過去のスレッドに関しましては、容量の問題から省略する事とさせて頂きます。 皇式サイトにて、フォローが成されていますので、申し訳ありませんが、ご興味 の在る方は、申し訳ありませんが、其方へといらして下さい。 尚、第18章に関しましては、容量の問題でパンクしておりまして、今しばらく 時間か掛かると思いますので、申し訳ありません。 では、どうぞ本スレを!
「はぁ? 第5旅団がいきなり出撃準備を始めただと……」 その、ある意味で全く予想出来なかった一報に対する岩田の正直な感想は一言。 「馬鹿か…」であった。 言ってから、自分の失言に唇を歪めて苦笑を浮かべた岩田。 「すまない、星野中尉。それで、それはやはり例の醍醐旅団からの放送からなんだな?」 「はい、その通りです。放送中から通信量増大は始まっています」 「正気の沙汰とは思えないな」 「ですが司令、残念ながら噂から聞く崩宮と云う人物であれば、その程度の行動は、 起こしかねない人物であると判断出来ます」 「………身内の馬鹿にも手を焼いていると云うに…」 吐き捨てる様に呟く岩田。 対する星野は、「馬鹿ばっかり…」と云う己の言葉を口中から出すことなく、小さく肩を竦めて、 岩田に対する賛意を示した。 そして参謀長は、何事も無かったかの様に、先程行っていた報告の続きを続ける。 主題は、台湾海峡に於ける一連の戦闘の経緯──りゅうおうが収拾した、各種情報の分析結果が 中心であった。 分析自体は容易なものであった。 どの様な申し開きも出来ない様、はっきりとした証拠が残されていた。 そう、訓練艦隊の司令であった神の名に於いて国防省に上げられた報告では、訓練艦隊が正体不明 の潜水艦によって、一方的に攻撃を受け、その上での自衛行動を行ったとされているにも関わらず、 である。 「今までの所、神准将が桜会に対して直接関わっている様な証拠はありません。ですが…」 「それこそ、かの御仁の性格を考えれば、と云う事か。今回の騒動を気に動いた可能性も在るがな」 ほろ苦い表情で、唇の端を歪める岩田。
「………まぁいい。参謀長それより今は、第5旅団だ。このまま放置していては、洒落にならんぞ?」 「ですな。現状、第5旅団の方が緊急の度合いが高いですな。その本来の指揮官である善行閣下が、 長期休暇をとっておられ、皇居を留守にしていたのが、災いしましたな。これで崩宮殿下の行動を、 抑えられる御仁が、誰一人として皇居に居られないのですから……」 「星野中尉。現状、第5旅団の状態はどうなんだ?」 「はい。北陸戦で極めて甚大な被害を被った第5旅団は、近衛旅団として緊急性が無いため、人員や 装備面での回復は、国防軍部隊に比べて遅々たるものとなっていました。ですが善行少将が着任によって、 それ以降は、各部隊から、善行少将子飼いと呼べる精鋭が集結している為、連隊戦闘団程度の部隊は 編成が可能な程に回復しては居ます」 「その連中は、考慮しなくていい。あの軍人としての分を弁えきった善行閣下の子飼いだ。如何な状況 だろうとも、今回の様な一種の私闘が如き情勢では動くまい」 「でしたら、今回動くのは一個増強大隊──それも普通科のみによる部隊程度だと思われます」 「………その程度か。ならば〈ケルベロス〉隊でも制しきれるかもしれないな」 「司令?」 その言葉の意味を図りかねて、怪訝な声を上げた星野。 だが岩田は、暗い笑みを浮かべたまま、参謀長に対して声を掛ける。 「参謀長、〈タイフーン〉戦隊司令の権限にて、〈ケルベロス〉隊に対して出動準備を掛けさせてくれ。 全ての火器、及び装備の使用も許可だ」 「……皇室に連なる者に銃を向けるのですか。大逆罪に問われる危険性もありますな」 「だとしても、何もせぬ訳にはいくまい。我らは、皇国、そして皇民の安全を護る義務があるのだから」 「まぁ、大丈夫でしょうな。彼等が文民政府からの指令等無い状況下で崩宮殿下の命令で動けば、そして、 銃器を持ったまま彼等が皇居を出れば、彼等は法的根拠を持たぬ、不法な武装集団となるのですから」 陰々とした雰囲気で、語り合う岩田と参謀長。 その時であった。 軽快な打音と共に、厳重な鍵の掛けられていた筈の司令官公室の扉が思いっきり良く開け放たれた。
「岩田司令、大変です」 おっとりとした口調に、幾ばくかの緊迫感を滲ませたて報告してくるのは、タイフーン戦隊司令部付き 艦隊副参謀補佐代理と云う、永い上に今ひとつ意味の分からない役職に着いている蛯原女史であった。 「緊急事態です……って、あれ? どうかしました、岩田司令??」 蛯原女史からの問い掛け。 何かを諦める様な、溜息と共に岩田は、言葉を口内から押し出していた。 「いや、何でも在りませんよ。何でも……」 「そうですか? 顔色悪いですよ。ちゃんとご飯食べてます?? 幾ら六九式教授さん萌々だからって、 岩田司令は只の人間なんですからね、夜遅くまで、妖しげな集会を開いちゃってちゃ、いけませんよ?」 「……何故其れをって、もとい、報告が在ったんじゃないのかね、蛯原君?」 「ああっと、いけないいけない。兎に角、蝗です。舞鶴陸戦団司令部からの報告なんですが、すんごい量の 蝗が日本に、それも東北地方に向かっているって……」 後々に岩田は言う。 それは、まるで何かの始まりのようで在ったと。 だが、今の岩田が抱いた気持ち−感想は、厳重に鍵の掛けられた筈の〈タイフーン〉戦隊司令官公室へと、 造作もなく入り込んできた蛯原女史に対する、ある意味での畏れであった。 −−−でんぱ 第18章でも、半分をUPしましたが、些かきりが悪いと云う事で、 再度全文を掲載します。 申し訳無いです。
6 :
皇女 :01/09/20 03:55 ID:XR92tPF6
じっ、というよりは、もっとずっと懸命に見つめた瞳で。 「もなこは…おにいちゃんも、りょだんちょうさんも、だいすきなのです。 それに、ともえちゃんも、なのです。 だって、だって……」 言いたい言葉を見つけるのにもどかしそうに。 「…んーと…もなこ、りょだんちょうさんの言うようにするのがほんとにいいのか、わかんないのです。 でも、やっぱり、やっぱり、みんながなかよくするのがいちばんいいって、もなこ、思うのです。 それで、もなこ、どうしたらみんながなかよくできるかな、って、がんばってかんがえるのです。 だから、だから…」 ぎゅうと掴んだ裾の手に、大きな瞳から涙がひとつぶ落ちた。
7 :
醍醐旅団長 :01/09/20 04:12 ID:lQkiB//.
>>6 ただ、男は少女の頭を優しく撫でて、
むしろ悲しそうな微笑みを浮かべながら、
無言であった。
…………
…………
…………
…………「なにがよくて、
なにが悪いかなんて、
きっとないんでしょうね」
…………
…………
…………
ぽつりと、男は呟いて、少女をまた撫でた。
「みんな信じるもののために生きて、
信じるもののために死ぬのでしょう。
むしろ、昔のように何も信じないときのほうがよかったのかもしれませんね」
そう、悲しげに言い残して、男は少女に背を向けた。
8 :
醍醐旅団長 :01/09/20 04:30 ID:lQkiB//.
――――旅団長執務室 苦虫を噛み潰したような厳しいの表情をモニターを見詰め続けている。 その目には何も移っておらず、心にはつぶらな瞳の少女の姿が映るのであった。 (とうとう泣かせてしまったな……) むしょうに何か気を紛らわすものが欲しかった。 (関でも呼ぼうか……) とすら考えたが、それはせず、執務室の戸棚の酒瓶に目を向ける。 つ、と立ち上がろうとしたとき、PCのモニターの“まゆら”が告げる。 (めーる届いてるよ〜) 開いたメールにはとあるURLがひとつ。 発進元は彼だけが知る国防軍タイフーン戦隊に潜ませている間諜によるもの。 「ついに来たか……!!!」 ウィンドウに映る黒い影、スピーカーから聞こえる不吉なる羽音の群声。 それは……、今まさに日本海を越えようとしている無数にして無限とすら思える量の、 飛蝗であった……。 彼が萌姫の予知夢を信じつづけて、常に警戒を怠らなかった中国東北部からの飢餓への使者。 萌姫の言う“黒い影”のそれが……正体であった……
9 :
皇女 :01/09/20 04:36 ID:XR92tPF6
ぎゅっ、と口をつむいだまま、少女は真っ直ぐな瞳のまま、 その背を見つめていた。 「…もなこも、わがまま言っていい、って、 りょだんちょうさんはまえに言ってくれたのです。 だから…もなこ…もなこがしたいふうにするのです」 そう言って少女は壇上を降り、 背を向けた彼には、もう振りかえっても見えないところに行ってしまった。 彼の肩が落ち、傍の人間に溜息が聞こえた。
10 :
醍醐旅団長 :01/09/20 04:47 ID:lQkiB//.
――――旅団長執務室 沈思黙考態勢に入る廣瀬。 おもむろに、またインターフォンをONにする。 「私だ。ともえ殿下の身柄は確保できたか? そうか、丁重に応接室にお通ししてくれ。 人払いはしなくていい、一緒にいる者たちも同様でかまわない。 すぐに会見できるようにセッティングしてくれ」 切った後、一人ごちる。 「ふむ……。もう少し北朝を揺さぶってやろうと思っていたが、どうやらそれどころではない事態が起きそうだな。 ともえ殿下の自力脱出とイナゴの襲来を、せいぜい派手に報道してやる事としよう。 天意だ……乱世と混沌は天意であろう。 人為的に乱世を演出してくれようとしたが、その必要もないほどの災厄が今まさに、 収穫を迎えようとしている、最悪の季節にやってきた。 幸い、現在の戦備はそのまま役に立つであろう。 これを天意と言わずしてなんと言うのだっ!!」
11 :
醍醐旅団長 :01/09/20 04:53 ID:lQkiB//.
彼はゆっくりと立ち上がり、夢見るような目付きで、そこにはいない彼のただ一人の主に恭しく頭を下げる。 そして歌うように、朗々とかねてより用意していた言葉を紡ぐのであった。 「殿下……萌之院もえみ殿下……私のただ一人の主君にして萌える女性」 「愛とはなんと下らぬものか、と考えていた私に、 愛以外とはなんと下らぬものだと、思わせて下さったのは、 殿下、他ならぬ貴女でした……」 「ようやく受け取っていただけるようです、私、この廣瀬の狂恋の証を……」 「焦土と化す皇国、死に行く兵士たちの悲鳴、流浪する難民たちの群、 これらは全て私が捧げる殿下への花束です、 貴女を輝かせるのは業火と死臭、そして狂える一人の男。 私は貴女に相応しき時代の幕を開けましょう」 「そして、ともに手を取り合い行きましょう“血塗れの花嫁”たる萌之院もえみ様! 貴女が歩むは焦土と死臭と狂嵐が、 血の色を描いて辿る”ヴァージン・ロード”! しかし、その向こうに待ち受ける夫の名は廣瀬宅雄にあらず! 即ち……」 「……乱世」
12 :
黒の悪夢 :01/09/20 12:40 ID:9Iz9hZFM
−秋田県仁賀保市− 河川の土手沿いの細い道にヤンマーの赤いコンバインにのり行動を移動する初老の男性の姿がある。 秋晴れという言葉がしっくりとくるような晴れ空が広がり、川辺では近くの中学生がイモ煮会をしている。 黒長靴に麦わら帽子、汚れてもいいように厚手の色気のない上下の服を着、往年の名曲『上を向いて萌えよう』を口ずさむ。 進行方向から背中を丸め小さな身の丈の半分の大きさの篭に取ったばかりの野菜を大量に詰め込んだ老婆が見える。 コンバインが近くによると男性は進行を止めた。聞こえるように大きな声で話しかける。 「ばっちゃ、きょうも、うりさいくだがや?」 頭にほっかむりをした丸い顔の老婆はしわくちゃの顔を上げると、入れ歯の位置を直すためにもごもごと口を動かしてから答える。 「んだ。ほれ、だいごんだ。ぐえや」 老婆は無造作に大根を一本篭から抜き出すと男性の方に葉っぱの方を向けぐぃっと押し出した。 男性は慣れた手つきで添えを受け取りコンバインに据え付けてあった後ろの篭に入れる。 「いつ”もすまねなや」 「んにゃ」 老婆はやはり口をもごもごさせる。 今度は老婆の方が先に口を開く。 「ごどしは、どないだ?」 男性がコンバインの上で両腕を組んで答える。 「ことしゃ、あづがったけんど、われ米もおおいでとってみねぇどわがらん」 「ぞが。おおいといなや」 「だな。ばっちゃ、まだな」 そう言って男性がコンバインを進めようとしたその時… ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん まるで何か試作された戦闘機のような音が男性の耳に入った。 男性が音の方向を向く。するとそこには低い位置を高速で近づいてくる黒い雲が見えた。 どんどん大きくなるその音に今まで聞こえていた音がどんどんかき消されていく。 老婆が今まで隠れていた目を見開いて呟いた。 いつもは聞こえにくい老婆の小さな声だが、このときだけは男性にはっきりと聞き取れた。 「…なご…」 黒い雲が世界を覆った。 男性が何か話す。聞こえない。 泣きながら逃げまどう中学生達。 身をかがめて頭を両手で覆う老婆。 ぼぅん 排気口に大量に進入されたコンバインが廃熱で壊れる。 ぎゃぁあ 川の方から中学生だろうと思われるすさまじい悲鳴が聞こえるが男性からは見えない。 男性の耳の中に黒い雲の一つが入ってくる。 絶叫しながら男性がそれを取り除こうと暴れる。 瞬間、見開いてしまった男性の目にその黒い雲が一瞬笑った人の顔を形作ったように見えた。 男性の世界が急激に暗く、小さくなっていく。 自分の頭が地面にぶつかる音だけは何故か善く聞こえた。
13 :
練馬駐屯地 :01/09/20 12:48 ID:FaT54PIA
「東條幕僚長、腹を括ってもらいたい。 あなたは、この祖国の危機に、帝都の守護に責任を持つ東部方面軍の幕僚長として思うところはないのか」 「……無論、自分としても現状は看過できることではない。到底、失態を重ねる首都警に治安を委ねることなどできん。 しかし、だ。陛下はそれを望まれるのか。 今上陛下は、もなこ殿下は、国軍が独断で動き皇国に軍事政権を樹立することを是となさるのか」 「崩宮殿下は、第五旅団に征討令を出されたと聞くぞ」 「普段、かの御仁を呼び捨てにしている貴様がよくも引き合いに出していう……」 「この機に利用できるなら、なんだって利用してくれるさ。 東條幕僚長。認めよう、いずれにしても叛徒どもを鎮圧することなど容易だ。 しかしだ、帝國が今の惰弱な国家のままに世界的な動乱の時代を迎えるか、或は新たな強国として独立を維持し、地域に覇権を唱えるかはあなたの向背にかかっておるのだ。 貴様なら、例え陛下のご聖断に一時反することになろうと、帝國の未来を見据えて行動できる男だと後輩として信じているのだ」 「中将閣下。口を差し挟むことは失礼だと重々承知しておりますが、かの御仁に指揮命令の権限などありません。 我らは陛下を大元帥として、その全権を委ねられた首相の指揮下にあるのであり、けして」 「黙れ! 俺は東條幕僚長と話をしておるのだ、貴様ごときが口を挟むな!」 「……お言葉ですが」 「良い、井田中佐。 ……済まんが、武藤、時間をくれ。自分には、陛下の意思は絶対なのだ」 「中将! 時間などないのだぞ! 支那は内戦に陥り、列強は東亜に再び支配の手を伸ばしておる。 そして我が皇国は、皇統を僭称する匪賊どもの手によって内戦状態だ。 帝國が支配者の側に回るか、被支配者として零落するかはまさにこの一瞬にかかっておるのだ!」 「時間をくれ。なぜ自分に前もって連絡をくれなかったか。 無茶な要求ではあるまい」 「……承知した。できるかぎり、早くの決断をお願いしたい。 事態は切迫しておるのだからな」
14 :
都内某所 :01/09/20 13:00 ID:FaT54PIA
「東條中将は時間をくれだと」 「誰だ、あいつは愛国者だから、話を持ち込めばすぐだなどと言ったのは」 「小心者だからな、あの男は。無理もない」 「どうするのだ。東部軍命令を出せなければ最初の段階で躓くぞ」 「かまわん、いざとなれば手持ちの駒だけで十分だ。 この叛乱騒ぎの時に皇軍相撃つという事態は起こるまい、戦闘が起こるにしても首都警を制圧する時だけだろう。 主要なポイントを制圧したら、先生方を擁立してすぐに臨時政府宣言。 これですべて終る」 「しかし、万が一市街戦になったらどうする。横須賀の陸戦団の動きが読めんぞ。 御殿場の第三四普連や第一戦車大隊の調略も不調だというのに」 「やはり東部軍命令が必要だな。東條中将の決断をいそがせんと」 「支那のほうの動きも睨まんと。徐州から北軍の主力が動いたって情報も」 「こうなると、そこまで手が回らん。政府を掌握してからの問題だ」 「では満州も」 「そういうことだな、蜂起は待たせろ」 「では上海の土肥原に……」 「おいっ、テレビを付けろ、ニュースを見るんだ! 洒落にならんことになっとるぞ!」 「なにごとだ、騒々しい」 「なんだ? なにがおこったと…………うっ」 「これは……」 「なんたることだ。なんたることだ。 いやしかし。これも好機か。 少なくとも、社会不安は増幅される。素晴らしい……天佑と、呼ぶべきであろうな。 犠牲者には不幸なことであるが」
15 :
葛城 :01/09/20 17:24 ID:iCqs5LzI
何処にでも伝説の一つ二つはある。 それが怪異で有れば有るほど人に覚えられ長く伝えられる。 その昔、西洋童話に「隠れんぼ原っぱ」と言うモノがあった。 貧しい少年がある日「自分で移動する」原っぱを見つけ何時しかそこに入り浸るようになる。 そして、その原っぱの縁により土地を得て幸せに暮らすという童話だ。 また、日本にも同様の童話がある。「時計台の有る公園」 いつでも、何処からでも思い描くだけで行くことの出来る秘密の公園がある。 そこは自分たち以外は誰も知らず、また、呼ばれたモノしか入れない自由な場所だ。 ただし、その公園には看板がありこう書いてある。 『午後5時以降は、ここにはいてはいけません。さもないと…』 近年、新しくできた都市伝説が在る。 『BARみなぎ』 空き地が在れば、何処にでも現れる。 時間がかみ合わなくても話が出来る。 時には死んでしまったモノにさえもあえる。 何をするも自由。ただし…ひとつだけ聞いてはいけない質問がある。 それは、 「どうしてマスターは猫なんですか?」 聞いてしまったモノは…… −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ごりごりごりごり と石が動き薄暗い通路が現れる。 提灯を持った葛城がそのむき出しの石の上を歩いていく。 「思ったよりも早かったな。おかげでかなりの部分が間に合わなかったが致し方ないな」 上下左右全てまるで城の石垣のような人一人がぎりぎりの通路をゆっくりと進んでいく。 次第に下り坂になっていく。 まるで何処までも下っていくような不思議な坂。 そこを葛城は進んでいく。 不意に通路が終わり石の壁が行き止まりを告げる。 「ふむ…」 右手の石を見ると菊の紋がある。 葛城が押してみるとすっぽりとくぼみ重い音と共に右手に通路が開いた。 「してトラップか。六九式殿、ずいぶんと凝ったモノだ」 そのまま特に特長のない正面を見つめ口を開いた。 「ヒフミヨイムナヤコトモチロラシシキル イツツワヌソヲタハクメカウオエニサリ ヘテノマスアセエホレケイ」 正面の石が少し後ろに下がり、軽いモーター恩と共に横にスライドする。 「趣味が解る作りだな」
16 :
葛城 :01/09/20 17:27 ID:iCqs5LzI
そのまま葛城は正面に進む。後方で自動扉が静かに閉まる。 目の前にはもう一度今度は古風な木で出来た扉が見える。 ドアを正面から見据え無造作にノックする。 「葛城だが」 がちゃり と鍵が開く。 やはり無造作に扉を開くと葛城は中に入っていく。 中には大小さまざまな機器類が置かれていた。 インゲージランプが様々に点灯する。 その中の一台の前に無造作に座る。 机の前には透明のパネルが設置されておりシフトJISキーボードの絵柄がその上にかかれていた。 葛城の手がその上を滑る。 ヘボン式ローマ字で入力された文字が一度ヘブライに変換され再度字句変換を抜けてひらがなへと変換される。 3方向から投影された図が一点で焦点を結び文字を浮き上がらせる。 「心(こころ)は幻(まぼろし) 現(うつつ)は心(こころ) なれば幻(まぼろし)は又 是 現(うつつ)なり」 浮かんでいた赤い文字がまるで金色の雪のように色が変わり砕けて散っていく。 代わりに、部屋の全体から女性の声が振りかぶってくる。 「わたくしは始まり わたくしは世界 わたくしはゲンザイ わたくしはいつかの幻 わたくしは誰?」 葛城が一言で答える。 「おかあさん」
17 :
葛城 :01/09/20 17:41 ID:YMNnywqI
「なにかご用ですか」 中空に投影された女性は静かに問いかける。 「早速で申し訳ないが『西の災厄』に付いての情報を収集して欲しい。」 「現在このNETは通常インターネット、及び一般のメディアを情報ソースに しています。信頼性は37%未満ですけれどもよろしいですの?」 「お願いする」 本来は必要はないのだろうが虚像の女性が目を閉じる。 「日本海を越えて飛来した蝗は推定2億。 数については正確なところが取れませんので全情報の統計期待値を取りました。 初期上陸確認地点は秋田県仁賀保市。ファーストコンタクトは専業農業の間 邦夫。無職 桜井 ひで。 それと市内にある後丹波第一中学校の教諭 3名と生徒 87名です。 現在、火傷で中学生3名が入院。その他数名が蝗が体内などに入り耳鼻科などに入院しています。 初期は南下していた蝗ですが現在は時速15qで北東に向かって進行中ですわね。」 「ふむ、それは自転車並の速度だな。少々早いのではないだろうか?」 「そうですわね。蝗は瞬間時速30qという情報もありますわ。 一説には気象異常による奇形の大量発生説も在ります。」 「政府の対応は?」 「乱れていますわ。元々首都警と国軍との確執。 南朝の宣言に反応した崩宮様の第五旅団への征討令に対する諸々の反応。 ……今入った情報ですと連立与党の中のおこめ党が宮内庁長官である 崩宮様の免職を内閣に迫りましたが総理はこれを拒否。 おこめ党は内閣不信任案を民族主義党と共同提出しましたが、 これに対して民主共産党が「東北にて国家の危機時に政権を狙った 不信任案には取りあえず反対」との姿勢を表明。 松屋屋の持ち帰り牛丼を食べながらの『21世紀型牛歩戦術』で国会審議を中断。 国会は現在機能停止に追い込まれていますわ。」
18 :
葛城 :01/09/20 17:43 ID:YMNnywqI
「…なにを考えているのだろうな。」 「本人達に聞いてほしいですわね。 少なくとも、新潟復興時にも帝都核投下時にも完全に後手に回った政府ですわよ。」 「そしてその不信は皇統にまで及ぶ…か。やってられんな。 次の問だ。現在ここと、BARみなぎ、カテドラルに設置されたフレームが稼動しているわけだが 現在の機構で一スレッド一回の『皇魂術式』は使用可能だろうか?」 「可能ですわ。ただし『紫陽花』のフレームがまだなく、ここも未完成なためロードキープが不安定ですわ。 本来一スレ3名までとう限定が1名に限定されてしまいますけれどもよろしいのですか」 「構わない。可能な範囲で走らせておいてくれ。 それと皇魂書から翻訳の終了したモノから順に待機させておくことにする」 「わかりましたわ」 「一次運用に当たってこの機構の操作権限の変更を行う。東朝 『係』 継承者 七名。 当代四皇女、善行 忠孝、廣瀬 宅雄、みなぎ、六九式@教授、六九式@黒二重羽織 計16名に自滅術式を含む全権限を設定。 認証は入れておいた個人情報に基づき総合判定にて一致率80%以上。 その他のモノが直接参照した場合は一般回線の情況の参照権限とする。」 「かまいませんけれども、そのまえに禁句(自爆コード)が必要ですわよ」 「そうだな。なれば『**********』ではどうかな?」 「『**********』。ですわね?」 「そうだ。」 「完了しましたわ。その他に御用事はありますか?」 「いや、特にない。流石に長くあけすぎたので戻らねばならない。」 「そうですわね。いってらっしゃい」 葛城が一瞬沈黙する。 「そうだな、又の機会に逢おう」 小さく頷くと虚像がかき消え部屋は初期の静けさを取り戻す。 そして、誰に言うともなく呟いた。 「…確かにそうしてくれと頼んだのは私だがな。少々似すぎているぞ。六九式殿」 暗い部屋にインゲージランプだけが点灯していた。
19 :
醍醐旅団長 :01/09/20 19:17 ID:H91XriGU
「……ですから、現在、国会は機能停止、内閣は国会対策に追われるばかりで、 まったく東北の災厄に対する手を打てないでいる。 さらに国防軍も二派に分かれて、勢力争いを繰り広げている始末です。 このままでは東北は愚か、皇国自体が彼らと命運を共に……すなわち自滅するのみです」 「だが、私にその先鞭をつけろというのかね? 廣瀬くん」 「幸い先だっての“フロート・テンプル”計画により、東証の機能を初めとする、 経済における首都機能の移転準備は始まっております。 大阪府知事に貴方を選んだのは文民政府ではなかった筈です。 選挙によって選んだ大阪府民たちではないのですか?」 「このまま座したまま、その府民達を滅びに向かわせるわけにはいかない……、か」 「ご決断を……大阪府知事 桂三枝どの」
20 :
醍醐旅団長 :01/09/20 19:43 ID:MLpgKykY
我々は飛蝗の来襲により北朝に宣戦する機会を失った。 これは平和を意味するのか? 否! 始まりなのだ! 北朝に比べ我が南朝の国力は100分の1以下である。にも関わらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か! 諸君! 我が南朝の戦争目的が正しいからだ! 一握りのエリートが世界にまで膨れ上がった萌えを支配して数ヶ月、吉野に住む我々が萌えを要求して、 何度北朝に踏みにじられたかを思い起こすがいい。南朝の掲げる、国民一人一人の萌えのための戦いを、神が見捨てる訳は無い。 皇国の皇女、諸君らが愛してくれた萌宮もなこ殿下は泣いた、何故だ! 情勢はますます混迷の度合いを深めている。 諸君らはこの情勢を対岸の火と見過ごしているのではないのか? しかし、それは重大な過ちである。 北朝は聖なる唯一の萌えを汚して皇国を牛耳ろうとしている。我々はその愚かしさを北朝のエリート共に教えねばならんのだ。 もなこ殿下は、諸君らの甘い考えを目覚めさせるために、泣いた! 戦いはこれからである。 我々の軍備はますます復興しつつある。北朝とてこのままではあるまい。 諸君の戦友たちも、北朝の無思慮な抵抗の前に死んでいったのだ。この悲しみも怒りも忘れてはならない! それをもなこ殿下は涙を以って我々に示してくれたのだ! 我々は今、この萌えを結集し、北朝に叩きつけて初めて真の勝利を得ることが出来る。この勝利こそ、戦死者全てへの最大の慰めとなる。 国民よ立て! 鬱屈を萌えに変えて、立てよ国民! 南朝は諸君等の力を欲しているのだ。 全国の萌える民たちよ! 今こそ蜂起して萌えの独立と自尊と自由を勝ち取ろうではないか! ガッチリ・ガーター!!
21 :
哀号旅団長 :01/09/20 20:16 ID:MLpgKykY
やったニダよ! 中国東北地方の飛蝗がウリでなくイルボンに向かったのは、まさにウリナラの希望ニダ! イナゴばかりでなく、我が旅団のパクリの旅団が無茶やって、イルボンはもうメチャクチャニダ! 今こそチョパーリどもに日帝36年の復仇を思い知らせる絶妙の機会ニダ! ついに我らアイゴー旅団がウリナラの尖兵として、東海を渡るときが来たニダ! 今から大統領閣下に進言してくるニダ! この機会を逃したら折角購入した空母もなにもかも無駄になるニダよ! チョパーリどもに我らの“恨”の精神を叩き込んでやるニダ! ウリナラマンセー!
さしたる調度品の置かれていない執務室。 華美なものは一切無い。 部屋の主が性格を反映した、全くもって機能的なものに統一されていた。 「政局は混迷ば深めちょっどな……」 (訳/政局は混迷を深めているな……) 誰に言うことも無き呟きを発したのは、壮年─そう評するには、まだ幾ばくかの 若さを漲らせた男であった。 仕立ての良い背広を着込み、隙の無い姿勢で椅子に腰掛けている。 その視線の先。部屋の片隅に置かれた14吋TVは、機能不全の様相を呈してきた 国会と、東北に降り立った、未曾有の規模の飛蝗群に関する情報を垂れ流していた。 嘆息。 顎先をゆっくりと撫でる。 「政府は北陸ん戦が経験を生かしきれんかった訳じゃっどね………間抜けなこっに、 或いは、危機意識ん無さじゃっかもな」 (訳/政府は、北陸戦争の経験を生かしきれなかった訳だな。間抜けな事に。或いは、 危機意識の無さかもしれないな) 明確な嘲りを込めて呟く。 その言葉に、それまで男の傍らに佇んでいた妙齢の女性−秘書が口を挟む。 「宗秋様も加わった、危機管理に関する首相の諮問機関が在った筈では?」 「ジェラルディン、二人だけん時は様付けは良かど。そいにな、あん諮問機関んしは、 最悪ん事態を想定すっこっを嫌がっ様なしじゃっがた。北陸ん時ぁ原発ん抑えられっ 様な事があったとにじゃっど?」 (訳/ジェラルディン、二人だけの時は様付けは要らないよ。それにね、あの諮問機関 の参加者は、最悪の事態を想定する事を嫌がるような人間達だった。北陸戦争の時には、 原発が制圧されると云う事が在ったにも関わらずだよ?) 辿々しい日本語での質問を発した女性の名は、ジェラルディン・ヒース。 対する男の名は萌山宗秋。 鹿児島選挙区から選出された、与党衆議院議員である。 「支那ん内戦に台湾海峡が騒動。醍醐、第5旅団と崩宮殿下ん不和─こいは内乱が危険性が あっどね。そいに東北地方へ降りった飛蝗ん大集団。平和ボケんしが限界は超えちょろう がよ」 (訳/中国大陸での内戦に台湾海峡の騒動。醍醐、第5旅団と崩宮殿下の不和─此は内乱の 危険性が在るね。それに東北地方へと降りた飛蝗の大集団。平和ボケをした人間の限界を 超えているよ) 憂いを帯びた、ジェラルディンの言葉。 対する宗秋の言葉は明瞭極まりないものであった。 「………争乱になるのでしょうか?」 「なっど。こんままじゃと、まず間違いなかな」 (なるよ。このままでは、まず間違いなくね) ジェラルディンの耳には、秒針が刻む時の音が奇妙な程に大きく聞こえていた。
>21 お前は馬鹿ニダか!? 今、チョッパリに喧嘩を売ってみろ。分裂寸前の国情が、外敵を得たことによって、 団結する危険性があるニダ!! ウリとてチョパリは憎いニダ! だが、今は耐えるときニダ!! 心の内に潜む、恨精神に乗っ取り、今は友好国の如く振る舞って、チョパリの油断を 誘う時ニダ!!! 一大海軍建設計画も、三年後には目処が立つニダ!!!! その時にこそ、ウリナラは日帝36年の屈辱を晴らすニダ!!!!! ウリナラマンセー!
24 :
醍醐旅団長 :01/09/21 09:20 ID:VlGVLD2o
おう、参謀長か。 ふふふ、どうにも深刻な表情だな。 あまりにも突然の私の決起に驚いたか? だがな、心は清々しいぞ。 今回、どうしてこうも無謀とも言える挙に出たか、いろいろ理由があるがな。 最近、本を読んでいてこんな一節を目にしたのだ。 「世の中には善人と悪人、そして小人がいる」のだそうだ。 小人というのはわかるな? ああ中国ではもっとも侮蔑される類の人間だ。 その説明としてこうある。 「小人とは尻切れトンボの意見をまくしたてる人。 こそこそせかせかして落ち着かず、飽きっぽく、そのくせ賢く立ち回り、 ひとたび失敗すればすぐにうなだれる。 こんなのに限って天下国家などとわめく。 いやしく多く食らい、惰眠をむさぼり、肉欲の海に溺れ、徒に過労し自分を病ましめる。 自分の過失を人や社会のせいにし、言い逃れの思想を口にする。 そしていよいよ追い詰められると神妙になり、神に伏して祈る」 痛かったよ……本当に痛かった……。これは最近の私そのものだ、と。 ここ最近の私は、政情や軍事バランスを憂慮するあまりに、もっとも大切なものを見失っていた。 そのくせ萌えが足りないのを他人のせいにして、不満を抱えつつ吉野に逼塞していたのだ。 考えも足りない、軍事オンチだ、カリスマ性があるわけでもない、もとより人間性は問題外だ。 そんな私が醍醐旅団長として旅団の兵士たちを率いて来られたのは、ひとえに私が誰よりも萌え、そして行動する男だったからではないか。 私は恥ずかしかった、そして先だっての鎮魂祭のときに死んだ兵士たちに会って、思い知らされた。 私は問うた。 「お前達は今でも萌えているか?」と。 しかし、どうだ? 今までの私はただ単に吉野の山奥で、内輪なる萌えに遊んでいただけの事。 かつての世界をも揺るがすような一心腐乱の萌えはどこにもない。 萌えない旅団はただのオタクだ。 状況も事情も弁える萌えとノリこそが我ら南朝の本領ではなかったか? 世界の安定と皇国の安全が欲しければ、今すぐにでも私を撃つがいい。 ははははははは……。 善行閣下はどうしておられる? “あらゆる便宜を”と言った筈だがな、なにもいつものように大袈裟に富士教導団だの第一空挺団だの動かす必要はないではないか(笑) ピストルでも持って私に正対すれば、おのずと事は済むであろうにな(笑)
25 :
出萌の表 :01/09/21 10:43 ID:VKJZtoaw
臣宅雄申す。 南朝、創業いまだ半ばならずして、中道に決起せり。今天下二分し皇国は疲弊す。 これ誠に危急存亡の秋なり。然れども待衛の臣、内に懈らず、萌志の士、身を外に 忘るるものは、けだし殿下の殊遇を負うて、これを殿下に報いんと欲するなり。誠 に宜しく聖聴を開張し、もって後醍醐帝の遺徳をあきらかにし、志士の気を恢広す べし、宜しくみだりに自ら菲薄し、喩をひき義をうしない、もって忠諌の道を塞ぐ べからず。 南朝並びに醍醐旅団は倶に一体たり、臧否を陟罰し、宜しく異同すべきにあらず。 もし姦をなし、科を犯し、及び忠善をなすものならば、宜しく有司に付して、その 刑賞を論じ、もって、殿下の平明の治を昭らかにすべく、宜しく偏私して、内外を して法を異にせしむべからず。 醍醐旅団参謀長・萌原・萌山等は、これみな良実にして思慮忠純なり。これをも って、本朝簡抜して、もって殿下に献ぜり。愚おもえらく、宮中のこと、事大小と なくことごとくもってこれに諮り、しかる後施行せば必ずよく闕漏を裨補して広益 するところあらん。 醍醐旅団偵察連隊「大塔」連隊長醍醐旅団中佐@ピンヒール付黒リボン は、性 行淑均軍事に曉暢し、昔日に幾度も奮戦し、臣これを能と痛感せり。これをもって 衆議、彼をあげて督となせり。愚思えらく、営中の事大小となく、ことごとくこれ らに諮らば、かならずよく行陣をして和睦し、優劣をして、所を得しめん。 賢臣を親しみ、小人を遠ざけしは、これ本朝の興隆せし所以にして、小人を親し み、賢人を遠ざけしは、これ西朝の傾頽せる所以なり。本朝創設しましとき毎に中 佐とこの事を論じ、いまだかつて桓霊に嘆息痛恨したまわざるはあらざりき。参謀 長、「大塔」連隊長、三木一草これことごとく貞亮死節の臣、ねがわくは殿下これ に親しみこれを信ぜよ。すなわち南朝の隆んなる、日をかぞえて待つべき也。 臣はもと商扈、みずから営業に奔走し、いやしくも性命を皇国に全うし、聞達を 各朝に求めざりしに、殿下臣の卑鄙なるをもってせず、猥りにおんみずから萌えさ せたもうて、ひとたび臣を御所に招きたまい、臣に諮るに今生の萌えをもってした もう。是によりて感激し、ついに殿下にゆるすに駆馳をもってす。後、傾覆にあい、 任を敗軍の際にうけ、命を危難のあいだに奉ぜしめ、爾来五年矣。 南朝各員、臣が謹慎なるを知る、故に奉ずるにのぞみて、臣によするに大事をも ってしたまいぬ。命をうけて以来、夙夜憂歎し、付託の効あらずして、もって殿下 の萌を傷つけんことを恐る。故に、先年、吉野を越え、深く関西に入れり。いま皇 国すでに定まらず、北朝が兵甲これを治るにあたわず。まさに南朝こそ三軍を将率 し、関東を定む庶わくは駑鈍を竭し、姦凶を攘除し、南朝を復興して、帝都に還し まつるべし。これ臣が南朝に奉じて、而して、殿下に忠なる所以の職分なり。 斟酌損益し、進んで忠言を尽くすにいたりては、すなわち、参謀長、中佐の任な り。ねがわく殿下下臣に託するに、討賊、興復の効をもってせられよ。効あらざれ ば、すなわち臣の罪を治め、もって後醍醐帝の霊に告げさせたまえ。もし興徳の言 なきときは、すなわち参謀長、中佐、臣等の咎を責め、もってその慢を顕わさせた まえ。殿下また宜しくみずから謀りもって善道を諮諏し、雅言を察納し、ふかく後 醍醐帝の遺詔を追わせたまえ。臣、萌恩をうくるの感激にたえざるに、今まさに遠 く離れまつるべし。表に臨みて、涕泣おち、言うところを知らず。
「なにかんがえとるんじゃい!」 国会の民主共産党の部屋に怒声が響く。 『おいしい蝗の調理方法』という本をのぞき込んでいた開いていた幹部メンツが硬直する。 「い、いなご」 「そのはなしじゃないわい!」 いつもは仲の悪い幹部の面々が一斉に手を取り合い後ろに下がる。 「じゃ、じゃぁ、佃煮?」 「たわけ!!衆議院の馬鹿どものことじゃ、誰じゃい、あんな馬鹿な指示を出したのは!」 おそるおそる数人が手を挙げる。 塩山が手を挙げた者の鼻先に杖の先を向ける。 そのままの姿勢で不意に静かに問いかける。 「ほぉ、牛丼とかけて21世紀牛歩か。おまえさんらにしては、まだましな名前じゃな」 こくこくと頷く幹部面々。 「何時決めたのかのぉ」 にこやかに塩山が問いかける。 少し安心したのか一人が答える。 「…このまえ、みんなで『仲直りしよう@松屋』の時に反帝反スタ、造反有理、革命無罪、 世界同時革命っていう標語で全員一致したときに…」 「ほぉほぉ…」 塩山が大仰に頷いてみせる。 「……で、塩山さんが病院いってるときに急にああなって、取りあえず反対してみようって おもったら急におこめ党が反対に入ってきたから、もう一度はんたいしてもよっかなぁ…と… でも…数がたんないから…」 「たわけがぁあ!」 「「「「ひぃ!」」」」 塩山が杖を一番近くにいた者の目前に突きつける。 「主義主張も無しにやったのか、おぬしらは!おかげで参議院から送った東北の蝗への 緊急対策関連法案もとおらんではないかっ! 賛成するならする。反対するなら反対するではっきりせい、牛歩などもってのほかじゃい。 きまらんのじゃったら、さっさと党議拘束をとかんかい!」 「「「「は、はいぃ!」」」」 幹部がそれぞれバラバラの方向に散っていく。 うっかり行き止まりの方向に散った幹部がわたわたしながら方向を変え後を追いかけていく。 一人幹部が残り汗をたらたらと流して塩川の方をみている。 「おまえさんは、いかんのか?」 「…塩川さんと同じ…さ、参議院議員ですから…休憩…です…」 「………そうじゃったな…まいったのぉ……こう立て続けに来られるとは………… …どちらも手遅れじゃわい……嬢の所も割れてるようじゃし…萌黒の馬鹿兄弟がここぞ とばかりに政争の具にしおった…」 塩山が近くにあった椅子に座り込む。 「…人民の国の危機だというに……これでは後手の後しかだせん……なさけない…」 ため息を付くと塩山は新聞を手に取る。そこにはフロートテンプルの話が載っていた。 「船でもない鉄の板が水に浮くわけがなかろうに…まったく、今時のわかいものは……」 「……………………………………………………………」
27 :
民主共産党 :01/09/22 04:24 ID:whLxpADU
「反帝反スタ!」 「造反有理!」 「革命無罪!!」 「よって書記長ポストものっとりオッケー!」 『待ていこら、クロダカクマル』 「……なんだ、なんか問題があることをいったか? 同志ハザマ私兵グループ」 「その呼び方で呼ぶなっ、反革命カクマル!」 「そういや、話題沸騰の腹妖子たんって解放派系の学生組織と関係があったんじゃなかったっけ」 「いやそれはどうでもよくって」 「リアルじゃあんまりどうでもよくないが……」 「っつーか、早く対応検討の本題に移れ」 「だから蝗を食用に供すればどうかと」 「またその話に戻すか、『北』帰り」 「あっちじゃ普通に食ってたし。食料ないから」 「むぅ、では北の革命同志へ緊急の食糧援助を」 「この状況でかっ!」 「何を言う、困っている同朋を助けるのは社会主義者の義務だろう」 「状況がこうじゃなければな」 「その代わりに革命蜂起のための武器を……」 「まだ武力革命目指してるのか、貴様は」 「……貴様、革命に熱心ではないな? やはりブルジョワの手先か、代々木の走狗めっ!!」 「なにをぅっ!? らでぃそのテロルにすら賞賛の意を表した貴様ら中核がデカイ口を叩いてんじゃねーyo!」 「んだこらぁっ! やるかぁっ!?」 「面白い、表に出やがれ!」 「……」 「どうしましょう、書記長」 「い……」 「い?」 「いそみたんハァハァ……(; ´Д`) 」 「現実逃避かい」
28 :
C国指導部 :01/09/22 05:08 ID:whLxpADU
萌豹「しかし、大変なことになってるみたいアルな〜。一体これからどうなるアルか?」 萌恩来「他人事みたいに言ってるんじゃないのコト……」 萌立果「親父が一言命令くれれば、全軍何時でも攻勢に移れるナ。上海空爆命令、早く出すヨロシ」 呉萌憲「……とは言え、戦後を考えれば都市や施設爆撃はできる限り避けたいところアル。自分たちの手で社会資本あぼーん、精神的にも経済的にも宜しくないのコトヨ」 陳萌達「もはや、例え和平を成し遂げたところで日帝のODAも期待できない状況アルからナ」 周萌来「我が国に続いて日帝も内戦の兆し。これはむしろ好都合かもしれないのコト。美国、我が国の共萌主義より日帝の帝国主義復活を危険視する、間違いないネ。この機に日帝無視して美帝と和平、これ上策ヨ」 陳萌達「日帝の叛乱分子を支援するという手もありヨ。日美両国との交渉カードに使えるアル」 萌豹「まぁ、そのへんはおいおい考えるヨロシ。それより今は叛徒の処遇アル。海軍指令員、主力艦隊はどうなてるアルカ?」 張秀萌「はっ、我が艦隊はもうすぐ台湾海峡を抜けるアル。我が航空隊は、叛徒や台湾及び日帝空軍との航空撃滅戦により八十機の損失を受け、戦果は三十機アル。なお、この空戦において空軍のAWACSの支援が受けられなかったのコト、この場を借りて正式に抗議するアル!」 呉萌憲「はん、空軍の得た情報をどして海軍に伝えなければならないアルか。なにか見かえりがあるなら考えるのコト」 張秀萌「セクショナリズムはスターリニストの発想アル!」 萌豹「我がC共は、スターリニズム否定してないナ」 張秀萌「……セクショナリズムは日帝官僚主義の発想アル!」 萌立果「保身回路発動……」 張秀萌「そ、それはともかく。我が海軍航空隊は決死の攻撃により日帝駆逐艦一隻を撃沈したのコト。台湾にも、艦隊決戦と航空攻撃、さらに潜水艦の雷撃によりキッド級一隻、成功級、康定級各一隻を撃沈する戦果を挙げたアル」 陳萌達「で、我が艦隊の損害は?」 張秀燃「…………沈没が駆逐艦四隻、フリゲイト八隻、潜水艦十隻。大破は、駆逐艦四隻、フリゲイト六隻。中破が空母『煙台』他多数のコト」 萌豹「……我が海軍の一方的敗北アルな」 周恩来「当分動けないアルな、海軍は」 陸軍指令員「主席。もはや一刻の猶予もないアル。すぐにも陸空軍に命令を。全軍攻勢、上海を落とせ、と」 萌豹「うむ……わかたのコト。 ではこの反革命暴乱誅伐作戦を『高貴なる龍』作戦、上海攻略作戦を『限りなき大義』作戦と命名する」 一同『ってヲイ、作戦名までまんまパクリかよ!!』
岩田がその決断を下したのは、親王崩宮が第5旅団の出撃準備を下命した日の深夜であった。 煙草の上げる紫煙が、司令官公室の天井にたゆかっている。 机の上の灰皿には、ゴールデンバットの吸い殻が山のように積まれている。 溜息。 苛立ちを紛らわす様に、それまで吸っていた煙草を灰皿に押しつけると、パッケージから 新しいものを取り出して銜える。 擦過音。 燃え上がるナフサ油の匂いが、立ち上る。 今宵、幾度目かは判らぬ嘆息を漏らす岩田。 その表情には、疲労と苦悩。そして幾ばくかの怒りとをない交ぜにしたものが浮かんでいた。 金属音。 乾いた響きを建てて、ZIPライターの蓋が閉じる。 「なぁ参謀長?」 其れまで、黙って司令官公室の応接セットに腰を降ろし、ノートパソコンに触れていた参謀長が、 面を上げる。 「はい」 「俺等の仕事ってのは何なのだろうかな」 「はっ? 質問の意図が理解出来ませんが………」 「何、一寸した…………いや、最後の迷いかな。やるべき事は判っているにも関わらず、だ」 自嘲気味に唇を曲げた岩田。 そしてゆっくりと髪を掻き上げる。
「出来ることと出来ないこと。与えられた職責。或いは、自らが軍人の道を選んだ際に、皇国へと 誓ったもの………上─国防省の状態はどうなんだ?」 「相変わらずの状態ですな。陸軍内部に於ける派閥抗争─特に我々が“桜会”の名で識別していた 面々が積極的に動き始めており、混迷著しと云った具合ですな。又、未確認ながらも、桜会グループ の東條東部方面軍幕僚長に対する接触が行われた気配が在ります」 「相変わらずの情報収集力だな参謀長。一体何処から、仕入れているんだか………」 「それは秘密ですな…フム、司令。どうやら第34普連にも接触が行われた様ですな……深夜、 それも少なからぬ回数、国防省から人が訪れて居ます」 「………何とも愉快な話だな。陸式の軍人達は嘗ての敗戦の経験を忘れてしまったのだろうか? 斉藤統合幕僚長や芝村次官。それに藤堂総監の方はどうなんだ?」 「見事に掻き乱されておりますな。今だに国防軍の総意と云ったものが纏め上げられていません。 我々が送った上申に対する返信も、今の所、来る気配は在りません」 「情勢が重なりすぎたな……」 誰に言うことも無く呟いた岩田。 そのまま、半分も吸っていない煙草を灰皿へと押しつける。 左手に持ったままであったライターの蓋を、二度三度と親指で開閉。 新潟沖で戦死した友人の遺品。 微笑。 何かを確認するかの様に、小さく肯くと、右手を煙草のパッケージへと伸ばす。 だがそれは、新しい煙草を吸おうと云うのではない。 握潰音。 紙で出来た緑色のパッケージは呆気ない程簡単に潰れた。 「我々軍人の本分とは即ち、皇国、皇民、皇統の守護だ」
それまで俯き加減であった岩田が顔を上げる。 其処に迷いは、最早無かった。 押し出す様に言葉を連ねる。 「独断でも良い。どれ程の汚名を浴びせられる事も甘受しよう。 誰かがやらねばならぬ事だ。そして我々には、その誰かを待つような余裕は無いのだ。 参謀長、覚えているか? あの新潟の後、ぷーちん大統領が国内で暗殺されかかった時の無力感を。 あの時私は他人へと依存していた。他の人間が事態を改善してくれると期待していた。 愚かな事だった。事の終局─破局の寸前にて四皇女方の願いを受けた69式殿が動かれねば、 どの様な事になっていただろうか? どの沼のような戦争を、支那大陸で繰り広げていたのだろうか? 平和とは、即ち願いによって立つものではない。平和なる世界を作りださんと務める者達に よって維持されているのだ。 動こう。 非才無能の身では在るが、皇国より一個の艦隊を預かり、代将の職に就く身ではあるのだから」 背筋を伸ばし、自らの決意を口にした岩田。 参謀長は黙って立ち上がると、しっかりとした動作で敬礼を捧げていた。 「参謀長、ヘリコプターの用意を頼む。それから〈ケルベロス〉隊から2名を護衛、いや、威圧と 言う方が正しいな」 「既に、第1、第2の突撃小隊への予備命令は下しており、準備は終わっております。後は乗車する のみですな」 「それはまだ速いな。長丁場になるやもしれん。疲労には十分に注意させてくれ」 「はい。他には?」 「私が飛び立った後。例の核騒動後に貰ったアドレスへと、私が第5旅団へと向かった事と、 君らが中心となって〈タイフーン〉戦隊が収拾した桜会の情報と共に送ってくれ」 「芝村次官に……ですか。ですが交渉に関しましては、完全に事後承諾になりますな」 「それが狙いだ。噂に聞く芝村で在れば、情報さえ送っておけば自らに累が及ぶ様な下手は打つまい」 「ずいぶんと気を遣われますな」 「ああ。そのやり口の全てを認められるわけではないが、少なくとも、今の皇国が必要としている 存在である事は確かなのだからな」
32 :
大隊指揮官 :01/09/24 01:40 ID:bJVeJcVM
奈良県吉野郡大淀町吉野大橋近傍 「県道17号線と37号線は奈良県警によって封鎖されています。また、国防軍ですが 第三師団の全部隊に緊急呼集がかかっています。第十師団も同様です。」 「はいはい、ご苦労さん、っと。で、我々の任務は県警の封鎖線が突破されたとき のための予備ってことだね。もしかして、時間稼ぎの捨て石かい」 大隊指揮官が唇の端を大きく歪める。菊水@甲もそれにあてられたのか、普段は美 しいその顔にひどく歪んだ笑みを浮かべた。 「警察力で対応できなければ、軍を投入するしかありません。何事も段階を踏んで、 そういうことでしょう」 「いや、文民統制とは素晴らしいね。いつから殺し合いにそんな面倒な手続きが必要 になったんだい?FAEの二・三発で片がつくのにさ」 「政府の上層部は混乱の極みですから。我々が派遣されただけでも上出来とすべき では?」 「いや〜、でもさ、南朝の機械化大隊が出てきたら我々はどうすんのさ。軽火器でど うこうできるような相手じゃないよ」 「転進、ということでよろしいのでは。死守命令は出ておりませんし」 「あ、懐かしい台詞だねえ。思い出したくもないあの1941年の冬。燃料もない、機関 銃は、潤滑油が凍結して動作しない、冬服なんてないからロシア人どもから奪い取っ た血まみれの外套や長靴で寒さをしのぐ。そして、弾薬の割り当ても少ないから敵 とはスコップでの殴りあい。きみ、そんな戦争のただなかにいることがどんなこと か想像できるかね」 「今の状況よりはずっとましに聞こえます」 「そうだねえ。もし一つの家分かれて争わば、その存続は叶わじ、か。知ってるかね?」 「マルコ伝の3:25ですね。たしか、リンカーンの有名な演説もこれで始まっていたかと」 「ああ、あの時は奴隷とその主人だった。今回は……、考えたくもないね」 「司令、全小隊配置につきましたにゃ。ご命令があればいつでも戦闘に参入できますにゃ」 猫耳に迷彩の入った戦闘服というひどくちぐはぐな格好をした隊員が大隊指揮官に告げる。 「はい、ご苦労さん。今日は久しぶりに食べ放題かもね。部下にもそう伝えるように」 それを聞いた途端、隊員の目が輝く。右手を上げる敬礼をした後、隊員は部下の下へと 走り去った。 「食べ放題ですか?」 「ま、それまで生きていられたら、それくらいは褒美にすべきだろうさ」
「で、楠木少佐、あの大隊指揮官殿に連絡はできたのかい?」 「ええ、あの半島でかつて親衛隊の諸君と共に戦ったアルピーノのやり方でですが。あの方も親衛隊員としては長かったと聞いておりますのでね」 「違いない(苦笑) さてと、俺はこの橋のたもとで待つ。まあ、なんとかなるさ」 「それにしても、本当によろしいのですか? 部隊はともかく、護衛すらつけないで」 「必要ない。彼は馬鹿じゃない」 「それに関しては、私も同意させていただきましょう。それでは、神の御加護を、影差中佐」 「懐かしいな、その名前で呼ばれるのは」 吉野大橋のたもとで、古ぼけた白いカローラの運転席でゴロワーズを吹かしている醍醐旅団中佐。 彼の表には、透明な哀しみの色が浮かんでいた。 「なあ、広瀬のおっさん。あんた、本当にこれがやりたかったのかい?」
34 :
大隊指揮官 :01/09/24 01:57 ID:bJVeJcVM
「じゃ、僕はちょっとタバコでも吸ってくるわ。事態が動いたらよろしく」 「タバコでしたら、ここで吸ってもよろしいのに」 大隊指揮官はおどけた顔で肩をすくめる。 「隠れて吸うから楽しいんだよ」 そんな上官を菊水@甲は、しょうがない人だ、という顔をしてみせる。それを 承諾だととった大隊指揮官は、橋のたもとへと向かった。 「や、どーも。おひさしぶり。こんなところで会っていると、一目をしのぶ 恋人の逢引のようですな」 大隊指揮官は、おどけた調子で右手をまっすぐ上に上げて挨拶する。その様子を 見ていた中佐の唇がわずかに歪んだ。大隊指揮官は、外套の下に、どこから手に 入れたのか一般親衛隊の制服を着用に及んでいた。
>>34 「よう、お久しぶり」
カローラの中から現れた中佐は、何を思ってか、醍醐旅団の制服ではなくF国外人部隊第二落下傘連隊の制服を着用していた。
胸に三列に並んでつけられている略綬。
そして、ひときわ輝いているレジオン・ド・ヌール勲章。
そして、エトランゼ式の肘を真っすぐ横に伸ばし、手の平を見せる敬礼。
「まったく、彼女をデートに連れていってやる暇もないくせに、こうして男と逢い引きできる暇は作れるんだからね。因果な商売さ、軍人稼業ってものは(苦笑)」
根元まで吸いきったゴロワーズを履き捨て、空が映るほどに磨き上げられた短靴の踵で踏み消す。
「さてと、どうせならもっと楽しい戦争をやりたいとは思わないかい?」
36 :
大隊指揮官 :01/09/24 02:25 ID:bJVeJcVM
同様にタバコを投げ捨て、それを黒い長靴で踏み消してから、 「楽しい戦争?ああ、全然同意するよ。歴戦の将校であるあなたには言うまでも ないことだが、国防軍がちょっと本気になれば、南朝なぞあっという間に掃討 できる。そうだね、一個師団と支援戦闘機が一個飛行隊、そんなものでは? 確か、あなたの部隊は今ひどくアンバランスな編成だったはずだ。 今、政府と国防軍は動けないでいる。実務レベルの連中は冷静だが、上の方は ぐらぐら揺れている。だが、騒ぎが収まったらどうなるかは知らん。中部方面 隊の隷下部隊には、すでに非常呼集がかかっているよ。 実に楽しくない。わたしは戦争が大好きだが、このままでは戦争とは呼べない ちょっとした大掃除が行われてすべてが終わりになる。 司令官はその能力の限りを尽くし、参謀はありとあらゆる資源を動員して計画 を練り、敵の弱点をつき、満足する量が決して与えられることはない兵力の配 置に苦闘し、疲れて机に倒れ尽くすような戦争、兵たちは敵を求めて視線を巡 らせ、敵の戦闘能力を戦車砲で、機関銃で、銃で奪い、塹壕の中でスコップや 銃剣をふるうような戦争、1941年のロシアで、1950年の朝鮮半島で、1960年の ベトナムで、1991年の湾岸で行われた戦争、誰もが命の意味を問い直し、死の 恐怖に頬を引き攣らせ、平和を願い、敵に血塗れの贖罪を求めるような戦争、 われわれが望むのはそんな戦争ではないかね?」 踏み消したタバコをもう一度、蹂躙するように踏みつけながら、 「じつにくだらんよ」
「珍しいな、こうまで意見が一致するとはね」 本当に楽しそうに、中佐は口の端を歪める。 「まったく、今回の騒動は戦争じゃあない。ただのお祭りだ。つまらない、まったくもってつまらない。 こんな子供がおもちゃを振り回すようなお遊びで満足できるわけがない。 そうさ、我々が望むのは、絶望という名の希望、希望という名の絶望。 この世には特別なものは何も無い、あるのはただ死という絶対的な存在が誰にでも訪れるだけという、 ただそれだけを人間に叩き込むだけの存在。 死を先駆する事すら許されず、ただ死んでいないという状態のまま、突然の死という絶対者と直面する為のゲーム。 それこそが、我々が望む戦争の姿さ。 まったく、今この有り様を表現するのにもっとも的確な言葉があるな。 メール!(糞っ!)」 軍服の胸ポケットから取り出した新しいゴロワーズの封を切り、一本くわえると古びたオイルジッポーで火を点ける。 「よってだ、どうせなら戦争を楽しもう。 俺としては、今回のくだらん騒動で、俺の最大にして唯一の楽しみを邪魔されたくはない。 どうせやるなら、着弾する榴弾の弾幕射撃に恐怖で糞と小便を洩らしそうになり、 後ろから刺さる部下の兵士達の視線に蛮勇を奮って敵弾に身をさらして蜂の巣になり、 冷えて湿気った塹壕の底ですえた飯をかきこんで泥のように眠り、 泥水の中を這いずり回って敵陣からの機銃掃射の中を近づいたり、 警戒陣地の鉄条網をその身と共に爆砕して突破口を作り、 ただ敵兵士のどてっぱらに銃剣をねじ込み頭蓋を銃床でぶち割り、 そして、自分もその他大勢の死体の山と一緒にどこぞも知らぬ地中に埋められて滅びる、 そんな戦争を楽しもうじゃないか」
38 :
大隊指揮官 :01/09/24 03:07 ID:bJVeJcVM
驚いたように中佐を見て、 「なるほど、あなたもそうなのか。あの忌むべき存在、天と地の間にある者の 中にあって造物主の祝福を受けていない存在、救われない魂を持つ戦争気違い なのか。実に素晴らしい。あなたとは何度も話す機会を持ったが、こんな ところで意見の一致を見るとは思わなかった」 新たにタバコを一本取り出してくわえ、 「さて、われらの望む戦争を演出するために、どのような舞台を用意すべきだ ろうか。まず、今回のこの茶番劇をさっさと終劇にしなければ。そのために は、いかなる手段をとるべきかな。当方にできることは限られているが、う まくやれば国防軍の一部部隊や海軍特別陸戦師団とも渡りをつけることはで きるよ」
高々と楽しそうに哄笑し、のけぞる中佐。 「うん、まさかこんな平和に腐れきったこの国で、同好の士と出逢うことが出来るとはね。全く、世の中うまく出来ているもんだ。 さてと、とりあえずうちらはまだ舞台に上がる準備は出来ていない。済まないがね。 なにしろ、肝心の萌宮もなこ内親王殿下とその忠臣国防軍少将善行忠孝閣下が、こんな鄙びた田舎の叛徒共の巣窟で足止めを喰らっている。 これじゃあ、プリマドンナの登らないオペラを上演するようなもんだ、少なくとも俺は、そんなつまらん歌劇を上演するのはまっぴらさ。 まずはこのつまらん上にちゃちな劇の監督を引きずり下ろす。 それは俺に任せてくれ。 それから、この国に動乱という名の歌劇を上演する為の役者を用意しなくてはな。 なんたって観客は全人類。 お客を呼び込む為の役者も上々の玉を用意しなくては話にはならんからね。 とりあえず、今回は次の上演までの役者の顔見せのレビューとしてしまおう。 そうさ、あのヒゲ親父に、スポットライトを浴びてもらおうじゃないか。 ちょうど、帝都では中々楽しい小粒な喜劇が上演中と聞くからね(笑) そして、東北を巡業してもらって予告をうってもらうさ。 来たる南北動乱の一大喜劇の主演男優としてね」
40 :
大隊指揮官 :01/09/24 03:41 ID:bJVeJcVM
顔に大きな、しかし邪悪極まりない笑みをたたえ、 「あの英国の偉大な劇作家が言い残したように、世界は劇場、われらはその上で 踊る演技者だよ。ならば、各人には、もっとも望む役割を割り当てられるよう 努力すべきだと思う。幕を引きたがっているものには幕を引いてやるのが礼儀 というものさ。 ああ、それから、上演すべき戦争という名の大喜劇、舞台の上では、滝のよう に血と涙が流れ、数え切れないほどの悲嘆場と英雄的行為に彩られる大舞台を 準備するには、さぞかし多くの準備が必要だろう。もっとも、その舞台のプリ マがあのヒゲ親父だというのでは、観客席からは紙吹雪と薔薇の花の代わりに 罵声と腐った卵が飛んできかねないが。ま、脇を固める役者たちに頑張っても らうとするか」 それから、真顔に戻って、 「その準備に必要な時間を稼ぐために、あなたにはちょっとした仕事をしてもらう 必要があるのだろうな。帝都のLittle Splendid Warの方は、あの地獄の番犬ど もがケリを付けてくれるさ」
41 :
貫上等兵 :01/09/24 03:42 ID:75E3JDLo
〜貫義人の手記〜 「あちゃあ、見つかっちゃいましたねぇ」 「そりゃ、こんなところに居りゃあ、見つかりもするだろうさ」 日向くんのちょっととぼけた発言に軽く突っ込みを入れながら、 私たちはしがみついていた木から下りた。 「萌浜ともえ様ですね?」 醍醐旅団の兵士の一人が尋ねた。 「うん、そうだよっ!此処に善行のおじさんが来てるって聞いたんだけど、 まだ居る?」 「申し訳ありません、先ほどヘリにて帝都にお戻りになられたかと。 ですが、旅団長閣下が面談を求めております。皆様ご一緒にとの事です。 来ていただけますか?」 「え、旅団長さんが?うん、いいよっ!」 ともえ様は言うが早いかとっとと駆け出していく。 「と、ともえ様!勝手に走らないでくださいぃ〜(泣)」 「場所わからないでしょ!」 「多分、こっちだよ!皆もはやくおいでよ〜」 そんなこんなで、ようやく醍醐旅団長殿の部屋に着いたのは、 それから一時間後のことだった。
「ああ、ちょっとした仕事ね。うん、本当につまらない仕事さ。 ま、それも給料分のうちと割り切って片付けるとするよ。 なにしろ、こう見えても俺は宮仕えの身分なんでね。 道化として精々主君を楽しませないとならない訳さ」 そして、本当に楽しそうに右手を高々と掲げる。 「勝利万歳! 旗を高く ぴたりと隊伍を組め 突撃隊は進軍する しっかりとした歩調で 戦友よ 赤色戦線と反動を射殺して 進軍しよう我等が隊の精神で 道は開けたり褐色の部隊の前に 道は開けたり突撃隊の前に 数百万人はすでに希望に満ち満ちて 鉤十字の方を見やる 自由とパンの日は明けた 最後の召集ラッパ鳴り渡り 戦闘準備はすでに成る 道という道にヒトラーの旗なびき 奴隷状態ははや今しばし 旗を高く ぴたりと隊伍を組め 突撃隊は進軍する しっかりとした歩調で 戦友よ 赤色戦線と反動を射殺して 進軍しよう我等が隊の精神で 我等地獄の道化は、哄笑も高らかにこの歌を歌うのが今は正しいとは思わないかね? 俺の先達はディエン・ビェン・フーでこいつを歌って最後の突撃を敢行したのさ(謎)」 そうして、踵を鳴らし綺麗な敬礼を決める。 そのまままわれ右するとカローラに乗り込み、出立する中佐。
43 :
みなぎ :01/09/24 04:11 ID:IogR8ZPI
BARのカウンターで一人、タンカレーのグラスを傾けている。 足元ではひながミルクを飲んでいる。 「平和の為の・・・・・・・・戦争である・・・・・か。」 独り言。そんな詞の曲がある。「平和」という歌詞のみが協和音。 あとは不協和音が並ぶという救いのない合唱曲が。 生き残ることが果たして幸福なのかどうか。それは良く分からない。 が、守りたい物がある限り生き残らなくてはならないのだろう。 ひなはミルクを飲み干すと酔いの回った私の顔を見上げ、「に?」と鳴いた。 『大丈夫。お前が心配することは何もないんだ。今しばらく、無知なる幸せを 享受しなさい。』 BARに来客はない。外は秋の気配が濃くなりつつあった。
44 :
大隊指揮官 :01/09/24 04:15 ID:bJVeJcVM
カローラを完璧なナチス式敬礼で見送ってから、実に楽しげに小声で 歌を歌い始める。 Ob's stürmt oder schneit, Ob die Sonne uns lacht, Der Tag glühend heiß Oder finster die Nacht. Bestaubt sind die Gesichter, Doch froh ist unser Sinn, Ja unser Sinn; Es braust unser Panzer Im Sturmwind dahin. Mit donnernden Motoren, So schnell wie der Blitz, Dem Feinde entgegen, Im Panzer geschützt. Voraus den Kameraden. Im Kampfe ganz allein, Steh'n wir allein, So stoßen wir tief In die feindlichen Reihn. Wenn vor uns ein feindlicher Panzer erscheint, Dann Vollgas gegeben Und ran an den Feind! Was gilt denn unser Leben Für unsers Reiches Heer, Ja Reiches Heer? Für Deutschland zu sterben Ist uns höchste Ehr. そして、小さくつぶやく。 「さて、これからどうなるのか。あの南朝のお姫様はどう動くのかな」
45 :
Sk :01/09/25 14:31 ID:4jx.RAzI
クーデターの話が進行しており自粛しておりましたが哀号旅団長の復活 があったのでこれを機会に さて 前スレ282にてでSK戦争時の平均的SK国軍より劣る装備であること に夜郎自・・・いえ、楽観的で、自信過・・いえ卑屈にならないSK国の国民 性ですがさすがに現状のひどさに落ち込みました。とはいえ、ウリナラの誇る 偉大なケンチョナヨ精神が発揮されます。 「醍醐のメルカバがどうしたかニダ。小銃弾で展視孔をつぶしてウリナラ式の火炎 瓶(朝鮮戦争で多用された一升瓶にガソリンを充満し手榴弾を針金で結びつけた もの)をお見舞いしてくれるニダ。」と万事この調子です。 「とはいえ装備の差は著しいニダ。なんとかするニダ。・・・・そうニダ 垢奴ども(C国人の蔑称)の人民解放軍の真似をするニダ。隊内で商売するニダ。 利益を国防献金として寄付して装備を更新させるニダ。」 (sk国では戦前日本のように献金で装備の調達がいまだ行われています。) 数日後 「主計参謀殿商売をみとめて欲しいニダ。つきましては醍醐旅団を 仮想敵とした山岳演習・・・・その問題についてはキックバックを・・・・。」 さらに3日後 「ウリの中隊員諸君、今日は仮想敵の醍醐旅団を想定吉野に見立てた 山中で8中隊と対抗演習を行うニダ。なお状況終了後、志願者を募り特別任務を与える ニダ。それでは諸君目的地まで完全武装で歩行による機動をおこなうニダ。」
途中であやまって送信してしまいました。45のつづきです。 さて対抗演習ですがこの新品中尉の中隊は8中隊に勝利を治めました。 平凡な能力しか持っていないゆえ憂慮した旅団上層部が小隊長以下をベテラン のものにしたためです。 さて、気になるのは「特別任務」とやらです。状況終了後中隊員全員が 志願整列をして待っています。そこへ中尉が現れます。 「かしらーなか」「捧げえーつつ。」 新品中尉「ごくろうニダ。みな志願いてくれてうれしいニダ。さてみなに任務を 与えるニダ。」こころなしか兵、下士官も緊張しているように見えます。 すると、ゆっくりと新品中尉はつづきを話しました。 「松茸をありったけとってくるニダ。」そうです。主計参謀に頼み込んだのは このことだったのです。松茸を大量にチョパーり国に売り込み外貨を稼ぐ腹 だったのです。そして売上の一部を旅団長に渡し黙認を得ようとしたわけです。 がびーんという擬態語がでてきそうな空気が中隊をみたしました。 いや先任小隊長は顔を真っ赤にしています。よくみると殴りかからんばかりに 興奮しているものもいます。さすがに空気を感じた新品中尉。説明をする必要 を感じました。 新品中尉「かくかくしかじか というわけで諸君たちによい待遇を与えるためにも 協力いてほしニダ。もっとも多くとった分隊には上物の赤犬をやるニダ。これで 一杯やるニダ。」というと呆れ顔をしつつもいたしかたないという気配が満ち はじめました。 2時間後 「申二等兵、そっちは黒松ニダ。松茸は赤松の下に生えるニダ。」 と中隊総出で茸取りが行われていました。するとまたさっき申二等兵がさっき いたあたりでがさがさと物音がします。 新品中尉 「申二等兵何度言ったらわかるニダか?」 申二等兵 「ん、自分はこっちですがなにかありましたニダか?」 新品中尉 「じゃあ あれは誰ニダか?まあ注意してやるニダ。・・・おい誰ニダ こっちは・・・・ ぎゃーあ ト ト 虎二ダー ウリは(加藤)清正じゃない ニダ。早く小銃を・・・え そうだ空砲しか今日はもってないニダ。 アイゴーーーこれも日帝がウリナラを搾取したための貧しさがこの悲劇を呼んだ ニダ謝罪と(略)とおきまりも台詞をさけびながら中隊一同一心不乱に逃げ 無論苦労して得た松茸も放り投げてきたことは言うまでもありません。 かくして、中尉の目論見は水泡に帰し真っ先に逃げたことで株をさげたそうな。 目出度し 目出度し。
もひとつおまけに 旅団長閣下意見具申ニダ。哀号旅団の装備についてニダ。主に当旅団は チョパーりの醍醐旅団を仮想敵としているニダ。その際にはチョパーりや 美国との対立はさけられないニダ。美国式の装備は少なくないウリナラ一般 国軍と同様の編成をとるのはまずいニダ。そこでR国式の旅団を編成する べきと思うニダ。ウリナラはすでにR国から借款の返済の代わりにT80など 一部ロシア式の装備があるニダ。これを中核にしさらに新規購入をして 旅団を整備するのは面白いと思うニダ。海軍の増強で無理が多いウリナラに とって安上がりで望ましいニダ。 またこれを機会にR国との関係を深め美国と対立においった際の軍事的うしろ 支えになってもらうための第一歩にするニダ。 大統領にも具申するニダ。C国に対し大規模な食料援助をして恩を売るニダ。 チョパーリと渡りあう為にもR C SKの三カ国の協調は欠かせないニダ。 無論水面下で話し合うのは言うまでもないニダ。
>47
ウリナラマンセー!
中尉はなかなか良いことを言うニダ。
日帝だけならば、ウリナラだけで対抗するのは可能ニダ。
しかし、日帝の背後には美国が居るニダ。
如何に半万年の歴史を持つ精強国家ウリナラといえど、かの世界帝國と一国で抗するのは、
無謀ニダ。
故にウリとしてもC国との同盟は進めて行きたいニダ。
それに今C国は内戦中故、恩の売り時でもあるニダ。
………宜しい。
SK国大統領金ニ大萌の名に於いて、C国との信頼─同盟関係の構築を目指してみるニダ!
食料援助や、必要で在れば義勇軍の派遣も考えても良いニダ……
ウム、中尉。献策感謝するニダ!
この功績をもって貴官を大尉にと……は、チト早いニダニダ(笑)
有能な君が、同僚からの恨みで潰されるのは見たくないニダからね(笑)
だから今回は君の中隊に対して新装備を優先して配備する事とするニダ。
新鋭の装備を持つ精鋭部隊をもって、ウリナラに偉大なる功績を残せば、君を一挙に、
少佐に任じる事も可能ニダ。
一層の努力を期待するニダ。
そうだ、装備も軍事協力の一環としてC国製を装備してみるニダ!
なんと言っても、同じ90式の名前でも、こっち(↓)の方が強そうニダ!!(核爆)
ttp://isweb13.infoseek.co.jp/photo/combat1/90SHIKI2.htm 現場にいる、君の意見としてはどうニダか?
追伸ニダ! 日帝の状況如きに、ウリナラが左右される必要は無いニダ!! SKは偉大なる半万年の歴史に支えられた恨精神に乗っ取って、この慶祝の世界で 暴れるニダ!!! ウリナラの半分しか歴史を持たない日帝も、1割にも満たない新興国の美国も、 何するものぞニダ!!!! 第一、ウリナラにとってクーデターはいつもの事ニダ。 おたおたするだけ無駄ニダニダ。 連中は経験が少ないからおたおたしているだけニダ(爆) ウリナラマンセー! ケンチョナヨ精神を持って、SK国が極東に覇を成す為、共に粉骨砕身努力するニダ!!
大統領閣下 お褒めに預かり光栄ニダ。 C国装備導入につては異論は特にないニダ。金がない以上安いC国製 品にするのも受け入れるニダ。ただウリはR国式軍制の運用には疎いニダ。 できれば軍事顧問を招いて欲しいニダ。これもC国との絆のきっかけ にするニダ。またR国にもシベリア開発融資をにおわせ同じ話をもちかけ これC国をリークしてみるのもいいと思うニダ。徹底的に両者のあしもと みてよりよい条件を引き出すニダ。これは北がCとRを両天秤にかけ 両方から大きな援助を得た故事をもとにしているニダ。大国に対抗していく 小国の知恵ニダ。 あと「特別山岳演習」を認めてほしいニダ。前回襲われた虎を殺して 来るニダ。毛皮は訪R国時にでもキザーロフ閣下の土産にするといいニダ。 またかの山は高級高麗人参が取れるそうなので何割かは閣下に回しますので 中南海の老人たちの機嫌取りにつかってくださいニダ。
>43 子猫のひなにマスターがミルクをやっているとことろに、年齢不肖の女が入ってくる。 東欧系の抜けるような白い肌と、菫色にきらめく知性の深みを持った瞳、そして、腰まで波打つ豪奢な白銀の髪。 陰影の深い、だがどちらかといえば厳しさよりも深さを感じさせる美貌の持ち主であった。 深い色合いの濃紺の縦縞柄のカシミヤらしいスラックスとチョッキ、真珠色の絹のワイシャツ、そしてアメジスト色の細身の絹の蔦模様のネクタイ。 羚羊皮の靴が、BARの間接照明に鈍く輝いて見える。 「開いていますか?」 ハスキーな、だが深みと知性を感じさせる流暢な日本語であった。
52 :
みなぎ :01/09/28 00:10 ID:gSK5B8G2
>51 ミルクをやる手を止めて開いたドアを見る。 東欧系であろうか、色白で足が長い。モエナさんよりちょっと南系かな?と思う。 やっぱりあっちの人は美人が多いなあと、素直な感想。 「ええ、開いていますよ。カウンターへどうぞ。」 日本語が通じてよかったと、心底思っていたのはちょっと内緒だ(爆)
>52 「ありがとう」 ふわっと柔らかく微笑み、女は示されたカウンター席に腰を下ろした。 「タンカレーですか? 楽しまさせて頂けそうですね」 微笑みが一層深くなる。 「では、私にも同じものをストレートで。そうですね、あとつまみに塩を」
54 :
みなぎ :01/09/28 00:25 ID:gSK5B8G2
>53 「し、塩ですか・・・・・・」 通というかなんというか。ちょっとびっくり。 ひなを置いてカウンター内へ。1ショット出すと、キッチンから赤穂の粗塩 を出してくる。ふと、首をかしげてレモンも出してくる。 「・・・・・レモン・・・・・いりますか?」
>54 「檸檬は、では二杯目のカクテルでお願いしましょう」 まず、指先に塩をわずかにつけて唇によせ、舌先で舐める。 ふっ、と、微笑みの陰影が深くなったように見えた。 「ふふ、塩が甘いのは、私にとっては日本での楽しみの一つなのです」 しばらく、そうやって塩を唇に寄せ、その刺激をタンブレーで流すという楽しみ方を続ける。 ゆったりとした時間が流れ、ショットグラスのタンブレーが無くなるころには、女の大理石を思わせる頬にわずかに朱が差していた。 「ごちそうさま。これだけ美味しいジンは、久しぶりでした。そうですね、よろしければCDを変えてもらってから、スピリタスをお願いできますか?」
56 :
みなぎ :01/09/28 00:48 ID:gSK5B8G2
>55 「かしこまりました。」 開店した時に中佐に薦められて買ったオーディオセットのスイッチを入れる。 バックバーの脇には秘蔵のレコード、CDのコレクション。 「基本的にクラシックなんですけど、ご希望であればジャズでもロックでもかけますよ。 なにかご希望はおありですか?」 ひなが、暇になってきたらしく、ごろごろと転がり出した。
>56 「そうですね、それではショパンの「幻想曲」を」 ふっ、と女の瞳が遠くを見るように宙を泳ぐ。 「両親の産まれた国の曲です。私が洗礼を受けたのも彼の国ででした」 そして、宙を泳いでいた視線が、床で転がっている子猫にとまる。 そのまま、わずかに上気した頬に微笑みを浮かべ、左手を伸ばそうとする。
58 :
ひな :01/09/28 01:01 ID:gSK5B8G2
>57 みなぎがCDをかけに行っている。 菫色の目の女性が手を伸ばしてくるのを見て、遊んでくれると思ったのだろう、 無邪気に手に擦り寄っていく。 みなぎ 「ああ、そいつはひなって言います。生まれたばかりなんですよ。」
>58 「そうですか。では、今が可愛い盛りですね」 二度三度とひなの額を撫でてやってから、今度はのどもとを柔らかくさする。 女の面に浮かんでいる微笑みは、今では母親のそれになっていた。 「子供は、見ているだけで心が優しくなれます。いかなる場所で、いかなる人々であっても、子供は子供」
60 :
みなぎ :01/09/28 01:19 ID:gSK5B8G2
>57 CDをセットしてカウンターに戻り、冷凍庫からスピリタスを取り出す。 「へえ、そうなんですか。もっと東の方のお生まれに見えましたけど。」 ショットグラスに透明な液体を注ぎ、差し出す。 一緒に小皿にレモンの輪切りと粗塩を添えて。 「はい。塩とレモンはお好みでどうぞ。」
>60 「東ですか。母方にはウクライナの血も混じっていると聞いております。もっとも、貴族ではありませんが」 吐息の様に苦笑気味の声を洩らすと、女はひなを抱えあげようとして、しばし考えてから手を戻した。 グラスにびっしりと霜が張っているスピリタスを一口喉に流し込み、会心の笑みを浮かべる。 「ああ、これが、私にとっての魂の祖国の味です」 ゆっくりと吐息を漏らし、檸檬の身を口の中で楽しんでから、また一口喉に流す。 「でも、今では日本人なのですよ?」 店内を、ルービンシュタインのピアノの音色が満たし始める。 「ふふ、娘は、酒臭い息は嫌いと、私がアルコールを口にするのを嫌がっていましたが。今では私以上にバッカスを愛するようになってしまって」 さらに、人差し指の先の塩に舌をはわせ、目を細めて残ったスピリタスを流し込む。
62 :
あまね :01/09/28 01:33 ID:/l2MQ4qY
その時、BARの扉が開いた。が、誰の姿も見えない。 「あれ、変ですね。」 とみなぎ。気のせいかと思ったが、確かに何者かの気配がする。 「みるく、ありますか?」 声のする方を見ると、床に一匹の猫がちょこんと座っていた。
63 :
みなぎ :01/09/28 01:36 ID:gSK5B8G2
>61 「へえ、ウクライナですか。失礼。あちらの方にいた方で知っている人がいましてね。」 言いつつ、自身もタンカレーのショットをくい、とあおる。 「娘さんがいらっしゃるんですか。それはそれは。お仕事でこちらへ移られたんですか?」 ひなは女の方を見上げて不思議そうにしていた。 ちょこんと、おすわりをして、しっぽを振っている。
一人の男性がゆっくりとした歩調で、BARみなぎへと入ってくる。 それは、仕立ての良い背広を着込んだ、長身痩躯の男性だった。 高い額と、軽く後へと流された、在る程度の乱雑さで短く切られた髪が特徴的である。 年の頃は三〇へと手が届いたばかり、といった具合であろうか。 「こげんとこいにバーをやっちょっとは面白とかね。空いちょっとな…?」 (訳/こんな所でバーとは面白いね。空いていますか…?) やや訛のきつい言葉での呟き。 だが、耳障りと云う様な類のものではなかった。 「おや、あんなか…」 (訳/おっと、危ない…) 入ろうとした矢先、足下の猫に気付いて避けた。
>62 「おや、初めまして」 酔いが回って心地好くなったのか、女は柔らかく微笑んで小首をかしげてみせた。 「よろしければ、あなたも一緒にいかがです? 私はアルコールですが。 ・・・そうですね、マスター、この方のミルクは私もちで」 それから、少し考えてから、さらに付け加える。 「あと、私にもう一杯スピリタスを」
66 :
みなぎ :01/09/28 01:42 ID:gSK5B8G2
>62 やあ、これは珍客だ。 「ありゃ、あまねさんじゃないですか。どうしました?」 いいつつミルクを出してくる。 「宮城はどうですか?最近顔を出せてなくて・・・・・・・なーちゃんは元気してます?」 お皿を出してから思い出したようにもう一つ、奥の方から瓶を持ってくる。 「マタタビ酒、作ったんですけど・・・・・・どうです?」 にやありと笑ってみせた。
>63 「仕事、ではないですね。こちらで仕事はしていますが」 軽く目を伏せて、新しいスピリタスの冷たさを楽しむ。 「夫が日本人だったのです。だから、私もこちらに帰化したのですよ。丁度良い機会でしたので」 そして、ふわっと一気にスピリタスを喉に流し込み、熱を帯びた吐息をゆっくりと吐き出す。 「もっとも、仕事は娘が引き継ぎました。今では、悠々自適の身なのですけれどもね。でも、急にやることが無くなると、手持ちぶさたになってしまって」
68 :
みなぎ :01/09/28 01:51 ID:gSK5B8G2
>64 「いらっしゃいませ、どうぞ。」 鹿児島弁は耳慣れないので聞き取りに苦労したが理解はできた。 ミランダ女史のグラスを取り替えつつ席を勧める。 「九州の方の方ですか?遠い所をようこそ。」
69 :
あまね :01/09/28 01:51 ID:/l2MQ4qY
>65 「あ、これはどうも、ごちそうさまです。」 ペコリと頭をさげ、早速ミルクを飲み始めた。
>64 入ってきた男に視線だけ向けると、わずかに口の端に微笑みだけ浮かべて黙礼する。 新しいスピリタスのグラスを唇に寄せつつ、だが、独りでゆったりと楽しんでいる風を見せていた。
「マスター。おいにも酒を頼んど。そうやな…ウィスキーをな。銘柄は適当でよか。任すっで」 (訳/マスター。私も頼みますかね。そうですね、ウィスキーを。銘柄は適当に。貴方に任せますよ) そう言ったところで、ふと置くに座る女性に気付く。 「よかけ、相席してん?」 (訳/宜しいですかな、相席しても) カウンターの席に腰を降ろす前に、一つ尋ねた。
>69 「いえ、こちらこそ」 可愛らしい子猫さん、と発音せずに唇を動かし、猫に向かってグラスを掲げてみせた。 そのまま、ゆるゆるとアルコール度数の高いそれを喉で楽しむ。 >66 「駄目ですよ、マスター。こんな愛らしい娘さんに悪いお酒を勧めては?」 わずかに唇を引き締めてみせるが、だが女の眼は柔らかく笑っていた。
73 :
みなぎ :01/09/28 02:01 ID:gSK5B8G2
>67 「いや、そのお年で悠々自適とはうらやましいですねえ」 冷凍庫にボトルを戻し、焼酎を引っ張り出してくる。 老紳士の為にである。 イメージ的に九州の人といえば焼酎かなあ・・・・・・と。 「こんなのはいかがでしょう?百年の孤独です。」
>71 「私でよろしければ、どうぞ」 少しだけ小首をかしげるように微笑み、答える。 「では、よろしければお近づきの印に私から一杯。マスター、こちらの方の最初の一杯は、私が」
75 :
あまね :01/09/28 02:02 ID:/l2MQ4qY
>66 「なーちゃんですか?元気ですよ。ただ、宮様が居なくて さびしそうなんですよ。」 よっぽど喉が渇いていたのか、早くもミルクを飲み終えたあまねは 答える。 「三毛坊さんやほかの猫達と遊んでるんですが、やっぱり時々元気が 無くて。ここは気分転換が必要かな、と。」 ぴょん、とカウンターの椅子に乗る。そしてどもりながら 「と、ところで、あの・・マタタビ酒頂けます?」
>73 「ふふ。でもやることが無くなってしまうのも、これはこれで辛いものがあるのです」 くすくすと、右手を口の前に寄せて笑う。 「もう、若い頃から冒険ばかりで過ごしてきたので、暇のつぶし方を知らないのです。いえ、知識としては知っていても、身体が暇を持て余してしまう」 アルコールが廻って目尻までほんのり赤くなった女が、楽しそうに、歌うように言葉を続ける。 「もう、こんなところばかり日本人である夫に似なくてもいいのに。ええ、仕方ありませんから、しばらくはゆっくりと遊んで過ごすつもりでいます」
77 :
みなぎ :01/09/28 02:11 ID:gSK5B8G2
>75 「そうですかぁ・・・・・宮様ももうすぐ戻るとは思うんですがねえ・・・・・」 言いつつあまねの前に。 顔を寄せる。 「こいつはイイですよお・・・・・・・・ハマリますよ・・・・・・」 マタタビ酒をダブルで差し出す。
>74 「おや、すんませんな」 (訳/どうもすいませんね) そう言って、少しばかり気障な動作でマスターから渡されたグラスを掲げ、口を付ける。 濃厚な焼酎の香りを楽しむと、一挙にグラスを空ける。 「よかしょちゅうやな……じゃったらマスター。こんねぇさんにオイからんおごいじゃ。魔王はあっけな?」 (良い焼酎ですね。でしたらマスター。この方に私からの奢りを。魔王はありますか?)
79 :
みなぎ :01/09/28 02:18 ID:gSK5B8G2
>76 「でもまあ、勤勉が悪いこととは限りませんからね。日本の技術力ってのは そういった側面に支えられていたりしますから。」 言いながら「魔王」のボトルを出してくる。 「こちらの方からです。どうぞ。」
80 :
あまね :01/09/28 02:20 ID:kab12/Ok
>77 ゴクリ…と、思わず喉がなってしまった。気付かれただろうか?(笑) 「に、匂いだけでクラクラしますね・・。頂きます。」 マタタビとお酒とでみるみる顔が熱くなってくる。猫だから外見は あまり変わらない。しかし、さすがにみなぎは気付いているようだ(爆)
>76 「じゃっどん、忙しなってみっと暇ん頃っが懐かしてな」 (ですがね、案外と忙しくなってみると、暇な頃が懐かしいものなのですよ) 少しだけ、遠い目をする。 「まっ、おはんがきもいも良くわかっどんね(笑)」 (まぁ、貴女の気持ちも良く判りますけどね:笑)
>78 「それでは、お言葉に甘えまして」 グラスになみなみとつがれた「魔王」を、男と同様に気障に掲げてみせると、一息で煽る。 そして、ゆるゆると湿りを帯びた吐息を吐き、軽く目を閉じて余韻を楽しむ。 「ふふ。喉を触れられ愛撫されるような甘やかなお酒」 ゆっくりと、首を左右に振り、溜め息のような声で言葉を続ける。 「お上手でいらっしゃいますね。ふふ、こういう口説かれ方は、私は嫌いではありません」 酔いの廻った上気した頬を左手で押さえつつ、顔を男に向け微笑む。 だが、その瞳にまでは酔いは廻ってはいない。 「でも、今日はそのつもりはありません。でも、また次の機会を楽しみにしております」
83 :
みなぎ :01/09/28 02:35 ID:gSK5B8G2
>80 「ふふふ・・・・・・いいでしょう?これかフケイ酒ってくらい強烈に来るでしょう?」 ニヤニヤ笑う。この酒のよさだけは猫にしか分からない・・・・・・ ひなが不思議そうにこちらを眺めている。 「ふふふ、お前にはまだはやいよ。ねえ?あまねさん」
>79 「そうですね。ええ、皆さん本当に仕事するのが楽しくて仕方がない、という方達ばかり」 くすくすと少女の様に笑いつつ、言葉を続ける。 「でも、そのまめさを少しは女達へと向けても許されましょうに。せっかくの名花も、愛でられねば萎れてしまうのですよ?」 空けた「魔王」のグラスを少しだけ名残惜しそうに見つめると、二度三度と首を左右に軽く振り、別の酒を注文する。 「そうですね、次は「百年の孤独」を。ブラジルのあのブッキッシュな小説を上梓した彼を思って楽しむのも、また一興でしょうから」
>82 「いやいや。こいはオイからん挨拶がわいじゃっど」 (訳/違いますよ。これは私からの挨拶がわりです) そう言って僅かに笑う。 男臭いとは言わないが、やや、野趣の匂いが漂う。 手が、背広のポケットへと伸びた。 煙草。 青地に、“ROYALS”と刻印された細長い煙草。 「よかけ?」 (訳/宜しいですかな?)
86 :
みなぎ :01/09/28 02:42 ID:gSK5B8G2
>84 「うーん・・・・・多分ですね、不器用なんだと思うんですよ。そういう事に。」 百年の孤独をグラスに注ぐ。 「良く言えば奥ゆかしい・・・・・・と。男ってのはしょうのない生き物でしてねえ・・・・」
>81 「ええ、本当にそう」 楽しそうに笑うと、新しいグラスに唇を寄せる。 「でも、これからはこの国は本当に色々と楽しめそうですから」 唇をグラスから離すと、視線をわずかに宙に泳がせ、呟いた。 「ええ、この動乱の時代と場所で、この身が丁度自由になったことを、神に感謝しても許されるでしょうね」
「お、お酒とマタタビ、、効きますねぇ。」 おさえようとするものの、顔が緩んでしまう。 「ひなちゃんは、もうちょっと大きくなったら、ね?」 これでもか、という程の笑みを浮かべ、ひなに話し掛ける。 あまねにも早かったのではないか(爆)
>85 「ええ、どうぞ」 軽く微笑んで、自分もハンドバックに手を伸ばす。 「それでは、私もおつき合いさせていただきましょう」 女が取り出したのは、フランスの煙草、「ゴロワーズ」 「これとマカビー・ビールは、若い頃浴びるほどに呑んで、結局忘れられなくて。いい年した大人らしくもない」
90 :
みなぎ :01/09/28 02:48 ID:gSK5B8G2
>87 「娘さんはお仕事は何をなさっていらっしゃるんですか?」 北一ガラスの灰皿をすい、と、紳士の前に差し出す。 「すみません、お名前を伺っておりませんでしたね。差し支えなければお教えねがえますか?」
>86 「駄目ですよ、それでは。いかに美しい花園であっても、その美を賛美する虫がまわりにいないと。取り巻く虫がいての花園なのですよ?」 ちょっと声色を子供を叱る母親の様な色相に変えて、女はすうっと微笑んだ。 「女に美しく装う楽しみを覚えさせるのは、男の神聖な義務にして崇高な楽しみなのですから」
92 :
みなぎ :01/09/28 02:56 ID:gSK5B8G2
>89 「マカビーならありますけど・・・・・・・めずらしいビール飲まれますね? イスラエルのビールってそう好んでは飲まれないですよ?」 もう一つ、灰皿を差し出す。 ゴロワーズって・・・・・・・煙草の趣味も女の人にしてはめずらしい・・・・・
>90 「娘ですか? 今は会社役員です。次の役員会で取締役代表に就任することになりますが」 なんでもない様子でさらりと答える。 「ああ、名乗っていませんでしたね。私は、ミランダ謝華と言います」
94 :
みなぎ :01/09/28 02:59 ID:gSK5B8G2
>88 「こらこら、ひなにお酒の匂いをかがせちゃだめですって。」 あまねを無理矢理席につかせる。あまねの表情、ゆるみっぱなし・・・・・・ 「ささ、おまえはそろそろ寝ましょうね?」 ひなを抱えて寝床へ連れて行く。
>87 「楽しくもあっどんからん、そげんばかいもいってられんでな」 (楽しくはありますが、そうとだけ言っても居られませんよ) ミランダ謝華の言葉に、少しばかり苦笑を浮かべた。 「動乱、そいも大規模なとになっと、巻き込まるっ無辜んしもおおかでな……」 (訳/動乱、それも大規模なものになると、巻き込まれる無辜の住民も多いですからね) そう言い終えると、無駄のない動作で煙草を銜え、先にミランダ謝華の煙草へと火を付ける。 ナフサオイルの燃える匂いと、煙草の匂いとが、酒香漂う店内へと加わった。 差し出された、灰皿を真ん中に置く。 「すみません、お名前を伺っておりませんでしたね。差し支えなければお教えねがえますか?」 「よかど。おいん名前は萌山宗秋じゃ。永田区で仕事をしちょっとで、宜しくなマスター」 (訳/問題はありませんよ(笑) 私の名は萌山宗秋。永田区で仕事をしていましてね。 宜しく御願いしますよ、マスター)
>92 「珍しい、でしょうね、この国では。でも、私はその国で産まれましたから、むしろありふれた飲み物だったのですよ? ゴロワーズも、軍で覚えました。全く、軍隊というところは、あらゆる悪徳を国家の名前で教え込むという涜神的な場所ですこと」 楽しそうに微笑み、昔のことを思い出していたのであろう、眼だけが遠くを見るかのように宙に向けられていた。
「さて、醜態を晒す前に、そろそろ失礼させて頂きますね。」 酔いをさまそうと、上を向いて軽く深呼吸をする。 「今日は楽しかったです。あ、私は通常猫語しか喋れませんので、念のため。(爆)」 皆を見渡し、にかっと笑う。 「みなぎさん、お勘定は如何程です?」
98 :
みなぎ :01/09/28 03:06 ID:gSK5B8G2
>93 >95 「あらためまして、私はみなぎと呼ばれております。以後ごひいきに。」 「社長の母君様と永田町で働かれている方ですかぁ・・・・・こりゃあまた。」 感心したように何度かうなずき、キッチンに入るとすぐ戻って来て小皿を置く。 「なんかあった方がいいかなと思いまして。さつま揚げですけど、よろしかったらどうぞ。」
>95 「仰る通りですね。ええ、貴方ならそう仰ることでしょう」 煙草に火を点けた事に、かるく会釈して謝意を表し、男でもむせ返るようなきついゴロワーズの香りを肺の奥底で楽しむ。 「お名前は存じ上げています。鹿児島2区選出の衆院議員でいらっしゃることも」
>97 >98 「そう大したものでもないのですよ」 困ったように微笑み、二度三度首を左右に振る。 「それでは、私もそろそろお暇させていただきましょう。ここは、カードは使えますか?」
101 :
みなぎ :01/09/28 03:12 ID:gSK5B8G2
>97 「お気をつけて。お勘定はある時で結構ですよ?今日の分でしたら500円です。 ミルクはサービスですし、マタタビ酒は商品じゃありませんから(爆)」 では、おやすみなさい。
102 :
みなぎ :01/09/28 03:15 ID:gSK5B8G2
>100 「ええ、使えますよ。またのご来店をお待ちしております。 あ、そうそう。今度娘さんとごいっしょにどうぞ。」 100番ゲットおめでとうございます(爆)
>102 「今日はどうもごちそうさまでした」 カウンターのツールから腰を上げたミランダは、はっとするような微笑みを浮かべると、危なげないしっかりとした足どりで店を出て行く。 「それではまた、次の機会に」
>102 100番Getですか(笑) ええ、ありがとうございます(笑)
105 :
あまね :01/09/28 03:21 ID:kab12/Ok
「500円ですね。それでは・・」 どこからか(!!?)お金を取り出し、みなぎへ渡す。 「あぁ、済みません、まだ名乗ってませんでしたね。私はあまねと 申します。以後お見知りおきを。」 ミランダ、萌山に向かい、ペコリと頭をさげる。 「ひなちゃんに宜しく。では、お休みなさい。」 そう言うと、あまねはBARを出て行った。
「こちらこそよろしゅうなみなぎどん。こん店は品揃えがよかでよかど」 (訳/こちらこそ宜しく御願いしますよみなぎ殿。この店は品揃えが良いですので 良いですね) 差し出されたつけ揚げ(薩摩揚げ)を抓む。 「よかあじじゃ」 (訳/良い味ですね) >99 「さしたる名前でんなかど。ただん若輩んとじゃっでな」 (訳/さしたる名前ではありませんよ。只の若輩ものですから) 少しだけ微苦笑を浮かべている。 裏側へと回る事の多い自分の名が知られていた事が、些か気恥ずかしい様だ。 或いは、照れているのかもしれない。 「さて、おいも帰っかね。マスター御勘定……こいで頼んでな」 (訳/さて、私も帰りますかね。マスター、御勘定を御願いしますよ……此で) カードではなく、現金─一万円札を出す宗秋。 「楽しかったど。ついは預かっときやんせ。また今度ん時にたのんでな」 (訳/楽しかったですよ。お釣りは預かっておいてください。また来たときに 宜しく御願いしますよ。)
107 :
みなぎ :01/09/28 03:31 ID:gSK5B8G2
>106 「ありがとうございます。今後ともごひいきに。」 一万円を押し頂く。 「おはようおかえりなさい。」 (訳/いってらっしゃいませ。三河方言)
108 :
みなぎ :01/09/28 03:43 ID:gSK5B8G2
お客がはけたので閉店のしたくをする。 残ったつけ揚げをひょいっとつまんでジンを飲み干した。 「さて、明日も頑張っていきますかぁ・・・・・」
戦争、になるらしい。 そんな噂が宮中に流れている。 ……不安だ。 また宮中が戦場になるのだろうか? 第五旅団は既に二度、宮城に賊徒の侵入を許している。 もし仮に賊徒が帝都にゲリラ的に接近するようなことがあれば、再び宮城 が戦場になるかもしれない。 もしそのような事態が惹起された場合、東宮殿下の御身に危害が及ぶよう なことはあるまいか。 いや、離宮におわす今上陛下の御身も危いのではないか。 いや、それよりなにより。 ……我がこの身は、無事でいられるのか……? 侍従A「……シリアスな顔しやがって順序が逆だ、莫迦野郎(PAM!!)」 ……おぐふっ(昏倒)
110 :
3K新聞 :01/09/29 01:45 ID:l42NdOG6
『台湾、中国に宣戦布告』 【台北:二十日 泡盛義久】 台湾の章経国総統は二十日、中国大陸で本格化しつつある内戦に台湾地上軍が 参戦している事実を正式に確認した。合わせて総統は北京政権に宣戦布告を行い、 台湾が上海を首都とし広州を実質的な中心とする華南共和国を全面的に支援する 意思を世界に表明した。 同国国防部スポークスマンによると、すでに少なくとも台湾海兵隊の一個師団 と空軍の一部部隊が浙江省に上陸し、江蘇省南京の攻防戦に参戦しているという。 台湾軍はさらに陸空軍戦力を順次増派する予定で、最終的には二十万人規模の遠 征軍を投入するという。 台湾海軍は今月初旬、台湾海峡において北京政権海軍に潜水艦を撃沈されて以 降、同政権軍と事実上の戦争状態に突入しており、正式な宣戦布告も秒読みの段 階と目されていた。 今回の台湾の正式参戦が、それぞれ北京派と上海派にわかれ対立を深めている インドシナ半島の諸国の動静に強い影響を与える事は間違いなく、東アジアはさ らに不安定な状況に突入したといえる。
>41 萌浜ともえが、醍醐旅団長の部屋に向かう途中。 桜の木立の中で、座禅を組んで瞑想している善行忠孝少将を見つける。 「あ、善行のおじさん!」 ともえの呼びかけに、丸眼鏡の下で閉じていた眼をあける善行。 その瞳は、これまでともえが見たことのない、厳しく冷たい光が宿っていた。 「こんばんわ、善行のおじさん(ぺこり) ええと、勝手に皇居を出てきちゃいました」
112 :
善行忠孝 :01/09/29 02:32 ID:eyMlJyQo
「こんばんわ、萌浜ともえ殿下。ええ、すでにその話は聞いています。一体、何が不満だったというのです? あの外出規制は、少なくとも、貴方の身柄の安全が確保されるまでの辛抱だったのですが」
「あの、ボクの安全のためって、そのためにちゅーや……、いえ、宗大尉や貫上等兵にあんなひどいことをしたんですか? ボクは、確かに黙って皇居を出てきて、みんなに迷惑をかけちゃったし、それで善行さんに怒られる覚悟もして来ました。それは、悪かったと思っています。ごめんなさい でも、ボクが善行さんに怒られるのと、宗大尉と貫大尉がひどい目にあったのと、別の話だと思っています」
114 :
善行忠孝 :01/09/29 02:33 ID:eyMlJyQo
「なるほど、では貴方は二人から何があったのか、そこまでは聞いていないのですね? そうですか、ならばお話しするべきでしょう。ただし、あなたがあの東京への核爆撃の真相を聞く勇気があるならば、ですが」
「真相、ですか? ……うん、ボクもちょっとは聞いています。西朝の原潜が、ミサイルを撃ちこんだんでしょ?」
116 :
善行忠孝 :01/09/29 02:35 ID:eyMlJyQo
「ええ、ですがそれは真実の一端にすぎません。何故ならば、何故に皇居に貴方がいたにもかかわらず核ミサイルを撃ち込んだのか、誰がそれを命令したのか、そして、私が何故をもって貴方を隔離した上で西朝を殲滅しようとしていたのか、という話です」
「……じゃあ、善行さんは本当にみんな殺しちゃうつもりでいたんですか? それに、ボクだけつんぼ座敷においておいて、みんなだけ殺しちゃうなんて、何故なんです?」
118 :
善行忠孝 :01/09/29 02:37 ID:eyMlJyQo
「そうですね、話は長くなりますが、よろしいですね? 私が最初に疑問に思ったのは、西朝のタイフーン級が出撃した旨報告を受けたときでした。何故に貴方が皇居にいるタイミングで行動を起こしたのか、と。 行動を起こすなら、私が東京に戻った瞬間に起こすべきでした。ですが、西朝を西朝たらしめている貴方が皇居での七夕の祭に参加されることで、西朝は我々の調停案を受け入れるものとして状況は動き始めたのでした。 ですが、あえて西朝は自殺するがごときタイミングで核爆撃を行いました。そしてこの件に関しては、宗大尉も貫上等兵も全く事前に連絡を受けていませんでしたし、そもそも西朝が核爆撃したこと事態に懐疑的ですらありました」
「でも、それには理由があったのでしょ?」
120 :
善行忠孝 :01/09/29 02:38 ID:eyMlJyQo
「理由ですか? それは判ってはいません。そして、これから先明らかになることすらないでしょう」
「え? でも、それじゃなんで西朝のみんなを殺しちゃうんです? だって、なぜだかも判っていないんでしょう?」
122 :
善行忠孝 :01/09/29 02:41 ID:oDxe6crk
「理由が判らないから、ですよ。理由さえ明らかになるならば、決定を下したのが誰だか判るならば、いくらでも以後の対策は取り得ます。ですが、彼らは最後まで主体的に決断を下さなかった。何ものかに不信感を煽られ、疑心暗鬼に陥って自滅するように追いこまれた。 西朝上層部は、自分達が今回の北朝との和解と西朝の皇統としての正式な承認によって何もかもを失う事を、さらにはそう遠くない将来に自分達の存在が闇から闇へと葬り去られることを危惧したのです。 誰がその不信感を煽り立て、彼らを自暴自棄な行動に追いやったのか、今私はそれを調べている最中です」
「……それって、真犯人は別にいる、って事でしょ?」
124 :
善行忠孝 :01/09/29 02:42 ID:oDxe6crk
「そうです。そしてその真犯人は、絶対に自分に司直の手が伸びない場所にいることを自覚している。いえ、その者は、かの北陸戦争の時点ですでに活動を始めていたのです。覚えておられるでしょう? 多井羅という男の騒乱を」
「……はい」
126 :
善行忠孝 :01/09/29 02:43 ID:oDxe6crk
「西朝は、二度そうした何者かの陰謀の道具として利用されました。三度目が無いとは、私には到底考えられません。ならば、これ以上国民と西朝という皇統に犠牲を出させないためにも、禍根を元から絶たねばなりません」
「……うん、わかりました。でも、ボクはやっぱりそれには納得できません!」
128 :
善行忠孝 :01/09/29 02:44 ID:iWIlMpPs
「……ほう、何故でしょうか? 萌浜ともえ殿下」
「だって! ボクが西朝で、西朝はボクだからです! ボクは、一〇万人もの人が死んだ攻撃なんて、知らなかったし認めたこともないです。でも、それが西朝の艦隊がやったことなら、ボクに責任があるんです!!」
130 :
善行忠孝 :01/09/29 02:45 ID:/F.uHtL2
「貴方が、西朝の最高指導者である、だから自分にこそ責任がある、と仰るのですね?」
「そうです!! だって、今、善行のおじさんもボクのことを殿下って呼んだでしょ? それって、ボクは西朝の皇女だってことでしょう!? 殿下、って呼ばれることは、ボクがみんなを背負っている事なんです。だって、ボクがいないと、西朝は皇統でもなんでもない、ただの人達の集まりになっちゃうんでしょ? なら、ボクこそが、西朝なんです!! ボクがいる限り、西朝は絶対になくならないんですからっ!!」
132 :
善行忠孝 :01/09/29 02:46 ID:0evPeqjM
「ならば、貴方は、裁判にかけられ、国家を崩壊の危機に陥れたテロリストの首魁として絞首台に立たされる事になります」
「それでも、ボクは、皇女として死ねるよ!! それが、みんながボクを殿下って呼んでくれて、大切にしてくれて、慕ってくれたことへのお返しだもの!!」
134 :
善行忠孝 :01/09/29 02:47 ID:aEPcJWGA
「一人の少女として生き続けるより、西朝の皇女として絞首台に立つことを選ぶ、と?」
「当然!!」
136 :
善行忠孝 :01/09/29 02:48 ID:2lv5Dwb.
「では、貴方は私と共に帝都へ戻るべきです」
「いいえ、戻りません。ボクは、西朝をもう少しで滅ぼそうとした真犯人と戦います」
138 :
善行忠孝 :01/09/29 02:49 ID:v5s.QzJo
「貴方が西朝の最高指導者ならば、死んだ一〇万人の為にも正式に裁判にかけなくてはなりません。それが、私の祖国への義務の完遂となります」
「それは、善行のおじさんのやるべきことでしょ? ボクは、ボクのやるべきことをやるんです。西朝をテロリストにしたててて、どこかで笑っているそいつをつかまえて、みんなにあやまらさせるんです。それが、ボクがやるべきことなんです」
140 :
善行忠孝 :01/09/29 02:50 ID:5KFKofnQ
「だが、今の貴方には何もない。信頼できる部下も、手足となって働く組織も、行動の可能性をもたらす資金も、何もない」
「でも、ボクは今ここにいます! そして、そばにちゅーやんも、じょーくんも、ひゅーやんもいます!! 勝てるかどうかなんて、そんなのボクにはわからない。でも、だからといって、善行のおじさんともなーのところで閉じ込められてずっとこれから生きていくことこそ、ボクにはできない!! ボクは、金や宝石でできた牢屋の中でぼんやりすごすより、嵐の中でも自分で決めて海を泳いでいく自由をえらびます!!」
142 :
善行忠孝 :01/09/29 02:51 ID:bJl1APps
「それは、事実上の自殺です」
「でも、それが自由でしょ? ボクは、死ぬことととなりあわせでも、自由でいたい。そのためなら、せいいっぱい戦うつもりです!! それで善行のおじさんが敵になるなら、おじさんとだって戦います!!」
144 :
善行忠孝 :01/09/29 02:52 ID:tphAnXoY
「私とでも、ですか? 例え敵がもなこ様であってもですか?」
「うん!!」
146 :
善行忠孝 :01/09/29 02:52 ID:ZTcgElO.
「……了解いたしました。ならば、貴方はこの国に居場所はもうありません。少なくとも、この国は貴方の敵です」
「……うん」
148 :
善行忠孝 :01/09/29 02:57 ID:mX0g/o6o
「それでは、次にお会いする時には、互いに敵同士でしょう。願わくば、その日が訪れないことを祈っています」 善行は、萌浜ともえに向かって直立不動の姿勢で敬礼をした。 彼の丸眼鏡の下の眼は、太陽の光が反射で彼女にはうかがい知ることは出来なかった。 ただ、彼が本気でいること、それだけはともえにもよく判った。 彼がその場を去ってからもしばらくの間、ともえはずっと目に涙を溜めたまま、立ち尽くしていた。
149 :
統幕本部 :01/09/29 12:41 ID:wjCIJMao
「ついに内戦から戦争に進んだか。 中共の日本に対する対応はどうなっている?」 「台湾参戦以前から、すでに北京政権は日本を華南側に立つ完全な敵国と みなしているのに変わりはありません。ただ、AWACSの行動は以前よりさ らに活発化しています。 それと、偵察衛星の写真です。山東省の済南、曲阜付近の地上写真ですが」 「……中距離弾道弾の移動式発射台か。形式は?」 「DF3、と思われます。射程2800km、核弾頭搭載も可能です」 「済南軍区には第二砲兵は展開していなかったはずだろう。」 「アメリカの情報によれば、西蔵から移動してきた第二砲兵一個師団が山 東省に展開しているとのことです」 「チベット独立後、華南共和国が抑えたDF3は17基。DF3の現有勢 力は70基で、その内米軍の空爆で12基の破壊が確認されていますから、 北京は41基のDF3を保有している事になります 他に中共が保有する日本を攻撃可能な戦力は、射程5000kmのDF4が3 0基、大陸間弾道弾DF5、DF31、DF41が併せて50基、さらに 潜水艦発射型のJL1及びJL2を五隻80基保有しております。この内、 DF31、DF41、JL2は4〜5の弾頭を有する多弾頭弾です」 「くそ、90年代末から連中急速に長距離弾道弾勢力の整備に力を入れて いたからな。意外に数が揃っている」 「すでに台湾本土への短距離弾道弾攻撃ははじまっていますが、これら中 長距離の弾道弾が使用された例はありません。わが国、及び米国へけん制 の意味もあるものと思われます」 「逆に、北京政権側の軍事施設に弾道弾や巡航ミサイルにで華南共和国が 攻撃をしかけているとの報告もあります。現在のところ、全て通常弾頭で すが……」 「戦局の行方しだいでは、いつどちらから核が使われてもおかしくない、 ということか。一度核が使われれば、あとは使用される兵器も戦う戦場も 選ばない戦争になる……まずいな。こちらは内憂で動く事もままならない というのに」 「その内憂の件ですが。陸軍のあの連中が、活動を強めている様です。沖 縄近海の領空で現在も散発的に続く北京政権軍との衝突を踏まえ、賛同者 を増しているようで……」 「未確認ではありますが、御殿場の第一戦車大隊及び第三四歩兵連隊が出 動準備を進めている様子があるとの情報が陸幕調査部から入っております」 「なに? 正気か? どこに、誰を相手に出動準備を整えているんだ。 ……いや、わかりきったことだな。こちらが完璧に掌握している部隊に治 安出動準備を下令しておけ」 「しかし、それは内閣の命令がなければ」 「かまわん。以後すべての責任は俺の首で負う。事が起きてからでは間に 合わないからな。この国はなんでも立ちあがりが遅い。実際行動に出れな いまでも、準備くらい整えておかなければ手遅れになるぞ」
鼻歌交じりで楽しそうに戻ってきた大隊指揮官を、菊水@甲のきつい視線が迎えた。 「あれぇ、どうしたのさ。そんな顔も魅力的だねえ」 「それは、セクハラ発言です。タバコを吸うというのはそれほど楽しいことなので すか?」 大隊指揮官は両手を顔の前であわせて拝むような仕草をする。 「ごめん、この通り謝るからさ。………で、状況は?」 「相変わらずです。待機レベルを一つ下げました。しばらくは大きな動きはなさそ うです」 「そう。で、我らが親愛なる政治家諸君は一体どんな判断を?」 「あいかわらず国会でごちゃごちゃやっているようです。まあ、末期的ですね」 大隊指揮官、唇の端を少し吊り上げ、 「いや、民主主義万歳とでも叫ぶかね、僕と一緒に」 菊水@甲、はき捨てるように、 「そんな下品な掛け声は願い下げです。それなら、まだ大日本帝国万歳と叫ん だ方が」 大隊指揮官、心の底から愉快そうに、 「英明で公正な独裁者に支配された自律的帝国。それがどんなに素晴らしいも のか君にはわかるかね?あの偉大なる総統閣下に統べられる帝国が、その前 の腐りきった共和国に比べてどれほど魅力的に感じられたことか」 「しかし、かの国は滅びたではないですか」 「それはね、君」 大隊指揮官は何か大事な秘密を漏らすかのように小声でつぶやく。 「かれが公正でも英明でもなかったからさ。いつも種明かしは簡単だよ」 「民主主義は最悪から二番目の政治システムでしたね」 「そう、そして最善のものはこの世には存在しない。だってプラトンが言ってるよ。 この世はイデアの影に過ぎないってね」 「………コーヒーでもいかがですか。あなたと話していると心底疲れます」 ため息をついて菊水@甲が言う。 「あ、よろしくね。………さて、しばらくは休憩させてもらうとしよう。首都でなん にも起こらなきゃいいんだがなあ」
横須賀〈タイフーン〉戦隊司令部司令官公室 ─日中 「状況は切迫しつつあります。あすかからの報告ですが、関西─それも吉野方面での通信量が 増大の一途を辿っているとの事です」 「……偽電の可能性は、参謀長?」 「残念ながら、その可能性は低いかと………兎角、状況は動きつつあります」 「…洒落にならんな。醍醐の暴発に帝都の第5が絡んだ日には収拾がつかなるなるぞ」 「ですな。崩宮殿下にその意志は無くとも、此は呼応した武装蜂起ととられかねません」 「……仕方が無い。参謀長、第5対応は速案bに移行だ」 岩田の言葉に眉を曇らせる参謀長。 速案b。 それは〈ケルベロス〉隊を中心とした横須賀陸戦団の投入による武力鎮圧案であった。 自身が中心となって作成した作戦案ではあったが、その案を選択するには幾ばくかの躊躇が在った。 「武力鎮圧ですか……後々に禍根を残す危険性がありますが、司令。宜しいですか」 「今更だ参謀長。意図せざるにしても第5が南朝討伐に出撃し、帝都に駐留する部隊が制止した場合、 或いは皇軍相撃つ事態となるだろう。それは皇国の東西で同時に蜂起が発生する事を意味すののだ。 その場合皇国の、そして文民政府の権威は地に墜ちよる事となる。そうなれば皇国はどうなる? まだ刀を抜いていない今が、事態をまだ穏便に収束させる唯一の機会なのだ。 参謀長。躊躇う余裕は無い」 「ですな。では司令、作戦の決行は?」 「事前想定に変更は無いな、参謀長」 「はい。第5旅団は駐屯地内にて吉野への遠征準備を行っている途中であり、今だ終了しておりません。 此は北陸戦争後に配属された、所謂善行派の人間がサボタージュを実施している事が原因です」 「終業後の旅団員達の動きはどうか?」 「統合幕僚本部経由での情報では、崩宮殿下に賛同した隊員は外出する事無く出動準備を行っている との事です」 「……真面目な事だな。萌集団としての自身への反省や、その他の事が原因か。馬鹿馬鹿しい。 極めて馬鹿馬鹿しい。 萌とは、そのお側に居なければ発露しないのか? 萌とは、その対象たる人を見ていなければならないのか? そう考えているとすればかなりの短絡だ。極めつけの短慮だ。そうは思わないか、参謀長? もなこ殿下が常に口にしている事、それすらも理解していない極めつけの莫迦どもだ。 長いガーターベルトの夜を集結させたのは誰の言葉だったか、それすらも忘れた脳無しだ。 自らが萌えている御人が何を求めているか、そして何を考えているか。 “みんななかよく” 紛れもない理想だ。 だが、その理想に殉じることも又、萌では無いのか。 只、自分の萌の欲求に従い、それを他人に押しつける大莫迦者どもめ」 内心に渦巻いていた苛立ち、そして何よりも怒りを込めて吐き捨てた。
沈黙。 ゆっくりとした動作でゴールデンバットを銜え、火を付ける岩田。 深呼吸。 そして、詫びを口にする。 「すまないな、参謀長。報告を続けてくれ」 「はい」 咳払いを一つすると、参謀長は幾ばくかの深刻さをました口調で報告を続ける。 「彼等からすれば、萌の象徴たるもなこ殿下が南朝に“囚われている”と云う事態ですから……尚、 在る程度の、それも小規模なものですが、宮内庁が第5旅団出撃の支援を行っているとの報告も 上がって来ております」 「今回のもなこ殿下南朝御遊楽に関する一切を、南朝による誘拐と云う形で終局させるつもりか? そうなれば南朝との関係は決定的な破局を迎える事になり、戦争になるぞ。 連中、自分自身の無能を覆い隠す為、戦を起こそうというのか」 「所詮は一個旅団の兵力。そう考えている可能性は捨てきれませんな」 「東北地方にて飛蝗が猛威を払っていると云うこの時期に………度し難い莫迦さ加減だな……………。 参謀長、決めたぞ。部隊の態勢はどうか?」 「問題在りません。第5旅団宿舎を封鎖制圧する〈ケルベロス〉隊主力は、装備の搭載準備が終了 しておりますので、命令後、1時間で出動が可能です。尚、非致死性兵器に関しましては、十分な量を 確保出来ております。 崩宮殿下の確保を担当する第13特殊偵察分隊は、航空隊の到着と共に、即時、行動が可能です。 皇居内の各種重装備確保を担当する第2陸戦連隊の準備も、あと本日1900迄には終了予定です」 「宜しい。では決行は本日深夜─2100とする。それから、第13分隊には私が同行する」 「ですが司令が前線に立たれると、指揮系統に問題が……」 「だが他に選択肢が無い。“あの”崩宮殿下が第13分隊の要請を素直に聞き入れると思うか? もし崩宮殿下が聞き入れ無かった場合には行動は……だからね。ああ。皇族に銃口を向けるのは、 出来る限り避けたい」 「………ですな」 溜息混じりに首肯する参謀長。 対する岩田の表情には、一種の諦観があった。 「全てを穏当に済ませられるとは思ってはいない。だが、その為の努力を怠るのは好みじゃ無い」
タス通信発 R国共萌党中央委員会は、党大会において党中央委員会委員長に 国際的にはレオン・トロツキーとして知られるレフ・ダビドビチ・ブロンシテイン氏が、 ヨシフ・ビサリオノビチ・ジュガシビリ氏を破って当選した旨発表した。 これによって近々行われる大統領選挙に共萌党を代表して立候補するのは、 ブロンシテイン氏となる事に決定した。これは、暗殺されたぷーちん大統領★ミに 変わって暫定的に大統領職に選出されていたキザーロフ上級大将の 次の大統領選不出馬の表明を受けてのことであり、共萌党としての候補者の選出を行う 事になったためである。選挙は党中央委員の党書記局の支持を受けジュガシビリ氏と 軍の支持を受けたブロンシテイン氏の一騎討ちとなり、最終的にR国産業界と軍、 KGBの支持を確保したブロンシテイン氏が他の委員の支持を集め選出されたようである。 近々行われるR国大統領選挙ではほぼ確実にブロンシテイン氏の当選が確実されている。 なおスターリンの名前で知られるジュガシビリ氏は、党中央委員を辞任し メキシコへ政治亡命を行ったとの非公式情報も伝わってきている。
>148 瞳一杯に涙を浮かべて去っていく善行の姿を見送ったともえは、拳でぐしぐしと涙をぬぐうと、貫上等兵らを振り返った。 平素ほとんど見ることのない彼女の厳しい表情に、三人は息を飲んだ。 「みんな、だから、ボクはいくよ。でも、みんなにも一緒に来て欲しいっては言わないよ。だって、ここからはボクのワガママだもん」 わずかしら、ともえの声が震えているように聞こえたのは、三人の思い過ごしであったろうか。
155 :
貫上等兵 :01/10/01 00:54 ID:ZwlELDvk
>154 「水臭いことはなしですよ。友達、でしょ? さぁ、涙は拭いてくださいよ。かわいい顔が台無しですよ」 私は彼女にそういってハンカチを差し出した。 「さ、それじゃ、ヨーグルトのおじさんに会いに行きますか?」 そして彼女の気をほぐそうと陽気な声を上げ、私は彼女の肩を叩いた。
>155 「うん、じょーくんありがとう」 貫上等兵から差し出されたハンカチで涙をぬぐったともえは、ぱっと満面の笑みを浮かべると握りこぶしを振り上げた。 「友達か。うん、そうだよね、友達だよね。じゃあ、みんな元気にがんばろーっ!」
>155 >156 「ああ、盛り上がっているところを申し訳ないんだが、うちの旅団長に会いに行くのは勘弁してやってもらえないかい?」 いつのまにか、ともえ等の近くに醍醐旅団中佐がF国外人部隊の制服を着たままで立っていた。 その周囲を、完全武装の醍醐旅団の兵士達が遠巻きにして囲んでいる。 「それより、これから和歌山港へ送る。そこで先日そちらさんに譲り渡した「くすのき」と一緒に出国するといい。今なら、海軍も君達を追う余裕は無いだろうからな」
>157 「あ、中佐さん!」 突然の醍醐旅団中佐の登場に、顔を上気させるともえ。 「ええと、その、旅団長さんのところに、なんで行っちゃいけないんですか? ボク達、旅団長さんに呼ばれているんでしょ?」 困ったように両手を身体の前で組んだりしながらもじもじとする。 ちなみに、視線も中佐の顔を直視せずに制服の胸のあたりをさまよったりしている。 「それに、今日本を出て行っても、ボク達行くところなんてないんです。それに、まだ仲間が日本にたくさん残っているんです。そのみんなを助けないといけないし……」
159 :
貫上等兵 :01/10/01 01:41 ID:ZwlELDvk
>157 「ちゅ、中佐殿!・・・・・・もはや一刻の猶予もない、ということですか・・・・・・・」 そして、ゆっくりと海軍式の敬礼をする。 「それでは、生きていればまた会うこともあるでしょう。ご武運を・・・・・・」
菊水@甲からコーヒーカップを受け取った大隊指揮官、それを一口すすり、 「あ、インスタントか。まあ、それでもましだよね……」 「東部戦線では、散々代用品のまずいコーヒーを飲まされたものさ。君、チコリや タンポポの根から作ったコーヒーがどんなものか想像できるかね」 菊水@甲が歌うように言う。大隊指揮官はいささか傷付いたような表情を浮かべる。 「首都の状況だけどさ。どうなの?」 「どうなのと言われましても……。一つお聞きしたいのですが」 「うん、なにかな?」 「われわれは何を守るために戦うのでしょうか?皇統ですか、国家ですか、それと も北朝ですか?」 「近代国民国家では、ある国家領域内の暴力はすべて国家によって管理される。そ れにはいかなる例外も許されない。緊急避難すら法による制約の下に置かれなけ ればならない。そして、国家は、その秩序を守るために、国民の代表によって構 成される政府を通じてその暴力を行使する。ある時は内部に向かって、ある時は 外部に向かって。ここで大事なのは、国家による暴力の行使は、あくまでも国民 の代表としての政府を通じて行われるという点だ。つまり、国民は個々が暴力を 行使することは許されないが、各人の意思の総体をもって、国家に委譲した暴力 の行使を、国家に対して要求することができる。さて、ここまでは?」 「いまさら政経の授業でもないような気がしますが、納得はしています」 「内向きの暴力は警察、外向きの暴力は軍隊だね。実際には、軍が警察任務を行う 国もある。フランスなんかがそうだね。しかし、敗戦で軍に対する不信感を植え 付けられたこの国では、まあ、その前から色々あったとは思うんだけれども、軍 が内向きの暴力を行使することに対して、かなり強い嫌悪感が存在するはずだ。 違うかい?」 「30年以上前に、国防軍、当時は自衛隊でしたが、が学生運動のデモ隊の鎮圧演習 をしたことがありました。当時、猛反発があったように思います」 「まあ、ね。軍隊は表向き侵略から国家を守るために存在していることになってい る。実際には、内向きに暴力を行使したことは一再ならずあるのだけれどね。あ の素晴らしい自由と正義の国アメリカ合州国が、かつて労働者のデモ隊や学生運 動のデモ隊に州軍を投入したことがあることを知っているかね?」 「ええ、知っています。死者もかなり出しているはずですが」 「そう、それに比べたらこの国の治安政策は素晴らしい。なるべく死者を出さない ことを念頭においているからね。しかし、問題がないわけじゃない」 「重武装の都市型ゲリラ、大陸からのお客様……」 「そういうこと。我々は彼らに対抗する手段として存在している、はずだ。足りな い暴力装置の補完が我々の仕事さ。しかし、いまはこんなところで油売っている けれどね」
>158 「旅団長に関しては、まあ、そのうち説明するから。だから今は、俺の言うことを聞いてくれないか?」 さも困った様にかぶっていたケピ帽を脱ぐと、それをともえの頭にかぶせる。 「俺からの餞別だ、受け取ってくれ。あと、殿下のお仲間らも、俺が責任をもって国外へ脱出させるなりなんなりする。ま、今は西朝の象徴であるお姫さんの安全を確保することを最優先するべきだ」 そこまで話したところで、中佐の表情が厳しく引き締められる。 「少なくとも、あの善行少将がここで足止め喰らっている間に、行動の自由を確保しておいた方がいい。あの男を敵に回すと正面きって啖呵を切ったんだ。なら、奴を甘く見ちゃいけない。本気で西朝を殲滅しようとしてそれに成功しかけた男だ」
大隊指揮官、コーヒーを一口すする。すっかり冷めているそれを、恨めしげに見つ めながら、 「我々は国家に奉仕するためにここにいる。ただし、国家とは何かについては、わ たしの定義に従うことになる。皇統に、いや北朝に奉仕する本来の菊水は、もう 切り離してしまったからね。ただ、北朝が存在することと、この国が存続するこ とはほぼ同義だから、その限りにおいて、われわれは北朝や皇統にも奉仕する存 在であるということになる」 「……なるほど、建前はそれでよろしいかと思います。よろしければ本音も聞かせ ていただけますか」 大隊指揮官の目が尋常ではない光を帯びる。 「はっ、本音かね。君はそれを知る権利があるな」 「わたしはそう信じています」 「流血と闘争をもたらすことさ。汝、我が地に平和を齎すため来たりしと思うや」 「……我汝に告ぐ。然らず。むしろ争いなり………。それに、我々にも付き合えと?」 大隊指揮官、何が面白いのか爆笑する。 「いまなら辞表を受理するよ。ああ、君のことを卑怯者だというつもりもない。 狂っているのはむしろわたしなのだから。配下の一個中隊ばかりの軽歩兵で何か ができると思っている気違いなのだよ、わたしは」 菊水@甲、上司に対する敬意のかけらもない口調で、 「いえ、遠慮します。いざとなった時、頭を撃ち抜いてでも上官の非行をやめさせ る人間は必要でしょう。あなたの場合は、銀の弾丸を心臓に打ち込むのですか?」 大隊指揮官、相変わらず笑いながら、 「ああ、そのときはお願いするよ。それにしても先ほどの君の選択肢に国民が入っ ていなかったのは、君の高い見識だと評するべきなのだろうね」
>159 「そういうこと」 貫上等兵の言葉と敬礼に、おどけたように答礼する。 だが、にやついているような口元とは逆に、サングラスの下の眼は笑ってはいない。 「今頃、あのヒゲ親父め、西朝の関係者全員を令状無しで逮捕拘束できるように根回しを始めているぜ。なんたって、奴は敵には容赦しない。敵は殲滅する。それが、奴の唯一のルールだからな」
>161 「……うん、中佐さんがそう言うなら……」 頭に乗せられた大きなケピ帽の庇越しに、そっと中佐を見上げるともえ。 そして、中佐の言葉が冗談ではない事を知り、ケピ帽を胸の前で抱き締めた。 「それじゃ、これでお別れですね……。また、どこかで会えますよね?」
>164 「また、ね。うん、運がよければね」 困った様子のともえに向かって微笑みかけると、中佐は、踵を鳴らして直立不動の姿勢を取り、見事に色気のある敬礼をしてみせる。 「それでは、良い旅を。萌浜ともえ殿下」
166 :
貫上等兵 :01/10/01 02:36 ID:ZwlELDvk
>164>165 その二人の見て、一瞬寂しげな表情を浮かべるが、すぐにそれを消し、 「それでは、参りましょう、ともえ様。中佐殿、何から何まで恐れ入ります。 それでは、また運がよければお会いしましょう」 と言うと、日向たちに声をかけ、踵を返した。 「そうそう、これを持っていってください。霊験あらたかですよ!」 突然振りかえり、中佐に小さな袋を投げつける。 そこには武蔵晴明神社の小さなお守りが入っていた。 「貴方に薔薇と十字のご加護があらんことを!」
>166 「そうだね。それじゃ、みんないこう」 ほほに血を上らせたまま、ともえはわずかに哀しみの色を瞳に浮かべつつ、それでも振り返りはしなかった。 ただ、胸の中に中佐のケピ帽をしっかりと抱き締めつつ、去っていったのであった。
>166 去っていくともえ等を敬礼で見送った中佐は、わずかに口の端を歪めて笑ってみせた。 「ほんの短い間に随分と男らしくなったじゃないか」 「楽しそうですね、中佐殿」 「楠木少佐か。ああ、楽しい。実に楽しい。これで後顧の憂いなく暴れることが出来る」 「それはまだ気が早いのではないですか? 旅団長の帰趨は明らかになっていません」 「ああ、あのおっさんの件は今じゃ大した問題じゃない。今本当に問題なのは、萌之院殿下があのおっさんを切り捨てられるか、だ」 「・・・南朝内の多数派工作はほぼ終わっています。大勢はこちらに傾いています。 誰も、勝てもしない、今では名義も立たない戦争を、楽しむつもりは毛頭無いのですよ」 「だろうね。俺だって願い下げさ。あのお姫さんを助け出すためだから、旅団主力の出撃を認めたんだ。 ・・・ま、ここで愚痴を言っても致し方がない。まずは桓武グループのトップと会談だ。今の総代についてどれだけ知っている?」 「多井羅の甥らしいですね。四兄弟の長男ということも聞いております。 次男は、研究者としてバイオ関係で色々と危険な研究に手を染めているとか。 三男は、長男の名代として世界各国を飛び回っているそうです。 末っ子は、陸軍に勤務中で、あの善行閣下の子飼いの部隊でHIGH-MACSのテストパイロットの一人だそうです」 「素晴らしいな。よくまあそこまでこの短期間に調べ上げたもんだ」 「そういうものですよ、組織犯罪担当捜査官であった憲兵というものは」 胸ポケットから取り出したゴロワーズをくわえた中佐は、一本を楠木少佐に渡すと古ぼけたジッポで火を点けた。 「さてと、薔薇と十字か。ま、色々と楽しめそうさね、これから。じゃ、早速神戸に飛んでくれ」 「了解いたしました、中佐殿。向こうでは、多井羅一清と会談ですね」 「そうだ。あと、多分謝華グループの現総帥とも会ってもらうことになる」 「ミランダ謝華ですか? あの、「ガリラヤ作戦」で悪名をはせた?」 「そうだ。かの「鮮血の薔薇」と呼ばれた御仁さ。だが、北朝と即時開戦とならないように根回しをするには、 あの議会に太いパイプを持つ彼女となんらかの合意が必要になる」 「さらには、醍醐グループへの政府の嫌がらせを牽制するためにも」 「そゆこと。まずはこちらの生き残りに全力をあげないとな。そうでなくては、おちおち戦争を楽しむことすら出来やしない」 「了解いたしました。幸運を、中佐殿」 「ああ、よろしく頼む。だが、幸運が必要なのは、むしろ俺より君の方だろう。なんたって、相手は君の方がよりろくでもない悪辣極まりない奴等だからな」
「ふむ。統幕は、まず第五旅団の暴走を制止することに対応の力点 をおくつもりのようですな」 「そのようだ。そして、次に重視するのはC国情勢。つまり、我々 の動静は問題の重大性緊急性においてもっとも低いランクと評価さ れていることになる。情報の隠匿は、完全なようだ。 辻よ、秘め事が円滑に進行するのはよいが、こうも歯ごたえがな いのでは拍子抜けだな」 「はは、服部大佐。実のところ自分もそれを感じておったところで あります。まぁ、情報本部の機能を骨抜きにしておる現在、政府・ 統幕には我らの動静は伝わらないか、歪んだかたちでしか報告され ませんからな。 連中、こちらの主力が御殿場だという欺瞞情報を確認する作業に 追われているようで」 「結構なことだ。連中は結局我らの働きかけを受け付けなかったか らな。決起まで残り数日の間、痛くもない腹を探られる役割を引き 受けてもらおう。 『天安門の学生』の確保は上手く行ったのだな?」 「はい、すでに。土肥原機関の手で身柄確保は完了しております。 あまり、協力的な態度は得られておりませんが、なに。彼らの個 人的意思はもとよりどうでもいいことですからな」 「そう言うことだ。さて、あとは柄這が指令部を掌握した第四護衛 隊群が、東京湾に突入するのを待つばかりか。 いよいよ我らの理想国家が実現するのだ。あとわずかの間が待ち 遠しいぞ」
東條中将は悩んでいた。 祖国のため、おのれがどう動くべきか。 愚かな文官どもに、もはや政治は任せておけないとは痛切に感じている。 彼の故郷、福島の現状を見よ。 いかに逆賊の叛旗に翻弄されているとはいえ、政府の無策のままに蝗の 跳梁するままとなり、その被害はどれほどになるか、アナリストは想像す るだに恐ろしいと口を揃える。 皇居、第五旅団の現状を見よ。 政府の愚鈍に業を煮やし、皇族の重鎮崩宮の直率の許、叛徒どもを撃滅 し皇女殿下をお救い申し上げるべく旅団は自主出動の準備を進めている。 すでに機は熟しきった。 今起たねば、祖国は衆愚政治の暗黒の中、衰亡の道を転がり落ちていく であろう。すぐにも起って、皇国をあるべき姿に戻さなければならない。 万世一系なる現人神のしろしめす、世界で唯一の武の神国に戻さなけれ ばならない。 だが。 それは、はたして今上帝の望まれることなのか。 武によって政権を転覆し、国体を革新することがを帝はお許しになるの だろうか。 忠誠に関して生真面目なところのあるこの男は、何時までも躊躇ってい た。何時までも、答えを出せずにいた。 「……ふぅ……」 暗い部屋、卓上ライトに照らされる書類の束、重苦しいため息。 まだ、決心がつかない。決起の日はあとわずかであるというのに。
列を組み、隊伍を為して、数百人の男たちが大通りを進んでいた。 隊列の背後には、普通なら多くの人々が嫌悪感を覚える(そして今こ の政情不安下では必ずしもそうではない)黒塗りのバスの車列が続く。 それを挟んで、さらに同数ほどの群集が続いた。 男たちの口から、街宣車のスピーカーから、怒りと怨嗟に満ちた怒号 が絶え間なく流れ出る。 「すでに平和は死んだ!」 「安定をもたらせない政府は不要だ!」 「東北を救済せよ!」 「叛徒に死を!」 「支那に神聖な報復を!」 そして口々に叫ぶ、 『武断統治による安定を!』 首都警が厳重な警備を敷く中、一群の国家主義車は青梅通りを我が物 顔に行進した。 加わる市民の数も多い。数ヶ月前、いったんはおさまったはずの狂熱 が、再び帝都に戻ってこようとしている。 ……最終的に、三百人で始まった国家主義者の示威行動は、靖国神社 前に達した時には二千人に達した。 指導者大川、橋本は叫んだ。 「今こそ維新のときである」と。 外電は伝えた。大日本帝国の状況は、まさしく革命前夜、あるいは崩 壊の道程そのものであると。 まさしく、混沌が帝都を席巻していた。 政府は未だ、有効な措置を行っていない。
「あすか」東京湾航行中 ─艦内 陸戦指揮所 元々が新規開発技術の試験実証艦として建造されていたあすかは、それ故に充実した電子装備を持つ。 それが、今回の作戦に於ける総合指揮所の役割を割り振られた理由だった。 〈タイフーン〉戦隊旗艦。それは伊達では無いのだ。 着上陸作戦の指揮も考慮された司令部施設は、横須賀陸戦団のほぼ全力を投じる、今回の作戦に於いても、 十分にその機能を発揮していた。 「時間調整、最終確認。全部隊、異常なし」 「先行侵入チームの状態は?」 「確認します……異常在りません」 「横須賀飛行場内、第2陸戦連隊の搭乗完了」 「フム、移動中の第1特殊偵察隊(〈ケルベロス〉隊)は?」 「港区内への潜伏は完了との報告が上がってきております」 「第5旅団内の協力者との連絡は?」 「大丈夫です、徹底されていると、纏め役の若宮一等陸曹から連絡が入っております」 最終的な確認作業を行っている陸戦指揮所。 その後方。 アクリルにて仕切られた区画に戦隊司令と参謀長。それに星野中尉の姿が在った。 無言で、確認作業を見守っている3人。 それを破ったのは、一つのDEP音であった。 「………司令、飛行甲板からです。発信準備完了との事です」 「本艦の位置は?」 「現在、荒川河口部を微速中です」 「後は時間に達するのを待つだけですねぇ」 壁に掛けられた時計を確認。 1945。 作戦開始時刻まで、もう間はない。 だが、全ての手配を終え尽くした岩田らにとっては待つだけの時間であった。
173 :
名無し三等兵 :01/10/03 20:15 ID:.roOoT0w
とある日の夜。 仕官の喫茶室でタウン誌を前に談笑している二人がいた。 一人は星野中尉、一人は蛯原准尉。 軍服さえ着ていなければその姿は休憩中のOLに見えたことだろう。 そこへ参謀長との打ち合わせを終えた岩田が通りがかった。 二人がプライベートでは仲がいいのを知っている岩田であったが、なんとなく 二人の会話が気になってふらりと喫茶室に入った。 「何を見ているのですかぁ?」 その様子はまさに、部下のOLに構ってもらいたがる上司のそれであった。 「ああ、司令。お疲れ様です。」 「横須賀にいーいお店が出来たんですよぉ。」 といって記事を見せる。そこには「オシャレな地中海料理でステキなランチタイムを」 という「リストランテ トスカニーニ」の特集記事があった。 「ここの横浜の支店、よく行ってたんですけどおいしいんですよぉ。」 「ランチタイムのパスタサンドのバスケットが人気で、今女の子達に大ウケなんですよ。 嬉しいことに宅配もやってくれるんですって。」 ああ、この子達も「女の子」ナンデスネエ・・・と、きゃいきゃい騒ぐ二人を見て父親のような気分に浸る岩田。 「司令もどうですかぁ?教授を誘ってみたら?」 「・・・・・え?いやいや私はいやあのその・・・・・」 いきなり話を振られてうろたえる岩田。 「いいかもしれませんね。だいたい司令って言うばっかで行動に移さないんですから。」 「そうそう、女の子にはやっぱり行動あるのみですよ!司令もこーゆー店くらい知ってないと。 いつも幸楽の餃子定食じゃ駄目ですよー」 ・・・・・・いや、なんで私の行き付けの店と定番メニューを知ってるの・・・・・・ 思いつつ、この時岩田の頭には一つの計画が出来つつあった。
次の日の朝。 蛯原は司令室に呼び出された。 何の用かしらんといった風に突っ立っている蛯原と、言いにくそうに、考え込んでいる岩田。 その光景は少しの間続いた。 「えーと、何の御用ですかぁ?」 「うん、えーと、昨日のあれ、えーと。」 ごもごも言う岩田。なんだか照れているようにも見える。 「・・・・・・・ああ、トスカニーニの事ですかぁ?」 「あれって、ランチの宅配もやってくれるんだったよね?」 「ええ、やってますけど?」 「あれをね・・・・その・・・・・教授に届けて欲しいんだ。みんなには・・・・・・ね?」 いいつつ指で、シーっとジェスチャーする。 かわいらしい、行動である。・・・・・・・が、悲劇(喜劇)はこの時始まったのだ。 「了解しましたぁ!」 元気一杯敬礼をして立ち去る蛯原。その背中を見送りつつ岩田は大きく溜息を吐いた。 「・・・・・・・はあ。・・・・・行動ってのは何をするにしても勇気が要りますネエ・・・・・」 我ながらやってることは純情だなあと。岩田は自省していた。教授の喜ぶ顔が見られれば・・・・と。 同刻。蛯原准尉からのTELを受けた「リストランテ トスカニーニ横須賀店」オーナーシェフ 宮瀬協一は驚愕していた。が、良く知る「蛯原家のお嬢様」の頼みであれば断ることも出来ず、 腕まくりをして厨房へと入っていったのであった。 昼食時・・・ 一人、部屋にこもって作戦案の最終チェックをしていた岩田はさすがに腹が減って 外に出た。おにぎりを買って喫茶室に入ると、そこで信じられない物を見てしまう
喫茶室。 白いバスケットを並べてサンドウィッチを食べている士官達。 それはまさに昨日写真で見た「トスカニーニのパスタサンド」であった。 「え?」となる岩田。 「あ、司令、頂いております。」 「岩田司令、ごちそうさまです。」 口々に言う士官達。手にはそれぞれサンドウィッチ。 「司令がこんな店をご存知だとは知りませんでしたよ。いやあ、人は見かけによりませんなあ。」 上機嫌な参謀長。 「司令ー。いい所あるじゃないですかぁ。」 笑いながら小突く星野中尉。 「???」 訳が分からない岩田。しかし、少し落着くとなんとなく嫌な予感がした。 「え、え、蛯原クン・・・・・・?ちょっと・・・・・・・」 自前のポットでダージリンを入れている蛯原を呼ぶと、外へ出る。 「・・・・・・ねえ、キミ・・・・・・これなんなの?いったい」 汗が止まらない。・・・・・・かくして予感は最悪な形で的中する。 「え?司令おっしゃったじゃないですかぁ。「ランチの宅配を今日中にみんなに」って。」 驚愕。 教授>今日中。 みんなに(内緒で)>みんなに(届けてあげて) まさか・・・・・まさか・・・・・・・・・ 「みみみみみみみみみんなにってまさか・・・・・・・・」 「はい。「あすか」の乗組員全員ですよ?シェフ、「こんなに大勢の注文ははじめてです」って。 びっくりしてました。ここまで私の船で持ってきてもらったんですよぉ。」 口をぱくぱくさせる岩田。蛯原は笑顔のままである。 「みんな喜んでましたよぉ。「司令も粋なことをしてくれるよ」ですって。」 ・・・・・・・・そりゃあ、部下の支持は何にも代え難いのだけれど・・・・・でも・・・・・・ ふと、傍らに見慣れぬ人が一人立っているのに気づく。 「きききき、君は?」 「あ、このたびはありがとうございます。岩田様。こちらがお代になります。」 彼の渡した請求書を見て岩田は本当に目を回しそうになった。 一人前¥1000也。掛ける事乗組員が・・・・・・・・・・・・嗚呼。 後日、領収書をなんとか回そうと主計官に泣き付く岩田の姿があった。 その後ろ姿はある種哀れささえ感じられたという・・・・・・・
(>174〜176) 蛯原君は良い子だ…(虚ろに) ホントにすっごく良い子なんデスヨねぇ……(溜息) 彼女と接しているお陰で、最近は星野君も明るくなったし………(遠い目) でもでも………幾ら何でも……………(血涙) まぁ、給料日の直ぐ後だった辺りが救いですねぇ(涙) (極めて薄くなった札入れをヒラヒラと振る……風に飛びそうだ) お誘いするのは、又今度になりそうですネェ〜(嘆息) それは、秋の空が極めて高く感じられる日の午後の呟きだった。 蛯原女史「何か司令、今日は憂いを帯びていますね。どうしたんでしょうか?(心配げ)」 星野中尉「変な電波でも拾ったんじゃないですか(しれっと)」
R国政府は、本日大統領選挙において、国際的にはレオン・トロツキーとして知られる共萌党中央委員会委員長 レフ・ダビドビチ・ブロンシテイン氏が、エス・エル党党首のアレクサンドル・フョードロヴィチ・ケレンスキー氏を大差で 破って当選した旨発表した。 今回の選挙でのブロンシテイン氏の勝利は、背景にKGB、軍、内務省、警察、検察庁、そして裁判所を持ち、 ケレンスキー氏の背景勢力であるR国国営放送ORT等の報道機関、統一銀行、アエロフロート等に多大な影響力を 発揮したためではないかと見られている。なおケレンスキー氏は、即日F国へ亡命したとの未確認情報もある。 またブロンシテイン氏は、就任演説において第四インターナショナルの発展的解消と第五インターナショナルの設立を公言し、 各界に大きな波紋を投げかけている。 なおブロンシテイン氏は、大統領職就任と同時に新しい軍の人事を発表しており、新参謀総長に とはちぇふすきー★ミ元帥を指名したとの事である。また前大統領のキザーロフ上級大将は、 元帥昇進と同時に極東戦略方面総軍司令官に就任し、ぷーちん☆ミ大統領時代に設立された 戦略打撃軍主力と共にハバフロスクへ移動したとの未確認情報も入ってきている。 これは、現在C国内で起こっている内戦に対応する為と見られており、以後のブロンシテイン氏の対応が注目される。
現在我らを取り巻く世界政治情勢は主として萌タリアートの指導部の歴史的危機によって特徴づけられる。 萌タリア革命のための経済的前提条件はもはや資本主義のもとで可能な最高の成熟度に全般的に 到達している。人類の生産諸力は停滞している。もはや新しい発明や改善も物質的富の水準を高めることができない。 資本主義制度全体の社会的危機の条件下における循環性恐慌は、ますます激しい損失と苦悶を大衆にあたえている。 増大する失業はまた国家の財政危機を深め、不安定な通貨制度をほり崩す。ファシスト体制も民主主義体制も 一つの破産から他の破産へとよろめいている。 資本主義の分解のますます増大する緊迫のもとで、帝国主義的諸対立は袋小路に達しており、 ――その極点において、個々の衝突や局地的な流血の騒乱は不可避的にあい合して世界規模の猛火になるにちがいない。 ブルジョアジーは新しい戦争が意味する自己の萌えへの独占的支配への致命的な危険をもちろん知っている。 だが、この階級は、現在、一九三九年の前夜よりもはるかに戦争を回避できなくなっている。 歴史的諸条件は社萌主義のためにいまだ“成熟”していないといった一切のおしゃべりは、 無知もしくは意識的な欺瞞の産物である。萌タリア革命のための客観的前提条件は“成熟”しているだけではない、 ――それはいささか腐りはじめている。革命なしには、それも次の歴史的時期におこらないとすれば、 人類の全文化は破滅によっておびやかされる。いまや萌タリアートの出番なのであり、 それも主としてその革命的前衛の出番なのである。人類の歴史的危機は革命的指導部の危機に還元される。 我らは現在共萌主義を標榜するC国共萌党指導部の欺瞞との対立を恐れはしない。 我らはC国共萌党の背後にあって萌タリア革命を弾圧しようとする帝国主義者の陰謀に屈することも無い。 ブルジョアジーの経済、国家、政治そして国際関係は、社会の革命前的状態の特徴たる社会的危機によって 完全に萎縮させられている。革命前的状態を革命的状態に転化させる途上にある主要な障害は、 萌タリア指導部の日和見主義的性格にある、――すなわち、大ブルジョアジーの死の苦悶にもかかわらず、 大ブルジョアジーにたいしていだく彼らの小ブルジョア的臆病さ、そして大ブルジョアジーとの裏切り的な結びつきである。 我らは真の革命的萌タリアートを支援しその萌えの解放の為の闘争を全力で支援するであろう。 我らは自由と解放を求めて立ち上がる全ての萌タリアートと共に全世界で解放戦争を闘い抜くであろう。 この解放戦争の当初、第五インターナショナルの各国支部は不可避的に孤立を感じるだろう、 ――あらゆる戦争は国民大衆の不意をうち、彼らを政府機構の側におしやる。国際主義者は流れに抗して 泳がねばならないだろう。しかしながら、最初の数ヶ月のうちに、一九三九〜四五年の血まみれの惨事を はるかに凌駕するにちがいない新しい戦争がもたらす荒廃と不幸は急速に大衆の酔いをさますだろう。 大衆の不満と反抗は飛躍的に増大するだろう。第五インターナショナルの各国支部は革命的潮流の先頭にたっているだろう。 過渡的諸要求の綱領は焦眉の現実性を獲得するだろう。萌タリアートによる権力奪取の問題は身の丈一杯となってあらわれるだろう。 我らは全ての被抑圧者の希望であり萌えの象徴であり解放の旗手となるであろう。
「うわ、きれいな船だねー」 ともえが、和歌山港の片隅に停泊している南朝村上水軍の戦闘艦「くすのき」を見たときの第一声は、賛嘆であった。 元々が潜水艦乗りが主力の西朝海軍であったのだ。 水上戦闘艦というものは、自分達を狩るハンターキラーか魚雷やUSMを叩き込むための獲物、というのが正直なところであった。 現れたともえ等西朝の残党一行を、「くすのき」の艦長とおぼしきヒゲで顔の下半分をおおった男が出迎える。 左手のよく使い込まれたパイプから紫煙が昇っているあたり、できすぎと言ってもいい海の男ぶりである。 「ようこそ村上水軍旗艦「くすのき」へ。艦長の九鬼中佐といいます」 「はい。ボクは萌浜ともえといいます。この「くすのき」を譲っていただけて、皆さんにとても感謝しています。では、艦長さん、乗艦してもいいですか?」 「萌浜ともえ殿下と西朝の一行の皆さんの乗艦を許可いたします。どうぞこちらへ」 脇をしめる海軍式の敬礼でともえ等を出迎えた九鬼中佐は、そのまま皆を先導して「くすのき」内へと入っていく。 「もうすぐお昼時ですが、まずは艦内をご案内いたしましょう。それから食事を差し上げますので、その後正式に艦の譲渡に関して引き継ぎを行いたいと思います。よろしいですね?」 「はい。では、よろしくお願いします」 「では、まずは艦橋から始めましょう」
帝都にな武断をよしとすっ空気があっ 皇統は相あらそい、帝國は自ら混沌と戦乱の満ちっ地と化そうとしちょっ 東北には蝗が降りっせぇ蒼氓ん大地は滅びかかっちょっ 今、正に帝國は衰亡、そして革命ん時じゃっちゆう声もあっ 政府は無能じゃっち、今ん文民政府を廃しっせえ武断統治を求めっちょっと じゃっどん、おいは問いたか。そいでよかとなっち! こん緊急時に対応できんしを選んだとはだいか? 無能な政府を作っ議員がしを選んだとは、国民、有権者じゃっど? 自分らの利益ばっかいを主張すっ、阿呆たりんしを選んだとは自分らやっど!! 今ん苦境は、自分たっではまいこんだこっじゃっど 無論、おいもそん責任からのがるこっは出来ん 選挙によっせえ国民から選んでもろた議員じゃっで、事態を此処まで悪化させった責任ん一角はあっ そいに関しっせぇは逃げも隠れもすっ気は無か 問うなら問っせえばよか じゃっどん、国民のしいに願いたか。今はまだ政治家としっせぇん時間を与えっくれと! こん混沌の責任の一角をもっもんとしっせぇの責任を果たさせてくいやいと!! (訳/ 帝都には武断を良しとする空気が在ります 皇統は相争い、帝國は自ら混沌と戦乱の満ちる地へとなろうとしています 東北には蝗が降り、蒼氓の大地は滅びようとしています 今、正に帝國は衰亡と革命の時であるとの声が在ります 政府は無能であると、今の文民政府を廃して武断統治を求めています ですが私は問いたい。それで宜しいのかと! この緊急の事態に対応できない者達を国会議員として選んだのは誰でしょうか? 無能な政府を作り上げる議員たちを選んだのは、誰でもない国民、有権者なのですよ? それは即ち、利益誘導にのみを議員の務めと主張する、国会議員としての資格の無い人間を選んだ のは、他の誰でもない自分らであると云う事なのです!! 今の苦境、それは自分たちが自ら好んではまり込んでしまった事なのです 無論、私とてその責任から逃れる事は出来ません 選挙によって、国民から選んで頂いた国政の一端を預かるものとして、事態を此処まで悪化させた 責任は自覚しております それに関しましては、逃げも隠れもいたしません 私の責任を問うので在れば、問うて欲しいと思います ですが、国民の皆様に願いたい。今はまだ政治家としての時間を与えて欲しいと! この混沌の責任の一角を持つ者としての責任を果たさせて欲しいと!!) 靖国神社於いて国家主義者の集団が大規模な集会(>171)を行った同日、萌山宗秋は若手を中心とした、 現事態に対して危機感を持っている議員の、超党派による団結を呼びかけ、少なからぬ数の人々を 動かす事に成功していた。 そして、その数を背景に泥沼の様な政争を続けている与野党へと圧力を加え、又、この手の反現政権的 行動を好むマスメディアを利用し、国民に対する説得を開始したのだった。
九鬼中佐が最初に皆を案内した「くすのき」の艦橋は、ほぼ艦首といっていい位置にあり、平らな双胴船体の最上甲板から若干海へと突き出している。 そして、前面と側面がほぼ強化防弾ガラス張りという構成になっており、視界の良さは遊覧船といってもよいほどであった。 そして、ともえの最初の感想も、まったくそのままであった。 「うわ、ほんとに遠くまで見えるますねーっ」 「ええ、いかなる技術が使われているのか、ガラスの偏光率も低いですから。晴れた日には、本当に水平線まできれいに見通せますよ」 「ふ〜ん、すごいですねね、それ。でも、嵐の時は怖くないですか?」 「怖いですよ。ですが、雨ガッパをかぶって見張りに立つ事を考えれば、エアコンの効いた室内で全てをこなせますから、全然違いますね」 濃い眉の下の目を細めて笑ってみせた九鬼中佐は、続いて艦橋内をざっと説明する。 そこは、プラズマ液晶表示機が設置されたコンソールが並んでいる、まるでSFに出てくる宇宙船の艦橋のような場所であった。 わずかにエアコンの作動音がともえ達の耳をつく。 「ここは、基本的に航海指揮を取るための場所です。当然、戦闘指揮も行えますし、普段は艦長はここで指揮を取ることになります。もっとも、戦闘時にもCDCは副長に任せて艦橋で指揮を取る艦長は多いですが」 北陸戦争の時は、私もここで指揮を取りました。 そう、遠くを見るような目をして九鬼中佐は言葉を締めくくった。 「さて、各機器に関してですが、窓際の右手から、艦長コンソール、対勢指示器、ジャイロリピーター、陣形運動盤、司令コンソールと並んでいます」 幅15mはありそうな艦橋の前方窓際に並んでいるそれらの機器やコンソールは、綺麗に磨き上げられていた。 「そして、その内側の機器は、右手にレーダー指示器と作図台。中央に操舵コンソール、その前方に磁気コンパスが、左手に航海コンソールがあります。操艦だけなら操舵コンソールから一人で全てやることも可能ですよ」 「じゃ、極端なはなし、艦長と航海長と通信士さえいれば、艦橋は機能するんだ」 「あくまで極論ですが、それも不可能ではありませんね。できれば、艦長、航海長、哨戒長、操舵員、通信士、当直海曹と、航海員が何人か欲しいところです」 九鬼中佐は、苦笑気味に二三度頭を振った。 「そして、艦橋の後壁の左右のあのカーテンの向こう側に、右舷側に海図台、左舷側に作業机があります」 「後ろのソファーは、やっぱり休憩用ですか?」 「ええ、長時間立ちっぱなしで艦橋に詰めるのは、やはり負担ですからね。特に戦闘時の明け方は、人間は最も疲弊しますから、ミスも多くなるのです」 「うん、それはよく判るよ」 「はい、そういうことです。それでは、次はCDCに参りましょう」
九鬼中佐に案内されて艦橋から出たともえら一行は、そのまま階段を下に降り、艦長室の横を通って艦の奥にあるCDC室へと歩いていった。 そこは、正面壁面一杯に四枚ものプラズマ液晶の表示板が設置されている。 中央の二枚には「くすのき」を中心にした周辺地形が線図で示され、航空機情報や各種艦艇船舶の情報が表示されている。 一枚は半径150浬内、一枚は150浬外の情報が表示されていた。 また、その外側の左右の表示板には、気象情報や陸上目標情報、各所の状況までも表示されていた。 「ここが、この「くすのき」の戦闘情報処理の中枢であり、収集される無数の情報を分析し、評価し、艦長や各級指揮官の決心をサポートするための機能を持っています。 CDCとは、Combat Direction Centerの略称であり、文字通りこの「くすのき」の行動を決定する為の場所なのです」 九鬼中佐は、CDC室に入る直前に消したパイプを使って各部署をともえ達に説明していく。 「CDCは、この指揮管制室を中心に、戦術情報区画、対潜戦区画、対空戦区画、対水上戦区画、水上打撃戦区画、水上管制区画、航空管制区画、ECM室、ソナー室という機能ごとに区画化されています。 各々の部署には「くすのき」の各種センサーや、僚艦や上級司令部からリンクシステムによって自動的に送られてくる各種情報を評価し、整理し指揮管制室の表示板に作図展開を行う評定官と機器の操作員が配置されます。 そして、指揮管制室で評価判定を行い、艦長や各級指揮官に進言と通報を行い、その決定に従って「くすのき」の各種機材を運用管制することになります」 薄暗い室内は、各種のコンソールで埋め尽くされ、じりじりと漏れるノイズ音や、エアコンの通風機の動作音、そうした諸々が混ざり合って一種独特な緊張感を醸し出していた。 穏やかな九鬼中佐の言葉であっても、ともえら西朝一行が迫力に呑まれて緊張してしまっているのを解くことはできないでいた。 「じゃ、実は艦橋で指揮を取るより、ここで指揮を取った方がいいのかな?」 呆然としている一行の中では、やはりともえが一番最初に我に返ったようであった。 「そうですね。ただ操艦は艦橋で行いますから、艦橋の方が指揮を取りやすいと考える艦長は多いですね」 「ううっ、でも、判断はここの方が下しやすいよね? うーん、どっちだろ? よくわかんないや」 腕を組んで頭をひねって考え込むともえ。 どうやら、すでに自分がこの「くすのき」の指揮をとる時のことを考えているようである。 そんな彼女を目を細めて微笑みとともに見ていた九鬼中佐は、さらに言葉を続けた。 「つまり、CDCの機能の目的は、戦闘海域における彼我の情報を漏れなく収集し、そのデータを整理して作図展開し、その結果から脅威度を各目標ごとに設定して、関係各所に最適対応を進言通報し、所要の武器管制を行う、というものです。 これらの機能は、循環した鎖のように間断なく続けられ、個艦および部隊全体の戦闘力を十全に発揮させる事を目的としています。 その為に、機能の大半はコンピューターによって自動化が進められ、各部署や友軍とネットワークを構築して情報の収集にタイムラグが生じない様にし、リアクションタイムを可能な限り減らすように務められてきました。 極論ですが、もはや人間が行うべき仕事は、刻々と間断なく入ってくる情報を適切に評定する事でしょうね。 まあ、実はここのコンピューター類は、かの六九式「教授」の特別製で限界までチューンされたものばかりですから、操作に馴れるまでは大変でしょう。 ですが、使いこなせれば、文字通り艦長の手足も同様になって戦場を支配することができるようになるでしょうね」
「先程の艦橋とCDCが「くすのき」の頭脳に当たるならば、ここは心臓に当たる場所ですね」 「へえ、でも、なんだか想像していたより静かで綺麗ですね。もっと油臭くてごんごん騒音が凄いかと思ってました」 「殿下はディーゼル潜水艦にお乗りだったからそう思われたのでしょうね。 「くすのき」は、ガスタービン発電を使用した統合電気推進艦ですから、ディーゼルとギアを使用した艦に比べて遥かに静粛で運用も楽ですね」 ともえら一行が次に案内されたのは、「くすのき」の機関室であった。 そこは、彼女らが想像していたのとは全く違って、モジュール化されたガスタービンエンジンと、それに連結された巨大な発電機、そして各種の機械であった。 クランクやシャフトがうなりをあげて動くディーゼル機関に馴れきったともえ達にとってすれば、信じられないほど静かな場所であった。 しかもほとんど無人であり、耳につく電磁的ノイズやタービンブレードの高周波音とモーターの駆動音がわずかに漏れているだけの場所であった。 「搭載されているガスタービンは、ロールスロイス社のWR-21を4基、各々に超電導コイル使用の永久磁石発電機がつなげられ、合計で100MWの出力を発揮できる事になっています」 「へえ、うーんと、100Wの電球が100万個ともせるんだ。……そうゆふうに考えると、すごいですよね」 「ですが、この艦の全ての機器は電動ですから、100MWの発電量をもってしても余裕綽々というわけにはいきませんから。 ただ、減速歯車を介してスクリューを回すよりは、電動モーターを使った方が遥かに静かであり、また運用も楽なのです。 実際、これらの主機械は、船体から空気バネを使って浮かし、機関室も防音構造となっています。 つまり、船体が海水面を通るときに発生する雑音や、ウォータージェットのポンプ駆動音、そうした諸々の放射雑音くらいしか音を出しませんから。 これは、対潜水艦戦闘においては、極めて大きな要素ですよ」 「うん、それはボクにも判ります」 モジュール化されたガスタービンエンジンから延びる太いダクトを見上げつつ、ともえはうなずいた。 「そういえば、「くすのき」って、煙突はどこについているんです?」 「この艦の排気は、両脇の没水体の間に、海水で冷却して排出する様になっています。 つまり、放射赤外線をできる限り減少させる為にです。 昨今は、赤外画像照準の対艦ミサイルも運用されていますからね、それらのシーカーにロックオンされる距離をできる限り減少させる事も、艦の防御力を向上させるためには役に立つのです」 九鬼中佐は、続いてともえ等を機械操縦室へと案内した。 それは機関室の上のレベルの甲板に設置されており、「くすのき」の機関を監視し操作するための中央管制室と言うべき場所であった。 「そういえば、機械室にほとんど人が居ませんでしたけど、大丈夫なんですか?」 「ええ、極端なことを言えば無人でも大丈夫なのですが、一応機械の監視要員は必要ですからね。 故障の確率は極めて低いですが、全く無いというわけでもないですから」 ともえ等が案内された操縦室は、これまでの部屋と同様にコンソールが並べられ、エアコンの空調が効いている部屋であった。 「……なんていうのかな、ボク、水上戦闘艦って、もっと活気があっていろんな機械が動き回っているものだって思っていました」 「そうですね、確かにこの艦ではコンソールで操作するだけで大半の業務は片づくところはありますね」 「ここも、ずっとディスプレイに映った計器を見ているだけでしょ? う〜ん、なんか、戦争しているって感じじゃないですよね?」 「ええ、仰る通りです、殿下。 ただ、無理して全員に戦争状況を体感させる必要は無いのですよ。 むしろ、不必要な緊張はミスを多発させます。 だから、普段通りの業務を各々が行うことで任務を遂行する、そういうシステムにこの船はなっているんです。 例えば、この操縦室は同時に被弾時の応急指揮所になりますが、指揮官が冷静にかつ的確に被害を極限するべく指示を下す、それが可能なように設計されているのです」 「ふーん、つまり、わざと、そうだね、ゲーム感覚で指示できるようになっているんだ」 「それは、多分正しい洞察でしょうね、殿下」
『これは面白い傾向だと思いますよ。今の様な状況で、テロを恐れずに……』 『ですが、これは僕の意見なんですがね。この混乱した帝都の状況で、あの様な意見を言われて困ると 思うんですよ。 実際、萌山宗秋氏は代案を提示していませんし……… これに対して武断統治を主張している人達の方は、少なくとも判りやすいと言う面は在るんじゃないですか。 今なら、善行忠孝氏と云う国防軍きっての人材も居る事ですから』 『それは間違っていると思いますが。北陸戦に於ける善行氏の功績は認めて良いと思いますが、そもそも、 彼は軍人なのですよ? 政府内の人間どころか、政治家ですら……』 『しかし、最近の帝都の状況を見ていますと、混乱を治めるには、在る程度、強い統治力を…』 『それこそ、以前には良く言われていた“何時か来た道”ではないですか!? いきなり“次期指導者に迫る!” 何て特集を組まれて、善行氏とて迷惑しているんじゃ無いですかね?』 『う〜ん、どうでしょう。今の日本が強力なリーダーシップを求めているのは事実ですし……まぁいいや、次、 特集です。今日の特集は……』 軽薄と言っても良い口調でキャスターが新しい話題を口にしたとき、TVの電源は落ちた。 「宜しいですか?」 「気にすっこっでんなかが。所詮、日本がマスコミは煽動と迎合しか能がなかでな……勢いをてれったとっは、 気が付けば付いてききょっとろうよ。 そいよか、各党えん働きかけはどげんなっちょんな?」 (訳/気にすることは無いよ。所詮、日本のマスコミは扇動と迎合する事しか無いからね。我々が主導権を 握れば、自然と付いてきているだろうからね。 それよりも、各党への働きかけはどうなっているの?) 「各党の首脳陣、特に経験の豊富な古参の方々は基本的に現状が政争をしていられる状況では無いとの認識に同意されて いますが、一分の極論を用いたがる人間が………」 「跳ねっ返りは、どげんしようもなかね……いざと成っと数を持った実力行使になんな…………」 (訳/周りの見えない人間は、どうしようも無いね……いざと成れば、数を利用した実力行使かな………) 「新党結成、ですか?」 「出来ればじゃっどね。じゃっどん、其処までひっぱるっだけん魅力がおいにはなかでな(苦笑) 最後ん手段じゃんな。 そいに、おいたっが政争を引き起こすっ訳にもいかんでな」 (訳/出来れば、となるね。だけど、其処まで人を引っ張れるだけの魅力が私には無いからね(苦笑) 最後の手段に なるね それに、そもそも私達が政争を引き起こす訳にはいかないからね) 「ですね」 「まっ、今んとこいは意見の調整と連携じゃ……苦労をかくっな、おはんにも」 (兎も角、今の所は意見の調整と連携だね……苦労を掛けるね、ジェラルディン) 「いえ、宗秀様。お気になさらずに」 そう言って、ジェラルディンは朗らかに笑っていた。
親愛なる人民同志諸君、まず我々は我々の偉大な革命の成果が、外国の反動主義者と国内の裏切り者の策謀で危機に貧していることを直視しなくてはならない。 今や、あらたな犲狼のごとき反動的ファシストが、我々の背後から反革命反動の最後の切り札として台頭しようとしている。 彼らは人民の意思によって選ばれた、そんな主張を信じる者はブルジョワジー自身にすら一人としていない。 万国の戦闘的大衆が知るのはただ一つ、かの国で民衆の闘いが無慈悲な権力により圧殺され、それが資本により統制された報道には少しも現れることがないと言う事実だけだ。 我が人民は、改良主義者と言う羊の皮をかぶった狼の類の国際的反革命への合流の動きを決して座視しない。 反ブルジョワ帝国主義の国際的連帯の中に身を置く革命的労働者の慧眼は、社萌主義者を詐称する搾取階級の片棒担ぎ的連中の不当な政権奪取を断じて見過ごさない。 この忌むべき殺し屋どもが、たとえ虚偽と欺瞞の毛皮で自己の労働者の血で塗れた本性を覆い隠そうとも、その身に染みこんだ腐敗のにおいは決してごまかすことが出来ないのだ。 今、先進的な革命国家、共和国が一時の苦境に立たされようと、それは革命の最終的敗北には絶対的につながらない。 張子の虎に過ぎない帝国主義が、生きた虎である革命的人民戦士に打倒されるのは自然の科学的摂理だからである。 ならば、我が同志、我々は一時この苦境を耐え忍ぶだけで良い。まずは、国内の裏切り者を打倒しよう。 我々がこの走資主義者の一団をやっつける間に、巨大な帝国主義者の足もとで、小さな労働者が大いなる闘いをはじめるだろう。 そしてこの人民の闘いは、最終的に我々の側の勝利で終わると定まっているのである!
>>186 R国新大統領とろつきー☆ミ氏就任を歓迎する議会での演説で
「……かって植民地、半植民地の状態におとしめられていた国の形式上の政治的独立は低開発の大問題を何ら解決しなかった。
植民地化を経験したすべての大陸で、植民地革命を社萌主義革命に転化させる必要にますます強く迫られている。
これとならんで我ら栄光の第一革命を担ったF国の革命の前衛としての必要性は一層至上命令となっている。
労働者国家では「非スターリン化」は官僚の政治権力に挑戦しなかった。
官僚主義的権力が継続したため、1960年代の東欧での民主革命や第三世界革命論によってすら完全に満足されたことはない。
よって、
>>186 におけるC国政権のコミュニケに対する我々の回答はただ一つである
オマエモナー!」
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「みんなーっ、朝だよ、おっきろーっ! 起きてラジオ体操だーっ!」 「くすのき」のマストのてっぺんで、やかんをがんがん。
190 :
らでぃそ :01/10/06 07:20 ID:Xgq2dZWc
あさー、あさだよー。 旅客機乗っ取ってカミカゼに逝くよー♪
191 :
キザーロフ :01/10/06 19:46 ID:cFHLIbDo
いつか来た、チタの地。 やはり、私には政治よりも戦の地が似合うかもしないな。 うむ、我が大ロシアが田舎のキタイの者どもに負ける事など有るのだろう か? ・・・いやない!!(反語) 極東軍管区に動員令を発令、計画に則り部隊の再編を開始。
やべー、あげちゃったよ。
少女は吉野で既にヘリポートに在った。 少女の手を引いた善行は、先に備えられた南朝のヘリに近づき、ヘリ内に足を踏み入れた。 「ご足労ですね」 「は、痛み入ります。名無し一等空士であります…直ちに出発して宜しいのですか?」 「はい、御願いします。帝都の動静への対応は緊急を要します。 各方の見送りはいずれ、とさせて頂きましょう…もなこ様、こちらへどうぞ」 彼がヘリに乗るために一度離され、 今差し出した手を、少女は握ろうとはしなかった。 急に帝都へ帰る事への反発がやはりあるのだろうか。 しかし、彼はそれどころの事態で無いことは少女に教えていた筈だった。 内心で溜息を吐き、彼は少女の搭乗を促す。 「もなこ様、どうしましたか?」 「でも、まだ、みんなにごあいさつしてないのです。それに…」 「申し訳御座いませんが、もなこ様。後ほど、私の方より諸礼は致します。 重ねて申しますが、今は、急ぎ帝都に帰らねばなりません。 …もなこ様がご心配してらっしゃる、ここの方々と、お互いに争わない様にする為にも」 「でも、でも…」 その時少女は、何故か一瞬彼女から外された彼の瞳を追った。 数秒で戻ったその瞳には、少女の未だ見た事の無いように思われる物があった。 「…もなこ様、お聞き下さい」
「…旅団長閣下が如何様に言われたかは、私は側聞でしか知りません。 しかし、もなこ様。 貴方はこの大日本帝国を、いずれ背負って立たなければなりません。 その意味が、お判りになれますか? 何時も教育係の方やお父様などが仰っておりますでしょう。 もなこ様。 もなこ様の御意志は、時としてもなこ様だけの自由になる物ではないのです。 もなこ様の御意志は、この日本に住まう人々全ての意志となる事さえあるのです。 如何にもなこ様と言え、その御意志が人々の幸福に反する事であれば、 それは、単に良くないわがままであり、許されざる事なのです。 もなこ様。 今、帝都では、沢山の人々が不安に蓋われています。 東北においても…そこで起こった事は、もなこ様はご存知でしょうが、 それによって多くの人が明日の暮らしに不安を持っております。 …皇太孫で在らせられるもなこ様には、 彼らの不安を取り除いて頂く、そう、義務があるのです。 それを、もなこ様の御意志以上に優先してこそ、 もなこ様が、お父様お母様や、第五旅団や、皇居の皆様と御一緒に居る意味があるのです。 旅団長閣下の仰った事は、これ以上の意味は持ってはならない物なのです。 …お判りに、なって頂けましたか?」 少女は何も言わなかった。 もし彼の言った意味がわからなければ、その両方の瞳から涙が零れ落ちる事は無かっただろう。 彼も、それ以上何も言う事はなかった。 ただ、少女は、手を引いてヘリに乗る事に抵抗はしなかった。
以来全ての会話が途絶えた数分の後、 陪席した善行の配下に在った武官が、ヘリの飛び立つ音に紛れ、彼に小声で話し掛けた。 「…しかし」 「なんだ?」 「その…宜しいのですか?」 「…もなこ様には、恐らく、そう、程無くだ。 この国を背負って立って頂かねばならない。その意味が、判るな?」 「は…」 傍らの武官は、その重い空気の中、苦々しげに窓を見つめた。 その後、その場に居る者の耳に入った人の声は 何時からか聞こえ始めた少女の欷歔だけであり、 帝都へ戻るヘリの中、その音が鳴り止む事はなかった。
196 :
名無し三等兵 :01/10/07 00:07 ID:tDiARmoA
それじゃあ6倍だよ!!
西朝の面々が「くすのき」の案内を受けている頃、港では出港に向けて 積荷の搬入作業がおこなわれていた。 「へぇ、きれいな船だなぁ。」 その時、港内の片隅でおもわず感嘆の言葉を漏らした者がいた。 中学生、いや、小学生と言われても違和感のない、幼い顔立ちをした少年。 その瞳には好奇の光がありありと見て取れる。 「うん、決めた!」 そう呟くと、少年は隠れるように積荷へと近付いていった。
積荷へと近付きながら、少年は考える。これまであても無く歩いてきた。 学校の事、友達の事、姉の事、義父の事。楽しい事もあったが、大抵の 事柄は考えるのも面倒な事ばかりだ。 「僕は、僕の思う通りにやるんだ。」 少年の表情に翳りの色が浮かぶ。だがそれも一瞬の事だった。 「んー!船に乗るのは初めてだなぁ。沖縄、とか行っちゃうかもしれないん だよね。」 如何にも楽しげに、少年は改めて船を見上げた。そして辺りを見渡すと、 近くにあった木箱を開け、中へと潜り込んだ。
199 :
みなぎ :01/10/07 01:25 ID:pYRiF9wM
>193 >194 >195 飛び立ってゆくヘリをみなぎはじっとみつめていた。 おそらく、これが正しい。しかしその正しさを受け入れるにはあまりにも幼い。辛いことであろう。 されど、宮様は唯一無二の「象徴」である。いつまでも岩戸に引きこもっていることも出来ないのだ。 「Enfance finie」 ぼそっとつぶやく。大人になっていくということはある意味残酷なことでもあるのだろう。 受け入れること、変わっていくこと、何かを捨てていくこと・・・・・・・ でも、まだ早いでしょう。とも思う。 何もかも捨ててしまうには宮様には「思い出」が少なすぎやしませんか。 状況が停滞することを許してくれないのならば、せめて帰ってくる場所を 用意しておくのが我々宮様の「おともだち」の成すべき事ではないのだろうか。と。 「僕よ、さあ僕よ。僕は遠い旅に出ようね。」 ヘリポートに猫の姿はもう、なかった。 同時刻。 「おかえりなさい。小隊長。」 「うん、ただいま。宮様が帰って来られるよ。お出迎えの準備をしなくちゃね。」
200 :
貫上等兵 :01/10/07 03:25 ID:JbdOCqRg
(くすのきの艦内を九鬼艦長に案内されながら、思わず口ずさむ) 西朝の騎士は 青い服を着て 艦長と水兵たちは 朗らかに歌い 抜け目なく見張る たとえ嵐が吹き荒れようとも マストに翻る旗は ともえ様が我らにくだされたもの 旗よ、我ら汝に誉れ与えん 北朝は強大だ 夜こそ我らの時間 我らが大海原の自由よ 我らが、我らが 我らが大海原の自由よ
>184 からずっと、艦内を九鬼中佐に案内されて歩き回ったともえ殿下等一行は、ようやく食堂に案内されて昼飯にありつくことができたのであった。 「ううっ、戦闘艦の中がこんなに広いなんて、ボクは知らなかったよう」 ふにゃあと椅子に座り込んだともえは、くりんくりんと首を回してつぶやいた。 「それで、艦長さん、お昼ごはんはなんですか?」 やはり食べ盛りの年頃なのだろう、これからご飯ということで、ともえの表情は期待に生き生きと輝いている。 「今日は、ライ麦のパンに鶏肉のシチュー、温野菜の付け合わせ、グレープフルーツの輪切りとなっております」 糧食担当の主計兵曹が、視線だけ向けた九鬼中佐の無言の問に答えた。 「うわっ!? すごいねっ、御馳走だ(@o@)」 ぴょこっ、と身体を伸ばし、ともえはキッチンの方に視線を向ける。 「御馳走、ですか?」 「うん、だって潜水艦の中では、そんな新鮮な野菜とか果物とか、食べれなかったもん」 「そうですか。この艦では、食事は基本的にカフェテリア方式になっていますから、食べたいものを食べたいだけとって大丈夫ですから」 「ほんと? じゃ、お昼にしよっ!」
202 :
貫上等兵 :01/10/07 03:50 ID:JbdOCqRg
>201 (カフェテリアで食事をとるとき、給仕のおばさんに) 「あ、ニンジンはいらないよ?」 するとおばさんはにやりと笑うと 「何言ってんだい!好き嫌いしてると何も出来やしないよ!」 と山盛りにニンジンを出してくれた。 「う、うへぇ」 思わず情けない声を上げると、前に並んでいたともえ様がくすっと笑った。 「じょーくん、ニンジン嫌いなんだ?」 「唯一、私が食べられない食べ物ですよ・・・・・・トホホ、どうしよ、これ」 目の前のニンジンの山を前に、途方にくれる貫であった。
>202 「じゃあ、ボクがそのニンジン、もーらったっ!」 一緒の机の目の前に座った貫上等兵のトレーから、ともえはさっとフォークを突き出し、山盛りのニンジンをかっさらう。 そのまま、実に皆の二倍は山盛りの料理の上に乗せ、それこそ満面の笑みを浮かべている。 「それでは、いただきまーす!」 ともえの掛け声と同時に、一斉にスプーンやフォークが食器にあたる音が食堂内に響き渡った。 皆が唖然とした目付きで見ている中、ともえは我関せずという風情で、ライ麦パンを細かくちぎってシチューにひたし、次々と口にほおばっていく。 「たくさん食べられますね、殿下」 なんというか、楽しくてならない、という様子で元気一杯に食事をするともえに、九鬼中佐が声をかけた。 「うん! もう、お腹すいちゃって」 口の中のパンを水で飲み下し、左手で口元を隠しつつ答えるともえ。 本当に、心から嬉しそうに、美味しそうに食事をしている。 「う〜ん、なんとなくものたりないよう。でも、これ以上食べると太っちゃうかな?」 空になったトレーを見下ろして、ともえは心底困ったようにつぶやいていた。
204 :
貫上等兵 :01/10/07 04:07 ID:JbdOCqRg
>202 「じゃあ、ボクがそのニンジン、もーらったっ!」 言葉を発する間もなく、ともえ様は俺のニンジンをかっさらい、 モグモグと食べている。とんでもなく早いペースだ。 何かがフツフツと心に沸いてくる。 「太るなんてことはありませんよ。でも、よく缶で食べましょうね?さ、もう一巡しますか?」 トレーをもって立ち上がると、ともえに笑いかけた。 「私もお供しますから、ね?」
>204 「んー、じゃ、一緒におかわりしよっか」 勢いよく立ち上がったともえは、今度はさすがに最初よりも量を減らしてトレーに料理を盛った。 そのまま席に戻ると、貫上等兵が戻ってくるのを待って、スプーンをとる。 「ふーん、じょーくんニンジン、ほんとに嫌いなんだ。じゃ、ボクのシチューのお肉をあげるから、そのニンジンちょうだい?」
206 :
貫上等兵 :01/10/07 04:24 ID:JbdOCqRg
>205 「えぇ、何が嫌いってあのニンジンほど忌まわしい食い物は無いですよ! 神は何だってあんなモンつくったんですかねぇ、まったく。 あ、肉くれるんですか?でも、ともえ様、お肉好きでしたでしょう? 気にしないでください、ニンジンさえなければOKなんで」 「駄目だよ、じょーくん!ね、交換するの!交換!」 「ふぅ、もう、分かりました。それじゃ、交換しましょうね」 二人はそれぞれの皿からニンジンと肉を交換した。 そして貫は最初のと同じくらいの、ともえは最初よりも少な目の盛のシチューを勢いよくかき込みはじめる。 周りはすでに唖然としてぼんやりとその光景を見ているだけである。 「いや、素晴らしい食欲ですねぇ。見ていて惚れ惚れしますね。見ているだけで腹一杯ですな」 九鬼艦長はにこにことその光景を眺めている。 「つ、貫さん、俺のパンいります?」 「あ、くれんの?サンキュ!」 というが早いか日向のパンを手にするとシチューにつけつつ食べている。 「なんか物足りないけど、このへんにしようか?」 とともえが言ったのは、それから二回おかわりをした後であった。
南朝に所属する一機のヘリが、厳重な警護と共に皇居付近のヘリポートに降り立った時の第五旅団駐屯所。 既に萌宮と、及びかの善行忠孝が皇居へ帰還間近である事は伝わっていた。 「程無くもなこ殿下が帰ってくると?」 「ああ、結局我等が右往左往してる間に、状況は進んでしまった、という事だ」 「うーむ、とはいえ、何にせよ、もなこ様が帰って来たという事は、だ」 「そう、ハァハ…むぐ、何をする、同志」 「待て同志、どうも殿下や善行閣下は我等の軽挙にご立腹だそうでな、安易なハァハァはまだいかん」 「だが、我等の存在意義は殿下へのハァハァと絶対の守護では…」 「…今更、言うな。軍令違反は、軍令違反だ。それが判らないというのもどうかしていた、な。 ともあれ、粛々と反省して、殿下のお怒りを待つ他ない」 「…うむ、相当ご立腹の様で、殿下自身がお話になられるかどうかもわからんがな」 「一先ず崩宮殿下も武装解除を指示した後は動かずに居るそうだ」 「で、こうやって俺らも休憩所で寛いでいる訳だが…」 そこに突然足音が聞こえてきた。 「バカモノ!我等の軽挙により殿下の御心を煩わせたその上、殿下をお待ちするに、その様でどうするか! ヘリポートに向かいお言葉を待つなりしろ!」 その、彼らの上官の怒声に、慌てて兵卒達は威儀を正した。 「…という訳でヘリポートへ向かわねばならん」 「妙に説明臭いな、お前…」 「サービスだ。それを好む者が居るそうでな」 「…」
戦闘艦「くすのき」司令官公室。 そこには、九鬼中佐をはじめとする「くすのき」の士官達と、萌浜ともえをはじめとする西朝の士官級幹部が揃っていた。 互いに、完全正装で机の両側に向かい合って立ち、これから始まる儀式を待っている。 荘厳な雰囲気の中、ともえと向かい合って座っている九鬼中佐は、村上水軍に所属している艦艇の名簿と、各艦艇の秘密文書棚の電子キーの入った小箱を彼女の方に差し出した。 九鬼中佐より目録と小箱を受け取るともえ。 二人は、そこで同時に立ち上がって敬礼を交わし、席を入れ換えて互いが座っていた椅子の前に立つ。 同時に、双方の士官達もそれまで立っていた場所を入れ換え、向かい合いなおした。 「南朝村上水軍司令官海軍中佐九鬼嘉隆は、以下の艦艇の指揮権を、西朝海軍司令官萌浜ともえ内親王殿下にお渡しするものであります」 「西朝海軍司令官萌浜ともえは、以下の艦艇の指揮権を、南朝村上水軍九鬼中佐より引き継ぎました」 そして、再度の敬礼を交わし、二人は同時に着席する。 同時に、ほっとした空気が部屋内に流れた。 「これで、この巡洋艦「くすのき」以下、「きくづき」「しゃくやく」「ぼたん」「けふぃーる」は、全て萌浜内親王殿下の指揮下に入りました。おめでとうございます」 「はい。九鬼中佐さんら村上水軍のみなさんがこれまで乗り込んできた船達は、ボク達が大切に使います。 これまでの皆さんのお心遣いに、西朝を代表して感謝します」 「それでは、これからについて、当艦の前先任兵曹長より説明申し上げます。 安宅兵曹長、それではこれからのスケジュールについて、説明を」 「はい、中佐殿」 九鬼中佐の言葉に従い、一歩前に出てきた准士官は、まさしく限界まで肉体を酷使することで鍛えられた筋肉と、激しく荒れる海風を受け続けてきたらしい赤銅色に灼けた肌をしている大男であった。 そのごつごつと巌を削り出したかのような顔には、肉食獣を思い浮かばせるような笑みが張りついている。 「ただいま紹介にあずかりました安宅兵曹長であります。 自分はこれより西朝海軍司令官の要請に従い、皆さんにこの「くすのき」の運用に習熟していただくべく御助言申し上げる事になります。 まずは、皆さんに最初の御助言を申し上げます。 自分をはじめとする教官の言葉は、西朝海軍司令官の言葉であり、無条件で従っていただきます。 自分達教官は、皆さん方が完璧にこれらの戦闘艦を運用なされるようになるまで、御助言申し上げ続けることになります。 よって、習熟が終了するまでは、御助言に従っていただくことになりますのでよろしく御配慮いただきたくあります」 すなわち、この大男の兵曹長の言葉を意訳するとこういう内容になる。 右も左もわからん尻の青い小僧っ子共でである貴様等を、一人前の海軍軍人に仕上げるために骨が軋む程しごきあげてやる。 その意味することを理解した貫上等兵をはじめとする、軍人経験のある者達は、心底嫌そうな表情を浮かべた。 そんな彼らの心中を知ってか知らないでか、九鬼中佐は、ともえ殿下に向かって穏やかに笑いかけた。 「それでは、萌浜内親王殿下。この艦に西朝での名前をお願いいたします」 「……うん、それじゃ、そうだね「松風」にするよ」 「了解いたしました。それでは、「松風」の出港指揮を、艦長」
209 :
貫上等兵 :01/10/08 02:13 ID:HD85OnC6
>208 形ばかりの指揮権移譲の儀式が終わった。これで名実共に、 「村上艦隊」は西朝所属となった。 まぁ、しごかれるのは勘弁してほしいもんだ。 とはいえ、この船に関しては何も知らない以上、 一日も早く慣れねば自分の命に関わる。それもまたむべなるかな、か。 「出港、か。暫くは日本ともさよなら、だな」 俺は二度とは見れないかもしれない、日本の景色を、目に焼き付けようとした。 何故か、涙で目の前がかすんだ。
和歌山港内を見渡せる「くすのき」改め「松風」の艦橋で、ともえらは九鬼中佐等元「くすのき」乗組員らの助言の元、「松風」を出港させる準備に入っていた。 艦長席に座ったともえは、隣に立つ九鬼中佐を何度も振り返りつつ、艦長としての職務に馴れようと必死だった。 「艦長、もやい綱解きます」 「うん。それで、次は?」 「錨を上げ、桟橋を離れます。 その時、できる限り低速度でしかし素早く回頭し、港外へと出ていくのが重要です。 タグボートがサポートしてくれますが、基本的に自力で出入港できるようになっていただかねばなりません」 「うん、頑張るよ」 艦長用コンソールのディスプレイには、艦内の状態がリアルタイムで表示されている。 「艦長、錨収納しました」 「うん、じゃ、取舵、微速後進。桟橋を離れるよ。……これでいいんですよね?」 「はい、結構です」 もはや日本国内に居場所のなくなった西朝の者達にとって、この「松風」は最後の居場所となったのだ。 そして、彼らはとうとう日本を出て行こうとしている。 ともえの瞳にも、うっすらと涙が浮かんでいた。
211 :
統幕会議 :01/10/08 04:23 ID:vu6/tC62
「曳航中の『ひえい』が沈没? 艦内爆発だと?」 「はっ、先日の台湾海峡突破の際、ASM一発を被弾し自力航行が不可能となっておりましたが、昨日突然爆破事故を起こし、沈没いたしました。 報告では艦首部からの発火で、艦体が二つに折れほぼ轟沈だったとのことです」 「第四護衛隊群司令部は、脱出が間に合わず全滅。現在は第64護衛隊司令柄這中佐が、臨時に第四護衛隊群の指揮を執っております」 「……なぜあいつが指揮を執っているんだ。海幕長、確か彼女は」 「……はい、議長。柄這椎麻中佐は、陸軍強硬派との繋がりが指摘されております人物です。 今回も、独断で台湾潜水艦撃沈する暴挙に及んだ人物です」 「なんで拘束していなかった。『ひえい』の沈没もクーデター騒ぎじゃないのか。 第四護衛隊群の現在位置はどこだ」 「現在、中共の空襲や潜水艦を避け、大回りして室戸沖の洋上ですが……」 「妙な動きだな……誰も変だと思わなかったのか。 これからは目を離すな、どんなささいな動きでも報告しろ」 「はっ、了解しました」 「第五旅団の動きは、蝗対策は。くそっ、やることはいくらでもあるぞ。 いくらでもあるのに、政府の命令もなにもない。一体、連中にやる気ってものはかけらでもあるのか」
「反対する士官はあらかた処分が終わり、第四護衛隊群はこちらが掌握しました」 「閣下、第一及び第三四普連、いつでも出動できます」 「第十二師団の一部有志も、我々の決起に合流してくれるとのことです。 彼らは新潟戦争で故郷の惨状を迎え、惰弱な政府の対応に憤っております」 「上手くすれば、第五旅団との呼応も期待できるでしょう。 もはや東部軍命令を期待するまでもありません。我々だけでもやりましょう」 「……と、いうことだ。東條幕僚長、貴様が呼応してくれなくとも、我々はことを成し遂げる」 「……ことここにいたっては、やむを得まい。決起は何時か?」 「明後日。まず大衆動員をかけて国会開会中の議事堂を包囲する。 次に治安出動で第1普連と第34普連の主力を出して、治安活動の名目で要所を占拠する。兵力が若干足りんので、これには中央調査隊や警務隊の一部も投入する。 仕上げに、各部隊から抽出した精鋭を出して、包囲する大衆と呼応して議事堂を制圧。議員すべてを拘束する。同時に第34普連他で いくらかの議員には話がついている。大陸の一部勢力にも。南京と満州に臨時政府を樹立し、帝国は欧亜に再び雄飛する。 我々の手で作るのだ、新たなる日本の栄光の時代を」
>>207 約2000にも及ぶ近衛第五旅団隊員が整列し南朝の輸送ヘリを出迎える中、善行は、Ka-29がヘリポート
に着地するまで姿勢を正したまま黙って瞑想を続けていた。萌宮もなこ内親王すらも、何を口にしたらい
いのか判らないままずっと黙りこくっていた。あまりにも重くいヘリ内の雰囲気に、誰しもが困ったまま口を
つぐんでいた。
「到着です、萌宮内親王殿下、善行閣下」
「ご苦労様でした。醍醐旅団中佐殿によろしくお伝えください。南朝の件はお任せ頂きたい、とこの善行
が申していた、と」
「御配慮、まことにありがたくあります」
「はい。……それではもなこ様、参りましょう」
着地したヘリの扉が開かれ、足台が置かれる。
最初にヘリから降り立った善行は、難しい顔をして黙りこくっている萌宮もなこに手を貸してヘリから降ろ
すと、少女を先頭に整列した兵士達が捧げ筒で出迎える中を歩いていく。そして、出迎えた侍従達に少
女を任せると、自らは旅団司令部に直行した。
「気を付け! 敬礼!」
「皆さん、ご苦労様です。それでは、状況の説明を」
「はっ、ではG2よりまず旅団の現状についてご説明申し上げます」
「近衛第五旅団は、現在出撃準備状態のまま待機中であります。なお、崩宮親王殿下は、現在吹上御
所内で蟄居中であらせられます。旅団の指揮権は現時点で旅団参謀長の掌握するところであり、閣下
の御命令をいつでも実行可能な状態にあります」
「了解いたしました。本職は、諸君の祖国と民族と皇室への真の忠誠を理解している事に対し、心より
感謝をするものです。では、続きをお願いします」
「はっ。現在帝都は、国防軍内の桜会を中心とした軍事政権樹立を目論む一派が、クーデターの為に
一部部隊を掌握し、決起直前の状態にあります。現時点でクーデターへの参加が確実視さされている
のは、練馬の一普連、朝霞の三一普連、板妻の三四普連と思われます。なお、朝霞の三二普連は決
起に参加するつもりは無い、と国防省に秘密裏に一筆申し送ってきているとのことです。なお、那覇の
第一混成旅団も怪しいとのことですが」
「了解いたしました。速水君は優秀ですから大丈夫でしょう」
「なお、情報本部と警務隊内にも桜会の参加者は数多くおり、これ以上の情報は把握しきれておりませ
ん。なお、民間人の桜会のシンパに関しては現在内務省が調査中とのことですが、正確な情報は国防
軍にはまわってきておりません。また、これは未確認情報ではありますが、第四護衛隊群が現在帝都に
向けて航行中との情報も入ってきております。以上であります」
「了解いたしました。それでは、改めて近衛第五旅団司令部の皆さんに確認させていただきます。皆さ
んは、あくまで祖国と民族と皇室への忠誠を完遂する意志を持ち、私の命令に従う意志があると考えて
よろしいのですね?」
善行の穏やかな表情と口調に、だが近衛第五旅団司令部の面々は、全員起立し直立不動の姿勢となっ
た。全員を代表して、参謀長が一歩前に出ると、確固とした意思の込められた口調で答える。
「我らの意思は一つであります。あくまで軍人としての義務の完遂を望むものであります」
「了解いたしました。本職は、皆さんと同じ国防軍軍人としての義務を完遂できる事を喜びとするもので
す。
それでは、日本外人部隊総参謀長として命令を下します。現時刻をもって近衛第五旅団は日本外人部
隊第一〇二機甲師団として日本外人部隊総司令部に編入、その指揮下に入ります。これは、斉藤統幕
議長の命令にもとづくものであり、国防軍統合幕僚会議の意思にもとづくものです。これが、命令書です」
善行の手から参謀長に、斉藤統幕議長から下された「日本外人部隊は、その全力をあげて国防軍内部
の叛乱分子を摘発し、軍内部の秩序を回復せしめるべし」という命令書が手渡された。
「それでは皆さん、祖国への義務を完遂するといたしましょう」
〈タイフーン〉戦隊旗艦あすか −陸戦指揮所 時間だけが過ぎゆく中、何をする訳でもなく陸戦指揮所の様子を眺めている岩田と参謀長。それに星野中尉。 フト、何かを思いだしたのか、参謀長が岩田に話掛ける。 「そう言えば司令、宜しければお尋ねしたいのですが。上申に対し、芝村次官から返信が来たとの事 ですが、どの様なものだったのですか?」 興味深いと云うよりも、単純に、時間潰しの為の話題。 岩田も、時間外で在るかの様に軽い口調で楽しげに話し始める。 「そう言えば、言っていませんでしたネェ 忙しいんでしょう、本文は極めて短いモノでしたヨォ〜 ああ、例の直通TV回線でですけヨ 『かまわん、派手にやれ。 どうせ花火を打ち上げるならせいぜい盛大にやるといい。 中途半端なオチなどつけるな。“適当”にやれ。 ………それにしても、こうしていると俺はまるで死者のようだな』 との、事」 声真似をし、身をそらせて姿勢を真似た岩田。 なかなかに巧い。 宴席であれば、大爆笑を誘う事すらも可能だろう。 だが、残念ながら参謀長と星野中尉は感銘を受けた様子は無かった。 「ウフフフフゥ〜♪ 芝村次官は今回の件を利用して一挙に国防軍の改革を押し進めるつもりの様ですねぇ」 「では、事後の心配は必要無さそうですな」 「そうですねぇ……最悪の情景から、プラカードを首から提げて電柱に吊される様な末路は無い。 その位は期待しても良さそうですヨォ〜」 「独逸式ですか? それは余り好みではありませんな」 「えり好みはイケマセンネェ〜 それにワタシ達に選択肢はないのデスヨォ?」 「………その程度、なのですか?」 平然と、暗闇色の未来予想図を口にする岩田と参謀長に、小首を傾げながら尋ねた星野中尉。 対して岩田はとても楽しそうに口を開く。 「ええ。過度の期待はイケマセンヨォ〜 失敗した場合、噂の桜会は天下布武の帝都動乱。阿鼻叫喚に 血の池地獄。 在ること無いこと色々な責任をおっ被せられて断頭台の露と消えゆく定めデスネェ〜♪」 更に楽しげと云った具合に言葉を連ねた時、壁に掛けられていた通信機が受信音を上げた。
〈タイフーン〉戦隊旗艦あすか −司令部作戦室 「もなこ皇女らが皇都に戻ったと云うのか?」 「はい。通信傍受、及び第5旅団−若宮一等陸曹からの連絡でも、それが裏付けられています」 「フム、第5旅団の対応はどうなのかね?」 「今だ詳細は不明ですが、どうやら崩宮殿下自らの命令によって、出撃準備の中止と武装解除を行って いる模様です」 「其れが事実だとすれば、本作戦を実施する意味は無くなりましたな」 「作戦開始前で良かった。始まってヘリポートを制圧したら、其処に殿下と善行閣下が居たとなれば、 笑い話にしても、度が過ぎると云うものだ」 「中止ですかね? 一応、各部隊に待機命令を下しては居ますが、撤収を………」 「それは少し早計ではないかね? もしそれが、フェイントで在った場合、我々は絶好の好機を失う。 奇襲ならまだしも、強襲で一個旅団が立て籠もる皇居を落とすのは骨だ。不可能とは言わん。 だが、尋常ではない犠牲が発生する事となるぞ? 横須賀陸戦団と言っても所詮は増強連隊程度の規模なのだからな」 「第5旅団の装甲化は殆ど実施されていない筈では? 此方は97式部隊に加え、戦闘ヘリまで使用するのだ。被害は抑えられるのでは無いか」 「第一、皇居など近代的な意味での要塞的な機能は殆ど持たない筈。それがどれ程の威力を発揮する?」 「いや、場所を考えるべきだな。想定戦場−皇居は都心部だぞ? そんな場所で15榴はもとより、迫砲 すらも容易に使えぬ」 「とは言え、待機状態を続けるのは得策ではない。兵達の士気や疲労と云う面は見逃せないぞ」 「そもそも、殿下等の帰還が偽電ではない可能性は無いのか? 我々の行動を察知し、混乱を呼び起こさせる為の。若宮一等陸曹の報告に関しても、捕縛され強制された 可能性は捨てられないぞ………」 「情報の真偽は、先行潜入させている第2陸戦連隊偵察小隊からの報告待ちだ」 「しかし、だ………」 意見をぶつけ合う〈タイフーン〉戦隊参謀団。 岩田と参謀長は、その輪に加わらず議論の方向性を見ていた。 実際問題として第2陸戦連隊偵察小隊からの報告を待つ以外に選択肢は無いと云うのが、本音であった。 「司令……」 岩田の脇で、諸処の情報を処理していた星野中尉が小声で口を開いた。 「偵察小隊からですか?」 「はい。ヘリポートにもなこ殿下が降り立った事を確認したとの事です」 「では司令?」 「………ならばこれまでと云う事だ。第5旅団鎮圧計画、秘匿名称“土筆の場合”を中止する。各部隊に対し 作戦中止を通達せよ」 「はっ」 決断は下された。 であるならば、参謀団はその意向に添って動くだけである。 作戦室内の空気が、一挙に活動的なものへと変わる。 その事を確認した岩田は、脇に立つ星野中尉に対して囁いた。 「兎角、第5旅団絡みは私達の手を離れた。殿下の帰還で一挙に沈静化するだろう。だが、桜会に関してはどうなるか 予断を許さない。君にはもう一苦労してもらう事になる。すまないね」
「それでは参謀長、全国防軍部隊に対し私の名前で政府に対する忠誠の確認を行ってください。また、 同時に統幕会議に対し、私が日本外人部隊を掌握し、その命令に従い国防軍内部の秩序回復に動き 始めた事も全軍に通達するように要請を」 「了解いたしました。通信!」 「はっ、文面の草案はこれでよろしいでしょうか?」 善行の命令と同時に、司令部は一斉に調律の取れた楽団のごとく動き始める。 「富士機甲教導師団の本田少将に、出撃準備要請を。一戦大の芝村君に、御殿場の部隊の帰趨に関 して確認を要請してください。三二普連の速水君に、三一普連が叛乱に参加する場合には連隊本部を 制圧するように要請を。第一空挺団は、第一〇三空中機動師団として日外総司令部へ編入される事を 許諾したのですね?」 「はっ、空挺団の尾形少将より、すでに空挺団は木更津のヘリ団の協力の元、一個連隊戦闘団を編成 終了し、いつでも投入可能との報告が入ってきております」 「了解いたしました。それでは、尾形三将に命令を。一〇三師団は現状のまま日外総予備として待機、 次の命令を待つように、と」 「了解いたしました」 「海軍は、横須賀地方隊の寺洲中将とタイフーン戦隊の岩田代将に連絡を。現在帝都に接近中の第四 護衛隊群の帰趨を確認し、反乱軍に加担するようであれば断乎として鎮圧するように要請を」 「了解いたしました」 「空軍は、百里基地の神田少将と入間の栗原中将に連絡を。場合によっては例の実験中隊を投入しま す。C-17と護衛のF-15の手配の要請を」 「了解いたしました」 「在日米軍は現在の帝都の騒乱に関しては、局外中立を保つ旨、通達が入ってきていますね?」 「はっ! 在日米軍司令官および、大使館の双方から、至急の秩序の回復を求める旨、政府に連絡が 入っている様ですが」 「こればかりは如何ともし難いですね。まあいいでしょう。どちらにしろ、この二四時間以内に全ての決着 をつけます」 一通りの命令を下し終わった後、善行は立ち上がると外へ出ていこうとする。 「少し出かけます。一〇二師団、一〇三師団、富士機甲教導師団の出撃準備が終了した時点で、連絡 を下さい」 「閣下、どちらへ?」 「首都警と、内務省特別高等警察局と、練馬駐屯地です」 「!? それは、あまりに危険なのでは?」 「だからです。帝都を舞台に国軍が相撃するような無様な真似は、絶対に起こすわけには参りません。 そして、混乱と無秩序の集束は、断固たる意思の貫徹によってのみなされます。ならば、私は、自身の 意思の貫徹を行動によってなさなければなりませんから」 「それでは、せめて護衛を」 「必要ありません。すでにここに私の命令に忠実な軍人がいます。これで必要十分以上の威圧を与え得 ます。そして、それ以上は単なる武力による脅迫に堕する事になります」 「……了解いたしました、ご無事で」 「それは、愚かな指揮官に死地へ追いやられようとしている一般隊員にこそ捧げられるべき言葉ですね。 ですが、まことにありがとうございます」
首都警治安警察機構本部。 そこは、昨今の帝都の混乱状況からすら超然とし、粛々と自らの業務に務めている部署として内務省 のみならず政府部内でも有名な場所であった。だが、そうした評判とは裏腹に、今この瞬間彼らは結成 以来最大の混乱といってもよい状況下にあった。 日本外人部隊の総参謀長であり、首都警の事実上の創始者でもある善行がヘリで乗りつけ、日村総監 に直接面会を求めたのである。 「それで、現状の皇国の混乱を発生せしめて、何の為の首都警なのです? わざわざ諸君等に帝都で のほぼ絶対的な治安部隊としての機能と権限を与えたのは、かかる事態を未然に防止するためではな かったのですか?」 執務机に座り、黙りこくったまま善行の眼鏡の向こう側の冷たい光を帯びた視線に射竦められてしまって いる日村拝二総監。その額には、いかなる恐怖によるものか、じわじわと脂汗が浮かんでいるのが見て とれた。だが、善行は、そんな彼の様子を斟酌することは無かった。 「西朝の身柄をあなた方が確保することを認めたのは、萌浜ともえの手足を完全に完璧に完膚無きまで に覆滅するためでした。西朝の国内残地組織の殲滅、それこそが最重要の任務であったのです。である にも拘わらず、よりにもよって衆人環視の中、多数の首都警隊員を殺害され、重要な情報源である幹部 二人を奪回された。 まさしく、不祥事です。何の為の権限、何の為の武力! そう、指揮官は命令をけ出す権限を与えられています。何故ならば、兵士を死地に追いやる為には、誰 かが命令を下さなければならないからです。そして、権限には責任がつくものです。日村総監、貴方は、 命令者として必要な責任を果たさなくてはならない」 「……小官は、自ら負うべき責任を回避するものではありません」 「結構! ならばなすべき義務を果たして頂きましょう! よろしいですか? 皇国はこれから未曾有の混乱に支配されます。最早、かつての黄金の平和がこの 国に訪れることすら無いかもしれません。だが、我々は預託された権力を行使し、祖国へと平和と繁栄 を取り戻さなくてはならない。 最大の機会は、最大の危機の中にこそある。スタンダールに「かのアレクサンダー大王以来最大の人 物について書く」と言わさしめた言葉です。ならば、我々はこの皇国を覆う危機こそを、最大の機会とし て利用しなくてはならない! 全ては、断固たる意思の貫徹によってのみ成される! 大胆、大胆、常に大胆! そう、大胆である事によってのみ、敵を畏怖せしめ、屈伏させることができる のだ!! 戦場における決心ほど残酷なものがこの世にあるだろうか? それには、常に無数の哀れな人命がかかっている!! ならば、指揮官は常に最大限の努力をもって自らの意思を大胆に断固たるものに鍛え上げねばならな い。兵士による破壊、焦土と化した国土、飢えたる人民、これこそが戦争における兵士の収穫なのだ!! だが、その破壊を直視し、戦争の双面神の双眸を正面から見つめられる人間がどれほど居るであろう か? それこそが、指揮官の、指導者の、大胆にして断固たる意思の貫徹によってのみなし得る崇高 なる行為なのだ! 首都警は、誰に対して忠誠を誓うものであるか!?」 「首都警は、祖国と、民族と、皇統に対し、その忠誠を誓うものであります!!」 「よろしい!! ならば私は、忠良なる国家の番犬たる諸君に、その忠誠を発揮する機会を与えよう!! 軍内部の叛徒は、私が制圧する。首都警は、民間人の叛徒を摘発し、逮捕し、その祖国と民族と皇統 に対する反逆の報いを与えねばならない。 首都警は、断固たる意志を持ち、堅固なる隊列を組み、機械のごとき正確さと無慈悲さをもって敵を殲 滅しなくてはならない。 諸君が、祖国と民族と皇統より預託されている権力を行使し、その忠誠を発揮する事を私は望む」
「留守部隊から呼び出しです」 菊水@甲に言われて、大隊指揮官はヘルメットと一体化したインカムのスイッチを 切り換える。 「え、なんだって。……わかった、すぐに戻る」 インカムのスイッチを切ると、菊水@甲に大隊指揮官は言う。 「首都でいろいろ動いているらしい。こっちで赤トンボ見ているよりは楽しそうだ からね、戻ることにするよ。ついては、君にここの指揮権を委譲したいが、よろ しいかな」 「はあ、異存はありませんが、何が起こっているのですか、それによってこちらの 対応も変わります」 「うん、そうだね。国防軍の一部部隊が超法規的な動きを見せている。クーデター だよ。それに対抗してまたまた国防軍の一部部隊が超法規的に鎮圧に向けて動き 出している。あ、これやっているのは善行さんだよ。でまあ、うちはさ、何か起 こりそうになったら善行さんにつくと約束してたのね。だから、約束を果たしに 行く」 「しかし、その行為は法的には問題があるのではないですか。防衛出動命令は政府 の認可を必要とするはずですが」 「まあ、超法規的行動ってやつじゃないの。ことが終わってから非難したところで、 善行さんを非難する連中が支持を得られるとは思わないけど」 「それはそうですが……。しかし……」 「君は戦前の軍部の行動を思い出して不安になっているんじゃない?まあ、気持ちは わかるけどね。善行さんは私心のない人だけど、そういう人がえてして最悪の独裁 者になるからねえ。ま、バスに乗ってから行き先間違えたからといって降りるわけ にもいかないよね」 「……その方がより多くの血がみれるからですか?」 大隊指揮官笑いながら、 「ま、否定はしないよ。嘘をつくのはキライだから。……空中機動小隊は一緒に連れ ていく。悪いが一個中隊でなんとかして欲しい」 「これも給料のうちですから」 「はい、ではよろしく」
「善行将軍が動き始めたようです」 醍醐旅団中佐は、吉野の御所の奥にしつらえられている南朝の中央指揮所で、萌之院もえみに向かって状況の説明を行っていた。 恋人でもある醍醐旅団長廣瀬宅雄の暴走とその結末としての粛正が、彼女にいかなる影響を与えたのか、それはその秀麗な容貌の面からはなんらうかがい知ることはできないでいた。 中佐は、その主君の意思をおもんぱかってか、常と違った態度で状況の説明を行っている。 「現在、東北地方を襲った飛蝗は青森県を劫略しつつ、秋田平野に移動中です。 近日中に先頭は秋田県に到達し、半月も経たない内に山林田畑は劫略しつくされる事になるでしょう。 現在、国防軍の東北方面隊は、青森県警、秋田県警、地元青年団、消防団と合同で飛蝗の殲滅にあたっていますが、結果はおもわしくありません。 この秋までに東北地方はほぼ飛蝗に劫略しつくされ、山岳部で越冬した飛蝗は、年を明けてから関東平野に雪崩れ込む可能性が極めて大きいという研究結果も上がってきております。 現在帝都で発生している国防軍内の一部不満分子によるクーデター騒ぎですが、善行将軍の帝都帰還によって事実上失敗いたしました。 問題は、このクーデター騒ぎが公のものとなり、国防軍がマスメディアの指弾を受ける様な状況になるか、というところです。 現在南朝軍情報部は、全力で情報を収集中であり、後々のディスインフォメーションの為の準備に入っております。 これは、国民と、政府と、国防軍の信頼関係の破壊を目指すものであり、国民の支持を皇統のみに集中させる事を目標としたものです。 ただし、東北地方の騒乱がいかなる形で推移するかによって、国民と政府と国防軍の間の信頼関係は変動するので、適時適切な対処が必要になる事は改めて指摘するものです。 南朝の最終目的である、南朝による日本国の統治ですが、その第一段階として西日本の事実上の掌握に向け、現在西日本財界との接触が始まっております。 先日の東京への核攻撃の結果、過度の一極集中が日本国の経済に与える影響が極めて大きかった事から、現在経済の機能のかなりの部分が大阪に分割されつつあります。 また、副都としての大阪の再興の為に、かなりの公共機関の移動、シンクタンクの設置も進んでおります。 さらに、西日本が先日の北陸戦争から帝都核攻撃、東北地方への飛蝗襲来、といった諸々の騒動の直接の影響を受けていないことも、こうした動きに拍車をかけております。 南朝は、こうした東京経済からの関西、瀬戸内、北九州経済の分離、独立の動きに乗り、その地盤の強化と背景勢力の増大に務める必要があります。 なお、こうした動きは、現時点では政府の直接の妨害にあってはおりません。 むしろ、政府内の一部勢力に、日本の連邦化を望む者達がおり、彼らから政府部内の情報がリークされてすらおります。 南朝といたしましては、将来の日本国からの独立を視野に入れ、着々と水面下での準備を行うべきであると考えるものです」 中佐は、あえて言及しなかった事柄について、一瞬思いをはせた。 少なくとも、政府の大勢は西日本の分割を認めることはない、ということ。 そして、いざとなれば、実力でそれを阻止しようとするであろうこと。 それを防ぐ手だては、東北地方に騒乱を発生させ、政府の注意をそちらに向けなくては成らないということ。 すなわち、まず東北地方に分離独立の機運を高め、かの地に戦乱を引き起こす必要があるということ、であった。
この一週間。帝都は騒がしさを増していた。 大陸の内戦は激しくなる一方、台湾海峡封鎖による経済的ダメージも現れはじめ、東北の救済はいまだなされない。 大衆の政府不信は強くなる一方だ。 70年代以来の政治的混乱の中、C国への迎合で一度は勢力を喪失した左翼勢力が力を盛り返し、それ以上の勢いで国家主義者の勢力が大日本帝国を浸蝕している。 数十年ぶりの、大衆の政治化。 永田町には連日左右両派の大小のデモ隊の姿が見られ、時に警備の首都警を巻き込んで、両派のデモ隊が武力衝突を引き起こした。 永田町ばかりではない。首都圏全域で、主に右翼勢力を中心とした暴徒の騒擾行為が発生していた。 施設への銃撃事件が頻発し、デモ隊による略奪行為が商店を襲う。事態はまだ警察のコントロール下にあるが、それも時間の問題だ。 それでも、政府と国会は国軍に治安出動命令を下すことを躊躇った。 帝都の安全を守るのは、あくまで首都警の警官達ばかり。すでに、騒乱の中で数人の警官が命を落としていると言うのに、この国の政府は治安維持に責任を果たそうとしない。 何時、政府が決断するのか。おそらく完全に手遅れになってからだ。 叛徒を含む国軍の大部分も、それを既定事実として知っていた。 しかし、政府にそれを決断することをできないことを知っていたのは、叛徒たちだけだった。 そしてさらに、その叛徒たちの「知っている」はずの事実が実は事実とは異なることを知っていたのは、さらに一握りの別の人々だけだったのである。
「非常呼集!」 闇夜の駐屯地が、にわかに騒がしくなった。 演習、ではあるまい。 覚悟はしている。だが、準備はしていなかった。 今日の昼、右派が動員した万を超える大衆に国会開催中の国会議事堂が包囲されたと聞いても、国軍に政府からはなんの指示も無かった。 連隊長がなにかの指示を出すことも、なかった。 結果、兵士達は緊迫する政情に気が気でないまま、普段通りの一日を過ごしていたのだが。 「本隊は第34普通化連隊とともに、都内要所の治安維持にあたる。国会も無論、その中に含まれる」 詳細はおって伝える。各自部隊の出撃準備にかかれ。 集めた幹部に一方的にそう告げて、自身は身を翻した連隊長に、一人の中隊長があわてて問いを発した。 「河辺連隊長、持っていく装備は……」 「全部だ。根こそぎ持って行く」 強張った表情の中隊長の問いに、連隊長は振り返りざまにやり、と笑った。 「敵はなんでも持ってるぞ。こちらも遠慮はしておれんだろう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」 少女は憂いに満ち、窓の外をぼんやり眺めている。曇り空。 窓の向こうに兵士達が見える。自分の・・・・・・・・・兵士達である。 分かっていたことである。 「おにいちゃん」は帰ってきたからといって遊んではくれないという事は。 いや、分かっているつもりだったのだろう。 「・・・・・・・・きらいなのです。」 出迎えた侍従たちは少女を部屋に案内するとすぐに下がってしまった。 父君や母君が来るまで待っているように言付けて。 同行の萌原女史は引継ぎの挨拶の為に旅団本部へ向かっている。 南朝での日々を思うと少女にはここが牢屋のようにすら思えてしまう。 自分の家なのに。自分の部屋なのに。なんだろう、このさみしさは。この所在の無さは。 いったい自分はおにいちゃんのなんなのだろう?(そしてその答えはうすうす気づいてもいた) 少女はその愛らしい顔に似合わない溜息をついた。泣きそう・・・・・だったけれど、 感情をぶつける相手は見当たらなかった。 ふいに。 バルコニー、ガラスを挟んで少女の真向かいに猫が降り立った。 それはまるで天から降ってきたかのように。軽やかに。 コツコツと窓を叩く。 「!!」 猫は2本足で立つと、にこやかな笑顔のまま、うやうやしくおじぎをした。 そして優雅に手を差し伸べ、窓の向こう、森の方へと少女を誘っていった。
宮城の森の奥。 少女は猫に誘われて歩いて行く。 アリスがウサギに誘われて迷い込んでいくかのように。 この景色は見覚えがあった。ずいぶんとなつかしいような、ついこの前のような、 そんな景色。あの銀杏の木も。金木犀の花の香りも。すっかり秋の気配を見せているけれど。 そして、青のビニールシートを敷いた小さな庭。(ああ、これは自分達が作った物だった!) 猫がひゅいっと口笛を吹いた。 と、猫が飛び出してきて、少女が進む道の両脇へと並んだ。 どの猫も少女が良く知っている猫達であった。そして猫ばかりではない。 鳥も犬も、魚も(!?)少女を出迎える行列を作っていた。 そして、庭の中央、手作りの小屋の前に猫が2匹、並んでいる。 案内してきた猫は少女ににっこりと笑いかけると2匹の猫の横に並んだ。 「おかえりなさい。宮様。」 中央の三毛猫がうやうやしく礼をする。 「『ほのぼのりょだん』一同、首を長くしてお待ちしておりました。」 『宮様に、なえー!』 両側の猫。一人は猫語、一人は人の言葉で話した。 「首は伸びねえけどな!ゴルア!」 小屋の屋根に三本足の烏がとまっていた。 「さみしかったわん、ん、もう。」 くねくねする魚(?) 「みんな・・・・・」 少女はなんだかおかしくなってきていた。猫達のかしこまりっぷりが滑稽に思えて来ていた。 一人の猫が小屋の中へ合図を出す。 と、一匹の猫がおずおずと、その顔を出した。 「なーちゃん!!」 思わず駆け寄る。猫も我慢できなくなったのか、少女に駆け寄る。 二人は庭の真ん中で実に久しぶりの再会を果たした。 その姿は長い間離れ離れだった恋人の再会のようだったと、後に三毛猫は述懐する。
「さて、と。秋津くん、状況について説明を」 特別高等警務隊本部に帰還した大隊指揮官は、情報収集にあたっていた部下にブ リーフィングを求める。秋津と呼ばれた三十代半ばの男性は、手にしたポインタ で、各所が様々な色の点で彩られた帝都の地図を指していく。秋津をはじめとし て何人かの男たちが、その能力を買われて軍や警察から大隊指揮官のもとに引き 抜かれていた。 「現在のデモ隊の所在と概数です。赤は左派の、青は右派の、黄色はその他雑勢 力の主催によるデモをあらわしています。永田町周辺では右派と左派の衝突が 発生しています。首都警が機動隊を三個大隊派遣して勢力の引き離しにあたっ ていますが、成功していません。未確認ですがデモ隊が銃器を使用していると の情報もあり、特信班が傍受したところでは、機動隊にも何名か死者が出てい る模様です」 「うちに対する出動命令は?」 「出ていません。一足飛びに国軍を投入するとの噂もあります」 「内務大臣からも警察からも軍からも要請はきていないと」 「はい」 「ああ、陣内くん、君の所見を聞きたい。」 陣内と呼ばれた男性は吸っていたタバコをもみ消すと低い声で話し始めた。 「政府と国会は事態をどう収拾するかいまだに迷っています。このまま騒擾 状態を放置すれば、破局が訪れるのは時間の問題です。しかし、もし強権 をもって騒乱を鎮圧した場合、命令を下した者に非難が向けられるのは避 けられません。この国は、先の大戦以降、国民に対して銃を向けたことの ない国ですから。与党にしてみれば、あとで野党から非難の種にされかね ないような命令を下すことに躊躇するのは当然だと思われます。官僚につ いては、申し上げるまでもないと思います。かれらは責任をとらねばなら ないような事態を自らの手で引き寄せることを嫌います」 「民主主義の機能不全かね」 「そんなところです」 大隊指揮官は片頬にだけ微笑を浮かべると、そこにいる男たちの顔を見回し、 「さて諸君、我々の取るべき道について何か意見は」 これまで話していなかった男が発言の許可を求め、口を開く。 「この際、法に定められた緊急出動を行うのもやむをえないと愚考します。 時機を失しては将来に禍根を残す可能性があります。これも噂に過ぎない のですが、軍の一部部隊が治安維持に投入される可能性があります。しか も独断専行によって。そのような事態を阻止するのも我々の任務のうちで あると小官は考えます」 「ああ、小早川くん。君の意見は実に正しい。しかし、もう一つ我々には考 慮すべき変数がある。この騒乱状態を隠れ蓑にして国防軍の一部がクーデ ターを起こす可能性がある。これについては秋津くん?」 「首都圏の一部部隊に出動の動きがあります。『色分け』が面倒なのですが、 それについては特信班と偵察小隊が情報収集にあたっています」 「では、もうしばらく待つべきなのでしょうか」 「そうだね、小早川くん。主役は最後に登場するものだよ。まあ、衣裳の着 替えに手間取っているうちに舞台は終わっているかもしれないけどね。で、 出動可能な部隊は?」 「空中機動中隊と戦闘中隊は即時出動可能待機状態です。ご命令があればい つでも」
「宮様。私たちはここで「ひみつきち」を守ってきました。 宮様。私たちは宮様の笑顔が見たいがためにここに集っております。 楽しい日ばかりではないのは存じております。 おつらい時もあることでしょう。 そんな時はわれわれをお求めください。 われわれ「ほのぼのりょだん」は宮様のために在る事を誓わせて頂きます。 宮様を見守り、共に笑い、泣くことをと誓わせて頂きます。 人にはできない、われわれなりのやり方で、宮様をお守り差し上げます。 わたしたちはいつまでもおともだちです。宮様。」 少女は愛猫を抱き、立ち上がった。 遠くで侍従たちの呼ぶ声がしている。 「さあ、おとうさまやおかあさまも、宮様の思いで話を聞きたいとお思いでしょう。 いってらっしゃいませ。われわれはいつでもここにおりますから。」 「うん。みんな、ありがとうなのです。」 少女は走っていった。猫たちの気遣いが、なんだかうれしかった。 気分がすっきりした訳ではないけれど。さっきよりはずいぶんましに思えた。 散会後・・・・・ 「いいのかい?きっと叱られるよ?宮様」 「うーん・・・・・・多分大丈夫だよ。」 「まあた、そういう根拠のないことを・・・・・」 「いいさ。子供のうちは家出の1回や2回するもんさ。健全な証拠だよ。」 「ま、次を宮様が望まれるなら我々がお手伝いするまでだね。」 「過激だなあ・・・・・・・」 「なんにせよ、ちょっとは元気が出たみたいでよかったね。宮様もなーちゃんも。」 「動物はいるだけで「癒し」なのさ。役に立てて何よりだよ。」 「そうだね。」 「いこうか。ひながお腹すかして待ってるんだ。早く戻らないと。」 「親ばかになったねえ・・・・・・キミ・・・・・・」 3匹の猫は口々に言いながら森の奥へ去っていった。
都内麻布のマンションの最上階のフロアを丸々一つ使っているそこは、マンションのオーナーである彼女の個人的な別宅であった。 その中で書斎に充てられている一室で、ミランダ謝華は、素肌に白貂の毛皮のコートを纏ったままの姿で布張りの安楽椅子に横たわっていた。 12畳ほどもある縦長の生成りの麻とチーク材で内装をしつらえたその書斎は、手前2/3が壁一面に本棚が作り付けで備えられ、そこに無数の書籍が並べられている。 そして、マホガニー材で作られた執務机が書斎の奥向きに置かれていた。 そこには、十数冊の書籍と、何枚もの書類、そして東京特殊電線の24インチプラズマ液晶ディスプレが並んでいる。 さらにその奥には、吸音材を壁面一杯に並べ、間接照明で照らし出されているオーディオシステムが浮かんでいた。 ミランダは、執務机の右下に設置されているコンポジット材で作られているオーディオラック上のCDトランスポートにお気に入りのCDをセットする。 Giuseppe Verdi の「MESSA DA REQUIEM」 この北イタリアのパルマに近いレ・ロンコーレ出身の作曲家を、彼女はこよなく愛していたのであった。 デンマーク製のひたすら生の肌触りのする音を再生することを目指したスピーカーは、部屋の空気そのもので音楽を奏で、ミランダの全身にタナトスの情動を浴びせかけている。 全身を包むソプラノとテノールの混じり合った鳴動に、ポール・ジローの・トレ・ラール・ノブレス1948で暖まった身体が反応する。 半身を被い素肌に触れる毛皮が、全身を揺さぶる音楽とともに官能を呼び起こし、安楽椅子の上で彼女を身じろぎさせる。 ブランデーで暖まった吐息が、ゆるゆるとさらした白い喉元を通って漏れ、上気し、椅子の背もたれ一杯に広がった白銀の長髪がうねっていた。 「よろしいでしょうか、御母様?」 DIES IRAE が奏で終わり、気だるげにミランダが身体を起こした時、いつのまにか書斎に入ってきていたのか、ミランダ同様の豪奢な銀髪を腰までうねらせた女が立っていた。 ミランダを母と呼んだ彼女は、だが同様に年齢を感じさせぬ麗人でもあった。 ふっと、吐息をついてから、女は、安楽椅子の上に横たわるミランダの側に近づいてくる。 証明に照らし出された女は、その深いアメジスト色の瞳をわずかに潤ませつつ、だが口調ばかりは冷静にミランダに話しかける。 二人の女のハスキーなポーランド語が、部屋を満たすバリトンとメゾソプラノと混ざり合い、絡み合う。 「どうやら、始まりました」 「善行将軍は戻ってきているのでしょう? ならば、すぐに状況は終了するわ」 「1連隊と31連隊は状況を開始しました。首都警はまだ行動の開始には到ってはいません。現在、皇居の近衛旅団と習志野の空挺旅団が、善行将軍の手持ちの駒です。ゲームを主導するには足りないかと」 「そうね。でも、将軍の存在だけで、1個師団にも相当するでしょうね」 「彼は、ユリウス・カエサルたり得ると?」 「どうかしら。でも、なにしろ、ここまで政府が無能で怠惰だとは誰も思ってもみなかったでしょうから」 くすくすと楽しそうに笑うミランダに、女は腰をかがめてその耳元に顔を近づけ囁きかける。 「それで御母様は、私に謝華グループを任せて何をなさるおつもり?」 「あら、話していなかったかしら? 楽しむのよ。これから始まる動乱を」 「まずは、東北地方ですのね」 「ふふ、それで東北六県の政治家と接触をし始めているの? 親孝行で嬉しいわ」 「違いましてよ、御母様。楽しみを独り占めされるのが悔しいだけ。私も交ぜていただきたいものですわ」 「それは駄目。貴女は、西日本の闇で蠢動している者達相手にお楽しみなさい」 「非寛容的に過ぎましてよ。私に多井羅の兄弟達と遊べ、と? どうせなら、救国の英雄、護国の鬼と戯れたいですわ」 「ふふ、相変わらず目の肥えた娘。でも、駄目。彼とは私が楽しむの」 すうっ、と身体を離した女は、ミランダを微笑みつつ見下ろし、一礼した。 「それでは私は、大阪に参ります。しばらくはお会いできませんでしょう。御身御大切に、御母様」 「ええ、貴女もくれぐれも身体には気をつけなさい、レイミ」
「国防軍が一頃の混乱を脱し、統制を取り戻しつつ在るな」 「じゃんな。流石は善行忠孝ちゅうとこいか………じゃっどんからん、そいはまともな組織じゃなかど」 (訳/そうだね。流石は北陸戦争の英雄善行忠孝と云うべきか。尤も、それが民主主義国家に於ける 正常な組織の姿とはとても言い難いのだけどね) 「仕方が在るまい。本来、国防軍を纏め上げるべき斉藤統幕議長ら統幕会議の面々が、迷走する政府に かき回されたのだ。彼等に責任を帰すと云うのは筋違いだと思うが?」 「同意すっど。不勉強な政治家が一々連中を呼び付けっせい朝令暮改ん命令を好き勝手にほざいちょったでな。 上があげんとじゃっと、如何にでくっしでんどげんしようもなかど」 (訳/同意する。不勉強な政治家が一々彼等を呼び付け、朝令暮改の命令を好き勝手に言っていたからね。 上があの様では、如何に有能な人間であってもどうしようもないからね) 溜息と共に吐き捨てる萌山宗秋。 打扉音。 秘書役のジェラルディンが顔を出す。 「支度が整いました、宗秋様」 「そうけ。じゃったら行っかねぇ」 (訳/そうかい。ならば行くとするかな) 「どうする気だ?」 「先ずは政治判断のいらん、方面から動かすっつもいじゃ。閣僚んしにも、状況のみゆっせえ肝ん座った しが少しは居っでな。そんしと共同で、まず出くっこっからすっつもいじゃ」 (訳/先ずは政治判断の不用な方面から動かすつもりです。閣僚の中には、状況が見えて肝も座った 人々が居ますので、彼等と共同で、出来る事からしていくつもりですよ) 「今まで動かなかった様な連中に、期待できるのか? 余り賢い選択とは思えないのだが……」 「今まで動かんかったとは、ひといでは決断がつかんかったからじゃいよ。 なまじ、自らん決断と行動が引き起こすっこんの先がみゆっで、動ききらんかったどんからん、共に 動っしがおっ事が判れば、迷うこっは無か筈じゃっし、そいでん迷う時は尻を叩っだけじゃ。 現実が愚かしかとは判っちょんどんな。じゃっどんからん、政治に加わっ人間としっせぇこげんとを 座視しちょっ訳にもいかんち思うでな。 今、かなりん若手と連携すっこっに成功しちょっで、そん数を背に圧すっつもいじゃ」 (訳/今まで動かなかったのは、1人では決断が付かなかったからですよ。 なまじ、自らの決断と行動とが引き起こす事の先が見えたので、動ききれなかっただけですから、 共に動く人が居る事が判れば迷う事は無い筈です。それでも迷った時は尻を叩くだけです。 現実が愚かしい事は判っていますがね、しかし、それでも政治に加わっている人間として、この状況を 座視している訳にはいきませんからね。 今、かなりの数の人間と連携する事に成功していますから、その数をもって圧すつもりですよ)
「矢面に立つつもりか? 成功すれば良いが、余り良策ではないぞ。失敗した時の責任を追及……」 「おいは、責任で後込みをすっしが政治ん中枢におっでこげんこっになったちおもっちょっでな。 そいを今まで非難してきちょっで、そいが今更ひっ訳にもいかんでよ」 (訳/私は今まで、責任を後込みする連中が政治の中枢に居るからこの様な状況になったと思っていますからね。 それを今まで非難してきていて、今更、退く訳にはいきませんからね) 閑々と笑う萌山宗秋。 その顔に気負いは無い。 「第一、見せ場じゃっど。政治家にとっせえ。不謹慎な言い方じゃっどんからん」 (訳/第一、見せ場ですよ。政治家にとっては。些か不謹慎な言い方ですけどね) 「覚悟を決めているなばら良い。だが、自分の身には十分に気をつけろよ?」 「今日んとは、首都警がまもってくるっ筈じゃっで大丈夫じゃっどよ」 (訳/今日は首都警が守ってくれる筈ですので、大丈夫だと思いますよ) 「首都警? 何をする気だ、貴様」 「デモ隊と交渉を担当すっつもいじゃっと。だいもなり手がおらんかったでな。すんなりと交渉役に なっこっが出来たど」 (訳/デモ隊との交渉役ですよ。流石に誰も遣りたがりませんでしたので、すんなりと交渉役に成る 事が出来ましたよ) 「………大丈夫か?」 「問題はなかど、デモ隊に関してはな。あんしん大概は政治的活動をしてち云うとよりも、現状の不満、 不安を、発散すっこっが先にでちょっでな。じゃっで、政治家としっせぇ顔をだしっせぇ辛抱強く話を きっこっで、在る程度まで抑えっこっが出来っ筈じゃっでな」 (訳/問題は無いですよ、デモ隊に関してはね。あの連中の大概は政治活動をしたいと云うよりも、現状 への不満と不安とを発散する為に動いているようなものですから。政治家が顔を出し、彼等の主張を辛抱 強く聞き続ける事で、在る程度までは抑える事が出来る筈です) 「甘いな。既に事態は流血沙汰になっている。今更、何が出来る。止めておけ。危険すぎる」 「そいはわかっちょっどんからん、穏健なしを流血沙汰からとおざけっこいも、政治家ん務めじゃち おもちょっでな……」 (訳/それは判っていますが、穏健な人々を流血沙汰から回避させる事も政治家の務めだと思って いますからね……) 溜息と共に、言葉を押し出す。 握り開く右手へと視線を降ろし、そしてゆっくりと面を上げる。 その瞳には迷いは無い。 只、強い決意が浮かんでいた。 「おいには力は無か。じゃっどんからん尾白どん、こげん状況を座視すっようなおなごんけっされに なっとは嫌やっでな」 (訳/確かに、私には力は無い。ですがね尾白殿、この様な状況を座視するような女の腐った様な奴 (おなごんけっされ=鹿児島弁に於いて、最大級の罵倒表現)にはなりたく無いですからね)
宮城の中心の一角。この国の長たる者が深い椅子に座り、 とうとう収まりのつかなくなった憂いと共に口を開いた。 「…朕は、これより臣民の慰撫にゆこうと思っておる。侍医長、存念を述べよ」 「は…陛下、それは臣、陛下のご健康の維持をあずかります侍医長としての責務より、強くお諌め致します所でございます。 また、外部は極めて不穏にして危険で…」 「侍医長」 「は」 「朕ら皇統は、臣民と共にある。 朕は、それを統べる者として、臣民の怒りを、悲しみを、共に感じなくてはならぬと思っておる」 長い言葉に年老いた喉の苦しみを覚えながら、天皇は続ける。 「朕と共にある、臣民は…今、先帝陛下の御世半ば… あの混迷の極みであらせられた時と違わぬ不安を感じておる。 彼らの心を寄り添わせ、またそれが出来る者は、朕を置いて、他に無いのだ。 …我が国軍の内には、この現状を憂い、その心ゆえに自ら立ちあがろうとしておる者もおると聞く。 その心は、それで清廉な物であろう。 だが、この期においては、その心ゆえに、後々の世において彼らは汚名を蒙る事になるやもしれぬ。 …朕が動けば、彼らとてその汚名を蒙らずとも済む筈なのだ」 「しかし陛下。それは政府の者があずかる責務で御座います。 陛下に、現状の危険を負っての責務はありません」 「無理にせずとも、よい。 彼らには彼らの、護ろうとする物がある。 朕が動き、それによって臣民が自ら為すべき事を思い起こせば、それでよいのだ。 …それ以上の事は、出来うる限り、あってはならぬ」 そこで数秒、黙考した天皇は重々しく口を開いた。 「……宮内庁長官。朕の名に置いて、勅を発せよ」 「…は」
「ひとつは、国防軍へ向けよ。 かの内に不穏があるという、が、案ずる事は無い。 彼方は、東條を始め、清冽な忠臣ばかりである。 彼らは、自らの職務を通し、赤心より現状を憂いておるのだ。 朕は、彼らの意を汲みとり、また、彼らの思う以上に正しき方へ導かねばならぬ。 …万一、彼が朕に相対し矛で応ずるとあらば、賊としてこれを討たねばならぬ。 一発の砲も国軍の仲で撃たせてはならぬ事を厳命として念頭せよ。 その上で緊急法にある朕の強権許可に則り勅を発し、国軍全てを朕の指揮下に置き、妄りな軽挙を全て禁ぜよ。 これに逆らうは、賊のみである。 …今ひとつは、帝国議会と政府へと向けよ。 国家火急の折り、彼らは混迷の底にある。 本来ならば忌するべき物であるが、朕は、この危急の時に置いては、法に則り、果断を持って彼らを導くべきである。 東北を始めとする、数多の苦難の折にある臣民を、朕は救わねばならぬ。 その為に朕は彼らの混迷を正さねばならぬ。 …今ひとつ、最後に、我が帝都の臣民へと向けよ。 帝都にて、今、叛徒と見なさざるを得ぬ暴輩が、主に議事堂にて多く居り、それが無辜の臣民の深憂を引き起こしておる。 その憂いを、朕は当然除かねばならぬ。 …しかし、彼の暴徒とされる者の行動とて、それは不安と恐れから発したものだ。 朕は彼らの元で宣撫を行う。 聞けば、朕と同じく、彼らの慰撫を行わんとする者もおるそうだ、のう、長官。 朕はその者達と供にしよう。 …朕が求めるのは徒な暴力では無いゆえに、各近衛旅団による鎮圧の開始は朕は許可せぬ。以上である。 尚、皇室の危急の折あらば、それは皇太子浩宮に任せる事を許そう…」
先の核攻撃により桜田門の庁舎が少なからぬ打撃を受けたため、首都警の本部 はつい最近まで仮の施設を使っていたが、ようやく機能回復の目処が立って来た為 指揮・統制機構より古巣へと戻りつつあり、指揮通信センターの稼動再開がその第 一歩であった。 その矢先に起きたこの騒乱と続く嵐の様な善行忠孝の訪問。 日村拝二総監は仮本部の通信施設では、首都圏全域に渡る騒乱の制御は不可能 と判断したため、本営を桜田門へと移していた。 本部内の会議室に集結した事務部署を除く首都警の大幹部達を前にして、日村 総監は善行来襲直後の怒り混じりの恐慌の影を微塵も残さない冷静さで総監の定 位置に収まっている。 背戸保安警察本部長、音部刑事警察本部長、柚都警備警察本部長、来戸治安 警察本部長の四人の本部長に加えて村井公安警察局長が列席し、加えて通常では 本部長級会合に姿を見せない高光法制局長も事態の複雑さを鑑み、参加していた。 「それでは。警備警察本部より、現状を報告します」 重苦しい、陰鬱な空気の中。柚都警備警察本部長が立ち上がり、無数の記号で埋め 尽くされた首都圏の全体図の傍らに立つ。 「都内での治安維持のため、警備警察本部所属の第一から第九までの全ての機動隊 は出撃。また、特務部隊三個大隊はそれぞれ複数の戦闘団に分かれ銃火器及び爆発 物の使用の確認された現状へと配置されています。各警察署も所轄内にて機動隊と 合流し、警備活動に当たっています」 「予備戦力に関しては、現在、第十機動隊は編成作業を急遽完結。定数六割ですが 、投入可能です。また、各県警よりの応援部隊による第十一機動隊も編成完結。府 中の警察学校にて編成中の第十二機動隊は、大多数が生徒である事と装備不足のた め、出動は困難との報告がはいっています。 中野の旧警察学校にて各刑務所から抽出した人員で部隊編制中。指揮官は東京拘 置所の愛家所長。同地にて編成作業を行っていた第五〇〇空中機動隊も編成作業を 急遽完結。加えて、宮城とここの警備に当たっている”親衛旗”連隊も投入可能です」 「ふむ。警備警察本部長。前線部隊の士気は?この緊張した状況だ。消耗もかなり 速いだろう」 日村総監の問いに、柚都は「事態が事態ですので、精神的。肉体的緊張はかなりの ものになります」と答える。 「よろしい。予備の三個機動隊は君の判断で配置中の部隊と交替させたまえ。ただ し、愛家君の部隊と”親衛旗”。それに第五〇〇に関しては私の許可なくしての投 入は禁止する。 諸君、事態は我々にとって極めて困難なものであるが、今こそ首都警は行動によっ てその価値を証明するべき時なのだ。各位持ち場に戻り、最善を尽くしたまえ。以上 だ。背戸君、村井君、高光君は残り給え。それと、大至急で外にいる別府君も呼び出 す様に」
「別府のオヤジ」こと別府”親衛旗”連隊長が会議室へ怒鳴り込む。元肉屋という 首都警でも謎な経歴を持つこの男は、元は海軍士官であり、いろいろな理由から 首都警入りした背戸や。根っからの法律屋の高光。公安警察の権化とも呼ばれる 村井といった面々の中にいると、その粗暴さが際立つ。 「良く来た別府君。それでは、任務の説明を始めよう」 「別府君。君の部隊はこれより、背戸君と村井君の協力の下に国家に徒なす叛徒 どもの一斉検挙に当たる。これは現在、密かに行われている国家転覆を目論む 重大な陰謀への賛同者を一気に殲滅する作戦であり、保護拘束も辞さないもので ある」 むつかしい事は良くわからない別府連隊長は「つまり。細かい事は良いから手当 たり次第に怪しい奴等をひっとらえろと?」と恐ろしく簡潔な解釈を示す。対照的に 高光法制局長は青い顔で総監の顔をまじまじと見つめる。 「総監。それは、本気なのですか?令状もなしに、逮捕を行う事は」 穏やかで生真面目な田舎の校長の顔で、ギロチンの刃の様な声で日村総監は 答える。 「必要な事なのだ。超法規行動も、この国家的大陰謀を食い止める為ならば是認さ れるだろう。超法規である以上、その行動はあらゆる法を超越する。憲法すらも、だ。 それに高光君。これは”義挙”なんだよ」 青い顔で「では、その超法規活動は法以外の何によって制御されるのですか」と 食い下がる高光に、総監に変わって背戸が嘲笑う様な声で答える。 「祖国、治安、皇統への忠誠さ」 背戸の顔に浮かぶ笑みは、その全てを信じていない事をあからさまに語っていた。 「さて、諸君。そういうわけだ。我々は行動しなければならない。別府君!部下を 集めたまえ。出撃前に私みずから彼らにこの事の意義を話しておきたい」
帝都における騒擾が嘘のように、この三浦半島の中程にある海軍の横須賀基地では普段と変わらない姿を見せている。 横須賀陸戦団の各部隊は、出動準備体制を整えたまま基地で待機を続けていたし、艦隊はそもそもすでに出港してしまっている。 横須賀地方総監部の総監公室で、横須賀地方隊総監である寺洲中将は、両腕を後ろで組んだまま窓から港内を眺めていた。 「閣下! すでに都内における騒擾は、警察の手におえる段階を超えております! これは騒乱ではありません、革命であります!」 その寺洲中将の後ろに、精悍さがまず見る人の印象に残る少佐の階級章をつけた男が、直立不動の姿勢で立っている。 切れ長で二重まぶたの涼やかな目元には、だが抑えきれぬ激情が青白い炎となってたちのぼっていた。 「賀東よ。我らはあくまで陛下の赤子にしてもなこ様の藩塀。陛下の臣民に向ける剣刃は持たぬ。違うか?」 振り返った寺洲中将の穏やかだが威厳のこもる声に、賀東と呼ばれた男は、日の照り返しに輝く寺洲中将のはげ頭をまぶしそうに見つめ返した。 「お言葉の通りであります。しかし、我らは同時にもなこ様の宸襟を安めたまいるのがその任務。なればこそ、陸戦隊の出撃命令を」 「焦るな、お前の気持ちはよく判る。儂とて貴様と志は同じなのだ。だが、あえて今もなこ様が宮城にお戻りになった今、我らはあくまで統幕の命令に従わねばならぬ」 「はっ、それも重々承知しております」 あくまで生真面目に答える賀東少佐に、寺洲中将は、わずかに鼻から下を覆うヒゲを震わせて笑った。 横須賀陸戦団が国防軍の中で最も素早く状況に対応できたのは、実は寺洲中将の指揮の元、醍醐旅団長の挑発以来秘かに出撃準備を整えてきたからに他ならなかった。 実際、崩宮が檄を飛ばし、近衛第五旅団を対南朝戦に投入しようと躍起になっている間に、寺洲中将は吉野に萌宮もなこを特殊部隊を送り込んで奪回するべく準備を終わらせてすらいたのである。 ただ、彼がその作戦を実行に移さなかったのは、善行少将と内務省特別高等警務隊本部からの「南朝に開戦の意思無し、萌宮もなこは近日中に帰還」という情報が伝えられていたからに他ならない。 すでに、旧エセックス級改装の対潜航空護衛艦「末森」と汎用護衛艦「はつゆき」「しらゆき」が出撃準備を終わらせてすらいたのであった。 「それにしても、もなこ様が無事お戻り下さって、慶賀の至りだな」 「はっ、閣下の仰る通りであります」 二人は、同時に総監公室の一番奥の壁にかけられている萌宮もなこのB1サイズポスターに視線を向けた。 それは、見事な額縁の中に入れられ、注意深く直射日光が当たらないように飾られている。 ちなみに、他にも「魔法内親王伝もなこ」初回DVD特典等身大ポスターとか、かの有明で開催されているこみっくパーティー限定販売ポスターとかが壁一面に飾られてもいた。 当然のことながら、ここ横須賀地方隊においては総監公室だけが特殊であるということは無い。 むしろ、きちんと保存用、観賞用、愛玩用とそろえて入手し、観賞用も注意深く扱っているだけ寺洲中将のもなこ様萌えは筋が通っているというべきか。 さすがは、海軍随一の皇道派の提督であった。 「うむ、あの愛らしい笑顔にハァハァ……(;´Д`) してしまう我らの業の深さよ」 「致し方ありませぬ。やはりもなこ様のポニーテールが風にそよぐ様を想像してしまうと自分もハァハァ……(;´Д`) してしまいます」 「なるほど。賀東よ、お主の萌えも筋金入りだな。儂はどうしてももなこ様の可愛らしい口元からのぞく八重歯にハァハァ……(;´Д`) してしまうのだ」 「いえ、閣下の萌えこそ深い経験の成せるものかと愚考いたします。やはりもなこ様の後れ毛にハァハァ……(;´Д`) してしまう自分は未だ萌えについては未熟」 こうして、二人のハァハァ……(;´Д`) は、小一時間程も続いたのである。
桜田門の首都警本部からヘリで飛び去った善行は、続いて内務省特別高等警務局本部へと向かった。 ヘリの中で沈思黙考する善行からは、だが現在の帝都の騒乱について何を考えているのか全くうかが い知ることはできなかった。 善行が一人で首都警総監に会見に向かった際、ヘリの中で待機していた副官が、戻ってきた彼に会見 の結果に関して問いかけた時にも、ただ「状況は好転するでしょう」と答えただけであった。 「閣下、新しい情報です。一普連と三一普連が、120RTを始めとする重火器の準備を開始したとの事で す。彼らは、本気で都内で戦争を始めるつもりでいるようです」 「両連隊の営内備蓄弾薬量は、基本的に1基数づつでしたね? ならば、構いません。むしろ、重火器 の搬出準備で出撃が遅れます。ならば、むしろこちらに有利です。それと、陛下が勅令戒厳令の発布を 示唆されたというのは、事実ですか?」 「はっ、内大臣代行に対し、その旨御下問があったようです。また、騒擾を鎮めるために、自ら暴徒に言 葉を下される事も示唆されたとのことです」 「結構です。では、日外HQに連絡を。あるものを用意していただきます」 「は? それは一体なんでしょうか?」 善行の続く言葉を聞いて、副官は驚愕のあまりあいた口をふさぐことも忘れて彼の顔に見入った。 丸眼鏡の下で、冷たい光を帯びている善行の静かな表情は、だが副官の質問を封止するには十分な 迫力を持っていた。 「……了解いたしました、閣下。それでは、すぐにその手配を」 「よろしくお願いします。大丈夫です、私以外の人間に責を及ぼすつもりはありません」 「いえ、確かに現状では最も効果的な手段である事は明らかです。自分は、あくまで閣下の判断に従う ものです」 「そうですか」 善行は、わずかに口元を緩めて微笑みらしきものを浮かべる。 「閣下、特高の本部まであと5分です!」 ヘリのパイロットから報告が入る。 「了解いたしました。私の来訪はすでに連絡していますね? それでは、よろしくお願いします」 ヘリが特別高等警務局本部施設の屋上のヘリポートに着陸し、ヘリの扉が開いた瞬間、善行は何故か 心から楽しそうな微笑みを浮かべていた。
>>234 の10分ほど前。
「え、善行さんもうすぐ到着するって?じゃ、秋津くん、第一小隊に完全武装で
屋上に整列するように命令して。そう、完全武装だ。そうだね、A型装備でいい
でしょ。あれが一番ものものしく見えるから。え、印象悪くなるんじゃないかっ
て。そんなことないよ、もう今は戦争状態なんだから、即応可能な状態にある
こと見せた方が点数稼げるって。それから、きみは連中を整列させたら戻って
くるように。突入手順について打ち合わせしなきゃならないだろうし」
大隊指揮官は、秋津警部が命令を伝達するために走り去ったのを見て、別の部下
を呼ぶ。
「陣内くん、隊員を車両に搭乗させてくれないかな。君も打ち合わせに参加して
もらうからね」
それから、大隊指揮官はインカムの回線を切り替えて、
「特信班、偵察小隊からの報告は?」
「いくつかの駐屯地で重車両が稼動する音を聞き取っています。朝霞と練馬の部
隊です。情報評価班は出師準備の可能性大と判断しています」
「了解。情報評価班?さすがに駐屯地の詳しい地図なんてないよね」
さきほどとはいささか性質の異なる声が答える。
「残念ですが、防衛機密ということで詳細な地図は入手できていません。突入と
なるといささか不安が残ります」
「ありがとう。……さて、お客様を迎えに行くとするか」
大隊指揮官は着たきりの制服の上から古びたフィールドコートをはおる。既に屋
上ではヘリのエンジンの轟音が周囲を圧して響き渡っていた。ローターの発する
風の中、整列していた完全武装の猫耳隊員たちとともに大隊指揮官はヘリが降着
するのを見守る。
やがてヘリが降り立ち、ドアが開く気配があった。大隊指揮官は普段からは想像
もできないような調子で、ローターの起こす風切り音に負けない烈帛の号令をか
ける。
「Achtung!!」
隊員たちの捜査する銃器が金属音を発する。そして、善行少将がヘリから姿をあ
らわすと、右手を高く差し上げ、片頬をわずかにゆがめて高らかに挨拶する。
「Heil, Herr Generale!」
>>235 「Heil, Herr Generale!」
漆黒の制服を一分の隙もなく着こなした大隊指揮官の敬礼に、善行は、軽く右腕を手の平を見せつつ
顔のあたりまであげて答礼し、何ごとも無いかの様にヘリから降り立った。
「出迎え、ご苦労様です。それでは、早速状況についての説明と、特別高等警務局としての現状況に
対する対処の計画案について、お聞かせ願いましょう。
そうそう、すでに国防軍は、正確には日本外人部隊は皇居と習志野に一個づつの連隊戦闘団を待機
させており、かつ、朝霞の三二普連、富士の機甲教導師団、横須賀の陸戦団が待機中です。
それでは、案内を」
見事な直立不動の姿勢で出迎える漆黒の獣人少女兵士達の捧げ筒する着剣した突撃銃の林の中を、
さも当たり前そうな表情で善行は進んでいった。
「そうそう、日村総監は、民間人の騒擾事件首謀者の確保を命じておきました」
一言、そう付け加えたとき、善行の表情には、まるで感情というものが浮かんではいなかった。
「なるほど、日村長官は張り切られることでしょう。彼が頑張るといささか暴走 する癖があるのはご承知ですね。あの水晶の夜の再現にならねばよいのですが。 いえ、これは小官の個人的な感想です」 大隊指揮官は善行三将をブリーフィングルームに案内する。そこでは、スタッフ が、各所から集められてくる情報の整理と評価に追われていた。かれらは、部屋 に二人が入ってきても、敬礼することもなくコンソールやインカムに向かってい る。 「失礼、非常時には礼則を一切無視するようにと徹底しているのです。まず、準 備できていることからお話しましょう。秋津くん」 「はい、現在一個戦闘中隊と一個空中機動中隊が即時出動可能です。国防軍です と……そうですね、それぞれ特殊部隊として訓練を受けた三個小隊の軽歩兵と 同等の兵力と評価してよいと思います。ただし、重火器は編成内に含まれてお りません」 「陣内くん」 「特信班と偵察小隊からの報告を総合しますと、国防軍の一部部隊、具体的には 第一普聯と第三十一普聯が出師準備を行っていると考えられます。ただし、治 安出動とは思われません。重車両の動きが活発に過ぎます」 「これについては、閣下?政府から国防軍に治安出動命令が発令された事実は存 在するのでしょうか?」
>>237 ブリーフィングルームに入るときにも、軽く右腕を上げるだけで済ませた善行は、部屋の中央の地図台
に向かった。
「いえ、有事に礼則を無視するのは、むしろ合理的でしょう。必要以上の秩序化は、むしろ硬直化を招
きます」
地図上には、都内の国防軍各部隊と、騒擾集団、そして首都警の部隊が光点となって示されている。
「素晴らしいですね。すでにそれだけの戦力の集結と準備が終わり、状況如何によっては国防軍に
対する圧力となり得ます」
わずかに弾んだ楽しそうな口調でつぶやいた善行は、だが顔をあげるとはっきりとした口調で付け
加えた。その丸眼鏡の下の目は、無機的な冷たい光を帯びている。
「ですが、それは戦力の無駄遣いですね。兵を死地に赴かせるなら、より適切な場所で適切な消耗
を覚悟するべきでしょう。確かに貴方の指揮下の部隊は、精強であり、有能であり、死をも恐れない
素晴らしい兵士達で構成されています。だからこそ、無駄遣いはしたくはない」
当たり前のことを当たり前のように語る口調で、善行は淡々と言葉を続ける。
「それでは、内務省特別警務局に相応しい相手の掃討を願えますか?」
「掃討、とおっしゃいますか。逮捕ではなく?確かに、警務隊は、逮捕ではなく 鎮圧を目的として編成され訓練をつんできました。今が行動のときであること も承知しています。しかし、それでも、命令をお受けする前にお聞きしたいこ とが一つあります。あなたの命令の権源はどこに由来し、それは何を目的とし ているのでしょうか?」
>>239 「ええ、掃討です。逮捕で済ませてもいい、と、貴方が考えられるのであれば、私も異論はありません。
そうですね、私がここでこうして命令を下す権限の由来はお教えするべきでしょうね。
失礼、……副官、例のものはどうなりました? 判りました、それでは、到着したらすぐにこちらに持っ
てきてください。
どうやら間に合ったようです。すぐにお見せできることになると思います。
では、ヘリが一機到着しますので、誘導をお願いいたします」
善行が話し終わってしばらくすると、近衛第五旅団所属のヘリが一機、屋上のヘリポートに着陸し、す
ぐに飛び去っていった。そして、恭しく副官が掲げて持ち込んだそれは、国防軍へと降された菊の紋の
入った漆塗りの文箱であった。
「陛下は、現在の政府がその機能を停止したと枢密院の諮問により判断され、勅令戒厳令を施行され
る」決心をなされたようです。ならば、私は事実上の戒厳司令官として、陛下の宸襟を安んじ申し上げ
ねばならない。
そうです、私は、あくまで祖国と民族と皇統の為に奉仕するだけの存在でしかない。
ならば、なすべき義務を果たすのが私の義務であり、そしてそれは火急速やかになされ、最小限の流
血と破壊で済ませるのが、私の任務です。この騒乱は、所詮は革命でもなんでもない、ただの騒擾事
件に過ぎない。いえ、騒擾事件にしてしまわねばならない。国民の、国家と皇統に対する信頼を失わせ
しめ無い事、それが今回の行動の目的であり、目標です。
ご納得いただけましたか?、大隊指揮官殿?」
一気にそれだけ話し終えた善行は、だが息を弾ませることも、顔色を変えることも無く、じっと大隊指揮
官の顔を見つめるだけであった。
大隊指揮官は菊の紋章を無感動な表情で見つめた。 「なるほど、さきほど部下と冗談交じりで、今のこの事態は民主主義の機能不全 ではないかと話していたのですよ。しかし、冗談ではなかったのですな。しか し、よろしいのですか。わたしが手を振り下ろし、いささかの流血と破壊を撒 き散らせば事態は収拾できるかもしれません。しかし、秩序と安定がもたらさ れたこの国には、議会主義民主政治の醜い死体が横たわることになりはしませ んか。国家と国民に対して忠良なることを常に心がけているあなたのような軍 人にとって……失礼、言葉が過ぎました」 それから大隊指揮官は、遠い昔を思い出すような目つきになって、 「少し昔のことを思い出します。無能な政府とのしかかる経済危機、民衆は強力 な政府と指導者を求め、それを得たと思った。……もし、あなたの今回の行為 が国民の前に明らかになれば、かれらはあなたの名前を魔法のように唱え始め ますよ。それも、覚悟されているのですね」 大隊指揮官は敬礼を捧げると、言った。 「では司令官殿、命令を!」
>>241 善行は、この部屋に入ってから初めて感情らしきものを浮かべて、大隊指揮官の言葉に答えた。
ただそれは、本当に心底嫌な話を聞かされた、というものでしかなかった様であったが。
「祖国、民族、皇統」
全く信じてすらいない、とでも言うような口調で、三つの単語をつぶやく善行。
「議会制民主主義ですか。かのブランデーと葉巻をこよなく愛した下品な、だが指導者として必要な全
てを持っていた男が、最低の制度と喝破したシステムです。民主主義とは、あくまで努力目標であって
現実にそれが存在するわけではない事は、貴方はご存じのはずだ。
私は、現状の民主主義を標榜するまがい物のシステムを破壊し、本来のこの国のあるべき姿を取り戻
したいだけに過ぎない。
その為に議会制民主主義が適切なシステムならば、それを選択すればいいだけのことです。
政治制度というものは、国家が生存し、繁栄する為に必要な道具に過ぎない。そして、私の敵は、国家
の生存と繁栄より、システムにフェティッシュに執着する愚か者なのです。彼らは、結局は最良の判断
のつもりで最悪の選択を行い、最も忠良な国家への奉仕者のつもりで、最悪の国家への寄生者となっ
ている」
顔をあげ、胸を張り、善行はかつて北陸の戦野でそうであったように、言葉を下した。
「副官!」
「はっ!」
副官の差し出した書類を一瞥し、善行は大隊指揮官の目前に置く。
「政府部内で、今回の騒擾事件に関与し、利益を得るつもりでいた者のリストです。彼らは、国家の為
という欺瞞の元に、自らの権限を拡大し、国家を事実上独占しようと企んでいました。ですが、所詮は
それだけの存在です。彼らの頼みの綱は国防軍内部の一部不満分子だけであり、自ら自由にできる
暴力装置を保有していない。
ならば、彼らに権力とはすなわち行政指導権でもなければ、人事権でも予算編成権でもないことを教
育してやらねばならない。権力とは、すなわち主権者に奉仕する暴力であるということを。
彼らは、この国の主権者に大して牙をむいた。ならば、その報いを下さねばならない。
ただし、このリストのうち、国会議員は掃討しないでください。
彼らは、この帝都騒乱が終了した時点でなされる総選挙で、その帰趨を主権者に決めさせます。
主権者があくまで愚かな判断を下すなら、それまでのことです。ならば、この国は一度滅びればよい。
滅亡の業火の中から、再生の為に立ち上がる者達と、戦列を共にすればよいだけのことですから」
「なるほど。わたしが知っているのは、最悪から二番目の制度という言葉でした が。タマネギ頭と政敵から嘲笑された男が称えた民主主義は、武装せる民主主 義でした。国民が、その制度を維持するために血と生命を捧げなければならな い民主主義だけが、真の民主主義なのかもしれませんな。毒ニンジンの杯をあ おったあの哲学者の語ったところを読む限りでは、その体制はわたしには全体 主義としかおもえなかったですが。 国家と政治体制についてのあなたの見解については正直同意できない部分も多 いが、理解できないわけではありません。権力についても同様です。権力の本 質とは剥き出しの暴力に他ならない。その暴力を押さえ込む装置の発明こそが 歴史の重要な側面であったこともかれらは気付いていないのでしょうな」 受け取ったリストを秋津警部に手渡し、 「軍を相手にするよりは簡単にことが運ぶでしょう。なにしろ彼らは文官です。 さて、問題は収容施設ですが……収容能力には限界があります」 それから、メフィストフェレスのような笑顔を浮かべ、 「生死は問わない、と解釈してもよろしいのですね? ところで閣下、軍の鎮圧には軍を投入されるのですか?軍相撃つの悲劇と悪影 響は……。失礼、ともあれ御幸運をお祈りします」
>>243 「そうですね、貴方の仰る通り、民主主義とは所詮国民が自らの意思で自らの自由を放棄する事でし
か成立しないのかもしれません。ならば、奪うのではなく、棄ててもらうべきでしょう。少なくとも、自らの
愚かさを他人のせいにしないで頂くためにも。
ええ、次は、誰かに騙された、誰かが勝手にやったことだとは言わせません。
滅びるのは己の愚かさ故でしかないと、人は思い知らねばならない」
心底つまらなそうな表情で、言い捨てると、善行は大隊指揮官の顔を見つめ直した。
「生死ですか? 臨時裁判で即時の有罪判決を下さないだけ、かのグルジア人よりも遥かに人権と
名誉をおもんぱかってあげていると思いますが。少なくとも、遺族にまでは類は及ばないのですから。
これが私の甘さ故か、それとも国家としての悟性の発揮かは、あえて言及はしませんが」
それから善行は、副官をうながすとブリーフィングルームから立ち去るべく身支度を始めた。
「軍の鎮圧ですか。所詮、妄想を抱いた将校が権限を恣意的に使っているだけのことです。
ならば、鎮圧という程の騒乱すら起きないでしょう。私が直接おもむいて、全てにけりをつけます。もっと
も、若干の脅しくらいはかけざるを得ないでしょうけれども。
それでは、私はこれから練馬に向かいますので、あとはよろしくお願いします」
「了解しました。さて閣下、見解の相違からいずれは袂を分かつことになるのかも しれませんが、今のこの国にはまだまだあなたが必要です。感情を優先させる人 間は得てして何の意味もない愚かな振る舞いに訴えがちです。相沢中佐のことを 改めて申し上げるまでもないとは思いますが、第二の相沢中佐にはくれぐれもお 気をつけ下さい。 以前、この国が道を誤ったときには、無数の相沢中佐がこの国に満ちていたので すから」 そう言って、大隊指揮官は善行三将を送り出した。彼の表情は、背中を向けた彼の 姿からは伺うことができない。大隊指揮官は、善行の姿がドアの向こうに消えてか ら敬礼を捧げていた右手を下ろすと、部屋の部下に向かって大声で言った。 「さて諸君、状況はすべて一から練り直しだ。これから大忙しだぞ。隊員には、今 日、『特配』があるかもしれないと言っておけ」
>>245 「閣下、本当によろしいのですか?」
ヘリが発進すると同時に、副官は往路と同様に瞑想に入った善行に向かってそう尋ねた。
「質問は明確にして下さい。誰の何に対するいかなる判断に貴官が疑問を表明しているのかを」
「失礼いたしました。あの特高の指揮官に関して、何故に閣下がこれ程までの信頼を表明されるのか、
そして、自由行動を認められるのか、それが小官には判りません。少なくとも、逮捕もせず粛正とは、
あまりにも無法過ぎます」
「貴官の言うとおりです。そして、それが限界となって、この国はあの決定的な敗戦から六〇年、ひた
すら怠惰のうちに惰眠をむさぼり続ける羽目となったのです。所詮、この国では改革は話し合いでは
なし得ないことは、歴史が証明しています。ならば、彼らが愚かにも始めたこの騒乱を利用するべき
でしょう。
権力をいかに行使するか、それすら理解していない彼らに、権力の剥き出しの本当の姿を教育しなく
ては、次の世代にこの国を渡すことはできません」
「……次の世代、ですか」
「次の世代です。私は軍人です。ならば、出来る事は破壊によって時間を稼ぐことだけです。建設は、
選ばれた選良がなすべきであって、軍人が手を出すべき事ではありません」
「ならば、もし閣下が選ばれてしまった場合、どうなさるのです?」
だが、善行はそれ以上は言葉を続けなかった。
ヘリは、ただひたすらに練馬の国防軍駐屯地を目指して飛び続けるだけであった。
「先ずはあなた方に問いたい。何故、国会の前にて無意味な流血を成すのかと云う事を。 現状に対する不満は判ります。 連呼されるシュプレヒコールから、大体の事は理解もしております。 ですが私は、それをデモに参加されたあなた方1人1人から聞いてみたいと思うのです」 それが、国会正門に集結したデモ隊と、正面から相対した萌山宗秋の最初の言葉だった。 視界を埋め尽くすような人海。 鬼気迫る表情で、プラカードや様々な武器を手にしている。 恐怖はある。 既に、デモに関係して少なからぬ重軽傷者が出ているのだから。 警備を担当する首都警からは、防弾チョッキの着用を強く勧められたが拒否している。 防弾チョッキは確かに身の安全を少しばかりは保証するであろうが、同時に、交渉と云う行為にとっては、 妨害と成る事が予想されるのだから。 手が震えそうになるが、それを意志で押し留める。 仕立ての良い背広を着込んだその外側からは、平常心で立っている様に見えていた。 唇をゆっくり舐め、そして口を開く。 「私は、政府からあなた方との交渉に関する……」 『腐敗しきった政府と交渉する様な事は無ぁい! 我々は現政権の退陣を要求するぅ!!』 最大までボリュームを上げた拡声器ががなりたてる。 その叫びに唱和し、口々に現政権への不満、そして不信を口にする人々。 萌山宗秋は、その叫びに一つ、大きく、多くの人々に見えるように首肯する。 「現政権への総括的な不満は理解しました。ですから更に微細な事を聞きたいのです」 良く通る声での話し掛け。 拡声器を通しても、その良く通る声質は些かも歪んではおらず、人々の耳に染み入っていく。 『我々は、政府に対して要求す……』 「私は萌山宗秋です。政治家であり、現政権に僅かばかりとはいえ参加をしています。であるならば、 あなた方にとっては、自らの主張を直接伝える好機ではないでしょうか? 国会議事堂の外側から叫ぶよりは極めて有意義であると思うのですが。 拡声器を持った貴方……………はい。貴方です。 政府に対して貴方が強い政治的な意志を持つ事は理解致しました。 私は、その詳細を知りたいのです。どうぞ、デモ隊の前に出て、私に教えて下さいませんか?」
それは、何とも奇妙な光景だった。 最初、国会議事堂の前に集まっていたデモ隊は国家主義を主張する集団だった。 続いて加わったのは戦後民主主義によるデモ隊。 犬猿の仲と評しても間違いは無いだろう。 実際、都内の何処其処で流血を伴った衝突が少なからず発生しているのだ。 警備の首都警隊員の間に緊張が走る。 携帯する武器と盾とを掲げようとする。 そして、萌山宗秋と交渉を行う事によって幾分緊張を解して来ていた国家主義のデモ隊にもざわめきが 広がっていく。 緊張感を孕んだ沈黙が広がっていく。 一触即発の雰囲気。 それを制したのは萌山宗秋。 ゆっくりと右手を軽く掲げる。 その動作に首都警は勿論、国家主義者のデモ隊ですらも幾ばくか緊張感を解く。 それは、在る意味で信頼の表明と言えた。 「彼等も又、自らの主張を成す為にこの場所に来たのです。であるならば、政府より交渉を預かった者として、 話を聞かない訳にはいきますまい。 宜しいですかな、国家主義を主張する諸君。 彼等はあなた方と意見を異にする人々です。 ですが現状に不満を抱き、それを溜め込むのではなくデモと云う政治活動を通し、それを主張する 事を選んだ、言うならばあなた方の同志でもあるのです。 さぁ! 民主と平和主義とを主張する皆さん、私の名は萌山宗秋。今、政府より交渉の任を預かっている者です。 あなた方の御意見をお聞かせ願いたい」 罵声。 或いは、ヒステリックな金切り声。 それら一つ一つに丁重に対応する萌山宗秋。 無論、それだけで収まりがつく訳ではない。 何処にでも、精神の自立する以前に知識だけを詰め込まれた様な人間は存在するのだから。 空疎な言葉を吐き、対応を受ける事によって更に声のオクターブを上げていく人々。 その様な人間を切り捨てるのではなく、周囲の空気を味方にする事によって圧力を掛け、自ら沈黙 を行うようにして行く。 それから5時間。 絶妙な話術によって萌山宗秋は、全てのデモ参加者を巻き込む形で交渉の場を作り出し、流血を回避する 事に成功したのだった。 少なからぬ疲労感と、そして満足感を顔に浮かべながらデモ参加者は帰路に着いていた。
「けしんどね、ほんに………標準語は疲るっし」 (訳/死んでしまうね、本当に………標準語は疲れるし) 深い溜息と共に言葉を押し出す。 デモ隊の解散後、首都警や国会議事堂の職員の見ている前では一瞬たりとも背筋を曲げる事の無かった 萌山宗秋であったが、流石に自室へと戻った時には、その全てを弛めていた。 椅子に背を預けると、足から力が抜けていく様な気配に襲われる。 「歳じゃっどね、躰が悲鳴をあげちょっど(苦笑)」 (訳/歳かな、躰が悲鳴を上げているよ(苦笑)) 「どの様な人間であれ、今日のような事に疲れると思いますわ宗秀様。或いは、逃げ出す人も居たかも しれませんし」 「あいがとな………生きかゆっど」 (訳/有り難うね………生き返るよ) ジェラルディンが差し出してくれた蒸しタオルで顔と手とを拭いてゆく。 天井を仰ぎ、そのまま目元にタオルを乗せる。 「にぐっ訳にはいかんど、国民の声を聞っとも政治家ん務めじゃっでな………とこいで、デモ隊ん要請、 まとめちょんな?」 (訳/逃げる訳にはいかないよ、国民の声を聞くのも政治家の務めだからね………所で、デモ隊の要請、 まとめているよね?) 「はい。感情的、或いは支離滅裂なもの以外は全て、確保しています」 「じゃったらそいをつかっせぇ、政府ん尻を叩くとすっどね。今回んこっでおいが発言力もちったぁ 増したでな。国民の混乱を収束させっご具体的な施策、未来予想図を提示していかんとね」 (訳/だったらそれを使って政府の尻を叩くとしようかね。今回の事で私も発言力も少しは増している。 国民の混乱を収束させ。具体的な施策と未来予想図を提示していかないとね) 「急進的な事を主張しては、反発を買う危険性がありますよ?」 「だとしてん、やらねばならんど。国民のしが何をすべきかちゅう共同幻想の再構築。その途だけでん 見せんにゃいかんど」 (訳/だとしてもやらなければならない。国民が自ら何をするべきか、何をしているのかと云う共同幻想の 再構築。その途だけであっても見えなければならない) 自らの頬を叩く萌山宗秋。 そして、勢いを付けて立ち上がる。 「さっ、いっど」 (訳/さぁ、行こうか) 政治家である萌山宗秋の戦い、その本番はこれからであった。
見れないよ?
(・∀・)イイ!!
まだ続いているんですね……頑張って下さい
254 :
某研 :01/10/11 19:40 ID:8Zofz5Mo
整列する黒色の隊列。ただそこに居るだけで無言の圧力を放つ彼らの前に、きわ めて貧相な顔をした男が現れる。壇上に立つと朝礼に出る校長先生にしか見えな いその男。もはや言うまでもない。 首都警総監。日村拝二である。 集結した”親衛旗”連隊。首都警の誇る猟犬達を前にして、軽い咳払いの後、 叩き付けるような調子で切り出す。 「我々は、もはや空虚な言葉にも。甘い虚像へも頼るような事はない。首都警は、 皇統と安寧に害する全ての叛乱分子、及び反動勢力に対しただ熾烈なる行動をも ってのみ対峙するものである」 緊張、興奮、内なる熱狂が声を甲高く、動作を大袈裟なものへと変えていく。 「諸君らの敵は、もはや国民ではない。国家の安寧と治安にあだなす害獣である。 我々は、彼らに徹底的に打撃を与える。二度と立ち上がれぬほどに容赦のない打撃 を」 「これを機に、我々の制服が一般国民より好意をもって語られる事は無くなるかも しれんない。しかし、例えそうなろうとも我らは一切の反論は行わない。首都警隊 員は、常に、その行動によってのみ意志を示すのである」 「諸君らの鋼鉄の意志が、必ずや叛乱分子の邪悪なる企てを粉砕する事を私は確信 している。以上!」 総監が壇上から降りると同時に、整列した親衛連隊は各級指揮官の指揮の下、無言 の内に行動を開始する。無数の靴音が、物言わぬ彼らの意志を象徴する。怒涛の様 なその轟きは、帝都に不気味な圧力をもって響き渡る。
「貴様等っ何物だ!」 叫ぶ中年の男の周囲を黒い戦闘服の警官が囲み、抵抗も空しく拘束される。なおも 怒声を上げ続ける男の前に爬虫類を思わせるスーツ姿の公安刑事が現れた。 「宗教法人大萌教。教主出口萌三郎さんですね。国家と国民に対する重要な犯罪の 容疑で拘束させていただきます」 萌の金神を崇め、「三千世界の萌え直し」を掲げる公称信者百万以上。政界、さら には警察、国防軍内部にすらも多数の信者を抱えると噂される巨大宗教・大萌教。 「令状を見せたまえ。国家と国民の対する犯罪とは何だ?」 「それに関しては、後程。あなたの口からお話して頂くとします。連れて行け」 「政治結社「黄金の旭日」代表の黒瓜氏でいらっしゃいますね?」 「誰だ貴様等は!もしや「皇国の夜明け」の手のものか!?」 「お応えしかねます。連れて行け」 「大萌教、黄金の旭日、国家社会主義日本健康協会、多言秘密教団、直角定規とコ ンパスの例のあれ、萌の智慧、皇統による萌の独占に反対する国民戦線。連合萌軍、 東アジア反萌武装戦線その他その他。これでも公安警察局のリストの一部なんだろ う?」 「ああ。それに、個人も加わるそうだね。萌一輝や杉山萌丸。萌山満なんかも。ま た頑固な爺さん達まで」 「可哀相な話だ。だからといって、どうというわけでもないが。さて、仕事。ああ、 暴れない方が身の為だ。これは警告だ。もう一度言う。抵抗は無駄だ」 銃声。 「・・・・・・?。「皇国万歳」?。その言葉を思い出すのが遅かったな。おい、これを 運び出せ。絶対に跡は残すなよ。夜と霧の彼方だ」
ところで、みんな夕メシ何食った? 漏れ、うどん。
259 :
69式 :01/10/12 00:52 ID:w5GKCR/g
>>253 あははーっ! ども、こんばんわ、69式です(笑)
はい、何故か元気一杯まだまだ続いておりますよ?
多分、今年一杯は続くんじゃないかとゆ勢いですねーっ(謎)
そゆわけですので、これからもおつきあいくださいませーっm(_ _)m
始めこそ一切の流血無く治める事に成功した萌山宗秋ではあったが、それは奇跡に類される事であり、 そう幾度もある事ではなかった。 様々なものを投げつけられる事が在った。 一切の言葉に耳を貸さず、罵声を浴びせられた事があった。 それは時には生卵であった。 そして、石が投げつけられた事も在る。 只、幸いな事に銃先が向けられた事だけは無かったが。 石は頬に当たった。 「!?」 息を呑む気配。 或いは、命中する事を考えていなかったのかもしれない。 それまで奇声を上げていたデモ隊が、息をひそめた様に少しだけ静かになる。 首都警の人間が駆け寄よろうとするが、それを手で制する。 痛みが無い訳ではない。 だが、今其れを見せる訳には行かないのだ。 ハンカチで一度傷口を拭き取ると、それ以降は傷の存在が無いかのように再び口を開く。 「デモに参加した皆さん、短慮を起こさないで下さい。暴力が全てを解決する訳ではないのですから」 朗々たる声には些かの霞みは無く、動作によどみは出ない。 痛くない筈はない。 「話し合いを、言葉を拒否しないでください」 無論、萌山宗秋とて話し合いが全てを解決すると云うおとぎ話を信じている訳ではない。 否。 そもそも、その様な主張をする人間に対して軽蔑にも似た感情すら抱いていた。 だが同時に、暴力だけが全てを解決すると云う主張に対しても憎悪を抱いていた。 故に今は、先ず言葉を交わす事を主張しているのだった。
政治評論家や、国会議員の中には萌山宗秋の行動を“売名行為”だと非難する声もあった。 議員会館にて行った記者会見に到っては、若造が己の力量を見誤った行為だと嘲笑する向きすらも在った。 だが、大勢の群衆に怯えず、自らが傷つく事を厭わなかった事により、その声は段々と小さなものと 成っていた。 そしてマスコミが食らい付いた。 国会前に派遣されていたTVの撮影隊は、本局からの指示によって、萌山宗秋の一挙一動に注目する 様になる。 理由は単純。 即ち、国民の煽動が商売−紙面作りに利用出来なくなったからである。 最初、戦後民主主義者を煽るような論調で紙面を作っていた某新聞は、流血が多発して後、その煽動行為 に対して国民から強い非難を浴びせられ、紙面作りに苦慮していたが故、嬉々として萌山宗秋と云う存在に 飛びついていた。 戦後民主主義系の新聞社だけではない。 国家主義の特集等をしていた別の新聞社も又、自身の煽動によって多数の負傷者が出た事を機に、国家主義 への擁護を止めていた。 誰もが、責任を取る事は望まないが故に。 彼等は自らを責任無き傍観者、評論家として捉えているのだから。 であるならば、煽動以外にこの騒動で国民の、興味を集めている萌山宗秋と云う存在を紙面作りのトップに 置くことは極めて自然な行為であると言えた。 血走ったデモ隊にも匹敵するような、否、それ以上の勢いで押し掛けてくる報道陣。 図々しくも、国民の知る権利と自分らの商業的好奇心を混ぜ、口々に記者会見を要求する新聞記者。 些か、知性に欠ける口調で質問を投げかけてくるレポーター。 その何れにも、萌山宗秋は空いた時間をもって丁寧に対応していた。 内心、彼等に対して思うことも在ったが、今は、マスコミを通す事によってデモに参加せぬ、だが、内心に 不安を抱いている人々への語りかけを行う事を選択したのだ。 その行為が効果を発揮したかどうかは判らない。 だが萌山宗秋がマスコミに登場して以降、そしてマスコミを通して国民へと語りかけて以降、幾ばくか、 不安は沈静の方向へと動きだしたのだった。
「よっ、マスター、お久しぶり」 BARみなぎの扉を開けて入ってきたのは、最近仕事がやたら増えて暇が作れなくなったとぼやいているともっぱらの噂の醍醐旅団中佐であった。 何を考えているのか、今日は洗いざらしたリーバイスのジーンズに、ラルフローレンの紺のチェックのシャツ、ポロのワークシューズ、ローレックス・デイトナの腕時計というラフなんだか決めているのか判らない格好であった。 ちなみに、何故か「○田苑」とロゴの入ったエプロンをつけて、台車をごろごろと押して入ってきている。 「やあ、ここんとこ忙しくてね。 まったく、あの色ボケ親父の分まで仕事が回ってきたんでね、すっかりごぶさたしちまったよ(苦笑) じゃ、いつものターキーを頼む。 で、ちょいとそのオーディオセットをいじらせてもらうよ」 それこそ、喜々としてケーブルやらボードやら取り出し始める中佐。 どうもこういうお節介を焼くのが楽しくて仕方がない様子であった。
263 :
みなぎ :01/10/12 01:26 ID://nFFpJ6
>262 「ああ、こんばんわ。おひさしぶりですね」 姿を見るなりターキーのキープボトルを取り出し、ダブルでカウンターに置く。 何を飲むにしても最初はこれから。そして席はカウンター席奥から二席目。 中佐の指定席だ。(なんでも一番奥は連れの女の子を座らせるんだそうな・・・・) 「お忙しいでしょうにオーディオまで診て頂いてすみませんねえ・・・」
>>263 「いやいや、気にしないでくれ(笑)
なんたって、これは俺の道楽だからさ(自爆)」
みなぎマスターの出したターキーを、まず香りを楽しんでから一口含み、舌と喉が焼けるのを楽しんでからさらに一口飲む。
「うん、やはりこの粗野で熱い味が堪らないな(微笑)」
満足そうにうなずくと、中佐は早速オーディオセットに向かった。
「じゃあ、今日はちょいとケーブルをいじらせてもらうよ(わくわく)」
265 :
みなぎ :01/10/12 01:41 ID://nFFpJ6
>264 「お願いしますね。今日はノルディックとパナから頼んでおいたCDが届くんですよ。 ああ、楽しみだなあ・・・・・・内装も音響考えて改装したんですよ(笑)」 カウンター内で両肘をついて中佐の作業を楽しそうに見ている。 「新譜。新譜。し、ん、ぷ。新譜が50枚っ(笑)」
「こんばんわ、開いておりますか?」 今日は、綾織りのウッドブラウンのスラックスとチョッキ、生成りのインド綿のシャツに、鮮やかな緋色の薔薇を使ったスカーフを首回りにまいたミランダ謝華が入ってくる。 奥から4番目のカウンター席に腰かけると、手にしているハロッズあたりで作らせたのであろう鹿革のハンドバックから、ゴロワーズを取り出し口に咥える。 「今日は、ズブロッカでお願い……、失礼、それはTransparentのリファレンス・デジタルでは?」 みなぎマスターが答えるより早く、ミランダは中佐が取り替えようとしているケーブルに目をつけた。 どうやら、彼女もかの業深きオーディオファイルと呼ばれる人種らしい。
>>265 「お? そいつは楽しみだねえ(笑)
ということは、ニールセンの交響曲の全集もあるかな?
俺はあれの四番は好きなんだよ(笑)」
>>266 「ほう? 一目でこいつを見分けるとは、貴女も中々通ですな?
ええ、そうです、これで低音を伸ばして重心を下げようと思って持ってきたんですよ。
何しろ、低音をきっちり出せれば、定位もしっかりするし個々の楽器の安定感も増しますからね。
しかもこいつは、解像度も高いし密度感も濃い。
一本差すと、随分と生々しくなります。
マスター、この御婦人の最初の一杯は俺が持つ。
久しぶりの通人へのご挨拶だ(笑)
そうそう、自己紹介が遅れました、俺は醍醐旅団中佐で通っている者です。
以後お見知りおきを」
久しぶりの趣味を同じくする者との邂逅に、中佐はきらりと歯をきらめかして笑った。
それは、ある意味求めて得られなかった好敵手を得ることのできた、腹に獣を飼う男の宿命とでもいうべき笑いであった(謎爆)
268 :
みなぎ :01/10/12 01:55 ID://nFFpJ6
>266 「ああ、ミランダさん。いらっしゃいませ・・・・・・ってあれれ?」 挨拶もそこそこに作業中の中佐へ駆け寄るミランダ女史。ああ、この人もか・・・・ 半ばあきれつつも冷凍庫からズブロッカを出してくる。そしてグラスに注ぎながら (なんか、これぬるくなっちゃいそうな気がする・・・・・・) とか、考えていた。
>>267 「これはご丁寧に。私はミランダ謝華と申します。このBARには二度目ですが」
艶やかに笑うミランダ。
だが、その目だけは笑ってはいない。
火を点けた煙草をろくに吸わず消すと、さっそく中佐の持ち込んだケーブルやらインシュレーターやらのアクセサリーに目を走らせる。
「成る程。日本では流行りの、PADやCARDASやWire Wordは一本も入っていませんね」
さらに、冷徹と言ってもよい視線を走らせ、山積みの段ボールの一つに目を留めた。
「おや、このDACは……」
>>268 とりあえず、一度カウンターに戻ると、ミランダはズブロッカを煽り、ふっ、と吐息をつく。
だが、むしろそれは楽しむ為、というよりは、これから始まる闘いの為の景気づけの様にみなぎマスターの目には見えた。
「成る程。マスター、このBARのオーディオの音が素晴らしかった理由が判りました。中々の腕のレコード演奏家がついていらっしゃったのですね」
すうっ、っとミランダの唇の端がつり上がり、細められた瞳に強い光が宿る。
早速シャツをめくり上げ始めた彼女は、だが今手元に自らの手札が無い事に気がつき口中でヘブライ語で悪態をついた。
それは、少なくとも軍人生活が長い人間でもないと吐けない凄まじい下品で悪辣な代物であったが、今の彼女からはむしろ粋の良い啖呵にすら聞こえる。
「そうですね、まずは中佐殿の「音」を聴かさせて頂きましょう」
>>269 「ほう・・・・・・、なるほど、本当に目の肥えていらっしゃる方だ。
ええ、そうです、あのZIAのFulcram64DACです」
にいっ、っと中佐の口の端がめくり上がり、精悍な笑みが浮かぶ。
「なにしろ、出力段に真空管を使っているくせに、レンジがそこそこ広く、奥行きもあり、なにより中音域と高音域の艶と延びが素晴らしい奴です。
ええ、こいつで聴くボーカルと弦楽器の艶めかしさは、生半可な代物じゃないです。
ここでかかるソースは、基本的にボーカルが多いですからね、ならこいつで味付けするのが正解でしょう」
段ボールから取り出したその黒い匣は、右よりに鈍く輝く丸い黄金のエンブレムに「ZIA」と印されていた。
272 :
みなぎ :01/10/12 02:20 ID://nFFpJ6
>267 「ええ、もちろん。あと、シュニトケのレクイエムにペルトの「De profundis」 カルミナのライブ。エリクソン合唱指揮の第九。SW王立放送合唱団のアルヴェーン もありますよお(喜)」 嬉々として語るみなぎ。収集狂の一端が覗く。CDが増えるたびに棚を買い足していく・・・・ 今では片側の壁の一面を支配するほどになりつつあるのだ・・・・・・
「コンバンワァ〜 開いていますか?」 少しイントネーションを外した口調で入ってきたのは岩田裕。 OFFタイムと云う事もあり、白を基調としたツナギに白衣を引っかけると云う 趣味を丸出しにした私服で在る。 何と言うか、凄まじいとしか言いようが無い。 「偶には、紳士たれと云う海軍士官の規範を忘れる事も良いことデスヨォ〜♪」 クネックネッと腰を振りながらカウンターへと着席。 優雅な仕草で足を組むと、白衣のポケットからゴールデンバットを取り出す。 「煙草、良いデスカ?」 顎先で、岩田の知識では“高価そう”としか理解できないオーディオを指してマスター へと問い掛ける。 「ああ、それからワタシの注文はアイラのシングルモルトを御願いしますヨ?」
>>271 「成る程、判りました。それでわざわざPhilipsのCDプレイヤーLHH-900Rを使っているのですね」
中佐は、店内のホール側にスピーカーとメインアンプをセットし、そこからあえて長々とケーブルをひいてカウンター内にプリアンプとDAC、CDトランスポート、そして昇圧トランス、レコードプレイヤーをセッティングしている。
それは、みなぎマスターが手元のCDやレコードを入れ換え、音量等を設定するためであった。
「そして、プリアンプにあのConnoisseurの3.0を使い、メインアンプはGOLDMUNDのMIMESIS28Mとし……」
すうっ、ミランダの視線がシステムのセッティングを追う。
「スピーカーにDynaudioのContour3.3を貴方は選択しました。
プリとメインの間は、MITのORACRE4.0ですね。なるほど、途中をネットワークで補正していますから、ノイズが乗るのも最低限に抑えられます。
スピーカーケーブルは、あえてAC DESIGNのConclusionを使い、メインアンプのACにSynergistic ResearchのデザイナーズリファレンスACマスタースクエアを入れることで、低音のレンジと全体の躍動感、力感、そしてアンプの駆動力を稼いでいるのですね。
Conclusionが銀線であるが故の低音の締まりすぎと全体の躍動感の不足を、カルダスで補ったのですか」
一目で中佐のセッティングを見抜くミランダ。
中佐は、わずかに顎をひくと、額に流れた一筋の汗を指先でぬぐった。
275 :
みなぎ :01/10/12 02:45 ID://nFFpJ6
>273 「ええ、開いてますよ。いらっしゃいませ。」 正直、白衣を着ているのだけど医者には見えなかった。 ・・・・・・なんか、恐い。(違う意味で)何してる人なのかさっぱり分からない・・・・ 「はい、どうぞ。」 ショットグラスを差し出した。
>>273 「おや、こんばんわ、お久しぶり。
そういえば、岩田司令も代将に昇進だってね。
これはぜひともお祝いが必要だろう(笑)
みなぎマスター、提督の最初の一杯は、俺が持つ。
じゃあ、俺にもアイラのシングルモルトを」
そして、グラスを手にした中佐は、早速掲げると音頭を取った。
「将来の海上護衛総隊総監、岩田提督の昇進と武勲を祈って、乾杯!」
>>276 「乾杯! 硫黄島以来ですね、お久しぶりですね中佐殿。そのエプロンはお似合いデスヨォ〜 ととっ、有り難う御座います」 乾杯の音頭と共にショットグラスを傾ける岩田。 「良い味デスネェ〜 この味は、あの懐かしきキルロイとオークとを思い出しますよ? ………おっと、イケマセンネ。 では、マスター中佐殿に……好みはターキーでしたね? 一杯出して下さい」 そして足を解き、気取った動作でグラスを掲げると音頭を取る。 「ではお礼に、南朝と醍醐旅団中佐の栄光と武勲を祈って、乾杯!」
ぱあん。と、扉が開く。 紺のキャミワンピにショールをかけたその姿を海軍属の人間と見る人は 一人もいないであろう。蛯原御幸その人であった。 「こんばんわ、マスター・・・・・ってあれぇ?」 カウンターの姿に気づいて駆け寄る。 岩田が「しまった!」という顔を、一瞬した。 そう、BARみなぎは、蛯原も常連だったのだ(爆) 隠れようとしても、もう、遅い。 「司令じゃないですかぁ。そんな「コスプレ」してるから分かりませんでしたよお」 言いながら隣に座る。嫌そうな岩田。それを無視して注文する蛯原。 「マスター、ギムレットくださいな。」 「司令がお酒飲めたなんて初めて知りましたよ。今日はせっかくだから楽しく飲みましょうね。」 満面の笑顔。 岩田はなんかとてつもなーく嫌な予感を感じていた(笑)
>>278 「こっ、コスプレって蛯原君………(汗)」
背中に哀愁を漂わせて呟く岩田。
それまでの気取った風が、一挙に吹き飛んでいた。
「司令がお酒飲めたなんて初めて知りましたよ。今日はせっかくだから楽しく飲みましょうね」
「デスネェ〜 まっ、此処で在ったのも何かのアレですから、マスター。最初の一杯は
ワタシに付けておいてくだサイ………我が身の幸運を願って…」
最後の言葉を口の中で呟いて、岩田はグラスを傾けていた。
>>274 「……ああ、貴女の見立ての通りだ。
そして、MITの柔らかさとなめらかさを殺さないためにも、中音域から高温域の艶と滑らかさを持ち、明るめの色を持つAC DESIGNを選んだわけだ」
すうっ、と目を細めた中佐の説明は続いた。
「だが、MITもAC DESIGNも、レンジは広いし、中高音の延びもそこそこあるし、音場の奥行きも出るが、音像はどうしても甘さが乗り、滲みがちになる。
GOLDMUNDの斬れ味の鋭い音を生かすには、ラインではなくACで調整する必要があった訳だ。
元々音場タイプでソリッドな低音を出すのが難しいContour3.3だ、そこはあえてスピーカーの下にひくボードとインシュレーターで重心を下げたという訳さ。
そして、細かい音の粒子が拡がりがちになるのを締めて密度感を出すために、CDとDACの間に差すデジタルケーブルに、Transparentのリファレンスを持ってきたんだ。
LinnのLP12とLHH-900Rと、Connoisseur3.0の間に、あえて中高音の延びと華やかさでは抜群のKimber SelectのKS-1020を使ったしな。
システム全体が、中音域から高音域の艶となめらかさや柔らかさを重視して組んである。
だが、やはり腰高になってしまって大編成のオケ曲だと定位がぬるくなる。
それを、今日は補正に来た訳だ」
>>278 岩田司令の音頭に、中佐はにやりと漢臭い笑みを口の端に乗せ、一気にターキーを煽った。
そして、マスターに向かって指を鳴らす。
「みなぎマスター、それじゃ、提督に
>>278 のお嬢さんと同じ奴をお出ししてくれ」
そして、自らは新しいターキーのショットグラスを手にすると、ミランダ謝華に声をかけた。
「次は、ぜひとも貴女の音頭で杯を空けたいのですが、その美声をお聞かせ願いできますでしょうか?」
>>277 「乾杯!」
岩田司令の音頭に合わせ、ズブロッカを一気に空けると、ミランダは、ふっ、と湿った吐息を洩らして微笑んだ。
「初めまして、提督。よろしければ自己紹介をさせて頂けますと光栄なのですが」
それまでの中佐と対峙していたのが嘘のような、艶やかで華やいだ微笑みを浮かべ、ミランダは優雅にその腰まできついウェーヴを描く銀髪を揺らして一礼した。
>>281 「そうですね、それでは北陸戦争の英雄の皆さんに、私からも乾杯を捧げさせていただきましょう。
では、名誉ある武勲と偉大なる敵に!」
ミランダは、ハスキーな、だが艶やかさの載った美声をBAR全体に響かせてグラスを掲げた。
そして、またも一気に中の透明で冷ややかな液体を喉へと流し込んだ。
>279 「かんぱーい」 グラスを鳴らすとくいっとギムレットを飲み干してしまう。 「じゃ、次はミモザをくださいな。シャンパンはドン・ペリで」 さらっととんでもない注文をする蛯原。 カクテルグラスが出てくると、みなぎがしまおうとするボトルを取った。 「残ったのは司令にプレゼントしますよ。いつもお世話になってますから。」
>>278 「こんばんわ、初めましてお嬢さん。
よろしければ、貴女にこのBARの常連の一人として一杯差し上げたいのですが、お聞き入れ願えますか?」
軽く右手の人差し指と中指を伸ばした手で敬礼のまねごとなどしてみせると、中佐は早速入ってきた女性にグラスを勧める。
「マスター、よろしければこのお嬢さんに一杯」
285 :
みなぎ :01/10/12 03:24 ID://nFFpJ6
>273 「ああ、すみませんね。どうぞ。」 灰皿とグラスを並べていく。 >283 「ドンペリでミモザですか・・・・・・・蛯原さんらしいですねえ・・・・・」 いくらになるのか知ってるんだもんな・・・・・この人・・・・・・・
>>282 「初めまして、提督。よろしければ自己紹介をさせて頂けますと光栄なのですが」 「これは失礼を致しました。 ワタシの名は岩田裕。帝國海軍に奉職している者ですヨ」 優雅な、だが何処かしら道化じみた仕草で片膝を付き、礼を捧げる岩田。 だが違和感は無い。 コスプレと云うよりも、知らない人間であれば本職とすら誤解してしまう程の動作。 更に云えば、海軍の高級士官と類される人間で在ることは誰も信じないだろう。 中佐の言葉通り、岩田に向け素直にミランダ女史は、在る意味で希有な存在であった。 >>283 差し出されたシャンパンを、グラスへと傾ける。 「シャンパンは煙草に合わないのですけどネェ〜」 少しだけ複雑な表情で呟きながら、煙草を灰皿へと押しつけるた。
>>280 「成る程、それで大体のところが判りました。前回ここでCDを聴かさせて頂いたとき、高音の艶と伸びに比べて低音の量感ばかり膨らんで、腰高さが耳についたのですが、それが理由だったのですね。
確かにTransparentのリファレンスは、一本差すだけで音像の滲みを締め、低音の底まで見通しを良くします。
そして、全体のレンジと密度感を出すために、NBSのMonitor-0 ACケーブルをプリアンプに差すのですね」
胸を持ち上げるように両腕を組み、心持ち顎をあげて見下ろすように中佐を見つめているミランダは、だが次の瞬間艶やかで危険ささえ感じさせる微笑みを面に浮かべて謡うように言葉を紡いだ。
「それでは、中佐殿の「音」を、お聴かせ願えますか?」
>284 「はじめまして。蛯原御幸って言います。よろしく。」 満面の笑顔を敬礼に返す。 そしてミモザも一息にくいっとあけてしまう。 「ありがとうございます。じゃあ、マスター、キールロワイアルをくださいな。」 そして出てきたグラスを優雅に掲げる。 「じゃあ、二人の出会いに・・・・・・乾杯。」
>>286 申し訳無いです。 9行目。 「岩田に向け素直に」と「ミランダ女史は」と云う言葉の間に、 「“提督”と呼びかけた」 と云う言葉が抜けていました(自爆) アレでは、全く意味が通りませんね。 極高のシャンパンに眩惑されたかな(熱核自爆)
>>287 「ええ、セッティングは終わりましたからね。
それじゃあ、マスター、いつものお気に入りをやってくれ」
中佐も、ミランダ謝華の挑戦的とも言える表情と言葉に、不敵で太々しい笑みを浮かべて言い放つ。
何故をもってか、二人の間に鋼鉄の気が満ち、背景に竜虎相撃の図柄が浮かんでいる様にBARの中にいる者達には見えた気がしたという(謎爆)
>>286 「初めまして、ミランダ謝華と申します。以後お見知りおきを、提督」
そして、それまで浮かべていた艶やかな微笑みを拭ったように消し、少女じみた仕草でわずかに小首をかしげてぱっと華やいだ笑みを浮かべるミランダ。
そのままくすくすと左手を口元に当て、楽しそうに笑い続ける。
「もう、代将職にある方が、そんな可愛らしい仕草はおやめ下さいな。愛らしすぎます」
そして、右手の甲を岩田司令に差し出し、楽しそうに声を弾ませた。
292 :
みなぎ :01/10/12 03:50 ID://nFFpJ6
>290 「じゃあ、どのあたりから行こうかな・・・・・メジャーに シベリウス:交響詩「フィンランディア」Op.26 オケはベルリンフィル、カラヤン指揮って所で行ってみましょうか。」 CD棚を前に嬉しそうに物色するみなぎ。 本当はフィンランド人の合唱団YLが歌っている物が好きなんだけど・・・・・・ とか思いつつ。オケが感情移入しすぎてちょっと落ちるんだよなあ・・・・・
>>288 「蛯原、美幸さん、ね。
俺は醍醐旅団中佐という通り名で通している。
中佐と呼んでくれて構わない」
蛯原嬢の掲げたグラスに、自分のグラスを軽く当て、中佐も言葉を続ける。
あえて彼女の瞳をのぞき込みつつかけた言葉は、
「君の空色の宝石に、乾杯」
>293 「乾杯。御上手ですね、中佐さん。」 グラスを鳴らすと、これもまたくいっと空けてしまった。 笑顔のまま。酔った様子などこれっぽっちもなく。 「一応、これでもタイフーン戦隊に在籍してるんですよ。ええ、司令の部下ですのよ。」 そして次にマンハッタンを頼んだ。
>>292 みなぎマスターが、かのPhilipsのスイングアームメカの名機LHH-900RのトレイにCDを乗せ、STARTボタンを押す。
ほんの幾拍かの緊張した間をおいて、BARの奥にセッティングされているデンマーク製の制作者が「真実の音」と自負するスピーカーから朗々とした管の低音が部屋一杯に轟き渡った。
Andante sostenutoの地の底へと沈み込むようなその和音に続き、静かに、だが重厚な弦の音が重なり、部屋全体を満たしていく。
そして、Allegro moderatoに入ってからテンポが一気に上がり、朗々と管がファンファーレを吹き鳴らし、つややかな弦の音に胴鳴りまでもが乗り、個々の楽器が全員の目前に見えるかのように音場が再生されていく。
一転して、静かで緩やかな弦の調べが続いたかと思うと、ラストのAllegroに入って朗々としたファンファーレがBAR一杯に響き渡った。
わずか10分弱の演奏であったが、その生々しく、肌に柔らかくなまめかしく温かく触れていった音に、聞き入っていた全員が一呼吸遅れてから吐息を洩らしたのであった。
>>294 「うん? ああ、それは君の魅力を褒め称えないのは、男として恥ずべき行為だと俺の本能が告げるからさ」
にこにこと笑っている蛯原嬢にあわせて、中佐も楽しそうにターキーをショットグラスで空けていく。
「なるほどね、あの白衣のおっさんにも、女を見る目が無かった訳じゃなかったんだな(笑)」
>>291 差し出された手の甲に、唇を付けた岩田。 「有り難う御座いました、ミランダ殿」 そして立ち上がると、優雅と云うよりも軍人である事を感じさせる態度で礼を述べる。 その仕草は、折り目正しい帝国海軍軍人としてのものであり、奇異な衣装を纏っている 事を感じさせない。 その頬の辺りが少し赤いのは酒精だけが理由では無いだろう。 照れているのだ。 江田島にて、海軍士官は紳士たれと教えられる以前に、基本的に女性に甘いというか、 弱い岩田。 そんな岩田が唯一積極的になる相手は只1人。 六九式教授だけである。
>295 「すばらしいですねぇ。」 思わず拍手をする蛯原。 「でしょう?」 「もっと聞きたくなりますね。これだけいい音だと。ねえ司令。」 「え?え?」 さすがに酔ってきている岩田。そろそろ帰らねばと思っていたのであるが・・・・ なんだか、この空気。帰してくれなさそうなんですけど・・・・・ そこへみなぎがダンボール箱を抱えて戻ってくる。 「さあ!届きましたよお。聞きましょう!」
>>295 「お見事ですわね」
ふわりと柔らかな微笑みを浮かべ、ミランダは軽く拍手をしてオーディオシステムに近づいた。
「そうですね、この中高域の温かく柔らかい艶は、私も嫌いではありません。ですが、やはり大編成のオケ曲を聴くには、奥行きが足りないきらいがありますね」
そして、腰をかがめてパワーアンプからスピーカーへと視線を走らせていく。
「スピーカーの下のボードを、むしろ熱研のダイハードからBDRのものに変えてはどうです?
ここは土台が鉄筋RCに直接フローリングを引いていますから、比重の大きい黒御影石をベースにしてはいかが?
そして、スピーカのインシュレーターをローゼンクライツにしてみるのは?
ケーブルも、下流にMITとAC DESIGNではなく、デジタルをKimberのKS-2120、DACとプリに間をKimberのKS-1020として中高域の情報量と伸びを確保しましょう。
あくまで定位と音像の重心を下げる為のTransparentは、リファレンスRCAをプリとメインの間に使い、スピーカーケーブルをMITのショットガンにして伸びと柔らかさと艶を出した方がバランスは良くはありませんか?」
それだけ矢継ぎ早に指摘すると、ミランダは中佐の顔を正面からのぞき込んだ。
」
>>296 微笑を浮かべてミランダ女史と会話している最中、一つの単語が岩田の耳に掛かった。 “おっさん” 顔がすこーし渋くなる。 「ワタシはまだ30代、それも前半なんですけどネェ〜〜」 極めて不満げに漏らす。 日頃からの鬱積が在るのだろう。 当人はまだまだ青年のつもりでは在るが、やはり提督と云う職務故に歳を取って 見られる事は多かったのだ。 顎を撫でる岩田。 ふと腕時計を確認。 針は、そろそろ帰らねばならぬ時間で在る事を示していた。 「申し訳ありません、ミランダ殿。ワタシの今宵は此までのようです。 帝國に奉職を行う身ゆえ、ままならぬ事も多いですが、今宵は楽しかったでしたヨ 貴女と又、お会いできる日を楽しみにしておきますよ」 その時、蛯原准尉が楽しそうに声を上げる。 (>>298) 「もっと聞きたくなりますね。これだけいい音だと。ねえ司令。」 「え?え?」 流石に焦る岩田。 その脳裏には1人の人物の姿が浮かぶ。 〈タイフーン〉戦隊参謀長。 良き相談相手ではあるが、時と場合によっては鬼よりも恐い人物である。 何しろ、鬼だって自分の上司の閻魔大王はバットで殴りはしないであろうから。 「そろそろ帰らないと………」 「さあ!届きましたよお。聞きましょう!」 マスターが嬉々として、届いたばかりの段ボール箱を空けていく。 出てくるのは、大量のCD。 蛯原女史は嬉々として漁っている。
>>299 「ううん、なるほどね。確かに貴女の指摘されたセッティングの方が、音場の奥行きと定位の安定感がでそうだ」
難しい顔をして、中佐は台車の上の段ボールから何本かのケーブルを引っ張り出し、馴れた手つきで機器の電源を落とし、ケーブル類を入れ換えていく。
「さすがに、BDRのボードは持ってきていないんでね、とりあえず熱研の制振合金をスパイク受けにして、ダイヤモンドカットの白水晶をスパイク代わりにしよう。
これで、中高音の情報量と伸びと艶と躍動感は、結構稼げるはずだ」
そして、再度「フィンランディア」のCDをかける。
真っ先に、全員が感じたのは、下腹部から足へと響く斬れ味の鋭い低音であった。
そして、ずっと奥行きが増し、同時にかっちりと決まって安定した各々の楽器の定位。
個々の楽器の胴鳴りまでもが聞き分けられさえしたのだ。
苦虫を噛み潰したような難しい表情をしている中佐と裏腹に、ミランダはまるでフォン・カラヤンにでもなりかわったかの様に両手で指揮を取っている。
一曲奏で終わってから、中佐を振り返ったミランダの一言。
「如何?」
302 :
みなぎ :01/10/12 04:58 ID://nFFpJ6
>301 「素晴らしい!」 立ち上がって拍手するみなぎ。 「じゃ、次はこれいきましょうよ。ニールセン4番!」 開けたばかりのダンボールから嬉々としてCDを取り出す。 酒が入っているせいだろうか。みんなとまる気配もなかった。 岩田だけが徐々に顔色を悪くしていった。
>>300 次々と蛯原嬢が段ボールを開けてはかけていくCDに、中佐のグラスを空けるピッチがどんどん早くなっていく。
そして、それに反比例するように、ミランダは楽しそうにズブロッカやスピリタスを空けては、BARを満たす音場に身をゆだねていた。
「・・・・・・うん、確かに、これならば文句の言い様が無いバランスの取れた再生音だ・・・・・・」
3本目のターキーを空けた中佐は、とうとう自ら白旗を掲げざるを得ない事を認めた。
難しい顔をしている中佐と裏腹に、ミランダは、頬を上気させ4本目のスピリタスの封を切ったところであった。
「お褒めにあずかり光栄ですわ、中佐殿」
圧倒的な艶やかな微笑みを満面に浮かべ、勝利の美酒を楽しむミランダ。
「ええ、今日は本当に楽しまさせて頂きました。そうですね、マスター、今日の分は私が持たせて頂きます」
カードをマスターに手渡すと、まだ封を切っていないターキーのボトルを手にとり、中佐のところへと持って行く。
「ふふ、御免なさいね、今日は失礼極まりない事をしてしまいました。それでは、私からの謝罪を受け入れて頂けますか?」
「ま、いいでしょう。女性を楽しまさせることができたのならば、それは男としては本懐とするべきなのでしょうからね」
「ふふふ、ありがとうございます。それでは、今回の私の無礼は、貸し一つにして下さって結構ですよ?」
「なるほど、それでは早速返して頂くとしますか。なにしろ、貸し借りを長々とほったらかしておくのも目覚めが悪い」
二人は、それからさらに2本のターキーと、3本のズブロッカと、1本のスピリタスのボトルを空にするまで飲み続けたのであった。
翌朝。 岩田は何とか定時に戦隊司令部へたどり着いた。 頭が痛い。自分の靴の音ですら頭に響いていた。 「ぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・・」 「大丈夫ですかぁ?」 蛯原が心配そうに覗き込む。笑顔に一点の曇りもない。 っていうか、なんであんなに飲んでおいて平気なのだろう? 通勤時もまともに歩けないので蛯原に肩を貸してもらっている始末。 これで船が動き出したらと考えると恐ろしい気もする。 しかし、この時岩田の頭からは一つのことが抜け落ちてしまっていた。 「この光景・・・・・・・人が見たらどういう言い訳をするつもりなのか。」 ・・・・・・案の定、この出勤風景は風の速さで周知となった。それも10分とたたずに。 そして当然参謀長の耳にも入る・・・・・・・そして、コック長水沼をはじめとする 「みゆきたんファンクラブ」の面々にも・・・・・・・・ 司令部執務室につくと岩田は蛯原に水を頼んだ。 「はい。しっかりしてくださいね。司令ももう少しお酒に強くないと海の男になれませんよ。」 笑顔で言い、蛯原は水を汲みに出た。 2、3分後。 執務室のドアがノックされた。 「どうぞー。」 頭が痛いので気の抜けた返事しか出来ない。 ・・・・・・・・・・・・岩田はその日のことは二度と思い出したくないと、後に述懐している。
「みんなーっ、朝だよっ、起きろ起きろ起っきろーっ!」 「松風」の艦橋で、擂粉木棒で中華なべをがんがん。
>247-249,>260-261 萌山がそのような説得に入って暫く。 あるデモ隊の、彼の説得に対する反抗は何時も以上に苛烈だった。 辺りにはデモ隊、萌山を保護する警備隊、 それに野次馬、テレビ局の一群などが入り混じり、 規模は今までの中で最大であったかもしれない。 流石に、萌山の枯れた声では、全体に届くには不充分となったその時、 一瞬、ある物がその場の人間の視界に入り、熱の篭った空気は一変した。 「あれ、皇族の錦旗…だろ?」 「ああ、しかもあのでっかさは、恐らく天皇旗だ」 「どういう事だ?」 その変じた空気に喧騒が一時的にほぼ小さなざわめきばかりに変わったその時、 一時動きを止めていた錦旗は再び動き、今上天皇の姿がその場の大半の人間の視界に入る。 天皇はそのまま、萌山の傍へ向かい、立ち、拡声機をもって声を上げた。 「朕が臣民達よ。汝らの不安、怖れは朕が憂慮する所である。 それから来る汝らのこの行動を、朕は責める物ではない。 朕はこの時宜を得、汝らの声に耳を傾け、その心の憂いが取り除かれん事を望む。 汝らの意思が赤心たれば、朕の意思として、それは必ず叶えられる物であろう。 …朕は、汝らがこの様な方法を取らねば、 その声を聴き入れる事の出来なかった事実を痛感し、恥じる所である。 だが、もう汝らはこれ以上この様な方法を取らずとも善い。 朕は汝らの心を受け入れる所存である。 今ここで汝の心を発せよ。また、これより後は、朕が元へその意を書にし、送るが良い。 心安めよ、朕は常に汝らと共にある。朕は、汝らと共にある」 言葉を終え、そこは静寂に包まれた。 流石に天皇となればデモ隊も心易く要求をする物ではなく、 二,三の要望を彼の前で求めるだけであった。 そして皇居への還御を行う時。 「萌山、と申したか」 「は、この度陛下におかれましては、臣…」 「よい。そなたの赤心よりの挙は、朕の意思に沿うものである。 近侍の者によると、既にそなたは幾つかのデモ隊を回り、交渉を持ったというではないか。 先の朕の言をよく達する為、程無く行う会議にて、そなたにも発言の機会を十分に与える事を許すが、どうか?」 「御意。陛下の御深慮、深く感謝するところでございます…」 テレビの報道によって通されたこの事態より以降、 今上天皇の言、そして天皇の緊急強権発動による御前会議の開催による事態改善への期待からか、 或いは単に皇族が現れた事による怖れからか、デモは著しく数を減らす事となった。
>306から二,三時間後、昼。場所を皇居に移し、今上天皇は内閣総理大臣、官房長官、国防省長官、 首都圏治安警察機構総監、更に国軍幕僚長を始めとする制服組の次官クラスまでを召集し、 御前での帝都の騒乱に関する安全保障会議を開会した。 「首都警総監。現状の帝都の騒乱における被害・対応など述べよ」 「御意。帝都における暴徒の騒乱は、 陛下御自らの宣撫、一部国会議員による説得により、ほぼ沈静を保っており、 既に警備部隊の半数は守備任務を一時解いた次第です。 これまでの警備部隊の死者は6名、負傷者は数十名に上っております。 デモ隊側の被害は目下計上中で御座います。また、この騒乱による二次災害はほぼ沈静しております」 「ふむ。良い。 この騒乱を扇動したと思われる人物を捕縛したとの報を受けたが、それに関して現状を述べよ」 「…は、これは…現場での行動であり、私の元には未だ詳細な報告が上がっておりません。 不明を御容赦賜る事、願います」 「…ふむ。権力の濫用は認めぬぞ。行き過ぎぬ様、つとめて配慮を下命せよ。以上だ」 「…御意」 下問の終了と共に、総監が着席する。 「ふむ。先に朕が国軍へと発した詔書に反する行動は見られるか?国防軍幕僚長、述べよ」 その下問と共に、次は幕僚長が立ちあがり答える。 「御意。現状、陛下の御意志にそぐわぬ者は表立っては見られてはおりません。 殆どの部隊が通常の運営を除き待機を守っております。 ただ、正確な情報としては掴みきれておりません事を先に申し上げますが、 一部部隊において通常の運営と言うには疑問の残る行動を起こしております。 これに関して、小官と致しましては、帝都で起こりうる新たな騒乱を未然に解決する為、 機先を制した陛下のご決断を賜りたく存じます」 「先に討て、と朕に勅を発せよと申すか?」 「は。陛下の名において国家の騒擾を企む者の逮捕・鎮圧の御聖断を賜りたく。 頭を未然に抑えれば、彼らの行動はただの愚かな陰謀としてのみ後に残りましょう」 「…それは、認めぬ」 「は?」 「一切の流血は認めぬ。朕に反旗を掲げた時のみ、賊としての鎮圧を許可しよう。 それ以外の一切の許可は与えぬものとする」 「は、しかし陛下。事が起こり得て後は天下の臣民の不安は著しく高まりましょう。 陛下の玉体の御安全をも誓約できません。事起こる前のご決断が最善かと臣は愚考致しますが」 「幕僚長」 今上は僅かに不快を示し、視線を彼に向けぬままに話す。 「仮に朕の軍の一部に叛乱が起こったとしても、彼らに大義はあるまい。大義無き軍に従う者はおらぬ。 寧ろ、彼らを追い詰める事こそが無闇かつ無謀たる造反を招きうるであろう。 朕とそなたらが共に道を示し、臣民の心泰んずらば、彼らとて敢えて凶事を起こす事もあるまい」 「…御意。では、万一の事を配慮し、皇居の周辺の防衛を張る許可を賜りたく存じます。 賊に陛下の玉体が奪われる事あらば、その瞬間が我が国の亡する時となりかねぬと愚考致します」 「各近衛旅団のみで良い。妄りな軽挙こそが国を亡する源である」 「…は」 「全ての国防軍に所属する者は部隊へと戻り、通常運営を除き待機させる事を再び通告せよ。 それを除く軍の内部における行動は、全て朕の意思に沿うものではない旨発せよ」 「は」 「ふむ…では、それぞれ、以上、存念はないか?」 その問いに答えは無い。官房長官が立ちあがり、閉会を宣言した。 「これにて御前会議を一時閉会致します。一時間の小休止の後は、 全ての閣僚を含めた御前による政策決定会議を行いますので、各方はお忘れなき様願います」
御前での安全保障会議を終えた一時間後、
更に全ての政府内の大臣、そして官僚の次官クラスまでを召集した御前会議が開かれた。
最初は御前会議での慣例とされる各省よりの報告から始まり、
現在憂慮すべき問題とされる事例の現状の報告までを終え、
その後、最優先懸案とされる東北への支援、及び帝都の騒乱への対応が諮られた。
「…目だった異論無きなれば、東北の蝗害に関しては、
先に衆院での審議に入っている緊急対策関連法案(
>>26 参照)を、
朕の有する権利を持って、ただちに朕の名において公布を行う。
この法案の不成立までの経緯は朕も存ずる所である。これ以上の審議は無用であろう」
「御意。直ちに公布、更に法に基づく救援の手続きを、関わりある各省に通達致します」
「うむ。では次に、帝都においての朕の臣民の騒乱に関してだ」
その言葉と同時に、重く閉ざされていた会議場の入口が開かれる。
その先から入って来たのは、国会議員@萌山宗秋であった。
「そなたらも、彼の、今回の騒乱に関しての挙は知っているだろう。
朕は彼を高く遇する価値のある者とする。
再びの騒乱を起こさぬ為、彼の言はそなたらも聴するに値する物であろう。
萌山、存念を全て隠さず述べる事を許す。述べるがよい」
>>306-308 練馬駐屯地へと向かうヘリの機内で、善行は今上天皇が自ら出座し、騒乱状況の収集に務めているとの報告を受け取った。
「なるほど、そういうことですか。枢密院はどう対処するつもりでいるか報告は入りましたか?」
「いえ、とにかく陛下が自ら御意志を明らかにするのは、戦後初めてのことでありいかに対応するべきかで揉めているようです」
「仕方がありませんね。まあ、陛下の御意志は尊重するのが臣下の務め。ならば、さっさと状況を終了させましょう。入間のC-17は例の実験中隊を搭載して哨戒飛行中ですね?」
「はい、現在中隊は全力で出撃中であり、各C-17毎に一個小隊づつ分乗との報告が入ってきております」
「結構です。それでは、私の命令があれば即座に降下できる様にと連絡を」
ヘリは、重装備を配備し出動準備に追われている練馬駐屯地内の、東部方面隊総監部前の中庭に直接着陸した。
そして、周囲に多数の隊員達が集まってくる中、悠々とヘリが降り立ち、突然の将官の登場に慌てふためく一般隊員達を後目に総監部へと入っていったのであった。
善行が入った総監部は、困惑と狼狽と、そして殺気で溢れていた。 一番大きな感情は、困惑であるようだった。 殺気だっているのに、誰一人動こうとしない。とまどったように立ち竦み、しかし一様に殺気だった視線を善行に注ぐのは、二番目に大きな感情が自棄的な敵意であることを示している。 善行の目に、一人の将校が今上帝のおことばを伝える号外を握り締めているのがちらと目に入った。 彼らの中には何故か、総監部のスタッフはほとんどいなかった。 第一師団の幹部と第一普通科連隊の将兵を除けば、陸幕監部作戦部や情報本部を中心とした士官たちの姿が目立つ。 その中心にあった一人、中佐の階級章をぶら提げた丸眼鏡の男が、ようやく普段の不敵な態度を取り戻して(あるいは装って)一歩進み出た。 善行の周囲の連隊将兵に目配せし、何食わぬ顔で問いかける。 「これは、善行閣下。お久しぶりであります。なにか、ごようでありますか?」
>>310 「これは辻中佐、お久しぶりです。東條総監に用がありますので、貴官もご一緒されますか?」
副官が、制服の内側に手を伸ばしそうになるのを身振りで押さえ、善行は何ごともないかのように平然と答える。
周囲の兵士達に、いくらかの困惑が広がり始めた。
彼らは、自分達が逆賊として討伐される羽目になる事を覚悟し始めていたのに、善行の様子はまるでそうした緊張した状況など無かったかの様な振る舞いであったのだ。
少なくとも、反乱軍の中枢にお供一人だけで乗り込んでくるなど、勇猛果敢ではなく無謀自棄と言っていい行為以外の何者でもない。
「それでは、東條中将の元に案内願えますか?」
兵士たちに微妙に広がり始めた困惑の空気に焦り始めた辻中佐に、善行は常の通りの穏やかな物言いで話しかけた。
案内を求められた辻は、わずかの間迷いを見せた。 まさしく、それは刹那の間。 「よろしいでしょう。では閣下、こちらへどうぞ」 傍らにいた将校、第一連隊長河辺大佐がなにごとか行動を起こそうとする その機先を制し、辻は笑って頷いて見せた。 胸中深い疑念を抱きつつも、三暴のなかの三暴と言うべきこの人物はすぐ には行動に出ない。 単身踏み込むなら、何時でも殺せる。 幾人かの警務隊を伴い、善行に背を向けた彼は小さくひとりごちた。
313 :
貫上等兵 :01/10/14 03:28 ID:n9GFErO6
「く・・・・くぅ・・・・・」 今日一日の訓練が終わり、俺はベッドに崩れ落ちた。 「あの糞親父・・・・・・扱きすぎだっちゅうの(涙) ここまできついの、硫黄島で単身逃げてたとき以来だよ、まったく・・・・・・」 しかし、顔は笑っていた。やるべきことがある、それだけで、気持ちに張りも出てくる。 「明日は、あの鬼兵曹長をぎゃふんと言わせて・・・・・や・・・・・・る・・・・」
御前会議。 華美と評して良い装飾の施された室内は、或いは装飾された権威と云うものを放っていた。 居並ぶのは総理大臣を始めとする諸大臣、そして各省庁の政務、及び事務次官。 その視線が集中する。 無言の圧力。 それを無視するかの様に、黙ったまま背筋を伸ばして歩く萌山宗秋。 殺気だったデモ隊の前に立つ事に比べれば、どれ程の事も無かった。 「臣、萌山宗秋。申し上げます」 かすれ掛かった声が響く。 無論、今上陛下と直接相対した事が理由ではない。 だがその事に気づかなかった者達は苦笑を漏らしていた。 “若造が緊張しておるわ” その様な、音なき声が聞こえた様な気がした。 −いや、やはり緊張しているのかもしれないな……… 自嘲気味に口の端を歪める。 それは、これより自分が行う奏上の内容を思い起こして故にであった。 時間の無さ故に文章が荒く、そもそも不敬であるかもしれない。 だが今上陛下に伝えねばならぬ事が在るのだから。 「皇民の受ける塗炭の苦しみを見かねて行われた陛下の出座は、皇国が今陥っていた混乱を抑える事に 成功は致しました。 ですが、その赤子への思い故の行動は同時に、皇国を、議会制民主主義国家としての大日本帝国を、 死に至らしめる、最後の一矢とも相成りました」 ざわめきが広がる。 殆どの者達が顔面を蒼白にし、或いは睨み付けてくるが、その事如くを無視。 ただ視線は、今上陛下だけを見ている。 小さく肯かれたのを確認。 再び、口を開く。 「議会制民主主義とは政府は国民の総意として存在しております。これは即ち、現状で国民が味わって いる苦境とは、自らが招いた事態で在ることなのです。 優柔不断な人間によって構成された政府。ですが、そもそも優柔不断な人間に議席を与えたのは、 誰でしょうか? それは国民です。自らの持つ参政権によって、その様な人間を選んだのですから。 汚い表現を用いれば、今の大日本帝國の状態は自業自得なのであります。 それは議会制民主主義と云う制度にとっては、当然の如く甘受せねばならぬ事なのです」 先程とは別種のざわめきが広がる。 先に今上陛下の行動を批判し、同時に今の議会制民主主義を批判したのだ。 萌山宗秋が何を述べようとしているのか、誰もが理解できずに困惑の表情を浮かべていた。
「陛下。 今回の一件。如何に陛下の赤子たる皇国民が混乱と混沌とによって苦しみを受けていようとも、陛下が 動いてはならなかったのです。 苦しみより逃れるには、自らの力をもってなさねば成らない。それこそが、皇国に真の意味での議会制 民主主義と云う存在を根付かせる事となった筈であったのです。 人は、自らの行いが引き起こした物事は、自らが責任を果たさねばなりません。 ですが、陛下の出座によって、その目は消えました。 民心は安定し、混乱は治まるでしょう。 ですが、それ故に皇国の議会制民主主義は滅ぶ事と成るのです。 窮地にありては陛下が出座され、全ての問題を解決されるとして、一体誰が、真剣に眼前の問題を 解決しようとするでありましょうか?」 室内の人間、その大半が顔色を無くす。 即ち、萌山宗秋は今上陛下が関与した事によって、眼前の問題こそは消えたが、より本質的な問題の解決は 不可能となり、議会制民主主義は事実上滅びてしまったと述べているのだ。 「貴様、何を抜かしているかっ!? それでも皇国臣民かっ!!」 その場に居た人間の中でも、特に皇室への思いが強かった者が罵声を上げる。 だが、それ以上の怒声を萌山宗秋は上げた。 「せからしかっ! 真に皇国ん行く末を心配すっがゆえん言葉じゃっ!! 甘言ばっかを言っせぇ、諫言をせん。おはんたっがとを佞臣ちゅうたっど!!! わかっちょんな?」 (訳/黙れ! 真に皇国の行く末を心配するが故の言葉だ!! 甘言ばかりを言い、言うべき時に諫言を成さぬ。その様な者は佞臣と言うものだ!!! 貴方はその事を理解しているのか?) そこで一つ、深呼吸をする。 視線を今上陛下に向けると、ゆっくりと語りだした。 「陛下、申し上げます。 真に皇国と皇民との事をお考えでしたら、憲法の改正をご決断下さるよう申し上げる次第であります。 皇統を真に日本国の象徴とし、国民自らが政治を選択する議会制民主主義を実現すべきで在ると愚考致します。 それが、容易に問題の全てを解決すると言うことは出来ません。 否、その過程は困難と、苦難に満ち満ちていると言うべきであります。 ですが、其処に手をさしのべる事は過保護と言うべきではないでしょうか。 責任を誰かに預け、容易なる道を選ぶのではなく、国民一人一人が一個の人間として、自らの意志で選択肢し、 歩みゆく国家を目指すべきであると思うので在ります」
やめなさい。いなくなった人間の事を叩くのは。(藁 しかし最近、何気に本編より”皇式祭都”のほうが面白かったりする。
318 :
名無し三等兵 :01/10/14 14:30 ID:NOLYtaEd
罵倒しあい>>>>>>>>>>>>>>>>>>>なれあいオナニ小説 ネットヲチ板ができる位だし(w
>>318 荒らすのは全然構わんが、ageるのだけは勘弁。
ここんとこ駄スレが上がりっぱなしで良スレが沈んでるんだから、ちったぁそこんとこ考えれや。
醍醐旅団長叩きはやめましょうよ某氏・・・哀しくならないですか?
>198 いつのまにか眠ってしまったようだ。空腹で目が覚めると、少年は周囲に何も 気配を感じない事を確認し、木箱から這い出した。 「うわ。すごい、荷物だらけだ。」 自分の隠れていた木箱が積荷の一番下だったら、と思い、ぞっとする。そして 何気なく懐を探るが、食料を一つも所持していない事に気付き、思わず溜息を 吐いた。 「まあ、いつもの事か。」 今回はあまりに無計画すぎた。そうも考えたが、もはや悩んでいても始まらな い。このまま隠れ続ける事はあまりに非現実的である。 今の状態では、この船がもう出港しているのか、何処に向かおうとしているの か、何も判らない。ともかく、何でもいいから情報を集めなくては。 意を決し、少年は艦内を探索する事にした。仮に見つかってしまったとしても、 その時は雑用でも何でも買って出て、しばらく置いてもらおう。 「じっとしているのも限界だ。お腹も空いたし。」 うんうん、と一人頷くと、少年は通路へ向かい歩き出した。
>>321 「うぐぅ、疲れたよう、お腹すいたよう、眠いよう……」
迷彩の戦闘服姿で萌浜ともえはとぼとぼと自室へ向けて足を引きずっていた。
本当に、心底疲れて疲弊しきった様子で、普段の元気一杯の精彩さがみじんも見られなかった。
なにしろ、かの安宅兵曹長の訓練はもはや訓練の域を超えたシゴキであって、とてもではないが現代っこのともえ等がついていける代物ではなかったのだ。
早朝、起床ラッパの艦内放送と同時に「松風」後部のヘリ甲板に整列させられた西朝の全員は、そこでラジオ体操を行った後、安宅兵曹長の凄味のある笑顔での「助言」を聞かされる羽目になったのだ。
「おはようございます。それでは、本日皆さんに申し上げる最初の御助言であります。
まず、全員第4種装に着がえてここに戻ってきてください、時間は5分差し上げます」
兵曹長が言い終わるが早いか、全員はそれこそ全力疾走で私室へと戻り、可能な限りの早さで迷彩の戦闘服と鉄兜に着がえ、再度ダッシュで戻ってきた。
だが、その5分に間に合わなかった人間も何人か出てくる。
「それでは、まず次の御助言申し上げる前に、遅れた方は1秒ごとに一回づつ腕立て伏せをしていただきます。
それでは、間に合った皆さんは、そのまま気を付けの姿勢で腕立て伏せが終わるのを待っていただきます」
起きたばかりで朝ごはんすら食べていない連中が、汗だくになりながら腕立て伏せを終わると、安宅兵曹長は獣もいいところの笑みを浮かべつつ言葉を続けた。
「では皆さん、背嚢を背負い、助教よりラッパと突撃銃を受け取ってください。
これから、体力錬成の訓練を行います。
艦艇乗り組みにおいて重要なのは、いかに持ち場においてパニックに陥らず状況を判断できるか、です。
すなわち、精神と肉体がバランス良く錬成されて、初めて突発的な事態に対処できるようになるのです。
それでは、まず小官にあわせてラッパを吹いていただきます」
>>322 そして全員、すきっ腹を抱えて必死になって安宅兵曹長にあわせてラッパを吹き鳴らした。
なんというか、兵曹長の肺活量は凄まじく、朗々とヘリ甲板上に吹奏音がとどろき渡り、数十人からの西朝の兵士達の吹奏音を圧倒したのだ。
とりあえず、全員それなりに吹奏できるようになると、兵曹長は本当に心底楽しそうな加虐趣味者の微笑みを浮かべる。
「それでは、皆さん方に次の御助言を申し上げます。
朝食前に軽く運動していただき、腹をほどよくすかさせていただきましょう。
それでは、萌浜殿下、先頭へお立ちください」
「……はい」
「それでは、今鳴らした通り、ラッパを吹いていただきます。
全員、萌浜殿下にあわせてラッパを吹いていただきます。
それでは、萌浜殿下、よろしくお願いいたします」
「……はい」
ぱっぱらっぱーっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっ
ぱっぱらっぱーっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっ
「では萌浜殿下、一回吹き終わる毎に掛け声をお願いいたします」
「はい」
ぱっぱらっぱーっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっ
「おうっ!」
「結構です。それでは、全員自分の後をついて駆け足願います。
萌浜殿下、吹奏を始めてください」
「……はい(泣)」
ぱっぱらっぱーっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっ
「おうっ!」
ぱっぱらっぱーっっっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっっっ
「「「おうっ!!!」」」
どどっ、と、全員が一斉にラッパを吹き鳴らし始めると同時に、安宅兵曹長は悠々と駆け足を始める。
そのまま、ヘリ甲板を一周し、格納庫のタラップを駆け上って最上甲板に出、艦首まで行って戻って来ると、タラップを駆け降りてヘリ格納庫を通ってヘリ甲板に出る。
ぱっぱらっぱーっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっ
「おうっ!」
ぱっぱらっぱーっっっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっっっ
「「「おうっ!!!」」」
「タイミングがあっていません! もう一周!」
ぱっぱらっぱーっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっ
「おうっ!」
ぱっぱらっぱーっっっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっっっ
「「「おうっ!!!」」」
「きちんと先頭の萌浜殿下にあわせて吹奏していただきます、もう一周!」
ぱっぱらっぱーっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっ
「おうっ!」
ぱっぱらっぱーっっっ、っぱっぱらっぱっぱ、っぱっぱっぱーっっっ
「「「おうっ!!!」」」
「足並みがそろっていません、もう一周!」
結局彼らが走り終え、着がえて食堂に行くことを許されたのは、24周ばかり疾走させられた後であった。
「それでは、これから毎日朝食前はこの体力錬成を行います。
なお、整列に遅れる人間一人一秒毎に一周づつ増やしていきますので、よろしく御理解いただきます」
>>321 「うん? キミ誰?」
とことこと艦内を歩いている少年を見つけたともえは、ずるずると足を引きずっていたのを止めた。
少なくとも、西朝の兵士に自分より年下の人間はいないし、南朝の軍人はみんな本職で年のいった人間ばかりだった。
見たところ、どうさばを読んでも自分より年下にしか見えない。
「キミ、もしかして、密行したんだ?」
>>324 「キミ、もしかして、密航したんだ?」
発見された驚きよりも、目の前に立つ少女の服装に目を奪われた。
殆ど同年代であろう少女の着ている物は、どう見ても軍服だ。
「あ、ゴメンナサイ。」
うわのそらで答えたがはっと我に返り、半ばパニックに陥る。
「あ、えと、僕、水上っていいます。水上拓です!なんでもしますので、
暫く置いて貰えないかと、えと・・」
・・パラッパー ・・・パッパラッパー …
遠くから聞こえる怪しげな音。焦燥しきった水上には、まるで現実味の
無いものに思えた。
しかし、ここも静かになったねぇ・・・
tuwamono domoga yumeno ato
では、そろそろ慶祝スレの歴史でも振り返ってみましょうか………
「蛍の光」が………
330 :
参加者 :01/10/17 08:13 ID:tMXO5kMd
I have not yet begun to fight!
>>330 Yes.All are dreams and phantasms...
ほのぼのりょだんは縄張りを共有する動物たちの集団である。 その縄張りは宮城内部一帯から、日比谷公園、九段下に及ぶ。 構成員はそのほとんどが猫であり、宮城に住みついている半野良猫がその半分を占める。 りょだんちょうは宮様の飼い猫なーちゃんであり、その下に3匹の部下を置く形になっていて、 実質その3匹がりょだんを切り回す。なーちゃんはあくまで象徴であり彼らの旗頭である。 参謀長の三毛坊(メス)諜報部「またたび」小隊長みなぎ(オス)実戦部隊「ねこじゃらし」 小隊長あまね(オス)の3匹である。 普段の活動はえさ集めと縄張りの巡回が主になる。いきものがかり氏によって日に一回のえさは 保証されているものの基本的には野良である彼らには最優先項目である。 また、縄張りを荒らす野良犬やカラス達を撃退するのも宮城を住み処とする彼らには必要なことなのだ。 そして時間がある時には本部であるひみつきちに集まり宮様と遊ぶ。 なーちゃんを旗頭とする彼らには宮様もまた同様に旗頭なのである。 基本的に彼らは自由意志で動いており、統率した動きをすることが少ない。 何事にも彼ら個人の意志は尊重されているのだ。ただし、彼らはその「旗頭」のために は行動を起こすことを誓っている。それが「りょだん」たる所以である。
その朝ひみつきちでは一つの小さな事件が起きていた。 みなぎの連れてきた子であるひながようやくしゃべれるようになったのだ。 その朝、BARから帰ってきて遅くまで寝ていたみなぎをひなが肉球でぽんぽん叩いていた。 眠い目をこするようにしておきあがるみなぎにひなは舌足らずな猫語で 『ぱぱしゃん、ごはん』 と言っていた。 とたん、いままで眠そうにしていた目を全開に開くと飛びあがり、歓喜の声をあげながら 皆にふれて回っていった。親ばか全開モードである。 周囲に集まりまくった猫達を前に何事か良く分かっていないながらも、ひなはみなぎに促されるままに挨拶をする。 『こんにちわでし。ひなといいまし。よろちくおねがいちまし。』 ぺこり、と頭を下げる。 『かわいいいーーーーーっ!!!!!!!!!』 メス猫達が嬌声をあげる。オス猫達の顔が一気に緩んでしまう。 「人の言葉は話さないんだね。」 と、あまね。 「普通の猫だもの。当然でしょう?」 「うーん、、、、、実際の所、本当の子供だと疑ってたから・・・・・・」 「三毛坊さん・・・・・・・・・なんてことを・・・・・・・・」 「やるもんだなあ・・・・・と、ねえ。」 三毛坊はにやっと笑って言う。みなぎは苦笑するよりなかった。 その間になーちゃんが「この子にはちゃんとした言葉を教えるから!」とひなを占拠してしまっていた。 ひなはなーちゃんに抱えられているのがなんだか嬉しいらしく、首をすりすりしている。 「ちゃんとした言葉だって。」 「・・・・・・・・・・ううう(泣)」 みなぎにとっては嬉しくもあり、悲しくもある朝であった。
風よ、萌に届いているか。
to do ite nai
M子「ははは…(汗)3ヶ月近く留守にしちゃったからもう何がなんだか…」 ゴン「大丈夫ですよ、もう誰も自分たちの事なんか覚えてませんから…」 M子「…それはそれで哀しいわよ…(涙)」 ゴン「そう言うもんです、理由はどうあれ途中脱退者に世間は冷たいもんです」 M子「脱退したくて脱退したんじゃないわよぉ!!」 ゴン「理由はどうあれ、一度抜けたのは事実なんですからあきらめなさいって」 M子「うぐぅ…ネ右一君、ひどいよぉ」 ゴン「わぁ!!危ないネタ出さないでください!!」 しばらくお待ちください… M子「もがぁぁぁ!!うぐぁぐげぇ!!(こらぁぁぁ!!ほどけぇ!!)」 ゴン「はぁ…危なかった…不適切なネタがあった事をお詫びいたします。また、参加できる 機会があれば参加させてください…え?もう来るな?しくしく…」 M子「むはぁぁ!あうーえうーうにゅぅぅぅぅ!!!(こらぁぁ!勝手にしめるなぁぁぁぁ!!!)」 gomen nasai.....
>326〜331 ゴルァ!! >332〜333 ひなちゃん萌え >みなぎ氏 軍事板でオーディオネタはやめようや、ココは軍事板だしな??ね?
338 :
69式 :01/10/18 22:48 ID:HXHFzCjc
>336
あははーっ、どもこんばんわ、お久しぶりでございますよ?(笑)
や、久方ぶりの書き込みまことにありがとうございますーっm(_ _)m
とゆわけで、いつでも結構ですからまた遊びにいらっしゃってくださいませーっ
皆でお待ちしておりますよ?(笑)
>>337 あははーっ、オーディオ談義を持ち込んでいるのはこの69式本人なんですねーっ(自爆)
みなぎさんは関係ないのですねーっ(謎)
とゆか、それを言ったら南朝やもなこ殿下の存在そのもののが「ちゃい」の対象になっちゃうんですねーっ
とゆわけで、これからも趣味はどんどん持ち込んでくるのですよ?(謎)
>>325 「水上クンっていうんだぁ」
本当に、ただの普通の少年にしか見えない彼を、ともえはしげしげと見つめた。
「う〜んと、そうだね、どうしよっか……」
なにしろこの少年は密航者であり、へたに表に連れ出したらどんな騒ぎになるかわかったものではなかった。
というか、実はともえは、かの安宅兵曹長がこの少年にどんな無体な事をすることになるのか怖くて仕方がなかったのだ。
実は「松風」の艦長はともえであり、ともえの判断こそが艦内では唯一絶対無二のものなのだが、九鬼中佐の指導はそこまで進んでいなかったという事情もあったのだった。
「う〜んとさ、今までどこにいたの? ……ふーん、倉庫にいたんだ。じゃ、さ、ボクがいいって言うまでそこに隠れていてよ。ごはんは持ってきてあげるからさ」
340 :
貫上等兵 :01/10/19 00:46 ID:TCoL5JvX
ともえ様ワッショイ!! \\ 西朝ワッショイ!! // + + \\ 松風ワッショイ!!/+ + . + /西\ /西\ /西\ + ( ´∀`∩(´∀`∩)( ´∀`) + (( (つ ノ(つ 丿(つ つ )) + ヽ ( ノ ( ヽノ ) ) ) (_)し' し(_) (_)_) __ ヽ=v=ノ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ( ゚Д゚) <執務の邪魔だから静かにしろやゴルァ!!! _φ___⊂)__ \_______________ /旦/三/ /| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | |5.56_NATO|/ __ アソボウヨ!!! ヽ=v=ノ ぁぁ- ∧∧ ( ゚Д゚;) ( ゜∀゜) φ ⊂) ______ ⊂ トモエ/| ≡≡≡≡≡≡/旦/三/ /| | _/ ≡≡≡≡≡≡| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | (__)彡 ≡≡≡≡≡≡|5.56_NATO|/ ___ / _/_ | | \ / |/ / ――― / / / / | / :; ∵ \((从⌒从*)) / #(( :: ) ( ⌒:::ζ * / ・ \曝ク:::;;;;;∵ ━(( : ∂ )):::;;;/ \ ((::;;;§:::);;;⌒; lll ;从 *(・)/ * 煤@;(∂Дб;;))((*(,;;;)):: );;;;;ζ ∵― (( 从((;;;;; ⌒;;;;)) ζ 从¢)::)― : *煤i( 从;;;;;;((::::;)) *ヽ\ ヽ・ : // ・((::::;:::::〜:::;;;));;;;(;;;;;;ζ\* / (_)W)WUU W\ ・
341 :
名無し三等兵 :01/10/19 02:08 ID:4JHtjUCM
>340 ワラタ
>338 いや、あんたは良いんだ。軍事話できるから、軍事板なのに軍事の話 しない猫を叩いてるだけだ。アンタは今回関係無い sage忘れスマソ
結局スレに残っているのは 69式、上等兵、ともえ殿下の三人だけなのか・・・
>>343 実質、69式氏が引っ張ってる状態ッス。
345 :
海の人 :01/10/19 07:22 ID:rfPBmFIg
ROMなら一杯いる(~ー~)ニタ
可哀相になってきたな・・・
軍事ネタできるやつは殆ど去っていったか……
>>338 それは違うだろ。
誰の話だろうが軍事話以外は板違い。
>>338 ,
>>348 話書きこむ奴居なくなったみたいだし、
もう板違いな話題止めて、普通に軍事を語るスレに変えて良いんじゃないの?
『普通に軍事を語る』とは中々斬新ですね。
異様に軍事を語る
無様に軍事を語る
無様な軍事で騙るのはよしてくれ
左様に軍事を語る
貴様に軍事を語る
左寄で軍事を語る 自衛隊は違憲です!
南シナ海を延々と遊弋し続けるA国第77任務部隊。 彼女らの存在が、少なくともなし崩しに始まったC国内戦の余波でアジア大戦が勃発することを抑止 していることは、衆目一致するところの紛れもない真実であった。少なくとも、完全編成の1個航空団 とイージス防空システム搭載艦4隻、対地攻撃駆逐艦2隻、原潜1隻の持つプレゼンスは、それだけ の存在感を周辺各国へと誇示していたのである。 「で、それはそれでいいとして、日本の首都で発生している民衆暴動はどう推移しそうなの? 国防軍 のクーデターは未遂で終わりそう、エルザ?」 「議会をほぼ無視する形でエンペラーが登場しました。むしろ、これからが騒乱の本番となる可能性が 高いと判断できます。少なくとも、議会とエンペラーが対立し、東北地方の飛蝗災害への対処に混乱 が発生することは避けられないと考えられます。クーデターそのものは、善行将軍の存在によって鎮圧 されるでしょう。少なくとも、現状でクーデター側につく部隊は首都近辺では2個大隊相当しかおりませ ん」 「北上中の例の艦隊は? 確か、「ちょうかい」のイージスシステムはベースライン7に改修されてまも なかったと聞いているわ。日本海軍の主力は東支那海に集中しているから、これへの対処は遅れて いるそうじゃない?」 「はい、司令。現時点で入ってきている情報では、日本海軍は、横須賀基地の空母「すえもり」を主力 とする艦隊を出撃させて対処にあてるとのことです。さらに、例の新型駆逐艦2隻を主力とする戦隊も 迎撃に出撃しております。イージス駆逐艦1隻と従来型フリゲート4隻の艦隊では、空母1隻とイージ ス駆逐艦2隻、フリゲート3隻の艦隊には対抗は不可能であると評価できます」 「了解したわ、エルザ。つまり、我々が急いで北上する必要は無い、という事ね」 「はい、司令。むしろ、彼らの内政に干渉することで、彼らの政治意識を反米に傾ける様な行動は慎む べきであるというのが、ペンタゴンとパール・ハーバーの判断です」 「賢明ね。それでは我々は、このまま遅れている国連艦隊の到着を待つとしましょう」
>>312 「お久しぶりです、東條閣下」
東部方面隊総監室へと案内された善行は、ここ数時間の騒乱と今上帝の布告ででめっきりとやつれ
てしまった東條中将へと敬礼した。
東條中将は、机に向かったままうつむき、のろのろとした答礼を返したに過ぎなかった。
「さて、本日こちらに伺ったのは、現在首都圏で発生している騒乱の収集についてです。聞くところに
よりますと、東部方面隊は完全装備の2個普連を出して治安出動に充てるとのことですが、それは事
実でしょうか?」
「その通りだ、善行少将」
「了解いたしました。それでは、統幕の判断をお伝えいたします。今上天皇の御聖断により、現在帝都
の騒乱は鎮静の方向へと向かいつつあります。現時点での陸軍部隊の治安出動の必要性は極めて
低いと判断できますので、部隊を通常配置へと戻すよう命令を下していただきたい」
「何をバカな!? 貴公、現在の帝都の状況を判って言っているのか!?」
善行の言葉を、辻中佐の絶叫が途中で遮る。
だが善行は、辻中佐を完全に無視したまま言葉を続けた。
「とりあえず、今回の統幕に無許可で行った出動準備は、演習ということで事務上の処理は行っておき
ます。当然、叛乱などという不名誉な行動が国防軍に発生したという事実は存在しなかった、と、公式
には記録されることになります。それでよろしいですね、東條総監?」
「貴様ぁ!! 一体何の権限があってその様な事をぺらぺらと!! 我らはいつのまに叛乱を企てる賊
扱いされることになったというのかっ!? あくまで我らは祖国の混迷を打破し、停止した国会に代わっ
て国家としての主権を行使するために行動しているのであるっ!! 騒賊まがいの言い様、聞き捨て
ならんぞっ!!」
「辻中佐。作戦課長の貴官が、何故をもってこの情勢下に国防総省を離れ、東部方面隊総監部に来
ているのです?」
「小官は、あくまでかかる事態の鎮静化の為に、東部方面隊を指導する為に来ているのであるっ!!
外務省管轄の貴公が、国防軍の作戦行動にいらぬ容喙は容赦願おう!!」
「了解いたしました。それでは辻中佐、貴官を職場放棄の容疑で逮捕拘束いたしますが、よろしいで
すね?」
「何を言うか、貴様っ!! 小官の行動に難癖つけるのはよしていただこう!!」
「かかる情勢下に、陸軍の全般指導について陸幕長を補佐するべき貴官が、こうして第一線部隊で
私物命令をもてあそんでいる現状こそ、看過しえぬ重大な問題であると小官は判断するものですが」
「ええい、問答無用!! 警務隊、こいつを拘束しろ!!」
ひたすら叫び続ける辻中佐と、対象的に穏やかなもの言いを続ける善行三将を見比べていた警務隊
員達は、困惑を覚えつつも善行を拘束しようと近づいた。
だが、善行は、そんな彼らを無視するかのように東條中将に視線をあわせた。
「閣下、それではあくまで1普連と31普連は治安出動に出されるのですね?」
「くどい!!」
黙ったままの東條中将に代わって、辻中佐が絶叫する。
「それでは仕方がありません。よろしければ表をご覧ください」
右手で丸眼鏡を直した善行は、さりげなく制服のポケットに右手を入れる。
いぶかしげにそれでも善行の両腕をとった警務隊員らは、だが次の瞬間、窓ガラスを通してすら響き
渡る轟音に驚愕することになった。
>>309 >>358 「ヒゲ眼鏡から合図だ、行くぞ」
「各部オールグリーン、装備良し、いつでも出れます」
「よし、1番より降下始め」
首都上空6000m。
そこを周回しつつ、C-17機内で善行三将からの合図を待っていた機動対戦車実験中隊改め第501
機動対戦車中隊は、C-17の後部ランプが解放されると同時に大空へと飛び出していた。
「ゴング0より各機へ、目標確認。ゴング1以下第2小隊は出動準備中の1普連の周囲を飛行、目標を
威圧せよ。ゴング2、ゴング4、ゴング6は俺に続け。総監部を制圧する。ゴング8はゴング10と営門へ
降下、これを制圧せよ。ゴング12はゴング14とともに弾火薬庫へ降下、これを制圧せよ。発砲は基本
的に不許可。必ず俺に確認をとれ。以後、EMCON体勢、データリンクコードを送信。送れ」
「ゴング1よりゴング0、状況確認、これより降下開始する。以上」
「ゴング8よりゴング0、命令確認した。これより営門へ向け降下開始する。以上」
「ゴング12よりゴング0、命令確認。弾火薬庫へ降下開始。以上」
ゴング0は、巡航モードで滑降中の機体を、スロットルを入れることでアフターバーナーを吹かして巡
航に入れた。そのまま、正面の液晶ディスプレイに映った中隊各機の滑降降下機動を確認し、彼らが
まったく危なげのない軌道を描いて練馬駐屯地へと降下していくのを確認し、自らも目的地へと向け
て降下を開始する。
練馬駐屯地の第1普通科連隊の隊員達は、突然降下してきた十数機の巨大な人形兵器に度胆を抜
かれていた。
「……!? こ、これがっ、富士学校で秘かに研究されているって噂の、対先行者様兵器かっ!?」
普通科中隊の中隊長の一人が、半ば腰を抜かしつつ人型の巨人を見上げる。
「HIGH-MACS!? そんな、いつのまに実戦配備されていたのかっ!?」
河辺大佐も、呆然とする幹部達を叱咤するのも忘れてHIGH−MACSを見上げるばかりであった。
「第1普通科連隊の諸君、自分は日本外人部隊第501対戦車中隊指揮官の柘植二佐である。これよ
り中隊は、1普連の治安出動演習に協力する。ついては、第102機甲師団分遣戦闘団司令が、東條
総監と善行参謀長と状況の協議を行う。案内をされたい」
>>359 「さて、東條総監、よろしければこれからの演習について協議をしませんか?」
総監室の窓のすぐ前に立っているHIGH−MACSのセンサーカメラが向けられると、警務隊員はまるで
悪戯が教師に見つかった悪童のようにあわてて善行の側から離れた。少なくとも、総監室へ向けられ
た大口径の多銃身機関砲の存在は、彼らを本来の国防軍軍人としての意識を甦らせたようであった。
「ええいっ!! 貴様等、何をしている、その男をさっさと連行しないかっ!!」
辻中佐が顔を真っ赤にして叫ぶが、しかし警務隊員の誰も動こうとはしない。
「東條総監、何を躊躇っておられるのです? 政府は、あえて今回の貴方方の行動を看過する、と、持
ちかけているのです。それとも、ここであえて賊軍叛徒の汚名を着なくてはならない理由でもおありで
すか?」
すうっ、と善行三将の目が細まり、東條中将をねめつける。
「それとも、こ奴らの甘言に乗り、天下を狙う野心もあるのですか?」
「失敬千万な! 国を憂え皇室へ忠誠を誓うは、貴官だけではないぞ!!」
「了解しております。閣下が祖国と皇室への忠誠心篤い事、小官も聞き及んでおります。それでは閣下、
そろそろ第102機甲師団からの分遣戦闘団司令が到着する刻限です。東部方面隊としての状況対処
に関して、協議をお願いしたいと思います」
「了解している。副官! 会議室の準備を!」
「総監!! お考え直しください!! 我らの義挙は、祖国を救済できるのは我らだけなのですぞ!!
東條閣下!!」
「ありがとうございます閣下。陛下も東部方面隊に叛乱の意思が無かった事を御認めくださることでしょ
う。警務隊員諸君、辻中佐を連行してください。貴官らの先程の行動については不問に付します」
東條総監の決心と同時に、警務隊員達は顔を真っ赤にして叫び続けている辻中佐を、警務隊員達は
容赦無く拘束して引きずっていった。
それに一瞥すら与えなかった善行は、辻中佐が部屋を出て行ってから、思い出したように一言付け加
えた。
「そうそう、朝霞の31普連ですが、大宮の32普連がすでに包囲し連隊司令部を制圧している旨、報
告がきております。32普連の速水大佐は、多少やりすぎるきらいがありますが、問題は出ていないそ
うですから大丈夫でしょう」
おっ、善行だ。仲直りしたのかな?
海軍横須賀基地から先に出港した「ゆき」級汎用護衛艦「はつゆき」「しらゆき」の前路警戒が終了すると同時に、海上護衛総隊が保有する唯一の対潜航空護衛艦「すえもり」が各種航空機満載で出港した。 日本の再軍備と同時に、A国から供与される形で配備された旧「エセックス」型航空母艦4隻の内の一隻であり、 次々と「あづち」型と改名された同型艦が退役していく中、それでも改修につぐ改修を重ねた「すえもり」は、海上護衛総隊唯一の機動運用部隊として使われ続けてきたのであった。 そして、本来ならば後継艦の配属と同時に退役しているはずの「すえもり」は、海軍が新型の航空護衛艦の建造と配備に全力をあげているために今しばらく現役で運用されることが決定してもいたのである。 「のう、賀東」 「はっ、寺洲閣下」 「北陸戦争の時は、敵は侵略者だった。 だが、こ度の出撃は、憂国の激情に駆られたもののふを討伐に征く為のもの。 哀しいものよのう、兵達に戦友を討てと命ぜねばならぬのも」 あえて「すえもり」艦橋で陣頭指揮を取る寺洲中将の沈痛な表情にか沈む夕陽に輝く頭の照り返しにか、わずかにに目を細めた賀東少佐は、直立不動の姿勢のままはっきりと言葉を発した。 ちなみに、「男が語る時は気合いを入れて腹式発声」がモットーの賀東少佐の声は、部屋中に轟き渡る事で横須賀地方隊では有名であったりする。 「何を仰いますか、閣下! 我らはあくまで皇国と国民ともなこ様の為に戦野に立つ事を誓った身。 なれば、敵が憂国の激情に身を任せた者達ならば、誠心誠意我らが心情を吐露して説得するならば、戦闘に到らざる余地は十分にありましょう。 だが、それも指揮官に憂国至情の志あればの事。 聞けば、今第四護衛隊群を指揮するは柄這中佐とか。 かの者は、腹にどす黒い一物ある奸佞な人物とも聞き及んでおります。 しからば、我らが目標はあくまで「ちょうかい」一艦のみ!」 「うむ。 そなたの言葉はいつも清冽であるな。 ならば、あえて儂が言葉を飾るまでもないな。 本来ならば、もなこ様のお言葉のごとく「みんなな仲好く」を貫く事こそ赤誠の証。 だが、ことここに至っては戦闘もやむを得ぬ。 あえて一殺多生の心意気をもって、事を収集せねばなるまい。 賀東よ、礼を言うぞ」 「何を水臭いことを仰られますか、閣下! 我らはあくまでもなこ様への萌えを紐帯に祖国へ捧身した身。 なれば、あえて今こそ我らは初心に返らねばなりますまい! もなこ様の白ソックスにハァハァ……(;´Д`)」 「うむっ! 賀東よ、確かにその通りだ! ならば、もなこ様の生ひざにハァハァ……(;´Д`)」 「もなこ様のふりふりフリルにハァハァ……(;´Д`)」 「もなこ様の小さな握りこぶしにハァハァ……(;´Д`)」 「もなこ様のサンダル履きにハァハァ……(;´Д`)」 「すえもり」の艦橋は、天壌無窮至誠至上のもなこ様萌えでその士気は中天にも達する勢いとなった。 その様に、思わずきらりと夕陽に真っ白い歯をきらめかせて微笑む賀東少佐。 あわせて、頭と同様に鬚の下から歯をきらめかせる寺洲中将。 男達は、今熱い魂の沸りを「すえもり」に載せて一路第四護衛隊群に向かって南下しつつあった。
363 :
名無し三等兵 :01/10/20 02:00 ID:LRH9sXqS
期待age
面白い残れ?
>「もなこ様のふりふりフリルにハァハァ……(;´Д`)」 >「もなこ様の小さな握りこぶしにハァハァ……(;´Д`)」 >「もなこ様のサンダル履きにハァハァ……(;´Д`)」 ↑こういうの,なんだか懐かしいなぁ・・・(;_;)
>>339 それから、水上の倉庫生活が始まった。
遊びたい盛りのため窮屈ではあったが、銃や弾薬など今まで見た事もない物で溢れる倉庫を見るのは、楽しかった。
試しに撃ってみたいという欲求もあったが、抑えた。扱い方も判らないし、それがどんな結果になるかは判っている。
日に数回、訓練に疲れながらも立ち寄ってくれる少女(僕より年は上なんだろうなぁ)に申し訳なく思いつつも、唯一
会話の出来る存在が嬉しかった。話によるとここは軍艦の中で、あの怪しげな音は訓練中に吹くラッパの音なのだそうだ。
「今日はまだかな〜、ともえさん。」
ついつい倉庫から出たくなる。これで今日何度目だろう。
「いや、約束だもんね。あー、でも早く外に出たいな。」
落ち着かずにうろうろしていた水上であったが、再び倉庫の隅へ戻ると、膝を抱えて座り込んだ。
>>367 (・∀・)今やってるのは後日談デス(笑
>339 一路針路を南へと向け、台湾へと進む「松風」。 だがいかなる偶然か、その針路は北上する第四護衛隊群と交差していたのである。 「CDCより艦長へ、CDCより艦長へ。至急CDCへお越し下さい。繰り返します、CDCへお越し下さい」 艦内放送がともえを呼び出す。 「ね、どうしたの?」 ともえがCDCについたのは、呼び出しの放送から3分19秒後の事であった。 すでにCDCには九鬼中佐ら南朝村上水軍の士官が集まってきており、情報表示板に見入っている。 「お待ちしておりました、萌浜殿下。 哨戒飛行中の艦載機から報告です。 「方位1-3-3に海軍の戦闘艦5隻を発見、針路真方位1-1-0、SAM誘導電波の照射を受け退避中」 このままですと、あと2時間以内に接触する事になります。 「松風」の針路を変更するなり、艦載機の帰還を命じるなりしなくてはなりません」 「うん、わかった。 じゃあ、針路変更、ええと、この船の進行方向が時計の十二時で、三六〇度表示で指示するんだよね、だから、2-0-0。 速度は、今は巡航速度だから原速だから、急いで離れた方がいいんだから、どれくらいがいいかな?」 困った様子で見上げるともえに、九鬼中佐は相変わらずの穏やかな表情で答える。 「極論ですが、燃料は台北まで保てばいいのですから今は30ノット、第5戦速では如何でしょうか」 「そうだね、いざとなったら全速で逃げなくちゃならないんだから、今はそれくらいで大丈夫だよね。 じゃ、速度変更第5戦速」 「りょーかいっ! CDCより艦橋、以後艦長操艦する。針路変更2-0-0、速度第5戦速」 「艦橋よりCDC、了解した、針路変更2-0-0、速度第5戦速」
海上を滑るよう進む艨艟の群れ。 翩翻と翻る旭日旗。 先頭を進むのはあすか。 続いてやまと、むさし、ゆきかぜ、あやなみが見事な単縦陣を組んで疾駆している。 そして〈タイフーン〉戦隊にやや遅れて、すえもりを旗艦とする横須賀地方隊が続いていた。 既に戦闘配置となっている為、CDC内は照明が落とされていた。 薄暗い中、きびきびと動く乗組員達。 久方ぶりの実戦に、その表情は些か緊張気味である。 対してCDCの一角。 〈タイフーン〉戦隊司令である岩田や参謀長らの居る場所は異なる雰囲気に包まれていた。 「ウフッ、ウフッ、ウフフフフフゥ〜ッ ひ・さ・し・ぶ・り・の海戦デスネェ〜 楽しみで仕方が 在りませんヨォ〜♪」 鼻歌でも混じりそうな上機嫌で、言葉を紡ぐ岩田。 対して参謀長も、まぁ此方は余り表情を外に漏らす事はないが、少なくとも緊張だけはしていない 様子であった。 「ですな。北陸戦以降、少なからぬ数の乗組員が手配されて来ておりますから、彼等の良い経験と成る でしょうな」 「新装備も多いですしネェ〜」 「司令。味方を試し胴に使うのは良くないですぞ?」 「大体、北陸の特は数こそ多かったですけど、雑魚でしたしネェ〜 南沙は南沙で30年落ちのフネ 相手でしたから、ウ〜ム、楽しみデスネェ♪」 「キイチャイネェ………」 平素と全く変わらぬ2人の態度。 或いは演技であるのかもしれない。 だが兵と云うものは、演技も出来ない司令官よりも、虚勢と判っても演技を行うものに付いていくの であるのだから。
371 :
しかし :01/10/20 02:43 ID:Uij9sXbi
>>349 を見て、ミンナ焦ったように書き込み始めたな(ワラ
相変わらず派閥で分裂したままの様だが(ワラ
>371 週末戦争のノリを思い出すねー
>>369 「ちょうかい」艦橋の艦長シートに、白の虎皮をひいて肩肘ついてしどけない様子で座っている柄這椎麻中佐は、
結局IFFコードに反応しなかった不明機の逃走を許したことで、かなり不機嫌そうな様子でいた。
「で、哨戒長、結局正体は不明のままなんだね?」
「申し訳ありません、艦長。アメちゃんのV-22っぽい機体だとヘリから言ってきたんですが、国籍マークまでは」
「ま、いいさね。それで、うちらを邀撃に出てくる横須賀の艦隊の動向は?」
「……駄目でさあ。先程からデータリンクが完全に途切れちまっています」
CDCからの報告に、柄這中佐はトレードマークとなっている扇子を手の平に叩き付けた。
「仕方ないね! 司令代行より各艦に命令!
「各艦は対潜対空警戒を密とし、状況の急変に備えよ」
飛行長、そのヘリが逃げていった先へ索敵にヘリを何機出せるんだい?」
「へいっ、今すぐなら「いなづま」から1機出せまさあ」
「よし、「いなづま」に命令をお出し。文面は任せた」
「了解!」
「今は「あさかぜ」がピケットに出ているね?
通信、「さみだれ」の艦長に「あさかぜ」の指揮下に入って対潜対空警戒の支援をするよう一報入れな。
「いなづま」と「せとゆき」はあたしが直卒するよ。「いなづま」の艦長を対潜対艦戦調整官に任命すると伝えるんだよ」
>370 タイフーン戦隊にとって久しぶりとなる戦闘を目の前に、 隊員達は緊張感を高めつつ備えを進めていた。そんな頃、 「一応」司令部付きである蛯原は何をしていたかというと・・・・・・ 正直。暇を持て余していた。 なにせ、コントロールや兵器群には触らせてもらえない(当然である) 上に、参謀室も立ち入り禁止である。やることがないのだ。 基本的に戦闘時における蛯原の役目は昔から決まって「お守り」である。 「何もしない」これこそが艦を沈めない為のおまじないなのだ。 「あーあ・・・・・・暇だわ・・・・・・・・・そうだ!司令のお部屋でもお掃除して さしあげようかしら?ずいぶんと散らかっていることでしょうし。」 あまりに自室での退屈を持て余した蛯原はほうきとちりとり、掃除機とごみ袋 を持つと、水玉エブロンに着替えて楽しそうに岩田司令の部屋へ向かった。 その姿はとても臨戦体制の兵の姿ではなかった。が、状況が状況だけにそれを 口にするものはいなかった。 「みゆきたんの水玉エプロンハァハァ……(;´Д`)」 を口にする者はいたけれど。
375 :
貫上等兵 :01/10/20 03:12 ID:N47nLBtt
>370 「第四護衛隊群・・・・・・ですか・・・・・・たしか台湾沖でドンパチ始めたって聞きましたが、 なんでこんなところに・・・・・・」 ともえと共にCDCに入った貫は呟いた。 「そういや柄這中佐も第四護衛艦群にいたよなぁ・・・・・・なぁんか嫌な予感がする・・・・・・」 などと考えている内に、船は加速を続けていく。 「まぁ、あの人が司令ってわけじゃあなさそうだし、ひとまずは振大丈夫、かな?」 しかし、その嫌な予感は見事にあたってしまうこととなるのであった。 しかし、神ならぬ身の彼はまだそれを知らない。
>>373 「司令、我が艦隊の前方で多数の通信波を確認との事です」
「ふむ、ご苦労」
「すえもり」艦橋の寺洲中将は、通信員の報告にわずかに眉を寄せ、顎髭に手を当ててほんの数瞬だけ考え込んだ。
そして、すぐに判断を下し、命令を発する。
「通信、「あすか」の岩田司令に命令。
「前方に正体不明の艦隊を発見。タイフーン戦隊は艦隊前方に展開、哨戒線をはられたし。貴官を対空対潜戦闘調整官に任命する」
よし、艦長、索敵機を出そう」
「了解いたしました、閣下。飛行長、AV-8は何機出せる?」
「賀東少佐以下4機が出撃待機中であります」
「了解した、AV-8を2機、偵察装備で発進させろ。
賀東少佐には攻撃隊の編成を急がせろ」
てきぱきとよどみない命令を下す「すえもり」の艦長に、満足気にうなずいた寺洲中将は、司令シートから立ち上がった。
「艦長、ここは任せたぞ。儂は、これよりCDCで指揮を取る」
>>375 「ふ〜ん、そうなんだ、ボクは全然しらなかったよ」
CDCの表示板に映し出されるプリップを見つつ、ともえはぼそっと呟いた。
どうやら、貫上等兵が自分以外の女性に興味を持っているのが気に食わなかったらしい。
そこら辺は、やはり普段性別を感じさせないとはいえ、やはりともえも女の子であった(謎)
「艦長、哨戒機帰還します」
「うん、わかったよう。それじゃ収容して、それで機長にはここに報告に来てもらえるかな?」
「了解いたしました」
しばらくして、汗だくになって目だけぎらぎらした様子の機長が戻ってくる。
「失礼します、只今戻りました」
「うん、ご苦労さま。
それで、向こうはどんな感じだったの?」
「第四護衛隊群は、「ちょうかい」を中心に輪型陣を組み、速力25ノット程度で北上中です。
EMCON管制中で、電波は一切出してはいませんでした。
SAM誘導波を照射して来たときも、一切警告無しでした」
「……うん、わかったよ。
じゃあ、また出撃してもらうかもしれないから、休んで下さい」
「はっ、それでは失礼いたします」
機長が、踵を鳴らして敬礼をしCDCを出て行くと、ともえは九鬼中佐を見上げた。
「ねえ、そうすると第四護衛隊群は、正規の命令に従っては行動していないのかな?」
「そうですね、通常なら警告があって、それから照準波の照射となりますから。
多分、現時点で第四護衛隊群の指揮を取っているのは、柄這中佐でしょう」
「そうすると、向こうは「松風」をほおっておいてくれるかなあ?」
「はい、いいえ。
まず索敵の為にヘリを出し、こちらの所在と戦力の確認を行おうとするでしょう。
それから、戦闘行動に出るか、やり過ごすか、回避するか判断を下すと考えられます」
378 :
貫上等兵 :01/10/20 03:44 ID:N47nLBtt
>377 「ふ〜ん、そうなんだ」 CDCの表示板に映し出されるプリップを見つつ、ともえはぼそっと呟いた。 その声に只ならぬものを感じた貫は慌てた。 考えてることをぼそぼそと呟いていたと気づいたからだ。 「あ、あのですね、ともえ様?別にその、他意はないんですよ? 別に私と彼女は過去になんかあったとかそういうんじゃなくてですね」 必死に弁解をしようとしたとき、機長がCDCに入ってきた。 「失礼します、只今戻りました」 「うん、ご苦労さま。 それで、向こうはどんな感じだったの?」 「第四護衛隊群は、「ちょうかい」を中心に輪型陣を組み、速力25ノット程度で北上中です。 EMCON管制中で、電波は一切出してはいませんでした。 SAM誘導波を照射して来たときも、一切警告無しでした」 「……うん、わかったよ。 じゃあ、また出撃してもらうかもしれないから、休んで下さい」 「はっ、それでは失礼いたします」 貫はその報告が終わったのを聞くや、弁解しようと口を開きかけた。 が、ともえは九鬼中佐に向き、相談を始めた。 (あう・・・・・・なんてこった・・・・・・今年は後厄だからお払いにまで行ったのに、 なんで今年もこんな目に・・・・・・) と一人涙ぐむ貫であった。 しかし、これはただの始まりに過ぎなかったのである。
「いなづま」からSH-60Kが飛び立ってやく20分程も経った頃、柄這中佐の元に報告が入ってきた。 「ああん? 南朝の村上水軍の駆逐艦だって? あの萌えバカ集団でも影の薄い沿岸海軍のおふねが、 こんなところで何しているのさ?」 「それが、IFFコードでは西朝のコードが返ってきた、とか」 「……ほう? 成る程、そういうかい。……なら、奴等を利用するのは悪くないねえ。 なんたって、今回の騒動の大元は西朝の「タイフーン」級のおかげなんだからさ」 にいっ、と口の端を歪ませて笑う柄這中佐。その口元の皺が、彼女の表情に昏い陰影をつける。 「その西朝のおふね迄の距離を算出しな! まだSSMは各艦4発は残っているね?」 「へいっ、直線距離で58浬弱ってところでさあ! 針路は1-8-5、速度は30ノット!」 「……ふふん、相対速度で55ノットで離れつつあるわけさね。なら、SSM-1Bなら、今がぎりぎりか」 SSM-1Bの射程は約80浬、巡航速力500ノットというところである。 攻撃をするつもりならば、少なくとも、あと20分以内に決断を下さなくてはならない。 「哨戒長! 邀撃に出てくる横須賀の艦隊の動向はまだかい?」
>>378 じいっと、表示板に見入っているともえは、貫上等兵の必死の弁解の言葉を無視して九鬼中佐と第四護衛隊群の反応について話し合っていた。
そして、どすっと落ち込んでいる貫上等兵に目もくれず、しばらく黙りこくって考えごとをしてから、ともえは一言つぶやいた。
「そいえば、柄這中佐の写真、見たことあるよ。
そっか、じょーくん、ああいう年上の美人のおねえさんが好みなんだ」
ついつい、CDC内に忍び笑いが漏れる。
なんというか、戦闘加入直前の緊張した空気が、まるで嘘のように消え去ってしまっていた。
無駄話に興じていた岩田と参謀長の下へ、星野中尉が歩み寄る。
手には、臨時編成された艦隊司令部−すえもりからの電信文(
>>373 )がある。
「司令。寺洲中将からの指令です」
一読。
岩田の表情が引き締まる。
「参謀長。どうやら敵の概略位置を掴んだ様だ………南側へとりゅうおうを分派しよう。我々が抜かれる
訳にはいかないからね」
「ですな。まだUUVには残余が在りますので、連絡に関しましても問題は在りませんですし」
「試験搭載しているATTも在庫は在ったな? 文面は任す。それから哨戒機とのデータリンクの準備
を……」
「はい。ですがイージスシステム艦を持った相手に出しますかね……」
参謀長の声に被る様に、すえもりからAV-8と思しき機体が発艦したとの報告が上がる。
「積極性に関して、絶対に疑問符を付けられない将官のお1人ですな……」
「だな……よし、本戦隊も先行する航空機部隊からの情報を元に追撃する。EMCON管制は解くなよ?」
海の猟犬達は軛より放たれ、獲物を求めて疾駆を始める。
382 :
貫上等兵 :01/10/20 04:23 ID:N47nLBtt
(そういえば、ビデオはきちんと届いただろうか・・・・・・) 俺はふと、<タイフーン>戦隊の岩田司令に宛てた、 一本のビデオのことを思い出した。 中佐が硫黄島に訪問されてた、あの時の酒盛りの様子、 海岸演習で見せた水着姿の詰まった、あのテープ・・・・・・ <タイフーン>戦隊相手に使えば無類の強さを発揮するだろうテープ。 だが、萌えを戦いに用いてはならぬ・・・・・・萌えはあくまで人のため。 だから彼は、それを岩田司令に渡すことを決意したのだった。 しかし、それを渡すまではひどい苦労があった。 〜回想〜 「あの、すいません・・・・・・憲兵の方の詰所って・・・・・ここでよろしいのでしょうか・・・・・・・?」 目の前にず〜んと聳える扉を叩き、尋ねた。 すると目の前の扉が開き、そこから顔を出したのは・・・・・・ドラッグクィーンだった。 「あら、坊や、見かけない顔ねぇ?新入りさん?お姉さんに何の御用かしら? ん〜?よく見たらかわいい顔してるじゃない?ねぇ、寄ってかない?何もしないから(はぁと)」 「い、いえ、い、急ぎの用がありますので、その謹んでご遠慮します。 またの機会にでも・・・・・ところでその、お願いがあるのですが?」 「なぁに、お姉さんに用があるの?言ってごらん?」 「実は、このテープを<タイフーン>戦隊の岩田司令に届けていただきたいのです。 ・・・・・・お願いできますでしょうか?」 「それぐらい、お安い御用よぉ。でも、約束したからね、破っちゃ、だ・め・よ?(にっこり)」 「は、はぁ・・・・・・(半泣)」 〜回想終了〜 「ハァ・・・・・・」 涙に暮れつつ、ぼんやりとそんなことを考えていた俺に、 素晴らしい一撃が入った。 「そいえば、柄這中佐の写真、見たことあるよ。 そっか、じょーくん、ああいう年上の美人のおねえさんが好みなんだ」 ともえの一言であった。 忍び笑いが漏れる中、俺は真っ白に燃え尽きた。 「ひ・・・・・・ひどいや、ともえ様」 俺は涙で床にのの字を書いた。 (畜生、後厄払いしてもこれなのかよ・・・・・・) 「しかし、これが最後のアレとは限らない・・・・・・」 耳元で誰かが囁いたような気がした。
出撃させた哨戒ヘリから刻々と情報が入ってくる「ちょうかい」の艦橋で、柄這中佐は、 眉を皺が寄るほど寄せて西朝の「松風」との相対位置と未来位置に関しての計算をしていた。 「航海長! 艦隊針路変更、2-1-0、速度30ノットに増速!」 「了解でさあ! 取舵一杯! 第5戦速!」 「通信! 「あさかぜ」艦長に命令。 「第四護衛隊群は針路を変更、艦隊の後衛を務められたし」 針路と速力を併記して送るんだよ!」 「りょーかいっ!」 艦隊は、見事な航跡を描きつつ陣形を乱すことなく「ちょうかい」の動きに追従している。 その練度の高さをさも当然の様に受け入れている柄這中佐は、折り畳まれた扇子を手の平に音を立てて叩き付けた。 「さてと、野郎共! これからが本番だよ!」
「艦長、先程からこちらに接触しているSH-60Kにどう対処しますか?」 九鬼中佐が、表示板に映っている第四護衛隊群が送ってきたSH-60Kを意味するプリップに視線を向けたまま囁いた。 「えっと、SH-60Jの通信から第四護衛隊群のだいたいの位置はわかるんだよね?」 「はい。 ですが、あくまで概略位置です。 こちらからも索敵機を出しますか?」 「……イージス艦相手に、偵察機を出すのは危険じゃないかな?」 「はい、仰る通りです」 「う〜んと、じゃあ、いざとなったら最大速度で逃げる、っていうのじゃ?」 「そうですね、第四護衛隊群はすでに台湾海峡でC国海軍と一合戦行っています。 つまり、対艦ミサイルに余裕があるとは考えられません。 また、彼らはあくまで東京湾に突入し、騒乱に関与する為に北上している以上、南下する我々にかかずらわっている余裕はほとんど無いはずです。 ならば、できる限りこの場を離れるのが良い判断でしょう」 「うん、そうだよね。 じゃ、まずあのヘリを追い払わないといけないよね」 「はい、それでは、警告を発しましょう。 それから、照準波を照射して威嚇し、それでも退避しない場合には主砲で警告射撃を行います。 よろしいでしょうか?」 「うん、それでいいと思うよ」
>>383 「あ、じょーくん拗ねてる」
ちらっとだけ、貫上等兵の方を見たともえは、楽しそうにつぶやいた。
「あはは、うん、別にボクは怒ってないよ」
すっかり機嫌は直ってしまっている様子であった。
いや、あくまで様子だけは、であった。
「別に、じょーくんのタイプが胸のおっきな美人でも、ボクには関係ないもんね」
386 :
貫上等兵 :01/10/20 05:12 ID:N47nLBtt
>385 「あはは、うん、別にボクは怒ってないよ」 その声を聞いて、俺はぱぁっと明るい顔になった。 機嫌直ったのかと。しかし、そうではなかった。 「別に、じょーくんのタイプが胸のおっきな美人でも、ボクには関係ないもんね」 「・・・・・・そうじゃないのに・・・・・・そうじゃないのに・・・・・・ウゥ・・・・・・」 後できちんと話をしよう、そう考えるしかなかっった。 あふれる涙を拭いもせず、ともえの後ろに静かに立ちあがった。 (どこまで俺に仇なせば気がすむんだよぅ、あの姐さんは・・・・・・) と心の中で毒づきながら。
>>376 >>381 「艦長! 「あさかぜ」より入電、「我れ索敵機の接触を受ける。機種AV-8、機数2」」
「西朝駆逐艦との距離、40浬、方位1-6-0、速力変わらず」
「よしよし、なんとも美味いタイミングで登場してくれたねえ、タイフーン戦隊は」
ほとんど餓狼のような笑みを満面に浮かべ、柄這中佐は扇子をぴたぴたと手の平に打ちつける。
「通信、「あさかぜ」艦長に命令。
「タイフーン戦隊位置を全力を挙げて索敵せよ。EMCON解除も許可す」
さてと、悪いけど「あさかぜ」には囮になってもらうよ。運がよければ生き残れるだろうさ」
しどけない姿で艦長シートに座っていた柄這中佐は、姿勢を正すと叫んだ。
「全艦総員直! 戦闘体勢! 野郎共、一合戦いくよ!!」
>>387 「閣下! 偵察に出したAV-8から入電です。
「我れ、敵艦隊を補足す、確認せるは「あさかぜ」級1、「むらさめ」級1、北緯32.07、東経138.44、速力25ノットで西進中」」
通信幕僚の報告に、寺洲中将は裂帛の気合いの込もった一声をあげた。
CDC内の表示機の輝きが寺洲中将の頭できらきらと照り返し、提督の気合いの程をCDCに詰めている全員にしらしめる。
「うむっ! 柄這中佐、さすがは常勝のもののふよ!
あえて「あさかぜ」を囮に出してこちらの対応を誘うか。
よし、艦長、AV-8はまだ攻撃は受けていないな?
岩田司令に命令だ。
「タイフーン戦隊は最大戦速で敵艦隊に接触、これを補足し降伏せしめよ。
目標の抵抗あらばこれを全力をもって無力化せよ。
EMCON解除、全兵装使用も許可する」
タイフーン戦隊が「あさかぜ」らと接触するまで何分かかる?」
「はっ、目標が現針路、現速度を維持するならば、少なくとも2時間でSSM射程圏内に入ります。
有視界内に入るには、さらに4時間は必要かと予想されます」
「よし、艦長、攻撃隊の準備はどうなっている?」
「すでに賀東少佐は、全機ASM装備で攻撃隊12機の出撃準備を終えています」
「ふむ、あえて直衛にぎりぎりの機数だけ残したか。
さすがは「東海の悪夢」と赤軍に恐れられた男よ。
よし、タイフーン戦隊が目標をSSM射程に入れ次第順次発艦させよ。
「あさかぜ」は囮だ、かならず柄這中佐は近くでこちらが先に動くのを待ち構えているぞ!」
>>384 「艦長! 西朝の駆逐艦に張りついているヘリより報告でさぁ!
「我れ警告を受け、後照準波の照射を受ける。退避の許可を請う」」
「はん! まったく最近のヘリパイは根性なしだねえ。
位置と時刻は送ってきたんだね?」
「へいっ、現時点で距離25浬、方位速度変わらず」
「……なら、よしとしようかい。
「あさかぜ」は、まだタイフーン戦隊の概略方位を掴めないでいるんだね?」
「はっ! 今のところAV-8の接触を受けているだけと」
「……「あさかぜ」に伝達!
「第四護衛隊群は針路を変更す」
針路変更1-6-0、速度20ノットに減速、西朝の駆逐艦と夜に入ってから接触するよ。
さてと、これから先はどっちがしびれを切らすか、さ。
タイフーン戦隊のお手並み拝見と行こうじゃないか」
>>388 「司令。敵艦隊の位置を補足しました」
「本戦隊との距離、補足するまでの時間は?」
星野中尉の報告から、既に概算していたのだろう。
参謀長は即座に数字を上げる。
それは、〈タイフーン〉戦隊が第4護衛隊群をSSMの射程に補足するまで2時間と云うものだった。
「我々が発見された兆候は?」
「在りません。敵艦隊は今だEMCON管制状態です」
「では本戦隊は第5戦速に増速、SSMの射程に捉えるまではEMCONを維持する」
「それは……」
「ウフフフフッ、判りましたか参謀長?」
人の悪い笑みを浮かべる岩田。
だが目つきは笑っていなかった。
「司令は寺洲司令らを……」
「そうですよ、悪いですが囮になって貰うとしましょう」
>>389 「艦長、敵ヘリ退避します」
射撃管制レーダーの照準波を浴びせかけると、第四護衛隊群のヘリは低空を這うようにして南へ退避していった。
「松風」のCDC内に、それとはなしに緊張が戻ってくる。
ともえと九鬼中佐は、次の「ちょうかい」の行動についてあれこれと話をしていた。
「ねえ、次はむこうどう動くのかな?」
「はい。
考えられるのは、こちらに接触するのか、回避するのか、戦闘を仕掛けるのか、です。
それは、実際に国防軍が迎撃の為の艦隊を派遣してくるかどうかによっても変わってくるでしょう」
「じゃ今は、もしかしたら戦争になるかもしれない、とゆつもりでいなくちゃいけないんだよね?」
「はい、仰る通りです」
と、二人が話をしているその時だった。
CDCの管制員が声をあげる。
「艦長、方位3-5-5、距離20浬に艦影確認! 数3! 速力20ノットでこちらに向かってきます!」
「え!? えっと、敵味方識別信号にはなんて?」
「IFFコード確認、国防軍のものです、……判りました、「ちょうかい」です!」
艦長席から乗り出したともえに、九鬼中佐は顔色一つ変えず常の通りの穏やかな表情のまま、ささやくように話しかけた。
「艦長、驚かれる事はありません。
第四護衛隊群は、少なくとも我々に対し攻撃の意図はないと考えて良いでしょう。
少なくとも対艦戦闘を優位に進めるにはは、彼らは我々に近づきすぎてしまっています」
「……そっか、そうだよね、この「松風」の主砲は155ミリ砲だもんね。
普通は対艦ミサイルを撃ってくるよね」
「はい。
問題は、彼らがいかなる目的で我々と接触するつもりになったのか、という事です」
>>391 「さてと、あと30分で航路は交差するね。
各艦に伝達、全艦一斉回頭1-7-5、速力変わらず、西朝の駆逐艦と針路をあわせるよ」
艦長シートの柄這中佐は、ひじ掛けに肘をつくと心底楽しそうに微笑んだ。
「通信、「あさかぜ」からの報告はまだかい?」
>>392 「ね、九鬼中佐、なんで「ちょうかい」は「松風」と同じ針路をとっているんだろ?
それに、このままだとあと二時間半で追い抜くよ?」
CDCの表示板に映し出されるプリップの動きを見つめつつ、ともえは小声で九鬼中佐に話しかけた。
少なくとも、じわじわと両者の距離は縮まっているのだ。
しかも「ちょうかい」「いなづま」「せとゆき」の三隻は、艦尾に砲腔兵器は一切搭載していない。
「はい。
それでは、こちらから少々動いてみてましょう」
「そだね、じゃ、まず針路を変えてみよっか。
針路変更2-7-0、速力変えず」
>>393 「あははっ! なんとも可愛らしい動きをするじゃないさ、あの駆逐艦も。
じゃ、折角だからこっちもダンスに付き合ってあげないとねえ。
針路変更2-7-0、速力30ノットに増速」
>>394 「なんで、なんのつもりなんだよう!?」
「落ち着いてください、艦長」
表示板のプリップは、「ちょうかい」以下の各艦艇が一糸乱れぬ見事な艦隊運動で「松風」と併走する様針路を変更したことを映し出していた。
ともえは、まるで自分が「ちょうかい」にもてあそばれている様な気分にさせられ、思わず叫んでしまう。
「……ううっ、針路変更だよっ、1-3-5!」
>>395 ぱしぱしと艦長シートのひじ掛けを叩いて笑い転げる柄這中佐。
その嗜虐趣味者じみた笑い声にあわせて、艦橋に詰めている全員もニヤニヤと笑っていた。
「あーっはっはっはっは!
まったく、素人同然だねえ、あの駆逐艦の艦長はさ。
ま、いいさ、頭に血が上って発砲してくれればそれはそれで恩の字だしねえ。
針路変更1-3-5、速度そのまま」
397 :
貫上等兵 :01/10/21 00:59 ID:PKmJx+AP
>395 「・・・・・・久々だなぁ、これ・・・・・・」 まるでダンスを踊るかのように松風と併走する第四護衛艦群の運動を見ながら、 俺は呟いた。 「相手の神経逆なでし、冷静さを失わせてからゆっくりと料理する・・・・・ ・・・・・・あの頃から変わってませんねぇ、まったく悪趣味な・・・・・・」 俺はともえ様に耳打ちした。 「今回の戦い、先にキレた方の負けです。発砲したらそれこそ相手の思う壺です。 不愉快なのは分かりますが、ここはお遊びに付き合ってあげましょう。 ダンスにはエスコートが必要なんですよ?」 そう言って、俺はにやりと笑った。 「逆にこっちも遊んであげましょう、ね?」
>>390 「岩田司令からの報告はまだか?」
CDCの司令シートに座って戦況表示版を見つめている寺洲中将は、抑えた口調で傍らの通信幕僚に質問した。
「未だ返答ありません、EMCON体勢のままです」
「成る程、あえて敵に忍び寄って奇襲をかけるつもりか。
それとも、まだ第四護衛隊群本隊の位置を掴めていないのか。
……いや、それはあるまい。
ならば、そうか、奴め中々の策士ぶりよのう。
通信参謀、EMCON解除、構わんからありったけの電波を出してやれ」
「は? 閣下、突然何を仰るのです?」
唖然として、思わず聞き返してしまう通信参謀。
少なくとも、CDC内にいる全員があっけに取られたのは事実であった。
だが寺洲中将は、にやりと笑って言葉を続けた。
「岩田代将は、儂らを囮に第四護衛隊群の懐に飛び込み、一気にかたをつけるつもりよ。
ならば、奴に功なりとげさせるのもよしとするまで」
「し、しかし、閣下、それではいくらなんでも閣下自ら出撃されたことの意味が……」
「なに、部下に功をとげさせることこそ将の将たる所以。
ならば、積極的に戦場へとおもむく気概のある者に功をとげさせることこそ将の本懐!」
CDCを感極まった空気が満たす。
「閣下、我ら一堂、改めて閣下のお言葉に心洗われる思いであります」
岩田司令の自室(兼執務室)・・・・・・ 蛯原のお掃除は続いている。 基本的には奇麗好きで几帳面な彼女、乱雑を極める部屋を整然と片づけて行く。 書類をまとめ、ごみを分別し、本棚を整理していく。 そして、ビデオラックを片づけていく。普段鍵が掛けられているビデオラック。 なぜかこの時は開いていた。ラベルを見ていくと岩田の趣味全開のメニューが並んでいる。 さすがにエチビデオはなさそうだったが(爆) 蛯原は見るとも無しにあいうえお順にビデオを並べ替えていった。 「シベリア超特急1〜6・・・・・・サンクチュアリ・・・・・・魔王・・・・・・・キャバレー ・・・・・・ストーカー・・・・・・アトランティス・・・・・・・・パンツァー鋼鉄師団・・・・・ キラートマト・・・・・・・なーんか、司令の趣味って・・・・・・・(笑)」 首をかしげつつ並べていく。と、一本のビデオが目に入る。 「博士の異常な愛情・・・・・・あ、これ見てなかったのよね・・・・・・」 それは岩田の手書きラベルが貼ってあるビデオだった。タイトル脇にサブタイトルらしく、 なにか書いてあるようだったが、字が汚くて蛯原には読めなかった。 蛯原は暇だったこともあり、そのビデオを拝借することにした。 「ま、後で返せばいいわよね。」 掃除を終えた蛯原は同様に拝借した2、3本のビデオを手にAVルームへ向かった。 実はビデオのサブタイトルにはこう書いてあった。 「〜私はいかにして兵器を愛するようになったか〜」 蛯原には知る由もないことである。
「司令、概算で距離が100qを割りましたが……」 参謀長が囁く。 「戦隊が発見された兆候は?」 「在りません。敵艦隊−本隊は些か蛇行している模様ですが、レーダーを使用する兆候は見られません」 その言葉に少しだけ思案じみた表情を浮かべた岩田。 「………参謀長。やまとの最大砲戦距離は幾らでしたっけ? OTHレーダーを使用してですが」 「ベースブリードRAPの榴弾でしたら、75qと云った辺りでしょうか?」 「では其処まで我慢すると致しましょう」 微笑。 だがそれは、邪悪とも呼べる色合いが在った。
>>397 「……そっか、そだよね。
喧嘩は、先に頭に血がのぼったほうが負けだもんね。
……じゃ、ボク達は急いでここを脱出しないとね」
貫上等兵の言葉で冷静さを取り戻したともえは、気まずそうに艦長シートに座り直した。
「じゃあ、針路変更3-1-5、速力変更40ノット、最大戦速でこの海域を離脱するよ!」
「了解、CDCより艦橋、針路変更3-1-5、速度増速最大戦速」
「りょーかい、とーりかーじ」
「松風」は、迷いを振りきったように元の針路に戻ると、速力を最大にして一気に海域を離れようとする。
「それにしても、ボク知らなかったよ。
じょーくん、昔柄這中佐とつきあってたんだ」
どうやら、貫上等兵のつぶやきはことごとく聞こえていたらしい(謎)
402 :
貫上等兵 :01/10/21 01:27 ID:PKmJx+AP
>401 俺はさーっと顔を蒼ざめた。また呟き聞こえてる? 「あの・・・・・・言っておきますが、付き合ってなんていませんよ? 昔、ちょっとしたご縁がありましてね・・・・・・あの姐さんとは・・・・・・」 「いいよ、別に〜怒ってないからさっ!」 此方を見ずになんか刺々しいお答えが返ってくる。 「あ・・・・・・あう・・・・・・」 取り付く島も無いその様子に、滂沱の涙を流す俺。 BGMに忍び笑いをのせて、松風は優雅なダンスを踊っていた。
>>398 「艦長! 方位1-9-2に電波源多数!」
「電波の波長を艦長コンソールに出しな!
針路変更3-1-5、航海長、西朝の駆逐艦が追いつくまで何分だい!?」
「このままですと2時間でさあ!」
「そうかい、速度変更20ノット、さっさと追いついてもらうよ」
てきぱきと命令を下す柄這中佐は、すぐにコンソールに視線を走らせ軽く眉をいぶかしげに歪めた。
「出ているのはIバンドとGバンドとDバンド?
……確か、AV-8載っけた「すえもり」は今は横須賀配属だったね?」
ほんの数瞬だけ考え込むと、柄這中佐は鼻を鳴らした。
「これは囮だね。
多分、迎撃部隊の指揮官はあの寺洲のハゲさ、あいつなら自分を囮にするくらいやりかねない。
なら、「あさかぜ」の存在と位置はバレてる以上、「ゆきかぜ」「あやなみ」くらいは突っ込ませかねないね」
「艦長、ならそれを「あさかぜ」に知らせませんと」
「はん、こんだけ派手に電波を出しているんだ、「あさかぜ」だって傍受しているさ。
それに、あたしの可愛い部下と言えるのは、この「ちょうかい」の乗組だけさね。
通信、「あさかぜ」艦長に命令。
「第四護衛隊群は針路を変更す。艦隊前衛として対空対水上警戒を密となせ」
針路は真北、速力は30ノットで送るんだよ」
「へいっ」
>>403 「なんで、「ちょうかい」は速度を落としたのかなあ?」
「それは、我々と接触をしたい、しかし、そのタイミングを見計らっているのでしょう」
「……う〜んと、それは、何をしたいのかなあ?
九鬼中佐は判る?」
「はい。
いいえ、小官にも彼らがいかなる目的で我々を挑発しているのか、それは判りません。
ただ、彼らの思い通りに動くことはないとは考えます」
「うん、なら「松風」の方が速力は速いもんね。
とにかく、さっさと追い越して振り切っちゃおう」
>>404 「よしよし、そのまま近づいておいで、可愛がってあげるからさ」
柄這中佐は、艦長席から乗り出すようにして、コンソールに映る「松風」のプリップを見つめていた。
「艦長、西朝駆逐艦近づきます!」
「通信、後方より接近する不審船に対し勧告。
「我れ、国防軍第四護衛隊群所属護衛艦「ちょうかい」。
貴艦を帝都騒乱の容疑で臨検する。
機関を停止し、臨検要員の移乗に備えよ」
いいかい! これを北から近づいてくる横須賀の連中にもよーっく聞こえるように最大出力の平文で打つんだよ!」
406 :
貫上等兵 :01/10/21 03:02 ID:PKmJx+AP
>405 「『ちょうかい』からの通信です! ”我れ、国防軍第四護衛隊群所属護衛艦『ちょうかい』 貴艦を帝都騒乱の容疑で臨検する。機関を停止し、臨検要員の移乗に備えよ”」 「・・・・・・上手い手だ・・・・・・」 涙の後が乾ききらない顔でシリアスモードになってもしまらないのは分かってるけれども。 ここは言うしかない。覚悟を決めねばならん、だろう。 「ともえ様、今、我々が取れる選択肢はあまりないです。 一つはこのまま最大戦速を維持して包囲網を突破すること。 ただし、その場合、第四護衛艦群に加え<タイフーン>戦隊も相手にしなきゃいけません。 まぁ、スリルはありますわな。 もう一つは勧告を受け入れること。 ただし、それを選べば一生、あの姐さんにこき使われるでしょうなぁ。 最後は敵に捕まるよりは、と自沈するか。 まぁ、あまりスマートじゃありませんねぇ。 さて、どうします、萌浜ともえ艦長?」 聞かなくてもいい質問ではある。が、聞いておきたかった。 ちょっとした仕返しもこめて。 どういう回答を返すのか、と思ったら、 それは予想以上にすごい答えと衝撃を持って俺に降りかかったのである。
>>405 「な、なんだよそれっ!!」
CDC一杯に、ともえの絶叫が響き渡った。
だが、九鬼中佐もそれをたしなめはしなかった。
さすがの彼も、「ちょうかい」から送られてきたあまりに高飛車な電文に唖然とするしかなかったからであった。
「ボクが、いつ東京の今の大騒ぎに関係したっていうんだっ!!」
だが、マジギレして握りこぶしをわなわなと震わせているともえに最初に声をかけたのは、意外な人物であった。
それは、苦虫を噛み潰した様な表情の貫上等兵であった。
「ともえさま、だからこれが柄這中佐のやり方なんですよ」
「それは判っているようっ!
だったら、答えは決まってるよ!
こっちからの返事だよっ
「我れ、西朝駆逐艦「松風」、現在萌浜ともえを国外への政治亡命の為に移送中。
国際慣習にもとづいた冷静な対応を日本海軍に対し要求する」」
408 :
貫上等兵 :01/10/21 03:20 ID:PKmJx+AP
>407 「ともえさま、だからこれが柄這中佐のやり方なんですよ」 俺が言うと、彼女は顔を真っ赤にして(その表情もまたプリチィでハァハァ……(;´Д`) ) 「それは判っているようっ! だったら、答えは決まってるよ! こっちからの返事だよっ 「我れ、西朝駆逐艦「松風」、現在萌浜ともえを国外への政治亡命の為に移送中。 国際慣習にもとづいた冷静な対応を日本海軍に対し要求する」」 と言った。 「よくぞ申されました。それでは、このまま突っ走りますよ?」 俺はニヤリと笑うと通信士に先ほどの返答文を打たせ、さらに茶目っ気たっぷりに言った。 「あぁ、それじゃ一言、ちょうかい宛てに付け足しといて。『馬鹿め』ってのも」 「は?」 「聞こえなかったかい?『馬鹿め』だ」 そしてニヤリと笑った。 「さぁ、いよいよ面白くなってきやがっ・・・・・」 最後まで言えなかったのは、俺の後頭部に何かがすさまじい衝撃で当たったからだ。 「・・・・・・・!!」 あまりの痛さに頭を抱えてしゃがみこみ、その物を見た。 それは、ともえ様が履いていた靴だった。 恐る恐る後ろを振り向くと、そこにはやけににこにこと笑う彼女の姿があった。 「さっきはありがとね、じょーくん!ね、ところで、なんでそんなに柄這中佐のこと知ってるの? 知りたいなぁ〜?ね、おしえてくれるよね?」 にっこりと笑うその姿の後ろに、俺は死神を見た。 「ヒ、ヒィィィィィィィ!」 当分、俺の災難は終わりそうに無い・・・・・・
>>407 「あははん、中々粘るねえ。もっとも、そうでなくっちゃわざわざ遊んであげる甲斐が無いというものさね」
柄這中佐は、「松風」から送り返されてきた電文を見ると心底楽しそうに微笑んだ。
それは、まるで猫科の獣が獲物をいたぶる様子を見るものに思い起こさせる代物であった。
「通信、返信だよ。
「貴艦の移送中の要人は、現在帝都騒乱の最大の容疑者であり、即刻の引き渡しを要求する。」
お馬鹿さんだねえ、あのお姫様も。黙っていればまだ逃げきる目はあったのにさ」
そして、背筋を伸ばすと、柄這中佐は凜とした声で命令を下した。
「全艦合戦準備! 目標、後方より接近する西朝駆逐艦「松風」!」
410 :
貫上等兵 :01/10/21 03:33 ID:PKmJx+AP
>409そして『ちょうかい』から返信が来た。 ”貴艦の移送中の要人は、現在帝都騒乱の最大の容疑者であり、即刻の引き渡しを要求する” 「言ってくれるねぇ・・・・・・こりゃあ、姐さんやる気だね・・・・・・」 俺は頭の痛さに加え、この通信文で苦虫を口いっぱいに押し込まれたような顔で呟いた。 「ともえ様、こうなってはもはや剣を抜くしかないでしょう。一合戦、派手にやらかしますか?」 出来るだけ明るい声でともえ様に言った。 ここでまた薮蛇な発言はさけたい。
>>408 「ま、いいや、じょーくん、話はあとでゆ〜っくり、聞かせてもらうからね?」
にこにこと表情だけ笑いつつ、眼だけは全然笑っていないともえであった。
そして、すぐに今のやりとりを意識の外へと追い出すと、正面の戦況表示板に意識を集中させる。
>>410 「う〜んと、でもこっちから先に手を出したら、向こうの言い分認めちゃう事になるよね?
じゃあ、逃げきれるところまで逃げまくってやるようっ!
この「松風」なら、あんな前世紀のオンボロにかなわないなんて事はないよねっ!?」
闘志できらきらと光るともえの瞳に、CDCに詰めている全員が苦笑気味に肯定の返事を返してくる。
少なくとも、ここに詰めている南朝水軍の将兵達は、自分の技量とこの戦闘艦に対する信頼に関しては絶対的な物を抱いていたのであった。
そして、彼らは俗に「萌え莫迦」と称される南朝の軍人でもあったのだ。
「ちょうかい」の無法にそう簡単に降参するはずもなかった。
「御安心下さい、艦長。
この「松風」は、艦長の求めるいかなる作戦も遂行しえる実力を有しております」
九鬼中佐が、南朝の軍人達を代表して答える。
「じゃ、針路変更3-1-5、速力そのまま、EMCON解除、逃げて逃げて逃げまくるからねっ!!」
412 :
貫上等兵 :01/10/21 03:52 ID:PKmJx+AP
>411 「う〜んと、でもこっちから先に手を出したら、向こうの言い分認めちゃう事になるよね? じゃあ、逃げきれるところまで逃げまくってやるようっ! この「松風」なら、あんな前世紀のオンボロにかなわないなんて事はないよねっ!?」 彼女の声にCDCないの全員が苦笑で答えた。 それはそうだろう。69式@教授がデザインしたこの新鋭艦が、たとえこの戦力差があるとはいえ、 負けるはずもない。ましてや元は『萌え莫迦』の南朝の一員であった彼等だ、簡単に降参しようはずもない。 ともえ様の勇姿にハァハァ……(;´Д`) しかけた俺を現実に引き戻したのは 「ま、いいや、じょーくん、話はあとでゆ〜っくり、聞かせてもらうからね?」 というともえ様の声だった。 彼女はにこにこと表情だけ笑いつつ、眼だけは全然笑っていなかった。 「・・・・・・はい・・・・・」 こうして、CDC内にまた忍び笑い生み出しつつ、 洋上で一人の女の子を追っかけまわす鬼が多数の鬼ごっこが開幕したのである。
>>410-412 「ふ〜ん、頭に血が上りきったかと思えば、まだFCSを向けてもこないし、主砲を向けてもこないのかい。
なんだ、思ったよりバカじゃない様だねえ。
よし、針路変更2-2-5、「いなづま」と「せとゆき」艦長に命令、「針路変更、単縦陣で我に続け。EMCON解除」
砲術、主砲射界に入り次第照準合わせな。
さてさて、タイフーン戦隊の到着まであとどれくらいかかるかねえ?」
414 :
名無し三等兵 :01/10/21 12:58 ID:WIE/ciOb
期待あげ
>414 おまえさん、スレのトップに書いてある文章が読めないのかね? このスレを不愉快に感じてる住人もいることを忘れるな
軍事板の住人に迷惑賭けたく無いのならこの板からどっかへスレ移動すべき。
軍事用語を使っていればいいというものではないと一番理解していたのが69式氏だと思っていたのだが
点呼しますよ! 1
>>417 寧ろ趣味の垂れ流しスレになってる様だ。
まあ、sage続けて極力一般の視界に入らん様にやる分には、
許容範囲だと思うが。
とりあえずここは軍事板の「ガラスの仮面」なんだから目くじら立てなくてもいいんじゃない? 糞なスレは他にもいっぱいあるし。 もっとも漏れは20スレまでいかないと思うYO(藁
息を懲らす様な雰囲気の下に在るあすかCDC。
それをうち破ったのは一つの通信だった。
「第4護衛隊群より発信(
>>405 )あり! 内容。“我レ、国防軍第四護衛……」
「内容は構わない。それより発信位置の確認は!? 距離を、概算で良い!!」
普段、滅多な事では声を張り上げないあすか艦長代行が、鋭い声を上げた。
「確認しました。距離、おおよそ60(km)!!」
「やまとの射程に捉えましたな」
参謀長の言葉に肯く岩田。
それこそが望んでいたものだった。
その理由は単純。
即ち、やまと級の持つ46糎砲の射程へとちょうかいを収める為であった。
SSMであれば、基本的に100km近い射程距離を有するが、相手は高度な対ミサイル能力を保有する
イージスシステム艦である。
故に、迎撃がほぼ不可能と言えるやまとの主砲の射程圏内にまで接近したのだ。
「ああ。では諸君、始めよう。宛、第4護衛隊群旗艦ちょうかい。発〈タイフーン〉戦隊旗艦あすか。
本文“機関ヲ停止シ停船セヨ”だ。EMCON解除! 盛大にレーダーの照準波をぶっかけろ!!」
>>421 「ああん、タイフーン戦隊から停船命令? おやおや、相変わらずだねえ」
柄這中佐は、手渡された通信文に目を通すと軽く鼻を鳴らしてつぶやいた。
「それで、西朝の駆逐艦との距離は?」
「はっ、距離18000、方位3-0-5、速力40ノットのまま変わらずで」
「よしよし、そろそろだね。砲術、まずは一発警告につら先に撃ち込んでおやり」
「了解でさぁ! 主砲、弾種榴弾着発距離18500、打ち方始め!」
「通信、タイフーン戦隊の司令に返信だよ。
「我れ帝都騒乱の重要容疑者西朝皇女を追跡中。貴艦の停船命令の理由を述べられたし」
第四護衛隊群司令代行の名前で出しな」
>>422 「うわっ、警告射撃だよね?」
「ちょうかい」からの発砲を確認したともえは、思わず九鬼中佐へ顔を向けた。
表示板に砲弾を示すプリップが小さく映り、はっきりとわかる速さで「松風」へと近づいてくる。
「はい、彼らは横須賀から出撃してきた艦隊に対して、自分達の正当性をはっきり見せつけねばなりません。
ですから、かならず法にのっとった形で、こちらを制圧しようと試みるでしょう。
これまでの挑発は、あくまでこちら側から先に手を出させるためのもの。
ですから、いかなる事になろうとも、我々側から手を出すわけには参りません」
「うん、そうだよね。
それで、「松風」なら砲弾を避けることって、できるの?」
「可能です。
ただし、最新の注意を払って大胆な操艦が要求されますが」
「うん、じゃ、次に発砲してきたら、いったん速度を落として旋回かな?」
「そうですね、こまめに変針し、着実に敵の先手を打ちつつ引き離しましょう。
我は敵に対して最大速度で10ノット近く優速です。
これを活かせるならば、活路は見いだせます」
>>422 「………格好がいいですねぇ柄這中佐も」
ちょうかいからの返信に、楽しそうに呟く岩田。
だが目は笑っていない。
一つ、唇を舐めると命令を発する。
「返信。「貴護衛隊群への停船命令に関しては、現在、第4護衛隊群司令代行柄這中佐に対し、
重大な嫌疑が掛けられている為である。詳細は通信にて出来かねる為、本艦へと来艦されたし」
其処で一端、口を閉ざす。
口元には陰を帯びた笑み。
「「尚、西朝皇女の追跡に関しては此を行う必要を認めず。貴官は如何なる理由が在って西朝皇女
が帝都騒乱の重要容疑者と断じたのか、その詳細を述べられたし」
それから、第4護衛隊群の各艦に対して、現在の帝都の状況を包み隠さず伝達して下さい。
これでもちょうかいからの指揮に従うのでしたら、彼等も叛徒ですね。
それからもう一つ。やまととむさしへ威嚇射撃を命令します。くれぐれも当てないように、と、
付け加えておいて下さいよ?」
>>424 「おやおや、随分と威勢がいいねえ、タイフーン戦隊の司令も。
ま、確かにアレだけのおもちゃを与えられていれば、そうもなるさね。
通信、返信だよ。
「西朝皇女は、先日の首都警隊員殺傷事件の首謀者であり、南朝武装集団を煽動の疑いあり。
かつ、帝都核攻撃に関して最重要参考人でもありながら、武力行使によって国外逃亡を図ろうとするものなり。
貴官の判断は犯罪者の逃亡幇助となる可能性が高いが、如何?
第四護衛隊群司令代行へかけられた嫌疑については、正式の手続きを経た上での査問会議上で聞くものなり。
貴戦隊とは命令系統のちがう我れに対し統幕からの権限付与の確認の上、従うつもりなり」
そうそう、追伸だよ。
「なお我の行動は、全滅せる第四護衛隊群の正式の命令の元にあり、異議は連合護衛艦隊総司令部へ行われたし」
ああ、命令書の文面も転送してやりな」
>>422 ドーン……
爆音と共に船が揺れる。
「う、うわ!なんだなんだ?」
その一瞬で水上の脳裏に浮かんだのは、ともえさんの軍服姿、倉庫に積み込まれた
銃器、この船が軍艦であるという事実だった。
「砲撃?戦闘が始まっているのか?」
一刻も早く外へ出て確認したいという欲求が沸き起こったが、どんな時でも冷静さ
を失ってはろくな事が起こらない。これは家出を繰り返し、無一文で放浪を続けて
いた少年が身に付けた、年不相応な知恵だった。
万が一を考えると、知りもしない艦内を彷徨っては助かるものも助からない。
それに沈むと決まった訳でもないし、いざとなれば上を目指せば甲板に出られる
だろう。
「すぐにでも行動を起こせるように、心の準備だけは済ませておこう。
…でも不安だよぅ。」
微かに震える声で呟くと、倉庫の入口付近で蹲った。
「で、通信、指揮下の各艦はどうだい?」 「へいっ、先程から問い合わせの通信が入ってきておりますが、いかがいたしましょう?」 「決まっているだろ? 重大な嫌疑の中身も判らないのに、第四護衛隊群司令部の正式命令を疑うのか、と、言っておやり」 「うす、艦長。それにしても、その正式命令が……」 「はん、軍隊なんてモノはね、員数さえあっていれば突っ込みは入れられないものさ。 で、砲術、西朝の駆逐艦は?」 「はっ、大したもんです。なんだかんだで上手く逃げ回っていやがります」 「……あと10分も逃げ回れたら、射程外だね。 通信、「あさかぜ」と連絡は取れるかい?」
>>427 「減速10! 取舵30!」
「取舵30! よーそろー!」
戦況表示板をはっしとにらみつけつつともえは、右に左に小刻みに「松風」を旋回させ、速度を小刻みに変えることでなんとか降りそそぐ127mm砲弾を避け続けていた。
さすがにレーダー照準射撃を行っているとはいえ、30〜40ノットもの高速で走り回り、30度を超える急変針を行う「松風」に砲弾を命中させるのは至難の業であった。
「九鬼中佐、射程外まであとどれくらい!?」
「3000、5分です」
「そっか、まだまだかかるねっ ……面舵30! ……舵戻せ、増速10!」
「面舵30、よーそろー!」
「……あと2400、4分です」
「ちっ、「あさかぜ」は位置が悪いね。通信、「いなづま」に命令、 「哨戒ヘリにASM搭載さえ出撃、実力をもって西朝駆逐艦を停船せしめよ」 さてと、それじゃ連合護衛艦隊総司令部に通信だよ。 「我、海上護衛総隊タイフーン戦隊に帝都騒乱の重大容疑者萌浜ともえの拘束を妨害されつつあり、対応を乞う」 さてと、航海長、日誌なんかの用意は大丈夫だね?」 「へいっ、そこら辺はばっちりでさあ。いくら叩いたって埃一つでやしませんぜ」 「ふふん。ま、要領さね、軍隊はさ」
無感動に、転送されて来た第四護衛隊群の正式の命令に目を通し、それからおもむろに時計を確認する。 その動作に、参謀長が肯く。 「そろそろ着弾ですな」 「……3…2…1……着弾を確認しました。見事にちょうかいを取り囲んでいます」 「ただ今の射撃は見事なり、ですねぇ」 其処で語調が変わる。 「西朝皇女に対する容疑は了解した。しかしながら、容疑を裏付ける明確な証拠を貴官は提示して居ない。 明確な証拠も無く又、検察庁より西朝皇女に関する捕縛令も出て居らぬ状況に於いて、貴官の行動を 認知する事は法治国家たる日本皇国の根幹に関わる事なり。 繰り返す。 西朝皇女の追跡に関しては此を行う必要を認めず。 又、第四護衛隊群司令代行への嫌疑は三軍を統轄する統合幕僚本部より、正式に下された命令なり。 尚、この命令には、貴護衛隊群が我々の停船要請に従わなかった場合の武力行使権も明記されている ものなり。 速やかに統合幕僚本部に確認を行い、第4護衛隊群全艦の速やかなる停船する事を要請するものなり」
>>430 「ちっ! トリガーハッピーもいいとこだね、タイフーン戦隊の司令は!
……ふん、そうかい、陸式のバカ共は失敗したってわけさね。
通信、返信だよ。
「証拠の提出は裁判においてなされるものなり。貴戦隊の行動は犯罪幇助なることは明白なり。
西朝の帝都核攻撃の証拠は海軍の硫黄島沖戦の戦闘詳報よりあきらかなる上、
首都警移送中の西朝幹部武力奪回事件及び帝都同時多発テロ事件によっても明白なり。
また、皇居における武力行使の上での萌浜ともえ脱走の事実もあり。
さらに、南朝による宣戦布告未遂の理由は、萌浜ともえの武力奪回なり。
以上の状況証拠ありとしても、なお重大容疑者なる萌浜ともえを庇うは、
国防軍軍人としての義務の放棄なりと認められるが如何?
追伸、我れ現在情報系より孤立せり統幕の下せし命令内容の確認を行い得ず。
我の従うは、連合護衛艦隊総司令部の命令のみ」
さてと、いくらあのトリガーハッピーがバブルヘッドでも、これを無視して次も発砲すれば軍法会議は確実ってわけさ。
ま、ここで連合護衛艦隊の面子を潰すって訳にはいかないし、寺洲のハゲが止めに入るだろうさね」
「ソナーが捉えました。四軸推進の大型水上艦です」 「ふむ。極地からえらい手間かけて南下してきた甲斐あったという訳だ。 到着した頃には南沙の騒動も治まって、無駄足ふんだとは思ったが。そう でもないようだな」 ボカチンスキー艦長は航海中に伸びた髭をしごきながら呟く。北極海の「聖 域」で行っていたデルタ級戦略原潜の護衛を外され、ASEAN艦隊とC国 の南沙における緊張状態の偵察の為南下を命じられた『パンテーラ』『ティ ーグル』が現場へ付く頃には、あっけなく南沙の海戦はかたがついていた。 完全に手持ち無沙汰の両艦は時々、適当な航走音を追尾したりしながら北上 していた。ところが、何の偶然か『パンテーラ』は第四護衛隊群の航走音を 捉え、付近の海中を注意深くうろつきながら追尾していたのだった。 「しかし、派手に動いてる艦隊が追尾している連中。えらい静かです。ソナ ーも、奴等鯨狩りでもしてるんじゃないかと疑っていましたが」 「違うようだな。しかし、何て静かな連中だ。これがあれか?南沙に出てき たという噂の魔女の婆」 ボカチンスキー艦長の疑問に、副長も首を捻る。南沙で現れた日本の新型艦 の情報は要約すると「すっげえ艦がいる。マジで。つうか、ヤバイらしい。」 という太平洋艦隊からの通信によって知らされていた。しかし、詳細は不明。 『パンテーラ』と『ティーグル』の適当な追跡は、運良く見つけられたなら 追尾して情報を得ようという思惑からだった。 「わかりませんね。追尾している連中はどう聞いても日本艦です。同士討ち というのも考え辛い話。しかも、追尾してる連中をおっかけてきた四軸艦。 空母ならもっととおくでも良いわけですから。こりゃひょっとすると」 「日本人の戦艦か?益々わけわからんくなるぞ。誰が追いかけて、誰が追わ れているんだ?・・・・・・まあ良い。とりあえずは連中を追尾しよう。音紋デー タは記録しておけ。それと、副長。シクヴァルを装填出来る様にしておけ。 いざ逃げる時でも。通常魚雷では、恐らく奴等には目くらましにもならんぞ」 「ソナーより、何かの大質量の着水音複数。追尾目標を取り囲んでいるよう です。航走音なし。アスロックではないようです」 「戦艦主砲だな。ふむ。良い腕してやがる」
「閣下! 第四護衛隊群とタイフーン戦隊のやりとりですが・・・・・・」 「うむ、致し方あるまい。 これ以上は、岩田司令の経歴に傷が付く。 さすがは柄這中佐よ、連合護衛艦隊と海上護衛総隊の対立にすり替えよったわ。 通信参謀、「ちょうかい」に命令を下す。 「我、横須賀地方隊総監。 統合幕僚会議の命令により第四護衛隊群を指揮下に置く。 速やかに北上し、我と合流せよ」 邂逅ポイントと統幕の命令書を転送しろ」 「はっ!」 「艦長、賀東少佐に発進命令。 目標、逃走中の西朝駆逐艦」
(・∀・)ハジマッタ!
>>434 まさか本気で最後、単に萌えてる間に取り逃しちゃいました、
で済ませる気だったらどうしようもないな。
締めるところはキッチリ真面目に締めてくれないと、
あれだけ切った啖呵がバカみたいだぞ、と期待半分で書く。
>434 何時の間にか動物談義に
そして誰もいなくなった・・・
>>434 何か企んでいる模様・・・
>>438 明確なオチがつくだけ(・∀・)イイ!!方かと。
これまでの戦争は全部いつの間にやら都合よく終わってるし。
慶祝チャットも昔は大勢いて賑わったんだけどなぁ。。。。。
443 :
元軍楽隊 M子 :01/10/25 05:30 ID:H24KHr4r
慶祝スレ15章 155よりつづく…(実に3ヶ月ぶり) うーん…やっと髪の毛が生えてきたけど、まだまだ短いわよねぇ… 鏡を前に、私は苦笑する。 私は、亘理 芹緒。かつて『水戸 滿子』と呼ばれていた人物のなれのはてだ。 近衛第5旅団軍楽隊A小隊指揮官、少尉。 反乱容疑で当局により身柄を拘束中、核ミサイルの直撃した東京で死んだ事になっている。 そう、私は死んだ。 忌まわしい記憶と共に『水戸 滿子』は死んだ。 ここにいるのは、放射線障害であと1年の命と宣告された一人の女。 「あ、ここにいたんですか滿子さ…もとい、芹緒さん。」 不意に、後ろからゴンの声がする。 『ゴン』こと北川 稔。私の小隊の二等兵…いや、元二等兵。 数奇な運命でキツネ人間に改造された、あわれな…もとい、可哀想なやつ。 色々あって…まぁ…そのぉ、男女の仲になって… 「どうしたんです?赤い顔して…」 「うっさいわね!何でも無いわよ!!」 照れ隠しに、手近なものを投げる。 だが身軽なゴンに当たるはずもなく、彼はひょいひょいと避けまくる。 「あ、そうそう。ゆかりさんが呼んでましたよ。」 投げるものが無くなったのを見計らって、ゴンがにんまりと笑いながら用件を告げる。 ほんと、最近生意気になって…外見が可愛いから(10歳ぐらいに見える)余計憎ったらしい… 「あの柳とか言う男の足取りが掴めたそうです、天野軍曹殿から今電話が…」 私の顔が凍りつく。 私から全てを、もなこ様への萌えを奪った男の消息… そして凍りついた顔が、復讐を誓った者の笑顔へと変わった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ でむぱ((((( 滿子さん復活第一弾、人物紹介程度って事で。 今後は、週一ですけどなんとか書いて行きたいと思います。 一応、テロリストのお話になるので軍事的(?)なSSになるとは思うんですが…
ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!! 久々なんでsage忘れたぁぁぁぁぁぁ!!!!(首吊り)
邪魔だからsageましょうね。
>>442 第二部は異常につまらないしな・・・・
何か起こっても「あ、そう」という感じ
予算の頃からつまんなかったけどな。自分は他人のネタ潰すのに自分の潰されると切れるヤツいるし(藁
>>446 でもこうやって名無しで色々話ができる隙があるのは、それはそれで良いんでは。
昔はつまんねえよと思ってても横槍入れ辛かったし(笑
なんつーか、この前チャットで誰かが言ってた、
「自分が書いてて面白ければ横道でも何でも(・∀・)イイ!」というのは、
ネタスレと思って読むこっちとしては何か間違ってる気が。
まあ、今やネタの面白い面白くないを決めてるのは 残ってる派閥のリーダーの某人だけどね(笑 「自分が書いてて面白ければ横道でも何でも(・∀・)イイ!」というより 自分どころか他人が見てもつまらないからこれだけ人減ったんだよ・・・
「ルールを守れば好き勝手やっていい」でやってる限り面白くならないのは明白
ぷ〜ちんはどうなったのよ
それから、暫くは我慢して倉庫に隠れていた水上だったが、ついにしびれを切らして関内をうろついていた。 「全然人がいないなぁ。」 和歌山港で侵入を試みた時の、この艦の外観を思い出す。 「不自然だよね、もっと人の気配があっていいハズなんだけど…。」 先の爆音が気になる。もうこの船には自分しか居ないのではと思えてきた。先程の倉庫にはいくらか手頃な武器が 置いてあったが、あえて何も持ち出してはいない。敵味方のどちらに遭遇したとしても、あまり良い状況になるとは 思えなかった。まして、今の自分には味方の判断など出来ない。と、ここで一人の少女を思い出した。 「ともえさん・・。」 ふと自ら発した言葉を、水上は認識していない。 自ら乗りこんだ場所ではあるが、こうも物騒な所だとは思ってもいなかった。密航はしたもののそこは軍艦であり、 情報などほとんどなく、人との会話もろくに出来ず、暗い部屋で爆音を聞く。少年には、あまりに過酷だ。 そして水上は、無意識のうちにともえを探して歩き出した。
なにごともなかったかのように
萌浜ともえ> みんなの意見>気にしなくていいよう(笑) だって、ボクのやることつまらない、とか、自分勝手とか、言いたい放題に荒らすだけだもん(笑) (10/26 01:28:40)
萌浜ともえ> 万人の>そゆこと(笑) っていうか、海の人さんがつまらん、とか書き込まない限り、ボクは全然構わないし(自爆) (10/26 01:32:00)
こ、これは…重症だな……(藁
萌浜ともえ> 本スレ>いいんじゃない? だって、そのつもりでチャットは公開しているし(笑) それに、ああして書き込んでいてくれる、ということは、つまり、わざわざこんな時間に皇式祭都や慶祝スレを見に来てくれている、とゆことだよう(笑) (10/26 01:39:24)
萌浜ともえ> ヲチしがいのある>だってさ、本スレ(笑) うん、どもありがと(謎) (10/26 01:53:34)
萌浜ともえ=以前ボロクソに叩かれてた(笑)せちにそさん?
>459 おお!慶祝スレ残党リーダーの69指揮さんでしたか!! 頑張ってくれと言いたい所だが、残った面子を見る限り到底期待できん・・ 醍醐旅団長、善行、ぷーちん、MO-eたんタチはどこいったのー(; ´д`)
>ZZx73hVsさん、 あははーっ、どもこんばんわですーっ(笑)
>>460 善行閣下と、ぷ〜ちん大統領は、お仕事忙しいそうですーっ
りょだんちょとMO-eたんに関しては、全然聞いていないのですよ?(笑)
>>462 正直な話、誰々が今慶祝スレには残ってるの?
ちなみに善行閣下は、親支派侍従さんがお仕事忙しくて参加できないので、休暇中だそうですよ?(笑) あははーっ、今月は残業70時間いくんじゃないかってうつろに笑っておられましたねーっ(謎) でも、そのお金で新しいCDプレイヤーを買うとか。 ぷ〜ちん大統領も、冬コミ原稿がお忙しいとか、C国内戦がどう動くのか待ち、だそうですねーっ キザーロフ閣下も、南京攻防戦が発生したら指揮を取りに戻ってこられるそうですよ?(笑)
>>463 69式、善行閣下、ぷ〜ちん大統領、キザーロフ閣下、大隊指揮官殿、親支派侍従さん、みなぎさん、岩田司令、モエナ大佐、あまねさん、シスター・モエリア、第五旅団軍楽隊さん、そして貫上等兵さん、ですよ?
でも、さすがに皆さんお忙しくて、「長いガーターベルトの夜」みたいな事はもうできませんけどねーっ(笑)
467 :
Kei式 :01/10/26 02:24 ID:CplTBJww
>>463 みなぎ殿にあまね殿。貫上等兵殿が居らしてますよ。
後、雑魚ですが、岩田も居ます(笑)
468 :
Kei式 :01/10/26 02:27 ID:CplTBJww
>>467 すいません、補足です。
69式殿も含めて、現在常駐されている方々の分ですからね(自爆)
しかし、ホントに自爆が多いな、私(笑)
469 :
みなぎ :01/10/26 02:28 ID:xhT5tAgT
いきものがかりさんもいらっしゃいますね。 お忙しそうですが。
>>464 あ、70時間はモエナ大佐でしたーっ(自爆)
善行閣下は60時間ですよ?
ってゆか、69式も休日出勤が多くて困っているのですよ?(謎)
471 :
Kei式 :01/10/26 02:33 ID:CplTBJww
>>469 社会人は大変ですからねぇ(遠い目)
私も、いつまで参加していられるか…………
自爆で散るか、免職して金がなくなるか(熱核自爆)
>>469 あははーっ、そでしたね、失礼いたしまいしたーっ(自爆)
>>471 はい、本当に一日48時間欲しいと切実に思いますよ?
とゆか、折角本を購入しても、読む時間が通勤の電車の中だけ、とゆ哀しい状況なのですねーっ(笑)
473 :
水上拓 :01/10/26 02:39 ID:rNGLlpZy
>472 48時間、欲しいですねぇ。もちろん仕事は抜きで(爆) 僕にとって、電車内は貴重な睡眠時間ですよ(笑)
>>472 通勤時間に本が読めるのは羨ましいですよ?(笑)
バイク通勤だと、そんな余裕はないですから。
ってか、睡眠不足で通勤中に眠たくてしょうがないと云う事態は、極めて危険なんですよねぇ(爆)
何時、コースアウトするのやら(自爆)
>48時間
それだけ在れば、好きなだけSSを書いて、本を読んで、昼寝して……夢の様な……
いや、悪夢か……
少なくとも、食費が二倍になるだろうから(熱核自爆)
>>473 うん、朝の通勤時間帯は、ボクも寝ちゃっているよう(笑)
っていうか、最近仕事に遅刻が多いんだよう(自爆)
>>474 あははーっ、でも、満員電車のラッシュの中で、押し合い圧し合いするとゆ悲惨とは無縁ですよ?(笑)
>>476 でも、ですね。
極めて慎重な運転の方(ええ、極めて遠回しですヨ:爆)が前に居た場合の悲惨さは、
何とも言い難いものが在るんですよ?(笑)
あの、1分1秒を争う状況の胃の痛さといったら!!
>>477 うん、それは判るよう(笑)
っていうか、駅の階段下りるときに、そゆふな人が居ると思わず「どいてーっ!」とか叫びたくなるもん(自爆)
479 :
警告 :01/10/26 02:57 ID:quoIC3rf
not 軍事
>479 まあ、今夜はそっとしといてやれや
481 :
名無し :01/10/26 04:39 ID:+YQRAfub
鶴の一声(ワラ
ネタもつまらん、座談も寒い、最悪
>482 何を期待してるんでちゅか、ボク?(ワラ
>>446 おもいつくだけでも、赤軍指揮官氏、Kネディ氏、せちにそ氏、菊十字氏、アルザス氏、醍醐旅団長氏?
ま、面白いつまらんは、結局おのおのの主観だから決められないだろ。 すぐ止めなきゃならんっつーほど、 トラフィックに負担が掛かる訳でもあまりにダメな訳でもあるまいに。 ただ、場面がてんでバラバラになりすぎてて、 しかも個々の目的がいまいち不明瞭な今の状況は、 話としては判り難くて良くないと思うのだけどどうよ。 展開は全員で一個にまとめる様にしてるんでしょ?>書いてる人
>485 設定が無いに等しいもの、バラバラになるのは当然であろうと思われ。 シナリオが無くて、監督が居ない映画と同じだろう? 誰も怒らないと思うから一時的に中断して、世界観から作り直してみたらどうかね? もしくは、毎月最後に来月の課題を募集して投票させ(その為の皇式サイトの様な気がするが) その流れで書いてもらうとか。 いずれにせよ、続けて行くんだったら初心者にも参加しやすいような設定をしっかり 作っておかないといけない気がするがね。 一応、批判ではなく前向きな提言って事で。
みなぎ> まあ、話がとぶのはどうしようもないのですね。話の進行役が毎日いるわけではないのですから。>本スレ (10/27 01:46:27) その場その場にあわせて一番面白いレスをすればよい。 >486 設定はあったはず。ただ一人一人が勝手な設定を作るから話が進まないのであって。
488 :
485 :01/10/27 11:33 ID:pfIkxpUK
>>486 同意。主題が判らないとバラバラにしかならない。
昔はともかく、今このスレが何をするところなのかが判らない。
またごちゃごちゃした設定を色々作るまでしなくても、
ここはどういうスレか、とは、もう一度決めなおしたら良いのでは。
というかもう黄昏タイム。。。。。 「仕事が忙しい」って、やる気が無くなった時の言い訳の定番(ワラ
しばらく見ないうちに、変な事になってんなあ。 ここ、何するスレ?雑談?ss書き?それとも一行レス集団が、勢いのみでワッショイてか?(藁 名無しが多すぎて読みづれえのは確かだな(俺もか)。腐れ荒らし以外は皇式サイトでも行けば? 別に無理強いはせんが、見苦しいったらねえよ。
さて、またこうしてここで座談をすることになるとは思ってもみなかったが、それはそれでよしとしよう。 なにしろ私は、本来ここを石もて追われた人間であり、ここの場所が敗者に対し寛容とはついぞ聞いていなかったからだ。 諸君、お久しぶりだ。私はR国大統領であるぷ〜ちん=とろつき〜★ミである。よろしければしばらく私の雑感におつき合い願いたい。
>>485 氏、貴殿の感想は私としても肯ける内容だ。実際問題として現状の停滞の最大の原因は、かかって書き手の実力の差が
顕著な為ではないかな? こう言っては精一杯の努力をなしていると思われる69式氏には酷だが、かの御仁の投げるトスは、
あまりにもハイレベルだ。付け加えるならば、開き直りも足りないのではないかと勝手ながら私は考察している。
慶祝スレとて所詮はネタスレだ。読み手以前にまず69式氏自信が楽しんでおられるかな?
>>486 氏、貴殿の言葉は確かに正しいな。さて、問題はこの慶祝スレとは何かについて考察すると同時に、
例えば貴殿のような善意の人間の参加を望めるかにかかっている。一歩距離を置いたところから自由に発言する、
というのは、主観的には公正誠実なる行動のように見えて、実際は状況を混乱させるのにしか役に立たない事は
歴史をひもとくまでもなく多少組織の運営に携わった人間ならば経験したことはままあるだろう。
貴殿のような善意の第三者が、何か言っているように見えて実は何も提言していない等しい繰り言ではない書き込みを
してくれた事こそ喜ぶべきことだと思っている。いかなる形であれ、混乱の集束にはなんらかのきっかけが必要だからね。
>>487 氏、その通りだ。確かに貴殿の言葉は正しい。問題はその相互のキャッチボールの大半が69式氏とその他の人間、
という現状にあることは理解しておられることと思う。彼か彼女か知らないが、かの御仁が聖徳太子の生まれ変わりとは
私は寡聞にして聞いたことが無い。現状で69式氏が疲弊してしまっているのもむべなるかな、と思うよ(笑)
そうそう、彼は先週末は休みがなかったそうだね。一応この不況下でも週休二日が確保されている私としては、
ご愁傷様としかかける言葉が無かったりするな。
貴殿もそうは思わないかね?
>>488 氏、私はこの慶祝スレでやることは昔も今も一つだと思っているのだが。すなわち、「皇女に萌える」という行為を通じて非日常を楽しむこと。
私の判断は間違っているかな? この頽落した日常に生きるしかない我々が、かつてイベリア半島の内戦に義勇兵として参加した知識人達や、
砂漠のバーで虚無主義に冒されつつも結局は自由と尊厳の為に戦うことを決めたオーナーの様な浪漫主義者になれる場所、それがここではなかったのかな?
別に、上の例は私の趣味であり好みであるからあげただけだが、他にも各人なりの非日常への投企する冒険心があるだろう。
それではいけないのかな?
>>489 氏、仰る通りだね。確かに慶祝スレは黄昏れを迎えている。それについては私も完全に同意しよう。
問題は、それでもあえてこの場所を支えようとしている人間が十人近く存在することかな。私はその事自体が
一つの奇跡ではないかと思っているよ。すでに去ったはずの私が、実にこうしてこの場に素の文章で書き込み、
要請あればR国大統領としての書き込みすらするであろう事実は中々に興味深くはないかな?
ちなみにこの不況下資本家に搾取されているプロレタリアートたる者、仕事に関する話についての嘲笑は
そうそうなし得ないものではないかと年休の取り消しが一週間程もあった私としては思うのだが、貴殿は如何かな?
>>490 氏、見苦しいかね? なるほど、貴殿はあえて一月の残業が六十時間を超えたり日曜日の休息を取り消された人間が、
乏しい時間をやりくりしてたわいもないネタスレ一つを維持しようとあがくのを見苦しいと評価するわけだね?
よろしければ貴殿のその独特の価値観についての理解を、私に深めさせては貰えまいか? ご覧の通り私は、
このスレをそれでも維持しようとあがく人間に対し、共感と好意を抱く変人であるようなのだよ(笑)
さて、慶祝スレをそれでも続けようとあがいている諸君、私は君達の味方のつもりだ。 よって、ささやかながら忠告を差し上げたい。 慶祝スレにおいては、「皇女に萌える」というのはルールであると指摘したのは実は私が一番最初のはずだ。 総合掲示板で69式氏がそう書き込んでいたね。あれは私の言葉を受けてのことであることは、 かの御仁に確認して頂ければ明らかになるはずだ。その上でだが、諸君等には一つの縛りを設けることを提案したい。 すなわち「戦争、もしくはそれに類する状況下でのロマンチシズムを追求する」というものだ。 別に、各人がべたつく自己陶酔と自己憐憫に浸るべきだと言っているつもりは無い。 単に、戦争という極限状況でこそできる非日常的な楽しみを追求する、というルールを設けてはどうか、と提案しているに過ぎない。 幸いにしてここは軍事板だ。極論を言うならば、ハシェクの「兵士ツヴァイクの冒険」や映画「女狙撃兵マトリューシカ」の様な 冒険を楽しんでこそ軍事坂に相応しいネタスレとなるのではないかな? これは、確かモエナ大佐の言葉だが、 傑作と言える戦争映画は、飯と歌が情感たっぷりに描かれている、そうだ。なら、そういう方向性から戦争を楽しんでは如何かな? それでは、また後日。
499 :
485 :01/10/27 21:26 ID:7ipnQoT9
>とろつき〜氏 停滞ややる事に関しては反論は無いので割愛する。 ただ、現状は個々の独白SS発表会になっていて、それは構わないが、 疑問として、個々の自由で任せている仇か、何処か芯が通ってない気がする。 「何故ここで突然関係無い(様に見える)事を」という内容が多く、 個人で世界観を構築しにくく、読みにくい。 ただのROMの主観である事と、番号をつけた事で現状の認識不足は容赦して貰いたいが、 敢えて2chでこの様なスレを運営する以上、読み手が「読んで面白い」と思う事も大切な要素だと思っている。 それを、特に最近強く見られるが、肝心な、ネタ職人や軍事趣味人としての智慧や知識以前の段階、 ただのアプローチの仕方で躓いている様に思える事は、長く読みつづけてきた自分は勿体無いと感じる次第だ。 そして、これは主観であるから仕方が無い、で片付かないと思う自分の疑問はそれだけだ。 それの一つの解決策として貴方の>498の提言は、可能性への期待から強く支持する。 ただの数値や知識を開陳するだけならば他のスレで事足りる以上、 そういった物を取り入れる事はこのスレの個性・主題を打ち出すのに有効であると思う。
>>491-498 こんばんわ、とろつき〜★ミ大統領閣下。
わざわざの書き込み、本当にありがとうございますm(_ _)m
はい、大統領閣下の仰る通りですね。
ボクも大統領閣下の提言は、とても適切だと思います。
っていうか、スペイン内戦で誰が為に鐘は鳴るでリックの店でツヴァイクでマトリューシカですか?(笑)
なんてゆのか、大統領閣下の趣味っていい感じです、ボクもそれは大好きです(笑)
それじゃ、大統領閣下の提言を元に、ちょっと考えてみます。
ってゆか、今日も仕事で帰ってきてまもないんで、頭が回らないんですよう(自爆)
>>499 こんばんわ、初めまして、萌浜ともえです。
はい、仰ること、とてもよく判ります。
っていうか、耳にイタイです(自爆)
どうするか考えますから、もうちょっと時間が欲しいんです。
ですから、しばらく時間を下さい、お願いしますm(_ _)m
俺が見苦しいといったのは、話が見づらいと言いつつ書き込みを続ける名無しに対しての言葉だ。それでも構わないという名無しには申し訳無い。思慮に欠ける発言だった。
忙しい中書き込みを続けるメンバーには、頭が下がる思いだ。ただ、荒らしまがいの書き込みを行い(要求ばかりで行動の伴わない)、なお文句の絶えない名無しに怒りを感じた事が、今回書き込むに至った原因だ。
>>502-503 こんばんわ、490さん、初めまして萌浜ともえです。
お言葉、本当にありがとうございますm(_ _)m
そう言って頂けて、なんて言うのかすごく気分が楽になりました。
これからもなんとか頑張っていきますから、よろしければおつきあいくださいませ。
以上、改行無しの文章で申し訳無い。無責任だが、書き込みを続けるメンバー、参加を望むROM達、これからも大変だろうが頑張って欲しい。
結局「面白がらせよう」ではなく「面白がろう」という趣旨な訳ね・・・・
507 :
506 :01/10/28 02:30 ID:CuxOEMNf
訂正 趣旨な訳→趣旨だった訳 感じていた違和感はそれか
あの〜同志大統領、どうでもいいことですが 映画”Сорок первого”の邦題は 「女狙撃兵”マリュートカ”」だったかと ”マトリューシカ”だと土産物になっちゃいますよ。 over`sの方々も色々大変かとは存じますが 軍事・政治の初心者向けブレインストーミングスレとして このスレは興味深く拝見しております。 今後共頑張ってください。
509 :
4 :01/10/28 02:35 ID:aKfpSs8J
プププッ
>>460 殿
大変ご無沙汰しておりました。
今回の件は、お話と全く関係なく、また人を不快にもさせる事ですから、このような場で言うことはためらっていたのですが、ぷ〜ちん殿が書き込んでらっしゃるという事で聞かせていただきたいのです。
69式殿=善行殿=ぷーちん殿、ではないのですか?
(私がこの疑惑を持った理由は次の通りです。
まず、前者お二人の事。雑談スレ1の371、第7章の729〜730、第13章の
667、7月上旬のチャット、において、お二人の名前が入れ替わっておられ
ました。これをバグではなくクッキーの消し忘れによるものだと判断しまし
た。次に、チャットにおけるお二人のエージェントが同一である事。
そして三方の判断については、69式殿しか使用されないと思っていた
「BHB爆」という単語を、実は最初にぷ〜ちん殿が使ってらっしゃったと
いうこと。そしてそれを69式殿はご存知なかったということ(チャットでう
かがいました)。この単語は、69式殿が出入りなさるチャットで使われて
いたものらしいのですが、ならば69式殿が反応なさらないのは妙かな
あと。そして、第4〜6章で三方の文体などはかなり似ていらっしゃると
いうこと。チャットでお互い刺激されあった後ではなく、あの時期に癖が
似ていらっしゃったので妙に思いました。また、殆どの場合三方とも
意見が同じでいらっしゃること。お互いの事をよくご存知でらっしゃること。名無しで書き込むのをあまり好まれない(ような気がする)善行殿とぷ〜ちん殿が、その知識にも関わらず慶祝スレに来るまで軍事板でコテハンをなさらなかったらしいということ。など)
スレ汚し、本当に申し訳ございません……
(でも気になって夜も寝れないので……本当にスミマセン)
いや、むしろ 善行=キザーロフ=81式だろ? (最初は善行=270だと思ったが:”長いガーターベルトの夜”後の雑談で 橋梁戦についてのコメントあり、その後”参謀本部作戦課”→新潟戦で善行登場) んで、69式=醍醐旅団中佐=モエナ・スベトラーナ(理由:ロシア好きだがロシアに暗い) ぷーちん=とろつきーは全くの別人と見た。
善行の場合、自作自演ウンヌンより、自分の思い通りにいかないとすぐキレて逃げるガキのようなワガママさだろ、問題は(藁
漏れは善行=とろつきー=B国武官だとおもってたよ。 69式=善行じゃないだろ?
善行=キザーロフ=81式、ぷーちん=B国武官は俺もそう思う。 69式=善行=ぷーちんは違うんじゃないかな? 善行が顔を出さなくなったのは81式や270が書き込まなくなってからだよ。
結局はみんな(・∀・)ジサクジエンデシタ!!
>>514 今更だな(苦笑
しかも69式=善行と仮定してから『皇式祭都』の掲示板みると、モロそのとおりだったりする。矢張り69式=善行?
え??俺は醍醐旅団長=M0−eだと思ってたが??
>>520 つまりこれは醍醐旅団長と69式の内ゲバかよ(藁
>>520 殿
ちがいます。皇式サイトの舞台裏掲示板の、リモートホストぐらいしか証拠ないですけど……
(ところでなんで「え??」から始まるんでしょうか。流れがよくわからないのですけど……私だけですか?)
とうとう内ゲバまで始まったよ。鋼鉄の虹を思い出すな。
もう十分楽しんだろ、これ以上腐る前に終わらせよーYO!(藁
(・∀・)ジサクジエンカコワルイ!!
>>522 追い出されたから匿名で荒らしかよ。ガキな善行と変わらねえ腐れだな(w
しかたねえよ、ここはしょせん腐れの殿堂だからYO!!
530 :
名無し :01/10/29 00:58 ID:5kValLmE
忙しいといいながら書き込んでる人もいるし(ワラ
>>528 追い出された恨みで荒らしかよ。MO-e=匿名きぼん回線切って馘釣って支ね!!(w
しょせんゴミスレだーヨ(藁
無教養クズ!
よんてゃんわこうんふれえくづき
536 :
M0-e :01/10/29 01:19 ID:cixhdp+S
>>523 殿
はい。
>>528 殿
すみません。名前が悪かったです。いちおう
>>460 殿へレスしていたのですが……M0-eという名前を使わなかったのは、話に関係ないことだったからです。
>>532 殿
追い出されてはいません。荒らすつもりもなかったのですけど、関係ないこと書いたのは確かです。すみませんでした。
>>536 何を今更(藁このスレらしい腐れ偽善者だーヨ!!(藁
>>536 ふざけんなチンカス野郎氏にさらせ
なめてんのかコラ
句読点も使えない厨房発生(藁
>>540 だとまずいな・・
バスジャックや自爆テロはやめとけよ・・
544 :
MO-e :01/10/29 01:43 ID:+qgJNsZq
もっと、もっとののしってハアハア
なんで荒れてるの?荒らしてるのは唯の厨房?関係者? しかしこれほど確執があったとは・・・・
>>536 ばーか!!!!!
69式以下だな(藁、わら、ワラ、大笑い
536が545と同一人物かどうかはこの際どーでもいい。 どちらもDQNだから(w
三毛ネコ> それは関係ないでしょう。初期の頃のあのお祭りに参加できなくて、今になって鬼の首取ったように囃し立てている子供も、あの中には沢山いるのだと思います>萌浜さんの書き込み (10/29 01:50:33)
552 :
名無し :01/10/29 01:57 ID:59mjQK1v
このスレ、いくらでも続くのは良いけど、 なんか最近ギスギスしてきたよ。 バカをバカとして讃え祀る大らかさがなくなっていやだなあ。
親支派侍従@夜勤中瞬撃離脱> いや……なんでですか、2chのID付き掲示板で荒らしを行うものの定石でしょうに(笑)>凄い怖い考え/それでもおそらく最低二人ですね。一人は同一IDで数度書きこんでますから(これだって幾らでも抜け道あるけどさ) (10/29 01:56:12)
荒しに大してはレスしないようお願いします。
三毛ネコ> ……そうでしたね、確かに2chですもんね…… (10/29 01:58:56)
>>550 こんばんわ(笑)
あの、お願いですからageはやめてくださいね?(笑)
>554に対してレスはしないようにお願いします
>>554 うん? 閣下?
こんばんわ、お久しぶりです(笑)
>556 ごめん、sage失敗
とゆわけで、69式=善行とゆことで構いませんから、MO-eたん虐めるのは許してあげてね。
三毛ネコ> 善行さん、まだいたんだ・・・>本スレ (10/29 02:01:18)
Kei式> 続きの雑談は本スレで>こうすると、何故か、居なくなるのですよね、荒らしは(笑) シャイなんだから(謎) (10/29 02:01:30) syaidesu
>>559 了解です(笑)
うん、とゆか、今現状では、荒らされても仕方がないかな、って思ってはいるんです。
でも、ageにだけは気をつけてくださいね、お願いしますm(_ _)m
本当に、もちょっと慶祝スレの復活まで、時間を下さい、お願いします。
565 :
名無し三等兵 :01/10/29 02:09 ID:KSrKNtU5
ねえ、どうして醍醐旅団長と69式さんはケンカしたの〜? 旅団長が自分の掲示板から慶祝スレ関連スレッドを全部消すぐらいだから、何かあったの〜?
>三毛ネコ> 私は善行さんに喧嘩うったりしないよう、ROMとしてすごいなーと思って見てたのに>本スレ (10/29 02:07:03)
>>560 同一人物だから荒らしてるわけではない!
みなぎ> あー、また上がってるし・・・・・・やれやれですね。三毛さんお気になさらぬように・・・・・・ (10/29 02:11:57) -------------------------------------------------------------------------------- 三毛ネコ> なかなか『三毛ネコ』が面白いことになっております>荒らしの人はいいのですが、善行さんには釈明したい気持ちで一杯だ…… (10/29 02:11:27)
>三毛ねこ >みなぎ 軍事系の会話できないだけで既にお前らも荒らしだ
萌浜ともえ> 閣下に釈明>閣下は基本的にいい人だから、切にしないと思うよう(笑) (10/29 02:12:28)
みなぎ> 犬猫やる方向で検討してますので期待してくださいね。本スレ参加をお待ちしておりますから>三毛坊さん (10/29 02:15:08) 荒らしだ
ねえ〜なんでケンカしたんですか〜? 「ICQで陰口を言い合ったり」ってなんなんですか〜? ROMとしてはさっぱりわからんので誰か説明キボンヌ。
静かになった
ケンカだったの?でも何についてそんなに争えたんだ? ケンカできる程に熱かったんだったら、またスレ立て直してやってくれ。 ケンカじゃない方な。
チャットが終わったからかな?
ほのぼの板の方だって、せっかく最初は次回予告氏がいたのに醍醐旅団長や善行閣下がズカズカやってきたから いなくなっちゃったんだよね……グスッ
>>579 ほのぼの板と内ゲバ(メンバー不詳)の三つ巴?
>580 皇式サイトの総合掲示板を管理人が壊すまでは経緯が載ってたんだがなー
>>580 そんな感じ。総合掲示板の方見た限りでは。。。。。。
>>582 あれ、露骨だったよね(ワラ
「ICQのログ公開しましょう」とか言ってた人もいたけど、
嫌がってた人の方が多数(ワラ
何言ってたんだか……
今日荒れたきっかけは同一人物疑惑でいいんですか?
>>560 によると
さっぱりだ・・・・
>>585 ですねぇ。
1人複数役しないと持たないんですよ慶祝スレッドは。
>MO-eたん虐めるのは許してあげてね。
Mo-eは醍醐旅団長とは違って操り易いから、味方に付けてたいのでしょう69式は(笑)
69式も醍醐旅団長を許してあげてね(笑)
つうか、一人複数担当なんて昔っからの公然の秘密じゃなかたの? どうしてそれで荒れちゃうんだろう? つーか最近、というか夏以降全然見てないし参加してなかったんだけど、今 見たらショーック!ダッタ。マジ鬱にナッチャッタ。このスレで公然とコテハン叩きまで始まったナンテ どうして皆こんなになっちゃったんだー!また元には戻れないノカー! ヤッパリ、色々手打つべきじゃなかったの?関係者OFF会とか、ヤターの? こういう話は今がんばってる人には辛い言葉かもしれないけど。 スマン、イキナリこんなレスして。でも、チョットショックでね。もし再開出来るなら、頑張ってね >関係者。
>>560 から、「善行=69式であると不都合な人間がMO-eを叩いていた」と判断できるとして、それでも辻褄合わん。。。。
590 :
589 :01/10/29 03:02 ID:BZFwzjUf
違った。だめだわからん
せちにそ苛めが酷かったからなぁ・・・
大体指揮官様、今夜もサバトです
593 :
名無し :01/10/29 04:34 ID:zFO7fcgL
大体指揮官=レオナルド
オオ、週末戦争カヨ(w
>>589 >>532 によれば、自作自演を晒す事=荒らし、となるらしいから、仮定はそれでいいと思う(裏事情を知らないので断定は拒否させて頂く)
そして誰もいなくなった…
596 :
名無し三等兵 :01/10/29 11:59 ID:fExTQIX0
age
上げるなヴォケ。 それだけでこの駄スレじゃなくって軍事板への荒らしになるって ことに気付けや。
(
>>510 を読んで)
ばらしやがって!MO-e氏ね!
叩いてやるぜ!IDは回線を繋ぎ変える事で変化させるッ!
なにィ!?
>>550 馬鹿がageやがった!このまま荒らしつづけるのはマズイ
ッ!
(
>>554 や
>>557 を書き込む)
このまま「萌浜ともえ」で書き込むにはIDを固定させねばならん。もう名
無しでは書き込めんな。
ドーヨ
なあ、誰が誰だろうが、ここじゃ関係ないと思わないか? 例え誰が何を書こうが、ここがただの2chの1ネタスレである以上、 ネタとしてつまらねえ物はつまらねえ、面白い物は面白い、と、 横槍を入れるとすれば、そういう評価があるだけなのが正しいだろ。 仮に善行=69式などのジサクジエンがあったとして、 ま、これはジサクジエンなら流石にイタイ…という内容があったとしても、 だからって本人の品性の程度以外には何ら影響ないと思うが。 とにかく、向こうも待ってくれと言ってるし、少しくらい待ってみても構わないだろ。 こんな関係無い話題で1スレ潰すくらいなら、暫しの中断でどうよ。 サイトさえ残ってればいつでも復帰は可能だろ?
>559 アルザスうざい
皇式スレにいけねーぞゴルァ!
602 :
一解説者 :01/10/29 23:37 ID:LNYx3HqT
思うに、今このスレに一番必要なのは かつての醍醐旅団長のような”管理/編集の才能を持った暇人”じゃないかね? まぁ軍事話のできないあの親父の存在は必ずしも好もしいモンじゃなかったが、 それでも三流とはいえ、”本職”の人間の編集には見るべきものがあった。 今残ったメンツの中でその才能があるとすりゃ、69式だろうが 奈何せん奴は暇が無さそうだし、次にその才能がありそうな81式は 本業が忙しくてそれどころじゃ無さそうだ、 それに奴じゃますます話がややこしくなるだけだろう。 後のメンツで”暇人”は 殆どが二次元媒体の真似事やペドのヲタ話しか出来ない軍事板の寄生虫ばっかだから ここの板でスレ続ける資格も能力も無ぇだろ。
>資格も能力も そんなもの必要だったのか?特に資格ってなんだ? 2ちゃんに免許なんて物があったのか? 才能うんぬんと言うならお前さんは何の才能があると言うのか? 3流だとか見下した態度で批判するのはそれこそ4歳のガキにだって出来るのだが。 とろつき〜氏の様な具体的な提言が出来ないようならどこに才能がある? それほど有能なら再生案の2つ3つ書けないのかね。 確かにしょうもないネタスレばかりの人物もいるが、じゃあかわりに貴殿に才能ほとばしる 名SSを書いてもらいたいものだ。(さぞかし上手いのだろう?) それも出来ないというなら、 寄生虫とはこのスレに関して言えばお前さんの事ではないのかね?
604 :
萌えの嵐 :01/10/30 00:47 ID:3lPHa8+s
AVルームは司令室の隣にある。ドア一つでつながっている為、 「司令の職権乱用だ」という声もあったりする。が、AVルームを使用するのは 基本的には岩田くらいであり、誰も使っていないので皆黙認状態だったりする。 「あーん、もう!どうなってるのよ、これ!」 そのAVルームで蛯原が配線と格闘していた。ビデオのコード、DVDのコード、端末のコード、モニターのコード、ステレオのコード、各種電源、etc,etc…… 大混乱の中、半泣き状態で作業を続ける。小一時間かかってそれは続けられた。 しかし、なんとかそれも終わりを迎える。 「やったあ、ついたあ……もーう、手間かけさせるんじゃありません!」 ぽんとビデオを叩く。そして鼻歌交じりにお茶とお菓子を持ってくると、椅子に腰掛けてビデオのリモコンを取った。 まるで昼下がりの主婦のように。その姿は平和そのものであった。 ……蛯原は気づいてはいなかった。足元に伸びているコードがモニターから隣の部屋へ繋がっていることに。 家電製品に弱い人間は混乱のあまり必要のない配線をしてしまうことがある。蛯原もまさにそうであった。 家庭のビデオであれば良かったのだろう。しかし、ビデオがモニターを共有することを想定して作られていた場合、事情は大きく異なる。 コードは、司令のデスク、共用情報系端末へ伸びていた。 蛯原が再生のボタンを押す。時折しも賀東少佐への出撃命令が下っていた。 喜劇が幕を開け、運命は踊り出す……
605 :
萌えの嵐 :01/10/30 00:48 ID:3lPHa8+s
突如。 「あすか」CDCにおいて異変が起こった。 共用端末のモニターが切り替わる。当初「それ」に気づいた航海士は艦長代行に報告しようと立ち上がりかけて思い切り吹き出してしまった。 「え?」 となる艦長代行。隣の同僚が怪訝そうに彼を見る……と、モニターが目に入るなり吹き出し、慌てたようにモニターにかじりついてしまう。 「うん?どうしたのですか?」 岩田もようやく異変に気づいた。しかし、もう、事態は手後れとしかいいようのない所まで進展してしまっていたのだ。 艦橋は異様な光景になっていた。 モニターにかじりつきハァハァ……(;´Д`)している乗組員達。もはやレーダーも外部モニターも そっちのけにしてしまっている。機関は停止。方向すら見失いかけている。 参謀長は愕然としていた。いかな「はみ出し者の萌え馬鹿集団」とはいえ、戦時中と平時の区別はつけてきたはず。それがどうしたことだ、このありさまは。何が起こってしまったのだ。 岩田はまだこの時若干冷静であった。あるいはそれこそが岩田司令の本領であったのかもしれない。 しかし、この場合は不幸であった。事態を確認しようと、手元の端末機を共用に切り替えてしまう。これで、自ら引き金を引いてしまった。 モニターを見た岩田の表情が停止する。 「??????の、ノノ…ノ……」 「し、司令?」 青い顔の参謀長。岩田の顔色が変わっていく。ああ、戦闘の緊張感の中で「これ」を見るのはあまりにも酷だった。 「ノオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」 それは、貫上等兵から進呈されたビデオだった。岩田自身、見つからないように隠して、 後でゆっくり見ようと思って楽しみにとって置いたのだ。
606 :
萌えの嵐 :01/10/30 00:49 ID:3lPHa8+s
硫黄島BARみなぎ… 万寿の一升瓶を抱えてきゃらきゃら笑うその人。 ウヲトカをラッパ飲みし、あられもない格好で踊り狂うその人。 ビール瓶でキツネ耳織部女史の頭を痛打するその人。 焼酎の瓶を逆さにして六九式萌え兵士の口に突っ込むその人。 酒の妖精………そう表現して良いのだろうか? BARを縦横無尽に駆け回り、大隊指揮官を相手に飲みまくる・…… それはまぎれもなく六九式「教授」その人だった。 モニターでその姿を確認した参謀長は大きく嘆息した。 ああ、なんてことだ。 こいつはひどい、ひどすぎる。 ふと見ると、岩田は完全に逝ってしまっていた。 「イイ!イイ!スゴク!イイ!!」 腰をクネクネさせ、普段の2オクターブ上の声で嬌声を上げてしまっている。 「しっかりしてください!司令!司令!・・……司令!!!」 参謀長の声も耳に入っていない。目はモニターにしか向いてはいない。 「ええい!こうなったら!」 いつもの突込み、金属バット一閃。ところが、今回は状況が悪かった。 指揮をする人間がいないこの混乱した状況で司令官を轟沈させてしまえばどうなるか! 気づいたのはバットを振りぬく瞬間であった。すべて、手後れ。 快音を響かせ、岩田は吹っ飛ぶ。 この瞬間、「あすか」はその人的機能をほとんど失った。 CDCの片隅で、星野中尉はモニターを見ながら溜息交じりに吐き捨てた。 「馬鹿ばっか。」
607 :
萌えの嵐 :01/10/30 00:50 ID:3lPHa8+s
「すえもり」艦橋…… 「何をやっているのだ?岩田は。機関も停止して……」 寺州中将は信じられないものでも見るかのように外部モニターを見ていた。 「「あすか」応答ありません!」 「完全に沈黙しています!機関停止しています!」 「賀東少佐に連絡を取れ、何が起こっているのか確認させろ!」 寺州は苛立ってきていた。なぜ、ここで岩田は職務放棄のような行動をとるのか。 これでは何もできないではないか。岩田らしくもない…… やがて、「すえもり」は「あすか」で何が起きているかを知る。 「あすか」共用情報系端末の画像が「すえもり」でも受信できるようになった為である。 そして、寺州はすべてを悟った。 「彼奴……なんということだ……」 腹立たしげにモニターを叩く。ディスプレイがよく割れなかったものだ。 が、次の瞬間寺州は信じられないものをモニターの中に見た。 「えへへ〜やったあ、なのです。」 モニターの中では、もなこがヨーグルトアイスを乗せたホットケーキと オレンジジュースを手に満面の笑みを浮かべていた。 「ももももももも!もなこ様ぁ!?」 普段の寺州をバリトンとすればこの時の寺州はカウンターテナーであった。 動揺の限りを尽くす寺州。思わずモニターに駆け寄る寺州「中将」 瞬間的に顔が緩んでしまう「泣く子も黙る」寺州中将。 「おいしいのです。ありがとうなのです。」 ホットケーキをほお張っているもなこ。満面の笑顔。 「あああああ、お口のまわりにヨーグルトがハァハァ……(;´Д`)」 「ああああ、そんなにいっぱいお口に詰め込まれてはハァハァ……(;´Д`)」 賀東少佐も機上で大混乱に陥っていた。 「ああ、そのふくらんだほっぺたハァハァ……(;´Д`)」 「よそいきのお洋服ハァハァ……(;´Д`)」 よく墜落させなかったものである。 もはや事態は収拾を不可能なものへと変化させていった。 ビデオは続きに水着大会が収録されているのだ。 寺州と賀東が我に返ったのは1時間後、岩田が意識を取り戻したのは3時間後であった。 参謀長はどこでこのビデオが流されているのか、懸命に捜索したが空しく終わった。 すべては終わってしまっていた。 その間、蛯原は外の様子など一切知らぬままにビデオを満喫していた。 「ふーーん・・…司令ってこういうビデオ隠してたんだあ。」 とか言いつつ。お菓子を食べながら。 そして、この事件は寺州中将の意向によりその一切を伏せられることになった……
>>603 おい、糞ネコガキ。
>>602 の言葉尻捕らえてブチ切れる前に、
もう一度読み直してみたらどうだ、
確かに
>>602 の表現には棘があるが、結構このスレの現状を捉えてるじゃねぇか?
軍板の資格?軍事に関わる事を書くことに決まってるじゃねぇか?
アニメやゲームの2番煎じみたいなヲタ話や
”人の言葉がしゃべれる”化け猫の”世間話”なんぞ、
一体この板のドコに関わりがあるっつーんだYO!
設定?SS?んなもん手前で考えろ!
悔しかったら荒らしが黙るようなマトモなスレ書いて見んかいゴルァ!
読者の批判も受け入れられないようなら、ハナっからこんなトコに書くんじゃねえ!
仲間内でオナニーのみせっこでもしてろ。
>>609 いや、奴も訳のわからんキャラ登場させてたから、それは無いだろ?
「今後の事を考えるスレ」だけでなく公式スレそのものまで消すとは・・・>69式 まぁ、かれにとって結構ヤバい事書いてあったからね(w
>>614 なんか苦言を呈しに書き込んだ醍醐旅団長にメチャ噛み付いてたり・・・
あれは端から見ててもみっともなかった・・・
いや、奴としては、一切の楽屋事情を一般ROMの目から隠して、 ”残ったメンツは一枚岩の団結を保ってる”って事にしたかったんじゃないんかね? アソコまで派手に荒れりゃぁ、んな事誰も信じやしないのに。 アレで新しい書き手が入る余地が無くなった以上、 このスレの停滞も進むだけだと思うが。
これからは我々はICQで連絡を取り合いますので、新規参加はいりませんー
そんなに邪魔されたくなければ自分のサイトでやりゃいいのに
いいよもうこんなクソスレ潰しちまえよ
ゴミだゴミ、生ごみだーヨ(藁
69式ウザイ支ねヨ!!
/ .\ / .\ \ / \ / \ ___________ . / \ ./ \ / | \/ \/...| | | | | | | | | .._ |_| 69式 |_|_.. | | さあ‥ 逝こうか‥‥ | | | | | | | | | | | | | | | |/ ..\| | | | | | .._|/| _ _ _ _ _ _ _ _ ...|\|_ / ..| | _−_−_−_−_− _ | | \ | |/_/━ ━ ━ ━ ━ ━\_\| | .._| /_/━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ \_\.|_ /_/━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ \_\ / /━ ━ ━ ━ ━ ━ ━\ \
「久作」が歩いていた。 久作は身の丈3mはある巨大なゾンビだ。 四天王の中では一番新しいゾンビで、まだ体は崩れていない。 赤黒く変色し腐敗は始まっているが、まだ四肢は健在だった。 久作はこの世界ともうひとつの世界との狭間を歩いていた。 久作の片手には、人間のようなものがつかまれ、引きずられていた。
「お前は、地獄というものを知っているか?」 久作は左手にわしづかみにしている69式に聞いた。 69式はまだ生きていた。おそらく口も利けたであろうが、何も答えなかった。 「人間、に限らずすべての生き物には、[業]というものがある。」
久作は縫い合わされた目の隙間から69式を覗き込み、ぐっぐっ、と笑った。 「恨み、妬み、虚栄、虚勢・・己の快楽のために犯す罪はすべて[業]だ・・ そしてそれは罪の質で決まるのではない。量だ。」 「[業]により書き込まれたお前の言葉を他の人間が見るたびに、69式よ、お前の[業]も増してゆくのだ。
「そして十分な[業]を積んだ者のみが、地獄と呼ばれるところにいけるのさ・・」 久作は69式の肛門を弄びながら楽しそうに言った。 「さほど、「この世」と変わりはしない・・2チャンネルみたいなものだ・・ 貴様は、ここの王になるのだ。」 69式はうつろな瞳を前方に向けた。 そこには己が支配すべき世界が広がっていた。地獄。
「フグェエェェェ・・、どうやら地獄がお気に召したようだ。」 地獄に於いて久作の放つ腐臭漂う呼気が69式にとっては心地よく感じられた。 「お前にちゃかぽこちゃかぽこを授てやろう。 地獄においてちゃかぽこちゃかぽこは自己の存在を保つものである。 王たる者、これを保持してこそ地獄の王。」 69式の目の前には痛々しいほど赤剥れた肉隗が転がっていた・・、人間の赤児であった。
久作は潰れた目を細め、腰のあたりの蛆虫を口へ運びながら呟いた。
「ちゃかぽこちゃかぽこはやろう。が、ひとつお前さんに試練を与えよう。
くっくっく・・心配するな。」
69式はいつのまにか動くようになった唇をかるく一舐めし、唾を飲んだ。
「これからしてもらう事は、なぁに簡単だ。
この赤児を最も苦しむ方法で死に至らしめれば良いことだよ。
既に皮を剥いでいるから、後は好きにしたまえ。」
下に転がっている赤児は目を細めて
>>4 をねめつけてこう言った。
「 ド グ ラ ・ マ グ ラ 」
そして69式の人間の頃の良心は残らず消し飛んだ。
「クックック・・すげぇじゃねぇか、久作よぉ。」 一人ごちた69式は通りすがりの醍醐旅団長を叩き殺した。 地獄にて試練を成し終えた69式は久作から「力」を授けられた。 「ほぅ、赤児に塩をかけたか。 ふぅむ・・・、確かにそれも辛い死に方だな。 まぁ良い、良しとしよう。」 己の心の動揺を全て見透かされているような居心地の悪さを、 69式は久作の言葉の抑揚でひしひしと感じる事が出来た。
「ちゃかぽこちゃかぽことは地獄に於いての「力」という物ではない。 むしろお前が現世にて自己を保つ為の「力」だ。」 現世・・・・?地獄の王に祭り上げられたというのに現世?? 「そうだ、現世だ。」 と、久作が言うや否や69式の菊紋に突如として疼痛がはしった。 「奥泥悪手苦仁架」という文字が書かれた棘だらけの鉄棒が食い込んでいた。
「耐えろっ!!耐えるんだぁ! お前が現世にて醍醐旅団長を討ち取り、地獄にて奴を跪かせなければ お前は地獄の王にはなれぬ!」 薄れゆく意識のなか、何故か不敵な笑みが69式からこぼれた。 「フフ・・地獄の王も悪くは無いという事か・・・」 69式は気を失った。
∧_∧ _ _ .' , .. ∧_∧ ( ´Д` )_ - ― = ̄  ̄`:, .∴ ' ( ) ←ID:8/aLEv8n ヽ-'' ̄ __――=', ・,‘ r⌒> _/ / / ,,-―  ̄ ̄  ̄"'" . ’ | y'⌒ ⌒i / ノ\\ . | / ノ | / / \\ , ー' /´ヾ_ノ レ ノ ヽ_つ / , ノ / / ./ / / / /| / / ,' ( ( 、 / /| | | |、 \ !、_/ / 〉 . | / \ ⌒l |_/ | | ) / ノ ) し' (_/ -==≡≡≡===-
無教養カスもう死んだら? ∧_∧ _ _ .' , .. ∧_∧ ( ´Д` )_ - ― = ̄  ̄`:, .∴ ' ( ) ← ID:A+wKfZD2 ヽ-'' ̄ __――=', ・,‘ r⌒> _/ / / ,,-―  ̄ ̄  ̄"'" . ’ | y'⌒ ⌒i / 4 ノ\\ . | / ノ | / / \\ , ー' /´ヾ_ノ レ ノ ヽ_つ / , ノ / / ./ / / / /| / / ,' ( ( 、 / /| | | |、 \ !、_/ / 〉 . | / \ ⌒l |_/ | | ) / ノ ) し' (_/ -==≡≡≡===-
(゚∀゚) アヒャヒャヒャ?
(゚∀゚) ア〜〜〜〜〜〜ヒャヒャヒャヒャ?
( ゚∀゚) アヒャ?>69式 (゚∀゚ ) アヒャ!>69式 ( ゚∀゚) ア〜ヒャ? (゚∀゚ ) >69式アヒャアヒャ! (゚∀゚) (゚∀゚) アヒャアヒャヒャアヒャヒャアヒャ!
( ゚∀゚) >69式謝ったの? (゚∀゚ ) >69式謝んないYO! ( ゚∀゚) 狂った? (゚∀゚ ) 精神崩壊したね>69式! (゚∀゚) (゚∀゚) こいつはゆかいだわっはっは!
639 :
69式 :01/10/30 09:15 ID:SPibmCi+
/ | | | | | | | |ー | l ー- l /⌒ヽ | | l l l l | | | 0 | | l | ー- | l⌒) - l | -‐| | | | 丿 | /⌒ヽ | | | | |ノ l | ヽ l _! | !__,! ‐ 一 | l ヽ、 /⌒ヽ l ‐ \ |, ノ⌒) () l 〉-‐ l l〉 )ヽ、 ヽノ (ノO (ノ (つ ヽ、 | ノ) | / 人 ヽ、 (⌒) ヽノ (ノ | l ヽ、\, )丿 / ノ/ o l ヽ ノ \,/ / (ノ () ヽ l \ / / (⌒ヽ | ヽ、 / / l しノ | ヽ、 / / | l ヽ、 l / ヽ、 | / ヽ l / 「また母ちゃんのマムコでオナってしまった・・・・・鬱だ」
ノ;;;;;;)〜〜 プゥ〜ンかまってかまってかまって (;;;;;;;;;;;;;;;)〜〜〜〜 プゥ〜ンかまってかまってかまって (;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ〜〜〜〜 プゥ〜ンかまってかまってかまって /:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ 〜〜〜〜 プゥ〜ンかまってかまってかまって 人;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;)クサイ クサイ 。 川|川/゚∴゚\ b〜 プゥ〜ン 。‖|‖.゚◎---◎゚|〜 ゚プゥ〜ン / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 川川‖∵∴゚。3∵゚ヽ〜。゚ 。 。 <69式生きててすいません。 川川∴゚∵∴)д(∴)〜゚ 〆⌒\。 \______________ 。川川∵∴゚∵o〜・%〜。 (c人゚∴3 川川‖o∴゚〜∵。/。 ゚|゜#。゚。゚b。カユイ カユイ 川川川川∴∵∴‰U d゚。o∵。|゚ プゥ〜ン U 〆∵゚‥。 ゚o゚ o\_ 。(・∀・。)プゥ〜ン 。 / \゚。∵@゚∴o∴つ (c‥∵゚)゚ o |∴\ '''''゚''''''''''''つ U d;∵|:∴|゚。 %。゚。。‰∴。∵゚∴o゚ o (::c(∴゚)。o。。 |o∵o。。|
とどめっと
642 :
3ヶ月ぶりに見てみたら :01/10/30 10:54 ID:yXoBSwDU
おいおい。何でここまで荒れてるんだ? 69式いうたら、新潟とかあのあたり盛り上げたきた連中だろ? このスレが残っていたのもビックリだが、なんで連中がここまで叩かれなきゃいかんのだ?
>>641 何か参加者に恨みでもあるのか?(笑)
ageても板が迷惑蒙るだけだっつの。
とどめにするなら削除依頼出しとけ。
ここはベニ松となにか関係があるのか?
69式=削除人
646 :
名無し :01/10/30 16:15 ID:xWiYG2od
642=69式
皆仲良くしようぜ♪(笑
648 :
名無し :01/10/30 16:23 ID:xWiYG2od
647=醍醐旅団長
その時、真っ暗な舞台の上にスポットライトが灯った。 その下に一人立つ女性。恐らくは、鯛。 光の下で一礼した彼女は、シルクハットに網タイツ、赤いタイトなレザースーツ。 手にはステッキ、首には真紅の蝶ネクタイ。まあ、魚類に首があるかはさておこう。 その姿を見た瞬間、観客は一様に思った「逝ってよし」 彼女が姿を現した途端、観客は先を争うように舞台へ物を投げ込み始めた。 腐った蜜柑に生卵、ピザに空き缶紙テープ。 それらを器用に避けながら、彼女は小指を立ててマイクを握った。 「みんな、見てくれていてありがとー!(観客:ざけんな!板違いだ!逝ってよし!) お客さーん!(は・あ・と)ヤジも掛け声も、役者さん達の演技の妨げになっちゃ 只のヤボテンよー!」 なおも投げ込まれる物体Xを、イワッチ直伝、腰の振りだけで避けながら客席に語りかける。 「BARみなぎはね、敵対勢力同士が手続き無しに話し合える場所として必要不可欠なの。 そこらへんちょっとは脳味噌回してね。オ・ネ・ガ・イ(はあと)。」 さらに投げ込まれた爆竹が連続して弾ける中を跳ね回りながら、その呼び掛けは止まらない。 「うーん、それじゃ軍事ネタ以外自粛して、リアリティ最優先にしてみましょうか? 善行閣下は皇女なんて放って置いて、国の為だけに行動する。 各国は国益優先。現状国家と大して変わらない行動を取る。 結局の所世界情勢はA国主導、J国はその走狗。 六九式謹製オーバーテクノロジーは全てあぼーん(含むタイフーン&M0-e) 芝村派の存在とそれを利用した強引な行動も不可。国防軍の行動はすべからく国会決議に 従って行われる。 最後の大隊のナチス式敬礼ももちろん取り下げ。」 内戦なんて起こるわけがない。関西人の不満は独立戦争を起こす程の事なの?」 「こんな物語見てて面白いの?SSであれ何であれ、参加する人にやる気が 出ると思う?」
↑程度の問題。
今651がとてもいいこと言った
>>650 よし!!ならお前が69式にかわってここしきれYO!!(藁
69式はイタイ奴だが、皇女も今残っている連中に総すかん喰らったクソだろ? 自分じゃ軍事板にふさわしい書き込みができないからって、 69式や81式を利用しようとしているだけだろうしな。 もなこってキャラを誰も相手してくれなくなったからって、スレを潰そうとしたドキュソだぜ。 こいつも69式と同じガキだな、さっさと回線切って首釣って氏ねよ(w
どっちに転んだってもう続けるのは無理なんだから止めれば?
ミスった。スマソ
萌浜ともえ@熱っぽい> 楽しく香ばしい>だよう(笑) っていうか、これだけやりたい放題勝手で艦船設計ができるスレは他にないよう(熱核爆) (10/31 00:09:53) ここは好き勝手艦船設計をするスレになりました
名無しで書き込んでても大体誰か分かるのが痛い
Kei式 Kaze型> 同じ>結局、此処はそーゆー人の場なんですよねぇ(遠い目) (10/31 00:31:31) こーゆーふーに馴れ合ってっから荒らされるんじゃね?(w
結局、醍醐旅団長アドレス宛てにウィルスメール送りまくったバカは誰だったの?
662 :
次回予告 :01/10/31 07:07 ID:vfkfNYxH
「さてさて、軍事の名物慶祝スレも、 そろそろおネムのお時間なのです。 北に東に南に西に、 色んな事がありました。 もなこ、絶対、ぜったーいに忘れないのです!! 次回、魔法内親王伝★もなこ、 『最終回 そしてやっぱり陽は昇る』 に、八紘〜★一宇っ!」
ふと、目が覚めると不思議なくらい長い間眠っていたような気がした。 でも、時間を見れば、まだ朝の時間。決して寝坊したわけじゃない。 なんか、物凄く長い長い夢を見ていたような気がする。 そしてなんかとても楽しい夢を見ていたような気がする。 たくさん眠ったはずなのに身体がなんか疲れている、でも、なんだか心は爽やかだ。 どんな夢だったんだろうな……? 断片的に思い出されるいろいろな出来事。 小さな愛らしい女の子が笑ってたような気がする。 気の強そうな、でも綺麗な女性が戦っていた。 元気一杯な男の子みたいな女の子が泳いでいた。 小さな気弱そうな女の子が物陰からこっちを覗いていた。 いろんなことがあったような気がする。 僕は叫んでいた、僕は戦っていた、僕は笑っていた、僕は踊っていた。 なんだか思い出すと心が温かくなるような懐かしい夢の中。 いったい、どんな夢をみていたんだろうね……。 思い出そうとしても、どうしても断片的な記憶しか浮かばない。 気を取り直してテレビをつけると、朝のニュースが昨日大騒ぎしていたニュースを繰り返していた。 「昨夜21時32分、御懐妊されていた雅子妃殿下が皇太子殿下の御子様を無事出産されました……」 何故だか知らないけど、聞き飽きたはずのニュースを聞いていると、きゅーんと目頭が熱くなって涙が出てきたんだ。 どうしてなんだろう……? なんだか、とっても懐かしい気がしてきたんだ。 「宮内庁の発表では御子様の性別は女の子で、御名前は……」
語り継ぐ人もなく 吹きすさぶ風の中へ 紛れ散らばる萌えの名は 忘れられても ヘッドライト・テールライト 萌えはまだ終わらない ヘッドライト・テールライト 萌えはまだ終わらない
足跡は降る雨と 降る時の中へ消えて 称える歌は 英雄のために過ぎても ヘッドライト・テールライト 萌えはまだ終わらない ヘッドライト・テールライト 萌えはまだ終わらない
行く先を照らすのは まだ咲かぬ見果てぬ萌え 遥か後ろを照らすのは あどけない萌え ヘッドライト・テールライト 萌えはまだ終わらない ヘッドライト・テールライト 萌えはまだ終わらない ヘッドライト・テールライト 萌えはまだ終わらない ヘッドライト・テールライト 萌えはまだ終わらない
うわ、やっぱ終わっちゃうんだ・・・みんな御苦労様でした。
感動的なラスト。みなさん、お疲れ様でした
スッキリ終っちゃったね… でも、このまま泥沼化するよりは良かったかも…… お疲れサマッス>参加者
ご苦労さん。じゃ引き続き反省会ね。 誰が一番、荒れた戦犯? 実名だしてがんがんいこう
>>670 う〜ん、皇式スレの掲示板が見れなくなったから解らないんだよね…
関係者(参加者)はみんな箝口令ひかれてるみたいだし…
ROMとしては気になる事なんだけど…やっぱり、教えてくれないのかな……
チョト寂しい……
終わっちゃったね。ご苦労様!
>>670 また無粋な……
673 :
名無し三等兵 :01/10/31 20:04 ID:G4F3zIGu
お疲れ様です。スレッドの容量も丁度良かったみたい。 いつか次スレというか新慶祝スレというかをもし立てる時は『軍事関係ないじゃん!!』って荒しが来ないように 『創作板』の方で立てて( ゚Д゚)ホスィ.... あっちだったら自分も参加できそう
674 :
673 :01/10/31 20:04 ID:G4F3zIGu
すみません、sage忘れ....逝ってきます
675 :
ROM :01/11/01 02:08 ID:Z6l7hWaJ
チャットみててさ・・・・こんな光景が思い浮かんだ・・・・ 本屋の一角・・・・アニメ雑誌コーナーで・・・・ みすぼらしい格好をした太った眼鏡が・・・・ 人目も憚らず大声で・・・・オタッキーな会話をしてる・・・・ 奴等の目に映るのは・・・・自分と・・・・自分の趣味の対象だけ・・・・ そりゃ人も減るよな・・・・ 引くもの・・・・普通・・・・
676 :
:01/11/01 03:01 ID:6ezXm/nZ
チャットでは雑談する暇があるのに、誰1人としてスレの現状の説明に現れない所が このスレ参加者の閉鎖性を良く現してるよね…… 新規さんとか潰すわけだよ……終ったからまぁいいが……
いきものがかり> >懐の深さ ですね。昨日おさかなさん名義で書き込みました が、常日頃から遊びを作っておかないと、主要なキャラがはじける余地が無く なってしまいますから。 (11/1 00:05:17) 萌浜ともえ@だるだる〜> おさかなさん>あ、あれはいきものがかりさんだった んですか(笑) (11/1 00:06:19) いきものがかり> >おさかな …誰も気づいてなかったんですか?おさかな=皇女と 間違えて騒ぐ人達を見て、「釣れた釣れた、魚に釣られるとは馬鹿な奴らめ。面白い からしばらくこのままでいよう。」と思っていたのですが。 (11/1 00:11:46)
>673 萌浜ともえ@だるだる〜> というわけで、板を移した後もいかにしてスレを判りやす くするか、それを今ボクは考えているんだよう(笑) (11/1 00:14:12)
もなこは、眩しさで目を覚ました。窓から朝日が入ってきている。 ゆっくりと体を起こしたのと同時に、ドアがスッと開いた。 「あら、もなこ もう起きたのね。今日は早いじゃない」 「もえみお姉様……?」 洗濯物を手に、微かに笑うもえみ。 「何〜その『お姉様』って。いつもみたいに『お姉ちゃん』でいいわよ」 「あ、はい、なのです……お姉ちゃん…」 頷いたもえみは部屋を横切り、ベランダへと出ていった。 と、部屋にまた誰かが入ってくる。 「もえみ姉ー、ボクの制服 もしかして全部洗った〜!?」 「…ん〜?洗いましたわよ〜どうかしましたの〜?」 「今日、水泳部の練習が有るって言わなかったっけ〜?着ていくものないじゃ〜ん!」 「あら、御免なさい。中学は創立記念日で休みだって聞いたからつい…」 「もぉ〜 …… あっ、もなこ おっはー♪」 「ともえお姉ちゃんも おはようございます、なのです」 もなこは二人の喧噪を見ながら部屋を出、階段を降りていった。
680 :
:01/11/01 04:47 ID:5sJtqlPP
「ふぁ〜……まだねむいのです……」 1階のテーブルには朝食が並んでいる。 「…………もなこちゃん……おはよ……」 皿を並べている少女が微笑んだ。 「おはようございますなのです、ひめ お姉ちゃん」 「……朝御飯、準備できてるから……食べててもいいよ……」 「えっ?もなこ、もうたべちゃってもいいのですか?」 「………………(コクッ)」 そこへ、もなこを追うように喧噪が降りてきた。 「…姉妹四人で暮らしてもう3年目なんだからさぁ、生活パターン位わかるようなモンじゃないの〜?」 「わたくしだって、高校終ってからアルバイトで忙しいですのよ。うっかりする事もあります」 二人の間に入るもなこ。 「もえみお姉ちゃんも、ともえお姉ちゃんもなかよくするのです。けんかはよくないのです。」 媛(ひめ)がTVをつける。どこの局も『雅子妃殿下無事御出産』のニュースが流れていた。 「宮内庁の発表では御子様の性別は女の子で、御名前は……」
681 :
:01/11/01 04:48 ID:5sJtqlPP
みんなでTVを見ながら朝食を済ませた丁度その時、 こんどは、上の方から 奇妙な声のような音のようなものが響いてきた。 「んー?あれ、もなこの部屋の目覚ましじゃない?」 「早く止めてらっしゃい。ついでに学校に行く支度もしてくるのですよ」 「はーい、なのです」 階段をトタトタと昇っていくもなこ。 「起きろーッ!!起きろーッ!!朝だぞゴルァ!!」 机の上で喧しく鳴るそれを、小さな手にとる。カラスの形を模した目覚まし時計だった。 「・・・・」 もなこは後ろのスイッチを止め……そしてその胸に抱いた。 なぜか少し涙が出た。 「では、行ってきます なのです・・・やたちゃん」
S T A F F 「慶祝!!皇太子妃ご懐妊」スレをたてた1 「萌宮もなこ」と命名した名無しさん 虚弱装甲兵 おっぺんあるつはいまー ロンメル太郎 海の人 ZU 菊水・乙 菊水@甲 菊水・丙 大渦よりの来訪者 宰相 小泉 次回予告 萌之院 もえみ 萌宮もなこ(皇女) B国情報武官 クシャナ派残党 名無し菊水 多井羅 醍醐旅団長 菊水司令長官 いきものがかり 帝都映像広報部 名無し侍従 いそみ 六九式@シリーズ 菊水防疫給水部 第五旅団長 萌浜ともえ 戒厳司令部@香椎中将 醍醐旅団参謀長 大隊指揮官 連合護衛艦隊@山本長官 イシハラ
683 :
:01/11/01 04:57 ID:5sJtqlPP
名無し侍従@親支派 参謀本部作戦課長 課員@参謀本部作戦課 萌彪 中華商人 萌革命部隊戦闘員 代々木@党本部 @党武装革命部隊小隊長 臨時宰相@こぶちけいぞう 先行者 内務省警保局外事課長 匿名希望兵士改め「くまさん」 赤軍@長野侵攻部隊 日本外人部隊総参謀長善行忠孝三将 第4梯団長 旅司令員 露西萌大統領ぷーちん☆ミ モエナ・スヴェトラーナ 萌沢東主席 キザ−ロフ 萌隠部隊 ホトケ戦隊 西朝中隊長 八咫烏 あきいえ c国指導部 萌萌 第五旅団軍楽隊 萌小平 醍醐旅団防諜機関”よしの” 萌姫 加藤 野々村 海上護衛総隊@〈タイフーン〉戦隊司令 西朝@新入隊 六九式様萌兵 南朝女官トリオ 醍醐旅団中佐@ピンヒール付黒リボン ペント・ミノ M0-e おさかなさん Mr.B ソックス・イェーガー ソックス・バット 水戸滿子 萌宮もえひと 六条 葛の葉
684 :
:01/11/01 04:58 ID:5sJtqlPP
狐のゴンちゃん CGI設置人 シスター・モエリア 名無し侍従C ねこ みなぎ フケイ だいごりょだん@おやつがかり キツネ耳織部@舞妓 萌之院女官隊警護部長剣コノヱ アルザス 葛城 境 小次郎 イリス 貫上等兵 カミンスキー大尉 蒼槍陸曹長 クロ 三遊亭炎上さん 萌原玲大尉 神崎萌乃 萌山冬魅大尉 幕僚本部付醍醐旅団出向事務官関睦美 ナターシャ 日向 フェルナンデス中佐 とろつきー☆ミ大統領 萌豹 じょんそんA国臨時大統領 山野アナ ヒフタル少将 親王崩宮 ウィグル獄長 水沢 SK国@金ニ大萌 哀号旅団長 蛯原御幸@戦隊司令部付き 西朝陸戦隊残党 あまね ミランダ謝華 国会議員@萌山・宗秋 その他の書き忘れたかも知れない方々
685 :
:01/11/01 04:59 ID:5sJtqlPP
S p e c i a l t h a n k s t o 2ちゃんんる@ひろゆき 2ちゃんねる軍事板の方々 2ちゃんねるほのぼの板の方々 多くの名無し三等兵やROMの方々
686 :
:01/11/01 05:00 ID:5sJtqlPP
永らくの御愛顧、どうもありがとうございました。 『魔法内親王伝☆もなこ』 〜 FIN 〜
687 :
テイセイ :01/11/01 05:07 ID:5sJtqlPP
Σ(; ´д`) 2ちゃんんる→2ちゃんねる アレダケミナオシシタノニ......
688 :
:01/11/01 06:35 ID:h77F526+
これにて、放映を終了いたします。。。。。。 足下にお気を付けてお帰り下さい。。。。。。。
689 :
:01/11/02 01:53 ID:mFGjEDNm
。゚・(。´Д`)゚。・
690 :
sage :01/11/03 10:31 ID:tlCvHHQQ
埋葬sage
691 :
sage :01/11/04 06:51 ID:LpnSHmfo
埋葬sagesage 1000!!
4 名前:萌浜ともえ 投稿日:2001/11/4(日) 00:07:25 HomePage ってゆか、創作板に移動するつもりだよう(笑) まずは、慶祝スレの大体のでいいから、ルールとか運営方法とかを考えようよう(笑) 最初からそうしてくださった方が良かったですね
帽振れ〜……
全スタッフ及び関係者諸兄に敬礼! T-T)>
全スタッフ及び関係者諸兄に敬礼! T-T)>
696 :
海の人 :01/11/06 10:15 ID:MqeRAmwp
>694,>695 敬礼は右手で行う 腕立て30回
697 :
ROM :01/11/06 10:28 ID:udyvA32l
>閉鎖性の問題 人が去ったのは、ネタをやると善行が切れるからだし、閉鎖的なのは参加者が自分のキャラについてしか語らないからだろ? 少なくとも醍醐旅団長は皇女のため、面白さのためなら自キャラを殺す事も覚悟していたし、それだから面白かった。
>697 >皇女のため、面白さのためなら自キャラを殺す事も覚悟 反面、「萌えない」皇女なら、消極的だものなー あの三流小説書き。 所詮足フェチのヒッキーだから(w 萌浜ともえも最終的に見捨てたからなー 皇女萌えはどこにいったんだよ
>>698 わざわざageて書く真意が、板荒らし以外の奈辺にあるのかが聞きたい。
間違えた、なんてつまらねーこと言うなよ、真性厨房(ワラ
>696 Σ(゚Д゚; わ、気付かなかった。Λ(´Д`;)Λイチニィサン… それでは、仕切りなおして其の弐さんの分も敬礼。<(T-T <(T-T
701 :
ROM :01/11/06 14:41 ID:ALGEogJC
総合掲示板結局復旧しないみたいだね
>>698 >萌浜ともえも最終的に見捨てたからなー 皇女萌えはどこにいったんだよ
え!? そうだったの?
漏れはまた腐れ69式が西朝を意のままに操るために萌浜ともえを乗っ取ったのかと思っていたYO!
自分が潰したのにな(藁
702 :
ロム :01/11/06 16:34 ID:s72Ew6H/
さー また荒れております。。。。。
>701 いや、萌浜ともえ役の人が大隊指揮官や善行に虐め続けられた為に心労でダウソ おかげにPCの調子が悪いので、69式が入れ替わったんだよ。 西朝も北朝・南朝に骨抜きにされた被害者だな。東朝のカツラギは旅団長の言い訳に 呆れて逃げ出したしな。
そんな事より、聞いてくれよ1よ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、近所の歴史群像編集部行ったんです。歴群編集部。 そしたらなんか戦史研究家がめちゃくちゃいっぱいで入稿できないんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、ドイツ装甲部隊全史、とか書いてあるん です。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、ムック如きで普段来てない歴群に来てんじゃねーよ、ボケが。 ドイツ装甲部隊だよ、ドイツ装甲部隊。 なんか家族連れとかもいるし。親子4人でゲラチェックか、おめでてーな。 よーしパパ、春の目覚めについて語っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、パウル・カレルの焦土作戦(上・下)やるからそのページ空けろと。 歴群ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 Uの字テーブルの向かいに座った編集者と執筆者でいつ喧嘩が始まってもおかしくない、 ボツるか落とされるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっと原稿を書いたら編集長が、イスラム関係多めに、とか言ってる んです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、今さら十字軍だの、中東戦争史だの並べても遅いんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、イスラム、だ。 お前は本当にミリタリ雑誌編集したいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間 問い詰めたい。 お前、本当は科学と学習の付録作りたいだけちゃうんかと。 歴群通の俺から言わせてもらえば今、通の間での最新流行はやっぱ り、 バルバロッサ増ページ、これだね。 バルバロッサ増ページ年末進行。これが通の頼み方。 増ページは編集も他の執筆者も楽。そん代わり締切早め。これ。 で、単行本大幅加筆、扉絵は書き下ろし。これ最強。 しかしこれを頼むと自営業氏が倒れる危険も伴う、諸刃の 剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、太平洋戦史シリーズにでも書いてなさいってこった。
>大隊指揮官> どーも。いじめっこの大隊指揮官です(笑 (11/7 00:00:25) 自分でおもしろいとおもってんのかな
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ、 昨日、近所の宮下公園に行ったんです。宮下公園。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで中に入れないんです。 で、よく見たらなんか横断幕とか貼ってあって、自衛隊海外派兵反対集会、とか書いてあるんです。 もうね、アカかと。サヨかと。 お前らな、自衛隊の海外派遣如きで普段来てない反戦集会に来てんじゃねーよ、ボケが。 ただの後方支援だよ、後方支援。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で反戦集会か、おめでてーな。 よーしパパ自衛隊員に抗議しちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、防衛白書やるからその席空けろと。 政治集会ってのはな、もっと急進的であるべきなんだよ。 軍服もどきの制服着た極右集団がいつクーデターを決行してもおかしくない、 侵略されるか軍拡するか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。念仏サヨどもは、すっこんでろ。 で、やっと中に入れたかと思ったら、隣の奴が、北は地上の楽園、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、主体思想なんてきょうび流行んねーんだよ。アカブタが。 得意げな顔して何が、地上の楽園、だ。 お前は本当に憂国意識を持っているのかと問いたい、問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、日本を赤化したいだけちゃうんかと。 尊皇精神に富んだ俺から言わせてもらえば今、臣民の間での最新流行はやっぱり 徴兵制賛成、これだね。 徴兵制ってのは潜在的な戦力が多めに見積もられる、そん代わり基本的人権が少なめ、これ。 で、それに治安維持法復活と教育勅語の徹底。これ最強。 しかしこれを施行すると次から中・韓政府にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。 憲法第九条を改正しないとお薦めできない。 まあお前ら非国民は、特高にしょっぴかれてちょっと痛い目に会ってなさいってこった。
そんな事より、聞いてくれよ>>1よ。スレとあんま関係ないけどさ。 昨日、MiG行ったんです。MiG。 そしたら、人がいっぱいで入れないんです。 で、よく見たら、垂れ幕に「Mig-21祭り」とか書いてあるんです。 もうね、アホかと、馬鹿かと。 お前らな、21が少し足りなくなった如きで普段来てないMiGに来るなと。 なんか、数人連れもいるし。 上司と部下で商談か。おめでてーな。 そしたら上司が「MiG-21F・・・。」ってつぶやくんです。 もう見てらんない。何が得意げに「Mig-21F」だ。 お前ら、ライバル機のファントムやるからその道開けろと。 MiGってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 商談で向かい合った担当者と値切り合いが始まってもおかしくない。 そんな雰囲気がいいんじゃねーか。 何も知らない上司はすっこんでろ!! お前ら、本当にMiG-21Fにしたいか。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 本当はFって文字がかっこいいだけじゃないんかと。 MiG-21通の俺から言わせてもらうと今の流行は、 MiG-21-2000、これだね。これが通の頼み方。 MiG-21-2000ってのは、フレーム、エンジンはそのまま。 その代わり、電子機器は大盛り(ギョク)。これだね。 しかしこれを頼むと次からルーマニア空軍にマークされるという諸刃の剣。 まあお前、1は、富豪のMiG-21にでも乗せてもらえってこった。
そんな事より
>>1 よ、ちょいと聞いてくれよ。このスレとあんま関係ないけどさ。
このあいだ、出撃したんです。出撃。
そしたら民間のバルキリーが1機いて戦えないんです。
で、よく聞いてみたら、「戦闘なんてくだらねぇ」とか言ってるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前な、民間機ごときで普段出ない船外に出てんじゃねーよ、ボケが。
戦闘中ですよ、戦闘中。
なんか機体真っ赤に塗りたくって。変形したら顔までついてるし。おめでてーな。
「俺の歌を聞けー!」とか言ってるの。もう見てらんない。
お前な、敵機落としてやるからその宙域空けろと。
戦闘ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
飛び交う攻撃でいつ死人が出てもおかしくない、
殺るか殺られるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。キチガイは、すっこんでろ。
で、やっと戦闘ができるかと思ったら、ミサイル避けてこっちに飛んできたヤツが、
俺の歌でハートをビンビンにしてやるぜ!、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、リン・ミンメイなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、ハートをビンビンにしてやるぜ、だ。
お前は本当に歌を聞いてもらいたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、軍を困らせたいだけちゃうんかと。
ダイアモンドフォースの俺から言わせてもらえば今、パイロットの間での最新流行はやっぱり、
QM69、これだね。
Gをギリギリまでかけてバレルロール。これが漢のやり方。
VF-17ってのは装甲が厚めにできてる。そん代わり無理が利く。これ。
で、ロックして撃墜(キル)。これ最強。
しかしこの機動をかけると次から金龍隊長ににらまれるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まああいつは、くだらん歌でも歌ってなさいってこった。
今さっき、軍事板に 行ったんです。軍事板 。 そしたらなんか癌オタが糞スレ立ててるんです。 で、よく見たら「軍事板の人にあの世界の兵器の疑問点とか教えてもらえれば」 とか書いてあるんですよ。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らなガンダムぐらいで軍事板書き込むなよ。 軍事板の人にあの世界の兵器の疑問点とか教えてもらえればだよ。 軍事板の人にあの世界の兵器の疑問点とか教えてもらえれば。 なんかageてる厨房が数人居るし。ガンダム大好きか?おめでてーな。 軍事板にしちゃ、珍しく罵倒と煽りが入りまくってんの。もうみてらんない。 お前らな、何か癌オタが付け上がるからやめろと。 軍事板ってのはなこんな感じで進行してはいけないんだよ。 軍事にちょっと興味をもった人がカキコをしたらすぐにも親切レスがついてくる、タイピングの早さが物を言う、 レスが被るか被られるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。癌オタ達はすっこんでろ。 で、ミリ哲っていう人が祭りをしていてると思ったら、罵倒してるんですよ。 そこでまた感動ですよ。 やっぱりね、板違いスレなんてきょうび流行んないんですね。ボケが。 得意げな顔して何ageてんだ。癌オタが。 お前らは本当に軍事板にとって不利益だと叱りたい、叱り殺したい、小一時間叱り殺したい。 軍事板通の俺から言わせて貰えば、軍事板でいままでこういうスレが立ってきた時は大抵 駄スレになっていった。 駄スレってのは、厨房が多くて駄レスが多い、その代わりマジレスが少なめ。これ。 で、下がったと思ったらある日上がってくる、これ最悪。 しかしこのカキコをするとガンダムワールドの低性能さについてスレに癌オタが増大するという危険も伴う諸刃の剣。 カキコにはお薦め出来ない。 まあ、癌オタ、お前らはシャア板で罵倒でもされてなさいってこった。
昨日、師団の検閲行ったんです。検閲。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで状況入れないんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、敵GF活動活発化、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、GF活動如きで普段来てない検閲に来てんじゃねーよ、ボケが。 GF活動だよ、GF活動。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で検閲か。おめでてーな。 よーしパパ阻止攻撃頼んじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、F2やるからその席空けろと。 検閲ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 平らなオーバーレイの向かいに座った幕僚といつ喧嘩が始まってもおかしくない、 殺すか殺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、KZ戦車つきで、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、KZなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、KZで、だ。 お前は本当にKZを構築したいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、KZって言いたいだけちゃうんかと。 検閲通の俺から言わせてもらえば今、検閲通の間での最新流行はやっぱり、 CT編成、これだね。 RCTで包囲機動。これが通の頼み方。 CT編成ってのは特科、機甲科が多めに入ってる。そん代わり火力が細切れ。これ。 で、それに包囲機動。これ最強。 しかしこれを頼むと次から統裁官にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前らド素人は、ペントミック編成でも取ってなさいってこった。
そんな事より、聞いてくれよ1よ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、エリア88行ったんです。エリ8。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいいて乗る機体がないんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、サイドワインダー50発1,000ドル、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、軍を辞めたり、酔っぱらって契約書を書かされた如きで普段来てないエリ8に来てんじゃねーよ、ボケが。 ここは地獄の一丁目だよ、一丁目。 ルンガとかいう貧乏国の王子とかもいるし。王室そろってエリア88か。おめでてーな。 よーしボクハリアーに乗っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、違約金150万ドルやるからその機体から下りろと。 エリア88ってのはな、もっと殺伐としているべきなんだよ。 一緒に出撃した奴といつ攻撃目標の取り合いが始まってもおかしくない、 落とすか落とされるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっと乗れたかと思ったら、隣の奴が、タイガーシャーク空戦装備で、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 お前は本当にタイガーシャークに乗りたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、最新鋭機に乗りたいだけちゃうんかと。 エリ8通の俺から言わせてもらえば今、エリ8通の間での最新流行はやっぱり、 スカイホーク、これだね。 スカイホーク爆撃仕様。これが通の選び方。 スカイホークってのは機体は小さくとも250ポンド爆弾が多めに積める。そん代わり航続距離短め。これ。 で、それにフルロード20mm機関砲弾、ナパーム。これ最強。 しかしこれに乗ると次からは反政府軍の防空部隊にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。 民間航空上がりにはお薦め出来ない。 まあお前、1は、マッコイじいさんの豆料理でも食ってなさいってこった。
そんな事より
>>1 よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。
ネタじゃなくマジで俺の仕事は宅配便の集配員。このあいだ、たまたまカンコクに
知り合い尋ねて逝ったんです。カンコク。
そしたらたなんか、同じ姓の家がめちゃくちゃいっぱいでどこだかわかんないんで
す。で、よくよく聞いたらなんか「カンコクの姓は金と朴だけで国民の70%だよ。」
とか逝ってるんです。もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、日本でさえ同姓
宅に誤配達しちゃうのに、右も左も金金金だったらこっちは仕事になんねーよ、ボ
ケが。苗字2つで70%だよ、70% なんか親戚一同で1区画見事に朴家で統一。
おめでてーな。「よーし、ウリの娘も朴さんに嫁がせちゃうニダ〜」とか言ってる
の。もう見てらんない。 お前らな、通りの角々に置いてくから勝手に取りに来いや。
宅配業務ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 営業に逝ったら佐川のや
つとハチ合せ、睨み合いが始まってもおかしくない、取るか取られるか、弱肉強食の
競争社会。そんな雰囲気がいいんじゃねーか。キムだのパクだのニダーだのはすっこ
んでろ。
で、やっと取れたかと思ったら、発送担当が「北海道までだけど、朝9時までによろ
しくネ。」とか言ってるんです。そこでまたぶち切れですよ。あのな、今からこれ抱
えて空港に走れってのか? 俺が北海道出身だって知ってて逝ってんのかゴルァ! こ
のボケナスが。 ハゲ中年の分際で何が「よろしくネ。」だ、今日は金曜だろうが。
お前は本当に9時までに届けたいのか?と問いたい。問い詰めたい。いっそこいつ
箱詰めにして生物(なまもの)シールに"いきもの"と書いて貼りつけてカンコク辺り
に発送してやりたい。 俺に「勘弁してくださいよ〜。航空便はもうちょっと早め
に逝ってくれないと〜。」って、言わしたいだけちゃうんかと。
宅配のプロの俺から言わせてもらえば今、物流業界での最新流行はやっぱり「引越
し業者の混載便」これだね。取扱い量少ないから、まとまってからようやく発送。
これが通の送り方。いつ届くか分からない一週間や10日当たり前、そん代わり料
金安いかと思ったらなんと割高。これ。 で、万が一不在の場合はまた一週間待ち。
これ最強。しかも、保険ないから貨物事故の場合は泣き寝入りという危険も伴う、
諸刃の剣。素人にはお薦め出来ない。
まあお前、
>>1 は、せいぜいゆうパックでも利用してろってこった。
そんな事より、聞いてくれよ
>>1 よ。スレとあんま関係ないけどさ。このあいだ、10
月28日日本海の佐渡沖に派遣されたんです。佐渡沖。そしたらなんか不審船がいっ
ぱいいて大変なんです。で、よく見たらなんか迎撃の海上保安庁の巡視船もいて、
新法もできたからやるぜ〜、とか叫んでるんです。もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、新法ができた如きでいつも撃ってない銃うちに来てんじゃねーよ、ボケ
が。戦争なんだよ、領海侵犯は。なんか海自の護衛艦隊とかも来てるし。そろって
新法万歳か。おめでてーな。よーしオレ3隻撃沈しちゃうぞ、とか言ってるの。も
う見てらんない。お前らな、憲法改正してやるからもっとでかいのもってこい!
領海侵犯ってのはな、もっと殺伐としているべきなんだよ。漁船の網に引っかかっ
ていつ潜水艇が急浮上してきて、 そこからいつ武装した工作員が携
帯ロケット弾や自動小銃撃ってくるかわからない。そんな雰囲気がいいんじゃねー
か。で、やる気満々、銃をばんばか撃ち始めたら、先頭のやつが、「向かってくる
やつは敵だ、逃げるやつは訓練された敵だ」、とかぶつぶつ言ってるんです。そこ
でまたぶち切れですよ。あのな、しょっぱなから錯乱してんじゃねーよ。ボケが。
何逝っちゃった顔して、「敵だ」、だ。
お前は本当に敵を討ちたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、銃を撃ちたいだけちゃうんかと。不審船通の俺から言わせてもらえば今、通
の間での最新流行はやっぱり、 イージス、これだね。日本とアメリカにしかないイ
ージス使って撃退。これが通の撃退の仕方。イージスってのは全自動、無駄弾なし
。そん代わりコスト高め。これ。で、それに燃料気化爆弾投下。これ最強。しかし
これをやると次からテポドンが飛んでくるというという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前ら、自衛隊と海上保安庁は、拳銃でも撃ってなさいってこった。
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ このあいだ、近所の横須賀海軍航空隊行ったんです。横空。 そしたらなんか搭乗員がめちゃくちゃいっぱいで乗れないんです で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、特攻隊員募集、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、特攻如きで普段来てない航空隊に来てんじゃねーよ、ボケが。 特攻だよ、特攻。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で心中か。おめでてーな。 よーしパパ空母沈めちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、「ほまれ」やるからその席空けろと。 横空ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 Uの字テーブルの向かいに座った大西といつ喧嘩が始まってもおかしくない、 刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。下士官兵は、すっこんでろ。 で、やっと乗れたかと思ったら、隣の奴が、やっぱし紫電改で、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、自動空戦フラップなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、紫電改だ。 お前は本当に紫電改に乗りたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、メタノール噴射したいだけちゃうんかと。 海軍通の俺から言わせてもらえば今、特攻隊員の間での最新流行はやっぱり、 桜花、これだね。 大盛り一式陸攻下瀬だくギョク。これが通の飛び方。 下瀬だくってのは火薬が多めに入ってる。そん代わり燃料が少なめ。これ。 で、それに大盛りギョク(弾)。これ最強。 しかしこれで帰ってくると次から憲兵にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、赤とんぼにでも乗ってなさいってこった
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、近所の東富士演習場行ったんです。東富士。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、富士総合火力演習、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、総火演如きで普段来てない東富士に来てんじゃねーよ、ボケが。 総火演だよ、総火演。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で演習見学か。おめでてーな。 よーしパパ90式戦車の発射炎撮っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、迷彩グッズやるからその席空けろと。 東富士ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 演習場の向かいに陣取った仮設敵といつ状況が始まってもおかしくない、 撃つか撃たれるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、やっぱ見栄えのする64MATで、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、有線誘導なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、64MATで、だ。 お前は本当に64MATで対戦車戦闘したいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、飛翔速度が遅いから目で追えるだけちゃうんかと。 演習通の俺から言わせてもらえば今、演習通の間での最新流行はやっぱり、 富士トレーニングセンター、これだね。 FTCで演習対抗部隊丙。これが通の頼み方。 演習対抗部隊丙ってのは歩兵が多めに入ってる。そん代わり装備は古め。これ。 で、それに大盛りチュチェ思想(主体)。これ最強。 しかしここでドジると次から小隊陸曹にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、PANZERでも見てなさいってこった。
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、近所のマルサン書店行ったんです。マルサン書店。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで入れないんです。 で、よく見たらなんかポップ下がってて、イスラームフェア、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、テロ如きで普段来てないマルサン書店に来てんじゃねーよ、ボケが。 マルサン書店だよ、マルサン書店。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で書店通いか。おめでてーな。 よーしパパ中東戦争の写真集買っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、熱砂の進軍やるからその場所空けろと。 マルサン書店ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 本棚の向かいに陣取ったヲタといつ争奪戦が始まってもおかしくない、 取るか取られるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっと入れたかと思ったら、隣の奴が、やっぱアラビアのロレンスで、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、アラビアのロレンスなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、アラビアのロレンスで、だ。 お前は本当にロレンスで中東語りたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、映画化されているから知っているだけちゃうんかと。 イスラーム通の俺から言わせてもらえば今、イスラーム通の間での最新流行はやっぱり、 オスマントルコ、これだね。 オスマントルコでエニ・チェリエ。これが通の頼み方。 エニ・チェリエってのは異教徒が多めに入ってる。そん代わり信仰は少な目。これ。 で、それにビザンティン制圧大盛り。これ最強。 しかしここでドジると次からナポレオンにマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、テレ朝特番でも見てなさいってこった。
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、2chの軍板行ったんです。軍事板。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで語れないんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、タリバンテロ祭り、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、テロ如きで普段来てない軍板に来てんじゃねーよ、ボケが。 タリバンだよ、過激派。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で軍板か。おめでてーな。 よーしパパ ラディソ捕まえてひげそっちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな二階級特進させてやるからさっさと自分の板に帰れよ。 軍板ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 ディスプレイの向かいに座った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、 刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっといつものスレ見つけたと思ったら、隣の奴が、トマホークと特殊部隊で、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、特殊部隊なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、特殊部隊で、だ。 お前は本当に特殊部隊でいいのかのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、おまえ特殊部隊って言いたいだけちゃうんかと。 軍オタの俺から言わせてもらえば今、軍オタの間での最新流行はやっぱり、 地上軍、これだね。 地上軍で殲滅戦。これが通の戦術。 地上戦ってのは新兵器が多めに入ってる。そん代わり死者が多め。これ。 で、さらに山岳地帯なのに戦車戦。これ最強。 しかしこれを頼むと次からまじめな軍オタにマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、テポドンでも飛ばしてなさいってこった。
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、近所でやってたデモ行ったんです。デモ。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいでうるさいんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕持ってて、自衛隊は違憲、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、いざというとき自衛隊に頼るくせして自衛隊反対なんていってんじゃねーよ、ボケが。 違憲だよ、違憲。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人でデモか。おめでてーな。 よーしパパ、シュプレヒコールしちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、子どもをディズニーシーにでも連れてってやれ。 デモってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 顔をタオルで隠して向かい合った機動隊といつ乱闘が始まってもおかしくない、 闘争か鎮圧か、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっと盛り上がるかと思ったら、隣の奴が、有事法制反対、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、有事法制反対なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、反対、だ。 お前は本当に有事になったらどうするのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、反対って言いたいだけちゃうんかと。 サヨク通の俺から言わせてもらえば今、サヨク通の間での最新流行はやっぱり、 「ざまーみろっ」、これだね。 「だって『ざまーみろっ』って思っている国だってきっとある」。これが通の主張。 「ざまーみろっ」ってのは単なる反米。そん代わり共産主義万歳。これ。 で、それに国際感覚ゼロ(白痴)。これ最強。 しかしこれを日記に書くと2ちゃんねらーにコピペされるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、いそみたんにハアハアしてなさいってこった。
そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、近所のヨルダン川西岸行ったんです。ヨルダン川西岸。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで占領できないんです。 で、よく見たらなんかプラカードとか持ってて、ユダヤに死を!とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、デモ如きで普段来てないヨルダン川西岸に来てんじゃねーよ、ボケが。 デモだよ、デモ。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で投石か。おめでてーな。 よーしパパイスラエル兵仕留めちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、鉛弾やるからその土地空けろと。 ヨルダン川西岸ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 Uの字テーブルの向かいに座った奴といつ撃ち合いが始まってもおかしくない、 刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっと占領したかと思ったら、アラブ人の奴が、我々の土地を返せ、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、パレスチナ国家なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、我々の土地、だ。 お前は本当にこの土地を欲しいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、我々の土地って言いたいだけちゃうんかと。 占領通の俺から言わせてもらえば今、占領通の間での最新流行はやっぱり、 フレシェット弾、これだね。 105mmフレシェット弾直接照準。これが通の戦い方。 フレシェットってのはダーツが多めに入ってる。そん代わり装薬が少なめ。これ。 で、それにヘリ発射ミサイル。これ最強。 しかしこれを頼むと次から国連安保理にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、シリアにでも篭ってなさいってこった。
そんな事より、聞いてくれよ1よ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、ハワイ沖行ったんです。ハワイ沖。 そしたらなんか艦船がめちゃくちゃいっぱいで近寄れないんです。 で、よく見たらなんか航空機も飛び回ってて、ミッドウェー島攻略とかしてるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、ミッドウェー島如きで普段来てないハワイ沖に来てんじゃねーよ、ボケが。 ミッドウェー島だよ、ミッドウェー島。 なんか戦艦大和とかもいるし。連合艦隊総出撃か。おめでてーな。 よーし今日中に占領ちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、「みらい」やるからその海域空けろと。 ハワイ沖ではな、先に敵機動艦隊を殺るべきなんだよ。 甲板上で武装を換装している時いつ敵機の攻撃を受けてもおかしくない、 魚雷に誘爆して空母轟沈、そんな事態に陥りてぇのか。連合艦隊は、すっこんでろ。 で、やっと連合艦隊が退却したかと思ったら、米軍艦隊が、リメンバーパールハーバー、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、リメンバーパールハーバーなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、リメンバーパールハーバー、だ。 お前は本当に真珠湾の敵討ちをしたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、大義名分が欲しいだけちゃうんかと。 ハワイ通の俺から言わせてもらえば今、ハワイ通の間での最新流行はやっぱり、えひめ丸、これだね。 えひめ丸が60年前にタイムスリップ。これが通の架空戦記。 えひめ丸ってのはただの漁船。そん代わり未来のハイテクが満載。これ。 で、それにナチスの超科学が合体。これ最強。 しかしこれを発表するとキティ呼ばわりされて文壇追放という危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、美少女ハァハァ架空戦記モノでも書いてなさいってこった。
1の幕僚です。 この度は航空団長がこのような愚かしいスレを立ててしまい、 幕僚一同お詫びの言葉もありません。 航空団長は先の海外派遣での失敗以来すっかりお心を病んでしまい、 昼はWACを襲い、夜ごと大酒を浴びては隷下部隊長や幕僚に因縁をつけ、 仰決には難癖をつけて一切決裁せず、享楽と色欲と征服欲のみに盲従する毎日なのです。 とうの昔に奥様は逃げ、折からの不正疑惑で隊員は苦しみ、 航空団長は師団長より防衛大の後輩なのでいまひとつ航空団長を諌めてくださらず、 北○鮮はこれ幸いとばかりにポンコツのMigで領空侵犯をくり返す始末です。 幕僚の中にも航空団長に憎悪をいだく者が多く、 任務遂行、ひいて世界の安全保障に寄与することなどとてもかないません。 しかし、ご安心下さい。間もなく航空団長には殉職していただく手はずなのです。 航空団長が演習部隊視察に向かう途中に教導飛行隊帰りのパイロットが操るF-15二機で追尾、 公海上で航空団長搭乗機を乗員の脱出後に撃墜する計画を準備してあります。 その後は副航空団長と同期の擬古(ぎこ)空将補を航空団長として迎え、 我ら幕僚一同、一意幕僚道に邁進する覚悟です。 一般市民の皆様方には迷惑をおかけして、まことに申し訳ありませんが、 もうすこしだけ辛抱してください。 どうか、どうか、師団長の今回の所業をお許し下さいますよう、 お願い申し上げます。
昨日TV見ていたら、軍事評論家がいたんです。軍事評論家が。 そしたらなんかみんなめちゃくちゃ興奮してるんです。 で、一緒に見てた某研とか言う奴が「やはりラディンではなくラーデンなのか?」とか言うんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、簡単にマスメディアに感化されるんじゃねーよ、ボケが。 ラディンだよ、ラディン。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で軍事評論家か。おめでてーな。 よーしパパも明日からアルカイダ、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、150円やるから俺の視界からカンダハル。 軍事評論家ってのはな、もっと異常性を発揮してるべきなんだよ。 TVの向こうの奴がいつ電波を発してもおかしくない、 刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっとチャンネル変わったと思ったら、隣の奴が「えばタンハァハァ」とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、えばタンなんてきょうび流行りすぎなんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、えばタンハァハァ、だ。 お前は本当にえばタンのような頭になりたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、えばタンとか言って没個性な自分を大衆に埋没させたいだけちゃうんかと。 軍事評論家の俺から言わせてもらえば今、軍事評論家の間での最新流行はやっぱり、 岡部いさく、これだね。 電波大盛り歯並び、ふけ。これがいさくの生き方。 いさくってのはヲタが多めに入ってる。そん代わりかっこよさが少なめ。これ。 で、それに大盛り電波(スキゾフレニア)。これ最強。 しかしこれを公言すると一般社会から抹殺されるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前らド素人は、やっぱりえばタンハァハァしてなさいってこった。
おもしろいけど飽きない?レス流してるの?
そんな事より、聞いてくれよ1よ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、北京の天安門広場行ったんです。天安門。 そしたらなんかチャンコロがめちゃくちゃいっぱいで入れないんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、台湾解放、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、中華思想如きで普段来てない天安門に来てんじゃねーよ、ボケが。 天安門だよ、天安門。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で台湾解放か。おめでてーな。 よーしパパ台北に原爆落としちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、朝鮮半島やるからおうちに帰れと。 天安門ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 火炎瓶持った学生と警備兵との間でいつ殺し合いが始まってもおかしくない、 戦車投入か実弾射撃か、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっと入れたかと思ったら、隣の奴が、やっぱ日本帝国主義打倒で、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、日帝排撃なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、帝国主義だ。 お前は本当に南京虐殺信じてるのかと問いたい。問い詰めたい。アスファルトに正座させて小1時間問い詰めたい。 お前、南京虐殺って言いたいだけちゃうんかと。 中国通の俺から言わせてもらえば今、チャイナ・ウォッチャーの間での最新流行はやっぱり、チベット自治区解放、これだね。 人民解放軍民衆蜂起殲滅作戦。これが通の読み方。 チベットっての漢民族がほとんどいない。そん代わりダライ・ラマがいる。これ。 で、それにチャンコロの絶滅戦争。これ最強。 しかしこれを頼むと次から東南アジア諸国にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、北朝鮮で収容所にでも入ってなさいってこった。
そんな事より、聞いてくれよ
>>1 よ。スレとあんま関係ないけどさ。
このあいだ、秋葉原行ったんです。秋葉原。
そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで店に入れないんです。
で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、「となりのトトロ入荷!」とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、となりのトトロ如きで普段来てない秋葉原に来てんじゃねーよ、ボケが。
トトロだよ、トトロ。 トロロみてーじゃんよ。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で秋葉原か。おめでてーな。
まっくろくろすけ出ておいでー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、トロロ丼おごってやるから家に帰れと。
秋葉原ってのはな、もっと悶々としてるべきなんだよ。
となりでグッズ眺めてる奴といつ奪い合いが始まってもおかしくない、
萌えるか萎えるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。
で、やっと店に入れたかと思ったら、隣の奴が、グフグフ言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、グフグフなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、グフグフ、だ。
お前は本当にグフグフしてんのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、グフグフって言いたいだけちゃうんかと。
秋葉原通の俺から言わせてもらえば今、秋葉原通の間での最新流行はやっぱり、(;´Д`)ハァハァ、これだね。
(;´Д`)ハァハァで11000を目指す。これが通の独り言。
(;´Д`)ハァハァってのは妄想が多めに入ってる。そん代わり現実感が少なめ。これ。
で、それに、おんぷたん(;´Д`)ハァハァ。これ最強。
しかしこれをつぶやくと次から2ちゃんねらーにマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前、
>>1 は、ニクコプーンってこった。
このあいだ、うちの駐屯地で創立記念で駐屯地開放やったんです。創立記念。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいで案内しづらいんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、90式戦車体験試乗、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、90式戦車如きで普段来てない駐屯地に来てんじゃねーよ、ボケが。 90式だよ、90式。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で駐屯地か。おめでてーな。 よーしパパ89式小銃分解しちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、パセリちゃんストラップやるからその席空けろと。 駐屯地ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。 観閲台で隣に座ったヲタといつ喧嘩が始まってもおかしくない、 写真に映るかフィルムを引っこ抜かれるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。 で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、HAWKはね…、とか言ってるんで す。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、ホークなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、ホーク、だ。 お前は本当にHAWKが何の略か知っているのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰 めたい。 お前、ホークって言いたいだけちゃうんかと。 特科隊員の俺から言わせてもらえば今、自衛隊の間での最新流行はやっぱり、 MLRS、これだね。 多連装ロケットシステム。これが通の呼び方。 多連装ってのはロケットが多めに入ってる。そして全弾発射までの時間も少なめ。これ。 で、それに大盛りギョク(子弾)。対人なら最強これ。 しかしむやみやたらこれを頼むと次から刑務隊に追いだされるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前ら、自衛隊ヲタは、厚生センターで装備品購入を失敗してなさいってこった。
そんな事より、聞いてくれよ1よ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、フランス革命行ったんです。1789年。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいでパリには入れないんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、球戯場の誓い、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、球戯場の誓い如きで普段来てないパリに来てんじゃねーよ、ボケが。 球戯場だよ、球戯場。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で革命騒ぎか。おめでてーな。 よーしパパ、バスティーユ襲っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、食い物やるから三部会開かせろと。 フランスってのはな、もっと整然としてるべきなんだよ。 海峡の向かいのイギリスといつ喧嘩が始まってもおかしくない、 薔薇か百合か、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。愚民どもは、すっこんでろ。 で、やっと開催かと思ったら、隣の奴が、ジャコバン派で、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、ジャコバン派なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、ジャコバン派で、だ。 お前は本当に共和政にしたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、恐怖政治したいだけちゃうんかと。 フランス通の俺から言わせてもらえば今、フランス通の間での最新流行はやっぱり、 コルシカ人の砲兵将校、これだね。 ナポレオン大盛り、でもチビ。これが通の頼み方。 ナポレオンってのは勝ち戦が多めに入ってる。身長が少なめ。これ。 で、それに愛人大盛り(ジョセフィーヌ怒る)。これ最強。 しかしこれを頼むと次から冬将軍に殲滅されるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、パンが無いならケーキでも食ってなさいってこった。
そんな事より、聞いてくれよ1よ。スレとあんま関係ないけどさ。 このあいだ、フランス革命行ったんです。1789年。 そしたらなんか人がめちゃくちゃいっぱいでパリには入れないんです。 で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、球戯場の誓い、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。 お前らな、球戯場の誓い如きで普段来てないパリに来てんじゃねーよ、ボケが。 球戯場だよ、球戯場。 なんか親子連れとかもいるし。一家4人で革命騒ぎか。おめでてーな。 よーしパパ、バスティーユ襲っちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。 お前らな、食い物やるから三部会開かせろと。 フランスってのはな、もっと整然としてるべきなんだよ。 海峡の向かいのイギリスといつ喧嘩が始まってもおかしくない、 薔薇か百合か、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。愚民どもは、すっこんでろ。 で、やっと開催かと思ったら、隣の奴が、ジャコバン派で、とか言ってるんです。 そこでまたぶち切れですよ。 あのな、ジャコバン派なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、ジャコバン派で、だ。 お前は本当に共和政にしたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。 お前、恐怖政治したいだけちゃうんかと。 フランス通の俺から言わせてもらえば今、フランス通の間での最新流行はやっぱり、 コルシカ人の砲兵将校、これだね。 ナポレオン大盛り、でもチビ。これが通の頼み方。 ナポレオンってのは勝ち戦が多めに入ってる。身長が少なめ。これ。 で、それに愛人大盛り(ジョセフィーヌ怒る)。これ最強。 しかしこれを頼むと次から冬将軍に殲滅されるという危険も伴う、諸刃の剣。 素人にはお薦め出来ない。 まあお前、1は、パンが無いならケーキでも食ってなさいってこった。
sage
sage
あきた?
733 :
名無し三等兵 :
01/11/07 00:32 ID:Q6TxBrrL