蝦夷とアイヌ          

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17出土地不明
>>15
アイヌ語語源の地名で主なものを挙げてみよう。ちなみにアイヌ語は日本語と違い、子音で終わる発音
が多い事に注意。書物になっているのは、「アイヌ語地名の研究」1982、「東北アイヌ語地名の研究」
1993草風館山田秀三氏の著作があるが、2万5千分の1の地形図をながめていると、この本の分布図
よりもはるかに多くのアイヌ語由来が考えられる地名が
あることに気づかされる。2万5千分の1の地形図は国土地理院のサイトから見ることができる。

pet : 登別(nupuru濁った-pet大きな川),壮瞥(so滝-pet大きな川), 茂辺地(mo静かな-pet大きな川)
など大きな川の意味で使われる。「別、辺、部、米、淵、壁、首」などの漢字が当てられている。
今別、宇樽別、仁別、袰別など東北北部での使用例が多い。
pe: 〜するの意味で使う。達曾別(tatカバの木の皮-sos剥ぐ-peする)など。乙部、内真部。
nay: 稚内(wakka水-nay小さな川) 沢や小さな川の意味で使う。生保内、釈迦内、毛馬内、似内など東北北部
    での使用例が極めて多い。「内」の漢字が当てられる。
o-nay:長内(o尻-sat乾いた-nay川)などは川尻の地形に使われている。奥内は岩手・青森とも川尻にある。
usi :沢山あるという意味で使われる。漢字は「牛、石、臼、伏、節」が当てられることが多い。
    猿石(sar芦原-usi多い)野牛,牛滝など。
oma :馬子舞(mak奥の-omaにある-iところ) 見前、尻前、軽米
poro :袰月(poro大きな-tuki杯)地形が食器の形をしている。保呂内(poro大きな-nay沢) 保呂羽山など。
tannne:谷内(tannne長い-nay沢) 種差(tannne長い-esasi岬)
ane :姉沼(ane細い-沼)
mena :目名(mena)、目屋 上流にある細い枝川
nitat :似内(nitat湿地-nay沢) 仁田沼(nitat湿地の-沼)
ray :来内(ray死んでいる-nay沢) 水が停留して流れていない沢
toy :食用土の事をさす。地名としては、豊間内、豊間根、登米、豊間など。
tapkop,takko:たんこぶ山。平野の中にある独立峰。田子、達子森、立子森などは皆そのような地形。
ut :枝分かれした川。宇内、打内など。
shri :山や断崖の意味で使われる。尻矢、尻屋崎、尻労
pi :比内(pi石の-nay沢)差比内(sat乾いた-pi石の-nay沢)
tay :森がある台地を指し「岱、平、体、帯」の漢字を当てる。このような地形は無数にある。