>>732ありがとうございます!
http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1081338122/773-続き 帝国の戦争 特殊機材の搬入・2
馬の足音は、徐々にその音量と数とを増していった。その内に道の向こうに、足音の元らしい馬車が
数台見えてきた。見慣れない型の二頭立て馬車が、護衛の騎兵を従えてゆっくりと近付いてくる。
馬車列がある程度門に近づくと、その側にいた護衛の騎兵が一騎飛び出してきた。
「止まれぃ!」番兵の二人は互いの長槍を交差させ、飛び出して来た騎兵に大声を掛ける。
声に応じて、騎兵は番兵の少し前で馬を止める。騎兵は馬から下りることなく番兵達に言葉を返した。
「私は中央軍第3兵団騎兵小隊長オール!我が小隊は本日の会議に出席する、東方の王たちを
連れ参った!通していただきたい!」
番兵たちはその小隊長を見て、槍の交差を解いて垂直に戻した。二人の見るところ護衛や馬車に
怪しい所は認められなかったし、その小隊長は番兵たちとは顔見知りであったからだ。
番兵たちは内心とは裏腹に、大声で相手に返答を返す。
「遠方からの護衛と案内、ご苦労様でありました!どうぞお通り下さい!」
「かたじけない!では、参りますぞご客人がた!」
小隊長は大声で後ろの御者に声を掛けると、顔を引き締めてゆっくりと進んでいった。
それに続いて、後方の馬車が移動を始める。
番兵たちは謹厳な表情で馬車を見送りつつ、内心で毒づく。
その対象は任務ではなく、小隊長である。