」
「まかせなさい〜 私にまかしとき〜」
大阪「・・・・・・・・・・・・」
ヤマシン「・・・・・・・・・・・・・」
ちよ「・・・・・・・・・・・・・・」
大阪「この中にお医者さんはいませんか〜?」
ヤマシン「・・!!!!」
ちよ「他力本願!!!!!???」
木村「はーい!!!」
ちよ「いたーっ!!!!!!!!!」
293 :
文月 12:2006/07/07(金) 00:06:07 ID:???0
一人、沖縄のパンフレットを読む暦。その近くに一人、男性教師。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・なんか用か。ヤマシン」
「・・あなたとゆかり先生ぐらいですよ。私にタメ口は」
「・・・気にする性格じゃないだろう?あんたは」
「わかってるじゃないですか」
「んで?なんか用??」
パンフレットを読むことを中断してヤマシンに向き直るよみ。
「まぁ・・。あれです・・・。デートのお誘いを」
「はぁ!!??」
「まぁそれは冗談として・・。よみさんの行きたいとこを尋ねにきました」
「・・なんでだよ」
「つれていきます」
「いや、いいよ。」
「つれていきます」
「いいって」
「つれていk・・・」
「いいっつってんだろ!!私にかまうな!!」
「・・・・・・・・・・・・」
いきなり罵声をあげる。よみ。あまりの迫力に一瞬その場は騒然となる。
294 :
文月 13:2006/07/07(金) 00:07:47 ID:???0
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
「・・あのさ・・。なんていったらわからないけど・・。私と仲良くしようとしないでく
れ・。私は・・あんたの思うような人じゃないし・・。私は・・男は・・・嫌いなんだ・
・。・・・・わかってほしい・・・・。」
よみはがっくりと肩を落とし、下を向く。しばらく、2人の気まずい沈黙が続く。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「じゃあどこでもいいって解釈しますね??」
「!! おまえ・・・・!」
「じゃあ そうゆうことで。」
「・・なんであんたは私の思うことと逆に動く!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
よみの席から離れるヤマシン。そして、よみの一言に立ち止まって振り向く。死んだ目で
「・・・・なんで私があなたの思い通りにうごかなきゃいけないんですか?」
それだけ言ってヤマシンは自席にむかって歩き出した。よみはたちあがって追いかけようとしたが、
その瞬間。目的地到着のアナウンスが流れた。席に戻ってシートベルトを締めなければ。釈然としない
思いで席に座った。戻ってきた智にどうしたの?と 聞かれたが なんでもないと答えた
もう沖縄につくころだった。 独特の衝撃が体に振動として伝わってきた
>>294 >私は・・あんたが思うような人じゃないし・・。
激しく気になる。よみとヤマシンの間にいったい何があったのか!?
296 :
メロン名無しさん:2006/07/13(木) 00:22:57 ID:Zm4OVaipO
あれ?続きは…
297 :
文月 14:2006/07/13(木) 23:14:28 ID:???0
沖縄、到着。修学旅行一日目。開始
智 「早く!!早く!!」
ゆかり「あわてるな!!」
ちよ 「・・・と・・・。ゆかり先生〜 人数確認終わりました〜。三組全員いま〜す」
ゆかり「はい。ありがとね。うっしゃあ!いくわよ〜!!三組しゅっ〜ぱつ」
クラスごとにバスに乗る皆々。大きい荷物はホテルに直に送られることになっている。
バスガイドの沖縄弁講座をききながら、三組は一日目の目的地の首里城を目指した。バ
ス内では教師のゆかりと、ヤマシンも乗り込んで2人仲良く座っている。バスの最高後の
溜まり場の席と言えるロングシートには六人が独占していた
とも「おっきなわー おっきなわー」
よみ「なぁ・・。このバスにクーラーきいているのわかってるよな?」
とも「うん」
よみ「じゃぁなんで窓全開なんだ。熱風がバス内にはいりこむんだよ」
とも「我慢しろって。ほらこの青い空!!白い雲!!」
よみ「・・はいはい」
とも「この・・遠くから香る・・潮の香り・・。」
よみ「あとでいくらでもかげる。いいから窓をしめてくれ」
とも「海のロマン・・。 エンダーーーーーーーーーーいやぁーーーー」
よみ「お前は欧米行ってホイットニー・ヒューストンに謝って来い」
大阪「沖縄は暑いなぁ〜」
神楽「日本で一番暑いからなぁ」
大阪「外国にきたみたいやなぁ〜」
神楽「ある意味外国なんだよ。ココ 人材の宝庫だから」
大阪「私が・・知ってるのは〜 スピード?あと・・具志堅さんとか」
神楽「うんうん。あと全国大会でも活躍する選手とかバンドとか芸能人もたくさんいるぜ?」
大阪「すごいなぁ〜 私沖縄に生まれたかったなぁ〜」
神楽「そしたら・・。大阪じゃなくて沖縄だな。」
大阪「あははははははは」
神楽「へへへへへへ」
ちよ「今日は首里城にいって城内の見学のあとはホテルの移動ですね〜」
榊 「!!!」
ちよ「・・・?榊さんどうしたんですか??」
榊 「そ・・・・それ・・」
ちよ「え??これですか??」
榊 「(激しくうなづく)」
ちよ「この『旅のしおり』の挿絵ですか?」
榊 「(激しくうなづく)」
ちよ「にゃも先生とヤマシンさんが書いたらしいですよ〜。2人とも絵がうまいですね〜」
榊 「(挿絵の猫に萌え)」
298 :
文月 15:2006/07/15(土) 00:25:34 ID:???0
首里城(しゅりじょう・しゅりぐすく)は、沖縄県首里市(現在の那覇市の一部)かつて
海外貿易の拠点であった那覇港を見下ろす丘陵地にあった城・・である。空港からバスに
揺られて、那覇市に到着。そして、2000円札にも描かれている首里城にやってきた。
「あぁ〜 つまんない」
「・・・・・そうですか?」
「あたしお城って嫌いなのよ。昔の人はすごいすごいって感じで」
「はぁ・・・?」
「まぁ いいわ。さっさとまわっちゃいましょ」
今回、修学旅行に同伴したヤマシンはゆかりと共に旅行を楽しむことにした。やっぱり
ゆかり先生も20代。南の島にきたら そりゃあ、もう、女の子になるんだろうと思っ
ていたが、全くといっていいほど彼女の態度は変化しなかった。 沖縄にきたぐらいで
(ヤマシンにとってはかなり嬉しいことだけど)はしゃぐのはやはり大人げ無いのかと考
えながら、ヤマシンは彼女の荷物持ち役を務めた。
「ったくほんとに暑いわねぇ。地球温暖化かしら」
「少なからずそうでしょうね。でも天候に恵まれているとも言えますよ。この時期は台風が怖いですから」
死んだ目でパンフレットを見つめながらヤマシンがつぶやく。
「ああ あれよ。ちよすけ晴れ女らしいわよ。」
胸元を手で仰ぎながらゆかりが半笑いで応える。軽く汗ばんでいる
「あぁそうなんですか。きっと凄く楽しみにしていたんでしょうね。なんせ初めての修学旅行ですから」
「・・・そういや、あいつ小5で高校きたんだわね・・・。ふーん」
「みかけはまだまだ若く見えますね。」
「・・・・・・どっち」
そこでゆかりは一度言葉を止めた。
「それって私?」
「はい。」
どっちもですと言ったほうがよかっただろうかと思いながらヤマシンはゴーヤ味のソフ
トクリームに挑戦すべきか否かについて真剣に頭を悩ませ始めた。
それにしても暑い。絶対40逝ってる。ありえませんって!ありえませんって!と叫びた
くなるよう沖縄の猛暑の中、かなりのハイペースでヤマシンとゆかりの城見学は終わった
日陰のベンチの上で休憩をとっていると、ゆかりが冷たいものを欲しがったため、ヤマシ
ンは買出しにでた。基本ゆかりに対してイエスマンだったヤマシンだが、別に彼は迷惑に
感じていなかったので、今回も即、快諾した。自動販売機よりも先に小さなアイスキャン
ディ屋を見つけたので、パイナップルとキウィ味を購入し、早足でもと来た道を逆送した
299 :
文月 16:2006/07/15(土) 00:27:56 ID:???0
「oh〜 cool!!」
冷え冷えのアイスを額にあてながらゆかりは嬉しそうに外人並みの発音を繰り返した。
キウィ味はヤマシン。パイナップルはゆかりが頂いた。まぁどっちもヤマシンの大好
物なわけだが。暑さのため足元に果汁がしたたる。汗も同様。
「ねぇ山田。なんでパイナップルってゆうか知ってる?」
「にんじんの種を知らないように知りません」
「果実の形がパイン(松ぼっくり)に似ているからなんだって。んで果実だからってアップル(りんご)
つなげてパイナップル」
「・・・。こうゆうときは ヘー って言ったほうがいいんですかね?」
「いや。いいよ別に・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・夏ですね」
どうでもいい会話をしながらのんびりと時間を過ごす。あぁ・・夏だなぁ・・。と思いながらアイスの最後
一口を頬張った。生まれて23回目の夏。何を思い、何をするのだろうと少し考えてしまったヤマシンだった
らしくない。 やっぱり暑さのせいだ。 最近、私はおかしい。夏バテだろうか?きっとそうだ。
おいしいもの、特に甘いものを食べて元気になろう。旅行を楽しめばきっとこの違和感もなくなる。
「あれ?ゆかり。山田くん。何してんの?」
「みなもさん?奇遇ですね」
「あぁ?にゃも?今休憩中〜 インターバル」
「バス出発まで一時間あるわよ?お土産見に行きましょうよ」
「いやよ〜 暑いもの。お土産ならホテル内でも買えるっつーの」
「みなもさん。じゃ私いきます。ついでにあそこのシーサーでローマの休日ごっこしましょう」
「何それ??」
「私が口の中に手を入れて食べられたふりしますから、みなもさん驚いてください」
「何それ(笑)」
「オードリー・ヘップバーンですよ?」
「いいから行きましょ山田クン。それはイタリア旅行にでも行ったときやりなさい」
そう言いながらにゃものヤマシンの手をひいて歩きだした。
なんとか冗談でごまかす事ができたと思いながらヤマシンはにゃもと共におみやげ売り場を目指した
300 :
メロン名無しさん:2006/07/18(火) 02:29:48 ID:0E38J0pX0
56 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2006/06/07(水) 14:17:52 ID:6Z6CdIGx
「臭のしけ」(おたのしけ)=「他人の設定を使うN」
(amns ◆FqzSak5tNk, MADWRITER ◆UYleBl5vm 萌えBBS駐在)の
白 日 の 下 に 曝 さ れ た 恐 る べ き 罪 業 の 数 々
・厨房のふりをして気に食わないSS書き(くろまんが大王)に嫌がらせ。
・散々粘着しておきながら、当のくろまんが大王にダブハンを指摘されると、
それを逆手にとって自分の粘着を正当化。被害者を装う。
・その後、思い出したように関係のないリョナスレに長期に亘って粘着。
のみならず前スレ(あずまんが大王のエロいのないんかねぇ-10-)に対して
くろまんが大王のふりをしてしつこく粘着。一人相撲で荒らす。
・Nというダブハンで関係ない所を荒らしまくっていた事を暴露されると、削除議論で火病。削除人に叩き出される。
・挙句、これだけの事をしでかしながら揉み消しの為削除依頼スレに泣き付くw
・それさえ却下されると、次スレ(あずまんが大王のエロいのないんかねぇ-11-)自体を潰そうと荒らし再開。
・今度は最悪板で自演を行い、頽勢の巻き返しを企画。
まさにクズの極み……
ゴキブリ=おたのしけクオリティw
72 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2006/06/08(木) 00:53:35 ID:KmxzBg2S
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1142171867/149-151 ついに削除人にまでスルーされてやんのw
まあ、今まで自演荒らしを散々やった挙句、削除議論板で醜態をさらしたぐらいだから・・・
301 :
メロン名無しさん:2006/07/18(火) 04:32:38 ID:aKFGsDO30
302 :
メロン名無しさん:2006/07/19(水) 20:15:57 ID:F9HZZOms0
あずまんがスレのみんな!ボクこんなに迫害されてるよ!!
良SSをたくさん投下してやったんだから、一緒に猟奇スレを荒そうよ!!
臭のしけ ◆FqzSak5tNk 様より
\__________________________/
V
彡萌えBBSミ
川川 ::::::⌒ ⌒ヽ
川川::::::::ー◎-◎-)
川(6|:::::::: ( 。。))
._川川;;;::∴ ノ 3 ノ <反撃しやがって〜ちくしょ〜
/;;;:::::::::::::::\_;;;;;;;;;;;;;;;;ノ
/:::: /:::::::::::: |::::|
(:::::::: (ξ:: ・ ノ::・/:::|
\::::: \::::::: (::: |
/:::\::::: \::: ヽ|
/:::: \::::: \::: ヽ ) 〜
|:::::::::::::::: \::  ̄ ̄⊇)__ 〜
|::::::::::::::::::: \;;;;;;;;;;;(__(;;;・) 〜
\:::::::::: ξ(;;; );; ) 〜
\:::::::::::: ) ) 〜
)::::: //
ガイモンか。
保守
305 :
文月 17:2006/07/22(土) 14:09:05 ID:???0
「夜はふけたー!!ビバ!!修学旅行!!イン沖縄!!一日目〜!!」
「いいぞ〜いいぞ〜」
「智ちゃんかっこええで〜」
「イエ〜イ!!センキュー!!さて皆さん!!お元気ですかー!!」
「元気ー!!」
「私ちょっと眠い〜」
「むぅ!そんなことじゃ修学旅行は楽しめないぞ大阪!!」
「えぇ〜?そうな〜ん?」
「修学旅行は夜が一番の山場なんだ!!寝たら負け!!いや!死だ!!」
ボンクラ三人だけが陽気に騒ぐ。それを少し冷めた目で見るちよ、榊、よみの三人。現在
午後9時30分 沖縄の修学旅行の初夜。ホテルでの一室が今回の舞台である。バイキングの
食後、彼女たちは少しの間、食休みをとってから 智 よみ ちよの部屋に集合した(六人
一班の班編成だったが、部屋は三人部屋だった為、分割した)そして、地球温暖化なんか全
く気にしていないとしか思えない温度までクーラーで部屋を冷やし、沖縄の夜を過ごした。
そんなこんなで、修学旅行一日目の夜。 つまり夜はこれからだった。彼女たちは若い。
徹夜で語り明かす行為など造作もないだろう。(ちよちゃんと大阪は省く)
そして、智の司会で始まった『真剣十代 だべり部屋。inオキナワ』が開始された。別に
誰がやろうといったわけでも旅行前から計画していたわけでもないが、すでに青い空。白
い雲でスイッチがONになった智の溢れんばかりのパワーで、今回の場は設けられた。
主催:滝野 智 司会:滝野 智
智 「とゆうわけで・・・・語りましょう!!いや語ろう!!語れ!!」
よみ「沖縄だからって飛ばしすぎはいけないと思うってのはどうだ?」
智 「却下!!なんかない!?ちよちゃん?」
ちよ「え??あぁ・・・と。 ・・・好きな歌手とか・・」
智 「・・・・子供。」
ちよ「子供じゃありません!!」
智 「なんで沖縄の修学旅行で音楽を語んなきゃいけないの?女六人集まったらあれしかないっしょー!」
ちよ「な・・なんですか」
智 「Y談だ」
306 :
文月 18:2006/07/22(土) 14:10:12 ID:???0
明らかに空気が変わる室内。 いやにエアコンの音が響く。いや冷蔵庫の音かもしれないが、
皆、それぞれ目を合わせようとしない。下を向いてモジモジしてる人もいる。言い出した智
でさえも顔を赤くしている。 実のところ、彼女たちは今までそっち系の話を互いに話した
ことは一度もなかったのだ。 彼氏が一度もできなかった為か。それとも精神年齢が六人と
も幼すぎるのか。とにかく、『異性』や『恋』に関しての話題が彼女達の中では皆無だった
のだった。わざと今まで触れてこなかったのか?一度大阪が突っ込んだときもにゃも先生の
武勇伝えお聞いたときも彼女達は『このテーマ』についてだけは見て見ぬふりならぬ、知っ
ていても知らぬふりを演じてきたのだった。
女性は男性に対して、性的・肉体的なものには過度に反応はしない。(極端に言えばエロくない)
それを承知の上で切り出す智の勇気は拍手を送りたいほど立派なものだった。このように書くと
彼女が無神経の塊のように思えるかもしれないが・・。否。これは彼女なりの気遣いだったのだ。
彼女は、智は、高校三年間で培った友。ちよ 大阪 榊 神楽 そしてよみ。この5人との友情
を心ではなく行動で確かめたかったのである。腹を割って話すとゆう言葉があるように 聞きに
くい事を あえて 聞く。そしてわかちあう。それが友情なんだ。智はそう考えていた(実際、色
恋関係の興味があったことは否めないが)男子はよくそうゆう別れた、ふられた、告白したなどの
話題を堂々と話し、仲間と共有し、認め合って成長している。 私達にも・・それが欲しい。そし
てこの修学旅行は絶好の機会だ。智はそう考えていた。
一歩ふみだすことで友情は熱くなる。もっと皆のこと知りたい!もっと私のこと知って欲しい!!
その思いが智を動かした。 あとは皆の覚悟を見せてもらうだけだった。
興味が無いはずがない。だって私もあんたらも・・・
お と し ご ろ でしょ??
307 :
文月 18:2006/07/22(土) 14:41:54 ID:???0
智 「おほん・・・・。では、私から・・。え〜」
神楽「!!!」
榊 「!!!」
言いだしっぺが言わないと進まないだろうと判断した智は咳払いをして立ち上がった。それに反
応して、神楽・榊が身をこわばらせ顔を赤くする。それと同時によみも立ち上がった。それも、
かなりの素早さで。
「智。やめろ。教育上よくない」
真顔でしかし、耳まで赤くしながらよみが智の真正面に立つ。智も理解していた。確かにこれは
教育上よくない。認める・・。認めるけど・・・。2人の視線の先にはおさげの少女の姿があった
智 「でもよ〜 私達が教えてあげるべきなんじゃないかな〜 年上としてさ〜」
よみ「馬鹿!初恋もまだだったらどうすんだよ!最初に体から覚えたら純粋な恋ができねーだろ!」
智 「う〜・・・・」
ちよ「あの・・・・大丈夫です・・。」
「え???」
よみと智の声が同時に発せられる。おさげの少女のほうに振り返りながら。
「私・・・・。あの・・その・・最近知ったんですけど・・。その・・男と女の・・。」
智とよみも含め、全員の視線がちよに集中する。知っている? 何を? いやいや ナニを?
どこまで? ちよは顔を真っ赤にして搾り出すように声をだした
「その・・・・あの・・・お・おしべと・め・・めしべで・・・受粉・・。」
308 :
文月 19:2006/07/22(土) 14:43:50 ID:???0
「あぁぁぁ!!STOP!!ちよちゃん!もういいから!!」
慌ててよみがちよの言葉を制する。 ちよは顔をイチゴのように赤くして静かに頷いた。
少女は精一杯、自分の知っていることを伝えてくれた。恥ずかしかっただろう。つらかっ
ただろう。だけど奥底にある思いは 智と同じだった。『友達』『仲間』年が離れている
とはいえ、追いつきたい。並びたい。そんな思いが彼女のカミングアウトを後押しした。
とはいえ・・・・
よみは対応に困りながらもちよの心の成長を喜んだ。そういえばさっきちよちゃんの荷物
に生理用品を見たような・・。大人になったねちよちゃん。
大阪は以前自分が言った『大人になればわかる』のセリフを思い出して月日の流れを感じていた。
あれから二年・・・。ちよちゃんは大人になった。私は大分しっかりしてきた
神楽はもう顔が赤くてなにも言えなかった。ノーコメント。ギブアップ。
榊は ものすごく複雑な顔していた。まるで鳥かごの中の小鳥が巣立っていくの見つめる飼い主
のような・・・。あぁ・・。私じゃなくて遠い青空を見ている・・・。ちよちゃん・・・。
智は、赤くて震えているちよちゃんの頭をガシガシとなでて言った
「子供なんていってごめんね。」
ちよちゃんはやっといつもの笑顔に戻った。夜はまだまだ続く。
キタ━━(゚∀゚)━━ッ!!! (;´Д`)ハァハァ
エロシーンないのにエロいなぁ。
>あぁ・・。私じゃなくて遠い青空を見ている・・・。ちよちゃん・・・。
ここがそれらしくて良いと思いました。
榊さん、本当にそう思ってそうだ。
312 :
文月 20:2006/07/28(金) 03:22:59 ID:???0
『最近あったプチ話』
智 「まぁ、ちよちゃんも大丈夫なこともあるし始めますか!」
よみ「ちよちゃん本当にいいの?いやならいいんだよ?」
ちよ「大丈夫です!!高校生ですよ!!」
大阪「神楽ちゃんはどないすんの〜?」
神楽「なっ・・・!!?そ・・それは・・・(さりげなく視線を榊におくる)」
榊 「(聞く気満々)」
神楽「うぅ・・。わかったよ!!聞くよ!!残るよ!!」
智 「んじゃ・・・はじめますか!!」
『智ちゃんの最近のお話』
智 「最近エロ本よんだ」
大阪「唐突やな」
神楽「・・・・・・・・・」
ちよ「あれって男の人がよむもんじゃないんですか?」
智 「うん。そうなんだけど家の近くで拾ったんだ。」
ちよ「エロ本を?」
智 「うん。」
大阪「マンガ??」
智 「それとグアビラのやつも。二種類あったんだよ〜。んで家にもって帰ってみたわけさ〜」
榊 「・・・・・・・・・」
よみ「色々とお前につっこみたいものがある。」
智 「どうぞ」
よみ「でもきっと全員が同じ一つを考えをお前に対して抱いていることを突っ込もう。なんで拾った?」
智 「たとえばさ〜 よみがさ〜自転車を駅前に止めたするじゃん」
よみ「うん」
智 「でさ、自分の自転車のかごにジャ@プが真新しい状態ではいっていたらどうする?しかも今週号」
よみ「・・・・・・・・・」
大阪「もってかえるなぁ」
智 「だろ?」
ちよ「でも人のかごにそんな本入れるなんてひどいですねぇ」
榊 「うん・・・・・。すごくよくないことだと思う・・。」
神楽「んで・・・・。と・・智はそ・・それどうしたんだよ?」
智 「そこなんだよなぁ〜 問題は・・・。」
智 「なんつ〜か・・・ カルチャーショック感じたね!!男はこんなんがいいのかって!!」
よみ「鵜呑みにすんな。あんなの欲望のはけぐちだ」
榊 「に・・肉棒!?」
よみ「欲望!!なんだその聞き間違い」
智 「こうね!!なんか智ちゃん悲しくなったね!!」
ちよ「どんなんだったですか?」
智 「まっすぐな目で恥ずかしい質問すんなよ。まぁ・・なんつーか・・」
智 「みんな巨乳だった。しかも神楽とか榊ちゃん並のばっか。ヘコムね!女として!」
313 :
文月 21:2006/07/28(金) 04:14:54 ID:???0
『巨乳』
智 「そこで私、考えたわけ。やっぱり男は巨乳が好きなのよ!」
大阪「ええぇ〜 そうな〜ん?」
榊 「・・・・・・・・・」
よみ「確証は無いだろ。それだけで女の価値が決まるとは思いたくないが」
神楽「同意だ。智は極端すぎるって」
智 「ちよちゃんは?」
ちよ「・・・。これは智ちゃんに賛成ってわけの意見じゃありませんけど・・少なくとも女を選ぶ要因にはなると思います」
大阪「絶対大きいほうがモテるで〜 グラビアとかアイドルとか私みたいのおらへんやん」
智 「少なくとも人生楽しめるよな。小さい人よりは」
神楽「そんなことねぇぞ!!いろいろ大変なんだよ私だってなぁ!運動だってしずらいし!!そ・・それに・・
智のゆうとうりだけどお・・男からだって変な目でみられるんだからなぁ!!」
よみ「あんま興奮すんな神楽。はいジュース」
神楽「あ・・あぁありがと・・。(ごくごく)」
ちよ「榊さんはどうおもいますか?」
榊 「私・・・も神楽と同じだ・・・。肩だってこるし・・。それに異性からの視線も気持ちいいものではない・・。
それに・・下着とかだってかわいいのがないし・・。」
大阪「榊ちゃんはアメリカやからな〜 日本人向けのはあわないんやろか」
よみ「サイズの話だろ?確かに榊のは人並み以上だからな」
榊 「・・・・・・(赤面)」
ちよ「大きいサイズってかわいいのないんですか?」
神楽「わ・・私にきくなって・・。え〜 私あんまり気にしないからさぁ・・。はは・・。」
よみ「種類が少ないって考えたほうがいいな。靴だって30の靴はあんまりないだろう?」
ちよ「たしかにそうですね〜。たぶん特注ですもんねー」
智 「・・・ちよちゃんもうブラしてんの??」
ちよ「えぇ!?そ・・それは・・」
314 :
文月 22:2006/07/28(金) 04:17:38 ID:???0
智 「・・・ちよちゃんもうブラしてんの??」
ちよ「えぇ!?そ・・それは・・」
智 「おお!!その反応は!!まさか大人の階段を!?」
ちよ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(頷く)」
智 「おお!見せてよ!!」
ちよ「だ!!だめですよ〜!!」
智 「いいじゃんちょっとだけ!!!」
ちよ「だめですってば!!」
智 「んじゃ〜ね・・・あそこいこ!!あそこ!!(室内のカーテンを指差す)」
ちよ「え・・ええぇ〜?」
(カーテンを広げて2人は外から見えないようくるまった。数秒後戻ってくる)
智 「いや〜はっはっは。ゴムがきつそうでかゆそうでしたな〜」
ちよ「と・ともちゃん!!!!(赤面)」
大阪「どうやった?なぁなぁどうやった!?」
智 「まだ大阪のほうが勝ちだな。」
大阪「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ちよ「・・・なんですか大阪さん」
大阪「ちよ・・・・・・・・・・・・ちゃん」
ちよ「ちゃん付けでお願いします。(赤面)」
榊 「(ちよちゃんが大きくなったら・・・・・・・・・・・・・ちよ?)」
315 :
文月 23:2006/07/28(金) 05:10:08 ID:???0
『よみの最近のお話』
よみ「とりあえず胸の話は保留でよくないか?なんかお前のコンプレックスを聞いただけのような気がするし」
智 「そだな〜 男の推測でしかないしな んじゃ次はよみ。」
よみ「わ・・わたし? う〜ん、そうだな〜
まぁ。漠然と聞こうかな?今、彼氏いるひとは〜?」
誰一人として手を上げない。何となく安心の笑みが漏れる室内。その笑顔からは隠し事ほ一切感じられなかった
よみ「・・・う〜ん。悲しいような安心したような。誰か一人ぐらいいないのか?んじゃ好きな人がいる人」
先ほどと同様。だれも上げない室内。だが、二名ほどだが、自分に嘘をついている者がいた。
よみ「・・まぁ。大したことない男ばっかりだしな・・。んじゃ・・。付き合ったことある人」
スッ・・・。たった一人だけ 手を上げたものがいた 大阪だった
よみ「えぇ!!???ええええええええ・・・??」
大阪「あはははは。ほんまやで〜」
智 「ええ!?お前いつごろだよ!?」
大阪「えへへ〜 こっち(今の高校)に来る前や〜 中学校ん時やけどな〜」
よみ「ひ・・人は見かけによらないというが・・・」
智 「え・・デートとかしたの?」
大阪「んふ〜 詳しいことは秘密や〜 知ってる〜?秘密は女の魅力の一つやで〜」
神楽「(実は話したくほどの恋愛。または失恋、別れなのかな・・。それとも・・。)」
榊 「(ただ忘れて思い出せないだけか・・・・。)」
ちよ「大阪さんはすごいなぁ・・・」
よみ「んじゃ〜 私からは最後だけど・・。えっと KISSしたことある人」
一斉に全員の目が大阪に集中するが、彼女は手を上げる気配を見せなかった。だが・・・
よみ「え!!??」
神楽「・・・・・・・(赤面)」
榊 「神楽・・・・?」
神楽「まぁ・・・私としては・・お・・思い出深いわけでな・・。」
316 :
文月 24:2006/07/28(金) 05:12:04 ID:???0
赤面をたもったまま。神楽は続けた 小学校二年の時市民プールで泳いでいる時であった。
神楽には幼いながらも恋心を年上の男によせていた。男はプール監視員をやっており、誰に
でも優しく、笑顔で接しており、人柄に魅力がある青年だった。神楽が夏休み プールに通
いつづけていた理由もそれにあった。 そして、事件は起きる。
神楽がプールで足をつり 溺れたのだった。まだ満足に足がつかないような体格だった神
楽に1・5は死にかかわる深さだった。 遠のく意識のなか、神楽は確かな唇への感触を感じた
結果。神楽は命は助かった。すぐに監視員が神楽を救ってくれたのだった。軌道確保しても
呼吸が確認ができなかった神楽は あの男に人口呼吸をしてもらった。
幼き記憶ゆえに、忘れることもできたが男は神楽の初恋の相手だった。
その恋は実らず、男はそれ以来、神楽の前に現れることは少なくなった。
(当時、神楽も溺れた恐怖により、短期間だが水恐怖症に陥りプールに通えなくなった。
神楽が智に水泳は死と隣り合わせと言った所以はここにある。一度だけ、男が見舞いに
来てくれたことが嬉しかった)
とゆうわけ・・・・で。神楽は既にキスはしたと述べた
317 :
文月 25:2006/07/28(金) 05:14:17 ID:???0
大阪「でもそれ子供ん時やろ?なんかちがくない〜?」
神楽「わ・・私がいいって言ってんだからいいだろ!!す・・好きだったんだからさ・・。」
榊 「(思い出・・・か・・・初恋とキスと・・・。私も好きな人つくろうかなぁ・・。)」
よみ「・・・・・・・・・・・・・・・・・(智と目を合わせる)」
智 「・・・・・・・・・・・・・・・・・(黙って頷く)」
智とよみが同時に手をあげた。
大阪「えぇ?」
神楽「え!?お前ら!?」
智 「はははっはは!私だってあるのだよ!お前ばっかじゃねー!」
よみ「・・・・まぁ そうゆうことだ・・。」
ちよ「え・・・でも。誰とですか」
よみ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
智 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
榊 「え・・・・・・・・・・」
智とよみはお互いに指を指しあった。女2人・・?が・・?ファースト・キスを??
沖縄の夜はまだまだ続く・・・・。そして別室・では・・・・。
ゆかり「まだまだのむわよーー!!あーはっはははは!!」
ヤマシン「もう・・・もう・・勘弁。。うっぷ」
にゃも「山田きゅんだらしないわねぇー。まだ二升よぉぉぉ?????ほらー」
ヤマシン「(この2人マジで酒豪です・・・。)」
ゆかり「この泡盛おいしー!!!あははははははははは」
やましん「なんでロックで飲めるんだ・・・・」
にゃも「きゃはっははははっはははは。山田きゅんまだまだ終わらないわよ〜」
ヤマシン「あああああぁぁぁぁっぁ」
沖縄の夜はまだ続く・・・・w
318 :
メロン名無しさん:2006/07/28(金) 18:14:26 ID:ejS032D10
3巻121ページの
「オスは大体よそにあげちゃうんですよ」
「幼稚園とか小学校とか」
「病院とか」
「病院?」
「モルモットですから」はっはっは
これの意味襲えてください。
動物実験、いや実験動物か?>モルモット
キタ━━(゚∀゚)━━ッ!!!
作者さんは上手く料理するなぁ。
大阪と神楽のところはうまいよな。
次も楽しみです。
321 :
メロン名無しさん:2006/08/02(水) 15:05:08 ID:3mYrFvpA0
322 :
文月 25:2006/08/02(水) 22:41:46 ID:???0
神楽「え・・・っと」
ちよ「え え・・とゆうことは・・。」
なんとなく場の空気が変わる。いや なんとなくではなく明らかに。
智 「まぁ 私らも事故みたいなもんだけど・・ね」
よみ「・・・・・・・・・」
智 「簡単にゆーとー よみが・・こけて私にかぶさって しちゃった・・みたいな」
よみ「・・・・・・・・・・・・・・」
智 「まぁ そんなわけだよ!!神楽みたいにこれはキスっていわないかもしれないけど・・・」
くったくのない笑顔を見せるとも。終始赤面で沈黙をつらぬくよみ 智とよみの初キス。それは誰にでも子供時代に起こりえるようなささいな出来事・・・
本当にそうだろうか・・??
大阪「なーーー」
智 「ん?なんだ大阪」
大阪「それほんとー?」
智 「!?」
よみ「!!!」
神楽「なにいってんだよ大阪!せっかく2人がはなしてくれたのに」
大阪「なんかー 智ちゃんとよみちゃんの2人はさらに何かがあると思えてしかたがないんよ」
よみ「・・・・・・・・・」
大阪「なー」
智 「ば・・・ばかだなぁ大阪。あたしはノーマルだって。レズかっつーの!あはははは ほらほら!みんなも疑惑の目を向けない!!」
ちよ「・・・・・・・・・・・・・」
榊 「・・・・・・・・・・・・・(わたし・・は?)」
神楽「・・・な?大阪。智もそういってんじゃん」
大阪「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
大阪は普段と違って話題をそらそうとしている智と ずっと何もしゃべらないよみを見比べた後、一人でなにか納得したように頷き、2人の
初キスについてこれ以上つっこまないことにした。
〜別室〜
ヤマシン「勘弁してください!イッキだけは!イッキだけは!」
ゆかり「に〜が〜さ〜ん」
にゃも「あ 早い! ゆかり山田くん逃げたわよ!」
ヤマシン「このホテル!このホテルのどこかに隠れるとこ!!」
ゆかり「むぅわ〜て〜!!!」
まだまだ夜は続く・・
レズレズキタ━━(゚∀゚)━━ッ!!! (;´Д`)ハァハァ
(;´Д`)ハァハァ
325 :
メロン名無しさん:2006/08/10(木) 23:35:23 ID:dFnQIXnNO
あさげ
みんな帰省してしまったかもわからんね
ほしゅ
続きまだかなー?
学研のおばたんマダカナー
329 :
メロン名無しさん:2006/08/23(水) 07:50:25 ID:++sW1+5YO
ちよ「大阪さん、ちょっとききたいことが…」
大阪「なんやぁ〜ちよちゃん?」
ちよ「よみともってなんですか?」
大阪「よみとも………そうかぁ…ちよちゃんももうそんなお年頃なんねんな〜」ちよ「そうですよ!わたしももう11才。すっかりお年頃してます。」
大阪「…ちゃうねん」
神楽「どうした?」
ちよ「あ、神楽さん」
大阪「ちよちゃんがよみともって何やてって」
神楽「うっ……」
ちよ「どうして目をそらすんですか? あ、じゃあさかぐらって何ですか?」
大阪「?!」
神楽「?!」
大阪「ああ、それはなあちよちゃん」
神楽「バッ、何言い出す気だ! あ、ち、ちよちゃん、それは多分、
グリとグラの仲間じゃないか? な? な?」
グリグラキタ━━(゚∀゚)━━ッ!!!
ちよ「グリとグラですかー!なんか可愛らしいですねー!」
神楽「ま、まーな」
ちよ「よみともにさかぐら!仲良し同士微笑ましくて羨ましい呼び方です」
神楽「う…」
大阪「そうやなー」
神楽「えっ?」
ちよ「そうだ!大阪さん、私たちも作りましょーよ!」
神楽「へっ?」
ちよ「ちよと大阪…ちよさか!」
神楽「ちょっ!?」
大阪「あーそれはええ考えやー」
神楽「大阪!?」
榊「……」
神楽「あっ、榊、いいとこに! なあ、何とかしてくれよ!」
榊「ちよちゃんと榊でも、ちよさか……」
神楽「ちょwwwwwwwwwおまwwwwwwwwww」
334 :
メロン名無しさん:2006/08/28(月) 00:52:55 ID:+3cGKnHYO
よみ「どうした、神楽?そんなにテンパって」
神楽「よ、よみー!バ、バトンタッチだ!後は任せたからな」
よみ「うん?」
大阪「そうかー榊ちゃんもちよさかになるんやなー」
榊「うん…」
ちよ「いいですね、ちよさか!大阪さんに榊さんとも一緒です」
よみ「…………」
神楽「…………」
よみ「ちよ攻めねー…」
神楽「はうあ!?」
よみ「じゃあ、ちよちゃんには同じ攻めキャラとして、常に携帯しているこの首輪をあげよう」
神楽「あるある……ねーよwwwwwwwwwwww」
よみ「ちよちゃん」
ちよ「あ!よみさん」
よみ「これ、ちよちゃんにあげるよ。プレゼント!」
ちよ「わーありがとうございます!えーと…首輪ですよね?」
よみ「そうだよ」
ちよ「革がしっかりして丈夫そう」
よみ「機会があれば使ってみるといいよ」
ちよ「はい!早速忠吉さんに」
よみ「そーゆー首輪とは……ちょっと違う」
ちよ「えっ?」
神楽「………ゴクリ」
榊「ちょっと…その首輪、つけていい…?」
ちよ「いいですよ〜」
榊「か、かわいい…!///」ハァハァ
ちよ「さ、榊さん?様子がおかしいですよ!?」
338 :
メロン名無しさん:2006/08/29(火) 19:10:05 ID:hc5OiRSU0
榊「(カチャリ…)さあ、つけた……うん、やっぱりかわいい……神楽」
神楽「って、私につけるのかよ!」
神楽最強の受だな。
ともを忘れてもらっちゃあ困るぜ!
341 :
メロン名無しさん:2006/08/29(火) 21:40:05 ID:qiMfjHGyO
大阪「うん…神楽ちゃんはやっぱり総受けやなー」
ちよ「総受け?」
よみ「そうだな…首輪が妙にしっくりきてるし」
神楽「そ、そんな…バカ…な…」
榊「……神楽」
神楽「えっ?」
榊「似合っている……」
神楽「うっ…(////)バ、バカァ…」
ちよ「ところで、よみさん。総受けってなんですか?」
神楽「ち、ちよちゃん!!」
よみ「そーだなー……総受けってのは…あいつもそうだ」
ちよ「あいつ?」
とも「いきなりともちゃんチョーップ!!」
ちよ「痛ッ…と、ともちゃん、止めて!止めて!」
とも「何話してたの?何話してたの?」
よみ「あいつとはこいつのことだ」
ちよ「へっ?ともちゃんが…」
とも「へっ?何?」
逃げてー、とも、逃げてー
この流れワロスwww
萌えBBSのよみともスレがdat落ちしててorz
(ノ∀`)
とも「総受けってさー総武線と似てるよね」
よみ「は? いや似てないだろ」
とも「えー そっかなー」
榊「で、電車・・・(チラッ)」
神楽「痴漢プレイはまだだよな(チラッ)」
ちよ「・・・つまりつっこまれるボケ役ってことですか?」
大阪「指とか舌やけどな」
346 :
メロン名無しさん:2006/08/30(水) 21:37:25 ID:AXYb55fF0
萌えBBS コテハンスレにて
N「久しぶりだねIDIHヒーター…お前だろ?」
さかちー「多分勘違い、でもそんな事はどうでもいい」
↑どう考えても523=IHヒーター(くろまんが大王)ですw
Nが嫌いだとか言うだけでの擁護本当にありがとうございましたさかちーさんw
とも「あはははーーっ!!
こいつ総受け信じてるよ!!」
四人「えっ」
とも「は?」
よみ「総受けはいるぞ(目の前に)」
榊「うん」
とも「うっそでー!! 総受けなんていねーよー!!」
よみ「うわマジだ、こいつ…」
348 :
メロン名無しさん:2006/08/30(水) 23:20:01 ID:g5cYYVfOO
さかちー死ねさかちー死ねさかちー死ね死ね死ね死ね死ね
やっぱし智>神楽だろうな。
強い順
350 :
メロン名無しさん:2006/08/31(木) 11:53:35 ID:2QBV9ucuO
おらおら、話題そらしてねえで出てこいやくろまんがと同盟の童貞オナニーばかちーさんよ
臭かちー君イジめはイジめられる方が悪いんだぞ(プ
今度はなんだ?
353 :
メロン名無しさん:2006/09/01(金) 00:48:11 ID:nGSP2NMUO
まぁ前私が立てた『泌孔を突かれて』スレの削除依頼したのもまずくろまんが大王本人だろうなw そうでもなけりゃあんな空気読めない削除依頼ださねえよw
354 :
メロン名無しさん:2006/09/01(金) 00:51:27 ID:nGSP2NMUO
大体何でオッサンをオッサンと言っただけで八ヶ月アク禁何だか…『テロもどき』『ゴキブリの糞』と呼ばれて耐えた私を見習えとw
355 :
メロン名無しさん:2006/09/01(金) 00:53:58 ID:nGSP2NMUO
あ、ちなみに此処に投下すんのに文句言われる筋合いはねぇよ?くそまんががやったのに私が許されんいわれは無い…
『長月』
ちよ「秋ですねー」
大阪「秋やなー」
神楽「秋だなー」
榊 「秋……」
とも「秋だー!」
よみ「そうだな、秋…」
ヤマシン「いよいよ新学期ですね!」
ボンクラ「あれ…登校日…?」
ヤマシン「違います!!」
追記…ヤマシン勝手に使って申し訳ないです。元ネタの作者様の長月SS期待したいです!
しっかし、イイたんには笑わせてもらったよなー。
何が「あなたは何回もアク禁にあっていますので厳しくなります」
笑わせんなターコ。
一回目のアク禁は荒らしを叩いたからアク禁(普段は反応しただけじゃあ
アク禁しないくせに)
二回目もくだらん他愛も無い冗談で、前にもアク禁あったからとかほざいて。
最初のアク禁が不当だった訳だからまともな脳みそ持ってりゃア
馬鹿でもアク禁すべきじゃないと分かる罠w
あんなんが削除人でよく萌えBBSは今日まで持ってるよwwwwwwww
しかしあのアホは本当に大丈夫なのか?
真面目に語るべきスレで『テロもどき』だのと散々どうみても悪意満々です、
本当にありがとうございましたな523に対し「そういうスレだから」で済まして、
冗談を言い合う雑談スレで冗談を言ったからアク禁?
ふざけんな。これだから馬鹿は大嫌いなんだ。
真面目に語るスレを散々かき乱してそれを行った奴を擁護して
ただ一回の冗談を言っただけの私を8ヶ月アク禁するような、な。
まぁ、これから俺がどんだけ大王スレで愚痴りまくっても
くろまんがが、私を演じていると思われるんだろうな…
全く、便利な状況だぜ…
華麗にスルー
またゴキのNの自分が叩かれている自演かと思われ
/::::)(:::)(:::::::::::)(::::::^::::::::::\
(:::::::::::::::::::::::萌えBBS:::::: ::::::::::\
/::::::::::/ノ::::::::ノ::::::::ヽ:人::::::::::ヽ:::::::::::::::)
(::::::::::/ ):::ノ::::ノ ) ソ ヾ::::::::::::丶::::ヽ
(:::::::::/ 彡 ノ ノ :: 彡:/)) ::::::::::)
(::::::::::/彡彡彡彡彡 ミミミミミミミ :::::::::::)
( :::::::// ̄ ̄ ̄ ̄ヽ===/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ |:::::::::)
| =ロ -=・=- ‖ ‖ -=・=- ロ===
|:/ ‖ / /ノ ヽ \ ‖ ヽ|ヽ
|/ ヽ`======/ .⌒ ` ========ノ. ..| | <僕の巣窟を荒らすなんてキチガイだ!
.( 。 ・:・‘。c .(● ●) ;”・u。*@・:、‘) <みんな僕のやっている事は正しいと認めてくれてる!
( 。;・0”*・o; / :::::l l::: ::: \ :。・;・:・。o ) <みんな僕にほれているんだろう?
(; 8@ ・。:// ̄ ̄ ̄ ̄\:\.”・:。;・’0.)
.\。・:%,: )::::|.  ̄ ̄ ̄ ̄ | ::::(: o`*:c /
\ ::: o :::::::::\____/ :::::::::: /
(ヽ ヽ:::: _- ::::: ⌒:: :::::::: -_ ノ
\丶\_::_:::::_:::: :::::_/:::: /
| \ \ ::::::::::: :::::::::: ::: ::__/ |
臭のしけ(ヒキコモリ F県在住)粘着キモヲタ
362 :
ゴキのしけ:2006/09/01(金) 13:36:35 ID:???0
、 /⌒ヽ, ,/⌒丶、 ,
`,ヾ / ,;;iiiiiiiiiii;、 \ _ノソ´
iカ / ,;;´ ;lllllllllllllii、 \ iカ
iサ' ,;´ ,;;llllllllllllllllllllii、 fサ
!カ、._ ,=ゞiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii!! __fカヘ.
/ `ヾサ;三ミミミミミミ彡彡彡ミヾサ`´ 'i、 <チクショー、くろまんがめ
i' ,._Ξミミミミミミミ彡/////ii_ |
| ;カ≡|ヾヾヾミミミミミミ、//巛iリ≡カi |
| iサ |l lヾヾシヾミミミミミ|ii//三iリ `サi |
| ,カ ,カll|l l lヾリリリリリ川川|爪ミミiリllカ、カi |
| ;iサ,サ |l l l リリ川川川川|爪ミミiiリ サi サi |
| iカ ;カ, |l l リリリリ川川川川l爪ミミilリ ,カi カi |
| iサ ;サ, |リ リリ川川川川川l爪ミミiリ ,サi サi |
| iサ ;iカ, | リ彡彡川川川川|爪ミミiリ ,カi :サ、 |
,i厂 iサ, |彡彡彡彡ノ|川川|爪ミミリ ,サi `ヘ、
,√ ,:カ, |彡彡彡彡ノ川川|ゞミミミリ ,カi `ヾ
´ ;サ, |彡彡彡彡川川リゞミミリ ,サi
;カ, |彡彡彡彡リリリミミミシ ,カi
,;サ, |彡彡ノリリリリミミミシ ,サi
;メ'´ i彡ノリリリリリゞミミシ `ヘ、
;メ ヾリリリリノ巛ゞシ `ヘ、
;メ ``十≡=十´ `ヘ、
ノ ゞ
187 名前:削除な名無しさん [2005/03/19(土) 08:44 ID:RVo/Or0A]
鳴海・弟 ◆WaVSGlj5qs
彼のレスをいくつか読む内に、彼が一体誰なのか分かってきた気がする。
三点リーダーを多用し、周囲を寄せ付けない芸風での書き込み。
おそらく、以前はSSを書いていて、各所で周囲に配慮しない発言をして
萌えBBSアク禁をかけられ、2chでそれをネタに叩かれてたあの人ではないかと。
最初はここの前スレで越境キャラハンの件で暴走してたあの人かと
思っていたが、ちょっと違うようだし。
188 名前:削除な名無しさん [2005/03/19(土) 10:56 ID:KB9j7K.o]
確かに。
やたらイイさんに絡むような発言もあったしな。
189 名前:削除な名無しさん [2005/03/19(土) 11:11 ID:RVo/Or0A]
>>188 うん。
もし私の推測が正しいとしたら、正直、彼に対して哀れみを感じる。
不器用さ故に周囲とトラブルばかり作って、せめて自分のノリに共感する人が居れば
状況は変わったのかも知れないけれど、結局悪者になって消え去っていく・・・。
12月以前にSSを書いていた頃が一番穏やかな彼だったのではないだろうか?
↑
ケッ、勝手にきめてんじゃねーよ…
>各所で周囲に配慮しない発言をして
コテハンスレを自演と煽り嵐で散々かき乱してあげくに「通報するぞー♪」
なんてできもしねえ事ほざいたヴァカ(くろまんが)を擁護したバカBBSが何をいいやがる…
トラブルもToLoveるも何も、テメーらが私のやることなすことに一々噛み付いて
問題をごっちゃにしているだけだろーが…
私はもう成長した、ゴキまんがという害虫を駆除し、荒らしを削除依頼出したのも
私だ…。
全く、本当だったらあの時の事を謝罪してほしいくらいなんだがな…
大体、このスレにSSを投下していたコロだって、
ただ私はSSを書いて投下、眼欄を少し改変した。それだけ。違うか?
それを一々貴様らが噛み付いて問題をかき乱して「Nが暴れている」と萌えBBSで
捏造する始末…恥ずかしくないか?
まぁいい、悪いがこれからは私の復習パートだ…
あ、イイたん見てるかな;&hearts
もし君が見ているなら恵那スレでアナルとか名乗っていた奴と
それをMADWRITERと確信したなんてバカな口調でバカをほざいていた
キチガイのIPを確認するといいと思うよ♪
実ーに面白い結果になるだろうしなwwwwwwww
このアニメ最近一気に見ました
自分の高校生活と似てるとこが多々あっててかなり楽しめましたw
ただ一つ違うとこがあるとしたら受験に失敗したことかなorz
どんまい
やったな!かおりんと一緒じゃないか!
俺も予備校生活送ったけど結構楽しかったぜ?
それはそうとよみ・とも・大阪は何学科受けたんだろうなぁ
ともと大阪は教育学部じゃないか?
教育実習の授業は取りそうだけど学部は違う気がするな
文系に進んだんだろうと思うが学科は思いつかないな
371 :
チンカスSSキボンヌ:2006/09/02(土) 14:05:25 ID:YG1gS5kxO
そろそろN=臭のしけのクズSSキボンヌ
二年になると文型と理系が分かれると考えれば、
うーん、みんな文型というのに違和感があるなあ
榊さんは獣医だから完全に理系だ
だが大阪やともは理系には見えん、というか理系のクラスにあんなにたくさん女はいない
そもそもゆかりが選んでるっぽいし、二年で分かれないとこもあるんじゃないの?
ホームルームと必修科目はクラスでやって専門科目は別々でやってるんじゃないか?
東大狙いの生徒がいるくらいだからそれなりのレベルの普通高校で特進クラスなんかがあるんだろう
文理で分かれないってのもおかしな気がするがそこはそういうシステムの学校だったと脳内補完
ゆかりちゃんが英語教師だからあのクラスは基本的には文系だろうな
数学物理生物を履修するであろうちよと榊はふたりで別教室に移動してると・・・
おお、なかなか膨らみそうな設定だ
お前文がキモイ
うるせーバカ!
二人とも〜とぉまとを食べるんだ〜
378 :
文月 26:2006/09/05(火) 16:51:35 ID:???O
修学旅行 初日。クーラーがガンガン聞いた部屋で女子高生六人がY談中。そんな桃色
空間に侵入者が現れた。『彼』は━━ そう。まるで嵐のように突然と部屋に押し入った
ガタァアン!!
驚愕する六人。いきなりなり響いたドアの開閉音と供に彼は部屋に転がりこんだ。
それは━━彼女達がよく知っている。男だった 今年から教育実習生として配属された
青二才━━。山田 進一 ヤマシンだった。
「ヤマシン!!?」
「しーっ!!」
大声で名を呼ぶ智。すばらしい反応。 同時に 口元に人指し指をあて 『静かにして
ください』と訴える ヤマシン。それをしってかしらずか智は
「なんでヤマシンがこの部屋に!!??」
と バカでかい声でヤマシンに訪ねた ヤマシンの体から殺気が発せられる 顔は無表情だったが
「しずかにしてください。お願いします」
「ヤマシンさんどうしたんですか?」
「む…む…むぐ……」
「………………………」
コソコソ声で話すヤマシン。誰よりも早く場の空気を察したちよちゃんも小さい声で話す
そして 空気を読んでいない大声女の智には榊が彼女を背後から口を塞ぐ事で解決した
部屋が静寂に満ちた。 それを確認するとヤマシンは自分が入ってきたドアに体をぴった
りとくっつけた。 いや 正確には耳をくっつけている。どうやら廊下の音を探っているよ
うだった。 そして五分ほどたった後だろうか。ヤマシンは安堵の表情を浮かべながら
扉から離れた。そして 複雑な表情をしている六人に頭を下げた
「ありがとうございました。助かりました」
「いや…つーか…。どうした?」
いきなり入ってきて 意味不明な行動してお礼をする教師によみが 聞き返す
「えっとですね…。簡単にゆうと酔っぱらい二人に追われてました。二人ともよくみなさんがご存知の方ですよ」
フラフラと壁づたいに歩いてヤマシンは部屋の椅子にドカリと座った。たぶん本気
ダッシュで逃げてきたのだろう。でなければ彼はきっとにゃもに追い付かれてしまう。
「まぁそれで知り合いがいる部屋に逃げ込みたかったわけですよ。匿ってほしかったんです。私 あまりお酒好きじゃないんで」
まるで人事のように淡々とヤマシンは語った。だが相当疲労しているらしく呼吸は浅く 早いままだった
379 :
メロン名無しさん:2006/09/05(火) 22:06:29 ID:8ACIPTLDO
キター\(≧▽≦)丿
380 :
文月 27:2006/09/05(火) 22:10:04 ID:???O
「とにかく隠れてやりすごすには誰かの部屋にはいるのが最善だと思い、この部屋に飛
び込みました。びっくりさせてしまって申し訳ありませんでした」
ヤマシンの説明は続く。ゆかりとにゃもから逃れる為の 部屋の侵入━━。
そして廊下の音を聞き、二人が遠ざかるのを確認して 今に至る と
「でもアンタ何でこの部屋入れたんだ?確かオートロックだろ?」
よみがヤマシンにキツイ視線を送りながらいくつかの疑問を投げ掛ける
「教師は生徒の非行防止の為、マスターキーを持ち歩いてますんで」
よみの視線におくすることもなく ヤマシンは右手に持ったカードキーを見せた
「つかなんで私らの部屋くんだよ隠れるならどこでもいいだろ」
よみの態度は明らかにヤマシンがこの部屋にいる事が嫌がっている
「まぁ知らない人がいない部屋よりは話が通じると思いまして」
「じゃあ先生の部屋いきゃいいだろ」
「私の部屋は後藤先生と同室です。この意味わかりますか?」
ヤマシンの死んだ目がより一層暗くなった気がした。彼もそれなりには考えている
教師の立場を━━。にゃももゆかりも修学旅行中に泥酔していた事が他の教師━。
少なくとも彼女達の行動を問題として見ている教師に知られたら━━。
ゆかりとにゃもは生徒から人気がある だが、愛されるとゆう事は他の誰かから憎まれる
事だ。彼女達の破天候な授業態度を嫌っている教師は決して少なくない ヤマシンもその
事はよく理解していた。 ヤマシンはゆかりとにゃも、彼女達の事が好きだった。人間
的にも、教師的にも。いくら問題があるとしても 彼女達はヤマシンの理想の教師像だっ
たのだ。故に守る。 彼女達がヤマシンを諦めて部屋に戻る足音は先程確認した。後は
隠れた部屋で二人が酔い潰れるまで時間を潰すだけでいい。だが━━
「用が済んだならとっとと帰れよ」
眼鏡をかけているがこれ以上この部屋にいる事を許可してくれそうもなさそうだった
「しばらくこの部屋にいたいのですが」
食い下がるヤマシン。大丈夫━。彼女のこうゆう態度には慣れている
「断る。ここは女子の部屋だ。あんたが男であるれ以上この部屋に居るのは遠慮すんのが普通だろ」
玉砕。よみは先生に向けての言葉とは思えない台詞を平然と放つ
わかっている。 この部屋にいる誰もが理解している
よみはヤマシンを嫌っている
木村に対する態度のように『距離を置く』とか『苦手』とか易しいものではない。
よみがどうなっていくか楽しみですな。
ヤマシンとともに対して。
382 :
文月 28:2006/09/08(金) 20:40:39 ID:???O
嫌われている。ヤマシンはよみに嫌われている。 しかも堂々と 大々的に
つまり よみは『ヤマシンを嫌っている』ことを隠さない むしろ 開き直っている
その事はヤマシンも ともも榊もちよも 神楽も大阪も知っている。
嫌われているとわかっているのに 親密になろうとするのは難しい。これ以上嫌われない
為にもなるべく距離を置くのが妥当である。だが しかし ━━━彼は違った。
「何いってるんですかよみさん。目の前に美女が六人もいるんですよ?男として引き下
がる訳がないじゃないですか」
平然とした態度で答える。山田 進一。彼は 今、大きな賭けにでていた
「はぁ?何いってんだアンタ」
照れる様子を見せる事もなく 冷めた視線でヤマシンを射抜くよみ
「ここに残りたい━━。といってるんです」
「だから断るつってんだろ」
「皆さんはどう思いますか?」
沈黙を続けていた五人に不意に問いかけるヤマシン。五人はそれぞれ困惑した表情を見せた
「……私は別に…ヤマシンいてもいいと思うけど…」
「(うんうん)」
神楽が頬をポリポリかきながら答える。榊も無言で頷く
383 :
文月 29:2006/09/08(金) 20:45:24 ID:???O
「私も〜!」
「そうですね…。私もヤマシンさんなら大丈夫だと思います」
智とちよも続いて賛同する。
「だ、そうですよ。よみさん」
「……………………………」
むちゃくちゃ府に落ちない顔をする よみ。軽く下唇を噛み締めている。
「私は、お前が嫌いだ」
「知ってます」
よみがまっすぐにヤマシンを見て言葉をつむぐ。ヤマシンもまっすぐ見返しながら答える
「だから私はお前と一緒にいたくない」
「それも知ってます」
部屋が自然と静かになる。二人だけの言葉が続く。二人は四月からずっとそうだった
理由はない。だが むかつく。嫌いだ。苦手だ。彼女は終始 彼を避
けていた。だが 彼は終始 彼女に近付こうとした。彼が近付くと彼女は逃げた。離れた
「なんで知ってるのにお前は私に近付こうとするんだ!」
「……………………」
その為、二人のラインはずっと平行線のままだった。それが今━━変化の兆しを見せていた。
「なんだよ…。言ってみろよ」
初めて 彼女から近付こうとしている。彼の考えを聞こうとしている
「簡単な理由です」
繰り返す。彼は大きな賭けにでようとしてた。これ以上嫌われることはない、と思うと
もの凄く気が楽だった。だけど、少しでも彼女に意識してもらえるなら━。
「よみさん。私は━━。」
必ずなにか反応が返ってくるはずだ。強くこそ見せているが彼女はきっと━━。真っ直ぐな愛には慣れていない
「あなたの事が好きだからです」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
385 :
文月 30:2006/09/09(土) 22:11:23 ID:???O
『好き』
それは突然の告白だった。前フリも何もない。誰もが予想できない 出来事だった。
お金をおろす為に最寄りの銀行に行ったら、いきなり覆面の男達が現れて金を要求する。
そのくらい『日常』と『予想の範囲内』からかけはなれた事が 今、起きた。
「な……な……なぁっ!?」
当然━━。人は冷静に対処できるはずもない。映画みたいに銃撃戦を繰り広げたり、強
盗犯を説得して無血で終わらせることもない
ただ 普段使わない頭をフル回転させて現状を理解しようと努めるぐらいしかできない
ものだ。彼女も、 水原暦もそうだった。メガネがずり落ちるぐらいの『非日常』である
「なっ…なっ…………なっ」
え? 何?今何て言った?コイツ。好き? え 誰が? あれ?私見てんじゃんコイツ。
え? 私?
うそ? わっ…わかんない。暑い!顔が暑い!やばい これじゃ顔赤くなってんのバレ
バレじゃん。照れてるみたいじゃないか。落ち着け。 わっ!真っ直ぐ私を見んなよ!
なんでこいつわ━━こいつわ━━━━━。誰か フォロー!フォローしてくれ!!
私。変な馬鹿教師に告白されたんだぞ!? 誰か━━フォロー……
ちよちゃん!?口開けっぱじゃなくて なんか言ってよ?榊!!なんでお前が照れる!!??
大阪……神楽……駄目だ二人とも完全にフリーズしてる…。智………。
何ニヤニヤしてんだてめーっ!!!! 助けろよ!!??おい 智!? マジで頼むって!!
「あなたはどうですか?」
うっ!! このくそ教師…。よくもぬけぬけと…。んなの言わなくてもわかってんだろ…
あれ…。 あいつの顔見れない…。なんで!? あいつの視線に真っ直ぐあわせられない…
ヤバイ。顔熱い。胸もすごく早い。すごく大きい音してる。みんなに聞こえてるんじゃ…
と…とにかく! 言わなきゃ! はっきりと言わなきゃ!! い…言うぞ…!! 言うからな!!
「お前なんか…お前なんか……だいっきらいだー!!」
……はっ!! 何これ!? これじゃ まるで『好き』を隠している乙女みたいじゃん!!??
何これ!? あ…あいつ…。山田ぁ!!
はめられた……!! あ…あいつ…。山田ぁ!!
はめられた
386 :
文月 31:2006/09/10(日) 05:52:48 ID:???O
「貴方が私を嫌いでもいつかふりむかせてみせますよ」
予想通り…。いや 嘘。本当はどうでるかわからなかった。でも、この駆け引きは私の
勝ちだ。突然の愛の告白。 彼女は慣れていない、とゆうより『愛される事』に弱い。
「ふ……ふざけんな!!教師と生徒だぞ!?」
「壁は崩す為にあるんですよ?」
照れてる。照れてる。やっぱり言ってよかった。 私は 今、間違いなく1つの山を越えた。
彼女━━。水原 暦との関係を。私は彼女の事が好きだ。それは間違いない。だが、そ
れは男と女の『愛』や『性欲』ではない。この私の気持ちは━━━━?。『救済心』だ。
「私はお前が嫌いだ!!諦めろ!!」
「大丈夫です。ストーキングはしませんから」
「なんやーよみちゃんモテモテやなぁ」
「うっさい大阪!!」
周りの空気も予想通り━。少なくとも歓迎ムードだ。私と 水原暦を くっつける事を。
つまり、これは悪あがきであり開きなおりだ。自ら『彼女に好意を抱いている事』を大衆
の前で伝える。よって私がこれから彼女に何をしようと『好きだから』とゆう明白な理由
で全員を納得させられる。つまり、堂々と彼女にアピールができることになる。
さらに、大衆が 私、山田進一を認めている場合。私の行動を応援してくれる。それなり
のサポートの期待ができるとゆうことになる。幸い、今回の五人は少なくとも私に信頼を
よせている。つまり、私から水原 暦のアプローチさえも許容の範囲内と判断してよい。
「私、よみさんにふさわしい男になるようにがんばります。」
「なっ…なっ…!!」
「わははははよみが照れてる!!」
「うるせーぞ智!!」
そして━━。彼女、水原暦は私を無視し続ける事が今まで以上に困難となる。当然だ。
『貴方を好き』といった異性を意識しないことは彼女には到底できる芸当ではない。
しかもこれからは五人からも批判めいた意見を述べられる事もおきうる。今後、彼女は
私になんらかの反応をしめしてくれるだろう。今まで通りの無視は通用しない状況になったのだ
「今すぐとはいいません。まずお友達から始めましょう」
「………………………!!」
怒りか 恥ずかしさか 顔を紅潮させて口をパクパクさせている彼女は本当に可愛い。もは
や言葉も出せないほどパニックなのか。よかった、これならこれから上手くいきそうだ。
彼女は本当は真っ白な子なんだから
387 :
文月 32:2006/09/10(日) 06:23:09 ID:???O
何故、山田進一はこれほど水原暦に固執するのか?ただ単にタイプだからだけなのか。
答えはシンプル。彼は彼女に同じ臭いを感じとった。同族。灰色。汚された純白。性欲。
暴力。捻くれた愛。幼子趣味。性的虐待。早すぎた保健体育。肉奴隷。初めて━ハジメテ
「おじさんやめて」
ヤメテ…
「いたいよいたいよ」
ヤメテ…
「おじさんは気持ちいいの?」
イタイ…
肛門にせまる肉棒。飢えた中年。美しい肌をした少年、山田進一。白い少年は━━━。
ヤメテ…
『ボクハハツコイヲシルマエニセックスヲシッタ』
真っ黒な大人に汚された白い子供。拭いきれないヨゴレ。おちない━。おちないよ。
だから彼は思った。白くなりたい 白くなりたいから白い人にあいたい。それが彼の生き
る目的になった。そしてその彼の願望は満たされる。この学校で生活する人々によって。
美浜ちよ。榊。神楽。谷崎ゆかり。黒沢みなも。滝野智。春日歩。木村先生。かおり。
いずれも清々しい気持ちになれるほどの純白。ただ会話するだけで彼は幸せだった
だが彼女は違った━━。水原 暦。彼女は『灰色』だった。そう━。彼と同じ『灰色』━。
『私は白くなりたい灰色。』彼は自分の事をそう表現する。そう━。彼女も同じだった
彼は思った。あぁ 彼女はとても幸せだ。羨ましいくらいだ。こんなにも周りに白い人が
いるなんて━。特に━。『滝野 智』 彼女が幼い時からずっと水原 暦の側にいたおか
げで 暦はここまで白に近付いた。ほぼ真っ黒だった彼女を灰色にまで薄めたのだ。
彼も協力したいと思った。彼女をもっと白くしたいと思った。だけど彼女は彼を嫌った
同族嫌悪━━。彼女は『黒』のにおいに敏感だった。少量だが『黒』が混じっている私を
即。拒否した。だけど彼はあきらめなかった。毎日。 毎回。 水原暦に仕掛けていった。
彼はまだ気付いていないが、その行為は本人━。水原暦にしてみれば迷惑この上ない行い
だったが、彼の行動は彼女を少しずつ白に近付けていた。無駄な事はひとつもなかった。
山田進一はまだ気付いていない。もうすでに彼は『灰色』ではないことに。台風一過の後
の青空のように清々しい『純白』に『彼』は達していた。彼の思いは1つ。
彼女を救いたい。それだけだった
は1つ。
彼女を救いたい。それだけだった
うーん、面白い。
ほう
このシリーズまとめられてないのか…最近来たから経過がワカラナス(´・ω・`)
391 :
メロン名無しさん:2006/09/14(木) 08:53:43 ID:UmLqzlLQO
まだかな〜
392 :
文月 33:2006/09/14(木) 18:58:59 ID:???O
強引━━━。とはいえヤマシンはこの部屋に居座る事が可能となった。(よみは最後まで
反対していたがボンクラーズの冷やかしに耐え続けるのは不可能だった)
やはり年齢が近い事があるのか、ヤマシンは女六人の部屋にしりごむ事なく むしろ、自
分から話題を振って場を盛り上げたりした。(よみに振ると決まって『なんで私に
聞く!?』と怒りとともに返事が返ってきた。)そして 修学旅行の夜は次第に更けていった
だが、七人の会話は衰える事なく続いた(若干、二名ほど睡魔に屈したが。)
智 「神楽ってさー 大会いつなの?」
神楽「いや、もう予選は始まってんだよ。」
榊 「………勝てたのか??」
神楽「負けてりゃまだ部活やってないって」
榊 「そうか……よかった…。」
よみ「しかし…。そろそろ部活も山だけど受験も本気だしてかないとなぁ…」
智 「根が真面目だなー。私はもうすぐ夏休みだから嬉しくって嬉しくって」
神楽「お前には焦りとゆうものががなくてうらやましい…」
よみ「神楽に同じ」
榊 「………………」
智 「あれー??」
彼女達がこれからの進路などについて話をしている間、ヤマシンは既に夢の世界にいる
ちよと大阪の髪をなでなでしていた。さらに鼻をつまんだり耳をさわさわしたりした。
よみ「ちょっと山田。なにしてんの」
ヤマシン「寝顔、テラモエス」
よみ「何いってんだ!?」
ヤマシン「二人ともなまらめんこいです。」
よみ「標準語で頼む」
ヤマシン「可愛いと言っています」
よみ「あぁ…。それはな…」
智 「ヤマシンヤマシン。私わかるよ、先生の気持ち。悪戯したくなるよねー?」
神楽「いやお前の場合嫌がらせだから」
智 「遠回りの愛情表現だっつーの。具体的にゆうと左折一回すれば着くのに右折だけで目指すみたいな」
榊 「あの……………先生………」
ヤマシン「????」
榊 「あぅ……………」
ヤマシン「なんですか??」
榊 「先生………その……」
ヤマシン「ヤマシンでいいですよ」
榊 「………先生…。あの…私も………やっていいですか??」
ヤマシン「ん?あぁ??どうぞ」
榊は二人の髪をなでているヤマシンを羨ましそうな瞳で見つめながら呟いた。
ヤマシンにとっては、よみの心を開かせる為の告白かもしれんが
よみはどう受け止めるのかね?
394 :
yomi:2006/09/19(火) 23:55:52 ID:???0
o-o、
('A`) メガネメガネ
ノ ノ)_
395 :
tomo:2006/09/25(月) 09:24:47 ID:???0
m9(^Д^) よみ、ばっかでー! 眼鏡捜してやんの!
396 :
yomi:2006/09/26(火) 18:16:23 ID:???0
Σ('A`) バカにバカって言われた!
ノ ノ)_
397 :
メロン名無しさん:2006/09/27(水) 01:07:27 ID:ls4xdUoVO
大阪可愛いよ大阪
398 :
メロン名無しさん:2006/09/28(木) 09:48:59 ID:VvOrr8ej0
i:: ::::::::::::::::::、:::、:、:::、:::、:::::::::::,:::::::ヽ:::゙::::::ヽヽ::\::::::ヽ:::::',ヽ:::
i::: ::::i::::::: ::::l\、ヽ::::ヽ::::::::::::',ヽ',ヽ、:::::、:::::::ヽ:::ヽ:ミ、:::ヽ、:::::
i::::l:ヽ::::!::::::!:::l ッtー゙、:::::::::ヽ::'、::', ゙ヽ.ォ-=-、:::::::::::::ヽ:::ヽ:::',:::::
. i:::!l:::::ヽ::::::::::::l.il k::::::ハ\:::::::、:、ヾ:、〃k:::::::ソヾ、:::::::::::ヽ:::ヽ:::::: 山
. ,ィ''i:l' !i::::::',:::::::i::::iヾ-.ニ_-' :ヽ:::',ヾ、ヽ.゙ 、..二...;シ ゙i:::::::::ヽ、:::::::::::: 田
イ l リ 'i::l::::',::::::':,':! ゛"" i ヾ:、 ヽ` `"""" .li'i::::::::::::ヽ:::::::: で
..ヽ/ ', i:il:::::',::::::kヾ、 ! ヽ l!.l::::::::::::::::ヽ、 す
ヽ ; ii i::::、:::::', ` 、 ! !:::;:::lヽ::',i!`
ヽ ', ':, ',::i 'i::::':, ヾ、 -‐ /.l::ハ::l ヽ::i !、
', ', ヽヾi ',:::::i、 ヽ、 ..__ , ' .i:l. リ /入',
il ', ,ン''ヽ-'i:::l._ヽ `.{i ゙マ''""" / i! ,/./ i`
,-┴'゙ ' ー ゙ 'i:l、 ゙\. リ i ,..:'' ! , ' " .i
/ ゙! ゙ヽ、 ヽ/ i ,..::'::'' /, ' /.!
..r'゙_ il. , ノ゛ i'.、イ:::''' // ノ
死亡フラグwwwwwwww
400 :
メロン名無しさん:2006/09/29(金) 00:54:49 ID:51roq3HnO
大阪「なー お話まだ修学旅行やで〜 もう10月なるやん」
神楽「………うん」
榊 「遅い………」
ちよ「すいません私が言うのもなんですけど作者さんの都合が合わないらしくて…」
ヤマシン「今度まとめて投下するって言ってましたよ?」
智 「うっそでー!!間に合うわけねー!」
よみ「それでもこのスレがあるんだ。」
ヤマシン「
>>398さんみたいに応援してくれる人もいますし」
大阪「なー なー せんせーは
>>398の顔でえーのー?」
ヤマシン「…………………すごく嫌な気分になりました」
智 「つかせんせーはホモなの?」
ヤマシン「ばーん。私がキラなら死んでますよ?滝野智さん」
神楽「でもそれって…。小さいころ…」
ヤマシン「そうです 穴を掘られた事も蜂蜜塗られた事も…負けです。しかし 最後は勝ちます」
智 「はぁ!?やっぱりあんたホモじゃん!!??」
ヤマシン「榊さん智さんを黙らせて下さい」
榊 「(私!?)」
よみ「あ〜 山田。私も聞きたい事あんだけど」
ヤマシン「私は貴方が好きですし聞けることなら聞きましょう。」
ヤマシン「しかしその話を聞く前に私もひとつ言っておくべき事があります」
よみ「何?」
401 :
メロン名無しさん:2006/09/29(金) 00:59:09 ID:51roq3HnO
ヤマシン「私は貴方が好きですし聞けることなら聞きましょう。」
ヤマシン「しかしその話を聞く前に私もひとつ言っておくべき事があります」
よみ「何?」
ヤマシン「私は本当はよみさんを レズじゃないかと疑っているんです。それでも聞ける事なら何でもお聞きします」
よみ「ははっ。私がレズ?」
ヤマシン「いえ疑っているといっても1%くらいです」
よみ「(1%くらいか…)うまい言い方だ…」
智 「そんな事ないよねー★☆よみぃー」
よみ「お…おぅ(赤面)」
ヤマシン「やはり…… 私は…
間違って…なかった…
が… ま… 」
大阪「せんせーノリノリやん」
ワラタ
(;´Д`)ハァハァ
403 :
メロン名無しさん:2006/10/01(日) 16:15:24 ID:WdosDyoi0
山田のイメージがLだったのは俺も一緒だ
404 :
文月 34:2006/10/01(日) 20:03:54 ID:???O
夜━━。いやもう真夜中といった方が良いだろう。ホテル内をうろつく一人の影があっ
た。忍び足、足音を立てないようにある1つの部屋に向かう人影。そして 『彼』はある
ドアの前で立ち止まった。ポケットからカードキーを出す。そしてゆっくり、静かにさし
こむ。 高い電子音が響く。カチャリとドアの開閉する音も続いた。人影はこれまた慎重
にドアを開き 室内へ入った。そして入ってきたドアを閉じる オートロックなので施錠
の必要はない。部屋は明るかった 全ての灯りとテレビもついていた。
「これはこれは…。またすごいですね」
ヤマシンは溜め息と共に呟いた。深夜二時、彼はゆかりとみなもの部屋に戻ってきた。
ちよたちの部屋で時間を潰した後、五時間前まで自分のいた部屋に戻ってきたのだ。
予想通り━━。二人は酔い潰れて眠っていた。ベットではなく地べたに転がっている。
衣服は乱れ 片手には既に空けてしまった一升瓶が握られている。うっすら部屋は酒臭い
ヤマシンは窓を全開にして換気をうながした。潮の香りが部屋に流れ込み、カーテンがふ
わりと舞いはじめた。あまりにも無防備な二人の先輩━。ゆかりとにゃも。修学旅行初日
で酔い潰れる教師二人に彼は飽きれを通り越して『しかたないなぁ』といった愛おしさ
すら感じた。深夜アニメで見た幼馴染みの女の子が主人公に抱く気持ちもこんな感じなの
か?と思いながらヤマシンは二人をベットにはこんだ。二人ともすごく軽かった。
酒瓶とつまみを片付けてベタベタになった手をティッシュで拭き取りながらヤマシンは二
人の寝顔を存分に眺める事ができた。ゆかりさんはともかくにゃもさんは起きれるだろう
と フロントにモーニングコールを頼んだのち、彼は部屋をあとにした。
自室に戻る前に木村先生とすれちがったが何も文句も言われる事もなく軽い会話をした。
若い人は元気すぎて困ると笑っていた。たぶんこれからホテル内の非行防止の見回りなの
だろう。『海人』とプリントされたTシャツが思いのほか似合っていた。
修学旅行初日。彼は『よみ』に告白した。これからどうなるかわからない。彼女が心を開
くかもわからない。今日した事が正しいかもわからない。でも 胸が凄くドキドキしていた
そのドキドキをただ信じていたかった
続きキター!!!!
映画でゆかり先生の「ガキは帰れ!」ってのに便乗して
「そうだそうだ!ガキは帰れベロベロぶぇー」
って言ってるトモに本気に嫌悪感を憶えた
ともの暴走は停めたり突っ込んだりする人がいないと
ただの迷惑に成り下がる。
世が世なら孤立していた。
友達に恵まれたな。特に眼鏡。
逆に、よみがいてくれたら絶対大丈夫だと信じてるからこその暴走なのさ
よみとかゆかりちゃんのツッコミ前提での行動だからな
松ちゃん浜ちゃんのようなコンビネーションが成り立ってる
アニメのともの暴走は誇張しすぎだよな。
原作はバランスを考えていろんなキャラに割り振ってるのに
アニメで増えた分を全部ともとゆかりに押し付けられた気がする
アニメのゆかりは人格破綻者だからな・・・
大袈裟な方がアニメ映えするんだろうけど
台所の窓から差し込む日差しも、心なしか緩く長くなってきた。客に出すのがグラスからマグカップに変わったのはいつからか。季節の移り変わりは気が付くととても早い。
「おーい、はやくー」
向こうから急かす声。感傷に浸る暇もない。ともがいる限りセンチメンタルな秋とは無縁にならざるをえないな。
苦笑混じりのため息を軽くつくと、両人差し指を取っ手にひっかけて、私は湯気の立つ紅茶を持っていった。
「おー、ご苦労さん。やっぱ勉強の後にはこの一杯に限るねー」
「色々突っ込むところが満載だが、ただの書き写しが勉強になるのかよ」
「書き写しながら覚えるんだよ。そのための宿題だと私は思っとる。全くお堅いね、よみは。身体はぷにょぷにょだってのに」
身体的特徴を揶揄する侮蔑表現にも、私は一切顔色を変えず、手にしたマグカップをゆっくりと置いた。ホットパンツから剥き出しになっている、ともの太股に。
「お礼の一言もなく、人にお茶いれさせといて、態度でけーんだよ、お前は」
踏まれたネコのような声を上げて、ソファで悶絶するともに冷たく言い放つ。
「ううー……正直者がバカを見るからってこの仕打ちはひどい」
「ん?」
右手の指を真っ直ぐ揃えて刀の形に見せると、ともは「じょ、冗談でス」と素直に謝った。やれやれ。
「じゃあいただきまーす。おわっ、熱っ! フーフーフー、ゴクッ。うわ、やっぱ熱っ、ってか苦っ! 甘くなーい! 何だ、ダイエットかよ! 付き合わせんなよ!」
「とりあえず落ち着け」
ただ紅茶を口に含むだけでなぜここまで騒げるのだろうか。理解に苦しむ。
「ったく何か面白いもんねーの? あーテレビ見よ、テレビ。何かやってねーかなー、んー、このチャンネルはー……ダメだー、じゃあこのチャンネルはー、あーもー、何だよ、CMばっかじゃんよー」
いや聞け。落ち着け。それより人のテレビを勝手にいじるな。
言っても聞かないので、心の声にとどめるが、当然ともは我が物顔で人の家のリモコンを操作しまくっている。スライドのように変わり続ける画面。
ときどきこの無軌道ぶりが、何か取り返しのつかないことに発展しそうで恐くなる。幼なじみの腐れ縁として、これまでこいつのブレーキ役をやっていたが、
いつまでも一緒にいられるわけがないのだ。私がいなくなったら、こいつはどこまで行ってしまうのだろうか。想像もできない。
変な不安に駆られてふと見ると、ともは食い入るように画面を見つめていた。
テレビに目を移すと、ニュースをやっている。アイドルのゴシップの類ではない。暴走族の話題だった。
意外。ともが真面目に社会的な報道に関心を持っている。
ニュースの内容はこうだった。
『北海道に冬季限定の徒歩による暴走族が発生』
冬になると北国では路面が凍結するため、バイクは走行が非常に困難となる。それで暴走族は自分たちの存在を誇示する手段として、歩きながら自分たちのチーム名を大声で叫んだりするのだと言う。
まったくろくでもない。自分の馬鹿さ加減をアピールして、迷惑を撒き散らして、自分にも周りにもマイナスじゃないか。こいつら自身も問題だが、周りにはブレーキをかけるのがいなかったのか。
社会の未熟な暗部を見せられたようで、暗鬱な気分になる。
「こういうの見るとさ、『珍走団』って呼び方、普及してほしいって思うよね」
と、画面を見ながらともはつぶやく。
「あ、ああ、そうだな」
ただの興味関心でなくて、しっかり問題点を押さえた意見を言ったことに面食らいながらも、そう返した。
「『暴走族』って名前に価値を見いだす奴もいるからな。けど『珍走団』なら馬鹿っぽさ丸出しだ。自分がそうだなんて名乗りたくなくなるはずだ」
結果として、夜中に騒音を撒き散らす馬鹿は減るという算段だ。喫煙にしても飲酒にしても、行為自体に一つのスタイルを見ているから、未成年が手を出す風潮があるのも確かだろう。
珍妙な名称をつけることで、イメージダウンを狙うわけだ。本質的な解決にはならないかもしれないが、禁止事項の断行を即格好良さに結びつける馬鹿には有効だろう。
しかし、ともがそんなことを言うなんて。社会に目を向けているなんて。
かなりショックを受けている自分に気づく。信じていたものが虚実だったと知らされたような気持ち。
当たり前のことかもしれない。ともだって、知らない間に成長するのだ。分別を身につけないままいられるはずがない。人はどこかで変わるものなのだ。
けれど、私はどこかで期待していたのかもしれない。いつまでもブレーキ役としての私が必要なともを、私は勝手に期待していたのかもしれない。
……私の方こそともほどに成長したのか?
私は……。
「あー、いや、そーゆーことじゃなくてさ」
顔の前で手を振って、あっさりともは否定する。
「は?」
「あのさ、『珍走団』がさ、この北海道の歩く奴らだったら、どうなる? 走るんじゃなくて、歩くんだからさ」
「?……そりゃぁ……珍歩だn」
時が止まった。
「ぎゃはははは! ちんぽだん! ちんぽだんになるんだよ! こ、こいつぁ、是非美人女子アナに全国に向けて発進してもらわねえと! しかも! 北海道で珍歩団同士が大激突したらどうなる?
世紀の抗争! ちんぽだんせいきの抗争! いや当人たちにとっちゃ聖なる戦いだから、聖争だ! つまり精巣! 精巣、勃発! ぎゃははは! ひー、苦しーっ! まさに女人禁制! 一触即発!」
自らの想像力に爆笑し、腹を抱えて悶絶するとも。
………………。
まあ、そういうことだ。
人がそう簡単に変われるはずがない。
さて。
ここのところ社会の風紀の乱れは目に余るものがある。根本的な解決策の施行が待たれるところだが、とりあえず自分にできることとして、
「だぶるちょっぷ」
「ぐへっ!」
目の前の暴走女子高生を正義の鉄槌で壊滅しておくことにした。
でも少しほっとしたのは内緒だ。
(了)
よみともキタ
しかも社会派か!
智ちゃんのエロス人!
よみの方がエロス人
むしろ漏れの中では、智の太ももに置かれたのは
マグカップじゃなくて、よみの手のひら。
やけどした太ももを手当するフリをして撫で回すのさ
撫でられてピクッと感じるともちゃん(*´д`*)
そして自然と会話は無くなり、お互いの息遣いだけになるわけだ。
よみの部屋で! 裸で! すけべー
そそそそれは、ふ、二人とも裸なのかい?!
やっぱり、よみともは智の誘い受けだと思うんだよ。
その辺りはどう思うよ?
智の誘い受けは最強だな。
よみの一方的な片思いもそれはそれで萌えるが。
よみの片想いも萌えるのだが…。
やはり、ふたりには幸せになって欲しいしな!
ていうか人居なっ
無言で物陰からキャッキャウフフしてる二人を見つめてるからだよ
とりあえず単行本4巻の扉絵(?)に萌え
人が少ないのにともよみ派が居るのが笑えますな
な、何で笑うんだよ!
うぅーよみ!なんか言ってやれ!
私は智がいればいい
笑いたい奴には笑わせておけばいいさ
それより智、もっとこっちに来いよ
・・・何するつもりなんだよ。
べ、別に期待してなんていないんだからな!
よみ「はい、そこ座って」
とも「なんで大阪と神楽もいるの?」
よみ「今からお前ら三人にイイコトしてもらいます(ペラ)」
とも「・・・なにこのプリント、計算問題?」
よみ「(将来の為に)イイコトだろ?」
ともはあんだけはっちゃけてても、いざ本気で好きだって言う男が出来たら無口になりそう。
逆によみはクールっぽくても男には思いっきり甘えるかもしれない。っつうかツンデレ?
はじめてみたんだがなんか音楽ピタゴラスイッチにぱくられてねぇ?
比較検証してみ?
ようつべとかで。
439 :
メロン名無しさん:2006/10/28(土) 13:23:17 ID:fDUEfHHX0
エロパロ第七スレより
695 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/07/28 18:39 uOjxlZho
>SSの糞っぷり、白痴以下の頭の馬鹿っぷり
>名前を相も変らぬゴミSS
これにぴったり当てはまるのが一匹ピンと思いつくのだがw
まあ、誰とは言わんがね、誰とは。
A、くろまんが大王(ゲラゲラ
そういえばこのアニメのエンコがまだ終わっていなかった
441 :
メロン名無しさん:2006/10/29(日) 14:19:01 ID:1UMr7CIA0
61 :名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 22:05:15 ID:gubw8DTd
必死になればなるだけ見苦しいぞ、おたのしけw
62 :名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 23:05:45 ID:5QOCrsqy
>>61 だよなーw
引っ張るなと言いながら必死におたのしけ弁護してるし、どう考えてもテラアヤシスwwww
ひょっとして前回埋め立てられた腹いせにこのスレまで荒らすのが奴の目的なんじゃねーの?
63 :名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 23:14:08 ID:cuzKaHxp
そうだったのか
確かに厨房のふりして他人に粘着するような人間だったんだし、すると前スレを荒してたのも・・・
64 :62:2006/06/05(月) 23:31:58 ID:5QOCrsqy
あ、ID見ればわかると思うけど、自演じゃないから。
ダブハン荒らしが発覚したあげく揉み消しのためこのスレまで潰して停止させようとしている
誰かさんに上げ足を取られないため。
↑十数分に1レスの割合で嘘も断言すればホントになると思い込む
くそまんがくんであった
442 :
メロン名無しさん:2006/10/29(日) 14:20:17 ID:1UMr7CIA0
69 :名無しさん@ピンキー:2006/06/05(月) 23:45:49 ID:pItFOwdY
>>66 だから放っておけ、パート2
多分「タイプミスに必死にくらいつくから必死だねぶたのしけ君w」
と言って来るぞ。
最悪板の方にでも行ってくれって
70 :( ´,_ゝ`)プッ:2006/06/05(月) 23:52:45 ID:5QOCrsqy
( ´,_ゝ`)プッ( ´,_ゝ`)プッ( ´,_ゝ`)プッ
71 :誘導 :2006/06/06(火) 00:43:29 ID:3LPyRM9y
参考
エロパロ板削除議論スレ
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/sakud/1064929490/ くろまんが大王疑惑のあるコテハン「w」
要点 wについて
・このスレのおたのしけへのヲタAAは一度も削除依頼をいまだに出した事が無い
・このスレのくろまんが大王叩き、くろまんが大王の駐在する猟奇スレの荒らしは削除依頼
・「過去の事情にはちんぷんかんぷん」「くろまんが大王なんて知らない」と言いつつ、
「テロもどきと言われた」と言う発言だけで、即座にNを思いつくなど突然詳しくなる。
・↑の理由らしき事に、「ネット上の駄目なエロSSスレに晒されたから」と答える(更なる墓穴
・前スレの埋め立ての後、7分でレスした事がある
・持ってきた証拠に「萌えBBSのログなんていくらでも改竄できる」と言い出す。おたのしけ=N=けんすう説?
そして多くの反論を前に↓
最悪板: 臭のしけ=N
http://tmp6.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1149362315/ を立てる。殆どの反論をスルーし、そこで更に反論されて、未だにwは姿を現さない。
以降、くろまんが問題関連は移動推奨
↑図星をつかれて意味不明意味も何も無い反論も何も無い脈絡も無い馬鹿コテと
AAで必死にレスし悪事をばらされたくろまんが大王の図
こっちくんな
シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ
(;´Д`)
_(ヽηノ_
ヽ ヽ
( ゚д゚ )
_(ヽηノ_
ヽ ヽ
こっち見んな
446 :
メロン名無しさん:2006/10/29(日) 20:27:04 ID:ORHu7cBhO
いい加減黒ぶたまん大王のクズは放置な。ファビョられても迷惑だ
>>446 >黒ぶたまん大王
気持ち悪くてぶたまんが喰えなくなったらどうしてくれる
くろまんが大王のニキビ不細工デブ面を連想してしまう
イジメのニュースが盛んだが、大阪が引っ越してきたのはイジメられてたからなのかもしれない。
彼女はイジメられやすいよね。
>>449 学校やら教育委員会やら××な団体やらを相手にする覚悟があるとは!
しかし大阪はたとえいじめられていたとして、そのことに気づくのだろうか。
何か自分がされてることを理解しないでスルーしそう。
大阪はドンくささが原因でいじめられるかもしれない
智は加害者にも被害者にもなりえるタイプ
他はいじめからは縁遠そう
ともよみはピンだと浮きそうだからな
やっぱりセットだよな
ずっといっしょ
保守
(シ
/〉〉〉〉ゝ
‖б , б§l
‖ ▽ §l
∞ ゝ
\/ゝ/
/ \
ゞゞゞゞゞゞ
‖‖
‖‖
/ /
456 :
メロン名無しさん:2006/11/17(金) 00:38:28 ID:jk2aCqiNO
ちよ
一番わかりやすいのは
3巻P067でともがさりげなくやってたちよちゃん捕獲遊び!
すまん。
何の話?