>240氏
その通りです。
イージス・システムとは対空/対艦/対潜/対地に渡り統合された戦闘のマネジメント・システムであって、
そもそもこの点で、欧州(の、いわゆる)ミニ・イージスとは比較にならない存在なんですね。
個艦単位のみならず、任務部隊全体の戦闘をマネジメントし、効率的な海上作戦を遂行する能力において、
イージスは、未だに他の追随を許していません。
それだけに、小型化イージスには、少々疑問を生じるんですがね(笑)
>>241 パパ。欧州の海軍は大規模艦隊戦闘の可能性に見切りをつけたのではと考えています。
一方、アメリカ海軍は空母を中心として大艦隊を擁しており、統制システムなしに機能しえない・・・
そして日本はアメリカ海軍と共同歩調を取っていますね。
>トルエン丼
「今の」欧州海軍に、そのような考え方は無いとは言いませんが、艦隊の規模と想定する戦場から、
ミニ・イージスを選択したのは、それはそれで賢明な判断だったでしょう。
何しろ在来艦の防空能力では、たった1隻のミサイル艇の攻撃で飽和状態に陥りますから。
さて、上で任務部隊全体の戦闘をマネジメントする能力について触れましたが、"今"のイージスには
リットラル戦闘に対応した改良もなされています。(B/L6以降)
とはいえ、コレはイージスがテーマとした脅威への対応策の、延長線上にありますけどね。
それは全方位において突如出現する脅威への、即時対応能力です。
>>243 >リットラル戦闘
この単語は初耳。詳細キボン
イージスが空母機動部隊の防空中枢艦として出現した当時、大きな懸念材料だったのは、旧ソ連潜水艦群のUSMでした。
大規模航空攻撃に比し早期警戒が困難で、脅威は全方位に渡って「突然」出現する可能性があったのです。
それは、シークラッタに紛れて高速で突入してくる、非常に小さな目標でした。これが無ければ、あるいはイージスは、
ロシア<ソブレメンヌイ>級のような「イルミネータいっぱい方式」に進む事が許容されたかもしれません。
しかし、現実にはそのような脅威があったために、イージスには、全方位に渡って突如現れる脅威に対して
迅速に、かつ確実に対応する能力が求められていました。それは現代においては、激しいシー・クラッタ、
ランドクラッタを生じる沿岸/島嶼海域において、島影や山影から突然現れる高速舟艇や航空機といった脅威に
置き換わっています。(USMの脅威も中小国に拡散しつつありますが)
それに対応するには、情報取得/脅威評価/対応兵器選定/射撃管制の各段階を一元的に、かつ自動的に処理する
システムを必要とします。
SPY-1はその道具です。海面クラッター、ノイズ、場合によってはECMによって出ては失せる嘘探知、偽探知から
脅威を的確に抽出するには、大口径大出力の位相レーダ・アンテナを必要としました。これにより
1)4面固定式という装備法とあいまって、極めて高いデータレイトを実現しており、出ては消える嘘探知、偽探知と、
実目標の識別を、極めて高い精度でなし得る
2)強力に走査ビームを絞り込み、「針でツボを突く」ような精度で嘘探知、偽探知から目標を識別出来る
これらにの特長に対しては、EMPARが毎秒60回転、SAMPSONが2面x60回転で実質120回転という、在来レーダに比して
非常に高いデータレイトを実現している事をもって、「有為な差を生じない」とする意見も目にしました。
が、実際における上記目標の達成の困難さは、4面固定式のSPY-1ですら走査ビームを複数化してデータレイトを
倍増する改良を施された事が示しています。
まぁぶっちゃけ、リットラルやLIC重視なら、早陳腐化してるのは就役したばかりの欧州ミニ・イージスかもね、という。
50目標同時対処とかゆっても、「見付けた目標のうち50目標を撃てる(ミサイル48発しか無いけど)」と、
「来襲する脅威は確実に見付ける」という事の間には、深くて暗い溝がある事も、理解してもらえるでしょうか(笑)
まぁ「同時対処目標数」については、課題ありますがね>イージス
60隻も揃える米海軍ならともかくも( ̄▽ ̄;