乙であります。
おk、クオリティ高すぎるぜ!
つづきwktk
此処までの文章を書けるようになるまでにはやっぱり練習したんですか?
文章を書く時の、または上達のコツがあったら教えて下さい。
乙ですた。
Щ(Ш゚∀゚)ツヅキキボン
あと
>>834はスルー出来るよな?>ALL
838 :
名無し三等兵:2006/07/20(木) 22:11:20 ID:wsN8gzi/
>>837 さわっちゃ駄目?勿論、責任なんぞ持たな(ry
最後のポエム2レスはいらないような気がします
元1氏に質問。
敵の支配下にある都市まで輸送機を飛ばすことは出来ますかね?
ファンタジースレの皆さん。
次スレは異世界スレを再利用するなり、削除するなりしてくださいね。
>>841 横スレになるが制空権+拠点から目標地点までの距離による
F世界において制空権を自衛隊が握れないことは燃料不足でも起こらない限りまず無いが、
相手の航空兵力によっては「遅すぎて近づけない!」と言うこともあるかもしれないな。
その場合はやはり地上からの対空砲しかないのかね、戦闘機飛ばす燃料勿体ないし
>>843 wikiにある唐突に氏かcall氏の作品を参照するといい。補給の状況についてはある程度載っている。
魔獣過疎
>>756 「ん? どうした少年? 」
公子の顔が引き攣ったのを小川は目聡く見咎めた。追い詰められた状況でも
恐怖に慄く事が無かった少年が、こうも過剰な反応を示すなど、余程の物を
見たに違い無い。隣のサイアも硬直し、歯の根が合わぬ程恐怖に震えている。
ご丁寧に両者とも顔から血の気が引いているのがご愛嬌だ。
「やはり劣等人種に任せるからだ。このアガルタの住人は、ヴリルを持つ
原アーリア種以外、ただの類人猿以下に違い無いだろうな、諸君」
「アンタはそれさえ無ければ理想的な指揮官なんですがね? これは失礼を」
「我々の発見したアガルタは通路であり、ここは別世界だと思いますがね。
何せ空は蒼いし空気は美味い。こんな空を飛びたいモンだなぁ」
「エェデルヴァイス、エェデルヴァァイス! エコーすら綺麗ですなぁ」
「二人の傍に居るのはどうやら東洋人の様です。エリッヒの着ているものと
迷彩パターンは似ている様ですが、別物です。先発隊の現地徴用兵の…」
「…今は親衛隊上級中隊指揮官殿だ、…導師」
公子達の視線の先を見ようと振り向いた小川は、公子達とは別の意味で絶句した。
「何ダァ、ありゃあ…」
一体何の冗談だ、と自分の眼が信じられなくなった。一体誰の趣味だ? そろって
金髪碧眼でWW2のグロスナチライヒ軍コスチュームだ。一人はSS迷彩、一人は降下
猟兵のスモック、一人は空軍士官服、一人は陸軍戦闘服、一人は女で、なんと一般
SS制服を着用だ。SS迷彩を着た奴が、自信満々でのたまう。
「我等総統特務隊の手から逃れられんよ、公子」
「総統特別懲罰任務部隊の間違いじゃないですかネェ、中尉」
「曹長、皮肉は結構だ。階級は以後、間違えるなよ? …公子を捕獲せよ」
小川は物も言わず集団に89式小銃をぶっ放す。その音で2人は我に帰る。錆が
浮いて居た筈の小銃が、何故か輝きを取り戻していた。小川は片眉を上げる。
「中々面白そうな追っ手だな? 話はあとだ。走れ! 」
「各自散開! ミヒャエルは導師とともに公子の捕獲を継続せよ!」
「了解、指揮官殿、さ、行きましょうや指揮官殿の愛人」
公子はサイアの手を取り走ろうとするが、サイアは振りほどく。そして、小川の89式
小銃があった場所へと駆け寄り、剣を取り、握った。剣が輝き、人影が生まれる。
やや細身の長髪の女の影身だった。だが、耳が…長い。古代種に分類される人間だ。
「あ奴を頼むぞ…悔しくて言えた義理では無いがな」
「…今行くぞ、憲人」
革鎧を着た女は嬉しげに目を細めると、疾風の如く小川の元へ駆けて行った。
西暦2020年1月16日 05:20 ゴルソン大陸 陸上自衛隊大陸派遣隊第一基地西方69km地点
「展開急げ!!」
未だに現役の89式小銃を構えた隊員たちが散らばっていく。
ヘリコプターを中心に円を描くように、そしてすぐさま命令が届き、かつお互いを援護できる限界まで距離を空けて。
<離陸する!またのご搭乗を心よりお待ちしております!>
テンションを維持したままの声と内容でヘリが離陸し、あっという間に大空の彼方へと飛び去っていく。
すぐさま陸曹が駆け寄ってくる。
「各班問題ありません。小隊長殿?」
「前進だ。油断はするな」
「了解」
短いやり取りの後にすぐさま小隊の方針は達せられた。
一斑を中心に、各班がそれなりの許可を取りつつ前進を開始する。
今のところは負傷者も戦死者もなし、というか、周囲には先発隊による攻撃に晒された惨殺死体しかない。
「小隊長殿」
「なんだ?」
三班を任せている三曹が駆け寄ってくる。
その表情は硬く、そして目は血走っている。
「自分の班を先発させてください。交戦法規は事前のままでいいんですよね?」
事前のままというのは、捕虜を取るな、捕虜になるな。という単純なものだ。
我々は積極的な平和維持活動を実施しているだけであり、これに楯突くものは平和の敵、その処罰に関しては現場の判断に一任する。
ということだそうだ、上層部の責任の放棄ではなく、あくまでも殺害は事前に許可された状態で、殺すか殺さないかは現場の自由なのだそうだ。
まぁ、やりやすいといえばそうだが、一体自衛隊はどうなってしまったんだ?
「交戦法規の遵守を心がけろ、捕虜になることも部下を死なせることも許可しない。いいな?」
「了解しました。それでは先発します」
敬礼する手間すらも惜しむ様子で奴は駆けていった。
待機している三班の連中と少しだけ会話を交わし、彼らは最前列に立って進みだした。
「どうしたんだあいつは?」
「さあ?人間を撃ちたくてウズウズしているのでは?」
「病んどるなぁ」
「さ、小隊長殿、我々も進みましょう」
俺のコメントを無視し、小隊は前進を開始した。
周辺は前方で燃え盛る村を頂点として、あちこちで何かが燃えているために非常に明るい。
まあ、全ての普通科に配給されている暗視装置のおかげで何もせずとも視界には困らんがな。
「しかし、こりゃあ完全な虐殺だな」
視界全てに広がる殺戮の成果物を見つつ呟く。
イブニングライナー達は思う存分暴れたらしい。
あちこちに人間の残骸が広がっている。
「かなり派手にやったんだなぁ。死んだ振りをしている奴に気をつけろよ」
最前列を進む三班は、周辺警戒を行いつつも燃え盛る村の付近へと到着した。
上空では警戒を続ける戦闘ヘリコプター達の爆音が響き渡っている。
「この村の連中もなんとか抵抗だけはしていたようですね」
村の入り口らしい場所には、大量に矢が突き刺さり血液がデコレーションしたオブジェがあった。
もちろんその周辺には死体の山がある。
「これは、ドワーフっていう奴か?」
「そのようですね」
破壊された廃屋に注意しつつ三曹と陸士長が会話している。
その周辺では陸士たちが安全装置を解除した小銃を手に、遮蔽物の陰で待機している。
「前方の塔が問題の場所だな」
燃え上がる村の中、中心にそびえる塔のみが未だに火災から逃れていた。
その周辺では敵と定められた連中が騒いでる。
「あれは、突入しようとしているのか?」
「そのようですね。あの頑丈そうな扉に邪魔されているのでしょう」
剣ではなく木槌を持った連中が、必死に入り口らしい扉を叩いている。
だが、鉄製と見える扉はびくともしない。
「小隊長殿?」
「周辺警戒は怠るな。一斉射撃でカタをつける。俺の射撃で攻撃開始だ。配置につけ」
すぐさま命令は達せられ、遮蔽物と後方の視界を確保した隊員たちは、それぞれ近くの敵部隊へと照準を定めた。
自動小銃や軽機関銃に狙いをつけられたことを知らない敵軍は、雄たけびや罵声を上げつつ塔への攻撃を継続している。
ノービス王国暦139年豊潤の月六日 地図にない村 連合王国王立神聖騎士団第六大隊
「気合を入れろ!ぶち破れ!!」
重いハンマーを扉へと叩きつける部下たちに指示を出しつつ、大隊長は空を見上げた。
恐らくはダークエルフたちが召喚したであろう竜たちは、聞いた事もない羽音を相変わらず轟かせている。
先ほどまで周辺では熾烈なブレスによる攻撃が行われていたが、不思議な事にここに攻撃が来る事はなかった。
軍師によると、恐らくは威力が大きすぎ、術者たちが近いここには攻撃が出来ないのだろうという事だが、まあ攻撃されないのならば事情など何でも良い。
「まだ破れんのか!早くしろ!!」「何をやっているか無能どもめ!!」
二等騎士たちが兵士たちへと怒号を上げる。
緊急時の避難所として用意されていたらしいこの塔は、恐ろしいほどに防御力が高かった。
「状況はあまりよくありませんな」
塔を見上げつつ軍師が呟く。
頑丈な石造り、かつ鉄板を随所に貼り付けたこの塔は、本格的な攻城装備を持っていない彼らには厄介すぎる代物だった。
窓はかなりの高さにしかなく、とてもではないが急造の梯子などでは届かない。
唯一の進入手段である扉は、頑丈な鉄で作られ、さらには魔法処理すらされているようで、木槌程度では破れない。
「うむ、ここを破らない事にはどこにも帰れない」
恐らくこの塔から離れた途端、空を飛び回る竜たちは我々に喜んでブレスを吐きかけるだろう。
そうなれば一巻の終わりだ。
人間の術者程度でそれを防ぐ事はできないだろう。
「早く破るんだ!早くしろ!!」
焦った三等騎士が叫び、そして彼の頭上に重い石材が激突した。
一撃で頭を押し潰され、彼は絶命した。
「攻撃だ!逃げろ!!」
命令と悲鳴が飛び交い、そこへ石材やファイヤーボールが飛び込んだ。
高いところから落下するものというのはそれだけで脅威だが、それが重い石材や燃え盛る火炎だというのは脅威を通り越して悪夢である。
すぐさま弓兵たちが応戦するが、ファイヤーボールはむしろそこを狙ってくる。
「逃げろぉぉぉ!!!」
指揮を取っていた十人兵長が逃げ出しつつ叫び、直後に彼の部下たちは全滅した。
もちろん四方八方から矢を射るのだから、相手に与えた損害が皆無というわけではない。
頭上から悲鳴が聞こえ、何人もの敵が落下してくる。
「畜生、劣等民族どもめ、今日まで生かしてもらった恩を忘れやがって」
忌々しそうに大隊長は上を見上げた。
そもそも、今回の作戦はあくまでも懲罰的な意味合いのものだった。
族長の娘だかなんだか知らんが、劣等民族にしては美しい娘を徴用しようとしただけなのだ。
なのに連中は、何を考えたか知らんがこちらに対して攻撃を加えてきたのだ。
しかも、いくら殺されようとも徹底抗戦。
気がつけば村を焼き払い、そしてこうして最後の攻撃を行おうとしている。
この村はもうおしまいだろう。
それはどうでもいいが、この先、この地域からの物資の収益が減るのは痛いな。
「大隊長殿?」
怯えた顔つきの軍師が彼に声をかけたのと、攻撃が開始されたのは同時だった。
つまらない 読む価値なし
西暦2020年1月16日 05:45 ゴルソン大陸 陸上自衛隊大陸派遣隊第一基地西方69km地点
「撃ぇ!!」
叫びつつ発砲を開始する。
PAPAPAPANN!!!!と、景気のいい音を立てて銃弾が放たれ、照準の延長線上にいた敵兵が倒れる。
彼の発砲を受け、隊員たちは手短な敵兵向けて発砲を開始した。
あちこちから89式小銃の、MINIMIの発砲音が鳴り響き、たちまちのうちに外周の敵軍は射殺された。
「攻撃だ!」とか「敵襲!!」という警告の叫びが敵軍から聞こえてくるが、どうやらこちらを未だ発見できていないらしい。
それはそうだ、太陽が昇り始めたとはいえ敵軍がいる場所は薄暗い広場で、こちらは炎を背に遮蔽物の陰から攻撃している。
見えるはずがないのだ。
「左は統制が取れている、射撃を集中しろ」
最初こそ発砲したが、その後は射撃を控えている佐藤が指示を出し、部下たちは統制の取れている集団に攻撃を加え続けた。
中世程度の軍隊で統制が取れているということは、全体へ指示を下すものがいる可能性が高い。という三曹の進言を受けたからだ。
すぐさま射撃が集中され、敵集団が薙ぎ倒される。
「上の連中はどうか?」
双眼鏡を構えている陸士長に佐藤が尋ねる。
「こちらの攻撃に唖然としているようです」
「動いたら知らせろ」
「はっ」
今のところはこちらに攻撃するつもりはないらしい。
頼むからそのままでいてくれよ。
敵軍を睨みつつ、佐藤は心から願った。
面白くないからやめろよな
また佐藤の自演か。
>>909気にせず続けよ。
勝ち組ニートを自称する荒らしの佐藤にかまうな。
「左!」
「わかった!」
銃声に負けない大声を出しつつ、自衛隊員たちは統制された射撃を続けた。
入り口周辺にいた敵軍は大混乱に陥っていた。
周辺から聞きなれない音が鳴り響くたびに同僚たちが薙ぎ倒され、さらには頭上からの攻撃も再開されたからだ。
逃げようにもどこへ逃げたらよいかがわからない。
敵はどこにいるかわからず、上からは石材とファイヤーボール、矢の雨。
この村の周辺は竜がうろついており、支援がないところを見ると周辺に展開していた本隊は壊滅している様子。
恐慌状態に陥った若い兵士の中には、武器を棄てて泣き喚くものまでいる。
「手榴弾!」
陸曹の指示が飛び、何人かの隊員が投擲を開始する。
閃光、爆発、悲鳴。
敵兵が吹き飛び、混乱が拡大される。
「三尉殿、投降を呼びかけますか?」
「まだだ」
指示を下していた三曹が尋ねる。
しかし、佐藤はそれを却下した。
「敵の数が多い。我々では扱いきれない」
「しかし敵の戦闘能力は十分に奪っています」
「まだだ」
三曹と会話しつつ、佐藤は冷静さを保っている自分に驚いた。
一方的な虐殺を行っているという認識は十分に持っている。
敵軍は既に戦闘能力を喪失しており、塔の上からの支援攻撃もあって身動きが全く取れない様子だ。
こちらは弾薬にはまだまだ余裕があり、さらに死傷者は全くない。
しかしながら佐藤に攻撃を中止するつもりはなかった。
彼にはわかっていたのだ。
どうせ自分たちはこの作戦が終わっても前線に配置され続けるであろう事を。
それならば、出来るだけ楽が出来るうちに血に慣れておいたほうが良い事を。
頑張れ909さん
「佐藤三尉!」
「攻撃を続行しろ!!」
とうとう肩を掴んできた三曹を無視し、佐藤は携帯無線へと叫んだ。
正面装備よりもそれ以外に予算を投入した何年間かは無駄ではなく、今の普通科には十分な数の暗視装置や無線機などが装備されている。
「これではただの虐殺です!わかっているんですか!?」
「十分認識しているよ三曹、頼むから静かにしてくれ」
「しかしっ!」
必死に喰いすがる三曹を視界の端に入れつつ、それでも佐藤は攻撃を止めるつもりはなかった。
たぶん上は怒っているのだろう。
記念すべきファーストコンタクトを戦闘にしてしまった俺たちを。
大勝利でも全滅でもなく、単なる撃退というよくわからない終わり方にしてしまった俺たちを。
畜生、俺を主流から外しただけでは足りないのかよ。
「攻撃を続けろ!」
内心の暗い思いを振り払うように佐藤は叫び、そして彼の部下たちは攻撃を続行した。
そして何人かの陸曹たちは、佐藤のその命令に喜んで従った。
彼らは自分たちが置かれている立場を正しく理解しており、佐藤の考えを肯定していたのだ。
アニメの主人公がいる部隊じゃあるまいし、自分たちばかりが次々と使いまわされる理由を察知していたのだ。
909自演乙
面白くないSSだなぁ
保守
佐藤はですがスレで遊んで来いw
>>909氏続けてくれ。
十分面白いぞ。
>909氏
文体が稚拙で盛り上がらに欠ける内容ですね。
誰も読まないと思うのでやめたほうがいいですよ
荒らしがUzeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee
軍板もID制導入すべきだな、ウザくてかなわねぇ。
>>866 偽者乙。
同志スターリンスレを荒らしていた馬鹿と同じ末路を辿るが良いw
でもつまらないのは事実だよね
ノービス王国暦139年豊潤の月六日 地図にない村 連合王国王立神聖騎士団第六大隊
そんな佐藤たちの攻撃を受ける敵軍は不運だった。
大軍同士の国家の命運を賭けた決戦でならまだしも、彼らは佐藤の部下たちに経験値を与えるためだけに攻撃を受け続けているのだ。
既に魔術師や弓兵は全滅し、彼らは戦友たちの死体を盾代わりに地面へと伏せていた。
だが、そんな彼らには空から訪れた重量物や火炎が飛び込む。
逃げようと立ち上がればたちまち光弾がそれを引き裂く。
「撃ぇ!」
「三尉!」
「攻撃を続行しろ!」
「右だ!!」
周囲からは敵の命令らしい声が聞こえてくるが、その姿は見えない。
あくまでも剣と槍、そして長弓と魔法による戦闘を行う彼らは、遮蔽物に身を隠す現代の戦闘での策敵手段を持っていないのだ。
まあ、狙い済ましたように味方を薙ぎ倒しているこの敵が、実は数十メートル先から攻撃を加えているというのは想定の範囲外であろう。
「シビル十人兵長戦死!」「オルラン二等騎士戦死!!」
次々と戦死の報告が入る中、驚くべきことに大隊長は生きていた。
「どうして気がつかなかったのだ!」
彼は傍らにいる軍師に怒鳴っていた。
甲冑を着けた死体を積み上げたこの陣地はそれなりの防御力を有しており、今のところ攻撃に耐えていた。
「どうもこうも、私は魔術師でもなんでもないのです。
それよりも、今はどうするかを考えるべきです。
あと、私は気づきましたよ。声をかけた途端に攻撃を受けたのです」
「言い訳はいい!どうするのだ!このままでは全滅だぞ!」
本隊は恐らく全滅、上空には竜の群れ、周囲からは謎の攻撃、頭上からは石材とファイヤーボールと矢の雨、頼るべき部下たちは死体の山。
大隊長の忍耐力は限界となっていた。
自然と傍らの剣へ手が伸び、そして全身に力が入る。
止める間もなく彼は立ち上がり、声を張り上げた。
「我こそは連合王国王立神聖騎士団第六大t」
所属部隊すら言い切る間もなく、彼は5.56mmNATO弾で上半身を蜂の巣にされて倒れた。
これまで無傷だった大隊長が目の前で惨殺されたのを見た部下たちは、悲鳴を上げて逃げ出し、その全員が射殺された。
西暦2020年1月16日 06:00 ゴルソン大陸 陸上自衛隊大陸派遣隊第一基地西方69km地点
「手向かう者は撃て!それ以外は拘束しろ!」
徹底した攻撃により、敵軍は戦闘能力を完全に喪失した。
きっかり0600時、自衛隊は攻撃を止め、敵軍へ降伏を勧告。
上位者を失っていた敵軍は、口々に降伏を申し出つつ地面へと伏せた。
「武器を棄てろ!地面に伏せて両手は頭の上!早くしろ!!」
小銃を構えた陸士たちが前進し、哀れな敵軍はようやくの事自分たちを攻撃してきた集団を発見できた。
完全に錯乱している者を除き、大半が大人しく指示に従った。
「やっと見つけたぞ!」「降伏など冗談ではない!!!」
もちろん諦めの悪いものというのは世の中に存在し、そんな彼らは誇りと共に肉体を撃ち砕かれた。
彼我の距離は未だに数メートルを残しており、そんな目と鼻の先で自動小銃相手にどうこうできるわけがなかった。
PAPAPAPAN!!!
銃声が鳴り響き、周囲に伏せていた不運な同僚を巻き込んで彼らは死んだ。
そして、戦闘は終了した。
「そこに固まれ!早くしろ!!」
ようやく周囲を明るくし始めた太陽によって、惨劇の後が照らし出された。
頭部がない者、手足を欠損している者、まだ息があるが、明らかに手遅れな者。
そこにはこの世の地獄が存在していた。
「殺さないでくれぇ!」「従う!従うから!!」
怯えきった敵兵たちは、全身を恐怖で震わせつつ地面へと伏せ、すぐさま拘束されていく。
一人くらいは胸元から短剣を抜いて抵抗するであろうと警戒していた隊員たちは、その素直さに驚きつつも拘束を継続した。
「こちらの死傷者はなし、敵軍は、ざっと見たところでは200名ほどではないかと思われます」
報告をまとめた三曹が佐藤へと報告する。
「ふむ、精神をやられたものは?」
「ショックで動けないものが何人かは。あとは死体で怯えているくらいですね」
「上出来だな。しかし、自分で殺しておいて怯えるとは妙な話しだと思わんか?」
「三尉殿、自分は貴方の考えがわかりません」
恐ろしいものを見る目で佐藤を見る三曹。
だが、佐藤はつまらない物を見るような視線でそれに答える。
「この世界に来てもう二回目の戦闘。わからんか?」
「上層部に期待されているということですか?」
「俺たちは上に嫌われているんだよ。間違いない」
「まさか、どうして?」
再び佐藤は三曹を見た。
今までは有能だと思っていたのだが、あくまでも通常業務に限った話だったのか?
「到着するなり戦闘を行ってしまった。
しかも知らなかったとはいえこちらの落ち度で。
そしてよりによって外務省に講和条約の締結という得点を与えてしまった」
「しかし、そもそも戦闘の許可は上から来たんですよ!」
「まあそうキレるな」
激昂した三曹を苦笑しつつ宥め、佐藤は部下たちへと視線を向けた。
耳元でささやき声が聞こえる。
「あいつ、動くよ。短剣を持ってる」
視線を向ける。声の正体については考えない。
地面に伏せた敵兵に部下が近づいていく。
見ると左手が懐にある。
「吉田一士下がれ!!!」
叫びつつ小銃を構える。
「三尉?」
不思議そうに一士が振り向き、そして敵兵が立ち上がった。
佐藤の発砲と敵兵が短剣を抜くのは同時だった。
だが、人間が腕を振り下ろすのと音速で飛来する銃弾の速度は同じではない。
頭部と左胸に着弾した敵兵は、そのまま回転しつつ地面へと倒れ、動かなくなる。
「なっ、なんだよこいつ!!」
吉田一士は怯えつつ死体から離れ、慌てて小銃を構える。
すぐさま周囲の陸士たちが戦闘態勢へと戻っていく。
「違う!俺は何もしない!」「やめてくれ!たくさんだぁ!!」
殺されると勘違いした敵兵たちが悲鳴を上げて命乞いを始める。
しかし、近くの陸士に詰め寄ろうとした不運な者を除いて攻撃はされない。
「全員伏せるんだ!絶対に動くな!動けば殺すぞ!!」
殺気だった陸曹たちが怒号を上げ、その恐ろしさに悲鳴を上げた敵兵たちは大人しく拘束されていった。
その後は特に問題もなく、敵兵たちは両手の自由を奪われて地面へと転がされた。
周辺では油断なく死体を調べる陸士たちがおり、そして上空では交代したらしい別の戦闘ヘリが旋回している。
「こちらエヴァーズマン、ロミオ64応答願います」
<<こちらロミオ64、感度良好だ>>
「作戦は成功です。塔周辺を確保しました」
<<了解した、外務省の連中を向かわせる>>
「・・・了解」
<<そう拗ねるな二尉。到着まで現地を死守しろ。昇進おめでとう、オワリ>>
一方的に通信は切れた。
「昇進おめでとうございます二尉殿」
三曹が声をかける。
だが、佐藤の表情は優れない。
生前贈与かなにかだな。
表情を曇らせたまま彼は考えた。
彼の父親はかつて、陸上自衛隊の一等陸佐を務めていた。
その交友関係は広く上に横に左に下にと、階級、所属を問わなかった。
そんな彼の父親は、一等陸佐昇進と共に陸上自衛隊の戦闘能力向上を最優先に考えた装備計画を実行させた。
戦車よりもその予備部品を、新型小銃よりも89式の改善を、新たな装備よりも継戦能力の向上を最優先させたのだ。
新型戦車開発は一時凍結され、いつの間にか財務省や官邸からの支援を取り付けつつ、彼の父はそれを続行した。
普通科に個人用通信機や暗視装置が配備され、それ以外の兵科にも恩恵が与えられた。弾薬庫や補給処は大いに拡張された。
弾薬の備蓄が増え、そこに大量の予備部品も詰まれた。
各駐屯地は施設が更新され、戦闘能力は新型兵器の採用を行った場合よりも遥かに向上した。
「あんな大暴れをした親父の息子が」
小声で佐藤は呟く。
そんな大暴れをした彼の父親は、成果と引き換えに自衛隊を去ることとなった。
あまりにも横紙破りをやりすぎ、その影響力を恐れた当時の上層部によって半ば強制的に退役させられたのだ。
その事態を予期し、そして全く反省しなかった父親は、その後はとある建設会社を開き、陣地を作りやすい国土開発という事業を開始した。
息子である彼は、気がすまない上層部のせめてもの嫌がらせとしてこんな目にあわされているのだ。
彼はそう考えている。
「しかし昇進は事実です二尉殿。
それで、どうしますか?」
「どうもこうもない、捕虜をあの塔から離せ。戦闘が始まった場合には邪魔になる。
外務省の連中が交渉のためにここに来るらしい。
半分は大休止、食事や喫煙も許可する。
残りは周辺警戒に当てろ。交代が終わったら死体を片付ける。
君も休め」
「了解・・・しました」
先に死体を埋葬するのが優先ではないか?という疑問を押し殺し、三曹は部下たちに命令を伝えた。
確かに、ほぼ休み無しでここまできたのだ。
少しは休憩を取らないと体が持たない。
三曹は瓦礫に座り、戦闘糧食を手にした。
「とはいえ、なぁ」
惨殺死体と泣き喚く捕虜、そして焼け爛れた瓦礫に囲まれて休め、といわれても困る。
しかし、何かが麻痺したらしい陸士たちは、次々に休憩を開始する。
何人かが嘔吐しているという事実が、まだ自分たちが理性を失っていない証拠なのかな?
そう思いつつ、三曹は普通に食事を開始している自分に驚いた。
ひとまずはここまでです。
ある程度溜まり次第再び投下予定です。
乙。
ところで気になった点を一つ。
><<そう拗ねるな二尉。到着まで現地を死守しろ。昇進おめでとう、オワリ>>
比喩的表現としても、死守という単語は使わないんじゃないかと思うんですけど
どうでしょうか。司令部からの指示の中に「死守」という単語を入れると本当に
そうしなければいけないことになってしまいます。
戦力を簡単に使い潰せない自衛隊が、しかも我が優勢であるときに死守命令を
出すわけがないですし。
882 :
名無し三等兵:2006/07/22(土) 22:34:14 ID:MzoBVRg4
前スレ909 ◆XRUSzWJDKM氏へ
久しぶりにここでSSが読めました。
最近あぽーん表示が多くてSSが見れなかったので。
909さん待ってました〜!!!111!!
それはそれとして、あと3〜4KBでこのスレはF世界に転移します。
次スレを立てれる人は立ててくらさい。。。
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