日本のアニメDVDタイトルの現状に付いて。その2

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757凪の谷の名無しさん
>>607の続きの>>647の続きの>>680のまた続きです。

ところで、前記資料における、2000年の邦画カテゴリのトップ1は何だと思う
だろうか?モーニング娘。の「ピンチランナー」が6位。ガンダムが5位と4位。
「梟の城」が3位。「踊る大捜査線」が2位だ。これらを抑えて3万8千枚を売り、
1位になったのは、何を隠そう「さくや 妖怪伝」なのだ。

率直に言って、「さくや」の作品力はここまで上位に来るものではない。劇場公開時
の興行収入は2.6億円で、2000年邦画ランキングの27位に過ぎない。26位のさくら
劇場版「封印されたカード」は5.22億円と、倍以上の収益を挙げているのだ。
11.3億円の興行収入を挙げた「スペーストラベラーズ」が2万枚で、「さくや」がその
倍近く。つまり「さくや」の作品力と、(DVDとしての)商品力の間には、大きな
格差があるということになる。
それは、強力なキャンペーン(昨年11月の発売時に、店頭POPその他を見たことを
覚えている方も多いだろう)も多少はあるだろうが、なんと言っても「価格」に尽きる。
「さくや」は、繰り返し書いてきた、ワーナーの「ハリウッドプライス」のひとつで
あり、新作ながら2,000円という価格設定で発売されたのだ。

ここに、現在のアニメタイトルの高値安定に、風穴を空けるヒントがあるのでは
ないかと思う。端的に言えば、「『さくや』が4万枚なら『さくら』なら10万枚じゃ
ゴルァ!」と、メーカーサイドに思ってはもらえまいか、ということだ。
言い換えると、アニメと顧客層がかなり重なると思われる「さくや」のスマッシュ
ヒットが、アニメのブロックバスター商品への引き金にならないかということだ。