>>727の続き
同時に、初期の混乱から態勢を立て直しつつあったF4F隊(VF−2
フレッド・ボリスJr大尉指揮・4機)が、高橋隊の降下を発見し阻止行動
に移る。そこで、帆足隊とボリス隊の空中戦が展開された。
山本重久大尉(翔鶴制空隊・2小隊長)の回想によれば、
「艦爆隊の突入を容易にするために、とにかく邀撃のグラマン戦闘機を引き
付けておくのが我々の任務ですから、遮二無二突っ込んだ。なにしろ妨害
するのが先ですから、少し遠いと思ったが射撃に入った。遠くで操縦席の
パイロットがのけぞるのが見えたが、深追いするのを避けて次の目標に
向かった」 (『暁の珊瑚海』)
制空隊の任務がよく分かる証言です。
直掩隊の任務は、敵戦闘機の撃墜ではなく、「味方艦爆・艦攻を護衛し、
その攻撃を容易ならしめること」(
>>117)
>>728の続き
極論を言えば、射弾が敵機に当たらなくても良い。その射線を外したり、
攻撃企図をくじくことが出来れば十分なのです。
一機一機を撃墜するまで追い回すというのは、理解不足になりますね。
「高橋隊の急降下爆撃は、翔鶴戦闘機隊の奮戦により突入前の妨害を
免れたのである。そして彼らの直上500メートルには、帆足大尉の第1
小隊3機がぴったりとはりついて直掩任務に就いている。
対空砲火の集中する中でのこの危険な直掩任務は、帆足大尉が単機
となっても続けられた。戦闘機がともすれば任務を忘れて空戦をやりた
がり、そのために無用な被害を続出させた例が多かったために、この
果敢な行為は艦攻隊搭乗員等の後の語り草となったようである」
帆足隊の獅子奮迅の活躍により、高橋隊は全機投弾に成功。
19個の爆弾が全て外れるとは考えられませんね。しかもレキシントンは
両舷より挟撃されて身動き取れない状態です。
これは戦果に期待!