日本のアニメDVDタイトルの現状に付いて。その2

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647凪の谷の名無しさん
>>607のつづき

さてしかし、総合トップ1の「マトリックス」の売上枚数(推計)は、約35万枚。
2位の「シックス・センス」が14万枚だからダントツの枚数だ。
対して、「機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙」は2万3千枚に過ぎない。劇場版
3作と、「0083」のVol.1〜4は、まるで計ったように、ほぼこのゾーンに売上枚数が
集中している。洋画では「エンド・オブ・デイズ」「エントラップメント」「ボーン・
コレクター」あたりが同クラスの売上枚数で、タイトルを見ても分かるように、決して
洋画としての大ヒット作というわけではない。つまり、アニメで最も売れるタイトル
でも、洋画の二線級のタイトルに互する程度の顧客訴求力しかないということになる。
ましてや「ガンダム」は新作ではない。おそらく歴代全アニメ作品中でも屈指の固定客
を持つと思われるガンダムにして、この程度の市場しか形成し得ていないのだ。

であれば、アニメ市場そのものをニッチとして捉え、限られた「買ってくれる」層に
高価格の商品を供給するという戦略は間違っていない。薄利多売などハナから
あり得ないのなら、血を流してブロックバスター商品を出す意味がどこにあろうか。

もちろん、低価格商品の投入により、アニメDVD市場そのものが、底上げされ、
規模を拡大する可能性はある。しかし、メーカー側の見通しとしては、その広がり
方は、「2極化」と見ているようだ。
前記のバンダイビジュアル・上埜氏は言う。
「消費者の動向が二極化するならば、うちの戦略も二極化し、柔軟に需要に応えて
いきたい」
また、キングレコード(スターチャイルド)の森山氏は言う。
「“コアファン”の満足度を追求することと、“ライト層”の販売意欲を助長して
いくこと。これをどうバランスするかが課題」
この「廉価側の極」あるいは「ライト層」にあたるのが、ファミリー&キッズ系の
作品群であることは明らかだ。すなわち、コアな層、濃ゆい顧客に対しては、高価格
商品の供給を継続させつつ、プライスダウン戦略はもっぱらキッズアニメに向けて
行われる……というのが、メーカー側の描いている図なのだと思われる。

(もうひとつ続くかも)