このスレは、ACキャラの世界でバトルロワイヤルが開催されたら?という主旨のスレから派生したものです。
内容は本家とは異なり戦闘を本分とはしません。
ある場所に到達するのが目的というテーマの参加型リレー小説です。
マラソンで一位を目指すようなもの。
これもやっぱりFFDQ板を参考にして、書いていくうちにルールでも決めよう
※戦闘自体はNGでも何でもありません。他の参加者を妨害、攻撃するのもアリ。 クイズで勝負するのもあり!
音楽で勝負するのもあり!
参加キャラはアーケードからならば自由ですが、あまりに無謀なキャラはNGかも。
投票するときは、キャラ名を< >で囲って書き込んでください。
例・ <すくすく犬福 犬福虐待女> <究極戦隊ダダンダーン 小鉄>
なお、一回の投票につき二人まで。
うんこ
<鉄拳 レイ・ウーロン> <餓狼伝説 山崎竜二>
なんでうんこって書くの?
もうしないって言ったじゃない。
嘘つき嘘つきうそつき…。
信じた私が馬鹿だったんだね。
あっくんなんかもう知らない!!
クソスレ終了
本編だけで充分
とりあえず
<餓狼伝説 キム・カッファン><式神の城 金大正>
<ジャスティス 委員長> <ジャスティス 響ラン>
<KOF コスプレイヤー京子>
<ぷよぷよ シェゾ>
絶対にやれよ?
わかってるのか
<KOF ジョン・フーン><式神の城2 ロジャー・サスケ>
マジでやるの?
<KOF 草薙京><KOF アッシュ・クリムゾン>
<ぷよぷよ サタン>
<餓狼MOW ロック>
<サイキックフォース ブラド・キルステン>
<GGXX ザッパ>
人外はOK?
<サムライスピリッツ 色>
<THE KING OF FIGHTERS2003 アーデルハイド>
<SF E・本田><KOF アーデルハイド>
<月華の剣士 楓><式神の城 ニーギ>
18 :
15:05/02/06 22:38:34 ID:???
被ったので訂正
<餓狼MOW カイン・R・ハインライン>
<WH リョウコ><FHD リョウコ>
本気でやる気なら応援する。
アケロワ本編みたくレス100までがキャラ募集ってことでいいのか?
とりあえず
<サイキックフォース ブラド・キルステン><KOF ジョン・フーン>
あっちですでに使われているキャラでも可?
<KOF・餓狼 アンディ>
<サムスピ 右京>
出てるキャラでもいいんじゃないか?
<KOF K'><ランブルフィッシュ アラン>
<武力ONE 西園寺貴人>
<ストリートファイター 神月かりん>
24 :
20:05/02/06 22:40:37 ID:???
挙げたやつ二人とももう出てたー。
じゃあ訂正して
<ジャスティス学園 熱血隼人><サイキックフォース キース・エヴァンス>
<私立ジャスティス学園 ひなた>
<KOF アッシュクリムゾン>
<パロディウス タコスケ><パロディウス あいつ>
<鉄拳 花郎><KOF レオナ>
<アラン・アルジェント ランブルフィッシュ>
<譲刃漸 ランブルフィッシュ>
<KOF 矢吹真吾><エスプガルーダ アゲハ>
<KOF2002 K9999><KOF2002 KUSANAGI>
<月華の剣士 鷲塚慶一郎>
<月華の剣士 真田香織>
<KOFシリーズ 矢吹真吾><ランブルフィッシュ ボイド>
主催者はどうなるんだ?
<KOF ウィップ><ぷよぷよ ドラコケンタウロス>
<KOFシリーズ 麻宮アテナ>
<バーチャファイター パイ・チェン>
<わくわく7 牧原アリーナ>
<わくわく7 スラッシュ>
<メタルスラッグ エリ・カサモト>
<メタルスラッグ フィオリーナ・ジェルミ>
38 :
18:05/02/06 22:46:17 ID:???
15じゃなくて16だった・・・
つーかよく見ると被りまくってますよ
主催者にしたいキャラもアンケートで決めちゃったらどうだろう。
俺はそういう馬鹿なことしそうな主催者なら<ぷよぷよ サタン>を押す。
<THE KING OF FIGHTERS ユリ・サカザキ>
<月華の剣士 雪>
<ストリートファイターEX プラム><同 ダラン>
<グルーヴオンファイト クリス>
<アイドル雀士スーチーパイ スーチーパイ>
<VF ジェフリー>
<武力 パヤック>
俺は本気です
<SF ザンギエフ><SF ガイル>
<式神の城 結城小夜>
<ポップンミュージック かごめ>
>主催者
<式神の城2 玖珂晋太郎>
こいつなんかよくないか?
<VF4 剛> <ポップンミュージック アフロ>
<KOF 神楽マキ>
<KOF 神楽ちづる>
※マキが駄目ならKOFからヴァネッサでお願いします
<KOF 霧島翔>
<GGXX ロボカイ>
<ラストブロンクス 港野洋子> <ファイティングバイパーズ バン>
<ポップンミュージック 雨人形壱ノ妙>
<サイキックフォース ソニア>
<式神の城2 セイ・エイジャ><式神の城2 ファイ・エイジャ>
<侍魂 風間葉月>
<侍魂 天草四郎時貞>
<GGX 紗夢><ぷよぷよ アルル>
<エスプレイド 相模祐介>
<ガンバード マリオン>
<アーケード版スペランカー スペランカー><餓狼伝説 テリー>
<KOF シェン・ウー><SF 火引弾>
<MOW キム・ジェイフン><MOW フリーマン>
<月華の剣士2 刹那>
<KOF95〜2003 八神庵>
<バーチャファイター ジャッキー・ブライアント>
<キングオブファイターズ キング>
<リアルバウト餓狼伝説 フランコ・バッシュ><ぷよぷよ ハーピー>
今本編で生きてるキャラは出さない方がいいかい?
<KOF ウィップ>
<ギルティギア ディズィー >
<バトコロ アイ>
<バトコロ ユウキ>
>>56 ちょっと待て、スペランカーとか無理がないか?
<龍虎の拳 藤堂龍白><KOF ゲーニッツ>
<睦月ヒカリ ランブル><睦月カヤ ランブル>
<式神の城 ふみこ O・V>
<鉄拳 李 超狼>
<グルーヴオンファイト M・A・D>
<サイキックフォース 六道玄真>
<ストファイ リュウ><龍虎の拳 リョウ>
<ユーニ SF><ユーリ SF>
〈GGX アクセル=ロウ〉〈ぷよぷよフィーバー アミティ〉
で主催者候補はサタンと晋太郎が出てるけど、晋太郎は本編で使いそうだからサタンに1票。
<サムライスピリッツ 真鏡名ミナ>
<GGXX メイ>
<闘婚 九戸新太郎>
<闘婚 九戸文太郎>
<ストファイ バイソン><KOF クリザリッド>
主催者はサタンは外伝みたいなかんじで出てるから晋太郎に一票
<エスプガルーダ タテハ>
<サムライスピリッツ シャルロット>
<サムライスピリッツ 覇王丸>
<アウトフォクシーズ デミ>
<アウトフォクシーズ ダニー>
>>64 アーケード版なら問題無し
<餓狼伝説 ホンフゥ><KOF メイ・リー>
<アーケード版悪魔城ドラキュラ シモン=ベルモンド>
<デッドオアアライブ バイマン>
<KOF 八神庵><バブルボブル バブルン>
<月華の剣士 嘉神慎之介>
<スーチーパイ 一文字つかさ(レモンパイ)>
<サムライスピリッツ アスラ><サムライスピリッツ 反面のアスラ>
そろそろネタ切れか?
<KOF マキシマ><デッドオアアライブ かすみ>
<パロディウス あいつ><パロディウス こいつ>
<ぷよぷよ通 ふたごのケットシー><ヴァンパイア フェリシア>
スーチーがいいなら
<スーチーパイ ミルキーパイ>
<パックマン パックマン>
ちなみに本編とはもうまったく別のスレとして考えてもいいんだよな?本編でああだったからこれはダメとかそういうのはイヤだぜ?
<SF 豪鬼><KOF ルガール・バーンシュタイン>
ある意味最強w
<KOF シェルミー>
<VF4 ベネッサ・ルイス>
>>86 いいと思う。
っていうか番外編ってついてるけど実質別物って考えていいんじゃない?
<デスクリムゾンXO コンバット越前><KOF2001 イグニス>
<>
>>86 とりあえずボスはいいんじゃね?
<ファイターズヒストリーダイナマイト 溝口誠>
<ギルティギアX ジョニー>
<PF2012 マイト>
<同上 パトリシア・マイヤーズ(パティ)>
主催者の件は晋太郎にイピョウ
<サムライスピリッツシリーズ 羅将神ミヅキ>
<ジャス学 水無月響子>
<SF ローズ><KOF2003 ローズ>
<KOF クリス>
<バーチャファイター リオン>
<カプジャム イングリッド><ジャスティス あきら>
<SF ベガ><SF3 アレックス>
主催者のやつは晋太郎に一票
<KOF アンヘル><KOF セス>
<魔法大作戦 ミヤモト><SW 真尾まお>
ここまで?
<月華の剣士 高嶺響>
<VF4 梅小路葵>
とりあえず誰か投票まとめをした方が・・・
<餓狼 ジェニー>
<ネオコロ キサラ>
間に合うか?
<大江戸ファイト 一休>
<対戦ホットギミック 雀犬>
とりあえず締め切ろう
110からは主催者投票でもやろうぜ
俺はサタン様
<KOF 七枷社>
<SF3 ユリアン>
主催者はうんこの波動に目覚めたルガール
サタンに一票
こんな馬鹿そうな企画はサタンがぴったり
>>111 まあ許してやろうぜ・・・・寛大な心で・・・・クックック・・・・・
ザワ・・・
ザワ・・・
俺もサタンに一票
晋太郎に一票、だって忘れがちだけど光太郎の兄さんなんだぜ?
そこでザックと言ってみる
差別する気はないがパックマンとかタコスケとかはいいのか?
サタン様しかおるまい・・・・
晋太郎に一票だ、バカっぽい晋太郎もよさそうじゃん
>>108 そのネタはここでは忘れようぜ・・・
三
島
平
八
晋太郎もいい・・・以外に平八三島もいい、が
サタンで!
ユリアン閣下!
というかキャラ募集に間にあわなかった…
アレクとルビィとか考えてたのに……
あのさ、こう言うこというのもあれだけどディズィーとかの厨が痛いキャラは無しの方向にしたほうがいいんじゃないか?
>>122 出たキャラは全部使う気で行こうぜ。
そのキャラが悪いわけじゃないし、
何でもあり方面で行こう 殺しだけはご法度って感じで
んでサタンが主催に一票
本編のあるキャラのように、出す度に荒れたりするのはすごく勘弁
痛い奴が居るキャラは何人かでてるが、痛い奴が居るからこのキャラ削除ってのは逆に痛いだろう・・・・
>内容は本家とは異なり戦闘を本分とはしません。
>ある場所に到達するのが目的というテーマの参加型リレー小説です。
>マラソンで一位を目指すようなもの。
>※戦闘自体はNGでも何でもありません。他の参加者を妨害、攻撃するのもアリ。 クイズで勝負するのもあり!
>音楽で勝負するのもあり!
>参加キャラはアーケードからならば自由ですが、あまりに無謀なキャラはNGかも。
とりあえず
>>1のこの辺要チェック。
信者がわいているな
本編と違って死なないだろうから暴動は起きまい
そして出てる奴がヤヴァイの居ないかっていう話あったが100m越えじゃなかったらいいんじゃないか?
痛キャラって誰よ?
>>132 高嶺響、ACバトルロワイヤルで凄い痛い粘着信者が居た。
俺も流石に信者が痛いから参戦不可なんてのはイヤだけど。
内容については126氏に同意!
主催者は共同作業にいっぴょ
>>132 ディズィーとか響とか
でも死なないなら本編よりは大丈夫かな
>>133 響だけじゃないだろ…
そうやって知らない人にヘンな先入観植え付けるなよ
そういえば今回ロリショタキャラが少ないのは自粛?
あかりとかクーラとか鰤とかシズマルとか
主催者の話しだけどもう共同作業でよくね?皆のお遊びみたいな感じでさ
>>137 考えすぎだろう
向こうとはまったく別物として考えてるようだし。
>>137 実は書きたかったけどやめておいた。
俺の出したかったキャラもトラブル起きていたもんで。
>>140 書かなかった者負けだよw
可哀想な自分みたいな書き方するなよ
俺としてはサタン単品がいいなあ・・・あ、ちなみに俺はもう投票したからサタンに一票って訳じゃないぞ?
ジャッキーやアテナはかさぶたのキャラでやるつもりか?
>>144 向こうとはまったく関係なくして欲しい。
基本はなるべく忠実にやってほしい
>>144 番外編から入ったファンがショック死するからやめとけ
まとめまだ?
パクリ
【鉄拳】 レイ・ウーロン 花郎 李 超狼
【餓狼伝説】 山崎竜二 キム・カッファン ロック カイン・R・ハインライン アンディ
テリー キム・ジェイフン フリーマン フランコ・バッシュ ホンフゥ ジェニー
【龍虎の拳】 ユリ・サカザキ キング 藤堂龍白 リョウ
【式神の城】 金大正 ロジャー・サスケ ニーギ 結城小夜 セイ・エイジャ ファイ・エイジャ ふみこ O・V
【ジャスティス学園】 委員長 響ラン 熱血隼人 ひなた 水無月響子 あきら
【KOF】 コスプレイヤー京子 ジョン・フーン 草薙京 アッシュ・クリムゾン アーデルハイド K'
レオナ 矢吹真吾 K9999 KUSANAGI ウィップ 麻宮アテナ 神楽マキ 神楽ちづる 霧島翔
シェン・ウー 八神庵 ゲーニッツ クリザリッド メイ・リー マキシマ ルガール・バーンシュタイン シェルミー
イグニス ローズ クリス アンヘル セス 七枷社
【ぷよぷよ】 シェゾ サタン ドラコケンタウロス アルル ハーピー アミティ ふたごのケットシー
【サイキックフォース】 ブラド・キルステン キース・エヴァンス ソニア 六道玄真 マイト パトリシア・マイヤーズ(パティ)
【GG】 ザッパ ロボカイ 紗夢 ディズィー アクセル=ロウ メイ ジョニー
【サムスピ】 色 右京 風間葉月 天草四郎時貞 真鏡名ミナ シャルロット 覇王丸 アスラ 反面のアスラ 羅将神ミヅキ
【SF】 E・本田 神月かりん プラム ダラン ザンギエフ ガイル 火引弾 リュウ ユーニ ユーリ バイソン
豪鬼 ローズ ベガ アレックス ユリアン
【月華の剣士】 楓 鷲塚慶一郎 真田香織 雪 刹那 嘉神慎之介 高嶺響
【FHD】リョウコ 溝口誠
【ランブルフィッシュ】 アラン 譲刃漸 ボイド 睦月ヒカリ 睦月カヤ
【武力】 西園寺貴人 パヤック
【パロディウス】 タコスケ あいつ こいつ
【エスプガルーダ】 アゲハ タテハ
【VF】 パイ・チェン ジェフリー 剛 ジャッキー・ブライアント ベネッサ・ルイス リオン 梅小路葵
【わくわく7】 牧原アリーナ スラッシュ
【メタルスラッグ】 エリ・カサモト フィオリーナ・ジェルミ
【グルーヴオンファイト】 クリス M・A・D
【アイドル雀士スーチーパイ】 スーチーパイ 一文字つかさ(レモンパイ) ミルキーパイ
【ポップンミュージック】 かごめ アフロ 雨人形壱ノ妙
【闘婚】 九戸新太郎 九戸文太郎
【デッドオアアライブ】 バイマン かすみ
【バトコロ】 アイ ユウキ キサラ
【アウトフォクシーズ】 デミ ダニー
【WH】リョウコ
【ラストブロンクス】 港野洋子
【ファイティングバイパース】 バン
【魔法大作戦】 ミヤモト
【SW】 真尾まお
【エスプレイド】 相模祐介
【ガンバード】 マリオン
【悪魔城ドラキュラ】 シモン=ベルモンド
【ヴァンパイア】 フェリシア
【パックマン】 パックマン
【カプジャム】 イングリッド
【デスクリムゾンXO】 コンバット越前
【バブルボブル】 バブルン
【スペランカー】 スペランカー
【大江戸ファイト】 一休
【対戦ホットギミック】 雀犬
乙!
スゲエメンツだ
おもすれー
これ全員(約200人)採用?
175人か・・・
こんなかから100にんまで減らす?
このまま行ってもいいような・・・駄目か?
とりあえず本編一回目で一気に半分位落すイベントを考えないといけないな
世界横断ウルトラクイズみたいに
即死キャラを出せない以上収集つかないよ
最初はじゃんけんとか
知名度だろ
前みたいに知名度できめるのはカンベン
京子や霧島だしたいから知名度は嫌
そのキャラを書く作者が居れば参加決定ということでいいのでは?
とりあえず第一次放送で主催者に半分位落ちるイベントを考えてもらおう
じゃんけんでもいいし、マラソンでもよい!先着80名様とかで!
ゲームタイトル毎のチーム対抗戦方式にしたらいかがかしらん?
高校生クイズみたいにさ
すげえ・・・何気にKOF面子のトップだよ>コス京子
俺は
>>165の案でいいと思う
ファンの愛が試されるときだ!
せめてまず主催者の開催告知が欲しい。
>>172 開催!!ACキャラバトルロワイヤル番外編!!
優勝者は な、なんと!!貴方の願いを一個かなえます!!
一回戦はまだひ・み・つ!
けどけど通る確立は2分の1!
知力!体力!!時の運!!君の全てをこれにぶつけてみよう!!
(この記事の応募の締め切りは終了しました)
これはギャグ路線?シリアス?
ギャグもシリアスも何でもあり!
全ては作者次第なのだ!
風雲サタン城
結局主催者はどうなったの?
俺はサタンに一票。
でも何でこんな中途半端な時期に突然話が持ち上がったんだろう。
敢えて参加者を分散させようとか、こっちで好きなキャラが
死んだ腹いせとか、悪い方に捉えるのは良くないけど。
サタン様にイピョーウ(・∀・)ノ●
なんでもギャグになりそうだから
共同に一票
三人による「たんなる趣味」のための新感覚バトロワstart
サタン様のギャグペーストロワイヤルにイピョーウ
共同主催にイピョー
面子も面子なのでおもろくなりそう(・∀・)
サタンで
平八!!平八!!!!
3Pもとい三人の共同で
>>180 アケロワ雑談スレにあったレスだね。
アケロワとは別物って考えればアリだと思うけどね。こういうのも。
気の早い話だけど次スレからはバトルロワイアル外して別な名前つけたほうよくない?
それこそ
>>177の風雲サタン城みたいな。
うし!集計してくる
110からでいいんだよな?<集計
頑張れ
>191
おk
個人的に炎の転校生の弱肉高校みたいなノリで勝負に負けたキャラは脱落ってのがいいな
>>194 こんな感じか。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
< 残念ながら、○○はボッシュートです。
\_____
⌒ ⌒ ⌒
_⌒ ⌒ ⌒__
/:::::Λ_Λ:::::::::::::::/
/::::::(∩;´Д`)∩ :::::/
/:::::::( /::::/ チャラッチャラッチャーン
サタン8
晋太郎2
ザック
三島平八2
ユリアン
三島&サタン&晋太郎6
と、言う風になりました。
優勝はサタン様です。だよな?不安だ・・・
少し出てた話題だけど脱落メッセージはキャラによって違うとか
【霧島翔 没】
みたいに
195
ワロタ
漏れも殺し合い無しのギャグ路線がイイ。
そうなると190の言うとおりスレタイも別にした方がいいかもなあ
ところでアケロワの雑談スレのほうは番外編に否定的な人もいるから
あんまりアケロワ雑談スレでは番外編の話出さない方がいいんじゃないかな?
( ´_ゝ`)フーンサタン城
202 :
196:05/02/07 01:21:21 ID:???
サタン>110 >113 >117 >120 >126 >178 >181 >184 >187 9票
晋太郎>114 >118 2票
ザック>115 1票
三島平八>119 1票
ユリアン>121 1票
三島&サタン&晋太郎 >123 >125 >134 >138 >182 >183> >186 >189 8票
で ちと違いました・・・
OK、サタン主催で全員参加の生き残りバトル型ね
集計人氏、乙!
…そしてサタン様でFA?
んじゃあサタン様で、詳しい内容は改めて考えるとしよう。
一回戦で半分程落すって・・・・じゃんけんとか?
じゃんけんは表現が難しそう
リレーとかは?
じゃあどっかのチェックポイントにいくとか?
先についた人(作者に書かれた人)から順に一回戦突破って感じで
萌えキャラだけを勝ち進めさせることも可能なわけで
二人ずつ強制試合(内容は様々)
勝った方が二回戦出場というのはどうだろう
人数が人数だし、一度に半分ってなると場合によっちゃ荒れそうで恐いなー…
>>208 あぁ、それよさげだね。
あとオープニングくらいは誰が書くか決めといた方がいいよね。
主にサタンさまからのルール説明みたいな感じにして、
オープニング書いた人が定時放送とか入れるといいんじゃないかな。
208に賛成!
>>208にオレも一票!
対戦相手と内容は参加者各自でくじを引いて、みたいにして
早いもの勝ちだと描写等をおざなりにしてでも自分の好きなキャラを推したがる人が出てきそうなんだよな
>>217 一回戦は人数減らしみたいなものだしそれでいいんじゃねえか?
このままアンケートとかで減らすよりもずっとか面白そうだ。
17分の二の舞か
一回戦をチェックポイントまでのレースにするならやっぱりどんな会場なのか地図がいるな。
>>218 早い話が人選も含めた一回戦にしようって事か、いいじゃねえか!?
わくわくぷよぷよダンジョンとか
一作品の中で通過キャラと失格キャラを表してもいい?
>>223 1回戦は妨害無しでいいんじゃねえか?
内容よりもキャラ選択みたいなものっぽいし
いいんじゃない?
226 :
例えば:05/02/07 01:55:50 ID:???
ぐっすんはおよよを川につき落とした!
みたいな感じ?
出場上キャラ選択のようなイベントで
出したいと思った時に気づいたら失格だったってのはちょいとな・・・
我侭か
書いてる途中に好きなキャラがいなくなってたりして
妨害はありだろうけど、妨害で失格ってのは無しでいいんじゃないか?
>>226を借りて例をだしてみるが
ぐっすんはおよよを川につき落とした!!!
「なにするんだー!!!」
「勝負の世界に情けは無用!!!!おっさきー!!」
見たいな感じで
1回戦はキャラ紹介みたいな感じでやってほしい
叶えてほしい願い事とか書きながら
一回戦に関しては
>>229の案に同意。
二回戦以降は勝負内容によって変えていけばいいと思う。
失格決定の時に残念がる失格キャラ位は書いて欲しいな・・・
>>230と229足してさ
で、最後に【犬福 第二回戦進出】【ペプシマン リタイア】とか書いておけばいいのさ
1回戦ではリタイヤキャラは出して欲しくないという意見に同意者。
一回戦の人数が終わった時点で、書かれていないキャラをリタイアにすれば?
荒れないことを祈る
とりあえず一回戦の選抜人数と会場を決めようか?
場所は厳密にきめなくてもなんとかなりそう
人数は半分ぐらいかな
点呼
じゃあ失格した人たちの為に1回戦が終わった時点で敗北者の主張とかいって敗北者の一言を募集してみてはどうか?
そしてノシ
>>240 それ(・∀・)イイジャン
感想スレはつくるの?
>>240 あー、それも面白いかも。
人数は選抜人数は85人くらいか?
本格的に始動してから考えればよさげ
スレタイはバトロワとは関係ないスレタイにしよう
風雲サタン黙示録感想スレとか
245 :
242:05/02/07 02:29:42 ID:???
たぶん三人目(・∀・)
>>242 作った方がいいだろうねぇ・・・。
その際『アケロワ番外編雑談スレ』とかにすると紛らわしいうえに
「バトロワスレ乱立しすぎ!」とか言われかねないからやっぱりタイトルも考えないとな。
>>244 そのスレタイが激しく気に入った
そして私は多分4人目
5人目参上!
6人目なので銀色です。
セブーン セブーン セブーン
結構いるなあ
8神庵。
舞台はサタンの作った城にしてみるのもよさげ。
>>252 じゃあ誰か間取りを考えてくれる人がほしいなあ・・・
逆境ナイン
宇宙でいいじゃん
ぷよ通みたいな塔にして一回戦は2階まで先にたどり着いた人の勝ち。
約半数が2階にのぼったらカー君が塔の1階部分をダルマ落しみたいにスコーンと・・・
なーんてどうだろ。
開始はいつから?
もうどこかからの丸パクリは勘弁
本気でやる気かよ
ぜったいFFDQのほうの二の舞になる
もう本編に萌えキャラがいなくなったやつらのいやがらせか
でもまた本編の主人公たちが活躍しますから!
残念!
<ビーマニ エレキ>
<ビーマニ 士郎>
ハヤシ班が頑張るよ
あ、ホントだ。参加者にハヤシ班そろってる・・・・・・・・・ケン以外。
最初から誰が活躍して誰が噛ませ犬とか決まっているのはなんだかなあ〜。
まったく持って向こうとは別物にしたいなあ・・・・
あっちの話を持ってこられると萎えるね。
人は集まってくれるかな?
企画倒れ
登場キャラに一応投票した事はしたが、ぶっちゃけあまりやりたくない
というか投票したキャラ出さなくていいから降りたい
本編だけでいいから廃止しろよ気が散るしややこしい
つられないぞ!
つれないぞ!
うわなにこれ。しかも一日でキャラ投票締め切り?
ほんとにやる気あんの??
池沼の一人芝居だろ削除依頼出しとけよ
これは本編みたいに進めるの?それともかさぶた風?
その大人数の中で三日間かくれんぼをする…
参加者の一部が鬼、一人でも三日間捕まらずにいけたらそいつの勝ち、全員捕まえれたら鬼のかちとかそういうのはどうだろうか
このスレでは本編及びかさぶたはNGワードです
288 :
284:05/02/07 16:19:13 ID:???
>>286 すまなんだ
でも後者なら書きやすいからさあ
厨の隔離施設か
アケロワ儲に荒らされないよう頑張れ
オープニング書いてる人って居る?
>>285 某スレの設定がありだったらシモン絶対勝つな
また鯖に負担を掛けるスレか
OPまだ〜?まだ〜?まだ〜?
クソスレ上げるな池沼が
名スレっすよ草薙さーん
昨日の盛り上がりが嘘のようだな
仕方ないね
まずオープニングがあがらないことにはどうにもならんね
オープニングが投下されたところでこの状況だと煽られる可能性高いし・・・
いっそかさ○た形式でやるか?
>>300 そ、それはイヤだな
誰かOP書いてクレー
書けないことはないが舞台とかを決めないと何とも・・・
とりあえず場所のことを考えよう、少なくとも広い場所じゃないと無理だな
場所か・・・
ぷよ2の塔とか?
そういや場所はぷよ2の塔が一番人気だったっけ、でも内部のこととかわかんねぇよ
いっそのこと東京ドーム地下闘技じょ
凡ッ
じゃあぷよ2の画像を取ってきます
今からキャプるんで2時間して帰ってこなかったらtanasinn
ガンガ
OP書こうとしてる人挙手してくんねえ?
310 :
307:05/02/07 23:38:42 ID:???
乙ー
さすがのネスツも太陽大きくしたりはできないしねぇ・・・
画像が見れない・・・
そういえばサタン様も一覧に乗ってるけどマスクドで出てくるのか?
いや、サタンさま主催者にするなら参加者からは外した方がいいんじゃね?
じゃあ裏方として居かねん
こっそりマスクド・サタンとして参加に一票
オープニングに涙とまらないわ(T T)
まとめ、数えなおしたら171名だった(サタン様含む)
そこでここは画像タイトルにちなんで、
サタン様を除いた170名がスール……もといペアを組んで、
85組のペアを第一関門で50組に絞るとかどうだろうと特に詳細を考えていない提案。
アルルに無理矢理スールの契りを迫るマスクドサタソ様
俺の案、1回戦は迷路になっていて、早くついた奴(書かれた奴)から順に一回戦突破、かかれなかった85名は脱落、カー君がボーンなんてどうかな?
スールでボーンッとか
くじびき。
即興スール二人の相性の高さに作用して当たりハズレが決まる特殊くじびき。
ペアはどうやって決める?マジで抽選?
おれも
>>323の案を推そうかな
最初からペア決まってるとなんか自由度低くなるような気がして
誰かーいないならもう寝るぞ
迷路の中でペアを作ってみるのはどうだろうか
一回戦は単独で迷路、2回戦からペアで行動するなりしたらどうだろうか?とにかく人数が多すぎる状態でペアを作るのはヤバイと
じゃあ組ませたいやつらは自分で書いて1回戦突破させないと駄目な訳か
まあ85人もいるんだから人気キャラよりもマイナーなキャラを先に書いた方がいいかもなあ
スペランカーを書いてやるか・・・
たとえペア組んでも最後に願い事をかなえられるのは1人なわけで・・・
二回戦はペアでとか、3回戦は好きにやれとか、そんな感じでやって欲しいな
寂れすぎ
キャラ投票もう終わってるの?
こっちでも見送りか…
まとめなおしてみた。
【バーチャファイター】 7名
ジャッキー・ブライアント パイ・チェン ジェフリー・マクワイルド
リオン・ラファール 梅小路葵 ベネッサ・ルイス 日守剛
【ファイティングバイパーズ】 1名
バン
【ラストブロンクス】 1名
港野洋子
【ストリートファイター】 16名
リュウ エドモンド本田 ガイル ザンギエフ M・バイソン
ローズ 火引弾(ヒビキ・ダン) 神月かりん ユーニ ユーリ
アレックス プルム・プルナ ダラン・マイスター ベガ ユリアン 豪鬼
【ジャスティス学園】 6名
若葉ひなた 委員長 ひびき蘭 風間あきら 熱血隼人 水無月響子
【ヴァンパイア】 1名
フェリシア
【カプコンファイティングジャム】 1名
イングリッド
【KOF】 29名
草薙京 矢吹真吾 セス K' マキシマ アッシュ・クリムゾン シェン・ウー(神武)
八神庵 神楽ちづる 神楽マキ 麻宮アテナ ジョン・フーン(全勲) メイ・リー
レオナ ウィップ ゲーニッツ 七枷社(ナナカセ・ヤシロ) シェルミー クリス
K9999 アンヘル 霧島翔 コスプレイヤー京子 KUSANAGI
ルガール・バーンシュタイン クリザリッド イグニス アーデルハイド ローズ
【餓狼伝説】 11名
テリー・ボガード アンディ・ボガード キム・カッファン(金甲喚)
山崎竜二 フランコ・バッシュ ホンフゥ(紅虎)
ロック・ハワード B・ジェニー キム・ジェイフン(金在勲) フリーマン カイン・R・ハインライン
【龍虎の拳】 4名
リョウ・サカザキ ユリ・サカザキ キング 藤堂竜白
【侍魂】 10名
覇王丸 橘右京 シャルロット・クリスティーヌ・ド・コルデ 真鏡名ミナ(マジキナ・ミナ)
色 アスラ 反面のアスラ 風間葉月 天草四郎時貞 羅将神ミヅキ
【月華の剣士】 7名
楓 雪 鷲塚慶一郎 真田小次郎(※真田香織) 刹那 高嶺響 嘉神慎之介
【武力】 2名
西園寺貴人 パヤック・シピタック
【ネオジオバトルコロシアム】 3名
ユウキ アイ キサラ・ウェストフィールド
【鉄拳】 3名
雷武龍(レイ・ウーロン) 花郎(ファラン) 李超狼(リー・チャオラン)
【デッドオアアライブ】 2名
かすみ バイマン
【ランブルフィッシュ】 5名
譲刃漸(ユズリハ・ゼン) 睦月カヤ 睦月ヒカリ ボイド アラン・アルジェント
【ギルティギア】 7名
ロボカイ ディズィー アクセル・ロウ
蔵土縁紗夢(クラドベリ・ジャム) メイ ジョニー ザッパ
【サイキックフォース】 6名
マイト ソニア パティ(パトリシア・マイヤース)
六道玄真 ブラド・キルステン キース・エヴァンス
【闘婚】 2名
九戸真太郎 九戸文太郎
【グルーヴオンファイト】 2名
クリス・ウェイン M.A.D(マックス・アックス・ダックス)
【わくわく7】 2名
牧原アリーナ スラッシュ
【ワールドヒーローズ】 1名
出雲良子
【ファイターズヒストリー】 2名
溝口誠 嘉納亮子
【メタルスラッグ】 2名
エリ・カサモト フィオリーナ・ジェルミ
【悪魔城ドラキュラ】 1名
シモン・ベルモンド
【アウトフォクシーズ】 2名
ダニー デミ
【デスクリムゾンXO】 1名
コンバット越前
【大江戸ファイト】 1名
一休
【式神の城】 7名
結城小夜(ユウキ・サヨ) ふみこ・O・V(フミコ・オゼット・ヴァンシュタイン) 金大正(キム・デジョン)
ニーギ・ゴージャスブルー ロジャー・サスケ セイ・エイジャ ファイ・エイジャ
【エスプレイド】 1名
相模祐介
【エスプガルーダ】 2名
アゲハ タテハ
【パロディウス】 3名
タコスケ あいつ こいつ
【ソニックウイングス】 1名
真尾まお
【ガンバード】 1名
マリオン
【魔法大作戦】 1名
ミヤモト
【ポップンミュージック】 3名
かごめ アフロ 雨人形壱ノ妙(アメニンギョウイチノミョウ)
【ぷよぷよ】 7名
アルル・ナジャ アミティ ドラコケンタウロス
ふたごのケットシー ハーピー シェゾ・ウィグィィ サタン
【美少女雀士スーチーパイ】 3名
スーチーパイ(※御崎恭子) レモンパイ(※一文字つかさ) ミルキーパイ
【対戦ホットギミック】 1名
雀犬
【パックマン】 1名
パックマン
【スペランカー】 1名
スペランカー
【バブルボブル】 1名
バブルン
乙。
最終的にこのメンバーで決定なのかな?
資料とかも必要かな
・・・出場作品が半分位しか分からない・・・
9割5分分かる俺はある意味負け組み
誰もOP書かないなあ・・・・
と、言うわけでOP書いた人にご褒美としてあと一人だけ参加選手を増やせるってのはどうかな?
OPで好きなキャラ一人を二回戦進出にするのはどうだろう
>>348 その条件ならOP書いてもいいぞ
投下は明日辺りになっちまうが
じゃあ明日の夜にこの鳥で投下するから
だけどあんまり期待はしないでくれ
あと進出するのは好きなキャラじゃなく俺なりにランダムに決めてみるつもり
【リリス二回戦進出 願い事:モリガンと一つになる】
それとこんな感じに書けばいいのかな?
うん、そんな感じでいいんじゃないかな。
誰が初めに二回戦進出することになるのかドキドキだ。
感想スレはOP投下後建てるのか?
ところで一回戦ってサタンも出るの?
マスクドで紛れ込む予感
すまんが質問。
一回戦は迷路なのは分かったが通過人数は何人?
85人であってるのか?
半分だから85人であってると思うー。
そういやAAとか使っても良いんだよね?
キサラはガンガン行進曲、アフロはDDRじゃないの?
携帯から読みたい奴もいるので、あんまりにも大きいのは避けて欲しいかもです‥(´・ω・`)>AA
出した人がそう言ってるんだからいいんじゃない?
364 :
363:05/02/08 20:49:59 ID:???
とにかくスペランカーは最も早く脱落すると思うに500ペリカ
アケの先生は強靭だからな。
アケ版スペランカー先生はマリオみたいなひげづらだしな
ふと思ったけど皆の願い事考えるの大変そうだなぁ
【スペランカー 願い:強い肉体が欲しい】
【アクセル 願い:現代(自分のいた世界)に戻りタイムスリップするのを無くす】
【ガラハド 願い:ねんがんのアイスソードが欲しい】
【エリ 願い:フィオとひt(ry】
【ジャム 願い:自分中心のイケメン天国を作る】
こんなもんか
願い:不明 とかもありかもな。
【アッシュ 願い:矯正早くとりたい、ンワーオ】
【草薙京 願い:支配からの卒業】
【八角泰山 願い:認知度向上】
【橘右京 願い:健康】
【アンディ・ボガード 願い:ネオコロに出せ】
【橘右京 願い:同情】
やったね最強タッグだ☆
【矢吹真吾 願い:炎を出せるようになる】
【藤堂龍白 願い:KOFに正式参戦】
【イグニス 願い:神になる】
こんな感じかと、つか願い募集してみる?
【サカザキ一家 生活に困らないほどの金をもらう】
【舞 アンディと結婚♪】
【クリス オロチ復活】
【京子 京様とむふふ】
ギャルズファイターズ思い出した
殺害はないっていう話だけど勝手に死んだらリタイヤ扱い?
ス○ランカーとか。
>>379 そりゃあなw
あと、仮に殺害してしまった人はリタイアどころかサタン様の濃厚なお仕置き
まあサタン様なら後で生き返らせることも可能だろうが
ラブコメ禁止?
ありじゃない?
公式の設定に沿ったものならアリだと思うよ。
…場合によっちゃ荒れそうで恐いけどね
強引すぎるのとかありえないのとかはやめたほうがいいと思うよ
公式カプ一覧キボソ
サタンとアルル
アルルとシェゾ
あとわからん
とりあえず子供までできてるのは
反面のアスラと色
カプ以外も混じってるが自分が知ってる限りではこんなもん。
アンヘル→K9999 (弟感覚)
B・ジェニー→テリー (初恋の人)
リョウ←→キング (なんとなく気が合う?)
色→反面のアスラor覇王丸
シャルロット→覇王丸
メイ→ジョニー
金大正→ふみこ
シェゾ→アルル (執着)
サタン→アルル (嫁)
友達以上恋人未満が多いような
ウィップとクリザリッドを忘れてる
ソニア → キース (忠誠?)
ロボカイ→女
京子→京
雪→守矢
あかり→楓
鷲塚→香織
ローズ→アーデルハイド(片想いというかブラコン)
社とシェルミーはどうなのか
ジャム→イケメン
OP投下されたら即座に作品投下する人 挙手
マイト→パティ(歌声にあたたかい安らぎを感じる)
>>397 どういうふうに書けばいいのかわからないのでとりあえず様子を見てる人ならここにいる
>>397 書きたいキャラは何人かいるがとりあえずOPみてから。
OPの人どうなったかな?
ノ
でもまだ書けてねえ
ガンガレ
ノ
頑張って書いてる所です。最初の進出者も選びました。
過去ログを見ずにランダムに決めたらびっくりした。まさかこいつとは・・・
だ、誰だ?!スペランカーか?!
あいつとこいつか
そうかこいつか・・・
参加者のまとめはどこだ〜
ちゃんと見ろーーー!!
お、終わった……案外早く出来たな。
ちょっとあっさりしてるかもしれませんがOP投下してもよろしいですか?
ザワザワザワザワ……
体育館並みの広さを持つホール。
様々な老若男女がその会場に集まり、始まりを今か今かと待ちわびている。
その中には明らかに人間ではない物も混じっているが、周囲は特に気にも止めないでいた。
表向きは今からパーティでも開くかの様な雰囲気だったがそこに居る全員が胸に闘志を燃やしていた。
ホールの明かりが消え、盛り上がりを見せるような音楽が鳴り始める。
壇上にスポットライトが当てられた時、一同は一斉に視線をそこに向ける。
スポットライトに照らされ現れた人物。
緑色の長髪に二本の角を生やした長身の男は、マイクを持ち高らかに声を上げた。
「れでぃぃぃいいいす、あんとじぇんとるめんっ!!」
とうとう始まったのだ、猛者達の祭りが。
どんとこーい!!どきどき…
「今日、皆の者に集まってもらったのは他でもない!
知力・体力・時の運、これらを全てぶつけ頂点を目指してもらおう!
もちろん、タダでとは言わんぞ! 頂点にたった者には褒美として願いを一つ叶えてやる!
どうだ諸君! このゲームに乗る奴は居るかーーーーーーーーーーー!!!???」
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
大げさにポーズを取りながらそう告げる主催者。 それに盛り上がる参加者。
……そして主催者のノリに呆れている一部の参加者。
「……よし、君達の熱意は十分に分かった。
それでは今ここに第一回風雲サタン塔大会を開催する。……ちなみにオレは主催のサタン様だ、以降よろしくな」
自分で自分の名前に様をつけるのかよ!と思った参加者も居たが、あえて心の中に留めたのは言うまでもない。
「まず第一回戦のルールを説明しよう!」
またもや大げさにポーズを取りながらサタンは話を進める。
「この会場の横に本大会の舞台である塔に続く『道』を設置しておいた。
諸君にはその『道』を通って塔に移動してもらいたい。勿論ただの道では無いがな……ふっふっふっ」
意味ありげにサタンは笑った。
恐らくこの主催者の事だから何か仕掛けてあるのだろう、そう思った者が殆どだった。
「ただし、到着人数が84人を越えた時点で残りの者は即座に失格だ!
言っておくが『道』を通らずに塔に行った奴もルール違反で失格だからな」
その言葉に驚く参加者。
ホールには200人余りの人数が居る。つまりこの第一回戦で半分程失格になるということだからだ。
「それでは早速一回戦開始!
……と行きたい所だが、その前に一つ余興を行おうと思う。
先程も言ったように本大会は体力や知力だけではなく、時の運も必要とする。
その運をここで発揮できるか、君達にも試してもらおう! 名づけてラッキー7チャンス!」
戸惑いざわめく参加者。一体何が始まるのか予想がつかなかったからだ。
「本大会参加者は170人。その中の一人、つまりは170分の1の確率だ。
簡単な抽選を行い、そこから選ばれた者は無条件で二回戦進出決定。つまり二回戦はその者を含めた合計85人で行う!」
この言葉に少なからず心が躍った参加者も居た。
とほうもない確率だが、上手くいけば何の苦労もなく最初の難関を突破できるからだ。
「それで、その抽選方法だが……えーとだな……」
そこまで言っておきながらサタンは口ごもった。
実はほとんど思いつきだったのでろくに考えていなかったのだ。
「ルルー、参加登録の名簿を見せろ」
「はい、サタン様」
そう言って青い髪の女性が名簿をサタンに渡す。
サタンはそれに眼を通しながら抽選の方法を考えてみた。
雷武龍 山崎竜二 キム・カッファン……
その名簿には参加登録者の名前が登録順に並んでいる。
話によると受付開始からわずか二時間半という異例の速さで参加枠が埋まったらしい。
(……よし、この手でいくか)
それを見て彼はある方法を閃いた。
「一人目の二回戦進出者はこの名簿に選んでもらおう!」
三たび大げさな身振りでサタンは宣言した。
思わせぶりな前フリに参加者全員がかたずを飲んで見守る。
「この大会の参加登録に七番目に登録された者、その者の名は……」
「……コスプレイヤー京子!」
「え、えええええっ!?」
KOF選手草薙京、彼にそっくりの学ランを着た少女が驚きながら叫んだ。
「おめでとう、君は二回戦進出だ」
「……は、はあ」
まさか自分が選ばれるとは思っていなかったのか、ぽかーんとした顔で少女は頷いた。
「ちなみに彼女の前後にいた人物はひびき蘭とシェゾ・ウィグィィだ。二人とも惜しかったな」
その言葉に報道者の様な風貌のカメラを持った少女が頭を抱えて悔しがる。
「そんな〜! どんなスクープにも遭遇する強運の私が、運で負けるなんて!」
その一方で剣を持った銀髪の魔道師は特に気にも止めてはいなかった。
「……フン、そんなものに最初から期待してはいない」
「それでは、彼女は我々の手で塔に丁重にお連れしよう。
……残りの参加者はすみやかにスタート地点に向かう事だ、既に一回戦は始まっているそ?」
その言葉に全員が反応する。
二回戦に出場できるのはあと84人しか居ないのだ。
どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど……
169人全員(中には人でない物も居るが)が会場の出口に向かって走り出す。
皆、ここで振り落とされてたまるものかと決死の表情をしていた。
その喧騒の中で一人だけ違う行動をしている者が居た。
「よかったっすね、京子さん!」
鉢巻をした少年が少女の手を取り、まるで自分のことの様に喜んでいた。
「……真吾くん」
「だけど俺も絶対負けませんから! だから、先に向こうで待っ……」
「何やってんだ真吾! 早く行くぞ!」
「は、はい! それじゃあ京子さん、また後で!」
「あ、ちょっと、真吾く……」
「草薙さーん! 置いていかないでくださいよー!」
そう言いながら少年は会場の出口に向かって走る。自らの願いを叶える為に。
「………」
ただ一人会場に残された少女は複雑な表情でそれを見送っていた。
自分の願いは恐らく彼の願いと全く同じだと思ったからだ。
もっともあくまで友人として、自分が憧れている人物の弟子に彼が相応しくなってくれればという理由なのだが。
あんな弟子を持つ草薙京を不憫に思った彼女のそれなりの気遣いでもあった。
壇上の上で参加者を見送ったサタンはにやりと笑う。
「さて、オレも早く準備をしなくてはな……」
その横には仮面が置かれていた。
【コスプレイヤー京子二回戦進出 願い事:真吾が炎を使えるようにする】
以上で投下終わり
進出キャラはまじでサタンの様な決め方しましたよ
おっつー。
もし盛り上がってきたら感想スレ建てた方がいいのかなあ
あと、サタン様の一人称は「私」
おおお、乙!!!
乙!
でも一つ言わせてくれ
サタン様の一人称は私だったはず
乙!
さて書くか・・・・
あとサタン様の一人称は私だ!!まああの水邪様も始めは敬語使ってたくらいだし、忘れよう
みんな結婚しまくりですな。
あ、すいません。一応訂正しとく。
×「さて、オレも早く準備をしなくてはな……」
○「さて、私も早く準備をしなくてはな……」
……参考にした資料(魔導の小説)ではオレって言ってたからつい……。
>>430 いいだろう、スレタイは風雲サタン塔感想スレでOK?
サタン様の話書いても良い?
時間はOPより前の話なんだけど
内容は「なぜこれをやろうと思ったか」ってやつなんだけど
OK!!
もう一つ訂正。
×「……よし、君達の熱意は十分に分かった。
それでは今ここに第一回風雲サタン塔大会を開催する。……ちなみにオレは主催のサタン様だ、以降よろしくな」
○「……よし、君達の熱意は十分に分かった。
それでは今ここに第一回風雲サタン塔大会を開催する。……ちなみに私は主催のサタン様だ、以降よろしくな」
そして始まるチキンレース・・・・
436 :
430:05/02/08 23:46:41 ID:???
チキンレースにしてごめん・・・
いや、。それもありだろ?
しかしオレは今スレタテできない・・・・怖いぜ・・・
>>436 気にするなよ。
盛り上がってきたら絵板とかも欲しいねぇ。
さあ、どうだ!!
みんな念のために言っておくけどアーケード版スペランカー先生は結構結構強いぞ
441 :
424:05/02/08 23:54:47 ID:???
言いだしっぺ自ら建ててきていい?
>>440 雑談スレ立て頼むぜー。
穴に落ちるくらいじゃ死なないけどコウモリのフンだと死ぬんだっけ?
「よーしつきましたよ草薙さん」
真吾は運よくゴールについていました。京子の導きかな?
【矢吹真吾 願い事:炎を出す】
>>443 早いもの勝ちとはいえもう少し丁寧に頼む
445 :
432:05/02/09 00:21:49 ID:???
書いてもいい?
いいよ。
書け書け
ふと思ったけど77番目の奴は誰なんだろう
そいつはサタンにこっそり地図渡されるとかされてそう
今から書くので少しお待ち下さい。
ここでもトリップ必要なのかな?
>>450 それはまあ書く人の任意じゃない?
使いたきゃ使えばいいし、使いたくなきゃ使わなきゃいいし。
とりあえず今日中にあげれらるように頑張ります。
>>441 と、とりあえずたのまあ、感想スレが無いと困るぜ
ガンガレ!
自分も合格か浪人か決定したら書こうかな…。
>>452 別にいいんじゃねえか?まあオレは絶対こんなの書かないが。
まあとにかく早く感想スレをギボンヌ・・・っと
460 :
ゲームセンター名無し:05/02/09 00:48:18 ID:k5AFw3B7
77番目は誰?
>>460 雨人形壱ノ妙だと思う、性格には数えてないから分からぬ
ありがとう、あとあげスマソ
みんな作品かいてるのかな?
感想スレが立つのを待ってるんじゃないか?
>>463 俺は作品書きながら感想スレ立つの待ってる。
オレが立ててみる。
467 :
466:05/02/09 01:21:20 ID:???
テンプレ短い!!まあ最初だからな
んで、チキンレース再開
終了
え?もうキャラ投票締め切ってるの?!
しかも出来レース
くそっ感想スレ建てれる奴は居ないのか!
俺のホストじゃあ無理なんだってば
俺もだ!
じゃあ、ちょっといってみる
一日前に立てたばっかなんだ、スマソ。
478 :
475:05/02/09 02:25:20 ID:???
ごめん・・・無理だった……
こうなったら代行スレにお願いするというのはどうだ
>>479 頼んだ!!
ところでもう直ぐ出来るんだが、投下してもいいか?
作品投下出来る者はいるか?
感想スレ建っていないからって遠慮しなくていいんだぞ?
短いものなので一応書き終わりました。
自分の文才の無さにorz
>>482 うし、がんばれ、その後投下させてもらいます。
それじゃ貼りまーす。
これ誰かをリタイアさせるのもありだったよね?
あと、殺した人はその人も失格なんだよな?
そこが結構関わる話だもんで
とある城にある広い部屋、ちょっと豪華なベッドの上で
ひとり翼をバタつかせている者がいた。
「暇ー、ひーまー、ひまなのだーー…」
彼の名はサタン。これでも魔王である。
「世の中が平和なのは良いが、これだけ事件がないとさすがにつまらないな…」
「なぞぷよも飽きてきたし、アルルは振り向いてくれないし、アルルは振り向いて(以下略」
相当退屈なのか、部屋中を転がり回っている。
やがて、ほどよく埃塗れになって来た頃…
「そうだ!世界中から人を集めて競争をしてみよう!」
楽しい事を思いついたらしく、机に向かい何かを描き出す。
「まず広い場所に塔を立てて…、周りに迷路を置いてみよう。」
アイデアが溢れ出るようで、ペンが軽快に走る。
「塔は5階建てにして…足りなくなったら増やせば良いか。」
「参加者は、まず私の他にアルル、あとは世界中からランダムに選んで…」
「人数は…このくらいで良いかな?多いと思ったら減らせば良いだろう」
割と無責任である。
「各フロアには色々置いてみよう。その方がきっとアルルの修業にもなるだろう。」
「そして私も参加者に紛れて近くでアルルを見守ろう。」
まるでストーカーだ…。
「一番になった者には…そうだな、願いを一つだけ叶えてあげよう。」
色々真面目に考えている。
「私が一番になったらアルルと結婚だな。」
どうやらこれが一番の目当てのようだ。
「これ位かな?あとは何かあったらその時に決めよう。」
いそいそと着替え始めるサタン様。
「よし!ではさっそく準備しなくては。」
思い立ったら即行動と言う訳ではないけれど、
上機嫌で部屋を出ていくサタン様なのであった。
これで終了ですー。
お粗末様でした。
乙です、んじゃあとりあえず一番目に突破した、ある男の話を張ります。
壇上の上で参加者を見送ったサタンはにやりと笑う。
「さて、オレも早く準備をしなくてはな……」
その横には仮面が置かれていた。
そして彼はその仮面に手をつけようとした正にその時!!!
「・・・・・あのー・・・・」
突然後ろから声が聞こえた。
「の、のわぁぁぁぁぁぁっ!!」
誰も居ないと思っていたサタンはオーバーリアクションで驚いた。
振り返ったその先には貧弱そうな・・・いや、貧弱そのものを絵に描いたような貧弱な男が立っていた。
「あの〜・・・・質問があるんですが・・・・?」
「ご、ゴホン、何だ?言ってみるがよい!」
オーバーリアクションを終え、体勢を整えるサタン。
「・・・・もし、途中で死んでしまった場合、もしくは殺してしまった場合はどうなるんですか・・・?」
妙に生々しい質問をする貧相な男。
「ム・・・?ああ、まあ私の魔力を持ってすれば生き返らせる事等造作も無い事だが当然ながら死んでしまったものはリタイア扱いだ。
後、故意に殺人を犯したものはリタイア&私からのスペシャルなお仕置きを用意するつもりだ。楽しみにしておきたまえ。」
さらりと言ってのけるサタン、何処まで本気なのかは分からないが。本当の事を言うと今さっき思いついただけなのだが。
「・・・・そうですか・・・・殺してしまったらリタイアなのですか・・・・クックック・・・・」
そう言って貧相な男はゆらりと会場へと戻っていった。
「そうか・・・・殺したら失格・・・か・・・・クックック・・・・」
貧弱な男は不気味な笑みを浮かべながらフラフラとあるく。
「クックック・・・・この戦い・・・・私の勝ちだ・・・・!!」
気持ち悪い笑みを浮かべつづけながら不気味な独り言をしている彼、そしてその笑顔がふと引き締まる。
「キシャァァァァァアッ!!」
彼の前に高速で襲い掛かる拳、彼はそれを予め察知したかの様にひらりと避ける。
「やるなぁ・・・・?オレの蛇使いをよけるなんてよぉ!!」
そこにはニヤけ顔をしたヤクザ風の男が立っていた。
妨害工作、この人数ならそう言う事をする奴は何人か居るだろうとは思っていた。
さしずめ目の前のこの男は予め怪我をさせておいて1回戦脱落、もしくは2回戦で不利にさせておこうと考えていたのだろう。
だが、そのような事は私には通用しない・・・何故なら・・・・
「二発目を放つつもりか?止めておけ・・・失格になりたくなければな・・・・・」
「ああん?」
怪訝な顔をするヤクザ風の男に自分の体の説明をする貧相な男。
説明を聞いた瞬間、ヤクザ風の男は
「ちっ、テメエ何ぞにつきあってられっかよ!!」
と毒を吐きながら気持ち悪い者を見るような眼でその場から立ち去った。
「フフッ・・・・そう、それで良い・・・・私に関わったら失格だ・・・・」
そう不適に笑う貧弱な男。
彼の名はスペランカー、30センチの段差から落ちたら死亡してしまうほどの超虚弱体質な男。
虚弱体質はある程度改善はされ、受身を覚え、ある程度の高さから落ちても死ぬ事は無くなった。
が!それでも上から鳥の糞が降ってきて、それに当たれば死亡してしまう程の貧弱、貧相、超虚弱な男。
彼の能力、殺気が迫れば不思議な音楽が頭の中に流れると言う危険察知能力、そしてこの虚弱体質を利用すれば、優勝も夢ではない。
現に彼の体の説明をすれば、殆どの者が道を空け、気づけばゴールに居た。しかも、一番で。
当然である。殺してしまっては失格なのだから、彼に触れるだけで失格確定なのだから・・・・
「・・・・世界最弱が最も恐ろしいと言う事を、教えてやるよ・・・・クックック・・・・」
【スペランカー 一回戦突破 願い 虚弱体質を直し、人並みに健康になりたい】
【山崎竜二 願い 不明】
以上です、こんなんで良いのかな?
乙、一番のゴールがスペランカーかよ・・・しょっぱなからワラタ
乙!
いいと思う
二階目指して疾走する男達の中で一際目を引く、蝶の柄をあしらった濃紺の振袖に白い袴の少女。
横顔のラインにそって切り揃えた髪型と切れ長の瞳が印象的である。
名を睦月カヤと言う。
由緒正しき睦月流古武術宗家の跡取り娘である。
彼女の斜め後ろを走っているのは鎖鎌を持った男、アクセル・ロウ。
彼の姿がカヤの視界をちらつく度、彼女の無言の苛立ちは増して行った。
「邪魔ですよ……」
カヤは不意に振り向き、両手の手刀で彼目がけて高速の突きを繰り出した。
睦月流が持つ攻撃的側面を最大限に引き出した必殺技・月影である。
ズブリ。一瞬鈍い音。
鋭利な刃のような一撃は彼の股間に見事にヒットした。
「♯☆●\ラgヰ!?」
アクセルは金的攻撃による苦悶に目を白黒させながら階段を転げ落ちて行った。
「睦月流は…私は…負けません」
アクセルが視界の端から消えるのを見届けながらカヤは静かに呟く。
それからしばらく後、彼女は表情一つ変える事無く階段を登りきり、二階へ到達した。
【睦月カヤ 一回戦突破 願い事:睦月流を全ての人民に叩き込む】
【アクセル・ロウ リタイア】
>>497 ワラタ
只一回戦はリタイア者無しじゃなかったか?リタイアじゃなくて大ダメージ見たいな感じ
それにしてもいてえ!!
499 :
497:05/02/09 03:02:15 ID:???
じゃあ大ダメージに変更です。
ラg流行ってるのか・・・?いや何のことだか分かりませんが
やっべえ!スペランカー性質がわりい!!勝てない!!誰も勝てない!!そして金的は痛い!!
七十七番目の登録者について数えてみた
登録者にサタンも数えればアフロ 抜かすのなら神楽マキ
ちなみに四十四番目はタコスケかあいつになる
一回戦から濃口しょうゆな感じでもおk?
>>504 いいんじゃねえか?一回戦だし。スペランカーが優勝候補になるような話だし。
おk、んじゃ投下。後の方、まかせた(外道)。
四十四番目はアンラッキー4としてペナルティ
でもタコスケやあいつじゃなあ・・・
あ 四番目の韓国道士が居るか
遥か彼方に高く、悠然とそびえ立つ塔。そしてその視界を遮るように、
とてつもない威圧感を伴って確かにその道≠ニやらは出来ていた。
遠景から眺めていても相当なものだったが、こうして実際に近くまで寄ってみるとさらにデカい。
要するに広大な地下迷宮がそっくりそのまま平原に出現しているのであるから、
その傲慢さたるや計り知れずという所であった。
今や大勢の者達が、突入の恐怖感すらただ一つ提示された
『願いを叶える』なる眼前のニンジンにあっさり打ち払われ、迷宮へと果敢に突撃して行ったが、
幾人かの慎重な者達は、迷宮入り口で各々の準備を整えていた。
「で、マリオン様、どうします? やっぱパパーッと迷宮飛び越えてショートカットってトコッスかねぇ」
「バカねポムポム、アンタあの派手なオッサンの話聞いてなかったの? 『迷宮』外は失格だって!」
そんな慎重な参加者の中の一人……いや、その表情から察するに、恐らくただ単に悪巧みをしているのであろう。
自称大魔法使いマーリンの末裔≠アとマリオンは、箒片手に執事のウサギ・ポムポムを従えて仁王立ちしていた。
「じゃあ迷宮フルマラソンッスか? いや〜まいったなぁ〜ウサギにこの試練は酷ですよ〜」
「どっちにしろアンタは何時もホウキに乗っかってるだけでしょ……それよりも!」
意地悪い笑みがより一層深まった。
「考えてもみなさい……他の奴等は皆、地面をいがみ合いながらドタドタ走ってくだけ……
でも、このわたしは空を飛べる! 眼下の争いを悠々と眺めながら迷宮探索、そして突破よっ!!」
「おおっ! 確かにそれは我々のみに許された特権! マリオン様、その通りッス! 最高ッス!」
「一回戦なんからくらくクリアー! 願いを叶えてもらうのはこのわたし! 行くわよポムポムゥ!」
そう言ってマリオンは箒に颯爽と跨る。
意気揚々と大地を蹴り、わき目もふらず迷宮へと突っ込んだ!
……までは、良かった。
「……あら、あなたも空≠取ったのね」
『!?』
「ふう……競争とはいえ、あまり衝突は起こしたくないもんだな……ついてきてるか? タテハ」
「大丈夫だよっ! それにしても凄い数だね!」
『!?』
「dbcg`aa_i??!!?」
「※@&#?¥++$$$!!」
「な……」
「負けられない……必ず勝って、覚のヤツを生き返らせてやる!」
「なんなのよアンタ達ィーッ!?」
そう、彼女は自分一人の考えに没頭するあまり、
自分の他にも同じような飛行能力者がいるなどとは、全くもって考えていなかったのだ!
数にすれば十数名、しかしマリオンは突然のライバルの急増に、驚きの声をあげずにはいられなかった。
そんな呆然とする彼女に、同じく箒に跨った魔女然とした女性が話し掛けてきた。
「そんなに驚くことも無いでしょう。それとも、これだけの人数が集まって、
まさか飛べる者が自分以外にも居るとは思わなかった……って所かしら」
図星の指摘に、ますます言葉を失うマリオン。
「……ま、いいわ。私はふみこ・オゼット・ヴァンシュタイン。同じの魔女のよしみで名前くらいは教えといてあげる。
但し、降りかかる火の粉は徹底的に払うつもりで居るから、そのつもりでね。じゃあ、お先に」
自分も名乗り返すことさえ忘れ、その場で宙に浮いたまま、
ふみこが去って行く様子を相変わらずボーッと見つめていたマリオンだが……
「マリオン様っ!」
「……は……はっ! ついつい呆気に取られちゃったけど!」
その表情は、一転して最初に見せた『悪巧み顔』に戻る。
「そうよね……ライバルが居る方が燃えるってもんだわ! 何はともあれ遅れを取るわけに行くもんですかっ!」
叫んで、性悪大魔法使いは全速で迷宮をカッ飛んで行くのであった。
【マリオン 願い事:不明】 【ふみこ・O・V 願い事:不明】 【アゲハ 願い事:不明】 【タテハ 願い事:不明】
【あいつ 願い事:不明】 【こいつ 願い事:不明】 【相模祐介 願い事:近江覚を生き返らせる】
乙!
ああ、そうか、塔に行く道であって塔のなかじゃないのか・・・
現時点での二回戦進出決定者
【コスプレイヤー京子 願い事:真吾が炎を使えるようにする】
【スペランカー 願い 虚弱体質を直し、人並みに健康になりたい】
【睦月カヤ 願い事:睦月流を全ての人民に叩き込む】
進出枠残り82人
乙、本編と違って馬鹿なのがおおいなあ・・・素敵過ぎる
その前に主催者が馬鹿だからw
で、感想スレはどうなったんだ?
レースが始まった直後。道は通勤ラッシュもかくやという込み具合になっている。
絡まり、ぶつかり合い、なかなか前に進めない歴戦の面々。
だがそんな中、人々の足の隙間を器用にすり抜けていく黒い影があった。
人ごみ、足元、姿勢が低いと三拍子揃っているが、別に痴漢ではない。
「ブラックアウト!」「ブラックアウト!」
移動するたびにやたらと気合の入った叫び声を上げているのはご愛嬌である。
女性達のスカートを除くこともなく地面すれすれを翔け抜けたその影が、人波の切れたところで実体化した。
「ふー…」
銀色の髪、漆黒のレザージャケット、そしてその背にBeast of Prayの文字。
ショッ……もといネスツの改造人間、K´であった。
「そろそろ到着か?ま、ちょろいもんだぜ」
無欲な彼には、別段かなえたい願いがあるわけではない。
だが肉食獣の誇りは、彼に敗北者たるを良しとしなかった。
「…………」
K´の視界には、既に「すた〜と」とでかでかと書かれた横断幕が大きく見えている。
後ブラックアウト数回でたどり着く。そう踏んだ彼は、もう一度気合を入れて身体を沈め、
「ブラックア……!?」
がくん!ずざざざざざーーーー!
そして肩が外れるかと思うような凄まじい衝撃を両肩に受け派手に転倒した。
何事かと振り向いた彼の目に映ったのは、
「て、てめー矢吹!何つかまってやがる!」
「やだなぁK´さんよそよそしい、99で組んだ仲じゃないですかー」
青みがかった学生服に白いバンダナの少年が、人懐っこい子犬のような顔でK´に笑いかけていた。
「あれはネスツの命令だ!でなきゃ誰がてめーなんざと組むかよ!」
「えー?ダメなんですよ、友達は大事にしないと。ウィップおねーさんにお仕置きされちゃいますよ」
「うるせぇ!お前に姉貴は関係ねーだろ!」
K´が右肩にしがみつく矢吹真吾とぎゃーぎゃー吠えあっていると、今度は左肩から声がかかった。
「よー、二代目主人公」
主人公。K´にとっては苦い肩書きである。そして、K´の嫌うとある男の肩書きでもある。
恐る恐る振り向いたそこには、果たして彼の存在感を脅かし続けている忌むべき存在がいた。
「草薙!?お前まで何やってやがる?」
「いや、めんどくせーから何かアシ見つけて来いって言ったらさ、こいつがお前を紹介してくれたんだよ」
「あ、足………」
ぽかんと口を開けるK´に向かって、京はひらひらと空いているほうの手を振って見せた。
「アテナちゃんに頼もうかとも思ったんだけどな?彼女に乗るのは犯罪だろ、流石に」
「というわけでレッツゴーっすK´さん」
「おらおら早くしろよ、でねーと俺らだけじゃなくてお前までリタイアになるぜ?」
「………てめーら、覚えてろよ…?」
K´が並みの人間ならショック死しそうな低い声で凄んだが、二人は全くこたえた様子がない。
京は言うにも及ばず、一見普通の男子高校生である真吾とて、伊達に京のパシリをやっているわけではないのだ。
「覚えとくってなんのことっすかねー?」
「あー、こいつが99〜2001まで主人公だったってことだろ?」
「いやーそういえばすっかり忘れてましたよー!流石草薙さん、優しいッスねー!」
(………殺ス!こいつらぜってー殺ス!)
結局男二人を引きずりながらゴールしたものの、K´の願いはこのとき既に決まっていた。
【K´ 一回戦突破 願い:主人公として草薙に負けない存在感を得る】
【草薙京 一回戦突破 願い:留年スパイラル脱出】
【矢吹真吾 一回戦突破 願い:炎を出せるようになる】
流石にもう来ないかなと思いつつリロードをしていた俺は勝ち組み。
乙!!
「ふふふ・・・皆道に迷っているな・・・・・」
マスクを装着し、出発の準備が出来たサタン、いや、マスクドサタンといった方が正しいのであろうか。
出発する前に参加者の悲しみを聞いておこうと水晶を取り出す。
「どれどれ・・・・ゴールに一番近いのは・・・・」
サタンは水晶を覗き込んだ。
あからさますぎだな
↓M・バイソン
/MVlヽ | |
(。 3 ゚9" −−−−→ | |
(○○) | 迷路の壁 |
∪ ∪ | | ここら編がゴール
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⌒⌒へ
〜ノノ`'ヾヘ〜〜
フッフッ・・・もう少しでゴールだと言うのに悩んでいるな ノノノ´∀`ノノノ
| | |
\ __ / | |
_ (m) _ | |
|ミ| | |
/ .`´ \ | |
/MVlヽ | |
(。 3 ゚9" −−−−→ | |
(○○) | 迷路の壁 |
∪ ∪ | | ここら編がゴール
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⌒⌒へ
〜ノノ`'ヾヘ〜〜
ほう?何か思いついたようだが・・・・ ノノノ´∀`ノノノ
/MV /
三 ( ゚3。 人 /∵ ..・
三 に二ニニ○ > /
三 |___/ V ../∴
__ ノ_.7__ ここら編がゴール
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⌒⌒へ
〜ノノ`'ヾヘ〜〜
な、なぁ!? ノノノ゚Д゚|||;ノノノ
あっけない壁だぜ!!>
三
三
↓壁だったもの 三
NVMVMVM
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⌒⌒へ
〜ノノ`'ヾヘ〜〜
・・・・・・・・・・・・・!? ノノノ゚Д゚|||;ノノノ
NVMVMVM
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
⌒⌒へ
〜ノノ`'ヾヘ〜〜
ば、馬鹿な・・・私が本気を出して作った壁のはず・・・!? ノノノ゚Д゚|||;ノノノ
「あの壁だけもろかったのだ・・・・そうだ、あの壁だけだ・・・」
サタンは自分にそう言い聞かせた。
【M・バイソン 一回戦突破 願い事:富と名誉】
AA作品キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
「ふむ、一回戦は迷路というわけですか。こういうものはだいたい壁に左手をついて進めば楽に・・・」
そんなことをつぶやきながらジョン・フーンは先ほどホールで見かけた人物を思い出していた。
キム・カッファン・・・自分の最大のライバルにして、なんとなく馬の合わない男
まさか彼までもがこのイベントに参加していたとは・・・・・・
もともとジョンがこのイベントに参加した理由は
『自分の方がキムより優れていることを知らしめる』という願いをかなえるためだったのだがそのキムが参加しているのであれば話は早い。
このイベントで優勝してしまえば自分の方がキムより優れているということを参加者全員の前ではっきりとさせることができるのだ。
目的を果たしたうえでさらに他の願い事もかなえてもらう。まさに一石二鳥。
「しかし他の願い事と言ってもねぇ・・・」
しばし思い巡らせる。
「・・・・・・アテナさんの・・・いや・・・それより・・・・・・うーん
・・・・・・・・・そうだ!」
はっと何か思いついたように手を叩く。
「自分でアイドルグループのプロデュースをするというのはおもしろいかもしれませんね・・・」
黙っていれば美形なのにこの男は重度のアイドルオタであった。
「フ・・・フフフフフ!!!燃えてきましたよ!この私の持つ知識を総動員すれば大ヒット間違いなし!!
つ○くなんか目じゃありません!当然リーダーはアテナさんで・・・・・・」
そんなことをあれこれと考えていたらいつのまにか塔が間近に見えてきた。
何人かまばらに見えるがまだキムらしい人物はいない。
「どうやら第一回戦は私の勝ちのようですね、キム君!」
もともとの目的とついさっき思いついた野望のためジョンは塔に向かって駆け出した。
【ジョン・フーン二回戦進出 願い事:自分でプロデュースしたアイドルグループを作る
(もともとの目的:自分の方がキムより優れていることを知らしめること)】
乙!フーンが勝利か、目立たない奴からどんどん突破していくなあ・・・
ゴール地点の二階が段々見えてきた頃だった。
九戸真太郎は前方を行く全身赤い服の白髪の男に目を付けた。
走り方が異様にキモい。
ただそれだけの理由だったが、こんな時でもいちゃもんを付けるのはヤンキーの性である。
「てめーさっきから目の前をフニャフニャとウゼえんだよ!」
言うなり、真太郎はアッシュの頭部目掛けてドロップキックを食らわせた。
アッシュの脳天に真太郎の踵が深々と食い込む。
予想だにしない攻撃に怯んだアッシュは思わず階段を踏み外して後方に倒れた。
真太郎は軽くそれを横に避けながら二階へ到達した。
「んわ〜お」
人混みに弾き飛ばされて階下へ転落してゆくアッシュの声が情けなく響いていた。
【九戸真太郎 1回戦突破 願い事:兄貴を蹴落として聖ローレン校のNo.1に】 【アッシュ 気絶 願い事:不明】
リアルタイムが来そうで眠れない俺が居る
そしてリアルタイム乙、ただゴールは2階じゃなくて塔だぞ?
キモい走り方ワロス
皆初期のルールと結構ごちゃごちゃになってるっぽいな
533 :
424:05/02/09 06:29:40 ID:???
人々は願いを胸に複雑に入り組んだ道を走り続ける。
それは鷲塚慶一郎と真田香織も例外ではなく、二人は持ち前の俊敏さを発揮しながらただひたすらに目的地を目指していた。
普通、彼等程の年齢の大人がこのようなある種の『子ども騙し』にここまで真剣にはなれないだろう。
二人とも良くも悪くも『純粋』であり、『不器用』なのだ。
そんな『不器用』な男――慶一郎は自分よりすこし前を走る、香織を見つめていた。
走る度に揺れる、束ねた長い黒髪に、少女らしさが僅かに残る整った顔立ち。
今は亡き兄の形見の鉢巻きに、その兄とお揃いの新撰組の浅葱色の法被。
慶一郎が多少老けていると言うことを除いてもとてもそうには見えないが、一応香織の方が年上である。
香織の願い事は大体慶一郎には予想がついていた。
きっと双子の兄、小次郎を蘇らせるつもりなのだろう。
真田家と鷲塚家は『家族同然』の関係であり、香織や小次郎、慶一郎はいつも三人一緒に過ごしてきた。
とはいうものの、実の『家族』には絆の強さでは敵わないことを慶一郎は悟っている。
香織が第一に頼るのはいつも兄の小次郎であって、慶一郎ではなかった。
香織が小次郎と慶一郎を同時に呼ぶ時は決まって「兄上、慶一郎殿」の順番だった。
それ以外にも、『越えられぬ壁』を感じることは多くあった。慶一郎自身の認めたくない想いとは裏腹に。
慶一郎自身は香織のことを想っている。
それこそ、想いの強さでは小次郎には負けない程に。
だが香織が慶一郎への想いに応えてくれるかとなると話は全く別だ。
彼女の瞳には自分は映っていないかもしれない。
彼女の望む未来図には自分は存在していないかもしれない。
だからといって、彼女の妨害など出来るわけがない。
彼女の悲しむ顔を見ることは、自分自身の願いにも反しているわけでもあるのだから。
「慶一郎殿?」
香織がこちらを振り向く。
「い、いかがなさいました? 香織殿」
「慶一郎殿、疲れてるのかなって…」
「いや、まだまだいけますぞ。共に頑張りましょうな、香織殿」
「うん」
幼い頃のような屈託のない微笑みで香織は答える。
その柔らかな微笑みに慶一郎は心の霧が晴れたような気がした。
卑屈で情けない考えは捨てよう。
小次郎殿が亡き今、香織殿を守り、幸せにするのは自分の務めなのだから。
例え「香織殿と二人で幸せになる」という自分の願いが叶わなくてもせめて、香織殿だけは――。
慶一郎は決意を胸に秘め、ひたすらに目的地を目指し走り続け…………………
「慶一郎殿、目的地に到着……したみたいだ」
「も、もう着いたでござるか?!」
【真田香織 二回戦進出 願い事:???】
【鷲塚慶一郎 二回戦進出 願い事:香織と共に幸せになる】
ドドドドドドド・・・
死人が出ても不思議はない大迷路をちっこい何かが物凄い勢いで走って来る!
「ぴょぉぉぉぉぉんっ!」
うさぎだぁッ!
物凄い勢いでふわふわ〜で、もこもこ〜な一匹の真っ白うさぎが駆け抜けていく!
凄いぞッ、誰も追い付けない!
みんな、その驚くような速さと、サンリ〇にいてもおかしくない可愛らしさに目を奪われているッ!!
小ささと身軽さと野性の勘を武器にすいすいと進むその姿はまるで夜空に煌めく流れ星のようだッ!
「世界中のニンジンとセーフクをげっとするのだぴょ〜ん!」
おぉっと!!!ゴォォォォォォォォルッ!!!!!!
すごいぜうさぎ、可愛い顔して一回戦突破だ!
踏み潰されなくて良かったなうさぎ!
うさぎのミートパイにされたりしたらどうしようとか思っていたんだが一安心だ!
さあ二回戦もがんばr
「ばんじゃ〜い、これでねんがんのニンジンとセーフクをげっとしたぴょん!!」
いやまだ君は一回戦を突破しただけで、優勝したわけじゃn
「ねえニンジンまだ? セーフクまだ? あとキャベツも(ry」
人の話聞いてねえだろこのバ〇うさぎ。
【うさぎのみるく 第一関門突破(まだ正体は内緒) 願い:世界中のニンジンとセーフクはあちしのものだぴょーん】
※正体はうさ耳うちゅ〜じんミルキーパイ。
ゴールでは、ライダースーツに身をつつみ、ヘルメットを小脇に抱えた少女が、
報道者の様な風貌をした少女にインタビューを受けていた。
「……というわけで、無事1回戦突破した風間あきら選手ですが、今後の抱負などを」
「まだ通過点なんで、気を緩めるつもりはありませんが、一つでも上へ行けるように頑張りたいと思います。」
「風間選手は優勝したら願い事は何をかなえてもらいますか?」
「そうですねー。やっぱり今までいろんな事件がありましたから、このまま平和でいてくれたらと思います。」
「以上で風間あきら選手のインタービューを終ります。最後に写真撮影を。」
と言うと肩から下げていたカメラであきらを撮影する。
「ひびきさん、ちょっと貸して。」というとあきらは蘭からマイクなど取材用具を借りる。
「え? 何? 何?」風間の行動の意図が読めない蘭。
あきらは録音機材の録音スイッチとマイクのスイッチを入れる。
「それでは続きまして、同じく1回戦突破のひびき蘭選手のインタビューです。」
スタート直後で偶然遭遇した2人は、顔見知りということもあり一緒に行動していたのだ。
当然ゴールもほとんど同時のタイミングである。
「え? ちょ、ちょっ、え?」予期していない事態に焦る蘭。
「現在の感想をお願いします。」とマイクをひびきに向ける。
「あ、あ、ありがとうございます……。」蘭にはいつもの取材する側の余裕はない。
「さて、ひびき選手は優勝したらどうしますか?」
「え、えっとぉ、その、あのー、特大のスクープを……。」
取材するのは得意であったが、取材されるのは実は苦手なひびき蘭であった。
【風間あきら二回戦進出 願い事:安全と平和(変わるかも)】
【ひびき蘭二回戦進出 願い事:特大スクープを撮ること】
一方―――
「え? ここ、さっき来たよね? あーもうわけわかんないよー。」
ひなたは迷っていた。
【若葉ひなた 願い事:不明】
用意された『道』は大迷宮であるが、それだけと言ってしまえばそれだけだ。
「左手を壁につけて歩く!ラックショーラックショー!」
左手を壁に触れさせながら、花郎(ファラン)はすいすいと走る。
この程度の競争、軍の特殊任務に比べれば朝飯前もいいとこである。
日々テコンドーの修行で鍛えているおかげで、足腰にも超自信アリ、だ。
幾度も角を曲がり、そろそろゴールかと思った頃。
「おや、そこを行くのは花郎君かな」
背後から声をかけられる。
振り返るとそこには、美しい銀の髪の男が迫ってきていた。
「おっさん何時の間に……」
その言葉を聞く者がいれば、怪訝に思ったかもしれない。
銀髪の男、李超狼(リー・チャオラン)は、せいぜい20代後半にしか見えないのだから。
「相変わらず口が悪いね、君は」
「おっさんは趣味が悪い。48にもなってそのメッシュの服、どーよ?」
「似合っているのだからいいではないか」
そう、超狼はすでに48歳。にもかかわらず体力、気力ともに全く衰えを見せず、肌も若者のようにピチピチ……と、世の女性が聞いたら羨みそうな男である。
何にせよ、このエレガントを信条とする少々エキセントリックな男は、のちのち厄介な相手になりそうだ。
とはいえ、今は一気に数少なくなる参加者枠に入り込むのが先決。
「この先また会う事があったら、そん時はぜってーブッ飛ばす!願いを叶えるのは俺だからな!あばよ!」
言い捨てて花郎はぐんっと速度を上げてゴールまで駆け出した。
願いは風間仁との、正真正銘本気での一騎打ち。
……いや、今の風間はいつなんどきデビル化するかわからない。それでは対等の勝負はできない。
「……じゃあ、あいつの中のデビルの血をなくせばいいんだ。待ってろよぉ風間!三島の因縁から解放してやるから、俺と勝負しろおお!」
気勢を上げて、花郎はゴールに駆け込んだ。
その後方。
「やれやれ、相変わらず暑苦しいというか、熱血というか、エレガントじゃないなあの子は」
まあいいか、と銀髪の悪魔もゴールに向けてラストスパートをかける。
野望は三島財閥総帥の座。それに願い事云々を抜きにしても、この私が醜態を晒すわけにはいかないとの思いもある。
そのさらに後方。
「う、嘘、あれで48歳アルか……?せっかくのイケメンだと思ったのに……」
超狼の美貌に目をつけ、ひっそり後をついて回っていた蔵土縁紗夢(クラウドベリー・ジャム)。
その狙っていた男性が中年を通り越してそろそろ初老にさしかかろうとする年齢だったことに、彼女は流石にショックを受けていた。
が、戦う料理人且つイケメンハンターである彼女は、それくらいではへこたれない。
「……フッフフフ、まあ顔がいいなら年齢は関係無いアルよ!さっきまで一緒にいたゴーグルのオニイサンも悪くないアルねぇ……みんなまとめて、ウチの従業員としてゲットアルヨ!オーッホホホホホホ!!」
迷宮を走り抜けながら高笑いするジャム。
その突如響いた不吉な笑い声を聞いた後続の幾人か――主に顔のいい男性――が、思わずびくっとした。
そしてその頃前方、ゴールで一息ついていた花郎と李超狼も、得体の知れない寒気に突如として襲われ、身を震わせていた。
【花郎 二回戦進出 願い事:風間仁からデビル因子を消し去る】
【李超狼 二回戦進出 願い事:三島財閥の総帥の座を得る】
【蔵土縁紗夢 二回戦進出 願い事:イケメン従業員のいる自分の店を開くアル!】
男は困惑していた。
目の前、それも通路のド真ん中に2匹の子猫がいて、その2匹の子猫は
「疲れたにゃん…ちょっと休憩するにゃん…」
「ダメにゃん!急ぐにゃん!早い者勝ちにゃん!」
などと話していたから。
男は仕方がないなと考えながら話し掛けてみた。
「猫、名前はなんだ?」
「「猫じゃないにゃん!ケットシーにゃん!」」
「そうか、ケットシーと言うのか」
男は、子猫をひょいっと持ち上げると走り出す。
「「にゃっ!にゃにを…もしかしてゴールまで連れてってくれるにゃん?」」
「勘違いするな、ついでだ…」
2匹の子猫を抱えてゴールする男の頬は、少し緩んでいた。
【八神庵 願い事:不明】
【ふたごのケットシー 願い事:不明】
543 :
542:05/02/09 14:47:34 ID:???
ちょこっと修正
【八神庵 一回戦突破 願い事:不明】
【ふたごのケットシー 一回戦突破 願い事:不明】
すみません…orz
「どうやら迷ってしまったようですね、どういたしましょう?キース様」
「そうだな・・・」
「ぼく迷路とかって苦手なんですよねぇ・・・」
服装から髪型までまるで超人○ックのような超能力集団ノアの総帥キース・エヴァンス
その体にフィットした全身タイツみたいな服装は製作者の趣味なのか小一時間問い詰めたい人口バイオロイドのソニア
黒のレザースーツに身を包んだ二重人格の青年ブラド・キルステン
はたからみると超能力集団というより単なるコスプレ集団である。
まぁ、それは他の参加者にも言えることだが。
「この道はさっきも通った気がするし・・・・・・・・・
・・・・・・・・あぁ!!めんどくせぇ!!!!!!全部ぶっ潰してやるよォ!!!!!!!!」
「落ち着け!ブラド」
もう一つの人格の出かけたブラドを慌てて止めるキース
「す、すいません。キース様」
「いや、君のもう一つの人格を抑えるのは私の役目だからな。
ただ、この会場は参加者のいろいろな念が渦巻いていて私の集中力も今のように途切れてしまうことがある。
だから君自身も自分の人格をなるべく抑えるよう気をつけていてくれ・・・」
「私が暴走したりブラドのもう一つの人格が暴れたりしたら優勝は夢のまた夢ですからね・・・」
キースはソニアの言葉にうなづき、決意を込めて言葉を続けた。
「あぁ、ノアのため・・・全てのサイキッカーたちのために私たちは優勝しなくければならない!
ふたりとも力を貸してくれ!」
「さすがです!キース様。私の願いはキース様と共にあります!」
「ええ!ぼくもノアのために頑張ります!
ノアのみんなの癒しになるように全世界の花をいつでも見られるような素敵な温室を作るんです(`・ω・´)」
「「いや、それはお前の趣味だろ!!!」」
「それにしてもさっきのホールにはいろんな者たちがいたな
・・・そもそも主催者からして人間ではないようだったし、空を飛んでいるものも見かけたし・・・・・・
こんな風に異能力者たちが分け隔てなく接することができる世界こそが私たちの理想とするべき世界なのかもしれない」
そんな風に思いをはせるキースに申し訳無さそうにおどおどした様子で声をかけるブラド。
「あの・・・ぼくたちも空飛べますよね?」
「・・・・・・・・・」
「最初から空を飛んで塔まで行けば早かったんじゃないでしょうか・・・・・・」
数分後
超能力集団ノアの面々は空を飛び無事に塔の入り口までたどり着いた。
【キース・エヴァンス一回戦突破 願い事:サイキッカーの理想郷設立】
【ソニア一回戦突破 願い事:全てはキース様のために】
【ブラド・キルステン一回戦突破 願い事:全世界の花をいつでも見られるステキな温室】
「それにしてもさっきのホールにはいろんな者たちがいたな
・・・そもそも主催者からして人間ではないようだったし、空を飛んでいるものも見かけたし・・・・・・
こんな風に異能力者たちが分け隔てなく接することができる世界こそが私たちの理想とするべき世界なのかもしれない」
そんな風に思いをはせるキースに申し訳無さそうにおどおどした様子で声をかけるブラド。
「あの・・・ぼくたちも空飛べますよね?」
「・・・・・・・・・」
「まず迷路を上空から見て道順を覚えてそれから突破すればよかったんじゃないでしょうか・・・・・・」
数分後
超能力集団ノアの面々は無事に塔の入り口までたどり着いた。
【キース・エヴァンス一回戦突破 願い事:サイキッカーの理想郷設立】
【ソニア一回戦突破 願い事:全てはキース様のために】
【ブラド・キルステン一回戦突破 願い事:全世界の花をいつでも見られるステキな温室】
「素晴ラシイ格好デアル!!ぎりぎり超好ミ!!凄ク不本意ダガばっちグー!!!ぶるまー賛成!!一緒ノ墓ニハイッテクダサイ」
白い服を着た機械人形──ロボカイは目の前にいる上はジャージ、下はブルマの女の子に突然のプロポーズを行った。
「な、ななななななぁぁ?!」
そういう恋愛沙汰に免疫が無いこの女の子、通称委員長は心臓が飛び出るほどドキドキしていた。
「う、ウウウウウ嬉しいけど私まだ結婚なんて考えられないし・・・・そ・・・・それに貴方と会うの初めてだし・・・・
わ、私なんかよりも他に良い人が居ると思うの!」
委員長は相手を傷つけないように最新の注意をこめて断りの言葉を花束を抱えているロボカイに伝えた。
「タシカニソノ通リ!!何気ニ貴様ヨリモイイ女バカリ!!コウシテハイラレナイ!!サラバ!!」
そういい残してロボカイはすごい勢いで去っていった・・・・
ポカーンと突っ立っている委員長を残して・・・・
「ふんだ!!ふんだ!!!嬉しくなんて無かったからね!!あんな告白されたのはじめてだったけど嬉しくなんか無かったんだから!!
どーせ私よりも可愛い女の子ばかりですよーだ!!フンだ!!」
目に涙を為ながら歩く委員長、気が付けばゴールについた。
そこにはあのプロポーズしたメカも居た。悔しかったのか後ろから膝カックンを噛ましていた。
【委員長 一回戦突破 願い:自分のちゃんとした名前が欲しい】
【ロボカイ 一回戦突破 願い:世界征服デアル!!】
彼は不幸な男であった。
彼自身に特に落ち度があった訳でもなく、彼は不幸をその身に被っていた。
だから、彼がこの奇妙な催しの事を聞いた時、
その心はしばらくの間忘れていた、『喜び』という感情を久々に思い出したりした。
――願いが叶う!
あまりにストレートなその賞品内容に、彼は感情が昂ぶり――その後のことは全く覚えてない。
ただ、気がつけば何時もと変わらず、身体が怪我だらけになっていた。
そんな訳で彼も意気揚々とスタートしてはみたのだが、
何せ共に競うは百戦錬磨、血気盛んな猛者どもばかり。
元来が気弱で押しの弱い彼は、あっという間にもみくちゃにされ、
気がつけば大幅に他の者達より遅れを取っていた。
「う……そ、そうだよね……俺なんか参加した所で他の人達に敵う訳が無――」
途中まで言いかけて、彼の言葉が突然止まる。
……その場に、他の者が居なかったのは、ある種幸運だったかも知れない。
突然、男がビクン、と大きく身震いして、腰を大きく後方へ反り、
あまつさえ後ろ向きという無茶な体勢のまま機敏に動き出した光景なんてものを目にすれば、
人によっては一生のトラウマになりかねないからだ。
さらにはその傍らに鬱々とした女性の姿がぼうっと浮かび上がり、
長く暗い髪に覆われたその顔の中で、かろうじて確認できる口元がニィ……と薄く黒い弧をつくる。
……なんてのは、気の弱い者なら一発で気絶できる光景であった。
そうして本人の意思の介在しない猛攻は始まった。
途中、何かをはね飛ばしたかもしれない。
さらに言えば、ムカデっぽいものが暴れた可能性もある。
剣やら犬やらがここぞとばかりに飛び出すなんて事も無かったとは言いきれない。
――兎も角。
ザッパは、ふと気付けばゴールで倒れ込んでいた。
そしてやはり、当然のように身体中が痛かった。まるであちこちを駆け回ったかのようだった。
【ザッパ 一回戦突破 願い:病気(と、本人は思っている)を治してもらう】
今一人の男が一回戦を突破した
彼の名は火引弾
自称サイキョーの格闘家だ
宿敵サガットを倒した彼に一体何の願いがあるというのか
答えは簡単だった
「皆黙ってねえで素直にダンさんの技を教えてくださいって言えばいいのによ、けど俺って心優しいからな・・・
この大会に参加やつ全員を無条件で「サイキョー流道場」に入門させてやるぜ!!ヒャッホウ!!」
サイキョーな男の最凶の野望の幕開けだった・・・
【火引弾 一回戦突破 願い:参加者全員をサイキョー流道場に入門させる】
550 :
悲劇:05/02/09 18:30:06 ID:???
_________________
/ \
|ゴールはどこじゃい!ゴールはどこじゃい!|
\ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧ ∧ ∧ ∧
Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) ←溝口
./ つ つ
〜(_⌒ヽ
)ノ `J
___________
/ \
|お?これは一体なんじゃい!|
\ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧∧ _____
(,,゚Д゚) | |
⊂ つ | |
〜 | |______|
し`J
551 :
悲劇:05/02/09 18:31:42 ID:???
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ソ ゴ .|
| キ コ | |
| タ カ ル |
| デ ラ ハ |
|サ ス |
|タ |
|ン |
.  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
i. /  ̄l 7 1 イ/l/|ヘ ヽヘ ≦ , ,ヘ 、 i
,!ヘ. / ‐- 、._ u |/ l |/ ! ! | ヾ ヾ ヽ_、l イ/l/|/ヽlヘト、 │
. |〃、!ミ: -─ゝ、 __ .l レ二ヽ、 、__∠´_ |/ | ! | | ヾ ヾヘト、 l
!_ヒ; L(.:)_ `ー'"〈:)_,` / riヽ_(:)_i '_(:)_/ ! ‐;-、 、__,._-─‐ヽ. ,.-'、
/`゙i u ´ ヽ ! !{ ,! ` ( } ' (:)〉 ´(.:)`i |//ニ !
_/:::::::! ,,..ゝ! ゙! ヽ ' .゙! 7  ̄ | トy'/
_,,. -‐ヘ::::::::::::::ヽ、 r'´~`''‐、 / !、 ‐=ニ⊃ /! `ヽ" u ;-‐i´
! \::::::::::::::ヽ `ー─ ' / ヽ ‐- / ヽ ` ̄二) /ヽト、
i、 \:::::::::::::::..、 ~" / ヽ.___,./ //ヽ、 ー
後ろにいた ↑シェン ↑霧島 ↑リョウ
552 :
悲劇:05/02/09 18:33:35 ID:???
/\ | /|/|/| ドドドドドドドドドドドド!!
| / / |// / /|
| / / |_|/|/|/|/| (´⌒(´⌒`)⌒`)
| / / | |/ // / (´⌒(´ゴールだ!!ゴールだ!!`)⌒`)
|/ /. _.| ̄|/|/|/ (´⌒(´∧ ∧⌒`)`)`)⌒`)
/|\/ / / |/ / (´⌒(´(,゚Д゚ )つ `)`)
/| / / /ヽ (´⌒(´⌒ (´⌒( つ |〕 /⌒`)⌒`)
| | ̄| | |ヽ/| 遅れるな!! ( | (⌒)`)⌒`)
| | |/| |__|/. ∧_∧ ⌒`).ドし'⌒^ミ `)⌒`)ォ ←この下に溝口がいるかもしれない
| |/| |/ (´⌒(´( ´∀` )つ ド ∧_∧⌒`)
| | |/ (´⌒(´( つ/] / ォと( ・∀・ ) 突撃――!!
| |/ ( | (⌒)`) ォ ヽ[|⊂[] )`)
| / (´ ´し'⌒^ミ `)`)ォ (⌒) |
↑上から シェン 霧島 リョウ
∩_∩
(。Д。⊂_つ ←溝口
【シェン・ウー 一回戦突破 願い:???】
【霧島翔 一回戦突破 願い:???】
【リョウ・サカザキ 一回戦突破 願い:???】
【溝口誠 気絶 願い:???】
第5回FFS以降、アラン・アルジェントは誰にも語ることのないある野望を抱えていた。
彼の野望とは────
孤児院の増築工事と偽り、敷地内に自分専用の超巨大ハーレムを建設する事だった。
両脇にはべらす女共は勿論修道女コスプレ強制、年齢層は幼女から熟女まで何でもありだ。
そんな賤しい願望を成就させられる好機が彼の前に今、訪れた。
(うはwwwマジ最高wwwwwwwww)
膨らむ妄想のせいで迷路を駆け抜ける彼の足取りも自然と軽くなる。
「よーしパパ頑張って全員リタイアさせちゃうぞー♪なんてなw」
迷路自体の難易度は主催者自身の知能程度を反映してか低い。
しかし狭い通路に大量の人間が我先に前に出んとひしめき合っている為、彼等を押し退けて
先頭に出るのは容易ではない。
これは1人ずつ殴り倒して前に進むべきだろう。
ゆっくりと拳を振りかぶった瞬間、誰かに万力の如き凄まじい握力で右腕を掴まれた。
(……!?)
驚いて振り返ると見覚えのある少女が自分の背後にへばりついていた。
巫女と見紛いそうな配色の着物にショートカットの赤い髪。
確か睦月ヒカリとか言ったか。以前FFSに参戦していたはずだ。
554 :
1/2:05/02/09 20:24:02 ID:???
次々と1回戦を突破するゴール地点にまた2人が到着した。
ガッチリとしていて、顔には隈取をし、浴衣を着ている男性と、
その肩の上に乗っているブレザー服の少女である。
肩の上からキサラは降り、エドモンド本田にお辞儀をした。
「ありがとうございました。」
「ガハハハハ、なんのなんの。お礼をいいたいのはワシの方じゃ。」
ゲーム開始直後、キサラは考えていた。自分が優勝したら何をしてもらうかを。
その答えは決まっている。有名になること。
「ガンガン行進曲」そして「ネオジオコロシアム」にしか出ていない自分を、
知っている人は少ないだろう。
そんなことを考えていたら、迷路の角の曲がろうとしたところで、
誰かとぶつかって跳ね飛ばされてしまった。
キサラがぶつかった相手の方をみると、顔に隈取をした、いかにも『お相撲さん』といった
容貌の男性が心配そうにこっちをみていた。
「外人さん、大丈夫かいのぅ?」
「ご心配なく。」キサラは立ち上がろうとする、だが、「あいててて……」
足をくじいたようだ。
「フム、ワシがもっと気をつけておればのぉ。そうだ!」
お相撲さんはまるで猫のようにキサラを掴むと、肩に乗せて歩き出す。
彼女は訝るアランの腕を掴んだまま、神妙な表情を湛えてぼそりと呟いた。
「ご指名有難う御座います。ヒカリです」
「………いや指名してないし」
「いいからいいからぁあ〜ヒカリを信じてぇ〜」
「誰だよ!!!」
「え〜と私はですねぇ、実は睦月カヤの双子の妹なんですよぉ」
「ああ。散々既出だな」
「ふふ…ワイとあのアマは相対する存在。いずれ片方が消滅せなあかん…こいつは宿命や」
「待て待て何か途中からキャラ変わってるぞ」
「お黙りこの腐ったミカンが!!」
「人格攻撃かよ!?」
アランは思わず彼女の手を振り払い、音速の裏拳を放った。
ヒカリは鋭い突っ込みを額で受け止めつつ、
「まあそんな訳で私は姉者に下克上食らわせたいわけですよ。アーユーオーケー!?」
「うん…何かよくわからんがオーケーだよ…」
「ふん、豚めが…分かればよろし」
額からだらだら流れる血を拭う。
「なので今回の大会の優勝は絶対私が頂きますから。では失礼します」
急に普段通りの口調に戻ったヒカリは迷路の出口に向かって颯爽と走り去った。
(おかしいよあいつマジおかしい絶対変なキノコ食ったに違いないよ)
アランは戦慄で震えながら彼女の後ろ姿を見送った。
結局2人の寒いやり取りのせいで参加者達は周りから完全に引いてしまっていた。
皮肉な事に、お陰でアランは労せずしてゴール地点に到達する事が出来たのだった。
【睦月ヒカリ 一回戦突破 願い事:姉に下克上を食らわせ帝王となる】
【アラン・アルジェント 一回戦突破 願い事:教会敷地内にハーレムを建設】
初めは戸惑い、降ろして欲しいと懇願したが、「ワシに任せておけ」と降ろしてくれなかった。
何より他の競技者達に奇異の目で見られるのが恥ずかしかった。
だがそのうち、高い視点から見ることにより、迷路の近くの構造がわかるようになっていることに気づいた。
これにより出口への到達時間の短縮につながった。
ゴールに着く頃には、足の具合も大分良くなっていた。
走るのは辛いが、歩くのには支障が無い。
キサラはアイとユウキがどうなったか少し心配しつつ、2階への階段を上がっていった。
【キサラ・ウェストフィールド(足軽傷) 二回戦進出 願い事:メジャーになりたい】
【エドモンド本田 二回戦進出 願い事:相撲をオリンピックの種目にする】
557 :
1/2:05/02/09 20:50:57 ID:???
巨大迷路の中盤あたり、栗色の髪の少女が黄色いうさぎの様な生き物を抱えて歩いていた
「スゴイねカーくん!この迷路、おっきいねー」
「ぐう〜(`・ω・´)」
「でも迷っちゃったみたいだね…」
「ぐう〜(´・ω・`)」
アルル達は迷ってしまい途方にくれているようだった
「ぐ?ぐぐうーー!!(`・ω・´)」
突然、空に向かって額の石からビームを出すカーくん
「わあ!?だめだよカーくんいきなりビーム出したりしちゃ!」
「ぐうう〜(´・ω・`)」
「あれ?カーくん!新しい道があるよ!行ってみよう!」
「ぐっぐう〜(`・ω・´)」
「でもなんでいきなり道が出来たんだろ?ま、いっか」
「ぐっぐぐう〜(`・ω・´)」
そして、アルルはゴールに辿り着くのでした。
【アルル・ナジャ 一回戦突破 願い事:不明】
558 :
2/2:05/02/09 20:53:16 ID:???
その後ろに、少しぼろぼろになっている仮面の男がひとり…
「ア…アルルは無事にゴールしたか…しかし、カーくんに撃ち落とされるとは…思わなかった…」
【マスクドサタン 一回戦突破 願い事:アルルと結婚】
さっそくだが個性派揃い参加者の中でも特に異質なのがこの女だろう。
参加者ナンバー77・神楽マキ。サタンのお遊び、もとい悪戯によりこの世に再び蘇った神楽家の長女にして、三種の神器を司っている(正しくは過去系)巫女である。
彼女は「お前もなかなかluckyで賞」と称してサタンから三つのお役立ちアイテムをもらっていた。
まず一つはマンションの9Fから飛び下りても死なない丈夫な体。
ゲーニッツに過去に殺された経験のあるマキとしてはなんとも有り難い生身だった。
「これを頂けただけでもう満足な気もするわ。」
とホクホク顔のマキに対して、
「せっかくなんだからいけるところまで行きましょうよ。」
と返すのは双子の妹のちづる。二人は一緒に行動しているのだ。
二つ目は迷路用ナビつき携帯。
しかし、マキは四年前にこの世を去っていたため、今時のハイテクマシーンはなかなか使いこなせず結局妹のちづるの操作の元で役立てることにした。
「すごい!携帯から歌が流れてるわ!」
「携帯で動画もとれるのよ。」
「じゃあとりましょうっ!」
「ええ、ゴールしてからね。」
そして最後のアイテム……それはバナナの皮。
「食べる部分がないなら必要ない気がするわ。」
「そういわずにさっそく使ってみましょうよ、姉様。」
「じゃああいつに…。」
マキはニヤリと巫女らしからぬ笑みを浮かべるとゲーニッツの足元をめがけ、それを投げてみた。
ぽーん。
つるっ。
「うぎょっ!?」
どってーん。
まさか本当に滑って転ぶとは。
しかもあのゲーニッツが「うぎょっ!?」ときたらもうおかしすぎておかしすぎてたまったものじゃない。
「おーほっほっほ!」
「ぷっ、あはははは!」
マキとちづるは容赦なく笑った。その悪魔のような笑みを見たらさぞかし両親は嘆き悲しむだろう。
「「べーっ!!」」
憎き宿敵にささやかな復習をした後二人は軽やかに走り去り、そのままゴールした。
「姉様は決めた?願い事。」
「そうねぇ、私生き返っちゃったからねぇ。どうしようかしら。」
「………ねえ、姉様だったらどっちをとる?」
「神楽の巫女としての宿命と、一人の人間としての幸せのどちらをとるかってことよね?ちづるが言いたいのは。」
「ええ……私まだわからないの。自分が本当は何を望んでいるのか。いったい何が正しいのか……それすらわからないの。」
「まあ、まだ考える時間は一杯あるんですもの。のんびりいきましょう。」
「そうね!」
ちなみに、
「ゲーニッツの安否?知らないわ。」
「まあ死にはしないでしょ。」
とは後の神楽姉妹のお言葉。
【神楽マキ 二回戦進出 願い:そうね、どうしましょう】
【神楽ちづる 二回戦進出 願い:少し考えさせてね】
【ゲーニッツ 転倒 願い:愚かな人間どもへの制裁】
巨大迷路の中を数多の猛者たちが駆け抜けている。アバウトゆえに人類普遍の夢である「願いがかなう」という賞品を目指して。
白い胴着に赤い鉢巻、拳にはグローブ足元は裸足という格闘家の手本のような男、
リュウも一生懸命になって迷路を縦横に駆けていた。
願いはもちろん、「真の格闘家への道を知ること」だ。
直接「真の格闘家」にしてもらわないあたり、実直というか要領が悪いというか、彼らしいところではある。
「迷路か…その時々の決断力、人の流れを読む判断力が重要なポイントだな」
流石に全人生を拳に捧げた男である。行住坐臥、全てが修行を地で行っている。殺意の波動にも目覚めるというものだ。
判断力か決断力か、単なる直観かわからないが順調に迷路を攻略していくリュウ。
だが激しく動く人並みの中で、一人だけじっと立ち尽くしている少女を発見した。
黒い髪と瞳、白い花が飾られた深い青色のワンピースを着て、空の鳥かごを下げている。
その様子を不思議がってリュウは歩調を落とし、リュウの視線に気付いた少女は彼に駆け寄ってきてこう言った。
「私の青い鳥…見かけませんでしたか?」
どうやら少女は、自分の飼っている青い鳥とやらを探しているようだ。迷路を駆けているうちに鳥かごから逃げてしまったのだろうか。
それにしても青い鳥とは、聞きようによっては「幸せを探しています」とも聞こえる内容である。
「いや、俺は見かけなかったよ。力になれなくてすまない」
リュウはごく普通に受け答えをした。言っておくが馬鹿なのではない。純真なのだ。
少女は表情は動かさなかったが、肩を落として明らかに落ち込んだ様子である。小さくリュウに頭を下げて向きを変える。
次の誰かに話し掛ける機会をうかがっているようだが、引っ込み思案なのか積極的に人に話し掛けることができない様子だった。
少女が向き直ると、そこにはまだリュウが立っていた。すでに先へ向けて走り去っていたものと思っていた少女は少しだけ驚き、表情が変わった。
「そうやって待っているばかりでは探し物は見つからない。他のみなのように自分で走って探せば、必ず君の探し物は見つかるはずだ」
静かな笑みを作って、リュウは立ち尽くすだけの少女に道を示し、少女の肩を通り抜けてまた走り出した。
迷路が終わり、塔の入口に到達した。
「すでにかなりの人数が到着しているな…まだまだ俺は修行が足りないようだ」
先着のものたちの顔を眺めながら視線を一周させると、先ほどの少女の姿が迷路の奥からゴールに向けて駆けてきたのを見つけた。
空の鳥かごを抱えて、少女はゴールをくぐり塔の前にたどり着いた。汗を流し肩で息をしながら少し歩き、そして少女もリュウを見つけた。
リュウは何も言わず静かに笑い、少女も小さな笑みを作りやはり小さく頭を下げた。
【リュウ 1回戦突破 願い:真の格闘家への道を知る】
【カゴメ 1回戦突破 願い:青い鳥を見つける】
優勝者は何でも願いを叶えよう。
そう宣告されても、ゼンは他の参加者のように心躍らなかった。
願いなど、とうに自力で叶えてしまった。
グリードを生き返らせて、もう一度納得いくまで戦うか?――それも、馬鹿馬鹿しい。
どこか空虚な気分を抱えたまま、それでも一応ゼンは迷宮を進む。
そんな彼の前方で、何やらちょっとした騒ぎがあったようだ。
よくよく見てみると、騒ぎの発生源は顔見知りだ。
アラン・アルジェントが誰かに高速の裏拳でツッコミを入れている。
それを額で受け止めているのは……何と睦月ヒカリだった。
「……あ、あれ?」
信じられない光景に、らしくもなくゼンは狼狽する。
その少し前からかすかに訳のわからん言動が聞こえてきていたが、まさかそれは全部彼と彼女のやりとりなのか。
アランはともかく、ヒカリは明るく健気で心優しく、といった感じの少女だったはずだが。
「ふん、豚めが…分かればよろし」
(……お、俺の知っている睦月はあんな台詞は吐かんはずだ……)
それともまさかあれが彼女の本性なのだろうか。女は怖いぞ、信用するなとバロールの誰かが言っていた気もするが。
と、思った次の瞬間、
「なので今回の大会の優勝は絶対私が頂きますから。では失礼します」
ゼンのよく知った口調でそう言ったヒカリは、やはりゼンのよく知った明るい笑みを浮かべて去って行った。
もはや女はどうこうと言ったレベルを超えているような気がする。
アランもそうだが、周囲で見ていた他の参加者もドン引きだ。
あまりのことに、ゼンは彼女がああなってしまった理由を考える。
とはいえ彼女とはF.F.S.でしか接点がなかったので、判断材料はそれ絡みしかないのだが。
例えば……もしも彼女の変貌が、父の仇を討てなかった事に起因していたとしたら?
不慣れな地下格闘大会に出場するほどに覚悟を決めていたのだから、ゼンがグリードを倒してしまったと知ったときの衝撃はかなりのものだっただろう。
(ま、まさか俺のせいなのか……?)
別にヒカリに対して特別な感情を抱いていたとか、そんな訳ではないのだが。
知り合いが自分のせいであんな寒すぎる変貌を遂げているのだとしたら、さすがに猛烈に申し訳ない気分になってくる。
先程までとは打って変わって、ゼンの内には固い決意が生まれていた。優勝して、彼女を元の心優しい少女に戻してもらおうと。怖いし。
アランに続いて、ドン引きしたままの参加者たちの間を駆け抜けて、ゼンは一回戦突破を果たした。
とりあえず、ヒカリは元々電波な性格だったのです、という可能性は考えないことにしておく。
【譲刃漸 二回戦進出 願い:ヒカリの性格を元に戻してもらう】
「もー!全然行けなーい!!」
鮮やかなオレンジ色の服に長い栗色の髪、そして一際目をひく大きな錨を持つ少女――メイはとうとう不満を噴出させた。
それほど広くもない迷路の道は人の壁で塞がり、進みはするが追い抜かせない状況である。
「いっそのこと錨で薙ぎ倒しちゃおうかな…」
などと物騒なことをぼそりと呟いた時、後ろから声をかけられた。
「落ち着いてください、メイ」
走りながら振り返るとそこには仲間であるディズィーの姿があった。
いつもの快賊服に身を包み、しかし何故か翼は小さいままである。
「あれ、ディズィーは空飛んでいかないの?」
苦笑しつつディズィーが答える。
「駄目ですよ、ちゃんと迷路の中を通らないと失格って言ってたじゃないですか」
「あーそっか。じゃあ、やっぱりここを突破するしかないね」
とはいえ、この狭い空間で錨を振り回しても先頭の連中に追い付くのは難しいだろう。
とすると…
「あ、そうだ☆」
何か悪戯でも思い付いたかのように無邪気な笑みを浮かべるメイ。
実際、彼女にとっては何時もやってる悪戯に等しいようなものだった。
…非常識さと周りに与える迷惑はともかくとして。
メイはいきなり、隣を悠々と走る男の襟首を掴んだ。
「おいてめぇなにs」
「おじさん、ちょっとゴメンね!」
喚き散らす男の抗議が聞こえたかどうか。
怪力少女は片手1本で大の大人を軽々と持ち上げると
「てぇいっ!!」
ぶぉんっ
集団の前方に向かって、思いっきり放り投げた。
投げられた哀れな男の情けない悲鳴と。
その男に巻き込まれた数人の怒号と。
それらにつまづき、転び、積み重なっていく後続の参加者達。
あれよあれよという間に小さな人の山が出来上がっていく。
「メ、メイ…これはちょっと」
多少青ざめたディズィーがたしなめようとした矢先、メイは既に人の山へ向かってダッシュしていた。
そして山にぶつかる直前。
「イルカさ〜ん♪」
足元から召喚したイルカで山を飛び越える。
イルカはきれいに放物線を描き、山の反対側へメイを連れていった。
「ほら、ディズィーも早く早く! 先に行っちゃうよー?」
笑顔で手招きするメイを見やり、ディズィーは頭に手を当て軽く溜め息をついた。
かくして数分後、二人は無事にゴールへ行き着いたのであった。
実はジョニーもあの人の山の中に巻き込まれていたのは、後で知った話である。
【メイ 二回戦進出 願い:ジョニーとラブラブになる】
【ディズィー 二回戦進出 願い:???】
「…パティ…」
スタート早々人ごみに揉まれ、マイトはパティとはぐれてしまっていた。
何故かテレパシーも届かない。結界でもあるのだろうか?
ただ、迷路を進んでいるのは間違いない。
不安を感じつつ、迷路を進んでいく。大勢の人を目で追いながらパティを探す。
「…!」
ゴール付近で、金髪の大男とパティが並んで歩いているのを見つけた。
男は無愛想な様子だが、なかなか端正な顔立ちをしている。
そして、その隣に男を見上げながら楽しそうに話しかけるパティ。
2人の間の空気は柔らかい。っていうか何かいい感じ。
(え、ちょっとそりゃないだろこっちは必死に探してたのになんでそんな楽しそうにパティ、
パティ、あんまりだ、あーーーんーーーまーーーりーーーだーーーー!!!)
「パティ!!」
たまらず2人に声をかける。
「あ、マイト!」
いつもと変わらぬ微笑でパティが駆け寄ってくる。
「心配してたのよ、でも思ったより早く会えてよかったわ」
「え、あ」
あまりにもパティが普段どおりで拍子抜けする。
「こちらの方ね、アレックスさんていうの。一人で心細かったんだけど…。
アレックスさんのお友達と私、名前がおんなじなんですって。
何かの縁だからって、ここまで一緒にいてくれてたの」
無愛想に、男…アレックスが一礼する。慌ててマイトも礼を返す。
「じゃあな…先に行くぞ」
そう言ってアレックスは2人に背を向けた。
「ありがとう、おたがいがんばりましょうね!」
パティが大男に明るく声をかける。
「じゃあ行こう?マイト。ゴールはもうすぐよ」
「あ、ああ」
あまりにも淡々とした大男の様子に、先ほどの自分の様子を恥ずかしく思いながら、
マイトはパティの手を取り歩き始めた。
俺、独占欲強すぎかもしんない。
【アレックス 二回戦進出 願い:?】
【パティ 二回戦進出 願い:母親を探す】
【マイト 二回戦進出 願い:パティの願いをかなえる】
ゴール付近、重苦しい空気を放つ男が二人いた
一人は悪の組織シャドルーの総帥、ベガ
もう一人は秘密結社ネスツの最高幹部、イグニスだった
「ほう、まさか貴様が自ら参加するとはなぁ、イグニスよ」
「人の事は言えないであろう、ベガ」
「ふん、まあいい、私はこの大会で優勝し、世界を手にする、その時は貴様も終わりだ」
それを聞いたイグニスはふっ、と鼻で笑った
「・・・何がおかしい」
「世界などと、幼稚な願いだな、ベガよ」
「何!?」
「私はこの大会で優勝し神となる、貴様の幼稚な目的に付き合っている暇はない」
そう言うとイグニスは先に歩んでいった
ちっ、と舌を鳴らすとベガそれに続いた
【ベガ 二回戦進出 願い:世界を手に入れる】
【イグニス 二回戦進出 願い:神になる】
ゴール付近、、そこには金髪の驚異的な胸囲を持つ少女と対照的な胸囲を持つ緑髪の少女がゴールに向けてゆっくりと歩いていた。
「ねえ、ローズさんのお願いって何です?」
緑髪の少女──葉月は共に行動している金髪の少女──ローズにそう話し掛けた。
「ワタクシのお願い事ですか?フッフッフ・・・・もう決まっていますのよ?」
邪悪な笑みを浮かべるローズ。
「へー!何々?」
葉月は興味深々と行った態度で身を乗り出す。
「ズバリ!!お兄様に抱かれる事!!私とお兄様は兄弟と言う愛する事を禁じられた関係・・・
けど!私が一番望む事!それがこの願いなのですわ!!」
力説である。
「へ、へぇ・・・・そ、そうなんだ・・・・」
ちょっと引いた様子で答える。
「そういう葉月様のお願い事は何ですか?」
「へ?私・・・?私は・・・・」
実は特にお願い事なんて言うのは無かった、けど・・・・ローズさんみたいな願いが許されるのなら・・・・
(『葉月・・・・キレイですよ・・・』
そう言いながら生まれたままの姿で私を後ろからそっと抱きしめる蒼月兄様。
『オレは・・・・ずっとオマエの事が・・・・』
前から強く抱きしめてくれる火月兄さん。
『ああっ!嬉しい・・・・』
私はその二人に挟まれて初(以下自主規制))
「でーへーへー・・・・ひ、秘密だよ〜♪」
自分の願い事(妄想)ににやけながらそう答える葉月。
「・・・・何を考えてたのかは知りませんが・・・・貴方とは気が会いそうですわ・・・」
その様子少し引いた様子で答える。
そんな会話をしている内に二人はゴールに到着するのであった。
【ローズ 一回戦突破 願い:お兄様に抱かれる】
【風間葉月 一回戦突破 願い:二人の兄に(以下自主規制)】
魔王の気まぐれで呼び寄せられた170人もの勇者たち。
今、彼らは我先にと言わんばかりに魔王の住処である塔へと向かっている。
…一見、非常によくあるシチュエーションだが、
一つ違うところは、勇者たちの目的が魔王を倒すことではなく、
魔王に自らの願いを叶えてもらう事である、というところだろうか。
そんな勇者たちを苦笑しながら眺めているかのようにそびえ立つ塔の下、
一心不乱に壁を叩き続ける一人…いや、正確に言えば一匹の勇者の姿があった。
その顔に信念と焦りを浮かべ、その犬は壁を叩き続けていた。
「打つっス!打つっス! 明日のために打つっス!」
―――話は一時間ほど前にさかのぼる。
「どうだ諸君! このゲームに乗る奴は居るかーーーーーーーーーーー!!!???」
「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」」」
(……元気な奴らっス……)
大半の参加者&主催者のテンションとは対照的に、
その『雀犬』と呼ばれているオヤジ顔の犬は意気消沈していた。
(オヤビン…オヤビンは今どこに居るんっスか…?)
彼はかつて、彼が『オヤビン』と呼び慕っていた男と共に
女子高や漫画の世界、ネット世界にその他もろもろを旅して
麻雀勝負と『お仕置き』という名の破廉恥な行動を繰り返してきた。
『オヤビン』に会うまでは一介の変な犬でしかなかった彼にとって、
それはそれは充実しすぎた日々だった。
だが、ある少女に敗北した事を期に、『オヤビン』は忽然と姿を消してしまう。
『オヤビン』の失踪に雀犬は深く悲しむが、彼の志を継ぎソロのお仕置き雀士となる決意をする。
…が、雀犬一匹では女性に麻雀勝負を申し込んでもあっさり断られるか、
受けられることがあっても対局途中でトンズラされるかであった。
結局、雀犬は以前のグタグタな生活に戻るハメになる。
そんな中、別世界の魔王が何らかの企てをしているという噂を聞いた。
世間一般の人々はこの噂をどこかの暇人の妄想ととらえて気にも留めなかったが、
雀犬はこの噂を聞いた時、かつての血が再び燃え上がり始めるのを感じていた。
別世界は確かにある。何しろ自分は幾度も別世界に行ってきたのだから。
そこの魔王が良からぬ企みをしていると聞いては黙ってはいられない!
「この雀犬、その魔王とやらを見事討ち取りひと名挙げてみせるっス!」
奮い立った雀犬はその噂の追求を始めるが、その話をした途端に変態扱いされて留置所送りになったり、
別世界への入り口として紹介されたゴミステーションに何度も突っ込むハメになったりと、
結果は散々なものだった。
(やっぱりデマなんスかね…)
と、半ばあきらめて人気のない川原でふて寝していると、
やる気のなさそうな魔物が突然目の前に現れた。そのまま間髪入れずに
「…ああ、あんさんも魔王様のパーティーに参加したいんな?」とぬかされ、
驚く暇も無くあっさりと別世界へと連れていかれた。
気がつけばホールのような建物の中、周りにはどこかで見たような姿の人物が大勢いる。
まるでコスプレショーのようで、異様な光景である事を除けば至って平和な雰囲気である。
ともかく異世界に着いたことだし、いざ打倒魔王!と意気込む雀犬。
が、ある会話が耳に入ってくる。
「本当なんだろうな?願いを叶えてもらえるってのは」
「ああ、だがこの中で一人だけって話だ、てなワケでアンタは諦めろ」
「冗談じゃねェ、わざわざ異世界にまで呼ばれて
タダで帰れるかっての その言葉そっくりそのまま…」
何かがおかしい。彼らも異世界から連れてこられたらしいが、
どう見ても打倒魔王、という雰囲気ではない。しかも、聞くところによれば
魔王はこの中の一人の願いを叶えるというではないか。
魔王の目的とは一体…、と悩んでいるうちに、照明が消えはじめ、
賑やかな音楽が流れ出す。そして、
「れでぃぃぃいいいす、あんとじぇんとるめんっ!!今日、皆の者に集まってもらったのは…」
その、魔王と呼べなくもない容姿の人物がステージで喋り始めた時、雀犬は全てを理解した。
――ああ、あの魔物の言ってた通り、本当にパーティだったんスね。
自分で勝手な勘違いをしておいて何が「魔王を倒すっス!」だか――
しょっぱなから自分の目的を無かったことにされ、思いっきり凹む雀犬。
何だか魔王が一人だけ願いを叶えてくれるらしいが、どうせ一人だけなのだから
雀犬にとっては期待できそうもなかった。
ボイドはFFS参加者組の後ろ姿を眺めながら不敵に笑った。
あのアランと言う青年、なかなか見所がある。
三村顔負けのツッコミの勢いには只ならぬセンスを感じる。
彼は生まれながらにノリツッコミとしての素養を持ち合わせているようだ。
「わしも若い者に負けてはおれんよ…」
両手の人差し指に力を溜めて前に突き出す。
サニーフィンガー。
元ネタは当然ゲッツ!のアレである。今は廃れたネタだろうが彼には関係のない事だった。
ボイドの突き出した人差し指から赤い電撃が飛び出し、参加者は恐れおののいて道を開けた。
【ボイド 二回戦進出 願い事:???】
一斉に迷宮へとなだれ込んで行く参加者達に流されるままに入った迷宮の中をトボトボと歩く雀犬。
(こんな世界に来てもやる事が無きゃどうしようもないっス…)
元の世界に戻ろうにも、その方法が全くわからない。
普段ならこの世界で出会った人々に麻雀勝負をけしかけて何とか帰る方法を探っていくところだが、
どうやら他の参加者達も別の世界から来たようだから聞いた所で意味がなさそうだ。
途方に暮れて、ふと空を見上げる。元の世界とさして変わりない、澄んだ青空。
「こっちの世界でも、空は綺麗なんスね…」
と、独り言を言った矢先、雀犬の上をいくつかの影が猛スピードで突っ切っていった。
驚いて影の向かった先を見ると、箒にまたがった魔女や翼の生えた人間、果ては紙飛行機までが
空を飛んで迷宮の中を爆進している。
(ああ、空を飛べるなんてイイっスね、憧れるっスね………………ん?)
待て。今の人影の中に、いつだか明らかに出会った奴がいなかったか?
「確か、あの女」
雀犬の中の時が止まる。
そう、青いリボンをしたあの少女。
そう、お仕置きの旅の最後に出会ったあの少女。
そう、犬が嫌いという理由で自分を殴ったあの少女。
そう、オヤビンをあっさり負かしたあの少女。
そう、オヤビンが失踪した原因のあの少女。
そう、
忘れもしない、
オヤビンの、
仇…
「うおおぉおあおぉぉぁおおおぉおおぉおおおあおぉおああ゛あ゛ あ゛ あ゛ あ゛!!!」
それは雀犬の中に溜まっていた燃えカスを再び燃やすどころか核融合させるのにも十分な餌だった。
「あの女…殺るっス!殺るっス!殺るっス!
いや殺るのは流石にヤバイから一世一代のお仕置きっス!
お仕置きっス!お仕置きっス!お仕置きっスー!!!」
それまでとは打って変わって怒涛の勢いで迷宮を進撃していく雀犬。
あっという間にゴールである塔のふもとに辿り着く。
だが、そこは正解の道をとっくに外れた先の行き止まりであった。
「ゼェッ、ゼェッ…」
が、息を切らしつつ前を見ると、パンチパーマをあてたボクサー風の男があっけなく壁を壊し、
ゴールである塔へと進んでいた。それを見て一気にその穴から抜けようとする雀犬。
だが、雀犬が辿りつくその一瞬前に壁は再び出来上がっていた。
しかし雀犬の顔にはいささかの余裕が見える。
「この壁…壊せるんスね?」
――こうして壁を叩き続ける一匹の勇者。だが壁は一向に崩れる気配を見せない。
それも当然のこと、あっさりと壁を破られプライドに傷がついたサタンはこの壁を
物凄い魔力をかけて堅くしたのだから。雀犬程度の力ではこの壁は壊しようがない。
だが、それでも雀犬は壁を叩き続ける。
「…う、打つっス!打つっス!…明日の、明日のために!」
消耗しつつも、渾身の力を込め、必死に壁を叩き続ける雀犬。
その顔は雀犬を知るものには想像がつかない程に真剣だった。
「打つっス!!打つっス!!この壁を、越えなくちゃいけないんス!
明日のため、オヤビンのため、そして何より自分のために、
壁を、この壁を越えなくちゃいけないんス!
だから!
打つっス!!
打つっス!!
打つっス――――――――――!!!!!!」
ゴ ガ ッ
…その一撃を放つ瞬間、雀犬は無意識のうちに自らの身体、精神、関節を完全に固定させ、
自分の体重全てを拳に乗せていた。知る人が見れば、これを剛体術としてとらえただろう。
そして、その壁は重く、太い響きと共に震え―――
自らの強大さを最期に知らしめるかのようにゆらめき―――――
――――――何事もなかったかのようにその動きを止めた。
「ごはぁ……」
その場に崩れ落ちる雀犬。当然といえば当然なのだが、雀犬の全体重をもってしても、
サタン様のプライドをかけた魔力によって造られた壁は破れなかった。
「やっぱ…無理なんスかね、オヤビン?」
今は会う事のできないオヤビンの顔を思いうかべる雀犬。
その顔は一回戦が始まった時の頃に戻ってしょげかえっている。
「オイオイ、こんな所でリタイアかい?」
想像の中でオヤビンが雀犬に語りかける。
「無理っス。この壁は破りようが無いっス」
「いやいや、壁を破る必要は微塵もないじゃないか。塔に行きたいんだろ?」
はっと、雀犬は気付く。
「…そうっスね、そうっスよね、オヤビン!真面目に行こうとする必要なんて無かったんスよね!」
実は壁を破るという時点で真面目ではないのだがそんな事はどうでもよかった。
「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」
猛スピードで穴を掘り、壁の外へ抜ける雀犬。目の前には目的地である塔がある。
一応迷宮の外には出ていないのでルール違反にはならない。
「…ゼェ、ゼェ、やったッス、オ、オヤビン、一回戦突破ッス!」
…雀犬の信念、そしてオヤビンへのをかけた、改心の『イカサマ』だった。
【雀犬 一回戦突破 願い:マリオン(ミリオンと勘違い)をお仕置き
もしくはオヤビンに会う】
修正です。
×…雀犬の信念、そしてオヤビンへのをかけた、改心の『イカサマ』だった。
○…雀犬の信念、そしてオヤビンへの愛をかけた、改心の『イカサマ』だった。
失礼しました。
開会式のときに、妹がやたらと興奮していたのを金髪の青年、アーデルハイドは思い出していた。
表面上の振る舞いこそ楚々として礼節に則ったものだが、あの時の妹は口元が歪んでいた。
「…いかにもローズが好きそうなシチュエーションだしな」
巨大迷路を駆け抜け、聳え立つ塔へと駆け上る。それはとてもメルヘンチックでロマンチックな物語。
しかも成功すれば「願いが叶う」のだ。メルヘンでロマンで、現実的価値も高い。
要するに、メルヘンとロマンと即物的なものに弱い妹なのだ。
それにしても、その妹が自分と別れて行動しているのは少々不思議なことだ。
ローズはいまだに兄離れが出来ておらず(本当はもっと根が深い感情なのだが…)
私的な時間のほとんどをアーデルハイドと一緒にすごしているのだ。
今回も当然自分についてくるものだと思っていたが、ローズはアーデルハイドの姿を探すより先に
着物の少女と連れたって早々と迷路へ猪突猛進して行った。
「ローズにも友達が出来たんだな…それにしてもなにかよほど叶えたい願いでもあるのか?」
そういうことならば、かわいい妹のためだ。自分が優勝できたならば妹の願いを叶えてやるのもいいかもしれない。
実際、アーデルハイドは無欲な青年であった。別に叶えたい願いなど持ってはいない。
「自らの願望に忠実、くくくッ!まさに我々に必要欠くべからざる素質だ!アーハッハッハッハ!!」
…横に並ぶ自分の父、ルガール・バーンシュタインとは違って。
欲望の権化のような父の先導で、二人は悠々とゴールを迎えた。
「アーハッハッハッハッハッハッハッハ…!!」
「うるせえ…」
【アーデルハイド 一回戦突破 願い:妹の願いをかなえる(いまのところは)】
【ルガール・バーンシュタイン 一回戦突破 願い:????】
581 :
服着れ:05/02/09 22:51:20 ID:???
「ふん、たわいない…ここがゴールか」
ユリアンは悠々と二階へと続く階段を登っていた。
人ごみに難儀するほかの参加者とは違い、ユリアンはたいして労せずここまで辿り付いていた。
「下民共は我が前に進んで道を開けおった…ふん、やはりこの溢れ出る覇気は抑えきれぬか」
まあ、普通パンツ一枚で闊歩する筋骨隆々な大男に関わりたいと思う人間はいない。
「みていろ…世界は我のものだ…!」
ほくそえむユリアン。
そしてその後ろには、なるべく前を見ないように必死に視線を逸らしながら歩くアミティが続いていた。
「見て無い…なんにも見て無い…ううう」
【ユリアン 一回戦突破 願い:世界征服】
【アミティ 一回戦突破 願い:????】
大勢の参加者が駆け巡るなか、一人風格というかそういうものを身にまとった初老の男性がいた
その男性、藤堂龍白は悩んでいた
「藤堂流は世界一と自負しておるが実際は極限流などによって日の目を見れぬのが現状じゃ・・・」
龍白は嘆いた、 が、
「だがしかーし!!このわしに人生最大のチャンスが巡ってきた!!この大会に優勝すればなんと願いが1つだけかなうというではないか!!
わしが優勝すれば藤堂流を極限流など足元にも及ばぬくらい有名にできるのじゃ!!そのためにもなんとしてもわしが優勝せねば!!」
そう言うと龍白は老人とは思えないほどのスピードで駆け出した
数分後、龍白はゴールへとたどり着いた
【藤堂龍白 二回戦進出 願い事:藤堂流を世界一有名な格闘術にする】
二人は歩く、親子の様に。
「なあ、テリー・・・・テリーの願い事って何だよ?」
「ん?ああ、特に無いぜ?」
二人は歩く、前を走っていた親子とは対照的に。
「な、ならさ?もしテリーが優勝したら、オレの願い事を・・・・」
「おっと、ストップだロック!それ以上言うな!」
二人は歩く、ゴールに向けて。
「何かは知らないけど、他人を頼ろうとしちゃダメだ!かなえたい願いは自分で掴み取らないといけない。」
「て、テリー・・・・」
二人は分かれる、自然に。
「じゃあ、テリーもライバルだ!!」
一人は走る、ゴールに向けて、親離れをした雛鳥の様に。
「HAHAは!!負けねえよ!!」
一人は走る、ゴールに向けて、子に試練を与える獅子の様に・・・・
【ロック・ハワード 一回戦突破 願い事:もう一度母に会いたい】
【テリー・ボガード 一回戦突破 願い事:特に無し】
584 :
583:05/02/09 23:00:06 ID:???
修正
>>583に題名をつけるのワスレテタ
題名は"巣立ち"でお願いします
金髪リーゼントのヤンキー・九戸文太郎はよくわからないが適当に人混みに流されていた。
サタンとか言う奴の説明はダルいので全く聞いていなかったが、迷路を
抜ければとにかく何やらいい事があるらしい。
しかも鬱陶しい奴はボコしてもOKなルールなようだ。
弟の真太郎も出場しているようだし、ここは兄としてバッチリキメておくべきだろう。
文ちゃんキックで邪魔者を蹴り飛ばしながら彼は出口に辿り着いた。
【九戸文太郎 一回線突破 願い事:???】
人々が行き交う中、かなりの威圧感を放つ二人の戦士がいた
「兄者!これはまたと無いチャンスだよ!!」
「ああ、弟よ!これはチャンスだ!!」
「ここで俺達のうちどちらかでも優勝すれば、この忌々しい体から開放される!」
「ああ、弟よ・・だから!!手加減などせず全力で行くぞ!!弟よ!!」
「おおーー!!兄弟パワーーー!!」
そこに一つの強烈な風が吹いた
【セイ・エイジャ 二回戦進出 願い事:この体から開放される】
【ファイ・エイジャ 二回戦進出 願い事:兄者に同じく】
「クッ・・・・イタタ・・・・」
楓は突然後ろから受けた衝撃により一瞬気絶していた。
「くっ・・・お、思い・・・・」
自分の体に何かが乗っている、凄く重たい。何かに挟まっているようだ。
全身の力を振り絞りその中から抜け出す。
そしてよろよろと立ち上がり周りを見る、すると人間が束になって出来ている大きな山が1つ出来ていた。
自分はその山の下の方を担当していたようだ。
「ひ、酷い・・・・誰がこんな事を・・・・!!」
何人かのうめき声が聞こえる、妨害工作にしてはやりすぎだ!
「許せない・・・・こんな酷い事をするなんて・・・・・」
その瞬間楓の周りに雷が落ちる。周りに雷が飛び散り人の山の何人かが悲鳴を上げるのが分かる。
「許せねえ・・・・こんな事をする奴に願いをかなえさせてたまるかよ!!」
金髪となった楓は悲しみと怒りを胸にゴールへと歩みを再開し始めた。人の山を使って。
【楓 一回戦突破 願い:特に無し、強いて言えば悪い人よりも先に願いを叶える。】
「あたしとフィオがこんなクソゲーで他の連中に遅れを取るなんて考えられませんよ(笑」、と。
∧_∧
∧_∧ (´<_` ;) OK、エリ。
( ´,_ゝ`) / ⌒i 早く私と迷路抜けよう、ね?
/ \ | |
/ / ̄ ̄ ̄ ̄/ |
__(__ニつ/ 戦車 / .| .|____
\/____/ (u ⊃
【エリ・カサモト 一回戦突破 願い事:フィオとひt(ry】
【フィオ・ジェルミ 一回線突破 願い事:エリを止めて下さい誰か】
修正
>>587の3行目
×「くっ・・・お、思い・・・・」
○「くっ・・・お、重い・・・・」
です。ゴメンナサイ
悪の気配がする。
この大会はただの競争である。別に命を取り合うわけではなく、主催者が世界征服を狙っているわけでもない。
だが悪の気配がするのだ。彼にはわかる。確信がある。あるったらあるのだ。誰にも文句は言わせない。
「願いをかなえる…そんな途方も無い権利が悪の手に渡ったら大変なことになる!!」
全身是正義の漢キム・カッファンは、一回戦がはじまる前から凄まじく力んでいた。
後ろに立っていた同門のジョン・フーンがなにか言っていた気もするが、
正義の前には些細なことなので聞いていなかった。
スタートの合図も無く、一回戦は始まった。
キムは渾身のスタートダッシュで、迷路の入口へ飛び込む。迷路は曲がりくねっているからそんな勢いでは危ないだろう
という突っ込みは無粋だ。正義の前には小さすぎる問題だ。
実際キムは壁があるたびにそれにぶつかって動きが滞っている。
だが彼はめげない。正義のためには我が身が砕けることも厭わないのだ。
途中、空から男が降ってきて多くの参加者が潰されるところを目撃した。
悪の仕業か、なんと惨い事を。
「みなさん安心してください、みなさんの分までも私が正義を示します!」
時をかけるとまで言われた伝家の鳳凰脚走りで、キムがその現場を通過する。
誰にも介抱は施さなかったが、正義は忙しいので仕方が無い。
途中、意味不明の事を口走って漫才をしている男女の二人組を見かけた。
この争いの中で笑いを振り撒こうとしている。なんと尊いことだ。
「お二人のその尊い心に報いるためにも、私は必ず優勝します!」
見ただけで悪人は内臓を傷めると言われた呪いの鳳凰脚走りで、キムは塔を駆け上る。
自分が優勝すると彼らの願いが叶わないのだが、正義は何よりも重いものなのだ。
そして塔を駆け上り続けるキム。とっくに一回戦を突破してることには気付いていなかった。
【キム・カッファン 一回戦突破 願い:悪は許さん!】
「くそ、まいったぜ・・・」
黒いコートを羽織った男、ジョニーは愚痴った
可愛いギャルに囲まれて暮らすという願いを叶えるべく道を急いでいたが
突然後ろから男が凄い勢いで吹っ飛んできてジョニー含む大勢の参加者が巻き込まれ
小さな山が出来てしまった
幸いジョニーは比較的上の方に倒れた為難なく脱出できた
「まったく、こんなことするやつにはお礼をしらくちゃいけねえなぁ」
そういうとジョニーは再び歩きだした
だがジョニーは知らなかった
この騒ぎを起こした張本人がメイであることを
【ジョニー 一回戦突破 願い:カワイコチャンに囲まれての生活】
(願いとは別に騒ぎの張本人のおしおきをする予定)
「m9(^Д^)プギャー」
「プゲラウッヒョー」
「キノコ牧師テラワロス」
皆が、傷つき倒れる私の姿を見ては口々にそう言います。
あの神楽姉妹といい、道行く人々といい、人間は心というものを捨ててしまったのでしょうか?
実に嘆かわしい事です。やはり人間には裁きを下さなくてはなりませんね。
そんな中でレオナだけは私を笑いませんでした。さすがは気高きオロチの血を引く子、さあ我に救いの手をさしのべt
「さ よ な ら」
無表情にそう吐き捨て彼女は一目散に去っていきました。
レオナ、そういった振る舞いも笑われるのと同じぐらい堪えるのですよ。
「二人ともお願い決めた?」
「やだぁ〜、まだ決まってないわよぉ。いっぱいありすぎて悩むわぁ」
「シェルミーは体重を ガハッ!」
「あはっ、ねえ〜社はぁ?」
「俺はバンドで食って行けるように……ん…?」
聞き覚えのある声がします。
まさかあれは…
「だっせー!今時コントでもやらねぇっつうの」
「ああはなりたくないよね」
「いっや〜ん!ゲーニッツったらおバカで超カワイ〜」
この声は…社にクリスにシェルミーではないですか!
オロチ四天王の同胞である貴方たちまで私を馬鹿にするとは!
こうなったら私にも考えがありますよ。
そちらが救いの手を伸ばしてくださらぬのなら、私が自ら救いの足にこの手を伸ばすまでです。
「でぇぇぇい!離せこのすっぽん牧師!カワイコちゃんならともかく何が悲しくて193cmのおっさんにすがりつかれなきゃなんねえんだよ!!!」
「ええい黙りなさい、人類皆兄弟でしょうが!」
「うるせー、俺たちゃオロチだよ!重いっつってんだろ離せハゲ!!!!」
「ああはなりたくないよね」
「きゃぁ〜ん、アタシも社にすがりついちゃうっ♪えいっ♪」
「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉっ!重teeeee!!!!!」
社はなんだかんだで両足に私とシェルミーを引きずったまま無事にゴールを果たしました。
流石ですね、社!それでこそオロチ四天王の頭領というものです!!!!!
「いつまでへばりついてるんだよ!スッポン太郎」
「こうなったらおしまいだね」
「やっだぁ、ゲーニッツったらさすがにウザイわよっ☆」
私は三人から手酷い暴行を受けました。これも神の試練……私はこのようなことで挫けたりはしませんよ!
【レオナ 一回戦通過 願い:今はまだ言いたくない】
【七枷社 一回戦通過 願い:バンドで一生食っていく】
【シェルミー 一回戦通過 願い:ありすぎて困っちゃう☆】
【クリス 一回戦通過 願い:まだ秘密ですよ?】
【ゲーニッツ 一回戦通過 願い:心なき人間たちに裁きを!】
「くっくっく……あの女、運良く二回戦に行ったか……」
色黒の肌に赤い眼を覗けば草薙京にそっくりの男、その名もKUSANAGI。
「元カレの俺を差し置いてパシリに走るなんて許さないぜぇ?」
にやりとほくそ笑みながらありもしない事実を口走っている。
「ま、この俺様にかかればこんな迷路ちょろいがなw ぶわははははは!!」
大声を上げて笑う自分の後ろに
「ゴールだ!!ゴールだ!!」
「遅れるな!!」
「突撃――!!」
シェン・ウーとリョウ・サカザキと霧島翔が物凄い勢いで迫っていた。
ずどどどどどどどどどどどどどどど!!!
「な、何事ですか!?」
ギターケースを持った細い眼の男は、物凄い勢いで走っていく集団を慌てて避けた。
彼の名は金大正。
普段は大人しいが、本気になればミサイルをぶっ放す恐ろしい道士だ。
「一体、何があったんでしょう……」
「……まれ」
そう呟く金の足元で声が聞こえた。
「ん?」
「……謝れ」
地面に倒れぺらぺらにされかけていたKUSANAGIは顔を上げ叫んだ。
「……あやまれぇ! てめえら全員謝れぇ!!!」
「あ、すいません。何か悪いことしましたか?」
その様子を見て金は倒れているKUSANAGIに声をかけた。
「許して下さい、この償いは一生かけてしますから!」
「いや、お前のことじゃねえんだけどなあ…」
重罪を犯したかの様に謝る金。それに呆れるKUSANAGI。
「お礼に出口まで案内しましょう、さっき空からここの内部見たんです」
「やりぃ!」
思わぬ幸運にKUSANAGIは喜んだ。
【金大正 願い:死んだ弟子を生き返らせる】
【KUSANAGI 願い:草薙ファン根こそぎ横取り】
「サタンめ、また訳のわからんことを…」
迷宮の中を白い服に身を包んだ変態…もとい魔導士がブツブツと怪しげに独り言を言う
「まあいい、この大会に勝って魔導力を手に入れ俺はさらに強大な闇の魔導士となってやろう…
フフフ、この程度の迷宮この方向石で方角を確認し自分の通った道を地図に書き込みながら
慎重に行けばなんてことはない」
変…魔導士はニヤつき地図を作りながら迷宮の中を進む
「この神を汚す華やかなる者、シェゾ・ウィグィィがこの勝負貰った!サタンめ見ていろよ!」
シェゾがひとり大声を上げながら悦に浸っていると
目の前に黒装束の少女が困った顔をしてうろうろしている
「あのーおにいさん、弟とはぐれちゃったんだけどその石くれない?」
どうやらシェゾの独り言を聞いていたようである
「なんだ?こんなガキまでが参加しているのか?
…この石はやらん、第一これがあったとしてもお前の弟を探すのには多分役に立たん」
「えー?ひどーい、私の弟がどうなってもいいのね…」
「…しかたない、一応お前の弟とやらを探しといてやろう…で、どんな奴なんだ?」
「そうね、いまちょうどおにいさんの後ろにいるような…」
「え?」
ガスッ!
シェゾが振り向こうとしたその時、シェゾの後頭部に何かが思いっきりぶつかった
「…いつものくせでちょっと力を入れすぎたかな…」
黒装束の少年がシェゾの後頭部を大き目の石で殴ったのだ
「大丈夫、ちゃんと生きてるわ、でも殺しちゃだめなんてめんどくさいよねー、ダニー」
「うん、だけどルールだから仕方ないよデミ」
そう言いながら二人は気絶してるシェゾの懐から地図と方向石を盗んだ
「こっちの方がゴールみたい、行きましょうダニー」
「うん、わかったよデミ」
【デミ 一回戦突破 願い:特に決めてない】
【ダニー 一回戦突破 願い:特に決めてない】
【シェゾ・ウィグィィ 気絶 願い:強い魔導力を手に入れる】
「フム・・・・どうしたものか・・・・」
ゴール地点に到着したサタン。結構な人数がゴールしている。
しかし、早くゴールに着きたいが為にチームを組む人間が出てきた。
それにより一人でここまで来ている人々から苦情が多数飛んできた。
「よし!ならば新しいルールを作る!それで許すが良い!!」
そう言ってサタンはマイクを取り出し、迷路に向けて新しい(5秒で考えた)ルールを説明し始めた。
『あー!!テステス!マイクテス!!あー!!突然ですが迷路内の諸君、後残り十数名になりましたが迷路内の新ルールを説明する!
二人以上チームを組んでいる奴!!そのままでゴールしてしまったら失格だ!!あー、ちなみに新ルールなので今までの奴は別にいい!!』
そう言ってマイクを切る。
フフッ・・・・・完璧だ!!!さあ、後何人此方に来るのだろうか・・・楽しみだ・・・・・
【一回戦追加ルール 今から二人以上でゴールしてしまったものは失格】
っと、かっこつけている所でふとあせりだしたサタン
慌ててマイクを取り修正を放送する
『さ、三人以上の間違いだ!!二人組みまではOKだから喧嘩するのではない!!』
そう修正してイスに座る。こ、これでよかろう・・・・フフフ・・・・
【ルール修正、今から三人以上でゴールしたものは失格】
サタン様、とりあえず感想スレの話し合いが終わってからルール修正を加えるべきかと!
突然会議室から呼び出しが掛かるサタン
「さ、サタン様、流石に5秒で考えたルールをその場で話すのは余りにもアレです!!」
ルル-がサタンに叱咤する。
「む、むぅ・・・そ、そうか・・・・」
そういって再びマイクを取るサタン。
『あー!!今からちとルールについて会議を行う!!今ゴールに向かっている者、とりあえずそこで休憩しておくが良い!!ちなみに会議が終わるまで余り動かないで欲しい!!』
マイクを切り会議室に向かうサタン。
めんどくさいなあと思いつつ、これも主催者の定めか、と、心の中で格好をつけていた
【ルール相談のためチョットだけ投稿待ってね?】
あああああーうざ。まだ生きてんのかこんな糞スレ
目に留まるだけで不快だから上げるなよ屑共?
「ぜぇ・・・ぜェ・・・・つ、疲れた・・・」
参加者から『大量のチームを組むのは卑劣きわまりない!!』と意見が出てから数時間、サタン様秘密の会議室で熱い議論が行われていた。
自分としては好きにやれば良いじゃんと思っていたが一度起きた不満が爆発してしまってはそうも行かない。
一部の過激な人間は『あの黒い男たち3人やオロチと名乗る信仰集団のグループは失格にするべきだ!!いや、時を戻し無き事にするべきだ!!』なんて言っている奴も居た。
流石にそこまでするのは如何かと思う。本当の事を言うと矢吹真吾という選手に一度だけ時を戻した事があるのだが・・・・
折角楽しく適当にその場でルールを考えて行こうと思った矢先の事だ、無理やり時を戻してまでやり直しなんてメンドい事この上ない!!
マイクにスイッチを入れ、まず迷路の方へ放送を入れる。
『あ〜・・・テステス、マイクテス、ン、ゴホン!諸君!お待たせしました!!たった今新ルールが決まりましたのでそれについて発表する!!』
威厳・・・というよりもエラッそうに説明を始める。迷路内からザワ・・・っという音が聞こえたような気がした。
『あ〜、先ほども言ったと思うがチームについて暴動が起きて私も2,3発殴られてしまった、ので、今ここに新ルールを説明する!!!
よく顔見知りになっている知り合いと共に3人以上同時にゴールした者はアウト。
知り合いでなくてもでも3人以上チームを組んでゴールしたらアウト。もしくは4人以上同時にゴールしてもアウトって事になった!!』
迷路の方から野次が聞こえる・・・・
「ばかやろー!いまさらいうなー!」
「何人かチーム組んでる奴らもいるだろうがー!!」
結構な罵声が飛んでくる、結構結構、みなやる気が落ちていない証拠だ。
『はい!その通りーーー!!ですので---!!該当する人────
K´ 草薙京 矢吹真吾
キース・エヴァンス ソニア ブラド・キルステン
シェン・ウー(神武) 霧島翔 リョウ・サカザキ
レオナ 七枷社 シェルミー クリス ゲーニッツ
にはー!!迷路内にランダムに戻すという──!!ペナルティを与える-----!!!だから安心するが良い----!!』
名を呼ばれた人達はギョッとした顔でサタンを睨む。
今度は後ろに控えている人達が大騒ぎだ。
「てめぇ!ふざけてんじゃねえ!!こいつ等は勝手に引っ付いてきただけだ!!」
「おい真吾!!何オレまで巻き込んでんだよ!!」
「ごめんなさい草薙さん!!すみません!!本当にゴメンナサイ!!!」
「そ、そんな・・・酷い・・・・酷すぎます・・・ふざけてんじゃねえこのド畜生がぁぁぁあぁぁぁあぁぁっ!!」
「ああっ!ブラド!!」
「ブラドがキレた!謝れ!ブラドに謝れ!!」
「誰だよこいつ!俺はしらねえよ!こんな奴!!勝手についてきたダケだろうがぁ!!」
「うるせぇ!!俺の拳は真っ赤に燃えるぞごるぁぁぁぁぁっ!!」
「くっ・・・極限流はこんな所で落ちはしない!!!」
「この糞神父!!テメエの性で!!俺たちをまきこんでるんじゃねええ!!」
「ふふふっ、三人で行動している限り失格は免れませんでした、3人も4人も一緒ですよ?」
「ヤシロー?このキノコ料理していい?」
「あはっ★キノコはやっぱりぶつ切りよね〜♪」
「何で・・・私まで・・・・?」
ああ、素晴らしい阿鼻叫喚の声・・・これもまたアドリブ・・・空き缶やら石等を投げつけられているが私は気にしない。
『では!!この14人は、改めて迷路の中に戻ってもらいますー!!!』
「「「「ふざけんなーーーー!!」」」」
素晴らしく息の合った『ふざけんな!!』と共に14人はランダムで迷宮の中へ逆戻りとなった。
一仕事終えサタンは控え室に戻りイスに腰掛ける。
そしてふと思う。疲れるのはまあ良い、だが、今回の件でやる気をなくした選手は居ないだろうか・・・・
それだけが心配であるサタンであった。
【一回戦ルール追加
同作品、もしくは知り合いと共に3人以上同時に合格させた作品はアウト。
他作品でも3人以上チームを組んでゴールしたらアウト。もしくは4人以上同時に合格させてもアウトとなります】
【迷宮に逆戻り
K´ 草薙京 矢吹真吾
キース・エヴァンス ソニア ブラド・キルステン
シェン・ウー(神武) 霧島翔 リョウ・サカザキ
レオナ 七枷社 シェルミー クリス ゲーニッツ
この14人は一回戦進出を一旦破棄、もう一度ゴールしなければなりません。】
【破棄
>>588、破棄と共にエリ・カサモトとフィオ・ジェルミの一回戦突破は無効となっております 】
「ちっくしょぉ〜〜〜!何でこんなことになっちまうんだよ!」
あまりセンスが良くない道着を着た黒髪の男はそう絶叫した。
数分前までは自分が勝ち残る一人だと言わんばかりに興奮していたのだが、いきなり迷路に戻されて怒りが頂点に達していたのだ。
その一方で似たような存在の者が一人笑っていた。
「くっくっく……草薙共も阿呆な真似をしたようだな」
色黒の肌に赤い眼を覗けば草薙京にそっくりの男、その名もKUSANAGI。
かつてネスツで作られた大量の草薙クローン、その中でも特に性質が悪い固体であった。
「あの女、運よく二回戦に行ったはいいが今頃泣き出してるだろうな。
……元カレの俺を差し置いてパシリに走った罰だぜぇ?」
にやりとほくそ笑みながらありもしない事実を口走っている。
「大人しく塔で待っていろよ……いずれお前もオリジナルを上回るこの俺に跪かせてやる……
ま、この俺様にかかればこんな迷路ちょろいがなw ぶわははははは!!」
大声を上げて笑うKUSANAGIの後ろで
「だああああああ!畜生!畜生! こんちくしょおおおおぉぉぉ!!!」
霧島翔が物凄い勢いで腕を振り回していた。
ずごーーーーーーーーーーーーーーん!!!
「な、何事ですか!?」
ギターケースを持った細い眼の男は、物凄い勢いで腕を振り回しながら走る男を慌てて避けた。
彼の名は金大正。ピチピチの27歳韓国人。
普段は大人しいが、本気になればミサイルをぶっ放す恐ろしい道士だ。
「一体、何の音だったんでしょう……」
「……まれ」
そう呟く金の足元で声が聞こえた。
「ん?」
「……謝れ」
霧島の腕の直撃を受け倒れていたKUSANAGIは、鼻血まみれの顔を上げ叫んだ。
「あやまれぇ!!! てめえあやま……れ、え、ぇ?」
だが眼の前に居るのが別人だと分かり、その後が続かない。
「……あ、すいません。私何か悪いことしましたか?」
その様子を見て金は倒れているKUSANAGIに手を差し伸ばした。
「許して下さい、この償いは一生かけてしますから!」
「いやぁ、お前のことじゃねえんだけどなあ…」
重罪を犯したかの様に謝る金。それに呆れるKUSANAGI。
「お詫びに出口まで案内しましょう、さっき空から出口までの道順を見たんです」
「やりぃ!」
思わぬ幸運にKUSANAGIは喜んだ。
その頃。
「だああああーーーーー、また同じ所じゃねえかあぁ!」
彼らとは全く違う方向で霧島は叫んでいた。
【金大正 二回戦進出 願い:死んだ弟子を生き返らせる】
【KUSANAGI 二回戦進出 願い:草薙ファン全員横取り】
【霧島翔 願い:草薙と主役交代】
「チッ! どこまでもしつこい野郎だぜ! くたばンなァッ!!」
「させねぇっちゃ! キサンみたいな悪党に願いを叶えさせる訳にゃイカンっちゃよ!
ここで大人ししゅうやられとくばい!」
「凵レ÷≦≧×☆☆△♀♂♀∇§§⊇◎√!?」
「♂∃¬#§〒☆↑◎∬∵≫≫!!」
「シャァァァッ!!」
「◎●◎∽○≦<◇>>>>!!」
彼女は、ここで会ったが百年目とばかりに争う二人と、
言ってる事は理解できないがともかく喧嘩をおっ始めたらしい謎の生命体二体の争う中を、
ただひたすら必死に逃げまわりながら進んでいた。
「あーもう最悪ッ! せめてF-15か春嵐でもあれば楽々突破してやるのにーっ!!」
中々無茶な事を言う。
だが、<音速娘>こと彼女、真尾まおにとって最も馴染みの深いアイテムがそれなのであるから仕方ない。
そもそも戦闘機があったとしても、それでこの迷宮内をどう飛ぶつもりなのだろうかという気はするが。
「⊃→→○●●◎◎◎→→±×⇒!!!」
ともかくそんな調子で愚痴を吐いていると、突然眼前から猛スピードのバスケットボールが飛んできた。
戦闘機を駆らせれば立派に一人前の彼女も、陸に立てば一人のアイドルでしかない。
奥の手が無いわけではないが、ブースターも何も無い今の状況では、咄嗟に使うという事もままならない。
あわれ音速娘、バスケットボールが顔面衝突して昏倒……と思われたが、
その時、まおの視界を朱色のマフラーが遮った。
浮遊感。空が見える。
一瞬の間。
そして、程なくして着地の感触を身体全体で味わう。
「全く、実にはた迷惑な! ……お主、大丈夫でござるか?」
まおは、思わず目をぱちくりさせた。風貌と言い、言動と言い……彼女の知人に同系列の人間が居た為である。
「えっと……あなたは?」
「拙者の名はロジャー・サスケ! 白の真珠にして友の盾! 世界忍者!」
――数分後、まおはロジャーにいわゆる『お姫様抱っこ』された状態で飛行しながら探索していた。
「成程、まお殿はアイドルなのでござるか」
「ウン、たまたまお休みの時にこのお祭りの事を聞いてね。面白そうだし、
それでもし優勝できちゃったりなんかしたら、一週間ほどお休みでも頂いて、のんびりしたいなぁー、って」
「アイドルも大変でござるな……」
「ま、お仕事ですもの。……ところで、ロジャーさんは?」
「拙者か? 拙者は……」
彼の願い。それは、類稀なる運命に翻弄される彼の親友を、その因果の鎖から解き放ってやる事。
最も、その親友とやらにしてみれば、そんな事はたわいの無い事だと一蹴するであろう。
彼はバカだ。それ故に、救ってやりたい。何時ものようなバカなやりとりをこれからも続けていたい。
「……ま、わざわざ話して聞かせられるような、大した願いではござらんよ」
こっそりとその熱い思いを胸に秘め、ロジャーはそれを口に出すのをやめた。
「なーんだ、ケチ! ……と、と。ロジャーさん、ストップ! そこの横道、ゴールに繋がってたわ!」
「なんと、まことかまお殿! 一回戦クリアー、でござるな!」
善は急げとばかりに全速力でゴールへと降り立つ二人。
笑顔を交わしゴールラインを通過しつつ、まおは、
(私って、ひょっとして忍者と何か縁でもあるのかしら)
そんな事を思っていたりした。
【真尾まお 一回戦突破 願い:一週間くらいのお休みが欲しい】
【ロジャー・サスケ 一回戦突破 願い:コータローをその運命から救う】
スーパーポリスの異名で知られる香港国際警察の刑事、雷 武龍。
"The King of Iron Fist Tournament 4"でシンジケートの大量検挙に成功した雷は、
再びスーパーポリスとしての評判を取り戻していた。
そんな中、中国各地で道場破り事件が発生する。雷はこれに興味を持ち、独自に捜査を開始した。
被害を受けた者の中には、雷の知る達人も数多く含まれていた事から、雷は犯人逮捕に全力を傾けたが、
ある時期を境に犯人が全く姿を現さなくなってしまい、捜査は行き詰まってしまう。
そんな雷の下に、つい最近日本で同様の事件が発生したという連絡が入る。
犯人の男が次に狙うのは"The King of Iron Fist Tournament 5"に違い無いと確信した雷は、
男を捕らえるため再び大会に出場するのであった。
レイウーロンはThe King of Iron Fist Tournament 5に出場したはずであった。
会場に着いたときには既に50人を超えており、前大会との規模の違いに驚いていた。
が、明らかに多すぎる。リーやファランなど見たことのある人物より
ロボットや二足歩行の犬、さらには蛸などとても格闘大会とは思えない顔ぶれだった。
まぁレイの記憶に残っている過去の大会にもロボットやクマはいたが、流石に蛸は居なかった。
そして次に目に付いたのが凶器を所持している人間が多いこと。正直吉光だけで十分である。
何か変な感じがしたが、それを忘れるようにレイは会場の入り口に目をやった。
会場に入ってくる人間に目を光らせ犯人の男を探すことにしたのだ。
中国の各地で道場破り…つまり犯人は東洋人の可能性が高い。
しかし、会場の入り口を見ていても入ってくるのは赤ジャージに竹刀を構えた男や
際どい格好の婦女子などおおよそ道場破りなんてできそうに無い人間の方が多いのだった。
その中にはおよそ格闘技に縁の無いであろう女の子も混ざっている。
「何かがおかしい…」
もしかしてThe King of Iron Fist Tournamentは今回から仮装大会にでもなったのだろうか?
それならこのおかしな集団も納得できる。あの紙飛行機に乗った小さな人形だけが解せないが。
確かに前回大会では三島平八がふんどしで登場し周囲を沸かせていた。それが今回への伏線だったのか?
自分は仮装などしていないがその場合は支給されたふんどしを締めることにでもなるのだろうか?
しかし、道場破りの男にそんな趣味があったとは。奴も知らずに参加したのかもしれないが。
ルールもちゃんと読んでおけばよかったなぁなどと思っているうちに照明が落ち、音楽が流れだした。
そして、スポットライトに当てられた壇上の人物のルール説明を聞いて大きな勘違いをしていたことに気がついた。
とにかく、自分は会場を間違えた。リーやファランが居たことも考えるとどうやら日時も間違えたようだ。
おかしかったのは自分だったのだ。しかし願いを一つ叶えてくれるというのは願っても無いチャンスである。
レイは走った。空を飛ぶ集団を目の当たりにしてはスピードをあげ、
一心不乱に壁を叩きまくる犬を見てはさらに走るスピードをあげた。
レイがゴールに着いた時何故か先客達が自分を見て笑っているような気がした。
【レイ・ウーロン 二回戦進出 願い:犯人を逮捕する】
1
617 :
試練:05/02/10 15:29:31 ID:???
迷路に戻されたある三人は焦っていた。
「ブッラクアウト!ブラックアウト!ブラックアウト!ブラックアウト!ブラッ(ry」
再び黒い影と化し、人ごみの中をすり抜けるK´。
「くっそー! 結局最初に逆戻りじゃねえか!」
スタート地点で頭を抱える草薙京。
「………なんてこったー!」
そして矢吹真吾。実質、彼は二度も迷路に戻されていたのだ。
一度目は会場に落ちていた迷路の設計図を偶然拾った事が原因だ。
「これは京子さんのお導きだ!」と誤解した真吾は、それを元に一番に到着したのた。
勿論サタンがそれを許すはずもなく、時間を戻され迷路の記憶も消されてしまったのだが……
二度目は草薙京の提案によりK´を利用し、三人同時にゴールしたのが原因だった。
やっぱり悪いことをしたら罰が当たるんだな、と真吾は今更ながらに後悔した。
「ま、負けてたまるか……真吾はこれ位じゃへこたれない!」
そう意気込みながら真吾は迷宮を走りぬける。
だが今までのツケを払うかの如く、数々の妨害が真吾を狙い襲ってきた。
618 :
試練:05/02/10 15:31:06 ID:???
「ふがあっ!」
肩がぶつかったヤクザが繰り出した蛇使いに投げ飛ばされ
「ぬぐおっ!」
ぶち切れている白髪の青年が飛ばしていた岩に吹っ飛ばされ
「へぶはっ!」
空を飛んでいた紙飛行機らしき物体から落ちてきた棒人間を必死で避け
「ひいいっ!」
黄色くて丸い物体に食べられそうになるのを必死で逃げ
「あべしっ!」
何やら脳内妄想して暴走している少女の戦車に轢かれぺらぺらのまま風に飛ばされ
「オーノー!」
魔銃クリムゾンで半殺しだ!な奴に追い回され情けない声をあげた。
619 :
試練:05/02/10 15:33:06 ID:???
ぼろぼろになりながらも真吾は決して諦めなかった。
精神的にも肉体的にも凹みそうになるのを抑えるために歯を食いしばった。
(……言ったじゃないか)
『それじゃあ京子さん、また後で!』
(また後でって言ったじゃないか、それを嘘にするつもりか、真吾!?)
真吾は走る、自分の言葉を本当にするために。
(俺は負けない! こんな所で負けちゃ駄目なんだ! 草薙さんや京子さんのためにも!)
それに応えるかの如く、運命は切り開かれる。
620 :
試練:05/02/10 15:34:18 ID:???
分かれ道で正しい道の方に投げ飛ばされ
戻されるように間違った道順から吹っ飛ばされ
走行スピードを上げながら必死で避け
行き止まりから逆方向に必死で逃げ
疲れてへたりこんだ所を風に飛ばされ
完璧な正解のルートへと追い回され情けない声をあげていた。
幸か不幸か、全ての妨害は真吾を確実に迷路の出口へと向かわせていたのだ。
621 :
試練:05/02/10 15:35:30 ID:???
ゴール地点でもある塔の入り口で京子はうな垂れていた。
正直K´や真吾はどうでも良かったが、京がまた迷路に戻ってしまったのがショックだったのだ。
なにやら他の参加者がざわめいている。
「おい、アイツさっき戻された奴だぞ!」
「まじかよ……てっきり失格になると思ったのに」
「何つーか、俺あいつにうんざりしてるんだけどなあ……」
他の参加者の言葉を聞いて京子は顔を上げる。
「……京様!?」
人ごみをかきわけると、遥か遠くに少々薄汚れていた学生服の男が居た。
ぜえぜえと荒く呼吸してふらふらとこっちに向かっている。
「京様ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
京子はその人影に向かって猛ダッシュし、祝福するかの様に抱きしめ喜んだ。
「京子さーん、俺やりましたーーーー!」
「………」
……が、予想もしない声が返ってきた。
京子が抱きついていたのは京ではなく真吾だった。
「ほら見て下さい! 今度はちゃんとルール違反もせず辿り着きましたよ! これなら文句はないっすよね!?」
「…………ナンダ、シンゴクンカ」
京子はそうぽつりと呟いたが、真吾には聞こえず興奮しながらまくしたてている。
「人間死ぬ気でやれば何だってできるんすねー、あっはっはっはっは!」
「……え、あ、……うん」
622 :
試練:05/02/10 15:36:55 ID:???
一方他の二人はというと
「シャラーーー!」
「ひでぶっ!!??」
Oノ
ノ\_・'ヽO.
└ _ノ ヽ
〉
「ブラックアウト!」では芸がないと思い、移動に他の技を織り交ぜていたK´。
そして草薙京がそれに巻き込まれた所だった。
「何しやがるんだてめえ!」
「うるせえ、さっきはよくも俺を巻き込みやがって!」
二人が迷路を抜けるにはまだまだ時間がかかりそうだった。
【矢吹真吾 二回戦進出 願い:炎を出す】
【K´ 願い:主人公として草薙に負けない存在感を得る】
【草薙京 願い:留年スパイラル脱出】
623 :
決意:05/02/10 16:36:41 ID:???
願いが1つ何でも叶う大会、その関門の1つである迷路を私は歩いていた
途中さまざまなシーンを目撃した
我先にと駆けて行く参加者、妨害をする参加者、漫才をしている参加者、
少女に投げられて吹き飛ぶ参加者と巻き添えを食らう参加者、
漫才をしていた参加者はよくわからないが、やはり願い事が叶うというのは誰にでも魅力的なことだろう
もっともそれは私も同じだ、最初は何を叶えてもらうか迷ったが、ふと「あるもの」の存在を思い出し決心した
私の願い、それは
「この世に「悪魔城年代記」が存在しなかった事にしてやる!そうすればホ(ryなどと呼ばれることは無くなる!!」
鞭を携えた男、シモンの決意はダイヤよりも固かった
【シモン・ベルモンド 二回戦進出 願い:悪魔城年代記を無かった事にする】
リオン・ラファールは実家が大金持ちのボンボンである。
だから、特にこれといった願い事はないが、
それでも負けるのはいやなので、迷路を右伝いに歩いていくというオーソドックスな方法で、
進んでいく。だが、途中、壁が崩れていて瓦礫で前に進めないところがあった。
無視して別のルートを検索してもいいが、この先にゴールがあるということも考えられる。
リオンがどうしようか迷っていると、隣からいい匂いがした。
横を向くと、眼鏡をかけ、白衣を着た知的な女性が同じように迷っているところだった。
その女性はリオンと目があうと、顔に苦笑いを浮かべ肩をすくめる。
ハァ━━━━━━━━━━━(*´ Д `*)━━━━━━━━━━━━━ン!!
その瞬間、リオンの全身に電撃が走った。脳髄がしびれる。
古典的な表現方法を用いるなら「上空からキューピットに矢尻がハートになっている矢で撃たれた」
といったところだろうか。
リオンは気づくと体が動いていた。迷路の瓦礫を片付けはじめる。
気がつくと先ほどの女性も一緒に片付けていた。
しゃがむ度にちらりと見える胸元にドキドキしながらリオンは片付けを急ぐ。
やがて瓦礫が端に片付けられ通れるようになった。
「て、手伝ってもらって、ありがとうございました。」
「いえいえ、あら、あなたの右の人差し指…」
リオンが自分の右の人差し指を見ると、怪我をしていて血が流れていた。
尖った瓦礫などがあったのでそれで切ってしまったらしい。
女性に気を取られて全く気がつかなかった。
女性はポケットから携帯用の応急セットを取り出すと、リオンの怪我の応急処置をする。
その優しさに一段のテンションの上がるリオン。
それからは記憶にないが、気がつくと女性とゴールインしていた。
ゴール地点にいた報道者のような高校生が隣の女性を見て、
「あ、水無月センセー」と手を振る。
「では、また会いましょう。」というと女性はその高校生の方へ向かっていった。
女医萌え━━━━━━━━━━━(*´ Д `*)━━━━━━━━━━━━━!!
(以下、リオンの妄想)
2回戦、3回戦と味方として、時には敵として戦うリオンとミナヅキ。
2人の間にはいつの間にか愛が芽生えていた。そして…
サタン「リオン君、優勝おめでとう! さあ、願いを言いたまえ!」
リオン「いや、僕の願いはもうかなっているんだ。ミナヅキという生涯の伴侶を手に入れたことでね。」
ミナヅキ「まあ……」
だが、リオンは知らなかった。水無月が女医ではなく教師だということを。
そして、同じ学校の教師といい感じになっていることを。
水無月は水無月で別の大いなる野望があるのだが、それはまた別の話。
(声:森本レオ)
【リオン・ラファール 二回戦進出 願い事:響子と結婚する】
【水無月響子 二回戦進出 願い事:???】
だだっ広い迷路の中を、ちょこまかと走り回るラブリーな緑色の怪獣。
その姿からは想像もつかないが、これでも彼は元いた世界で
何度も冒険を繰り広げ、仲間達を救ってきたちょっとした英雄だ。
彼の名はバブルン、元の姿はバビーという名の人間の少年である。
彼の弟・ボビーの魔法の実験に付き合っているうちに
イタズラでバブルドラゴンに変身させられてしまい、その際の手違いで
どうしても元の姿に戻れなくなってしまった。だが、ここで彼は一つの話を思い出す。
彼らのGFであり冒険仲間でもあるクルンとコロンから聞いた、魔法の発達した異世界の話。
そこに行って魔法の達人に会えば、元の姿に戻してくれるかもしれない。
そう思って、新たな冒険の場ともなって内心ワクワクしながらやってきたこの世界。
気が付けば、その世界で一番偉い人が企画したヘンテコなレースに参加させられていた。
「はぁ。参加してみたまではいいけれど、優勝なんてできそうにないなぁ…
だからって他の人の邪魔するのも悪いし…」
彼自身は自分の能力のポテンシャルに気づいていないが、実際のところは
彼のもつ、自分の吐いた泡の中に相手を封じ込めてしまう能力を上手く使っていけば
一回戦はあっさり突破できてしまうだろう。それどころか、優勝も夢ではない。
だが、冒険好きでこそあるが、あまり争い事には気が乗らない性格のバブルンは
そういった行動を起こすのに躊躇していた。
悩みながらも迷路を走りぬけていくうちに、バブルンの目に入りこむものがあった。
…眼だ。
『眼が目に入りこんできた』妙な文だが、実際バブルンの視界に現れたものが
2つセットの眼球だったからこう表現する以外どうしようもない。
その眼球はあっけにとられているバブルンを一瞥し、ゴールとは全く逆の方向に飛んでいった。
「い、今のって何!?」
事態を理解できず慌てるバブルン。更に、そう遠くはないだろう位置から聞こえてきた
「ギャー」という叫びが彼をいっそう驚かす。
…ほどなく、先ほど見たような眼球が再びバブルンの前を通りすぎていく。
「え?え!?えぇぇ!?」
詳しくはわからないが、近くで恐ろしいことが起きているらしい。
お化けには慣れっこだが、こういう得体の知れない現象はやっぱり怖い。
すっかり怖気づいて後ずさりを始めるバブルン。だが、その直後に目の前に現れたその怪物は
彼のその動きどころか、呼吸までも止めてしまった。
巨大な口がついた、巨大な黄色の球体。
「………ひえぇぇぇえぇぇえ!!!!!」
もはやバブルンに理性はなく、可能な限りの勢いで泡をその怪物に吐きつけていく。
その怪物が自分に話しかけようとしている事など気にも留めない。
「ヘーイ坊主!随分と久しぶりじゃないk」ホワッ
猛ダッシュで迷路の中を来た方向とは逆戻りに逃げるバブルン。
もう駄目だ。もう駄目だ。逃げよう。人間に戻る方法なんていくらでもあるはずだ。
今は生きて帰れればいい。素直にリタイアしよう。だから助けて、助けて、助け
「まーまーままままま、ちょっとは待てって!アンタだけは襲うつもりは無いからサー!」
さっきと同じ声だ。もう泡から脱出されたんだ。勝てない。勝てっこない。助けて。
「嘘だ〜!絶対ボクを食べる気だー!助けて〜!」
「あ〜も〜待てっての、…しゃーないね、トゥッ!」
バブルンの後方で何かが跳び上がり、彼の前に回りこむ。
「ヒィ―――ッ!…って、あれ?」
一瞬絶望に支配されたバブルンだったが、彼の前方に現れたそれは
先ほど見た怪物の面影をある程度は残していたが、恐れるほどのものではなかった。
羽根付き帽子とブーツを身につけた、黄色くてまん丸の顔…いや、体をもつ登山家のような男。
「このカッコなら怖がらないのか、面食いな坊主だねー。」
「坊主、バブルン…いや、バビーって名だろ?アンタは俺を知らんかもしれないが、
俺はアンタを知ってるゼ?」
その言葉を聞いてバブルンはまた驚く。別の世界から来た自分を、なぜこの人は知っているんだろう?
それにこの人自身も、また別の世界からやって来たはず。もしかして、この人は…
「ひょっとして、あなたは魔法使い…」
「ノーノーノノノノー!そんな大それたモンじゃねーよ!ただチョイコラ大人の事情ってモンがあって
アンタを知ってるだけだって!…しかし坊主も大変だね、別ジャンルで細々と生き残れたかと思ったら
突然妙ちきりんなネーちゃん達に打って変わられてやがる!まー俺達に比べりゃ十分にマシだがね!
あの連中、キリのいい時かネタ切れした時だけ押し入れの奥にブチ込んだ俺達をヒョイと(以下12行略)」
「わーわー、何が何だかわからないけどとりあえず落ち着いて!とにかくあなたは一体誰なの?」
「あ〜?アー。俺の名はパックマン、英字綴りでPAC-MAN!元の世界に帰っても覚えとけ!」
「そーんでだ、坊主。俺と組んでみる気は無いか?」
丸で訳のわからない愚痴に付き合わされすっかり疲れたバブルンに
追い討ちをかけるように、パックマンは話を切り出す。
「俺にとって迷路はいわば俺の住処。俺と組めばこの程度の迷路は最短ルートでパスだ。
まぁ、今はちょっと退屈してた所だったんで他の連中に嫌がらせしてたんだがね!
アンタはわからんだろうが、アンタは古参、俺も古参!何かの縁と思って組んでみないかい?」
「…はぁ。」「決まりだな!よろしく頼むゼ、坊主!」
実力でも、話術でも叶いそうにない相手には反抗のしようがない。
疲れきったバブルンにはパックマンの言葉の意味を考える余裕も無かった。
「…ところで、さっき目玉のようなものが飛んでたんですが、心当たりはありませんか?」
巨大な怪物の姿に戻ったパックマンの背中に捕まったまま、バブルンは質問する。
「あー、ア〜。アレは俺の喰いカスだ」
ずり落ちるバブルン。
「おいオイ、そう引くなっての。悪いがこれは俺の本職なんでね、こればっかはどうしようも無い。
言っとくが、俺は命までは奪ってないゼ?あの目玉、行きつく所まで着いたら元の姿に戻るんだよ。
俺が思うに、この迷路の中で喰った連中は多分スタートの辺りに戻されてブチ切れてるだろうな。
それに今回は、誰か殺しまでしちまったら失格みたいだしナー!」
…やっぱり逃げておくべきだったのかどうか、しばし迷うバブルン。
元の姿、と聞いて一瞬自分に都合のよい想像をしたが、その考えはすぐに押し殺した。
「さぁー、着いたゼ!だ〜が、ここからが本番だからな!いざとなったら頼むゼ、坊主!」
なるほど、微妙に時間はかかったが彼の言っていた通りあっさりとゴールに着いてしまった。
その間、行き止まりに出くわしたり引き返したりした覚えはない。
どうも胡散臭いが、やはり彼の実力は確かなものなのだろう。
「は、はい…よろしく。」
もう後戻りはできない。してしまったら何をされるかわからない。
幾ばくかの信頼と心の大部分を占める恐怖のもと、バブルンはこの化け物と共同戦線を組む覚悟を決めた…
(フフ…これで良し、これで良し。これで俺の天敵は居ないも同然。楽しくやろーゼ、坊主。
最も、いざとなったらアンタは捨て駒だけどね?悲しい事だが、縁はいつか切れるんだよ。
どーせ、最後に願いを叶えてもらえるのは誰か一人だけなんだからナー!魔王とやらの力、
存分に使って、今日もウハウハ言ってんだろうあの連中に一発ギャフンと言わせてやるよ!)
【バブルン 一回戦突破 願い:人間の姿に戻る】
【パックマン 一回戦突破 願い:元いた世界の制圧】
さっきは酷い目にあったわい!
V
∧ ∧ ∧ ∧
Σ(゚Д゚;≡;゚д゚) ←溝口
./ つ つ
〜(_⌒ヽ
)ノ `J
お、ホンマに運がええわい!
V
∧∧ _____
(;゚Д゚) | |
⊂ つ |ゴール行 |
〜 | |______|
し`J
おらっしゃあぁぁ!!
∩∧ ∧ _____
ヽ( ゚Д゚) | |
\⊂\ |ゴール行 |
O-、 )〜 |______|
∪
殺してでも奪い取る!
↓シェン(怒りMAX) バキャッ .' , .. ∧_∧
∧ _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ ' ( )
, -'' ̄ __――=', ・,‘ r⌒> _/ /
/ -―  ̄ ̄  ̄"'" . ’ | y'⌒ ⌒i
/ ノ | / ノ |
/ , イ ) , ー' /´ヾ_ノ
/ _, \ / , ノ
| / \ `、 / / /
j / ヽ | / / ,'
/ ノ { | / /| |
/ / | (_ !、_/ / 〉
`、_〉 ー‐‐` |_/
ガラッ!!
_____
|∧ ∧.|| .| | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|( ゚Д゚) ||o | | .< 俺がゴールだぜ!
|/ つ | | \______
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
↓
パタン
ヾ'_____
|| | |
||oゴール| .イキ|
|| | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∩_∩
(。Д。⊂_つ ←溝口
【シェン・ウー 一回戦突破 願い:その時に決める】
【溝口誠 気絶 願い:高校卒業】
『あははは〜待って〜フィオ〜』
『うふふ〜エリ〜私を捕まえてぇ〜』
そんな甘美な空想に浸っていたアタシを現実に引き戻してくれたのは、体育座りをしている一人の女の子だった。
「うわぁっ!」
ぶつかってコケそうになったアタシはとっさにバク転してみたり。
「こんなところで何体育座りしてるのよ! せっかく人が物思いに耽ってたのに危うく転ぶところだったじゃないの!?」
まずは叱る。ま、当然よね。
「願い事…叶うはずだったのに…」
見るとその子は泣いていたの。さっきの放送で出た強制送還者の一人かしら?
「…ご愁傷様。でもまだ失格じゃないんでしょ? だから泣かないで元気出しなさいって」
「私は泣いてない…っ」
表情はやや乏しいとはいえ、眉毛はハの字だし、瞳からは涙がどばどば出ている。これで泣いていないってアンタ無理ありすぎ。
「泣いてるじゃないのバカ、バカ!これじゃあアタシが泣かせたみたいじゃない!」
私はポケットからハンカチを出してごしごしごしごしっとその子の顔を拭いてやった。
「あなたも軍人ね?」「へっ? 何故にそれを?」
何この子エスパー? いきなりそんなこと言われたから、思わず間抜けなリアクションを返しちゃったじゃない。
「あなたの身のこなし、ハンカチ捌き、並の人間のものじゃないわ」
「あ、あらそう?」
って待て。
「それがわかるアンタも軍人なんじゃ…」
「私は言ったはずよ。あなた『も』軍人ね? って」
「ああ確かに言ってたわね。で、そのあんたの願い事って何よ」
すると彼女は私の耳元で小さな声で囁いたの。
顔がほんのり赤くなっていて可愛かったのはアタシとMYハンカチだけの秘密。
「…………私、何でも話せる女友達が欲しいの。今まで、仲間はいても、心を許せる友達っていなかったから」
その言葉を聞いて、アタシはフィオのことを思い出していた。
一人ぼっちで生きてきたアタシの、きっと最初で最後の全てを許せる大親友。
フィオ、今どこでどうしてるんだろう?
一人で心細くないかな?
悪いヤツに騙されてないかな?
フィオは優しくて、ヤバいぐらいにおっとりしているから心配だよ。
そして、その一方で
ならアタシがこの子の友達に…といいたいけどダメ、ダメよ!
アタシにはフィオがいるもん!
浮気心なんて出しちゃダメ!!
と、フィオと目の前の女の子との友情の板挟みに苦しむ自分がいた。
「あの…どうしたの?」
「あ、ううん! なんでもないの、なんでも! さあ、ゴールまで急ぐわよ」
私はレオナを半ば引っ張るようにしてゴールへと急ぐ。
「私まだ名前を名乗ってな」
「アタシはエリ! アンタは?」
「レオナ……よろしく」
「オッケー! レオナ、こっちこそよろしく!!」
こうしてアタシとレオナはなんとかゴールまでたどり着いたわけだけど、これからどうなっちゃうのかしら?
それと、フィオ信じて! これは裏切りじゃないの。レオナが可哀想だったから人助けしただけなんだから。
だから、アタシを嫌いにならないでーっ!
【レオナ・ハイデルン 一回戦突破 願い:心を開ける同性の友達が欲しい】
【エリ・カサモト 一回戦突破 願い:フィオとひとt、もといずっと一緒にいたい】
「やはり私はこれまでか・・・・」
橘右京は自分の吐血で地面にお経を書いていた。
せっかく健康体になるチャンスだったのだが私はこの迷路の中で死ぬ定めのようだ。
「おう、お前、どうした?」
目の前に立ちはだかるは2m近くはありそうな変な髪型の黒人の半裸の筋肉おっさん!!
橘右京・20代独身、ピンチ!!!
「私は過ぎ行く命に別れを告げる哀れな詩人・・・・」
「たわけ!!!」
吹っ飛ぶ右京さん。
「こんなところで死ぬ、よくない!命粗末にする、父ちゃんと母ちゃん、泣く!」
「本当は私だって死にたくはない!野垂れ死にしなければならない病弱の気持ちが貴様には分かるか!」
「なら元気になれ。オラの田舎の海でとれた魚食え」
男はどこからか魚を取り出して右京に食わせた。
「うまい!」
「そうか、うまいか。オラお前気に入った。ここから早く抜ける」
右京はその男にかつがれていった。本来ならここで死ぬはずだった右京を救った男の名はジェフリー。
決して顔と頭はよくないが熱い海の漢だ。
【橘右京 一時予選通過 願い事:健康体になる】
【ジェフリー 一時予選通過 願い事:サタンシャークを倒す】
y-=・ッ'. -=・ッ'/ソリ KOF2004とネオコロに出るまでボクは死なないよ ンワーオ
【アッシュ・クリムゾン 願い:ネオコロ・KOF2004に出演】
茶吹いたw
「気合だーーー!!」
迷路の中を雄たけびをあげながら凄まじいスピードで書けぬけていく男、熱血隼人がいた
ある日の事だった
いつものように生徒をしごいていたら願いが1つ何でも叶う大会が開かれるという噂を聞きつけた
隼人は仕事そっちのけで飛び出しこの大会に参加した
しかし
「く!!俺としたことが、完全に迷ってるぜ!!」
彼は道に迷っていた
一方そのころ・・・
「まったく、まいったぜ・・・」
リョウ・サカザキは嘆いた
ゴールは向こうという看板に従い、他に二人の男と共にゴールしたのだがあの主催者の新ルールによって迷路の途中からやりなおすという散々な結果となってしまった
しかし、通ったことがある場所にワープさせられたため、ある程度なら道がわかった
そして曲がり角を曲がった、そのとき
「「むっ?」」
赤いジャージを着て竹刀を持ったなんとなく暑苦しそうな男と鉢合わせた
「おお、丁度良い!!お前!ゴールが何処かしらんか?!」
しゃべり方まで暑苦しいなとリョウは思った
「ああ、ゴールならもうすぐだ、なんなら一緒に来るか?」
「おお!!そいつぁありがてぇ!!是非とも同行させてくれ!!」
こうして隼人とリョウは共に道を進んだ
数分後、二人は無事ゴールへとたどり着いた
【熱血隼人 一回戦突破 願い:それは言えん!!】
【リョウ・サカザキ 一回戦突破 願い:????】
濃密な死の気配を放ち、男はそこに立っていた。
肌が焼け、喉が詰まるような威圧感を撒き散らし、男はそこに立っていた。
岩のような頑強な骨格に、分厚いゴムのような筋肉をまとい、人ならぬ眼光を輝かせ、男はそこに立っていた。
というか、立ったまま動けなかった。
彼の名はゴウキ。武術、武道に限らず戦いの世界に身を置くものにとって一度は聞く名であり、
打倒すべき目標にして到達してはならぬ禁忌の存在…「拳を極めしもの」。
数知れぬ強者と拳を交え打ち殺し、自らが殺した強者たちの亡魂を背負い、ひたすらに己の拳を磨くもの。
強者の亡魂が次の強者を呼びよせ、新たなる亡魂を生む。その無間地獄を「殺意の波動」と呼ぶ。
ひとたび殺意に飲まれたならば、そのものは人間としての意識と引き換えに驚異的な力を手に入れる。
山をも砕き海をも割るというその力を振るうことで、失った意識が殺意で埋められ、
それにつれて振るわれる力もますます強大になっていく。
力のみを求めたモノの末路であり、しかし道を極めんとするモノが憧れざるを得ない伝説の力。
その殺意の波動を、己の意思を保ったままに行使できる唯一の男。それこそがこのゴウキである。
その彼が、動けないでいる。
あらゆる障害を己の拳足で砕き、いかなる強者をも屍とし踏みしだいてきた男が、一歩も動けないでいる。
そう、いま彼を縛り付けているのは、障害物でも強者でもない。
目の前に立ちはだかるのは、貧相で貧弱で虚弱な男。
「フフフフ、さあどうだ。触れるものなら触ってみろ!
もっともアンタなら、息を吹きかけただけで私を殺せるだろうがな!」
彼の名はスペランカー、世界で最も弱い男だ。
そう、ゴウキを縛り付けているのは規則(ルール)である。
――殺してはいけない、殺したものには失格とペナルティが与えられる――
全身に殺意をまとった男に、このルールはなかなかの負担だった。
だがゴウキも、普段から会う人間すべてを殺しているわけではない。それに拳を極めた彼は「殺さずにおく」ことも得意としている。
だからゴウキはこのレース、邪魔になるものは殺さない程度に痛めつけて突破しようと考えていたのだ。
そして最初に障害となったこの男によって、ゴウキの思惑はいきなり瓦解した。
鳥の糞にあたっただけで死んでしまうような男を殺さずに痛めつける…
それはゴウキにとって、氷で作ったスプーンで熱いスープを飲みほせというような、どうしようもない無理難題である。
言葉を失い立ち尽くす最強の男と、口笛を吹きながら悠々とゴールへ向かう最弱の男。
一回戦が始まって、間もないころの出来事だった。
そうしてゴウキはまだ立ち尽くしていた。おそらく彼にとっては生涯最長の煩悶だろう。
「…ぬうううううううううううッッ!!」
いきなり切れた。両足で大地を踏みつけ、小規模の地震が起きる。
他の参加者はその殺気を警戒し最初からゴウキには近づかなかったが、この地震でその距離はさらに伸びた。
そして猛烈な勢いで走り出す。目前に壁が迫れば阿修羅閃空ですり抜けて、最短距離でゴールへ向かう。
「よかろう…我はゴウキ、拳を極めしもの!極められた拳は砕き穿つだけのものにあらず!
スペランカ―とやら、必ずや貴様をこの我が、殺さぬ程度に痛めつけてみせようぞ!!」
ゴールをくぐる。拳を極めしものの矜持をかけて「優しく痛めつける」戦い方をも我がモノにしてみせる。
いまひそかに、最強VS最弱の戦いが始まろうとしていた。
【ゴウキ 一回戦突破 願い:???? 目標:スペランカーを殺さないように痛めつける】
「う〜ん・・・どうやらまたハズレの道を引いちまったみたいだな」
真紅のスカーフをはためかせたライダースーツ姿の男がぽりぽりと頭を掻いた。
彼の名はユウキ。
連邦政府からの難問珍問を解決し、ネオジオワールドの平和を影から支える若きボランティアエージェントである。
ネオジオワールド支配を企む悪の巨大企業「WAREZ」撲滅のため手掛かりを追っていた彼は
「WAREZ」の手下がこの大会に潜り込んでいるという情報を掴み、仲間のアイと共に潜入捜査を命じられていた。
・・・本来なら「WARES」の手下を拘束・連行するための大会参加である。
が、お祭り好きのユウキとアイはこの状況でちまちま「WARES」の手の者を探し出す気にはなれかった。
任務を果たしながらこの祭りに長く参加し、かつ最大限に楽しむ方法はないものか・・・
そう考えた結果導き出された答えは、単純に「本気で大会に参加する」というものだった。
「WARES」の目的が、優勝者に与えられる願いを叶える権利であるなら話は簡単、
ユウキかアイが優勝してしまえば確実に「WARES」の野望を阻止することが出来る。
さらに与えられた願いで「WARES」をぶっ潰すことも出来るかもしれない。まさに一石二鳥。
「それじゃ、今からはライバルだからね!」
スタート地点近くの分岐路で、ユウキとは違う道を選んだアイの背中を見送ったのは何時間前だったか・・・
今、ユウキは完璧に道に迷っていた。
分岐路に差し掛かるたびに塔の方向へのびる道を選んでいるのだが、
くねくねと道を曲がっているうちに何故かだんだん塔が遠ざかっていく。
体術と機械による支援を組み合わせたまったく新しい格闘技、「新日本機械格闘術」での戦闘には自信があったが
どうやら時の運にはあまり恵まれていないようだ。
いっそのこと来た道を戻ってスタート地点からやり直すか。
いや、今までかかった時間を考えるとこれ以上時間をロスするわけには・・・
などと考えながら直進しているうちに十字路に差し掛かり足を止める。
塔のある方向に伸びているのは左の道だが、今までのパターンでいくと余計遠ざかることになりかねない。
思い切って塔とは逆、右の道を選ぶことにした。
・・・彼は知らない。この道の先は行き止まりである事を。
そしてそこは、塔を中心として作られた超巨大迷路の最端、すなわち塔から最も離れた場所であった。
【ユウキ 願い:WAREZ撲滅!】
「いったたぁ・・・・怪我しちゃった・・・」
ドラコケンタウルス、通称ドラコは迷路の中にある(今のところ誰も掛かった事が無い)サタンが作った罠に引っかかり足を挫いていた。
「こんなんじゃあ・・・私の願い事なんで無理だぁ・・・・ほえほえほえ〜・・・・」
ドラコの願い事・・・・それは『サタン様の愛人にしてもらう事』であった。
何故妻では無いのか、ドラコ曰く
『サタン様、アルルの事大好きだからアルルを妻にしたいと思うんだ、私と結婚する事になったらサタン様悲しむと思うんだ・・・・
だから私はサタン様の愛人でいいの!!愛人として(以下自主規制)』
健気な娘である。
「あ〜あ・・・・どうしようかなあ・・・・?」
晴れた空を見上げ、半場諦めムードなドラコに突然甲高い声が聞こえる。
「突き動かされるものを感じてここまで来たがぁ!!なぁにがあったんだぁ!?」
なんというか・・・腕の長さが足の長さが微妙に違うというか・・・・形容しがたい不気味な姿の男がその場に立っていた。右手には銃を持っている。
「ひ、ひぃぃぃっ!」
か、狩られる!!銃から煙が出ている!!絶対に何人か殺している!!!
直感的にドラコはその場から逃げようとする、が、足の怪我が邪魔をして上手く動けない。
「安心しろぉ!逃げなければぁ!打ちはしないぃ!!」
早い話が逃げたら打つという事である。
「だ・・・・誰か・・・・た・・・助け・・・てぇぇぇっ!」
助けを呼ぶドラコ、だがここは迷路、仮に声が届いたとしてもここまで来れるとは限らない。
「安心しろぉ!!俺は優しさも平均以上だぁ!!」
なんだかよく分からない事を言いながら一歩一歩ドラコに近寄る、火を吹こうにも恐怖の為に口が上手く開かない。
『ゴメンナサイサタン様!!私きっとこの人に(中略)された上に殺されてしまいます!!』
そんな事を思いながらギュッと目を閉じる。
男がドラコに手を伸ばし、怪我をしている方の足を持ち上げ・・・・
「なんだぁこの怪我わぁ!!」
と、相変わらず甲高い声と共に薬箱を取り出した。
「・・・・・へっ?」
「俺は元用兵だが現在医者だぁ!折角だから怪我の治療をしてやるぜぇ!!」
「あ、ありが・・と・・・」
この男、私を殺す気じゃなくて治療するつもりだったのか・・・・人は見た目で判断しちゃいけないって本当だったんだ・・・
ドラコは今までの自分の考えを改めた。
────
「でぇ!あんたわぁ!これからどうするぅ!?」
怪我の治療を終えた後、この妙に甲高い声の男は痛みが引くまで人が来たら追い払ってくれた。
っても、学生服の男の子一人しかこの道を通ったものはいなかったのだが。
「もちろん!優勝を目指すわ!!」
怪我の痛みも引きゲンキに答える
「そうかぁ!だが気をつけろぉ!こんな夜は、命を落す奴が多いぃっ!!」
「今昼間でしょうが!!」
見事な突っ込みを入れるドラコ、ツッコミを入れれる相手というのは信用できる相手という事だ。
「それもそうだぁ!折角だから俺も一緒についていくぜぇ!!」
「うん!!一人より二人の方が心強いからね!!」
そう、奇妙なコンビはゴールへと向かう。
数分後、こうして彼らはは二回戦出場権を手に入れた
しかし今、サタン様のの放った数々の困難が、彼らに襲いかかる・・・・・・
【ドラコケンタウルス 一回戦突破 願い:サタン様の愛人になりたい】
【コンバット越前(越前康介) 一回戦突破 願い:折角だから参加しただけだぁ!】
「もう、着物で来るんやなかった・・・」
「大丈夫?」
転んで倒れていた大和撫子、梅小路葵を助けたのはフランスの麗しき獅子シャルロットだった。
「おおきに・・・じゃなくてありがとうございます」
ぺこりと頭を下げる葵。
「よかった、これからはもっと気を付けなさいね。お嬢さん」
「助けてくださったのは嬉しいですけど私、子ども扱いされるのは嫌なんです」
「ご、ごめんなさい」
微妙にむくれる葵にシャルロットは素直に謝る。
「いえ、別に怒ってませんよ。もう慣れちゃってますから。だからこそ今回、夢を叶えてもらうためにここにきたんです!」
「夢?」
「はい! 晶ちゃんやジャッキーさんやパイさんたちに、ちゃんと大人の女として認めてもらうのが私の夢です!」
葵が目をきらきらさせながら言う。
「それは、10歳ぐらい大人にしてもらいたいってこと?」
「そこまで歳をとりたくはないですけど。でもちゃんと皆に一人前の女性として見て欲しいんです。私だってもうすぐ19歳なんですから」
ぴしっ
「どうしたんですか?」
「え、ううん。なんでもない・・・」
「ならよかった! ところでお姉さんのお願いってなんですか? 私にも教えて欲しいなぁ」
どこまでも無垢な葵。
あと10歳若返りたいなんてこの子の前では言えやしない。
「そ、祖国フランスに平和を・・・・」
シャルロットは震える声でそう言った。
「? 私の友達の男の子にもフランス人の子がいるけど平和そうですよ? もっと他のお願いはしないんですか?」
ああ、若さとは罪なものである。
「ほっといてくれぇぇぇっ! うわぁぁぁぁんっ!!」
「お、お姉さん待ってぇ!」
泣きながら恐ろしい速度で逃げるシャルロットとそれを追う葵。
さっきまで道に迷っていたのはどこ吹く風。走り回るうちになんとか出口を通過したのだった。
「やりましたね、お姉さん! あれ? 嬉しくないんですか?」
「もう勘弁して・・・」
【梅小路葵 第一回戦突破 願い事:みんなに大人の女として見てもらう】
【シャルロット 第一回戦突破 願い事:10歳若返る】
☆様々な地域や国境の人がいるので、葵はあえて標準語を使っているようです
「くっそー、あのガキどもめ、親切にしてやったらつけあがりやがって」
倒れていた闇の魔導師シェゾが目を覚ます
「クソッ、方向石と地図も盗られてる…これじゃここが何処なのかさっぱりわからん」
その時突然空から何かがシェゾの方にめがけて飛んできた
「ん…?うわっあちっっ熱っ一体なんだこれは!?」
空から降って来た謎の火球がマントに当たり、シェゾのマントに火がついたのだった
シェゾはあまりに突然の事にビックリしながら必死に火を消そうとして慌てている
一方その頃上空では…
「お前達には悪いがこの先には行かせねえ!」
そう言いながら相模は手の平から大量の火球を周りに向かって放った
「得点稼ぎにくくて悪かったなああああ!
駿河妖介て誰だこんちくしょううううううう!
俺のショットは曲がってるんじゃなくてばら撒いてるだけだああ!」
「く、こいつ私怨をぶちまけながら攻撃してくる…タテハ、大丈夫か?」
アゲハがさっきまでタテハがいた方向を見る が、誰もいない
「あれ、タテハ!何処だ!?」
「ゴメンねお兄ちゃん…」「…俺は先に行ってるぜ!!」
タテハは覚聖し、何処かへ飛んで行ってしまった
「タテハぁああああああ」
気がつけば既に目の前の男と戦っているのは自分しかいない、他の者は相模を無視して
ゴールを探しに行ったようだ
「くそ、なんで…」「…私だけこんな目に遭うのよ」
「待て!逃げるんじゃねえ!」
【アゲハ 願い事:不明】
【タテハ 一回戦突破 願い事:不明】
【相模祐介 願い事:近江覚を生き返らせる】
【シェゾ・ウィグィィ 願い:強い魔導力を手に入れる】
「あち、あちち!!はっ!そ・・・そうだ!魔法・・・」
突然の上空からの炎の襲撃に焦りながらもなんとか気を集中し呪文を唱えるシェゾ。
「ブリザード!!!」
冷気があたりを包み込み炎を消してゆく
やっとのことで火を消して一安心していたシェゾの元にまたしても厄介な相手が現れた。
「は〜ら〜ほ〜ろ〜ひ〜れ〜は〜れ〜♪」
その耳が腐るような壊滅的にど下手な歌声に目覚めたばかりの意識がまたどこかに行ってしまいそうになる。
「ハーピーか・・・なんのようだ?」
「あらぁ〜♪ご機嫌斜めのようですねぇ〜♪どうしたんですのぉ〜↑♪」
「どうしたもこうしたもあるか!!ガキにはコケにされるし、火の玉は降ってくるし!!
しかも方向石と地図まで・・・くそっ!あれがないとこの迷路を抜けるのが面倒に・・・」
「あのぉ〜♪」
「なんだ!?」
やはりのんびりとした様子で声をかけてくるハーピーにあからさまにイライラした態度で答えるシェゾ。
シェゾのそんな態度をまったく気にした様子も見せずハーピーは提案した。
「でしたらぁ〜♪私さきほど空から見ましたので迷路の案内ができますわぁ〜♪
ご一緒に参りませんかぁ〜♪シェゾさんがいたら心強いですわぁ〜♪」
普段なら絶対にこんな頭が痛くなるようなやつと行動するのはごめんだったが
自分のいる場所も把握できないような現状ではハーピーに頼らざるをえない。
シェゾはしぶしぶ承諾した。
しかし、ハーピーと組んだのは予想以上に成功といえた。
迷路に迷わなくてすむのはもちろんのこと、
周囲のものがハーピーの歌声を聞くと頭を抱えて道の端でうずくまるため楽に進むことができる。
(俺やアルルは思いのほかこいつの歌声に免疫があるらしいな)
「シェゾさんはどんな願い事をおねがいするんですのぉ〜↑♪」
「俺か?俺は強力な・・・」
「私はコンサートを開いて皆さんに私の歌を聞いていただくんですのぉ〜♪」
「聞けよ!おい」
「もちろんシェゾさんにも来ていただきますわぁ〜♪」
「いや、いらん」
「さあ〜♪この角を曲がれば塔の入り口ですわぁ〜♪」
どうやらもうすぐ着くようだ。
(しかし、万が一こいつが優勝するようなことがあったら・・・)
シェゾの脳裏に地獄絵図が浮かぶ・・・
「どうしましたの〜♪シェゾさん♪」
突然歩みを止めたシェゾをいぶかしむハーピー。
そして意を決したようにシェゾが口を開いた。
「スリープ」
シェゾの紡いだ魔法の言葉によりハーピーは深い眠りの底へと落ちていった。
「悪いな。だが、危険な芽は早めに摘んでおきたいんだ。
まぁ、運がよければ定員が埋まる前に目が覚めるだろ。」
眠ってしまったハーピーを道の端によせ、それだけ言い残すとシェゾは塔の入り口へと向かった。
【シェゾ・ウィグィィ 一回戦突破 願い事:強い魔導力を手に入れる】
【ハーピー (睡眠中) 願い事:コンサートを開いてみんなに自分の歌を聞いてもらう】
迷路の中を右往左往する人の群れの中、珍しく最初から2人一緒に走るものがあった。
1人は元魔道兵器の戦巫女、1人は豪華絢爛なる世界移動者。
結城小夜とニーギ・ゴージャスブルーである。
元々は違う世界の人間同士だが、かつてお茶を飲みながら話した仲でもあったので
開始直後にニーギから声をかけたのだ。
今は小夜の式神・ヤタに上空から迷路を見てもらい、道順を定めて走っているところである。
この迷路は道の分岐が多く行き止まりもかなりあるが、構造自体は複雑ではない。
出口に繋がる幾つかの道を押さえれば、攻略はそう難しくはなかった。
「あ、次の十字路を右に曲がって下さい」
「オッケー!」
ニーギは落とし穴を飛び越え、先に十字路へと突入…する寸前で急ブレーキをかけた。
すぐ後ろを走っていた小夜も辛うじてニーギの背中に軽くぶつかる程度で止まる。
そして、ニーギの鼻先数センチのところを箒の柄がかすめていった。
その箒に腰掛けるは、薄紫の髪をゆるく三編み、紫紺の夜会服に身を包んだ眼鏡の魔女。
「あ、ふみこセンパイ」
ニーギが呟くとふみこはちょっと振り返り、薄く笑った。
「あら、貴方たち一緒だったの?」
気付くとニーギの後ろにいたはずの小夜が、少々うつ向きながら横に並んでいる。
「あの…一つお聞きしたいのですが」
小夜が意を決したように顔を上げ、ふみこを見据える。
「何かしら?」
ふみこは小夜の視線を真正面から受け止める。
眼鏡の奥の瞳が少しだけ細まった。
「今回の、この祭事。優勝者は如何なる望みでも叶えられると聞きました」
「そうね、それで?」
「では、もしあなたが優勝した時…望むものは、何ですか?」
一瞬の沈黙。
その空気が重苦しいものに変わるより早く、魔女はさらりと言ってのけた。
「光太郎よ、決まってるでしょ」
「そう…ですか…」
またもやうつむいてしまった小夜を一瞥し、ふみこは箒に座り直す。
「もうかなりの人数が抜けているみたいね。外も騒々しくなってきたわ」
ちらりと腕時計を見て、
「もうかなり時間も経ってるし…それじゃ、先に行くわね」
ふみこは元のように道をそのまま直進し、突き当たりを左へ曲がっていった。
ふみこが視界から消えたのを確認して、ニーギは隣の相棒に尋ねる。
「ねぇ、どーしたの? さっきからあんまり元気なかったけど」
さっきから、というよりこの迷路に入る前から、小夜の表情には僅かに翳りがあった。
数秒の沈黙の後、漸く彼女は口を開く。
「…迷って…いるのです」
頭の上に大きな?マークを浮かべるニーギ。
「迷ってるって、何に?」
「この祭事に参加する意義です。最初のうちは…その…」
とそこでまた口ごもった。
が、下に向けたままの顔が少し赤らんでいる。
とすると…
「わかった、前に言ってた光太郎って奴と恋人同士になりたかったんでしょ」
「なっ!?」
ニーギに言われ、ぱっと顔をあげる小夜。その顔がみるみるうちに真っ赤になっていく。
「い、いえ私は別にそんなあのその」
口をぱくぱくさせながら反論しようとするも、
「そうなんでしょ?」
「…はい」
前にもあったような展開で今回も押しきられる小夜であった。
「…で話戻すけど、迷ってるってのは?」
「最初に参加した理由は確かにニーギさんの言った通りです。
しかし、人の気持ちを他人にまかせて変えてしまうという事が果たして良いことなのかと…」
「駄目に決まってるじゃないそんなこと」
話を途中で遮り、かつ容赦なくばっさりと斬るニーギ。
腰に手を当て、屈みこむように小夜の目をのぞきこんだ。
「いーい? 人の気持ちなんてね、ホントに些細な事で変わっちゃうもんなのよ。
今の小夜ちゃんに必要なのは、そいつをこっちに振り向かせるきっかけ。
そいつも本当に好きだったらずっとこっち見続けるだろうし、そうでなかったら意地でも見させる方法を考える!!」
握り拳つくりつつ熱弁をふるうニーギに、小夜はただただ気押されるばかり。
「OK?」
「は、はいっ!」
「よしっと。じゃ、目的も改めて定まったところで」
ニーギは小夜に笑顔を向ける。
つられて、小夜の顔もつい綻んだ。
「はい、参りましょう。出口ももうすぐです」
間もなく、ゴールへ向かって駆ける2人の少女の姿があった。
【ニーギ・ゴージャスブルー 二回戦進出 願い:センパイと会う】
【結城小夜 二回戦進出 願い:光太郎に振り向いてもらう】
達人同士は一目でわかるという。彼女らも同様だった。
ホールにいた時から、自分のライバルは彼女しかいないと決めていた。
人気のいなくなったホールでお互いの意志を確認しあう。
お互いの意志、それは「史上最高の舞台で試合がしたい。」
そのために2人は協力し先に進む。年端のいかない彼女らをいろんな人物が狙ってきたが、
そのたびにちぎっては投げちぎっては投げ……。
かくして、空中に放りだされた人物は10人は下らないという。
その2人が今、ゴールにたどりつく。1回戦最後の勝ち抜き者として。
ゴールした後鉢巻をした方の人物は思う。
願いは自分たちの元ネタになった人物の名前を変えてもらうというのも悪くないと。
だって彼女はあまりにもブ(ry
『いや、私は漢字が違うから別に……』
【嘉納亮子 一回戦突破 願い:出雲良子と最高の舞台で試合をする】
【出雲良子 一回戦突破 願い:嘉納亮子と最高の舞台で試合をする】
「フム・・・・あの良く似た二人で85人目か・・・・」
マスクを外し、サタン様秘密のお部屋で一本背負が得意な二人組みが通るのを水晶で見届けた。
「よし!これで一回戦は終了だな!!」
そう呟くと嬉しそうにマイクを手にし、一回戦終了の挨拶を始める。
『アー--テステス、マママママイクテス♪ア・ア・アアイアム主催者サターン!!!
たった今ーーーーー!!一回戦が終了したぁぁぁぁあぁぁぁっ!!通過したものーーーーおめでとうーーーーー!!!』
喜びの声がゴール地点から聞こえる、悲しみの声が迷路内から聞こえる、素晴らしい・・・・素晴らしい暇つぶしだ!!!
『そしてぇぇぇぇぇぇっ!!次は二回戦であるーーーーーーー!!内容はーーーーーー・・・・』
合格者の息を呑む音が聞こえる・・・・
『まだ----決まっていない------!!皆は------交流を深めるなり-----グチを言うなり-----次の放送まで好きに待つが良い-------!!』
会場からガクッと言う声が聞こえたような気がした。
【一回戦 終了、2回戦の告知があるまで敗北者の声や勝利者の声等で楽しんでいてください。】
658 :
残念賞:05/02/11 01:14:00 ID:???
「くっ…なかなかやるわね…」
「はぁはぁ…そっちこそ…」
「だけどこれで終わりよ!」
アゲハが数発の光弾と4本の光線を相模に向けて放つ
「くそ…このままじゃ…」
「待て、君達が争う理由などないはずだ」
突然の声とともに光弾と光線は両者の中間で突然消える
「っ!?一体何?」
そこにいたのは一度ゴールには着いたものの迷宮に逆戻りさせられた男キースだった
659 :
残念賞:05/02/11 01:15:30 ID:???
「君達はどうやら我々と同じサイキッカーのようだな、
どうだ?私達とともにサイキッカーの理想郷を作らないか?」
「サイキッカー?良く解らないけど私は遠慮しておくわ、」
「俺もやめておく」
「仕方がないか…ではこの大会の中でのみ手を組むのはどうだ」
「それなら私は構わないわそっちの…そういえば貴方名前は?私の名前はアゲハ」
「俺の名前は相模祐介、俺はそれも遠慮しとくよ、
それにどうせ三人以上で組んでも第一回戦は勝てないわけだしな」
「そうか…残念だ、私の名前はキース、キース・エヴァンスだ
では相模、縁があったらまた会おう」
「じゃあな」
こうして三人の超能力者たちの間に友情のようなものが芽生えた…
しかし彼らは知らない、もう既に一回戦勝ち抜けの定員が決まっている事を…
【キース・エヴァンス 一回戦突破失敗 願い事:サイキッカーの理想郷設立】
【相模祐介 一回戦突破失敗 願い事:近江覚を生き返らせる】
【アゲハ 一回戦突破失敗 願い事:不明】
(2回戦はかくれんぼとかどうかな?)
J「ヽ(`Д´)ノ ウワァァン」
V「貴方が『ハーレム作るぞ』とかいうから悪いのです、さあ家に帰りましょう」
J「あれはジョークに決まっているだろう!俺はサラに幸せになってほしかったのにお前が切れて俺を殴ったりするから」
ピロリピロピロリ♪
V「電話よジャッキー」
J「もしもし。サラか。ごめん兄さんお前の願いを叶えられなかった」
S「いいのよ。兄さん、ベネッサ。おうちに帰ってきて。シチューを一緒に食べましょう」
J「サラ。・゚・(ノД`)・゚・。」
V「やれやれ世話のやける兄妹ね。でもキライじゃないわ」
【ジャッキー・ブライアント リタイア】
【ベネッサ・ルイス リタイア】
サタン様の放送終了後
塔の周りには座りながら談笑する者たちや待ち疲れて眠ってしまっている者
一触即発の雰囲気をだす者たちなどなど
多種多様な様子で次の主催者の言葉を待っていた。
そんな中で広場で誰かを探している男が一人。
「2回戦進出おめでとうございます!やはり目指すは優勝ですか!?」パシャ!パシャ!
(うるせぇ……)
「オアー!オアー!」
(うるせぇ……)
「どーすこぉーい!どーすこぉーい!」
(うる…こんな所で相撲稽古しちゃってるよ(゚Д゚;)!!
さすがにちょっとびっくりだよ!!)
KUSANAGIはいらついていた。 ゴールしたはいいがいい加減な主催者の進行っぷりに。
いらいらしながら人を探す。
塔の周りの広場をぐるりとまわって気が付いた。
───草薙いないじゃん。
「悲しいけどコレ現実なのよね。」
KUSANAGIは笑顔なのかちょっと気持ち悪い顔になっていた。
「あいよー、パック牛乳一本80円、紙皿は200円だよ」
一回戦終了後、ゴール地点のサタン塔前は和やかな(一部で不穏な)雰囲気に包まれていた。
勝利インタビューを受けるもの、道すがら知り合った参加者と歓談するもの、なぜか殴りあうもの、
塔の前にあった売店で買い物をするものなど様々だ。
「うむ、釣りは要らんぞ」
八神庵は500円玉でパック牛乳と紙皿を買い、釣りもレシートも貰わずにとっととその場を去った。
パック牛乳一本をみすぼらしい売店で買い求めるなど、およそ普段の自分からは考えられない姿だからだ。
このような光景を自分を良く知るものにでも見られては、この先ずっと笑いものにされかねない。
そんなわけで庵は、KOF98までの超低姿勢ダッシュを駆使して人で賑わう塔の前から姿を消し、
ひょっとして暴走してるんじゃないかというほどのスピードで塔周辺の森の中へ入っていった。
「あ、帰ってきたにゃん!ごはんにゃん!ごはんにゃん!」
「ヤガミさん、ありがとにゃん!」
森の中、それなりに奥まったところに寝そべっている二匹の子猫の前で、庵は紙皿に牛乳をあけた。
「礼にはおよばん、ただの気まぐr
「「にゃーっにゃにゃーっ!!」」
双子のケットシーがミルクに群がる嬌声に、庵のどうでもいい言い訳はかき消された。
「……」
庵は現状を整理する。草薙京…自分の生涯の敵は一回戦を突破できなかったという。
――自分はなんのために、こんなレースに参加したというのだ。
暗澹たる表情が顔に浮かぶ。庵がこのレースに参加したのは、草薙京が参加していたからだ。
「サタンの暇つぶし」というレース開催理由に勝るとも劣らない、中身の無い理由ではあるが、
庵にとってはそれ――草薙京との因縁に決着をつけること――こそが生きる理由といってもいい。
だがその京がすでに敗退しているのでは、このレースで決着をつけることは叶わぬ願いである。
…叶わぬ願い。だがその願いは優勝すれば叶えることが出来る。
迂遠な手段では有るが、自分が優勝すれば今度こそ京と決着とつけることが可能だ。
実際は、毎年のように庵にはその機会がある、庵がKOFに参加する理由も「京が参加しているから」だ。
だがその決着は、ルガールだのオロチだのネスツだの遥けし彼の地のモノだのに毎回毎回邪魔されている。
2004年に至ってはそのKOFすら開催されていないという有様だ。
ならばこの機会、逃す手はないだろう。
庵の顔に、狂気のような笑みがもどってきた。
「クックック…ハッハッハ…ハァーh
「「ヤガミさん、ごちそうさまにゃん!」」
双子のケットシーのお礼の言葉に、庵の決意表明である三段笑いはかき消された。
なにはともあれ当面の目標を得た庵の胸に、ようやく闘志の炎が灯ったのだった。
【八神庵 一回戦突破組 願い:草薙京と決着をつける】
【双子のケットシー 一回戦突破組 願い:不明】
一回戦が終わり、周りでは合格者達の浮かれた声が響いていた。オアーだのキョオーだの、一風変わった叫びが
聞こえ、耳を傾けているだけで飽きは来ない。しかし、一人の男はそんな珍妙な音よりも影に目を奪われていた。
その影は小さく揺らぎ、目を離すと永遠に消えてしまいそうだった。
そして影は詠う。青い鳥を知りませんか、と。
一回戦が終了し、リュウは一人壁を背に座り、ただ周囲を見回している。見覚えのある人間、猫、そして
あの少女を見つけた。一回戦目で出会い、同時期にゴールしたあの少女を、自分で進み、出口を見つけた少女を。
青い鳥・・・見かけませんでしたか? 彼女は自分に聞いた。知らない、と答えた。そして、待っているだけじゃ
見つからない、と言った。自分で進めば見つかる、とも言った。今となって思う。自分はこんな事を言える身分ではない。
リュウは何年も探していた。真の格闘家としての、そして自分としての道を。世界を歩き、数多の強者と闘い、
自分では進むべき道を見つけ、進んでると思いたかった。しかし、本当に自分は正しい道を進んでいたのだろうか。
信じて進み、殺意に飲まれた自分がいる。もう、誤った道を進みたくない。
だから、この大会に参加した。真の道を知り、答えを探すために。
少女は、参加者の合間を縫うように歩いていた。深い青色のワンピース、黒い髪と瞳。そして空っぽの鳥かごを持って。
周囲の明るい空気の中、少女は寂しそうに呟く。私の青い鳥、知りませんか?呟きは熱気に呑まれ風となって
流れていく。そして、疲労した小さい体は人ごみに押され、床に向かって倒れて行った。気がつく人もいないだろうと
思い、諦めて流れに体を任せた。その時、大きな力に支えられ床への衝突は免れた。驚いて上を見上げると
そこには、先ほど迷路で出会った胴着の青年の顔があった。
ありがとうございます、と呟くように言い、少女は立ち上がった。あ、とリュウが言う。
「疲れているのなら無理はしない方がいい。次の競技もあるんだ。」
言いながら壁へと進み、少女に座るよう促した。少し困った様な顔をしながらも少女は壁を背に腰掛けた。
少し離れた場所に座りながらリュウが続けて言った
「無理をしているようだったから、休むように話しかけようと思っていたんだ。お節介だったかな。」
少女はいいえ、と少し首を横に振った。そうか、とリュウは言い、どこからともなく出したズタ袋を漁り始めた。
中からは換えの白い胴着2枚、黒い胴着、なぜか茶色の胴着、赤い靴など様々な物が見え隠れしている。
このズタ袋、リュウの長い放浪の旅のホームレス・・・いや、野宿生活を共に歩いて来た、リュウのたった一つの
荷物なのだ。四次元なポケットの如く様々な物が入っているズタ袋に少女は少し驚きつつ、その様子を大人しく眺めていた。
そして3分ほど経った頃、リュウは小声であった、と呟き満足そうになにかを取り出し少女に差し出した。・・缶詰の羊羹だ。
「怪しい物では無いから、安心してくれ。腹が減っては戦が出来ないと言うし。」
少女は少し困惑し、リュウはその様子を見て、少し困った。この青年、馬鹿ではない。不器用なのだ。
羊羹は彼の好物で、悲しげな少女を元気付けようと出した物だった。
「ええと・・・気に入らなかったのなら、すまない。」
少女は、自分に自らの幸せを分け与えた、どこか焦っているような青年を見た。そして少し微笑み、
「あなたの幸せは、あなたが持っていて下さい。私は、その心遣いだけでいいんです。」
そのまま羊羹を返した。リュウは困ったように微笑み、そうか、と呟き、羊羹を戻しながら言った。
「俺も、探し物をしているんだ。さっき君にあんな事を言ったけれど、俺もまだ見つけていない。」
少女はリュウの方を見ながら、ただ黙って聞いている。
「もし、願い事が叶ってそれを見つけたとしても、ちゃんと使えるかわからないんだ。」
道を知っても、その道を正しく進み、答えを見つけ出す事は出来ないかもしれない。そのままリュウは口を噤む。
「けれど」
少し間が空いた後、少女が口を開いた。リュウは少し驚き少女の方を見る。
「けれど、見つけ出したいのでしょう?見つけた後の事よりも、まず見つけ出さないと、なにも始まりません。」
少女はスッと立ち上がり、リュウの前に立った。
「私、カゴメと言います。」
そう言うと手を差し出した。リュウも軽く笑みを浮かべ、その手を握る。
「リュウ、と言う。」
「・・・頑張りましょうね。」
この大会で、2人の願いが両方叶う事は決して無い。しかし、探求者同士の、不思議な絆が生まれたのだった。
その後、リュウは
「表彰式に出たら負けだと思ってる ニート(格闘家・男性)」
などと世間話染みた話をポツリとし、カゴメはそれを黙って聞いていた。が、その内に話す事が無くなり、
沈黙が続いた。が、その間は不思議と心地がよく、程よく疲れを癒す。
周囲の賑わいとはまるで別世界のように静かで、落ち着いた空間がそこにはあった。
【リュウ 1回戦突破組 願い:真の格闘家への道を知る】
【カゴメ 1回戦突破組 願い:青い鳥を見つける】
1回戦を勝ち抜いた全員のインタビューを終えた蘭はテープを起こして、
ノート型PCで文章にまとめているところである。
「──ということで、最後にゴールした2人のヤワラちゃんが、
2回戦以降も大暴れしてくれるに違いない。(HR)」
文章を書き終えて蘭は一息つく。
これから、この文章を写真とともに、学校の新聞部へメールを送ればとりあえず完了である。
学校では、新聞部の部員がプリントにして号外として学校中の生徒や先生に配ることになる。
ひなたは落ちてしまったが、それでも蘭・委員長・隼人先生と3人が勝ち抜いている。
学校でも大騒ぎだろう。
最後に文章にミスがないか、一通りチェックする。
彼女は一人の女性の名前に目が留まる。
「水無月今日子」
『おっといけない。』蘭は「今日」の字を消すと「響」に直す。
『人名間違いは失礼だもんね。』
そして、彼女の願いが目に入る。「願い:生徒全員が無事に卒業する」
『さすがは学校の先生ね。自分の事より生徒の事を考えているだなんて!
綺麗だし、尊敬しちゃうな。』
さてそのインタビューに、「願いは生徒全員が無事に卒業すること」と答えたが、
水無月響子にとってそれは建前、さてその本音は……
逆ハーレムを作ること!
マッチョ系、ギャル男系、カッコイイ系、ショタ系、シブ系……
いろんなタイプの男性を何人もはべらかし、大きな団扇で自分を扇がせる。
そんな状況に憧れていた。
「『すべてのおとこはわたしのまえにひざまづくのよ!』ってね。フフフ」
響子は教師とは思えない不敵な笑みを浮かべる。
そんな水無月響子を熱っぽい視線で見つめる少年が1人。
『先生、今、何考えているんだろう? もしかして医療問題についてだったり…』
響子LOVEなリオン・ラファールである。
普通の人が見たら不敵な笑みも、彼から見たら天使の微笑み。
『笑顔も素敵だ。』彼の萌え度は現在も上昇中である。
以下、リオンのもう(ry
看護士「リオン・ラファールさん、診察室へどうぞ。」
キョウコ(名前を盗み聞きした)「あら、リオン。あなたこんなところへなにを?」
リオン「心臓のドキドキが止まらないんだ。」
キョウコ「それは大変! 入院しなくちゃいけないかしら?」
リオン「いや、この病気を治すのは簡単なんだ。」
といいつつ、リオンはポケットからダイヤの指輪を取り出す。
リオン「君がこれを受け取ってくれればこの病気は治るんだ。」
キョウコ「まあ………。」
フォ━━━━━━━━━━━(*´ Д `*)━━━━━━━━━━━━━ン!!
「あれは、キモイを通り抜けてかわいそうだな。」
ニヤニヤしているリオンを気の毒そうにみているのは、
ライダースーツにヘルメットを被った風間アキラである。
彼女もインタビューには平和と安全と答えたが、これも建前である。
勿論、兄・醍醐のことは心配である。しかし、
彼女はそろそろバイクを新しいのに乗り換えようと思っていた。
ふと立ち寄ったバイクショップで彼女は1台のバイクに一目ぼれしてしまう。
「これ、欲しい……。」
だが値段を見てびっくり。とても1高校生が買える値段ではない。
店の主人に聞くと、限定生産とやらで値段が通常のものより高いらしい。
それ以来、ため息をつく日々が続いた。
優勝したらそれをもらうつもりである。
「たまには、自分のこと考えてもいいだろ、兄貴?」
そんなアキラを見て蘭は不思議に思う。
『なんで、あきらちゃんヘルメットかぶっているんだろう? あんなに顔かわいいのに。』
【ひびき蘭 願い事:特大スクープを撮ること 目的:できるだけ勝ち残り取材する】
【水無月響子 願い事:逆ハーレムを作る】
【リオン・ラファール 願い事:響子と結婚する】
【風間あきら 願い事:バイクをもらう】
「あーもうっ! 悔しいッたら悔しいッたら悔しいッたら悔しい悔しい悔しいーッ!!」
「ちょ、マ、マリオン様! 落ち着くッス!」
勝利の喜びに身を震わせるものが居れば、その逆……即ち敗北の悲しみに怨念を吐き散らすものも居る。
そしてこのマリオンも、そんな敗者のうちの一人だった。
「そもそもっ! アンタが悪いんじゃないのよぅっ!!」
――話はサタンによる一回戦終了のアナウンスより数分前に遡る。
ライバルと争って我先にと貪欲に歩を進める……もとい、箒を進めるマリオンは、
その甲斐あってかゴールに大分接近しつつあった。
だがしかし、そんな事を知る由も無い当の本人は、一刻の猶予も無し、予断は許さずと、
ポムポムを『飛ばし』て、辺りの偵察兼ゴールの捜索をさせようとしたのだった。
……さて、ここで唐突だが補足しておこう。
いずこかで述べられたとおり、マリオンはれっきとした魔法使いであり、
その執事であるポムポムも、これまた魔力を内に秘めた一種の魔物である。
そして彼女が魔力全開で飛行中にその魔力のカタマリを『飛ばす』とどうなるか。
それは、『ファイアーラビット』と化し、並の中型機なら(……中型機?)一撃で破壊せしめる凶器となるのだった。
さあ、そのことを彼女が意識していたかどうかはともかく、間違いなくポムポムは『飛ばされた』訳である。
「いってこぉーーーーいっ!!」
光弾と化したうさぎが迷宮の中を器用にスッ飛んで行く。
その様子を確認しつつ、さて私もと振り返ってまもなく、衝突音。
いやな予感。
振り向く。
そこには、慌ててこちらへと舞い戻ってくるポムポムと、その向こう側の曲がり角から、
離れいてもはっきりと判るほど、こちらに冷ややかな視線を投げかけている魔女の姿があった。
そう、スタート直後に出会った。確か、名前は、ふみこ・オゼット・ヴァンシュタイン。
「……忠告は、した筈ね」
ふみこは懐から緩慢に、しかし優雅な動作でパンツァーファウストを取り出し、構える。
「……ポ、ポムポム!? あんた何やったのよ!?」
「すんませんマリオン様ぁ、あの姐さんとそこで出会い頭に衝突しちゃったッス」
「バッ……こっ……こンの、馬鹿うさぎィっ!」
「報復と、その結果をもって贖いとしてあげる。……覚悟なさい」
「きゃぁーーーーっ!?」
パンツァーファウストによる容赦無い攻撃が浴びせられ、一人と一匹は必死で狭い通路を逃げ惑う。
相手も魔女、それも熟練を通り越し老練であるが故、そのベクトルたるや(当人の諸々も加味されて)恐ろしいもので、
サタンの強大な魔力保護がなされた壁を物凄い勢いで穿ち、瓦礫を撒き散らしていた。
「もーっ! これだからオバサンのヒステリーってヤダっ!」
そんな地獄の状況に耐えかね、マリオンが思わずそんな事を口にした瞬間。
ピクリ。
急に攻撃が止んだ。
だが、一人と一匹は気付かない。今、一瞬にしてふみこの顔が非情なる軍人の目つきに変貌したのを。
「……いいわ。大人気無かろうがなんだろうが。こんな場だからこそ……偶には馬鹿も許されるのよ」
何時の間にか、彼女はその持ち物をパンツァーファウストから携帯へと変えていた。誰かの元へと、通信を入れ。
そして、右手を高く掲げる。
それは、即ち発射の合図というやつであった。
「妄言にも程があるのよこのマセ餓鬼ッ!!」
――のちにサタンは語る。『いや、流石にアレはビビッた。あ、勘違いするな。ほんのちょっとだけだ』……と。
そういった経緯で、マリオンはふみこの猛攻から必死に逃げまわった挙句にゴールから大幅に遠ざかってしまい、
体制を立て直す暇もなく、間髪入れずのタイミングで一回戦終了のアナウンスを聞く羽目になったのである。
「そんなぁ! 非道いッスよマリオン様ぁ! 元はと言えば……」
「うっさいわね! ああ、これで宇宙、いや銀河一の大魔法使いになる乙女のささやかな夢がパーだわ……
これから私はただの観戦者の一人として、大した活躍も目立つ事もできずに通過者を羨んで終わるのよ……」
「マリオン様……」
うなだれ沈むマリオンに、ポムポムは優しく声をかけ……る必要は無さそうだった。
「……そうよ。観客よ。観客に徹すれば良いんだわ。そして頃合を見計らって横合いから想いっきり殴りつけるっ!
これよ! カンペキだわ! 誰か適当な影うすそーなのと成り代わってもいいし、
最後の最後で優勝者をへち倒すってのもアリよね! 見てなさい!
勝利を最終的にその手に掴むのはこのマリオン様よ!! んっふっふっふっふっふ!!」
(そんなん、他のギャラリーさんや『お上の人』らが許しますかいな……)
……一人で盛り上がるマリオンをよそに、うさぎのツッコミは、極めて冷静なのであった。
【マリオン 一回戦敗退 願い:乙女のあこがれ、宇宙一の大魔法使いに】
【ふみこ・O・V 一回戦敗退 願い:光太郎。詳しくは語らない。ただそれだけよ】
二回戦進出を果たした85名、遅れてゴールしてきた敗退者達、参加者の知人、インタビュアー…
塔の前の広場はまさに、黒山の人だかりと形容されるべき有様になっていた。
だがそんな人口密度の中、ある男を避けるようにガラガラの空間があった。
その男の名はスペランカー、彼の周囲は最も人(自分)が死にやすい空間なのだ。
ラッキー7によって一回戦を突破したコスプレイヤー京子を除けば、この一回戦を最初に突破したのは彼である。
なぜなら彼は30センチの段差から飛び降りる衝撃にさえ耐えられず、
自ら放った照明弾やショットガンの残り粉ですら絶命する、超虚弱体質で名を知られた冒険家だからだ。
誰かを殺してしまっては失格となるこの大会において、この男と関わることは即失格と言える。
なにせ鳥の糞の直撃で死ぬ男だ、うっかり肩が触れただけで殺してしまいかねない。
ゆえに参加者たちは彼が迫れば道を空け、彼の背中が見えればペースを落とさざるを得なかった。
カルガモの行進は車を止める。スペランカーが行けばみな気を使うのだ。
だから今も彼に近づくものはいない。休憩時間でも殺してしまえば失格だ。
「おかげでラクにここまで来れたが…インタビュアーしか近づかないのはさすがに寂しいぞ…」
ここに到着した直後は自らの勝利に酔いしれていたスペランカーだったが、さすがに今は退屈そうにしていた。
この大会には彼の知人の一人も参加していないし、ここまで快調に行き過ぎたため誰とも交流できていない。
そのうえインタビュー中に死なれては記事にできないからと、インタビュアーたちの多くも近寄ってこなかった。
退屈を通り越して、寂しい。
彼は自らの不幸を嘆いていた。だがそれこそが初心だ、彼の願いは「健康体になること」。
この忌まわしい体質を利用して勝ち残り、そしてこの呪われた虚弱から抜け出すのだ。
一方で、その男の周囲もやはりガラガラだった。
みなが男を避けているというより、男がみなを遠ざけているように。
その男の名は豪鬼、彼の周囲も最も人(に限らない)が死にやすい空間なのだ。
豪鬼は終盤に猛烈なスパートをかけて定員ギリギリで一回戦を突破したが、最初は彼はトップ組にいたのである。
なぜなら彼はエアーズロックを素手の一撃で叩き割り、
深海から海上まで一気に跳び上がれりつつ海を割る、常識から逸脱した強さで知られる格闘家だからだ。
殺されたほうもリタイヤ扱いのこの大会、この男に関わっては大会に集中することが出来なくなる。
なにせ一瞬の画面暗転後には殺している男だ、不注意でこちらが殺されかねない。
ゆえに参加者達は彼に近づきすぎないようにし、もし背後に立たれたら大慌てで道を空けていた。
ベンツで走れば道が空く。豪鬼が行けばみな一定の距離を空けるのだ。
だが彼の独走を止めたのみならす、その場に彼を釘付けにしてしまった男がいる。
それがスペランカーだった。
「我は拳を極めしもの!我が心眼に映るはいまやスペランカーのみ!」
勇気を出して近づいてきたインタビュアーの「注目している選手は誰か」という質問に、豪鬼はそう答えた。
この大会には無数の猛者たちが要る、豪鬼がいかにも背後に立ちそうなラスボスたちも沢山いるのだ。
だが豪鬼の口から出てきた名はスペランカー、世界最弱の男である。
拳を極めしものであることと、スペランカーしか眼中に無いこと…この二要素は、はっきり言ってまったく繋がらない。
繋がらないが、ひどく興味をひかれる要素には違いない。
さて、ここで場面は再びスペランカーに戻る。
初心を思い出し闘志を燃やすスペランカーであったが、彼の脳内に「あの曲」が鳴り響いた。
「ッハアー!」
大げさに驚きながら、危なげにその場を離れる。
あの曲とは、彼の身に危険が迫ると鳴り響く不吉な音楽の事だ。
虚弱体質のみでなく、この危険予知能力のおかげもあってスペランカーは一回戦を突破できたといえる。
「? おいおい大げさなヤロウだな。臆病にも程があるぜ?」
振り向くと、そこにはピンク色の胴着を着た男がいた。
男はさっきまでスペランカーが立っていた場所に仁王立ちしている。
いまはわずか数十センチしか離れていないにも関わらず、スペランカーの脳内の音楽は止まっていた。
(! 馬鹿な…私の危険予知がこれほど近づかれても発動しないだと?)
いままでは、大の男に数メートルまで近づかれただけで例の音楽はけたたましく鳴り響いていた。
だがこの男には、これほど近づかれても危険予知が発動しない。彼を産んだ両親を除けば、ここまで近づいてきた人間は初めてだ。
「そうだ!アンタもサイキョー流を習わねえか?どんな弱虫だって一週間でオレのようにサイキョーになれるぜ!」
男の手がスペランカーの肩を叩こうと迫る。そして鳴り響くあの音楽。
「ぐあああああッッ!!」
スペランカーはそれを必死の形相で避けた。
実際に攻撃(肩を叩こうとしただけ)してくるまで危険予知が発動しない。
この男、なんという…
(なんという弱さなんだ…)
スペランカーにさえ弱いと評価されたこの男、名を火引弾という。
ムエタイの帝王・サガットに殺された父の仇を討つために、あの豪鬼と同門の流派の拳を学んだが、
その眼に宿る暗い復讐心を師に咎められ、殺意の波動に目覚めることがないようにと破門されてしまった男だ。
しかしそんなハードな境遇にかかわらず、はっきり言って彼の実力は低い。
気の練りが不充分な上に片手しか使わないから波動が飛ばず、対空技も何度かに一度しか型通りに撃てない。
おまけにそれらの技がことごとくキョクゲン流だかなんだかの技に似ているという。
ついには技を鍛えることよりも、挑発ポーズの研究を始めてしまう始末だった。
そう、彼は弱い。取り柄があるとすれば、精神的にも肉体的にも異常にタフだということくらいか。
「なんだなんだ!そこまで必死に避けんなよ!はっはっはっは」
からからとダンが笑う。
いずれにせよ、危険予知がギリギリまで発動しないというのは文字通り危険である。
思わぬ強敵の出現に、スペランカーは冷や汗以外にも緊張の汗を流していた
「ってぬおおおおッ!!?」
そして緊張の汗は、またしても訪れた命の危機によって冷や汗に塗りつぶされた。
またしてもあの音楽が鳴り響く。しかしダンは動きを見せていない。それはどこか別方向からの危機だった。
「? なんだおぬし、それは受身の練習か?」
決死の覚悟で転がりながらの緊急回避をしたスペランカーの目の前には、赤胴をつけた髭の親父が立っていた。
そして音楽が止まる。この親父との距離も、わずかに数十センチしかない。
(?? そんな馬鹿な?これほどに弱い男が二人もいるものなのか!?)
自分の事を棚に上げて驚くスペランカー。しかしこの親父は弱いわけではない。
(…! なんだ、この気配の希薄さは!?)
この親父、名を藤堂竜白という。藤堂流古武術の宗主である。
かつて自分を敗ったキョクゲンなんとかという流派の男と再戦するため、単身アメリカへと渡った。
しかし使える技が一つしかないせいか、その男の息子に思いっきり負けてしまった。
それから彼は何年ものあいだ誰にも見つけられなかったのだが、それにはある理由があった。
彼には「背景と化す」特殊能力があったのだ。目立たないとかではない。本当に風景の一部と化すのだ。
洗濯をしても、一人娘の晴れ舞台で応援しまくっても、誰も彼に気付かない。
…哀れな親父である。
「打撃を受け流し敵に返すことが藤堂流の極意。なんならおぬし、入門してみるか?」
親父の手がスペランカーの背中に迫る。当然鳴り響くあの音楽。
「ふおおおおおおおっおおお!」
奇声を上げてスペランカーは逃げ出した。攻撃(背中を叩く)動作に入られるまで気配を察知することが出来ない。
「うむ、逃げることも兵法の内!なかなか見所があるな!わっはっはっは!」
竜白が豪快に笑う。その横でダンがまだ笑っている。
滝のような汗を流しながら、スペランカーはその笑い声から遠ざかる。
人の波が割れていく。とうぜん、スペランカーのほうから衝突してきても死ぬのはスペランカーだからだ。
スペランカーは走り続けた。自分以外の参加者達が、あの二人を脱落させてくれる事を願いながら。
最弱の男、
最強の男、
サイキョーの男、
背景の男、
四人の運命が、複雑に絡みつこうとしていた。
【スペランカー 一回戦突破組 願い:虚弱体質を直し、人並みに健康になりたい】
【ゴウキ 一回戦突破組 願い:???? 目標:スペランカーを殺さないように痛めつける】
【火引弾 一回戦突破組 願い:参加者全員をサイキョー流道場に入門させる】
【藤堂龍白 一回戦突破組 願い事:藤堂流を世界一有名な格闘術にする】
譲刃漸は会場で目に付いたひとりの男を眺めていた。
長い金髪。赤いバンダナ。皮のジャケットに包まれた、堂々たる体躯。
何をとっても見覚えはない。だが、どこか既視感を感じる。
なぜだろう?
ふと、男が振り向いた。目が合う。
「………」
特に話すことは無い。だからといって目を逸らすのも不自然だ。
元より無愛想・且つ人付き合いの苦手な男である。
こんな時の対処法が思いつくはずも無い。
沈黙の中、無意識に相手を睨むような形になっていた。
「…なんだ、喧嘩を売ってるのか?」
沈黙を破ったのは男――アレックス。
言われて初めて、ゼンは自分の態度に気付いた。
「あ、いや…そういうわけじゃない」
だが。
「…あんたは、強そうだな」
「そりゃどうも」
アレックスが口の端をわずかに上げ、歩み寄ってきた。
「あんたもなかなか強そうだ。こんなルールでなきゃ、ぜひ一戦交えてみたいんだがね」
とん、と拳で軽く胸元を小突かれる。よく鍛えられた拳がゼンの目に映った。
…確かに、戦ってみたい相手だ。微かな闘志が胸に宿る。
「…お前…名は?」
「アレックス」
「そうか、俺はゼン」
会話はそこで終わる。
アレックスは手近な壁に体を預け、会場を眺める。
ゼンは隣で変わらず直立不動の姿勢をとり続けていた。
そして。
「お、地味な主人公2人が並んでる」
サタン様が見てる。
【譲刃漸 一回戦突破組 願い:ヒカリの性格を元に戻してもらう】
【アレックス 一回戦突破組 願い:?】
悪の気配がする。
相変わらずキム・カッファンは力みまくっていた。
一回戦を突破した後も塔の中を駆け巡り続けた彼は、サタン様のぷよぷよ地獄によって塔入口に押し返された。
ルールを守れなかった自分を恥じながらも、いまだ耐えぬ悪の気配に敏感に気をめぐらしている。
「一回戦が終わって参加者は85人まで絞られた…だというのに、いまだに悪の気配がする。
世界にはこれほどまでに悪がはびこっているというのか?」
「あいかわらずキム君は真面目ですね。でも今は休憩時間、時には息抜きも必要ですよ」
力みなぎるキムの背中に、親しげな声がかけられる。
キムと同門の男、友人のジョン・フーンであった。
「やあ、ジョンさんでしたか。あなたも一回戦突破されたのですね、おめでとうございます!
なんでもかなり上位でゴールしたとか…」
「ははは、なあに。迷路の攻略法など広く知れ渡っていますしね。大したことじゃあないですよ」
「いやいや。体力、技量のみならず知力においても隙がない。私ももっと知識を身に付けねばなりませんね」
「そういうキム君こそ、一足先に本戦会場の塔の中まで踏み入ったとか?
相変わらずのパワーですね。こればっかりは昔から君に勝てないなあ」
ジョンの言葉にはわずかにトゲが含まれている。ゴールしたことに気付かないで走り続けたことを、
彼は暗に批判しているのだ。だがキムのほうは、心の底から楽しそうに会話している。
この天然ぶりが、はたから見ればライバル心剥き出しなジョンがキムと友人関係でいられる理由である。
「ちゃ〜、初戦敗退してしまったばい。恥ずかしか〜」
「てめえがケンカふっかけてくるからじゃねえかキシャー!」
迷路の出口から二人の男が現れた。当然、いまさらゴールを抜けても敗退である。
「おや?あれは…ホンフゥ君じゃないですか!あなたも参加していたんですね」
「ついでに、後ろから来るのは山崎さんですね」
ヤクザを伴った香港の刑事・ホンフゥの姿を見つけ、キムは嬉しそうな声をあげた。
ホンフゥもまたキムの同門だった男である。キムが今の妻と結婚したのは彼の紹介があったからであり、
それ以来キムはホンフゥに厚い恩義を感じているのだ。
「しかし今ゴールを越えたということは彼は初戦敗退ということですか。残念でしたね、キム君」
「ええ、出来れば一緒に優勝を目指し競い合いたかったのですが…」
かつての修行仲間の話題で盛り上がろうとした矢先、キムの表情が強張った。
悪の気配を感じたのだ。
闇の魔導師シェゾ・ウィグィィ。その名は「神を汚す華やかなる者」を意味する。
だが彼には、そんな格好いい素性をチャラにしてしまう忌むべき愛称があった。
「変態」である。
「ハーピーは間に合わなかったか…まあ運が無かったってことだ」
さきほど道案内をさせておきながら、ゴール直前に魔法で眠らせて置いてきた少女の事を考える。
もし彼女がこの場に健在だったなら、参加者全員がその音痴によってぶっ倒れていたかもしれない。
そう考えると、自分のしたことはかなりの善行のような気がしてきた。
「フッ、闇の魔導師のこのオレが善行とはな…」
そういって、胸に芽生えていたハーピーへの罪悪感をもみ消す。
いかにも黒そうな肩書きのワリにこの男、本質的には悪い人間ではなかったりするのだ。
だがそれでも、悪どいうということには天罰が下るものである。
なぜなら、この会場には彼がいるのだがから。
キム・カッファンは会場を奔走していた。先ほど感じた強烈な悪の気配を探し出すために。
時にはシャドルー総帥の側を通り抜け、また時には自爆好きな武器商人の横を素通りしていく。
いま素通りした彼らはものすごい悪玉なのだが、何度やってもその悪巧みが成功したことは無いのでとりあえず放置だ。
そうやってまだ見ぬ悪を探し出そうとするキム。そして彼の耳に、あの単語が飛び込んできた。
「あ、変態」
その言葉にシェゾはいつも通り反論しようとしたが、
「変態だとぉぉぉぉッ!?」
反論は、唐突に現れた男の怒号に遮られた。
キムは土煙をあげながら、アルルとシェゾの間に立ち塞がるようにして立ち止まった。
そして叫ぶ。会場の中心でキムが叫ぶ。
「悪は許さん!!」
アルルとシェゾが、口をあけて止まってしまっている。
アルルにとってはシェゾに向かって「変態」と呼びかけるのは、ある種の挨拶みたいなものであり、
シェゾにとっても不本意ながら、その言葉に反論するのがある種の「お約束」となっていた。
その黄金パターンを中断させられた二人は、すっかり固まってしまっている。パターン介入というヤツだ。
「そこの銀髪の青年、キミは変態なのか?」
と思ったら、キムはそのパターンを踏襲してきた。
遠くのほうからキムを呼ぶ声が聞こえてくる。おそらくジョンやホンフゥのものだろう。
「だ…だから誰が変態だ!」
シェゾが俄然調子を取り戻し、いつものように反論しようとする。
しかしそれこそが、彼にとっての最大の不幸であった。
「オレはシェゾ・ウィグィィ、神を汚す華やかなる者という名を持つ『闇の魔導師』だ!」
アルル・ナジャがシェゾを見つけたときの第一声は、「変態」だった。
彼女こそがシェゾ=変態という認識を世間に植え付けた張本人であり、シェゾの変態的行為の最初の被害者なのだった。
「だっ、誰が変態だ!誰が――」
その言葉にシェゾはいつも通り反論しようとしたが、
「変態だとぉぉぉぉッ!?」
反論は、唐突に現れた男の怒号に遮られた。
キムは土煙をあげながら、アルルとシェゾの間に立ち塞がるようにして立ち止まった。
そして叫ぶ。会場の中心でキムが叫ぶ。
「悪は許さん!!」
アルルとシェゾが、口をあけて止まってしまっている。
アルルにとってはシェゾに向かって「変態」と呼びかけるのは、ある種の挨拶みたいなものであり、
シェゾにとっても不本意ながら、その言葉に反論するのがある種の「お約束」となっていた。
その黄金パターンを中断させられた二人は、すっかり固まってしまっている。パターン介入というヤツだ。
「そこの銀髪の青年、キミは変態なのか?」
と思ったら、キムはそのパターンを踏襲してきた。
遠くのほうからキムを呼ぶ声が聞こえてくる。おそらくジョンやホンフゥのものだろう。
「だ…だから誰が変態だ!」
シェゾが俄然調子を取り戻し、いつものように反論しようとする。
しかしそれこそが、彼にとっての最大の不幸であった。
「オレはシェゾ・ウィグィィ、神を汚す華やかなる者という名を持つ『闇の魔導師』だ!」
闇の魔導師――その言葉はジョンとホンフゥの耳にも入ってきた。
どうやっても黒いイメージしかもてないその職業名に、二人は本気で同情した。
「闇の魔導師!!そうか、キミは悪の変態だったのだな…ならば話は簡単だ、
キミをこのまま野放しにすることは出来ん!かならず私がキミを真人間に教育してみせよう!」
「は?ちょっと待て、オレはぁあああッ!?」
問答無用。本当に一切の問答を打ち切って、キムがシェゾの首根っこを掴んでどこかへ連れて行こうとしている。
「待て待て待て!貴様、これは誘拐じゃないのか!?」
引きずられながら、シェゾは必死にモノの道理というヤツを説こうとしたが、
「別にいいんじゃないの?キミだってボクを攫ったことあるしね」
「なんだ、アナタ本当に変態だったんじゃないですか」
「このホンフゥがお墨付きつけちゃるったい、思う存分攫われるといいばい」
「せいぜい楽しんでこいよォ、ヒャハハハハ!」
知人や見ず知らずの男たち、いつの間にか現れたヤクザにも、その道理は通じなかった。
もちろん、首根っこ掴んでいる張本人にも。
「安心したまえ、二回戦が始まるまでには立派な真人間に教育して見せよう!
それが終わったら焼肉だ、私のオゴリだぞう!はっはっはっはっはっは…」
「やーめーろー…!」
そうして二人は、塔の周りを囲んでいる森の中へと消えていった。
「……ん〜、眠ってしまったのかしら〜↑♪きっとここのところ〜、寝不足だったからね〜♪
シェゾさんは無事に通過できたのかしら〜♪はらほろひれはれ〜♪」
迷路の中で目覚めたハーピーの歌声は、森の奥で教育されるシェゾの耳には届かなかったという。
【キム・カッファン 一回戦突破組 願い:悪は許さん! 目標:二回戦までにシェゾを教育する】
【シェゾ・ウィグィィ 一回戦突破組 願い事:強い魔導力を手に入れる】
【ジョン・フーン 一回戦突破組 願い:自分でプロデュースしたアイドルグループを作る
目標:自分の方がキムより優れていることを知らしめる】
【アルル・ナジャ 一回戦突破組 願い:????】
【山崎竜二 一回戦敗退 願い:不明】
【ホンフゥ 一回戦敗退 願い:不明】
【ハーピー 一回戦敗退 願い:コンサートを開いてみんなに自分の歌を聞いてもらう】
柔道家といえども、試合の外では普通の女子高生。
同じ高校生のキサラと委員長を交え、話の種はつきない。
「えー、キサラちゃん、リーさんと知り合いなの?」
「うん、まー、ただの知り合いだけどね。あー、それからキサラって呼んでくれればいいわ。」
「キサラ、そのストラップ可愛いね。どこで買ったの?」
「これはもらったんだよ。その人の話によるとね原宿の……」
「スポーツ専門といえば五輪高校がオススメ。あ、キサラはパシフィックハイスクールね。
いろんな国の人がいるわよ。変な神父もいるけど。」
「へー、いい高校だね。私転校しようかな?」
「そうね。そっちに転校すればまた出番があるかもしれないしね。」
「ところで、委員長。みんなからそう呼ばれているのはわかったけど、
本当の名前は何?」
「えっと、それは……、ひ、秘密。ほら、秘密は女を美しくするっていうじゃない。
アハハハハハ……。」
(いえないいえないいえやしないせっていがないなんていえやしない)
【委員長 一回戦突破組 願い:自分のちゃんとした名前が欲しい】
【キサラ・ウェストフィールド(足軽傷) 一回戦突破組 願い事:メジャーになりたい】
【嘉納亮子 一回戦突破組 願い:出雲良子と最高の舞台で試合をする】
【出雲良子 一回戦突破組 願い:嘉納亮子と最高の舞台で試合をする】
ホシュ
691 :
誇り:05/02/14 18:25:06 ID:???
「なんであの道行き止まりになってんだよ・・・」
「もしかして知り合いで合格してないのあたしだけ?!」
「そんなはずはーーー!?」
迷宮からは脱落者達の怒りや悲しみの声があがっていた
「自分が眩しいぜ!!」
「ヒャッホーウ!!俺ってサイキョー!!」
「やりましたよ!草薙さーん!」
塔付近からは合格者達の喜びの声が響いていた
しかし、この男にとってはそんなことはどうでもよかった
彼は死んでしまった友人を生き返らせるためにこの大会に参加した
出だしは好調だった、しかしゴールまで残り半分という所で彼はふと考えた
自分がやろうとしていることは正しいのか
こんなことをしてアイツは喜ぶのか
692 :
誇り:05/02/14 18:26:21 ID:???
否、こんなことをしてもアイツは喜ばないし、これは人としてやってはいけない事だ
アイツは正々堂々戦ってそして死んだ
それなのに生き返らせるのはアイツに対する侮辱だろう
と男は結論を導きだした
しかし一つだけ気がかりな事があった、それは「あの男」がこの大会に参加している事だった
奴がこの大会で優勝すれば世界は破滅へと向かうだろう
だがそれと同じに彼は知っていた、奴を退けることができる人間も大会に参加していることを
彼らならきっと脱落した自分に代わって奴を止められる、そう信じていた
その後、彼は大会会場を後にし、愛する家族の待つ家へと帰っていくのだった
【ガイル 一回戦敗退 願い(大会参加時):友人(ナッシュ)を生き返らせる】
サタン様の作った大迷路の中、敷地全体のほぼ中央に位置する部分に、なぜか桃の木がそびえたっていた。
はらはらと桜のように花びらが舞う。そう、季節を無視して思いっきり満開である。
迷路の中に桃の木が植えられていることも、それが満開になっていて無意味にいい景色になっているのも、
全てサタン様の魔力のおかげであり、「粋な計らい」というヤツなのだ。
恐らくは、「争いばかりでなく心には潤いも必要だ」というメッセージだろう。
まだ一回戦なのに、早くもレースそのものを否定するようなメッセージである。
そしてそのメッセージを理解してかしないでか、桃の木の下にレースに否定された三人の男が集っていた。
「真吾さえクリアしてんのに…情けねえな俺たち」
男の一人は草薙京、格闘大会キング・オブ・ファイターズの常連であり主人公である。
炎を操るKOFシリーズ初代主人公で、正規主人公を降板した今も絶対的な存在感を持つ恐るべき男だ。
20歳の高校生という点も、恐るべきポイントだろう。
「もとはと言えばテメエが…いや、もういい」
もう一人の男はK’、ネスツという組織によって草薙の能力を移植された炎使いの改造人間だ。
特筆すべきはガングロということと、目立ってない新主人公ということである。
「ボクなんか変なヤンキーに蹴っ飛ばされて気を失って、目が覚めたらもう終わってたよ…」
最後の一人はアッシュ・クリムゾン。KOF最新の主人公にしてルックス・言動・緑の炎と、
全ての面で他の追随を許さないキモカワイさを誇り、欠点といえば主人公として認められてないことくらいだ。
迷路のど真ん中で梅の観賞をしてることからも解るとおり、彼ら主人公三人組は揃って一回戦で敗退した。
「ワルかったなK’、足引っ張っちまってよ」
「だからもういいっていってんだろ。…オレの方こそ、蹴っとばしちまって悪かった」
「ボクからも謝るよ、ゴメンね二人とも」
スパーン。
アッシュの後頭部に二人のツッコミ裏拳が決まった。
「「おめえ関係ねーじゃねーか!!」」
そして同時に響く、二人のツッコミ台詞。
三人の表情がふっと緩み、誰ともなく笑い出し、ついには全員が大声で笑い出した。
仲と性格の悪さで有名なKOF主人公たちが、今こうして奇妙な友情を育んでいる。
『雨降って地固まる』。時には敗北が人間を成長させるのだ。
「さて、これからどうすっか?俺としては真吾が負けるトコは見ておきてえんだけど」
「とりあえず観客席に行ってみるか…一人だけ残りやがった真吾もムカツクしな…」
「じゃあ真吾クンに野次とばしまくりってのもいいんじゃない?ボクは何の恨みもないけどね」
スパーン。
「「だからお前関係ねーじゃん!!」」
ワッハッハッハッハ。
仲が良くなったというよりヤケになっているのかもしれない。
『我ら三人、生まれた時は違っても、死ぬ(負ける)時は一緒(だった)』
かくして奇妙な桃園の誓いが立てられ、ついでに真吾にプレッシャーという障害が生まれたのだった。
【草薙京 一回戦敗退 目的:矢吹真吾の負けるところを見る】
【K’ 一回戦敗退 目的:矢吹真吾に恨みの視線を送る】
【アッシュ・クリムゾン 一回戦敗退 目的:矢吹真吾に野次を飛ばしまくる】
>>694一行目、「梅の観賞〜」は間違いです。「桃の観賞〜」に脳内修正してください。
お手数をおかけして申し訳ありません。
フム・・・交流を深める時間を取って正解だったな・・・
私は水晶を使い会場にいる者たちの様子を見、ニヤニヤしていた。
世間様でいういわゆる1つの覗きと言う物であるが私はサタン様だから気にしない。
ただ、そろそろ2回戦のルールやら何か動きがないとダレる時期であろう・・・クックッ・・・さすが私、細かいところまで気がつく素晴らしい主催者!!
そんな独り言でご飯が3杯食えるほど盛り上がりつつサタンはマイマイクを片手にミュージックスタート!!
『ハローハロー・・・マイクテス・・・ママ・・・マママママイクテス!!ア・ア・アアイアム主催者サターーーン!!!』
相変わらず素晴らしいテンション・・ああっ、アルル、こんな素敵な放送を入れる私を許してくれ・・・
そこらから楽しい会話中に水を差しやがってこの馬鹿野郎が的視線を感じるが私はサタン様だから気にしない。
『れでぃーすえーんどじぇんとるめーん!!たぁぁぁった今から2回戦のル〜〜〜〜ル説明を始めるぅ!!』
楽しい会話中に水を差しやがってこの馬鹿野郎が的視線が少し無くなり、皆次の戦いの為の魂の糧を求める戦士の顔つきとなった、自分で何言ってるのか今一分からないが気にしない。
『2回戦はぁぁぁぁぁっ!なぁぁぁんとぉ!!2vs2のタァァァァッグバトォォォォォォル!!85名+謎の主催者側戦士1人の86人のうちぃ!!2回戦突破できるのは21チーム42名だぁぁぁぁっ!!』
ざわっ・・・と会場が一瞬ざわめく・・・ふっふっ・・・
『2回戦の詳しい内容はぁぁぁぁぁ!!まずはタッグを決めてから説明をするのでぇぇぇぇっ!!まずはタッグ決めのルールを説明するうううう!!』
再びざわめく会場・・・素敵だ、私の一声で85名が一喜一憂、フンフフ〜ン♪
『一定期間を設けるのでぇぇぇぇっ!!好みの者と組むが良いいいいい!!!
だがしかしぃ!!昔からの知り合いはだめだぁ!!この大会で初めて知り合った者というのならよいいいい!!
後ぉぉぉぉっ!!最後に出てくるような大物同士で組んでもだめだぁぁぁぁっ!!ブッチャケて言うとボス同士はダメだぁー!!
バレないと思っていても私は全てまるっと御見とおしだぁぁ!!
ちなみにぃ!!一定期間をすぎたらぁ!私サタン様が強制的に組ませるぅぅぅっ!!!それが嫌ならぁ!いい人を探せぇー!!』
さっきよりもより一層会場が騒がしくなる、声が聞こえる・・・これを気にナンパし始めるもの・・・友達との別れを惜しむもの・・・一回戦で仲良くなって組もうとしているもの・・・
っと!いかん!忘れるところであった!!
『あとぉぉっ!!特例としてぇぇぇぇぇっ!!2チームのみぃ!!此方で決めさせてもらったぁぁぁぁぁっ!!
エイジャ兄弟チーム!!、ダニーデミーチームはぁぁぁっ!諸事情や大人の都合によりぃ!!昔からの知り合いではあるがぁ!!チームとして認めるぅぅぅっ!!
後ぉ!二人のケットシーについてはー!!二匹で1人と計算するー!!何故かは大人の事情だから検索はよしてくれー!!
以上だぁぁぁっ!慌てて急いでタッグを組むといいーーー!!』
そう美しくビブラードを効かした声で説明をし終え、マイクの電源を切る私・・・
ふふふっ・・・完璧だ・・・後は私、マスクドサタンが誰と組むか・・・・本当はアルルと組みたいのだがアルルと組むとばれてしまうかもしれない・・・
ああっ、いとしきアルル・・・本当はお前だけなら正体をバラしてもいいんだが・・・・そうも行かないんだ・・・悲しき悲劇のヒーローな私はそんな事を思いつつ自分の部屋に戻るのであった。
「あ、ちなみに読みのがメンドクサイって人は、下のまとめを見れば直ぐわかるぞ?」
【 〜2回戦準備〜
今から2回戦の為にタッグを組んでもらいます。
予定としては今から一週間の23日までの期間の間にタッグを作ってもらいます。
好きなものと組ませても良いですが
1 同じ作品のキャラとは組ませない(SNKvsカプコンの場合はこれに限らない)
2 ボス同士で組んでは行けない。
の2点は必ず守ってください。
また、この一週間でタッグを組めなかったものは次期サタン様に無理やり組んでもらいます。
後、二人のケットシーは二匹で一人と計算してください。】
以下のチームは原作設定が特殊のため、上のルールに違反しますが特例として組んでもらいます
【セイ・エイジャ ファイ・エイジャ チーム結成 チーム名:凄いぜエイジャ兄弟】
【ダニー デミー チーム結成 チーム名 戦争ごっこで遊ぼうズ】
エドモンド本田は説明を聞きながら塔の壁にテッポウをしつづけていた。
これが普通の塔なら本田のパワーで壁が崩れてしまうところだが、
そこはさすがのサタンパワーである。ビクともしない。
そこへ本田に1人の人物が近づいてきた。
「本田さん。」
本田が振り向くと、その人物はキサラ・ウェストフィールドであった。
「本田さん、もう誰かと組んじゃいました?」
「いや。ワシはまだ誰とも…」汗をタオルでぬぐいながら答える。
「なら、私と組みませんか?」キサラはにっこり微笑んで勧誘してくる。
「おお、こちらからお願いしようと思っていたところじゃ。」もちろん本田に異論はない。
「ところで足の具合大丈夫かのぉ?」
「あ、ほとんど気にならなくなりました。」
「それは良かったわい。」
【エドモンド本田 キサラ・ウェストフィールド チーム結成 チーム名:キサラ部屋】
「じゃあ私たち二人でチーム組むんだけど・・・委員長一人で大丈夫?」
「あははは、平気平気!!いい人見つけるから!!」
本当はキサラと組もうと思っていた彼女、通称委員長。組もうと思っていたキサラちゃんは恩を返すためにとある相撲取りの下へと行ってしまった・・・・
あと二人、この会場で仲良くなった子、嘉納亮子ちゃんと出雲良子ちゃんはもうタッグを組むために生まれてきたようなコンビ、流石にここの中に割ってはいる気はない・・・
「じゃあ二人とも、次会うときはライバルだから!!」
「委員長・・・うん!分かった!手加減はしないからね!!」
「2回戦が柔道とかでも手を抜かないから!!」
柔道っこ二人はそういって委員長と別れる。
「・・・・とは言ったものの・・・・どうしようかなあ・・・・・」
二人が見えなくなったのを確認した後ペタンと体育座りをする。
「あ〜・・・・心細いなあ・・・他に良い人いないよ・・・・」
そしてふと思い出す、あのプロポーズメカの事を
絶対あんなのとは組まない!!!そう決意する委員長であった。
【嘉納亮子 出雲良子 チーム結成 チーム名:YAWARA!】
【委員長 フリー チーム条件:ロボカイ以外なら何でもいい!!】
人々が自らのパートナーを探しひしめき合っている場所を、竹刀を持ち、赤ジャージを着こんだ男、熱血隼人は歩いていた
二開戦はタッグを組むと主催者が言ったが知り合い同士はダメとも言われた
隼人も他の参加者同様誰をパートナーにすればいいか悩んでいた
最初は一緒にゴールした胴着を着た青年と組もうと思ったが、実を言うとあの後、ほかの参加者が
「他人を頼ってゴールとかセコイな」
などと言っているのを聞いてしまったため、あの青年と組むのはいろいろな意味でマズイと思った
かといって他に目星をつけていた者などおらず、隼人は困り果てていた、そのとき
「おいおいおっさん、どうした?深刻そうな顔してよ!」
とピンクの胴着を着た威勢のいい青年が声をかけてきた
「お前なぁ!俺はまだおっさん呼ばわりされる年じゃねえぞ!!」
とっさに反論した
「まあそう熱くなるなよ、どうせ仲間が見つからなくて困ってたんだろ?」
図星を刺されて流石に反論できない
「実を言うと俺も仲間が見つからなくて困っててよ、そしたらアンタが困り果てたツラしてたからよ、ちっと声かけてみたんだ」
「・・・それはつまり遠回しに俺とタッグを組まないかって言ってるのか?」
「まあつまりそんなとこだ、俺と組まねえか?」
ここで断ってもこの後誰かと組む機会があるかわからない、それ以前に断る理由が無い
「おう!いいぜ!俺は熱血隼人、熱き男だぜ」
「きまりだな!俺は火引弾、サイキョーの格闘家だぜ!よろしくな!!」
ここに新たなタッグが結成された・・・しかし
(同情してやるふりをして良い印象を持ってもらってからタッグの話しを持ち掛ける、効果抜群だぜ!!)
悪夢はまだ始まったばかりだ
【熱血隼人 火引弾 チーム結成 チーム名:熱きサイキョーの男達】
重苦しく粘度の高い空気が流れる、異質な空間があった。
その中心では四人の男が、戦争でも始めそうなほどの殺気をぶつけ合い睨み合っている。
裏社会にその名を轟かす死の商人、ルガール・バーンシュタイン。
人智を超えた力を操る世界的麻薬組織シャドルーの総帥、ベガ。
宇宙さえその勢力圏に治める秘密結社ネスツの王、イグニス。
紀元前から歴史を裏で操ってきたとされる謎の「組織」の総統、ユリアン。
半ば以上に人の域を越えた魔人たち、この世の悪の四巨頭だ。いつ背後に豪鬼が現れてもおかしくない。
互いに大砲の照準を向け、膠着したかのように張り詰める空気。
誰もがその領域には足を踏み込めずにいたが、その理由は彼らの放つ殺気だけではなかった。
「これはこれはベガ君、相も変わらずその悪趣味な軍服とマントなのか。
自らのスタイルにこだわる気持ちも解るが、もっと組織の代表に相応しい服を選んではどうかな?」
「何を言う!この威厳こそ我がシャドルーに欠くことのできぬモノなのだ。
貴様こそ三流マフィアのような燕尾服などやめて、もう少し己を『誇張』することを薦めよう!」
「やれやれ、なんと程度の低い…そのような飾り程度の価値しかない布切れに執心しているとは。
それとも飾りに頼らねば、自分自身の無価値さを自覚してしまうということかな?」
「武器を仕込んだその黒服が無ければ戦うことすら出来んような『弱者』の言葉とは思えぬな!
余には武器も飾りも不要!この鋼鉄の肉体こそが偉大なる余の力なのだ!」
彼ら四人は、揃いも揃って奇異な服装をしていたのだ。
ルガールは燕尾服に襟巻きという、見るからに「裏社会の大物住人」という出で立ちで、
ベガは赤い軍服に赤マントという、見るからに「危険思想の持ち主」という出で立ちで、
イグニスは兵器満載の黒服という、見るからに「遠い世界にいる人」という出で立ちで、
ユリアンなどフンドシ一丁という、見るからに「見てはいけない人」という出で立ちだ。
殺気を放つまでも無く、誰も近寄ろうとはしないだろう。
すでにユリアンのフンドシ姿を目の当たりにして心に傷を負ってしまった不幸な少女がいるほどだ。
運営側、なんとかしろ。それが周囲の参加者達の共通意見であり、
お前らとっとと散ってくれ、という念が自然とこの四人に注がれている。
殺気と呪念、その二つがこの重苦しく粘度の高い空気の正体である。
そんな異様な雰囲気の中、サタン様による二回戦のルール説明の放送が流れた。
巨悪の四人組が、口々に感想をもらす。当然、もらす先から互いを挑発しまくりだ。
「ほう、次のゲームは二人一組か。…クックック、良かったな、君たち。
群れるのが得意な君たちにはもってこいのルールではないかな!」
「ヌッハー!仲間など不要だ!このような余興、我一人で充分よ!
部下を扱うのが下手な貴様こそ、とっととお友達でも探してくるべきだろう!」
「おや、ベガ君はさすがに余裕のようだね。さすがにかつて『四天王』などといって、
たった一人の挑戦者を四人がかりで仲良く苛めていただけはあるな」
「フン、せいぜいさえずっているがよい愚昧なゴミどもめ。確かに気に入らぬルールであるが、
真の支配者たる余にとってはいかなるものも障害にはならぬという事を教えてやろう!」
だが三悪が発した次の言葉によって、ユリアンの支配者宣言はプライドごと粉々にされた。
「「「いや、お前ボスキャラじゃないだろ」」」
ユリアンは会場を放浪していた。無闇に広かったその背中も小さく見える。
いつの間にかビジネススーツを着込み、金属のように鈍く輝いていた肌もしなびたように輝きを失っている。
――お前ボスキャラじゃないだろ。
その言葉が、ユリアンをここまで落ち込ませていた。
彼は組織の総統であり、閣下と尊称される偉大な存在だ。。
だがその組織の総統という肩書きを持っていても、彼は実際にボスキャラをやったことがない。
一体何故?
その理由は、よくわかっている、総統を越える存在として、天帝が君臨しているからだ。
その天帝こそがユリアンにとって憎むべき肉親、兄のギルである。
乗り越えても、踏み潰しても、目を逸らしてさえ、兄の忌々しい栄光の光は、
ユリアンの歩んできた人生全てに暗く濃い影を落としてきた。
全米格闘王や元女刑事と戦ったときも、自分は兄の前座であり、中ボスですらない。
兄、兄、兄、兄兄兄兄兄兄兄兄兄兄兄兄兄兄……!!!!
これほど忌々しい存在も事象も他には存在しまい。
兄にまつわる全てのモノもコトも、ユリアンにとっては逆鱗だ。
だが今は自分をコケにしたあの三人、ルガール、ベガ、イグニスたちに制裁を加えねばならない。
「見ておれ虫ケラども…余を愚弄した罪、必ず極刑によって償わせてくれる!」
恐らく誰かにケンカを売りに行ったのであろう父、ルガールの背中を見送り、アーデルハイドは軽くため息をついた。
アーデルハイドにとって、父というものは「違和感」だ。
親愛の対象ではない。恐れているのでもない。異質なもの、自分にとってとても遠い存在のように感じる。
自分に与えられたアーデルハイドという名は、男として生まれた自分には似合わぬものであるが、
この名は父が「娘のために」考えていた名だという。子供の名を考える親…その感情は、親子愛と呼ばれるはずだ。
「愛、か…。あの人には、そんな感情があるのだろうか?」
解らない、理解出来ない。判らない、判然としない。
分らない、この感情に、分別というものをつけることが出来ない。
アーデルハイドはどうしても、父のことがわからなかった。
「お兄さま〜♪一回戦突破、おめでとうございますわ」
シリアスな悩み事をぶち壊すような陽気な声で、妹のローズが右腕に抱きついてきた。
露出が少々高めのドレスに、幼さの残る顔立ちや声には似つかわしくないプロポーションも相まって、
まるでVIPの観客のような印象を周囲に与えるが、彼女もまたれっきとした競技参加者だ。
「ああ、ローズこそ一回戦突破おめでとう。そういえばスタートのときに誰かと一緒だったようだが…」
「ええ、そうなんですの。二人で協力し合ってここまで来れたのよ。二回戦でもタッグを組むことにしましたわ。
あら、そういえばお父さまはどちらに行かれたの?」
「父なら、少し参加者の顔を眺めてくるそうだ。どうやら勝つ気満々のようだったよ」
自分はそうではない、とでも言いたそうなアーデルハイドの口ぶりに、それまで笑顔だったローズの表情が少し曇った。
「もう、お兄さまったら。そんなの当然じゃありませんか。勝つのは、私たち家族三人の誰かに決まっています」
「…ああ、そうだったな」
兄にはわからなかい父の事が、妹にはいくらかわかっているらしい。
時折ローズは、父のような口調で父のようなことを喋る。
自分は父から格闘技や肉体の使い方を受け継いだが、ひょっとしたら妹は父の精神的な遺産を継いだのかもしれない。
果たしてそれは、彼女にとって幸福な結果をもたらすのだろうか?
兄には、どうしてもそうは思えない。そんな兄は純粋に、妹の幸福を祈っている。
「そういえばローズ、お前はどんな願いを叶えたいんだ?」
妹の幸福のカタチはどんなものなのか。兄はそれを聞いてみた。
「え?そ、それは……お、お兄さまこそ、どんなお願いをするつもりですの?」
「私は…そうだな、ローズの願いでも叶えてもらおうかな」
「へ…?」
一瞬ローズが放心した。完全に虚を突かれた答えだったようだ。
「そ、そんなもったいないですわ!お兄さまの勝利なのですから、そのときはお兄さまの願いを…」
少し大げさに動揺しながら問い返すローズに向かって、アーデルハイドは先ほどと同じ調子で自然に答えた。
「いいんだローズ、お前の幸福が私の願いだよ」
ローズの顔が一気に紅潮した。そして目に感激の涙をため、ローズは兄の胸の中に泣きついた。
「お兄さまあっ…ローズはそれだけで…お兄さまが私の事を想ってくれているだけで幸せです…!」
アーデルハイドは妹の背中に手を回し、優しい力で抱きとめた。
ローズも兄の背中に手を回し、力を込めて強く抱きしめた。
兄は自分が唯一向けられる家族愛の対象として、妹は自分が唯一向けている異性愛の対象として。
この世のあらゆる文化と言語と表現を尽くしても足りぬほど、自分の兄はこの世の全てに優っている。
ローズのアーデルハイドへの想いは、兄と妹という関係を抜きにしても異常と言えるものだろう。
いや、兄と妹という禁忌に触れる関係だからこそ、これほどまでに燃え上がるのだともいえるか。
いずれにせよそれは、兄妹愛や異性愛すら超越したもっとイビツなおぞましいものであるのかもしれない。
そして彼女の父のように、彼女も自分の欲しいものは必ず手に入れようと思っている。
手段も、目的も、倫理も、道徳も、全てを無力なものとして、自分の望む結果のみを手に入れよ。
それが彼らの父親が唱える真理であり、兄ではなく妹に引き継がれた父の本質だった。
異なるカタチの愛を胸に抱きしめ合う兄妹に、不意に声がかけられた。
「そこの男、貴様はルガールの息子だな」
不意に自分たちの父の名を唱えられ、アーデルハイドとローズは声のほうに顔を向けた。
「確かにルガールは私の父だが…それがなにか?」
「不愉快な臭いがする…!あの下賎な武器商人の血族の臭いだ!」
凄まじい罵倒の言葉を放つその男は、灰色のスーツを鎧のようにまとった屈強な男であった。
その罵倒の言葉に、ローズが反応した。
「あらあら、出会い頭に悪口(あっこう)を垂れながすあなたのお口こそ、教育が足りないのではなくて?」
男はローズの顔を見もしないで、その挑発に答える。
「黙れ女!支配者たる余と対等に口を利く権利は貴様などに与えられてはおらぬわ!」
「支配者ですって?威圧するしか能のないようなお方が支配者だなんて、ジョークとしても下の下の…」
「ローズ、黙っていろ」
さらに言い合いを続けようとするローズをアーデルハイドが制した。
「お兄さま!こんな無礼者に私たちが…」
「下がるんだローズ。お前にケガはさせたくない」
兄に強い調子で戒められ、ローズは改めて相手の様子を観察した。
見れば男の両腕は、黒い電流のような「気」をスパークを放ちながらまとっている。
「…わかりましたわ、お兄さま」
兄に「ケガをさせたくない」と言われ、ローズは兄の後ろに下がった。兄を困らせてはいけない。
それに、この世の何より優れている兄が傷つけられることなどありえない。
「不肖の妹が失礼した。それで、私になにか御用でも?」
「フン、父親や妹と違って礼節というモノを弁えているのだな。まずは褒めてやろう!」
全く礼節を弁えていない男は、態度を改める様子もなく言い放った。
「次なる二回戦、貴様は余とタッグを組むことを許そう!!」
相手の意志を全く無視して、男は「決定」を下した。
そしてその「決定」に、ローズが烈火の如く怒りだした。
「ちょっとアナタ、なに言ってらっしゃいますの!?あなたのような無礼者がお兄さまと共に闘うなど…
お兄さま、もう相手をする必要なんかありませんわ!はやく戻って…」
ローズは腕を伸ばし、兄の腕を掴もうとしたが
「させぬわ!エイジス・リフレクター!!」
男の両腕から電光がほとばしり、アーデルハイドの背後に電光の壁が生まれた。
その壁がローズの腕を遮り、アーデルハイドの後退も封じられてしまった。
「さあ、この総統ユリアンとタッグを組める光栄を感謝するが良い。まだ逆らうと言うならば…」
男の両腕に、さらに電光がみなぎる。逆らうならば力ずくだと、そういうことなのだろう。
「くっ…この男、本気か!?」
アーデルハイドも、全身の筋肉を緊張させ構えを取るが、その心には迷いがある。
(勝てるのだろうか…オレが)
「え?あなたがユリアンさんでしたの?」
だがその一触即発の空気は、ローズの一声によって砕かれた。
その言葉を聞き、尊大そうに男――ユリアンは、ローズの顔をようやく一瞥した。
「フン、余の顔も知らぬとは無知な娘め。いかにも余こそが、総統ユリアンである」
「まあ!そうでしたの、あなたがユリアンさま…そうとは知らず度重なる無礼、兄とともに深くお詫びしますわ」
「ほう。なかなか殊勝な態度ではないか。本来ならその程度では許されぬ愚挙ではあったが…
今は緊急を要するゆえ、貴様の兄が余とタッグを組むことで特別に不問としよう」
「な!?」
突然の妹の転身と、とんとん拍子で進んでいくタッグ結成の話に、アーデルハイドが抗議した。
「ちょっと待ってくれ、二人とも!私は…」
「いいから!お兄さまはこの方と一緒に戦ってくださればいいんです!」
突然首に抱きついてきたローズに言葉で、アーデルハイドの抗議の言葉は途切れてしまった。
「ローズ、いくらお前の頼みでも…!」
首に巻きついた両腕を振りほどこうとするアーデルハイドの耳元で、ローズはささやく。
「お兄さま…解っていますのよ、私。お兄さまは、お父さま嫌っているってこと」
「!?」
不意打ちのように放たれたローズの言葉に、アーデルハイドの時間は止まった。
「ご覧になってください。この男…お父さまに似ているとは思いませんか?」
傲慢な態度と思考を持つこの男、確かにそういった点で父に似ているかもしれない。
「ですからお兄さまはこの男と共闘して、最後にはこの男を倒すのです」
「ローズ!私は別に…」
「お兄さま、私たち家族は誰にも負けることはありえないのです。そう、誰にも…肉親にさえ」
ローズの瞳に暗い輝きが灯る。アーデルハイドの心にその輝きは毒のように染み込んだ。
「男として生まれたお兄さまは、お父さまを越えなくてはいけないのですわ。お父さまもそれを望んでらっしゃるはず」
わからない。父と同じように、妹の心の中がわからない。
妹が生まれるまでの何年かのように、自分がこの世に一人きりなのだ錯覚が襲う。
「そして私は、お兄さまのお手伝いをしたい…」
だがその錯覚は、ローズの魔性の言葉によってかき消された。
「お兄さまの幸福こそ、私の願いです」
兄が妹に向けた願いの言葉は、妹が兄へ放つ呪縛の言葉となって返ってきた。
唯一の家族である妹のため、自分の中の父という「違和感」を取り除くため、アーデルハイドは決断した。
「わかりました、ユリアンさん。あなたと私で二回戦をともに戦いましょう」
「フン、初めから貴様には決定権はないのだ!ではな、娘。余と貴様の兄の勝利を心待ちにしているが良い!」
背中を向けて、ユリアンが去っていく。アーデルハイドもローズに少し視線を送ってから、ユリアンに付いて行った。
「ええ、私もお二人の勝利を確信していますわ」
ローズは心の中で微笑んでいた。ユリアンという男について、ローズは父から聞いたことがある。
自分の兄への劣等感と、歪んだ支配欲の塊のような「小物」だと。
だが「組織」の英才教育を施されてきたことから、戦闘力や知能・その他の技能のレベルも確かに高い。
もちろんローズは、自分の兄が知力体力においてユリアンに劣っているなどとは思っていない。
だが兄は、精神的に弱い部分がある。先ほどの睨み合いでも、兄はユリアンのプレッシャーに飲まれかけていた。
――その弱さを、兄には克服してもらわねば。
それに二人の能力は、ともにボス級とはいえなくともそれに近い高い水準のものだ。
二人が組んだなら、その総合力はひょっとしたら全参加者でも1かもしれない。
「そして優勝できたなら、お兄さまは私と…」
もちろん自力でも優勝を目指すが、兄が優勝しても同じ結果が得られるのだ。
可能性はわずかでも高くしたい。打算と黒い欲望がローズの胸中を駆け巡っていた。
「お兄さま…どうか勝ち抜いてくださいませ」
「ローズさーん、どこに行ったんですかぁ?」
そのローズのパートナー、風間葉月は会場で相棒の姿を探していた。
二人は一回戦をともに勝ち抜き意気投合し、二回戦でも同様にタッグを組むことにしたのだが、
ふと葉月が売店に目を奪われている隙に、哀れ二人は離れ離れとなってしまった。
だが葉月の苦労もようやく報われる時が来た。正面、歩いて100歩ほどのところにローズの姿を見つけたのだ。
「あー、いた!ローズさー…」
「ア”ーハッハッハッハ!!」
突如、ユリアンの濁声の笑い声が響いた。
アーデルハイドが、ローズが、そして葉月が声の主に注視する。その視線の先には――
――ユリアンのフンドシ姿があった。
ユリアンがアーデルハイドと結託したのもまた、ローズと同様の打算のもとにである。
しかしそれだけではない。
「余を愚弄したあの男の息子を利用して勝利する…虫ケラには相応しい敗北の姿であろう!」
ついでに、兄という人種も利用して使い捨てることが出来る。
最高の勝利の方法を考え付き、そのための下準備が整ったユリアンは精神的に完全に復調した。
そしてテンションの上昇と共に彼のスーツは破れ去り、肌にもあの金属光沢がもどってきたのだった。
「キャアアアアアアアア!!」
「いやああああああああ!!」
ローズと葉月、二人の悲鳴が広場全体にこだました。
二人とも、花も恥らう年頃の少女だ。褐色のマッチョの裸体など刺激が強すぎるのだろう。
ユリアンのフンドシによって、新たに二人の少女が心に傷を負ったのだった。
「ア、アンタ何してんだ!!」
戦うたびに上着を脱ぎ捨てる父を持つアーデルハイドでさえ、この事態には動揺した。
まさか自分の相棒のユニフォームがほぼ全裸とは、それこそ思ってもみなかったことだ。
「騒ぐでない愚か者め!この鋼鉄の肉体こそが余の偉大さの徴(しるし)なのだ!」
一切の武器も飾りも持たず戦い勝利することが、総統に相応しい勝利だ。
そのことを愚鈍な民草にも一目で知らしめるための正装、古今東西の武術の多くが裸同士で戦うのと同じことである。
「ゆえに何の問題もない!!ア”ーハッハッハッハ…!」
「その笑い方をやめろ!!」
初めから大きな溝のあった二人だったが、その溝はタッグを組んでる内には埋まりそうも無かった。
「ローズさん…あのフンドシの人がお兄さんなの?」
「んなワケないでしょう!」
パートナーにも妙な誤解を持たれてしまった。
兄妹の前途は、どうやら明るいものではないようだった。
【ユリアン アーデルハイド チーム結成 チーム名:弟より優れた兄などいねえ!】
【ローズ 風間葉月 チーム結成 チーム名:シスタープリンセス】
【ルガール・バーンシュタイン フリー チーム条件:秘書検定持ち】
【ベガ フリー チーム条件:サイコパワーで支配しやすい人】
【イグニス フリー チーム条件:宇宙人を信じない人以外】
「誰かとコンビを組め。しかし、同じ作品の者同士は不可である。」
というのはつまり、「旧知の人間以外と2人組になれ」ということである。
1回も会ったことのない人間と組むよりは、さっき一緒に行動した人と組むということは
決して不思議なことではない。実際、キサラと本田、ローズと葉月は正にそれである。
よって、水無月響子がリオン・ラファールを誘うということは割りありがちなことである。
しかも、水無月にとってリオンが自分の生徒達と近い年代で、
自分の方が主導権を握りやすいという付加価値付きならなおさらだ。
リオンを探していた響子は、リオンが着物を着た日本人女性と金髪で鎧を着た女性と話をしているのを見つけた。
「結局、僕とシャルロットさんでは時代が違うようですね。」
「どうやらリオンの世界には『サムライ』はいないようだ。」
「ちょっといいかしら。」響子は遮る。「リオン君って、2回戦の相手はもう決まっているのかしら?」
「い、いえ、僕はまだ……。」
「なら、私と組まない?」
「あ、はい。よ、よろしくお願いします。」
「それじゃ、よろしくね。」響子はそう言うともと居た場所へと戻っていった。
リオンは響子が行った後もポカーンとしていた。
「リオン、リオン? どうしたのだ?」シャルロットがリオンの目の前で手を振る。
「うふふ。なるほど。ふむふむ。」葵は微笑む。「リオン、あの人、綺麗な人ね。」
「え、それは、もう、うん、そうそう。」リオンはハッと気が付き、支離滅裂な発言をする。
「あ、そうそう、うちら今から2回戦の打ち合わせするから、
リオンも彼女のところへ行って打ち合わせした方がいいわね。」
「まだ2回戦、何をやるかは……」といいかけるシャルロットに向けて葵は「シッ」と口元に人差し指を立てる。
「うん、そうだね。そうだよ。うん、じゃあ行ってくるよ。」というとリオンは響子の元へと向った。
「いやぁ、恋ってええもんやわ〜。」葵はリオンの背中を見送りながら呟くのだった。
【水無月響子 リオン・ラファール チーム結成 チーム名:リヒトブラウ】
【梅小路葵 シャルロット チーム結成 チーム名:リヴォリューション】
☆様々な地域や国境の人がいるので、葵はあえて標準語を使っているようです
「さ〜て、丁度よくタッグ戦になったみたいだな。お前は俺を知らなかったワケだし、
俺達がコンビでいる事にゃ何ら問題ないだろう」
「…でしょう、ね」
「一応、ここで敢えてコンビを切って、二手に分かれてヤバ気な連中を
潰していくって手もあるっちゃーあるが、今は坊主のお手並み拝見と行きてえ。
ってなわけでこのままコンビでいくゼ、坊主!」
「はい…」
「んでだ、どうやらチーム名を決めなくっちゃならんらしい。まぁコレには
俺にちょっとした案があるんでこれで行くぞ、『たいとうみうし』だ!」
「・・・・・・………へ?」
「ンあ〜、不思議そうな顔してんな。変な名前ってか?まぁ深く考えんな、Tightな海牛、
つまり最高にキマってる海牛ってことだ!いつまでもタッグ戦やるって決まってるワケじゃなし、
名前なんぞ目くじら立てて決める必要なんざ無ぇだろ?」
「ま…まぁ」
「よし、決まりだナ。あ〜〜〜あとコイツは一応マジな話なんだが、
今のうちはまだ、マジな本気を出すんじゃ無ぇぞ。」
「へ?」
「俺が思うに、容姿の面からして俺達はこの中じゃか〜な〜り浮いたコンビだ。こればっかは仕方ねぇが、
何にしろこれ以上目立ちすぎると周りからマークされてあらゆる所で足を引っ張られかねん。
つーわけで、できるだけギリで勝てるようにするんだ。賢者は愚者を、愚者は賢者をとか言うだろ?
頼みの綱はギリまで持たしとくモンなんだよ。ま、あんまり力絞りすぎてドボン、じゃ涙も出ねぇがナー!」
「で、ですね…」
「まぁ何が言いたいかってぇと、勝てなきゃ救いようが無ぇがあんまりマジ本気になるな、ってことだ!
この先何が起こるかわからんが、とりあえずコンゴトモ ヨロシク…ってな!頼むゼ、坊主!」
「…はぁ…」
マッドな野望に燃える兄貴分と無理に繋がれた弟分、果たしてどう転ぶやら。
【パックマン バブルン チーム結成 チーム名:たいとうみうし】
サタン様による二回戦のルール説明が行われ、和やかだった場がにわかに騒がしくなった。
皆、新たなパートナー探しをやっきになっているのだろう。
しかし、そんな喧騒にもかかわらず、放送前から変わらずずっと直立不動の体勢を保つ影があった。
その影の名は、ユズリハ・ゼン。
『ディアブロ』と呼ばれ、FFS優勝者としても恐れられるこの男は、まだ二回戦開始前にもかかわらずもはや最大の危機を迎えた心境であった。
その理由は、先程のサタン様の放送にあった一節…具体的には
『一定期間を設けるのでぇぇぇぇっ!!好みの者と組むが良いいいいい!!!
だがしかしぃ!!昔からの知り合いはだめだぁ!!この大会で初めて知り合った者というのならよいいいい!! 』
の部分である。
(……ヤヴェえ………)
魔獣は、社交性というものを備えていなかった。
というか、彼にはそもそも友達がいなかった。
それは彼の育ってきた環境を鑑みれば致し方ない事ではあったが、それゆえ彼の放つ気は常に棘とげしく、
その言動は常に相手を威圧し、その眼光も射抜くように鋭い。
有体に言えば、孤高の一匹狼的ヤンキーのようなモノである。
今までの人生も自分から初対面の人間に話しかけるなど数える程しかない程である。
それはまるで、先生しか話しかけてくる相手がいない強面の不良学生のように。
(誰かと組むだ…?虫唾が走るぜ)
彼は内心そううそぶくが、それは小学校の班分けで一人余った少年が漏らす「オレは一人の方がいいもんね!」という負け惜しみと同じ質のモノである。
このままで過ごしていても、あのサタンとかいうのがチーム分けをしてくれるが、ドコの馬の骨とも知らない奴と組むというのも気分の良い物ではない。
…というか、なんだか周囲の視線が自分を嘲笑しているような気がする。
「コイツ、友達いねえんだなぁ〜」、と。
そしてこのまま時間が来て誰かと勝手に組まされるというのも、何か屈辱的だった。
それは例えるなら、学校の班分けで先生に『可哀想だから誰か○○ちゃんと組んであげなさ〜い!』と言われた時の屈辱に似ているかもしれない。
そんな風に一人で勝手に脅迫観念に苛まれたゼンは居ても立ってもいられない気分だった。
それはわかりやすく例えるならば学校で皆は友達とお弁当を食べているのに自分だけ一人で食事している時に感じる謎の焦燥感に………
…まあ、とにかくゼンはなんとなく恥ずかしかった。
こういう時、アランの奴なら何の問題もなくその辺の奴等に声をかけるのだろう。
数少ない顔見知りの事を思い浮かべて、ゼンは一人の男の事を思い出した。
(…そういえば、アイツはドコ行った?)
先程少しだけ話をした、赤いバンダナをした男。
名前は確か、アレックスといったか。
アイツならば、自分と縁が無い事もない。といってもさっきちょっとだけ会話しただけなのだが。
自分が話かけるのに不自然な相手ではない。もっとも別にそんな事を気にする必要は無いのだが。
それに、腕っぷしのほうも強そうである。
更にいうなら、何か自分に似た雰囲気を感じる。
それは、お互いになんとなくキャラが被……
……まあ、、要するにゼンはアレックスと組む事に決めた。
早速アレックスに声をかけようとして隣を見たが、しかしそこには誰もおらず、どうやら相手はすでにパートナーを探しに行ったようだった。
(……ヤッヴェエエエ!)
何がヤヴェえのかはゼン自身にもわからなかったが、とにかくゼンはアレックスを探しに会場を彷徨いだした。
その表情は、魔獣には似合わない、なんとなく必死そうなモノであった。
アレックスは会場内を練り歩きながら、見所のありそうな人物を探していた。
主催者の言う事には昔からの知り合いは駄目だという。
リュウとは組んでみたいと思っていたのだが、そういうルールならば仕方がない。
「ア”ーハッハッハッハ…!」 その時、遠方から笑い声が聞こえてきた。慣れたくもなかったのに聴き慣れてしまった笑い声が。
(…あのバカ笑いをしてるって事は誰か相手が見つかってテンションが上がってるってトコか…)
ひょっとすると例によって服を破き散らしながらパンツ一丁になっているのかもしれない。今頃驚いているであろうその相棒に同情。
そしてその相棒が女性でない事を祈った。アイツの裸体ははっきり言って刺激が強すぎる。というか目に猛毒だ。というかオレも記憶から抹消したいくらいだ。
たとえルールが違ってもアイツと組むのだけは勘弁だ、そんな事を考えながらもアレックスはそのパンツ魔人に付随する人物を思い出した。
それは、ユリアンの兄であるギルという男。
アレックスは自分の師であり親友であるトムの仇としてギルを追っていた事がある。
それがキッカケとなり彼は世界を知り、そしてリュウと出会った。自分の新たなる目標となる男と。
そういう意味ではアレックスはギルに感謝していた。ただ妙に気に入られたのか、度々自分に説法をかましてくるのはいただけなかったが。
とにかくアレックスは、その一連の事件によってギルとリュウという新たな目標に出会えたのだった。
そして、そんな二人の事を考えるとよく思い出す様になった事がある。
それは、自分の肉親。
まだ記憶もあやふやな頃に生き別れた、自分の両親達の事。
アレックスは幼い時に両親と生き別れになっている。そしてそれ以来父の親友であるトムに育てられてきたのだ。
アレックスは何度か父の事をトムに聞こうとした事もあったが、怖くて聞き出す事ができなかった。
今の関係が壊れてしまうのでは…そんな気がして。
決して、今の自分の境遇には不満があるわけではない。
トムとその娘のパットとは、本当の家族のような絆があるし、二人も自分を本当の家族の様に思ってくれている。
だけど、やっぱり自分の境遇の事を思い出しては、アレックスは心に暗い影を落とすのだった。
「…だから、文句の一つでも言ってやらないとな……」
そう小声で一言呟く。だからアレックスはこの大会に出場したのだ。
自分の両親達に、一言文句を言ってやる為に。
「…う、グスグス……」
その時、背後からすすり泣く声がして、アレックスは驚いた。
「な!?」
「ウェ〜〜〜ン!!」
それは、先程迷路で出会ったパティという少女だった。
「…お、おいアンタ!?どうしたんだ突然!?」
突然自分の背後で泣き出した少女に、アレックスは戸惑いを隠せない。
「…ヒック…グスグス、ご、ごめんなさい…アレックスさんの思念が頭に流れ込んできちゃって……」
「…はぁ?」
「…グス…アレックスさん、ご両親さんと早くに生き別れてしまったんですね……」
「…はぁ!?」
テンションが違う二つの「はぁ?」を連呼しながら、アレックスは更に度肝を抜かれた。
「…な、何でアンタがそんな事を知ってるんだ?」
「…ごめんなさい……つい、アレックスさんの思念が流れ込んできたモノで……失礼だと思いつつもついそのまま全部聴いちゃいました」
「……はぁ」
さらにテンションが違う「はぁ」を漏らす。少女の説明はイマイチ要領を得ない。
「…良し!」
しかしそんなアレックスの心境とは関係なく、パティはある決心をした。
「私も、アレックスさんのお手伝いをします!二回戦、一緒に組みましょう!!」
「…はぁっ!?」
そして、アレックスは今までで最大のテンションの「はぁ」を放った。
「そうと決まればアレックスさん!急いで登録に行きましょう!!」
「お、おいちょっと待って……」
アレックスはパティにグイグイと腕を引っ張られていく。このままコンビ結成かと思われた、その時……
「ちょっと待ったァ!!」」
某ネルトンの如く、二つの声がカップル結成に待ったコールをかけた。
「…ああ、あんたはさっきの……」
「あら、マイトじゃない」
「待った待った待ったぁぁぁ!!ソイツとはオレが組む!!」
「待て!待ってくれパティ!!お願いだからちょっとだけ待ってくれ!!」
そこに現れたのは、ゼンとマイトの二人であった。
ゼンは焦った。はっきりと焦っていた。
自分が目をつけていた男が見つかったのはいいのだが、なんだか今にも傍らの少女とそのまま組んでしまいそうな空気だったからだ。
今のゼンの気持ちは例えるなら自分が一方的に親友だと思っていた友人が仲良しの友人の名に自分の名を上げてくれなかった時のような(ry
そしてマイトも焦っていた。とにかく焦っていた。
自分がこの世で一番大切に思っている少女が、なんだか彼女自身の意思で自分以外の男性と組もうとしていたからだ。
しかも、その男が先程の迷路でパティに親切にしていた男でやっぱり2人の間の空気は柔らかい。っていうか何かいい感(ry
…まあ、とにかくそんなワケで、ゼンはアレックスを、マイトはパティを引き止めていた。
「…な、なんだアンタら……?ちょっと必死すぎだぞ」
「待つのは構わないけど何?マイト」
「「…………」」
しかしアレックスとパティの当然の疑問によって、ゼンとマイトは共に固まってしまった。
ゼンにはなんだか自分から声をかけるのが屈辱のような気がしてならない。しかしここまできてそんな事を言ってどうするというのか。
大体もう先程『オレと組む!』と発言してしまったではないか。いやでもしかしなんだか気恥ずか(ry
だが相手に『必死すぎ』と評されてしまったのだ。更に言いづらいではないか。
マイトにいたってはそもそも旧知の仲は組めないルールなので、止めたところで無駄なだけである。
つまりソイツと組むな!と言う事は自分がその男に嫉妬しているという事を自分からカミングアウトするようなものであり
そんな事は緑川声主人公としてはあってはならない醜態である。
……まあ少なくとも彼はそう思っていた。
そんなこんなで割り込んで来た二人はしどろもどろしていたが、パティの見当違いな発言によってそのまま決着がついてしまった。
「あ!わかった。マイトはその人と組む事にしたのね?」
「「…はぁ?」」
本日4度目の「はぁ」である。しかも乱入者の二人同時による。
「よかった〜、マイトも相手が決まっていたのね!私もついさっきアレックスさんと組む事にした所なの!」
「…なんだ、そうなのかゼン?」
アレックスもなんだかパティにつられて納得しだした。
「それじゃあマイトも頑張って!えーと、ゼンさん、マイトの事よろしくお願いしますね!」
「え?いや、………ああ、と……わ、わかった」
「…あ?…ああ、お、おまえもがんばれよ!」
そしてゼンもマイトも、ついついパティにつられて返事をしてしまった。
「それじゃあアレックスさん、行きましょうか」
「……まあ、いいか。ゼン、またな」
そして二人は、新たなコンビの旅たちを見送った。
「「…………」」
二人のチーム結成を止めに来たのに、なんだか自分達が新にチームを結成してしまった。
これもある意味ミイラ取りがミイラになったというのだろうか?
そして、二人はしばらく身動き一つしなかったが、やがてようやく口を開いた。
「……よろしくな…」
「……ああ…」
放心状態のまま、二人は挨拶を交わした。頭の中では同じ事を考えながら。
(ところで、こいつ誰だよ?)
とにもかくにも、ここに二組のチームが誕生したのだった。
【アレックス 願い:生き別れた両親と会う】
【パティ 願い:母親を探す】
【アレックス パティ チーム結成 チーム名:親を捜して三千マイル】
【譲刃漸 一回戦突破組 願い:ヒカリの性格を元に戻してもらう】
【マイト 二回戦進出 願い:パティの願いをかなえる】
【ゼン マイト チーム結成 チーム名:赤の他人】
724 :
心の炎:05/02/17 02:00:22 ID:???
最初からきめていた。
草薙京がいない今パートナーはこの人しかいないと。
「真吾くん頑張ろう」
「はい!頑張りましょう」
二人で手を取り合い優勝を誓いあう。
出ないはずの炎が二人を照らしている気がした。
草薙京が大好きなラッキーコンビはあっさりと結成した。
炎は出なくても戦えるんだ。二人とも頑張れ。
京が励ますように笑っている気がした。
【コスプレイヤー京子 矢吹真吾 チーム結成 チーム名:草薙京親衛隊】
私の名前は・・・今はまだいえない・・・・強いて言えば・・・人はこう呼ぶ、マスクドサタンと・・・
私の正体を知るものは居ない・・・そう、知るはずのものは居ない・・・・ただ、私はあの美形で足の長いサタン様の代弁者・・・
今日も今日とて覆面をして悪い子は居ないかどうか探す・・・・
そこに今回の為にだけに作った新魔法、「知り合いと組もうとしている人がイルル〜ン」が反応する・・・
反応した場所に向かう・・・そこにはラッキー7で2回戦出場をした京子選手と何度も何度もペナルティを犯してもくじけない天然悪い子ちゃん矢吹真吾選手がコンビを組もうとしている・・・
この天然悪い子ちゃんめ!!!私は即座にマスクを外し・・・ゲフンゲフン!!サタン様に報告をする。
そしてこの私・・・じゃなくてサタン様は即座に対処!!
二人に近寄りこうつげる
「あ〜・・・矢吹君、京子ちゃん、ルールを聞いて居なかったのかなあ〜・・・?知り合いと組んじゃ行けないって言ったんだけどなあ・・・?」
流石にビシッと決めるサタン様。
「あっ!そういやそうだったッス!!忘れてた!!」
「あー!!本当だー!!やっばー・・・私たちもしかして失格・・・・?」
さ、さすが天然悪い子ちゃん・・・本当に素でボケてたのね・・・・
「・・・・あ゙〜・・・・いい・・・・今回は見逃してやる・・・・その代わりさっきのチーム結成宣言は無効だぞ・・・・?」
凄いぞサタン様、なんと懐の広い男なのだ!!そういってワタ・・・サタン様はその場から去られていく・・・・
けどチョット悔しいので矢吹真吾選手の歩く先にバナナを召還していった。お仕置きするところはちゃんとしないとね!流石サタン様!
想像以上に効果抜群で矢吹選手は後頭部を強打していた、うわー・・・痛そうだ・・・・
【
>>724 心の炎はルール違反の為にチーム結成は無効となりました。】
2回戦がコンビ戦と聞き、どうしようかと思っているひびき蘭の前に、1体の金髪のロボットが現われた。
「ハジケルじゃーなりすとすぴりっつ! ぺんハ剣ヨリモ強シ!
額ノ眼鏡ノ意味ヲ問イタクナル!! 一緒ノ墓ニ……」
「しっぷぅ迅雷脚!!!」
ロボカイのプロポーズは途中で邪魔された。
なぜなら、委員長によって無数の蹴りを叩き込まれたからだ。
「グワッ!!」
技をまともに受けたロボカイは吹っ飛ぶ。
「フン、私の目が黒いうちはうちの生徒に指一本触れさせねえ。」
「あ、委員長。なんでごくせん口調?」
「蘭、こいつに関わっちゃダメ!」
「いや、委員長ってそんな技使えたっけ?」
「ケン・マスターズ通信空手の奥義よ!!」
『通信で超必殺技が習えるもんなの?』蘭は不思議に思う。
「蘭は2回戦の相手はまだ決まってないよね? 実は私もなの。」
「まだだけど、でも委員長とはもともと友達だし…。」
「いえ、私と蘭が組むということじゃないわ。1回戦、どうやら同じように兄弟や姉妹や友達や恋人同士で、
クリアした人がいるの。そういう人に声をかけてお互いのチームを作るのよ。」
「あ、なるほどー。さすがは委員長。で、あてはあるの?」
「もちろんよ。こっちよ。」委員長は先を進み、蘭は後に続く。
やがて、目の前に新撰組の様な格好をした武士が2人見えてきた。
1人は柔和な顔立ち、1人は割りと強面である。
蘭はインタビューした時のことを思い出す。
柔和な方が真田小次郎、強面の方が鷲塚慶一郎という名前だったはずである。
『あ、なるほど、同じチームの人間ってわけね。』
「あのー、すみません。」委員長は目の前の2人に声をかける。
「何用?」小次郎が答えた。
「見た感じ、あなた方は同じチームであるとお見受けします。間違っていたらごめんなさい。
2回戦の組む相手がもしまだなら、私たちと組んでもらえないでしょうか?
私たちももともと友達で組めなくて、困っていたところなんです。」
「ふむ、たしかに我々もこ……ゲフンゲフン……同じ組のものでして、組めなくて困っておったところだ。」
慶一郎が咳き込みながら答える。
「小次郎殿、拙者はこの提案に乗った方が良いと判断いたしますが、いかがでしょうか?」
「そうだな。依存はない。お嬢様方、よろしく頼む。」
こうして、幕末侍と現代女子高生という異様なコンビが2組できたのだった。
「ところで、真田さんって女の人なのに、なんで男の格好しているんですか?」
2人になった時に、蘭はインタビューの時から気になっていたことを慶一郎に聞く。
「えぇぇぇ、いや、蘭殿、香織殿は……」
「カオリ?」
「いや、これには海より深い訳が……」明らかに慶一郎の様子がおかしい。
何かあまり触れてはいけないことらしいと察した蘭はとりあえずそれ以上聞くのをやめた。
『男装の麗人かぁ。いつかすっぱ抜いたる!』新たな決意を胸にするのだった。
一方──
ギギギギ……
復活したロボカイは立ち上がり、懲りずに次のターゲットを探し始めた。
【委員長 真田小次郎(香織) チーム結成 チーム名:リーダーズ】
【ひびき蘭 鷲塚慶一郎 チーム結成 チーム名:バンキシャ侍】
【ロボカイ フリー チーム条件:萌えキャラ】
「びゅーてぃふるナ和ノ佇マイ!絶滅危惧種ノりある巫女サン!毎朝ワシノ味噌汁ヲ作ッテクダサイ」
煩悩丸出しの合成音声が鳴り響く。見るからにロボロボしてるロボット、ロボカイの勧誘の声である。
「えええ!?そ、そんないきなり、私には心に決めた人が…」
機械のクセに108以上の煩悩をもったロボカイの勧誘にも頬を赤らめ慌てふためくこの少女は、
ロボカイの言う通りに絶滅危惧種といってよいであろう純正巫女の結城小夜だ。
「案ズルヨリ産ムガ易シ!迷イナド捨テテコノ堅ク薄メナ我ガ胸二…」
迷いなど捨てて。その一節を聞き取った小夜は、頬を赤らめたまま決意を固め、凛々しい表情を取り戻した。
「…そうですね、私は私のしたいこと、私が叶えたい願いのために頑張ろうと思います。
あなたのおかげで決心がつきました。ありがとうございます」
小夜はロボカイの言葉を勝手に前向きな助言と解釈し、そして最後まで聞くこともせず超特急で自己完結した。
大げさなくらいに深々とお辞儀をし、くるりと転回して走り去っていく小夜。その背中をぼけっと見つめるロボカイ。
「…アレ?…ヨク解ランケド、ひとカラ感謝サレタノッテ我輩ハジメテ!初体験デアル」
たまにはいいこともするものだ、とはカケラも思わなかったロボカイだが、その心には爽やかな風が吹いていた。
「泣かせるのう…」
とそこに、だしぬけに親父の涙声が聞こえてきた。
ロボカイが首だけでぐるりと振り向くと、そこには口ひげをたくわえた赤胴の男が目を潤ませて立っていた。
なにやら妙に存在感が薄いというか、周りから浮いている。まあ浮いてるだけならロボカイも一緒だが。
「首だけで振り向くとは、見たところそなた機械のようですな。しかし先ほどの少女に向けたあの暖かき助言!
この藤堂竜白、感動の涙を禁じえませんでしたぞ!人と機械との間に差異などない事を教えられましたわ」
結城小夜も相当だったが、この竜白とかいうおっさんも勝手に話を解釈するクセがあるようだ。
「ナンダカ知ランガ、ひとカラ感心サレルノモ我輩ハジメテ!今日ハ記念日デアル」
作られてこのかたマトモに評価されたことのなかったロボカイの心に、今度は爽やかな泉が湧いてきた。
「この藤堂竜白、感服いたしました!もし機会がありましたら
ワシの不肖の娘にもあなたからお言葉を聞かせてやって欲しいくらいです」
その瞬間、ロボカイの心に暴風と暴雨が吹き乱れ、爽やかな風と泉は綺麗サッパリかき消え潰れた。
「娘サン?英語デどぅたぁー!?ソレハヒョットシテウラ若クテ貴様ノヨウニ袴ヲ履イテルカ?ソレ最重要!」
「なんだかよく解りませんが、間違いなく血を分けたワシの娘ですぞ。
まだ若くて未熟者ですが、親の贔屓目を差し引いても美人に育ってくれた自慢の娘でしてなぁ…」
それを親の贔屓目と言うのだが、ロボカイはそんなこと気にしない。
「万事おーけー!ソノ仕事引キ受ケタ!トットトソノ袴ッ娘ノトコニひゃうぃごー!!」
「おお、会ってくださるのですか!ありがとうございます!ならばこの藤堂竜白、
次の二回戦は粉骨砕身の覚悟であなたのお手伝いをさせていただきますぞ!」
まだ具体的な恩義などなにも受けていないが、竜白はロボカイの恩義に報いる覚悟を決めてしまったようだった。
「しかしコレは二回戦まで。お互いに決勝まで勝ち残れたならば共に覇を競いましょう、ロボ殿!」
「…アレレ?…ワケ解ランケド、人生初ノ絶好調ナリ!袴ッ娘ノタメ玉砕覚悟!砕ケナイていどニ!」
それは玉砕覚悟とは言わないのだが、竜白はそんなこと気付かない。
「さあ行きましょうロボ殿!二回戦もいい試合にしましょうな!」
「行クゾ袴ッ娘ノ父!イイ試合ニナルワケハナイガ!」
がっちり肩を組むロボと親父。来るべきロボット社会も、この調子なら安心である。
この日、ロボと人との世界初の共同戦線が張られたのだ。
気付かぬ内に人類の輝ける未来を双肩に背負い、一人と一体は未知なる戦場へ踏み入っていった。
【ロボカイ 藤堂竜白 チーム結成 チーム名:娘のためなら死ねる】
【結城小夜 フリー チーム条件:できれば女性の方が…】
「素晴らしい!我がパートナーにならぬか?」
派手にすっ転んだ真吾に手が差し伸べられた。
「あ、ありがとうございます。えーと…」
「我が名はベガ。気安くベガ様と呼びたまえ」
起こしてもらって何だが、目の前の人物と組んではいけないような気がする。
尊大過ぎる態度に、危険な思想を持っていそうな赤い軍服。
さらに態度と服装さえ霞む様な禍々しいオーラを垂れ流している。
ベガと言う名前もどこかで聞いたような…ベガ…ベガ……
「あー! ベガさんってシャドルーのベガですか!?」
「如何にも我はシャドルー総裁のベガだ。だからと言って何も遠慮する事は無い。
さん付けではよそよそしい感じがするからベガ様と呼びたまえ」
「ベガさ…ま、あの、申し訳ないんですが極悪人と組むのは、その、ちょっと…」
「極悪人とは心外だな。我が何をしたというのだ」
「え〜と…ベガ様は何か怖そうな部下連れてたじゃないですか。いかにも凶悪そうな面構えのボクサーとか」
「奴はベビー級チャンピオンだ。闘争心から怖そうな顔になるのは当然の事だろう」
「でも、仮面に爪の人は人を切り刻んで喜びそうな危ない雰囲気を醸し出してたような」
「仮面や爪を付けた人くらい君の知り合いにもいるだろう? もちろん眼帯をつけた人物もだ。
その君の知り合い達は悪人かね? 人を見た目で判断するのは良くないと習っただろう。
我がサイコパワーも怪しいと思っているのだろうが、KOFにもサイコチームと言うのがいただろう。
その連中は悪人だったかね? むしろ正義の味方だったろう」
チョイは悪人だった気がするが…確かに人を見た目で判断するのは良くない事だ。もしかしたらこの人は悪人じゃないのだろうか?
でもこの人物は見た目そのまんまと言うか、見た目以上と言うか、危険人物の鑑のような気がする。
「何だね、その目は。全く人を外見で判断するなど嘆かわしい事だ。
そもそも君は我が何をしているのか知っているのか? 知らないだろう? それなのに我を悪人と言うのは偏見でしかない。
致命的に物を知らない君に我が組織の活動内容を教えてやろう。
我が組織は植物を栽培や製薬に携わっているのだよ。植物の栽培は緑化や地球温暖化防止にも役に立つ。
また我が拠点のタイは貧乏人が多い。高価な薬を買えずに死んでいく者もまだまだ多数いる。
そんな者達の為に安く薬を作り、販売しているのだ。もちろんタイだけではなく、様々な国に出荷しているがね」
ベガの目を見る。腐って濁った極悪人のような目をしているが、嘘はついてない目だ。
「我が目的は、まぁ最終的な目的ではないが、あの連中を止める事だ」
ルガールとイグニス、あと変なフンドシ一枚の人物を顎で示す。
「奴らが極悪人なのは間違いない事だ。それは君が良く知っているだろう?
奴らの願いを叶えさせたら碌な事にならないと思わないかね」
フンドシが何なのかは知らないが、ルガールとイグニスが悪人なのは間違いない。
連中の願いが叶ったら世界の終わりな気がする。
「敵の敵は味方。悪人の敵は正義だと言う事だ」
どうしてもあの連中と同類にしか見えないが、ここまで自信たっぷりに言われると自分が間違ってる気がしてくる。
「納得できたか? ほら、さっさと登録してきてくれたまえ。
ついでに小腹が減ったから何か食い物を持って来い」
「はい!」
疑いもさておいて、体がすぐに行動をおこす。
悲しいかな、真吾は命令される事になれすぎていた。
「実に素晴らしい馬鹿っぷりだ。まさか洗脳を必要とせずに部下にできるとは。
バイソンと知能の程度は大して変わらんのではないか? おまけに従順だから雑用係にぴったりだ」
【ベガ 真吾 チーム結成 チーム名:正義の味方シャドルー】
足元から鳴き声が聞こえてくる。
にゃーにゃー、にゃんにゃん。
「……」
人ごみの中に立ち止まっていた八神庵は、無言のまま歩き出した。
それを追いかけようとする双子のケットシーの道筋は、パートナー探しに奔走する人々の波によって踏み消された。
そしてそれら有象無象と同じように、八神庵もパートナーを見つけるため会場の人ごみの中へ溶け込んでいく。
八神庵と双子のケットシーは、ついで(庵曰く)や気まぐれ(庵曰く)が重なりここまで共に行動してきた。
懐に抱えてゴールまで連れて行ったり、コソコソと牛乳を買ってきて食事の世話を焼いたりした。
しかしそれはここまでだ。これ以上この子猫たちと一緒に行くわけにはいかない。
なぜなら二回戦はタッグ戦。このまま一緒にいたら当然自分はこの子猫たちと組むことになって、
全参加者や観客や敗退者に自分が子猫と一緒の姿を目撃されることになるからだ。
想像するだけでぞっとする。そんなことになればライバルである草薙京に何を言われるか解ったものではない。
その恐怖と戦慄に身を震わせる庵だったが、自分の両足になにかがすりついているのを察知した。
視線をおろせば、そこには双子のケットシーがいた。いつの間にか追いついてきていたらしい。
小動物特有の澄み切った瞳に幼さゆえの真っ直ぐな眼差しがプラスされたその視線は、
もはやなみの魅了(チャーム)魔術など足元にも及ばぬ破壊力だ。
だが庵は耐え切った。地球意思オロチの精神支配にも屈しなかったその意志の力で、
庵は寸でのところで双子を抱き上げようという衝動を押しとどめた。
…つまりそれだけ効果覿面だったわけなので、庵は逃げるように早歩きでその場を去っていく。
双子はそれを追おうとするが、やはり人々の往来の激しさに阻まれ、思うように進めない。
追いすがろうとする双子を尻目に、庵は例の低姿勢ダッシュで人ごみのさらに奥へと消えていった。
ここで双子を拾い上げるわけには行かない。
庵は自分にそう言い聞かせ、パートナー候補である他の参加者たちの顔を見ぬまま走り抜けていった。
「ギャッハッハッハッハ!なにやってんだよ真吾、ルールちゃんと聞いてねえのか!?」
底抜けに明るい笑い声が聞こえてくるが、その声の主は敗退者である。
「いてっいてっ痛いですって草薙さん!もう勘弁してくださいよ〜っいてぇ!!」
本気で痛そうな悲鳴が聞こえてくるが、その声の主は一回戦通過者である。
叩かれてるのは矢吹真吾、一回戦でペナルティを受けながらも勝ち上がってきた不屈の男だ。
そして先ほどもペナルティを受けそうになった天然のアホである。
さらに言えばついさっきも、口車に乗せられて悪の総帥の部下にされた生まれ付いてのパシリでもある。
ちなみにその悪の総帥ベガは、パートナーが出来た事を誰かに自慢しにどこかに行ってしまった。
このチーム、さっぱり足並みの揃っていないようだ。
叩いているのは草薙京、一回戦のペナルティによって泣く泣く敗退してしまった悲劇の主人公だ。
そして先ほど悲劇の主人公同士で友情を深め合ったやはり天然のアホである。
「オレらを出し抜いて一人だけ生き残りやがった天罰ってヤツだ…多分これからもそんな調子だろうぜ」
「ンワーオ、全くイイ気味だね真吾クン。まあボクはキミよりあのヤンキ―のほうが憎いけど」
スパーン。
「「だったら言うなよ!!」」
わっはっはっはっは。
いま京とともにツッコんだのがK'、ツッコまれたのはアッシュ・クリムゾン、例の悲劇の主人公達だ。
迷路の中になぜかあった桃園にて彼ら三人は義兄弟の契りを結び、真吾に野次を飛ばすことにしたのだった。
「…貴様らはトリオ芸人にでも転向したのか?京」
そんな仲良し三人組に氷点下のツッコミが浴びせられた。
いつの間にか現れた京のライバル、庵によるもっともな疑問であった。
「おわあ!?や、八神、お前いつの間に!?」
「テメエ、誰がダチ○ウ倶楽部だとシャラー!」
「せめてネプ○ューンと言って欲しいよね」
「いや、誰もそんなことは問題にしてないっス」
三人組のボケに真吾が的確にツッコむ、どうやら三人組が四人組になってしまった。
庵は軽くかぶりをふると、調子を整えなおしてから言い放った。
「なんにせよ京、どうやら貴様が敗退したというのは本当らしいな…クックック、だが安心しろ。
俺の願いは貴様との決着だ。俺が優勝すれば貴様の願いも同時に叶うぞ!ハァーハッハッハ!」
「へっ、お前との決着なんていつでも着けれるだろうが。なんなら今すぐでもいいんだぜ?」
熱い憎悪をぶつける庵と、それをクールに受け止める京。毎年のように繰り返されてきたKOFの名物光景だ。
「ふん、確かにそれも悪くない…すでに敗退した貴様なら殺しても問題ないのだろうしなぁっ!」
「こらえ性のねえ野郎だな、やれるもんならやってみろよ八神ィィ!!」
二人の拳に炎が燃える。呆れ顔のK’とアッシュ、一年ぶりの京の雄姿に心をときめかす真吾だったが、
「ちょっと待ってにゃん!」「ヤガミさん、見つけたにゃん!」
あまりに場違いな幼い声に、両者の炎は鎮火された。
「な?き、貴様ら、まだ付いて来ていたのか!?」
庵が声を裏返して驚愕した。普段見られない庵のその様子に残りの四人も驚愕した。
双子のケットシーが京と庵の間に割り込み、身を呈して決闘を阻止したのだった。
庵の脳内が大いに乱れる。
まずい、いまこの場でこの双子からタッグの申し込みなどされては、
実際に組むことがなかったとしてもそれだけで笑い話にされてしまう。
「ヤガミさん、こんなところでケンカしちゃだめにゃん」
「そうにゃん!もうすぐ二回戦にゃのにケガしたら大変にゃん!」
庵は双子から心配されていた。タッグを申し込まれるよりもっとひどい状況だ。
「き、貴様らいい加減に俺から離れろ!いつまでもいられては迷惑だ!」
「ボクたち、ヤガミさんにはたくさんお世話ににゃったから、ちゃんと恩返しするんだにゃん!」
「ボクたちだってお世話されっぱなしじゃにゃいにゃん!ヤガミさん、二回戦もいっしょにいこうにゃん!」
焦りと恥ずかしさにかられ冷たい物言いをする庵に対しても一歩も退かず、双子は自分たちの決心を示した。
「貴様らなどいても足手まといだ!猫の手を借りるほど俺は余裕がないわけでは…」
なおも拒絶しようとする庵だったが、
「馬鹿やろう!!」
「ぐはぁっ!?」
その顔面に京の鉄拳がめり込んだ。
普段なら難なく避けたか防げたであろう拳を食らい、庵は無様に吹っ飛んだ。
「にゃにゃ!?」「ヤガミさん!大丈夫にゃん?」
双子は倒れた庵に駆け寄り、心配そうに顔を覗き込む。
真吾、K'とアッシュも、この急展開に付いていききれずにいるようで、固まって動けないでいた。
「く、貴様、何のマネだ…」
口元に血をにじませた庵を哀れみの視線で見下し、京は怒りを込めて語りだした。
「見下げ果てたぜ八神…てめえのチームメイトをまた捨てちまおうってのか!」
「な…なんだと?」
京の言葉の真意をつかめず、庵は困惑した。
「わからねえか。二度もチームメイトをボロボロにして捨てていったお前らしいぜ。
この猫たちとお前の間になにがあったか、それは知らねえ。
だけどな八神、さっきこの猫たちは、命がけでお前のことを庇おうとしたんだ」
京と庵の炎の間に飛びこんできた、二匹の小さな子猫。
そんなことをしても炎が止まることはないだろうに、それでも二匹は飛び込んできた。
「その命がけの二匹の心に、お前は応えてやらねえつもりなのかよ!?
オレの知ってる八神庵は、そんな誇りのカケラもねえ男じゃねえんだ!!」
草薙京が、自分のライバルが、八神庵のことを語っている。
オレのライバルは恥知らずな男ではないと。
命を賭ける信頼で結ばれた仲間を、見捨てていくような男ではないと。
庵がふと視線を下げると、そこには変わらず双子の子猫がいた。
「ふん、貴様が説教とは…初戦敗退のクセに相変わらずの態度の大きさだな」
口元の血をぬぐい立ち上がる。伏せられたその両目は、安堵したかのように見える。
「それだけ今のお前が落ちぶれてたってことだよ」
「今日はやけに饒舌なようじゃないか…ふん、気が萎えた。行くぞ」
行くぞ、という庵の言葉に、足元の双子たちが遅れて反応した。
「そ、そうにゃん!優勝まで一直線にゃん!」「ボクたち二匹といっしょなら楽勝にゃん!」
「ほう、大きく出たな。あまり期待はせんでおくか」
そうして双子を伴い、庵は京たちに別れも告げずその場を去ろうとしたが、
「「キョウさん、ありがとにゃん」」
双子のケットシーは満面の笑みとともにそう言い残し、そして庵に付いていった。
庵たちの背中を見えなくなるまで見送ってから、固まっていた三人はやっと動き出した。
京はまだ、庵たちが消えていった人ごみのほうを見つめている。
「草薙さん…!」
真吾は感動していた。
あの身勝手で横暴な草薙京が、犬猿の仲である庵に向かって熱い友情を説くとは。
――やはりこの人はオレの目標だ。
真吾は改めて、自分の師の偉大さを痛感していた。
「…さて」
そこで、やっと京が動き出した。ごそごそとポケットをまさぐっている。
取り出したのは、携帯電話だった。
ピッ。
「ようユキ。ああ、いまいつも通りに大会会場にいるんだけどよ」
電話の相手は京の彼女、ユキのようだった。
「TVでやってる?ああ、そっか。じゃあちょっとチャンネル合わせてみてくれ」
ん?
真吾はなにやら嫌な予感がした。先ほどの感動的展開を台無しにするような嫌な予感が…。
「うん、うん…ギャハハハハ!な?出たろ?出たろ!?八神と猫が組んだって!!」
「言いふらして馬鹿にしてるぅー!?」
嫌な予感は思いっきり当たった。クリティカルヒット、会心の一撃である。
「そうそう、まあそんだけなんだけどさ。ああ、オレは真吾に付き合って適当なところで帰るよ。
じゃあな。……もしもし、紅丸か?久しぶりだな。大門も一緒?そりゃいいや…」
「知り合い全員に言う気だよこの人!!」
嫌な予感は予想の斜め上を行った。オーバーキル、一撃必殺である。
「ああ…マキシマか?ちょっとTV付けてみろ」
「もしもしデュオロ〜ン?いまTV見てる?」
「あんたらまで言いふらすんすか!?」
嫌な予感は最悪の結果に落ち着いた。デストロイ&ジェノサイド、寄って集ってタコ殴りである。
「あ…あんたら鬼っス!悪魔っス!オロチっス!あんたらの炎は何色なんですか!」
あまりにあんまりな仕打ちに、真吾は自分の立場(パシリ)も忘れて抗議の意を示したが、
「赤に決まってんだろ。そういう真吾こそ炎も出せねえくせになに言ってんだ」
「赤い炎も出せねえヤツが偉そうに説教かよ…」
「身の程を弁えて欲しいね。ボクは緑の炎だけど」
スパーン。
「「じゃあお前もダメじゃねーか!!」」
わっはっはっはっは。と、さっぱりマトモに取り合ってはくれなかった。
わなわなと体を震わせ、真吾はついにブチ切れた。
「…うわぁぁぁ!草薙さんなんか好きになりきれません――!!」
嫌いだとも言い切れず、わけのわからない捨て台詞を残して京たちのもとを走り去る。
「あー、そういやお前のパートナーって誰だ?八神に対抗して牛とか?」
心無い師匠の声を背中に受け、矢吹真吾は人の海へと沈んでいった。
「ヌッハー!私は早くも従順な部下を手に入れたぞ!貴様ら無能には真似できぬ鮮やかな手並みだろう!」
「ほほう、それはおめでとうバイソン将軍」
「さすがにキャリアが長いですな、バイソン将軍」
「って誰がバイソンだ!」
ちなみにそのころ、真吾の相棒ベガ(バイソンではない)もバカにされていた。
【八神庵 双子のケットシー チーム結成 チーム名:蛇猫の拳】
【ベガ 矢吹真吾 チーム結成 チーム名:正義の味方シャドルー】
【草薙京 K' アッシュ・クリムゾン 敗退トリオ結成済み トリオ名:焔の煉瓦無式】
「さて、どうするか」
「どうするって言われてもなぁ」
李超狼(リー・チャオラン)の言葉に少し考える花郎(ファラン)。
「俺たちは知り合い同士だから組める訳がねえし」
「誰か適任者を見つけて組むしかないということか」
超狼はそう言いながら場内を見渡す。
この中にタッグを組むに相応しい者が居るかどうか……彼は顔をしかめながらそう考えた。
「オーッホホホ! 見つけたアルよ、イケメン二人!」
そこに現れたのはイケメンハンターこと蔵土縁紗夢(クラウドベリー・ジャム)である。
その言葉に、超狼は少しよろける。
花郎はなんだよこいつ、と目の前の際どい中華風ウエイトレス服の少女を見た。
「二人ともなかなかの美形アル! よってあたしの店の従業員にしてあげるアルよ、感謝するよろし!」
(……ん?)
花郎にとってラッキーだったのは、なんだよお前帰れとコメントする前に紗夢の後ろに誰かの姿が見えたことだった。
女の子が何かの箱を持って声をかけようとするポーズのまま、「あ……」という顔をしていた。
「お近づきの印に二回戦のタッグを組ませてあげるアル! 今なら特別に愛情たっぷりの手料理もつけるネ!」
よく見えないので目を細める花郎。紗夢の話は全く聞いていない。
彼女は諦めたようにその場を去っていく。寂しそうな哀愁漂う背中。
「さあさあさあ、どちらが組むアルか?」
勝手に話を進めた紗夢。迫り来るイケメンハンターの恐怖。
ちょっと考える超狼。なすりつけようと花郎を指さす。
「だ、だったら、この男と組めば」
よろしいのではと言い終わる前に彼は気づいた。
既に韓国テコンドー青年はその場から消えていることに。
「はぁ…」
コスプレイヤー京子は、周囲から完全に置いてきぼりにされていた。
「また駄目でした…」
近くの売店で買ったぷよまん一箱をもったまま、京子は言った。落ち込みモードになっている。
「やっぱり何の苦労もなく一回戦突破したから…?」
ラッキー7で楽々とこの場についた京子は、一部の参加者から少なからず疎まれている。
それでなくとも最初の場面で目立ちまくっている。ここでハブにして不利にしてしまおうと思っている者もいるだろう。
事実、会場内で変な噂が立ちまくっている。
サタン様の手先として参加者を陥れる謎の集団ハヤシ班メンバーだとか。
矢吹真吾と霧島翔を惑わし乱闘させた魔性の女だとか。
負けられない状況になると目から七色の光線が飛び出して相手を溶かしてしまうだとか。
「あーもおおお!! もー!! もーーーっ!!」
血管切れそうな勢いで叫ぶ京子。
「ご愁傷様だな」
そう言って京子の肩を叩いたのは、同じ格好のKUSANAGIであった。
「さっき耳にしたんだが、今度は真吾がお前のせいで悪人になったって話になってるぞ」
「嘘! 真吾くんはそんな人じゃないです!」
「ま、あのパシリが全部否定しようと走り回ってるからな。いずれ収まるんじゃねえ?」
ちなみに変な噂が出ていると京子に教えたのもKUSANAGIだったりする。
「……まあ、その、あれだ。
実は悲惨な過去持ちというdでも設定がつくとか、常識外れすぎインパクト有りすぎ登場されるよりはマシだろ」
あっさりと言ってはいけない禁句を口にするKUSANAGI。
「むしろこの程度のイメージで済んだから、軽傷じゃねえか。なぁ?」
なでなでと京子の頭を撫でながらにやにやと笑う。はっきり言って気色が悪い。
「……KUSANAGIさんありがとう、私頑張る!」
褒めてない誉めてない、むしろ見下している。
「でも、本当にどうしよう」
KUSANAGIが去った後、京子は一人呟いた。
とりあえず何か食べ物でも持っていって、交渉しようとしたが今だ相手が見つかっていない。
ぷよまん一箱じゃ駄目なのかな、ぷよゼリーもつけた方がいいのかな、と持っていた箱を見つめる。
「……もういいや」
組む相手が居なくても、結局は強制的に相手が決定されるのだ。
だったらこのまま時間切れになった方が……
ピタッ 「ひゃっ!」
背後から現れた缶ジュースが頬に触れた。
きょとんとした京子が後ろを振り返り驚いたような声を小さくあげた。
「え、ええっ?」
振り向くとそこには先程声をかけようとした二人組の片割れが居る。
その手には缶ジュースが二つあった。
「あ、あの…」
「いらねえのか?」
「……はい?」
「それ饅頭だろ?」
「はい」
「ほらよ」
「あ、どうも……」花郎から缶ジュースの烏龍茶を受け取る京子。
短い会話のあとはどちらも口を開かなかった。
何がなんだかわからないまま、京子は貰った烏龍茶の蓋を開け中身を飲み始める。
一口飲み終わり、花郎のぶっきらぼうな誘いだとやっと気づく。
「あの……」
「何だよ」
「ど、どどど、どぞうっ!」
緊張してかみかみになりながら京子はぷよまん一箱を差し出した。
花郎は二度、まばたきをして、それから苦笑した。
「それじゃあ、一緒に食べるか」
「はいっ!」
こういうのも悪くないか、と花郎は思った。
一方。
「うわああああああ!」
「逃がさないアルよ〜!」
紗夢から必死で逃げる超狼の悲鳴が会場に響いた。
【花郎 コスプレイヤー京子 チーム結成 チーム名:ぷよまん組】
【李超狼 フリー チーム条件:自分に相応しい奴】
【蔵土縁紗夢 フリー チーム条件:ばりばりのイケメンアル!】
【KUSANAGI フリー チーム条件:足を引っ張らなければ誰でもいい】
742 :
美中年:05/02/19 04:34:30 ID:???
「で、ロック君、君は宇宙意思について興味はあるかね?」
「は、はぁ・・・と、特に・・・」
ロック・ハワードと怪しく会話するイグニス。
あのベガは超悪運の持ち主の困ったチャン、矢吹真吾を仲間につけ、あの褌小物、名前は・・・えっと・・・ユリ・・・ユリカン!
ユリカンはあのルガールの息子の癖に容姿、頭脳、共に一流のアーデルハイドとやらと組むらしい。
私も負けられぬと思ったのか、その手の業界では有名なギースの息子、ロック・ハワードと組もうとする。
「ほう、余り興味がないと、残念だ、君には有益な宇宙電波を受ける素質が有りそうなのだが」
「ゆ、有益な宇宙電波・・・?は、はあ・・・」
「どうかね?私なら君の隠れた素質を100%引き出せる、一緒にこないかね?」
普通の人なら二つ返事で断る状況だが、ロックは悩んでいた。
試合やらなら強気で居られる彼も、こういうチーム決めやらとなると消極的な人間になってしまうとってもシャイボーイ。
自分から積極的にチームに誘う事なんて出来ないし、この人に着いていったほうが楽かな?電波だけど。と、言う考えをしていた。
「あ、あの、イグニスさん、少し考える時間をくれないか?前向きに考えるからさ!」
「ん?そうか、ではジュースでも買って良く考えるといい、これは私の気持ちだ。」
そう言ってロックに120円を渡す、以外にケチだ。
「は、はあ・・・どうも。」
120円を受けとりその場から離れる。
「私はここで待っているぞー!君が神の右に座れる資格がある事を望んでいるー!!!」
ギースの息子と言うだけで声をかけてみたが想像以上の好青年、彼なら私の右腕になれるだろうし共に第13惑星雲のUFOの電波を受けあう事も出来そうだ。
うむ!そうだ、この大会が終わった後でも彼とはプライベートでも会おう!そしてUFOの不思議やら宇宙からの素敵電波の受信の仕方とかを教えてあげよう!!
そんな事を考えているイグニスであった。
と、そこに顔を真っ青にした白髪の青年が突然イグニスに声をかけた。
「す、すまない!!わ、私を助けるつもりで私と組んでくれないか!!!!!!」
743 :
美中年:05/02/19 04:35:36 ID:???
彼──李超狼は紗夢の手を逃れようと必死に逃げ、たまたま目に付いたイグニスにわらをも掴む思いで懇願した。
「と、突然だな君は、残念ながら私はロック君と組もうとしてたのだよ」
「た、頼む・・・・この通りだ!あの女が来る!!神よ!!!」
李は本気で何かに怯えた目でイグニスに訴える。
「神・・・ふふふ・・・仕方無いな・・・」
神たる者、懇願する愚民に救いの手を述べなければならない・・・悲しい事だがロック君に宇宙の素晴らしさを教えるのは今度になりそうだ。
「フフフフフフフフフ・・・・良かろう!このイグニス56歳美高年趣味はUFOウォッチング!!、貴様を助ける為に泣く泣くロック君を諦めよう!感謝しろ青年!」
「か、感謝する・・・私の名は李超狼48歳、趣味は凧揚げだ・・・しかし・・・56歳には見えないな・・・」
「いやいや、君も48歳にはとても見えない、その姿と私に懇願する謙虚且つ素晴らしい心を忘れなければその年からでも宇宙(そら)の声が聞けるだろう・・・」
「・・・?良く分からないが・・・っと、き、来た・・・・!!」
李は再び顔を真っ青にする。
「待つアルーーーーーーー!!」
そこには鬼の形相になった紗夢の姿があった。
「ハァハァ、お、追いついたアル・・・か、観念して私と組むアル!!!」
「ざ、残念だったな、今正にイグニスさん56歳と組んだところのだ!」
そういってイグニスへ指を刺す
「イグニスです、職業は神です。」
そう言ってフカブカと頭を下げる。
「あ、は、ハイアル!!!」
デザインコンセプトがとにかく美形というイグニスを前にして紗夢はドモる。
「そういう訳で、彼の事は諦めて頂きたいのだが・・・」
「ア・・・エ・・・あ、ハイ・・・・」
至極悲しそうに返事をする紗夢であった・・・・
────────
744 :
美中年:05/02/19 04:36:39 ID:???
────────
「っぱぁー!・・・どうしようかなあ・・・」
自販機の前で先ほど買ったコーラから口を離し、缶を見つめつつロックは呟いた。
「あの人、何言ってんのかイマイチ分からなかったけど・・・俺の事買ってくれているんだよな・・・・よし!」
コーラを飲み干し、空の缶をクズカゴに入れる。
「ちょっと嫌だけど・・・俺は!あの人と組む!!!」
彼は駆け出した、決意と共に。そこに待つ自分には余り関係ない災難など知らずに・・・
────────
745 :
美中年:05/02/19 04:37:48 ID:???
「残念アル・・・折角見つかった美形がもう組んだなんて・・・しかも組んだ相手も美形アル・・・」
「まあそう経こまないでくれ、きっと他にいい相手が見つかるはずさ」
自分とはもう組めないという事を良い事に適当な慰め言葉を紗夢にかける李。
「そうアルね!よし!次に向けて頑張るアル!!」
「そのイキだ、まあ私ほどの者を見つけるのは簡単ではないが・・・っと、ロック君ではないか。」
イグニスには視線を変える、その先には金髪の美形がいた。
「あ、あの、イグニスさん、もしよければ俺と・・・・」
金髪の美形──ロックはイグニスに声をかける。
「ああっ、すまないロック君!!私はとても人気者でロック君が考えている間に複雑な経緯でこの男と組むことになった!!」
そう言って李をさすイグニス。
「あ、そ、そうなんですか・・・そうですか・・・」
残念そうに李を見るロック。
『ほほう、まだ荒削りだが高度なエレガントの素質の持ち主の少年・・・彼がロックか・・・』
イグニスが組みたくなるのも分かる、あの若さで人を引き付けるカリスマ・・・そして不器用ながらエレガント的何かが見え隠れしている・・・
『そして何よりも我々の如く美しい・・・・っはぁ!?』
何かを思い出したように紗夢に目を向ける。
そこにはイケナイ事を考えている事が人目で分かるような邪なオーラがにじみ出た紗夢の姿があった。
「そ、そこの少年、もしよろしければアタシと組むア・・・ムグッ!!」
とっさに口を抑える李。
「逃げろ少年!!こんなところで立派なエレガントの芽に女性へのトラウマを与える訳にはいかない!!」
「ムグ!ムグムゴムゴォ〜!?」
ロックはきょとんとした感じで二人を眺めている
「何をしている!!イグニス!彼女をとめるのだ!!エレガント少年の心に傷をつけても良いというのか!?」
イグニスは何かに気づいた様に李に加勢する。
「そうだ!逃げるのだロック君!!大切な宇宙電波の受け皿となる為に!!!」
「ムゴーーー!!ムゴーーーー!!!」
青年二人で女性一人を押さえつけている図は異常だったが、良く分からないが自分の為にやっているらしい、そう思ったロックは
「は、はあ、わ、分かりました。」
勇気を持って組んで貰うつもりが、何でこんな事になったんだ?と言う風な良く分からない顔をして歩いて遠ざかった。
746 :
美中年:05/02/19 04:38:51 ID:???
「っぷはぁぁ〜!!何するアルかこの頓珍漢!?折角の美形を逃がしたアルよーーーーー!!!」
紗夢の声は、サタン塔中に響き渡った。
【李超狼 イグニス チーム結成 チーム名:宇宙高年化エレガント問題】
【蔵土縁紗夢 フリー チーム条件:ばりばりのイケメンアル!】
【ロック・ハワード フリー チーム条件:特に無いけど・・・出来るなら普通の人がいいな】
次々とコンビが増えていく中、とある人物はまだコンビになっていなかった。
それも無理はない。その人物はライダースーツにヘルメットという、
どうかんがえてもあっち系の人なんじゃないかという格好をしていたからだ。
(まあ、それでもパンツ一丁などと比べるとましな方であるが。)
だが、そんな格好に逆に注目する人物がいた。
「しゃべーよ。あいつぜってーしゃべーよ。礼児さんもしゃべーけど、あいつも別の意味でしゃべーよ。」
大山礼児を師と仰ぐ男、九戸文太郎である。
「おい、そこのしゃべーヤツ!」
「しゃべー? 自分のことか?」ヘルメットの人物は反応した。
「まどろこっしーのはきれーだからぶっちゃけて言うけれど、俺と組まね?」
ヘルメットの人物が答えようとした時、
「ちょっと待った!」声が上がった。「誰だ!」文太郎は誰何する。
「俺、九戸真太郎っていいます。俺と一緒に3階への階段を登りましょう。お願いします。」
真太郎は兄を無視してヘルメットの人物を誘う。
「おい真太郎、あいつは俺が先に誘ったんだぜ! お前はすっこんでろ!」
「クールな彼に先に目をかけてたのは俺だ。兄貴は他を当たってくれ。」
「おい、ちょっとまて!」ヘルメットの人物は止めようとする。
「んだと? てめえ、やるか?」
「フン、久しぶりにいいね。勝ったほうが彼と組むということで。」
「待てといっている。」ヘルメットの人物の声は2人には届いていないようだ。
「その言葉後悔するなよ。」「今から別の人間探したほうがいいんじゃないの?」
「てめえー!」文太郎は拳で真太郎に殴りかかる。
「あいかわらず直情バカだねえ。」真太郎も拳を握って文太郎に殴りかかる。
「待て」
2人の拳はお互いに届くことは無かった。なぜなら1人の人物が2人の間に入り、
2人の拳を両手でそれぞれ受け止めたからである。
「なにもんだ、お前!」「邪魔しないでくれるかな?」
2人は間に入った金髪で橙色の胴着を着た人物に文句を言う。
「俺の名前はリョウ・サカザキ。極限流の師範をしている。お前ら、こんなところで喧嘩して、
怪我でもして、2回戦に影響をうけたらどうする。とりあえずお前らは勘違いをしているようだが…。
アキラ、ヘルメットを取ってみてくれ。」
と促され、アキラはヘルメットを取る。
ヘルメットの下から出てきた顔は、彼らと同年代の可愛い女の子だった。
アキラはバツが悪いのか頭を掻いている。「だから待ってっていったのに…。」
「んがっ」「嘘ッ…」2人は意外な展開に驚いている。
「そう、彼女は女の子だ。だからそっちのリーゼントの君。
君の組もうとしている人物像とはちょっと違うんじゃないのかな?」
果たしてなぜ、リョウはアキラの正体に気がついていたのか?
それは、2回戦の組み合わせの前に、
ライダーであるリョウは、ライダースーツを着込んだアキラに話しかけたのがきっかけで、
ライダー同士で気が合い、いろいろ話し合っていたからである。
「そうか、女か。なら仕方ねえ。俺は諦めるわ。」
リョウの言うとおり、硬派である文太郎が女子と組むのは本意ではない。
だが、彼は自分と弟の喧嘩を止めた目の前のリョウに礼児と同じ匂いを感じていた。
「でも、リョウさん!」「ん、なんだ?」「よければ俺と組んでもらえませんか?」「ふむ、いいだろう。」
「よろしくッス! ……それから兄貴って呼んでもいいッスか?」「へ?」
「ま、あっちはあっちでメデタシメデタシってことで、こっちもよろしくな。クールガール。」
「よろしくお願いします。」
こうしてまた新たに2組のコンビが誕生したのだった。
【九戸文太郎 リョウサカザキ チーム結成 チーム名:弟・妹に困ってます】
【九戸真太郎 風間あきら チーム結成 チーム名:クールボーイ&ガール】
「紹介しますわお父さま、こちらがわたくしのパートナーになってくださった風間葉月さん」
「うむ、はじめましてミス葉月。一回戦はローズと一緒に突破されたそうだが、
私の不肖の娘がなにかご迷惑などおかけしませんでしたかな?」
「いえ、迷惑なんてとんでもないです。右も左も解らなくて途方にくれてた私に、ローズさんが
『一緒に行こう』って声をかけてくれて…一回戦を突破できたのも、ローズさんのおかげです」
そろそろ結成済みタッグも増えてきてパートナーの競争率も高くなってきたころ、
ルガール・ローズ父娘と風間葉月はそんな大勢とは関係のない自己紹介を交わしていた。
「もう、お父さま!ローズは迷惑なんかかけませんわ。まるでお兄さまみたいな言い方をなさって…」
その言葉を聞くと、ルガールは不敵な笑みを浮かべ、赤い右義眼を煌々と輝かせた。
「そういえばユリアンはアーデルハイドと組んだそうだな。…ふん、小物の考えそうなことだ。
大方私への意趣返しのつもりだろうが、果たして小物にヤツが御せるかな?」
ローズもまた、赤く染まった両の眼を細めて邪悪に微笑む。
「まったくですわね。ふふ、でもあんな小物でも実力だけはそれなりですから、
きっと自分のためと勘違いしたまま兄のために働いてくれることでしょう」
「イグニスは三島平八の養子と組んだようだ。いやいや全く、類は共を呼ぶということかな。
ローズもあの二人から美容と若さの秘訣でも聞いてきたらどうだ?」
「いやですわお父さまったら!あんな金にモノを言わせた不自然な若作りなんて頼まれたって御免です。
あら、そういえば、えーとバイソン将軍、でしたかしら。あの方は矢吹真吾と組んだそうですけど、
どうしてあんなただの学生なんかと組んだのでしょう?」
「バイソン?ああ、ベガの事か。…くくく、あの男はな、本来なら組織の長などという器ではないのだよ。
サイコパワーで洗脳したか、自分の遺伝子を用いた改造兵士か、でなければ馬鹿者しか扱えん低脳だ。
だというのに組織を作り部下に頼りその頂点に自分を置きたがる、なんとも救いようのない男だな!」
「まあ、そうでしたの。そんな下らない男と組まされたなんて矢吹真吾もお気の毒だわ。
とは言っても下らないのは矢吹真吾も同じですから、お似合いかも知れませんわね?アハハッ!」
「それは違いない話だ!ハァッハッハッハ!」
他の参加者をこきおろして怪しく笑う礼装の紳士と、それを受けて妖しく笑うドレスの少女。
(ローズさんって、お父さんとも仲がいいんだなあ…)
そしてその怪奇で奇妙な気配に満ちた父娘の会話を、親子の団欒と認識して微笑む和装の少女であった。
少年のような短髪をオレンジに染めた袴の少女、睦月ヒカリは会場をさまよっていた。
情緒不安定の電波娘を演じる?ことで一回戦を破竹の勢いで突破した彼女だったが、
情緒不安定の電波娘と周囲が本気で信じ込んでしまい、誘っても誘ってもパートナーが出来ないのだ。
「おまえはオ〜レを信じなさい、それ信じなさい♪」
それでも彼女は対象年齢不明の歌を歌い、情緒不安定の電波娘のフリ?をまだしている。
なんというか、この大会中はこのキャラで通さざるを得ないような気がしてならないからだった。
「まさか二回戦がタッグ戦とは…これは何かの陰謀か!」
あと、自分でも少し楽しくなってきたらしかった。
ヒカリは考える。一体誰をパートナーにするべきか。
主催者のサタンだか佐藤だかから提示されたルールは、
「昔からの知り合い同士はダメ」「ボスキャラ同士はダメ」
の二点である。
昔からの知り合い…彼女の豹変振りからして、むしろ昔の知り合いほどドン引きしている可能性が高い。
なので禁止されるまでもなく、昔の知り合いと組むことは出来ないだろう。
ボスキャラ同士…ヒカリはボスキャラではない。つまりどのボスキャラとでも組めるということになる。
ならばここは是が非でも、心技体に優れ文武両道なボスキャラを味方につけるべきだろう。
「クッククク、ルールはこの私に味方しているようね」
どの点を拾ってそう結論したのかは解らないが、ヒカリは己の勝利を確信した。
「ってまずはボスキャラと組んでから確信しろっつーの!このオチャメさん!」
とっくにどこかに消えたアランの代わりに自分で自分に突っ込みを入れる。ドン引きの周囲の参加者。
「アラン…惜しい男を亡くしたわ」
もちろん死んでないし、アランがいても結局ドン引きされていただろうが。
父と娘とその友人の団欒の時間を終えたルガールは、ようやくパートナーを探すため歩き出した。
彼の求めるパートナーは、有能な秘書である。
彼はかつて、自分と敵対するオロチ一族の女をそれと知っていながら秘書として重用したり、
新しく雇った秘書を勝利ポーズ時に自慢げに見せびらかしたり、秘書に対して並々ならぬ情熱を捧げている。
何か秘書にコンプレックスでもあるのかも知れない。秘書が欲しくて今の地位を築いたのかも知れない。
なんにせよ彼は秘書を欲しがっていた。秘書でなければ自分のパートナーである資格はないと考えていた。
ユリアンが自分の息子と組もうが、ベガとイグニスが揃って若本則夫声でパートナーを自慢してこようが、
彼にとってはどうでもいいことだったので、ルガールは余裕の態度を崩さずにいられた。
彼の余裕にはもう一つ理由がある。実は彼はすでにパートナーの目星を付けていたのだ。
ルガールが狙っている秘書候補は二人。
一人は運動服姿の学生「委員長」、もう一人は袴を履いた少女「睦月カヤ」だ。
委員長は名前?の通りに気の回るタイプであり、カヤは仕事をそつなくこなせ志も高い。
できれば二人とも雇いたいくらいだが、委員長はすでに新撰組の格好をした参加者と組んでいるという。
だがルガールは焦らない。睦月カヤが現在フリーだということは確認済みである。
どうやら一回戦で行った金的攻撃のためになかなかパートナーが決まらないでいるらしい。
そこに自分が声をかければ、カヤも断ることはないだろう。
脳裏にベガ、イグニス、ユリアンの顔を思い浮かべ、そしてそれらをボロボロに引き裂く。
彼らと比べて目立っていないが、ルガールも彼ら同様に世界制覇を狙う野心家である。
「長く足踏みをしてきたが…今大会の優勝を持って世界制覇の足がかりとしよう!
ハァッハッハッハ!待っておれ、睦月カヤよ!」
内容も声量も壮大な独り言を言いながら、眠れる獅子は睦月カヤの名を呼んだ。
「…クスクスクス、聞いーちゃった聞いちゃった…くすくす笑うのって難しいな」
爪を隠す能ある鷹に、それを聞かれているとも知らずに。
タッグ登録の受付前にて、ついにルガールは探していた少女を発見した。
綺麗に切り揃えられた黒髪に袴姿。間違いない、この少女が睦月カヤだ。
ルガールは丁寧に、しかし威圧感も残したままに勧誘を開始した。
「やあお嬢さん、はじめまして。私はルガール・バーンシュタインというものだ。
二回戦のパートナーを探しているのだが、これがなかなか見つからなくてね。
見たところお嬢さんも似たような状況のようだが、よければ私と組んでいただけないかな?」
左目で笑みを作りながらも、空洞の右目で少女を睨みつけるルガール。
「ええ、実は私も困っていたところで…それでは、私からも是非お願いします」
少女は簡単に了解した。
どうだ見ろ、私の読みに間違いはないのだ。ルガールは心の中でライバルたちに勝利宣言を発した。
「おお!これは光栄です。では早速登録のほうを…」
そうして受付にて登録を済ませた二人。チーム名は「希望のヒカリ」。少女の強い要望によるものだ。
両眼を伏せて、こみ上げてくる笑いをかみ殺すルガール。求めていた最善の結果を得てまずは満足なようだ。
「希望」などという偽善的なチーム名は気に入らないが、それくらいの我侭は聞いてやってもいいだろう。
「これで晴れて私たちはパートナーになったということか。では改めて宜しく頼む、睦月…」
そして野心を隠したルガールが向けた視線の先には、
「へいガッテン!」
短髪をオレンジ色に染めた少女が、傲岸不遜な面構えで立っていた。
「……って誰だ貴様ァ――――――――――――――ッ!!!?」
今まで出したこともないような大声を出して、ルガールは驚愕した。
「天知る地知る人が知る…」
驚愕の声に応え、少女は粛々と語りだす。その右手には黒髪のカツラが握られている。
「私の名は睦月ヒカリ!間違いなく睦月だから安心おし、オメガさん」
「オメガ言うな!」
先ほどのルガールの壮大な独り言を立ち聞きしたヒカリは、どこからか調達したカツラでカヤに変装し、
見事ルガールを騙してタッグを組ませたのだった。
「貴様、確か睦月カヤの妹だったな。何のマネか知らんが私は貴様なんぞ…」
「シャラップ!ビィー・クワイェット!!」
強烈な殺気を伴ったルガールの抗議を、一喝のもとに静めるヒカリ。
「外国の方のために英語で言ってみました」
「いらん気遣いをするな!」
「あんさんがどういうツモリかは知りまへんが、わてかて本気どすえ」
「どこの方言だそれは!」
「細けえこと気にしてんじゃねえよこの大金持ち!!」
「金持ちは関係ないだろう!?」
「どこの方言かだの、姉だの妹だの、全く細かいことだとは思わないかねブラックジャック君?」
「本間先生気取りか!?」
「だいたい天真爛漫元気一杯の私でなく、どこか陰のある芸風の姉のほうになびくだなんて!
世の殿方の女性に求める価値とは神秘性ということなのかしら?
つまりアナタは世の男性の見本のような人ってワケね!この男の見本!男の代表!男の中の男!!
そういうわけで、アナタを男の中の男と見込んで私のパートナーと決めさせていただきました」
「おいおいなんか理論展開おかしいぞ貴様!!」
「それにもうとっくに登録は済んでるんでゲス。破棄は基本的に認められないでありんす」
「語尾くらい統一しろ…ってどうでもいいわそんなこと!」
こうして、ルガールは不本意な相手をパートナーにすることになり、
ヒカリは望みどおりにボスキャラをパートナーに射止めたのだった。
「くっくっく、この私とアナタが組んだからには大船に乗ったつもりであなたに頼ります」
「貴様も働けよ!」
怒涛のボケに翻弄されるルガールだったが、ふと冷静になって考えてると、あることに思い至った。、
――もしかしてこの女、かなり有能なのではないか?
相手を自分のペースに巻き込むこの手腕、このルガールさえ騙し通す手練手管と度胸。
どちらも自分に対して発揮されったのが腹立だしくはあるが、逆にそれだけ信用できる技量とも言える。
ひょっとすると、これはものすごい拾い物かもしれない。間違っても秘書として側に置きたくはないが。
「ふん、まあ決まってしまったものはしょうがない…ヒカリとやら、
せいぜい私の足を引っ張らないように気をつけるのだな!」
憎まれ口を叩きながらも、ルガールはすでにヒカリの利用価値を認めていた。
「ふふん、あなたこそ私の手を引っ張って優勝まで連れて行ってください」
「だから!貴様も働けって!!」
相変わらずボケながらも、ヒカリもまたルガールのツッコミの切れ味を認めていた。
ある意味で阿吽の呼吸のタッグと言える。果たして彼らは、二回戦を突破することが出来るのか?
(アラン、あんたの犠牲はムダにはしませんことよ…)
だから死んでないって。
【睦月ヒカリ 願い:姉に下克上を食らわせ帝王となる】
【ルガール・バーンシュタイン 願い:世界制覇】
【睦月ヒカリ ルガール・バーンシュタイン チーム結成 チーム名:希望のヒカリ】
「タァッグ戦だぁってぇ!?なんてこったぁ!!」
左右のバランスが不自然な男、コンバット越前が誰に言うわけでも無く叫んだ。
「折角だからさっき助けたあの女の子と組もうぜぇ!」
彼は先ほど知り合った緑髪の女の子を捜すべく、人ごみの中へと消えていった。
しかし 今
いろんな世界から集まった
モンスターが
越前に襲いかかる
「イグニスさんが駄目になっちゃったし、どうしようかな・・・・」
暗い顔をしながら人ごみを避けるように端による少年が居た。
彼の名はロック・ハワード、女の子がちょっと苦手なエレガントシャイボーイ。
「あー・・・もうランダムで決めるって奴でいいかな・・・」
イグニス達との一騒動後、ふと見ると殆どの人間がタッグを組んでいた、残っているのは自分と同じ消極的な人間とかばかりだと予想する。
「ハァ・・・どうしようかなあ・・・」
「そこの君?」
「テリーとかはきっともう組んでいるんだろうなあ・・・・」
「おーい、そこの君〜?」
「何で知り合いと組んじゃ駄目なんだろうなあ・・・」
「君ーーーーー!!!」
「う、うわぁ!!」
後ろからの大きな声で飛び上がる、振り向くと緑髪の、自分と同い年か少し下か、それ位のチャイナ服の女の子が立っていた。
ただ少し変わったところとして、背中には小さな羽が、頭にはちっさな角がはえていた。
「やっと振り向いてくれたね!君!!」
「び、びっくりしたぁ・・・・お、俺に用事ですか?」
「いやぁ、用事って程じゃないんだけど・・・・すっごく暗そうだったからね!アタシで良かったら相談に乗るよ?」
「は、はぁ・・・」
「もっと元気に!!ほら!そんな態度だから悩みなんて抱えちゃうんだよ!!」
「は、はい!!」
突然現れた羽の生えた少女に、何故か悩み相談をする羽目になるロックであった。
──
「何だこの人ゴミわぁ!?」
人ごみの中を掻き分けながらコンバット越前はドラコを探す。
「現在は医者だが元傭兵としての誇りにかけて、俺はあきらめないぜぇ!!」
誰に言うわけでもなく、少し独特の日本語で大声で自分の決意を表明する。
それが彼の運命を分けることになろうとは・・・誰が想像できたであろうか・・・・
「ん・・・?お医者先生・・・?」
現在は医者というフレーズに気づいた一人の男が越前に近づく。
「す、すみませ〜〜〜ん・・・・あの・・・貴方お医者さんなんですかぁ〜?」
「ん?ああそうだぁ!俺は元傭兵だが現在医者だぁ!!!」
「こんな大会にでて居るお医者先生なんて・・・・凄い名医だったりしません?」
「ん?いやぁ!普通の医者だぁ!!!どうしたぁ!どっか怪我でもしたのかぁ!?」
「いや・・・怪我じゃなくて・・・・原因不明のケ・・・ケ・・」
突然男の様子がおかしくなる。
「どうしたぁ!?折角だから見てやるぞぉ!?しっかりしろぉ!生きてるかぁ!?」
「消シテヤルウウウウウーーーーーーー!!!」
腰を大きく後方へ反り、後ろ向きになって越前に襲い掛かってくる
「な、なんだこの若者わぁ!?」
彼の名はザッパ、原因不明の病魔(と思っている)に犯されている不幸な男・・・・
──
「──なるほど・・・つまり君は中々チームが組めなくて悩んでいたんだね!?」
「え!?ま、まあ、極々簡単にまとめるとそうなります・・・」
かなり真剣に相談された割には物凄く完結に纏める緑髪の少女。
「よし!この私が君と組んであげるよ!!」
「え、ええ!?あ、貴方が!?」
「そそ、本当はコンバット越前さんって人と組もうと思ったんだけどね、見つからないし!これも何かの縁だ!」
と、言って緑髪の少女は強引にロック・ハワードの腕を掴む。
「ち、ちょっと待って!!お、俺にも心の準備ってのが!」
「そんな事言ってちゃ何時までたってもその人見知りする性格!直らないぞ!!そういやまだ名前言ってなかったね!私の名前はドラコケンタウルス!!ドラコって呼んで?」
「え?あ、俺はロック・・・ロック・ハワード」
物凄く元気印な彼女に釣られ自己紹介をしてしまうロック。
「ロック君ね!改めて宜しく!!」
それがOKのサインだと言わんばかりにロックを受け付けまで引っ張るドラコ。
ロックは思った。この流されやすい性格も直さないとな・・・と。
──
────
「チーム名は・・・ドラゴン・ドライブ・・・っと!!よし!君!!2回戦頑張ろうね!!」
「は、はぁ・・・」
「元気が足りないぞーー!?っと、あれ?あ!越前さーん!!!」
受け付けを済ませたドラコ、越前の特徴的な後ろ姿を見つけ声をかける。
「ん!ドラコじゃねえか!生きてるかぁ!?そこに居るってこたぁ誰かとチームを組んだ後かぁ!」
「うん!そうだよ!!越前さんも?」
何で生きてるかぁなんだよ・・・と、心の中でツッコむロックの心境なんてしらないかのように会話を進める。。
「それはぁ、よかったぁ!お前と組もうと思ってたんだがぁ、非常に突き動かされる物を感じる奴を見つけてなぁ!!そいつとぉ!組むつもりなんだぁ!!」
「へぇ〜?誰?何処!?」
きょろきょろと辺りを見渡すがそれらしい人間は居ない。
「今わぁ!気を失っているんだぁ!きっとアイツわぁ!KOT症候群の亜種にかかっているんだぁ!!俺が直してやるつもりなんだぁ!!」
「良く分からないけど・・・アタシの相棒は彼!君、彼は越前さん、一回戦でお世話になった人なの!!」
「あ、ロック・ハワードです、宜しく。」
「越前康介だぁ!人はコンバット越前って呼んでいるぅ!元傭兵で現在医者だぁ!怪我をしたら直してやるぅ!!よろしくなぁ!?」
と、そこへ突然禍禍しい唸り声が耳に入る。
「おおっと!相棒が発作みたいだ!じゃあまたな!折角だから3回戦でもまた会おうぜ!!」
そう言って彼は唸り声の元へ走っていった。
「行っちゃった・・・!まあいいや!改めて頑張ろうね、君!!」
笑顔で握手をしてくるドラコ。
「あ、ハイ!!」
その手を握り返すロック・ハワード。
心なしか女性が苦手じゃなくなった気がした。
【ドラコケンタウルス ロック・ハワード チーム結成 チーム名:ドラゴン・ドライブ】
【コンバット越前 ザッパ チーム結成 チーム名:KOT症候群〜赤い扉〜】
小夜はある二人組を見ていた。
「そういえば先生はどんな願い事をするんですか」
「いやねえ、リオン君。先生だなんて、響子って呼んでもいいのよ?」
「あ、いえ、そう言われても・・・」
白衣を着た大人の女性とそれに付き従う若い男性。リオンと響子という名前らしい。
魔道兵器としては完璧な少女も、恋愛という事柄に関しては全くの素人である。
だから響子がリオンに顔を近づけ面妖に笑った時も、反応は鈍かった。
「ひびきさんには生徒全員が無事に卒業するって言ったけど・・・本当の願いごとはまだ秘密なの」
「は、はい・・・」
正確には凄いと思う感情と、ふみこさんみたいで不潔ですと思う感情がほぼ同時に湧き上がり、その処理に5秒かかったのである。
「でも特別にリオン君に教えてあげようかしら、機会があれば・・・ね」
結果、小夜は赤面のまま見ないフリをした。
自分も大人になったら、あんな風に男の人の心を掴むことが出来るのだろうか。小夜はそんな疑問を頭に浮かべた。
歩きながら小夜は別の方向に目を向ける。
そこには道着を着た青年と学ラン服を着た少女が居た。何やら話をしながら饅頭と烏龍茶セットを食している。
「おい、ついてるぞ」
青年はそう言って、少女の口についた食べかすを拭い取った。
「はわわっ、すすすすいませ・・・」
そしてそのまま食べた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
少女が顔をゆでたこのように真っ赤にして、あたふたとしながら青年を見遣る。
「あん?」
当の本人は全く気にも止めていなかったが、小夜にも意味がよくわからず彼が意地汚いとしか思わなかった。
ただ何となく、彼らに自分と光太郎が少し重なった気がした。ちょっとだけ胸がちくちくしていた。
そして小夜が最後に見たのは何とも不思議な二人組だった。
白い道着の男、鳥かごを持った少女。
この二人は先程の人達とは違った雰囲気を醸し出している。
どことなく相反している様で、どこか相容れている。そんな空気。
彼らは何も喋らなかったが、小夜には直感的に理解する。
この二人に言葉というものが無くても理解できる関係なのだと。
小夜は二人を見ていてとても心が温かくなった。不思議な気持ちになっていた。
「いいなあ・・・」
今までの光景を思い浮かべながら小夜は一人、呟いた。
(私も光太郎さんとあんな風になれたらいいのに・・・)
以前の小夜は、機械のようにただ使命を全うさせるだけだった。
そのためには命を投げ出すことも、自害さえも躊躇わなかっただろう。
だが今の小夜は違う。
玖珂光太郎という存在が、小夜の世界に光を与えてくれた。だがそれは兵器として生きた彼女に苦しみを与え始めたのだ。
(私なんかが・・・兵器なんかが、愛されるわけないのに)
小夜は自分の身体を抱きしめた。
先ほどの変わった人の言葉が蘇る。
「案ズルヨリ産ムガ易シ!迷イナド捨テテコノ堅ク薄メナ我ガ胸二…」
後半の方はよく覚えていなかったが小夜には勇気付けられる言葉だった。
完全に響子の魅力にメロメロパンチになっていたリオン。
浮かれきっているその姿は異様としか言いようがない。
「うおおおーいどうするよー! 流し目送らされちゃってるよー!」
ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュ!
興奮が冷め遣らないのか、カマキリ手刀な動きで喜びを表している。
ドスドスドス!
「ぐはぁ!」
そしてその犠牲になったのは溝口誠を踏みつけぶん殴り二回戦進出した男、シェン・ウーであった。
「お、おまえ何しやが・・・」
ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドス!
「ぎゃああああああああああああああああ!」
留年猛者溝口の呪い、ここに成就。
「いいぜ、組んでやっても。他に当てがねえんだしこれも何かの縁だ」
「え・・・あ・・・」
「もっともいざとなったら、手数料はしっかり身体で払ってもらうからな・・・変な意味じゃねえぞ」
「どうも有難うございます! 霧島(仮)さん!」
ドンガラガッシャーーーーーーーーーーーン!!!
「ああっ、どうしたんですか霧島(仮)さん! しっかりして下さい霧島(仮)さん!」
「んだあ、その(仮)ってのは!? つうか霧島って誰だよ!」
「に、にはは・・・」
「迷っていても仕方がない。さっきの人はそう教えてくれたんです」
「いい話ね・・・姉さん」
「そうね・・・ちづる」
二人揃って小夜の身の上話に感動している神楽姉妹。
小夜と神楽姉妹が同じ巫女で不幸体質なせいか、とても気の合う感じで話をしていた。
「姉さん、私この子と一緒に二回戦を乗り切るわ!」
「頑張ってね、ちづる! 貴女ならきっとやれる!」
小夜はそれを見て微笑む。
(うじうじ悩んでいても仕方がない、そうですよね光太郎さん)
同じように使命に翻弄されていた神楽姉妹の生い立ちを聞いた彼女はそう思った。
世の中で苦しんでいるのは自分だけじゃないんだ、と。
こんなにも前向きな方々が居るんだ、うじうじと悩んでいた私は何て愚かだったんだろう、と。
(そしてさっきの人達のような幸せを、私が光太郎さんに与えられたら・・・)
小夜は心の底からそう願っていた。
だが小夜は知らない。
先程見た六人は恋人同士でないことを。
フイ━━━━━━━━━━━(*´ Д `*)━━━━━━(ry
ドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスドスド(ry
「ぎゃあああああああああああ(ry
「よーしこの服装でどうだ!!」
「・・・・・・アナザーK´(仮)さんかな? かな?」
「○△×d◆◎×j☆▼□ラg$Φ!!!!」
「・・・この世界は平和だな」
「・・・そうですね」
【結城小夜 神楽ちづる チーム結成 チーム名:みこみこガールズ】
参加者が次々とタッグを組んでいく最中、一人の男が隅の方で悩んでいた
(見ず知らずの人間とタッグを組むだと?そんな都合のいいことができるか・・・)
彼の名はシモン・ベルモンド、ドラキュラを倒すという偉業をなしとげた凄い男だ
また、家庭用ゲーム「悪魔城ドラキュラ年代記」でやたら美形に書かれていたせいで
ファンから屈辱的な愛称で呼ばれるようになった不幸な人でもある
(だがこのままでは足手まといとタッグを組むはめになる
それでは私の願いが叶えられなくなるかもしれない!!)
彼は焦っていた
「そこのあなた、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ?」
不意に声をかけられた
シモンに声をかけた男、名をジョン・フーンという
KOFでキム・カッファンのライバルという設定でデビューした黙ってれば美形な男だ
また、KOF2001では大会数日前に幻覚を見て車に跳ねられ(実際はジョンのほうからぶつかり)負傷し
大会に出られなくなるなど何かと不幸な男である
「いや、大丈夫だ、ちょっと考え事をな」
「考え事というのはタッグの件についてですか?」
「・・・まあそんなところだ」
「もしよろしければ私と組みませんか?
見たところあなたはなかなか屈強そうですし組んでくださるとありがたいのですが」
悩んでいたところに願ってもない誘いが来た
「ああ、私は別に構わない、私はシモン・ベルモンドだ」
「私はジョン・フーンといいます、よろしくお願いします」
鞭使いにテコンドー使い、やたら不幸な二人が手を組んだ
ちなみにこの後ジョンは、キムに自慢しに行こうとして落ちていたバナナを踏んでこけていた
【シモン・ベルモンド ジョン・フーン チーム結成 チーム名:野望に果てなどない!】
訂正
細かいことですが
>>767の題名はとある2人の不幸な男2/2です・・・
「勝ち残ったのはいいッスけど、これからどうしたもんッスかねえ…」
まだ赤い血がにじむバンテージを両手に巻いた親父顔の犬、雀犬はぼやいた。
一回戦、彼は壁を壊して迷路を突破した参加者を見かけ、その真似をして自分も壁を殴り壊そうとした。
しかし雀犬のパンチでは何発打っても壁は壊れない。全体重を拳に乗せる秘法「剛体術」でも結果は同じだ。
そして最終的に彼は、地面を掘り進み壁を越えるという「イカサマ」を駆使してゴールしたのだった。
だが、鍛えていない拳は当てどころが悪ければ拳そのものが壊れてしまう。
そんな素人の拳で壁を殴り続け、剛体術まで使用してしまい、しかも両手で長い穴を掘ったのだ。
拳だけではない。パンチという動作は腕だけでなく全身で打つものであり、
したがって雀犬は気付かぬ内に凄まじい全身運動を行っていた。
麻雀を打つことが仕事であり、格闘技どころか肉体労働すら専門外の彼に、それはどれだけの重労働だろう。
いまの彼は、一回戦突破者中で最大の負傷者なのだ(スペランカーと右京を除いて)。
「しかしタダで負けるわけにはいかないッス、あの小娘にお仕置きして必ずオヤビンの仇を…!」
ボロボロの肉体に、決意という名の鞭をいれる。
雀犬の大会参加目的は、自分の師匠「オヤビン」を葬った(注・語弊アリ)少女・マリオン(注・人違い)に、
一世一代の「お仕置き」をかますことで復讐することである。
一介の雀士にあるまじき彼のファイティングスピリッツは、この復讐という決意によって支えられているのだ。
「マリオンさんでしたら、一回戦で失格になりました」
だが非情極まる現実に、彼のファイティングスピリッツはへなへなと膝をついた。
雀犬はマリオンの現状につてい知るため受付に問い合わせに来てみたのだが、開口一番にこう言われた。
「そ、そんな…そんなのってアリッスかァ――――!?」
悲痛な叫び声を会場全体にこだまさせ、雀犬は拳を大地に打ち付けた。
乾いたバンテージが、また赤く染まる。
「うぉぉおおお!!自分は…自分はぁぁ……っ!」
大の男が人前で涙を流し、大声で泣き声をあげている。
その姿は雀士という勝負の世界に生きるものには、あってはならない醜態だ。
だがたとえ百戦錬磨の勝負師であろうと、戦う相手がいなくては勝つことはおろか負けることすら出来ない。
すなわち、勝負にならないのだ。こればかりはどんなイカサマを使っても覆すことが出来ない。
雀犬はいま、復讐という杖を失った。もはや彼の両足を支えられるものは何もないのだ。
いや、そうではない。
勝負と言うものは、絶体絶命のその瞬間にこそ、勝利のチャンスが訪れるものなのだ。
「よう、そこのオヤジ!そんなんじゃあせっかくの拳が台無しになっちまうぜ?」
絶望に押しつぶされた雀犬に、一人の男が声をかけてきた。
雀犬は涙に濡れている顔をあげ、声の主の姿を見た。
(この男は、あの時の…)
そこに立っていたのは、両腕にボクシンググローブを嵌めたパンチパーマの男…
そう、雀犬の目の前で壁を破壊したあのボクサーであった。
「どうやらオヤジ、でっけえ壁にぶち当たったって感じだが…そんな時はどうすりゃいいか知ってるか?」
「…わかるわけないっすよ、そんなこと。教えてほしいくらいッス」
鼻声の雀犬の質問に、ボクサーは闘争心に満ちた顔で答えた。
「ヘッ、簡単よ。ぶち壊しちまえばいいんだよ!」
ボクサーは自信満々で言い放ったが、その答えは雀犬の心には響かなかった。
なんだ、そんなことか。
それが自分には無理だということは、迷路ですでに思い知ったのだ。
「残念だけど、自分の拳はそんなに上等なモンじゃないんスよ…
この両手は、そんな成功法をあきらめたイカサマのための手なんス」
イカサマのための手、だがその卑怯な手を、雀犬は誇りにしている。
オヤビンが自分に与えてくれた、自分の唯一の武器なのだから。
ちなみに壁を破る時点で正攻法ではないのだが、そのことには二人とも気付いていなかった。
「なぁに言ってやがる、そんな立派な拳してるクセによ!」
言いながら、ボクサーは雀犬の拳を拾い上げた。
いつの間にかグローブを外してた手で、雀犬の鮮血に染まったバンテ―ジを外していく。
現れる、雀犬のボロボロの拳。
「よく見ろよ、こいつのどこがイカサマだってんだ?
正々堂々、勝つために全力出した男の拳だぜ、こいつはよ」
いまだ出血している雀犬の拳を乱暴に持ち上げ、ボクサーはその拳を褒め称えた。
「オメエがどういう理由でここまで来て、どんな理由でいまぶっ倒れてたのかは知らねえがな、
おめえの両手は誰に対しても誇れるもんだ。世界チャンプだったオレが保証してやる!」
ボクサーはさらに雀犬のことを褒め上げる。
だが励まされれば励まされるほど、雀犬の心は沈んでいき、彼の頭は垂れていく。
「…なに言ってるんスか、あんた。初対面の自分のことをなんでそんなに評価できるんスか?
自分が犬だからって口からでまかせで適当なこと言ってるんスか?」
恐らくだれも雀犬のことを犬とは思っていないだろうが、そのことには二人とも触れなかった。
「簡単よ。オレも、いまのオメエみたいなイカサマ野郎だったからさ」
その言葉に反応し、雀犬は再び顔をあげた。
「さっき言ったろ?オレは世界チャンプだったってな。だがケチなイカサマしちまってよ、
今じゃしょぼいカジノのバウンサーさ…」
「……」
「チンピラどもを殴り倒しながら思ったぜ、拳一つで栄光を掴んだオレはどこにいっちまったんだ?
チャンプどもを殴り倒すために血反吐を吐いてトレーニングしたあの時のオレは死んじまったのか?
だがそいつは死んじゃいなかった、オレが重ねてきたケチなイカサマの下に埋もれてたのよ。
オレをここから出せ、もう一度オレを戦わせろ、そう叫びながらな」
雀犬の拳に新しいバンテージを巻きながら、ボクサーは語り続けた。
その言葉を、雀犬はただ黙って聞いている。
「…アンタと自分は違うッスよ。自分はアンタみたいに、そんな一生懸命になったことなんて…」
世界を制覇したボクサーと、一介のちっぽけな雀士。
己と彼との間には、共通点などなにもないと、雀犬は強烈に感じていた。
そんな雀犬の頭を、ボクサーが軽く小突く。
「馬鹿ヤロウ、オレとオメエにゃ違いなんてねえんだよ。
オレは拳で殴り倒して、オメエはその手でイカサマをする。それだけの違いさ」
「それに言ったろ、いまのオメエみたいなケチなイカサマってな。
オメエの本気のイカサマは見せてもらったよ、オメエが掘りぬいたあのでっけえ穴。
ありゃあイカサマはイカサマでもよ、ケチなんてとんでもねえ!世界最高のイカサマだぜ」
ボクサーは、雀犬の掘ったあの穴を見ていたのだった。
「ああやればいいんだよ、オッサン。壁を破る方法ってのは、殴り壊すだけじゃねえのさ」
――オイオイ、こんな所でリタイアかい?
――壁を破る必要は微塵もないじゃないか。塔に行きたいんだろ?
雀犬の脳裏に、あの時現れたオヤビンの言葉が蘇る。
(ああ、そういうことだったんッスね、オヤビン…)
目の前のチャンプの言葉は、すでにオヤビンが自分に伝えてくれていた言葉だったのだ。
その言葉を受けてなお立ち上がれなかった自分自身を、雀犬は恥ずかしく思った。
そして、雀犬は立ち上がった。
涙はすでに乾き、バンテージももはや血に汚れていない。
「ありがとうッス、チャンプ…アンタのお陰で自分、目が覚めたッス!
そうッスよ、優勝すれば同じことッス!優勝して一世一代のお仕置きッス!」
「へっ、ようやく立ち上がれたかい。そうだ、K.O.されるにゃまだ早えぜ!」
ボクサーは雀犬の肩を抱き、両足を支えて、受付に向けて歩き出した。
「でもオッサン、まだまだ危なっかしいからな。二回戦はオレがセコンドについてやるよ。
オレは簡単にゃタオルを投げねえぜ?覚悟しておけよ!」
「望むところッス!よろしくたのむッスよ、チャンプ!」
ボロボロの体をひきずり、よろよろと雀犬は歩き出す。
復讐という杖ではなく、まだ名も知らぬパートナーに支えられながら。
【雀犬 M・バイソン チーム結成 チーム名:チャンピオン・ロード】
「あーくそ、とんでもねぇ目に遭ったぜ!」
何の脈絡も無く、突如自分に蟷螂拳を叩き込みだしたリオンを、とりあえず半殺しにして彼のパートナーに返却しておいたシェン・ウー。
さておき、自分もパートナーを探さないといけない。
どうせ組むなら……
「強そうな奴、だな」
三度の飯より強い奴との勝負。シェンはそんな男だ。
見所のありそうな奴には、今のうちに目を付けておこう。
それで、二回戦の間に隣でじっくり実力を見極めさせてもらう。楽しめそうな奴ならこの大会中、もしくは終わった後にでも、ガチンコ勝負を挑ませてもらおう。
無論、実力の高い者と組めば、勝ち進める可能性が高くなるとの打算もある。
さてさて、こっちに強い奴がいそうな気がする。
格闘家の本能に任せて歩を進めるシェン。
数人、なかなかの手練と思われる人物とすれ違った。だが、それらよりもまだ強い奴がいそうな気がする。
そうして進むうち、女二人・男一人の三人組が何やら談話しているのが視界に入った。
「本当に一回戦のあれは災難だったぜ……犯人にはお仕置きしてやらないとなぁ?ん、何か顔が青くないかメイ?」
「え、えへへ、そ……そんな事ないよジョニー?犯人見つかるといいねー、ねーディズィー。あははは……」
「そ、そうだね!あはは……」
ほう、メイとか呼ばれた女の子は、小さいくせに馬鹿デカい錨を平気で担いでやがる。
ジョニーと言うらしい黒コートの男は、見るからに鍛え抜かれた身体だ。
わくわくしながら、シェンは内心で彼女たちを評する。
しかし、彼の闘争本能が最も強く惹かれたのは、ディズィーという少女だった。
何故か翼と尻尾があるが、それ以外は普通の華奢な少女にしか見えない。どう見ても弱そうなのだが……。
(ま、実際組んでみりゃあわかるだろ)
強い奴を見る目、というか嗅ぎ分ける嗅覚には自信がある。
シェンは彼女にタッグを持ちかける事にした。
「それよりもタッグだよ!何でジョニーと一緒に組んじゃいけないのよー!」
「私、ラスボスだった事があるから……組んではいけない人がいるのね」
「ディズィー、知らない人とでも一緒にやっていけるな?……っと、アンタ、俺たちに何か用かな?」
ジョニーが、軽く片手をあげながら近付いてきたシェンに問いかける。
「よう、アンタたちフリーかい?俺はシェン・ウーってモンだが、パートナーを探している」
どう見てもチンピラなシェンに、メイとディズィーは多少警戒気味だ。
ジョニーもこの手の暑苦しそうな人物は好まないのだが、だからと言って邪険に追い返したりはしない。
「ああ、三人ともまだ相手は決まってないが。アンタ、俺らの誰かと組もうって気か?」
「おう。……そっちの羽生えた嬢ちゃん。俺と組んでくれや」
まさか自分が指名されるとは思いもしなかったディズィーは、一瞬呆気に取られ、次いで慌てふためいた。
「え……ええ!?わ、私ですか!?」
慌てたのはメイも一緒だ。
「だ、駄目だよディズィー!こんな怖そうなおじさんと組んじゃ駄目!!きっとディズィーが可愛いからあんな事やこんな事やそんな事する気なんだぁー!」
「お、おい失礼なガキだな!俺はこんな純情そうな嬢ちゃん食っちまうほど飢えてねぇぞ!」
ディズィーを守るように彼女とシェンの間に割って入ってまくしたてるメイに、流石にシェンも反駁する。
こらこらいくらなんでも失礼だ、メイの頭を押さえるジョニー。
「特に下心が無いってんなら、何でこの子って決めてるんだい?」
三人の代表としてシェンに問う。
ニィッ、とシェンは楽しげに笑って答えた。
「こいつ、アンタたちの中で一番強いだろ」
彼のその言葉に、三人ともハッとしたような表情になる。
ディズィーの秘められた強さに気付くとは、ただのチンピラではない……ジョニーはシェンの評価を改めた。
「興味津々なのさ、こんな大人しそうな嬢ちゃんがどんな戦い方すんのか。俺は強い奴と戦うのが大好きでね、嬢ちゃんが楽しめそうな相手か、二回戦の間見極めてぇのよ」
シェンの台詞に、ディズィーの表情が曇った。彼女は、人を傷つけるのを大変に嫌うのだ。
「ごめんなさい……私、戦うのは嫌いなの……」
「あんだぁ?強いのに、戦うの嫌だってのか?」
悪気は無いのだがどうにもガラの悪いシェンの態度に、思わずディズィーは怯む。
が、それでも彼女は必死に言葉を返した。
「わ、私、望んで強くなったわけじゃない……誰かを傷つけるのは嫌なんです、私と戦えば、貴方もただでは済みませんよ」
俺をただでは済まないとこまで追い詰めるくらい強いってんなら、それこそ是非戦ってみたいんだが。
そう思ったが、シェンは無理強いする気は無かった。
何と言ってもわくわくゾクゾクする楽しい戦いがしたいのだ。嫌々戦われても、面白くない。
「そうかい。諦めるとするよ」
シェンが引き下がってくれた事に、ディズィーだけでなく、ジョニーとメイも安堵した。
「んじゃそっちの黒い兄さんよぉ、アンタが組んでくれ」
「……何だと!?」
いきなり矛先を変えられ、ジョニーは面食らった。
「アンタもかなり強そうだ、その刀で戦うのかい?拳だけでも結構いけそうだが――」
「待て待て待て!悪いが俺はアンタみたいなムサい男と組むのは御免だぜ?」
必死に断るジョニー。メイも、「そうよジョニーにはボクがいるもん!」などと反論し……知人同士は組んではいけない、というルールを思い出してへこんだ。
「贅沢ぬかしてんなよ。他の連中、どんどんタッグ組んでるんだぜ?早くしねぇと余るぞ」
「嫌だね。俺は、パートナーにするならビューティフルでグラマラスでクレバーなレィディ、と決めているんだ」
その少々豪華すぎる注文を聞いた瞬間、シェンではなくメイが、思いっきり反応した。
――他の女を、ジョニーと組ませてたまるかーーーっ!!!
「おじさん!ジョニーと組んで!」
突然詰め寄ってきたメイに、シェンは面食らう。
ジョニーも「何を言い出すんだ!?」と混乱気味だ。
「や、そりゃそうしたいけど、どうしたのよお前?」
「そ、そうだぞメイ、俺が何でこいつと組まなければならないんだ!」
「うるさいジョニーの馬鹿馬鹿馬鹿ぁ!浮気者ぉ!おじさんっ、ジョニーの足引っ張ったら許さないからねー!!!!」
大騒ぎしながらジョニーをシェンの方へと突き飛ばし、メイはやけっぱちのように錨を振り回しながら走り去ってしまった。
不幸なことに数人八つ当たりに巻き込まれた人物がいたらしく、彼女の去った方から悲鳴がいくつかこだましてきた。
ディズィーも慌ててメイを追って行ってしまい、その場にはジョニーとシェンだけが残された。
唐突な展開に、互いに顔を見合わせる。
はあ、と大げさな溜め息をついて、ジョニーは仕方ない、とシェンに手を差し出した。
「うちのお姫様には困ったもんだ……ここで言うとおりにしとかないと、ますます拗ねそうだな」
「何か知らねぇが大変そうだな。まあ、よろしく頼むぜ」
苦笑しつつ、シェンはその手を軽くはたいた。
とにもかくにも、タッグ完成。
さあ勝ち残ろう。この大会に長くいられれば、それだけ他の強い奴との遭遇の可能性も上がる。
「ゾクゾクするねぇ……」
不敵に笑い、シェンはジョニーと共に受付へと向かった。
【シェン・ウー ジョニー チーム結成 チーム名:S&J】
【メイ フリー チーム条件:ジョニーじゃないなら誰だって同じよぉぉぉっ!】
【ディズィー フリー チーム条件:優しい人がいいな……】
森の中でキムの教育が始まって数分後・・・
サタンからの2回戦のルールを告げる放送が聞こえてきた。
『ハローハロー・・・マイクテス・・・ママ・・・マママママイクテス!!ア・ア・アアイアム主催者サターーーン!!!
れでぃーすえーんどじぇんとるめーん!!たぁぁぁった今から2回戦のル〜〜〜〜ル説明を始めるぅ!!』
「もうそろそろ2回戦が始まるようだな、それじゃあ今回の修行はここまでにするか」
その言葉に安堵するシェゾ。しかしその安心も主催者の次の言葉によって打ち砕かることとなる。
『2回戦はぁぁぁぁぁっ!なぁぁぁんとぉ!!2vs2のタァァァァッグバトォォォォォォル!!』
(2vs2・・・?タッグバトル・・・!?)
いやな予感がする。
「タッグバトルか。ちょうどいい、キミ一緒に・・・」
(冗談じゃねェェェ!!!)
キムの言葉が終わる前にシェゾは駆け出していた。
(とにかくあいつ以外ならこの際誰でもいい!
あいつに追いつかれる前に誰かその辺にいるやつとタッグを組んでやる!)
そう思いながらシェゾが森を抜けると参加者らしい人物が目についた。
しかもちょうどいいことにまだ1人のようである。
「お、お前が欲しいぃぃぃ!!!!」
「いきなり何言うアルか!この変態!!」
バギィッ!
蹴りをくらい軽く吹っ飛ぶ。
まぁ、いきなり息を切らせながら「お前が欲しい」なんて言ったら変態扱いされるのは当然だ。
「ち・・・違う!!俺はお前の力を貸してほしいだけだ!」
言い間違いに気づきすぐに言葉を訂正するシェゾ。
その申し出を聞いて声をかけられた側 ――― 蔵土縁紗夢は改めてシェゾの顔を見た。
「ふむ・・・言動は変態っぽいけどよく見ると銀髪碧眼のなかなかの美形アルね。
その清潔感あふれる白い服もうちの従業員にするにはもってこい!
こりゃあ結構な拾い物かもしれないヨ・・・・・・・んフフフフフフフフ」
そう言って邪悪に笑う紗夢を見てシェゾは自分がまたやばいヤツに関わってしまったことを察した。
「す、すまん。やっぱりこの話はなかったことに・・・」
とにかくこの場を離れようと後ろを振り返るとそこにはやっと追いついてきたキムの姿が・・・・・・・・
「ハッハッハ、探したぞ!キミ」
「に・が・さ・な・い・ア・ル・よ?」
まさに四面楚歌、前門の虎後門の狼。どっちに転んでも確実に地獄。
「もうどうにでもしてくれ・・・」
シェゾは力なくつぶやいた。
「というわけで、あんたには悪いけどこいつはアタシと組むことになったアル」
「しかし、その変態はまだ教育の途中・・・」
「それなら安心するアル。うちの従業員にふさわしい真人間にアタシがしっかり調ky・・・
もとい、教育するアルよ!」
「それなら安心して任せられます。ではお互い健闘を!」
「あんたもいいパートナーが見つかるといいアルね」
自分を無視して進められる会話を聞きながらシェゾの頭の中ではドナドナが流れていた・・・
【蔵土縁紗夢 シェゾ・ウィグィィ チーム結成 チーム名 紗夢飯店】
【キム・カッファン フリー チーム条件 同じく正義を志す人、あるいは教育しがいのある人】
「へえー、メイさんはイルカさんの友達がいるんだ。背中に乗せてもらったりするの?」
「うん、他にもクジラさんやシャチさんもお友達なんだ。へへー、アルルさん、うらやましい?」
「クジラさん!?うわあ、すごいねそれって!ねえカーくん?」
「ぐー?」
やたらと賑やかな話し声のする一角があった。
魔導学校に通う途中でここに来てしまった少女アルル・ナジャ、
そのお供の黄色い生き物カーバンクル、
ジェリーフィッシュ快賊団メンバーである少女メイ、
(二人とも、とっても楽しそう…)
そして彼女と同じく快賊団メンバーである少女ディズィーの一団である。
お互いにパートナーを探していたアルルとメイは、出会うなりにどちらからともなく話し掛け、
あっという間に意気投合してしまった。
二人の性格が似ていることと、ついでに一人称が同じ「ボク」なことが功を奏したようだった。
この調子なら、二人はタッグ結成で間違いないだろう。
「よかったですね。お二人とも、素敵なパートナーが見つかって」
だが、ディズィーは少し寂しげだった。
そんなディズィーの変化をメイは敏感に察知し、明るい言葉をかける。
「ほらほら、ディズィーったらまたそんな顔して!
ディズィーだってすぐに素敵な相棒が見つかるってば」
親友からの励ましの言葉を受けとったディズィーは、それでもやはり寂しげだった。
ディズィーはかつて、人から追われ「悪魔の森」に隠れ住んでいた過去を持っている。
そうでなくても内気な性格の彼女だが、この過去によって受けた心の傷はいまだに完治しておらず、
自分から初対面の人間に向かって話し掛けることは難しいだろう。
メイはそんな彼女の数少ない友人であり、「悪魔の森」から自分を救い出してくれた一人である。
ルールだからしょうがないとはいえ、彼女が自分の側を離れてしまうのは、とても不安なことだった。
「やっぱり、一人って不安ですね…」
いまディズィーはメイとアルルから離れ、会場の隅に立っていた。
メイには「自分もパートナーを探しに行って来る」と言っておいたが、
本当は少し一人になってみたかったのだ。
自分は彼女らに救い出されて、どれだけ立ち直れたのだろうか。
それを自分で確かめてみたかったのだが、どうやらいまだ立ち直れてはいないように思えた。
自分に親切にしてくれた人々の顔を思い出す。
自分を育ててくれた二人の人間。自分を守ってくれた黒い長髪のギア。
自分を救ってくれたジェリーフィッシュ快賊団のみんな。
一人一人の顔を思い出すたび、ディズィーの表情は暗く沈んでいく。
幸運にも巡りあえた彼らに甘え、彼らに寄りかかり、彼らに頼って生きてきた。
そしてこの期に及んでまだ彼らに頼りたがっている自分が、たまらなく嫌だった。
「青い鳥を、見かけませんでしたか?」
自己嫌悪に陥りかけていたディズィーに、ゆっくりとした歌うような声で、誰かが話し掛けてきた。
「え?あ、はい!すみません」
何かしたわけでもないのに、思わず謝ってしまった。
ディズィーのそんな様子を見て、空の鳥かごを抱えた少女は少しだけ微笑んだ。
「おどろかせてごめんなさい。青い鳥を、どこかで見かけませんでしたか?」
少女は、どこか儚げな雰囲気だった。黒い髪と瞳に、深い青のワンピース。
胸に飾られた白い花と、大事そうに抱えている鳥かごの銀色だけが、光を反射している。
ディズィーは少しだけ、その少女が自分に似ている気がした。
「いえ、ここまでで見かけたことはありません。…あの、その青い鳥さんって…」
こんな大会の会場に来て探しものとは、どうも普通とは思えない。
ディズィーは彼女の探し物に少し興味を持ったのだが、最後まで声が出せなかった。
ひょっとして、聞いてはいけないことかもしれない。
ディズィー自身、自分の背中の翼や尾のことを人に問われたくないように。
「私の一番たいせつな、探し物です」
だが、鳥かごの少女は答えてくれた。
さっきと同じように、少しだけ微笑みながら。
「一番大切な、ですか…」
「はい。…それでは、ありがとうございました」
お辞儀をして、少女はディズィーに背中を向けて去ろうとした。
「あ、あの!」
その背中を、ディズィーは思わず呼び止めていた。すぐに立ち止まり、振り向いてくれた少女。
「…なんでしょう?」
「そ、その…その探し物って、大変なんですか?」
「はい。もうずっと、探してきました」
「ずっとお一人で、ご自分だけで探されてきたんですか?」
一人では立てないようにさえ見えるこの儚げな少女は、そんな探し物を一人でやってきたのだろうか。
――自分のように、誰かに頼りたいと思ったことはなかったのだろうか。
「いいえ。今は、ちがいます」
いまにも消えてしまいそうなその少女は、透明な笑顔でそう答えた。
「途中までは一人でした。けど、今はある人と一緒です」
詩のようにゆっくりと、鳥かごの少女は答を続ける。
「一人のときは私、本当はなにも探してなんかなかったのかもしれません。
なにか幸運な巡りあわせを待っていただけのような、そんな気がします」
幸運な巡りあわせ――ディズィーの心が、ちくりと痛んだ。
「でも、親切な方が教えてくれました。『待っているばかりではいけない』。
『自分の足で探しに行けば、きっとそれはみつかる』って。
今は、その人に一緒に探してもらっています。私も、その人の探し物のお手伝いをしながら」
儚げで壊れそうな自分に似ているように見えた少女は、自分よりもずっとしっかりと立っていた。
ディズィーは空の鳥かごを見つめた。自分の胸の中が、その鳥かごのように空っぽな気がした。
「自分の力で探し出すには、自分だけの力じゃ無理なこともあるんだと思います」
だが鳥かごの少女の話は、まだ終わっていなかった。
「だれかと一緒になにかをするのも、それも自分の力だと思います。
だれかの力を借りることは、人に頼ることじゃなくて、人と一緒に頑張ることだって、
…今は、そう思うんです」
人に頼ることではなく、人と一緒に頑張ること。
今まで出会った、親切な人々が言っていた言葉を、ディズィーは思い出した。
『一緒に頑張ろう』。
「…あなたも、がんばってくださいね」
もう一度お辞儀をして、鳥かごの少女は今度こそ去っていった。
リュウは、タッグ申し込みの受付前でかごめを待っていた。
「ごめんなさい、お待たせしましたリュウさん」
リュウのもとに走りってきたかごめは、ここに来るのが遅れたことを詫びて深くお辞儀をした。
「いや、そんなに待たされてはいないさ。気にしなくていいよ、かごめ君」
リュウはそう言いながらかごめのほうに向き直り、いつも通りの真剣な表情で問うた。
「それじゃあ、オレと一緒の組で本当にいいかい?会場を見て回って、他にも誰か…」
「はい、たくさん親切な人がいらっしゃいました。けど、私はやっぱりリュウさんと一緒に行きます」
空の鳥かごを抱きしめ、透明な笑顔でかごめは言った。かごめの笑顔につられ、思わずリュウも笑顔になる。
「一緒にがんばりましょう、リュウさん」
「ああ、よろしく頼む、かごめ君」
かたい握手を交わし、二人は並んで受付へと歩き出した。
会場の隅に、ディズィーはまだ一人で立っていた。
「…ありがとうございます。私も、きっと一緒に頑張ります」
そして、今まで出会った親切な人たちの顔を思い浮かべ、透明な笑顔でそう呟いた。
【リュウ かごめ チーム結成 チーム名:しろいとりかご】
【ディズィー フリー チーム条件:優しい人がいいな……】
【メイ フリー チーム条件:ジョニーじゃないなら誰だって同じよぉぉぉっ!】
【アルル・ナジャ フリー チーム条件:気が合う人、あと変態以外】
※アルルとメイはまだ正式にチームを組んでいません
コスプレイヤー京子と無事タッグを組んだ花郎を遠くから眺めつつ、雷武龍(レイ・ウーロン)は感慨深そうにうなずいていた。
いやはや花郎の奴め、以前タッグ方式でThe King of Iron Fist Tournamentが開催された時には組んだ相手に片っ端から喧嘩を売りまくっていて、今回もタッグを組むには苦労するだろうなと思っていたのだが……彼も大人になったもんだ。
何しろ風間仁は言うには及ばず、ブライアン・フューリーやエディ・ゴルド、李超狼に果てはあの三島一八にまでつっかかっていったほどだったのだ。
……いや、ひょっとしたら女の子には甘いだけなのかもしれないけど。
まあともかく、今回は彼に説教をする事も無さそうだ。
ついで、レイは逆の方向に首を向ける。
超狼が、何やら女性に追いかけられてそれはそれは必死に逃げていったのだが。
どこまで行ったものやら、見える範囲にはもういなかった。
アイツも美形で天才なくせに、何かとかっこ悪いハプニングに見舞われるよなあ、と、またタッグ方式時の大会での様子を思い出す。
公衆の面前で三島平八に尻を叩かれて折檻されていたり、カンガルーにファールキックをかまされていたりした超狼の姿は、ちょっと忘れられない。
そうそうThe King of Iron Fist Tournamentと言えば……
(間違えてここに来ちゃったんだよな、俺……)
笑える回想から一転、レイは暗澹たる気分になる。
道場破り事件の犯人を捕らえるためにトーナメント会場に向かったのに、全然関係ない大会に参加してしまっていたとは、不覚。
(ああもう、回想したり後悔したりしている場合ではない!)
スーパーポリスの名にかけて、この大会に優勝して「犯人逮捕」という願いを叶えるのだ。
ついでに、この大会でやたらに見かける秘密結社やら裏世界の組織やらのトップとか、武器商人とかヤクザとかも逮捕してしまおう。
悪党どもを一網打尽。おお、俄然燃えてきた。
ちなみに、何故応援を呼んで彼らを逮捕しないかというと。
「この大会中は私がルールであり法律であり因果律!!勝手に参加者を捕縛、なんて真似は許さん!あ、終わった後はいくらでも好きにしていいから、うん」
香港国際警察に連絡を取ろうとした瞬間、いつの間にか背後に立っていたサタンに釘を刺されていたからだった。
とりあえず誰かと組まない事には始まらない。
組む条件は……あんまりにも得体の知れない相手なら、まあ遠慮させていただくが、基本的には贅沢は言わないつもりだ。
あたりを見回し、誰か空いている人物がいないか探す。
(だいぶタッグができてしまってるんだなあ。あぶれないうちに組まないと。……スペランカーあたりと組まされたらたまらんしな)
すれ違う人物がことごとくタッグ結成済みである事に、レイは焦る。
と、自分と同じように、きょろきょろしながら歩く老人が目に入った。
誰かと一緒に行動している様子はない。
これは、とレイは思い切って近付き、老人に声をかけた。
「もし、ご老人。ひょっとしてパートナーをお探しですか?」
レイの声に振り返った老人は、パナマ帽にビン底眼鏡にふさふさの髭、ぽってり突き出たお腹、そして何だか和やかな雰囲気を持っていた。
「おほっ、その通りです。いやあなかなか空いている人が見つかりませんで……」
ふむ、この人は特に危険な事はなさそうだ、とレイは判断し、老人にタッグの申し出をする事にした。
「実は私も、今組む相手を探しているところなんです。よろしければ二回戦、ご一緒しませんか?」
「おお、それは願っても無い事です。是非組ませていただきましょう、ハイ」
「ありがたい。私は香港国際警察の雷武龍と申します。よろしく」
「ご丁寧にどうも。私はボイドといいます。おおそうだ、ハリー、お前も挨拶なさい!」
ボイドの言葉と共に、彼の帽子にぴょこっと足と尻尾が生えた。
おお、と驚くレイに、帽子はボイドの頭にのっかったまま一礼するようにちょこっと動き、すぐさままた足と尻尾を引っ込める。
「帽子の中にペットを飼ってらっしゃるので?」
「ええ、これが大変な恥ずかしがりやで、帽子を被せておいてやらないと落ち着かないのです、ハイ」
「へえー……」
変わってるなあ、とは思ったが、レイはこれ以上に変わっているものなど今まで腐るほど見てきているので、別に大して不審がらなかった。
そんなわけで雷武龍とボイド、無事タッグ結成である。
「ええ、今ちょっとした格闘技の真似事をしているのですがね、私もそろそろ引退して余生を静かに楽しく暮らそうかと……」
「ほうほう、格闘技とはなかなか心強い。私も、五形拳を修得しております。私は今ある事件の犯人を追ってまして、それの逮捕が願いです」
「おほっ、刑事の鑑ですな。しかし私も負けませんよ?」
「ええ、二回戦が終わったら、お互いまたライバルですな」
そう、こんな所でくじけるわけにはいかない。必ずや優勝し、事件の犯人のみならずこの場にいる犯罪者たちを一斉に取り締まるのだ。
スーパーポリスのメンツにかけて、世界の平和のために!
闘志を燃やすレイだったが、自分がたった今組んだこの老人が、伝説とまで言われる凄腕の暗殺者だという事には気付かなかった。
【雷武龍 願い事:犯人及び会場内の犯罪者を逮捕する】
【ボイド 願い事:そろそろ暗殺家業を引退して静かに楽しく過ごす】
【雷武龍 ボイド チーム結成 チーム名:レッツ・ゴォ三匹】
次々に出来るコンビを写真に撮り、ノートPCでまとめるひびき蘭。
そんな彼女の目の前に一人の人物が現れた。
「ひびき君。君に頼みがあるんだが…」
2回戦がコンビ戦と聞き、相手を女性と決めていたアラン。
だが、決めあぐねているうちにどんどん相手が決まってしまう。
そこで、金髪の軍人らしき女性を誘うが、
「フィオじゃなきゃいや。」といって断られてしまう。
しかし、女性はまだたくさんいる。
羽の生えたちょっと陰のある少女、白い巫女、ちょっと少年っぽい青い髪の子、
女性自衛隊の服装をした女の子、内気そうに隅っこで座っているこれも軍人っぽい女の子……。
『誰にしようかな…』アランが迷っていると…。
「アラン・アルジェント君だね。」後ろから声をかけられる。
「そうだけど…。」と振り向くとそこには韓国の胴着を着た男性が優しげな顔をして立っていた。
「フム、やはりそうか…、私の名前はキム・カッファンという。
ところで、1回戦突破時に、インタビュアーに『願いはハーレム』といったのは本当かな?」
と尋ねられた。
アランは思い出す。たしかにインタビュアーの女の子に『自分の女の子達の楽園を作る。』と言って、
その後、インタビュアーの女の子に『その時はよかったら君も楽園に来ないか?』と誘った記憶がある。
少々ぶしつけな質問に戸惑いつつも、
「ええ、まあ。たしかに、そうだけど…」と返事をする。
すると、キムの顔がみるみるうちに強張った。「やはり、君は教育しなければならないようだ。」
殺気を感じたアランはその場から逃げようとする。しかし、目の前に中国風の女性と、
銀髪碧眼で白い服を着た男の子がアランの逃げ道をふさぐ形で立っていた。
「女の敵は逃がさないアル…。」
「みんな不幸になればいいんだ(ぼそぼそ)…。」
これでは逃げられない。
「ああ、わかったよ。好きにしてくれ。」
アランは諦めて首を振った。
時はさかのぼる──
「なかなか、教育のしがいのある人物はあらわれないな。」
キム・カッファンは少し焦っていた。このままだとタイムオーバーで勝手にコンビが決められてしまう。
そこでキムは優勝したらかなえてもらう願い事に目をつけた。
インタビューしていた女の子の顔を思い出し、さっそくひびきの元へと行き、
彼女に頼んで参加者の願いをみせてもらう。
彼は何人か、悪の匂いを感じた願いの主を候補にあげる。
その中で、まだコンビになっていない人ということでアランに白羽の矢が立ったのだった。
また、キムは紗夢とシェゾに協力を依頼した。紗夢は女性の敵ということで、
シェゾは自分と同じような立場の人間を作りたくて依頼を受けたというわけだ。
『まあ、適当に頷いておけばいいだろう。』アランはこの事態でも楽観的に考えていた。
『女の子と仲良くなれるチャンスはこれからでもあるしな。』
だが、この考えが甘いとアランは後に思い知らされることになる。
【キム・カッファン アラン・アルジェント チーム結成 チーム名:キム先生の正義教室】
『禍津風 屑葉を散らす 風雲急
右京 』
パートナー探しの為に奔走している人波の中、会場の隅で一句詠んでいる人影があった。
しかしそんなモノに耳を傾けていられるような余裕のあるモノはおらず、その歌も人々の喧騒に消えていく。
最もその句を詠んだ当の本人――――橘右京にしても、別に余裕があって詠ったわけではない。
むしろ、この会場内で最も余裕が無いのは、恐らく彼自身であろう。
『白き果て 我が命脈も 雪に消ゆ
右京』
むしろ、それは辞世の句だった。
「…ガハァ!」
お約束の喀血、そして橘右京は再び己が身を呪った。
先程の迷路の中、異国の親切な大男のお陰でその儚き命を繋いだ右京だったが、
この人ごみに揉めれ、その体調は一気に悪化した。
「……我が天命…やはりここまでか……」
そしてなんとか人ゴミから抜けた時にかかった放送で、彼は止めを刺された様な気分になった。
『2回戦はぁぁぁぁぁっ!なぁぁぁんとぉ!!2vs2のタァァァァッグバトォォォォォォル!!』
彼にはもはや、パートナーを探すべく動き回る体力すら残っていなかったのだ。
もし再びあの人ごみに揉まれれば、今度こそ命が危ないだろう……。
(…できる事なら先程の親切な御仁と組みたかったが……)
その手を見る。
そこには真っ赤な華が咲いていた。
(…無念だ……)
今更説明するまでもない事だが、右京は体が弱い。肺病に冒されているのだ。
恐らくスペランカーの次くらいに何時死んでもおかしくない身の持ち主と思われる。
当然、そんな体の持ち主の右京を誘おうという者が居る筈もなかった。
しかし彼はそんな体にもめげず、一途な想いで刃を振るい、愛しい女性に華を捧げたり、
同門の剣士達の弔いに向かったり、謀叛に加担した親友の説得をしたりと、己の義の為に奔走してきた。
むしろ何時死ぬんだよ、と突っ込みを入れられる程に過酷な人生を送ってきた彼だったが、
今回ばかりはついに敗北を受け入れたのだ。
しかし、その時――
「だ、大丈夫ですか!?」
右京はこの会場に着いて、始めて声を掛けられた。
あの不思議な少女の言葉に勇気つけられたディズィーは、共に二回戦を戦う仲間を探すべく会場内を奔走していた。
その時、ギア故に人一倍よく利く耳に、何処かから何か懐かしいフレーズが舞いこんできた。
(あれ、このリズムは…?)
この耳につく独特なリズム…あのスレイヤーというヒゲの人がよく口にしていた『HAIKU』のリズムである。
(でも…何だかとっても悲しい…)
しかそのHAIKUは、スレイヤーのいい加減極まる俳句には感じる事のできない、確かなメッセージを持っていた。
何だか興味を駆り立てられた彼女は、その詩人の元へと歩を進めた。
そして、今にも死にそうな一人の男を発見したのだった。
「……グ…」
「し、しっかりしてください!」
目の前に自分のせいで困惑している少女が居る。
そりゃあこんな所で今にも死にそうになっている男を見かければ慌てふためくというモノだが、
右京が血を吐くのはもはやお約束なのであって、改めてこういう風に心配されるとなんだか申し訳ない気分になってしまった。
「……いやご婦人…心配は……無用です」
そしてそのまま御免、と走り去ろうとした右京だったが
「待ってください!大丈夫なんてそんなワケないじゃないですか!!」
尚も少女は右京を引きとめた。
少女の反論は、至極当然なモノであった。そもそも家で大人しく寝てろよ、と突っ込みを入れられてきた身の持ち主である右京は、
こう改めて言われるとなんだか新鮮な気分であった。
「……いや、しかし…」
それでも尚も反論しようとした右京だが、
「ダメです!コッチに来て!」
少女に腕を引っ張られ、ベンチのある所まで引きずられていった。
「へぇ〜、右京さんはその病気を治す為に参加したんですか」
「…然り」
数分後、座ってお茶をすすりながら、二人は談笑していた。
談笑と言っても、ディズィーの質問に右京が一言で返し、それに大げさにディズィーが返しているだけなのだが。
「…して、あなたは何の為に…?」
そんな会話だったが、ついに右京の方から質問してきた。
「はい、私は……」
しかしそんな質問に、彼女は少し言いよどんだ。
「…私は、お友達に誘われて参加したんです」
「…・・・」
数瞬の後、ディズィーはそう言った。
しかしそれは本当ではない。
彼女の本当の願い、それは…
(……父さん、母さん、テスタメントさん………)
それは、自分のせいで不幸になってしまった彼らへ恩を返す事だった。
何も人に隠すような事は無い、立派な願い事であったが、ディズィーはそれを打ち明ける事ができない。
なぜなら、それを話せば自分のこの体の事を話す事になるかもしれないから。
人々に不幸を振りまいてきた、この呪わしい体の事を。
それに眼前の男の願いは、自分の病気を治すというモノ。
何時果てるとも知れぬ身を抱えた者にそんな願いを語れるワケがなかった。
なぜなら、この大会で願いを叶えられるのはたった一人だけなのだから。
『花蕾 唯刻待ちて 風に散り』
突如、あのリズムに乗って右京が歌いだした。
「…う…右京さん?」
「……己の心に…嘘をつくモノではない」
ディズィーは、右京に自らの心を見透かされ驚いた。
「右京さん…」
「…そんな事では誰も……幸せには出来ない……」
「…え?」
この男は一体何処まで自分の心を見透かしているのか。
「…で、でも…それじゃあ……」
「私に構う事など有りません」
「…で、でも……!」
尚も右京に反論しようとしたが、
「それに自分の幸福を望まぬ者に、人を幸福へと導く力などあろうはずもない」
続く右京の言葉に、ディズィーは何も言えなくなった。
「幸福とは、自分一人で在るものではない」
「大切な存在があるからこそ、それは在る」
「……少し語り過ぎた…御免」
黙りこくったままのディズィーに礼をし、右京はしっかりとした足取りで去っていった。
ディズィーは思い出していた。あの少女の言葉を。
『人に頼ることではなく、人と一緒に頑張ること』
右京の言っている事は、あの少女の言葉へと確かに繋がっている。
そんな気がした。
「…テスタメントさん」
そしてある男の事を思い出した。
寡黙な、しかし自分の幸福を一心に思っていてくれた男の事を。
その面影が右京と重なった時、ディズィーはある決心をした。
少女と別れた右京は、どこへ行くともなく歩いていた。
「…らしくない……」
自分の様な人間が人に説教などと、そんな風に思い苦笑する。
しかし右京は思い出す。
夢路殿にその母上殿、神夢想一刀流の師に仲間達、覇王丸ら我が輩(ともから)達、お咲殿…
そして、自らの最愛の女性……。
皆、自分の幸福を想いながら、人の幸福を一心に想っていた。
きっと、誰だってそうなのだろう。
その事を、自分はあの少女にどうしても伝えたかったのだ。
ふと気付くと、右京はチーム受付所の前にいた。
そして視線を巡らせた先に、一人の少女。
少女もこちらに気付いたようで、右京の元へと駆けてきた。
その様子を見とめた右京は、静かに笑いながら、
『夢咲きて いざ共に往かん 輩(ともから)よ
右京』
そう詠い、そして駆けてきた少女の手を取った。
【橘右京 ディズィー チーム結成 チーム名:幸せなら手を叩こう】
紅海を割りエジプトを脱出したモーゼのように、人の海を割りながら一人の男が進む。
この奇妙な光景は、肩がぶつかっただけで死んでしまうであろう男をさけるためのものだった。
男の名はスペランカー、世界最弱の男である。
殺しは失格となるこの大会、己の超虚弱体質を武器とする彼の名は優勝候補筆頭に挙げられている。
だがその優勝候補選手には、パートナー希望者が一人も寄ってこなかった。
理由は簡単。タッグ戦の相棒がそんな超虚弱体質では、競技内容次第では足を引っ張られるからだ。
悪くすれば自分の不注意で殺してしまいかねない相棒など、欲しがるものは誰もいなかった。
だがそれもいいかもしれない、スペランカーはそう思い始めていた。
もともと顔見知りも新しく出来た知人もいないのだから、誰と組んでも同じことだろう。
都合のいいことに、気配を察知できないあの危険な二人(サイキョー流と藤堂流)は、
すでに別の誰かとタッグを結成したそうなので、奴らと組まされて不注意で殺されることはなくなった。
「主催者に適当に決めてもらって、運試しってのも悪くないかな…」
そうつぶやいたスペランカーの脳内に、あの警報音楽が鳴り響いた。
「!!」
身構え、周囲に気を配る。だが彼の半径2メートル以内には、猫の子一匹も侵入していなかった。
――一体どういうことだ?
警報音楽が音量を増し、速度を上げ、さらにけたたましく危機を知らせる。
敵はこちらが視認出来ないほどの遠距離から、自分に向かって殺気を放っているというのか?
それほどの強大な殺気、危険など、この世の全てが凶器であるスペランカ―にとっても未知のものだ。
いや、この気配には覚えがある。そう、一回戦で自分と相対した、あの…
そのときスペランカーの視界に、自分同様に人の海を割って進む一人の男が映った。
「探したぞスペランカーよ…!」
その男の名は豪鬼、世界最強の格闘家である。
「うわあああああああああああああああああああッッ!!」
澄み切った青空にスペランカーの叫び声が吸い込まれていく。
彼はいま、背中に迫る生涯最大の危機から逃げ回っている。
「何処へ行こうと無駄なこと!!」
会場を囲む森々に豪鬼の怒声が叩きつけられる。
彼はいま、目前から遠ざかる生涯最大の難敵を追い回している。
二回戦も間近に迫った今ごろになって、最弱の男と最強の男の奇妙な鬼ごっこが展開されていた。
「大人しく次なる死合いは我とともに死地に往くのだ!!」
「だぁかぁらぁ無理だって!無理無理無理無理!!」
一回戦で豪鬼は、スペランカーの超虚弱体質の前に己の拳を封じられた。
その雪辱を雪ぐため、スペランカーの超虚弱体質すら己の拳で征してみせる、豪鬼はそのように決意していたのだ。
だが二回戦はタッグ戦。拳を極めた己と、己の拳を封じたほどのスペランカーがそう易々と倒れることはないだろうが、
彼がもしもどうにもならない相棒と組んでしまったなら…スペランカーは豪鬼と戦うことなく、失格になりうる。
――そのような形での決着など、断じて許さぬ!!
そして豪鬼は思い当たった。「自分がスペランカーと組めば、いつ何時でもスペランカーと戦える」と。
大会の目的やらルールやらから大きく外れたその思惑は、
しかし己の拳足で不条理を押し通してきた豪鬼にとっては全く正しい結論だ。
だがスペランカーは逃げ回る。当然だ。
こんな化物の側に、スペランカーが立っていられるわけがない。
肩がぶつかるどころか豪鬼の呼気に当たっただけで死んでしまいかねない。
「案ずるな、殺しはせぬ!!ただ殴り倒すだけだ!!」
「そんな勧誘の仕方があるかよおおおおおおおおおおお!!!!」
大きな角と羽根を生やした緑髪の男が、ブキミにニヤニヤ笑っている
彼の名はサタン様…だが今は大会主催側の仮面戦士・マスクドサタンだ。
「ふっふっふっふ…めぼしいところはもう決まったようだな」
タッグの締切時間も迫り、既にパートナーを見つけた者たちは余裕綽々に雑談などをかまし、
まだの者たちはパートナーを求め必死の勧誘を続けている。
ああ、なんて素敵な必死ぶりだ。サタン様…もといマスクドサタン様は悦に浸っていた。
そんな優雅な気分に浸っていたマスクド様の耳に、なにやら必死と通り越して決死な声が聞こえてきた。
おいおい、いくら焦ってるからってそんな阿鼻叫喚な声で誘わなくても…
「助けてくれええええええええええええええええええ!!!!」
「…な、なああああああッ!?」
声だけでなく顔まで必死な奴が、私の胸に飛び込んできかけてそれをかわして背後に回ってきた。
「な、なんだ君?私をマスクドサタン様と知っての…」
「恐ろしい男に追われてるんだ!頼む、俺と組んでくれ!!」
そこでマスクド様は気付いた。この男、確か優勝候補のスペランカーだったか…
「お、恐ろしい男ってそんな、この大会は別に命を取り合うわけでは…」
異常な怯え方をするスペランカーをなだめようとして、そこでまたサタン様は気付いた。
「そこの仮面の化生よ…その男を我に渡してもらおうか」
ズン!と大地を揺るがす足音を立てて、鬼のような形相の男が近づいてきた。
「……なにアレ?」
人間離れしたその男の容姿や気配に、さすがの魔界の貴公子も引いた。
「本物の鬼と鬼ごっこでもしてたのか?君は」
「いや、なんか知らんけどお前を殴りたいから俺と組めって言って来るんだよ!」
「然り。斯くの如き理由から、我はその男との結託を望むのよ。
我は拳を極めしもの、必ずやその男をも我が拳にて征せねばならぬ!!」
なにやら無茶苦茶な事を言っている。なんて奴だとマスクドサタン様は思った。
日焼けするために太陽をでっかくするような、人の迷惑顧みぬ愚挙といえよう。
まあ、この喩えは自分がやったことなのだが。
――さあて、どうしようかな。
マスクド様は考える。別にどんな理由で組んでくれても構わないのだが、
下手するとこのスペランカーは二回戦に出る前に豪鬼に殴り殺されてしまう。
せっかくの優勝候補がそれでは、この大会が盛り上がり切らない内に終わってしまうかもしれない。
それはいかにももったいないが、だからといって自分が目の前の男を抑えることが可能だろうか?
――…出来なくはないけど、ヤだなあ。
ムダに強力な魔力を持つ自分なら、目の前の男を無理やり魔法で従えることも出来なくはない。
だが、一参加者としてのこのマスクドサタンの身分でそれをするのは、なんかルール違反のような気がした。
あと、なんかこの男からルルーみたいな気配がするので力ずくだとあとが怖そうだし。
――ここは一発、平和的解決を試みるか。
「そんな愚かしい理由でのタッグ結成は、まあ好きにやってくれてもいいんだが、
だがやっぱり大会主催側選手としては見過ごすわけにはいかんな!」
「…邪魔立てするならば容赦はせぬぞ。もともと我はこのような茶番など興味は持たぬ!
失格になろうともその男と死合うことが最大の望みよ!!」
じゃあなんでこんな大会出たんだよ、という突っ込みをスペランカーは入れかけたが、
緊張感溢れるこのシチュエーションに水をさすことになるのでやめておいた。
「じゃ、優勝したらいいじゃん?」
だが次の瞬間にマスクド様が発した言葉は、その緊張感を粉々に砕いた。
「…ぬ?」
「…え?」
「だってさー、優勝すれば願いが何でも叶うんだよ?
優勝して、スペランカーを心行くまで殴りたーい、とかお願いすれば、
いつ死ぬか解らない今の状況よりずっといいじゃん?」
なにやらいつも以上に軽い口調のマスクド様。はっきり言って空気読めていない。
「いやいやいやいやちょっと待ってくれよ仮面の人!それって結局俺死ぬじゃん!!」
というか、その提案はスペランカーにとっては変わらず命の危機だった。
「成る程、確かにその結果こそが、望みうる最上のもの…」
と思ったら、豪鬼も納得しだしていた。
どうやらマスクド様のこの発想は、豪鬼にとってはコペルニクスの卵のようだった。
「最上じゃねえって!!全然よくねえってそれ!!」
「礼を言おう、仮面の化生よ。ではなスペランカー、出来うるならばこの死合いにての決着を望むぞ…」
というか、完璧に手遅れだった。
声を漏らさず肩で笑い、背中に「天」の字を浮かべながら、豪鬼は二人から歩み去っていく。
そして姿を消した豪鬼。遠方から、メッサーツと聞こえた気がした。
「いやー、良かったじゃないか君。とりあえず助かったぞ」
「…とりあえず、助けてくれてありがとうっす」
悄然としているスペランカーに、底抜けに明るい声でマスクド様が声をかける。
やっぱり空気読めてない。
「それでは、タッグ申請に行くとしようか」
「…あー、そんなことも言ったっすね、俺」
「ふふふ、喜べよ君、私は大会主催側のジョーカーだけあって強いからな!
特にこの仮面!ぞう大魔王に踏まれても壊れないのだ」
「…それじゃ凄いのはあんたじゃなくて仮面じゃないすか」
「ん?それもそうか。でもまあこの仮面作ったの私だしいいんじゃないか?」
「…いいのかも知んないっすね」
己の体質を改善するために参加したはずのこの大会。
いつの間にか自分が勝つだけではなく、豪鬼を勝たせないように戦わなくてはならない羽目になっていた。
そして自分の相棒も、頼りになりそうには到底見えない。
――結局、命がけってことか。
命がけ。そのことを自覚したスペランカーの体に、冒険家としての熱い血が蘇ってきた。
そう、結局はいつも通りなのだ。
ならば今までの人生を生き残ってきたこの俺が、負けることなどありえない…!
「上等だ…!サイキョーだの藤堂だの豪鬼だのがなんぼのもんじゃあ!」
「お?なにやらいきなりやる気が出たな。いいぞぉその調子だ!なんぼのもんじゃあ!」
優勝候補選手と、大会主催側のジョーカー(というか主催者)。
普通に考えれば最強の組み合わせだが、
「さっきも言ったが私は強いからな!まあ一生懸命がんばろうではないか!」
(ところでコイツも全然危険予知が発動しないな…)
実際はそうでもないタッグが、締め切り時間ギリギリに結成された。
【スペランカー マスクドサタン チーム結成 チーム名:僕らはいつも維新電信(意味不明)】
【豪鬼 フリー チーム条件:特になし 願い:スペランカーを納得のいくまでボコる】
そこに居るは黒髪の青年。彼は一人で歩いていた。名は楓
「どうしようかな・・・このままじゃ変な人と組む事になるかもしれない・・・」
そこに居るは薄緑髪の少女。彼女は一人で歩いていた。名はタテハ
「後数分でチーム組む時間終わっちゃう・・・どうしよう・・・困ったな・・・」
彼らが出会うのは、神の悪戯か、またまた偶然か・・・・
「ちっきしょおおお!!あのデジョンとか言う親父は何処だよ!!!もう締め切り数分前だっつーの!!!」
KUSANAGIはイラついていた。
一回戦で出会った金大正と名乗る男と組もうとして会場を探し出したのはいいものの、広すぎる会場内で人一人を探すのは非常に困難な事であった。
始めの内は『一人知り合い出来てラッキーだぜ!』とか思いながら歩いていたのに。
そんなイライラしているKUSANAGIに、二人の男女が同時に話し掛けて来た。
「「あのー!良ければチーム組みませんか?」」
「って、ア・・・・・・」
「あ、あれ・・・?」
一人は楓、もう一人はタテハ、この二人がKUSANAGIに声をかけたのはただの偶然、制限時間が迫ってきたからのあせりでしかなかった。
KUSANAGIもこの際誰でもいいと思ってきてたので、それ自体は良かった。。
ただ、その二人同時にチームを組まないかと誘ってくる、その偶然が彼を非常にムカつかせた。
「だぁぁ!二人同時にくるなっつーの!ボケが!!イライラしている時に話し掛けんな!このデコスケ野郎がぁ!!」
そのKUSANAGIの苛立ちに二人は平謝りをする。
「そ、その、すみませんでした、ボクは別に良いですからお二人で組んで下さい!!」
「いえ!私の方は別にくじ引きでも結構ですから、そちらこそどうぞ!!」
二人の譲りあう姿をみて、KUSANAGIの苛立ちは頂点に達する!!
「ふざけてんのかぁ!?こちとら時間がねえんだよ!!ざけてんじゃねえよ!!退けよ!!!」
そう言って楓の肩を力一杯押す。
「痛!!」
黒髪の青年はその場でしりもちを付いた。
「だ、大丈夫ですか?」
「ムカツくんだよ!その程度で倒れる奴となんか組みたかねえよ!!じゃあな!!」
そういい残しKUSANAGIは金大正探しを再開する。
「イタタタ・・・凄く失礼な人に声をかけちゃったなあ・・・」
腰をさすりながら同時に声をかけた人物、タテハに声をかける。
「大丈夫ですか?本当、失礼な人でしたね?」
楓が立ち上がるのをみて声をかけるタテハ。
「ああ、本当に失礼な人だ」
KUSANAGIが去っていった方を見つめる
「本当、とってもムカツく人ですね?」
同じ方向を見つめる。
「・・・・・」
「・・・・・」
「あの人・・・・」
黒髪の毛が突然美しき金髪へと変化する。
「・・・・・シメてやるぜ!!!」
「・・・・・そんな・・・・」
少女の姿から少年へと変化する。
「・・・・手伝うよ!!!」
| |
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| | <楓「アイツだ!ブッコロス!」!
| | <KUSANAGI「な、何だテメエら!!俺がテメエらに何をしたぁぁぁぁっ!?」
| サタン塔 | <タテハ「アンタみたいな失礼なやつぁ!俺がぶっ飛ばす!!」
| | <KUSANAGI「ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∩_∩
(。Д。⊂_つ←KUSANAGI
何者かの断末魔の後、とても意気投合した二人の男女のチームが締め切り直前にギリギリ受付に到着し、チーム登録を行っていた。
【タテハ 楓 チーム結成 チーム名:二重覚醒】
【KUSANAGI フリー チーム条件:もうどうでもいいや】
「これでよし…っと。それじゃあメイさん、次の試合も頑張ろうね!」
「オッケーアルルさん。ボクのほうこそよろしく!カーくんもね」
「ぐぐー!」
ディズィーが青白い男性とチームを組んだのを見届けて、メイとアルルはようやくチームを組むため受付に来た。
そうして二人がタッグ登録を済ませたその瞬間、ハイテンションな声がスピーカーから流れ出した。
『ボンジュール・シルブブレー!!マイクテスマイクテス!!我こそは主催者サタン様なーりー!!』
素晴らしいまでにカタカナ発音な仏語の挨拶を交え、サタン様の大声が会場全体を轟かす。
いい加減うっとうしいが、いい加減慣れてもきた参加者たちは、焦った風も驚いた様子もなく放送に耳を澄ます。
『たったいま結成されたチームを持ってェェッ!タッグ申請の申し込みは打ち切りとするゥゥゥッ!!』
なんとなくK−1の選手紹介を意識した発音でサタン様が吼える。
あんなに叫んで喉が枯れたりしないのだろうか。参加者たちはちょっと主催者のことが心配になった。
『だがタッグを組み損ねたノロマな子羊諸君も案ずるな!このサタン様が公平な組み合わせで適当に組ませる!!』
適当じゃ公平じゃないじゃないかと心の中で突っ込む参加者たち。
実はサタン様は「適当」という言葉を軍隊用語と同じ意味(最善を尽くすの意)で使ったのだが、
サタン様がそんな知性の持ち主だとは誰も思っていないため、そうとは気付かれないまま流された。
『さぁてそれではお待ちかね…二回戦の詳しいルールを発表しよう。クックック…』
突如としてテンションが抑えられた主催者の喋り口に、参加者たちはわずかに動揺した。
それほどに過酷な戦いが待っているというのだろうか?
『二回戦はァァ…チームごとにィィ!戦い合い競い合うゥゥ!!バトルロワイヤルだァァァァ〜〜!!』
抑えたテンションを爆発させ、サタン様が会心の絶叫を決めた。
ああ、やっぱりいつもの主催者だ。喉の心配をしつつも、参加者たちは安堵した。
『肝心のルールだが…今回はかなり詳細に決められているので、プリントして配っておこう。
ちゃんと目を通すようにしてくれたまえ。もし紛失したら受付でもう一度貰ってくるように!』
なにやら小学校の先生を彷彿とさせる言い方だが、この主催者らしくない用意周到なやり方に、
参加者たちはちょっとだけサタン様を見直した。
『それでは皆のもの、会場設営とか残りのタッグ決めとかまだ時間がかかるのでしばし休憩!
その間に受付でプリントを貰ってキチっと目を通しておけえェェぐえッゲホゲホッ…!!』
むせた。まあ、いつかやるとは思っていたが。
そんな締まらない最後で放送は締めくくられた。参加者たちは、何はともあれと受付へと向かう。
放送開始時点からすでに受付前に突っ立っていたアルルとメイは、早速貰ったプリントに目を通している。
「う〜ん、これは運の要素が結構効いてくるね…ボクってあんまりツイてないんだよなあ」
「へーきへーき、運なんてボクらの実力でいくらでも引き寄せられるって!快賊のボクにおまかせってね」
アルルの胸をわずかに嫌な予感が掠めていたが、メイはいたってお気楽な気分だ。
「ケンカだったらボクに任せてもらえばいいし、アルルさんは料理とか得意だって言ってたじゃない。
ひょっとしたらボクら、ベストバランスのチームかもしれないよ。自信もっていこう!」
「ぐぐー!ぐー!」
メイのお気楽気分に載せられ、カーバンクルも踊り跳ね回る。
その様子をみてくすりと笑い、アルルも嫌な予感を振り払った。
「うん、そうだね!よーし、それじゃあ二回戦も、いっきまーす!」
そしていよいよ、二回戦が始まる――。
【アルル・ナジャ 一回戦突破組 願い事:いいかげん魔導学校に行きたい】
【メイ 一回戦突破組 願い:ジョニーとラブラブになる】
【アルル・ナジャ メイ チーム結成 チーム名:素敵なお友達】
※カーバンクルはアルルのオプション扱いです。
「ゲホゲホッ、る、ルルー、水をゴホッゲホッ…!」
「サ、サタン様!しっかりなさってください…!」
そのころサタン様は、まだむせていた。
二回戦 ルール詳細
・2VS2のタッグバトル。一度組んだチームは変更できない。
・会場内をチームごとに組んで移動する。相手チームと遭遇して勝負の合意に達すると、
黒子が出現してくじを引き、戦い方を決定する。
・戦い方は、麻雀、料理、ケンカ、クイズ、スペシャル(作者が考えていい)の5種。
(戦い方は作者が決めるが、作中ではあくまでもくじ引きで決定すること)
・スペシャルくじは「サタン様が決める」「じゃんけんに勝ったチームが決める」
「抽選に当たった観客が決める」 の三種があり、くじに書かれていた方法で競技が決められる。
「じゃんけんに勝ったチームが決める」は最大のチャンスカードで、最も数が少ない。
・それぞれの戦い方ごとのステージへ移動し、戦闘開始。
・会場には観客席が併設されている。
各ステージに観客席はないが、その様子は会場の巨大スクリーンに映し出される。
各ステージにはスクリーンがないので、他のステージの様子はわからない。
・戦い方ごとのステージは、サタン塔内だったり、その外だったり、外国だったり何でもアリ
作中での扱いとしては「サタン様の魔力で飛ばされた」「サタン様の魔力で作った特設ステージ」など。
・試合中に死亡者が出た場合、その試合は無効試合となる。
・他殺の場合(故意、過失を問わず)、死人の出たチームは失格となる。
殺したチームは失格となり、ペナルティ(罰ゲーム)が与えられる。
・他殺以外の場合(自殺、病死、不慮の事故など)、死人の出たチームは失格となる。
・それぞれの戦い方のルールは以下の通り(作品によって多少の変更もOK)。
・麻雀:ルール自体は本物の麻雀と同じ。最終的に合計得点が多いほうのチームが勝ちとなる。
4人で一卓を囲んで打つ。座る位置はその場でじゃんけんなどで決めてもらう。
バレなければイカサマはOK。脱衣は不可。
・料理:黒子からのお題に基づき、制限時間45分以内に両チームが料理を1〜3品ほど作り、
その味や手際、盛り方の美しさを競う。
チームの片割れだけが料理を作るというのはアリだが、食器並べでもいいので片割れも必ず働くこと。
互いのチームで試食も行うが、毒とか味を変化させる魔法のアイテムとか盛ってはいけない。
・ケンカ:両チームから一人ずつリング(およびそれに類するもの)に上がり戦う。
控えチームメンバーとの交代はいつでもOK。
リングに上がっていない選手が戦ったり、リングに上がっていない選手を攻撃してはいけない。
どちらか一人が倒れた時点で、そのチームの敗北となる。
武器使用は認められる(格闘ゲームを基準に考える。戦車は重火器は禁止)。
・クイズ:黒子が出題するクイズに、チームごとに早押しで答え、5問先取したチームが勝利する。
クイズのジャンルは何でもよい。たまにクイズでなく大喜利などが出題されてもOK。
・スペシャル:内容ごとに作者が決める。
・勝敗は黒子によって公平に判断される。基本的に引き分けはない。
・一度勝負したチームとは二度と戦ってはいけない。ただし引き分けだった場合はこれに限らない。
・二勝したチームは、その時点で二回戦突破となる。
速やかに勝者控え室に案内され、会場には残れない。
・三敗したチームは、その時点で失格となる。
速やかに会場外に連れ出され、会場には残れない。
・二回戦突破チームが21組になった時点で、残りのチームは全て失格となる。
同様に、失格チームが21組になった場合、残りのチームは全て二回戦突破となる。
まだ組んでない選手一覧(強制タッグの組み合わせは後ほど決定します)
【バーチャファイター】
ジェフリー・マクワイルド
【ストリートファイター】
豪鬼
【KOF】
神楽マキ レオナ・ハイデルン KUSANAGI
【餓狼伝説】
テリー・ボガード
【ランブルフィッシュ】
睦月カヤ
【メタルスラッグ】
エリ・カサモト
【式神の城】
金大正(キム・デジョン) ニーギ・ゴージャスブルー ロジャー・サスケ
【ソニックウイングス】
真尾まお
【ぷよぷよ】
アミティ
【美少女雀士スーチーパイ】
ミルキーパイ(※ウサギのみるく)
「うーん、こうかな?いやいやそれだと芸がなさすぎるし…」
ここはサタン塔執務室。普段ならサタン様は間違っても使わないような部屋であるが、
この風雲サタン塔が始まってからは大活躍であった。
「サタンさま、まだ決まらないんですか?」
ウェーブのかかった長い青髪の女性、サタン様の腹心の部下(みたいな人)ルルーが急かす。
彼女はサタン様の部下ではなく、ただのサタン様に恋する一人の乙女である。
純粋一途なその恋心ゆえに、彼女はサタン様の側にはべり尽くしていたうちに、
こうして秘書のように重用されるようになったのだった。
当のサタン様はルルーの気持ちに気付いておらずアルルに夢中と、中々に複雑な恋模様だったりする。
閑話休題。
「いやあ、適当に決めるって言った手前はやはり全力で公平な組み合わせにしないとな」
いまサタン様は、まだタッグを組んでいない残り参加者たちの強制タッグの組み合わせを熟考していた。
先ほどの放送で軍事用語で「最善を尽くすこと」を意味する「適当」と言ってしまったため、
主催者の沽券にかけてサタン様は最善を尽くそうとしているのだ。
「誰も軍事用語だって気付いてない気もしますが…」
最も可能性の高い仮定を呟くルルーだったが、その声は作業に没頭しているサタン様には届かなかった。
「主催者たるもの、やはり大会が盛り上がるように全力で運営しなくてはな。
バランスを重視しつつキャラクター性やタレント性、意外な組み合わせの妙などを考え…」
(いつもこれだけ真面目にやってくれればなあ…)
普段よほど苦労させられているのだろう。ルルーが苦い表情をする。
(…でもサタンさまの真剣な横顔ってやっぱり素敵…♪)
だがその苦い表情は、あっという間に恋する乙女のとろけ顔に蹴散らされたのだった。
辛いはずはない。ルルーの胸に、執務(趣味)に励むサタン様の姿が燃えていた。
「出来た!こんなもんでどうだ?ルルー」
そしてついにサタン様の最善を尽くしたタッグが完成した。
「お疲れ様ですサタンさま。それではちょっと拝見しますわ」
ねぎらいの言葉をかけつつ、ルルーがその組み合わせに目を通す。
「…ところどころ投げやりなチーム名があるのが気になりますが、でもまあ大丈夫でしょう」
「いよし!」
ルルーのお墨付きをもらい、サタン様がガッツポーズをとる。
「いやあ疲れた。でも一生懸命に働いたあとの疲れとは心地いいなあ!」
「それでは紅茶でも淹れてきますわ。甘くしたほうがよろしいでしょうか?」
「ああ、頼むぞ、ルルー」
気の利く部下(のような人)がドアを開けて出て行ったのを見送って、サタン様はマスクを取り出した。
「さあて、一休みしたらいよいよ開戦だな…くっくっく、ぐはははッげほッげほ!」
そして、またむせた。
強制タッグは、以下の通りです。
【金大正(キム・デジョン) 神楽マキ チーム名:頭文字K】
【KUSANAGI ミルキーパイ(※ウサギのみるく) 兎―野生のクローン―】
【ジェフリー・マクワイルド 真尾まお チーム名:ウルルン共闘記】
【睦月カヤ レオナ・ハイデルン 閑静なチーム】
【豪鬼 ニーギ・ゴージャスブルー 豪禍絢爛】
【テリー・ボガード アミティ チーム名:帽子チーム】
【ロジャー・サスケ エリ・カサモト ミリタリー忍者】
一応ホシュ
リー「ふむ、わざわざプリントして配るとは・・・サタンとやらも中々気が利くものだ。」
イグニス「マメな人間は嫌いではないがな。所でリー君、1つ聞きたいのだが」
リー「何かな?イグニス。」
イグニス「君は力が欲しくないね?」
リー「は、はぁ?」
イグニス「ほら、力が欲しければネスツの科学力でくれてやるぞ?」
リー「い、いや・・・別にそんなに力は欲していないが・・・?」
イグニス「じゃああれかな?車に命を吹き込んだりとかはしないのか?」
リー「な、何の話だ!?少なくとも2回戦には関係ない話は止めてもらおう!!」
イグニス「そうか、残念だよ・・・・」
・・・書きたいが好きなキャラが全員居ない・・・
どうせえっちゅうねん馬鹿馬鹿しい
「おーい仮面の人ー、どこ行ったー?」
二人分のルールブックを持って、スペランカーは大声で呼びかけながら会場をさまよい歩いていた。
溺れているとき思わずすがってしまった藁のような相棒、マスクドサタンとはぐれてしまったのだ。
仮面の人と呼びかければすぐにだれかが振り向いたがそれはことごとく人違いで、
なぜか観客席のフェンスによじ登っている金髪の男だったり、猿から突然人間に化けた腰の細い男だったりする。
世の中は本当に色々な人がいるんだなあと、自分の事を棚に上げてスペランカーは感心していた。
『ンレディ――スェ――ンジェェントルメァ――ン……!!』
そんな奇人変人の張遼跋扈するサタン塔広場が、前触れ無く流れてきたエコー利かせすぎの大声によって揺れた。
もはやおなじみの、主催者サタン様によるアナウンスである。
慣れてきてはいたがさすがにこの唐突さに参加者たちは驚いたようで、会場が少しざわついている。
『さあて諸君、お待たせしてしまったかな?謝ったほうがいいかな?そうでもないかな?
何はともあれ準備も済んで私の喉も治ったことだし、いよいよ二回戦会場への移動を開始した――い!!』
その言葉に、参加者たちも観客も歓声を上げた。喉は関係ないだろ、と少しだけ思ったが。
ついに二回戦が始まるのだ。思えば随分と待たされたものである。
迷路を走り抜けて暖まった体もすっかり冷え切ってしまっている。
その冷えた体に、闘志という炎がやっと入れられたのだ。
『ふふふ…ここからでは見えないが、充分に感じるぞ。諸君らのやる気が、願いを叶えたいという衝動が!
さあここでもう一度確認しよう。諸君!なんとしても、自分の願いを叶えたいかあぁ―――――――――――!!!!???』
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
広場全体がビリビリと震える。サタン塔までもが揺れんばかりの大歓声で、参加者も観客も大盛り上がりだ。
『よォォし!!よォォくわかったぁぁぁ――!!…それではこれより、二回戦の会場へ移動してもらおう!
『二回戦は、このサタン塔一階の大ホールにて行われる!
大ホールには観客席も併設されているので観客諸君も敗退者諸君も誰でもウェルカムだ。
ただし選手への妨害や助太刀は禁止!野次や声援程度なら問題ないが、警備員と私はマルっとお見通しだからな。
そして会場には設置された巨大スクリーンには、各チームの戦いや私からのアナウンスが流れるぞ。
またこの塔の二階には、各競技のステージや医務室、事務室、協議室、選手控え室など存在する。
勝ち抜いたものや怪我したもの、反則の疑いがあるものは二階に通され色々とチェックされるわけだな!
まあその辺のことは入場の際にまたプリントを配るから、これもしっかり読んでおくように』
行き当たりばったりでルールを決めているだけに、どうやらこれからもプリントをどんどん配るらしい。
かさばってやだなあ、小物入れ持ってくればよかったなあ、そんなことを考える参加者も少なくない。
『それでは諸君、準備が整ったら自分のパートナーと一緒に会場入りしてくれたまえ!
全員の入場を確認したら二回戦開始の挨拶をするから、トイレや買い物は今の内に済ませておいてくれよ。
それでは諸君、二回戦でも健闘を祈ろう。good luck!』
発音記号に忠実な発音の英語で、サタン様放送は締めくくられた。
そして広場は動き出した。
ある者はトイレへ、ある者は小物入れを買いに売店へ、ほとんどのものはパートナーと共に我先にと会場へ。
そしてスペランカーは、人並みを避けつつ(避けられつつ)相棒を探していた。
「おーい、仮面の人ー!二回戦始まっちまうぞー!」
ひょっとして先に会場入りしてしまったのか、とスペランカーが考えた時、
「私の名前はマスクドサタンだ!覚えてくれよ?」
バサバサという羽音と共に、頭上から相棒の声が振ってきた。
「おお、ようやく戻ってきたか!あんたどこにいたんだよ?放送は聞いてたのか?」
質問しながら、相棒の分のルールブックを懐から取り出す。
人並みがスペランカーを避けることで出来た空間にマスクドサタンは降り立ち、相棒の質問に答えた。
「うむ、ちょっと大会本部に呼ばれてたもんでな。選手の立場から見てルールに問題は無いかとか
会場に問題は無いかとかいろいろ聞かれてたんだ。だから放送で言われてたことは全部知ってるぞ」
本当は自分がルールを決めたり放送したりしていたわけだが。
「よーしそりゃ話が早い。じゃあ早速オレ達も会場入りしようぜ?」
そう言ってスペランカーは、人並みと共に塔入口へと駆け出そうとしたが、
「あ、ちょっと待って。売店で喉飴買ってくるから…」
だがマスクドサタンはまたも飛び上がると、入口とは反対方向に向かって進みだした。
「あ、おい!仮面の人!」
「先に会場入りしてていいぞ〜、あと私の名前はマスクドサタンだ〜…」
いがらっぽい声を響かせて、マスクドサタンは売店へと飛び去っていった。
そんな相棒の背中を見送ってから、スペランカーはため息と共に会場入りしたのだった。
二回戦会場の概要
・二回戦会場はサタン塔一階の大ホール。
コロシアムのような構造で、円周上に観客席が設置されている
・ホールの東西南北には1枚ずつ巨大スクリーンが設置されていて、
各チームの試合やサタン様放送が映される
・会場内は警備員が巡回しており、迷惑行為や観客の選手への妨害、助太刀を見張っている
・塔2階には医務室、事務室、協議室、各競技のステージ、
勝ち抜いた選手の控え室などがあり、必要に応じて選手が呼ばれる
医務室…負傷した選手や死んでしまった選手が連れてこられ、黒子による治療・蘇生を受ける
事務室…ルルーや警備員が詰めている。選手は基本的に来ない
協議室…反則やルール違反の疑いがあった場合に選手や審判を連れてきて協議する
勝者控え室…二回戦突破のチームが案内される。一度連れてこられたら会場には戻ってはいけない
※二回戦は新スレに移動して行いますので、今スレでは二回戦の話は書かないようにしてください
hoshu
ホシュ
アデル「我が全力を持って、ルガール!あなたを倒す!」
Gルガ「恐怖せよ!これが私の真の姿だ!」
ユリカン&ヒカリ「「遊ぶなよ」」
ほす
>819
ありがとう社会のクズ
お前みたいな暇でこんな所に定期的にやってきてダラダラ惰性のまま見るだけで
無駄に時間費やす様なニート君はそうやって流行ってると脳内で勘違いした
痛い台詞を並べるだけが生きがいなんだよね?アケ厨なんて卒業して早くまともな
会社に入社しろ?な?その方がお前の為だって、ていうかむしろ世界の為
嫌なら必要とされてないから早く死ねよ お前の死因は仕事場で適当に
捨てたテープの裏にでも書いておくから はい、次は無いからさっさと死ね
ここに居る無職馴れ合いキモ腐女子共糞信者共々と死んでもいいよ?www
学生だとしたらこんな時期にやるのは青春の無駄遣いだから外出てやっぱ
車にでも引かれて惨死しろ不要物
なんかキモいこと言ってます、先生!
どどどどどどー!!
831 :
ゲームセンター名無し:05/03/12 00:00:03 ID:uz384kwz
IDちぇき
832 :
ゲニ:05/03/16 17:51:30 ID:???
保守ですかぁ?
ほしゅ
ほしゅ
あえてホシュ
「あなたが……神楽マキさんですか?」
神楽マキのパートナーに選ばれたのは、言葉に大陸系の訛りがある、平坦な顔をした青年だった。
金大正。儒教の道士である。
歳は30を越えてないはずだが、実年齢よりは、やや老けて見える。
「はて、あなたは確か先程小夜さんが組んだ人では……」
「え? ……ああ、あれは私の双子の妹なんです」
と、ちづるのことを説明しながらマキは金の顔をじーっと見た。
しっかりと見つめた。やたらと見つめた。もうそれはどうかと思う位に見つめた。
「……何してるですか?」
「あら、ごめんなさい。私ったら初対面の人に失礼なことを……」
何で眼を閉じているのかと思ったのですが、ちゃんと見えていらっしゃるんですね。
そんな風にうっかりと口を滑らしてしまいそうになったマキは、慌てて口をつぐんだ。
「私はこう見えても日本には長く居ますから。語尾に『アル』だなんてつけないですよ、マキさん」
「は、はあ……」
金のちょっとずれた発言にマキは複雑な顔をした。
「所で、金さんは何か宗教でもなさっているのですか?」
「はい?」
「いえ、私も生前は巫女をやっていたのです。ですから、同業の人は何となく判るというか……」
「はい。こう見えて私は儒教の道s……」
そこまで言って金の言葉は止まった。
「……ちょっと待って下さい。あなた今生前と言いましたか?」
「はい」
「つまりあなたは死んだことがあると?」
「ええ、仰るとおりですわ」
どしゃっ!!!
瞬間、金は自分のトレンチコートに足を引っ掛けて派手に転んだ。
「あの……金さん?」
思わず眼をぱちくりさせながら見下ろすマキ。
「なななな何言い出すですかあなたは!」
「いいえ、私は本当に一度死んだ身なのです」
「ならば何故、あなたここに居るですかっ!!??」
完全に混乱した金の言葉は、日本語の体勢が取れていない。なので、マキはぽやんとした表情で金に聞き返した。
「は、はい……?」
「だからっ! 何故居るかと聞いているっ!!」
慌てていてもはや丁寧語ですらない。
「……さあ? よくは分からないんですけど、何故か生き返ったみたいですの」
「………アイゴー」
呆然とした金はそのままふらりと立ち上がった。
「あ、あの、金さん……?」
「いえ、大丈夫です。何はともかく宜しくお願いします、神楽マキさん」
「は、はあ」
ギターケースを片手にそのまま二回戦の会場へ向かう金。それを追うマキ。
金大正、死んだ弟子を生き返らせようと願う道士。
神楽マキ、一度死んで何故か生き返っている巫女。
頭文字K、それは奇妙な取り合わせのタッグとなった。
寒い
今日は寒い
息が白い
山は寒い
>皇紀2665
なんだこの部分は!?
保守
暖かい
保守
寒い
寒い
痛
\ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
O 。
r,''ヘ_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_,,,,_⊂-くノ`ヽ,  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_ 〆_゙'ir''⌒" )  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ξ⊂! っ》` く ∠___  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.''\ノ''''‐`` i、 ,ノ │,-ヽ7=、、 ,,rー'"`-、  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\_゙l、,,,_,/i゙、 ,ノ 〈 ゛ `ヌ⌒ )/=i、 l  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
`゙゙'''"`'ミ--/-,_ ´ /" `''  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\ .,,、`lニン-゛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
\__ノ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
おちる
なぜ誰も2回戦をageなかったんだ…
オレ「そう・・旨いよ、愛子・・すごく・・・もうサムライスポットだよ・・」
時と共に激しさを増す愛子の飢餓伝説に、オレはクズDNAの反乱していた。
正直、いまだ子供の愛子では充分満足できるユンボエルボーは得られないと思っていたのだが、
愛子の激しい飢餓伝説は思った以上のタイガーウッポーカット。
愛子「お兄ちゃん、どう?火災使い?」
オレ「あぁ・・・すごく、ヴォルカニックアイパーだよ・・」
自分の上で腰をエリアルレイプする愛子のシバイニングクリスタルビットを愛撫する。
オレ「愛してるよ、愛子・・・こんなジョジョの奇妙な花嫁しちゃった以上、もうお前をTATSUTINしたりしないから・・・・・・・」
愛子「うん・・・ぅ、ん・・TATSU・・TINしないでっ・・私たち・・もう御剣平八郎なんだから・・・!」
オレは愛子の苦ジョセフを舌で減殺豪波動し、愛子はエリアルレイプを更にスーパーウリアッ上する。
オレ「ああ・・・お前は最高の目白押しコンボだよ・・!」
愛子「私・・もう・・・ダメ・・・体勢を大きく崩す蹴り技など不様・・・!」
愛子のしゃがみ大パンツはもうレバー入れ大ピンチだ。
するといきなり右井ぜんじが急にインド人を右にした。
右井ぜんじ「前号の『前号の誤りと訂正』に誤りがありました・・・確かみてみろ!!」
920 :
ゲームセンター名無し:2005/08/28(日) 13:07:47 ID:6NfDl/Xg
921 :
ゲームセンター名無し:2005/09/04(日) 14:34:29 ID:a9NdY0iW
| )
| )
| )
U
‥∵¨:∴.…∵:¨.▄█▀█● ‥∵¨:∴.…∵:¨.▄█▀█●
928 :
ゲームセンター名無し:2005/11/21(月) 13:00:38 ID:fu7zI+3V
( ゚Д゚)
a
TMC3
a
test
935 :
【大吉】:2006/01/01(日) 10:34:50 ID:rxP6S4wV
テス
936 :
【吉】 :2006/01/01(日) 23:14:13 ID:ypV29rhN
0
梅
938 :
:2006/01/02(月) 16:22:38 ID:drY/adwv
,,ィ、_,,,,__
/‐'" llll "" _r`'''-、
_/lll "" ll__ll ̄ ヽ、
/ l||l 厂 ̄ l||l " ll|llVl
/ll //,,.-''"^ノ ;; "" l|||ll 〈 過去は……
/; /// ∠.イ / l||l ||l
/ lll /lll /;;; __,,,,,.._l,.イ / l|| | バラバラにしてやっても
/ ////」〉 _ニ二‐-` / / /lll| |||
|/V/lll/ /.. 、ヽ吻>/ / ∠_ ll|| | 石の下から………
/ lll// ": / ./ ./,r'' l |
__,,ノll /| ヽ__、 ∠. / /_ムノl|| lll | ミミズのように
≧/ / lll| ==、 // / | | |ト、 ト、 はい出てくる……
 ̄| | ll、⌒ ∠∠..|/ / /| ||l||ll | ヽ
|/ ll ~i''--r-―'''" ̄ //l | || | | l、
/lll / ll|//| / /ハ|ll| ||llll| | llll ヽ
| ll/ / ./ ! / / | | ト、| | |l |、 ヽ l|\
/lll / ll/| |\"' ∠_ | ;| |lll| ||| || ヽ` \||ll \
ヽヽ_,,,...--‐‐,ニニ'|,ハ,||||lヽ`ヽ|ヽ
`――'''~~ ̄
ぬるぽ
夢の終わり
13 愛がたりない
あと、どれくらい求めたら、足りるのか。
どれだけ愛されれば、満たされるのか。
あるいは、どのくらい愛すれば、愛を感じることができるだろうか。
求めても求めても、永遠に満たされることなんてあり得ない。
はじめに戻って、愛が溢れていたあの場所へ帰りたい。
保守
さらばサタン塔
鯖落ちの波をこえて
アケ板の海を渡っていこう
そこにはあきれるほどの
まだ見たことのない作品が
ちらばっているはずさ
本編を追い越し
かさぶたを翔んで
いつまでも
どこまでも
冬の夕暮れ…
やさしく迎えてくれるのは
保守レスだけなのか?
…… 今も書き込み …… スレはまだ、生き残っているのです …… 現在
…人書き手からレスが届いて …… 我々のレスに対し、幾つかの書き手から応答があり
…… きらめないでくだ …… 通信可能なスレがある板は、 …… に上り ……
番外編は、ほぼ壊滅状態です。それでも、アケロワはまだ滅亡したわけではありません。
アケロワはまだ生き残っているのです。 …… 我々は最後まで書き込みを続けます。
あきらめないでください、あきらめないでください。
Chapter:01
[理想 ideal]
嗚呼、アケロワが行く・・・・・・
望まれることなく、浮き世から
捨てられし彼等を動かすもの。
それは、生きる意志を持つ者の
意地に他ならない。
復活の予感
諸行無常
両手を広げ、ほしいものをほしいと言ったあの時、すべては思い出 そして現実
あぼん
鳥て
鳥て
鳥て
962 :
ゲームセンター名無し:2006/04/22(土) 23:30:41 ID:uqEp6qnz
まだあったのか
963 :
うんこ:2006/04/23(日) 15:00:29 ID:ZKZTIFoQ
ううんこ
check
絵
966 :
ゲームセンター名無し:2006/05/27(土) 22:50:50 ID:ZvfVD+W2
あるる
ここでチェック
HOS
埋め
>>1000ゲットはちゅるやさん
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ /" `ヽ ヽ \
//, '/ ヽハ 、 ヽ
ぱ 〃 {_{ リ| l.│ i|
こ レ!小l ヽ / 从 |、 i|
ヽ|l ● ● | .|ノ│
|ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j | ,|
| /`,、 __, イァト |/ | !
. | / ヽ::|三/::// l ヽ |レ
ヽ″ | ヒ:::∃ ヾ∨:::/ ::|l彡, |
/`` ‐- 、._ i ヽΤ ̄ ̄,/ レゞ,ノ
/l レ `'l /(、,ノ 、
>>1000 ヽ`\ L ' | ヽ
\ `, / `‐- 、l ,、 ヾ
/~~~l、 ノ| l ; \
そしてSR呪いもちゅるやさん
, '´ ̄ ̄` ー-、 -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ 〃" `ヽ、 \ / /" `ヽ ヽ \
/ / ハ/ \ハヘ //, '/ ヽハ 、 ヽ
. |i │ l |リ\ /}_}ハ. 〃 {_\ /リ| l │ i|
めがっさ |i | 从 ● ●l小N レ!小l● ● 从 |、i| めがっさ
|i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
| i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒) /⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
| ヽ ヽx>、 __, イl |::::ヽ/. \ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
| ∧__,ヘ}::ヘ三|:::::/l| |',:::::ハ . /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
| ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''´ .`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
>>1000ゲットはちゅるやさん
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ /" `ヽ ヽ \
//, '/ ヽハ 、 ヽ
ぱ 〃 {_{ リ| l.│ i|
こ レ!小l ヽ / 从 |、 i|
ヽ|l ● ● | .|ノ│
|ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j | ,|
| /`,、 __, イァト |/ | !
. | / ヽ::|三/::// l ヽ |レ
ヽ″ | ヒ:::∃ ヾ∨:::/ ::|l彡, |
/`` ‐- 、._ i ヽΤ ̄ ̄,/ レゞ,ノ
/l レ `'l /(、,ノ 、
>>1000 ヽ`\ L ' | ヽ
\ `, / `‐- 、l ,、 ヾ
/~~~l、 ノ| l ; \
そしてSR引ける呪いもちゅるやさん
, '´ ̄ ̄` ー-、 -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ 〃" `ヽ、 \ / /" `ヽ ヽ \
/ / ハ/ \ハヘ //, '/ ヽハ 、 ヽ
. |i │ l |リ\ /}_}ハ. 〃 {_\ /リ| l │ i|
めがっさ |i | 从 ● ●l小N レ!小l● ● 从 |、i| めがっさ
|i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
| i⌒ヽ j (_.ノ ノi|__/⌒) /⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
| ヽ ヽx>、 __, イl |::::ヽ/. \ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
| ∧__,ヘ}::ヘ三|:::::/l| |',:::::ハ . /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
| ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''´ .`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
尚
>>999だった場合は
>>1000の効果を倍加する
それ以外はとりあえずスモークチーズ
>>1000ならSRの呪い発動
/^7_
,' / /
| //ヘ-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
| / / /" `ヽ ヽ \
三 | //, '/ ヽハ 、 ヽ
/ 三 .L 」 ミ{_{`ヽ ノ リ| l │ i| やっつぁっつぁっ ぱれでぃっぱりらんらん
X / | | .レ!小l● ● 从 |、i|
/ | | ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│ でぃっぱりりんらん ぴちたんるんらー
/´`'J __|ヘ ゝ._) j /⌒i !
. ― ヽ._人::::| l>,、 __, イァ/ /│ りぴたびだんらー るっぱでるぴらん
. ― ミ ノ ノ:::::/| /ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
ミ (_/`ヽ< | | /ヾ∨:::/ヾ:::彡' | これがんぐぉっこや きりがんぐー
それ以外はこっち
⌒ ⌒ ⌒ ⌒
⌒ ⌒ ⌒ ⌒
┏━━━━━━━━━━┓
┃呪 ______ ┃
┃ _.:.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ ┃
┃ /.:/.:/ ヽ:.:.:i:.:.:.:.:.:.ヽ .┃
┃ {:.:/:./ \ l:.:.j:.:.:.:.:.:.:.、 ┃
┃ ∨!/ |:./:.:|:.:.:.:.: ┃
__┃ |′ ● jイ:.:.:.|__:.:.:. .┃_____
/::::::::::::┃ |! 、_、_, (_) |:.:.:.| }:.:. ┃ ::::::::::::::::/
./:::::::::::::::┃ ハ {_ノ |:.:.:.|ノ:.:. : ┃:::::::::::::::/ チャラッチャラッチャーン♪ミヨヨヨーン…
. /:::::::::::::::::┃ (` = -r-rム:.:.:|:.:.:.:.: ┃::::::::::::/
/::::::::::::::::::::┃ ト、 | / | |:.:.∧:.:.:.: ┃:::::::::/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,. -‐'''''''''''''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,,,,,,........ -ァァフ|
|i i | }! }} //|
|l、 { j} /,,ィ//| あ…ありのまま 今 起こった事をはなすにょろ!
i|: !ヾ、_____ノ/ u {:}/|
//, '/u ヽハ 、 ヽ 『
>>1000取ったと思ったら
>>10001だったにょろ』
〃 {_{\ /リ| l │ i|
レ!小l● u ● 从 |、i| な…何を言っているのか わかないかも!と思うけど
ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│ わたしも何がおきたのかわからなかったにょろ!
/⌒ヽ__|ヘ u ゝ._) j /⌒i ! 『このスレッドには書き込めない』とか『時間差でレス時間がワープ』だとか
\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│ そんなチャチなもんじゃあ 断じてなかったにょろ!
. /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ | めがっさ恐ろしいものの片鱗を味わったにょろ!
`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡' |
/:::::::::::::::::::__:::::::\ やあまたなんだ・・・・
. /:::::::::i:::イ::/" ゛ヽ::::ヽ、 ネタが寒い上に
>>1000取ってスマナイ
/::::::i:::::|::.l{_l u _ i:::::::ヽ
|:::::::|:::::{イ u `l::{::N これで許してもらえるとは思ってないが
|:::l´|:::::| ● ●リレリ このSRリテンで許してほしいんだ
|:::ヽ|:⊂⊃ u ⊂l/:i| ちなみにこれにはSR大量増殖の呪いと
|:::::::|:::::ト _ ーー イ|;;;;;i| フィールド全体の看破範囲を持ってるよ(士気はスモチ1個)
|:i|::::|::::|>´_l_ ̄/'/ ̄/ ̄/
|:i|:i|:|:::N/  ̄ )SRリテンと)
|:i|:i|::V|i_}--j-イ__/_/ノ
レ|:i|:::|::| ゛イl | // |::::::::::il
てst
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