また一人煉獄へ堕ちるのか
つか御大の本新刊(文庫だが)で買わせちゃダメじゃん
で、そろそろ防女話に戻りたいのだが。
とりあえず、スレ伝統の”あれ系SS”の投下を願います。
>>932 >>381>>384ネタで空モノSSが一応出来たんですけどどうしましょうか?
今の容量が424KBなので2つ3つなら投下できると思いますが、残レスが…
やっぱこのまま
>>950まで流して様子見るのが良いんでしょうね
作品投下について遠慮は必要ないと思われるが
海兵隊並の勢いで宜しいかと
936 :
名無し三等兵:2006/07/05(水) 16:59:59 ID:YX8NCOGh
同感
即時投下されたし
それじゃ投下します。参考になるものがヘリSS位だったので
結局「オレ設定」だらけになってますが、ご容赦を
焼けた金属と燃料の匂い。ココは防女、固定翼機用ハンガー。
ある者は「地獄の一丁目」と言い、またある者は「この世の最底辺」と表現する。
挨拶も出来ないほど殺伐とした雰囲気の中、今日も乙女達の罵声がこだまする。
「バカァッ!なにやってんのよォッ!」
一際カン高い声を出して後輩を指導するのは、スラッとした体と白くて長い手足を持つ彼女。
「ヒコーキは生きてるのよっ、人間と同じで息をしてるのよぉっ!」
『す……スミマセン』
肩の下まである黒髪をなびかせながら、一気にまくし立てる。
統合要員整備科1号生徒、岩崎静菜。『鋼鉄の箱入り娘』の異名を持つ少女である。
「ヒコーキの声を聞きなさい!鼓動を感じ取りなさいっ!」
『は…ハイッ!』
整備のためハンガーで弄られているT−3の前で、眼鏡の奥の鋭い瞳で威喝するよう
ひたすら抽象的な言葉を投げ続ける。
「ん、分かればよろしい♪」
そう言って、先ほどまで怒鳴っていた相手の頭を撫でる。怒った後はフォローを忘れない、コレが彼女の持論だ。
撫でられたのが恥ずかしいのか、怒鳴られていた2号生徒は思わず髪をかきむしる。
3時間後、整備科教官室。別の女性が、別の理由で頭をかきむしっていた。先ほどから机の脇に山と積まれた封筒を前に
「あ〜」とか「うー」とか言っている。ガチァ、と言う音と共に部屋のドアが開いた。
ジャングルと化した机から頭を上げ、入ってきた相手の方を向く。
「岩崎静菜っ!ただ今参上仕りましたっ!」
『お〜来たか、まぁ座れ』
どこかオカシイ日本語を華麗にスルーし、整備科教官が答える。
『先週言ったことだが、そろそろ決めたか?』
急に真面目な顔をして菜穂に聞く。
「え〜っと…ですね」
右を見て、左を見て、最後に上を見てハッキリと答えた。
「決まってません」
やっぱりか、と言ってグッタリとうなだれる教官。隣にある封筒の山を指差し
『お前さん、いい加減にしとけよ〜。ラブレターはこんなに来てるんだぞ!』
そう言って一枚一枚見せていく
『陸自、海自、空自、TRDI、ナニをどう間違えたのか海保。そして何と在日米軍!
そろそろ先のことも考えてだな…』
「え〜っ、でもあたしは別にどこでも…」
去年の話だ。未来の有能な人員に印を付けておくため、防女は3自衛隊のノゾキ、もとい視察を受けた。
そこで彼女は目を付けられたのである。容姿端麗、成績優秀、そして何よりメガネッ娘。
整備という裏方の仕事において、信じられないほどのカリスマ性を持っている。
花形であるパイロットの陰に隠れていた職種が、彼女がいれば人引きが出来る!
そう考えた3自衛隊は我先にと彼女を青田買いしようとしたのである。
ウワサは背びれ尾びれがついて広がり、いつの間にか在日米軍等にも注目されることになった。
が、話はコレで終わらない。ココまでなら防女全体において時々ある話だ。
彼女はその誘いをことごとく断り続けたのだった。幾ら有利な条件を付けても絶対に首をタテに振らない。
防女の外に出て実習を受けるときはごく普通の態度なのに、就職関係になると核シェルター真っ青の強度を誇る。
「彼女は防衛関係には就職したくないのでは?」という考察から「きっと○○の連中が脅迫してやがんだ!」
という被害妄想まで繰り広げられ、付いたあだ名が「鋼鉄の箱入り娘」、だ。
『何処でも良いんならさっさと決めちまいな〜、こっちだって結構迷惑してるんだからナ』
「すいません」
そう言って教官は封筒を輪ゴムで縛り、机の下の段ボールに放り込んだ。
パサッという音と共に手紙の束が吸い込まれていく。
『ともかく、明日例の用事で岐阜に行くんだろ?飛行開発実験団の人に一応顔出しするからな』
「むむ……、わかりましたぁ」
そう言って教官室から出る静菜。背骨をバキバキ鳴らしながらノビをする。
正直、あの牢屋のような教官室の空気には馴染めない。
(じゃあ彼処に何時もいる教官達は囚人かしらん?)
相変わらずテンションが高い。
「ふ〜、やれやれ」
明日の「お出掛け」のため準備をしに寮へ戻る。と、視界に人影が入ってきた。
『あ……先輩』
「ん?」
ふと見ると、昼間自分が叱っていたヤツが立っていた。菊原武美、静菜の1つ下だ。
手には紙パックのジュースを握っている。大方購買か自販機で買ってきたのだろう。
視線に気づいた武美が言う。
『…あげませんよ』
「要らないってば。あ、そうそう。あした岐阜に行くんだけど、一緒に来ない?」
『は…良いんですか?』
「いーのいーの、あたしが何とかするって」
武美の肩をポンと叩き、ニッコリと笑う。
「じゃ決定。別段荷物とか要らないからね〜」
そのまま小走りで行ってしまった。1人残された武美が呟く。
『まだ何にも返事してないのにぃ〜。でもまァ、先輩と一緒だって言うんなら……』
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
航空自衛隊、岐阜基地。
その名の通り岐阜県南部の各務原市にある基地だ。日本の飛行場としては最も古い歴史を持ち、
現在では10を超える部隊や機関が活動している。
その一角、飛行開発実験団の庁舎、
『どうも、飛行開発実験団の近藤です』
細身の男性が名刺を渡す、受け取る白い腕は岩崎静菜。
『わざわざ来ていただかなくてもコチラから舞鶴へ伺いますが……』
「い〜え〜、ついでですかr」
言おうとしたのを、隣にいる防女先任教官が咳払いで止めた。
殴って止めようとしたがソコはソレ、大人の判断である。
(今回は楽に断れそうだナ)
(デスネ)
さてさて、いつも通りに勧誘を断り、担当者を真っ白な灰にしたところで
本日の目的、第2補給処へ向かう。薄暗い倉庫の中で、既に武美が作業していた。
『もう話終わったんですか、先輩?』
「まぁね」
そう言いながらブツを見定める。彼女の目は既に猛獣の目と化している。
『このT−2、何かおかしいんですよ。主翼の下に変な出っ張りが付いてるし
それにフィレットが付いてません』
「そりゃそーよ、これはT−2CCVってやつだから」
話は防女草創期まで遡る。旧軍風に言うと防女航空隊とでも呼ぶべき存在は、そもそも初等練習機による
教育を目的としていた。このころは具体的な計画も目標もなく、よく言えば暗中模索、悪く言えばダラダラ
とした時期が続いていた。60年代に入り、間接的なライバルたる陸組航空科(軍事的には変な言葉だが
便宜上こうする)が本家自衛隊に並び、ある部分では先駆けて機材と人材の入手に走ると、空組航空科も
負けじとそれに続いた。
ところが、ここに来て空組航空科にとって大きな問題が起こる。
陸組航空科がUH−1を武装して使用し始めたのだ。実戦機の使用を暗黙の了解で禁止されていた防女において
コレは大きな事件だった。元が汎用ヘリである。ポンと機銃を付ければソレでガンシップになり、
外せば練習機にでも輸送機にでもなる。最初から武装して使うつもりだったらしいが、
名目上は汎用ヘリとして配備されたのだ。たとえて言うならドイツが戦車をトラクターと偽ったように。
焦った空組航空科は高等練習機と戦闘機の入手に奔走したが、初等練習機しか持たず、また中等練習機による
訓練をすっ飛ばすのは危険であったために叶わなかった。現在と違いろくなシミュレーターが無かった時代だ。
また、戦闘機に対する頑固な考えが残っていたこともその理由である。
モ−リス・ファルマン機による航空隊が出来てからこっち、日本では戦闘機は男の乗り物だった。
20になっていない娘に数十億の戦闘機を飛ばさせる、端から見れば十分狂った行為だと言える。
それでもT−33の導入に成功し
(奇遇にも富士重工業がUH−1のライセンス生産を始めた1962年に航空自衛隊はF−104を導入、
教育体制が変更されT−33は中等練習機となった)
実戦機の使用をまがりにも認めさせ、女性パイロットの育成に励むこと十数年。
こと練習機に限っては本家と同等の質を持つに至った。
しかし、再び衝撃が走る。空組航空科と陸組航空科が「飛行要員の教育科として」再編・統合された。
不安定に揺れる情勢の中、上手く予算をせしめた回転翼分隊が次々と新装備を導入する一方、
固定翼分隊は機体を維持し続けるので精一杯だった。ここに来て完全に競争に負けたわけである。
しかししかし、再編に伴い遂に、やっとこさ、ようやく待望の高等練習機の配備を開始することとなる。
当初は戦闘機の配備も考えられたが、やはり高価であること、3年間(専門の教育を受けるのは1号生徒からなので、
わずか1年!)では十分な教育を行えないことから見送られた。
さて、自分でも嫌になるくらい長文だが、あと少しなので頑張って欲しい
肝心の機体であるが、当初はアルバトロスやT−38などが考えられていた。
が、いずれも本家で使用していないこと、新機種を導入すると、まず教官になるパイロットの教官
を生み出す事から始めなければならないことから、最終的にはお馴染みT−2が選定された。
全国からT−2をかき集めたものの、やはり古い機体である。
21世紀に入り数年、遂に本家でも引退し、今やこうして研究機ですら部品調達のため求める始末だ。
『T−2CCV……、じゃあ研究機じゃないですか。
なんでそんなものが岐阜の補給処でホコリ被ってるんですか!?』
「知らないわよ〜、たしかワンオフのパーツばっかりだから、替えが効かなくなってリタイアしたって聞いたけど」
『ふーん。で、どうするんですか。練習機として使うんですか?着いたときから何にも聞かされてないんですけど』
武美の質問に首をかしげる静菜。
「う〜ん。飛ばせるんならそれも良いかもしれないけどね〜。多分ムリ。
最悪エンジンだけでもかっぱらうらしいけど」
T−2のエンジンはご存じの通りアドーアである。この英仏共同開発のエンジンに
防女もまた手を焼かされている。替えは多ければ多い方が良い。と言うよりも、扱い切れてないというのが本音だ。
「じゃ、とりあえず点検だけしよっか」
『ハイ』
ドンと座っている機体を2人でチェックする。
静菜の長い髪が武美の顔に触れた。
「……ナニ赤くなってんの?」
『い、いえ、そんなことありません!』
「いくら多趣味のあたしと言えどソッチ方面はさすがに……」
『せ、先輩ッ!』
からかわれ耳元まで真っ赤にする武美。
「ジョーダンだって、冗談」
手をパタパタさせながら、静菜が呆れたように答える。
しかし一度火照った顔は簡単には戻らない。恥ずかしさを隠すため何とか別の話題に持って行こうとする。
が、彼女の焦った頭はいくらかの時間を必要とした。
『あのう…先輩はどうしてこの道に入ったんですか?』
「ん?整備科のコト?」
『はい』
手を止めて考える静菜。
「聞いても面白くないよ?」
『いえ、教えて下さい』
「ん〜やっぱ彼氏の影響かな?」
『は?』
いきなりな言葉を言われると得てして聞き取れないものだ。
「だから、彼氏の影響」
『カレ氏?外国人ですか?』
「……みっともないぞぅ」
彼女は今、防女の人間が言ってはいけないことのベスト10に入る言葉を言ってしまった。
「彼氏」防女生徒の間ではその存在を疑われている謎の生命体だ。「男性」と深く関わっている、
というのが唯一知られている事実である。
……まぁ誇張は置いておき、武美は相当のショックを受けた。
憧れの先輩はスタイル良し学業良し、オマケに彼氏持ちだ。もう一生掛かっても追いつけそうにない。
『はぁ。それで彼氏も飛行機好きで、そのせいだと』
「あ〜ちょっと違う」
言ったまま、いつものニコニコ顔で止まってしまった。
『頭がFODしましたか?』というギャグも思いついたがあまりにも下らないので言わないでおく。
「飛行機事故に出くわしてね……さすがのあたしも泣いたよ……」
『!…すみませんでした……』
とっさに謝る武美。ソレを無視して話し続ける。
もう笑い顔では無くなっていた。
「自分の好きなノリモノがこれ以上事故起こすのは嫌じゃん。だからこの道に入ったの。でもね……。
武美ちゃんは、まだヒコーキ好き?あたしは、もう、そんな気は、全然無いよ。
好きなものを仕事にしちゃいけなかったね…」
『どうして…どうして、そんなコトを言うんですか先輩…。私は、先輩のことをソンケーしてるんです…。
凄い技術と知識があるのに…、まだ教えてもらってないコトだっていっぱいあるのに。
自分で決めたコトじゃないですか、だったら…うぐっ、それで、ひっく、良いじゃないですかっ!』
顔をくしゃくしゃにしながら泣き出す武美。言葉の論理は破綻している。
頼もしい先輩の痛烈な一言は、テストの点数より堪えるのだ。
一方静菜は幽霊か鬼でも見たかのような顔をしていた。
泣きじゃくる彼女に向かい、一言。
「え〜っと、一応冗談のつもりなんだけど……あははは」
『……』
「純情系の武美ちゃんにはキツかったかな…なんて」
静菜の顔はいつも通りのニコニコ顔。それを半ば殺意のこもった目で見る武美。
演技に引っかかった自分を悔やみながらも、ぶすっと一言だけ言って涙を拭いた。
『……泣き損じゃないですか』
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そんなこんなで帰途につく。
結局、エンジンとその他いくつかの部品だけを譲り受け、機体そのものは使わないことにした。
ヘリの中で、武美は物思いにふけっていた。
さっきの話は何処までウソなのか?
どうしても彼女には全てが嘘だと思えない。あんなに簡単に冗談を作れる人間が居るのだろうか?
……多分、半分くらいは本当なんじゃないかと思う。隣を見れば静菜の寝顔。
そう言えば以前雑誌だったか新聞だったかで読んだことがある。
曰く、人間の言動にはその時の心理状態が反映されているらしい。
それに関係があるのかもしれない。実は悩みの相談…とか?
そんな思考ゲームをやっているうちに、瞼が重くなってきた。抗いもせずに瞑る。
舞鶴へ帰ってきたときには、既に日が傾き始めていた。
滑走路を大きく回り込むようにして学舎へ戻る。7月に入り、いよいよ西日がキツイ。
本日の最高気温29度。雲量1。
『暑いですね…』
「まったく」
眼鏡を外し額を拭いながら答える。こういう日はエアコンの効いた部屋で
不健康に過ごすのが一番だ、というのが正直な2人の気持ちだ。
『ん?フェンスの向こうに誰か…』
「え……ドコ?」
滑走路の外を見ていた武美が声を上げる。よく見れば、自転車を脇に止めた男性が
夕暮れ時の空を見上げている。肩から掛けたカメラが目につく。それに気づいた静菜が猛然と走り出した。
『ちょっ、先輩!』
「ごめーん、すぐ戻る!」
『スグ…って、あ〜もう!』
それを追いかける武美。フェンスに食らいつくようにして静菜がその男性を呼んだ。
「おぉ〜い!コウちゃーん」
『…んん?』
コウちゃんと呼ばれた青年が振り向いて近づいてくる。
『お〜シズナ、元気してた?』
「まぁぼちぼち」
『…こっちの人は?』
追いついた武美に目を向けて聞く。
「こっちはあたしの有能なる後輩の武美ちゃん。武美ちゃん、この仏頂面はコウちゃん。あたしの友達」
『仏頂面は余計だって…。初めまして』
『えぇ!?…じゃこの人が…』
驚いた顔で2人を見比べる。短く刈り込んだ頭と175cmはある体格。オタクっぽくは無いが体育会系には思えない。
『…ミスマッチ…奇形…不釣合…』
ぶつくさと呟く武美。しかし重要なことを思い出し顔を上げる。
『って、先輩の彼氏は飛行機事故に巻き込まれて死んだんじゃ!?』
「あ〜やっぱり本気にしてる……」
頭を抱える静菜。一方コウちゃんは腕組みをしたまま絶句していた。
『……さすがシズナの後輩。初対面の人間をいきなり死人扱いとは…。後輩にどういう教育をしてるんだヨ!』
「あは、あはは…」
『確かに飛行機事故に出くわしたけど……巻き込まれたんじゃなくて目撃したってのが正しいかナ』
真面目な顔をして聞く準備をする武美。フェンス越しのまま話し始めた。
『忘れもしない…99年のリノ・エアレースだ。親がそ〜ゆ〜の好きでサ、気前よくシズナも誘って行ったんだ。
そこで……とある機体がオレの見てる目の前で空中分解しちまったのヨ。』
『……』
『目の前で事故起こされるのなんて初めてだったし、パイロットも死んじまった…。
小学生だったオレ、シズナと2人で泣いちゃったヨ。パワフルな飛び方にただ単純によろこび
その裏にある「悲鳴」が聞こえかった。あんなデカクて速い飛行機が、1つ間違えば
ただのジュラルミン屑になっちまうんだ―――って』
ああ、やっぱり自分の考えは当たってたんだ。胃が詰まるような気分になりながらもじっと聞き続ける武美。
『まぁ、そんなこんなでドツボにはまって2人してヒコーキ馬鹿になって、オレは…』
言いかけたところで、カン高い音が言葉を遮った。
『ヤバっ!おいでなすった!』
ぽかーんとしたまま立っている2人を残し、コウちゃんはダッシュでフェンスから離れていった。
見上げれば、T−3が今まさに着陸しようとアプローチに入ってきた。
カシャカシャとシャッターの切れる音とともに、見事な着陸を決める。
撮るだけ撮ったコウちゃんが戻ってくる。
『いや〜4日も粘った甲斐があったヨ。ここんとこ雨ばっかでサ』
『写真が趣味なんですか』
『ん〜まぁ趣味と言えば趣味やね』
『撮るんだったらT−4とかT−2のほうが良いんじゃないですか?』
『そんなことナイヨ。T−3はあれはあれで味があるし、オレは好きだね』
そう言ってカメラを自転車の隣に置いてあるバッグへ詰め込む。
そしてそのバッグを肩から下げる。
『じゃ、オレもう帰るヨ。またナ』
「あれぇ、サヨナラのキスは?」
人前で恥ずかしがりもせず言い出す静菜。驚く武美。
一方、ため息をつきながら自転車のスタンドを倒し、サドルに跨るコウちゃん。
『そう言う誤解されるようなこと言わないの。武美さんも、また今度』
『はい……また』
自転車をこぎ出す。ものの数十秒で視界から消えていった。
2人は再び滑走路脇を歩き始める。
『先輩』
「ん?」
辛そうな顔で話を切り出す武美。
『やっぱ、私飛行機が好きです。さっきのT−3、昨日先輩に怒られながら整備したヤツですよ。
シリアルが一緒でしたから』
「ふぅん」
『その……、毎日辛いですけど、コウちゃん…さんですか、ああいう風に喜んでくれる人がいるなら
私は幾らでも頑張れますし、嫌いになることもないと思います。だから、もっと喜んで…露骨に言うなら
自分の整備した飛行機を確実に飛ばしてもらうために…もっと多くのコトを教えて欲しいんです、先輩に』
「……」
『だから、嫌いだなんて言わずに、時間と愛情の注ぎ方を教えて下さい』
「フフン」
クスクスと笑い始める静菜。笑ったまま顔を向ける。
色眼鏡を掛けてもクサ過ぎる。しょーもないことを言ったとな、という自覚もある。
「『時間と愛情の注ぎ方』か、カッコイイね……。そ〜ゆ〜台詞を待ってたんだよ。
あんなコト言ったけど……心配しなくてもあたしは一生ヒコーキの虜だよ」
『先輩…』
「じゃ、明日からビシバシしごいてくよ。…覚悟してね?」
『は…ハイ!』
「じゃ、まずは滑走路の向こうまで競争!」
2人とも一斉に走り出す。暑さで汗が噴き出そうだがそんなことはどうだっていい。
結局のところ、彼女たちは飛行の魔力に魅せられている。
果てない大空を飛ぶという魔力に…
如何でしたしょうか。
>>381の設定を生かし切れていないのが
ヒジョーに悔しいんですが、自分の脳味噌ではこれが限界でした('A`)
GJ!
お疲れ様です。
設定を生かし切れていないとのことですが、同じ設定でいくつSSを書いても良いと思いますよ。
一つの設定が一つのSSしか生まないと言うわけでは無いですし。
次回作もお待ちしています。
GJ!!お疲れ様です!!
ふと思った。防女卒のおんにゃのこはどういった男と
付き合うのだろうか・・・・?
957 :
名無し三等兵:2006/07/06(木) 22:38:55 ID:T/oPkRjO
・・・・色々でしょう
某キャットファイト潜入要員みたいに。
ところで、950を突破しましたので投下を願います。
959 :
名無し三等兵:2006/07/07(金) 18:46:48 ID:QMtTA6Jg
ハァハァ(*´Д`)=з
960 :
名無し三等兵:2006/07/07(金) 22:47:19 ID:2RtxBPbw
/ / ,. -r―-- 、 __ ヾ、
/ / / / |:::::::::\::::`ヽ ̄``iー-、 ヽ!
. / / / / !``丶、:::ヽ丶、``丶、__ ノ
/ ,ィ´ / / l\__ `ゝ-、、ト 、::<`/
/ !/ / !\\ ,r=、l::ヽ\::ヽ
/ l / |,.--``ヽ、 f、::} !:::ヽ´\ヽ
ヽ r' 〈| l,r=' 、゙'-'‐ ',\::ヽ ヽ!
ヽヽ ! l 〉 !ヽlヽ:::', いぇぃ
--、、 ヽ l !\ _ l:',::\ヽ!
\```! !`丶ゝ (_j ∧:ト、:::ヽ、
/ヽ l l ' ∧:l!| | ` ̄``
、 / l ト、 / l:!リ |
. ! | l !、:ヽ _ノ l! |
! ノ'/! |::::ヾ` ` ̄/--、____ _ ヽ| ,、_,.、_
`´ l l、丶、\ !‐-,-、,、,_,、`ニ=-―'--tヽヽ- 、_,.、
! !ヾ=- `` >' _ { 、ヽ_ 、} )、
. l ト、ヽ、 ``丶、 〉 !' = ) ,) ',
| !l ヽヽヽ _ `丶 〉 , ')、'_,) !
! | ヽ '⌒ `⌒⌒`'`ー'`ヽ-、__ヽ 〉//、ノノ !
l l {_,、``__,´、_,´ ,.``ー_ ‐-、ヽヽ ( , 〉)}´ }
゙、 l !Y´ヽゝ`ヾ´ヾY´ヽr‐、,.-'ヽ}Yr', ′ /
ヽ ゙、 !| ヽ-r `'`'`'_'´' __`'´_,.-'⌒ljヽ=ォ /
ヽ ヽノ,!⌒ ヾ-'ー' ー'´ `´ l_〉ヽく , ′
ヽ //;、_ 人||__ヽ>'
ヽ ノ/,ィヽ `` | / !j l
\ , '´、>` |! \ ! / !
アニメ・漫画のヒロインはおっぱおでか杉でかんしゃくおこる
次スレは980を突破してから立てようと思いますが皆さんよろしいですか?
あと、スレ伝統のキャットファイト編の続きを待っていますが、書き手さんは
もう居ないのでしょうか?
あと、上のSSご苦労さまでした。
>>938-954 GJ!
キャットファイト編の作者氏は
残りのスレ数、KBとも危険域だから投入を控えているのかな?
今帰宅した。そんな面白いモノではないし、背伸びしすぎて文章メチャクチャなんだけど…
とりあえず
>>130の続き(美少女ファイトクラブ・激闘相撲編だったかな?)を投下させて頂く。不出来は予めお詫び申し上げる。
赤、青、黄に、緑と橙。
色鮮やかな小旗はためく「敗者の殿堂」。
だが目を凝らしてみれば、布切れが旗でないとすぐ分かるだろう。
あのはためく布切れたちは、美少女相撲お馴染みの極細フンドシ。
つい数刻前まで、美少女たちの大事な部分をガードしていた生フンドシである。
フンドシの横には、さわやかに微笑む美少女たちの生写真がズラリ。
生フンドシと生写真を見比べて、悦に入るのが「敗者の殿堂」の趣向なのだ。
悪趣味といえば、これほどの悪趣味も少なかろう。。
富樫からすれば、気を失いたくなるような、おぞましさであった。
(なんてことを…こいつら、ホンモノの変態だわ…)
今にしてみれば、エントリー直前の写真撮影は、「恥辱の殿堂」のためのもの。
「とっておきの笑顔」で、撮影にのぞんだことが、悔やまれてならない。
あの笑顔の生写真と、フンドシがセットで「敗者の殿堂」に晒される。
想像するだけで、おぞましい。
性的に潔癖な富樫にとって、死にもまさる恥辱である。
(あんな風に晒されるなんて…死んでもイヤっ!!)
こうなれば、意地でも勝ち越さなければならない。
たとえ極細フンドシひとつのエロ相撲にせよ、「敗者の殿堂」行きよりはマシである。
とはいえ勝負は水モノである。
いかにエロ相撲でも、勝負は勝負。
秀でたファイターでも、百パーセント確実な勝利などありはしない。
特殊戦要員として、富樫はレディ・ラックの恐ろしさを、身にしみて知っていた。
(何とかなるとは思うけど、万が一勝ち越せなかったら…)
そこで富樫の脳裏に蘇るのは、前回の悲惨な記憶である。
たとえ記憶が風化しても、あの恥辱の味を身体は忘れないだろう。
忍び寄るおぞましさに、富樫はどうにも震えがとめられなかった。
(晒されないためには、とりあえず、勝つしかないわ…)
富樫は悲壮な決意をかためて、土俵にあがった。
対戦あいての「細腰山」は、いたって華奢な美少女だった。
理知的な顔だちもあって、相撲をとるようなタイプには、チョットみえない。
だが「細腰山」は、野獣の目。
血走った目つきに、富樫は一瞬たじろいだ。
(かわいそうに…この娘は負けるともう後がないから…)
この一局で負ければ、「細腰山」は、「恥辱の殿堂」行き決定である。
5勝4敗のせっぱつまった状況が、美少女を野獣へと変えていた。
もっとも同情する富樫にも、他人に勝星をくれてやる余裕はない。
大事な部分を隠しながらの立ち合いである。
胸を腕でガードしながら、グッと腰を落とすのだ。
土俵に拳をつけるのも、苦しい姿勢である。
(あんまり動き回っていると…ハミ出しちゃう)
「細腰山」には気の毒だが、この状態では下手な手加減などできはしない。
一撃でケリをつける。
そのつもりで富樫は、「細腰山」と立ち合うことにした。
勝負はアッという間に決まった。
「細腰山」が、正面からガチンコ勝負に出たとき。
富樫の大胆な回し蹴りが、見事に美少女力士の側頭部を捕らえたのである(※)。
腕を胸にピッタリつけたままにしては、じつに鮮やかなワザのキレ。
狙いすましたインパクトに、たまらず「細腰山」は崩れ落ちた。
長身アジリティを生かした、富樫ならではの一撃必殺といえよう。
めったにない開脚秒殺劇に、観客席は異常なまでにわきたった。
(※)美少女相撲のルールは、何でもアリ。
ただし、目潰し、髪ツカミ…(中略)…噛みつき等々の攻撃は、禁止されている。
が、違反行為をもって、反則負けとするかどうかは、行事・審判団の胸ひとつらしい。
まったくのご都合主義とお考え頂いて、さしつかえない。
いささか、大胆すぎる蹴りではあった。
が、具はハミでてはいないだろう。
とりあえずは、いろいろな意味で、無傷のまま一勝だ。
冷や汗を拭いつつ、富樫は大いに安堵した。
(この調子で勝ち進んで、早く幕内に昇進したい…)
幕内にいけば、胸を隠すブツが貸与される、というのが美少女相撲のルール。
美少女ファイトクラブの性格からして、おそらくはチッポケな布切れか何かだろう。
だがそれでも、胸に何もないよりはマシである。
胸のガードに腕をとられている現状は、いっこくも早く解消したいトコロ。
さすがの富樫にも、ケリ技だけで勝ち進む自信は、まるでなかったのである。
そこでとつぜん、富樫にキツい言葉が飛んできた。
「あなた、そこまで勝ちたいの?」
「えっ?」
言葉の主は、敗北した「細腰山」だった。
いままさに、「恥辱の殿堂」へと連行されるところ。
美少女は、恨めしそうな顔で、富樫を睨みつけていた。
「別に私は…」
「いっとくけど、フンドシから何かハミでているわよ。」
「!!」
みれば、捩れたフンドシの脇から何かイケナイものが。
お手入れしても、油断大敵とはこのことか。
大慌てで股間を隠す富樫に、「細腰山」の容赦ない口撃が始まった。
「わざとらしいわね!!なにいまさら隠してんのよ!!
あんな大股開きで蹴ってきたクセに!!
アンタには恥ってものがないの!!」
「…」
敗者の恨み節に、富樫は一言も無かった。
恥じらいがあるからこそ、足ワザを使った。
そう言いたかった。
が、言えば言うほど相手を傷つけてしまいそうだった。
黙り込む富樫に、「細腰山」は言いたい放題。
半泣きになりながら、失うモノの無い強みで、富樫を責めたて続けた。
「股ひらいて、客たちに自分のエッチな姿を見せつけたいんでしょ?
だったら、せいぜい毛でも具でも、見せつけてやればいいじゃない!!
私には、ぜったいマネできないけど。
せいぜい頑張ってね、ヘンタイさん。
アンタみたいな色キチガイには、女相撲がお似合いだわ!!」
「細腰山」の一言一言が、富樫の胸に突き刺さった。
潜入任務とはいえ、「細腰山」を「恥辱の殿堂」に送り込んでしまったのだ。
残酷な運命をたどる敗者に、かける言葉を富樫はもたなかった。
それにしても、恨み節は残酷だ。
イロキチ扱いというのは、性的には潔癖な富樫には、とりわけよく効いた。
エロフンドシひとつで、開脚回し蹴りの大ハミ毛だ。
「恥知らず」といわれば、富樫にも反論しがたいものがあった。
現実に、客は大喝采の大喜び。
富樫のフンドシ大開脚は、あきらかに客どもの劣情を刺激していた。
(ちがう…そうじゃないの……わたしは……わたしは…….)
唇をかみしめながら、見おくる敗者の姿。
哀れな「細腰山」は、フンドシすら奪われ、恥辱のガントレットへと引きたてられていった。
「細腰山」が走りだすと、観客席は大コーフンの大熱狂だ。
わきあがる下品なヤジと罵声が、富樫の心をうちのめした。
(ごめんね…でも仇はぜったいにとるから…。)
耳を塞ぎながら、富樫は足早に土俵をあとにした。
対細腰山戦のあとも、富樫は順調に勝ちすすんでいった。
勝ち越しどころか、全勝優勝を決め、すぐさま幕内へ。
幕内となれば、待遇は一変する。
控え部屋も、衣装も、食事もなにもかも。
「すべてがグレードアップする」、というのが事前の説明だった。
なかでも富樫を喜ばせたのは、衣装のグレードアップであった。
なんと上の衣装もつくというのだから、ありがたい
(やっと胸を隠せるわ…脚ワザだけでバトルするのも限界だし…
こんな恥ずかしい格好でいるのはもうイヤ…。)
極細フンドシひとつの羞恥バトルに、どうにも慣れない富樫である。
任務第一で、かろうじて耐えてはきた。
が、注がれるあの好色な視線は、耐えがたい。
鼓動は早まり、身体は火照り、脳は沸騰すんぜん。
恥ずかしさのあまり失神しそうになってしまうことも、しばしばだった。
しかし、幕内力士となれば、そんな悶絶羞恥ともサヨナラである。
美少女ファイトクラブのことだからして、きっとエロ系衣装であろう。
察しがつかない富樫ではなかった。
が、エロ衣装でも、まったく無いよりはマシというもの。
胸を隠す衣装をもらえるだけで、富樫は天にも昇る心地であった。
心機一転。
これで心置きなく、任務にまい進できる。
手が自由になれば、さらなる快進撃も可能であろう。
その過程で、「細腰山」の仇もとれるに相違ない。
富樫はかたく信じていた。
幕内控え室は、どことなくスレッカラシな雰囲気だった。
渦巻く新参者への敵意のなかを、勇躍前進。
富樫は衣装の貸与を、牢名主とおぼしき少女に頼んだ。
「ハイ、これだよ。」
「え?」
牢名主嬢から渡されたのは、一個の小さな金属缶だった。
「もう一度言うわね。私は衣装が欲しいの。
幕内力士用の衣装なんだけど。」
「だ・か・ら・これが幕内力士用の衣装なんだよ。
ジョンソン・アンド・ジョンソンのバンドエイド30枚と紙絆創膏一ロール。
イヤならいいよ。裸でファイトすれば?」
たちまち、富樫の顔から血の気が引いた。
そんな小さなバンドエイドで、いったい何を隠せるというのか。
不安を押し殺しながら、いまいちどニタつく牢名主嬢へ声をかけた。
「待って!!こんなモンでぜんぶ隠せる訳ないじゃない…」
「いいや、工夫すればなんとかなるよ。
とりあえず、試してみたら?そこにある姿見のまえでさ。」
ガックリするような残酷な現実。
だが、あるもので何とか工夫するより、他はない。
富樫は、裸になってバンドエイドと紙バンを「試着」することにした。
「試着」の結果は、想像通り。
鏡に映った姿は、男どもの獣欲をかりたてるだけのものだった。
キワドイにもキワドすぎる自分の姿に、富樫は甲高い声をあげた。
「ひどい…これじゃフンドシの方がまだマシじゃないっ!!」
喰ってかかる富樫だったが、牢名主嬢はまるで取りあってくれなかった。
それどころか、ほかの力士連中と顔を見合わせながら、クスクス笑い。
あげくの果ては、ひとつ強烈な追い討ちをかけてきた。
「あーあ、もう使っちゃったんだ…衣装は一場所につき一缶だけなのに。
補充はいっさい無いから、そのつもりでね。
あとそのバンドエイド、耐水性がぜんぜんないから、せいぜい気をつけるんだね。」
控え室は、爆笑の渦につつまれた。
そのなかで、富樫はただ呆然と立ち尽くすのみ。
わずかなバンドエイドと紙バンで、戦い抜くは夏場所十五日の長丁場だ。
迫り来る過酷な運命に、圧倒的な絶望が心を覆い、カラダにワナワナと震えてしまう。
滴り落ちる冷や汗で、早くも一枚のバンドエイドがとれかけていた。
途方も無く貴重なバンドエイドが…。
以降は桃編と田沢編で。
972 :
名無し三等兵:2006/07/10(月) 02:11:29 ID:IoVH2EC8
GJです。
ただ、最後まで読んで一言
「え!これから、みなもちゃん一体どうなるの?」
そこら辺を追加してくだされば・・・・
桃、田沢編お待ちしています。
冗長でメリハリが無くエピソードを追うだけでキャラに個性が無い。
以上
つか、防女じゃなくていいじゃんこの話。
実は同時に諜報部の子も潜入してて、両用の連中をブラフに目的を達成、
ぐらいやらないとらしくない。
>>973 >>974 おいおい、それはあんまりですぜ(苦笑)
作者氏、おつかれさまでした。また期待していますです。
>>973-
>>974 自演乙。自分でも書いてみろアホが。
確かに、諜報系(インテリジェンス系)の話(明、暗共に)が投下されても良いですな。
一番最初に、原案(プロット)としてメイド教官物語があったんだし。
ところで、キャットファイトものはスレ最初か最後にしか投下されないのですかな?
この分だと、田沢編が終了するのはイツニナルコトカ・・・
再考を願います
SS書けもしないアホは出ていけよ。
980 :
名無し三等兵: