思い出したくない過去をあげつらわれている様な気がして
げんなりするまどか。
何を言っても誰も信じてくれないし…言えることじゃないし…
自分が我慢すればいいことと思っていたけれど…
甘かった。
「着替えてくる!」
まどかは急に立ち上がるとその場から逃げた。
「ちょっと、待ちなさい!まどか!」
ママが声を荒げるけれど、まどかは自分の部屋に入ると鍵をかけた。
ママが追いかけようとするのをパパが押し止めた。
「ねえ、ちょっと落ち着いて。ね?ママ。」
「だって…あの子…」
反抗的なのはいつものこと。
でも、今回はママもちょっとキレ気味。
「今追い詰めてもまどかのことだから余計反抗するって。」
パパは昔タバコの匂いをさせて遅くに帰ったまどかの頬を
叩いたことがあった。
まどかは凄い形相で睨み返すと父親を突き飛ばして自分の部屋に籠城した。
次の日、2階の窓から抜け出し、1週間家に戻って来なかった。
そして、公園で不良たちと大立ち回りをして怪我を負い
病院に運ばれたと警察から知らされた。
両親にうんと甘えたい年頃を歳の離れた姉と二人で過ごすことが多く
それ故、何かにつけ口うるさく言う親に
(自分達は好き勝手なことしてるくせ!)
反抗心から段々と道を逸れて行った。
「反抗って、もうそんな歳じゃないでしょ?
社会にご迷惑をおかけしてるのよ?ハワイで少しは懲りたとばかり…」
「何か言えない事情があるんじゃないかな?」
「なんでそうなるんですか!!」
「ああ見えても、あの子はちゃんと反省してるって!」
「してないからあんな態度とるんじゃないですか!!」
ドアの内側では
(ヤバいなあ…喧嘩が始まったよ。)
まどかは反抗して部屋に入ったのではなく、どうしようもなく
取り敢えずその場から逃げるしかなかっただけで…
(とにかく春日クンに電話しなくっちゃ…
あ!そうだ、『彼女』を見られたらまずいよ…どうしよう?)
トントントントン…
階段を上がってくる音がする。
ドンドン!
「まどか!出てらっしゃい!まさかまた窓から逃げたりしないでしょうね?」
(んもう、そんなことしないよ!)
「ごめんなさい。今は一人にしといて。」
「とにかく出てらっしゃい!」
「お願い!凄く…すごく反省してるから。本当に反省してるから…」
「反省だけじゃ済まないこともあるでしょう?」
「今は…今は言えない。言えないの!」
「また春日さんと関係あるの?」
いきなりドアが開いた。
まどかは顔を赤くし涙目になっている。
「ママ…違う!!彼は関係ない。信じて…信じてよ!!」
ママはあまりにも純情な娘の姿に思わずまどかを抱きしめた。
「ごめんなさい。言い過ぎたわ。」
そう言うとまどかを離し、目を見つめて諭すように
「そうね、私もあなたもちょっと落ち着こうかしら…ね?
お部屋に戻って落ち着いたら一緒に夕ご飯食べましょ?いいわね?」
「うん…ごめんなさい。」
まどかは部屋に戻った。
(どうしよう…ママ達にウソはつきたくないし…でも言えないよ。)
急いで子機を取ると電話を掛ける。
「はい、春日」
「春日クン?ヤバイよ。ママ達が戻ってきちゃった!」
「え?ど、どうしよう?まどかさんは?」
「出掛けたまま。もうすぐ戻ってくるかな?」
「分かった!取り敢えずそっちに行くから。」
「うん。まどかさんを止めて!」
電話を切ると落ち着かない気分で彼女が戻って来ないか窓から外を見ていた。
(あっ!)
向こうから彼女が戻って来た。
見ていると様子が変。
恐る恐る、周りを気にしながら近づいている。
彼女は彼女で家の様子を窺っていた。
(ママ達帰ってるのかしら?)
ふと見上げると窓のところで一生懸命バツ印をしているまどに気がついた。
(え?…やっぱりママ達来てるの?)
さらに近付く彼女にまどかは慌ててメモした紙飛行機を投げてよこす。
(…?)
ぴょんと跳ねてナイスキャッチ!
それを広げると
『ママ達が帰って来てます。春日クンには電話してるから
春日クン家に行って下さい。お願いします!』
と書かれていた。
ナイスキャッチ!!
939 :
元祖:2011/08/21(日) 22:33:01.08 ID:kyUBJZRo
きゃ〜〜♪アップされてる〜!
お友ファミレスなうだから、帰ってからゆっくり読みま〜す。
それにしても愚痴を聴くのは疲れるにゃあ。
まあ、たまにはカウンセリングしてあげるか。
父親にビンタされたって・・・相当やんちゃやなあ。
ところで今回はアップ少ないが?
この程度でひんかいアップしてくれた方がいい!
隔週連載希望。
以前はあふれ出る妄想が、今では何とか続けようと無理している様子。
今では駄作がさらにいっそう駄作に陥っている状態。
続けるのであればもう少し練ってからアップした方がいいと思うのだが。
944 :
見ろ!名無しがゴミのようだ!:2011/08/29(月) 23:00:51.56 ID:kYCEtPp/
妄想KOR1巻1章(その日がくるまで)←パクリ
妄想KOR1巻2章(二人の絆)←パクリ
妄想KOR1巻3章(繋がる想い)
妄想KOR2巻1章(届くセカイ)←仮
とTXTベースでまとめている私がいるのですが^^;
>>944 普通コミックもアニメもタイトルがあるよなあ。
ここはダラダラ続くから、こっちもダラダラ読むしかない。
妄想KOR1巻第3章がどこからどこまでで、2巻1章がどこら辺か教えてくれ。
>>945 妄想KOR1巻1章 (テキストのサイズ:86.4 KB)
最初から2008/12/09の以下の書き込みまで
「そして、この日を境に3人の関係は「その日」が来るまで微妙なバランスを
保って推移していくことになる。 」
妄想KOR1巻2章 (テキストのサイズ:192 KB)
2009/09/13の以下の書き込みまで
「(帰ったら決着を着けることになるのかな…) 」
妄想KOR1巻3章 (テキストのサイズ:281 KB)
2011/05/05の以下の書き込みまで
「そんな二人の姿を夕陽が照らしていた。」
妄想KOR2巻1章 (テキストのサイズ:33.8 KB)←途中
2011/06/11の以下の書き込みから開始
「トントン。慌てて離れる二人。」
そして現在に致るって感じです。
ちなみに1巻ではなく1部の方が正確みたいです。
1部が完了(
>>845 )とあるので1部と2部の境目は明確だと認識しています。
2部1章のサブタイトルは仮というより単なる願望ですが・・・
下げ進行なのに上げてしまい申し訳ありませんorz
おみそれしました。
948 :
元祖:2011/08/31(水) 23:40:31.25 ID:2pQz05Fd
>946さん
お名前を特定するような無粋なことはしませんけど・・
>947様?
同じくです!!
>945さん
そう言いながら、ちゃんと目を通してらっしゃるのですから
あっちで、やなこと書かないで下さいな、ドクターさん!
すげえ!テキストサイズまで書いてある!
オレは(届くセカイ)のセカイの意味を知りたい。
それがこの妄想の展開を示唆するだろうから。
レスぺーは以前展開を予想して当ててたもんな。
君はレスぺーではないとのことだから、今日から君のこと
「先輩」と呼ばせてもらおう。
>元祖
わーったから・・・・お前しつこいよ!反応し過ぎ!
950 :
元祖:2011/09/01(木) 22:40:08.51 ID:Y+lihjyr
拝啓944さん。
先輩って字を見るとひかるちゃんを思い出し、ちょっと切なくなりますが・・
このセカイって、どこまで広がって行くのか、楽しみですよね〜♪
先輩って^^;
私が一番後輩だと思うのですが・・・
自由な発想で妄想して頂きたいのでそれを縛るようなことをしてすいません><
皆さんと一緒でこの妄想の続きを心待ちにしています^^
あの時恭介に5年間も会えなかったまどかさんを妄想するだけで
(恐らく関係者全員に半狂乱してるとしか映らない状態だったと思う)
泣けてしまうぐらい感情移入してしまってます。
未来と現在がシンクロしてる点は「あの夏」だが、未来から現在にまどかが
やってくるってところが上手くパクってる。さらには、その未来のまどかが、
あれ以来恭介と別れたまま5年過ぎてるっていうところが面白くもあるがーー
ふつう若い女が5年も元彼を想い続けるかは甚だ疑問。
953 :
元祖:2011/09/02(金) 22:14:28.22 ID:7Mhv5ApL
>951さん
そうですよね。まどかさん、一人ぼっちになったような気持ちだったと思います。
特に授業中にいきなり記憶が戻ってからのまどかちゃん
慌て様が凄かったですもん。
>952さん
パクリであろうが、似てようが、どちらでもヨロシイかと。
それに、別れ方が酷かっただけに
いつまでも心残りだったのでは?
もっと言えば、何で恭介みたいなのに惹かれるのかが不明
955 :
元祖:2011/09/02(金) 22:31:18.51 ID:7Mhv5ApL
まどかちゃんだからです。
モテないくんのもーそーだからにきまってる。
じゃあ、めぞんはどうなる?作者は女だぞい?
おそらく少年の心を待ってんだろう。結婚してたっけ?
(やっぱりママ達戻ってるのかあ…どうしよう?)
見上げると心配そうにしているまどかの姿が。
彼女はOKサインをしてみせるとウインクをした。
「心配無いよ。」
小声で呟くとくるりと踵を返し、元来た道へ戻って行った。
「まどか〜、そろそろ出てらっしゃい。」
「…はい。」
まどかは窓を閉めると居間に降りた。
5年後のまどかは一路恭介の元へと向かった。
「あゆ…鮎川『さん』。」
恭介達が心配して迎えに来ていた。
「『鮎川さん』って…春日クンからそう言われるの初めてなんだけど。」
彼女はクスッと笑った。
そんな彼女をまなみとくるみが驚いて見ている。
「まどかさん…綺麗。」
「アリガト。そうね、『まどかさん』でいいわ。いいでしょ?『恭介クン』。」
「え?あ、はい。」
ちょっと赤くなる恭介。
まどかが聞いたら絶対怒る会話であった。
恭介達は彼女を家に案内した。
まどかは玄関の表札を眺め、当時を思い出している。
(辛かったなあ…)
そんな彼女を不思議そうに見ながら
「どうぞ、上がって下さい。」
「あ、はい。」
リビングに上がるとじいちゃんとあかねが待っていた。
まどかは部屋の中をぐるりと見渡し、『あの日』のことを思い出していた。
「ほう!まどかちゃん大人になったのう!」
じいちゃんはしげしげとまどかの胸を眺めていた。
「お、おじいちゃん!!」
まなみとくるみが突っ込む。
「あ〜スマンスマン。ところでまどかちゃん、大体のことは
このあかねから聞いておるぞ。」
じいちゃんはちらっとあかねを睨む。
「えへへへ…」
ポリポリと頭をかいて笑ってごまかす。
「あたし…なぜあたしは春日クンと会えなかったんですか?
5年前のあたしは春日クンと会えてるのに…」
「それはじゃなあ、時というものはその瞬間瞬間で
無数に分かれて行くんじゃよ。その無数の内のひとつから
あんたを連れてきてしまったんじゃよ。」
「じゃあ、会えたまどかさんの他に会えなかったまどかさんもいっぱいいるの?」
まなみが不思議そうに尋ねる。
「そうじゃ。」
「じゃあ、あたしは5年前の春日クンに逢えたけど…逢えないままの自分も?」
「仕方ないことじゃよ。それこそ、最初から逢えなかったまどかちゃんもおるし。」
「そんなあ…」
「こうやって、未来からやって来て逢えたまどかちゃんもいる訳でのう。」
一同黙ってしまった。
「ま、取り敢えず、元の世界に戻る訳じゃが」
「嫌です!」
(じゃろうなあ…)
「じいちゃん、まどかさんは俺の居ない世界で暮らすことになるの?」
「うむ…」
「あたし…このままこの世界に居たい。
春日クンは…春日クンは『彼女』のものだけど…
でも春日クンが居ない世界に戻るのなんて耐えられない!」
思わずあかねが
「じいちゃん、何とかしてあげてよ!」
(元はと言えばお前が…)
「ん?あ、えへへへ」
また睨まれた。
「ねえ、何とかなんないの?」
「恭介、お前二人と付き合ったたら良かろう?うわははは!‥‥うん?」
今度はじいちゃんがみんなから睨まれていた。
「う〜ん…そうじゃのう…手がない訳でもないが…」
「ええ?方法があるの?」
一同が一斉にじいちゃんの傍に集まった。
「恐らく、まどかちゃんと逢えないまま寂しく過ごしている恭介が
どこかに居るはずじゃよ。まどかちゃんと同じようにな。」
「ということは、探して二人を逢わせてあげたら…」
「じゃがな、二人が一緒に居たいのなら、どっちかがどっちかの世界に
行く訳じゃから…元居た世界からは消えることになるんじゃよ。」
一同黙ってしまう。
まどかが口を開いた。
「あたし、それでもいい。」
「ご両親が悲しむじゃろ?」
「それでも…」
「そうだ、『寂しいお兄ちゃん』がまどかさんの世界に行けばいいよ。」
姉妹が口を揃えた。
「ええ?」
「そうだよ。お前が居なくなっても誰も何とも思わないし。」
平然と言ってのけるにあかねにのけ反る恭介。
「だって、まどかちゃんに逢えないお前は…可哀想だよ。」
しんみりと言うあかねに賛同して
「そうよ、二人を逢わせてあげようよ!」
妹達はノリノリになっている。
「で、どうすればいいの?」
「まずは5年後の逢えていない恭介を探さないとな。」
「どうやるの?」
「恭介、あかねと手をつなげ。」
「ええ〜!!」「おえぇ〜!!」
二人は顔をそむけた。
「こりゃ!さっさとしろ。」
「お願い!」
まどかが真剣な眼差しで懇願する。
「しょうがないか…」
二人は言われた通り両手を合わせ、目を閉じる。
「あかねは恭介を感じながら探してみろ。」
「おえぇ〜!!」
あかねは慌てて恭介から離れると、両腕の鳥肌をさすっている。
(う〜〜さっぶ〜〜!!)
「お前ふざけてないでちゃんとやれよ!」
恭介が怒るのを制して懇願するまどか。
「お願い、あかねちゃん。お願いだから…」
「しょうがない。恭介、始めるよ!」
「あ、ああ…」
ポォ〜ン!
不思議な音がした途端、二人は虹色の球体に飲みこまれた。
またプチアップか。それも朝っぱらから。
レスぺへのrespectか?
965 :
元祖:2011/09/12(月) 22:42:16.15 ID:XJGiQ/MW
あかねちゃん、まどかさんのためにも頑張って!
う〜〜さっぶ〜〜!!
ここをROMってる方ってかなり辛抱強い方が多いのでしょうね・・・
何か言いたくてもガマンしていると言う意味でね^^;
あ・・・そっかぁ^^;
ツンデレなのですね。。。分かります^^
969 :
元祖:2011/09/15(木) 23:58:43.81 ID:AOEscKpr
先輩さん?こんばんは。
何か言いたい事がある訳ではないんですが
とりあえず辛抱強くはなりました。
だって、三年間この調子なんですもん。
いえ、間隔はどんどん長くなってます。
でも、続きが読めるから楽しみに待ってます〜♪
970 :
エウメニデス:2011/09/16(金) 21:25:55.41 ID:ATJYPa/t
先輩は止めてください^^;
誤解がないように言いますと妄想にチャチャを入れるような発言に
寛容なので辛抱強いと言った訳です。
でもチャチャを入れるにも読んでないと入れようがない訳だから・・・
って事ですよね^^
反対から読むと
スデニメウエ → 既に目上
やっぱ、先輩だわな。
その頃鮎川邸では
夕食は出前の特上握り寿司。
別盛りでつきだしや刺し盛りなども並んでいる。
でも、まどかは豪勢な食卓を前にして心ここに在らず。
(『まどかさん』大丈夫かなあ?いや、あいつの方が心配だよ!)
恭介のニヤケた顔を思い出すと、ちょっと腹立たしくなる。
「まどか?返事をしなさい。」
「え?あ、ご、ごめんなさい。」
「落ち着いたかい?」
パパが優しく尋ねる。
「うん。あたし反抗なんかしてないよ。子供じゃないし。」
「じゃあ、今回の騒動について話してくれるかい?」
「美味しそう!いただきま〜す!」
はぐらかそうとするまどかにパパとママは顔を見合わせる。
「もう、その手は通用しないわよ。」
「だってえ、説明しようがないんだもん。」
「タバコもお酒も凄いんじゃないの?」
「ママだってそうだったんでしょ?」
「…ママは新幹線とお相撲とったりしなかったわ。
どれだけ賠償額請求されるかしら?ねえ、パパ。」
「まあ、お金より学校や関係者の皆さんにご迷惑かけたしなあ。」
「マスコミの方はお姉ちゃんの旦那さんが抑えてくれたみたいだけど」
「うわ〜、さ〜すがエリート官僚。」
「ふざけてないでちゃんと答えなさい!」
ピシッと決められた。
(…話さないと納得する訳ないよね。)
おちゃらけは通用しないとため息をついて観念し
そっとお箸を置くとポツリポツリと語り出した。
『いろんなこと』があって自分を見失っていた。
でも・・・いよいよ春日家が引っ越す当日になって
自分の『本当の気持ち』を思い出した。
授業そっちのけで急いで駅に向かい、そのままホームへと駆け上がったまでは
『何となく』覚えているのだけれど…
気が動転していたせいか、列車が入ってくるのに気付かなかったと。
「詳しくは言えないけど…本当に『いろんなこと』があって…
今はすっごく恥ずかしい、自分のことが。」
「それで?」
「うん…もう一度やり直したいって思ってる。」
「まどか…ママ達はその『いろんなこと』を聞きたいんだけど。」
「ごめんなさい、今は…今は言えない。」
「あなたが『悪い子』になるのは春日さんのせい?」
「誤解しないで!!彼は全然悪くないよ!あたしが勝手に…」
いきなり大声を出した。
ママとパパはじっと娘の顔を見つめる。
彼女も視線を逸らさない。
さすがのママも、これ以上追い詰めてもいい結果にならないと諦め顔。
ちょっと溜息をつくと
「いつまでいい子でいてくれるのかしら?」
「もう迷惑はかけない。」
「また夜出歩いたり、タバコ吸ったりするんじゃないかしら?」
「しないよ!さすがに勉強しないとまずいでしょう?来年受験なんだから。」
(んまっ!)
ママは呆れて次の言葉が出てこない。
「ねえ、あなたも食べてばっかりいないでちゃんと言って下さいな!」
二人の言い合いを傍観しながらお寿司を頬張っていたパパは、
いきなりムチャ振りをされ、喉を詰まらせそうになりながら
「ん?んんん…やっぱ…りだな…んん…旨いなあ…」
下手な言い逃れが精一杯。
「んもう、ちゃんとお口の中のモノ食べてからにして頂戴!」
八つ当たりされて
(はあ〜…)
燃え盛るママを鎮火出来ずに溜息をつくパパだった。
パパはお茶を一口含んだ後、穏やかな表情で尋ねてみた。
「なあ、まどか。おまえは恭介くんのことが好きなのかい?」
いきなり核心を突かれた。
でも、反って『いきなり』だからこそ素直になれる。
「…うん。」
まどかは気持ちを整理するようお茶を一口飲むと
(もう、隠せないよ。)
「大袈裟かもしれないけど…
『一番大切な…』
…だ、だから…」
純情な気持ちを吐露する娘にパパはちょっと戸惑いながら
「彼の一体どこがそんなに好きなんだい?」
「そ、そんなこと言われても…」
(優柔不断だし、いい加減だけど、でも…なんでだろ?)
まどかは伏し目がちにお茶をすする。
そんなうぶな娘を前に、ややため息交じりで
「まどかはホントは凄くいい子だと思うよ。でも、時々理性を失うのがなあ?」
「うん…どうしようもないよ。」
(春日クンのことになったら…)
そう言うと「ごちそうさま」と言って片付け始めた。
洗い物をしながらぶつぶつと独り言を呟いている。
(あたしだって…自分がこんな風になるなんて思いもしなかった。
恥ずかしいけど…今は気持ちを抑えられないくらい…『好き』なの。)
片付けが終わると2階に上がって行った。
両親は刺し盛りをつまみに冷酒を飲みだした。
「カウンセリングの件はもういいだろ?ね、ママ。」
「まどかったら‥‥本当に恋に落ちちゃったのね。
お姉ちゃんは普通にお付き合いして結婚したのにね。」
「今のまどかには余裕がないと言うか…よっぽど好きなんだね。」
ちらりとママの表情を伺う
「…キミにもそんな頃ってあったっけ?」
ママはムッとして
「ま、嫌だわ〜!お忘れになったんですか?」
プイッとそっぽを向くと冷酒をあおろうとするもんだからパパが慌てて
「お、覚えてるよ!あの頃のキミときたら…」
何とか取りなすパパを横眼で白々と見ながら…クスッと笑うと
グラスをコースターに置いた。
「一度春日さんをご招待してちょっとお話を伺ってみようかしら?」
ママ、気が早い!
いつのまにかうpされてる
今どき「うp」って…ぷっ
979 :
エウメニデス:2011/09/19(月) 21:05:53.55 ID:KscFQOr0
「スデニメウエ」・・・気が付かなかった^^;
流石に目の付けドコロが違いますね^^
980 :
元祖:2011/09/19(月) 22:29:37.64 ID:mESHDumP
まどかちゃんのママ、スッゴク素敵です。
パパもママも、まどかちゃんのこととても愛してるんでしょうね。
まどかちゃん、たまにはご両親の肩でも揉んで差し上げて下さいな♪
>夕食は出前の特上握り寿司。
>別盛りでつきだしや刺し盛りなども並んでいる。
それを出前って、どんだけ金持ちなん!
まどかさんはどうなったんだよ?
983 :
エウメニデス:
そんな事より別スレ立てないと^^;