日もすっかり沈み空には星がまばたきはじめた。
つばさ 「早く帰らないとお父さん心配するなぁ・・・」
近くのバス停に向かおうとした時小さな女の子が泣いているのが目に入った。
女の子 「えーーーーーーーん えーーーーーーーん おかあーーーーーーーーーさーーーーん」
見た目4歳くらいくらいの子だった。母親とはぐれたのだろうか。
つばさの目にはその姿が幼い頃の自分と重なるものを感じた。
つばさ 「どうしたの?迷子になっちゃったの?」
女の子 「ひっく・・・ひっく・・・・・」
つばさ 「お名前は?」
女の子 「ひっく・・・ひっく・・・・・・・・・・・・ひーたん・・・」
つばさ 「ひーちゃん?おいくつ?」
女の子 「4さい・・・」
つばさ 「困ったなぁ・・・この近くに交番あったかなぁ・・・」
女の子 「おかあさん・・・・・・・・どこお?」
つばさ 「・・・・・・・とりあえず交番を探さないと・・・・・・・・・」
つばさは通りすがりの人に尋ねて交番へ向かった。
662 :
ジンク・アースラ p2015-ip02funabasi.chiba.ocn.ne.jp:02/12/14 22:13 ID:1pio45OQ
警官 「じゃあ駅前のデバート近くで迷子になってたんだね。お嬢ちゃん、なにかお母さんから
電話番号とか聞いてないかな?」
女の子 「えっとね・・・・・・・・これ」
女の子はポケットをごそごそ探してなにかを取り出した。
警官 「おっ 迷子札か!助かった。どれどれ・・・よし、住所も携帯の電話番号もかいてあるな。
名前は・・・遠藤光ちゃんか。」
つばさ 「光ちゃん!?」
警官 「どうかしたのかい?」
つばさ 「いえ・・・・・・そっか。光ちゃんっていうんだ・・・。」
警官 「はい・・・・・・はい、わかりました。はい。では。よし、お母さんと連絡がついたよ。でもお母さん
今お仕事が忙しくてどうしてもあと30分くらい掛かるらしいんだ。」
つばさ 「30分くらいでしたらわたし一緒にいられますけど・・・」
光 「おねーちゃんいっしょにいてくれるの?」
つばさ 「うん。お母さんが迎えに来てくれるまでね。」
光 「わーーーーーーい!」
警官 「そうか、助かるよ。小さな子の面倒は苦手でね・・・」
警官は苦笑した。
続く
ジング乙〜
二日連続更新とはまた珍しい。
姉モードのつばさタンに萌えマスタ
あととりあえず
>>660の二行目をツッコんどく
ひーたんハァハァ
保守
たぶん あと1・2回で完結します。もちっと待ってて下され。
待ってるぞ
期待してまつ。
669 :
風の谷の名無しさん:02/12/23 22:33 ID:mGHJ4hdX
浮上
保守
>>656-662の続き
交番の壁の時計は7時前になっていた。つばさはハッとなって警官に電話を借りた。
つばさ 「すみません・・・ちょっとお電話借りていいですか?家に電話したいので・・・。」
警官 「そうだね。こんな時間ならお父さんも心配してるんじゃないか?」
つばさ 「・・・・・・・・・・あ、もしもし・・・あれ?DD?」
DD 「つばさか!?英夫さんからお前が帰らないと聞いて心配してたんだ!今どこだ!?
・・・・なに?・・・・・・・ああ、そうか。わかった。じゃこれから迎えに行く。そこで待っていろ。」
英夫 「つばさか!?ちょっと変わってくれ!つばさ!一体どこに行ってたんだ!!みんな心配
してたんだぞ!!・・・・・・・なに?そうか。ああ、わかった。ああ、じゃあ大輔君に迎えに行って
もらうから。」
警官 「お家の人と連絡はとれたかい?」
つばさ 「はい。これからお兄ちゃんが迎えに来てくれます。」
警官 「そうか。じゃここで待っていなさい。」
光 「おねえちゃん・・・おなかすいたぁ・・・」
つばさ 「ええっ?そうか・・・もうこんな時間だもんね。おまわりさん、わたし この子連れてちょっと
その辺まわってみます。」
警官 「そうかい。お母さんももうすぐ来るから遅くならないようにね。」
つばさ 「はい。」
つばさ 「えーーっと・・・光ちゃんなにが食べたい?」
光 「えっとね・・・えっとね・・・・・・・あーーーーー!あれがいいーーーーーっ」
つばさ 「どれ?」
光が指差した先には屋台のたこ焼き屋があった。
つばさ 「うん。あれならお金足りるかな・・・。」
食べに連れていくといったもののお小遣いが足りるか心配したがどうやら安く済みそうだった。
店主 「あいよっ 熱いから気をつけなっ。」
焼き立てのたこ焼きを受け取るとつばさはつまようじをつきさしふーっと息をかけさましたものを
光に手渡した。
つばさ 「はいっ あついからきをつけてね。」
光 「わーいっ ふーーーっ ふーーーーーーっ」
たこやきを美味しそうにほうばる光を見つめながらつばさは自分の心が久しぶりに穏やかに
なっていくのを感じていた。
警官 「おっ お帰り。そろそろお母さんが迎えに来る頃だね。」
交番に戻ったつばさが警官に言われて時計を見たらあれから20分くらい経っていた。
警官 「えっと つばさちゃんだったね?君の家はこの近くなのかい?」
つばさ 「いいえ・・・バスで30分近くかかります。」
警官 「じゃ学校帰りに買い物にきたのかい?」
つばさ 「はい・・・・・」
つばさの顔がなにげに曇ったのをみた警官はなにか事情がありそうだと察した。
警官 「まぁ家の人が迎えに来てくれるなら問題もないだろう。これからは遅くならないうちに
帰るようにしなさい。」
つばさ 「はい・・・・・」
警官 「まぁそのおかげでお手柄ものだったんだけどね ははは。・・・・・あれ?光ちゃんは?」
つばさ 「え?」
ハッとなったつばさが辺りを見まわすと光の姿は交番内にはなかった。
外に出てみると光がどこかに走っていこうとしていた。
つばさ 「光ちゃん!!」
つばさは駆け出して後を追った。
光 「おかーーーーーーーーーさーーーーーーーーん!」
母が恋しくなったのか光はいてもたってもいられなくなったのだろうか。
だが勢いあまった光は車道に飛び出してしまった!
つばさ 「光ちゃん!!!!!!!!」
つばさは全身に身の毛がよじれるような悪寒がはしった。
その時光めがけてトラックがせまってきた!!
つばさ 「ひかるちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!」
その時つばさの身に瞬間的に力が宿った。猛然と光にむかって駈けたつばさは
光に飛びかかり抱えこむとまさに間一髪でトラックとの激突を免れた。
つばさ 「はぁっはぁっはぁっはぁっ・・・・・・・・・・・・・・・」
早鐘のように鳴り響く心臓の音が全身に響き渡っていた。
つばさは息切れしながら光の顔を覗きこんだ。
つばさ 「光ちゃん大丈夫!?痛いところはない!?」
光 「ひくっひくっ・・・・・・おかあさーーーーーん・・・・・・・」
その時どこからか光の名前を呼ぶ声が聞こえた。
母親 「光ぅぅぅぅぅぅぅ!!大丈夫!?」
光 「おかあさーーーーーーーん!!!」
母親に気付いた光はパッと母の胸に飛び込んだ。
母親 「あなたが助けてくれたのね!?本当に有難うございます!!」
警官 「つばさちゃん!大丈夫か!?」
警官もあわてて駆けつけてきた。
つばさ 「はい・・・・・ちょっとひざをすりむいただけです。」
母親 「本当にごめんなさい・・・・・私がもっと早くに迎えに来ていれば・・・・・・・・」
つばさ 「いえ・・・・光ちゃん、お母さんが迎えに来てくれたよ。よかったね・・・・・」
光 「うん!」
警官 「光ちゃんのお母さんですか?この子が光ちゃんを交番に連れてきてくれた
椎名つばさちゃんです。」
母親 「まぁ・・・!本当に何から何までご迷惑をかけて・・・・・・・ほら、光!お姉ちゃんに
ありがとうってお礼言いなさい!」
光 「おねえちゃん!ありがとお!」
どうやら光に怪我はなかったようで光はニコニコ笑っていた。
つばさ 「うん。よかった・・・怪我がなくて・・・・・・・」
そして光は母親に手をひかれながら帰っていった。母親が何度もふりかえっては
おじぎをくりかえしていた。
つばさは去りゆく親子を穏やかな笑顔で見送った。
そして交番に戻ろうとしてなにげに通りにあるショーウインドウに目がむいた。
その瞬間つばさは全身が凍りついたように動けなくなった。
視線の先に信じられないものを見つけたのだ。
つばさ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヒカル・・・・・・・ちゃん・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
ショーウインドウの中にいたのはヒカルだったのだ!!
続く
676 :
ジンク・アースラ p5179-ip01funabasi.chiba.ocn.ne.jp:02/12/26 15:34 ID:nE3ZOLEN
いよいよ次回最終回です。ラスト一回 お付き合いのほどを・・・
英夫「みんな、大丈夫か!」
DD「ウーム」
健太「ウーブ」
つばさ「みんな・・その・・おトイレ・・」
点点「ウボゥ」
翔の母「もういちど翔とトイレに入りたかったわ・・」
ヒカル「DDへたくそ〜」
DD「黙れ!本星に居た頃の俺は便座拭きナンバーワンだったんだぞ!」
オルディナ「でもいまじゃ犬にも劣るじゃない」
点丸「へっへ」
つばさ「テンマルッ!まだ私が使っているから便座舐めちゃだめだよう!」
DD「くそっ」
マギュア「キシャー」
新さん「ははっ!見ろよ、奇妙な生物までわらっているぜ」
>>つばさ「はい。これからお兄ちゃんが迎えに来てくれます。」
DDをお兄ちゃんと言うつばさタン・・(;´Д`)
絶対狙ってたなジンク
あと一回か・・
あと一回といったものの二回分ありそうな罠・・・もうちっと待っててくだされ・・・コミケとキャプで暇なし・・・
ま、がんばれや
682 :
風の谷の名無しさん:03/01/01 23:21 ID:QApni8A6
age
保守
>>671-675の続き
人には人生の節々にその後に大きな影響を与える転機が訪れることがある。
何気ない一言や風景でもそこからインスピレーションを受ける人もいれば
友人との別れや肉親との死別、または運命的な出逢い・・・人それぞれの転機を
迎えそれを乗り越え人は自分の人生を歩んでいく。
椎名つばさもこの1年で多くの体験を重ねた。それは普通の人の数十年にも
匹敵するかそれ以上のものであった。
その小さな身体に背負わされた宿命はあまりにも重く凄惨なものであった。
しかし少女は生来の消極的な性格にも関わらず見事にそれらを乗り越えていった。
だがそれでも心の端に残る払いきれない想いが未だ少女の心に重くのしかかっていた。
だが時として思いがけないところから救済が訪れることもある。
そして今、椎名つばさにもその救済が訪れようとしていた。
学校の帰り道、何気に立ち寄った街角で幼子と出会い、そしてなりゆきからその
危機を救ったつばさ・・・。
街のショウウィンドウに映ったのものはつばさが喪った自分の半身の姿であった。
つばさ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・カル・・・・ゃん・・・・・」
時間にしてそれは十数秒程度のものであった。
しかしつばさにとってそれは思いもよらない再会であった。
窓ガラスに映ったもの・・・それはあくまでつばさであった。しかしその表情は
まぎれもなくヒカルそのものであった。これはどういう事なのか?
つばさはずっとヒカルに理想の自分の姿を追い求めていた。はじめはヒカルのように
なりたいと思っていたつばさであったが、やがてヒカルがいれば自分がそれになる必要は
ないと努力を怠るようになり、やがてヒカルの真意を知り前向きに生きはじめたつばさで
あったがそれでも結局はヒカルの顔色を伺ってばかりであった。
ヒカルを喪ったあともその面影を求めもっと肝心な・・・根本的なことを見失っていたのだ。
ヒカルは元々つばさの中から抜け出したもの・・・つばさの中に眠っていた可能性そのもの
であった。
そしてヒカルと過ごした日々の中でつばさ自身その可能性を少しずつ芽吹かせていった。
だがそれでもつばさはヒカルを意識しすぎて自分の中の力を信じきれなかった。
それが皮肉な事にヒカルを助けようとした瞬間・・・その時だけはつばさの頭からヒカルの事が
忘れ去られていた。
なにもかも忘れその一瞬だけはつばさは己の力だけで事を成したのだ。
MMを倒した時も同じだったがそれもつばさにしてみればヒカルがいたればこそだった。
そして今・・・つばさは本当に自分だけでなにかを成し遂げた。その瞬間、つばさはとうとう
成る事ができたのだ。
”わたしがなりたかったわたしに”
つばさはやっと気付いたのだ。この世に生を受けたその瞬間からヒカルはつばさと
共に在り、そしてこれからもずっと在りつづけるのだと。
永久に別れることの無い存在・・・・・決して引き離されることの無い存在・・・
ヒカルはまさに自分そのものだったのだとつばさはこの瞬間悟ったのだ。
誰にも頼らず自分独りの力でなにかを成し遂げ、その自信からあふれた微笑・・・
それこそがつばさが憧れつづけたヒカルの微笑みそのものであった。
つばさ 「・・・・・・・ヒカルちゃん・・・・・・・ずっとここにいたんだね・・・・・・・・・・・・」
警官 「お、おい つばさちゃん!大丈夫かい!?やっぱりどこか怪我でも・・・」
つばさ 「いえ・・・なんでもないです・・・」
涙をぬぐいながらつばさは返事をした。
警官 「今ごろになって震えがきたのかな・・・まだ小さいんだから無理も無いか・・・」
DD 「つばさ!」
ようやくDDが迎えにきた。
DD 「・・・・なにかあったんですか?」
警官 「お?つばさちゃんのお兄さんですか?いゃあ大変だったんですよ!それが・・・」
DD 「・・・・・そんなことが・・・・・」
つばさ 「DD・・・・・・」
つばさに呼ばれふとその顔を見たDDはハッとなった。
DD 「ヒカル・・・・・・・・・?」
ヒカルはつばさの映し身ゆえ同じ顔なのは当然だがそれでも他の者から
見分けがつくくらいふたりの表情には明かな違いがあった。
しかし今ののつばさの表情はそれを知る者も見紛うほど見分けがつかなかった。
警官 「・・・・・・DD?ヒカル??」
事情など知る由も無い警官はふたりの会話にかみ合わないものを感じた。
警官に見送られつばさはDDと共に帰路についた。そして家に着き
父やかけつけたオルディナたちの前で事のあらましを説明した。
オルディナ「やはりその子を助けたことがつばさにとってなんらかの影響を与えたと
考えるべきでしょうね。」
DD 「それにしても本当に驚いた・・・こんな事もあるんだな・・・」
つばさ 「みんな・・・・・本当に心配掛けてごめんなさい・・・・・でも、もう大丈夫だから。」
英夫 「ああ。・・・・・そういえば思い出したことがあるんだ。」
つばさ 「・・・?」
英夫 「つばさが産まれる時、お父さんとお母さん、二つ名前を考えていたんだ。」
つばさ 「え・・・?」
英夫 「ひとつは、つばさ。もうひとつは・・・ヒカル。お母さんと二人でどっちがいいか
最後まで悩んだっけ・・・。」
DD 「・・・・・・・・・・・・・。」
DDはあの日・・・つばさと出会った翌日、この家の台所でヒカルが自分の名前を名乗った
時のことを思い出した。
オルディナ「ヒカルはつばさの体内の遺伝情報からその事を知ったのかしら?」
つばさ 「そうだったんだ・・・・・・・。」
それぞれがそれぞれの思いにはせ夜はふけた。
つばさは一晩かけてヒカルの遺したノートに目を通した。
一旦は目をそらしたものでも今では心穏やかに受け入れることができた。
喜び、悲しみ、恐れ、驚き、切望・・・ノートに綴られたひとつひとつの思いを
つばさはすべて受けとめた。
そしてすべてを読み終えつばさは目を閉じ思いを巡らせた。
ヒカル 「だいすきだよ・・・・・・・つばさちゃん・・・・・・・・・・」
あの最期の瞬間・・・・・・あれこそが答えなのだとつばさは悟った。
翌日つばさは学校へ行った。そして心配して詰め寄ってきたクラスメイトたちに
苦笑しながら謝罪した。
飛鳥 「・・・・・・・ねぇ今のつばさちゃん・・・・・・・」
由美 「なんかヒカルちゃんみたいだったよね?」
典子 「今までつばさちゃんあんな笑い方しなかったのに・・・」
美奈 「・・・・・・・・案外ヒカルちゃんだったりして」
飛鳥 「やめてよ!ちょっと・・・・」
健太 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
体育の時間も元気にふるまう姿を見て先生もホッとした。
先生 「つばさちゃん・・・・・・・・・乗り越えたのね・・・・・ありがとう。わたしもいつまでも
落ちこんでられないわね。」
そして日は経ちつばさたちが東京に戻る日が近づいてきた。
つばさはDDに呼ばれ山小屋を訪れた。
DD 「これを・・・・・・・・。お前が持っていてくれ。」
DDが差し出したものはリベルスの核だった。
つばさ 「これ・・・わたしが持っていていいの?」
オルディナ「せめてそれくらいはあなたに残してあげたいもの。本星には戦闘で完全に
消失したと報告しておいたし。」
つばさは森の奥・・・あの樹の下にきた。
オルディナ「どうする気?」
ふたりが見守る中つばさは核を樹の根元に埋めた。
DD 「つばさ・・・・・・・」
つばさ 「わたしは大丈夫。ヒカルちゃんはわたしとずっと一緒だから。」
そしてもうひとつ・・・色違いの一組の手袋を添えた。
そしてついに別れの日・・・東京へ戻る日がきた。
いばらき牧場の一堂に見送られつばさたちは空港へ向かった。
そこには思いがけない人物が見送りに来ていた。
黒田 「やあ つばさちゃん。」
つばさ 「黒田さん!」
黒田 「ヒカルちゃんの葬式に立ち会えなくてすまなかったね。あれからデスクと
色々もめてね・・・誤魔化すのに大変だったよ。」
つばさ 「いえ・・・気にしないで下さい。」
DD 「つばさ・・・・・お前には本当に世話になった。ありがとう。」
オルディナ「これ・・・・・・・わたしたちからせめてもの思い出に・・・」
オルディナが差し出したものは一冊の本であった。
表紙には「Fairy Dance」と書かれている。
つばさ 「これって・・・・・」
開いてみるとそこにはつばさとヒカルの写真が載っていた。写真集だ。
DD 「戦いの記録の合間にこんな写真もあったんでな。一応カメラマンっていう
ふれこみだったからな。真似事で作ってみたんだ。ちなみにタイトルは
オルディナがつけたんだ。」
黒田 「へぇー。あんたにしちゃ洒落たタイトルだな。」
オルディナ「なによ!」
がらにもなくオルディナはてれているようだ。
つばさ 「ありがとう・・・・・・・」
つばさは本をぎゅっと抱きしめると涙混じりに礼を言った。
DD 「・・・・・しっかりな。」
オルディナ「つばさ・・・・・あなたがこの星を救ったのよ。これから先色んな大変な事が
あると思うけどきっとあなたなら乗り越えられるわ。頑張ってね。」
黒田 「俺もつばさちゃんを見習ってやりなおしだ。記者を辞めて古巣の研究室に
戻ることにしたよ。一から出なおしたくなったんだ。」
つばさ 「そうですか・・・頑張ってくださいね。」
英夫 「君たちも元気でな。」
DD 「お世話になりました。お元気で。」
飛鳥 「つばさちゃーーーーーーーーーん!」
飛鳥に続いてクラスメイトたちが駆け寄ってきた。
つばさ 「みんな!」
飛鳥 「お別れ会はやったけどやっぱり最後の挨拶がしたくて・・・。」
美奈 「あたしは空港に来てみたかっただけだもんっ。」
典子 「美奈ったら。」
真司 「ほら健太。なにムスっとしてんだよせっかくいいことあったんだろ?」
つばさ 「いいこと?」
真司 「こいつの親父さんやっと退院できる事になったんだよ。」
つばさ 「そうなんだ・・・おめでとう。」
健太 「ああ・・・・・・・。」
つばさがふと横を見るとDDたちの姿はすでになかった。
そして飛行機が発つ時間がきた。
クラスメイトたちは見送りの展望台から飛び立つ飛行機に手を振った。
飛鳥 「つばさちゃーーーーーん 元気でねーーーーーーーーー」
真司 「またこいよーーーーーーーーーーーーーっ」
健太 「・・・・・・・・・・・じゃあな。」
美奈 「萩原君 寂しいんでしょ つばさちゃんがいなくなって。」
健太 「お・・・・俺は!」
飛鳥はふたりのやりとりを微笑みながら見守っていた。飛鳥も健太の気持ちに
うすうす気付いてはいたのだ。
空港の外でDDたちも飛行機を見送った。
黒田 「さて・・・俺も失礼するか。なんかあったら連絡くれ。力になるよ。」
DD 「ありがとう。色々迷惑かけたな。お前も頑張ってくれ。」
黒田 「ああ。あんたもな。お互い若いんだからしかめっ面ばかりの毎日じゃ勿体無いぜ。」
オルディナ「よけいなお世話よ。」
それでもフッと笑いながらオルディナは返した。
DDとオルディナ、黒田の車は反対方向へ走り去っていった。
彼らにもそれぞれの転機が訪れようとしていた。
そしてすでに雲の上にある旅客機・・・東京に向け飛ぶ機体の中に椎名親子の姿があった。
窓に映る雲の下に数々の思い出ができた北海道が広がる。
つばさ 「るるる るるるる るーるる・・・るるる るるるる るーるる・・・るるるーるる・・
るるるーるる・・・るるるーるる・・・るーるー・・・♪」
英夫 「その唄は・・・」
つばさ 「前に恐くて寝れなかった時ヒカルちゃんが歌ってくれたの・・・」
英夫 「その唄・・・お母さんが大きくなったお腹をさすりながらよく歌っていたんだ・・・」
つばさ 「え・・・?」
英夫 「早く元気な子が生まれてきますようにってな・・・・・・・・」
つばさ 「そうなんだ・・・・・・・・・・お父さん、わたし北海道で暮らせて本当によかった・・・」
英夫 「そうか・・・。」
つばさ 「うん・・・。」
再び窓に目をやるともう眼窩には海しか見えなかった。
これから先どのような苦難が少女を待ち構えているかそれは誰にもわからない。
だが少女はきっとそれを乗り越えるだろう。彼女は本当の自分を見つけたのだから。
そして冬が過ぎ春が訪れた。北海道の森の奥・・・つばさが手袋を残した樹の根元から
小さな芽が芽吹いていた。
696 :
ジンク・アースラ p0880-ip01funabasi.chiba.ocn.ne.jp:03/01/06 22:28 ID:FwoApbPJ
ED 「Fairy Dance〜
蒼く月は輝いて妖精たちが踊りだす
遠い昔の伝説のよう 物語は始まるのさ
時の翼にのって 新しい未来生まれる
口付け交わしたその時不思議な世界に包まれた
どうして気付かなかったの?こんなに近くにいたのに
この世にたった二人だけ約束された出会いなのさ
夜空を渡る星でさえ明日は見えない
だけど君の瞳に溢れる涙は信じたい
fairydance 手を取り合っていつまでも心ゆれあって
どんな時も君のそばにいるさ 自由な夜に誓おう
永久に夢見つづけてる この愛は言葉にはできない
=====フィギュア17 永遠のFairy Dance 完========
697 :
おお やりましたなぁ:03/01/06 23:12 ID:Zn3daD9r
。
例の「ルルル・・」にこんな設定を付けるとは・・(ノД`)
ジンクグッジョブ
貴殿の書くSSはキャラクターの気持ちをよく理解してて中々面白かったよ。
>ジンク氏のSS
ようやく完結ですな。
私の感想は「お見事」の一語につきます。
最終話の補完としても、SSとしても面白く、毎回目が離せませんでした。
かく言う私も(ジャンルこそ違いますが)F17の二次創作をしてたりします。
そういう意味でもいい刺激になりますた。
ただ、漏れのほうのネタは感動とは程遠いのが何とも・゚・(ノД`)・゚・
ジンクさん乙彼。
SSで黒田に活躍の場を与えてくれてありがとう(w
長い間お付き合い頂き誠に有難うございました。
ふりかえってみると書き漏らした場面があったり表現がおかしかったり
誤字ばっかりと(´・ω・`)ショボーンな出来ですがそれなりに楽しんでいただけたようで
なによりです。
今後は(;´Д`)ハァハァネタにも挑戦したいと思っています(笑)
ではまたいずれ・・・
さて・・このスレどうしよう
どうしよっか?
他のSS、どれも途中で止ってるんだけど、続き書いて欲しいな
705 :
風の谷の名無しさん:03/01/11 08:12 ID:6D+h9wrC
定期あげ
, ─ヽ
________ /,/\ヾ\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|__|__|__|_ __((´-`\ )< というお話だったのサ
|_|__|__|__ /ノへゝ/''' )ヽ \_________
||__| | | \´-`) / 丿/
|_|_| 从.从从 | \__ ̄ ̄⊂|丿/
|__|| 从人人从. | /\__/::::::|||
|_|_|///ヽヾ\ / ::::::::::::ゝ/||
────────(~〜ヽ::::::::::::|/ =完=
即興ネタアドベンチャーゲーム フィギュア17
ここは北海道 萌野町。あなたはこの町に越してきた小学4年生の椎名つばさちゃんです。
あなたはある晩 おうちの窓からUFOを見付けました。
犬のてんまるが吠えて森の中に走っていきました。さて どうしますか?
A 後を追う
B お父さんを起す
C 何も見なかった事にする
D お風呂に入る
とりあえずA
E 美奈たんを呼びに逝く