ラビン・ユー

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1見ろ!名無しがゴミのようだ!
お引越し!

まどか「元祖さん、たどり着けたら再開するよ。」
2見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/07/31(金) 01:25:59 ID:pY4RztkC
なんだ?ここは。まどかって誰?
3見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/01(土) 11:41:39 ID:nY4Nw9ye
マライヤキャリーが3get
4見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 20:27:12 ID:f5tY6CP8
「ごめんね、有難う。ちょっとソファで休むね。」
「うん。」
まどかはソファに腰を下ろすと、下を向いて少し微笑む。
(なんだか…スッキリした…)

恭介はアロエをミキサーにかけながら今のシーンを思い出している。
あまりにもいつもの気丈なまどかとかけ離れた行為。
(鮎川…まだ万全じゃないのかなあ?それとも…)

出されたモノはドロドロの緑の物体。
恭介は苦笑いを浮かべ
「飲んでみる?」
まどかはじ〜っと見つめて
「う〜ん、ちょっと厳しいかなぁ…あ、ヨーグルトに混ぜようよ。」
苦肉の提案。
食べ始める二人。
「うえ〜!なんだこれ、変な味…。鮎川は大丈夫なの?」
「うん…『好き』かな…。」

(だって、春日クンが始めて作ってくれた料理よ。
 …『好き』に決まってるじゃない…。)

「へ〜こんなのが好きなんだね。」
不味そうに食べながら言う恭介を見て、まどかは恨めしそうにボソッと呟いた。
「ドンカン…」
5見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 20:35:13 ID:f5tY6CP8
食べ終わって、ほっと一息。
二人は窓際で夕暮れ近い街の景色を眺めている。
まどかは、あの夜の…どうしようもなく感じていた物足りなさが
今は満たされているのを感じていた。
「ねえ、明日帰るんでしょ?」
「知ってたの?」
「うん、昼に妹さん達が見舞いに来てくれて…」

恭介は急に改まった物言いになる。
「お、俺…まだ鮎川に言わなくっちゃいけないことがあって、でも、まだ、
 自分の中で整理がついてなくって…」

まどかは優しい表情で恭介を見つめている。
「いいよ、無理しなくって。言いたくなったら聞いてあげるよ。
 でもその時は…その時はさ、あたしも『知りたいこと』を訊くから。」
「う、うん。」
6見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 20:44:41 ID:f5tY6CP8
まどかは覗き込むように恭介に顔を近づけ
「ところでさあ、来年どうするの?」
「うん…自分の限界を、取り敢えず高校生としての限界に…」
「で?」
「K大を受験してみようかと…。」
「へ〜、凄いね。」
「へ?驚かないの?」
「別に。春日クンがしたいことを応援するだけ。」
「無謀って言われると思ってたんだけど…鮎川はどうするの?」
「前言ったじゃない。忘れたの?誰でしたっけ?頼んだの。」
「でも、鮎川の才能だったら芸大かなあって…」
「勝手に決めつけないでよ。あたしは自分のしたいようにするから。」

まどかは『一緒に行こう』という言葉を待っている。
(あの時言ってくれたじゃない。何で尻込みするの?)
相変わらずの優柔不断さに少し怒るまどか。

「と、取り敢えず中途半端になったけど、夏期講習…第二期から
 一緒に受けようよ。ね?」
「…うん!」
ソッポを向いてたまどかに笑顔が戻った。
7見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 20:50:45 ID:f5tY6CP8
「ほら!あそこ!」
「何?」
「Double Rainbow!」
「あっ!ホントだ。」
まどかの指さす方向に二重の虹が出ていた。
夕暮れに近いオレンジ色の空にかかっている。
「何してるの?」
「お願い事。春日クン、ここじゃ、あれに出会うとみんなお願い事するのよ。」
「へ〜、じゃあ俺も…」

(春日クンとずっと…。)
(鮎川と一緒の大学に…そして…。)

トントン。
「ただいまあ。」
8見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 20:59:24 ID:f5tY6CP8
ふたりは慌てて離れた。
「じ、じゃあ、俺失礼するから…。」
「う、うん…。」

「春日クン、どうかね?一緒にディナーでも。」
「あ、有難うございます。でも、僕、明日帰国するから…。」
「え?帰っちゃうの?あんたもまさか…」
ママは慌ててまどかを見た。
まどかは点滴を見上げて
「帰れる訳ないじゃない。」
ボソッと呟いた。
「じゃあ、エレベーターのところ送るから。」

まどかは点滴スタンドを押しながらエレベーターの前まで見送る。
エレベーターの扉が開く瞬間、ひょいとまどかも乗り込んだ。
「あれ?いいよ、ここで。」
「いいじゃない、玄関まで。いいでしょ?」
まどかは点滴スタンドを持って奥へ移動した。
「ねえ、何お願いしたの?」
「鮎川と同じことだと思ってる。」
「へ〜、そうなんだ。」
「鮎川は?」
「さあ。」
よそ見をしてとぼける。
9見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 21:10:17 ID:f5tY6CP8
途中の階で人が乗ってくる。医療従事者や見舞い客。みんなでかい!
奥に押される二人。
まどかはスタンドごと奥に押しやられ、恭介はまどかを守るように
その隅の空間を確保する位置に立った。
両手を広げてまどかに背を向けるようにエレベーターの壁に手をついている。
すると、まどかは恭介の片方の腕をつかんで下ろし、自分の腕を絡ませた。
(え?)
まどかは周りの視線も気にせず、彼の腕に抱きつく。
色っぽい眼差しで、恭介に顔を近づけ
「支えてくれる?」
「あ…う、うん…。」
エレベーターがロビーに着くほんのわずかな時間。
まどかは目を閉じて、恭介の肩に頬を寄せた。
恭介はまどかの大胆な攻撃に、体を強張らせるのが精一杯…。

エレベーターが開くと、恭介は
「大丈夫?心配なんだけど。」
「体力的にまだかなあ…。」
まどかはちょっと嘘をついた。
「点滴は今日までなんだ…ホントは明日(一緒に)帰りたいんだけど
 …やっぱり、親孝行しないとね。こんな娘でも可愛いらしいから。」
10見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 21:24:33 ID:f5tY6CP8
点滴さえなかったら全く普通に見える。
「ねえ、外に出てみたいんだけど…時間無いかなあ、ダメ?」
「点滴したままじゃ…ねえ、車椅子借りようか?」
「え〜!要らないよ。」
「でも、それ(スタンド)押しながらってのは、外歩きにくいよね?」
まどかはちょっと考え
(それもいいかなあ…)

受付で車椅子を借りてまどかを乗せる。
玄関を抜けると、一気にハワイ特有の甘い香りと市街の喧騒が。
「うわ〜!やっぱり外は気持ちいい!」
恭介は夕暮れに染まった病院の庭へ、車椅子をゆっくり押して出た。
小鳥たちのさえずりが二人を包む。
「3日ぶり?」
「うん。…春日クン、暑くない?」
ハワイは真っ盛りの夏。夕暮れでもかなり暑い。

久しぶりの外と…そして何より恭介に介抱されているのがたまらなく嬉しい。
まどかはオレンジ色に輝くビル街を眺めながら、ちょっと呟いてみた。
「ねえ…もしさあ、もし…あたしがこのままになっちゃったら…」
「俺でよければ、ずっと押すよ。」
「……!」
視線は外さなかったけど、恭介が優しい顔で応えているのは見なくても解る。
「へ〜、言ってくれるじゃん!」
抑え気味の声で、見栄を切りつつも
彼の言葉の温もりを背中越しに受け止めた。

(有難う…)
11見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 21:41:48 ID:f5tY6CP8
「そろそろ帰ろうか。」
「うん。」
車椅子を受付に返し、エレベーターのところまでついて行く。
「もういいよ。ごめんね、反って迷惑かけちゃった。」
「いや…じゃあ、日本で待ってるから。」
まどかは思い切って切り出す。
「あのさ、…ひかるのことなんだけど…」
「え?」
まどかはちょっと躊躇って
「あの娘…本気だし、一途だから…」
「うん…」
エレベーターの扉が開く。
まどかは恭介を見上げ、扉が閉まる寸前に
「(これ以上)傷つけたくないの。」
他の乗客に押されて奥に行く。
「あっ…」
扉が閉まった。

(ええ?鮎川、どういうつもり?)
12見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 21:54:43 ID:f5tY6CP8
「傷つけたくないって…」
(まさか、自分は身を引くっていうこと?ひかるちゃんを…ひかるちゃんを
大切にして欲しいってこと?そ、そんなぁ…。)

恭介はこのハワイの日々を思い返した。
まどかは随分自分の気持ちを伝えてくれてたはずなのに
それで十分スッキリしてしまったってこと?
これで思い残すことなく、自分をひかるに譲れるとでも?
帰る間際になって、恭介はかなりのショックを受けて…」

茫然自失となって、バス停に向かう足取りが重い。
しかし、恭介は勘違いしている。

まどかは今この瞬間に自分と恭介の気持ちに間違いが無いことを確信した。
しかし…ひかるのことを考えると、どうしても揺れる気持ちを
恭介に支えて欲しいから…伝えたかった。
(ひかるを深く傷つける前に…『はっきりさせて欲しい。』
 どうしたって傷つけるのは解っている。だから…)

そんなまどかの気持ちを誤解したまま
恭介はホテルに帰っても家族との会話は全て上の空。
(ひょっとして…俺、ふられた?そ、そんなぁ…違うよなあ…)
訳が解らなくなって、ぶつぶつ独り言を呟きながら荷造りをしている。

(まどかさんと何かあったのかしら?)
まなみが心配そうに見ていた。
13見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 22:06:24 ID:f5tY6CP8
まどかは病室に戻ると
「ねえ、明日点滴外して貰えるのよねえ…明日帰っちゃダメ?」
「……」
呆れるパパとママ。
「お口の中は大丈夫なの?」
「うん、まだ食べるとちょっと沁みるけど…。」
「まどか、せっかくだから後数日一緒に過ごさないかい?
 パパも久し振りだし。何でも好きなもの買ってあげるから。」
「ううん、別に欲しいものは無いし。あ、そう言えばマリーさんには
 会って帰りたいかなあ…。」

3人は病院の食堂で食事を摂る。
とても総合病院とは思えないホテル並みの内観。
「うわ〜、美味しそう!」
まどかは食べられそうな分だけ少しずつ摘んで頬張る。
「ちょっと糸が触るけど、でも食べられるや。美味しい!」
恨めしげに点滴を見上げ、胸のラインをちょっと引っ張ってみた。
「痛〜い!」
点滴の挿入部は、抜けてしまわない様に糸で皮膚に固定されている。
14見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/02(日) 22:14:39 ID:f5tY6CP8
娘のあまりの無謀さに、両親は呆れている。
「ちょっとは大人しくしてなさい!んもう。」
「だって〜、煩わしいったらありゃしない…。」
ママはスパゲティを頬張りながら
「『おてんばさん』にはちょうどいいのよ。」
「誰が!」

夕刻、主治医が病室を訪ね、口腔内を診察。縫合創が癒着していることと
炎症は起きていないことが確認される。今朝の採血データも問題ない。
まどかは点滴を外したいと願い、主治医はOKサインで応えた。
すぐに看護師が呼ばれ、あっという間に点滴のラインが抜去される。
まどかは思いっきり伸びをした。

「ねえ、ママたち、こっちに来て全然遊んで無いでしょう?遊んできたら?
あたしは今夜、日本の友達に電話したりするから…もう帰っていいよ。」
15作者に敬意:2009/08/04(火) 16:47:49 ID:15t2Kge9
作者様、ごめんなさい。
元祖さんより先に来ちゃいました。
元祖さんへの対応、やっぱり敬意を表さずにはいられません。
私も、心ないレスに心配しております。
前の板にはスレ立てるのもいやですし・・・。
あと、私の勝手な解釈に元祖さん乗ってくれてうれしかったんですが、
なんか引き金になってしまったようで、スミマセンでした。
16作者に敬意:2009/08/06(木) 09:01:04 ID:apTPT8iO
う〜ん、元祖さん来てないのかなー?
ここでのUP彼女のツボにドンピシャはまるのにね。
「あの日に帰りたいスレ2」あたりで、さそってみましょうか?
どう思います、まどかさん?
17作者に敬意:2009/08/17(月) 13:21:05 ID:NudeZVm6
元祖さん、先乗りほんっっとにゴメン!!あなたのストレートな気持ちが
響いた為(たぶん作者様もそーでは)ちょっと心配でカキコしちゃいました。
こんなに沢山の言葉を作者様は投下しててくれているのに、どうして一部の人には
作者のソウルが伝わらないのでしょう?あ、また私の勝手な解釈です。
作者の(人を思う心、傷つけることの悲しさ、傷つく辛さ、ひとりボッチの寂しさ、そして愛するということ、

この作品を取りに来ている人はおそらく’60〜’70代生まれの人では?
若いころは人生なんて振り向かないですよね?でも人は人生の折返し地点に立った時、
いやでも過去と対峙してしまうものです。後悔ばかりの苦い思い出・・・。
作者は言霊という夢の欠片を投下してくれて、そしてみんなは過去にケジメとつけようと
してるように思えたのですが、一部の人は2度目の青春も後悔したいみたいですね。
作者様がガラスの小瓶に夢の欠片を仕舞い込まないことを祈っております。
元祖さん!あなた専用のスレなんだから、ここでは気兼ね無しに書き込んでね!!
きっと作者様も待ち望んでるはずだから!!
私は、勝手な書き込みの責任をとってROMります・・・。
元祖さんのスレ汚してごめんね・・・。
18見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/18(火) 10:06:32 ID:qS3zVfXA
初レスするけどコテが悪いんよ
作者にとって良くてもコテ以外の読者には不満なんよ
19見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/18(火) 10:07:22 ID:qS3zVfXA
というわけでROMに戻るわ
20見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/18(火) 10:51:55 ID:xmKBClC0
スルーすればいいのに敬意さんは煽ってますよ、どうみても
21見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/18(火) 18:34:21 ID:q5HHLp0E
まあなるべく黙って見てよう
ナナシさんもコテさんも
22見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/21(金) 10:26:47 ID:1eNJ7mlR
作者は作者に敬意を無視してんの?
2322は作者に敬意?:2009/08/21(金) 15:48:06 ID:Z0etvwiw
「作者に敬意」は2面性を持っているような気がする。
元祖は、まんま他意がなく解りやすいが、「作者に敬意」はわかりにくい。
おそらく、作者と元祖とオレ以外は全て同一犯の自演じゃないのか?
あ、それと、以前オレがやり合った見下し視線の奴は別人のような気がする。
そいつも入れると読者なんて4人程度か?
誰でもこのスレを普通に読んでいればこういう解釈になるから
作者は最も安パイの元祖だけを相手にしているんじゃないか?
24見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/22(土) 11:32:28 ID:mW6MTKQy
早くここで再開して欲しい。
25見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/22(土) 20:21:12 ID:0aQ5SsTp
この妄想は誰にも操作できないのさ。
26見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/22(土) 23:13:35 ID:Z5DnUIid
『妄想先生』の初回から読んでるのに先生は元祖しか見てなかったって悲しい
俺の片思いだったんだな
でもそれでもいいから連載再開してください
お願いします
続きが気になる
二人の行方が知りたい
お願いします
27見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/22(土) 23:42:21 ID:0aQ5SsTp
作者、早く出てきなさいよ〜。
28見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/23(日) 12:35:40 ID:VHJNqEP6
「まどか、他にもお付き合いしてる人居るの?」
そっちの三角関係ではない。
「居る訳ないでしょ!」
ちょっとムキになるまどか。
「じゃあ、割り込んじゃったの?」
「…結果、そうなるのかなあ…。でも…」
また言い淀んでしまう。
ママは娘が無理に割り込むようなタイプじゃないことは承知している。

(まどかのことだから、どうせ意地っ張りが禍してタイミングを
 逃してこじれてしまったってところかしら?あたしに似て…
 素直じゃないし。)

「ママはあなたが本当は優しい娘なのは分かってる。でもね、
 優しくすることが幸せにするとは限らないわよ。」
「え?」
「まどかは身を引く気なの?それで春日さんは幸せ?まどかは?」
「……」
29見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/23(日) 12:51:31 ID:VHJNqEP6
「もう少し自分のことを…」
「わかってる…わかってるって!」
暴走気味のママを制するように両手で押し止め
まどかはよそを向いて少し悲しい顔をした。

(わかってるって…)

ショッピングセンターのフロアは日差しに照らされまぶしく輝いている。
また、グラスの氷をかき混ぜながらため息をついた。

「ねえ、あたし帰りにマリーさんのとこ寄るから。」
「あら、じゃあ私たちもご挨拶に伺おうかしら。」
「え〜、ついてくんの?」
「だって、ほら、お世話になったでしょ?」

(んもう…子離れできないんだから…)
30見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/24(月) 16:34:13 ID:0ZennHQL
31見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/25(火) 12:52:42 ID:Ekroi5gn
なんと愚かなことを・・
こんなことしても、作者は喜ばないぞ。
32見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/26(水) 09:35:18 ID:5v81v4oi
いやこっちから向こうだから別にいいとおもう
向こうからこっちに誘導なら駄目だけど
33見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/26(水) 11:37:42 ID:k+D2javi
つーか、むこうの「おすすめ」にここが張られてるし。

どっちにしろ、一度架け橋を作ると、結果往来が増え、
せっかくのスレの雰囲気がめちゃくちゃになるだろう?

ところで元祖よ、なぜ姿を現さない?
18の言ったことを気にしてるのか?
あんな偏執野郎のことは気にするな。
お前と敬意で作者のモチベーションをくすぐってやれ。
34見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/26(水) 11:42:39 ID:1hpgt0Rc
偏執野郎
35見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/26(水) 12:15:58 ID:dqwxiOpl
>>33
あのね・・・・・・・・・。

おすすめ2ちゃんねるって何?

あるスレッドについてそのスレッドを見ている人たちが他にどんなスレッドを見ているかの統計を取って
上位8つのスレッドを紹介する仕組みです。
36見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/28(金) 16:53:45 ID:68fz4mGq

 ☆ チン     マチクタビレタ〜
                        マチクタビレタ〜
     ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ヽ ___\(\・∀・) <  続きマダー?
            \_/⊂ ⊂_ )   \_________
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       |  愛媛みかん |/

37見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/28(金) 20:56:31 ID:jD+NBVMA
                  ヽヽ、 li      .'ー..,/././. /
                 ,r'" ゙'` 、 !i!,, -―─―/ /` /
                /    ,)i,゙ ! ._,,.. ----ニ广' !'.
               /   ./.,..-'"゛        `゙"ヽ
                 !   //              、'、
              !                       l. l
              ,!                      | ′
             ,/         l  l  l  | l      l
           /    ._,,,..-''ニ=l―l一l l /-l-'i    /
          ,i'......、、. ̄   .l | .,,,,_,,   レ_, /,,,..<゛
            ,i″   `ゝ、,,,,,,.. l l      .'   iし   ヽ
         |             l| ' 、    ー   ノ      l
         │            l ./ `' ー- ‐ ´.゙!      |
       . / .!             `ゝ. /"゙゙\ 丿  /   l
      iir″  .l       l       ″、  `゙   !  !
   .ー'"./  、 .ll、     .l,       ヽ      l. ,!
     ./ .、/  l .l     .|,.. ー''''''-、.  l  _.. -'''゙゙゙.l .l゙
     ! l .l゙  │.l,     .!     .`'‐ ゙‐'´    / /
    .! ! .l   .l.,..ゝ     .!              /  ,!
     |,│.!  ../  . l     .|,    /   .,..イ゛    !
     ".l " ./     ヽ    .l   ./  /  l    |
      .ヽ/, -'^''┐ .l     ヽ    .ニ、/     .|
      .i/    ヽ l     ヽ  ./  .゙.!     !
      ,l″      `'.l,     .l /    .!     .|
      !         ..l.     l″   l     .!
      !          ヽ     !    !    ./
     │             ヽ    l    |    i{
      . l              ヽ    l   !   ! .l
       ヽ              ヽ   l  /   .l゙ .!
          ヽ            !   .l, l   │ !
         ヽ,             !    .l/   │ .|
          \,         ヽ.   |   │ │
               'ミ-、       ゙l,   l   .!  /
                `-,゙-       |、  .l  i/"
                  `'-.......... -ー" .゙ー ゛`゙'"
38見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/28(金) 21:51:15 ID:iQrACGUk
39見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/29(土) 10:40:30 ID:ZlHSaqk7
>>23
ここに居るのは
 俺
 >>23
 毒舌
 上から目線の仕切り屋
 元祖
 敬意
これぐらいはわかる。これに+2〜3人ぐらいじゃないかな
40見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/08/31(月) 09:05:35 ID:cdFi9Lfy
作者の心が癒えるまで、待っているしかないか・・。
それにしても、お前、台無しにしてくれたな。
この自演野郎!
41見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/02(水) 01:04:16 ID:CyMlrusM
全ての元凶は元祖。
こいつの登場以前は、何だかんだ言ってもここまで荒れなかった。
でしゃばり過ぎなんだよ
この糞コテが
42見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/02(水) 11:22:46 ID:N4tNIam/
オレからすれば、君が元凶だよ。
自分が荒らしの張本人なのが解らないみたいだな。
ホント、病識のない奴だ。言葉使いにも品性欠けるし・・。
もう一度言うが、ここは作者が元祖用に作ったスレなんだから
君が来て、とやかく言うことの方が間違ってるだろ?ば〜か。
43見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/03(木) 21:47:02 ID:R/aAQajP
掲示板で誰専用とかバカですか?
今後は作者と元祖でメール交換すればいいよ
ちなみに俺は>>41じゃないけどね
44見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/04(金) 20:50:35 ID:AFaqFJHE
43よ・・・きみは日本人ですか?
ひょっとして、しょうがくせいでちゅか?

41やお前さんみたいなのが来なきゃ「荒れない」って話だろ?
お前さん達みたいな低能くんに発する形容が「ば〜か」ってことだよ。

話は変わるが、作者と元祖はどこに行った?
早く戻って来い!
45見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/04(金) 22:46:15 ID:ksF2R8Jz
(読者コメント)復活熱望。作者さんどうか、懲りず続きをお願いします。

ちなみに、、ストーリーとコメントを区別して読むのが面倒くさい。
作者以外はその他おおぜいとわかるよう区別が欲しいな。
46見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/05(土) 02:54:01 ID:5GLcbFcy
41だけど、続き俺書くからw
ヨロピク(大爆笑)
47見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/05(土) 03:45:07 ID:v1UDznxJ
鳩山の友愛はテロリストに通用するか実験してみた!

http://www.youtube.com/watch?v=Cl0ZRJfd_2U
48見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/05(土) 11:32:42 ID:UUkq8vsa
>w、ヨロピク(大爆笑)

未だこういうセンスの低能くんは来ないでって言ってるのだが、
どうも分かってもらえないらしい。
まあ。PDに言っても無駄か・・
49見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/05(土) 15:04:32 ID:dtmSzRK0
お互いいい加減にやめろ
荒んでると戻ってこないだろ
50見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/06(日) 12:32:42 ID:1WfLa0Nc
>>49
もう戻ってこねーよ。
作者のやる気も失せただろ?


51見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/07(月) 08:35:03 ID:IK7WShx+
誓えよ、自演くん。
52見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/10(木) 09:10:08 ID:Go5UZ4SK
再開された途端、来なくなったっつ〜ことは、元祖とオレ以外は
全部、自演嫉妬野郎の仕業ってことか。やっぱお前は転換気質のPDだよ。
早いとこ病院行きな。ここに来るより心理とSST受けた方がいいぜ。
5341:2009/09/10(木) 13:49:18 ID:uOOgytGT
>>52
おいおい、オマエバカか?
作者の駄文投下を促すためだか何なのか知らねーけど、元祖と自分は別みたいなカンジなのかオマエは?
自演嫉妬野郎って、オマエの事じゃん。こんな駄文貶めたからって、いちいち目くじら立てて怒ってんじゃねーよ。

54見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/10(木) 21:48:26 ID:pZ2/WC+G
キミは心底「アホ」ですね。
作者と元祖と52が同じ世界観を共有してる訳でしょ?
そこにキミが割って入って「駄文を貶めてる?」訳なんだから、
そりゃあ、彼らからすれば、キミがこのスレを荒らしている元凶でしょ。
キミが言ってるのは、当に「俺は荒している」ってこと。
だから彼らに「嫌われて」当然でしょ?
「目くじら立て」られて当然の存在な訳ですよ、キミは。
それを居直って、開き直っているから心底「アホ」なんですね。
自分が言ってることの意味を解っていないキミは、頭悪過ぎ!
ちなみに、反応し過ぎる52、あんたもある意味「荒らし」ですから!
5541:2009/09/11(金) 01:55:49 ID:gLS2tOL5
>>54
オメーもだ。タコ。
俺みたいなのをスルー出来ないおバカさんが、
エラソーに講釈タレやがって常識ぶってんじゃねーってのw
これからも荒さしてもらうんでヨロピク(大爆笑)
56見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/11(金) 17:31:18 ID:JlBDATYn
>41
>全ての元凶は元祖。
>こいつの登場以前は、何だかんだ言ってもここまで荒れなかった。
>でしゃばり過ぎなんだよ
>この糞コテが

おぬしはこの時点で、ここが荒れることを望んでいなかったんじゃないのかな?
ワシにはどう見ても、相手にされていないおぬしがヒステリー起こしているとしか
思えないのだがなあ。
おぬしが書いている内容と言い、表現と言い、こっちが恥ずかしくなる程
稚拙極まりないし、ヒステリー起こしているおぬしは、ほんと見苦しいぞよ。

>俺みたいなのをスルー出来ないおバカさん
このような表現を、自ら晒す低能振りに、悲しさを通り越して笑ってしまう。
おぬし、頭の悪さは別にして、ホントは単純で可愛いやつかも知れんなあ。
まあ、好きにやればいいさ。どんどんやれ。気が済むまでな。
あ、その前に、どこかちゃんとしたところ受診しなよ。カウンセリングもな。
これ以上、家族や他人に迷惑をかけるなよ。
57見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/12(土) 11:53:38 ID:u7GuLb6O
56氏よ、
この作者は、あっちこっちにほぼ同時進行の撒き餌をしかけているぞが、
今のところ、最も進んでいて(まどかが帰国して大変なことになっている)
敬意はまだ知らないのか、オレと元祖しか来ていないスレがある。
あんたも探して来てくれ。ここの検索じゃ解らんと思うから知恵を使ってくれ。
ヒス野郎はここに張り付いていてもらおう。
58見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/12(土) 13:32:41 ID:p7taZOfz
ああ、知ってるよ。
ひかるがまどかの家に押し込むところまでならな。
ワシはROMでそれなりに楽しんでるよ。
59元祖:2009/09/12(土) 19:24:01 ID:3MKNQteA
「俺みたいなのをスルー出来ないおバカさんが、」
↑荒らすから当然叩かれる。スルーしない者が悪いかのごとく言う
あなたの論法が前提として間違ってるでしょ!

「エラソーに講釈タレやがって常識ぶってんじゃねーってのw 」
↑講釈されてるのではなく説教されてんでしょ!
それに、言われていることは常識だし・・。そう思えるあなたが卑屈なだけ。

「これからも荒さしてもらうんでヨロピク(大爆笑) 」
↑卑屈な引きこもりさんが開き直ってる・・(苦笑)
60見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/13(日) 07:05:14 ID:J4nKGuwJ
57さん、おさそいありがとう!resペーです。
元祖さんがこっちにUPということは、エピローグ迎えたの?

今度のかくれんぼにはお手上げです・・・。

わ、わたしではダメですか・・・ 見つかんないですか・・・

だ、だれか・・・

答えてよおぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
61見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/13(日) 07:15:36 ID:J4nKGuwJ
あ、下げわすれた!スミマセン。
62見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/13(日) 12:20:38 ID:TlZNoiML
よ・・・読みたい
63見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/13(日) 19:14:15 ID:GN5Ega8A
何の苦労もせず、0.5秒で移転先発見。
次も行くんでヨロピク(大爆笑)
64見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/13(日) 21:05:55 ID:GbHPtncC
それ違う可能性があるよ
65見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/09/13(日) 21:29:23 ID:n2PpU0/y
今のところ、ここ入れて3か所だが。57と58のレスから、まだ他にあるのか?
66あるはず:2009/09/13(日) 21:49:53 ID:GbHPtncC
ある
あんたが知らないのならあんたのあずかり知らないところで勝手に出来たのかも
67見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/10/07(水) 23:35:36 ID:OkJPxToM
あるんならどなたか教えて下さいまし!!!一体どこなのよ〜〜〜〜〜!!!
68元祖:2009/10/23(金) 01:11:17 ID:vbLyi1dZ
いろんな所探してますが、今のところ私が知りうる限り、一番進んでるのが
・・とにかく、29からすでに80話くらい進んでます。アドレス張ったら、
荒らされるのは必定だし。

それにしてもresペーさん、お見かけしないけどROMに徹しているのかしらん?
69見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/10/23(金) 07:27:51 ID:9nlemn/P
元祖さんおひさです。スレ主Dr,さんも、こっちも見てるかな?
あれから2ch以外の潜れるブログや小説サイト等、縦覧してますが
見つかりません・・・。文献検索みたいにうまくいきませんね〜。
ちょっとブルー入ってROMってました。

とりあえず、私の捨てアド張っておきます。何かヒントでもあれば下さい。
今回の私の足跡は、アドに残します。お二人さんなら解りますよねー!
(いたずら心と、ちょっとした意地ですかね)

[email protected]
70見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/10/25(日) 22:18:52 ID:cvj9TzvD
自分も初回からの読者です。
捨てアド晒すので、どなたか教えて頂きたいです。元祖さんご教示頂けませんか。
71見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/03(火) 18:19:48 ID:IJbwY09J
よそ者だが、此処は一体何のスレだ?
72見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/03(火) 21:11:22 ID:Em3LmmIJ
お前さんの来る所じゃない
73見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/05(木) 23:50:44 ID:qGOeqLO5
休みになると、湧いて出るスレ。
74元祖:2009/11/08(日) 22:28:46 ID:+hr8RYVc
ドクターさん、凄い勢いでコピペしてるけど、作者様が地道にupされてる作品なんだから、もう少し大切に…。
75見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/08(日) 23:45:38 ID:pCKzTju/
>元祖
コピペできるときに一気にな。
つーか、お前も手伝ってくれよ。
76見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/10(火) 13:55:07 ID:aEoDUOug
また始まったな・・
77元祖:2009/11/10(火) 18:58:32 ID:Dk9xBq6M
今日はまどかちゃんのレシピで白ワイン〜。
78見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/10(火) 19:35:32 ID:XjgvKhjP
カツカレー?おつかれ!
79元祖:2009/11/10(火) 20:03:37 ID:Dk9xBq6M
彩り野菜のコンソメジュレです。
アレンジしてみました。
こっちのほうが、味がからむんですもん!
80見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/15(日) 07:30:49 ID:qzaGLdvq
>元祖
そろそろこっちでも続きコピペしろよ。
オレは今日は忙しくなりそうだから。
81元祖:2009/11/15(日) 11:24:22 ID:NK2CxaHk
気が向いたらしま〜す。
82見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/21(土) 18:41:02 ID:qqTPpzVw
元祖さん、あなたが頼りなんだから!
本スレではどうなってるの?
以前誰かが、ひかるがまどかの家に乗り込んだみたいなこと書いてたけど
気になる。
83元祖:2009/11/21(土) 22:51:58 ID:7ZyoDgGL
大学も家もアクセス禁止くらってるんです〜。
携帯じゃあ、コピペ面倒くさいし‥。
ところで、本スレかどうか分からないですが、
恭介クン、告白したところで
ずーっと止まってます。
作者様、アクセス禁止されてるのかしら?
それとも、またどっかに引っ越しされたのか?
全力で探してるんですけど、
やっぱりアク禁なのかなあ‥?
取りあえず、回復したら
コピペしま〜す。
84見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/22(日) 00:25:05 ID:py79k+LW
コピペに協力したいけどなあ。元スレしらないし、教えてもらえないのは
信用問題なんだろうけどもどかしいよ。もとはといえば変な輩がいたからなんだよな。。
85見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/23(月) 08:51:54 ID:1COVc8Pd
今日もないのか?
86見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/23(月) 23:42:09 ID:GnLWWkQm
続きうP期待してます
87見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/25(水) 16:14:55 ID:H7JhoHd3
祈!アク禁。怒涛のコピペ期待しているよ。
88見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/11/25(水) 20:39:35 ID:t71qVc+I
アク禁 泣
89元祖:2009/11/30(月) 23:09:39 ID:24epBv9/
スレ主さん、コピペ再開されたのかなあ?
私はまだアクセス禁止中です。
ところで、マリーさんがまどかちゃんに捧げる唄、
Amerieのcrazy wonderfulがピッタリって感じ!
まどかちゃんファンの私としては、
歌詞が合うんですよね〜。
90見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/02(水) 11:01:52 ID:hlkoHldS
どんだけまどかLOVEなんだよ!
91見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/06(日) 23:05:21 ID:/FzfIV3L
次はいつかな・・・
というか、絶対、誰もきてないよな。特定の数名以外・・・。
92見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/07(月) 21:02:09 ID:qay+TVpK
俺、その数名の内の一人!
93見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/07(月) 22:16:26 ID:hCORTmDE
オレも。
94見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/08(火) 00:14:12 ID:RWAEVJIF
何というか、作者の自由といえばそれまでなんだけど、公共媒体使って
期待させている分、読者への誠意もあってほしいなぁと思うこの頃。
俺はこれWiki化して、そもそも荒らしの被害受けないようにしつつ、
自分の著作権を明確にしとくべきだね。電車男だって匿名のまま、本まで出しているわけだし、
うまくいきゃ同人誌としても需要あると思うよ。
まつもと公認という手もあると思う。それだけにWikiにまとめサイト作ればみんなハッピーにならないかな。
95見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/08(火) 14:19:22 ID:2L1xY7Su
そもそもこれが著作権を侵害しているし。
96見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/08(火) 22:31:40 ID:veSdHzOa
妄想スレ見たら?
最近コピペ、スピードアップしてるよん。
まつもと先生公認は
有り得ないと思うけど。
97見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/08(火) 22:48:07 ID:RWAEVJIF
で、その続きはまだ?
98元祖:2009/12/09(水) 00:45:32 ID:V4NcF+No
ごめんなさい。あたしはアク禁中なもので、妄想スレ主さんが頼りです〜。
元スレもず〜っとアップされてないから、ネタ切れか、一度にアップされるから
アク禁ターゲットにされてるのかしら?
99見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/09(水) 14:48:47 ID:yt0bP9B1
アク禁タ−ゲットとは何ぞや?
100見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/09(水) 16:01:31 ID:U0h4SjKJ
最近盛況だな、このスレ。91が言うところの「数名」が、妄想スレに賦活されたのかな?
確かに、あの後のまどかの対応が気になるもんなあ。
101見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/10(木) 08:50:29 ID:OvnSg1us
あの続きはまだないの?
102元祖:2009/12/10(木) 23:36:16 ID:Zb66Lhvn
妄想スレが止まってるので〜
あたしの方でコピペ再開しま〜す!

「え?」
「先輩のこと…あたしと先輩とどっちが…」

ひかるの言わんとすることは解っている。
これ以上誤魔化しようがないと観念した。

「…二人とも大切だよ…二人とも。」
まどかは下を向いて呟いた。
「じゃあ、何で…」
(『大切に想ってくれてる』あたしから先輩を奪うんですか?)
「そんなの解んないよ、あたしだって。」
「いつから…?」
ひかるは食い下がる。
「だから、解んないって!」
まどかはひかるを睨んだ。
(もう…もう、十分でしょう?ひかる。)
ひかるはグラスを両手に持ったまま黙ってしまった。
まどかはひかるの言いたいことを全部受け止める覚悟でいる。
『卑怯、裏切り…』いろんな言葉を受け止めようと。
でも、その上で、こと、恭介に関しては『対等』でいたかった。
103見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/10(木) 23:40:44 ID:Zb66Lhvn
いきなりひかるは立ちあがると
「まどかさんの気持ちは解ってます。…そ、そうですよね、
 あたしが今まで気付かなかっただけなんですよね。」
「え?」
「とにかく先輩に会ってきます。それから…それからです!」
そう言うと
「ごちそう様でした。」
バッグをからって一人で出て行った。

まどかはソファに腰掛けたまま動かない。

(とうとう…この日が来ちゃった。)

まどかはぼんやりとひかるが飲み残したコーヒーを見つめていた。

(そうよね…ひかるからすりゃ、『割り込み』だよね。
  あたし、『最低』だよ…。)
104見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/10(木) 23:46:48 ID:szhEOwYF
お!アク禁止解けたのか?
105見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/10(木) 23:48:21 ID:Zb66Lhvn
(でも…)
不思議と胸騒ぎはない。

ひかるを前に、数年来心に溜めてきた想いを、
ひかるに促されてではあるが、
彼女と同じくらい「大切な存在」と、何とか表現出来た。

でもそれは、まどかの『女性』の部分が自然と求める、
違った意味で「大切な存在」。
争うことになっても…譲りたくない…そんな…『存在』。
はっきりとは表現できなかったけど、これで十分伝わったと思う。
言ってしまうと、ずっと心につっかえていたものが取れた気がする。

(『自分に素直になる』ってこういうこと?マリーさん…。)

冷静になって考えてみると、
どうあがいても…今の自分は恭介への想いを断ち難い。
この気持ちは…多分、いや、きっとこの先も変わらない。
一方、ひかるへの想いは今後も変わらないけれど、
だからと言って自分が身を引くのは、ひかるへの筋が通せても、
何より自分自身に筋が通らない。
素直じゃない…。
(後は…春日クン次第かな…)
106待ってた割に:2009/12/10(木) 23:57:12 ID:EI+jwBLg
あれ?コミックともアニメとも、んでもって、「あの日」とも違うじゃん!何だかつまらないなあ〜。期待してたのに=!
107見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/10(木) 23:57:48 ID:Zb66Lhvn
ふと、まどかはひかるの言葉を思い出した。
(いつから?)
解らない…解らないけど…思えばあの階段で初めて出会った時?
いや、その前から…もっと前から…
心の中に彼が『居た』ような気がする。
(不思議だなあ…)
まどかはソファーから動かずに、ぼんやりと考えていた。

その頃公園では
(ひかるちゃん遅いなあ…)
夕方の公園、待ち合わせの売店前で座って待ている恭介。
(ちゃんと言わなくっちゃ。)

そんな姿を、遠くの木陰で見つめるひかる。
(とても行けないなあ…どうしよう…)
ひかるはその場に隠れていた。ずっと恭介を見つめていた。
何度も出て行こうと思ったが、結局姿を現すことが出来なかった。

公園で待つこと1時間ちょっと。完全にすっぽかされた。
(ひかるちゃん来ないのかなあ…何かあったのかな?)
夕日は完全にビルの間に落ち、公園もオレンジ色に染まる。
長い影を見つめながら一人考える。
(ひょっとして、ひかるちゃんオレの気持ちを…)
しょうがなく、恭介は帰ることにした。
明日は金曜日。いつもは毎年みんなで花火大会へ行く日。
(帰ったら電話してみよう。やっぱりはっきりさせないと。)
108見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:02:45 ID:Q0SEr1K7
帰る姿を木陰から見つめながら、ひかるは切なくなった。
(もう駄目なのかな…?)

早い夕食後、
ルルルル!
「はい、春日です。」
「あ、まなみちゃん?ひかるですけど…先輩今…」
「あ、待ってて。」
まなみは子機に切り替え、恭介の部屋に持って行く。
「お兄ちゃん…ひかるちゃんから。」
「え?あ、有難う…」
もう、まなみは状況を解っている。
後は3人の問題であることも。

「ひかるちゃん?今日どうしたの?待ってたんだけど。」
「ごめんなさい!先輩。急用ができちゃって。着いたら先輩
帰った後みたいで…随分待ったんでしょう?」
ひかるは一部始終を確認していたはずにもかかわらず、嘘をつく。
109見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:04:04 ID:Q0SEr1K7
「で、話って何ですか?」
(言わなくっちゃ…)
「うん、実は…お、俺、前から…」
ひかるは思わず遮る。
「あ、先輩。来週花火大会でしょ?行きませんか?勉強ばかりじゃ
なくってえ〜、たまには息抜きしなくっちゃ!」
「いや、俺…」
「そこで聞いてあげますって。ね?今日のお詫びも兼ねてえ。」
「うん…。」
まんまとひかるの誘いに乗る。
しかし、決意は固い。
(やっぱ、電話じゃ…こんな話は会って、ちゃんと言わなくっちゃ。)
「じゃあ、神社で。」
そう言うと電話は切られた。
110見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:12:30 ID:Q0SEr1K7
以来、まどかは講義に出て来なくなった。
まどかとひかるのやり取りなど知る由もない恭介。
(どうしたんだろう…?)
彼女のことを心配しながらも、電話をかける勇気が湧かない。
そして、数日が過ぎて花火大会当日。

夕方なのにまだ陽が高い街を、歩きながら神社に向かう恭介たち。
通りはセミたちの声でうるさい。
どこからともなく小松や八田や勇作が合流する。
通りの向こうから
「せんぱ〜い!」
いつもと変わらない笑顔でひかるが手を振っている。
「やっほー!」
「あかねちゃん!」
浴衣姿のひかるの隣で、部活帰りのあかねが手を挙げている。
スポーツ少女の彼女は、胸に小さな花柄がワンポイントの白のTシャツに
濃紺にオレンジ色の太いラインがカッコいい膝丈のショートパンツ姿。
高校名が大きく書かれたスポーツバッグをたすき掛けにからっている。
「久し振りだな。部活帰り?」
「うん、そこでひかるちゃんと会ってさ、
聞いたら恭介たちと花火大会って。
でね、便乗しようかなあって。お腹減ったし。あははは!」
「お前まだ部活やってんの?来年どうすんの?」
111見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:15:01 ID:Q0SEr1K7
「う〜ん…まどかちゃんはどうするって?」
「一応K大受けるみたいだけど。」
(おい、あかね、まさかお前、ついてくる気じゃ…)
「K大かあ…。今からじゃ間に合わないなあ。」
(よしよし…)
すると、まなみが
「あかねちゃん、スポーツ推薦使ったら…」
(よ、余計なことを…こいつが一緒じゃ、鮎川とのキャンパスライフが…)
「…あ!さすがまなみ!いいとこ気付くじゃん。その手が…」
「え〜?まさか、本気で付いて来るつもりかよ?」
「ついて来る?…つーことは、恭介、お前もK大受けんの?
  ぷーっ!あ、あはははは!
そういうのを『無謀』って言うのよ。」
あかねは恭介の肩をバシバシ叩きながら笑う。
(鮎川から言われるならまだしも、何でお前から…)
「うるせー。」
112見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:18:37 ID:Q0SEr1K7
笑って聞いていたまなみが兄の応援をする。
「でも、あかねちゃん、お兄ちゃん帰って来てから凄く頑張ってるのよ。」
「そうだよ!今は勉強に燃えてんの!」
思い出したようにくるみが
「今日は『燃えるゴミ』の日だったっけ?」
「くるみちゃん、ひっどーい!」
ひかるが怒り口調で恭介を援護。
みんなは笑ってる。
あかねはキョロキョロと辺りを見回しながら、
「まあ、頑張ってよ。ところで、『あたしの』まどかちゃんは?」
「さあ…。」
皆がひかると恭介に気を使って知らん顔をする。
まなみは事の詳細を把握しているし、小松や八田も馬鹿じゃない。
予備校での恭介と鮎川の関係に、遠慮するところはしている。
勇作はいつも遠くからひかるを見守っている。
恭介の本心がひかるに無いことも解っている。
113見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:20:13 ID:Q0SEr1K7
(あいつ、いつまでひかるちゃんを…いつかオレがこの手で…)
事と次第では恭介を成敗(フルボッコ)する気である。
彼こそ本当のナイトなのかも知れないが、今のところ想いは通じてない。
皆が遠まわしにひかるを気遣うのだが…。
学年も状況も…全て会話に入れないでいるひかる。

(先輩とまどかさん…もう一緒に居ることが当たり前になってる。
   あたしの知らない間に、どんどん置いて行かれてる…)

ひかるの笑顔の奥に、誤魔化しようのない不安が見え隠れしている。
そんな雰囲気をキャッチして、あかねは事態が差し迫っていることを察した。
「ふ〜ん…。」
あかねは、まどかが帰国してから一度電話を貰っただけだった。
(そう言えば…な〜んか元気無かったよね…)
あらためてひかるを見ると、確かにこっちもちょっと空元気。
勇作が心配気に見つめている。
(こればっかしは、当人同士の気持ちの問題だし…
あたしに出来ることって何だろ?)
あかねもひかるを気遣った。
114見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:23:14 ID:eVoQyNSM
あかね最高!
115見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:23:53 ID:Q0SEr1K7
会場近くの神社に着くと、みんなは周辺の夜店を見て回る。
金魚すくいにはまる姉妹。射的でエキサイトするあかねと勇作。
ソースの焦げるいい匂いに集まったり、ソフトクリームにはしゃいだり、
花火大会まではまだ時間がある。経済的バックアップは隆がいる。
そんな中…
「ひかるちゃん、ちょっとあっち行かない?」
「え?」
促されながらも、ひかるは覚悟を決めた。
(何と言われても、気安く返事をするもんですか!)

二人は賑わいから離れたベンチに腰かけた。
恭介はひかるの方を見ずに、重たい気分で切り出した。
「ひかるちゃん、俺、実は…」
ひかるは遮るように
「この間はごめんなさい。ほんとは居たんだけど…『怖くって』…」
「え?…どういうこと?」
116見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:26:35 ID:Q0SEr1K7
ひかるは余所を向いてため息交じりに
「せんぱい…あたしじゃないんでしょ?」
「・・・!!」
先手を打たれて驚く恭介。
さらに鋭く切り込むひかる。
恭介から顔を逸らすように呟いた。
「ホントはまどかさんなんでしょ?」
「そ、そんな・・・いや、・・・『うん』・・・。」
追い詰められて白状する情けなさ。
「いいんですよ、誤魔化さなくっても。」
「ごめん。」
「何となく解っちゃった。でも…でも、今頃になって…」
ひかるはやるせなさそうに肩を落とす。
「俺…やっぱり…3年経っても変わんなかった。優柔不断で…」
「先輩、あたしは邪魔ですか?もう、あたしは邪魔なんですか?
  デートだってしたじゃないですか。その時も、まどかさんのこと
   考えてたんですか?」
「……」
「あ、あたしは認められないなあ、今更。それって酷いですよ。
  残酷です。あたしはずっと先輩に気持を伝えてきましたよね?
   まどかさんは先輩のために何かしましたか?あたしは解らない!」
恭介は黙っているしかなかった。
この3年半、あからさまにはしなかったけど、本当に想い合っていたのは…
『二人』なのだから…。
ひかるは下を向いている恭介に訊く。
「ねえ、先輩、駄目なんですか?あたしじゃ…」
117見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:32:58 ID:vkhA4C37
花火大会の日程が合わない。ど-ゆ-こと?
118見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:34:09 ID:Q0SEr1K7
「……」
黙っている恭介に、堪え切れずひかるは嗚咽を漏らし出した。
涙がぽたぽたと手の甲に落ちる。
そんなひかるを恭介は直視出来ない。
しかし、気持ちを奮い立たせながら、胸の奥から絞り出すように
「やっぱり…俺、鮎川のことが…」
ひかるはキッと睨んで
「今さら、信じられない!そんなこと…」

ピカッ!!

空が光った途端、大きめの雨粒が落ちてきた。
賑わいがざわめきになって、雨宿りに逃げ惑う人たちが走り出す。
神社の木々に雨が滴る音がうるさく、むせ返る様な木々の匂いが
沸き立つ中に、動けずにいる二人。
119見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:35:36 ID:Q0SEr1K7
「ごめん、ひかるちゃん。」
「何、謝ってるんですか…あたしは解りません。あたしは…」
そう言うと、すっくと立ち上がり
「先輩の気持ちだけで済むことですか?とにかく今日は帰ります!」
そう言うと、びしょ濡れの浴衣のままその場から駆け出した。
恭介は動けないでいる。

頭からびしょ濡れのまま、川沿いをとぼとぼと歩くひかるに、
そっと傘を差し出す勇作。
彼の気持ちは有難いのだが、今は恭介しか見えない。
ひかるは呟くように
「あっち行ってよ…。」
(ひ、ひかるちゃん…。)
雨が強がるひかるの涙を隠してくれる。

結局、夕立ちが通り過ぎると、花火大会は中止されることなく始まった。
すさまじい音と閃光に輝く夜空。
しかし、恭介は一人マンションに帰った。
120見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:37:06 ID:Q0SEr1K7
シャワーと着替えを済ませた時

ルルルル…

「はい、春日です。」
「……」
「もしもし?」
「…春日クン…あたし…」
「…!あ、鮎川?鮎川なの?」
ちょっと間が開き…
「あたし…あたしね、今日花火大会だから…
  …一緒にって…
でも、最近春日クンと…
春日クンとうまく行ってないし……」
「う、うん…」
また、間が開いて…
「今日くらいは気分を変えようって…浴衣を着てみたんだけど…
  今までのことがたくさん…たくさん頭を過って…何で…
   何で、こうなっちゃうのかなあって…」
「俺だって……」
「自分の気持ち次第だって考えるようにしてたんだけど……」
まどかの声が辛そうな涙声になって行く。
(もう駄目だ…我慢出来ない。)
恭介に対しても素直になれた。
121見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 00:38:54 ID:Q0SEr1K7
「あたし…春日クンのことで…あなたのことで…
ずっと…ずっと揺れっぱなしなんだ…一体どうしたら…」
「お、俺…」
「あたし…本当は春日クンが思ってるほど…強くないよ……」
とうとうまどかは隠してきた自分の一面をさらけ出した。
それに応えるかのように恭介も思い切る。
「…鮎川…今からそっちに行ってもいい?」
恭介の言葉で…たった今…『つっぱり』が崩れた。

「はやく…早く来て。…逢いたい。」

恭介は自転車に乗って駆け出した。

まどかは待っている。
浴衣姿のまま…廊下でぼんやりと、明かりのスイッチを…
点けたり消したりしながら…気持ちを抑えられない…

恭介が玄関を開けると、涙の跡が残った顔のまどかが居た。
「鮎川…!」
122きまぐれ敬意:2009/12/11(金) 08:00:45 ID:7qg7ZQRX
祝!アク禁解除
いつもありがとネー。
連続UPで再アク禁ならないようにお気をつけて!!
123見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 11:01:25 ID:eVoQyNSM
あんまり無理するな!!
124見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 13:27:16 ID:Hj0s+s/w
元祖さん、Thank you。
125八田:2009/12/11(金) 22:25:42 ID:7QiRBpKD
途注までうpしまくたら、アク禁間近だぜ。続きたのむ。orz
126八田:2009/12/11(金) 22:27:10 ID:7QiRBpKD
あ、妄想スレの方のことね。。
127見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 22:31:07 ID:vkhA4C37
もう一時コピペしなくていいよ。
じっくり楽しみたいし、
展開について行けなくなるから。
128見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/11(金) 22:56:15 ID:7QiRBpKD
ただでさえ止まっているんだから、俺はもっと読みたい。
カキコ続いても、じっくり読めるしね。
129見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 11:44:32 ID:Cp3cQTFn
なんだか寺田のパクリになって来たなあ。
もっとアレンジしてくれよ。
パクリじゃ内容見えてくるじゃん。
って言っても、作者じゃねえからしょうがないか。
130見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 11:54:37 ID:MPiYHw7i
>129
コミック+アニメ+あの日+妄想
131見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 13:26:41 ID:gfgDwoLr
「あの日」は好きだけど、どこか微妙に違和感があったから
この妄想が生まれたキガス。似てきたとはいうものの、「あの日」というタイトルを
入れた時点で、「あの日」ベースにのっかった創作という路線になる宿命だと思う。

ただ、読者・ファンがまつもとと寺田の間に感じるギャップをうまくアレンジして、
組みかえることによって、寺田作品の「良かったけど違和感」をクリアする作品に
仕上がるのではという期待が持てる。

特に妄想のは、ストーリーについては心理描写がうまいのね。
評価云々別にして、きまオレの繊細な人間関係をよくよく理解
していないとあれだけの描写はできないよ。寺田にはなかったところ。

プロの寺田はストーリーはいいが、描写が弱い。そこが脚本家の弱みとして
出たね。そこを素人ながらも描写を挿入し、オリジナルなエッセンスを入れた
というところに面白さがある。
132あとがきに敬意:2009/12/12(土) 16:57:26 ID:q564H3Hk
>131
私の保存版のあとがきコメントにいっただきま〜す!
パクッてごめんねw
133見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 22:45:28 ID:Cp3cQTFn
>131
おれと同じこと感じてた奴いたんだな。
ただ、おれにはこんな説得力ある文章は書けないなぁ・・・。
134見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 22:57:06 ID:MFuITLHt
大体この時間帯って、ここ見るんだよね−。
最近みんな集まって来るね。
俺は、作者がまつもとと寺田の溝を埋めようとしてるんじゃなくって
自分ならこうなって欲しいっていう
そういう妄想に浸ってるんじゃないかと思う。
135元祖:2009/12/12(土) 23:33:27 ID:mO3h58c+
やっぱり待ってるヒトいるんだ・・・。
元スレは・・・今のところ予想外の悲しい展開です。
アク禁前に行けるとこまでコピペしちゃおっと。
以下、コピペです。


たまらずまどかは恭介のもとに駆け寄る。

二人は…お互いを愛おしく思い…口づけをしようと目をつむる。

でも…やっぱり…まどかは恭介のキスを…寸前でかわして、

彼の肩に…そっと…頬を寄せた。

「逢いたかった…。」
「俺、今までちゃんとしてなくってごめん。」
恭介はまどかの肩をやさしくつつんだ。
「ううん…あたしも、春日クンの気持ちに甘えてたから…
  ホントは春日クンあたしのことを……そう思ってたから…」
「ひかるちゃんとのこと…聞いたの?」
「うん…ショックだった…。」
  そう言うと、まどかは恭介の胸にあらためて顔をうずめた。
   彼女の肩が少し震えている。
「ごめん…。」
「ううん、いいの…。」
「あれは…」
「いいって、解ってる。どうせ…不意打ちされたんでしょ?」
「うん…でも、ごめん…。」
136見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 23:39:17 ID:mO3h58c+
落ち着いたまどかは恭介から離れた。
少し顔を赤らめ
「ねえ…上がってかない…?ほら。」
手を引いて恭介を自分の部屋に招いた。
階段を上がるとすぐに彼女の部屋がある。
久し振りに見る彼女の部屋は、洗練された大人の女性のもの。
「ちょっと待ってて。顔洗ってくる。」
そう言うと、まどかは階下に降りた。
一人残された恭介は部屋を見渡すと、机の上に自分の写真が…。
(鮎川…)
137見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 23:39:37 ID:Cp3cQTFn
お−!今日も読めるのか。
ガンガれ、元祖!
138見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 23:41:24 ID:gfgDwoLr
多分、134がいうように、妄想作者版あの日
を書いてみたいという心理が根底にあると思う。

ちなみに、俺は作者が松本・寺田の「溝を埋める」とは言ってないよ。
俺は原作と寺田作品の間にある、ギャップをアレンジしたと書いた。
意識的か無意識的かは知らんが。
139見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 23:41:46 ID:mO3h58c+
しばらくして、
彼女はあらためて髪を結いあげ、浴衣も着直して上がって来た。
トレイには冷えたワインとグラスが二つ。
おつまみにはハワイで買ったドライフルーツが添えられている。
ちょっと酔うことで「素直に」なりたかった。
汗をかいている彼に冷たいおしぼりも持ってきてくれた。
しかし、部屋に戻ると恭介は自分自身の写真と睨めっこしている。
(これっていつの時の…?なんか俺の様で…しっくり来ない。)
「やだっ!」
まどかは慌てて取り上げる。
「それって、何時の?」
「さあ。」
顔を赤くしてそっぽを向く。

時間は遡って…
高校2年に進級する春…恭介と出会って3年目。
恭介はまどかが『構いたくなる』唯一の異性になっていた。
学校でもアバカブでも気安く声が掛けられる、彼女にとって
希少な存在だった。
そして、何より、からかい甲斐のある『異性』…。
ひかるの彼で…どことなく弟のような…頼りない男の子。
140見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 23:49:23 ID:mO3h58c+
でも時々…ひかるが彼にベタベタすると、無性に抑えられない自分がいるし、
彼のことを思い出してウキウキしている自分に驚くこともあった。
彼の気持ちは解った上で、そんな時は、無理して
(ひかるの応援するんだよね?)
と、意思確認の必要を迫られていた。

1年3学期の追試。
3科目の追試を、まどかに手伝ってもらってなんとかクリア。
もう、それだけで恭介はまどかに頭が上がらない。
「お礼にアバカブ手伝ってよ。近くの女子大のコンパで
 このシーズンは忙しいんだから。」
「喜んで!」
恭介にとっては、それはなんとも嬉しい口実。
だって、もう頭の中は彼女のことでいっぱいなのだから。
一緒に居られる口実が出来た。
141見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 23:51:58 ID:mO3h58c+
春休みはアバカブでのバイト。
まどかもなんだか楽しそう。
そそっかしい恭介は、まどかに叱られながらも、やっぱり…
楽しそう。
マスターも微妙な二人の関係には以前から気づいている。
「何やってんのよ!」
「あ、ごめん。」
「んもう!じゃあ、これ洗っといて。」
ガシャン!
「んもう!バイト代から引くからね!」
「ご、ごめんなさい…。」
ちょっと怒るけど、すぐに許せる。
マスターはそんな二人をニヤニヤして眺めている。
そこには「いつもの」二人の世界が出来ていた。

カランコロン!

「あ、ひかるちゃん。いらっしゃい。」
「きゃ〜、せんぱ〜い!」
エプロン姿の恭介に飛びつく。
まどかはちょっと面白くない。
142見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/12(土) 23:54:30 ID:mO3h58c+
彼女は知らん顔してカウンターの中に入った。
「先輩もバイトですかあ?」
恭介は慌てて
「いや、お、俺は…鮎川に迷惑かけたから…」
まどかはしれっと横目で見つめながら
(ふ〜ん、それだけの理由でバイト引き受けたんだ…)
そういう視線を送る。
明らかにご機嫌がよろしくない。
またもや恭介は慌てて
「いや、俺は一緒に…いや…その…」
ひかるは不思議そうに恭介を見ている。
二人の関係が微妙なものに育っていることに気付かない。
「ぷっ!」
まどかは吹き出す。
(「一緒に」ねえ…ホントかしら?)
機嫌を直してお皿を洗い出した。
恭介は頭をかきながら照れる。
「ねえ、ねえ!一体どうしたんですか〜?せんぱ〜い。」
143見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/13(日) 00:11:41 ID:b8k4QJ+Q
「そう言えば、公園が賑やかだったけど何かなあ?」
恭介は知っていた。
「あ、あれはね、アマチュアの写真撮影会でね、プロのモデルさんも
来るんだって、被写体で。」
「へ〜、じゃあ、先輩も応募したらどうですか?」
「俺のはお遊びだから。」
するとまどかが口をはさんで
「でも、あたし達撮ってくれた写真って、どれも気に入ってるよ。
 お父さんの素質なのかなあ?上手だと思うよ、アングルも奇想天外だし。」
「奇想天外?そうかなあ…」
まどかは偶然抱っこされた写真のことを思い出している。
「そうですよ。先輩素質あるんだから、絶対出るべきですよ!」
「春日クン、昼過ぎたら店が暇になるから、行ってきたら?」
マスターからのやさしい提案。
「やったー!じゃあ、モデルはあたしですね、先輩。」
「う、うん…」
恭介はちょっとまどかの方を見ると、彼女は知らん顔してお皿を磨いている。
144見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/13(日) 00:13:05 ID:b8k4QJ+Q
「ね、ねえ、鮎川も…。」
「はあ?」
「だから…鮎川も…ひかるちゃんと一緒に…」
(ひかると一緒か…)
「い、や、だ!ひかるがモデルなのに不足なの?」
「え〜!まどかさんも行きましょうよ〜!ねえ、いいでしょう?マスター!」
「ああ、いいよ。行っておいで。」
「鮎川も…」
「ごめん。興味ないから。春日クン居ても邪魔なだけだから行ってくれる?」
いつものまどかが顔を出した。
「残念だなあ〜。じゃあ、先輩、行きましょうか?」
ニコニコ顔のひかるが恭介にまとわりつく。
まどかは思いっきり作った笑顔で
「いってらっしゃ〜い。」
恭介は心の中で
(ひえ〜!)
ひかるにはアバカブで待ってもらい、一旦マンションへ戻った。
145見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/13(日) 00:15:13 ID:b8k4QJ+Q
「え〜っと、カメラ、カメラと…」
恭介は本格式の一眼レフとその場で出せるポラロイドをバッグに詰め、
すぐにアバカブに戻る。

カウンターでは鼻歌交じりにひかるが待っている。
「ねえ、まどかさん。前みたいに一緒に撮りましょうよぉ〜。」
「ゴメン!今忙しいんだ。ひかるいっぱい撮って貰いなよ。」
恭介が戻ってきた。
まどかを見るのだが、全く無視され、取りつく島もない。
結局、カメラバッグをかついで二人は公園に向かった。
いろんな場所で、いろんなアングルでひかるを撮る恭介。
湖面や木々をバックに天真爛漫な彼女はキラキラ輝いている。
ひかるもモデルとしては十分過ぎるくらい可愛い。

「いいねえ〜。」
それまでは恭介が独り占めしていたが、そのうち他の小僧たちも
「撮らせてもらっていいですか?」
あっという間にひかるは人気者に。
(ひかるちゃん凄いなあ…)
感心しながら眺めている呑気な恭介に後ろから…
146見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/13(日) 00:18:15 ID:b8k4QJ+Q
「どう?いいの撮れた?」
びっくりしてカメラを落としそうになる。
「うわっ!あ、鮎川…いつ来たの?」
「いや…お店が一段落したから…ねえ、ひかるは?」
「ほら、あそこ。もう、ひかるちゃん人気者で…」
「春日クンは撮らなくっていいの?」
「もう撮ったし…それより…ねえ、鮎川を撮らせてくれない?」
「い、や、で、す!」
(やっぱり…。)
「ねえ、そのカメラ高いんでしょ?あたしでも使えそうなのってないの?」
恭介はかばんの中からポラロイドを取り出した。
「これなら、今撮ったやつがすぐ見られるよ。」
そう言って手渡し説明する。
まどかは言われる通りに風景を撮ってみた。
「へ〜、面白いね。」
147見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/13(日) 00:21:06 ID:b8k4QJ+Q
二人はそのまま公園内をぶらぶらする。
「ねえ、あそこのベンチで休まない?ジュース買ってくるから。」
恭介はまどかの傍を離れて売店に向かった。
まどかは恭介の一眼レフを興味深げに手にとって眺めている。
ふと気付くと、公園の大きなモニュメントに恭介が映っていた。
当の本人はそのことに全く気付いていない。
彼はソフトクリーム売り場に集まる子供相手に優しく微笑んでいる。
まどかはそこに映る恭介を見ているうちに、急に…無意識に手が動いた。
ポラロイドカメラに持ち換えるや実像の『彼』を写す。

 たまらなく…

出来立てホヤホヤの写真を手に取り、じ〜っと見ているまどか。
そんな彼女の元に恭介がジュースを持って戻ってきた。
まどかは慌ててポケットに隠す。
「今、何か撮ってた?」
「別に…」
まどかの視線が泳いでいる。
そんな二人の元へひかるが駆けて来た。
「せんぱ〜い!あれ?まどかさん来たんですか?」
「うん、ちょっとね。お店が暇になったから…じゃあ、戻るから。」
そう言うと、カメラを突き返し、とっととアバカブに戻って行った。
(…?)
あっ気に取られて見送りながら
「あ、ひかるちゃん…ジュース飲む?」
「やっぴ〜!せんぱ〜い、有難うございます!」
148見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/13(日) 00:23:25 ID:b8k4QJ+Q
カランコロ〜ン
「お、まどかクン。どうだった?」
「別に…」
まどかはカウンターに入ると、さも忙しそうに立ち働き始める。
しばらくすると、恭介とひかるが戻ってきた。
相変わらずひかるは恭介にベタベタとまとわりつく。
「まあ、いいか…」
まどかは気にしないように努めながらも、無意識に二人を見てしまう。
時々話に加わるものの、夕方過ぎると店も忙しくなって来た。
(いい加減にしなよ、ばか…)
まどかは呆れたように尋ねる。
「あのさぁ、春日クン…手伝ってくれるんじゃなかったの?」
思い出したように
「あ、そうだった。俺、お客じゃないんだよね。」
そういうと、慌ててエプロンをかけて、ウエーターに戻った。
お店は女子大生のお客で慌ただしく、まどかも恭介もひかるの
相手ができなくなった。
「じゃあ、あたし帰りますね〜。」
149見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/13(日) 00:29:11 ID:b8k4QJ+Q
「先輩もまどかさんも頑張って下さいね!」
屈託のない笑顔で店を出て行く。
今日はモテモテで機嫌がいい。めずらしく粘らない。
まどかと恭介は顔を見合わせ「は〜」っとため息をつくと、
どちらからともなく笑い出した。
怒涛の忙しさが過ぎ、10時にはcloseの札を出す。
マスターはレジの精算に余念がない。恭介はまどか指導のもと
後片付けをテキパキとこなしている。
「お疲れ様!」
「お先に〜!おやすみなさ〜い。」

まだまだ肌寒い早春の夜。
どちらからともなく歩調を合わせて…一緒の帰り道。
まどかは何だか嬉しそう。

「どうしたの?」
「ううん、あ、春日クン寒いでしょ?ほら、半分貸してあげるよ。」

そう言うと、恭介の後ろに回り、自分がしてるマフラーの半分を
恭介の首に巻いてやった。
一本のマフラーで二人は『繋がった。』
150見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/13(日) 00:32:06 ID:b8k4QJ+Q
でも…
「え?」
巻いてやった両端をキュッと締めるまどか。
照れる恭介にちょっと意地悪をした。
「く、苦し…い!」
「今日の様は何よ!手伝うって言ったじゃん!明日も手伝うよね?」
「ギブ…」
まどかの手をポンポンと叩く。
「うへ〜…手加減無いんだもん。」
「あはははは!おやすみ〜。」
悪戯な天使は恭介の元から逃げて行った。

相変らず明かりが点いていない暗い家に帰宅するまどか。
でも、今日は楽しみが待っている。
部屋に上がるとポケットから写真を取り出した。
恭介の優しさがにじみ出ているナイスショット。
見ていると、心が穏やかになる。
やさしい笑顔で眺めてしまう。
数々の武勇伝を誇る荒んだまどかは、もうどこにも居ない。
151見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/13(日) 00:35:11 ID:b8k4QJ+Q
浴槽で十分体を温めてあげた後、バスタオルを巻いて部屋に上がる。
好きな曲を流しながら髪を乾かし、お肌の手入れをし…
その時々に、恭介の写真を見てしまう。
そしてふと手が止まった。

(あたし…何やってんの?)

慌てて写真を引き出しにしまう。
そこには封が切られていないラッキーストライクが…。

(そうよね、あんたは見張り役がお似合いよ。)

でも…、二人が3年に進級した翌年の梅雨…
それは引き出しから出され、彼女の机の上へと昇格した。
152見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/13(日) 00:37:18 ID:b8k4QJ+Q
時間は戻って…

「ね、ねえ、飲まない?」
そっとワインを差し出す。自分はドライフルーツを頬張る。
ふたりは視線を合わせられない。
気のせいか、少し暑くなってきた。
エアコンを少し強くしようとリモコンを取り上げた瞬間、
窓の外が凄く光り、遅れて部屋を震わせるように稲妻が鳴り響いた。
ギクッとするまどか。
外は急にザーっと雨音が激しくなる。

「ひかるのこと…どうするの?」
まどかは自問自答のように呟いた。
153見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/14(月) 00:13:41 ID:iQAZnfx6
今日はないのか?
154見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/14(月) 01:03:59 ID:nDrpS1hM
もう、いっとき楽しめるだろう。贅沢は言わないことだな。
元祖はよく頑張ってるよ。
ところで、元スレって、どんな展開になってるのかな?
この妄想って、なかなかの線いってるんじゃないかって思うんだけど。
まあ、焦らなくていいから、いい作品に仕上げて欲しいな
155元祖:2009/12/14(月) 01:10:50 ID:drmRtIHX
良い作品に上げるのは、あたしじゃなくって作者様ですから、
156見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/14(月) 11:54:10 ID:n4nGw9B8
>なかなかの線いってるんじゃないか

おれはそうは思えない。
おんなじことを繰り返しているばっかりで、ち〜っとも煮え切らない。
157見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/14(月) 18:20:55 ID:Wzep9xAW
>>154

俺も、ここにUPされたストーリーを「妄想」の方にコピペしたけど、結構大変だよ。
上からものをいうのは鼻につくし、褒めるなら褒めるで元祖タンがやる気でるような言い方ないかな。

>>156

気持ちはわかる。
率直な意見自体は否定しないよ。でも違った言い方ないかな。
やる気なくさせる言い方=否定は作者のやる気を奪い、
他の読者を興ざめさせてしまうぞな。

喧嘩売るつもりはない。こういう読者もいることをわかってほすぃ。
158見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/15(火) 19:34:20 ID:gWpO2HLr
続きうPきぼんぬ・・・。
159見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/16(水) 00:41:55 ID:nmfF3V7D
必死な奴が一人いるな。そんなに急かせてどうする?
また最初から読んでりゃ、暇も潰れるし、楽しめるだろ?
作者は年末はまたハワイか?元祖も少し休んだら!?
160見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/16(水) 09:30:43 ID:kj6TvZD4
先週から一気に50話アップされてるけど、コミックだったら何話分くらいかな?
途中途中で登場人物の表情や背景が描写されるとして・・・こんなんはレスぺ
に任せるか。オレは取り敢えず年内にはひかると決着付けて欲しいと思う訳で。
161見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/16(水) 11:54:24 ID:Sa/s8WZU
>160
片仮名で書くんならリスペじゃね?
162見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/19(土) 16:44:00 ID:Q4HTaF4u
今日こそコピぺしてくれるかな?
163見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/19(土) 22:58:54 ID:LZnUeYY2
元祖、やる気無くした?
164元祖:2009/12/19(土) 23:38:17 ID:plvej0pO
作者様のペースに合わせてるんです。
追いついちゃうと、な〜んか、マズいような気がして。
それに、またアクセス禁止されたら…!
それでは皆様、お休みなさいませ。
165見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/20(日) 00:28:28 ID:P2eWax34
こんばんは。元祖さん。
大分、追いついているんですね。そりゃそうですよね。。
コピペだって大変だし。ちなみに、妄想の方に直接コピペした方がいい気もしますが・・・。
何かお考えありですか。
166見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/21(月) 10:48:25 ID:zyNuvk1G

 な〜んか、もうすぐクリスマスなのに、夏期講習だなんて、ピンとこね〜よ!
167元祖:2009/12/21(月) 13:16:03 ID:hkZj+w5R
せっかく作者様に作っていただいたスレですから
あたしはこっちにコピペしたいと思います。
元スレがどれか分からないまま、今自分が読んでるやつが
一番進んでいるものと勝手に解釈してまーす。
あぁ、疑心暗鬼になってる。
ところで、今日はちょっと寒いけど、外はいいお天気です。
元スレの内容がちょっと暗くなってきてるので
気分転換にアバカブでも探してみよーっと。
168見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/21(月) 18:28:47 ID:4I54Pekl
もはや、修復不可能?作者の真意はいずこに?
169見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/22(火) 16:05:50 ID:6zU8lD2g
>167
ここはブログか?
170アロハ〜!!:2009/12/24(木) 15:13:03 ID:Jc3U2Ufn
作者「元祖さん、resぺ〜さん。こっちはサーフィンで・・」
あかね「言うほど上手くないくせ。」
まどか「ほ〜んと。」

作者「まあ、まあ・・で、ちょっとここに復活してみようかと。」
あかね「ややこしい性格ね。」
まどか「ほ〜んと。」
171見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/24(木) 15:15:25 ID:Jc3U2Ufn
今は『彼』が傍に居てくれる。でも…

「俺…実は今日、ひかるちゃんに…俺の本当の気持ちを…」
「え?…言ったの?」
まどかはちょっと驚いた。
「うん。でも…でも、納得してなかったみたい…」
「そう。」
彼女はワイングラスを片手に雨が打ち付ける窓の方へ行く。

「…そうよね、納得する訳…」
「でも…俺、初めて会った時から、鮎川のこと…好きだったから…」

ストレートに告白した。
恭介は言わずにいられなかった。
172見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/24(木) 15:18:36 ID:Jc3U2Ufn
あらためて言葉にされ、まどかは頬を赤くする。
照れて他所を向いたまま

「うん…あたしも…。
  …でも、不良してたし…
   …素直じゃなかったよね。」

そして、心に思い留めていた『事情』を語る。

「中学の時にね、ひかるに相談されたの、
  ホントは春日クンが他の人を好きなんじゃないかって。
   それでね、言っちゃったの、『そんなことないよ』って。
    そして…ひかるを『応援する』って……
     だから…素直じゃないのよね、あたし…。」

恭介はまどかの気持ちを本人から聞いて、あらためて解った。
彼女は彼女なりに辛い思いをして来たことを。
そして…
(俺がしっかりしなくっちゃ!)
急に立ち上がると、外を眺めるまどかの傍に行く。
窓に映る恭介の姿が近づいてくるのを見ながらドキドキするまどか。
173見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/24(木) 15:24:02 ID:Jc3U2Ufn
でも、彼は彼女の体に指一本触れることをせずに想いを語り出した。

「俺、鮎川のこと、ずっと…。なのに、俺のせいでひかるちゃんや
  鮎川を傷つけることになっちゃった…。」
「ううん、いいの、あたしは。あたしだって…」
「俺、ちゃんとしたい…。そして、あらためて鮎川に…だから、今日は…」
「そうだね。」

二人は黙って雨が打ちつける窓の外を見ていた。
まどかは少し怖かったけど、ちょっとだけ『期待』した自分を恥じた。
恭介はグラスを空けると
「じゃあ、帰るね。」
そう言って部屋を出た。
まどかは玄関まで見送る。そして…

靴を履こうとする恭介の後姿にそっと手を触れた。
恭介はゆっくり振り向く。
「鮎川…え?」

「好きだよ、春日クン…。」

自然と二人の唇が重なる…。
ゆっくりと時間が止まった。
174見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/24(木) 15:54:29 ID:Jc3U2Ufn
「ごめん…。」
まどかは恭介から離れた。
「じゃあ…」
恭介が外に出ると雨は上がっており
月に照らされた雲が輝いて流れている。
ひと降りの後、空気は澄んで、星々もキラキラと輝く。
まどかは恭介の自転車のサドルの水滴を、浴衣の袖で拭いた。
「気を付けてね。」
「うん。」
恭介を見送った後、まどかは部屋に上がり、
そして部屋の明かりを消すと、ベッドに腰掛け『想い』に耽った。

(春日クン、有難う。
  はっきりさせなかったのはあなただけじゃない。
   あたしもそう。あたしにも責任あるよ。
    あたしも悩んだんだ。

 あたしにとってひかるの存在、ひかるにとってあたしの存在…
  そして何より、あたし達にとって春日クンの存在…
 いろいろ悩んだけど…やっぱり…
  今の自分の『本当の気持ち』に素直になることにしたの。)
175見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/24(木) 15:58:44 ID:Jc3U2Ufn
ふと気付くと、窓の外は静か。また降り出しそうな気配。
まどかはベッドのスタンドに灯りをつけると
「よいしょっと。」
反動をつけ、ベッドから机の方へポンと跳んだ。
机の上の飲み残したワインを手にし、口元へ運ぼうとした、その時

ザー!

突然の雨音に思わず窓の外を見る。
(春日クン、大丈夫かしら?)
心配そうに見ていると、ガラスに映る自分の姿に焦点が合った。

(やっぱり、無理してるのかなあ…)

まどかは、口を付けずにグラスを置いてベッドに戻る。
そして、灯りを落とすと、シーツの間からさっき隠しておいた
「取って置き」の写真を取り出した。
176ありがとーの敬意:2009/12/24(木) 16:58:44 ID:JhItIF1h
うるうる(涙!)
お帰りなさいませ。2Ch以外わかんないので、作者様には失礼ながら
元祖さんとDr,さんにたよってます。スミマセン・・・。
作者様、怒んないで下さいネ。

ちなみにPCアク禁くらいましたw
177元祖:2009/12/25(金) 02:54:25 ID:PsGIdnt/
うぁ〜!まさかハワイから?
感激です〜!!
レスぺ〜さん同様、あたしもアク禁されてます〜。
あたしは相変わらず、日本での忘年会とやらでうんざり。
あ〜ぁ、作者様がうらやましい。まさか、あかねちゃんやまとまかちゃんたちと
サーフィンとは!
続き待ってます!
178アロハ〜2!:2009/12/25(金) 14:14:51 ID:man7Jf/H
まどか「やけたね〜」
作者「一日中サ…」
あかね「まどか、アランチーノ行こ。」
作者「・・・」

暗闇の中、まどかは大きな目を見開いて『彼』を見つめる。
灯りを落としたせいで、写真はモノトーンになっているけれど、
恭介の顔は彼女の脳裏で鮮やかに蘇る。
少しドキドキしてきた。

「あたしのファーストかぁ…」
(ちょっと切ないなあ…)

彼女はそっと唇をなぞり、さっき触れた彼の感触を思い出す。

(これで良かったのよ。これで…)

そのままベッドに横になると
自分の気持ちに折り合いをつけようと、何度も繰り返し、
まどろみの中へと落ちて行った。

(ひかる…)


179見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/25(金) 14:25:44 ID:man7Jf/H
家に帰りついた恭介。
みんなも戻ってきている。
「お兄ちゃん、どうしたの?ひかるちゃんは?」
「……」
恭介はため息をつくと黙ってそのままバスルームへ向かった。
シャワーを浴びると部屋に引きこもった。
くるみが覗こうとするのをまなみが制する。
「ダメよ、くるみちゃん。そっとしといてあげよう?」

恭介は財布から鮎川の写真を取り出すと感慨深げに
(あの鮎川と…キスしたんだよなあ。あの鮎川と…)
はじめは鮎川の気まぐれな態度に翻弄された。
頬を張られたことも一度や二度じゃない。
でも…やっぱり…二人の想いは深くつながっていたことを
今、こんな形で実感している。
(あの鮎川と…)
180見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/25(金) 14:42:20 ID:man7Jf/H
翌朝
恭介は講義へ向かおうとマンションを出る。
すると…外でひかるが待っていた。
恭介はやるせなくなる。
(ひかるちゃん…)
「おはようございます、先輩。」
「う、うん。おはよう。」
「今度、あたしが主演に抜擢された劇が学校の講堂であるんです。
  で、先輩に観に来て欲しいから、チケットを…」
努めて笑顔で振舞うひかるに
「ごめん…。俺、行けない。」
「え〜?どうしてですかあ?」
「だからさ、ねえひかるちゃん、もう、こういうの…おれ応えられない。」
ひかるが差し出すチケットの受け取りを拒んだ。
「そうですよね…。でも、もし気が向いたらで…。」
「いや、やっぱり無理だよ。悪いけど講義があるから…」
そいう言うと、恭介はひかるの脇をすり抜け駅へと歩き出した。
ひかるは、
「じゃあ、駅まで送って行きます!」
あわてて恭介の後を追う。
恭介はちらっとひかるを見て、肩を落とし、そのまま駅へと歩き出した。
181見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/25(金) 14:46:29 ID:man7Jf/H
ひかるは駅のホームまで付いてくる。
恭介はさっさと乗り込むと、無情にもドアが閉まる。
「せんぱい、頑張って…」
ひかるの言葉は遮られ、恭介も余所を向いている。
出発する電車を見送るひかる。
ひかるは何か言ってるのだけれど、ただただ恭介はやるせない。

予備校の玄関に恭介の姿を探すまどかの姿が。
やっとまどかと、普通に…『それなりの関係』で待ち合わせが出来る。
昨日のことを思い出すと二人とも照れくさい。
教室に入り席は隣同志。
幸い小松達は別の講義。

授業中まどかはメモ用紙に書いて恭介にそっと渡す。
(大丈夫?寝てないの?)
恭介は手紙を返す。
(まだ諦めてくれないみたい…)
それを見て、まどかは深いため息をついた。

(そうだよね…)
182見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/25(金) 14:51:26 ID:man7Jf/H
講義が終わると二人は休憩に出る。

自販機でコーヒーを買うと窓側に移動する。
まどかはコーヒーを少し口にし、外の景色を眺めたまま訊いた。
「どうするの?」
恭介は街の景色から足元へと視線を移し
「…解ってもらうしかないよね…それしか…辛いなあ…」
ため息交じりに呟いた。
まどかはやさしく同調する。
「うん…みんな辛いよ。みんな…」

「か〜すがく〜・・・うっ!!」
(止めとけ、八田!)
雰囲気を察して小松が抑えた。
183見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/25(金) 14:55:12 ID:man7Jf/H
3限目の講義で今日は終了。
「気分変えようか?」
まどかの提案で二人はお昼に向かう。

「あたしね、今まで…春日クンと…こうやってさあ…
  こんな日を待ってたのかも知れない…。」
「え?」
嬉しそうに語るまどかの顔を見つめる恭介。
「…やっぱり、あたしらしくないよね…、『不良』だし。」
恥ずかしくなって、そっぽを向いた。
「そんなこと…、俺だって…」
(どれだけ夢見たことか…絶対手が届かない存在だったもんなあ。)
ふと気付くと、すれ違う男性諸君の視線が気になる。
184見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/25(金) 15:20:33 ID:man7Jf/H
恭介はちょっとスネて見せるまどかに提案。
「ねえ、俺がよく行く定食屋さんなんだけど、そこのハムカツ定食
  すっごく美味しいんだ。行かない?」
「パース!昼から重いよ。それよりさあ、前から行ってみたかったとこ
  あるんだ。そっちにしよ?」
「なに?」
「冷やし中華!」
「ええ!?うそ?」
のけ反る恭介。
「鮎川って、そんなの食べるの?」
「何よ!食べちゃ悪いの?」
「いや…ほら、鮎川って、なんかアバカブの…洋食のイメージが。」
「まぎれもない日本人なんですけど。
じゃあ、ハムカツは『鮎川』にお似合いなんだあ、キミにとっては。」
そう言って、恭介を指差すと、二人は笑い出した。
185見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/25(金) 16:00:31 ID:man7Jf/H
学生街にあるラーメン店。中は混んでいる。
カウンター内からおじさんが忙しそうに声を掛けてくる。
「兄ちゃんたち、カウンターでいいかい?」
「あ、はい。」
「兄ちゃん何する?」
「冷やし中華を…」
「彼女は?」

(か、彼女!!??)

「あ、あたしも、…おやじ…同じ…冷やし中華を下さい。」
まどかはドギマギし出した。
二人は目を合わせられないでいた。同じことを考えている。
恭介はお食事中の男性諸君の視線をチラチラ感じながら、
誇らしいやら…恥ずかしいやら…。
186元祖:2009/12/27(日) 12:58:49 ID:326cCt/L
あ〜あ、追い付いちゃいましたね〜!ハワイでの創作
楽しみにしてま〜す。来年はあたしも
作者やまどかちゃんにあいにいきま〜す!
187見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/27(日) 16:54:21 ID:q1yeOgbe
まどかが冷やし中華かあ・・、今こっちは冬なんだけどなあ。
作者はハワイで食いたくなったのか?
俺も来年の冬こそ、金貯めてハワイ行って
サーフィンしようかなあ。
作者や元祖も来てたりして。
188見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/27(日) 19:37:56 ID:rHGBzA5M
「はい、お待ちどう様。」
二人の前に色鮮やかな冷やし中華が置かれた。
「うわあ!美味しそう!いただきま〜す。」
「ねえ、ここ前から狙ってたんだあ。どう?」
「お、おいひ…ゲホッ!ゲホッ!!」
辛子にむせながら、それでも止まらないでいる恭介。
そんな「彼」をまどかは楽しそうに眺めている。

「ごちそうさま〜。」
席を立ってレジに向かう二人。
「あれ?」
「どうしたの?財布忘れたとか?」
予定調和な『落ち』を想像するまどかに
「いや…財布はあるんだけど…中身が…」
恥ずかしそうに言う恭介。
189見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/27(日) 19:41:11 ID:rHGBzA5M
「プッ!」
想定外の落ちに思わず噴き出す。
「いいよ、言い出したのあたしだから。ここは、おご…う〜ん…
や〜めた。ここは『貸し』ね。」
言い直すまどか。
惜い!とばかりに指を鳴らす恭介。
『貸し』にしておけば、いずれ返してもらわなければならない。
よって、またこういう二人の時間を共有出来る訳であり…

食べ終わると、二人は図書館に向かう。
中はかなり混んでおり、別々の席に離れて座るしかなさそう。
「何時までする?」
「う〜ん…アバカブないし…閉館までしようかなあ。」
「じゃあ、俺も!」
190見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/27(日) 19:44:23 ID:rHGBzA5M
二人はそれぞれ空いた席につくと勉強に取り掛かった。
明日は夏期講習中期最後のまとめテスト。
恭介はまどかに置いて行かれないように頑張るしかない。
一方のまどかも
(あ〜あ、ほ〜んと、ハワイでおバカになってる。)
自分にため息をつきながら、講義の復讐にとりかかる。

2時間ほど集中してやると、
(ちょっと休憩しようかなあ…)
まどかは席を立ち、恭介を探す。そして…
(ふ〜ん、気合入ってんじゃん。)
彼は一生懸命参考書を調べながら勉強していた。
(せっかく調子付いてるんだし…まあ、いいか。)
恭介を誘わず、一人で外に出た。
予備校生や、見るからに高校生な連中がつるんで喫煙している。
(昔のあたしも、ああだったのかなあ…?)
ちょっと自分に呆れている。
191見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/27(日) 19:51:34 ID:rHGBzA5M
作者「きょうもサーフィンでくたくた。」
まどか「もう1時過ぎよ。寝たら?」
あかね「まどか、夜のワイキキビーチ散歩しよ?」
作者「私は限界です・・・おやすみなさい。」
あかね「真黒になっちゃって・・・」
まどか「ほ〜んと、おバカ。おやすみ。じゃ、あかね、行こ!」
あかね「うん。んじゃ、おやすみ〜。」
192見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/28(月) 11:24:01 ID:eYlCml0e
作者「ねえ、二人とも、なんであんな沖でサーフィンするの?」
まどか「若いから。それより、あかね、前乗りし過ぎよ!んもう。」
あかね「あははは!ごめん、ごめん。それはそうと、お腹すいたなあ。」
作者「え?な、なんで二人ともこっち見んの?」
かくして、今夜はビーチサイドのレストランで
ハワイのラストナイトフィーバーとなった。
(あんまり飲まないでね、二人とも)
193まどか:2009/12/28(月) 18:27:45 ID:eYlCml0e
あなたと出会ったのはこのビーチ?
夕陽が沈み、ゴールデンアワーも過ぎて
みんなは通りへと戻って行く
水平線が淡く、薄らとオレンジ色に染まるこんな夕暮れって素敵と思わない?

あなたは何を探してるの?
何処を探しても、いつまで探しても、見つからないと思うよ。
だって、今を見てないもの。
ほら、目の前に居るじゃない。
194ハワイに敬意:2009/12/28(月) 18:41:25 ID:QLCCGXWS
何時から夢を見失ったのだろう。
只々仕事と時間に追われて…。
そんな折、出会ったのがこのサイト。
ほんとに、虚空を埋めてくれます。
やっぱり作者に敬意を!
195見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/29(火) 15:50:25 ID:HYwHX1s+
久しぶり来たけどまだ続いてたんだな
頑張れや
また数ヶ月後来るわ
196見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/30(水) 15:32:14 ID:/uIdu4kh
作者様、お帰り!
197見ろ!名無しがゴミのようだ!:2009/12/30(水) 17:00:11 ID:eLrQgL+h
え?帰ったの?俺もここのファンなんだけど。
198見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/01(金) 14:01:00 ID:V9q3OxaO
まどか「明けまして、おめでとうございます。」
恭介「今年も一年、宜しくお願い・・・」
出演者一同「申し上げます〜!!」

まどか「やっぱりマリーさんのフラ、最高だったわ!」
あかね「波にもいっぱい乗れたし、天気も良くって。」
二人はちらっと横目で眺め
まどか「それにしても、何で日焼け止め塗らないかな〜?!」
あかね「ほ〜んと、見た目が汚いんだよねえ…。」
作者「・・・」
199元祖:2010/01/06(水) 23:27:28 ID:ZnEujYs1
作者様、まどかちゃんとあかねちゃんにやられっぱなしですね(笑!
ところで、まどかちゃんの生の声・・・すっごく心に響きましたよ。
レスペ〜さんのお言葉も・・・大人になるって大変です〜。
あたしは大学院生活に逃げてるのかなあ・・・モラトリアムですね〜。
夜はキャバ嬢で生活費稼ぐ日々。こっちのほうが、ことお金に関しては
OLするよりはるかにいいんですけど・・・下心丸見えの殿方のお話聞くのもうんざりだし。
恭介クンみたいな純情で優柔不断な男性なんていないですね〜。
何処を探してもみつからない・・目の前に居る・・意味深だなあ。
200見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/06(水) 23:59:02 ID:KNvfLVFD
元祖お前出入り禁止 
201見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/07(木) 00:02:06 ID:KNvfLVFD
不潔な奴に資格無し!
202元祖:2010/01/07(木) 00:11:51 ID:kSVVN/by
あたしのどこが不潔なんでしょう?
「ウリ」はしてませんし、おさわりと言っても、せいぜい「手」だけですけど。
学業に差し障りの無いよう、週1回しかしてませんし・・・はて?
203見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/07(木) 00:20:03 ID:AzTWaImA
全部!このタコ!
204見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/07(木) 10:25:44 ID:SYqUgcj5
はいはい、これで終わり。
新年そうそうのストーリー展開が楽しみだ。
205見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/09(土) 08:59:34 ID:BbtZiWbA
ラキスタ詣出の神社はあるけど、きまオレの聖地がないのが寂しいな。
まあ、超マイナーだから仕方ないか。
206見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/10(日) 00:05:34 ID:xdZ4vfSg
元祖、嫌われた?
207見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/10(日) 13:31:30 ID:zQ1HOVxb
だからその話題も終わり。
待ち遠しいねぇ。
208見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/12(火) 00:19:48 ID:wQD2VexV
KREVAの「うまれてきて有難う」って曲、恭介がまどかに捧げる歌みたい。
209見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/12(火) 10:36:20 ID:qkkrIvnf
今ようつべで確認。いいな、この歌詞。時を超えて出会った二人。
210見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/12(火) 23:59:21 ID:27WFAVVg
208は元祖さんですか?
いつもインスパイアしてくれて有難う!
211見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/16(土) 22:38:39 ID:sgw11n64
元祖、凹んでんのか?
212見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/17(日) 11:37:18 ID:q7qSj8xq
さては作者、ストーリーをためこんでいるな。。。
作者、ファイト!
213見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/17(日) 20:48:55 ID:u7/jIG5/
いや、もう行くところまで行ったからネタ切れと見た!
作者よ、タッチみたいな悪あがきはよせ!
214見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/18(月) 08:35:21 ID:fHkgJEii
こういうカキコを見返す意味でも新年明け続編希望。
215見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/18(月) 09:35:04 ID:FDvdhaoa
お前は結婚式まで見たいのか?
216見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/18(月) 11:48:43 ID:7JadaJZW
>214
妄想スレは進行中だぜ。
217見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/18(月) 16:57:41 ID:fHkgJEii
まどかはすぐにその場を離れ、夏の陽射で誰も居ない裏庭にやって来た。
クーラーが効き過ぎているせいか、帰って暑さが心地いい。
(再開しよっと)
ちょっと伸びをすると、また自分の席に戻った。

集中して勉強していると閉館15分前を知らせる音楽が流れ出した。
まだ、粘っている学生もいるけれど、みんなが一斉に片付け出すと、
それぞれも諦めるように片付け出す。
「鮎川。」
恭介が迎えにきた。
「帰ろっか?」
「うん。」
二人は図書館を後にする。
街はまだ陽が高く、車の騒音で賑やか。
「春日クン、凄いね。集中して頑張れるようになったんだ。」
「そうかなあ?」
「だって、以前はそわそわしてることが多くって、集中力無かったもん。」
(鮎川の前じゃ、誰だってソワソワするっちゅーの!)
「なに?」
「あ、あははは…。」
慌てて誤魔化す恭介。
218元祖:2010/01/19(火) 22:25:20 ID:D13qXUlf
あたし最低です・・・。
219見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/19(火) 23:12:02 ID:Mkb5xZtF
今頃気付きやがったか・・
220元祖:2010/01/19(火) 23:46:47 ID:D13qXUlf
居直るんじゃなかった。
馬鹿だなあ、あたし…。
221妄想スレ主:2010/01/20(水) 16:37:06 ID:PcWp2rK6
キミらしくないつーか、厚かましいのがキミの取り得じゃないのか?
構わんから、どんどんコピペしてくれ!
222見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/20(水) 18:40:59 ID:iwXSwgCn
お!スレ主現る?
223見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/20(水) 21:31:41 ID:9MC1VZGE
まどかのサラダを作ってみた。
クリームチ−ズを入れるところがポイントか?
んまかったぞ。
224見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/21(木) 21:44:56 ID:ZXfCxl8H
(Dr,に負けじとエールっと)

決してモラトリアムじゃ無いことは
あなた自身が知ってるでしょ
そう、あなたは大丈夫・・・
時間(とき)の歩みを少しだけ遅くして
時間旅行を楽しんでいるだけ
希望を探す旅をするには、時の流れは速すぎるから

きれいごとだけじゃ生きていけない
あなた自身は気づいている
そう、あなたは大丈夫・・・
人は生きる為には何かを切売りしている
時間・労力・知識・言葉・夢
時には心や命までも、それでも人は何かを求めて

そう、あなたは大丈夫・・・
そう、あなたは大丈夫・・・
そんなあなたにrespect・・・

貧乏人にはハワイは無理だから信州へスキーだー!
行ってきま〜す!
225見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/23(土) 12:24:19 ID:s3jiLSXu
レスぺやさしいな。
スキーか・・・ワシは寒しとこ苦手。
話は変わるが、何で作者は妄想スレに行ったんだ?
どっちかにしてくれんと、読みにくくてしょうがない。
226見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/24(日) 08:33:05 ID:sqq1W1oa
元祖さん、せっかく作って頂いた訳ですから、
まずは妄想スレ主さんの方を埋めていくのが筋かなあって思いました。
ご心配ならずとも、他意はありませんよ。
227見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/24(日) 12:29:13 ID:YSKlHDLC
ちょっと聞きたい。
あっちは凄い勢いで再開されたが
作者がカキコしてるのか?
それとも、どっかに元スレがあって
誰かがコピペしてるのか?
要は、リアルタイムかどうかが知りたい。
228見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/24(日) 22:38:09 ID:VmrFDxNc
あかね「あっちは、あたしがカキコしてんだ。」
229見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/25(月) 15:31:56 ID:R/gzfCr5
>227
226を読めよ!
230見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/25(月) 21:57:46 ID:5+aMXY51
妄想スレってさ、どんどんきまオレから
ハズレて行ってる気がするのはオレだけ?
231元祖:2010/01/29(金) 20:20:42 ID:25aDkBGo
作者様が許してくださるのなら、復活したいです。
232見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/29(金) 21:48:40 ID:/1LZqVE4
わかったから〜!
戻ってくりゃいいじゃん!
233226:2010/01/29(金) 22:32:43 ID:m6SplGSl
許すも許さないも、私が決める事じゃないですよ。
元気に戻ってらっしゃい!
234見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/29(金) 22:58:18 ID:vKhKO8Vg
久しぶりに覗いてみたら、ま〜だイジケてやんの。

>232 226
放っておけ。
235見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/29(金) 23:52:52 ID:vKhKO8Vg
今日は静かだ。
ところで226は作者か?
こんなとこ居ないで、続きUPしてくれ。
こんな夜こそ、じっくり読みたいんだよ。
236元祖:2010/01/30(土) 12:25:16 ID:nk7Dks11
展開が落ち着いてきているので、
そう急かさなくてもいいのではないでしょうか?

という訳で、お叱りを強く受け止めながら・・
ちゃっかり復帰しま〜す。
237見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/30(土) 21:23:59 ID:RCTOKIBG
おまえ、ふざけてるのか?
238見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/30(土) 22:05:57 ID:yTN75F1A
勘弁してやれ、こいつのキャラだから。
それより、荒らさんでくれ・・
239見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/30(土) 22:15:53 ID:RCTOKIBG
そのキャラがムカつくんじゃ!
240見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/30(土) 22:28:56 ID:yTN75F1A
だ〜か〜ら〜…は〜…。
241見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/01/30(土) 23:12:55 ID:hsWPpVqB

わずか11にちで立ちナホったとミルか

ジツはカラ元気で、ホントはムリしているとミルか

ダレか精神分析汁 !w!
242見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/02/01(月) 10:06:51 ID:k4da63is
あんまりいじめると、元祖びいきの作者も来なくなるぞ。
243見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/02/01(月) 13:24:09 ID:oTbZMJMi
出る杭は打たれる。
杭に自覚がなければ尚更のこと。
244見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/02/01(月) 23:10:14 ID:dB4OSDez
無駄に活気を出すな!
245見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/02/11(木) 14:39:13 ID:+tgkiLHC
馬鹿野郎!誰だ?上げやがって!
246見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/02/11(木) 19:44:59 ID:6ZK4PwE1
揚げたら続きが読めると思った厨房の仕業だろう!
247元祖:2010/02/16(火) 23:28:12 ID:/naf46vq
もう3週間になりますよ〜!
あっちは変なカキコされてるし〜!
まさか、まさかお引越しでしょう・・??
248元祖:2010/02/21(日) 23:19:14 ID:QuF20jGo
作者様〜!!
249元祖:2010/02/27(土) 19:05:43 ID:H42KcnWm
明日から三月ですよ〜!
そういえば、もうすぐ合格発表ですね。
あの頃は今みたいなモラトリアムな生活に浸っちゃうなんて
思いもしなかった・・
気まぐれ作者様、あたし待ってますから!!
250見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/04(木) 16:21:06 ID:NCW372+g
暇そうだから、お前が書けよ。
251元祖:2010/03/04(木) 19:29:42 ID:NhOm9cWF
な〜んだ・・
期待したのに〜!!
252見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/04(木) 21:24:44 ID:L/2toe7f
元祖さん、ゴメンなさい。
もうすぐ再開しますから。
253見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/04(木) 23:28:14 ID:8rEKkdTA
出た!元祖贔屓。
254元祖:2010/03/05(金) 00:48:42 ID:FDL18X+g
有難いことですわ。
焦らないでくださいね。
255元祖:2010/03/09(火) 00:05:01 ID:ZgUN6M/+
久々の続きですね〜。
他を探したけど、やっぱり待ってて良かったです〜!!
256見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/09(火) 12:51:40 ID:130Q/tHS
待ってて良かったな。
257元祖:2010/03/09(火) 14:33:13 ID:MG0m95hT
はい!
258元祖:2010/03/12(金) 19:03:11 ID:LmUeJ8+X
また最初から読んでま〜す!
259見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/12(金) 22:25:33 ID:a1tWNdAt
ソウトウヒマデスネw
260元祖:2010/03/15(月) 00:16:03 ID:nZEpDqi2
だって、読み出したら引き込まれるんですも〜ん。
あたしのお気に入りは、まどかVSお姉ちゃん
まどかVSママ。そして、あかねちゃんやマリーさんとの
仲良さげな会話。あたしも混ざりた〜い。
いっしょにワイキキの街をブラブラした〜い。
絶対楽しいだろ〜な〜。
261見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/15(月) 10:05:38 ID:phF02WTm
そのうちアニメの世界でしか生きられなくなるぞ。
ちゃんと彼氏作って、お茶でもしなよ。
キャバ嬢出来るくらいのビジュアルは持ってんだろ?
262元祖:2010/03/15(月) 16:19:03 ID:nZEpDqi2
ビジュアルはともかく・・・
「アニメの世界でしか」は当たってるかなあ。
だって、人付き合い悪いもん、あたし。
だからこそ、この世界の住人に憧れちゃうんです。
オフ会じゃないけど、妄想スレをヒントに
まどかちゃんを捜してしまう馬鹿なあたしがいます。
263見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/15(月) 21:16:42 ID:B+6byi2R
ここはいつからブログになったんだ?
264見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/16(火) 14:40:17 ID:X7InWd7a
作者よ、見てるか?
俺のスレはは過去ログに葬られた。
スマンが俺はもうスレ立てしねえから
ここも含めて残り3か所のどこかに続き書いてくれ。
265元祖:2010/03/16(火) 22:35:55 ID:Gg90OIc9
妄想スレ主様、ご苦労様でした〜!!
リアルタイムにコピペ残しといて良かったあ。
スレタイすごく気に入ってたんですけど・・
266見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/19(金) 09:28:08 ID:9ewPGQqi
作者は何処に?
267元祖:2010/03/19(金) 21:47:04 ID:X/0I9szo
元スレ、首ったけ、行ってみよ〜、ここ・・
どこも止まってますね。
あたしは日々巡回中で〜す。
連休あたりがポイントでしょうか?
268見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/21(日) 07:15:04 ID:7SdQ4MP+
やっぱハワイ編だろ。
269元祖:2010/03/22(月) 23:25:26 ID:XeTfae64
次の展開が読めません。
このままダラダラと進むのかしら?
ひたすら始まりのシ−ンに近付いてる。
戻ったらそこから初めて未来に進むんですよねぇ。
ひかるちゃんはふっ切れたのかな?
まどかちゃんはひかるちゃんと向き合おうと努力するのか、遠巻きに見つめ続けるのか?
恭介はまどかちゃんとのことだけで話しが進むのか?
三角関係はピリオドですか?
ここまで三人の気持ちがはっきりしてしまえば、
話しは終わってしまうと思うんですが。
作者様はこの先、どんな展開を用意されておられるのか・・
ちょっと不安です〜!
270見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 00:03:55 ID:UCaIR2ce
お昼になった。
「お昼どうするの?」
「あたし、昼から部活あるんだ。腹ごしらえは恭介にお願いしようかなあ?」
澄まして言う。
「何だよ、初めっからその気だろ。」
ちょっと睨むと、ニッコリ笑顔で
「やったー!有難う!お礼に、どっちの心が知りたい?」
「だ、か、らぁ、もうその話はいいって…。
ところでお前、何で引退後も部活やってんの?」
「うち、体育会系推薦枠があるんだ。先生に話したら、400mのタイムが
  ぎりぎり推薦枠に残れるって。だから実技の前にタイム落ちないように
フォームを固めておかないとね。後は、もう少し学力をつけないと。」
「お、お前…本当にK大受けんの?」
「だって、星女子高は気が合う子居ないんだあ。
  このまま短大に上がってもキャンパスライフ悲惨でしょ?
   その点、まどかちゃんとはすっごく気が合うのよねえ。」
「そうだよなあ、鮎川にしては同級とつるむのって珍しいよね。
  あかね、お前気に入られたのかな?」
「うん、あたしも、キャンパスライフは、まどかちゃんと一緒に…
  そういや、この間、うちで彼女の話が出てた。ハワイの一件で。」
271見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 00:06:01 ID:18POLMTS
「へえ。みんな何て言ってた?」
「それがさ、うちの子が中学の時、茶店でタバコ吸ってたら、
いきなりバイトの子が来てタバコ取り上げられたんだって。
『何すんの!』って言ったら凄く睨まれて怖かったって。」
「それって、ひょっとして?」
あかねはこくりと頷いて、続ける。
「『今から吸ってたら…と、とにかく止めな!』って。
 『これ預かっとくから、コーヒー代は要らないわ。』だってぇ。カッコいい!」
「アバカブ?」
「そう。まどかちゃんだったみたいでね。で、その娘ミーハーだから
  まどかちゃんに一目惚れして、ファンレター書いたまではいいんだけど、
   でも、話してる内にそれが、かの有名な『鮎川まどか』って解って、
    一気に恐ろしくなって、渡すの止めたって言ってた。」
「へ〜。そんなにおっかなかったっけ?」
「そうね、うちじゃおっかない噂の方が先行してるかなあ?
  だから、『追っかけ』なんて信じられないって話が広まってるもん。」
「鮎川ってそんなに有名なの?」
「ほら、うち女子高だからさ。『宝塚ファン』みたいなもんよ。」
「お前もそうなの?」
「馬鹿ねえ。あたしたちは『親友』なんだよ!」

話しながら歩く二人の向こうを横切る少女の姿が目に入った。
(あれ?…うっ!ひ、ひかるちゃん…)
二人はこそこそと建物の蔭に隠れる。
あかねは小声で
「何であたしまで隠れなくちゃならないのよ!」
272見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 00:08:29 ID:UCaIR2ce
ひかるはせっかく伸ばしていた髪をバッサリ切っていた。
元のショートヘアに戻っていたため、最初は分らなかった。
彼女はうつむき加減に歩いている。
全く元気がない。
「恭介…ひかるちゃん可哀そうだよ。」
「仕方ないだろ…」
「そうだけど…何とかならないの?」
「もう、何も出来ないよ。もう…」
恭介はため息をつく。

二人はひかるを見送ると、建物から出て、ファミレスに入った。
それぞれパスタとピザにジンジャーエールとコーラを注文する。
「まどかちゃん、辛いだろうなあ。」
「もういいよ、その話。」
「あ、ごめん。」
気持ちを切り替える恭介。
「俺、今は鮎川と一緒の大学に行くことで頭が一杯なんだ。」
「まどかちゃんは楽勝だろうけど、恭介、あんた大丈夫?」
「だから頑張ってるっつーの!」
273見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 00:11:50 ID:UCaIR2ce
「痛てっ…」
恭介は腫れた頬をさすりながら食べている。
口の中も切れてるから、食べると少し痛い。
アカネはジンジャエールをストローで吸いながら恭介を見つめる。
「ところで、まどかちゃん…知ってるの?恭介のこと。」
「いや、まだはっきりとは…。」
「でも、何時かは言わなくっちゃ。」
「うん。」
「どんな顔するんだろ?」
「きっと…」
「きっと?」
「…きっと、呆気ないほど、すんなり受けいれてくれるような気が。」
「そうね。まどかちゃん、あんまり驚かなさそうね。
  まあ、ヤバくなったら、あたしが(記憶)消してあげるよ。」
「ゲヘッ!ゴホッ!」
恭介は飲もうとしたコーラを吹いた。
「きったないな〜。」
あかねは腕組みして椅子に背をもたれかける。
恭介は咳き込みながら
「そ、そうならないことを願ってるよ。」
274見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 00:15:14 ID:UCaIR2ce
鮎川宅にて
(あ〜あ、結局ママに引っ張り回されたじゃない。)
シャワーを浴びて、いつもの姿で出てくる。
「まあ!まどか、ちゃんと着替えて出てらっしゃい!んもう。」
(はいはい。)
まどかはそのままさっさと階段を上がる。
「『カレ』の前でもああなのかしら?」
ママは聞こえよがしに言うと、
まどかはカアッと赤くなり上から言い返す。
「・・んな訳ないでしょ!」

ルルルルル!

「まどかあ〜、ちょっと出て頂戴!」
(なによ、んもう…)
2階で子機を取る。
「はい、鮎川です。あら、お姉ちゃん。どうしたの?」
「ママたち来てるんでしょ?」
「うん。代ろうか?」
しばらく姉とママの会話が続いた。
275見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 00:18:08 ID:UCaIR2ce
「まどか〜!お姉ちゃんが代わってって。」
「は〜い。」
子機に切り替えて
「何?」
「うん、まどかもうちのパパのおじいちゃん家に来ないかって。」
「あ、…あの徹夜踊りするとこ?」
「そう。あんたも浴衣着て、ちょっとは女らしくなってみたら?」
「う〜ん・・・どうしようかな〜。考えとく。」

電話を切るとタオルで髪をゴシゴシし出した。
(行ってみたいなあ。でも…)
今までは、何かあると一番に誘うのがひかるだった。
(さすがに…無理だよ。
でも…でも、とにかく電話だけでもしてみようか?)
髪を拭く手が止まり…受話器に手が。

「はい、桧山です。あら、まどかちゃん。
  ひかる?ちょっと待ってて。
   ひかる〜、まどかちゃんからよ〜!」
大きな声にまどかはドキドキしてくる。
276見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 00:22:45 ID:UCaIR2ce
「…」
ひかるは何も言わずに部屋から出て来た。
そして、受話器を取ると
「はい、ひかるです。」
「あ、ごめん、遅くに。あのさあ…良かったら今度一緒に…」
「……」
「…ひかる…聞いてる?」
「スミマセン…ごめんなさい、もう…」
「何よ?」
大きなため息をついて
「もう、無理です。もう…」
「ひかる…」
「ごめんなさい。」

プー、プー、プー…

一方的に電話は切られた。
まどかは顔から火が出るほど恥ずかしくなった。
(どうかしてる。虫が好過ぎるよ、あたし。)
277見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 00:30:04 ID:UCaIR2ce
ひかるだって解ってはいる。
まどかが自分自身を責めているであろうことや、
それでも自分を気にかけてくれていることも。
電話だって、さぞかし勇気を振り絞ったはず。

(でも、先輩とまどかさんはずっと一緒でしょ?)

夏休みだったことがせめてもの幸い。
ひかるは孤独を選んだ。
とにかく余計なことを考えないようにと、一生懸命台本に目を通すのだが…
つい呆然と宙を見つめてしまう。
胸にぽっかり空いた穴を埋められないでいる。

(大声で泣けたらいいのに…)

机の上の写真を引き出しの奥に入れた。
278見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 00:33:40 ID:UCaIR2ce
まどかも孤独になりたくなった。

(ひかるも春日クンも居ない土地に行ってみようか…)

恭介のマンションにて
ルルルル!
「はい、春日です。」
「あ、まなみちゃん?春日クン居るかなあ?」
「はい、ちょと待って下さい。」
(うわ〜、私がドキドキしちゃう…)
電話を保留にすると、まなみは大きな声で恭介を呼ぶ。
「お兄ちゃ〜ん!まどかさんから!」
恭介が慌てて出てきた。
子機を手にすると、また慌てて自分の部屋に戻る。
(ほんと、まどかさんのことになったら…)
呆れて見ている。

「あ、鮎川…どう?」
「うん、この間はゴメンネ。」
「いや、俺の方こそ無神経でごめん。…どうしたの?」
「うん…さっきさ、ひかるに電話してみたんだけど…
  呆気なく『振られ』ちゃった。」
279見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 00:38:57 ID:UCaIR2ce
敢えて『言葉』を使って、ちょっとおどけるけれど…
二人とも息が詰まる気分になってくる。

「嫌な性格してるね、あたし。」
「あ…いや、鮎川らしくって…」
「ごめんなさい…」

強がってみても、今はやっぱり無理みたい。

「あのさあ、あたしお盆の間、親戚の家に行くね。」
(え〜?そんなあ…)
「向こうに着いたら連絡するから。」
(しょうがないか…)
「うん。そうだね、落ち着く時間も必要だよね。」
「…春日クン、また後期一緒に受けようね。」
「うん、分かったよ。気を付けてね。」
「有難う。…じゃあ、オヤスミ。」
「オヤスミ。」
280見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 01:00:40 ID:UCaIR2ce
敢えて『言葉』を使って、ちょっとおどけるけれど…
二人とも息が詰まる気分になってくる。

「嫌な性格してるね、あたし。」
「あ…いや、鮎川らしくって…」
「ごめんなさい…」

強がってみても、今はやっぱり無理みたい。

「あのさあ、あたしお盆の間、親戚の家に行くね。」
(え〜?そんなあ…)
「向こうに着いたら連絡するから。」
(しょうがないか…)
「うん。そうだね、落ち着く時間も必要だよね。」
「…春日クン、また後期一緒に受けようね。」
「うん、分かったよ。気を付けてね。」
「有難う。…じゃあ、オヤスミ。」
「オヤスミ。」
281見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 01:14:18 ID:UCaIR2ce
(いつまでも考えてないで、俺も頑張ろう!自分のためにも。)

恭介は勉強に打ち込んだ。
まどかやひかるのことを忘れるくらいに…。
やっと気持ちが前向きになった。

翌日の夕方、図書館帰りにアバカブに寄る恭介。

カラン!コロン!
「よお、久しぶりだね春日クン!」
夕方の店内は少し混み出していた。
「最近、誰も来てくれないから寂しくってね。」
「うん…そうだよね、これでも俺も鮎川も一応受験生だし。」
「何あらたまってんの!ひかるちゃんは?」
マスターは笑いながらコーヒーを入れている。
「……」
恭介の顔が曇っていくのに気付いた。
「うん…会ってないから。」
(え?…!!)
恭介の雰囲気から何となく事態を察した。
282見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/03/28(日) 01:28:12 ID:UCaIR2ce
「そ、そう…。」
マスターの顔も曇っている。
(いつまでも3人一緒って訳にはいかなかったかあ…)

カランコロン!
(あ!)
(え?!)
(あちゃ〜…)
ひかるが気付き、恭介も気付き、マスターが目を覆う。
こともあろうにひかるも訪ねてきた。
恭介はひかるの方を見ているが、ひかるは無視して
カウンターの離れに座る。視線を合わせようとしない。
「い、いらっしゃい…ひかるちゃん。ず、随分久しぶりだね。」
「ええ、部活が忙しかったから。」
「髪切ったの?」
「……」
「ア、アイスコーヒーでいいかい?」
「はい。」
ひかるは座るとカバンから台本を取り出してぶつぶつと読み出した。
一方、恭介の視線はカウンターの中を彷徨うだけ。
緊張からか、すごく居心地が悪い。
283元祖:2010/03/28(日) 21:02:50 ID:us4uSkQF
やった〜!お帰りなさい!!
284元祖:2010/04/07(水) 18:59:46 ID:onfvyX8D
最初低調ですけど〜!? 
285見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/10(土) 11:15:21 ID:tu3N0OB+
>284
あまり急かさない方がいいと思うよ。
286元祖:2010/04/10(土) 17:52:51 ID:2H20RmvW
別に急かしてるつもりはないんです…
ただ、何となく…展開が…
山が無いものですから…
287見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/10(土) 20:34:11 ID:8kDAQg0i
山が無くってごめんね。

「はい、お待ちどう。」
マスターが優しくグラスを差し出すと、
ひかるは軽く会釈した。
そして急に

「ねえ、マスター…あたし、『振られちゃった』みたい。」

(ギクッ!!)
「ひ、ひかるちゃん…。」
マスターは何とも言えない表情で、離れて座っている恭介の方を見た。
恭介は視線を向けられない。

カランコロ〜ン
お客が入ってきた。
「いらっしゃいませ〜」
バイトの子を制して、マスターはその場から逃げ出す。

コーヒーで酔ってる訳じゃないんだけれど、
もう、ひかるの心は据わっていた。
288見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/10(土) 20:40:30 ID:8kDAQg0i
恭介の方を向くと、彼はオドオドしながら他所を向いている。
(はあ〜・・・・)
ひかるは心で深いため息をついた。
そして、急に立ち上がると彼の傍に行く。

「な、なに…?」
「先輩、あたしは全然忘れられないです。
  …でも、忘れなきゃいけないこともあるんだなって…
   …分かっているつもりです。
 これ、あたしが先輩に見て欲しかった劇のチケットなんです。
  無理強いじゃないです。
   もし良かったら…まどかさんと一緒に…。」
2枚のチケットが差し出された。
「…う、うん、有難う。考えておく。じゃ、ひかるちゃん。」

チケットを受け取ると、
「ごちそうさま。」
恭介はレジを済ませ、そそくさとアバカブを出た。
289見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/10(土) 20:48:14 ID:8kDAQg0i
逃げ出す恭介の姿を目で追えない。

(とうとう…言っちゃった…。)

ひかるはうつむいて自分の席に戻る。
取り返しのつかない『終止符』を、自らの手で打った気がする。
ひかるは目を見開いたままじっと考えた。

(これで終わり?もう・・・もう、ホントに終わりなの?)

マスターが
「温かい方がいいかな?」
そう言って、そっとホットコーヒーを差し出した。
「ひかるちゃん、随分大人になったね。」
マスターの言葉に
「え?」
見上げた彼女の頬を一滴の涙が伝う。
ひかるは慌てて拭って
「嫌だなあ〜マスター。ひかるはまだまだ子供ですよ〜。」
無理して笑顔を作るけど、マスターの優しい笑顔を見ているうちに
本音を語り出した。

「…こんな…こんな思いするんなら…大人になんか……」

下を向いたまま肩がふるえている。
バイトの子が気を利かせて、ひかるの周りに客が座らないよう
椅子を離してスペースを設けてやった。
マスターが紙のコースターに書いて、ひかるのコーヒーカップに添える。

『今夜はずっとここに居ていいよ。』

夕刻の喧噪の中、ブラインド越しに西陽が差しこむ。
店内にはやさしい曲が流れていた。
290見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/12(月) 09:57:04 ID:UiDORYo9
ハワイ編、告白編ときて次はどんな展開になるのやら?
あ〜、それと、なんだ、元祖は発言を慎むように!
291見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/18(日) 11:03:52 ID:jtU3NdkY
まだですか?
292見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/18(日) 21:08:30 ID:E1lZvzDp
もう、この際誰でもいいから続き描けよ。
293元祖:2010/04/18(日) 23:16:46 ID:ybfyoVRr
それは困ります〜!
作者様ー、あたしは信じて待ってます!
294見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/26(月) 11:33:59 ID:vcEGouA0
一か月待ちだコノヤロー!
295見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/28(水) 11:28:49 ID:/MyVQ+S8
ひかるが諦めた時点でENDだろ。
296見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/29(木) 11:38:58 ID:SwCMS7b3
ほんとにENDですかねー?作者様アク禁じゃないですか?
ここすぐにアク禁くらいますもんね〜!
元祖さんの言うとおりプロローグに回帰してきてますけど、
まだ、最後の〆のこってますよね作者様〜!
その先は新きまオレって考えてしまうの私だけ?松本氏のプロットに
作者様風のビートの効いたそれでいてせつなさの漂うarrangmentを聴いて
みたいです。
ちなみに、私の携帯着メロはKYOUSUKE#1です。敬意の欠片もないおバカでしょ?
297拝啓レスペー様!:2010/04/29(木) 15:07:00 ID:m3q5a5A+
夏真っ盛りのG市に到着する一行。
町は祭りの準備で活気に溢れている。
町中を清流が流れ、橋の欄干から子供たちが次々に川に飛び込む。
青空と蝉しぐれの中、次々に威勢のいい水しぶきが上がった。
甥っ子が川を指さす。
「まどかねーちゃん!」
「入りたいよね〜?お姉ちゃん、行っていい?」
姉は「いいよ」と頷く。
義兄は車からまどかと長男を降ろして
「じゃあ、まどかちゃん、頼んだね。」
「やった〜!行こ!」
「気を付けてね。」
姪っ子もじたばたと降りたがるが、姉は離さない。
「あなたはダメよ。疲れてるから、じぃじぃん家で寝んね。」
まどかはタオルを片手に甥っ子を連れて川に降りた。
甥っ子が歓声を上げる。
「冷た〜い!」
「うん。冷たいね〜。ほら、あそこ!お魚がいるよ。」
まどかはサンダルを脱いで膝まで入る。
水の冷たさも忘れ、二人ははしゃいだ。
298見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/29(木) 15:14:27 ID:m3q5a5A+
義兄の実家は町の中にある大屋敷で、いくつも部屋がある。
毎年この時期は兄弟姉妹が帰省し、屋敷はにぎやかになる。
今回はまどかもお邪魔している。
20畳はあろうか、大広間に親戚一同が集まり、夕刻前から宴が
催される。
義兄は実家だから、思いっきりくつろげる。
姉はあちこちに呼ばれて挨拶をしている。
その時一緒にまどかも紹介され、
その場におばちゃん達が集まってくる。
姉妹はあれが似合う、こっちの方がいいなどと、浴衣を合わせられている。
夕刻7時を過ぎると、町中から笛を合わせる音色や、観光客の賑わいが
聞こえてきた。
子供たちは長旅の疲れで、広間の隅でスヤスヤと眠っている。
「あなたたち、行っておいで。あたしが見ててあげるから。」
義母は孫たちが可愛くて仕方がない。
彼女の勧めに姉はニッコリ頷き
「まどか、行こうか?」
「うん。」
二人はそれぞれ浴衣に着替えた。
髪を結い上げ、お互いにチェックし合う。
「いいね〜!まどか、すっごく似合ってるよ。」
「アリガト。お姉ちゃんも!」
屋敷に残る者と踊りに出る者に分かれ、姉妹は会場に出かけた。
祭囃子のやぐらのまわりは人垣がすごい。

土地の代表曲が流れ始める。
何とも夏風情たっぷりの曲と踊り。
姉妹は周りを見ながら踊りを覚え、あっという間にモノにしていく。
299見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/29(木) 15:44:14 ID:m3q5a5A+
いつの間にか、二人は踊りの輪の中に融け込んでいた。
曲に合わせてゆっくりと踊っている。
伸ばす腕は指先までしなやかに反り、足の運びも流れるように滑らか。
義兄達も、子供の頃からの免許皆伝。踊る姿に力みが無い。

曲はアップテンポの曲へと替わった。
まどかは上手く合わせて、無心に踊っている。
下駄を上手に鳴らし、合いの手の掛け声もしっかり出ている。
義兄が驚いて
「まどかちゃん、やるねえ。」
妻に声掛けると
「この子、中学の頃から『クラブ』で鍛えてるもん。」
踊りながら聞いてたまどかはちょっとベロを出した。
2時間近く散々踊ったから、体中が汗でぐっしょり。
姉妹は帰ろうと言うのだが
「これからが本番さ。先帰ってて。」
義兄達は帰らない。おばちゃんたちもやめない。
「じゃあ、お先に〜。」
300見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/29(木) 16:31:01 ID:m3q5a5A+
帯の腰に差していたうちわを手に取り、パタパタ仰ぎながら風を起こす。
「暑かったね〜!」
「ふぅ〜、暑い暑い!」
姉妹は仲良く扇ぎ合いながら帰路につく。
メインストリートは、どこもかしこも踊る人たちであふれている。
観光客はそれなりだが、土地の人はすぐに分かる。
やはり一際目立って上手いし、何より『様』になっている。
二人は足を止めて眺めながら『型』を真似し出した。
「こうかな?」
「こうじゃない?」
「こうか…」
「お姉ちゃん、違うよ。こうよ。」
(・・・!!)
「あれ?あ、あはははは…」
自分たちのやりとりをみんなが見ているのに気づいて
姉は歩くスピードを上げる。
(お姉ちゃん、ずる〜い。)
まどかも気付いてかけ出した。

明らかに土地の者じゃない、都会の香りをかもし出す超美人姉妹に
みんなが目を奪われるのは当然な訳で・・・。
301見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/29(木) 21:19:00 ID:thTGYUQn
おー!アップされてんじゃん!
元祖!なんかコメ書けよ!
302見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/29(木) 22:37:45 ID:m3q5a5A+
今までも、二人で歩くとこんな視線を感ることはあったけれど、
でも、さすがに今夜は目立ち過ぎた。

「うわ〜!焦ったね〜。」
「ほ〜んと!恥かし〜い!」

笑いながら、二人は下駄を鳴らして坂を上がった。
「ただいま〜。」
帰ると、すぐに子供たちの所に行く。
孫たちをやさしくお守りしてくれていた義母にお礼を言った。
「楽しかった?」
「はい。」
チビたちを起こさないよう、二人は小声で応えた。
盆地の夜は涼しくて、長旅の疲れもあって二人ともスヤスヤと寝ている。
「汗かいたでしょ?お風呂入ってお休みなさい。」
「はい。」
じゃあねと告げて、義母は自分の部屋に戻って行った。
姉はスヤスヤ眠る子供たちにタオルケットを掛けてやり、
起きそうにないと見ると
「まどか、一緒に入ろうか?」
「お姉ちゃん、久しぶりね。」
303見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/29(木) 23:13:49 ID:m3q5a5A+
屋敷のお風呂は露天になっていて、とてつもなく広かった。
二人はびっしょり濡れた浴衣を脱ぐと、頭からお湯を浴びた。
涼しい風が吹いてきて、とても気持ちがいい。
遠くに祭囃子が聴こえている。
湯船につかっても、首から上は涼しい空気が流れている。
「気持ちいいね〜。お姉ちゃん、有難う。誘ってくれて。」
「そお?」
「うん!来て大正解だよ。」
「『お悩み』は、少しは解消したかな?」
ちょっとおどけて顔を覗き込む姉に、まどかは他所を見てとぼける。
「何?!あたし別に悩んでなんか…」
「ママから聞いたよ、相談に乗ってあげてって。」
「だから、悩んでないって!」
ムキになるまどかに
「かすが…きょうすけクンだったっけ?」
「んもう!」
パシャッ!
まどかは姉の顔にお湯を掛けた。
「やったな〜」
姉も負けじと応戦した。
304見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/29(木) 23:38:34 ID:m3q5a5A+
姉妹は新しい浴衣に着替えて子供たちの所へ行く。
姉は頭に巻いたタオルを取って、そのまま子供たちの傍に横になった。
「オヤスミ〜。」

まどかは別室の小部屋に入った。
遅く帰った彼女のために、あらかじめ蚊取り線香が焚いてあり、
布団も敷いてある。
(うわ〜、懐かしい匂い。)
そのまま窓際に腰掛け、網戸を開け外を眺めると、
川のせせらぎと祭囃子が聞こえてくる。
涼しい風が吹いてくると
「あ〜気持ちいい!」
まどかはぼんやりと月に照らされた深い山のシルエットを眺めながら、
物想いに耽った。

(3人で来たら、楽しかっただろうな…)

恭介への愛を独り占めした、その代償はあまりにも大きい。
『3人で』や『ひかると』というシチュエーションは…
(もう、二度とないの?)
305見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/29(木) 23:50:56 ID:m3q5a5A+
『元不良』という看板を下ろし、一人の女性になった途端
今まで大切にしてきた何かを失ったような気がする。

(想像以上に辛いなあ……)

網戸を閉めると、まどかは布団の上で膝を抱え込んだ。
(時間が必要だけど…虫が良いかもしれないけど…
  時が経てば、きっとひかるだって……)

「はあ〜…」

天井を見上げ深いため息をつくと布団に倒れ、大の字になった。
(やっぱり…無理かな…?)

取り留めもなく考えているうちに、考えがまとまらなくなり
またため息をついた。
(もうよそう、これ以上考えても…)
そのまま眠りに落ちて行った。

その頃恭介は・・・ぼんやりと月を眺めながら
(俺達って、どこから来たのかなあ…?
小さい頃から人と違うってのは解ってたんだけど
深いところでは、全然考えてなかったなあ。
いや、考えないようにしてたよな…。)
306見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/30(金) 01:04:23 ID:uq0j2Xm4
あらためて考えると…自分たちにとって『普通』のことが、
身近な他人とよくよく比較して、初めて『違う』と分かる。

(鮎川に本当のことを言ったら…)

強がっても、はっきりとした自信がある訳じゃない。

トントン。

「何?」
「私、まなみ。入ってもいい?」
「うん。」

まなみが夜食を持って入ろうとして、部屋が暗いのに驚く。
「お兄ちゃん、寝てたの?」
「いや・・・ちょっと考え事を。」
まなみは月明かりを頼りに兄の傍に行く。
「お父さんと話してたこと…」
「ああ、まなみは判ってるんだろ?俺と鮎川のこと。
  …ひかるちゃんとのことも。」
「…うん。でも、それは3人のことで、私が口を挟むことじゃないし。」
「じゃあ?」
「お兄ちゃんが言ったこと…もし『受け入れられなかったら』…」
307見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/30(金) 01:05:09 ID:uq0j2Xm4
まなみは深刻な顔をしている。
「お兄ちゃん、分ってるの?おじいちゃんが言ってたこと。」
「ああ。正体を明かしたら、もちろん『添い遂げる』し、
受け入れられなかったら全てを消して・・・『消して』?!」
「気付いた?」
「『消して』って・・・俺も消えちゃうんだったっけ?!」
「春日家が、私達みんなが、この『時間』から転居しなきゃならないのよ。」
「そ、そんな・・・あ、あははは…」
まなみはため息混じりに
「きっと…きっと、まどかさんなら……きっと…」
まなみは満月を見やって
「おやすみなさい。」
部屋を出て行った。
(鮎川なら…)
でも、本当の恭介を『知っている』訳じゃないし、断言は出来ない。
もし受け入れられなかったら…
(鮎川の心の中から俺は消えてしまうって言うのか・・・?!)
もし…
308見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/30(金) 17:27:35 ID:mygBJ7Z5
待ってたぞ、コノヤロー!
309見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/04/30(金) 21:13:00 ID:RHxIrh6W
また変なのが現れたなぁ・・・
310元祖:2010/05/01(土) 10:01:32 ID:Vq7L2T2F
どなたでも大歓迎で〜す!
作者様に影響されて今宮崎なのです。
サーフィンスクール3日間だ〜!
311見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/01(土) 20:09:24 ID:C51Bj9ZJ
恭介No.1!
な、懐かし過ぎる・・・。
君、やるねぇ
312見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 11:48:27 ID:zh7FigXl
8月13日
恭介はマンションに一人残って勉強に励んでいた。
ルルルル…
(鮎川?)
恭介は急いで子機を取る。
「はい、春日です。」
「ヤッホ〜!恭介。お前留守番してんの?」
「た、ただいま留守にして…」
留守録を装うも
「バレてるって!あはははは!」
「ちぇっ。何だよ?」
「叔父様、奥さんに逢いに行ったんでしょ?」
(『逢う』…?)
恭介はあかねの言っている意味が分からず
「じいちゃん家に行ったよ、妹達も一緒に。」
(いけね。こいつ知らないんだ…)
あかねは隆の秘密を知っている。慌てて話を戻した。
「あのさあ、まどかちゃん誘って図書館にさあ、」
「鮎川は居ないよ。旅行に行ってるから。」
「ええ〜!あたし何も聞いてないよー!」
「何でお前にいちいち言わなきゃなんないの?
それよりお前も受験すんだろ?一緒に図書館行こうよ。」
「恭介と一緒かあ…まあ、仕方ない。」
「今度はあかねが奢れよ。」
「…まあ、仕方ない。」
313見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 13:02:26 ID:zh7FigXl
お盆は隆が娘達だけ連れて、妻の実家にお墓参りをした。
隆は墓前で、息子が母親にそっくりな女性と恋に落ちていることを、
そして、全て事が上手く進むよう見守って欲しいと頼むつもりであった。

お盆の14日深夜…年に一度だけ、義父母の力を借りて隆は妻に逢える。
これは義父母と隆だけの秘密だったのだが、実はあかねも気付いていた。
一緒に泊まりに行った時、偶然隆と祖父母の話を聞いてしまった。
しかし、みんなのことを考えて、以来自分の胸にそっとしまっている。
(悲しいけど…素敵だなあ。)

隆と義父母は他人はもちろん、子供たちにもこのことは告げていない。
子供たちに知られると、母は『天国』という次元に戻れなくなる。
小さい時だったからあんまり記憶に残ってないけれど、
まだまだ、まなみやくるみにとって母親は必要。
もし母の姿を見たら、絶対離さないだろうし、母も情に絡みとられ、
結果、彼女は現生とあの世の『挟間』を漂うことになるだろう。
だから子供たちには内緒にしている。

再婚を勧めても、頑として亡妻への愛を誓う隆。
男手一人で頑張って家庭を支えている。
そんな無骨な姿に、さすがに義父母も可哀そうになった。
314見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 13:17:56 ID:zh7FigXl
「おじいさん、私達が力を合わせれば年に一回くらい。」
「そうじゃな、年に一回くらいなら逢わせてあげられるかも知れん!」
それからこの十年近く、毎年この日、この時間に二人は逢っていた。

隆は夜遅くにこっそり湖の孤島に渡り、
そして、妻の墓前に行くと、墓の掃除をし出した。
苔をこすり、雑草を抜いてきれいにする。
そして、懐中電灯で腕時計を照らして時間を確認した。
「そろそろ11時か…。」
隆は墓前に清水と温かいお茶を用意し、妻の好きな『勿忘草』を飾る。
そして、そのまま地面に胡坐を組むと呪文を唱え出した。
妻の実家でも、時間に合わせ老いた父と母が呪文を唱え出した。

そして…23時ちょうど
隆の背中から両腕に一斉に鳥肌が立つと
迎え火に誘われて、目の前に妻の魂が…『姿』となって現れた。
「あなた…」
「お前!…逢いたかったよ。」
「ええ、分ってる。私も。」
思わず二人は抱きしめあった。
今だけは妻に実体がある。
二人は年に一度の再会に心を震わせ、涙を流した。
315見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 13:38:02 ID:zh7FigXl
妻はあらためて自分の墓に飾られている花を見る。
「いつもきれいなお花を有難う。」
「私にはこれしか出来ないから。」
二人は一晩中いろんなことを語り合った。
仕事のこと、子供たちのこと、まなみの成長、くるみの幼さ、
そして…恭介の初恋。
妻はやさしい笑顔で隆の苦労話を聞いてあげる。
でも、実は全部知っている。全部温かく見守ってきた。
手が届きそうなのに、届かないもどかしさも感じている。
しかし、あっちの世界のことは他言を禁じられている。
言うと二度と逢えなくなるから…
だから、ひたすら隆の話をやさしく聞いてあげるだけ。
ふたりは手を取り合って、ずっと見つめている。
「あなた・・・あなたの強い想いが私をここに呼んでくれる。
  すごく嬉しいんだけど、あなたはいずれ老いるでしょう?
   その時、傍に居てくれる方が必要なんじゃないかしら?
  ねえ、そろそろ…」
「嫌だよ…私は君しか、こっちでも、…『そっち』でも、君しか!」
妻は『フッ』とやさしく微笑んで
「私、当分…本当に成仏出来そうにないわね。…でも、有難う。」
二人は語り明かした。
316見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 13:48:11 ID:zh7FigXl
そして…日が変わった15日夜明け前
薄く白けてきた周りを見渡し、あらためて腕時計を目にする。
「あっという間だったなぁ…また来年も逢えるかい?」
「はい。」
山の稜線がはっきりと分かるように空が白んでくる。
頭の上はまだ真っ暗な星空なんだけど…。

「あなた、行かなくちゃ…」
「そうだな。…これからも僕たちのことを見守ってくれるかい?」
「はい。」
やさしく微笑むと
「あなた…子供たちを…」
言いながら実体は消え出した。
「あ…」
隆は彼女の手を取ろうとするのだが…

その頃、まなみとくるみはスヤスヤと眠っていた。
二人は「むにゃむにゃ」とほほ笑んでいるが、瞼には涙が溜っている。
母はそっと二人の涙を拭うと、名残惜しそうな表情を見せ
『スッ』と
消えてしまった。
317見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 14:12:30 ID:zh7FigXl
同じ頃、
恭介は一人マンションで眠っている。
(ううっ!寒〜…)
寝返りを打った。
その瞬間、白い人影が。
(え・・・鮎川?)
慌てて眼を醒ますが誰も居ない。
(夢か…うん?まだ5時じゃない…)
タオルケットに潜り、また眠りに落ちて行った。

午前8時過ぎ、G市の義兄実家前にて…
義兄達が玄関で話している。
「もうちょっとゆっくりして行きゃいいのに…」
「いや、仕事があるからね。」
義父母が嫁に孫だけ置いて行くように言う。
「で、出来る訳ないでしょう!…ぷっ!」
姉夫婦が笑い出した。
みんなも笑っている。
318見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 14:27:10 ID:zh7FigXl
義兄は白のベンツワゴンに荷物を載せると
「お世話になりました〜!」
嫁と孫がサヨナラのあいさつを済ませると、車のウインドウが上がった。
じいじとばあばはいつまでも手を振っている。

「楽しかった〜!」
「楽しかったね〜!」
甥っ子は、籠の中のカブトムシを夢中で眺めている。
「やっぱり受験生を誘ったのは間違いだったかなあ?」
義兄が運転しながら言う。
「全然!大正解です!少しは脳を楽しませてあげないと。」
「あんた、あっちでそんなに勉強してんの?」
「当たり前でしょう!」
「ふ〜ん・・・」
姉は白々とした視線でまどかを眺める。
「な、なによ!…ひっど〜い。ねえ、君は信じてくれるよね〜?」
甥っ子に同意を求めるも、彼はカブトムシに夢中。
「あれ?」
「あ、あはははは!」
姉妹のやり取りに車中は賑やか。
319見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 14:57:02 ID:zh7FigXl
車は新幹線の駅前に止まる。
「見送るよ。」
でも、まどかは首を横に振る。そして小声で
「ばいば〜い。」
眠りこけているチビたちに手を振って、そっと降りた。
「じゃあ!」
車は急かす車列の流れを止めないように、スムーズに発進する。
まどかは車が見えなくなるまで手を振った。
姉夫婦には本当に感謝している。
義兄一家にも、そして…ママにも。

まどかは義兄が予約してくれていた切符を取り出した。
「え?んもう…自由席でいいって言ったのに。」
切符はグリーン車であった。
帰省ラッシュで席が空いてないだろうことと、グリーン車なら
かえってキャンセルが出る可能性が高かったから。
「東京までだから別に立っててもいいんだけどなあ。」
パパといい、義兄といい、大切にしてくれるのは有難いのだが、
(ちょっとだけ、やり過ぎなのよねえ。)
320見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 15:17:06 ID:zh7FigXl
まどかは新幹線に乗ると席を探した。
(え〜っと、17のAと・・・)
車内は少し混んでいるけれど、隣に乗客は居なかった。
「よいしょっと。」
荷物を棚に上げると、ファッション雑誌を広げてパラパラとめくり出す。
駅で買ったスタバのコーヒーに口をつけ、ほっと一息。
トゥルルルルル…
発車の合図と共に、車内アナウンスが流れる。
いくつ駅を過ぎるんだろうとドアの上の電光掲示を見た瞬間ドアが開いた。
スーツ姿の男性とラフな格好の若者が車両に乗ってきた。
彼はサングラスを掛けている。

(早川みつる!)

まどかはすぐに雑誌で顔を隠した。
通り過ぎる彼の少し後ろをファンの子が数人着いていく。
(危ない危ない…)
まどかは気付かれないよう、素知らぬ顔で雑誌を読むふりをした。
321見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 15:34:22 ID:zh7FigXl
(あれっ?…今の、『鮎川まどか』じゃねーか?)
車両を移るとヤツは急に立ち止まった。
彼のアンテナが瞬時に反応する。やはり気付いていた。
「ねえ、君たち。公共の場だからさあ、サインで勘弁してくれないかな?」
「ええ〜?いいんですか〜?!」
「握手してもらってもいいですか〜?」
早川は手短に済ませ、ニッコリ笑いながら握手もサービスした。
マネージャーが
「さ、もういいだろう?自分たちの席に戻ってくれるかな?」
「このことは内緒にね。」
早川に促され、うっとりして帰る彼女たち。

(あれ?…向こうに行ったはず…)

さっき通った女の子たちが戻って来た。
まどかは早川も通るのではないかと慌ててサングラスをかけ、
気付かれないように窓の外の景色を眺めた。すると
ドカッ!
隣の席にいきなり人が座った。
振り向くと、奴はサングラスを少しずらしてニッコリほほ笑み
「よお!鮎川まどか。」
まどかはため息混じりにまた窓の方を向いた。
(何でこんなとこで…)
322見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/05(水) 15:50:57 ID:zh7FigXl
「いや〜、奇遇だなあ。こんなとこで。ひょっとして俺を追っかけて?」
まどかはがっくりうなだれ、頭を振りながら片手で目を覆う。
「ねえ、そこあなたの席じゃないでしょ?」
「おい、久しぶり会ったのに、そう邪険にするなよ。」
「その節はどうも、『命の恩人』さん!」
「別に恩は着せてないだろ。相変わらずだなあ。」
「そうね、ごめんなさい。で、何か用?」
「いや、お前の親父さんにかなり気を使ってもらってな。
  反ってこっちが恐縮するくらいでさ。」
(んもう…パパったら、余計なことを…)
「これで鮎川家とも懇意に…」
「誰が!」
音を立てて雑誌を畳んだ。
「そういきり立つなって。ところでお前、卒業したらどうすんだよ?」
「さあ。」
どんなに邪険にされても早川は怯まない。
「思い出すなあ、お前の歌。すごかったぜ!鳥肌が立ったよ。」
まどかは言い返すことをやめて、また雑誌を開いて眺め出した。
それでも早川は語りをやめない。
「お前さぁ、自分の歌声がどんなに人を感動させるか気付いてないの?」
(え?)
323見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/06(木) 10:51:22 ID:lOh7j0Qh
元祖、サーフィン出来たか?
一気にアップされてるけど、まさかここに来て
隆の秘話が来るとは思わんかった。
相変わらず迷走中だな。
324見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/08(土) 12:04:19 ID:acazSJmw
作者様・元祖さん 僕もサーフィン始めました。
スクールに入門しましたけど 最初から立てて最高でした。

作者様は 冬またハワイに行かれるのですか?
元祖さんは? 
お二人が行かれるのなら、僕も同行させて下さい!!

ところで、妄想編のパート1はどうやったら見られるのですか?
325見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/10(月) 00:41:42 ID:hVt+rEAZ
作者様1週間前から読者になりました
アップされるのを楽しみにしています
まどかと恭介のラブラブネタよろしくお願いします
326見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/10(月) 10:07:19 ID:AIO8HvzJ
327見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/15(土) 11:42:04 ID:nWC93a2R
328327:2010/05/15(土) 11:52:19 ID:nWC93a2R
あ、その前に325は原作、アニメ、「あの日に帰りたい」を観て
予習しておくように。
前2者は漫喫、「あの日」はヨウツべで仕込め。

ところで作者、もう限界だろ?
これ以上佳作を駄作にするなよ、勿体ないから。
最後は綺麗に落としてくれ。
329元祖:2010/05/15(土) 14:22:35 ID:mOXB1iQD
>323さん
お天気にも恵まれ、楽しかったですよ〜!
>324さん
あたしは行くために家庭教のバイトを始めました。
>325さん
ようこそ!!
>327さん
駄作ですか〜?
330325:2010/05/22(土) 23:52:25 ID:rsyYEmIT
やっと規制解除w
作者様続き楽しみにしてます

>>327
そこは自力で発見してこのスレにたどり着きました
>>328
原作もアニメもあの日も全部予習済みです
>>329
どうも
よろしくです


331見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/05/24(月) 16:06:50 ID:O9WE4ej/
またアク禁でっか?
332見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/03(木) 03:15:46 ID:pcIRlRFu
もう6月なんですけど。
333元祖:2010/06/06(日) 22:03:54 ID:JRyWuZK+
作者様、調子悪いのかな〜?
334見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/07(月) 11:38:39 ID:vrTxX0eU
さすがにネタ切れじゃね?
335見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/09(水) 08:37:55 ID:lQyrq0tx
いや、アク禁と見た。
336元祖:2010/06/11(金) 10:13:06 ID:r7ZqGHNR
もうすぐ梅雨入りですね。
作者様はいかがお過ごしでしょうか?
気になるなあ〜・・。
337見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/11(金) 11:15:08 ID:G35ImePd
郡上おどりスタートまであと1カ月ちょいありますから、
そう慌てずにネ。
ハワイもいいけど、あそこの自然と清流とおどりのコラボいいですよ〜!
respectもんですから、元祖さんも一度行かれては?
G市だから、ここがモデルですよね。
338見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/11(金) 17:08:53 ID:BBiEzona
えー♪そうだったの!
339元祖:2010/06/11(金) 20:28:37 ID:r7ZqGHNR
338様、話の流れからググればレスぺ〜様の推測通りかと思います。
それにしても、まどかちゃん元気にしてるかなあ・・は〜・・。
340見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/11(金) 21:53:15 ID:2FNsPHaM
いちいち説明されてもなあ・・・
341見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/11(金) 22:34:55 ID:tgUzWqGF
郡上踊りは有名だよー!
ググんなくても東日本の人ならすぐ分かる。
つーか、金曜レス大杉!
342見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/12(土) 12:26:30 ID:WqN11gXX
なんでもいいから作者UP希望!
343元祖:2010/06/12(土) 14:36:29 ID:m9kNHx2m
342様、・・やっぱり急かさない方がいいのかしら。
344見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/12(土) 20:20:05 ID:Hddv+TQ8
いや、お前さんの言う通り、いい加減遅過ぎる!
一ヶ月過ぎてもアップしないのって初めてじゃね?
まさか、また引越したとか?
元祖、捜してくれ!
345元祖:2010/06/12(土) 21:26:32 ID:m9kNHx2m
それが、見つかんないんです〜。
346見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/13(日) 13:48:25 ID:uHrBw9ex
元祖、お前何専攻してんの?
347見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/13(日) 23:36:27 ID:6kdp3Qbt
雑誌の上を流れていたまどかの視線が止まった。
「プロデューサーに悪いが、俺、自分の歌を好きになれねえ。
  確かに売れてはいるけど…やっぱ、俺の歌は『本物』じゃねえよ。
 でもな、お前の歌は『本物』だよ。人を感動させる力を持ってる。」
まどかは視線を止めたまま聞いていた。
「そんな才能持ってんのに、そのままにしておくのは勿体ないぜ。
  この世界に何人っていないんだから。
お前は百年に一人の逸材だよ!だから俺と組んで…」
(『百年に一人』と来たかあ…フッ)
まどかはちょっと笑ってつれなくする。
「随分大袈裟ね。悪いけど興味無いんだ。」
「お前は分かってないよ。歌は人を感動させ、病んだ心を救うんだぜ。」
(うるさいなあ…)
まどかはサングラスを外して早川を睨んだ。
「何、こんなとこで口説いてんのよ?
興味無いって言ってるじゃない。いい加減にしてくれる?」
まどかの全身から危険なオーラが立ち上る。
早川はそんな雰囲気を察して
「おいおい、わ、わかったよ。でも、俺は諦めないぜ。
じゃあな。『あいつ』にヨロシク!」
そう言うとヤツは席を立って奥の車両へと移動した。

(感動させるかあ…)

実は少し心が動かされた。
音楽の力が如何に人の心を動かし、どんなに癒しと感動をもたらすか、
それは幼少時から音楽に親しんできたまどか自身が一番分かっている。
早川という人間は別にしても、言ってることは間違いない。
(でも、だからと言って、アイツと組むつもりないし。)
348見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 00:11:07 ID:zaZ2ZCja
早川は車両を移って、ドアが閉まると同時に
「ふう〜…」
思いっきり溜息をついた。
(つくづく『いい女』だぜ!本気で惚れちまいそうだ。)
席に戻ると、いかんいかんと頭を振り出した。
「みっちゃん、どうしたの?」
「マネージャー…ほら、ハワイの…『鮎川』、あっちの車両に乗ってるよ。」
「ええ!?どこ?これは、ある意味、チャンスじゃない!」
隣の車両に向かおうとするマネージャーの腕をつかんで
「もういいって。みっともねえからやめなよ。」
そう言いながら、同時に自分の気持ちも抑えようとした。
確かに、彼女のお陰でさらに有名にはなったけれど、
でも、彼にも意地はある。
(あいつは俺にとって幸運の女神かもな。きっといつかは…)
彼の興味は、自分が目立つことから、スターを発掘し育てる方へ変わっていた。
「もう一度…(あいつの歌声が聴きたい。)」

まどかはまどかでハワイの夜、恭介の前で歌ったことを思い出していた。
あの夜、自分の想いを歌にして、恭介にぶつけた。
(今考えるとちょっと恥ずかしいや。でも…
春日クン、感動してくれたかなあ…)
ぼんやりと思いに耽っていると
車内に到着を知らせるメロディーが流れる。
(そうだ、着いたら予備校寄らなくっちゃ。)
349見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 00:43:41 ID:zaZ2ZCja
お盆の帰省ラッシュで駅は混雑している。
新幹線の駅のホームから在来線のホームへ移動する。
そして、そのまま予備校へと向かった。
後期講習は明日から。テキストを貰いに生徒が数人来ている。
(取り敢えず、自分のクラス確認しておかなくっちゃ。)
掲示板を見に行くと、自分の名前はSSクラスに入っていた。
(あれ…?春日クンは?…え〜っと…)
Sクラスにもない。
そして、彼の名前を…Aクラスに見つけた。
(え〜!?春日クン…やっぱり、こたえたよね…ひかるのこと。)
それもあるが、やっぱり付け焼刃の学力であったに過ぎない。
まどかは窓口に行って、身分証を見せてテキストを受け取る。
その時、事務の女性が気安く話しかけてきた。
「あなた、すごい人気ね。」
「え?」
「男の子だけじゃなくて、女の子からも随分訊かれたわよ、あなたのこと。」
「はい?」
「大丈夫よ。教えられないって言っといたから。でも注意しておいた方が
  いいかも…お勉強の妨げになるものね。じゃあ、ガンバってね。」
「はあ。」
(…何が言いたいのよ?)
まどかは気にせずその場から去ろうとした、ちょうどその時
向こうからガヤガヤと3人組が。
350見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 00:51:53 ID:zaZ2ZCja
「ショックだな〜!Aクラスかあ。」
「八田、お前が言うなよ!…くっそ〜、やっぱりこれが…」
「実力だぜ、春日!」
「うるせー。」
「お?あれ、鮎川じゃん。」
八田が気付く。
恭介はコソコソと二人の後ろに隠れた。
小松が声をかける。
「よお!鮎川。お前すげえな。SSかよ。」
横から八田が
「当たり前だろ。元々俺たちとはココが違うんだから。」
と頭を指さすのに、
「努力ですけど。」
彼女はそっけない。
2人の後ろで恭介がバツ悪そうにしている。
そんな姿を見て
(しょうがないよね、あんなことの後じゃ…それに、一睡もしてないし。)
まどかは少し恭介を思い遣るが、敢えて突き放す。
「まあ、頑張りたまえ、君たち。」
言うや、恭介の傍に来て思いっきり顔を近づけた。
「た、だ、い、ま。」
「か、帰って来たの?」
まどかはそれには答えず、いきなり恭介のお尻をつねってきた。
(イテテッ!)
「頑張んなよ!『期待して』んだから。」
小声で囁くとその場を去って行った。
ちょっと離れて、そんな二人を小松と八田が呆れたように見ている。
「ありゃあ尻に敷かれるな、絶対。」
「あんなやつ放っといて行くべ。」
「んだんだ。」
小松と八田は恭介を置いてさっさと歩いて行った。
351見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 01:00:13 ID:zaZ2ZCja
帰り道の繁華街
「まどか〜!!」
(…?!あかね!)
「うわ〜!久しぶりだね〜!」
あかねが飛びついて来た。
「この間の電話でさあ、な〜んか元気なかったから心配してたんだよ〜!」
「そう?」
まどかは、あかねが『知っている』とは知らずにちょっととぼけた。
あかねも触れないようにして笑顔で
「どこ行ってたの?」
「うん、ちょっと親戚の家に。帰ったら電話しようって思ってたんだあ。
  あかね…何してたの?」
「図書館帰り。」
「え?あかねが?」
「文句あっか?」
「あはははは!ナイナイ!でも、どうして?」
「えっへん!お受験だよ、K大の。」
「ええ?あかねも受けるの?そのまま短大に上がるって思ってた。」
「迷ったんだけどさあ…、まどかちゃんも受けるんでしょ?」
「そうだけど…」
「あたしも一緒に行きたいなあって。困る?」
「まさか!あかねが一緒なら嬉しいよ。頑張って一緒に行こ。」
とびっきりの笑顔で応えた。
352見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 01:06:25 ID:zaZ2ZCja
まどかにとって、恭介と一緒に受験するのとは違った意味で嬉しかった。
こんなに気がおけない間柄はマリー以来初めて。
ひかるとはタイプが違う。
彼女には姉のように接していたけれど、あかねは友人として話が出来る。
ひかるには無かった何かを彼女は持っていた。
「ねえ、家に来ない?」
「いいの?」
「うん。あかね初めてでしょ?」
「やった〜!」
二人は笑いながら帰路に就いた。
もう両親はハワイに戻ってるはず。
一人で家に帰っても面白くない。
「到着〜。」
「うわ〜!ここまどかの家?大きいね〜。初めてだ。」
「さあ、どうぞ。」
スリッパを出されてあかねはキョロキョロしながら入った。
リビングに案内されるとすぐにクーラーが入れられる。
「アイスティーでいい?」
「うん。」
ソファに座りキョロキョロと落ち着かない。
「はいよ。レモン?ミルク?」
「あ、レモンがいいや。…ここすごいね〜、お屋敷って感じ。」
353見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 01:38:18 ID:zaZ2ZCja
初めて来たあかねは、いざお邪魔すると緊張している。
まどかはソファに深く座ると足を組んでリラックス。
ふんふんと何かつぶやきながらピンとゴム紐で髪を括ってポニーテールにする。
そしてアイスティーに手を伸ばすとストローを差して一口飲んで…呟く。
(こういうのを『借りてきた猫ちゃん』っていうのよねえ)
相変わらずオドオドしているあかねをたしなめるように
「ら、し、く、ないよ、あかね。」
「え?あはは。そうだね。」
あかねは赤くなって笑いだした。
つっかえが取れた途端、二人はいろんな話で盛り上がっては笑っている。
長年の友人のように気が合う。
まどかは親戚の家で盆踊りを踊ったことを話した。
情緒豊かな町の風情や踊りの楽しさなど。
「あたしも行きたかったなあ…『ひ』…あ!…ら、来年連れてってよ。」
「ん?うん!絶対誘うよ。」
まどかはあかねが言い止まった『ひ』の一文字で全てが解ったけれど
しかし…お互いにそれ以上は自重した。そして、誤魔化す。
「ねえ、夕飯食べていきなよ。」
「ええ?いいの?」
「ちょっと考え中なんだけど…『野菜のゼリー寄せパスタ』作ってみない?」
「うわ〜、何それ?手伝うからさあ、教えてー!」
ふたりは互いにエプロンを着せっこして戦闘開始。
まどかは小鍋でヤングコーンとグリーンアスパラを茹で、灰汁をすくうと
そこにコンソメとゼリーを入れて鋳型に流し込む。
氷水で冷やして粗熱を取ると冷蔵室へ。
それが固まるまで二人はクッキングの本を見ては、あれやこれやと思案する。
「ねえ、トマトベースにしない?」
まどかが言うや、あかねはニンマリ笑顔で
ジュルジュルッ!
と口を拭う真似をする。
「いいねえ、それ!あたしやる!」
354見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 01:49:05 ID:zaZ2ZCja
ルーはあかねが担当した。
トマトをさっと湯せんして皮をむく。その後お鍋にオリーブオイルと
にんにくを入れ炒め、玉ねぎのみじん切りを加えてよく炒めた後、
つぶしたトマトを入れ、塩こしょうで味を調える。
「味見てよ。」
「OK。」
あかねはスプーンですくって、あ〜んと開けたまどかの口元に運ぶ…
と見せかけて自分の口に入れた。
「う〜ん。中々!」
「なによ〜!んもう。」
まどかはあかねからスプーンを奪うと、今度は自らすくって味見する。
(うわっ!間接キッスだ…)
「うん!!あかね〜、やる〜!」
「でしょ〜?」
「ではでは、仕上げっと。」
まどかは茹でたパスタを氷水でしめた後、よく水切りをした。
ルーの入ったお鍋に移すとさっと混ぜ、薄くお皿に盛りつける。
そして固まった野菜入りゼリーを真中に落とすと、周りにオイルサーディンと
生ハムやクレソンを飾るように盛り付けて出来上がり!
ふたりはテーブルクロスを敷くと、お皿やフォーク、スプーンを並べ、
バケットにカットしたフランスパンを盛ってセッティング完了。
355見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 02:05:10 ID:zaZ2ZCja
「まどか、やったね〜。美味しそう〜!」
「じゃじゃ〜ん!試作第一号で〜す。」
「ねえ、写真撮っておこうよ。」
「OK!」
まどかは恭介に貰ったお古のカメラを持ってきた。
一緒にセルフで撮ったり、ポーズを取って互いを撮ったりしながら楽しそう。
そして試作品の写真も交えてやけにいっぱい写した。
「イメージ通りだ。さあ、お毒見お毒見。」
「いっただきま〜す!…うん!!美味しい〜!これ、最高〜!!」
「ゼリー崩して食べてね。」
そして、自分も食べてみる。
驚いた表情であかねと目を合わせる。
「う〜ん、『白』が合うかな?」
「いいの?」
「(親父たち)居ないし。ねっ!」
ウインクをするとキッチンの冷蔵庫からオーストラリア産のいいやつを
グラスと一緒に持ってきた。
キュッ、キュッ・・・ポン!!  トクトクトクトク・・・
グラスの3分の2くらいに注ぎ分けると
「ちょっと辛口だけど。」
「OK!カンパーイ。」
チン!グラスが鳴るとゆっくり口をつけた。
冷えた白ワインがすごく合う。
新鮮な冷性スパゲッティにコンソメゼリーや生ハム、オイルサーディン
などの複雑な味が絡み合う。そこに冷え冷えを流し込むから堪らない!
未成年のささやかな『違反』の証拠写真を互いに撮りながらディナーは進む。
食べる度にOKサインをしてみせる二人。
そして、二人は感想を述べ合いながら完食した。
356見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 02:15:23 ID:zaZ2ZCja
「めっちゃ、美味しかった〜!片付け手伝うよ。」
「ううん、いいよ、すぐだし。」
「悪いね〜。…ねえ、まどかの部屋、2階?」
「うん。」
「見せてもらってもいい?」
洗う手を休めずにこっちを向いて
「散らかってますけど。」
ちょっとベロを出す。

トントントントン。
無性に部屋が見たくなってあかねは2階に駆け上がった。
恐る恐る半開きのドアから顔だけ覗き込む。
部屋はすごく大人の女性の雰囲気になっている。素敵な匂いもする。
床に投げ出されたバッグの口からテキストがこぼれていたくらい。
「全然散らかってないし!」
笑いながら入ると、興味深く周りを見回す。
(ん…?あれは…)
あかねは、机の上にある写真立てに気付いた。
子供を見て微笑んでいるように見える…『彼』の写真。
そこだけいい具合に照明が当たっている。
(まあ、ちょっとだけ…)
あかねは目を閉じると、写真を通してまどかの想いを読む。
(やっぱりそうなんだ…。)
そして、脇にあったひかるとまどかの写真を手に取った瞬間、
…目頭が熱くなって来た。

(まどか…そんなにひかるちゃんのこと…)

台所で鼻歌交じりに洗いごとをしていた手が止まる。
(ハッ…!!)
まどかは慌てて二階に上がってきた。
357見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 02:25:03 ID:zaZ2ZCja
階段を気取られないように上がるまどか。
気配を察知して、写真を元あった場所に戻すとその場を離れるあかね。
慌てて涙を拭って
「ど、どうしたの?」
「え?い、今片付け終わったから…」
「ごめんね、手伝わなくって。でも、まどかの部屋って、大人の部屋みたい。
  持ち主がもう女子高生って感じじゃないもんね。」
「なに言ってんのよ。これでも悩める女子高生よ。」
「『悩める』?」
あかねはその何気ない言葉に少し引っ掛かった。
「そうよ。あたしだって悩むんだから。」
深刻に受け止めているあかねを不思議そうに眺めるまどか。
「何考えてんのよ。」
「あ、あははは…メンゴ。まどか、恭介と一緒の塾に通ってるんだってね。」
「うん、ハワイ行く前から約束してたから。」
「そういや、ちょっと前だったのにねえ、ハワイ。いろんなことがあったなあ。」
「写真見てみようか。ちょこちょこ撮ってたやつ。」
サーフィンレッスンのサプライズや、ワイキキやまどかのコンドで一緒に撮った
思い出の写真を出した。
床に広げると二人で肩をくっつけるように眺めた。
どれもみんな楽しそうに映っている。
二人は暗黙の了解のように『ひかる』の話題をスルーした。
358見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 02:35:31 ID:zaZ2ZCja
そして…
ふっと会話が途切れ、二人は同じ写真を眺めていた。それは…
ひかるを真ん中にして3人で撮った写真。
朝食後ラナイに出て、遠くの海と空をバックに撮ったけれど
背景が逆光のように眩しすぎて、ラナイがちょっと暗く写ってしまった。
ワイワイ賑やかな瞬間だった。
「何でだろう…懐かしいね、まだ一ヶ月も経ってないのに。」
感慨深げに言うあかねに、まどかはつい気持ちを吐露してしまう。
「うん。…でも、またきっと、いつか『一緒に』行けるよ。」
しみじみと言う彼女に堪りかねて…

「まどか…恭介のこと好きなんでしょ?」
「え?」
まどかは一瞬あかねを見ると下を向いた。
「…うん。」
あっさりと認めた。そして、横を向いたまま
「あかね知ってるんだ……春日クンから聞いたの?」
ちらっと彼の写真を眺めた。
「それもあるけど、やっぱ分るよ、まどかと恭介見てたら。」
「そうなんだ…。」
359見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 02:47:35 ID:zaZ2ZCja
「たぶん、み〜んな気付いてるよ、言わないだけでね。それでさ…」
「なに?」
「ひかるちゃんのこと。
恭介はもう会わないように距離を取るって言ってたけど…
まどかはどうすんの?」
「あたしは…今は『あれ』だけど、でも時間が経てばって思ってる。
  あたしの想いは今までと…今からも変えるつもりはないよ。でも…」
「でも?」
「あの子の傷が癒えるまで、そっとしておいてあげなくっちゃ…勝手かな?」
人前では無理してるけれど、彼女の切ない心は理解している。
(まどかだっていろいろあったんだよね。)
あかねはちょっと励ますように
「ううん、それでいいんじゃない?…でも安心した。
あたしさあ、まどかが落ち込んでたらどうしようって。
   でも、今はふっきテル
てるみたいだから安心した。」
「そうね、そう思わないと…」
無理して笑顔を作るまどかにニッコリ頷くあかね。
「ひかるちゃんには、あたしからもアプローチしてみる。」
「うん。アリガト。」
あかねは腕時計を見やると
「あ、いけね!遅くなっちゃった。じゃあ帰るね。」
「うん。」

玄関の外まで見送るまどか。
「ごちそうさま〜!!じゃ〜ね〜!!」
元気よく手を振ると、あかねは街の明かりの方へと帰って行った。
360見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 02:58:56 ID:zaZ2ZCja
まどかは玄関を閉めると2階に上がり
部屋に戻るとため息をついて灯りを落とした。
(まだスッキリしてる訳じゃないよ。)
ベッドに身を投げ出し天井を眺める。
(春日クン、今頃何してるのかなあ?)

翌朝
身支度を済ませ、リビングで紅茶にトースト。
先日義兄の実家で貰った、おばあちゃま手作りのマーマレードを塗る。
(あぁ…トーストもう一枚焼こうかなあ…止まらないよ、これ。)
恨めしげにマーマレードを眺める。
ぐっと我慢して、片付けると家を出る。

一方恭介のマンションでは
「お兄ちゃん!起きてよ!今日から学校でしょ?!」
「う〜ん…今何時?…いけね!!遅刻だ!」
慌てて着替え、テーブルの上のトーストにバターを塗るや、
それを咥えて玄関を飛び出して行く。
(絶対鮎川に追いついて見せるぞお!)

マンションでは…
テーブルの上の恭介の財布を眺め溜息をつく姉妹。
「相変わらずだ…。」
すると財布がスッと消えた。
「あ〜!!人には絶対使うなって言ってるくせに〜!」
361見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 03:08:26 ID:zaZ2ZCja
(この際、手段を選ばず)
恭介は財布を握ると駅へと向かった。

予備校へ抜ける公園で八田に声をかけられた。
「よお!遅刻魔。」
「お前が言うな、八田!小松は?」
「ほれ、あっち。」
一生懸命女の子に声掛けている。
「あいつ、朝から凄いなあ。今日から最後の講習だってのに。」
「だから必死なんだよ。俺も行ってこよ〜っと。」
(こ、こいつら…)

1時限目はクラス別の講習。
恭介たちのAクラスは大講義室。まどかたちSSクラスは少数精鋭。
(へ〜、みんなT大とか受けるんだよな…すげえや、鮎川…)
ぶつぶつ言ってる後ろから膝カックンをやられて腰砕けになる恭介。
「うわっ!」
振り返ると、悪戯なまどかが澄ましていた。
「朝から何ぶつぶつ言ってんのよ?」
「え?あ、あはははは…」
あらためて彼女は恭介の耳元に思いっきり顔を近づけ
「お、は、よ、う、恭介クン。」
「え?あ、おはよう、鮎川…」
「3限目は合同授業でしょ?席取っといてくれる?」
要件を伝えると恭介を残しさっさと自分の講義室へと入って行くまどか。
「あ…」
別に用事は無いのだが…それにしても取りつく島が無い。
(やれやれ…しっかり頑張れってことだよな、多分。)
恭介も自分の講義室へと向かった。
362見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 03:18:21 ID:zaZ2ZCja
講義が終わると、まるで息継ぎするように一斉にみんな休憩する。
恭介も廊下に出てみるのだが、彼女は出てこない。
それとなく講義室を覗いてみると、イヤホンを耳にウォークマンを聴いている。
話しかけたそうにする男子たちを完全シャットアウトしている。
恭介が居る場所から、鮎川を遠巻きに見ている男子たちが見て取れる。
今にも話しかけそうな雰囲気が伝わってくる。
(う〜ん…行くべきか行かざるべきか…)
変にちょっかいを出されるのも癪に障る。
自分の存在を知らしめたい。
思い切ってスタスタとまどかの元に歩み寄る。
「ね、ねえ。コーヒー飲まない?」
まどかはイヤホンを外さず、ちらっと見上げて
「飲まない。」
また下を向いて次の講義の予習をし出した。
(え?ええ?)
何とも愛想がないまどかに戸惑った。
「そ、そう…。ごめん。」
すごすごと退散する恭介。
(おかしいなあ…?機嫌悪いのかなあ?)
周りの男子たちは、ざま〜みろとばかりにニヤニヤしている。
(くっそ〜、恥かいたじゃないか…。)

そして合同講義の3時限目。
「春日クン、そこ座っていい?」
まどかがやって来た。
「う、うん。」
363見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 03:29:51 ID:zaZ2ZCja
さっきとまるで違うまどかに戸惑う恭介。
授業前の黒板を見つめたまま考え込んでしまった。
まどかはバッグからテキストを取り出し、次の準備をしながら
チラチラと恭介の方を見ているのだが、彼は全くノーリアクション。
「ねえ。」
「……う?」
ふと我に帰る恭介をまどかは睨むように
「やい!恭介!何考えてんのよ?」
「へ?」
「さっきから何で黙ってんのよ?」
「いや…さっきさあ、勉強中に話しかけて…迷惑だったかなあって…」
「へ〜、さっきのこと気にしてんだ。
…あのさあ、あたしのことは心配しなくていいから
今は自分のことだけ考えてて欲しいな。」
「でも、やっぱり気になるよ。」
「ふ〜ん…気になるか?」
「だって…他の連中みんな鮎川のことが気になってるみたいだし…」
聞いてちょっと呆れるまどか。
「な〜んだ。あたしのことじゃなくて、まわりのことが気になるの?」
「そういう訳じゃ…」

(こいつ、あたしのこと信じてないな。…よしっ。)

まどかはゴソゴソとカバンの中から何か取り出した。
「じゃあ、これ見てくれる?」
何と、それは所々血糊がついた紅色の紐。真中にガラスのかけらが…。
それは透明のネックレスケースに収められていた。
「それ…!?」
「春日クン、失くしたでしょ?あたしはちゃんと持ってるよ。
  春日クンが『迷った時』に見せようと思ってたんだあ。」
364見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 03:39:38 ID:zaZ2ZCja
まどかは『心配無用!』と伝えたかった。

実は、恭介の机の引出しにも同じく血糊が付いた濃紺の紐とガラスのかけらが
ビニール袋に入って大切に仕舞われている。
記憶を手がかりに、ビーチで偶然見つけた欠片も一緒。
それはまどかにビーチで頬を張られ際、手からこぼれた欠片だった。

「持ってたんだね。俺も家に…大切に仕舞ってるよ。」
「へ〜、そうなの。」
嬉しそうに微笑む。

「じゃあ…あたしのこと信じててくれる?」
小首を傾げにっこり笑顔のまどかに
「うん。」
恭介は頬を赤くして頭をかいた。

3限目の講義が始まると二人は真剣に講義に耳を傾ける。
お互いが慣れ合いにならないよう線引きは出来ている。
しかし、それを許すまじと後ろから丸めた紙クズが飛んできて恭介に命中した。
(何だよ?)
丸めた紙を開くと
『うらやましいぞ!コノヤロー!!』
と書かれていた。
数列後ろには小松たちが居る。
恭介は後ろを振り向かずに講義に集中するけど、まどかはひょいと紙を取り上げ
中を見てクスリと笑い、そして小松たちの方を振り向いた。
彼女の思わぬ反応に彼らは首をすくめた。
365見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 03:50:36 ID:zaZ2ZCja
「うへ〜」
二人はヒソヒソ話し出した。
「おい、鮎川笑ってたぜ。俺たちに笑顔見せるの初めてじゃね?」
「ああ。これで(二人の仲は)オープンってことか。」
「あいつも愛想良けりゃ、うち(高陵)でナンバーワンだもんな、間違いなく。」
「それが何で春日なんだよ?」
「知るか!」

「こら〜〜!!そこの二人!おしゃべりなら外に出てろ!!」

マイク越しに怒鳴られた。
(うへ〜〜!!)
またもや首をすくめた。

3限目の講義が終わり休み時間。
「コーヒー飲まない?」
まどかから提案されて二つ返事でOKする。
窓際に移動して
「これ…」
コーヒーを置いてポケットから取り出した。
「何?…あ!これ、ひかるの…」
「うん。この間アバカブで偶然会って…一緒に観に来て欲しいって…」
「どうするの?」
「俺…やっぱり行けないよ。」
「そう…。そうだよね…」
まどかはコーヒーに口を付け遠くを見やった。
(ひかるなりにこれが『精一杯』だったんだろうなあ…)
366見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 04:00:35 ID:zaZ2ZCja
4限目の講義が始まった。
まどかは一生懸命講義に集中している。所々要点もノートに写している。
恭介はそんな彼女を見て、いつもと違う何かを感じていた。
講義が終了すると二人に遠慮して小松たちは先に講義室を出て行く。
「ねえ、一緒にランチしよ?」
まどかは近くの喫茶店に彼を誘った。
「テラス席にしない?講義室ちょっとクーラー利き過ぎて寒かったんだぁ。」
「うん、いいよ。俺もちょっと寒かったし。」
テラス席は人が少ない。
お盆は過ぎたとは言え、まだまだ外は夏の日差し。
二人はパスタセットで軽くランチを済ませ、アフターコーヒーを頼む。
まどかはぼんやりと通りを眺めている。
そして口を開いた。
「ねえ、さっきのチケット、くれない?
  あたし、行ってみようかなあって思うんだけど。」
「え?行くの?…でも、俺は…」
「いいよ、春日クン来なくって。あたしが行ってみたいだけなんだから。」
恭介はカバンの中に仕舞っておいたチケットを取り出す。
「いいの?」
まどかは手を伸ばして一枚引き抜くと
「いいって。」
367見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 04:10:44 ID:zaZ2ZCja
数日後、
「さあ、今日は千秋楽だぞ!気合を入れて行け!」
みんなは演出を手がける舞台監督の掛け声に送り出される。

「アタイなんか…アタイなんか死んじまったほうがいいんだよ…」

主人公に想いを寄せながら、身代りになるサブヒロインを演じる。
劇の終盤、かばった後ろから背中を撃たれた。
想いを知らない主人公に彼女は抱きかかえられながら
「触んないでよ…アタイさあ…あんたのこと…ずっと…嫌いだった…」
精一杯の決めセリフを残し、みんなに看取られ息絶える。

劇は主人公の二人がひかる演じるサブヒロインの願いを叶えることなく
別れていくところでファインとなった。

ひかるは舞台をみごとに演じ切った。
舞台は大成功のもとにフィナーレを迎える。
始終、嫌われ、観客の反感を買っていたひかるの役は、とうとう最後には
観客の気持ちを一手に集め、皆の涙を誘う大役へと変わっていった。
完全にヒロインを食ってしまった。
368見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 04:20:21 ID:zaZ2ZCja
アンコールの喝采に応えるためにひかるは舞台のそでから再び姿を現した。
見事に大役を演じることが出来た幸せを体一杯に浴びるかのように大きく胸を張り、
ダンサーらしくしなやかに深々とお辞儀を繰り返した。
そして、最後に舞台の奥に戻ろうと跳ねるように体を翻した時
人の出入りで暗幕が引っ張られ、ほんの一瞬であったが
一気にまぶしい光が 差し込んだホール奥の入場口、
緑の非常口のライトの下に視線がよぎった。
「まどかさん…!」
暗幕は元に戻されすぐに暗くなったが、満席のために壁側の通路で観ていた
観客の中に、まぎれもないその姿があるのを確認できた。
長い髪の美しい女性が腕組みをして壁に寄りかかるように立っていた。
(先輩は?)
舞台の袖からそっと覗いてみるけれど、もうそこには彼女の姿はなかった。

会場を出ると、外は土砂降り。
まどかは予め持ってきておいた傘を差して会場を後にした。
(ひかる、カッコ良かったよ。)
足元が雨で濡れるのを感じながら、ちょっとすぐれない気分で歩いた。

楽屋はみんなの歓声で包まれてる。
「良かったぞ!聞いたか?あの歓声!お前ら、やったぞ!」
監督、プロデューサーの言葉で皆は感極まり泣き出す。
そんな中、ひかるはぼんやりと考えていた。
(まどかさん…一人で観に来てくれたのかなあ…?)
369見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 04:30:35 ID:zaZ2ZCja
予備校での夏季講習も後期日程となり、否が応でも受験生としての気構えと
自覚が促される、そんな雰囲気の中、熱心にノートをとる恭介の姿があった。
しかし、隣にはいつもの彼女の姿はない。

(やっぱり行けないよなあ…今頃…)

講義が終わり玄関先に立つ恭介。
外は土砂降のため、ロビーは生徒で大渋滞している。
(傘持ってきてないからなあ…)
小松たちは雨の気配を感じると講義をサボって帰ってしまった。
(ゲーセンかなあ?俺もヒトの事言えないけど、大丈夫かよ、あいつら。)
恭介は雨にくすむ街をぼんやりと眺めていた。
いろんなことが思い出される。
気持ちを見破られた花火大会の日も雨だった。
そして、ひかるに別れを告げた辛い夜も土砂降りだった。
夏休みの初めの頃までとは、全く違う状況になってしまった。
(でも…避けられなかったし…今更…)
恭介は雨に煙る街の中へとかけ出した。

一方まどかは予備校に寄らず、そのまま家に帰ってしまった。
シャワーを浴びて着替えを済ますと部屋に上がる。
(今日はなんにもする気しないなあ…)
椅子に座って劇のパンフを広げて眺めている。
370見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 04:41:33 ID:zaZ2ZCja
どうしても健気なサブヒロインに感情移入してしまう。
(あれじゃ、ひかる報われないままじゃん。)
現実とオーバーラップ気味の内容が少し腹立たしい。
(春日クンに電話しようか…)
時計を見るとちょうど18時。
(夕ご飯食べてるよね…。)
まどかは電話を遠慮して自分も夕飯をとることにした。
さすがに気分がすぐれず、簡単に済ます。
紅茶を入れて買い置きのクロワッサンに、例のマーマレードを
たっぷり塗って頬張る。
口に入れ噛んでみるのだが、そのうち口の動きが緩慢になる。
片手にパンを持ったままぼんやりとしてしまう。
(ひかる、あの内容をあたしに見せたかったのかしら…?)
ちょっと穿って考えてみるものの
(そんな子じゃないよね。)
クロワッサン1個で夕飯を済ますと、部屋に戻りテキストを開き
勉強しようと構えるが…すぐにぼんやりとしてしまう。
ひかるの演技がじわじわと効いてきた。

マンションでは、
恭介はシャワーから上がり、時計を見上げると10時を過ぎていた。
(電話してみようか…)
そう思って、受話器に手を伸ばしたところ

ルルルル…!

慌てて受話器を取った。
「はい、春日…」
「あ、春日クン?あたし。ごめんね、夜分に」
「鮎川?どうしたの?」
「ちょっと会えないかな?今、下に来てるんだけど…。」
371見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 04:51:23 ID:zaZ2ZCja
「すぐ行く!待ってて。」

ドタバタと恭介は玄関を出て行った。
エレベーターを降りるとマンションのロビーから飛び出す。
すると、すぐ前で彼女が待っていた。
「春日クン。」
「鮎川。」
「ごめん。電話で済ますつもりだったんだけど…やっぱり電話じゃ…」
まどかは濡れた路面に視線を落として歩き出した。
恭介も黙ってついて行く。
何か言いたそうな彼女を気にしながら歩いている。
それとなく『きっかけ』を作ってみた。
「ちょっと冷えるね。雨降ったからかなあ?」
ちらりとまどかを見る。
「うん。お盆過ぎてから夜は少し寒くなったかしら?」
彼女は空を見上げながら応えた。
恭介もあらためて空を見上げてみると、厚い雲が切れて、そこから
目映いばかりの星空が見えている。
雨上がりで空気が澄んでいるせいか、星たちがキラキラ輝いている。
歩きながらまどかは口を開いた。

「あたしさあ、学校辞めてアメリカに行こうかなあって思ってるんだ。」

「ええ??!!!!!」
いきなりまどかの方を振り向いて声を出した。
「…じゅ、受験どうするの?一緒の…」
「ごめん。気が変わったの。やっぱり、音楽勉強しに行こうかなって。」
(そ、そんなぁ…)
372見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 05:00:29 ID:zaZ2ZCja
先に進むまどかの後ろから訊いてみる。
「やっぱり、ひかるちゃんのこと?」
まどかはちょっと横を向くが、恭介の顔は見ずに
「うん、それも無い訳じゃないけど…
ほら、あたしず〜っと告ってこなかったじゃない、素直じゃないから。」
「……」
「でさ、いざ自分の気持ちに素直になったら、どんどん感情に流されて…
  もちろん、ずっと願ってたことだし、それはそれで心地良かったんだけど…
彼女は歩みを止めて振り向くと
…そんな生活の中でね、ひかるのハツラツとした演技を観てたら
『自分は今のままでいいのかな?』って思えてさ…」
「よ、よく分かんないよ、俺には…。なんでアメリカなの?」
「みんなから距離を置いて…春日クンとも。
で、やりたいことが解ったら戻ってくるつもり。」
「俺は流されるようにしか生きていけないし、大学も何となくだし…」
まどかは彼に背を向けまた歩き出すと、恭介も合わせて歩き出す。
「それでいいじゃん。あたし、ひかるの劇観てすごいなあって思ったの。
  あたしはこのまま『恋に溺れる女』でいいのかな?ってね。」
まどかはクスッと笑った。
でも、恭介は笑える気分にない。
373見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 05:12:30 ID:zaZ2ZCja
すごく重たい気分になって、まどかから少し離れてついて行く。
顔を上げると勇気を出してもう一度訊いてみた。
「ね、ねえ、本気なの?」
「…うん。2学期が始まる前に学校に退学願を出すよ。」
「……」
(何でだよ…)
恭介は、ただ鮎川の背中を見つめるしか出来なかった。

行くなと言いたいのに、言うとカッコ悪いようで…
(言っても…どうせ…)
なぜか意地を張ってしまう。

やがて二人は公園に着いた。
恭介は落胆し、ブランコに座る。
まどかはそんな背中を見つめながら
「いつかまたここに戻ってくるよ。」
「俺、それまで待つしかないのかな?」
うつむいたまま呟く。今にも涙がこぼれそう。
すると

「待っててくれる?」

まどかはいきなり恭介の後ろから抱きついて
ギュッと頬を寄せた。
でも…恭介の手はブランコの鎖を握り絞めたまま動かない。
374見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 10:40:29 ID:/JKWlAFp
うわっ!一体何があった?
埋め合わせのつもりか?

結局自分勝手な恭介が振られるのか・・w
375見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/14(月) 15:05:46 ID:qUhAZ+hj
作者相当煮詰まってまどかの周辺との関係で引っ張ってると思ってた。
またアカネやクッキングの話しかよ!って。
それが今頃何で別れ話しなん?
或る意味意表を突かれたが、こういう落ちはいかんやろ?
376見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/16(水) 16:50:10 ID:hBI6IvdZ
元祖へ
お前さんは今回の大量アップと話の流れをどう思うかね?
俺は原作に準じたいかにも「まどからしい」決断と思うが。
377元祖:2010/06/16(水) 23:08:45 ID:PsaaViva
身勝手過ぎる!
ただそれだけです。
378見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/21(月) 14:57:12 ID:8nJQHicy
考えた末じゃないのかなあ?
379元祖:2010/06/21(月) 20:21:16 ID:2efSzIcy
まだ悩んでるの?
また悩んでるの?

確かに原作のまどかちゃんっぽいけど…
380見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/21(月) 22:23:12 ID:s01JlWFM
あの日のまどかより上手!
何たって、恭介を手に入れた途端ポイ捨てだから♪
381元祖:2010/06/21(月) 23:10:32 ID:2efSzIcy
ひっど〜い。
そんな言い方しないで下さいな。
382見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/24(木) 10:48:49 ID:boWNx/db
後は公園で再会してチュッでENDだな。
いや〜長かった。
383見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/24(木) 22:39:26 ID:8tOH+N/q
勝手に終わらせんなって。作者楽しみにしてまっせ。
384見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/25(金) 13:02:22 ID:ccC+YjGZ
いい加減飽きたよ!
385見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/25(金) 21:49:58 ID:Oohlg4oM
うーん、でも一部のだれかの意見で強制終了させて欲しくはないな。
386見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/28(月) 11:06:26 ID:lcmeGmkm
出だしから考えたらよく出来たオチだと思うが。
ここらで終わるが賢明かと。
2年間よく頑張った!楽しませてくれて有難う!
んじゃ!
387見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/28(月) 21:27:22 ID:Qe6riknt
なんか未消化な感じが・・・・・
388見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/28(月) 22:36:24 ID:F0W7HRGO
鮎川まどか=山田優
あかね=エビちゃん
で、どや?
ひかるは…よっしー
389見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/29(火) 01:18:29 ID:AxiKgTbR
>>388
ふざくんな
まどかが山田なんてありえねー
390見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/06/29(火) 15:35:27 ID:E8NGRxER
ふざくんな・・方言でっか?

山田優ねえ・・まあ、ボーダフォンのCMに出てたあたりなら
この作者の描くまどか像にあわないこともないが・・。
エビは無理だな。
よっしーって元モー娘のか?
こっちの方があかねじゃないか?
391見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/06(火) 10:16:11 ID:28FQz17n
明日は七夕。
「今のままで最高なんだもん。」
392名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 11:22:06 ID:PTu2FWq/
それってアニメのやつ?
393見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/14(水) 09:26:22 ID:NUGjk/yb
元祖ショックで寝込んでる?
394元祖:2010/07/14(水) 22:42:44 ID:6zRYxKGt
寝込んでなんかいません!
静観してるんです・・
395見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/14(水) 23:20:09 ID:RNbA5gKj
おとなしく寝とってくれ。
396見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 16:37:07 ID:KfoAucyC
今日も無か・・
どうせまたアク禁なんだろうな
397見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 20:28:39 ID:RtGN/wC2
test
398見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 20:31:51 ID:RtGN/wC2
まどかの体に触れようとしない。
それが、今の彼に出来る精一杯の感情表現だった。

まどかは頸に絡めた腕をほどき恭介から体を離すと
「じゃあ、明日予備校でね。」
「え?出るの?」(もう必要ないじゃん…)
「多分。…じゃ、おやすみ。」
ニコッと笑って彼女は去って行った。

恭介はブランコに腰かけたまま動けないでいた。
空を見上げると、いつの間にか満天の星空になっている。
(一体、いつまで待てばいいんだよ?鮎川は離れてても大丈夫なの?
  それとも…ひょっとしてこれって、『発展的解消』ってやつ?)
思わぬ展開に困惑している。

まどかは帰るとシャワーを浴びた。
ぶつぶつと独り言
(馬鹿だよね、あたし。怒るに決まってるよ…。
でも…今のあたしじゃ絶対ひかるに負けてるし…
そうよ、もう少し自分を磨いて…それからでも…)

どんなに言い訳をしてみても、さすがに虚しい。
ひかるの迫真の演技を観て以来、完全に腰が引けてしまっている。
心が逃避へ向かってしまった。

シャワーから上がると、バスタオルを体と頭に巻いてキッチンへ行く。
冷蔵庫から缶ビールを取り出すと、持って2階に上がった。
シュパッ!
ベッドに腰を降ろして一口喉に流し込む。
399見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 20:35:00 ID:RtGN/wC2
缶を握りしめたまま、まどかの動きが止まった。
ぼんやりと窓に映る自分の姿を見つめている。
缶の表面で冷やされた水滴が膝へと流れた。
(冷たい…)
膝に流れる滴を手で払うともう一口飲んだ。

ついさっきまで…そんなつもりはなかったのに…。
恭介のために、そして何より自分のためにと結論を出したはずなのに…。
例えひかるにそんなつもりが無かったにせよ、
あんな演技をみせられたばっかりに…。

『あんなこと』があった後でも、ひかるは稽古に打ち込んで
立派に役を演じてみせた。
多分、チケットをくれたことに他意はないのだろう。
そんなひかるが随分健気に…そして『大人』に思える。
その点、自分は…

(ひかるが引くんなら、あたしも引くべきなんじゃない?)

でも、今更『ひかるのため』はさすがに格好がつかない。
それは『封印』して来たはずなんだから…。

(アメリカに行こうかなあ…『自分のため』に)

体のいい逃げ。
それもどこかでは分かっている。

(ひかるに負けないように…あたしも頑張ろうっと。)

無理やり自分を焚きつけた。
400見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 20:38:26 ID:RtGN/wC2
思うと行動が早い。
カレンダーを見ながら考える。
頭の中で予定が立つや否や片付けを始めた。

ホントは一刻も早く逃げ出したかった。

今この機会を逃がさないように、

…自分の気持ちが揺らぐ前に。

(そうよ。こうするべきだったんだわ。)
そして…とうとう恭介に言ってしまった。

クローゼットから引っ張り出したスーツケースを眺めながら、
この数時間の出来事を思い出している。
そして、迷路に落ち込みそうになる心を引っ張り上げる。
(ネックレスは…持って行こう。写真は…要らないや、里心着くし。)
考えるや、壁や机、引出しの中の写真を全て集めると、
オルゴールの付いた宝石箱に重ねて入れ、
それをさらに段ボール箱に入れると厳重に目張りをした。
そしてそれをクローゼットの奥に仕舞いこんでしまった。

ホントは今にも心が折れそうなのに、頭の中ではとことん強がっている。

(百年に一人の逸材らしいから、せいぜい音楽に身を投じてみるか。)
401見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 20:44:07 ID:RtGN/wC2
翌朝
まどかはベッドの中で考え事をしていた。
(誰とも会いたくないなあ…考えるよりも動こうか。)
「よしっ!」
意を決すると航空会社に直接電話してチケットを予約する。
そして、予備校をサボって家の中を片付けることに没頭し始めた。
お昼過ぎには、取り敢えず一旦家を留守にできる程度に片づけが終わる。
雨戸も閉めたので、家の中は蛍光灯の灯りだけになってしまった。
まどかはスーツケースを玄関に出すと部屋で着替えを始めた。
雑念を振り払うよう粛々と事を進めるてきたが…
つい鏡に映る自分の顔をぼんやりと見つめてしまう。
吹っ切れた顔には見えない。

(帰りは解らないけど…取り敢えずアメリカに行こう。
  そして、いろんなことに挑戦して、すごく大人になって…
   そしたら、今度こそ春日クンと…春日ク…かす…)

急にまどかを激しい目眩が襲った。
視界がホワイトアウトして倒れそうになる。
傍にあった勉強机に手をつくと、ゆっくりと床に倒れこんだ。
今まで経験したことがないくらい頭がズキズキし出す。
吐き気もして来た。
(ダメだ…!)
瞬間、目の前が真っ暗になる。
ジーーーー…
耳に不快な音が聞こえている。
あらためて目を見開くと、眼の前に辛そうに顔をしかめる自分の姿が!
(…?)
いつのまにか自分の不快な症状は消えてしまっている。
代わりに眼の前の彼女は酷く辛そう。
「何?あたしどうなってるの?」
402元祖:2010/07/22(木) 20:45:48 ID:420HCfBK
やったー!
やっぱり、あたしのの大好きなまどかちゃん
でいてくれた!
心配してました〜!
403見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 20:47:04 ID:RtGN/wC2
自分は不思議と冷静に、もう一人の自分を眺めている。
見かねて彼女の元へ近づき、そっと声をかけた。
「ね、ねえ、大丈夫?」
「痛い…」
彼女は頭をかかえこんだ。
「お医者さん呼ぼうか?」
「あなたのせいでしょ…」
「え?」
すると、それまで痛がっていた彼女が急に起き上った。
「だから、あなたのせいでしょ!」
「な、何言ってるの?あなたは誰?」

まどかは部屋を見渡すが部屋に変化はない。
眼の前にもう一人の『自分』がいること以外…。
(一体どうなってるの?)
まどかは怖くなって後ずさりしながら彼女から距離を取ると、
もう一人の『自分』が、まどかをじっと見つめながら呟きだした。

(逃げるの?一緒にいるって決めたんじゃなかったの?)
404元祖:2010/07/22(木) 20:55:28 ID:420HCfBK
ありがとうございます!
覗いたらリアルアップされてるし〜!
あぁ、運命を感じます〜!
405見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:00:13 ID:RtGN/wC2
ルルルルル!

「え?」
電話の音でふと我に帰る。
気づくと恭介の写真が貼ってあった辺りを手でなぞっていた。
(今の…何だったの?)

ルルルルル!
(あ、はいはい…)
部屋にある子機のディスプレイを見ると『ひかる』から。
(ひかるには言っておこうかな…)
受話器を取る。
「はい、鮎川…」
「まどかちゃん?ひかるそっち行ってない?」
「あ、お母さん。…いいえ、来てませんけど。どうしたんですか?」
「昨日から帰ってこないの。春日さんのお宅にも電話したんだけど
  知らないって。今まで泊まる時はちゃんと電話してたし…。
最近…部活が終ってからちょっと変だったの。だから、心配で…。」
時計を見るとすでに15時をまわっていた。
「…取り敢えず、あたしも知り合いを当たってみます。」
「あの子、また昔の悪い人と…あ、ごめんなさい。」
「いえ…」
406見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:01:52 ID:76s1JLpq
待ってるのはあなただけじゃないですよ。
407見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:02:58 ID:RtGN/wC2
まどかは受話器を置くとすぐに恭介に電話をした。
「はい春日です。」
「あ、まなみちゃん?お兄さん…まだ学校よね。…ひかる知らない?」
「さっきお母さんから電話があったんですけど…何かあったんですか?」
「ううん、何でもない。
…あたしから電話があったこと春日クンには内緒にしておいてくれる?」
「え?…はい。」
まなみは少し不安な面持ちで答えた。
電話を切ると、まどかは家を飛び出した。
あんなストーリを観た後だけに、妙な胸騒ぎがしてくる。

その頃
(やっぱり来なかったか…)
まどかの性格をよく知っているだけに、来ないだろうと予想はしていた。
しかし、2日続けてまどかが休んでいることに、周囲が少し噂をしている。
そんな雰囲気の中、いきなり
「よお!お前振られたのか?」
「かもな。」
気のない返事に、小松と八田は驚いて顔を見合わせる。
「ど、どうしたんだよ?」
「俺にも解らない。とにかく放っといてくれよ。」
(マジかよ〜?)
二人は顔を引きつらせながらも元気づける。
「じゃ、後で昼飯食いに行こうぜ。」
「ああ。」
408見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:08:30 ID:RtGN/wC2
まどかはアバカブに行った。
「いらっしゃ…よう、まどかクン。そろそろ手伝ってくれるのかい?」
「ごめん、マスター。ひかる来てないかなあ?」
まどかの表情に何かを感じて
「どうしたの?ひかるちゃん…来てないけど。」
「また後で寄る。ひかるが来たら捕まえといてくれる?」

まどかはアバカブを飛び出すと街へと向かった。
そして、ひかるが行きそうな場所を探して回った。
(まさか、自棄起こしてなきゃいいけど…)
昔自分たちが出入りしていた不良のたまり場にもズカズカと入っていく。
最近ではめっきりご無沙汰のまどかだったが、今の表情や態度は
昔のそれに戻っている。
「ねえ、あんた達、ひかる知らない?」
「!!…鮎川先輩!い、いや、知りませんよ。」
「そう。見かけたらアバカブに知らせてくれる?」
「はい。」
まどかは険しい表情のまま立ち去った。
そして、ひかるが一晩過ごせそうな所を片っ端から当たって行く。
恭介のマンションの周りも遠くから眺めて見て回ったけど、
それらしき姿は見かけない。
(どうしよう…あたしのせいだ。あたしの…)
まどかの想像は悪い方へとはまっていく。
409見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:18:06 ID:RtGN/wC2
午後の授業もぼんやりと終わり…

恭介は帰りにアバカブに寄ってみた。
まどかが来ているんじゃないか…マスターには何か話しているんじゃないか
そんな気持ちに駆り立てられるように訪ねてみた。
カランコロン!
「よう、いらっしゃ…い…。」
恭介の沈痛な表情を見て、マスターは彼らに何かが起こっていると感じた。
「マスター、鮎川…」
彼女の名前を出した途端涙がこぼれそうになる。
マスターはカウンターの仕切りを開いてキッチンの奥に招き入れた。
「一体何があったの?」
「俺も解らないんだけど、急にアメリカに行くって言い出して。」
「ええ?まどかクンが?相変わらずだなあ〜…」
マスターは腰に手をあてたまま首をひねっている。
「マスター、何か聞いてない?」
「いや、全く。それよりまどかクンならさっき来たよ。ひかるちゃんを捜しに。」
マスターはその時の彼女の様子までは語らなかった。
(ひかるちゃん、春日クンに振られたって言ってたけど…
まどかクン、まさかひかるちゃんのこと気に掛けて身を引くつもりなのかな?)
「で、いつ行くって?」
「2学期前に退学願出すって…鮎川のことだから、もう止められないよ。」
恭介は投げやりに呟いた。
「さっきの感じだと、またうちに寄るみたいだから待ってみたら?」
「うん。」
恭介はカウンターの奥から出て、あらためてコーヒーを注文した。
410見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:19:23 ID:vcvfjqT2
ったく、どいつもこいつも、余計なコメすんなよ♪
411見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:26:02 ID:RtGN/wC2
夕刻6時をまわって

カランコロン!

「いらっしゃ…おや、まなみちゃん、くるみちゃん。久し…」
二人はカウンターに居る兄の姿をみつけると
「お兄ちゃんのせいだよ!」
くるみは泣きながら恭介の肩を揺さぶる。
まなみはくるみをなだめながら、バツが悪そうにマスターに頭を下げると
恭介とくるみを店の外に連れ出した。
3人の後ろ姿を客たちがひそひそ話しながら眺めている。

「どうしたの?何があったの?」
「ひかるちゃん、昨日から帰ってないって。今日も連絡つかないって。」
まなみは電話先のまどかの雰囲気からただならぬ状況を察して、
ひかるの家に電話をかけ、あらためて事態を知った。
「まどかさんも捜してるみたい。」
「まなみ…お、お前、使わないのか?」
「だって、使っちゃいけないって。」
「こういう時こそ使えよ!」
「!!、そうだよ、まなみちゃん。一緒に捜そう?」
3人は人気の少ない路地裏に行くと姉妹が手を取り合って目をつむった。
ブツブツと何かを念じていたかと思うと急に声を荒げた。
「お兄ちゃん!ひかるちゃん危ない!!」
412見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:42:51 ID:RtGN/wC2
くるみは気を失ってその場に倒れこむ。
慌ててまなみと恭介が抱え込んだ。
恭介は声を荒げ
「どこ?どこに居るの?!」
「学校の屋上にある給水塔のとこ!」

バシュッ!!

その瞬間、恭介の体が消えた。

その頃ひかるは
高校の校舎屋上の、さらに上にある給水塔に座って夕焼けを眺めていた。
(さすがに今日は帰らないとね〜。お母さん怒ってるだろうなあ。)
舞台の千秋楽がはねて、またぽっかりと心に穴が開いてしまった。
部活がある間はそれに没頭することで誤魔化せていたけれど、
それも終わると、どうしようもなく寂しくなって来る。
自分の演じた役どころがあまりにも我が身とオーバーラップして、
何とか忘れようとあがきながら街を彷徨い歩いた結果、
いつも隠れて煙草を吸っていた中学校の体育倉庫へたどり着いた。
そして、そこで泣きつくして眠ってしまった。

ひかるは倉庫のマットの上で一晩明かした後、翌日も学校の敷地から
出ないで過ごした。
まだまだ恭介との思い出に捉われていたけれど、思う存分浸ってから
スッキリさせようと決心した。
413見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:43:47 ID:RtGN/wC2
一日かけて恭介や3人で過ごした場所を訪れては
「よしっ!」と一つずつ決別を告げていく。
やがて、そんな儀式が全て終了すると夕刻になっていた。
ひかるは少しセンチになって、校舎の一番高い所から夕焼けを眺めて
みたくなった。
そして…まなみとくるみは『そのシーン』だけを勘違いして恭介に告げた。

ひかるは立ち上がると
「アタイさあ…あんたのこと…ずっと…嫌いだったよ…」
小声でセリフを決めてはみたけれど
夕陽を見ていると、なんだか泣けてくる。
(やっぱ無理があるよね…3年だもん…。)
ぼんやりとたたずむひかるの目の前に、いきなり恭介の姿が現れた!
(間に合った!)
「うわっ!!」
ひかるはびっくりして後ずさってしまった。
(ええ〜!?)

ちょうどその頃、まどかは給水塔の真下付近に来ていた。
(もっと早くにアメリカ行くんだった…
ひかるにもしもの事があったら…あたし…あたし…)

「キャ〜!!!!!」

(え?)
声がする方を見上げると、ひかるが今にも落ちそうになっている。
(ええ?ひかる?!)
考えるよりも先に受け止めようと駆け出すまどか。
その頭上から今まさにひかるが降ってくる。
「ひかるー!!」
「ひかるちゃん!!」
バシュッ!!
恭介は先回りしたけれど万事休す!!
(え?!)
414見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:44:36 ID:RtGN/wC2
何と!腕を伸ばして受け止めようとするまどかの姿が!
(無理だ!!!!)
恭介は固まった。
そして、ひかるの体がまどかの胸に激突しようとした、まさにその瞬間

バチバチバチ!!

夕ぐれに染まった空気を切り裂くような稲光が走る!

すざましい放電が二人の体から放たれた!
瞬間、ひかるの体は宙に浮き、そしてそっとまどかの腕の中に納まった。
(え?)
(ええ??)
まどかとひかるの目が合って、二人は輝きの中で倒れこんだ。
そしてそのまま二人とも気絶してしまった。
一部始終を目撃した恭介は
(俺じゃない!)
辺りを見回すと、
(・・・!!!)
そこにはゆらゆらと青白い炎を全身から発しているあかねの姿が!!
凄い形相をして二人を睨んでいる。
「あかね!お前…よくここが。」
炎がス〜ッと消えていくと、力尽きて彼女も気を失いそうになる。
恭介は慌ててあかねを抱え込むと、そっと地面に横にした。
ちょうど向こうからくるみとまなみが駆けてくる。
「お兄ちゃん!ひかるちゃんは?」
「あそこ。足滑らせて…でもあかねのお陰で。」
向こうにまどかとひかるが、こっちではあかねが気を失っている。
415見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:47:32 ID:RtGN/wC2
3人は辺りに人が居ないことを確認した。
「う〜ん…あれ?」
「あかね!」
「あ!!ひかるちゃんとまどかちゃんは?!」
フラフラしながら立ち上がる。
「あかね!お前のお陰で助かったよ!!」
「それがさぁ、まどかちゃんが血相変えて走って行くのを見かけてね、
  慌てて追いかけたら、ちょうど…なんでこんなことに?」
「お兄ちゃんのせいよ!」
睨むくるみを制するようにあかねが
「誰にも見られてないよね?今の内に2人を運ぼう!」
恭介がまどかを背負い、ひかるはあかねに背負われてマンションに向かう。
部屋に上げられると、リビングにマットが敷かれ、二人は横にされる。
まなみとくるみはタオルを温めて二人の体をやさしく拭いてやった。
隆が仕事から帰って来て驚いた。
「ただいま〜…?おいおい!どうしたんだ?」
「叔父様…二人に見られちゃった。今は気を失ってるけれど…」
「何があったんだ?二人は大丈夫なのか?病院へ行かなくていいのかい?」
「うん。ちょっと気を失ってるだけみたい。」
隆は穏やかに眠っている二人の傍に行き、大丈夫そうなのを確認した。
そして、事の顛末を聞くと
「そうか…とうとう知られてしまったか…
と、とにかくお前たち二人を看病してあげなさい。」
そう言うと書斎に入り、そっと妻の写真に語りかけた。
(彼女たちは理解してくれるだろうか…)
416見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/22(木) 21:48:45 ID:RtGN/wC2
「私、ひかるちゃん家に電話する。」
「俺はマスターに電話しなくっちゃ。心配してるだろうから。」

まなみは事情は伏せて、取り敢えずひかるを無事発見したことを告げた。
今は気を失ってるので部屋で寝かせていることも。
電話では、ひかるの母がすぐ車で迎えに来るとのことだった。
スヤスヤと眠る二人を見つめてあかねが口を開く。
「どうしよう。二人が目覚めたら何て言うかな?」
「マズイことになったら、お前、(記憶)消してくれる?」
「恭介、お前それでいいの?何ならひかるちゃんの方だけ…」
「あかねちゃん!酷いよ、それって。」
姉妹が口をそろえた。
あかねは恭介やまどかのことをよく知った上で提案したのだが…。
そうこうしている内にひかるが目を覚ました。
「う、う〜ん…あ、あれ?ここは……せ、先輩!一体どうして…?」
「ひかるちゃん。」
ひかるは横に眠るまどかにも気付いて驚く。
「え?まどかさん!何でここにいるんですか?」
4人は顔を見合わせた。
まなみが恐る恐る訊く。
「ひかるちゃん、覚えてない?」
ひかるは、え?という顔つきになってしばらく考え込んだ。
「あたし、先輩との思い出の場所をめぐってる内に体育倉庫で…
  そして…後が思い出せない…何でここに居るのかしら…?」
らためて恭介の顔を見ると赤くなった。
「すみません…もう会わないって約束したのに…何で、こんな…」
「ひかるちゃん、『塀』から落っこちたんだよ。それをまどかちゃんが
  受け止めようとして『ちょっと』頭を打ったみたい。」
417見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/23(金) 04:34:10 ID:+45WeMfV
あかねは咄嗟に嘘をついた。
ひかるも『落ちた』覚えはあるだけに、それに符合させるしかなかった。
(でも、何で塀の上に?)

ピンポ〜ン、ピンポ〜ン!

ひかるの母親が迎えに来た。
まなみが玄関に出ると、カンカンに怒った母親がいた。
まなみの後ろからひかるが顔を出し、母親が口を開く前にしおらしく
謝罪した。
「ひかる、あなた、こんなにみなさんに心配かけて…。どうして?」
「ごめんなさい。訳は帰ってから話すから。
他所のおうちじゃみっともないでしょ?」
後ろで気にするみんなにはちょっと笑顔をして見せて大丈夫、大丈夫と
靴を履きだした。そこにくるみが温かいタオルを持ってきて手渡す。
「ありがとう、くるみちゃん…」
ひかるは声を詰まらせて、みんなに背を向けてドアから出て行った。
見送るみんなにひかるの母は何度も深々とお辞儀をした。
418見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/23(金) 04:35:12 ID:+45WeMfV
玄関が閉まるとあかねがボソッと呟いた。
「ひかるちゃん、気付いてないみたい。」
一同ほっと胸をなでおろす。
みんなはリビングに戻りまどかを囲む。
「ねえ、まどかちゃんはまだ目が覚めないの?」
「打ちどころが悪かったのかしら?お医者さん呼ぼうよ。」
心配そうにまなみが顔を近づける。
「俺が見た瞬間は…ぶつけたって感じじゃなかったけど…。」
他人によって事の次第が明らかにされるのは躊躇われる。
第三者の介入を避けたい気持ちから、いい方に解釈しようとする恭介に
「そんなこと言って、まどかさんにもしものことがあったらどうするのよ!」
まなみが口を尖らせる。
彼女は何よりまどかの容態が心配で、余計なことは考えられない。
「咄嗟だったけど、ぶつからないようにできた自信はあるのよね〜」
あかねが右の掌をみながら呟くのだがが、まなみとくるみは少し心配顔。
そんな二人をなだめるように、あかねが提案する。
「ここは起こしたりしないで、一晩様子を見てようよ。」

全員が交代でシャワーや自分たちの用事を済ませながらまどかを看ている。
しかし時間が経ってもまどかはスヤスヤ眠っているだけ。
11時を過ぎて、さすがに姉妹はあくびをし出した。
隆がやって来て子供たちに休むように促す。
「俺は…」
その場に残ろうとする恭介に呆れ顔で
「お前はダメに決まってるじゃん。あたしが看てるからいいよ。」
あかねにダメ出しされてスゴスゴと部屋に入った。

(ひかるちゃんは…相変わらずひかるちゃんらしくって助かった。
  でも…鮎川は…何考えてんだろう…?目が覚めたら何て言うかな?
   やっぱりアメリカに行くのかな?それとも…)

机の上の二人の写真を見てため息をつく。

(発展的解消か…)
419見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/23(金) 04:35:53 ID:+45WeMfV
リビングでは隅っこにあるお洒落なスタンドだけ灯されている。
あかねはじっとまどかの顔を眺めていた。

(まどか…もし全部覚えていたとしても…
それでもあたし達と一緒にいてくれる?)

「う…う〜ん…」
(!!…気付いた?)
まどかの目が少しだけ開いている。
そして呟くように
「ここは…ひかるは?ひかる…」
「大丈夫よ。ピンピンして家に帰ったよ。」
「良かった…。」
ホッとして瞼が閉じそうになるけれど、ふと考えて呟いた。
「あかね…ここは?」
あかねは少し笑みを浮かべて囁く。
「恭介の家。」
「そう…なら安心だ…」
そう言うと、まどかはまた深い眠りに落ちて行った。
(…?寝ちゃったか。)
あかねも横になることにした。
翌朝
あかねがまどかの顔を覗き込む。
「おはよう。」
(!!な、何よ?ここは?)
まどかはガバッと身を起こしあかねを睨んだ。
「あ、あなた誰?」
「え?」
「あれ?ここ、どこよ?」
茫然と見ていると、みんなも集まって来た。
「まどかさん、良かった〜。」
傍に来ようとするまなみにびっくりして押しとどめる。
「ちょ、ちょっと…あなたたち誰なの?ここはどこよ?」
420見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/23(金) 04:36:42 ID:+45WeMfV
恭介はそんなまどかの姿を眺ながら愕然としている。
「ウソだろ…?」
隆が落ち着いてソファに掛けるように言うのだが
まどかは後ずさりするばかりで、気味悪がって座らない。
一所懸命に何かに考えを巡らせている。
「あなた…自分が誰か」
「あたしは『鮎川まどか』だよ。で、あたし何でこんなとこに居るの?」
「全然覚えてないの?」
すると、まどかは急に怯えたような目つきになり騒ぎだした。
「そう言えば…あんたたち普通じゃない!
あんたは体から青い火を出してた!あんたはあっちこっちに姿を現す…
そして、両腕をさすりながら嫌悪の表情で吐き捨てるように
…き、気持ち悪い!!」
「気持ち悪いって…」
口を開く恭介。
するとまどかはみんなを睨むようにしながら
「失礼!」
そう言うや、彼女は玄関から逃げ出してしまった。
みんなは茫然と見送るしかなかった。
「昨日目が覚めた時は落ち着いてたのに…夜が明けたら…なんで?」
あかねの呟きを聞いて、まなみはショックでしゃがみ込むと泣きだした。
くるみは部屋に入ってしまった。
「ちょっと辛いな。俺達の記憶がこんな形で鮎川の心に残ってしまうなんて…」
「ごめん、恭介。こんなことになるなんて…」
あかねは唇を噛んだ。
「いいよ、二人の命の恩人なんだもん。生きてるだけで…」
そう言うと恭介は部屋に戻ってしまった。
421見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/23(金) 04:38:22 ID:+45WeMfV
「叔父様…ごめんなさい。」
「何で謝るの。あかねちゃんはちっとも悪くないよ。恭介の言う通りだ。
  彼女に知られ、受け入れられなかったのは残念だけど…仕方ないよ。
しかしもうこの町には住めないな。引越しの準備に…」
「どこに行くの?」
まなみが訊くのに
「『居場所』を変えるんだよ。そこでまた一からやり直しだ。」
「もう2度とひかるちゃんやまどかとは会えないの?
  もう一度なんとかならないの?あたし、お爺ちゃんに訊いてみる。
   そうよ、あたしだったら出来るかも。あたしだったら…」
隆とまなみは黙って聞いていた。
掟は絶対守らなければならないことは、一族の者は誰でも承知している。
「ねえ、叔父様。どんなことにも例外は有るわよね?ほら、あたしだって
  スポーツ推薦でK大受けられるし!そうよ。そう…よ。」
あかねは上ずる声に手を当てると…黙ってしまった。

恭介は部屋で今まで撮りだめしていた写真を眺めていた。
いろんなことがあった。
どれもこれも、思い出すと昨日のことのように懐かしい。
(受け入れられなかったら…一家で消滅かあ…)
さっきのまどかの言った言葉を冷静に受け止めていた。
気のせいか、写真の中のまどかがぼやけている。
部屋から出てくると隆に尋ねる。
「俺たち、後どれくらい猶予期間があるんだっけ?」
「7日だよ。それまでに身の回りを整理しておきなさい。」
「そんなあ…明日から学校始まるって言うのに…」
422見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/23(金) 04:39:43 ID:+45WeMfV
妹達の部屋からドタンバタン音がしている。
二人は珍しく喧嘩をしていた。
「お前ら、近所迷惑だろ!」
見ると二人は顔を泣き腫らしている。
「何よ!元はと言えばお兄ちゃんが原因じゃない!」
ギクッとする。
「…ごめん。」
居た堪れなくなったあかねが
「あたし、もう一度まどかちゃんに会ってくる。」
そう言うと恭介の制止を振り切って出て行った。
(あかね…これ以上やってもお前が傷つくだけだぞ…)

まどかはなんとか家に帰り着いた。
玄関にはスーツケースが置いてある。
家に上がると中は雨戸が閉められ、電気が付いている。
(何よ?何にも覚えてない…)
閉め切った窓を次々に開けて回るとスーツケースを開けてみた。
中からは簡単な旅行セットと衣類が出てきた。
電話機のところに置いてあるバッグからは、アメリカ行きの片道航空券が。
日付を壁にかかったカレンダーで確認すると、明後日の出発だった。
(あたしアメリカに行くんだったっけ?あたしが?なんでよ…?)
423見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/23(金) 04:40:33 ID:+45WeMfV
しばらく考えても思い出せない。
ふと思い出したように
「そうそう。え〜っと…」
まどかは何やら探しだした。
(タバコ、タバコと。何所にやったのかしら?)
スーツケースの中の衣類の間を確かめてみた。
「なにこれ?ネックレス?血が付いてんじゃん!汚いなあ…」
まどかは何も考えずポイとごみ箱に放り込んだ。
さらにどこを探しても出てこない。部屋はきれいに片付けられ、
自分の机の上はもちろん、引き出しの中まできれいなものであった。
(嘘みたい…これがあたしの部屋?)
まどかはママの鏡台の化粧ケースの裏ぶたにメンソールが隠してあるのを
知っていた。
(ちょろいわね。)
封を切ると台所にある長いガスライターで火をつける。
おもむろに吸うや、
ゲホッ!ゲホッ!!
噎せだした。
(うえ〜!不味いや…なんで?)
我慢して吸ってみるけど、口の中が嫌な味だらけになる。
まどかは台所の水道でたばこの火を消すと、そのままゴミ箱に捨てた。
(とにかくアメリカなんか行きたくないし…ママたちに電話しとこう)

「ま〜!!呆れた!おととい頼んだくせして気が変わっただって?」
「うん、ごめん。とにかくなんでアメリカなのかもかも覚えてないし、
第一、行きたくもないから。じゃ、切るね。」
「じゃあ、すぐにキャンセル手続きしときなさい!
もうお金ほとんど戻ってこないけど!」
電話は一方的にプツッと切られた。
「まどか?…まどか?」
プープープー…
「んもう!まどかったら…」
「どうしたんだい?」
「それが来るって言ってたかと思うと今度は来ないって。」
「いつものことだろ?」
「それがね、何か変なの。昔のまどかとしゃべってるみたいで…」
その頃まどかは
「ママたちんとこ行ったらうるさく言われるに決まってるじやん!」
自分の部屋に戻ると部屋を見渡した。
424見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/23(金) 04:43:16 ID:+45WeMfV
「おかしいなあ…自分の部屋じゃないみたい。あたし今まで何やってたんだろう?」
8月のカレンダーを眺めると、予備校の夏期講習の日程、、お盆の日程、そして…
いたるところに『K』の文字が…。
「『K』ってなによ?ああ〜もう!」
床にあぐらをかいて思い出そうとする。
(何であたしあんなとこに居たんだろう…
  あの気持ち悪い連中と関係あるのかしら…とにかく、ごめんだわ。」
本棚を見ると、予備校の夏期講習のテキストが並べられている。
ぺらぺらとめくると勉強の後が…
「うわ〜、あたしらしくないよ、こんなの。
夏休みも残り今日だけじゃん!ひかる誘うか。」

ひかる宅にて。
ルルルル!
「はい、桧山…あ、まどかさん!大丈夫ですか?今どこ…」
「大丈夫って、ぜんぜん大丈夫じゃないよ!
だいたい、何のことか覚えてないんだけどさ、
聞きたいこともあるし…今からうちに来ない?」
「え?今からですか?…ちょっと無理かなあ…親が怒ってて。」
「抜ければいいじゃん、らしくないね。」
(…?『らしくない』って、まどかさんこそ…)
「それは…ちょっと。すみません。」
「じゃあ、いいよ。学校始まったら会おうか。」
「…はい。あのー…まどかさん。」
「何?」
「…いや、何でも無いです。」
いつもと様子が違うことが気になっている。
「じゃあね。」
「じゃあ…。」
425スゲエ:2010/07/23(金) 07:27:53 ID:X/iLYDdZ
一夜明けたら大量アップしてやんの!
426元祖:2010/07/23(金) 23:13:49 ID:7JbEBk+U
作者様・・
ついて行けない・・・
427見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/24(土) 12:28:12 ID:3YEfLWVJ
元祖さん
何がついていけないのでしょうか?
話にですか?
それとも、お気に入りの鮎川まどかの人格が変わったからですか?
確かに、着いていけない展開ではありますね。
428元祖:2010/07/24(土) 22:43:01 ID:L0k1oQf0
作者様、あたしのまどかちゃんを弄び過ぎです。
429見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/24(土) 23:19:54 ID:2Chf9lKZ
どーして「あたしの」なのかがわかんねえ。
430見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/28(水) 14:39:52 ID:wK38hgv5
またアク禁だね。
解除と同時に大量アップするのはおサルの仕業。
431見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/07/31(土) 12:20:52 ID:yxeuhBB8
一体まどかに何が起こったの?
気になってしゃ〜ないやん!
432見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/03(火) 16:49:00 ID:goOMjNTY
作者が馬鹿なんでしょう。
433見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/05(木) 08:35:20 ID:ZgitCKJQ
つ〜か、ネタ切れ悪あがきってとこか?
434元祖:2010/08/14(土) 15:58:59 ID:czmI9naL
作者様、ひょっとしてアク禁でしょうか?
それとも・・
あたしは信じて待ってます!
435見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/15(日) 05:57:30 ID:6cVaHSMN
最初から読んでたら
それなりに暇が潰れるって。
それと、不用意に上げないように!
436元祖:2010/08/15(日) 17:43:05 ID:BvPvO+do
す、すみません!
435さんは、ひょっとして作者様ですか・・
ドキドキ
437見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/15(日) 20:14:20 ID:6cVaHSMN
お前さんと同じ駄スレファンだよ。
438見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/16(月) 13:02:44 ID:CvarvaWR
お盆の間暇だったから読み直したけど、正直何でこんな展開になるんだよって。
そもそも超能力なんか持たせたのが間違い!そんなんで話を引っ張るなよなあ。
439見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/16(月) 23:13:12 ID:CVn8uCq6
じゃ、読まなきゃいいじゃん?

と、釣られてみる。
440元祖:2010/08/16(月) 23:46:20 ID:jNenJvnH
確かにパワーの封印解いてから急展開してるけど
でもパワーの話は名作ハワイ編で出てますよね〜。
だから今の流れは織り込み済みだったのかなあ?
441元祖:2010/08/20(金) 11:08:17 ID:dngSV97N
お昼に覗くのは久しぶりだなあ。
やっぱりまだか・・
442見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/20(金) 20:01:01 ID:I/ZScbqq
スミマセン!!もうしばらくお待ちを!
443元祖:2010/08/20(金) 22:13:12 ID:dngSV97N
さ、作者様ですか?
嬉しいです〜!
ええ、待ちますとも!
444見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/20(金) 23:09:17 ID:BhUOALcJ
442が作者とは限らんだろー?
445見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/23(月) 09:26:04 ID:VRvSoS/j
1ヶ月毎の掲載ペースだし、昨日あたり期待したんだが・・

一気に20話も上げないで、中2日くらいで細かくUPして欲しい。
446見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/28(土) 12:18:12 ID:gk9cV3Y4
その1ヶ月を過ぎてるけど。
447見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/28(土) 20:42:30 ID:ND3BJoRl
ひかるは受話器を置くと考え込んだ。
(まどかさん…何か変。)
夏休みの間にいろんな事が有った。
恭介のことで一時はまどかと袂を分かったりもした。
自分の気持ちを抑えるため、随分遠回りした。
この数週間で今までの人生の半分くらいの涙を流したように思う。
最近は『二人』に会わないよう気を使っていたつもり。
なのに…電話の向こうのまどかは全く気にしていない。
(どういうつもりかなぁ…?)
ふと考えてみると、そういう自分だって昨日は恭介の家に運ばれていた。
流れを反芻しても、『塀の上』のくだりが腑に落ちない。
しかし、その一点を除けば、恭介への想いを断とうとしていながら
彼の家に居たことに、恥ずかしさと同時に腹立たしさを感じる。
「あたし、何やってんのよ!」
溜息混じりに呟いた。

一方、まどかは電話を切ると部屋を見て回る。
「う〜ん……」
どの部屋もきれいに片付いている。
何より、自分の部屋に記憶が残っていない。
(おかしいなあ?中学の頃のことは、ついこの間のように覚えてるのに…)
この数年の記憶があやふやでハッキリしない。
自分が高校3年生であることは分かっている。
勉強も頑張っていたような…でも…
「なんで?」
448見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/28(土) 21:16:01 ID:ND3BJoRl
まどかはキッチンに降りて紅茶を入れた。
思いついたように冷蔵庫を覗いて見ても、何となく覚えがあるような…
「ふ〜…美味しい。…あれ?」
(…あたし、紅茶なんか飲んでたっけ?)
ちょっとぼんやりしてみる。
(明後日始業式だよねえ。サボっちゃおうか?…あ、ひかると会わなきゃ。)
また紅茶をすする。そして、ギョッとした。
(そうだ!そういや、あいつら何?気持ち悪〜い!
  何であたしあそこに居たのよ?
   あいつら人間じゃないよねえ…誰かに知らせなきゃ…
…って、どうでもいいや…。)
気を取り直して紅茶を飲みほすと姉に電話する。

ルルルルル!
「はいは〜い!ちょっと大人しくしててね〜。」
子供たちに微笑むと受話器を取る。
「姉貴…。」
(姉貴?)
「あら、まどか。珍しいわね、あんたが電話してくるなんて。」
「そう?…ねえ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…。」
「何?」
「え?…う〜ん…やっぱりいい。じゃあね。」
ガチャ!プープープー…
掛って来たかと思えば一方的に切られ、ちょっとムッとする。
(一体何なの?それに『姉貴』だなんて、久しぶり聞くわ…)
ついムッとなって声が出た。
「この『情緒不安定女』!」
(…?)
受話器に向かって吐き捨てる母親を子供たちが見ていた。
「あら〜!君たち…聞こえた?」
449見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/28(土) 22:02:03 ID:ND3BJoRl
その頃…
あかねはまどかの家の周りをうろうろしていた。
(どうしよう…訪ねてみようか?
  …でも、また『気持ち悪い』って言われたらショックだし…
   あたしの力じゃ…もう無理なのかしら?)
すると玄関からまどかが姿を現した。
あかねは慌てて家の蔭に隠れた。
(え〜!!何?どうしちゃったのよ〜!)
恰好は普段よりも突っ張り気味…髪はポニーテールにまとめている。
眉はきつく描かれ、目には薄くブルーのシャドーを引いている。
リップもくっきり目立つくらい、全体にきつ目の化粧をしていた。
(あんなことして〜!せっかくの美人が台無しじゃん!)
飛び出していきたい衝動を覚えるが…
(今何かしたら…もっと面倒なことになるかもしれないし…)
必死に自重しながら後を追うけれど、
まどかの醸し出す雰囲気があまりに変わってしまったことにショックを覚え
まどかと過ごした日々を思い出しながら段々と悲しくなってきてた。
(助けたつもりが…あたしたち『気持ち悪い』かあ…)
「辛いなあ…」
ふと口にすると、あかねは涙でぼやけるまどかを見送った。
(バイバイ…『あたしのまどか』…)

そんなことは露にも知らず、腕時計で時間を確認する。
(まだ早いなあ…メビウス開くまでどっかで時間潰そうか。)
まどかは騒々しい街の繁華街へと消えて行った。
450見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/28(土) 22:41:28 ID:Tjfm2VWd
カランコロ〜ン!
「よう!いらっしゃい。」
マスターは先日の事があるだけに、務めて明るく振舞うのだが
恭介の顔は何ともさえない。
「今日はまだ誰も来てないなあ〜」
それとなく情報提供する。
「しかし、ひかるちゃん見つかって良かったねえ。
  まどかクンにも会えたんだろ?」
ちょっと誘い水をかけるが乗ってこない。
「コーヒーでいいかい?」
「あ、スミマセン。ホット貰おうかなあ…」
マスターは棚の奥からとっておきのブルーマウンテンの豆を取り出して
ミルで挽き出す。ドリップにセットすると上からゆっくりケトルのお湯を
回すように注いでいく。すると、辺りには何とも芳しい香りが漂う。
「はい、どうぞ。」
「有難う。」
恭介は砂糖を入れずに飲んでみた。
彼にはこれが美味しいのかどうかまだ解らないけれど…
(鮎川はこの味が判るくらい大人だったんだよな。)
マスターは何も訊かずに黙ってグラスを磨いている。
夕方近くなり、店も混みだした。
「おはようございま〜す。」
女子大のバイトの子たちがやって来た。
「まどかクンはもう手伝えないよなあ。」
受験にしてもアメリカに行くにしても、いずれにしてもお手伝いは頼めない。
(でも、どうせなら春日クンと受験に頑張って欲しかったんだけど…
  ところで春日クン、彼女と何か話し出来たかな?)
恭介の顔をみると、完全に魂が抜けていた。
451見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/28(土) 23:17:35 ID:Tjfm2VWd
まどかやひかると出会ってから、大切な青春を共に過ごしてきた
いろんなシーンをゆっくり1ページずつ頭の中でめくっていた。
(全部無くなっちゃうのか…いや、俺の中では生き続けるんだよな。)
気の抜けた恭介を心配して声をかける
「春日クン…大丈夫かい?」
「え?…うん。あと何回来れるか分かんないけど…今までいろいろ有難う。」
「おいおい!何を言い出すんだよ。どうしちゃったの?」
「あ、…ごめんなさい。俺、最近ちょっと…」
恭介は立ち上がるとレジに行く。
マスターがバイトの子に手を振って、要らないと合図をする。
「いや、そんなことされたら来にくくなるから。」
女の子が困っているけれど、
恭介は支払いを済ませると黙って出て行った。

(ここも来にくくなるな。鮎川にも会いずらいし…それに
  また『気持ち悪い』って言われたら…嫌だしな…)
あかねと同じことを考えていた。

とぼとぼと歩く恭介とは道路をはさんだ反対側をまどかが歩いていた。
お互い気付かないまま、恭介は公園へと、まどかは繁華街へと向かう。
恭介が公園についた頃には陽も傾きかけている。
さすがに8月も終わりになると日が暮れるのが少し早くなった。
恭介は階段を上がっていくとブランコに腰かけた。
452見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/28(土) 23:52:02 ID:Tjfm2VWd
(こんなことなら…アメリカに行ってくれてた方が…)
なんともやるせない気分になってくる。
『気持ち悪い』
まどかが発した言葉が何度も頭の中を駆け巡る。

その頃メビウスでは
「よう!まどか。久し振りじゃん!!お前足洗ったっんじゃねえ?」
中学当時、まどかと悶着を起こしていた連中から囲まれた。
「…」
まどかは無視してカクテルをあおる。
「けっ!相変わらずだな。ここはお前の来るとこじゃねえよ!」
まどかは
(あっち行ってろ!)
とばかりにコースターを投げつけると、見事に顔面を直撃した。
「てめえ、何するんだよ!!」
掴みかかろうとするやつをひと睨みで制すると
「表に出な!」
夕暮れ迫る路地裏、まどかを囲む5人の男女。
ここら辺りでは名が通っている不良たち。

何とそこに、偶然早川みつるが通りかかった。
ちょうど夜の街へ繰り出すところであった。
「お?あれ…あいつ何やってんだ?」
じっと見てるといかにも雰囲気悪そう。
453見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 00:11:24 ID:5Nfxyie4
「やっちまえ!!」
一斉に5人が飛びかかる。

「ね、ねえ、みっちゃん、止めなくていいの?」
マネージャーが言うのに早川は
「まあ見てようよ。」

白人の大男2人に比べればこんなの訳が無い。
あっという間に連中を叩き伏せてしまった。
(おいおい…これがあいつのもう一つの顔かよ。)
早川はマネージャーと引き気味に見ていた。

連中は退散してしまったのだろう。
数分後、まどかは一人で戻ってきた。
カウンターの中のマスターが
「随分久しぶりだけど、相変わらず強いね。」
(ふんっ)
まどかは素気ない。
「ジンライム頂戴。」
「あ、俺も。」
454見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 00:43:05 ID:8fyqua1x
(…?)
振り向こうとするまどかの隣に座る早川。
厚かましいのは慣れたもの。
「何か用?」
「これはこれは鮎川様、今日はえらく荒れてますねえ。」
「誰よ、あんた。」
(…?)
早川は彼女らしい、またいつもの挑発的な態度と受け取った。
「未成年がこんな店に来ていいのかい?」
(…うっさいなあ。)
まどかは睨むと
「ねえ、あんたタバコ持ってる?」
「いや、俺吸わないから。それより、お前タバコなんか…」
「あ、俺のでよかったら…」
口をはさんで、マネージャーがライターを添えて箱ごと差し出す。
まどかは手慣れた手つきでタバコを取り出すとくわえて火をつけた。
一気に吸うや
「ゲホッ!ゲホッ!ウエ〜!」
「お前、吸えないんだったら止めとけよ。」
(…おかしいなあ?)
また吸おうとする。
「ゲホッ!ゲホッ!!」
(何で?体が受け付けなくなってる…)
指先に挟んだタバコを不思議そうに眺めていると、早川に取り上げられた。
口紅がついたそれが、ギュッギュッと灰皿で潰される。
「お前、大事な声を粗末にすんなよ。神様からの…」
瞬間、早川の顔面にジンライムが浴びせられた。
(何てことを!)
立ち上がるマネージャーを手で制す冷静な早川。
マスターがすぐにおしぼりを差し出すと、彼は顔や胸元を拭きながら
「お前さぁ…春日と何かあったのかあ?」
455見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 01:00:37 ID:8fyqua1x
彼はまどかの様子がいつもと違うことに気付いた。
こんなに荒れているということは、恭介と上手くいってないはず。
「誰よ?春日って。」
(ん…?一体どうしたんだ?別れたのか!?)
「お、お前、『鮎川まどか』だよな?…俺のこと…」
「マスター、お勘定この人が払うって。」
言うや彼女はバッグを持って、席を立つと店を出て行った。

「手ごわくなってる…」
マネージャーが呟くのに頷く早川。
「ありゃ、バージョン変更してるぞ。」
(何か攻略法探さないと…)
二人は茫然と見送った。

まどかは馴染みの店に寄る。
カウンターに座ると適当にカクテルを注文する。
そして、ぼんやり考え出した。
(何よ、今のヤツ…何であたしのこと知ってるの?)
カクテルグラスからストローを外すと、グラスからいきなり飲む。
ここはよく来る店だが、普段から店の者と会話をすることはない。
しかし、店の者は常連のまどかのことを知っている。
456見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 06:32:32 ID:8ZXt8DT5
遠くから
「ルール違反だよなあ、せっかく作ったカクテルを…」
「あの子、あんなだったっけ?いつもスマートなのに…」
まどかははっきりと思い出せないことに苛立っていた。
(かすが…春日…あ!あの連中のこと?
  なんであたしがあんな奴らと関係あるのよ?何で…?)
残りをあおるように飲んでしまう。
さすがにバーテンダーが注意した。
「お嬢さん、ちょっと…それは…」
「はあ?」
酔った瞳で彼を睨むけど、今日の自分がどこかおかしいのも解っている。
(ふ〜…)
まどかは睨むのをやめて、グラスに添えられたパインを口に放り込むと
紙幣を2枚カウンターに置く。
「お釣りはいらないわ。」
さっと席を立った。
繁華街は夜でも騒々しい。
(春日って…誰よ?)
まどかはぼんやりとしながら人ごみの中に紛れて行った。
457見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 08:57:36 ID:FMDZadfq
「おはよう、お兄ちゃん。」
「ああ、おはよう。親父は?」
「もう出掛けたよ。今からまた大変になるから、準備しておかなきゃって。」
「そうか…最悪、辻褄が合うようにフェイドアウトしないと、
急に消えたら『失踪』扱いで新聞沙汰になるもんな。」
「ふぁ〜」
くるみも起きてきた。
今日は始業式。
もし…もしまどかが翻意してくれたら、今まで通りで構わないのだが
彼女の様子から、『転居』は避けられそうにない。
念のため、どちらに転んでも対応できるようバリエーションを持たせてはいるが、
役所、仕事、学校などの公的なものから人付き合いなどの私的な部分まで、
一族による情報操作が始まっている。
場合によっては、あかねの力も必要になるだろう。
筋書きは父である隆が義父母と相談して決めた。
一旦事が決まれば一家はそれを粛々と進めるしかない。

3人は複雑な気分を抱え、それぞれ学校に向かった。

「おはよう!」
「おはよう!焼けたね〜!」
「よお、久しぶり〜!」
「どっか行ったの?」
458見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 09:24:58 ID:FMDZadfq
校舎が近付くにつれ生徒の数が多くなり
久しぶりの出会いに、みんなが声を掛け合っている。

(…先輩。)

ひかるは前を歩く恭介に気付いた。
まなみも気付く。
「あ、ひかるちゃん!おはよう!」
(うわっ、見つかっちゃった…)
ひかるは作り笑いを浮かべた。
「お、おはよう…ございます。」

恭介は何とも言えない気分。
ひかるとの関係を清算したはずが、こんなことになってしまった。
彼女は鮎川と春日家の関係が一方的にこじれていることを知らない。
「おはよう、ひかるちゃん。」
「おはようございます…せんぱ…い。この間は…」
すかさずまなみが笑顔で
「ひかるちゃん、宿題やったあ?」
「う…うん。自信ないけど。」
「ひかるちゃん英語得意でしょ?解んないとこあるから教えてくれる?」
「うん、いいけど。」
いきなり両横を姉妹に挟まれ恭介の元から離されて行った。
ひかるは少し恭介の方を見ると、そのままくるみまなみと登校した。
459見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 09:53:52 ID:BaKD6Q6K
恭介は彼女らを見送ると
「は〜…」
何とも言えない溜息をついた。
(ひかるちゃんとは少しわだかまりが無くなった気がするけど…)
下駄箱で上靴に履き替えながら、まどかの靴箱を見る。
(まだ来てないのか。)
教室に入ると小松と八田が寄って来た。
クラスの雰囲気が何か違う。
「何か変だな。」
呟く恭介に。
「おい、お前らハワイの一件でえらい噂になってるぜ。」
小松が小声で教える。
そう言われると、みんなが自分と鮎川の机を見ながら囁いている。
(今更なあ…)
恭介は虚しくなってくる。
そのまま椅子に座ると、自らもまどかの机を見るのだが、まだ来てない。
チャイムが鳴り先生が入ってくると教卓につく。
「起立!」
委員が声をかけた、まさにその時
ガラガラ!
みんなは一斉に音がしたもう一方の入口を見た。

まどかが知らん顔して入って来た。
460見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 10:29:18 ID:BaKD6Q6K
「おほんっ!」
先生が咳払いすると、みんなは慌てて前を向く。
「礼!・・・着席!」
先生の話が始まる。
内容は当たり障りがないことばかり。
みんなはハワイの一件について話があるのではと期待したが
鮎川家からのお願い(圧力)と学校側の配慮により伏せられた。
そして、全校生徒が講堂に集合するようアナウンスがあった。
期待が外れたみんなは、それでもヒソヒソ話をしながらまどかを見ている。
しかし、まどかは昔のようにただ窓の外を眺めている。
みんなが講堂に移動し出すと、遅れてまどかも移動した。
始業式の挨拶が始り、ここでも例の事件に触れられることはなく
形ばかりの話で終始した。

式が終わり、各自教室に戻る。
恭介はチラチラとまどかの方を見るのだが、彼女は相変わらず外を見ていた。

「お疲れ〜!」
「バイバ〜イ!」

1、2年は部活へと向かう。
3年生は久しぶりの友達との再会で、一緒に街に繰り出す。
恭介は小松たちとクラスに残っていた。
461見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 11:00:10 ID:BaKD6Q6K
「お前たちどうなってんだよ?」
「どうもこうも…振られたんだよ。」
小松と八田は顔を見合わせた。
「だって、ついこの間まで一緒に居ただろ。何でまた…」
「さぁ…。」
「ひかるちゃんを振った罰が当たったんじゃね?」
「あのなあ!」
ちょっとムキになる。
教室の窓から外を見ると、まどかが一人で下校していた。
少し辛くなってきたところに八田が
「今からひかるちゃんに土下座したら、また…」
「何言ってんだよ!!」
恭介はいきなり怒って教室を出て行った。
「何だあいつ、いつから冗談通じなくなったんだあ?」

一方、ひかるは…
早速部活の発声練習中。
(先輩、なんか暗かったなあ…)
やはり、大好きな恭介の事には敏感。
(まどかさんと上手く行ってないのかしら?)
くるみやまなみに尋ねる訳にもいかず、かといってこうやって
恭介のことを考えていること自体、相変わらず『引きずっている』訳で…
「あ〜もう!ダメダメ!!」
呟くと、頭を振って考えないようにしていた。
462見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 11:32:58 ID:BaKD6Q6K
カランコロン!
制服姿のまどかが現れた。
「え?…まどかクン!どうしたの?」
(アメリカに)
マスターは言いかけて、思い留まった。
ここのところ3人には、他人に計り知れないような問題が生じているようで
不用意に立ち入ってはいけないと感じられたから…。

「マスター、またバイトしていい?」
「そうしてくれると助かるんだが…」
「じゃあ、決定ね。」
そう言うと、まどかは店の奥に入って行った。

マスターは訊きたいことが山ほどある。
(ひかるちゃんは?春日クンとは…?
  一体どうなってるの?訊きたいけど…やっぱり止めとこう…
訊くと彼女を苦しめることになるかもしれないから…。)

今はこうやって自分を頼って来てくれているのだから、
そっとしておいてあげようと彼女の事を思い遣った。
まどかは自分のロッカーに入れておいたジーンズとTシャツに着替え
カウンターの中に入ってくると
「これ、洗うんでしょ?」
そう言って、溜まった食器を洗いだした。
今日の彼女には笑顔も何もない。
463見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 13:05:43 ID:BaKD6Q6K
夕方の店内でお冷をサーブしてまわるまどかの姿を
遠くから窓越しに見つめるあかねと恭介。
「ダメだ、全然分かんない…ガードが固くって読めないよ。」
あかねは断念する。
「そうか……。もう、俺達には心を閉ざしたんだろうな。」
寂しそうに呟く恭介。
「そんなあ…」
二人はもう一度窓を見ると、まどかがこっちを睨んでいた。
(うわっ!)
一目散に逃げ出す二人。

何かを背中に感じて窓の外を見ると二人と視線が合った。
(あいつら…あたしと何の関係が…)
追いかけて行って、とっ捕まえてやりたかったが
「まどかクン。これお願い。」
マスターから料理を運ぶよう言われ、思い留まった。
(春日って、同じクラスだよね。明日懲らしめてやる!)
まどかはぐっと握り拳を作った。

「な、なんで逃げるのよ!」
「お前だって…」
二人はそのままトボトボと公園まで歩いた。
夕暮れの中、ブランコに座る。
あかねはぼんやりと暮れなずむ街を眺めている。
そして、ふと恭介を見ると、彼もぼんやり夕陽を見つめていた。
恭介は、全てがここから始まり、そして今終わろうとするのを感じた。
何か懐かしい気分になってくる。
「3年間、いろんな事があったよなあ…」
呟く恭介を見ていると、あかねは辛くなってくる。
二人は黙ってしまった。

(恭介、お前どんな3年間だった?)

家では片づけが始まっていた。
464見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 14:06:24 ID:BaKD6Q6K
「明日は学校に退学届出しに行くか。」
「やっぱり駄目なの?」
「ああ、避けられない。辛いだろうけど今の内に
身の回りの整理と心の準備をしておきなさい。」
言われるがままに二人は部屋に入った。
「くるみちゃん、どうしよう?」
「まなみちゃんこそ何かいいアイデアないの?」
「…おじいちゃんなら。」
「そのおじいちゃんから出た話じゃない!」
今はくるみの方が冷静。
「私、まどかさんに嫌われたままじゃ嫌だ!」
そう言うと、まなみは泣き出した。

恭介が帰って来た。
隆は書斎を片付けている。妹達も諦めて片づけをしている。
春日家は静かな夜を迎えた。

カランコロン!
「いらっしゃ…ひかるちゃん。」
マスターはちょっと心配そうにまどかを見やった。
「あら、ひかる。いらっしゃい。」
やっとまどかに笑顔が戻った。
465見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 15:09:31 ID:BaKD6Q6K
「こんばんは。」
マスターは、二人の間で恭介をめぐる確執があったのではないかと
考えていたのだが、今のところ至って普通。
(はて…?)

「部活の帰り?」
「はい。まどかさん、早速バイト始めたんですか?」
「うん。学校居ても全然面白くないしね。かと言って、今辞めると
  親がうるさいだろうから…あ、何にする?」
「すみません、『あれ以来』お母さんがうるさくって。
  ちょっと寄ってみただけです。すぐ帰んないと。」
(『あれ以来』?)
まどかは考えた。
そして、少し思い出した。
「じゃあ…」
「あ、ひかる。待って!」
「後で電話します。ダッシュで帰んないと。」
そう言うと、店を出て、ホントに走り出した。
「ぷっ!あははは。ホントに急いでんだ。」
久しぶりに笑っているまどかを見て、マスターはちょっと安心する。
でも…

(この間はひかるちゃん振られたって泣いてたし、その次はまどかクン
  血相変えてひかるちゃん探してたし…この間の春日クンも変だったし…
   …一体どうなってんだい?)
466見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 16:10:06 ID:BaKD6Q6K
「お先に〜。」
「ああ、お疲れさん。」

まどかはまた学生服に着替えて帰路についた。
家に着くと玄関を開け、暗い家に灯りを点していく。
(いけない、タバコ買うの忘れ…あ、制服じゃマズイよね。)
ふと気付くと留守電が点滅している。
再生するとひかるから。
「まどかさん。まだ帰ってないんですか?
今日はもう遅いので明日学校で会いましょう。」
まどかは留守電をリセットして自分の部屋に上がる。
(明日からまたつまんない日々が…
あ、そうだ。あいつを懲らしめるんだった。)
着替えを持って浴室へ降りると、ぶつぶつ言いながらシャワーを浴びた。

一方、あかねも弟の一弥と一緒に荷造りを始めていた。
「お姉ちゃんがドジったからだよ!」
「メンゴ、メンゴ。でもあの場合しょうがなかったのよ。ああするしか。」
「恭介兄ちゃんも可哀そうだよね。せっかく一緒になれそうだったのに。」
「一弥あんた…マセてるわねえ!」
ちょっと笑って、また荷造りを再開する。
(あ〜あ、あと5日かあ。)

その頃まどかは
(何?この段ボール…)
467見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 16:31:48 ID:BaKD6Q6K
クローゼットの奥にある、厳重に目張りをした段ボール箱に気が付いた。
いま一つ覚えがないのだが、厳重なほど中身が気になる。
(あたしの部屋にあるってことは…やっぱり、あたしよねえ…)
まどかはパジャマ姿のまま、段ボール箱の目張りを剥ぎだした。
(…?)
中から宝石箱が現れた。
(なんだろ?)
そっと蓋を開けると、可愛らしいメロディーが流れ出す。
まどかがまだ小さい頃、パパに貰ったおもちゃの宝石箱。

「まどかの大切な思い出がたくさん詰まるといいね。」

そう言われたことを思い出した。
中にはたくさんの写真が束になって重ねてある。
そのいずれにも、自分やひかるの姿か景色だけが映っている。
そして…それ以外のものは…何も映っていなかった。
(それにしてもバランス悪いなあ…)
全ての写真から恭介の姿が、そしてあかねや妹たちの姿も消えていた。
まどかは写真から、自分がこの数年間で体験したいろんなことを
思い出した。
(スキー、ハイキング、これは…ハワイ?…信じられない!)
468見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 16:45:27 ID:BaKD6Q6K
明らかに鮎川家所有のコンドミニアムで撮った写真。
(うわあ〜思い出した。あいつのせいで事件に巻き込まれたんだ!)
まどかの頭の中には、早川みつるの姿が登場していた。
新たな歴史を捻出してしまう。
しげしげと写真を見ながら、次から次へと勝手な歴史を作り上げた。
(それにしても…)
ぽっかり間が開いてたり、自分が端に居たり…
もう一人、『誰か』の存在がどの写真にも必要なのだが…
彼女はそこに思い至れないでいる。

翌朝、
今日を入れてあと5日。

まどかは登校前、正門近くで待っていた。
前を通る生徒たちは不機嫌な顔のまどかに、まるで検問されているような気分で
すごすごと通り抜けている。
(…?あ、あいつら!)
向こうから春日一家がやって来た。
(あいつら…まとめて正体を暴いて)
「まどかさん、何やってるんですか?」
ギクッとするまどか。
「あ…先輩、お、おはようございます…。」
恭介たちがまどかとひかるにはち合わせ。
469見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 16:59:53 ID:BaKD6Q6K
「ひかる、こいつら…」
一家を睨みつけている。
(鮎川…)
恭介は彼女の眼つきに、もう何の希望も無いことを悟り悲しくなった。
くるみとまなみは豹変してしまったまどかのそんな姿を怖がっている。
「さあ、行こう。」
隆に促され、家族は職員室へと向かった。
一方、ひかるは春日家を睨みつけるまどかに驚きながら
「まどかさん?まどかさんってば!」
途方に暮れている。

校長室では教頭先生も含め和やかに会話が進んだ。
「そうですか、お仕事の関係で留学ですか。」
「いや、急に決まったもので、申し訳ありません。」
「お子さんたち、特に恭介クンは成績も伸びて、期待していたんですが。」
「いや、お恥ずかしい。」
「では、履修証明書を至急作成しましょう。ああ、英文がいいですかな?」
「え?ああ、そうですね。日本語のものと2部作成して頂けますと…」
「承知しました。」
「この件はご内密に…」
「解っております。」
家族が出ると、校長先生と教頭先生が話し始めた。
「あんな事件に巻き込まれたんじゃ、もうここに来にくいですよねえ。」
勘違いしている。
470見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 17:10:04 ID:BaKD6Q6K
隆は先に帰った。
子供たちは、そのまま授業に合流する。
「どうしたんだよ?」
「うん、引っ越しするかも。」
「ええ?!」
恭介も妹達もみんなから訊かれる度に引っ越すことを伝えるが
行先や事情については徹底的にシラを切る。
そして、昼休みまでには春日家の転居の噂が広まっていた。

昼休み、3人は校舎裏の花壇に集まる。
「みんな、私達がハワイの一件で居辛くなったって思ってるみたい。」
「それはそれで好都合だよ。…ところで、ひかるちゃんには言った?」
「うん、最初はショックを受けてたみたいだけど、
どこに居ても友達だから絶対会いに行くって…
 …それから、お兄ちゃんともう一度会いたいって言ってた。」
くるみは少し涙ぐむ。
「そう…。」
下を向く恭介とくるみを励ますようにまなみがしっかりした声で
「とにかく、あと5日頑張るしかないわね。」

そんな彼らを、彼女が校舎の上から睨みつけていた。
3人は刺すような視線を感じて上を見上げると、
風にあおられ髪を逆立てたまどかの姿が。
しばし見つめあった後、恭介は視線を逸らし
「行こう。」
怯える妹達の背中を押してやった。
しかし、まどかは視線を逸らさずまだ睨んでいる。

授業中
恭介は、もうまどかの方を見なくなった。
なのに、今度はまどかがチラチラと恭介を睨んでいる。
彼女の雰囲気が悪いのにはクラス中が困っていた。
先生たちも気になって仕方がない。
471見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 17:16:27 ID:BaKD6Q6K
「授業中の態度は相変わらずなんですけどねえ…」
「いや、まだ外を眺めてるか寝てくれてた方がやり易いですよ。」
「やっぱり夏休み何かあったんでしょうねえ。」
「まあ、春日君も転校してくれるし…あ、失礼。」
「そうですね、そうなればあの子もまた元に戻るんじゃないでしょうか?」

学力的にはまどかは高陵の金看板だが、なんせ先生たちの評判が悪い。
いっそ、彼女が転校してくれたらと思われてもしょうがなかった。

放課後、
まどかはひかるを探しに校舎の一階に降りてきた。
ピクッ!
すれ違う1年生に何かを気付く。
「ちょっと!」
「はい?」
呼び止めると
「付き合ってくれる?」
そのままトイレに連れていく。
低い声で
「出しな!」
「な、何をですか…」
「解ってんだよ!!匂いがすんだろ!」
彼女の恫喝に1年生はビビッてしまい、恐る恐るポケットから
取り出した。
472見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 17:28:08 ID:BaKD6Q6K
まどかはひかるを探すが、もう部活に行っている。
(しょうがないや。)
トイレの換気扇を回すとタバコを吸いだした。
「ケホッ!ウエッ!」
半分も行かない内に、便器の水につけて消してしまった。
そして、ティッシュに包むと、今度は蛇口で水に濡らしてゴミ箱に捨てた。

(さてと、行くか。)
まどかはアバカブへ向かった。

カランコロ〜ン!
「よう、まどかクン…」
(ん?)
「おはよう、マスター。」
まどかは着替えに入った。
(まどかクン…タバコの匂いが…)
「さあ、仕事、仕事っと。」
吹っ切れた顔のまどかが出てきた。

この日からまどかのタバコ狩りが始まった。
そして、その噂はすぐに広まった。
473見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/08/29(日) 17:29:44 ID:BaKD6Q6K
あと、残すところ4日。
今日は土曜日。学校は休み。
一家は片付けを始めた。
ピンポ〜ン!
「こんちわ〜。」
あかねと一弥がやって来た。
「随分片付いたわね〜。で、これどうすんの?飛ばしてあげようか?」
すかさず一弥が突っ込む。
「そんなことするから引っ越ししなきゃいけないんだろ?」
「そうだった。あはははは!」
久しぶりにみんなに笑顔が戻った。
「お前ん家は片付いたのかよ?」
「うん。ほとんどじいちゃん家に運んだ。あ、トラックでね。」
「俺たちも、大きなものは明日運び込む予定だよ。」
「ねえ、お昼にしない?」
「僕、まなみちゃんの焼きそば食べたい!」
「あたしも!」
「じゃあ、買い物一緒に行こうか。」
くるみとまなみは一弥を連れて近くのスーパーに買い出しに行った。

「恭介、いよいよだね。」
「うん。」
「ごめんね…。」
「何あらたまってんの!しょうがないだろ?」
「でも…」
「いいって、もう鮎川のこと…忘れられそうだから。」
(…!!)
あかねは恭介に抱きつくと、大声で泣き出した。
「ゴメン、ゴメン…」
474見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/02(木) 16:12:55 ID:FAE+7jB+
妄想が暴走してるし。
475見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/02(木) 22:10:01 ID:62ADHSVI
元祖さんはどう思います?
476見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/04(土) 11:55:57 ID:EmkHu9as
なんで元祖に訊くんだ?
477元祖:2010/09/05(日) 21:35:12 ID:dIIcBjQT
今のところ、ショックですけど
作者様のこと信じてますから。
478見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/06(月) 11:44:44 ID:JjQruptn
>477
いい加減作者に様を付けるのやめないか?
大した作品でもなかろうに。
479見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/06(月) 22:59:04 ID:G4MdEKhl
まあ元祖は作者に現実を見つめられないという共通項を見いだしてる訳だから
尊敬して止まないんだろう。
480元祖:2010/09/06(月) 23:06:04 ID:UtmA3UVq
敢えて言わせてもらえば
ここは「作者様」に作って頂いたスレですから大切にしたい!
その一点での尊敬語なんです!
481見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/06(月) 23:13:19 ID:ynnmsFHC
別に様は要りませんよ〜。笑顔!
482見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/06(月) 23:34:17 ID:fZfDJ0ZY
こういうのを馴れ合いつ〜んだろうな。
寝る前にヘドが出そうだぜ。
483元祖:2010/09/06(月) 23:36:55 ID:UtmA3UVq
作者様・・作者さん?
やっぱり作者様にしま〜す!
484元祖:2010/09/06(月) 23:43:22 ID:UtmA3UVq
皆さん同じ時間に覗いてる訳だから
あたしと同程度かと?
あたしを笑うのって、ご自分を笑うのと一緒では?
まあ、お好きに煽って下さいな。
485元祖:2010/09/07(火) 20:16:18 ID:MYAE5O+A
す、すみません!
これじゃあ、あたしが煽ってますね‥!
反省反省‥!
486見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/07(火) 20:56:07 ID:79V4NeJ0
連投はよせ。
見てて恥ずかしい(〃д〃)
487見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/07(火) 23:01:47 ID:/oNnn1E4
まどか=沢尻エリカ
はどや?
488見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/07(火) 23:42:34 ID:nMKSwTNT
あんなヨゴレと一緒にすな!!!!!
489見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/08(水) 22:47:05 ID:cGFH8IFk
元祖起きてるか?
今日は発言無しかい?
490見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/11(土) 11:10:04 ID:gguA94P+
おれも妄想小説かこうかな。
491見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/12(日) 06:18:42 ID:6ayNQzMu
止めた方がいい!
492元祖:2010/09/16(木) 23:00:32 ID:21wsFpB8
まどかちゃんとあかねちゃん今年もハワイ行くのかしら?
年末でしょうか?
493元祖:2010/09/17(金) 00:22:16 ID:cOzXaTp5
やったー!
494見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/17(金) 02:00:22 ID:U+U6zhY0
???・・・なんかいいことあったのか?
495見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/18(土) 12:06:27 ID:XCXgZYn5
何が「やったー!」なんだ?
論文が通ったのか?まさか彼氏が出来たとか・・
気になる。
496見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/19(日) 02:54:55 ID:h/oL2hEC
脱臼の急患に起こされた!研修医にやらせたらできません〜だと。んにゃろ!

話し変わるが、まさかハワイいくんじゃ・・・・
いいなあ。
医局長に頼んでワシもいこうかな。
ああ、逃避さたいぜ。
497元祖:2010/09/19(日) 11:03:44 ID:el1UOVTo
ドクターさん、お久しぶりです。
大変でしたね〜!

まどかちゃん達と会えるかどうか分かりませんけど
ハワイ編のオフ会してきま〜す。
498見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/25(土) 18:55:51 ID:nX1Pm4ET
一ヶ月待ちは覚悟してたけどねー

過ぎてまっせ!
499見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/27(月) 14:08:05 ID:gwMPNvyE
9月は梨ということ?
500見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/27(月) 22:18:47 ID:s/qzlPdK
確かに梨の季節ではあるが・・・・・面白みに欠ける。
501元祖:2010/09/27(月) 23:13:46 ID:u52urfi0
梨かリンゴかと言われたら
リンゴかな〜?

ところで作者様〜、まだでしょうか?
502元祖:2010/09/28(火) 22:27:16 ID:By6Cwewm
ふ〜疲れました。
今からまどかちゃんの「野菜のゼリー寄せパスタ」作ってみよーっと。
ワインも冷えてるしー。
503見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/28(火) 22:57:35 ID:BeJsMWTF
お前、いいなあ。
こっちは検食すら慌てて食ってんのに。

以前まどかが旨そうに
QQ!
504見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/28(火) 23:17:47 ID:55+xvYCO
>503

後半意味不明・・・・・
505元祖:2010/09/28(火) 23:58:33 ID:By6Cwewm
まどかちゃん天才だ〜!
スッゴく美味しかったです〜!
今、後輩の子たちがお片付けしてくれてます。
彼女たちにも大好評でしたよ〜!
彼女たちにもきまオレワールド洗脳中です。でも気持ち悪がられてます。
ハワイに行く頃までには‥
506元祖:2010/09/29(水) 00:02:54 ID:onTihdvX
504さん、多分救急のことでは?
ドクターさん、頑張ってくださいねー!
507見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/29(水) 00:21:12 ID:Mci4FBMC
なるほど。書いてる最中に呼び出されたって訳ね。
つ〜か、2ちゃん見てね〜で仕事してたら?って言いたい。
508見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/29(水) 08:36:03 ID:QmdW2WNk
その夜、まどかはメビウスで弾けるように踊っていた。
したたか飲んでいる。
昔の悪たちは別の店に移動してしまった。
とにかく、このところのまどかは性質が悪い。
すぐに睨んで因縁をつけたかと思えば、急に笑い出したり。

それなりの後輩たちがまどかのまわりに群れ出した。
「鮎川先輩、どうぞ。」
後輩にタバコを勧められても
「いや、止めとくよ。貰いタバコはしないから。」
どうしても、噎せてしまうのが立場上カッコ悪い。
1時も過ぎるとさすがにフラフラになる。
「じゃ、帰るか…。」
飲み足りなさそうな顔をするが、実のところ眠たくてしょうがない。
4年間できれいに洗い流された心と体は、そんなにすぐには汚れない。
後輩たちに小遣いを渡すと先に上がる。
店の出口で見送られた。
「お疲れ様でした〜!!」

まどかは一生懸命つっぱっているけれど、
家に帰ると、どうしようもない孤独に襲われた。
509見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/29(水) 08:40:12 ID:QmdW2WNk
昔はすぐにひかるに電話していた。
でも、今ではひかるは部活に入れ込んで、まどかの相手をする暇がない。
何よりひかるは『大人』になっている。
まどかの心は中学生に戻ってしまった。
ひかるを見て、ひかると話すと、自分の方が幼く感じ嫌になってくる。

後輩から巻き上げたタバコに火をつけるけど、やっぱり噎せてしまう。
消してしばらくするとまたトライする。
ひと箱開けてやっと観念した。
「ダメだ、ちっとも美味しくない…。」
これを繰り返すものだから、すぐに足りなくなってしまう

部屋には、誤魔化しようのない位タバコの匂いがこびりついた。
そして服にも髪にも…。

(明日は日曜日かあ…明日ひかるを呼び出して訊いてみよう。)
まどかは恭介の家でひかると一緒に寝かされていたことを
少しづつ思い出していたけれど…『肝心なこと』は思い出せないでいた。

そして日曜日
ルルルルル!
「はい、桧山…あら、まどかちゃん。」
「こんにちは。ひかる居ますか?」
「…ちょっと待ってて。」
電話を保留にするとひかるの部屋に行く。
510見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/29(水) 09:09:11 ID:QmdW2WNk
ひかるはヘッドホンを付けて、講師に借りた演劇を聴いていた。
部屋に入って来た母親を見上げると
「なに?」
「電話。まどかちゃんから。」
「…うん。」
母親は堪りかねて口にした。
「あんた、もうお付き合いするのやめなさい!」
最近のまどかの素行の悪さは母親の耳にまで届いている。
「なんで?知らないくせに。」
ひかるはプイっと横を向いて電話の方へ小走りに行った。
「はい、ひかるです。」
「あ、ひかる。今日くらいあたしの相手してよ。」
「プッ!あははは。何言ってんですか。相手してもらってるのは
  あたしの方じゃないですか。まどかさんおっかし〜い!」
「じゃ、ひかるがいい時に家においでよ。」
「は〜い!ラジャー!!」
受話器を下ろすと途端に暗くなるひかる。
務めて明るく振舞うけれど、まどかの素行の悪さは
今じゃ学校中の噂になっている。
近々学校も動き出すらしい。
(恭介先輩と上手く行ってないのかな…?
先輩達には上手く行って欲しいのに…)
健気にもひかるは
(あたしが二人を支えなきゃ!)
そう本気で思っていた。
511見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/29(水) 09:13:29 ID:QmdW2WNk
ピ〜ンポ〜ン!
「こんにち…」
ひかるは絶句した。
ドアが開いた途端、すごいタバコの匂いが流れてくる。
(ま、まどかさん…やっぱり…)
「入んなよ。」
「お、お邪魔しま〜す。」
家の中は相変わらず片付いて奇麗なのに、匂いだけはどうしようもない。
匂いはまどかの部屋にとどまらず、家中に広がっていた。

ひかるは息苦しくなるのを堪えた。
「ねえ、ひかる。あのさぁ…あの、うちのクラスに春日ってのが居るだろ?」
(『かすが』?…まどかさん、何言ってんの?)
「この間さあ、ひかると二人であいつん家に居たよね?」
「はい。あのことはあたしもあんまり覚えてないんですけど…
  でも、まなみちゃん達からまどかさんが命の恩人だって聞かされて、
   だから、だから…」
身を呈して自分を救ってくれたまどかを、今まで以上に心から慕っている。
だから、まどかには『幸せ』になって欲しいと本気で思っている。
「…その『まなみちゃん』って誰よ?」
「誰って…」
(ええ…?ウソでしょ?…まさか!!)
「まどかさん、ひょっとして先輩達のこと…忘れちゃったんですか?」
「先輩って、春日のこと?」
ひかるは愕然となった。
相当ショックを受けている。
(自分が『奪って』おいて…忘れるなんて…)
512見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/29(水) 09:16:48 ID:QmdW2WNk
「まどかさん、どうしちゃったんですか?何があったんですか?」
「それがさあ、あいつら『変な力』持っててね。あたし見ちゃったんだ。」
饒舌に語るまどかにひかるはしばらく黙って聞いていた。
「あんた見なかった?…そう、気付かなかったの。このこと?
ううん、まだ誰にも言ってないんだけどさ…」
まどかは春日家のことやあかねのことを告発しているつもりなのだが、
ひかるにとっては『変な力』なんてどうでもよくって、そんなことより、
今まで自分たちに温かく接してくれた春日家を、まるで化け物のように
悪く言うまどかに、だんだん我慢が出来なくなっていた。
わなわなと体が震えだすと、ボロボロと涙が溢れてきた。
「酷い…まどかさん…こんなのまどかさんじゃない!」
まどかはびっくりして見ている。
「こんなのまどかさんじゃない!!」
ひかるは立ち上がって帰ろうとする。
まどかは慌てて
「ひかる…今、コーヒー入れるから…」
しかし、ひかるはまどかを許せなかった。
「失礼します!」
とうとうひかるは出て行ってしまった…。

(ひかる…あたしを一人にしないでよ…。)

まどかは玄関に一人立ちつくした。
513見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/29(水) 12:14:33 ID:fvAtIeGu
>507
大きなお世話だ!
仕事はお前さんの倍以上やってるよ。

ところで、微妙にアップされてるけど
まどか荒れてんなぁ・・・
514見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/09/29(水) 22:19:56 ID:fvAtIeGu
おーい!10時過ぎたぞ〜!
どうした?元祖
515元祖:2010/09/29(水) 22:38:10 ID:onTihdvX
えー見てますとも。
ドクターさん、からかってるんですか?
ショックですよ、そりゃあ。
ひかるちゃん、頑張って〜!
まどかちゃん、目を醒ましてよー!
516見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/02(土) 11:41:40 ID:65ZgKHiQ
まどか本領発揮じゃない?
517見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/02(土) 15:37:43 ID:FbeHeM0s
酒、タバコ、喧嘩、
後は男だけだな。
518見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/02(土) 22:01:56 ID:K3hlsSge
男遊びをする鮎川って・・・イメージできねえ。
519元祖:2010/10/02(土) 23:12:05 ID:Zk0lCSYh
ふ〜、ちょっと酔って帰宅途中
どーして男の人ってこうなのかしら?

こんな話題で盛り上げないで下さいな‥

は〜‥
520見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/02(土) 23:43:29 ID:A6rHecd8
ここは厨房男子の集いの場です♪
みんなからすれば、君こそ異色!!
521元祖:2010/10/02(土) 23:54:19 ID:Zk0lCSYh
帰宅ナウ。
作者様ごめんなさい‥
まどか「へ〜・・・」
522見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/04(月) 21:30:42 ID:olFudQuU
ついったーのつもりか!ばーーーーーか!!!!!!
523見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/05(火) 11:53:44 ID:Zr2unIx3
バカ呼ばわりはないと思うぞ。
524見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/06(水) 18:57:44 ID:eDjcF4xz
元祖 大学どこ?
学祭行くからさぁ
525元祖:2010/10/06(水) 23:33:43 ID:uqNAaCEu
スルーということで‥
526見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/09(土) 00:05:01 ID:CBnN7Ysz
お前さん、院生だろ?
何専攻さてんだよ。

いつまでもこんやとこにしがみついてないで
修士博士とって親孝行しなよ。
527見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/09(土) 11:41:17 ID:VF6UpMLh
上げんな、毒多!
528元祖:2010/10/09(土) 21:21:43 ID:Qu4sxi9p
な〜んか嵐の予感‥
529見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/09(土) 22:18:14 ID:vY3MQlvY
呼んだか?
つまらない当て字すんな!
530見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/10(日) 11:11:51 ID:PTVwgXXc
ピンポ〜ン。
「は〜い。」
まなみが玄関を開けると、そこにひかるが立っていた。
目が相当腫れている。
「ひかるちゃん…どうしたの?」
すると、ひかるの目から大粒の涙が溢れ出す。
まなみはひかるを家に招き入れて座らせた。
「落ち付いて、ひかるちゃん。何かあったの?」
コーヒーを入れて差し出すが、ひかるは黙ったまま。
何を訊いても答えない。
「ただいま。」
夕方になって運送会社から恭介が帰って来た。
隆は今夜、じいちゃん家に泊まる予定。
「お兄ちゃん…」
姉妹が困った表情をしている。
「どうしたの?」
奥を覗くと、ひどくふさぎ込んでいるひかるの姿が。
「ひかるちゃん…。」
ひかるは恭介の顔を見た途端、我慢できずにしがみつき…
声をあげて泣き出した。

ほとんど家具が搬送された殺風景な部屋で、ひかるを囲むように
3人が座っている。
「一体どうしたの?」
「先輩…まどかさんと何があったんですか?」
みんなは顔を見合わせた。
「あんなのまどかさんじゃない!」
「…ひかるちゃん、鮎川は今は…『いつもの鮎川』じゃないけど、
  もうすぐ元に戻るって。心配しないで…」
「先輩、何でまどかさんを放っておくんですか?
  どうしてついててあげないんですか?」
531見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/10(日) 12:16:30 ID:PTVwgXXc
「それは…」
「どうして引っ越するんですか?あのままじゃ、まどかさんダメに…」
「大丈夫だって、鮎川は強いから。」
「本気でそう思ってるんですか?」
恭介だって解っている。でも、こればっかりはどうしようもない。
「きっと…」
「納得できない!これじゃ、あたし、何のために先輩を諦めたか…!」
恭介はそれ以上説明ができなかった。

しかし、一つだけ予想できることがある。
それは、自分たちが『居なくなる』こと。
そうすれば、今のまどかの奇行は止むはず。
そんな気がしている。
そして…居なくなった時…
初めて自分たちのことを、今度こそきれいに忘れ去ってくれる、
そんな気がする。
だから…自分たちはもうこの世界に留まってはいられない訳で…
それは何より『鮎川のため』にも。

恭介はもう一度、心を強くして、でも思いっきり優しく微笑む。
「絶対心配ないから。断言するよ。」
「……」
「ほら、またお母さんに怒られるから。俺送って行くよ。」
今まで聞きたくても我慢してきた恭介の優しい言葉を、
こんな形で聞かされるのが…ひかるにとっては残念で仕方なかった。

ひかるを送り届けると、間もなくして恭介は帰って来た。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
恭介は心配そうに見ている妹達に少し微笑むとバスルームに向かう。
そして、シャワーを浴びると着替えを済ませ部屋に入ってしまった。
妹達はそんな兄の姿が気になってしまう。
532見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/10(日) 13:17:11 ID:PTVwgXXc
トントン。
「何?」
「私とくるみ。入っていい?」
「うん。」
パジャマ姿の姉妹が入って来た。
「どうした?」
「まどかさんのこと。1年生の間で悪評が凄くって…」
「うん、もう学校全体に広まってるみたい。」
「どうしてああなっちゃったのかしら?」
「解んないよ。でも…俺たちが消えれば、元に戻るんじゃないかなって。」
「それって、悲しい。私、まどかさんの事お姉さんのように思ってたのに。」
「そうだよな、お前たちの事すごく構ってくれてたもんな…」
「居ると迷惑がかかるって…まるで、くるみたちの存在が悪いみたい!」
くるみが口をとがらせた。
「仕方ないだろ、行きがかりであんなことになったんだから。
今を思えば、それもこれも全部『俺のせい』だったような気がするよ。」
諦め顔で天井を見上げる。
「『あっち』に行ったら、もう誰とも会えないの?」
まなみが寂しそうに呟く。
「うん、そうらしい。それどころか、じいちゃんが言うには、こっちの物でも
個人を特定できるようなものは持って行っちゃダメなんだって。
…そこから『揺らぎ』が生じるから。」
「え〜、じゃあ、写真は?手紙も?」
「見てないのか?」
「うん。」
「荷物に積んだ?」
「大事なものはかばんの中にあるけど…」
「じゃあ、見てみなよ。」
姉妹は慌てて部屋に戻りカバンを持って来て開いた。
「あ〜〜〜!!」
533見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/10(日) 14:28:19 ID:PTVwgXXc
自分たち以外の誰もが消えている。春日一家、あかねの家族、そして
田舎のじいちゃんばーちゃんは映っているのに、それ以外の人物が…
まどかとひかるが消えている。もちろん小松と八田も消滅していた。
慌ててひかるに貰った手紙を取り出すと、それはただの便せん。
「こんなこと…」
まなみは隠しておいたまどかのハンカチを探すのだが、入れ物だけで
中身が消えている。
「嫌だ、まどかさんの思い出が…」
くるみもひかるに貰ったぬいぐるみを探すのだが見つからない。
「絶対入れておいたはずなのに!」
引っ越すってことは、存在しなかったことにするってことを意味する。
強く関係性を示すような証拠は片っぱしから消えていく。
「何だか…俺たちがここに生きてた証拠が無くなるって辛いな。」
気落ちする3人だったが、
「もうどうしようもないからさ。それより、次に行くとこって
  どんなとこだろ?」
気持ちを切り替えようとするけれど、妹達は乗ってこない。
「お兄ちゃん、おやすみ。」
二人は静かに部屋を出て行った。
534見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/10(日) 16:45:01 ID:PTVwgXXc
今日は月曜日
今日を入れてあと2日。

いつも通りの登校風景。
恭介たちは今日が最後の登校。
授業の間、小松や八田が連絡先を教えるようせがむが、
着いたら連絡するの一点張り。
どうせ明日、みんなは一斉に春日家に関心が無くなるはずだから。
一部の仲間が恭介との名残を惜しむように話しかけてくる。
そして、そんな連中は、例外なくチラッとまどかの方をみるのだが
今日はまだ来てない。

3限目になって、やっと彼女は登校してきた。
しかし、かばんを置くとすぐに出ていく。
「またタバコ狩りだぜ。」
ひそひそ話が聞こえてくる。
戻って来た鮎川を先生が止めた。
「ちょっと待て。ポケットの中身を見せなさい。」
「なんで?」
「いいから見せなさい!」
まどかは舌打ちをして、ハンカチやティッシュ、財布を取り出した。
「それだけか?」
「御覧の通り。」
「すまんが…」
そう言うと、先生は胸のポケットを覗くと、今度は腰のポケット辺りを
パンパンと触って、タバコが無いことを確認した。
「よし、座れ。」
「スケベ。」
「な!なんだと〜!?」
まどかは知らん顔して座ると、外を眺め出した。
535見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/10(日) 19:08:51 ID:PTVwgXXc
授業の雰囲気は最低。先生も怒りが収まらない。
(どうしてあんなに変わっちゃったんだろう…?)
なんともやるせない気分の恭介。
休み時間、ひかるがやって来た。
もう、まどかは居なかった。
「先輩、学校今日が最後なんですか?」
「うん、明日町を発つからね。」
「お見送りしちゃダメですか?」
「だって、明日も学校あるじゃない。ダメだよ。」
「あんまりしつこいと嫌われるから…じゃあ先輩、握手してください。」
「うん。」
久しぶりにひかると爽やかな関係になれた。
今まで引きずっていたものが解消され、二人に笑顔が戻った。
「ひかるちゃん、元気でね。『向こう』に着いたら連絡するから。」
「はい!待ってます。」
でも…恭介にはそのつもりはなかった。
『向こう』に行ったら、みんなは自分たちのことを忘れるはず。
嘘をつくことに虚しさを覚える。
(ひかるちゃん、今までホントに有難う…)

「あ、先輩。最後はちゃんとまどかさんをリードしてあげて下さいね。」
そう言うと、ペコリと頭を下げ、屈託のない笑顔を残し教室を出て行った。
536見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/10(日) 22:18:24 ID:aC7uSVE2
まどかになんか恨みでもあるんか?
上げたり下げたりしてよ。
まつもとみてたら怒るでぇ!
537元祖:2010/10/10(日) 23:10:11 ID:GqgGPtNP
同感です〜。

でも、信じて着いて行くしかないのよね‥

はしゃいでた自分がバカに思えて
悲しくなってしまう。
もう寝ようっと。
皆様、お休みなさい‥
538見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/10(日) 23:26:57 ID:aC7uSVE2
>元祖

お前イレ込み過ぎちゃう?
「あの日」みたいにトラウマになるぜ。
所詮「妄想」なんだから、気楽に読んでたら
いいんちゃう?
539見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/11(月) 12:20:21 ID:SVCPUcqi
ここのところ内容がずーっと暗いよなあ。
540見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/11(月) 23:25:25 ID:pp5sLlic
一回落ちるとこまで落ちてしまえばいいんじゃ?
541元祖:2010/10/11(月) 23:36:55 ID:PoYTQVDJ
>540さん

な、何を言ってるんですか〜!
ヘンな煽りしないで下さいな。
542見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/11(月) 23:53:54 ID:Ice9pruZ
異性への純情さえ捨てなきゃ、ヤサグレまどかもいいもんだ。
543見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/11(月) 23:58:50 ID:pp5sLlic
連休最後にウヨウヨ湧いて来たな   藁!!!
544元祖:2010/10/12(火) 00:06:39 ID:P95DQR6S
もう結構!
おやすみなさいませ。
545見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/12(火) 10:22:41 ID:VMoHh6MF
荒れてるな元祖。たかだか妄想に熱くなるな。
546見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/14(木) 16:56:22 ID:0TpmLxnJ

>あと二日

この妄想は1日に数カ月かかるから、年内終了でいいでつか?
恭介が居なくなってジ・エンドってか。
547見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/15(金) 19:55:10 ID:bHM9H5iQ
妄想はエンドレス。
548見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/15(金) 22:05:35 ID:k5EF+gil
エンドレスって、いい加減引っ張りすぎだろ?
549元祖:2010/10/15(金) 22:25:15 ID:BidprdwU
確かに「あの日」は映画に沿って迎えました。
でも、二人が大学に合格するまで続けてホシイデス。
そして、願わくば三人にはこれ以上苦しんで欲しくないです。

もっと欲を言えば、もう一山ないかなあ〜?
まどかちゃん、早く目を醒ましてよー!
550見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/15(金) 23:21:51 ID:atlWZ0/O
正直、まどかがアメリカ行くって言い出した時には終了を予感した。
いい終わり方だなと。
それがひかるが落ちるとこら辺からつまらなくなった。
どういう展開にする気か知らんけど、
今はとりあえず読んでる。
あっという展開は期待してないが。

今年で妄想三年目か。
よく頑張ったよ、作者。
じゃ、お疲れ!
551見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/16(土) 12:20:47 ID:qeAbD1mJ
期待されていないのを承知でダラダラと続けようかな。
大学合格かあ…ハワイで考えてみようっと。
552見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/16(土) 18:03:59 ID:Ef3HVor0
作者さま
楽しみにしているんで続けてください
553見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/16(土) 18:32:20 ID:YIL55dg9
い〜なあ、君達。
この不況のさなかにハワイですか?
554見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/17(日) 22:32:41 ID:wLJQfdaS
の夜長に考えてみた・・・
元祖、お前って一体何者?

リアルタイムで観てたオレ達と随分な年齢差があるはずだが?
レトロに首突っ込んでマイワ−ルドに浸るタイプか?
555元祖:2010/10/17(日) 23:35:24 ID:UgnPDdGv
いつだったかしら?
テレビで「あの夏」を偶然見てハマりました。
確かに、同性で知ってるひとはいませんね〜。
それからというもの、レトロスペクティブにあさりましたよ、そりゃあ。
あらゆる関連キーワードで検索かけて
やっとここにたどり着きました。
古典でも「名作」は語り継がれるものと考えますが、きまオレは当にそうです。
原作もアニメも、そして「あの日」も大好きです。
勿論、ここも大好きです〜〜!
若輩者のあたしがメンヘラなお兄様の世界に出入りするのって
おかしいかなあ?
556見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/18(月) 11:43:49 ID:OSfhByys
>メンヘラなお兄様

余計なこと言わなくてよろし!
557見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/18(月) 19:29:16 ID:9zA20FnR
すぐ調子に乗る元祖・・・・・
558元祖:2010/10/19(火) 20:29:10 ID:oKw22T8z
ごめんなさい‥。
559見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/19(火) 22:27:22 ID:twhYxkM7
素直に出られても気持ち悪いぞ。

お前は小生意気な位が似合ってるぜ。
560見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/22(金) 00:07:30 ID:o+XCkCRq
どうせあと何週間かかるんだろうな。
暇つぶしに元祖、何か面白いこと書いてくれ。
561元祖:2010/10/22(金) 01:48:39 ID:U4o3qqwm
学祭の準備で忙しいったらありゃしない。
帰って見たら「何か書け」と‥

あたしは中高ずーっとカトリックの学校でした。
聖書の時間に、人を作った神は誰が作ったんですか〜って
生意気なこと言って立たされたことがありまし。
でも、マリーさんが言ってた「感じる瞬間」ってあると思います。
あのシーンはクロアカ牧場のことかな?
まどかちゃんと同じ空気を吸ってけようっと。
さあ、もう寝ようかしら?
皆様おやすみなさいませ〜。
562見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/22(金) 09:48:45 ID:EdRpk/Eu
元祖そ−と−眠たかったんだろうな w
563元祖:2010/10/22(金) 22:21:09 ID:U4o3qqwm
恥ずかしいです〜!
ワイン飲み過ぎました。
564見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/22(金) 22:32:08 ID:EdRpk/Eu
作者は今後まどかをどうするつもり?

まどかファンのオレとしては
恭介が去った後、また二人が階段の所で出会ってハッピーエンドって形を期待してるのだが・・・・
565見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/23(土) 10:46:23 ID:JHcxdxHP
それって淡いなあ・・・
終わり方としてはな〜んかキュンと来る。
566見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/23(土) 16:54:40 ID:/RRy7Fu1
で、続けはまだですか♪
567見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/23(土) 18:57:25 ID:Prey79/P
元祖と言い566と言い
わざとなのか、単にバカなのか・・
イライラするから書きこむ前にちゃんと見直ししてくれ。
568元祖:2010/10/23(土) 22:02:18 ID:H6U71rgc
>564さん

それって、素敵でね〜!
でも、まどかちゃんは恭介クンのこと覚えているのかしら?
ああ‥あたしまで勝手に妄想しちゃいます。
569元祖:2010/10/23(土) 22:05:54 ID:H6U71rgc
あっ、言われてるそばから「す」が抜けちゃったー!
ごめんなさ〜い。
570見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/23(土) 22:39:07 ID:5Nppazdj
誤字脱字を気にしないでください。
そういうラストって考えもしなかったなあ…。
571見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/23(土) 23:12:22 ID:JIgXByCE
土曜なのに以外と暇だな・・・・

ところで、それって原作のパクリだよな?
まあ、この妄想自体所々でめぞんをパクってるし
そもそもがきまオレのパクリだし。
まつもとが知ったら、スレ削除されるだろうな。
いや、相手にされないか。
572見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/24(日) 01:11:57 ID:NozuHTZQ
土曜とは言え、活況なスレ。
573見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/26(火) 04:34:46 ID:7EdIu/U3
この先どうなるんでしょう?レスで賑わうよる続くが読みたいんですが。

>最後はちゃんとまどかさんをリードしてあげて下さいね

これって今後の展開のキーワード?
574見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/26(火) 20:15:34 ID:6/1ffw9a
なんかおもしろいこと書けよ−−−−−
575見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/27(水) 13:03:26 ID:Mc0FQvFY
元祖、お前さん年末は常夏の島に行くんだよなあ?
今日みたいにちょっと冷える日は羨ましくなる。
スレチだが、お前最近どんな曲聴いてんの?
こそっとおススメを教えてくれ。
576見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/27(水) 20:57:48 ID:pE64/R49
キミ元祖に惚れたの?
577見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/27(水) 21:49:09 ID:sIeVRdQr
つまらんこと書くな!
調子づくやろ?!
578元祖:2010/10/27(水) 22:26:12 ID:TgC5BQZs
調子に乗らないように気をつけます。

ちょっと古いんですけど
Linaの feel the loveを通学の時に聴いてます。
お天気の時はちょっとレトロな自転車に乗って行くんですけど
ゼミの後輩達には「初号機」って
ボスには「流星号」って言われてます。

秋だから運動しないとですね〜!
579見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/27(水) 22:43:45 ID:pE64/R49
ゼミの後輩のセンスの無さに乾杯!
580見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/27(水) 23:10:24 ID:K7WfzUkO
チャリ通の美人が上智にいるって聞いたことあるが…
まさか?
581元祖:2010/10/27(水) 23:56:11 ID:TgC5BQZs
上智でも美人でもないです〜。
想像が妄想にならない様お気をつけ下さいませ。
582見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/28(木) 13:08:15 ID:Cc3/RBSy
さっき聴いたが、なかなかかわゆい曲だ。
スレチになるから「あっち」に書くわ。
583見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/28(木) 21:24:57 ID:r32ySJMN
↑やっぱ妄想してるw
584元祖:2010/10/28(木) 22:21:25 ID:EVOEM85U
作者様〜、まだでしょうか?
寒くなりましたが、健康には気をつけて下さいね〜。
あ、それと、タバコは喉を痛めますから‥
まどかちゃんに伝えといて下さいね〜。
585見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/29(金) 23:26:43 ID:Kf7W0VL0
元祖さん今日は来ないのかな?
582さんじゃないけど、あなたのイメージにぴったりの曲ですね〜。
586元祖:2010/10/29(金) 23:52:43 ID:bR7qEt09
光栄で〜す!
おやすみなさいませ〜。
587見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/30(土) 00:22:14 ID:1sRKCmox
おやすみなさい。
588見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/30(土) 08:37:09 ID:GMZbA7EW
あと4時間で帰れる。もうへろへろ
589お疲れ様です!:2010/10/30(土) 16:49:23 ID:DcmtSzq9
(そんなこと言われても…もう俺の手に負えないよ…。)

昼休みになった。
薄情にも小松と八田は売店にパンを買いに行った。恭介を誘わない。
だんだん恭介の周りから人が居なくなっている。
同じ事がまなみ、くるみの周りにも起きていた。
ひかるも自分たちから遠ざかっている。
まるで彼女たちとは面識がないように目の前を素通りする。

3人は『その時』が近付いているのを感じている。
(この世界とのお別れが近付いてる。)
そう思うと悲しくなってきた。

恭介は一人で学校内を名残惜しそうに歩いて見てまわる。
いろんな場所にいろんな思い出がある。
売店ではパンの奪い合いをしたし、学食にも随分お世話になった。
今じゃ、なにを見ても懐かしい。
中等部も見ておこうと、校舎の裏手に回ると二人の女子生徒が
やって来た。
(…?)
一人は右頬を赤く腫らして泣いている。
やってきた方向をみると、まどかが彼女たちを睨みつけている。
そして、その手にはタバコの箱が…。
590見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/30(土) 17:37:23 ID:DcmtSzq9
(鮎川…!!)
さすがの恭介も堪りかねてまどかの方へ歩いて向かった。
しかし、まどかは恭介を無視してタバコをくわえ火をつける。
少し煙を燻らせると
「何だよ、お前!あっち行ってな!」
「鮎川…鮎川って、そんなんじゃなかったよね?」
(うるせえなあ…)
「そんなに簡単に暴力を振るう奴じゃなかったよね?」
まどかは全く無視してタバコの煙で輪を作っている。
そんなまどかにだんだん腹が立ってきた。
もう関らない方がいいと諦めていたけれど…
ひかるが言った一言が頭をよぎる。

『最後はちゃんとまどかさんをリードしてあげて下さいね。』

(最後に…示しを付けておかなきゃ。)
恭介はまどかの手からタバコを奪うと地面に叩きつけ靴で踏みにじった。
「何すんだよ!」
まどかに胸ぐらを掴まれてもひるまず、まどかを突き放し
その手からタバコの箱を払い落すと、これも同様に踏みつけてしまった。
「てめえ!転校するから黙って見逃してやろうかと思ってたけど
  …あたしを本気で怒らせたね!覚悟しな!」
591見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/30(土) 18:48:41 ID:DcmtSzq9
そう言った瞬間、いきなりまどかのパンチが恭介のみぞおちに食い込んだ。
「うっ…」
息が出来なくなる恭介の頬に、大きく振りかぶった平手が入る。
恭介の頬が瞬間手の形に真っ赤になった。
それでも、彼はまどかの腕を掴もうとする。
「触るな!!」
まどかは足で恭介の腹を蹴り飛ばした。
 ズサササー!!
地面に倒れこむ恭介。
まどかは歩み寄ると腹に蹴りを入れた。
恭介は呻き声をあげ、口から血を流す。
(ふんっ!弱い奴だ。何の力もないじゃん!)
「消えろ、この化け物!」
最低の言葉を吐き捨てて去ろうとした。
でも、恭介は

「鮎か…わ…こんなこと…してちゃ…」

呻ぎながら声を絞り出した。
どんなにやられても、どんなになじられても…
もう二度と…まどかと逢うことは出来ない。
そう思うと…
やはり最後はきちんとしたい。
まどかに自分の想いを伝えたい。

「こんなことしてちゃ…ダメだよ。
  …鮎川は…優しい子じゃない…」
592見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/30(土) 19:49:19 ID:DcmtSzq9
思わぬ言葉を聞いて、まどかの顔ははカ〜っと赤くなる。
(てめえ!)
もう一度恭介の元に歩み寄ると、その腹を思いっきり蹴りあげた。
とうとう恭介は完全にノビてしまった。
(何が『優しい子』だ、このタコ!)
まどかはその場を去る。
そして…恭介の想いは届かなかった。

何とか起き上がると、土埃にまみれた制服をはたく。
内出血で赤く腫れた頬をさすりながら
(今教室に戻ったら、俺の姿を見てみんな大変なことになる。)
もう、明日には『消える』し、誰も騒がせたくない。
恭介は荷物を置いたまま家に帰ってしまった。
昼休みが終わり、5時限目が始まる。
教室には空席がひとつ。
小松たちはちょっと首をかしげるが、すぐに関心が薄れる。
まどかは空席を見ながら恭介のあまりの無抵抗ぶりを思い出して
(強いのかと思ったけど…ちょっとやり過ぎたかな…)
自分の腫れた右掌をさすりながら
(『優しい』…?このあたしが?)
妙な引っかかりを覚えている。
593見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/30(土) 20:30:02 ID:43ERmBmU
「覚悟しな」って、江戸時代かよ!
594見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/30(土) 21:12:51 ID:DcmtSzq9
その頃
恭介は血で汚れた制服を脱いでマンションに帰っていた。
お腹を数発蹴られたせいか、歩くと息が苦しい。
頬は赤く腫れ、口元には血の後が付いている。
でも、道行く人は誰も関心を示さない。
エレベーターを降りると玄関の前に妹達が居た。
「どうしたの!?お兄ちゃん!」
慌てて二人が駆け寄る。
恭介はフラフラになりながら二人に抱えられ家に入った。
「どうしたの?こんなになって!」
恭介は床に坐りこむと、悔しさと悲しさで泣きだした。
妹達も一緒に泣いている。

実は、彼女たちも、どんどんみんなから無視され出して、
そんな中で授業を受けるのが辛くなり帰ってきてしまっていた。
今、3人は、自分たちの存在がこの世界から
消されていく寂しさをを実感していた。

恭介は妹達に介抱されている。
「お兄ちゃん…もう気が済んだ?」
「ああ…。」
「まどかさん…何もこんなにまで…」
まなみはがっかりしている。
「まなみ。鮎川のせいじゃないから。」

放課後
もうどこにも春日家の記憶は残っていなかった。
595元祖:2010/10/30(土) 22:03:48 ID:cMze/kzv
‥‥‥


(無言の抗議)
596見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/31(日) 00:19:28 ID:TLw8ki87
まあ恭介いい気味な訳で。
597見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/31(日) 07:39:43 ID:8ZKOFjPy
このくらいしないと。
598見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/31(日) 10:35:09 ID:9G3KK/oG
この展開なら恭介にはもう一度あのセリフを言って欲しかった
「丈夫な赤ちゃん産めなくなるよ」
599見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/31(日) 14:19:42 ID:rMlrw8sA
こんなやつは母親にはなれない!
切れたら子供虐待しそう。
だから生めなくて結構。
600見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/31(日) 19:50:17 ID:TLw8ki87
なんだ?無言の講義ってw
これくらいやられたら、ある意味スッキリする!
大体、冴えないのに持て過ぎなんだよ、恭介は。
オレ?オレは持てねーよ!
601元祖:2010/10/31(日) 21:19:46 ID:h9letWl2
「講義」ではなく「抗議」です!
知ってて書いてんでしょ!
ついでに言えば「もてる」は普通漢字で書かないし。
とにかく、なぜこんなにまで酷い展開にされるのか
作者様の真意が計りかねます‥。
602見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/10/31(日) 23:32:43 ID:KKo79E/I
久しぶりにバイブルオブラブ読んだけど
やっぱり格が違うね。
ストーリーガタガタだし、ここ。
603見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/01(月) 16:15:17 ID:nVW1ZTok
最初の頃に比べ、
くだくだしい心象風景の描写が減った気がする。
文章力は携帯で読む程度。
604元祖:2010/11/02(火) 23:41:42 ID:0WoLdBRB
なんだかんだ言っても読んでるんですよね〜♪
605元祖:2010/11/07(日) 21:52:14 ID:7yc3G+iH
学祭面白かったです〜!
お天気にも恵まれ、大成功でした。
でも‥まだ本業が残ってるんですよね〜。
ハワイに行くまでには仕上げるぞぉ!
606見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/08(月) 13:30:34 ID:GmoTJaoa
嫁を実家に帰して漫喫を満喫したぞ。

久しぶりに原作を読んだが、まどかは最後まで
恭介のことを好きとは言ってないよなあ?
思わせ振りな態度や表情、言葉のニュアンスのみで
ラブコメが成立しており、作品としてかなり秀逸。
タッチは最初の方で南ちゃん告白してるし
あのめぞんでさえ、最終話に近くなるにつれ
響子さんキスしたし、言葉にも出しているのに。

ここはというと、まどかの心理描写がくどくって
もう全編好きって言いっぱなしな感じがする。
行間を埋め過ぎちゃってるから、
きまオレみたいな淡〜い奥ゆかしさってものが
ないんだよな。
それが最近じゃ嫌い攻撃すごいから
作者は一体何を考えているのやら
反動?
607見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/08(月) 22:50:09 ID:U6E/Kkka
返す言葉もありません…

久しぶりに満喫できてよかったですね♪
リフレッシュしてお仕事頑張ってくださいね!
608見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/08(月) 23:08:04 ID:a8gSDfHK
フォローする訳じゃないけど
ここ、妄想スレだから・・・・・ね?
609元祖:2010/11/08(月) 23:25:47 ID:KKFwZ3U5
>607さん
作者様でしょうか?
>606さん
あたしは、こんなまどかちゃん‥‥原作より
多少描写が過ぎるくらいのほうが好きです〜。
でも、暴力は反対ですけど‥‥。
610元祖:2010/11/08(月) 23:34:21 ID:KKFwZ3U5
あ、それと‥
随分前にどなたか言われてたと思いますが
原作ならまだしも、ココを他の作品と比べるのは如何なものかと‥‥。

作者様〜、お疲れ様です〜!
信じて待ってますから!
611見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/09(火) 13:24:58 ID:bCiSG7iZ
俺の書き方が悪いのか、お前の読解力が足りないのか?

原作は凄い、めぞんやタッチでも〜だったのに。
それからするとこの妄想は云々〜。

という組み立てだよな?
他の漫画と原作を比べて原作を称え、
その上で、原作とここを比較している訳であって、
ここと他の漫画を「直接」比較している訳ではない。

つ〜か、しょ〜もない所に食いつくなよ!
612見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/09(火) 20:18:05 ID:se85dBcv
ちぃみも相当くどいけど
613元祖:2010/11/09(火) 22:03:10 ID:teYacS90
>611さん

ただ、高所見地なモノ言いに反応しただけですわ。
何卒ご了解下さいませ。
614見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/09(火) 22:16:38 ID:pYtsFIO7
元祖さん、
わたしはいろんな意見を頂戴すること自体、
大変有難いことと思っていますので。

続きはもうちょっと待っててね♪
615元祖:2010/11/09(火) 22:41:10 ID:teYacS90
は〜〜い!
信じて待ってます〜!
616見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/14(日) 18:42:13 ID:Cs9q1tZ1
夕方過ぎたアバカブにて、
カランコロ〜ン!
「いらっしゃい。」
「まどかさん、こんにちは。」
「勇君は?」
「あいつ、空手部の練習があるからって照れて逃げるんですよ。きゃは!」
「相変わらず『うぶ』だね。夏休みはホントに何にも無かったの?」
「?…別に何もなかったような…今からですよ、嫌だな〜。」
カウンター越しに会話が絶えない。
「ひかるちゃん、部活頑張ってるんだってね?」
「この間の役がすっごく受けて〜、今じゃ人気者!な〜んですよ、マスター!」
「うん、あの役カッコ良かったよ。次はあんたが主役をゲットしな。」
「ところでまどかさん、早川さんとの話はどうなってるんですか?」
「なんで?勘違いしないでよ、ひかる。あいつが勝手にあたしの周りを
  うろついてるだけなんだから。」
「まどかさんが好きになる男性って…どんな人だろ?」
「まどかクンの理想の人ねえ…。」
「やめてよマスター!男なんて要らないわ。」
店内はお客で賑わってきた。
「あたしもお手伝いしま〜す!」
「お、有難う、ひかるちゃん。」
617見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/14(日) 19:31:54 ID:Cs9q1tZ1
カランコロ〜ン!
「いらっしゃ…あんた…」
(しつこいなあ…)
「いらっしゃい、早川さん。」
「よう!相変わらず美人が多いいな、この店。」
「きゃは〜!」
(ぬけぬけと…)
まどかの眉間にしわが寄る。
「まどか、うちのレーベルの社長にお前の事話したら…」
まどかは無視して店の奥に引っ込んだ。

カランコロ~ン!
お客が一人入って来た。
「いらっしゃいませ〜。」
しかし、まどかは出てこない。
「あ、あたし行ってきます。」
ひかるが気を利かせ、お冷とメニューを持ってお客のところへ行ってくれた。
そして、戻ってくると『奥に』オーダーを伝え、ブスッと座る早川に軽口をたたく。
「早川さん、まだまだですね〜。」
「ああ、難攻不落だな。ところでひかるちゃん、
あいつ付き合ってる男いなかったっけ?」
「居る訳ないじゃないですか!まどかさんのお眼鏡に叶う男なんて。」
「それだけ聞けば十分だ。その内俺がだな…」
コーヒーを持って行ったまどかが、戻って来るなり
早川の頭にお冷を掛けた。
「な、何しやがる!」
「おととい来な!」
「くっ…!」
早川は振り向いてぐっと睨むが、逆にまどかは睨み返してくる。
まどかに圧倒され
(くそっ!出直すか。まあ、このくらいじゃないと落とし甲斐ないしな。)
しぶしぶアバカブを出ていく。
「まどかさん、勿体ないな〜!」
「あいつのセリフを聞いてると、虫唾が走るよ。」
マスターが渋々
「まどかクン…一応お客だから…ね?」
(ふんっ!)
618見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/14(日) 20:00:42 ID:TWe7eWxk
お、久しぶりにミッチャン登場!
まさか早川とくっつける?
619見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/14(日) 20:26:07 ID:Cs9q1tZ1
ひかるはふと見るともなしに見ると
(…?)
「まどかさん、右手…」
「なに?」
「右手が腫れてる…また喧嘩したんですか?」
「…あ、これ?…どうしたんだっけ?あれ?」
(もう、まどかさんったら…)
ひかるはまどかが『とぼけている』と思ってちょっと冷やかす。
「まどかさん、もうそろそろ卒業しないとですね。」
(え?そのセリフ…どこかで聞いたような…ところで、何で腫れてんだろ?)
まどかの心の中から恭介が消えてしまった。

「じゃ、お先に、マスター。」
「お疲れさん。」
まどかは帰りにスーパーでビールを買い、ついでに自販機でタバコも買った。
家に着くと速攻シャワーを浴びる。
スッキリして2階に上がるとすぐにビールを開け、
ゴクゴクと喉に流し込むと
「あ〜〜、美味しい!!たまんない。」
髪をゴシゴシタオルで拭くと、そのまま頭に巻いて鏡の前で一服。
「ふ〜〜」
青い煙を横に吐き出す。
また吸うと、タバコの先が真っ赤になる。
今度は天井に向かって煙の輪を作って楽しむ。
練習の甲斐あってか、だいぶん噎せないようになった。
620見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/14(日) 21:27:41 ID:Cs9q1tZ1
(あ〜早く卒業したいなあ…そしたら…何しよう?)
早川が誘ってくれてはいるのだが、全く乗り気がしない。
(聴く分にはいいんだけど、人前で歌うのはちょっとねえ…)
バンドを組むと、何かと人の意見を聞かなきゃいけなくなる。
自分みたいな我ままな人間が、出来る訳がないのは百も承知。
(それに、あんな奴と組む気ないし!)
「まあ、卒業してから考えようっと。」
まどかは2本目のビールを開けると、ベッドに横になった。
そして右手をさすりながら…
(何でだろ?なんか疼くなあ…)
痛いのは手の方じゃなかった。
(何でだろう…)
そのまま眠りについた。

翌朝
朝食もそこそこに登校の準備をし家の玄関を出た。
ドアノブを下ろした際、何かが引っ掛かっる。
(…?)
ドアから出ると、外側のドアノブに大きな紙袋が掛けてある。
「誰よ!?」
(悪戯かな?)
袋を外して中を見ると、中には赤い麦わら帽子が入っていた。
(…?)
一旦家に入って、袋からそれを取り出すと
(なに〜?これ。なんか古いな〜。)
ふと気付くと、内側にマジックで名前が書いてあった。
『あゆかわ まどか』
声を出して読むと、あらためて驚く。
(ええ〜??あたしの?うっそ〜〜?知らないよ…。)
でも、字は自分の。
(何でこんなとこにあんのよ…?
あ、急がなきゃ。最近相当目付けられてるもんなあ。)
取り敢えず、まどかはそれを玄関に置いたまま学校に出かけた。
621元祖:2010/11/14(日) 22:00:38 ID:lVNkcpWf
続きの催促しよ〜かなあって思ってたら
アップされてるし〜〜!
ワクワクドキドキ‥‥!
622元祖:2010/11/14(日) 22:57:31 ID:lVNkcpWf
今夜はもうおしまいでしょうか?
それにしても、ワクワクドキドキ‥!
623見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/15(月) 16:45:30 ID:d3wkNHaz
わくわくする内容かあ?完璧忘れてんだろ。
624見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/16(火) 23:23:02 ID:c0xhblUN
>何か疼くなあ・・・痛いのは手の方じゃなかった

ここじゃない?元祖が期待してんのは
625見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/16(火) 23:32:37 ID:fOmTPJq5
あんだけのことをしておきながら
疼く程度にしか記憶に残ってない、、とは考えられないかい?
626元祖:2010/11/16(火) 23:51:49 ID:K5+hpqoo
>623さん
そうなんですよね〜。彼女の心が反応し出したと。

>624さん
確かにそう取れなくもないけど‥
でも、なんで今頃赤い麦わら帽子が出てきたのかしら?
627見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/16(火) 23:58:50 ID:c0xhblUN
まあ、でも616からストーリーがらっと変わってるもんな

やっぱり忘れちまったか?
628元祖:2010/11/17(水) 00:03:22 ID:4Um+Za9+
あたしは信じて待ってます!
では皆様、おやすみなさいませ。
629見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/20(土) 20:29:16 ID:8E2rbxeM
まどかの歌を聴きたいなあ
630元祖:2010/11/20(土) 22:20:52 ID:bCbYUhcy
あと1ヶ月でハワイだ〜!
ストーカーじゃないから追っかけはしません。
でも、どこかでニアミスあり得ますよね〜?
幼少時に行ったことあるんですけど、
全然覚えてないなあ。
今はグーグルでチェックする毎日‥
早く行きたいなあ。
もしかしてまどかちゃんと‥って妄想しちゃう。
631見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/22(月) 00:41:02 ID:c+KyLQq6
確かにグーグルストリートみてると、
行きたくなるなあ。

元祖さんたち、女同士で盛り上がるんだろうな。
やっぱサーフィンするの?
ワイン片手にパスタたべらんだろ?

ああ、おれもハワイの夕焼けが観てみたい!
632見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/22(月) 16:44:00 ID:WBWzxjFp
金も暇もねえ!せいぜい妄想気分に浸るしかない。
633見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/23(火) 12:52:04 ID:QCVYv+ug
前の晩

家族は残りのすべての荷物をリビングの一か所に集めた。
恭介も部屋のクローゼットの中の段ボールを運び出す。
(…あ!)
クローゼットの中の壁に掛けていた帽子に気づいた。
(何でこれだけ消えてないんだろう?)
手に取ると出会いの頃のいろいろなことが思い出される。
(とにかく、持ち主に返さなくちゃ。)
恭介はそれを大きな紙袋に入れると
「ちょっと出かけてくる。」
「恭介、お前まさか」
また『痛い目』に会うんじゃないかと心配する父親に
「大丈夫だって。もう、会っても気づかないだろうし…。」
心配ないよと笑顔を作り出て行った。
(玄関の前に置いておけば…そうか、今頃鮎川アバカブだよな…)
まどかの家に行く前にアバカブに寄ってみることにした。

カランコロ~ン!
「いらっしゃいませ。」
ひかるがお冷とメニューを持ってきた。
制服の上からエプロンをしている、そんなひかるを
恭介はちょっと見つめてしまう。
(ひかるちゃん…。)
「お決まりになりましたら…」
見つめる『元彼』に、ちょっと気味悪く笑顔が引きつる。
(何こいつ?あたしのことじろじろ見て。)
恭介はそんな雰囲気を察して、慌ててメニューを見ずに注文した。
「あ、コーヒー貰おうかな。」
634見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/23(火) 13:57:54 ID:QCVYv+ug
ひかるはカウンターに行くとオーダーした。
そして早川の横に座り、おしゃべりしている。
マスターは料理に忙しい。
誰も恭介に関心がない。

一通り店内を眺めると、初めて来たかのような錯覚にとらわれる。
(今日が最後か…)
ぼんやり窓の外を眺めていると
「お待ちどうさま。」
目の前にまどかが…
恭介はちょっとドキッとする。
(鮎川…)
まどかは恭介の顔を見て驚く。
彼は左頬を腫らして、目の下には絆創膏を貼っている。
(可哀そうに…殴られたのかな?)
自分がしたことを覚えていない。
彼女はコーヒーを置くと、カウンターの方へ戻って行った。
そして、早川の頭にお冷をかける。

(相変わらずだな。)
カウンターの中で働くまどかの姿をちょっと見て、また外を眺め出した。
ひかるやマスターやまどかが楽しそうにしている。
今までは、そこに自分の姿もあったはずだし、今の自分のように
自分たちを眺めて、賑やかな店の雰囲気をうらやましく思った客も
いたことだろう。

でも…もうあそこに自分の居場所はない。
635見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/23(火) 15:00:05 ID:QCVYv+ug
窓に映る彼女を見ていると、うっすら涙が滲んでくる。
(鮎川が入れてくれたのかな?)
恭介は感慨深くゆっくりコーヒーを味わった。
そして、飲み終わるとレジに行く。
マスターがレジを打つ間、ちらっと横を見やった。
カウンターの照明の下で、ひかるとまどかがしゃべっている。
見慣れた光景なのに
(もう…)
「有難うございました。」
マスターが言うけどひかるとまどかは話に夢中。
恭介はそんな彼女たちの方を向いて呟く。
「有難う…」
(…?)
不思議そうに見ているマスターに気付いて慌てて言い直した。
「ごちそうさま。」
カランコロ〜ン。
店を出る背中越しに
「有難うございました〜。」
彼女の声が響く…。
恭介は店を出ると振り返り

(みんな…さようなら。)

結局、紙袋を手渡すことなくマンションに帰ってしまった。
シャワーを浴びると、寂しい想いを抱えて床に就く。

(いいさ、みんなが忘れても。
  俺は確かにこの町で過ごしたんだし、
   素敵な想い出が…いっぱい出来たじゃないか。)
636見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/23(火) 16:44:36 ID:QCVYv+ug
深夜3時過ぎ。
引っ越し前で窓のカーテンを外していた所為で、月明かりが
窓辺を明るく照らしている。
恭介はふと目が覚めた。
一旦目が覚めると、余計なことを考えてしまいなかなか寝付けない。
寝返りをうつと、窓際に立て掛けておいた紙袋が
月明かりをバックにシルエットとなって浮き上がっていた。
(いよいよ今日か…やっぱりこれは持ち主に返しておかなきゃ…。)
そっと起き出し、着替えると気付かれないように玄関を出た。
そして、自転車のキーを外すとまどかの家に向かった。
彼女の家に着くと、さすがに窓の明かりは全部消えている。
恭介は感慨深く家を眺めると
(玄関に掛けておこうか。)
門をそっと開け、玄関のドアノブに紙袋を掛けた。
そして、自転車にまたがると、名残惜しそうにまどかの部屋の窓を見上げ、

(俺が初めて好きになった女の子…
『鮎川まどか』…さようなら。)

未練を断ち切るように自転車を走らせた。
637見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/23(火) 21:06:41 ID:LL31f9k2
恭介かわいそ過ぎ。
このまま終わると、ある意味名作になる。
638見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/23(火) 21:59:08 ID:ZKd5JQen
原作でもアニメでも、あの日でもない終わり方だね。
639元祖:2010/11/23(火) 23:01:16 ID:Ed7sFMdN
皆さん、何を言ってるんですか〜?
そんな終わり方‥ないですよね?
640見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/24(水) 14:34:50 ID:npe9IQCO
とうとう恭介赤の他人になったなあ。
それにしても、女々しいやつだ。
641見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/25(木) 13:16:46 ID:4fU0BRHe
この作者の特徴は、前振りをしておいて過去を描く。
617でアバカブに入って来た客は、実は恭介だったって訳ね。
読んでるとどうしても後戻りせざるを得ないのがややこしい。
作者のどや顔が浮かぶ。
642見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/27(土) 12:24:02 ID:Y/2XA+a2
どや顔するほどの作品には思えませんがw
643見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/28(日) 21:03:12 ID:LXkrrMOX
別に「どや顔」はしていませんよ。
無理な展開に整合性を持たせようとすると、話が前後してしまうんです。
拙い文章で面白味もない話を書き綴っているだけで、
元スレ主さんが言われるように「妄想」しているだけです。
あからさまな中傷は、しょうがないと諦めてますが…ちょっと凹むなあ。
644元祖:2010/11/28(日) 22:07:23 ID:J7zW4WI9
あたしは作者様の作品大好き!
スッゴく切なくなったり
なんだか、ウキウキしてきたり‥。
だから、スッゴく楽しみにしてます〜!
嫌なこと書く人達のことなんか
全然気にしないで下さい!
ハワイで待ってます!
645見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/28(日) 23:25:40 ID:LXkrrMOX
元祖さん、有難う!
646見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/28(日) 23:31:10 ID:wp/fp+SH
毎年行くとは相当なお金持ち?
647見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/28(日) 23:42:16 ID:C0R3H0zH
ハワイも妄想じゃね?
ワイキキ大停電のとき反応なかったじゃん!
648見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/28(日) 23:51:48 ID:LXkrrMOX
あの日はですねえ、もうカラカウアストリート凄かったですよ。
あんな時って、あちらの方は騒ぐんですね、もうはしゃいでる。
ホテルは全て停電で、みんなラナイから見てるんですね街の騒ぎを。
私は1時過ぎに街に繰り出しましたが、全然人がいなかったです。
地元のでっかいロコの婦警に挨拶して、ハナウマ湾行のバス停を
尋ねましたよ。相手もこんな深夜にちっこい日本人が何してるの?
ってびっくりしてたみたい。でも、親切に教えてくれましたよ。
翌朝には回復してエレベーターも動いてました。
聞くところによると、地元では大停電は珍しくないそうで、騒ぐのは
観光客(特に白人)だそうです。
649見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/11/30(火) 20:39:17 ID:KY6WbQO6
23時台が大渋滞してるし。
650見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/03(金) 07:35:55 ID:4avVUYJW
あ−−忘年会シーズン!恭介たちはどうすんだろ?
やっぱアバカブ?
651見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/04(土) 12:24:10 ID:VvG0TAhu
今年は恭介まなみくるみ抜き。あかねも。
小松と八田は来ねえだろうから、
まどかとひかると勇作だけ。
652見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/04(土) 15:35:04 ID:QFUv6dre
おぉー、こんなとこに♪
653見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/05(日) 20:44:52 ID:vHisoIrN
元祖、どこにいった?
654元祖:2010/12/05(日) 22:00:53 ID:dM4SnonO
今はロムってばかりです〜。
続きを想像しながら ‥。

作者様〜、嫌なこと言う人のことなんか気にしないで!
655見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/05(日) 22:27:40 ID:vHisoIrN
おお、生きてたか。
ハワイの準備はもう済んだか?
656見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/05(日) 22:49:31 ID:ZFByLfdE
お、俺としたことが・・・!
657見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/06(月) 13:23:49 ID:SAM4ynrh
あれから2週間・・・
年内に続き読めるか?
658元祖:2010/12/09(木) 23:31:08 ID:Nt3BgoAU
あと3週間で今年も終わりです。
年越しはハワイで!!ってなりそうですけど
‥このままじゃ、スッキリ過ごせませんわ。
659見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/11(土) 11:24:37 ID:kH1JxIoc
ハワイから続き送って来るんじゃね?
多分、年末か年始だろ。
660見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/12(日) 21:40:31 ID:pAaaKo41
今日もないのか。
661元祖:2010/12/12(日) 22:27:51 ID:31g6FA1i
今日は一人でマッタリお散歩を楽しみました。
モヤサマのように「外れ」た所じゃなく
本道の赤坂や青山あたり。
年末の今頃はジーンズにTシャツで‥とか
はたまた、サーフィンとか
夕ご飯はロコモコで‥
夜はラウンジで軽くカクテルとか‥
たっぷり妄想に浸って過ごしました〜。
でも、気がかりなことが‥‥‥
作者様〜、続きが読みたいですぅ。
662見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/12(日) 23:09:24 ID:pAaaKo41
ヌシカンに会って「元祖」の名前で記帳してこい!
663見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/12(日) 23:17:46 ID:H0mHvOTI
もやさま見てる人って案外多いんだ!
664見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/12(日) 23:31:37 ID:t3YNGi4z
そして、その日が。

「まどかさん、おはようございます!」
「おはよう、ひかる。」
ふと考えて
「ひかる?あんなことしたの。」
「何をですか?」
「いや、玄関にさあ、赤い麦藁帽子…」
「何ですか?それ。」
(ひかるじゃないのか…)
「ううん、何でもないよ。」
二人はそれぞれ教室に向かった。

クラスに欠席者はいなかった。座席の数もぴったり。空席は無い。
恭介やまなみくるみがいた痕跡は無くなっている。
あかねや一弥の学校でも同じだった。
1時限目からまどかは相変わらずぼんやりと外を眺めている。
そんな姿に先生も諦めて放っている。
頬杖をついて、まどかはぼんやり考えていた。


あの麦藁帽子……確か公園で春日クンに…

『かすが』…クン?…え?


今、こんな時に…今までの事がフラッシュバックして来た!
(え?…!!)
まどかは目を見開く。
一瞬のうちに…彼女の脳裏に『全て』が蘇った!!
(あ…あたし…!!!)

ガタンッ!!!!

授業中なのに、まどかはいきなり席から立ち上がった。
665見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/12(日) 23:42:24 ID:pAaaKo41
おー!やっと新展開が。!
待ってたぜ!
666見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/12(日) 23:52:58 ID:t3YNGi4z
恭介の席を見る。
でも小松の横には別の男子が…
彼はどこにも居ない。

(春日クンは?どこ?どこよ!)

見回しても居ない。空席も無い。
「春日クンは?!」
声を出すが、みんなはただびっくりしている。
急にクラスがざわめき出す。
さすがに先生も我慢の限界を超えた。
近付くと殴りかからんばかりの勢いで怒鳴りつける。
「おい!鮎川!なんだ、貴様!!!」
しかし…彼女はそれどころではない。
「先生!春日クンは?かすが…」

ハッとなって、力強く眼を見開く。
まどかは、落ちてくるひかるを受け止めたあの日のことを…
そして…その後のことも全て…『全て』を思い出した。

急に…どうしようもなく体が震え出す。
先生はそんなまどかを驚いて見ている。
いつもは生意気でふてぶてしい彼女が…『震えている』。

(あ、あたし…?…春日クン!!)

クラスのみんながまどかの方を見ている中、
彼女はいきなり席を蹴って、教室を飛び出して行った。
667見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/13(月) 20:42:14 ID:l97jzemF
元祖さんは見たのかな?
668見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/13(月) 21:19:29 ID:+gRdC85T
665が邪魔!!
いつもより少ない!!ので続き希望!!
669元祖:2010/12/13(月) 22:19:05 ID:0Yj4/7rv
昨夜は何度も何度も読み返してました。
なんだかずーっとドキドキしてます。
泣けてきてどうしようもないんです。
今はただ、「まどかちゃん、早く!」って
祈るような気持ちでいっぱいです。
いつかは‥と願ってはいましたが、
こんな急展開になるとは‥‥。
早く恭介クンのもとへ急いで!
670見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/13(月) 23:10:10 ID:XMo+h8JJ
予想通りの凡作にイレ込む阿呆ひとり。
by山頭火
671見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/14(火) 00:41:23 ID:54xr+e9u
あ〜た、山頭火はマズイでしょう?!さんとうかは!!
せめて「詠み人知らず」ぐらいにしなさいよ。
672見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/14(火) 16:03:56 ID:+q4IoQtk
ぬしかんさんと〜か?
673元祖:2010/12/14(火) 22:06:24 ID:+LGeJA4v
荒らしはスルーということで。
ところで作者様、今回のアップ数
いつもより少ないような‥‥
でも、これで気持ち良くハワイに行けますわ♪
同じ場所で、同じ時を過ごせる?のを
楽しみに待ってま〜す!
674見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/15(水) 22:21:54 ID:xZRscATE
中途半端過ぎ!!続きUP希望!!
675見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/16(木) 09:44:31 ID:yfPPIEOu
もうすぐクリスマスだけど、ここはまだ夏だね。
676見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/16(木) 13:26:31 ID:2LniOPzp
作者の頭の中はず〜〜〜っと夏なんでしょうね。
ハワイ大好きみたいだし。
677見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/18(土) 11:41:02 ID:x6f82oCg
今見たらエコノミ安!8時間くらいならエコノミでもいいかなあ。
678見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/18(土) 15:42:08 ID:MKLSPQlD
いや、それでも行けねえよ!!
679元祖:2010/12/19(日) 23:19:14 ID:wEAwBD9b
今日は寒かったですね〜!
チュ−タ−のバイトもいよいよ追い込み。
あたしができるのは、ちょっと化学を教えてあげるくらい。
殆どは元気づける役くらいです〜。
それも今週いっばい。女の子にはしたわれ、男の子にあ淡い恋心を抱かれる始末。
でも、来週には南国に逃避なのです。
分からないことだらけですけど、リピーターのお友達に任せるとして。
いきなりレンタカーなんか借りて大丈夫かしら?
左ハンドルの右側つうこうだし。
目的はまどかちゃんやあかねちゃんにあうこと。よしんば、それができなくても、カウンティ病院や約束のビーチ
ワイキキに目抜き通りをみてくるのが目的たし
なんか一人オフ会だけど、どっかで作者様て遭遇するんじゃ?と
淡い期待をもってます。
ホテルにネットあるらしいから、それとな〜く挨拶くらいできますよねぅ?
なんにしてめも、すっごく楽しみです。

年内に二人を合わせてあげてきださいな。
お願いしま〜す!

それではおやすみなさ〜い。
680見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/20(月) 09:07:12 ID:AF8dF3lS
眠い時の元祖のレスおもしれ〜。うつらうつらが伝わって来るぜ。
681元祖:2010/12/20(月) 22:06:48 ID:2/7q64BB
ほんと〜〜に恥ずかしいです〜!
バイト疲れと、たいして飲めもしないのに
実家から送ってきたハムを肴に‥‥
ワイン一杯で撃沈されました。
682見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/20(月) 22:36:34 ID:Sw90cJ/d
呂律が回っていないキミも可愛く思われ。
683見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/21(火) 13:17:55 ID:e26iUcZ+
こっちは年末も年始もず〜っと仕事なのによー!
俺の分も楽しんで来てくれ。
684見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/22(水) 16:18:00 ID:R9VPe2Cj
いつ行くの?成田?羽田?
685見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/22(水) 20:50:21 ID:IBd+g3ud
それ聞いてどうすんの?ストーカーくん。
686元祖:2010/12/22(水) 22:54:12 ID:wPvoGBil
うーん‥お話できるのは
来週出国するってことくらいでしょうか‥
ストーカーされるよりする方かな〜?
687見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/22(水) 23:59:47 ID:IBd+g3ud
お前アホか?ヒントなんか出してるとえらい目にあうぞ!!
688見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/27(月) 00:41:24 ID:X6iIoIOt
みんな、コメントするなら短い感想程度にしとこうぜ。俺なんかずっとROMっているだけだ。一部のヒトたちの慣れ合い、(・A・)イクナイ!
689見ろ!名無しがゴミのようだ!:2010/12/30(木) 11:01:53 ID:EHl6hzLu
確かに慣れ合いだろうが、このスレ自体そんなもんだろ?
作者も楽しんでるみたいだし、スルーしてROMしていればいいんじゃ?

ところで、元祖ぱったり来なくなったけど、ハワイに行ったのか?

690アロハ〜!:2011/01/01(土) 15:56:38 ID:yLUkynW6
夜のワイキキにて。

作者「ねえ、彼女どうしたの?ず〜っとビーチに居るけど…」
あかね「いろいろあったみたい。今はそっとしておいてあげよ?」
作者「じゃ…」
あかね「あ、いい。あたし一人で飲みに行くから。」
作者「え?何?その手は。」
あかね「カードプリーズ!」
691新年に敬意:2011/01/01(土) 20:26:15 ID:0kYMOGyB
この頃控えめでしたが、新春のごあいさつを
作者様・元祖さん・Dr.さん・最近ROM専の(わし)さん・
前からの皆さん・最近来られた皆さん
あけましておめでとうございます!
今年も、永遠の夏がつづきますようーに!!

ps,
私は雪も大好きですけど、元祖さん、
恭介.まどか.ひかるちゃんにも
輝がやかしい春はおとずれますよ、きっと!!
692敬意さん、アロハ〜!:2011/01/02(日) 18:32:03 ID:2t0/sdHs
その頃
恭介たちは父の隆が運転するれんレンタカーに乗って、
一路じいちゃん家に向かっていた。
恭介たちの目には、過ぎ去る景色が徐々にモノトーンへ変化して行く。
「お兄ちゃん、何だか怖い。」
「大丈夫だよ。多分、俺たちが次元を閉じているからだろう。」
「みんな…さようなら。」
まなみとくるみは寂しそうに呟いた。

じいちゃん家に到着する一行。
「これで最後か?」
窓から覗き込む。
「はい、おじいちゃん。お世話になります。」
まなみは笑顔を作った。
「ヤッホ〜!」
あかねが明るく振る舞う。
「あかね。先に来てたの?」
「うん。うちの家族も来てるよ。
他の親戚もそれぞれ『長老』の家に移動したみたい。
 多分恭介たちが最後だよ。」
「そうか…。じゃあ、早いとこ運び込まなくっちゃ。」
恭介と隆は荷物を家に運び込む。
くるみと一也はふざけ合っている。
「おじいちゃん、今度はどうなるの?」
心配そうにまなみが尋ねる。
「うむ、そうじゃな…みんな揃ったら、午後12時の時報と共に一斉に…」
「一斉に?」
「…一斉に『引っ越し』をするがな、終わればお前たちはすぐにここを出て、
ただ気に入った土地の役所に行って転入の手続きを取るだけじゃよ。」
「3年前と変わんない。」
693元祖さん、アロハ〜!:2011/01/02(日) 18:34:05 ID:2t0/sdHs
「いや、あの時とはちょっと違うぞ。」
「え?なんで?」
「お前たちの思い出が強過ぎる。一人ひとり整理するのに一苦労じゃ。」
「そうだよね。あたしやくるみやまなみ…そして、当事者の恭介の思い出…
  たくさん残してきたものね。」
あかねの言葉にそれぞれが片付けの手を休め、そっと物思いにふける。
「残してきたかあ…。俺達の心には残ってるけど…もうあそこには…」
しんみりと言う恭介。
すると、急に
「おじいさん…。」
「なんじゃ?ばあさん。」
「それがね、どうしても一人だけ『片付かない』子がいるんですよ。」
恭介はハッとなった。

(もしかして…)

「誰じゃ?」
「当事者の…『まどか』ちゃん。
あの子、どうも…今頃『目醒めちゃった』みたいなのよ。」
「ええ??!!」
恭介たちは顔を見合わせ立ち上がると続きをせがむ。
「それで?…ねえ、それで?」
ばあちゃんはちょっと困った顔で
「完全に『受け入れて』くれてるみたいだよ。」
「じ、じいちゃん!それじゃあ…」
みんなの顔に喜びの表情が!
しかし…
「もう無理じゃよ。」
時計を見ると11時過ぎ。
694ドクターさん、アロハ〜!:2011/01/02(日) 18:39:16 ID:2t0/sdHs
じいちゃんは険しい顔で呟く。
「遅すぎた…遅すぎじゃよ。」
「まだ12時前じゃない!!何とかなんないの?」
くってかかる恭介たち。
しかし、『引っ越し』は既に始まっていた。
彼らの周りの景色はどんどんモノトーンへとその色を失っていく。

その頃…
制服姿のまま、まどかは恭介のマンションに来ていた。
ぜーぜーと息が上がる。
(表札が無い!まさか…?)

ピンポ〜ン!ピンポ〜ン!ピンポ〜ン!

しきりに呼び鈴を鳴らす。
「春日クン!春日クン!!」
ドアを叩いて名前を呼んでみる。
でも、何の応答もない。
人が居る気配がまるでない。

(どうしよう…どうしよう…)

まどかの顔は青ざめている。
今は春日家の正体など、どうでもいい。
ただ、『恭介を失う』という事態に、今にも心が潰れそう。
この数日で、自分が彼にした『酷いこと』が蘇る。

(どうしよう?どうしたら…?)

まどかは一生懸命考えた。
(そうだ、確かおもてにここ管理してる不動産の名前が…)
エレベーターも待てず、階段を駆け降りる。
看板の電話番号を覚えると、何度も反芻しながら電話ボックスに駆け込む。
「ハー、ハー、…すみません…○○マンションの…春日さんの…」
息が上がって途絶え途絶えになりながら、引っ越し先を訊くのだけれど…
なんと、3年前から誰も入居していないとの返事が。
695その他さん、アロハ〜!:2011/01/02(日) 19:01:03 ID:2t0/sdHs
(何で?ずっと居たじゃない!)
「そんなはずは…」
「過去の帳簿にも『春日』というお名前は見当たりませんが。」
電話先の女性は丁寧に応対してくれる。
食い下がるも同じ答え。
(そんな…)
まどかはそれ以上何も言えなくなった。
「すみません…。」
電話を切るとその場に力なくしゃがみ込んだ。
(どうなってるの…?)
混乱する頭で考えていると、
(そうだ!おじいちゃんに聞けば…)
急に思いついて立ち上がる。
手帳を出して住所録を探すのだが…
恭介、あかね、おじいちゃん家…アドレスが全部消えている!
「なんで?…何でよ!!」
苛立ちから大声が出る。
気を取り直して一生懸命思い出す。
(覚えてる。多分そう…自信ある!)
そう思って、すぐに電話をしてみるのだが…
696見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/02(日) 19:36:24 ID:2t0/sdHs
『お掛けになった番号は、現在使われておりません…』
同じメッセージが繰り返し流れるだけ。
何度掛けても同じ。
あかねの家に掛けても…やっぱり同じ。

(どうしよう…どうしよう…)

まどかは不安に駆りたてられ焦り出した。
もう手掛かりはおじいちゃんだけ。
(とにかく…行ってみよう。)
まどかは身支度のため急いで家に帰った。
玄関を開けると
(うっ!何?凄い匂い!!)
自分が吸ったタバコの匂いに驚いた。
まどかは息を殺して部屋に上がると、机の上にはタバコの吸い殻で
山盛りになった灰皿が…。
それを見ている内に、どうしようもなく涙が出てきた。
まるで、恭介と縁を切ったかのような自分の振る舞い。
自分の行いに対する懺悔の気持ち以上に、
恭介のことを『つかの間』でも忘れてしまった、
そんな自分が悔しくて…悔しくてしょうがない。
拭っても拭っても涙が溢れる。
697見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/02(日) 20:44:33 ID:2t0/sdHs
まどかは部屋をそのままに、すぐに着替えを済ませ、
ショルダーに簡単な荷物を詰め、家を飛び出そうと玄関に下りる。
バサッ!
慌てるまどかに蹴飛ばされた紙袋から、麦わら帽子が転がった。
帽子を手に取り、じっと見つめていると
恭介の幼い笑顔が浮かんできた。

(あたし…最低だ…)

着替えた服にもタバコの匂いが…。

(神様!もし許してくれるのなら…
会わせて!!何でもするから…)

家を出るや新幹線に乗るため、地下鉄で駅に向かった。
車内はクーラーが利いており、オーバーヒートした頭を冷やしてくれる。
うつむき加減にシートに腰を下ろし、ふと顔を上げると窓に哀れな自分の姿が。
心がボロボロになっている。
悔し涙が出そうなのを堪えようと
膝に乗せたバッグを持つ手に力が入る。

(神様…春日クンに会いたい…
会いたい!お願い!会いたい…よ…。)

思わず下を向いた。
肩が震えだすと同時に閉じた瞼の間からとめどもなく涙が溢れてくる。
でも、そんなまどかの姿を乗客は誰も気にとめない。
まどかの存在も…今まさに消えつつあった。
698見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/02(日) 21:03:30 ID:2t0/sdHs
駅に着くと新幹線の切符を買い、ホームへと駆け上がる。

(あたし…春日クンに酷いことした…あたし…あたし…)

ふと見上げると、まだ昼の12時というのに、東の空から
だんだんと景色がセピア色に変化している。
なのに、誰もそれに無関心。
周りは普段通りの駅の風景。

まどかは自分と恭介の間が徐々に引き裂かれて行くのを感じている。
時間も距離も関係ない、もう二度と会うことが出来ない所に
彼は行ってしまった、そんな気がする。

(嫌だ…そんなの、絶対嫌だ!)

ふと顔を上げると、何と
向かいのホームに恭介の姿が!
699見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/02(日) 21:10:54 ID:2t0/sdHs
「黄色い線の内側まで下がってください。」
ホームではアナウンスが流れる。

(春日クン!…会いたかった…)

瞳は涙に溢れ、
彼の姿がぼやけている。

(春日クン…!!)

まどかは『幻』に向かって駆け出した。
新幹線が凄い勢いでホームに入ってくる。
「黄色い線まで!!」
慌てた駅員の制止を振り切る。

ピピピピッーーーー!!!プア〜〜ン!!!!

駅員がけたたましい勢いで警告の笛を鳴らした!!
新幹線も大きな警笛を鳴らす!!

「春日クン…ごめんね…」

幻に向かって話しかけた瞬間、
ドガンッ!!!
凄い音がホームに響いた。

けたたましいブレーキ音と共に、車両は数十メートル先でやっと停車した。
横たわる彼女の周りに事態に気付いた人たちの輪が出来る。

(みんな…なに見てんのよ…)

…血でにじむ涙越しに…周りが赤くぼやけ…
そんな人垣を眺めながら、まどかの魂は
空高く舞い上がって行った…。
700まどか:2011/01/03(月) 13:11:07 ID:DN2iDhJj
もうすぐ夕暮れ。
空は深く、海も街もオレンジ色に輝いてる。
賑わう通りには松明が灯り、ここは今まさに
素敵な夜のワイキキへと変わっていく。

でも…あたしは一人、輝く水平線をぼんやりと眺めながら
あたしの心の中にいるあなたのことを想ってるの。

あたしはいつもあなたと一緒。
701見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/03(月) 15:45:47 ID:DN2iDhJj
あかね「ねえ、どうして急に居なくなっちゃうの?」
まどか「攻めの姿勢も分かるけどさあ、一人で旅に出ちゃ心配するでしょ?」
作者「ただはぐれただけです…一気に流されちゃって。」
二人「お詫びに〜♪」
作者「そ、それ、高いんですけど…」

という訳で、サーフライダーでの打ち上げはまだまだ続くのであった。
702見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/03(月) 19:41:52 ID:lkfESd/8
新年になって覗いたら、いきなりまどか死んでるし!
703見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/04(火) 21:33:15 ID:B5Lfyozn
元祖さんはまだ帰国してないのかな?
ハワイでここ見てないのかな?
704見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/05(水) 11:03:34 ID:jdU4qX16
あけおめ。元祖来ねえな。現実に目覚め卒業したか?
705見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/05(水) 22:30:01 ID:hP0zdtc/
気になるんっすか?

喜色悪!!!
706元祖:2011/01/11(火) 00:18:59 ID:pTMsxX0h
今お友達の家で女子会中です。で、彼女のパソ借りて書き込み中です。
あたしはず〜っとアク禁中で、ハワイでも作者様と逢えませんでした。
ホテルのネット環境は公開プロキシで書き込み出来ないし・・。
モアナサーフライダーあたしたちも行ったのに〜!
ワイキキもアラモアナも行ったけど、それらしき人は居なかったなあ。
天気も波も良くって、最高の日々。サーフィンも楽しかったです。
もしかして、ここかな?ってとこでまどかちゃんを待ってたけど・・
逢えるわけないですよね。
やっぱ日本は寒いですね〜。あたしたちは日焼けでゼミやバイト先の
みんなにからかわれてます。

ところで、まどかちゃん、せっかく目覚めたのに・・
でも、流れから時空に巻き込まれた感じが・・
だから、死んじゃったのではないと信じてるし
恭介クンやあかねちゃん、おじいちゃんなら
何とかしてくれますよね?

遅ればせながら、皆様明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。
707元祖:2011/01/11(火) 06:52:13 ID:pTMsxX0h
東京の朝は早いのです。
さあ、今日も一日・・のんびり行きましょうね!
708見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/11(火) 15:26:26 ID:Mw7E7CZv
そうか、そうか。
アク禁ならしばらく黙っていよう。
709見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/11(火) 22:34:27 ID:7FPWPhsU
作者「そうですか、アク禁でしたか。」
あかね「他人事と思ってるでしょ!甘いんだから!」
まどか「ほ〜んと。」
710見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/20(木) 12:08:01 ID:ZIj4vczx
元祖アク禁長いな。

それはそうと、まどかの慌てっぷりは凄いな。
そんなに反省しなくても・・・と俺は思うが。
で、まどかの魂はどこに行ったんだ?
まさかこの先あの世での展開になったりしないよな?
711元祖:2011/01/26(水) 22:47:47 ID:WZzd8jBt
や〜っとアク禁解けましたー!
お友達のパソもアク禁になっちゃったし‥
作者様は大丈夫かしら?
あたしはまどかちゃんの言葉が引っかかっるんですけど。
まさか、あのシーンでFINEってことはないですよねー?
これじゃ、「あの日」よりトラウマになっちゃいますよ〜!
712見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/27(木) 08:28:38 ID:ftCfW/nI
ほ〜んと。
713見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/27(木) 12:02:34 ID:b3HyQ9Im
712、そこじゃないだろ!700から死んだまどかの魂が
恭介への想いを深めたままビーチに佇んでる感じもするし
それで「Fine」はある意味印象深い終わり方だと思うが。
だが、701や709で顔出してるってことは、やっぱ終わんないだろうな。
714元祖:2011/01/27(木) 23:14:35 ID:rlab3a0p
そうですよね〜。
覚醒してからずーっとまどかちゃんの心情が描かれてるだけで
恭介クン全然登場してないんですもん。
だ、か、ら〜‥終わる訳ないですよね?
715見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/27(木) 23:25:49 ID:ftCfW/nI
妄想もそろそろ飽きたし
もうちかれた。
716元祖:2011/01/27(木) 23:53:11 ID:rlab3a0p
え?作者様ですか?
嘘ですよね?
717見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/27(木) 23:59:15 ID:Sd4mgmuH
まどか「違うよ。心配しないで。」
あかね「そうそう!待っててね〜♪」
718元祖:2011/01/28(金) 00:13:03 ID:TmuS5Rhx
よかったです〜〜!
まどかちゃん、あかねちゃん、有難うー!
719見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/29(土) 00:35:00 ID:rKgr6n0c
支援
720元祖:2011/01/30(日) 22:02:21 ID:2Kx1Zcdr
昨日はお友達とスポーツバーでテレビ観戦。
サッカーにはあまり興味なかったんですけど
ついつい熱中しちゃいました。
大学生のまどかちゃんやあかねちゃん、恭介クン達も
観戦したのかな?
721見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/30(日) 23:28:30 ID:EG5E1PSP
神がかりな試合だった。
722見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/30(日) 23:49:10 ID:jkYpUX2C
香川抜きでよくやったよね〜♪
723見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/30(日) 23:51:05 ID:EG5E1PSP
個人技は豪の方が上。
724見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/30(日) 23:53:24 ID:YZ5Y/f79
その話しはスポーツ板でな?
725見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/01/31(月) 23:41:56 ID:fxz1u7/L
もう一か月経つけど・・・ひかるはどかなった?
726見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/01(火) 13:54:40 ID:W/jByg7U
今んところまどかだけ覚醒したが死亡。ほかは記憶に残っていないようだ。
727見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/01(火) 21:55:11 ID:rKKwX3Td
覚醒したら死ぬというストーリーは案外面白いかも
まどかは新幹線だからひかるは山手線で十分 www
728元祖:2011/02/01(火) 22:31:31 ID:2+eSWrTW
とりあえず、まどかちゃんはどうなっちゃうのかなぁ?
729見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/01(火) 23:33:25 ID:rKKwX3Td
だから死んだって言ってんじゃん
730お前:2011/02/01(火) 23:42:27 ID:5X1RjckX
ホントーは死んで欲しくないんだろ?
731見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/02(水) 00:00:17 ID:kCkA/Bxj
恭介、あかね、パワーを使え!
732見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/02(水) 09:34:13 ID:ujZx1xKm
717が作者とは限らない。もう一カ月経つし、700でエンドだって!
733見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/02(水) 12:17:33 ID:9qBM7ndE
今日アップされなきゃ終了
734見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/03(木) 23:27:15 ID:GYNzl+Px
やっと終わったか。作者、乙!
735見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/13(日) 01:09:06 ID:NJj5AwFT
元祖が来ないとつまんね
736見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/15(火) 23:44:51 ID:ABAkzAiY
ガマンも限界にきそうです〜!
737見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/16(水) 22:23:22 ID:wocXrHJF
↑元祖?
738見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/17(木) 11:08:47 ID:HNr0df2v
だから終了だって。
739見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/18(金) 22:51:17 ID:gkzYGYfG
信じるしかないんですよね‥‥
740見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/19(土) 12:24:28 ID:OiRqgbdi
無理じゃね?
741見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/19(土) 18:59:45 ID:QJllVUTX
何でコテハン止めた?
742見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/19(土) 22:14:27.94 ID:TOS03RAN
止めたらアップされるかも‥
願かけです。
743見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/19(土) 23:58:03.56 ID:QJllVUTX
じゃあ待ってな
744見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/20(日) 00:28:23.43 ID:ZNfnS+WE
そうします。
745見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/27(日) 22:31:56.31 ID:0NvrtANn
まさにその瞬間、
「あれ?な、なんだよ?」
みんなの動きが止まった。
「ねえ、みんな!ねえ、じいちゃん!」
自分以外はモノトーンの空間の中で止まっている。
(…?俺、どうしちゃったの?)

ヒュン、ヒュン、ヒュン、ヒュン!!
空気の渦が音を立てて恭介を包む。
止まっているみんなの姿が捻じれるように流れていく。
(みんな!…ねえってば…!)

しばらくして…
(……?)
重たい瞼を開くと、暮れなずむ青空に星が輝いている。
ふと気付いて身を起こすと目の前には夕陽の名残で輝く海が…。
振り返ると、メインストリートに松明が灯っている。
(あれ?ここは…!)
そう、『あの日』時間の歪みを生んだ場所。
恭介は立ち上がり辺りを見回すが、あの時と同じ。
夕暮れの浜辺には、数組のカップルがいる以外は
ストリートの方で喧騒が聞こえているだけ。
(じいちゃん…親父…)
誰も居ない。
(何でここなんだよ?)
迷路に放り出されたらしいことは解ったけれど…
(オレ、どうなったんだよ?…どうすりゃいいんだよ…)
途方に暮れ、力無くその場にまた座り込んでしまった。
746見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/27(日) 22:33:50.68 ID:0NvrtANn
その頃
(あたし…)
まどかは無意識に自分の両手を眺めていた。
(死んじゃったの?それとも…)

そんな自問自答をしている自分に気づく。
甘く香る風が頬を撫でる。
夕方のビーチに吹くそよ風に目を覚ますと
ゆっくりと起き上がり、体に着いた砂を手で払った。

(何でこんな所に居るの?…あ!…ああっ!!!)

ついさっき、駅のホームで凄い勢いで跳ね飛ばされたことを思い出した。
蘇る生々しい記憶に慌てて自分の体を触り、目で見て確かめる。
痛いところはないし、血も出てない。
(なんで怪我してないの…?なんで『ここ』なのよ?)

あらためて周りを見渡すと
(な…なに?!ここ…??)

海を見ると、遠くまで綺麗なエメラルドグリーンに輝いている。
空を見上げると、今まさに消えようとする夕陽のすぐ上に…大きな惑星が二つ!
遥か遠くにいくつもの『銀河』がはっきりと光り輝いてている。

(ここは…天国?  あたし…あたし…)

後ろを振り返ると、見覚えのあるストリート。
松明が灯っており、その向こうには高層ホテルが立ち並ぶ。
ストリートに面して照明に輝くストアが並んでいる。
747見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/27(日) 22:37:48.67 ID:0NvrtANn
(ここ、ハワイじゃないの?)
もう一度振り返り海と夜空を見上げると…全く違う!

(どうなって…え?)
不意に胸がギュッと締め付けられた。
(…な、何?…この感じ…。この感じは…!)
急にまどかの心が『彼』の存在を感じ出した。
(…春日クン?)
辺りをキョロキョロ見渡すのだが、彼の姿はない。
(でも…『感じる!』)
まどかは立ち上がると白く輝く砂浜を、感じる方へと歩み出した。
(どこ?…どこ?春日クン!)
まどかは瞳を閉じて五感を研ぎ澄ます。
すると…急にホロッと涙がこぼれた。

目の前に恭介が居るのに見えないでいる。
748見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/27(日) 22:37:52.15 ID:5fNvxXaI
うるうる‥‥。どんなに待ちわびたことか!
749見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/27(日) 22:39:14.13 ID:0NvrtANn
一方、恭介も何かを感じ始めていた。
(…?…あゆ…鮎川?)
振り返るのだが、地元の人たちや観光客しか居ない。

二人はお互いを感じ、向き合って見つめ合っているのだが、
でも…お互いの瞳には、相手の姿が映らない。

(…な訳無いよなあ…)

恭介はビーチの上に寝転がって、ぼんやり空を眺めた。
(どうしよう…)
二人は異なる次元、異なる時の同じ場所に居た。

「かすがくーん!!」

ビクッとして起き上る恭介。
また辺りを見回すのだが…
(鮎川…)
夕陽に照らされた恭介の頬にも涙が伝う。

「かすがくーん!!」
まどかはもう一度叫んだ。
750見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/27(日) 22:41:32.46 ID:0NvrtANn
(…?)
恭介は涙を拭い辺りを見回す。
何かを感じているのだが、今一つはっきり解らない。

(…そうだ!鮎川のコンドミニアムに行ったら…)

恭介は立ち上がると急いで彼女の別荘に向かった。

一方、まどかは落胆している。
空と海以外はまるでハワイ。
でも…ひょっとして自分のコンドミニアムが
(あるんじゃないかしら?)
そんな気がして行ってみることにした。

歩き出すと、何もかもが同じに思える。
すぐに、ストリートに面した『別荘』に着いた。
一階フロアはガラス張り。
ビキニにTシャツを羽織っただけの女性やアロハ姿のセレブで賑わっている。
見上げてみても、いつもと何も変わらない。
大きな自動ドアを抜けるとフロアの壁一面に鏡がはめ込まれている。
まどかはあの夜、ここでこの鏡を見ながらイヤリングを着けたことを思い出した。

(何から何まで同じなのに、海と空が違う。一体…)

まどかは力なく鏡を眺めた。

(え?)

慌てて振り返る。
恭介は居ない。
もう一度鏡を見ると恭介がこっちを見ていた。
751見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/28(月) 04:27:27.97 ID:B3JPnLF9
彼は彼で、鏡に映るまどかに驚いている。
慌てて振り返るのだが彼女は居ない。
二人とも同じことをしていた。
そして…二人とも相手が鏡の向こうにしか居ないことに気がついた。

鏡の向こうのまどかの瞳が涙で潤んでいる。

二人は鏡に近づくと見つめ合う。
まるで目の前にお互いがいるかのように…

「春日クン!春日クン…」
「鮎川!」

互いの名を呼び合うけれど聞こえない。
でも、互いの口元を見ると、やはり名を呼び合っている!
まどかはたまらず鏡に近づき何かを呟いた。

恭介は彼女の口元を読む。
「あ、い、た、い…逢いたい?」
752見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/28(月) 04:29:32.53 ID:B3JPnLF9
フロアの視線が二人に集まる。
彼らには二人が鏡に向かって話している姿が理解できない。
まどか以外の者には恭介の姿が見えず、恭介の世界でも同じだった。
当然二人の行動は奇異に映る。

彼女はまるで恭介に包まれたいかのように
鏡に両手のひらと頬をそっとつける。
そんな姿を見て恭介も鏡に近づく。
鏡の向こうで悲しむ彼女を今すぐにでも抱きしめたかった。
まどかは彼に触れようと自分の両手を押し付けた瞬間、
向こうに抜けるようなヌルッとした感触を最後にプツッと意識が飛んだ。
753見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/28(月) 04:30:56.55 ID:B3JPnLF9
(…?)
今度はベッドの上で目を覚ました。
ゆっくりと身を起こすと、辺りを見回す。
体中に酷い疲れを感じている。
倦怠感に包まれ、頭もボンヤリしている。
(……鏡は? あれ…?春日クンは?)
まどかは今が夢なのか現実なのか混乱している。
(ここって…うちのコンドよね?)
恐る恐る部屋を見渡すが、カーテンの隙間から街の明かりが漏れてくるだけで
暗くて今一つ状況が分からない。
ベッドを下りるとそっとリビングを覗いてみた。
人の気配はまるでない。
明かりを点けるといきなり眩しい。
目が慣れてくると、あらためて自分の体を確かめるように見てみる。
恰好は家を出た時のままで、履いていた靴が床に転がっていた。
754見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/28(月) 04:32:36.34 ID:B3JPnLF9
「あっ…」

リビングのミラーに映る自分の額に裂傷が。
そっと触れると指先にうっすらと血がついた。

(やっぱり怪我してる…)

リビングの時計を見ると現地時間で18時を回っている。
でも、腕時計は12時11分を指していた。

(ひょっとして…?!)

辻褄を考えるより先に『予感』で心が動き出す。
『あの場所』に彼も来てそうな気がしていた。
そう、二人の身に何か有った時、二人が出会える、
そこは自分と恭介の『約束の場所』。

まどかはキッチンに行くとシンクの裏をまさぐる。
(あった!)
貼り付けておいたルームキーとクレジットカードを取り外すと
ポケットにねじ込み、すぐに玄関から飛び出して行った。
755見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/28(月) 04:34:47.08 ID:B3JPnLF9
フロアに下りるエレベーターの中、
胸の高鳴りを抑えられない。
エレベーターの扉が開くとちょっと期待して鏡の方を見てみるけれど
そこには賑わうフロアと自分の姿が映し出されているだけで…

(さっきのは何…?とにかく行ってみよう!)

外に出ると夕暮れの通りは賑やか。
妙な気分のまま、小走りでビーチに向かう。
ビーチに近づくにつれドキドキしてきた。
(感じる…!!)
確信めいたものを…『彼も来ている』のを感じている。
人混みを抜け夕焼けの名残に輝くビーチに着いた。
キョロキョロと辺りを見渡すと…

「あっ!!…居た!!」

『彼』が海を眺めながらビーチに座っている。

(あたしのこと…待っててくれたの?それとも…夢?)
756見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/28(月) 11:56:34.15 ID:2RP8DKi4
久しぶりアップされておるなあと読んでみたら不思議な世界になってるし。
妄想当初のシリアス路線で行って欲しかったんだが・・・・
757見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/28(月) 22:40:09.35 ID:fzMPhAMZ
ずーっと待ってた。
今日はこれで終わり?って。

作者様〜、違反ですよ〜!(嬉しいけど!)

756さんとは見解違いますが
ビックリな展開、ステキです!

練ってたんですよね〜?
まだ続きそうで、楽しみです!
758見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/28(月) 23:00:05.49 ID:halthlB5
無茶苦茶なストーリーに加え、まーたハワイ・・・・うっぷ。
まどかの旅立ちで止めときゃいいのに・・・・・ついて行けませ〜ん。
759見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/02/28(月) 23:14:35.85 ID:hhVyun1K
>756さん
「あの日」までは頑張ってみたんですけど・・・
>元祖さん?
コテハン止めなくっても。いつも応援有り難とう!お勉強頑張って下さいね。

>758さん
ハワイ大好きなんです。すみません・・・
760見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/01(火) 23:41:39.83 ID:Rt4ISNPL
ワイキキビーチのシーンって、行ったことがある人なら
きっと夕日が沈むシーンが蘇ると思います。
まどかちゃんと恭介クンが出会うシーンは
あの風景とオーバーラップして
とっても感動的です。
でも、二人はどうなっちゃうのかなぁ?

また1ヶ月待つのかなあ
長期連載願ってま〜す。
761元祖:2011/03/03(木) 22:53:53.68 ID:GT35CIaH
お言葉に甘えて‥コテハン復活しま〜す♪
お勉強のほうは、バイトやハワイにうつつを抜かしてたせいで
かなり‥かなりヤバいです!
先輩に大幅に添削され〜の
ボスには血祭りにされ〜の
‥まどかちゃん、助けて〜〜!
762見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/03(木) 23:41:57.52 ID:xqP5dTTG
修士?博士?
763見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/03(木) 23:59:13.71 ID:NQDOEG8p
>>745~755

何が起こっているのかサッパリわからん

764見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/04(金) 00:35:08.36 ID:utGbN0dH
君がほんとにここのファンなら解るはずだが?
765見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/05(土) 23:59:25.04 ID:81SIEIUe
まどかの瞳が涙で潤む。
砂を踏みしめ近づくと、そっと声を掛ける。
「春日…クン?」
「え?!」
びっくりして振り向く恭介。
そこには夕陽に照らされた彼女の姿が…
輝く瞳に涙をたたえている。
「…!!あ、鮎川?」
「春日クン!!!」
まどかはしゃがみ込むと、恭介の背中越しにしがみついた。
まどかは頬を寄せて唸るように繰り返す。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
彼女の頬を幾筋もの涙が流れ、恭介の頬にも伝わる。
「もういいって。でも…
…良かった、また会えて。」
まどかはコクリと頷いた。
恭介は力強く抱きしめてくる彼女の両腕を両手でそっと包みこみ
彼女の言葉にならない強い想いを受け止めてあげる。
(わかったから…もう大丈夫だよ。)
二人はそのまま動かずに、互いの想いを確かめ合った。
夕陽が沈みきったゴールデンアワーも終わりがけに
二人の姿はシルエットになって溶け込んでいた。
766見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 00:01:20.91 ID:EdvaUmL4
「おほんっ!」

(え?)
二人は声がした方を見ると、あかねが他所を向いて立っていた。
(な、なんでこんな所に!)
二人の心の声に
「いつまでやってんのよ、んもう。」

二人は離れ、まどかはあらためてあかねを見た。
すると彼女はまどかの顔を覗き込むように
「覚えてる?あたしのこと。」
「もち…ごめんね…」
そう言うやあかねとまどかはどちらからともなく抱き合った。
恭介はちょっと安堵の笑みを浮かべて二人を眺めている。
767見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 00:03:18.86 ID:81SIEIUe
ビーチはとっぷり陽が暮れてしまった。
「ねえ、あたしたちどうなってるの?何でここに…」
遮るようにあかねが
「まどか、お腹減らない?話が長くなるからさ。」
「俺何も持ってないよ。」
「あたし、カード持ってるけど…取り敢えず何か買おうか?」

(…って、あたしまだ夢見てるのかしら?このカード使えるの?)

あかねは無意識に心を読んでしまい
「大丈夫よ。とにかく飲み物と食べ物を…パワー使い過ぎて
  お腹ペコペコなんだあ。」
「あ、うん。」
さっさと歩き出すあかねの後ろに着いて行きながら
(へ〜、『パワー』かあ…なんだか面白そう。)
ひかるを受け止めた時に見たあかねの姿を思い出した。
768見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 00:04:15.78 ID:EdvaUmL4
通りに出ると人で賑やか。
お店の照明が眩しいくらいに輝き、『今』が『夢の中』のような感じを覚える。
3人はビーチ向かいのストアに行くと、サンドイッチやカクテルを買い込んだ。
「あれ?鮎川、おでこ…」
「血出てる?」
「いや、止まってるみたいだけど…どうしたの?」
「うん…」
まどかには語り尽くせないほどの想いがあった。
表情から何となく解る。
下を向くまどかを思いやる恭介。

(んもう、なに二人の世界に浸ってんのよ。)
あかねが割り込んで
「それで済んだんだから感謝しなくっちゃ。」
そう言うと、まどかの持つカゴを引っぱる。
「あ、このラップ、美味しそう!ホウレン草かなあ?え〜っと、飲み物は‥」
まどかは今の自分に戸惑いながらも、あかねの言う通りにカゴに入れて行く。
レジに着くとアロハを着たロコの店員が
「ALOHA!」
「…ALOHA…」
彼女にカードを見せながら尋ねてみる。
「Check please…Can I?」
「OK!」
そう言うと店員はカードを受け取った。
(大丈夫かしら…)
レシートを渡されサインを促された!
「Thank you.」
ニッコリ笑みを作る店員に
「Thank you…」
(使えた…)
769見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 00:05:09.73 ID:EdvaUmL4
3人は買い物を済ますと、それをビーチの暗がりに持ち込んだ。
「大丈夫?」
「暗いし、わかりゃしないって!」
あかねは袋の中からラップとドリンクを取り出すと、すぐに頬張った。
恭介は缶コーヒーで喉を潤す。
まどかは懐かしそうに二人を見ながら
(いつもと変わんないんだけどなあ…)
なんだか妙な気分になる。
そんな視線にふと気づいて、恭介は尋ねてみた。
「鮎川…俺たちのこと思い出してくれた?」
「うん。全部…恥ずかしいよ、あたし。」
恭介に暴力を振るったことや、妹達やあかねにに酷い態度をとったことなど
思い出すだけで顔から火が出そうなほど恥ずかしい。
そんなまどかを気遣う恭介。
心配事と言えば、自分達をまどかが受け入れてくれるのかということ。
「いいって。それより、いつかは言わなくっちゃって思ってたんだけど。」
「でも、ホント驚いた。春日クンもあかねも『不思議な力』持ってたんだ…。」
まじまじと二人を見つめるまどか。
(まどか…)
口いっぱいに頬張っている自分の姿が急に恥ずかしくなった。
ゴフッ!ケヘッ!
「大丈夫?慌てて食べるから…」
まどかはあかねの背中をさすってやる。
「ところであかね、説明してくれよ。一体俺たちどうなってるのか。」
770見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 00:05:53.89 ID:EdvaUmL4
(ん?)
恭介に(ちょっと待って)と手をやって、『Pina Colada』をゴクリと飲んだ。
「ふ〜、美味しい!」
あかねが落ち着くのを待って、まどかが恭介に続けて訊く。
「ねえ、どうなってるの?あたしたち。」
見つめてくる二人にあかねは得意気に語り出した。
「咄嗟に時を止めちゃった。でさ、まどかと恭介を飛ばしたの。」
「ここは?今はいつなんだよ?」
「あたし…海も空も…それに…」
恭介とまどかは顔を見合わせ
「鏡…!!」
同じ言葉を口にした。
鏡越しに見つめ合った『悲しい想い出』が蘇る。
「え〜っと、まどかだけおかしな所に飛ばしちゃって…」
「そう言えば大きな『月』が二つもあったわよ!」
「ウソ〜?!」
恭介は驚いている。
「あたしも解んないんだ、そこがどこか…」
771見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 00:10:50.74 ID:EdvaUmL4
あかねは続けた。
「でね、なんかやばいなあって思ってたら…」
あかねはちょっと口ごもるのに、まどかは急かす。
「思ってたら?」
すると…あかねはちょっと恥ずかしそうに
「『逢いたい』って(声が)聞こえたから…」
(…!)
まどかと恭介は赤くなった。
そんな二人をちらっと見て
取り繕うようにあかねは続けた。
「でね、取り敢えず恭介の居る所に連れ戻さなくっちゃって思った訳よ。」
「お前は?」
「着いてきちゃった。だって、心配なんだもん。」
「でも、今は止まってないけど…」
まどかは辺りを見回す。
「さっきの所もここも、あたしたちが居たところとは別のワールドなのよ。」
「どういうこと?」
772見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 00:13:27.02 ID:EdvaUmL4
もし、たら、れば、…無限のバリエーションに分かれた時間が並行して
流れてる。恭介たち一族は、何かまずい事がある度にそこを『移動』してきた。
そして今回、移動しようとしたまさにその瞬間、
あかねが自分たちの居た時間を止めてしまった。

「じゃあ、今あたしたちが居る世界には別のあたしたちが居るの?」
「もう一人のまどかが居るのは確かだけど、あたしと恭介は…?
  まあ取り敢えず、移動しても一番安全な所にやって来たってこと。」
「向こうはどうなってんだよ?」
「そうよ、あたし死んじゃってるかも…」
「それはないよ。だって今生きてるじゃん。」
「でも…凄い勢いでぶつかったし。」
「何に?」
まどかは震えるように両腕で自分の体を包んで
「…新幹線。」
「じゃあ、おでこの怪我は…」
「うん…でも、こんなんじゃ済まないはずよ。」
あかねは呆れ顔でまどかを見ながら
「みんなが言う『奇跡』ってやつよ。
ホントは瞬間、ばあちゃんが助けてくれたみたいだけど。」
「そうなんだ…」
まどかはそっと額をさすった。
773見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 00:14:23.50 ID:EdvaUmL4
あかねはまたサンドイッチラップを頬張るとモグモグしながら
「取り敢えず、あっちは止まってると言うか…
時間の流れがすっごく遅くなっててぇ…
 あっちの1秒が、こっちで過ごす1日位かなあ?」
(…ウソォ〜!!)
驚きのあまりまどかと恭介は絶句する。
そんな二人を気にせずに、もう一度頬張るとまたモグモグしながら
「ところで、まどかは…あたし達のこと…」
いきなり話を変えるあかねに意表を突かれるけれど
「え?…う、うん、別に…ちょっとびっくりだけど…」
星空を見上げると
「今の気持ちが本当のあたしの気持ちだよ。
   あかねは親友だし、春日クンとは…だし。」
「なに?」
真顔で『そこ』を訊こうとする恭介に
「…んもう!ばか。」
まどかは他所を向いた。
774見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 00:15:17.57 ID:EdvaUmL4
お熱いことだ…)
あかねは笑いながら
「じゃあ、決まり。ここに長居すると、またおかしなことになるから
  早く戻らないと。」
そう言うあかねを恭介はまじまじと見ている。
「何よ?」
「いや…お前、いつの間にこんな力を…」
「大した力じゃないよ。まどかの気持ちを変えることは出来なかったし。
  恭介はそれが出来たでしょ?あんたの方がずっと凄いよ。」
「別に俺は何にも…」
チラリとまどかを見ると彼女と目が合った。
「あたしも…別に…」
お互い照れて下を向く。

力と言うより…『想い』だったと二人には思えるのであり…。

「ねえ、帰ったらどうなるの?」
「帰ったら解るよ。…あ、あたし達のことは他言無用よ。」
「うん。」
「お前、帰ったら…」
「う〜ん…『掟』破ったからなあ…こっぴどく叱られるだろうね。
また辻褄合わせにじいちゃん達、奔走しなきゃいけないだろうし。」
まどかはあかねの手を取って礼を言った。
「有難う。本当に有難う。」
3人に笑みがこぼれる。
「じゃ、行くよ。」
月に照らされ3人は手をつないだ。
瞳の中を一斉に無数の星が流れて行く。
まどかと恭介の意識が薄れて行って…
775見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 06:35:55.33 ID:Gfg52soe
釣りに行く前覗いたら
また一気に・・・

帰ってから読もう。
776見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 20:01:00.80 ID:SjxKcnlG
なるほどねえ・・・・・・でも無理がある。てゆうか、むちゃくちゃ。
777見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 21:18:57.91 ID:SjxKcnlG
もっかい読んだけど・・・・・・・・やっぱ無理!
778元祖:2011/03/06(日) 22:00:26.75 ID:cs2G+37I
うわ〜!たくさんアップされてるー!
何日かかけてゆっくり読んでみまーす。
779元祖:2011/03/06(日) 22:05:15.78 ID:cs2G+37I
>775さん
釣果はいかがでしたか?
780見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 22:24:03.40 ID:SjxKcnlG
>>779
おまえが釣られてるしw

何日かけても無理なものは無理!!!
781見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 23:14:08.74 ID:Gfg52soe
クサフグ数匹だよ!
悪いか?
782見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/06(日) 23:24:29.99 ID:cs2G+37I
やっぱりコテハンがいけなかったのかしら?
皆様、お休みなさいませ。
783見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/10(木) 21:57:21.72 ID:fH1aKflR
まどか:現在で大反省するも時すでに遅く列車にはねられ死亡
 →と思いきや、どっかハワイと似た別次元の地球外惑星Bに飛ばされ
 →でも、恭介が飛ばされた世界Aに連れ戻され再会。
恭介:「引越し」寸前で別の世界Aに飛ばされ、まどかに会えそうで会えず
 まどかの別荘で鏡越しに再会を果たすもつまみ出される。
 →諦めそうになったところ、何とビーチで再会。
あかね:恭介を別世界Aに、まどかを別世界Bに飛ばし、まどかは死なずに済むが
 飛ばした先が恭介のそれと違うことに慌てて、恭介のいる世界Aに飛ばし直す。

ということでOK?
784見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/10(木) 22:01:18.09 ID:fH1aKflR
で、3人が別世界Aで再会を果たし、現在に戻る。

で合ってるか?
785見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/10(木) 22:34:27.24 ID:4wEmkQxB
それでよいかと。
でも、あかねちゃんはどこから2人を動かしてたのかしら?
786見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/10(木) 23:36:47.59 ID:PAai6d5X
稚拙な説明ご苦労さん。
787見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/10(木) 23:56:50.52 ID:4wEmkQxB
ここの作風に惹かれて来る人の中にも
「合わない」方もおられるんですね‥
783さん、どうぞお気になさらずに!
788見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/11(金) 00:15:08.04 ID:wKWsQDSs
>>786
嫌味なレスありがとう。

>>787
素直に有難う!
789元祖:2011/03/15(火) 23:38:06.81 ID:0iFRB38r
悲し過ぎます!
どうか一人でも多くの人が救われますように!
どうか一人でも多くの人が救われますように!
どうか‥!
790見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/16(水) 01:10:29.73 ID:4bM2dZpN
そうですね。
私が出来ることと言えば義援金を送るくらいかな?
本当は人的支援が一番必要なのかもしれませんね。
元祖さん、一緒に祈りましょう。
一人でも多くの人たちに安心の日々が訪れることを。
子供たちやお年寄りに温かい食料と毛布が一刻も早く届きますように。

しばらくはアップを控えます。
791見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/22(火) 10:51:02.07 ID:uCFSPz27
俺たちも行きたいが、こっちの仕事を放り出せないしなあ。
昨日のニュースではボランティア足りてるらしいから
まあ、出来ることと言えば義援金か。
民放も通常番組に戻ってることだし、
作者、アップしてもいいんじゃね?

まあ、俺的には2週続けてドアップされてるから
次のアップはもうちょっと先でもいいが。
792見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/28(月) 21:05:24.73 ID:10XkAV6w

いつまで喪に服すのかね?
793元祖:2011/03/28(月) 22:08:04.12 ID:bA7hkvB6
ちらちら覗いてはいるんですが‥
まだじゃないでしょうか?
794見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/28(月) 23:45:56.82 ID:SN+nBULy
四月が妥当じゃね?
795見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/03/31(木) 16:53:06.08 ID:Pq87Ml6E
じゃ、明日か?
796元祖:2011/04/05(火) 23:14:07.87 ID:EhCvVm1A
もうすぐ1ヶ月。
あたしは‥もう学校辞めようかな〜?
ちっともはかどらないし、興味も無くしてるし‥
ってここに書いてもしょうがないですよね〜
797見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/07(木) 23:02:04.07 ID:YoR1QMVL
高卒以上大卒以下ならとりあえず卒業しとけ。
大学院とかなら、究極的には修了しようと中退しようとあまり違わない。どの道、不利だから。
ただ、どんな教育段階にいるかわからないけど次のステップに目途がたっていない
退学は現在の経済社会環境では、この状況では目も当てられない状況になる。
どんな選択しようと他人の勝手だけど、むざむざ不利な道へ行くことないよ。
798元祖:2011/04/10(日) 22:49:17.20 ID:7qAwC7F/
ホントですよね〜。
モラトリアム少し、向学心も少し
で、なんとなくが実のところなんです。
中途半端はよくないし
かといって、大学残る気ないし
悩ましいですね〜。
このまま予備校の先生ってウルトラCもあるんですけど‥
それにしても1ヶ月経ちますけど
作者様〜、続きを‥!
799元祖:2011/04/10(日) 22:50:55.39 ID:7qAwC7F/
ところで辛口コメントって、ドクターさん?
800見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/12(火) 23:16:15.74 ID:aHaYodaJ
キミ今このご時世に何呑気なこと言ってんの?
801見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/13(水) 22:47:16.40 ID:+L+UMKX7
悪いけど学問も社会もそう甘くないよ。見ている人は見てる。
いまに地獄見るよ。学位や卒業取るなら取る、ドロップアウトして
就職するなする。最低限、覚悟でないと、どっち転んでも棘の道。
予備校の先生やれる才あるなら、やる気次第だと思うけどね。
802見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/14(木) 16:58:39.21 ID:Iqbr735Z
>799
俺じゃねーよ。
>800
ここは暢気な人間つ〜か、現実逃避したいやつが集う場だよ。
>元祖
まずは経済的に自立できるかどうか。親が資産家なら話は別だが。
(もしそうなら俺なら働かねえ。徹底的に甘える。妄想に浸る。)
803元祖:2011/04/14(木) 22:40:24.47 ID:oxVIkmk7
みなさん、手厳しいですね〜。
でも、諸説ごもっともです。
やっぱり中途半端はよくない!
頑張ろーっと。
804見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/14(木) 23:58:36.80 ID:2h2zLy2k
無理せず自然に流されてみるのも手かと…
でも、頑張ってね!
805見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/16(土) 12:20:36.34 ID:vScI99kM
前回が3月6日で、もう40日オーバー。
これって最長?そろそろ再開して欲しいんだけどね。
帰ってからひかるやみんなとの関係はどう折り合いつけるつもり?
恭介たちは転校するんだよね?まどかは放校間違いないし。
806元祖:2011/04/16(土) 22:52:31.21 ID:7SigaAWB
〉805さん
一体どうなっちゃうのかなぁ?
作者様〜、そろそろ続きを‥
807見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/17(日) 23:00:35.37 ID:sDCv4B1d
れすぺに説教される元祖w
慣れ合い作者にハゲまされw
下心見えみえドクターにフォローされw
本性は構ってちゃんだろ?
808元祖:2011/04/17(日) 23:50:40.45 ID:e7/BU9R9
何をイワレテモ仕方ないです。
とりあえず、幸せ者みたいですから。

作者様〜信じてますから。
809見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 11:25:04.92 ID:jhQBy28k
「おにいちゃん、おにいちゃんってば!」

妹たちにゆすられて目を覚ます。
気付くとじいちゃん家の居間に寝かされていた。
(俺…あ、鮎川は?)
「恭介、お前たちのせいで大変じゃぞい。」
「おやじは?それと…あかね…」
「お父さんはおばあちゃんと『辻褄合わせ』に出かけたよ。あかねちゃんは…」
「ほれ、あそこじゃ。止まっていたワシを想像しただけで肩が凝るわい!」
起き上って見ると、『おでこ』に呪文が書かれた紙を張られ正座させられている。
(あかね、スマン!)
恭介は心の中で手を合わせた。

一方まどかは…
大勢のヤジ馬に囲まれてホームに倒れていた。
「大丈夫ですか!大丈夫ですか!」
駅員が必死に声を掛けている。
飛ばされた際、どこかで打ったのか、額からちょっと出血している。
間もなく駅員に誘導され救急隊が駆け付けた。
しかし、まどかはムックと起き上ると周りを見渡し
目尻に流れ込む血を手で拭うと、じっと考えた。
(あれ?止まってたのに…春日クン…あかね…?)
「おい、君!動かないで!」
隊員たちが無理しないよう促すと、まどかはコクリと頷いた。
彼らはまどかの様子を観察して、仲間に連絡している。
無線を通して交わされる会話が物々しい。
もう一人の隊員が目撃者から様子を訊き出すのだが
大事故の割に彼女がケロリとしていることに不審がる。
まどかは彼らの目を盗んで腕時計で日付と時間を確かめると、
振り返って駅の電光掲示板のそれと比べた。
(9月6日、12時10分?…腕時計が2時間以上進んでる!
ということは、やっぱりあかねが言った通り…。)
810見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 11:50:26.74 ID:jhQBy28k
取り敢えず、まどかは頭を固定されたままストレッチャーに移された。
そして、そのままホームを移動し、駅前に着けられている救急車に乗せられると
3次救急の総合病院へと搬送された。

病院に着くや処置室に移されるとすぐに、バイタルチェック、採血、
ルート確保がなされ、救急医の一人がやって来た。
「どこか痛いところはないかい?今日は何日かわかる?今居る所は?
自分の名前、生年月日は言える?住所は?働いてるの?」
まどかは矢継ぎ早な質問の一つ一つに丁寧に答える。
そして、看護婦さんとドクターが顔を見合わせた。
「ええ?高校生なの?!」
「…はい。」
「じゃあ、保護者の連絡先を教えてくれるかなあ?」
(……)
まどかは親が遠方に居ることを理由に、
保護者として姉に連絡をしてくれるよう頼んだ。
(お姉ちゃん相当怒るだろうなあ…今度という今度は。)

まどかの落ち着いた態度と受け答えの正確性から
緊急性は高くなさそうとは思えるのだけれど…
「まあ、意識もはっきりしてるし、目立った外傷もなさそうだけど…
  取り敢えず、検査だけはしておくから。事故の状況が状況だけにね。」

まどかは検査室へ移されると病衣に着替えるよう言われ、すぐさま
エコーで臓器損傷がスクリーニングされ、引き続きレントゲンやCTで
骨折や頭蓋内損傷の有無が調べられた。
結局、目撃者達の言うことに符合せず、彼女の体は全く問題なかった。
811見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 11:55:08.66 ID:jhQBy28k
検査が一通り終わった後、まどかは処置室から個室の病室へと移された。
駅では現場検証が行われ、警察が目撃者から状況を訊いている。
また、病院では刑事たちが医師から病状聴取をしていた。

2時過ぎには、連絡を受けた学校の校長と教頭、
そして担任と生活指導の先生がやって来た。
事件性がないことと、おでこのキズの他は全く怪我をしていないこと、
新幹線にも問題はなく、15分程度の遅れを回復してダイヤは現在正常通り
運行されていることから、事態は一気に終息した。

「ご迷惑をおかけしました。本当にごめんなさい。」
しおらしく謝罪するまどかに怪訝な表情の先生達。

(先生達も内心怒ってるよねえ…あたし不良に戻ってたみたいだし。)
しかし、彼女が関わった人たちの記憶から、まどかの奇行は消されていた。
812見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 12:32:19.27 ID:jhQBy28k
取り敢えず、まどかは周りの流れに逆らわないよう身と心を委ねる。
今はベッドの上で不思議と冷静にいられる。
(夢じゃないよね?…春日クン、あかね、きっと会えるよね?)
ぼんやりと天井を眺めながら考えていた。

午後4時を回り…
トントン。

「はい。」
「まどかさん…。」
ひかるがうつむき加減に入って来た。
勇作も覗いている。
「ひかる!勇君も…入んなよ。」
「あんたは外で待ってて!」
一緒に入ろうとする勇作をひかるが一括した。
「じゃ、俺、外で待ってます。」
(ひかる…何もそんな言い方しなくても…)
まどかはちょっとブルーになる。
「先生達が騒いでたのを立ち聞きしてしまって…大丈夫ですか?」
「うん。」
「でも、まどかさんのすることには、毎回驚かされるなあ。」
「そ、そうかなあ…」
起きようとするまどかを制するように
「あ、寝てて下さい。」
「え?あ、うん。」
まどかは自分とひかるの関係がどのようになっているのか測りかねた。
病室に沈黙が流れる。
813見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 12:50:16.78 ID:jhQBy28k
ひかるが口を開いて
「先輩は…先輩は来てないんですか?」
「え?ああ、え〜っと…学校来てなかった?」
まどかの記憶では、今日引っ越しで登校していないはず。

「あたしは知りませんよ。知る訳ないじゃないですか…。
  こんな時に何やってるのかなあ?」

(え?…ひかるが知らないってことは
やっぱり春日クン『引越し』してないってこと?)
まどかは少し期待する。
(じゃあ、ひかるとの関係はどうなってるのかしら?この様子じゃ…)
少し投げやりなひかるの口調に…あの日『受け止め』てから
修正されたと思っていた自分たちの関係が、
再びこじれているらしいことを感じ取る。
(あ〜、やんなっちゃう…。)
まどかはベッドの上でため息を吐いた。

「まどかさん、全然大丈夫そうで良かったです。あたし、帰ります。
  先輩に…宜しく伝えて下さい。それじゃ…」
(なによ、ひかる。あたしに会いに来てくれたんじゃなかったの?)

ひかるが出て行った後、思いっきり溜息を吐いた。
まるで息が詰まるかのような時間だった。

(あの劇を観て…あたしが逃げようとして…ひかるが落ちて…)

ひかるが出て行ったドアの方を見つめながら考えている内に
まどかは深いまどろみへ落ちて行った。
814見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 13:02:54.09 ID:17fwS6hc
ん?
815見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 13:10:15.86 ID:17fwS6hc
なぜこんな時間に?作者は学生?ニート?
リアルタイムに今途中だが、相変わらず内容無茶がある。
>810
いきなり3次はないなあ。あ、突っ込み余計だった。
816見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 13:11:18.83 ID:jhQBy28k
同日、夕刻には姉が到着した。
まどかは事故が事故だけに、明日までの入院を余儀なくさせられた。
「どう?目、醒めた?」
「お姉ちゃん、いつ来たの?」
「さっきよ。ところであんた、すごい強運の持ち主ね。」
呆れたように口にする。
「ごめんなさい…迷惑ばかりかけて。」
「いいわよ、『慣れてる』から。でも良く助かったわねえ…」
ため息交じりに言う姉の顔をまともに見られなかった。

姉は警察に呼ばれ、駅のホームにある監視カメラの記録で事故の一部始終を
一緒に確認するよう言われた。
彼らはモニターの中のまどかの行動から、衝動性自殺の線で調べを進めている。
そこで、まどかの姉からまどかの性格や生活、近況を訊き出そうとするのだが、
姉は妹がとてもそんなタイプではないと一蹴する。
事情を聴取する際、リエゾン要請で同席した精神科医も、
『今』の彼女の精神状態と言動から『その線』は考えにくいけれど、
取り敢えず、もう少し様子を見ておく必要があると判断した。
817見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 13:40:38.49 ID:jhQBy28k
「ねえ、一体何があったの?あんた、血液中のアルコールや薬物まで
測定されたんだってよ。」
「え〜!んな訳ないじゃん!」
(うわ〜…ビーチでつられて飲むとこだったわ。)
思い出して冷や汗をかくまどか。
「で、ホントはどうなのよ?授業中飛び出したって聞いたけど。」
「うん…いろいろあって、それですごく急いでて…慌てたはずみと言うか…」
まどかはその先を言い淀んでしまう。

(誰に言っても信じてくれないよねえ…それに、言えないし。
  でも、『さっきの』が夢じゃ無ければ…
春日クン達って、すごい力持ってるんだ…)

ついさっきまでの体験を思い出す度、詳細まであまりにも生々しく脳裏に蘇り
とても夢とは思えないという確信めいた期待に胸を躍らせた。
(夢じゃなけりゃ、凄いことだよね?)
そんな彼らと知り合えたことに、少しワクワクしてくる。

「ちょっと、まどか!なにニヤニヤしてんのよ!んもう!」
お姉ちゃんに頭を小突かれた。
「あ〜、病人に手を上げたなあ?」
「あんたのどこが病人よ!」
818見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 13:43:27.68 ID:jhQBy28k
早速夕方のニュースで報じられている。
内容は
『都内私立高校在学中の18歳の女子生徒が誤って新幹線と接触事故。
  本人は軽症で意識もしっかりしており、警察では事故の原因を調査中。
   これがその時駅のカメラが撮った衝撃の瞬間です。』
帰り支度をした恭介たちは、じいちゃん家で夕食を摂っていた。
「お兄ちゃん、やってるよ!」
家族はテレビに釘付けになっている。
画面では、コマ送りで新幹線に近づくまどかの姿が!
「危ない!」
くるみとまなみが声を上げる。
ぶつかった瞬間、まどかの体はくるりと回転してホームに倒れた。
 『もう一度、ご覧頂きましょう。』
みんなは一斉にばあちゃんを見ると、気づいてにっこりほほ笑んだ。
「可愛い孫のピンチだったからねえ…」
「ばあちゃん、有難う!」
「おばあちゃん、すっご〜い!!」
やんややんやの賑わいの中
『グルグルグル〜』
あかねのお腹が鳴っている。
819見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 14:54:46.51 ID:jhQBy28k
みんなの視線があかねに集中する。
彼女は正座は解かれたものの、かれこれ6時間近く、
身動きを許されないで横にされていた。
しゃべれないし、目も開けられないけど、ちゃんと解っている。
一也が覗き込んで、ほっぺをツンツンする。
(コ、コラ!一也!!)
表情一つ変えない姉の姿に
「姉ちゃん可哀そうだよ。」
まなみとくるみも心配し出した。
「お父さんとおじいちゃん、遅いなあ。あかねちゃん可哀そうだよ。」
それを聞いて、ご飯をモグモグ食べながら恭介は
「おでこのお札取ってみれば?」
まるで他人事のように言う。
(お、お前は食うなーー!!)
表情を変えず静かに寝ているように見えるだけで、頭の中は荒れている。
その時
「今帰ったぞ〜。」
「おかえりなさ〜い!」
じいちゃんが居間に上がって来ると
「あかね、許しが出たぞ。ほれ!」
おでこに張られたお札がひらひらと舞い上がった。
がばっと身を起こすと、恭介を睨みつける。
慌てて
「お、おい…待て!」
お茶碗を持ってうろたえる恭介に
「うるさい!」
いきなり飛びかかって首を締めだした。
「お前、自分だけ旨そうに食いやがって!!一体誰のせいで!」
「ぐ、ぐるじ〜!」
『グルグルグル〜…』
あかねはその場に力無くへたり込んだ。
820見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 14:57:07.25 ID:jhQBy28k
その頃、病院では
「まどか、報道関係の取材全部断っておいたから。」
「有難う。」
「夕食来てるけど食べないの?」
「うん…あんまりお腹すかないや。」
「何か買ってきてあげようか?」
「ううん、今日はもう寝る。何だか…疲れちゃった。」
「じゃあ、今日は私あんたの所に泊まるから。」
「……」
「まどか?」
見ると、まどかは寝息を立てて眠っている。
(疲れちゃったか…)
妹を起こさないように病室の電気を消してそっと出ると
詰め所に寄って連絡先を伝え、今日は一旦引き上げる旨伝えた。
病院の玄関を出て振り返り建物を見上げ
(それにしても…どんだけ病院好きなの?)
ちょっと呆れ顔のまま、タクシーに乗り込み帰宅する。

まどかの家に着いた。
玄関を開けると
「うっ!何?この匂い!」
リビングに行き、辺りを見回すと勉強部屋に駆けあがる。
(まどかのヤツ!)
821見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 16:32:32.84 ID:17fwS6hc
いやはや・・・・・これが一カ月分か・・・・・
ところで「リエゾン」なんて洒落た言葉知ってるっつ〜ことは、お主同業者か?
精神科なら確かに金暇持て余してるやつが居てもおかしくないしなあ。
まさか患者?
822レスぺーです。:2011/04/18(月) 19:01:49.87 ID:NuejBolK
ドクターさん、お久しぶりです。リエゾンは、国際ラリーの移動区間の表示にも使いますよ!
でも、作者様って医療関係者なんかな?
元祖さん、説教なんてしてませんから┐('〜`;)┌
一人よがりです。
823見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 21:45:02.98 ID:U+/6UAx9
もう少しチマチマ揚げてくれないとー
こちとら携帯だから着いて行くの必死。
824元祖:2011/04/18(月) 22:44:43.24 ID:XoJ/aUzL
うわー、皆様お出ましで嬉しいです〜。
今はここ読むのに一生懸命で全然味わえていません。
あたしが思うに、作者様はコミックのように
「絵」を言葉で伝えようとされてるんですよね?
だから、あたしは文章から出来るだけ
作者様のワールドをイメージする様努めています。
まどかちゃんの寝顔を想像しただけで
キュンとなります〜!
今夜は夜更かししそうです。
ところで、作者様ってお医者様だったのですか?
825見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 23:09:24.72 ID:U+/6UAx9
きみ、おつむみてもらったら?
826見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 23:22:23.09 ID:jhQBy28k
他人が見ても不愉快な表現は止めませんか…?
827見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/18(月) 23:33:53.01 ID:G/ZNMqE2
久し振りのアップに活況を呈するスレ。
ところで、おでこにお札を貼られて正座させられているあかねって…
相当カワイイなあ。
828見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/19(火) 12:07:41.96 ID:BRMOHDhT
作者が医療従事者とすると・・・・・考えてみた。
3交代の看護師は暇も金もある。海外も行く。
すべからくおたくな検査技師も詳しい。
粘着な薬剤師の可能性は?
レセコンの一部と化した医療事務は・・・・・ないなあ。
829見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/19(火) 20:57:36.82 ID:3NqNPLS2
通して読んでみた。
664と666辺りはかなり引き込まれた。
やっと落ち着きを取り戻した感があるけど
ここからの展開が腕の見せ所でしよ。
830見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/04/22(金) 20:25:56.01 ID:nEtEZPnQ
オレはまどか、あかね、まどか姉、まどかママの会話が好きだな。
郡上踊りの入浴シーンなんか微笑ましくてよかった。
読んでてにんまりしてしまう。

>>820
(まどかのヤツ!)
タバコ見つけた?
831元祖:2011/05/01(日) 01:18:41.80 ID:uth8JVyM
連休突入です〜!
そろそろアップかな?
832見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/04(水) 11:58:35.83 ID:BESwrvvg
GWなのに行くとこ無い。 どこも人大杉。

引きこもって暇持て余してるからさっさとあっぷしてくれ。
833見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/04(水) 21:12:58.03 ID:kA0IV8H8
最初から読んでみた。
雑誌連載ものならソッコー打ち切りのところ
2年以上も続けられるのは2ちゃんならでは。
続けたやつもある意味凄いと思う。
834見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/04(水) 22:11:13.88 ID:a6qMhOZq
>833さん

勝手スレからラビンスレまで通すと一日がかりですよね〜♪

作者様、リアル遭遇したくってウロウロしてるんですが・・
835見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 19:16:57.12 ID:gWj1whVP
翌日
元通りになったマンションから登校する恭介たち。
「帰りにお見舞いに行こうよ。」
「ちょっと不安だなあ…」
怯えるまなみに
「大丈夫だよ。」
笑顔で応える恭介。
「おはよう!」
「おはよう!」
何事も無かったかのように通り過ぎるクラスメイト。
「お兄ちゃん…どうなってるの?」
「俺にも解らないけど、取り敢えずその場に合わせて行くしかないよなあ?」
すると後ろからいきなり
「いよ〜、春日!昨日のテレビ見たかよ?やってたぜ!あれ鮎川だろ?」
「え?」
「お前も大変だな!『姫』がやんちゃで!」
早速小松たちにからかわれている。
実は、昨夕のニュースでまどかの『奇跡の事故』が何度も流されていた。
先生たちの慌て振りから噂はすぐに広まっていた。

「ナハハハ…無事で何よりだよ。」

何事もなく4時限目まで終了。
一旦お昼に裏の花壇に集まり近況報告となった。
「お兄ちゃん、どうだった?」
「うん、やっぱり鮎川のことで話が持ち切りだったよ。
でも、俺たちのことは今まで通りでさ、なんか拍子抜けするよなあ。」
「そう。私たちも同じなんだけど…」
何か言いた気。
「どうしたの?」
「ひかるちゃんに話しかけるんだけど、『暗い』のよねえ…」
「それとなくお兄ちゃんのこと訊かれたよ。」
くるみが告げる。
836見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 19:34:28.32 ID:gWj1whVP
覚悟はしていたけれど
(そこも元に戻ってしまったか…)
落胆する恭介。
「しょがないよ、くるみちゃん。」
まなみが兄を弁護する。
今回の一件で、くるみも『そこ』はわきまえている。
恭介は校舎を見上げて、この数日のことを思い出していた。
(それにしても、鮎川…『アメリカ留学』はどうなったんだろ?)

病室では
(ビーチでは随分の時を過ごしたのに、こっちじゃ『一瞬』かあ…
  アインシュタインじゃないから解んないよ。)
まどかはぼんやりと考えている。
(あ、そうだ!)
まどかはベッドを降り、バッグに入っているジーンズのポケットをまさぐる。
「あった!」
2枚のカードが出てきた。
一つはルームキーで、もう一つはクレジットカード。
(やっぱり、夢じゃなかった…でも、持ってきちゃったのはまずかったかな?)
別の時の自分が困らないか心配になるも
(ま、いいか。)
837見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 19:52:12.83 ID:gWj1whVP
昼食を済ますと膳を下げに行く。
「ご馳走様でした。」
配膳のおばちゃんに挨拶すると笑顔を返された。
すると看護婦さんから呼び止められる。
「お部屋で大人しくしてて下さい。後で先生が診察に来ますから。」
(んもう…大丈夫なのになあ。)
しぶしぶ病室に戻る。
(それにしてもお姉ちゃん遅いなあ…それに…
…春日クン…会えるよね?)
やがて担当の精神科医が回診にやって来たけれど、普通の世間話で終わる。
「もう、退院でいいかなあ?」
ボソッと呟くドクターに
「ホントですか?」
「うん、診療部の先生に伝えとこう。じゃあ。」
そう言って出て行った。入れ替わりに

トントン!

「はい。」
恭介と妹たちが入って来た。
少し緊張気味の妹たちにまどかも赤面する。
「まなみちゃん、くるみちゃん、ごめんなさい。」
しおらしく謝罪するまどかにびっくり。
「え?いや…全然気にしてませんよ〜。まどかさんのせいじゃないし。」
みんなに笑顔が戻る。
くるみが突然
「くるみたちのこと『気持ち悪く』ないですか〜?」
「くるみ!」
慌ててまなみと恭介が抑えにかかるけど
「あ、あたし…酷いこと言ったんだ…どうかしてる。ごめんなさい。」
「いや、まどかさんは悪くないですよ。何てこと言うの!」
まなみがくるみのお尻をつねった。
まどかははにかんだ笑顔で
「本当にごめんなさい。今更なんだけど…また、友達でいてくれる?」
838見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 19:59:06.64 ID:gWj1whVP
二人はホッとすると華やいだ笑顔でまどかの傍に寄ってくる。
まどかは妹達を抱きしめると頭を優しく撫でてやった。
二人はしばらく気持ち良さそうにまどかに体を預けた。

「じゃあ、おいとましようか。」
「うん。」
「じゃあ、鮎川。」
二人は出て行こうとする兄を無理やり病室に押し戻す。
「遠慮なくどうぞ。じゃあ、まどかさん、学校で待ってま〜す。」
二人は帰って行った。
恭介は照れ笑いしている。
まどかもクスクス笑っている。

「ねえ、春日クン、妹さんたちもそうなの?」
「うん、まだ未熟だけどね。みんなそれぞれ違う『力』を持ってるよ。」
「そうなんだ…凄いね。ちっとも気付かなかった。」
「気付かれたらマズイじゃない。」
「そうだね。」
まどかはクスッと笑った。
「大体、俺たちが力を使うのは余程の時だけだし。」
「でも、力を使った方が便利じゃないの?」
「使うと後で面倒なことになるんだよ、たいていの場合。それに…」
「それに?」
「やっぱり、みんなと同じでいたいから…だから誰も使わないのさ。
  あ、今回の場合は特別だけどね。」
「…ごめんなさい。」
839見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 20:05:27.10 ID:gWj1whVP
まどかはずっと恭介に向けていた視線を窓の外に向け、しばし考えてみた。
(じゃあ、あの時のアレは夢じゃなかったんだよね?)
ふと思い出したように
「ね、ねえ、あの日のこと…ハワイで事件に巻き込まれた時のこと…」
「なに?」
「あのさ…ビーチで…逢わなかったかなあ…?」
恭介はすぐに彼女が言わんとすることが解った。
ちょっと恥ずかしそうに
「う、うん…あれは『痛かった』…かな?」
(やっぱりそうだったんだ…。)
まどかは恭介とのつながりを感じ嬉しくなった。
「春日クン、鏡のこと覚えてる?」
「鮎川もそうだったの?」
「うん…でも気付いたらコンドのベッドの上でさ…」
「オレは急に鮎川の姿が消えたから、鏡に向かって大声を出してたんだよ。
  そしたら、係の人につまみ出されて…しょうがなくビーチに戻ってさ。」
「そうだったの…すごく不思議な体験だったよ。」

ガチャ!

ノック無しでいきなりドアが開いた。
「まど!…あ、ごめん。お客さん?」
「お姉ちゃん!遅かったね。どうしたの?凄い顔して。」
「え?…ううん、後にしよっか。」

姉は鮎川邸で一泊したのだが、妹の部屋の山盛りの吸い殻や
部屋中にこびりついたタバコの匂いに相当怒っていた。
すぐに部屋を開け放し、掃除をしたり、芳香剤を撒いたりするも、
こびりついた匂いはすぐには取れる訳も無く、結局翌日も朝から
洗えそうなシーツやカーテンは洗濯し、隅々まで拭き掃除をしていたため
昼過ぎまでかかってしまった。
お姉ちゃんは軽くピークに達した怒りを抑えながら
(絶対『げんこつ』だわ!)
まどかを怒鳴りつけてやろうと息巻いて病院に戻って来たのだが…
840見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 20:59:53.23 ID:gWj1whVP
「あ、お姉ちゃん、こちら…春日クン。」
「は、初めまして。俺、春日恭介です。」
ペコリと挨拶する恭介に、ここは大人の女性として
「まどかの姉です。噂は『いつも』まどかから。」
「お姉ちゃん!!」
真っ赤になる妹と、まるで地味な彼氏を見比べ
(ふむふむ…なるほど、ある意味『お似合い』だわ。)
「じゃ、まどか。あたし果物買ってくる。ついでに清算もしとくから。」
ちらっと恭介見ると
「こんな妹だけど、よろしくお願いね。」
「な…何言ってんのよ!」
ごまかそうと必死になる妹を無視して、お姉ちゃんはさっさと出て行った。
「ご、ごめんね、春日クン。」
「あははは…、楽しいお姉さんだね。」
しばらく談笑した後、まどかはあらためて考えてみた。
「あたし、春日クン達に何度も命を救ってもらったよね。」
「…うん、もうその話は…」
「あ、ごめん。」
「俺、みんなの前では普通でいたいし…鮎川の前なら尚更…」
「でも、お礼しなくっちゃ、みんなに。」
そんなやり取りの最中に恭介はふと
「あ…そう言えば、もう一度訊きたいんだけど…」
ちょっと躊躇われたが、思い切って訊いてみた。
841見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 21:01:47.91 ID:gWj1whVP
「アメリカ留学…やっぱりするの?」
即座に
「ううん、しない。」
ホッとする恭介。
まどかは窓の外を眺めながら呟いた。
「…あたし、何焦ってたんだろ…?。
ひかるに比べて成長してないなあって…。」
「…ひかるちゃん、俺たちより大人になったよね。」
「うん。…でも、アメリカに行こうって思ったのは…ホントはね…
  やっぱりひかるのことを想うと…逃げ出したいって…思ってしまって。」

恭介は黙って聞いている。
「無責任だよね、春日クンの気持ちも考えないで。」
「いや…何となく解るよ。で、でも驚いたし、ショックだったかな。あはは…。」
照れ笑いする恭介に真顔で
「…ごめんなさい。」
まどかは静かに恭介を見つめた。
「あたし…ひかると、ちゃんと向き合うつもりでいたはずなのに…。」
まどかはため息交じりに続ける。
「でも…どうしようもなく心が逃げてしまったよ、あんな劇観た後だけに…。」
「そんなに堪えたの?」
下を向きコクリと頷くが、あらためて気を取り直して
「ううん、もう大丈夫。あたしどうかしてたんだ。」
傷心の思いや焦りで混乱していた思考が、今やっと無理なくほどけた。
842見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 21:17:08.39 ID:gWj1whVP
「でも、あたし何で春日クンのこと忘れちゃったの?」
「実はね…」
恭介は自分達の正体を明かした時、相手がそれを受け入れられなければ、
その相手の前から想い出と共に消えなくてはならない掟があることを語った。
「あたし…別に春日クンが何者でも構わないんだけど…どうして?」
「ん〜…俺にも解んないよ。もうほとんど別人だったもんね。」
「恥ずかしいよ。みんなに酷いことしたし…」
頭の中でタバコ狩りや、後輩や大切な『彼』を酷い目に合わせたシーンが蘇り、
猛烈な恥ずかしさと共に、胸がギューっと締め付けられるような苦しさも覚える。
「どうしよう…」
「大丈夫だよ。その思い出を覚えてるのは、鮎川と俺たちだけだから。」
「でも、事実だよね?あたしがしたことは。」
「別に『今の』鮎川がやったんじゃないし…」
「でも…」
「じゃあさ、後輩たちをうんと面倒見てあげればいいじゃん。
  鮎川が模範になってさ。タバコ吸うのを注意してあげれば?」
「柄じゃないんだけどなあ。おかしいよ。」
「あははは!『今から吸ってると、丈夫な赤ちゃん…』、ね?」
恭介はおどけて、まどかの口調を真似て言う。
「んもう!それ言わないでよ〜。意地悪!」
843見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 21:40:03.32 ID:gWj1whVP
「あたし…今から生まれ変われるかな?」
「無理はしない方がいいよ。鮎川は鮎川らしくしていればいいって。」
変に彼女が気負わないようさりげなくアドバイスする恭介。
彼のやさしい笑顔を見ていると、何とも癒される。
(春日クン…)
まどかはベッドから降りると恭介の傍に行き手を握った。

「もう迷わない。だから…ず〜っと傍に居てもいい?」
「鮎川……」

恭介はまどかの額にかかる髪の毛を分け、
キズをガーゼの上から優しくなぞると、
まどかは心地良さ気に目を閉じる…
(鮎川…)
恭介はそっとキスをした。

9月になると思いのほか陽が暮れるのが早くなる。
恭介に優しく包まれ、まどかは身も心もゆだねたまま…
そんな二人の姿を夕陽が照らしていた。
844見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 22:14:20.53 ID:QOoon3Ns
やったぁ!待ってて良かったですわ〜。
今回は早くからスタンバイしてた甲斐あって
リアルタイムで味わっちゃいました。
まどかちゃんと恭介クンって、運命的につながってるんですね。
最後の病室のシーン、相変わらず甘くっていいなあ〜!
25日がまどかちゃんのお誕生日だから、続きはその頃ですよね?
楽しみに待ってま〜す♪♪
845見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 22:30:09.00 ID:gWj1whVP
長い間ご愛読有難うございました。
これにて「勝手に『あの日に帰りたい』妄想編〜「ラビン・ユー」
第一部『完』とさせていただきます。
ごく少数の方々の暇つぶし程度になれたことを幸せに思っています。
それでは皆様お元気で!
846元祖:2011/05/05(木) 22:40:09.17 ID:QOoon3Ns
ちょっ、ちょっと待って下さいよー!
なんでここで終了なんですか?
恭介たちの正体が分かったからこそ、今から新しい展開があるものとばっかり思ってた。
そんなの酷いです!
第一部が終わったというだけで、まだ続くんですよね?
作者様ーー!
847見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/05(木) 22:43:13.20 ID:8aE5f0Uv
ちょっとは休ませてあげなよ。
ネタも尽きただろうしよ。

848元祖:2011/05/06(金) 01:41:49.04 ID:OH7EoOxz
せめて第ニ部の有無だけでも・・・・
849元祖さん、有難う。:2011/05/06(金) 05:53:38.60 ID:NlRhLZvD
最初から一貫して応援してくれて有難う!
ここで話は1段落ついたかなと思ったので、第一部『完』としました。
すぐに戻ってきますから、心配しないで!

まどか「元祖さん!お勉強頑張ってね。たまにはアバカブにおいでよ。」
あかね「今年の冬こそ、一緒にサーフィンしよ?」
作者「え?また行くの?」
850見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/06(金) 11:38:49.37 ID:3l5TcAwY
もう元祖とお前だけのスレになってる。オレも見てるんだがな。
元祖が泣くからすぐ戻ってこいよな。
851元祖:2011/05/06(金) 18:57:52.72 ID:OH7EoOxz
何度見てもおんなじ?いきなり梯子を外された気分です。
誰かが書かれた「打ち切り」って言葉を気にされてるのですか?
「すぐに」って言葉、信じて待つしかないんですか?
話しが落ち着きましたか?ひかるちゃんとはどうなるのですか?
納得行かないです!
852見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/06(金) 21:27:03.16 ID:3l5TcAwY
ちょっと静かにしていよう。
キミは「静観」という言葉を知っているか?
853元祖:2011/05/06(金) 22:34:14.45 ID:OH7EoOxz
ゴメンナサイです。
854見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/06(金) 22:47:34.43 ID:3l5TcAwY
珍しく素直 w
855見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/07(土) 12:01:07.35 ID:4FYCpkgT
無理やり終わった感じだな。
856見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/13(金) 22:49:03.42 ID:ACFB3S2R
即効打ち切りって書いてる奴いるけどこれ割といい線いってんじゃない?
まつもと氏は知っているのだろうか?同人にしておくのは勿体ない気がするの。
857元祖:2011/05/13(金) 23:57:41.73 ID:UncXC0rM
同感ですわ。
一刻も早い再開を望んでます!
858元祖:2011/05/25(水) 22:18:17.44 ID:1UfbB+rs
まどかさん、お誕生日おめでとうございます。
859見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/25(水) 23:07:55.95 ID:OYp8AoXC
有難う!
860見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/05/28(土) 11:49:48.78 ID:TtvCgCl5
子供の日に終了 → 父の日に再開?
861見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/03(金) 22:56:24.44 ID:jWfwMmFu
もうすぐ一か月だぞ。
862見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/04(土) 12:03:08.86 ID:+9+4WYaq
>>861
一か月待ちは今や普通。
863見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/06(月) 14:40:17.30 ID:zY/i3RRG
一か月過ぎた。それは鼻っから了解済みだが、
じゃあ、いつ再開されるのか?
そもそも再開するネタ・モチベがあるのかが気になる。
864見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/06(月) 20:03:42.98 ID:B4d85st5
他所スレでこそこそ揚げてる根性の無さ加減!
865元祖:2011/06/06(月) 22:55:35.80 ID:lKSTBwFM
よそスレって何処ですか?
866見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/11(土) 21:07:18.28 ID:A8O4qvhg
トントン。
慌てて離れる二人。
「入っていいかなあ?」
遠慮がちなお姉ちゃん。
「う、うん。」
真っ赤になってる妹を見て
(タイミング悪かったかしら…?)
「今先生に挨拶してきたよ。もう退院だから。帰ろうか?」
「あ、俺、帰ります。じゃ、明日学校で!お大事に。」

そそくさと帰る恭介をドアのところで見送るお姉ちゃん。
ドアを閉めるや振り向きざま
「まどか、あんたどういうつもり?!」
妹に詰め寄る。
「え?…何が?」
「家、凄い匂いよ!止めたんじゃなかったの?」
(あ!!そうだった!やっば〜い…)
「ご、ごめんなさい…」
「一体何があったのよ?また悪い友達…」
「違う!違うよ、お姉ちゃん…。」
「彼は知ってるの?」
痛いところを突かれ、顔を真っ赤にすると
みるみる涙目になってしまう
867見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/11(土) 21:17:25.83 ID:A8O4qvhg
「自分でも解んないんだ。ホント恥ずかしいよ…」
しおらしく出られ、お姉ちゃんも拍子抜け。
「全部ママの耳に入ってるみたいよ。どうする?」
「説明しようがないよ…謝るしか…。」
「そうね、あたしからも何とか取りなしとくから、とにかくあんたは
  一生懸命謝ることね。しっかり反省しなさい。」
「ごめんなさい…。」

二人は病室を片付け詰め所に寄るとお世話になった挨拶をする。
看護婦さんたちは気を使ってみんな出てきてくれた。
「元気でね!」
「はい、有難うございました。」
しおらしく頭を下げる妹を横眼で
(いつもこんなんならいいのに…)

病院を出ると地下鉄の入り口が目の前。
「あ、送んなくていいよ。
  チビたち置いて来てるから、すぐ帰んないと…。」
「ごめんなさい。」
「まどかはとにかく家をよ〜く換気しときなさい。」
「うん。じゃあ…」
868見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/11(土) 21:38:18.72 ID:A8O4qvhg
地下鉄のホームへ降りて行く姉を見送ると、視線を通りへ移す。
9月になってもまだまだ残暑で陽差しが眩しい。
まどかはおでこのガーゼをさすりながらしばらく考えた。

思えばこの数日でいろんな光景を見てしまった。
エメラルドグリーンに輝く海、碧く深い天空には無数の大銀河、
そして…鏡の向こうの『彼』。
今こうやって考えていることも、実は全て夢なのかもしれない。
肉体は滅びて…夢だけが独り歩きしているのかも。

(考えてもきりがないや。)

まどかはもうしばらく夢のような『今』に身を委ねてみることにした。

帰宅ラッシュの中、陽が暮れて家に帰りついた。
玄関を開け明かりを点けると、隅に置いてある紙袋が目に入った。
覗いてみるけど中はからっぽ。
(…?)
そのままリビングに上がり電気を点けて見渡す。
(いやだあ…凄い匂い)
そのまま自分の部屋へ上がると、机の上に麦わら帽子が置いてあった。
すぐに近づきそれを手にすると
「現実だよね?」
ベッドに腰掛けしばらく眺めていた。
869見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/11(土) 21:49:20.82 ID:A8O4qvhg
(君に会えなかったら…何もかも失くすところだったよ。
  これも運命なのかしら?…あ!!そう言えば…!)
ふと思い出してクローゼットから宝石箱を取り出した。
開くと優しいメロディーが流れてくる。
写真を取り出すと、慌てて全部確認する。
そのどれにも元通り恭介達の姿が戻っていた。
「良かった〜。」
まどかはあらためて1枚1枚に思いを巡らせながら
元あった場所に飾っていく。
(ごめんね、春日クン。)
お気に入りの一枚をケースに入れ机に飾った瞬間
肝心なことを思い出した。
「ああっ!!」
大声を出すや、慌てて机の傍のゴミ箱を取り上げる。
中を覗くけど何も無い!
「お姉ちゃん!まさか…」
部屋を飛び出すとドタドタと階段を駆け降りる。
リビングのどのゴミ箱も中が綺麗になっていた。
(掃除してくれたのは有り難いんだけど…)
「え〜っと…え〜っと…」
キョロキョロ部屋を眺め、思いついたようにキッチンの裏口から出ると
そこには、大きなゴミ袋が一つ出されていた。
(神様、どうか有りますように…)
870見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/11(土) 22:34:39.20 ID:A8O4qvhg
大きなゴミ袋を裏口から部屋に入れる。
中にはそれぞれ小さなゴミ袋が詰まっていた。
結び目を解くとタバコの匂いが…
(うっ!)
まどかは顔をそむけ、げんなりしながら一つ一つを遠目に透かして確認する。
すると、その内のひとつに、紙くずと一緒に赤い紐が透けて見えた。
ドキドキしながらその袋の結び目を解くと
中にネックレスが見えている。
(あった!!)
慌てて取り出しそれを確認すると、しっかりと胸に当て
(ごめんね…ごめん…)
そっと閉じた瞳から涙がこぼれた。

ずっと言えないでいた本当の気持ち。
素直になれるのに随分時間がかかった。
どうやって伝えよう?
思案に思案を重ね、思いついたのがこのネックレス。
想いを込めた小瓶はもうないけれど、染みついた自分の血が
恭介への想いを深く刻んでいる。
そんな大切な思い出の品を、危うく失くすところだった。
「神様、有難う。」
まどかは祈るように呟いた。
871見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/12(日) 04:26:37.65 ID:PA6wfwbK
翌日
まどかは登校してきた。
そんな姿を見て学生たちがヒソヒソ話している。
孤立するのは慣れっこでも、さすがに今度だけはちょっと堪える。
そんな彼女に力強い援軍が。
「おはよう!鮎川。」
「まどかさん、おはようございま〜す!」
恭介と妹達。
まどかの表情から険しさが取れ、笑みがこぼれる。
「あ…おはよう。」
さらに後ろから
「よう!奇跡の生還か?」
「…」
せっかくの笑みは消え、黙って振り向くまどかに
「無事で何よりだよ。みんな待ってるぜ。」
小松と八田が笑顔でピースサインをする。
「アリガト。」
精一杯のつっぱり。
ちょっとツンとして見せるけれど、瞳が潤みそうになる。
何だかんだ言っても心配してくれている、そんな気使いが嬉しかった。
872見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/12(日) 04:35:46.65 ID:PA6wfwbK
1限目が始まった。
まどかは席に着いている。
そして、何事もなかったように授業が始まる。
彼女はちゃんと前を向き、講義を聴いている。
しっかりノートも取っている。
一方、まどかが嫌う国語の先生は彼女の様子に少し戸惑っていた。
(な、なんか調子狂うぞ…)
まどかは気にせず、受験を控えた高校生然として授業に臨んでいる。
元が才女なだけに、気持ちが入るとそれなりのオーラが出ている。
(どう?春日クン…)
自慢げにチラリと見ると、彼は寝ていた。
(んもう…なによ〜!)
恭介に恥かかせたくない、自信を持って彼の彼女でいたい、
そんな気負いも彼には通じない。
(やれやれ…)
視線をちょっと校庭に移した。
(…!お姉ちゃん?帰ったんじゃないの?)
「鮎川!どこ見てる!」
いつものことなのに、みんなの記憶は『リセット』されている。
「あ、すみません。」
「徒然草の34ページを読んで全部訳しなさい。」
「…はい。」
まどかは外が気になりながらも、ここは授業に集中するようにした。
873見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/12(日) 04:44:23.29 ID:PA6wfwbK
「よし、今日はここまで。」
授業が終わると、すぐにまどかは校庭に下りた。
キョロキョロと辺りを見回すも、さっきの女性は居なかった。
念のため職員室を覗いてみるのだが、来ていない。
自分のことで姉が呼び出されたのではないかと心配になる。
(おかしいなあ…あれ、お姉ちゃんよね?違うのかなあ…。)

教室に戻ると恭介を探す。
彼は女の子たちにからかわれながらも、まんざらでもなさそうに笑っていた。
(……)
まどかはちょっと面白くない。
でも、全てが今まで通りに戻っている。
(なんか、ウソみたい…)

お昼になると、恭介が誘いに来た。
「一緒に学食行かない?」
「さっきは何よ、デレデレしちゃって。」
「何言ってるの。いつから鮎川と付き合ってたのか訊かれてたんだよ。」
瞬間、顔を赤くするまどか。
(そ、そうだったんだ…)
平静を装って
「ふ〜ん。で、何て答えたの?」
「中学の…転校してきた時からオレの片思いだったって…」
「そう…。」
「ね?行こう?」
「う〜ん…やっぱりやめとく。ごめんね。」
まどかは席を立つと、教室から出て行った。
(怒ってるのかなあ?)
874見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/12(日) 04:48:15.60 ID:PA6wfwbK
この間まで、みんなは恭介とひかるをカップルと思っていたはず。
それだけに、あけすけに校内で行動を一緒にするのははばかられるし、
あまりにもひかるが可哀想。
3人が近い空間を共有している時くらいは自重しておこう。

まどかは屋上に出た。
(あ!)
ひかると出くわした。
(まどかさん…。)

「お昼済んだの?」
「いえ…あんまりお腹すかなくって…。」
「ちゃんと食べなきゃね。」
「まどかさんは?」
「それがお腹すかなくって…。」
二人は顔を見合わせ少し吹いた。

「あ〜あ、あたし何で今まで気付かなかったんだろ?先輩の気持ちに。」
(……)
「でも、意外だったなあ…まどかさんも先輩のこと好きだったなんて。」
「言えなかったよ。」
ひかるはまどかを見ずに
「もう少し…もう少し時間かかりそうだけど…頑張ってみます。だから…」
(だから?)
「まどかさんと先輩には…うまく行って欲しい。
  うん、そう!うまく行って欲しいです。」
そう言うと、そのまま遠くの景色を眺めていた。
(ひかる…)
875見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/12(日) 04:52:39.57 ID:PA6wfwbK
まだまだ陽射しは暑いのに、風は何だか涼しく感じられ
二人の髪がやさしくあおられている。

ひかるはまどかを見ずに語り出した。
「先輩はあたしの初恋の人だし、まどかさんは…
かけがえのない『お姉さん』だし…
  二人とも大切だから、二人にはうまく行って欲しい
…そう思います。」
まどかは振り向き
「あたしにとっても、ひかるは大切な『妹』だよ。」
でも、ひかるは強がって
「ざ、残念だけど…あたしの存在は先輩にとってもそうだったみたい。」
(ひかる…)
「じゃ、お昼食べにい〜こお〜っと。まどかさんは?」
「あ、いい。」
「それじゃ!」
ひかるは階段を下りようとしたが、ちょっと立ち止まり振り向く。
「まどかさん、ひとつ訊いてもいいですか?」
「何?」
(いつから先輩のこと…)
「あ、やっぱりいいです。じゃあ!」
ひかるはそのまま駆け降りて行った。

(ひかる…有難う。)

まどかは髪をかき上げ遠くの景色を眺めていた。
876見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/12(日) 05:08:05.36 ID:GPpNA/Sn
早起は三年の得。
877見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/13(月) 05:21:18.43 ID:wiUHFWmj
放課後
「春日クン、アバカブ寄ってかない?」
「いいよ。」
「あのさあ、なんか探りを入れながらなんだけど…ホントにみんな忘れてるの?」
例の一件以来、自分がどう思われているのか疑心暗鬼になってしまっている。
「多分、あの日、ひかるちゃんが『落ちて』、その後、鮎川荒れてたけどさ…」
「そ、それ言わないでよ。」
恭介の口を塞ごうとするのに、笑いながら受け止める恭介。
「嫌だな〜…」
「しょうがないじゃない、ね?」
まどかはコクリと頷く。
「その荒れてた部分が、やっぱりみんなの中から消えてるみたいだね。」
「ホント?良かったあ。」
「でも、タバコの匂いとかは感覚として残っちゃうみたい。」
「え〜?残念!あははは。」
まどかはおどけて笑っている。
878見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/13(月) 05:26:53.19 ID:wiUHFWmj
「で、俺たちが引っ越すって記憶も、みんなの中から消えて…」
「すごく都合がいいのね。」
「そうするのって大変なんだよ。まあ、じいちゃんばあちゃんが…だけど」
(そういや、あいつに何か礼しなくっちゃ。)
恭介はあかねのことを思い出していた。
一方まどかはまどかで、自分も操作されているんじゃないかと
「ひょっとして…」
怪訝な面持で恭介の顔を覗きこむ。
「…え?あ、悪用はしてないよ!ホントだから…
  してたら、もっと上手くやるっつ〜の。」
「それもそうだね。あははは。」
笑いながら歩く二人。
「でも凄いよね。春日クンたちなら世界を変えられるね。」
「多分無理だよ。俺達って目立たないように生きてきたから。」
まどかはじ〜っと彼の顔を見つめ、考えるように上を向いて
「…そうよね。確かに、春日クン目立ってないし。」
そう言って、ちらっと見るとムッとしている。
「あははは。あたし的には『目立ってる』けど。」
「なんだよ〜。」
「じゃあ、おじいちゃんやおばあちゃん達が辻褄合わせをしてくれて…」
「そう。でも、何でもかんでも上手くは行かないから…
  後は、そこに合わせて行くしかないんだよ。」
「今までそうだったの?」
「俺たちは小さい頃からこんなんだから慣れてるけど、鮎川は戸惑うよね?」
「うん。毎日何か手探りな感じがするかなあ。まあ、でも…」
「なに?」
「刺激的で楽しいよ。」
879見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/13(月) 05:31:10.20 ID:wiUHFWmj
カランコロ〜ン!
「よお!いらっしゃい。」
「こんちは。」
「いらっしゃいませ〜。」
バイトの女子大生がお冷を持って来た。
「まどかクン、アメリカ…あ、アメリカンでいい?」
マスターの珍妙な気使いにちょっと噴き出す。
「ぷっ!…マスター、あたし行かないよ。」
「ええ〜?本当なの?」
恭介の方を見やると、彼もバツが悪そうに他所を向いている。
まどかは両手でお冷を握ると口元に当てながら

「ひかるも解ってくれてるみたいだし…だから…」

(え?そうなの?)
恭介は自分が知らない間に話が進展していることに驚く。
マスターも3人の関係が修復されながらも前進していることに安堵した。

「そう…。じゃあ、これでゆっくりと…」
マスターが優しく言うのに
「うん。一時手伝えないけど…受験生してたいから…『誰かさんと』」
マスターを前に少し照れながら告白した。
「良かったね、春日君。まどかクンがついててくれたら百人力だ。」
「え?あ、あははは…」
カウンターの照明が二人を優しく包んでいる。
880見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/13(月) 05:36:50.96 ID:wiUHFWmj
日も暮れてアバカブを出る二人。
「じゃあ、また明日!」
「うん、じゃあね。」
胸元で小さく手を振ると、まどかは帰路へ向かった。
帰宅すると
(あれ?何で電気点いてんの?)
玄関の鍵が開いている。
まどかは身構えてそっと中を覗くとお姉ちゃんが。
(やっぱり来てたんだ。さては、あたしがまたタバコ吸ってないか確かめに…)
「ただいま〜。お姉ちゃん、来るなら来るで…」
ロビーに入り彼女の姿を見て…まどかの全身に鳥肌が立った!
(お姉ちゃんじゃない!あなた…)
向こうもまどかを見て驚いている。
「あなた…あなたはあたしなの?」
そこには自分より明らかに年上の自分の姿が…。
「ねえ、あなたは…」
「あなたこそ…」
二人は絶句したまましばし見つめ合った。
881見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/13(月) 11:59:00.90 ID:9N5sIAZI
余程溜まっていたのか?一気にアップしたなあ。
内容も随分むりくりだし。
でも、ひかるとの和解のシーンは良かったよ。

そして、新しい展開。
能力とやらで逃げ道作るから、
話が不思議ワールド全開になってしまったなあ。  残念!
882見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/13(月) 21:32:09.00 ID:HMT26/yG
随分上から目線だこと。
883見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/13(月) 22:05:28.66 ID:/yf9DWLd
》881

何が残念なんだか
884元祖:2011/06/13(月) 23:09:19.95 ID:94bHDSLl
ひかるちゃん、いじらしい。
まどかさん、乙女になってる〜。
そして、作者様の視線が優し過ぎます〜〜!
885見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/14(火) 11:44:12.15 ID:R5bU+0vS
>>883

それは失礼した。
886見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/18(土) 23:58:25.14 ID:+K1gnAXO
前もあったよな、二人のまどか。
アメリカへの旅支度してる時。
887見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/26(日) 12:36:41.73 ID:wPGChVTD
あと半月待てばよいのか?つづきは。
888見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/06/28(火) 19:46:39.84 ID:C5/utr2q
まどかVSまどかはあの夏のパクリだろ!
889見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/01(金) 19:49:05.53 ID:YNcUZpuH
元祖何か書けよ、過疎ってるじゃねーか。
890見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/02(土) 12:11:35.14 ID:3qC2ONou
作者が来ないとヤツも来ねーよ
891元祖:2011/07/06(水) 22:28:54.05 ID:t9AoP3Cw
二人のまどかちゃん・・早く続きが読みたいです〜。
892見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/17(日) 21:31:08.95 ID:2qDKPdSg
1時間後…
恭介と、連絡を受けたあかねが慌ててやって来た。
「ごめんね、呼び出して。」
申し訳なさそうに言うまどかに
「ううん、でも驚いたあ。」
あかねも少し年上の『まどか』にびっくりしている。
「ねえ、これどういうこと?」
まどかはあかねに尋ねた瞬間、
それまで黙って3人を見ていた彼女が
「春日クン!」
「え?」
恭介に詰め寄るといきなり抱きついた。
「春日クン、もう逢えないかと…」
「え?…え?」
びっくりして体をこわばらせる恭介。
「ちょ…ちょっと!何すんのよ!!」
慌てて間に入ると、無理やり二人を引き離した。
「一体、何なの!?」
まどかの口から大声が出てしまった。
893見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/17(日) 22:01:32.23 ID:2qDKPdSg
ソファに2人ずつ向かい合わせに座る4人。
年上のまどかは恭介の傍から離れようとしない。
ソファに向かい合わせに座るまどかは面白くない。
(何であたしがこっちなのよ!)
隣に座るあかねがまどかをなだめている。
「ねえ、どういうことですか?」
年上の自分に言い放つと、じろっと恭介を睨む。
(ひ、ひえ〜…)
たじろぐ恭介。どうしていいのか分からない。
けんか腰になるまどかを一旦落ち着かせようとあかねが提案。
「ね、ねえ、まどか。コーヒー入れようか?」
「お願い。」
ブスっと応える。

「あたし、5年間探してた。あなたのことを想わない日はなかったよ。」
「え?ど、どういうことですか?」
みつめる彼女に恭介はタジタジ。

カチャン!!

カップを受け皿に強く置くまどか。
冷静を装うも、怒りのオーラが恭介に降り注ぐ。
(ひ、ひえ〜…)
彼女は5年分の想いから、感情が先に立って言動を抑えられない。
「あなたが居なくなって…私は初めて目が覚めて…追いかけたのに
  どこにも手掛かりがなくって…どうしていいのか…どうしたらいいのか…」
思わず恭介の手を握った。
(な、何を!!)
慌てて立ち上がろうとするまどかをあかねは一生懸命に制する。
894元祖:2011/07/17(日) 22:06:12.13 ID:QkHfkG9V
作品様〜、期待して待ってました♪
なんだか面白そうな展開にワクワク!
895見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/17(日) 22:07:28.61 ID:2qDKPdSg
年上のまどかはとても美しかった。
でも、どことなく薄幸な雰囲気。
そんな彼女に見とれている恭介が我慢ならない。
「ねえ、どうして年上のあたしがここに居るのよ?!」
まどかはちょっと怒り口調であかねに訊いた。
(まあ、まあ…)
あかねはちょっと考えて
「ねえ、まどか…『まどかさん』の持ち物何か持ってこなかった?」
「え?」
不意を突かれてちょっと考える。
(…!!そうだ!)
まどかは恭介に睨みを利かせると、慌てて2階に上がった。
机の引き出しを開けると、そこにはレシートとカードが2枚あった。
まどかは持って下りてくると申し訳なさそうにテーブルの上に置いた。
「あっ!それ、あたしの!返してよ!」
取り上げると年上のまどかは5歳年下のまどかを睨んだ。
「ごめんなさい。」
「それだあ…まどかがあっちの『まどかさん』の物持ってきちゃったから…」
「あ!こ、これ…」
レシートを眺めていた恭介が印刷されている西暦に気付いた。
「今から5年後だ!」
896見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/17(日) 22:16:39.73 ID:2qDKPdSg
それまで大人しく聞いていた彼女が口を開いた。
「ねえ、一体どうなってるの?何であなた達あたしの家に居るの?」
「それは逆で…ここはあなたの世界じゃなくって…」
説明しようとするも、あかねも混乱してきた。
全く自分たちと関わりの無い世界に『飛ばした』はずなのに
彼女は恭介を知っている。
その世界でも二人は出会っていた。
そして…

逆にあかねが訊ねてみる。
「ごめんなさい、まどかさん。あなたこそ、どうしてここに居るんですか?」
「え?…そう言えば…」
さっきまでハワイに居たはず。
気付いたら、自分の出身校の校庭に居た。
何が何だかわからないままフラフラと『自宅』へ来てみたことを話した。
897見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/17(日) 22:26:12.54 ID:e4sRZT+F
今度はひかるじゃなくって自分にヤキモチ妬いてるw
どこまで強欲まんだか
898見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/17(日) 22:33:04.31 ID:2qDKPdSg
「あかね…どうすんだよ?明日じいちゃんに…」
彼女が話に加わる。
「おじいちゃんって、春日クンの?」
「え?あ、知ってるんですか?」
「ええ。でも、5年前からみんな行く方が分からなくって…」
「じゃあ、5年前の俺たちはどこに行ったんだよ?」
3人があかねを見つめる。
「ああ、んもう!さっぱりわかんない!!」
(…あ〜、また怒られるよ…)
頭を抱え込んでしまった。
「と、取り敢えず…今日はもう遅いし…。」
「お願い、春日クン。もう、どこにも行かないで!」
年上のまどかが恭介の手を取るのを見て、まどかが詰め寄った。
「んもう!いい加減にしてよ!!」
恭介は二人のまどかに挟まれ弱り果てている。

結局、続きは翌日ということで、あかねと恭介は一旦帰ることにした。
一方、まどかは自分の分身と夜を共にすることとなった。
899元祖:2011/07/17(日) 22:34:16.26 ID:QkHfkG9V
仕方ないんじゃないんですか?
だって、恋愛とは無縁の荒んだ世界で不良して
突っ張ってたんだから。

反動ですよ。
気持ちを抑えられないって以前書いてあったでしょ?
900見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/17(日) 22:39:39.49 ID:5QyA42Ig
は…お前にレスする気しねえ。
901見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/18(月) 02:41:19.04 ID:29WNVcQf
「シャワー借りていいかしら?」
「どうぞ。あたしのパジャマ置いておきますから。」
そう言うと、さっさと2階に上がって行った。
まどかは面白くない。
相手は『自分』なのに、ヤキモチをやいてしまう。

(何よ、『春日クン、春日クン』って。
  あいつもデレデレしちゃって…。)

シャワーを済ませ、彼女が上がって来た。
「いいわよ。」
(…)
濡れた髪の彼女を見て、いつもの自分を見るようで声を失った。
そして、余計に拒絶してしまう。
自分のパジャマを着た彼女を受け入れられないでいる。
まどかは何も返事をせず下に降りるとシャワーを浴び始めた。
シャーー…
頭から浴びながら、滴るしずくをじっと眺めている。

(5歳年上のあたしが春日クンと出会えてないって…)

シャワーを済ますと、缶ビールを2缶持って上がって来た。
「どうぞ。」
彼女に差し出すと、自分は勝手に開けて飲み出した。
902見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/18(月) 02:44:14.90 ID:29WNVcQf
「ねえ、タバコ…あるかなあ?」
ギクッとするまどか。
「あ、あたし、止めたから…」
「…やっぱり、春日クン?」
(ふんっ!)
「そうなんだ…うらやましい。」
悲しそうな声にビールを飲む手が止まる。
ビールを口から離し、ちらりと彼女を見ると
5歳年上の自分が微笑んで自分を見ている。
でも、その瞳は涙で輝いていて…
そんな姿を見ると、
(もしあの時春日クンに逢えなかったらあたしも…)
落ち着きを取り戻したまどかは彼女の『5年間』を知りたくなった。
「あの…もし良かったら…春日クンと会えなくなった後…」
「聞きたい?」
「ええ…。」
そして…
話を聞いている内に、まどかはショックで何も言えなくなった。
903見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/18(月) 02:47:05.70 ID:29WNVcQf
彼女の話は、なんと新幹線にはねられたところまで一緒だった。
そして、その後恭介たちは彼女の前から姿を消し、
周りの人たちも春日家の存在を忘れてしまったと言う。
その世界で、恭介の存在を唯一覚えている彼女は
随分辛い思いをした様子。
高校を卒業してからは、少しでも彼の意に沿うようK大に学籍を置き
最初の3年間は方々を尋ね歩いた。
能力を持つ者の存在を聞くや、すぐに駆けつけるものの
全ては似非能力者であり、その都度失望させられた。

そんな折、恭介を想って奏でたメロディーが早川の耳に留まり
彼の手で勝手に編曲がなされ、恋愛ドラマの主題歌として大ヒットした。
しかし、まどかは自分の想いが安っぽく編曲されたことに我慢がならなかった。
何より

(そんなんじゃない!あたしの気持ちは…誰にも解るもんか!)

自分だけの『深い想い』が一般化されたことが許せなかった。
こともあろうに、早川がまどかの存在をチラつかせたために、
大衆紙の取材は日を追ってまどかを追い詰めた。
辟易とした彼女は単身ハワイに身をひそめていたところであった。
904見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/18(月) 02:49:33.78 ID:29WNVcQf
そこは、『あの日』を期待して何度も訪れた場所なのに…
恭介との出会いは叶わなかった。
最近では、反って悲しさが増すため遠ざかっていた。
それが、こんな形で逢おうとは…

この5年間、彼女がどんなに辛かったか、
そして、どんなに彼のことを想い続けたかを想像すると、
悲しみに共感すると共に、そんな彼女の姿が誇り高いものに思え
…自然と言葉になって表れた。

「逢えて良かった…。」

まどかは彼女の気持ちを思いやった。
もし自分が恭介に逢えなかったら、どんなに不幸になる事かと
わが身のことのように思う気持ちから、自然と労わりの言葉が出た。
905見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/18(月) 02:52:58.97 ID:29WNVcQf
さっきまで愛想が無かったまどかが心を開いてくれたのを感じ
「有難う。」
彼女はやさしく微笑んだ。
まどかは心底5歳年上の自分を不憫に思い涙を浮かべた。
(あの一瞬でも切なかったのに、5年間も耐えてたなんて…)

「お姉ちゃんの部屋が空いてるから…使って下さい。」
「有難う。」
そう言うと、彼女は飲みかけのビールを持って立ちあがった。
「あの…」
「何?」
振り向いた彼女の姿に見とれてしまう。

(彼女のことをもっと知りたい。
ひかるはどうなってるのか
自分の家族は…)

「いえ、『自分の家』だから、好きに使って貰えたら…」
彼女は気使いする年下の自分にニッコリほほ笑んで
「アリガト。」
そう言い残して部屋を出た。
906見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/18(月) 19:42:47.38 ID:IFrT8JEQ
話が複雑だが、今のところ何とか付いて行ってる。何度も読まないと解らんね。
907見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/20(水) 16:25:44.16 ID:zna83Cs1
おい!早くコメ書けよ!お前好みの展開だろー?
908見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/20(水) 21:13:22.01 ID:7rca0FYL
900こえてんだけど、パート中つくる暇人いる?
909見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/20(水) 21:53:34.91 ID:TK3JQO2f
いるわけない!
910元祖:2011/07/20(水) 22:06:36.59 ID:q1gaUJbz
あたしが作りま〜す。どーぞご心配なく!
作者様〜、まどか「さん」を何とかしてあげて下さい!

って、もう考えてますよね?
絶対円満解決希望!
911見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/20(水) 22:50:28.83 ID:7rca0FYL
作るほどストーリーネタはあるのか余計な心配をしてみる。
912見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/25(月) 20:51:27.89 ID:kQnnUZb8
これは「あの夏」の逆バージョンってだけで、つまりパクリだ。
913見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/31(日) 21:26:52.60 ID:pObk7aMt
5年後のまどかは姉の部屋に入ると見渡す。
(全然変わって無いんだけどなあ…)
でも、飾ってあるオーディオを触ってFMを聴くと
やはり番組は曲もDJの話も5年前を思わせる構成。
にわかに信じがたいけれど、春日家が何らかの能力を持つ一家である、
そこまでは解っている。
その後5年間行く方が解らなかった彼が幼い姿で現れ
そして、明らかに年下と思える自分を見たら
否が応でも信じざるを得ない。
自分の家と思って帰宅したものの、カレンダーも5年前だし
やはり自分の方が別の世界に迷い込んだのは間違いなさそう。
そして、そこでは万事上手く事が運んでいる。
『引っ越し』したはずの彼らが戻ってきている。
(どうしよう…やっと春日クンに会えたのに…彼は『彼女』のものだし…)
恭介の元気な姿を見てホッとした。
出来ることなら、もっと彼に触れていたい。
しかし、それは叶わずこのまま元の世界に戻らねばならないのなら、
生きて行くには辛すぎる。
914見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/31(日) 21:41:23.18 ID:pObk7aMt
彼女はベッドに座るとポケットから写真を取り出し眺め出した。
(あたしの写真は全部春日クン居なくなっちゃったのに…)
まどかの部屋から1枚失敬してきた写真を感慨深く見ている。
(あたしはこの世界に居られないのかしら?
  どうせ戻っても春日クン居ないし
    時々貸してもらうのってのは…やっぱり駄目よねえ。)
残りのビールを流し込むとそのままベッドに横になる。
目が覚めたら元に戻っているかも知れない。
それでも、恭介に出逢え、触れることが出来た。
この感じは5年ぶり。
(夢なら…覚めないで…)
そのまま深い眠りへと誘われていった。

翌朝
まどかは起き出すと、姉の部屋をそっと覗いた。
シーツとパジャマが畳んである。
「今度は…夢じゃなかったか。」
そ〜っとリビングに降りようとすると
(…いい匂い。お味噌汁?)
覗き込むようにキッチンへやって来たまどかを見て
「おはよう。」
「…おはようございます。」
「ごめんね、あなたのお家なんだけど…どうしても白いご飯食べたくって。」
(そうか、ハワイに居たんだよね。)
「もし良かったら、一緒に朝ご飯食べない?」
「あ、はい。」
915見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/31(日) 21:53:18.32 ID:pObk7aMt
まどかは顔を洗うと着替えてきた。
ちらっと覗くと、年上の自分が朝餉の支度をしている。
彼女の容姿やその仕草は、それが自分の将来の姿と思うと
気恥ずかしくなる程に女らしく美しい。
5年間抱き続けてきた悲しみがどことなく陰りを帯びて
それが得も言われぬ雰囲気を醸し出している。
そんな彼女にぼんやりと見とれてしまいながら
(なんか、変な感じ…)
年上の彼女の余裕ある態度に、女として負けている気がする。
(でも、5年経ったら、あたしもこうなれるのよねえ?)
気を取り直してテーブルに着く。
彼女は
「これくらいでいい?」
そう聞きながらご飯をよそうと、黙ってお味噌汁を注いだ。
「頂きます。」
「どうぞ。」
(な〜んか、調子狂うな〜…)
彼女はエプロンを外すと
「よいしょっと。さ〜て、私も食べようかな。」
手を合わせるとご飯を口にする。そしてお味噌汁に口をつけると
「あ〜、やっぱりうちのお味噌だわ。美味しい。」
しみじみと味わっている。
916元祖:2011/07/31(日) 22:08:17.04 ID:y9pAyW7x
作者様〜、サプライズです〜♪
まだ二週間しか経ってませんのに。

5歳年上のまどかさん、スッゴク素敵!
まどかさんと一緒に朝ごはん食べたいなあ。
917見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/31(日) 22:08:17.51 ID:pObk7aMt
(あたしの味だ、これ。やっぱりあたしなのよねえ…)
まどかもしみじみと味わっている。
「美味しい?」
「ええ、とっても。」
まどかに少し笑顔が出た。
食事が済むと、彼女が片付け始める。
慌てて手伝おうとするのを制して
「あなた、学校でしょ?ここはいいから。着替えてらっしゃい。」
「はあ…」
(やっぱり調子狂う。)
まどかは制服に着替えると、かばんを持って降りてきた。
「あの…誰かに見られたら…」
「そうね。…あかねちゃんのサングラス貸してくれる?
あなた達が帰ってくるまで街をブラブラしてるわ。
 『5年前』のね。」
そう言うとちょっと笑った。

「これ…好きに使って下さい。」
まどかはそう言うとサングラスと一緒に『自分の』カードも渡した。
「じゃ…行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
笑顔で自分に見送られ歩き出す。
(ホント、調子狂うなあ…)
何気なく振り返ると、彼女はまだ見送っている。
まどかは胸元でちょっと手を振ると、もう振り返ることをせずに早足で歩いた。
918見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/31(日) 22:16:07.83 ID:pObk7aMt
近くまで恭介が迎えに来ていた。
「おはよう、鮎川。」
「あ、おはよう、春日クン。」
「まどかさん…家に居るの?」
(ふんっ!)
途端にまどかの表情がよそよそしくなる。
ちょっとスネた口調で
「そんなに気になるのかしら?」
「なんだよ〜、違うよ。あかねも俺も学校あるからさ、取り敢えず
  今日の夕方じいちゃん達に来てもらうことにしたんだよ。
   だから…夕方には鮎川家に居て貰わないと話が出来ないしね。」
まどかは気を取り直して
「ね、ねえ、彼女元の世界に戻るの?」
「だってこっちの世界の人じゃないし…やっぱりじいちゃん達の力を」
「駄目よ!」
「え?な、なんで?」
昨日散々ヤキモチを妬いてた彼女の口から思わぬ言葉が…
「とにかく…このまま帰しちゃ…駄目なんだから!」
そう言うと、さっさと歩き出した。
(今年で4年目になるけど…相変わらずわかんねーや…)
恭介も後を追うように歩き出した。
919見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/31(日) 22:23:42.40 ID:zpG6r+68
ハワイでも作ってたし、この作者は味噌汁に飢えてんのか?
おふくろの味ってやつ。
920見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/07/31(日) 22:27:16.69 ID:pObk7aMt
5年後のまどかは5年前のアバカブの前に来ていた。
窓越しに店内を覗くと、まだ営業前で誰もいない。
(全然変わってないや…ここで働かせて貰うってのは…
  やっぱりまずいよね?)
ウインドウ越しにぶつぶつ独り言を呟いている。
(奪っちゃおうか?)
ちょっと悪戯心が湧くけれど
窓に映る自分の姿に焦点を合わせ
(若さには勝てないか…それにあたしと同じ目に合わせる訳には…)
「は〜…」
考えがまとまらないままその場を離れ歩き出した。
(他人のそら似ってことにすれば
…やっぱり、『向こうの』ママ達心配するだろうし…
   …でも、帰ったら春日クン居ないんでしょ?)
そう思うと
「やっぱり帰りたくない!」
口にした途端、すれ違うタクシーに視線が行った。
(え?やだ!ママ達…)
5年前の両親が険しい表情で乗っている。
まどかは慌ててサングラスをかけ他所を向くと
タクシーを振り返ることなく足早にその場を去った。
「危なかったあ〜。」
繁華街に出ると、5年後にはもう閉店となるカフェに入った。
921元祖:2011/07/31(日) 22:31:20.32 ID:y9pAyW7x
あたしもお味噌汁頂きたくなってきました〜。
インスタントで我慢し〜よ〜っと。
922見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/01(月) 01:04:50.95 ID:CqnGkDRa
店内の人目から離れた場所に座るとアイスティーを頼む。

(今のあたしなら予知能力持ってることになるのかしら?
  もしそうなら、事故や事件なんて全部防げるんだけど…)

運ばれてきたアイスティーを飲みながらふと見ると
サラリーマンが開く新聞記事の一面に載る大事件が目に入った。

(あんな事件知らないわ…
あたしの辿って来た時間と、『今』流れてる時間って…)
「やっぱり違うのよねえ…」

呟くとぼんやりと考える。
(ところでママ達何しに来たのかしら?)

その頃鮎川邸では
両親は帰宅するとすぐにまどかの部屋に入った。
いつもは娘のプライバシーを尊重して遠慮していたが…
「パパ、匂わない?」
「君も吸ってるんだから怒れないだろ?」
「何言ってるの!高校生よ、まどかは。」
(君も高校からだったじゃない…)
荒れるママを前に口を慎むパパであった。
923見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/01(月) 01:07:53.37 ID:CqnGkDRa
今回の『事故』にはさすがの両親も怒っていた。
「んもう、恥ずかしいったらありゃしない!
  今度という今度は許しません!多分凄い請求額来るわよ、JRさんから。」
「困ったもんだな、まどかには。やっと裁判が始まったばかりなのに…」
「あの子、カウンセリング受けさせなきゃ。
  ボストンの先生のところに連れて行きましょう、ね?」
「ん〜、まあとにかくまどかとじっくり話してから…」
「あなたはまどかのことになると甘いんだから!
  今回は問答無用ですよ。絶対許しません。いいですこと?」
「今回は…仕方ないか。」
パパは『娘と彼』が仲良く映る写真を眺めながら
その写真が醸し出すやわらかい雰囲気と娘が起こす騒動が
あまりにもかけ離れていることに戸惑っていた。

その頃学校では
まどかはもう一人の自分のことを考えないように授業に取り組んでいた。
そんな彼女の姿をチラチラ見ながら
(鮎川…何ともない訳ないのになあ?)
当事者のまどかがドライに切り替えているのが気になってしょうがない。
924見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/01(月) 01:12:31.58 ID:CqnGkDRa
昼休み
まどかは売店でサンドイッチを買ってきて一人で教室で食べている。
恭介は相変わらず小松達に絡まれながら学食に行ってしまった。
学食ではひかるとくるみ、まなみが一緒に笑いながらカレーを食べている。
恭介に気付いてひかるは少し笑顔で会釈した。
恭介もちょっと笑顔で応えるが、すぐに小松達と人の波に飲まれていった。

放課後
「待ってよー。」
まどかの後ろから恭介が駆け寄る。
彼女はいつもの澄ました顔で彼をたしなめる。
「春日クン、授業中キョロキョロしちゃ駄目よ。」
「え?う、うん。」
(ちぇ、知ってたのか…)
「学校は学校で集中しようよ。」
「何ともないの?」
「今考えてもどうにもならないでしょ?」
「それはそうだけど…朝言ってた『帰しちゃ駄目』ってどういうこと?」
「そのこと?う〜ん…今はうまく言えないけど…いろいろあるんだよ。」
「解んないけど…」
「とにかく帰ってからだね。家来るんでしょ?」
「あ、オレ一回家に帰ってじいちゃん連れて来る。
あかねは学校からそのままそっちに行くと思う。」
「そう…じゃ、待ってるね。」
925見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/01(月) 21:09:01.76 ID:sQXwfKIN
味噌汁飲みたい。
926見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/01(月) 22:10:31.28 ID:idel1CEY
おれインスタントしか知らね。
母ちゃんは出汁パック使ってたし…。
おすすめのインスタントってある?
927元祖:2011/08/01(月) 22:38:12.99 ID:DHlXGmK/
ちょっとお値段高めですけどフリーズドライで京白味噌のお味噌汁がありますよ〜♪
あたしもダシパックです。
コピペしたからちょっと前に戻って読み返してみよ〜っと♪
928見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/01(月) 22:45:38.76 ID:sQXwfKIN
オレは煮干しで出汁取ったやつが飲みてーんだよ!
929元祖:2011/08/01(月) 22:54:50.70 ID:DHlXGmK/
そういえばまどかちゃん「いりこダシ」派でしたよね。
今度トライしてみよ!
930見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/02(火) 19:50:59.42 ID:kKIDgkyD
残り少ないんだから無駄に使うなよ。
931見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/07(日) 23:36:20.49 ID:VqCwhsiF
なんて上から目線・・・
932見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/15(月) 00:09:04.91 ID:LY7QOkZ+
半月か・・・まだ続きは先のよう
933見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/21(日) 20:20:52.46 ID:WXD7Wd4X
帰宅するまどか。
(まどかさん帰ってきてるかなあ?あれ?)
玄関の靴を見て驚く。
(やだ!ママ達帰ってきてるの?)
「ただいま。」
「あら、お帰り。ねえ、ちょっと話があるからこっちにいらっしゃい。」
口調と表情から明らかに怒っていると解る。
(なんかやばいなあ…)
まどかは制服姿のまま2階に上がらずそのままリビングに行くと
パパがソファに座っていた。
隣にママも座ると抑え気味に
「ちょっとそこに座りなさい。」
(何かしら?)
「まどか、一体どういうこと?駅で列車にぶつかったって聞いたけど。
警察からも連絡有ったし…一体何があったの?ニュースにもなったそうじゃ…」
「あ、あれは、慌てたはずみで…」
「なんで学校抜けだして駅に行くの?あなたここ最近おかしいわよ!」
「うん…いろいろ有るんだ。あれはホント慌てたはずみで…」
「もうね、あなた一人じゃ心配だから、今度という今度はアメリカに来てもらいます!」
「そんなあ…大丈夫よ、もう。ホントに大丈夫だから。」
「あなたタバコも始めたんでしょ?お酒も飲んでるみたいだし。」
934見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/21(日) 20:41:52.26 ID:WXD7Wd4X
思い出したくない過去をあげつらわれている様な気がして
げんなりするまどか。
何を言っても誰も信じてくれないし…言えることじゃないし…
自分が我慢すればいいことと思っていたけれど…
甘かった。

「着替えてくる!」
まどかは急に立ち上がるとその場から逃げた。
「ちょっと、待ちなさい!まどか!」
ママが声を荒げるけれど、まどかは自分の部屋に入ると鍵をかけた。
ママが追いかけようとするのをパパが押し止めた。
「ねえ、ちょっと落ち着いて。ね?ママ。」
「だって…あの子…」
反抗的なのはいつものこと。
でも、今回はママもちょっとキレ気味。
「今追い詰めてもまどかのことだから余計反抗するって。」
パパは昔タバコの匂いをさせて遅くに帰ったまどかの頬を
叩いたことがあった。
まどかは凄い形相で睨み返すと父親を突き飛ばして自分の部屋に籠城した。
次の日、2階の窓から抜け出し、1週間家に戻って来なかった。
そして、公園で不良たちと大立ち回りをして怪我を負い
病院に運ばれたと警察から知らされた。
935見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/21(日) 20:54:28.71 ID:WXD7Wd4X
両親にうんと甘えたい年頃を歳の離れた姉と二人で過ごすことが多く
それ故、何かにつけ口うるさく言う親に
(自分達は好き勝手なことしてるくせ!)
反抗心から段々と道を逸れて行った。

「反抗って、もうそんな歳じゃないでしょ?
  社会にご迷惑をおかけしてるのよ?ハワイで少しは懲りたとばかり…」
「何か言えない事情があるんじゃないかな?」
「なんでそうなるんですか!!」
「ああ見えても、あの子はちゃんと反省してるって!」
「してないからあんな態度とるんじゃないですか!!」

ドアの内側では
(ヤバいなあ…喧嘩が始まったよ。)
まどかは反抗して部屋に入ったのではなく、どうしようもなく
取り敢えずその場から逃げるしかなかっただけで…
(とにかく春日クンに電話しなくっちゃ…
  あ!そうだ、『彼女』を見られたらまずいよ…どうしよう?)
936見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/21(日) 21:13:21.81 ID:WXD7Wd4X
トントントントン…
階段を上がってくる音がする。
ドンドン!
「まどか!出てらっしゃい!まさかまた窓から逃げたりしないでしょうね?」
(んもう、そんなことしないよ!)
「ごめんなさい。今は一人にしといて。」
「とにかく出てらっしゃい!」
「お願い!凄く…すごく反省してるから。本当に反省してるから…」
「反省だけじゃ済まないこともあるでしょう?」
「今は…今は言えない。言えないの!」
「また春日さんと関係あるの?」

いきなりドアが開いた。

まどかは顔を赤くし涙目になっている。
「ママ…違う!!彼は関係ない。信じて…信じてよ!!」
ママはあまりにも純情な娘の姿に思わずまどかを抱きしめた。
「ごめんなさい。言い過ぎたわ。」
そう言うとまどかを離し、目を見つめて諭すように
「そうね、私もあなたもちょっと落ち着こうかしら…ね?
  お部屋に戻って落ち着いたら一緒に夕ご飯食べましょ?いいわね?」
「うん…ごめんなさい。」
937見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/21(日) 21:37:26.22 ID:WXD7Wd4X
まどかは部屋に戻った。
(どうしよう…ママ達にウソはつきたくないし…でも言えないよ。)
急いで子機を取ると電話を掛ける。
「はい、春日」
「春日クン?ヤバイよ。ママ達が戻ってきちゃった!」
「え?ど、どうしよう?まどかさんは?」
「出掛けたまま。もうすぐ戻ってくるかな?」
「分かった!取り敢えずそっちに行くから。」
「うん。まどかさんを止めて!」
電話を切ると落ち着かない気分で彼女が戻って来ないか窓から外を見ていた。
(あっ!)
向こうから彼女が戻って来た。
見ていると様子が変。
恐る恐る、周りを気にしながら近づいている。

彼女は彼女で家の様子を窺っていた。

(ママ達帰ってるのかしら?)

ふと見上げると窓のところで一生懸命バツ印をしているまどに気がついた。
(え?…やっぱりママ達来てるの?)
さらに近付く彼女にまどかは慌ててメモした紙飛行機を投げてよこす。
(…?)
ぴょんと跳ねてナイスキャッチ!
それを広げると
『ママ達が帰って来てます。春日クンには電話してるから
  春日クン家に行って下さい。お願いします!』
と書かれていた。
938見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/21(日) 21:46:29.84 ID:5eptcJhB
ナイスキャッチ!!
939元祖:2011/08/21(日) 22:33:01.08 ID:kyUBJZRo
きゃ〜〜♪アップされてる〜!
お友ファミレスなうだから、帰ってからゆっくり読みま〜す。
それにしても愚痴を聴くのは疲れるにゃあ。
まあ、たまにはカウンセリングしてあげるか。
940見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/22(月) 11:27:26.81 ID:SD4ibNbN
父親にビンタされたって・・・相当やんちゃやなあ。
ところで今回はアップ少ないが?
941見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/26(金) 13:09:10.87 ID:RHXSo6Hn
この程度でひんかいアップしてくれた方がいい!
942見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/26(金) 17:46:52.77 ID:tuumaZJT
隔週連載希望。
943見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/27(土) 12:17:52.43 ID:CAAjz/XG
以前はあふれ出る妄想が、今では何とか続けようと無理している様子。
今では駄作がさらにいっそう駄作に陥っている状態。
続けるのであればもう少し練ってからアップした方がいいと思うのだが。
944見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/29(月) 23:00:51.56 ID:kYCEtPp/
妄想KOR1巻1章(その日がくるまで)←パクリ
妄想KOR1巻2章(二人の絆)←パクリ
妄想KOR1巻3章(繋がる想い)
妄想KOR2巻1章(届くセカイ)←仮
とTXTベースでまとめている私がいるのですが^^;
945見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/30(火) 16:40:33.91 ID:UzzASBBn
>>944
普通コミックもアニメもタイトルがあるよなあ。
ここはダラダラ続くから、こっちもダラダラ読むしかない。
妄想KOR1巻第3章がどこからどこまでで、2巻1章がどこら辺か教えてくれ。
946見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/31(水) 20:44:18.28 ID:Ck4MIyLT
>>945
妄想KOR1巻1章 (テキストのサイズ:86.4 KB)
最初から2008/12/09の以下の書き込みまで
「そして、この日を境に3人の関係は「その日」が来るまで微妙なバランスを
保って推移していくことになる。 」

妄想KOR1巻2章 (テキストのサイズ:192 KB)
2009/09/13の以下の書き込みまで
「(帰ったら決着を着けることになるのかな…) 」

妄想KOR1巻3章 (テキストのサイズ:281 KB)
2011/05/05の以下の書き込みまで
「そんな二人の姿を夕陽が照らしていた。」

妄想KOR2巻1章 (テキストのサイズ:33.8 KB)←途中
2011/06/11の以下の書き込みから開始
「トントン。慌てて離れる二人。」
そして現在に致るって感じです。

ちなみに1巻ではなく1部の方が正確みたいです。
1部が完了( >>845 )とあるので1部と2部の境目は明確だと認識しています。
2部1章のサブタイトルは仮というより単なる願望ですが・・・

下げ進行なのに上げてしまい申し訳ありませんorz
947見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/31(水) 22:10:58.76 ID:Rj0x8WeA
おみそれしました。
948元祖:2011/08/31(水) 23:40:31.25 ID:2pQz05Fd
>946さん
お名前を特定するような無粋なことはしませんけど・・
>947様?
同じくです!!
>945さん
そう言いながら、ちゃんと目を通してらっしゃるのですから
あっちで、やなこと書かないで下さいな、ドクターさん!
949見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/01(木) 15:55:29.92 ID:z+1emEaT
すげえ!テキストサイズまで書いてある!
オレは(届くセカイ)のセカイの意味を知りたい。
それがこの妄想の展開を示唆するだろうから。
レスぺーは以前展開を予想して当ててたもんな。
君はレスぺーではないとのことだから、今日から君のこと
「先輩」と呼ばせてもらおう。

>元祖
わーったから・・・・お前しつこいよ!反応し過ぎ!
950元祖:2011/09/01(木) 22:40:08.51 ID:Y+lihjyr
拝啓944さん。

先輩って字を見るとひかるちゃんを思い出し、ちょっと切なくなりますが・・

このセカイって、どこまで広がって行くのか、楽しみですよね〜♪
951見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/02(金) 19:25:16.20 ID:karV7SXb
先輩って^^;
私が一番後輩だと思うのですが・・・

自由な発想で妄想して頂きたいのでそれを縛るようなことをしてすいません><
皆さんと一緒でこの妄想の続きを心待ちにしています^^

あの時恭介に5年間も会えなかったまどかさんを妄想するだけで
(恐らく関係者全員に半狂乱してるとしか映らない状態だったと思う)
泣けてしまうぐらい感情移入してしまってます。
952見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/02(金) 21:04:14.30 ID:PIbBXOcq
未来と現在がシンクロしてる点は「あの夏」だが、未来から現在にまどかが
やってくるってところが上手くパクってる。さらには、その未来のまどかが、
あれ以来恭介と別れたまま5年過ぎてるっていうところが面白くもあるがーー
ふつう若い女が5年も元彼を想い続けるかは甚だ疑問。
953元祖:2011/09/02(金) 22:14:28.22 ID:7Mhv5ApL
>951さん
そうですよね。まどかさん、一人ぼっちになったような気持ちだったと思います。
特に授業中にいきなり記憶が戻ってからのまどかちゃん
慌て様が凄かったですもん。
>952さん
パクリであろうが、似てようが、どちらでもヨロシイかと。
それに、別れ方が酷かっただけに
いつまでも心残りだったのでは?
954見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/02(金) 22:15:35.06 ID:PIbBXOcq
もっと言えば、何で恭介みたいなのに惹かれるのかが不明
955元祖:2011/09/02(金) 22:31:18.51 ID:7Mhv5ApL
まどかちゃんだからです。
956見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/02(金) 23:05:08.60 ID:PoWTsok1
モテないくんのもーそーだからにきまってる。
957見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/02(金) 23:47:34.16 ID:PIbBXOcq
じゃあ、めぞんはどうなる?作者は女だぞい?
958見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/03(土) 12:12:18.78 ID:Nj3ChDB0
おそらく少年の心を待ってんだろう。結婚してたっけ?
959見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/12(月) 05:27:29.84 ID:6rNGVsVo
(やっぱりママ達戻ってるのかあ…どうしよう?)
見上げると心配そうにしているまどかの姿が。
彼女はOKサインをしてみせるとウインクをした。
「心配無いよ。」
小声で呟くとくるりと踵を返し、元来た道へ戻って行った。

「まどか〜、そろそろ出てらっしゃい。」
「…はい。」
まどかは窓を閉めると居間に降りた。

5年後のまどかは一路恭介の元へと向かった。
「あゆ…鮎川『さん』。」
恭介達が心配して迎えに来ていた。
「『鮎川さん』って…春日クンからそう言われるの初めてなんだけど。」
彼女はクスッと笑った。
そんな彼女をまなみとくるみが驚いて見ている。
「まどかさん…綺麗。」
「アリガト。そうね、『まどかさん』でいいわ。いいでしょ?『恭介クン』。」
「え?あ、はい。」
ちょっと赤くなる恭介。
まどかが聞いたら絶対怒る会話であった。
960見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/12(月) 05:29:18.82 ID:6rNGVsVo
恭介達は彼女を家に案内した。
まどかは玄関の表札を眺め、当時を思い出している。
(辛かったなあ…)
そんな彼女を不思議そうに見ながら
「どうぞ、上がって下さい。」
「あ、はい。」
リビングに上がるとじいちゃんとあかねが待っていた。
まどかは部屋の中をぐるりと見渡し、『あの日』のことを思い出していた。
「ほう!まどかちゃん大人になったのう!」
じいちゃんはしげしげとまどかの胸を眺めていた。
「お、おじいちゃん!!」
まなみとくるみが突っ込む。
「あ〜スマンスマン。ところでまどかちゃん、大体のことは
このあかねから聞いておるぞ。」
じいちゃんはちらっとあかねを睨む。
「えへへへ…」
ポリポリと頭をかいて笑ってごまかす。
「あたし…なぜあたしは春日クンと会えなかったんですか?
  5年前のあたしは春日クンと会えてるのに…」
「それはじゃなあ、時というものはその瞬間瞬間で
無数に分かれて行くんじゃよ。その無数の内のひとつから
 あんたを連れてきてしまったんじゃよ。」
「じゃあ、会えたまどかさんの他に会えなかったまどかさんもいっぱいいるの?」
まなみが不思議そうに尋ねる。
961見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/12(月) 05:36:48.62 ID:6rNGVsVo
「そうじゃ。」
「じゃあ、あたしは5年前の春日クンに逢えたけど…逢えないままの自分も?」
「仕方ないことじゃよ。それこそ、最初から逢えなかったまどかちゃんもおるし。」
「そんなあ…」
「こうやって、未来からやって来て逢えたまどかちゃんもいる訳でのう。」
一同黙ってしまった。
「ま、取り敢えず、元の世界に戻る訳じゃが」
「嫌です!」
(じゃろうなあ…)
「じいちゃん、まどかさんは俺の居ない世界で暮らすことになるの?」
「うむ…」
「あたし…このままこの世界に居たい。
春日クンは…春日クンは『彼女』のものだけど…
でも春日クンが居ない世界に戻るのなんて耐えられない!」
思わずあかねが
「じいちゃん、何とかしてあげてよ!」
(元はと言えばお前が…)
「ん?あ、えへへへ」
また睨まれた。
「ねえ、何とかなんないの?」
「恭介、お前二人と付き合ったたら良かろう?うわははは!‥‥うん?」
今度はじいちゃんがみんなから睨まれていた。
962見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/12(月) 05:42:54.63 ID:6rNGVsVo
「う〜ん…そうじゃのう…手がない訳でもないが…」
「ええ?方法があるの?」
一同が一斉にじいちゃんの傍に集まった。
「恐らく、まどかちゃんと逢えないまま寂しく過ごしている恭介が
  どこかに居るはずじゃよ。まどかちゃんと同じようにな。」
「ということは、探して二人を逢わせてあげたら…」
「じゃがな、二人が一緒に居たいのなら、どっちかがどっちかの世界に
  行く訳じゃから…元居た世界からは消えることになるんじゃよ。」
一同黙ってしまう。
まどかが口を開いた。
「あたし、それでもいい。」
「ご両親が悲しむじゃろ?」
「それでも…」
「そうだ、『寂しいお兄ちゃん』がまどかさんの世界に行けばいいよ。」
姉妹が口を揃えた。
「ええ?」
「そうだよ。お前が居なくなっても誰も何とも思わないし。」
平然と言ってのけるにあかねにのけ反る恭介。
「だって、まどかちゃんに逢えないお前は…可哀想だよ。」
しんみりと言うあかねに賛同して
「そうよ、二人を逢わせてあげようよ!」
妹達はノリノリになっている。
「で、どうすればいいの?」
963見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/12(月) 05:51:04.32 ID:6rNGVsVo
「まずは5年後の逢えていない恭介を探さないとな。」
「どうやるの?」
「恭介、あかねと手をつなげ。」
「ええ〜!!」「おえぇ〜!!」
二人は顔をそむけた。
「こりゃ!さっさとしろ。」

「お願い!」
まどかが真剣な眼差しで懇願する。
「しょうがないか…」
二人は言われた通り両手を合わせ、目を閉じる。
「あかねは恭介を感じながら探してみろ。」
「おえぇ〜!!」
あかねは慌てて恭介から離れると、両腕の鳥肌をさすっている。
(う〜〜さっぶ〜〜!!)
「お前ふざけてないでちゃんとやれよ!」
恭介が怒るのを制して懇願するまどか。
「お願い、あかねちゃん。お願いだから…」
「しょうがない。恭介、始めるよ!」
「あ、ああ…」

ポォ〜ン!

不思議な音がした途端、二人は虹色の球体に飲みこまれた。
964見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/12(月) 11:45:29.12 ID:a46pgoSa
またプチアップか。それも朝っぱらから。
レスぺへのrespectか?
965元祖:2011/09/12(月) 22:42:16.15 ID:XJGiQ/MW
あかねちゃん、まどかさんのためにも頑張って!
966見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/12(月) 23:25:08.58 ID:Z6SwBOfB

う〜〜さっぶ〜〜!!
967見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/15(木) 21:33:22.71 ID:L3bEpAso
ここをROMってる方ってかなり辛抱強い方が多いのでしょうね・・・
何か言いたくてもガマンしていると言う意味でね^^;
968見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/15(木) 21:41:13.78 ID:L3bEpAso
あ・・・そっかぁ^^;
ツンデレなのですね。。。分かります^^
969元祖:2011/09/15(木) 23:58:43.81 ID:AOEscKpr
先輩さん?こんばんは。
何か言いたい事がある訳ではないんですが
とりあえず辛抱強くはなりました。
だって、三年間この調子なんですもん。
いえ、間隔はどんどん長くなってます。

でも、続きが読めるから楽しみに待ってます〜♪
970エウメニデス:2011/09/16(金) 21:25:55.41 ID:ATJYPa/t
先輩は止めてください^^;

誤解がないように言いますと妄想にチャチャを入れるような発言に
寛容なので辛抱強いと言った訳です。

でもチャチャを入れるにも読んでないと入れようがない訳だから・・・
って事ですよね^^
971見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/18(日) 00:03:30.69 ID:pRBN7Zg0
反対から読むと

スデニメウエ → 既に目上

やっぱ、先輩だわな。
972見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/19(月) 01:15:33.48 ID:6J9MkCkn
その頃鮎川邸では
夕食は出前の特上握り寿司。
別盛りでつきだしや刺し盛りなども並んでいる。
でも、まどかは豪勢な食卓を前にして心ここに在らず。
(『まどかさん』大丈夫かなあ?いや、あいつの方が心配だよ!)
恭介のニヤケた顔を思い出すと、ちょっと腹立たしくなる。
「まどか?返事をしなさい。」
「え?あ、ご、ごめんなさい。」
「落ち着いたかい?」
パパが優しく尋ねる。
「うん。あたし反抗なんかしてないよ。子供じゃないし。」
「じゃあ、今回の騒動について話してくれるかい?」
「美味しそう!いただきま〜す!」
はぐらかそうとするまどかにパパとママは顔を見合わせる。
「もう、その手は通用しないわよ。」
「だってえ、説明しようがないんだもん。」
「タバコもお酒も凄いんじゃないの?」
「ママだってそうだったんでしょ?」
「…ママは新幹線とお相撲とったりしなかったわ。
  どれだけ賠償額請求されるかしら?ねえ、パパ。」
973見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/19(月) 01:16:43.44 ID:6J9MkCkn
「まあ、お金より学校や関係者の皆さんにご迷惑かけたしなあ。」
「マスコミの方はお姉ちゃんの旦那さんが抑えてくれたみたいだけど」
「うわ〜、さ〜すがエリート官僚。」
「ふざけてないでちゃんと答えなさい!」
ピシッと決められた。
(…話さないと納得する訳ないよね。)
おちゃらけは通用しないとため息をついて観念し
そっとお箸を置くとポツリポツリと語り出した。

『いろんなこと』があって自分を見失っていた。
でも・・・いよいよ春日家が引っ越す当日になって
自分の『本当の気持ち』を思い出した。
授業そっちのけで急いで駅に向かい、そのままホームへと駆け上がったまでは
『何となく』覚えているのだけれど…
気が動転していたせいか、列車が入ってくるのに気付かなかったと。

「詳しくは言えないけど…本当に『いろんなこと』があって…
  今はすっごく恥ずかしい、自分のことが。」
「それで?」
「うん…もう一度やり直したいって思ってる。」
「まどか…ママ達はその『いろんなこと』を聞きたいんだけど。」
「ごめんなさい、今は…今は言えない。」
「あなたが『悪い子』になるのは春日さんのせい?」
「誤解しないで!!彼は全然悪くないよ!あたしが勝手に…」
いきなり大声を出した。
974見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/19(月) 01:17:57.52 ID:6J9MkCkn
ママとパパはじっと娘の顔を見つめる。
彼女も視線を逸らさない。
さすがのママも、これ以上追い詰めてもいい結果にならないと諦め顔。
ちょっと溜息をつくと
「いつまでいい子でいてくれるのかしら?」
「もう迷惑はかけない。」
「また夜出歩いたり、タバコ吸ったりするんじゃないかしら?」
「しないよ!さすがに勉強しないとまずいでしょう?来年受験なんだから。」
(んまっ!)
ママは呆れて次の言葉が出てこない。
「ねえ、あなたも食べてばっかりいないでちゃんと言って下さいな!」
二人の言い合いを傍観しながらお寿司を頬張っていたパパは、
いきなりムチャ振りをされ、喉を詰まらせそうになりながら
「ん?んんん…やっぱ…りだな…んん…旨いなあ…」
下手な言い逃れが精一杯。
「んもう、ちゃんとお口の中のモノ食べてからにして頂戴!」
八つ当たりされて
(はあ〜…)
燃え盛るママを鎮火出来ずに溜息をつくパパだった。
975見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/19(月) 01:18:39.07 ID:6J9MkCkn
パパはお茶を一口含んだ後、穏やかな表情で尋ねてみた。
「なあ、まどか。おまえは恭介くんのことが好きなのかい?」
いきなり核心を突かれた。
でも、反って『いきなり』だからこそ素直になれる。
「…うん。」
まどかは気持ちを整理するようお茶を一口飲むと
(もう、隠せないよ。)

「大袈裟かもしれないけど…
『一番大切な…』
…だ、だから…」

純情な気持ちを吐露する娘にパパはちょっと戸惑いながら
「彼の一体どこがそんなに好きなんだい?」
「そ、そんなこと言われても…」
(優柔不断だし、いい加減だけど、でも…なんでだろ?)
976見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/19(月) 01:19:23.76 ID:6J9MkCkn
まどかは伏し目がちにお茶をすする。
そんなうぶな娘を前に、ややため息交じりで
「まどかはホントは凄くいい子だと思うよ。でも、時々理性を失うのがなあ?」
「うん…どうしようもないよ。」
(春日クンのことになったら…)
そう言うと「ごちそうさま」と言って片付け始めた。
洗い物をしながらぶつぶつと独り言を呟いている。

(あたしだって…自分がこんな風になるなんて思いもしなかった。
  恥ずかしいけど…今は気持ちを抑えられないくらい…『好き』なの。)

片付けが終わると2階に上がって行った。

両親は刺し盛りをつまみに冷酒を飲みだした。
「カウンセリングの件はもういいだろ?ね、ママ。」
「まどかったら‥‥本当に恋に落ちちゃったのね。
  お姉ちゃんは普通にお付き合いして結婚したのにね。」
「今のまどかには余裕がないと言うか…よっぽど好きなんだね。」
ちらりとママの表情を伺う
「…キミにもそんな頃ってあったっけ?」
ママはムッとして
「ま、嫌だわ〜!お忘れになったんですか?」
プイッとそっぽを向くと冷酒をあおろうとするもんだからパパが慌てて
「お、覚えてるよ!あの頃のキミときたら…」
何とか取りなすパパを横眼で白々と見ながら…クスッと笑うと
グラスをコースターに置いた。
「一度春日さんをご招待してちょっとお話を伺ってみようかしら?」
ママ、気が早い!
977見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/19(月) 17:00:36.81 ID:2L+/AWaM
いつのまにかうpされてる
978見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/19(月) 20:28:06.31 ID:8o8hbpF6
今どき「うp」って…ぷっ
979エウメニデス:2011/09/19(月) 21:05:53.55 ID:KscFQOr0
「スデニメウエ」・・・気が付かなかった^^;
流石に目の付けドコロが違いますね^^
980元祖:2011/09/19(月) 22:29:37.64 ID:mESHDumP
まどかちゃんのママ、スッゴク素敵です。
パパもママも、まどかちゃんのこととても愛してるんでしょうね。
まどかちゃん、たまにはご両親の肩でも揉んで差し上げて下さいな♪
981見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/19(月) 23:11:46.74 ID:2L+/AWaM
>夕食は出前の特上握り寿司。
>別盛りでつきだしや刺し盛りなども並んでいる。

それを出前って、どんだけ金持ちなん!
982見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/09/20(火) 11:57:17.00 ID:qPyxZxja
まどかさんはどうなったんだよ?
983エウメニデス
そんな事より別スレ立てないと^^;