続・獣巡ねこたま艤装計画

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59名無し文官(軍需省)
>>55
エラそうで申し訳ないんすが、ちょと突っ込んでみるんすにゃ。
>>46の通り、艦本式で15〜16万馬力の機関の区画長は70m以下にはならないと思うんすに
ゃ。で、その直上に主砲塔は配置できないんすにゃ。
主砲の弾火薬庫は>>18の通り水線下に配置されているんすにゃ。で、揚弾機等を含めた主
砲塔ユニットもその弾火薬庫から弾を砲塔まで上げうるだけの深さを持っているんすにゃ。
一方機関室もその過半が水線下にあるっすにゃ。
つまり、前後の砲塔間で機関を収めなくてはならないんすにゃ。

貴殿の絵を見ると、第2・第3砲塔間は約56m。だから15〜16万馬力の機関を収めることは
できないんすにゃ。
ではではどのくらいの出力を持つ機関が収容できるか考えてみるんすにゃ。
貴殿の絵では第1煙突が屈曲していない。つまり艦橋下には缶室はないと推測できるんす
にゃ。
日本の重巡の第1煙突がひん曲がっているのは艦橋下の缶室から艦橋をよける形で煙路が
設けられているからなんすにゃ。その証拠に最上型も利根型も艦橋付近に吸気口があるん
すにゃ。
だから絵による機関区画長は推定で約45mという事になるっすにゃ。
45mだと10万馬力(阿賀野型など)でも全然ムリっすにゃ。60m以上必要っすにゃ。
それと第2煙突と第3砲塔の間がタービン室になるんすが、これが絵では20mくらいしかな
いんすにゃ。
英国重巡「ロンドン」(タービン4基4軸8万馬力)のタービン室の長さが約27m。
(小さい概略図からの割り出しなので多少誤差あり)
総合すると、貴殿の艦で収容できる機関の出力は最大で7万馬力程度であろうと推測でき
るんすにゃ。
7万馬力だと27ノット前後。ただし、機関が軽くなるので2,000トンかもちょっと排水量を
少なく見込む事ができると思うんすにゃ。

お気を悪くしないで欲しいんすにゃ。
本官も描きはじめた頃はこんなことあまり考えていなかったんすにゃ。
いろんなサイトの仮想艦や仮想戦記のコミックでも、このへんがまったく考慮されいない
ことが多いんすにゃ。
播磨甲案がなぜあんなバイタルパートの長い、少々間の抜けた艦型になったかがご理解い
ただけると思うんすにゃ。

以上のことを踏まえて、次回作を期待しているっすにゃ。

最後に、お手軽でとても参考になる資料をご紹介するっすにゃ。
世界の艦船1985年8月号「比較重巡論」。
各国の重巡の艦型図や防御方式、いくつかの艦の艦内配置まで載っているんすにゃ。
本官にとっては、これとwarships1.comがバイブルみたいなもんすにゃ。