>>33の続き
しかし、丁字戦法だけで日本が勝利をえたのでもなく、総合的に見れば
丁字戦法でなくても日本が勝っていた可能性は高い。
と言うのは丁字戦法で有利なのは側砲の運用が有利だというだけであって
戦艦の装甲は、それまでの火薬ならば耐えれたはずなのである。
ところが、日本はピクリン酸という新型火薬を下瀬海軍技師が実用化した
ので、高温の燃焼ガスによって戦艦の装甲にも穴が明き、高温の燃焼ガスが
ロシア艦艦内に噴出し、それによって可燃物の多かったロシア艦が火災を
起こしたのも勝因です。
ロシア艦隊主力は半年以上の航海で(ビタミンBの発見前でビタミンB欠乏症
「脚気(かっけ)」の原因がわからなかった当時の)ロシア艦隊の兵士は脚気
で苦しんでいたはずで、半年間訓練に専念していた日本側とは命中率・発射
間隔ともに勝負にならなかったそうである。また、船底にはカキやフジツボが
つき、旧式の低速艦の混じっていたロシア艦隊はさらに遅くなっていた。
また、長い航海のための寝具・衣類と旅順への補給物資で可燃物を多く積載し
て火災の原因にもなりました。
>>33-34の続き(その3)
日本海海戦当時の日本艦隊がロシア艦隊に劣っていたように言う人が
多いが、旗艦・三笠は建造直後は世界最強の戦艦だった。
(日本海海戦当時も造船国の英国以外の戦艦では世界最強だった。)
また、波浪性の弱い小型の水雷艇も日本側は地の利から投入できたのは
有利だった。
設立間もない日本艦隊は新鋭艦が多いのも特徴で、半年以上も航海
してきて船底にカキやフジツボつけて遅くなったロシア艦隊と地の利で
仮装巡洋艦でロシア艦隊の位置や隊形を把握していて戦いの主導権を
握った日本側は「丁字戦法」抜きでも勝っていたと思う。