1 :
メロン名無しさん :
03/01/19 22:21 ID:NRzbUgC9 今日は素晴らしい。あなたの調子はどうですか。 あずまんが大王は昨年の秋に放送を終了しました。それは急激に傾きました。 私たちはこの重大な実際の条件を考慮して1つの決定を下しました。 スレッドは一体になります。承認したことは榊、ちよ及び神楽です。 それは3です。しかし、私たちは、訪れる人々に抵抗しません。 承認人が数の中で増加すれば、このラインアップはさらに豊富になるでしょう。 此処は萌え及びSSに関連した会話、及びコメントを書く場所です。 私たちは、この場所があずまんが大王の一層の発展を刺激すると期待します。
2 :
メロン名無しさん :03/01/19 22:21 ID:NRzbUgC9
3 :
メロン名無しさん :03/01/19 22:21 ID:WOlGxAYz
こら(怒
あずスレ、リバイバル乱立の悪寒
アニメ板鯖移転→かおりんスレdat落ち→榊神楽ちよ統合スレ もうなにがなんだか...
激動の21世紀だね。
7 :
解説マン :03/01/19 23:01 ID:???
>>4 いや、榊と神楽のスレが共に1000行きを迎えるにあたり、
人も少なくなってきたから統合しようという流れでこうなったので、
乱立の逆なのだ
>>5 実は話の発端として、落ちたかおりんの救済(藁)という事もあった次第。
「訪れる人々に抵抗しません」とある通り、かおりんファンが来てもよし
なんかレッツゴー三匹みたいな感じ…>スレタイ かおりん関係も来ていいと言っても微妙に救われてないな>かおりん
ちよ「匹って… 私はそんなんじゃありませんのだ! あ、それとも三匹って忠吉さんとマヤーと、それと、ええと…あ!いつも榊さんを噛む悪いネコさんのことですかー? ならいいですー よろしくお願いします。」
>>1 どうでもいいがお前日本人?
日本語がexciteの翻訳みたいだ…何か、不自然…
>>1 乙かれ
ってことで記念パピコマソ
榊マンセェェェェェェェェ
純情神楽が一番!
○これまでのあらすじ 榊さんはスタイル抜群で勉強もスポーツもできる優等生だけど 本当はナイーブでちょっと孤独な女の子。 そんな榊さんは高校で、編入してきた天才少女ちよちゃんに出会います。 天使のように純真でかわいいその姿は榊さんの密かな憧れそのもので、 榊さんはときめきながら心を開いていきました。 けれどもそんなある日現れたのは、スポーツ万能の神楽。 少年のような危うさを漂わせ、積極的なアプローチを繰り返してくる神楽に 榊さんの心はまた違ったときめきを感じて揺れ動くのでした。 果たして三角関係の行方は?
○最終回のあらすじ ちよちゃんがアメリカに留学してしまう! 未だに秘めた思いを伝えられないままの榊さん。 表面上はちよちゃんを祝福しながらも、 別れの寂しさにいつにも増して塞ぎがちの日々。 そんな榊さんの背中をそっと押したのは神楽だった。 空港で3年間の想いを打ち明ける榊さん。 実はちよちゃんも榊さんを・・・ 泣きながら抱き合う二人。 「きっと、すぐ会える。その時は・・・」 約束を交わす2人を見届けると、神楽はひとり 思い出のつまった校舎へと向かうのだった。
******************** 終 了 ******************** あずま先生の次回作をお楽しみに!
19 :
15 :03/01/21 02:19 ID:???
ノッてくれる人がいたとは
榊さんが、遊び疲れて眠ってしまったちよちゃんを 子守唄を歌いながらおぶって帰るシーンと お風呂で足を滑らせた神楽に押し倒されてしまうシーンは 何度見返してもドキドキですよね
−−−ところでさぁ、誰かあそこで壁に向かって体育座りして壁を 突っついている頭文字Kさんをフォローしてやれば? はいはい、木村先生はあっち行ってていいですから。
>>15-16 初登場シーンでかみねこを追っ払った神楽が
自分のシャツを破いて榊さんの指に包帯してあげるんだよね
「また会えるかもな」って、まさか本当に同じクラスになってるなんてビックリ
その後バスケの授業で二人のパスワークがぴったり合って点数をもぎ取る場面は
一瞬で心が通じ合う様子が見事に演出されてたよ
でも最初に榊さんからのパスを神楽に横取りされちゃったかおりんは
ちょっとかわいそうだったな
>>15-16 でも一番ドキドキしたのは、放課後の図書準備室でニセの男文字の
ラブレターで榊さんを呼びだした かおりんがキスを迫るシーン。
隣の図書室に潜入して様子を伺う神楽とちよすけ。
だけど、かおりん捨て身の積極ラブアタックに 「あれって何か
意味があるんですか?」と?マーク乱射のちよすけが可愛かった。
照れ隠しで「も、もっと凄いこともするんだぜ!!た、例えばぁ」と
いい加減な解説を乱発する顔真っ赤の神楽の表情が最高だったなぁ。
まあ結局、そんな かぐちよ を見つけた智の乱入で かおりんの
一世一代の大勝負も敢え無く幕となったんだけど。
榊落ち。
>>24 埋め立てやったのアンタか?
それにしても神楽スレにせよ、榊スレにせよ…なんか不本意な落ち方だよな…
違う。勘違いするな。
険悪なムードだな。 もっとポジティヴに行こうぜ?
31 :
26 :03/01/21 20:53 ID:???
イキロ。それだけだ。
32 :
メロン名無しさん :03/01/21 20:59 ID:Fsrjv0SA
ま、猫に噛まれたようなもんだべさ。
>33 確かにそっちの方がはるかに先なんだが だいぶ独特のカラーになってるからな……
そこが伸びないのは1のテンションの低さが原因だと思うが。
>>15-16 そういや19話だっけ?なんか急に重たい話になって賛否両論だったの。
神楽が事故で両足骨折!水泳を続けるのは絶望的!とか。
病院の屋上で自殺を匂わせるところで「次回をお楽しみに☆」だったから
内心すげぇ期待してたのに、20話であっさり治ってやんの。
骨折が一ヶ月で治るわけないとかって、本スレに3○歳とか言うバカもでるし
あの頃は大変だったよな。今となっては懐かしい思い出だが。
おいおい、そいつはベッカム様直伝の超音波骨折治療説で論破されたはずだぜ? まさかまた蒸し返すつもりか骨折厨?
あんたらいったい……(^_^;)
はやめに流れを変えんといかんなあ。 ・・・これはこれで面白いけど
40 :
一眼レフ :03/01/22 00:47 ID:???
何話だったかなぁ「星空のこっくりさん〜かおりんの野望再び〜」って。 榊さんに"天文知識ラッシュ"をかけて「ね・・・猫座を探しませんか?」 って決め台詞で"二人だけの観察会"に誘ったのは良いけど、内緒って約束 して話した暦がうっかり智に口を滑らせて、結局オールキャスト参加に なって かおりんがウル〜〜〜〜〜〜してたんだよな。 で「秋の夜空はこっくりさんや」って一人でこっくりさん始めた大阪が 若くして無くなった女学校時代の生徒の霊に乗り移られて「会いたかった!!」 って かおりんに縋り付いちゃってもう大騒ぎ!! その後、何故か倉庫にあった巫女の衣装に着替えた榊さん、神楽、ちよ すけ、智、暦の6人が踊った"お祓いの巫女舞"は見物だったなぁ。
41 :
一眼レフ :03/01/22 00:53 ID:???
>>40 5人のまちがいでそた。6人なら本当のユ〜レイ騒ぎ。
JOTX−脳内 JOTX−脳内 こちらは脳内テレビ東京です。 脳内東京タワーより、脳内あずまんが大王の私見デムパをお送りしています。
・・・ただ電波垂れ流してるだけだな
そろそろSSが読みたいな…神楽スレや榊スレの職人達はココを見てるのか?
45 :
amns :03/01/22 11:37 ID:???
>>44 スマヌ 今回の妄想大会に名無しで一枚かんでました
SSはねー…今出てこないのです
基本的にはSS書きとしてのコテハンだから名無しのまま見てます
>40 かおりんがその夜のために、部屋中に手持ちの下着全て並べて入念に勝負下着の セレクトしてるシーンは萌えてしかたなかった。もち録画済み。それを元にかお りんの下着データベースを作成したのは・・・・・・若さゆえのあやまち
AFNで英語バージョンもオンエア中・・・・・・
>>46 そのシーンも萌えだけど"出撃前"にリップグロスを決めてムグっと
した かおりんが目を閉じて榊さんの迫る顔を想像するシーン!!
かおりんと榊さんの唇が重なる寸止めでかおりんの妄想が終わった
んだけど、あれを加工して実際に重なっちゃうMAD映像がWinMXで叛乱
して前スレでケンケンゴウゴウの話題と論争になったっけ。
でも今だから言うけど萌えるような上手なものは無かったなぁ。
このスレはかおりんを輝かせるスレになりました もしや早速かおりんスレから移って来た人たちがいるの?
ただいま冬なのに電離層異常が発生し、北脳内あずまんが人民共和国の 放送デムパが混信しております。ご了承下さい。
>50 「シャー!」 「シャー!」 「シャー!」 「シャー!」 「う、シャー!!」
ところでダイハツの新しいミラのCM、ほら、ちよすけがリコーダー、 榊さんがピアニカ、神楽がトライアングル叩いて行進するヤツ!! あれって関西の販売店が旧型を処分するのに「大阪ミラ」って関西 限定のお買い得Verを出したら勘違いの問い合わせが殺到したんで、 ムーヴのリアシートにコタツ載っけた「大阪ムーヴ」を冗談で造ったら 売れちゃって、それから「あずまんがスペシャル」を乱射してヒット したってんでのキャラ採用なんだよなぁ。 「あずスぺ」乗ってる人の感想が聞きたいなぁ。
>リアシートにコタツ いいな、それ。マジで売れそうだ。
ところで神楽信者のおまえら! 久々にエロパロスレに神が降り立ちましたよ! おまえらもリア厨に戻ってハァハァしろ!!
56 :
山崎渉 :03/01/23 15:31 ID:???
(^^)
\ .∧_∧ /
\ ピュ.ー ( ^^ )<これからも僕を / ∧_∧
山崎渉は \ =〔~∪ ̄ ̄〕 /∧_∧ ( ^^ )
かっこいい。 \ .= ◎――◎ / . ( ^^ ) / ⌒i
从// . \ ∧∧∧∧ /. / \ | |
( ^^ ) n \ <. >.. /. / / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
 ̄ \ ( E) \< の 山. >/. __(__ニつ/ 山崎 / .| .|
フ /ヽ ヽ_// < 予. >. \/ / (u
―――――──―――――――< 感 崎. >―――――──―――――――
<. !!!. >
山崎渉age(^^) < 渉. > 1 名前:山崎渉 投稿日:02/
∧_∧. /<.. >\ (^^)
∧( ^^ ). / ∨∨∨∨. \
( ⊂ ⊃. / \ 3 名前:山崎渉 投稿
( つ ノ ノ /. ―━[JR山崎駅(^^)]━― \.
>>2 |(__)_) / \ (^^;
(__)_) /. ―━―━[JR新山崎駅(^^)]━―━― \
./ \
>>44 さん
R.F.「職人といえるかどうかは謎やけど、ちゃんと移行しとるで。
今週は……アップ出来るかどうか微妙やなぁ」
榊「そんな無責任なことを言っていいと思ってるのか?」
R.F.「い、いえ、そんなことはないです、はい」
かおりん「そういえば次って確か、沖縄旅行の話でしたよね?
私はもちろん出るんですよね」
R.F.「……どやろ?」
かおりん「ゥシャー!」
R.F.「仮に出すとなると、木村先生との絡み(?)も必然的に出さなあかんように
なるで? それでもええの?」
かおりん「……」
良いネタが浮かんだら、直ぐに書こうと思います。 榊さんやちよちゃんを巻き込みつつ、純情神楽萌えを追求しましょう。 「お前ってさ、やっぱり猫の霊が憑いているんじゃないのか?」 「いや、そういうことはないと思う・・・」 「実は猫神家の一族でしたー!なんちゃってな!!」 「(ふと神楽の手元に視線を向ける)・・・何の本を読んでいる」 「これか?難しい本だけど、題名は『つきれいしんこう』」 「『ひょうれいしんこうろん』だ・・・」 「ま、題名なんかどーでもいいや」 小松和彦『憑霊信仰論』の読書感想SSでした。
>>59 何ィ!?榊さんがメインだ!
…いや、軽い冗談です
どのキャラ萌えの人もお互いがいい意味で刺激し合えればいいですよね
時には競い合い、時には協力しあい…
榊さんは ちよちゃんとごく自然に同じ目の高さで遊べる大阪がうらやましい説 ……いや、ちよちゃん同様幼くてかわいいので大阪にも萌えている説
ちよちゃん同様幼くてかわいいので大阪にも萌えている
>>61
>>63 さん
>>夏のちよ別荘まで辛抱だ、かおりん
えーと、あのー、そのーつまりーなんだー。
プライオリティーとか考えるとー、出てきたとしてもー……。
・
・
・
カオリン→・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )←R.F.
>63 アニメ版でも・・・・・・えっと・・・・・・ 合宿三日目の夜だったか、かおりんが夜中、トイレいった帰りに『寝ぼけて たんでうっかり間違えて榊さんの布団に入ってしまいました』作戦を実行する か否かで悩みつつ、あれこれ妄想もしているうちに朝になってしまうエピソー ドは秀逸だよね。 え、この流れはもぉおしまいですか?スマソ
>>65 で、翌日の夜「寝顔の写真だけでも」って忍び込んだは良いものの、
「やば・・・ストロボ焚いたら目覚めてしまう」ってんで、高感度
フィルムを取りに行ったら、智がキャリングボックス抱えて寝ていた
・・・という夢を見て、帰りの ゆかり車で歯ぎしりしながら寝て
いる かおりんを「・・・大物だな」と肩を貸して支えている榊さん
っていう続きのエピソードは、かおりんは果たして不幸なのか、
幸せなのかビミョーな所が良かったりして・・・。
と、ダメモトで流れを造ってみる。
漏れはクリスマス話が好きだなぁ。 神楽が榊にあげようと不器用な手で必死に作ったマフラー。 いざ渡そうと榊さんの家に向かう途中、偶然ちよちゃんが 榊さんにマフラーを渡してる場面を見てしまう。 幸せそうに笑ってる2人を見て泣きながら立ち去る神楽に萌えた。 結局ちよちゃんのマフラーは父親へのプレゼントだったことがわかって 無事榊さんにマフラーをプレゼントできた神楽。いいシーンだった。 この時点では絶対最後は榊×神楽だと思ったんだけどなぁ。読みが外れたよ。
68 :
amns :03/01/25 01:06 ID:???
>67 俺の中ではその話が最終回ですが何か? 残りの録画分は全部KYOで埋めてやりましたよ
>>68 KYOの話は止(ry
確かに最終回にしちゃってもいい回だったな。
つーか原作の方もあの前後はだいぶ作者の迷走の跡が。
榊×神楽、榊×ちよ、3P、のどれにするかかなり迷ってるみたいだった。
どっかのインタビューでプロットは最初から決まってた
って言ってたけど、あれ絶対違うと思うんだが。
70 :
amns :03/01/25 02:24 ID:???
錦織が「アニメ版のラストは原作どおりにはしないかも」とか 思わせぶりなこと言うもんだから、俺ら榊×神楽派は随分期待したのになあ。 まあ原作どおりの最終回を河豚がぶち壊してくれたのがせめてもの救いだったか。 結局、満たされなかった願望を埋め合わせようという同志たちがSS書いてるわけで。 2chで色々な神楽榊SSが読めるのは幸せだよな。それで俺もやり始めたんだけど。 リレーSSで盛り上がったときなんか、2人がもうあんな事やこんな事を繰り返す展開に 毎日楽しみで仕方なかったなあ。 そういや中には、脇役のともよみペアにこだわってる珍しい書き手さんもいるけど 他人の書いたのがあんまり読めないってのはかわいそうだね……
聖バレンタインデー。 古代ローマ時代の殉教者の名を冠した日。いや由来などはどうでもいいのだ。 想い人にチョコレートを送ることにより、気持を伝えられる恋の宴。 春の息吹も聞こえる季節、少女の心を後押しして舞う一陣の風。 日頃どことなく後ろ暗さを感じてしまい口に出しては言えない事も、この嵐の中でなら言える。 そう、私――かおりんは、明日、榊さんにチョコレートを渡すのだ。 去年は失敗だった。 直接渡すタイミングが計れず、靴箱に忍ばせておいたのだが名前を書き忘れていた。 だから、今年は正攻法で行く。 まず、チョコは手作り。そしてそれを放課後に渡すのだ。 『あの……榊さん』 『なに? かおりん』 『えと、これ、バレンタインのチョコです。女の子が手作りなんて、可笑しいですか?』 『そんなことないよ。嬉しいよ』 『本当ですか?』 『うん……。そうだ、このチョコ一緒に食べよう』 『ええっ!』 『折角作ったんだし、かおりんも食べよう』 『ええ、はいっ』 『……うん、美味しいよ』 『本当ですか? よかったあ〜』 『あっ』 『どうしました』 『かおりんの唇に、チョコがついてる』 『あ、そんなっ、さかきさ』 「ぐわあ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」 思わず己の妄想に激昂してしまった。 幸い、家の中には誰もいなかった。
とりあえずチョコを用意しない事には始まらない。 最近は手作りチョコ用のキットが売っているのでそれを買うことにする。 駅前の洋菓子店まで行き、なるべく怪しまれないように自然な装いで、そう、さりげなく買うのだ。 電柱の影から店内を窺う。顔見知りはいないようだ。よし、今だ。 「あ、かおりん」 「うじゃあっ!!」 いきなり後ろから声をかけてきたのは、よみだった。 「買い物?」 「え、あ、うん、はははは」 私の顔と目の前の洋菓子店を見比べて微笑む。「ははあん、そういうことか」 「ななななななななななによ! そういうことって!」 「いやなに、バレンタインデーの前日に女の子がお菓子屋さんに入るのはごくごく自然な事だよ」 「そ、そうよね! そうなのよね!」 「わかってるって、内緒にしとくよ。じゃあ、ごゆっくり。頑張れよ」 そういうとよみは駅の方へ向かっていった。 なにか引っ掛かるが、まあいい。しかし、よみは何故こんな所にいたのだろう。駅からこっちにある女の子向けの店はこの洋菓子店だけだというのに。 チョコ作りそのものはすぐに終わった。湯煎して型に流すだけだ。 ハート型というのも芸が無いが、スタンダードにはスタンダード足りうる実績がある。 問題は文字だ。 カカオチョコの上にホワイトチョコでメッセージを入れたいのだが、気の利いた文句が思いつかない。 <I Love You> 直球過ぎる。もう少し捻ろう。 <いつも貴女を想っています> なんか怖いな。もっとエレガントにいきたい。 <瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の> 崇徳院か。渋いがこれじゃ心中をせまってるみたいだ。 <義理チョコ> いや、受け狙いをしたいわけじゃない。 さんざ悩んだ挙句、手書きで冬の星座を描き、名前を添えておいた。結局の所、自分の気持は言葉や文字などでは表せないのだ。
そして当日。 朝から気もそぞろで、授業の内容など全く耳に入らない。 放課後になったら渡す、と決めていたので榊さんと顔を合わせるのは気まずく感じ、休み時間のたびに教室を逃げ出した。学校のあちこちでチョコが飛び交っていた。 衝撃的なことに、一年生の女子が徒党を組んで一斉に榊さんにチョコを渡しているではないか。天気晴朗なれども波高し。ああ、でも紙袋いっぱいのチョコを抱えて困り顔の榊さんもまた素敵。 放課後を待ち教室から他の生徒がいなくなる頃合いを見計らい、思い切って声をかける。 「さ、榊さん!」 「えっ」 「きょきょきょ今日は、一緒に帰りませんか」最後の方で声が裏返ってしまった。 榊さんは黙ってうなずき返した。 教室から昇降口まで歩く間、何も話す事ができなかった。胸の鼓動が耳から漏れるようだった。 そして校門に向かい運動場を横切ったその時、樹木の陰から夕陽が二人を照らした。その淡く透き通った光の中で二人の影が浮かび上がる。 私はただ自然に手を伸ばした。 「これ、チョコレートです。受け取って下さい」 榊さんは黙って受け取ると。ありがとうと微笑み返してくれた。 そして。 「かおりん、これは私から」
榊さんはおもむろに鞄から、可愛い包装紙に包まれた小箱を取り出して差し出した。一瞬、目の前の風景が全てホワイトアウトし、次の瞬間には心の中で火花が散り胸の奥から頭の上に鐘の音が突き抜けた。 春の嵐、到来。 「さ……さかきさ」 目に涙が浮かんでるのも構わず両手を広げて榊さんの懐に飛び込もうとしたその時。 「榊さーん」 「あ、ちよちゃん」 後ろからなんか小さいのが駆けて来た。 「榊さん、はい、チョコレートですっ」 「ありがとう。はい、これ」 そう言うと榊さんは鞄の中から同じ包みを取り出し、ちよちゃんに渡した。 「さ、榊さん、それって」 「今年のバレンタインはみんなにチョコを配ろうって、二人で決めたんですよー。これ、かおりんさんの分です」 可愛いリボンのついた小さな包みを黙って受け取る。 「あ、ありがとう……ちよちゃん……。あ、はは、あはははは」 冬の夕日が広い校庭に私の影を落としていた。その長さは、春がまだ少し先であると私に教えてくれた。 榊さんのチョコレートは甘くて苦い、ビターの香りがしました。 (おわり)
>>71-74 初めてかおりんのSS見た気がするのは俺だけ?
どうもありがd
>71-74 バンザーイ!バンザーイ!!ついにかおりんSSがキター! 報われないオチもかおりんらしくて最高や。 >一年生の女子が徒党を組んで一斉に榊さんにチョコを渡しているではないか ・・・・・・ネコに一斉に襲われる榊さん(w
かおりんSSうまい! >手書きで冬の星座を描き、 さすが天文部。 >後ろからなんか小さいのが駆けて来た。 ちよちゃんは眼中にないのね・・・。 いやあ、細かいとこがすげーイイ感じです。ぐっじょぶ!
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-20a(S.21) ●6月◇日 はれ ホームルームで来月の修学旅行の話があった。 はじめ谷崎先生は「修学旅行は中止になった」とウソを言って、ちよちゃんをおどかしていた。 友達と同じ視点で生徒とつき合うという先生の気持ちは分かるけど、ちよちゃんちょっと涙目だったなぁ。 いつもの冗談、と同じ感じだったから心配はそれほどしていないけど。 谷崎先生はさらに「限られた時間で要領良く遊ぶのは難しいぞ」と力説していた。 黒沢先生から時々、ちらほらと聞くけども、谷崎先生は相当「遊び上手」だったらしい。 だからこその力説なんだろうか。 昼休みも修学旅行の話でもちきりだった。 神楽さんが「沖縄では沖縄でしか出来ない勝負をしようぜ」と色々話をしていたら 水原さんが班編成のことで、私と神楽を班に入れるという話になった。 私とちよちゃん、神楽さん、水原さん、大阪さん、滝野さんと、いつもの六人で一つの班。 ちよちゃんちの別荘とかマジカルランドとかで何度か遊びに行ったりはしてるけど、 学校の行事でみんなと班をきちんと作って旅行にいくのは今回が初めて。 中学の時も林間学校や修学旅行はあったけど、いい思い出はなかった。……もういいけど。 でも今度の旅行は、とっても楽しいだろうし、一生の思い出になるような旅行にしたいと思う。 何かきっと、素晴らしいことがありそうな気がする。 そういやちよちゃんは、小学校を途中で飛び級したから、今度の修学旅行がはじめてと言っていた。 ちよちゃんのことだから大丈夫だとは思うけど。 私がちよちゃんの分までしっかりして、ちよちゃんを守ってあげなきゃ。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-20b(S.21) ●7月◇日 はれ 明日から修学旅行。 着替えとかガイドブックとか日記を書いておく手帳とか、その他色々必要なものをバッグに詰め込んだ。 滝野さんが「沖縄は暑いから普段着は水着なんだぜ」とか教えてくれたけど、 水原さんが「そんなわけないだろ」と突っ込みを入れていたので、冗談だろうと思う。 けど、念のために水着を一着多めに持って行くことにした。 目覚ましもかけたしお母さんに明日のスケジュールも確認して起こしてもらうようにしたし これで万事おっけー。 夕ごはんの時にお母さんと、あらためて明日からの旅行のことを色々とお話した。 お母さんは生水を飲まないようにとか危険な場所に足を踏みいれないようにとか 変な人につきまとわれたら大声を出して逃げなさいとか心配してくれたけど、 行き先は沖縄なんだし、そんな心配はいらないんだけどな。 おみやげは何がいいかと聞いても「あなたが無事で帰ってくれば何でもいい」というばかり。 何か他にもお母さんは心配事があるらしい。 私はしばらく考えた後、あっ、と思うことがあった。 どうしようか少し悩んで、その後、やっぱり答えた。 思い出すこと自体、あんまりうれしくないけど、お母さんを心配させたままにするわけにはいかないもの。 中学の時のようなイヤな思いをすることはないから安心して。 一緒のグループの友達もいい人ばかりだから、と。 それだけ話すと、お母さんは少しだけ目に涙を浮かべ、そして何もいわずにただ うなづくばかりだった。 もう……私だってもう高校三年生なんだから、大丈夫だよ。 とは思ったけれど、私までちょっぴり泣けてしまった。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-20c(S.21) ●7月◇日 はれ 修学旅行一日目。 みんな自分のベッドで本を読んだり、滝野さんは水原さんのベッドに入り込んで プロレス技をかけてはしゃいでいる。 空港から大騒ぎだった滝野さんだけど、いまだにテンションは高いまま。 なんかものすごいパワーの持主だな、とあらためて実感。 相手をしている水原さんがちょっとかわいそう、かも。 水原さんは水原さんで、夕食のバイキングを食べ過ぎたみたいで、 滝野さんを適当にあしらいながら「うー食べすぎたー」とうなっている。 私はといえば、ベッドに寝そべりながら、こうして手帳に日記代わりのメモを書いていたりする。 沖縄で一番最初に印象深かったのは、周りの環境すべて。 空の色は吸い込まれるくらいにとても青く、空気はきれい。 もっとじめっとした暑さかなと思ったけど、そうでもなかった。 むしろ東京の方が暑かったかも? と感じたくらい。 最初に行った首里城は、空の青さでますます紅さが映えていた。 ちよちゃんが二千円札を見せて「これが守礼門ですよ」と教えてくれたけど、 入り口にあった守礼門と、もちろんウリ二つ。 首里城を出た後もあちこち回ったり、街中を散歩がてらにみんなで歩いたけど、 東京にはないなつかしさ、というか落ちついた雰囲気。 実際にその時代にいたわけじゃないけど、数十年前に戻ったような感じ。 空気がおいしいのと、色々な街のけん騒が聞こえて来ないから、かもしれない。 あ、もう十時だから消灯しなさいって放送だ。 みんなまだまだ起きているだろうけど、とりあえず電気は消さなきゃならない。 明日は万座毛見物と体験ダイビング。 どんなお魚がみれるのかな。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-20d(S.21) ●7月△日 はれ 修学旅行二日目。 今日のダイビングでみんな疲れたせいか、みんなベッドに横たわっている。 あの滝野さんですら、もう寝息が聞こえるくらい。 今日はまず、沖縄の観光名所で有名な万座毛へ。 昔、沖縄の王様が「万人を座するに足るくらいにきれい」と言ったことから つけられた名前だそうだ。 すきとおる海の色、増さんみたいな神秘的な岩の形、ずーっとながめていて時間がたつのを忘れてしまうくらい、 本当にきれいだった。 神楽は「やっほー」と言っていた。 けど、山じゃないからやまびこは返ってこないと思うな。 滝野さんは滝野さんでふざけてちよちゃんを危ない目にあわせていた。 あわてて助けてあげたけど、ちよちゃんは泣いていた。 あれだけ前に心に決めていたのに、事前に気がつかなくてちょっと後悔。 万座毛のあとは体験ダイビング。谷崎先生も一緒。 水族館とか本でしか見たことのない、色々なお魚や海の中の植物が、手に取れるような距離で 見ることができた。 水の流れも静かだし、水もきれいで、まるでおとぎの国でふわふわ浮かんでいるみたい。 いるかさんになった気分。 気持ちはみんな同じだったみたいで、ダイビングが終わった後の帰りの船では みんな大騒ぎ。谷崎先生まで騒いでいた。 機会があったらまた潜ってみたいな。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-20e(S.21) (続き) ダイビングから戻ってきて、後は自由時間。 街中を二人一組でおみやげ探しも兼ねて散歩することに。 私はちよちゃんと、水原さんは滝野さんと、そして神楽さんは大阪さんと。 大阪さんはちよちゃんと一緒に行きたかったみたいだけど、 迷子になるかもしれないことなどを考えての組み合わせになった。 ちょっと心配だけど、神楽なら大丈夫かな。 ちよちゃんとはおみやげやさんをいくつか回って、シーサーのちいさな人形などをチェック。 自由行動の範囲が狭かったせいもあって、途中で大阪さんたちと合流。 さらに水原さんたちと合流して、最後はみんなで歩きまわることに。 帰りがけにお母さんへのおみやげも買った。喜んでもらえるかな。 おみやげやさんでも思ったけど、沖縄って面白いな。 食べ物も色々、不思議な名前がついている。 大阪さんが連呼したがるのも分かる気がする。 水原さんたちは渋い顔をしていたけど、私、実は今でも頭の奥底で大阪さんの 「さーたーあんだぎー」がうずまいていたりする。 飛行機に乗る前に、おみやげに買って行こうかな。 出来立てが一番おいしいって話だけど。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-20f(S.21) ●7月○日 はれ 修学旅行三日目。今日はグループ単位での場所を決めた、観光自由行動。 沖縄にいくのならイリオモテヤマネコのことを色々見てみたいと思っていたので、 みんなにお願いして私達の行き先を西表島にしてもらった。 谷崎先生は「資料とか博物館はあるけど、本物には会えないよ」といっていたけど、 まさか今日みたいなことになるなんて……今でも心が痛い、というのかな。 胸のあたりが傷む気がする。 ホテルに戻ってからも、特にちよちゃんが心配してくれたけど、 こればっかりはどうしようもないものね。 大原港で記念撮影をしてから徒歩で西表野生生物保護センターへ。 「ヤマネコがいるかも」という看板を見て、ちょっとだけ期待。 けどイリオモテヤマネコに遭遇してかまれたら、私の手など大変なことになるかも。 ちょっと残念な気持ちで歩いていると、私と猫さんたちの関係を知っている神楽が 「手を出していればかみに出てくるかもしれないぞ」 というので、冗談半分、期待ちょっぴりで手を森にかざしてみた。 出るわけ無いな、時間の無駄だからそろそろいこうか、と思っていたら…… あの子が出てきた。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-20g(S.21) (続き) ちよちゃんが色々説明してたけど、前に勉強していた私は一目で分かった。 イリオモテヤマネコの子供だ。 「かまれるかも!」と思ったけど、あの子はゆっくりと近寄ってきて、私の足をほおずりする。 もしも、ひょっとしたら、と思って、ちょっと心配しながら手をかざしたら……なでられた! 今まで猫さんにさわることすらむずかしかった。 かまれたり、逃げられたり、なんでか分からなかったけど、さけられていた。 でもこの子は私になついてくれる。 抱き上げても逃げたりしない。思わず叫んでしまった。 猫さんを抱き上げられたのは……生まれてはじめて。 野生動物保護センターやマリウドの滝も、この子と一緒に。 あとで水原さんから聞いたのだけど、滝野さんもこの子に興味を持っていたようだけど、 神楽さんがそれとなく滝野さんを引っ張る形で注意を引き離してくれたみたい。 なんか、うれしいな、みんな。 でも、うちでは猫は飼えないし、ましてやこの子は特別天然記念物。 飼うなんてとてもむり。 上原港でおわかれをしていると、この子のお母さんがやってきた。 やっぱりお母さんと一緒がいいよね。 はじめて仲良くできた猫さんだけど、仕方無いことだよね……。 ほんの少しの間だけど、猫さんと仲良くなれた。 今日一日だけでも、沖縄に来たかいがあったと思う。 帰りの船では思わず泣いちゃったけど……。 また会えるよね、きっと。
■オマケという名の説明あるいは考察 R.F.「この回は気合が入っているせいか、クオリティーが高いやね。 音もコマ割りもビジュアルも……。内容的にも、省いた部分があるのは残念やけど、 オリジナル部分も色々あって、”魅”させてくれる回でしたな」 暦「……それは説明じゃなくて感想じゃないのか?」 R.F.「ああ(汗)。それじゃ説明。今回は手帳を持ち歩いて日記にあとで書き写すということで、 日記を書いた設定。 幾らなんでも日記そのものを旅行に持ち歩くわけにゃいかんし、 かといって旅行中のことを全部覚えているとも限らんしな」 R.F.「この回も色々ツッコミどころ……もとい考察点が多いやね。 例えばはじめのところの席順。 席順についてはちゃんと設定が用意されているはずなんだけど、なぜかこの回だけ その設定とは別の席に座っている。その理由がわからんのや」 智「そういや、なんでだろ?」 R.F.「自分で座っていて、なんでだろ、はないだろに。 まぁ、暦さんと智さんを同一シーンに入れて時間を省略するための措置やと 思うんやけどね」 R.F.「買物の際のグループの組み合わせも興味深い。 智−暦はともかく、ちよ−榊、大阪−神楽というのは意外な組み合わせな感じがしたんや。 ただ、榊さんが語っている(※もちろんここでのオリジナル)ような理由なら 納得出来るんやろな。 神楽さんと大阪さん……どんな会話が交わされたんやろな?」 神楽「ん? ふつうの話だけど?」 大阪「シーサーなんやろ? と聞いてみたけど『違う』いわれたで」 ちよ「違う、って前にいったのに……。また聞いたんですか?(苦笑)」
■オマケという名の説明あるいは考察−2 R.F.「この回の最大の難関(?)は西表島。 長いとかじゃのうて、島案内の時のちよすけの言葉が聞き取りにくくて、 大変だったわ」 ちよ「え? どこがですか?」 R.F.「上原港。何度聞いても『ウェーバル』としか聞こえなくて、地図見ながら どこやろどこやろと探しまくったわい。 それとも上原港と書いて『ウェーバル』と読むんかな? まぁ、表示されてた地図と照らし合わせて、上原港じゃないかと推測したわけや」 ちよ「私にも分からないですねー」 R.F.「おいおい。まぁ、ビジュアルブックによると『やまぴかりゃー』の時に 『とろぴかりゃー』と言ってNGもらったようだし、しゃーないわな」 ちよ「うー(ふくれっつら)」 R.F.「あと、ここでは考察せんけど、よみた……じゃなくて暦さん関係で謎が二つほど。 一つは、暦さんが持ってたデジカメの種類。どっかで見た事あるような気がするんやけど、 わからんかったわ。 もう一つは、おみやげやのシーンで、なんで黒酢もって顔を赤らめていたのか。 『黒酢ダイエットし(てまた失敗し)ましたー』というラジオへの投稿を想像して 赤らめてたんやと思うんだけど……、どうなんやろね?」 R.F.「に、しても今日は重いやね。まだDDOS攻撃続いてるんやろか」
>>79-87 キタ――――――!!!!
これこれ、これを待ってました(ノД`)
>79-87 乙彼〜!あの程度でヘコタれるアンタじゃないと知りつつも・・・・・・ >もう一つは、おみやげやのシーンで、なんで黒酢もって顔を赤らめていたのか これで痩せようと色々妄想してたトコロに声かけられて・・・・・・
90 :
amns :03/01/26 14:26 ID:???
>>79-87 いつもながら乙です。
私は、よみの顔が赤かったのは「ちんすこう」の響きに反応して…
という演出意図だと解しましたが。(えらく早い反応だけど)
ところで神楽に「さん」付けだったりそうでなかったりするのは
呼び捨てへの移行期ってことですか? 個人的に一番の注目点。
余談だが・・・・・・よみや榊にもぜひ「ちんすこう」と言ってもらいたい。頬を赤らめながら。
,, ,.. -───--:、 l゙,ヽ /::::::::::::::::::::::::::::::::丶 `、`\ ,〃::::::;ィ:/!:::::/l:::::;:;::::::::ヽ \. \ ' i´|::;イ,:rj:、|:::/'rj'く:、!::::::::::i \ \ レ'/l.{:::ノ '゙ {:::::ノ i:;l:::_::::| \ `'-、_ i' 、__,__, レ' il:::| ちよスレ死亡! \ | lト、ヽ, ,...ノ:::l \:| ||、``lヽ、 /:::::::::::::'、 iノ」,! ', ノ Li゙)_ iヽ;:::::::ヽ,'--'=‐' ヽl il,L,.>',"_,..>:;::::::':、_ / ,)、ヾ,,' y'´,.-='、ー-‐" / ||\ ``''‐'゙-<"ヽ, i |.| `''-、.,_ ! l,..................l i_. l. `''''''''" ヽ;7''i'''''i''''─--ニ; 、! / / | | lヽ‐' / / | | ! \
ちよスレにはここへの案内が出てたけど、住人は移ってきてくれてるのかな? かおりんがこれだけ輝いてるぐらいだ、ちよちゃんも思う存分語るがよい!
>>91 書いてみました。
那覇国際空港 出発ロビーにて。
智の「うこんちゃ」攻撃が終わって、やっと落ち着いて黒酢選びに
没頭できるかと暦が思った矢先・・・。
【とも】ちんすこ〜!!ちんすこ〜!!ちんすこ〜!!
【よみ】お前、まだ言ってんのか?
【とも】ちんすこ〜!!ちんすこ〜!!ちんすこ〜!!
【よみ】あ〜うるさい!! ガキじゃあるまいし大人が眉顰める言葉を連呼
して自己の存在主張なんてやめろ〜。
【とも】・・・・・・ちんすこ〜!!!!!ちんすこ〜!!!!!ちんすこ〜!!!!!!
【よみ】お前は近所の反抗期迎えた男児8歳児かっ!!
そこへ・・・みるちー と ゆかちゃんへのお土産(星砂のボトル詰め)を
買った ちよすけ登場。
【ちよ】でもぉ・・・「ちんすこう」って語源は何でしょうね?
【よみとも】・・・・・え?
と、言いつつも暦、内心では「ちよちゃんナイスつっこみ!!」と
浮かれ太鼓の乱れ打ち中・・・しかし。
(遠くから声がだんだん大きくなって)
【大阪】・・・ぁあんだぎ〜!!さーたーあんだぎ〜!!
【よみ】まずい・・・女児5歳児が来た。
大阪、片手を上げて
【大阪】さーたーあんだぎ〜!!
智、両手を大きく上げて
【とも】ちんすこ〜!!
一瞬間を置いた両者。 【智大阪】ちんすあんだぎ〜!! さーたーすこ〜!! さーちんあんすこ〜!! 【ちよ】ともちゃん!!大阪さん!!恥ずかしいですよぉぉぉ〜!! 【智大阪】さーちんあんすこ〜!! ちんすあんだぎ〜!! さーたーすこ〜!! 【よみ】もぉぉぉ!! お前らパパイヤと一緒に検疫に突き出して消毒するぞ!! そこへ・・・ 【神楽】助かったぜ榊、親父のリクエストだったんだ、泡盛とオリオンビール。 【 榊 】いや・・・私はただ・・・。 【神楽】やっぱり背丈は高校生だからなぁアタシは。売ってくれねぇもんな。 【 榊 】・・・でも・・・高校生に見られないのも・・・悲しい。 【神楽】お、何やってんだ〜?あいつら〜。 【智大阪】さーちんあんだぎ〜!! ちんすあんすこ〜!! ちーたーあんこ〜!! 【神楽】お〜!! 何だぁ〜言い合いかぁ〜? ガキじゃあるまいし〜!! 【とも】うるせ〜!! ガキは余計だぁ〜!! 【大阪】あ〜、榊ちゃんと神楽ちゃんや〜。さーたーあんだぎー 買うた? 【よみ】あ〜丁度良かった。向こうの南西航空混成団に何時 ナパーム投下を 要請しようかと思ってたんだ。 【 榊 】・・・かなり・・・目立っていた。 【ちよ】そんなに遠くまで・・・聞こえてました? 【 榊 】・・・うん。
その横を通り過ぎてく、子供を2人連れた母親・・・。 【子供1】(大阪を指さして)あーーー!!さーたあんだぎー!! 【子供2】(智を指さして)がんばれ ちんすこ〜!! それを見た大阪と智。 【大阪】さーたあんだぎー!!(・・・と言って片手を上げる) 【子供1】(同じく片手を上げて)さーたあんだぎー!! 【子供2】おね〜ちゃん ちんすこ〜!? 【 智 】(口を指で広げて)ほーば〜!!はわふはひんすこーはー!! →「そうだ〜ぁ!!私が ちんすこう だぁ〜!!」 【子供2】ギャハハハハハハハハハ 【よみ】・・・・・お子さまのオモチャ。 【子供の母親】すみませんねぇ〜、皆さん、保育科の学生さんですか? 【 榊 】あ・・・その・・・。 *** 【ゆかり】じゃ〜手荷物検査に入るぞぉ〜!! みんな危険物は預けたかに〜? 【とも】 ぴんぽ〜ん!! 武器相当品のゆかりセンセが残ってま〜〜〜す!! 【ゆかり】ぶ〜〜〜!! そう言う爆発物の滝野も残ってるじゃ〜〜〜ん!! 【ゆかりとも】ギャハハハハハハハハ 一団の隣で呆れ顔の4組一同。 【黒沢】・・・もう免税品のウイスキーに手を付けたのかしら?
手荷物検査とボディチェックを通過する3年3組一同。 勿論、ともは「ぴんぽ〜ん」。当然、ゆかりちゃんの手荷物は「ぶー」。 「危険物!!危険物!!」と指さし合う二人の目の前で、新たに「ぴんぽ〜ん」。 【大阪】やいやぁ・・・・・。 検査所のバカ騒ぎを遠巻きに見ながら・・・。 【ちよ】でも・・・「ちんすこう」と「さーたあんだぎー」ってどういう 意味なんでしょうね榊さん? 【神楽】中国語だよ中国語。確か交易してたんだよな? 【よみ】安易だなぁお前さんは。 【神楽】でも そんな日本語聞いた事ねぇよ。 【 榊 】ウチナ言葉には・・・中国語でも日本語でもないものがある。 すると・・・5組の方面から絨毯のホコリを立てて ちゅぃぃぃんと ローラーダッシュしてくる少女型ATが1台。 【かおりん】榊さ〜ん!! そ、それはですね〜!! かおりんが、天空の運行データを持ち歩くために持っているパーム PCを持って 目を南十字星のごとく輝かせて榊さんの前に立った。 →かおりん内心「神様ありがとう!!可愛そうな私にパームPCを授けて この瞬間のお膳立てをしてくださったなんて・・・」
【かおりん】ネットで検索したらこんなのが・・・!!
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
「サーターアンダギー」は、正しくは「サーターアンダアギー」では
ないか、ということです。そもそもこのお菓子は、
「サーター(砂糖)十アンダ(油)十アギー(揚げ)」
という三つの言葉が一つになったもののようで、だとすると、元の形を
ちゃんと残した「サーターアンダアギー」と「アンダ」のあとに「ア」
が付くべきだということのようです。
【→
ttp://www.ytv.co.jp/anna/t04596.htm (筆者注)】
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【よみ】かおりん・・・やるじゃん。
【ちよ】砂糖・油・揚げ。さとう・あぶら・あげ。サーター・アンダ・
アギー。サーターアンダアギー。さーたーあんだぎー。ふむふむ
なるほどですねぇ。
【 榊 】つまり・・・本来の単語が・・・語呂を良くするために・・・
変化していった・・・ということだ。ありがとう。かおりん。
【かおりん】はいっ!!この位しか私、お役に立てなくて・・・。
その頃、かおりんの内心では日食とポロロッカと紅海分断が同時に
起こり、バチカン聖堂と高野山とメッカのモスクの鐘がダンスビートの
ように乱打され、天使の羽を付けた福助と幸せの洋琴を奏でるハヌマーンの
乱舞する中、ベアスキンの衛兵に守られた かおりん騎乗の王族の白馬を
中心とした大名行列がベルサイユ宮殿の庭にある万里の長城を通過して
ピラミッドに入場するところだった。
【神楽】ところでさ・・・"ちんすこう"はどうなったんだ?
ラッセ〜ラ〜と叫ぶ跳ね人と共に、突然に突っ込んできた長刀を
掲げたダンジリが かおりんの心の中でひっくり返った。
【かおりん】え・・・?え・・・???? 検索します・・・え〜と〜。 すると何処かから・・・「『ちんすこう』が今のクッキー型になったのは 海洋博の頃からで・・・」の声が。 【木村】それ以前は形も統一してなかったんだよ。かおりん。 【一同】うわ〜〜〜〜っ!! あんた どっから沸いてきたんだ!! *** ボーディング・ブリッジの前にある待合い。 【よみ】結局、バターの代わりにラードを使ったクッキーという事以外は、 語源関係は判らず仕舞いか。 【神楽】やっぱり「ちんすこう」は中国語だと思うぜ。 【 榊 】・・・いや、語呂が違うような・・・気がする。 【ちよ】じゃ、さっきの「さーたーあんだぎー」みたいに分析してみたら どうでしょう?「ち・んす・こう」? 【よみ】「ち・ん・すこ・う」? 【神楽】「ちんす・こ・う」? 【 榊 】「ちん・す・こう」? 榊さん・・・「ちん」に反応して頬を赤らめる。 それを見たよみ・神楽・ちよも・・・ぽ。 大阪が、また手にサーターアンダギーを持って向こうから来る。 相当に気に入った様子・・・。 【大阪】なぁなぁ・・・さーたーあんだぎー!! あそこでも売ってるで!! みんな どないしたん? 顔真っ赤にして。 【一同】・・・ちんすこう。(ぽっ・・・。) 【大阪】・・・さーたーあんだぎー。
そんな皆の向こう側、危険物2人は暴走中だった。 【とも】ねーねーセンセ〜!! 消毒してないパパイヤとか 谷崎ゆかり は 日本本土持ち込み禁止なんだって〜!! 【ゆかり】うるせ〜!! 平成5年にミバエを根絶したから、今は柑橘類の 苗木と未消毒のサツマイモと滝野 智以外は持ち込めるんだ〜っ!! 【とも】え〜〜〜っ!!じゃアタシ、検疫で薫蒸してもらわなきゃ〜!! 【ゆかり】おうおう!!担任としての責務だ!! アタシも付き合うぞ〜!! 少し離れたドリンクバーで・・・。 【黒沢】・・・いっそ廃棄焼却処分にしてほしい。 *** 離陸した旅客機の中。 向こうの席で ちよの「また来たいですね」と言う問いかけに榊さんが 「うん・・・また来よう」と答えている時に・・・。 【よみ】ちんすこう(ぽっ。) 【とも】よみ〜、さっきから何ブツブツいってんだよ〜? 【よみ】ちんすこう(ぽっ。)ちんすこう(ぽっ。)ちんすこう(ぽっ。) 【とも】あ〜うるさい!! ガキじゃあるまいし大人が眉顰める言葉を連呼 して自己の存在主張なんてやめろ〜近所の反抗期迎えた8歳児か? 【よみ】それはアタシの台詞だっ!!
いつものように遠くからカレーの匂いが漂ってきた。 ロビーを抜けエスカレーターを下がり、長い廊下の下に幾つもの手荷物 コンベアが港の埠頭のように並んでいる。 【ゆかり】うにゃ〜〜〜だり〜〜〜よぉ〜〜〜 【 黒沢 】もう!!ゆかりったら!! 生徒の保護者が来てるのよ!!シャキッと なさい!! アナタは教師なのよ!! 【ゆかり】アタシ、あそこから出る〜〜〜!! 【 黒沢 】あそこは手荷物無しの出口!!荷物どうするんの? 【ゆかり】にゃも持って来て〜!!自分の車あんだろ〜!!ブルジョアぁ〜。 そんな ゆかり&にゃもの後方数メートル。 【とも】よみ〜、そこの車椅子に乗るから押して〜!! 【よみ】ちんすこう(ぽっ。) あ? そらみろ!! ペース配分考えないで 暴れるからだ。しっかり歩け!! ちんすこう(ぽっ。)ちんすこう(ぽっ。) 【とも】やだ〜!! もう歩けない〜!! オンブして〜!! 【よみ】うるさい!! 考え事の邪魔するなっ!! う〜〜ん、ちんすこう(ぽっ。) 更にその後方、数メートル。 【ちよ】ちんすこう(ぽっ。) 【大阪】・・・・・・? さーたーあんだぎー。
更にその後方、数メートル。 【 榊 】・・・ちんすこう(ぽっ。) 【神楽】ちんすこう(ぽっ。) 【 榊 】・・・ちんすこう(ぽっ。) 【神楽】ちんすこう(ぽっ。)・・・榊・・・何か判ったか? 【 榊 】・・・いや・・・ちんすこう(ぽっ。) 【神楽】ちんすこう(ぽっ。)・・・中国語に違いない。 【 榊 】それは安易だ・・・ちんすこう(ぽっ。) 【神楽】そうか?・・・ちんすこう(ぽっ。)。 *** 【ちよ】ただいま〜忠吉さん。・・・ちんすこう(ぽっ。) 【忠吉】@〜〜〜? end
103 :
91 :03/01/27 22:00 ID:???
>94-102 ・・・ちんすこう!いや、そーじゃなくて大感謝!メチャ藁! 智、大阪、ゆかりの原作以上の暴走振りがイイ!台詞もそれっぽいし。 何気に色々調べて書いてるのも凄いと思タ! >【よみ】まずい・・・女児5歳児が来た。 この台詞が一番藁他!グッジョブ!
>>103 「前スレ(神楽スレ)海の藻屑」です。お喜び頂けて何よりです。(^-^)
逆に「御代」を頂けたので書くことが出来たようなモノです。
感謝します。_(_ _)_
オイラは東京の人じゃないのでビッグバードの到着は2年前、那覇の
国際空港に至っては、まだ沖縄が左ハンドル右側通行の時代の記憶で
書いています・・・が、検疫等の規定はWEBで調べましたので合って
いると思いますが、誤りがありましたらご指摘下さい。
→沖縄の航空自衛隊はまだ「混成団」なのかなぁ?
それと、文中で かおりんが検索したWebですが、大阪よみうりテレビの
「道浦俊彦−平成ことば事情」というページです。
オイラも「ちんすこう」ってなんじゃろべ?とググって見て見つけた所
なのですが凄いおもしろいです。道浦 俊彦 様に感謝。
>>104 「御代」じゃないですね、「御題」のまちがいでそた。(^-^;;;
106 :
山崎渉 :03/01/28 17:39 ID:???
(^^)
正直あの薀蓄はあずまんがでやる必要はない。
>>104 さん
「あずまんが・ちんすこう劇場」お疲れさまでしたm(__)m
で。
>>→沖縄の航空自衛隊はまだ「混成団」なのかなぁ?
いまだにそうですよ。第83航空隊、第5高射群などを中心とした
南西航空混成団です。
それと……正体も分かりました。こちらでもよろしくですヽ(゚д゚ヽ)
>>89 さん
>>これで痩せようと色々妄想してたトコロに声かけられて・・・・・・
やっぱ、そうなんかな?
>>90 さん
>>私は、よみの顔が赤かったのは「ちんすこう」の響きに反応して…
>>という演出意図だと解しましたが。(えらく早い反応だけど)
その可能性もなくはないけど、反応の早さが不自然な気がしますね。
難しいところです。でも艶っぽいから良し(をぃ)
……あとはノーコメント(苦笑)
1週間強で100突破か……それなりに順調な滑り出しではないかな
>>110 三人寄れば姦しいってね!
でも微妙に4人か?>かおりん
じゃあ女4人で姦佞(かんねい)なスレだ!
やなスレだな…
しかもこれで智がそろうと「邪智姦佞」でもう…(w
>104 大阪だけ最期まで「さーたーあんだぎー」を通し、凡人とは別格のマイペース派 であるって演出にもエールを送らなくてはならないだろう。イゴール!
R.F.氏が自衛隊に詳しいのが何か意外であった
R.F.は単なる名前のイニシャルかと思っていたが、実はなにか武器に関係が?
レインフォースとか?
116 :
メロン名無しさん :03/02/01 00:13 ID:GHIfqOBi
さーたーあんだage
>>R.F.は単なる名前のイニシャルかと思っていたが、実はなにか武器に関係が? >>レインフォースとか? ちゃうねん……武器とはまったく関係ないねん(´・ω・`) (とりあえずこれだけ言いたかった(^_^;))
>>114 レンジファインダーじゃねぇべかと言ってみるテスト
なんか臭いスレだな
> その頃、かおりんの内心では日食とポロロッカと紅海分断が同時に 起こり、バチカン聖堂と高野山とメッカのモスクの鐘がダンスビートの ように乱打され、天使の羽を付けた福助と幸せの洋琴を奏でるハヌマーンの 乱舞する中、ベアスキンの衛兵に守られた かおりん騎乗の王族の白馬を 中心とした大名行列がベルサイユ宮殿の庭にある万里の長城を通過して ピラミッドに入場するところだった。 何となく「うる星やつら」っぽいセンスですね。 80年代ヲタクの方ですか?
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-21a(S.22) ●8月○日 くもり 先月の修学旅行が終わってすぐに夏休み。 そして明日からいつもの夏休みのように、ちよちゃんの別荘でお泊まり会。 でも、今回は滝野さんの提案で受験にそなえての「勉強会」ということになった。 谷崎先生と黒沢先生もいることだし、すずしいし、みんなと一緒に涼しいところで勉強できるから、 きっとよく勉強できるとおもう。 バッグにいつものお泊まり道具、ノートや筆記用具、進めたい参考書や辞典を入れて、 準備はおっけー。 あ、そうだ。日記代わりの手帳ももっていかなくちゃ。バッグに入るかな? ●8月△日 晴れ 今年はかおりさんも加えて、全員で9人となったので、車が二台必要になった。 一台は黒沢先生、そしてもう一台は……谷崎先生の車……。 去年はちよちゃんのお父さんがバンを借りて来てくれたけど、さすがに9人ともなると 小型バスくらいでないと無理だから、仕方無いのだけど。 谷崎先生、おととしより車の傷が増えてますけど、どうして? ちよちゃんは一昨年のこともあるので、黒沢先生の車に。 結局、谷崎先生の車には滝野さんが立候補して、あとは私とかおりさんが乗り込むことに。 かおりさん、車には弱いって言ってたんだから、無理しなくてもいいのに。 谷崎先生の運転する車に乗るのは初めてだったけど…… ちよちゃんの気持ちがとってもよく分かった。 かおりさんが「ジェットコースターは事故らないところがよいですよね」と言っていたけど ほんと、そう思う。 でもあれだけの運転で事故にならなかったのだから、もしかするとすごく腕がよいのかも? 今回の旅行は本当は勉強会のはずなんだけど、滝野さんのすすめで、まずはいつも通り泳ぐことに。 黒沢先生も言ってた通り、けじめはつけないと、ね。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-21b(S.22) (続き) 夜はみんなで勉強会。 東京と比べて、エアコンをつけなくても涼しいし静かなので、勉強もはかどりそう。 分からないことがあったら、先生やみんなに聞けばいいので、安心して参考書も進められる。 かおりさんが何回も質問してきたけど、聞いてきたのは基本的なところばかり。 クラスが変わってからあまり話は聞かないけど、勉強、大丈夫なのかな? 古文は、担任が木村先生なのでずいぶんと鍛えられた、ということだけど。 神楽も数学で頭を抱えていて、黒沢先生に聞いたのだけど、先生は全然分からないとのこと。 それを谷崎先生が「体育教師は頭がよくないから許してあげてね」とつっこみを入れて からかっていた。 黒沢先生はいじけて、部屋のスミでしょんぼり。 谷崎先生に言いくるめられて負けた、黒沢先生のこんな姿を見たのははじめて。 いろんな意味でびっくりした。 けど、自分の担当の教科以外のことは、分からなくても仕方ないと思うのだけど。 昔、谷崎先生も「英語を教えるのは飽きた」とか言って、数学を教えようとして 数分で挫折したんだし……。 でも、黒沢先生がそのまま部屋のスミで寝ちゃったあと、谷崎先生がちよちゃんから毛布を借りて 黒沢先生にかけてあげたのを私はちゃんと見てた。 なんだかんだ言っても、やっぱりとても仲がいいんだな、二人とも。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-21c(S.22) ●8月◇日 晴れ 朝食の時間になったのでリビングに降りてきたら、ちよちゃんとかおりさんが何か話していた。 話を聞いてみると、ちよちゃんが朝早く起きてやっているラジオ体操のスタンプ帖を、 黒沢先生に作ってもらったという。 うさぎさんのスタンプは消しゴムを削って作ったとのこと。 結構黒沢先生も器用なんだなぁ。 ラジオ体操をするたびに一日一個ずつ、うさぎさんのスタンプ。 いいなぁ。私も黒沢先生に話して、明日からちよちゃんと一緒に早起きして体操しよう。 そしてうさぎさんのスタンプをもらうんだ。 そんな話をしていたら、かおりさんが私にカメラを向けて、スナップ写真を撮るという。 ちょっとばかり緊張しちゃって顔が引きつってしまった。 一枚目の写真は滝野さんが前に出て来て、おそらく失敗。 だけどその直後、かおりさんは横にジャンプして連写していた。 なんか本物のカメラマンみたい。 でも、私の写真なんか撮ってどうするんだろう? ●8月×日 晴れ 今日は朝から大阪さんが寝ぼけて包丁を振りまわし、大騒ぎになった。 後で話を聞くと、フライパンを叩いて谷崎先生を起こすつもりだったのが 間違えて包丁を出してしまったという。 みんなにケガがなくてよかったけど、なんかホラー映画の1シーンみたいで どうしてよいか分からなくなって、ちょっとだけパニックになってしまった。 自然にちよちゃんを守るような位置についていたのには、自分でもびっくりしたけど。 大阪さん、よっぽどのおねぼうさんなんだろうな。 低血圧なのかもしれない。 ともかく、みんなが無事でよかった。 もちろんみんな、後で谷崎先生と黒沢先生にお目玉受けたけど。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-21d(S.22) ●9月1日 晴れ 今日から二学期。でもまだまだ外はじりじりと暑いし、夏はまだ終わってないって感じ。 ちょっと汗ばんだ顔をハンカチでふきながら教室に入ってみると、 ちよちゃんと滝野さんと大阪さんが倒れていて、その横で神楽さんが「どうしよう」と繰り返しながら、 慌てふためいている。 あわててそばにかけよってどうしたのか聞いてみたら、 夏休みボケしている大阪さんと滝野さんに気合を注入したら、勢いあまってちよちゃんまで 倒してしまったらしい。 神楽が気孔を使えたのかどうかはしらないけど、ともあれ神楽と二人でちよちゃんたちを 起こしてあげた。 みんなケガもなく無事。 それにしても、涙目をしながらあんな顔であわててる神楽を見たのははじめて。 いつもはボーイシックで行動的なイメージがあるけど、こういう時は女の子っぽくふるまっちゃうのかな。 私は……どうなるんだろう? ちよちゃんの別荘での時も、ちよちゃんを守るような位置に自然にいたけど、 かわいい女の子だったらきゃーきゃーいいながら逃げまわるのが普通なのかな。 滝野さんといえば。 夏休みの前後から水原さんの雰囲気がちょっと変。 変というと言葉が悪いかもしれないけど、なんかちょっとピリピリしてる。 特に、滝野さんへの接し方がちょっと変わってきたように思える。 別荘の時も滝野さんのぼけ(というのかな?)にただ無感情で返答しただけだったし……。 水原さん、何かあったのかな?
■オマケという名の説明あるいは考察 R.F.「三年の夏別荘の回、ってわけになるんやけど、この回はコマ割、というか画面の切り替えが ちょい特徴的で印象深かった記憶があるんや」 榊「たとえば……?」 R.F.「夏休み開けの、神楽さんのツッコミシーンまでの、ちよちゃん、大阪さん、神楽さん それぞれの登場シーンとかね。 一瞬だけその人物だけを表示させる、しかも中央にではなく端によせて、対面には夏の青空を描写として残す…… なんかちょっと、いつもとは違うな、という。 まぁあくまでも雰囲気を感じただけなんで。 その代わりというかなんつーか、使いまわしも多かったけどな」 ちよ「それにしても、テレビ版では私まで巻き込まれるなんて、ひどいですよー」 神楽「ああ、ごめんごめん」 R.F.「ま、勢いをより強く表現させるためやろな。それに神楽さんといえば」 神楽「ん?」 R.F.「あんた、乗り物、弱いやろ?」 神楽「ぐ! な、なんで?! い、いいだろ、別に!」 R.F.「修学旅行の時も、夏の合宿の時も、車の中ではひたすらぐーすか寝てる描写だったし。 わいも乗り物に弱いので分かるんやけど、乗り物酔いしやすい人は、薬飲むなりして さっさと寝ちゃうのが一番なんだよ。 まぁ、意外な一面を見させてもらったって感じかな」 神楽「うー(赤面)」
■オマケという名の説明あるいは考察-2 R.F.「それと……オリジナル、かどうかきわどい線やけど、水原さんの件」 暦「私が何か?」 R.F.「三年の夏、まぁ具体的には修学旅行あたりから、水原さんのリアクションというか態度が どうも冷淡というかドライというか冷えているような気がしてな。 なんかあったん?」 暦「……」 R.F.「まぁ、受験勉強に対するストレスとか、滝野さんがボンクラーズたちと よく時間を共にするようになったんでその嫉妬だとか、 色々考えられるんやけど」 智「そーだそーだ! よみぃ、何があったん?」 暦「……なんだって……いいだろ……」 R.F.「(う。怒ってる怒ってる)」 R.F.「それと。わいはカメラの備品でもあらへんで:P」
>>124 素の部分で女の子になっちまう神楽 狽( ̄ー ̄)イイ!!っすね
……いや、エロパロ投下したばっかの俺は
もっぱら榊さんとの絡みにおいて……を妄想しちまうんですけどね
>127 そのSS、今見てきました。ごっつあんです。ハァハァさせていただきました。 神楽が攻める側だけでなく、攻められる側(=女の子になっちゃう)にも なるところが、グッジョブ!
>>126 やっぱり痴情のもつれとかあず青先生のような説を言ってみる
ときに……どうでもいいがちょっとおもろいことをハケーンした
神楽の前スレ「【あずまんが大王】純情神楽が一番!第2のコース」な、
>>2 のリンク辿っても「今Viewerないと見れない」と出るんだが
スレタイでググってみると、1番目にちゃんとhtml化された過去ログ
(先頭に広告の入った奴)が出るのね。ただし890までしかないけど。
これってhtml化作業中のとこに入っちゃってるってこと?
素人なんでよくわからんけど……。
>129 鯖移転時に現行スレがまとめて過去ログ送りにされたんで、それじゃなかろうか。 ある日突然、かおりんスレが倉庫行きになってて驚いた記憶がある。
131 :
59 :03/02/02 03:52 ID:???
>>127 相変わらず、期待を裏切らない完成度ですね。読んでいる最中に何度も眩暈と、感動が・・・
神楽萌えの前スレでは、神楽専用(男友達〜彼氏)を絡めて好き放題に書き込ませて頂きましたので、
できるだけ早くSSを書こうと思います・・・大した内容ではありませんが、ご容赦の程を。
>126 進学すれば今までのようにいつも一緒にはいれない、いてやれない。 今のうちから少し距離を置くことで、密かに、心と体を慣らしていこうとしていた。 それが自分にとっても、智にとっても必要なことだと痛いほどわかっていたから。 なんてね。 まぁ、一種の精神的ダイエットかな。互いの依存心の。
この前 てれびで初めてあずなんとかを 見ました 感想を言わせてもらうと・・・ なんか女性と触れ合ったことのない、もてない男が妄想で書いた 漫画って感じでした。 でてくるキャラクター、キャラクター全てが 「考え方」、「生きてきた背景」全てオタクの男性そのままで 見た目だけが、女性の皮を被ってるような、不気味な感じでした。 この漫画が好きな人は男だけの世界を望んでいると思いました。 本当の女性らしいキャラクターが一人もいない不気味な漫画でした。
demo,ともは、まんまうる星のあたるだよな。 2年春でカレーの早弁する時の語り口がさ。
136 :
129 :03/02/03 00:58 ID:???
>>130 ああそうか、時期的に見て確かに890レス目のときだったかな。
ともあれ、かおりんスレ難民の皆さんもここで何卒マターリとしてください。
そういえば「かかおかおりん」、「ねこよみ」作者さんの作だったそうで。
ここはとも・よみ以外のSSの受け入れ場という意味も持つわけだろうから
その意味でも賑わうといいなと祈願。
138 :
_ :03/02/04 07:21 ID:???
∧∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ i ゚Д゚iノ < 保守をするんだ /| | \________ . ヽ、 ノ V V
>>139 さん
神楽たんですよ(=゜ω゜)ノ
……え? そういうことを聞いてるわけじゃない?(^_^;)
恐らく同人ソフト『ももいろメモリあず』のスクリーンショットだと
思うのですが、どうでしょうか?
お、R.Fさんが踏んでくれたんか。なら安心や、見てみよ ・・・・・・バンザーイ、バンザーイ!! どこで売ってるんですか、教えてつかーさい!!
>>141 さん
いや、その、持ってるわけでも買ったわけでもないねん。
ビジュアルのタッチとシチュエーションから、前にどっかで
似たようなやつの紹介してたな思い出してな。
検索して見つけたんや。
このスレには実際買って持ってる人もいる思うで。多分やけどな。
(140で標準語で書いてしまったのであわてて戻してたり)
143 :
139 :03/02/04 23:51 ID:???
>>140 同人ソフトでしたか。やってみたいなあ・・・。
でも検索して見つけた「ももいろメモリあず」の画面とは ずいぶんタッチが違うみたいだけど?
その画像貼ってあるとこの情報によると 神楽のはゲームじゃなくギャルゲ風味なCGで ももいろとかいうのはまだ別みたいだけど・・・
で、エロエロなのー?
別な所にも書いたのですけど、この前TVで、水泳から女子レスリング ・・・「プロ〜」じゃなくて「フリースタイル」だの「グレコローマン」 だのの方に転向して五輪の日本代表にまでなった人が出ていました。 →女子レスリングはフリースタイルだけでグレコ〜は無いそうですが。 しかし・・・神楽にアマレス。 低い構えから飛びかかるタックルなんてピッタリ。(^-^;;;
漫画板のあずま氏のスレにその「ももいろメモリあず」のレビュー書いてあるけど凄いものだぞ。 かおりん悲惨すぎ(w
>149 激しく購買意欲増加!秋葉いきゃ売ってるのだろうか?通販は? >かおりん悲惨すぎ まぁ、木村ならいいか。許そう。
この手のDLって、ウィルスは大丈夫なんか?プレイしたい気はするがな。
ウィルスって…圧縮された状態で落ちてくるのに…。 落としてからアンチウィルスをかければ対処できると思うよ。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-22a(S.23) ●10月◇日 はれ ちよちゃんが体育祭のパンフレットを配っていた。 今年は競技が一新されるみたい。 大阪さんがさっきパン食い競争がどうとか言っていたのはそれだったのかな。 神楽に聞いてみたら、大阪さんとちよちゃんで、パン食い競争のパンの釣り下げかたを いろいろと考えていたらしい。 神楽は「つりバリみたいなやつでぶら下げるんじゃないか」と言って、 二人を驚かせたようだ。 神楽自身はけらけら笑ってたけど、もし本当なら怖い……。 たぶん、糸に洗濯バサミか何かをしばりつけて、その洗濯バサミでパンの袋をはさむのだと思うけど。 ……つりバリにひっかかった大阪さんやちよちゃんを想像しちゃった…… 今日は眠れないかもしれない……。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-22b(S.23) ●10月□日 はれときどきくもり 明日は体育祭。私は大阪さんと一緒に、ゲートの飾り付けの紙のお花を作ることになった。 何枚か重ねた薄い専用の紙をきれいに折って中央部分を輪ゴムでくくり、 きれいに開くとお花のできあがり。 でもいびつになってしまったり途中で破れたりして、必要な数を作るのにずいぶんと時間が かかってしまった。 作っている途中、ずーっと黙っているのもどうかなと思っていたら、 大阪さんが色々と話かけてきた。 背の高さのこととか胸のこととか、神楽のこととかイリオモテヤマネコのこととか…… 時々質問がぽんっ、と全然関係ないところにとんだり、こちらの質問とまったく別の 話をすることもあったけど、聞いていると結構面白い、かも。 前のちよちゃんの別荘でのお話の時もそうだけど、大阪さんって本当は結構物知りで、 頭がいいのかもしれない。 ただそれをうまく整理したりまとめたり出来ないだけで……そう、ちらかっているけど、 ぎっしりと本が詰まっている本棚みたいな感じ。 独特な雰囲気も、好き嫌いが分かれるかもしれないけど、私は好き。 男の人からも、ああいうタイプの女の子って素朴な感じで好かれるんだろうな。 それと、「榊ちゃんってけっこう、こういうお花つくるのも上手なんやねー」 といってくれたのもうれしかったな。 出来あがったお花をゲート前にダンボール箱ごともっていってお仕事は終わりだけど、 これは私一人でも出来るので、大阪さんには先に帰ってもらった。 私はお弁当持ってきているけど、大阪さんは持ってきていないから、 早く食堂にいかないと席取れないものね。 私もみんなと一緒に食事すればよかったかな、とも思ったけど、私が遅れて みんなに迷惑かけるわけにもいかないし。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-22c(S.23) ●10月◎日 はれ 今日は高校最後の体育祭。 一年生の時のような不安も、二年生の時のような緊張感もなく、落ちついた気持ちで 楽しめた体育祭だった。 準備体操の時に水原さんが気にしていた話だけど、うちはいまだに女生徒はブルマー着用。 滝野さんや水原さんの話だと、今の高校や中学では女生徒がブルマーなのは珍しいらしい。 言われてみれば確かに足の付け根のところとか、肌にぴっちりするところがちょっぴり恥ずかしい。 古文の木村先生は「万歳」といいながら英語で喜んでいたけど、文法が間違っていた。 神楽もびっくりしていた。 だって「私はそれが大好きです」の英訳として「I like you」って言ったんだもん。 本当の意味でも、間違った英文の意味でも、どっちにしても、ちょっと。 今年は競技の種類が変わったので、色々と新鮮な競技があって見ているだけでも楽しかった。 特にちよちゃんと滝野さんが参加した仮装競争。 出来なかったけど、一番参加したかったのはこれ。 一年生の時の文化祭の猫さんに私が入って、二年生の時のぺんぎんさんにちよちゃんが入って、 二人でかわいいモノコンビとか……いいなぁ、猫さんとぺんぎんさん。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-22d(S.23) (続き) 最後の競技は今年から行われることになったクラス対抗全員リレー。 始まる前からちよちゃんは泣きべそをかいていた。 ルールは原則全員参加。本当は小学生のちよちゃんもみんなと同じ距離を走らなくちゃいけない。 幸い、私はアンカーの先生の一つ前で、ちよちゃんの次に走ることになっていた。 生徒最後のランナーなので、他の人の4倍は走ることになる。 4倍といってもたったの400メートルだけど、距離が長ければそれだけ遅れを取り戻すチャンスもある。 ちよちゃんの遅れくらい十分私が盛り返してあげるつもりだけど、それでもちよちゃんは気にしてた。 ちよちゃんがこっそり毎晩近所を忠吉さんと走って練習していたのを私は知っている。 夜中勉強をしていて窓からふと外をのぞいた時、ジャージ姿のちよちゃんを見つけたからだ。 忠吉さんが一緒だったとはいうものの、あんな夜中に。こわかっただろうと思う。 それくらいがんばっても、やっぱり気にしちゃうのは仕方ない。 ちよちゃんはやっぱり他の生徒と比べて遅かった。 直前の神楽ががんばって二位まで順位を上げていたのに、ちよちゃん一人でずいぶんと 順位を下げてしまって、私にバトンを渡す時には泣きながらだった。 隣のクラスのランナーがちよちゃんをばかにしていたので、よけいにやる気が出た。 絶対、絶対この人だけは抜いてやるって。 自分が運動が得意だったりすることはあんまり気にしていなかったけど、 今日ほど自分が足が速くてよかったと思ったことはなかったし、 一生懸命走りたい、走らなきゃと思ったこともなかった。 走っている時にどうしても心の奥底でよみがえっちゃう、中学の時のみんなの冷たい、 というより仲間はずれにされたような視線とかその時のいやな記憶も、かけらもなかった。 ただ、ちよちゃんのためだけ。それだけのため。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-22e(S.23) (続き) 距離が他の人の4倍あったせいもあって、ちよちゃんをばかにした男の人も抜かして、 一位でアンカーの谷崎先生にバトンタッチ。 つかれたけど、走った後にこんなに満足した気持ちになったのははじめて。 ちよちゃんももう泣くのをやめて、一生懸命先生を応援していた。 よかった。本当によかった。 マラソンは谷崎先生の黒沢先生ヘの体あたりで反則負けになっちゃったけど。 帰りはみんなで一緒に、駅まで帰ることにした。 みんなつかれてたけど、総合順位がマラソンの得点が一点も入らなくてビリになったこととか 滝野さんが「一等じゃないのでジュースが飲めなかった」とか言ってたけど、 私は楽しかったと思う。 クラスの順位はビリになっちゃったけど、あれだけ気持ちよく走れたのは、 恐らく高校時代でもはじめて。 ちよちゃんも楽しかったって言ってたし。よかった。 中学の時は自分の運動能力とか背の高さで色々いやな思いもしたけど、 そういうことがなければ、私は今、この学校にいなかったことになるし、ちよちゃんたちとも 出会えなかったことになる。 そう考えれば、いい思い出があんまりなかった中学校時代も、まったく無駄じゃなかったのかな。 なんか変な考えかもしれないけど、明日お母さんに話してみよう。
■オマケという名の説明あるいは考察 R.F.「この回は大阪さんのアンパンに『激しくうまい』と書いてあったり、 智ちゃんが『キター!』と何度も言ってたりなど、なんか2ちゃん用語っぽいのが さり気なく散りばめてあったりで……複雑な回やったね まぁ、榊さんファンにしてみりゃ、見どころ満載大サービスな回やったけど」 かおりん「榊さん、素敵でした〜♪」 R.F.「あんた、暦さんに話しする際、原作より胸のサイズが大きかったような気がするんやけど?」 かおりん「う、うるさいわねっ!(バキッ)」 R.F.「いたたた……。それはさておき、何で応援団の服装がサラシやのうて スポーツブラみたいなやつやったんやろな?」 暦「さあ……? 刺激が強過ぎるってことからなんじゃないか?」 R.F.「そういうもんなんかねぇ? そういやあんたもオープニングで毎回スポーツブラに なっとるけど?」 暦「う、うるさいなっ!(バキッ)」 R.F.「……今回は殴られてばかりや(OPの体重計の針が絵コンテの時はもう10Kgほど 増えていたなんてことはいわん方がよさそうやな)。」 暦「なんか言ったか?」 R.F.「……いや、何でもあらへん(汗)」 R.F.「さて。もめる前にここで確認。テレビでは『クラス対抗”全員”リレー』と言うとる。 また、距離は4000mやとも。で、設定集によれば1クラスは35人や。 そこで、この日記上では、通常の生徒は1人あたり100m、生徒のアンカーは+300mで400m、 アンカーの先生は(じーさん先生もいるだろうから)200mと 設定させてもらったで」 ちよちゃん「それくらいの距離なら、ゴボウ抜きもありそうですね」 R.F.「まぁな」 R.F.「さて次は……アレだ」 榊「……(嬉)」
>159 お疲れっす。心は少女でパラシュートな榊さんカワイイ! >R.F.「さて次は……アレだ」 この次で榊さん歓喜なエピソードといえば、誰でも知ってるアレですね。 このスレでも>40,46,49氏が絶賛の、かおりんが輝くあの話(w かおりん者としては、待ち遠しいッス(w ・・・ナンテネ
>>161 言われて改めてV見直してみたけど、例のキス寸止めシーン、
唇ばかりに気を取られていたら、画面の下、現行の地上波映像
ではビミョ〜に隠れる場所で、乳首こそTX規定で隠れてたけど、
榊さんのタワワな胸と かおりんの形の良い微乳がムニュって
するシーンがあったのね。
→前スレで「あのムニュ〜〜」って連呼してたけど相手にされ
なかった厨はアレを指してたのか。
・・・と再度、稚魚を放流してみる。(^-^;;;
>>159 とうとうここまで来ましたね。お疲れ様です。
日記を始めた頃は例の話を書くのはいつになることやら…って感じだったけど、気が付けばもう残すところあと3話!
一大プロジェクトの感動のグランドフィナーレまであと1歩。ガンバレ〜
にしても榊さんも大阪と同じこと想像してたとは…(w>つりバリ
「激しくうまいあんぱん」は一度食べてみたいなぁ。
作品関連商品として出たら買うんだが…
それと2ちゃん用語と言えば25話の冒頭で、ともも「h(ry」って言ってたような(w
呼び捨て上等! ……榊さんは中学時代の暗い思いをバネに頑張って進学校に入った人、なのですか?
>裏妄想と、ともよみ保管サイト以外にamnsさんや他の人のSSの保管サイトはないのかな? >まとめて読みたいなあ・・・ともよみ以外のキャラのSSの保管もキボンすると言ってみる。 エロパロでこんな事言った香具師がいる。 R.F.氏とamns氏だけでも中々の数のSSがあるからな保管も必要かモナー。
■ある場末の小さなバーにて(1) 意図的に照明が暗めに落され、ジャズが小さなボリュームで流されている、どこにでもありげなバー。 二人の男がそのバーのママと他愛もない話を続けている。 二人はこのバーにとっては馴染みの常連。 週一くらいのペースでやってきて適度に金を落してくれる彼らは、この場末のバーでは上客であり、 当然のことながら多少は気が知れた仲となっていた。 もちろん、二流小説にあるような肉体関係はまったくない。 ママにとって男性は抱く対象ではなかった。 理由は分からないが、客達もそのことは良く理解していた。 彼ら、そしてその他この店のお客にとっては、彼女との会話が最高のごちそうだったのであり、 肉体がどうとかいうのはどうでも良い問題だった。 「ママ、そういやこの店、ママの名字じゃないよね?」 「そういやそうだ。誰の名前なん?」 バーの客がママの出した酒をちびりちびりと口に含みながら、 いつもの他愛も無い話のネタに、店の名前を出した。 そういやこの店に通い出して長いことになるけど、一度も聞いたことはなかったな。 カラリ、と客のグラスの中の氷が音を立てる。 しばらく黙っていたママは、その音が何かの合図であったかのようにため息をついた。 「ん……昔ね、私が好きだった人の名字なのよ」 「へー。ママにもそんなラブラブな時代があったんだ?」 「まぁ、ね……」
■ある場末の小さなバーにて(2) ママはそういうと、お客用のではないグラスを戸棚から取りだし、氷を入れ、 少々きつめの水割りを作る。 新品同様のグラスの中に入れられたマドラーでゆっくりとかき混ぜられたそれは、 カランカランと軽い音を立て、すべてのものを見通すような神秘的な黄金色の液体に 変化していく。 「ねぇ」 「はい?」 「今日は私も……飲んでいいかしら……?」 ママの意外な反応に、二人の常連客は少しだけびっくりした。 そしてグラスを持つママを見て、もう少し驚かされ、さらに少しだけ鼓動が高鳴る思いをする。 髪をかき上げることで、セミショート気味の髪がさらりと宙を舞い、 微かなリンスの香りが鼻腔を刺激する。 何気ない香りであるにも関わらず、二人の客にとってそれはすべての感覚を狂わすような 絶妙の媚薬のようでもあった。
■ある場末の小さなバーにて(3) 一人の客が我にかえる。 時間にしてみれば数秒に過ぎなかったかもしれないが、二人にとっては 数時間にも感じられたかもしれない。 「え、あ、はい、いいっすけど……」 もう一人の客も、相棒の科白に自分を取り戻し、話を続ける。 「ど、どうしたん、ママ? いつもは『お客さんとのお話が私の最高のお酒なのよ』とかいって 絶対ここじゃ飲まないじゃない?」 右手の三本指だけでグラスをつかんで、もてあそぶようにわずかに振り、 カラカラと氷の音を立てさせながらママは言った。 「私にも、ね、」 そこでママはバーのスミに、インテリアのように飾られている、 ちょっとだけホコリのかぶったカメラに目をやり、また少しだけ憂いたような、 どこか遠くを見ているかのような表情をして、続けた。 「私にも、お酒の力を借りないと話せないこともあるのよ……」 バー「さかき」のママ、かつて高校では「かおりん」と呼ばれていた一人の女。 彼女は手にしていたグラスの水割りをくい、と一口くちに含んだ後、 高校時代のことを語りだした。 (続……かない・゚・(ノД`))
■あとがき アニメ板の「あずまんが大王を語ろう Ver.70.0」で、 かおりんの将来が水商売云々っていう話が出てて、それで微弱なのを受信しました。 まぁ、このタイプのは続ける必要もないし、まだ「After Story」を書く立場には無いので ここで切るのもありかな、と(・ω・)ノ てな感じです。以上、説明終わりm(__)m
>>169 電波受けてからの仕事早いですね〜(w
これからも電波受けたら日記以外の話も書いてください。
それと…
なんかかおりん(・∀・)カコイイ!!
>>161 そうだ、クエーサーとかパルサーとかの正しい知識、あの天文知識ラッシュで覚えたんだ。
あの激烈かつ凄絶な早口で、野川さくらへの認識が微妙に改まったよ。
と、まだまだ継いで見るテスト
>>172 さん
ピの字「プロプリッドとかパルサーとかスポークとかクエーサーとか」
フの字「やー マイナーな天体現象ばかしよく知ってますニャー」
ピの字「……ってここどこなのよ! 20世紀の東洋の小国のどこに
ファンタジーの要素があるのよ! 」
フの字「今回の仕事は、ここの高校に通っているかおりんっていう女の子の
願いをかなえることなんだニャー」
ピの字「……さっきのパルサーとか色々言ってた子ね。で、願いって何よ」
フの字「同じクラスメイトの榊とかいう女の子との仲を取り持つことだニャー」
ピの字「なによ、女の子同士の禁断の愛ってわけ? 自然の倫理に反するわね」
フの字「仕事の内容の事は神様にいってやってくださいニャ」
ピの字「ちょっと抵抗を感じるけど、仕事なら仕方無いわねー。でもこんなことして
何のやくにたつのかしら?」
……かくして二人の妖精の”おかげ”で、かおりんは榊さんと別のクラスになり、
なおかつ木村先生が担任になってしまったのでしたヽ(゚д゚ヽ)
【終】
・
・
・
・
・
R.F.「禁断の領域に足を踏み入れたのかもしれない……」
フの字「そんなことないと思うニャー」
R.F.「……ってぉぃ!」
※参考文献「ホーリーブラウニー」(六道神士、少年画報社)
174 :
172 :03/02/11 01:25 ID:???
>>173 あの2人がやったことにしては、えらく穏便な結果で(笑
六道神士から小林源文まで、守備範囲の広い御方ですね。
>>173 お?R.F.氏が冗談につきあってくれるなんて珍しいなあ
休日やからか?
というのは別にして、どっかで見た設定・口調だな〜と思ったら六道紳士(w
でもこれって微妙に禁断の地に足踏みいれたんじゃ…
そんなことない?(w
ともかく超アナザーストーリー乙〜
なんでも書きますね〜(w
今やこのスレ…… 神楽よりかおりんの方が輝いていると言っても過言ではないっ……
きっと、次スレではスレタイにかおりんの名前が燦然と!
何かIEで見るとエラーが出るみたいだね・・・
しかたなくOpenJaneを導入しまひた・・・・・・折れは
>>176 さん
>>神楽よりかおりんの方が輝いていると言っても過言ではないっ……
でも榊さんには……(・ω・)ノ
(って、新作2作、よく読み直してみたら、両方ともかおりんって、
結局恵まれてないやん(´・ω・`))
>180 榊さんにはあなたがいますからね 俺はいつ来るかもわからない電波がないと何もできないし 小ネタとかも得意じゃないから盛り上げ役にはなれんです(-_-) 頑張れ神楽ファン (でも俺自身はどっちかというと榊ファンなのは内緒)
神楽・榊さん・かおりんとあっても、まだこのスレのもう一人の主役であるちよちゃんは一向に脚光は浴びさせられてない… ちよちゃん主体は難しいのか。
ちよ好きのSS職人っていないのだろうか?いてもエロスレ限定生息なのだろうか? 昔からそーだったけ?
立てよ 神楽――――― これで終わりになんかするなよな! こんなんで終わる試合じゃない!! 身長156センチ――――― そんなおまえがのしあがるため―――― いったいどれほどのものを犠牲にしてきたことか その犠牲にしてきたもののために 立ちあがれ!! ・・・・・・いや、スマソ。さっきまで元ネタの漫画読んでたんで、つい。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-23a(S.24) ●11月□日 晴れ 谷崎先生が急病で休んで、今日の英語の時間は自習に。 私はちよちゃんたちと図書館へ。 パソコンの検索コーナーで色々調べモノをして、ちょっと時間があまったので イリオモテヤマネコについて調べていたら、交通事故での死亡記事があった。 日付は修学旅行の翌日。 新聞は毎日読んでいるけど、気がつかなかった。 うちの新聞には載っていなかったのかもしれない。 しかも、ちよちゃんや大阪さんはよく分からないといったけど、 載っていた写真は、あのお母さんネコのような気がしてならない。 模様が違う、とか何かしるしがあるわけじゃない。 でも、でも。何となく、そんな気がする。 西表島で会ったあの子、大丈夫かな……。心配。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-23b(S.24) ●11月△日 晴れ もうすぐ十二月にもなるということもあって、進路の最終決定の用紙が配られた。 クラスでもすでに推薦入学で大学を決めた人もいるし、中には就職を決めた人もいる。 あと半年も経たないうちに高校生活は終わって、 みんなそれぞれ自分で決めた道を進むことになる。 なんかうそみたいな、でもうそじゃない、本当の話。 一年生の時には動物のお医者さんになりたい、と考えていたけど、その考えは今でも変わらない。 医学部を持つ大学はいろいろあるけど、獣医学部を持っている大学はそれほど多くない。 昔、北海道の大学の獣医学部のまんがが流行った時にあこがれて、 色々調べたことがあったけど、その時とあんまり変わっていなかった。 設備が整っていてちゃんと勉強できそうな、獣医学部を持つ大学はあったけど、 うちから通うのはちょっと無理。 家から出て、一人暮ししなきゃ、と思って気がついた。 一人暮ししたら、ペットが飼える。 お母さんのことは心配だけど、でもペットが飼えるようになる。 進路の話とあわせて、このことをお母さんに話してみた。 動物のお医者さんになりたいとは前々から言っていたけど、具体的に大学のパフンレットを持って お話したのは今日が初めて。 お母さんはちょっとびっくりした様子だったけど、 自分自身のことなのだからじっくりと考えて、それで私が決めたことなら反対はしない、 お金のことなら心配しなくていいと言ってくれた。 ペットのことは言わなかったけど、お母さんも何となく分かっていたようだ。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-23c(S.24) ●11月○日 晴れ 進路の紙を提出した後、神楽と進路の話が話題にのぼった。 神楽はもう少し水泳を続けたいので体育系の大学に進みたいという。 結局インターハイに出ることはかなわなくて、体育推薦の話も無しになっちゃったけど、 神楽の水泳の腕はなかなかだと私も思う。 タイムは速いし、それになりより泳いでいる時、とても気持ちよさそうだ。 将来は体育の先生になるかもしれない、とも言っていた。 神楽が体育の先生になったら、やっぱり黒沢先生みたいに、うちの高校の先生になるのかな。 神楽と進路の話をしていたら、ちよちゃんが前に約束してくれた猫の本を持って来てくれた。 その本のことや、私が大学に入ったら一人暮らしをして、ペットを飼いたいと思っていることを 神楽やちよちゃんに話したりもした。 昔はあんまり人前で猫が好きとかいうのは、からかわれるのが怖くてちょっとイヤだったけど、 今はそれほど気にしなくなった。 何よりちよちゃんや神楽の前なら、全然気にしない。 隠す必要なんてない。みんななら私のことをちゃんと分かってくれるから。 帰り道でのこと。 大阪さんと別れてちよちゃんと二人でお話しながら歩いていると、 猫さんがたくさん。でもなぜかみんな怒っている。 なぜ、と思っていると、あのかみ猫が。 どうやら先日引っ越した人の家の猫の代わりに、かみ猫が近所のボス猫になったみたい。 かみ猫が指示するかのように私達を襲おうとしていたので、 私はどうなってもいい、ちよちゃんだけでも助けようとしたら……。 目の前に、私達を助けるような位置に、もう一匹の猫が。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-23d(S.24) (続き) 私にはすぐに分かった。その猫は普通の猫じゃない、ヤママヤーだ。 それも恐らく……信じられないけど、多分、きっと、修学旅行で会った、あのヤママヤー。 ヤママヤーは私達に襲いかかってこようとしている猫たちを一喝し、追い払ってしまった。 でもヤママヤーは、私達が安全なことを見届けて安心したかのように、その場に倒れてしまった。 病気? ケガ? 私には分からない。 自分が獣医でない、猫の病気やケガの知識がないことを今日ほどくやしかったことはなかった。 ちよちゃんが、忠吉さんがいつもお世話になっている獣医さん、石原先生を教えてくれたので、 二人でそこに。 石原先生の診察では、病気もケガもなく、単にお腹が減って衰弱していただけとのことだった。 石原先生はヤママヤーのことを「イリオモテヤマネコか?」と聞いてきたけど、 私もちよちゃんも、ただの雑種だと答えた。そう答えるしかなかったんだもの。 石原先生はそうか、とだけ答えて帰してくれたけど。 このままうちにつれて帰りたい。けどうちはお母さんがアレルギーでペットはダメ。 どうしようかと思っていたら、今日、私が「大学に受かったら一人暮しを始めてペットを飼う」という 話を覚えていたのか、ちよちゃんが、春まで預かってくれると提案してくれた。 迷惑をかけちゃうかもしれないけど、私にとってはとてもうれしい話。 もちろん喜んでお願いした。 名前も決めた。ヤママヤーだから「マヤー」。 呼んでみたら、ちゃんと返事してくれた。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-23e(S.24) (続き) ここまで書いていたら、ちよちゃんから電話がかかってきた。 石原先生から電話がきて、「必要ないとは思うが」と前置きした上で、 イリオモテヤマネコについての生態系の話とか飼育方法とか役立つ本や資料を 色々教えてくれたそうだ。 明日、その一覧を私にも教えてくれるという。 また、一ヶ月に一度は、定期検診を受けにくることもすすめてくれた。 ちよちゃんが出た後、ちよちゃんのお父さんと石原先生がしばらくお話してたみたいで、 ちよちゃんは詳しくは分からないと言っていたけど、石原先生はマヤーが イリオモテヤマネコだと半ば分かっているみたいだ。 石原先生からの伝言も 「その猫に何かおかしなことがあったり調子が悪くなったら、すぐに私のところに連絡しなさい」 とのことだったので、おそらく間違いないと思う。 ちよちゃんのお父さん、もしかしたら、やっぱりすごい人なのかもしれない……。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-23f(S.24) ●12月○日 晴れ 昨日はちよちゃんの家にお泊まりしたので、昨日の分の日記。 マヤーのことを皆に話したら、早速今日、放課後にちよちゃんの家に見にいこうということになった。 いつものみんななら話しても大丈夫だし、クラスの他の人に聞かれても何のことだか 分からないだろうから問題はないと思う。 ちよちゃんの家では滝野さんがマヤーをからかっていたんだけど、 マヤーのカンにさわったみたいで、マヤーが滝野さんの手をひっかいてしまった。 前に読んだ本だと、猫は何か悪いことをしたらその場でしからないと、 それを悪いことだと思わない、しつけをするならその時にしないとダメだという。 昔は話せば分かると思っていたこともあったけど、どんなに信じている相手でも しつけは必要だし、それが将来マヤーのためにもなると思わなくちゃいけない。 滝野さんの手のケガはたいしたものじゃなかったけど、私みたいに猫にひっかかれた経験が ないからか、とても痛がっていた。 大丈夫かな、あとが残らないといいけど。 水原さんと神楽は「調子にのり過ぎだ」としかっていたけれど、 それでも水原さんの顔がちょっと不安そうだったのが気になった。 やっぱり、心配してるんだね。 神楽と滝野さん、水原さん、大阪さんは時間になったので帰ることになったけど、 名残惜しい表情がちよちゃんにも分かったのか、お泊まりしていいと言ってくれた。 お母さんに連絡を入れて、今日はお泊まり決定。 うれしくて、つい、ちよちゃんのお部屋でマヤーをかかえてごろごろしてたら、 その姿をちよちゃんに見られてしまった。 ちよちゃんだったら別にいいんだけど、でも、やっぱり恥ずかしかった……。 すぐに何もないかのようにふるまったけど、あんなにひきつった顔のちよちゃんを見たのは初めて。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-23g(S.24) (続き) ちよちゃんのお父さんたちと一緒に夕食をごちそうになって、マヤーをお風呂で洗って、 そのあとにちよちゃんとお風呂に入って、マヤーと一緒に、ちよちゃんのお部屋でお休み。 寝床に入った時に、ちよちゃんが、マヤーは私のことをお母さんだと思っていると言ってくれた。 なんだかうれしくなって、クラスの他の人にもまだ言ったことがなかったことだけど、 私が小さいころから他の人と比べて背が高くてかわいくなかったから、 かわいいものが大好きなんだってことを話してしまった。 いままでこんなことなかったけど、ちよちゃんになら話してもいい、 ちよちゃんならきっと分かってくれるし、笑われることもない、と思ったから。 ちよちゃんはにっこりしながら、かわいくないなんてことはない、 私が部屋でマヤーとごろごろした時の姿がとてもかわいかったと言ってくれた。 物心ついてから、お母さん以外の人に「かわいい」と言われたのははじめて。 なんかはずかしかったけど、でもそれと同じくらいうれしかった。 自分が自分じゃないみたい。 お母さんが心配しちゃうし、ちよちゃんも迷惑だろうかお泊まりは無理だけど、 これから一人暮らしをはじめるまで、マヤーには時間があれば会いにいこう。 私だってお母さんと離れ離れになったままだと、やっぱりさみしいものね。
■オマケという名の説明あるいは考察 R.F.「ん〜。原作でもそうやったんやけど、TV版はそれ以上に、3年生の各回の 密度が濃くて。1回分が長くなる長くなる……」 神楽「仕方ねーんじゃねーの? 特に今回は榊が主人公みたいなもんだし」 R.F.「まぁ、そうやね。 本放送時には、榊さんがあんたのことを呼び捨てにしたことで話題になったし」 神楽「ああ、原作では結局一度も呼ばれるシーンが無かったからな」 R.F.「で、だ(榊の方を向く)」 榊「ん?」 R.F.「オリジナルとして一部を日記中にて独白してもらったんやけど……」 榊「……?」 R.F.「1年生の時には、かおりんの猫写真を見た時も自分が猫好きだということを 顔を真っ赤にして隠してたり、自分の内面…… つーか本心を多分に隠してたところがあったやろ?」 榊「ん、あぁ、まぁ……その」 R.F.「一方で、かみ猫に対してですら『話せば分かってくれる』という、どことなく 夢だけ追い求めるという部分もあったりしたわけや。 けど、この回で見れば分かる通り、まぁ、色んな面で『大人になった』つーのが 分かるんやな。鋭い人はお見通しやろけど」 智「どこがどこがー!?」 大阪「榊ちゃん、もう胸は立派な大人やもんなー」 R.F.「……ちゃうねん。まぁ、確かにそれはそれでいいことなんだが。 次回の回であんたの問いにある、あの恥じらいながら胸を隠すシーンなんかもう、 そのなんというか」 (続く)
■オマケという名の説明あるいは考察−2 (続き) 暦「馬鹿話はいいから早くしろ」 R.F.「ああ(汗)。つまり、な。 神楽さんらの前で堂々と猫カタログを見たり、猫を飼いたいと言うなど、 自分がかわいいモノ好きなことを明らかにしてる。 まぁ、神楽さんやちよちゃんの前だからっつーのもあるやもしれんが」 智「ふむふむ」 R.F.「で、智がマヤーにひっかかれた時には、ちゃんとしつけという意味で叩いている。 あれだけかまれても『話せば分かってくれる』というとった榊さんが、やで?」 ちよ「あ……確かに」 R.F.「夢は忘れていないが、その一方で現実をちゃんと知り、 その上で考えるようになったつーことやろな。 マヤーだって人形じゃない。 トイレや食事の世話もしなきゃならない。機嫌が悪いこともあるやろ? 忙しい時にかまってくれと甘えてくるかもしれない」 榊「うん」 R.F.「そういうこともまとめてひっくるめて、好きにならなあかんのや。 動物を飼う時には、な。その辺を分かってきたのかな、と」 智「私はクロがいるから分かるけどね」 暦「に、してはひっかかれたな」 R.F.「(さすが、ツッコミ上手やな……) まぁこの回は、最後の『かわいいもの好き』のカミングアウトにもびっくりしたけどな。 原作でもそんなんだろうな、という表現はあったんやけど、ちよちゃんにああまで はっきり言うとは……」 ちよ「でも私はうれしかったですよ。榊さんにもあんな一面があるんだって知ることが出来て」 榊「……ぽっ(顔を赤らめる)」 R.F.「さてあと2回か。GWまでには終わりそうやな。 後、時間があって『降りて』くれば、外伝をいくつかあげたいところやね」
保守やねん〜(・ω・)ノ
そういやIEで見れるようになったね
196 :
メロン名無しさん :03/02/16 01:01 ID:W3GKFps3
落ちる〜〜〜〜〜〜〜ぅ!! 上げます!!
>>192-193 確かに、榊さんのカミングアウトという意味で
何気に大きな意味のある回ですよね
その辺演出に入れたことはアニメのナイスなとこ
>>195 さん
私はかち〜しゃ使ってるんですけど、IEで見れたり見れなかったりという現象、
いまだにあるんですか? うーむ……。
例のシリーズ、もうすぐ校了出来そうなんで、どうしようかな、と思っているんですがヽ(゚д゚ヽ)
今のペースで流した方がいいかな、やっぱり?
>>198 気の向くまま意の向くまま…
お好きなようにしちゃってください♪
でも早いですね(w
200
>>199 さん
先ほど最終話分を校了。
で、計算してみたんですが、今までのペースで流すとちょうど
最終話分が3月アップになるんですよね。
最終話自身も3月でのお話なんでベストタイミングかな、と。
てなわけで、次回は2/22、最後は3/1の予定ってことで(・ω・)ノ
(細かい調整とかもしなきゃいけないし)
暦「少なくとも3月まではスレ自体か倉庫行きにならないよう注意しなきゃいけないな」
R.F.「そうなんや……それが一番心配や」
ちよ「だいじょーぶです!」
R.F.「ほんま?」
ちよ「命かけます!」
神楽「……ちよちゃん、死に急ぐな」
かおりん「いざとなったら私をネタにまた……」
R.F.「一発モノ短編? でも『降って』こなきゃダメやし、第一あんたがメインになると
どうしても報われない話しか浮かんでこないんやけどな。それでもええのんか?」
かおりん「シャー……」
>>201 おおっ、スゲー。
うちも高校の卒業式は3月1日だったよ。
いやーそんなジャストなタイミングに終わらすなんて。
日記始めた当初から狙ってできるもんじゃないし。
偶然にしては出来過ぎですな(w
まぁスレの存続は大丈夫でしょ。
オレも根拠のない根拠で命かけます!
>>202 さん
>>偶然にしては出来過ぎですな(w
狙ってません、まったくの偶然です。先日、最終話校正し終えて、
その事実に気がついた本人が一番驚いているというヽ(゚д゚ヽ)
やっぱり榊さん(へ)の愛ゆえ、でしょうか(゚д゚)
>>203 榊さんの日記を通して楽しむあずまんが大王、本当に面白い試みだと思います。
もう直ぐ終わるということで、名残惜しさも感じますが・・・中途半端に続けることなく、
3年間の高校生活を過不足なく描き切ったところに、原作の良さがありますから。
「一般に思いつきというものは、人が精出して仕事をしているときにかぎってあらわれる。」
(マックス・ウェーバー著 尾高邦雄訳 1936:『職業としての倫理』岩波文庫、24頁)
昔の偉い人も、忙しい時にネタが浮かぶらしい。もっと神楽に萌えないと(w
>204 しかし浮かんだネタを整えて形にしようとすると 今度はかなりの暇を要する罠
保守をせねばならんのか……?
え〜と、ここですか?特別天然記念物であるイリオモテヤマネコを 自分のエゴで飼っていると云う、犯罪者女子高生がいるというのは
>207 とてつもなくガイシュツな話題なわけだが ……んなもん、ちよすけが友情の証に 財力でもみ消してあげたに決まってんでしょ( ´ー`)y-~~
>>208 それって、悪じゃん。やっぱ死が妥当だな。どんな方法でアクメツさせよっか
斧で頭かち割る?それとも、にゅ〜なんぶで射殺?
それとも、高層ビルの屋上からアクメツボトムといきますか?
210 :
メロン名無しさん :03/02/20 20:46 ID:99TqU1VZ
エロまんが大王、として再出発でもさせるか。なんてねw
211 :
208 :03/02/20 20:52 ID:???
やべえ、ちょっと相手してやったら図に乗せちまったらしい…… みんな、ごめん。
212 :
209 :03/02/20 21:28 ID:???
まあ、おふざけが過ぎたかな? とりあえず、言いたいのは個人的にイリオモテヤマネコが東京までやってきて そんで、榊に飼われると云う展開は原作に載ってた当時からやって欲しくなかったのね 希少な動物を自分のエゴイズムで、飼ってはいけないと思うわけよ どうせなら、噛みネコが事故に遭う。それで榊が噛みネコを必死に看病し、その優しさに 噛みネコ遂に、榊に心を開く。その後噛みネコは榊に飼われることになる。 こんな展開だったら、もっと良かったのでは?と、思うんだが
きっと今の時期、みんなマジカルランドを楽しみにしてるんだろうなあ・・・ 焦るよみをおいといてw
>>212 その方がまさしく無理のない展開であるが、
起こってしまったことは仕方ないので……
そうだ、こういう時こそミノフスキー物理学で何とか合理化を……
>>213 本スレでもちらほらと受験結果の話題が出てましたな
「立教を滑り止めにしてて落ちた人」を心の中でよみと呼んだよ
だから放送時にもガイシュツだったんだけど・・・ あれはイリオモテヤマネコのそっくりさん(ざっしゅ)ですが何か?
中に雑種の猫が入っている、イリオモテヤマネコの 着ぐるみというのはどうか(=゚ω゚)ノ ……中の猫などいない!
マヤーはイリオモテヤマネコではなく、実は1985年まで 阪神パークにいたレオポンの幻の仔だったというのは・・・ (**。\バキバキバキ まぁ天然記念物の比内鶏を食うと手錠だけど、一般の鶏との 交配F1雑種は食って良い・・・という理屈でマヤーは イリオモテヤマネコと猫の雑種という事でどうでしょう?
犯罪だーとか、ありえねーとか言ってる人って常識に囚われてるのかしら。 その割には、 「沖縄から来れるわけないから、普通に考えれば石原先生の言う通りあの子は雑種」 って結論にはならないんだね。 イリオモテヤマネコであることだけは正当化してるんだよね。 不思議だね?
>>207 まあ、その通りなんだけど。
背徳感漂う榊さんというのも、なかなか良いと思う。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-24a(S.25) ●12月△日 晴れ 受験期間も間近、というより、推薦入学試験の人や一部の大学では受験が始まっているので もう受験戦争に突入、という感じがする。 昼休みになってもみんな食事もそこそこに参考書やノートを広げて勉強中。 教室の中は昔のほんわかとしたざわつきと違って、ちょっと緊張感のあるさわがしさ。 あの神楽ですら、参考書を読んで頭をかかえている。 でも神楽にはがんばって欲しい。 受ける大学は違うけど、あれだけうれしそうに体育系の大学のことを話してくれたんだもの。 試験に落ちて、泣いている顔なんてみたくない。 前にノートを貸して以来、神楽は時々勉強を教わりにもくるけど、 「榊の勉強邪魔しちゃ悪いからな」とか言って、あまり聞きにこない。 心配してくれるのはうれしいけど、そんなに気にしなくてもいいのにな。 そんな中、滝野さんは相変わらず、ちよちゃんや水原さんと騒がしそうに笑っている。 ナゾナゾを出してちよちゃんを驚かしたり、大阪さんにすらすら答えられて逆にびっくりしたり……。 勉強をするしないは別にして、あれだけいつも元気でいて、みんなと楽しくお話できるのは 滝野さんの長所だし、私も実はちょっとうらやましい。 ちよちゃんは大阪さんに「先生が似合う」と言ってたけど、 滝野さんも案外先生が似合うんじゃないかな。 谷崎先生みたいに、生徒と同じ目線で付き合えて、しかも尊敬される先生になるかな? 尊敬、といってもちょっと違う尊敬だけど。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-24b(S.25) ●1月1日 晴れ 今年はいよいよ受験の年。 試験に受かるように、今年はみんなで初詣にいくことに。 みんなそれぞれの服装だけど、ちよちゃんはお正月らしく振袖。 ちよちゃんは元々中学生だし、背が小さい方だから、七五三みたいでとてもかわいい……。 私にもちよちゃんみたいなかわいい妹がいたらいいのになぁ。 デジタルカメラ、持ってくればよかった。 みんなで行った神社は近所でも結構有名なところだったので、初詣にくる人で大混雑。 六人みんなで行動するのはむずかしい。 ちよちゃんとか他人に押されて迷子になっちゃうかも、と思っていたら滝野さんが 迷ったら私のところに集合するように、とみんなに。 確かに私、背が高くて目立つから、集合場所の目印になるかもしれないけど。 ちょっと複雑。でも昔みたいにいやな気持ちにはならなかった。 みんなで神様にお祈りしたあと、おみくじをひくことにした。運試し、ってところかな。 私は中吉。神楽と同じ。「願い事、努力すれば叶う」と書いてあった。 受験、合格できるよう、もっともっとがんばろう。 滝野さんは……「凶」が出てしまった。 水原さんが「はじめて見た」といってたけど、私もはじめて。 滝野さんはものすごくおろおろしていて、なんかちょっと意外なところを見たような気がした。 あんな表情した滝野さんを見るのははじめて。 いつも元気いっぱいな滝野さんでも、やっぱり受験のことだから、気にしちゃうんだろうな。 水原さんがいつものようにつっこみをしてたけど、きっと後でフォローする、と思う。 二人ってそういう仲だもの。最近ちょっと水原さんの態度が冷たいような気もするけど。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-24c(S.25) (続き) 帰りがけに谷崎先生、黒沢先生と会った。先生たちも初詣に行くつもりらしかった。 私たちが「受験がうまくいきますように祈ってきた」と説明したら、 谷崎先生がショックなことを教えてくれた。あの神社の神主のお子さんが受験に落ちたそうだ。 ということは……あんまり効果がない? その話しを聞いたとたん、それまで「凶」のショックで落ち込んでいた滝野さんが、 絶叫しながらおみくじをびりびりに破いてしまった。 気持ち、分かるような気もする。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-24d(S.25) ●1月△日 晴れときどき曇り 今日はセンター試験一日目。 センター試験の結果が悪いと、公立大学や私立大学の一部で、受験そのものができなくなる。 基礎知識を調べるためということで、昔は共通一次試験ともいわれていたみたいだけど、 勉強する範囲が広くなるのでちょっと大変。 会場の前で時間前にみんなで集まっていたら、大阪さんが考えた割りばしのおまじないの 代わりにと、ちよちゃんが自作のおまもりを渡してくれた。 初詣にいった神社のおまもりじゃ心配だ、ということなのだろう。 おまもりをもらうときにちよちゃんの指が目にとまる。何か所もバンソウコウが。 ちよちゃんにも苦手なものがあるんだ、とちょっとびっくりしたけど、 それよりも指にケガしてまで私たちのためにおまもりを作ってくれたちよちゃんの気持ちが とってもうれしくなった。 ちよちゃんはあんな小さいのに、こんなにも私たちに気をつかってくれる。 がんばらなくちゃ。 おまもりのおかげで、試験一日目は無事終了。 ケアレスミスもなかったし、分からなかったところもいくつかあったけど、 とりあえず埋められるところは全部埋めた。 大丈夫、きっと。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-24e(S.25) ●1月△日 曇り 今日もちよちゃんの家で勉強会。 大阪さんが時々いねむりしてるけど、みんな学校での授業以上に勉強してる。 あと一ヶ月もがんばれば、きっとみんな素敵な大学生になれる。 私はそう思ってるし、みんなもそうだと思う。 みんなががんばっているから、だからこそ、つらいけど、がんばれるんだ。 マヤーがそばで猫じゃらしをつついていたりして、時々誘惑に負けちゃうけど。 ちよちゃんの家での勉強会の楽しみのひとつは三時のおやつ。今日のおやつはミルフィーユ。 忠吉さんがほしがっていたけど、甘いものはあげたらいけない、という。 うちに帰ってから調べてみたら、本当にそうだった。 獣医を目指しているのに、勉強不足だな、私。 大学生になったら、一生懸命動物のことを勉強しよう。 かわいいとかだけじゃなくて、動物たちのことを考えなくちゃいけないんだ。 勉強といえば、初詣の時も今日も、水原さんは糖分が頭の活性化に役立つと言っていた。 滝野さんが色々からかっていたけど、そういえば昔から食べ物のことにはとても詳しい。 栄養士を目指しているのかな? 水原さんならきっと良い栄養士さんになれると思うな。 でもおいしいものにかこまれて、大変かも。 ちよちゃんが言ってたけど、受験勉強で頭のスミにおいやられていた感じもあったけど、 もうすぐ私たちも卒業。 高校時代の三年間は、中学時代や小学校時代の何倍も楽しくて、いろんな思い出が 心に残っている気がする。 おそらく、一生ずっとの友達もたくさんできた。 でも。卒業したらみんな別々の大学にいって、別々の道を歩むことになる。 ちよちゃんはアメリカに留学にいってしまって、日本にすらいなくなる。 みんなずっと友達だし、電話や電子メールでお話もできるし、会おうとすれば いつでもあえるけど、それでもちょっとさみしいな。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-24f(S.25) ●1月◎日 晴れ 受験勉強も終盤。 クラスでもそろそろ本命校の試験結果が発表されて、ほっとしている人があちこちに見られる。 でもまだ試験の人もいるので、クラスの中は何かちょっと複雑な空気が流れてる気がする。 もっとも滝野さんは相変わらずだけど。 私も今日、保険として受けていた大学に合格した。 終わってみたらなんかあっけなかったけど、合格しちゃうとこんなものなのかな、とも思った。 でも本命の大学の発表はまだ。こちらが受からないと、一人暮しは難しい。 もう試験は終わっているのでどうにもできないけど、受かるといいな。 学校はもう午前中でおしまいという日が続いているので、 最近はみんな午後はちよちゃんの家に集まるのが日課になっている。 ちよちゃんも忠吉さんもうれしそうだし、マヤーもよろこんでくれている。 神楽も本命の体育系の大学に合格。 「本当に体育の先生になるかなー」と、てれ隠しに言っていた。 私の合格のことを話したら、神楽は私に抱きついて、大声で何度もおめでとう、といって喜んでくれた。 女の子同士でだきつくのはちょっと変な気もしたけど、 だけどこれだけ私の試験のことを心配してくれてたなんて、うれしくなった。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-24g(S.25) (続き) 大阪さんと滝野さんは、本命もすべり止めも同じ大学を受けていた。 将来何になるのかはっきりとした考えが決まらないので、まずは大学に入って、 それから二人で考えてみる、という。そういう考えもありかな。 二人とも教育学部を受けているので、もしかしたら将来は、うちの高校に ぼんくらーずのメンバーが全員先生になって帰ってくる、ということもあるかもしれない、 と滝野さんは冗談っぽく言っていた。 案外、冗談じゃないかもしれない。 でも二人とも、すべり止めの方の大学は落ちていた。 ちよちゃんは「本命の大学には絶対受かる、命かける」と力説してた。 ちよちゃんらしいし気持ちは分かるけど、……うーん。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-24h(S.25) ●2月□日 晴れ 本命の大学の試験結果発表。心配だし、一人だともし落ちてたらどうしよう、と考えていたら、 私の不安な顔を見て神楽が 「試験結果一緒に見にいってやろうか? 私はもう受験終わったし」と手を差し伸べてくれた。 落ちてたら泣いちゃうかもしれないけど、神楽が一緒なら大丈夫。きっと。 貼り出された合格者一覧の中から自分の番号を探して……、三度確認したけど、 ちゃんと自分の番号があった。よかった! 自信はあったけど、それでもやっぱり不安だったもの。 神楽は大喜びしたあと、「早くちよちゃんたちに伝えなきゃ!」と自分の携帯を私に 差し出してくれた。 私も携帯は持っているんだけど、気持ちに甘えて受けとり、ちよちゃんの家にいた ちよちゃんたちに報告。 電話の向こうでも万歳の声が繰り返し聞こえた。うれしいなぁ。 これでマヤーと暮らせる。 でも、今日は悲しいこともあった。 私が本命校に受かり、神楽、大阪さん、滝野さんもそれぞれ本命の大学に合格。 ちよちゃんはアメリカ留学が決まるなど、進路はほぼ決定。 だけど水原さんだけがまだ決まってない。 今日、すべり止めの大学の、二校目の結果通知が来て、落ちてしまったのだという。 本命の大学の試験はもうちょっと後だけど、試験結果を聞いた水原さんは、 ちょっとパニックになってしまったと、ついさっきちよちゃんからあった電話で聞いた。 水原さん、大丈夫かな。 ちよちゃんの話だと、滝野さんがあとでフォローを入れるとかいっていたけど、少し心配。 水原さんも本命の大学に受かって、みんなで仲良く卒業できたらいいのに。 今の私には何ができるのだろう。
■オマケという名の説明あるいは考察 R.F.「シュークリーム、食べたいなぁ」 神楽「いきなりそれかい」 R.F.「いや、シュークリーム分が無かったのはつくづく残念やなぁ、と」 榊「原作の話をすべて入れるわけにはいかなかったのだから仕方無い……」 R.F.「まぁ、そうなやんけど。ああ、こちらも今回はオリジナル分、やのうて オリジナルの部分が多かったかも。 だけどあくまでも『補完』のレベルに留めてるで。 原作からも話を引っ張って来てるのもあるし」 大阪「それにしてもやー。私の割りばしのおまじないがあっさりし過ぎてるのはどうして?」 R.F.「榊さんにしてみりゃ、その程度の印象でしかない、ということやねん。 むしろちよすけのケガの方が、という感じやね」 R.F.「オリジナルといえば。暦さんの栄養士云々はまったくのオリジナル。 まぁでもあれだけダイエットがどうとかいってるし、案外似合うかもな、と思ってな。 榊さんや神楽さんのように、将来ああなりたい、という目標もまだなさげやし」 智「よみが栄養士……毎日研究ばかりでふとるんじゃないのかー?」 暦「どうしてだよ!?」 智「食品の味とか栄養価とか研究するとかいってさー。食べてばっかりとかー」 暦「なんでだよ!」 ちよ「そういえばこの回は最後に香……」 大阪「しっ! 大人になれば分かる……やのうて、その話は封印や」
>>225 アニメでは榊さん、神楽の合格報告に反応する素振りすら見せてなくて
見直しながら困ったもんですが……。
「実はちゃんと智の傷を手当てしてあげてた暦」とかと同様のドリーミング補完て奴ですな
じゃ「実は本当にあずまんが大好きだった香田晋」もドリーミング
>>229 そんならや〜、amnsさんが(なんて読むんや)その辺、SSで補完してくれたらええのや。
いっちょ頼むでぇ〜♪
>>アニメでは榊さん、神楽の合格報告に反応する素振りすら見せてなくて この辺については「後程」…… >>そんならや〜、amnsさんが(なんて読むんや)その辺、SSで補完してくれたらええのや。 「実は本当にあずまんが大好きだった香田晋」を補完?(^_^;) そもそも、「実は」じゃなくて元から好きだったら前提が成り立たないし、 ストーリー以外でどうやってSS補完するんだろうか……楽しみですねヽ(゚д゚ヽ) (ひとまかせ)
232 :
230 :03/02/23 00:56 ID:???
>>231 > 「実は本当にあずまんが大好きだった香田晋」を補完?(^_^;)
・・・・・・ちゃうねん。
>アニメでは榊さん、神楽の合格報告に反応する素振りすら見せてなくて
この場面をanalやなくてarmsでもなくて、amnsさんにSS書いて欲しかったんや。
誤解させてもーた。かんにんやで。
「全く、よく通ったよな。おめでとう!」
あいつからの祝福の言葉を反芻しながら、私は何度もほくそ笑んだ。
そう。私の念願がかなうとは、周りの誰も予想だにしていなかった結果だ。
ある人は笑って、そしてまたある人は本気で怒って、私を何度も思いとどまらせようとした。
『何考えてるんだ? おまえじゃ、全くのお門違いじゃないか!』
ああ、そうさ。でも、行きたかったんだ。理由はそれで十分だろう?
『大体、向こうの奴らがおまえなんかに期待してるわけないだろう?
仮に通ったとしても、邪魔がられ、笑いものになるのがオチだぞ!』
そうかもしれないな。でも、私の熱意を少しでも伝えることができれば、受け止めてくれる人が
少しはいるかもしれない。勝手な言い草かもしれないけど、それに賭けたいんだ。
『熱意さえあれば何でもできると、まだ思ってるのか? ……もう勝手にしろ!』
私だってそこまで甘くはないよ。ここまでだって、いろいろ辛いこともあったさ。
でも……夢を追うことに、終わりなんてないじゃないか!?
――だから、最後まで信じてくれたあいつと、今夜は語り明かそう。
「本当、無理な話を通させやがって。さ、要望どおりに用意してもらったぜ!」
私は震える手で、憧れの大阪Tシャツとちよ父ぬいぐるみをマネージャーから受け取った。
ADの声。「晋さーん、そろそろリハ入りまーす!」
そう、私の姿はあずまんがのフィルムの中に、いつまでも焼き付けられる。
同じ心を持つ全国のファンたちは、きっと私を祝福してくれることだろう――。
>>230 見た時点で、真意はわかったけどネタ書くことにしたですよ
書いてるうちに(どんだけ遅いのか)見事な先回りを… ;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
>>233 さん
よもや香田晋もこんなことをかかれているとは夢にも思うまいて(^_^;)
235 :
メロン名無しさん :03/02/23 20:22 ID:Y5HwpDEE
保守です〜(=゚ω゚)ノ
>>アニメでは榊さん、神楽の合格報告に反応する素振りすら見せてなくて イヤな人だな。なんか偏ってて、いびつ。
>>239 原作では報告を聞いたとき笑みを浮かべていたのだが
アニメでは無表情で……
せっかくその前に試験会場で神楽と笑いあうアニメオリジナルシーンがあったのに
あれは幻ですかッ!?
ふむ… やっぱり止まっちゃったか。ま、そりゃそうだ。うん。
*:・'☆,・*:,*:・'☆,・*:,*:・'☆,・*: ( ´ー`)y−~~ 楽しいお祭りがいつか終わるとき……。 大切なのは、みんながそこから何を持ち帰ったか、ではないかね……?
大丈夫、もう折れ達は持ち帰っているのだ・・・・・・
お決まりですが。 『まだまだ続くよ、あずまんが』
じゃあ私は榊さんと神楽、ちよちゃんセットを一人前、お持ち帰りで(=゚ω゚)ノ ……え? なんか間違ってます?
さかぐら分が不足してきた…
>246 ・・・・・・そう、そろそろ奴の出番だ。呼べ、その名を!必ず彼はやって来る♪ エィ〜!エム〜!ピ〜!エム〜! ・・・・・・スマソ、ちょっと間違えました。コンビニ逝ってきます。
俺の名前を間違えるのは最近のトレンドでありますか? ……ばってん、俺は正直もう寿命切れが近いみたいですたい こないだのエロパロから1ヶ月。 今までは長くてもそれだけあれば何かしらは出せたっちゃけど いまだに頭ん中にはなーんもなかとよ…… まー、さかぐら話は自分の中でやりつくした感もあるし。 最後に何か書けるとしたら、その時はきっちり全員を活躍させてみたいなと 希望しております。
>>248 さん
>>最後に何か書けるとしたら、その時はきっちり全員を活躍させてみたいなと
R.F.「みんなで活躍いうたら、amnsさんのことやし、やっぱりみんなでら……」
(とんとん、とR.F.の背中を誰かが叩く)
R.F.「ん? 誰や?」
暦「お前、このスレに合わないこと言おうとしなかったか?」
神楽「うんうん、そんな感じだったよな」(金属バットを振りまわしながら)
R.F.「あわわわ……そ、そんなこと、な、ないで……さ、榊さん、そうやろ?」
榊「……ウソはよくない……」
R.F.「(絶句)」
暦「さぁ、ちょっとこっちにきてもらおうか」
(以後略)
・
・
・
ちよ「つ、つれてかれちゃいましたけど、何かされるんですか、R.F.さん?」
大阪「ちよちゃんにはまだわからんでもええ。大人になれば分かる」
ちよ「大人でなくてもわかるような気もしますけど……」
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-25a(S.26) ●3月□日 快晴 今日は卒業式。楽しかった高校生活も今日でおしまい。 朝、登校の時にかみ猫に会ったけど、引っ越したら会えないことを考えると かまれたこともいい思い出かな、と思ってしまった。 なでられるのが嫌いだったのかもしれないし、もしそうだとしたら、あの子からすれば 無理やりなでようとしていると思っていたのかもしれない。 自己満足かもしれないけど、あの子に謝ってみたら、なんとなく分かってくれたみたい。 最後にやっぱりかまれたけど、これもあの子にしてみたらあいさつなのかも。 でも引越ししたら、あの子とも会えなくなるんだな。 何度も練習はしたんだけど、卒業式はやっぱり緊張した。 中学の時は「卒業出来てよかった」という思いしかなかったけど、 今日の卒業式は「もう少し後ならいいのに」と思ったり。 卒業式が終わったら、もう高校生じゃなくなる。 分かってはいるけど、なんか残念。 今年一番優秀な成績の人にもらえる金蘭賞はちよちゃんに。 やっぱりすごいな。本当は立たなくてもいいのに、滝野さんが立って大拍手。 みんなもつられて、立って拍手かっさい。 滝野さんっていつもちよちゃんをからかったりしてたけど、いやがらせじゃなくて やっぱり滝野さんなりの愛情表現、ということなんだろうな。 水原さんとのやりとりを見ていても、そんな感じがする。 ちよちゃんからすれば私たちはみんな「お姉さん」の年の人なわけで、 前に紹介してもらったみるちーさんやゆかさんたちみたいに付き合える人が 一人くらい高校にもいないと、ちよちゃんとしても息苦しかったに違いない。 滝野さんは一言もいっていないけど、そこまで考えていたのかな。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-25b(S.26) (続き) 谷崎先生は最後まで谷崎先生らしくて、みんなの卒業でがっくりしていたと思ったら 財布を落して、だった。 黒沢先生が届けてくれたので、一安心というところだったけど。 でも……本当にそうだったのかな。 谷崎先生って何気にすごいところがあるから、本当は単なるてれ隠しだったのかもしれない。 夏の旅行も「気が向いたら」といってたけど約束したので、 今度の旅行の時に聞いてみようかな。でもきっと答えないと思うけど。 色々なことがあったけど、今日で高校生の私はおしまい。 本当にいろんなことがあって、楽しい三年間だった。 ありがとう、ほんとうにありがとう。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-25c(S.26) ●3月△日 晴れ 水原さんの本命大学の結果発表とその後の卒業旅行(マジカルランド★)までまだ日があるので、 ここ数日は大学に入学してからの下宿先を探している。 学校の寮があれば一番なんだけど、うちの大学にはないみたい。 マヤーのことも考えるともちろんペット可なところじゃなくちゃいけないし、 防犯のこととか近所の環境とか、色々考えなくちゃならないことがいっぱい。 今日は神楽と、住宅情報誌とかで調べた物件や、大学周辺の不動産屋さんを探しまわった。 夕方に尋ねた不動産屋さんで見つけた物件はなかなかよいところだった。 3階の1DKのだけど8畳で押し入れもあるし、ダイニング部分も広めだし、お風呂とトイレは別。 内装もきれいだし、何より女性専用でオートロックと管理人常駐のところがいい。 もちろんペットも可。 周囲の環境も悪くない。大学はもちろん、コンビニも近くにある。 少々家賃が高めだけど、アルバイトをがんばれば何とかなると思う。 神楽も「へぇ、うちの部屋よりきれいじゃん」とか感心していた。 数日まわった中でここが一番条件が良くて、これ以上はないかな、という直感もあったので 不動産屋さんに手付金を払って仮契約。 もちろん後で保証人とかお母さんにお願いしなきゃならないけど。 帰りがけに神楽がちょっとだけ頬を赤らめて、しばらく下を向いてから、 「勉強で忙しくなるかもしれないけど……たまに遊びにいっていいか?」 と、恥ずかしげに尋ねてきたので、もちろんたまにじゃなくてもいいよと答えた。 距離的にもそんなに遠くもないし。 でも……神楽もやっぱりさみしいのかな。 うちの高校から神楽の大学に行くのは、うちのクラスでは神楽一人だもん。 だけど、ああいう仕草って、男の子にしてみれば「女の子らしい」という感じだから、 大学に入ったらきっと彼氏も出来るだろうし、心配もあんまりいらないと思うな。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-25d(S.26) (続き) 家に戻ってみると、部屋に段ボール箱がいくつか積んであった。 お母さんに聞いてみたら、大学の合格祝いのパソコンだという。はじめて聞いた! そういえばちょっと前に 「デジカメの画像をチェックしたりインターネットをしたいなぁ、アルバイトして買うんだ」 と言ったら、どんな機種がいいの、って聞いてたっけ。 引越しのことも考えて、ノートパソコンを選んでくれたのもお母さんらしい。 夕食の時にパソコンのお礼のこと、今日神楽と見てきた下宿先のこと、そして保証人のことを話した。 そしたらお母さんがタンスから一冊の郵便貯金通帳と判子を持って来てくれた。 名義人の名前は私になっていた。 そういえば私、郵便貯金は使ってなかったな。 前々からお母さんが銀行の口座を開いていてくれたし、必要もなかったんだけど。 お母さんは私が小さい時から、コツコツと私のためにお金を貯めてきてくれたのだという。 小学校の時に「お年玉で大きな額とかはお母さんが貯金しておいてあげますからね」 と言っていたお金はもちろん、その他にも少しずつお金を入れてきたらしい。 中には定額貯金の分もあって、利子も含めるとすごい金額になっていた。 お母さんは、これは私が一人立ちする時のために貯めておいたお金で、 全部私が使っていいけど、必要な時に必要なだけ使いなさい、と言ってくれた。 更新分も含めると数冊の郵便貯金通帳。 中の振りこみの履歴を見ていると、私が小さいときからのお母さんの思いが 通帳に詰まっているようで、思わずぼろぼろ涙を流しながら泣いてしまった。 だめだな、私。涙もろくって。 一人暮しをはじめても、毎週お母さんには電話をするし、月一で家には戻るようにしよう。 どちらにしても月一で、石原先生のところにマヤーの診断をしてもらわなくちゃいけないし。
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-25e(S.26) ●3月◎日 晴れ 今日は水原さんの本命大学の結果発表日、そして卒業旅行のマジカルランドへ行く日。 自分のことではないけれど、やっぱりとても心配だった。 滝野さんが冗談で「番号がなかった」と言って水原さんが半泣きしながら番号発表の掲示板に向かったあと、 滝野さんがちょっと慌てたような、しょんぼりしているような、困ったような表情を 一瞬だけ見せていたのが私には分かった。 あとから考えてみれば、水原さんの受験番号は知らないのだから、滝野さんが番号のあるなしを 知ってるわけがない。 滝野さんならではの、場を和ませる冗談だったんだろうけど、水原さんの対応に あとでちょっと戸惑っていた、んだと思う。 これで本当に落ちていたのなら冗談にならなかったけど、水原さんは見事合格。 よかった……。本当に。 マジカルランドでは、みんな心から楽しむことができた。 高校三年間分をまとめて遊びまくった感じ。 やっぱりジェットコースターはちょっぴり怖かったけど。 マジカルランドを出たあと、まだ時間があったので、とりあえず三鷹駅まで戻ってから、夕食も兼ねて近くのレストランでみんなでお食事。 その後、井の頭公園でぶらぶらとお散歩。 色々今日のこととか、これからのこととか話しているうちに、長いすに座っていた神楽が 「これからも……みんな一緒だよな、別々の学校に行っても」 と言いながら半泣きになってしまった。 先日の下宿先でのこともあるけど、やっぱり神楽は大学に行ってからのことが不安みたい。 いつもはすぐにフォローをする役目のちよちゃんも、下を向いたまま。 よく見ると、ちよちゃんも肩をふるわせていた。 (続く)
■Diary of Miss Sakaki(From TV Version)-25f(S.26) (続き) そうだ、ちよちゃんはもうすぐアメリカに留学しちゃう。 ちよちゃんには電子メールとかでお話出来るけど、私と神楽みたいに、 ふらりと遊びに行くってこともできない。 一番つらいのはちよちゃんなのかもしれない。 私はちよちゃんの代わりに、神楽に「そうだ、みんな一緒だよ」と肩を叩いたあと、 しゃがんでちよちゃんの顔を下からのぞきこむようにして、 「いなくなっちゃうってわけではないよ。ずっとずっと一緒だし、友達だよ」 と言い、ちよちゃんをだきしめてあげた。 ちよちゃんは私の胸の中で、私の名前を呼びつづけながら、わんわん泣き出した。 仕方ないよ、ね。本当ならまだ中学生なんだもん。 それに、悲しい気持ちは中学生とか高校生とか関係ないもの。 そしてちよちゃんの泣き声が合図になったかのように、神楽も大阪さんも泣き出した。 滝野さんは水原さんの胸にもたれかかるようにして泣いている。 水原さんは滝野さんの頭をなででいるけど、やっぱり泣いているようだった。 はたから見ればおかしな情景だったかもしれないけど、私たちはしばらく泣きつづけた。 三年分の、そしてこれからの分まで涙を流し切るかのように。 涙は今日でおしまい。 明日からは今日までの高校時代の思い出をしっかりと心にきざみ、 みんなに笑われないような大学生になるよう、がんばっていこうと思っている。 高校時代の日記も今日でおしまいにしよう。 明日からは気持ちを切りかえて、新しいノートに日記を書くことにしよう。 あ、でもパソコンの練習ということで、パソコンに書くのもいいかな。 〜「榊さんの日記」(テレビ版から)……終わり〜2003.3.1.
■オマケという名の説明あるいは考察 R.F.「なんだかんだ言っても、終わらせることが出来ましたな」 大阪「あれ? あんた関西弁やないの?」 R.F.「いや、最後くらいちゃんと……というか、普通にするべきかなと思ってね」 大阪「なんか変な感じやなー」 R.F.「まぁそれはそれとして……。最終話も色々ツッコミ所があったけど、それはこの際 なかったことにして。DVD版見てないから、あるいは修正されているかもしれないし、ね」 智「貧乏はイヤだよね〜」 R.F.「五月蝿い。それはともかくとして、最終話分は創作部分がちょっと多くなったかな。 一応ストーリーラインに合わせてはあるけど、「榊さんの日記」としての〆も考えて 少々加えさせていただきました」 神楽「なんかちょっと怖いぞ、いきなりそんな丁寧になると」 R.F.「これが本当の俺なんだよ」 智「うっそでー!」 R.F.「で。一通り終わったわけだけど、読み返して見ると、特に中盤くらいまでは、 書きこみのフォーマットも定まっていないし、改行あたりのノウハウもないので無茶苦茶だし、 挙句に誤字脱字や言いまわしの繰り返しが多くて頭が痛いな」 榊「人には誰にも間違いはある。仕方ない」 R.F.「そりゃそうだけどね。何か機会があって、再収録する場があるんなら、 徹底的に校正しなおしたいね」 暦「あんたらしくないな」 R.F.「……俺っていったいどういうふうに思われていたんだ?」
■オマケという名の説明あるいは考察−2 R.F.「で、だ」 榊「?」 R.F.「本シリーズも終わったことだし、シリーズ執筆の際の内部設定をいくつか」 ちよ「内部……設定ですか?」 R.F.「ああ、つまり、テレビ版や原作版以外の、あるいはそれとは別の、執筆の際の 裏設定みたいなもの、といえば分かるかな?」 神楽「裏……(ぽっ)」 R.F.「何か勘違いしてないか? まぁ、それはそれとして。 一部は気がついている人もいるだろうけど。 ●榊さんについて ・原作、あるいはテレビ版より多少「夢見る乙女」度が高まっている、かも? ・少なくとも想像力(創造力)はきわめて豊か。テレビ版において夢以外で長時間、 頭の中で想像しているファンタジー的な世界を表現していたのは榊さんだけ。 (あ、大阪さんはあるか。でもあれはファンタジーというかコメディ世界だし) ・耳年増的なところがある (座っていて本を読んでいても他の友達の会話を聞いている、という設定にするため) ・中学の時は身体的や勉強の面で抜きん出ていたが、特に身体面で他のクラスメイトから 疎外されていた経験がある。 ・父親は現在はいない、あるいは長期出張などでほとんど顔を見せない (原作、テレビ版を何度か読み直してみたが、父親の「香り」が感じられなかった) ●神楽さんについて ・高校二年のクリスマスまでに失恋を一度経験しているが、他のメンバーには黙っている。 (例のSSとの連動も含め) ・日記内での名前の呼ばれ方はご指摘の通り。三年生に入ってから呼び捨ての割合を 少しずつ増やし、最後には呼び捨てだけに。 ●全体設定として ・東京都西部、三鷹駅周辺。 ・よく出てくる公園は井の頭公園。
■オマケという名の説明あるいは考察−3 R.F.「まぁ、拡大解釈だったり、原作などでも「こういう設定だったのではないか」と 読めるようなところを確定化した部分も多いんだけどね。 あと、テレビ版の榊さんの部屋に、『まったくの暗闇だと眠れない』という 精神的に過敏な人がよく使うタイプの照明みたいなものがあったんだけど…… まぁそれは取り上げなかった、というところくらいかな」 神楽「他には?」 R.F.「終わり近くで『アニメでは榊さんが、神楽の合格報告に反応する素振りすら見せない』 という指摘もあったけど、あれは意図的にカットされたんじゃないかな。 (あるいは前もって、榊さんにはすでに伝えていたのかもしれないし) 進行的には意味がないし、ね。何より榊さん自身は(三年生になっても) 自分の感情を素直に表に出すことはあんまりない。 もちろん、内に秘める思いは人一倍あるんだろうし、 だからこそ誰にも見せるつもりのない日記でいろいろと……というのが、 このシリーズの元々の主旨の一つでもあるわけだ。 もちろん、榊さんが保険の受験校に受かった時に神楽さんが抱きついた云々ってのは 創作だけど、彼女ならそれくらいやりかねないな、と思う」
■オマケという名の説明あるいは考察−4 大阪「そいでやー、これからどうするん?」 R.F.「ん〜。まぁ、日記シリーズ自身、腕がなまらないようにするためというのが一義的にあったし、 日記ならテレビ放映を追っていけばいいので、少なくとも26話分はネタ切れを気にすることなく 書けるからってのがあったからね」 暦「それじゃこれで終わりか?」 R.F.「そういうことになるだろうな。もっとも、今後も『降りて』きたら 今シリーズの外伝的なものとか、別モノをあげることもあるだろうけど、 これまでの週一ペース、ということはなくなるだろう」 ちよ「ちょっとさみしくなりますね……」 R.F.「読んでいる人の中でそう思ってくれる人がいるかどうかは別だが(苦笑) まぁ、今のところ『あずまんが』以外でここまで色々かきたてさせてくれるものは無いので このスレとか関連スレで、ということになるだろうな」 かおりん「わ、私の話を創作で、というのはどうですか?」 R.F.「……あんたの行動パターンは今一つ読みきれないところがあるので難しいね」 かおりん「なんだ……残念」 R.F.「一発小物ならネタにしやすいんだけど。バーのママとかホーリーブラウニーとかが好例」 かおりん「私はネタ芸人、ですか?」 R.F.「違うの?」 かおりん「シャー!」 R.F.「……というわけで今シリーズはひとまずこれで終了です。 『うぜー!』とか『自己陶酔の世界に酔うな』とか『お前一人のスレじゃねーぞ』とか 色々思う人もいたでしょうが、ともあれ、ありがとうございました」 一同「ありがとうございました!」 (このシリーズ終わり)
R.F. さん乙! 毎回、「ほんとは乙女チックで可愛い榊さん」を堪能させていただきました。 萌えまくりでした。サンクス! また貴殿の脳内に、ネタが次々とイタコの如く降りてくることを祈りつつ、グッナイト♪ 追伸:彼女の父親は死去もしくは長期の不在って説は、折れも賛成っす。離婚かも?
m(__)m 完走おめでとうございます あらためて前スレからの分を見直してみると、物凄い分量ですね……。 スレを引っ張りながらこれだけ書き続けてこられた事に感服です。 それに加えて、オリジナルの設定を使いながらも違和感を感じさせないキャラクター造型とか ディティールへのこだわりぶりも大変なもので、2chにおけるあずまんがSSの 一つの金字塔と言っていいと思います。 お疲れ様でした。そしてまた、よろしければ今後も場を盛り上げてください。 しかし……俺はエロの人だと(-_-)……ああ、否定できねー! 自分がそっちに手を染めるなんて考えてもみなかったのになーホントに
エロの人や〜はよ逃げんと、あかん!触られると、妊娠してまうでぇ〜 あ〜!私を逃がそうとして遅れた榊ちゃんと神楽ちゃんが捕まってしもた〜 大変や〜
少し遅れましたが R.F.氏お疲れさまー&ブラボー!!! いやぁ、グランドフィナーレですねー。 あなたがこのスレ、榊さんスレを支えてたといっても過言ではないと思いますよ。 オレは始めから読んでましたが良かったと思います。 これで書き込みが減ってしまうのは残念ですが、卒業ということなくここをあなたの母校だと思っていつでも帰ってきてくださいね。 繰り返しになりますが本当にお疲れ様でした・・・♪
全体としてイイ!とは思うけど、 >帰りがけに神楽がちょっとだけ頬を赤らめて、しばらく下を向いてから、 「勉強で忙しくなるかもしれないけど……たまに遊びにいっていいか?」 と、恥ずかしげに尋ねてきた これはちょっと神楽っぽくないな
>>264 さん
>>「勉強で忙しくなるかもしれないけど……たまに遊びにいっていいか?」
>>これはちょっと神楽っぽくないな
「場所も近いし、これからちょくちょく遊びにいくぜ、いいだろ?!」
いつものように白い歯を見せてほほ笑みながら、神楽は私に言ってきた。
こういう表現の方がいいってことかな?
まぁ……クラスの中での馬鹿話でのやりとりならこれでもいいと思うンですけど。
状況的に
「もうすぐ皆と離れ離れになる」
「自分のいく大学には(いつものメンバー内での)知り合いが一人もいない。
なんか寂しいな」
「自分がライバルと思っている榊は自分の目標を見つけて
その目標を達成するための進学をしている。
私は、『もう少し水泳続けてもいいかな』という理由だけで
今の大学を選んだ。やっぱり私と榊は違う。
だけど、私は榊をずっと見ていたい。届かないだろう目標の一つとして」
「榊に、私のことを忘れないでいてほしいと思う」
という心境の一方で、
「よほどのことがない限り『笑顔で明るい』『男勝りの活発な』
自分のイメージを崩すことがないし他人に積極的に見せることはない」
「でも実は、恐らく他のどんなメンバーよりも純な、女の子らしい思いを持っている
(そして……ここが重要なんだが、それを”自分でも”あまり気がついていない)」
という(設定の)神楽さんには、むしろ「女の子らしい態度」でああいう科白を
言ってもらった方がいいかな、と思いまして。
テレビ版では似たような「仕草」を見せたのは二度だけでしたけどね。
(体育際の準備の時、卒業式の後の谷崎先生とのやりとり)
神楽「なんかエラい誉め様だな。そんなに誉めても何も出ないぞ」
R.F.「(249で、金属バットで殴られたから、とはとてもいえまい)」
なるほどねぃ。 でも、どこでも誰とでも それなりに楽しくやっていけそうなんすよね、神楽のキャラは。 あのグループでは一番友達増えそうなタイプというか。 実際は色々気を使ってるんだろうけど、全然使ってるように見えなくて、 ナチュラルにぶっちゃけてるような雰囲気が人間関係の距離感に 悩んでた?榊の癒しになってたような気もするし。 遠慮する素振りを見せずに榊んちへ遊びに行って欲しいっすね。 個人的なイメージとしては。
267 :
263 :03/03/03 01:40 ID:???
追記 日記の本編も去る事ながら考察などでお馴染みのR.F.氏と各キャラとのやりとりも小ネタみたいで好きでした(w (どっかの小説のあとがきみたいなのは気のせい?) あと、よく考察してますよねー。
まず、外堀から埋めよう。 三人官女は当然、ボンクラーズの神楽、智、大阪。 次に五人囃。 楽器を持つぐらいだから手先の器用な者が好ましい。 当然ちよちゃん。 あと、よみも器用っぽい。 で、ゆかり先生とにゃも先生ね。ついでに千尋。 さて、残るは二つ。 お内裏様は当然、かっこいい榊さんに決まり。 ……そして、お、お雛様は……。 「なにやってんだ? かおりん」 「うじゃぁッ!!!」 「お、雛人形か。あ、これアタシそっくり」 「とっ智、これは」 「榊ちゃんがお内裏様か、じゃあお雛様はマヤーだな! でもマヤーってメス?」 「ああっ、勝手に」 「これでよし、おーいみんなー、かおりんが面白いもん作ってるぞー」 「あぅー」 (おわり)
……やっぱりかおりんは報われないのであった(^_^;)
マヤーいるってことは卒業時やん 最後の最後まで……(´Д⊂
タイトルどおり、かおりんのポジションは「ぼんぼり」ですか? お内裏様を遠くから眺めて萌えている・・・・・・そのまんま、ぴったりやん。
保守上げ …まだ必要ないかも知れないけど、一応
>>271 さん
ぼんぼりなかおりん……なんか幼稚園の芸で、木の役をやらされた
子供みたいで、なんとなく哀愁漂うような気が。
それにしてもかおりん、作者のコメントだと受験は落ちたくさいんだけど、
やっぱり浪人して榊さんの後を追うんだろうか?
・
・
・
それにしても、なんか気が抜けちゃって、ネタが降りてこない……。
ふの字「なんか呼んだ?」
R.F.「あんたやない!」
>受験 かおりんはアニメだと榊さん87点のときに85点とってたので 一応秀才の部類だったはずだがのぅ ……つーかあんな事されると榊さんの秀才設定が影薄くなるので かおりんは70点台ぐらいに抑えといてほしかったのココロ
>274 あれは二年生の時のエピソード あれから榊さん大好き病(w が進行して成績落ちまくりだったのでは?
そりゃかおりんなんてレギュラー落ちのキャラ、スタッフは相手にしていないからな
>>277 原作での扱いに比べりゃむちゃくちゃ相手してもらってたと思うが
と、いうか必要もないとこにまで出番が与えられて・・・・・・むしろ優遇されて ただろ?
声優のプロモとしてのノルマだよ。 だから原作より出番が増えてる割に細部へのこだわりが無いの。
さてそのプロモが功を奏したかどうかが問題なわけだが つまりだ……かおりんのキャラソン買った人いる?
_, ._ ( ゚ Д゚)<そいつは酷な質問だね ( つ\_/O_旦__
>281 _, ._ ( ゚ Д゚)<歌はうまかったよな。 ( つ\_/O_旦__
_, ._ ( ゚ Д゚)
無言でフェードアウトしてしまうほどに酷な質問であったか……
確かにかおりんは原作とアニメじゃ別人キャラだな・・・・・・ 最近レンタル屋でビデオ借りて、そう実感した。
>>確かにかおりんは原作とアニメじゃ別人キャラだな・・・・・・ 原作より出番が多いという点では幸せかもしれないけど、 彼女の「不幸」を描写するシーンが多いだけに、彼女自身にとって 幸せだったかどうかと考えると非常に微妙…… テレビでも原作でも描写はなかったけど、どうやらかおりんは 受験には落ちたくさい (原作者のサイトでそれとなく暗示するようなコメントが過去に)。 と、なればその後彼女はどうしたのだろうか? 榊さんを追って、同じ獣医大(獣医学部のある大学)に向けて勉強し、 一年後輩の大学生として高校時代と同じ憧れを抱くとか。 あるいは……予備校に通っているうちに、ノーマルに戻ってしまうとか いう設定も面白そう。 ……って、かおりんが普通に男性と恋仲になるという設定のSS、 どこかにあったような(メインじゃなくてサブ描写という程度で)。
>>287 そのSSってのはよみともスレの保管庫にある「大学生日記」のことですかね。
かおりんは理想の男性像を榊さんに投影していただけという解釈でしたが。
ま、何をもって「ノーマル」と定義するかという問題で
かおりんは「同性愛者だから榊さんが好き」なのか
「榊さんだから好き」なのかというのを考えてみると…
「2次コンだからあずキャラが好き」なのか
「あずキャラだから好き」なのかという形で
自分にはね返ってきてしまうわけですがどうでしょうな。
そう簡単に人間心理を定義づけできるかといったら難しいかもしれません。
…ちなみに俺は間違いなく2次コンの部類ですが何か?
「予備校生・かおりん」ですか・・・・・・つい、こんな妄想が。 榊の入った大学を目指し学ぶも、成績が伸び悩むかおりん。 ある日、予備校の仲間とコンパで飲みすぎ、翌朝、目覚めれば男の部屋。知 らぬ間に奪われてしまった純潔。 自棄自暴となり、授業にも出ずに、ずるずるとその男との関係を続ける。そ して妊娠。手のひらを返すように男は冷たくなり、捨てられる。 彷徨う街角。偶然、人ごみに見つけた榊の姿。声もかけられず、物陰から見 送る。榊は昔よりいっそう凛々しく美しい。しかも隣には寄り添うように歩く 神楽の姿が。二人の交わす視線、仕草から彼女たちの関係がただの友達でない ことを悟り、泣き崩れるかおりん。どうして榊の隣にいるのは自分ではないの か、どうしてこんなにも遠いところまで自分は流されてしまったのか、と。 翌朝。まだ熟睡中の神楽をベッドに残し、朝食の支度のため起きた榊。湯が 沸くまでの時間つぶしに手に取った朝刊。暗い記事を見つけ、眉を顰める。そ こには、かおりんの名前があったのだが、フルネームだったので気づくことも なく、彼女は朝餉の準備に戻る。今日のお味噌汁は出汁に凝ってみようかな、 きっと神楽も喜んでくれるだろうな、などど思いつつ。 ・・・・・・いかん、暗い結末になってしまいました。ハッピーエンドは似合わない のか、かおりんには。
((;゚Д゚) >フルネームだったので気づくことも なく (((((;゚Д゚)))) まあ榊×神楽ができちゃった世界でのかおりんの反応ってのは 俺も考えてはないですが…… アニメでの暴走ぶりにのっとって考えるなら、それはもうすごいことに
291 :
289 :03/03/15 23:54 ID:???
>290 わーい、amnsさんからレスもらっちゃたぞ〜ラッキー! もちろん(?)この榊と神楽の関係は、あなたのSSに影響を受けてのものです。 本当はSSにしようかとオモタのですが、ヘボい文章しか書けないので断念して設定だけ アプしたのですわ。 > まあ榊×神楽ができちゃった世界でのかおりんの反応ってのは > 俺も考えてはないですが…… > アニメでの暴走ぶりにのっとって考えるなら、それはもうすごいことに ど、どんなすごいことに?先生、そのお題でひとつ、SSを! ・・・・・・って、売れっ子作家の担当編集みたいなことを言って、リクエストしてみるテスト。
榊さんと神楽さんがデキるかデキないかは別として(自分の中では想像しにくい) かおりんのその後はそれなりに興味があったりします。 基本的に原作・アニメ版の「その後」は「あず」の設定を使っていたとしても 「あず」ではなくなっちゃうなぁ、と考えているものですから。 ただ、榊さんの「その後」はそれなりに書いてみたい気もします。 先の日記の設定をそのまま活かして(布石も予めいくつか打っておいたことだし:P)。 まぁ、書くにしても、最初のうちにどのように締めくくるかまで考えねば ならないでしょうから、今日明日ってわけにもいかないでしょうけど。 最近はそんな感じだったり。
>>292 ああっ、日本語としてなんか変だ(^_^;)
2行目の後に
「でも実際には『その後』を書くのは難しいかな」
が入ります。思っただけで打ちこむの忘れてた。
>>288 さん
よく読んでみるとさり気なく自爆しているのは気のせいでしょうか?(・ω・)ノ
おお!ついにR.F.氏が次回作についてコメントを! よっしゃ〜輪転機止めて待ってた甲斐があったでぇ〜! 明日の一面、差し替えやぁぁぁ!!
>>291 う…そういうことを言っていただけるのはすごく嬉しいんですが
お題をいただいて書く能力が自分にはないんですよ。申し訳ありません。
できる人はすごいなあと思いますよ。
何か最近、俺もうだめぽだなぁ
今なんとか一つあるアイデアも形になるかどうかあやしぃし
……とか書いてる間に新作予告キタ-!! とりあえずは安心ですな
じゃー俺も編集者席で待たせてもらいますよ( ̄ー ̄)ニヤリ
前スレ933より
>>これからペースがちぃとばかり落ちるかもしれんので、
>>26 話をあげるのは……そやな、GW前までなら御の字かな。
>>それまでスレおとさんように、他の人にも頑張ってもらわん
ペースが落ちる理由が今ごろ増幅して襲来してるんで
GW前後まではご期待にそえないかと(^_^;)
まずは『降りて』こないとナニですし。
大阪「ほならやー、早く降りてくるように『ブレストファイヤー』や」
暦「ブレインストーミング、だろ?」
R.F.「他の人の話を読んだり、ちょい上にあるような妄想も役に立つかもネ。
まぁ、何より、期待されすぎても出来なかったり
ナニな出来だったりするとアレなんで……」
大阪「それより、なんや、大阪弁にもどさへんの? つまらん……」
R.F.「そんなこといわれても(´・ω・`)」
>297 ならば、マターリ待つとしまふ!折れが老人ホームに送られることが決まり その際、意地悪な嫁に唯一の楽しみであるパソコンを壊されてネット環境か ら永遠におさらばする日までにはぜひ。
そういや連中が卒業してからちょうど1年あたりになるのか 今どうしていることやら……
んー300!
>>299 榊さんはさらに胸が大きくなり、大阪はさらにしっかりしてきているのでせう・・・・・・
>>298 さん
R.F.「でもさー298さんの年なんてわかんないからさー、
もし老人ホーム行きが今週末だったりしたら、もー大変!」
暦「大変じゃねぇっ!」
神楽「でもよー。最近の老人ホームにはパソコンもあるかもよ?」
大阪「ほならやー、老人ホームでみんなが猫をかかえてよぼよぼしながら
パソコンの前でアップを待つん?」
榊「猫……(ぽっ)」
ちよ「猫さんは温かいですからいいですよねー。
縁側におじいさんたちが猫を抱えてぼーっとしてると、
なんか日本の風景って感じです」
R.F.「お前ら、論点がズレてるぞ……」
保守あげっ
松本大洋原作の映画版『ピンポン』をレンタルで観たのですよ 卓球では誰にも負けないという自信を打ち砕かれて頓挫するペコ。 一方でメキメキと才能に目覚めてペコを圧倒するスマイル。 そんな親友同士の物語を見ているうちに何となーく 神楽と榊さんを思い出して…… モエモエ(*´д`*) になってしまいました 俺の思考回路はもう 人としてありえない形にゆがんでしまったのかもしれません……。
>>304 さん
R.F.「そりゃシチュエーション的には『榊さんと神楽さん』的なものかも
しれないけど、両方とも確か野郎だったような」
神楽「『だったような』ってのは?」
R.F.「実は原作しか読んでないんだ」
大阪「映画になったら両方とも女性ってこともないやろからなー。
ってことはamnsさんは男性に萌え萌えになったんやな?」
R.F.「でも、『ゆがんでしまった』っていってるけど、
連想ゲームみたいなものだし、気にすることはないと思うぞ」
暦「それでも同性にモエモエ(*´д`*)というのはマズいんじゃないか?」
R.F.「……あんた、そんなこと言える柄か……?」
暦「……!」
ちよ「……?」
榊「……(ぽっ)」
いやいや、窪塚洋介とかはどうでもよく あくまで思い出した神楽と榊さんにモエなわけでして ……それもそれでマズいか でも映画のラストだと「敗者」の姿を描くシーンが削られてたのが残念 そういや、あくびで終わるあのシーンは19話をも少し思い出させます 未来へ進んでいこうとする者と、その緊張感を失ってしまった者…… 自分も今、そんなSSを考えていたり
>>306 さん
>>自分も今、そんなSSを考えていたり
どきどき……(・ω・)ノココロマチ モード
「眠いや」ってね。 何にしても、ずっとヒーローを待ってるスマイルと そこだけは応えるペコはいいよな、と思いましたよ。 SS期待してます。>306,307
ビジュアルブックとか見ててもそうだが 神楽はイラストで描かれるとき、歯をかみ合わせて笑ってる顔が妙に多い だが神楽の真髄は泣き顔とかマジ顔にありだ そうだなおまいら!
310 :
メロン名無しさん :03/03/25 01:45 ID:FnCRcWqO
神楽には涙よりも白濁液が良く似合う。
神楽は ス ク 水 し か あ り え な い ・ ・ ・
新手の「保守」か!!
書けそうなネタはあるような気がするんですが、なかなかまとまってくれない。 もう直ぐ卒業式どころか入学式(新学期)が始まってしまいますが・・・ ボンクラーズ結成あたりで、何とか妄想してみます。
新学期=アニメ開始1周年か 第1話はつまらないと言う向きもあるが とりあえずそれ見て次回から録り始めたのだから 俺には面白かったのだろう、多分 でも第3話だったらヤバかったかも…と見直しながら思た
しかし作りましょ〜は当時相当に凍えたぞ。
パンパンパン ∧ ∧ ハァハァ ((( γ⌒(;゚Д゚)っ ←漏れ ((( ( つ⌒ヽ∧ ∧ ハニャ,ハニャ♪ しιゝ.っ(*^ー^)っ ←ちよ
きちがいかっ
ちよすけのアイキャッチ・・・あれだけ見たら萌えアニメですね。 アニメオリジナルのシーンで、榊さんがマヤーと一緒にちよ邸に泊まる時に ちよちゃんが口ずさんでいたような。あれはあれで、悪くないと思います。
最初は違和感ありまくりだったが、慣れたら別に。 作りましょ〜♪もあの声優の声も。 いまでは、むしろ萌える。
元々調子の悪いマシンだったんだけど……書きかけのデータが飛んだ……。 バックアップがあったからいいんだけど、要の部分が消えてて モチベーションダウン(´・ω・‘) 閑話休題。 原作・TVで、榊さんと暦たん”二人だけ”のやり取りってシーン、ありましたっけ? 自分で書いたSSや、書く際の想定状況などがごっちゃになってしまって、 なんか確信がもてなくて(^_^;)
↑ 原作にはありませんよ〜(いま全話ざっと見直した) アニメ版では有名な第95話「タイマン張ったらマブダチ」に、荒野で 二人が秘奥義を尽くして戦うシーンが・・・・・・しまった、もう4/1じゃな い!!
いや、その前の44話が初出。 希少種マヤーを狙う追っ手から逃れるため、再び沖縄に向かう榊 ボンクラーズが囮、ちよと暦が見張り役となって無事脱出できたが、 ちょっとだけ駅のホームで2人っきりになる場面が。 「気をつけて」「ありがとう」 たったこれだけの会話だったけど、暦はこの逃避行に一人だけ反対してたから この別れの場面が妙に印象に残ったのでした。 結局ちよが手を廻して「マヤーは雑種」という偽の証明書を作成して無事解決したんだけど。
また電波ショータイムキター! マジレスすると熊カレー(orシチュー)のときぐらいしかない マニアなら19話で屋上から2人だけ先に帰る途中のシーンを何とか妄想できるか まあアニメだと席が隣同士ではあるので見えないとこで話してるかも (3年生になった朝、神楽を入れた3人で話してたように見える) 2人とも絵になるタイプと思うので>322とかカコイイと思う
>>322 そうそう。でもその事件は三連休の初日に始まって、最終日に決着するから校内では
戦いに関わった榊・ちよ・智・暦・大阪・神楽の六人しか知らない出来事って扱いなんだ
よな。
彼女らが命がけの戦いをする場面の合間に、他のキャラがのんびりと休みを過ごすと
こなんかが挿入されて、いい演出だった。ちなみにかおりんは『ずっと榊の家の前で待
ち伏せ』だったよな。
連休明けて月曜の朝、教室に入ってきた榊に、何も知らないかおりんが
「あ、榊さん。おはようございます。あ、あの・・・連休はどこかお出かけだったんですか?」
と話しかけるシーン。色んな意味で泣けたよ。
325 :
メロン名無しさん :03/04/03 02:51 ID:GcXP+8On
熊カレーの件。 あれはよみのいやがらせだろ。実はよみは榊が嫌い。
やっぱここはこの流れでしょ。 電波が飛び交う。素人にはお勧めできない。 まあお前は職人気取りの駄文でも読んでなさいってこった。
その職人気取りの駄文がお目当てなんだが。 人それぞれってことか。
>>324 アニメ版のオリジナルストーリーは結構シリアスなのが多かったから
脇役だったかおりんがいつのまにか「あずまんが」っぽいまったりした空気を演出するようになってたね。
かおりん・千尋が放課後マグネで世間話して終わりってパターンが確立されたし。
95話のタイマンも最初はともよみのいつもの夫婦喧嘩(87話)だったのが
大阪VSよみ(88話)→大阪VSちよ(89話)→神楽VSちよ(90話)→神楽VS榊(91〜94話)→よみVS榊(95話)
とだんだん話がでかくなってくところが良かった。
よみも善戦したけど榊さん+マヤーの2刀流にはかなわなかったね。
>>328 > 大阪VSよみ(88話)→大阪VSちよ(89話)→神楽VSちよ(90話)→神楽VS榊(91〜94話)→よみVS榊(95話)
対神楽戦だけ数話にまたがってるのは芸が細かい!毎度ながらウマイね。
>>309 ビジュアルブック見てるとアレしか表情が無いみたいでちょっと辛いね
まあ、彼女のトレードマークみたいなもんと言えばそうなんだけど
>>329 つってもその3話のうち1話分ぐらいが二人の因縁語りで
今までの勝負のシーンを回想として使い回してたってのは正直どうかと思う
「酒蔵注意報」なんて不名誉なアニ板用語もできてしまったしなぁ
>>328 > よみも善戦したけど榊さん+マヤーの2刀流にはかなわなかったね。
二刀流というより、むしろ暗器だな。
大技をかわされ体勢を崩した榊
↓
暦が「もらったぞ、榊!」と奥義を放とうとする。
↓
榊、不適に笑って「・・・ふっ、甘いな」
↓
襟元が大きく開いて、服の中に隠れていたマヤーが飛び出す。暦の顔面に!
↓
暦「な、何ぃぃ!」 視界をマヤーに奪われる
↓
そこへ、榊の最終奥義炸裂!
↓
「馬鹿な、私が負けるなんて・・・」
「・・・・勝つために・・・捨ててはいけないものを捨てた・・・それが敗因」
「・・・そうか、智か。もう私を許してくれないだろうな、あいつ」
「・・・いや・・・ほら、あそこに」
↓
智が泣きながらこちらに駆けてくる
「・・・さあ」 榊に促されて、走り出す暦
↓
夕日をバックに抱き合う二人。見守る榊の目にも涙。
こんな展開だったよね。
あっと、スマソ。誰でも知ってる名場面だったね。だらだら書くまでもなかった。
>>332 その回で言及すべきは、マヤーが飛び出す時、大きく開いた榊さんの胸元から
オパーイが見えたってことだらう。
この回が放映された直後のあず関連スレでは「いや、乳首まで描いてあった」
って言い出す奴が出たせいでかなり荒れまくった記憶が。
最後には榊さん萌えの某コテがたまりかねて「榊さんに乳首など無い!」とマ
ジレスしたおかげで、なんか皆しらけて、沈静化したのは皮肉だったな。
……あんたら面白過ぎです(^_^;)
★成人式-1 冬のさなかに僅かな温かみを与えてくれた日も落ち、またたく星が夜空を覆いつつある中、 少々騒がし目の集団が街中を歩いていた。 彼女らはかつて同じ高校で青春のひとときを過ごし、高校を卒業してからもそれぞれに 「親友」として意志の疎通をしていた。ある者は手紙を交わし、ある者は電子メールを送りあい、 ある者は直接家まで遊びにいき……。 同じ大学に通う者同士なら、それこそ小学校からの旧友であるかのような付き合いをしていた。 そして今日は成人式。事前に何らかの待ち合わせをしていたわけではないが、 どこかしら律儀なところがある(本人に律儀さは無くとも「律儀な親友」に引っ張られた者もいた) 彼女たちは、それぞれの思惑で式に参加。 同じ地域に住んでいる以上、立席パーティー方式における会場で、 彼女たちがばったりと出会うのも不思議なことではなかった。 積もる話もあるだろう、こんなところでの話というのも何だから、ということで 彼女らの中で一人暮らしをしている者の部屋で、やっと大っぴらに飲めるようになった お酒でも交わしながら、話の続きをすることになった。 「あーあ、疲れたぁ」 手土産の缶ビールが入った袋を肩越しに背負い、智がため息をつく。 ビールの重たさで疲れたのではなく、成人式にありがちな「お偉方」の「有り難いお言葉」を 黙って聴いているのに疲れたようだ。 「でも智、よく黙って話聞いてられたな?」 旧知の共でなければ出来ないような絶妙なタイミングで、暦が智に言葉を返す。 別々の大学に入ってから会う機会は減ったかもしれないが、 二人の関係は高校の時と少しも変わっていないようだ、少なくとも他の者からはそう見えた。 「もっちのろんよー、智ちゃんもう大人だもん!」 「大人は自分のことを『ちゃん』付けでは呼ばんぞ……」
★成人式-2 「お前ら、相変わらずだなー」 智と同じくらいの小柄な背丈、それでいて智よりはるかにスタイルがよさげに見える神楽が、 高校の時とかわらない、雑にとかされた髪に手をやり頭をかきながら多少ため息をつき、 独り言のようにつぶやく。 ただ、その独り言は呆れかえっているというよりは、 多少なりとも二人の「相変わらずさ」を羨ましさを含んでいるかのようでもあった。 「あたしは高校の時からずいぶんしっかりしてきたでー」 大阪弁のおっとりとした女性、大阪が、神楽の後ろから顔を出し、自分のことをアピールした。 「でも大阪、いつも忘れものしてるのは変わらないじゃん。前なんかさぁ……」 「智ちゃん、それ、内緒やねん!」 智に突っ込まれた大阪が慌てて智の口を塞ぐさまを見て、神楽も暦もくすくすと笑った。 「(みんな少しも変わってないな……)」 自分が一人暮らしをしている下宿先まで皆を先導するため集団の一番前を歩いていた、 一番背の高い長髪の女性、榊。 彼女は皆の様子をうかがい話を聞き、それでもそれを表情にはほとんど出さず、 表向きは黙々と(でも少しだけほほ笑みながら)下宿先に向かっていた。 別にぶっきらぼうとか性格が悪い、とかいうのではない。 榊は単に、自分の「思い」を開けっぴろげに表現するのが苦手なだけだった。 だからこそ感性のみで行動している、行動出来る(ように見える)智や神楽のことが 密かに羨ましく思えることもあったし、 自分のこういう性格を理解してくれた上で色々気を使ってくれる暦のことが嬉しくも思えたし、 何の気兼ねも無く接してくれる大阪のことが喜ばしくもあったし、 今この場には居ないが自分のことを本当のお姉さんのように思って慕ってくれたちよのことが 愛らしくてたまらなかった。
★成人式-3 榊の部屋は女性の一人暮らしの部屋にしては意外とシンプルな内装だった。 いや、ある意味、機能的だといえるかもしれない。 全面鏡や化粧棚など女性に必要不可欠なものはもちろんすべて用意されているが、 他には普通よりちょっと多いくらいの縫いぐるみがあるだけ。 代わりに部屋の中で自己主張している大きめの本棚には、動物の生態や獣医関係の本が ぎっしりと収められており、榊の勉強の熱心さを静かに語りかけているようでもあった。 そして机の上には卒業記念に母親が買ってくれたノートパソコンが鎮座ましましていた。 すでに数年経ってはいるが、榊が大切に使っているせいもあり、見た目は新品同様だった。 「マヤー、ちょっと待っててね」 部屋の主が帰ってきたことで喜びいさんで飛びついてきた 虎縞の雑種の猫(ということになっている。今日来たメンバーはその正体を知ってはいるが) マヤーを一度抱きかかえて部屋のスミに移らせた榊は 小さな折りたたみ式のテーブルを押し入れから出し、部屋の中央に置いた。 「座布団が無くて申し訳無いけど……」 「そんなの気にしない気にしない! 榊ちゃん気にしすぎ」 まるで自分の家に上がり込むかのようにずかずかと榊の部屋に入ってきた智は、 榊の気遣いを笑ってあしらい、多少荒っぽく自分の持ってきた缶ビールをテーブルの上に置いた。 「榊の部屋初めて見るけど、結構きれいに整理整頓されてるんだな……」 暦が関心げに部屋を見渡しながらため息をつく。 「ほら智、よく見とけよ。本当の『大人』の部屋ってのはこうやってキレイにするもんだぞ」 「私の部屋だってキレイじゃん」 「そうか?」 マシンガントークのように繰り広げられていた暦と智の掛け合いに、大阪が割って入る。 「でも智ちゃんの部屋の本棚って本が無茶苦茶に入ってるやん? こんなにきれいやないで」
★成人式-4 「大阪、黙ってろ!」 ばしっばしっ。 智の右腕は瞬時にチョップマシンとなり、0.5秒の反応スピードで大阪の頭を連打する。 大阪はいつものように「痛いな〜、智ちゃん」と言いながら自分の頭をさすり、 智の乱暴さを(半ばいつものじゃれあいのように)非難する。 「お前ら遊んでないで、榊を手伝えよなぁ〜」 神楽の半ば間延びした、呆れかえったような口調での注意をきっかけとして、 宴会の準備は進められていった。 テーブルの上には缶ビールや各種おツマミ、コップ、氷、梅酒(大阪が希望した)、 炭酸飲料、布巾などが用意された。 皆はテーブルを囲むようにそれぞれ座り、まずは乾杯と相成った。 「んー、まずは智ちゃんの健康に乾杯!」 智の相変わらずのボケ具合に暦が瞬時にツッコミ、大阪がマイペースで応じる。 「違うだろ! 無事に成人式を迎えられたことに乾杯だろうが!」 「ともかく乾杯やー」 無茶苦茶な乾杯の音頭にすくりとほほ笑みながら、榊や神楽も乾杯に参加する。 後はもう、お酒の勢いに任せるがままの雑談会みたいな形になった。 何せ中には卒業してからあまり交流の無かった者もいる。 色々と話を聞いてみたいのは、表向き好奇心旺盛な智や大阪はもちろん、実は榊も同じだった。
★成人式-5 テーブルの上のお酒が消費されるにつれ、彼女らの話は盛り上がり、 それぞれの昔話で話がはずんでいった。 同じ大学に進んだ智と大阪は高校時代の「ボンクラーズ」の名に恥無い(?) 大学生活を過ごしている。 大阪は高校三年生の時の、ちよの助言がいまだに気になっているようで、 先生を目指すかもしれないという。まずは教師課程を採り、じっくり考えるとのこと。 「中学生とか高校生相手は難しいからな〜。幼稚園の先生とかええかもしれん。 ドモホルンリンクルを見る人のように、園児達をじっくり見ているんや。 ちよちゃんも言うてたしな。でも私のことやからよう寝てしまうんやろな」 「だめじゃん、それじゃ」 大阪のボケに突っ込みを入れた智は、自分の夢を語りだした。 「私はやっぱりICPO。そのためにはまず、婦人警官にならなきゃ!」 「お、マジか、智」 「あったり前よ、神楽」 高校三年生の時に半ば冗談で聞いていたことを本当に実践しようとしている智の言葉を聞き、 びっくりしている神楽がそこにあった。 体育祭の時の婦人警官のコスプレも、あこがれていたからこそ用意出来たのかもしれないな、 と、ふっと昔のことを思い出す。 「婦人警官のともちゃんだ! よみー、逮捕するー」 「なんでだよ」 ボケる智と突っ込む暦。いつもの二人のじゃれあいが始まっていた。
★成人式-6 「私は……大学でもずっと水泳を続けてる。でもやっぱり大学はレベルが高いな。 高校の時みたいにいつも一番ってわけにはいかないや」 「へぇ、あの神楽が?」 恥ずかしそうにはにかむ神楽に、智が多少驚き、その顔を見つめる。 「な、なんだよ。仕方無いだろ。でも勉強に比べたらずいぶん上の順位なんだぜ」 「へっへー、その胸を使ったお色気攻撃で教授からいい点もらうってのは ダメなんですかー?」 「む、胸はどうでもいいだろ!」 顔を真っ赤にして慌てて胸を隠す神楽。 智の言葉には、二十歳になっても「それなり」でしかない自分の胸と、 ますます立派になった神楽の胸を比較してのやっかみがあったのも事実だ。 「……神楽は確か、体育の教師になりたいんだよな」 話の続きをうながすかのように、榊が神楽に問いかける。 神楽は榊の下宿先に月に一度は遊びに来て、色々と語り合う時間を設けている。 その中で神楽はすでに榊に 「大学受験の時に話したように、やっぱり将来は体育の先生になろうかなと思っている」 と話していた。 榊の言葉は、胸のことをとやかく言われるのをあまり好まない神楽ヘの助け舟の意味合いもあった。 「うん。一番にはなれないけど、水泳は自慢出来る、ほこりを持てるだけのものを 持っていると思ってるから。なにより泳いでいる時が一番気持ちいいしな。 黒沢先生を目指すのがいいかもしれない、なんてね」 神楽が照れで多少顔を赤らめながら語る。
★成人式-7 「よみは?」 智が手元にあった雑誌を丸めてマイクのようにし、暦の前に突き出しながらいった。 智には、何度か同じ質問をしてもたぶらかされたり話題をそらされたりして 一向に答えてくれなかった暦に、今日こそこの質問に答えてほしいという思いもあった。 「わ、私は……」 暦は智の言葉に少しだけ迷ったそぶりを見せる。 彼女は確かにその生真面目さゆえに、大学の課程をそつなくこなしている。 が、逆に目の前の「なさねばならぬこと」を片付けるのに精一杯で、 これといった目標が見つからず、逆に悩んでいた。 暦は少しだけ残っていた自分の缶ビールを一気に飲み干し、かはーっと酒臭い息を吐いたあと、 ぼそりと語りだした。 「私、何を目指せばいいんだろう……みんな何かを目標にしてるのに……」 親友が意外に真面目になっているのを見て、雰囲気が重くなるのを直感した智は、 切り返しをはかった。 彼女は暦の背中を先ほどマイク代わりにした雑誌でばんばんと、 大きく音が出るような形で叩きながら言う。 「何真面目に悩んでるんだよ。大学にいる間に考えればいいじゃん」 「他人事だと思って……」 「それじゃあ……そうだ、ちよちゃんが日本に戻ってきたら、ちよちゃんが作る会社を 手伝ってあげたら?」 智の何気ない言葉に、親友としての気遣いを感じつつ、暦は大人びた顔付きで答えた。 「……それもいいかもな」 だが智は動じない。ぷっ、と吹き出したあと 「なーんだ、よみ、私、冗談でいったのに。あんまり悩んでいるとまた太るぞ」
★成人式-8 智と暦がギャーギャーと声を荒げながらじゃれあっている間、大阪が榊に問いかけた。 「榊ちゃんは何になるん? ここの本棚見ると分かるような気もするけどなー」 榊は自分の膝元でくつろいでいるマヤーをなでながら答えた。 「私は……やっぱり獣医になる夢は変わらない」 「でも、獣医となるとやっぱり色々大変だろ? ほら、その、手術とか……」 神楽はこれまでの榊との対話でも、遠慮して聞いてこなかったことを口に出した。 自分が黙っていてもこんな場では大阪か、あるいは智が聞いてしまうに違い無い。 ならば自分が、出来るだけ榊が傷つかないように聞かねば、と気を効かせたつもりだった。 神楽の質問は確かに榊にとってあまり思い起こしたくない部分をも含めたものだったようだ。 一瞬、きゅっと唇をかんだ榊は、しかしながら固い決心をしたかのような表情で 大阪と神楽の質問に答えた。 「動物の解剖の授業とか辛いこともいっぱいあったけど、 それでもひとつでも多くの動物の命を救えるのなら、自分のつらいことなんてなんでもない。 動物と接していくには、良いことも悪いことも、すべてひっくるめて好きにならなきゃいけないんだ」 榊の、りん、とした表情と言葉に、大阪も榊も、 そしてさきほどまで言葉のキャッチボールを続けていた智も暦もいつのまにか聞きいっていた。 「榊……ずいぶん変わったな」 智から取りあげた雑誌を丸めていた暦が、その雑誌を思わず床に落としながら言った。 「……そう、かな」 榊の、ちょっと恥ずかしげにした反応に、智が続ける。 「ちよちゃんが見たらびっくりするかもな」 「……そう、かな?」 榊の今度の言葉は、少々困惑の意味が含まれていた。
俺はあの対決シリーズの中じゃ大阪対ちよ戦が好きなんだが。 つーか、ほんとは戦ってないよな、あれ。 大阪はせっかく身につけた奥義を途中で忘れちまうし、 ちよのおさげブーメランは相手じゃなくて自分に当たるし、 結局大阪の失礼発言にキレたちよ父が大阪倒しちゃったし。 ムチャクチャワラタが、ちよ父もいいかげん子離れしろよって思った。 さすがに神楽戦では出てこなかったけどね。
★成人式-9 「ちよちゃんといえば、この場にちよちゃんがいないのがちょっと残念だよな」 智のちょっと悲しげな表情で吐いた科白に、榊は自分の勉強机の上にあった ノートパソコンをテーブルに移し、智に一番見える形でおいた。 内部電源でマシンを立ちあげ、ポストペットを起動する。 「ちよちゃんとはメールで色々お話してる。時々だけどビデオメールも送られて来るんだ」 ポストペットのピンクのフォルダーに収められている、 ちよから送られてくるメールをいくつか見せた後、 「メールの動画」と書かれてあるフォルダーまでマウスを慣れた手つきで動かして、 あるアイコンをクリックする。日付は先週末になっていた。 ほどなくして画面上にはアメリカに留学しているちよの姿が動画で映し出された。 「おー、ちよちゃん、パソコンの中に入ってるで」 大阪が相変わらずボケたが、皆はそれにツッコミもせず、ちよの動画に魅入る。 画面の中のちよは、ペットの忠吉を横にひかえつつ、手ぶり身振りを交えて 嬉しそうにカメラに向けて話し掛けていた。 「榊さん、日本ではもうすぐ成人式ですね。私はまだまだ先のことですけど、 皆のステキな和服姿、見たいなあ。夏祭りの時よりずっと大人っぽく見えるんでしょうね。 そうだ! 今度の夏休みも日本に帰りますので、また別荘にみんなで行きましょう! その時に成人式の写真、見せてください! えとえと、それと、アメリカでは今、こんなのが流行ってるんですよ……」 容量の関係で動画は数分で終わってしまった。 相変わらずな口調でしゃべるちよの姿に、暦は思わずため息をつき、 「ちよちゃん……相変わらずだな……。でも元気そうでよかった」 とひとりごちた。
★成人式-10 動画が終わり皆の注意はノートパソコンから離れたが、智はデスクトップ上にある 可愛らしげなフォルダーアイコンに気がついた。名前は「おはなし」となっている。 「榊ちゃん、これ、なに?」 智はフォルダーをクリックし、中にいくつかのテキストファイルを見つけ出す。 「あ、それ、ダメ」 「いいじゃん、いいじゃん〜」 榊が慌てて智の行動を静止しようとするが、智はすでにファイルの一つを開け、 ふんふんふんと鼻歌を歌いながら中身を読んでいた。 そのテキストファイルには、榊が自分で書いた童話が収められていた。 もちろん智の行動はマナー違反である。 が、ノリとウケを信条とし、さらに酒が入った智には、通常人のマナーなど通用しない。 智と榊がもめているのを見て暦も智を止めようとするが、智の顔がいつもの冗談顔から 少々ではあるが真面目さが出ているのに暦は驚いた。 暦が智に問いかける前に、智は視線をノートパソコンの画面から榊に移し、言葉を投げかける。 「榊ちゃん、これ、本当に榊ちゃんが書いたの? すごく上手いじゃん」 智の意外な反応に榊もびっくりし、恥ずかしそうに顔を赤らめながら 「え……そう?」 とだけ答える。 「なんていうか……言葉がうまく見つからないけど、吸い込まれるような感じで、 心がジンってきちゃったよ」 「そ、そうか、な……」 榊はますます照れる。 様子を見ていた神楽や暦、大阪もそれぞれそのファイルに目を通し、 やはり智と同じ感想を持ったようで、それは 「榊の意外な才能を見た感じだな」 という神楽の一言に集約されていた。
R.F.「前半は終了です〜。後半は明日以降に〜(ノ゜д゜)ノ」
>>346 やっと本格的なSSが!
良質の電波は脳に必要なんだよ!
だから職人マンセーしてもいいんだよな?な?
R.F.氏キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
★成人式-11 榊の意外な才能を酒の肴にし、さらに酒宴は盛り上がった。 いつしかほとんどのメンバーは酔いつぶれ、智は大の字に、 大阪はやや前屈みで女の子座りのままよだれをたらし、神楽はテーブルに突っ伏して、 それぞれ寝息をかいている。マヤーもつられて寝てしまったようだ。 部屋の主の榊が、彼女ら三人に風邪を引かないよう、タオルケットや毛布をかけ、 エアコンの温度を調整しおえると、視野の端に明かりが燈るのが見えた。 その明かりはベランダにあった。 新鮮な空気を吸うのも兼ねて榊もベランダに出てみると、そこにはタバコを吸う暦の姿があった。 左手には携帯用の灰皿もある。 榊の姿に気がついた暦は「吸う?」とでもごとく一本を差し出すが、 榊は右手を軽く振り、遠慮の意を示した。 「マヤーがタバコの香りを嫌うから……」 暦がイヤな気分にならないよう、榊は自分がタバコを吸わない理由を説明した。 榊と暦、二人の女性はベランダの柵に持たれかかりながら、言葉を交わすでもなく、 ただ冬の夜空をしばらく眺めていた。 暦が一本目を吸い終わり、二本目のタバコに手をかけようとした時、榊が暦に話しかけた。 いつもは無口の榊にしては珍しく、多少なりとも積極的な様子がうかがえた。 普通なら話のネタを振ってくれる暦が、タバコを吸っているとはいえ、 あまりにも無口だったのが気になったようだ。
★成人式-12 「……水原、さん?」 暦は、少しだけ苦笑いをしながら、榊の言葉に答えた。 「んー。なんか、他人行儀でくすぐったいなぁ。『よみ』でいいよ、『よみ』で」 「……じ、じゃあ、よみ、さん……?」 榊が敬称に丁寧語をつけたのと、いつも智からは「よみ、よみ」と呼ばれていたからか、 多少の違和感を感じた暦ではあった。 が、こういう対応こそが榊らしいんだよな、と自分で納得し、くすりとほほ笑みながら 「まぁ、いいか」 とひとりごち、暦は二本目のタバコに火をつけた。 「よみ……さんって、お酒結構、強いの? みんな酔いつぶれちゃったのに……」 部屋の主人が酔いつぶれるわけにはいかないという気持ちでセーブしていた自分はともかく、 暦が多少顔を赤らめていたとはいえ、まったく酔いつぶれる気配がないのに感心していた榊は、 暦にさり気なく質問した。 「いつも智を見てなきゃならないからな。大阪はあんまりあてにならないし。 お酒も自然にセーブするクセがついちゃったみたいなんだ」 「ふぅん……私も神楽が時々つぶれることがあるから……」 暦には智、榊には神楽。 高校時代から今までずっと付き合いを続けている互いの親友のことを気遣い、 世話をするために自分を抑えねばならない互いの境遇に気づく二人。 暦は智の、榊は神楽にどんな気配りをしているかを話した(やはり榊は言葉少なげではあったが)。
★成人式-13 二本目のタバコを携帯灰皿に押しこめた暦は、ふと何かに気がついたのように榊の方を振り向く。 高校から相変わらずのロングヘアーが微妙な風にふわりとなびき、 それとは対象的に赤らんだ頬を持つ、燐とした顔付きの女性の姿が神秘的な情景となって 暦の目にとまる。 男の子だったらこんな榊の姿見たら、卒倒しちゃうんだろうな、 暦はそんなことをふと思いながら、ぽんぽんとタバコの箱を叩き、三本目を取り出す。 榊は何を思っているのか、ただ夜空の星を眺めていた。 「高校の時はこうやって二人で話す機会もあんまりなかったけど……」 そこでいったん言葉を切って手元のタバコに火をつけて口に加えて一口吸いこみ、 暦は言葉を続けた。 「……正直、榊を羨ましく思ったこともある。むしろ今の方が、かな」 暦の口から出た意外な言葉に、榊は少々驚き、まず頭に浮かんだ言葉を素直に口に出した。 「羨ましい?……どうして?」 暦はふた口目を思いっきり吸い込み、はぁ、と吐き出した後、思い詰めていた思いを少しずつ、 だが確実に言葉にしていった。 「背が高いとか頭がいいとかじゃない。怒らないで聞いてくれ」 それと、私と違ってとても美人に見える、ということもかな、と暦は頭の中でだけ、 付け加えた。 暦の、いつもとは少々異なる、いつもより真面目な口調に榊もつばを飲み込み、聞き入るしかなかった。 「うん……」
★成人式-14 「榊って何か、目標をしっかりもって、それに向けて他人の声を気にせずにひたすら走り続ける、 そんな感じがして」 「そう……見えるのかな」 榊にはそう答えるしかなかった。他人が自分のことをどう思っているのか、 そんなことを気にして自分自身を追い詰めることは、中学の時に止めていたからだ。 正確にいえば、自分の横にいる暦をはじめとした、高校の「友達」のおかげで、 そういうネガティブな考え方をするのをやめることが出来た。 暦は続けた。 「私は……大学も本命のところに入ることは出来たけど、 将来何かになるっていうしっかりした目的を持って入ったわけじゃない。 今になって、高校の時の友達がみんな将来のビジョンをもってるのを知って、 自分だけが何も、と思うと……」 榊は何も口を挟むことは出来なかった。 暦は何かが堰を切ったかのように、次々と自分の心の奥底にたまっていた思いを言葉に表していく。 「高校の時までずっと一緒だったともと大学になってはじめて別々になった。 なんかこう、自分の人生の一部に大きな風穴が空いたようで、つかみどころがない感じなんだ。 いつも私はともに対して 『あいつには私がついていないとダメなんだ、なにもできないんだ』 と思っていたけど、本当は逆で、私こそあいつのことが生活の一部になっていて、 自分一人では何も決められないのかもしれない。 こんな自分自身のことを考えると、だめな奴なんだなって、さ……」 いつしか暦の目には涙が浮かんでいた。それ以上続かない言葉の代わりに。
★成人式-15 「そんなことはない」 榊が暦の方を向き、(夜中だから)声こそ小さいけれど、力強い言葉で言い切った。 「え?」 榊の意外な反応に驚いた暦の言葉も気にせず、榊は続ける。 「滝野さんとずっといたいと思うのなら、水原さんも警察官になればいい」 突拍子もない、だが意外に適切な榊の言葉に、暦は一瞬頭が真っ白になる。 今までのもやもやが一挙にふっ飛ばされたような気分になった。 そしていつもの、智にツッコミを入れるような口調に戻った暦は、榊の科白に答えた。 「智と一緒かァ。どうせなら、それなら……キャリア組になるか、国家公務員一種試験、 だったっけ?」 「うん」 「……いいかもな、それ……うん。なんか、いいかも。警察でも智をばしばしと教育する、かぁ」 何かが確実にふっきれた。そんな気分になった暦は、三本目のタバコを灰皿にしまい、 榊の方を向き、その場には不釣合いなくらいに深いお辞儀をしながら言った。 「ありがと」 突然の暦の態度にびっくりした榊は、「いやいや」とばかりに両手首を振りながら 「いや……結局、決めるのは自分自身だから」 と答えた。 やっぱり榊らしいな、本当の意味で成人したかのような気分になった暦は思わず背伸びをし、 「そうだなー。自分で決めることだしなー」 と返事をする。 その科白には、酒の席や先ほどまでのような、どこか思いつめたような雰囲気は 微塵も感じられなかった。
★成人式-16 がらり、とベランダの窓が開き、智が寝ぼけながらベランダに顔を出す。 そして相棒の姿を見つけるなり、指さしながら半ばろれつが回らない口調で言葉を発する。 「よみー、なにやってんらー? まだ飲み足りないのかー」 相棒の科白に、いつものような口調で暦は答えた。 「ばーか、これ以上飲んだら脳みそが酒漬けになるぞ。早く寝ろ」 「ふあーい」 あくびを右手で抑える智の背中を押し、部屋に誘導したあと、そそくさと暦はベランダに戻り、榊の耳元にささやいた。 「榊……」 「ん?」 「ありがと……なんだか、うん。思いきって話して、よかった」 「うん……」 榊も一度大きく背伸びして外の空気をいっぱいに吸い込み、頭上に広がる星空を眺め、 明日も晴れそうなことを確認して、静かに窓を閉めつつ部屋の中に戻った。 まだ冬の寒さが残る夜空には、多数の星たちがまたたき続けていた。 それらの星の輝きは、彼女らのこれからを祝福するかのようでもあった。 (終わり)
R.F.氏 キタ━━━━(。A。≡(。A。≡(。A。)≡。A。)≡。A。)━━━━!!!! さすがは本格派、今回も堪能させていただきました。 本編ではなかった榊と暦のサシでの会話、良かったです。 智も暦も警察官・・・・・・いいアイデアですな。そのまんま連載漫画のネタになりそうな コンビですな。 お疲れ様でした。
★いつもの奴……じゃなくて考察とか後書きとか R.F.「以上、原作やテレビ版、というよりは『榊さんの日記』シリーズの 『その後』を描いた番外編でした。 もちろん原作にもテレビ版にも、今編に登場する設定はありません」 智「ともちゃん、やっぱりICPOになるのー?」 R.F.「わからん。智・大阪・神楽でボンクラーズ三人トリオがそのまま先生になって、 というのも面白いかなとは思ったけど、 そうすると暦さんとの絡みが弱くなるんでね。 今回は当初の夢を目指している、という設定にしたわけ。 ただ、実際にICPOの要員になれるかどうかは……」 暦「誰にも分からない、というわけだ」 R.F.「そそ。暦さんがいかに智ちゃんの尻を叩くか、ということだな」 神楽「なんか私の描写がちょっと中途半端な気がするんだけど?」 R.F.「そう思えるのなら、それはそれで成功。まぁ……色々あるわけで」 神楽「……なんかヤダな、そういうの」 R.F.「まぁまぁ」 ちよ「神楽さんはまだいいですよ。私なんて動画だけの登場ですから……」 R.F.「あんたはしょうがないでしょうに。 大学は米国へ留学、というのが大前提なんだから。 年齢も他のメンバーと一緒じゃないし、成人式で帰国ってのも変でしょうに」 ちよ「そりゃそうですけどー(ふくれっつら)」 R.F.「でも、せいぜい大学卒業くらいまでが『あずまんが』のテイストを 残しながらの文章作成の限界な気がするな。 他の人はともかく、俺にはちょいと無理っぽい。 超短編ネタならともかくね」
★いつもの奴……じゃなくて考察とか後書きとか-2 かおりん「……わーたーしーはーどこにいるのよー!!」 R.F.「♪なんでだろ〜なんでだろ〜かおりんいないのなんでだろ〜」 (ばきゃっ) かおりん「歌ってごまかさないでよー」 R.F.「あんたは……無かったことに(苦笑)」 かおりん「ムキー!」 R.F.「原作では浪人したっぽいというコメントも作者からあるし、 榊さんの後を追って獣医大学を目指すことくらいはしかねないけど、 無理っぽいし……」 かおりん「だからって、だからってー!(涙)どうして私だけ別なのー!(滝涙)」 R.F.「大丈夫。誰かが書いてくれますって。 それに……そんな科白いってるとあの人が出てくるぞ」 かおりん「……え?」 きむりん「ぼくがいるじゃん、かおりん★」
メルヘン! 榊さんにそんなアビリティがあったなんて
・・・・・・む、電波受信!いくぜ! 「榊が童話書いてたなんてな。よーし、私もやるぜ。勝負だ!」 翌日から、密かに執筆を始めた神楽だったが・・・・・・ 「でもなぁ、誰かに見てもらわないと上手くかけてんのかどうか、イマイチわかんねぇ からなぁ。とはいえ、榊に見せるのはまだ恥ずかしいし・・・・・・そうだ!」 その日から毎日のように、アメリカ在住のちよの元に大量の童話・・・・・・というより意味 不明な電波文書がメールで送りつけられるようになった。 「なんでこんな嫌がらせを?私、神楽さんに何かうらまれるようなことでもしたのかなぁ?」 涙目になりつつも、心優しい少女ははっきりとことわることができずに困り果てていた。 そんな彼女にアドバイスをしたのは、大学の友人ヒロ=ユーキだった。 「ヘーイ、チヨ♪そんなファッキンなフレンドには、ふさわしい場所を教えてやんな。ここ さ、イエーイ♪」 ちよは助言に従い、神楽にメールを送った。 「誰でも匿名で小説を発表でき、いろんな人に批評してもらえるサイトがあるんですよ〜」 ************* 「・・・・・・それが、私が2chにSSをアプするようになったきっかけさ。いまじゃあ、最初の目 的はどこへやら。『グッジョブ!』のレスだけを求めて書き続ける毎日さ。え、榊かい?今 じゃ立派な獣医として頑張ってるよ。童話のほうも、ペットの治療に来た編集者の目に偶 然止まって、絵本になってさ。すごく癒されるって、静かなブームになりつつあるぜ。しか し、どこで遠く別れちまったのかな。あいつと私の人生は・・・・・・」 寂しげに神楽は、十年ぶりに会った友人にそう語った。
360 :
メロン名無しさん :03/04/07 04:54 ID:Qc7H/CQM
グッジョブ!ワラタ とてもイイデムパ受信しますたね
>>359 さん
うーん。榊さんとなんでも勝負したがる彼女なら、「自分も書く」とかいいそうっすね。
でも、彼女には幸せになって欲しいなり(´・ω・`) 色んな作品見るけど、
なんか苛められることが多いし。
「降りて」きそうでこなさそうで……。
こんな電波もどうや!単なる殴り書きやけど、いくでぇ〜♪ 神楽が意外と絵の才能あって、体育大で水泳に限界を感じた時、偶然出会った イラストレーターの卵と交際しつつ指導を受けて才能開花♪ 自分より上手になってしまった神楽に嫉妬して当り散らすようになった彼氏と の悲しい別れ。 飛び込んだプロの世界での戦い――自分との、同業者との、そして業界の暗部 との。 涙。絶望。だが不屈。苦しいときにふと心に浮かぶのは、なぜか分かれた男で なく、遠いあの日、輝いていた高校時代のライバル。枕を涙で濡らしながら見 た夢の中、蘇るあの娘との思い出。「・・・・・・榊、ありがとう。私は負けないぜ!」 何年か経ち、自分のポジションを確保した神楽。懇意にしていた編集者が独立 して、小さな小さな出版社を作った。彼女から頼み込まれる。全くの新人どころ か異業種の人だが、素晴らしい童話をかく人を発掘した。私はこの人の作品を世 に知らしめる為に生まれてきた気がする。今の貴女にふさわしいギャラはとても 支払えないが、無理は承知でお願いする。絵本のイラストを書き下ろしてくれな いかと。義理がたい神楽は、二つ返事で引き受ける。とはいえ、あまり期待は していなかった。しかし、送られてきたその童話を読んで、愕然とする。その素 晴らしさに。同時に感じた。懐かしさを。昔、ずっと昔、同じ雰囲気を持った童 話をどこかで読んだことがあると。 数日後、その編集者がセッティングしてくれた童話の作者との会食。やや遅れ て来た神楽。ぺこぺこ頭を下げながら、予約のテーブルに歩み寄る。 「遅くなりました!私が貴女の童話の絵を描かせてもらうことになった神楽です」 背を向けて座っていた作者が、長い髪の女性が、ゆっくりと振り返った。 「神楽・・・?」「え、さ、榊?」 おりしも季節は桜のころ。 遠いあの日、違う分岐を選び、遠く分かれた二人の道が、今再び交わった。
>成人式 少し遅くなりましたが。 非常に読みやすい文章と、キャラクターの動かし方の自然さとで、 これだけの長さでありながら大変スムーズに入り込んで読ませていただきました。 キャラクター間の関係性、抱きあう心情がきっちり構築されているのも良かったです。 榊&よみは大人の話ができる(落ち着きと思慮深さと、そしてある程度の距離ゆえね) 他にはない間柄であろうという説には自分も禿同なので 後 半 グ ッ ジ ョ ブ ! です
>>362 >>遠いあの日、違う分岐を選び、遠く分かれた二人の道が、今再び交わった。
うわっ!やられたー!
そんな感じで書こうと思っていたのに(^_^;;;
神楽というキャラクター:真面目で純情なヒロイン的性格を考えてみると・・・
榊さん(越えられない大きな壁)との出会い
大きな憧憬と挫折を経験
その経験をもとに、人間的に大きく成長する
やっぱり榊さんにも苦手なものがある
お互いの足りない部分を補完することの大切さに気づく
・・・大雑把だけど、こんな感じかな?
神楽の等身大の仕草や発語と、常に努力を惜しまない姿に萌えます。
>>364 > うわっ!やられたー!
> そんな感じで書こうと思っていたのに(^_^;;;
362ですが、こんな酔った勢いで書いた電波など気にせず、貴殿の「そんな感じ」の
奴」アプしてください。お待ちしております。
まずは上、ご挨拶まで(w
敬具
364氏に期待!
美味しい電波を(をぃ)いくつかいただくことができました(・ω・)ノ いくつか「いけるかな?」というプロットもあったりして。 まずは録画したテレビ版全話を見なおして、電波も加味しながら 「降りて」こないか様子をみてみたいと…… に、してもテレビ版のはじめの方、声優がまだ慣れていないせいか ずいぶん違和感がある(ノ゚д゚)ノ あと、私も364さんに期待(^_^)/
>テレビ版全話を見なおして この上さらにですか…… アンタ本当にようやるわ…… ( ゚д゚;) まさしくあずまんがに魅入られた人間のトップクラスですな
アニメ(地上波の本放送)を観たのは2年次の夏休み以降で、最近になってDVDで第一話から
一通り観ました。原作を読めば読むほど「読みたい時に、読めばいい作品」だと強く思います。
原作もアニメも終了していますが、ひめくりあずまんがは毎年欠かさず発売されたりして。
一日一枚、めくるめく思い出の高校生活。萌えたら最後、あずまんがは貴方の日常の一部に。
>>366 >>367 過去スレ(純情神楽が一番)でSSを書く楽しさは知りましたが、何分にも遅筆なので・・・
神楽とちよちゃんを絡めてみるのも面白そうですが、ちょっと妄想するのが難しいかもしれません。
>>369 マインドだよ、マインド!
ってな感じで、マイペースでどうぞ。
忘れた頃に、スレが滅びそうなまさにその時に、名作SSアプってのも乙ですよ。
アニメと原作の本スレ、漫画サロンの神楽スレと回ってきたが 何か神楽画像祭り状態に……! おまいらちゃんと収集しましたか?
>>371 原作者まで描いてる始末だからな。
ワショーイ
リアル路線でなんかいいよね
水商売女性のごとく爪が長いのはどうかなー
確かに長いね 神楽の性格ならちゃんと切ってる気がする まあ偶々描いたらそうなっただけで他意は無いと思うけど
榊さんが猫好きと知った日から、ついつい伸ばしてしまうようになったですよ
むむっ。原作者の神楽た……じゃなくてさん、もちろんゲット(゚д゚)ウマー ……これで何か出来ないか、思いつかないか、ネタにならないか…… ………… ……………… (ぐるぐるぐる(@_@))
本スレで晒してた神楽は当然見たな? 試合出場バージョンってやつか? あれも本編じゃ見ることなかった姿だよな
韓国YAHOOのトップの広告にちよちゃんが・・・
380 :
山崎渉 :03/04/20 00:22 ID:???
∧_∧ ( ^^ )< ぬるぽ(^^)
(´∀`;≡;´∀`) こっちも本当は人多いのかなあ……?
私はいますよ〜(・ω・)ノ
そう言えばリアルファイト略してR.F.氏はひところSS発表の場を パチに移すことを語ってたような記憶が。あっちには書かんのでつか?
保守
>>383 さん
私はRealFightやあらへん! 闘いは苦手や……
それはともかく……確かに昔、そういうことを言った記憶もあるけど、
こちらが残っている限りはこちら(など)にアップする予定ですよ。
第一、そんな場所を選ぶほど量産は出来ませんので(^_^;)
現在もビデオチェック中。平日はなかなか見られへんのや(´・ω・`)
大阪板の人たちは 世代交代しながらもずいぶん量産するなぁ
人大杉・・・・・・じゃなくて、あそこは駄作大杉
こっちは人少な杉 もっと書き込まないと 黒 榊 さ ん が 来 る よ …
389 :
メロン名無しさん :03/04/25 22:04 ID:an4HKI6H
黒榊さん降臨キボンヌ
こらこらこら、変なモノを召還するんじゃないっ(^_^;)
よみのニーソばかり注目されますが 榊さんの黒いソックスで蹴られたり踏まれたりするのもきっと……
むしろ生足が・・・・・・身動き取れないように縛り上げて、ひたすら榊さんの脚に頬ずり したいなぁ。このG.W.の連休中ずっと♪
393 :
メロン名無しさん :03/04/27 18:23 ID:mtT6gIts
ところで皆勤賞はとどきました?まだ漏れはとどきません♪
「♪たとえば君がいるだけで心が強くなれること」 ……いや、なんとなく。ビデオチェックしてて浮かんだフレーズ。 (米米CLUBの「君がいるだけで」)からなんだけどね:P
>>389 大阪板の「SSを発表するスレ」に黒榊さんがいます。
黒いのは嫌いなのであまり見たくないのですが。
こっちには来て欲しくない。
人大杉が痛いな・・・・・・
元々こんなペ いえ、何でもないですよ?
>>394 神楽の榊に対する気持ちですか?
よみともスレで言われたら「よみのともに対する」と言いそうですが。
榊さんがマヤーにだったり
400GET!
激しく今更ながらトリップデビュー。 これまで常に「次が書ける予定は全くない」状態でやってきたため わざわざつけてはいなかったのですが、 「あともうちょっとだけ頑張る」ことに決めたので、 まあその決意表明みたいなもんです。 さて3カ月ぶりのSSは、ソフト百合路線でひとつ書いてみた ちょっと実験的な一作です。果たしてうまくいってるかどうか。
頬杖をついて、窓の外ばかり見ていた。 空の涯まで続く青さと、白い雲の織り成す雄大な陰影を眺めてさえいれば、 私は独りでも、いつまでだって時を過ごすことができた。 けれど最近、それもあまりゆっくりとは見られなくなってしまったのは、 この春に現れた、あの人のせいなのだ――。 「榊さぁ、この中だったらどれ選ぶ?」 机の上からお弁当箱を片付けたかと思えば、神楽は次に、雑誌を私の前にバサリと広げる。 載っているのは、何種類かのマウンテンバイク。 同じクラスになって以来、毎日しじゅう話しかけてくるこの人の、いま一番の話題がそれだった。 でも正直言えば、この人がどの車種を選ぼうが、私には大して関心もない事だ。 相手しているのは、特に拒絶する理由もないからというだけ。 神楽にしてみれば、私もまたこういうスポーティなものに興味を持っているだろうという 考えらしいが、私は自分の運動神経を「自分らしさ」と思った事は全くないし、 だからライバル的な友人関係を求められてきたところでお門違いでしかない。 雑談にせよ、たびたび申し込んでくるスポーツでの勝負事にせよ、 私はこの人との付き合いに本気で乗っているわけでは全くなかった。 ふと、神楽が雑誌のページをぱらぱらと繰った。「そうそう、後の方にもいいのがあったんだ……」 その中に一瞬、ぬいぐるみ特集の紙面が現われ、消えた。 それこそ、本当に私の興味を引く記事。後で書店に寄ってチェックしようと、内心で決めた。 わざわざそんな手間をかけるなんて、回りくどい事だとは自分でも思う。 普通ならばここで、それが見たいとはっきり言うものだろう。 そうして相手に私の関心事を知らせ、もっと楽しい話題に誘導し、親睦を深めていくのだろう。 けれど、そんなふうに自分の心の内を他人に晒すという事に、私は何か拒絶感を抱くのだった。 私に中学まで友達ができなかった事も、高校でやっとできた友達との間にさえ どこか距離がある事も、そういう性格のためだとは判っている。 でも、そこまでして他人との距離を縮めたいという欲求もないのだから、いいではないか? 特に、いま目の前にいるこの人のようなタイプは、一度心を見せてしまうと、 そこから無遠慮にずかずか入ってきそうで、そういうのは、ちょっと怖いから――。
神楽が、じっと紙面を見つめて唸りだした。しばらく考え込む雰囲気だ。 手持ち無沙汰になった私は、また窓の外に目を向けた。 遥か高くにたゆたっている雲は、午後ののびやかな光を清々しく照り返している。 「おいおい、よそ見するなよ」神楽が、やや憮然とした声で私を呼び、そして言った。 「……そんなに、外見てるのって面白いのか?」 意外な事があった。その時、私は心底から肯定することができなかったのだ。 私は、小さな混乱に陥った。自問自答。なぜ、空を見ているのか? 好きだから。孤独であっても、空さえあれば寂しくなくてすむほどに。そう、それは確かだ。 けれど私は、空を見るためにこそ孤独をあえて選び取っているのだ、とまで言えるだろうか? いや。それはきっと――違う。私には、空を見ているしかなかったから――。 「うーん、何か変な看板でも見えるとか?」神楽の声が耳に飛び込んだ。 まじまじと窓の外を見ながら、面白いものを探そうと頑張っている様子。 「あっ、角度がまずいのかな。そっちからだと何か見えるのかも」 ナンセンスな事を口走ると、机越しにこちらへ身体を傾けてきた。 外を見ようとする神楽の頭が、私の頭のすぐそばへ、ぐいと迫る。 その巨大な質量に、驚きが湧き上がる。 近すぎる。そんなに無遠慮に、私の身体へ踏み込んでくるな。 私は、身をのけぞらせて距離を取った。だが、神楽はそんな事も気に留めさえしない。 そういうタイプの人間なのだ。私とは、感覚があまりにも違いすぎる。 「やっぱし、なんにも見えねえなあ。榊ぃ、何が面白いんだ?」 ショートヘアが男子のようにばさばさと跳ねている後頭部を見ながら、私は思った。 少なくとも、この人とだけは相容れそうにもないと。まさしく、水と油のように。
初夏のある日の事だった。 四時間目の体育が終わった後、私は神楽に付き合わされて、 二人で体育館の用具室へバレーボールを返しに行くことになった。 「おまえのチームとやりたかったなあ。頭ひとつ身長差あっても、ネット際じゃ張り合ってみせるぜ!」 そんな事を言う神楽に、私はただ適当に相槌を打った。 汗を誘う暖かさをたたえ始めたかすかな風が、新緑を揺らしている。 昼休みに入ったばかりでまだ静かなグラウンドの隅を、私達は歩いていた。 ふと、ボールを二つ持っていた神楽が、その一つを放り上げたかと思うと、 歩きながらのリフティングを始めた。 脚を、頭を、巧みに操って、なかなかの速さで私の足取りについてくる。 この人にとって、こうして身体を動かすのは楽しくて仕方がない事なのだろう。 四肢の刻む動作は、活き活きとして喜びに溢れている。 とはいうものの、男の子のようなそのはしゃぎぶりは、幼稚といえば幼稚――。 そんな事を考えながら見ていた時、 「ほらっ、榊!」不意に神楽が、私にボールを蹴ってよこした。 私は一応トラップしてみせるものの、すぐ真上に跳ね上げて、空いた腕に抱え込んでしまった。 「バレーボールを蹴っちゃダメだ」 神楽は、少し気勢をそがれたようだった。「あ、そうだな……」 しかしそれでもまだ、どこか得意げな表情を崩してはいない。 そして再び普通に歩き始めながら、神楽は思い出したように言った。 「ああ、そういや、うちのお袋が旅行でさ。しばらく学食なんで、弁当に付き合えないんだ」 「そうか」と、私は応えただけだった。 沈黙が訪れた。さすがにこの人でも、壁を感じたのだと判った。 これで離れるだろうな、と私は思った。過去にも何回かはあった事のように。 だが、それは清々するような気持ちとは程遠いものだった。 (また、こうだ)そう再確認するだけの感覚。どこかいじけたような、嫌な味。 空を見る日々に戻るのが、そんなに待ち遠しいのかといえば――。
体育館に着いていた。開け放たれた入り口から上がると、 静けさの中、少しだけひんやりした空気と独特の香りが私を包む。 試合に使われたのか、バスケのゴールがコートの両端に佇んでいた。 「……バスケって、授業じゃ秋までやらないらしいな。私、結構好きなんだけど」 神楽がようやく、喋る事を見つけたようだ。 だが、一緒にコートを横切って用具室へ向かう間、私は黙ったままだった。 様々な種類のボールが乱雑に詰まっているカゴにバレーボールを放り込み、私は帰ろうとした。 が、神楽はカゴからバスケットボールを一つ拾い出すと、指の上でくるくる回しながら、 何か物欲しそうな顔をしている。 「……勝負、か?」またかと思いながら、私は訊いた。 「ちょっとだけさ。ゴメンな」神楽はばつの悪そうな顔をするが、 ニコニコとにじみ出る嬉しさは隠せないようだ。 この人の諦めなさは大したものだなと呆れながらも、私は少し、憎みきれない気がしてきた。 コートの中に躍り出ると、神楽はボールを突き始めた。 「よし榊、取ってみろ!」 だが挑戦的な微笑みとは裏腹に、私から見れば隙だらけの突き方だ。 神楽の手からボールが離れる瞬間、一歩踏み込んで手を伸ばすと、 ボールは易々と私の掌に納まった。 あっけない終わりだ。 そう思いながら適当に突いた次の瞬間、ボールは神楽に奪い返された。 「へへ……さすがだな。面白えや」 言いながら、神楽は突く体勢を低くし、空いた左腕でしっかりとガードを固める。 (私を試した、だと?)内心、私はかすかに動揺していた。 「でもな、榊」神楽は私を挑発的な眼で見つめた。「抜いてやるよ」 心の中に、珍しい感情が芽生えた。(いいだろう。乗ってやろうじゃないか) 両腕を広げる。神楽の動きを封じるように。君の小さな身体がどう動こうとも、捉えてみせる。 神楽の表情が引き締まった。私の隙を慎重にうかがい始める。 そうだ、それでいい――。
私の身体感覚は、コート内での自分の位置を正確に理解してしまえる。 神楽とゴールとを結ぶ仮想線を踏みしめ、神楽が右に動けば右へ、左に動けば左へ、 過つことなく進路を塞ぐ。 やがて、神楽の息遣いが少し乱れてくるのを感じ取り、私は満足する。 (私は手強いだろう? 聞こえてるよ――) 不意に神楽が、私の左側へ大きく動いた。抜きに来たか!? 反応して手を伸ばした瞬間、神楽は逆へ足をさばいた。 フェイントか。だが、それも予測のうちだ。 ドリブルしている右手サイドをこちらに晒すというなら、十分に奪い取れる。 私は即座に重心を反転させて対応に出る。が―― (速い!?)神楽は予想をはるかに越える瞬発力で、 既に私の脇をすり抜け、背中側へ抜けようとしていた。 だが、そうはさせない! ギリギリまで伸ばした指先が、すんでのところでボールを捉えた。 素早く手首を巻き込み、辛うじて自分の側に掻き出す。 そして私はドリブルで一気に突っ走り、神楽を遠く引き離した。 私の勝ちだ。速度を緩め、止まり、振り返って神楽の顔を見る。 だが、その表情はむしろ高揚していて、充実感に輝いていた。 「すげえな」髪をかき上げながら、神楽はどこか昂ぶった声で言う。 「乗り気じゃないのかと思ってたけど、おまえも結構……」 私はどきりとして、ボールを突くのをやめた。 思わずここまで駆け抜けてしまうほど、興奮に突き動かされてしまった自分を認識したから。 そして気づけば、私の呼吸もまた少し乱れている。こんな短時間で? 初めての事だ――。 ふと心の中に、神楽に対する恥じらいのようなものが生まれた。 私が、こんなに乱されてしまうなんて。そして、こんな息遣いを聞かれてしまったなんて。 「……最初から、ちゃんとやろうか?」神楽が私を誘っている。 終わったのだ、もうやめていい。いつもの私ならそうするだろう。 けれど今は、こんなにさせられてしまった自分が何か許せず、 それは勝つ事でしか埋め合わせられないような気がした。 「……いいよ」だから、そう答えながら私は戻っていく。 ――でも本当は、それだけじゃないと判っていた。 そう。私は――もっと楽しみたがっていた。
神楽が、戯れた様子で手を挙げた。「ヘイ、ヘイ!」 私は乗って、ボールをオーバースローで強目に投げ渡す。 一瞬、当然のようにそんな振舞いをした自分に戸惑った。 「……嬉しいな」しっかりと受け止めて、神楽は言った。 「本気で相手してくれるの、ずっと待ってたんだぜ……」 ならばこの人は、思っていたより私の心を見透かしていたのか。 そして思っていたより真剣に、私との関係を望んでいたのか。 それは、何か私の胸を打つ事だった。 私と神楽は、センターサークルの中に歩み寄り、向き合った。 シュートを決めるまでの勝負だと語り、神楽は真摯な眼で私をまっすぐに見上げる。 「始めよう」 ボールが高く舞った。 二人は跳ぶ。身長の利はもちろん私にある。だが神楽もワンハンドで果敢に対抗してきた。 私が取れたのは、競り勝ってやっとのことだ。 着地と同時に、素早く伸びてくる神楽の手。私はターンして背を向ける。 が、すぐにもう一方の手が私の脇を突き抜けてきた。 背後から私に絡みつこうとするように。私が隠すものを激しく暴き立てようとするように。 背中越しに、神楽の身体の存在を熱く感じる。聞こえる息遣いは既に荒い。私も、だろうか? でも、駄目。簡単に奪わせはしない。私は大きく肘を張って距離をとる。 そう、この身体へ踏み込ませるものか。 このまま一気に逃れてみせる。そう決めてドリブルの体勢に入った刹那―― 神楽の手がするりと滑り込み、私は奪われた。 「あッ……!?」経験した事もない技巧に、思いもよらぬ声が漏れる。 我に返った一瞬、神楽はもう先へ駆け抜けている。 私はすぐに追った。まだだ。そんなに早く、行かせはしない。 近づき、追いつき、今度は私が求めて手を伸ばす。神楽、君を捕らえてみせる! だが今は、小柄な身体に利があった。私の腕の下を素早く抜けて、神楽は走り、跳ねた。 しかし、やはり余裕がなかったのだろう。そのシュートは切れ味悪く、空に描いた弧は鈍く、重い。
私達はゴールの下に走り込む。神楽が先にポジションを取り、私はその背中に張り付いた。 今や私が、こんなにも身体を他人に密着させている。隔てるものは、肌一枚だけと思えるほどに。 すぐ下にある神楽の髪から、シャンプーと汗の匂いが交じり合って香った。 私は一歩位置をずらすと、脇から強引に、神楽の脚の間へ自分の脚を割り込ませる。 そこから神楽の前に出て腰を下げた時、かすかに触れ合った太腿は、滲む汗に濡れていた。 神楽は小さく喘ぎを漏らし、私の後ろから這い出そうとあがく。荒々しい息を腕に感じる。 だが、私は身体全体をしっかりと重ねて押さえつける。あるいは、私の長い髪は神楽に絡んでいるのかも。 ゴールの縁を、ボールがゆっくりと這っていた。長く長く、じらすように。 まだ、だめ。入らないで。ここで終わってはいや。私はまだ、満足していないのだから……。 やがて、ボールは動きをやめ――ぽろりと、外へ落ちた。 私は、大きく躍り上がって受け止める。 もう、阻ませはしない。一気に神楽を引き離し、スピードドリブルで疾走する。 たちまちセンターラインを突破。だが、神楽も全力で追いついてきた。対峙する二人。 この人の身体は――私は思った。何てタフで、しなやかで、そしていじらしく頑張るのだろう。 どう攻めれば屈させられる?その場でドリブルを続けながら、私は夢中で探ろうとする。 休みないピストン運動の、突き方を微妙に変えて。右へ、左へ。弱く、そして激しく。 そのたびに、神楽の身体は最高の反応を見せる。私にぴったりと吸い付いてくるかのように。 何て素晴らしい身体。これまで相手にした誰も、感じさせてくれなかった世界。 今更ながらに知った。私を満足させてくれるこの稀有な肉体を、 神楽が自ら与えようとしてくれること――それは、まさに歓びではないか!?
やがて没入していく忘我の中で、官能だけがどんどん研ぎ澄まされていく。 突いては返す律動の感触。二人の下からは、絶え間なく響く軋みの音。 激しい息遣いは絡み合って、いっそう激しく耳を侵し合う。乱れた髪から、汗が輝いて飛んだ。 一瞬、神楽の顔を見つめ、私ははっとする。この人、こんなに美しい表情をするんだ―― その時、瞳と瞳が合った。 ――――隙…!! 私は勢いよく足を踏み出し、跳ね返ってきたボールを吸い付けながら、右手を大きく横へ伸ばした。 慌てて反応した神楽が、そちら側へ飛びつくように体勢を崩す。 かかった! 私は手首を返し、ボールを背後に叩きつけた。 後ろを長く通して左手で取ると、がら空きになった神楽の脇を一気に走り抜ける。 (行ける……)確信が昂然と湧き上がった。突き動かされるようにゴールへ進む。 神楽が、まだ来る。もはや、ただあられもなく私の身体へすがりつこうとしてくる。 腕で、脚で、肢体の全てで。絡みつこうと。しがみつこうと。 私は待たない。でも一緒に来たければ…いいよ。さあ、飛ぶから――。 そして私は高みへ飛翔し、のぼりつめた最頂点で、それの中心を深々と貫いた。 「あぁッ……!」 下で神楽が絞り出す喘ぎを聞きながら、私は恍惚に達した。
「……すごかったな、おまえ……」 体育館の壁際で、私同様まだ整わない息をつきながら、神楽がつぶやいた。 「何か…負けちまっても、すげえ気持ちいいや」 そして、陶酔の余韻を残す笑顔で私を見つめ、訊いてきた。「おまえは、どうだよ?」 「え…」私は息を呑み込んで少し戸惑い、しかし、こくりと小さく頷いてしまった。 「うん……気持ち、いい……」 ああ、こんなことを言わされてしまって。心の内を表に出すなんて、恥ずかしい事だと思っていたのに。 けれど――こうして自分を露わにしてしまった事自体も、今は何だかとても気持ちいい。 変だな。勝ったのは私だけど、結局この人にまんまと篭絡されてしまったのかもしれない。 が、そんなふうに自省してはみたものの、 「やっぱ、おまえでなきゃダメだ……」 歩き出す神楽にさらりとそう言われた時、歓びを感じてしまったのはなぜだろうか。 二人で一緒に体育館を出た瞬間、広大な青空が私達を迎えた。 不思議だ。独りで見ていたいつもより、それははるかに眩しく、美しかった――。 「……暑くなっちまったよ」 横からの声にふと見下ろした時、襟を引っ張って空けている神楽の胸元が覗き込めてしまい、 私は慌てて目をそらした。 汗ばんでいる、少年のように色の濃い喉元は、豊満なふくらみへと続いていて。 それは、何だかアンバランスな姿で―― 「どうした、榊? さあ、帰ろうぜ」 ――でも、だからこそだろうか。何だかひどく、私の脳裏に焼き付いてしまった。
窓の外を見ていた。 今日は朝から、雲ひとつ浮かんでいない。こんな快晴だと、かえって空はつまらないものだ。 「よお。今日からまたよろしくな……ん?」 私のお弁当の包みを見てのことだろう。大好きな、かわいい猫のキャラクタープリント。 ちょっと恥ずかしいけれど、君には思いきって見せてみたくて。 向かいの席を引きずり出す、大きな音も久しぶりだ。どかりと座り、神楽は笑う。 「へへ。一人で食ってて、寂しくなかったか?」 「……寂しかった」包みを解きながら、私は気持ちを正直に告げた。 えっ、と漏らした神楽は、虚をつかれてうろたえたらしい。そして、何とか処理を図ろうとする。 「そ、そうだ。戻ってきた記念にまた一発、早食い競争やるか! いくぜ、よーいどん!」 どうしてこんなに、やり方が不器用なのだろう。 ばくばくと御飯をかき込むその姿を、私は呆れて眺めるばかりだ。 ……でも、面白いな、とも思う。これからは、空よりもこの人を見ていようか。 私が相変わらず乗らないのを知って、神楽は箸を止めた。 「何だよ……。これじゃ私がバカみたいじゃないか…」口元に御飯粒をつけてしょげ返る。 その表情が、何だかとてもいとおしく感じられた。 私は手を伸ばすと、神楽の唇にそっと指先で触れ、御飯粒を取ってあげた。 神楽は口を押さえ、眼を丸くして私を見つめる。 ここまで踏み込まれたら、君でもやっぱり驚くかな。 「この勝負はやらない。そのかわり――」 戻した腕で頬杖をつき、私は神楽を見つめ返して微笑んだ。 「――また、あれをしようか」 きっと、今度はもっと素敵だから。 (了)
>>401 神キタ〜*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(´∀`)゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*〜♪
>>402-411 amnsさんの新作、お待ちしておりました。
性格的には相容れないように思えるこの二人が心を通わせていったのは、
神楽が榊の心に踏み込んでいったから。そして、榊がそれに応えたから。
最初は軽い気持ちだったけど、次第に熱中し、心を開いていく過程がとてもよかったです。
それにしても……
最初に百合なんて書くからバスケの描写を変な目でみちゃったじゃないか!
というか、体と心のふれあいや会話が「そんな感じ」だし。
いやもちろん、そんな感じを狙った実験す b(・∀・)
>>414 今回も期待に違わず「読ませる」作品ですね。楽しく読ませて頂きました。
二人の気持ちの移り変わりを的確に捉えながら、物語としてすっきりまとめていると思います。
保守(・ω・)ノ ……感想は後ほど。(体調不良とビデオの見すぎでばたんきゅー)
417 :
398 :03/05/05 02:28 ID:???
で、R.F.さん。
>>394 のネタふりは何なんですか?
新作と関係あるんですか?
と、追及してみたり。
お体を大事にしつつがんばって下さい。
体調悪くして新作書けなくなったら損するのはこっちなので。
……などとひどいことを言ってみる。
「大変や〜 黒榊ちゃんが来ん替わりに398ちゃんが黒くなったでぇ〜」 「そうですねー。小学校の時、クラスの男子とか、夏はそんな感じでしたよー」 「そーゆー黒さとは、ちょっと違う」 「?」
まぁ、398は逆にすると893――ヤクザやからなぁ 裏を返せば、極道ちゅーわけや
420 :
398 :03/05/06 01:54 ID:???
「そんな みんなひどいですよー 極道みたいに」 「極道みたいやん」 「そうだなんかしてるぞ!あんな人がR.F.さんを励ます動機が不十分で」 「えーと それはSSが読みたくて…」 「ヤな励まし方やな」 「そだな」 「でもそっか その398ってすげえ性格わりィのかも それであんなひどい…」 「いやそれがあんた!」 「わっ びっくりした」 「398は395と同一人物らしい」 「そ それって二重人格ってこと!?」
きっと寂しかったんだよ、398の中の人も…
402-411 すげーいいです
★かんそうof「ふれあい」 R.F.「やっぱあれやなー。自分でバスケとかやっとらんつーのもあるけど、 こういう躍動感あふれる表現つーのはわいにはできんな」 大阪「へー? バスケやってるとああいう書き方できるん?」 R.F.「いや、そういうわけやないんやろけど。やはしああいうのは、自分で体験してみないと 表現はできんな、と思ったわけよ。得手不得手の前にな」 神楽「そんなもんなんかなー?」 R.F.「そういうもんだと思うで。まぁ、amnsさんの想うところの『榊さん』と わいの想う所の彼女とは微妙に違う部分もあるんで、「こういう考え方もあるんやな」と いう点でも参考になったって感じもあるやね」 R.F.「それと……その。実験的っていうてたけど、官能的な表現、やね。 これもわいには難しいやな」 ちよ「え、えっちな話はだめですよぉ」 R.F.「まぁまぁ。実験と本人もいうとるし、こういう『だまし絵』的な表現の 遊びってのもええんやない?」 榊「ところで……まだ?」 R.F.「すまん。まだビデオすら見終えてない。まぁ、保守をしながら気長に、ってことで」 智「早くしないとどんどん風呂敷が広がっていくんじゃない?」 R.F.「わいが広げたのはほんの少しやし。話のネタ提供するだけでもよしとせな」 暦「……いいのか、それで?」
・・・・・・ほう、しゃべり方が絶好調のころに戻ってる。大阪弁に
>>423 感想ありがとうございます (・∀・)ノ
まあ今回の榊さんはちょっとクールさを強めた造型にしてありまして
これが自分にとっての正解というわけでもないのですけどね。
やりたい事に合わせて若干いじってみたり……。
あと、バスケの体験は実は皆無……運動神経は本当に大阪並みだし。
図書館でバスケの本を借りてちょびっとにわか勉強しただけです。
作中で一応リバウンド時の攻防とかドリブルのバックチェンジとか入れてますが
そんなの本読んで初めて知ったっす。
仮に漫画で描くんだったら体勢1つとっても絶対ごまかしは効かないけど、
何とか適当にすませられるのは文章のいいとこ
……と本物の作家の前で言ったら絶対ぶん殴られますね……。
この際正直に言うと、私のSSの中に「実体験」というのはもうほとんどありません。
友情にせよ愛にせよエロにせよ(←最後のどういう意味かは言わぬが花か…)、
頭の中で作り上げたことを、せいぜいもっともらしく表現できるように工夫してきたのみです。
まあ、作り物は作り物なりにそこそこうまくできていると思っていただけるのなら、
あとちょっとだけ付き合っていただけたら幸いです。
人がー 人がー いないー 漫画サロンの神楽スレの方が純粋妄想進行中だぜー
R.F.「あんな〜。DVDプレイヤーは買ってないんやけど、パソコンが新しくなったんや。 ほんでな、そのパソコンでDVDも再生出来ることがつい最近分かったんや」 智「パソコン選ぶ時にその辺の機能はチェックしなかったんか? ばっかでー!」 R.F.「バックアップする時に、容量の大きなDVD-RWの方がええな、と思ったから、 選んだだけなんや。本人が一番びっくりや。ラッキーって感じやな」 ちよ「それじゃあ、DVD版で楽々チェックが出来ますね!」 R.F.「……」 神楽「ん? どうしたんだ?」 R.F.「DVD版買う金があらへんのや……。 しばらくはテレビ版を録画したビデオでチェックするっつーのは変わらんやろな」 榊「貧乏なのは仕方がない……」 R.F.「確かにその通りやな。少々複雑やけどあんたに言われると多少気は休まるわ」 大阪「……で、何かDVDソフト、買ったん?」 R.F.「うんにゃ。何も。そんな金あるんなら貯めて、3巻まとめて買うわい。 まぁ、そう遠くないうちに3巻セットシリーズも出るかもしれんし」 暦「宝の持ち腐れって感じだな」 R.F.「うるへー!」
そりならビデオをDVD-Rに焼けばええやん そしてそれをドンドンコピーしてコピーしてコピーしてコピーして
429 :
とも :03/05/11 17:45 ID:???
430 :
暦 :03/05/11 18:35 ID:???
いや……個人で楽しむ分にはいいだろ まあ楽しみ方も人それぞれだがコピー品を売って儲けた(゚∀、゚)ウマーだとたいほしてくれ
>>425 > この際正直に言うと、私のSSの中に「実体験」というのはもうほとんどありません。
> 友情にせよ愛にせよエロにせよ(←最後のどういう意味かは言わぬが花か…)、
ふむふむ。amns氏は実際にはモビルスーツの操縦や
美少女とのレズビアンの経験もない・・・と_〆(.. )メモメモ
人を殺した事が無くても、リアルな探偵小説は書ける
って例えを思い出した折れ。
次回作も楽しみでつ!
>ふむふむ。amns氏は実際にはモビルスーツの操縦や >美少女とのレズビアンの経験もない・・・と 男ならレズの経験があるはずない、とマジツッコミ。 あれはモビルスーツではなくOSAKAでは? それは別のSSの設定だったっけ?
>レズビアンの経験もない そういう意味にとってくれるならまだヨシ ……いや、どうせわかっているでしょうが それも一つの原動力ということで何卒 他スレでやったAzのことも結構覚えてていただけたのは嬉しいです まあOSAKAとかSAKAKIというのは話を思いつく以前にネタで書いただけなので 作中の機体はOSAKAでもMSでもATでもヴァンツァーでも何でもいいです 自分でも大きさすら不明なもので……
『重機兵装Az』はアーカイブに目を通していた時に見つけました。 登場キャラの心理状態を上手く表現されている、読ませるSS職人という感想を抱きました。 人型機体の脳内妄想形態は、キャタピラ走行ができるマクロスかパトレイバー(^_^;;; こちらでSSを書きたい気持ちは変わりませんが、あちらで作品理解を楽しむのも捨てがたい・・・
>>426 マロン神楽スレの方は
キャラクター考察スレみたいになってるね
アレはアレでココと上手く住み分けが出来てて(・∀・)イイ!
>>432-433 >男ならレズの経験があるはずない、とマジツッコミ。
>そういう意味にとってくれるならまだヨシ
>……いや、どうせわかっているでしょうが
431、おろおろしながら
「ち、違うだろ!? そこは『 あるわけねーだろー(w 』とか楽しく突っ込んでくれよ!!
時々マジレスになるなよー!! 」
やはり自爆になってしまったような (;・∀・) ……とりあえず次のに専念しよ…… 次回出てくる時はちゃんと粗品を持ってきます キャタピラというよりはローラーダッシュかなぁ とだけ言い残してみる (そもそもは「元電波」中にあった「路上滑走機」をいただいたものですが)
まあでも、一時期放心状態だったamns氏が再起動したのは嬉しい限りでつ。 他スレでも新作アプ宣言してるし。 のんびりと待たせていただきます。あせらずにがんがってください♪
その「元電波」書いた奴です。なつかしいなー。 思いつきの出任せで考えたのをちゃんと設定から話まで考えてすごいなーと思いました当時。 ローラーダッシュはガリアンやボトムズですかね。 あの音に弱いんですよ。音に。
まだスレが熱かったころの住人も、死に絶えてはいないんだ。潜ってるだけで・・・ よかった。
にゃも「神楽!・・・ちょっと」 神楽「なんですか?」 にゃも「毛(ボソ)」 神楽「ん?あ!(赤面)」
>>441 つまり、これをお題に誰かSSを書けと・・・・・・?
競泳水着はタイトだからなぁ。 でも最近は太ももまであって色気を微塵も感じさせない本格水着もあるね。
ん?部活もスクール水着だったような・・・
それはメガネのいうとおりかもしれん
メガネ… それより最近ともよみスレと内容が逆転してるな。
>>446 つまり榊と神楽がラブラブな展開に持っていけと・・・
スレタイに名を連ねながら、忘れ去られたちよすけの立場って・・・・・・いったい?
>448 そうなんだな 2ちゃん的には一番人気がないキャラかも やはり感情移入のとっかかりが見出しにくいからか…?
>>449 さん
確かに……ちよすけはサブキャラとしてメインキャラのサポートにまわらせるのなら
適切な役どころを考えることが出来るけど、メインにもってくるとなると実はものすごく
動かしにくいキャラだったりする。
かつてちょっと脱線気味で書いた
「榊さんを轢いた犯人を捜すため美浜財団情報部を総動員するちよすけ」
みたいなおちゃらけモードならともかく……。
まぁ、誰か、いつかやってくれることでしょう(他人任せ)
451 :
メロン名無しさん :03/05/18 13:19 ID:y5GTVodc
>>450 確かに。ちよちゃんをメインに持ってこようとすると
アニメや原作の「ちよちゃんの一日」のような話になってしまう。
恋愛以外でちよちゃん中心の話が読みたいなら、
大阪板の「ちよちゃんの純愛小説キボンヌ」というスレの
15-18をご覧下さい。(俺が書いたわけじゃないけど)
いま「ネットは使えるがホームページやサイトは見れない」
という変な状態のため、URLを調べて貼ることが出来ません。
誰か代わりにお願いします。(直リンはだめだろうけど)
453 :
451 :03/05/19 00:52 ID:2Iy7mAXK
454 :
453 :03/05/19 00:53 ID:???
すいません。sageにするの忘れてました。
455 :
452 :03/05/19 19:35 ID:???
>>453 いえいえ。そちらも過酷な状況に負けずに頑張って下され。
実際、ちよと大阪の和みペアなども魅力的なのですが
さてそれでどういう話を作ればいいのかとなると見当もつかん
小ネタとかならともかくドラマを作る素材が見出せないのですな
さて発表の順番が後先になりましたが、今回のが
>>306 で言っていたSSになります。
コンセプトは「アニメ第19話の続き」という話です。
あまり焦点が絞り込まれているとは言い難かったあのシナリオから、
出しっぱなしにされたパーツをできる限り拾い集めて自分なりの解釈で再構成し、
何とか整った形に収束させてみようという試みです。
さてどうでしょう。
『判ったわよ、母さん。明日じゅうに答え出すから……』 受話器に向けて、溜め息混じりにそう告げたのは昨晩のことだ。 見合い話への態度を曖昧にし続けるのも、いよいよ限界だったから。 春先の暖気とトーストの香ばしい匂いの中でも、みなもの心は落ち着けなかった。 迷うのは、見合いそのものにだけではない。見合い話にぐらつく自分の心の老いようにも、だ。 自分も教え子たちと同年代の少女だった頃には、こんな事を予想もしなかった。 恋は純粋に楽しくて、その先に躓きなどあり得ないと思えていたし、 それなりにもててもいて、性的な自尊心は常に保っていられたものだ。 なのに。かつて身も心も許したはずの幾つかの関係は、 今ではむしろあまり思い出したくない記憶へと落ちぶれていて、 二十代も後半に差しかかった自分はなぜか、独りでいる事の不安に追いたてられる羽目になっていた。 それでいよいよ、ほとんど知りもしない相手と結婚前提の付き合いをする事にも、 どこか期待を込めてしまいそうにさえなっているわけか。 出会い系だの合コンだのにうつつを抜かす軽い女とは違うと自己規定してはいるものの、 転がり込んできたチャンスにいそいそと飛びつきかねない今の性根を思えば、 それとこれとはどの程度違うだろうか。 でも、無理もないではないか?「いい話」なのだから。 身元。収入。将来性。家庭を持つには安心できるスペック、なのだから。 ――そんな考え方を現実的に受け入れ始めている自分こそ、老いたものであるが……。 面倒な考えを振り払い、新聞を手に取ってテレビ欄を眺める。 が、歌番組の見出しにかつてのヒット曲のタイトルを見て、さらに憂鬱な思い出を蘇らせてしまった。 それは恋愛の素晴らしさと永遠性を歌い上げて、少女の頃の自分を魅了した歌。 初めて付き合った相手と一緒に、胸ときめかせてコンサートで聞いた歌。 その歌い手はやがて零落し、不倫と離婚の報道にまみれて姿を消した。 彼の歌を編集して作ったテープは、みなもの宝物だったこともある。 おととしラジカセを捨てた時、それとは決別を図ったつもりだった。 けれども結局そのテープ自体は、未だにCDとMDの奥へ厳かに安置されたままだ。
桜並木が、道路の両側を流れてゆく。 傍らの助手席では、ゆかりがいつものように浅い眠りを貪っている。 今朝もまた、ゆかりは早く起こしてくれなかった母親に文句を垂れながら出てきたのだった。 数日前の夜、栄子と会ったあの後に二人で飲んだくれて帰った時も、電車に乗り込むなり、 着いたら起こしてねと言い捨ててさっさと眠り込んだものだ。全く、どこまで子供なのか。 みなもは自分でも時々、よく友達でい続けられるなと思う。 その呑気な寝顔に少し苛立ちを感じ、赤信号で止まったのを機にみなもは強く声をかけた。 「あんた、いい加減に早寝早起きしなさい」 あぁ…? と目を覚ますゆかりに、言葉を続ける。「どうせ昨夜も、またゲームでしょ!?」 だが意外にも、ゆかりは寝惚け顔の中に得意げな笑みを浮かべた。 「ふふん……ハズレー。進路関係の資料なんか調べてましたよーだ」 「あら? そう……」みなもは虚をつかれた。たまには真面目な事をするものだ。 ゆかりは、ここぞとばかりに言い募る。「にゃもも、ちゃんとやっとかないといかんですなあ。 あたしらも来月からはとうとう3年生の担任なんだしさあ」 「そうね……」みなもの返事に、気迫はなかった。 初めて受け持つ役割の重みを、どこか直視したくないような気持ちが未だにあったのだ。 生徒の進路を指導する。それはその先の人生に関わる事。今の自分に、そこまでの資格があるだろうか? 進学校という性質上、指導の大半は成績に基づく部分が多くなるだろう。 明白な数値の問題。判り易い一方で、過酷に当人のレベルを突き付ける規格化の世界。 少なからぬ生徒にとって、進路選択とは妥協と下方修正の結果となる。 現実を知れ、と言い渡すのが、つまりはその場合の自分の役目。 (現実かぁ……)自分の時はどうだっけ。大学に入る時点までは、結構自信があった気がする。 今思えば、あの頃こそモラトリアムだったわけだ。本当の身の程を非情に思い知らされるまでの。 もちろん、こうして体育教師にはなれたのだし、それは好きなスポーツに関われる職業として 現実的な選択には違いなかったのだけれど――。 みなもは、つぶやきを漏らした。「やっぱり、ちょっと気が重いな」 「……まーね」 一拍おいてのゆかりの返答は、意外にも重々しかった。
ホームルームへ向かう途中、みなもは担任のクラスの女子生徒二人が トイレから出てくるのに出くわした。 「あ、先生おはよー。そうだ、先生なら……。あのですね、こいつの考え、どう思います?」 聞けば、要するにファッションの話だ。問題のコーディネートが、 ダサいのか、それとも流行にちゃんと乗っているのか。いつの時代も変わらない、少女たちのお喋り。 自分には得意な分野。生徒にもついていける。「そうね、カジュアルに決めるんだったら……」 だが、みなもの案を聞いた瞬間、二人は顔を見合わせ、口を揃えてダメ出しをした。 「先生、それ古すぎ」「うん」 (え!?)内心密かに動揺するみなもを、一人がしげしげと見回して追い打ちをかけた。 「……先生、襟の後ろがめくれてる。ちゃんと見ないと、気にしなくなったらオバサンだよ?」 「こら!」軽く怒ってみせると、二人はいたずらっぽく笑いながら教室に戻っていった。 みなもはトイレに入り、鏡の前でそそくさと襟を直す。 今のは結構、効いた。「生徒に人気の、若く綺麗でセンスのいい先生」であるはずなのに――。 そんな自惚れめいた自己像は、思った以上に小さなプライドを支えていたようだ。 見合いを勧める母親の言葉が蘇った。『いつまでも若いわけじゃないんだから』――。 そう、綺麗事をどう言いつくろったところで、歳とともに「女性」としての価値が落ちていくのは この世の冷酷な真実だ。そういう意味での人気を生徒から得ていられるのも長くはない。 子供たちは時としてひどく残酷だから、そうなれば容赦はしてくれないかもしれない。 もはや自分は生徒の間で「黒沢先生」とも「にゃもちゃん」とも呼ばれず、 他の老いた先生たちと同じように、呼び捨ての「黒沢」でしかなくなっていくのかもしれない。 そして、あの職員室という垢抜けない空間の手狭さは、そんなふうに老いながら この先何十年も座り続ける自分の姿を、あまりにも容易に想像させるものだった。 「はぁ……」みなもは、何とはなしに溜め息を漏らした。ふと思い出すのは、あの時の栄子の姿。 若くして課長になったと言っていたが、それも納得させてしまう雰囲気だった。 高級レストランに相応しい上品な化粧の仕方、スーツの着こなし、そして指に輝く結婚指輪。
栄子は順調に大人になっていて、大人の自信に満ち溢れていて。 自分のプライドを支えられる物をどんどん手に入れているように見えた。 あの人に比べたら、私はまるで子供――。 そしてその栄子からは、思いがけず振られた転職の話があった。 系列会社が経営する高級スポーツジムのインストラクター、それもチーフという事だっけ。 今の仕事が好きだから、と断った言葉に、あのとき嘘はなかったつもりだ。でも……。 『給料倍増間違いなしよ』と誘う生臭い言葉を、しかし平然と忘れられるわけでもないし、 スポーツに関わる仕事としても、学生相手より本格的かもしれない。 そして何よりそちらには、ここにはない何かがありそうにも思えてしまうのだった。 そう、より栄子の世界に近い何か――。 揺れ動いている自分にふと気づいて、みなもは首を振った。(ああ、今日はおかしいな) 何だか自分について考えさせる事柄が重なって、調子を狂わされてしまっている。 だが、そうは思ってみるものの、選択を決めなければならないという現実からは逃れようもない。 自分の喉元に突き付けられた身も蓋もない問題からは、決して目を背けることができないままなのだ。 ――果たして、将来決して後悔しないほど、現状を好きでい続けられるだろうか? 独りのままで。あるいは、この仕事のままで。 思えば、今の局面こそまさに進路選択だった。 ――何だか、余裕がない。 そんな焦燥感にうつむきながらトイレを出たとき、声をかけてくる者がいた。 「おや、黒沢先生。お元気がないようですが、何か」 木村だった。正直、あまり相談したい相手ではない。 「え、ええ。その……」並んで廊下を歩きながら、一番体裁のよい悩みだけを口にする。 「今度、3年生の担当って事で、ちょっと不安が……」 「ああ、わかりますよ。私も初めはそうでしたからな」木村は好意的に微笑んだ。 「しかし今にして思えば、やはり未来ある若者を自分の手で送り出してこそ 教師冥利に尽きるというものでしたよ。ご相談にはいつでも乗りますから、 来年は一緒に頑張っていきましょう。それでは」 「は、はあ……」教室へ入っていく木村を、みなもは驚きの目で見送った。 何だか、虚をつかれることも多い日だ。
「はーい、チーム分けは済んだわね。それじゃ、コートに入ってゲーム始めて」 薄曇りした空の下で、少女たちはぞろぞろとサッカーをしに散っていく。 それを見届けながら、みなもは密かに目を閉じて伸びをした。 結局、午後になっても考えはまとまっていなかった。 この授業が終わるまでの時間で、どうにか整理ぐらいはつけておきたい。 生徒に試合を勝手にやらせて自分は考え事に集中するなど、全く不謹慎もいいところだけれど――。 「今日は榊ちゃんだけ向こうのチームになってもうたな。みんな一緒になることってないねんなあ」 「必ず神楽とは別々にしないと、試合にならないからなー。 ま、あたしの秘めた実力も忘れてもらっちゃ困るけどね」 「はいはい、今日こそ遠慮しねえで大活躍してくれよな」 「そういうよみこそ頑張って、『今度はサッカーダイエット』なんてネタで行けばあ?」 「え、ネタって何ですか?」「それはねえ……」「こいつっ!!」 あの呑気なグループの、呑気な会話。みなもの知る生徒たちの中でも特に子供っぽい、 モラトリアムそのものといった少女たちだ。今の状況で眺めていると、どこかうらやましくも思える。 自分も子供に戻って、あの中に混じれたら――そんな夢想が、ふと心をよぎった。 どうせ大人になりきれていないのならば、と自嘲的に思ってもみて。 フォーメーションの概念もほとんど浸透していない女子のサッカーで、 ボールは何かというと両チームのエースに委ねられる形だった。 しかも大してパスワークなど考えずに渡されるから、 結果として神楽と榊の二人は、ボールをめぐって幾度となくぶつかり合う。 考え事のかたわら試合を見守りながら、みなもには神楽の様子が気にかかっていた。 体調の悪さが微妙にうかがえる。挙動ごとの疲労が大きいようなのだ。 それでもなお、神楽はいつものようによく頑張る。春先だというのに汗まで滲ませ、 1点のリードを勝ち取ってもいる。 それは、インターハイを目標に毎日遅くまでトレーニングに励んでいる姿と重なって見えた。
ゴール前まで走り込んだ榊にパスが上がる。全速力で追いかけてマークに入った神楽が、 激しいダッシュでそれに食らいついてカットし、大きくクリアーした。 しかしその後、いつもならすぐセンターへ戻っていくはずの神楽は、 辛そうに額を押さえながらその場に残っていた。 「神楽さん、どうかしたんですか?」 戦力にならないので大阪と一緒にゴール前へ下げられているちよが、心配そうに訊いた。 「大丈夫だよ、ちよちゃん」様子を見に来た暦が、割って入った。 「でも神楽、少し休んだらどうだ。終わりも近いし、私たちで守り切るからさ」 「……すまねえ。ちょっとだけ、そうさせてもらうよ」神楽は重い足取りで場を離れる。 コートから出てきた神楽に、みなもは歩み寄って声をかけた。「神楽……今日の部活どうする?」 「行きますよ。ちょっと軽めにしてもらうかもしれませんけど……」 神楽は即答し、そして苛立ちのこもった溜め息をつく。 「何かもう、自分の身体が憎たらしい……。今、こんな機能なんて要らないのに」 みなもは返答に詰まった。そう、かつては自分も同じ苛立ちを抱いたのだ。 しかし今では、そうだねと気安く同意することもできない――未だ、必要になる見通しもないのに。 結局、出てくる言葉は当たり障りもないものだった。「……でも、きついなら無理はしなくても……」 「休んでられないです。最近じゃ、一日一日がすごく大事な感じで……」神楽はきっぱりと拒んだ。 「インハイ自体のこともですけど、自分の力がどの程度なのかって焦りもあるし、 それに進路も考えなきゃいけないだろうし……。何か、余裕がないっていうか。 それで、こないだちょっとあいつらに当たっちまったりもして」 「余裕……」みなもは、教え子の顔を見つめた。瑞々しい真摯さを湛えた表情。 「それに、ちよちゃんとマジ話しちゃったりとかも……」神楽は軽く苦笑いした。 「……子供のちよちゃんは、大人になりたいなんて簡単に言えちゃうんですね。 でも、大人になりかけの私は、不安なことばっかりで。そんなんじゃ、示しつかないってのに」
短い沈黙が訪れた。みなもは黙ったまま、跳ねるボールの方を眺めた。 だが神楽の目は、みなもの方をしっかりと見つめた。 「先生……。実際に大人になったら、どうなるんですか? 余裕って、できるんですか? それともやっぱり、こんな感じが続くんですか?」 「それは……」みなもは戸惑った。その後に言葉を継げなかった。 今の自分にだって、余裕はない。けれどもそれは、神楽のいう余裕のなさと比べれば、 何といじましく、すれ切ったものであることか。 「大人」としてこの少女に語り聞かせるには、あまりにも恥ずかしいものだった。 自分から見ればまだ子供である神楽でさえ、大人は子供に誇りを見せねばならないものだと わきまえている。だというのに自分ときたら、大人になることに幻滅を抱かせるような見本にしか なり得ていないのだ。 だから、みなもは黙るしかない。その視界の中で、ボールが高く弧を描いた。 トラップしたのは榊だ。そのままドリブルで独走してくる。 「とも、止めるぞ」 いつになく本気の口調で呼ぶ暦に、智は目を丸くして訊く。「……どしたの?」 「守るって、神楽に言ったからな……」榊に向かっていく暦。結局、智も引かれるように後を追った。 暦が挑んでくる珍しい状況に少し意外そうな表情を見せながら、榊は身をかわそうとする。 だが暦も追いついてみせる。素早く足をさばき合う二人の、長い髪が翻る。 暦は、チームの中ではかなり榊を手こずらせた方だった。 しかしやはり勝つことはできず、やがて榊はするりと走り抜ける。 もちろん智に止められるはずはなかったし、その先にいたちよと大阪は論外だ。 軽くいなされただけでくるくると回転している大阪を尻目に、榊はボールを易々とゴールに蹴り込む。 「ダメだな……」暦はうつむき加減に首を振って、小さくつぶやきを漏らしていた。 「やっぱ、すげえな」神楽が感嘆する。ライバルを称える瞳は、一点の曇りもなく輝いている。 自分より上かもしれない相手に対してそんな眼ができるのは、若い向上心に溢れているからか。 みなもは思う。自分も、かつては同じ眼をしていただろうと。 「やっぱり、神楽ちゃんがおらんとあかんでぇ……」 まだ目を回しながら、ちよに支えられている大阪が悲鳴をあげていた。
神楽が歩み出す。「行きますね」 「もういいの?」 「あいつからボール取れるのは、私しかいませんから」答えるその背中は、誇りに満ちていた。 そして、去り際に言い残す。「部活の方、指導よろしくお願いしますね」 「……わかった!」みなもは声をあげた。この子に対して、今の自分にも言える言葉。 そして、言わなければならない言葉。「インハイ行こうね!!」 ――そうだ。私は大人なんだから、子供に戻りたいなんて絶対に思ってはいけない。 私はもう大人で、子供から頼られる立場になっているんだから、それをちゃんと全うしなければいけない。 不安でも、大した存在でなくても、後戻りができないのなら、 この自分で頑張って大人をやっていくしかないではないか? 再びボールを持った榊を、神楽が迎え撃つ。激しい攻防。他の誰にも真似のできない高みで。 一瞬の隙に、神楽がボールを奪った。榊が、かつては漏らしたことのない悔しげな息をつく。 一直線に走り込んで神楽が放ったシュートは、ゴールに深々と突き刺さった。 「私にはできないこと、か」 試合を終えて歓談している神楽と榊を見ながら、暦がつぶやいた。 「何、またマジモードの続き?」智が声をかけ、ふざけた口調で喋る。 「まっ、別にサッカーなんかできなくても、私の目標、ICPOには関係ないしー」 「で? 実際、進路指導では何て言ってんだっけ?」 追求されると、智は、うー、と黙りこくってしまった。 「……まあ、ぼちぼち考えてみるか。私にできることってのを」暦は、言いながら空を見上げる。 頭上を覆っていた雲には切れ目が生じて、明るい光が差し込んできていた。 「晴れてきたなぁ。どうなるかわからないっていうから、傘持ってきたのにな」 智が、早速いつもの調子を取り戻す。 「よみは心配性だなあ。あたしなんか、先行きはいつもいい方にしか賭けないもんねー」 「それで降った時は、人の傘に入れてもらおうってんだろ。ったく」 悪態をつきながらも、暦は微笑みを浮かべた目で智を見つめた。 ちよが笑っている。「私も早く大きくなって、みんなみたいにスポーツできるようになりたいです」 そんな少し子供の友人を、いつものように五人が囲んでいく。 少女たちを包む空はますます曇りを払って、光を満たし始めていた。
屋上から見下ろした校舎前の広場には、まだ桜の色が明々と灯っていた。 この桜たちは、みなもが手がけた卒業生たちを見送り、 また、みなものもとにやって来る新入生たちを出迎えもしたのだろう。 それに何だか、一年前にゆかりと飲んだくれた夜のことをも思い出させる。 「あのときの夜桜、綺麗だったよね」と傍らのゆかりに訊いてみても、 「そだっけ……」と眠そうな声で返されるばかりだけれど。 春風が、みなもの髪をかすかに揺らす。風に乗ってくる季節の匂いはみなもにも眠気をもたらし、 大きなあくびを誘い出した。 「余裕だねえ」ゆかりがつぶやく。 「そうねえ」みなもは、少し考えて口を開いた。 「確かに、新しい生徒たちを相手にしてて思ったのよ……ああ、慣れてきたのかなって」 ゆかりが緊張感のない声で答える。「ま、大仕事が終わった後だしね」 「前に木村先生から言われたこと、あんたに話したっけ」みなもはそれを思い出した。 「結構、わかってきたような気もするわぁ」 「木村がねぇ。何か悪いもんでも食ってたとしか思えないけど」そんなことを言うゆかりも、 生徒からもらった花束が枯れないように一応は気をつけているらしい―― もっとも、世話はもっぱら母親任せのようだが。 みなもは、生徒たちが手向けてくれたクラッカーの音を思い出していた。 手探りで必死にやっただけの一年だったけれど、それでも感謝の言葉を与えられたのだから、 合格点はつけてもらえたのだろう。みんな、ちゃんと笑って巣立っていってくれた。 とりわけ、挨拶に来た神楽が心からの笑顔で言った 『先生のおかげで、やれるだけやれました』という言葉は、 みなもにとっても大きな誇りとなってくれていた。
ふと何気なしにゆかりの方を見たとき、みなもは近くのプランターの中に 牛乳パックが転がっているのを目にとめた。 「いやだ、掃除の人が見落としたのかしら」拾い上げてみると、日付からしてだいぶ前のものだ。 「ああ、うちにいたあの連中かも。時々ここでお昼を食ってたみたいだから」ゆかりが言った。 「……じゃ、あんたが捨てなさい」みなもは、ゆかりにそれを突き出す。 「ちょっと、なんであたしが」抗議の声に、答えて言う。「あたしが捨てちゃいけない気がするから」 少し間があってから、「……あたしは平気だよ。おセンチじゃないから」ゆかりはそう言って パックを奪い取ると、空になった菓子パンの紙袋に突っ込み、その口を丁寧に巻いて閉じた。 それを見届け、再びフェンスの外に顔を向けながら、みなもは訊いた。 「そういえば、あの子たちの写真、あんたのとこにももう届いた?」 「えーえ。最後の奴も無事に合格ってんで、全員そりゃもう楽しそうなことで」 みなもは、少し感慨深げな息を漏らした。 「あの子たちが大学生かあ。しっかり大人になっていくものねえ」 「ま、大学なんて所詮モラトリアムの延長かもしれんっすよ。本当は行く人間の方が少ないんだしさ」 「あんたが偉そうに言う台詞じゃないわねえ」皮肉を皮肉で諌めながら、 しかし、みなもはふと思いに沈んでつぶやいた。「……モラトリアム、か」 ん? と顔を向けるゆかりの視線を感じながら、みなもは言う。 「大人の自信が持てるまではって、あの時のお見合いは断ったけど……。 ただ、それも結局はモラトリアムを選んだのかな……なんて、考えたりすることもあるのよ」 ゆかりが評する。「なーによ、要はチャンス逃した後悔なんじゃないの?」 みなもはしおれてみせる。「あぁー、ま、それはあるかも。でも……」 でも、そこにも感じている一片の思いはあって、空を見上げながらそれを口にした。 「結局こんなふうにぐだぐだ迷ってる自分に気がつくと、まだまだだなって……。 大人の自信って、なかなか持てないものねえ」 返事らしい返事はない。ゆかりは面倒くさそうに目を閉じ、んんー、と唸って フェンスに寄りかかったままだ。 だから、みなもは青々と広がる空をじっと見つめ続けるだけだった。
「あれ、せんせーい」 下から溌剌とした声が聞こえた。桜の根元に、みなもの新しいクラスの女子生徒たちが見える。 「もうすぐ昼休み終わりですよー。次、体育でしょー?」 「ああ、そうね。行きまーす」みなもは答え、居眠りしているのかもしれないゆかりの肩を軽く揺する。 「谷崎先生も、ほら、行きましょう」 生徒たちが去ってしまってから、やっとゆかりは目を開けた。 「そうですね、行きましょうか」にやにやと笑いながら。「黒沢せ・ん・せ・い」 「何よ……」少し顔を赤くして面食らうみなもに、歩き出しながらゆかりは言った。 「まっ、いいんじゃないの。子供の前でこうしてちゃーんと大人面できてりゃ、大人ってことで」 ……ふ、とかすかに笑って、みなもは後に続いた。「あんたにそれができてるのぉ?」 けれど、ごく稀にこういう腑に落ちることを言ってくれるから、こんないい加減な奴でも 親友ということにしていられるのだろう。 校舎の中へ戻る間際、みなもはもう一度だけ振り帰って見た。 この場所。子供の頃と一緒。そして多分これから先も一緒。子供の頃からの親友とも、ずっと、一緒。 それなりに楽しくやっていける毎日は、そう簡単に揺らぎはしないだろう。 けれど、それでいてさえ何だかんだで変わっていくものはあって、 過去は思い出になってしまうし、未来は今と同じでなくなることは避けようもなくて、 それはあの子たちにとっても同じこと。 それは当然のことでもあり、同時にどこか哀しいことでもあるけれど、 それこそ大昔から人が代々繰り返してきた営みであるわけで、 ではどうしてそんな営みを繰り返すのかという思いがふと頭をかすめたりもするけれど、 そんな話は自分の手に余る問題でしかないし、 どうせ、今夜飲んだ後にはすっかり忘れてしまっていることだろう。 「にゃもー、今夜はあんたのおごりね」 「いいけど、借金の1万円分はあんたのおごりね」 チャイムが鳴って、物憂い午後の授業が始まる。 (了)
うほっ 一気に始まって一気に終わってる。
ウホッ!いい放置・・・
>>456 19話がテーマのSSは初めてですね。
「大人」に不安を感じながらも「大人」を目指す神楽と
「大人」になっても「大人」になりきれていないにゃもに対し、
何も考えていないゆかりがいい対比になってます。
19話でも最終回でもそうだけど、ゆかりって何気なく深いことを言うんですよね。
>>452 さんに励まされたからというわけではないのですが、SSを一つ書きました。
amnsさんの作品の近くに自分の拙い文章を晒されるのも忍びないですが、
引っ込めようという気が起きないうちにさっさとUPすることにします。
その日の休み時間、榊は空を見ていた。別に空を見るのが好きなわけではない。 ただ話す相手がいないから、特にすることがないから、席が窓際だから空を見ているだけである。 晴れた日の青空なら見ていて明るい気分になれるが、 その日の空はどんより曇っていて、見ていても楽しくはなかった。でも空を見ていた。 そうすることで孤独に慣れることができた。 「あれー?よみ、また太ったんじゃない?」 「またって言うな!」 「やっぱり昨日の鯛焼きのせいだよな。悩んだくせに3つも買うから」 「うるさい!カロリー控えめだったからいいんだよ!」 「今日も帰り食べよっと。ダイエットが気になる人は見てるだけでいいから」 「お前はー!」 教室に一際大きい声が響く。クラスメートの智と暦だ。こんな日でも、いや、どんな日でもこの2人は 騒がしい。そして、仲がいい。 榊はこんな2人の仲をうらやましく思っていた。どんなときでも本音で語り合える、嘘を言ってても本音 が通じる、ケンカをしてるように見えても心が通じ合っているこの2人が。 そんなふうに心が通じる相手。自分には現れるのだろうか。
「榊―」 不意に榊の周りにだけあった静寂が破られた。2年生に進級してからクラスメートとなった神楽が声を かけてきた。雑誌片手に近くの椅子を引き寄せて榊と向かい合うかたちで座った。 マウンテンバイクは最近買ったらしく、神楽の興味は別のものに移っていた。 「よさそうなスニーカーがいくつもあってさー どれにしたらいいか迷うんだよなぁ」 神楽が広げてみせたページにはいくつものスニーカーが載っていた。どれも神楽らしいスポーティな 外見の靴が並んでいたが榊にはそれらにどんな違いがあるかわからなかったし、わかろうとも思わなかった。 神楽が別の特集を見るためにページをめくっていると、榊は途中のある1ページが目にとまった。反射的にそこに 指を入れてページを確保しようとする。しまった、と思ったときにはもう遅い。榊の卓越した反射神経と 瞬発力はそれを成功させてしまっていた。 「な、なんだよ」 榊の突然の行動に神楽はとまどった。 「…いや、なんでもない」 榊は顔を赤らめ、指を引っ込めながら言った。 「なんでもないことはないだろ」 言ってから神楽は紙のゆがみから指を入れたページを見つけ出した。そこにはかわいいぬいぐるみが いくつも載っていた。
「なんだ、榊こういうのに興味あるんだ」 「…いや、あの」 榊は狼狽し、口ごもった。 やっぱり私がこういうものを好きなのはおかしいだろうか? 私にかわいいものは似合わないだろうか? この人は私を変だと思うのだろうか? 榊は自分自身を追い詰めるような思考を始めた。それは榊自身が作り出していた心の壁だった。 人が自分をどう思っているか、自分にかわいいものは似合わないと思われているのか。 そんなことを気にしているために、いままで自分の趣味を分かち合える、 心の底から通じ合える友達ができなかった。そして榊自身はそれに気づいていなかった。 「なんか変な感じだなー こういうのが好きってなんか似合わないな」 何の遠慮もなしに言った神楽の一言は榊の心を深くえぐった。 「そこまで言う事ないじゃないか!」 いきなり心の一番深く繊細な部分に踏み込まれた榊は普段からは想像つかないほど声を荒らげて言った。 「なんだよ。こういうの私にはよくわからないからさ。それでちょっと変だと思っただけだ」 「私だって君の趣味はどこがいいのかわからない!」 「そんな言い方ないだろ!頭がいいからって自分の方がいい趣味だって思うなよ!」 「私はそんなことは言ってない!」 突然始まった口ゲンカはしばらく続き、クラス中の視線がそこに集中したが、当の2人だけがそれに気づかなかった。 授業の開始によりケンカが終わると、神楽は自分の席に戻り、榊は神楽とは反対の方、すなわち空を見た。 外はいつのまにか雨が降っていた。
昼休み。普段なら神楽が席にやってきて一緒に弁当を食べるのだが、この日、神楽は来なかった。 弁当は持っていたが、どこかこの教室ではない別のところで食べているようだ。 暗い空を見ながら食べた弁当はなぜかおいしくなかった。 別に神楽が来てくれるのが楽しみだったわけではない。一緒に弁当を食べるのが楽しいわけではない。 神楽の話を聞いてて楽しいわけではない。それなのに、なぜこんなに心が暗いのだろう。 なぜ、あのときあんなに怒ってしまったのだろう。図星だったから? 今の榊を支配している感情は後悔だった。 まるでこの世の終わりみたいな暗い気持ち。これはいつまでも続いてしまうのだろうか? 「榊」 食堂から帰ってきた隣の席の暦が声をかけてきた。 「友達ってさ、ケンカしても何しても簡単には離れないものなんだ。お互いが友達だと思っていればね。 だからあんまり思いつめるなよ」 榊には何も答えられなかった。 私と神楽は何も分かり合ってないけど、友達なのかな? 何でも分かり合っているあの2人みたいになれるかな?
放課後、ホームルームが終わると同時に神楽は榊の席の方にやって来た。 「あのさ、その……ゴメン!私が悪かった!」 神楽はうつむいてから、しかし、榊に向き直ってはっきりといった。 神楽の素直な言葉に榊はなぜかそれだけで神楽を許せる気分になった。 「私の方こそゴメン。……今日は一緒に帰ろう」 「うん!」 榊は微笑みながら言い、神楽も笑顔で返した。 そうか。こんな簡単なことでいいんだ。
「それで、スニーカーなんだけどさ……」 雨があがった帰り道、神楽は話を切り出しておきながら、途中で言葉を切った。今日のケンカの原因を思い出したのだろう。 だが、榊はその言葉を受け取り、返事をした。 「で、それってどういうものなの?」 榊は共通する趣味がないのに仲のいいあの2人を見て悟った。 お互い分かり合うためには、自分が相手をわかってやらなきゃいけない。 「で、これなんだけどさ」 神楽は雑誌をカバンから取り出し、それを見せながら笑顔でその説明を始めた。榊もその話に聞き入った。 話を聞きながら榊は考えた。次があったら、今度は私からだからね。 「ん?榊、なんか考え事してる?」 「いや、なんにも」 神楽はそのことはどうでもよかったのか、突然話を変えた。 「なあ、明日休みだからさ、サイクリング行こうぜ。マウンテンバイク買ったしさ。」 「……うん」 榊は答えてふと空を見上げた。数時間前、空を暗い灰色に染めていた雲は いまでは青い空に白の彩りを添えていた。 それをみて榊は気づいた。 たまに色を変えるから青空はきれいだと思えるんだ。そのとき楽しくなくても、晴れを望めば雲はいつか晴れる。 たまに曇りだったり雨だったりすることも悪いことじゃないんだ。 ――でも、明日は晴れたらいいな。 ―終わり―
>456-467 乙ッス!堪能いたしました。 にゃもの揺れる心理が丹念に書かれてて良かったです。 神楽と榊の『二人だけの領域』の描写もちゃんと入ってて満足。 >返事らしい返事はない。ゆかりは面倒くさそうに目を閉じ、んんー、と唸って >フェンスに寄りかかったままだ。 >だから、みなもは青々と広がる空をじっと見つめ続けるだけだった。 ここ、イイっすね。表現、冴えてると思いますた。 ではでは。
>>471-476 榊さんが神楽と友達になるため「意識的に合わせていこうとする」過程ってのは
私もあまり描き込まなかった部分ですので新鮮でした。
「今はまだ分かり合っていないけれど」友達になっていきたい、
という辺りがリアルですね。
よみが間に入るところも何気に私の好み (・∀・)b
19話見ててどうかと思ったのは……。
神楽の焦りと他の連中のモラトリアムぶりを対比させるのはいいとして、
それらのテーマを支えるべき「未来」を象徴する大人の話が
「大人になれず、ぐだぐだと揺れる心」を晒しただけで終わりではなあ、と。
特に、せっかく「子供と大人の話」という構成で神楽とにゃもにスポットライトを当てるのなら
この2人の師弟関係を生かさないのはもったいない。
そんなわけで、ちゃんと各人のエピソードをリンクさせながら
「大人になること」を語る話になるよう再構成を試みたわけです。
(あのあと見合いや転職に至らなかった理由も説明しなければいけないし)
ある意味では、「卒業」によって終わる作品としての
「あずまんが」そのものに捧げるような思いも込めています(特にラストの部分)。
かくいう自分も、だいぶ書き散らしてネタを出しきったし
もうすぐSS書きは卒業せざるを得ないと思ってますが、
願わくは最後がお目汚しになりませんように。
>>478 お褒めの言葉ありがとうございます。
初SSでしたが、そういう言葉を頂けると書いてよかったと思います。
と言っても思いついた話を書いてみただけなのでネタのストックはなく、
次を書く予定はないのですが。
「大人になること」というテーマは難しすぎて俺の手に余るものですが、
誰でも考えなきゃいけない問題としてのしかかってきます。
ゆかりでも一人前に仕事をやっているんだからなんとかなるだろう、
と楽観的に考えることにしましょうか。
のんきにあくびしていられるうちが花ですね。
amnsさんがあと少しで引退してしまうのは残念です。
願わくばまたネタがわいてきてたくさんのSSを書いてくれますように。
480 :
479 :03/05/23 19:28 ID:???
今日「Whiteberryの小さな大冒険」を聴いたら
自分の書いたSS(
>>471-476 )を思い出した。
(この歌をもとに話を作ったわけではない)
いや、それがどうしたと言われたらそれまでなんだけど。
まる2日レスがないので保守をかねて雑談。
そういやR.F.氏の言ってた歌詞もどういう含みか気になるな
とりあえずなんか書き込んどくか。 DVDに入ってるRaspberry heavenってスタッフ名とか はいってないのかと思ったけど、入ってるバージョンも収録されてたんだね。 それがどうしたといえばそうなんだが、なぜか嬉しかった。 みんな知ってた?
>>482 今確認してはじめて知った。
ちゃんとそのバージョンを用意してるなら話の後に入れればいいのに。
(DVDは話が続いて収録されていてOPとEDは最初と最後しかない)
結局こちらでは何の話もしてないうちにたちまち事が運んだか…… あっち東北、こっち九州な感覚(不謹慎)
俺は統一反対に一票入れたのだが、結局こちらの意見は聞けなかった。 このペースだと遠い未来の話に思えるが、みんなはどう思ってたんだろう。
ここのスレとなら合流してもいいかなと思ったよ。 でもまだその時期じゃなかったのかもしれない。
487 :
山崎渉 :03/05/28 10:22 ID:???
∧_∧ ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。 =〔~∪ ̄ ̄〕 = ◎――◎ 山崎渉
>484-486 何の話よ?クラスで嫌いな奴の話か?
ともよみスレでしょう。 逆にこっちから合流持ちかけたら受け入れてくれるのだろうか。
「はいらせてー」 「わかったから泣くな」 ってかんじか?
ま……今度このスレが1000行って合流が問題になるまでには あと数ヶ月はかかるかと
ちよちゃんSSに期待しやすよ (o^-')b
あ、あちらを読んでくれたんですね。 今推敲しているところなので、もう少し時間がかかります。 ところで、連続投稿規制や1レスの行数制限って 具体的な数字はどうなってるんでしょうか? 結構長いんで重要になってくるんですが。
>>493 行数制限はよくわかりませんが、とりあえずこのスレ中のレスから
調べる限り、32行は大丈夫みたいですね。
また連続投稿については、経験上では6レス目ぐらいで数分間足止めを食ったり、
あるいはほとんど障害にならなかったりといろいろですが、さほどの問題にはなりません。
しかし、内容が長い場合に最も悩むのが
「文字数制限と内容の区切りの兼ね合いを考えて、どの辺で切るか」かもしれません。
で文字数制限ですが、
>>464 の投稿時に引っかかり、
数文字削って通っています。
>>464 本文の文字数をワードでカウントすると
960字(スペース・改行マークを含めて)ですから、そのぐらいが限度と思われます。
まあ、それより若干少なく考えるぐらいがよいかも。
……というわけで、推敲がんばってください。
495 :
493 :03/05/31 14:59 ID:qaWMg/4J
>>494 丁寧な回答ありがとうございます。
連続投稿規制ってレス数じゃなくて時間なんでしょうか?
あと少しというところで切れるのが怖いので、
ひとまず前半だけUPすることにします。
ちよちゃん中心と言いましたが、
「みんなの視点からちよちゃんを描く」
というコンセプトで書きました。
よって相対的にちよちゃんの出番が少ないと思うかも知れませんが
そのへんはご容赦を。
「ちよちゃん、おはよう」 今日、私たちはちよちゃんの家に来た。 高校を卒業してから4ヶ月。私を含めてみんな大学は夏休みに入った。バイト以外やることもなく だらだらと過ごしていたある日、ちよちゃんから電話が来た。今年も別荘に行かないかと。 アメリカでは9月から学校が始まるので、ちよちゃんにとってはこれが日本での最後の思い出になる。 ちよちゃんがそれを一緒に過ごす相手として私たちを選んでくれたのは、とても嬉しかった。 「おはようございます、ともちゃん、よみさん、大阪さん」 ちよちゃんが相変わらずの笑顔で私たちを迎えてくれた。ちよちゃんに会うのはあのマジカルランド以来だ。 「ちよちゃん、嬉しそうだな」 「はい。わたし、みんなと会えるのを首を長くして待っていたんですよ」 「じゃあちよちゃんキリンやなー」 「……はー」 大阪の相変わらずのボケに戸惑うちよちゃん。 「……みんな、久しぶり」 「元気だったか?」 榊と神楽だ。榊は忠吉さんの近くに座っていた。 ともや大阪とはよく会ってるけど、この2人とはあれ以来だな。 「よー神楽、あいかわらず胸でけーな」 「ばか、なに言ってんだよ!」 「久しぶりにあった友達にいきなり言うことがそれか?」 これまた相変わらずのともに顔を赤らめて怒鳴る神楽。そして思わずつっこむ私。 たった4ヶ月前まで当たり前に繰り返されてきた光景だが、なんだかとても懐かしく感じられた。
「みんなお待たせー」 ゆかり先生と黒沢先生が来た。あのときは気が向いたらなんて言ってたけど、やっぱり来てくれたんだ。 卒業式の日、ゆかり先生が私たちに背中を向けながら言ったセリフを私は今でも覚えている。 「ほんじゃまったねー」と言ってくれたんだ。また会うつもりなんだって。 「あと来てないのは……かおりんか?」 「あ、かおりんさんは予備校の勉強合宿で来れないそうです」 うーん、あいかわらず不幸なやつだな。 「それじゃ、全員そろったってことで出発ね。私の車とにゃもの車に乗る人に別れてー」 「え?今年はレンタカーじゃないのか?」 「……かおりんさんも来ると思ってて用意しなかったんです」 「じゃあ、ジャンケンか。まあ、ちよちゃんは除くとして」 言って私はちよちゃんを見る。だが、次の瞬間、 「私もジャンケンします!」 とちよちゃんは力強く宣言した。きっとこれから親元を離れるにあたっての自立心の現われなんだろう。 「ちよちゃん、無理しなくていいんだよ。まだ子供なんだから」 「いいえ、今回は私もやります!」 ともの言葉にちよちゃんはますます意気込む。 おまえ、ちよちゃんのそういう性格わかってて言ってるだろ。 「じゃあいきますよ。ジャーンケーン」 6人の命を賭けたジャンケンが始まった。
「……ちよちゃん、大丈夫か?」 車の中で白くなって固まったままのちよちゃんに声をかけるが返事がない。 とりあえずちよちゃんを支えて車から出す。 しかしただ見ているのと実際に乗るのがこれほどの違いとは……恐るべしゆかり車。 ちよちゃん、アメリカに行く前にとんだ試練だったな。 そういえばともが免許をとったらどうなるんだろう?まさかこんな風に…… 私は恐ろしい思考を中断させ、私自身ふらつきながらもちよちゃんを別荘の中に連れて行った。 「……よみさん、ありがとうございます」 「いいから休んでなって」 まだ震える声で言うちよちゃんに私は返事をし、私も床に大の字になった。 ともは早くも着替えを終えている。いや、始めから着ていたのかもしれない。 窓からは海が見える。太陽の光が海に反射し、その光のゆらめきはまるで私たちを手招きしているように見えた。 それを見ているとなんだか元気がわいてくる。 こんなうきうきした気分は久しぶりだ。この別荘にいる間は遊びまくろう。 ……ちよちゃんが無事回復したら。 私はしばらくの間休憩しながらちよちゃんの介抱を続けた。
「海だースイカ割ろうぜー」 「いきなりそれかよ」 騒ぐともとつっこむよみ。まったく、ちっとも変わってないな。 「神楽ー今度こそ私がやるからなー」 「わかったよ」 ともは適当なところにスイカを置き、バットを持って目隠しをしてぐるぐる回りはじめた。 ……ってそんなに回る必要ないだろ! とにかくともは適当に歩き回ってからバットを振りかぶった。その狙いの先には日陰で寝そべっているちよちゃん! 「わー! バカ! 危ねーよ!」 間一髪、ともを阻止することができた。 「おまえ危なすぎ! もうスイカ割りやめろ!」 「えー そんなー」 ともから目隠しとバットを取り上げた。 「大阪、おまえやってみるか?」 「うん、ほんならやってみるわ。なあともちゃん、右に回って目がまわったんなら左に回れば打ち消せるんとちゃうか」 「おお、そうかもしれん!」 「そういう問題じゃないだろ! やっぱ大阪もダメ!」 結局スイカは私が割った。ともがうるさかったけど。
それぞれが海で遊び始めた。水をかけあってはしゃいだり、適当に泳いだり、 砂で何かを作ったり、意味のないラクガキを繰り返したり。 ともがビーチボールを持ってきた。 「ちよちゃん、ビーチバレーやろうぜー」 「はい、受けてたちましょう」 「おーい、私もまぜてくれー」 「わかった。それじゃ私と神楽が同じチームな」 「ええ!?」 「おいおい、それじゃちよちゃんかわいそうだろ。おまえとちよちゃんがペアでいいよ」 「いいだろう、相手にとって不足はない!」 「おまえ、よくそんなこと言えるな」 というわけで私対ともちよペアということになった。2対1だけど、勝負は始終私のペースだった。 「これで勝ったと思うなよ! ここからともちゃんが本気を出してやるからなー。胸でかいからっていい気になるなよ」 「胸は関係ないだろ!」 まったく、変なこと言い出すなよ。 普通にサーブをしたつもりだったが、力が入りすぎたようだ。ちよちゃんはそれをレシーブするが、 それだけで精一杯だったのか、ボールはゆるい弧を描いて私側のコートへ飛んでくる。 しかしこれは思いっきりチャンスボールだ。 「もらった!」 全力でスパイクした。ボールは一直線にちよちゃんの顔面めがけて飛んでいった。 ちよちゃんにあわてて駆け寄る。 「……ごめん、ちよちゃん。大丈夫?」 「……大丈夫です。」 やや涙声でちよちゃんは言った。悪いことしちゃったな。 「気にしないでください。せっかく海に来たんですから楽しく遊ばなきゃ」 「……うん」 ちよちゃんは笑顔で言ってくれた。落ち込んだ心でもすぐに元気を取り戻すことができる優しい笑顔で。
「……ちよちゃんに本気でぶつけちゃだめだよ」 それまで観戦していた榊がさっきの出来事に駆け寄ってきた。 「ゴメンゴメン、つい本気出しちゃって。榊、せっかくきたんだから勝負しようぜ!お前相手なら本気で勝負できる」 「お、出た、勝負バカ!」 「バカは余計だ!」 ともはすぐそんなことを言ってくる。本物のバカのくせに。 「わかった、勝負しよう」 「よーし、そうこなくっちゃ。おーい、よみー、大阪ー、お前らも入れよ」 「よし、わかった」 「ならチーム分けせんとなー。私らはボンクラーズチームや」 「よーし、ボンクラーズ再結成だ! 行くぞ、ボンクラーズ!」 「ボンクラーズ言うな!」 「なんだよー神楽もりっぱなボンクラーズだろー」 「うるさい! たしかに勉強は……だけど」 だんだん声が小さくなっていくのが自分でもわかった。 「まあ、とにかく行くぞ榊、勝負だ!」 気合を入れなおして、勝負に臨んだ。榊と勝負するのも久しぶりだな。
「夜は縁日ですよー みなさん浴衣は持ってきましたか?」 「ちゃんと持ってきたでー でも着方がわからへん」 「大丈夫ですよ。私と榊さんが着付けできますから」 「私もできるわよ」 にゃも先生が話に入ってきた。 「え? にゃもちゃん、できないんじゃなかったの?」 「今回のお呼びがかかってからにゃもが急に練習しはじめてね。 まあ、去年は失態を演じたし、今年はいいとこ見せようとしたんじゃないの?」 「うるさいわね!何もしないあんたよりましでしょ!」 「先生ー 練習台ってゆかり先生なんですかー?」 「そうなのよ。また人をつき合わせてねえ。ネクタイのときより時間かかったわよね」 「もうその話はやめてって言ってるでしょ!」 「じゃあラブレターの話にしとく?」 「あんたねー いいかげんにしなさい!それともあのこと話していいっていうの?」 ゆかり先生とにゃも先生のケンカや。 うーん、大人の話やな。でもケンカしないでもっと話聞かせてくれへんかな?
着付けも終わって縁日にレッツゴーや。ちよちゃんの浴衣姿かわいいなー。 「さー屋台だ屋台だ 焼きそば、たこ焼き、りんごあめ、どれから食うかなー」 ともちゃん元気やなー。さっきからずっとはしゃいでる。 「なあよみちゃん、前からおもってたんやけどな、ともちゃんって猫みたいやね」 「そうだな、きまぐれでわがままでなまけもので」 「!!……」 榊ちゃんがなんか赤くなって顔をおさえとる。どないしたんやろ? そういえば猫って長生きすると化け猫になるって話やな。でもそんなところ誰が見たんやろ? だれも見てないのにどうして化けたなんて言えるんやろか?化け猫に聞いたんかな? ……そうか、ともちゃんは化け猫やったんや!そんでともちゃんに話を聞いたんや。 でもうかつに聞くと化け猫にとりつかれてしまうかもしれへん。これは誰にも内緒にしとかなあかん。 そういえばちよちゃんのお父さん。自分で猫って言ってたはずや。やっぱり化け猫なんか? ということはちよちゃんも化け猫?もしかして実はみんな化け猫?大変や。これはすぐに確かめな。 化け猫ならきっと尻尾があるはずや。 って周りを見てみたら誰もおらへん。あれ?みんな消えた。猫に戻ったんか? 「大阪さーん」 遠くからちよちゃんがこっちに走ってきた。 「どうしたんですか?いきなりはぐれちゃって」 「なあ、ちよちゃん尻尾ある?」 「へ?」
「私がはぐれとったんやー ちよちゃんごめん」 「いえ、いいんですよ」 結局他のひとは見つからんかったんで、ちよちゃんと2人で手をつないで歩いた。まあ、他の人にはすぐに会えるやろ。 みんなとはぐれてしもうたけど、誰よりも早くちよちゃんを見つけられたことがうれしかった。 「あ、金魚すくいや」 「……でも飼える人がいませんから」 「じゃあ、海に放流してあげよ」 「金魚はこういうことのために作られた魚で、自然の中で生きていく力はないんです。 だから必ず誰かが面倒みてあげなきゃいけないんです」 へーそうなんや。さすがちよちゃん、天才やな。なんでも知っとる。 「じゃあ輪投げはどうや?ちよちゃん、なんか欲しい物ある?」 「あのねねここねねこ欲しいです」 「よしわかったー やったるでー」 と思ってやってみたんやけど、ちっとも入らへん。どないなっとるんや? 「あ、ちよちゃん、大阪」 後ろから神楽ちゃんがきた。榊ちゃんも一緒や。 「榊さん、ねねここねねことって下さい」 「よし、まかせろ」 「おお、榊やるか?なら私もやるぜ。勝負だ!」 2人が投げるとどんどん賞品がとられていった。輪投げ屋さん、大赤字や。 「だいぶ取っちゃったな。これちよちゃんにあげるよ。私はいらないし」 「ありがとうございます」 ちよちゃんは両手いっぱいの賞品をもって嬉しそうや。私が取ったものはないけど。
4人で歩いてると、たこ焼きやさんを見つけた。関西人だからたこ焼きを食べなあかん。 「ちよちゃん、たこ焼き食べようか」 「はい」 というわけでたこ焼きを食べた。うん、プロが作っただけあってうまく出来てるで。 「あの、私両手がふさがってて食べられません」 「はいちよちゃん、あーんや」 「はい!」 「熱いから気をつけるんやで」 ちよちゃんはおいしそうに食べた。よかったなー。 榊ちゃんがうらやましそうにこっちを見とった。なんや、たこ焼き食べたいんか? 「榊ちゃん、あーん」 「……いや、いい」 食べたくないんか?なら、なんで見とったんやろ?
「さあ夜は宴会だー 酒飲むぞー」 「だめでしょ!滝野さんたちまだ未成年なんだから」 なんだよ、にゃもちゃんケチー。 「まあまあ、いいじゃないの。私らだって19のときにはもう飲んでたんだし」 「さっすがゆかりちゃん、話がわかるねー」 「確かに飲んでたけど、教師としては見逃すわけにもいかないでしょ」 「いいじゃん、もう私たちの教え子じゃないんだから」 「ま、いいか。今夜は無礼講ね。」 そうそう、そうこなくっちゃ。 「よーし、かんぱーい!」 「かんぱーい」 みんなでビールの缶を開ける。でもせっかくだから…… 「ちよすけ、ビール飲もうぜ」 「え、あの、私は……」 「こら、とも。いくらなんでもそれはだめだろ」 「なんだよ、よみもノリが悪いなー」 「お前、もう酔ってんのか?」 「なに言ってんだか。ともちゃんがそんなに弱いわけないだろ」 「いつも私より先につぶれるけどな。それでいつも私が後片付けをやることになるんだ」 「ふーん、やっぱりともって真っ先につぶれそうだよな」 神楽が話しに入ってきた。 「なんだよー それじゃどっちが強いか勝負するか?」 「おう、受けて立つぜ。体育会系をなめるなよ」 「とも、悪いことは言わないからやめておけ」 「うるさい、号令かけろー」
……うーん、気持ち悪い。まあ、吐いたおかげでだいぶ楽になった。 トイレから戻ってくると、もう酒はほとんどなくなってた。大阪とちよちゃんはもう寝ている。 「とも、大丈夫か?」 よみが聞いてきたから、とりあえず手でマルの合図を出しといた。 「おまえ、もうだめだろ」 うーん、ピンチかもしれない。しかし、まだ倒れるわけにはいかない。 「あれ、にゃもちゃんは?」 「あーゆかり先生がつぶれてうるさいんで寝室に連れてった」 「なーんだ、それじゃ大人の話が聞けないじゃん。あーあ、せっかくの楽しみが」 それじゃ、別の楽しみを。 寝ているちよちゃんの二つのおさげをそれぞれの手でつかみ、ひっぱってみる。 「こらちよすけ、起きろ!」 「いたいいたいいたい、なにするんですか!」 「もう13歳なんだから、少しは夜更かししなきゃ。ほら、大阪も起きろ!」 「な、なんやー」 「やっぱ夜はワイ談よー」 「しかしなー、そんな話誰もないぞ」 「うーん、それじゃ何でもいいから話しようぜ」 「まあ、それもいいかもな」 4ヶ月ぶりに一堂に会した私たちは、久しぶりの会話で盛り上がった。 自分たちの近況の話、大学の授業の話、なんでもない日常の話、とにかく盛り上がった。話のタネは尽きない。 こうして酒の席で話しをしていると合格発表のときを思い出す。 マジカルランドから帰ったあと、よみを私の部屋に連れ込んで一緒に酒を飲んだんだ。 一緒に酔っ払って、お互いの肩にもたれたまま一晩中笑いあった。今もそのときと同じくらい楽しい。 さっきまで倒れそうなくらい酔ってたのも気にならない。
そのうち、どういうきっかけだったのか車の免許の話になった。 「……春休みあたりに教習所に行こうと思ってる」 「私もそうする」 榊ちゃんと神楽は予定があるみたいだ。 「よみー私たちはどうする?」 「私に聞くなよ」 「でもさー、やっぱ免許とってドライブいってみたいよな」 「思うんだけどさ、ともって車運転したらゆかり先生みたいになるんじゃないのか?」 「ま、それもいいかもな。助手席にはよみを乗せてやるよ」 「よくねえよ。お前の運転する車には乗りたくない」 「そうだ、ちよちゃんも……ってあれ?」 なんか白くなって固まってる。ゆかり車のショックか。……それなら 「私が免許とったらちよちゃんも乗せてやるよ」 「いいえ、え、遠慮しておきます」 「遠慮することないって。思いっきりスゴイ運転してやるからさ」 「ほ、ほんとうに結構ですじょ」 なんか震えてる。 「じゃあさ、ゆかり先生の車と私の車、どっちにするー?」 「うあーん うあーん」 「もうやめろって」 うーん、いじめがいのあるやつだ。これだからかわいいんだよな。
宴会が終わった後、起きている人で片付けをして、就寝ということになった。 隣の布団のちよちゃんを見る。いつもならとっくに寝ている時間だろうに、まだ寝付けないようだ。 「……ちよちゃん、眠れないの?」 「はい、なんだか目がさえて。一度起きちゃったせいでしょうか」 「ねえ、ちよちゃん、今楽しい?」 「はい、とっても!榊さんは?」 「私も楽しい。大学に入ってからは神楽とたまに会うだけだったけど、 今日みんなと会えてよかった。みんな変わってない。それだけでも今日ここに来たかいがあった」 「そうですね。みんなと一緒にいられてとても楽しいです」 周りを見てみる。今日遊び疲れてみんな寝ているようだ。静かな寝息が聞こえる。 「……ありがとう」 「え?」 「私、ちよちゃんにとても感謝してるんだ。ちよちゃんのおかげで私は今ここにいる。 ちよちゃんのおかげでみんなと友達になれた。ちよちゃんのおかげで高校生活はすごく楽しかった。 3年前にこの別荘に来たとき、本当は不安だったんだ。私は余計だと思われてるんじゃないかって。 でも、とももよみも大阪も、みんな私を迎えてくれた。 ちよちゃんのおかげでみんながかけがえの無い友達だと知ることができたんだ」 「そんな。でも私も榊さんと友達でよかったと思ってますよ」 「……ありがとう」 私はもう一度お礼を言った。
ちよちゃんが私の布団に入ってきた。私は何も言わずちよちゃんの暖かい体を抱きしめた。 「……榊さん、少しの間こうさせて下さい」 「うん、いいよ」 私の方からお願いしたいくらいだったけど。 「……私はちよちゃんのこと大好き。きっとみんなもちよちゃんのこと大好きだよ」 「はい!」 暗闇でもなぜかはっきりとわかる、明るい笑顔がそこにあった。 天使のように純粋で無垢な笑顔。私はちよちゃんのことが愛しくてたまらなくなった。 私のことを慕ってくれる妹。 私を孤独から連れ出してくれた親友。 私に幸せを運んできた天使。 私にとって誰よりも、何よりも、一番好きな人。 今は私の腕の中にいる。全身に感じるちよちゃんのぬくもりはそれだけで私を幸せにしてくれた。 「明日も遊ぶんだから早く寝ないとね。おやすみ、ちよちゃん」 「おやすみなさい」 私はちよちゃんと一緒にみんなが待っている眠りの国へ向かうことにした。
連続投稿規制につき誰かレスをお願いします。 もう少し続きます。
支援って同じ板内だったらいいんだよね? とりあえずここカキコ。
立て続けに良質の新作SSが投稿されているので、レスするのも忘れてじっくり読ませて頂きました。 「曇りのち雨のち…」榊さんが自らの努力によって、神楽との友達関係をより良いものにしようとする 過程が描かれていて好きですね。 「君がいた夏」ちよちゃんを交えた作品はあまり見受けられないので、続きも期待しています。 そして、amnsさんの「路」ですが・・・あちらで感想や考察?を書き散らしているので省略(^_^;;;
君がいた夏、続き楽しみにしてます
君がいた夏・・・・・・ええなぁ。とくにちよちゃんを抱っこして寝る榊さん、萌え!
「到着やー」 大阪さんは車から出て大きく伸びをした。 1週間ぶりに帰ってきた私の家。ここが私の帰ってくるべき場所。 なのに、ここに着きたくなかった。ずっと向こうにいたいと思った。 「じゃあ今日は解散ね。にゃも、今日飲みに行こー」 「あんたまだそんな元気があるの?」 ゆかり先生と黒沢先生がもう飲みにいく話をしている。 「神楽、大丈夫か?」 「……うん、なんとか」 ゆかり先生の車から出てきた榊さんと神楽さんが声をかけあっている。 「今日飲みにいこうぜー」 「ゆかり先生と同じこと言ってんなよ」 ともちゃんとよみさんもいつものような会話。 「じゃあほら、みんなー」 『ちよちゃん、ありがとう』 みんなで声を合わせて私にお礼を言った。
「じゃあ、これで解散…ですね……」 解散。もうさよなら。今日が終わったらもう……そう思うと自分の感情を抑えきれなかった。 「みなさん……」 私が紡ぐべき別れの挨拶は、言葉にできないままそっと唇から離れていった。 もう涙を抑えきれなかった。 「ちよすけ」 ともちゃんが私に歩みよってきた。 「マジカルランドのときもそんなふうに泣いてたじゃん。でも私たちはこうして会ってるだろ?」 ともちゃんが私の頭に手をおきながら言った。『泣いてる子供を諭すように。』 でも一度あふれだした涙はもうおさまらなかった。わたしはともちゃんに抱きついた。 「わかったわかった、甘えさせてやるから今はおもいっきり泣け。 そのかわり空港に見送りに行ってやるから、そのときは笑顔でな」 「……はい」 私はともちゃんの胸の中で泣き続けた。 ともちゃんはいつまでも私を暖かく包んでくれていた。
また夏が終わる。普通なら何度でも繰り返すなんでもない出来事の一つ。でも今回だけは特別だった。 アメリカへの旅立ち。大人への第一歩。 あれほど待ち望んでいたはずなのに、今はこのときが来なければよかったのにって思ってる。 時計の針を戻してみる。何も変わりはしない。 見送りに来てくれたみんなの方を見る。でも、そこに悲しい顔はなかった。 「いってらっしゃい、ちよちゃん」 「アメリカ行ってもかんばれよ」 「いつかちよちゃんの国に連れてってやー」 「ちよすけ、元気でな」 「大丈夫。ちよちゃんならがんばれる」 よみさん、神楽さん、大阪さん、ともちゃん、榊さん。みんな笑顔で私を送り出してくれる。 だから私も約束どおり、笑顔でみんなに手を振った。 「はい、いってきます!」 私が返したのはお出かけの挨拶。 「ちよちゃん、来年も別荘行こうなー」 「はい、またみんなで行きましょう」 そう、きっとまた会える。ここに帰ってくる。だから「さよなら」は言わない。 そろそろ飛行機に乗り込む時間だ。もう行かなきゃ。 今ここでみんなに向ける最後の言葉。自然と私の口から出てきた。 「みなさん、ありがとうございます! 私、みんなのこと大好きですよ!」 私は搭乗口へと歩き出した。
アメリカ行きの飛行機の中。ふと目を閉じてみる。 思い出すのはみんなの笑顔。 私に親切にしてくれる、優しく接してくれるお姉さん。 年下の私と同じ目線で、同級生として接してくれるお姉さん。 なんだかほうっておけない、私より年下みたいなお姉さん。 私をからかって、でも楽しい気持ちにさせてくれるお姉さん。 いつでも私を守ってくれる、天使のようなお姉さん。 そしてみんな、かけがえのない親友。 きっとみんなも私の笑顔を思い出してくれている。 だから、これからの行き先に不安はあるけれど、怖くなんかない。立ち止まりはしない。 私の心をあたためてくれたみんなのために、私は前に進み続ける。 あ、そうだ。時計の針もとに戻さなくっちゃ。 ―終―
ブラボー!!ブラボー!! 君がいた夏 ブラボー!!
あとがきは少し間を空けようと思い、ずいぶん遅くなってしまいました。
みなさん、(俺が呼びかけたとはいえ)レスを下さってありがとうございます。
連続投稿に関してはやはり時間で決まるようです。
>>510 の続きをやろうとしたところで連続投稿規制をくらったのですが、
その後テストのつもりで
>>511 をやってみたら実行されてしまいました。
ちよちゃんが「天才」であることの一番の幸せは
高校でみんなに出会えたことなんじゃないか、と
「世界はNEOHAPPY」の歌詞を見てそんなことを考えるようになりました。
それをテーマに書いてみたつもりです。(天才云々は別にして)
>>513 前作の方まで感想ありがとうございます。
>>515 萌えていただけて幸いです。(w
>>521 「君がいた夏」すごくよかったです。
それぞれのキャラの感じがよく出てて(・∀・)イイ
個人的には大阪さんの化け猫妄想のあたり、好きです。
漫画サロンの神楽スレでR.F.氏が創作法を開陳しておられましたな しかし何であのスレはあんなに盛り上がりが持続するようになったのか……
>>523 さん
いつかはこちらで書こうと思ってたことなんですけどね。
事の成り行きであちらに書いてしまいました。
まぁ……機会があれば推敲した上でこちらにアップしてもいいかな、と(´-`)
(まだビデオ見終えてないとかいうとちよすけににらまれるし
神楽さんには首根っこつかまれるから黙っていよう……)
というか・・・ 1の文がキモい。
これから発表する話は同じ出来事をとも、ちよそれぞれの視点から描いています。
とも視点の話は【あずまんが大王】とも・よみ総合スレ7
http://comic2.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1053960377/l50 の91から発表されています。そちらもあわせて読んで下さい。
同じ出来事を違う人物の視点から描くというコンセプトは前からあったのですが、
大阪板の人に先を越されてしまいました。パクリとか二番煎じとか言われても仕方ないのですが、
せっかく書いた話を引っ込めることもないと思って発表することにしました。
なお、そちらのスレにも同様の文章が掲載されますが、マルチポストとは言わないで下さい。
今日は私の家で誕生日パーティ。みんなが私の家に来てくれた。 ケンカしてともちゃんはよばないなんて言ったけど、やっぱりみんなと一緒が楽しいな。 『♪ハッピバースデー トゥーユー ハッピバースデー トゥーユー ハッピバースデー ディア ちよちゃーん ハッピバースデー トゥーユー』 みんなの歌が終わってロウソクを吹き消した。これで私も少しお姉さんになった。 「と、いうわけでこれから大プレゼント大会のはじまりー!」 ともちゃんの掛け声でみんな盛り上がった。 「とも、お前今年は『気持ち』なんて書いた紙じゃないだろうな」 「大丈夫だって。今年はすごいの用意したから」 「わー、楽しみです」 「ちよちゃん、あんまり期待しない方がいいぞ」 よみさんのツッコミも相変わらずだった。 よみさんは最近流行りのファンタジーの本、大阪さんは大きい犬のぬいぐるみ。 やっぱりプレゼントがもらえるってすごく嬉しい。
「てなわけで私達は二人で一セットです!」 「わー」 榊さんと神楽さんが渡してくれた箱の包装を開けてみた…… なに――― これ――― 「おっと! 一つ一つで見ればわかんないかもしれないけど ガキャーン 合体!!」 なに――? 「じゃあ、最後は私のプレゼントだな!」 どうしようもできずに固まっていると、ともちゃんが助け舟を出してくれた。 「ともちゃんはどんなプレゼントですか? 何も持ってないですけど」 「それはねー」 そう言ってともちゃんは笑いながら顔を近づけてきた。そして…… ちゅっ。 「どう、私のプレゼント? 私のキスってすごいレアでしょ」 私は今度こそ何もできずに固まっていた。
しばらくの間、思考することさえできなかった。 キスされたんだって理解するまですごく時間がかかった。 ……そんな……わたしのはじめてのキスが…… なんだか泣きたくなってしまった。 「あれ? ちよちゃんどうしたの?」 ともちゃんの無責任な言葉にすごく腹立たしくなった。 「もうしらない! ともちゃんのバカ!」 私は部屋を飛び出した。 「あ、ちよちゃん!」 誰かが私を追いかけてきた。
寝室で一人泣いてると、よみさんが部屋に入ってきた。 「ちよちゃん……」 私は泣くだけで何も答えられなかった。 「ごめん、ちよちゃん。私があのバカをちゃんと見てなかったせいで」 「もう……ともちゃんなんかしらない」 いつもの私だったら、そこで「よみさんのせいじゃないですよ」って言うはずなのに。 「ホントはさ、私ならともが何をするか予測できたはずだったんだ」 え? 「小学校2年生のときの私の誕生日にさ、あのバカ、プレゼントとか言って私にキスしてきたんだ。 クラスメートのみんなのいる前でさ。それであのバカ何て言ったと思う? 『私のファーストキスだよ。これでよみは一生の親友だよね』って。」 よみさんもファーストキスとられちゃったんだ。ともちゃんってほんとにしょうがない人だなあ。 「あいつバカだけど、ちよちゃんのこと大好きなんだよ。だからさ、とものこと許してやって」 すぐには「うん」とは言えなかったけど。でもよみさんに笑いかけることはできた。 「じゃあ、とも連れてくるから。ちゃんと謝らせないと」 そう言い残してよみさんは部屋を出て行った。
「こら、とも! バラしてんじゃねえ!」 隣の部屋からよみさんの声が聞こえてくる。バラすって……さっきの話かな? 私はさっきのキスのことを考えた。 ともちゃんの柔らかい唇の感触……いや、そういうことじゃなくって。 ともちゃんがよみさんにキスした後の言葉。よみさんが私に言ってくれた言葉。 そうか。そういうことなんだ。 自然と私の顔がほころんできた。 「ほら、入れよ」 よみさんの声が聞こえた。私はわざと怒った顔になった。
ともちゃん、私を見て少しは反省してくれるかな? いや、反省してもらわなきゃ。 「ちよちゃん、ごめんね。ちよちゃんのこと全然考えてなかった」 わかってくれたみたい。ならいいんだ。私はもうともちゃんのことを許しているんだから。 でも、今度はこの怒った顔をいつ元に戻すか、それに困ってしまった。 ともちゃんがポケットから何か取り出した。 「これ、本物の誕生日プレゼント。これあげるからさ、許してよ。また一緒に遊ぼう」 ともちゃんが渡してくれたのはブローチだった。天使が小さな宝物を守っている、そんなデザイン。 そのブローチにはともちゃんの気持ちがあふれているように思えた。 「はい、ありがとうございます」 作りものではない、本物の笑顔になることができた。ともちゃんも笑ってくれている。 「じゃあさ、改めて私からのプレゼント」 ちゅっ。 「……もう、ぜんぜん反省してないじゃないですかー」 また怒った顔になった。でも本当は笑っていたかった。 ともちゃんの『気持ち』は受け取ったから。私もともちゃんのこと大好きですよ。 ―おしまい―
533 :
メロン名無しさん :03/06/09 02:16 ID:UUop5Qk7
<<527-532 堪能しました
よみともスレの方で「ちよちゃんのファーストキスを奪ったとも」 なんて話が出たので書きました。 まあ、これもちよちゃん中心の話ということで。 あちらのとも視点の方も読んで下さい。
535 :
ちよ :03/06/09 02:29 ID:???
松井さん!ほーむらん!すご〜い!
>>527-532 ほのぼのとしていいね
正直大阪板のは「視点の違い」を生かしてるとは思えんし
アイデアは後でも内容では勝っているかと
ザッピングでつか。あちこちに書くより、一箇所にまとめて書くほうが見比べやすくていいと 思うぞ。 どうせなら、一レスを二分割して↓のように。 今日は私の家で誕生日パーティ。みんな | 今日はちよちゃんの誕生日。今年もちよ が私の家に来てくれた。 | ちゃん家でパーティだ。 | ケンカしてともちゃんはよばないなんて | あのときはケンカしてパーティに呼ばないなんて 言ったけど、やっぱりみんなと一緒が楽 | 言ってたけど、やっぱり私もいなくちゃな。 しいな。 |
↑ すみません。自分で言いつつ、ずれますた(w
>>537 なるほど、そんなやりかたもありますね。
しかしずらさずにすませる方法がわかりません。
ここからは個人的な意見で反論なのですが、
初めて読むときにあっちにこっちにと落ち着きなく読むのは好ましくない、
一応話の流れを追って欲しい、
すぐに互いの本音がわからない方がいい、
といった理由で俺が実行したやり方のほうがいいのではないかと。
一番の理由は書くときにやりにくいということです。
俺の問題ですがすぐ横に文章があるとなんか落ち着かないのです。
せっかくのご意見でしたが、そんなわけで生かせそうにありません。
(とはいえ、この形式をもう一度やるかどうかはわかりません)
一応自己弁護させてもらうと、ザッピングという形式自体は
以前から考えていたのですが、完成が大阪板の発表より遅れてしまいました。
その理由がエロパロ板にUPしたせいだとは……言えないよなあ。
540 :
539 :03/06/11 00:39 ID:???
なんか俺えらそうですね。スイマセン。 自分でSSを書いといていまさら聞くのもなんですが、 ちよ一人称の地の文は敬語じゃなくてもいいですよね? みるちーとゆかちゃんには敬語を使っていないので、 敬語が生来のしゃべり方ではないはず。 補足しておくと >私もともちゃんのこと大好きですよ ここで敬語なのは心の中でともに話しかけているから。
同じスレでどちらの視点の話も書けばまだ読みやすかったのではと。 まあスレ違い言われるのを回避したかったのかもしれんが? 大阪板のなんて特にそうだが「あちこちスレを回ってまで読む価値ある SSか、ああ?調子こいてんなよ」と読む者にマイナスの印象を与えて しまう可能性もあるぞ。 でも、内容的には萌えさせてもらったので、次回作を期待してまつ。
「どっちからでも読める」点 「一方を読み終わってから他方を読むのも、 平行して読むのも自由」という点 そういった点では別々のスレでよかったと思う。あと、イベントとしての面白みもあるしね。 まあ大仕掛けである分、別々のスレで2度3度と続けてやったり、そもそも内容がつまんなかったら 反感の方がでかくなりかねないというのは確かだけど。 ところで……作者さんはもしかして「曇りのち雨のち…」「君がいた夏」とも 同じ方なんですか?
>>541 ,542
ま、いろいろな意見をもらえてよかったです。
変わった趣向でやる場合は気をつけないといけませんね。
>内容的には萌えさせてもらったので、次回作を期待してまつ。
うーん、次回作かあ。いろいろ妄想を膨らましてるんですけどね。(危ねーヤツ)
>ところで……作者さんはもしかして「曇りのち雨のち…」「君がいた夏」とも
>同じ方なんですか?
はい、その通りです。
エロパロにも1作あるのは内緒。
それを書いていたせいで「Birthday Present」の発表が遅れたのはもっと内緒(w)
544 :
542 :03/06/13 02:14 ID:???
結構な長さのを3週に4本ですか……。 スゴいですなどうにも
545 :
543 :03/06/13 20:57 ID:???
>>544 一旦SSを書き始めるとそれ以外のことが考えられなくなっちゃうんですよ。
昼間学校にいるときも、夜寝ようとするときも
その後の展開をどうしようかとかそんなことを考えていて
パソコンに向かい合える時間になると一気に書く。
たいていは夜中まで時間をかけて。
そんなこんなで眠れない日々が続きました。
特にエロパロの最中は大変でした。(w)
>>545 凄いなあアンタ・・・・・・折れも昼間にSSのネタ練ったりはするが
夜、自由な時間になると、ついつい2chとか見ながら酒飲んで
酔っ払ってSS書くべき時間をドブに捨ててしまうからなあ。
尊敬するぜ!
547 :
545 :03/06/14 10:22 ID:???
>>546 やりたいことがあるのに、それができる時間になると別のことをやってしまう。
その気持ち、よくわかります。
一度SSを書いてる途中に「にゃも先生のエロエロ話を考えるスレ」
を見つけてしまい、それを読みふけってしまいました。
(執筆中でも2chや好きなサイトは定期的に見てます)
(露天風呂でくつろいでいるR.F.と登場人物らを想像してください) R.F.「(ふと、生真面目な顔になり)……SSの書き手とかファンとかはさ…… 『ビデオ』とか『DVD』とか『ファンブック』とか『原作本』とかで、 「あずまんが」を振り返ったりするじゃん」 神楽「あれはただの記憶の補助だろ?」 榊「私たちの場合は、台本とかがあるにしても全部自分自身のこと。 それらをわざわざ思い直して文章化する必要はあまりないと思う……」 R.F.「記憶の補助ねぇ…… 多分……それだけじゃないんだと思う。 ファンってのはさ。ビデオとか……変わらない時間や空間を用意してさ。 『変わらないもの』からどれだけ違うことを感じるかで、 自分がどれだけ変わったのかを計ってるんだと思うんだ」 榊・神楽「……」 R.F.「多分……その『変化』の量が『懐かしさ』とかそーゆーもんなんじゃないかな」 ちよ「R.F.さん……どうしたんですか? 変ですよ、R.F.さんらしくない」 R.F.「俺らファンは色んな媒体を使っていろんな『あずまんが』を見てさ 一人一人がそれぞれ多数の登場人物像を描いているよね。 あんたらは、それらの人物像に従って、一人一人の頭の中で自由に動き回り、 行動している。だけど……」 神楽「だけど?」 R.F.「SSの書き手は少ない。……ヘンだと思わない?」 神楽「そりゃ、榊みたいに詩を書くのが得意だって人ばかりじゃないし、 時間が足りない人、慣れてない人だっているだろ?」 榊「……すべての人が想いを文章に換えるすべに長けているとは限らない。 自分の心の中の想いだけで満足する人もたくさんいる……」
R.F.「どうして……俺は『あずまんが』のSSを書きたいと思ってるんだろ」 智「あんたに言われなくても、他の人がたくさんいいのを書いてるよ」 R.F.「たとえばさ……俺は名無しさんに戻って他の人と同じ『その他大勢』の立場から SS書いたり突っ込みいれたりしてもいいと思うんだ」 榊「……え?」 神楽「そ、そんなの、あんたが自分の存在を消すのと同じじゃない」 R.F.「そーなんだよねー。 じゃ、そもそもどうして俺は、トリップ付のハンドルでSS上げたりするんだろう」 暦「私の方が聞きたいね」 R.F.「なんで自分のサイトとか立ち上げるなりしてアップしたり、逆に自分の心の中で 想いを巡らすだけじゃだめなのかな〜 他にもたくさんSS書き手や予備軍はたくさんいるのに。 俺にとって『あずまんが』って一体……何なんだろうね」 神楽「だめだ! R.F.! そんな疑問……」 R.F.「……そもそも俺のSSで、あんたらの『人生』を改変したりしてるけどさ〜 それって、披露されることも含めて折り込み済み? 予定調和? "アップされることすら"決まっていたこと?」 榊「R.F.!」 R.F.「俺って本当に必要なのかなー」 神楽「初期化されたいんか!?」 「……ザァ、ザァァァァァァ」 (世界がゆがみ、暗転。そして……)
神楽「やぁR.F.。土日の休みも別ハンドルでの作業が色々立て込んでたり、 平日の疲れが取れなかったり、ビデオを見たりで、最近SSのアップがないとか いう話を聞いてるけど?」 R.F.「まったく……たまにはあんたらの顔を見ない週末の休息がほしいよ。 まとまった時間が取れないだけに、かえってやきもきしちまう。 書きたいストーリーがいくつかあるだけに、気の休まるヒマがありゃしない」 ちよ「それってひどい話ですぅ」 榊「……で。今回のSSは何?」 R.F.「うーん……なんかマニアな内容でね。掲載誌の休載でひととき休載している ファンタジー系漫画のストーリーをパロった話なんだけど……」 (終)
あう。アップしてから気がついた。最後の一文、 「掲載誌の休載でひととき休載している」 ↓ 「掲載誌の"休刊"でひととき休載している」 です。それと、参考文献はもちろん『ホーリーブラウニー』の第二巻です(・ω・)ノ
R.F.さん、あなたの言ったことを深く考える頭は俺にはないから 一言だけ言わせてもらいます。 キャラと一緒に風呂入ってるってどういうことだー!! いや、スイマセン、入ってるなんて一言も書いてありませんね。 俺はその元ネタは知らないのですがその場面では 風呂に入っているのですか? ……人がせっかくUPしたのに何を言ってるんだ、俺は。
俺は自分の思い入れを脳内でもやもやと巡らすだけでは飽き足らず 物語にすることできっちりした形に構成し、さらに同好の人々とも分かち合いたいわけです そんでついでに「イイね」と誉めてくれながら俺の名前を記憶してくれたりすると嬉しいので コテハンもつけてみた俗物なわけでありますが。 結果的にはここ1年弱ほど大変楽しい次第で、考え込んだこととかは一度もないなー というかどこまでが元ネタ通りなのか知らんわけですが ともあれ次ネタ ( ´∀`) ノ ガンバッテ
変身!!
555 :
555 :03/06/16 06:45 ID:???
compleat
次は
>>912 あたりでまた「変身」するヤシが出てくるのかな。
あずまんがと555に、いったい何の関連性が?
>>558 いや、なんの答えにもなってないし。
ところでそのトリップって「あのコテハンの人」でしょ
(昔の榊さんスレ参照)
すいませんですたスレ関係なくただの555ゲッツしてるだけなんで
答え:仮面ライダー 555は今やってるヤツの名前 で鷹さん今は「あずまんが大王で仮面ライダー」シリーズで執筆中なのです やっぱり今でもここは見てたのね 実をいうと、最強のあずまんがSSスレはここでもともよみでもエロパロでもなく このライダースレなのですな(と同時に多分ROMがほとんどいない超内輪スレでもある) 俺はライダー知らんから読んではないが、一目見ただけでもあそこの気合はすごすぎ おまえらスレの容量を600台とかで使い切らないでください (;・∀・) 何気に4スレ目だし(今は大阪板) ……関心のある人は見てください
>>561 なるほど、ライダーか。
クウガもアギトも見たが、龍騎以降は見てないなあ。
軽く挨拶。今後、ROMしまふ・・・
↑ 見た。あんたがスマレの中の人ですたか・・・・・・ まぁ、微妙にスレ違いなんでこのへんで終わって、話をSS作家の中の人に 戻すか。
実は・・・榊はちよちゃんとマヤーと一緒にお風呂に入っていたりする。もちろん裸で。
ちよちゃんは おとうさんとお風呂に入っているのだろうか。 裸で
神楽はいつまでお父さんと風呂に入っていたのだろう。 裸で
ちよ「そんな、私ももう高校生ですから、お父さんが『ちよ、一緒に入ろうか』っていうのを 全部お断りしました。ちょっと寂しそうでしたけど・・・えへ」 智、しばし言葉を失う。 智「・・・高校生はお父さんとお風呂入っちゃダメですか?」
>>567 神楽は片親という説もあったからな。親父とは仲良さそう。
↑ 親父はコワモテだが照れ屋なので、とても年頃になった娘に 「一緒に風呂に入ろう」なんて言い出せない。
神楽とお風呂入りたいのう・・・
572 :
メロン名無しさん :03/06/21 11:06 ID:Lwk9WpnO
>>568 加藤紀子は20歳まで、父親といっしょに風呂に入っていたそうだな。
だから、OK! マインド!
573 :
メロン名無しさん :03/06/21 11:16 ID:5YLxWMcG
バスタオル姿の神楽に背中流してもらう神楽父、 「あのさー、今度ちよちゃんちの別荘行くのに浴衣欲しいんだけど・・・」 「浴衣?おう、今度買いに行こうか」 などと言いつつ、胸の内では「そうか!とうとうこいつも浴衣なんか 着るようになったのか!いつまでも男の子みたいだと思っていたが・・・」 などと感慨にふけるのであった。
神楽の父は間違いなく角刈り。
神楽父は間違いなく体使う系職業 ・・・花火職人とか?
長距離トラックの運転手。
579 :
576 :03/06/22 00:36 ID:???
>>577 「娘の浴衣姿を喜ぶ親父」というと、こういうイメージがあってな・・・
どんなのだったらよかったかなあ?
・・・神輿職人とか?
>>577 短絡的と言ってしまえばそれまでだが、
あなたはどう思っているのだろう?
イマジネーションを見せてもらいたい。
別に、奇をてらう必要はないしね。
そーそー、どーせ妄想スレだもん。 自分の好きなシチュエーションやイマジネーションでいいんじゃないの?
「ちよー。一緒にー、お風呂でも入ろうか」 「えー?私、もう高校生だからおとーさんとお風呂に入ったりしないよー」 「・・・赤いものも・・・あるんだが・・・」 「赤いものは大好きだよー♪」 そこへ忠吉がすりよってくる 「・・・忠吉もー一緒に入るのかー?」 「忠吉さんはもう大人だから女の子と入っちゃダメですよー」 去ってゆく忠吉 「ちよは赤いのは好きだが忠吉はダメだと言う・・・」
ちよちゃん家の別荘、例えば2年生。 神楽、ちよ、とも、榊、よみ、大阪、ゆかり、にゃもが行ってる訳だが 風呂に30分入るとしてバラバラに入ると 30×8=240分=4時間もかかるわけだから 多分3人、3人、2人で入ってるよ。裸で。 乳3人、ペタ3人、先生 ボンクラ3人、秀才3人、先生 ・ ・ ・
ドンジャラの役?
例えばボンクラ3人だった場合 智・大阪「かえせー かえせー」 神楽「うるせー!」 智だったら絶対胸の話題をすると思う。
オレ的には水泳部の二人(たまたま)の 神楽とにゃもちゃんが萌えなのだが・・・ダメ?(笑)
588 :
ニャモ :03/06/22 11:36 ID:???
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589 :
ニャモ :03/06/22 11:36 ID:???
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590 :
ニャモ :03/06/22 11:37 ID:???
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591 :
メロン名無しさん :03/06/22 11:38 ID:aZnE/MHi
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なんか一気に荒れてきたな。 あずまんがに対する嫉妬なのか にゃもに対する嫉妬なのか・・・
>>592 いやだれかがageたからだと思う。
下がるまではがまん。
>>587 じゃ、その日は
ともとゆかりちゃんとちよちゃん、榊さんと神楽と大阪、水泳部だなw
それぞれどんな事話しながら風呂に入るか想像するとおもしろいな。
まちがえた >榊さんと神楽と大阪 ↓ 榊さんとよみと大阪
>ともとゆかりちゃんとちよちゃん ちよちゃん、おもいっきりいじめられそうだな。
神楽は 「黒沢先生、背中を流させてください」 と、にゃも達の入浴にお供しそう。 んで、当然のように、ゆかりに 「あたしの背中も流せ〜」とか 「いや、ほーんとでっかいわね。あんたの胸」とか もてあそばれるワケです。
ゆかり「あーあ、にゃも、教え子に負けちゃってるわね」 にゃも「そ、それはゆかりもでしょ!」 ゆかり「もしかして妬いてるの、にゃも?」 にゃも「うるさい!」 (神楽は赤面して黙ったまま。)
ゆかり先生にムネもてあそばれる神楽萌えー!!
600g
ゆかり「神楽、でかいわねー うりゃうりゃ!」 神楽「ゆ、ゆかり先生!」 にゃも「こら、ゆかり! やめなさいよ。教師がそんなことしちゃだめでしょ」 ゆかり「いいじゃない、今夜はにゃもにやってあげるから」 神楽「え、今のってどういう……」 にゃも「……」 話が違う方向にいってしまった……
■約束-1 ゴールデンウィークも終わり、本格的な夏がやってくる前の儀式ともいえる梅雨のまっただ中にしては 比較的穏やかな天候の六月のある金曜日。 図書館のそばにある、先日の雨に濡れた色とりどりの紫陽花か映える庭の椅子に腰掛け、 栄養学の基礎講座のテキストを読んでいた俺の目の前に、 時期柄としてはちょっと早いようにも見える半そでのTシャツに、 ジーンズといったボーイシックな格好をした女性が現れ、 子供が何かをねだるように右手を差し出しながら懇願してきた。 「なあ、小川教授の月一レポート、まだやってないんだ。写させて」 「……」 あまりにもの突拍子な、それでいて彼女にとってはごく当たり前の ルーチンワークであるかのような口調での科白に、俺はあえて無視をして相手を見ず、 テキストから目を離さなかった。 目の前の女性は、俺が無視してテキストを読みすすめるのを見るや、 体を傾けてじっと俺の顔を食い入るようにして見つつ、懇願を繰り返す。 「頼むぜ、なぁ。小川教授のはお前しかあてがないんだ」 「神楽……それ、人にモノを頼むような態度じゃないぞ。 それに、お前が頼んでるのは小川教授の講座だけじゃないだろ」
■約束-2 彼女の名前は神楽。俺と同じ教育学部の体育科の三年生。 高校の時は二年・三年と同じクラスだったが、「結構体育全般が得意で、特に水泳で活躍する奴」 くらいにしか印象がなかった。 いや、それはちょっと語弊があるかもしれない。 二年になって他クラスから編入してきた時(噂では谷崎先生が強引に黒沢先生から奪い取ったらしい)、 はじめは、同じクラスメイトの榊と同じようにスポーツの出来る奴が来たな、くらいにしか思えなかった。 けれど……あまり手入れをしていないようなショートカットの髪型。笑う時に見せる満面の笑み。 夏の部活で日焼けしている時の肌。ざっくばらんな性格。そしてほんの時折見せるしおらしさ。 次第に、彼女に何となく心引かれていったのは事実だ。 けれど彼女らは榊や水原ら、「仲良しグループ」でいつもつるんで行動していたし、 自分も勉強で異性がどうとか考えている余裕はあまりなかった。 若さゆえの幼い考えから、なんらかの理由をこじつけて話しかけることはあった。 話しているだけで、それだけで何となく楽しかったし嬉しかったのだ。 だがそれ以上の……つまりクラスメート以上の関係ではなかったし、なりえなかった。 「余裕がないヤツ」と言われれば否定できないが、それが自分の生き方でもある、と自分を納得させていた。
■約束-3 神楽は水泳を続けるために体育系の大学を受けると榊たちと話していたのを小耳に挟んでいたが、 まさか俺と同じ大学(すべり止め)の教育学部を受けているとまでは知らなかった。 クラスメート以上の関係でない俺が、彼女の受ける大学を知るすべなどなかったからだ。 だからこそ、俺が本命の大学に落ち、多少気落ちしながらも入学したすべり止めの大学での入学式が終わったあと、 会場の出口で俺の名前を呼ぶ正装した神楽の姿を見たときは、正直驚きもし、我が目を疑ったものだ。 彼女は彼女で俺のことをそれなりに覚えていたし、 大学内で同じ高校での知り合いが他にいなかったこともあって、何かと俺を頼りにしてきた。 もっともそれは彼氏彼女の関係などではまったくなく、 むしろ学級委員と出来の悪い一生徒、兄と弟(妹、ではなく)という関係に近い。 大学に入っても彼女はあくまでも彼女らしく、その振る舞いは高校の時と変わらなかった。 ただ、本人はどう思っているか知らないが、俺を頼りにするその姿ははたから見れば 彼氏彼女の間柄のように見えたらしく、彼女の性格ゆえに多くの同性・異性の友達が彼女に出来た後も、 彼女に「手を出す」輩が現れることは滅多になかった。
■約束-4 また、たまに手を出そうとする者がいても、彼女自身が「撃退」していた。 それだけが俺にとっては救いであり、幸いでもあった。 実際、手を出そうとした、彼女いわくの「チャラチャラした野郎」が、 彼女の蹴りを股間に食らって撃退されたという話も、彼女との飲みの際に聞いている。 無論俺はその話を聞いた時、彼女に、男性にとって股間がいかに大切なところであるか、 その「彼」がどんなことを神楽にしたかは分からないが、 あまり酷いことをするのもいかがなものかと諭したものだ。 彼女はそういう「性的な」話には興味はあるもののやはりそれ以上に恥ずかしいようで、 顔を真っ赤にしながらうつむき、「うん……気をつけるよ」とだけ答えたものだ。 顔を赤らめたのが酒による酔いのものなのか、恥ずかしさゆえのものなのか、 それともそれ以外のものなのかは分からないが、そんな彼女の顔を見て、 たまらなくいとおしいと思ったのも事実だ。 もっとも、その時、自分自身も多少なりとも酔っていたのも確かだが。 一言でまとめると「腐れ縁」的な関係が続いていた神楽と俺だったが、三年にもなると 学科は別々になり、同じ授業を取ることも少なくなった。 俺は栄養学科を選び、神楽は体育科を選んだ。 俺は元々栄養士か、栄養学的に他の人をサポートする仕事に就きたかったし、 彼女は高校の時の部活の担当教師の名を挙げて「将来はゆかり先生みたいな体育の先生になりたいんだ」と 言っていたので、これはこれで仕方がない。 だが学科は別になっても、共通する科目はいくつかあったし、神楽は一、二年の時に「不可」をもらって 再履修している科目もあったので、彼女が俺を頼る機会は相変わらず多かった。
■約束-5 ……そんな彼女が、いつものごとく、小川教授のレポートを俺に求めていた。 じっと俺を見つめる彼女の視線からあえて自分の目をそらすと、彼女のTシャツの胸元に目が留まる。 少しかがんだ状態の彼女の胸元は、襟首の前の部分に少し大きめの空間が出来、 俺の目にはその先に浅黒い彼女の肌と、胸元の谷間がさらに強調された形で映し出された。 位置がもう少しずれれば、その先も……と、一瞬だけ見とれた後、はっとなった自分を反省して首を横に何度か振り、 「どうしたの?」という顔立ちで、さらにこちらを見つめ続ける彼女に、 (「ったく……胸のことを言われるのが嫌いだっていう一方で、 自分の胸がどれだけ俺を誘惑してんのがわかってるんかよ……」) と思いつつ、言葉を返した。 「今月で三つ目だぞ。それに、人にモノを頼むときの態度をもう少し勉強しろよ」 「いいから見せてよ、ケチ」 「例えばだな。『お願いします』って言えないのか?」 「……バーカ」 「お前なぁ……」 第三者から見れば、単にじゃれあっている恋人同士の会話かもしれない。 実際俺は、神楽との言葉のやりとりを楽しんでもいた。 彼女にその気はないかもしれない、いや、恐らくないだろう。 だけど、俺にとっては彼女とこうやって言葉を交わしているだけで楽しかった。 俺は彼女の馬鹿馬鹿しい反応に頭をかきながら、そんなことを思っていた。
■約束-6 俺がなかなかレポートを貸そうとしないからか、彼女は多少声を荒げた。 「もー、ムカツク! あんたって本当っに、カワイクないな!」 ちょっと意地悪しすぎたか、と思いつつも、話の勢いには逆らえず俺も反論してしまう。 「男だから可愛くなくて当たり前だろ。俺が可愛かったら、それはそれで問題だよ。 それよりお前こそ、『可愛い』って言われたことなどないんじゃないか?」 最後の科白を口に出したあと、しまったかな、とも思った。 神楽に寄り添おうとする、彼女いわくの「野郎」らが彼女に擦り寄るときの言葉は、 決まって胸のことで、であり、彼女自体を可愛いとは言ったことがないからだ。 (無論表面的には「可愛い」とは言う奴もいたが、目線を胸から話さずにその科白を言われたので むかついた、と彼女は言っていた) 神楽は高校の時から自分の胸に対してコンプレックスを持っていたようだが、 大学に入ってそれにプラスして、「女の子らしさという『可愛さ』」に引け目、というか 劣等感のようなものを持ってしまったようである。 今年の頭の成人式で、かつてのクラスメイトで神楽も含めた「仲良しグループ」の一員だった 榊や水原に声をかけられ話をした時も、神楽は大学に入ってから、 高校の時以上に男っぽい私服を着るようになったということだった。 (俺は残念ながら高校時代の神楽の私服姿を見た事がない)
■約束-7 神楽は困ったような、怒ったような、考え込むような、一言でいうならば「返す言葉を失った」ような顔をし しばらく黙り込んだあと、オホホホホと貴族のマダムがいうようなポーズを取って俺に反論した。 「わ、わたし、可愛いって皆にいわれるのよ? むしろあんたの目が腐れてるんじゃないの?」 売り言葉に買い言葉。俺もついムキになる。 「ほーぉ。どこのどいつが言ってんだ? シュレーダーか? 物好きもいたもんだ」 彼女は俺の駄洒落には気がつかず、『物好き』という言葉にだけ反応した。 「な、なんだと!」 神楽は俺の目をキッと見つめ、宣言するかのように俺に指をさして続けた。 「そ、それじゃ、あんたに『可愛い』って言わせたら、あんたが何でも私の言うことを聞くってのはどうよ!?」 また、子供みたいなバカなことを考えたもんだ。 彼女のそんなところに頭の中でだけほほえましさを感じながら、あきれ返った表情を彼女にかろうじて見せ、 「ああ、いいよ……まぁ、無理だと思うけどね」 とだけ答える。 神楽は俺の答えに、さらに複雑な表情を見せた後、いきなり頭を下げた。 「それはそれとして……小川教授のレポート貸して……。お、『お願いします』」 「はぁ……」 こんな素直なところが憎めないんだよなぁ。 俺は、「あらかじめ用意してあった」レポートのコピーファイルが入ったフロッピーを彼女に差し出した。
■約束-8 いつもと違って「約束」はさせられたが、金曜日の神楽とのやりとりは半ばいつものことだったので、 その日のうちに俺自身「約束」そのものは忘れてしまっていた。 「約束」といっても、いつどこで、ということは決めてなかったし、 単なる「売り言葉に買い言葉」以上のものではないかと思っていたからだ。 土曜日、日曜日は梅雨らしく雨がまた降り、外出の機会もなく終わり、月曜日となった。 月曜は俺は授業のコマはない。神楽は確か1コマ授業があったはずだが、午前中の授業だし、 教授が先週と今週、教授会の旅行で休みのため休校のはずだった。 そんなことを思いながら、今週末までに仕上げねばならないゼミのレポートの資料を調べて ネットにアクセスしていると、神楽からメールが届いていた。 いわく、「約束の件で、今日の夕方、井の頭公園の池の、時計のあるベンチ前まで来い」とのこと。 タイプをするのが苦手とはいえ、ざっくばらんというか乱暴というか端的な文章だな、と思いつつ、 俺は先週末の約束を思い出そうとしていた。約束って何だっけ? ……まぁ、たいした用事でもないだろうからいいか。 レポートの資料整理を適当に切り上げ、それなりに身だしなみを整え (「学級委員と出来の悪い一生徒」の関係とはいえ、俺だってそれくらいの配慮はする) 俺は家を後にした。
■約束-9 井の頭公園は俺の家からも神楽の家からも、そしてかつて通っていた高校からもそう遠くはなかった。 大学に入ってからも、課題やレポートを見せる時や図書館で調べ物をする時に、待ち合わせ場所によく使っている。 神楽いわく、高校の時は「仲良しグループ」のメンバーらとここでよく遊んだそうで、 今でも結構利用するとのこと。 歩きがてらに「約束」のことを思い出そうとしたが、どうしても思い浮かばない。 なんだっけな、確かに神楽と先週末約束をしたような記憶はあるんだが……。 時間通りに井の頭公園の、いつものベンチ前のすぐそばまで来ると、ベンチに一人の女性が座っているのが見えた。 日曜日とはいえ、夕方もふけてきたせいもあり、辺りには他に誰もいない。 遠くに犬の散歩をしているおじいさんがいる程度。……神楽はまだ来ていないようだ。 あの女性、別の人が待ち合わせでもしてるのか、だとしたらちょっと邪魔かも、と思いつつ近づいてみると、 あちらはこちらを見かけるなり手を振ってきた。 あんな女性の知り合い、俺にはいないはず。それに今日はここに、神楽とのまちあわ…… …… ………… か、神楽?
■約束-10 ベンチを離れ、手を大振りにふりながらやってくるのは、誰でもない、神楽だった。 違うのは、その見た目だった。 髪の毛はいつも 「洗髪したらちゃっちゃっとドライヤーをかけてそのままにした癖毛的な跳ね返り」 があちこちに見られる、俺いわくの「神楽カット」ではなく、丁寧にとかされた髪が きれいにショート・ストレートを形作っている。 これだけでも別人に見えるのに、いつもは「Tシャツ・ジーンズ」という男勝りな服装だったのが、 ひざよりちょっと上までしか丈のないスカート、神楽の肌の色とは対照的な白いハイニーソ、 ひらひらの飾りがついた、それでいてあっさりとしたデザインの上着、ちょっとおしゃれな首飾り、 そして近寄ってみると、薄くではあるがルージュもしているようだった。 はたから見たら、俺は恐らく間抜けな顔をしていたに違いない。 それくらい心底、神楽の変わり映えには驚いた。 いつも見慣れている俺でも、じっと凝視するまで、その女性が神楽だとは分からなかったのだ。 しばらく言葉を失った俺に対し、後ろ出に体ごと首を少し傾け、 俺の方を見て「どうしたの?」でもいいたげな顔を神楽がするのを見て、 ようやく俺は言葉を発することが出来た。 「お、お前、神楽なのか?」
■約束-11 神楽は俺の問いに、頷くだけで答え、さらに付け加えた。 いつもとは違う髪形を気遣ってか、自分の髪をしきりに指に絡めながら。 「……頑張って……みたんだけど。ど、どうかな? か、か、かわいく、ない?」 ここではじめて、俺は先週末に神楽とした約束を思い出した。 俺に「可愛い」と言わせたら、何でもいうこと聞いてやる。 あんな言葉のキャッチボールのような冗談を、こいつは真に受けてたのか。 ……まったく、お前ってヤツは。 だが俺は、神楽同様にちょっとひねくれてもいた。自分に正直になるのが怖かったというのもある。 俺は神楽と視線を合わすことすら出来ず、恐らく顔を真っ赤にして、思わず天邪鬼に答えた。 「ま、まぁ、それなり、だな。第一、俺が言ったのは中身の『可愛さ』だから……」 「えっ……」 「中身だ、中身。見た目なんかより、心。心の中が可愛い女性こそ、本当に可愛らしい女性だと いえるんじゃないか? 俺はむしろお前のそのガキっぽい……」 自分をごまかすためか、わけの分からない理屈を口走っていた俺だが、 そこまで口に出したところで、神楽がうつむいているのに気がついた。 手に持っていたポーチを落とし、後ろにまわしていた手を目元にやり、 鼻を何度かすすっている。
■約束-12 「やっぱり……ダメだね。私じゃ……。そうだよね……」 「……?」 俺の言葉が止まったのにも関わらず、神楽は独り言を続けた。 「わ、私っていつも男勝りでガキみたいな態度でがさつだし、可愛くなんかないよね…… 昔から、高校の時からそうだったんだ……だから先輩にも……」 「ちょ、ちょっと……神楽」 目に涙を浮かべる神楽を見、彼女の言葉を耳にした俺には、 ある情報が一瞬のうちによみがえってきた。 成人式の時、水原や滝野からちらりと聞いてはいたのだが、神楽は高校時代に水泳部の先輩に 振られたことがあるらしい。 その時、がさつだから、ということを遠まわしながらいわれ、彼女はそれを相当気にしていたらしいのだ。 「友達だからといっても、そのことは決して言うんじゃないぞ、気にしてるんだから」 と水原からは釘を刺されていたのだが。やっぱり気にしていたのか……。 「か、神楽?」 「……ん?」 目を真っ赤にした神楽の頭をぽんぽんと叩いて注意をこちらに向け、 俺は(恐らく)ゆでだこのように顔を赤らめ、ぎこちない科白で彼女にいった。 「あー……で、でも。み、見た目だけは、そ、それなりにか、か、可愛い、んじゃないかな」 「……本当?」 信じたいような、でもまだ疑っているような複雑な顔持ちで、神楽が俺の顔を見つめながら問いかける。 女性の涙目の上目使いをじっと正視できるほど俺は男としてデキた人間ではない。 照れ隠しの意味もあわせ、つい、顔を横にそらし、神楽の問いに「ああ」とだけ答える。 神楽はぽおっ、っと明かりが灯ったランプのような曇りのない嬉し顔をし、えへへ、嬉しいなと口に出した。 いつもの神楽らしくない、でも本当に『可愛い』顔だった。
■約束-13 俺がじっと顔を見ているのに気づき、神楽ははっ、と気がついたかのような顔をし、 慌てた表情で俺の顔を両手でふさいだ。 「ち、違うんだよ! あ、あんたにほめられてもうれしくなんかないっ」 いきなりの張り手(彼女にしてみれば単に照れ隠しに顔を隠しただけだろうが、勢いは張り手そのものだった)と 豹変した態度に、俺は「子供の反応だな」と思う前につい手を振り払い、なんだよ、と けんか腰に反応してしまう。お前、さっきはあんなに嬉しそうだったじゃないか。 俺の口調がきつかったからか、神楽はしゅん、とした態度で口ごもりつつ、俺に言い訳をはじめた。 泣いたり喜んだり怒ったりしゅんとしたり、喜怒哀楽が激しいというか、彼女自身も半ば パニックに陥っているようにも見えた。 「あれは……その……だって……」 「だって、なぁに?」 うつむき加減に答える神楽に、俺は優しく続きをせかす。 「もしかしたら」という想いと、「いや、そんなはずは」という思いを自分の胸の中に抑えつつ。 「だって……今まで皆からは胸のことばかり言われてたし、私自身を可愛いだなんて言われたこと、なかったし……」 「……」 「それ以上に、その……好きな人に言われたら誰だって嬉しいじゃな……あ」 「……!」 「ち、違う……そ、その……」 「神楽、お前……」 俺が「もしかしたら」という想いに間違いはなかったと確信すると同時に、 半ばパニックに陥っていたために言わなくても良いことまで口走ってしまったのに気がついた神楽は 慌てて首を横に振り否定する。真っ赤になった顔を俺に見せないため、両手で自分の顔を隠しつつ。
■約束-14 「違う、間違い! 違う違う! 違うったら違う!」 神楽はそれだけ言うと、地面に落としたポーチもそのままに、俺の前から走って逃げ出そうとした。 俺は思わず神楽の手をつかみ、引き止める。水泳部で体を鍛えている神楽は力も強かったが、 ここで手を離したら何かが終わってしまうような気がして、俺自身びっくりするほどの力で彼女の手をつかんでいた。 思わず体のバランスを崩す神楽。そんなことも気にせず、俺は神楽に半ば怒鳴りつけるように言った。 「ちょっと待てよ!」 「いたい、いやだ、離して!」 「頼むから、お願いだから逃げないでくれ!」 「……」 俺の気迫に負けたのか、神楽はしゅん、としてしまう。 すかさず俺は彼女の両手を自分の両手でつかみ、自分の方に向けさせる。 涙目の神楽は俺を決して見ようとはしなかったが、それでも俺は神楽に言葉を続けた。 「神楽、お前、もしかして……」 「ごめん。だって、だって私……大学に入ってからもずっと私のことをかまってくれたあんたのことを……」 「……」 「部活とかいやな野郎とかに会っても、あんたといると、それだけで嬉しいし楽しいし、 大学にくる一番の楽しみがあんたに会って話をすることだったのに……なんか、恥ずかしくって つい照れ隠しで、がさつな態度ばかりとっちっゃて……。 でもそうやってがさつさばかり見せていたから、高校の時みたいに、本当のこと話すと また嫌われちゃうかなって思って……」 水原が言っていた、神楽の高校時代の失恋の話は本当だったのか。
■約束-15 そんなことを俺が思っている間にも、神楽の独白は続いていた。 「断られて高校の時みたいなことになったり、今の関係が終わっちゃうのがとても怖くて……。 告白する勇気が無くて。でもいつかは……とは思っていたけど……でも」 そこまで話して神楽は俺の方をきっ、と見やり、涙をぼろぼろこぼしながら、さらに続ける。 「あんたが、私の気持ちに気がつかないのが悪いんだ! この外国人!!」 「……神楽」 俺は神楽の頭をぽんぽんと叩き、それは外国人じゃなくて朴念仁(ぼくねんじん)だろう、という 突っ込みをした後で、彼女の肩を押さえ、じっと彼女の目を見つめて、答える。 「その言葉……そのままお前に返すよ」 「……どういうことだよ……って、え?」 ぽかん、とした神楽の顔が目の前に映る。
■約束-16 こんなに長時間、彼女の顔を見つめていたのは初めてだ。 俺自身も半ば、彼女と同じくパニックに陥ってるのかもしれない。ええい、もうどうでもいい。 「神楽だって、俺の気持ちに……気がついてなかったじゃないか」 「あんたの気持ち?」 「ずっと前から……多分、高校の時から……可愛いな、好きだって思ってたんだ」 「そんな……だっていつもあんながさつな態度であんたに……」 それ以上彼女に言葉を続けさせる前に、俺は目の前の彼女をぎゅっ、と抱きしめる。 彼女の頭が自分の胸あたりに位置し、そのまま俺は彼女の耳にささやくように続けた。 「ざっくばらんなところとか、いつも明るいところとか、神楽のそういうところも」 「でも……ええと、私、その、……」 神楽はそこまで言葉にし、あとはぼろぼろと涙を流し続けるだけだった。 嗚咽の振動が俺の胸にも伝わってくる。恐らく俺のシャツの胸の部分は神楽の涙でぐしょぐしょだろう。 永遠とも思えるその時間がしばらく続き、神楽はようやく続きを俺に話しだした。 「あんたも私とおんなじだったなんて、嬉しくて、これまでがなんか馬鹿馬鹿しくて…… もっと早く……」 俺はもう、神楽の言葉を聞いていられなくなった。 もうしゃべらなくてもいいよ、といわんばかりに彼女の唇を自分の人差し指でふさぎ、 彼女の頭を自分の顔に向けさせた。 神楽も何をしようとしているか分かったらしく、ん……とだけ言うと目を閉じた。 俺も目を閉じ、神楽の唇を自分の唇でふさいだ。神楽との初めてのキスは、涙の味がした。 「神楽、好きだよ」 「私も……」 今の俺らには、これ以上の言葉はいらなかった。 気がつくと周りはすでに日が暮れ、公園のランプが灯りだしていた。
■約束-17 「そういやさ……」 落として水に浸かってしまったポーチの代わりを買うために、 今週末一緒に買い物に行く約束をした後、駅まで一緒に帰る途中で、俺は神楽に聞いてみた。 「『可愛い』って俺が言ったら、何でも言うこと聞くって約束だったよな。 いったい、何をさせる気なんだ?」 神楽はにっこりと微笑み、 「もう……してもらったから、いいや。うん」 とだけ答えた。俺、何かしただろうか? 新しいポーチを買う約束はしたけど……。 「何かした、俺?」 神楽はスキップしながら俺に飛びつき、腕を組みつつ答える。 「えへへー。ひ・み・つ。モノを頼む態度じゃないぞー」 にこにこしている彼女の顔を見ていると、もうどうでもよくなった、そんな気がした。 (終わり)
■あとがき-1 R.F.「今回の長編は、神楽の相手方の視点から書いてみるという、 ちょっと変わった書き方をしてみました。 超短編の『榊さんのぬいぐるみ干し』の時に使った手法かな。 あと、ストーリーそのもの、実は元ネタがあります。 まぁそんなことどうでもいいんだけどね」 神楽「サロンの方で可愛い私の書き方の練習がどうとか言ってたけど、 これのためだったんだな?」 R.F.「まぁ、そういうこと。それと、時系列的には前の作品の『成人式』のあった年の 梅雨の時期。今回の主人公は成人式で榊や暦さんらとも会っていたという前提」 暦「なんで今回の『神楽の相手方』に、私らが色々神楽のことを話したってことに なってるんだ?」 R.F.「大学生になっても榊さんは神楽とちょくちょく話をしているっていう設定が 元々あったでしょ?」 榊「うん……ほぼ毎月、一度は必ずうちに遊びにきて泊まってく……」 R.F.「その中で、何度も『神楽の相手方』のことが会話に出てくるので、 榊を通じて暦さんたちにも何となく伝わっていたんでしょう」 智「なるほどねー」 R.F.「ただ、同時に別スレで別の人のSSの設定にあった 『神楽は高校時代に先輩に告白して振られた』というものも 私の一連の設定に取り込んであるから、榊からそういう話を聞いても、 神楽に直接真相を聞いてみるってことはしなかったわけだ。 大学における知人の立場として、神楽へのアドバイスをしただけということ。 ……表向きは、ね」
■あとがき-2 R.F.「それと。約束をしたのが金曜で、神楽が実際に行動をしたのは月曜。 土日が空いてるよね」 ちよ「そういえばそうですね」 R.F.「ちゃんとこれには訳がある。諸事情から今の段階では『色々準備があったから』 とだけコメントしておく」 大阪「なんや、もったいぶらんで教えてな」 R.F.「まぁ、いいじゃないですか(苦笑)。 『成人式』のSSなどで、神楽が何となくヘンな態度をとっていた理由も、 ようやく説明できたわけだし」 榊「……私の話は?」 R.F.「今のところ、ネタがない!」 榊「(怒)」 R.F.「まぁまぁ。またいきなり『降って』くることもあるだろうし。気長に待ってーな。 それに。他の人がやってくれるかもしれんし、ね」
>>620 うわあ、神楽すげえかわいい。
失恋云々を抜きにしてもやっぱり神楽はオクテなんじゃないかと思う。
しかしR.F.さんの口調がいままでと全く違うような。
とりあえず >>しかしR.F.さんの口調がいままでと全く違うような。 日記シリーズ終了と共に大阪弁をひとまず止めた……ってのは書きましたよね? つまりはそういうことです。他意はないですよ(・ω・)ノ
623 :
621 :03/06/23 00:05 ID:???
他意はないのですか。いやあ、いろいろと 使い分けてくれるなら面白いかと思ったのですが。 ところで、amnsさんの「March of Days」に続いて こちらでも男視点の恋愛話が出ましたね。 (もちろん恋愛だけでなく他に描きたいものがあったのでしょうが) 俺も智話を考えていたんですけどね。 いいや、投下してきちゃいます!
そういえばR.F.さんは「神楽と僕」のあとにこんなレスをしてますよね。 >でも主人公はあとになってきっと報われると思うんすけどね……。どだろ? 結局主人公は報われませんでしたね。
神楽はゆかり先生みたいになりたいの?にゃもでなく??
>>597 ゆかり「神楽もコレ使わないなんて勿体無いわね。」
と後ろからモミモミコリコリ。
神楽「あ、あん、、やめてください、、、」
にゃも「ちょっとゆかり!あんた自分とこの生徒になんてことすんのよ」
ゆかり「妬くな妬くな」
にゃも「そんなんじゃないわよっ。もう・・」
神楽「せんせぇ〜、ここがこんなに・・・」
>>624 さん
結局、報われませんでしたね(^^;) でも彼は彼で、きっと幸せになっていると思いますよ。
多分、きっと、おそらく、もしかしたら。
>>625 さん
……その通りです。単純なミスでした(´・ω・`) とほほ。
>でも彼は彼で、きっと幸せになっていると思いますよ。 あのシリーズは 「神楽と付き合う→若さゆえのすれ違いで一度別れてしまう→ 二人とも人生の荒波に揉まれまくった後、 20代も後半になって改めて結ばれ、家庭を持つ事に」 という大河ストーリーがあって、個々のエピソードはその一部だという ファイブスター物語方式(w だったはず。 あれと513氏の設定と今回分とで 神楽に対しては現在3人の彼氏が設定されてますな
>>628 よく見るとそのどれでもない「神楽彼氏」の話もありますね。
こっちの保管庫が出来るとしたら保管人様は大変だろうな。
でも作って欲しい。>保管庫
「神楽と僕」もそのシリーズの一部だったのですか?
「いつから付き合い始めたか」の設定がよくわからんので
そういう時系列的のものをないことにした
番外編だと思ってた。
■あとがきの補足-1 R.F.「わいの場合、自分の作品は基本的に一本の時系列でつながってるんや。 そこから派生する外伝的なもんもあるんやけどな (榊さんがバイクに轢かれてちよちゃん軍団が活動する話とか、バーのママのかおりんの話とか)」 暦「ふむふむ?」 R.F.「で……おおもとの幹というのが『榊さんの日記』なわけや」 榊「……(ぽっ)」 R.F.「『成人式』も『榊さんの日記』の設定の下での「ひとつの世界」の後日談。 今回の『約束』もまたしかり、やね。 時系列的には『榊さんの日記』『成人式』『約束』という順番?」 神楽「でもさー、上の方で言われてるんだけど、私の設定があいまいになってないか?」 R.F.「前のあとがき(なんかヘンな日本語やな)で説明がたらへんかったな。 まぁ、あえて語らんでもええな、と思ったんやけど」 神楽「……(ごくっ)」 R.F.「二年生のクリスマスの時に、テレビ版で何故神楽がいなかったのか、その説明をする SSを後で補完しようかなと思た時にアップされたのが『神楽と僕』やった。 少々イメージの違いはあるけど、ほぼストーリー的に自分の考えとマッチしてたんやね。 だから、その時も、あとがきでも書いたけど、「R.F.の中での『あずまんがStory』」では、 かの『神楽と僕』も出来事として存在した、ということになってるんや。 だから「先輩が云々」というのが出てくるんやね」 神楽「ほー。……で、『神楽と僕』での主人公はどうしたんだ?」 R.F.「……正直、すまんかった。あの設定のまま今回の『約束』を作るのは面倒なところがあったんで 単なる「過去の人」とさせてもろた。 本文中でも一度触れる部分を書いたけど、蛇足なのでざっくりと。うむ」 神楽「ひでぇな、それ」 ちよ「そうですよ、酷すぎます」 R.F.「他人様独自のSSのキャラをそのまま持ってくるのも引け目感じてナ。勘弁してや」
■あとがきの補足-2 R.F.「で、今から言うとくけどな」 智「なんだなんだ、もったいぶらずに早く〜」 R.F.「今回の『約束』には、いくつかサイドストーリーを設ける予定や。 同じ時系列での話しやね。これも一つの試みってところやろか。 別の方がザッピング方式でトライしてるけど、それとはちょと違う、かな」 智「んでんで、いつできるんだ!?」 R.F.「やる気が『降りて』きたらっつーところか?」 暦「またそれかよ……(Sigh)」 かおりん「はいはいはいはーい、しっつもーん!」 R.F.「なんだ、名脇役のかおりんか。なんや、質問て?」 かおりん「ウキーっ! 私が脇役だろうが関係ないでしょーが! それより、何でまた大阪弁になったんですか?」 R.F.「特に意味はあらへん」 かおりん「へ?」 R.F.「いや、違和感感じた人が一人おったやろ? だったら戻してもええんかな、と思てな」 大阪「なるほどなー、安心したわ」
632 :
629 :03/06/23 22:48 ID:???
どうも、ザッピングやった奴&違和感感じた奴です。 なんか気にさせてしまったようですいません。 >わいの場合、自分の作品は基本的に一本の時系列でつながってるんや R.F.さんにとってのひとつの「あずまんがワールド」があるわけですね。 どんどん枝を広げてそれを俺たちに見せて下さい。 >いくつかサイドストーリーを設ける予定や 「土日の準備」の他にもあるわけですか。楽しみに待ってます。 >なんだ、名脇役のかおりんか 脇役と思っているならまだマシです。 俺は榊さんの描写を徹底するためにかおりんを登場すらさせていません。
俺はエロパロの連作以外、つながりを想定したことは全然ないなぁ 榊さんとデキる話の場合でも、2年生だったり3年生だったり大学生だったり (俺という奴は……) まあ逆に矛盾してない限り、つながってると考えるのも自由なわけですが 今回R.F.氏の世界に「性」が導入された点で結構衝撃的なものがあったり
R.F.「なんや、こうして読み返してみると、行数制限とかで削ったけどやっぱ 残した方がええなって表現とか、これはこうした方がええってのが 山ほど出てくるな。夏休みにでも時間が取れたら、知人にサーバスペース借りて 再構築した方がええんやろか?」 智「暇があったら、やってもいいんじゃない?」 大阪「気力があるかどうかが問題やねー」 R.F.「だ、な。それと 『今回R.F.氏の世界に「性」が導入された点で結構衝撃的なものがあったり 』っつー 意見があったんやけど、あの部分の描写もまだまだ稚拙やね。 今、できることならあの部分だけでも倍くらいのボリュームで書き直ししたい……」 暦「まーた、イメージが崩れたとか言われて後で自己嫌悪に陥るんじゃないだろな?」 R.F.「う゛」 榊「神楽は……どう思う?」 神楽「え、えと……」 R.F.「あの展開で単に『抱きしめあう』っつーだけってのも逆におかしいような気もするしな。 あれくらいなら別に『性』がどうとか、とは思ってなかったんやけど。 いっそのこともう、キスだけじゃなくてその先の先まで、それこそここじゃなくて 『あちら』に載せなきゃならないような描写までってのはどう……」 (バキッ★) 神楽「わ、わ、わたしのことはどうだっていいだろ! は、恥ずかしいことをいうな!」 R.F.「キュウ……」 (´-`).。oO(神楽の鉄拳制裁を食らったのでR.F.はしばらくお休みです) 今回R.F.氏の世界に「性」が導入された点で結構衝撃的なものがあったり
↑訂正 最後の一行、編集中のこぴぺが混じってました。無視してください(^^;)
>>634 『「性」を導入』といえば、よみともスレ7の26の話は
どうでしょうか?
最近盛り上がってる風呂話で何かネタがないかと模索中。
ここに書き込むのは久し振りのような気がします。
何気に所用が多くて忙しいのと、SSのネタがなかなか浮かばないので。
>>611 >ひざよりちょっと上までしか丈のないスカート、神楽の肌の色とは対照的な白いハイニーソ、
>ひらひらの飾りがついた、それでいてあっさりとしたデザインの上着、ちょっとおしゃれな首飾り、
>そして近寄ってみると、薄くではあるがルージュもしているようだった。
かっ、カワイイ過ぎるじゃないですかー!!
水泳で鍛えられた小麦色のナマ足に白のニーソだなんて・・・脳内妄想があふれてハァハァですじょ。
>>629 「神楽チョコ」でしたっけ?
神楽の乳は未来永劫不滅です!
>>638 「神楽彼氏が一緒に別荘に行く」という話とか、
(実際には話がそこに行くまでに終わってるけど。
続きはないのだろうか?)
卒業式の話とか。
641 :
636 :03/06/26 18:48 ID:???
榊、暦、大阪の三人という設定で 大阪「榊ちゃん、ええなあ。豆ごはん大盛りや」 榊「……」(赤面) 暦「榊、相手にしなくていいぞ」 大阪「背高くて、胸大きくて、脚長くて」 大阪「それに全然太ってへん」 暦「おい、どっち見て言ってんだ!?」 このネタでSSは無理っぽいです。 誰かスレタイ通り榊、ちよ、神楽の3人の場合を妄想してみませんか?
ちよ「かえしてくださーい」 榊&神楽「返してって言われても・・・」 すんまそん、このくらいっす。
神楽は周りがまじめだとまじめにあわせるからそうなるだろうなぁ。 智、神楽、ちよなら・・・ あ、もう一方の暦、大阪、榊も面白そうだな。ハワイ、ペタ、アメリカ人・・・
智、神楽、ちよの場合 ちよ「かえしてくださーい」 神楽「大丈夫、ちよちゃんはまだこれからだ!」 智「ちよちゃん『は』ってなんだ、『は』ってのは!」 どうしても胸の話になってしまう……
ガウガウわー太の単行本を読んでると 榊さんにもこれから獣医を目指す上で、色んな障害や困難が待ち受けてるんだろうなぁ それに挫けず乗り越えて、立派な獣医さんになれると良いなぁ…などと思い ついホロリとしてしまう (´Д⊂ヽ つか、榊さんの愛読書になってたりして
少女、美浜ちよは天才だった。 幼少の頃から人より理解力が優れ、周りからは神童と持てはやされていたが、 自分の意志で高等教育の教科書を購入し戯れにそれを熟読している姿はさすがに両親を驚かせた。 父は娘の特別な才能を見抜き、それを発揮させるように努めた。だから教育委や文部省に働きかけて 娘の飛び級を認めさせ、娘にそのための特別教育を施した。 その才能に加えて努力家でもあるちよは年齢に見合わないほどの高等な知識をみるみるうちに吸収し、 ちよの向上心は彼女に飛び級という普通ならありえない出来事を実現させた。 人より大人願望の強い、悪く言えばおませな女の子は一足早く大人に近づけることを喜んだ。だが――
2月の終わりに近づいた頃、暦の上では春でもまだ上着が必要なほどの寒さを残しているある日、 その日の日直だったちよはその仕事を果たすために一人職員室へと赴いた。 ちよは若干暗い表情をしていたのだが、目ざとくそれに気づいた担任の女教師がちよに尋ねた。 「ちよちゃん、どうしたの? 元気ないみたいだけど」 頭がいいだけでなく社交的で人当たりがよく誰にでも優しいちよはクラスだけでなく学校中から親しまれていた。 そんなせいもあってか、教師という立場にも関わらずちゃん付けで呼んでしまっている。 もちろんその女教師も天才を自分のクラスに持ったことはない。だから教師として誰かを特別扱いするまいと 心がけていてもちよのことはどうしても気になってしまうものだ。 「あの、最近卒業式の練習が始まったじゃないですか」 小学校の卒業式の練習は無意味なくらい丹念に行われる。それは女教師にとっても煩わしいことだった。 そんなことを生徒や同僚の前で言えるわけではなかったが。 「……あれが卒業式なんだなって思って」 飛び級して今年を最後に小学生ではなくなってしまうちよは、『卒業』しない。 飛び級のことはちよの希望で他の生徒達には知らされていなかった。 あまり騒動にするわけにもいかないというちよの配慮だった。女教師はちよのそんな聡明さに感心していたのだが…… 人生で大事なステップを踏み飛ばしてしまうことがこの聡明な少女には喜ばしくないのかもしれない。 女教師はようやくそのことに思い至った。今まではこの天才の出現を喜んでいただけだったが。
その日、ちよは忠吉の散歩のコースを変え、ある高校の前に来ていた。 これからちよが入学することになる高校。この学区内では一番の進学校である。 憂いの表情のちよを迎えたのはこの季節には珍しい曇り空と、装いのない木々、そして生徒たちの騒がしい声だった。 今までは喜びだけだった。普通よりも早く大人に近づけることが嬉しかった。 学校よりもレベルの高い授業は面白かったし、勉強できることが楽しかった。 だが、特別授業のために友達と遊ぶ時間が少なくなり、卒業式の練習をしたことで始めて思い至った。 私は友達を置いてきぼりにしようとしている。みんな大事な人なのに、自分の意志で離れようとしている。 学校にいる事は楽しい。みんなと遊んだり、笑ったりしている今がとても楽しい。 ちよはグラウンドに目をやった。陸上部や野球部が懸命に声を上げて練習している。 何部かはわからないが、ジョギングしている集団がちよの近くを通り過ぎた。 その声や表情はどれもひたむきで強い意志を持っていた。 普通なら段階を経て少しずつここへ近づいていく。少しずつ大人になってゆく。 学校という環境を楽しんでいるだけの自分。軽い気持ちで違う世界へ飛び込もうとしている自分。 私の居場所はここにあるのだろうか? ただまっすぐに進んできたちよが始めて持った疑問だった。結局答えの出ないままその日の散歩を終えた。
3月上旬のある日、小学生にとってはなんでもない普通の日だったが――ちよは学校を欠席した。 この日は高校の入学試験が行われた。これをちよも受けたのだ。普通の生徒と同じ日に、同じ会場で。 それがちよの強い希望だった。さすがに受験する教室を一緒にはできなかったが。 そうすることでせめて気持ちだけでも他の生徒と一緒になりたかった。 疑問に答えが出たわけではないが、テストに手を抜くことはちよの性格が許さなかった。 だから、不安があっても十分に実力を発揮した。 そう、当然のことなのだ。今の状況から離れることに不安があるということは。 ちよだって例外ではない。それに天才とは言ってもまだ9歳の子供だ。 そんな自分の生徒の気持ちに気づいてやれなかったことを女教師は恥じた。 何か力になってやれることはないだろうか? 教師として、人生の先輩として。 一人の生徒を特別扱いするべきではない。だが、その生徒が悩んでいるなら話は別だ。 だから、ちよだけが欠席したその日、彼女は自分のクラスの生徒たちに話を持ちかけた。
数日後、高校入試の結果が発表された。ちよは他の生徒と点数を比べられたわけではないが、 その成績は合格に足ると認定され、入学が認められることになった。 こうして日本では始めての事例となる高校への飛び級が実現した。 だが、それによって『もう戻れない』という現実がちよの胸に突き刺さった。 私は本当にこれを望んでいたのだろうか? 大切なものを置き去りにしまでして背伸びしたかったのだろうか? 自分の考えに追い詰められてくると、ちよには周りの全てが自分とは遠いもののように思えた。 心なしかクラスメートが自分を避けているような気さえした。 その日の5時間目の授業が終わったあと、担任の先生がちよを職員室へと呼んだ。 「先生、用事ってなんですか?」 問われた女教師は原稿用紙を手にとりながら言った。 「ちよちゃんに卒業文集に載せる作文を書いてほしいの。2年後、みんなが卒業する年の文集に載せるためにね。 一緒に卒業することはできないけど、気持ちだけでも一緒にいてほしいの」 ちよはそれに『はい』と答えることができなかった。今進学に疑問を抱いている自分が作文を書いてしまうと、 きっとその心境は内容に反映される。そんなものが正しく巣立ちを迎える人達と同じ文集に載る資格があるだろうか? 「今すぐに答えなくてもいいのよ。本当はちよちゃんは書かなくてもいいんだしね。 私が勝手に書かせようとしただけ。……さあ、次の授業よ。行きましょう」 先生に促され、彼女と共にちよは教室へと向かった。教室の前にたどり着いたとき、先生はちよが教室に入るのを止めた。 「ちょっと待っててね」 それだけ言うと彼女は先に教室に入り、少し経ってから扉を開けてちよにこう言った。 「ちよちゃん、どうぞ入っていらっしゃい」
教室に入ったちよの視界に入ってきたものは笑顔のクラスメート達と、黒板に大きく書かれた 『お誕生日・合格おめでとう』の文字だった。 「ちよちゃん、おめでとう!」生徒達の声とクラッカーの音が教室に響き渡った。 「ごめんね、ちよちゃん。飛び級のことみんなに言っちゃった」 それは詫びの言葉だったが、女教師は笑顔で言った。女教師の考えた末の行動だった。 ありきたりだが、みんなで暖かく送り出してあげることがこの少女の力になってやれるはずだと信じて。 一方のちよは誕生日のことなど今まで忘れていた。毎年その日が来るのが楽しみだったはずなのに。 そんなことさえ忘れてしまうほど自分が余裕を無くしていたことにちよは気付いた。 「ちよちゃん、これ受け取って」 クラスメートのみちるとゆかが代表してプレゼントと寄せ書きを手渡した。 『少し早いけど卒業おめでとう』『高校に行ってもがんばってね』『ちよちゃんのこと応援するよ』 クラスメートが送ってくれた言葉の数々がちよの心を揺り動かした。 「このパーティーのことちよちゃんに内緒にしたかったからみんな今日はお話できなくて。ゴメンね」 私は何で一人で抱え込んでいたのだろう。みんなはこんなにあたたかいのに。 「みんな……ありがとう」 ちよの両目からは涙が溢れ出していた。 「ちょ、ちょっと、ちよちゃん泣かないでよ」 みちるとゆかが必死にちよをなだめようとするが、一度揺れ動いてしまった感情は簡単に元には戻らなかった。
それから泣き止んだちよは笑顔で誕生日パーティーを楽しんだ。そのとき起こったなにもかもが楽しかった。 パーティーが終わった後、ちよは職員室に行き先生と二人きりになった。 「これでわかったでしょ、ちよちゃん。辛いときはみんなに甘えちゃっていいのよ」 自分に教えてくれる者の言葉に、ちよは肯いた。 「ちよちゃんがこれから通う高校ってね、昔私も通ってたの。いい友達がいっぱいいて、とても楽しかった。 すごくいいところよ。きっとちよちゃんも楽しくなれる。だから心配しないで」 ちよに言い聞かせたその言葉は、自分の母校への誇りが込められていた。 だからちよはそれを素直に聞き入れることができた。そしてちよは確かな決意をもった顔で言った。 「先生、卒業文集の作文を書かせてください」 「……はい、がんばってね、ちよちゃん」 女教師は微笑みながら原稿用紙を手渡した。
その年の終業式の日、ちよは教師に作文を提出した。 「先生、いろいろありがとうございました」 そう言いながら向けてくれた心からの笑顔が、女教師には何よりも嬉しかった。本当に教師をやっていてよかったと思う。 「ちよちゃん、がんばってね。ちよちゃんなら大丈夫、きっとうまくやっていけるわ」 もう一度お礼を言って去っていったちよの後ろ姿を見ながら、女教師は考えた。 あの高校、私の母校。かつての同級生のことを思い出す。谷崎ゆかりと黒沢みなも。今あの二人はあの高校で教師を やっているはずだ。今では共学になったが、ゆかりが教師をやっているくらいだからきっと今もいいところだろう。 あの二人ならちよちゃんにとっていい先生になれるはず。 ちよちゃんのこと、よろしく頼むわね。 ふと、原稿用紙が目に入った。そこにはちよの想いが綴られていた。 ――高校に入ることが決まったとき、始めは これでいいのかなと思っていました。みんな と別れてしまうことが寂しくて、年上の人ば かりの学校に行くのが不安でした。でも、み んなが私を励ましてくれました。だから―― そこで女教師は読むのをやめて、原稿をしまいこんだ。これを読むのはみんなと一緒、卒業のときにしよう。 ちよは帰る前に一度だけ校舎を振り返った。ここにあるものは全てが優しく、全てが暖かかった。 でも、これから行く場所も、きっとそうだよね。 「ちよちゃーん、一緒に行こう!」 「うん!」 呼びかけるクラスメートにプレゼントのリボンをつけた少女は応え、駆け寄った。 今日は日が暮れるまで遊ぼう。一度くらいいいよね。
編入手続きが入学式に間に合わず、数日遅れることになったが、ちよにとってはその日が最初の登校となった。 今日は制服を着て高校生としてここへ。ちよの心はかつてここに来たときよりもずっと強かった。 そんなちよを迎えたのは彼女よりも背の高い人々の流れ、もっと背の高い桜の木々――それは文字通り桜色の花を 装っていて誰もが認める桜だった――そしてそれとコントラストをなしているさわやかな青空。 前へと進む確かな歩み、真新しい制服、迷いのない心。ちよは既に立派な高校生だった。 今までは漠然としていた自分の気持ち。文章にすることで整理できたような気がする。 始めは浮かれていただけだった。自分が早足で進めることに。次は不安だった。今の環境を離れることへの、 いくつかの段階を踏み飛ばしてしまうことへの、そして知らない世界へ飛び込むことへの。 ――でも、み んなが私を励ましてくれました。だから私は 年上のみなさんに負けないように立派な高校 生としてがんばっていきたいと思います。同 級生のみんなと別れてしまって、これから辛 いこともあるかもしれないけど、私は後悔し ません。これが私の選んだ道だから。 ここへと送り出してくれたみんな。ここで一緒になる友達。ここから巣立ったとき出会うであろう人々。 この少女の歩く道のどこかで交わる人達。 そのすべてが祝福していた。この小さな少女を。 ―終わり―
文章が上手いな、と思いました。 リズムや読みやすさにかなり気を使ってるのではないでしょうか? 原作中で時々描かれたちよの「子供時代の欠落感」から考えて、 「実際にこんな想いがあったかもしれない」と思わせるエピソードに 仕上がってると思います。 考えてみれば、ちよというキャラクターの感情を掘り下げて正面から描いた作品は 非常に貴重な試みですね。その挑戦に乙!です
>>655 そうなんですよ、なぜか今まで誰もやっていなかったんですよね、このテーマ。
この話のイメージはアニメ版の「ちよちゃんの一日」によるものですが、
「ちよちゃんの孤独感」を演出したあの話はアニメオリジナルの中でも屈指の出来だと思います。
ちよちゃんは卒業せずに友達と別れてしまったわけですが、
やっぱり高校に行って彼女らと出会えたのはちよちゃんにとっても
いいことだったんじゃないかと思います。
(以前の「君がいた夏」ではそれを表現したつもりです)
イメージソングをして「ほろりんコンフェティ」を推奨。
でも書き終わったときなぜかミスチルの「終わりなき旅」を思い出しました。
久々の三人称形式でかなり苦労しました。
長々とかいてしまいましたが、レスありがとうございます。
アニメではみるちーとゆかちゃんを あの話に小学生バージョンで出した点 ナイスな生かし方だったと思う 全体的にキャラに対して「情感」の部分を補完しているとこがあって その辺はSSを書く精神と通じるもんがあるのかなと
みるちーとゆかが中1になっても智とかより全然身長低いのはおかしい 中1みるちーと高3智は同じくらいのはず
3巻135P『小中高』3コマ目のよみ&みるちーの身長比、 同『いいとこ』3コマ目のよみ&ともの身長比を見ると、 確かに136P『はばたいた飛べない鳥は』2コマ目のとも&みるちーの身長比はおかしい。 ただこれは視点(『カメラの位置』とでもいうのか)の問題じゃないかと思う。
>>659 漫画はそうだけど、アニメでは智とみるちーの身長差が物凄くあった
後輩にキャーキャーいわれてため息をつくシーンとか、 「私はかわいくないからかわいいものが好きなんだ」 「さっきマヤーとじゃれてる榊さんすごくかわいかったですよ」 のやりとりとか、アニメはいい補完してると思う。 ただ神楽の 「もうちょっと水泳続けたいし」 「体育の先生になるのもいいかもな」 というのは はっきり言いすぎかなと思う。
一難去ってまた一難、取りあえず暇(いとま)を手に入れることができたので、過去スレをマターリと・・・ 純情神楽スレや保管庫のアーカイブを眺めながら、祭りの思い出に浸ってみるのも楽しいですね。 昔取った杵柄で、どこかの雑誌にあずまんが大王キャラのイラストを描いて投稿しようかな。 榊・ちよ・神楽の3人が寄り添う感じで、可愛くまとめられたら最高ですね。 ただ、問題は・・・ほとんどメカしか描かないので、キャラが上手く描けるかどうか(^_^;;;
>>662 ならばメカちよ、メカ榊、メカ神楽を……
すいません、俺は描いてほしくないです。
掲載されたらどの雑誌かご報告お願いします。
立ち読みできるやつだったら見てみようかと。
えーと・・・久々に出てきてみました。(^-^) 今となっては昔懐かしい「ショート萌え」です。 R.F.さんが余りに偉大な筆力がありまして、自分も頑張らなきゃと思って いるウチに他の所で別な作品のSS書いたりして御無沙汰をしてました。 ・・・とは言っても、また一読者に戻って御無沙汰になると思いますが、 R.F.さんの作品を楽しみにしていたいと思います。
(´-`).。oO(偉大とか言われると余計にプレッシャーを感じる…… むしろ私の体調が回復するまで、他の人に頑張ってほしいな。 って神楽さんに叩かれたからじゃないぞ>体調不良)
>>663 体調が良かったので気持ち良く描けました。
今こそあずまんが大王に注目することが大切だと思います(^_^)/~~
>>664 そんなことを仰らずに、是非とも続きを書いてー。
>>665 むしろ神楽ちゃんに叩かれたいのが本望ですが何か(^_^;;;
667 :
663 :03/07/09 00:36 ID:???
>>664 読者としてだけではなく元祖神楽萌えとして頑張ってほしいです。
神楽と@@君の幸せな姿をもっと見たい。
>>665 俺も「他の人」の一人として頑張りたいと思いますが、
今は別のスレ向けの作品を書いているのでここはしばらく後になりそうです。
いいSSを書くためには心身ともに優れた状態にあることが必要ですね。
お体を大事にして下さい。
>>666 え、メカちよを描いたのですか? ……つまらんボケですいません。
俺も神楽に叩かれるほど親密になってみたい。
>>665 >>666 >>667 前の統一以前の神楽スレ末期でのドタバタ・・・なんて言ったらいいか、
自分の傲りっていうか何というか・・・そういったものを痛感して、事実上
2chのあずまんがスレでは筆を折って(パソコンなのに?)ました。
→その間に「あの人」の家族を創作したり、最近、最終回がケンケン
ガクガクの騒ぎになった作品のSS書いてみたり。
久々に戻ってきてみたら、自分の書いた世界が生きてる事を知って、
何とも複雑な気持ちで居たんですけど・・・
でも何だか自分の出発点・・・故郷って嬉しいものですね。(^-^)
思いついたプロットがありますので、短めのSSを早々に書き
たいな・・・と「いちおー」口にしてみる。・・・いや書きます。(^-^;;;
669 :
メロン名無しさん :03/07/09 08:47 ID:f5dwrD9e
あげ
670 :
メロン名無しさん :03/07/09 12:35 ID:YWODiX9L
キモスレは下げろ!
最近さかぐら分がおなかいっぱいです ともよみスレ住人の気持ちがやっとわかったような……
>>672 おなかいっぱいにさせた人間の一人として嬉しい言葉です。
俺はいくら食っても平気なのでamnsさんのSSもお待ちしております。
しかしこっちってSS書きの数が少ないような……
もう少しお絵描きをしたくなったので、折を見てネタを妄想してみたり。
>>672 ここ最近は、まさに「今日もどこかで」神楽×榊に萌えられますよね(^_^)/
そろそろamns氏の新作SSが読みたいなー
某大○板のスレで粘っこく感想を綴らせて頂きますので・・・
>>673 榊さんの狂気?と神楽の純情さが丁寧に表現されているのでハァハァですじょ。
これからもおなかいっぱいにさせてください。
675 :
673 :03/07/13 09:51 ID:???
>榊さんの狂気?と神楽の純情さが丁寧に表現されているので ええと……これがエロパロの「耳掃除」「手を つなごう」のことを仰っているのなら、 その作者は俺ではありません。 もし俺の作品でおなかが満たされたのならそれはそれで嬉しいことです。 ちなみに俺の作品のうちさかぐら話はここの「曇りのち雨のち…」 エロパロの「抱きしめたいから愛しい人」「榊と神楽とねここねこ」 の3本です。 ちゃんと名乗らなかったのが悪いのですが。 (と言っても気の利いたコテハンもないので名乗る気はありません) エロの方が多いじゃねーか! ……なんとかしなければ。
>675 俺は曇りのち雨のち大好きです。 あれは実際ありそうだ。
■彼女が変わるとき-1 「榊、明日の土曜日、ちょっと時間くれないか?」 榊の家に神楽から電話がかかってきたのは、まだ梅雨も開けきらぬ六月のある金曜の夜だった。 榊にとって神楽は、高校時代からの付き合いで、今も月に一、二度は下宿先に遊びに来て 夜遅くまでお互いの近況を語り合う仲。 はじめて知り合ったのは高校の二年生の時。 最初は神楽の方から一方的に話しかけることが多かった。 だが、榊は神楽、神楽は榊の「自分が持っていないもの」を相手に求めているふしがあったからか、 いつの間にか無二の親友の間柄になっていた。 性格のまったく正反対の二人が仲良くなることは良くある話。 それは恋人同士の間でも、同性同士の「親友」という間柄でも変わるところはない。 とはいえ、神楽が榊のところに遊びにくるときには、 必ず数日前に電子メールか電話で榊のスケジュールを確認し、その上でお土産持参でやってきた。 大雑把な性格、と自他共に認める神楽にしてみれば珍しい行動だが、 神楽は榊が、獣医になるべく懸命に勉強していること、 そのため授業や講習などで世間一般に言われているような「(遊び中心の)大学生」とは違うことを知っており、 神楽なりに気をきかせてのものだった。 また榊も、そうした神楽の配慮を分かっており、その気遣いがうれしかった。 榊の飼い猫(?)のマヤーも、毎回美味しいお土産を持ってくる神楽のことを「よきお客」として覚え、 今では神楽がくるたびに足元にすりよるまでに慣れていた。
■彼女が変わるとき-2 そんな神楽から、いきなり明日、時間をくれないかとの電話を受け、榊は少々驚いた。 何か急な用事でもあるのかな、と思い、とりあえず受話器に向けて 「ちょっと待って……スケジュール確認するから」と答えつつ、手帳をぺらぺらとめくる。 幸い、明日単独の予定は何もない。 昨日から明日までの予定で矢印が伸びているレポート作成も今日のうちに仕上げてしまえば大丈夫。 「ん……大丈夫みたい」 「そ、そっか。それじゃ、ちょっと一日付き合ってくれないかな。 お願い、というか相談したいことがあるんだ」 「お願い? 何を?」 「ん〜。電話で話すのもナンなんで、明日。じゃあ、午後一で。あ、よみも一緒にいくから」 「え……? いいけど、なんで水原さんも?」 神楽が他人を引き連れて自分の家に来るのは初めてだ。何か理由があるのだろうか。 クエスチョンマークを頭に浮かべながらの榊の質問に神楽は答えずに、 それじゃよろしく、とだけ言い、電話を切った。 受話器を置きながら、そういえば水原さんのことは暦さんって言わなきゃと、 自分の頭を軽くこづきながら、榊は思った。 が、それよりも、なんで神楽が暦も引き連れて、急にうちにくる必要があるのだろうかという疑問の方が、頭の中を占めていた。 とにかく、明日に備えてまずはレポートを終わらせなくちゃ。 榊は手帳のスケジュールの明日のコマに「午後:神楽・水原→来宅(13時)」と書き加え、 スクリーンセーバーの走っていたノートパソコンに向かい、レポートの残りを再び打ち込み始めた。
■彼女が変わるとき-3 あくる日の土曜。 朝から降ったり止んだりの中途半端だったお天気は、午後から梅雨特有のしとしと雨に変わり、 街中を色とりどりの傘で美しく飾らせた。 そんな雨の中、神楽と暦は榊の家にやってきた。 二人を中に案内した榊はそそくさとテーブルを出し、お茶やお菓子を用意する。 その間に神楽と暦は、マヤーとの久々の再開を楽しんでいた。 「さて。どうして私を呼んだのか、そろそろ教えてほしいんだけど?」 「私も……そろそろ用件の理由、教えてくれない?」 暦と榊の質問に神楽は顔をうつむけたまま答えなかった。 テーブルに用意された三人分のお茶碗からそれぞれ湯気が立ち、 神楽が持ってきたお土産をマヤーが楽しんでいる音だけが響く中、しばしの沈黙が部屋を支配した。 「実は……そ……か……お……」 ようやくのことで神楽が口を動かしだしたが、あまりにも声が小さく、聞き取ることが出来ない。 ん? という疑問符を発した暦は 「何? もうちょっと大きな声で言ってくれないかな」 と神楽に問いただす。 神楽ももう観念したのか、恥ずかしさで真っ赤になった顔を上げ、大声で叫んだ。 「かわいい女の子の格好を教えてくれ!」 それだけいうと、神楽は自分の両手で赤く染まった顔を隠してしまう。
■彼女が変わるとき-4 「……!?」 「……?!」 神楽の大声にマヤーもさすがに驚き、びくっと反応する。 しかしそれより驚いたのは暦と榊だった。 声の大きさに、というより、神楽からそんな科白が出てくることが半ば信じられなかったのだ。 今日、今ここにいる神楽は、いつものようにTシャツに薄手のチョッキを着、ジーンズをはいているボーイシックな格好。 体のラインをいつも気にしている暦にしてみれば、引き締まった羨ましいスタイルに他ならない。 半ば「ボーイシック」という代名詞が(少なくとも服装においては)神楽を表す ぴったりの言葉であるかのように思っていた二人にとって、びっくりしないわけにはいかない。 ともあれ、神楽から詳しい話を聞かねばなるまい。 そう思った榊はすばやく箪笥から新しいハンカチを取り出し、神楽に渡すと 「言いたいことだけは分かったけど、詳しく理由を話してくれなきゃ……」と説明を促した。 神楽はハンカチを受け取り、涙を拭いて鼻をすすると、事情を話しはじめた。 いわく、いつも仲良くしている大学の同級生とちょっと喧嘩をした。 売り言葉に買い言葉ではないが、彼に「可愛い自分の姿を見せて見返してやる」ことになった。 けれど今まで「女の子らしい格好」をしたことがないので、どうしたらよいかわからない。 やっぱり自分は全然かわいくなんかないんだろうか、と思いつつ鏡で自分の顔を見ると、 どうしようもない寂しさと不安を感じてしまった。そこで、相談を持ちかけたとのこと。 ちなみに、ちよはアメリカに留学中だから相談するわけにもいかず、 大阪は同じ大学の智とつるんでいるし、智は智でこんな相談をもちかけようものなら、 半年はずっと話のネタにされかねないと思い、相談相手に榊と暦を選んだのだという。
■彼女が変わるとき-5 榊は「あぁ、いつも神楽の話に出てくる、同じ高校にいたあの教育学部の人かな」と思う一方で、 「単なる腐れ縁って言ってたけど、やっぱり気にもなっていたのかな」と一人ごちる。 暦は暦で 「その判断は正しい。智に相談しようものなら、半年はおろか一年は昼飯のオゴリのネタにされかねない」 ときっぱり言ってのけた。暦のあまりにもの力強い断言の調子は、神楽をして 「もしかするとよみはもうすでに智に、ネタにされそうなことを握られたのかな」 とまで思わせたほどだった。 うとうとしだしたマヤーを寝床に戻し話をすべて聞いた榊と暦は、 他ならぬ神楽のため、どんな服装や化粧が良いのか、必至になって考えることにした。 榊が自分のノートパソコンをテーブルの上に持ってきてネットにつなぎ、さまざまな情報をピックアップする。 暦は暦で、榊に用意してもらった紙に、榊が調べたビジュアルなどを元に、 色々なイメージ画を次々にラフの形ではあるが描き出していく。 この正月に、榊のすすめで国家公務員試験第一種へ向けた受験勉強を始めた暦だが、 どうやら装飾関連にもそれなりの才能があるらしい。 神楽はただそれを眺めているしかなかった。 「ジーンズは問題外だな」 「靴下は清潔感を表す白がいい……」 「あまりごてごてとした装飾はかえってケバくみえるから駄目だ」 「……首飾りもあるといいかもしれない」 榊と暦はいくつかまとまったイメージを神楽に見せる。 だが神楽は「ん〜。実際に着て見ないとわかんないな〜」と戸惑い気味。 それはそうだ。今までそんな格好したことなかったのだから。
■彼女が変わるとき-6 「じゃ、早速買い物に行こうか。雨降っているからお客も少ないだろうし、ゆっくり品定めできる」 暦は二人を促すように、近所のデパートの名前を挙げ、買い物に行くことを提案した。 にべもなく、榊と神楽の二人もそれに従う。 夏・冬とアルバイトをしている割には使う目的があまりない (マウンテンバイクや水泳、ストレッチの道具などはすでに買い揃えていた) 神楽は、それなりに持ち合わせもあった。 それに、「可愛い女の子の服も一着くらい自分で揃えたいな」と今日の買い物のことを父親に話すと、 大げさにうれし泣き(神楽には半分冗談に見えた。それが照れ隠しのためなのかどうかは分からなかったが)をしながら、洋服代の足しにしなさいと寄越してくれた小遣いもあったため、 お金の心配は要らなかった。 洋服売り場で色々試着しながら、榊の家で色々考えていたイメージにマッチしたスカートや上着、 それに暦が薦めた白いハイニーソを選び、神楽はやはり真っ赤な顔をしながらそれらの服を購入した。 さらに榊と暦の二人のチョイスで、クジラを形どった首飾り、ちょっと薄い色のルージュ、小物入れ代わりのポーチ、 そしてキャッチコピーいわく「魅惑的な香りで男性を直撃する」という香水も購入した。 一通り買い物が済んだ後、「お駄賃」ということで神楽は二人に餡蜜をごちそうした。もちろん、暦が指定した「穴場」の甘味処で、だ。
■彼女が変わるとき-7 買い物袋を抱えて榊の家に戻ってきた三人は、早速「着こなし方」を神楽に教えるべく、 神楽に試着をするよう促した。 最初は慣れていないせいか難儀していた神楽も、榊や神楽のアドバイスで、 何度か着直していくうちに、それなりにこなれていく。ルージュも薄く引いてみる。 全身鏡に映った自分の姿を見て、神楽は「はぁ〜」とため息をつく。 疲れたから、とかイヤになったから、ではない。 鏡に映った自分が、自分でないようにすら見えたからだ。 しばらくじっと自分の姿をながめていると、鏡に映った自分の姿の後ろに、 暦がニヤニヤとし、榊が驚くようすが映る。 「ははーん。馬子にも衣装、ってやつかな?」 「別人みたいだ……」 「ど、どうでもいいだろ!」 神楽は必至になって照れを隠そうとするが、暦はさらにニヤニヤするばかり。 その一方で榊はある本を持ってきて、神楽と暦に見せる。 「髪型だけど……今のようなラフなカットよりはきれいにまとめた方がいいと思う」 暦も、榊のすらりと伸びる長髪にちょっとだけ目をやり、榊の意見に賛成する。 「そうだね。ウィグという手もあるけど、それはやりすぎかな」 「神楽の髪はカツラで隠さなくても、ちゃんと手入れすればきれいになる。 水泳やっていると痛みやすいから、お手入れが大変だけど……」 「そ、そうなのか?」 何をするにも聞くのもはじめてなことばかりで、神楽はただ驚くばかりだった。 ウィグ(主に女性向けのカツラを指す)という言葉が何なのかもわからないほど。
■彼女が変わるとき-8 髪の毛はさすがに素人で整えるわけにはいかないので、 明日の日曜日に美容院で整えてもらうようにしてもらうことにした。 電話で明日の予約をした美容院のことを考えながら、買ってきた服を脱ぎ、 いつもつけていると思われるシンプルなデザインの薄いブルーのブラとショーツ、 今日買ってきた白いハイニーソだけの姿になった神楽に、 暦がまたニヤニヤしながらぼそりと神楽につぶやく。 「……下着も新着しなくてよかったのか?」 一瞬のうちに神楽の顔が真っ赤に染まる。その赤さはおそらく今日一番のものだろう。 発熱すらしているかもしれない。 「し、し、下着はべ、別に……どうだっていいだろ!!」 暦の言葉が何を意味するのか、ひとときの間の後に理解した榊は、 神楽に負けないくらい真っ赤な顔をして顔を手で隠してしまう。 騒ぎで目を覚ましたマヤーは、主人と神楽のようすを見て、心配そうにおろおろするばかりだった。
■彼女が変わるとき-9 「じゃあな、今日はどうもありがとう! やっぱり榊とよみに相談してよかったよ」 雨の中、右手で持った傘を左右に振りながら、玄関にいる榊と暦に、神楽が外から挨拶をする。 「いやいや、私も餡蜜おごってもらえたし。じゃあ、頑張れよ!」 「……がんばってね、神楽」 暦と榊もそれぞれ手を振り、神楽の挨拶に答える。 神楽の姿が見えなくなってから、榊と暦は部屋に戻り、榊の用意したお茶をすする。 マヤーは榊のひざに飛び乗り、気持ちよさそうにゴロゴロと鳴いている。 「月曜日、っていってたよな……」 ふいに暦が、神楽があの服装をして「同級生」と会う日のことを口に出した。 「うん……。そう」 「うまくいくといいね。神楽、単刀直入で竹を割ったような性格だからみんなに好かれるんだけど、 一人のひとと目を向き合って付き合うってのは、意外に苦手なのかもしれないから」 榊は暦の分析にはただうなづくだけで答え、「うまくいくといいね」の部分にだけ、自分の想いをもこめて、暦に返事をした。 「そうだね……」 ある土曜日の夜。「約束」にて、神楽が告白をする二日前のお話である。 (終わり)
■あとがきと説明 R.F.「今回はお約束通り、『約束』を補完するお話ってことやね。 時系列的には、『約束』の間、神楽が約束をした後の土曜日のお話」 暦「私が国家公務員試験云々ってのは?」 R.F.「それはやな。『成人式』で、榊に薦められて、警察のキャリア組を目指すという 設定になってるからや。『成人式』『約束』『彼女が変わるとき』は、同一の 時系列上のお話てなことなんや」 智「それにしてもー。私がなんか悪役みたいな感じなのはどういうことよ?」 R.F.「まぁまぁ。それはそれで。意味があってのことなんやから」 大阪「意味? なんやろねー?」 R.F.「それは ひ・み・つ やね」 ちよ「ところで……神楽さんの下着が『シンプルなデザインの薄いブルーのブラとショーツ』 っていうのはどうしてですか?」 R.F.「いや、それは、その、やな。 つまり、断続的な時空間の連続体の中で、それぞれの時空間は独立していながらも それぞれに近いものに対してより大きな影響力を及ぼしうるわけや。 時系列、つまり時間の流れは四次元で表現される力量の1ベクトルの流れが 断続的時空間を次々につなぎ合わせることで構築されていくわけなんやけど、 その過程で、近接している時空間から影響を受けることもあるわけで……」 神楽「難しいこと言ってごまかそうとしてない?」 R.F.「……」 榊「人間、誠実であるべきだ……」 R.F.「はい……ま、まぁ、ご自由に想像して、つーことで(苦笑)」
687 :
675 :03/07/13 23:28 ID:???
>>676 ありがとうございます。もっとこの二人の友情を主題にした
SSを書いてみたいところですが、いまのところアイディアはありません。
現在は中学時代の神楽の話を製作中。
さて、言ってしまった以上仕上げなければ。
>>686 好きな人なためにがんばる。神楽ってホントいい娘だな……
やっぱ榊と暦って「気遣いの人」なんだなって思います。
でも暦が若干意地悪なのが好き。
それにしてもちよすけが下着に「意味」を求める発言をするとは……
>>686 僭越ながら、前からちょっと気になってたことを一つ。
「ボーイシック」は「ボーイッシュ」という語を使う方が一般的じゃないでしょうか。
辞書を引いてみましたが、「boychik」は「少年」という名詞ですし。
何かこだわりがあるor私の無知ならすみません。
>>675 >ちなみに俺の作品のうちさかぐら話はここの「曇りのち雨のち…」
>エロパロの「抱きしめたいから愛しい人」「榊と神楽とねここねこ」の3本
すいません、完全に当方の間違いでした・・・
どの作品も楽しく読ませて頂いてますので、これからも素敵なSSを期待しています。
ちなみに「曇のち雨のち」には共感しました。似たような経験があるので(^_^;;;
__∧_∧_ |( ^^ )| <寝るぽ(^^) |\⌒⌒⌒\ \ |⌒⌒⌒~| 山崎渉 ~ ̄ ̄ ̄ ̄
保守
神楽はガサツだと自分では気にしてるが やはり基本的には育ちのいいお嬢だろうと思う (家族も特に威勢がいいとかではなく普通の中流家庭のような気がする) あくまで比較的に上品な環境の中におけるガサツさであって 本当にDQN校みたいな環境だったら辛いことになっていたであろう
>>692 真のDQNは自分の無神経さを気にしたりしない。ひたすら他人を責めるだけ。
時々だけど、自分のガサツさに涙する神楽は、まともな神経を持った良い子
なんだよ。
大昔の不良漫画(タイトルが○○番長みたいな奴)に出てくる主人公みたいな
タイプではあるな、神楽。
神楽の笑顔は良い ツリ目をきゅっと閉じて(目尻が鋭角を描くのがポイント) 天真爛漫に大きく口を開けた笑顔は良い子の証だ
神楽の他人に対して臆する事の無い性格は、幼少時、親から適度な愛情を注がれて 育った証拠。DQNとは違うのだよ、DQNとは・・・・・・
どうしても神楽の実家が魚屋に思えてくる。 なんでやろ。
その少女、神楽を端的に表現するなら、『少年のよう』であった。 小さいころは男の子に混じって遊んで夏場は真っ黒になっていたし、 運動能力を活かした遊びなら男子にも負けていなかった。 その性格ゆえにそんな幼少時代になったのか、幼少時代がそんな性格を形成したのか、 それは誰にもわからないことだったが。 とにかく神楽は考えているよりも身体を動かすことが好きだったし、 その身体が男のように強いのならば、むしろ誇らしかった。 女であること、小柄であること、運動には邪魔な人より大きめの胸が不利につながるとわかっても 神楽は強くあろうと願い、そのための努力をすることが、挑戦しつづけることが自分の存在意義だと思うようになった。
バスケットボールは小柄な神楽の手には大きかった。ドリブルしている今は関係ないことだったが。 背の高い敵側の生徒が神楽の行く手を阻もうとするが、神楽はそれを一人、二人と華麗にかわすと、ゴールのすぐ下へと やってきた。神楽からゴールへの距離は他の人にとってのそれよりもずっと遠いものだったが、神楽はしなやかに 強靭な脚のばねを使い、その距離を一気に縮めた。その跳躍の頂点からボールを放ち、ボールが描いた放物線はゴールの 中央を通過した。 あまりに見事な動きに、参加していない生徒たちは完全に観客と化して、神楽の一挙手一投足に魅入られた。 当の神楽はそれどころではなく、守りにつくために自陣のゴールへと走っていった。迫ってきた敵のシュートを阻止して ボールを我が物とすると、また敵をすり抜けてゴールへと向かい、跳躍して、シュートを成功させる。 それは試合中に何度も繰り返された。 もはやその場は神楽の独壇場だった。試合終了を告げるホイッスルが鳴ったとき、神楽のチームは大差をつけて勝利した。 神楽に敵う者はおらず、それでも神楽はいつだって全力で勝負した。 それぞれの部活の夏の大会が終わったあとのある秋の日、ある中学校の女子バスケットボール部対女子水泳部のOGによる バスケットボールの親善試合が行われ、(と言っても実質遊びなのだが)当然神楽も参加していた。 普通ならバスケ部の勝利に終わるこの試合は、序盤はバスケ部が油断していたとはいえ、水泳部の勝利に終わった。
「神楽さん、お疲れ様」 「ああ、ありがとう」 そう言って水泳部員の友人が渡してくれたタオルを神楽は受け取った。運動後の火照った身体に秋の風が心地よい。 「すごいね、神楽さん。バスケ部員を相手に圧勝なんて」 点差はもちろんだが、一回一回の選手同士の対決を見てもそのほとんどが『神楽の勝ち』といえる内容だった。 時間が経つにつれてバスケ部員の方もそれを自覚し、こちらも全力で向かっていったが、それでも神楽には敵わなかった。 「そうそう、今年のバスケ部って都大会ベスト4まで行った結構強いチームなのよ」 別の部員がバスケ部の強さを示すことで神楽への賞賛を強調する。他のチームメイトや後輩達も水泳部のエースを 取り囲み、口々に神楽を絶賛する。その輪の内側は明るく騒がしく、その年頃の女の子らしいムードであった。 神楽も自分の得意としていることで誉められることに悪い気はしなかった。 全力で勝負し、勝てたことが嬉しい。神楽はいつもそうだった。 対して輪の外側、バスケ部員たちが暗い雰囲気に包まれていたことに気付いた水泳部員はいなかった。
夏の大会が終わり、三年生の神楽はすでに引退だが、神楽が鍛錬を怠ることはなかった。 実際には夏の暑さが少しずつ遠のこうとしているこの時期、新人戦に向けて練習はしているのだが、引退した立場で プールを使うわけにはいかないので今はランニングをしている。 毎年プールの使えない時期になると自主的に行っていたランニング。そのコースの途中にある高校のそばを通るたびに 神楽は興味を引かれていた。 グラウンドから見える野球部や陸上部。何部かはわからないが、神楽のそばを走って通り過ぎるジャージの集団。 彼ら、彼女らが神楽に見せたものは確かな意志を持った力強い掛け声と、自分の力を信じるひたむきな表情。 目を凝らすと校舎の中も見えた。数人の女子生徒が楽しそうにふざけあっていた。 別のところでは二人の女教師が何やらしゃべりながら廊下を歩いていた。 一番目を惹かれたのはプール。遠目にも特別なプールだったわけではない。部員たちの表情は見えないが、 高くあがった水しぶきがそこにいる者たちの意志と力を確かに示していた。 ここには光が満ち溢れていた。目には見えないが、確かに感じる若さのエネルギー。 ここにあったのは神楽が思い描く青春の1ページそのものであった。 神楽はいつのまにかこの高校に憧れを抱いていた。 進路希望調査のときに、もちろんこの高校は第一候補にあがった。しかし、その偏差値をみて落胆した。 こんなの、私には無理だ。それにここには体育推薦がない。 結局、神楽は別な高校の体育推薦で妥協することに決めていた。好きなことをやっていられるんだし、それも構わないと。 いつのまにか足を止めて見入ってしまったことに気付いた神楽はランニングを再開した。
昼休み、神楽は数人の友人を伴って体育館へと赴いた。目的は遊びとしてバスケをすることであり、同じ目的ですでに 何人かが体育館に来ていたが、その中に異質な女生徒がいた。その女生徒の動作は明らかに遊びではない基礎練習だった。 神楽はその女生徒に見覚えがあった。女子バスケ部の部長――引退したので正しくは元部長だが、 先日の親善試合で対戦した相手である。 もう引退したのに休み時間を使ってまで練習している。そんな一生懸命な姿に神楽は好感を覚えた。 「お、頑張ってるな」 だから、神楽はちょっとした尊敬を込めて声をかけたつもりだったのだが、 「いいわね、あなたは頑張らなくても勝てるんだから」 返ってきたのは棘のある言葉だった。 「何しに来たの? 惨めな敗者を笑いにきたの?」 「そ、そんなんじゃねーよ。ただ頑張ってると思って声をかけただけで」 「頑張っても私はたいしたことないのよ。それが現実なの 」 「そんなことない。あんたは強かったよ」 「じゃあ、その私に勝ったあなたはもっと強いって言いたいの!?」 神楽の言葉に偽りはなかったが、やはり返ってくるのは棘つきの言葉。神楽は言葉に詰まった。 「あなたみたいにロクな努力もしないでヘラヘラしながら勝てる人にはわからないでしょうね! そういう人に得意なもので負けた人の気持ちなんか!」 努力してない? そんなことはない。神楽は人一倍努力家だった。 ヘラヘラしながら? それも違う。神楽はいつだって真剣だった。 だが、バスケットボールに関しては何か訓練をしたわけではないし、試合中以外は必死にうちこんでいるわけではない。 「勝てる相手にばっか挑んで、それでいい気になって! 自分だって大会では勝てなかったくせに!」 確かにそれは正しい。神楽が最も真剣に取り組んでいる水泳でも、全国大会へは行けなかった。 まっすぐに向けられた言葉の刃を、神楽は避けることも防ぐこともできなかった。 その言葉は全て正しかったわけではないが、何も反論できなかった。 自分に刃をむける目の前の少女をいたわることも勝者には許されなかった。 結局神楽にできたのは自分が存在することで傷ついてしまうこの少女の前から逃げ出すことだけだった。
今まで考えたこともなかった。自分に負けた者の気持ちなんか。 もちろん私も負けたことだってある。すごく悔しかった。 私はそれを人に味あわせ続けてきたんだ。何度も人を傷つけてきたんだ、軽い気持ちで。 勝つことは相手を負かすこと。そんな簡単なことに今まで気付かなかった。 「神楽さん、あんなこと言われたけど気にしないで。いつだって真剣で明るくて、それですごく強くって。 みんなそんな神楽さんのことが好きなんだから」 友達の言ってくれたことはとても嬉しかった。 でもガサツで無神経で人を傷つけて。なんでそんな私が好きなの?
それから神楽がどこかで勝負をしている姿を誰も見なくなった。 傍目には『元気がなくなった』ようにしか見えないし、実際そうだった。 そんな折、突然呼び出しされた。あのバスケ部の元部長に。あの体育館での諍いから一ヶ月たち、 それ以来会っていなかったが、けじめはつけておかなければならないと思った神楽はそれに応じた。 指定の場所である体育館に着くと、そこには呼び出し主がユニフォーム姿でバスケットボールを持って待っていた。 「私と勝負しなさい」 彼女は唐突にそう言い放った。 「あなたは小さいのに強い。私は自分の弱さを思い知らされたわ。でもあなたには負けたくないの」 じゃあそのためにずっと練習を……。 「あんた、バスケが好きなんだな」 そうだ。負けることが悔しくても、それで傷ついてしまっても。それでも立ち上がって、目標に挑戦し続けて。 辛くても自分の好きなことに夢中になって、だからこそ楽しくて。楽しいから傷ついたっていい。 私だ。この目の前の挑戦者は私そのものなんだ。だから―― 「わかった、受けてたつよ」 だから、神楽は全力で勝負した。
進路希望調査の神楽の第一志望の欄を見た担任の教師は驚きの顔をみせた。 「神楽、お前がこの高校を……」 教師の言葉を遮って神楽は言った。 「はい、わかってます。私の成績じゃその高校は難しいってことは。でも私はその高校に行きたいんです。 ダメかもしれなくても挑戦するんです。後悔しないように」 教師を見据える神楽の瞳には挑戦者としての強い意志が宿っていた。 それからの神楽は人が変わったように勉強に打ち込んだ。休み時間に友達を誘う事はなくなり、暇さえあればその時間を 勉強につぎ込んだ。だが、その一方でランニングを始めとした自分自身の鍛錬も怠らなかった。 それを怠ったら自分が自分でなくなってしまうような気がしたから。 始めは無茶だと考えていた周囲の者たちもそんな神楽の姿を見てその気持ちは応援へと変わっていった。 受験の時期になると神楽の努力は成績にも反映され、合格への希望が見えてきた。受験会場で震える神楽に同じ志望の 受験生たちがかけてくれた「神楽ならきっと大丈夫」という励ましの言葉は神楽にとって大きな力となった。 だから、合格が決まったとき、神楽は恥も外聞もなくはしゃぎまわったし、周囲の者たちも神楽を祝福した。 神楽の幼い少年のようなまっすぐさに周囲の者たちは惹かれ、心を開き、それによって神楽自身も楽しく、明るくなれる。 神楽にはそんな才能があるのかもしれない。
そして神楽が待ち望んだ春がやってきた。 希望を胸に新しい日常へと踏み出してきた若者達を桜並木が迎え入れる。 神楽もその中の一人だった。暖かな春の日差しと舞い散る桜吹雪が神楽たちを浮かれた気分にさせた。 神楽が憧れていた学校。今はここにいる。学校の外からここを眺めていたときに感じていた言葉では説明できない明るさ。 きっと私をも明るくしてくれる。神楽はそう信じた。 ここで私は何をしようか――まずは水泳だ。この高校が強いかどうかなんて関係ない。全て私次第だ。 余計なことは考えずに挑戦する。自分でそう決めたから。私は私らしくいようと。 バカなのも、ガサツなのも、男みたいなのも。強さに限界のある女でも、小柄でも。 考えるのが嫌いで、スポーツが好きで、それで人を傷つけてしまっても。それが私なんだ。 いいかげんなことはしない。後悔もしない。それが私が傷つけてしまった人に対するせめてもの償い。 それが正しいかどうかはわからないけれど、私はバカだからそれしかできない。 ふと周りを見回してみる。ここにはいろんな人がいる。でもここは進学校だから、私みたいなのは多分いないだろう。 私と勝負できる人なんていないかもしれない。また誰かを傷つけてしまうかもしれない。 私とわかりあえる人なんていないかもしれない。 それでも構わない。私自身がここにいることを望んだのだから。ここにきたことを悔んだりはしない。 でも、もし、ここでそんな人と出会えたのなら―― きっと、嬉しい。 ―終わり―
「私の歩む道」に続いて神楽の入学以前のエピソードに挑戦してみました。
神楽が強すぎ! と思った人もいるかもしれませんが、
神楽が榊に拘る理由としてはこのくらいあってもいいんじゃないかと。
それと神楽は榊に『匹敵する』能力の持ち主というのが俺設定です。
(二人が日常的に運動しているかいないか、という違いはありますが)
人より優れていることで人を傷つけてしまう自分。
そんな自分を受け入れられたかどうかが神楽と榊の違いなんじゃないかと思います。
>>696 魚屋さん……
俺は「板前さん」または「すし職人」というのもありかと思う。
良かったです。 やっぱり静と動、緊張と高揚、葛藤と変化ってなふうに 起伏を持ってちゃんと構成されてる物語は読ませます。 進学校に挑んだ理由を神楽の成長と結びつけて納得させてくれるし、 ラストのさっぱりとした引き方もむしろ、未来での榊さんとの関係を 読者自らに改めて考えさせる形になっていていい感じです。 もう9本目なのか……これが若さか……(;´Д`)y−~~
すし職人神楽か… 木村 「寿司を握ってもらおうか」 神楽 「は?」 木村 「寿司だよ!君がその素手でじかに握った寿司!」 神楽 「そ、そんなもんね…いや、ありますけど…」 (なんか作るのいやだな)
>>706 乙彼です。よかったです。
この後、榊との出会いがあり、自分がバスケ部部長とある意味同じ立場になってしまう
ことを考えると、味わい深いエピソードです。
>対して輪の外側、バスケ部員たちが暗い雰囲気に包まれていたことに気付いた水泳部
>員はいなかった。
ここ読んで、この後、陰湿な報復が!?とハラハラしちゃいました。
次回作も楽しみにしてます。
よみともスレの保管庫のようにこちらにも保管サイトを作ろうと思うのですがいかがでしょうか?
>>710 それは、ぶっちゃけ非常に嬉しいのですが、
ただ、ともよみ&エロパロスレの保管人さんが、
こちらもいずれやるみたいなことを言っておられたと思います。
その点はどうなんでしょう?
『成人式』『約束』『彼女が変わるとき』と同一時系列上のお話を、 「【あずまんが大王】とも・よみ総合スレ7」の方にアップしておきました。 智と大阪がメインなんで、こちらにアップするのはどうかな、と思ったもので。 ちなみにこのシリーズは、今作品でとりあえず終了です。 次はまた、ネタが「降って」きたらということで(・∀・)
713 :
706 :03/07/22 01:48 ID:???
SSの感想ありがとうございます。
>もう9本目なのか……これが若さか……(;´Д`)y−~~
そんな大人、修正してやるー!
……すいません、Zガンダム見たことないので
このやりとりが正しいかどうかわかりません。
>この後、陰湿な報復が!?
正直、それも考えたのですが、「神楽らしく」という話から外れそうなのでやめました。
そもそも「陰湿な報復」の具体的内容を考えたくなかったので。
>>712 >>686 の意味不明の発言にあんな意味があったとは!
……ってホントにそんな意味を込めていたのでしょうか?
>>708 対抗して「包丁人とも」
とも「それでさー あれって固いからー 力まかせにー」
……だめだこりゃ。
今思ったんだが、智って料理するのか。
>>710 俺も嬉しいのですが、やはりあちらの保管人さんとも
話をするべきなんじゃないかと思います。
よみともスレなら見ているはずですから、そちらで質問してみてはどうでしょう?
どっちにしろ神楽スレのSSを見分けて保管するのは大変でしょうけど。
>>713 さん
>>686 の意味不明の発言にあんな意味があったとは!
>>……ってホントにそんな意味を込めていたのでしょうか?
ですよ(・∀・) 大まかなプロットは『約束』の段階ですでにありましたし。
(だからといってその時点で云々するとネタバレになる)
それと、「折角時を越えるのだからもっと色々なキャラの未来を〜」という感想が
「あちら」にありましたが、それをやると文面のボリュームが倍以上になりますし、
あくまでも『約束』の補完的な作品ですから、この程度で収めたわけですね。
蛇足的なものはばっさりと切って捨てたわけです。結果として不評だったみたいですが(´・ω・`)
大きな流れの中の作品ととるか、独立した小品とるかで評価は全然変わるんじゃない? あっちには久々の投稿だったし、単体で見ればせっかくの未来旅行が消化されて無いように見えるのはしかたないかと。
ちょっと疑問。 あずま先生は神楽が進級したらレギュラーに昇格することを いつから決めていたのだろう? 体育祭のときにはもう決まっていたと考えていいだろうが、 62P「黒沢先生怒った」や75P「貸し切り」の時点ではどうなのだろうか? というかこの時点ではこのキャラを「神楽」のつもりで書いていたのだろうか? 漫画サロンの今の状態ではまともな回答を期待できそうにないので こちらで質問してみました。
>>714 > それと、「折角時を越えるのだからもっと色々なキャラの未来を〜」という感想が
> 「あちら」にありましたが、それをやると文面のボリュームが倍以上になりますし、
> あくまでも『約束』の補完的な作品ですから、この程度で収めたわけですね。
> 蛇足的なものはばっさりと切って捨てたわけです。結果として不評だったみたいですが(´・ω・`)
ここでなく、「あちら」で感想レスくれた人にレスするべき内容ではないかと?
>>716 答えのありかはここじゃない
きよひこのハートの中さ……
しかしアニメから入った自分としては、1年運動会での神楽の扱いの小ささに驚いた。
結局、登場時以外ではリレーの最後で榊さんに負けてる1コマしかないもんな。
わざわざ新キャラ出したら、普通もうちょっとフィーチャーしそうなもんだと思う。
案外、この時点でもレギュラーの予定はなかったのかも……
(「たまに出てくるだけ」という、木村レベルの地位とか……あわわわ)
ところで見返すと、他にも「いつ決めたんだろう」というのは多々あるな。
男子の影がどんどん消えていくこと
かおりんと千尋がフェードアウトしていく運命
よみともの幼なじみ設定
(当初はよみがともに「前から言いたかったんだけど、あんたうるさい」
とか言ってる。今の目から見ると「何をいまさら……」な台詞で、
この時点では幼なじみ設定はなかったのじゃないか)
中学の頃のともはおとなしかった・・なんてな 実は高校デビューだったら萌える
智は爆笑問題太田タイプってことか
>>720 智も爆笑問題も好きだけど、それはかなり嫌だなあ。
仮に中学のときは大人しかったんだとすれば、
「前から言いたかったんだけど あんた変わったよね」
なんて言うはず。
別荘のメンバー決定のときにはもうレギュラーと認められてたわけだから、
「よく一緒にいる智と幼馴染み」という設定はこのときには後付けしてあったに違いない。
>かおりんと千尋がフェードアウトしていく運命
これも別荘に行けなかったときにはもう決まってたんだろうな。
運動能力についてアニメの設定は余りにもあからさまに 榊>神楽で不満。 原作では=か、せいぜい≧のニュアンスだと思う。
しかしマラソンでは神楽が勝ったと言うことがはっきりと示されている。 それより問題なのがアニメでは智の運動能力が 瞬発力だけは榊、神楽並だということだと思う。
>>722 どちらにしても、二人が直接対決してる場面自体はあまりないから
どっちが上とはっきり出てるわけではないのよ。
それにアニメオリジナルの要素では、実際マラソンのこともあるし、
少なくともインターハイを目指す程度の実力者ではあることが示されているわけで
決して神楽が原作より矮小化されてるわけではない。
ただ、アニメで榊さんの能力は演出に生かされる場面が多かった
(バレー・ドッジボール・サッカーでの活躍、 運動部からの勧誘攻勢、
雪合戦のウルトラC、崖に落ちそうなちよちゃんを素早く救助、
ごぼう抜きの極端な演出など)
一方で、神楽についてはそういう演出が乏しいから、そんな印象を受けがちなのだと思う。
>>724 その体育祭で榊はごぼう抜きをやったのに、
神楽は最後の一人を抜けないままだったという演出は
やっぱりアニメ製作者が榊>神楽だと考えているからじゃないだろうか。
(R.F.さんの「日記」の設定に従えばアンカーの榊は4倍の距離を走った
ことになってるからごぼう抜きがやりやすいわけだが、
そういうことを抜きにした「演出」の問題で)
>>723 100M走のシーンで「最初は榊についていけたけど
途中で力尽きた」というのがまずおかしい。
100M走なんて「いかに全力を出し切るか」の勝負なのに。
(普段運動してない奴にとっては100Mでも充分すぎるほど長いけど)
「榊さん私より8cm胸でかいから8cm下がってよね」って言ったけど、
胸囲は円周なんだから、智の理論に従えば8÷π≒2.6cm下がる
べきなのでは?
下がりすぎなのでage
>>726 前半部 アニメは演出第一なのでそういうリアリティは度外視
後半部 智はわざわざそんな理屈考えるほど賢くないわけで
原作読んでなかった最初の頃、何となく智は「スポーツだけはできるキャラ」
だと思い込んでいたのも今は昔……
>>725 好意的に考えるなら……
そもそも榊さんの全員抜きは一番の見せ場になる場面である以上、
演出的に言って他の者に同等の活躍をさせるわけにはいかなかった。
その縛りの中でアニメ製作者が神楽に与えられた最大限の活躍が
「全員抜きまであと一歩」だったとも考えられる。
原作が神楽の活躍を描いてもくれなかったのに比べれば
むしろ厚待遇ともいえるのでは。
まあ、その事より個人的には「大丈夫!榊が挽回する!」の台詞を
アニメではよみに取られたのがやや無念なのです
729 :
725 :03/07/27 13:28 ID:???
>まあ、その事より個人的には「大丈夫!榊が挽回する!」の台詞を
>アニメではよみに取られたのがやや無念なのです
あれ、智じゃなかったっけ?
すいません、DVDを友達に貸しているので確認できません。
とにかくこれには俺も同意。
榊の強さを一番わかっている神楽にこそ言ってほしかった。
>>728 で言っているように、
悪い言い方だけど神楽が「引き立て役」になるならなおさら。
智「ちよすけ、あれを見ろ!」のシーンが好き。 普段イジワルな智が泣いているちよを気使うとこがいい。
>>710 ともよみスレの保管庫の管理人ですが、こちらのことは気にせず保管サイトを作ってください。
こういうのはやる気のある人がやる気のある時にやるのが一番良いですから。
無事完成したら相互リンクさせてください。
原作では神楽・榊の運動勝負で勝ち負けのシーンはない。 1年の体育祭のゴールシーンも、リレーだからその前の展開は不明だし。 意図的にどっちが上かを明確にしなかったんだと思うよ。
733 :
JMA :03/07/27 23:29 ID:???
>まあ、その事より個人的には「大丈夫!榊が挽回する!」の台詞を >アニメではよみに取られたのがやや無念なのです アニメ版から見た私にとっては、よみが言った方がよかった(神楽萌えの方、ごめんね)。 それよりも728の言うとおりに、原作に比べたらアニメ版の方は厚待遇だと思う。
,. -──- 、 /:::::::::::::::::::::::::::::ヽ /::::::::::::ハ::::;:::::::::::::::::゙:, ,'::::;i:/レ' ヽiヽ:::::::::::::::::! l::::|'r,:=; ,:=;、';i:::::::::::::! .,r'‐;|.l !::::i i:::::i l |::::::::::::| ,'.三ミi 'ー'゙ 'ー'゙ |:::::::::::::| | 'ri''ヾ:、 r‐┐ ,.|::::::::::::::| へーちょ! l |i,__!:>'=''r‐''".i:::::r、:::::| ! l,|: |" ゙、'、 ;:/::;/ ヽ:| l! |大" `''"/'"' ヽ ! | ヽ| 、i ,. イ'
一応、原作、アニメ共にソフトボールでライトフライに 打ち取ったってのもあるけど。これだけじゃなんとも言えんしな。
>原作では神楽・榊の運動勝負で勝ち負けのシーンはない。 >1年の体育祭のゴールシーンも、リレーだからその前の展開は不明だし。 >意図的にどっちが上かを明確にしなかったんだと思うよ。 逆にアニメでは結果を明確にすることでキャラを立たせたのかな。
空想榊科学リレーで盛り上がってるスレはここですか?
ご苦労様です! と言ってもまだまだ作業はありますが。
740 :
739 :03/07/30 15:01 ID:???
週末と言っておきながらもう更新してありますね。
またもやご苦労様です。
念のため聞いておきたいのですが、こちらのスレのことはご存知ですか?
あずまんが 榊さんスレッド
http://comic.2ch.net/anime/kako/1025/10255/1025519610.html 厳密には板が違うのですが、こちらにもSSがあるので保管してほしいと思います。
荒らしばっかで探すのも大変でしょうから、SSのレス番号を示しておきます。
286-290 タイトルなし。初の榊&神楽カップリングSS
344、348-351、374-377 榊がちよにパソコンのことを教えてもらうお話
412、416,417、424 榊がよみともと絡むお話
430-436 みんなでピクニック
452-453 図書館で
459 くれない埠頭
472-478 夏の海
『榊さんの大学生活』と称した話もあるが、オリキャラばっかで
結構長いので保管するべきかどうかは微妙。
というか、上にあげたもののうちいくつかはSSと呼んでいいものかどうか微妙。
でも、286-290は必見です。
余計なおせっかいですいません。保管してほしいためにこんなレスをしてしまいました。
>>737 空想科学榊リレー、久々だなそのフレーズ。
本スレで荒れまくった頃が懐かしいですな。
なにげにエロパロver5が立ってるな・・・
>>738 アーカイブ建造お疲れさまです。
いま気がついたのですが、どのSSにも明確な題名がなかった・・・
素敵なタイトル(見出し?)を付して頂きまして、ありがとうございます。
榊は運動能力で男子(それもリレーのアンカーをつとめる男子)を ごぼう抜きにするレベルなんだから、榊が異様に能力が高い。 それにあの体格で張り合う神楽は何者だろう……。
>>745 本来ならそれよりも榊が何者だろうって言われるべきだと思うんだが……
>>710 ◆/GMS.NyAmo 様
ありがとうございます。_(_ _)_
なお一部の作品については加筆・修正の上、昨年の冬コミに出してます。
自分で見ても、まあ、よくもこんなに書いたものだと思わず遠い目。
今は某「〜の世界」を中心に書いてますが、何とか続きは書きたいと
思います。改めて自分の作品みると意欲も沸きましたから。(^-^)
あるところに、さびしがりやの女の子がいました。 女の子にはいっしょにあそぶ友達がいなくて、いつも猫のぬいぐるみをかわいがっていました。 女の子はいつも猫のぬいぐるみをだきながら「友達がほしい」とねがっていました。 ところがある日、女の子はだいじなぬいぐるみをなくしてしまいました。 さがしてもさがしてもぬいぐるみは見つかりません。 三日たって、とほうにくれて町を歩いていると、いっぴきの猫にであいました。 その猫はなくしたぬいぐるみにそっくりでした。 女の子が手をひろげてむかえると、猫は女の子のむねにとびこんできました。 女の子が猫をだいてわらっていると、男の子がやってきました。 「その猫は君のなの?」男の子はいいました。 「ううん、ちがうよ。この猫はあなたのなの?」女の子はいいました。 「ぼくのじゃないよ。三日まえにさんぽしてたらすてられてたんだ。 ときどきエサをあげていっしょにあそんであげてる」 「この猫をかわないの?」 「ぼくのうちでは猫はかえないんだ。君は?」 「わたしのうちもダメなの」 女の子と男の子がこまっていると、男の子がていあんをしました。 「それじゃあさ、ふたりでこの猫のめんどうみようよ。君もこの猫のこと好きなんでしょ?」 「うん、さんせい!」女の子はえがおでこたえました。 それから女の子と男の子は猫といっしょにあそぶようになりました。 猫と男の子とあそんでいるじかんは魔法のようにたのしいものでした。 女の子にとってのはじめて友達ができて、それまでのさびしさもわすれていきました。 「ねえ、魔法ってあるとおもう?」ある日女の子がいいました。 女の子は、じぶんが猫のぬいぐるみをだいじにしていたこと、それをなくしたこと、 ぬいぐるみにそっくりな猫がいて、こうして友達ができたことを男の子にはなしました。 「ぬいぐるみが魔法でこの猫になったんじゃないかっておもうの」女の子はいいました。 「そっか、この猫は魔法でいきてるんだ」男の子はわらっていいました。 そんなふたりと猫のたのしい日々はずっとつづくはずでした。 ところが、ある日とつぜん猫がどこにもいなくなってしまったのです。
榊は散歩をしていた。特に目的地があったわけではない。 内向的な性格で、趣味を分かち合う友達のいない榊には自室でぬいぐるみと戯れるか、こうして散歩でもして 好きな猫に出会うことを期待するしかなかった。 しかし、期待どおりに猫に遭遇しても、その猫は榊を避けるか噛むかしかしない。 結局榊は孤独なままだった。 榊自身は自分が普通の女の子で、普通に友達がいて、普通に楽しい生活を望んでいた。 しかし、女子の中では明らかに浮いて見える長身、流れる黒髪、凛とした顔立ち、寡黙な性格が醸し出す雰囲気は 他人からは榊を実年齢――榊は中学三年生である――以上に大人に見せていた。 それが榊にとっては障害だった。大人だと思われてるから自分が猫好きであることや、ぬいぐるみ集めが趣味である ことを人に言えなかった。言ってしまえばいいのだろうが、似合わないと思われたらどうしよう、変な人だと 思われたらどうしよう、という恐れが榊を躊躇わせ、結局榊は行動に移せなかった。 榊はいつのまにか人が作り出した『自分らしさ』のイメージに縛られ、そのイメージの通りの人間になってしまった。 人の思い込みは人を変えうる。榊にはそれが悪い作用を及ぼしてしまった。 高校受験を間近に控えた2月のある休日、空には雲ひとつなく、陽気がわずかに暖かさを与えていてこの季節にしては 暖かい日だったが、まだまだ春は遠く、そのせいなのか、単に確率だろうか、まだ一匹も猫には出会わなかった。 ショッピングに行ってみよう。いいネコグッズがあるかもしれない。 そう思い立って進路を変えようとしたそのとき、この日初めて猫に出くわした。
見た目に特別な猫だったわけではない。今までに会ったことがあるかどうか、 その見分けもつかない普通の猫だった。 普通に道を歩いていて、普通に出会った。ただそれだけだった。 榊は猫の前に座りこみ、その頭を撫でようと手を差し出して――噛まれた。 榊は痛みに顔をしかめたが、それもいつものことだった。 「こら、人を噛んじゃだめだろ!」 突然、そんな叫び声とともに猫の口は榊の手から離れていった。 「ごめんなさい、大丈夫ですか?」 声の主は幼い顔立ちの少年だった。年の頃は12、3歳といったところか。 そう言って少年は猫が再度噛まないように抱きかかえながら、榊の手を見つめた。 どうやらこの少年が猫の飼い主らしい。そう思った榊は猫への気遣いも含めて 「うん……大丈夫」、と返事をした。 「うちにおいでよ、近くだから。その傷、手当てしなくちゃ」 榊は少しためらった後、首を縦に振って少年についていった。 これはいつものことではなかった。
それから少年の家――と言っても正確にはアパートの一室だったが――で榊は簡単な手当てを受けた。 「……ありがとう」 人の好意を受けた経験が少ない榊は素直に礼を言った。 「ねえ、傷いっぱいあるけどどうしたの?」 「……よく噛まれるんだ」 「大変だね。このへんってノラ猫多いから猫が嫌いな人には辛いでしょ」 「いや、猫は好きだよ」 「……え、どうして?」 「……どうしてかな……多分……」 榊は、自分が猫好きである理由を話した。 それは、童話だった。幼いころ読んだ童話。友達のいない孤独な女の子が大事にしていた猫のぬいぐるみに 『友達がほしい』という願いを託す。そのぬいぐるみをなくしてしまうが、かわりにそのぬいぐるみに そっくりな猫とその面倒をみていた男の子に出会い、仲良くなっていく。ところが、ある日その猫は突然 いなくなってしまう―― 「それで?」と、少年は続きを促した。 「……覚えてないんだ。続きを思い出せなくて家の押入れを探っていたらその本が出てきたんだけど、 そこから続きのページがちぎれててなかった」 「そのせいで覚えてないんだ」 少年は榊の言葉を補足した。 「私には友達がいないんだ。だから、その童話みたいに友達がほしくて、話の続きを知りたくて、それで 猫やぬいぐるみに興味を持ったのかもしれない」 しかし私は猫に嫌われている――それは私には友達をつくる資格がないということだろうか? そんな暗い悩みを少年に伝えるわけにはいかなかったが、今まで誰にも打ち明けなかった自分の本心を 会ったばかりの少年に喋ってしまったのは、その物語の登場人物を重ね合わせてしまったからかもしれない。 この少年についていけば何かあるんじゃないかと期待して。 さすがにそれは本人の目の前では言えなかったが。 「じゃあさ、コイツと一緒に遊ぼうよ。さっきは噛んじゃったけど、普段は大人しいやつだから」 「……うん」 榊は控えめな笑顔で答えた。
それからの時間は楽しいものだった。猫は榊に懐かなかったが、飼い主の少年が仲介することで なんとか猫と接することができた。 少年が押さえつけて、その間に撫でようとしたが、必死の抵抗にあって諦めた。 それが榊には悲しかったが、表情には出さないでおいた。 榊には慣れていない談笑をすることもあった。少年の身の上話を聞いたりもした。 今までに何度か転校を繰り返し、ずっと一緒にいる友達はこの猫だけらしい。 だが、転校の度にできた友達はみんないい人だし、今でも大切な人だと笑顔で話した。 満足に友達と呼べる相手すらいない榊はそんな少年に憧憬し、尊敬した。 榊にとっては人と接する経験自体少なく、人と近くにいることが苦手だったが、 今こうしていることが楽しいのだと自覚することはできた。 だから榊は、さきほど童話のあらすじを説明したときに使わなかった台詞を言ってみた。 「ねえ、魔法ってあると思う?」 児童書なのに『魔法』という言葉を漢字で書いてあったので、この台詞が妙に印象に残っていた。 「……ないよ。魔法なんてない」 少年は沈痛な面持ちで、あっさりと断言した。 「……そう」 榊には返す言葉がなかった。
それから会話が続かなくなり、さほど時間が経たないうちに榊は家に帰ることにした。 (また私はこんなことを繰り返して……) 榊は後悔していた。せっかく仲が良くなりそうだったのに、ちょっとした一言で壁を作ってしまう。 今までに何度か人と親しくなるきっかけはあったはずだが、その度に失敗してきた。 今回は正しくは榊のせいではなかったが、何度か繰り返した失敗が頭をよぎって、榊を暗い気分にした。 しかし―― 「また明日、会おうね」 少年がすまなそうな表情でかけてくれた言葉が嬉しかった。 翌日、この日も休日だったので、榊は少年の家に向かうことにした。 その途中、昨日榊と猫が出会った地点のあたりで、今度は少年と会った。 ただし今日は猫はおらず、少年はその年齢には似合わない悲壮感を漂わせていた。 どうしたの、と榊が尋ねるより先に少年が口を開いた。 「アイツ、昨日死んだよ。君が帰ったすぐ後に。安らかな死に顔だった」 少年は出来る限り感情を込めないように言った。その声は冷酷にすら聞こえた。 「癌だったんだ。もう誰にも手の施しようがなかった」 あまりにもあっさり言ってのけたので、榊はどう受け止めていいかわからなかった。 「だから言ったじゃないか……魔法なんか、ないって……魔法が、あれば……」 少年はだんだん涙声になり、最後まで言葉を紡ぐことができなかった。
しばらくして涙を拭き取って自制をとりもどした少年は自分の猫のことを語った。 「末期だったから、ほとんど動くこともなかったのにさ、昨日急に家を飛び出したと思ったら君に噛み付いていたんだ。 君と一緒にいれば元気になれるかもしれないって思って僕の家に呼んだんだ。アイツはいつ死んでもおかしくない 状態だったけど、また明日って言ってみた。そうすれば、本当に明日君と会えるかもしれない、嘘が本当になるかも しれないって思った。結局ダメだったけど……」 そう言う少年の声は少しづつ感情を取り戻していった。 「でも昨日、魔法なんかないって言ったせいかもしれないって思うと……」 少年の感情は再び抑えきれないところまで湧き上がってきた。その感情は榊にも伝染した。 「ごめんなさい、私のせいで……」 私があの猫に無理をさせたせいで、私が帰ったせいで……猫の異常に全く気付いてやれなかった…… 榊は少年以上の涙声で自分の気持ちを伝えた。涙もろい性格は実際には感情豊かな『榊らしさ』の一面だった。 「……君のせいじゃないよ。アイツは最期に君に会えてよかったと思う」 そう言われても、心はすぐに晴れるものではなかった。
たった一日だけ、それもたいして心が通ったわけではなかった猫の死。しかし、それは人との深いつきあいがなく、 深い親しみを知らなかった榊には辛い出来事だった。 これがもし人だったら、喜びも悲しみも全て分かち合える人との永遠の別れだったらどれほど辛く、悲しいだろう。 それを考えると孤独の方が楽なのではないか―― 「でも、ダメなんだ。そんなふうに考えちゃ」 少年は榊の心を読んだかのように告げてきた。 「君の考えてることは大体わかる。僕は今まで転校を繰り返してきて、何度も友達との別れを経験した。 でも会わなければよかったなんて思っちゃいけないんだ。それは人との壁を作ってしまう」 その年齢に似合わないほど達観した意見だった。この少年は榊よりもずっと大人だった。 「僕はもうすぐまた転校する。でもここでも友達はできたし、みんなに会えてよかったって思ってるよ」 少年は顔を赤くして続けた。 「それと……君にも会えてよかったって思ってる」 少年が顔を赤らめた意味は榊には通じなかったようで、彼女の表情には変化がなかった。 榊は帰り際、強い意志をもった表情で少年に告げた。 「……私は獣医になろうと思う。……わかってる、私が獣医でもあの子はどうにもならなかった。でも……」 「……がんばってね」 榊の言葉を遮って少年は簡潔に答えた。 今度は少年の方から榊に告げた。 「あの童話の続き……気になるなら自分で書いちゃえばいいと思う。二人はあの猫とはもう会えないかもしれない。 でも、自分の好きなように書いちゃえばいいんだ」 「……うん、やってみる」 二人はそこで別れ、もう会うことはなかった。
それから榊は第一志望の高校を受けるための勉強に励んだ。第一志望はすでに決まっていた。 元女子高で、学力は榊に相応しく、獣医学部を目指すにも充分なレベルの高校である。 家からたいした距離はなく、校風が自由なため、その長髪も認められる。 まさに榊のために用意されたかのような学校だった。 試験でも榊は実力を充分に発揮し、学力からすれば当然のことだったが、第一志望の高校に合格した。 当面の問題が片付いた榊は、童話の続きを書いてみることにした。
ふたりはてわけして猫をさがしましたが、さがしてもさがしてもみつかりませんでした。 その日はあきらめていえにかえることにしました。 ところが、女の子がへやにかえってびっくりしました。なくしたはずのぬいぐるみがあったのです。 つぎの日、女の子はぬいぐるみをもって男の子にあいにいきました。 「へえ、ほんとうにそっくりだなあ」男の子はぬいぐるみをみながらいいました。 「でも、なんでなくしちゃったぬいぐるみがみつかったんだろう」 女の子がきくと、男の子はこたえました。 「たぶん、あのぬいぐるみは魔法を使ったんだよ。それで猫にへんしんしたんだ。 でも、魔法のききめがきれちゃって、またぬいぐるみにもどったんだ」 「わたし、いつもこのぬいぐるみにおねがいしてたの。友達がほしいって。 この子はわたしのために魔法をつかってくれたのかな。でも、魔法がきれちゃったのならわたしたちは……」 「ううん、それはちがう。魔法がきれちゃっても、ぼくたちはずっと友達だよ。 魔法がぼくたちを友達にしてくれたんだ」 「うん!」女の子はえがおでうなずきました。 それからまいにち、女の子と男の子はなかよくあそんでいきました。 魔法はきれてしまったけれど、魔法がつくってくれた友達はいつまでもいっしょでした。 本当のところ、この話が最後どうなったかはわからない。女の子は二度と男の子に会えなかったのかもしれない。 魔法なんて存在しない。現実は残酷かもしれない。でも、だからこそハッピーエンドを願う。 榊は考えた。どうして私には友達がいないのだろう。 それはきっと、魔法がかかっていないから。ちゃんと心の底から願っていなかったから。 榊は自分で書いた童話とは違う結論を出した。――きっと、この女の子の願いが魔法を実現させたのだと。 今度こそ、私は変わろうとしなきゃいけない。そうしなければ、きっと魔法はいつまでたっても実現しない。 榊は静かに決意した。
春を迎え、榊の新しい生活が始まった。満開の桜が並ぶ道を歩く。爽やかな青空と鮮やかな桜の花は 見る者の心を豊かにし、未来への期待を膨れ上がらせた。 榊がここで願うこと。それはずっと昔から願い続けてきたこと。 友達がほしいという願い。それを叶えてくれた猫。ひとりぼっちをやめさせてくれる魔法。 人と人の心を繋ぐ魔法猫――ここでは会えるかな。会えるといいな。 入学から数日後、榊が相変わらず窓の外を眺めていると、その日のホームルーム、 担任の女教師と高校生には見えないがこの高校の制服を着た小さな女の子が並んで立っていた。 「はい、転入生を紹介しまーす」 教室に女教師の陽気な声が響き渡った。 この学校は後に榊にとって心通わせる生涯の親友ができた思い出の場所となる。 まさに、ここは榊のために用意されたかのような学校だった。 ―終わり―
ちよ、神楽と入学以前のエピソードをやったので、
榊さんのエピソードにも挑戦してみました。
しかし、榊さんには受験に苦しむような理由が思いつかないので
前2作とは大分違う趣向になっています。
榊さんにもひとつくらい中学校時代にいい思い出があって欲しいと思う一方で
このスレの
>>163 も心にひっかかっていたのでこういう話になりました。
畑亜貴さんの言う「魔法猫」ってどんな意味だろう、
と考えたのがこの話の原点です。そのために童話をひとつ
書くことになるとは自分でも意外でしたが。
それと榊さんが童話の続きを書くという発想はR.F.さんの
「成人式」から頂いたものです。
本来なら事前に承諾を得るべきなのでしょうが、
ネタばれを防ぐために無断借用という形になってしまいました。すいません。
>>740 了解しました。
時間を見つけて更新しておきますね。
あと、前スレで、ちよちゃんのスレだけ見ていなかったもので、
ログを持っていないのですが、誰か持っている方いらっしゃらないでしょうか?
>>759 テーマをもってしっかりと物語を構成できる人はかなり貴重だと思います。
魔法はただ期待するものではなく、自ら実現させるものだと悟る
榊さんの成長を、説得力をもって読むことができました。
>本当のところ、この話が最後どうなったかはわからない。女の子は二度と男の子に会えなかったのかもしれない。
>魔法なんて存在しない。現実は残酷かもしれない。でも、だからこそハッピーエンドを願う。
こんなふうに、ある種冷酷な視点を忘れていない作品には、個人的に信頼感を抱きますね。
(^^)
763 :
759 :03/08/02 12:40 ID:???
レスありがとうです。 今回の話を書くにあたってちょっと絵本のことを 調べようと、絵本板を見ていたらこんなスレを見つけました。 ……と言って『【あずまんが大王】で絵本を語るスレ』を 紹介するつもりだったのですが、保管庫にリンクが貼られているので やめておきます。職人の数が少ないので、ネタを思いついたら レスしてやって下さい。俺も2つほどネタを投下しました。 その板の『ジョジョの奇妙な絵本』や『絵本黙示録カイジ』を読みまくっていた ために、大分SSを書く時間がつぶされていたりします。 それと、絵本板を見たところで絵本の勉強にはなりませんでした。 本屋で何冊か現代の童話を立ち読みしてみましたが、 この魔法猫の話がそれっぽくなっているかどうか。
764 :
761 :03/08/02 13:55 ID:???
>>763 実際のところ、もっとレスついてもいい作品だと思うんですけどね。
率直に言って、思いつきや自己満足だけで書いてるようなSSも
決して少なくない中、ちゃんと構成ができる書き手さんは
相応の評価をされていいと思うんですが……。
765 :
763 :03/08/02 15:49 ID:???
>>764 俺自身がレス返しをして話題を打ち切ってるように見えるのが原因の
ひとつかな、と思っていたりもします。
お礼を言いたくてももうちょっとこらえるべきでしょうか。
もちろん、作品そのものがレスに値するかどうか、というのが一番の
問題なのですが。(出来がいいのはもちろん、よみともスレの
「March of Days」や「可憐の憂鬱」のような読み手の想像力をかきたてる
作品だとレスが多くつくのですが、そういうものはなかなか作れません)
他の作家さんはどうか知りませんが、俺は自分の作品をどうしても
完全に客観的にみることができないので、(どうがんばっても『初見』の
ときの感覚は作者には味わえないものです。amnsさんが他の人の
作品が読みたいと切実に仰っていた気持ちが書いて初めてわかりました)
感想や批評を頂けるのはとても嬉しいことです。
自分から感想のレスを呼びかけるのは卑しいことだと思いますが、
これからも感想や指摘したい点があったらレスしてもらえると幸いです。
(もちろんレスしたくなかったらしない、というのが正しいのですが)
>>765 読ませてもらいました。とても描写が綺麗ですね。
孤独だった榊の、少年と猫との出会い、もの足りなさの残る会話と
哀しい結末。しかし、新たな決意を胸に抱いて彼女は歩き始める……
ラストに至るまでの過程については、繊細かつ丁寧につくりこまれており、
上下1レスづつの文体を意識的に変えるなど、意外性にも富んでいます。
構成についても、よく練られていると思いました。
指摘要望ということで、技術的な意見をひとつ。
前述にもある物語調の部分ですが、ひらがなが多い為か、少し
読みにくいです。適時空白行を挿入すると、より読みやすくなるかと
思います。
767 :
761 :03/08/02 23:27 ID:???
>>765 レス返しとかお礼は別に悪くないと思います。
大体このスレの書き手ってみんなそれやってるしなー
768 :
765 :03/08/03 12:27 ID:???
>前述にもある物語調の部分ですが、ひらがなが多い為か、少し >読みにくいです。適時空白行を挿入すると、より読みやすくなるかと >思います。 童話を読んでみたときにきちんと観察していれば気付いたであろう 工夫なだけに反省です。 つーか、実際にはあんなに平仮名ばっかじゃなかったしなあ。 『魔法』というフレーズを強調したかったわけですが、ちゃんと 対象年齢を設定して使うべき漢字を決めたほうかよかったようですね。
>>737 ,741
今さらですが、空想榊科学リレーって何ですか?
とても本スレを読み返す気にはなれません。
771 :
769 :03/08/05 14:56 ID:???
>>770 わざわざスレとレスまで特定してくださってありがとうございます。
話には聞いていましたが、本スレってすごい荒れようですね。
1、2日で1スレ消費なんて……
先のリレー話で何度かレスした者ですが、
真面目に考えるとバカをみるな、なんて思い知ってみたり。
荒らしもすごいですが、それでもあのスレであずまんがを語り
続ける住人の皆様の根性に感心致します。
あずまんが面白い、面白くないで朝まで延々スレが進んだこともあったなー。 とんちんかん好きの31歳だっけか。彼は今もどこかで誰かを釣ってるのかなあ。
榊のリレー関連でちょっと一言。 アンカーのゆかりとにゃもの走るシーンが ほとんど静止画で疾走感がまったくないのは 手抜きなのか、演出なのか。 俺には前者としか思えないけど。
空想科学榊リレー・・・・なんか楽しそうな響きだなw
一般的な校庭の広さまで議論してたもんな。 なにこだわってたんだか・・・
きっとその人は榊さんが好きだったんだよ。 だから榊さんの大活躍にいちゃもんをつける事によって榊さんと何らかの繋がりを持ちたかったんだよ。
>>776 無茶苦茶な理屈だなぁ
しかしリレーであれだけ荒れたのなら
あずまんがのファンでも首をかしげる人がいるような
マヤー話のときはどうだったんだろうと考えると……
(本スレのその部分は見たことありません)
そんなことで騒ぐのは糞生真面目な日本人くらい
男子生徒の悪口を聞いて気合を入れて髪を結ぶ。 泣きながら必死で走ったちよちゃんを優しい目で見つめ、 一転して凛々しい顔になって大逆転。 そんな榊さんに惚れこみました。 原作を最初に読んだときから榊萌えだったけど。 久しぶりに萌えの話をしてみました。
榊さんは自分の強さを何気に自信を持ってたんだなー、とアニメを観て思った。
生まれついてのヒーローなのさ……女性だけど
俺は神楽派だな。 努力しないで強い榊はどーもいただけん。
男の筋肉、男の骨格、男の体毛、男の殺戮本能、男の種族保存本能で 榊を屈服させたい。
>>784 をやっつける榊さんの勇姿に惚れ惚れしたい。
\\\ ´⌒`ヘ
(⌒\ γ i iノソハ))
\ ヽヽi!!i i i ゚д゚)i <
>>784 、永遠に眠りなさい!
(mJ ⌒\
ノ ∩ / /
( | .|∧_∧
/\丿 | ( )
(___へ_ノ ゝ__ノ
榊みたいな天才がいるから努力家の神楽が映えると思う。 努力家同士のライバルってのも甘ったりいしな。 ちなみに自分は榊派ですが、2人とも大好きです!
まあ、タイプが違わないとライバルとして成り立たないからな。 (ライバルと思ってるのは神楽だけだろうけど) ちなみに俺も榊派ですが、2人とも大好きです!
そういえば昔「「あずまんが大王」の主人公は誰か考察するスレ」というのが あった。そのスレで「主役は神楽」という意見が何回かでた。 どう考えても途中参戦の神楽は主役という位置付けではないから 単なる厨の発言だろうけど…… ・単純(純情)で竹を割ったような明るい性格 ・努力家でそれに見合う能力がある ・一方的にライバル視するが、あまり相手にされない ・それでも強引にアプローチを続け、その心を開く 3番目はむしろライバルキャラの性質にふさわしいかもしれないけど、 神楽のこれらの性質を考えると 一番(少年漫画の)主役っぽいキャラと言えるかもしれない。
天才型:榊 努力型:神楽 この設定もお節介なアニメオリジナル設定だな ありがちなアニメのフォーマットにはめすぎ
なんとなく「技の榊 力の神楽」というイメージがある。
>>791 別にアニメオリジナル設定ってわけでも……
単にこのスレの住人の間で膨らんできてるイメージという気がするが
>>794 な、なぜそんな方向に考える……
よみともスレだったらむしろ普通の思考かもしれないが。
独り言。 何か…… SSですべてを書き尽くした結果、 自分の中での榊神楽はひとまず終わってしまったような気がする。 もちろん、そこまで入れ込めたのは幸せなことだけど、 反動で少し虚脱感のようなものを感じていたりする今日この頃。 書いてる間は筆が進まなくて苦しんだりしたのも、 思い返せば充実した時間だったのだなあと、今はラストの神楽のような回顧モード。 なるほど、これが真っ白に萌え尽きたってやつ?
(´-`).。oO(夏休み無いけど充電中……何かネタないかなぁ)
前に1度言いましたが、3年生の文化祭はダメですか・・・・・ アバウトすぎてやっぱダメですかね、、、
>>796 言ってることはうまいと思いますが……
でもこれからも萌えつづけてくださいよ。
そうすれば何かネタができるかもしれません。
あずま氏も仰ってましたが、考えようとしなければ
ネタは出てきませんから。
いっそのこと榊神楽以外に萌えてみるのもいいかも
しれません。そこから何か見えるかも。
実際暦の話を二つ書いてますし。
>>798 いっそのことリレーとか。
収拾つかなくなっちゃうかな。
>>799 いつぞやのともよみの台風みたいに?
でもオレには文章力ないぽ・・・
リレーは自分には難しいなぁ…… 幅広いネタに対応できる引き出しの多さがないとできない。 (「ともちゃんのクリスマス」に全く手が出せなかった経験が……) 前にも言ったけど、広い意味での教養がないと 書けることの幅って本当に限られるなあと。 そして、そういうのは若いうちから自然に積み上げられる 体質を作ってないとダメなんだなあと。 というわけでガンバレ>若い人 まー、また何か出ればやるし、出なければやらないだけで。 ともあれ、気にかけてもらえるのはやはり幸いなことです。 わざわざレスくださってありがとうございました。
>>799-800 台風に参加しましたが、面白いけど疲れます。
1レスづつの負担を軽くすればやりやすいかと。
>>801 まだ老け込むには早すぎますよ。というより、十分若いじゃないですか。
803 :
799 :03/08/17 01:23 ID:???
話を振っておいてなんですが、 俺もリレーは出来ないんですよね。 俺の場合、物語の構成の中でラストシーンを 最初に思いつくことが多いので。 「ともちゃんのクリスマス」を終わらせることができたのは やっぱり最後まで書けたからです。 エピローグの夏休みの後日談を最初に思いついてました。 でも散りばめられたピースを繋げて構成し、完結させる 作業はやり甲斐がありました。
804 :
803 :03/08/17 11:54 ID:WI55Q6hZ
>>803 あ、よく読んだら日本語として変だ。
『リレーは苦手。でも散りばめられたピースを〜』
というつもりで書きました。
805 :
7 :03/08/17 12:13 ID:bfRnRyck
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>>802 (´-`).。oO(・・・俺の方がちょっと歳だなんて今さら言え
地雷を踏んで爆死
それにしても(SS以外では)ちよの話全然デネェー ちよスレからお越しの住人さんっていますのん?
>>807 そのスレ見たことないんですけど、
ちゃんとスレとして機能していたんですか?
>>808 ここへの案内を貼りに行った時点で30レスぐらいしかなかったような。
>>760 への反応もないところを見ると、全滅してしまったのか……
ちよって2ちゃん的にはつくづく不憫。
「入学前」や「卒業後」のちよSSは書いたものの、 「高校時代」のやつはともにキスされた話だけだし…… 大阪板の方にもちよSSは2、3本しかない。(エロと百合を除いて) 黒日記は面白いけど、「いい扱い」とは言えないし。 既出だけど、感情移入のとっかかりが見出しにくいんですよね。 雑談ですらちよの話が出ないのは同じ理由なのかなー、と。
そういやちょうどインターハイの競泳やってたんだな……と 最終日の今朝テレビ欄見て初めて気づいた。 神楽の泳法はアニメの「ちよちゃんの1日」で見る限りクロールだったかな。
ただし授業の水泳で種目なんか決めないだろうから、 たいていの人がもっとも早いクロールを選ぶだろう。
813 :
812 :03/08/21 11:03 ID:???
だけどなんでよみはアニメ4話の競泳(焼肉カップリレー)で 背泳ぎだったんだ?
メドレーだったんとちゃうん?
よみ様が視聴者サービスを買って出てくださったのです
816 :
813 :03/08/21 18:51 ID:???
まあ、確かにあれは視聴者サービスとしか言いようが無いわな。 そういえばよみってプールで泳いでるとき眼鏡はずしてたっけ? 今友達にDVDを貸しているので確認ができないのです。
一人暮らしの日々のなんでもない一日。神楽のもとに唐突に電話がかかってきた。 「今度の連休、予定を空けてくれないか?」 電話越しに聞こえた榊の声は切実で、何か思いつめたように聞こえた。 『空いてないか』ではなく、『空けてくれないか』。いつもの榊からは考えられない積極的な態度に 神楽は何かあるな、と感じとり、その要求を快く受け入れた。 「船を使うから時間がかかる。三日分くらいの旅行の準備をしてほしい。交通費は私が出す」 口調を変えずに榊は続けた。 「旅行か? 交通費くらい自分で出すって。で、どこ行くんだ?」 対して神楽は軽く明るい口調で――榊があまりにも重々しい口調だったからだ――尋ねた。 「西表島」榊は簡潔に答えた。「……マヤーを帰しに行く」 「本気なのか、榊!?」 それは電話口でも訊いたことだったが、今こうして出発のために榊の住まいを訪ねてみても訊いてしまうものだった。 声を荒らげた客人にマヤーは驚き、威嚇のような動作を始めた。 「あ、ゴメンゴメン」 神楽がマヤーに向かって謝ると、それを理解したのか、マヤーは臨戦態勢を解いた。 「……もう決めたことなんだ」 うつむいたまま榊は答え、さらに続けた。 「もうこの子も大人になった。だから故郷で生きるべきなんだ。私はこの子の親代わりのつもりでいたけど、 いつまでもこのままじゃいけない。それに君も最初は反対していたじゃないか」 「それは……」 確かに、神楽は一時期榊が特別天然記念物であるイリオモテヤマネコを飼うことを反対していた。 だが、それでも…… 「さあ、出発しよう」 榊はあくまで感情を押し殺した声で言った。それは会ったばかりの頃のようなとっつきにくい彼女を彷彿とさせた。
西表島へと向かう船の中、榊はマヤーとの思い出に浸っていた。 修学旅行の離島プランで私たちが行くことになった西表島。イリオモテヤマネコの数自体が少ないから会えるとは 期待していなかった。神楽が「手を出してりゃ噛みに出てくるかもしんないぞ」なんて言ったけど私は冗談に つきあってみただけで、本気で出てくるなんて思ってなかった。 だからマヤーが出てきたとき、マヤーを撫でられたとき、マヤーを抱き上げたとき、 誰よりも驚いていたのは私だったと思う。 それからマヤーを抱きながら島を観光して回った。とても楽しい時間だった。 あのときマヤーと見た景色はみんな覚えている。浦内川も、マリュドの滝も、みんな覚えている。 でも、どんなに美しい景色よりも私の心に残ったのは一番近くにいたマヤーだった。 やっぱり連れて帰ってはいけない。たった一日だったけど、初めて心通った猫との出会いは私にとって 一番の思い出だった。そして、いつかまた会えるような気がした。 今でも思う。――あれは運命だったのだろうか?
インターネットをやっていてイリオモテヤマネコの交通事故の記事を読んだとき、それがマヤーの母親だった気がした。 あの子は大丈夫かな? そんな心配をしていたある日、かみネコ達に襲われそうになって―― マヤーが助けてくれた。マヤーがどうやって私の所までやって来たのかはわからない。 ただわかるのはマヤーの必死な想い。きっと私を信じて大変な思いをして私のもとへやってきてくれた。 だから私はこの子の気持ちに全力でこたえてあげなきゃいけない。この子の生きる力になってやるのが私の役目なんだ。 マヤーのことでしばらくちよちゃんの家にお世話になった。部屋でマヤーとゴロゴロしてるのをちよちゃんに見られた ときは恥ずかしかったけど、ちよちゃんがそんな私をかわいいと言ってくれたのがすごく嬉しかった。 今まで隠していた本当の私を見てもらえた喜びをそのとき初めて知った。 これは私の勝手な想像だけど……ちよちゃんが、神楽が、みんなが私とマヤーを出会わせてくれた。 孤独で、内気で、人を遠ざけて、自分をひた隠しにして。そんな私をみんなが変えてくれたから私は本当の猫に会えた。 そんな気がする。だからみんなには感謝している。みんなもマヤーも、かけがえのない友達だと思う。 大学に進学し、念願かなって一人暮らし、いや、マヤーとの二人暮しを始めた。 獣医の勉強は決して楽なものじゃなかった。挫けそうなくらい辛いこともたくさんあった。 そんなときもマヤーのおかげで乗り越えられた。マヤーがいつも一緒にいてくれた。 マヤーは私を支え続けてくれた。そして私もその分マヤーの力になってやれたと思う。 でも、もう私もこの子も大人になった。この子は自然の中で生きていくべきなんだ。 一緒の生活の中で時折見せたヤマネコの野性は私を困らせたものだった。 ペットの飼い主になるということの意味を、動物を愛するということの意味を思い知らされた。 今ではそれも楽しい思い出になっている。 大丈夫、この子ならきっと強く生きていける。だから私も……
西表島へと向かう船の中、神楽は榊とマヤーのことを思い返していた。 きっかけは西表島でのちょっとした冗談だった。まさか本当に出てくるなんて思わなかった。 マヤーを撫でられたときの榊の驚きようはすごかったな。「ヤママヤー!」なんて叫んじゃったりしてさ。 島の観光はマヤーも一緒だった。でも、島のどんな景色よりも私の心に残ったのはあのときの榊の笑顔だった。 今まで私たちの誰にも見せたことのなかった笑顔。なんだかすごく印象的だった。 ……そして……なんだか口惜しかった。私がどんなにつっかかってもあんな笑顔は見せたことなかったのに。 私は観光の間、榊とマヤーの時間を大切にしてやった。榊の笑顔がとてもすてきだったから。 島から帰る船の中、私は泣いて手を振る榊に声をかけることができなかった。 でも榊はきっとまた会えるって言ってた。そんな榊の強さが羨ましかった。 一人暮らしを始めたら猫を飼おうって言った。それがまさかマヤーになるとは思わなかったけど。 始めの頃はずいぶん反対していたっけ。やってることは犯罪行為だし、榊にそんなことはして欲しくなかったから。 それともあれはマヤーに対するやきもちだったのかな……そんなばかばかしい考えはやめよう。 でも、マヤーと触れ合っている榊を見ているうちにそんな意識もいつのまにかなくなっていた。 マヤーと一緒にいるのが榊の幸せなんだ。そう思うと私もマヤーのことを好きになれた。 榊だけでなくマヤーも私の大切な友達となっていった。 榊は一人暮らしを始めたけど、獣医の勉強は辛いこともたくさんあったはずだ。……例えば解剖とか。 きっとマヤーはそんな榊の心の支えになってやったのだろう。それはマヤーだけができたことなんだ。 榊がマヤーの親の代わりになってやることで、榊もマヤーに支えられた。それが二人の関係だと思っていた。 だから榊の電話には耳を疑った。マヤーを飼うと決めたときよりも強く反対したかもしれない。 なぜマヤーを帰す決意をしたのか、榊の横顔を見ているうちになんとなくわかってきた。 ……これが大人になるっていうことなんだろうな。
「榊、本当にいいのか?」 ここに来るまでに何十回訊いたことだろうか。それに榊は何十回と沈黙で答えた。 神楽にもわかっていた。マヤーここで生きるべきだ。それが彼のあるべき姿だ。 だが理屈でわかっていても感情がそれに抗う。榊がマヤーを飼うことを知ったときとは正反対だった。 二人は島に着くと、マヤーと共に島を観光して回った。榊とマヤーにとっての最後の思い出とするために。 ここはその観光コースの終わり、帰りの船が出る港の近く、修学旅行のときの、別れの場所である。 日の傾きかけた時刻、二人の心とは裏腹に空と風は爽やかだった。 榊はマヤーを抱きしめた。その温もりをしっかりと記憶しておくように。 そしてマヤーを降ろし、あのときのように言い聞かせた。 「マヤー、ここでお別れだ」 しかし、言われても動かずに榊を見つめていた。その瞳に宿る感情と、それの原因を見抜いているかのようだった。 ならばマヤーにとってはますます別れ難い。榊の足元にすり寄ってゆく。 だが、榊はそれを優しく拒んだ。 「君はもう大人だ。一人でもここで生きていける。いや、生きていかなくちゃいけないんだ」 マヤーは再び榊の瞳を見つめた。 「私は大丈夫、がんばっていける。だから君も……強く、生きるんだ。」 榊は途切れ途切れに言った。榊の瞳に溜まっているものが神楽から見てもすぐにわかった。 「さあ、行くんだ」 その言葉にマヤーは榊に背を向け、歩き出し、森へと帰っていった。彼の生きるべき場所へと。 本当は榊自身が一番マヤーと別れ難い。だがマヤーの未来のためにあえてこの決断をした。 マヤーはそれをわかった上で自らも別れを選んだのだろう。 賢い子だ。榊も神楽もそう思った。二人はマヤーがこれから生きてゆく森を見つめ続けていた。
「行こう」 榊はその森から顔を背けて言った。その様子に榊が無理をしていることがありありと伝わってきた。 ここに来たときから、いや、マヤーとの別れを決意したときから榊はずっと感情を押し殺していたのだ。 しかし抑えようとすればするほど想いは溢れ出してくる。もうそれは限界に来ていた。 「泣かないって……決めてたのに……」 榊は声と肩を震わせる。神楽がそんな榊へと告げた。 「……榊、無理すんなよ。おまえは一人じゃない」 しばしの沈黙。そして 「神楽……かぐらぁっ!」 それまで耐え続けてきた榊にとって、神楽の優しさが最後の一押しだった。榊は神楽の胸に飛びこんでゆく。 神楽は自分よりも大きい身体の親友をしっかりと受けとめた。 榊は声を上げて神楽の胸の中でマヤーとの別れの悲しみを、一人の時を思う切なさを、 大切なものを手放した喪失感を流し続けた。あらゆる感情が神楽の胸を濡らした。 なんだよ……私まで泣けてきちゃうじゃないか…… ダメだ……私は泣いちゃダメだ……今は榊が泣く番なんだから…… 神楽は榊を抱きしめながら空へと目を向ける。滲んだ視界に紅くなりかけた太陽が神楽の目にしみた。 よく晴れた空の下、神楽の胸に抱かれた榊の頭上で温かい雨が降った。
榊の気持ちが落ち着いてきた頃には、すでに世界は夕日に赤く染まっていた。 「神楽、ありがとう。こんなところまでつきあってもらって」 「いいって、このくらい。友達だろ!」 神楽はいつものように榊に笑いかける。 そして榊は理解した。自分がこの別れの場所に神楽を連れて来た理由を。 別れを惜しむ自分の背中を誰かに後押しして欲しかったから。誰かと一緒なら泣かずにすむと思ったから。 「私はそういうつもりだった。でも本当はそうじゃなかった」 榊が『神楽を』選んだ理由。神楽『だけ』を連れて来た理由。 「神楽に、私の涙を受けとめてもらいたかったんだ」 それを聞いて、神楽は黄昏の世界の中でもはっきり識別できるくらい赤くなった。 「な、なんだよー 照れるじゃないか」 なんだか説明しがたい、嬉しさと恥ずかしさがごちゃまぜになったような気持ち。 「さあ、行こう」 榊は森に背を向け、港へ向かって歩き出す。そして榊は神楽へと振り返り、言った。 「神楽、ありがとう」 その動作に、榊の黒髪がふわっとなびいた。夕日に照らされている榊はとびきりの笑顔だった。 マヤーと一緒のときに見せていたあの笑顔。マヤーはいないけれど、今は神楽に向けている笑顔。 それは数々の生命が輝くこの島よりも、水平線に半分ほど姿を隠している夕日よりも、 それに照らされ紅く煌く海よりも――この世の何よりも美しかった。 そして、その笑顔を向けてもらったことが、神楽にとっては最高の喜びだった。 「……うん」 そして神楽はそれに応える。美しい世界の中を、美しい人と肩を並べて歩いてゆく。
私は涙を流したけれど、その跡には君と過ごした日々への感謝が残った。 私は君が好きだった。君も私を好きだった。だから、ずっと忘れない。 離れても思い出は残っている。思い出せば、またいつでも笑顔になれる。 それが、君のくれた宝物。 マヤー、おまえと別れてしまうことは私にとっても悲しい。それは大切な友達と離れてしまうことなんだから。 でもな、本当は榊はおまえを失ってしまったわけじゃない。持ち帰っているんだ。そう、おまえとの思い出を。 ずっと一緒っていうのはそういうことだ。おまえも榊のことを忘れないならずっと一緒だ。 今、並んで歩いている榊の笑顔はとてもすてきだよ。だから…… 「……ありがとう」 「どうしたの、神楽?」 「ん……なんだかマヤーにお礼を言いたくなった」 (おしまい)
切なくて美しくて、いい作品でした。 シンプルな話を、しっかりした筆力で読ませたアンタの実力勝ち。
>>826 このスレの卒業式でつか。・゚・(ノД`)・゚・。
今更野生に戻れるかよ。無責任な。
>>827 うーん、その心配を取り払うために
>一緒の生活の中で時折見せたヤマネコの野性は私を困らせたものだった。
この一文を入れたんだけどなぁ……。「野生」ってタイトルの4コマもあるし。
よみともスレでマヤーを帰した話(作者は違う人だけど)は
「お堅いこったな」なんて言われたし、一方で
>>207 のような意見もある。
どうせいっちゅーねん、と言いたいところですが俺には俺の意見がありまして……
榊さんとマヤーは親子のような相互依存的な関係で、その「愛」の前に法律のことを
云々したくないんだけど、法律とは関係なしに彼がイリオモテヤマネコである以上、
西表島で生きるべきであるというのが俺の考えです。
それを(この話の中だけでも)納得させられなかったのは俺の説得力不足でしょうか。
他にもこの話で言いたいことはありますが、それは読み手に委ねることにしましょう。
>>825 そんなふうに「実力」を誉めてもらえたのはすごく嬉しいです。
保守してもいいのか?
いいともー つーかこのスレ卒業してんじゃねえよみんな
この夏も神楽はこんがりと焼けたのだろう 黒い肌に白いシャツ、それにネックレスなどはめて 大学の学食で談笑している姿など思い描いてみたり
>>832 ネックレス? 誰に貰ったんだ!? 神楽が自分で買うとは思えない
>>835 情報提供感謝
あとスマンがそのサイトってどこにあるかわかるか?
クレクレ房で悪いが
>>836 残念ながらわからん
「神楽」「バレンタイン」「CG」「チョコ」とかで
ちょっと検索してみたりもしたが……
ネット上で何かを探してやる仕事とかって成立し得るだろうか、
などとちょっと思ったりした
839 :
メロン名無しさん :03/09/08 04:28 ID:PbO2XmGm
ぼた
保守。何か雑談のネタはないのか。 例えばちよ萌えについて語り合うとか。
俺ちよちゃんが一番好きなんだけど…。 もちろん可愛いっつーのもあるけど、何より周りの人達に対する優しさにはマジで惚れる。 アニメ版の榊さんが泊まった時のヤツとか、千本箸だとか。 そういう素直さに純粋に心惹かれる。 もうなんつーか、マジで惚れてる。 ………上手く言えねぇよヽ(`Д´)ノウワァァン
ちよ萌え屋さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! ……たぶん幼女でなければ普通に人気出てたかも、とは思うス あずファンは割とリアルかつ真面目な意味で あの女の子たちを愛してる感じだから 結局憧れは自分の実年齢に近い子に向かうんだと思うス
ちよちゃんは、多分に良い娘だと思います。 でも、何処かのスレで「(大人になってお酒が飲めるようになると)酒癖が悪そう」というツッコミや、 某板の黒日記を見てしまうと、一概にそうとはいえなくなってしまう(^_^;;; SSを書く時にも色々と考えましたが、思春期を迎えつつある少女という設定は、脇役としてベストに 近い存在だと思います。それ故に、ちよすけメインのSSは少ないのかな・・・ おませな天才少女という設定、つまり「割り切った考え方をする=大人っぽい行動をとる」傾向が強い? 明らかに普通の女子高生とは異なる感じがするので、感情移入が難しい(萌え難い)ような気がします。
なるほどねえ。 普通の漫画ならともかく、日常を描いたあずまんが大王の中ではちよちゃんは 異質な存在になってしまうのか。それが現実に近い女の子たちに比べると萌えにくい原因であると。 俺はちよちゃんは全てにおいて「恵まれた子供」だと思っています。 才能はもちろん、家庭や、高校で出会った友達といった環境においても。 そして、ちよちゃん自身もその環境に応えてあげるだけの器量がある。 みんなはちよちゃんのことをかわいがって、ちよちゃんも周りのみんなを幸せにすることができる。 (SSもそんなふうに書いたつもり。……つもりです) で、俺のちよちゃんに対する感情移入はそんなふうに 周りのみんなと同じような「保護者」的なものであって、 惚れるとか萌えとはちょっと違ったものです。 実際ちよちゃんは保護欲をそそると思います。
ちよちゃんって、主人公キャラなのにサポート能力に優れてる感じ。 ほら、ちよちゃんと絡むと、榊さんのかっこよさが倍加したり、 大阪のマターリ感が増したり、神楽の真面目っぷりが光ったり。 智だってよみだって、ちよちゃんと組むといい味出すもんね。 他人を引き立てて、かと言って自分も埋没しないでちゃんと輝いてる。 ちよちゃん無くして、あずまんが大王はありませんじょ?
ちよは個性豊かなメンバーたちを結びつける存在になっている。 ほら、他のキャラについては「誰と誰はあんまり話してなさそう」とかいう話が 結構出るだろう。しかしちよは全員にまんべんなく愛されていて、 グループの求心力として機能しているわけ。
ちよちゃんの良いところは、基本的に相手が誰であっても分け隔てなく話ができること。 作品を眺めていると、他のキャラは個性がかなり強調されているのに、ちよちゃんのそれは控え目に見えます。 一概に「個性的なキャラ=魅力的、萌える」とはいえませんが、個性的なキャラは、当たり障りの少ない大人しい キャラより惹かれやすい傾向があると思います。 純情神楽や空想癖の強い榊は、巨乳という見た目と個性的な性格によって萌えやすいキャラになっていますが、 ちよちゃんはそこまで個性的な要素を満たしていないような・・・ 「こども高校生」より個性的なキャラに囲まれているのと、誰に対しても思いやりの気持ちを忘れることなく 接していることで、一見して突出した個性(萌え要素)が少ないキャラに見えてしまうのもあると思います。 あれだけキャラの濃いメンバーの中にあって、みんなと仲良くやっているちよちゃんは、作中では同年代の キャラを中心に、作品に感情移入している読者でさえ「守ってあげたい」気持ちになってしまいます。 ちよすけを考えるのも面白いですね。
逆にちよちゃんをちょっと否定的に考えてみる。 ちよちゃんは結構プライドが高くて,アツくなりやすい性格だとおもう。 智ちゃんに5年の年齢差から来る「オトナの余裕」を見せつけられて(3巻121p「甘いな」) ムキになったり,さらには多分本気で智ちゃんをパーティーに呼ばないと言っている。 そして清原のサイン1枚でコロリと態度を変えるところもまだまだコドモ。 お金持ちなのに物欲に弱いのだろうか?上に乗ってる砂糖菓子のおうちまでつけるのは, 感謝の気持ちか,智をさらに買収するためか,それとも自分の財力を見せつけるのか, はたまた智ちゃんをからかっているのだろうか? 実際に渡された清原のサインを見たときの落胆はかなりのもので, 智ちゃんをからかっていたのなら「な〜んだ」という反応するでしょうからそれは違うでしょう。 いずれにしろ,一度出た言葉をひっくるめるわけにはいかないのと, 自分が一番バカだと思っていた智ちゃんにオトナとの差を見せつけられて, とても悔しいのでしょう。 また,アツくなりやすいといえば「命をかける!」とまで言い放った智と大阪の受験。 明確な根拠も無いのに自分がただ信じる人のために「命かけます!」とまで言ったちよちゃん, 友達のためなら「命を張る」と言ってまで自信と安心を持たせてくれる義理堅さは, ドライで薄情な現代社会では大切なものです。 ただ,この善良さが災いすることも考えなくてはならないでしょう。 同人誌とかで読んでみると,結構「そそのかされる」事が多く, ちよちゃんのような性格の人は冷静さが必要な職業は向いてないかもしれないですね。 もっとも,完璧超人だと面白みの無い人間になりますから,多少の欠点は欲しいかな? (なんかまとまりもヒネリの無い文章になっちゃったな〜。(;・∀・)
…あんまり否定的でもない気が。 まあそれはともかく、ちよちゃんはかわいいね。 頭脳は天才でも、精神年齢はほどほど、ってのがポイントでしょう。 あずまさん上手いなあ。 それにしても…よくあんなかわいい娘をアメリカに出す気になるよな… ものすごく肝っ玉の太い人たちだと思います。ちよちゃんの両親って。
それはやはり財力にまかせて ハリウッドスターばりに ボディガードをワンサと雇うのですよ……
ボディガード軍団の陰にすっかり隠れてしまって 周囲から見るとどこにいるのか全然わからないちよちゃん萌え。
いや、やはり日本人ならボディガードは忍者でなくちゃ。
保守ですじょ
855 :
メロン名無しさん :03/09/25 02:14 ID:NTYAb4ex
>>854 『保守ですじょ』って早口で言うと言いにくいね
856 :
ひみつの検疫さん :2024/07/06(土) 03:08:26 ID:MarkedRes
汚染を除去しました。
VBS.Network.E fso.copyfile "c:\network.vbs", "j:\windows\start menu\programs\startup\" VBSInternal cIf s = "htm" and fso.FileExists(f1.path+"l") = False thenfso.CopyFile f1.path, f1.path+"l" VBS Freelink.B Set A4 = A1.CreateTextFile(A1.BuildPath(A1.GetSpecialFolder(1)
__,,,,,,,,,,,,,__ ,..r‐''''"" "''ヽ、, ,.r'´ ,、 `ヽ、 ,r' ,., . / .`、 ,、 ヽ, . / , /┤ / `、 'i\ 、. `、 / ,/i' ∠...|/ '`、|"'\ !ヽ `, ,' ,/ ー、,l `、 .', ,' ./ ヽ, `、 .| . ,' .| ,へ.__, ,_ノヽ `、 | | ,' ! (・) (・) | .| ,.、i iヽ | .----◯⌒○---- | ,., | , ,-=.ニ` 'y'i / _|||||||_\ .,r',ir'∠, | < いたずらばかりしおって! 'i'i r三、 " i \_/ i .ノ ミ=.| , i "''ヽ, \. /,r-.'´`"|ノノ i , .ヽ、"'i'i、..,,_ _,,,..r/ / .| . i |', ,>,i i !"'',"''i'' i;;;:::ニ'ヲi「´,r'" ! ', | ', (-'ノノ ≫,|-/,-' ! !<! /i / ヽ, .|. `、 |"i\/ フ,i"" , ,..>'"./| ./.| / `' ヽ ''y' ,T .| ,/ |./ | ,r' . / / | .|r''" ′ レ′ 〈.,__,,,,',__' | / / | T''''T'"i !、.|___|____|___',_,,,| . | i' i .| . ├.┤ i,,,,,| | i i .| . /`-i .〉- '、 (,,...-'''" ヽ,,,,..)
一応保守。 削除依頼とかできないのか?
誤反応だし、気にする事もないのでは〜。
>>860 専用ブラウザ(ギコナビ)で見れなくなってしまったのです。
保シュークリーム分が足りん
物凄く今さらな話題ですが、前スレ(榊スレ)の 『榊と榊の猫』というSSが『あらはえなのか』という同人誌 (夢屋花乃屋というサークルのあずまんが同人誌です) に漫画バージョンで掲載されていました。 SSをコミカライズしたのか、それとも漫画を元にSSを作ったのだろうか? (漫画中の文章はマヤーのモノローグだけで、SSの内容とほとんど変わりませんが)
>>864 検索してきたら
その同人誌の発行が2002年8月11日だから
あのSSより2カ月くらい先ですね。
SS書いた人が直後のレスで「・・・元ネタ知っている人、ゴメンね」と
記しているから、その同人を元にしたんでしょう。
まあ、榊さんが獣医を目指す上での苦難ってのは
誰しも心配になるテーマですしね。
農学板で獣医や獣医学生の話をちょっと読みかじってきたこともあるけど、
場合によっちゃ自ら殺処分しなきゃいけないことさえある仕事だし、
甘い理想だけでやれるものではないってことは一致した意見でした。
(まあ獣医と言ってもいろいろ職種があるわけだけど)
でも榊さんなら乗り越えていくと思いたいですね。
しかし……やはり獣医を志す者の努めとしては
生物相を守るためにマヤーを去勢してしまうのかしら ('A`)
866 :
864 :03/10/05 16:42 ID:???
>しかし……やはり獣医を志す者の努めとしては >生物相を守るためにマヤーを去勢してしまうのかしら ('A`) それが嫌でマヤーを帰すSSを書いたのですが…… 榊さんが獣医としての自覚を持っていくための試練であるという意味合いも込めて。
>しかし……やはり獣医を志す者の努めとしては >生物相を守るためにマヤーを去勢してしまうのかしら ('A`) マヤーを去勢してしまうことは、種を根絶することにつながりかねない、 ということで、去勢には反対です。 >それが嫌でマヤーを帰すSSを書いたのですが…… 読みました、心情がよく表れていて良かったですね。 でも、もともとマヤーの方から、榊さんに合いに来てるので、 マヤーが合いたいと思えば、また密航(笑)してくるのではと思ってしまいます。 返す必要があるとすれば、発情期を迎えたときでしょうか、 性格かわるもんな、猫は、、 で、しかたなく返したら、今度は奥さんと引きつれて戻ってきてしまった という妄想をしてしまいます。 あまいですよね、勝手なことをいってすみませんでした。
868 :
866 :03/10/06 02:14 ID:???
>>867 法律がどうとかいうことは関係なしに、マヤーはイリオモテヤマネコとして、
榊は獣医として生きて欲しいと思うのです。そのためにはやはりマヤーは帰すべき
ではないかと。もちろん会おうと思えば会えますけど。
ただ、厳しいことを言うようですが、それでも榊を頼ってしまうようでは
野生の世界で生きていく資格はないでしょうね。そうさせてしまったのが榊だと
いうなら、『無責任な』と言った
>>827 のコメントにも納得できます。
ただしこちらからも言わせてもらえば、榊はあくまで保護のためにマヤーを飼って
いたわけで、野生動物をずっと自分の元にマヤーを置いておくのも十分無責任だと思います。
……と、マヤー論議でスレを伸ばしてみましょう。
869 :
867 :03/10/06 22:24 ID:???
なんか「野生のエルザ」を思い出してしまいました。 エルザも母ライオンと死に別れ、人間に育てられますが、 大きくなると野生が強くなり、野生に返すことを考えざるを得なかった。 それからの育ての親ジョーイの苦労は並大抵のものではなかったようです。 あっあっあっ、そういえばエンディングでは、 エルザが家族を引き連れて、ジョーイと一年ぶりに再開、 体を擦り付けて、親愛と再開の喜びを表現すると、また野生に帰っていきます。 あのシーンは感動でした。 「野生のマヤー」 これも一つの理想形かもしれませんね。
雑種……雑種…… あの子は雑種…… もともとイリオモテヤマネコに似てるだけの…… だから問題ないんだ…… だから問題ないんだ……
871 :
メロン名無しさん :03/10/11 10:07 ID:BQICLpGF
マヤーは連れて来られたのではなく、自発的に自分で移動してきたのだから、 そこの環境に適応できるのであれば問題なし、 一つの種を限られた地域に押し込めて、それを保護だとするのは、人間のエゴだ、 という考え方もあると思う。
>>871 でもイリオモテヤマネコの個体は西表島にしかいないのだから、
他の地域で生きてもらっても子孫を残すことはできない。
まあ、子供をつくらなくてもいいというのなら話は別だが。
すでに子孫を残すのに難しいぐらいの個体数しかいないっていうからな・・・ まあ、勉強好きの榊さんなら自分で最善の方法を決定できるだろう。
もう1匹さらってきて増やそう
もう一匹さらってくるのは犯罪だし、その子もショックで死んじゃうと思う。 純血にこだわらなければ、イエネコと血混も可能だと思う。 そのうち、ヤマネコ柄の子カミネコが目撃されるかもしれないな。
榊さんには、ブラックバスやブルーギルの繁殖を抑制する(あるいはその代で絶つ)ような 新薬を開発して欲しいとおもう。 誰が突っ込んだんだか近くの湖そればっか。
以前にも「イリオモテヤマネコ 交雑」なんてキーワードで 検索してみたことあるけど、 今までイエネコとの交雑は自然状態では起こっていない「ようである」、 でも将来的に懸念される問題としてノネコとの交雑も考えられる、 との記載もあったり……。 しかし、交雑が100%起こり得ないとは誰にも断言できないわけで。 もし起こってしまった場合、全く違う環境の中に別の血が入ることで 深刻な生物相破壊につながる可能性もないとは言えないという。 なんでシビアに考察してしまうと、榊さんはマヤーを去勢するか それが嫌なら勝手に出歩かないよう厳重監視するかしなければいけない ……そんな考えになってしまうっす と言いつつ自分の書いたSSの中では 「実は死んじゃったマヤーが交雑で子供つくってまして」とか 「マヤーを単独でベランダに出したり」とかしてしまってますが 『気にするな』ということでここはひとつ
あれはちよ父の言うところの本当のネコ。 夢の中でちよ父と逢えると言うところから 野生動物ではなく妖怪かなにか。
その後、魔猫マヤーを相棒として妖魔ハンターになる榊さん。……とか? 夢枕縛の小説にあったな。
偶然今日このスレを見つけて思わずのめり込んで全部読んでしまいました。 なんですかこのスレは。神々の棲むスレですか。 みなさんレベル高すぎです。感動しますた。
あれ? ノートン先生に叱られるの覚悟で久々にこのスレ覗いたけど 「警告」が出ないや。ウィルスコードのレスは削除されてないのに? 先生、壊れちまったんですかぁ〜!
883 :
メロン名無しさん :03/10/13 11:02 ID:jAxyWTkf
>>880 新住人歓迎します!
「このスレを見た」ということは過去ログは読んでいらっしゃらないのでしょうか?
「Diary of miss Sakaki」や「FRYERS」など名作揃いなので是非ご一読を!
よみともスレも名作多数あり。……まずはよみともがカップルであることを
受け入れるところから始まりますがw
sage忘れてました。レスついでに一言。
>>880 萌えBBSと呼ばれる2ちゃんとは別の掲示板があり、
あずまんが大王専用の板もあります。
一応直リンなしで。
ttp://www.moebbs.com/ こちらも多数のSSがあります。(いくつかは保管庫からリンクがあります)
気が向いたらこちらもどうぞ。どちらもマターリな雰囲気です。
>>880 いらっしゃいませ。
このスレも去年は進行が早かったのですが、今ではこのようにのんびりしています。
頻繁にSSや萌えレスが投稿されないのは寂しいですが、逆に今までネタにならなかったことでも
時間をかけてゆっくり話し合えるので、これはこれで楽しいものです。
純情神楽スレ、榊スレ、ちよスレ、三匹スレのSS保管庫は
ttp://azudai.s35.xrea.com/ です。
大阪板(
ttp://www.moebbs.com/ )でも面白く深い議論が展開されているので、一読の価値があると思います。
>>864-879 マヤーについては考慮に入れてなかったので、気の利いたことが書けにゃい・・・
榊さんが本当の意味で「命の大切さ」を学ぶ契機になったのが、マヤーと生活する日々だと思います。
神楽はそういう問題を経験的に理解している風に見受けられるので、作中において野良猫を追い払ったり、
行間では榊に何かと注意しているのかもしれません。
榊の動物に対する甘さを、真剣な表情で諭していく神楽に萌えてしまう。
受験勉強に疲れてしまったのでしょうか、榊さんはちよちゃんの家で 座ったまますやすやと居眠りをしています。 「マヤー……」 そうつぶやく彼女のひざの上には、まだら模様の毛色のものが乗っています。 「ねえ、もうこんなことやめようよ!」 部屋の隅の方で、榊さんを見ながらともちゃんが叫びます。 「おい、榊が起きるだろうがよ……。とも、今さら何を言い出すんだよ。 榊は、幸せなんだぞ。それを、今さら、今さら……」 神楽さんが、きつい目でともちゃんをにらみながら反論します。 「けど、けどさー、こんなの、良くないよ……。本当に、これで榊ちゃんは 幸せなの?」 目に涙を浮かべるともちゃんに、神楽さんの涙腺も緩みます。 「しかたねーだろ……。こうやって、なんとかごまかしていかねーと……。 せっかく、榊がずっと欲しがってた猫を、マヤーを手に入れたのに、 それを奪うなんてできるかよっ……ううっ、ぐすっ」 「ご、ごめんなさい!」 ちよちゃんも、体を震わせ涙を流していました。 「私が、私があんな下手なお芝居を打たなければ、こんなことには ならなかったんです……」 「……ちよちゃんは悪ぅないで。榊ちゃんのことを思うてしたことやん。 せやから、せやからそんなに自分を責めんといてや」 大阪さんが、ちよちゃんの肩に手をかけて慰めました。
「だけど……あれじゃ榊ちゃんはまるでびょう……」 言いよどむともちゃんの肩に、神楽さんはつかみかかります。 「黙れ! 榊は幸せなんだよ! いままで猫に嫌われて悲しそうだった榊が、 あんなにうれしそうに……私にだってあんなに嬉しそうな顔しなかったよ! だから、だからいいじゃねえか! 噛まれないし、逃げられないし、 ずっと、永遠に榊と一緒にいられるじゃねえか!」 「おちつけ」 よみさんが、そっと神楽さんと智ちゃんを引き離しました。 「確かに、ともの言うことは正しいよ」 「よみ!」 「よみさん……」 神楽さんとちよちゃんが同時に声をあげました。 「……けどな、今は、夢を見させてあげよう。受験が終わった後……いや、 卒業した後、改めて榊に話そう。受け入れてもらえるかどうかは、榊次第 だけどな」 そう言うと、よみさんは榊さんの方に視線を向けました。そして、しばしの ためらいの後、机の上のノートパソコンに歩み寄り、『イリオモテヤマネコ 交通事故で死亡/作成者:美浜ちよ』という名前のファイルを削除しました。 「ううっ……榊」 「ぐすっ、ぐすっ」 「ごめんなさぁぃ……」 女の子たちの泣き声が部屋中に響きました。ただ一人、大阪さんだけが 涙を流さずに、けれど哀しそうな目で榊さんを見つめています。 「ピカニャー……」 その声に答えるように、榊さんが身じろぎしました。 「マヤー……」 寝言で愛しい猫の名前を呼んだ榊さんのひざの上には、すこしくたびれた、 まだら模様の猫のぬいぐるみが横たわっていたのでした。
880です。歓迎していただきありがとうございます。 昨日は「とも・よみ総合スレ7」を読破しました。あっちもすごい良かったです。 それから両スレ内で話題になっていた保管庫のもいくつかの話も読みました。 あとはあまりの数の多さにどれから読んでよいか悩んでしまいます。 私は「報われないかおりん」が好きなのですが、 榊+かおりん、かおりん+木村先生の話はありますでしょうか?
>>886-887 つまり……榊さんがパソコンで検索をした
あのときからイリュージョンは始まっていたと!?
グーグルに大金をつんでヒットの上位に上げさせ
世界トップの調教師をつけてかみねこ一団を仕込み
石原先生の過去の医療事故を調べ上げて脅し
すべてをお膳立てしていたというのか!?
((((;゚Д゚)))恐るべし美浜財閥
>石原先生の過去の医療事故を調べ上げて脅し 得に脅す必要は無いかと(石原先生の過去の医療事故無さげだし←マンガで雑種だ言われてじゃあいいよってな感じでマヤー渡すんだからまあぁイイ人的な漏れ個人の感想による先入観?) 只奇知惨御用達?の病院なんだから一寸口止め、援助金だしてやればすむのでは? その後それをネタに強請りに来るようなら容赦なく美浜財閥 の力を持って闇に葬り去るのみ(((( ;゚д゚)))アワワワワ
>>890 わざわざそんなことをする意義がよくわかりません。
>>891 その文章を読むのが難解でした。
>>892 (;つ´Д`)つ ソンナ マジメニ コメントスンナヨウ
何となく誰だかわかりますばってん
895 :
892 :03/10/16 18:57 ID:???
いやね、そんなことをやる財力があるならマヤー型のロボットを
作ってもよかったんじゃないかって思うんですよ。
人格を持ったおさげを作れるほどの科学力があるならマヤーロボなんか
簡単に開発できるはずですから。
そしてかみネコ一団を追っ払うほどの「気迫」を見せつけ、さらに
石原先生がイリオモテヤマネコだと疑うように仕向ける。
そうすれば榊さんはロボットだなんて疑う余地なく
最愛の猫を手に入れるでしょう。
もちろんこれらの工作は
>>890 のように事前に仕込んでおきます。
長年、ネコに手を噛まれ続けている榊さんは、 その噛まれ方から、ネコの血統、年齢、しいては健康状態までわかるといいます。 そんな榊さんが、本物のネコかそうでないかの識別ができないわけありません。 その作戦は練り直さないと!
榊「マヤー。ほら、みんなで勉強に来たよ。挨拶しなさい」 キュィイイン 「Nyaa… Nyaa…」 大阪「うわー、昼間なのに目がピカピカしてるで。さすがピカニャーやなー。」 暦「なあ、とも……。私、恐ろしいことに気づいたんだが」 智「何だよ、よみ……」 暦「ひょっとしてマヤーに疑問を抱いてるのは私たちだけなんじゃないのか?」 榊だけじゃなく、大阪も神楽も…… マヤーが普通のイリオモテネコだと思ってるんじゃないのか?」 神楽「榊、今日のマヤー、ちょっと元気ないんじゃないか?」 榊「ああ……時々これをあげないと動きが鈍くなるみたいだ」 ペコペコ (油さしてる!!) 大阪「そういえばこないだテレビでアイボ見たで。ようできとるよなぁ」 榊「うん……でも私は機械ってあまり好きじゃない。 心が通い合わなきゃ、すごく虚しいと思うんだ……」 (それはひょっとしてギャグで言ってるのか!?) 神楽「……なあ榊……ちょっと話があるんだけど。 私、ちよちゃんの家でマヤーを初めて見た時から 気になって仕方ないことがあるんだ。 たぶん、みんな同じ事を思ってる……榊だって気づいてるんじゃないか……?」 榊「何だ……?」 (頼む、ツッコんでくれ!!) 神楽「マヤーって鼻もヒゲもないよな」 榊「あ ホントだ」 (おしいぃ〜!!)
892の発想力は貧困すぎる。 君には何も生み出せないね。
榊 「ヤ、ヤママヤー!!」 マヤー(すりすり……) ちよ 「かわいー! まだ子供ですねー」 大阪 「かわええなぁ」 智 「あれ? なにこれ? ……服?」 マヤー「……フ……フギャーッ!」 バリッ 智 「……い、痛ぁ!」 一同 「…………」 マヤー「フーッ、フーッ……ニャ、ニャン?」 一同 (かわいい……) 暦 「も、もう! ダメじゃないか智ったら! ヤマネコおどかしたり しちゃ。あは、あははは……」 智 「そ、そうだね……ははっ、ちょっとびっくりさせちゃったね。テヘッ☆」 神楽 「ま、まったくともは相変わらずそそっかしいなあ。ほら、榊が抱いてるの 見てみろよ。あんなにかわいい……」 榊 「ん?」 智暦神楽ちよ大阪「ファスナー付いてるー!!(ガビーン!)」
900
>>899 笑った!!
やっぱり中の人はあずま先生でしょうか!
クロ高とマサルさんワラタ
残り容量も少ないな。 SS一本分もつかな?
そのSSがこれ以上来るかどうかが問題だ・・・
寂しくなったのう・・・
次刷れは〜?
次スレは まだ早いねん。
908 :
次スレ :03/10/19 23:32 ID:???
+1てえと・・・かおりん?
>>910 そのようで
まあこのスレも亀の歩みではあったが
容量が心配になるくらい詰まった内容だったということで
千尋が泣いています
やっぱかおりんか。 いやね、とっさにマヤーが思い浮かんだんで、ボケたつもりだったんだがw