>>527の続き
公刊戦史の「珊瑚海海戦戦訓」によると、
(1)極メテ熾烈ニシテ、特ニ敵ハ統制アル見事ナル弾幕射撃ヲ実施セリ
(2)雷撃時ハ、防禦砲火ハ超低高度ニ於テ危害小ナリ
全文引用は長くなるので、(2)の内容を要約すると、
@敵砲火は、距離4000mから一斉に射撃開始
A弾幕は、幅200〜300m×奥行き30m×高さ50mくらいで、極めて濃密
B我が方の魚雷投下までに、高角砲の4斉射があった
C艦攻隊は弾幕回避のため、高度40m以下で魚雷発射した
D避退時は更に降下して、高度20m以下としたため、敵護衛艦艇の間を縫うように離脱した
>>536の続き
弾幕を、「大ナル”スダレ”を展張セリ」と表現しているところが面白い。
結論としては、高度40m以下の超低高度で突入すれば、被害を少なくできる。
まだこの頃は、海面を射撃して敵機の進路を妨害するという方法は採用されて
いなかったのかなと思ったら、
「ヨークタウンに随伴している重巡が8インチ主砲射撃を開始した。
近距離の海面を照準しているのだ。砲弾の炸裂が高い水柱を上げている。
第五偵察隊機長の一人、ネロ・タフィの回想によると、
”一隻の巡洋艦が射弾を一機の日本雷撃機の直前に撃ち込んだら、大きな
水柱が噴き上がった。雷撃機はその水柱にぶつかって、完全にとんぼ返り
して逆さになって海に墜落した”」 (『空母ヨークタウン』)
重巡の主砲を俯角で撃っていたのか。